IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-532644低電圧給電システム及びそれを有する車両
<>
  • 特表-低電圧給電システム及びそれを有する車両 図1
  • 特表-低電圧給電システム及びそれを有する車両 図2
  • 特表-低電圧給電システム及びそれを有する車両 図3
  • 特表-低電圧給電システム及びそれを有する車両 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】低電圧給電システム及びそれを有する車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240903BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240903BHJP
   B60L 53/10 20190101ALI20240903BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H02J7/00 S
B60L3/00 S
B60L53/10
H02J7/00 P
H02H7/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571748
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 CN2022099424
(87)【国際公開番号】W WO2023029668
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202122068389.1
(32)【優先日】2021-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】郭彩芳
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼阿喜
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼建
(72)【発明者】
【氏名】高健
(72)【発明者】
【氏名】李▲楽▼▲楽▼
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G053AA01
5G053CA01
5G053EA01
5G053EC01
5G053EC03
5G053FA05
5G503BA01
5G503BB01
5G503CC09
5G503DA02
5G503DB01
5G503FA06
5G503FA17
5G503GA01
5G503GD02
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
(57)【要約】
低電圧給電システム及びそれを有する車両を開示する。低電圧給電システムは、蓄電池と、電気制御盤と、制御回路と、MOSトランジスタと、電池管理システムと、を含み、電気制御盤は、蓄電池に接続され、少なくとも電池管理コントローラ及びモーター制御モジュールが集積され、モーター制御モジュールは、パワーモジュールを制御し、制御回路は、電池管理コントローラに接続され、電池管理コントローラの制御命令を受信し、MOSトランジスタは、制御回路に接続され、電池管理システムには、コンタクタが設けられ、MOSトランジスタは、コンタクタに接続され、かつ電気制御盤又は電池管理システムに取り付けられ、電池管理コントローラは、制御回路を介してMOSトランジスタのオンオフを制御することにより、蓄電池とコンタクタとのオンオフを実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と、電気制御盤と、制御回路と、MOSトランジスタと、電池管理システムと、を含み、
前記電気制御盤は前記蓄電池に接続され、前記電気制御盤には、少なくとも電池管理コントローラ及びモーター制御モジュールが集積され、前記モーター制御モジュールは、パワーモジュールを制御し、
前記制御回路は前記電池管理コントローラに接続され、前記制御回路は、前記電池管理コントローラの制御命令を受信し、
前記MOSトランジスタは、前記制御回路に接続され、
前記電池管理システムには、コンタクタが設けられ、前記MOSトランジスタは、前記コンタクタに接続され、かつ前記電気制御盤又は前記電池管理システムに取り付けられ、前記電池管理コントローラは、前記制御回路を介して前記MOSトランジスタのオンオフを制御することにより、前記蓄電池と前記コンタクタとのオンオフを実現する、ことを特徴とする低電圧給電システム。
【請求項2】
前記電池管理システムには、プロセッサがさらに設けられ、前記プロセッサは、前記コンタクタに接続され、前記コンタクタの開閉を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の低電圧給電システム。
【請求項3】
前記制御回路及びMOSトランジスタは、いずれも前記電気制御盤に集積され、
前記電気制御盤には、車両制御ユニットが集積される、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の低電圧給電システム。
【請求項4】
OBCモジュールと、DCモジュールと、高電圧配電モジュールと、電気制御箱体と、をさらに含み、
前記OBCモジュールの一端は充電ポートに接続され、前記OBCモジュールの他端は動力電池に接続され、
前記DCモジュールの一端は前記OBCモジュールと動力電池に接続され、前記DCモジュールの他端が前記蓄電池に接続され、
前記高電圧配電モジュールの一端が前記動力電池に接続され、前記高電圧配電モジュールの他端が高電圧デバイスに接続され、
前記電気制御箱体は、上部キャビティ及び下部キャビティを含み、前記高電圧配電モジュール、前記電気制御盤及び前記パワーモジュールは、前記上部キャビティに設けられ、前記OBCモジュール及び前記DCモジュールは、前記下部キャビティに設けられている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の低電圧給電システム。
【請求項5】
低電圧配電箱をさらに含み、
前記低電圧配電箱内には、2つのヒューズが設けられ、前記蓄電池は、1つのヒューズを介して前記DCモジュールに接続され、かつ、前記蓄電池は、別のヒューズを介してそれぞれ前記MOSトランジスタ、前記電気制御盤及び前記OBCモジュールに接続される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の低電圧給電システム。
【請求項6】
モーター及び減速機をさらに含み、前記モーターは、前記減速機に接続され、前記モーターと前記減速機は、前記電気制御箱体の下方に並んで設けられ、前記パワーモジュールは、前記モーターに接続され、前記モーターを駆動する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の低電圧給電システム。
【請求項7】
前記蓄電池は、前記電気制御箱体内に集積される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の低電圧給電システム。
【請求項8】
制御回路基板をさらに含み、
前記制御回路は、前記制御回路基板に取り付けられ、前記MOSトランジスタは、前記電池管理システムに集積される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の低電圧給電システム。
【請求項9】
前記制御回路及びMOSトランジスタは、いずれも前記電池管理システムに集積され、前記蓄電池は、前記電気制御箱体内に集積される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の低電圧給電システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の低電圧給電システムを含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の分野に関し、特に、低電圧給電システム及びそれを有する車両に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年8月28日に中国国家知識産権局に提出された、名称が「低電圧給電システム及びそれを有する車両」である中国特許出願第202122068389.1号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
関連技術における低電圧給電システムは、通常、蓄電池及び低電圧配電箱を含み、低電圧配電箱内にリレーが設けられて回路のオンオフを制御するため、低電圧給電システムは、構造が比較的複雑で体積が大きく、その配置が不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。このため、本開示は、集積度がより高く、体積が小さいなどの利点を有する低電圧給電システムを提供することを第1目的とする。
【0005】
本開示は、上記低電圧給電システムを有する車両をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本開示の第1態様の実施例に係る低電圧給電システムは、蓄電池と、電気制御盤と、制御回路と、MOSトランジスタと、電池管理システムと、を含み、前記電気制御盤は、前記蓄電池に接続され、少なくとも電池管理コントローラ及びモーター制御モジュールが集積され、前記モーター制御モジュールは、パワーモジュールを制御し、前記制御回路は、前記電池管理コントローラに接続され、前記電池管理コントローラの制御命令を受信し、前記MOSトランジスタは、前記制御回路に接続され、前記電池管理システムには、コンタクタが設けられ、前記MOSトランジスタは、前記コンタクタに接続され、かつ前記電気制御盤又は前記電池管理システムに取り付けられ、前記電池管理コントローラは、前記制御回路を介して前記MOSトランジスタのオンオフを制御することにより、前記蓄電池と前記コンタクタとのオンオフを実現する。
【0007】
本開示の実施例に係る低電圧給電システムは、集積度がより高く、体積が小さいなどの利点を有する。
【0008】
本開示のいくつかの実施例では、前記電池管理システムには、プロセッサがさらに設けられ、前記プロセッサは、前記コンタクタに接続され、前記コンタクタの開閉を制御する。
【0009】
本開示のいくつかの実施例では、前記制御回路及びMOSトランジスタは、いずれも前記電気制御盤に集積され、前記電気制御盤には、車両制御ユニットが集積される。
【0010】
本開示のいくつかの実施例では、前記低電圧給電システムは、OBCモジュールと、DCモジュールと、高電圧配電モジュールと、電気制御箱体と、をさらに含み、前記OBCモジュールは、一端が充電ポートに接続され、他端が動力電池に接続され、前記DCモジュールは、一端がそれぞれ前記OBCモジュールと動力電池に接続され、他端が前記蓄電池に接続され、前記高電圧配電モジュールは、一端が前記動力電池に接続され、他端が高電圧デバイスに接続され、前記電気制御箱体は、上部キャビティ及び下部キャビティを含み、前記高電圧配電モジュール、前記電気制御盤及び前記パワーモジュールは、前記上部キャビティに設けられ、前記OBCモジュール及び前記DCモジュールは、前記下部キャビティに設けられる。
【0011】
本開示のいくつかの実施例では、前記低電圧給電システムは、低電圧配電箱をさらに含み、前記低電圧配電箱内には、2つのヒューズが設けられ、前記蓄電池は、1つの前記ヒューズを介して前記DCモジュールに接続され、かつ別のヒューズを介してそれぞれ前記MOSトランジスタ、前記電気制御盤及び前記OBCモジュールに接続される。
【0012】
本開示のいくつかの実施例では、前記低電圧給電システムは、モーター及び減速機をさらに含み、前記モーターは、前記減速機に接続され、前記モーターと前記減速機は、前記電気制御箱体の下方に並んで設けられ、前記パワーモジュールは、前記モーターに接続されて、前記モーターを駆動する。
【0013】
本開示のいくつかの実施例では、前記蓄電池は、前記電気制御箱体内に集積される。
【0014】
本開示のいくつかの実施例では、前記低電圧給電システムは、制御回路基板をさらに含み、前記制御回路は、前記制御回路基板に取り付けられ、前記MOSトランジスタは、前記電池管理システムに集積される。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、前記制御回路及びMOSトランジスタは、いずれも前記電池管理システムに集積され、前記蓄電池は、前記電気制御箱体内に集積される。
【0016】
本開示の第2態様の実施例に係る車両は、本開示の第1態様の実施例に記載の低電圧給電システムを含む。
【0017】
本開示の第2態様の実施例に係る車両は、本開示の第1態様の実施例に記載の低電圧給電システムを利用することにより、集積度がより高く、体積が小さいなどの利点を有する。
【0018】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり理解されやすくなる。
【0020】
図1】本開示の実施例に係る低電圧給電システムのMOSトランジスタが電気制御盤に取り付けられる場合の概略構成図である。
図2】本開示の他の実施例に係る低電圧給電システムのMOSトランジスタが電気制御盤に取り付けられる場合の概略構成図である。
図3】本開示の実施例に係る低電圧給電システムのMOSトランジスタが高電圧制御盤に取り付けられる場合の概略構成図である。
図4】本開示の他の実施例に係る低電圧給電システムのMOSトランジスタが高電圧制御盤に取り付けられる場合の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例が図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0022】
なお、本開示の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0023】
本開示の説明では、「第1特徴」、「第2特徴」は、1つ以上の当該特徴を含んでもよい。
【0024】
本開示の説明では、「複数」とは、2つ以上を意味し、「いくつか」とは、1つ以上を意味する。
【0025】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る低電圧給電システム1について説明する。
【0026】
図1図4に示すように、本開示の実施例に係る低電圧給電システム1は、蓄電池100と、電気制御盤200と、制御回路500と、電池管理システム300と、MOSトランジスタ400(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)とを含む。
【0027】
電気制御盤200は、蓄電池100に接続され、少なくとも電池管理コントローラ(Battery Management Controller、BMC)及びモーター制御モジュールが集積され、モーター制御モジュールは、パワーモジュールを制御する。制御回路500は、電池管理コントローラに接続され、電池管理コントローラの制御命令を受信する。MOSトランジスタ400は、制御回路500に接続され、電池管理システム300には、コンタクタ321が設けられ、MOSトランジスタ400は、コンタクタ321に接続され、かつ電気制御盤200又は電池管理システム300に取り付けられ、電池管理コントローラは、制御回路500を介してMOSトランジスタ400のオンオフを制御することにより、蓄電池100とコンタクタ321とのオンオフを実現する。
【0028】
なお、蓄電池100が電池管理コントローラに給電する方式は、電力制御可能な方式であるため、電池管理コントローラは、スリープ機能を有することができ、スリープ状態にある場合に消費された蓄電池100の電力が少ない。また、コンタクタ321は、主正極コンタクタ321、主負極コンタクタ321、予備充電コンタクタ321などであってもよい。
【0029】
本開示の実施例に係る低電圧給電システム1によれば、電気制御盤200に電池管理コントローラが集積されることにより、電気制御盤200が蓄電池100に接続されてもよく、電池管理コントローラは、制御回路を介してMOSトランジスタを制御して、コンタクタに制御可能な給電を行うため、電池管理システムに電池管理コントローラを収容するチップをさらに設ける必要がないことにより、チップの需要量を減少させるとともに、コストを低減する。
【0030】
また、電池管理コントローラには、コンタクタ321が取り付けられ、蓄電池100は、MOSトランジスタ400によりコンタクタ321に給電することができ、電池管理コントローラは、制御回路500を介してMOSトランジスタ400のオンオフを制御し、車両に異常状況が発生した場合(例えば、車両が衝突した場合)、電池管理コントローラは、車両の異常信号を収集して、オフにするようにMOSトランジスタ400を制御することで、コンタクタ321をオフにして、車両の高圧電力の供給を遮断し、高圧電力出力の短絡による車両の自己燃焼、又は高圧電力出力の漏れにより運転者及び乗車者の安全に影響を与えることを回避することにより、車両の安全性を向上させる。
【0031】
また、MOSトランジスタ400は、電気制御盤200又は電池管理システム300に取り付けられる。関連技術における、リレーを設けて蓄電池とコンタクタとのオンオフを制御する低電圧給電システムに比べて、本開示の実施例に係る低電圧給電システム1は、MOSトランジスタ400を用いて蓄電池100とコンタクタ321とのオンオフを制御し、MOSトランジスタ400の体積がリレーより遥かに小さいため、MOSトランジスタ400が回路基板に取り付けられてもよく、回路基板の振動及びノイズを大幅に増加させず、かつコストを低減し、低電圧給電システム1の集積度をより高くするとともに、電気的接続の信頼性を保証し、低電圧給電システム1全体の導線の長さを短縮し、リレー、及びリレーと電気制御盤200との間に接続される安全機器(例えばヒューズ820)を省くことができ、さらに低電圧給電システム1の体積を減少させ、即ち、低電圧給電システム1の組立スペースをより小さくし、低電圧給電システム1の配置を容易にし、かつ低電圧給電システム1の体積が減少すると、低電圧給電システム1の車両走行による振動幅及びノイズを減少させ、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0032】
これにより、本開示の実施例に係る低電圧給電システム1は、集積度がより高く、体積及び振動幅が小さく、電気的接続が確実であるなどの利点を有する。
【0033】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、図1図4に示すように、電池管理システム300には、プロセッサ310がさらに設けられ、プロセッサ310は、コンタクタ321に接続され、コンタクタ321の開閉を制御する。
【0034】
車両に異常状況(例えば、衝突時)が発生した場合、プロセッサ310は、オフにするようにコンタクタ321を制御してもよく、電池管理コントローラは、制御回路500を介して、オフにするようにMOSトランジスタ400を制御してもよく、上記2つの方式によりいずれもコンタクタ321の出力端に高圧電力の出力がないことにより、車両の高圧電力をオフにすることができ、ダブルメカニズムの設定により、車両の安全性を大幅に向上させる。
【0035】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、図3及び図4に示すように、蓄電池100とプロセッサ310との間にDC/DCコンバータ700が接続される。
【0036】
なお、プロセッサ310の入力電圧値は、一般的に1.9V、3.3V又は5Vであり、蓄電池100の出力電圧値の範囲は、9V~16Vであり、蓄電池100の出力電圧値は、一般的に13.6Vであるため、蓄電池100の出力電圧値は、プロセッサ310の入力電圧値より遥かに大きく、DC/DCコンバータ700により、蓄電池100が出力した直流電圧をより小さい直流電圧に変換することができ、当該より小さい直流電圧は、プロセッサ310の入力電圧値と一致し、プロセッサ310に直接的に給電することができ、破損されないようにプロセッサ310を保護することができる。
【0037】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、図1図4に示すように、制御回路500及びMOSトランジスタ400は、いずれも電気制御盤200に集積され、電気制御盤200には、車両制御ユニット(Vehicle control unit、VCU)がさらに集積される。このように、電池管理コントローラが制御回路500に制御命令を出力する伝送は、より安定し、かつ信号の信頼性がより高い。また、電気制御盤200の集積度がより高く、導線の数の減少に有利である。
【0038】
具体的には、電気制御盤は、第1コア及び第2コアを含み、第1コアは、モーター制御モジュールを集積し、第2コアは、車両制御ユニット及び電池管理コントローラを集積する。
【0039】
また、電池管理コントローラによりMOSトランジスタ400を直接的に制御することにより、車両の制御故障率を明らかに低減することができ、例えば、関連技術において、電池管理コントローラは、制御命令を制御回路基板600に出力し、制御回路基板600は、リレーを制御して、コンタクタのオンオフを制御するため、関連する制御盤は、2つあり、電池管理コントローラの故障率が10%であり、制御回路基板600の故障率が10%であると仮定すると、制御回路基板600によりMOSトランジスタ400を制御する場合、低電圧給電システム1全体の故障率は、1-(1-10%)*(1-10%)=19%であるが、本発明では、電池管理コントローラによりMOSトランジスタ400を直接的に制御することにより、低電圧給電システム1全体の故障率が10%となり、即ち、低電圧給電システム1全体の故障率が明らかに低下し、車両の制御信頼性が大幅に向上する。
【0040】
本開示のいくつかの実施例では、図1図4に示すように、低電圧給電システム1は、OBCモジュール840と、DCモジュール810と、高電圧配電モジュール930と、電気制御箱体900とをさらに含む。
【0041】
OBCモジュール840は、一端が充電ポートに接続され、他端が動力電池に接続され、DCモジュール810は、一端がそれぞれOBCモジュール840と動力電池に接続され、他端が蓄電池100に接続される。高電圧配電モジュール930は、一端が動力電池に接続され、他端が高電圧デバイスに接続される。電気制御箱体900は、上部キャビティ及び下部キャビティを含み、高電圧配電モジュール930、電気制御盤200及びパワーモジュールは、上部キャビティに設けられ、OBCモジュール840及びDCモジュール810は、下部キャビティに設けられる。
【0042】
OBCモジュール840は、オンボードチャージャー(On board charger)であり、外部電源(例えば、充電スタンド)は、OBCモジュール840により動力電池を充電することができ、DCモジュール810は、動力電池の電圧を9V~16Vの電圧に変換して蓄電池100を充電するためのDC/DCコンバータであってもよい。高電圧デバイスは、車載エアコンであってもよく、動力電池は、高電圧配電モジュール930により高電圧デバイスに給電する。
【0043】
例えば、上部キャビティは、2層に分けられてもよく、電気制御盤200及び高電圧配電モジュール930の両方は、パワーモジュールから分離されるとともに、パワーモジュールの上方に位置し、このように、パワーモジュールが電気制御盤200及び高電圧配電モジュール930の信号制御に影響を与えることを回避することができる。
【0044】
本開示のいくつかの実施例では、図1に示すように、低電圧給電システム1は、低電圧配電箱830をさらに含む。
【0045】
低電圧配電箱830内には、2つのヒューズ820が設けられ、蓄電池100は、1つのヒューズ820を介してDCモジュール810に接続され、かつ別のヒューズを介してMOSトランジスタ、電気制御盤及びOBCモジュールに接続される。
【0046】
2つのヒューズ820は、回路が故障した場合(例えば、電圧過負荷、電流過負荷、又は短絡の場合)、蓄電池100とDCモジュール810との接続を切断し、すなわち、蓄電池100と動力電池との接続を切断し、損傷されないように蓄電池100、DCモジュール810及び動力電池を保護することができる一方で、蓄電池100と電気制御盤200及びOBCモジュールとの電気的接続を切断し、損傷されないように蓄電池100、電気制御盤200及びOBCモジュールを保護することができる。
【0047】
また、低電圧配電箱830は、2つのヒューズ820に取付支持点及び保護を提供することができ、ヒューズ820の数を減少させることもできる。
【0048】
本開示のいくつかの実施例では、図1図4に示すように、低電圧給電システム1は、モーター910及び減速機920をさらに含み、モーター910は、減速機920に接続され、モーター910と減速機920は、接続されるとともに、電気制御箱体900の下方に並んで設けられ、パワーモジュールは、モーターに接続され、モーターを駆動し、モーター910及び減速機920は、同軸に配置されてもよい。このように、低電圧給電システム1の体積がより小さくなり、電気制御箱体900とモーター910及び減速機920とを接続する導線の長さが減少でき、制御信号の安定性の向上に有利である。
【0049】
本開示のいくつかの実施例によれば、図2図4に示すように、蓄電池100が電気制御箱体900内に集積されることにより、電気制御箱体900は、蓄電池100を保護することができる一方で、導線の長さを減少させることができ、この場合、ヒューズ820が電気制御箱体900内に位置し、低電圧配電箱830を設ける必要がないため、車両の部品がさらに減少し、低電圧給電システム1に必要な組立スペースが減少し、回路配置が簡略化される。
【0050】
本開示のさらなるいくつかの実施例では、図2に示すように、低電圧給電システム1は、制御回路基板600をさらに含み、制御回路基板600は、車体制御モジュール(Body Control Module、BCM)であってもよい。
【0051】
制御回路500は、制御回路基板600に取り付けられ、MOSトランジスタ400は、電池管理システム300に集積される。制御回路基板600と電池管理コントローラとは、互いに通信し、例えば、電池管理コントローラは、CANメッセージによって車体制御モジュールに制御命令をMOSトランジスタ400に送信させる。このように、制御回路基板600及びMOSトランジスタ400を設ける方式は、より多様であり、かつ電池管理システム300及び電気制御盤200の体積を増加させる必要がない。
【0052】
本開示のいくつかの実施例では、図2図4に示すように、制御回路500及びMOSトランジスタ400は、いずれも電池管理システム300に集積される。電池管理システム300と電池管理コントローラとは、互いに信号を伝送することができ、電池管理コントローラは、プロセッサ310により制御回路500に制御命令を送信して、MOSトランジスタ400のオンオフを制御する。このように、電池管理システム300の集積度が高いため、回路及び配線ポートを省くことができ、制御回路500及びMOSトランジスタ400を設ける方式がより多様である。
【0053】
また、蓄電池100が電気制御箱体900内に集積されることにより、電気制御箱体900は、蓄電池100を保護することができる一方で、導線の長さを減少させることができ、この場合、ヒューズ820が電気制御箱体900内に位置し、低電圧配電箱830を設ける必要がないため、車両の部品が減少し、低電圧給電システム1に必要な組立スペースが減少し、回路配置が簡略化される。
【0054】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例に係る車両について説明し、車両は、本開示の実施例に係る上記低電圧給電システム1を含む。
【0055】
本開示の実施例に係る車両は、本開示の実施例に係る上記低電圧給電システム1を利用することにより、集積度がより高く、体積及び振動幅が小さく、電気的接続が確実であるなどの利点を有する。
【0056】
本開示の実施例に係る低電圧給電システム1及びそれを有する車両の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0057】
本明細書の説明では、用語「具体的な実施例」、「具体例」などを参照する説明は、当該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。
【0058】
本開示の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本開示の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されていることを理解することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 低電圧給電システム
100 蓄電池
200 電気制御盤
300 電池管理システム
310 プロセッサ
321 コンタクタ
400 MOSトランジスタ
500 制御回路
600 制御回路基板
700 DC/DCコンバータ
810 DCモジュール
820 ヒューズ
830 低電圧配電箱
840 OBCモジュール
900 電気制御箱体
910 モーター
920 減速機
930 高電圧配電モジュール
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と、電気制御盤と、制御回路と、MOSトランジスタと、電池管理システムと、を含み、
前記電気制御盤は前記蓄電池に接続され、前記電気制御盤には、少なくとも電池管理コントローラ及びモーター制御モジュールが集積され、前記モーター制御モジュールは、パワーモジュールを制御し、
前記制御回路は前記電池管理コントローラに接続され、前記制御回路は、前記電池管理コントローラの制御命令を受信し、
前記MOSトランジスタは、前記制御回路に接続され、
前記電池管理システムには、コンタクタが設けられ、前記MOSトランジスタは、前記コンタクタに接続され、かつ前記電気制御盤又は前記電池管理システムに取り付けられ、前記電池管理コントローラは、前記制御回路を介して前記MOSトランジスタのオンオフを制御することにより、前記蓄電池と前記コンタクタとのオンオフを実現する、ことを特徴とする低電圧給電システム。
【請求項2】
前記電池管理システムには、プロセッサがさらに設けられ、前記プロセッサは、前記コンタクタに接続され、前記コンタクタの開閉を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の低電圧給電システム。
【請求項3】
前記制御回路及びMOSトランジスタは、いずれも前記電気制御盤に集積され、
前記電気制御盤には、車両制御ユニットが集積される、ことを特徴とする請求項に記載の低電圧給電システム。
【請求項4】
OBCモジュールと、DCモジュールと、高電圧配電モジュールと、電気制御箱体と、をさらに含み、
前記OBCモジュールの一端は充電ポートに接続され、前記OBCモジュールの他端は動力電池に接続され、
前記DCモジュールの一端は前記OBCモジュールと動力電池に接続され、前記DCモジュールの他端が前記蓄電池に接続され、
前記高電圧配電モジュールの一端が前記動力電池に接続され、前記高電圧配電モジュールの他端が高電圧デバイスに接続され、
前記電気制御箱体は、上部キャビティ及び下部キャビティを含み、前記高電圧配電モジュール、前記電気制御盤及び前記パワーモジュールは、前記上部キャビティに設けられ、前記OBCモジュール及び前記DCモジュールは、前記下部キャビティに設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の低電圧給電システム。
【請求項5】
低電圧配電箱をさらに含み、
前記低電圧配電箱内には、2つのヒューズが設けられ、前記蓄電池は、1つのヒューズを介して前記DCモジュールに接続され、かつ、前記蓄電池は、前記2つのヒューズの内の別のヒューズを介してそれぞれ前記MOSトランジスタ、前記電気制御盤及び前記OBCモジュールに接続される、ことを特徴とする請求項に記載の低電圧給電システム。
【請求項6】
モーター及び減速機をさらに含み、前記モーターは、前記減速機に接続され、前記モーターと前記減速機は、前記電気制御箱体の下方に並んで設けられ、前記パワーモジュールは、前記モーターに接続され、前記モーターを駆動する、ことを特徴とする請求項に記載の低電圧給電システム。
【請求項7】
前記蓄電池は、前記電気制御箱体内に集積される、ことを特徴とする請求項に記載の低電圧給電システム。
【請求項8】
制御回路基板をさらに含み、
前記制御回路は、前記制御回路基板に取り付けられ、前記MOSトランジスタは、前記電池管理システムに集積される、ことを特徴とする請求項に記載の低電圧給電システム。
【請求項9】
前記制御回路及びMOSトランジスタは、いずれも前記電池管理システムに集積され、前記蓄電池は、前記電気制御箱体内に集積される、ことを特徴とする請求項に記載の低電圧給電システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の低電圧給電システムを含む、ことを特徴とする車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
なお、プロセッサ310の入力電圧値は、一般的に1.9V、3.3V又は5Vであり、蓄電池100の出力電圧値の範囲は、9V~16Vであり、蓄電池100の出力電圧値は、一般的に13.6Vであるため、蓄電池100の出力電圧値は、プロセッサ310の入力電圧値より遥かに大きく、DC/DCコンバータ700により、蓄電池100が出力した直流電圧をより小さい直流電圧に変換することができ、当該より小さい直流電圧は、プロセッサ310の入力電圧値と一致し、プロセッサ310に給電することができ、破損されないようにプロセッサ310を保護することができる。
【国際調査報告】