(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】補正化学反応による向上したフィールドスティッチング
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240829BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537801
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022041567
(87)【国際公開番号】W WO2023028259
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524073142
【氏名又は名称】ジェミナティオ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン, ブレナン
(72)【発明者】
【氏名】ハスタッド, フィリップ, ディー.
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA09
2H196GA04
2H196GA08
2H197AB02
2H197AB12
2H197AB13
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA03
2H197JA15
2H197JA17
(57)【要約】
基板をパターニングする方法を記載する。上記方法は、レジスト層を上記基板上に提供する工程と、上記レジスト層を第1のパターンの化学線放射に暴露して、上記レジスト層に潜像を形成する工程と、上記レジスト層を第2のパターンの化学線放射に暴露して、上記レジスト層に第2の潜像を形成する工程であって、上記第1の潜像及び上記第2の潜像は隣接している、工程とを含む。上記方法は更に、上記レジスト層を現像して、上記第1のパターンの化学線放射に対応する第1のセットのトレンチと、上記第2のパターンの化学線放射に対応する第2のセットのトレンチとを含むレリーフパターンを形成することであって、上記第1のセットのトレンチ及び上記第2のセットのトレンチは隣接していない、ことを含む。次に、上記方法は、上記レリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることと、続いて上記溶解性変更剤を上記レジスト層へと所定の距離だけ拡散させることであって、上記レジストの溶解性が変更された領域は上記第1のレリーフパターンに隣接する、ことと、最後に、上記レジスト層を現像して、上記第1のセットのトレンチ及び上記第2のセットのトレンチをともにスティッチングすることとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をパターニングする方法であって、
レジスト層を上記基板上に提供することと、
上記レジスト層を第1のパターンの化学線放射に暴露して、上記レジスト層に第1の潜像を形成することと、
上記レジスト層を第2のパターンの化学線放射に暴露して、上記レジスト層に第2の潜像を形成することであって、上記第1の潜像及び上記第2の潜像が隣接している、ことと、
上記レジスト層を現像して、上記第1のパターンの化学線放射に対応する第1のセットのトレンチと、上記第2のパターンの化学線放射に対応する第2のセットのトレンチとを含むレリーフパターンを形成することであって、上記第1のセットのトレンチ及び上記第2のセットのトレンチが隣接していない、ことと、
上記レリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることと、
上記溶解性変更剤を上記レジスト層へと所定の距離だけ拡散させて、上記レジストの溶解性が変更された領域を提供することであって、上記レジストの上記溶解性が変更された領域が上記第1のレリーフパターンに隣接する、ことと、
上記レジスト層を現像して、上記第1のセットのトレンチ及び上記第2のセットのトレンチをともにスティッチングすることと
を含む方法。
【請求項2】
上記溶解性変更剤が酸発生剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記酸発生剤がフッ素を含まない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記酸発生剤が、ピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、3-フルオロピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム4,4,5,5,6,6-ヘキサフルオロジヒドロ-4H-1,3,2-ジチアジン1,1,3,3-テトラオキシド、トリフェニルスルホニウムアンチオメート及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
上記溶解性変更剤が酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
上記酸がフッ素を含まない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロ-1-ブタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸、2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
上記溶解性変更剤が、(メタ)アクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸;スチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン及びアセナフチレンなどの芳香族ビニルモノマー;ビニルアルコール;塩化ビニル;ビニルピロリドン;ビニルピリジン;ビニルアミン;ビニルアセタール;無水マレイン酸;マレイミド;ノルボルネン;及びこれらの組合せを含む、エチレン性不飽和重合性二重結合を有するモノマーを含むマトリックスポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
上記溶解性変更剤が、ヒドロキシ、カルボキシル、スルホン酸、スルホンアミド、シラノール、フルオロアルコール、無水物、ラクトン、エステル、エーテル、アリルアミン、ピロリドン及びこれらの組合せから選択される1つ以上の官能基を含むモノマーを含むマトリックスポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
上記第1のレリーフパターンを上記溶解性変更剤でコーティングした直後に、上記溶解性変更剤を上記第1のレリーフパターンへと拡散させることを更に含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
上記溶解性変更剤を上記第1のレリーフパターンへと拡散させることは、ベークを実施することによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
上記レジスト層がポジトーン現像レジストである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
上記レジスト層がネガトーン現像レジストである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
上記溶解性変更剤が溶媒を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
上記溶媒が、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、デカン、イソブチルイソブチレート、イソアミルエーテル及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記レジスト層が、上記溶媒に不溶である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
上記レジストが、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、アクリレート、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せからなる群から選択されるモノマーから作製されたポリマーを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記レジストがポジトーン現像レジストであり、特定の現像剤が塩基現像剤である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項19】
上記塩基現像剤が水酸化テトラメチルアンモニウムである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記レジスト層がネガトーン現像レジストであり、特定の現像剤が、n-ブチルアセテート(NBA)、2-ヘプタノン及びこれらの組合せからなる群から選択される非極性有機溶媒である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項21】
基板をパターニングする方法であって、
第1のレジスト層を基板上に提供することと、
上記第1のレジスト層を第1のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像を形成することと、
上記レジスト層を第2のパターンの化学線放射に暴露することと、
上記レジスト層を現像して、上記第1のパターンの化学線放射に対応する第1のセットのトレンチと、上記第2のパターンの化学線放射に対応する第2のセットのトレンチとを含むレリーフパターンを形成することであって、上記第1のセットのトレンチ及び上記第2のセットのトレンチが隣接していない、ことと、
上記レリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることと、
上記レリーフパターンを第2のレジスト層でコーティングすることと、
上記溶解性変更剤を上記第2のレジスト層へと所定の距離だけ拡散させて、上記レジストの溶解性が変更された領域を提供することであって、上記レジストの上記溶解性が変更された領域が上記第1のレリーフパターンに隣接する、ことと、
上記第2のレジスト層を現像して、複数のトレンチをともにスティッチングすることと
を含む方法。
【請求項22】
基板をパターニングする方法であって、
第1のレジスト層を基板上に提供することと、
上記第1のレジスト層を第1のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像を形成することと、
上記レジスト層を第2のパターンの化学線放射に暴露することと、
上記レジスト層を現像して、上記第1のパターンの化学線放射に対応する第1のセットのトレンチと、上記第2のパターンの化学線放射に対応する第2のセットのトレンチとを含むレリーフパターンを形成することであって、上記第1のセットのトレンチ及び上記第2のセットのトレンチが隣接していない、ことと、
上記レリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることと、
上記レリーフパターンを第2のレジスト層でコーティングすることと、
上記溶解性変更剤を上記第1のレジストへと所定の距離だけ拡散させて、上記第1のレジストの溶解性が変更された領域を提供することであって、上記第1のレジストの上記溶解性が変更された領域が上記第2のレジストに隣接する、ことと、
上記第2のレジスト層を現像して、複数のトレンチをともにスティッチングすることと
を含む方法。
【請求項23】
上記溶解性変更剤が酸発生剤を含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
上記酸発生剤がフッ素を含まない、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記酸発生剤が、ピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、3-フルオロピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム4,4,5,5,6,6-ヘキサフルオロジヒドロ-4H-1,3,2-ジチアジン1,1,3,3-テトラオキシド、トリフェニルスルホニウムアンチオメート及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
上記溶解性変更剤が酸を含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項27】
上記酸がフッ素を含まない、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロ-1-ブタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸、2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
上記溶解性変更剤が、(メタ)アクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸;スチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン及びアセナフチレンなどの芳香族ビニルモノマー;ビニルアルコール;塩化ビニル;ビニルピロリドン;ビニルピリジン;ビニルアミン;ビニルアセタール;無水マレイン酸;マレイミド;ノルボルネン;及びこれらの組合せを含む、エチレン性不飽和重合性二重結合を有するモノマーを含むマトリックスポリマーを含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項30】
上記溶解性変更剤が、ヒドロキシ、カルボキシル、スルホン酸、スルホンアミド、シラノール、フルオロアルコール、無水物、ラクトン、エステル、エーテル、アリルアミン、ピロリドン及びこれらの組合せから選択される1つ以上の官能基を含むモノマーを含むマトリックスポリマーを含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項31】
上記第1のレリーフパターンを上記溶解性変更剤でコーティングした直後に、上記溶解性変更剤を上記第1のレリーフパターンへと拡散させることを更に含む請求項21又は22に記載の方法。
【請求項32】
上記溶解性変更剤を上記第1のレリーフパターンへと拡散させることは、ベークを実施することによって達成される、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項33】
上記レジストがポジトーン現像レジストである、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項34】
上記レジストがネガトーン現像レジストである、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項35】
上記溶解性変更剤が溶媒を含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項36】
上記溶媒が、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、デカン、イソブチルイソブチレート、イソアミルエーテル及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
上記レジストが、上記溶媒に不溶である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
上記レジストが、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、アクリレート、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せからなる群から選択されるモノマーから作製されたポリマーを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
上記レジストがポジトーン現像レジストであり、特定の現像剤が塩基現像剤である、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項40】
上記塩基現像剤が水酸化テトラメチルアンモニウムである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
上記レジストがネガトーン現像レジストであり、特定の現像剤が、n-ブチルアセテート(NBA)、2-ヘプタノン及びこれらの組合せからなる群から選択される非極性有機溶媒である、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項42】
上記第2のレジストが、スチレン、p-ヒドロキシスチレン、アクリレート、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せからなる群から選択されるモノマーから作製されたポリマーを含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項43】
第1のフォトレジストの第1の層が形成された基板を受け入れることと、
上記基板上の第1の領域で上記第1の層をあるパターンの化学線放射に暴露することであって、上記パターンの化学線放射が完全パターンの第1の構成要素である、ことと、
上記第1のフォトレジストを現像して、上記基板上に第1のフォトレジストのラインを含む第1のレリーフパターンが生じることと、
上記第1のレリーフパターンを接着促進剤でコーティングすることと、
上記基板上に第2のフォトレジストの第2の層を形成することと、
上記基板上の第2の領域で上記第2の層を第2のパターンの化学線放射に暴露することであって、上記第2のパターンの化学線放射が完全パターンの第2の構成要素であり、上記第1の領域及び上記第2の領域が互いに当接するように配置されている、ことと、
上記接着促進剤を活性化して、上記第1のフォトレジストのラインを上記第2のフォトレジストと架橋することと、
上記第2のフォトレジストを現像して、上記基板上に第2のレリーフパターンが生じることであって、上記第2のレリーフパターンが、上記第1のフォトレジストのラインに接続されている第2のフォトレジストのラインを含む、ことと
を含む微細加工方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体デバイスの微細加工は、膜堆積、パターン形成及びパターン転写などの様々な工程を含む。材料及び膜は、スピンコーティング、蒸着及び他の堆積プロセスによって基板上に堆積される。パターン形成は典型的には、248nmのKrFエキシマレーザ、193nmのArFエキシマレーザ又は13.5nmの極端紫外線(extreme ultraviolet、EUV)露光ツールを使用して、フォトレジストとして公知である感光性膜をあるパターンの化学線放射に暴露し、その後、フォトレジストを現像してレリーフパターンを形成することで実施される。次いで、レリーフパターンは、1つ以上のエッチングプロセスが基板に施される場合に、基板のエッチングされない部分を覆うエッチングマスクとして作用する。ラインカットは通常、かかるフォトリソグラフィ工程を用いて基板上で達成されるが、この場合、各カットは、別個のリソグラフィ露光により個々に配置される。これは、特に各カットが互いの近くに配置されるべき場合、ライン幅が減少することから困難な課題である。
【0002】
非常に大きなデバイスでは、単一フィールド露光(例えば、およそ25×35mm)は非常に小さいものであり得る。例えば、大きな画像センサは、50×50mmであり得て、完全な単一ダイを露光するために少なくとも4回の露光を必要とし得る。これらの異なる露光領域間では、各種フィーチャが結合されていることが望ましく、その結果、1つの「仮想」露光が存在する。同様に、写真で全景を作製するためには、複数の画像が重ね合わせて最終の結合画像を作成する。イメージスティッチング/結合は大部分はピクセル分析であるものの、半導体製造では、スティッチングは物理的である。したがって、正確なアライメントが、デバイスの故障を防ぐために必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本概要は、以下の詳細な説明にて更に説明される概念の選択物を紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の重要又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、特許請求される主題の範囲を限定する一助として使用されることも意図していない。
【0004】
一態様では、本明細書に開示された実施形態は、基板をパターニングする方法であって、レジスト層を基板上に提供することと、レジスト層を第1のパターンの化学線放射に暴露して、レジスト層に第1の潜像を形成することと、レジスト層を第2のパターンの化学線放射に暴露して、レジスト層に第2の潜像を形成することであって、第1の潜像及び第2の潜像は隣接している、ことと、レジスト層を現像して、レリーフパターンを形成することとを含む方法に関する。レリーフパターンは、第1のパターンの化学線放射に対応する第1のセットのトレンチと、第2のパターンの化学線放射に対応する第2のセットのトレンチとを含み、第1のセットのトレンチ及び第2のセットのトレンチは隣接していない。次に、本方法は、レリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることと、溶解性変更剤をレジスト層へと所定の距離だけ拡散させることと、レジスト層を現像して、第1のセットのトレンチ及び第2のセットのトレンチをともにスティッチングすることとを含む。
【0005】
別の態様では、本明細書に開示された実施形態は、基板をパターニングする方法であって、第1のレジスト層を基板上に提供することと、第1のレジスト層を第1のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像を形成することと、レジスト層を第2のパターンの化学線放射に暴露することと、レジスト層を現像して、第1のパターンの化学線放射に対応する第1のセットのトレンチと、第2のパターンの化学線放射に対応する第2のセットのトレンチとを含むレリーフパターンを形成することであって、第1のセットのトレンチ及び第2のセットのトレンチは隣接していない、こととを含む方法に関する。次に、本方法は、レリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることと、レリーフパターンを第2のレジスト層でコーティングすることと、溶解性変更剤を第2のレジスト層へと所定の距離だけ拡散させて、第2のレジストの溶解性が変更された領域を提供することであって、第2のレジストの溶解性が変更された領域は第1のレリーフパターンに隣接する、ことを含む。次いで、本方法は、第2のレジスト層を現像して、複数のトレンチをともにスティッチングすることを含む。
【0006】
別の態様では、本明細書に開示された実施形態は、基板をパターニングする方法であって、第1のレジスト層を基板上に提供することと、第1のレジスト層を第1のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像を形成することと、レジスト層を第2のパターンの化学線放射に暴露することと、第1のレジスト層を現像して、第1のパターンの化学線放射に対応する第1のセットのトレンチと、第2のパターンの化学線放射に対応する第2のセットのトレンチとを含む第1のレリーフパターンを形成することであって、第1のセットのトレンチ及び第2のセットのトレンチは隣接していない、ことを含む方法に関する。次に、本方法は、第1のレリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることと、第1のレリーフパターン上に第2のレジストを堆積して、第2のレジストが第1のレリーフパターンと接触した状態となるようにすることと、溶解性変更剤を第1のレジスト層へと所定の距離だけ拡散させることであって、第1のレジストの溶解性が変更された領域が第2のレジストに隣接する、ことと、第2のレジスト層を現像して、複数のトレンチをともにスティッチングすることと、を含む。
【0007】
特許請求される主題の他の態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のブロックフロー図である。
【0009】
【
図2A】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図2C】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図2E】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図2G】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図2I】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図2K】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図2M】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【0010】
【
図3】本開示の1つ以上の実施形態に係る別の方法のブロックフロー図である。
【0011】
【
図4A】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4C】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4E】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4G】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4I】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4K】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4M】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4O】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4Q】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【
図4S】本開示の1つ以上の実施形態に係る方法のそれぞれの時点でのコーティングされた基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は概して、半導体基板をパターニングする方法に関する。1つ以上の実施形態では、本方法は、トレンチをともにスティッチングすることによって、基板上に制御された狭いカットを形成することを含む。
【0013】
本明細書では、「半導体基板」及び「基板」という用語は互換的に使用され、半導体ウェハ、半導体材料層及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない任意の半導体材料であり得る。本開示では、「フォトレジスト」という用語は、生成された光酸を含み、光を使用してパターニングされるレジスト材料を指すために使用され得るが、「レジスト」という用語は、光を使用してパターニングされないレジスト材料を説明するために使用され得る。本明細書では、「コーティングされた基板」とは、第1のレジスト層及び第2のレジスト層などの1つ以上の層でコーティングされている基板を指す。本明細書では、「潜像」とは、光に暴露されているが、現像されていないフォトレジストの領域を指す。
【0014】
従来のリソグラフィパターニングと異なり、本明細書に開示された方法は、1つのフォトリソグラフィ工程から複数のカットを達成するが、従来のプロセスは、複数のフォトリソグラフィ工程を必要とする。更には、方法は、狭いラインを直接基板上に切り込むことを含み得る。
【0015】
従来のダイスティッチング方法は、端部を一致させるか、又はスティッチングのために大きな「キャッチ」エリアを使用する。これらの拡大キャッチエリアは、トランジスタの密度及び貴重な空間を減少させる。
【0016】
本明細書の技術によって、ダイスティッチングのためのオーバーレイが改善し、重要な性能能力を犠牲にすることなく重要な光電デバイス及び半導体デバイスが可能となる。技術には、化学処理を用いてフィーチャの位置合わせを改善し、これを多重露光の向上を伴うレイヤーインレイヤーのスティッチング使用例に適用することが含まれる。かかる例では、密度及び性能を維持しつつ、非常に大きなダイ、更には最大でウェハサイズのダイでさえも製造することが可能となる。
【0017】
本明細書の技術は選択的結合加工を含む。この加工によって、スティッチングされた各領域間の境界でのレジスト形成が改善される。これによって、スティッチングされたフィーチャの設計及びオーバーレイの負担が実質的に低減され、いくつかの誤差が排除される。この方法を用いると、スティッチングは、ナノメートル以下の精度でかつ完全密度で誤差なく行うことができる。
【0018】
図1に本開示に係る方法100を示し、
図1を参照して考察する。最初に、方法100は、ブロック102において、レジスト層の第1の領域を第1のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像を形成することを含む。ブロック104は、第1のレジストの第2の領域を第2のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像に隣接する第2の潜像を形成することを含む。ブロック106は、レジスト層を現像剤で処理して、第1の暴露と第2の暴露との両方に由来する複数のフィーチャを含む第1のレリーフパターンを形成することを含み、これらのフィーチャは隣接していないが、第1の寸法により分離されている。ブロック108は、第1のレリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることを含む。溶解性変更剤は、第1のレジストの極性に基づいて可溶化剤又は硬化剤であり得る。ブロック110は、溶解性変更剤をレジストへと拡散させることを含む。溶解性変更剤の拡散によって、レジストの側壁に溶解性が変更された領域が形成される。拡散は、各フィーチャを分離する第1の寸法の少なくとも半分の距離を達成するように制御される。ブロック112は、レジストを再び現像することを含む。第2の現像によって、レジストの側壁の溶解性が変更された領域が除去され、その結果、各フィーチャは、第1の距離で分離されるのではなく、隣接している。
【0019】
【0020】
図2A~
図2Bは、第1のレジスト203でコーティングされた基板202を示す。第1のレジストはフォトレジストであり得る。
図2C~
図2Dは、レジスト203に形成された第1の潜像204を含む基板202を示す。
図2E~
図2Fでは、第2の潜像205は、第1のレジスト203に形成される。
図2G~
図2Hは、フィーチャ203並びにトレンチ204’及び205’を有する第1のレリーフパターンを形成するために第1のレジスト層203に形成された第1の潜像204及び第2の潜像205を現像した後のコーティングされた基板202を示す。
図2I~
図2Jは、溶解性変更剤206でコーティングされたフィーチャ203並びにトレンチ204’及び205’を有する第1のレリーフパターンを含む基板202を示す。
図2K~
図2Lは、レジスト203に第1のレリーフパターンを含む基板202を示すが、そこで、溶解性変更剤がレジストへと拡散されて、溶解性が変更された領域207を形成している。最後に、
図2M~
図2Nは、最終現像後のコーティングされた基板を示すが、トレンチをともにスティッチングすることによって単一の凹状フィーチャ208が形成されている。
図2A~
図2Gは、以下に詳細に考察される。
【0021】
方法100のブロック102では、第1のレジスト層が提供される。第1のレジストはフォトレジストであり得る。第1のレジスト層203は、
図2A~
図2Bに示されるように基板202上にレジストを積層することによって形成され得る。
図2A~
図2Bは、基板202上の第1のレジスト層203の一例を示す。加えて、方法100のブロック102では、第1のレジスト上の第1の領域は、第1のパターンの化学線放射に暴露されて、
図2C~
図2Dに示されるように第1の潜像204が生じ得る。
【0022】
一般的に、レジストは、ポリマー、光酸発生剤及び溶媒を含む化学増幅感光性組成物である。1つ以上の実施形態では、第1のレジストはポリマーを含む。ポリマーは、レジスト材料に典型的に使用される任意の標準的なポリマーであり得て、特に酸不安定基を有するポリマーであり得る。例えば、ポリマーは、スチレン及びp-ヒドロキシスチレンなどの芳香族ビニルモノマー、アクリレート、メタクリレート、ノルボルネン及びこれらの組合せを含むモノマーから作製されたポリマーであり得る。反応性官能基を含むモノマーは、保護された形態のポリマー中に存在し得る。例えば、p-ヒドロキシスチレンの-OH基は、tert-ブチルオキシカルボニル保護基で保護され得る。かかる保護基は、第1のレジストに含まれるポリマーの反応性及び溶解性を変更し得る。当業者に理解されるように、様々な保護基が、この理由のために使用され得る。酸不安定基としては、例えば、第三級アルキルエステル基、第二級又は第三級アリールエステル基、アルキル基とアリール基との組合せを有する第二級又は第三級エステル基、第三級アルコキシ基、アセタール基又はケタール基が挙げられる。酸不安定基は、当技術分野では一般的に、「酸分解性基」、「酸解離性基」、「酸解離性保護基」、「酸不安定保護基」、「酸脱離基」及び「酸感受性基」とも称される。
【0023】
分解時に、ポリマーにカルボン酸を形成する酸不安定基は、好ましくは、式-C(O)OC(R1)3の第三級エステル基、又は式-C(O)OC(R2)2OR3のアセタール基であり、式中、R1は、それぞれ独立して、直鎖C1-20アルキル、分岐C3-20アルキル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルキル、直鎖C2-20アルケニル、分岐C3-20アルケニル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C6-20アリール、又は単環式若しくは多環式C2-20ヘテロアリールであり、好ましくは直鎖C1-6アルキル、分岐C3-6アルキル、又は単環式若しくは多環式C3-10シクロアルキルであり、それらのそれぞれは置換又は非置換であり、各R1は、任意選択的にはその構造の一部として-O-、-C(O)-、-C(O)-O-若しくは-S-から選択される1つ以上の基を含み、任意の2つのR1基はともに、任意選択的には環を形成し、R2は、独立して、水素、フッ素、直鎖C1-20アルキル、分岐C3-20アルキル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルキル、直鎖C2-20アルケニル、分岐C3-20アルケニル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C6-20アリール、又は単環式若しくは多環式C2-20ヘテロアリールであり、好ましくは水素、直鎖C1-6アルキル、分岐C3-6アルキル、又は単環式若しくは多環式C3-10シクロアルキルであり、それらのそれぞれは置換又は非置換であり、各R2は、任意選択的にはその構造の一部として-O-、-C(O)-、-C(O)-O-若しくは-S-から選択される1つ以上の基を含み、R2基はともに、任意選択的には環を形成し、R3は、直鎖C1-20アルキル、分岐C3-20アルキル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルキル、直鎖C2-20アルケニル、分岐C3-20アルケニル、単環式若しくは多環式C3-20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C6-20アリール、又は単環式若しくは多環式C2-20ヘテロアリールであり、好ましくは直鎖C1-6アルキル、分岐C3-6アルキル、又は単環式若しくは多環式C3-10シクロアルキルであり、それらのそれぞれは置換又は非置換であり、R3は、任意選択的にはその構造の一部として-O-、-C(O)-、-C(O)-O-若しくは-S-から選択される1つ以上の基を含み、1つのR2はR3とともに、任意選択的には環を形成する。かかるモノマーは、典型的には芳香族ビニル、(メタ)アクリレート又はノルボルニルモノマーである。ポリマーにカルボン酸基を形成する酸分解性基を含む重合単位の総含量は、ポリマーの総重合単位に基づいて、典型的には10~100モル%であり、より典型的には10~90モル%又は30~70モル%である。
【0024】
ポリマーは、重合時に、分解によりポリマーにアルコール基又はフルオロアルコール基を形成する酸不安定基を含むモノマーを更に含むことができる。好適なかかる基としては、例えば、式-COC(R2)2OR3-のアセタール基、又は式-OC(O)O-の炭酸エステル基が挙げられ、式中、Rは上に定義されている通りである。かかるモノマーは、典型的には芳香族ビニル、(メタ)アクリレート又はノルボルニルモノマーである。ポリマーに存在する場合、分解によりポリマーにアルコール基又はフルオロアルコール基を形成する酸分解性基を含む重合単位の総含量は、ポリマーの総重合単位に基づいて、典型的には10~90モル%であり、より典型的には30~70モル%である。
【0025】
第1のレジストがフォトレジストである実施形態では、第1のレジストは光酸発生剤を含む。光酸発生剤は、化学線又は放射線の照射時に酸を発生することが可能な化合物である。光酸発生剤は、カチオン光重合用の光開始剤、ラジカル光重合用の光開始剤、色素用の光脱色剤、光変色剤、マイクロレジストなどに使用される、化学線又は放射線の照射時に酸を発生することが可能な公知の化合物から選択することができ、これらの混合物を使用することができる。光酸発生剤の例としては、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン及びo-ニトロベンジルスルホネートが挙げられる。
【0026】
好適な光酸としては、オニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(p-tert-ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート;ジ-t-ブチフェニルヨードニウムペルフルオロブタンスルホネート、及びジ-t-ブチフェニルヨードニウムカンファースルホネートが挙げられる。非イオン性スルホネート及びスルホニル化合物は、光酸発生剤(photoacid generator)として機能することも知られており、例えば、ニトロベンジル誘導体、例えば、2-ニトロベンジル-p-トルエンスルホネート、2,6-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネート及び2,4-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネート;スルホン酸エステル、例えば、1,2,3-トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン及び1,2,3-トリス(p-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン;ジアゾメタン誘導体、例えば、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン;グリオキシム誘導体、例えば、ビス-O-(p-トルエンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム及びビス-O-(n-ブタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム;N-ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル;並びにハロゲン含有トリアジン化合物、例えば、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン及び2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジンが挙げられる。好適な非重合光酸発生剤は、Hashimotoらに対する米国特許第8,431,325号(37欄、11~47行目及び41~91欄)に更に記載される。他の好適なスルホネートPAGとしては、米国特許第4,189,323号及び同8,431,325号に記載されるように、スルホン化エステル及びスルホニルオキシケトン、ニトロベンジルエステル、s-トリアジン誘導体、ベンゾイントシレート、t-ブチルフェニルα-(p-トルエンスルホニルオキシ)-アセテート及びt-ブチルα-(p-トルエンスルホニルオキシ)-アセテートが挙げられる。オニウム塩であるPAGは典型的には、スルホンアミデート基、スルホンイミデート基、メチド基又はボレート基などのスルホネート基又は非スルホネート型基を有するアニオンを含む。
【0027】
レジスト組成物は、任意選択的には複数のPAGを含み得る。複数のPAGは、重合性、非重合性であり得るか、又は重合性PAG及び非重合性PAGの両方を含み得る。好ましくは、複数のPAGのそれぞれは非重合性である。好ましくは、複数のPAGが使用される場合、第1のPAGは、アニオンにスルホネート基を含み、第2のPAGは、スルホネート基を含まないアニオンを含み、かかるアニオンは、例えば、上述したようなスルホンアミデート基、スルホンイミデート基、メチド基又はボレート基を含む。
【0028】
次に、方法100のブロック104では、第1のレジストの第2の領域は、第2のパターンの化学線放射に暴露されて、
図2E~
図2Fに示されるように第2の潜像205が生じ得る。化学線放射が適用された後、レジストの未暴露部分は、第1のレジストの暴露部分とは異なる溶解性を有し得る。
【0029】
方法100のブロック106では、第1のレジストは、第1のレジスト現像剤でリンスされ得る。第1のレジスト現像剤でのリンスによって、未暴露部分又は暴露部分のいずれかが溶解する。溶解部分は、204’及び205’などのトレンチを形成し得る。未溶解レジストは、
図2G~
図2Hに示されるように基板202上に第1のレジスト203並びにフィーチャ204’及び205’から構成された第1のレリーフパターンを形成し得る。第1のレリーフパターンは、第1の寸法を特徴とするギャップによって分離された第1のレジスト203の各フィーチャを含み得る。基板の一部は、第1のレリーフパターンのギャップが存在することで暴露され得る。
【0030】
第1のレリーフパターンは、第1のレジストを基板上へと積層し、レジストを現像することによって形成され得る。レジストは、化学線放射への暴露に続く第1のレジスト現像剤でのリンスなど、当技術分野で知られている手順に従って現像され得る。現像されたレジストに形状又はレリーフパターンを付与するために、マスクを使用して化学線放射からレジストの一部を遮断し得る。化学線放射が適用された後、レジストの未暴露部分は、レジストの暴露部分とは異なる溶解性を有し得る。その後、第1のレジスト現像剤でのリンスによって、未暴露部分又は暴露部分のいずれかが溶解する。現像剤でのリンス後にレジストの未暴露部分が残存している場合に提供されるレリーフパターンは、ポジトーン現像レジストである。対照的に、現像剤でのリンス後にレジストの暴露部分が残存している場合に提供されるレリーフパターンは、ネガトーン現像レジストである。
【0031】
1つ以上の実施形態では、レジストはポジトーン現像(positive tone developed、PTD)レジストである。かかる実施形態では、第1のレリーフパターンは、上述したモノマーから作製されたポリマーであって、反応性官能基を含む任意のモノマーが保護されるポリマーを含み得る。このように、PTDの第1のレジストは、有機可溶であり得るが、それによって、レリーフパターンは、塩基性である第1のレジスト現像剤でリンスすることによって提供され得る。好適な塩基性の第1のレジスト現像剤としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium hydroxide、TMAH)などの水酸化第四級アンモニウムが挙げられる。
【0032】
他の実施形態では、第1のレジストはネガ型レジストである。かかる実施形態では、第1のレリーフパターンは、上述したモノマーから作製されたポリマーであって、反応性官能基を含む任意のモノマーが保護されないポリマーを含み得る。化学線放射への暴露によって、暴露エリアでのポリマーの架橋が生じ、ポリマーを現像剤に不溶性にする。次いで、未暴露のため未架橋のエリアは、適当な現像剤を使用して除去されて、レリーフパターンを形成することができる。
【0033】
他の実施形態では、第1のフォトレジストはネガトーン現像(negative tone developed、NTD)フォトレジストである。PTDフォトレジストと同様に、NTDフォトレジストは、上述したモノマーから作製されたポリマーであって、反応性官能基を含む任意のモノマーが保護されるポリマーを含み得る。このように、NTDの第1のフォトレジストは、有機可溶であり得るが、塩基性である第1のフォトレジスト現像剤で暴露エリアを現像する代わりに、第1のレリーフパターンは、有機溶媒を含むレジスト現像剤で第1のレジストをリンスすることで提供され得る。レジスト現像剤として使用され得る好適な有機溶媒としては、n-ブチルアセテート(n-butyl acetate、NBA)及び2-ヘプタノンが挙げられる。レジストのトーン(すなわち、PTD対ネガ型対NTD)は、第1のレリーフパターンに適用されたその後の化学反応に影響を及ぼし得る。
【0034】
他の実施形態では、第1のレジストは、任意選択的には他の添加剤を含み、他の添加剤は、フッ素原子又はケイ素原子のいずれかを少なくとも有する樹脂、塩基性化合物、界面活性剤、オニウムカルボキシレート、色素、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解抑制剤及び現像剤中での溶解を加速させるための化合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0035】
前述されるように、第1のレリーフパターンは、ギャップによって分離された第1のレジスト203の各フィーチャを含み得る。1つ以上の実施形態では、第1のレリーフパターンの第1のレジスト203のフィーチャは、約300~3000Åの厚さを有し得る。第1のレジスト203の各フィーチャを分離するギャップは、基板の一部を露出されたままにし得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のレリーフパターンは、溶解性変更剤でのコーティング前に安定化される。凍結プロセスとしても知られている様々なレジスト安定化技術が提案されており、例えば、イオン注入、UV硬化、加熱硬化、熱硬化及び化学硬化が挙げられる。例えば米国特許出願公開第2008/0063985号、米国特許出願公開第2008/0199814号及び米国特許出願公開第2010/0330503号に技術が記載されている。
【0037】
方法100のブロック108では、第1のレリーフパターンは、溶解性変更剤でコーティングされる。第1のレリーフパターン203及び溶解性変更剤206で積層されたコーティングされた基板を
図2I~
図2Jに示す。ブロック108によるコーティングされた基板を
図2I~
図2Jに示す。溶解性変更剤206は、第1のレリーフパターン203上のコーティングとして示されている。溶解性変更剤コーティングの厚さは、特に限定されておらず、望ましいラインカット幅に基づいて変更され得る。溶解性変更剤は、ベークによって第1のレジストに吸収される材料であり得るが、本明細書のいくつかの例では「吸収材料」と称され得る。溶解性変更剤を第1のレジストに吸収させるプロセスを以下に詳細に説明する。
【0038】
方法100のブロック110では、
図2Kに示されるように、溶解性変更剤206は、第1のレリーフパターン203へと拡散されて、溶解性が変更された領域207を形成し得る。
【0039】
1つ以上の実施形態では、レジストの溶解性が変更された領域は、まず化学線放射に暴露され、次いで特定の現像剤に暴露されることによって現像される。他の実施形態では、第1のレジストの溶解性が変更された領域は、特定の現像剤にのみ暴露される。特定の現像剤は、第1のレジストのトーンに依存し得る。例えば、レジストがポジトーン現像レジストである場合、特定の現像剤は、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの塩基であり得る。一方、第1のレジストがネガトーン現像レジストである場合、特定の現像剤は、n-ブチルアセテート又は2-ヘプタノンなどの非極性有機溶媒であり得る。
【0040】
前述されるように、溶解性が変更された領域の厚さは、各フィーチャ203を分離するギャップの幅の少なくとも半分に対応し得る。溶解性変更剤コーティングの厚さは、特に限定されておらず、望ましい最終パターンパラメータに基づいて変更され得る。溶解性変更剤は、ベークによってレジストに吸収される材料であり得るが、本明細書のいくつかの例では「吸収材料」と称され得る。溶解性変更剤をレジストに吸収させるプロセスを以下に詳細に説明する。
【0041】
溶解性変更剤の組成は、レジストのトーンに依存し得る。一般的に、溶解性変更剤は、光又は熱で活性化する任意の化学物質であり得る。例えば、レジストがPTDレジストである場合、溶解性変更剤は、酸又は熱酸発生剤を含み得る。
【0042】
酸、又は熱酸発生剤(thermal acid generator、TAG)の場合には発生した酸は、熱によって、第1のレジストパターンの表面領域におけるポリマーの酸分解性基の結合を分解させて、適用される特定の現像剤中の第1のレジストポリマーの溶解性を増大させるのに十分であるべきである。酸又はTAGは典型的には、トリミング組成物の全固形分に基づいて約0.01~約20重量%の量で組成物中に存在する。
【0043】
好ましい酸としては、非芳香族酸及び芳香族酸を含む有機酸が挙げられ、それらのそれぞれは、任意選択的にはフッ素置換を有することができる。好適な有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロ酢酸、ペルフルオロオクタン酸、シュウ酸、マロン酸及びコハク酸を含むアルカン酸などのカルボン酸、クエン酸などのヒドロキシアルカン酸、安息香酸、フルオロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸及びナフトエ酸などの芳香族カルボン酸、ジメチルリン酸及びジメチルホスフィン酸などの有機リン酸、並びにメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、1-ペルフルオロブタンスルホン酸、1,1,2,2-テトラフルオロブタン-1-スルホン酸、1,1,2,2-テトラフルオロ-4-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、1-ペンタンスルホン酸、1-ヘキサンスルホン酸及び1-ヘプタンスルホン酸を含む任意選択的にフッ素化されたアルキルスルホン酸などのスルホン酸が挙げられる。
【0044】
フッ素を含まない例示的な芳香族酸としては、以下の一般式(I)の芳香族酸が挙げられる。
【0045】
【0046】
[式中、R1は、独立して、置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基、置換若しくは非置換のC5-C20アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換のアルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z1は、独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、a及びbは、独立して、0~5の整数であり、a+bが5以下である]
【0047】
例示的な芳香族酸は、以下の一般式(II)であり得る。
【0048】
【0049】
[式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基、置換若しくは非置換のC5-C16アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換のアルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z2及びZ3は、それぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、c及びdは、独立して、0~4の整数であり、c+dが4以下であり、e及びfは、独立して、0~3の整数であり、e+fが3以下である]
【0050】
溶解性変更剤に含まれ得る追加の芳香族酸としては、以下の一般式(III)又は(IV)のものが挙げられる。
【0051】
【0052】
[式中、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基、置換若しくは非置換のC5-C12アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換のアルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z4、Z5及びZ6は、それぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、g及びhは、独立して、0~4の整数であり、g+hが4以下であり、i及びjは、独立して、0~2の整数であり、i+jが2以下であり、k及び1は、独立して、0~3の整数であり、k+lが3以下である]
【0053】
【0054】
[式中、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基、置換若しくは非置換のC5-C12アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換のアルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z4、Z5及びZ6は、それぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、g及びhは、独立して、0~4の整数であり、g+hが4以下であり、i及びjは、独立して、0~1の整数であり、i+jが1以下であり、k及びlは、独立して、0~4の整数であり、k+lが4以下である]
【0055】
好適な芳香族酸は、代替的には、以下の一般式(V)であり得る。
【0056】
【0057】
[式中、R7及びR8は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基、置換若しくは非置換のC5-C14アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボキシル、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換のアルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z7及びZ8は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、m及びnは、独立して、0~5の整数であり、m+nが5以下であり、o及びpは、独立して、0~4の整数であり、o+pが4以下である]
【0058】
更には、例示的な芳香族酸は、以下の一般式(VI)を有し得る。
【0059】
【0060】
[式中、Xは、O又はSであり、R9は、独立して、置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基、置換若しくは非置換のC5-C20アリール基、又はこれらの組合せを表し、任意選択的には、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換若しくは非置換のアルキレン基、又はこれらの組合せから選択される1つ以上の基を含有し、Z9は、独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1-C5アルコキシ、ホルミル及びスルホン酸から選択される基を表し、q及びrは、独立して、0~3の整数であり、q+rが3以下である]
【0061】
1つ以上の実施形態では、酸は、フッ素置換を有する遊離酸である。好適なフッ素置換を有する遊離酸は芳香族又は非芳香族であり得る。例えば、溶解性変更剤として使用され得るフッ素置換を有する遊離酸としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
【0063】
【0064】
好適なTAGとしては、上述したように非重合性酸を発生可能であるものが挙げられる。TAGは非イオン性又はイオン性であることができる。好適な非イオン性熱酸発生剤としては、例えば、シクロヘキシルトリフルオロメチルスルホネート、メチルトリフルオロメチルスルホネート、シクロヘキシルp-トルエンスルホネート、メチルpートルエンスルホネート、シクロヘキシル2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホネート、ニトロベンジルエステル、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン、有機スルホン酸のアルキルエステル、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、リン酸、カンファースルホン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5-ニトロ-o-トルエンスルホン酸、5-スルホサリチル酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、2-ニトロベンゼンスルホン酸、3-クロロベンゼンスルホン酸、3-ブロモベンゼンスルホン酸、2-フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1-ナフトール-5-スルホン酸、2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイル-ベンゼンスルホン酸及びそれらの塩、並びにこれらの組合せが挙げられる。好適なイオン性熱酸発生剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩、ドデシルベンゼンジスルホン酸トリエチルアミン塩、p-トルエンスルホン酸-アンモニウム塩、p-トルエンスルホン酸-ピリジニウム塩、炭素環式アリール及びヘテロアリールスルホン酸塩などのスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、並びにベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。活性化時にスルホン酸を発生する化合物が、一般的に好適である。好ましい熱酸発生剤としては、p-トルエンスルホン酸アンモニウム塩及びヘテロアリールスルホン酸塩が挙げられる。
【0065】
好ましくは、以下に示されるようなスルホン酸を発生させるための反応スキームではTAGはイオン性である。
【0066】
【0067】
式中、RSO3
-はTAGアニオンであり、X+はTAGカチオンであり、好ましくは有機カチオンである。カチオンは、以下の一般式(I)の窒素含有カチオンであることができる。
【0068】
(BH)+ (I)
【0069】
これは、窒素含有塩基Bのモノプロトン化形態である。好適な窒素含有塩基Bとしては、例えば、アンモニア、ジフルオロメチルアンモニア、C1-20アルキルアミン及びC3-30アリールアミンなどの任意選択的に置換されたアミン、例えば、ピリジン又は置換ピリジン(例えば、3-フルオロピリジン)、ピリミジン及びピラジンなどの窒素含有ヘテロ芳香族塩基、窒素含有複素環基、例えば、オキサゾール、オキサゾリン又はチアゾリンが挙げられる。前述の窒素含有塩基Bは、アルキル、アリール、ハロゲン原子(好ましくはフッ素)、シアノ、ニトロ及びアルコキシから選択される1つ以上の基などで任意選択的に置換され得る。これらのうち、塩基Bは、好ましくはヘテロ芳香族塩基である。
【0070】
塩基Bは典型的には、0~5.0、0~4.0、0~3.0、又は1.0~3.0のpKaを有する。本明細書で使用される場合、「pKa」という用語は、当技術分野で認識されている意味に従って使用される。すなわち、pKaは、ほぼ室温の水溶液における塩基性部分(B)の共役酸(BH)+の解離定数の(底を10とする)負の対数である。特定の実施形態では、塩基Bは、約170℃未満、約160℃未満、150℃、140℃、130℃、120℃、110℃、100℃又は90℃未満の沸点を有する。
【0071】
好適な例示的窒素含有カチオン(BH)
+としては、NH
4
+、CF
2HNH
2
+、CF
3CH
2NH
3
+、(CH
3)
3NH
+、(C
2H
5)
3NH
+、(CH
3)
2(C
2H
5)NH
+及び以下のものが挙げられる。
【化13】
[式中、Yはアルキルであり、好ましくはメチル又はエチルである]
【0072】
1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロ-1-ブタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸及び2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸などの酸;トリフェニルスルホニウムアンチモネート、ピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、3-フルオロピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート及び4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム4,4,5,5,6,6-ヘキサフルオロジヒドロ-4H-1,3,2-ジチアジン1,1,3,3-テトラオキシドなどの酸発生剤;又はこれらの組合せであり得る。
【0073】
代替的には、レジストがNTDレジストである場合、溶解性変更剤は、塩基又は塩基発生剤を含み得る。かかる実施形態では、好適な溶解性変更剤としては、水酸化物、カルボキシレート、アミン、イミン、アミド及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。塩基の具体例としては、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、リン酸水素テトラメチルアンモニウム、リン酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、リン酸水素テトラエチルアンモニウム、リン酸テトラエチルアンモニウム及びこれらの組合せが挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン及び複素環式アミンが挙げられる。アミンは、第一級アミン、第二級アミン又は第三級アミンであり得る。アミンは、モノアミン、ジアミン又はポリアミンであり得る。好適なアミンは、C1-30有機アミン、イミン若しくはアミドを含み得るか、又は強塩基(例えば、水酸化物若しくはアルコキシド)若しくは弱塩基(例えば、カルボキシレート)のC1-30第四級アンモニウム塩であり得る。例示的な塩基としては、トリプロピルアミン、ドデシルアミン、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アミン、テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどのアミン;ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール及び2-(4-アミノフェニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのアリールアミン、トレーガー塩基、ジアザビシクロウンデセン(diazabicycloundecene、DBU)若しくはジアザビシクロノネン(diazabicyclononene、DBN)などのヒンダードアミン、tert-ブチル1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルカルバメート及びtert-ブチル4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートなどのアミド;又は水酸化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium hydroxide、TBAH)若しくはテトラブチルアンモニウムラクテートなどの第四級アルキルアンモニウム塩を含むイオン性消光剤が挙げられる。別の実施形態では、アミンはヒドロキシアミンである。ヒドロキシアミンの例としては、1~約8個の炭素原子、好ましくは1~約5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシブチル基)を1つ以上有するヒドロキシアミンが挙げられる。ヒドロキシアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルエタノールアミン、2-ジエチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール及びトリエタノールアミンが挙げられる。
【0074】
好適な塩基発生剤は熱塩基発生剤であり得る。熱塩基発生剤は、第1の温度超、典型的には約140℃以上で加熱すると塩基を形成する。熱塩基発生剤は、アミド、スルホンアミド、イミド、イミン、O-アシルオキシム、ベンゾイルオキシカルボニル誘導体、第四級アンモニウム塩、ニフェジピン、カルバメート及びこれらの組合せなどの官能基を含み得る。例示的な熱塩基発生剤としては、o-{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}安息香酸、o-{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}安息香酸、2,5-ビス{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}テレフタル酸、2,5-ビス{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}テレフタル酸、2,4-ビス{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}イソフタル酸、2,4-ビス{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}イソフタル酸及びこれらの組合せが挙げられる。溶解性変更剤が塩基又は塩基発生剤である実施形態では、レジストは、ハードマスク上の非自己整合レジストであり得る。
【0075】
1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は溶媒を含む。上述したように、1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、第1のレリーフパターンに吸収される。したがって、溶媒は、レジストを溶解しない限り、第1のレリーフパターンへの吸収を促進し得る任意の好適な溶媒であり得る。吸収材料に含まれる溶媒は、レジストのトーンに依存し得る。例えば、PTDレジストに吸収されることが意図されている溶解性変更剤は、メチルイソブチルカルビノール(methyl isobutyl carbinol、MIBC)、デカン、イソブチルイソブチレート、イソアミルエーテル及びこれらの組合せなどの溶媒を含み得る。1つ以上の実施形態では、溶媒は、MIBC及び共溶媒を含む。かかる実施形態では、MIBCは、溶媒総体積に基づいて約60~約99%の範囲の量で溶媒中に含まれ得る。したがって、共溶媒は、溶媒総体積に基づいて約1~約40%の範囲の量で含まれ得る。
【0076】
KrF及びEUVフォトレジストに典型的であるように第1のレジストが芳香族ビニル系ポリマーから形成され、レジストがPTDレジストとして現像される場合、溶媒系は、好ましくは1つ以上の非極性有機溶媒を含む。「非極性有機系」という用語は、溶媒系が、溶解性変更剤組成物の全溶媒に基づいて50重量%超の総非極性有機溶媒を含み、より典型的には、溶解性変更剤組成物の全溶媒に基づいて70重量%超、85重量%超又は100重量%の総非極性有機溶媒を含むことを意味している。非極性有機溶媒は典型的には、溶媒系に基づいて70~98重量%、好ましくは80~95重量%、より好ましくは85~98重量%の合計量で溶媒系中に存在する。
【0077】
好適な非極性溶媒としては、例えば、エーテル、炭化水素及びこれらの組合せが挙げられるが、エーテルが好ましい。好適なエーテル溶媒としては、例えば、アルキルモノエーテル及び芳香族モノエーテルが挙げられ、6~16個の総炭素数を有するものが特に好ましい。好適なアルキルモノエーテルとしては、例えば、1,4-シネオール、1,8-シネオール、酸化ピネン、ジ-n-プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、ジ-n-ペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル及びジオクチルエーテルが挙げられるが、ジイソアミルエーテルが好ましい。好適な芳香族モノエーテルとしては、例えば、アニソール、エチルベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル及びフェネトールが挙げられるが、アニソールが好ましい。好適な脂肪族炭化水素としては、例えば、n-ヘプタン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、3,3-ジメチルヘキサン、2,3,4-トリメチルペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン及びペルフルオロヘプタンなどのフッ素化化合物が挙げられる。好適な芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン及びキシレンが挙げられる。
【0078】
いくつかの実施形態では、溶媒系は、1つ以上のアルコール溶媒及び/又はエステル溶媒を更に含む。特定の組成物では、アルコール溶媒及び/又はエステル溶媒は、組成物の固形成分に対して向上した溶解性を提供し得る。好適なアルコール溶媒としては、例えば、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-ヘキサノール、2-ヘプタノール、2-オクタノール、3-ヘキサノール、3-ヘプタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-ペンタノール及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-1-ヘキサノールなどの直鎖、分岐又は環状C4-9一価アルコール、並びに2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1,5-ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1,6-ヘキサンジオール及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロ-1,8-オクタンジオールなどのC5-9フッ素化ジオールが挙げられる。アルコール溶媒は、好ましくはC4-9一価アルコールであり、4-メチル-2-ペンタノールが好ましい。好適なエステル溶媒としては、例えば、4~10の総炭素数を有するアルキルエステルが挙げられ、例えば、n-ブチルプロピオネート、n-ペンチルプロピオネート、n-ヘキシルプロピオネート及びn-ヘプチルプロピオネートなどのアルキルプロピオネート、並びにn-ブチルブチレート、イソブチルブチレート及びイソブチルイソブチレートなどのアルキルブチレートが挙げられる。1つ以上のアルコール及び/又はエステル溶媒は、溶媒系で使用される場合、典型的には、溶媒系に基づいて2~50重量%の合計量、より典型的には2~30重量%の量で存在する。
【0079】
溶媒系はまた、2,5-ジメチル-4-ヘキサノン及び2,6-ジメチル-4-ヘプタノンなどのケトン;並びにジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのポリエーテルのうちの1つ以上などから選択される1つ以上の追加の溶媒を含むことができる。かかる追加の溶媒は、使用される場合、典型的には、溶媒系に基づいて1~20重量%の合計量で存在する。
【0080】
第1のレジストが芳香族ビニル系ポリマーから形成される場合、特に好ましい有機系溶媒系は、溶媒系に基づいて70~98重量%の合計量で1つ以上のモノエーテル溶媒、並びに溶媒系に基づいて2~30重量%の合計量で1つ以上のアルコール溶媒及び/又はエステル溶媒を含む。溶媒系は典型的には、オーバーコート組成物に基づいて90~99重量%、好ましくは95~99重量%の量でオーバーコート組成物中に存在する。
【0081】
レジストがNTDレジストである1つ以上の実施形態では、好適な有機溶媒としては、n-ブチルアセテート、2-ヘプタノン、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、第1のレリーフパターン上にコーティングされる。第1のレリーフパターンをコーティングするために、溶解性変更剤はマトリックスポリマーを含み得る。当技術分野で一般に使用される任意のマトリックスポリマーが、溶解性変更材料中に含まれ得る。マトリックスポリマーは、イソプロピル(メタ)アクリレート及びn-ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリル酸、スチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン及びアセナフチレンなどの芳香族ビニルモノマー、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルアミン、ビニルアセタール並びにこれらの組合せなど、エチレン性不飽和重合性二重結合を有するものなどから選択される1つ以上のモノマーから形成され得る。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ヒドロキシ、カルボキシル、スルホン酸及びスルホンアミドなどの酸基、シラノール、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール[-C(CF3)2OH]などのフルオロアルコール、無水物、ラクトン、エステル、エーテル、アリルアミン、ピロリドン及びこれらの組合せなどから選択される1つ以上の官能基を含む。ポリマーは、ホモポリマー、又は2個、3個、4個以上の異なる繰り返し単位などの複数の異なる繰り返し単位を有するコポリマーであり得る。一態様では、ポリマーの繰り返し単位は、(メタ)アクリレートモノマーからすべて形成されるか、芳香族(ビニル)モノマーからすべて形成されるか、又は(メタ)アクリレートモノマー及び芳香族(ビニル)モノマーからすべて形成される。ポリマーが1種類より多い繰り返し単位を含む場合、典型的にはランダムコポリマーの形態をとる。特定の実施形態では、マトリックスポリマーは、t-ブチルアクリレート(t-butyl acrylate、TBA)/p-ヒドロキシスチレン(p-hydroxystyrene、PHS)コポリマー、ブチルアクリレート(butyl acrylate、BA)/PHSコポリマー、TBA/メタクリル酸(methacrylic acid、MAA)コポリマー、BA/MAAコポリマー、PHS/メタクリレート(methacrylate、MA)コポリマー、及びこれらの組合せであり得る。
【0083】
溶解性変更剤組成物は典型的には、単一ポリマーを含むが、任意選択的には1つ以上の追加のポリマーを含むことができる。組成物中のポリマーの含量は、例えば層の標的厚さに依存し、より厚い層が望ましいときには、より高いポリマー含量が使用される。ポリマーは典型的には、トリミング組成物の全固形分に基づいて80~99.9重量%、より典型的には90~99重量%、又は95~99重量%の量でパターントリミング組成物中に存在する。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は典型的には、ポリスチレン標準試料を基準としてGPCによって測定した場合、400,000未満、好ましくは3000~50,000、より好ましくは3000~25,000である。典型的には、ポリマーは、ポリスチレン標準試料を基準としてGPCによって測定した場合、3以下、好ましくは2以下の多分散性指数(PDI=Mw/Mn)を有する。
【0084】
トリミング組成物で使用するのに好適なポリマーは、市販されており、かつ/又は当業者によって容易に作製され得る。例えば、ポリマーは、ポリマーの単位に対応する選択されたモノマーを有機溶媒に溶解させ、そこにラジカル重合開始剤を添加し、熱重合を行ってポリマーを形成することによって合成され得る。ポリマーの重合に使用することができる好適な有機溶媒の例としては、例えば、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、乳酸エチル及びメチルイソブチルカルビノールが挙げられる。好適な重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、過酸化ベンゾイル及び過酸化ラウロイルが挙げられる。
【0085】
マトリックスポリマーを含む溶解性変更剤は、当技術分野で知られている方法に従って第1のレリーフパターン上にコーティングされ得る。典型的には、マトリックスポリマーを含む溶解性変更剤は、スピンコーティングによって第1のレリーフパターン上にコーティングされ得る。溶解性剤の固形含量は、第1のレリーフパターン上に溶解性変更剤の望ましい厚さの膜を提供するように調整され得る。例えば、溶解性変更剤溶液の固形含量は、利用される特定のコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールの速度及びスピン可能である時間に基づいて望ましい膜厚を提供するように調整することができる。組成物の典型的な厚さは、約200~約1500Åである。
【0086】
1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、前述されるように、活性物質(すなわち、酸、酸発生剤、塩基又は塩基発生剤)、溶媒及びマトリックスポリマーを含む。かかる溶解性変更剤の典型的な処方は、溶解性変更剤の総重量に基づいて約1~約10重量%の固形分及び約90~約99重量%の溶媒を含み得るが、この固形分は活性物質及びマトリックスポリマーを含む。固形含量内では、活性物質は、約1~約5重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0087】
溶解性変更剤は、使用される特定の化学反応に応じて、様々な目的を有する添加剤を含み得る。1つ以上の実施形態では、界面活性剤が、溶解性変更剤中に含まれ得る。界面活性剤は、特にレジストの各フィーチャ間の薄いギャップを充填する必要がある場合に、コーティング品質の一助となるように溶解性変更剤中に含まれ得る。当技術分野で知られている任意の好適な界面活性剤が、溶解性変更剤中に含まれ得る。
【0088】
上記のように、1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、第1のレリーフパターンに吸収される。第1のレリーフパターンへの溶解性変更剤の吸収は、ベークなどの熱前処理を行うことによって達成され得る。ベークはソフトベークであり得る。ソフトベークの温度及び時間は、第1のレジストの個性及び第1のレジストへの溶解性変更剤の望ましい拡散量に依存し得る。典型的には、ソフトベークは、約50℃~約150℃の範囲の温度で約30~90秒間実施され得る。
【0089】
第1のレジストへの拡散後、有効な溶解性変更材料を一切含まないコーティング層が第1のレジスト上に残存し得る。1つ以上の実施形態では、コーティング層は、リンスによって除去され得る。リンスは、コーティング層を溶解するが、第1のレジストは溶解しない溶媒でコーティングされた基板をリンスすることによって達成され得る。リンスは、任意の好適な方法を使用して、例えば、溶媒を充填した浴中に基板を一定時間浸すこと(ディップ法)、表面張力の作用により基板表面上で溶媒を持ち上げ、これを一定時間静置することで、コーティング層を溶解させること(パドル法)、基板表面上に溶媒を噴霧すること(噴霧法)、又は一定速度で溶媒噴出ノズルを走査しながら、一定速度で回転する基板上に溶媒を連続噴出させること(ダイナミックディスペンス法)によって実施され得る。
【0090】
溶解性変更剤の組成は、レジストのトーンに依存し得る。一般的に、溶解性変更剤は、光又は熱で活性化する任意の化学物質であり得る。例えば、レジストがPTDレジストである場合、溶解性変更剤は、酸又は酸発生剤を含み得る。かかる実施形態では、好適な溶解性変更剤としては、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロ-1-ブタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸及び2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸などの酸;トリフェニルスルホニウムアンチモネート、ピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、3-フルオロピリジニウムペルフルオロブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート及び4-t-ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウム4,4,5,5,6,6-ヘキサフルオロジヒドロ-4H-1,3,2-ジチアジン1,1,3,3-テトラオキシドなどの酸発生剤;並びにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
代替的には、レジストがNTDレジストである場合、溶解性変更剤は、塩基又は塩基発生剤を含み得る。かかる実施形態では、好適な溶解性変更剤としては、水酸化物、カルボキシレート、アミン、イミン、アミド及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。塩基の具体例としては、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、リン酸水素テトラメチルアンモニウム、リン酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、リン酸水素テトラエチルアンモニウム、リン酸テトラエチルアンモニウム及びこれらの組合せが挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン及び複素環式アミンが挙げられる。アミンは、第一級アミン、第二級アミン又は第三級アミンであり得る。アミンは、モノアミン、ジアミン又はポリアミンであり得る。好適なアミンは、C1-30有機アミン、イミン若しくはアミドを含み得るか、又は強塩基(例えば、水酸化物若しくはアルコキシド)若しくは弱塩基(例えば、カルボキシレート)のC1-30の第四級アンモニウム塩であり得る。例示的な塩基としては、トリプロピルアミン、ドデシルアミン、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アミン、テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどのアミン;ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール及び2-(4-アミノフェニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのアリールアミン、トレーガー塩基、ジアザビシクロウンデセン(diazabicycloundecene、DBU)若しくはジアザビシクロノネン(diazabicyclononene、DBN)などのヒンダードアミン、tert-ブチル1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イルカルバメート及びtert-ブチル4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートなどのアミド;又は水酸化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium hydroxide、TBAH)若しくはテトラブチルアンモニウムラクテートなどの第四級アルキルアンモニウム塩を含むイオン性消光剤が挙げられる。別の実施形態では、アミンはヒドロキシアミンである。ヒドロキシアミンの例としては、1~約8個の炭素原子、好ましくは1~約5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシブチル基)を1つ以上有するヒドロキシアミンが挙げられる。ヒドロキシアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルエタノールアミン、2-ジエチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール及びトリエタノールアミンが挙げられる。
【0092】
好適な塩基発生剤は熱塩基発生剤であり得る。熱塩基発生剤は、第1の温度超、典型的には約140℃以上で加熱すると塩基を形成する。熱塩基発生剤は、アミド、スルホンアミド、イミド、イミン、O-アシルオキシム、ベンゾイルオキシカルボニル誘導体、第四級アンモニウム塩、ニフェジピン、カルバメート及びこれらの組合せなどの官能基を含み得る。例示的な熱塩基発生剤としては、o-{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}安息香酸、o-{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}安息香酸、2,5-ビス{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}テレフタル酸、2,5-ビス{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}テレフタル酸、2,4-ビス{(β-(ジメチルアミノ)エチル)アミノカルボニル}イソフタル酸、2,4-ビス{(γ-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノカルボニル}イソフタル酸及びこれらの組合せが挙げられる。
【0093】
1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は溶媒を含む。上述したように、1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、第1のレリーフパターンに吸収される。したがって、溶媒は、レジストを溶解しない限り、第1のレリーフパターンへの吸収を促進し得る任意の好適な溶媒であり得る。吸収材料に含まれる溶媒は、レジストのトーンに依存し得る。例えば、PTDレジストに吸収されることが意図されている溶解性変更剤は、メチルイソブチルカルビノール(methyl isobutyl carbinol、MIBC)、デカン、イソブチルイソブチレート、イソアミルエーテル及びこれらの組合せなどの極性プロトン性溶媒を含み得る。特定の実施形態では、溶媒は、MIBC及び共溶媒を含む。かかる実施形態では、MIBCは、溶媒総体積に基づいて60~99%の範囲の量で溶媒中に含まれ得る。したがって、共溶媒は、溶媒総体積に基づいて1~40%の範囲の量で含まれ得る。
【0094】
1つ以上の実施形態では、レジストはNTDレジストであり、溶媒は非極性有機溶媒である。好適な非極性有機溶媒としては、n-ブチルアセテート、2-ヘプタノン、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
方法100のブロック112では、溶解性変更剤206の堆積層及びレジスト207の溶解性が変更された領域は、
図2M及び
図2Nに示されるように特定の現像剤を使用して現像され得る。したがって、溶解性が変更された領域が溶解した結果、第1のレリーフパターン203間にトレンチ208が形成され得るが、そこで、基板202が露出される。
【0096】
方法100は、可能である一実施形態を表すが、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。当業者によって理解されるように、本発明は、例えば溶解性変更剤が、方法100を参照して上述したようなレジストなどの第1のレジストの領域へと拡散され、その溶解性を変化させ、次いで第2のレジストが適用されてむしろアンチスペーサプロセスを完了させる方法など、様々な代替的方法を包含し得る。かかる代替実施形態では、本方法で使用される構成要素及び技術は、方法100を参照して前述した通りであり得る。
【0097】
1つ以上の実施形態では、方法300で説明されるようなアンチスペーサプロセスが実施され得る。
図3に本開示に係る方法300を示し、
図3を参照して考察する。最初に、方法300は、ブロック302において、第1のレジスト層の第1の領域を第1のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像を形成することを含む。ブロック304は、第1のレジストの第2の領域を第2のパターンの化学線放射に暴露して、第1の潜像に隣接する第2の潜像を形成することを含む。ブロック306は、第1のレジスト層を現像剤で処理して、第1の暴露と第2の暴露との両方に由来する複数のフィーチャを含む第1のレリーフパターンを形成することであって、各フィーチャが隣接していないが、第1の寸法によって分離されている、ことを含む。ブロック308は、第1のレリーフパターンを溶解性変更剤でコーティングすることを含む。溶解性変更剤は、第1のレジストの極性に基づいて、可溶化剤又は硬化剤であることができる。この実施形態では、ブロック302、304、306及び308は、方法100(
図1)のブロック102、104、105及び108と同様である。ただし、この実施形態では、第2のレジスト層は、溶解性変更剤でコーティングされた第1のレリーフパターン上にコーティングされ、溶解性変更剤は、第2のフォトレジストに拡散する。1つ以上の実施形態では、第2のレジストへの溶解性変更剤の拡散は、ベークを実施することによって達成される。ベーキングプロセスは、方法100のブロック110と同様である。
【0098】
ブロック310は、第1のレリーフパターンを第2のレジストでコーティングすることを含む。ブロック312は、溶解性変更剤を第2のレジストへと拡散させることを含む。ブロック314は、第2のレジストを再び現像することを含む。第2の現像によって、レジストの側壁の溶解性が変更された領域が除去され、修飾領域の第1のレリーフパターン及び第2のパターン、並びに修飾領域を取り囲む隣接するトレンチが生じる。本実施形態は、ギャップによって分離された2つの既存のフィーチャをトレンチが取り囲み得る。第2のレジストは、トレンチの外縁を画定する。
【0099】
方法300は、可能である一実施形態を表すが、本発明の範囲を限定しようと意図したものではない。当業者によって理解されるように、本発明は、例えば溶解性変更剤が第2のレジストではなく第1のレジストの領域へと拡散され、その溶解性を変化させる方法など、様々な代替的方法を包含し得る。かかる代替実施形態では、本方法で使用される構成要素及び技術は、方法300を参照して前述した通りであり得る。
【0100】
1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、第1のレジストへと拡散される。かかる実施形態では、方法は、最初に第1のレジストの第1のレリーフパターンを形成し、次いで第1のレジストを溶解性変更剤でコーティングすることを含み得る。この時点では、溶解性変更剤は、第1のレジストへと所定の距離だけ拡散されて、第1のレジストの溶解性が変更された領域を提供し得る。
図4Iは、溶解性が変更された領域405’を有する第1のレジスト405を含むコーティングされた基板を示す。溶解性変更剤の拡散は、かかる方法の異なる時点で異なる成分へと起こり得るが、溶解性変更剤の拡散は、方法300では上述したように実施され得る。溶解性変更剤が第1のレジストへと拡散された後、第2のレジストが基板上に堆積され得る。
図4Mは、第2のレジスト408でコーティングされた基板上に溶解性が変更された領域405’を含む第1のレジストを示す。次いで、基板は、方法300を参照して説明されるように現像され得るが、この場合、第1のレジストの溶解性が変更された領域は、特定の現像剤に可溶である。
【0101】
【0102】
図4A~
図4Bは、第1のレジスト404でコーティングされた基板403を示す。
図4C~
図4Dは、レジスト404に形成された第1の潜像405を含む基板403を示す。
図4E~
図4Fでは、第2の潜像406が、レジスト404に形成されている。
図4G~
図4Hは、フィーチャ405’及び406’の第1のレリーフパターンを形成するためにレジスト404に形成された第1の潜像405及び第2の潜像406を現像した後のコーティングされた基板403を示す。
図4I~
図4Jは、溶解性変更剤407でコーティングされたフィーチャ405’及び406’の第1のレリーフパターンを含む基板404を示す。
図4K~
図4Lは、溶解性変更剤が第1のレジストへと拡散されて第1の修飾領域405’’及び406’’を形成している第1のレリーフパターンを含む基板403を示す。1つ以上の実施形態では、溶解性変更剤は、第1のレジストへと拡散し得ない。
図4M~
図4Nは、第2のレジスト408でコーティングされた溶解性変更剤を含有する第1の修飾領域405’’及び406’’の第1のレリーフパターンを含む基板403を示す。
図4O~
図4Pは、第1の修飾領域405’’及び406’’の第1のレリーフパターンを含み、第2のレジスト408でコーティングされた基板403を示しており、そこでは、溶解性変更剤が、第2のレジストへと拡散されて、溶解性が変更された領域409を形成している。最後に、
図4Q~
図4Rは、最終現像後のコーティングされた基板403を示しており、第1の修飾領域405’’及び406’’の第1のレリーフパターン、第2の修飾領域408’の第2のレリーフパターン、並びに第1の修飾領域405’と406’との間及び第1の修飾領域405’又は406’と第2の修飾領域408’との間のトレンチ410を有する。
【0103】
方法100のブロック102と同様に、方法300のブロック302では、第1のレジスト層が提供される。
図4A~
図4Bは、基板403上の第1のレジスト層404の一例を示す。また、方法300のブロック302では、第1のレジストが、第1のパターンの化学線放射に暴露されて、
図4C~
図4Dに示されるように第1の潜像405が生じ得る。
【0104】
次に、方法100のブロック104と同様の方法300のブロック304では、第1のレジスト404は、第2のパターンの化学線放射に暴露されて、
図4E~
図4Fに示されるように第2の潜像406が生じ得る。
図4E~
図4Hに示される実施形態は、ポジトーンレジストを示す。1つ以上の実施形態では、ネガトーンレジストが使用され得る。化学線放射が適用された後、レジストの未暴露部分は、レジストの暴露部分とは異なる溶解性を有し得る。
【0105】
方法300のブロック306では、第1のレジストが、第1のレジスト現像剤でリンスされ得る。第1のレジスト現像剤でのリンスによって、未暴露部分又は暴露部分のいずれかが溶解する。
図4G~
図4Hに示されるように、未暴露部分は、リンスで取り除かれて、フィーチャ405’及び406’の第1のレリーフパターンを残す。
【0106】
方法300のブロック308では、第1のレリーフパターンが、溶解性変更剤でコーティングされる。溶解性変更剤407は、
図4I~
図4Jにおいて第1のレリーフパターン上のコーティングとして示されている。溶解性変更剤407は、第1のレジストへと拡散して、第1の修飾領域405’及び406’を形成し得るか、第1のレジストへと拡散し得ない。
図4K~
図4Lに示されるように、残留溶解性変更剤は除去されて、第1の修飾領域405’及び406’の第1のレリーフパターンを含む基板403を形成し得る。
【0107】
方法300のブロック312では、第1の修飾領域405’及び406’の第1のレリーフパターンは、
図4M~
図4Nに示されるように第2のレジスト408でコーティングされ得る。第2のレジストは、第1のレリーフパターンのギャップを充填し、第1のレリーフパターン又は溶解性変更剤と接触した状態になるように基板上に堆積され得る。1つ以上の実施形態では、第2のレジストは、基板、第1のレリーフパターン及び溶解性変更剤を完全に覆う。第2のレジストは、例えばスピンオン堆積又は気相処理など、当技術分野で知られている任意の好適な方法に従って基板上に堆積され得る。
【0108】
1つ以上の実施形態では、第2のレジストはポリマーを含む。好適なポリマーは、マトリックスポリマーとして定義されたポリマーに関して前述した通りであり得る。特定の実施形態では、好適なポリマーは、p-ヒドロキシスチレン、スチレン、t-ブチルアクリレート及びこれらの組合せを含むモノマーから作製され得る。特定の実施形態では、ポリマーは、p-ヒドロキシスチレン、スチレン及びt-ブチルアクリレートのうちの3つすべてから作製される。かかるポリマーは、約50~約80%のp-ヒドロキシスチレン、約10~約30%のスチレン、及び約10~約30%のt-ブチルアクリレートを含む重合反応から調製され得る。例えば、第2のレジストに含まれるポリマーを生成するための重合反応は、50%、55%、60%及び65%のうちの1つの下限から65%、70%、75%及び80%のうちの1つの上限までの範囲の量(任意の下限が任意の数学的に適合する上限と対にされ得る)のp-ヒドロキシスチレンと、10%、12%、14%、16%、18%及び20%のうちの1つの下限から20%、22%、24%、26%、28%及び30%のうちの1つの上限までの範囲の個々の量(任意の下限が任意の数学的に適合する上限と対にされ得る)のスチレン及びt-ブチルアクリレートとを含み得る。
【0109】
第2のレジストに含まれるポリマーは、約1~約100kg/molの範囲の重量平均分子量(Mw)を有し得る。例えば、1つ以上の実施形態では、第2のレジストは、1、2、5、10、15、20及び25kg/molの下限から25、50、75、80、90及び100kg/molの上限までの範囲のMw(任意の下限が任意の数学的に適合する上限と対にされ得る)を有するポリマーを含み得る。かかるMwを有するポリマーは、特に溶解速度などの望ましい溶解特性を呈し得る。
【0110】
1つ以上の実施形態では、第2のレジストは光酸発生剤を含む。光酸発生剤は、第1のレジストに含まれる光酸発生剤に関して前述した通りであり得る。
【0111】
1つ以上の実施形態では、第2のレジストは溶媒を含む。溶媒は、溶解性変更剤に含まれる溶媒に関して前述した通りであり得る。特定の実施形態では、第2のレジスト中の溶媒は、溶解性変更剤中の溶媒と同じである。
【0112】
第2のレジストは、使用される特定の化学反応に応じて、様々な目的を有する添加剤を含み得る。1つ以上の実施形態では、消光剤が第2のレジストに含まれる。消光剤は、溶解性変更剤中の活性物質の拡散を制御するのに役立つように、第2のレジストに含まれ得る。好適な消光剤には、溶解性変更材料を参照して前掲された塩基のいずれかが含まれる。
【0113】
第2のレジストは、PTDレジスト又はNTDレジストであり得る。PTD及びNTDレストの両方は、上述したようなポリマー及び溶媒を含み得る。第2のレジストがNTDレジストである実施形態では、酸又は酸発生剤も含み得る。酸又は酸発生剤は、溶解性変更材料を参照して前述した通りである。
【0114】
方法300のブロック312では、溶解性変更剤が、第2のレジストへと拡散される。1つ以上の実施形態では、第2のレジストへの溶解性変更剤の拡散は、ベークを実施することによって達成される。ベークは、ホットプレート又はオーブンで実施され得る。ベークの温度及び時間は、第2のレジストの個性及び第2のレジストへの溶解性変更剤の望ましい拡散量に依存し得る。ベークに好適な条件は、50~160℃の範囲の温度及び約30~90秒の範囲の時間を含み得る。1つ以上の実施形態では、ベーク後、溶解性が変更された領域が、第2のレジストの縁の周囲に存在し得る。溶解性変更剤の拡散量は、溶解性が変更された領域の厚さに対応し得る。1つ以上の実施形態では、溶解性が変更された領域は、約5~約60nmの厚さを有するように第2のレジストへと延在する。例えば、溶解性が変更された領域の厚さは、5、10、15、20及び25nmのうちの1つの下限から40、45、50、55及び60nmのうちの1つの上限までの範囲であり得る(任意の下限が任意の数学的に適合する上限と対にされ得る)。1つ以上の実施形態では、溶解性が変更された領域の厚さは、基板に切り込まれる望ましいライン幅に対応し得る。
【0115】
溶解性が変更された領域を含むコーティングされた基板を
図4O~
図4Pに示す。
図4Oに示されるように、コーティングされた基板は基板層403を含む。基板は、前述される通りである。溶解性変更剤でコーティングされた第1のレジスト405’’及び406’’の第1の修飾領域の第1のレリーフパターンは、基板403の上にある。第2のレジストの溶解性が変更された領域409は、第1のレリーフパターンに隣接して示されている。第2のレジスト408’の第2の修飾領域の新しいパターンは、溶解性が変更された領域409を取り囲んでいる。
【0116】
溶解性が変更された領域は、溶解性変更剤に暴露されなかった第2のレジストの領域とは異なる溶解性を有し得る。このように、第2のレジストの溶解性が変更された領域及び未暴露領域は、異なるレジスト現像剤に可溶であり得る。
【0117】
方法300のブロック314では、堆積された第2のレジストの層は、
図4Q~
図4Rに示されるように溶解性が変更された領域が除去されるように、特定の現像剤を使用して現像され得る。したがって、溶解性が変更された領域が溶解した結果、第1の修飾領域405’’及び406’’の第1のレリーフパターンと、第2のレジストの第2の修飾領域408’との間に凹状フィーチャ410が形成され得るが、そこで、基板403が露出される。この実施形態では、溶解性変更剤及び第2のレジストの第2の修飾領域は、現像剤によって除去され得る。
【0118】
更に別の実施形態では、溶解性変更剤は、第1のレジスト層と第2のレジスト層との両方の溶解性を変化させる。1つ以上の実施形態では、第1のレジスト及び第2のレジストへの溶解性変更剤の拡散は、ベークを実施することによって達成される。ベーキングプロセスは、上述したベーキングプロセスと同様である。
図4S~
図4Tは、405’’及び406’’すべてが溶解し、1つのトレンチ411が第2の修飾領域408’間で基板上に残存するフィーチャ408’を有する最終現像後のコーティングされた基板403を示す。
【0119】
堆積された第2のレジストの層は、第2のレジストの溶解性が変更された領域と第1の修飾領域405’’及び406’’の第1のレリーフパターンとの両方が、
図S~
図Tに示されるように除去されるように、特定の現像剤を使用して現像され得る。したがって、溶解性が変更された領域が溶解した結果、
図4S~
図4Tに示されるように第2のレジスト408’内に凹状フィーチャ411が形成され得るが、そこで、基板403が露出される。
【0120】
1つ以上の実施形態では、特定の現像剤は、第1のレジストのトーンに依存し得る。例えば、第1のレジストがポジトーン現像レジストである場合、特定の現像剤は、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの塩基であり得る。一方、第1のレジストがネガトーン現像レジストである場合、特定の現像剤は、n-ブチルアセテート又は2-ヘプタノンなどの非極性有機溶媒であり得る。
【0121】
1つ以上の実施形態では、本明細書の方法によってダイスティッチングのためのオーバーレイが改善し、重要な性能能力を犠牲にすることなく重要な光電デバイス及び半導体デバイスが可能となる。本方法は、化学処理を用いてフィーチャの位置合わせを改善し、これを多重露光の向上を伴うレイヤーインレイヤーのスティッチング使用例に適用することを含む。かかる例では、密度及び性能を維持しつつ、非常に大きなダイ、更には最大でウェハサイズのダイでさえも製造することが可能となる。
【0122】
1つ以上の実施形態では、本明細書の方法は選択的結合加工を含む。この加工によって、スティッチングされた各領域間の境界でのレジスト形成が改善される。これによって、スティッチングされたフィーチャの設計及びオーバーレイの負担が実質的に低減され、いくつかの誤差が排除される。現在、最先端のダイスティッチングでは、端部を一致させるか、又はスティッチングのために大きな「キャッチ」エリアを使用する。しかしながら、これらの拡大キャッチエリアは、トランジスタの密度及び貴重な空間を減少させる。本方法を用いると、スティッチングは、ナノメートル以下の精度でかつ完全密度で誤差なく行うことができる。
【国際調査報告】