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特表2024-532623高密度コンタクト形成のためのレジスト内プロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】高密度コンタクト形成のためのレジスト内プロセス
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/32 20060101AFI20240829BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20240829BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20240829BHJP
   H10B 10/00 20230101ALI20240829BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G03F7/32
G03F7/26
H10B12/00 601
H10B10/00
G03F7/20 521
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537795
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022041533
(87)【国際公開番号】W WO2023028236
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,832
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524073142
【氏名又は名称】ジェミナティオ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン, ブレナン
(72)【発明者】
【氏名】ハスタッド, フィリップ, ディー.
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
5F083
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA09
2H196GA04
2H196GA08
2H197AB12
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA03
5F083AD00
5F083BS00
5F083GA09
5F083GA27
5F083LA21
5F083PR03
5F083PR07
5F083PR09
(57)【要約】
微細加工の方法は、第1のレリーフパターンを基板のターゲット層上に形成することと、第1のレリーフパターンを第1の溶解性変更剤でコーティングすることと、第1のポリマー充填物を第1のレリーフパターン上に積層することと、第1の溶解性変更剤を第1のポリマー充填物中に拡散させて、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することと、を含む。次いで、本方法は、第2のレリーフパターンを第1のレリーフパターン上に形成することと、第2のレリーフパターンを第2の溶解性変更剤でコーティングすることと、第2のポリマー充填物を第2のレリーフパターン上に積層することと、第2の溶解性変更を第1のポリマー充填物中に拡散させて、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することを含む。最終的に、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が現像され、ターゲット層がエッチングされる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細加工の方法であって、
その上に形成されたターゲット層を有する基板を提供することと、
第1のレリーフパターンを基板上に形成することであって、前記第1のレリーフパターンが第1のレジストを含む、ことと、
前記第1のレリーフパターンを第1の溶解性変更剤でコーティングすることと、
第1のポリマー充填物を前記第1のレリーフパターン上に積層することと、
前記第1の溶解性変更剤を前記第1のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、前記第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することであって、前記第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が、前記第1のレリーフパターンに隣接し、前記第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が第1の現像剤に可溶である、ことと、
第2のレリーフパターンを前記第1のレリーフパターン上に形成することであって、前記第2のレリーフパターンが第2のレジストを含む、ことと、
前記第2のレリーフパターンを第2の溶解性変更剤でコーティングすることと、
第2のポリマー充填物を前記第2のレリーフパターン上に積層することと、
前記第2の溶解性変更を前記第2のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、前記第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することであって、前記第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が、前記第2のレリーフパターンに隣接し、前記第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が、第2の現像剤に可溶である、ことと、
前記第1のポリマー充填物及び前記第2のポリマー充填物を現像し、前記第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域及び前記第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が溶解され、前記第1のレリーフパターンと、前記第1のポリマー充填物と、前記第2のレリーフパターンと、前記第2のポリマー充填物との間に、前記ターゲット層の一部が露出されているギャップを提供する、ことと、
組み合わせられたエッチングマスクとして前記第1のレリーフパターン、前記第1のポリマー充填物、前記第2のレリーフパターン及び前記第2のポリマー充填物を使用して、前記ターゲット層をエッチングすることと、を含む、方法。
【請求項2】
微細加工の方法であって、
その上に形成されたターゲット層を有する基板を提供することと、
第1のレリーフパターンを前記基板上に形成することであって、前記第1のレリーフパターンが第1のレジストを含む、ことと、
前記第1のレリーフパターンを第1の溶解性変更剤でコーティングすることと、
第1のポリマー充填物を前記第1のレリーフパターン上に積層することと、
前記第1の溶解性変更剤を前記第1のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、前記第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することであって、前記第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が、前記第1のレリーフパターンに隣接する、ことと、
前記第1のポリマー充填物を現像し、前記第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が溶解され、前記第1のレリーフパターンと前記第1のポリマー充填物との間に、前記ターゲット層の一部が露出されているギャップを提供することと、
組み合わせられたエッチングマスクとして前記第1のレリーフパターン及び前記第1のポリマー充填物を使用して、前記ターゲット層をエッチングすることと、
第2のレリーフパターンを前記基板上に形成することであって、前記第2のレリーフパターンが第2のレジストを含む、ことと、
前記第2のレリーフパターンを第2の溶解性変更剤でコーティングすることと、
第2のポリマー充填物を前記第2のレリーフパターン上に積層することと、
前記第2の溶解性変更を前記第2のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、前記第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することであって、前記第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が、前記第2のレリーフパターンに隣接する、ことと、
前記第2のポリマー充填物を現像し、前記第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が溶解され、前記第2のレリーフパターンと前記第2のポリマー充填物との間に、前記ターゲット層の一部が露出されているギャップを提供する、ことと、
組み合わせられたエッチングマスクとして前記第2のレリーフパターン及び前記第2のポリマー充填物を使用して、前記基板の前記ターゲット層をエッチングすることと、を含む、方法。
【請求項3】
前記第1のレリーフパターンが、フィーチャ間のギャップによって分離されたフィーチャを含み、前記フィーチャが前記第1のレジストを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のポリマー充填物が、前記第1のレリーフパターンの前記ギャップを充填する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のレリーフパターンが、フィーチャ間のギャップによって分離されたフィーチャを含み、前記フィーチャが前記第2のレジストを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のポリマー充填物が、前記第2のレリーフパターンの前記ギャップを充填する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基板をエッチングすることが、異方性エッチングを実施することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲット層上に前記第1のレリーフパターンを提供することが、
ラインの第1のパターンを前記ターゲット層上に形成することと、
前記第1のレジストの層を前記ラインの第1のパターン上に堆積することと、
前記第1のレジストを化学線放射のパターンに暴露することと、前記第1のレジストを現像して、前記第1のレリーフパターンが前記ラインの第1のパターン上に形成される、ことと、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の溶解性変更剤が酸発生剤を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記酸発生剤がフッ素を含まない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記酸発生剤が、トリフェニルスルホニウムアンチモネート、ピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、3-フルオロピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム4,4,5,5,6,6-ヘキサフルオロジヒドロ-4H-1,3,2-ジチアジン1,1,3,3-テトラオキシド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の溶解性変更剤が酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記酸がフッ素を含まない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロ-1-ブタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸、2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の溶解性変更剤が、(メタ)アクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸;スチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン及びアセナフチレンなどの芳香族ビニルモノマー;ビニルアルコール、塩化ビニル;ビニルピロリドン;ビニルピリジン;ビニルアミン;ビニルアセタール;無水マレイン酸;マレイミド;ノルボルネン及びこれらの組合せを含む、エチレン性不飽和重合性二重結合を有するモノマーを含むマトリックスポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の溶解性変更剤が酸発生剤を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
前記酸発生剤がフッ素を含まない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記酸発生剤が、トリフェニルスルホニウムアンチモネート、ピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、3-フルオロピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム4,4,5,5,6,6-ヘキサフルオロジヒドロ-4H-1,3,2-ジチアジン1,1,3,3-テトラオキシド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の溶解性変更剤が酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項20】
前記酸がフッ素を含まない、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロ-1-ブタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸、2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の溶解性変更剤が、(メタ)アクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸;スチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン及びアセナフチレンなどの芳香族ビニルモノマー;ビニルアルコール、塩化ビニル;ビニルピロリドン;ビニルピリジン;ビニルアミン;ビニルアセタール;無水マレイン酸;マレイミド;ノルボルネン及びこれらの組合せを含む、エチレン性不飽和重合性二重結合を有するモノマーを含むマトリックスポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のレジストが、ポジトーン現像レジストであり、前記第1のポリマー充填物が、極性溶媒に可溶であるポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のレジストが、ネガトーン現像レジストであり、前記第1のポリマー充填物が、非極性有機溶媒に可溶であるポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の溶解性変更剤が溶媒を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項26】
前記溶媒が、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、デカン、イソブチルイソブチレート、イソアミルエーテル及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のレジストが、前記溶媒に不溶である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のレジストが、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せからなる群から選択されるモノマーから作製されたポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のポリマー充填物が、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せからなる群から選択されるモノマーから作製されたポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項30】
前記特定の現像剤が、水酸化テトラメチルアンモニウムである、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記特定の現像剤が、n-ブチルアセテート(NBA)、2-ヘプタノン及びこれらの組合せからなる群から選択される非極性有機溶媒である、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のレジストが、ポジトーン現像レジストであり、前記第2のポリマー充填物が、極性溶媒に可溶であるポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のレジストが、ネガトーン現像レジストであり、前記第2のポリマー充填物が、非極性有機溶媒に可溶であるポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の溶解性変更剤が溶媒を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項35】
前記溶媒が、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、デカン、イソブチルイソブチレート、イソアミルエーテル及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第2のレジストが、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せからなる群から選択されるモノマーから作製されたポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項37】
前記第2のポリマー充填物が、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せからなる群から選択されるモノマーから作製されたポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項38】
前記特定の現像剤が、水酸化テトラメチルアンモニウムである、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記特定の現像剤が、n-ブチルアセテート(NBA)、2-ヘプタノン及びこれらの組合せからなる群から選択される非極性有機溶媒である、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
マルチパターニングは、最終パターンを作成する2つ以上のリソグラフィ工程を使用することを説明する用語である。異なる形態でのマルチパターリング(Multi-pattering)によって、高機能半導体デバイスの製造が可能となる。パターニングは、典型的には2つの基本的な工程を含む。第1の工程は、マスクベースの光への暴露を使用し、続いて可溶性領域を現像してパターンを作成するリソグラフィの使用を含む。第2の工程は、方向性エッチング又は異方性エッチングによって、パターンを下層の材料へと転写することを含む。これらの2つの工程を合わせて、デバイスのパターニングと称され得る。
【0002】
高密度コンタクトアレイは、ダイナミック・アクセス・ランダム・メモリ(dynamic access random memory、DRAM)及びスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(static random-access memory、SRAM)技術の定義的特徴であり、高機能のロジックにとって重要である。従来のマルチパターニングプロセスは、側壁スペーサの面と交差してコンタクトアレイを形成することができる。ただし、側壁スペーサ処理は、気相堆積及びエッチングが必要とされることから、比較的高額で、かつ時間がかかる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本概要は、以下の詳細な説明にて更に説明される概念の選択を紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の重要又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、かつ特許請求される主題の範囲を限定する一助として使用されることも意図していない。
【0004】
一態様では、本明細書に開示された実施形態は、微細加工の方法に関し、この方法は、その上に形成されたターゲット層を有する基板を提供することと、第1のレリーフパターンを基板上に形成することと、第1のレリーフパターンを第1の溶解性変更剤でコーティングすることと、第1のポリマー充填物を第1のレリーフパターン上に積層することと、を含む。次いで、本方法は、第1の溶解性変更剤を第1のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することを含み、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は、第1のレリーフパターンと隣接し、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は、第1の現像剤に可溶である。次いで、第2のレリーフパターンは、第1のレリーフパターン上に形成され、第2の溶解性変更剤でコーティングされる。次いで、本方法は、第2のポリマー充填物を第2のレリーフパターン上に積層することと、第2の溶解性変更を第2のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することを含み、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は、第2のレリーフパターンと隣接し、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は、第2の現像剤に可溶である。最終的に、本方法は、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物を現像し、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域及び第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が溶解され、第1のレリーフパターンと、第1のポリマー充填物と、第2のレリーフパターンと、第2のポリマー充填物との間に、ターゲット層の一部が露出されているギャップを提供することと、組み合わせられたエッチングマスクとして第1のレリーフパターン、第1のポリマー充填物、第2のレリーフパターン及び第2のポリマー充填物を使用してターゲット層をエッチングすることと、を含む。
【0005】
別の態様では、本明細書に開示された実施形態は、微細加工の方法に関し、この方法は、その上に形成されたターゲット層を有する基板を提供することと、第1のレリーフパターンを基板上に形成することと、第1のレリーフパターンを第1の溶解性変更剤でコーティングすることと、第1のポリマー充填物を第1のレリーフパターン上に積層することと、第1の溶解性変更剤を第1のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することと、を含み、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は、第1のレリーフパターンに隣接する。次いで、本方法は、第1のポリマー充填物を現像し、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が溶解され、第1のレリーフパターンと第1のポリマー充填物との間に、ターゲット層の一部が露出されているギャップを提供することと、組み合わせられたエッチングマスクとして第1のレリーフパターン及び第1のポリマー充填物を使用してターゲット層をエッチングすることと、を含む。次いで、本方法は、第2のレリーフパターンを基板上に形成することと、第2のレリーフパターンを第2の溶解性変更剤でコーティングすることと、第2のポリマー充填物を第2のレリーフパターン上に積層することと、第2の溶解性変更を第2のポリマー充填物中に所定の距離だけ拡散させて、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供することを含み、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は、第2のレリーフパターンと隣接する。最終的に、本方法は、第2のポリマー充填物を現像し、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が溶解され、第2のレリーフパターンと第2のポリマー充填物との間に、ターゲット層の一部が露出されているギャップを提供することと、組み合わせられたエッチングマスクとして第2のレリーフパターン及び第2のポリマー充填物を使用してターゲット層をエッチングすることと、を含む。
【0006】
特許請求される主題のその他の態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のブロックフロー図である。
【0008】
図2A】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2B】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2C】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2D】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2E】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2F】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2G】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2H】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
図2I】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略図である。
【0009】
図3】本開示の1つ以上の実施形態における、方法のブロックフロー図である。
【0010】
図4】本開示の1つ以上の実施形態における方法を使用して製造されたパターンの例示的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、一般的に、半導体基板をマルチパターニングする方法に関する。1つ以上の実施形態では、本方法は、ホール又は開口の高密度アレイといった複雑なパターンを基板上に形成することを含む。本明細書では、「半導体基板」及び「基板」といった用語は互換的に使用され、半導体ウェハ、半導体材料層及びこれらの組合せを含むがこれらに限定されない任意の半導体材料であり得る。方法は、複雑なパターンを直接基板上に切断することを含み得る。
【0012】
本明細書に開示された方法は、コンタクトアレイを画定するために、アンチスペーサパターンの2つの面を交差させることによる側壁スペーサの必要性を省く。一般的に、アンチスペーサプロセスは、単一暴露を使用する化学プロセス拡散の使用によりスペーサを作成する、イントラックプロセス(すなわち、これはコータデベロッパツールで実施される)である。本開示による方法では、2~3つのアンチスペーサプロセスが使用され、高密度コンタクトアレイを作成し得る。こうした方法は、非常に低いコストで、かつ確実なサイズで非常に小さなコンタクトを有利に作成し得る。
【0013】
本開示において、2つのアンチスペーサプロセスが基板のパターンに施される方法100が図1に示され、これに関して論じられる。最初に、方法100は、ブロック102でその上に形成されたターゲット層を有する基板を提供することを含む。次いで、ブロック104では、第1のレリーフパターンがターゲット層上に形成され得る。第1のレリーフパターンは、フォトリソグラフィプロセスを使用して形成され得、第1のレジストから作製され得る。ブロック106では、第1のレリーフパターンは、第1の溶解性変更剤でコーティングされる。特定の実施形態では、第1の溶解性変更剤は、第1のレジストに配合される。溶解性変更剤が第1のレジストに配合されるとき、熱酸発生剤である溶解性変更剤は、熱酸発生剤が存在しない状態でレジストを加工する温度よりも高い活性化温度を有する、第1のレジストに加えられ得る。その結果、溶解性変更剤は、第1のレリーフパターンを形成するフォトリソグラフィプロセス後に活性化され得る。生じた酸は、第1のレジストから拡散し、第2のレジストの溶解性を変化させ得る。次いで、ブロック108では、第1のポリマー充填物は基板上に積層され、その結果、ターゲット層の露出部分は全て第1のポリマー充填物で覆われる。第1のポリマー充填物の積層はまた、この工程が基板の表面上に平坦な層を提供し得ることから、基板を「平坦化する」と称され得る。ブロック110では、第1の溶解性変更剤は次いで、第1のポリマー充填物中に拡散され、第1の現像剤に可溶である第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供する。
【0014】
方法100のブロック112では、第2のレリーフパターンは、第1のレリーフパターン及び第1のポリマー充填物上に形成され得る。第2のレリーフパターンは、フォトリソグラフィプロセスを使用して形成され得、かつ第2のレジストから作製され得る。1つ以上の実施形態では、第2のレリーフパターンは、第1のレリーフパターンに対して垂直に形成される。ブロック114では、第2のレリーフパターンは、第2の溶解性変更剤でコーティングされる。次いで、ブロック116では、第2のポリマー充填物は、第2のレリーフパターン上に積層され、第1のレリーフパターン、第1のポリマー充填物、又はターゲット層を露出する第2のレリーフパターン上のいずれかのギャップが充填される。ブロック118では、第2の溶解性変更剤は、第2のポリマー充填物中に拡散され、第2の現像剤に可溶である第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供する。ブロック120では、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物が現像される。ブロック122では、上面を現像した後、ターゲット層はエッチングされ、高密度コンタクトアレイのパターンを形成し得る。
【0015】
上記方法の間の様々な時点でのコーティングされた基板の概略図を、図2A図2Iに示す。本明細書では、「コーティングされた基板」は、第1のレジスト層及び第1のポリマー充填物層などの1つ以上の層でコーティングされている基板を指す。図2Aは、ターゲット層及び第1のレリーフパターンを含む基板を示す。図2Bは、第1の溶解性変更剤でコーティングされた第1のレリーフパターンを含む基板を示す。図2Cでは、第1のポリマー充填物は、ターゲット層及び第1のレリーフパターン上に積層される。図2Dは、溶解性変更剤を第1のポリマー充填物中に拡散させることによって提供される、溶解性が変化した領域を第1のポリマー充填物が有するコーティングされた基板を示す。ここで上面図へと視点を切り替えると、図2Eは、第1のポリマー充填物上に積層された第2のレリーフパターンを示し、図2Fは、第2の溶解性変更剤でコーティングされた第2のレリーフパターンを示す。図2Gでは、第2のポリマー充填物は、第2のレリーフパターン上に積層される。図2Hは、第2の溶解性変更剤が第2のポリマー充填物中に拡散された後のコーティングされた基板を示しており、溶解性が変化した領域を含む第2のポリマー充填物を提供する。最後に、図2Iは、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域及び第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が現像され、その結果、ターゲット層の一部が露出され、エッチング可能となった後のコーティングされた基板を示す。図1の方法及び図2A図2Iに示されるコーティングされた基板は、以下に詳細に論じられる。
【0016】
方法100のブロック102では、ターゲット層は、基板上に提供されている。ターゲット層は、当技術分野で公知である、任意のターゲット層又は記憶層であり得る。1つ以上の特定の実施形態では、ターゲット層はハードマスク層である。
【0017】
次いで、ブロック104では、第1のレリーフパターンが提供される。図2Aは、基板201のターゲット層202上の第1のレリーフパターン204の一例を示す。図2Aに示されるように、第1のレリーフパターンは、ギャップで分離されたフィーチャを含み得る。基板の一部は、第1のレリーフパターンのギャップが存在することで露出され得る。第1のレリーフパターンのフィーチャは、第1のレジスト203から作製され得る。第1のレジストは、フォトレジストであり得る。一般的に、フォトレジストは、ポリマー、光酸発生剤及び溶媒を含む、化学増幅感光性組成物である。1つ以上の実施形態では、第1のレジストはポリマーを含む。ポリマーは、レジスト材料に典型的には使用される任意の標準的なポリマーであり得、特に酸不安定基を有するポリマーであり得る。例えば、ポリマーは、スチレン及びp-ヒドロキシスチレン、アクリレート、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せを含むモノマーから作製されたポリマーであり得る。反応性官能基を含むモノマーは、保護された形態のポリマー中に存在し得る。例えば、p-ヒドロキシスチレンの-OH基は、tert-ブチルオキシカルボニル保護基で保護され得る。かかる保護基は、第1のレジストに含まれるポリマーの反応性及び溶解性を変性させ得る。当業者に理解されるように、様々な保護基は、この理由のために使用され得る。酸不安定基としては、例えば、第三級アルキルエステル基、第二級又は第三級アリールエステル基、アルキル基とアリール基との組合せを有する第二級又は第三級エステル基、第三級アルコキシ基、アセタール基又はケタール基が挙げられる。酸不安定基は、当技術分野では一般的に、「酸分解性基」、「酸解離性基」、「酸解離性保護基」、「酸不安定保護基」、「酸脱離基」及び「酸感受性基」としても称される。
【0018】
分解時に、ポリマーにカルボン酸を形成する酸不安定基は、好ましくは、式-C(O)OC(Rの第三級エステル基、又は式-C(O)OC(RORのアセタール基であり、式中、Rは、それぞれ独立して、直鎖C1-20アルキル、分岐C3-20アルキル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルキル、直鎖C2-20アルケニル、分岐C3-20アルケニル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C6-20アリール、又は単環式若しくは多環式C2-20ヘテロアリールであり、好ましくは、直鎖C1-6アルキル、分岐C3-6アルキル、又は単環式若しくは多環式C3-10シクロアルキルであり、そのそれぞれは、置換又は非置換であり、各Rは、その構造の一部として、任意選択的には-O-、-C(O)-、-C(O)-O-若しくは-S-から選択される1つ以上の基を含み、任意の2つのR基はともに、任意選択的には環を形成し、Rは、独立して、水素、フッ素、直鎖C1-20アルキル、分岐C3-20アルキル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルキル、直鎖C2-20アルケニル、分岐C3-20アルケニル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C6-20アリール、又は単環式若しくは多環式C2-20ヘテロアリールであり、好ましくは水素、直鎖C1-6アルキル、分岐C3-6アルキル、又は単環式若しくは多環式C3-10シクロアルキルであり、そのそれぞれは、置換又は非置換であり、各Rは、その構造の一部として、任意選択的には-O-、-C(O)-、-C(O)-O-若しくは-S-から選択される1つ以上の基を含み、R基はともに、任意選択的には環を形成し、Rは、直鎖C1-20アルキル、分岐C3-20アルキル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルキル、直鎖C2-20アルケニル、分岐C3-20アルケニル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C6-20アリール、又は単環式若しくは多環式C2-20ヘテロアリールであり、好ましくは直鎖C1-6アルキル、分岐C3-6アルキル又は単環式若しくは多環式C3-10シクロアルキルであり、そのそれぞれは、置換又は非置換であり、Rは、その構造の一部として、任意選択的には-O-、-C(O)-、-C(O)-O-若しくは-S-から選択される1つ以上の基を含み、1つのRは、Rとともに任意選択的には環を形成する。かかるモノマーは、典型的には芳香族ビニル、(メタ)アクリレート又はノルボルニルモノマーである。ポリマーにカルボン酸基を形成する酸分解性基を含む重合単位の総含量は、ポリマーの総重合単位に基づいて、典型的には、10~100モル%であり、より典型的には10~90モル%、又は30~70モル%である。
【0019】
ポリマーは、重合時に、酸不安定基を含むモノマーを更に含むことができ、この基の分解は、ポリマーでのアルコール基又はフルオロアルコール基を形成する。好適なかかる基としては、例えば、式-COC(ROR-のアセタール基、又は式-OC(O)O-の炭酸エステル基が挙げられ、Rは上に定義されている通りである。かかるモノマーは、典型的には芳香族ビニル、(メタ)アクリレート又はノルボルニルモノマーである。ポリマーに存在する場合、分解によりポリマーにアルコール基又はフルオロアルコール基を形成する酸分解性基を含む重合単位の総含量は、ポリマーの総重合単位に基づいて、典型的には、10~90モル%であり、より典型的には30~70モル%である。
【0020】
第1のレジストがフォトレジストである実施形態では、第1のレジストは、光酸発生剤を含む。光酸発生剤は、化学線又は化学線放射を用いた照射時に酸を発生することが可能である化合物である。光酸発生剤は、カチオン光重合用の光重合開始剤、ラジカル光重合用の光重合開始剤、色素用の光脱色剤、光変色剤、マイクロレジストなどに使用される化学線又は放射線を用いた照射時に酸を発生することが可能である公知の化合物から選択されることができ、これらの混合物を使用することができる。光酸発生剤の例としては、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン及びo-ニトロベンジルスルホネートが挙げられる。
【0021】
好適な光酸としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(p-tert-ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、ジ-t-ブチフェニルヨードニウムペルフルオロブタンスルホネート、及びジ-t-ブチフェニルヨードニウムカンファースルホネートといったオニウム塩が挙げられる。非イオン性スルホネート及びスルホニル化合物は、光酸発生剤(photoacid generator)として機能することも知られており、例えば、2-ニトロベンジル-p-トルエンスルホネート、2,6-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネート及び2,4-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネートといったニトロベンジル誘導体、例えば、1,2,3-トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン及び1,2,3-トリス(p-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンといったスルホン酸エステル、例えば、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタンといったジアゾメタン誘導体、例えば、ビス-O-(p-トルエンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム及びビス-O-(n-ブタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシムといったグリオキシム誘導体、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステルといったN-ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、並びに例えば、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン及び2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジンといったハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。好適な非重合性光酸発生剤は、Hashimotoらによる米国特許第8,431,325号(欄37、11~47行目及び欄41~91)にて更に説明される。その他の好適なスルホネートPAGとしては、米国特許第4,189,323号及び同8,431,325号に説明されるように、スルホン化エステル及びスルホニルオキシケトン、ニトロベンジルエステル、s-トリアジン誘導体、ベンゾイントシレート、t-ブチルフェニルα-(p-トルエンスルホニルオキシ)-アセテート及びt-ブチルα-(p-トルエンスルホニルオキシ)-アセテートが挙げられる。オニウム塩であるPAGは、典型的には、スルホンアミデート基、スルホンイミデート基、メチド基又はボレート基といった、スルホネート基又は非スルホネート型基を有するアニオンを含む。
【0022】
レジスト組成物は、任意選択的には複数のPAGを含み得る。複数のPAGは、重合性、非重合性であり得、又は重合性PAG及び非重合性PAGの両方を含み得る。好ましくは、複数のPAGのそれぞれは、非重合性である。好ましくは、複数のPAGが使用されると、第1のPAGは、アニオンにスルホネート基を含み、第2のPAGは、スルホネート基を含まないアニオンを含み、かかるアニオンは、例えば、上記のスルホンアミデート基、スルホンイミデート基、メチド基又はボレート基を含有する。
【0023】
第1のレリーフパターンは、第1のレジストを基板上へと積層し、次いで第1のレジストを現像することによって形成され得る。第1のレジストは、例えば、化学線放射への暴露、続いて第1のレジスト現像剤を用いたリンスによってなど、当技術分野で知られている手順に従って現像される。現像されたレジストに形状又はレリーフパターンを施すために、マスクを使用することで化学線放射からレジストの一部が遮断され得る。化学線放射が照射された後、レジストの暴露されていない部分は、レジストの暴露部分とは異なる溶解性を有し得る。第1のレジスト現像剤を用いたその後のリンスによって、暴露されていない部分又は暴露部分のいずれかが溶解する。レジストの暴露されていない部分が現像剤を用いたリンス後に残存しているとき、提供されたレリーフパターンは、ポジトーン現像レジストである。対照的に、レジストの暴露部分が現像剤を用いたリンス後に残存しているとき、提供されたレリーフパターンは、ネガトーン現像レジストである。
【0024】
1つ以上の実施形態では、第1のレジストは、ポジトーン現像(positive tone developed、PTD)レジストである。かかる実施形態では、第1のレリーフパターンは、上記モノマーから作製されたポリマーを含み得、反応性官能基を含む任意のモノマーが保護される。このように、第1のPTDレジストは、有機可溶であり得、それによってレリーフパターンは、塩基性である第1のレジスト現像剤を用いてリンスすることによって提供され得る。好適な塩基性の第1のレジスト現像剤としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium hydroxide、TMAH)などの第四級水酸化アンモニウムが挙げられる。
【0025】
代替的には、1つ以上の実施形態では、第1のレジストは、ネガ型レジストである。かかる実施形態では、第1のレリーフパターンは、上記モノマーから作製されたポリマーを含み得、反応性官能基を含む任意のモノマーは保護されない。化学線放射への暴露によって、暴露エリアでのポリマーの架橋が生じ、現像剤に対してポリマーを不溶性にする。次いで、暴露されておらず、その結果架橋されていないエリアは、適切な現像剤を使用して除去され、レリーフパターンを形成することができる。
【0026】
他の実施形態では、第1のレジストは、ネガトーン現像(negative tone developed、NTD)レジストである。PTDレジストと同様に、NTDレジストは、上記モノマーから作製されたポリマーを含み得、反応性官能基を含む任意のモノマーは保護される。このように、第1のNTDレジストは、有機可溶であり得るが、塩基性である第1のレジスト現像剤を用いて暴露エリアを現像する代わりに、第1のレリーフパターンは、有機溶媒を含む第1のレジスト現像剤を用いて第1のレジストをリンスすることで提供され得る。第1のレジスト現像剤として使用され得る好適な有機溶媒としては、n-ブチルアセテート(n-butyl acetate、NBA)及び2-ヘプタノンが挙げられる。レジストのトーン(すなわち、PTD対ネガ型対NTD)は、第1のレリーフパターンに適用されたその後の化学的性質に影響を及ぼし得る。1つ以上の実施形態では、NTDレジストは、PTDレジストと比較すると有利である。レジストは、下地パターンを溶解しない溶媒に可溶であるように選択され得る。
【0027】
他の実施形態では、第1のレジストは、任意選択的には他の添加剤を含有し、他の添加剤は、フッ素原子又はケイ素原子のいずれかを少なくとも有する樹脂、塩基性化合物、界面活性剤、オニウムカルボキシレート、色素、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解抑制剤及び現像剤中での溶解を加速させるための化合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
前述されるように、第1のレリーフパターンは、ギャップによって分離されるフィーチャを含み得る。1つ以上の実施形態では、第1のレリーフパターンのフィーチャは、約300~約3000Åの厚さを有し得る。フィーチャを分離するギャップは、基板の一部を露出状態のままにし得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1のレリーフパターンは、溶解性変更剤でのコーティング前に安定化される。様々なレジスト安定化技術は、フリーズプロセスとしても知られているが、イオン注入、UV硬化、加熱硬化、熱硬化及び化学硬化などのレジスト安定化技術が提案されている。技術は、例えば米国特許出願公開第2008/0063985号、米国特許出願公開第2008/0199814号及び米国特許出願公開第2010/0330503号において説明されている。
【0030】
方法100のブロック106では、第1のレリーフパターンは、第1の溶解性変更剤でコーティングされる。ブロック106によるコーティングされた基板を図2Bに示す。第1の溶解性変更剤205は、第1のレリーフパターン204上の薄いコーティングとして示されている。第1の溶解性変更剤コーティングの厚さは、特に限定されておらず、所望の高密度コンタクトアレイパターンに基づいて変更され得る。第1の溶解性変更剤は、第1のレジストへと吸収され得る。溶解性変更剤を第1のレジストに吸収するプロセスは、以下で更に説明される。代替的には、第1の溶解性変更剤は、第1のレリーフパターンの第1のレジスト中に混和され得る。かかる実施形態では、コーティングは不要であり、第1の溶解性変更剤は、第1のレジスト全体に均一に拡散され得る。
【0031】
上記のように、1つ以上の実施形態では、第1の溶解性変更剤は、第1のレリーフパターンに吸収される。第1のレリーフパターン中への第1の溶解性変更剤の吸収は、ベークなどの熱前処理を行うことによって達成され得る。ベークは、ソフトベークであり得る。ソフトベークの温度及び時間は、第1のレジストの特性及び第1のレジスト中への溶解性変更剤の望ましい拡散量に依存し得る。典型的には、ソフトベークは、約50℃~約150℃の範囲の温度で約30~90秒間実施され得る。
【0032】
代替的には、1つ以上の実施形態では、第1の溶解性変更剤は第1のレジスト内に配合されている。かかる実施形態では、溶解性変更剤は、不活性形態で第1のレジスト中に含まれ得る。その結果、第1のレジストの溶解性を変化させない。第1の溶解性変更剤は次いで、方法100の後半で活性化され、所望の物質にて所望の溶解性変化を活性化及び誘発することができる。
【0033】
第1の溶解性変更剤の組成は、第1のレジストのトーンに依存し得る。一般的に、第1の溶解性変更剤は、光又は熱を用いて活性化する任意の化学物質であり得る。例えば、第1のレジストがPTDレジストであるとき、第1の溶解性変更剤は、酸又は熱酸発生剤(thermal acid generator、TAG)を含み得る。酸、又はTAGの場合には発生した酸は、熱によって、塗布される特定の現像剤中の第1のレジストポリマーの溶解性を増大させるために、第1のレジストパターンの表面領域におけるポリマー酸分解性基の結合の分解を生じさせるのに十分でなければならない。酸又はTAGは、典型的には、トリミング組成物の全固形分に基づいて約0.01~20重量%の量で組成物中に存在する。
【0034】
好ましい酸は、非芳香族酸又は芳香族酸を含む有機酸であり、それらのそれぞれは、任意選択的にはフッ素置換を有することができる。好適な有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロ酢酸、ペルフルオロオクタン酸、シュウ酸、マロン酸及びコハク酸を含むアルカン酸などのカルボン酸、クエン酸などのヒドロキシアルカン酸、安息香酸、フルオロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸及びナフトエ酸などの芳香族カルボン酸、ジメチルリン酸及びジメチルホスフィン酸などの有機リン酸、並びにメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、1-ペルフルオロブタンスルホン酸、1,1,2,2-テトラフルオロブタン-1-スルホン酸、1,1,2,2-テトラフルオロ-4-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、1-ペンタンスルホン酸、1-ヘキサンスルホン酸及び1-ヘプタンスルホン酸を含む、任意選択的にはフッ素化されたアルキルスルホン酸などのスルホン酸が挙げられる。
【0035】
フッ素を含まない例示的な芳香族酸としては、以下の一般式(I)の芳香族酸が挙げられる。
【0036】
【化1】
【0037】
[式中、R1は、独立して、置換若しくは非置換C1-C20アルキル基、置換若しくは非置換C5-C20アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換アルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z1は、独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、a及びbは、独立して、0~5の整数であり、a+bが5以下である]
【0038】
例示的な芳香族酸は、以下の一般式(II)であり得る。
【0039】
【化2】
【0040】
[式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換C1-C20アルキル基、置換若しくは非置換C5-C16アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換アルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z2及びZ3は、それぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、c及びdは、独立して0~4の整数であり、c+dが4以下であり、e及びfは、独立して0~3の整数であり、e+fが3以下である]
【0041】
溶解性変更剤中に含有され得る追加の芳香族酸としては、以下の一般式(III)又は(IV)のものが挙げられる。
【0042】
【化3】
【0043】
[式中、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換C1-C20アルキル基、置換若しくは非置換C5-C12アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換アルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z4、Z5及びZ6は、それぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、g及びhは、独立して0~4の整数であり、g+hが4以下であり、i及びjは、独立して0~2の整数であり、i+jが2以下であり、k及び1は、独立して0~3の整数であり、k+lが3以下である]
【0044】
【化4】
【0045】
[式中、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換C1-C20アルキル基、置換若しくは非置換C5-C12アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換アルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z4、Z5及びZ6は、独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、g及びhは、独立して0~4の整数であり、g+hが4以下であり、i及びjは、独立して0~1の整数であり、i+jが1以下であり、k及びlは、独立して0~4の整数であり、k+lが4以下である]
【0046】
好適な芳香族酸は、代替的には、以下の一般式(V)であり得る。
【0047】
【化5】
【0048】
[式中、R7及びR8は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換C1-C20アルキル基、置換若しくは非置換C5-C14アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボキシル、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換アルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z7及びZ8は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、m及びnは、独立して0~5の整数であり、m+nが5以下であり、o及びpは、独立して0~4の整数であり、o+pが4以下である]
【0049】
更には、例示的な芳香族酸は、以下の一般式(VI)を有し得る。
【0050】
【化6】
【0051】
[式中、Xは、O又はSであり、R9は、独立して、置換若しくは非置換C1-C20アルキル基、置換若しくは非置換C5-C20アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換アルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z9は、独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、q及びrは、独立して、0~3の整数であり、q+rが3以下である]
【0052】
1つ以上の実施形態では、酸は、フッ素置換を有する遊離酸である。フッ素置換を有する好適な遊離酸は、芳香族又は非芳香族であり得る。例えば、溶解性変更剤として使用され得るフッ素置換を有する遊離酸としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
【化7】
【化8】
【0054】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0055】
好適なTAGとしては、上記のように非重合性酸を発生可能であるものが挙げられる。TAGは、非イオン性又はイオン性であることができる。好適な非イオン性熱酸発生剤としては、例えば、シクロヘキシルトリフルオロメチルスルホネート、メチルトリフルオロメチルスルホネート、シクロヘキシルp-トルエンスルホネート、メチルpートルエンスルホネート、シクロヘキシル2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホネート、ニトロベンジルエステル、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン、有機スルホン酸のアルキルエステル、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、リン酸、カンファースルホン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5-ニトロ-o-トルエンスルホン酸、5-スルホサリチル酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、2-ニトロベンゼンスルホン酸、3-クロロベンゼンスルホン酸、3-ブロモベンゼンスルホン酸、2-フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1-ナフトール-5-スルホン酸、2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイル-ベンゼンスルホン酸及びそれらの塩、並びにこれらの組合せが挙げられる。好適なイオン性熱酸発生剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩、ドデシルベンゼンジスルホン酸トリエチルアミン塩、p-トルエンスルホン酸-アンモニウム塩、p-トルエンスルホン酸-ピリジニウム塩、炭素環式アリール及びヘテロアリールスルホン酸塩などのスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、並びにベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。活性化時にスルホン酸を発生する化合物は、一般的には好適である。好ましい熱酸発生剤としては、p-トルエンスルホン酸アンモニウム塩及びヘテロアリールスルホン酸塩が挙げられる。
【0056】
好ましくは、以下に示されるようなスルホン酸を発生させるための反応スキームではTAGはイオン性である。
【0057】
【化13】
【0058】
式中、RSO は、TAGアニオンであり、Xは、TAGカチオンであり、好ましくは有機カチオンである。カチオンは、以下の一般式(I)の窒素含有カチオンであることができる。
【0059】
(BH) (I)
【0060】
これは窒素含有塩基Bのモノプロトン化形態である。好適な窒素含有塩基Bとしては、例えば、アンモニア、ジフルオロメチルアンモニア、C1-20アルキルアミン及びC3-30アリールアミンなどの任意選択的に置換されたアミン、例えばピリジン又は置換ピリジン(例えば、3-フルオロピリジン)、ピリミジン及びピラジンなどの窒素含有ヘテロ芳香族塩基、例えば、オキサゾール、オキサゾリン又はチアゾリンといった窒素含有複素環基が挙げられる。前述の窒素含有塩基Bは、例えば、アルキル、アリール、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素)、シアノ、ニトロ及びアルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択的には置換され得る。これらのうち、塩基Bは、好ましくはヘテロ芳香族塩基である。
【0061】
塩基Bは、典型的には、0~5.0、0~4.0、0~3.0又は1.0~3.0のpKaを有する。本明細書で使用される場合、「pKa」といった用語は、当技術分野で認識されている意味に従って使用される。すなわち、pKaは、ほぼ室温の水溶液における塩基性部分(B)の共役酸(BH)の解離定数の(底10に対する)負の対数である。特定の実施形態では、塩基Bは、約170℃未満、約160℃未満、150℃未満、140℃未満、130℃未満、120℃未満、110℃未満、100℃未満又は90℃未満の沸点を有する。
【0062】
好適な例示的窒素含有カチオン(BH)としては、NH 、CFHNH 、CFCHNH 、(CHNH、(CNH、(CH(C)NH及び以下のものが挙げられる。
【0063】
【化14】
【0064】
[式中、Yはアルキルであり、好ましくはメチル又はエチルである]
【0065】
特定の実施形態では、溶解性変更剤は、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロ-1ーブタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸及び2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸などの酸、トリフェニルスルホニウムアンチモネート、ピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、3-フルオロピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート及び4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム4,4,5,5,6,6-ヘキサフルオロジヒドロ-4H-1,3,2-ジチアジン1,1,3,3-テトラオキシドなどの酸発生剤又はこれらの組合せであり得る。
【0066】
代替的には、第1のレジストがNTDレジストであるとき、第1の溶解性変更剤は、塩基又は塩基発生剤を含み得る。かかる実施形態では、好適な溶解性変更剤としては、水酸化物、カルボキシレート、アミン、イミン、アミド及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。塩基の具体例としては、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、リン酸水素テトラメチルアンモニウム、リン酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、リン酸水素テトラエチルアンモニウム、リン酸テトラエチルアンモニウム及びこれらの組合せが挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン及び複素環式アミンが挙げられる。アミンは、第一級アミン、第二級アミン又は第三級アミンであり得る。アミンは、モノアミン、ジアミン又はポリアミンであり得る。好適なアミンとしては、C1-30有機アミン、イミン若しくはアミドが挙げられ得る、又は強塩基(例えば、水酸化物若しくはアルコキシド)若しくは弱塩基(例えば、カルボキシレート)のC1-30の第四級アンモニウム塩であり得る。例示的な塩基としては、トリプロピルアミン、ドデシルアミン、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アミン、テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどのアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール及び2-(4-アミノフェニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのアリールアミン、トレーガー塩基、ジアザビシクロウンデセン(diazabicycloundecene、DBU)若しくはジアザビシクロノネン(diazabicyclononene、DBN)などのヒンダードアミン、tert-ブチル 1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルカルバメート及びtert-ブチル 4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレータなどのアミド、又は水酸化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium hydroxide、TBAH)若しくはテトラブチルアンモニウムラクテートなどの第四級アルキルアンモニウム塩を含むイオン性クエンチャ―が挙げられる。別の実施形態では、アミンはヒドロキシアミンである。ヒドロキシアミンの例としては、それぞれ1~約8個の炭素原子、好ましくは、1~約5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシブチル基)を1つ以上有するヒドロキシアミンが挙げられる。ヒドロキシアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルエタノールアミン、2-ジエチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール及びトリエタノールアミンが挙げられる。
【0067】
好適な塩基発生剤は、熱塩基発生剤であり得る。熱塩基発生剤は、第1の温度より高い、典型的には約140℃以上で加熱すると塩基を形成する。熱塩基発生剤は、アミド、スルホンアミド、イミド、イミン、O-アシルオキシム、ベンゾイルオキシカルボニル誘導体、第四級アンモニウム塩、ニフェジピン、カルバメート及びこれらの組合せといった官能基を含み得る。例示的な熱塩基発生剤としては、o-{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}安息香酸、o-{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}安息香酸、2,5-ビス{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}テレフタル酸、2,5-ビス{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}テレフタル酸、2,4-ビス{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}イソフタル酸、2,4-ビス{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}イソフタル酸及びこれらの組合せが挙げられる。
【0068】
1つ以上の実施形態では、第1の溶解性変更剤は溶媒を含む。溶媒は、第1のレジストを溶解しない場合には、任意の好適な溶媒であり得る。溶媒は、典型的には、水、有機溶媒及びこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は、1つ以上の有機溶媒を含む有機系溶媒系を含み得る。「有機系」といった用語は、溶媒系が溶解性変更剤組成物の総溶媒に基づいて50重量%超の有機溶媒を含み、より典型的には、溶解性変更剤組成物の総溶媒に基づいて90重量%超、95重量%超、99重量%超又は100重量%の有機溶媒を含むことを意味している。溶媒成分は、典型的には、溶解性変更剤組成物に基づいて90~99重量%の量で存在する。
【0069】
溶解性変更剤組成物にとって好適な有機溶媒としては、例えば、n-ブチルプロピオネート、n-ペンチルプロピオネート、n-ヘキシルプロピオネート及びn-ヘプチルプロピオネートなどのアルキルプロピオネート、並びにn-ブチルブチレート、イソブチルブチレート及びイソブチルイソブチレートなどのアルキルブチレートなどのアルキルエステル;2,5-ジメチル-4-ヘキサノン及び2,6-ジメチル-4-ヘプタノンなどのケトン;n-ヘプタン、n-ノナン、n-オクタン、n-デカン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、3,3-ジメチルヘキサン及び2,3,4-トリメチルペンタンなどの脂肪族炭化水素、並びにペルフルオロヘプタンなどのフッ素化脂肪族炭化水素;1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-ヘキサノール、2-ヘプタノール、2-オクタノール、3-ヘキサノール、3-ヘプタノール、3-オクタノール及び4-オクタノールなどの直鎖、分岐又は環状C-C一価アルコール、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-ペンタノール及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-1-ヘキサノールといったアルコール、並びに2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1,5-ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1,6-ヘキサンジオール及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロ-1,8-オクタンジオールなどのC-Cフッ素化ジオール、イソペンチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、並びにこれらの溶媒のうち、1つ以上を含有する混合物が挙げられる。
【0070】
吸収材料中に含有された溶媒は、第1のレジストの組成物及びトーンに依存し得る。ArFレジストには典型的であるように第1のレジストが(メタ)アクリレートポリマーから形成され、レジストがPTDレジストとして現像されると、溶媒系は、好ましくは1つ以上の極性有機溶媒を含む。例えば、PTD第1のフォトレジストへと吸収されることが意図されている溶解性変更剤は、メチルイソブチルカルビノール(methyl isobutyl carbinol、MIBC)などの極性溶媒を含み得る。溶解性変更剤はまた、デカン、イソブチルイソブチレート、イソアミルエーテル及びこれらの組合せなど、共溶媒として脂肪族炭化水素、エステル及びエーテルを含み得る。特定の実施形態では、溶媒は、MIBC及び共溶媒を含む。かかる実施形態では、MIBCは、溶媒の総体積に基づいて、60~99%の範囲の量で溶媒中に含有され得る。したがって、共溶媒は、溶媒の総体積に基づいて、1~40%の範囲の量で含有され得る。
【0071】
KrF及びEUVフォトレジストに典型的であるように第1のレジストが芳香族ビニル系ポリマーから形成され、レジストがPTDレジストとして現像されるとき、溶媒系は、好ましくは1つ以上の非極性有機溶媒を含む。「非極性有機系」といった用語は、溶媒系が溶解性変更剤組成物の総溶媒に基づいて50重量%超の総非極性有機溶媒を含み、より典型的には、溶解性変更剤組成物の総溶媒に基づいて70重量%超、85重量%超又は100重量%の総非極性有機溶媒を含むことを意味している。非極性有機溶媒は、典型的には、溶媒系に基づいて70~98重量%、好ましくは80~95重量%、より好ましくは85~98重量%の合計量で溶媒系中に存在する。
【0072】
好適な非極性溶媒としては、例えば、エーテル、炭化水素及びこれらの組合せが挙げられるが、エーテルが好ましい。好適なエーテル溶媒としては、例えば、アルキルモノエーテル及び芳香族モノエーテルが挙げられ、6~16個の総炭素数を有するものが特に好ましい。好適なアルキルモノエーテルとしては、例えば、1,4-シネオール、1,8-シネオール、酸化ピネン、ジ-n-プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、ジ-n-ペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル及びジオクチルエーテルが挙げられるが、ジイソアミルエーテルが好ましい。好適な芳香族モノエーテルとしては、例えば、アニソール、エチルベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル及びフェネトールが挙げられるが、アニソールが好ましい。好適な脂肪族炭化水素としては、例えば、n-ヘプタン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、3,3-ジメチルヘキサン、2,3,4-トリメチルペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン及びペルフルオロヘプタンなどのフッ素化化合物が挙げられる。好適な芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン及びキシレンが挙げられる。
【0073】
いくつかの実施形態では、溶媒系は、1つ以上のアルコール及び/又はエステル溶媒を更に含む。特定の組成物については、アルコール及び/又はエステル溶媒は、組成物の固形成分に対して向上した溶解性を提供し得る。好適なアルコール溶媒としては、例えば、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-ヘキサノール、2-ヘプタノール、2-オクタノール、3-ヘキサノール、3-ヘプタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-ペンタノール及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-1-ヘキサノールなどの直鎖、分岐又は環状C4-9一価アルコール、並びに2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1,5-ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1,6-ヘキサンジオール及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロ-1,8-オクタンジオールなどのC5-9フッ素化ジオールが挙げられる。アルコール溶媒は、好ましくはC4-9一価アルコールであり、4-メチル-2-ペンタノールが好ましい。好適なエステル溶媒としては、例えば、4~10の総炭素数を有するアルキルエステルが挙げられ、例えば、n-ブチルプロピオネート、n-ペンチルプロピオネート、n-ヘキシルプロピオネート及びn-ヘプチルプロピオネートなどのアルキルプロピオネート、並びにn-ブチルブチレート、イソブチルブチレート及びイソブチルイソブチレートなどのアルキルブチレートが挙げられる。1つ以上のアルコール溶媒及び/又はエステル溶媒は、溶媒系で使用される場合、典型的には、溶媒系に基づいて2~50重量%の合計量、より典型的には2~30重量%の量で存在する。
【0074】
溶媒系はまた、例えば、2,5-ジメチル-4-ヘキサノン及び2,6-ジメチル-4-ヘプタノンなどのケトン、並びにジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのポリエーテルのうちの1つ以上から選択された1つ以上の追加の溶媒を含むことができる。かかる追加の溶媒は、使用される場合、典型的には、溶媒系に基づいて1~20重量%の合計量で存在する。
【0075】
第1のレジストが芳香族ビニル系ポリマーから形成されるときには、特に好ましい有機系溶媒系は、溶媒系に基づいて70~98重量%の合計量で1つ以上のモノエーテル溶媒、並びに溶媒系に基づいて2~30重量%の合計量で1つ以上のアルコール溶媒及び/又はエステル溶媒を含む。溶媒系は、典型的には、上塗り組成物に基づいて、90~99重量%、好ましくは95~99重量%の量で上塗り組成物中に存在する。
【0076】
上記のように、1つ以上の実施形態では、第1の溶解性変更剤は、第1のレリーフパターン上にコーティングされる。適切に第1のレリーフパターンをコーティングするためには、第1の溶解性変更剤は、マトリックスポリマーを含み得る。当技術分野で一般に使用される任意のマトリックスポリマーは、第1の溶解性変更物質中に含有され得る。マトリックスポリマーは、第1のレジストを溶解しない溶媒中で良好な溶解性を有しなければならない。マトリックスポリマーは、例えば、イソプロピル(メタ)アクリレート及びn-ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸;スチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン及びアセナフチレンなどの芳香族ビニルモノマー;ビニルアルコール;塩化ビニル;ビニルピロリドン;ビニルピリジン;ビニルアミン;ビニルアセタール;無水マレイン酸;マレイミド;ノルボルネン;並びにこれらの組合せといったエチレン性不飽和重合性二重結合を有するモノマーから選択される1つ以上のモノマーから形成され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、例えばヒドロキシ、カルボキシル、スルホン酸及びスルホンアミドなどの酸基、シラノール、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール[-C(CFOH]などのフルオロアルコール、無水物、ラクトン、エステル、エーテル、アリルアミン、ピロリドン及びこれらの組合せから選択される1つ以上の官能基を含有する。ポリマーは、ホモポリマー、又は例えば、2個、3個、4個以上の複数の繰り返し単位といった別個の繰り返し単位を有するコポリマーであり得る。一態様では、ポリマーの繰り返し単位は、(メタ)アクリレートモノマーからすべて形成され、芳香族(ビニル)モノマーからすべて形成され、又は(メタ)アクリレートモノマー及び芳香族(ビニル)モノマーからすべて形成される。ポリマーは1種類より多い繰り返し単位を含むとき、典型的には、ランダムコポリマーの形態をとる。
【0078】
特定の実施形態では、マトリックスポリマーは、t-ブチルアクリレート(t-butyl acrylate、TBA)/p-ヒドロキシスチレン(p-hydroxystyrene、PHS)コポリマー、ブチルアクリレート(butyl acrylate、BA)/PHSコポリマー、TBA/メタクリル酸(methacrylic acid、MAA)コポリマー、BA/MAAコポリマー、PHS/メタクリレート(methacrylate、MA)コポリマー、及びこれらの組合せであり得る。
【0079】
溶解性変更剤組成物は、典型的には、単一ポリマーを含むが、任意選択的には1つ以上の更なるポリマーを含むことができる。組成物中のポリマーの含量は、例えば、層の標的厚さに依存し、より厚い層が望ましいときには、より高いポリマー含量が使用される。ポリマーは、典型的には、溶解性変更剤組成物の全固形分に基づいて、80~99.9重量%、より典型的には90~99重量%、又は95~99重量%の量でパターン溶解性変更剤組成物中に存在する。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、典型的には、ポリスチレン標準試料を基準としてGPCによって測定した場合、400,000未満、好ましくは3000~50,000、より好ましくは3000~25,000である。典型的には、ポリマーは、ポリスチレン標準試料を基準としてGPCによって測定した場合、3以下、好ましくは2以下の多分散性指数(PDI=Mw/Mn)を有する。
【0080】
溶解性変更剤組成物で使用するのに好適なポリマーは、市販されており、かつ/又は当業者によって容易に作製されることができる。例えば、ポリマーは、ポリマーの単位に対応する選択されたモノマーを有機溶媒に溶解させること、ラジカル重合開始剤を添加すること、及び熱重合を行ってポリマーを形成することによって合成され得る。ポリマーの重合に使用されることができる好適な有機溶媒の例としては、例えば、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、乳酸エチル及びメチルイソブチルカルビノールが挙げられる。好適な重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル 2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、過酸化ベンゾイル及び過酸化ラウロイルが挙げられる。
【0081】
マトリックスポリマーを含む溶解性変更剤は、当技術分野で知られている方法に従って第1のレリーフパターン上にコーティングされ得る。典型的には、マトリックスポリマーを含む溶解性変更剤は、スピンコーティングによって第1のレリーフパターン上にコーティングされ得る。第1の溶解性剤の固形含量は、第1のレリーフパターン上に第1の溶解性変更剤の所望の厚さの膜を提供するように調整され得る。例えば、第1の溶解性変更剤溶液の固形含量は、利用される特定のコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールの速度及びスピン可能である時間に基づいて所望の膜厚を提供するために調整されることができる。組成物の典型的な厚さは、約200Å~約1500Åである。
【0082】
1つ以上の実施形態では、第1の溶解性変更剤は、前述されるように、活性物質(すなわち、酸、酸発生剤、塩基又は塩基発生剤)、溶媒及びマトリックスポリマーを含む。かかる溶解性変更剤の典型的な配合物は、溶解性変更剤の総重量に基づいて約1~10重量%の固形分及び90~99.9重量%の溶媒を含み得、固形分は活性物質及びマトリックスポリマーを含む。固形含量内では、活性物質は、約1~約5重量%の範囲の量で含有され得る。
【0083】
第1の溶解性変更剤は、使用される特定の化学反応に応じて、様々な目的を有する添加剤を含み得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、溶解性変更剤中に含有され得る。界面活性剤は、特に第1のレジストのフィーチャ間の薄ギャップを充填する必要があるときに、コーティング品質の一助となるように溶解性変更剤中に含有され得る。当技術分野で知られている好適な界面活性剤は、溶解性変更剤中に含有され得る。
【0084】
第1のレリーフパターン中への吸収後、有効な溶解性変更物質を一切含まないコーティング層は第1のレジスト上に残存し得る。1つ以上の実施形態では、コーティング層は、リンスによって除去され得る。リンスは、コーティング層を溶解するが、第1のレジストを溶解しない溶媒でコーティングされた基板をリンスすることによって達成され得る。リンスは、好適な方法を使用して、例えば一定時間にわたって溶媒を充填した浴に基板を浸漬すること(浸漬方法)によって、表面張力の作用により基板表面上に溶媒を上昇させて、一定時間にわたってこれを静置させ、これによってコーティング層を溶解させること(パドル方法)によって、基板表面上に溶媒を噴霧すること(噴霧方法)によって、又は一定速度で溶媒噴出ノズルを走査しながら、一定速度で回転する基板上に溶媒を連続噴出すること(ダイナミックディスペンス方法)によって実施され得る。
【0085】
方法100のブロック108では、第1のポリマー充填物は基板上に堆積される。第1のレリーフパターン204を伴って積層されたコーティングされた基板、第1の溶解性変更剤205及び第1のポリマー充填物206を図2Cに示す。第1のポリマー充填物は基板上に堆積され得るが、これは第1のレリーフパターンのギャップを充填し、第1のレリーフパターン又は第1の溶解性変更剤と接触した状態になり得る。かかる様式で第1のポリマー充填物を堆積させる際には、図2Cに示されるように、平坦層が基板及びターゲット層上に存在することとなる。いくつかの実施形態では、第1のポリマー充填物は、ターゲット層、第1のレリーフパターン及び第1の溶解性変更剤を完全に覆う。第1のポリマー充填物は、例えばスピンオン堆積又は気相処理といった当技術分野で知られている任意の好適な方法に従って基板上に堆積され得る。
【0086】
1つ以上の実施形態では、第1のポリマー充填物はレジストを含む。かかる実施形態では、レジストは、前述されるようなPTDレジスト、ネガ型レジスト又はNTDレジストであり得る。第1のポリマー充填物に含まれるレジストは、ポリマーを含み得る。好適なポリマーは、第1のレジストポリマー及び/又はマトリックスポリマーとして定義されたポリマーに関して前述される通りであり得る。特定の実施形態では、好適なポリマーは、p-ヒドロキシスチレン、スチレン、t-ブチルアクリレート及びこれらの組合せを含むモノマーから作製され得る。特定の実施形態では、ポリマーは、p-ヒドロキシスチレン、スチレン及びt-ブチルアクリレートのうちの3つすべてから作製され得る。かかるポリマーは、約50%~約80%のp-ヒドロキシスチレン、約10~約30%のスチレン、及び約10%~約30%のt-ブチルアクリレートを含む重合反応から調製され得る。例えば、第1のポリマー充填物に含有されるポリマーを製造するための重合反応は、約50%、約55%、約60%及び約65%のうちの1つの下限から、約65%、約70%、約75%及び約80%のうちの1つの上限までの範囲の量であるp-ヒドロキシスチレンであって、任意の下限は、任意の数学的に適合する上限と対になり得る、p-ヒドロキシスチレンと、約10%、約12%、約14%、約16%、約18%及び約20%のうちの1つの下限から、約20%、約22%、約24%、約26%、約28%及び約30%の上限までの範囲の量である、スチレン及びt-ブチルアクリレートであって、任意の下限は、任意の数学的に適合する上限と対になり得る、スチレン及びt-ブチルアクリレートと、を含み得る。
【0087】
第1のポリマー充填物中に含有されたポリマーは、1~100kg/molの範囲で重量平均分子量(Mw)を有し得る。例えば、1つ以上の実施形態では、第1のポリマー充填物は、任意の下限が、任意の数学的に適合する上限と対にされ得る場合、1kg/mol、2kg/mol、5kg/mol、10kg/mol、15kg/mol、20kg/mol及び25kg/molの下限から、25kg/mol、50kg/mol、75kg/mol、80kg/mol、90kg/mol及び100kg/molの上限までのMw範囲を有するポリマーを含み得る。かかるMwを有するポリマーは、特に溶解速度といった望ましい溶解特性を呈し得る。
【0088】
1つ以上の実施形態では、第1のポリマー充填物は溶媒を含む。溶媒は、第1の溶解性変更剤中に含有された溶媒に関して前述される通りである。特定の実施形態では、第1のポリマー充填物中の溶媒は、第1の溶解性変更剤中の溶媒と同じである。
【0089】
第1のポリマー充填物は、使用される特定の化学的性質に応じて、様々な目的を有する添加剤を含み得る。いくつかの実施形態では、クエンチャ―は、第1のポリマー充填物中に含まれる。クエンチャ―は、溶解性変更剤中の活性物質の拡散を制御するのに役立つように、第1のポリマー充填物中に含まれ得る。好適なクエンチャ―は、溶解性変更物質に関して既に列挙された塩基のうちのいずれかを含む。
【0090】
方法100のブロック110では、第1の溶解性変更剤は、第1のポリマー充填物中に拡散される。第1の溶解性変更剤は、当技術分野で公知の好適な拡散方法に従って拡散され得る。ただし使用される特定の方法及び条件は、例えばとりわけ活性化温度、拡散性などといった第1の溶解性変更剤の特性に応じて変化し得る。1つ以上の実施形態では、第1のポリマー充填物中への第1の溶解性変更剤の拡散は、ベークを実施することによって達成される。ベークは、ホットプレート又はオーブンで実施され得る。ベークの温度及び時間は、第1のポリマー充填物の特性及び第1のポリマー充填物中への第1の溶解性変更剤の所望の拡散量に依存し得る。ベークに好適な条件は、50℃~160℃の範囲の温度及び約30~90秒間の範囲の時間を含み得る。1つ以上の実施形態では、ベーク後、溶解性が変化した領域は、第1のポリマー充填物の縁部の周囲に存在し得る。第1の溶解性変更剤の拡散量は、溶解性が変化した領域の厚さに対応し得る。いくつかの実施形態では、溶解性が変化した領域は、第1のポリマー充填物へと延在し、約5nm~約60nmの厚さを有する。例えば、溶解性が変化した領域の厚さは、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm及び約25nmのうちの1つの下限から、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm及び約60nmのうちの1つの上限までの範囲であり得、任意の下限は、任意の数学的に適合する上限と対にされ得る。1つ以上の実施形態では、溶解性が変化した領域の厚さは、ターゲット層へと切断されることになる高密度コンタクトアレイの所望のパターンに対応し得る。
【0091】
第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を含むコーティングされた基板を、図2Dに示す。図2Dに示されるように、コーティングされた基板は、基板201及びターゲット層202を含む。基板は、前述される通りである。第1のレジスト203から構成された第1のレリーフパターン204は、基板202の表面上にある。第1のレリーフパターン204は、第1の溶解性変更剤でコーティングされる。第1のポリマー充填物206は、基板上にコーティングされ、ターゲット層201を覆い、第1のレリーフパターン204を備えた平坦層を形成する。代替的な実施形態では、第1のポリマー充填物は、ターゲット層及び第1のレリーフパターンを完全に覆う。第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域208は、第1のレリーフパターンに隣接して示されている。
【0092】
溶解性が変化した領域は、第1の溶解性変更剤に暴露されなかった第1のポリマー充填物の領域とは異なる溶解性を有し得る。このように、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域及び暴露されていない領域は、異なるレジスト現像剤に可溶であり得る。
【0093】
方法100のブロック112では、第2のレリーフパターン210は、第1のレリーフパターン及び第1のポリマー膜上に形成され得る。本明細書では、第1のポリマー膜及び第1のレリーフパターンによって形成された平坦層は、「下面」と称され得る。下面及び第2のレリーフパターンを含むコーティングされた基板の外観図を、図2Eに示す。図2Eに示されるように、第2のレリーフパターンは、第1のレリーフパターンに対して垂直に形成され得る。1つ以上の実施形態では、第2のレリーフパターンは、ギャップによって分離され、第1のレリーフパターンに類似したフィーチャを有し得、第2のレリーフパターンのフィーチャが形成され得るが、これは第1のレリーフパターンのフィーチャと交差する。例えば、第1のレリーフパターンが横ラインから作製される場合、第2のレリーフパターンは、ラインが交差するように縦ラインから作製され得る。1つ以上の実施形態では、第1のレリーフパターン及び第2のレリーフパターンのフィーチャは、90度で交差し得る。他の実施形態では、フィーチャは60度で交差し得る。当業者によって理解されるように、交差の様々な角度は、所望の高密度コンタクトアレイパターンに応じて使用され得る。
【0094】
1つ以上の実施形態では、第2のレリーフパターンのフィーチャは、フォトリソグラフィで形成され、第2のレジストから作製される。第2のレジストは、ポリマーを含み得る。第2のレジストに含まれ得る好適なポリマーは、第1のレジストに関して予め説明した通りである。第2のレジストは、第1のレジストに関して説明した通り、PTDレジスト又はNTDレジストであり得る。1つ以上の実施形態では、第2のレジストは第1のレジストと同様である。第1のレリーフパターンに影響を及ぼすことなく第2のレリーフパターンを形成するためには、「フリーズ」が第1のレリーフパターンに適用され得る。フリーズは、第1のレリーフパターンを保護する表面処理であり、フィーチャの境界線の一体性を維持することによって、これが第2のレジストへと拡散するのを防止する。
【0095】
ブロック114では、第2のレリーフパターンは、第2の溶解性変更剤でコーティングされる。図2Fは、下面と、第2の溶解性変更剤212でコーティングされた第2のレリーフパターンを含むコーティングされた基板を示す。第2の溶解性変更剤は、第1の溶解性変更剤の成分も第2の溶解性変更剤に含まれ得る限りは、第1の溶解性変更剤と類似し得る。1つ以上の実施形態では、第2の溶解性変更剤は、前述されるような酸又は酸発生剤及びマトリックスポリマーを含む。更には、第1の溶解性変更剤と同様に、第2の溶解性変更剤は第2のレリーフパターン中に吸収され得る。代替的には、第2の溶解性変更剤は、第1の溶解性変更剤に関して上で説明した通り、第2のレジスト内に配合され得る。
【0096】
第2の溶解性変更剤は、スピンコーティングによって第2のレリーフパターン上にコーティングされ得る。第2の溶解剤の固形含量は、含まれるマトリックスポリマーの量によって決定されるが、第2の溶解性変更剤の所望の厚さの膜を第2のレリーフパターン上に提供するように調整され得る。例えば、溶解性変更剤溶液の固形含量は、利用される特定のコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールの速度及びスピン可能である時間に基づいて所望の膜厚を提供するために調整されることができる。組成物の典型的な厚さは、約200Å~約1500Åである。
【0097】
上記のように、1つ以上の実施形態では、第2の溶解性変更剤は、第2のレリーフパターンに吸収される。第1のレリーフパターンへの溶解性変更剤の吸収は、ベークなどの熱前処理を行うことによって達成され得る。ベークは、ソフトベークであり得る。ソフトベークの温度及び時間は、第1のレジストの特性及び第1のレジストへの溶解性変更剤の望ましい拡散量に依存し得る。典型的には、ソフトベークは、約50℃~約150℃の範囲の温度で約30~90秒間実施され得る。
【0098】
第1のレリーフパターンへの吸収後、有効な溶解性変更物質を一切含まないコーティング層は第2のレジスト上に残存し得る。1つ以上の実施形態では、コーティング層は、リンスによって除去され得る。リンスは、コーティング層を溶解するが、第1のレジストを溶解しない溶媒でコーティングされた基板をリンスすることによって達成され得る。リンスは、好適な方法を使用して、例えば一定時間にわたって溶媒を充填した浴に基板を浸漬すること(浸漬方法)によって、表面張力の作用により基板表面上に溶媒を上昇させて、一定時間にわたってこれを静置させ、これによってコーティング層を溶解させること(パドル方法)によって、基板表面上に溶媒を噴霧すること(噴霧方法)によって、又は一定速度で溶媒噴出ノズルを走査しながら、一定速度で回転する基板上に溶媒を連続噴出すること(ダイナミックディスペンス方法)によって実施され得る。
【0099】
次いで、方法100のブロック116では、第2のポリマー膜が第2のレリーフパターン上に積層される。該方法にてこの時点でコーティングされた基板の一例は、図2Gに示されている。図2Gに示されるように、第2のポリマー充填物214は、第2のレリーフパターン又は第2の溶解性変更剤と接触し得、下面を露出する第2のレリーフパターンの任意のギャップを充填し得る。第1のポリマー膜の堆積と同様に、第2のポリマー膜の堆積は、下面の表面上に平坦層を提供し得る。前述されるように、かかる層は、上面と称され得る。
【0100】
1つ以上の実施形態では、第2のポリマー充填物は、ポリマー及び溶媒を含むレジスト、並びに第1のポリマー充填物に関して前述されるような1つ以上の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、第2のポリマー充填物は、第1のポリマー充填物と同じである。
【0101】
方法100のブロック118では、第2の溶解性変更剤は、第2のポリマー充填物中に拡散される。1つ以上の実施形態では、第2のポリマー充填物中への第2の溶解性変更剤の拡散は、ベークを実施することによって達成される。ベークは、ソフトベークであり得る。第1のポリマー充填物に関して上に説明されるように、ソフトベークの温度及び時間は、第1のポリマー充填物の特性及び第2のポリマー充填物への第2の溶解性変更剤の所望の拡散量に依存し得る。
【0102】
ソフトベーク後、溶解性が変化した領域は、第2のポリマー充填物の縁部の周囲に存在し得る。図2Hは、第2の溶解性変更剤が第2のポリマー充填物中に拡散された後のコーティングされた基板を示しており、溶解性が変化した領域216を含む第2のポリマー充填物を提供する。第2の溶解性変更剤の拡散量は、溶解性が変化した領域の厚さに対応し得る。いくつかの実施形態では、溶解性が変化した領域は、第2のポリマー充填物へと延在し、約5nm~約60nmの厚さを有する。例えば、溶解性が変化した領域の厚さは、5nm、10nm、15nm、20nm及び25nmのうちの1つの下限から、40nm、45nm、50nm、55nm及び60nmのうちの1つの上限までの範囲であり得、任意の下限は、任意の数学的に適合する上限と対になり得る。1つ以上の実施形態では、溶解性が変化した領域の厚さは、ターゲット層へと切断されることになる高密度コンタクトアレイの所望のパターンに対応し得る。
【0103】
溶解性が変化した領域は、溶解性変更剤に暴露されなかった第2のポリマー充填物の領域とは異なる溶解性を有し得る。このように、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域及び暴露されていない領域は、異なるレジスト現像剤に可溶であり得る。
【0104】
方法100のブロック120では、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物は、特定の現像剤を使用して現像され得、第2のポリマー充填物の及び第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域が除去される。第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物のそれぞれのレジストに応じて、現像は、更なる化学線放射への暴露、熱処理及び特定の現像剤による現像を含むことができる。1つ以上の実施形態では、第1の充填物及び第2の充填物は、最初に化学線放射に暴露され、次いで特定の現像剤に暴露されることによって現像される。他の実施形態では、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物は、特定の現像剤にのみ暴露される。特定の現像剤は、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物中に存在するレジストのトーンに依存し得る。特定の実施形態では、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物は、同じ溶解特性を有しており、このことによって同じ特定の現像剤で現像されることができる。例えば、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物がポジトーン現像レジストを含む場合には、特定の現像剤は、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの塩基であり得る。一方、第1のポリマー充填物及び第2のポリマー充填物がネガトーン現像レジストである場合、特定の現像剤は、n-ブチルアセテート又は2-ヘプタノンなどの非極性有機溶媒であり得る。
【0105】
前述されるように、溶解性が変化した領域の厚さは、ターゲット層へと切断される高密度コンタクトアレイの所望のパターンに対応し得る。図2Iは、本開示の実施形態に従って現像されたコーティングされた基板を示す。1つ以上の実施形態では、第1のポリマー充填物206及び第2のポリマー充填物214はそれぞれ現像され、第1のレリーフパターン及び第2のレリーフパターンの境界上に形成されている溶解性が変化した領域を溶解する。その結果が非常に狭いトレンチの交差パターンであるが、これは組み合わせられたときに、ターゲット層202を露出するサブレゾリューション接触開口220を画定する。そのため、方法100のブロック122は、図1に戻って参照すると、組み合わせられたエッチングマスクとして、第1のレリーフパターン、第1のポリマー充填物、第2のレリーフパターン及び第2のポリマー充填物を使用してターゲット層の露出部分をエッチングすることを含む。かかる方法は、高密度コンタクトアレイをターゲット層上に提供し得る。エッチングプロセスは、CF、O、HBr又はFといった任意の好適なドライエッチング剤を使用する、等方性又は異方性エッチングプロセスであり得る。一実施形態では、エッチング剤は、CF、O、HBr及びFといったドライエッチング剤であることができる。
【0106】
図1を参照すると、方法100の変形例では、更なる現像及びエッチングは、第1の溶解性変更剤を拡散させた後に生じ得、現像及びエッチングは、第1の溶解性変更剤及び第2の溶解性変更剤のそれぞれの拡散の後に生じるようにすることが理解される。このため、1つ以上の実施形態では、ラインの第1のパターンは、基板上でターゲット層へとエッチングされ得、続いてラインの第2の垂直パターンが基板へとエッチングされる。例えば、図3に本開示のかかる実施形態に関する方法300が示され、図3に関して論じられる。
【0107】
図3において、ブロック302では、基板にターゲット層が設けられている。1つ以上の実施形態では、ターゲット層はハードマスク層である。次いで、第1のレリーフパターンは、ブロック304でターゲット層上に形成され得る。第1のレリーフパターンは、ギャップによって分離されたフィーチャを含み得、その結果ターゲット層の一部が露出される。第1のレリーフパターンは、前述されるような第1のレジストを含み得る。次いで方法300は、ブロック306では第1のレリーフパターンを第1の溶解性変更剤でコーティングすることを含み、ブロック308では、第1のポリマー充填物を基板上に積層し、平坦層を提供することを含む。第1の溶解性変更剤及び第1のポリマー充填物は、前述される通りである。ブロック310では、第1の溶解性変更剤は、第1のポリマー充填物中に拡散され、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を提供する。第1の溶解性変更剤の拡散は、前述されるように、ソフトベークによって実施され得る。溶解性が変化した領域は、溶解性変更剤に暴露されなかった第1のポリマー充填物の一部とは異なる溶解性を有し得る。次いで、ブロック312では、コーティングされた基板が現像され得、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は溶解し、ターゲット層を露出する狭いトレンチが形成される。いくつかの実施形態では、現像は、化学線放射への暴露、熱処理及び前述した特定の現像剤を用いた現像のうちの1つ以上を含む。基板を現像し、第1のポリマー充填物の溶解性が変化した領域を溶解した後、ターゲット層は、組み合わせられたエッチングマスクとして第1のポリマー充填物及び第1のレリーフパターンを使用してエッチングされ、ラインの第1のパターンを提供し得る(ブロック314)。
【0108】
その後、方法300のブロック316では、第2のレジストを含む第2のレリーフパターンがターゲット層上に提供される。第2のレジストは、前述される通りである。第2のレリーフパターンは、ギャップによって分離されたフィーチャを含み得るが、このフィーチャはラインの第1のパターンに対して垂直に形成される。ブロック318では、第2のレリーフパターンは、前述されるように、第2の溶解性変更剤でコーティングされる。次いで、ブロック320では、第2のポリマー充填物が基板上へと堆積し、ターゲット層が露出される第2のレリーフパターンの任意のギャップを充填する。第2のポリマー充填物は、上で説明した通りである。方法300において、ブロック322では、第2の溶解性変更剤は第2のポリマー充填物中に拡散され、前述されるように溶解性が変化した領域を提供する。溶解性が変化した領域は、溶解性変更剤に暴露されなかった第2のポリマー充填物の一部とは異なる溶解性を有し得る。次いで、ブロック324では、基板が現像され、第2のポリマー充填物の溶解性が変化した領域は溶解し、ターゲット層を露出する狭いトレンチが形成される。レジストの第2の層(すなわち、第2のポリマー充填物及び第2のレリーフパターン)由来のトレンチは、レジストの第1の層(すなわち、第1のポリマー充填物及び第1のレリーフパターン)由来のトレンチと交差し得る。上記のように、第1のトレンチラインに対して様々な交差の角度を使用することができる(とりわけ、90°及び60°)。最終的に、ブロック326では、第2のポリマー膜及び第2のポリマー充填物によって画定されたパターンは、ターゲット層へと選択的にエッチングされる。かかるエッチング方法は、薄い領域をエッチングすることを防止し、ハードマスクエッチング停止層で停止するまでエッチングを確実に継続する。
【0109】
代替として、最終エッチング工程は、スループットが低下するものの、既存の薄い領域に特有のものであることができる。本明細書に開示された方法は、オーバーラップ領域に応じて任意の形状を含み得る。例えば、十分に密度が高いコンタクトのアレイは、2つ又は3つの異なるアレイを重ね合わせることで提供され得、これによって密度が最も高い最終アレイがもたらされる。図4は、1つ以上の実施形態の方法に従って作製され得る実行可能な形状を示す。
【0110】
方法100は、実行可能な一実施形態を表すが、本発明の発明を限定することを意図したものではない。当業者によって理解されるように、本発明は、例えば、第1の溶解性変更剤が第1のポリマー充填物ではなく、第1のレジスト中に拡散され、かつ第2の溶解性変更剤が第2のポリマー充填物ではなく、第2のレジスト中に拡散されるといった方法などの様々な代替的方法を包含し得る。かかる代替的な実施形態では、本方法で使用される構成要素及び技術は、方法100に関して前述される通りであり得る。
【0111】
上述のように、1つ以上の実施形態では、第1の溶解性変更剤は第1のレジスト中に拡散され、第2の溶解性変更剤は第2のレジスト中に拡散される。かかる実施形態では、方法は、第1のレジストの第1のレリーフパターンを最初に形成することと、次いで第1のレジストを第1の溶解性変更剤でコーティングすることと、を含み得る。この時点では、第1の溶解性変更剤は、所定の距離で第1のレジスト中に拡散されて第1のレジストの溶解性が変化した領域を提供し得る。第1の溶解性変更剤の拡散は、かかる方法の異なる時点で生じ得、また、異なる成分へと拡散し得るが、溶解性変更剤の拡散は、方法100では上記のように実施され得る。第1の溶解性変更剤が第1のレジスト中に拡散された後、第1のポリマー充填物は、基板上に堆積され得る。次いで、第2のレリーフパターンは、前述されるように、第1のレリーフパターン上に積層され得る。次いで、第2の溶解性変更剤は第2のレリーフパターン上にコーティングされ得、その後第2のレリーフパターン中に拡散される。第2の溶解性変更剤の拡散によって、溶解性が変化した領域又は第2のレジストが提供され得る。次いで、第2のポリマー充填物は第2のレリーフパターン上に積層される。最終的に、基板は、方法100に関して説明されるように現像されてエッチングされ得るが、この場合、第1のレジスト及び第2のレジストの溶解性が変化した領域は、特定の現像剤に可溶である。
【0112】
1つ以上の実施形態の方法及びシステムは、化学プロセス及び拡散特性の両方に依拠して、入力した化学反応自体へと制御機能を加える固有の能力及びかかる化学反応を測定する方法を提供する。
【0113】
本開示の実施形態は、以下の利点のうちの少なくとも1つを提供し得る。1つ以上の実施形態における方法は、従来の高額なリソグラフィ工程を必要とすることなく、高密度コンタクトアレイパターンを基板へとエッチングする能力を提供する。そのため、本開示における方法は、メモリデバイスといった、より低コストの高密度コンタクトアレイを提供する。リソグラフィ制御は保持され、これによってコンタクトアレイ周辺部のパターニング領域の形成が可能となる。したがって、本明細書に開示された方法により、トラックベースの、又はレジスト内でのコンタクトアレイ向けのアンチスペーサ技術が可能となり、それによって原子層堆積法(ALD)及びエッチング技術の必要性が省略される。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態のみを上で詳細に説明したが、当業者は、本発明から本質的に逸脱することなく、多くの変更が例示的な実施形態にて可能であることを容易に理解するであろう。したがって、かかるすべての変更は、以下の特許請求の範囲に定義されるように、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3
図4
【国際調査報告】