(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】横回転位置決め機構及びチャイルドキャリア
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20240829BHJP
B60N 2/14 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B60N2/28
B60N2/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515520
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2022075181
(87)【国際公開番号】W WO2023036964
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111065556.5
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ダリアン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA07
3B087BB11
3B087BC20
3B087CE07
(57)【要約】
本開示に開示される横回転位置決め機構は、ベースと前記ベースが回転可能に設けられる本体との間に設けられた横回転位置決め機構であって、係合ピンと、係合凹部とを含み、前記係合ピンは、前記本体に伸縮可能に設けられ、前記係合凹部は、前記ベースの底面に設けられ、前記ベースの横方向の少なくとも一方側に位置し、前記ベースが前記本体に対して横方向に回転する場合、前記係合ピンが前記係合凹部に挿入されてベースの回転を制限する。本開示においてキャリアを位置決めするために横方向に回転可能な横回転位置決め機構は、構造が簡単であり、チャイルドキャリアの使用利便性及び安全性を向上させることができるという利点を有する。さらに、本開示は、チャイルドキャリアも開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと前記ベースが回転可能に設けられる本体との間に設けられた横回転位置決め機構であって、
前記横回転位置決め機構は、係合ピンと、係合凹部とを含み、前記係合ピンは、前記本体に伸縮可能に設けられ、前記係合凹部は、前記ベースの底面に設けられ、前記ベースの横方向の少なくとも一方側に位置し、前記ベースが前記本体に対して横方向に回転する場合、前記係合ピンが前記係合凹部に挿入されることを特徴とする横回転位置決め機構。
【請求項2】
前記本体と前記係合ピンの間に設けられた弾性回復要素をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の横回転位置決め機構。
【請求項3】
前記ベースの前記底面には、前記ベースと同軸の環状ガイド溝が設けられ、前記係合凹部は、前記環状ガイド溝内に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の横回転位置決め機構。
【請求項4】
前記横回転位置決め機構は、さらに、前記ベースの前記底面に設けられた位置決めブロックを含み、位置決めブロックは、前記係合凹部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の横回転位置決め機構。
【請求項5】
前記位置決めブロックの両端に取付部が設けられ、前記取付部は、前記ベースの前記底面に接続されている
ことを特徴とする請求項4に記載の横回転位置決め機構。
【請求項6】
前記ベースの前記底面に取付溝が設けられ、前記取付部は、前記取付溝内に埋設されている
ことを特徴とする請求項5に記載の横回転位置決め機構。
【請求項7】
前記取付部と前記ベースとは、ねじ接続、ボルト接続、スナップ接続、接着又は溶接の方式で接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の横回転位置決め機構。
【請求項8】
前記位置決めブロックは、耐摩耗性材料からなる耐摩耗性位置決めブロックである
ことを特徴とする請求項4に記載の横回転位置決め機構。
【請求項9】
ガイドスロープは、前記係合凹部の両側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の横回転位置決め機構。
【請求項10】
キャリア本体と、ベースと、本体と、請求項1~8のいずれか1項に記載の前記横回転位置決め機構とを含むチャイルドキャリアであって、
前記キャリア本体は、前記ベースに設けられ、前記ベースは、前記本体にその中心軸回りに回転可能に設けられている
ことを特徴とするチャイルドキャリア。
【請求項11】
前記ベースの前記底面にロック孔が設けられ、前記ロック孔は、前記ベースの前方側又は後方側に位置し、前記ベースが前記本体に対して後方向又は前方向に回転させると、前記係合ピンが前記ロック孔に挿入される
ことを特徴とする請求項10に記載のチャイルドキャリア。
【請求項12】
前記ベースには、前記係合ピンが前記ロック孔から外れるためのロック解除機構が設けられている
ことを特徴とする請求項11に記載のチャイルドキャリア。
【請求項13】
前記ロック解除機構は、前記ベースにスライド可能に設けられたスライダーを含む
ことを特徴とする請求項12に記載のチャイルドキャリア。
【請求項14】
前記ロック解除機構は、さらに、駆動要素を含み、前記駆動要素の中間部は、前記ベースに回動可能に接続され、前記駆動要素の一端は、前記スライダーに接続されている
ことを特徴とする請求項13に記載のチャイルドキャリア。
【請求項15】
前記ロック解除機構は、さらに、前記ベースと前記スライダーの間に設けられた弾性要素を含む
ことを特徴とする請求項13に記載のチャイルドキャリア。
【請求項16】
前記ロック解除機構は、さらに、操作要素を含み、前記操作要素は、前記ベースの側部に設けられ、前記駆動要素の他端に接続されている
ことを特徴とする請求項14に記載のチャイルドキャリア。
【請求項17】
前記ロック解除機構は、さらに、前記ベースと前記操作要素の間に設けられた回復要素を含む
ことを特徴とする請求項16に記載のチャイルドキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャイルドキャリアに関し、特に、位置決めのために横方向へ回転可能な横回転位置決め機構及びそれを有するチャイルドキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場において前後方向に回転可能なチャイルドシートは、一般的に前方向又は後方向に回転させることができる。このキャリアが前方又は後方に回転させる状態にある場合、ロック機構によりシートがロックされ、子供は前方又は後方を向いて座ることができる。子供が車から降りたり、車から降ろされたりするとき、子供は車のドアと向かい合うことになる。しかし、ほとんどのチャイルドシートには、横方向に回転させたときの一時的な位置決め機能がない。そのため、降車時にシートが揺れたり回転したりしやすい。そのため、子どもの乗り降りに悪影響を及ぼし、乗り降りが不便で、転倒しやすく、安全性に問題がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の目的は、キャリアが横方向に回転されたときにキャリアを位置決めすることが可能であり、構造が簡単であり、チャイルドキャリアの使用の利便性及び安全性を向上させることができる横回転位置決め機構を提供することである。
【0004】
本開示の他の目的は、キャリアを横方向に回転させたときに位置決めすることができ、便利で安全に使用することができるチャイルドキャリアを提供することである。
【0005】
上記目的を達成するために、本開示が提供する横回転位置決め機構は、ベースと前記ベースが回転可能に設けられる本体との間に設けられた横回転位置決め機構であって、前記横回転位置決め機構は、係合ピンと、係合凹部とを含み、前記係合ピンは、前記本体に伸縮可能に設けられ、前記係合凹部は、前記ベースの底面に設けられ、前記ベースの横方向の少なくとも一方側に位置し、前記ベースが前記本体に対して横方向に回転する場合、前記係合ピンが前記係合凹部に挿入されてベースの回転を制限する。
【0006】
先行技術と比較して、係合ピンが本体に設けられ、係合凹部がベースの底面に設けられ、係合凹部がベースの横方向の少なくとも一方側に位置しているので、ベースを本体に対して横方向に回動させると、係合ピンが係合凹部に挿入され、これにより、ベースの回動が制限され、ベースが横方向に向かって安定した状態となり、キャリア本体への子供の出し入れが便利で、使用感や満足感を向上させることができるとともに、使用時におけるキャリア本体の回動を回避して子供の転倒を防止し、使用の安全性を確保することができる。また、係合ピンを係合凹部から外れることによってのみ、ベースのロックを解除することができ、具体的には、キャリア本体を直接回転させることによって、係合ピンを係合凹部から外すことができ、良好な使用利便性と使用感を提供することができる。
【0007】
一実施形態では、横回転位置決め機構は、本体と係合ピンとの間に設けられ、係合ピンを押して係合凹部内に挿入する弾性回復要素も含む。弾性回復要素は、係合ピンが自動的に係合凹部に挿入されることを可能にするために使用され、これにより、ベースが横方向に回転したときに自動的にロックされ、使用の利便性を効果的に向上させることができる。
【0008】
一実施形態では、ベースの底面にはベースと同軸の環状ガイド溝が設けられ、係合凹部は、環状ガイド溝内に設けられている。環状ガイド溝は、係合ピンとスライド可能に当接し、ベースが回転されるように案内し、係合ピンが係合凹部内にスライドするように正確に案内することができ、これにより、回転の円滑性及びピンによる横方向の位置決めの精度を向上させることができる。
【0009】
一実施形態では、横回転位置決め機構は位置決めブロックを更に含み、位置決めブロックは、ベースの底面に設けられ、係合凹部を備える。ベースはプラスチック材料で作られ、耐摩耗性が悪く、係合凹部は、ベース上に直接設けられ、材料の磨耗を招きやすいので、位置決めブロックは係合凹部の磨耗速度及び程度を低減し、耐用年数を延長することができる。また、摩耗が発生しても、迅速かつ簡便に交換することができる。
【0010】
具体的には、前記位置決めブロックの両端に取付部が設けられ、前記取付部は、前記ベースの前記底面に接続されている。
【0011】
具体的には、ベースの底面に取付溝を配置し、取付溝に取付部が埋設される。取付溝と取付部との組み合わせにより、位置決めブロックをベースに対して正確かつ迅速に組み付けることができ、組み立てやメンテナンスの利便性が向上する。
【0012】
具体的には、前記取付部と前記ベースとは、ねじ接続、ボルト接続、スナップ接続、接着又は溶接の方式で接続されている。
【0013】
具体的には、前記位置決めブロックは、耐摩耗性位置決めブロックであり、耐摩耗性材料からなる。
【0014】
一実施形態では、係合凹部の両側には、係合ピンを係合凹部内又は係合凹部外に案内するためのガイドスロープが設けられている。ガイドスロープを設けることにより、ガイドスロープが係合ピンを案内することができ、従って、ベースを回転させたときに、ガイドスロープを利用して係合ピンを係合凹部から外部に強制的に移動させることができ、これにより、迅速なロック解除の目的を達成し、操作の利便性を向上させることができる。
【0015】
キャリア本体と、ベースと、本体と、横回転位置決め機構とを含むチャイルドキャリアであって、前記キャリア本体は、前記ベースに設けられ、前記ベースは、前記本体にその中心軸回りに回転可能に設けられている。
【0016】
一実施形態では、前記ベースの前記底面にロック孔が設けられ、前記ロック孔は、前記ベースの前方側又は後方側に位置し、前記ベースが前記本体に対して後方向又は前方向に回転させると、前記係合ピンが前記ロック孔に挿入されて前記ベースの回転を制限する。また、ロック孔がベースの前方側又は後方側に設けられているので、ベースが後方向又は前方向に配置されたときに、係合ピンによってベースが後方向又は前方向に位置決めされるようにロックすることができ、使用上の安全性を確保することができる。
【0017】
具体的には、ベースには、係合ピンがロック孔から外れるように駆動するためのロック解除機構が設けられている。ロック解除機構を設けることにより、ベースのロック解除を迅速に行うことができ、操作の利便性が向上する。
【0018】
具体的には、ロック解除機構は、係合ピンをロック孔から押し出すためにベース上にスライド可能に設けられるスライダーを含む。
【0019】
具体的には、ロック解除機構は、さらに、駆動要素を含み、駆動要素の中間部がベースに回動可能に接続され、駆動要素の一端がスライダーに接続され、駆動要素の他端が駆動されたときにスライダーを移動させる。
【0020】
具体的には、ロック解除機構は、さらに、弾性要素も含み、この弾性要素はベースとスライダーとの間に設けられてスライダーを回復させる。弾性要素を設けることにより、スライダーを係合ピンから自動的に離すことができるので、係合ピンを自動的にロックすることができ、係合ピンの偶発的な押し込みを回避することができるので、操作の安全性を向上させることができる。
【0021】
具体的には、ロック解除機構は、ベースの側面にスライド可能に設けられ、駆動要素の他端に接続される操作要素をさらに含む。操作要素はベースの外側に設けられ、使用者の操作に便利であり、使用の利便性が向上する。
【0022】
具体的には、ロック解除機構は、さらに、回復要素も含み、この回復要素は、操作要素を回復するためにベースと操作要素との間に設けられる。回復要素を設けることにより、操作要素を自動的に回復することができ、毎回の操作効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の実施形態におけるチャイルドキャリアを後方向に使用する場合の透視図である。
【0024】
【
図2】本開示の第1の実施形態におけるチャイルドキャリアが後方向に使用される場合の、ベース及び本体の透視図である。
【0025】
【
図3】本開示の第1の実施形態におけるチャイルドキャリアが横方向に使用される場合のベース及びチャイルドキャリアの本体の透視図である。
【0026】
【
図4】本開示の第1の実施形態におけるチャイルドキャリアのベース及び本体の内部構造図である。
【0027】
【0028】
【
図6】本開示の第1の実施形態におけるチャイルドキャリアのベースの底部構造図である。
【0029】
【
図7】本開示の第1の実施形態におけるチャイルドキャリアのベース及び本体の断面側面図である。
【0030】
【0031】
【
図9】本開示の第2の実施形態におけるチャイルドキャリアのベース及び位置決めブロックの構造図である。
【0032】
【
図10】本開示の第2の実施形態におけるチャイルドキャリアの位置決めブロックの構造図である。
【0033】
【
図11】本開示の第2の実施形態におけるチャイルドキャリアの位置決めブロックの構造図である。
【0034】
【
図12】本開示の第2の実施形態におけるチャイルドキャリアのベース及び本体の断面側面図である。
【0035】
【
図13】
図12のC部分の拡大図である。[符号の説明]チャイルドキャリア 100 キャリア本体 1 ベース 2 本体 3 横回転位置決め機構 4 ロック解除機構 5 環状ガイド溝 21 取付溝 22 ロック孔 23 キャビティ 31 係合ピン 41 係合凹部 42 弾性回復要素 43 位置決めブロック 44 取付部 441 取付孔 441a ガイドスロープ 421 スライダー 51 駆動要素 52 弾性要素 53 操作要素 54 回復要素 55
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の技術的内容、構造的特徴及び達成された効果を詳細に説明するために、実施形態及び図面と併せて詳細な説明を行う。
【0037】
図1~
図8は、本開示の実施形態におけるチャイルドキャリア100の構造を示す。
【0038】
図1から
図4を参照すると、本開示のチャイルドキャリア100は、キャリア本体1と、ベース2と、本体3と、横回転位置決め機構4とを含む。キャリア本体1は、ベース2上に設けられている。本体3は、キャビティ31を備え、ベース2は、その中心軸を中心として本体3上に回転可能に設けられ、キャビティ31を覆う。横回転位置決め機構4は、ベース2と本体3との間に設けられ、ベース2を横方向に向けて位置決めする。
【0039】
チャイルドキャリア100が前方向又は後方向に使用される場合、チャイルドキャリア100のベース2の縦方向軸線は、本体3の縦方向軸線と平行であり、チャイルドキャリア1が横方向に使用される場合、すなわち、上述のように「横方向に向かって設けられる」場合、ベース2の縦方向軸線は、
図3に示すように、本体3の縦方向軸線に対して垂直又はほぼ垂直である。
【0040】
図5~
図7を参照して、横回転位置決め機構4は、係合ピン41と、係合凹部42と、弾性回復要素43とを含み、係合ピン41は、本体3のキャビティ31内に伸縮自在に設けられている。本実施形態では、係合ピン41は、本体3のキャビティ31の前後方向の両側にそれぞれ対称に設けられている。係合凹部42は、ベース2の底面に設けられ、ベース2の横方向(例えば、ほぼに左右方向)の少なくとも一方側に設けられている。本実施形態では、係合凹部42は、ベース2の左右両側に対称に設けられており、すなわち、両側の位置決めが実現されている。従って、チャイルドシートを車両(例えば自動車)の後部シートの左側又は右側に取り付けた場合、子供の乗降に便利であり、使い勝手が大幅に向上する。ベース2が本体3に対して横方向に回転されると、係合ピン41が係合凹部42に挿入されてベース2の回転が制限される。弾性回復要素43は、本体3と係合ピン41との間に設けられ、係合ピン41を係合凹部42に押し込む。弾性回復要素43は、係合ピン41を係合凹部42に自動的に挿入できるようにするためのものであり、これにより、ベース2が横方向に回動したとき(すなわち、横向き状態)に自動的にロックすることができ、使用上の利便性を効果的に向上させることができる。
【0041】
図6に示すように、ベース2の底面には、ベース2と同軸の環状ガイド溝21が設けられ、環状ガイド溝21に係合凹部42内が設けられている。環状ガイド溝21は、係合ピン41とスライド可能に当接してベース2の回転を案内することができ、係合ピン41が係合凹部42にスライドするように正確に案内することができ、回転の円滑性及びピンによる横方向の位置決め精度を向上させることができる。
【0042】
図8に示すように、ベース2の底面には、ロック孔23が設けられている。本実施形態では、ロック孔23の数は1つである。ロック孔23は、ベース2の前後方向の側面に設けられている。チャイルドキャリア100が前方向に使用される場合、本実施形態のロック孔23は、後方側に位置する。ベース2を本体3に対して前方向に回転させると、本体3の後方側に位置する係合ピン41がロック孔23に挿入されてベース2の回転が制限される。ベース2を本体3に対して後方向に回動させる場合(すなわち、チャイルドキャリア100が後方向で使用される場合)には、本体3の前方側に位置する係合ピン41がロック孔23に挿入されてベース2の回動を制限する。このように、ロック孔23をベース2の後方側又は前方側に配置することにより、ベース2を前方向又は後方向に配置する際に、係合ピン41によってベース2を前方向又は後方向を向いた状態にロックすることができ、使用の安全性を確保することができる。
【0043】
図7及び
図8を参照すると、ベース2には、係合ピン41をロック孔23から外すためのロック解除機構5が設けられている。ロック解除機構5を設けることにより、ベース2のロックを迅速に解除することができ、操作の利便性が向上する。
【0044】
再び
図8に示すように、ロック解除機構5は、スライダー51と、駆動要素52と、弾性要素53と、操作要素54と、回復要素55とを含む。スライダー51は、係合ピン41をロック孔23から押し出すようにベース2上にスライド可能に設けられている。駆動要素52の中間部は、ベース2に回動可能に接続され、駆動要素52の一端はスライダー51に接続され、駆動要素52の他端が駆動されるとスライダー51を移動させる。弾性要素53は、ベース2とスライダー51との間に設けられ、スライダー51を回復させる。弾性要素53を設けることにより、スライダー51を係合ピン41から自動的に離すことができるので、係合ピン41を自動的にロックすることができ、係合ピン41の偶発的な押し込みを回避することができ、操作の安全性を向上させることができる。操作要素54は、ベース2の側面にスライド可能に設けられ、駆動要素52の他端に接続されている。操作要素54はベース2の外側に設けられ、使用者の操作を容易にし、使用の利便性を向上させる。回復要素55は、操作要素54を回復するために、ベース2と操作要素54との間に設けられる。回復要素55の配置により、操作要素54は自動的に回復され、常に操作の有効性を確保することができる。
【0045】
上記及び
図1~
図3に関連して、本開示のチャイルドキャリア100の動作原理を以下に詳細に説明する。
【0046】
まず、チャイルドキャリア100が後方向で使用される場合、ベース2のロック孔23は、前面側に位置し、ちょうど前面側に位置する係合ピン41に対応する。弾性要素53がその弾性力によってスライダー51をロック孔23から離れる方向に押し、係合ピン41が弾性回復要素43の弾性力を受けてロック孔23に挿入されることにより、ベース2がロックされ、ベース2の回転が制限される。このとき、ベース2上のキャリア本体1は、本体3の右後方側を向いており、すなわち、チャイルドキャリア100は、後方向に使用される状態となっている。
【0047】
チャイルドキャリア100が前方向に使用される場合には、操作要素54を手動で引っ張って上方にスライドさせ、操作要素54によって駆動要素52の一端を上方に振り上げる一方、駆動要素52の他端を下方に振り上げる。駆動要素52の他端はスライダー51を押圧するので、スライダー51は下方に移動して弾性要素53を圧縮する。スライダー51が下方に移動してロック孔23に近づくと、スライダー51が係合ピン41を押し、これにより、係合ピン41がロック孔23から外れる。このとき、ベース2のロックが解除され、ベース2が180度回転し、ベース2上のキャリア本体1が本体3の後方向を向くようにすることができる。同時に、ロック孔23が180度回転し、前面側に位置する係合ピン41に向け、スライダー51を復帰させた後に係合ピン41がロック孔23に挿入されることで、ベース2の位置決めを行うことができる。このとき、チャイルドキャリア100は、前方向に使用される状態となる。
【0048】
子供が車から降りる必要があるとき、チャイルドキャリア100は横方向に使用される必要がある。そのため、操作要素54を手動で引き、係合ピン41が駆動要素52とスライダー51を介して押され、係合ピン41がロック孔23から外れるようにする。このとき、ベース2のロックが解除され、ベース2が90度回転し、キャリア本体1が本体3の横方向を向く。同時に、係合凹部42が係合ピン41に1つずつ対応し、係合ピン41が係合凹部42に挿入されてベース2を仮位置決めする。このとき、キャリア本体1は横方向にロックされた状態となる。この状態を再び調整する必要があるときは、ベース2を直接回転させるだけでよく、係合ピン41はガイドスロープ421の作用により係合凹部42から強制的にスライド移動させて外れる。このとき、ベース2は再びロック解除され、他の状態に調整することができる。
【0049】
従来技術と比較すると、係合ピン41は、本体3に設けられ、係合凹部42はベース2の底面に設けられ、ベース2の横方向の少なくとも一方側に位置し、ベース2が本体3に対して横方向に回転したときに、係合ピン41が係合凹部42に挿入されるようにすることができ、ベース2の回転を制限する目的を実現し、即ち、ベース2が横方向にある状態を安定的に維持することができるので、キャリア本体1からの子供の出し入れを便利に行うことができ、使用感や満足感を向上させることができると共に、使用時にキャリア本体1が回転して子供が落下することを回避して、使用の安全性を確保することができる。また、係合ピン41を係合凹部42から外れることによってのみ、ベース2のロックを解除することができる。すなわち、キャリア本体1を直接回転させることにより、係合ピン41を係合凹部42から外すことができるので、使い勝手がよく、使用感も良好である。
【0050】
図9~
図13は、本開示の別の実施形態におけるチャイルドキャリアの構造を示す。
【0051】
本実施形態のチャイルドキャリアの構造は、横回転位置決め機構4がベース2の底面に設けられた位置決めブロック44をさらに含み、位置決めブロック44の中間部に環状ガイド溝21に接続された係合凹部42が設けられている点を除いて、基本的には上記実施形態と同様である。ベース2はプラスチック材料からなり、耐摩耗性に劣るため、ベース2に直接形成された係合凹部42は、係合ピン41の長時間の衝撃による磨耗で損傷しやすい。そこで、位置決めブロック44を設けることで、係合凹部42の磨耗速度や程度を低減し、長寿命化を図っている。しかも、位置決めブロック44は、耐摩耗性材料からなる耐摩耗性の位置決めブロックであり、具体的には、POM(ポリオキシエチレン樹脂)材料からなる位置決めブロックであることは勿論、PA(ポリアミド)、PEI(ポリエチレンイミン)等からなる位置決めブロックである。次に、磨耗が発生しても、迅速かつ簡便に交換することができる。位置決めブロック44の両端にはそれぞれ取付部441が設けられ、ベース2の底面には取付溝22が設けられ、取付部441は、取付溝22に埋め込まれてベース2の底面に接続される。取付溝22は、環状ガイド溝21の両側にそれぞれ設けられている。取付溝22と取付部441との組み合わせにより、位置決めブロック44をベース2に正確かつ迅速に組み付けることができ、組み立てやメンテナンスの利便性を向上させることができる。なお、取付部441とベース2との接続は、ねじ接続、ボルト接続、スナップ接続、接着、溶接接続のいずれでもよい。本実施形態の取付部441には取付孔441aが設けられており、取付部441が取付溝22に埋め込まれた後、取付孔441aによるネジ態様で取付部441がベース2の底面に接続される。また、係合凹部42の両側には、係合ピン41の進入又は退出を案内するためのガイドスロープ421がそれぞれ設けられている。また、ガイドスロープ421を設けることにより、ガイドスロープ421が係合ピン41を案内することができるため、ベース2を回動させた際に、ガイドスロープ421を利用して係合ピン41を係合凹部42から強制的に外れることができ、迅速なロック解除の目的を達成することができ、操作の利便性を向上させることができる。本実施形態のチャイルドキャリアは、第1の実施形態と同様の有利な効果を奏するものであり、ここでの説明を省略する。
【0052】
本開示によるチャイルドキャリア100のキャリア本体1の構造は、当業者に周知であり、本明細書では詳細に説明しない。
【0053】
上記に開示した説明は、本開示の好ましい例に過ぎず、もちろん、本開示の範囲を限定するために使用されるべきではない。したがって、本開示の範囲に従ってなされた等価な変更は、依然として本開示によってカバーされる範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
現在、市場において前後方向に回転可能なチャイルドシートは、一般的に前方向又は後方向に回転させることができる。このキャリアが前方又は後方に回転させる状態にある場合、ロック機構によりシートがロックされ、子供は前方又は後方を向いて座ることができる。子供が車から降りたり、車から降ろされたりするとき、子供は車のドアと向かい合うことになる。しかし、ほとんどのチャイルドシートには、横方向に回転させたときの一時的な位置決め機能がない。そのため、降車時にシートが揺れたり回転したりしやすい。そのため、子どもの乗り降りに悪影響を及ぼし、乗り降りが不便で、転倒しやすくなる。
【国際調査報告】