(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A47K 10/16 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A47K10/16 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516725
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2021130870
(87)【国際公開番号】W WO2023040031
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111076257.1
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524036756
【氏名又は名称】北京華熙海御科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BLOOMAGE HYINGC AND TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.570 Xiazhuang Yanxi County Huairou District,Beijing 101407,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】521282033
【氏名又は名称】ブルーメイジ バイオテクノロジー コーポレイション リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】劉▲吉▼
(72)【発明者】
【氏名】楊娟
【テーマコード(参考)】
2D135
【Fターム(参考)】
2D135AB06
2D135BA11
2D135DA09
2D135DA25
(57)【要約】
本発明は、ヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオル及びその製造方法を開示する。前記ペーパータオルの平均繊維長は0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含有量は8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aは、次の式:A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である。前記ペーパータオルは、ヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤とを含有し、ペーパータオル中の水分活性と水分との関係を調整することで、ヒアルロン酸ナトリウムでコーティングされた高含水ペーパータオルの摩擦力を大幅に低減することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオルであって、前記ペーパータオルの平均繊維長が0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含有量が8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aが、次の式:
A<-13.78×M
2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である、ペーパータオル。
【請求項2】
前記ペーパータオルがヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤とを含有し、好ましくはヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部である、請求項1に記載のペーパータオル。
【請求項3】
前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が、10w~250w Daである、請求項2に記載のペーパータオル。
【請求項4】
前記水分活性調節剤は、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである、請求項2または3に記載のペーパータオル。
【請求項5】
前記ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量が40~5700ppmである、請求項1~4のいずれか一項に記載のペーパータオル。
【請求項6】
前記ペーパータオルのセルロース含有量がペーパータオルの全質量の50%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のペーパータオル。
【請求項7】
前記ペーパータオルが精油またはエッセンスをさらに含有し、
好ましくは、前記ペーパータオルがスキンケア成分をさらに含有し、
好ましくは、前記ペーパータオルの坪量が10~200gsmである、請求項1~6のいずれか一項に記載のペーパータオル。
【請求項8】
ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含み、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部であり、
好ましくは、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が10w~250w Daであり、
好ましくは、前記水分活性調節剤が、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである、ペーパータオル仕上げ液。
【請求項9】
ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含む溶液をペーパータオル基材にスプレーコートすることにより得られるペーパータオルの製造方法。
【請求項10】
前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が10w~250w Daであり、
好ましくは、前記ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量が40~5700ppmであり、
好ましくは、前記水分活性調節剤が、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせであり、
好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部である、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製品製造の技術分野に関し、特にヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸ナトリウムは天然の皮膚保湿剤であり、これをペーパータオルにコーティングすると、ペーパータオルの皮膚への保湿効果が向上する。しかし、ヒアルロン酸ナトリウムの強力な吸水性により、コーティングされたペーパータオルの含水量は一般的なペーパータオルよりも大幅に高くなる。例えば、ヒアルロン酸ナトリウムでコーティングされたペーパータオルの含水率は通常8~20%であるが、一般的なペーパータオルの含水率は通常5~7%である。
【0003】
ペーパータオルの含水率が向上すると繊維間の抱合力が低下するため、ペーパータオルが肌と擦れるときに界面の繊維が無秩序な配列となり、摩擦力が増大して皮膚の角質層の剥離を引き起こす。これにより、ペーパータオル全体の保湿効果が大幅に低下する。
【発明の概要】
【0004】
上記課題に鑑み、本発明は、ヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオルを提供し、このペーパータオルはヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤とを含有し、ペーパータオルの摩擦力を低減することができる。
【0005】
本発明は、水とより強い水素結合を形成し、それによって水分と繊維の間の相互作用を減少させることができる1つ以上の成分をペーパータオルに導入することに意味があり、この成分は、水分活性調節剤と呼ばれる。ペーパータオルの水分活性係数と水分との関係を調整することにより、ヒアルロン酸ナトリウムでコーティングされた高含水ペーパータオルの摩擦力を大幅に低減できる。
【0006】
本発明の具体的な技術案は以下の通りである。
【0007】
1.ヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオルであって、前記ペーパータオルの平均繊維長が0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含有量が8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aが、次の式:
A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である、ペーパータオル。
2.前記ペーパータオルがヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤とを含有し、好ましくはヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤を40~1600重量部含有する、項1に記載のペーパータオル。
3.前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が、10w~250w Daである、項2に記載のペーパータオル。
4.前記水分活性調節剤は、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである、項2または3に記載のペーパータオル。
5.前記ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量が40~5700ppmである、項1~4のいずれか一項に記載のペーパータオル。
6.前記ペーパータオルのセルロース含有量がペーパータオル全質量の50%以上である、項1~5のいずれか一項に記載のペーパータオル。
7.前記ペーパータオルが精油またはエッセンスをさらに含有し、
好ましくは、前記ペーパータオルがスキンケア成分をさらに含有し、
好ましくは、前記ペーパータオルの坪量が10~200gsmである、項1~6のいずれか一項に記載のペーパータオル。
8.ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含むペーパータオル仕上げ液であって、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部であり、
好ましくは、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が10w~250w Daであり、
好ましくは、前記水分活性調節剤が、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである、ペーパータオル仕上げ液。
9.ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含む溶液をペーパータオル基材にスプレーコートすることにより得られるペーパータオルの製造方法。
10.前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が10w~250w Daであり、
好ましくは、前記ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量が40~5700ppmであり、
好ましくは、前記水分活性調節剤が、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせであり、
好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部である、項9に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のペーパータオルは、ヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤とを含有しており、ペーパータオル中の水分活性度と水分との関係を調整することにより、ヒアルロン酸ナトリウムをコーティングした高含水ペーパータオルの摩擦力を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実験例3における摩擦力の試験方法の模式図である。
【
図2A】ケース2のヒアルロン酸含有ペーパータオルの元の状態の繊維配列の模式図である。
【
図2B】ケース2のヒアルロン酸含有ペーパータオルを150Paの圧力で1回擦ったときの繊維配列の模式図である。
【
図3A】ケース9のペーパータオルの元の状態の繊維配列の模式図である。
【
図3B】ケース9のペーパータオルを150Paの圧力で1回擦ったときの繊維配列の模式図である。
【
図4A】ケース13のペーパータオルの元の状態の繊維配列の模式図である。
【
図4B】ケース13のペーパータオルを150Paの圧力で1回擦ったときの繊維配列の模式図である。
【発明の詳細】
【0010】
以下、添付図面に記載された実施形態を参照して本発明について詳細に説明する。なお、すべての図面における同じ符号は同じ特徴を表す。本発明の特定の実施形態を図面に示したが、本発明は様々な形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本発明の完全な理解を提供し、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供されている。
【0011】
なお、明細書及び特許請求の範囲では、特定の構成要素を指すために特定の用語が使用されていることに留意されたい。当業者であれば、同じ構成要素を指すのに異なる名詞を使用する可能性があることを理解するであろう。本明細書及び特許請求の範囲は、構成要素を区別する方法として名詞の違いを使用せず、むしろ区別の基準として構成要素の機能の違いを使用する。明細書及び特許請求の範囲全体にわたって言及される「含有する」または「含む」という言葉が開放式の用語であるので、それらは「含むがそれに限定されない」と解釈されるべきである。以下の説明は、本発明を実施するための好適な実施形態であるが、これは明細書の一般原則を目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されるものとする。
【0012】
メカニズムから言えば、ペーパータオルには、(1)繊維間の抱合力、(2)水分と繊維の間の水素結合の2種類の凝集力がある。水素結合の効果が強すぎると繊維間の抱合力が弱まってしまう。したがって、水分と繊維の間の水素結合の相互作用を調整することによって、ペーパータオルの摩擦力を研究することができる。
【0013】
これに基づいて、本発明は、ヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオルを提供し、このペーパータオルの平均繊維長が0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含有量が8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aが、次の式:
A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である。
【0014】
例えば、前記ペーパータオルの平均繊維長は、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、またはそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0015】
前記ペーパータオル中の水分含有量は、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、またはそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0016】
本発明は、ペーパータオルの平均繊維長を上記範囲内に制御することにより、ペーパータオルの水分活性と含水量の式が上記式の関係を満たすようにし、ペーパータオルの摩擦力を低減することができる。つまり、ペーパータオルがより低い摩擦係数を有するようになる。
【0017】
本発明において、平均繊維長とは、繊維長の算術平均、すなわち、装置を用いて5000本繊維の長さを自動測定して算術平均をとったものである。繊維長は、当業者に公知の方法を用いて測定したものであり得、例えば、International Standard ISO 16065-2に規定される方法に従って測定した繊維長であり得る。
【0018】
一実施形態において、前記ペーパータオルは、ヒアルロン酸ナトリウム及び水分活性調節剤を含有し、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤は40~1600重量部である。
【0019】
例えば、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に基づいて、前記水分活性調節剤は、40重量部、100重量部、130重量部、110重量部、250重量部、500重量部、550重量部、650重量部、700重量部、750重量部、800重量部、850重量部、900重量部、1000重量部、1300重量部、1600重量部、またはそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0020】
一実施形態では、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量は、10w~250w Daである。
【0021】
例えば、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量は、10w Da、20w Da、30w Da、50w Da、100w Da、150w Da、200w Da、250w Da、またはそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0022】
一実施形態では、前記水分活性調節剤は、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである。
【0023】
例えば、前記水分活性調節剤は、グリセリンとブチレングリコールの組み合わせ、またはグリセリンと、スクロースと、ブチレングリコールとの組み合わせ、またはグリセロールと、ブチレングリコールと、ペンチレングリコールとの組み合わせ、またはスクロースと、ブチレングリコールと、ポリエチレングリコールとの組み合わせであってもよい。
【0024】
なお、本発明においては、上記組み合わせにおける各種物質の質量比及びポリエチレングリコールの分子量については何ら制限もなく、必要に応じて通常に選択することができる。例えば、水分活性調節剤がグリセリンとブチレングリコールとの組み合わせである場合、両者の質量比(mグリセリン:mブチレングリコール)は8:2であってもよい。水分活性調節剤がグリセリンとブチレングリコールの組み合わせである場合、両者の質量比(mグリセリン:mブチレングリコール)は7:3であり得る。水分活性調節剤がグリセリンと、スクロースと、ブチレングリコールとの組み合わせである場合、三者の質量比(mグリセリン:mスクロース:mブチレングリコール)は7:2:1であってもよい。水分活性調節剤はグリセリンと、ブチレングリコールと、ペンチレングリコールとの組み合わせである場合、三者の質量比(mグリセリン:mブチレングリコール:mペンチレングリコール)は8:1:1であってもよい。水分活性調節剤がグリセリンと、ブチレングリコールと、ペンチレングリコールとの組み合わせの場合、三者の質量比(mグリセリン:mブチレングリコール:mペンチレングリコール)は6:2:2であってもよい。水分活性調節剤がスクロースと、ブチレングリコールと、ポリエチレングリコール(分子量2000Da)との組み合わせである場合、三者の質量比(mスクロース:mブチレングリコール:mポリエチレングリコール)は8:1.5:0.5であってもよい。
【0025】
一実施形態では、ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量は40~5700ppmである。
【0026】
ここで記載する含有量とは、以下の実施例で測定したペーパータオル上の含有量の合計を指す。
【0027】
例えば、ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量は、40ppm、80ppm、100ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm、2000ppm、2500ppm、3000ppm、3500ppm、4000ppm、4500ppm、5000ppm、5500ppm、5700ppm、またはそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0028】
一実施形態では、前記ペーパータオルのセルロース含有量がペーパータオルの全質量の50%以上である。
【0029】
例えば、前記ペーパータオルのセルロース含有量は、ペーパータオルの全質量の50%、60%、70%など、またはそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0030】
一実施形態では、前記ペーパータオルは精油またはエッセンスをさらに含有する。
【0031】
一実施形態では、前記ペーパータオルがスキンケア成分をさらに含有し、前記スキンケア成分は、ヒアルロン酸ナトリウム以外のスキンケア成分であり、前記スキンケア成分は当業者に公知であり、必要に応じて通常に選択することができる。
【0032】
一実施形態では、前記ペーパータオルの坪量が10~200gsmである。
【0033】
この坪量について、この範囲内に設定するとよりよい風合いが得られる。この坪量は、本分野で公知の日常用紙としての坪量である。10gsm未満のペーパータオルは紙の強度に問題があり、200gsmを超えるペーパータオルは紙が非常に硬いため、日常用紙としては使用できない。
【0034】
例えば、前記ペーパータオルの坪量は、10gsm、20gsm、50gsm、100gsm、150gsm、200gsm、またはそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0035】
一実施形態では、前記ペーパータオルの摩擦係数は0.82以下であり、例えば、0.73以下、0.71以下、0.70以下、0.69以下、0.68以下、0.66以下、0.65以下、0.64以下、0.63以下などであり得る。
【0036】
前記摩擦係数は、
図1に記載の方法を用いて測定した。図中のP5-1及びP5-2は、同じ実施例または比較例で得られたペーパータオルを示す。
【0037】
一実施形態では、前記ペーパータオルは、エンボス加工または穴あきデザインを有していてもよい。
【0038】
一実施形態では、前記ペーパータオルは白色または有色であってもよい。
【0039】
一実施形態では、前記ペーパータオルの平均繊維長は0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含有量は8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aは、次の式:
A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である。前記ペーパータオルはヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤を含有し、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウムは1重量部に対して、前記水分活性調節剤は40~1600重量部である。
【0040】
一実施形態では、前記ペーパータオルの平均繊維長は0.7~1.4mmであり、ペーパータオル中の水分含有量は8~20重量%であり、ペーパータオルの水分活性Aは、次の式:
A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である。前記ペーパータオルはヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤を含有し、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウムは1重量部に対して、前記水分活性調節剤は40~1600重量部であり、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量は10w~250w Daである。
【0041】
一実施形態では、前記ペーパータオルの平均繊維長は0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含量は8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aは、次の式:
A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である。前記ペーパータオルはヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤を含有する。好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウムは1重量部に対して、前記水分活性調節剤は40~1600重量部であり、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量は10w~250w Daであり、前記水分活性調節剤は、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである。
【0042】
一実施形態では、前記ペーパータオルの平均繊維長は0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含量は8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aは、次の式:
A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である。前記ペーパータオルはヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤を含有する。好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウムは1重量部に対して、前記水分活性調節剤は40~1600重量部であり、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量は10w~250w Daであり、前記水分活性調節剤は、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせであり、ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量は40~5700ppmである。
好ましくは、前記ペーパータオルのセルロース含有量は、ペーパータオルの全質量の50%以上である。
好ましくは、前記ペーパータオルは精油またはエッセンスをさらに含有する。
好ましくは、前記ペーパータオルはスキンケア成分をさらに含有する。
好ましくは、前記ペーパータオルの坪量は10~200gsmである。
【0043】
本発明は、ペーパータオルにヒアルロン酸ナトリウム及び水分活性調節剤を含有させることにより、含水量の高いペーパータオルの摩擦力を調整して、ペーパータオルの摩擦係数を8.2以下にすることができる。
【0044】
本発明は、ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含むペーパータオル仕上げ液を提供し、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部であり、
好ましくは、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が10w~250w Daであり、
好ましくは、前記水分活性調節剤が、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである。
【0045】
本発明は、ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含む溶液をペーパータオル基材にスプレーコートすることにより得られるペーパータオルの製造方法を提供する。
【0046】
前記ペーパータオル基材としては、市販の基材であればいずれでもよく、例えば、以下のようなペーパータオル基材を用いることができる。
【0047】
前記ペーパータオル基材は、約80~95重量%のセルロース繊維、約3~7重量%の水分、及び約0.5~3重量%の湿潤紙力増強剤を含む。ここで、セルロース繊維は、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、及び再生パルプを一定の割合で混合したものである。
【0048】
前記針葉樹パルプとは、カラマツ、マツ、トウヒなどの針葉樹から物理的・化学的に精製して得られるセルロース繊維を指す。
【0049】
前記広葉樹パルプとは、ポプラ、バスウッド、ユーカリ、カエデ、シラカバなどの広葉樹を物理的・化学的に精製して得られるセルロース繊維を指す。
前記再生パルプとは、再生紙製品から物理的・化学的に不純物を除去し精製して得られるセルロース繊維を指す。
前記湿潤紙力増強剤はポリ酢酸ビニル系物質であり、紙の乾燥時の高温条件下でこの物質が架橋反応を起こし、ペーパータオルの湿潤強度が向上する。
【0050】
ここで、針葉樹パルプの繊維長は2~3mm程度、広葉樹パルプの繊維長は0.4~1.2mm程度、再生パルプの繊維長は0.2~0.4mm程度である。
【0051】
実施例では、ペーパータオル基材の化学組成は同じであるが、平均繊維長は異なり、これは、異なるスラリー比率によって得られるからである。実施例では、次のように合計3つの異なるスラリー比が選択された。
ケース1~23、30~37は、同じスラリー比率、針葉樹パルプ(重量):広葉樹パルプ(重量):再生パルプ(重量)=1:4:0を使用した。試験における平均繊維長の違いは、スラリー中の繊維長の分布によるものであり、配合比の変化によるものではなかった。
ケース24~26は、同じスラリー比率、針葉樹パルプ(重量):広葉樹パルプ(重量):再生パルプ(重量)=3:1:0を使用した。試験における平均繊維長の違いは、スラリー中の繊維長の分布によるものであり、配合比の変化によるものではなかった。
ケース27~29は、同じスラリー比率、針葉樹パルプ(重量):広葉樹パルプ(重量):再生パルプ(重量)=0.3:1:4を使用した。試験における平均繊維長の違いは、スラリー中の繊維長の分布によるものであり、配合比の変化によるものではなかった。
【0052】
前記ヒアルロン酸及び水分活性調節剤を含む溶液とは、ヒアルロン酸及び水分活性調節剤を水に溶解させた溶液をいう。
【0053】
一実施形態では、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量は、10w~250w Daである。
【0054】
一実施形態では、ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量は40~5700ppmである。
【0055】
一実施形態では、前記水分活性調節剤は、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである。
【0056】
一実施形態では、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤は40~1600重量部である。
【0057】
ヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤を含む溶液において、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部を添加した場合、水分活性調節剤を40~1600重量部添加する必要があることを意味する。
【0058】
本発明により得られるペーパータオルの平均繊維長は0.7~1.4mmであり、ペーパータオル中の水分含有量は8~20%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aは、次の式:
A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である。
【0059】
得られたペーパータオルは、摩擦力が小さく、摩擦係数が0.82以下である。得られたペーパータオルは、ヒアルロン酸及び水分活性調節剤を含有し、ペーパータオル中の水分活性と水分との関係を調整することにより、ペーパータオルの摩擦力を大幅に低減することができる。
【実施例】
【0060】
本発明は、試験に使用した材料及び試験方法について一般的及び/または具体的に説明する。以下の実施例において、特に断りのない限り、%は重量%、すなわち重量百分率を意味する。使用した試薬や機器の製造元が示されていない場合、それらはすべて市販されている従来の試薬製品である。このうち、ヒアルロン酸ナトリウムは華煕生物済南工場から購入したものである。実施例では、ペーパータオル基材の化学組成は同じであるが、平均繊維長は異なる。これは、スラリー比率の違いによるものであり、繊維基材には、セルロース繊維約91%、水分約7%、湿潤紙力増強剤約2%が含まれており、針葉樹パルプはアメリカ南部松から作られ、広葉樹パルプはユーカリから作られ、湿潤紙力増強剤はWacker Chemie AGのVINNAPAS(登録商標)-192である。
【0061】
実施例1
分子量の異なるヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤を脱イオン水に溶解して溶液を得、この溶液をペーパータオル基材上に塗布してペーパータオルを得た。ここで、溶液中のヒアルロン酸ナトリウム及び水分活性調節剤の含有量は、表1のケース9~23及び30~37に示される通りであり、ペーパータオル基材も同じのスラリー比率、針葉樹パルプ(重量):広葉樹パルプ(重量):再生パルプ(重量)=1:4:0を使用した。
【0062】
比較例1
分子量の異なるヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤を脱イオン水に溶解して溶液を得、この溶液をペーパータオル基材上に塗布してペーパータオルを得た。ここで、溶液中のヒアルロン酸ナトリウム及び水分活性調節剤の含有量は、表1のケース1~8及び24~29に示される通りであり、ケース1~8におけるペーパータオル基材は同じのスラリー比率、針葉樹パルプ(重量):広葉樹パルプ(重量):再生パルプ(重量)=1:4:0を使用した。
ケース24~26におけるペーパータオル基材は同じのスラリー比率、針葉樹パルプ(重量):広葉樹パルプ(重量):再生パルプ(重量)=3:1:0を使用した。
ケース27~29におけるペーパータオル基材は同じのスラリー比率、針葉樹パルプ(重量):広葉樹パルプ(重量):再生パルプ(重量)=0.3:1:4を使用した。
【0063】
【0064】
【0065】
実験例1 ペーパータオル中のHA及び水分含有量の測定
HAの測定:CN109298112Aに記載の方法を用いて測定を行い、結果を表2に示す。
水分含有量の測定:実施例1及び比較例1で作製したペーパータオル1枚の重量を、分析天秤を用いて正確に量り、それをW1として記録した。ペーパータオルは、複数の低坪量ペーパータオル基材を積層して構成されている場合は、積層紙の総重量を量り、それをW1として記録した。
ペーパータオルを105℃(+/-2℃)のオーブンに入れ、30分間(+/-1分間)乾燥させた。素早く取り出し、20秒以内に分析天秤に置き、重量を読み取り、W2として記録した。空気中にはある程度の水蒸気が存在し、乾燥したペーパータオルは環境中の水分を吸収し続けるため、オーブンから取り出してから20秒以内に重量を測定してデータを記録する必要がある。
水分含有量M=(W1-W2)/W1、結果を表2に示す。
【0066】
【0067】
実験例2 ペーパータオルの水分活性の測定
「スイスROTRONIC Hygrolab-C1-SET卓上水分活性計」または同等の機器を使用した。
実施例1及び比較例1のペーパータオル1枚をそれぞれ取り出し、水分活性検出用のサンプルプールに入れた。なお、ペーパータオルの重量は1.0g以上でなければならない。ペーパータオルの重量が1.0g未満の場合は、ペーパータオルを数枚重ねてペーパータオルの総重量が1.0gを超えるようにする。
次に、テストプローブでサンプルプールを密閉し、25℃(+/-2℃)の環境に1時間静置し、水分活性が安定した値に達してから水分活性を記録し、各サンプルを3回測定し、その平均値を求め、その結果を表3に示す。
【0068】
【0069】
実験例2で得られた実施例1のペーパータオルの水分含有量と、本実験例で得られた実施例1のペーパータオルの水分活性を最小二乗法を用いてフィッティングし、次の式:A<-13.78×M2+4.89×M+0.3を得、式中、Mは実施例1のペーパータオル中の水分含有量である。
【0070】
実験例3 摩擦係数の測定
まず、ペーパータオルの摩擦力の許容閾値を決定するために、市販のさまざまな紙製品を使用して摩擦力テスト及び消費者によるブラインドテストが実施された。消費者によるブラインドテスト実験では、消費者は19歳から40歳までの北京の女性ホワイトカラー30名であった。各被験者にCtrl、B1L、B1M、B1Hの4つのサンプルを触らせ、その柔らかさに応じてスコアリングさせた。1点が最も悪く、10点が最も良いとし、その結果を表5に示す。なお、4つのサンプルの情報を表4に示す。
【0071】
【0072】
【0073】
上記の表からわかるように、摩擦係数が0.82の場合、それはペーパータオルの摩擦力の許容閾値である。
そのため、実施例1及び比較例1のペーパータオルの摩擦係数を測定した。測定方法は以下の通りである。
摩擦力の試験はPARAM(登録商標) MXD-02摩擦係数計または同等の装置を用いて行い、具体的な試験方法を
図1に示す。摩擦力検出装置は、水平プラットフォームP1、可動圧力ブロックP2、張力感知装置を備えたモーターP3、及び剛性の牽引ロープP4で構成されている。試験対象のペーパータオルP5-1及びP5-2(実施例1及び比較例1のペーパータオル)をそれぞれP1及びP2の表面に固定した。
試験中、可動スライディングブロックP2は、剛性の牽引ロープP4の牽引下で150mm/分の速度でP3に向かって水平に均一速度で移動した。可動スライディングブロックP2の質量はMP=100g、面積SP=64cm
2であった。均一速度で移動するプロセスにより、P5-2のすべての試験面がP5-1の領域内に収まるようになる。
等速運動では、平均摩擦力がFAとして記録され、すなわち、摩擦係数CoF=FA/(MP*g)、ここでg=9.8m/s
2、結果を表6に示す。
【0074】
【0075】
実験例4 ペーパータオルの繊維長の測定
試験はInternational Standard ISO 16065-2に従って実施され、各サンプルについて5000点を測定して繊維長分析を行い、その結果を表7に示す。ケース1のペーパータオルを摩擦前及び摩擦後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクAeroSurf1500卓上走査型電子顕微鏡)を使用して撮影し、繊維配列のTEMを
図2A及び
図2Bに示す。同様に、摩擦前後のケース9及びケース13の繊維配列をそれぞれ
図3Aと
図3B、及び
図4Aと
図4Bに示す。
【0076】
【0077】
図3Aと
図3B及び
図4Aと
図4Bから見えるように、ケース9及びケース13のペーパータオルの摩擦後の界面は、繊維が平らに広がった状態を示しているが、
図2Aと
図2Bからは、繊維の抱合が剥離した現象が見られた。このことから、水分活性を調整しても、繊維間の抱合力は変化せず、本発明のペーパータオルの摩擦力が低減されることがわかる。また、実験例で測定した摩擦力のデータから、ケース2の摩擦後のペーパータオルの摩擦係数は0.97であり、ヒアルロン酸ナトリウムでコーティングされていないペーパータオル基材の摩擦係数0.91よりも高いことがわかる。
表7から分かるように、本発明のペーパータオルの平均繊維長は0.7~1.4mmであり、試験における平均繊維長の差は、スラリー中の繊維長の分布によるものであり、配合比によるものではない。
【0078】
以上によって、本発明のペーパータオルの平均繊維長が0.7~1.4mmである場合、ペーパータオル中の水分含有量及び水分活性を調整することにより、ペーパータオルの摩擦係数を0.82以下に低下することができる。
【0079】
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を他の形態に限定することを意図するものではなく、当業者であれば、上記に開示した技術内容を利用して、等価に変更した同等の実施例に変更または修正することができる。しかしながら、本発明の技術案の内容から逸脱することなく、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に対して行われたあらゆる単純な変更、等価な変更、及び修正は、依然として本発明の技術案の保護範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸ナトリウムを含有するペーパータオルであって、前記ペーパータオルの平均繊維長が0.7~1.4mmであり、前記ペーパータオル中の水分含有量が8~20重量%であり、前記ペーパータオルの水分活性Aが、次の式:
A<-13.78×M
2+4.89×M+0.3を満たし、式中、Mはペーパータオル中の水分含有量である、ペーパータオル。
【請求項2】
前記ペーパータオルがヒアルロン酸ナトリウムと水分活性調節剤とを含有し、好ましくはヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部である、請求項1に記載のペーパータオル。
【請求項3】
前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が、10w~250w Daである、請求項2に記載のペーパータオル。
【請求項4】
前記水分活性調節剤は、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである、請求項
2に記載のペーパータオル。
【請求項5】
前記ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量が40~5700ppmである、請求項1~4のいずれか一項に記載のペーパータオル。
【請求項6】
前記ペーパータオルのセルロース含有量がペーパータオルの全質量の50%以上である、請求項1~
4のいずれか一項に記載のペーパータオル。
【請求項7】
前記ペーパータオルが精油またはエッセンスをさらに含有し、
好ましくは、前記ペーパータオルがスキンケア成分をさらに含有し、
好ましくは、前記ペーパータオルの坪量が10~200gsmである、請求項1~
4のいずれか一項に記載のペーパータオル。
【請求項8】
ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含み、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部であり、
好ましくは、前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が10w~250w Daであり、
好ましくは、前記水分活性調節剤が、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせである、ペーパータオル仕上げ液。
【請求項9】
ヒアルロン酸と水分活性調節剤とを含む溶液をペーパータオル基材にスプレーコートすることにより得られるペーパータオルの製造方法。
【請求項10】
前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量が10w~250w Daであり、
好ましくは、前記ペーパータオル上の前記ヒアルロン酸ナトリウムの含有量が40~5700ppmであり、
好ましくは、前記水分活性調節剤が、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアルデヒド基を含む物質であり、好ましくはグリセリン、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリソルベート、またはそれらの組み合わせであり、
好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム1重量部に対して、前記水分活性調節剤が40~1600重量部である、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】