(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】モジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン及びそのデータセンター
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0007 20190101AFI20240829BHJP
F24F 1/0067 20190101ALI20240829BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20240829BHJP
A62C 3/00 20060101ALI20240829BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
F24F1/0007 331
F24F1/0067
F24F5/00 Z
A62C3/00 H
H05K7/20 Q
H05K7/20 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515358
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2022128153
(87)【国際公開番号】W WO2023226299
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202210586820.8
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524087116
【氏名又は名称】ベイジン チンコールン エンジニアリング デザイン アンド リサーチ インスティチュート カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チアンクオ
(72)【発明者】
【氏名】リー、シアオロン
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ウェイポー
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チーロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュアンチアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シーモウ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、チェンチュン
(72)【発明者】
【氏名】カン、チアンホイ
【テーマコード(参考)】
3L050
3L051
3L054
5E322
【Fターム(参考)】
3L050BB04
3L051BE04
3L054BE10
5E322BA05
5E322BB08
5E322DB06
5E322DB12
5E322FA01
(57)【要約】
本発明はモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン及びそのデータセンターに関わっている。本発明のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンは筐体及びエアコンシステムを含み、エアコンシステムは熱交換器、霧化水装置、空気循環側ファン及び霧気側ファンを含み、熱交換器は両側双方向多列マイクロチャネルを備え、霧化水装置と圧力調節装置とは協働して霧気を形成し、霧気側ファンは負圧を形成して、熱交換器内において霧気がC-D方向に沿って負圧で蒸発して吸熱して冷却を行って、空気循環側ファンは、冷却対象となる空間中の空気をA-B方向に沿って熱交換器のマイクロチャネル内に吸入し、空気は、マイクロチャネル内で熱交換を完成した後、冷却対象となる空間に排出される。その有益な効果は以下の通り、冷媒として水霧気を使用し、わずかな負圧で蒸発して冷却でき、当該冷却装置は圧縮機によって冷媒を循環させるように駆動する必要がなく、機器の複雑さを大幅に低減して、構造が簡単であり、エネルギー消費が低く、コストが安く、冷却効率が高く、製造コスト及び運転コストを削減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体及びエアコンシステムを含むモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンであって、前記エアコンシステムは熱交換器、霧化水装置、空気循環側ファン及び霧気側ファンを含み、前記熱交換器はA-B方向及びC-D方向に沿う両側双方向多列マイクロチャネルを備え、前記霧気側ファンは前記筐体の外部に設けられ、前記霧化水装置は、前記熱交換器の一側に設けられており、圧力調節装置を含み、前記霧化水装置と前記圧力調節装置とは協働して霧気を形成し、前記霧気側ファンは負圧を形成して、熱交換器内において霧気がC-D方向に沿って負圧で蒸発して吸熱して冷却を行っており、前記空気循環側ファンは、冷却対象となる空間中の空気をA-B方向に沿って熱交換器のマイクロチャネル内に吸入し、空気は、マイクロチャネル内で熱交換を完成した後、冷却対象となる空間に排出されることを特徴とするモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン。
【請求項2】
前記熱交換器は、仕切壁式熱交換器、又はシェルアンドチューブ式熱交換器であることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン。
【請求項3】
前記霧化水装置のキャビティ内の圧力は周囲大気圧よりも20Pa以上低いことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン。
【請求項4】
前記圧力調節装置は電動エアバルブ及び負圧センサーであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン。
【請求項5】
前記霧化水装置は高圧ポンプ霧化装置、
又は圧縮空気式霧化装置、
或いは超音波霧化装置であることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン。
【請求項6】
霧化水装置に給水する管路には軟水装置が設けられることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン。
【請求項7】
サーバーを収容するための空間が設けられており、相互の間がエアダクトによって接続されるモジュール式コンテナと、エアコンとを含むモジュール式コンテナ型データセンターであって、前記エアコンは請求項1~6の何れか1項に記載のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンであることを特徴とするモジュール式コンテナ型データセンター。
【請求項8】
前記エアコンは第1熱交換器及び第2熱交換器を含み、第1熱交換器及び第2熱交換器はそれぞれ第1霧化水装置及び第2霧化水装置によってモジュール式コンテナの天井部に固定され、筐体外に設けられる霧気側ファンはエアダクトによって霧気を吸出し、熱交換器の底部に設けられる空気循環側ファンはモジュール式コンテナ内の空気を熱交換器のマイクロチャネル内に吸入して熱交換を行うことを特徴とする請求項7に記載のモジュール式コンテナ型データセンター。
【請求項9】
前記データセンターはN個のモジュール式コンテナを含み、N個のモジュール式コンテナ内の霧化水装置は給水管路によって給水され、熱交換器の霧気排出側はエアダクトによって筐体外の霧気側ファンに接続されることを特徴とする請求項7に記載のモジュール式コンテナ型データセンター。
【請求項10】
前記データセンターは液体噴射二酸化炭素ガス消防システムを含み、液体噴射二酸化炭素ガス消防システムは液体二酸化炭素を貯蔵する液体貯蔵器、及び液体二酸化炭素消防管路を含み、液体二酸化炭素消防管路は各モジュール式コンテナに接続され、
天井部ファンの吹き出し口には廃熱を回収するためのT形管が設けられることを特徴とする請求項7に記載のモジュール式コンテナ型データセンター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータセンターエアコンの分野に関わり、特にモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン及びそのデータセンターに関わっている。
【背景技術】
【0002】
データセンターは通信及び情報技術分野において、サーバーを収容するコンピュータルームである。現代コンピューター及びインターネット技術の迅速な発展に伴って、あらゆる分野においてデータセンターは重要な作用を発揮する。データセンターは複雑な内部構造を有し、サーバー及びネットワーク機器などからなる情報システムは、電気エネルギーを消費することでコンピューティングタスクを完成して熱エネルギーを生成する。コンピュータルーム内のサーバーなどの機器の放熱及び冷却は大量の電気エネルギーを消費する。エネルギー消費問題のため、グリーンデータセンターの概念が派生する。高エネルギー消費の問題はデータセンターの環境にやさしく、持続可能な開発のボトルネックになった。エアコンシステムのエネルギー消費はデータセンターの総エネルギー消費の大部分を占め、エアコンシステムのエネルギー消費の低減は、データセンターが電気エネルギーの使用効率を向上するための主な省エネルギー部分になる。
【0003】
現在、データセンターに適用されるエアコンシステムは一般的に、蒸気圧縮式冷却方式を採用し、圧縮機によって冷媒を循環させ、冷却装置は主に圧縮機、凝縮器、スロットル装置、蒸発器などから構成され、冷却する時、圧縮機は冷媒を蒸発器から抽出して、圧縮した後、凝縮器に送って冷却して凝縮させ、凝縮器によって発した熱を空気に排出し、冷媒も気体から液体に変わる。そして、冷媒は凝縮器においてスロットル装置によって絞られた後、その圧力が急激に低減し、蒸発器を流れたとたん、液体冷媒は気体になり、蒸発器によって空気中の大量の熱を吸収する。このように、圧縮機が継続的に動作すると、継続的に蒸発器の一端の熱を冷媒に吸収してから、凝縮器に送って空気に発させ、この際、冷媒は室内で吸熱して、室外で放熱し、このように循環すれば、室内温度が低下する。このような方式による冷却は、エネルギー消費が高いという欠陥が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の研究動機は、構造が簡単であり、エネルギー消費が低く、コストが安く、冷却効率が高いモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコン及びそのデータセンターを提供することにある。
【0005】
本発明は、従来技術の欠陥を克服するために、構造が簡単であり、エネルギー消費が低く、コストが安く、冷却効率が高いモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンを提供することを目的とする。本発明は、据付面積が小さく、配置しやすく、外部の温湿度による影響を除去して、運転が安全且つ確実である、水霧気冷媒エアコンによるデータセンターを提供することを、他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供するモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンの技術案は以下の通り、
筐体及びエアコンシステムを含むモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンであって、エアコンシステムは熱交換器、霧化水装置、空気循環側ファン及び霧気側ファンを含み、熱交換器はA-B方向及びC-D方向に沿う両側双方向多列マイクロチャネルを備え、霧気側ファンは筐体の外部に設けられ、霧化水装置は、熱交換器の一側に設けられており、圧力調節装置を含み、霧化水装置と圧力調節装置とは協働して霧気を形成し、霧気側ファンは負圧を形成して、熱交換器内において霧気がC-D方向に沿って負圧で蒸発して吸熱して冷却を行っており、空気循環側ファンは、冷却対象となる空間中の空気をA-B方向に沿って熱交換器のマイクロチャネル内に吸入し、マイクロチャネル内で熱交換を完成した後、空気は冷却対象となる空間に排出される。
【0007】
具体的に、熱交換器は、仕切壁式熱交換器、又はシェルアンドチューブ式熱交換器である。
【0008】
具体的に、霧化水装置キャビティ内の圧力は周囲大気圧よりも20Pa以上低い。
【0009】
具体的に、圧力調節装置は電動エアバルブ及び負圧センサーである。
【0010】
具体的に、霧化水装置は高圧ポンプ霧化装置、
又は圧縮空気式霧化装置、
或いは、超音波霧化装置である。
【0011】
具体的に、霧化水装置に給水する管路には軟水装置が設けられる。
【0012】
サーバーを収容するための空間が設けられており、相互の間がエアダクトによって接続されるモジュール式コンテナと、エアコンとを含むモジュール式コンテナ型データセンターであって、エアコンは上記のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンである。
【0013】
具体的に、エアコンは第1熱交換器及び第2熱交換器を含み、第1熱交換器及び第2熱交換器はそれぞれ第1霧化水装置及び第2霧化水装置によってモジュール式コンテナの天井部に固定され、筐体外に設けられる霧気側ファンはエアダクトによって霧気を吸出し、熱交換器の底部に設けられる空気循環側ファンはモジュール式コンテナ内の空気を熱交換器のマイクロチャネル内に吸入して熱交換を行う。
【0014】
具体的に、データセンターはN個のモジュール式コンテナを含み、N個のモジュール式コンテナ内の霧化水装置は給水管路によって給水され、霧化水装置の他側はエアダクトによって筐体外の霧気側ファンに接続され、
データセンターの表面には何れも保温板が設けられる。
【0015】
具体的に、データセンターは液体噴射二酸化炭素ガス消防システムを含み、液体噴射二酸化炭素ガス消防システムは、液体二酸化炭素を貯蔵する液体貯蔵器及び液体二酸化炭素消防管路を含み、液体二酸化炭素消防管路は各モジュール式コンテナに接続され、
天井部ファンの吹き出し口には廃熱を回収するためのT形管が設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施は以下の技術効果を含み、
本発明のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンにおいて、水霧気冷媒は、わずかな負圧で水及び空気から形成された混合ガスであり、負圧霧気側で、霧化水装置から生じた霧化した微小水滴は、霧気側ファンと圧力調節装置との協働によって、霧気を形成し、熱交換器のマイクロチャネルを通過する過程で、圧力が周囲大気圧よりも20Pa以上低いわずかな負圧環境で非沸騰的に蒸発して冷却し、具体的に、放射又は伝導によって各微小水滴は熱を継続的に吸収し、負圧及び放射という二重作用で微小水滴の表面水分子は微小水滴の内部の作用力を離脱して逃げやすく、負圧で蒸発して吸熱し、又は霧化した大きな水滴はさらに微小水滴に分裂して吸熱することで、熱空気を降温させ、空気循環側で、空気循環側ファンは冷却対象となる空間中の空気を熱交換器の空気側マイクロチャネルに吸入して、空気側マイクロチャネル内で熱交換を完成し、マイクロチャネルの他側から冷却対象となる空間に排出し、降温を実現する。
【0017】
本発明の水霧気冷媒エアコンは、構造が簡単であり、エネルギー消費が低く、コストが安く、冷却効率が高く、室外の温湿度の、室内に対する影響を回避できる。本発明において、冷媒として水を使用し、水を霧化させて空気と混合することで霧気を形成し、わずかな負圧で蒸発して冷却でき、当該冷却装置は圧縮機によって冷媒を循環させるように駆動する(蒸気圧縮式循環冷却)必要がなく、データセンターのPUE(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)値が1.05まで低くなる。機器の複雑さを大幅に低減して、製造コスト及び運転コストを削減する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンの正面構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンの側面構造模式図である。
【
図3】本熱交換器と霧化水装置との接続構造の模式図である。
【
図5】本発明の実施例のモジュール式コンテナ型データセンターの正面構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例のモジュール式コンテナ型データセンターの側面構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例のモジュール式コンテナ型データセンターの局所立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例及び図面を結合して本発明を詳しく説明し、ここで、記載される実施例はなんの限定作用を具備せず、単に本発明を理解するために用いられる。
【0020】
図1~
図4に示すように、本実施例が提供するモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンは筐体1及びエアコンシステムを含み、エアコンシステムは熱交換器4、霧化水装置5、空気循環側ファン2及び霧気側ファン3を含み、熱交換器4はA-B方向及びC-D方向に沿う両側双方向多列マイクロチャネルを備え、霧気側ファン3は筐体1の外部に設けられ、霧化水装置5は熱交換器4の一側に設けられており、圧力調節装置6を含み、霧化水装置5と圧力調節装置6とは協働して霧気を形成し、霧気側ファン3は負圧を形成することで、熱交換器4内において霧気がC-D方向に沿って負圧で蒸発して吸熱して冷却を行って、空気循環側ファン2はA-B方向に沿って冷却対象となる空間中の空気を熱交換器4のマイクロチャネル内に吸入し、マイクロチャネル内で熱交換を完成した後、空気は冷却対象となる空間に排出される。本実施例においてC-D方向及びA-B方向として記載され、異なる側面に分布され、各側は多列マイクロチャネルを備え、C-D方向及びA-B方向は単に解決策を容易に記載するために用いられ、霧気方向、空気方向は直線、斜線又は曲線であってもよい。本発明のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンにおいて、水霧気冷媒はわずかな負圧で水及び空気から形成される混合ガスであり、負圧霧気側で、霧化水装置5から生じた霧化した微小水滴は、霧気側ファン3と圧力調節装置6との協働によって霧気を形成し、熱交換器4のマイクロチャネルを通過する過程で、圧力が周囲大気圧よりも20Pa以上低いわずかな負圧環境で非沸騰的に蒸発して冷却し、具体的に、放射又は伝導によって各微小水滴は熱を継続的に吸収し、負圧及び放射という二重作用で微小水滴の表面水分子は微小水滴の内部の作用力を離脱して逃げやすく、負圧で蒸発して吸熱し、又は霧化した大きな水滴はさらに微小水滴に分裂して吸熱することで、熱空気を降温させ、空気循環側で、空気循環側ファン2は冷却対象となる空間中の空気を熱交換器4の空気側マイクロチャネルに吸入し、空気側マイクロチャネル内で熱交換を完成し、マイクロチャネルの他側から冷却対象となる空間に排出し、降温を実現する。
【0021】
具体的に、熱交換器4は仕切壁式熱交換器、又はシェルアンドチューブ式熱交換器である。熱交換器4は、横方向と縦方向とが交差するマイクロチャネルを備え、横方向マイクロチャネルと縦方向マイクロチャネルとはフィンによって仕切られ、相互の間は霧などの物質を交換していなく、単にエネルギーを交換するので、室外の温湿度の、室内に対する影響を回避できる。霧化水装置5のキャビティ内の圧力が周囲大気圧よりも20Pa以上低い。圧力調節装置6は電動エアバルブ及び負圧センサーであり、霧気側ファン3と協働して所定の負圧を形成する。エアコンシステムが動作すると、少量の室外空気は電動エアバルブを介して霧化水装置5のキャビティ内に入って、これによって、キャビティ内の霧化水が霧気を形成し、流動を加速させ、霧化水を蒸発させ、霧化した大きな水滴がさらに微小水滴に分裂するように促し、蒸発又は水滴の分解は何れも熱を吸収する。
【0022】
1つの例示として、霧化水装置5は高圧ポンプ霧化装置であり、高圧水ポンプから生じた高圧水はノズルで霧化する。他の例示として、又は、霧化水装置5は超音波霧化装置であり、超音波霧化装置は超音波霧化シートを含み、超音波霧化シートは超音波と協働して水を霧化させる。第3の例示として、霧化水装置5は圧縮空気型霧化装置であり、噴射ヘッドの水と空気とが混合した後、水霧気を噴射室に噴射する。噴射ヘッドはエアコンプレッサー接続口によってエアコンプレッサーに接続され、給水口によって貯水装置に接続され、エアコンプレッサーから生じた高圧ガスの作用で水は霧化する。霧化水装置5に給水する管路には軟水装置が設けられ、水が軟化した後、スケールを回避できる。さらに、霧化水装置5は給水配管を含み、給水配管は水タンク又は水道管に連通して、閉鎖ハウジング内に持続的に給水し、給水配管は単一の直線状管路であってもよいし、2本又は複数本の管路が併設されてもよいし、又は単一の管路により円盤状に取り巻かれるように配置されてもよい。閉鎖ハウジング内に点在される複数の霧化水装置5が設けられる。
【0023】
図5及び
図6に示すように、本実施例が提供するモジュール式コンテナ型データセンターは、モジュール式コンテナ及びエアコンを含み、モジュール式コンテナ内にはサーバーを収容するための空間が設けられ、モジュール式コンテナの間はエアダクトによって接続され、エアコンは上記のモジュール式データセンター水霧気冷媒エアコンである。エアダクトとエアコンシステムとは完全な負圧蒸発冷却システムを形成する。本発明のデータセンターは空間の利用率を大幅に向上して、建設コストを節約して、建設速度を速めて、建設の標準化、集約化を実現する。
【0024】
図1、
図2、
図5及び
図6に示すように、エアコンは第1熱交換器及び第2熱交換器を含み、第1熱交換器及び第2熱交換器はそれぞれ第1霧化水装置及び第2霧化水装置によってモジュール式コンテナの天井部に固定され、筐体1外に設けられる霧気側ファン3はエアダクト7によって霧気を吸出し、熱交換器4の底部に設けられる空気循環側ファン2はモジュール式コンテナ内の空気を熱交換器4のマイクロチャネル内に吸入して熱交換を行う。
図5及び
図6に示すように、データセンターはN個のモジュール式コンテナを含み、各コンテナ内には何れも熱交換器4が設けられ、N個のモジュール式コンテナ内の霧化水装置5は給水管路によって給水され、熱交換器4の霧気排出側はエアダクト7によって筐体1外の霧気側ファン3に接続され、
図7に示すように、エアダクト7は横方向エアダクト及び縦方向エアダクトを含み、直列接続又は並列接続関係を形成する。データセンターの表面には何れも保温板が設けられることで、外部熱源及び不純物による影響を回避し、サーバーの熱発生に基づいて相応的な冷却量を算出し、温度制御が正確であり、天井部ファンの吹き出し口には廃熱を回収するためのT形管が設けられる。モジュール式コンテナ内には、コンテナ内の温度を検出して、冷却量を制御する温度センサーが設けられる。
【0025】
好ましくは、データセンターは液体噴射二酸化炭素ガス消防システムを含み、液体噴射二酸化炭素ガス消防システムは、液体二酸化炭素を貯蔵する液体貯蔵器、及び液体二酸化炭素消防管路(図示せず)を含み、液体二酸化炭素消防管路は各モジュール式コンテナに接続される。液体二酸化炭素液体貯蔵器は凍土層の下に設けられる。液体二酸化炭素は消防・消火に用いられ、物品に二次被害を与えていなく、天然の優勢を備え、同一体積を有する貯蔵タンクであれば、気体の貯蔵量よりも液体の貯蔵量が遥かに多く、消火面積がより大きい。
【0026】
本発明の水霧気冷媒エアコンは、構造が簡単であり、エネルギー消費が低く、コストが安く、冷却効率が高く、室外の温湿度の、室内に対する影響を回避できる。本発明において、冷媒として水を使用し、水を霧化させて空気と混合することで霧気を形成し、わずかな負圧で蒸発して冷却でき、当該冷却装置は圧縮機によって冷媒を循環させるように駆動する(蒸気圧縮式循環冷却)必要がなく、データセンターのPUE(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)値が1.05まで低くなる。機器の複雑さを大幅に低減して、製造コスト及び運転コストを削減する。
【0027】
最後、以上の実施例は本発明の保護範囲を限定していなく、単に本発明の技術案を説明するためのものであり、好適な実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、本発明の技術案の実質及び範囲から逸脱しないことを前提として、本発明の技術案に対して補正又は等価置換を行うことができる。
【符号の説明】
【0028】
1 ・・・筐体;
2 ・・・空気循環側ファン;
3 ・・・霧気側ファン;
4 ・・・熱交換器;
5 ・・・霧化水装置;
6 ・・・圧力調節装置;
7 ・・・エアダクト。
【国際調査報告】