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特表2024-532590流れを最適化した導管コネクタおよび導管コネクタ組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】流れを最適化した導管コネクタおよび導管コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   F15D 1/04 20060101AFI20240829BHJP
   F16L 43/00 20060101ALI20240829BHJP
   F16L 55/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
F15D1/04
F16L43/00
F16L55/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516928
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2022075969
(87)【国際公開番号】W WO2023046633
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】102021124552.4
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル キンティ
(72)【発明者】
【氏名】ハネス クラーセン
【テーマコード(参考)】
3H019
3H025
【Fターム(参考)】
3H019EA03
3H019EA11
3H025BA25
3H025BB02
(57)【要約】
本発明は、流体導管を流体接続するための導管コネクタ組立体および導管コネクタであって、ハウジング(2)を備える導管コネクタに関する。ハウジングは、受入空間(3)と、接続部(4)と、流体が流れる流路(5)とを有する。流体が流れる流路は、第1直線流路部分(6)と湾曲流路部分(8)とを有する。湾曲流路部分は、流体が流れることができるように第1直線流路部分に直接隣接し、湾曲流路部分は、流体が流れることができるように第2直線流路部分(7)に接続することができる。湾曲流路部分は内側流路ライン(9)と外側流路ライン(10)とを有し、外側流路ラインは内側流路ラインよりも強く湾曲していない。湾曲流路部分の外側流路ラインは、特に湾曲流路部分の全範囲にわたって、長さ(L)を有する。湾曲流路部分は、少なくとも1つの拡大部(13)を有し、または、第1直線流路部分は、湾曲流路部分の内側流路ラインに隣接する領域に切欠き(14)を有し、湾曲流路部分のエッジの2つのエッジ部(27,28)は、外側流路ラインから切欠きの互いに対向する端部まで延びる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体導管を流体的に接続するための導管コネクタ組立体であって、受入空間(3)を有するハウジング(2)と、接続部(4)と、流体が流れることができる流路(5)とを備え、該流体が流れることができる流路(5)は、その間に偏向角αが形成された第1直線流路部分(6)および第2直線流路部分(7)と、湾曲流路部分(8)とを有し、該湾曲流路部分(8)は、前記第1および前記第2直線流路部分(6,7)の間に配置され、流体がそれらを流れることができるようにそれらを互いに接続し、前記湾曲流路部分(8)が内側流路ライン(9)と外側流路ライン(10)とを有し、該外側流路ライン(10)が前記内側流路ライン(9)よりも強く湾曲しておらず、前記湾曲流路部分(8)の前記外側流路ライン(10)が前記湾曲流路部分(8)の全範囲にわたって長さLを有し、前記流体が流れることができる流路(5)が直径dを有する場合、0.9×α×d≦L≦1.1×α×dが適用され、2つの前記直線流路部分(6,7)の一方がより小さい直径D1を有し、2つの前記直線流路部分(6,7)の他方がより大きい直径D2を有する場合、0.9×α×D1≦L≦1.1×α×D2が適用され、前記湾曲流路部分(8)が、少なくとも1つの拡大部(13)を有し、または、前記湾曲流路部分(8)の前記内側流路ライン(9)に隣接する領域において、前記第1直線流路部分(6)が、切欠き(14)を有し、前記湾曲流路部分(8)のエッジ(24)の2つのエッジ部(27,28)が、前記外側流路ライン(10)から前記切欠き(14)の対向する端部まで延びている導管コネクタ組立体。
【請求項2】
前記湾曲流路部分(8)の前記外側流路ラインの曲げ半径fが、前記第1および/または前記第2直線流路部分(6,7)の直径の半分よりも大きい請求項1に記載の導管コネクタ組立体。
【請求項3】
前記第1または第2直線流路部分(6,7)は、前記受入空間(3)内に収容された前記流体導管の管部によって形成されている請求項1または請求項2に記載の導管コネクタ組立体。
【請求項4】
前記内側流路ライン(9)の領域において、前記切欠き(14)によって2つのエッジが形成され、第1エッジが、前記受入空間(3)に収容された前記管部の一端によって形成され、第2エッジが、前記切欠き(14)が配置された前記第1直線流路部分(6)の壁によって形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導管コネクタ組立体。
【請求項5】
前記切欠き(14)が、前記受入空間(3)に収容された前記管部の壁と、前記第1直線流路部分(6)の壁とによって区画されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の導管コネクタ組立体。
【請求項6】
前記内側流路ライン(9)と、前記受入空間(3)に挿入された前記管部(22)の内側エッジ(26)との間の接続線(25)であって、前記第2直線流路部分(7)が始まる接続線(25)が、前記第2直線流路部分(7)の延びる方向に対して、30°~90°、好ましくは40°~80°、さらに好ましくは45°~60°の角度を囲む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の導管コネクタ組立体。
【請求項7】
流体導管を流体的に接続するための導管コネクタ(1)であって、受入空間(3)を有するハウジング(2)と、接続部(4)と、直径dを有する流体が流れることができる流路(5)とを備え、該流体が流れることができる流路(5)が、第1直線流路部分(6)と、湾曲流路部分(8)とを有し、該湾曲流路部分(8)が、流体が流れることができる前記第1直線流路部分(6)に直接接続され、流体が流れることができる第2直線流路部分(7)に接続可能であり、前記第1直線流路部分(6)と前記第2直線流路部分(7)との間に偏向角αが形成され、前記湾曲流路部分(8)が内側流路ライン(9)と外側流路ライン(10)とを有し、該外側流路ライン(10)が前記内側流路ライン(9)よりも強く湾曲しておらず、前記湾曲流路部分(8)の前記外側流路ライン(10)が、前記湾曲流路部分(8)の全範囲にわたって長さLを有し、前記流体が流れることができる流路(5)が直径dを有する場合、0.9×α×d≦L≦1.1×α×dが適用され、2つの前記直線流路部分(6,7)の一方がより小さい直径D1を有し、2つの前記直線流路部分(6,7)の他方がより大きい直径D2を有する場合、0.9×α×D1≦L≦1.1×α×D2が適用され、前記湾曲流路部分(8)が少なくとも1つの拡大部(13)を有し、または、前記湾曲流路部分(8)の前記内側流路ライン(9)に隣接する領域において、前記第1直線流路部分(6)が切欠き(14)を有し、前記湾曲流路部分(8)のエッジ(24)の2つのエッジ部(27,28)が、前記外側流路ライン(10)から前記切欠き(14)の対向する端部まで延びている導管コネクタ。
【請求項8】
前記湾曲流路部分(8)の曲げ半径fが、前記第1および/または前記第2直線流路部分(6,7)の直径の半分よりも大きい請求項7に記載の導管コネクタ。
【請求項9】
前記湾曲流路部分(8)の前記外側流路ライン(10)が、特に、前記第1直線流路部分(6)の直径(d)に1/2πを乗じた円周部分に対応する請求項7または請求項8に記載の導管コネクタ(1)。
【請求項10】
前記湾曲流路部分(8)が少なくとも1つの拡大部(13)を有する場合、前記湾曲流路部分(8)は2つの前記拡大部(13)を有し、これらの前記拡大部(13)は、特に、前記湾曲流路部分(8)の周方向において、前記外側流路ライン(10)の両側に、かつ/または前記外側流路ライン(10)から距離をおいて配置されている請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の導管コネクタ(1)。
【請求項11】
前記湾曲流路部分(8)の内側に、流れる流体の少なくとも一部の流動方向を変更する少なくとも1つのガイド要素(16)が配置されている請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の導管コネクタ(1)。
【請求項12】
前記湾曲流路部分(8)内に、3つのガイド要素が互いに平行に、かつ互いに間隔をあけて配置されている請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の導管コネクタ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分による導管コネクタ組立体および請求項6の前提部分による導管コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許出願公開第10 2016 119 659号またはドイツ実用新案出願第20 2017 006 641号で規定されるような導管コネクタは、流体回路、例えば、自動車の冷却水回路においてしばしば使用される。
【0003】
一方では、導管コネクタは、生産上または組立上の理由から、後に接続される2つの導管を接続するために使用される。一方、他の理由のために、導管を分割することが技術的に必要な場合もある。例えば、導管は通常、タイトな半径で敷設することができないため、導管はこれらのタイトな半径部分で2つに分割され、角度付導管コネクタを用いて接続される。ドイツ実用新案出願第20 2017 006 641号によると、導管コネクタによる方向の変更は、異なる角度、特に直角の鋭角なエッジで行われる。乱流による圧力損失は、ここでは不利である。
【0004】
ドイツ特許出願公開第10 2016 119 659号による設計では、乱流がより少なく、したがって圧力損失がより低くなる。ここで、導管コネクタは、方向変更のための流路曲率を有する。流路曲率は、内側流路ラインと外側流路ラインとの間に形成される湾曲した流路部分によって形成される。外側流路ラインは、内側流路ラインよりも強く湾曲していない。
【0005】
ここでのもう一つの欠点は、内側流路ラインの湾曲部または鋭い屈曲部の後方の流動方向においては、死水域と表現できる乱流が生じることである。死水域という用語は、実際の流体とは無関係であり、水の用途に限定されるものではない。主な流体の流れは、外側流路ラインに沿って、この死水域の周囲を流れる。流体が死水域の周囲を流れることができる断面積が減少するため、外側流路ラインの領域における流速は、例えば、上流側よりも著しく高くなる。流れが再び落ち着くのは、湾曲した流路部分の湾曲部の後、ずっと下流に下ったところであり、直線的な導管の正規分布に対応する流速分布に近づく。このような正規分布では、流速は管壁のすぐ近くでゼロとなり、管壁からの距離が長くなるにつれて増加する。
【0006】
圧力損失のため、必要な流体流量を確保するためには、例えば、ポンプを大型化するなど、より多くの労力が必要となる。
したがって、このような努力は、重量およびエネルギ消費に特に不利であり、ひいては、例えば、車両の走行距離を減少させる。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、結果として生じる圧力損失が最小限に抑えられるか、少なくとも低減される、方向変更を伴う導管コネクタおよび導管コネクタ組立体を提供することである。この解決策は、可能な限り費用対効果が高く、信頼性が高く、省スペースで、製造が容易でなければならない。
【0008】
本発明の主な特徴は、請求項1および請求項7の特徴部分に記載されている。実施形態は、請求項2~請求項6、請求項8~請求項12および明細書の主題である。
【0009】
本発明は、流体導管を流体的に接続するための導管コネクタ組立体であって、受入空間を有するハウジングと、接続部と、流体が流れることができる流路とを備え、流体が流れることができる流路が、第1直線流路部分と、第2直線流路部分と、湾曲流路部分とを有し、湾曲流路部分が、第1直線流路部分と第2直線流路部分との間に配置され、流体が流れることができるようにそれらを互いに接続し、湾曲流路部分が、内側流路ラインと外側流路ラインとを有し、外側流路ラインが、内側流路ラインよりも強く湾曲していない、導管コネクタ組立体に関する。湾曲流路部分の外側流路ラインは、湾曲流路部分の全範囲にわたって長さLを有し、ここで 0.9×α×d≦L≦1.1×α×dである。特に、L≧0.925×α×dである。αはここではラジアンで与えられる。
【0010】
「湾曲した」という用語は、ここでは「曲がった」という用語と同義に使用することができる。
外側流路ラインは、一定の曲率を有することができるが、代わりに、異なる曲率または変化する曲率も有することができ、例えば、湾曲したり、蛇行したりすることができる。従来の導管コネクタ組立体と比較して、これは、低圧力損失を可能にする外側流路ラインをもたらす。
【0011】
導管の管部は、受入空間内に配置することができ、受入空間は、第2直線流路部分の周囲に延びることができる。そして、挿入された導管内に第2直線流路部分を配置することができる。後述の直径は、流体が流れることができる流路部分を指し、導管コネクタ内の導管の管部によって形成することもできる。
【0012】
外側流路ラインの曲げ半径は、第1または第2直線流路部分の直径よりも小さいか、等しいか、または大きく、特に直径の0.50倍から1.5倍、好ましくは直径の1倍に相当する。このような大きな半径と、それに対応する湾曲流路部分の領域における湾曲部の広がりとにより、方向変更による圧力損失は、図1に示すような、より小さな円周を有する導管コネクタに比べて約20%低減することができる。
【0013】
もう一つの利点は、湾曲流路部分を除けば、導管コネクタ自体に変更がないため、従前の導管コネクタを1対1で交換できることである。特に、接続寸法と中心距離は変わらない。これは、導管コネクタを狭いスペースでも使用できることを意味する。
【0014】
ここで「コネクタ」という用語を使用する場合、これは導管コネクタと同等である。第1および第2直線流路部分の直径が異なる場合、例えば、半径の差が16mmと12mmとのように大きい場合には、大きい方の直径を寸法基準として使用することができる。好ましくは、例えば、16mmと15mmとのように、半径間の差が小さい場合には、小さい方の直径が寸法基準として使用される。
【0015】
あるいは、本発明によれば、寸法の大きさは、流路部分の直径の間に連続した移行部を有する。この場合、寸法の大きさは2つの直径の平均値とすることができる。湾曲流路部分の外側流路ラインは、次の条件:0.9×α×D1≦L≦1.1×α×D2で、湾曲流路部分の全範囲にわたって長さLを有することができ、寸法の大きさは、2つの直線流路部分の小さい方の直径D1から2つの直線流路部分の大きい方の直径D2まで連続的に推移する。外側流路ラインは、例えば、2つの直線流路部分が異なる内径を有するスプラインとして設計することができる。この場合、湾曲流路部分における外側流路ラインの曲率は、直線流路部分に直接隣接する領域における半径に対応し、この半径は、それぞれの隣接する流路部分の内径に対応する。
【0016】
直線部分に直接隣接する領域間の外側流路ラインの曲率は、流路ラインに沿って変化する。曲率の変化は、好ましくは均一に分布し、円弧に沿った曲率の一次導関数が流路ライン全体にわたって一定である。これにより、2つの直線流路部分の内径の間に均一な移行が生じる。
【0017】
この実施形態は、流路断面の連続的な/緩やかな/均一な変化が、例えば、段差のような急激な変化よりも低い圧力損失を引き起こすので有利である。
【0018】
内側流路ラインと外側流路ラインは、湾曲流路部分の流路断面の反対側に位置し、流路を流れる流体の流動方向と平行に走る。内側流路ラインは、湾曲流路部分のうち、最も湾曲しているか、または角度をなしている領域を示す。外側流路ラインは、湾曲流路部分のうち、最も強く湾曲していないが、特に、湾曲流路部分の一端から他端まで延びる湾曲を依然として有する領域を表す。
【0019】
外側流路ラインは、例えば、円形の円周部分に対応する。円の中心は、ここでは特に点状である内側流路ラインによって形成されるのが好ましい。このことは、湾曲流路部分が内側流路ラインの領域において、最大に湾曲し、特に屈曲することを意味する。言い換えれば、湾曲流路部分は内側流路ラインで角度が付けられており、特に、2つの直線流路部分が出会うことによって形成されている。
【0020】
特に、湾曲流路部分は、円部分の形状を有し、円部分が基づいている円の半径は、好ましくは、第1および/または第2直線流路部分の直径に対応する。
円部分は、好ましくは、第1および/または第2直線流路部分の直径に等しい半径を有する対応する円の1/8~1/2に対応する。
【0021】
湾曲流路部分が第1および第2直線流路部分に接線方向に移行する場合、長さLは、例えば、L=αf+2(d-f)から生じる。ここで、αは、第1および第2直線流路部分の間に形成される偏向角であり、fは、湾曲流路部分の曲げ半径であり、dは、流体が流れることができる流路の直径である。
【0022】
特に好ましくは、外側流路ラインは、第1または第2直線流路部分の直径に1/2πを乗じた円周部分に対応する。対応する偏向角αが90°またはπ/2、半径f=dの場合には、長さLは1.571×dとなる。
【0023】
好ましくは、湾曲流路部分の湾曲は、流路を通る流体の流動方向を0.1°~120°、好ましくは45°~120°、好ましくは60°~110°、より好ましくは70°~95°、特に好ましくは90°変化させる。
好ましくは、湾曲流路部分は、第1および/または第2直線流路部分の断面積に対応する断面積を有する。
【0024】
好ましくは、第1および第2直線流路部分は、円形の断面を有する。好ましくは、湾曲流路部分は、実質的に円形、卵形または楕円形の断面を有することもできる。
好ましくは、外側流路ラインは、流動方向において、湾曲流路部分の全長にわたって均一な半径を有する。
【0025】
好ましい実施形態では、第1または第2直線流路部分が、受入空間内に収容された流体導管の管部によって形成されることが提供される。
受入空間に収容される管部は、特にスピゴットである。
【0026】
好ましくは、湾曲流路部分は、一体的に接合された方法で第1直線流路部分に接続され、これは特に、流路部分の一体製造からなる。特に導管コネクタに収容される管部によって形成される第2直線流路部分は、好ましくは、流体密かつ着脱可能な方法で、湾曲流路部分に接続され、第2直線流路部分と湾曲流路部分との接続端部は、特に、第2直線流路部分における流体の流動方向に対して垂直に形成される。
【0027】
本発明によれば、第1の態様において、湾曲流路部分が少なくとも1つの拡大部を有するものが提供される。
本発明による導管コネクタは、好ましくは、流体が流れることができる流路を形成し、互いに90°の角度で配置される2つのコアを有する射出成形によって製造される。しかし、ここで問題となるのは、湾曲した流路部分の湾曲領域を大きくすると、金型にアンダーカットが必要となり、製造が複雑で高価になることである。
【0028】
湾曲流路部分を適合させることによって、例えば、それを広げることによって、製造ツール上の対応するアンダーカットを回避または補正することができる。
アンダーカットは、例えば、内側流路ラインの領域、特に、内側流路ラインの両側で、そこから距離を置いて、湾曲流路部分の周方向に、特に、周方向において外側流路ラインよりも内側流路ラインに近い位置に、平坦部を配置することによって回避することができる。断面において、湾曲流路部分は、拡大部や平坦部のない実質的に円形の断面を有する。平坦部は、断面において湾曲流路部分の円周の湾曲を平坦にする。これにより、対応する導管コネクタの製造時に工具にアンダーカットが生じるのを防ぐことができる。
【0029】
しかしながら、特に2つの平坦部は、平坦部の領域における流路断面を減少させる。圧力損失をできるだけ低く抑えるためには、一定の流路断面積が有利である。したがって、特に平坦部による湾曲流路部分の断面積の減少を補う少なくとも1つの追加的な拡大部を設けることが好ましい。
【0030】
好ましい実施形態では、湾曲流路部分が1つ、特に2つの拡大部を有し、これらの拡大部が、特に、湾曲流路部分の周方向の両側に、外側流路ラインから距離をおいて配置されているものが提供される。
好ましくは、2つの拡大部は、接触方向、したがって湾曲流路部分の断面で見たとき、内側流路ラインよりも外側流路ラインに近い位置に配置される。拡大部は、特に均一な円形断面と比較して、断面における湾曲流路部分の円周を広げる。
【0031】
この結果、流路断面が拡大し、均一な流れに有益な効果をもたらす。
平坦部と拡大部の両方は、湾曲流路部分の円形断面からの逸脱をもたらす。
好ましくは、湾曲流路部分の断面において1つ以上の平坦部によって減少する面積は、1つ以上の拡大部による湾曲流路部分の断面における追加面積に等しい。
これにより、流路断面が一定に保たれる。このことは、圧力損失を低減する上で有利である。
【0032】
導管コネクタは、複雑な工具を必要とすることなく、湾曲部の流通断面を一定に保つ。
さらに、特にアンダーカットを避けるための平坦部、および流路断面を一定にするための拡大部を施した導管コネクタは、それに対応して湾曲流路部分の外側流路ラインを有するため、図1に示すような導管コネクタと比較して、圧力損失が約24%減少する。
【0033】
本発明によれば、第2の態様による第1直線流路部分は、湾曲流路部分の内側流路ラインに隣接する領域に切欠きを有する。この場合、湾曲流路部分のエッジの2つのエッジ部は、外側流路ラインから切欠きの対向する端部まで延びている。
【0034】
内側流路ライン上に配置される第1直線流路部分の領域は、切欠きなしで内側流路ラインと少なくとも部分的に直接接触するであろう領域に対応し、第1直線流路部分の端部を形成する。
好ましい実施形態では、内側流路ラインの領域において、切欠きによって2つの端部が形成されるものが提供され、第1エッジは、受入空間内に収容された管部の一端によって形成され、第2エッジは、切欠きが配置された第1直線流路部分の壁によって形成される。
【0035】
この切欠きは、導管コネクタを通る流れを2つのエッジの周りに偏向させる。一方のエッジは、ハウジングに固定された接続導管のスピゴットによって形成される第2直線流路部分の一端によって形成される。もう一方のエッジは、ハウジング自体によって、設けられた切欠きを介して形成される。2つのエッジは、切欠きのない導管コネクタとは対照的に、それぞれ半分の偏向角を持つことができ、その角度はスピゴットの位置に依存する。湾曲流路部分の曲げ半径をそれに応じて大きくすることにより、図1に示すような導管コネクタと比較して、圧力損失を40%低減することができる。切欠きを有する導管コネクタによる方向の変化は、湾曲した内側流路ラインを有する導管コネクタと同様の効果を有する。
【0036】
好ましい実施形態では、切欠きが、受入空間内に収容された管部の壁と、第1直線流路部分の壁とによって画定されるものが提供される。
他の実施形態において、内側流路ラインと、第2直線流路部分が始まる、受入空間に挿入された管部の内側エッジとの間の接続線は、第2直線流路部分が延びる方向に対して、30°~90°、好ましくは40°~80°、さらに好ましくは45°~60°の角度を含み得る。
【0037】
流動方向に沿った導管コネクタの長手方向断面において、接続導管は対応する位置において中心合わせされる。長手方向断面は、第1直線流路部分が長手方向断面から90°の角度で延びるように選択することができる。
【0038】
さらに、本発明は、流体導管を流体的に接続するための導管コネクタであって、受入空間を有するハウジングと、接続部と、流体が流れることができる流路とを備え、流体が流れることができる流路が、第1直線流路部分と、湾曲流路部分とを有し、湾曲流路部分が、流体が流れることができるように第1直線流路部分に直接接続され、流体が流れることができるように第2直線流路部分に接続可能である、導管コネクタを構成する。
【0039】
ここで、湾曲流路部分は、内側流路ラインと外側流路ラインとを有し、外側流路ラインは、内側流路ラインよりも強く湾曲しておらず、湾曲流路部分の外側流路ラインは、湾曲流路部分の全範囲にわたって長さLを有し、ここで、流体が流れることができる流路(5)が直径dを有する場合、以下が適用される。
0.9×α×d≦L≦1.1×α×d
特に、L≧0.925×α×dであり、2つの直線流路部分(6,7)の一方がより小さい直径D1を有し、2つの直線流路部分(6,7)の他方がより大きい直径D2を有する場合、以下が適用される。
0.9×α×D1≦L≦1.1×α×D2
【0040】
上記で説明したように、外側流路ラインは、ここでは一定の、しかし代替的にまた異なるまたは変化する曲率を有することができ、例えば、湾曲されるかまたは蛇行することができる。例えば、外側流路ラインは円周に沿うこともできる。従来の導管コネクタと比較して、この結果、外側流路ラインは低圧力損失となる。
【0041】
好ましくは、曲げ半径は、第1および/または第2直線流路部分の直径の半分よりも大きい。これにより、圧力損失を低減することができる。
このタイプの導管コネクタは、対応する方向の変化によって通常生じる圧力損失を低減することを可能にする。
【0042】
好ましくは、湾曲流路部分の外側流路ラインは、流動方向において湾曲流路部分の全範囲にわたって湾曲部を有し、外側流路ラインは、第1および/または第2直線流路部分の直径の1/8π~2/3π倍に相当する円周部分に相当する。
【0043】
内側流路ラインおよび外側流路ラインは、湾曲流路部分内の流動方向に対して実質的に平行に延び、流動方向に潜在的に生じる乱流は無視される。外側流路ラインは、湾曲流路部分の長手方向範囲に垂直な、流路の最も外側の領域に対応し、特に、流れる流体の方向を変更するために曲げられる。
【0044】
好ましくは、円部分の湾曲、したがって外側流路ラインも、一定の円弧を描き、これは円部分の円周に相当し、第1直線流路部分の直径に等しい半径に依存する。
内側流路ラインは、流動方向に最も強く湾曲した湾曲流路部分の範囲である。例えば、湾曲流路部分が実質的に角度をなす屈曲を有する場合、内側流路ラインは実質的に点状である。
【0045】
好ましい実施形態では、湾曲流路部分の外側流路ラインが、第1直線流路部分の直径に実質的に1/2πを乗じた円周部分に対応するものが提供される。
湾曲流路部分は、ここでは実質的に1/4円に対応することができ、円の中心は内側流路ラインによって形成され、特にそこから第1直線流路部分の直径に等しい半径を有する円が形成される。内側流路ラインは、好ましくは点状である。このことは、湾曲した流路が屈曲を有し、この屈曲は、特に湾曲流路部分の断面において、外側流路ラインと反対側に配置されていることを意味する。
【0046】
湾曲流路部分を有する導管コネクタであって、外側流路ラインが第1直線流路部分の直径の1/2πの円周部分に対応する導管コネクタは、流れる流体が方向を90°変更することを可能にする。
【0047】
本発明によれば、第1の態様において、湾曲流路部分が少なくとも1つの拡大部を有するものが提供される。
本発明による導管コネクタは、好ましくは、流体が流れることができる流路を形成し、互いに90°の角度で配置される2つのコアを有する射出成形によって製造される。しかし、ここで問題となるのは、湾曲した流路部分の湾曲領域を大きくすると、金型にアンダーカットが必要となり、製造が複雑で高価になるということである。
【0048】
湾曲流路部分を適合させることによって、例えば、それを広げることによって、製造ツール上の対応するアンダーカットを回避または補正することができる。
アンダーカットは、例えば、内側流路ラインの領域、特に、内側流路ラインの両側で、そこから距離を置いて、湾曲流路部分の円周方向に、特に、円周方向において外側流路ラインよりも内側流路ラインに近い位置に、平坦部を配置することによって回避することができる。断面において、湾曲流路部分は、拡大部あるいは平坦部のない実質的に円形の断面を有する。平坦部は、断面において湾曲流路部分の円周の湾曲を平坦にする。これにより、対応する導管コネクタの製造時に工具にアンダーカットが生じるのを防ぐことができる。
【0049】
しかしながら、特に2つの平坦部は、平坦部の領域における流路断面を減少させる。圧力損失をできるだけ低く抑えるためには、一定の流路断面積が有利である。したがって、特に平坦部による湾曲流路部分の断面積の減少を補う少なくとも1つの追加的な拡大部を設けることが好ましい。
【0050】
好ましい実施形態では、湾曲流路部分が1つ、特に2つの拡大部を有し、これらの拡大部は、特に、湾曲流路部分の周方向で両側に、外側流路ラインから距離をおいて配置されているものが提供される。
【0051】
好ましくは、2つの拡大部は、接触方向、したがって湾曲流路部分の断面で見たとき、内側流路ラインよりも外側流路ラインに近い位置に配置される。拡大部は、特に均一な円形断面と比較して、湾曲流路部分の断面の円周を広げる。
この結果、流路断面が拡大し、均一な流れに有利な効果をもたらす。
平坦部も拡大部、湾曲流路部分の円形断面からの逸脱をもたらす。
【0052】
好ましくは、湾曲流路部分の断面において1つ以上の平坦部によって減少する面積は、1つ以上の拡大部による湾曲流路部分の断面における追加面積に等しい。
これにより、流路断面が一定に保たれる。このことは、圧力損失を低減する上で有利である。
【0053】
導管コネクタは、複雑な工具を必要とすることなく、湾曲部の流路断面を一定に保持する。
さらに、特にアンダーカットを避けるための平坦部、および流路断面を一定にするための拡大部を施した導管コネクタは、それに対応して湾曲流路部分の外側流路ラインを有するため、図1に示すような導管コネクタと比較して、圧力損失が約24%減少する。
【0054】
本発明によれば、第2の態様において、第1直線流路部分が、湾曲流路部分の内側流路ラインに隣接する領域において切欠きを有するものが提供される。この場合、湾曲流路部分の端部の2つのエッジ部は、外側流路ラインから切欠きの対向する端部まで延びている。
【0055】
内側流路ライン上に配置される第1直線流路部分の領域は、切欠きなしで内側流路ラインと少なくとも部分的に直接接触するであろう領域に対応し、第1直線流路部分の端部を形成する。
【0056】
好ましい実施形態においては、内側流路ラインの領域において、切欠きによって2つの端部が形成されるものが提供され、第1エッジは、受入空間に収容された管部の一端によって形成され、第2エッジは、切欠きが配置された第1直線流路部分の壁によって形成される。
【0057】
この切欠きによって、導管コネクタを通る流れが2つのエッジの周りに偏向されるようになる。一方のエッジは、ハウジング内に固定された接続導管のスピゴットによって形成される第2直線流路部分の一端によって形成することができる。他方のエッジは、ハウジング自体によって、設けられた切欠きを介して形成することができる。切欠きのない導管コネクタとは対照的に、2つのエッジはそれぞれ半分の偏向角を持っている。湾曲流路部分の外側流路ラインの大きな半径と相まって、図1に示すような導管コネクタと比較して、圧力損失を40%減少させることができる。切欠きのある導管コネクタによる方向変更は、湾曲した内側流路ラインを持つ導管コネクタと同様の効果がある。
【0058】
切欠きは、断面において湾曲流路部分の端部とイグルー状の輪郭を形成する。湾曲流路部分は、U字に対応する流動方向に直交する線を有することができ、その開口および脚は内側流路ラインの方を向いている。切欠きは、切欠きが下部にあり、湾曲流路部分が上部にある場合、イグルー状の輪郭が形成されるように、脚部を互いに接続することができる。
【0059】
湾曲流路部分の一方のエッジは、可能な限り小さな半径、例えば、0.1mmで切欠きにおいて丸められていると有利である。これにより、コネクタ内の圧力損失をさらに最小化することができる。
【0060】
好ましい実施形態では、湾曲流路部分内に、流れる流体の少なくとも一部の流動方向を変える少なくとも1つのガイド要素が配置されていることが提供される。
このようなガイド要素は、開示されている国際公開第2020/161190号に既に記載されており、これを参照されたい。国際公開第2020/161190号の内容は、ここで本願に組み込まれる。
【0061】
ガイド要素は、好ましくは、特に、ガイド要素の曲率が、湾曲流路部分の曲率によって引き起こされる流動方向の変化に適合し、それを支持するような方法で、曲げられる。
好ましい実施形態では、3つのガイド要素が、湾曲流路部分内で互いに平行に、かつ互いに間隔をあけて配置されている。このとき、平行なガイド要素とは、流動方向に対して横方向に配置されたガイド要素の個々のエッジのみが互いに平行であることを意味すると理解される。
【0062】
言い換えれば、3つのガイド要素は互いに間隔をおいて積層され、形成された積層は内側の流路ラインから外側の流路ラインまで延びている。
ガイド要素は、図1に示すような導管コネクタと比較して、圧力損失を最大62%削減することができる。
導管コネクタの特徴は、導管コネクタ組立体の導管コネクタにも適用され、その逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言および図面を参照した例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0064】
図1】先行技術の導管コネクタを示す図である。
図2a】導管コネクタの第1の実施形態を示す図である。
図2b】アンダーカットを有する流路の形状を示す図である。
図2c図2bの流路の断面を示す図である。
図3a図2aの実施形態の流路の形状を示す図である。
図3b図2aに示す実施形態の断面を示す図である。
図4a】本発明による導管コネクタの第2の実施形態を示す図である。
図4b図4aの実施形態の流路の形状を示す図である。
図4c図4bの流路の断面を示す図である。
図4d】第2直線流路部分内を示す図である。
図4e図4aの導管コネクタの三次元断面図である。
図5】ガイド要素を備えた本発明による導管コネクタの第3の実施形態を示す図である。
図6a】本発明による導管コネクタの第4の実施形態の縦断面図である。
図6b】挿入された管部を有する第2直線流路部分の斜視図である。
図7】本発明による導管コネクタの第5の実施形態を示す図である。
図8】本発明による導管コネクタの第6の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、流体導管を流体的に接続するために現在標準的に使用されている導管コネクタ1または導管コネクタ組立体の断面図である。導管コネクタ1は、受入空間3を有するハウジング2と、接続部4と、流体が流れることができる流路5とを備える。流路5は、第1直線流路部分6と、第2直線流路部分7と、湾曲流路部分8とから形成されている。湾曲流路部分8は、第1直線流路部分6と第2直線流路部分7との間に配置され、流体が直接流れることができるように互いに接続されている。湾曲流路部分は、内側流路ライン9と外側流路ライン10を有する。内側流路ライン9は、実質的に点状であり、これは、湾曲流路部分8がこの領域で鋭く曲がることを意味する。外側流路ライン10は、湾曲流路部分の湾曲部を表しており、この湾曲部は、流体の流動方向を90°偏向させる。外側流路ライン10は、2つの直線領域の間に湾曲部を有し、これは、直線流路部分6,7の一方の直径の半分に等しい半径を有する1/4円である円周部分に相当する。したがって、外側流路ライン10は、部分的に湾曲しているだけであり、第1および/または第2直線流路部分6,7の直径に1/4πを乗じたものに相当する円周部分に沿っている。
【0066】
第2直線流路部分7は、ここでは受入空間3内に配置されたピンによって形成されている。
図2aは、受入空間3および接続部4を形成するハウジング2を備えた導管コネクタ1の断面図である。流路5は、第1直線流路部分6と湾曲流路部分8とを備える。第2直線流路部分7は、導管コネクタ1の受入空間3内に配置された、接続された流体導管のスピゴットによって形成されている。
【0067】
湾曲流路部分8は、内側流路ライン9と外側流路ライン10とを有する。外側流路ライン10は、図示の実施形態では実質的に点状である内側流路ライン9よりも強く湾曲しておらず、2つの直線流路部分6,7の間の湾曲部に対応している。湾曲流路部分8の外側流路ライン10は、湾曲流路部分8の全長にわたって、潜在的に流れる流体の流動方向に平行な湾曲を有する。外側流路ライン10がたどる湾曲は、第1および第2直線流路部分6,7の直径dの0.9×α~1.1×α倍の円周部分に相当する。
【0068】
図2bは、円形断面を有する流路部分を示しており、アンダーカットがあるため型を抜くことができない。明確にするために、流路5の経路が、周囲のハウジング2なしで示されている。図2bの線A-Aを通る断面が、湾曲流路部分8を通る断面11として図2cに示されている。これは実質的に円形であり、好ましくは、第1および/または第2直線流路部分の直径に等しい直径を有する。
【0069】
図3aは、導管コネクタ1の流路5の他の実施形態を示し、断面図における導管コネクタは、図2aの実施形態に実質的に対応する。この実施形態においては、導管コネクタの製造におけるアンダーカットを避けるために、2つの平坦部12および2つの拡大部13が設けられている。図3bの湾曲流路部分8の断面11に見られるように、2つの平坦部12は、内側流路ライン9の両側に、そこから距離を置いて配置されている。しかし、平坦部12は、外側流路ライン10よりも内側流路ライン9に近い位置に配置されている。一方、2つの拡大部13は、外側流路ライン10の両側に、そこから距離を置いて配置されているが、内側流路ライン9よりも外側流路ライン10に近い位置に配置されている。
【0070】
全体として、拡大部13は、特に、平坦部12によって減少させられた断面積と同じ大きさの、追加の断面積を生じさせる。
【0071】
図4aは、同様に、本発明に係る導管コネクタ1の断面図であり、図2aの実施形態に加えて、切欠き14が設けられている。この切欠き14は、湾曲流路部分8の内側流路ライン9に接する領域において、第1直線流路部分6の壁に配置されている。
【0072】
図4bは、図4aの導管コネクタ1の流路5の断面図である。線A-Aを通る断面によって、図4cに示すように、湾曲部11の断面が得られる。このように、切欠き14は、湾曲流路部分8の断面11を拡大する形状を有する。
【0073】
切欠き14は、同様に図4dおよび図4eに示されている。図4dは、受入空間3側から見た導管コネクタ1の正面図である。切欠き14は、湾曲流路部分8のエッジ24とイグルー形状を形成している。エッジ24の2つのエッジ部27,28は、外側流路ライン10から切欠き14まで延びている。2つのエッジ部27,28は、イグルー形状の側壁を形成し、切欠き14は、イグルー形状の床を形成し、外側流路ライン10の周囲の領域は、イグルー形状の屋根を形成する。
【0074】
図4eは、導管コネクタ1の3次元断面図である。この図では、湾曲流路部分8の壁の形状が見える。第1直線流路部分6において、湾曲流路部分8の断面は、この例では楕円形、好ましくは円形の形状を有する。第2直線流路部分7では、切欠き14により、湾曲流路部分8の断面はイグルー形状を有することができる。
【0075】
湾曲流路部分8の入口のエッジ24およびエッジ部27,28は、可能な限り小さな半径、例えば0~1mm、好ましくは0.1mmを有すると有利である。これにより、コネクタ内の圧力損失をさらに最小化することができる。
【0076】
図5は、導管コネクタ1のさらなる実施形態を示している。3つのガイド要素16が湾曲流路部分8内に配置され、互いに平行に、かつ互いに間隔をあけて配置されている。ガイド要素16は、キャリア17に取り付けられており、このキャリア17は、湾曲流路部分8の受け部18に取り付けられている。
【0077】
図6aおよび図6bは、切欠き14を有する導管コネクタ1の他の実施形態を示している。
図6aは、第1直線流路部分6の第1内径19を示している。第2直線流路部分7の第2内径20も示されている。外側流路ライン10の半径fも示されている。第1および第2内径19,20の差が小さい場合、例えば、第1内径19が15mm、第2内径20が16mmの場合、半径fは小さい方の内径の値、この場合は15mmを選択することができる。
【0078】
図6bに示すように、第2直線流路部分7の受入空間3に挿入される導管の管部22と湾曲流路部分8との間の移行部においては、その後に、第2直線流路部分7に面する外側流路ライン10の端部に段差23が配置される。段差23においては、流路5を流れる流体に圧力損失が生じる。この場合、段差23は比較的平坦であるため、圧力損失は最小となる。
【0079】
第1内径19と第2内径20との差が大きい場合、例えば、第1内径19の値が12mmで第2内径20の値が16mmの場合には、この場合の半径fは16mmを選択することができる。
【0080】
図7は、半径fの他の実施形態を示す。流路部分6,7が異なる内径19,20を有する場合には、直線流路部分6,7に直接隣接する領域における湾曲流路部分8の外側流路ライン10の曲率は、それぞれの隣接する流路部分6,7の内径19,20に対応する半径に対応することができる。
【0081】
この例では、直線流路部分6,7に直接隣接する領域間の外側流路ライン10の曲率は、外側流路ライン10に沿って変化する。曲率の変化は、好ましくは、外側流路ライン10全体にわたって均等に分布され、すなわち、外側流路ライン10に沿った曲率の一次導関数は一定である。これにより、第1直線流路部分6および第2直線流路部分7の内径19,20の間に均一な遷移が生じる。外側流路ライン10は、例えば、スプライン21として設計することができ、第1直線流路部分6におけるスプライン21は、第1内径19に対応する半径fに対応し、第2直線流路部分7におけるスプライン21は、第2内径20に対応する半径23に対応するという境界条件を有する。したがって、外側流路ライン10に沿った半径23の変化は、この例では、2つの異なる半径間の移行に相当する。
【0082】
この実施形態は、流路5の流れ断面の定常的な/緩やかな/均一な変化が、流路5に段差23が配置されている場合のような急激な移行よりも低い圧力損失がもたらされるので有利である。
【0083】
図8は、導管コネクタ1の他の実施形態を示している。ここでは、管部22が受入空間3内に配置されている。内側流路ライン9において、管部22は、内側流路ライン9と、第2直線流路部分7が始まる管部22の内側のエッジ26との間の接続線25が、第2直線流路部分7の延びる方向に対して30°~90°、好ましくは40°~80°、より好ましくは45°~60°の角度を形成するように、第1直線流路部分6から間隔を空けて配置されている。これにより、導管コネクタ1における圧力損失がさらに低減される。
【0084】
本発明は、上述した実施形態の1つに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
設計の詳細、空間的配置および工程ステップを含む、特許請求の範囲、説明および図面から生じる全ての特徴および利点は、個々に、および様々な組み合わせの両方で、本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0085】
1 導管コネクタ/導管コネクタ組立体
2 ハウジング
3 受入空間
4 接続部
5 流路
6 第1直線流路部分
7 第2直線流路部分
8 湾曲流路部分
9 内側流路ライン
10 外側流路ライン
11 湾曲流路部分8の断面
12 平坦部
13 拡大部
14 切欠き
16 ガイド要素
17 キャリア
18 受け部
19 第1内径
20 第2内径
21 スプライン
22 管部
23 段差
24 エッジ
25 接続線
26 エッジ
27 エッジ部
28 エッジ部
d 直径
α 偏向角
L 長さ
f 半径
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
図6a
図6b
図7
図8
【国際調査報告】