(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-09
(54)【発明の名称】フレキシブルグラファイト構造体
(51)【国際特許分類】
B32B 27/18 20060101AFI20240902BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20240902BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20240902BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240902BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B32B27/18 Z
B32B27/20 Z
B32B9/00 A
H05K7/20 F
H01L23/36 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500194
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 KR2022009844
(87)【国際公開番号】W WO2023282659
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090382
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517182930
【氏名又は名称】ネオグラフ ソリューションズ,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,キホ
【テーマコード(参考)】
4F100
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
4F100AD11
4F100AD11B
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5E322AB06
5E322AB11
5E322FA09
5F136BC06
5F136BC07
5F136FA23
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5F136FA52
5F136FA75
(57)【要約】
開示されるのは、切断領域または重なり領域として形成された伸縮性領域を含むグラファイトシートユニットを用いてフレキシブル電子デバイスの放熱シートとして使用することができる柔軟なグラファイト構造体である。開示の柔軟なグラファイト構造体は、少なくとも1つの伸縮性領域を有する単一のグラファイトシート層または複数のグラファイトシート層を含むグラファイトシートユニットと、グラファイトシートユニットの両最外面の少なくとも一方に貼り付けられ、少なくとも1つの伸縮性領域を覆うように構成された伸縮性シート層と、を含み、少なくとも1つの伸縮性領域は、単一グラファイトシート層に少なくとも一対の切欠き領域を設けることによって、または単一グラファイトシート層もしくは複数のグラファイトシート層が重なる重なり領域を設けることによって形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの伸縮性領域を有する単一のグラファイトシート層または複数のグラファイトシート層を含むグラファイトシートユニットと、
前記グラファイトシートユニットの両最外面の少なくとも一方に貼り付けられ、前記少なくとも1つの伸縮性領域を覆うように構成された伸縮性シート層と、
を含み、
前記少なくとも1つの伸縮性領域が、前記単一のグラファイトシート層に少なくとも一対の切欠き領域を設けることによって、または前記単一のグラファイトシート層もしくは前記複数のグラファイトシート層が重なる重なり領域を設けることによって形成されている、
柔軟なグラファイト構造体。
【請求項2】
前記重なり領域が、前記単一のグラファイトシート層に少なくとも2つの折畳み可能部分を設けて前記重なり領域が前記折畳み可能部分の間に設けられるようにすることによって形成されているか、または前記複数のグラファイトシート層の部分を重ねることによって形成されている、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項3】
前記少なくとも一対の切欠き領域が、前記単一のグラファイトシート層に点対称的に設けられており、
前記単一のグラファイトシート層が、前記切欠き領域以外の領域において一枚のシートで繋がっている、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項4】
前記少なくとも一対の切欠き領域が、前記柔軟なグラファイト構造体の伸縮方向に垂直な方向において前記グラファイトシート層よりも短い長さを有する、請求項3に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項5】
前記少なくとも一対の切欠き領域の前記長さが、前記柔軟なグラファイト構造体の前記伸縮方向に垂直な前記方向において前記グラファイトシート層の長さの90%以下または75%以下である、請求項4に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの伸縮性領域が、前記柔軟なグラファイト構造体の前記伸縮方向に垂直な前記方向に延在する空隙を含む、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項7】
前記空隙が、前記重なり領域以外の別の領域に設けられたグラファイトシート層と前記重なり領域に設けられたグラファイトシート層との間に画定されるか、または前記少なくとも一対の切欠き領域によって画定される、請求項6に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項8】
前記柔軟なグラファイト構造体に力が加えられると、前記グラファイトシートユニットが延長され、前記伸縮性シート層が、前記グラファイトシートユニットが延長される方向に伸長され、前記重なり領域の幅が狭まる、請求項2に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項9】
前記力が解除されると、前記伸縮性シート層が収縮し、前記重なり領域の前記幅が広がる、請求項8に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項10】
前記柔軟なグラファイト構造体に力が加えられると、前記グラファイトシートユニットが延長され、前記伸縮性シート層が、前記グラファイトシートユニットが延長される方向に伸長され、前記少なくとも一対の切欠き領域の前記空隙の大きさが拡大する、請求項3に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項11】
前記力が解除されると、前記伸縮性シート層が収縮し、前記少なくとも一対の切欠き領域の前記空隙の前記大きさが縮小する、請求項10に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項12】
前記グラファイトシート層が、グラファイト化ポリマーもしくは膨張黒鉛の圧縮粒子、または前記グラファイト化ポリマーもしくは前記膨張黒鉛の圧縮粒子の組合せを含む、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項13】
前記伸縮性シート層が、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、エポキシ樹脂、スチレン系材料、オレフィン系材料、ポリオレフィン、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、ポリアミド、合成ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、およびシリコーンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項14】
前記伸縮性シート層が、175%以上、または200%以上、または250%以上の伸長率を有する、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項15】
前記伸縮性シート層が、熱伝導性材料を含む、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項16】
前記グラファイトシート層が、15μm~19μm、または16μm~18μmの厚さを有する、請求項1に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項17】
前記グラファイトシートユニットが、前記グラファイトシート層に設けられた粘着剤層を含み、前記グラファイトシートユニットが均一な厚さを有する、請求項2に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項18】
前記粘着剤層が、感圧粘着剤(PSA)、熱硬化性粘着剤、光硬化性粘着剤、光学用透明粘着剤(OCA)、光学用透明樹脂(OCR)、両面粘着フィルム、および片面粘着フィルムからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項17に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項19】
互いに離間した前記複数のグラファイトシート層間に前記粘着剤層が形成される場合、前記粘着剤層が両面粘着フィルムである、請求項18に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項20】
前記グラファイトシート層と前記伸縮性シート層との間に前記粘着剤層が形成される場合、前記粘着剤層が片面粘着フィルムである、請求項18に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項21】
前記片面粘着フィルムが、前記グラファイトシート層に面する面に接着されている、請求項20に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項22】
前記グラファイトシート層と前記伸縮性シート層との間に形成された前記粘着剤層が、前記グラファイトシート層の前記折畳み可能部分に沿って分断されている、請求項20に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項23】
前記グラファイトシート層が、150W/mK~1700W/mKの面内熱伝導率を有する、請求項12に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【請求項24】
前記伸縮性シート層が引き伸ばされると、前記粘着剤層の分断部分に対応する前記伸縮性シート層の長さが、0超から50%以下まで、または0超から30%以下まで伸長される、請求項22に記載の柔軟なグラファイト構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切欠き領域または重なり領域による伸縮性領域を含むグラファイトシートユニットを放熱層として使用し、グラファイトシートユニットを保護するためにグラファイトシートユニットの少なくとも一方の最表面に伸縮性シート層を接着することによって形成された柔軟なグラファイト構造体(flexible graphite structure)である。
【背景技術】
【0002】
カメラ、携帯電話、モバイルコンピュータ、およびタブレットなどのポータブルデバイス/モバイルデバイスが数十年にわたって進化するにつれて、これらのデバイスのニーズおよび能力もまた進化してきた。デバイスの各世代において、デバイスは、ユーザが自分のデバイスからコンテンツを作成、修正、および配信することを可能にするとともに、これまで以上に高い帯域幅でよりユーザフレンドリなフォーマットでデバイスのユーザにより多くのコンテンツを提供することを可能にしている。これらのデバイスの利便性が向上するにつれて、デバイスの所要電力が増加し、これらのデバイスのバッテリと関連付けられる技術が向上してきた。今日の世代のデバイスは、より多くのエネルギーを含み、より多くの電力を発生し、その結果より多くの熱を発生する。バッテリに加えて、デバイスのハードウェア製品(例えば、無線ユニット、ディスプレイ、および処理ユニット)もより堅牢になり、同様にこれらのデバイスにさらなる熱問題をもたらしている。
【0003】
そのような熱問題を解決するために、電子デバイスの発熱部分に高熱伝導率を有するグラファイトシート層を貼り付けるための技術が考案されている。電子デバイスにおいて多くの熱が発生する部分の裏面にグラファイトシート層が貼り付けられた場合、グラファイトシート層の面方向の熱伝導率は、グラファイトシート層の厚さ方向の熱伝導率に比べて相対的に大きい。よって、熱が効率よく拡散して移動し、これにより電子デバイスで発生した熱がグラファイトシート層を介して外部に放射される。
【0004】
近年、ポータブルデバイス/モバイルデバイスの技術がさらに開発されるにつれて、曲げられるフレキシブルディスプレイや、折り畳んだり展開したりする折畳み式ディスプレイなど、様々なディスプレイを装備したデバイスが開発されている。そのようなデバイスから放熱するためには、放熱シート自体の柔軟性が必要とされる。しかしながら、水平方向の伝熱特性に優れるグラファイトシートのフレキシブル電子デバイスにおける使用は、その柔軟性が低いために制限されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、グラファイトシートの柔軟性が低いためにグラファイトシートをフレキシブル電子デバイスにおいて放熱シートとして使用することが困難であるという問題を解決するものであり、切欠き領域または重なり領域を含む伸縮性領域を含むグラファイトシートユニットを用いてフレキシブル電子デバイスの放熱シートとして使用することができる柔軟なグラファイト構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体は、少なくとも1つの伸縮性領域を有する単一のグラファイトシート層または複数のグラファイトシート層を含むグラファイトシートユニットと、グラファイトシートユニットの両最外面の少なくとも一方に貼り付けられ、少なくとも1つの伸縮性領域を覆うように構成された伸縮性シート層と、を含み、少なくとも1つの伸縮性領域は、単一のグラファイトシート層に少なくとも一対の切欠き領域を設けることによって、または単一のグラファイトシート層もしくは複数のグラファイトシート層が重なる重なり領域を設けることによって形成されている。
【0007】
重なり領域は、単一のグラファイトシート層に少なくとも2つの折畳み可能部分を設けて折畳み可能部分の間に重なり領域が設けられるようにすることによって形成されていてもよいし、または複数のグラファイトシート層の部分を重ねることによって形成されていてもよい。
【0008】
少なくとも一対の切欠き領域は、単一のグラファイトシート層に点対称的に設けられていてもよく、単一のグラファイトシート層は、切欠き領域以外の領域において一枚のシートで繋がっていてもよい。
【0009】
少なくとも一対の切欠き領域は、柔軟なグラファイト構造体の伸縮方向に垂直な方向においてグラファイトシート層よりも短い長さを有していてもよい。
【0010】
少なくとも一対の切欠き領域の長さは、柔軟なグラファイト構造体の伸縮方向に垂直な方向においてグラファイトシート層の長さの90%以下または75%以下であってもよい。
【0011】
少なくとも1つの伸縮性領域は、柔軟なグラファイト構造体の伸縮方向に垂直な方向に延在する空隙を含んでいてもよい。
【0012】
空隙は、重なり領域以外の別の領域に設けられたグラファイトシート層と重なり領域に設けられたグラファイトシート層との間に画定され得るか、または少なくとも一対の切欠き領域によって画定され得る。
【0013】
柔軟なグラファイト構造体に力が加えられると、グラファイトシートユニットは延長され、伸縮性シート層はグラファイトシートユニットが延長される方向に伸長され、重なり領域の幅は狭まり得る。
【0014】
力が解除されると、伸縮性シート層は収縮し、重なり領域の幅は広がり得る。
【0015】
柔軟なグラファイト構造体に力が加えられると、グラファイトシートユニットは延長され、伸縮性シート層はグラファイトシートユニットが延長される方向に伸長され、少なくとも一対の切欠き領域の空隙の大きさは拡大し得る。
【0016】
力が解除されると、伸縮性シート層は収縮し、少なくとも一対の切欠き領域の空隙の大きさは縮小し得る。
【0017】
グラファイトシート層は、グラファイト化ポリマーもしくは膨張黒鉛の圧縮粒子、またはそれらの組合せを含んでいてもよい。
【0018】
伸縮性シート層は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エポキシ樹脂、スチレン系材料、オレフィン系材料、ポリオレフィン、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、ポリアミド、合成ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、およびシリコーンからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0019】
伸縮性シート層は、175%以上、200%以上、または250%以上の伸長率を有していてもよい。
【0020】
伸縮性シート層は、熱伝導性材料を含んでいてもよい。
【0021】
グラファイトシート層は、15μm~19μm、または16μm~18μmの厚さを有していてもよい。
【0022】
グラファイトシートユニットは、グラファイトシート層に設けられた粘着剤層を含んでいてもよく、グラファイトシートユニットは均一な厚さを有していてもよい。
【0023】
粘着剤層は、感圧粘着剤(PSA)、熱硬化性粘着剤、光硬化性粘着剤、光学用透明粘着剤(OCA)、光学用透明樹脂(OCR)、両面粘着フィルム、および片面粘着フィルムからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0024】
互いに離間した複数のグラファイトシート層間に粘着剤層が形成される場合、粘着剤層は両面粘着フィルムであってもよい。
【0025】
グラファイトシート層と伸縮性シート層との間に粘着剤層が形成される場合、粘着剤層は片面粘着フィルムであってもよい。
【0026】
片面粘着フィルムは、グラファイトシート層に面する面に接着されていてもよい。
【0027】
グラファイトシート層と伸縮性シート層との間に形成された粘着剤層は、グラファイトシート層の折畳み可能部分に沿って分断されていてもよい。
【0028】
グラファイトシート層は、150W/mK~1700W/mKの面内熱伝導率を有し得る。
【0029】
伸縮性シート層が引き伸ばされると、粘着剤層の分断部分に対応する伸縮性シート層の長さは、0超から50%以下まで、または0超から30%以下まで伸長され得る。
【発明の効果】
【0030】
開示の柔軟なグラファイト構造体によれば、グラファイトシートユニットに、切欠き領域または重なり領域を設けることによって形成された少なくとも1つの伸縮性領域を含めることにより、グラファイト構造体をフレキシブル電子デバイスにおける放熱シートとして使用して、優れた放熱性を確保することができる。
【0031】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図1B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図1Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図2A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図2B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図2Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図3A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図3B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図3Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図4A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図4B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図4Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図5A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図5B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図5Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図6A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図6B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図6Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図7A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図7B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図7Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図8A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図8B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図8Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図9A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図9B】柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの
図9Aの柔軟なグラファイト構造体の断面図である。
【
図10A】切欠き領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態によるグラファイトシート層の平面図である。
【
図10B】グラファイトシート層が伸縮方向に延長されたときの
図10Aのグラファイトシート層の断面図である。
【
図11A】切欠き領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態によるグラファイトシート層の平面図である。
【
図11B】グラファイトシート層が伸縮方向に延長されたときの
図11Aのグラファイトシート層の断面図である。
【
図12A】重なり領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の実際の写真である。
【
図12B】柔軟なグラファイトが伸縮方向に延長されたときの
図12Aの柔軟なグラファイト構造体の実際の写真である。
【
図13A】切欠き領域が伸縮性領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の実際の写真である。
【
図13B】柔軟なグラファイトが伸縮方向に延長されたときの
図13Aの柔軟なグラファイト構造体の実際の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施形態を、本開示が属する技術分野の当業者が本開示を容易に実施することができるように、添付の図面を参照して詳細に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載した実施形態に限定されない。図面を用いて本開示を明確に説明するために、説明と無関係な部分については省略し、本明細書全体を通して同様の部分には同様の符号を付している。
【0034】
本明細書全体を通して、ある部分が別の部分と「接続される」場合、これは、「直接接続される」場合だけでなく、間に別の要素を介在させて「電気的に接続される」場合も含む。特定の部分が特定の構成要素を含む場合、それは、特に断らない限り、その特定の部分が、他の要素を排除するのではなく、他の要素を含み得ることを意味する。
【0035】
図1Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体100の断面図である。
【0036】
図1Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体100は、グラファイトシート層110と、グラファイトシート層110の両面に貼り付けられた伸縮性シート層120a、120bとを含む。
【0037】
グラファイトシート層110は、グラファイト化ポリマーまたは膨張黒鉛(exfoliated graphite)の圧縮粒子を含み、発熱素子の熱を外部に放散するための放熱シートとして使用できるように二次元平面上の縦横の熱伝導性に優れている。
【0038】
グラファイトシート層110は、約14μm~940μmの厚さを有する。グラファイトシート層110は、約15μm~19μmおよび約16μm~18μmを含む、約14μm~20μmの厚さを有していてもよい。グラファイトシート層110が大きな内部許容厚を有するフレキシブル電子デバイスに使用される場合、グラファイトシート層110は、約27μm~37μm、約35μm~45μm、および約40μm~50μmを含む、約20μm~30μmの厚さを有していてもよい。また、グラファイトシート層110は、40μm~940μmの厚さを有していてもよい。グラファイトシート層110の厚さが増加するにつれて、グラファイトシート層の放熱性能は高まり得る。しかしながら、グラファイトシート層110の厚さは、グラファイトシート層110が取り付けられるフレキシブル電子デバイスにおいて許容される空間の大きさに応じて決定され得る。
【0039】
グラファイトシート層110の面内熱伝導率は、約150W/mK~1700W/mKであり得る。
【0040】
グラファイトシート層110は、グラファイトシート層110を折り畳むことによって形成された少なくとも2つの折畳み可能部分130を含み、2つの折畳み可能部分130の間には、2つの折畳み可能部分130によって重なり領域OLが形成されている。重なり領域OLは、
図1Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体100の深さ方向に見たときに、グラファイトシート層110の部分が互いに重なり合っている領域をいう。
【0041】
伸縮性シート層120a、120bは、グラファイトシート層110上に2つの折畳み可能部分130による重なり領域OLが形成された状態で、グラファイトシート層110の両面に貼り付けられている。伸縮性シート層は、後述する伸長率を有する任意の材料を含み、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エポキシ樹脂、スチレン系材料、オレフィン系材料、ポリオレフィン、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、ポリアミド、合成ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、およびシリコーンからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0042】
長手方向または幅方向に力が加えられると、伸縮性シート層120a、120bは、力が加えられた方向に沿って伸長され、力が解除されると、伸縮性シート層120a、120bは、その元の長さに戻る。伸縮性シート層120a、120bは、175%以上、または200%以上、または250%以上の伸長率を有していてもよく、ここで、伸長率とは、力が加えられたときの伸縮性シート層の長さの力が加えられていないときの伸縮性シートの元の長さに対する比率をいう。例えば、元の長さは100%であり、よって、175%の伸長率は元の長さ(100%)よりも75%大きくなる。別の例では、200%の伸長率は、元の長さ(100%)の2倍(2倍)である。
【0043】
伸縮性シート層120a、120bは、熱伝導性材料を含んでいてもよい。熱伝導性材料は、金属ビーズ、高熱伝導率を有するポリマービーズなどであってもよいが、これらに限定されない。伸縮性シート層120a、120bは熱伝導性材料を含むため、柔軟なグラファイト構造体100が電子デバイスの放熱シートとして使用される場合、電子デバイスで発生した熱を外部により効率的に放射することができる。
【0044】
グラファイトシート層110の折畳み可能部分130と伸縮性シート層120a、120bとは互いに接着されておらず、空隙が画定され得る。すなわち、重なり領域OLは空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体100の伸縮性に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体100に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体100は力の方向に延長され得る。
【0045】
図1Bは、柔軟なグラファイト構造体100が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体100の断面図である。
【0046】
図1Bを参照すると、柔軟なグラファイト構造体100は、曲げられるフレキシブルディスプレイや折り畳んだり展開したりする折畳み式ディスプレイを装備した電子デバイスで放熱シートとして使用されてもよく、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体100を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体100に加えられ得る。
【0047】
柔軟なグラファイト構造体100を引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体100に加えられると、伸縮性シート層120a、120bは力の方向に沿って伸長され、グラファイトシート層110は伸縮性シート層120a、120bに一体的に接着されているため、グラファイトシート層110も力の方向に沿って両側に延長される。グラファイトシート層110は伸縮性を有しないため、グラファイトシート層が平坦なグラファイトシートである場合、力が加えられても延長されない。しかしながら、本実施形態による柔軟なグラファイト構造体100のグラファイトシート層110は、2つの折畳み可能部分130によって形成された重なり領域OLを有するため、グラファイトシート層110の折畳み可能部分130が力の印加に応じて展開されるにつれて、グラファイトシート層110も力の方向に沿って両側に延長させることができる。
【0048】
グラファイトシート層110が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、グラファイトシート層110が最大限に延長されると、重なり領域OLは消失し得る。
【0049】
本実施形態によるグラファイトシート層110は、2つの折畳み可能部分130を含む2つ折り形状を有するため、
図1Bに示す最大限に延長された柔軟なグラファイト構造体100の長さは、
図1Aに示すような延長前の柔軟なグラファイト構造体100の長さよりも重なり領域OLの長さの2倍だけ長くなり得る。
【0050】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体100を引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体100から解除される。柔軟なグラファイト構造体100を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層120a、120bは収縮してその元の長さに戻り、したがって、重なり領域OLの幅が広がる一方で、グラファイトシート層110に2つの折畳み可能部分130も形成される。伸縮性シート層120a、120bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体100はその元の形状、すなわち
図1Aに示す形状に戻る。
【0051】
柔軟なグラファイト構造体100に対して力が加えられ、解除される際に、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。
【0052】
図2Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体200の断面図である。
【0053】
図2Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体200は、2つのグラファイトシート層210a、210bを含むグラファイトシートユニット215と、グラファイトシートユニット215の両面に貼り付けられた伸縮性シート層220a、220bとを含む。
【0054】
グラファイトシート層210a、210bおよび伸縮性シート層220a、220bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層110および伸縮性シート層120a、120bと同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0055】
グラファイトシートユニット215は、2つのグラファイトシート層210a、210bを重ねることによって形成された重なり領域OLを含む。重なり領域OLは、
図2Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体200の深さ方向に見たときに、2つのグラファイトシート層210a、210bが互いに重なり合っている領域をいう。
【0056】
伸縮性シート層220a、220bは、グラファイトシートユニット215上に2つのグラファイトシート層210a、210bを重ねることによって形成された重なり領域OLが形成された状態で、グラファイトシートユニット215の両面に貼り付けられている。
【0057】
グラファイトシートユニット215に段が形成されている領域、すなわち重なり領域OLでは、グラファイトシート層210a、210bの端部分と伸縮性シート層220a、220bとは互いに接着されておらず、空隙が画定されている。すなわち、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体200の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体200に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体200は力の方向に延長され得る。
【0058】
図2Bは、柔軟なグラファイト構造体200が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体200の断面図である。
【0059】
図2Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体200を両側に膨らませる力が柔軟なグラファイト構造体200に加えられ得る。
【0060】
柔軟なグラファイト構造体200を両側に膨らませる力が柔軟なグラファイト構造体200に加えられると、伸縮性シート層220a、220bは力の方向に沿って延長され、グラファイトシートユニット215は伸縮性シート層220a、220bに一体的に接着されているため、グラファイトシートユニット215のグラファイトシート層210aは一方向に移動し、グラファイトシート層210bは一方向とは反対方向に移動する。特に、2つのグラファイトシート層210a、210bは互いに接着されていないが、互いに積み重ねられているため、グラファイトシート層は力の印加によって反対方向にスライド移動することができる。2つのグラファイトシート層210a、210bが反対方向に移動するので、グラファイトシートユニット215も両側に延長される。
【0061】
グラファイトシートユニット215が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、2つのグラファイトシート層210a、210bによる重なり領域OLが完全に消失するまで、柔軟なグラファイト構造体200を延長させることができる。
【0062】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体200を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体200から解除される。柔軟なグラファイト構造体200を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層220a、220bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシートユニット215の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層220a、220bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体200はその元の形状、すなわち
図2Aに示す形状に戻る。
【0063】
柔軟なグラファイト構造体200に対して加えられ、解除される力に応じて、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。
【0064】
図3Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体300の断面図である。
【0065】
図3Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体300は、グラファイトシート層310およびグラファイトシート層310上に形成された粘着剤層320a、320bを含むグラファイトシートユニット350と、グラファイトシートユニット350の最外両面に貼り付けられた伸縮性シート層330a、330bと、を含む。
【0066】
グラファイトシート層310および伸縮性シート層330a、330bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層および伸縮性シート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0067】
グラファイトシート層310は、グラファイトシート層310を折り畳むことによって形成された少なくとも2つの折畳み可能部分340を含み、2つの折畳み可能部分340の間には、2つの折畳み可能部分340によって重なり領域OLが形成されている。重なり領域OLは、
図3Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体300の深さ方向に見たときに、グラファイトシート層310の部分が互いに重なり合っている領域をいう。
【0068】
粘着剤層320a、320bは、グラファイトシート層310の重なり領域OLが形成されていない部分に形成されていてもよく、粘着剤層320a、320bを使用することにより、グラファイトシートユニット350の厚さを略均一にすることが可能である。
【0069】
粘着剤層320a、320bは、これらに限定されないが、感圧粘着剤(pressure sensitive adhesive:PSA)、熱硬化性粘着剤、光硬化性粘着剤、光学用透明粘着剤(optical clear adhesive:OCA)、光学用透明樹脂(optical clear resin:OCR)、両面粘着フィルム、および片面粘着フィルムのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。片面粘着フィルムまたは両面粘着フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アルミニウム箔、銅箔、およびポリイミド(PI)のうちの少なくとも1つから形成された基層(図示せず)と、基層の片面または両面に粘着剤が塗布された粘着剤層(図示せず)とを含んでいてもよい。
【0070】
粘着剤層320a、320bの種類や形状は特に限定されないが、粘着剤層320a、320bが例えば片面粘着フィルムの形態である場合には、粘着剤層320a、320bは、片面粘着フィルムの粘着層がグラファイトシート層310に面する面に配置されるように配置され、接着されることによってグラファイトシート層310と伸縮性シート層330a、330bとの間に形成され得る。
【0071】
グラファイトシート層310の折畳み可能部分340と粘着剤層320a、320bとは互いに接着されておらず、空隙が画定され得る。すなわち、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体300の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体300に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体100は力の方向に沿って延長され得る。
【0072】
図3Bは、柔軟なグラファイト構造体300が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体300の断面図である。
【0073】
図3Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体300を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体300に加えられ得る。
【0074】
柔軟なグラファイト構造体300を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体300に加えられると、伸縮性シート層330a、330bは力の方向に沿って引き伸ばされ、グラファイトシートユニット350は伸縮性シート層330a、330bに一体的に接着されており、柔軟なグラファイト構造体300のグラファイトシート層310は2つの折畳み可能部分340によって形成された重なり領域OLを含むため、グラファイトシート層310の折畳み可能部分340は、力の印加に応じて展開され、グラファイトシート層310も力の方向に沿って両側に延長させることができる。また、粘着剤層320aの両面がグラファイトシート層310および伸縮性シート層330aに固定して接着されており、粘着剤層320bの両面がグラファイトシート層310および伸縮性シート層330bに固定して接着されているため、粘着剤層320a、320bは、伸縮性シート層330a、330bおよびグラファイトシート層310の延長に応じて互いから離れる。
【0075】
グラファイトシートユニット350が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、グラファイトシート部350が最大限に延長されると、重なり領域OLは消失し得る。
【0076】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体300を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体300から解除される。柔軟なグラファイト構造体300を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層330a、330bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシート部350の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層330a、330bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体300は元の形状、すなわち
図3Aに示す形状に戻る。
【0077】
柔軟なグラファイト構造体300に対して加えられ、解除される力に応じて、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。本実施形態による柔軟なグラファイト構造体300では、粘着剤層320a、320bを使用することにより、グラファイトシートユニット350の厚さを延長前の状態で略均一にすることが可能であるため、グラファイト構造体をフレキシブル電子デバイスにより容易に貼り付けることが可能である。
【0078】
図4Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体400の断面図である。
【0079】
図4Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体400は、3つのグラファイトシート層410a、410b、410c、およびグラファイトシート層410a、410b、410c上に形成された粘着剤層420a、420b、420cを含むグラファイトシートユニット450と、グラファイトシートユニット450の最外両面に貼り付けられた伸縮性シート層430a、430bと、を含む。
【0080】
3つのグラファイトシート層410a、410b、410c、粘着剤層420a、420b、420c、および伸縮性シート層430a、430bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層、粘着剤層、および伸縮性シート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0081】
グラファイトシートユニット450は、3つのグラファイトシート層410a、410b、410cを重ねることによって形成された重なり領域OLを含む。重なり領域OLは、
図4Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体400の深さ方向に見たときに、3つのグラファイトシート層410a、410b、410cが互いに重なり合っている領域をいう。
【0082】
粘着剤層420a、420b、420cは、3つのグラファイトシート層410a、410b、410cの重なり領域OLが形成されていない部分に形成されていてもよく、粘着剤層420aは、2つのグラファイトシート層410b、410cの間に形成されていてもよく、粘着剤層420b、420cは、グラファイトシート層410aと伸縮性シート層430a、430bとの間に形成されていてもよい。粘着剤層420a、420b、420cを使用することにより、グラファイトシートユニット450の厚さを略均一にすることが可能である。
【0083】
互いに離間した2つのグラファイトシート層410b、410cの間に形成される粘着剤層420aの種類や形状は特に限定されない。ただし、粘着剤層420aが例えば粘着フィルムの形態である場合、グラファイトシート層410b、410cに接着するためにグラファイトシート層410b、410cに面するその両面に粘着層が必要とされるため、粘着剤層は両面粘着フィルムであることが好ましい。
【0084】
グラファイトシート層410aと伸縮性シート層430a、430bとの間に形成される粘着剤層420b、420cが、例えば粘着フィルムの形態である場合、粘着剤層の各々は、グラファイトシート層410aに面する面に粘着層を配置できれば十分であるため、両面粘着フィルムだけでなく片面粘着フィルムであってもよい。
【0085】
重なり領域OLでは、3つのグラファイトシート層410a、410b、410cの端部分と粘着剤層420a、420b、420cとは互いに接着されておらず、空隙が画定され得る。すなわち、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体400の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体400に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体100は力の方向に沿って延長され得る。
【0086】
図4Bは、柔軟なグラファイト構造体400が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体400の断面図である。
【0087】
図4Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体400を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体400に加えられ得る。
【0088】
柔軟なグラファイト構造体400を両側に引っ張る力が加えられると、伸縮性シート層430a、430bは力の方向に沿って延長され、グラファイトシートユニット450は伸縮性シート層430a、430bに一体的に接着されているため、グラファイトシートユニット450のグラファイトシート層410aは一方向に移動し、グラファイトシート層410b、410cは一方向とは反対方向に移動する。特に、3つのグラファイトシート層410a、410b、410cは互いに接着されていないが、互いに積み重ねられているため、グラファイトシート層は力の印加によって反対方向にスライド移動することができる。グラファイトシート層410aと2つのグラファイトシート層410b、410cとが反対方向に移動するため、グラファイトシートユニット450も両側に延長される。
【0089】
グラファイトシートユニット450が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、3つのグラファイトシート層410a、410b、410cによる重なり領域OLが完全に消失するまで、柔軟なグラファイト構造体400を延長させることができる。
【0090】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体400を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体400から解除される。柔軟なグラファイト構造体400を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層430a、430bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシート部450の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層430a、430bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体400は元の形状、すなわち
図4Aに示す形状に戻る。
【0091】
柔軟なグラファイト構造体400に対して加えられ、解除される力に応じて、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。本実施形態による柔軟なグラファイト構造体400では、粘着剤層420a、420b、420cを使用することにより、グラファイトシートユニット450の厚さを延長前の状態で略均一にすることが可能であるため、グラファイト構造体をフレキシブル電子デバイスにより容易に貼り付けることが可能である。
【0092】
図5Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体500の断面図である。
【0093】
図5Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体500は、2つのグラファイトシート層510a、510bおよびグラファイトシート層510a、510b上に形成された粘着剤層520a、520bを含むグラファイトシートユニット550と、グラファイトシートユニット550の最外両面に貼り付けられた伸縮性シート層530a、530bと、を含む。
【0094】
2つのグラファイトシート層510a、510b、粘着剤層520a、520b、および伸縮性シート層530a、530bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層、粘着剤層、および伸縮性シート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0095】
グラファイトシートユニット550は、2つのグラファイトシート層510a、510bを重ねることによって形成された重なり領域OLを含む。重なり領域OLは、
図5Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体500の深さ方向に見たときに、2つのグラファイトシート層510a、510bが互いに重なり合っている領域をいう。
【0096】
粘着剤層520a、520bは、グラファイトシート層510a、510bの重なり領域OLが形成されていない部分に形成されていてもよく、粘着剤層520a、520bを使用することにより、グラファイトシートユニット550の厚さを略均一にすることが可能である。
【0097】
粘着剤層520a、520bの種類や形状は特に限定されないが、粘着剤層520a、520bが例えば片面粘着フィルムの形態である場合には、粘着剤層520a、520bは、片面粘着フィルムの粘着層がグラファイトシート層510a、510bに面する面に配置されるように配置され、接着されることによってグラファイトシート層510a、510bと伸縮性シート層530a、530bとの間に形成され得る。
【0098】
重なり領域OLでは、2つのグラファイトシート層510a、510bの端部分と粘着剤層520a、520bとは互いに接着されておらず、空隙が画定され得る。すなわち、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体500の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体500に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体500は力の方向に沿って延長され得る。
【0099】
図5Bは、柔軟なグラファイト構造体500が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体500の断面図である。
【0100】
図5Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体500を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体500に加えられ得る。
【0101】
柔軟なグラファイト構造体500を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体500に加えられると、伸縮性シート層530a、530bは力の方向に沿って延長され、グラファイトシートユニット550は伸縮性シート層530a、530bに一体的に接着されているため、グラファイトシートユニット550のグラファイトシート層510aは一方向に移動し、グラファイトシート層510bは一方向とは反対方向に移動する。また、粘着剤層520aの両面がグラファイトシート層510bおよび伸縮性シート層530aに固定して接着されており、粘着剤層520bの両面がグラファイトシート層510aおよび伸縮性シート層530bに固定して接着されているため、粘着剤層520a、520bは、伸縮性シート層530a、530bおよびグラファイトシート層510a、510bの延長に応じて互いから離れる。特に、2つのグラファイトシート層510a、510bは互いに接着されていないが、互いに積み重ねられているため、グラファイトシート層は力の印加によって反対方向にスライド移動することができる。2つのグラファイトシート層510a、510bが反対方向に移動するので、グラファイトシートユニット550も反対方向に延長される。
【0102】
グラファイトシートユニット550が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、2つのグラファイトシート層510a、510bによる重なり領域OLが完全に消失するまで、柔軟なグラファイト構造体500を延長させることができる。
【0103】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体500を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体500から解除される。柔軟なグラファイト構造体500を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層530a、530bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシートユニット550の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層530a、530bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体500は元の形状、すなわち
図5Aに示す形状に戻る。
【0104】
柔軟なグラファイト構造体500に対して力が加えられ、解除される際に、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。本実施形態による柔軟なグラファイト構造体500では、粘着剤層520a、520bを使用することにより、グラファイトシートユニット550の厚さを延長前の状態で略均一にすることが可能であるため、グラファイト構造体をフレキシブル電子デバイスにより容易に貼り付けることが可能である。
【0105】
図6Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体600の断面図である。
【0106】
図6Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体600は、3つのグラファイトシート層610a、610b、610cおよびグラファイトシート層610a、610b、610c上に形成された粘着剤層620a、620bを含むグラファイトシートユニット650と、グラファイトシートユニット650の最外両面に貼り付けられた伸縮性シート層630a、630bと、を含む。
【0107】
グラファイトシート層610a、610b、610c、粘着剤層620a、620b、および伸縮性シート層630a、630bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層、粘着剤層、および伸縮性シート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0108】
グラファイトシート層610aは、グラファイトシート層610aを折り畳むことによって形成された少なくとも2つの折畳み可能部分640を含み、2つの折畳み可能部分640の間には、2つの折畳み可能部分640によって重なり領域OLが形成されている。重なり領域OLは、
図6Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体600の深さ方向に見たときに、グラファイトシート層610aの部分が互いに重なり合っている領域をいう。
【0109】
粘着剤層620a、620bは、グラファイトシート層610a、610b、610cの重なり領域OLが形成されていない部分に形成されていてもよく、粘着剤層620aは、グラファイトシート層610aとグラファイトシート層610bとの間に形成されていてもよく、粘着剤層620bは、グラファイトシート層610aとグラファイトシート層610cとの間に形成されていてもよい。粘着剤層620a、620bおよびグラファイトシート層610b、610cを使用することにより、グラファイトシートユニット650の厚さを略均一にすることが可能である。
【0110】
互いに離間したグラファイトシート層610a、610b、610cの間に形成される粘着剤層620a、620bの種類や形状は特に限定されない。ただし、粘着剤層620a、620bが例えば粘着フィルムの形態である場合、グラファイトシート層610a、610b、610cに接着するためにグラファイトシート層610a、610b、610cに面するその両面に粘着層が必要とされるため、粘着剤層は両面粘着フィルムであることが好ましい。
【0111】
グラファイトシート層610aの折畳み可能部分640と粘着剤層620a、620bとグラファイトシート層610b、610cとは互いに接着されておらず、空隙が画定され得る。すなわち、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体600の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体600に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体600は力の方向に沿って延長され得る。
【0112】
図6Bは、柔軟なグラファイト構造体600が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体600の断面図である。
【0113】
図6Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体600を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体600に加えられ得る。
【0114】
柔軟なグラファイト構造体600を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体600に加えられると、伸縮性シート層630a、630bは力の方向に沿って引き伸ばされ、グラファイトシートユニット650は伸縮性シート層630a、630bに一体的に接着されており、柔軟なグラファイト構造体600のグラファイトシート層610aは2つの折畳み可能部分640によって形成された重なり領域OLを含むため、グラファイトシート層610aの折畳み可能部分640は、力の印加に応じて展開され、グラファイトシート層610aも力の方向に沿って両側に延長させることができる。また、粘着剤層620a、620bの両面がグラファイトシート層610a、610b、610cの間に固定して貼り付けられており、グラファイトシート層610b、610cの両面が伸縮性シート層630a、630bと粘着剤層620a、620bの間に固定して貼り付けられているため、粘着剤層620a、620bおよびグラファイトシート層610b、610cも、伸縮性シート層630a、630bおよびグラファイトシート層610aの延長に応じて互いから離れる。
【0115】
グラファイトシートユニット650が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、グラファイトシート部650が最大限に延長されると、重なり領域OLは消失し得る。
【0116】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体600を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体600から解除される。柔軟なグラファイト構造体600を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層630a、630bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシートユニット650の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層630a、630bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体600は元の形状、すなわち
図6Aに示す形状に戻る。
【0117】
柔軟なグラファイト構造体600に対して力が加えられ、解除される際に、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。本実施形態による柔軟なグラファイト構造体600では、粘着剤層620a、620bおよびグラファイトシート層610b、610cを使用することにより、グラファイトシートユニット650の厚さを延長前の状態で略均一にすることが可能であるため、グラファイト構造体をフレキシブル電子デバイスにより容易に貼り付けることが可能である。
【0118】
図7Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体700の断面図である。
【0119】
図7Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体700は、4つのグラファイトシート層710a、710b、710c、710dおよびグラファイトシート層710a、710b、710c、710d上に形成された粘着剤層720a、720bを含むグラファイトシートユニット750と、グラファイトシートユニット750の最外両面に貼り付けられた伸縮性シート層730a、730bと、を含む。
【0120】
グラファイトシート層710a、710b、710c、710d、粘着剤層720a、720b、および伸縮性シート層730a、730bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層、粘着剤層、および伸縮性シート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0121】
グラファイトシートユニット750は、2つのグラファイトシート層710a、710bを重ねることによって形成された重なり領域OLを含む。重なり領域OLは、
図7Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体700の深さ方向に見たときに、2つのグラファイトシート層710a、710bが互いに重なり合っている領域をいう。
【0122】
粘着剤層720a、720bは、グラファイトシート層710a、710b、710c、710dの重なり領域OLが形成されていない部分に形成されていてもよく、粘着剤層720aは、グラファイトシート層710bとグラファイトシート層710cとの間に形成されていてもよく、粘着剤層720bは、グラファイトシート層710aとグラファイトシート層710dとの間に形成されていてもよい。粘着剤層720a、720bおよびグラファイトシート層710c、710dを使用することにより、グラファイトシートユニット750の厚さを略均一にすることが可能である。
【0123】
互いに離間したグラファイトシート層710a、710b、710c、710dの間に形成される粘着剤層720a、720bの種類や形状は特に限定されない。ただし、粘着剤層720a、720bが例えば粘着フィルムの形態である場合、グラファイトシート層710a、710b、710c、710dに接着するためにグラファイトシート層710a、710b、710c、710dに面するその両面に粘着層が必要とされるため、粘着剤層は両面粘着フィルムであることが好ましい。
【0124】
重なり領域OLでは、2つのグラファイトシート層710a、710bの端部分は、粘着剤層720a、720bおよびグラファイトシート層710c、710dに接着されておらず、空隙が画定され得る。すなわち、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体700の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体700に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体100は力の方向に沿って延長され得る。
【0125】
図7Bは、柔軟なグラファイト構造体700が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体700の断面図である。
【0126】
図7Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体700を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体700に加えられ得る。
【0127】
柔軟なグラファイト構造体700を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体700に加えられると、伸縮性シート層730a、730bは力の方向に沿って延長され、グラファイトシートユニット750は伸縮性シート層730a、730bに一体的に接着されているため、グラファイトシートユニット750のグラファイトシート層710aは一方向に移動し、グラファイトシート層710bは一方向とは反対方向に移動する。また、粘着剤層720a、720bの両面がグラファイトシート層710a、710b、710c、710dの間に固定して貼り付けられており、グラファイトシート層710c、710dの両面が伸縮性シート層730a、730bと粘着剤層720a、720bとの間に固定して貼り付けられているため、粘着剤層720a、720bおよびグラファイトシート層710c、710dも、伸縮性シート層730a、730bおよびグラファイトシート層710a、710bの延長に応じて互いから離れる。特に、2つのグラファイトシート層710a、710bは互いに接着されていないが、互いに積み重ねられているため、グラファイトシート層は力の印加によって反対方向にスライド移動することができる。2つのグラファイトシート層710a、710bが反対方向に移動するので、グラファイトシートユニット750も両側に延長される。
【0128】
グラファイトシートユニット750が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、2つのグラファイトシート層710a、710bによる重なり領域OLが完全に消失するまで、柔軟なグラファイト構造体700を延長させることができる。
【0129】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体700を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体700から解除される。柔軟なグラファイト構造体700を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層730a、730bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシートユニット750の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層730a、730bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体700は元の形状、すなわち
図7Aに示す形状に戻る。
【0130】
柔軟なグラファイト構造体700に対して力が加えられ、解除される際に、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。本実施形態による柔軟なグラファイト構造体700では、粘着剤層720a、720bおよびグラファイトシート層710c、710dを使用することにより、グラファイトシートユニット750の厚さを延長前の状態で略均一にすることが可能であるため、グラファイト構造体をフレキシブル電子デバイスにより容易に貼り付けることが可能である。
【0131】
図8Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体800の断面図である。
【0132】
図8Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体800は、3つのグラファイトシート層810a、810b、810c、およびグラファイトシート層810a、810b、810c上に形成された粘着剤層820a、820b、830a、830b、840a、840b含むグラファイトシートユニット870と、グラファイトシートユニット870の最外両面に貼り付けられた伸縮性シート層850a、850bと、を含む。
【0133】
グラファイトシート層810a、810b、810c、粘着剤層820a、820b、830a、830b、840a、840b、および伸縮性シート層850a、850bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層、粘着剤層、伸縮性シート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0134】
グラファイトシート層810aは、グラファイトシート層810aを折り畳むことによって形成された少なくとも2つの折畳み可能部分860を含み、2つの折畳み可能部分860の間には、2つの折畳み可能部分860によって重なり領域OLが形成されている。重なり領域OLは、
図8Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体800の深さ方向に見たときに、グラファイトシート層810aの部分が互いに重なり合っている領域をいう。
【0135】
粘着剤層820a、820bは、グラファイトシート層810a、810b、810cの重なり領域OLが形成されていない部分に形成されていてもよく、粘着剤層820aは、グラファイトシート層810aとグラファイトシート層810bとの間に形成されていてもよく、粘着剤層820bは、グラファイトシート層810aとグラファイトシート層810cとの間に形成されていてもよい。粘着剤層830a、830bは、グラファイトシート層810a、810bと伸縮性シート層850aとの間に形成されていてもよく、粘着剤層840a、840bは、グラファイトシート層810a、810cと伸縮性シート層850bとの間に形成されていてもよい。また、グラファイトシート層810a、810b、810cと伸縮性シート層850a、850bとの間に形成された粘着剤層830a、830b、840a、840bは、グラファイトシート層810aの折畳み可能部分860に沿って分断されていてもよい。粘着剤層820a、820b、830a、830b、840a、840bおよびグラファイトシート層810b、810cを使用することにより、グラファイトシートユニット850の厚さを略均一にすることが可能である。
【0136】
互いに離間したグラファイトシート層810a、810b、810cの間に形成される粘着剤層820a、820bの種類や形状は特に限定されない。ただし、粘着剤層820a、820bが例えば粘着フィルムの形態である場合、グラファイトシート層810a、810b、810cに接着するためにグラファイトシート層810a、810b、810cに面するその両面に粘着層が必要とされるため、粘着剤層は両面粘着フィルムであることが好ましい。
【0137】
グラファイトシート層810a、810b、810cと伸縮性シート層850a、850bとの間に形成される粘着剤層830a、830b、840a、840bが、例えば粘着フィルムの形態である場合、粘着剤層の各々は、グラファイトシート層810a、810b、または810cに面する面に粘着層を配置できれば十分であるため、両面粘着フィルムだけでなく片面粘着フィルムであってもよい。
【0138】
グラファイトシート層810a、粘着剤層820a、820b、およびグラファイトシート層810b、810cの折畳み可能部分860は互いに接着されておらず、粘着剤層830a、830b、840a、840bは折畳み可能部分860に沿って分断されており、これらの間に空隙が画定され得る。したがって、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体800の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体800に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体800は力の方向に沿って延長され得る。
【0139】
図8Bは、柔軟なグラファイト構造体800が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体800の断面図である。
【0140】
図8Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体800を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体800に加えられ得る。
【0141】
柔軟なグラファイト構造体800を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体800に加えられると、伸縮性シート層850a、850bは力の方向に沿って引き伸ばされ、グラファイトシートユニット870は伸縮性シート層850a、850bに一体的に接着されており、柔軟なグラファイト構造体800のグラファイトシート層810aは2つの折畳み可能部分860によって形成された重なり領域OLを含むため、グラファイトシート層810aの折畳み可能部分860は、力の印加に応じて展開され、グラファイトシート層810aも力の方向に沿って両側に延長させることができる。また、粘着剤層820a、820b、830a、830b、840a、840bおよびグラファイトシート層810b、810cは、グラファイトシート層810aと伸縮性シート層850a、850bとの間に固定して積み重ねられているため、粘着剤層820a、830a、840bおよびグラファイトシート層810bは、伸縮性シート層850a、850bおよびグラファイトシート層810aの延長に応じて粘着剤層820b、830b、840aおよびグラファイトシート層810cから離れる。
【0142】
伸縮性シート層850a、850bが伸長されると、粘着剤層830a、830b間の分断部分および粘着剤層840a、840b間の分断部分に対応する伸縮性シート層850a、850bは、0超から50%以下まで、または0超から30%以下まで伸長され得る。
【0143】
グラファイトシートユニット870が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、グラファイトシート部870が最大限に延長されると、重なり領域OLは消失し得る。
【0144】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体800を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体800から解除される。柔軟なグラファイト構造体800を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層850a、850bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシートユニット870の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層850a、850bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体800は元の形状、すなわち
図8Aに示す形状に戻る。
【0145】
図9Aは、重なり領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体900の断面図である。
【0146】
図9Aを参照すると、柔軟なグラファイト構造体900は、4つのグラファイトシート層910a、910b、910c、910d、およびグラファイトシート層910a、910b、910c、910d上に形成された粘着剤層920a、920b、930a、930b、940a、940bを含むグラファイトシートユニット960と、グラファイトシートユニット960の最外両面に貼り付けられた伸縮性シート層950a、950bと、を含む。
【0147】
グラファイトシート層910a、910b、910c、910d、粘着剤層920a、920b、930a、930b、940a、940b、および伸縮性シート層950a、950bは、それぞれ、上述したグラファイトシート層、粘着剤層、および伸縮性シート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0148】
グラファイトシートユニット960は、2つのグラファイトシート層910a、910bを重ねることによって形成された重なり領域OLを含む。重なり領域OLは、
図9Aの垂直方向、すなわち柔軟なグラファイト構造体900の深さ方向に見たときに、2つのグラファイトシート層910a、910bが互いに重なり合っている領域をいう。
【0149】
粘着剤層920a、920bは、グラファイトシート層910a、910b、910c、910dの重なり領域OLが形成されていない部分に形成されていてもよく、粘着剤層920aは、グラファイトシート層910bとグラファイトシート層910cとの間に形成されていてもよく、粘着剤層920bは、グラファイトシート層910aとグラファイトシート層910dとの間に形成されていてもよい。粘着剤層930a、930bは、グラファイトシート層910a、910cと伸縮性シート層950aとの間に形成されていてもよく、粘着剤層940a、940bは、グラファイトシート層910b、910dと伸縮性シート層950bとの間に形成されていてもよい。また、グラファイトシート層910a、910b、910c、910dと伸縮性シート層950a、950bとの間に形成された粘着剤層930a、930b、940a、940bは、重なり領域OLにおいてグラファイトシート層910a、910bの端部分に沿って分断されていてもよい。粘着剤層920a、920b、930a、930b、940a、940bおよびグラファイトシート層910c、910dを使用することにより、グラファイトシートユニット960の厚さを略均一にすることが可能である。
【0150】
互いに離間したグラファイトシート層910a、910b、910c、910dの間に形成される粘着剤層920a、920bの種類や形状は特に限定されない。ただし、粘着剤層920a、920bが例えば粘着フィルムの形態である場合、グラファイトシート層910a、910b、910c、910dに接着するためにグラファイトシート層910a、910b、910c、910dに面するその両面に粘着層が必要とされるため、粘着剤層は両面粘着フィルムであることが好ましい。
【0151】
グラファイトシート層910a、910b、910c、910dと伸縮性シート層950a、950bとの間に形成される粘着剤層930a、930b、940a、940bが、例えば粘着フィルムの形態である場合、粘着剤層の各々は、グラファイトシート層910a、910b、910c、または910dに面する面に粘着層を配置できれば十分であるため、両面粘着フィルムだけでなく片面粘着フィルムであってもよい。
【0152】
重なり領域OLでは、2つのグラファイトシート層910a、910bの端部分は粘着剤層920a、920bおよびグラファイトシート層910c、910dに接着されておらず、粘着剤層930a、930b、940a、940bはグラファイトシート層910a、910bの端部分に沿って分断されているため、これらの間に空隙が画定され得る。したがって、重なり領域OLは、その両側に空隙を含んでいてもよく、空隙は、柔軟なグラファイト構造体900の伸縮方向に垂直な方向に延在し得る。空隙の存在により、柔軟なグラファイト構造体900に力が加えられたときに、柔軟なグラファイト構造体900は力の方向に沿って延長され得る。
【0153】
図9Bは、柔軟なグラファイト構造体900が伸縮方向に延長されたときの柔軟なグラファイト構造体900の断面図である。
【0154】
図9Bを参照すると、ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体900を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体900に加えられ得る。
【0155】
柔軟なグラファイト構造体900を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体900に加えられると、伸縮性シート層950a、950bは力の方向に沿って延長され、グラファイトシートユニット960は伸縮性シート層950a、950bに一体的に接着されているため、グラファイトシートユニット960のグラファイトシート層910aは一方向に移動し、グラファイトシート層910bは一方向とは反対方向に移動する。また、粘着剤層920a、920b、930a、930b、940a、940bおよびグラファイトシート層910c、910dは、グラファイトシート層910a、910bと伸縮性シート層950a、950bとの間に固定して積み重ねられているため、粘着剤層920a、930a、940bおよびグラファイトシート層910cは、伸縮性シート層950a、950bおよびグラファイトシート層910a、910bの延長に応じて粘着剤層920b、930b、940aおよびグラファイトシート層910dから離れる。特に、2つのグラファイトシート層910a、910bは互いに接着されていないが、互いに積み重ねられているため、グラファイトシート層は力の印加によって反対方向にスライド移動することができる。2つのグラファイトシート層910a、910bが反対方向に移動するので、グラファイトシートユニット960も両側に延長される。
【0156】
グラファイトシートユニット960が両側に延長されるにつれて、重なり領域OLの幅は徐々に狭まり、2つのグラファイトシート層910a、910bによる重なり領域OLが完全に消失するまで、柔軟なグラファイト構造体900を延長させることができる。
【0157】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、柔軟なグラファイト構造体900を両側に引っ張る力は柔軟なグラファイト構造体900から解除される。柔軟なグラファイト構造体900を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層950a、950bは収縮して再びその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシートユニット960の重なり領域OLの幅は広がる。伸縮性シート層950a、950bの収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体900は元の形状、すなわち
図9Aに示す形状に戻る。
【0158】
図10Aは、切欠き領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体に適用可能なグラファイトシート層10の平面図である。
【0159】
図10Aを参照すると、グラファイトシート層10は、2つの切欠き領域12a、12bを含み、2つの切欠き領域12a、12bは、グラファイトシート層10に対称的に設けられている。グラファイトシート層10は、上述したグラファイトシート層と同じ材料で形成されていてもよく、重複する説明は省略する。
【0160】
2つの切欠き領域12a、12bのグラファイトシート層10の伸縮方向Eに垂直な方向の長さは、グラファイトシート層10の垂直方向の長さよりも短くてもよく、切欠き領域12aはグラファイトシート層10の一端部分を切断し、切欠き領域12bはグラファイトシート層10の他端部分を切断する。また、2つの切欠き領域12a、12bの伸縮方向Eに垂直な方向の長さは、グラファイトシート層10の垂直方向の長さの90%以下、または75%以下である。
【0161】
切欠き領域12a、12bの伸縮方向Eに垂直な方向の長さは、グラファイトシート層10の垂直方向の長さよりも短いため、グラファイトシート層10は、切欠き領域12a、12b以外の領域において一枚のシートで繋がっている。
【0162】
グラファイトシート層10には、切欠き領域12a、12bによって空隙が画定され、空隙は、伸縮方向Eに垂直な方向に延在する。
【0163】
図10Bは、グラファイトシート層10の両面に形成された伸縮性シート層(図示せず)が伸縮方向Eに延長されている柔軟なグラファイト構造体ときのグラファイトシート層10の平面図である。
【0164】
図10Bを参照すると、グラファイトシート層10を含む柔軟なグラファイト構造体は、曲げられるフレキシブルディスプレイや折り畳んだり展開したりする折畳み式ディスプレイを装備した電子デバイスで放熱シートとして使用されてもよい。ユーザが電子デバイスを電子デバイスのディスプレイが曲げられたり折り畳まれたりするように操作するときに、柔軟なグラファイト構造体のグラファイトシート層10を両側に引っ張る力がグラファイトシート層10に加えられ得る。
【0165】
グラファイトシート層10に伸縮方向Eに引っ張る力が加えられると、グラファイトシート層10の両面に形成された伸縮性シート層は力の方向に沿って引き伸ばされる。グラファイトシート層10は伸縮性シート層に一体的に接着されているため、グラファイトシート層10も力の方向に沿って伸縮方向Eに延長される。
【0166】
グラファイトシート層10は伸縮性を有しないため、グラファイトシート層が平坦なグラファイトシートである場合、力が加えられても延長されずに引き裂かれる。しかしながら、グラファイトシート層10は切欠き領域12a、12bを含むため、グラファイトシート層10も、力の印加に応じて力の方向に沿って伸縮方向Eに延長させることができる。
【0167】
電子デバイスのディスプレイを曲げたり折り畳んだりする操作が行われた後にユーザが電子デバイスを元の状態に戻すと、伸縮方向Eの引っ張り力が柔軟なグラファイト構造体のグラファイトシート層10から解除される。グラファイトシート層10を伸縮方向Eに引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層は収縮してその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシート層10の切欠き領域12a、12bも縮小する。伸縮性シート層の収縮が終了すると、グラファイトシート層10はその元の形状、すなわち
図10Aに示す形状に戻る。
【0168】
図11Aは、切欠き領域が伸縮性領域として形成されている本開示の一実施形態による柔軟なグラファイト構造体に適用可能なグラファイトシート層20の平面図である。
図11Bは、グラファイトシート層20の両面に形成された伸縮性シート層(図示せず)が伸縮方向Eに延長されている柔軟なグラファイト構造体ときのグラファイトシート層20の平面図である。
【0169】
図11Aおよび
図11Bを参照すると、グラファイトシート層20は、2つの切欠き領域22a、22bを含み、切欠き領域22a、22bは、その一端が伸縮方向Eに曲がった形状を各々有し得る。グラファイトシート層20および2つの切欠き領域22a、22bの特徴は、上述したグラファイトシート層10および2つの切欠き領域12a、12bの特徴と同じであるため、その説明は省略する。
【0170】
図12Aは、重なり領域が形成された状態、すなわち柔軟なグラファイト構造体を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体に加えられる前の状態にある、重なり領域が伸縮性領域として設けられている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の実際の写真である。
【0171】
図12Bは、
図12Aの柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの実際の写真である。
図12A柔軟なグラファイト構造体を両側に引っ張る力が柔軟なグラファイト構造体に加えられると、重なり領域の幅が徐々に狭まる一方で、柔軟なグラファイト構造体の伸縮性シート層およびグラファイトシート層は力の方向に沿って両側に延長される。グラファイトシート層が最大限に延長されると、重なり領域が消失し、
図12Bに示す形状が示され得る。
【0172】
図12Bの柔軟なグラファイト構造体を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層は収縮してその元の長さに戻り、よって、柔軟なグラファイト構造体が
図12Aの形状に戻り得るように重なり領域が再び形成される。
【0173】
図13Aは、切欠き領域が伸縮領域として形成されている一実施形態による柔軟なグラファイト構造体の実際の写真である。柔軟なグラファイト構造体には、伸縮方向に垂直な方向に2つの切欠き領域が形成されている。2つの切欠き領域の長さは、グラファイトシート層の切欠き領域と平行な方向の長さよりも短いため、グラファイトシート層は、2つの切欠き領域以外は一枚のシートで繋がっている。
【0174】
図13Bは、
図13Aの柔軟なグラファイト構造体が伸縮方向に延長されたときの実際の写真である。
図13Aの柔軟なグラファイト構造体を両側に引っ張る力が加えられると、グラファイトシート層の切欠き領域を広げることができ、グラファイトシート層も力の方向に沿って延長させることができる。
【0175】
図13Bの柔軟なグラファイト構造体を両側に引っ張る力が解除されると、伸縮性シート層は収縮してその元の長さに戻り、したがって、グラファイトシート層の切欠き領域も縮小する。伸縮性シート層の収縮が終了すると、柔軟なグラファイト構造体はその元の形状、すなわち
図13Aに示す形状に戻り得る。
【0176】
柔軟なグラファイト構造体のグラファイトシート層10、20に対して力が加えられ、解除される際に、上述した動作が繰り返し行われる。この動作により、熱伝導率は高いが柔軟性は低いグラファイト構造体が放熱シートとして使用された場合でも、フレキシブル電子デバイスの放熱を円滑に行うことができる。
【0177】
上記では、図面に示された実施形態を参照して柔軟なグラファイト構造体を説明したが、これらは例示にすぎない。当業者は、これらの実施形態から様々な修正形態および同等の他の実施形態が可能であることを理解するであろう。図面に示された実施形態は、グラファイト構造体内に最大4つのグラファイトシート層を含むが、本開示のグラファイト構造体は、単一のグラファイトシート層、または少なくとも2つのグラファイトシート層、少なくとも3つのグラファイトシート層、少なくとも4つのグラファイトシート層、少なくとも5つのグラファイトシート層などを含むがこれらに限定されない複数のグラファイトシート層を含むことを理解されたい。したがって、本明細書に開示された実施形態は、限定的観点からではなく、叙述的観点から考慮されるべきである。本開示の範囲は上記した説明においてではなくて添付の特許請求の範囲において表され、特許請求の範囲と均等な範囲内にある全ての相違点は本開示の範囲に含まれると解されるべきである。
【0178】
特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものにすぎず、本開示の範囲を限定することは意図していない。実際、本明細書に記載した実施形態は、様々な他の形態で具現化されてもよい。また、本開示の趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載した実施形態の形態の様々な省略、置換、変更が行われてもよい。添付の特許請求の範囲およびその均等物は、本開示の範囲および趣旨の範囲内に含まれるような形態や修正を包含することを意図している。
【国際調査報告】