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特表2024-532652シロキサンカチオン性界面活性剤及びコロイダルシリカを含むフォーム安定化組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】シロキサンカチオン性界面活性剤及びコロイダルシリカを含むフォーム安定化組成物
(51)【国際特許分類】
   A62D 1/04 20060101AFI20240903BHJP
   C09K 23/54 20220101ALI20240903BHJP
   C09K 23/18 20220101ALI20240903BHJP
   C08L 83/08 20060101ALI20240903BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20240903BHJP
   C08G 77/26 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A62D1/04
C09K23/54
C09K23/18
C08L83/08
C08K3/36
C08G77/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023579216
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022073047
(87)【国際公開番号】W WO2023283516
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/218,940
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】バナジー、アニルダ
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ナングオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンズリック、ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】リュー、イーハン
【テーマコード(参考)】
2E191
4D077
4J002
4J246
【Fターム(参考)】
2E191AA03
2E191AB12
2E191AB52
4D077AB20
4D077AC10
4D077BA03
4D077BA07
4D077CA02
4D077DB01X
4D077DD42X
4D077DD55X
4D077DE02X
4D077DE08X
4D077DE17X
4D077DE22X
4J002CP091
4J002DJ016
4J002FD206
4J002FD311
4J002GT00
4J246AA03
4J246AB01
4J246BA010
4J246BA01X
4J246BA02X
4J246BA030
4J246BB020
4J246BB021
4J246BB02X
4J246CA240
4J246CA24E
4J246CA24X
4J246CA540
4J246CA54M
4J246CA54X
4J246CA760
4J246CA76U
4J246CA76X
4J246CA770
4J246CA77M
4J246CA77X
4J246CB02
4J246HA42
4J246HA44
(57)【要約】
フォーム安定化組成物は、a)コロイダルシリカ及びb)シロキサンカチオン性界面活性剤を含む。シロキサンカチオン性界面活性剤は、式Z-D-N(Y)(R)2-aを有するカチオン性部分を含み、式中、Zは、シロキサン部分であり、Dは、二価連結基であり、Rは、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、各Yは、式-D-NR を有し、式中、Dは、二価連結基であり、各Rは、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基である。消火剤は、フォーム安定化組成物及び水を含む。それらを製造及び使用する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム安定化組成物であって、
a)1nm~100nmの粒径を有するコロイダルシリカと、
b)シロキサンカチオン性界面活性剤であって、
一般式(b-I):[Z-D-N(Y)(R)2-a+y[X-x
一般式(b-II):
【化1】

並びに
(b-I)及び(b-II)の両方の組み合わせ、からなる群から選択され、式中、
は、シロキサン部分であり、
は、二価連結基であり、
各R及び各R’は、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
各Y及び各Y’は、式-D-NR を有し、式中、
Dは二価連結基であり、
各Rは、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
下付き文字aは、1又は2であり、
下付き文字a’は、1又は2であり、
1≦y≦3であり、
1≦y’3であり、
X及びX’は、それぞれ独立して選択されるアニオンであり、
下付き文字nは、1、2、又は3であり、
1≦x≦3であり、
ただし、(xn)=yであり、
下付き文字n’は、1、2、又は3であり、
1≦x’≦3であり、
ただし、(x’n’)=y’である、シロキサンカチオン性界面活性剤と、
任意選択的にc)一般式(c-I):[Z-D-N(Y)(R)2-b+y[X-xを有する有機カチオン性界面活性剤であって、
式中、Zは、非置換ヒドロカルビル基であり、
は、共有結合又は二価連結基であり、
下付き文字bは、1又は2であり、
各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、有機カチオン性界面活性剤と、
d)水と、を含み、
前記コロイダルシリカは、前記シロキサンカチオン性界面活性剤及び、存在する場合は、前記有機カチオン性界面活性剤に対して、1:10-4~1:1の重量比で存在し、
前記水は、前記コロイダルシリカに対して1:1~100:1の重量比で存在する、フォーム安定化組成物。
【請求項2】
一般式(b-I)の前記シロキサンカチオン性界面活性剤において、前記シロキサン部分Zが、式:
【化2】

を有し、式中、各Rは、R及び-OSi(Rから独立して選択され、ただし、少なくとも1つのRは、-OSi(Rであり、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、各Rは、R及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、0≦m≦100であり、各Rは、独立して置換又は非置換ヒドロカルビル基である、請求項1に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項3】
前記シロキサン部分Zが、以下の構造(i)~(iv):
【化3】

のうちの1つを有する、請求項2に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項4】
(i)Dが、分岐状若しくは直鎖状アルキレン基であるか、又は(ii)Dが、式-D-N(R)-D-を有し、式中、各Dが、独立して選択される二価連結基であり、Rが、H若しくはYであり、Yが、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項5】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤(A)において、(i)下付き文字aが、1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)RがHであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~4のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項6】
(i)各Dが、-CHCH(OH)CH-及び-HC(CHOH)CH-から選択されるか、(ii)各Rが、メチルであるか、(iii)各Xが、Clであり、上付き文字xが、1であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~5のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項7】
一般式(b-II)の前記シロキサンカチオン性界面活性剤b)において、前記シロキサン部分Zが、式(R SiO2/2DPを有し、式中、各Rは、独立して選択されたアルキル基であり、下付き文字DPは、2~15である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項8】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤及び、存在する場合、前記有機カチオン性界面活性剤に対するコロイダルシリカの前記重量比が、1:10-4~1:0.1である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項9】
前記コロイダルシリカが、2nm~20nmの粒径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項10】
c)前記有機カチオン性界面活性剤が存在し、一般式(c-I)において、Zが、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Dが、i)前記共有結合、ii)分岐状又は直鎖状アルキレン基、及びiii)式-D-N(R)-D-の基からなる群から選択され、式中、各Dは、独立して選択される二価連結基であり、Rは、H又はYであり、Yは、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、請求項1~9のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項11】
一般式(c-I)において、(i)下付き文字bが1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)RがHであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項10に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項12】
c)前記有機カチオン性界面活性剤対a)前記コロイダルシリカが10-4:1~0.1:1(c:a)である重量比を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項13】
d)水以外の担体ビヒクル、e)前記シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び前記有機カチオン性界面活性剤c)以外の追加の界面活性剤、f)レオロジー調整剤、g)pH制御剤、並びにh)フォームエンハンサから選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物と、7~10のpHを有する水と、を含む、消火フォーム。
【請求項15】
火災を消火する方法であって、前記火災を請求項14に記載の消火フォームと接触させることを含む、方法。
【請求項16】
式:
【化4】

のシロキサンカチオン性界面活性剤であって、式中、
は、二価シロキサン部分であり、
各Dは、独立して選択される二価連結基であり、
R及びR’は、H、及び1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基からそれぞれ独立して選択され、
各Y及び各Y’は、式-D-NR を有し、式中、
Dは二価連結基であり、
各Rは、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、
1≦y≦3であり、
下付き文字a’は、1又は2であり、
1≦y’≦3であり、
X及びX’は、それぞれ独立して選択されるアニオンであり、
下付き文字nは、1、2、又は3であり、
1≦x≦3であり、
ただし、(xn)=yであり、
下付き文字n’は、1、2、又は3であり、
1≦x’≦3であり、
ただし、(x’n’)=y’である、シロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項17】
各Xがハロゲン化物である、請求項16に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項18】
が式:
【化5】

を有し、式中、各下付き文字iは、0、1、又は2から独立して選択され、下付き文字h≧1であり、各Rは、ヒドロカルビル基、アルコキシ基及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から独立して選択される、請求項16又は17に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項19】
が直鎖状であり、式:
【化6】

を有し、式中、各Rは、1~10個の炭素原子の独立して選択されたアルキル基であり、下付き文字jは2~15である、請求項18に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項20】
各Dが、式-(CH-の二価ヒドロカルビル基であり、式中、下付き文字dは1~18である、請求項16~19のいずれか一項に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項21】
各Dが、式-D-CH(-(CH-OH)-D-を有するヒドロキシル置換炭化水素であり、式中、各Dは、独立して、共有結合、又は1~8個の炭素原子を有する独立して選択されたアルキレン基であり、下付き文字eは、0又は1である、請求項16~20のいずれか一項に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項22】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤が、(b-II-i)~(b-II-iv)からなる群から選択される式を有し、(b-II-i)~(b-II-iv)の式が、
【化7】

である、請求項16~21のいずれか一項に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項23】
請求項16~22のいずれか一項に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤を調製するための方法であって、
(a)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンと(b)第四級アンモニウム化合物とを反応させて、前記シロキサンカチオン性界面活性剤を得ることを含み、
(a)前記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、式Z(-D-NHR)aを含み、式中、
は、前記シロキサン部分であり、
は、共有結合又は非置換二価炭化水素基であり、
Rは、H、又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
下付き文字aは、Zの官能性に応じて1以上であり、
(b)前記第四級アンモニウム化合物は、式[RNR [X]を有し、式中、
は、アミン反応性基であり、
各Rは、前記独立して選択された、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
Xは、アニオンである、方法。
【請求項24】
(i)Rがエポキシアルキル基であるか、(ii)各Rがアルキルであるか、(iii)各Xがハロゲン化物であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2021年7月7日に出願された米国特許仮出願第63/218,940号の利益を主張する。米国特許仮出願第63/218,940号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
フォーム安定化組成物及びその調製方法が提供される。フォーム安定化組成物は、消火用途に使用することができる水性フォームを形成する際の使用に適している。
【0003】
序論
水性フォームは、クラスB(可燃性液体)火災を消火するのに非常に有効であり、この目的のために40~50年間使用されてきた。消火に使用されるほとんどの水性フォーム中の活性成分は、パーフルオロアルキル界面活性剤である。パーフルオロアルキル界面活性剤を用いて作製された水性フォームは、30秒未満のノックダウン時間(すなわち、火災を完全に消火するのに必要な時間)で火を消すことができる。更に、火災が消火されると、パーフルオロアルキル界面活性剤を用いて作製された水性フォームは、火災が再燃するのを防止することができる。
【0004】
高い耐薬品性、高い疎水性、及び高い疎油性などの多くの望ましい特性により、パーフルオロアルキル物質(PFAS)は、広範な用途が見出されている。しかしながら、パーフルオロアルキル界面活性剤などのPFASは、環境条件下で分解ないしは劣化して多くのフルオロケミカルを与えることが示されており、そのいくつかは環境残留性であることが見出されている。このように、PFASは、次第に生産も使用もされなくなっており、多くの広く利用されているパーフルオロアルキル界面活性剤及びそれらを含有する組成物を引き続き利用することが難しくなりつつある。
【0005】
消火フォームの配合者は、これまで、パーフルオロアルキル界面活性剤を含有するベンチマーク水性フォームと同じ消火性能をもたらすことができる、PFASを含まない製品を特定していない。市販されているPFASを含まない製品は、火災上に拡散するのが遅すぎるか、又はフォームが燃料の上を覆って有効な消火を可能にするほど十分に長く安定でないかのいずれかである。燃料油の上を覆って働くいくつかのフォームは、アルコールなどの可燃性溶媒が関係する消火用途には適していない。
【0006】
PFASを含まない消火フォームを提供することが産業上必要とされている。より詳細には、PFASを含まず、極性燃料及び非極性燃料の両方に対して安定である消火フォームが産業上必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
フォーム安定化組成物及びその調製方法が本明細書で提供される。フォーム安定化組成物は、a)コロイダルシリカ、b)シロキサンカチオン性界面活性剤、及び水を含む。フォーム安定化組成物を含む消火フォーム、並びに消火フォームの調製及び使用のための方法も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
フォーム安定化組成物(組成物)は、a)コロイダルシリカ及びb)シロキサンカチオン性界面活性剤、並びに水を含む。この組成物は、任意選択的に、c)有機カチオン性界面活性剤、d)担体ビヒクル(すなわち、水以外)、e)追加の界面活性剤(すなわち、カチオン性、非イオン性又は両性であり得る界面活性剤であって、ただし、e)追加の界面活性剤が出発材料b)及びc)とは異なる界面活性剤、f)レオロジー調整剤、g)pH制御剤、及びh)フォームエンハンサからなる群から選択される1つ以上の追加の出発材料を更に含み得る。担体ビヒクルd)は水を含んでもよく、フォーム安定化組成物は典型的にはa)コロイダルシリカ、b)シロキサンカチオン性界面活性剤、及びd)水を含む。フォーム安定化組成物は、水性フォーム組成物、膨張フォーム組成物、濃縮フォーム組成物、及び/又はフォーム濃縮物を含むフォーム組成物(すなわち、フォーム)に利用され得、これらは、多様な最終用途で配合及び/又は利用され得る。例えば、本明細書に記載されるフォーム安定化組成物は、消火用途(すなわち、火災の消火、抑制、及び/又は防止)での使用に適したフォーム又はフォーム形成組成物を調製するために使用され得る。
【0009】
a)コロイダルシリカ
フォーム安定化組成物は、a)コロイダルシリカを含む。コロイダルシリカは、主に末端シラノール(SiOH)基からのプロトンの解離によって、アルカリ水中に分散されたときに負の表面電荷を獲得する二酸化ケイ素(SiO)粒子から構成される。このような粒子は、様々な供給元から市販されており、例えば、EcolabからNALCO(商標)の商品名で、W.R.Grace & Co.(Colombia,Maryland,USA)又はSigma-Aldrich,Inc.(St.Louis,Missouri,USA)からLUDOX(商標)の商品名で市販されている。少なくとも1nm、あるいは少なくとも2nm、あるいは少なくとも3nm、あるいは少なくとも5nm、あるいは少なくとも10nmのサイズを有するコロイダルシリカ粒子を使用してもよく、同時に、コロイダルシリカ粒子のサイズは、100nm以下、あるいは75nm以下、あるいは50nm以下、あるいは25以下、nm、あるいは20nm以下であってもよい。あるいは、粒径は、1nm~100nm、あるいは1nm~20nm、あるいは2nm~20nm、あるいは10nm~20nmであってもよい。コロイダルシリカの粒径は、球状粒子の0.01μm~3,500μmの粒径を測定するのに適した国際規格ISO 13320による標準化された方法であるレーザー回折によって測定することができる。
【0010】
理論に束縛されるものではないが、粒径が>100nmである場合、コロイダルシリカは消火フォームの空気-水界面に迅速に拡散することができず、組成物を使用して調製された消火フォームは乏しい発泡性に悩まされると考えられるが、粒径が<1nmである場合、界面は十分に硬くなく、消火フォームは劣ったフォーム安定性に悩まされると考えられる。
【0011】
組成物中のコロイダルシリカの量は、1:10-4~1:1のコロイダルシリカの重量部:カチオン性界面活性剤の重量部(すなわち、カチオン性界面活性剤の重量部は、b)シロキサンカチオン性界面活性剤の重量を指し、c)有機カチオン性界面活性剤が存在する場合はその重量と組み合わされる)を提供するのに十分である。理論に束縛されるものではないが、コロイダルシリカの量が多すぎる場合(例えば、上述の基準で>1重量部)、ゲルが形成され得、組成物を使用したフォームを形成することは困難であり得、及び/又は組成物を使用して調製された消火フォームは不安定であり得ると考えられる。しかしながら、コロイダルシリカの量が少なすぎると(例えば、上の基準で<10-4重量部)、消火フォームの空気-水界面は、不十分なコロイダルシリカ粒子を有する可能性があり、消火フォームの不十分な剛性及び/又は安定性をもたらす。
【0012】
b)シロキサンカチオン性界面活性剤
フォーム安定化組成物は、出発材料b)、シロキサンカチオン性界面活性剤を更に含む。シロキサンカチオン性界面活性剤は、1つ以上のシロキサン鎖(直鎖状、分岐状、超分岐状、レーキ、ペンダント、末端構造)を有する水溶性/水分散性オニウム化合物又はアミン含有化合物を含んでもよい。
【0013】
シロキサンカチオン性界面活性剤は、対イオンと電荷バランスのとれたカチオン性有機ケイ素化合物を含む錯体であってもよい。シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、シロキサン部分及び1つ以上の第四級アンモニウム部分を含み得る。シロキサンカチオン性界面活性剤は、一般式(b-I):[Z-D-N(Y)(R)2-a+y[X-xを有してもよく、式中、Zは、シロキサン部分であり、Dは、二価連結基であり、RはHであるか、又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、各Yが、式-D-NR を有し、式中、Dが、二価連結基であり、各Rが、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aが、1又は2であり、1≦y≦3であり、Xが、アニオンであり、下付き文字nは、1、2、又は3であり、1≦x≦3であるが、ただし、(xn)=yである。
【0014】
式(b-I)に関して、上記で紹介されたように、Zは、シロキサン部分を表す。一般に、シロキサン部分Zは、シロキサンを含み、それ以外は特に限定されない。当該技術分野で理解されるように、シロキサンは、ケイ素原子と結合した有機ケイ素及び/又は有機側基を有する、無機ケイ素-酸素-シリコーン基(即ち、-Si-O-Si-)を含む。このように、シロキサンは、一般式:([R SiO(4-i)/2(R3-jSi-によって表され得、式中、下付き文字iは、下付き文字hによって示される各部分において1、2、及び3から独立して選択され、下付き文字hは、少なくとも1であり、下付き文字jは、1、2、又は3であり、各Rは、ヒドロカルビル基、アルコキシ基及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から独立して選択される。
【0015】
に適したヒドロカルビル基としては、一価の炭化水素部分が挙げられ、これらは独立して、置換又は非置換、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせ、及び飽和又は不飽和であり得る。かかるヒドロカルビル基に関して、「非置換」という用語は、炭素及び水素原子から構成される、即ち、ヘテロ原子置換基を含まない炭化水素部分を表す。「置換」という用語は、少なくとも1つの水素原子が水素以外の原子若しくは基(例えば、アルコキシ基、アミン基)で置き換えられている(すなわち、ペンダント又は末端置換基として)、炭化水素の鎖/骨格内の炭素原子が炭素以外の原子(例えば、酸素、硫黄、又は窒素など、ヘテロ原子)で置き換えられている(すなわち、鎖/骨格の一部として)、又はその両方、のいずれかである炭化水素部分を表す。このように、好適なヒドロカルビル基は、その炭素鎖/骨格内に及び/又は上にある(すなわち、それに付加された及び/又はそれと一体である)1つ以上の置換基を有する炭化水素部分を含み得るか、又はそのような炭化水素部分であり得、その結果、この炭化水素部分は、例えば、エーテル若しくはエステルを含み得るか、又はエーテル若しくはエステルであり得る。直鎖及び分岐鎖ヒドロカルビル基は、独立して、飽和又は不飽和であり得、不飽和の場合、共役又は非共役であり得る。環状ヒドロカルビル基は、独立して単環式又は多環式であってもよく、シクロアルキル基、アリール基、及び複素環を包含してもよく、これらは、例えば、芳香族又は飽和及び非芳香族及び/又は非共役であってもよい。直鎖状及び環状ヒドロカルビル基の組み合わせの例としては、アルカリール基及びアラルキル基が挙げられる。ヒドロカルビル基において又はヒドロカルビル基として使用するのに好適な炭化水素部分の一般的な例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシル、及び、例えば、6個を超える炭素原子を有する、他の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素基が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、ジメチルフェニルが挙げられ、これらは、アルカリール基(例えば、ベンジル)及びアラルキル基(例えば、トリル及びジメチルフェニル)と重複し得る。アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、ヘキセニル、及びシクロヘキセニル基が挙げられる。
【0016】
に好適なアルコキシ基及びアリールオキシ基としては、一般式、-ORxi[式中、Rxiは、Rに関して上述したヒドロカルビル基のうちの1つである]を有するものが挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びベンジルオキシが挙げられる。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ及びトリルオキシが挙げられる。
【0017】
に好適な、好適なシロキシ基の例としては、[M]、[D]、[T]、及び[Q]単位が挙げられ、これらは、当該技術分野で理解されるように、各々が、例えばオルガノシロキサン及びオルガノポリシロキサンなどのシロキサン中に存在する個別の官能性の構造単位を表す。より具体的には、[M]は、一般式Rxii SiO1/2の、単官能性単位を表し、[D]は、一般式Rxii SiO2/2の二官能性単位を表し、[T]は、一般式RxiiSiO3/2の三官能性単位を表し、[Q]は、一般式SiO4/2の四機能性単位を表し、これらは下記の一般構造部分により示されている:
【0018】
【化1】
【0019】
これらの一般構造部分において、各Rxiiは、独立して、一価又は多価の置換基である。当技術分野で理解されるように、各Rxiiに好適な具体的な置換基は、限定されるものではなく、単原子又は多原子、有機又は無機、直鎖状又は分岐状、置換又は非置換、芳香族、脂肪族、飽和又は不飽和、及びこれらの組み合わせであり得る。典型的に、各Rxiiは、ヒドロカルビル基、アルコキシ基及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から独立して選択される。したがって、各Rxiiは、独立して、式-Rxiのヒドロカルビル基、又は式-ORxiのアルコキシ基若しくはアリールオキシ基[両式中、Rxiは上記で定義されたとおりであるか、又は上記の[M]、[D]、[T]、及び/又は[Q]単位のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせで表されるシロキシ基である]であってもよい。
【0020】
シロキサン部分Zは、例えば、その中に存在する[M]、[D]、[T]、及び/又は[Q]シロキシ単位の数及び配置に基づいて、直鎖状、分岐状、又はそれらの組み合わせであり得る。分岐状である場合、シロキサン部分Zは、最小限に分岐状又は、代替的に、超分岐状及び/若しくは樹枝状であり得る。
【0021】
あるいは、シロキサン部分Zは、式-Si(Rを有する分岐状シロキサン部分であり得、式中、少なくとも1つのRは、-OSi(Rであり、各他のRは、R及び-OSi(Rから独立して選択され、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択される。Rのこれらの選択について、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、かつ各Rは、R及び-[OSiR OSiR から独立して選択される。各々の選択において、Rは、独立して選択された、置換又は非置換ヒドロカルビル基、例えば、Rに関して既に説明したもののうちの任意のものであり、かつ(すなわち、該当する場合、各々の選択において)各下付き文字mは、0≦m≦100となるように個々に選択される。
【0022】
既に述べたように、各Rは、R及び-OSi(Rから選択され、ただし、少なくとも1つのRは、式-OSi(Rのものである。あるいは、Rのうちの少なくとも2つは、式-OSi(Rのものであり得る。あるいは、各Rは、式-OSi(Rのものであり得る。-OSi(RであるRの数が多いほど、シロキサン部分Zにおける分岐度が増加することが理解されよう。例えば、各Rが-OSi(Rである場合、各Rが結合しているケイ素原子は、Tシロキシ単位である。あるいは、Rのうちの2つが式-OSi(Rのものである場合、各Rが結合しているケイ素原子は、[D]シロキシ単位である。更に、Rが式-OSi(Rを有する場合、及びRが式-OSi(Rを有する場合、更なるシロキサン結合及び分岐が、シロキサン部分Zに存在する。これは更に、Rが式-OSi(Rを有する事例である。したがって、当業者であれば、シロキサン部分Zにおける各後続のR3+n部分が、その特定の選択に応じて、更なる分岐の発生を付与し得ることが理解されよう。例えば、Rは式-OSi(Rのものであってもよく、かつRは式-OSi(Rでのものであってもよい。したがって、各置換基の選択に応じて、[T]及び/又は[Q]シロキシ単位に起因する更なる分岐は、シロキサン部分Zに存在し得る(すなわち、上述の他の置換基/部分のものを超える)。
【0023】
各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR [式中、0≦m≦100である]から選択される。R及びRの選択に応じて、更なる分岐が、シロキサン部分Zに存在し得る。例えば、各RがRである場合、各-OSi(R部分(すなわち、式-OSi(Rの各R)は、末端[M]シロキシ単位である。言い換えれば、各Rが-OSi(Rであり、かつ各RがRである場合、各Rは、-OSiR (すなわち、[M]シロキシ単位)として記載され得る。あるいは、シロキサン部分Zは、式(I)のD基に結合した[T]シロキシ単位を含み得、[T]シロキシ単位は、3つの[M]シロキシ単位でキャップされる。また、Rは、式-[OSiR OSiR のものである場合、任意選択の[D]シロキシ単位(すなわち、下付き文字mで示される各々の部分におけるシロキシ単位)並びに[M]シロキシ単位(すなわち、OSiR で表されるもの)を含む。したがって、各Rが、式-OSi(Rのものであり、各Rが、式-[OSiR OSiR のものである場合、各Rは、[Q]シロキシ単位を含む。あるいは、各Rは、式-OSi([OSiR OSiR のものであり得、その結果、各下付き文字mが0である場合には、各Rは、3つの[M]シロキシ単位で末端をキャップされた[Q]シロキシ単位である。同様に、下付き文字mが0より大きい場合、各Rは、下付き文字mに起因する重合度を有する直鎖状部分(即ち、ジオルガノシロキサン部分)を含む。
【0024】
上記のように、各Rはまた、式-OSi(Rのものであってもよい。あるいは、1つ以上のRが式-OSi(Rのものである場合、更なる分岐が、Rの選択に応じて、シロキサン部分Zに存在し得る。より具体的には、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から選択され得、式中、各Rは、R及び-[OSiR OSiR から選択され得、各下付き文字mは、上記で定義されたとおりである。
【0025】
下付き文字mは、0~100、あるいは0~80、あるいは0~60、あるいは0~40、あるいは0~20、あるいは0~19、あるいは0~18、あるいは0~17、あるいは0~16、あるいは0~15、あるいは0~14、あるいは0~13、あるいは0~12、あるいは0~11、あるいは0~10、あるいは0~9、あるいは0~8、あるいは0~7、あるいは0~6、あるいは0~5、あるいは0~4、あるいは0~3、あるいは0~2、あるいは0~1であり、あるいはmは0であり得る。あるいは、各下付き文字mは、0であり得、したがって、シロキサン部分Zは、[D]シロキシ単位を含まない。
【0026】
、R、R、R、及びRの各々は、独立して選択される。したがって、これらの置換基の各々に関する上記の説明は、各置換基が同じであることを意味するとするものでもなく、示すものでもない。むしろ、Rに関する上記の任意の説明は、シロキサン部分Zにおける1つのみのR又は任意の数のRに関連し得、他も同様である。加えて、R、R、R、R、及びRの異なる選択により、同じ構造をもたらすことができる。例えば、Rが-OSi(Rであり、各Rが-OSi(Rであり、各RがRである場合、Rは、-OSi(OSiR と記述することができる。同様に、Rが-OSi(Rであり、各Rが-[OSiR OSiR である場合、下付き文字mが0であるときには、Rは、-OSi(OSiR と記述することができる。示されているように、これらの特定の選択は、Rについての異なる選択に基づいて、Rの同じ最終構造をもたらす。あるいは、R、R、R、及びRは、シロキサンカチオン性界面活性剤が1分子中に平均3~10個のケイ素原子、あるいは1分子中に3~6個のケイ素原子を有するように選択されてもよい。そのために、シロキサン部分Zの最終構造に対する限定のいかなる条件も、条件で必要とされる同じ構造をもたらす代替選択によって考慮され、満たされるべきである。
【0027】
あるいは、各Rは、独立して選択されたアルキル基であってもよい。あるいは、各Rは、独立して選択された、1~10個、あるいは1~8個、あるいは1~6個、あるいは1~4個、あるいは1~3個、あるいは1~2個の炭素原子を有するアルキル基であってもよい。あるいは、各Rは、メチルであり得る。
【0028】
あるいは、各下付き文字mは、0であり得、各Rは、メチルであり得、シロキサン部分Zは、以下の構造(i)~(iv)のうちの1つを有し得る:
【0029】
【化2】
【0030】
更に、シロキサンカチオン性界面活性剤及び式(I)に関して、上記で紹介されたように、Dは、二価連結基である。二価連結基Dは、特に限定されない。典型的には、二価連結基Dは、二価炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、Rに関して上述したもののうちの任意のものなどの、上述のヒドロカルビル基又は炭化水素基の二価形態が挙げられる。このように、二価連結基Dに好適な炭化水素基は、置換若しくは非置換並びに直鎖状、分岐状、及び/又は環状であり得ることが理解されよう。
【0031】
あるいは、二価連結基Dは、直鎖状又は分岐状のアルキル基及び/又はアルキレン基を含み得、あるいは二価連結基Dはそのような基である。あるいは、二価連結基Dは、式-(CH-を有する直鎖状炭化水素部分など(式中、下付き文字dは1~18である)、C~C18炭化水素部分を含み得、あるいは二価連結基Dは、そのような炭化水素部分である。あるいは、下付き文字dは、1~16、あるいは1~12、あるいは1~10、あるいは1~8、あるいは1~6、あるいは2~6、あるいは2~4であり得る。あるいは、下付き文字dは、3であり得、したがって、二価連結基Dは、プロピレン(すなわち、3個の炭素原子の鎖)を含む。当業者には理解されるように、下付き文字dで表される各単位はメチレン単位であり、その結果、直鎖状炭化水素部分は、アルキレン基と定義されるか、又は別様に称され得る。各メチレン基は、独立して、非置換及び非分岐又は置換(例えば、水素原子が非水素原子又は基で置き換えられている)、及び/若しくは分岐(例えば、水素原子がアルキル基で置き換えられている)であり得ることが理解されよう。あるいは、二価連結基Dは、非置換アルキレン基を含み得、あるいは二価連結基Dは非置換アルキレン基である。あるいは、二価連結基Dは、置換アルキレン基など、置換炭化水素基を含み得、あるいは二価連結基Dは置換炭化水素基である。あるいは、例えば、二価連結基Dは、骨格がエーテル部分、アミン部分、メルカプト部分、又は亜リン酸部分を含むように、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、又はP)を有する炭素骨格を含み得る。
【0032】
あるいは、二価連結基Dは、アミノ置換炭化水素基(すなわち、窒素置換炭素鎖/骨格を含む炭化水素)を含み得、あるいは二価連結基Dはアミノ置換炭化水素基である。例えば、二価連結基Dは、式-D-N(R)-D-を有するアミノ置換炭化水素であり得、その結果、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式によって表され得る:[Z-D-N(R)-D-N(Y’)(R)2-a+y[X-x、式中、各Dは、独立して選択された二価連結基、Zは、上記で定義及び説明されたとおりであり、Rは、Y’又はHであり、各R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。Y’は、Yについて上記したように、式-D-NR の独立して選択された基である。
【0033】
上記で紹介されたように、アミノ置換炭化水素の二価連結基の各Dは、独立して選択される。典型的には、各Dは、二価連結基Dに関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択されるアルキレン基を含む。例えば、各Dは、1~8個の炭素原子、あるいは2~8、あるいは2~6、あるいは2~4個の炭素原子を有するアルキレン基から独立して選択され得る。あるいは、各Dは、プロピレン(すなわち、-(CH-)であり得る。しかしながら、一方又は両方のDは別の二価連結基であり得るか、又はそれを含み得ることが理解されるであろう(即ち、上記に記載されるアルキレン基を除く)。更に、各Dは、置換又は非置換、直鎖状又は分岐状、及びそれらの様々な組み合わせであり得る。
【0034】
上記でも紹介されたように、アミノ置換炭化水素のRは、H又は第四級アンモニウム部分Y’(すなわち、上に記載したように、式-D-NR を有する)である。例えば、Rは、Hであり得、その結果、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式によって表され得る:[Z-D-NH-D-N(Y’)(R)2-a+y[X-x、式中、各D及びZは、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Y’、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。あるいは、上付き文字yは、下付き文字aにより制御される、1又は2であり得る。より具体的には、第四級アンモニウム部分Y’の数は、1又は2として下付き文字aによって制御され、それぞれ、+1又は+2の総カチオン電荷を提供する。したがって、上付き文字xも、シロキサンカチオン性界面活性剤b)が電荷バランスをとるように、1又は2であり得る。
【0035】
あるいは、アミノ置換炭化水素のRは、第四級アンモニウム部分Y’であり得、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式によって表され得る:
[Z-D-NY-D-N(Y’)(R)2-a+y[X-x、式中、各D及びZは、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Y’、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。あるいは、上付き文字yが2又は3であるように、y=a+1である。より具体的には、第四級アンモニウム部分の数は、RのY’、並びに下付き文字aによって制御される1つ又は2つの第四級アンモニウム部分Y’を含み、それぞれ、+2又は+3の総カチオン電荷を提供する。したがって、上付き文字xは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)が電荷バランスをとるように、1、2、又は3であり得る。
【0036】
あるいは、Rは、Y’であり得、シロキサン部分Zは、上述の分岐状シロキサン部分であり得、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式によって表され得る:
[(RSi-D-N(-D-NR )-D-N(-D-NR (R)2-a+y[X-x、式中、各D及びRは、上記で定義及び説明されたとおりであり、各D、R、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。
【0037】
下付き文字aは、1又は2である。当業者には理解されるように、下付き文字aは、部分式-N(Y’)(R)2-aで表されるシロキサンカチオン性界面活性剤b)の第四級アンモニウム-置換アミノ部分が、第四級アンモニウム基Y’のうちの1つ又は2つ(すなわち、部分式(-D-NR )の基)を有するか否かを示す。同様に、そのような第四級アンモニウム基Y’の各々の場合、下付き文字aは、部分aで示される第四級アンモニウム基Y’からカチオン電荷のバランスをとるのに必要な対アニオンの数(すなわち、以下に説明されるようなアニオンXの数)も示す。例えば、下付き文字aは、1であり得、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式を有し得る:[Z-D-N(R)-D-NR +y[X-x、式中、Z及びDは、上記で定義及び説明されたとおりであり、各D、R、R、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。
【0038】
下付き文字aが、シロキサンカチオン性界面活性剤b)の各カチオン性分子において1又は2であるが、シロキサンカチオン性界面活性剤b)が、式(b-I)に対応するが、互いに異なる(例えば、下付き文字aに関して)カチオン性分子の混合物を含み得ることを理解されたい。このように、下付き文字aは、1又は2であるが、シロキサンカチオン性界面活性剤b)を含む混合物は、1.5の平均値などの1~2のaの平均値を有し得る(例えば、a=1の場合のシロキサンカチオン性界面活性剤b)のカチオン性分子と、a=2の場合のシロキサンカチオン性界面活性剤b)の分子との50:50混合物から)。
【0039】
各Rは、存在する場合(例えば、下付き文字aが1である場合)、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基を独立して表す。あるいは、Rは、Hであり得る。あるいは、Rは、1~3個、あるいは1~2個の炭素原子など、1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり得る。例えば、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n-プロピル基又はイソ-プロピル基)、又はブチル基(例えば、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソ-ブチル基、又はtert-ブチル基)であり得る。代替的に、各Rは、メチルであり得る。
【0040】
各Rは、1~4個の炭素原子を有する、独立して選択される非置換ヒドロカルビル基を表す。例えば、各Rは、1~3個、あるいは1~2個の炭素原子など、1~4個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択され得る。あるいは、各Rは、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n-プロピル基及びイソ-プロピル基)、及びブチル基(例えば、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソ-ブチル基、及びtert-ブチル基)から選択され得る。独立して選択されるが、各Rは、カチオン性界面活性剤中の各他のRと同じであり得る。例えば、各Rは、メチル又はエチルであり得る。あるいは、各Rは、メチルであり得る。
【0041】
各Dは、独立して選択される二価連結基(「連結基D」)を表す。典型的には、連結基Dは、置換及び非置換炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、R、D、及びDに関して上に記載したもののうちのいずれなどの、上述のヒドロカルビル及び炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、連結基Dでの使用又は連結基Dとしての使用に好適な炭化水素基が、直鎖状又は分岐状であり得、任意の他の二価連結基と同じであっても異なってもよいことが理解されよう。
【0042】
あるいは、連結基Dは、二価連結基Dに関して上述したもののうちの1つなどのアルキレン基を含む。例えば、連結基Dは、1~6個、あるいは2~6個、あるいは2~4個の炭素原子など、1~8個の炭素原子を有するアルキレン基を含み得る。あるいは、連結基Dのアルキレン基は、非置換であり得る。そのようなアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基が挙げられる。
【0043】
あるいは、連結基Dは、置換アルキレン基など、置換炭化水素基を含み得、あるいは二価連結基D1は置換炭化水素基である。例えば、連結基Dは、少なくとも2個の炭素原子を有する炭素骨格と、骨格中にある又は骨格の炭素原子のうちの1つに(例えばペンダント置換として)結合されている少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O個)とを含み得る。例えば、連結基Dは、式--D-CH(-(CH-OH)-D-を有するヒドロキシル置換炭化水素を含み得、式中、各Dは、独立して、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字eは、0又は1である。あるいは、少なくとも1つのDは、上述のもののうちのいずれかなどの、独立して選択されたアルキレン基を含み得る。例えば、各Dは、1~6個、あるいは1~4個、あるいは1~2個の炭素原子など、1~8個の炭素原子を有するアルキレン基から独立して選択され得る。あるいは、各Dは、メチレン(すなわち、-CH-)であり得る。しかしながら、一方又は両方のDが、別の二価連結基(すなわち、上述のアルキレン基を除く)であり得るか、又はそれを含み得ることを理解されたい。
【0044】
あるいは、各連結基Dは、独立して選択されたヒドロキシプロピレン基であり得る(すなわち、各Dは、共有結合及びメチレンから独立して選択されたものであるが、ただし、下付き文字eが1である場合に少なくとも1つのDは共有結合であり、下付き文字eが0である場合に各Dはメチレンである)。したがって、各連結基Dは、独立して、以下の式のうちの1つのものであり得る:
【0045】
【化3】
【0046】
あるいは、シロキサン部分Zは、分岐状シロキサン部分であり得、二価連結基Dは、各Dがプロピレンであり、RがHである、アミノ置換炭化水素であり得、下付き文字aは、1であり、Rは、Hであり、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり、各Rは、メチルであり、Xは、モノアニオンであり、したがって、式(b-I)のシロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式を有する:
【0047】
【化4】

式中、各Rは、上記で定義及び記載されているとおりであり、Xは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、下付き文字a=2であること以外は直前に説明したものと同じように構成され得、したがって、式(b-I)のシロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式:
【0048】
【化5】

を有し、式中、各Rは、上記で定義及び記載されているとおりであり、各Xは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、Rが第四級アンモニウム部分Y’であること以外は直前に説明したものと同じように構成され得、したがって、式(b-I)のシロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式:
【0049】
【化6】

を有し、式中、各Rは上記で定義及び記載されているとおりであり、各Xは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、下付き文字a=1であり、RがHであること以外は、直前に説明したものと同じように構成され得、したがって、式(b-I)のシロキサンカチオン性界面活性剤b)は、以下の式:
【0050】
【化7】

を有し、式中、各Rは、上記で定義及び記載されているとおりであり、各Xは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。
【0051】
各Xは、上付き文字xで表される電荷を有するアニオンである。したがって、当業者によって理解されるように、Xは特に限定されず、1つ以上のカチオン性第四級アンモニウム部分Y及びY’のイオン対形成/電荷バランス化に適した任意のアニオンであり得る。このように、各Xは、独立して選択されたモノアニオン又はポリアニオン(例えば、ジアニオン又はトリアニオン)であり得、その結果、1つのXは、2つ以上のカチオン性第四級アンモニウム部分Y’を平衡させるのに十分であり得る。このように、アニオンXの数(すなわち、下付き文字n)は、カチオン性第四級アンモニウム部分Y’の数及び選択されたXの電荷(すなわち、上付き文字x)に基づいて容易に選択されるであろう。
【0052】
好適なアニオンの例としては、有機アニオン、無機アニオン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。典型的には、各アニオンXは、カチオン性界面活性剤の他の部分と非反応性であるモノアニオンから独立して選択される。そのようなアニオンの例としては、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物)、サルフェート(例えば、アルキルサルフェート)、スルホネート(例えば、ベンジル又は他のアリールスルホネート)、並びにこれらの組み合わせなど、中程度の酸及び強酸のコンジュゲート塩基が挙げられる。リン酸塩、硝酸塩、カルボキシレート(例えば、アセテート)などの有機アニオン、並びにこれらの組み合わせなど、他のアニオンも利用され得る。そのようなアニオンの誘導体には、上記の例が指定されている2つ以上の官能基を含むポリアニオン性化合物が含まれることが理解されるべきである。例えば、ポリカルボキシレート(例えば、クエン酸など)のモノ及び/又はポリアニオンは、上記のアニオンによって包含される。アニオンの他の例としては、トシレートアニオンが挙げられる。
【0053】
あるいは、各アニオンXは、一価~三価の無機アニオンであってもよい。そのようなアニオンの例としては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、6~18個の炭素原子を有するアリールスルホネート、硝酸アニオン、亜硝酸アニオン、及びホウ酸アニオンなどのモノアニオン、例えばサルフェート及び亜硫酸イオンなどのジアニオン、及びホスフェートなどのトリアニオンが挙げられる。あるいは、各Xは、ハロゲン化物アニオンであり得、あるいは、各Xは、塩化物(すなわち、Cl)又はヨウ化物(すなわち、I-)であってもよく、あるいは、各Xは、塩化物であってもよい。
【0054】
あるいは、b)シロキサンカチオン性界面活性剤は、一般式(b-II):
【0055】
【化8】

を有し得、式中、Zは、二価シロキサン部分であり、D、Y、R、a、n、x、及びyは、上記のとおりである。あるいは、一般式(b-II)において、Zは、実質的に直鎖状であってもよく、あるいは、Zは、直鎖状であってもよい。Zは、上記のように、一般式Rxii SiO2/2の二官能性単位を含み得る、あるいはそれから本質的になり得る、あるいはそれからなり得る。
【0056】
二価シロキサン部分Zは、ケイ素原子と結合した有機ケイ素及び/又は有機側基を有する、無機ケイ素-酸素-ケイ素基(すなわち、-Si-O-Si-)を含む。このように、二価シロキサン部分は、一般式
【0057】
【化9】

によって表され得、式中、各下付き文字iは、0、1、又は2から独立して選択され、下付き文字h≧1であり、各Rは、上記で定義及び説明されたとおり、ヒドロカルビル基、アルコキシ基及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から独立して選択される。あるいは、二価シロキサン部分Zは、式:
【0058】
【化10】

を有する直鎖状シロキサン部分を含み得、式中、RxiiであるRは、上記のとおりであり、下付き文字jj≧1であり、同時に下付き文字jj≦20である。あるいは、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であってもよく、あるいは各Rは、独立して選択されたアルキル基であってもよい。あるいは、下付き文字jjは、2~15、あるいは3~14であってもよい。あるいは、各Rは、独立して選択された、1~10個、あるいは1~8個、あるいは1~6個、あるいは1~4個、あるいは1~3個、あるいは1~2個の炭素原子を有するアルキル基であってもよい。あるいは、二価シロキサン部分Zは、式:
【0059】
【化11】

を有し得る。あるいは、下付き文字jjは、3又は14であり得、各Rは、メチルであり得、シロキサン部分Zは、以下の構造(i)~(ii)のうちの1つを有する:
【0060】
【化12】
【0061】
あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)についての上記式において、Dが上記のようなアルキレン基である場合、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)は、一般式:
【0062】
【化13】

を有し得、式中、Z及び下付き文字dは、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Y、Y’、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上に記載されている。更に、下付き文字a’、下付き文字n’、上付き文字x’、上付き文字y’、Y’、R’、及びX’は、それぞれ独立して選択される。下付き文字a’は、下付き文字aについて上述したとおりであってもよい。下付き文字n’は、下付き文字nについて上述したとおりであってもよい。上付き文字xは、上付き文字x’について上述したとおりであってもよい。上付き文字y’は、上付き文字yについて上述したとおりであってよい。R’は、Rについて上述したとおりである。X’は、Xについて上述したようなアニオンである。あるいは、以下の更なる説明から理解されるように、上付き文字yは、独立して、1又は2であり、下付き文字aによって制御され、同様に上付き文字y’は、独立して、1又は2であり、下付き文字a’によって制御される。より具体的には、第四級アンモニウム部分Y及びY’の数は、1又は2となる各下付き文字a及び1又は2となる下付き文字a’によって制御され、+2~+4の総カチオン電荷を提供する。シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が電荷バランスをとるように、各上付き文字xも1又は2であり、各上付き文字x’も1又は2である。あるいは、上記一般式において、下付き文字a=1かつ下付き文字a’=1)である場合、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)は、以下の式:
【0063】
【化14】

を有し得、式中、Z、R、R、R’、及びD、並びに下付き文字dは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、この式において、各Dは、上記のヒドロキシル置換炭化水素基など、置換炭化水素基であってもよい。あるいは、各Dは、独立して、以下の式のうちの1つのものであり得る:
【0064】
【化15】

あるいは、上記一般式において下付き文字a=2かつ下付き文字a’=2である場合、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)は、以下の式:
【0065】
【化16】

を有し得、式中、Z、D、R、及び下付き文字dは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、この式において、各Dは、上記のヒドロキシル置換炭化水素基など、置換炭化水素基であってもよい。あるいは、各Dは、独立して、以下の式のうちの1つのものであり得る:
【0066】
【化17】
【0067】
あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)の一般式において、二価連結基Dは、アミノ置換炭化水素基(すなわち、窒素置換炭素鎖/骨格を含む炭化水素)を含んでもよく、あるいはアミノ置換炭化水素基であってもよい。例えば、二価連結基Dは、式-D-N(R)-D-を有するアミノ置換炭化水素であってもよく、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)は、以下の式:
【0068】
【化18】

によって表され得、
式中、D、Z、R、Y、Y’、R、R’、下付き文字a、下付き文字a’、X、X’、上付き文字y、上付き文字y’、上付き文字x、上付き文字x’、下付き文字n、及び下付き文字n’は、上記のとおりである。この式において、各RがHである場合、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)は、以下の式:
【0069】
【化19】

によって表され得、式中、D、Z、R、Y、Y’、R、R’、下付き文字a、下付き文字a’、X、X’、上付き文字y、上付き文字y’、上付き文字x、上付き文字x’、下付き文字n、及び下付き文字n’は、上記のとおりである。あるいは、アミノ置換炭化水素のRは、第四級アンモニウム部分Y’であり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(b-II)は、以下の式によって表され得る:
【0070】
【化20】

式中、D、Z、Y、Y’、R、R’、下付き文字a、下付き文字a’、X、X’、上付き文字y、上付き文字y’、上付き文字x、上付き文字x’、下付き文字n、及び下付き文字n’は、上記のとおりである。あるいは、上付き文字yが2又は3であるように、y=a+1である。あるいは、上付き文字y’が2又は3であるように、y’=a’+1である。より具体的には、第四級アンモニウム部分の数は、RのY、並びに下付き文字a及び下付き文字a’によって制御される1つ又は2つの第四級アンモニウム部分Y及びY’を含み、それぞれ、+4~+6の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が電荷バランスをとるように、上付き文字xは1、2、又は3であり、下付き文字x’は1、2、又は3である。
【0071】
あるいは、b)一般式(b-II)のシロキサンカチオン性界面活性剤は、以下のような式を有し得る:
【0072】
【化21】

式中、R、下付き文字a、及び下付き文字a’は上記のとおりであり、下付き文字DPは二価シロキサン部分Zの重合度を表す。下付き文字DPは、0~20、あるいは2~15、あるいは2~13の値を有し得る。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤は、
【0073】
【化22】

などの式を有し得、式中、R、下付き文字a、下付き文字a’、及び下付き文字DPは、上記のとおりである。
【0074】
あるいは、組成物は、以下の式(b-i)~(b-x)のうちの1つを有するシロキサンカチオン性界面活性剤b)を含み得る:
【0075】
【化23】
【0076】
【化24】
【0077】
あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、式
【0078】
【化25】

を有し得る。
【0079】
シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、構造、分子量、分岐度、ケイ素及び/又は炭素含有量、カチオン性第四級アンモニウム基Y及び/又はY’の数(例えば、下付き文字a(及び下付き文字a’)が平均値を表す場合)などの少なくとも1つの特性が異なる、上記のシロキサンカチオン性界面活性剤の組み合わせ又は2つ以上の異なる上記のシロキサンカチオン性界面活性剤を含み得る。シロキサンカチオン性界面活性剤は、参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月30日に出願された米国特許仮出願第62/955192号に記載されている方法によって、シロキサンカチオン性界面活性剤を調製するための参考例において以下に例示されるように、適切な出発材料を変更することによって調製され得る。方法は、(a)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンと(b)第四級アンモニウム化合物とを反応させて、シロキサンカチオン性界面活性剤を得ることを含む。アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、式:Z(-D-NHR)を含み、式中、Zは、上記のシロキサン部分であり、Dは、上記のとおり、共有結合又は非置換二価ヒドロカルビル基であり、Rは、H又は上記の1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、Zの官能性に応じて、1以上である。例えば、Zが二価シロキサン部分である場合、下付き文字a=2である。
【0080】
あるいは、上記のアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)の式におけるDは、二価連結基であってもよく、その結果、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、式([R SiO(4-i)/2(R3-jSi-D-NHRを有し、式中、R、R、下付き文字h、下付き文字i、及び下付き文字jは、独立して選択され、上に定義されたとおりである。あるいは、シロキサン部分Zは、分岐状シロキサン部分であってもよく、その結果、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、式(RSi-D-NHRを有する分岐状アミノシロキサンであり、式中、R、二価連結基D、及び部分式(RSi-によって表される分岐状有機ケイ素部分は、シロキサンカチオン性界面活性剤(b)の同じ部分に関して上記で定義及び説明されたとおりである。より具体的には、Rは、H又は非置換C~Cヒドロカルビル基であり、Dは、二価連結基であり、各Rは、一般に、R及び-OSi(Rから選択され、ただし、少なくとも1つのRは、-OSi(Rであり、式中、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、式中、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、式中、各Rは、R及び-[OSiR OSiR から独立して選択される。各々の事例において、各Rは、独立して選択される、置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、各下付き文字mは、0≦m≦100となるように個別に選択される。上記にもかかわらず、当業者であれば、上記カチオン性界面活性剤の、分岐状有機ケイ素部分(RSi-の説明を考慮して、同じ部分の限定の特定の変形例を容易に理解するであろう。
【0081】
あるいは、上記のアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)の一般式におけるシロキサン部分Zは、分岐状有機ケイ素部分であり、二価連結基Dは、式-D-NH-D-を有するアミノ置換炭化水素であり、その結果、アミン化合物(A)は、式(RSi-D-NH-D-NHRを有し、式中、各Dは、独立して選択された二価連結基であり、各R及びRは、上記で定義したとおりである。
【0082】
あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、以下の式を有し得る:
【0083】
【化26】

式中、各R、R、R、及びDは、独立して選択され、上記で定義されたとおりである。あるいは、各RはRであり、各Rはメチルである。あるいは、各RはHである。
【0084】
あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、以下の構造を有し得る:
【0085】
【化27】

式中、各R、R、R、及びDは、独立して選択され、上記で定義されたとおりである。あるいは、各RはRであり、各Rはメチルである。あるいは、各RはHである。
【0086】
あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、以下の構造を有し得る:
【0087】
【化28】

式中、各R、R、R、及びDは、独立して選択され、上記で定義されたとおりである。特定のこのような実施形態では、各Rは、Rであり、各Rは、メチルである。いくつかのこのような実施形態では、各Rは、Hである。
【0088】
分岐状有機ケイ素部分であるシロキサン部分Zに属する上述した例示的な構造において、各RはRであってもよく、各Rはメチルであってもよい。しかしながら、Rが、R以外である場合に、すなわち、Rが、OSi(R及び-[OSiR OSiR [式中、各Rは、R及び-[OSiR OSiR から選択され、各R及び下付き文字mは、独立して選択され、上記で定義されたとおりである]から選択される場合に、更なる次世代の分岐が、分岐状有機ケイ素部分に導入され得るということを理解されたい。
【0089】
あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、例えば、上述の式(b-II)のシロキサンカチオン性界面活性剤を調製するために、式HRN-D-Z-DNHRのビスアミノ官能性ポリオルガノシロキサンであってもよく、式中、R、D、及びZは上述のとおりである。ビスアミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、式:HRN-D-(R SiO)jjSi(R )-D-NRのビスアミノ官能性末端ポリジオルガノシロキサンであってもよく、式中、R、D、R、及び下付き文字jjは、式(b-II)のシロキサンカチオン性界面活性剤に関して上述したとおりである。あるいは、ビスアミノ官能性末端ポリジオルガノシロキサンは、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンであってもよい。好適なアミノプロピル末端ポリジオルガノシロキサンは、当技術分野において既知であり、Hupfieldらに対する米国特許第7,238,768号、Suthiwangcharoenらに対する米国特許第11,028,229号、及びSuthiwangcharoenらに対する米国特許第11,028,233号に開示されているものなどの既知の方法によって製造され得る。
【0090】
本明細書の説明を考慮して当業者によって理解されるように、調製方法において用いられるアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、カチオン性界面活性剤のうちの、式(b-I及びb-II)中で、部分式Z(-D-NHR)、Z-D-N(R)-によって表されるアミノ部分に対応する部分を形成する。同様に、調製方法において用いられる第四級アンモニウム化合物(b)は、カチオン性界面活性剤のうち、式(b-I及びb-II)中で、部分式-NR によって表される第四級アンモニウム部分に対応する部分を形成する。以下に更に詳細に記載されるように、連結基Dは、一般に、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との反応によって形成され、下付き文字aは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)の性質/タイプ、並びに使用されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)の相対量によって制御され、アニオンXは、使用される第四級アンモニウム化合物(b)の性質/タイプによって制御される。このように、特に示されない限り、上記のシロキサンカチオン性界面活性剤の説明は、調製方法(例えば、その出発材料)にも同様に適用されることを理解されたい。
【0091】
この調製方法において、出発材料(b)は、式:[RNR [X]を有する第四級アンモニウム化合物であり、式中、Rはアミン反応性基であり、各Rは、上記のような、独立して選択された、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、Xは、シロキサンカチオン性界面活性剤(b)に関して上述したようなアニオンである。
【0092】
アミン反応性基Rは特に限定されず、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)とから、シロキサンカチオン性界面活性剤(b)を調製するのに好適な任意の基を含み得る。より具体的には、Rは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)のアルキル化可能なアミンと(例えば、カップリング反応において)反応させて、第四級アンモニウム化合物(b)とアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)との間に共有結合を形成することができる基である。特に、本明細書の説明を考慮して当業者によって理解されるように、アミン反応性基Rは、シロキサンカチオン性界面活性剤の連結基Dを形成する。アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)のカップリング反応は、アミン反応性基Rの特定の選択されたもの、及びそれとのアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)のアルキル化可能なアミンの反応に基づいて分類、特徴付け、又は他のやり方で記載され得る。好適なカップリング反応の例としては、求核置換、開環付加、縮合、求核付加(例えば、マイケル付加)、アルキル化など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。当業者は、そのようなカップリング反応が、範囲で重複し得ることを容易に理解するであろう。その結果、異なるカップリング反応が同様に分類/特徴付けられ得る。
【0093】
したがって、アミン反応性基Rは、縮合性の官能基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、又は無水物基)、又は加水分解性及びその後の縮合性を有する基)、置換可能な官能基(例えば、当該技術分野で「脱離基」として理解される、ハロゲン原子、又はひとたび脱離すると、イオン形態で安定な他の基、又はそのような脱離基を含む官能基、例えばエステル、無水物、アミド、又はエポキシドなどの官能基、求電子性の官能基(例えば、イソシアネート又はエポキシド)、又はこれらの様々な組み合わせを含み得るか、あるいはそのようなものであり得る。あるいは、アミン反応性基Rは、エポキシド基又はハロゲン原子、あるいはエポキシ基を含んでもよい。
【0094】
あるいは、第四級アンモニウム化合物(b)の式におけるアミン反応性基Rは、式CH(O)CH-D-を有するエポキシド官能基であり、その結果、第四級アンモニウム化合物(b)のテトラ(オルガノ)アンモニウムカチオン部分が、以下の式:
【0095】
【化29】

[式中、各Rは、独立して選択され、上記で定義されたとおりであり、Dは、二価連結基である]を有する。
【0096】
大略的に、Dは、任意選択で、例えば、アルコキシ基、シロキシ基、シリル基、アミノ基、アミド基、アセトキシ基、及びアミノキシ基で改質又は置換され得る、二価の置換又は非置換炭化水素基から選択される。Dは、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。一部の実施形態では、Dは、C~C20炭化水素基である。しかし、Dは、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、又はS、あるいはO又はN)を有する骨格を含む炭化水素基であり得る。例えば、Dは、エーテル部分を含む骨格を有する炭化水素であり得る。あるいは、Dは、アミン反応性基Rが、グリシジルエーテルを含むように選択され得る。あるいは、Dは、メチレン又はエチレンなどのアルキレン基であり得る。あるいは、Dは、メチレンであり得、その結果、アミン反応性基Rは、エポキシプロピル基である。
【0097】
あるいは、第四級アンモニウム化合物(b)のテトラ(オルガノ)アンモニウムカチオン部分は、式:
【0098】
【化30】

を有し得、式中、各Rは、独立して選択され、上で定義されたとおりであり、あるいは、各Rは、メチルであり得る。
【0099】
あるいは、第四級アンモニウム化合物(b)の一般式におけるアミン反応性基Rは、式X’’’-D-を有するハロアルキル基であり得、式中、Dは、上記で定義されているとおりであり、X’’’は、塩素又は臭素である。例えば、アミン反応性基Rは、ハロエチル基、ハロプロピル基、ハロブチル基、ハロペンチル基、ハロヘキシル基、ハロヘプチル基、又はハロオクチル基、例えば、そのような基のクロロ又はブロモバージョン(例えば、5-ブロモペンチル又は2-クロロエチル、2-ブロモエチル)、並びにこれらの置換誘導体(例えば、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)を含み得るか、あるいはこれらであり得る。
【0100】
第四級アンモニウム化合物(b)としての使用に好適な化合物の具体例としては、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、(5-ブロモペンチル)トリメチルアンモニウムブロミド、(2-ブロモエチル)トリメチルアンモニウムブロミド、(2-クロロエチル)トリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの組み合わせ(あるいは塩形態、あるいはハロ形態(例えば、ブロモ対クロロ、クロロ対ブロモ)も企図される)が挙げられる。あるいは、(3-カルボキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、[3-(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの組み合わせなど、他の化合物もまた、第四級アンモニウム化合物(b)において、又はそれとして利用され得る。
【0101】
第四級アンモニウム化合物(b)は、反応のために選択される特定のアミン官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)、使用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、反応させられる第四級アンモニウム化合物(b)、及び/又は調製されるシロキサンカチオン性界面活性剤の総量)を含む様々な要因に応じて、当業者によって選択される任意の量で利用され得る。
【0102】
第四級アンモニウム化合物(b)は、調製方法の一部として調製されてもよく、又は他の方法で(すなわち、調製済化合物として)入手されてもよい。第四級アンモニウム化合物(b)中に、又はそれとして使用するのに好適な化合物を調製する方法は、当該技術分野において周知であり、そのような化合物の一部は、様々な供給元から市販されている。更に、第四級アンモニウム化合物(b)を調製することは、調製方法の一部である場合、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との反応の前に、又はその場で(すなわち、例えば、第四級アンモニウム化合物(b)の成分をアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び、任意選択的に、(c)触媒と組み合わせることによって、(b)が形成時に消費されるような、(a)と(b)との反応の間に)行われ得る。
【0103】
成分(a)及び(b)の各々は、入手されても、形成されてもよい。より具体的には、上述したように、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)、第四級アンモニウム化合物(b)の各々は、「そのままで」、すなわち、カチオン性界面活性剤を調製するための反応の準備ができている状態で、提供され得る。あるいは、成分(a)及び(b)のうちのいずれか一方又は両方は、反応の前又は反応中に形成され得る。したがって、一部の実施形態では、調製方法は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び/又は第四級アンモニウム化合物(b)を調製することを含む。特定の実施形態では、調製方法は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)を調製することを含む。
【0104】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)の各々は、未希釈(すなわち、溶媒及び/又は希釈剤などの担体ビヒクルが存在しない)などの任意の形態で利用されても、担体ビヒクル中に配置されてもよい。例えば、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との反応は、担体ビヒクル(例えば、溶媒、希釈剤、及び/又は分散剤)の存在下で実施され得る。担体ビヒクルは、溶媒、流体、油(例えば、有機油及び/又はシリコーン油)、又はこれらの組み合わせを含み得るか、あるいは溶媒、流体、油(例えば、有機油及び/又はシリコーン油)、又はこれらの組み合わせであり得る。出発材料(d)について上述した担体ビヒクルが、調製方法での使用に適している。あるいは、水不混和性溶媒又は流体が使用され得る。
【0105】
利用される場合、担体ビヒクルは、選択される特定のアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)を含む様々な要因に基づいて、それらの所望のカップリング反応を考慮して、選択される。あるいは、担体ビヒクルは、アミン反応性基Rの性質及びタイプ、並びに/又はそれを伴うカップリング反応のタイプに基づいて選択され得る。例えば、調製方法は、水、アルコール、エーテル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はこれらの組み合わせなどの極性成分を含む、担体ビヒクルの存在下で実施されてもよい。同様に、担体ビヒクルの一部は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)、並びに/又は他の成分(利用される場合/利用されるとき)に個別に、成分の混合物と共にまとめて、又は反応混合物と共に一体として添加され得るか、又は別様に組み合わされ得ることが理解されよう。同様に、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び/又は第四級アンモニウム化合物(b)は、反応混合物の任意の1つ以上の他の成分と組み合わせる前、その最中、又はその後に利用される場合には、担体ビヒクルと組み合わせてもよい。反応混合物中に存在する担体ビヒクル/溶媒の総量は、例えば、選択される特定の成分及び採用される反応パラメータを含む様々な要因に基づいて、当業者によって選択されることとなる。
【0106】
あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)は、担体ビヒクルを含まなくても、あるいは実質的に含まなくてもよい。一部のそのような実施形態では、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)、第四級アンモニウム化合物(b)、調製中のシロキサンカチオン性界面活性剤、及び/又は反応混合物の任意の1つ以上の他の成分と反応する担体ビヒクル/揮発性物質を含まなくても、あるいは実質的に含まなくてもよい。例えば、調製方法は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)を反応混合物の任意の1つ以上の他の成分と組み合わせる前に、それらから揮発性物質及び/又は溶媒を除去することを含んでもよい。揮発性物質を除去するための技術は、当該技術分野において既知であり、加熱、乾燥、減圧/真空の印加、溶媒との共沸、吸着(例えば、モレキュラーシーブを利用する)、及びこれらの組み合わせを伴う、ストリッピング及び/又は蒸留を含み得る。あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)の反応は、いかなる担体ビヒクルも溶媒も存在しない条件下で実行され得、すなわち、その結果、反応中、反応混合物中には何らの担体ビヒクルも溶媒も存在しない(例えば、反応混合物は、溶媒を含まず、あるいは実質的に含まない)。上記にもかかわらず、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)のうちの一方又は両方は、例えば、反応混合物の任意の他の成分を担持する、溶解させる、又は分散させるのに十分な量の流体として利用される場合には、担体であり得る。
【0107】
使用されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)の相対量は、例えば、選択される特定のアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)、第四級アンモニウム化合物(b)、及び使用される反応パラメータ、例えば、触媒又は他の成分が利用されるかどうか、に基づいて、変化し得る。典型的には、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)の一方の過剰量(例えば、モル量及び/又は化学量論量)が、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)又は第四級アンモニウム化合物(b)を完全に変換又は消費するために、例えば、それらから形成される反応生成物の精製を単純化するために、利用される。例えば、ある実施形態では、第四級アンモニウム化合物(b)は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)を相対的に過剰に利用して、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)のアルキル化を最大化して、そこからシロキサンカチオン性界面活性剤を調製する。(例えば、第四級アンモニウム化合物(b)の最大消費が望ましい場合、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)のアルキル化に制限を加えることが望まれる場合など)代わりに、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、第四級アンモニウム化合物(b)を過剰に使用することができることを理解されたい。
【0108】
当業者によって理解されるように、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)とのアルキル化/カップリングは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)内のアルキル化可能なアミノ基(例えば、N-H基)の数に基づいて、理論上の最大値で生じる。特に、上記のアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)の一般式を参照すると、式-NHRのアミン部分は、Rが、非置換ヒドロカルビル基であるときに、1回アルキル化され得る。RがHである場合には2回アルキル化され得る。更に、二価連結基Dが、式-D-NH-D-のアミノ置換炭化水素部分である場合、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、別のアルキル化可能なアミノ基を含む。したがって、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、R及び二価連結基Dの選択に応じて、1つ、あるいは2つ、あるいは3つのアルキル化可能なアミノ基を含み得る。これらのアルキル化可能なアミノ基の各々は、アミン反応性基Rのうちの1つと反応させることができ、その結果、理論的に完全な(すなわち、最大の)アルキル化反応を達成するためには、1モル当量の第四級アンモニウム化合物(b)が、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)の、全てのアルキル化可能なアミノ基ごとに必要とされるようになる。同様に、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との反応の理論上の最大化学量論比は、1:1の[N-H]:[R]であり、式中、[N-H]は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)のアルキル化可能なアミノ基の数を表し、[R]は、第四級アンモニウム化合物(b)のアミン反応性基Rの数を表し、これは一般に1に固定される。このように、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)は、典型的には、10:1~1:10、あるいは8:1~1:8、あるいは6:1~1:6、あるいは4:1~1:4、あるいは2:1~1:2、あるいは1:1の[N-H]:[R]の化学量論比で反応させられ、式中、[N-H]及び[R]は、上記で定義したとおりである。あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)は、10:1~1:10、あるいは8:1~1:8、あるいは6:1~1:6、あるいは4:1~1:4、あるいは2:1~1:2、あるいは1:1.5の(a):(b)のモル比で反応させられる。
【0109】
しかしながら、上記の特定の範囲外の比も利用され得ることが理解されよう。例えば、第四級アンモニウム化合物(b)は、反応中に第四級アンモニウム化合物(b)が担体(すなわち、溶媒又は希釈剤)として使用されるときなどに、総過剰量で(例えば、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)の化学量論量又はモル量の5倍以上、あるいは10倍以上、あるいは15倍以上、あるいは20倍以上の量で)使用され得る。あるいは、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)は、反応中にアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)が担体(すなわち、溶媒又は希釈剤)として使用されるときなどに、総過剰量で(例えば、第四級アンモニウム化合物(b)の化学量論量又はモル量の5倍以上、あるいは10倍以上、あるいは15倍以上、あるいは20倍以上の量で)使用され得る。いずれにせよ、当業者は、本明細書に記載されるシロキサンカチオン性界面活性剤を調製するために、上述の理論上の最大反応性比、任意の担体ビヒクルの存在、及び利用される特定の成分を含む、様々な成分の特定の量及び比を容易に選択するであろう。
【0110】
あるいは、調製方法は、(c)触媒の存在下で、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)を反応させることを含み得る。触媒(c)を含めることは、典型的には、第四級アンモニウム化合物(b)のアミン反応性基Rの選択に基づく。同様に、触媒(c)において又は触媒(c)として使用するために選択された特定のタイプの、又は具体的な化合物は、選択された特定のアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)に基づいて、当業者によって容易に選択されるであろう。より具体的には、触媒(c)は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)とのカップリングを触媒するように選択され、したがって、利用される第四級アンモニウム化合物(b)の特定のアミン反応性基R及び所望のカップリング反応のタイプに基づいて選択される。このように、触媒(c)は、特に限定されず、本明細書の説明を考慮して当業者によって理解されるように、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との(例えば、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)のアルキル化可能アミンと第四級アンモニウム化合物(b)のアミン反応性基Rとの反応/それらを含む反応を介した)カップリングを促進するのに適した任意の化合物を含むか、又はそのような化合物であり得る。例えば、触媒(c)は、開環付加、求核置換、求核付加、アルキル化、縮合、及びそのような反応の組み合わせを含む反応を促進するものから選択され得る。
【0111】
あるいは、触媒(c)は、無機又は有機の塩基又は酸(すなわち、酸型又は塩基型の触媒)、ルイス酸又はルイス塩基など、酸触媒又は塩基触媒を含んでもよく、あるいはそれらであってもよい。あるいは、触媒(c)は、金属原子を含んでもよく、あるいは金属原子を実質的に含まなくてもよく、あるいは金属原子を含まなくてもよい。当業者によって理解されるように、酸/塩基型触媒を利用して、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)を、開環反応、求核置換、求核付加、又は縮合を介して結合させることができる。
【0112】
触媒(c)において又は触媒(c)としての使用に好適な酸/塩基型触媒の例としては、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム((CHNOH)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、スルホン酸、硫酸(HSO)、カルボン酸、鉱酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、触媒(c)は、塩酸(HCl)、硝酸(HNO)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、ホウ酸(HBO)、フッ化水素酸(HF)、臭化水素酸(HBr)、過塩素酸(HClO)、又はこれらの組み合わせなど、鉱酸を含み得るか、又はこれらであり得る。あるいは、鉱酸は、アニオンX(又はX’)に基づいて選択されてもよい。例えば、ある特定の実施形態では、アニオンはClであり、触媒(c)は塩酸を含むか、あるいは塩酸である。
【0113】
触媒(c)において、又は触媒(c)として使用するのに好適な化合物を調製する方法は、当該技術分野において周知であり、本明細書に列挙される化合物の多くは、様々な供給元から市販されている。したがって、触媒(c)は、調製方法の一部として調製されてもよく、又は他の方法で(すなわち、調製済化合物として)入手されてもよい。更に、触媒(c)の調製は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との反応の前に、又はその場で(すなわち、例えば、触媒(c)の成分を(a)及び/又は(b)と組み合わせることによって、(a)と(b)との反応中に)行われてもよい。
【0114】
触媒(c)は、未希釈(すなわち、溶媒又は希釈剤などの担体ビヒクルが存在しない)など、任意の形態で利用されてもよく、又は溶媒若しくは希釈剤(例えば、上記で列挙したもののいずれかなど)などの担体ビヒクル中に配置されてもよい。あるいは、触媒(c)は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)、触媒(c)自体(すなわち、少なくとも(a)及び(b)と組み合わされるまで)、並びに/又は調製中のシロキサンカチオン性界面活性剤と反応する、水及び/又は担体ビヒクル/揮発性物質が存在しない形態で利用されてもよい。例えば、調製方法は、揮発性物質及び/又は溶媒(例えば、水又は有機溶媒)を触媒(c)から除去することを含んでもよい。揮発性物質を除去するための技術は、当該技術分野において既知であり、加熱、乾燥、減圧/真空の印加、溶媒との共沸、モレキュラーシーブを利用した吸着、及びこれらの組み合わせを含み得る。あるいは、触媒(c)は、担体ビヒクル中の溶液又は懸濁液として利用されてもよい。例えば、触媒(c)は、HCl(水溶液)などの鉱酸の水溶液を含み得る。
【0115】
触媒(c)は、任意の量で利用され得、この量は、例えば、選択された特定の触媒(c)(例えば、その活性成分の濃度/量、利用される触媒のタイプ、及び実施されるカップリング反応のタイプ)、使用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)の総量)に依存して、当業者によって選択される。反応において利用されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び/又は第四級アンモニウム化合物(b)をカップリングするための触媒(c)のモル比は、シロキサンカチオン性界面活性剤を調製するためのそれらのカップリングの速度及び/又は量に影響を及ぼし得る。したがって、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び/又は第四級アンモニウム化合物(b)をカップリングするために比較した触媒cの量、並びにそれらの間のモル比は、変動し得る。典型的には、これらの相対量及びモル比は、(例えば、反応の経済的効率の増加、及び/又は形成される反応生成物の精製の簡易性の増加のために)触媒(c)の充填量を最小限に抑えながら、(a)及び(b)の反応を最大化するように選択される。しかしながら、触媒(c)は、利用されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)をカップリングする総量に基づいて(すなわち、重量/重量)、0.000001~50%の量で利用されてもよい。例えば、触媒(c)は、利用されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)をカップリングする総量に基づいて、0.000001~40%、あるいは0.000001~20%、あるいは0.000001~10%、あるいは0.000002~5%、あるいは0.000002~2%、あるいは0.000002~0.5%、あるいは0.00001~0.5%、あるいは0.0001~0.5%、あるいは0.001~0.5%、あるいは0.01~0.5%の量で使用され得る。あるいは、触媒(c)は、利用される第四級アンモニウム化合物(b)をカップリングする総量に基づいて(すなわち、重量/重量)、反応において0.000001~50%の量で利用され得る。例えば、触媒(c)は、利用される第四級アンモニウム化合物(b)の総量に基づいて、0.000001~40%、あるいは0.000001~20%、あるいは0.000001~10%、あるいは0.000002~5%、あるいは0.000002~2%、あるいは0.000002~0.5%、あるいは0.00001~0.5%、あるいは0.0001~0.5%、あるいは0.001~0.5%、あるいは0.01~0.5%の量で使用され得る。これらの範囲外の比率も同様に利用され得ることが理解されよう。
【0116】
あるいは(例えば、架橋反応のタイプが化学量論的充填量を決定する場合)、利用される触媒(c)の量は、当業者によって理解されるように、反応の1つ以上の成分に基づくモル比で選択及び/又は決定され得る。触媒(c)は、利用されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)、又は第四級アンモニウム化合物(b)の総量に基づいて、0.001~50モル%の量で反応混合物中で利用され得る。例えば、触媒(c)は、利用される(a)の総量、利用される(b)の総量、又は利用される(a)及び(b)の総量(すなわち、組み合わされた量)に基づいて、0.005~40モル%、あるいは0.005~30モル%、あるいは0.005~20モル%、あるいは0.01~20モル%の量で使用され得る。しかしながら、これらの範囲外の比も利用され得ることが理解されよう。
【0117】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)とを反応させることは、概して、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)とを組み合わせることを含む。別の言い方をすれば、(a)と(b)とを組み合わせること以外に、還元反応に必要とされる積極的工程は概ね存在しないが、様々な任意選択による工程が本明細書に記載されている。
【0118】
典型的には、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)、並びに任意選択的に(c)を反応器中で反応させて、シロキサンカチオン性界面活性剤を調製する。以下に記載されるように、反応が高温又は低温で実施されるとき、反応器は、例えば、ジャケット、マントル、交換器、浴、又はコイルを介して、任意の好適な様式で加熱又は冷却されてもよい。
【0119】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)、並びに任意選択的に触媒(c)は、反応器に一緒に若しくは別々に供給されてもよく、又は任意の添加の順番で、かつ任意の組み合わせで反応器内に配給されてもよい。例えば、(b)及び(c)は、(a)を入れた反応器に添加されてもよく、(b)及び(c)は、任意選択的に、添加前に最初に組み合わされてもよく、又は反応器に順次添加されてもよい(例えば、(c)次いで(b))。あるいは、(c)は、(a)及び(b)を入れた容器に、事前に作製された触媒として、又はその場で触媒(c)を形成するための個々の成分として添加されてもよい。概して、本明細書における「反応混合物」への言及は、全般的に、(a)、(b)、及び任意選択的に(c)(それが用いられる場合には)を含む(例えば、上述のような成分を組み合わせることによって得られるような)混合物を指す。
【0120】
調製方法は、反応混合物を撹拌することを更に含み得る。撹拌は、例えば、反応混合物において組み合わされたときに、(a)、(b)、及び任意選択的に(c)をより一層混合及び接触させることができる。このような接触は独立して、撹拌を伴って(例えば、並行して又は順次)、又は撹拌を伴わずに(すなわち、独立して、あるいはその代わりに)、他の条件を使用することもできる。他の条件は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との接触、したがって反応を増進して、シロキサンカチオン性界面活性剤を形成するように適応され得る。他の条件は、反応収率を向上するための、又はシロキサンカチオン性界面活性剤と共に反応生成物内に含まれる特定の反応副生成物の量を最小限に抑えるための、結果を得るのに有効な条件であり得る。
【0121】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)及び第四級アンモニウム化合物(b)は、均質な条件下又は不均一な条件下、例えば、均質な溶液中又は多相(例えば、二相性)反応において反応させることができる。本明細書の実施例から理解されるように、(a)及び(b)の反応の特定の形態及び条件は、任意選択的に触媒(c)の存在下で、独立して選択される。
【0122】
あるいは、利用される特定の第四級アンモニウム化合物(b)に応じて、(a)及び(b)の反応は、副生成物を生成し得る。これらの副生成物は、ひとたび生成されると、反応混合物から除去され得る。当該技術分野において理解されるように、カップリング反応の一部は、可逆反応であり、それによって副生成物を反応混合物から除去することが、(例えば、反応の平衡をその生成物に向かって選択的に駆動することによって)反応に、シロキサンカチオン性界面活性剤の選択性に関して好ましくかつ/又は全体的な収率に関して影響を及ぼす。副生成物の除去は、蒸留、加熱、減圧/真空の適用、溶媒との共沸、吸着(例えば、モレキュラーシーブを利用する)、及びこれらの組み合わせを、反応中であっても含み得る。
【0123】
あるいは、反応は、高温で行われ得る。高温は、選択される特定のアミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)、選択される特定の第四級アンモニウム化合物(b)、及び選択される反応器(例えば、周囲圧力に開放されているか、密閉されているか、又は減圧下であるか)を含む様々な要因に応じて選択及び制御される。したがって、高温は、選択される反応条件及びパラメータ、並びに本明細書の説明を考慮して、当業者によって容易に選択されるであろう。しかしながら、高温は、25℃(周囲温度)超~300℃、あるいは30~260、あるいは30~250、あるいは35~250、あるいは35~225、あるいは35~200、あるいは40~200、あるいは40~180、あるいは40~160、あるいは45~140、あるいは45~120、あるいは40~120℃であり得る。
【0124】
上記の高温はまた、特に高温及び他の条件(例えば、減圧)の両方が組み合わされて利用される場合、上述した範囲とは異なり得るということを理解されたい。同様に、(a)及び(b)の反応中に、反応パラメータを修正してもよいことも理解されたい。例えば、温度、圧力、及び他のパラメータは、反応中に独立して選択又は修正され得る。これらのパラメータはいずれも、独立して、周囲パラメータ(例えば、室温及び/又は大気圧)及び/又は非周囲パラメータ(例えば、低温若しくは高温及び/又は減圧若しくは高圧)であってもよい。任意のパラメータはまた、動的に変更されてもよく、リアルタイムで、すなわち、反応中に変更されてもよく、又は静的(例えば、反応の持続時間中又はその任意の部分にわたって)であってもよい。
【0125】
シロキサンカチオン性界面活性剤を調製するために(a)と(b)との反応が実行される時間は、スケール、反応パラメータ及び条件、並びに特定の成分の選択を含む様々な要因の関数である。比較的大規模(例えば、1kg超、あるいは5kg超、あるいは10kg超、あるいは50kg超、あるいは100kg超)な場合、反応は、当業者によって容易に決定されるように(例えば、クロマトグラフィー及び/又は分光法を介して、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)の変換又はシロキサンカチオン性界面活性剤の生成を監視することによって)、2~240時間、あるいは2~120時間、あるいは2~96時間、あるいは2~72時間、あるいは2~48時間、あるいは3~36時間、あるいは4~24時間、あるいは6、12、18、24、36、又は48時間などの時間にわたって実行されてもよい。ある実施形態では、反応が実施される時間は、(a)及び(b)が、任意選択的に触媒(c)の存在下で組み合わされた後、0超~240時間、あるいは1~120時間、あるいは1~96時間、あるいは1~72時間、あるいは1~48時間、あるいは1~36時間、あるいは1~24時間、あるいは1~12時間、あるいは2~12時間、あるいは2~8時間である。特定の実施形態では、反応が実行されている間の時間は、0超~10時間であり、例えば1分間~8時間、あるいは5分間~6時間、あるいは10分間~4時間、あるいは30分間~3時間である。
【0126】
一般に、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン(a)と第四級アンモニウム化合物(b)との反応は、シロキサンカチオン性界面活性剤を含む反応生成物を調製する。特に、反応の過程にわたって、(a)及び(b)を含む反応混合物は、増加した量のシロキサンカチオン性界面活性剤及び減少した量の(a)及び(b)を含む。ひとたび反応が完了すると(例えば、(a)及び(b)のうちの1つが消費され、かつ/又は追加のシロキサンカチオン性界面活性剤が調製されていない)、反応混合物は、シロキサンカチオン性界面活性剤を含む反応生成物と称され得る。このように、反応生成物は、典型的には、任意の残りの量の(a)及び(b)、並びに任意選択的に(c)、並びにその分解生成物及び/又は反応生成物(例えば、任意の蒸留、ストリッピング、及び/又は吸着によって以前に除去されなかった副生成物及び/又は他の材料)を含む。反応が任意の担体ビヒクル中で実施される場合、反応生成物はまた、このような担体ビヒクルも含み得る。
【0127】
あるいは、調製方法は、任意選択的に、反応生成物のpHを調整することを更に含み得る。当業者には理解されるように、反応生成物のpHを調整することは、酸又は塩基を添加して、それぞれpHを増加又は減少させることを含む。例えば、pHを調整することは、反応生成物のpHを8以上、あるいは9以上に調整するのに十分な量で酸(例えば、HCl)を添加することを含み得る。あるいは、調製方法は、シロキサンカチオン性界面活性剤の全てではないが一部のアミン基をプロトン化するのに十分な量で酸を添加することを含み、その結果、反応生成物は、緩衝溶液として(すなわち、遊離アミン基及びそのプロトン化形態(例えば、アンモニウムカチオン)の両方を用いて調製される。
【0128】
あるいは、調製方法は、シロキサンカチオン性界面活性剤を反応生成物から単離及び/又は精製することを更に含み得る。本明細書で使用される場合、シロキサンカチオン性界面活性剤を単離することは、典型的には、シロキサンカチオン性界面活性剤の相対濃度を、(例えば、反応生成物又はその精製されたバージョンにおいて)それと組み合わせた他の化合物と比較して高めることと定義される。したがって、当該技術分野で理解されるように、単離/精製は、他の化合物をこのような組み合わせから除去すること(すなわち、例えば、反応生成物中のシロキサンカチオン性界面活性剤と合わせた不純物の量を減少させること)、及び/又はシロキサンカチオン性界面活性剤自体を、組み合わせから取り出すことを含み得る。単離のための任意の好適な技術及び/又はプロトコルが利用され得る。好適な単離技術の例としては、蒸留、ストリッピング/蒸発、抽出、ろ過、洗浄、分配、相分離、クロマトグラフィー、吸着、及びこれらの組み合わせが挙げられる。当業者によって理解されるように、これらの技術のいずれかは、任意の別の技術と組み合わせて(すなわち、順次に)使用されて、シロキサンカチオン性界面活性剤を単離し得る。単離は、シロキサンカチオン性界面活性剤の精製を含み得、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤の精製と称され得ることを理解されたい。しかしながら、カチオン性界面活性剤の精製は、シロキサンカチオン性界面活性剤の単離に利用されるものと比較して、代替的かつ/又は追加の技術を含み得る。選択される特定の技術に関係なく、シロキサンカチオン性界面活性剤の単離及び/又は精製は、反応自体と連続して(すなわち、インラインで)実施され得、したがって自動化され得る。他の事例では、精製は、シロキサンカチオン性界面活性剤を含む反応生成物に施される独立した手順であり得る。
【0129】
あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤を単離することは、例えば、追加の有機溶媒又は水性溶媒をそれに添加して、反応生成物を分配及び/又は相分離することによって、担体ビヒクルの溶解度プロファイルを変えることを含み得る。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤を単離することは、反応生成物の他の成分をろ過して取り除く(すなわち、シロキサンカチオン性界面活性剤が残留物/固体中に存在する場合)ことを含み得る。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤を単離することは、反応生成物の他の成分を、(例えば、有機及び/又は水性溶媒を用いて)シロキサンカチオン性界面活性剤から洗い流すことを含み得る。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤を単離することは、それから溶媒及び/又は他の揮発性成分をストリッピングすることを含み得、これは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)を乾燥させることを包含する。
【0130】
上記のように調製され、フォーム安定化組成物中で使用されるシロキサンカチオン性界面活性剤b)の量は、調製される組成物の形態、その所望の用途、及びその中に存在する他の出発材料を含む様々な要因に依存する。例えば、当業者は、組成物が濃縮物として配合される場合、シロキサンカチオン性界面活性剤b)が非濃縮形態と比較してより高い相対量で存在することを理解するであろう。したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤b)は、コロイダルシリカ:シロキサンカチオン性界面活性剤の重量比、すなわち、出発材料c)である有機カチオン性界面活性剤が存在しない場合、1:10-4~1:1、あるいは1:10-4~1:0.1のa):b)の重量比(重量:重量)を提供するのに十分な量でフォーム安定化組成物中に存在し得る。あるいは、出発材料b)及びc)の場合、すなわち、a:(b+c)は、1:10-4~1:1、あるいは1:10-4~1:0.1である。
【0131】
c)有機カチオン性界面活性剤
上記で紹介されたように、出発材料c)は、任意選択の有機カチオン性界面活性剤、すなわち、対イオンと電荷バランスのとれたカチオン性第四級有機アンモニウム化合物を含む錯体である。有機カチオン性界面活性剤c)は、炭化水素部分及び1つ以上の第四級アンモニウム部分を含み、一般式(c-I):[Z-D-N(Y’)(R)2-b+y[X-xに従い、式中、Zは、非置換ヒドロカルビル基であり、Dは、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bは、1又は2であり、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである。
【0132】
有機カチオン性界面活性剤c)及び式(c-I)に関して、各R、Y’、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつシロキサンカチオン性界面活性剤b)に関して上記で定義されるとおりである。したがって、具体的な選択は、有機カチオン性界面活性剤c)を表す式(c-I)におけるこれらの変数に関して以下に例示されるが、そのような選択が限定的ではなく、むしろR、Y’、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字x、並びにそれらの変数(例えば、第四級アンモニウム部分Y’の二価連結基D、基D、及び二価連結基Dの下付き文字e)の全ての説明であることが理解されよう。
【0133】
式(c-I)において、Zは、非置換ヒドロカルビル基であり、そうでなければ特に限定されない。好適なそのようなヒドロカルビル基の例としては、Rに関して上述した、非置換一価炭化水素部分が挙げられる。したがって、ヒドロカルビル基Zが、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせを含み得るか、あるいはそれであり得ることが理解されよう。同様に、ヒドロカルビル基Zは、エチレン性及び/又はアセチレン性不飽和(すなわち、別の言い方ではそれぞれアルケン及びアルキンとして既知であるC-C二重及び/又は三重結合)を含む、脂肪族不飽和を含み得る。ヒドロカルビル基Zは、1つのみのそのような不飽和基を含み得るか、又は代替的に2つ以上の不飽和基を含み得、これは、非共役型若しくは共役型であり得(例えば、ヒドロカルビル基Zが、例えば、ジエン、エン-イン、又はジインを含む場合)、及び/又は芳香族であり得る(例えば、ヒドロカルビル基Zが、例えば、フェニル基又はベンジル基を含む場合)。
【0134】
あるいは、ヒドロカルビル基Zは、3~18個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル部分であり得る。あるいは、ヒドロカルビル基Zは、アルキル基を含み得る、あるいはヒドロカルビル基Zは、アルキル基であり得る。好適なアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状(例えば、単環式又は多環式)、又はそれらの組み合わせであり得る飽和アルキル基を含む。そのようなアルキル基の例としては、一般式C2f-2g+1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、5~20(すなわち、アルキル基に存在する炭素原子の数)であり、下付き文字gは、独立した環/環状ループの数であり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(c-I)において基Dに結合している。そのようなアルキル基の直鎖状及び分岐状異性体の例(すなわち、アルキル基が下付き文字f=0になるように環状基を含まない場合)としては、一般式C2f+1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、上記で定義されたとおりであり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(c-I)において基Dに結合している。単環式アルキル基の例としては、一般式C2f-1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、上記で定義されたとおりであり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(c-I)において基Dに結合している。
【0135】
そのようなアルキル基の具体例としては、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びエイコシル基が挙げられ、これらの直鎖状、分岐状、及び/又は環式異性体も含まれる。例えば、ペンチル基は、n-ペンチル(すなわち、直鎖異性体)及びシクロペンチル(すなわち、環状異性体)、並びに分岐異性体、例えば、イソペンチル(すなわち、3-メチルブチル)、ネオペンチル(すなわち、2,2-ジメチルプロピル)、tert-ペンチル(すなわち、2-メチルブタン-2-イル)、sec-ペンチル(すなわち、ペンタン-2-イル)、sec-イソペンチル(すなわち、3-メチルブタン-2-イル))、3-ペンチル(すなわち、ペンタン-3-イル)、及び活性ペンチル(すなわち、2-メチルブチル)が包括される。
【0136】
あるいは、ヒドロカルビル基Zは、式-(CHf-1CHの非置換直鎖状アルキル基を含み得るか、あるいはそれであり、式中、下付き文字fは、上述のように5~20であり得る。あるいは、ヒドロカルビル基Zは、そのような非置換直鎖状アルキル基であり得、式中、下付き文字fは、7~19であり、したがって、ヒドロカルビル基Zは、6~18個の炭素原子を有する非置換直鎖状アルキル基である。あるいは、下付き文字bは、7、9、11、又は13であり得、したがって、ヒドロカルビル基Zは、それぞれ、6、8、10、又は12個の炭素原子を有する非置換直鎖状アルキル基であり得る。
【0137】
下付き文字bは、1又は2である。シロキサンカチオン性界面活性剤b)の下付き文字aに関する説明を考慮して当業者には理解されるように、下付き文字bは、部分式-N(Y’)(R)2-bで表される有機カチオン性界面活性剤c)の第四級アンモニウム-置換アミノ部分が、第四級アンモニウム基Y’(すなわち、部分式(-D-NR )の基)のうちの1つ又は2つを有するか否かを示す。同様に、そのような第四級アンモニウム基Y’の各々のように、下付き文字bは、部分bで示される第四級アンモニウム基Y’からカチオン電荷のバランスをとるのに必要な対アニオンの数(すなわち、以下に説明されるようなアニオンXの数)も示す。
【0138】
下付き文字bが、有機カチオン性界面活性剤c)の各カチオン性分子において1又は2であるが、有機カチオン性界面活性剤c)が、式(c-I)に対応するが、互いに異なる(例えば、下付き文字bに関して)カチオン性分子の混合物を含み得ることを理解されたい。したがって、下付き文字bは、1又は2であるが、有機カチオン性界面活性剤c)を含む混合物は、1.5の平均値などの1~2のbの平均値を有し得る(例えば、b=1の場合の有機カチオン性界面活性剤c)のカチオン性分子と、b=2の場合の有機カチオン性界面活性剤c)の分子との50:50混合物から)。
【0139】
更に有機カチオン性界面活性剤c)及び式(c-I)に関して、上記で紹介されたように、Dは、共有結合又は二価連結基を表す。参照を明確かつ容易にするために、Dは、より具体的には、例えば、Dが共有結合又は二価連結基である場合に、それぞれ、「共有結合D」、又は「二価連結基D」と称され得る。両方の選択は、以下に記載及び例示される。
【0140】
あるいは、Dは、共有結合であり得(すなわち、有機カチオン性界面活性剤c)は、共有結合Dを含む)、したがって、ヒドロカルビル部分Zは、アミノN原子に直接結合しており、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:[Z-N(Y’)(R)2-b+y[X-xによって表され得、式中、各Z、Y’、R、X、下付き文字b、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、ヒドロカルビル部分Zは、有機カチオン性界面活性剤c)のアミノN原子に直接結合したアルキル基であり得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式を有し、
[(C2f+1)-N(Y’)(R)2-b+y[X-x、式中、下付き文字b、下付き文字f、Y’、R、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、下付き文字fは、6~14、あるいは6~12など、6~18であり得る。
【0141】
あるいは、Dは、二価連結基結合であり得る(すなわち、有機カチオン性界面活性剤c)は、二価連結基Dを含む)。二価連結基Dは、特に限定されず、一般に、二価連結基Dに関して上述した同じ基から選択される。したがって、二価連結基Dは、二価炭化水素基から選択され得る。そのような炭化水素基の例としては、Rに関して上述したもののうちの任意のものなどの、上述のヒドロカルビル基又は炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、二価連結基Dに好適な炭化水素基が、置換若しくは非置換、直鎖状、分岐状、及び/又は環状であり得、有機カチオン性界面活性剤c)及び/又はシロキサンカチオン性界面活性剤b)中の任意の他の連結基と同じであっても異なってもよいことが理解されよう。
【0142】
あるいは、二価連結基Dは、直鎖状又は分岐状のアルキル基及び/又はアルキレン基を含み得るか、あるいはそのような基であり得る。あるいは、二価連結基Dは、C~C18炭化水素部分、例えば、Dに関して上記で定義された、式-(CH-(すなわち、式中、下付き文字dが1~18である)を有する直鎖状炭化水素部分を含み得るか、あるいはそれであり得る。あるいは、下付き文字dは、1~16、あるいは1~12、あるいは1~10、あるいは1~8、あるいは1~6、あるいは2~6、あるいは2~4であり得る。あるいは、下付き文字dは、3であり得、したがって、二価連結基Dは、プロピレン(すなわち、3個の炭素原子の鎖)を含む。Dに好適な各アルキル及び/又はアルキレン基が、独立して、非置換及び非分岐状、又は置換及び/若しくは分岐状であり得ることも理解されよう。あるいは、二価連結基Dは、非置換アルキレン基を含み得るか、あるいは非置換アルキレン基であり得る。あるいは、二価連結基Dは、置換アルキレン基など、置換炭化水素基を含み得るか、あるいは置換炭化水素基であり得る。例えば、二価連結基Dは、骨格が、例えば、エーテル部分又はアミン部分を含むように、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、又はP)を有する炭素骨格を含み得る。
【0143】
あるいは、二価連結基Dは、アミノ置換炭化水素基(すなわち、窒素置換炭素鎖/骨格を含む炭化水素)を含み得るか、あるいはアミノ置換炭化水素基であり得る。例えば、二価連結基Dは、式-D-N(R)-D-を有するアミノ置換炭化水素であってもよく、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式によって表され得、
[Z-D-N(R)-D-N(Y’)(R)2-b+y[X-x、式中、各Dは、独立して選択された二価連結基であり、Rは、Y’又はHであり、各Z、Y’、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0144】
上記で紹介されたように、アミノ置換炭化水素の二価連結基の各Dは、独立して選択される。典型的には、各Dは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)の二価連結基Dに関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択されたアルキレン基を含む。例えば、各Dは、2~8個、あるいは2~6個、あるいは2~4個の炭素原子など、1~8個の炭素原子を有するアルキレン基から独立して選択され得る。あるいは、各Dは、プロピレン(すなわち、-(CH-)であり得る。しかしながら、一方又は両方のDは別の二価連結基であり得るか、又はそれを含み得ることが理解されるであろう(すなわち、上記に記載されるアルキレン基を除く)。更に、各Dは、置換又は非置換、直鎖状又は分岐状、及びそれらの様々な組み合わせであり得る。
【0145】
上記でも紹介されたように、アミノ置換炭化水素のRは、H又は第四級アンモニウム部分Y’(すなわち、上に記載したように、式-D-NR を有する)である。例えば、Rは、Hであり得、その結果、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:[Z-D-NH-D-N(Y’)(R)2-b+y[X-xによって表され得、式中、各Z、D、Y’、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、上付き文字yは、下付き文字bにより制御される、1又は2であり得る。より具体的には、第四級アンモニウム部分Y’の数は、1又は2として下付き文字bによって制御され、それぞれ、+1又は+2の総カチオン電荷を提供する。したがって、上付き文字xも、有機カチオン性界面活性剤c)が電荷バランスをとるように、1又は2である。
【0146】
あるいは、Rは、Y’であり得、その結果、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:[Z-D-NY-D-N(Y’)(R)2-b+y[X-xによって表され得、式中、各Z、D、Y、Y’、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、上付き文字yが2又は3であるように、y=b+1である。より具体的には、第四級アンモニウム部分の数は、RのY’、並びに下付き文字bによって制御される1つ又は2つの第四級アンモニウム部分Y’を含み、それぞれ、+2又は+3の総カチオン電荷を提供する。したがって、上付き文字xは、有機カチオン性界面活性剤c)が電荷バランスをとるように、1、2、又は3である。例えば、下付き文字bは1であり得、Xはモノアニオン性であり得、その結果、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0147】
【化31】

を有し、式中、各Z、D、R、D、R、及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)は、b=2であること以外は直前に説明したように構成され得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0148】
【化32】

を有し、式中、各Z、D、D、R、及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0149】
あるいは、Dは、共有結合であり得、Zは、直鎖状アルキル基であり得、下付き文字bは、1であり得、Rは、Hであり得、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり得、各Rは、メチルであり得、Xは、モノアニオンであり得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0150】
【化33】

を有し、式中、下付き文字fは、5~17(例えば、あるいは5~11、あるいは5~9)であり、Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)は、下付き文字b=2であること以外は直前に説明したのと同じように構成され得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0151】
【化34】

を有し、式中、各Xは、上記で定義及び以下で記載されるとおりである。
【0152】
あるいは、Zは、3~13個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基であり得、二価連結基Dは、各Dがプロピレンであり得、RがHであり得るアミノ置換炭化水素であり得、下付き文字bは、1であり得、Rは、Hであり得、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり得、各Rは、メチルであり得、Xは、モノアニオンであり得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0153】
【化35】

を有し、式中、下付き文字f及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)は、下付き文字b=2であること以外は直前に説明したのと同じように構成され得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0154】
【化36】

を有し、式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)は、Rが第四級アンモニウム部分Y’であること以外は直前に説明したのと同じように構成され得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0155】
【化37】

を有し、式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)は、下付き文字b=1であり、RがHであること以外は直前に説明したのと同じように構成され得、したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、以下の式:
【0156】
【化38】

を有し、式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0157】
あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)の各アニオンXは、1~3の原子価を有する無機アニオンである。そのようなアニオンの例としては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、6~18個の炭素原子を有するアリールスルホネート、硝酸アニオン、亜硝酸アニオン、及びホウ酸アニオンなどのモノアニオン、例えばサルフェート及び亜硫酸イオンなどのジアニオン、及びホスフェートなどのトリアニオンが挙げられる。あるいは、各Xは、ハロゲン化物アニオンであってもよい。あるいは、各Xは、塩化物(すなわち、Cl)であってもよい。
及び、以下の式(c-i)~(c-iii)のうちの1つを有する有機カチオン性界面活性剤c):
【0158】
【化39】
【0159】
有機カチオン性界面活性剤c)は、構造、分子量、分岐度、及びカチオン性第四級アンモニウム基Y’の数(例えば、下付き文字bが平均値を表す場合)などの少なくとも1つの特性が異なる、上記一般式(c-I)で表される組み合わせ又は2つ以上の異なる有機カチオン性界面活性剤を含み得る。有機カチオン性界面活性剤は、参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月30日に出願された米国特許仮出願第62/955192号に記載の方法によって調製されてもよい。有機カチオン性界面活性剤の調製方法は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンの代わりに有機アミン化合物を使用することによって、シロキサンカチオン性界面活性剤について上述したとおりであってもよい。
【0160】
有機カチオン性界面活性剤c)は任意選択であり、調製される組成物の形態、その所望の用途、及びその中に存在する他の出発材料を含む様々な要因に依存して、フォーム安定化組成物中に任意の量で利用され得る。例えば、当業者は、フォーム安定化組成物が濃縮物として配合される場合、有機カチオン性界面活性剤c)が非濃縮形態(例えば、水性皮膜形成フォーム組成物)と比較してより高い相対量で存在することを理解するであろう。したがって、有機カチオン性界面活性剤c)は、組成物の総重量に基づいて、0.001%~60%の量などの任意の量で組成物中に存在し得る。有機カチオン性界面活性剤c)が存在する場合、組成物は、最終使用組成物(すなわち、使用可能なフォーム安定化組成物を含む任意の完全に配合された組成物)に、最終使用組成物の総重量に基づいて、0.01%~1%%の有機カチオン性界面活性剤c)(すなわち、0.01%~1%の有機カチオン性界面活性剤c)の活性量)を提供するのに十分な量で、有機カチオン性界面活性剤c)を含み得る。例えば、有機カチオン性界面活性剤c)は、組成物又はそれを含む最終使用組成物の総重量に基づいて、0.1%~1%、あるいは0.1%~0.9%、あるいは0.1%~0.7%、あるいは0.2%~0.7%、あるいは0.2%~0.5%など、0.05%~1%の活性量で利用され得る。あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)は、組成物中で10-4:1~0.1:1の有機カチオン性界面活性剤:コロイダルシリカ(c:a)の重量比を提供するのに十分な量で使用され得る。
【0161】
シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び、存在する場合、有機カチオン性界面活性剤c)の各々は、独立して選択され、したがって、式(b-I)、(b-II)、及び(c-I)の各変数は、同じ基/部分を表す場合であっても、及び/又は同じ定義を有する場合であっても、独立して選択される。しかしながら、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)は、式(b-I)、(b-II)、及び(c-I)の1つ以上の変数に関して同様の方式で構成されてもよい。例えば、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)の各Rは、メチルであり得る。あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)の各Dは、独立して、以下の式のうちの1つのヒドロキシプロピレン基であり得る:
【0162】
【化40】
【0163】
あるいは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)の各アニオンXは、同じであり得る。例えば、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)の各Xは、ハロゲン化物アニオン、あるいは塩化物(Cl)であり得る。
【0164】
組成物中で利用されるシロキサンカチオン性界面活性剤b)及び、存在する場合、有機カチオン性界面活性剤c)の相対量は、例えば、選択される特定のシロキサンカチオン性界面活性剤b)、選択される特定の有機カチオン性界面活性剤c)、及び別の出発材料が組成物中で利用されるか否かを含む様々な要因に依存して、変動する。
【0165】
有機カチオン性界面活性剤c)が存在する場合、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)は、8:1~1:8、あるいは6:1~1:6、あるいは4:1~1:4、あるいは2:1~1:2、あるいは1:1など、10:1~1:10のb):c)の比で利用され得る。例えば、組成物は、シロキサンカチオン性界面活性剤b)に対して過剰量の有機カチオン性界面活性剤c)を含み得、その結果、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)は、1:1.1~1:10、あるいは1:1.5~1:10、あるいは1:2~1:10、あるいは1:3~1:10、あるいは1:4~1:10、あるいは1:5~1:10のb):c)など、1:1未満のb):c)の重量比(すなわち、重量:重量)で利用される。
【0166】
あるいは、組成物は、有機カチオン性界面活性剤c)に対して過剰量のシロキサンカチオン性界面活性剤b)を含み得、その結果、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)は、1.1:1~10:1、あるいは1.5:1~10:1、あるいは2:1~10:1、あるいは2:1~8:1、あるいは2:1~6:1、あるいは2:1~5:1のb):c)など、1:1超のb):c)の重量比(すなわち、重量:重量)で利用される。しかしながら、上記の特定の範囲外の比も利用され得ることが理解されよう。例えば、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)のうちの一方は、他方が全体的に過剰して(例えば、他方の量より≧5、代替的に≧10、代替的に≧15、代替的に≧20倍の量で)利用され得る。
【0167】
追加の出発材料
フォーム安定化組成物は、水を更に含み、任意選択的に、水に加えて追加の担体ビヒクル(例えば、溶媒、希釈剤、又は分散剤)を更に含んでもよい。使用される場合、担体ビヒクルは、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び、存在する場合は、有機カチオン性界面活性剤c)の種、組成物中の任意の他の出発材料、並びに組成物の所望の最終用途などの様々な要因に応じて選択される。
【0168】
溶媒の例としては、水性溶媒、水混和性有機溶媒、及びそれらの組み合わせが挙げられる。水性溶媒の例としては、水並びに水と混和性のある極性及び/又は荷電(すなわち、イオン)溶媒が挙げられる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、及びn-プロパノールなどのアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、及びエチレングリコールn-ブチルエーテルなどのグリコールエーテルを含むものが挙げられる。
【0169】
あるいは、組成物は、(d-1)溶媒を含み得る。溶媒(d-1)は、組成物への特定の出発材料の導入、出発材料の混合及び/又は均質化を容易にし得る。同様に、特定の溶媒(d-1)は、出発材料b)及び/又は組成物中で利用される他の出発材料の溶解度、溶媒の揮発性(すなわち、蒸気圧)、並びに組成物の最終用途に基づいて選択される。溶媒は、水を含み得る。溶媒(d-1)は、コロイダルシリカa)を分散させ、シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び任意の追加の出発材料を溶解又は分散させて均質な組成物を形成するのに十分であるべきである。したがって、組成物で使用するための溶媒は、一般に、出発材料a)及びb)、並びに/又は組成物の別の出発材料の流動化及び/又は溶解に好適な上述の担体ビヒクルのうちのいずれかから選択され得る。当業者には理解されるように、有機溶媒は組成物中で利用され得るが、そのような有機溶媒は、典型的には、特に有機溶媒が可燃性である場合に、組成物又はそれを含む最終使用組成物を利用する前に除去される。
【0170】
あるいは、担体ビヒクルは、水性溶媒であり得、水を含むか、あるいは水から本質的になるか、あるいは水である。水は特に限定されない。例えば、蒸留水及びイオン交換水などの精製水、生理食塩水、リン酸緩衝液水溶液、若しくは水のpHを7~10、あるいは9~10にするのに十分な塩基を含有する水、又はこれらの組み合わせを使用することができる。あるいは、担体ビヒクルは、水、及び水混和性溶媒などの少なくとも1つの他の溶媒(すなわち、共溶媒)を含み得る。そのような共溶媒の例としては、上述の水混和性担体ビヒクルのいずれかが挙げられ得る。共溶媒の特定の例としては、グリセロール、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ジエチレン及びジプロピレングリコールのエーテル(例えば、メチル、エチル、プロピル、及びブチルエーテル)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0171】
利用される担体ビヒクルの量は限定されず、選択される溶媒の種類、使用されるコロイダルシリカa)、シロキサンカチオン性界面活性剤b)の量及び種類、並びに組成物の形態(すなわち、濃縮組成物、中間組成物、又は最終使用組成物のいずれであるか)を含む様々な要因に依存する。典型的には、利用される担体ビヒクルの量は、組成物の総重量、又はコロイダルシリカa)及びシロキサンカチオン性界面活性剤b)、並びに担体ビヒクル、並びに存在する場合には有機カチオン性界面活性剤c)を合わせた総重量に基づいて、0.1%~99.9%であり得る。あるいは、担体ビヒクルは水を含んでもよく、組成物は、1:1~100:1の水対コロイダルシリカの重量比(重量:重量)(d:a)を含んでもよい。あるいは、担体ビヒクルは、コロイダルシリカa)、シロキサンカチオン性界面活性剤b)、及び担体ビヒクル、並びに存在する場合には有機カチオン性界面活性剤c)の合計重量に基づいて、50%~99.9%、あるいは60%~99.9%、あるいは70%~99.9%、あるいは80%~99.9%、あるいは90%~99.9%、あるいは95%~99.9%、あるいは98%~99.9%、あるいは98.5%~99.9%、あるいは98.5%~99.7%、あるいは98.7%~99.7%の量で利用されてもよい。当業者は、これらの範囲の上限が一般に、利用される(すなわち、最終使用組成物中の)コロイダルシリカa)及びシロキサンカチオン性界面活性剤b)の活性量を反映することを理解するであろう。したがって、これらの範囲外の量も利用してもよい。
【0172】
組成物中で、コロイダルシリカa)、シロキサンカチオン性界面活性剤b)、及び水は、単独で、又は少なくとも1つの追加の出発材料(上記の有機カチオン性界面活性剤c)又は以下に記載の他の追加の出発材料など)と組み合わせて使用され得る。このように、組成物は、1つ以上の追加の出発材料を更に含んでもよい。そのような出発材料が、当該技術分野の異なる用語に分類され得、出発材料がそのような用語に分類されるからといって、それらがその機能にそのように限定されることを意味しないことを理解されたい。更に、これらの出発材料のうちのいくつかは、組成物の特定の成分中に存在し得るか、又は代わりに、組成物を形成するときに組み込まれ得る。典型的には、組成物は、例えば、組成物中の特定の種類及び/又は機能に応じて、任意の数の出発材料を含み得る。
【0173】
例えば、組成物は、e)上記のシロキサンカチオン性界面活性剤b)及び有機カチオン性界面活性剤c)とは異なる追加の界面活性剤、f)レオロジー調整剤、g)pH制御剤、並びにh)フォームエンハンサを含むか、あるいはそれから本質的になるか、あるいはそれからなる1つ以上の出発材料を含んでもよい。
【0174】
組成物は、任意選択的に、追加の界面活性剤e)を更に含んでもよい。追加の界面活性剤e)は、カチオン性界面活性剤b)、及び存在する場合にはc)以外の界面活性剤である。追加の界面活性剤e)はアニオン性ではない。追加の界面活性剤e)は、上述したもののうちのいずれか1つ以上などの、1つ以上のカチオン性、非イオン性、及び/又は両性界面活性剤を含み得る。一般に、追加の界面活性剤e)は、適合性、発泡性、フォーム安定性、フォーム拡散、及び/若しくは排水(例えば、蒸気封止/封じ込め)など、組成物及び/又はそれを含む最終使用組成物のある特定の特性を付与、変更、及び/又は容易にするように選択される。あるいは、界面活性剤e)は、水溶性界面活性剤から選択されてもよい。
【0175】
あるいは、追加の界面活性剤e)は、上記のカチオン性界面活性剤b)及びc)以外の追加のカチオン性界面活性剤を含んでもよく、あるいはそれであってもよい。カチオン性界面活性剤の例としては、様々な脂肪酸アミン及びアミド並びにそれらの誘導体、並びに脂肪酸アミン及びアミドの塩が挙げられる。脂肪族脂肪酸アミンの例としては、ドデシルアミン酢酸塩、オクタデシルアミン酢酸塩、及びタロー脂肪酸のアミンの酢酸塩、ドデシルアナリン(dodecylanalin)などの脂肪酸を有する芳香族アミンの同族体、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、オレイルアミノジエチルアミンなどの二置換アミンから誘導された脂肪族アミド、エチレンジアミンの誘導体、第四級アンモニウム化合物並びにその誘導体として、タロートリメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシドなどのジアルキルジメチルアンモニウムヒドロキシド、タロートリメチルアンモニウムヒドロキシドによって例示されるもの、ヤシ油、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルポリオキシエチレンココアンモニウムクロリド、及びジパルミトイルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、β-ヒドロキシエチルステアリルアミドなどのアミノアルコールのアミド誘導体、長鎖状脂肪酸のアミン塩、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0176】
あるいは、界面活性剤e)は、非イオン性界面活性剤を含んでもよく、あるいは非イオン性界面活性剤であってもよい。非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ラウリル、セチル、ステアリル、又はオクチルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシル化トリメチルノナノール、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン界面活性剤、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(レーキ型又はABn型)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド、ジメチコンコポリオール、ポリオールの脂肪酸エステル、例えばソルビトール及びグリセリルモノ-、ジ-、トリ-及びセスキ-オレエート、及びステアレート、グリセリル及びポリエチレングリコールラウレート;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル(ポリエチレングリコールモノステアレート及びモノラウレートなど)、ソルビトールのポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(ステアレート及びオレエートなど)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。ポリオキシアルキレンシリコーン界面活性剤は、当該技術分野において既知であり、また市販されており、例えば、DOWSIL(商標)502W及びDOWSIL(商標)67添加剤は、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている。
【0177】
あるいは、界面活性剤e)は、両性界面活性剤を含んでもよく、あるいは両性界面活性剤であってもよい。両性界面活性剤の例としては、アミノ酸界面活性剤、ベタイン酸界面活性剤、N-アルキルアミドベタイン及びこれらの誘導体、タンパク質及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシレート及びアルキルアンホアセテート、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。これらの界面活性剤は、また他の供給元から異なる商品名で入手してもよい。
【0178】
追加の界面活性剤e)は、例えば、その特定の形態、追加の界面活性剤e)のために選択される特定の種、コロイダルシリカa)、シロキサンカチオン性界面活性剤b)、及び、存在する場合、有機カチオン性界面活性剤c)の充填量/活性量に応じて、様々な濃度で組成物中に含まれ得る。しかしながら、追加の界面活性剤e)は、シロキサンカチオン性界面活性剤b)の1重量部当たり0~10重量部の量で利用され得る。
【0179】
組成物は、任意選択的に、レオロジー調整剤f)を更に含んでもよい。レオロジー調整剤f)は、特に限定されず、一般に、組成物又はそれを含む最終使用組成物の粘度、流動特性、及び/又はフォーミング特性(すなわち、フォーム形成能力及び/又はフォーム安定性)を変更するように選択される。したがって、レオロジー調整剤f)は、特に限定されず、増粘剤、安定剤、粘度調整剤、チキソトロープ剤、又はそれらの組み合わせを含み得、これらは一般に、天然又は合成増粘化合物から選択される。あるいは、レオロジー調整剤f)は、1つ以上の水溶性及び/又は水相溶性増粘化合物(例えば、水溶性有機ポリマー)を含み得る。
【0180】
レオロジー調整剤f)での使用又はレオロジー調整剤f)としての使用に好適な化合物の例としては、アクリルアミドコポリマー、アクリレートコポリマー、及びそれらの塩(例えば、ナトリウムポリアクリレートなど)、セルロース(例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース)、デンプン(例えば、デンプン及びヒドロキシエチルデンプン)、ポリオキシアルキレン(例えば、PEG、PPG、及びPEG/PPGコポリマー)、カルボマー、アジネート(例えば、ナトリウムアジネート)、様々なガム(例えば、アラビアゴム、カシアガム、カロブガム、スクレログルカンガム、キサンタンガム、ゲランガム、ラムザンガム、カラヤガム、カラギーナンガム、及びグアーガム)、コカミド誘導体(例えば、コカミドプロピルベタイン)、中鎖から長鎖のアルキル及び/又は脂肪酸アルコール(例えば、セテアリルアルコール及びステアリルアルコール)、ゼラチン、サッカライド(例えば、果糖、グルコース、及びPEG-120メチルグルコースジオレート)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0181】
あるいは、組成物は、pH制御剤g)を含んでもよい。pH制御剤g)は、特に限定されず、組成物のpHを修正若しくは調整するため、及び/又は組成物のpHを特定の範囲で維持(例えば調節)するために好適な任意の化合物を含み得るか、又はそれであり得る。したがって、当業者には理解されるように、pH制御剤g)は、以下に説明するもののうちのいずれか1つ以上などの、pH調整剤(例えば、酸及び/又は塩基)、pH緩衝液、又はそれらの組み合わせを含み得るか、あるいはそれである。
【0182】
酸の例としては、一般に、鉱酸(例えば、塩酸、リン酸、及び硫酸)、有機酸(例えば、クエン酸)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。塩基の例としては、一般に、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム)、カーボネート(例えば、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩)、ホスフェート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0183】
ある特定の実施形態では、pH制御剤g)は、pH緩衝液を含むか、あるいはそれである。好適なpH緩衝液は、特に限定されず、組成物のpHを調整することができ、かつ/又は組成物のpHを特定の範囲で維持(例えば調節)することができる任意の緩衝化合物を含み得るか、代替的にそれであり得る。当業者には理解されるように、好適な緩衝液及び緩衝化合物の例は、添加剤間の機能の重複に起因して、上述のものを含むある特定のpH調整剤と重複し得る。したがって、両方をpH制御剤g)で利用又はpH制御剤g)として利用する場合、pH緩衝液及びpH調整剤は、互いに独立して又は集合的に選択され得る。
【0184】
一般に、好適なpH緩衝液は、酸、塩基、又は塩を含む(例えば、酸/塩基の共役塩基/酸を含む)緩衝化合物から選択される。緩衝化合物の例としては、一般に、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム)、カーボネート(例えば、セスキカーボネート、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩)、ボレート、シリケート、ホスフェート、イミダゾール、クエン酸、ナトリウムシトラートなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。いくつかのpH緩衝液の例としては、シトラート緩衝液、グリセロール緩衝液、ボレート緩衝液、ホスフェート緩衝液、及びそれらの組み合わせ(例えば、クエン酸-ホスフェート緩衝液)が挙げられる。したがって、pH制御剤g)のpH緩衝液での使用又はpH緩衝液としての使用に好適な特定の緩衝化合物のいくつかの例としては、エチレンジアミン四酢酸(例えば、ジナトリウムEDTA)、トリエタノールアミン(例えば、トリス(2-ヒドロキシエチル)アミン)、シトラート及び他のポリカルボン酸系化合物、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0185】
組成物は、任意選択的に、フォームエンハンサh)を更に含んでもよい。フォームエンハンサh)での使用又はフォームエンハンサh)としての使用に好適な特定の化合物/組成物としては、限定されないが、一般に、組成物又はそれを含む最終使用組成物のフォーミング特性(例えば、発泡性、フォーム安定性、フォーム排水、フォーム展延性、及び/又はフォーム密度)を付与、増強、及び修正することができるものが挙げられる。したがって、当業者は、フォームエンハンサh)での使用又はフォームエンハンサh)としての使用に好適な化合物/組成物が、組成物の他の添加剤/出発材料に関して本明細書に説明したものと重複し得ることを容易に理解するであろう。
【0186】
例えば、ある特定の実施形態では、フォームエンハンサh)は、電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び/若しくはマグネシウムのクロリド、ボレート、シトラート、及び/又はスルフェート塩など、様々なアニオンのアルカリ金属及び/又はアルカリ土類塩、並びに/又はアルミニウムクロロ水和物)、高分子電解質(例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなど、ヒアルロン酸塩)、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びソルビトール)、ハイドロコロイド、及びそれらの組み合わせから選択される安定剤を含む。
【0187】
あるいは、フォームエンハンサh)は、サッカライド化合物、すなわち、少なくとも1つのサッカライド部分を含む化合物を含み得る。「サッカライド」という用語が、一般的な状況下では「炭水化物」という用語と、より具体的な状況下では「糖質」のような用語と同義的に使用され得ることを理解されたい。したがって、任意の特定のサッカライドの命名は、フォームエンハンサh)での使用又はフォームエンハンサh)としての使用に好適なサッカライド化合物に関して排他的ではない。むしろ、当業者には理解されるように、好適なサッカライド化合物は、サッカライド、炭水化物、糖質、デンプン、セルロース、又はそれらの組み合わせとして説明され得る部分を含む任意の化合物を含み得るか、あるいはそれであり得る。同様に、サッカライド化合物中の2つ以上のサッカライド部分の任意の組み合わせは、より記述的な用語で説明され得る。例えば、「ポリサッカライド」という用語は、「グリコシド」という用語と同義的に使用され得、両方の用語は、一般に、2つ以上のサッカライド部分の組み合わせを指す(例えば、サッカライド部分の組み合わせは、グリコシド結合を介して共に結合し、集合的にグリコシド部分を形成する)。当業者は、「デンプン」及び「セルロース」などの用語を使用して、具体的な状況下でのサッカライド部分のそのような組み合わせを指し得ることを理解するであろう(例えば、サッカライド化合物中の2つ以上のサッカライド部分の組み合わせが、「デンプン」又は「セルロース」として当該技術分野で既知の構造に適合する場合)。
【0188】
フォームエンハンサh)での使用又はフォームエンハンサh)としての使用に好適なサッカライド化合物の例としては、化合物、又は、モノサッカライド及び/若しくは糖質(例えば、ペントース(すなわち、フラノース)と従来称されていた少なくとも1つの部分を含む化合物、例えば、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、果糖、及びヘキソース(すなわち、ピラノース)、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、グロース、イドース、タロース、アロース、及びアルトロース)、ジサッカライド(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、及びトレハロース)、オリゴサッカライド(例えば、マルト-オリゴサッカライド、例えば、マルトデキストリン、アラビノース、スタキオース、及びフルクトオリゴサッカライド)、ポリサッカライド(例えば、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、グリコーゲン、ハイドロコロイド、アミロースなどのデンプン、及びアミロペクチン)、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0189】
フォームエンハンサh)での使用又はフォームエンハンサh)としての使用に好適なフォームエンハンサの他の例は、当該技術分野で既知である。例えば、フォームエンハンサh)は、ポリアクリル酸塩、変性デンプン、部分加水分解タンパク質、ポリエチレンイミン、ポリビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシビニルポリマー、ミリスチン酸若しくはパルミチン酸などの脂肪酸、又はそれらの組み合わせを含むものなど、ポリマー安定剤を含み得る。あるいは、フォームエンハンサh)は、1つ以上のガム(例えば、キサンタンガム)、コラーゲン、ガラクトマンナン、デンプン、デンプン誘導体及び/若しくは加水分解物、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルアルコール、ビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はそれらの組み合わせを含むものなど、増粘剤を含み得る。
【0190】
組成物は、1つ以上の追加の成分/添加剤、すなわち、当該技術分野で既知であり、かつ組成物中で利用される特定の出発材料及びその所望の最終使用に基づいて選択される、上述のもの以外のものを含み得る。例えば、組成物は、充填剤(コロイダルシリカa)以外)、充填剤処理剤、表面改質剤、結合剤、相溶化剤、着色剤(例えば、顔料又は染料)、劣化防止添加剤、難燃剤、腐食防止剤、UV吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、及びこれらの組み合わせを含み得る。しかしながら、上述の組成物は、パーフルオロアルキル界面活性剤を含んでいなくてもよい。あるいは、組成物は、パーフルオロアルキル物質を含んでいなくてもよい。更に、組成物は、アニオン性界面活性剤を含んでいなくてもよい。
【0191】
組成物の製造方法
組成物は、コロイダルシリカa)及びシロキサンカチオン性界面活性剤b)を含む出発材料、並びに任意の任意選択の出発材料(例えば、上述のc)~h))を、任意の添加順序で、任意選択的にマスターバッチと、任意選択的に混合下で組み合わせることによって調製され得る。
【0192】
あるいは、組成物は、シロキサンカチオン性界面活性剤b)を任意選択の出発材料と予混合して、中間組成物を調製し、続いてこれをコロイダルシリカa)と組み合わせて組成物を調製することによって調製されてもよい。あるいは、組成物は、コロイダルシリカa)を任意選択の出発材料と予混合して、中間組成物を調製し、続いてこれをシロキサンカチオン性界面活性剤b)と組み合わせて組成物を調製することによって調製されてもよい。例えば、シロキサンカチオン性界面活性剤b)をpH制御剤と組み合わせて、シロキサンカチオン性界面活性剤組成物を調製し得、その後、それをコロイダルシリカa)と組み合わせて組成物を調製する。あるいは、pH制御剤は、鉱酸(例えば、HCl)であり、シロキサンカチオン性界面活性剤b)のいくつかであるが全てではないアミン基をプロトン化するのに十分な量で利用され、それによって、緩衝液としてシロキサンカチオン性界面活性剤組成物を調製する。あるいは、有機カチオン性界面活性剤c)が使用される場合、c)は、pH制御剤と組み合わされて、有機カチオン性界面活性剤組成物を調製し得、その後、コロイダルシリカa)及びシロキサンカチオン性界面活性剤b)と(例えば、独立して又はシロキサンカチオン性界面活性剤組成物の形態で)組み合わされて、組成物を調製する。pH制御剤は、有機カチオン性界面活性剤c)のいくつかであるが全てではないアミン基をプロトン化するのに十分な量で利用され、それによって、緩衝液として有機カチオン性界面活性剤組成物を調製する鉱酸(例えば、HCl)であり得る。当業者は、組成物の1つ以上の個々の出発材料のpHを調整するために、1つ以上の中間体組成物を緩衝するために、並びに/又は組成物それ自体若しくは1つ以上の他の出発材料と組み合わせた組成物のpHを修正、制御、及び/若しくは緩衝するためになどの、複数の機能を含み得ることを理解するであろう。
【0193】
フォーム安定化組成物は、例えば、コロイダルシリカa)及びシロキサンカチオン性界面活性剤b)を、任意選択的に出発材料c)~h)のいずれかと一緒に、ただし最小量の水と共に又は水なしで組み合わせることによって、濃縮物として調製され得る。出発材料a)及びb)の混合及び/又は分散を容易にするために溶媒を使用する場合、溶媒の全部又は一部を除去して濃縮物を調製し得る。あるいは、組成物は、1重量部のコロイダルシリカa)当たり、1重量部~100重量部の水の量で水を含み得る。
【0194】
フォーム安定化組成物は、フォーム形成組成物として配合され得るか(例えば、上述のように、水を含む出発材料で組成物の濃縮物を希釈することを介するが、水は、上述のように担体ビヒクルとしてであり得るか、又はあるいは代替供給源、例えば、海水を有し得る)、又はフォーム形成組成物を調製するための添加剤として利用され得る(例えば、フォーム安定化組成物をベース配合物、すなわち、フォーミング剤、溶媒/担体、添加剤、又はそれらの組み合わせを含む配合物と組み合わせることを介する)。例えば、フォーム形成組成物は、任意選択的に1つ以上のフォーム添加剤と組み合わされた水を(例えば、ホース若しくはパイプからの、又は反応容器/反応器内の活性流として)提供し、フォーム安定化組成物を水と(例えば、事前形成された混合物として、個々の出発材料a)、b)、及び存在する場合にはc)~h)のうちの1つ以上の添加を介して)組み合わせることによって、調製することができる。そのような事例のいずれにおいても、フォーム安定化組成物を含むフォーム形成組成物は、調製されると、通気されるか、又はそうでなければ膨張されて(例えば、フォーミング装置、又は通気された水のストリーム/流れへの適用を介して)、フォーム組成物(すなわち、「フォーム」)を形成し得る。
【0195】
フォーム安定化組成物で調製されたフォームは、様々な用途での使用に好適である。例えば、上で紹介したように、組成物は、消火用途、例えば、火災の消火、抑制、及び/又は防止に利用され得る。特に、組成物によって提供される安定性の増加に起因して、組成物で調製されたフォームは、典型的には極めて可燃性であり、かつ/又は消火及び/若しくは再燃防止が困難である、低沸点、高蒸気圧、及び/又は限定された水溶性を有する化学物質(例えば、ガソリン及び/又は有機溶媒)を伴う、火災の消火に使用され得る。例えば、そのような火災は、火をフォームと接触させること(例えば、フォームを火に噴霧すること、又はフォーム形成組成物を火の上に噴霧して、その上にフォームを調製することなど)によって消火され得る。同様に、フォームを利用して化学物質(例えば、その流出物又は漏出からの)を固定して、フォームを流出物/漏出の上部に適用することによって、又はそうでなければフォームをその上に形成することによって、蒸気漏出及び/又は点火を制限し得る。
【0196】
あるいは、フォームは、最終フォームと同じ組成を有する水性混合物を機械的に撹拌するか、又は他の従来のフォーム製造方法にかけることによって製造され得る。あるいは、フォーム濃縮物は、上記a)~h)に列挙された出発材料を用いて生成され、これは、適切な量の水(例えば、海水)で希釈され、撹拌されて、所望の品質を有する水性フォームを生成する。あるいは、コロイダルシリカa)を(例えば、粉末形態で又は水性分散液として)、シロキサンカチオン性界面活性剤b)の濃縮物及び任意選択的に上記の出発材料d)~h)のうちの1つ以上と別々に混合し、その後、適切な量の水で希釈し、撹拌して、所望の品質を有する水性フォームを生成し得る。理論に束縛されるものではないが、コロイダルシリカa)の濃縮物を、シロキサンカチオン性界面活性剤b)を含有する濃縮物とは別個に貯蔵し、別個の濃縮物を適用時に混合して、フォーム形成組成物の貯蔵寿命を最大化することが有益であり得ると考えられる。次いで、完成したフォームを、極性燃料火災及び/又は炭化水素燃料火災時に分配することができる。
【実施例
【0197】
これらの実施例は、当業者に本発明を例示することを目的とするものであり、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。これらの実施例で使用した出発材料を以下に要約する。
【0198】
【表1】
【0199】
CTACは、式:
【0200】
【化41】

を有した。
【0201】
この参考例1では、式:
【0202】
【化42】

のSi4PrN-QUABを以下のように調製した。3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(95.41g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(61.2g;72.7%水溶液)、エタノール(89.35g)、及びHCl(0.58g;2N)を三つ口丸底フラスコ中で混合し、撹拌し、65℃に加熱する。反応をその温度で約2.5時間維持した。溶液を<40℃に冷却し、次いでHCl(46.22g;2N)を添加し、混合した。次いで、DI水(107.6g)を反応溶液に添加し、約3時間混合した。最終生成物は、34.94%の界面活性剤、42.74%の水、及び22.32%のエタノールであった。
【0203】
この参考例2では、式:
【0204】
【化43】

のSiPrPDA-(QUAB)を以下のように調製した。3-(プロピル)プロパン-1,3-ジアミントリス(トリメチルシロキシ)シラン(3.34g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(3.69g、2.0eq.;72.7%水溶液)、及びエタノール(3.23g)を添加し、2oz試料バイアル中で混合する。反応溶液を60℃まで加熱し、この温度で約10時間維持した。次いで、試料を室温まで冷却した。最終生成物の構造をH NMRによって確認し、溶液の濃度は、58.69%の界面活性剤、9.83%の水、及び31.48%のエタノールであった。
【0205】
この参考例3では、式:
【0206】
【化44】

のSi10PrPDA-(QUAB)を以下のように調製した。式
【0207】
【化45】

のSi10PrPDA(8.138g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.54g、0.58eq.;72.7%水溶液)、及びエタノール(4.54g)を添加し、2oz試料バイアル中で混合する。反応溶液を60℃まで加熱し、この温度で約4時間維持した。次いで、試料を室温まで冷却した。最終生成物の構造をH NMRによって確認し、溶液の濃度は、65.69%の界面活性剤、4.53%の水、及び29.78%のエタノールであった。
【0208】
Si10PrPDAを以下のように調製した。
【0209】
【化46】
【0210】
200mLの受容用フラスコに、Si10PrCl(50g)、1,3-ジアミノプロパン(25g)、及びZnO(2.62g)を充填し、次いで油浴を使用して140℃に加熱し、9時間保持する。次いで、混合物を室温まで冷却し、ろ過して固体を除去し、相分離させる。上層を回収し、ロータリーエバポレータで濃縮して(120℃;<1mmHg;60分)、生成物を得る(Si10PDA;ほぼ無色)。
【0211】
この参考例4では、式:
【0212】
【化47】

のSi10PrPDA-(QUAB)を以下のように調製した。Si10PrPDA(6.846g、上記のように調製した)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(3.68g、1.08eq.;72.7%水溶液)、及びエタノール(4.54g)を添加し、2oz試料バイアル中で混合した。反応溶液を60℃まで加熱し、この温度で約4.5時間維持した。次いで、試料を室温まで冷却した。最終生成物の構造をH NMRによって確認し、溶液の濃度は、63.23%の界面活性剤、6.64%の水、及び30.13%のエタノールであった。
【0213】
この参考例5では、式:
【0214】
【化48】

のカチオン性末端Dp4シロキサンを以下のように調製した。ジメチル、プロピルアミン末端シロキサン(3.64g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(3.86g、1.08eq.;72.7%水溶液)、及びエタノール(4.03g)を添加し、2oz試料バイアル中で混合した。反応溶液を60℃まで加熱し、この温度で約2時間維持した。次いで、試料を室温まで冷却した。室温で、溶液中に少量の白色固体が存在した。反応液を5μmシリンジフィルターでろ過し、回収した。最終生成物の構造をH NMRによって確認し、溶液の濃度は、55.94%の界面活性剤、9.11%の水、及び34.95%のエタノールであった。
【0215】
この参考例6では、式:
【0216】
【化49】

のカチオン性末端Dp4シロキサンを以下のように調製した。ジメチル、プロピルアミン末端シロキサン(2.42g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(5.00g、1.08eq.;72.7%水溶液)、及びエタノール(4.01g)を添加し、2oz試料バイアル中で混合した。反応溶液を60℃まで加熱し、この温度で約7時間維持した。次いで、試料を室温まで冷却した。室温で、溶液中に少量の白色固体が存在した。反応液を5μmシリンジフィルターでろ過し、回収した。最終生成物の構造をH NMRによって確認し、溶液の濃度は、52.97%の界面活性剤、11.95%の水、及び35.08%のエタノールであった。
【0217】
この参考例7では、式:
【0218】
【化50】

のカチオン性末端Dp15シロキサンを以下のように調製した。ジメチル、プロピルアミン末端シロキサン(3.98g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(1.06g、1.08eq.;72.7%水溶液)、及びエタノール(5.05g)を添加し、2oz試料バイアル中で混合した。反応溶液を60℃まで加熱し、この温度で約2.5時間維持した。次いで、試料を室温まで冷却した。室温で、溶液中に少量の白色固体が存在した。反応液を5μmシリンジフィルターでろ過し、回収した。最終生成物の構造をH NMRによって確認し、溶液の濃度は、47.07%の界面活性剤、2.87%の水、及び50.06%のエタノールであった。
【0219】
この参考例8では、式:
【0220】
【化51】

のカチオン性末端Dp15シロキサンを以下のように調製した。ジメチル、プロピルアミン末端シロキサン(3.98g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(1.06g、1.08eq.;72.7%水溶液)、及びエタノール(5.05g)を添加し、2oz試料バイアル中で混合した。反応溶液を60℃まで加熱し、この温度で約2.5時間維持した。次いで、試料を室温まで冷却した。室温で、溶液中に少量の白色固体が存在した。反応液を5μmシリンジフィルターでろ過し、回収した。最終生成物の構造をH NMRによって確認し、溶液の濃度は、47.07%の界面活性剤、2.87%の水、及び50.06%のエタノールであった。
【0221】
この参考例9では、式:
【0222】
【化52】

のカチオン性トリシロキサンを以下のように調製した。カチオン性トリシロキサンの合成は3段階反応であった。第1の反応は、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン(62.22g)及びアリルグリシジルエーテル(3.74g)を三つ口丸底フラスコ中で75℃まで加熱した。その温度になったら、Karstedt触媒からの1%PtのIPA溶液を添加した。反応温度を<90℃に維持しながら、残りのアリルグリシジルエーテル(47.60g)を反応溶液中に計量供給した。過剰のアリルグリシジルエーテルを真空蒸留により除去した。得られたエポキシ官能性トリシロキサン(7.93g)、ジエチルアミン(5.17g)、及びイソプロピルアルコール(3.65g)を2oz試料バイアルに添加し、混合し、75℃まで加熱した。反応混合物をその温度で約2時間維持し、次いでIPA及び過剰のジエチルアミンをロータリーエバポレータ及び真空ポンプを用いて除去した。得られた第三級アミン官能性トリシロキサン(7.10g)及びメチルヨウ素(3.12g)を2oz試料バイアルに添加し、室温で混合した。反応溶液は褐色に変化し、試料の粘度は増加した。試料を室温で約30分間混合した。次いで、ロータリーエバポレータ及び真空ポンプを使用して過剰のメチルヨウ素を除去した。エタノール(2.02g)を残りの高粘度褐色溶液に添加して、粘度を低下させ、カチオン性トリシロキサン溶液を生成し、この溶液は、79.8%のカチオン性トリシロキサン界面活性剤及び20.2%のエタノールであった。
【0223】
この参考例10では、式
【0224】
【化53】

のC6-QUABを以下のように調製した。1-ヘキシルアミン(2.82g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.21g;72.7%水溶液)、エタノール(5.02g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1ozバイアル中で混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、この混合物は、約2分以内に透明になった。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(4.69g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C6-QUAB;36.7%の濃度)を含む組成物を得た。
【0225】
この参考例11では、式
【0226】
【化54】

のC8-QUABから、以下のように調製した。1-オクチルアミン(3.60g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.21g;72.7%水溶液)、エタノール(5.04g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1ozバイアル中で混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、この混合物は、約3分以内に透明になった。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(4.76g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C8-QUAB;38.6重量%の濃度)を含む組成物を得た。
【0227】
この参考例12では、式
【0228】
【化55】

のC10-QUABを以下のように調製した。1-デシルアミン(4.38g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.19g;72.7%水溶液)、エタノール(5.00g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1ozバイアル中で混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、この混合物は、約4分以内に透明になる。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(4.72g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C10-QUAB;40.8重量%濃度)を含む組成物を得る。
【0229】
この参考例13では、消火フォーム試料を以下のように調製した。出発材料を表2の量(重量部)で組み合わせ、IKA Ultra Turrexホモジナイザーを使用して均質化し、フォームを作製した。ホモジナイザーを6000RPMで動作させ、100mLのフォーム配合物を5分間剪断して、1回の実験に十分なフォームを生成した。高温のヘプタン及びイソプロパノールでの測定のために、直径100mm及び高さ50mmの平底結晶皿を使用した。18~55mmレンズを備えたデジタルカメラ(Canon Rebel T3i)を使用して、一定の時間間隔でコンテナの側面からフォームの画像を取り込み、フォーム崩壊の動態を可視化した。光源、焦点、絞り、及びシャッター速度は、必要に応じて手動で調整した。
【0230】
【表2】
【0231】
【表3】

表中、Rは、コロイダルシリカに対する配合物中の全界面活性剤の比である。
【0232】
この参考例14では、上記のように調製したフォームを評価した。ヘプタンを用いて60℃で測定するために、ヘプタン40mLを皿に注いだ。皿をホットプレート上で加熱してヘプタンを60℃に到達させ、その温度で維持した。次いで、厚さ2cmのフォーム層を高温のヘプタンの上に分配し、続いてホットプレートのスイッチを切った。画像シリーズを2秒ごとに1フレームで記録した。記録された画像をImageJ画像解析ソフトウェアにインポートした。ImageJの「ラインツール」を使用して、画像シリーズの各画像におけるフォームの高さを計算した。時間=0(最初の画像)でのフォームの高さを、その後の画像で測定された高さから差し引いて、時間の関数としてフォームの高さの%変化を計算した。
【0233】
フォームを上部及び側部から観察した。フォームブランケットにおいて下にある燃料が露出した穴が観察されたとき、フォームが完全に崩壊したと宣言した。この手順を、皿において35℃の40mLのイソプロパノールを用いて繰り返した。結果を以下の表3、表4、及び表5に示す。
【0234】
【表4】
【0235】
【表5】
【0236】
【表6】
【0237】
本発明の実施例(IE)のフォームは、全ての比較例(CE)よりも優れた安定性(60℃のヘプタン及び35℃のIPAの両方で>15分)を有していた。本発明の実施例1は、全ての比較例と比較して、60℃のヘプタン上で優れた安定性を有した。更に、比較例のフォームはいずれも、試験した条件下でイソプロパノールに対する安定性を示さず、それぞれが直ちに崩壊した。しかしながら、本発明の実施例1のフォームは、同じ条件下で試験したイソプロパノールよりも20分超にわたって安定であった。
【0238】
比較例1は出発材料a)、コロイダルシリカを含有していなかった。比較例2、3、及び4は、出発材料b)、本明細書に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤を含有しなかった。比較例2及び3)はシロキサンを含有していなかった。比較例2は、Ultrastable Particle-Stabilized Foams,Gonzenbach et.al.,Angew.Chem.Intl.Ed.,2006,45,3526-3530に従って調製した。比較例3は、GB1175760に従って調製した。比較例4は、非イオン性有機ケイ素化合物を含有していた。比較例4は、米国特許第3,655,554号に従って調製した。比較例1、2、3及び4は全て、試験した条件下でIPA(極性アルコール燃料)に対する安定性が極めて劣っていた。比較例1、3、及び4はまた、ヘプタン(非極性燃料)に対する安定性も劣っていた。
【0239】
上記の実施例は、ヘプタン及びIPAの両方に対して優れた安定性を有するフォームが本明細書に記載されるように調製され得ることを示し、本明細書に記載される組成物から調製されたフォームが、以前の組成物と比較して、メタノール、IPA、及び/又はエタノールなどの極性(例えば、アルコール含有)燃料に対して優れた安定性、並びに非極性(例えば、ヘプタンなどの炭化水素)燃料に対して優れた安定性を有し得ることを示唆した。フォームはまた、優れた安定自立性を示した(コロイダルシリカなしで製造されたフォームと比較して)。
【0240】
解決しようとする課題:水で希釈可能であり、PFAS(パーフルオロアルキル物質)を含まない消火フォームが業界で必要とされている。調製された消火フォームは、可燃性油及び溶媒の両方を含む、異なる燃料の表面上に広がることができるべきである。消火フォームは、高温の燃料表面上で安定であり、可燃性液体(クラスB)火災を消火することができるべきである。消火フォームは、消火後に燃料が再燃するのを防ぐことができるべきである。
【0241】
解決策:本明細書に記載の組成物から調製された消火フォームは、高温燃料表面上の火を消すことと、試験された条件下での再燃を防止することとの両方が可能であり得る。理論に束縛されるものではないが、水中でシロキサンカチオン性界面活性剤とコロイダルシリカ粒子とを組み合わせることにより、燃料表面の上部に強固な水性フォームブランケットが形成され、燃料蒸気が酸素と接触して可燃性混合物を形成するのを効果的に抑制すると考えられる。その結果、過フッ素化界面活性剤を使用することなく、迅速な熱ノックダウン、迅速な消火及び優れた耐再燃性が達成された。
【0242】
本明細書に記載の組成物から調製された消火フォームは、ガソリン、ジェット燃料、及び/又はヘプタンを含む高温燃料の表面上で優れた安定性を有し得、並びにメタノール、エタノール、及び/又はイソプロパノールなどのアルコール含有極性燃料上で良好な安定性を有し得る。加えて、本明細書に記載されるように調製された消火フォームは、優れた自立能力を示し得る。本明細書に記載されるように調製された消火フォームは、コロイダルシリカなしで使用される他の界面活性剤から生成されたフォームと比較して、遅い液体排水及び良好な保水性を有し得る。本明細書に記載の消火フォームは、良好な消火性能を有し得る。
【0243】
用語の定義及び使用
全ての量、濃度、比、及び百分率は、特に指示しない限り、重量に基づく。組成物中の全ての出発物質の量は、総計100重量%である。「発明の概要」及び「要約書」は、参照により本明細書に組み込まれる。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、別途記載のない限り、1つ又はそれ以上を指す。単数形は、別途記載のない限り、複数形を含む。略語は、以下の表6に定義される。
【0244】
【表7】
【0245】
合成された実施例を分析するために使用したH NMR分析法は以下のとおりである。所望の化合物を試料バイアルに添加し、重水素化クロロホルム又は酸化重水素などの重水素化NMR溶媒中で約10倍に希釈することによって、1H NMR試料を分析用に調製した。次いで、溶液をボルテックスミキサーで混合し、5mm NMRチューブにピペットで移した。1H NMR試料を、5mm OneNMRプローブを備えたAgilent 400-MR NMR分光計で400MHzで分析した。1H NMRデータ分析は、Mestrelab ResearchからのMNova(バージョン12.0.4-22023)を使用して行った。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム安定化組成物であって、
a)1nm~100nmの粒径を有するコロイダルシリカと、
b)シロキサンカチオン性界面活性剤であって、
一般式(b-I):[Z-D-N(Y)(R)2-a+y[X-x
一般式(b-II):
【化1】

並びに
(b-I)及び(b-II)の両方の組み合わせ、からなる群から選択され、式中、
は、シロキサン部分であり、
は、二価連結基であり、
各R及び各R’は、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
各Y及び各Y’は、式-D-NR を有し、式中、
Dは二価連結基であり、
各Rは、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
下付き文字aは、1又は2であり、
下付き文字a’は、1又は2であり、
1≦y≦3であり、
1≦y’3であり、
X及びX’は、それぞれ独立して選択されるアニオンであり、
下付き文字nは、1、2、又は3であり、
1≦x≦3であり、
ただし、(xn)=yであり、
下付き文字n’は、1、2、又は3であり、
1≦x’≦3であり、
ただし、(x’n’)=y’である、シロキサンカチオン性界面活性剤と、
任意選択的にc)一般式(c-I):[Z-D-N(Y)(R)2-b+y[X-xを有する有機カチオン性界面活性剤であって、
式中、Zは、非置換ヒドロカルビル基であり、
は、共有結合又は二価連結基であり、
下付き文字bは、1又は2であり、
各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、有機カチオン性界面活性剤と、
d)水と、を含み、
前記コロイダルシリカは、前記シロキサンカチオン性界面活性剤及び、存在する場合は、前記有機カチオン性界面活性剤に対して、1:10-4~1:1の重量比で存在し、
前記水は、前記コロイダルシリカに対して1:1~100:1の重量比で存在する、フォーム安定化組成物。
【請求項2】
一般式(b-I)の前記シロキサンカチオン性界面活性剤において、前記シロキサン部分Zが、式:
【化2】

を有し、式中、各Rは、R及び-OSi(Rから独立して選択され、ただし、少なくとも1つのRは、-OSi(Rであり、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、各Rは、R及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、0≦m≦100であり、各Rは、独立して置換又は非置換ヒドロカルビル基である、請求項1に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項3】
前記シロキサン部分Zが、以下の構造(i)~(iv):
【化3】

のうちの1つを有する、請求項2に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項4】
(i)Dが、分岐状若しくは直鎖状アルキレン基であるか、又は(ii)Dが、式-D-N(R)-D-を有し、式中、各Dが、独立して選択される二価連結基であり、Rが、H若しくはYであり、Yが、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項5】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤(A)において、(i)下付き文字aが、1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)RがHであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~4のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項6】
(i)各Dが、-CHCH(OH)CH-及び-HC(CHOH)CH-から選択されるか、(ii)各Rが、メチルであるか、(iii)各Xが、Clであり、上付き文字xが、1であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~5のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項7】
一般式(b-II)の前記シロキサンカチオン性界面活性剤b)において、前記シロキサン部分Zが、式(R SiO2/2DPを有し、式中、各Rは、独立して選択されたアルキル基であり、下付き文字DPは、2~15である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項8】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤及び、存在する場合、前記有機カチオン性界面活性剤に対するコロイダルシリカの前記重量比が、1:10-4~1:0.1である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項9】
前記コロイダルシリカが、2nm~20nmの粒径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項10】
c)前記有機カチオン性界面活性剤が存在し、一般式(c-I)において、Zが、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Dが、i)前記共有結合、ii)分岐状又は直鎖状アルキレン基、及びiii)式-D-N(R)-D-の基からなる群から選択され、式中、各Dは、独立して選択される二価連結基であり、Rは、H又はYであり、Yは、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、請求項1~9のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項11】
一般式(c-I)において、(i)下付き文字bが1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)RがHであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項10に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項12】
c)前記有機カチオン性界面活性剤対a)前記コロイダルシリカが10-4:1~0.1:1(c:a)である重量比を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項13】
d)水以外の担体ビヒクル、e)前記シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び前記有機カチオン性界面活性剤c)以外の追加の界面活性剤、f)レオロジー調整剤、g)pH制御剤、並びにh)フォームエンハンサから選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物と、7~10のpHを有する水と、を含む、消火フォーム。
【請求項15】
火災を消火する方法であって、前記火災を請求項14に記載の消火フォームと接触させることを含む、方法。
【請求項16】
式:
【化4】

のシロキサンカチオン性界面活性剤であって、式中、
は二価シロキサン部分であり、式:
【化5】

を有し、式中、各Rは、1~10個の炭素原子の独立して選択されたアルキル基であり、下付き文字jは2~15であり、
各Dは、独立して選択される二価連結基であり、
R及びR’は、H、及び1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基からそれぞれ独立して選択され、
各Y及び各Y’は、式-D-NR を有し、式中、
Dは二価連結基であり、
各Rは、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、
1≦y≦3であり、
下付き文字a’は、1又は2であり、
1≦y’≦3であり、
X及びX’は、それぞれ独立して選択されるアニオンであり、
下付き文字nは、1、2、又は3であり、
1≦x≦3であり、
ただし、(xn)=yであり、
下付き文字n’は、1、2、又は3であり、
1≦x’≦3であり、
ただし、(x’n’)=y’であり、前記シロキサンカチオン性界面活性剤は水溶性/水分散性である、シロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項17】
各Xがハロゲン化物である、請求項16に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項18】
各Dが、式-(CH-の二価ヒドロカルビル基であり、式中、下付き文字dは1~18である、請求項16又は請求項17に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項19】
各Dが、式-D-CH(-(CH-OH)-D-を有するヒドロキシル置換炭化水素であり、式中、各Dは、独立して、共有結合、又は1~8個の炭素原子を有する独立して選択されたアルキレン基であり、下付き文字eは、0又は1である、請求項16~18のいずれか一項に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項20】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤が、(b-II-i)~(b-II-iv)からなる群から選択される式を有し、(b-II-i)~(b-II-iv)の式が、
【化6】

である、請求項16~19のいずれか一項に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項21】
請求項16~20のいずれか一項に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤を調製するための方法であって、
(a)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンと(b)第四級アンモニウム化合物とを反応させて、前記シロキサンカチオン性界面活性剤を得ることを含み、
(a)前記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、式Z(-D-NHR)aを含み、式中、
は、前記シロキサン部分であり、
は、共有結合又は非置換二価炭化水素基であり、
Rは、H、又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
下付き文字aは、Zの官能性に応じて1以上であり、
(b)前記第四級アンモニウム化合物は、式[RNR [X]を有し、式中、
は、アミン反応性基であり、
各Rは、前記独立して選択された、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
Xは、アニオンである、方法。
【請求項22】
(i)Rがエポキシアルキル基であるか、(ii)各Rがアルキルであるか、(iii)各Xがハロゲン化物であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項21に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム安定化組成物であって、
a)1nm~100nmの粒径を有するコロイダルシリカと、
b)シロキサンカチオン性界面活性剤であって、
一般式(b-I):[Z-D-N(Y)(R)2-a+y[X-x
一般式(b-II):
【化1】

並びに
(b-I)及び(b-II)の両方の組み合わせ、からなる群から選択され、式中、
は、シロキサン部分であり、
は、二価連結基であり、
各R及び各R’は、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
各Y及び各Y’は、式-D-NR を有し、式中、
Dは二価連結基であり、
各Rは、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
下付き文字aは、1又は2であり、
下付き文字a’は、1又は2であり、
1≦y≦3であり、
1≦y’3であり、
X及びX’は、それぞれ独立して選択されるアニオンであり、
下付き文字nは、1、2、又は3であり、
1≦x≦3であり、
ただし、(xn)=yであり、
下付き文字n’は、1、2、又は3であり、
1≦x’≦3であり、
ただし、(x’n’)=y’である、シロキサンカチオン性界面活性剤と、
任意選択的にc)一般式(c-I):[Z-D-N(Y)(R)2-b+y[X-xを有する有機カチオン性界面活性剤であって、
式中、Zは、非置換ヒドロカルビル基であり、
は、共有結合又は二価連結基であり、
下付き文字bは、1又は2であり、
各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、有機カチオン性界面活性剤と、
d)水と、を含み、
前記コロイダルシリカは、前記シロキサンカチオン性界面活性剤及び、存在する場合は、前記有機カチオン性界面活性剤に対して、1:10-4~1:1の重量比で存在し、
前記水は、前記コロイダルシリカに対して1:1~100:1の重量比で存在する、フォーム安定化組成物。
【請求項2】
一般式(b-I)の前記シロキサンカチオン性界面活性剤において、前記シロキサン部分Zが、式:
【化2】

を有し、式中、各々のRは、R及び-OSi(Rから独立して選択され、ただし、少なくとも1つのRは、-OSi(Rであり、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、各Rは、R、-OSi(R、及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、各Rは、R及び-[OSiR OSiR から独立して選択され、0≦m≦100であり、各Rは、独立して置換又は非置換ヒドロカルビル基である、請求項1に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項3】
前記シロキサン部分Zが、以下の構造(i)~(iv):
【化3】

のうちの1つを有する、請求項2に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項4】
(i)Dが、分岐状若しくは直鎖状アルキレン基であるか、又は(ii)Dが、式-D-N(R)-D-を有し、式中、各Dが、独立して選択される二価連結基であり、Rが、H若しくはYであり、Yが、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項5】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤(A)において、(i)下付き文字aが、1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)RがHであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項6】
(i)各Dが、-CHCH(OH)CH-及び-HC(CHOH)CH-から選択されるか、(ii)各Rが、メチルであるか、(iii)各Xが、Clであり、上付き文字xが、1であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項7】
一般式(b-II)の前記シロキサンカチオン性界面活性剤b)において、前記シロキサン部分Zが、式(R SiO2/2DPを有し、式中、各Rは、独立して選択されたアルキル基であり、下付き文字DPは、2~15である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項8】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤及び、存在する場合、前記有機カチオン性界面活性剤に対するコロイダルシリカの前記重量比が、1:10-4~1:0.1である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項9】
前記コロイダルシリカが、2nm~20nmの粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項10】
c)前記有機カチオン性界面活性剤が存在し、一般式(c-I)において、Zが、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Dが、i)前記共有結合、ii)分岐状又は直鎖状アルキレン基、及びiii)式-D-N(R)-D-の基からなる群から選択され、式中、各Dは、独立して選択される二価連結基であり、Rは、H又はYであり、Yは、独立して選択され、かつ上に定義されたとおりである、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項11】
一般式(c-I)において、(i)下付き文字bが1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)RがHであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項10に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項12】
c)前記有機カチオン性界面活性剤対a)前記コロイダルシリカが10-4:1~0.1:1(c:a)である重量比を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項13】
d)水以外の担体ビヒクル、e)前記シロキサンカチオン性界面活性剤b)及び前記有機カチオン性界面活性剤c)以外の追加の界面活性剤、f)レオロジー調整剤、g)pH制御剤、並びにh)フォームエンハンサから選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項14】
請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物と、7~10のpHを有する水と、を含む、消火フォーム。
【請求項15】
火災を消火する方法であって、前記火災を請求項14に記載の消火フォームと接触させることを含む、方法。
【請求項16】
式:
【化4】

のシロキサンカチオン性界面活性剤であって、式中、
は二価シロキサン部分であり、式:
【化5】

を有し、式中、各Rは、1~10個の炭素原子の独立して選択されたアルキル基であり、下付き文字jは2~15であり、
各Dは、独立して選択される二価連結基であり、
R及びR’は、H、及び1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基からそれぞれ独立して選択され、
各Y及び各Y’は、式-D-NR を有し、式中、
Dは二価連結基であり、
各Rは、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、
1≦y≦3であり、
下付き文字a’は、1又は2であり、
1≦y’≦3であり、
X及びX’は、それぞれ独立して選択されるアニオンであり、
下付き文字nは、1、2、又は3であり、
1≦x≦3であり、
ただし、(xn)=yであり、
下付き文字n’は、1、2、又は3であり、
1≦x’≦3であり、
ただし、(x’n’)=y’であり、ただし、前記シロキサンカチオン性界面活性剤は、1つ以上のシロキサン鎖を有する水溶性/水分散性オニウム化合物又はアミン含有化合物を含む、シロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項17】
各Xがハロゲン化物である、請求項16に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項18】
各Dが、式-(CH-の二価ヒドロカルビル基であり、式中、下付き文字dは1~18である、請求項16又は請求項17に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項19】
各Dが、式-D-CH(-(CH-OH)-D-を有するヒドロキシル置換炭化水素であり、式中、各Dは、独立して、共有結合、又は1~8個の炭素原子を有する独立して選択されたアルキレン基であり、下付き文字eは、0又は1である、請求項16又は請求項17に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項20】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤が、(b-II-i)~(b-II-iv)からなる群から選択される式を有し、(b-II-i)~(b-II-iv)の式が、
【化6】

である、請求項16又は請求項17に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤。
【請求項21】
請求項16又は請求項17に記載のシロキサンカチオン性界面活性剤を調製するための方法であって、
(a)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンと(b)第四級アンモニウム化合物とを反応させて、前記シロキサンカチオン性界面活性剤を得ることを含み、
(a)前記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、式Z(-D-NHR)aを含み、式中、
は、前記シロキサン部分であり、
は、共有結合又は非置換二価炭化水素基であり、
Rは、H、又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
下付き文字aは、Zの官能性に応じて1以上であり、
(b)前記第四級アンモニウム化合物は、式[RNR [X]を有し、式中、
は、アミン反応性基であり、
各Rは、前記独立して選択された、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、
Xは、アニオンである、方法。
【請求項22】
(i)Rがエポキシアルキル基であるか、(ii)各Rがアルキルであるか、(iii)各Xがハロゲン化物であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項21に記載の方法。
【国際調査報告】