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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】窓用シェード及びその作動システム
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
E06B9/322
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517510
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 US2022075113
(87)【国際公開番号】W WO2023049567
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/246,987
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518290445
【氏名又は名称】テー ヨー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】フアン,チュン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,クアン-ユ
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043AA02
2E043AA04
2E043BB11
2E043BB13
2E043BB15
2E043BC03
2E043BD01
2E043DA06
(57)【要約】
【要約】
窓用シェードのための作動システムは、窓用シェードの可動レールを上昇及び下降させるために回転可能である軸結合部と、互いに接続されているブレーキ部及びブレーキ結合部であり、ブレーキ部は、ブレーキ結合部の回転を防止するためにブレーキ結合部に制動力を加えることに適合されている、ブレーキ部及びブレーキ結合部と、操作部と接続されたスプールを含むリフト作動モジュールであり、スプールは、操作部を巻き取るために巻き取り方向に回転可能であり、操作部を巻き解くために巻き解き方向に回転可能である、リフト作動モジュールと、ブレーキ結合部とスプールとに対して移動可能である2つのクラッチ部を含むクラッチ機構であり、スプールとブレーキ結合部とのうちのいずれか1つに、軸結合部を選択的に結合するクラッチ機構とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓用シェードのための作動システムであって、
窓用シェードの可動レールを上昇及び下降させるために回転可能である軸結合部と、
互いに接続されているブレーキ部及びブレーキ結合部であり、ブレーキ部は、ブレーキ結合部の回転を防止するためにブレーキ結合部に制動力を加えることに適合されている、ブレーキ部及びブレーキ結合部と、
操作部と接続されたスプールを含むリフト作動モジュールであり、前記スプールは、前記操作部を巻き取るために巻き取り方向に回転可能であり、前記操作部を巻き解くために巻き解き方向に回転可能である、リフト作動モジュールと、
前記ブレーキ結合部と前記スプールとに対して移動可能である2つのクラッチ部を含むクラッチ機構であり、前記スプールと前記ブレーキ結合部とのうちのいずれか1つに、前記軸結合部を選択的に結合するクラッチ機構とを備え、
前記軸結合部が前記ブレーキ結合部から結合解除され、前記スプールに結合された場合に、前記スプールと前記軸結合部とは、前記ブレーキ結合部に対して同時に回転可能であり、前記軸結合部が前記ブレーキ結合部に結合され、前記スプールから結合解除された場合に、前記ブレーキ部の前記制動力は、前記軸結合部の回転を防止することに適合されている、作動システム。
【請求項2】
2つの前記クラッチ部は、前記軸結合部を前記スプールと前記ブレーキ結合部とのうちのいずれか1つに選択的に結合するために、反対方向にスライドするように構成されている、請求項1記載の作動システム。
【請求項3】
前記軸結合部が前記ブレーキ結合部から結合解除されて前記スプールに結合された場合に、2つの前記クラッチ部のうちの1つは、前記軸結合部と前記スプールとに伴って回転可能であり、一方、前記ブレーキ結合部と2つの前記クラッチ部のうちの他の1つとは、全体的に静止したままである、請求項1記載の作動システム。
【請求項4】
前記ブレーキ結合部と2つの前記クラッチ部のうちの1つとは、前記軸結合部の中間部分の周りに配置され、2つの前記クラッチ部のうちの他の1つは、前記軸結合部の端部に隣接して配置されている、請求項1記載の作動システム。
【請求項5】
2つの前記クラッチ部は、
前記ブレーキ結合部に結合されている第1クラッチ部であり、第1クラッチ部が前記軸結合部から係合解除した第1位置と、第1クラッチ部が前記軸結合部に係合した第2位置との間で、前記ブレーキ結合部に対して移動可能である第1クラッチ部と、
前記スプールに結合されている第2クラッチ部であり、第2クラッチ部が前記軸結合部から係合解除した第3位置と、第2クラッチ部が前記軸結合部に係合した第4位置との間で、前記スプールに対して移動可能である第2クラッチ部とを含み、
前記スプールの前記巻き解き方向への回転は、前記第2クラッチ部を前記第4位置へ移動させ、前記第1クラッチ部を前記第1位置へ移動させ、前記スプールと、前記軸結合部と、前記第2クラッチ部とは、前記ブレーキ結合部に対して同時に回転可能であり、
前記スプールの前記巻き取り方向への回転は、前記第2クラッチ部を前記第3位置へ移動させ、前記第2クラッチ部が前記第3位置にある間に、前記第1クラッチ部は前記第2位置に切り替えられ、前記ブレーキ部の前記制動力は前記軸結合部の回転を防止することに適合される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の作動システム。
【請求項6】
前記軸結合部と前記スプールとは、長手方向軸線を中心として回転可能であり、前記第1クラッチ部と前記第2クラッチ部とは、前記長手方向軸線に沿ってスライド可能である、請求項5記載の作動システム。
【請求項7】
前記軸結合部は、前記長手方向軸線の周りに配置されている複数の第1歯と複数の第2歯とを含み、前記第1クラッチ部は、複数の第3歯を有し、前記第2クラッチ部は、複数の第4歯を有し、
前記第3歯は、前記第1クラッチ部が前記第2位置にある場合に、前記第1歯と係合し、前記第4歯は、前記第2クラッチ部が前記第4位置にある場合に、前記第2歯と係合する、請求項6記載の作動システム。
【請求項8】
前記第1歯は、前記軸結合部の第1円周に沿って配置され、前記第2歯は、前記第1円周よりも小さい前記軸結合部の第2円周に沿って配置されている、請求項7記載の作動システム。
【請求項9】
前記第2クラッチ部を介して互いに結合された前記スプールと前記軸結合部との回転により、前記第1クラッチ部が前記第2位置から前記第1位置へ移動するように促進されるように、前記第1歯と前記第3歯とは構成されている、請求項7記載の作動システム。
【請求項10】
前記第2クラッチ部は、スライド接続を介して前記スプールに結合され、
前記スライド接続は、前記スプールの前記巻き解き方向への回転により、前記第2クラッチ部が前記軸結合部に向かって、前記第4歯を前記第2歯に係合させる前記第4位置へスライドし、前記スプールの前記巻き取り方向への回転により、前記第2クラッチ部が前記軸結合部から離れるように、前記第4歯を前記第2歯から係合解除する前記第3位置へスライドするように構成されている、請求項7記載の作動システム。
【請求項11】
前記第1クラッチ部は、前記ブレーキ結合部とスライド接触して前記第1位置と前記第2位置との間で移動可能である、請求項5記載の作動システム。
【請求項12】
前記ブレーキ結合部は、前記第1クラッチ部を少なくとも部分的に受容することに適合されている中空内部を有し、
前記第1クラッチ部又は前記ブレーキ結合部に設けられている少なくとも1つの傾斜面を介して、前記第1クラッチ部は、前記中空内部の中で前記ブレーキ結合部とスライド接触する、請求項11記載の作動システム。
【請求項13】
前記第1クラッチ部は、第1傾斜面と第1停止面とを含むノッチを有し、前記ブレーキ結合部は、第2傾斜面と第2停止面とを含む突起が設けられている内壁を有し、
前記第1クラッチ部は、前記第1傾斜面が前記第2傾斜面とスライド接触した状態で、前記ブレーキ結合部に対して移動可能であり、前記ブレーキ部の前記制動力は、前記第1停止面と前記第2停止面との間の接触によって前記軸結合部の回転を防止することに適合されている、請求項12記載の作動システム。
【請求項14】
前記リフト作動モジュールは、前記スプールと接続されているバネを含み、前記バネは、前記スプールを前記巻き取り方向に回転するようにバイアスする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の作動システム。
【請求項15】
前記ブレーキ部は、前記ブレーキ結合部の周りに配置され、ブレーキ解除部と接続され、前記ブレーキ部は、前記ブレーキ部と前記ブレーキ結合部との間の摩擦接触によって前記ブレーキ結合部に前記制動力を加えることに適合され、
前記ブレーキ解除部は、前記ブレーキ部が前記ブレーキ結合部との前記摩擦接触を緩めるように移動可能である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の作動システム。
【請求項16】
さらに、伝動組立体を介して前記ブレーキ解除部と接続されている制御ワンドを備え、
前記制御ワンドは、前記ブレーキ部が前記ブレーキ結合部との前記摩擦接触を緩めるように、前記ブレーキ解除部を移動させるために促進するように操作可能である、請求項15記載の作動システム。
【請求項17】
さらに、窓用シェードの遮光構造の角度位置を調節するように動作可能であるシェード傾斜機構を備え、
前記制御ワンドは、第2伝動組立体を介して前記シェード傾斜機構と接続され、前記制御ワンドは、前記ブレーキ部が前記ブレーキ結合部との前記摩擦接触を緩めるように、前記ブレーキ解除部を移動させるために促進するようにスライド可能であり、前記制御ワンドは、前記シェード傾斜機構を作動させるように回転可能である、請求項16記載の作動システム。
【請求項18】
前記軸結合部は、伝動軸と回転に関して結合され、
前記シェード傾斜機構は、互いに接続された回転ホイールとラダー組立体とを含み、前記回転ホイールは、前記伝動軸を中心に回転可能であり、前記第2伝動組立体を介して前記制御ワンドと接続されている、請求項17記載の作動システム。
【請求項19】
ヘッドレールと、可動レールと、前記ヘッドレールと前記可動レールとの間に配置されている遮光構造と、
前記ヘッドレールに組み付けられている巻き取りユニットであり、吊り下げ要素を介して前記可動レールに接続されている巻き取りユニットと、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の作動システムとを備え、
前記軸結合部は、伝動軸を介して前記巻き取りユニットと回転に関して結合され、これにより、前記軸結合部と前記伝動軸とは、前記可動レールを上昇及び下降させるために一体となって回転可能である、窓用シェード。
【請求項20】
ヘッドレールと、可動レールと、複数の羽根板を含み、前記ヘッドレールと前記可動レールとの間に配置されている遮光構造と、
前記ヘッドレールに組み付けられている巻き取りユニットであり、吊り下げ要素を介して前記可動レールに接続されている巻き取りユニットと、
請求項17記載の作動システムとを備え、
前記軸結合部は、伝動軸を介して前記巻き取りユニットと回転に関して結合され、前記シェード傾斜機構は、前記羽根板と接続され、これにより、前記軸結合部と前記伝動軸とは、前記可動レールを上昇及び下降させるために一体となって回転可能であり、前記シェード傾斜機構は、前記羽根板の角度位置を調節するように動作可能である、窓用シェード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓用シェード、及び窓用シェードに使用される作動システムに関する。
【0002】
本出願は、2021年9月22日に出願された米国仮特許出願第63/246,987号の優先権を主張する。その開示内容は、参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
窓用シェードのあるものは、窓用シェードの底部を上昇させる操作コードと、底部を下降させるワンドとを使用する可能性がある。さらに具体的には、操作コードを下方へ引いて回転部分を回転駆動し、この回転を駆動軸に伝達することができる。駆動軸は、底部に接続された吊りコードを巻き取るために回転できる。ユーザがワンドを回転させると、ワンドに結合された阻止部(arrester)が駆動軸を解放することができる。それに応じて、底部が重力作用で下降するので、駆動軸は回転できる。
【発明の概要】
【0004】
既に上述したタイプの窓用シェードでは、底部を上昇させるために回転部分と駆動軸とが回転する際に、阻止部の制動力が駆動軸の回転に対して抵抗を生じさせる可能性がある。その結果、底部を持ち上げるために、ユーザが加える引っ張り力は、制動力に打ち勝たなければならず、ユーザの労力の増加を必要とする可能性がある。
【0005】
本出願は、コンポーネントの摩耗を低減することができ、作動システムが少ない労力で操作できるように、内部摩擦を低減することが可能な、窓用シェード、及び窓用シェードに使用される作動システムを述べる。
【0006】
実施形態によれば、窓用シェードのための作動システムは、窓用シェードの可動レールを上昇及び下降させるために回転可能である軸結合部と;互いに接続されているブレーキ部及びブレーキ結合部であり、ブレーキ部は、ブレーキ結合部の回転を防止するためにブレーキ結合部に制動力を加えることに適合されている、ブレーキ部及びブレーキ結合部と;操作部と接続されたスプールを含むリフト作動モジュールであり、スプールは、操作部を巻き取るために巻き取り方向に回転可能であり、操作部を巻き解くために巻き解き方向に回転可能である、リフト作動モジュールと;ブレーキ結合部とスプールとに対して移動可能である2つのクラッチ部を含むクラッチ機構であり、スプールとブレーキ結合部とのうちのいずれか1つに、軸結合部を選択的に結合するクラッチ機構とを備え;軸結合部がブレーキ結合部から結合解除され、スプールに結合された場合に、スプールと軸結合部とは、ブレーキ結合部に対して同時に回転可能であり、軸結合部がブレーキ結合部に結合され、スプールから結合解除された場合に、ブレーキ部の制動力は、軸結合部の回転を防止することに適合されている。
【0007】
さらに、本出願は、作動システムを内蔵することができる窓用シェードの実施形態を述べる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】窓用シェードの実施形態を示す斜視図である。
図2】ヘッドレールから下降した可動レールを有する図1の窓用シェードを示す斜視図である。
図3】窓用シェードのための作動システムに設けられた制御モジュールの構造を示す分解図である。
図4図3に示した制御モジュールの断面図である。
図5】そのハウジングの一部を除いて、図4の制御モジュールを示す斜視図である。
図6】制御モジュールに設けられたクラッチ機構の構造の詳細を示す分解図である。
図7】クラッチ機構のクラッチ部と、リフト作動モジュールのスプールとのスライド接続の例を示す部分断面図である。
図8】クラッチ機構のクラッチ部と、リフト作動モジュールのスプールとのスライド接続の例を示す部分断面図である。
図9図3の制御モジュールの中で、制御ワンドとブレーキ解除部とを接続する伝動組立体の構造の詳細を示す概略図である。
図10図3の制御モジュールの中で、ブレーキ結合部に対するブレーキ部の締め付け状態に対応する初期位置を回復するために、制御ワンドを補助するように構成されたバイアス機構を示す概略図である。
図11図1の窓用シェードを広げる例示的な動作を示す概略図である。
図12図1の窓用シェードを広げる例示的な動作を示す概略図である。
図13図1の窓用シェードの可動レールを上昇させる例示的な動作を示す概略図である。
図14図1の窓用シェードの可動レールを上昇させる例示的な動作を示す概略図である。
図15】窓用シェードのための作動システムに設けられた制御モジュールの変形構造を示す分解図である。
図16図15に示す制御モジュールに設けられた伝動組立体の構造の詳細を示す拡大図である。
図17図15に示す制御モジュールを有する、窓用シェードを広げる例示的な動作を示す概略図である。
図18図15に示す制御モジュールを有する、窓用シェードを広げる例示的な動作を示す概略図である。
図19】シェード傾斜機構を含む作動システムの別の変形構造を示す斜視図である。
図20】シェード傾斜機構の一部を示す斜視図である。
図21図19に示す作動システムに設けられた制御モジュールの構造の詳細を示す分解図である。
図22図19に示す作動システムを内蔵した窓用シェードの実施形態を示す斜視図である。
図23図22に示す窓用シェードを広げる例示的な動作を示す概略図である。
図24図22に示す窓用シェードを広げる例示的な動作を示す概略図である。
図25図22に示す窓用シェードの中で、遮光構造の角度位置を調整する例示的な動作を示す概略図である。
図26図22に示す窓用シェードの中で、遮光構造の角度位置を調整する例示的な動作を示す概略図である。
図27図22に示す窓用シェードの可動レールを上昇させる例示的な動作を示す概略図である。
図28図22に示す窓用シェードの可動レールを上昇させる例示的な動作を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び2は、異なる状態の窓用シェード100の実施形態を示す斜視図である。図1及び2を参照すると、窓用シェード100は、ヘッドレール102と、可動レール104と、遮光構造106と、作動システム200とを含んでよい。窓用シェード100は、図1では引き込まれた状態又は上昇状態で示され、図2では広げられた状態又は下降状態で示されている。
【0010】
ヘッドレール102は、窓枠の上部に取り付けることができ、任意の望ましい形状を有してよい。構造例によれば、ヘッドレール102は、窓用シェード100の作動システム200を少なくとも部分的に受容するために、空洞を含む細長い形状を有してよい。
【0011】
可動レール104は、複数の吊り下げ要素110(図2に仮想線で示す)を使用してヘッドレール102から吊り下げてよい。構造例によれば、可動レール104は、遮光構造106の取り付け部を受容することに適合されたチャンネルを有する細長いレールであってよい。吊り下げ要素110の例としては、限定されないが、コード(紐)、ストリップ、バンドなどが挙げられる。一実施例によれば、可動レール104は、窓用シェード100の底部レールであってよい。しかしながら、必要に応じて、他のシェード要素を可動レール104の下方に設けてよいことが理解されることである。
【0012】
遮光構造106は、ヘッドレール102と可動レール104との間で伸縮可能な任意の適切な構造を有してよい。構造例によれば、遮光構造106はセル状構造を有してよく、これには限定されないが、ハニカム構造を含んでよい。使用中、遮光構造106は、ヘッドレール102から吊り下げられてよく、可動レール104をヘッドレール102から変位させるか、又はヘッドレール102に向かって変位させることにより、広げられてよく、又は折り畳まれてよい。
【0013】
図1及び2を参照すると、可動レール104は、窓用シェード100を望ましい構成に設定するために、ヘッドレール102に対して上下に移動することができる。例えば、可動レール104は、図1に示すように、遮光構造106を折り畳むためにヘッドレール102に向かって上昇が可能であり、又は図2に示すように、遮光構造106を広げるためにヘッドレール102から下降が可能である。ヘッドレール102に対する可動レール104の上下方向での位置は、作動システム200を使用して制御されてよい。
【0014】
図1及び2を参照すると、作動システム200は、ヘッドレール102に組み付けられ、調整のために可動レール104をヘッドレール102に対して変位させるように動作可能である。作動システム200は、伝動軸202と、伝動軸202に回転に関して結合された複数の巻き取りユニット204と、伝動軸202に結合された制御モジュール206とを含んでよい。
【0015】
伝動軸202と巻き取りユニット204とは、ヘッドレール102に組み付けられてよい。伝動軸202は、それぞれ巻き取りユニット204に結合され、長手方向軸線208を中心に回転することができる。巻き取りユニット204のそれぞれは、少なくとも1つの吊り下げ要素110を介して可動レール104とそれぞれ接続され、可動レール104を上昇させるために吊り下げ要素110を巻き取り、可動レール104を下降させるために吊り下げ要素110を巻き解くように動作可能である。例えば、巻き取りユニット204は、伝動軸202と回転に関して結合され、吊り下げ要素110の一端と接続されている回転ドラム(図示せず)を含んでよい。吊り下げ要素110の別の一端は、可動レール104と接続されてよい。それにより、回転ドラムは、吊り下げ要素110を巻き取るか、又は巻き解くために伝動軸202とともに回転することができる。巻き取りユニット204は、伝動軸202に共通に結合されているので、巻き取りユニット204は、吊り下げ要素110の巻き取り及び巻き解きのために同時に動作することができる。
【0016】
制御モジュール206は、伝動軸202に結合され、可動レール104を上昇及び下降させるために、長手方向軸線208を中心として伝動軸202をいずれかの方向に回転させるように動作可能である。図1及び2に関連して、図3は、制御モジュール206の構造を示す分解図であり、図4は、制御モジュール206の断面図である。
【0017】
図1ないし4を参照すると、制御モジュール206は、ヘッドレール102に固定可能であるハウジング210を含んでよい。ハウジング210は、制御モジュール206の少なくとも一部のコンポーネント部品を受容することに適合されたキャビティ210Aを有してよい。構造例によれば、ハウジング210は、キャビティ210Aを少なくとも部分的に規定するように互いに取り付けられている2つのケース部分212A及び212Bと、その1つの側でキャビティ210Aを閉じるようにケース部分212Aに取り付け可能であるカバー212Cとブラケット212Dとを含んでよい。図5は、制御モジュール206の内部構造の詳細をさらによく示すために、ハウジング210の一部を除いた制御モジュール206を示す斜視図である。
【0018】
図3ないし5を参照すると、制御モジュール206は、軸結合部214と、ブレーキ部216と、ブレーキ結合部218と、リフト作動モジュール220と、クラッチ機構222とを含んでよく、これらは全てハウジング210に組み付けられてよい。異なるコンポーネント部品の組み立てを容易にするために、ハウジング210は、異なるサイズの複数の区間を有する固定シャフト224を含んでよい。構造例によれば、固定シャフト224は、ブラケット212Dと固定的に接続されたラグ226と、ラグ226に固定的に取り付けられたシャフト部分228とを含んでよい。ラグ226とシャフト部分228とは、長手方向軸線208に対して実質的に同軸であってよい。さらに、ラグ226とシャフト部分228とは、単一部分として設けられてよいことが理解されることである。単一部分は、ブラケット212Dに取り付けられてよく、又はブラケット212Dと一体的に形成されてよい
【0019】
軸結合部214は、ハウジング210のキャビティ210Aの中に少なくとも部分的に受容され、ケース部212Bを通って外側へ延びてよい。構造例によれば、軸結合部214は、細長い形状の一体部分として設けられてよい。軸結合部214は、そのシャフト部分228が軸結合部214に設けられた孔230に挿入された状態で、固定シャフト224の周りに枢軸的に接続されてよい。
【0020】
伝動軸202と軸結合部214とが、ハウジング210に対して長手方向軸線208を中心に一体となって回転できるように、軸結合部214は、回転に関して伝動軸202に結合されている。例えば、伝動軸202の端部を、固定軸224と反対側の軸結合部214の側面の孔230に挿入してよい。締結具(図示せず)を使用して、伝動軸202を、軸結合部214にしっかりと取り付けてよい。従って、軸結合部214は、伝動軸202を介して巻き取りユニット204と回転に関して結合され、伝動軸202と軸結合部214とは、可動レール104を上昇及び下降させるために長手方向軸線208を中心に一体となって回転することができる。
【0021】
ブレーキ部216は、ブレーキ結合部218の回転を防止するために制動力を加えることに適合されている。構造例によれば、ブレーキ部216とブレーキ結合部218とは、長手方向軸線208の周りに配置され、互いに接続されている。例えば、ブレーキ結合部218は中空内部232を有してよく、軸結合部214の中間部分の周りに配置されてよい。この中間部分は、軸結合部214の中間部分とブレーキ結合部218との間にギャップを残して、中空内部232を通る。運転中、軸結合部214はブレーキ結合部218に対して回転することができる。
【0022】
ブレーキ部216は、ブレーキ結合部218の周りに、その外面234(摩擦面234)と接触して配置されてよく、長手方向軸線208を中心とするブレーキ結合部218の回転を防止するために、ブレーキ結合部218に制動力を加えてよい。例えば、外面234は、ブレーキ結合部218のリング部分に規定されてよく、ブレーキ部216は、外面234と摩擦接触してブレーキ結合部218のリング部分の周りに取り付けられたラップバネを含んでよい。ブレーキ部216は、ブレーキ部216とブレーキ結合部218の外面234との間の摩擦接触によって、ブレーキ結合部218に制動力を加えてよい。
【0023】
図3ないし5を参照すると、リフト作動モジュール220は、操作部238と接続されているスプール236と、スプール236と接続されているバネ240とを含んでよい。操作部238は、直線形状の可撓性要素であってよく、スプール236に係止された端部を有してよい。操作部238の例としては、限定しないが、紐やテープを含んでよい。スプール236は、ハウジング210と枢軸的に接続され、操作部238を巻き取るために巻き取り方向、また操作部238を巻き解くために巻き解き方向に回転可能である。構造例によれば、スプール236は固定シャフト224の周りに枢軸的に接続されてよく、これによりスプール236は、操作部238を巻き取ったり巻き解いたりするために長手方向軸線208を中心に回転することができる。
【0024】
バネ240はスプール236と接続され、スプール236を巻き取り方向に回転させるようにバイアスすることに適合されている。構造例によれば、スプール236は、固定シャフト224を通すキャビティ242を有してよく、バネ240は、キャビティ242の内部で固定シャフト224の周りに配置されてよく、バネ240の両端は、固定シャフト224(例えば、ラグ226で)とスプール236とにそれぞれ接続されている。リフト作動モジュール220は、スプール236が巻き解き方向に回転するように操作部238を引くことによって、可動レール104を上昇させるように操作可能であってよい。操作部238が解放された場合に、バネ240は、操作部238を少なくとも部分的に巻き取るために、スプール236を回転させるように付勢することができる。
【0025】
クラッチ機構222は、リフト作動モジュール220とブレーキ結合部218とのうちのいずれか1つに、軸結合部214を選択的に結合するように構成されている。クラッチ機構222は、スプール236の巻き解き方向への回転に応答して、軸結合部214をリフト作動モジュール220のスプール236に結合し、軸結合部214をブレーキ結合部218から結合解除するように動作可能である。クラッチ機構222は、スプール236が巻き取り方向に回転した場合に、軸結合部214をスプール236から結合解除し、軸結合部214をブレーキ結合部218に結合するように動作可能である。従って、スプール236が巻き解き方向に回転した場合に、軸結合部214とスプール236とは、ブレーキ部216によって加えられた制動力から解放されて、ブレーキ結合部218に対して同時に回転することができる。これにより、可動レール104の上昇を容易にし、コンポーネント部品間の摩擦を低減することができる。スプール236が巻き取り方向に回転した場合に、ブレーキ部216の制動力は、ブレーキ結合部218とクラッチ機構222とを介して軸結合部214に及ぼすことができ、従って、軸結合部214の回転を防止することに適合される。これにより、可動レール104は、ヘッドレール102に対して所望の位置に保持されることが可能である。後述するように、クラッチ機構222は、ブレーキ結合部218とスプール236とに対して移動可能である2つのクラッチ部244及び246を含んでよく、軸結合部214をスプール236とブレーキ結合部218とのうちのいずれか1つに、選択的に結合する。
【0026】
図3ないし5と関連して、図6は、クラッチ機構222の構造の詳細を示す分解図である。図3ないし6を参照すると、ブレーキ結合部218とクラッチ部244とは、軸結合部214の中間部分248の周りに配置されてよく、他の1つのクラッチ部246は、軸結合部214の端部250に隣接して配置されてよい。第1クラッチ部244は、ブレーキ結合部218に結合されてよく、クラッチ部244が軸結合部214から係合解除した係合解除位置と、クラッチ部244が軸結合部214に係合した係合位置との間で、軸結合部214とブレーキ結合部218とに対してクラッチ部244は移動可能である。第2クラッチ部246は、スプール236に結合されてよく、クラッチ部246が軸結合部214から係合解除した係合解除位置と、クラッチ部246が軸結合部214に係合した係合位置との間で、軸結合部214とスプール236とに対してクラッチ部246は移動可能である。
【0027】
2つのクラッチ部244及び246の制御された移動により、ブレーキ結合部218とリフト作動モジュール220のスプール236とに対して、軸結合部214の結合状態を切り替えることができる。さらに具体的には、クラッチ機構222は、スプール236の巻き解き方向への回転が、クラッチ部246を係合位置へ移動させ、クラッチ部244を係合解除位置へ移動させるように構成されている。これにより、スプール236と、軸結合部214と、クラッチ部246とは、ブレーキ結合部218に対して同時に回転可能である。さらに、クラッチ機構222は、スプール236の巻き取り方向への回転が、クラッチ部246を係合解除位置へ移動させるように構成されている。クラッチ部246が軸結合部214から係合解除している間に、クラッチ部244を係合位置に切り替えることができるので、ブレーキ部216の制動力が軸結合部214の回転を防止することに適合される。
【0028】
クラッチ部244及び246のそれぞれは、単一の可動部分であってよい。構造例によれば、2つのクラッチ部244及び246は、軸結合部214をスプール236とブレーキ結合部218とのうちのいずれか1つに選択的に結合するために、長手方向軸線208に沿って反対方向にスライドするように構成されている。例えば、クラッチ部244はリング形状を有してよい。クラッチ部244が、軸結合部214に対して中間部分248に沿ってスライドできるように、軸結合部214の中間部分248は、クラッチ部244を通って配置されてよい。クラッチ部246も同様にリング形状を有してよく、固定シャフト224のシャフト部分228に沿ってスライドするように配置されてよい。
【0029】
図3ないし6を参照すると、クラッチ部244は、ブレーキ結合部218に結合され、ブレーキ結合部218とスライド接触して、係合解除位置と係合位置との間で移動可能である。構造例によれば、クラッチ部244は、軸結合部214の中間部分248の周りに配置され、ブレーキ結合部218の中空内部232に少なくとも部分的に受容されてよい。ブレーキ結合部218とクラッチ部244との間の接続は、係合解除位置と係合位置との間で、ブレーキ結合部218に対するクラッチ部244の限定された変位を可能にする。この目的のために、クラッチ部244又はブレーキ結合部218に設けられた少なくとも1つの傾斜面を介して、クラッチ部244は、中空内部232の中でブレーキ結合部218とスライド接触することができる。例えば、クラッチ部244は、長手方向軸線208から偏心して配置されたノッチ252を有してよく、その中空内部232を少なくとも部分的に区画するブレーキ結合部218の内壁254は、ノッチ252の中でスライドするように制限された突起256を有してよい。クラッチ部244のノッチ252は、2つの停止面260A及び260Bの間に延びる傾斜面258を含んでよい。ブレーキ結合部218の突起256は、2つの停止面264A及び264Bの間に延びる傾斜面262を有してよい。クラッチ部244は、傾斜面262とスライド接触するように、傾斜面258を伴って配置されてよい。
【0030】
上述の構造により、傾斜面258が傾斜面262にスライド接触した状態で、クラッチ部244は、係合解除位置と係合位置との間でブレーキ結合部218に対して移動することができる。さらに具体的には、クラッチ部244は、係合解除位置と係合位置との間の切り替えのために、長手方向軸線208を中心として回転し、同時に、長手方向軸線208に沿ってスライドすることができる。ブレーキ結合部218の突起256は、クラッチ部244がブレーキ結合部218に対して移動を行う間、ノッチ252の2つの停止面260a及び260bの間で変位する。クラッチ部244が係合解除位置にある場合に、軸結合部214は長手方向軸線208を中心として回転可能であり、一方、ブレーキ結合部218とクラッチ部244とは全体的に静止したままである。クラッチ部244が係合位置にある場合に、軸結合部214とクラッチ部244とは、互いに回転に関して結合されてよい。ブレーキ結合部218にブレーキ部216によって加えられる制動力は、クラッチ部244の停止面260Aとブレーキ結合部218の停止面264Aとの間の接触によって、軸結合部214とクラッチ部244との回転を防止することに適合される。
【0031】
図3ないし6を参照すると、軸結合部214は、長手方向軸線208の周りに配置された複数の歯266を含んでよく、クラッチ部244は、長手方向軸線208の周りに配置された複数の歯268を含んでよい。歯268は、クラッチ部244が係合位置にある場合に、歯266と係合することが可能であり、クラッチ部244が係合解除位置にある場合に、歯266から係合解除することが可能である。歯266は、その中間部分248の端部で、軸結合部214の第1円周に沿って配置されてよい。軸結合部214の歯266に対向する中間部分248の周りに延びる、クラッチ部244の円周縁に沿って、歯268は配置されてよい。歯266及び268は、鋸歯パターンを有してよい。クラッチ部244が係合位置にある場合に、歯266及び268の間の係合は、一方向R1のみに、軸結合部214からクラッチ部244へのトルク伝達を可能にし、方向R1と反対の方向R2に、クラッチ部244に対する軸結合部214の回転を可能にする。方向R1は、クラッチ部244の停止面260Aをブレーキ結合部218の停止面264Aに向かって移動させる回転方向に、対応する。方向R1のトルクは、可動レール104の吊り下げ荷重によって生じてよい。クラッチ部244が係合位置にある場合に、ブレーキ部216の制動力は、可動レール104をある位置に保持するために、方向R1のトルクに抗することができる。軸結合部214が方向R2に回転した場合に、歯266及び268の構成は、軸結合部214がクラッチ部244を押して係合位置から係合解除位置へ移動させることができるものである。
【0032】
図3ないし6を参照すると、クラッチ部246は、リフト作動モジュール220のスプール236に結合され、スプール236とスライド接触して係合解除位置と係合位置との間で移動可能である。構造例によれば、クラッチ部246は、シャフト部分228の周りに配置され、スプール236の中空内部に少なくとも部分的に受容されてよい。クラッチ部246は、スライド接続を介して、スプール236に結合されてよい。スライド接続は、スプール236の巻き解き方向への回転(即ち、操作部238を巻き解くための回転)により、クラッチ部246が軸結合部214に向かって係合位置へスライドし、スプール236の巻き取り方向への回転(即ち、操作部238を巻き取る回転)により、クラッチ部246が軸結合部214から係合解除位置へスライドするように構成されたものである。スプール236とクラッチ部246との間のスライド接続は、クラッチ部246又はスプール236に設けられた少なくとも1つの傾斜面を介して行ってよい。
【0033】
図7及び8は、スプール236とクラッチ部246との間のスライド接続の例を示す部分断面図である。図3ないし7を参照すると、クラッチ部246は、長手方向軸線208から半径方向に離れた傾斜面270を有してよく、スプール236は、傾斜面270とスライド接触する突起272を有してよい。傾斜面270は、クラッチ部246の周面に設けられたスロット270Aの縁に例示的に規定されてよく、突起272は、スプール236の内壁に設けられてよい。さらに、スプール236に傾斜面270を設け、クラッチ部246に突起272を設けることによって、スライド接続が実現されてよいことが理解されることである。スライド接続によって、クラッチ部246は、スプール236の回転に応答して、係合解除位置と係合位置との間で切り換えるために、同時に、長手方向軸線208を中心に回転、及び、長手方向軸線208に沿ってスライドすることができる。クラッチ部246は、図7では係合解除位置に示され、図8では係合位置に示されている。
【0034】
図3及び4に示すように、クラッチ部246は、シャフト部分228の周りに緊密に配置されたねじりバネ274と接続されてよい。ねじりバネ274は、クラッチ部246を係合解除位置に維持することを補助するために、いくらかの抵抗を与えてよい。
【0035】
図3ないし7を参照すると、軸結合部214は、長手方向軸線208の周りに配置され、軸方向に歯266からスペースをおいた複数の歯276を含んでよい。クラッチ部246は、長手方向軸線208の周りに配置された複数の歯278を含んでよい。歯278は、クラッチ部246が係合位置にある場合に、歯276と係合することが可能であり、クラッチ部246が係合解除位置にある場合に、歯276から係合解除することが可能である。歯276は、歯266が配置された第1円周よりも小さい中間部分248の別の端部で、軸結合部214の第2円周に沿って配置されてよい。歯276及び278は、鋸歯パターンを有してよい。クラッチ部246が係合位置にある場合に、歯276及び278の間の係合は、一方向R2のみに、スプール236とクラッチ部246とから軸結合部214へのトルク伝達を可能にし、方向R1に、軸結合部214に対するスプール236とクラッチ部246との回転を可能にする。
【0036】
以下、図3ないし8を参照して、クラッチ機構222の例示的な動作を説明する。ここで、クラッチ部244が係合位置にあり、クラッチ部246が係合解除位置にあると仮定する。これは、軸結合部214がブレーキ結合部218に結合され、スプール236から結合解除されているクラッチ機構222の状態に対応する。操作部238を引くことにより、スプール236を方向R2に対応する巻き解き方向に回転させることができる。これにより、クラッチ部246が係合解除位置から方向D1に係合位置へスライドして、軸結合部214は、方向R2への回転のために、クラッチ部246を介して回転に関してスプール236に結合される。歯266及び268の構成により、方向R2へのスプール236と軸結合部214との結合された回転は、その後、クラッチ部244を、係合位置から係合解除位置へ、方向D1と反対の方向D2にスライドするように促進して(urge,強制して)よい。それにより、軸結合部214は、ブレーキ結合部218から結合解除されることができる。従って、クラッチ機構222は、軸結合部214がブレーキ結合部218から結合解除され、かつ、方向R2への回転のためにスプール236に結合された状態に切り換えられることができる。この状態では、ブレーキ部216の制動力はもはや軸結合部214には作用しないのであり、一方、ブレーキ結合部218とクラッチ部244とは全体的に静止したままである。スプール236と、クラッチ部246と、軸結合部214とは、可動レール104を上昇させるために同時に回転することができる。
【0037】
操作部238が、スプール236から伸長された後に解放された場合に、バネ240は、操作部238を引き込む方向R1に対応する巻き取り方向に回転するようにスプール236をバイアスしてよい。スプール236の方向R1への回転は、クラッチ部246を係合位置から方向D2に係合解除位置へスライドさせ、軸結合部214を、スプール236から回転に関して結合解除する。その後、可動レール104の吊り下げ荷重によって、軸結合部214が方向R1に回転してよい。クラッチ部244の傾斜面258とブレーキ結合部218の傾斜面262との間のスライド接触、及び軸結合部214とクラッチ部244との間の摩擦接触により、軸結合部214の方向R1への回転変位は、クラッチ部244を回転させ、係合解除位置から方向D1に係合位置へスライドさせる。これにより、軸結合部214は、クラッチ部244を介してブレーキ結合部218に結合される。その結果、クラッチ機構222は、軸結合部214がブレーキ結合部218に結合され、スプール236から結合解除された状態に切り換えられる。この状態では、ブレーキ部216の制動力を軸結合部214に作用させて、軸結合部214の方向R1への回転を防止することができる。これにより、スプール236が操作部238を巻き取る方向R1に回転する間、可動レール104は、ヘッドレール102に対してある位置に保持されることが可能である。
【0038】
本明細書で説明するクラッチ機構222では、このように、クラッチ部244は方向D1に、クラッチ部246は反対方向D2にスライドしてよく、軸結合部214をブレーキ結合部218と回転に関して結合し、同時に、軸結合部214をスプール236に対して回転に関して結合解除してよい。逆に、クラッチ部244は方向D2に、クラッチ部246は反対方向D1にスライドしてよく、軸結合部214をスプール236と回転に関して結合し、同時に、軸結合部214をブレーキ結合部218に対して回転に関して結合解除してよい。軸結合部214は一度にブレーキ結合部218とスプール236とのうちの1つのみに結合されるので、軸結合部214がスプール236とともに回転した場合に、軸結合部214とブレーキ結合部218との間の望ましくない摩擦を防止することができる。
【0039】
図1ないし5及び図9を参照すると、制御モジュール206はさらに、ブレーキ部216と接続されているブレーキ解除部280と、伝動組立体284を介してブレーキ解除部280と接続されている制御ワンド282(制御棒282)とを含んでよい。ブレーキ部216は、既に上述したように、ブレーキ結合部218の外面234と摩擦接触するように取り付けられてよく、2つの端部216A及び216Bを有してよい。2つの端部216A及び216Bは、ハウジング210とブレーキ解除部280とにそれぞれ係止されている。ブレーキ解除部280は、ブレーキ部216にブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めさせるために移動可能に構成されている。構造例によれば、ブレーキ解除部280は、長手方向軸線208を中心に回転するように配置されてよい。例えば、ブレーキ解除部280は、軸結合部214の中間部分248の周りに枢軸的に配置されたリング形状を有してよい。これにより、ブレーキ解除部280は、軸結合部214に対して回転可能であり、ブレーキ部216が拡大してブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるように促進する方向に、ブレーキ部216の端部216Bを変位させる。
【0040】
ブレーキ部216がブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるように、制御ワンド282は、ブレーキ解除部280が移動するために促進するように操作可能である。制御ワンド282は、手動操作を容易にするために任意の適切な形状を有してよい。例えば、制御ワンド282は、長手方向軸線Yに沿って延び、操作のために露出した細長い形状を有してよい。操作部238は、制御ワンド282の中空の内部を貫通して通され、ハンドル286に固定された端部を有してよい。ハンドル286は、制御ワンド282の末端に隣接して配置され、操作部238をスプール236から延ばすために制御ワンド282から引き離してよい。ガイド要素287が、操作部238をガイドするために、ハウジング210の内部に設けられてよい。
【0041】
制御ワンド282の所定の作動運動が伝動組立体284を介して伝達され、ブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めさせるためにブレーキ部216を移動させるようにブレーキ解除部280を促進することができるように、伝動組立体284は構成されている。図3ないし5と関連して、図9は、伝動組立体284のいくつかの構造の詳細を示す概略図である。図3ないし5及び図9を参照すると、伝動組立体284は、制御ワンド282の作動運動に適合した構造を有してよい。構造例によれば、制御ワンド282は、ブレーキ部216にブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めさせるためにその長手方向軸線Yを中心に回転可能である。伝動組立体284は、2つの伝動要素288及び290を含んでよい。伝動要素288及び290は、ギヤ要素を含んでよい。伝動要素288は、ギヤ部分288Aを有し、制御ワンド282と枢軸的に接続されている。伝動要素290は、2つのギヤ部分290A及び290Bを有し、ハウジング210の中に枢軸的に組み付けられている。伝動要素288のギヤ部分288Aは、伝動要素290のギヤ部分290Aに噛み合い、伝動要素290のギヤ部分290Bは、ブレーキ解除部280に設けられたギヤ部分280Aに噛み合う。2つの伝動要素288及び290は、それぞれ、互いに直交する2つの軸線を中心として回転するように配置されてよく、伝動要素290の回転軸線は、長手方向軸線208と平行であり、伝動要素288の回転軸線は、上下方向に対してある角度で傾斜している。この配置により、長手方向軸線Yを中心とする制御ワンド282の回転変位は、伝動組立体284を介してブレーキ解除部280に伝達されることができ、ブレーキ解除部280を回転させ、ブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるようにブレーキ部216を促進する。制御ワンド282が解放された場合に、ブレーキ部216はブレーキ結合部218に対して締め付け状態を回復することができる。
【0042】
図3、9及び10を参照すると、制御モジュール206は、バイアス機構を含んでよく、バイアス機構は、ブレーキ結合部218に対するブレーキ部216の締め付け状態に対応する初期位置を、制御ワンド282が回復することを補助するように構成されている。例えば、伝動要素288及び290のうちの1つは、バイアスバネに結合されてよく、バイアスバネは、制御ワンド282がユーザによって操作されていない場合に、その初期位置を回復するように制御ワンド282を補助するためにバネ力を発揮する。構造例によれば、伝動要素288は、ラック要素292と噛み合わった歯付き部分288Bを有してよく、ラック要素292は、バイアスバネ294と接続されてよい。制御ワンド282に外力が加えられていない場合に、バイアスバネ294はラック要素292をスライドするように付勢し、伝動要素288を回転させることができ、その結果、制御ワンド282が初期位置を回復し、ブレーキ部216が締め付け状態を回復することができる。
【0043】
図1ないし10と関連して、図11及び12は、先に説明した作動システム200を備えている窓用シェード100を広げる例示的な動作を示す概略図である。図1ないし10を参照すると、可動レール104がヘッドレール102に対して、ある位置に初めに保持されていると仮定する。この初期状態では、軸結合部214はスプール236から結合解除され、クラッチ部244を介してブレーキ結合部218に結合されている。従って、ブレーキ部216がブレーキ結合部218に及ぼす締め付け作用によって、可動レール104を下降させる方向への軸結合部214の回転を防止することができる。
【0044】
図3ないし8及び図11を参照すると、ユーザは、窓用シェード100を広げるために、制御ワンド282をその長手方向軸線Yを中心として一方向X1に回転させることができる。既に上述したように、制御ワンド282のこの回転変位は、ブレーキ部216がブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるために、ブレーキ解除部280を移動させるように促進することができる。その結果、係合位置にある軸結合部214と、ブレーキ結合部218と、クラッチ部244とは、重力作用によって可動レール104を下降させるために同時に回転することができる。スプール236とクラッチ部246とは、可動レール104を下降させるために軸結合部214が回転する間、全体的に静止したままであってよい。
【0045】
図3ないし8及び図12を参照すると、下方へ移動する可動レール104が所望の位置に達した場合に、ユーザは、制御ワンド282を解放してよく、この制御ワンド282は、バイアスバネ294の作用により、その長手方向軸線Yを中心に方向X2に逆回転して、その初期位置を回復することができる。その結果、ブレーキ部216は締め付け状態を回復することが可能であり、可動レール104はヘッドレール102に対して所望の位置に保持されることが可能である。
【0046】
図1ないし10と関連して、図13及び14は、既に上述した作動システム200を備えている窓用シェード100の可動レール104を上昇させる例示的な動作を示す概略図である。図3ないし8及び図13を参照すると、ユーザが可動レール104を上昇させたい場合に、操作部238をハンドル286で下方へ引くことができ、これによりスプール236が巻き解き方向に回転する。その結果、クラッチ機構222は、既に上述したように、軸結合部214がブレーキ結合部218から結合解除され、クラッチ部246を介してスプール236に結合された状態に切り換えられる。従って、軸結合部214とスプール236とは、可動レール104を上昇させるために同時に回転することができる。
【0047】
図3ないし8及び図14を参照すると、可動レール104が所望の位置に達した場合に、又は操作部238が最大長さまで延びた場合に、ユーザはハンドル286を解放してよい。その結果、スプール236は、バネ240の作用により操作部238を巻き取るために回転する。既に上述したように、軸結合部214がスプール236から結合解除され、クラッチ部244を介してブレーキ結合部218に結合された状態に、クラッチ機構222は切り換えられる。従って、ブレーキ部216がブレーキ結合部218に及ぼす締め付け作用により、軸結合部214の回転を防止することができ、スプール236が巻き取り方向に回転する間、可動レール104はある位置に保持される。
【0048】
上述の操作部238の作動と解除とは、可動レール104が所望の位置へ上昇するまで複数回繰り返してよい。
【0049】
図15は、先に説明した伝動組立体284を伝動組立体302に置き換えた制御モジュール206の変形構造を示す分解図であり、図16は、伝動組立体302のいくつかの構造の詳細を示す拡大図である。図15及び16を参照すると、ブレーキ部216がブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるために、ブレーキ解除部280を移動させるように促進するために、伝動組立体302は、制御ワンド282のスライド移動で動作することに適合されている。制御ワンド282をその長手方向軸線Yを中心に回転させるよりはむしろ、制御ワンド282は、可動レール104を下降させるために、このように下方へ引くことができる。
【0050】
図15及び16を参照すると、制御ワンド282は、スライダ304を介してハウジング210とスライド可能に接続されてよい。例えば、スライダ304は、制御ワンド282の上端部と枢軸的に接続されてよく、ハウジング210の内部に設けられたチャンネル308にスライド可能に受容されるロッド部分306を有してよい。制御ワンド282とスライダ304との間の枢軸接続は、制御ワンド282の操作を容易にするために、スライダ304に対する制御ワンド282の傾斜を可能にする。制御ワンド282とスライダ304とは、一体となってハウジング210に対して上下にスライドしてよい。
【0051】
伝動組立体302は、3つの伝動要素310,312及び314を含んでよい。伝動要素310は、制御ワンド282に伴って上下に移動可能であり、歯付き部分316を有してよい。構造例によれば、伝動要素310は、スライダ304と接続してよく、制御ワンド282とスライダ304とに伴って上下にスライドすることができる。伝動要素310の歯付き部分316は、スライダ304のスライド移動の軸線と全体的に平行に延びてよい。
【0052】
伝動要素312及び314は、ハウジング210の中に枢軸的に組み付けられた2つのギヤ要素であってよい。伝動要素312は、ギヤ部分312Aを有してよく、伝動要素314は、互いにスペースをあけて配置された2つのギヤ部分314A及び314Bを有してよい。伝動要素312のギヤ部分312Aは、伝動要素310の歯付き部分316と、伝動要素314のギヤ部分314Aとに、それぞれ噛み合ってよい。伝動要素314のギヤ部分314Bは、ブレーキ解除部280のギヤ部分280Aに噛み合ってよい。この配置により、制御ワンド282の下方へのスライド変位は、伝動組立体302を介してブレーキ解除部280に伝達されてよく、これは、ブレーキ解除部280を回転させ、ブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるようにブレーキ部216を促進することができる。制御ワンド282が解放された場合に、ブレーキ部216は、ブレーキ結合部218に対する締め付け状態を回復することができる。
【0053】
図15を参照すると、伝動要素310は、バイアスバネ318に結合されてよい。バイアスバネ318は、制御ワンド282がユーザによって操作されない場合に、制御ワンド282がその初期位置を回復することを補助するために、バネ力を発揮する。構造例によれば、伝動要素310はロッド320と固定的に接続されてよく、バイアスバネ318はロッド320の周りに配置されてよく、バイアスバネ318の両端はそれぞれ、伝動要素310と、ハウジング210の側壁324に設けられたショルダー部322とに、接続されている。制御ワンド282に外力が加えられていない場合に、バイアスバネ318は伝動要素310とスライダ304とを上方へスライドするように付勢することが可能である。その結果、制御ワンド282が上方へスライドして初期位置を回復し、ブレーキ部216が締め付け状態を回復するようにすることが可能である。
【0054】
伝動組立体302の他では、図15に示す制御モジュール206の残りのコンポーネントは、図3に示す前の実施形態と同様であってよい。
【0055】
図15及び16と関連して、図17及び18は、図15に示される制御モジュール206を備えている窓用シェード100を広げる例示的な動作を示す概略図である。図15ないし18を参照すると、ユーザは、窓用シェード100を広げる方向V1に下方へ、制御ワンド282を引くことができる。既に上述したように、制御ワンド282のこの下方へのスライド変位は、ブレーキ部216がブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるために、ブレーキ解除部280を移動させるように促進することができる。その結果、軸結合部214と、ブレーキ結合部218と、これらに結合されたクラッチ部244とは、重力作用によって可動レール104を下降させるために同時に回転することができる。スプール236とクラッチ部246とは、可動レール104を下降させるために軸結合部214が回転する間、全体的に静止したままであってよい。下方へ移動する可動レール104が所望の位置に達した場合に、ユーザは、制御ワンド282を解放してよく、制御ワンド282は、バイアスバネ318の作用により、その初期位置を回復する方向V2に上方へスライドすることができる。その結果、ブレーキ部216は締め付け状態を回復してよく、可動レール104はヘッドレール102に対して所望の位置に保持されることが可能である。図17及び18に示す窓用シェード100を引き込むために、可動レール104は、先に説明したように、ハンドル286を引いて解放することによって上昇させることができる。
【0056】
図15と関連して、図19は、さらにシェード傾斜機構330を含む作動システム200の別の変形構造を示す斜視図であり、図20は、シェード傾斜機構330の一部を示す斜視図であり、図21は、図19に示す作動システム200に設けられた制御モジュール206の構造の詳細を示す分解図である。図19ないし21を参照すると、シェード傾斜機構330は、窓用シェードの遮光構造の角度位置を調節するように動作可能であり、互いに接続されたラダー組立体332と回転ホイール334とを含んでよい。ラダー組立体332は、回転ホイール334を中心にループになってよく、回転ホイール334から下方へ延び、窓用シェードの遮光構造とそれぞれ接続された2つのストリップ部分332A及び332Bを含んでよい。2つのストリップ部分332A及び332Bは、限定されないが、コード(紐)、テープなどを含んでよい。回転ホイール334は、2つのストリップ部分332A及び332Bを反対方向に垂直に変位させるように回転することができる。構造例によれば、回転ホイール334は、伝動軸202を中心に回転可能に支持されてよい。回転ホイール334は、反対方向に2つのストリップ部分332A及び332Bを上下に変位させるために、伝動軸202に対して回転可能に取り付けられてよい。
【0057】
図19ないし21を参照すると、制御ワンド282は、既に上述したように、伝動組立体302を介してブレーキ解除部280と接続されてよく、別の伝動組立体340を介してシェード傾斜機構330と接続されてよい。伝動組立体340は、複数のギヤ要素342,344,346,348及び350と、伝動軸352とを含んでよい。伝動軸352は、伝動軸202と平行に延びてよく、ハウジング210と枢軸的に接続されてよい。2つのギヤ要素344及び346は、伝動軸352とギヤ要素344及び346とが一体となって回転できるように、軸方向にスペースを隔てた2つの位置で、伝動軸352と回転に関して結合されてよい。ギヤ要素342は、ハウジング210の内部に枢軸的に配置され、制御ワンド282と回転に関して結合され、ギヤ要素344と噛み合う。構造例によれば、ギヤ要素342は、スライダ304を介して制御ワンド282と回転に関して結合されてよい。さらに具体的には、スライダ304のロッド部分306は、ギヤ要素342に設けられた孔342Aを通して受容されてよい。ロッド部分306の形状と、孔342Aの形状とは、スライダ304が、ギヤ要素342とハウジング210とに対して、制御ワンド282とともに上方及び下方へスライド可能であるように構成されている。ギヤ要素342とスライダ304とは、長手方向軸線Yを中心とする制御ワンド282の回転中に、ハウジング210に対して制御ワンド282に伴って回転可能である。ギヤ要素350は、回転ホイール334とギヤ要素350との両方が同じ軸を中心として一体的に回転可能であるように、回転ホイール334と回転に関して結合されている。ギヤ要素348は、ギヤ要素346とギヤ要素350とにそれぞれ噛み合う。
【0058】
上述の構造により、シェード傾斜機構330の回転ホイール334は、伝動軸202を中心に回転可能であり、伝動組立体340を介して制御ワンド282と接続されている。制御ワンド282のその長手方向軸線Yを中心とする回転は、ギヤ要素342及び344の係合を介して伝動軸352を回転させるように促進することができる。これにより、2つのストリップ部分332A及び332Bを反対方向に変位させるために、回転ホイール334は、ギヤ要素346、348及び350の係合を介して伝動軸202を中心に回転される。従って、制御ワンド282は、シェード傾斜機構330を作動させるためにその長手方向軸線Yを中心に回転可能であり、上述したように、ブレーキ結合部218との摩擦接触をブレーキ部216が緩めるために、ブレーキ解除部280を移動させるように促進するために上下にスライド可能である。
【0059】
上述の説明に基づいて、窓用シェードに使用するために、同じ構造の複数のシェード傾斜機構330が設けられてよいことが理解されることである。各シェード傾斜機構330は、同様に、伝動軸202を中心に枢軸的に支持された回転ホイール334を有してよく、各シェード傾斜機構330を制御ワンド282と接続するために、ギヤ要素346、348及び350を含む対応する一組のギヤが同様に配置されてよい。
【0060】
シェード傾斜機構330と伝動組立体340との他では、図19に示す作動システム200の他のコンポーネントが、既に説明した実施形態と同様であってよい。特に、図19に示す作動システム200の制御モジュール206は、図15に示す制御モジュール206と類似してよい。
【0061】
図22は、図19に示す作動システム200を内蔵した窓用シェード100の実施形態を示す斜視図であり、図23ないし28は、図22に示す窓用シェード100の例示的な動作を示す概略図である。図19ないし28を参照すると、窓用シェード100は、ヘッドレール102と、可動レール104と、ヘッドレール102と可動レール104との間に配置された遮光構造106とを含んでよい。既に上述したように、ヘッドレール102に組み付けられた巻き取りユニット204は、吊り下げ要素110を介して可動レール104と接続される。これにより、可動レール104はヘッドレール102から吊り下げられてよい。遮光構造106は、シェード傾斜機構330のラダー組立体332を伴ってヘッドレール102から吊り下げられた複数の羽根板116(slat 116)を含んでよい。さらに具体的には、各羽根板116は、羽根板116の前部と後部とにそれぞれ延びるラダー組立体332の2つのストリップ部分332A及び332Bと、それぞれ接続されてよい。従って、シェード傾斜機構330は、羽根板116の角度位置を調節するように動作可能である。
【0062】
図19ないし24を参照すると、ユーザは、窓用シェード100を広げるために、制御ワンド282を方向V1に下方へ引いてよい。既に上述したように、ブレーキ部216がブレーキ結合部218との摩擦接触を緩めるために、制御ワンド282のこの下方へのスライド変位は、ブレーキ解除部280を移動させるように促進することができる。その結果、軸結合部214と、ブレーキ結合部218と、これらに結合されたクラッチ部244とは、重力作用によって可動レール104を下降させるために、同時に回転することができる。スプール236とクラッチ部246とは、可動レール104を下降させるために軸結合部214が回転する間、全体的に静止したままであってよい。下方へ移動する可動レール104が所望の位置に達した場合に、ユーザは、制御ワンド282を解放してよい。制御ワンド282は、バイアスバネ318の作用により、その初期位置を回復する方向V2に上方へスライドすることができる。その結果、ブレーキ部216は締め付け状態を回復し、可動レール104はヘッドレール102に対して所望の位置に保持される。
【0063】
図19ないし22、図25及び26を参照すると、羽根板116の角度位置を調節するために、ユーザは、制御ワンド282をその長手方向軸線Yを中心に回転させてよい。これは、伝動組立体340を介して伝達されて、シェード傾斜機構330を作動させることができる。例えば、制御ワンド282は、羽根板116を1つの側に傾斜させる方向S1に回転させてよく(図25に示す)、羽根板116を別の反対側に傾斜させる方向S2に回転させてよい(図26に示す)。
【0064】
図21、27及び28を参照すると、窓用シェード100を引き込むために、可動レール104は、先に説明したように、ハンドル286を引いて解放することによって上昇させることができる。
【0065】
本明細書に記載される構造の利点は、窓用シェードの可動レールを一層少ない労力で下降及び上昇させるように操作可能な作動システムを提供する能力があることを含む。作動システムは、作動中の内部摩擦を低減することができるクラッチ機構を備え、それにより、コンポーネントの摩耗を低減することができ、耐用年数を延ばすことができ、作動システムの作動が容易になれる。さらに、この作動システムは、異なるタイプの窓用シェードに使用することに適応可能であり、窓用シェードの製造を簡素化することが可能である。
【0066】
構造の実現については、特定の実施形態の文脈でのみ説明している。これらの実施形態は例示であり、限定的ではない。多くの変形、修正、追加、及び改良が可能である。従って、本明細書で単一の例として説明されたコンポーネントに対して、複数の例が与えられてよい。例示的な構成で個別のコンポーネントとして提示された構造と機能とは、組み合わされた構造又はコンポーネントとして実施されてよい。これら及び他の変形、修正、追加、及び改良は、以下の請求項に含まれてよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【国際調査報告】