(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電池ケース
(51)【国際特許分類】
H01M 50/103 20210101AFI20240903BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/169 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/636 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/133 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/159 20210101ALI20240903BHJP
【FI】
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/169
H01M50/636
H01M50/133
H01M50/119
H01M50/159
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575751
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2022119291
(87)【国際公開番号】W WO2023051281
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202122409606.9
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】梁立▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】胡▲樹▼敏
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼媛媛
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲剣▼
(72)【発明者】
【氏名】欧▲陽▼▲進▼忠
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011CC06
5H011DD01
5H011DD06
5H011DD13
5H011FF03
5H011KK01
5H011KK03
5H023AS01
(57)【要約】
電池ケースは、第1側板、第2側板、第3側板、第4側板、接続板及び支持板を含む。第1側板、第2側板、第3側板及び第4側板は、順に接続され、第1側板は、第3側板に対向して設置されるとともに、長さが第3側板の長さよりも小さく、第2側板は、第4側板に対向して設置されるとともに、第4側板の長さは、第2側板の長さよりも小さい。電池のタブを取り付けるのに適する接続板は、第1側板と第4側板との間に設置されるとともに、第1側板及び第4側板に接続され、長さが第2側板及び第3側板の長さよりも小さい。第1側板、第2側板、第3側板、第4側板及び接続板は、支持板の同一側に位置し、支持板とともに収容キャビティを画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側板(10)、第2側板(20)、第3側板(30)及び第4側板(40)と、電池のタブ(201)を取り付けるのに適する接続板(50)と、支持板(60)とを含む、電池ケース(100)であって、
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)及び前記第4側板(40)は、順に接続され、前記第1側板(10)は、前記第3側板(30)に対向して設置されるとともに、前記第1側板(10)の長さは、前記第3側板(30)の長さよりも小さく、前記第2側板(20)は、前記第4側板(40)に対向して設置されるとともに、前記第4側板(40)の長さは、前記第2側板(20)の長さよりも小さく、
前記接続板(50)は、前記第1側板(10)と前記第4側板(40)との間に設置されるとともに、前記第1側板(10)及び前記第4側板(40)に接続され、前記接続板(50)の長さは、前記第2側板(20)及び前記第3側板(30)の長さよりも小さく、
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、前記支持板(60)の同一側に位置し、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、前記支持板(60)とともに収容キャビティ(70)を画定する、ことを特徴とする電池ケース(100)。
【請求項2】
前記第1側板(10)と前記第3側板(30)とは、互いに平行であり、前記第2側板(20)と前記第4側板(40)とは、互いに平行であり、前記第1側板(10)と前記第2側板(20)とは、互いに垂直であり、前記第3側板(30)と前記第4側板(40)とは、互いに垂直であり、前記接続板(50)の長さは、前記第1側板(10)及び前記第4側板(40)の長さよりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の電池ケース(100)。
【請求項3】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、厚さが同じである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池ケース(100)。
【請求項4】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、厚さの範囲が0.03mm~0.15mmである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池ケース(100)。
【請求項5】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、一体的に成形されるものである、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池ケース(100)。
【請求項6】
前記接続板(50)と前記第4側板(40)とがなす角度は、αとされ、120°≦α≦160°である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池ケース(100)。
【請求項7】
前記第1側板(10)又は前記第4側板(40)には、前記収容キャビティ(70)に連通する注液孔(80)が設置され、前記注液孔(80)は、前記第1側板(10)又は前記第4側板(40)の外面から内向きに凹んだザグリである、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池ケース(100)。
【請求項8】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、一方の側縁が前記支持板(60)に接続され、他方の側縁にそれぞれ外向きに折り曲げられるフランジが設置される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池ケース(100)。
【請求項9】
上部ケース(90)をさらに含み、
前記上部ケース(90)は、形状が前記収容キャビティ(70)の形状に対応し、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)に接続されて前記収容キャビティ(70)を閉鎖する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池ケース(100)。
【請求項10】
前記上部ケース(90)、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、それぞれ金属部材であり、前記上部ケース(90)は、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)に溶接されている、ことを特徴とする請求項9に記載の電池ケース(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年9月30日に中国国家知識産権局に提出された、名称が「電池ケース」である中国特許出願第202122409606.9号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の包装の技術分野に関し、より具体的には、電池ケースに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、電池ケースの側壁は、主に板体によって囲まれて形成された矩形のフレーム構造であり、電極体のタブは、そのうちの1つの板体に溶接されて接続されることができ、これにより、電池ケースの内部にタブを収容するための空間を確保する必要があり、電池ケースの全体的な収容空間が小さくなり、電池のエネルギー貯蔵が低くなる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、上記問題のうちの少なくとも1つを少なくともある程度軽減するか又は解決することを目的とする。
【0005】
本開示に係る電池ケースは、第1側板、第2側板、第3側板及び第4側板と、電池のタブを取り付けるのに適する接続板と、支持板とを含み、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板及び前記第4側板は、順に接続され、前記第1側板は、前記第3側板に対向して設置されるとともに、長さが前記第3側板の長さよりも小さく、前記第2側板は、前記第4側板に対向して設置されるとともに、前記第4側板の長さは、前記第2側板の長さよりも小さく、前記接続板は、前記第1側板と前記第4側板との間に設置されるとともに、前記第1側板及び前記第4側板に接続され、長さが前記第2側板及び前記第3側板の長さよりも小さく、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板は、前記支持板の同一側に位置し、前記支持板とともに収容キャビティを画定する。
【0006】
好ましくは、前記第1側板と前記第3側板とは、互いに平行であり、前記第2側板と前記第4側板とは、互いに平行であり、前記第1側板と前記第2側板とは、互いに垂直であり、前記第3側板と前記第4側板とは、互いに垂直であり、接続板の長さは、第1側板及び第4側板の長さよりも小さい。
【0007】
好ましくは、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板は、厚さが同じである。
【0008】
好ましくは、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板は、厚さの範囲が0.03mm~0.15mmである。
【0009】
好ましくは、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板は、一体的に成形されるものである。
【0010】
好ましくは、前記接続板と前記第4側板とがなす角度は、αとされ、120°≦α≦160°である。
【0011】
好ましくは、前記第1側板又は前記第4側板には、前記収容キャビティに連通する注液孔が設置され、前記注液孔は、前記第1側板又は前記第4側板の外面から内向きに凹んだザグリである。
【0012】
好ましくは、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板は、一方の側縁が前記支持板に接続され、他方の側縁にそれぞれ外向きに折り曲げられるフランジが設置される。
【0013】
好ましくは、電池ケースは、上部ケースをさらに含み、前記上部ケースは、形状が前記収容キャビティの形状に対応し、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板に接続されて前記収容キャビティを閉鎖する。
【0014】
好ましくは、前記上部ケース、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板は、それぞれ金属部材であり、前記上部ケースは、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、前記第4側板及び前記接続板に溶接される。
【0015】
これにより、本開示に係る電池ケースは、接続板、第1側板、第2側板、第3側板及び第4側板を接続して電池ケースの5つの側壁を囲んで形成し、接続板を第1側板と第4側板との間に設置するとともに、電池のタブを取り付ける接続板の長さを第2板体及び第4板体の長さよりも小さくすることで、タブを取り付けるための占有空間を減少させて、収容キャビティの容積を増加させることに役立ち、最終的に電池ケースの内部空間が十分に利用されることを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり理解されやすくなる。
【0017】
【
図1】本開示の一実施例に係る電池ケースの概略構成図である。
【
図2】本開示の一実施例に係る電池ケースの断面図である。
【
図4】本開示の一実施例に係る電池ケースの分解図である。
【
図5】本開示の一実施例に係る電池ケースの部分概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本開示の様々な例示的な実施例を詳細に説明する。なお、特に具体的に説明しない限り、これらの実施例において記載された部品及びステップの相対的配置、数式及び数値は、本開示の範囲を限定するものではない。
【0019】
以下、少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、決して本開示及びその適用又は使用を限定するものではない。
【0020】
当業者が知っている技術、方法及び装置について詳細に検討していないが、適切な場合には、上記技術、方法及び装置は、明細書の一部と見なされるべきである。
【0021】
ここで示され検討された全ての例では、いかなる具体的な値は、例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。
【0022】
なお、類似した符号及びアルファベットが以下の図面において類似した要素を表すため、いずれか1つの要素が1つの図面において定義された場合、後続図面においてそれをこれ以上検討する必要がない。
【0023】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例に係る電池ケース100を詳細に説明する。
【0024】
図1~
図5に示すように、本開示の実施例に係る電池ケース100は、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40、電池のタブ201を取り付けるのに適する接続板50及び支持板60を含む。
【0025】
具体的には、第1側板10、第2側板20、第3側板30及び第4側板40は、順に接続され、第1側板10は、第3側板30に対向して設置されるとともに、長さが第3側板30の長さよりも小さく、第2側板20は、第4側板40に対向して設置されるとともに、第4側板40の長さが第2側板20の長さよりも小さく、接続板50は、第1側板10と第4側板40との間に設置されるとともに、第1側板10及び第4側板40に接続され、長さが第1側板10及び第4側板40の長さよりも小さく、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、支持板60の同一側に位置し、支持板60とともに収容キャビティ70を画定する。
【0026】
言い換えれば、本開示の実施例に係る電池ケース100は、主に、順に接続された第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40、接続板50及び支持板60で構成される。接続板50は、第1側板10と第4側板40との間に設置されるとともに、第1側板10及び第4側板40に接続される。支持板60は、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50とともに、収容キャビティ70を画定することができる。電池のタブ201は、接続板50に溶接されて接続することができる。
【0027】
具体的には、第1側板10の第1端は、第2側板20の第1端に接続され、第2側板20の第2端は、第3側板30の第1端に接続され、第3側板30の第2端は、第4側板40の第1端に接続され、第4側板40の第2端は、第1側板10の第2端に接続板50を介して接続される。第1側板10は、第3側板30に対向して設置され、第2側板20は、第4側板40に対向して設置される。つまり、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、順にエンドツーエンドで接続され、電池ケース100の側壁を囲んで形成することができる。
【0028】
例えば、第1側板10及び第3側板30の延在方向が左右方向であり、第2側板20及び第4側板40の延在方向が前後方向である場合、第2側板20の前後両端は、それぞれ第1側板10の右端と第3側板30の右端とに接続され、第3側板30の左端は、第4側板40の前端に接続され、接続板50の両端は、それぞれ第1側板10の左端と第4側板40の後端とに接続することができる。
【0029】
また、第1側板10の長さは、第3側板30の長さよりも小さく、第4側板40の長さは、第2側板20の長さよりも小さく、接続板50の長さは、第2側板20及び第3側板30の長さよりも小さい。つまり、接続板50の長さは、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40の4つの板体のうち長い方の2つの板体よりも小さい。また、接続板50、第1側板10、第2側板20、第3側板30及び第4側板40の高さは、同じであってもよく、それにより板体の端部の組み立てが容易になり、電池ケース100の封止性及び安定性が向上する。
【0030】
さらに、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、支持板60の同一側に位置し、支持板60とともに収容キャビティ70を画定することができる。支持板60の形状は、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50により囲んで形成された形状と同じであってもよく、それにより高い支持性及び封止性を提供する。
【0031】
電池ケース100の使用時に、電極体200を収容キャビティ70内に入れ、収容キャビティ70内に電解液を注入することができる。具体的には、接続板50、第1側板10、第2側板20、第3側板30及び第4側板40は、電池ケース100の5つの側壁であってもよく、支持板60は、主に封止及び支持の役割を果たす。電極体200は、収容キャビティ70内に配置されてもよく、電極体のタブ201は、接続板50の位置に対応してもよい。
【0032】
電極体200と電池ケース100との組み立て問題を考慮すると、電極体200のタブ201が設置された側と電池ケース100との間に、タブ201を容易に組み立てる空間が形成される。ここで、接続板50と電極体200との間の空間は、電池ケース100の他の複数の板体(支持板60を除く)と電極体200の外壁面との間の少なくとも一部の空間よりも大きいため、接続板50の長さを短くする必要があり、それによりタブ201を組み立てるために必要な空間をさらに減少させる。なお、本開示において、異なる空間の大きさを比較するとは、一方の空間を形成する2つの面の間の最短直線距離と、他方の空間を形成する2つの面の間の最短直線距離との大きさを比較することを指す。
【0033】
これにより、本開示の実施例に係る電池ケース100は、接続板50、第1側板10、第2側板20、第3側板30及び第4側板40を接続して電池ケース100の5つの側壁を形成し、接続板50を第1側板10と第4側板40との間に設置するとともに、電池のタブを取り付ける接続板50の長さを第2側板20及び第3側板30よりも小さくすることで、タブを取り付けるための占有空間を減少させて、収容キャビティ70の容積を増加させることに役立ち、最終的に電池ケース100の内部空間が十分に利用されることを確保することができる。
【0034】
図1に示すように、本開示の一実施例によれば、第1側板10と第3側板30とは、互いに平行であり、第2側板20と第4側板40とは、互いに平行であり、第1側板10と第2側板20とは、互いに垂直であり、第3側板30と第4側板40とは、互いに垂直であり、接続板50の長さは、第1側板と第4側板の長さよりも小さい。
【0035】
つまり、第1側板10の延在方向と第3側板30の延在方向が同じであり、第2側板20と第4側板40の延在方向が同じであり、第1側板10と第2側板20とが互いに垂直に設置され、第3側板30と第4側板40も互いに垂直に設置される場合、第1側板10と第2側板20との間の角度は、直角であり、第3側板30と第4側板40との間の角度は、直角であるだけでなく、第2側板20と第3側板30の間の角度は、直角である。一方、第1側板10と接続板50との間の角度は、鈍角であり、第4側板40と接続板50との間の角度も、鈍角である。
【0036】
また、第1側板10の長さは、第3側板30の長さよりも小さく、第4側板40の長さは、第2側板20の長さよりも小さく、接続板50の長さは、第1側板10及び第4側板40の長さよりも小さいため、接続板50の長さは、5つの板体うちの最小の長さとなり、タブ201を取り付ける空間をさらに減少させ、収容キャビティ80の内部の電極体200を収容するための空間を増加させることができる。
【0037】
第1側板10と第3側板30とが互いに平行であり、第2側板20と第4側板40とが互いに平行であり、第1側板10と第2側板20とが垂直に接続され、第3側板30と第4側板40とが互いに垂直に接続されることにより、電池ケース100の外観がよりコンパクトになり、外形がより美しくなるだけでなく、接続板50、第1側板10、第2側板20、第3側板30及び第4側板40の間の接合に役立ち、組み立てがより容易になる。
【0038】
本開示のいくつかの具体的な実施形態において、
図1に示すように、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50の厚さは、同じである。つまり、電池ケース100の壁厚は、一致し、異なる側板の厚さは、同じである。第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50の厚さを同じに設定することで、電池ケース100全体の構造が受ける力を均一にすることに役立ち、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、外部からの力に抗する場合、同様の信頼性を維持することができる。
【0039】
本開示の一実施例において、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、厚さの範囲が0.03mm~0.15mmである。つまり、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50の厚さは、0.03mm、0.05mm、0.08mm、0.1mm、0.12mm又は0.15mmなどであってもよく、ここでは、具体的に限定されない。第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50の厚さがこの範囲にある場合、板体自体の外力に抗する強度を向上させるだけでなく、重量を軽減し、板体が厚すぎることによる製造材料の浪費を回避することができる。
【0040】
本開示のいくつかの具体的な実施形態において、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、一体的に成形されるものである。電池ケース100の側壁を一体成形構造とすることにより、後続の支持板60との組み立てに役立つだけでなく、型開き用材料を減少させ、生産コストを低減し、大量生産を実現することもできる。
【0041】
図2に示すように、本開示の一実施例によれば、接続板50と第4側板40とがなす角度は、αとされ、120°≦α≦160°である。つまり、120°≦α≦160°である場合、電池ケース100の内部空間をより十分に利用することができる。ここで、αは、120°、135°、145°、155°又は160°などであってもよく、α度数の具体的な数値は、実際の状況に応じて決定することができる。
【0042】
以下、具体的な実施形態を参照しながら、電池ケース100の空間利用率についてさらに説明する。
図3に示すように、
図3は、従来技術における電極体と電池ケースとの組み立て隙間の断面図であり、図中、S1は、電極体が占める空間の断面積である。
【0043】
従来技術における電池ケースは、第1板体、第2板体、第3板体、第4板体及び底板5を含み、4つの板体及び底板5は、キャビティ6を囲んで形成する。また、図中のハッチング領域は、板体と電極体との隙間であり、第1板体隙間1、第2板体隙間2、第3板体隙間3及び第4板体隙間4は、それぞれ第1板体、第2板体、第3板体、第4板体と電池セルとの隙間である。電池セルのタブは、第3板体と電極体との間に位置し、タブを取り付けるための空間を確保する必要があるため、第3板体と電極体との隙間の幅d0は、他の板体と電極体との隙間の幅d1より大きく、第3板体と電池セルとの隙間が占める体積が多く、それによりキャビティ6の電池セルを収容する残りの体積が小さくなる。
【0044】
図2は、本開示の電池ケース100の断面図であり、電極体が占める空間の断面積は、S2であり、図中のハッチング領域は、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50と電極体200との隙間である。
【0045】
S1=(w1-2*d1)*(h1-d0-d1)
S2=(w2-2*d1)*(h2-2*d1)-0.5ab
a=d0/cos(π-α)+xsin(π-α)-2d1
b=d0/sin(π-α)+xcos(π-α)-2d1/tan(π-α)
式中、w1は、従来の電池ケースの幅であり、h1は、従来の電池ケースの長さであり、w2は、第1側板10の長さであり、h2は、第2側板20の長さであり、d0は、タブの取付空間の幅であり、d1は、電極体と電池ケース100の側壁(接続板50を除く)との隙間の幅であり、Xは、接続板50の長さである。
【0046】
w1=w2、h1=h2である場合、S1<S2とすると、本開示の電池ケース100の収容キャビティ70の空間を従来の電池ケースの収容空間よりも大きくすることにより、αの適正範囲を算出することができる。
【0047】
本開示のいくつかの具体的な実施形態において、
図1、
図4及び
図5に示すように、第1側板10又は第4側板40には、収容キャビティ70に連通する注液孔80が設置され、注液孔80は、第1側板10又は第4側板40の外面から内向きに凹んだザグリである。つまり、注液孔80は、第1側板10に設置されてもよく、第4側板40に設置されてもよい。注液孔80は、取付キャビティに連通することができ、電解液は、注液孔80を介して取付キャビティに注入することができる。注液孔80の大きさ及び形状は、ここでは限定されない。注液孔80の具体的な形成位置は、実際の生産ニーズに応じて選択することができる。また、注液孔80をザグリとすることにより、電解液を電池ケース100の外部から取付キャビティ内に注入することに役立ち、注液孔80と封止釘81とをより緊密に嵌合させやすく、電解液が注液孔80から漏れることを回避することができる。また、ザグリを設置することにより、全体構造の完全性を確保し、注液孔80の位置が板体の平面よりも高くなることを回避し、電池ケース100の外観の平坦性を確保することができる。
【0048】
図1に示すように、本開示の一実施例によれば、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、一方の側縁が支持板60に接続され、他方の側縁にそれぞれ外向きに折り曲げられるフランジが設置される。なお、フランジの折り曲げ方向は、収容キャビティ70の外部に向かって折り返される。第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50の同一の側縁に外向きに折り曲げられるフランジを設置することにより、後続きの他の板体との封止及び組み立てに役立ち、それにより外部の水蒸気が側縁から電池ケース100の内部に入ることを効果的に防止することができる。また、フランジの幅は、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50の厚さよりも大きくてもよく、フランジの具体的な幅は、ここでは限定されない。
【0049】
本開示のいくつかの実施形態において、
図4に示すように、電池ケース100は、上部ケース90をさらに含み、上部ケース90は、形状が収容キャビティ70の形状に対応し、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50に接続されて収容キャビティ70を閉鎖する。つまり、上部ケース90は、五角形構造であるとともに、短辺が接続板50の位置に対応してもよく、支持板60と平行に対向して設置されてもよい。上部ケース90の形状を取付キャビティの形状に対応するように設定することにより、上部ケース90が取付キャビティをよりよく封止できることを保証することができる。好ましくは、上部ケース90の厚さは、端点値を含む0.030mm~0.15mmである。また、上部ケース90の厚さは、支持板60の厚さよりも大きくてもよい。
【0050】
本開示の一実施例において、上部ケース90、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、それぞれ金属部材であり、上部ケース90は、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50に溶接される。例えば、上部ケース90、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50は、ステンレス鋼又は他の合金材料で製造されてもよく、それにより電池ケース100の延性及び硬度を向上させることができる。また、上部ケース90は、溶接プロセスにより第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50に接続されることにより、上部ケース90と第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40及び接続板50との接続強度を向上させ、電池ケース100の封止強度を向上させる。
【0051】
図5に示すように、好ましくは、スペーサリング300は、電極体200と接続板50との間に設置されてもよい。注液孔50を避けた位置にスペーサリング300を設置することにより、後続の注液に役立つ。
【0052】
要するに、本開示の実施例に係る電池ケース100は、第1側板10、第2側板20、第3側板30、第4側板40、電池のタブを取り付けるのに適する接続板50及び支持板60を組み合わせるとともに、タブの取付空間を減少させることにより、空間利用率をよりよく向上させ、さらに電池ケース100の空間利用率を向上させることができる。
【0053】
本開示の実施例に係る電池ケースの他の構成及び操作は、当業者にとって既知であるため、ここで詳細に説明しない。
【0054】
例を挙げて本開示のいくつかの特定の実施例を詳細に説明したが、当業者であれば、以上の例が説明するためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。当業者であれば、本開示の範囲及び趣旨から逸脱しない場合、以上の実施例を修正できることを理解すべきである。本開示の範囲は、添付した特許請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0055】
100 電池ケース
10 第1側板
20 第2側板
30 第3側板
40 第4側板
50 接続板
60 支持板
70 収容キャビティ
80 注液孔
81 封止釘
90 上部ケース
200 電極体
201 タブ
300 スペーサリング
1 第1板体隙間
2 第2板体隙間
3 第3板体隙間
4 第4板体隙間
5 底板
6 キャビティ
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側板(10)、第2側板(20)、第3側板(30)及び第4側板(40)と、電池のタブ(201)を取り付けるのに適する接続板(50)と、支持板(60)とを含む、電池ケース(100)であって、
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)及び前記第4側板(40)は、順に接続され、前記第1側板(10)は、前記第3側板(30)に対向して設置されるとともに、前記第1側板(10)の長さは、前記第3側板(30)の長さよりも小さく、前記第2側板(20)は、前記第4側板(40)に対向して設置されるとともに、前記第4側板(40)の長さは、前記第2側板(20)の長さよりも小さく、
前記接続板(50)は、前記第1側板(10)と前記第4側板(40)との間に設置されるとともに、前記第1側板(10)及び前記第4側板(40)に接続され、前記接続板(50)の長さは、前記第2側板(20)及び前記第3側板(30)の長さよりも小さく、
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、前記支持板(60)の同一側に位置し、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、前記支持板(60)とともに収容キャビティ(70)を画定する、ことを特徴とする電池ケース(100)。
【請求項2】
前記第1側板(10)と前記第3側板(30)とは、互いに平行であり、前記第2側板(20)と前記第4側板(40)とは、互いに平行であり、前記第1側板(10)と前記第2側板(20)とは、互いに垂直であり、前記第3側板(30)と前記第4側板(40)とは、互いに垂直であり、前記接続板(50)の長さは、前記第1側板(10)及び前記第4側板(40)の長さよりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の電池ケース(100)。
【請求項3】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、厚さが同じである、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池ケース(100)。
【請求項4】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、厚さの範囲が0.03mm~0.15mmである、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池ケース(100)。
【請求項5】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、一体的に成形されるものである、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池ケース(100)。
【請求項6】
前記接続板(50)と前記第4側板(40)とがなす角度は、αとされ、120°≦α≦160°である、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池ケース(100)。
【請求項7】
前記第1側板(10)又は前記第4側板(40)には、前記収容キャビティ(70)に連通する注液孔(80)が設置され、前記注液孔(80)は、前記第1側板(10)又は前記第4側板(40)の外面から内向きに凹んだザグリである、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池ケース(100)。
【請求項8】
前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、一方の側縁が前記支持板(60)に接続され、他方の側縁にそれぞれ外向きに折り曲げられるフランジが設置される、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池ケース(100)。
【請求項9】
上部ケース(90)をさらに含み、
前記上部ケース(90)は、形状が前記収容キャビティ(70)の形状に対応し、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)に接続されて前記収容キャビティ(70)を閉鎖する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池ケース(100)。
【請求項10】
前記上部ケース(90)、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)は、それぞれ金属部材であり、前記上部ケース(90)は、前記第1側板(10)、前記第2側板(20)、前記第3側板(30)、前記第4側板(40)及び前記接続板(50)に溶接されている、ことを特徴とする請求項9に記載の電池ケース(100)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
これにより、本開示に係る電池ケースは、接続板、第1側板、第2側板、第3側板及び第4側板を接続して電池ケースの5つの側壁を囲んで形成し、接続板を第1側板と第4側板との間に設置するとともに、電池のタブを取り付ける接続板の長さを第1板体及び第4板体の長さよりも小さくすることで、タブを取り付けるための占有空間を減少させて、収容キャビティの容積を増加させることに役立ち、最終的に電池ケースの内部空間が十分に利用されることを確保することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
また、第1側板10の長さは、第3側板30の長さよりも小さく、第4側板40の長さは、第2側板20の長さよりも小さく、接続板50の長さは、第1側板10及び第4側板40の長さよりも小さいため、接続板50の長さは、5つの板体うちの最小の長さとなり、タブ201を取り付ける空間をさらに減少させ、収容キャビティ70の内部の電極体200を収容するための空間を増加させることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
図5に示すように、好ましくは、スペーサリング300は、電極体200と接続板50との間に設置されてもよい。注液孔
80を避けた位置にスペーサリング300を設置することにより、後続の注液に役立つ。
【国際調査報告】