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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】口腔器具用のマウント
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/00 20060101AFI20240829BHJP
   A61C 17/22 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61C17/00 Z
A61C17/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515678
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2022073872
(87)【国際公開番号】W WO2023036635
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】21196252.7
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト ルツ クリスチャン
(57)【要約】
口腔器具用のマウントである。マウントは1つ以上の穴を含む。これらの穴は、マウントが第1の方向に伸長されると、マウントが少なくとも1つの他の方向に更に変形するようにさせる。例えば、口腔組織へのマウントのクランプ及び適合を改善するために、マウントを屈曲させる又は折り畳む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能な材料で形成されている、口腔器具用のマウントであって、
前記マウントが第1の方向に伸長されるときに、少なくとも1つの第2の異なる方向に拡張する材料の量を増加させるように、前記マウントの幾何学的形状がシフトされるように位置決めされた1つ以上の穴を含む、マウント。
【請求項2】
前記1つ以上の穴は、前記マウントが前記第1の方向に伸張されたときに、第1の平面における前記マウントの曲率又は平坦性が変化するように位置決めされ、前記第1の平面は、前記第1の方向に対して角度が付けられている、請求項1に記載のマウント。
【請求項3】
前記第1の方向は、前記第1の平面の法線である、請求項2に記載のマウント。
【請求項4】
前記マウントは、少なくとも、
前記第1の平面における前記マウントの曲率半径が第1の値にある第1の構成と、
前記第1の平面における前記マウントの曲率半径が、前記第1の値よりも小さい第2の値にある第2の構成と、
の間で変形可能であり、
前記第1の構成と前記第2の構成との間での変形は、前記第1の方向における前記マウントの伸張に反応したものである、請求項1から3のいずれか一項に記載のマウント。
【請求項5】
前記伸長は、前記第1の方向における前記マウントの長さを変化させる、請求項4に記載のマウント。
【請求項6】
前記マウントの前記1つ以上の穴は、互いに平行に整列し、所定の長さで分離された2つ以上のスリットを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマウント。
【請求項7】
前記マウントの各穴は、前記マウントの前記変形可能な材料によって完全に囲まれている、請求項1から6のいずれか一項に記載のマウント。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のマウントを2つ以上含む、マウントアレイ。
【請求項9】
口腔器具用のクリーニング又は処置モジュールであって、
請求項1から7のいずれか一項に記載のマウントを1つ以上、又は、請求項8に記載のマウントアレイを1つ以上と、
各マウントについて、口の1つ以上の部分をクリーニング又は処置するために、前記マウントに取り付けられた1つ以上のクリーニング又は処理要素のセットと、
を含む、クリーニング又は処置モジュール。
【請求項10】
対象者の口をクリーニング及び/又は処置するための口腔器具であって、
請求項9に記載のクリーニング又は処置モジュールと、
各マウントを前記第1の方向に制御可能に伸長する作動機構と、
を含む、口腔器具。
【請求項11】
前記作動機構の動作を制御して、各マウントの幾何学的形状のシフトを制御するコントローラを更に含む、請求項10に記載の口腔器具。
【請求項12】
前記コントローラは、クリーニングモードで動作可能であり、前記クリーニングモードでは、前記コントローラは、前記第1及び/又は第2の方向における材料の範囲が最小の大きさよりも大きくなるように、前記マウントの幾何学的形状を制御する、請求項11に記載の口腔器具。
【請求項13】
前記クリーニングモードで動作しているときに、前記コントローラは、前記マウントが微小な動きを実行するか振動するように、各マウントの幾何学的形状を変化させる、請求項11又は12に記載の口腔器具。
【請求項14】
前記コントローラは、口挿入モード又は口取り外しモードで動作可能であり、前記口挿入モード又は口取り外しモードでは、前記コントローラは、前記マウントが実質的に平らになるか、最大曲率まで変形されるように各マウントの幾何学的形状を制御する、請求項11から13のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項15】
前記作動機構は、
前記マウントを前記第1の方向に制御可能に伸長する電動システム、
前記マウントの両端に固定された膨張式ブラダ、及び前記膨張式ブラダへの流体の出し入れを制御して前記マウントの伸張を制御する流体制御システム、
磁気力又は電磁力を使用して前記マウントの伸張を制御する磁気若しくは電磁制御システム、
電気活性応答性材料特性を示す1つ以上の材料を使用して前記マウントの伸張を制御する電気制御システム、
1つ以上の温度差及び/若しくは勾配効果を使用して前記マウントの伸張を制御する熱制御システム、並びに/又は
1つ以上の電磁波を使用して前記マウントの伸張を制御する光学制御システムであって、前記マウントは感光性である、光学制御システム、
を含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の口腔器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、歯科衛生に関し、特に口腔器具の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔衛生が良好であれば、虫歯、歯肉炎、歯周病などの歯科疾患や前糖尿病などの全身疾患の発生の可能性が低下するため、口腔器具の開発及び改良は一般集団にとってますます関心の対象となっている。
【0003】
一般的に、口腔器具は、ユーザ又は操作者が口に挿入するクリーニング/処置モジュールを含む。このモジュールは、ブラシ、毛、ウォータージェット要素などの機械的なクリーニング/処置要素を含み、これは、口腔器具を口の周りで動かすと、歯や歯茎などの口の部分をクリーニング及び/又は処置する。
【0004】
口腔器具に関する継続的な懸念は、口腔器具は、通常、一般集団に合わせて作られていることである。これは、特定の傾向器具が(同じやり方で操作した場合でも)、対象者によって大きく異なる可能性がある対象者の口の形状によって異なる有効性のレベルがあることを意味する。例えば、口の形状が異なると、歯のサイズ、歯の高さ、歯の幅、顎の曲率、顎の位置合わせ(位置ずれ)、及び顎の原型が異なる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、歯のクリーニング又は処置の結果を最適化するために、異なる口の形状間の差異を補正できる口腔器具の提供を促進することが望まれている。
【0006】
米国特許出願公開第2020/121428A1号は、カスタマイズされた形状とカスタマイズされたクリーニングチップを備えた歯科ケアデバイスを開示している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特許請求の範囲によって規定される。
【0008】
本発明の態様による実施例によれば、口腔器具のマウントが提供されている。このマウントは、口腔器具の1つ以上のクリーニング/治療要素向けに設計できるが、口の一部の保護シールド又は保持デバイスとして使用することもできる。
【0009】
マウントは、変形可能な材料で形成され、マウントが第1の方向に伸長されるときに、少なくとも1つの第2の異なる方向に拡張する材料の量を増加させるように、マウントの幾何学的形状がシフトされるように位置決めされた1つ以上の穴を含む。
【0010】
提案する実施形態は、変形可能な/可撓性のマウントの穴又は事前に切り取られたテッセレーションパターンを使用して、伸長されたときのマウントの幾何学的形状の変化を制御又は定義する。特に、適切に位置決めされて構成された穴を備えたマウントに力が加えられると、マウントは、伸長方向とは異なる方向に材料を拡張するように変形する。
【0011】
穴は、第1の方向におけるマウントの伸長を増加すると、第2の方向におけるマウントの材料の拡張が増加するように位置決めされている。
【0012】
したがって、実施形態は、マウントと(存在する場合は)マウント上に位置決めされた任意のクリーニング/処置要素との移動を制御して、例えば、マウント又は任意の要素が歯を完全に囲むことを可能にする手法を提供する。したがって、提案する手法は、対象者の口/顎の形状に合わせて任意の形状に適合できる高度に適応可能なマウントを提供する。マウントの形状は、第1の方向における伸長に応答したものであるため、マウントは比較的簡単に作動できる。(制御可能に)屈曲するマウントの機能はまた、マウントを口の中に位置決めする及び使用する際の容易さと快適さに有利である。
【0013】
実施形態は、適切に位置決めされた切れ目又は穴が、切れ目/穴を含む構造体によって行われる屈曲の形状を定義する切り紙の原理に基づいて動作する。つまり、変形する構造の構成は、変形されていない構造における穴の位置に依存する。
【0014】
第1及び第2の方向は、互いに対して角度が付けられ、また、好ましくは、互いに垂直である。幾何学的形状の変化又はシフトは、マウント及びその穴(例えば、矩形スリット、三角形の切れ目)の寸法及び形状、穴間の間隔、並びに変形していない状態(単一の主曲率)でのマウントの(円筒)曲率によって特徴付けられる。有限の任意の大きさを有する円筒曲率は、マウントが、伸長されたときに、円筒3Dメタ表面形状に曲がるようにする又は制御する。この形状シフトの最終的な効果又は結果は、歯列弓/顎へのマウントの適合、及び、歯列弓へのクランプ、つまり、(横)力の印加の改善である。
【0015】
マウントは、可撓性及び弾性の材料から形成されている。つまり、材料に力が加えられると屈曲し、力が取り除かれると元の構成に戻るような材料から形成されている。このようなマウントは、伸長されてもよい、つまり、収縮自在であることが理解されるであろう。
【0016】
好ましくは、1つ以上の穴の各々は、マウントの(変形可能な)材料によって安全に囲まれる、取り囲まれる、又は境界付けられる穴である。つまり、各穴は閉じた側面を有する貫通穴である。別の言い方をすれば、各穴の外周はマウントの(変形可能な)材料で形成される。
【0017】
1つ以上の穴は、マウントが第1の対称面に沿って第1の方向に変形されたときに、第1の平面におけるマウントの曲率性が変化するように位置決めされる。第1の平面は、第1の方向に対して角度が付けられている。好ましくは、第1の方向は、第1の平面の法線である。
【0018】
少なくとも1つの実施例では、マウントは、少なくとも、第1の平面におけるマウントの曲率半径が第1の値にある第1の構成と、第1の平面におけるマウントの曲率半径が、第1の値よりも小さい第2の値にある第2の構成との間で変形可能であり、第1の構成と第2の構成との間での変形は、第1の方向におけるマウントの伸張に反応したものである。このように、マウントの曲率半径は、マウントが第1の方向に伸長される又は引っ張られると減少する。
【0019】
伸長は、第1の方向におけるマウントの長さを変化させる。マウントの伸長又は延長は、マウントの構成を変化させる。
【0020】
マウントの1つ以上の穴は、互いに平行に整列し、所定の長さで分離された2つ以上のスリットを含む。この構成により、マウントの信頼性の高い変形が確実にされる。スリットは、同じ長さ及び/又は同じ幅であってもよく、これにより、変形特性(つまり、伸長したときの)がより予測可能になり、信頼性が高くなる。
【0021】
スリットの長さは、例えば、口腔器具が設計される対象である対象者の歯のサイズによって定義される。例えば、ヒトの場合、各スリットの長さは1~35mmであり、異なるスリット間の間隔は1~10mmである。この手法により(マウントが歯の舌側に位置付けられている場合)ほぼ対象者の歯肉線の位置では、マウントの両端が互いに近づけられることが確実にされる。スリットの幅は0.1~2mmの範囲であり得る。
【0022】
上記のマウントを2つ以上を含むマウントアレイも提案される。マウントアレイのマウントは、1つのマウントに適用された変形(伸長など)が、マウントアレイの他の各マウントに同じ変形をもたらすように、少なくとも1つの軸/方向に沿って(例えば、可撓性ヒンジ又は継手を使用して)接続/連結される。
【0023】
上記のマウント又はマウントアレイを1つ以上と、各マウントについて、口の1つ以上の部分をクリーニング又は処置するために、上記のマウントに取り付けられた1つ以上のクリーニング又は処理要素のセットとを含む、口腔器具用のクリーニング又は処置モジュールも提案される。
【0024】
クリーニング又は処置モジュールは、例えば、口腔器具用の(取り付け式)ヘッド部分又は付属ユニットを形成する。特に、マウントは、口の中に挿入するプローブタイプのクリーニング/処置デバイスのヘッド部分として機能する。これは、ヘッド部分に(固定式又は解放式で)取り付けられるハンドル部分を備えた従来の電導歯ブラシと同様の構造形態を取る。しかし、処置モジュールは、従来の電導歯ブラシ、又はブラッシングとフロスがけとを組み合わせたデバイスの一部にすることも可能である。口腔器具は、マウント(アレイ)又はクリーニングモジュールの高周波機械振動を発生させるために、ハンドル、電源(バッテリ又はセルなど)、及び駆動トレイン/伝達技術などの1つ以上の他の構成要素を含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施例では、クリーニング又は処置要素は、口の歯をブラシがけするための1つ以上の毛のセットを含む。当業者には、他の形態のクリーニング/処置要素(例えば、ピック又は口腔イリゲータ)が明らかであろう。
【0026】
対象者の口をクリーニング及び/又は処置するための口腔器具も提案される。口腔器具は、クリーニング又は処置モジュールと、マウントを第1の方向に制御可能に伸長する作動機構とを含む。
【0027】
口腔器具は、作動機構の動作を制御して、マウントの幾何学的形状のシフトを(最終的には、歯又は歯茎に加えられる力及びクランプの量も)制御するコントローラを含んでもよい。
【0028】
コントローラは、クリーニングモードで動作可能である。クリーニングモードでは、コントローラは、第1及び/又は第2の方向における材料の範囲が最小の大きさよりも大きくなるように、マウントの幾何学的形状を制御する。したがって、クリーニングモード中は、1つ以上のクリーニング要素は、クリーニングされる口の一部(例えば、歯)のより近くに位置決めされる。これにより、口をクリーニングする容易さと有効性が向上する。
【0029】
いくつかの実施例では、クリーニングモードで動作しているとき、コントローラは、マウントが歯/歯茎に向かう及び歯/歯茎から離れる微小な動き若しくは振動、又はクリーニング要素の微細な動きを定期的に又は交互に行うようにマウントの幾何学的形状を変化させる。これは、変形された状態にあるとき(つまり、マウントが伸長されて(歯に)適合しているとき)にクリーニングモジュールを作動させるために使用される伝達技術/駆動トレインによって提供される振動に追加して又は重ねられて行われる。このようにして、コントローラは、例えば(顎内の様々な歯のサイズに動的に対応するために)口の一部に加えられる所望又はターゲットの力を達成するために、又は、例えば、クリーニング部位から汚れが移動するようにクリーニング要素を繰り返し係合及び係合解除するか、クランプ及びクランプ解除する又はクランプを緩めることによって、クリーニングの有効性を増加させるために、半径のサイズを効果的に変調できる。
【0030】
コントローラは、口挿入モードで動作可能である。口挿入モードでは、コントローラは、挿入を容易にするためにマウントが実質的に平らになるようにマウント(又はマウントアレイの部分)の幾何学的形状を制御する。或いは、口挿入モードで動作するコントローラは、挿入時のマウントのサイズを縮小するために、その最大可能な範囲まで屈曲されるようにマウントを制御してもよい。
【0031】
作動機構は、マウントを第1の方向に制御可能に伸長する電動(機械)システム、マウントの片端又は両端に固定された膨張式ブラダ(袋)、及び膨張式ブラダへの流体の出し入れを制御してマウントの伸張を制御する流体制御システム、磁気力又は電磁力を使用してマウントの伸張を制御する磁気若しくは電磁制御システム、電気活性応答性材料特性を示す1つ以上の材料を使用してマウントの伸張を制御する電気制御システム、1つ以上の温度差及び/若しくは勾配効果を使用してマウントの伸張を制御する熱制御システム、並びに/又は1つ以上の電磁波を使用してマウントの伸張を制御する光学制御システムであって、マウントは感光性である、光学制御システムを含む。
【0032】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明する実施形態から明らかになり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明をより深く理解し、それがどのように実行されるかをより明確に示すために、ほんの一例として添付の図面を参照する。
【0034】
図1図1は、実施形態によるマウントを示す。
図2図2は、実施形態によるマウントを示す。
図3図3は、実施形態用のマウントの寸法を示す。
図4図4は、要素の構造要素を示す。
図5図5は、実施形態による口腔器具用のクリーニング/処置モジュールを示す。
図6図6は、実施形態によるマウントを示す。
図7図7は、実施形態による経口器具を示す。
図8図8は、実施形態によるコントローラの例示的な操作手順を示す。
図9図9は、実施形態によるコントローラの例示的な操作手順を示す。
図10図10は、別の実施形態による口腔器具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明を、図を参照して説明する。
【0036】
詳細な説明及び具体的な実施例は、装置、システム、及び方法の模範的な実施形態を示しているが、説明のみを目的としたものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。本発明の装置、システム、及び方法のこれらの及び他の特徴、態様並びに利点は、次の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からよりよく理解されるようになるであろう。図は概略図に過ぎず、縮尺どおりに描かれていないことが理解されるべきである。また、図全体で同じ参照番号を使用して、同じ部分又は類似の部品を示すことが理解されるべきである。
【0037】
本発明は、口腔器具用のマウントを提供する。マウントは、マウントが第1の方向に伸張されると、少なくとも1つの他の方向へのマウントの更なる変形をもたらす、例えば、様々な歯/顎の形状に対するマウントのクランプ力及び改善された適合を生成するためにマウントの屈曲をもたらす1つ以上の穴又は事前に切られたテッセレーションパターンを含む。
【0038】
本発明の実施形態は、切紙の原理と、歯に対するマウントの適合及びクリーニング/処置要素のマウントの屈曲の制御が口腔器具にとって有益であるとの認識とに基づいている。特に、適切に位置決めされた穴により、マウントの変形挙動の制御が促進されることが革新的に認識されている。これにより、様々な顎のサイズに合わせた幾何学的な調整の追加の制御と、腔内のクリーニング/処置要素のクランプ力の制御とが促進される。
【0039】
提案される概念は、任意の適切な口腔器具、例えば、対象者の歯をクリーニング/処置するための1つ以上のクリーニング/処置要素を取り付けるためのマウントを備えた口腔器具に使用できる。
【0040】
本発明のコンテキストでは、変形可能な材料とは、適切な力が加えられたときに、サイズ及び/又は形状が変化する(つまり、変形する)ものをいう。剛体変形及び/又は弾性体変形(異なる平面での平行移動、回転)可能な材料である。変形可能な材料は、可撓性及び/又は伸縮性がある。特に、変形可能な材料は、材料に加えられた人間のレベルの力(例えば、<1000N)下で変形すべきである。変形可能な材料は、(理想的な)弾性材料であり得る。つまり、変形力が解放されると元の形状に戻るものである。
【0041】
図1は、本発明の実施形態による口腔器具用のマウント100を示している。図2は、図1に示すマウント100の断面図を示し、この断面図は、第1の平面130に平行に取られたものである。
【0042】
マウントは、口腔器具の1つ以上のクリーニング/処置要素を取り付けるために構成されている。
【0043】
マウント100は、弾性又は伸縮可能な材料などの変形可能な材料で形成されている。変形可能な材料の適切な例としては、エラストマー(例えば、シリコーンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴムなど)や熱可塑性プラスチック又はポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)が挙げられる。
【0044】
マウント100は、実質的に平面である。例えば、実質的に同じ平面にあるように操作できる。特定の平面にあるように位置決めされると、マウントは、比較的小さい厚みを有し得る。例えば<10mm、<5mm、又は<1mmの厚さを有し得る。作業例として、マウントは1.1mmの厚さを有する。他の例では、マウント100は(わずかに)湾曲していてもよい。
【0045】
マウント100は、1つ以上の穴110(例えば、切り込み、スリット、又はキャビティ)を含む。穴がマウントを貫通することは必須ではない。むしろ、穴は、穴の位置でのマウントの(相対的な)可撓性を変化させる、マウントに形成されたくぼみ、ディボット、又はトレンチである。
【0046】
1つ以上の穴は、マウントが第1の方向120又は第1軸に伸張されると、マウントの幾何学的形状が変化するように位置決めされている。幾何学的形状の変化は、少なくとも1つの第2の方向125(第1の方向とは異なる)に拡張する(マウントの)材料の量も変化する(例えば、増減する)ようなものである。
【0047】
第1の方向120又は軸における変形は、第1の方向120又は軸における伸張である。例えば、第1の方向にマウントの長さを増加/拡張する少なくとも正方向の伸張であり、第2の方向125に材料を拡張させる。
【0048】
いくつかの好ましい例では、1つ以上の穴110は、マウントが第1の方向120に伸張されると、第1の平面130又は第2の平面135におけるマウントの幾何学的形状が変化するように位置決めされている。特に、第1の平面130におけるマウントの曲率は、第1の方向120におけるマウントの変形に反応して変化する。第1の平面130は、第1の方向120に対して角度を付けることができる。例えば、第1の方向を含まない。例として、また、図に示すように、第1の方向120は、第1の平面130の法線又は第1の平面130に垂直である。第2の平面は対称平面を表す場合があり、したがって、第1の平面130におけるマウントの形状は、マウントが第1の方向120に変形又は伸張されるときに、第2の平面135に対して鏡面対称を維持する。
【0049】
言い換えれば、1つ以上の穴は、第1の寸法におけるマウントの形状が変化する(例えば、伸張、押しつぶすこと、又は他の形の変形によって)と、第2の寸法におけるマウントの形状も変化するように位置決めされる。
【0050】
いくつかの実施例では、1つ以上の穴は、マウントの形状が第1の方向(第1の軸120に沿っている)に変化すると、第1の軸に沿っていないマウントの2つの部分間の距離が変化するように位置決めされる。例えば、マウントの第1の部分101は、マウントが第1の方向に変形(例えば、伸張)されると、マウント100の第2の部分102に近づいたり遠ざかったりする。
【0051】
いくつかの好ましい実施例では、マウントが第1の方向に(正方向に)伸張されると、マウントは、材料を第2の方向に拡張するように屈曲又は湾曲する。特に、マウントが第1の方向に伸張されると、第1の平面130におけるマウント(の形状)の曲率が増加する(つまり、曲率半径が減少する)。
【0052】
したがって、マウントが第1の方向(第1の軸に沿っている)に正方向に伸張されると、マウントの第1の部分101がマウント100の第2の部分102に近づく。同様に、マウントが第1の方向に負方向に伸張される(例えば、押しつぶされる)と、マウントの第1の部分101はマウント100の第2の部分102から離れる。
【0053】
マウントは、少なくとも第1の構成190と第2の構成195との間で変形可能である。第1の構成190では、第1の平面におけるマウントの曲率半径196(図2)は、第1の値(例えば、無限大)になる。第2の構成195では、第1の平面におけるマウントの曲率半径196は、第2の異なる値(例えば、無限大でない)になる。ここでは、第2の値は第1の値よりも小さい。曲率半径、したがって、第1の構成と第2の構成との間の切り替えは、第1の方向におけるマウントの変形に応答したものである。
【0054】
曲率(既知のパラメータkで形成される)は、所定の範囲、例えば0~1の範囲、例えば0.1~1の範囲内に収まるように制御できる。0の曲率は、マウントがまったく湾曲していない(つまり、完全に平らである)ことを示している。
【0055】
好ましくは、第2の構成にあるときに、口腔器具の対象者の歯の周りにマウントがフィット又はクランプするように、マウントは寸法決めされ及び構成される(図2を参照)。言い換えれば、マウントのサイズは、口腔器具(マウントを含む)が設計される対象である対象者の歯のサイズによって定義される。
【0056】
図示する例では、マウントを第1の方向に伸張すると、つまり、第1の方向におけるマウントの長さを長くすると、マウントが第1の構成から第2の構成に切り替わる。伸張が解放される(例えば、第1の方向におけるマウントの元の長さに戻る)と、マウントは第2の構成から第1の構成に戻る。
【0057】
(曲率半径の)第2の値は、好ましくは第1の値(例えば、>20mm)未満である(例えば、<20mm)。
【0058】
穴110は、細長い穴、例えば、細長いスリット(図のように)及び/又はトレンチである。(第1の方向120に伸張されたときに)第1の平面におけるマウントの屈曲のために好適である又は屈曲を促進するとして特定されていることから、細長い穴は、第1の平面130と平行に整列される。穴が細長い場合、マウントの屈曲、つまり、第1の方向における変形下でのマウントの幾何学的形状の変化は、それぞれの細長い穴(サイズが同一の場合もある)の長さ及び幅と、隣接する細長い穴間の縦方向及び横方向の間隔とによって定義される。自然湾曲があることによって、曲率は、マウントのクランプ効果の設計自由度を支援することができ、追加の内部曲げモーメントがマウント形状に導入される。
【0059】
次に、図2を参照する。図2では、第1の構成190から第2の構成195に切り替わる第1の平面130におけるマウント100の形状を示す。第1の構成190から第2の構成に移動すると、第1の平面におけるマウント形状の半径が減少することが明確に示されている。
【0060】
この図には、適切に位置決めされたマウント100と歯250との間の模範的な相互作用を示すために、対象者の歯250も示されている。図2はまた、コンテキストの理解を向上させるためにマウント100に取り付けられた複数のクリーニング要素260(例えば、ブラシ)も示している。これらのクリーニング要素は省略されてもよい。
【0061】
図2はまた、マウントが第1の方向に拡張されると、マウント100の第1の部分101と第2の部分102とが近づく様子を明確に示している。マウントが適切に位置決めされると、歯がクランプされ、歯250の(外側)面に力が加わる。
【0062】
図示する例では、各穴110は、マウントを貫通するマウント内のスリット又は切り込みを含む。マウントの外部形状もまた、マウントが第1の方向120に変形したときに、第2の方向125及び/又は第1の平面130において屈曲又は変形が発生する態様にも寄与する。
【0063】
提案するマウントを口腔器具に使用すると、マウントに位置決めされている又は取り付けられているクリーニング若しくは処置要素、又はマウント自体によって加えられる正及び/又は負の力を、マウントの変形を制御することで制御できる。特に、マウントの単軸伸張又は変形は、例えば、マウントに取り付けられた要素の位置及び/又はマウントに取り付けられた要素によって加えられる力を制御するために、別の寸法におけるマウントの形状を制御できる。
【0064】
このようにして、口の中に位置決めされると、マウントは、(マウント上の)クリーニング/処置要素と口の一部との間の近接性、及び/又はクリーニング/処置要素が口の一部に加える力を制御するように制御できる。この利点により、クリーニング/処置要素を口の任意の形状の部分に接触させることができる。例えば、同じマウント構成を、様々な口のバリエーション(例えば、歯のサイズ、高さ、幅、曲率、位置ずれ、顎の原型のバリエーション)に使用できる。
【0065】
当然ながら、クリーニング/処置要素がマウントに位置決めされていない場合は、マウント自体を、例えば、(例えば、スポーツ用など)保護シールドとして機能するように、ユーザの歯及び/又は歯茎とかみ合うように適応できる。
【0066】
提案する手法では切紙の概念を利用しており、この概念では、要素が変形/伸張されたときに、穴によって要素の形状が定義される。この手法では、第1の方向又は軸におけるマウントの変形/伸張によって、第2の方向又は軸における、つまり、第1の方向又は軸に垂直な平面におけるマウントの形状を制御することが可能になる。
【0067】
マウントの自然な形状(例えば、マウントに変形が加えられていないとき)は、わずかに湾曲又は屈曲している場合がある。例えば、第1の平面130において湾曲している場合がある。これは、マウントが第1の方向120において伸張されたときに、追加の内部間部モーメントがマウント形状に導入されるため、マウントが第1の平面において所望の方向に屈曲する可能性を高める。
【0068】
図3及び図4はどちらも、一実施形態によるマウント100の上から見た図を提供する。
【0069】
前述したように、第1の方向において変形/伸張したときのマウントの幾何学的形状の変化は、穴の位置及び構成に依存するか又は応答する。特に、変化は、穴の長さ/幅、及び/又は穴間の間隔に依存する。
【0070】
マウント100は、4つの穴、つまり、第1の穴111、第2の穴112、第3の穴113、及び第4の穴114を含む。各穴は、マウント100を貫通するスリット又は切り込みの形になっている。ここでは、各穴は互いに平行に位置決めされ、第2の穴112と第3の穴113とは同じ軸に沿って位置決めされている。第1の穴111及び第4の穴114の中点は、同じ軸に沿って位置決めされている。各穴111、112、113、114は、第1の方向120に垂直に位置決めされている。
【0071】
穴は、第1の方向120における変形/伸張に応答してマウント100の全体構造が変形する態様を定義する。図4に示すように、穴は、マウント100を実質的に4つの主要な構造構成要素:(i)2つのハンドリングタブ211、212、(ii)穴によって表現される4つの平行四辺形シェル/要素221、222、223、224、(iii)中央の弾性ヒンジ230、及び(iv)2つの付属品241、242に分解する。2つの付属品は、図1及び図2に示す第1の部分101及び第2の部分102に相当する。
【0072】
いくつかの実施例では、各スリットは、同じ長さlc及び幅tを有する。第1の穴と第2/第3の穴との間、及び第4の穴と第2/第3の穴との間の縦方向の間隔lyは等しい。また、第2の穴と第3の穴との間に横方向の間隔lxが定義されている。横方向の間隔は、弾性ヒンジの機能を変更すると考えられている。例えば、マウントの第1の部分と第2の部分との間の距離を制御する。設計パラメータly及びlcは、異なる人口や種(ヒトの歯:ly<1~10mm、動物の歯:ly<20mm、ヒト及び動物の両方の歯についてlc=1~35mm)の要件に合わせてマウントを微調整するために、異なる(ヒトの)歯の幅及び高さに相対して定義できる。
【0073】
いくつかの実施例では、比率lc/lyは、第1の所定の範囲(例えば、1.5~5)に収まり、及び/又は比率lc/lxは第2の所定の範囲(例えば、2.5~5)に収まる。これら2つの比率(個別に及び一緒に)は、完全に屈曲したマウントによって加えられるクランプ力と力の伝達を改善することが確認されている。
【0074】
これらの特性又は幾何学的パラメータ(長さ、幅、縦方向の間隔、及び横方向の間隔)を変更すると、マウントが第1の方向に変形/伸張されたときのマウントの形状及び/又は構成が制御される。したがって、マウント100における穴又はスリットの位置及び/又は構成が、マウント100の幾何学的形状の変化をどのように定義できるかは明らかである。
【0075】
図示のマウント100の形状はダイヤモンド又は台形の形であるが、楕円形、正方形、長方形など、他のマウント形状も可能である。
【0076】
図5は、口腔器具用のクリーニング又は処置モジュール500の例を示している。クリーニング又は処置モジュールは、マウント100と、マウント100上/内に取り付けられた1つ以上のクリーニング/処置要素520の少なくとも1つのセットとを含む。図5は、マウント100の裏面(つまり、図1に示す上面と反対側の面)を示している。
【0077】
クリーニング/処置要素520は、図に示すように、対象者の歯/歯茎をクリーニングするための毛、タフト、又はブラシを含む。ただし、超音波クリーニング要素(例えば、CMUT)、処置光(例えば、UV光)を照射するためのLED、電磁界若しくは電界をもたらすための電極構成、ホワイトニングパウダー若しくはペーストを充填したリザーバ、ウォータージェットアウトレット(例えば、流体放出ノズル)、画像センサ、光ファイバ構成、又はカメラなど、ブラシ/タフト/毛の代わりに及び/又はそれらと一緒に任意の他の形のクリーニング/処置要素を使用することもできる。処置要素の別の例としては、例えば、経時的に歯を所望の位置に再整列するために、歯に接触して力を加えたり、歯の動きを制限したりする歯の位置合わせ要素が挙げられる。
【0078】
クリーニング/処置要素は、1つ以上のクリーニング要素の複数のセット(例えば、平行に整列したブラシの2つのセット)で形成されている場合がある。1つ以上のクリーニング/処置要素の第1のセットが、ユーザの口の第1の側(例えば、歯茎の外側)をクリーニング/処置し、第2のセットが、対象者の口の第2の別の側(例えば、歯茎の内側)をクリーニング/処置する。
【0079】
使用時に、クリーニング又は処置モジュール500は、対象者の歯に近接して位置決めされ、第1の方向に変形する。これにより、マウント100が対象者の歯に向かって屈曲又は湾曲して、クリーニング/処置要素520を対象者の歯に近づけ、接触して適合し、及び/又は歯により大きな圧力(クリーニング力)をかける。このようにして、マウントは、クリーニング又は処置モジュールを効果的にクランプして、クリーニング/処置要素を口の一部に接触させたり、圧力を増したりすることができる。
【0080】
伸長すると、クリーニング要素のうちのいくつかが偏向し、向きが変化することによって、それらが内側に屈曲し、例えば、歯肉線のクリーニングを高めるために好ましい角度で歯肉線に接触するため、優れた歯肉線クリーニングが提供される。
【0081】
提案する手法は、(クリーニング/処理モジュールの一部として)クリーニング要素を備えたマウントの製造プロセスに特に有利である。これは、あまり湾曲していないマウント(例えば、マウントが変形していないとき)へのクリーニング/処理要素の取り付け(例えば、タフト付け)が、湾曲したマウント(例えば、非屈曲式の湾曲マウントが提供された場合)よりも簡単であるためである。
【0082】
図6は(例えば、射出成形プロセスによって提供される可撓性ヒンジを使用して)相互に接続された複数のマウント100で形成されるマウントアレイ600を示している。したがって、各マウント100は、マウントアレイのユニットセル又はマウントセクションを表すことができる。マウントアレイを使用すると、対象者の口全体との相互作用が容易になる。例えば、マウントアレイ600のそれぞれのマウントを使用して複数本の歯を同時に処理できる。例えば、各マウントは異なる歯用に設計できる。マウントアレイの形状は、対象者の腔内の屈曲部又は湾曲部に適合するように構成できる。
【0083】
図6のマウントアレイでは、マウントの寸法(形状、材料特性、材料厚)は一定であるが、各マウントは異なる材料特性、マウント寸法、及び設計パラメータを有していてもよい。これにより、様々な歯と顎のバリエーションに合わせてマウントアレイを更に微調整し、様々な歯の部位でのクランプを制御できる。図6では、マウントアレイは直線的に接続されたマウントを含むものとして示されているが、マウントアレイは曲線に沿って配置されたマウントを含むこともできる。更に、マウントアレイはまた、及び/又はそうでなければ、積み重ねられたマウントを含むこともできる。
【0084】
マウントアレイ全体を第1の方向に変形/伸長すると、各マウント100はその幾何学的形状を変化させ、材料を第2の異なる方向に拡張する。第1の方向は、マウントアレイを形成するためにマウントが接続されている方向と同じ方向である場合がある。これにより、マウントアレイを変形するデバイスがより単純になる。
【0085】
いくつかの実施例では、マウントアレイ600は、クリーニング又は処置モジュール(図示せず)の一部を形成する。特に、クリーニング/処置モジュールは、例えば、図5に示すように、各(個別の)マウント100に1つ以上のクリーニング/処置要素が取り付けられている又は保持しているマウントアレイを含む。
【0086】
この手法は、対象者の口の異なる部分に別個のマウント(例えば、各歯のためのマウント)を使用することを容易にする。各マウントのサイズを、当該マウントに関連付けられた口の部分のサイズに合わせて適応させることもできる。
【0087】
提案する手法の大きな利点の1つは、製造における容易さの向上と複雑さの軽減である。例えば、マウントがポリエステルでできている場合、マウント(及びその中の穴)は、クリーニング及び/又は処置要素を取り付ける前に大きなポリエステルシートをレーザ切断し、タフトや毛を2D表面に追加してから、わずかに湾曲した形状に事前に成形することで準備できる。射出成形プロセスを使用する場合、2Dオーバーモールディングやインサート成形手法などにより、クリーニング要素を実質的に平らな表面に簡単に統合することもできる。
【0088】
図7は、実施形態による口腔器具700の一部を示している。口腔器具700は、クリーニング又は処置モジュール500(ここでは、変形されると、マウントが歯表面の周りに巻き付き、歯列に沿ったU字形のエンベロープを形成するため、同時に複数の歯の表面(つまり、咬合面、舌側、唇側)をクリーニングすることを可能にするブラシヘッド)を含む。クリーニング又は処置モジュール500は、マウント100と、1つ以上のクリーニング/処置要素(ここでは、タフト又は毛)の1つ以上のセットとを含む。マウント100は、前述のようなマウントアレイに置き換えられてもよい。
【0089】
口腔器具700は更に、第1の方向にマウントを制御可能に変形/伸張する作動機構710を含む。特に、作動機構は、第1の方向にマウント100を制御可能に伸長する。
【0090】
使用中、口腔器具は、対象者(対象者自身である場合も、別の対象者である場合もある)の口に入るようにユーザによって制御される。次に、ユーザは、クリーニング又は処置を行う口の一部(例えば、1本以上の歯)に近づく(又は触れる)ように、クリーニング又は処置モジュールを移動する。次に、マウントを変形するように、つまり、第1の方向にマウントを伸長するように作動機構が制御される。これにより、マウントは幾何学的形状を変化させ、材料を第2の方向に拡張する。例えば、屈曲又は湾曲させる。これにより、クリーニング/処置要素が口の一部若しくは歯に近づいたり、接触したり、及び/又はより大きなクリーニング圧力をかけたりする。このようにして、作動機構710を使用してマウント100の伸長を制御することで、処置/クリーニングされる口の一部に対するクリーニング/処置要素のクランプ又は距離が事実上制御される。マウントが歯ブラシヘッドの一部である場合、マウントは、伸長されたときに、歯又は顎の一部の周りに巻き付くので、複数の歯の表面(例えば、咬合面、舌側、唇側)を同時にブラッシングできる。
【0091】
作動機構710は、第1の方向にマウントを制御可能に変形/伸長する電動システムを含んでいてもよい。適切な電動システムの例としては、スピンドルを駆動するモータシャフト(例えば、第1の方向に沿ってある)や、プーリーを駆動し(弾性)ロープ/チェーンを巻き取るモータシャフトが挙げられる。
【0092】
別の例として、作動機構は、マウントの一方又は両端に固定された膨張式ブラダと、膨張式ブラダへの流体(例えば、気体、空気、若しくは液体と気体の組み合わせ、又は、粒状ジャミング作用を利用するためにガスと粒状粒子とで満たされたブラダ)の出し入れを制御して、変形、クランプ、及び口腔組織へのマウントの効果的な負荷伝達を制御する流体制御システムとを含む。膨張式ブラダは、例えば、第1の方向におけるマウントの伸張を実行できるように、壁の厚さを変化させることによって制御できる適切な異方性拡張を介して設計できる。場合によっては、ブラダは、例えば、クリーニング/処置の有効性を向上させるために、マウントの垂直上下運動を制御できるように制御できる。
【0093】
別の例として、作動機構は、磁気力又は電磁力を使用してマウントの変形を制御する磁気又は電磁制御システムを含む。例えば、マウントの一端が第1の磁気要素(例えば、永久磁性、強磁性、常磁性、反磁性のエンドプレート)を含み、第2の(他)端が、マウントの2つの端間の磁力を定義できる制御可能な磁場を有する電磁石を含む。第1及び第2の端の位置が、第1の方向を定義する。別の変形例は、2つの受動永久磁石を有することであり、1つは動かず、エンドプレートに固定されており、もう1つは回転又はリニアドライブに取り付けられている。
【0094】
作動機構の他の例としては、電気活性応答性材料特性を示す1つ以上の材料(例えば、電気活性ポリマー)を使用してマウントの変形を制御する電気制御システム、1つ以上の温度差及び/若しくは勾配効果を使用してマウントの変形を制御する熱制御システム(例えば、ペルティエ又はゼーベック素子)、及び/又は1つ以上の電磁波を使用してマウントの変形を制御する光学制御システム(この場合、マウントは感光性である)が挙げられる。
【0095】
口腔器具は更に、作動機構の動作を制御して、マウントの幾何学的形状シフトを制御するコントローラ720を含む。図示する例では、コントローラは、口腔器具デバイスの(オプションの)ハンドル750内に形成されている。コントローラ720は、動作を定義するために作動機構に電気信号を渡すことによって、作動システムの動作を制御する。
【0096】
対象者の口へのマウントの適合を制御するために、及び/又はクリーニング/処置要素によって口の一部(例えば、歯又は顎)に作用する任意の横力を制御するために(例えば、対象者の口の中に挿入されて適切に位置決めされたときに、つまり、消費者に優しい挿入手順を最適化するために挿入プロセス及びマウント形状を制御するために)、コントローラがマウントの形状を制御するために、様々な動作モード又は電子駆動方式が考えられる。
【0097】
コントローラ720は、クリーニングモードで動作可能である。クリーニングモードでは、コントローラは、第1及び/又は第2の方向における材料の範囲が最小の大きさよりも大きくなるようにマウントの幾何学的形状を制御する。例えば、クリーニングモードにあるとき、コントローラ720は、第2の構成になるようにマウントを制御する。例えば、クリーニングモードは、マウントが口の一部(例えば、歯)を完全に囲む又は掴むことができるように制御される。
【0098】
いくつかの実施例では、クリーニングモードで動作しているとき、コントローラは、マウントが歯の表面に向かって及び歯の表面から離れる微小な動きを行うようにマウントの幾何学的形状を変化させる。これは、例えば、マウントの形状を周期的に交互に切り替えることによって実行できる。例えば、クリーニングモードで動作しているとき、コントローラは、第1の大きさと第2の大きさとで交互に切り替わるようにマウントの曲率半径を制御する。
【0099】
マウントの微小な動きによって、クリーニング/処置のクリーニング有効性が向上したり、ブラシがけされた異物の除去が促進したり、クリーニング要素がUV又は青色LEDを含む場合は、口がより均一に照射されたり、面積あたりの平均光入射が制御されたり、任意の他のエネルギー(例えば、口腔組織に照射されるRF、超音波、電気、電気化学)のエネルギー密度場を変調したりできる。
【0100】
いくつかの実施例では、口腔器具は、力測定デバイス730(フォースゲージとも呼ばれる)を含む。力測定デバイスは、マウントによって口の一部に加えられる力の量を定義する力測定値を取得する。力測定デバイスの適切な例としては、圧電センサ、ホール効果センサ、ポテンショメータなどが挙げられる。他の例は、当業者によく知られているであろう。力測定デバイスは、例えば、マウント100又はハンドル750の一部内/上に取り付けられる。
【0101】
いくつかの実施例では、クリーニングモードで動作しているとき、コントローラは、力測定値に応答してマウントの幾何学的形状を制御する。
【0102】
前述したように、マウントの幾何学的形状を制御することで、マウントによって口の一部に加えられる力の量が制御される。コントローラは、クリーニングモードで動作しているときに、所定の範囲内又は所定値と同等の平均印加力を有するように、マウントによって加えられる力の量を制御する。例えば、コントローラは、例えば、力測定値の平均値を一定に保つために、力測定値に応答して幾何学的形状を変調する。
【0103】
別の例として、力測定値を使用して、クリーニングモードに入るタイミングや終了するタイミングを制御できる。例えば、コントローラは、口の一部に力が加えられていることを示す、例えば、口の中にマウントが位置決めされたことを示す力測定値に応答して、クリーニングモードに入る。同様に、コントローラは、口の一部に力が加えられていないことを示す、例えば、口からマウントが取り外されたことを示す力測定値に応答して、クリーニングモードを終了する。
【0104】
コントローラは、口挿入モードで動作可能である。口挿入モードでは、コントローラは、マウントが実質的に平らになるか、最大曲率まで完全に屈曲するように、(第1の平面における)マウントの曲率を制御する。これにより、口に対するマウントの挿入及び取り外しが容易になる。
【0105】
口挿入モードと示されているが、このモードは口からマウントを取り外す場合にも便利である。
【0106】
コントローラが口挿入モードで動作しているときにマウントに加えられる変形は、マウントの自然な状態によって異なる。例えば、マウントが自然に湾曲しているとき(変形していないとき)は、コントローラは、マウントを平らにする(又は、最大限可能なレベルまで屈曲する)ために、作動機構に、マウントを負方向に変形(例えば、負方向に伸長)させる。マウントが自然に平らなときは、コントローラは、マウントを変形しないように、又は口の中に挿入されるマウントの全ボリュームを最小限に抑えるために可能な最大量の変形を与えるように作動機構を制御する。
【0107】
コントローラが動作するモードは、例えば、ユーザインターフェース(図示せず)におけるユーザ入力に反応したものであり得る。別の例では、コントローラが動作するモードは、前述のように力測定に反応したものであり得る。
【0108】
更に別の例では、コントローラが動作するモードは、ユーザの動作特性及び/又は口の中のマウントの位置(例えば、歯列弓に沿った位置)に反応したものであり得る。これらの特性は、例えば、加速器やジャイロスコープなどの慣性測定ユニット(IMU)、及び/又はユーザの動き若しくは磨き検出器を使用して決定される。
【0109】
例えば近心-遠心の動きを検出し、クリーニングモードで動作するタイミングを定義するために使用できる。例えば、近心-遠心の動きが所定の初期位置を超えると、コントローラはクリーニングモードに入る(これは、マウントが口の中で所定の位置に達したことを示し得るからである)。
【0110】
例えばIMUからの信号を使用して、ユーザの動きを決定できる。ユーザの動きが第1の閾値を上回る場合、これは、ユーザが速く磨きすぎていること(例えば、意図せずに軟組織に損傷を与えたり、接触時間が不十分なために重要なスポットをクリーニングし損ねたりする)を示している可能性があり、コントローラは、クリーニングモードを(一時的に)終了して損傷を軽減できる。ユーザの動きが第2の閾値を下回る場合、これは、ユーザが同じ場所を長時間磨きすぎていることを示している可能性があり、コントローラはこれに応じて動作できる。
【0111】
IMUからユーザの動きを求める手法は、例えば、米国特許第10,952,528号で確立されているように、よく知られており、コントローラの動作を定義するために本発明で実施できる。
【0112】
コントローラ720の代替及び/又は追加のユニットは、ユーザインターフェースである。ユーザは、ユーザインターフェースと対話して作動機構の動作を(例えば、手動で)制御できる。
【0113】
当然ながら、口腔器具は、図に示されていない追加の要素又はモジュール(例えば、電源、電源スイッチ、充電ドックなど)を含んでいてもよい。口腔器具のための要素の適切な例は、当業者によく知られている。
【0114】
図8は、実施形態による口腔器具のコントローラによって実行され得る制御戦略の一例を示す波形800である。
【0115】
図示する波形では、時間tをx軸に、信号振幅Aをy軸に表している。信号振幅は、作動機構の動作を制御するためにコントローラによって出力される制御信号の振幅である。振幅Aが大きくなると、第1の方向にマウントに適用される伸長が増加する(したがって、マウントの曲率が増加し、最終的にマウントのターゲット組織への適合及び負荷伝達が増加する)。
【0116】
第1の時間tの間、コントローラは口挿入モードで動作する。この例では、口への挿入中にマウントを平らにするために、コントローラは、マウントを負方向に伸長する(つまり、両端を押し開く)ように作動機構を制御する。
【0117】
第2の時間tの間、コントローラはクリーニングモードで動作する。作動機構は、マウントの伸長(したがって、マウントの曲率、つまり、クランプ)が実質的に一定の(平均)値に維持されるように変調される。この変調により、信号振幅が、2つの異なるレベルのマウントと歯とのクランプに対応する、上限値Aと下限値Aとの間で交互に切り替わる。当然ながら、この(バイレベル)変調は必須ではなく、コントローラは、信号振幅を単一の(一定)値に維持しようとしてもよい。更に、ゆっくりと上昇させたり下降させたりすること(つまり、三角変調)や正弦波のような変調などの他の変調信号方式も考えられる。
【0118】
口挿入モードからクリーニングモードへの切り替えは、ユーザ入力及び/又はモード制御信号などに反応したものであり得る。モード制御信号は、口腔器具の位置及び/又は動き、例えば、近心-遠心の動き/速度(即ち、歯の側面に沿って前後にブラッシングすること)に反応した信号であり得る。例えば、ユーザの典型的なブラッシングの動きが認識された場合、制御はAとAとの間で切り替わる。
【0119】
したがって、図8に示すように、コントローラは、作動機構に(デューティサイクル駆動)制御信号を送信して、可変伸長レベルプロファイルを生成する。これにより、マウントの制御されたクランプ/折り畳みが誘導される。コントローラがクリーニングモードで動作しているとき、作動信号の振幅、つまり、最終的なクランプは、上限値と下限値との間で変化する。
【0120】
正方向の伸長を使用してクランプのレベルが誘導及び制御されるが、(例えば、コントローラが口挿入モードで動作するときは)わずかな負方向の伸長も使用してマウントを平らにして、初期の挿入プロセスと口腔器具の歯の接触が改善される。また、口からデバイスを簡単に取り外すためにも変調を使用できる。これは第1の時間tに示されている。
【0121】
図9は、実施形態による口腔器具のコントローラによって実行され得る制御戦略の別の例を示す波形9900である。
【0122】
波形9900は、クリーニングモードが(ブラッシング)力の測定値F(破線で示す)に反応するようにされている点で、図8の手法とは異なる。特に、クリーニングモードでは、(平均)力レベルFが、所定の(クリーニング)力範囲内又は所定の(クリーニング)力値に維持される。これは、作動機構への制御信号の適切な変調によって達成される。
【0123】
力測定値の変化は、例えば、口腔器具のユーザの動きやデバイスの向きの変化、及び/又は、例えば、マウントが口の中で(例えば、歯茎に沿って)動かされたときに、マウントでクランプされている口の部分のサイズの変化の結果、もたらされ得る。
【0124】
図9はまた、(第1の時間t中に実行される)口挿入モードの代替手法も示している。作動機構を制御してマウントを負方向に伸長する(つまり、両端を押し開く)のではなく、口挿入モードでは、マウントの両端が可能な限り近くなるように(例えば、接触する)、マウントを伸長する(例えば、最大限に)ように作動機構を制御してもよい。これにより、口への挿入を容易にするために、マウントのサイズや形状が小さくなる。
【0125】
当業者は、口挿入モードがオプションであり、実行しなくてもよいことを理解するであろう。
【0126】
図10は、実施形態による口腔器具1000の別の実施例を提供している。
【0127】
口腔器具1000は、対象者の口に挿入するように構成されたマウスピース又はヘッド部分1010を含む。マウスピース1010は、2つのマウントアレイ1021、1022を含むが、これらのうち1つを省略することもできる。ここでは、2つのマウントアレイを使用して、下顎と上顎とを同時にクリーニングできるようになっている。各マウントアレイ1021、1022は、複数の接続されたマウント100で形成されており、各々に1つ以上の穴又はスリットが含まれている。各マウント100には、1つ以上のクリーニング/処置要素(図示せず)のセットが位置決めされている。適切なマウントアレイの例については既に説明している。
【0128】
マウスピース1010は更に、マウントアレイの変形/伸張を制御する作動機構1030を含む。図示する例では、作動機構は、各マウントアレイの第1の端及び第2の端にそれぞれ接続された第1の端1031及び第2の端1032を含む。アクチュエータ1033を介して作動機構の第1の端と第2の端との間の距離を制御できるため、各マウントアレイの第1の端と第2の端との間の距離を制御できる。このようにして、作動機構は、第1の方向1035に各マウントアレイを制御可能に伸長する。
【0129】
作動機構は、リニアアクチュエータ又は電動システム、例えば、図示するように、可動ナットアクチュエータ1033を使用して動作できる。
【0130】
作動機構の他の例としては、マウントの両端に固定された膨張式ブラダ、及び膨張式ブラダへの流体の出し入れを制御して、マウントの変形を制御する流体制御システム、磁気力若しくは電磁力を使用してマウントの変形を制御する磁気若しくは電磁制御システム、電気活性応答性材料特性を示す1つ以上の材料を使用してマウントの変形を制御する電気制御システム、1つ以上の温度差及び/若しくは勾配効果を使用してマウントの変形を制御する熱制御システム、並びに/又は1つ以上の電磁波を使用してマウントの変形を制御する光学制御システム(この場合、マウントは感光性である)が挙げられる。
【0131】
作動機構のこれらの形態の任意の組み合わせを使用できる。
【0132】
各マウントアレイを伸長すると、(マウントアレイの)各マウントも第1の方向に伸長する。第1の方向1035にマウントを伸長すると、前述のマウントが幾何学的に変化し、第2の方向1036に材料を拡張することになる。これは、前述のマウントにおける穴の位置と構成のためである。特に、各マウントは第1の平面(第1の方向はこの平面の法線である)において屈曲する(つまり、曲率が増加する)。
【0133】
マウスピースを対象者の口の中に入れたときに、第1の方向にマウントアレイを伸長すると、クリーニング/処置要素が対象者の歯(説明する例では、2つのマウントアレイを使用するための下顎及び上顎の歯)に近づいたり、接触したり、接触力が増加したりする。このようにして、クリーニング/処置要素と口との空間的及び圧力関係を制御できる。
【0134】
作動機構1030の動作は、前述のようなコントローラ(図示せず)によって制御される。
【0135】
作動機構はリニアアクチュエータであり得る。
【0136】
変形可能な材料における穴は、マウントの変形可能な材料を通る開口部である。変形可能な材料における各穴は、例えば、マウントの伸長に反応して、マウントのトポロジーを変更する。
【0137】
この穴は、貫通穴と呼ばれることがある。つまり、穴はマウントの変形可能な材料を貫通している。
【0138】
穴を使用すると、変形可能な材料が伸長される(第1の)方向とは異なる(第2の)方向に変形可能な材料を拡張/湾曲させることができる。これは、紙の適切に位置決めされた切れ目(つまり、貫通穴)によって、紙が変形されたときの紙の形状が定義される切紙の原理に基づいている。
【0139】
マウントが第1の方向に伸長されると、マウントは第2の方向に伸長し、第3の方向に収縮する場合がある。ここで、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向は全て互いに垂直である。つまり、マウントが第1の方向に伸長されているとき、平面上への変形可能な材料の投影(第1の方向は、平面の法線である)は曲線を形成し得る。曲線の曲率は、第1の方向の伸長の量に依存し得る。
【0140】
実施形態はコントローラを使用する。コントローラは、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、様々なやり方で実装して、必要な様々な機能を実行することができる。プロセッサは、ソフトウェア(マイクロコードなど)を使用してプログラムされて、必要な機能を実行する1つ以上のマイクロプロセッサを採用するコントローラの一例である。しかしながら、コントローラは、プロセッサの採用に関係なく実装され得、また、いくつかの機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実装することができる。
【0141】
本開示の様々な実施形態で採用され得るコントローラ構成要素の例としては、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM(登録商標)などの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリなどの1つ以上の記憶媒体と関連付けられ得る。記憶媒体は、1以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、必要な機能を実行する1つ以上のプログラムでエンコードされ得る。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内で固定されていても、そこに保存されている1つ以上のプログラムをプロセッサにロードできるように輸送可能であってもよい。
【0143】
開示された実施形態の変形例は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲において、語「含む」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形の要素は複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかのアイテムの機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを意味するものではない。コンピュータプログラムが上で説明される場合、それは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される、光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの任意の適切な媒体に保存/配布することができるが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してなど、他の形式で配布することもできる。「~するように適応されている」という用語が、特許請求の範囲又は説明で使用されている場合、「~するように適応されている」という用語は「~するように構成されている」という用語と同等であることを意図していることに留意されたい。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
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【国際調査報告】