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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】測位基準信号の基準キャリア位相
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/20 20230101AFI20240903BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240903BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20240903BHJP
【FI】
H04W72/20
H04W64/00
H04W64/00 173
H04W72/0446
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506231
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 US2022037966
(87)【国際公開番号】W WO2023018534
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】17/401,266
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ジンチャオ・バオ
(72)【発明者】
【氏名】ソニー・アカラカラン
(72)【発明者】
【氏名】タオ・ルオ
(72)【発明者】
【氏名】フアン・モントーホ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ51
(57)【要約】
測位基準信号情報を提供する方法が、キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を装置からワイヤレスに送信することと、測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を装置から送信することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と、
メモリと、
前記送信機及び前記メモリに通信可能に結合されたプロセッサであって、
キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を前記送信機を介してワイヤレスに送信し、
前記測位基準信号の送信の基準時間における前記測位基準信号の前記キャリア信号の位相を含む、前記測位基準信号の基準キャリア位相の指示を前記送信機を介して送信する、ように構成されたプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、絶対位相を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、第1の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースの、前記第1の測位基準信号オケージョンから時間的に分離された第2の測位基準信号オケージョンにおける前記測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、測位基準信号リソースセット内の第1の測位基準信号リソースの、前記測位基準信号リソースセット内の第2の測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示の分解能を示す分解能指示を前記送信機を介して送信するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、基準キャリア位相の複数の指示を示し、
前記プロセッサが、測位基準信号リソースセット及び測位基準信号リソースの階層に従って、前記基準キャリア位相の複数の指示を送信するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、前記測位基準信号の別個の測位基準信号オケージョンの基準キャリア位相の複数の指示を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサが、複数の第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信するように更に構成されており、前記複数の第1の基準キャリア位相メッセージの少なくとも1つが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含む、又は、
前記プロセッサが、前記複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半永続的に送信するように更に構成されている、又は、
前記プロセッサが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含む第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信するように更に構成されている、又は、
任意のそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対する要求の受信に応答して、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を送信するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対する前記要求の要求元デバイスからの受信に応答して、かつ前記装置によって前記要求元デバイスに提供されるサービス品質に基づいて、ベストエフォート又は要求に従って、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示を前記要求元デバイスに送信するように更に構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記測位基準信号が前記送信機によって送信されるときに、前記測位基準信号の前記キャリア位相を監視することにより、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示を決定するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の推定値を決定するように更に構成されており、
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記推定値を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、制御された基準キャリア位相を有する前記測位基準信号を送信するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記測位基準信号の前記送信の基準時間が、前記測位基準信号の最初のシンボルの送信の時間である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記測位基準信号の前記送信の基準時間が、前記測位基準信号のスロット、又は前記測位基準信号のサブフレーム、又は前記測位基準信号のフレームのうちの1つの送信の時間である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
測位基準信号情報を提供する方法であって、
キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を装置からワイヤレスに送信することと、
前記測位基準信号の送信の基準時間における前記測位基準信号の前記キャリア信号の位相を含む、前記測位基準信号の基準キャリア位相の指示を前記装置から送信することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、絶対位相を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、第1の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースの、前記第1の測位基準信号オケージョンから時間的に分離された第2の測位基準信号オケージョンにおける前記測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、測位基準信号リソースセット内の第1の測位基準信号リソースの、前記測位基準信号リソースセット内の第2の測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示の分解能を示す分解能指示を前記装置から送信することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示を送信することが、測位基準信号リソースセット及び測位基準信号リソースの階層に従って、基準キャリア位相の複数の指示を送信することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、前記測位基準信号の別個の測位基準信号オケージョンの基準キャリア位相の複数の指示を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示を送信することが、
複数の第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信することであって、前記複数の第1の基準キャリア位相メッセージの少なくとも1つが前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含む、送信すること、又は、
前記複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半永続的に送信すること、又は、
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含む第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信すること、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示を送信することが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対する要求の受信に応答して、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を送信することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示を送信することが、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対する前記要求の要求元デバイスからの受信に応答して、かつ前記装置によって前記要求元デバイスに提供されるサービス品質に基づいて、ベストエフォート又は要求に従って、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を前記要求元デバイスに送信することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、送信されるときの前記測位基準信号の実際の基準キャリア位相を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の前記指示が、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相の推定値を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を所望の値になるように制御することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項29】
前記測位基準信号の前記送信の基準時間が、前記測位基準信号の最初のシンボルの送信の時間である、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記測位基準信号の前記送信の基準時間が、前記測位基準信号のスロット、又は前記測位基準信号のサブフレーム、又は前記測位基準信号のフレームのうちの1つの送信の時間である、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号をワイヤレスに送信するための手段と、
前記測位基準信号の送信の基準時間における前記測位基準信号の前記キャリア信号の位相を含む、前記測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信するための手段と、
を備える、装置。
【請求項32】
トランシーバと、
メモリと、
前記トランシーバ及び前記メモリに通信可能に結合されたプロセッサであって、
測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を取得し、
前記第1のキャリア位相指示を前記トランシーバを介して送信し、
前記測位基準信号の送信の基準時間における前記測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、前記第1のキャリア位相指示が前記測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を前記トランシーバを介して送信すること、又は、
前記測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、前記第1の測定されたキャリア位相及び前記第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含み、前記第1の測定されたキャリア位相及び前記第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、前記第3のキャリア位相指示を前記トランシーバを介して送信すること、
のうちの少なくとも1つを行う、ように構成されたプロセッサと、
を備える、デバイス。
【請求項33】
前記第1のキャリア位相指示を取得するために、前記プロセッサが、
前記測位基準信号を前記トランシーバを介して受信し、
前記測位基準信号のキャリア位相を測定して、前記第1の測定されたキャリア位相を決定する、ように更に構成されている、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記第1のキャリア位相指示を取得するために、前記プロセッサが、前記第1のキャリア位相指示を前記トランシーバを介して受信するように更に構成されており、前記プロセッサが、
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対応する前記位相値を前記トランシーバを介して受信し、
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含む前記測位基準信号の前記第1の測定されたキャリア位相に基づいて、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対応する前記位相値を前記第1のキャリア位相指示から減ずる、ように更に構成されている、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
キャリア位相情報を提供する方法であって、
測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を第1のデバイスにおいて取得することと、
前記第1のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信することと、
前記測位基準信号の送信の基準時間における前記測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、前記第1のキャリア位相指示が前記測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を前記第2のデバイスに送信すること、又は、
前記測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、前記第1の測定されたキャリア位相及び前記第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含み、前記第1の測定されたキャリア位相及び前記第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、前記第3のキャリア位相指示を前記第2のデバイスに送信すること、
のうちの少なくとも1つと、
を含む、方法。
【請求項36】
前記第1のキャリア位相指示を取得することが、
前記測位基準信号を受信することと、
前記測位基準信号のキャリア位相を測定して、前記第1の測定されたキャリア位相を決定することと、
を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のキャリア位相指示を取得することが、前記第1のキャリア位相指示を受信することを含み、前記方法が、
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対応する前記位相値を受信することと、
前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含む前記測位基準信号の前記第1の測定されたキャリア位相に基づいて、前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対応する前記位相値を前記第1のキャリア位相指示から減ずることと、
を更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
第1のデバイスであって、
測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を取得するための手段と、
前記第1のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信するための手段と、
前記測位基準信号の送信の基準時間における前記測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、前記第1のキャリア位相指示が前記測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を前記第2のデバイスに送信するための手段、又は、
前記測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、前記第1の測定されたキャリア位相及び前記第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが前記測位基準信号の前記基準キャリア位相を含み、前記第1の測定されたキャリア位相及び前記第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが前記測位基準信号の前記基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、前記第3のキャリア位相指示を前記第2のデバイスに送信するための手段、
のうちの少なくとも1つと、
を備える、第1のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、すべての目的のためにその内容全体が参照により本明細書に組み込まれている、「REFERENCE CARRIER PHASE FOR POSITIONING REFERENCE SIGNALS」と題する、2021年8月12日に出願された米国特許出願第17/401,266号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムは、第1世代アナログワイヤレス電話サービス(1G)、第2世代(2G)デジタルワイヤレス電話サービス(暫定2.5G及び2.75Gネットワークを含む)、第3世代(3G)高速データ、インターネット対応ワイヤレスサービス、第4世代(4G)サービス(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)又はWiMax)、第5世代(5G)サービスなどを含む、様々な世代を通じて発展している。現在、セルラー及びパーソナル通信サービス(PCS)システムを含めて、多くの異なるタイプのワイヤレス通信システムが使用されている。知られているセルラーシステムの例は、セルラーアナログアドバンストモバイルフォンシステム(AMPS)、及び符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、時分割多元接続(TDMA)、TDMAのモバイルアクセス用グローバルシステム(GSM)変形形態などに基づくデジタルセルラーシステムを含む。
【0003】
第5世代(5G)モバイル規格は、改善の中でも、より高いデータ転送速度、より多数の接続、及びより良好なカバレッジを必要とする。次世代モバイルネットワークアライアンスによれば、5G規格は、毎秒数十メガビットのデータレートを数万人のユーザに提供するように設計されており、オフィスフロアの数十人の就業者に対しては毎秒1ギガビットを提供する。センサの大規模展開を支えるには、数十万の同時接続がサポートされなければならない。したがって、5Gモバイル通信のスペクトル効率は、現在の4G規格と比較して著しく高められるべきである。更に、現在の規格と比較して、シグナリング効率が高められ、レイテンシが大幅に低減されなければならない。
【発明の概要】
【0004】
ある実施形態では、装置が、送信機と、メモリと、送信機及びメモリに通信可能に結合されたプロセッサであって、キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を送信機を介してワイヤレスに送信し、測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信機を介して送信する、ように構成されたプロセッサと、を含む。
【0005】
ある実施形態では、測位基準信号情報を提供する方法が、キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を装置からワイヤレスに送信することと、測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を装置から送信することと、を含む。
【0006】
ある実施形態では、デバイスが、トランシーバと、メモリと、トランシーバ及びメモリに通信可能に結合されたプロセッサであって、測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を取得し、第1のキャリア位相指示をトランシーバを介して送信し、測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、第1のキャリア位相指示が測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示をトランシーバを介して送信すること、又は、測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含み、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、第3のキャリア位相指示をトランシーバを介して送信すること、のうちの少なくとも1つを行う、ように構成されたプロセッサと、を含む。
【0007】
ある実施形態では、キャリア位相情報を提供する方法が、測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を第1のデバイスにおいて取得することと、第1のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信することと、測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、第1のキャリア位相指示が測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信すること、又は、測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含み、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、第3のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信すること、のうちの少なくとも1つと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的なワイヤレス通信システムの簡略図である。
図2図1に示す例示的なユーザ機器の構成要素のブロック図である。
図3】例示的な送信/受信点の構成要素のブロック図である。
図4図1に様々な実施形態が示される例示的サーバの構成要素のブロック図である。
図5】地上波ベースの測位システムの簡略図である。
図6】キャリア位相の取得及び報告のための例示的な装置の簡略ブロック図である。
図7】測位基準信号送信機の簡略ブロック図である。
図8】キャリア位相を測定し、位置情報を決定するためのプロセス及びシグナリングフローの簡略図である。
図9】測位基準信号の例示的な送信構成のタイミング図である。
図10】リソースセットの2つのオケージョンの簡略タイミング図である。
図11】キャリア波信号及びコード位相変調信号のタイミング図である。
図12】絶対キャリア位相値を示す例示的な初期キャリア位相値メッセージを示す図である。
図13】絶対キャリア位相値及び相対キャリア位相値を示す別の例示的な初期キャリア位相値メッセージを示す図である。
図14】例示的なキャリア位相測定値メッセージを示す図である。
図15】別の例示的なキャリア位相測定値メッセージを示す図である。
図16】測位基準信号情報を提供する方法のブロックフロー図である。
図17】キャリア位相情報を提供する方法のブロックフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
地上波ベースの測位信号を使用してキャリア位相ベースの測位を実行するための技法が、本明細書で説明される。例えば、基地局が、ターゲットデバイス(例えば、ターゲットユーザ機器(user equipment、UE))と基準デバイスとに異なる測位基準信号(PRS)バーストを送信する。基地局はまた、PRSバーストの基準キャリア信号位相(例えば、初期キャリア信号位相)、例えば、PRSの送信機におけるスロット、又はサブフレーム、又はフレームの開始時などの基準点におけるキャリア信号の位相の指示を送信する。基地局は、基準位相の指示を(例えば、ロケーションサーバ、ターゲットデバイス内などの)測位エンティティに送ってもよい。基地局は、例えば、PRSバーストの送信時に基準位相を決定し、この決定された基準位相の指示をターゲットデバイス及び/又は他のエンティティに送ってもよい。別の例として、基地局は、基準位相を予測し、予測された基準位相の指示をターゲットデバイス及び/又は他のエンティティに送ってもよい。別の例として、基地局は、基準位相を制御し、制御された基準位相の指示をターゲットデバイス及び/又は他のエンティティに送ってもよい。ターゲットデバイス及び基準デバイスは、PRSバーストを測定し、PRS測定値の指示を測位エンティティに提供する。測位エンティティは、ターゲットデバイスの位置情報(例えば、ロケーション推定値)を決定するために、1つ若しくは複数のPRS送信機及び/又は1つ若しくは複数の基準デバイスに対応するターゲットデバイスの測定値を使用してもよい。ただし、他の構成が使用されてもよい。
【0010】
本明細書で説明する項目及び/又は技法は、以下の能力のうちの1つ又は複数、並びに言及されない他の能力を提供し得る。高精度の測位が、地上波ベースの測位基準信号を使用して達成され得る。キャリア位相ベースの測位が、地上波ベースの測位基準信号を使用して実装され得る。他の能力が提供されてよく、本開示によるあらゆる実装形態が、説明された能力のうちのいずれかを、ましてすべてを提供しなければならないとは限らない。
【0011】
ワイヤレスネットワークにアクセスしているモバイルデバイスのロケーションを取得することは、例えば、緊急呼び出し、パーソナルナビゲーション、消費者資産追跡、友人又は家族の位置を特定することなどを含む、多くの適用例に有用であり得る。既存の測位方法は、基地局及びアクセスポイントなどの、ワイヤレスネットワーク中の衛星ビークル(SV)及び地上波無線ソースを含む様々なデバイス又はエンティティから送信された無線信号を測定することに基づく方法を含む。5Gワイヤレスネットワークのための規格化が様々な測位方法に対するサポートを含むことが予想され、そうした測位方法は、LTEワイヤレスネットワークが現在、位置決定のために測位基準信号(Positioning Reference Signal、PRS)及び/又はセル固有基準信号(Cell-specific Reference Signal、CRS)を利用するのと同様にして基地局によって送信される基準信号を利用し得る。
【0012】
本説明は、例えば、コンピューティングデバイスの要素によって実行される一連のアクションに言及することがある。本明細書で説明する様々なアクションが、特定の回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、プログラム命令が1つ若しくは複数のプロセッサによって実行されることによって、又はその両方の組み合わせによって実行され得る。本明細書で説明するアクションのシーケンスは、実行時に、本明細書で説明する機能を関連するプロセッサに実行させることになるコンピュータ命令の対応するセットをその上に記憶した、非一時的コンピュータ可読媒体内に具現化され得る。したがって、本明細書で説明する様々な態様は、いくつかの異なる形態で具現化されてよく、それらのすべては、請求される主題を含む、本開示の範囲内にある。
【0013】
本明細書で使用する「ユーザ機器」(UE)及び「基地局」という用語は、別段に記載されていない限り、任意の特定の無線アクセス技術(Radio Access Technology、RAT)に特有ではなく、又はそうでなければそうしたRATに限定されない。概して、そのようなUEは、ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するためにユーザによって使われる、どのワイヤレス通信デバイス(例えば、モバイルフォン、ルータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、消費者資産追跡デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイスなど)であってもよい。UEはモバイルであってよく、又は(例えば、ある時間においては)静止していてもよく、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)と通信してもよい。本明細書で使用される「UE」という用語は、「アクセス端末」又は「AT」、「クライアントデバイス」、「ワイヤレスデバイス」、「加入者デバイス」、「加入者端末」、「加入者局」、「ユーザ端末」又はUT、「モバイル端末」、「移動局」、「モバイルデバイス」、あるいはそれらの変形形態と互換的に呼ばれることがある。概して、UEは、RANを介してコアネットワークと通信することができ、コアネットワークを通して、UEはインターネットなどの外部ネットワークと、かつ他のUEと接続され得る。当然ながら、UEには、ワイヤードアクセスネットワーク、(例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers、米国電気電子技術者協会)802.11などに基づく)WiFiネットワークなどを介するなどして、コアネットワーク及び/又はインターネットに接続する他の機構が可能である。
【0014】
基地局は、それが展開されるネットワークに応じて、UEと通信しているいくつかのRATのうちの1つに従って動作し得る。基地局の例としては、アクセスポイント(AP)、ネットワークノード、ノードB、発展型ノードB(eNB)、又は一般ノードB(gノードB、gNB)が挙げられる。加えて、いくつかのシステムでは、基地局は純粋にエッジノードシグナリング機能を提供し得るが、他のシステムでは、基地局は追加の制御及び/又はネットワーク管理機能を提供し得る。
【0015】
UEは、限定はしないが、プリント回路(PC)カード、コンパクトフラッシュ(登録商標)デバイス、外付け又は内蔵のモデム、ワイヤレス又は有線の電話、スマートフォン、タブレット、消費者向け資産追跡デバイス、資産タグなどを含むいくつかのタイプのデバイスのいずれかによって具現化され得る。UEが信号をRANに送信することができる通信リンクは、アップリンクチャネル(例えば、逆方向トラフィックチャネル、逆方向制御チャネル、アクセスチャネルなど)と呼ばれる。RANが信号をUEへ送ることができる通信リンクは、ダウンリンクチャネル又は順方向リンクチャネル(例えば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、順方向トラフィックチャネルなど)と呼ばれる。本明細書で使用されるトラフィックチャネル(traffic channel、TCH)という用語は、アップリンク/逆方向トラフィックチャネル又はダウンリンク/順方向トラフィックチャネルのいずれかを指すことができる。
【0016】
本明細書で使用する「セル」又は「セクタ」という用語は、文脈に応じて、基地局の複数のセルのうちの1つに、又は基地局自体に対応し得る。「セル」という用語は、(例えば、キャリアを介した)基地局との通信のために使用される論理通信エンティティを指す場合があり、同じか又は異なるキャリアを介して動作する隣接セルを区別するための識別子(例えば、物理セル識別子(PCID)、仮想セル識別子(VCID))に関連付けられてよい。いくつかの例では、キャリアは、複数のセルをサポートしてよく、異なるセルは、異なるタイプのデバイスにアクセスを提供し得る、異なるプロトコルタイプ(例えば、マシンタイプ通信(MTC)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、又は他のもの)に従って構成されてよい。いくつかの例では、「セル」という用語は、論理エンティティがその上で動作する地理的カバレッジエリアの一部分(例えば、セクタ)を指すことがある。
【0017】
図1を参照すると、通信システム100の一例は、UE105と、UE106と、無線アクセスネットワーク(RAN)、ここでは第5世代(5G)次世代(NG)RAN(NG-RAN)135と、5Gコアネットワーク(5GC)140と、サーバ150とを含む。UE105及び/又はUE106は、例えば、IoTデバイス、ロケーション追跡器デバイス、セルラー電話、ビークル(例えば、車、トラック、バス、ボートなど)、又は他のデバイスであってよい。5Gネットワークは、新無線(New Radio、NR)ネットワークと呼ばれることもある。NG-RAN135は、5G RAN又はNR RANと呼ばれることがあり、5GC140は、NGコアネットワーク(NGC)と呼ばれることがある。NG-RAN及び5GCの規格化が、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))において進行中である。したがって、NG-RAN135及び5GC140は、3GPP(登録商標)からの、5Gサポートのための現在及び将来の規格に準拠し得る。NG RAN135は、別のタイプのRAN、例えば、3G RAN、4Gロングタームエボリューション(LTE)RANなどであり得る。UE106は、システム100中の同様の他のエンティティとの間で信号を送受信するように構成され、UE105に同様に結合され得るが、そのようなシグナリングは、図を簡単にするために図1に示されていない。同様に、本考察は、簡潔のためにUE105に焦点を置いている。通信システム100は、全地球測位システム(GPS)、全地球ナビゲーション衛星システム(GLONASS)、Galileo、若しくはBeidouのような、衛星測位システム(SPS)(例えば、全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS))、又はインド地域航法衛星システム(IRNSS)、欧州静止ナビゲーションオーバーレイサービス(EGNOS)、若しくはワイドエリアオーグメンテーションシステム(WAAS)などの、いくつかの他の局所的又は地域的なSPSのために、衛星ビークル(SV)190、SV191、SV192、SV193を含むコンスタレーション185からの情報を利用してよい。通信システム100の追加の構成要素について、以下で説明する。通信システム100は、追加又は代替の構成要素を含み得る。
【0018】
図1に示すように、NG-RAN135は、NRノードB(gNB)110a、110b、及び次世代eノードB(ng-eNB)114を含み、5GC140は、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)115、セッション管理機能(SMF)117、ロケーション管理機能(LMF)120、並びにゲートウェイモバイルロケーションセンター(GMLC)125を含む。gNB110a、110b、及びng-eNB114は、互いに通信可能に結合され、各々がUE105と双方向にワイヤレス通信するように構成されており、各々がAMF115に通信可能に結合され、AMF115と双方向に通信するように構成されている。gNB110a、110b、及びng-eNB114は、基地局(BS)と呼ばれることがある。AMF115、SMF117、LMF120、及びGMLC125は、互いに通信可能に結合され、GMLCは、外部クライアント130に通信可能に結合される。SMF117は、メディアセッションを作成、制御、及び削除するための、サービス制御機能(SCF)(図示せず)の初期接触点として機能し得る。gNB110a、110b及び/又はng-eNB114などの基地局は、マクロセル(例えば、高電力セルラー基地局)、又はスモールセル(例えば、低電力セルラー基地局)、又はアクセスポイント(例えば、WiFi、WiFi-Direct(WiFi-D)、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)、Zigbeeなどの短距離技術で通信するように構成された短距離基地局)などであってよい。1つ又は複数の基地局、例えば、gNB110a、110b及び/又はng-eNB114のうちの1つ又は複数が、複数のキャリアを介してUE105と通信するように構成され得る。gNB110a、110b及び/又はng-eNB114の各々は、それぞれの地理的領域、例えばセルのための通信カバレッジを提供し得る。各セルは、基地局アンテナに応じて複数のセクタに区分され得る。
【0019】
図1は様々な構成要素の一般化された図を提供し、構成要素のいずれか又はすべてが適宜に利用されてもよく、構成要素の各々が必要に応じて複製又は省略されてもよい。具体的には、1つのUE105が示されるが、多くのUE(例えば、数百、数千、数百万など)が通信システム100において利用されてもよい。同様に、通信システム100は、より多数(又は、少数)のSV(すなわち、示される4つのSV190~193よりも多数又は少数)、gNB110a、110b、ng-eNB114、AMF115、外部クライアント130、及び/又は他の構成要素を含んでもよい。通信システム100の中の様々な構成要素を接続する図示の接続は、追加(中間)の構成要素、直接若しくは間接的な物理接続及び/若しくはワイヤレス接続、並びに/又は追加のネットワークを含み得る、データ及びシグナリング接続を含む。更に、構成要素は、所望の機能に応じて、並べ替えられ、組み合わせられ、分離され、置換され、かつ/又は省略されてもよい。
【0020】
図1は5Gベースのネットワークを示すが、3G、ロングタームエボリューション(LTE)などの他の通信技術のために同様のネットワーク実装形態及び構成が使用されてもよい。本明細書で説明する実装形態(それらが5G技術用であろうと、1つ又は複数の他の通信技術及び/又はプロトコル用であろうと)は、指向性同期信号を送信(又はブロードキャスト)し、UE(例えば、UE105)において指向性信号を受信及び測定し、かつ/又はロケーション支援をUE105に(GMLC125又は他のロケーションサーバを介して)提供し、かつ/又はそのような指向的に送信された信号についてのUE105において受信された測定量に基づいてUE105、gNB110a、110b、若しくはLMF120などのロケーション対応デバイスにおいてUE105のロケーションを計算するために使用されてもよい。ゲートウェイモバイルロケーションセンター(GMLC)125、ロケーション管理機能(LMF)120、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)115、SMF117、ng-eNB(eNodeB)114、並びにgNB(gノードB)110a、110bは例であり、様々な実施形態では、それぞれ、他の様々なロケーションサーバ機能及び/若しくは基地局機能によって置き換えられてもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0021】
システム100の構成要素が、例えばgNB110a、110b、ng-eNB114、及び/又は5GC140(及び/又は、1つ又は複数の他のベーストランシーバ局など、図示されない1つ又は複数の他のデバイス)を介して、直接又は間接的に互いに(少なくとも時々ワイヤレス接続を使用して)通信できるという点で、システム100はワイヤレス通信が可能である。間接的な通信の場合、通信は、1つのエンティティから別のエンティティへの送信中に、例えば、データパケットのヘッダ情報を変更するために、フォーマットを変更するために、などのように変更され得る。UE 105は、複数のUEを含んでもよく、モバイルワイヤレス通信デバイスであり得るが、ワイヤレスに、及び有線接続を介して、通信してもよい。UE105は、様々なデバイスのいずれか、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ビークルベースのデバイスなどであり得るが、UE105は、これらの構成のいずれかである必要がないので、これらは例であり、他の構成のUEが使用され得る。他のUEは、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートジュエリー、スマートグラス、又はヘッドセットなど)を含んでよい。現在存在するかそれとも将来開発されるかにかかわらず、更に他のUEが使用されてよい。更に、他のワイヤレスデバイス(モバイルであるか否かにかかわらず)が、システム100内で実装されることができ、互いと、並びに/又は、UE105、gNB110a、110b、ng-eNB114、5GC140、及び/若しくは外部クライアント130と通信し得る。例えば、そのような他のデバイスは、モノのインターネット(IoT)デバイス、医療デバイス、家庭用娯楽及び/又は自動化デバイスなどを含み得る。5GC140は、例えば、外部クライアント130が(例えば、GMLC125を介して)UE105に関するロケーション情報を要求及び/又は受信することを可能にするために、外部クライアント130(例えば、コンピュータシステム)と通信し得る。
【0022】
UE105又は他のデバイスは、様々なネットワークにおいて、及び/又は様々な目的で、及び/又は様々な技術(例えば、5G、Wi-Fi通信、Wi-Fi通信の複数の周波数、衛星測位、1つ又は複数のタイプの通信(例えば、GSM(モバイル用グローバルシステム)、CDMA(符号分割多元接続)、LTE(ロングタームエボリューション)、V2X(ビークルツーエブリシング、例えば、V2P(ビークルツーペデストリアン)、V2I(ビークルツーインフラストラクチャ)、V2V(ビークルツービークル)など)、IEEE802.11pなど)を使用して、通信するように構成され得る。V2X通信は、セルラー(セルラーV2X(C-V2X))及び/又はWiFi(例えば、DSRC(専用短距離接続))であってよい。システム100は、複数のキャリア(異なる周波数の波形信号)上での動作をサポートし得る。マルチキャリア送信機は、複数のキャリア上で変調信号を同時に送信することができる。各変調信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号、時分割多元接続(TDMA)信号、直交周波数分割多元接続(OFDMA)信号、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)信号などであり得る。各変調信号は、異なるキャリア上で送られてもよく、パイロット、オーバーヘッド情報、データなどを搬送し得る。UE 105、106は、物理サイドリンク同期チャネル(PSSCH)、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)、又は物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)などの1つ又は複数のサイドリンクチャネル上で送信することによって、UE間サイドリンク(SL)通信によって互いに通信し得る。
【0023】
UE105は、デバイス、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、モバイル端末、端末、移動局(MS)、セキュアユーザプレーンロケーション(SUPL)対応端末(SET)を含んでもよく、かつ/又はそのように呼ばれるか、若しくは何らかの他の名称で呼ばれることがある。その上、UE105は、セルフォン、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、PDA、消費者資産追跡デバイス、ナビゲーションデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、健康モニタ、セキュリティシステム、スマートシティセンサ、スマートメータ、装着可能追跡器、又は何らかの他の可搬型若しくは可動デバイスに対応し得る。一般に、必ずではないが、UE105は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、LTE、高レートパケットデータ(HRPD)、IEEE802.11WiFi(Wi-Fiとも呼ばれる)、Bluetooth(登録商標)(BT)、世界規模相互運用マイクロ波アクセス(WiMAX)、5G新無線(NR)(例えば、NG-RAN135及び5GC140を使用して)などのような1つ又は複数の無線アクセス技術(RAT)を使用するワイヤレス通信をサポートしてもよい。UE105は、例えばデジタル加入者ライン(DSL)又はパケットケーブルを使用して他のネットワーク(例えば、インターネット)に接続し得るワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を使用してワイヤレス通信をサポートしてもよい。これらのRATのうちの1つ又は複数の使用は、UE105が外部クライアント130と(例えば、図1に示されない5GC140の要素を介して、又は場合によってはGMLC125を介して)通信することを可能にし、かつ/又は外部クライアント130がUE105に関するロケーション情報を(例えば、GMLC125を介して)受信することを可能にし得る。
【0024】
UE105は、ユーザがオーディオ、ビデオ及び/若しくはデータI/O(入力/出力)デバイス並びに/又はボディセンサ及び別個のワイヤライン若しくはワイヤレスモデムを採用し得るパーソナルエリアネットワークなどにおいて、単一のエンティティを含んでもよく、又は複数のエンティティを含んでもよい。UE105のロケーションの推定は、ロケーション、ロケーション推定、ロケーションフィックス、フィックス、位置、位置推定、又は位置フィックスと呼ばれることがあり、地理的であってもよく、したがって、高度成分(例えば、標高、地面、床面、又は地下からの高さ又は深さ)を含んでも含まなくてもよい、UE105のロケーション座標(例えば、緯度及び経度)を提供する。代替として、UE105のロケーションは、都市ロケーションとして(例えば、郵便住所、又は特定の部屋若しくはフロアなどの建物の中の何らかの地点の目的地若しくは小さいエリアの呼称として)表されてもよい。UE105のロケーションは、UE105が何らかの確率又は信頼性レベル(例えば、67%、95%など)でその中に位置すると予想される(地理的に又は都市形態でのいずれかで定義される)エリア又はボリュームとして表されてもよい。UE105のロケーションは、例えば、既知のロケーションからの距離及び方向を含む、相対ロケーションとして表されてもよい。相対ロケーションは、例えば、地理的に、都市の観点で、又は、例えば、マップ、フロアプラン、若しくは建物プラン上に示された地点、エリア、若しくはボリュームを参照することによって定義され得る既知のロケーションにおける何らかの起点に対して定義される相対座標(例えば、X、Y(及びZ)座標)として表されてもよい。本明細書に含まれる説明では、ロケーションという用語の使用は、別段に示されていない限り、これらの変形態のいずれかを含んでもよい。UEのロケーションを算出するとき、局所的なx、y、及び場合によってはz座標を求め、次いで、所望される場合、(例えば、緯度、経度、及び平均海面の上又は下の高度について)局所座標を絶対座標に変換することが一般的である。
【0025】
UE105は、様々な技術のうちの1つ又は複数を使用して他のエンティティと通信するように構成されてよい。UE105は、1つ又は複数のデバイス間(D2D)ピアツーピア(P2P)リンクを介して1つ又は複数の通信ネットワークに間接的に接続するように構成され得る。D2D P2Pリンクは、LTE Direct(LTE-D)、WiFi Direct(WiFi-D)、Bluetooth(登録商標)などの、任意の適切なD2D無線アクセス技術(RAT)を用いてサポートされ得る。D2D通信を利用するUEのグループのうちの1つ又は複数は、gNB110a、110b、及び/又はng-eNB114のうちの1つ又は複数などの送信/受信点(TRP)の地理的カバレッジエリア内にあってもよい。そのようなグループの中の他のUEは、そのような地理的カバレッジエリアの外側にあることがあり、又はそれ以外のことで基地局からの送信を受信できない場合がある。D2D通信を介して通信するUEのグループは、各UEがグループ内の他のUEに送信し得る1対多(1:M)システムを利用し得る。TRPは、D2D通信のためのリソースのスケジューリングを容易にし得る。他の場合には、D2D通信は、TRPが関与することなくUE間で実行され得る。D2D通信を利用するUEのグループのうちの1つ又は複数が、TRPの地理的カバレッジエリア内にあってよい。そのようなグループの中の他のUEは、そのような地理的カバレッジエリアの外側にあることがあり、又はそれ以外のことで基地局からの送信を受信できない場合がある。D2D通信を介して通信するUEのグループは、各UEがグループ内の他のUEに送信し得る1対多(1:M)システムを利用し得る。TRPは、D2D通信のためのリソースのスケジューリングを容易にし得る。他の場合には、D2D通信は、TRPが関与することなくUE間で実行され得る。
【0026】
図1に示されるNG-RAN135の中の基地局(BS)は、gNB110a及び110bと呼ばれるNRノードBを含む。NG-RAN135の中のgNB110a、110bのペアは、1つ又は複数の他のgNBを介して互いに接続され得る。5Gネットワークへのアクセスは、UE105とgNB110a、110bのうちの1つ又は複数との間のワイヤレス通信を介してUE105に提供され、これらのgNBは、5Gを使用するUE105の代わりに5GC140へのワイヤレス通信アクセスを提供し得る。図1では、UE105用のサービングgNBはgNB110aであると想定されるが、別のgNB(例えば、gNB110b)が、UE105が別のロケーションに移動する場合にサービングgNBとして機能してもよく、又は追加のスループット及び帯域幅をUE105に提供するための2次gNBとして機能してもよい。
【0027】
図1に示されるNG-RAN135の中の基地局(BS)は、次世代発展型ノードBとも呼ばれるng-eNB114を含み得る。ng-eNB114は、場合によっては1つ若しくは複数の他のgNB及び/又は1つ若しくは複数の他のng-eNBを介して、NG-RAN135の中のgNB110a、110bのうちの1つ又は複数に接続され得る。ng-eNB114は、LTEワイヤレスアクセス及び/又は発展型LTE(eLTE)ワイヤレスアクセスをUE105に提供し得る。gNB110a、110b及び/又はng-eNB114のうちの1つ又は複数は、UE105の位置を決定するのを支援するための信号を送信し得るが、UE105からの又は他のUEからの信号を受信し得ない、測位専用ビーコンとして機能するように構成され得る。
【0028】
gNB110a、110b及び/又はng-eNB114は、各々、1つ又は複数のTRPを備え得る。例えば、BSのセル内の各セクタがTRPを備えてもよいが、複数のTRPが1つ又は複数の構成要素を共有してもよい(例えば、プロセッサを共有するが別個のアンテナを有してもよい)。システム100は、マクロTRPのみを含み得るか、又はシステム100は、異なるタイプのTRP、例えば、マクロ、ピコ、及び/又はフェムトTRPなどを有し得る。マクロTRPは、比較的大きい地理的エリア(例えば、半径数キロメートル)をカバーすることができ、サービスに加入している端末による無制限アクセスを可能にし得る。ピコTRPは、比較的小さい地理的エリア(例えば、ピコセル)をカバーすることができ、サービスに加入している端末による無制限アクセスを可能にし得る。フェムトTRP又はホームTRPは、比較的小さい地理的エリア(例えば、フェムトセル)をカバーすることができ、フェムトセルとの関連付けを有する端末(例えば、自宅の中のユーザ用の端末)による制限付きアクセスを可能にし得る。
【0029】
gNB110a、110b及び/又はng-eNB114の各々は、無線ユニット(RU)、分散型ユニット(DU)、及び中心ユニット(CU)を含み得る。例えば、gNB110bは、RU111、DU112、及びCU113を含む。RU111、DU112、及びCU113は、gNB110bの機能を分割する。gNB110bは単一のRU、単一のDU、及び単一のCUとともに示されているが、gNBは、1つ若しくは複数のRU、1つ若しくは複数のDU、及び/又は1つ若しくは複数のCUを含み得る。CU113とDU112との間のインターフェースは、F1インターフェースと呼ばれる。RU111は、デジタルフロントエンド(DFE)機能(例えば、アナログ-デジタルコンバージョン、フィルタリング、電力増幅、送信/受信)及びデジタルビームフォーミングを実施するように構成され、物理(PHY)レイヤの一部分を含む。RU111は、大規模多入力/多出力(MIMO)を使ってDFEを実施することができ、gNB110bの1つ又は複数のアンテナと統合されてよい。DU112は、gNB110bの無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)、及び物理レイヤをホストする。1つのDUが1つ又は複数のセルをサポートすることができ、各セルが単一DUによってサポートされる。DU112の動作は、CU113によって制御される。CU113は、ユーザデータ、モビリティ制御、無線アクセスネットワーク共有、測位、セッション管理などを転送するための機能を実施するように構成されるが、いくつかの機能は、DU112に排他的に割り振られる。CU113は、gNB110bの無線リソース制御(RRC)、サービスデータ適合プロトコル(SDAP)、及びパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)プロトコルをホストする。UE105は、RRC、SDAP、及びPDCPレイヤを介してCU113と、RLC、MAC、及びPHYレイヤを介してDU112と、並びにPHYレイヤを介してRU111と通信し得る。
【0030】
述べられたように、図1は、5G通信プロトコルに従って通信するように構成されたノードを示すが、例えば、LTEプロトコル又はIEEE802.11xプロトコルなどの他の通信プロトコルに従って通信するように構成されたノードが使用されてもよい。例えば、LTEワイヤレスアクセスをUE105に提供する発展型パケットシステム(EPS)では、RANは、発展型ノードB(eNB)を含む基地局を含み得る発展型ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)地上波無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)を含み得る。EPSのためのコアネットワークは、発展型パケットコア(EPC)を備えてもよい。EPSは、E-UTRANにEPCを加えたものを含んでもよく、図1において、E-UTRANはNG-RAN135に対応し、EPCは5GC140に対応する。
【0031】
gNB110a、110b、及びng-eNB114は、AMF115と通信してもよく、AMF115は、測位機能のためにLMF120と通信する。AMF115は、セル変更及びハンドオーバを含む、UE105のモビリティをサポートすることができ、UE105へのシグナリング接続、並びに場合によってはUE105のためのデータ及び音声ベアラをサポートすることに関与してもよい。LMF120は、例えば、ワイヤレス通信を通じてUE105と直接通信するか、あるいはgNB110a、110b及び/又はng-eNB114と直接通信し得る。LMF120は、UE105がNG-RAN135にアクセスするときのUE105の測位をサポートし得、支援GNSS(A-GNSS)、観測到着時間差(OTDOA)(例えば、ダウンリンク(DL)OTDOA又はアップリンク(UL)OTDOA)、ラウンドトリップ時間(RTT)、マルチセルRTT、リアルタイムキネマティック(RTK)、精密単独測位(PPP)、差動GNSS(DGNSS)、拡張セルID(E-CID)、到来角(AoA)、発射角(AoD)、及び/又は他の位置方法などの位置プロシージャ/方法をサポートし得る。LMF120は、例えば、AMF115から又はGMLC125から受信された、UE105に対するロケーションサービス要求を処理し得る。LMF120は、AMF115に、かつ/又はGMLC125に接続され得る。LMF120は、ロケーションマネージャ(LM)、ロケーション機能(LF)、商用LMF(CLMF)、又は付加価値LMF(VLMF)などの、他の名称で呼ばれることがある。LMF120を実装するノード/システムは、追加又は代替として、エンハンストサービングモバイルロケーションセンター(E-SMLC)又はセキュアユーザプレーンロケーション(SUPL)ロケーションプラットフォーム(SLP)などの、他のタイプのロケーションサポートモジュールを実装し得る。(UE105のロケーションの導出を含む)測位機能の少なくとも一部は、(例えば、gNB110a、110b、及び/若しくはng-eNB114などのワイヤレスノードによって送信された信号についてのUE105によって取得された信号測定値、並びに/又は、例えばLMF120によってUE105に提供された支援データを使用して)UE105において実行され得る。AMF115は、UE105と5GC140との間のシグナリングを処理する制御ノードとしての役割を果たすことができ、QoS(サービス品質)フロー及びセッション管理を提供し得る。AMF115は、セル変更及びハンドオーバを含む、UE105のモビリティをサポートしてよく、UE105へのシグナリング接続をサポートすることに参加してよい。
【0032】
サーバ150、例えば、クラウドサーバは、UE105のロケーション推定値を取得し、外部クライアント130に提供するように構成される。サーバ150は、例えば、UE105のロケーション推定値を取得するマイクロサービス/サービスを稼働するように構成されてよい。サーバ150は、例えば、UE105、gNB110a、110bのうちの1つ若しくは複数(例えば、RU111、DU112、及びCU113を介して)並びに/又はng-eNB114、並びに/又はLMF120から、(例えば、それらへロケーション要求を送ることによって)ロケーション推定値をプルしてよい。別の例として、UE105、gNB110a、110bのうちの1つ若しくは複数(例えば、RU111、DU112、及びCU113を介して)、並びに/又はLMF120が、UE105のロケーション推定値をサーバ150へプッシュしてよい。
【0033】
GMLC125は、サーバ150を介して外部クライアント130から受信されたUE105についてのロケーション要求をサポートし得、AMF115によってLMF120にフォワーディングするためにそのようなロケーション要求をAMF115にフォワーディングし得るか、又はロケーション要求をLMF120に直接フォワーディングし得る。(例えば、UE105のためのロケーション推定値を含んでいる)LMF120からのロケーション応答は、直接又はAMF115を介してのいずれかでGMLC125に戻されることがあり、GMLC125は、次いで、サーバ150を介して外部クライアント130に(例えば、ロケーション推定値を含んでいる)ロケーション応答を戻し得る。GMLC125は、AMF115とLMF120の両方に接続されて示されているが、いくつかの実装形態では、AMF115又はLMF120に接続されなくてもよい。
【0034】
図1に更に示されるように、LMF120は、3GPP(登録商標)技術仕様(TS)38.455において定義され得る新無線測位プロトコルA(NPPa又はNRPPaと呼ばれることがある)を使用して、gNB110a、110b、及び/又はng-eNB114と通信し得る。NRPPaは、3GPP(登録商標) TS 36.455において定義されるLTE測位プロトコルA(LPPa)と同じであるか、それと同様であるか、又はその拡張であってもよく、NRPPaメッセージは、AMF115を介して、gNB110a(又はgNB110b)とLMF120との間、及び/又はng-eNB114とLMF120との間で転送される。図1に更に示されるように、LMF120及びUE105は、3GPP(登録商標) TS 36.355において定義され得るLTE測位プロトコル(LPP)を使用して通信し得る。LMF120及びUE105は、同じく又は代わりに、LPPと同じであるか、それと同様であるか、又はその拡張であり得る新無線測位プロトコル(NPP又はNRPPと呼ばれることがある)を使用して通信し得る。ここで、LPP及び/又はNPPメッセージは、AMF115及びUE105用のサービングgNB110a、110b又はサービングng-eNB114を介して、UE105とLMF120との間で転送され得る。例えば、LPP及び/又はNPPメッセージは、5Gロケーションサービスアプリケーションプロトコル(LCS AP)を使用してLMF120とAMF115との間で転送されてもよく、5G非アクセス層(NAS)プロトコルを使用してAMF115とUE105との間で転送されてもよい。LPP及び/又はNPPプロトコルは、A-GNSS、RTK、OTDOA、及び/又はE-CIDなどのUE支援型及び/又はUEベースの測位方法を使用して、UE105の測位をサポートするために使用され得る。NRPPaプロトコルは、(例えば、gNB110a、110b、又はng-eNB114によって取得された測定値とともに使用されるとき)E-CIDなどのネットワークベースの測位方法を使用してUE105の測位をサポートするために使用されてもよく、かつ/又は、gNB110a、110b、及び/若しくはng-eNB114からの指向性SS(同期信号)若しくはPRS送信を定義するパラメータなどのロケーション関連の情報をgNB110a、110b、及び/若しくはng-eNB114から取得するためにLMF120によって使用されてもよい。LMF120は、gNB又はTRPとコロケート又は統合されてよく、あるいはgNB及び/又はTRPから遠隔に配設されてよく、gNB及び/又はTRPと直接又は間接的に通信するように構成されてよい。
【0035】
UE支援型測位方法を用いると、UE105は、ロケーション測定値を取得し、測定値を、UE105についてのロケーション推定値の算出のためにロケーションサーバ(例えば、LMF120)に送ることができる。例えば、ロケーション測定値は、gNB110a、110b、ng-eNB114、及び/又はWLAN APについての受信信号強度指示(RSSI)、ラウンドトリップ信号伝搬時間(RTT)、基準信号時間差(RSTD)、基準信号受信電力(RSRP)、及び/又は基準信号受信品質(RSRQ)のうちの1つ又は複数を含み得る。位置測定結果は、同じく又は代わりに、SV190~193に対するGNSS擬似範囲、コード位相、及び/又はキャリア位相の測定結果を含んでもよい。
【0036】
UEベースの測位方法を用いると、UE105は、(例えば、UE支援型測位方法のロケーション測定値と同じであるか、又はそれと同様であり得る)ロケーション測定値を取得することができ、(例えば、LMF120などのロケーションサーバから受信された、あるいはgNB110a、110b、ng-eNB114、又は他の基地局若しくはAPによってブロードキャストされた支援データを用いて)UE105のロケーションを算出することができる。
【0037】
ネットワークベースの位置方法では、1つ又は複数の基地局(例えば、gNB110a、110b、及び/又はng-eNB114)又はAPは、ロケーション測定値(例えば、UE105によって送信された信号のためのRSSI、RTT、RSRP、RSRQ又は到着時間(ToA)の測定値)を取得してもよく、かつ/又はUE105によって取得された測定値を受信し得る。1つ又は複数の基地局又はAPは、UE105についてのロケーション推定値の算出のために測定値をロケーションサーバ(例えば、LMF120)に送ってもよい。
【0038】
NRPPaを使用してgNB110a、110b、及び/又はng-eNB114によってLMF120に提供される情報は、指向性SS又はPRS送信のためのタイミング及び構成情報、並びにロケーション座標を含み得る。LMF120は、この情報の一部又は全部を、NG-RAN135及び5GC140を介してLPP及び/又はNPPメッセージの中で支援データとしてUE105に提供してよい。
【0039】
LMF120からUE105に送られるLPP又はNPPメッセージは、所望の機能に応じて、様々なことのうちのいずれかを行うようにUE105に命令することができる。例えば、LPP又はNPPメッセージは、UE105がGNSS(又はA-GNSS)、WLAN、E-CID、及び/又はOTDOA(又は何らかの他の測位方法)用の測定値を取得するための命令を含む場合がある。E-CIDの場合、LPP又はNPPメッセージは、gNB110a、110b、及び/又はng-eNB114のうちの1つ又は複数によってサポートされる(又はeNB若しくはWiFi APなどの何らかの他のタイプの基地局によってサポートされる)特定のセル内で送信された指向性信号の1つ又は複数の測定量(例えば、ビームID、ビーム幅、平均角、RSRP、RSRQ測定値)を取得するようにUE105に命令することができる。UE105は、サービングgNB110a(又はサービングng-eNB114)及びAMF115を介して、LPP又はNPPメッセージの中で(例えば、5G NASメッセージの内部で)、測定量をLMF120に送り返してもよい。
【0040】
述べられたように、通信システム100は、5G技術に関して説明されているが、通信システム100は、(例えば、音声、データ、測位、及び他の機能を実装するために)UE105などのモバイルデバイスをサポートし、それらと対話するために使用される、GSM、WCDMA(登録商標)、LTEなどの他の通信技術をサポートするように実装され得る。いくつかのそのような実施形態では、5GC140は、異なるエアインターフェースを制御するように構成され得る。例えば、5GC140は、5GC140における非3GPP(登録商標)インターワーキング機能(N3IWF、図1に図示せず)を使用してWLANに接続され得る。例えば、WLANは、UE105のためのIEEE802.11 WiFiアクセスをサポートすることができ、1つ又は複数のWiFi APを備え得る。ここで、N3IWFは、WLANに、かつAMF115などの5GC140の中の他の要素に接続し得る。いくつかの実施形態では、NG-RAN135と5GC140の両方は、1つ又は複数の他のRAN及び1つ又は複数の他のコアネットワークで置き換えられてもよい。例えば、EPSでは、NG-RAN135は、eNBを含むE-UTRANで置き換えられてもよく、5GC140は、AMF115の代わりのモビリティ管理エンティティ(MME)と、LMF120の代わりのE-SMLCと、GMLC125と同様であり得るGMLCとを含むEPCで置き換えられてもよい。そのようなEPSでは、E-SMLCは、E-UTRANの中でeNBとの間でロケーション情報を送受信するためにNRPPaの代わりにLPPaを使用してもよく、UE105の測位をサポートするためにLPPを使用してもよい。これらの他の実施形態では、指向性PRSを使用するUE105の測位は、5Gネットワークについて本明細書で説明する方法と類似した方法でサポートされてもよく、違いは、gNB110a、110b、ng-eNB114、AMF115、及びLMF120について本明細書で説明する機能及び手順が、場合によっては、代わりに、eNB、WiFi AP、MME、及びE-SMLCなどの他のネットワーク要素に適用されることがあるということである。
【0041】
述べられたように、いくつかの実施形態では、測位機能は、少なくとも部分的に、その位置が決定されることになるUE(例えば、図1のUE105)の範囲内にある(gNB110a、110b、及び/又はng-eNB114などの)基地局によって送られる指向性SS又はPRSビームを使用して実装され得る。UEは、いくつかの事例では、UEの位置を算出するために、(gNB110a、110b、ng-eNB114などの)複数の基地局からの指向性SS又はPRSビームを使用し得る。
【0042】
図2も参照すると、UE200は、UE105、106のうちの1つの例であり、プロセッサ210と、ソフトウェア(SW)212を含むメモリ211と、1つ又は複数のセンサ213と、トランシーバ215(ワイヤレストランシーバ240及びワイヤードトランシーバ250を含む)用のトランシーバインターフェース214と、ユーザインターフェース216と、衛星測位システム(SPS)受信機217と、カメラ218と、位置デバイス(PD)219とを含むコンピューティングプラットフォームを備える。プロセッサ210、メモリ211、センサ213、トランシーバインターフェース214、ユーザインターフェース216、SPS受信機217、カメラ218、及び位置デバイス219は、バス220(例えば、光及び/又は電気通信のために構成され得る)によって互いに、通信可能に結合され得る。図示されている装置のうちの1つ又は複数(例えば、カメラ218、位置デバイス219、及び/又はセンサ213のうちの1つ若しくは複数、など)は、UE200から省かれてよい。プロセッサ210は、1つ又は複数のインテリジェントハードウェアデバイス、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含んでもよい。プロセッサ210は、汎用/アプリケーションプロセッサ230、デジタル信号プロセッサ(DSP)231、モデムプロセッサ232、ビデオプロセッサ233、及び/又はセンサプロセッサ234を含む複数のプロセッサを備えてもよい。プロセッサ230~234のうちの1つ又は複数は、複数のデバイス(例えば、複数のプロセッサ)を備えてもよい。例えば、センサプロセッサ234は、例えば、(送信される1つ又は複数の(セルラー)ワイヤレス信号、並びに物体を識別、マッピング、及び/又は追跡するために使用される反射を用いた)RF(無線周波数)感知、及び/又は超音波などのための、プロセッサを備えてもよい。モデムプロセッサ232は、デュアルSIM/デュアル接続(又は更により多くのSIM)をサポートしてもよい。例えば、あるSIM(加入者識別情報モジュール又は加入者識別モジュール)が相手先ブランド製造会社(OEM)によって使用されてもよく、別のSIMが接続のためにUE200のエンドユーザによって使用されてもよい。メモリ211は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクメモリ、及び/又は読取り専用メモリ(ROM)などを含み得る、非一時的記憶媒体である。メモリ211は、ソフトウェア212を記憶し、ソフトウェア212は、命令を含むプロセッサ可読プロセッサ実行可能ソフトウェアコードであってもよく、命令は、実行されると、プロセッサ210に本明細書で説明される様々な機能を実行させるように構成される。代替として、ソフトウェア212は、プロセッサ210によって直接実行可能ではなくてもよいが、例えば、コンパイルされ実行されると、プロセッサ210に機能を実行させるように構成されてもよい。この説明は、プロセッサ210が機能を実行することに言及することがあるが、このことは、プロセッサ210がソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する場合などの他の実装形態を含む。この説明は、プロセッサ230~234のうちの1つ又は複数が機能を実行することに対する省略表現として、プロセッサ210が機能を実行すると述べることがある。この説明は、UE200の1つ又は複数の適切な構成要素が機能を実行することに対する省略表現として、UE200が機能を実行すると述べることがある。プロセッサ210は、メモリ211に加えて、かつ/又はメモリ211の代わりに、記憶された命令を有するメモリを含んでもよい。プロセッサ210の機能が、以下でより十分に論じられる。
【0043】
図2に示されるUE200の構成は、特許請求の範囲を含む本開示の例であって限定ではなく、他の構成が使用されてもよい。例えば、UEの例示的な構成は、プロセッサ210のプロセッサ230~234、メモリ211、及びワイヤレストランシーバ240のうちの1つ又は複数を含む。他の例示的な構成は、プロセッサ210のプロセッサ230~234のうちの1つ又は複数、メモリ211、ワイヤレストランシーバ、並びに、1つ又は複数のセンサ213、ユーザインターフェース216、SPS受信機217、カメラ218、PD219、及び/又はワイヤードトランシーバのうちの1つ又は複数を含む。
【0044】
UE200は、トランシーバ215及び/又はSPS受信機217によって受信及びダウンコンバートされた信号のベースバンド処理を実行することが可能であり得るモデムプロセッサ232を備えてもよい。モデムプロセッサ232は、トランシーバ215による送信のためにアップコンバートされるように、信号のベースバンド処理を実行してもよい。同じく又は代替的に、ベースバンド処理は、汎用/アプリケーションプロセッサ230及び/又はDSP231によって実施され得る。しかしながら、他の構成が、ベースバンド処理を実行するために使用されてもよい。
【0045】
UE200は、例えば、1つ若しくは複数の慣性センサ、1つ若しくは複数の磁力計、1つ若しくは複数の環境センサ、1つ若しくは複数の光センサ、1つ若しくは複数の重さセンサ、及び/又は1つ若しくは複数の無線周波数(RF)センサなどの、様々なタイプのセンサの1つ又は複数を含み得る、センサ213を含み得る。慣性測定ユニット(IMU)は、例えば、1つ又は複数の加速度計(例えば、3次元におけるUE200の加速に集合的に応答する)、及び/又は1つ若しくは複数のジャイロスコープ(例えば、3次元ジャイロスコープ)を備え得る。センサ213は、例えば、1つ又は複数のコンパスアプリケーションをサポートするためなど、様々な目的のいずれかのために使うことができる方位(例えば、磁北及び/又は真北に相対して)を判断するための1つ又は複数の磁力計(例えば、3次元磁力計)を含み得る。環境センサは、例えば、1つ若しくは複数の温度センサ、1つ若しくは複数の気圧センサ、1つ若しくは複数の周辺光センサ、1つ若しくは複数のカメライメージャ、及び/又は1つ若しくは複数のマイクロフォンなどを備えてもよい。センサ213は、アナログ信号及び/又はデジタル信号を生成してもよく、信号の指示が、メモリ211に記憶され、例えば、測位動作及び/又はナビゲーション動作を対象とするアプリケーションなどの1つ又は複数のアプリケーションを支援するDSP231及び/又は汎用/アプリケーションプロセッサ230によって処理されてもよい。
【0046】
センサ213は、相対ロケーション測定、相対ロケーション決定、動き決定などにおいて使用されてもよい。センサ213によって検出された情報は、動き検出、相対変位、自律航法、センサに基づくロケーション決定、及び/又はセンサにより支援されるロケーション決定に使用されてもよい。センサ213は、UE200が固定されている(静止している)かそれとも移動式であるかどうか、及び/又はUE200の移動性に関する何らかの有用な情報をLMF120に報告すべきかどうかを決定するのに有用であり得る。例えば、センサ213によって取得/測定される情報に基づいて、UE200は、UE200が移動を検出したこと、又はUE200が移動したことを、LMF120に通知/報告してもよく、(例えば、センサ213によって可能にされる、自律航法、又はセンサに基づく位置決定、又はセンサにより支援される位置決定を介して)相対変位/距離を報告してもよい。別の例では、相対測位情報に対して、センサ/IMUは、UE200に対する他のデバイスの角度及び/又は方位などを決定するために使用され得る。
【0047】
IMUは、相対的な位置決定において使用され得る、UE200の動きの方向及び/又は動きの速度についての測定値を提供するように構成され得る。例えば、IMUの1つ若しくは複数の加速度計及び/又は1つ若しくは複数のジャイロスコープはそれぞれ、UE200の線形加速度及び回転速度を検出し得る。動きの瞬時的な方向並びにUE200の変位を決定するために、UE200の線形加速度及び回転速度の測定値が時間にわたり積分され得る。UE200のロケーションを追跡するために、動き及び変位の瞬時的な方向が積分され得る。例えば、UE200の基準ロケーションは、例えば、SPS受信機217を使用して(かつ/又は、何らかの他の手段によって)ある瞬間に対して決定されてもよく、この瞬間の後に得られた加速度計及びジャイロスコープからの測定値が、基準ロケーションと比較したUE200の動き(方向及び距離)に基づいてUE200の現在位置を決定するために、自律航法において使用されてもよい。
【0048】
磁力計は、UE200の方位を決定するために使用され得る、異なる方向における磁界強度を決定し得る。例えば、方位は、UE200にデジタルコンパスを提供するために使用され得る。磁力計は、2つの直交次元での磁界強度を検出し、その指示を与えるように構成された2次元の磁力計を含み得る。磁力計は、3つの直交次元での磁界強度を検出し、その指示を与えるように構成された3次元の磁力計を含み得る。磁力計は、磁界を検知し、磁界の指示を、例えば、プロセッサ210に与えるための手段を提供し得る。
【0049】
トランシーバ215は、それぞれ、ワイヤレス接続及び有線接続を通じて他のデバイスと通信するように構成されるワイヤレストランシーバ240及びワイヤードトランシーバ250を含んでもよい。例えば、ワイヤレストランシーバ240は、ワイヤレス信号248を(例えば、1つ若しくは複数のアップリンクチャネル及び/又は1つ若しくは複数のサイドリンクチャネル上で)送信し、かつ/又は(例えば、1つ若しくは複数のダウンリンクチャネル及び/又は1つ若しくは複数のサイドリンクチャネル上で)受信し、ワイヤレス信号248からワイヤード(例えば、電気及び/又は光)信号に、及びワイヤード(例えば、電気及び/又は光)信号からワイヤレス信号248に、信号を変換するための、アンテナ246に結合されたワイヤレス送信機242及びワイヤレス受信機244を含み得る。ワイヤレス送信機242は、適切な構成要素(例えば、電力増幅器及びデジタル-アナログコンバータ)を含む。ワイヤレス受信機244は、適切な構成要素(例えば、1つ又は複数の増幅器、1つ又は複数の周波数フィルタ、及びアナログ-デジタルコンバータ)を含む。ワイヤレス送信機242は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の送信機を含んでもよく、及び/又は、ワイヤレス受信機244は、個別の構成要素若しくは複合/統合された構成要素であってよい複数の受信機を含んでもよい。ワイヤレストランシーバ240は、5G新無線(NR)、GSM(モバイル用グローバルシステム)、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム)、AMPS(アドバンストモバイルフォンシステム)、CDMA(符号分割多元接続)、WCDMA(登録商標)(広帯域CDMA)、LTE(ロングタームエボリューション)、LTEダイレクト(LTE-D)、3GPP(登録商標) LTE-V2X(PC5)、IEEE 802.11(IEEE 802.11pを含む)、WiFi、WiFiダイレクト(WiFi-D)、Bluetooth(登録商標)、Zigbeeなどの、様々な無線アクセス技術(RAT)に従って(例えば、TRP及び/又は1つ若しくは複数の他のデバイスと)信号を通信するように構成され得る。新無線は、mm波周波数及び/又はサブ6GHz周波数を使用し得る。ワイヤードトランシーバ250は、ワイヤード通信のために構成されたワイヤード送信機252及びワイヤード受信機254、例えば、NG-RAN135に対して通信を送受信してNG-RAN135と通信するために利用され得るネットワークインターフェースを含み得る。ワイヤード送信機252は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の送信機を含んでもよく、かつ/又は、ワイヤード受信機254は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の受信機を含んでもよい。ワイヤードトランシーバ250は、例えば、光通信及び/又は電気通信のために構成され得る。トランシーバ215は、例えば、光接続及び/又は電気接続によって、トランシーバインターフェース214に通信可能に結合され得る。トランシーバインターフェース214は、少なくとも部分的にトランシーバ215と統合されてもよい。ワイヤレス送信機242、ワイヤレス受信機244、及び/又はアンテナ246は、適切な信号を、それぞれ、送受信するための、それぞれ、複数の送信機、複数の受信機、及び/又は複数のアンテナを含み得る。
【0050】
ユーザインターフェース216は、例えば、スピーカー、マイクロフォン、ディスプレイデバイス、振動デバイス、キーボード、タッチスクリーンなどの、いくつかのデバイスのうちの1つ又は複数を含んでもよい。ユーザインターフェース216は、これらのデバイスのいずれかのうちの2つ以上のデバイスを備えてもよい。ユーザインターフェース216は、ユーザが、UE200によってホストされる1つ又は複数のアプリケーションと対話することを可能にするように構成されてもよい。例えば、ユーザインターフェース216は、ユーザからのアクションに応答してDSP231及び/又は汎用/アプリケーションプロセッサ230によって処理されるように、アナログ信号及び/又はデジタル信号の指示をメモリ211に記憶し得る。同様に、UE200上でホストされるアプリケーションは、ユーザに出力信号を提示するために、アナログ信号及び/又はデジタル信号の指示をメモリ211に記憶してもよい。ユーザインターフェース216は、例えば、スピーカー、マイクロフォン、デジタルアナログ回路、アナログデジタル回路、増幅器、及び/又は利得制御回路を備える(これらのデバイスのうちのいずれかの2つ以上を含む)、オーディオ入力/出力(I/O)デバイスを含んでもよい。オーディオI/Oデバイスの他の構成が使用されてもよい。同じく又は代替的に、ユーザインターフェース216は、例えば、ユーザインターフェース216のキーボード及び/又はタッチスクリーン上での接触及び/又は圧力に応答する1つ又は複数のタッチセンサを備えてもよい。
【0051】
SPS受信機217(例えば、全地球測位システム(GPS)受信機)は、SPSアンテナ262を介してSPS信号260を受信し獲得することが可能であってもよい。SPSアンテナ262は、SPS信号260をワイヤレス信号からワイヤード信号、例えば、電気信号又は光信号に変換するように構成され、アンテナ246と統合されてよい。SPS受信機217は、全体的に又は部分的に、UE200のロケーションを推定するために、獲得されたSPS信号260を処理するように構成されてもよい。例えば、SPS受信機217は、SPS信号260を使用した三辺測量によってUE200のロケーションを決定するように構成され得る。汎用/アプリケーションプロセッサ230、メモリ211、DSP231、及び/又は1つ又は複数の専用プロセッサ(図示せず)が、獲得されたSPS信号を全体的に又は部分的に処理するために、及び/あるいはUE200の推定されるロケーションを計算するために、SPS受信機217とともに利用され得る。メモリ211は、測位動作を実行する際に使用するために、SPS信号260及び/又は他の信号(例えば、ワイヤレストランシーバ240から獲得された信号)の指示(例えば、測定結果)を記憶してもよい。汎用/アプリケーションプロセッサ230、DSP231、及び/又は1つ又は複数の専用プロセッサ、及び/又はメモリ211は、UE200のロケーションを推定するために、測定値を処理する際に使用するためのロケーションエンジンを提供又はサポートし得る。
【0052】
UE200は、静止画像又は動画像をキャプチャするためのカメラ218を含んでもよい。カメラ218は、例えば、撮像センサ(例えば、電荷結合デバイス又はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージャ)、レンズ、アナログデジタル回路、フレームバッファなどを備え得る。キャプチャされた画像を表す信号の追加の処理、調整、符号化、及び/又は圧縮は、汎用/アプリケーションプロセッサ230及び/又はDSP231によって実施され得る。同じく又は代替的に、ビデオプロセッサ233が、キャプチャされた画像を表す信号の調整、符号化、圧縮、及び/又は操作を実行してもよい。ビデオプロセッサ233は、例えば、ユーザインターフェース216のディスプレイデバイス(図示せず)上での提示のために、記憶された画像データを復号/圧縮解除してもよい。
【0053】
位置デバイス(PD)219は、UE200の位置、UE200の動き、及び/若しくはUE200の相対的位置、並びに/又は時間を判断するように構成されてよい。例えば、PD219は、SPS受信機217と通信し、かつ/又はその一部若しくは全部を含むことができる。PD219は、1つ又は複数の測位方法の少なくとも一部分を実施するために、プロセッサ210及びメモリ211と連携して適宜動作し得るが、本明細書の説明は、PD219が測位方法に従って実施するように構成されること、又は測位方法に従って実施することに言及し得る。PD219は、同じく又は代替的に、三辺測量のために、SPS信号260を取得して使うのを支援するために、又は両方のために、地上波ベースの信号(例えば、信号248のうちの少なくともいくつか)を使ってUE200のロケーションを判断するように構成されてよい。PD219は、サービング基地局のセル(例えば、セル中心)及び/又はE-CIDなど、別の技法に基づいて、UE200のロケーションを判断するように構成されてよい。PD219は、カメラ218からの1つ又は複数の画像と、ランドマーク(例えば、山などの自然ランドマーク及び/又は建物、橋、道路などのような人工ランドマーク)の既知のロケーションと組み合わされた画像認識とを使って、UE200のロケーションを判断するように構成されてよい。PD219は、UE200のロケーションを判断するための1つ又は複数の他の技法を(例えば、UEの自己報告ロケーション(例えば、UEの位置ビーコンの一部)に依拠して)使うように構成されてよく、UE200のロケーションを判断するのに、技法の組み合わせ(例えば、SPS及び地上測位信号)を使ってよい。PD219は、UE200の方位及び/又は動きを検知し、その表示を提供し得るセンサ213(例えば、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計など)のうちの1つ又は複数を含み得、プロセッサ210(例えば、汎用/アプリケーションプロセッサ230及び/又はDSP231)は、UE200の動き(例えば、速度ベクトル及び/又は加速度ベクトル)を決定するためにその表示を使用するように構成され得る。PD219は、判断された位置及び/又は動きにおける不確実性及び/又は誤差の指示を与えるように構成され得る。PD219の機能は、例えば、汎用/アプリケーションプロセッサ230、トランシーバ215、SPS受信機217、及び/又はUE200の別の構成要素によって様々な様式及び/又は構成で提供され得、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの様々な組み合わせによって提供され得る。
【0054】
図3も参照すると、gNB110a、110b及び/又はng-eNB114のTRP300の一例は、プロセッサ310と、ソフトウェア(SW)312を含むメモリ311と、トランシーバ315とを含むコンピューティングプラットフォームを備える。プロセッサ310、メモリ311、及びトランシーバ315は、(例えば、光通信及び/又は電気通信のために構成され得る)バス320によって互いに通信可能に結合され得る。示される装置(例えば、ワイヤレストランシーバ)のうちの1つ又は複数は、TRP300から省略され得る。プロセッサ310は、1つ又は複数のインテリジェントハードウェアデバイス、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得る。プロセッサ310は、複数のプロセッサ(例えば、図2に示されるように、汎用/アプリケーションプロセッサ、DSP、モデムプロセッサ、ビデオプロセッサ、及び/又はセンサプロセッサを含む)を備え得る。メモリ311は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクメモリ、及び/又は読取り専用メモリ(ROM)などを含み得る、非一時的記憶媒体である。メモリ311は、ソフトウェア312を記憶し、ソフトウェア312は、命令を含むプロセッサ可読プロセッサ実行可能ソフトウェアコードであってもよく、命令は、実行されると、プロセッサ310に本明細書で説明される様々な機能を実行させるように構成される。代替として、ソフトウェア312は、プロセッサ310によって直接実行可能ではなくてもよいが、例えば、コンパイルされ実行されると、プロセッサ310に機能を実行させるように構成されてもよい。
【0055】
この説明は、プロセッサ310が機能を実行することに言及することがあるが、このことは、プロセッサ310がソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する場合などの他の実装形態を含む。この説明は、プロセッサ310に含まれるプロセッサのうちの1つ又は複数がある機能を実行することに対する省略表現として、プロセッサ310がその機能を実行すると述べる場合がある。本記述は、TRP300の(またしたがって、gNB110a、110b及び/又はng-eNB114のうちの1つの)1つ又は複数の適切な構成要素(例えば、プロセッサ310及びメモリ311)が機能を実施することに対する省略表現として、TRP300が機能を実施すると述べる場合がある。プロセッサ310は、メモリ311に加えて、かつ/又はメモリ311の代わりに、記憶された命令を有するメモリを含んでもよい。プロセッサ310の機能が、以下でより十分に論じられる。
【0056】
トランシーバ315は、それぞれ、ワイヤレス接続及び有線接続を通じて他のデバイスと通信するように構成されたワイヤレストランシーバ340及び/又はワイヤードトランシーバ350を含み得る。例えば、ワイヤレストランシーバ340は、ワイヤレス信号348を(例えば、1つ若しくは複数のアップリンクチャネル及び/又は1つ若しくは複数のダウンリンクチャネル上で)送信し、かつ/又は(例えば、1つ若しくは複数のダウンリンクチャネル及び/又は1つ若しくは複数のアップリンクチャネル上で)受信し、ワイヤレス信号348からワイヤード(例えば、電気及び/又は光)信号に、及びワイヤード(例えば、電気及び/又は光)信号からワイヤレス信号348に、信号を変換するために1つ又は複数のアンテナ346に結合されたワイヤレス送信機342及びワイヤレス受信機344を含み得る。したがって、ワイヤレス送信機342は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の送信機を含んでもよく、かつ/又はワイヤレス受信機344は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の受信機を含んでもよい。ワイヤレストランシーバ340は、5G新無線(NR)、GSM(モバイル用グローバルシステム)、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム)、AMPS(アドバンストモバイルフォンシステム)、CDMA(符号分割多元接続)、WCDMA(登録商標)(広帯域CDMA)、LTE(ロングタームエボリューション)、LTEダイレクト(LTE-D)、3GPP(登録商標) LTE-V2X(PC5)、IEEE 802.11(IEEE 802.11pを含む)、WiFi、WiFiダイレクト(WiFi-D)、Bluetooth(登録商標)、Zigbeeなどの様々な無線アクセス技術(RAT)に従って、(例えば、UE200、1つ若しくは複数の他のUE、及び/又は1つ若しくは複数の他のデバイスと)信号を通信するように構成され得る。ワイヤードトランシーバ350は、有線通信のために構成されたワイヤード送信機352及びワイヤード受信機354、例えば、LMF120、及び/又は1つ若しくは複数の他のネットワークエンティティに対して通信を送受信するための、例えば、NG-RAN135と通信するために利用され得るネットワークインターフェースを含み得る。ワイヤード送信機352は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の送信機を含んでもよく、かつ/又はワイヤード受信機354は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の受信機を含んでもよい。ワイヤードトランシーバ350は、例えば、光通信及び/又は電気通信のために構成され得る。
【0057】
図3に示されるTRP300の構成は、特許請求の範囲を含む本開示の例であって限定ではなく、他の構成が使用されてもよい。例えば、本明細書での説明は、いくつかの機能をTRP300が実行するように構成されるか又は実行することを論じるが、これらの機能のうちの1つ又は複数が、LMF120及び/又はUE200によって実行されてもよい(すなわち、LMF120及び/又はUE200が、これらの機能のうちの1つ又は複数を実行するように構成されてもよい)。
【0058】
図4も参照すると、LMF120がその一例である、サーバ400は、プロセッサ410と、ソフトウェア(SW)412を含むメモリ411と、トランシーバ415とを含むコンピューティングプラットフォームを備える。プロセッサ410、メモリ411、及びトランシーバ415は、(例えば、光通信及び/又は電気通信のために構成され得る)バス420によって互いに通信可能に結合され得る。図示された装置(例えば、ワイヤレストランシーバ)のうちの1つ又は複数は、サーバ400から省略され得る。プロセッサ410は、1つ又は複数のインテリジェントハードウェアデバイス、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得る。プロセッサ410は、複数のプロセッサ(例えば、図2に示されるように、汎用/アプリケーションプロセッサ、DSP、モデムプロセッサ、ビデオプロセッサ、及び/又はセンサプロセッサを含む)を備え得る。メモリ411は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクメモリ、及び/又は読取り専用メモリ(ROM)などを含み得る、非一時的記憶媒体である。メモリ411は、ソフトウェア412を記憶し、ソフトウェア412は、命令を含むプロセッサ可読プロセッサ実行可能ソフトウェアコードであってもよく、命令は、実行されると、プロセッサ410に本明細書で説明される様々な機能を実行させるように構成される。代替として、ソフトウェア412は、プロセッサ410によって直接実行可能ではなくてもよいが、例えば、コンパイルされ実行されると、プロセッサ410に機能を実行させるように構成されてもよい。この説明は、プロセッサ410が機能を実行することに言及することがあるが、このことは、プロセッサ410がソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する場合などの他の実装形態を含む。この説明は、プロセッサ410に含まれるプロセッサのうちの1つ又は複数がある機能を実行することに対する省略表現として、プロセッサ410がその機能を実行すると述べることがある。この説明は、サーバ400の1つ又は複数の適切な構成要素が機能を実行することに対する省略表現として、サーバ400が機能を実行すると述べる場合がある。プロセッサ410は、メモリ411に加えて、かつ/又はメモリ411の代わりに、記憶された命令を有するメモリを含んでもよい。プロセッサ410の機能が、以下でより十分に論じられる。
【0059】
トランシーバ415は、それぞれ、ワイヤレス接続及び有線接続を通じて他のデバイスと通信するように構成されたワイヤレストランシーバ440及び/又はワイヤードトランシーバ450を含み得る。例えば、ワイヤレストランシーバ440は、ワイヤレス信号448を(例えば、1つ若しくは複数のダウンリンクチャネル上で)送信し、かつ/又は(例えば、1つ若しくは複数のアップリンクチャネル上で)受信し、ワイヤレス信号448からワイヤード(例えば、電気及び/又は光)信号に、及びワイヤード(例えば、電気及び/又は光)信号からワイヤレス信号448に、信号を変換するために1つ又は複数のアンテナ446に結合されたワイヤレス送信機442及びワイヤレス受信機444を含み得る。したがって、ワイヤレス送信機442は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の送信機を含んでもよく、かつ/又はワイヤレス受信機444は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の受信機を含んでもよい。ワイヤレストランシーバ440は、5G新無線(NR)、GSM(モバイル用グローバルシステム)、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム)、AMPS(アドバンストモバイルフォンシステム)、CDMA(符号分割多元接続)、WCDMA(登録商標)(広帯域CDMA)、LTE(ロングタームエボリューション)、LTEダイレクト(LTE-D)、3GPP(登録商標) LTE-V2X(PC5)、IEEE 802.11(IEEE 802.11pを含む)、WiFi、WiFiダイレクト(WiFi-D)、Bluetooth(登録商標)、Zigbeeなどの様々な無線アクセス技術(RAT)に従って、(例えば、UE200、1つ若しくは複数の他のUE、及び/又は1つ若しくは複数の他のデバイスと)信号を通信するように構成され得る。ワイヤードトランシーバ450は、有線通信のために構成されたワイヤード送信機452及びワイヤード受信機454、例えば、TRP300、及び/又は1つ若しくは複数の他のネットワークエンティティに対して通信を送受信するための、例えば、NG-RAN135と通信するために利用され得るネットワークインターフェースを含み得る。ワイヤード送信機452は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の送信機を含んでもよく、かつ/又はワイヤード受信機454は、個別構成要素若しくは複合/統合構成要素であってよい複数の受信機を含んでもよい。ワイヤードトランシーバ450は、例えば、光通信及び/又は電気通信のために構成され得る。
【0060】
本明細書での説明は、プロセッサ410が機能を実行することに言及することがあるが、このことは、プロセッサ410が(メモリ411に記憶された)ソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する場合などの他の実装形態も含む。本明細書での説明は、サーバ400の1つ又は複数の適切な構成要素(例えば、プロセッサ410及びメモリ411)が機能を実施することに対する省略表現として、サーバ400が機能を実施すると述べる場合がある。
【0061】
図4に示されるサーバ400の構成は、特許請求の範囲を含む本開示の例であって限定ではなく、他の構成が使用されてもよい。例えば、ワイヤレストランシーバ440が省略されてもよい。同じく又は代替的に、本明細書での説明は、いくつかの機能をサーバ400が実行するように構成されるか又は実行することを説明するが、これらの機能のうちの1つ又は複数が、TRP300及び/又はUE200によって実行されてもよい(すなわち、TRP300及び/又はUE200が、これらの機能のうちの1つ又は複数を実行するように構成されてもよい)。
【0062】
測位技法
セルラーネットワーク中のUEの地上測位のために、高度順方向リンク三辺測量(AFLT)及び観測到着時間差(OTDOA)などの技法がしばしば「UE支援型」モードで動作し、このモードでは、基地局によって送信された基準信号(例えば、PRS、CRSなど)の測定値がUEによってとられ、次いで、ロケーションサーバに与えられる。ロケーションサーバは、次いで、測定値及び基地局の知られているロケーションに基づいてUEの位置を計算する。これらの技法は、UEの位置を計算するためにUE自体ではなくロケーションサーバを使用するので、これらの測位技法は、自動車ナビゲーション又はセルフォンナビゲーションなどのアプリケーションでは頻繁には使用されず、そうしたアプリケーションは、代わりに、通常は衛星ベースの測位に依拠する。
【0063】
UEは、精密地点測位(PPP)又はリアルタイムキネマティック(RTK)技術を使用する高確度測位のために、衛星測位システム(SPS)(全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS))を使用してよい。これらの技術は、地上ベースの局からの測定値などの支援データを使用する。LTEリリース15は、データが、サービスに加入したUEが排他的に情報を読み取ることができるように暗号化されることを可能にする。そのような支援データは、時間とともに変化する。したがって、サービスに加入しているUEは、加入のために支払いをしていない他のUEにデータを渡すことによって、他のUEのために容易に「暗号化を破る」ことはできない。この受け渡しは、支援データが変わるたびに繰り返される必要があることになる。
【0064】
UE支援型測位では、UEは、測定値(例えば、TDOA、到来角(AoA)など)を測位サーバ(例えば、LMF/eSMLC)へ送る。測位サーバは、複数の「エントリ」又は「レコード」、すなわちセルごとに1つのレコードを含む基地局アルマナック(base station almanac、BSA)を有し、ここで、各レコードは、地理的セルロケーションを含むが他のデータも含んでよい。BSAの中の複数の「レコード」のうちの、ある「レコード」の識別子が参照されてよい。BSA、及びUEからの測定値が、UEの位置を算出するために使用され得る。
【0065】
従来のUEベースの測位では、UEがそれ自体の位置を算出し、したがって、ネットワーク(例えば、ロケーションサーバ)へ測定値を送ることを回避し、このことがレイテンシ及びスケーラビリティを改善する。UEは、ネットワークからの関連するBSAレコード情報(例えば、gNB(より広範には基地局)のロケーション)を使用する。BSA情報は暗号化されてよい。ただし、BSA情報は、例えば、以前に説明したPPP又はRTK支援データよりもはるかに低い頻度で変化するので、加入しておらず復号鍵を得るための支払いをしなかったUEにとってBSA情報を利用可能にすることが、(PPP又はRTK情報と比較して)より容易な場合がある。gNBによる基準信号の送信により、BSA情報がクラウドソーシング又はウォードライビングにとって潜在的にアクセス可能になり、現地でのかつ/又は限度を超えた観測に基づいてBSA情報が生成されることを本質的に可能にする。
【0066】
測位技法は、位置決定確度及び/又はレイテンシなどの、1つ又は複数の基準に基づいて特徴付けられてよく、かつ/又は査定されてよい。レイテンシとは、位置関連データの決定をトリガするイベントと、測位システムインターフェース、例えば、LMF120のインターフェースにおいて、そのデータが利用できることとの間に経過した時間である。測位システムの初期化において、位置関連データの、利用可能になるためのレイテンシは、初回フィックス時間(time to first fix、TTFF)と呼ばれ、TTFFの後のレイテンシよりも大きい。2つの連続する位置関連データが利用可能になる間に経過した時間の逆数は、更新レート、すなわち、最初のフィックスの後に位置関連データが生成されるレートと呼ばれる。レイテンシは、例えば、UEの処理能力に依存し得る。例えば、UEは、UEの処理能力を、272個のPRB(物理リソースブロック)割り振りを想定してTの時間量(例えば、T ms)ごとにUEが処理することができる、時間単位(例えば、ミリ秒)でのDL PRSシンボルの持続時間として報告し得る。レイテンシに影響し得る能力の他の例は、UEがそこからのPRSを処理することができるTRPの数、UEが処理することができるPRSの数、及びUEの帯域幅である。
【0067】
多くの異なる測位技法(測位方法ともいう)のうちの1つ又は複数が、UE105、106のうちの1つなどのエンティティの位置を判断するのに使われ得る。例えば、既知の位置決定技法は、RTT、マルチRTT、OTDOA(TDOAとも呼ばれ、UL-TDOA及びDL-TDOAを含む)、拡張セル識別(Enhanced Cell Identification、E-CID)、DL-AoD、UL-AoAなどを含む。RTTは、信号が1つのエンティティから別のエンティティに移動して戻る時間を使用して、2つのエンティティ間の距離を決定する。その距離に、エンティティのうちの第1の1つの知られているロケーション及び2つのエンティティ間の角度(例えば、方位角)を加えたものが、エンティティのうちの第2のエンティティのロケーションを決定するために使用され得る。マルチRTT(マルチセルRTTとも呼ばれる)では、一方のエンティティ(例えば、UE)から他方のエンティティ(例えば、TRP)までの複数の距離、及び他方のエンティティの知られているロケーションが、その一方のエンティティのロケーションを決定するために使用され得る。TDOA技法では、一方のエンティティと他方のエンティティとの間の進行時間の差分が、他方のエンティティからの相対距離を決定するために使用されてよく、他方のエンティティの知られているロケーションと組み合わせられた相対距離が、一方のエンティティのロケーションを決定するために使用されてよい。到来角及び/又は発射角が、エンティティのロケーションを決定する助けとなるために使用され得る。例えば、デバイス間の距離と組み合わせられた、(信号、例えば、信号の進行時間、信号の受信電力などを使用して決定される)信号の到来角又は発射角、及びデバイスのうちの一方の知られているロケーションが、他方のデバイスのロケーションを決定するために使用され得る。到来角又は発射角は、真北などの基準方向に対する方位角であってよい。到来角又は発射角は、エンティティから直接上方に対する(すなわち、地球の中心から放射状に外向きに対する)天頂角であってよい。E-CIDは、サービングセルの識別情報、タイミングアドバンス(すなわち、UEにおける受信時間と送信時間との間の差分)、検出された隣接セル信号の推定タイミング及び電力、並びに場合によっては(例えば、基地局からUEにおける信号の、又はその逆の)到来角を使用して、UEのロケーションを決定する。TDOAでは、異なるソースからの信号の受信デバイスにおける到達時間の差分が、ソースの知られているロケーション及びソースからの送信時間の知られているオフセットと一緒に、受信デバイスのロケーションを決定するために使用される。
【0068】
ネットワーク中心RTT推定では、サービング基地局は、2つ以上の隣接基地局(及び、少なくとも3つの基地局が必要とされるので、通常はサービング基地局)のサービングセル上でRTT測定信号(例えば、PRS)を走査/受信するようにUEに命令する。1つ又は複数の基地局は、ネットワーク(例えば、LMF120などのロケーションサーバ)によって割り振られた低再利用リソース(例えば、基地局によってシステム情報を送信するのに使われるリソース)上でRTT測定信号を送信する。UEは、(例えば、それのサービング基地局から受信されたDL信号からUEによって導出されたような)UEの現在のダウンリンクタイミングに対する各RTT測定信号の到着時間(arrival time)(受信時間(receive time)、受信時間(reception time)、受信時間(time of reception)、又は到着時間(ToA)とも呼ばれる)を記録し、(例えば、それのサービング基地局によって命令されたときに)共通の又は個々のRTT応答メッセージ(例えば、測位のためのSRS(サウンディング基準信号)、すなわち、UL-PRS)を1つ又は複数の基地局に送信し、各RTT応答メッセージのペイロード中に、RTT測定信号のToAとRTT応答メッセージの送信時間との間の時間差TTx→Rx(すなわち、UE TRx-Tx又はUERx-Tx)を含め得る。RTT応答メッセージは、RTT応答のToAを基地局がそこから推論できる基準信号を含むことになる。基地局からのRTT測定信号の送信時間と基地局におけるRTT応答のToAとの間の差分TTx→Rxを、UEが報告した時間差TRx→Txと比較することによって、基地局は、基地局とUEとの間の伝搬時間を推論することができ、基地局はそこから、この伝搬時間中の光速を想定することによってUEと基地局との間の距離を決定することができる。
【0069】
UE中心RTT推定は、UEの近傍にある複数の基地局によって受信されるアップリンクRTT測定信号を(例えば、サービング基地局によって命令されたとき)UEが送信することを除いて、ネットワークベースの方法と類似である。関与する各基地局は、ダウンリンクRTT応答メッセージを用いて応答し、ダウンリンクRTT応答メッセージは、基地局におけるRTT測定信号のToAと基地局からのRTT応答メッセージの送信時間との間の時間差を、RTT応答メッセージペイロードの中に含めてよい。
【0070】
ネットワーク中心プロシージャ及びUE中心プロシージャの両方のために、RTT計算を実行する側(ネットワーク又はUE)は(常にではないが)通常、第1のメッセージ又は信号(例えば、RTT測定信号)を送信し、反対側は、第1のメッセージ又は信号のToAとRTT応答メッセージ又は信号の送信時間との間の差分を含み得る、1つ又は複数のRTT応答メッセージ又は信号を用いて応答する。
【0071】
位置を決定するためにマルチRTT技法が使用され得る。例えば、第1のエンティティ(例えば、UE)が、(例えば、基地局からユニキャスト、マルチキャスト、又はブロードキャストされた)1つ又は複数の信号を送出してよく、複数の第2のエンティティ(例えば、基地局及び/又はUEなどの他のTSP)が、第1のエンティティから信号を受信してよく、この受信信号に応答してよい。第1のエンティティは、複数の第2のエンティティから応答を受信する。第1のエンティティ(又は、LMFなどの別のエンティティ)は、第2のエンティティからの応答を使用して、第2のエンティティまでの距離を決定してよく、複数の距離及び第2のエンティティの知られているロケーションを使用して、三辺測量によって第1のエンティティのロケーションを決定してよい。
【0072】
いくつかの事例では、追加の情報が、(例えば、水平面に又は3次元中にあり得る)直線方向、又は場合によっては(例えば、基地局のロケーションからのUEについての)方向の範囲を定義する到来角(AoA)又は角発射(AoD)の形態で取得され得る。2つの方向の交差が、UEに対するロケーションの別の推定値を提供することができる。
【0073】
PRS(測位基準信号)信号を使用する測位技法(例えば、TDOA及びRTT)の場合、複数のTRPによって送られたPRS信号が測定され、信号の到達時間、知られている送信時間、及びTRPの知られているロケーションが、UEからTRPまでの距離を決定するために使用された。例えば、RSTD(基準信号時間差)が、複数のTRPから受信されたPRS信号に対して決定されてよく、UEの位置(ロケーション)を決定するためにTDOA技法において使用されてよい。測位基準信号はPRS又はPRS信号と呼ばれることがある。PRS信号は、通常、同じ電力を使用して送られ、同じ信号特性(例えば、同じ周波数シフト)を有するPRS信号が互いに干渉する場合があり、その結果、より遠くのTRPからの信号が検出され得ないように、より遠くのTRPからのPRS信号が、より近くのTRPからのPRS信号によって圧倒される場合がある。いくつかのPRS信号をミュートする(PRS信号の電力を、例えば、ゼロに低減し、したがって、PRS信号を送信しない)ことによって、干渉を低減する助けとなるために、PRSミューティングが使用され得る。このようにして、より強いPRS信号がより弱いPRS信号と干渉することなく、(UEにおける)より弱いPRS信号がUEによってもっと容易に検出され得る。RSという用語、及びその変形(例えば、PRS、SRS、CSI-RS(チャネル状態情報-基準信号))は、1つの基準信号又は複数の基準信号を指し得る。
【0074】
測位基準信号(PRS)は、ダウンリンクPRS(DL PRSであり、しばしば、単にPRSと呼ばれる)及びアップリンクPRS(UL PRS)(測位用にはSRS(サウンディング基準信号)と呼ばれ得る)を含む。PRSは、PNコード(擬似乱数コード)を含むか、又はPRSのソースが擬似衛星(スードライト)としての役割を果たすように、PNコードを使って(例えば、キャリア信号をPNコードで変調することによって)生成されてよい。PNコードは、PRSソースにとって(少なくとも、異なるPRSソースからの同一のPRSが重複しないように、指定されたエリア内で)一意であってよい。PRSは、周波数レイヤのPRSリソース又はPRSリソースセットを備えてよい。DL PRS測位周波数レイヤ(又は単に周波数レイヤ)は、上位レイヤパラメータDL-PRS-PositioningFrequencyLayer、DL-PRS-ResourceSet、及びDL-PRS-Resourceによって構成された共通のパラメータを有する、PRSリソースをもつ、1つ又は複数のTRPからのDL PRSリソースセットの集合である。各周波数レイヤは、周波数レイヤの中のDL PRSリソースセット及びDL PRSリソースのためのDL PRSサブキャリア間隔(SCS)を有する。各周波数レイヤは、周波数レイヤの中のDL PRSリソースセット及びDL PRSリソースのためのDL PRSサイクリックプレフィックス(CP)を有する。5Gでは、リソースブロックが、12個の連続するサブキャリア及び指定された数のシンボルを占める。共通リソースブロックは、チャネル帯域幅を占めるリソースブロックのセットである。帯域幅パート(BWP)とは、連続する共通リソースブロックのセットであり、チャネル帯域幅内の共通リソースブロックすべて又は共通リソースブロックのサブセットを含み得る。また、DL PRSポイントAパラメータは、基準リソースブロックの周波数(及びリソースブロックの最低のサブキャリア)を定義し、DL PRSリソースが、同じポイントAを有する同じDL PRSリソースセットに属し、すべてのDL PRSリソースセットが、同じポイントAを有する同じ周波数レイヤに属する。周波数レイヤはまた、同じDL PRS帯域幅、同じ開始PRB(及び中心周波数)、及び同じ値のコームサイズ(すなわち、コームNの場合、N番目ごとのリソース要素がPRSリソース要素であるような、シンボルごとのPRSリソース要素の周波数)を有する。PRSリソースセットは、PRSリソースセットIDによって識別され、基地局のアンテナパネルによって送信される特定のTRP(セルIDによって識別される)と関連付けられ得る。PRSリソースセットの中のPRSリソースIDは、全方向性信号と、並びに/又は単一の基地局から送信された単一のビーム(及び/若しくはビームID)と関連付けられてもよい(基地局は、1つ又は複数のビームを送信してもよい)。PRSリソースセットの各PRSリソースは異なるビーム上で送信されてもよく、したがって、PRSリソース又は単にリソースは、ビームと呼ばれることもある。このことは、基地局及びPRSがその上で送信されるビームがUEに知られているかどうかにおけるいかなる意味合いも有しない。
【0075】
TRPは、例えば、サーバから受信された命令によって、かつ/又はTRPの中のソフトウェアによって、スケジュールごとにDL PRSを送るように構成されてよい。スケジュールに従って、TRPは、DL PRSを断続的に、例えば、初期送信から一貫した間隔で周期的に送ってよい。TRPは、1つ又は複数のPRSリソースセットを送るように構成されてよい。リソースセットとは、1つのTRPにわたるPRSリソースの集合であり、リソースは、スロットにわたって、同じ周期性、共通のミューティングパターン構成(もしあれば)、及び同じ反復係数を有する。PRSリソースセットの各々が複数のPRSリソースを含み、各PRSリソースは、スロット内のN個(1つ又は複数)の連続するシンボル内の複数のリソースブロック(RB)の中にあってよい複数のOFDM(直交周波数分割多重化)リソース要素(RE)を含む。PRSリソース(又は、概して基準信号(RS)リソース)は、OFDM PRSリソース(又はOFDM RSリソース)と呼ばれる場合がある。RBとは、時間領域中の1つ又は複数の連続するシンボルの量及び周波数領域中の連続するサブキャリアの量(5G RBに対して12)にわたるREの集合である。各PRSリソースは、REオフセット、スロットオフセット、スロット内のシンボルオフセット、及びPRSリソースがスロット内で占有し得るいくつかの連続するシンボルとともに構成される。REオフセットは、周波数の中のDL PRSリソース内の最初のシンボルの開始REオフセットを規定する。DL PRSリソース内の残りのシンボルの相対REオフセットは、初期オフセットに基づいて規定される。スロットオフセットとは、対応するリソースセットスロットオフセットに対する、DL PRSリソースの開始スロットである。シンボルオフセットは、開始スロット内のDL PRSリソースの開始シンボルを決定する。送信されるREは、スロットにわたって反復されてよく、各送信は、PRSリソースの中に複数の反復があり得るような反復と呼ばれる。DL PRSリソースセットの中のDL PRSリソースは、同じTRPに関連付けられ、各DL PRSリソースがDL PRSリソースIDを有する。DL PRSリソースセットにおけるDL PRSリソースIDは、単一のTRPから送信される単一のビームに関連付けられる(ただし、TRPは1つ又は複数のビームを送信してよい)。
【0076】
PRSリソースはまた、擬似コロケーション及び開始PRBパラメータによって規定され得る。擬似コロケーション(QCL)パラメータが、他の基準信号を有するDL PRSリソースの任意の擬似コロケーション情報を規定し得る。DL PRSは、サービングセル又は非サービングセルからのDL PRS又はSS/PBCH(同期信号/物理ブロードキャストチャネル)ブロックを有するQCLタイプDとなるように構成されてよい。DL PRSは、サービングセル又は非サービングセルからのSS/PBCHブロックを有するQCLタイプCとなるように構成されてよい。開始PRBパラメータは、参照ポイントAに関するDL PRSリソースの開始PRBインデックスを定義する。開始PRBインデックスは、1つのPRBという粒度を有し、0という最小値及び2176個のPRBという最大値を有し得る。
【0077】
PRSリソースセットとは、スロットにわたる、同じ周期性、同じミューティングパターン構成(存在する場合)、及び同じ繰返し因数をもつ、PRSリソースの集合である。PRSリソースセットのすべてのPRSリソースのすべての反復が送信されるように構成されるすべての時間が、「インスタンス」と呼ばれる。したがって、PRSリソースセットの「インスタンス」とは、各PRSリソースに対する指定された回数の反復、及びPRSリソースセット内の指定された個数のPRSリソースであり、その結果、指定された個数のPRSリソースの各々に対して、指定された回数の反復が送信されると、インスタンスは完了する。インスタンスは「オケージョン」と呼ばれることもある。UEがDL PRSを測定するのを容易にする(更には可能にする)ために、DL PRS送信スケジュールを含むDL PRS構成がUEに提供されてよい。
【0078】
PRSの複数の周波数レイヤは、個々がレイヤの帯域幅のどれよりも大きい有効帯域幅を提供するように集約され得る。構成要素キャリア(連続する、及び/又は別個であってよい)の、また、擬似コロケートされる(QCLされる)などの基準を満たし、同じアンテナポートを有する複数の周波数レイヤが、より大きい有効PRS帯域幅を(DL PRS及びUL PRS用に)提供するようにスティッチングされてよく、到着時間測定精度を向上させる。スティッチングは、スティッチングされたPRSが、単一の測定からとられたものとして扱われ得るように、個々の帯域幅フラグメントにわたるPRS測定値を、統合された1つに組み合わせることを含む。QCLされると、異なる周波数レイヤは同様に振る舞い、より大きい有効帯域幅をもたらすようにPRSのスティッチングを可能にする。より大きい有効帯域幅は、集約PRSの帯域幅又は集約PRSの周波数帯域幅と呼ばれる場合があり、(例えば、TDOAの)より優れた時間領域解像度をもたらす。集約PRSはPRSリソースの集合を含み、集約PRSの各PRSリソースはPRS構成要素と呼ばれる場合があり、各PRS構成要素は、異なる構成要素キャリア、帯域、若しくは周波数レイヤ上で、又は同じ帯域の異なる部分上で送信されてよい。
【0079】
RTT測位は、TRPによってUEへ、かつ(RTT測位に参加している)UEによってTRPへ送られる測位信号をRTTが使用するという点で、アクティブな測位技法である。TRPは、UEによって受信されるDL-PRS信号を送ってよく、UEは、複数のTRPによって受信されるSRS(サウンディング基準信号)信号を送ってよい。サウンディング基準信号は、SRS又はSRS信号と呼ばれることがある。5GマルチRTTでは、協調測位は、UEが、各TRP向けの測位用の別個のUL-SRSを送るのではなく、複数のTRPによって受信される、測位用の単一UL-SRSを送ることとともに使われ得る。マルチRTTに参加するTRPは、通常、そのTRPに現在キャンプオンされるUE(TRPがサービングTRPであって、サービスされるUE)、及び同じく隣接TRPにキャンプオンされるUE(隣接UE)を探索する。近隣TRPは、単一のBTS(基地トランシーバ局)(例えば、gNB)のTRPであり得るか、又は1つのBTSのTRP及び別個のBTSのTRPであり得る。マルチRTT測位を含むRTT測位のために、RTTを判断するのに使われる(またしたがって、UEとTRPとの間のレンジを判断するのに使われる)測位用PRS/SRS信号ペアの中のDL-PRS信号及び測位用UL-SRS信号は、UEの動き及び/又はUEのクロックドリフト及び/又はTRPクロックドリフトによる誤差が許容限界内であるように、互いに時間が接近して発生し得る。例えば、測位用PRS/SRS信号ペアの中の信号が、それぞれ、TRP及びUEから、互いの約10ms以内に送信され得る。測位用SRS信号がUEによって送られるので、また、測位用PRS及びSRS信号は互いに時間が接近して伝えられるので、特に、多くのUEが測位を同時に試みる場合は無線周波数(RF)信号輻輳(過度のノイズなどを引き起こし得る)が生じ得ること、及び/又は多くのUEを同時に測定しようとしているTRPにおいて計算上の輻輳が生じ得ることがわかっている。
【0080】
RTT測位は、UEベース又はUE支援型であってよい。UEベースのRTTでは、UE200は、TRP300の各々までのRTT及び対応する距離並びにUE200の位置を、TRP300までの距離及びTRP300の知られているロケーションに基づいて決定する。UE支援型RTTでは、UE200は測位信号を測定し、測定情報をTRP300に提供し、TRP300はRTT及び距離を決定する。TRP300は、ロケーションサーバ、例えば、サーバ400までの距離を提供し、サーバは、例えば、異なるTRP300までの距離に基づいて、UE200のロケーションを決定する。RTT及び/又は距離は、UE200から信号を受信したTRP300によって、1つ若しくは複数の他のデバイス、例えば、1つ若しくは複数の他のTRP300及び/若しくはサーバ400と組み合わせてこのTRP300によって、又はUE200から信号を受信したTRP300以外の1つ若しくは複数のデバイスによって、決定され得る。
【0081】
5G NRでは様々な測位技法がサポートされる。5G NRにおいてサポートされるNR固有測位方法は、DL専用測位方法、UL専用測位方法、及びDL+UL測位方法を含む。ダウンリンクベースの測位方法は、DL-TDOA及びDL-AoDを含む。アップリンクベースの測位方法は、UL-TDOA及びUL-AoAを含む。複合DL+ULベース測位方法は、1つの基地局とのRTT及び複数の基地局とのRTT(マルチRTT)を含む。
【0082】
(例えば、UEに対する)位置推定値は、ロケーション推定値、ロケーション、位置、位置フィックス、フィックスなどの他の名称で呼ばれることがある。位置推定値は測地であってよく、座標(例えば、緯度、経度、及び場合によっては高度)を構成してよく、又は都市に関係するものであってよく、ストリートアドレス、郵便宛先、若しくはロケーションの何らかの他の言葉による説明を備えてよい。位置推定値は更に、いくつかの他の知られているロケーションに対して規定されてよく、又は絶対項で(例えば、緯度、経度、及び場合によっては高度を使用して)規定されてよい。位置推定値は、(例えば、いくつかの指定済み又はデフォルトの信頼性レベルでロケーションがその中に含まれることが予想されるエリア又はボリュームを含めることによって)予想される誤差又は不確実性を含む場合がある。
【0083】
キャリア位相ベースの測位
図5も参照すると、PRSキャリア位相測定値を使用する地上波ベースの測位システム500が、ターゲットデバイス510、基準デバイス520、測位エンティティ530、基地局540、及び基地局550を含む。基地局540、550は、それぞれのPRS 541、551をターゲットデバイス510及び基準デバイス520に送信し、PRS 541、551は、キャリア位相を有するキャリア信号によって搬送されるPN(擬似ランダムノイズ)コードを含む。PNコードは、(擬似距離測定値を決定し得る)コード位相測定値を取得するために相互に関連付けられ得、キャリア位相は、キャリア位相測定値を決定するために測定され得る。擬似距離測定値に加えてキャリア位相測定値を使用することで、ターゲットデバイス510の測位精度が、約0.01m~約0.1mの精度で達成され得る。コード位相測定値の測定誤差は約0.3m~約3.0mであり得る一方、キャリア位相の測定誤差は約0.002mであり得る。基準デバイス520は、測定値中の基地局クロック誤差などの誤差を除去又は軽減するために、ターゲットデバイス510に加えて、信号541、551を測定するために使用される。ターゲットデバイス510は、例えば、UEであってもよいが、他の形態のターゲットデバイスが使用されてもよい。基準デバイス520は、例えば、UE又はTRPであってもよいが、他の形態の基準デバイスが使用されてもよい。
【0084】
キャリア位相ベースの測位の場合、キャリア信号のソースからキャリア信号の受信機までの範囲(距離)が、ソースと受信機との間の全キャリア位相((もしあれば)部分サイクルを含む、サイクル数)にキャリア信号の波長λを乗じて決定される。全キャリア位相は、ソースと受信機との間の完全なサイクルの整数Nに、分数キャリア位相θを2πで除した値を加えて表すことができる。分数キャリア位相θは、次式によって与えられる。
【0085】
【数1】
式中、θは、送信機(キャリア信号のソース)における初期キャリア位相であり、θ(t)は、受信機において測定されるキャリア位相である。初期位相が式(1)に示され、本明細書では例として説明されるが、任意の基準位相が使用されてもよく、測定されるキャリア位相は基準位相に関連する。したがって、距離ρは、次式によって与えられ得る。
【0086】
【数2】
【0087】
システム500において、(例えば、TRPとして示される)基地局540、550は、PRS 541、551を経時的にバーストでブロードキャストし、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520は、PRS 541、551を測定する。PRS 541、551の初期キャリア位相は、それぞれ基地局540、550におけるPRS 541、551の最初のシンボルの送信の時間におけるキャリア位相である。初期キャリア位相以外の基準キャリア位相、例えば、スロット、サブフレーム、又はフレームの開始時が使用されてもよい。PRS 541の同じPRSオケージョンにおける同じPRSリソースがターゲットデバイス510と基準デバイス520の両方によって測定され、PRS 551の同じPRSオケージョンにおける同じPRSリソースがターゲットデバイス510と基準デバイス520の両方によって測定される場合、以下で更に説明するような二重デルタ方式でターゲットデバイス510と基準デバイス520の両方からの測定値を使用することにより、初期位相θを知る必要性をなくすことができる。生のキャリア位相測定値が、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520によって測位エンティティ530に提供されてもよく、測位エンティティは、キャリア位相測定値を処理して、ターゲットデバイス510と基地局540、550の各々との間の距離を決定することができる。特に、ソース(例えば、基地局540、550)と受信機(例えば、ターゲットデバイス510)との間の距離を決定し得る1つ又は複数のRSTD測定値が提供され得る。測位エンティティ530は、図示のようにターゲットデバイス510及び基準デバイス520とは別個であってもよく、又はターゲットデバイス510及び/若しくは基準デバイス520(例えば、TRP)に含まれてもよい。例えば、測位エンティティ530は、プロセッサ310及びメモリ311によって、プロセッサ410及びメモリ411によって、並びに/又は(例えば、ターゲットデバイス510の)1つ若しくは複数の他のプロセッサ及び対応するメモリによって実装されてもよい。
【0088】
PRS 541、551の各々における同じPRSオケージョンの同じPRSリソースがそれぞれ測定されることで、コード位相測定に基づく受信機(例えば、ターゲットデバイス510又は基準デバイス520)とソース(例えば、基地局540又は基地局550)との間の擬似距離pr及びキャリア位相距離φが、次式によって与えられ得る。
【0089】
【数3】
式中、ρは送信機(例えば、基地局)と受信機(例えば、それぞれターゲットデバイス510及び基準デバイス520)との間の距離であり、cは光速であり、λはキャリア信号波長であり、Nはキャリア位相整数アンビギュイティ(サイクル)であり、dρは送信機距離誤差(例えば、基地局ロケーション誤差)であり、dtは送信機クロック誤差であり、dTは受信機クロック誤差であり、εは擬似距離ノイズ及びマルチパスであり、εφはキャリア位相ノイズ及びマルチパスである。大気伝搬誤差は、これらの誤差が地上波ベースの測位の場合には無視され得るので、式(3)及び(4)では簡略化のために示されていない。受信機間の一重差(SD)が決定され得る。基地局540からターゲットデバイス510及び基準デバイス520へのPRS 541の擬似距離の差とキャリア位相距離の差が、次式に従って決定され得る。
【0090】
【数4】
【0091】
ターゲットデバイス510による測定値から基準デバイス520による測定値を減ずることにより、送信機クロック誤差dtが除去され得、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520のロケーションの正確な知識を用いて、送信機距離誤差dρが除去され得、同じ初期位相が使用される場合、次式のため、(同じPRSオケージョンの同じPRSリソースを測定することに起因して)初期位相が考慮の対象から除外され得る。
【0092】
【数5】
式中、
【0093】
【数6】
は、第1の送信機、例えば、基地局540から、ターゲットデバイス510へのキャリア位相であり、
【0094】
【数7】
は、第1の送信機から基準デバイス520へのキャリア位相である。更に、送信機(例えば、基地局540と基地局550)間の一重差は、次式によって表されるように決定され得る。
【0095】
【数8】
【0096】
異なる送信機からの信号の同じ受信機によって行われた測定値を減ずることにより、受信機クロック誤差dT及び受信機における共通のハードウェアバイアスが除去され得る。
【0097】
二重デルタ方式が、地上波ベースの測位システム500の信号測定値に適用され得る。二重デルタ方式は、ターゲットデバイス510の位置情報を決定するために、送信機測定値の差及び受信機測定値の差を使用する。擬似距離及びキャリア位相距離の二重差が、次式に従って決定され得る。
【0098】
【数9】
【0099】
二重差(DD)の演算は、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520において受信される第1の地上波ベース送信機からの同じ信号、ここでは第1の基地局540からの信号541の測定値間の(SDインジケータ560によって示される)第1の差を決定し、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520において受信される第2の地上波ベース送信機からの同じ信号、ここでは第2の基地局550からの信号551の測定値間の(SDインジケータ570によって示される)第2の差を決定し、第1の差と第2の差との(DDインジケータ580によって示される)第3の差を決定する。二重差を決定することにより、送信機クロック誤差dt及び受信機クロック誤差dTを除去することができ、送信機距離誤差dρが低減され得る。更に、式(10)及び(11)は、第1の基地局540及び第2の基地局550のロケーションが高精度で知られている場合、送信機距離誤差に対応する▽Δdρ項を除去することによって簡略化され得る。その結果、式(10)及び(11)は、以下のように簡略化される。
【0100】
【数10】
【0101】
λ∇ΔN項は、任意の既知の整数アンビギュイティレゾルバ(IAR)技法を使用して推定され得る。例えば、▽Δφ及び▽Δprの測定値及び受信機のおよそのロケーションの知識を用いて、Nの初期推定を行ってもよく、IAR技法は、▽ΔNアンビギュイティを解決するために、▽Δφ及び▽Δprの初期推定値及び/又は測定値を使用し得る。▽Δφの測定値は、二重差を決定するために使用される信号の初期位相が重要でない場合、例えば、同じPRSオケージョンの同じPRSリソースの測定値に起因して同じである場合に、又は異なる場合でも別の方法で初期位相が知られている場合に使用され得る。基地局540、550によって送信される信号541、551は、各信号の、時間的及び/又は周波数的に分離された複数の送信を有するバーストRF基準信号であり得る。例えば、信号541、551は、複数のPRSリソース(例えば、PRSリソースの反復及び/又は異なるPRSリソース)が1つのPRSオケージョンにおいて送信される、かつ/又は複数のPRSリソースが複数のPRSオケージョンにわたって送信される、PRSであってもよい。異なるPRS送信は、位相コヒーレンシを有してなくてもよい。正確に同じPRSリソース(同じPRSオケージョンの同じPRSリソース)がターゲットデバイス510と基準デバイス520の両方によって受信される場合、初期位相θは、ターゲットデバイス510による測定値と基準デバイス520による測定値で同じであり、したがって、上記で説明した二重差方式によって除去することができる。ターゲットデバイス510と基準デバイス520が、異なるPRSリソース(例えば、異なる反復における同じPRSリソース、異なるオケージョンにおける同じPRSリソース、又は異なるサブキャリアのPRSリソース)を使用してキャリア位相を測定する場合、初期位相θは通常、ターゲットデバイス510と基準デバイス520とで異なることになる。したがって、二重差方式は、初期位相を除去しないが、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520によって測定されたPRSリソースの初期位相が別の方法で知られている場合、例えば、基地局540、550によって提供される場合、ターゲットデバイス510における二重差位相測定値を決定することができる。すなわち、▽Δφ項は、送信信号の各々の初期位相θの知識を用いて、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520による第1の基地局540及び第2の基地局550からの信号のキャリア位相測定値から、次式を使用して決定することができる。
【0102】
【数11】
式中、θ(t)は、時間tにおいて測定されたキャリア位相である。更に、TDOAベースの測位の場合、ターゲットデバイス510におけるRSTDを次式に従って決定するために、▽Δρ項、並びに基準デバイス520、第1の基地局540、及び第2の基地局550のロケーションの知識が使用され得る。
【0103】
【数12】
式中、
【0104】
【数13】
は、基準デバイス520における信号541、551の真の(実際の)RSTDである。
【0105】
【数14】
は、ターゲットデバイス510における信号541、551の測定されたRSTDであり、
【0106】
【数15】
は、基準デバイス520における信号541、551の測定されたRSTDである。ターゲットデバイス510における真のRSTDは、第1の基地局540からターゲットデバイス510までの正確な距離を決定するために使用され得る非常に正確なRSTDであり、複数のそのような距離が、ターゲットデバイス510の位置を高い精度で決定するために使用され得る。
【0107】
図3を再び参照すると、本明細書での説明は、プロセッサ310が機能を実施することに言及することがあるが、このことは、プロセッサ310が(メモリ311に記憶された)ソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する場合などの他の実装形態も含む。本明細書での説明は、TRP300の適切な構成要素(例えば、プロセッサ310及びメモリ311)のうちの1つ又は複数が機能を実施することに対する省略表現として、TRP300が機能を実施すると述べる場合がある。
【0108】
図6を参照し、図2を更に参照すると、キャリア位相測定値を取得し、場合によっては報告する装置600が、バス640によって互いに通信可能に結合された、プロセッサ610、トランシーバ620、及びメモリ630を含む。装置600は、図6に示す構成要素の一部又は全部を含んでもよく、UE200が装置600の例であり得るように、図2に示すもののいずれかなど、1つ又は複数の他の構成要素を含んでもよい。ターゲットデバイス510及び基準デバイス520は各々、装置600の例であり得る。プロセッサ610は、プロセッサ210の1つ又は複数の構成要素を含み得る。トランシーバ620は、トランシーバ215の構成要素のうちの1つ又は複数、例えば、ワイヤレス送信機242及びアンテナ246、又はワイヤレス受信機244及びアンテナ246、又はワイヤレス送信機242、ワイヤレス受信機244、及びアンテナ246を含み得る。同じく又は代替的に、トランシーバ620は、ワイヤード送信機252及び/又はワイヤード受信機254を含んでもよい。トランシーバ620は、SPS受信機217及びSPSアンテナ262を含み得る。トランシーバ620は、トランシーバ620によって受信された着信信号の位相を追跡するように構成されたPLL622(位相ロックループ)を含む。メモリ630は、メモリ211と同様に構成されてよく、例えば、プロセッサ610に機能を実施させるように構成されたプロセッサ可読命令を有するソフトウェアを含む。代替的に、装置は、例えば、トランシーバ620がトランシーバ315と同様に構成された、TRP若しくは別のデバイス、又はTRP若しくは別のデバイスの一部であってもよい。
【0109】
本明細書での説明は、プロセッサ610が機能を実施することに言及することがあるが、このことは、プロセッサ610が(メモリ630に記憶された)ソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する場合などの他の実装形態も含む。本明細書での説明は、装置600の1つ又は複数の適切な構成要素(例えば、プロセッサ610及びメモリ630)が機能を実施することに対する省略表現として、装置600が機能を実施すると述べる場合がある。(場合によってはメモリ630、また必要に応じてトランシーバ620とともに)プロセッサ610は、キャリア位相取得ユニット650を含み、キャリア位相報告ユニット660を含み得る。キャリア位相取得ユニット650は、PRSのキャリア位相の測定値を取得する(例えば、装置600によって受信されたPRSの測定値を決定する、及び/又は他のエンティティからPRSの測定値を受信する)ように構成され得る。測定値は、PRSのキャリア位相の初期位相値を含んでもよく、又は含まなくてもよい。同じく又は代替的に、キャリア位相取得ユニット650は、PRSの初期キャリア位相の1つ又は複数の指示を取得する(例えば、受信する)ように構成されてもよい。したがって、装置600は、キャリア位相測定値を取得することなしに初期キャリア位相指示を取得してもよい。キャリア位相報告ユニット660は、キャリア位相測定値の受信側が、キャリア位相測定値が初期キャリア位相を含むかどうかを判別できるように、キャリア位相の1つ又は複数の測定値を報告するように構成され得る。同じく又は代替的に、キャリア位相報告ユニット660は、初期キャリア位相の1つ又は複数の指示を報告するように構成されてもよい。キャリア位相取得ユニット650及びキャリア位相報告ユニット660の機能について本明細書で更に説明するが、説明は、キャリア位相取得ユニット650又はキャリア位相報告ユニット660の機能のいずれかを実施するものとして、装置600がそれらの機能を実施するように構成されるプロセッサ610全般、又は装置600全般に言及する場合がある。
【0110】
図7を参照し、図3図5を更に参照すると、PRS送信機700が、バス740によって互いに通信可能に結合された、プロセッサ710、送信機720、及びメモリ730を含む。PRS送信機700は、PRSを送信し、PRS送信機700からのPRS送信の初期キャリア位相の指示を送信するように構成された装置である。PRS送信機700は、例えば、SL-PRS若しくはUL-PRSを送信するUE、又はDL-PRS若しくはSL-PRSを送信するTRP(例えば、第1の基地局540又は第2の基地局550)、又は別のデバイス、又はUE若しくはTRP若しくは別のデバイスの一部分であり得る。PRS送信機は、受信機(例えば、図2及び/又は図3に示されているようなワイヤレス受信機及び/又はワイヤード受信機)など、1つ又は複数の更なる構成要素を含み得る。送信機720は、ワイヤレス送信機及びアンテナ(例えば、ワイヤレス送信機242及びアンテナ246、又はワイヤレス送信機342及びアンテナ346)を含み、ワイヤード送信機(例えば、ワイヤード送信機252及び/又はワイヤード送信機352)を含み得る。送信機720は、キャリア波信号を含む1つ又は複数の信号を生成するための発振器722、例えば水晶発振器(XO)を含む。メモリ730は、メモリ211及び/又はメモリ311と同様に構成されてよく、例えば、プロセッサ710に機能を実施させるように構成されたプロセッサ可読命令を有するソフトウェアを含む。
【0111】
本明細書での説明は、プロセッサ710が機能を実施することに言及することがあるが、このことは、プロセッサ710が(メモリ730に記憶された)ソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する場合などの他の実装形態も含む。本明細書での説明は、PRS送信機700の1つ又は複数の適切な構成要素(例えば、プロセッサ710及びメモリ730)が機能を実施することに対する省略表現として、PRS送信機700が機能を実施すると述べる場合がある。本明細書での説明は、PRS送信機700をPRSソース又はPRS送信ソースと言及する場合がある。(場合によってはメモリ730、また必要に応じて送信機720とともに)プロセッサ710は、PRS送信ユニット750及び初期キャリア位相ユニット760を含む。PRS送信ユニット750は、(例えば、サーバ400とともに)PRS構成を決定し、決定された構成に従ってPRSを送信するように構成される。初期キャリア位相ユニット760は、PRS送信機700によるPRS(例えば、PRSリソース)送信の初期キャリア位相の指示を送信するように構成される。初期キャリア位相の指示は、(例えば、TRP 300、サーバ400、UE内などの)測位エンティティ530に、及び/又は装置600(例えば、UE又はTRP)に送信され得る。PRS送信ユニット750及び初期キャリア位相ユニット760の機能について本明細書で更に説明するが、説明は、PRS送信ユニット750又は初期キャリア位相ユニット760の機能のいずれかを実施するものとして、PRS送信機700がそれらの機能を実施するように構成されるプロセッサ710全般、又はPRS送信機700全般に言及する場合がある。
【0112】
図8を参照し、図1図7を更に参照すると、キャリア位相を測定し、キャリア位相測定値に基づいて位置情報を決定するためのシグナリング及びプロセスフロー800が、図示される段階を含む。測位エンティティ530は、スタンドアロン型エンティティ又はエンティティ(例えば、UE、TRP、サーバ)の一部であり得る。測位エンティティ530は、PRS測定値を受信するための受信機(例えば、ワイヤレス受信機444及びアンテナ446などのワイヤレス受信機及びアンテナ、並びに/又はワイヤード受信機454などのワイヤード受信機)と、位置情報(例えば、距離、位置推定値など)を決定するためにPRS測定値を処理するためのプロセッサ及びメモリ(例えば、プロセッサ410及びメモリ411)とを含む。
【0113】
段階810において、PRS送信機700、例えば、PRS送信ユニット750は、PRS 812をターゲットデバイスに送信し、PRS 814を基準デバイス520に送信し、PRS 816を中間ノード805に送信し得る。PRS送信ユニット750は、同じであっても、又は異なっていてもよい、PRS 812、814、816の各々のPRS構成を決定するためにサーバ400と協調し得る。PRS 812は、例えば、PRS送信機700がTRPであり、ターゲットデバイス510がUEである場合に、Uuインターフェース(Uu-PRS(例えば、DL-PRS))を介して送信されてよく、又はPRS送信機700とターゲットデバイス510が両方ともUEである場合にSL-PRSとして送信されてよい。PRS 814は、PRS送信機700がUEであり、基準デバイス520がTRPである場合に、Uuインターフェース(Uu-PRS(例えば、UL-PRS))を介して送信され得る。PRS 816は、PRS送信機700及び中間ノード805のデバイスのタイプに応じて、DL-PRS、UL-PRS、又はSL-PRSなどの適切なインターフェース(例えば、PRS送信機700がTRPであり、中間ノード805がUEである場合には、Uuインターフェース及びDL-PRS、又はTRPからTRPに送信されるPRSに適したインターフェース及びフォーマット)を介して送信され得る。図9も参照すると、送信されるPRSが、複数のオケージョンにわたる複数のスロットにおいて繰り返し送信される複数のPRSリソースを含み得る。ここで、送信スケジュール900が、コーム2送信、反復ごとに6つのシンボル、及びオケージョンごとに2つの反復を有する。送信スケジュール900は、信号を送信するためのより大きな送信スケジュールの一部分である2つのスロットのためのものである。ここで、送信スケジュール900は、第1のスロット901及び第2のスロット902の各々のシンボル3~8によって搬送される2つのTRP(TRP1及びTRP2)からの測位基準信号を示す。この例では、送信スケジュールは、サブフレームの2つのスロットのためのものである。時間領域において、フレーム910(例えば、10ms)が、ここでは、10個の等しいサイズのサブフレーム920へと分割され得る(例えば、各々1ms)。この例では、各サブフレーム920は、2つの連続するタイムスロット、例えば、スロット901、902(各々0.5ms)を含む。図10も参照すると、例示的な送信スケジュール1000が、複数のオケージョン1001、1002を含み、各々が、各オケージョンにおいて4つのスロットにわたって繰り返される4つのPRSリソースR1、R2、R3、R4を含む。上記で説明したように、PRSリソースのバースト性は、PRSリソース(例えば、異なるPRSリソース又は異なるオケージョンにおける同じPRSリソース)の異なる初期キャリア位相を生じる。
【0114】
段階820において、PRS送信機700、例えば、初期キャリア位相ユニット760は、PRS 812、814の各々の初期キャリア位相値(ICPV)を決定する。例えば、初期キャリア位相ユニット760は、PRS 812の送信を監視し、PRS 812の送信の開始時におけるキャリア位相を観測することによって、初期キャリア位相としてPRS 812のICPVを決定し得る。図11も参照すると、キャリア信号1110が、PRS送信機700の発振器722によって生成される。キャリア信号1110(キャリア波又はキャリアとも呼ばれる)は、変調信号で変調して新たな信号を生成するために使用される波形である。ここで、コード位相変調信号1120が、キャリア信号1110を変調して、コード位相変調信号1120及びキャリア信号1110を含むPRS 1130、例えば、PRS 812、814、816を生成するために、PRS送信機700によって使用される。コード位相変調信号1120は、時間1140において始まる(tbegともラベル付けされる)。初期キャリア位相ユニット760は、発振器722の出力及びコード位相変調信号1120を監視して、時間1140におけるキャリア信号1110の位相を初期キャリア位相θとして決定し得る。別の例として、初期キャリア位相ユニット760は、ICPVを初期キャリア位相の推定値として決定してもよい。初期キャリア位相ユニット760は、例えば、PRS 812の初期キャリア位相を推定するために、現在の時間tとPRS 812の送信のスケジュールされた時間の知識(例えば、現在の時間からPRS 812の送信の開始までの推定時間test)とから現在のキャリア位相θを決定し得、推定値はICPVである。別の例として、PRS送信ユニット750は、PRS 812の初期キャリア位相を所望の(例えば、固定された)初期キャリア位相にしようと試みるためにPRS 812の送信を制御してもよく、初期キャリア位相ユニット760は、PRS 812のICPVを所望の初期キャリア位相として決定し得るが、実際の初期キャリア位相は、所望の初期キャリア位相とは異なる場合がある。したがって、ICPVは、実際の初期キャリア位相、初期キャリア位相の推定値、又はPRS送信機700が初期キャリア位相として保証しようと試みる所望の初期キャリア位相など、PRSの初期キャリア位相の指示である。ICPVが、推定された初期キャリア位相又は所望の制御された初期キャリア位相を示す場合、ICPVは、PRSが送信される前に、PRS送信機700によって1つ又は複数の送信先に送信され得る。
【0115】
段階830において、PRS送信機700は、ICPVに対する1つ又は複数の要求831、832、833、834(例えば、初期キャリア位相に対する要求)を受信し得る。要求831、832、833、834は、(図示のように)PRS送信機700に直接送られ得、びかつ/又は(例えば、測位エンティティ530及び/又は1つ若しくは複数の他の装置を介して)PRS送信機700に間接的に送られ得る。段階830はフロー800から省略されてもよく、PRS送信機700は、ICPVに対する要求の受信以外の1つ又は複数の基準に基づいてICPVを送信してもよい。
【0116】
段階840において、PRS送信機700、例えば、初期キャリア位相ユニット760は、PRS 812及びPRS 814のICPVの指示を送信する。初期キャリア位相ユニット760は、ICPVメッセージ841をターゲットデバイス510に、ICPVメッセージ842を基準デバイス520に、ICPVメッセージ843を測位エンティティ530に、及び/又はICPVメッセージ844を中間ノード805に送信し得る。中間ノード805は、装置600の例であり得る。ICPVメッセージ841~844のいずれかにおけるICPVが、実際の(絶対)初期キャリア位相、又は推定された初期キャリア位相、又はPRS送信機700がPRSの送信を試みようとする所望の初期キャリア位相であり得る。PRS送信機700は、ICPVメッセージを送信先(例えば、ターゲットデバイス510、基準デバイス520、測位エンティティ530)に直接及び/又は(例えば、TRP、サーバ、UEなどであり得る中間ノード805を介して)間接的に送信し得る。例えば、PRS送信機700は、PRS送信機700がTRPである場合、MAC-CE(MAC制御要素)及び/又はDCI(ダウンリンク制御情報)を使用して、ICPVメッセージをUE(例えば、ターゲットデバイス510又は基準デバイス520)に直接送信し得る。PRS送信機700がTRPである場合、PRS送信機700は、NRPPaを使用してICPVメッセージをサーバ400に送信し、LPPを使用してサーバ400にICPVメッセージをUEに送信させることにより、ICPVメッセージをサーバ400(例えば、LMF、例えば、測位エンティティ530)を介してUE(例えば、ターゲットデバイス510又は基準デバイス)に間接的に送信し得る。PRS送信機700は、PRS送信機700がTRPであり、測位エンティティ530がUEであるか、又はUE内にある場合、NRPPaを使用してICPVメッセージ843を測位エンティティ530に送信し得る。PRS送信機700は、PRS送信機700及び中間ノード805のデバイスのタイプに応じて適切なプロトコルを使用して、ICPVメッセージ844を中間ノード805に送信し得る。PRS送信機700がUEである場合、PRS送信機700はICPVメッセージを、LPPを使用してサーバ400に直接送信してもよく、UCI又はMAC-CE又はRRCを使用してTRPに直接送信してもよく、LPPを使用してICPVメッセージをサーバ400に送信し、サーバ400がNRPPaを使用してICPVメッセージをTRPに送信することにより、サーバを介してTRPに間接的に送信してもよく、SLを使用して別のUEに直接送信してもよく、UEの各々の間でSLを使用して中間UEを介して別のUEに間接的に送信してもよく、(Uuインターフェースを介して)LPPを使用してICPVメッセージをTRP 300に送信し、TRP 300がLPPを使用してICPVメッセージを他のUEに送信する(例えば、中継する)ことにより、TRP 300を介して別のUEに間接的に送信してもよく、又は、LPPを使用してICPVメッセージをサーバ400に送信し、サーバ400がLPPを使用してICPVメッセージを他のUEに送信することにより、サーバ400を介して別のUEに間接的に送信してもよい。例えば、PRSをターゲットデバイス510に送るTRP(例えば、隣接TRPであるが、ターゲットデバイス510のためのサービングTRPではない)が、ICPVメッセージ841をターゲットデバイス510に間接的に送信し得る。
【0117】
ICPVが、様々な方法のうちの1つ又は複数で、ICPVメッセージ841~844のいずれかに示され得る。例えば、図12も参照すると、ICPVは、PRSリソースの絶対初期キャリア位相を、例えば、度又はラジアンで示し得る。図12に示すように、例示的なICPVメッセージ1200が、PRSリソースの初期キャリア位相の指示を提供するために、TRP、PRSリソースセット、及びPRSリソースの階層構造を提供する。ICPVメッセージ1200は、各エントリについて、ここではエントリ1260、エントリ1261、エントリ1262、エントリ1263、エントリ1264、エントリ1265、エントリ1266、及びエントリ1267の各々について、TRP IDフィールド1210、PRSリソースセットIDフィールド1220、PRSリソースIDフィールド1230、オケージョンフィールド1240、及び初期キャリア位相フィールド1250を含む。エントリ1260~1263の各々について、初期キャリア位相フィールド1250に示される初期キャリア位相は、どのPRSリソースが示された初期キャリア位相に対応するかを識別するために、TRP ID、PRSリソースセットID、オケージョン、及びPRSリソースIDのそれぞれの組み合わせに対応する。TRP IDが、このIDを繰り返し送ることを回避するために、すべてのPRSリソースセット、オケージョン、及びそのTRPに対応するPRSリソースについて1回提供され得、したがって、オーバーヘッドを節約する。同様に、PRSリソースセットIDが、このIDを繰り返し送ることを回避するために、すべてのオケージョン及びそのPRSリソースセットに対応するPRSリソースについて1回提供され得、したがって、オーバーヘッドを節約する。同様に、冗長なオケージョンIDが回避され得る。この例に示すように、各PRSリソースの完全な初期キャリア位相が示される。また図示のように、ICPVメッセージ1200は、同じPRSリソースの複数のオケージョンの初期キャリア位相値を含み得る。
【0118】
別の例として、ICPVは、異なるPRSリソースオケージョンにおける同じPRSリソース間の位相差などの相対位相を示してもよい。相対位相は、位相差の増分値によって示され得、このことは、ICPVを搬送するためのオーバーヘッドビットを節約し得る。別の例として、ICPVは、異なるPRSリソース間の位相差などの相対位相を示してもよい。異なるPRSリソースは、例えば、同じPRSリソースセット内にあり得る。1つのPRSリソースの初期キャリア位相は、PRSリソースセット内のベースラインとして使用され得、リソースセット内の他のPRSリソースの各々の初期キャリア位相は、そのPRSリソースとベースライン初期キャリア位相との差として示され得る。同様に、複数のICPVを含むICPVメッセージの場合、ベースライン初期キャリア位相のICPVが絶対位相として示され得、ICPVメッセージ内の1つ又は複数の他の(例えば、他のすべての)ICPVの各々は、ベースライン初期キャリア位相に対する位相差として示され得る。ベースラインとして使用されるPRSリソースは通常、初期キャリア位相が報告されるPRSリソースのうち時間的に最初のPRSリソースであるが、別の(すなわち、時間的に最初のPRSリソースの後の)PRSリソースがベースラインとして使用されてもよい。例えば、図13も参照すると、例示的なICPVメッセージ1300が、各エントリについて、ここではエントリ1360、エントリ1361、エントリ1362、エントリ1363、エントリ1364、エントリ1365、エントリ1366、及びエントリ1367の各々について、TRP IDフィールド1310、PRSリソースセットIDフィールド1320、PRSリソースIDフィールド1330、オケージョンフィールド1340、及び初期キャリア位相フィールド1350を含む。ICPVメッセージ1300では、PRSリソースセットごとに1つのPRSリソースが、対応するベースライン初期キャリア位相を有するベースラインとして使用され、各PRSリソースセット内の他のPRSリソースの初期キャリア位相は、ベースライン初期キャリア位相に対する位相差として提供される。例えば、エントリ1360の初期キャリア位相は、エントリ1360~1363に対応するPRSリソースセットのベースラインとして使用される。したがって、エントリ1360の初期キャリア位相は完全に提供され、エントリ1361~1363の初期キャリア位相は、エントリ1360の初期キャリア位相に対する位相差として提供される。ベースライン及び相対初期キャリア位相の他の構成が使用されてもよい。例えば、単一のベースライン初期キャリア位相が、同じTRPに対応するか、又はICPVメッセージ全体に対応する、すべてのPRSリソースに使用されてもよい。
【0119】
ICPVメッセージ841~844は、分解能情報を含み得る。例えば、PRS送信機700は、オーバーヘッドと精度との所望のバランスを達成するためにPRS送信機700によって提供される初期キャリア位相情報の分解能に合意するために、ターゲットデバイス510及び/又は基準デバイス520とネゴシエートし得る。ICPVメッセージ841は、ターゲットデバイス510に提供される初期キャリア位相値の分解能を示し得る。ICPVメッセージ842は、基準デバイス520に提供される初期キャリア位相値の分解能を示し得る。ICPVメッセージ843は、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520に提供される初期キャリア位相値の分解能を示し得る。
【0120】
ICPVメッセージ841~844のうちの1つ又は複数は、PRS送信機700によって、周期的に、(非周期的にトリガされる周期的な期間にわたって)半永続的に、又は非周期的に送信され得る。非周期的な報告の場合、PRS送信機700は、(1つ又は複数の示されたPRSリソース、1つ又は複数のPRSリソースセットなどの)要求された初期キャリア位相情報を提供する(又は提供を試みる)ことにより、要求831~834のうちの1つ又は複数に応答し得る。非周期的又は半永続的な報告の場合、初期キャリア位相情報に対する要求の受信に応答して、PRS送信機700は、例えば、PRS送信機によって要求元デバイスに提供されるQoSに基づいて、要求された情報を要求に従って提供するべき(保証される)か、又は要求された情報を提供するためにベストエフォートを適用するべきかを決定し得る。QoSは、例えば、RRC通信によって事前構成され得、異なる要求元デバイスについて異なり得る。PRS送信機700が初期キャリア位相情報をどの程度頻繁に提供するか、及び/又はPRS送信機700がどの初期キャリア位相情報を提供するかは、QoSに基づき得る。
【0121】
初期キャリア位相情報が利用可能であり、測定されたキャリア位相θ(t)が利用可能であれば、分数キャリア位相θを決定することができる。例えば、ターゲットデバイス510内及び/又は基準デバイス520内にあり得る測位エンティティ530は、式(1)を使用して分数キャリア位相θを決定するために、測定されたキャリア位相及び提供された初期キャリア位相情報を使用し得る。UEベースの測位の場合、ターゲットデバイス510は、キャリア位相測定情報を別のエンティティに提供することなしに、分数キャリア位相θを決定し、ターゲットデバイス510の位置情報(例えば、距離、ロケーション推定値)を決定し得る。
【0122】
段階850において、ターゲットデバイス510及び/又は基準デバイス520は、(例えば、UE支援型の測位のために)キャリア位相測定情報を1つ又は複数の他のエンティティに提供し得る。PLL622は、キャリア信号1110の位相にロックして追跡するか、又はキャリア位相をローカルキャリア周波数にダウンコンバートすることができ、プロセッサ610は、(元の又はローカルの)キャリア位相を監視するためにデジタル信号処理を使用することができる。ターゲットデバイス510は、1つ又は複数のキャリア位相測定値(CPM)を、CPMメッセージ851内で測位エンティティ530に、及び/又はCPMメッセージ854内で中間ノード805に提供し得る。同様に、基準デバイス520は、CPMメッセージ852を測位エンティティ530に、及び/又はCPMメッセージ853を中間ノード805に提供し得る。CPMメッセージ851~854は、提供される初期キャリア位相測定値の測定タイプ、特に、測定値が初期キャリア位相を含むかどうか、又は初期キャリア位相が除外されるかどうか、例えば、初期キャリア位相を含むキャリア位相の生の測定値からICPVが除去されたかどうかの1つ又は複数の指示を提供する。例えば、図14も参照すると、例示的なCPMメッセージ1400が、PRSリソースIDフィールド1410と、初期キャリア位相ありキャリア位相フィールド1420と、初期キャリア位相なしキャリア位相フィールド1430との単一のエントリ1450を含む。初期キャリア位相ありキャリア位相フィールド1420は、初期キャリア位相を含む生のキャリア位相測定値θ(t)の値を含む(すなわち、初期キャリア位相は、考慮されておらず、測定値から除去されている)。初期キャリア位相ありキャリア位相フィールド1420は、初期キャリア位相が考慮されており、初期位相(又はその近似)が生のキャリア位相測定値から除去されている、分数キャリア位相θの値を含む。CPMメッセージ1400内の適切なフィールドに生のキャリア位相測定値及び分数キャリア位相測定値を含めることで、各測定値が初期キャリア位相を含むか否かの指示が提供される。別の例として、図15も参照すると、例示的なCPMメッセージ1500が、PRSリソースIDフィールド1510と、キャリア位相フィールド1520と、初期キャリア位相含有フィールド1530との単一のエントリ1550を含む。キャリア位相フィールド1520は、キャリア位相測定値の値を含み、キャリア位相測定値は、初期キャリア位相を含む生のキャリア位相測定値、又は初期キャリア位相値(すなわち、初期キャリア位相又はその近似)を除外する分数キャリア位相測定値であり得る。初期キャリア位相含有フィールド1530の値が、キャリア位相フィールド1520のキャリア位相値が生のキャリア位相測定値であるか、又は分数キャリア位相測定値であるかを示す。例えば、初期キャリア位相含有フィールド1530の値は、単一ビットであってもよく、論理「0」が、キャリア位相フィールド1520のキャリア位相の値が初期キャリア位相を含まない(分数キャリア位相である)ことを示し、論理「1」は、キャリア位相フィールド1520のキャリア位相の値が初期キャリア位相を含む(生のキャリア位相である)ことを示す。CPMメッセージ1400、1500は例であり、他のCPMメッセージが使用されてもよい。例えば、CPMメッセージは通常、2つ以上のエントリを有する。また、単一のCPMメッセージが、(例えば、例示的なCPMメッセージ1400に従う)生のキャリア位相及び分数キャリア位相を含む何らかのキャリア情報と、(例えば、例示的なCPMメッセージ1500に従う)生のキャリア位相又は分数キャリア位相のいずれかと、情報がどちらのタイプであるかの指示とを含むキャリア情報とを含み得る。
【0123】
中間ノード805は、キャリア位相情報を中継し得、CPMメッセージの複数のソースからの、例えば、ターゲットデバイス510及び基準デバイス520からのキャリア位相情報を集約し得る。例えば、中間ノード805のキャリア位相取得ユニット650は、CPMメッセージ852及び/又はCPMメッセージ853からキャリア位相情報を受信し得る。中間ノード805が、例えば、ICPVメッセージ844からの、適切な初期キャリア位相情報を有する場合、中間ノード805は、生のキャリア位相から分数キャリア位相を決定し得る。中間ノード805は、中間ノード805がキャリア位相測定を行うことなしに、他のエンティティからキャリア位相情報を収集してもよく、又は中間ノード805(例えば、キャリア位相取得ユニット650)もまた、PRS 816の(又は中間ノードがターゲットデバイス510若しくは基準デバイス520である場合にはPRS 812若しくは814の)キャリア位相測定を行ってもよい。中間ノード805、例えば、キャリア位相報告ユニット660は、(例えば、中間ノード805によって測定された、及び/又は1つ若しくは複数の他のエンティティから収集された)CPMメッセージ855内のキャリア位相情報を、直接、又は中間ノード805及び測位エンティティ530のデバイスタイプに応じて1つ若しくは複数の適切なプロトコルを使用して間接的に、測位エンティティ530に送信し得る。CPMメッセージ855内のキャリア位相情報は、例えば、キャリア位相情報が生のキャリア位相であるか分数キャリア位相であるかを示すために、例示的なCPMメッセージ1400及び/又は例示的なCPMメッセージ1500のフォーマットで提供され得る。
【0124】
段階860において、測位エンティティ530は位置情報を決定する。測位エンティティ530は、PRS送信機700、ターゲットデバイス510、及び基準デバイス520に対応するキャリア位相測定値を受信し、ターゲットデバイス510並びに1つ若しくは複数の他のPRS送信機及び/又は1つ若しくは複数の他の基準デバイスに対応するキャリア位相測定値を受信する。測位エンティティ530(例えば、プロセッサ210などのプロセッサ、及びメモリ211などのメモリ)は、ターゲットデバイス510のRSTDを決定するために、必要な場合、キャリア位相測定値及び対応する初期キャリア位相情報を使用する。各キャリア位相測定値について、測位エンティティ530は、測定値が初期キャリア位相を含むか、又は初期キャリア位相を除外するかを示す情報を受信する。初期キャリア位相を含む各キャリア位相測定値について、測位エンティティ530は、初期キャリア位相の指示(通常、異なるPRSリソースについて異なり、異なるオケージョンにおける同じPRSリソースについて異なる)を受信し、測位エンティティ530は、初期キャリア位相の指示から、同じオケージョンの同じPRSリソースの制約なしに、初期キャリア位相を除くキャリア位相測定値を計算する。測位エンティティ530は、式(15)に従ってRSTDを決定するために、初期キャリア位相が除去されたキャリア位相測定値を使用する。測位エンティティ530は、異なるPRS送信機700に対応するターゲットデバイス510の複数のRSTDを決定する。測位エンティティ530は、ターゲットデバイス510の位置推定値を決定するために、ターゲットデバイス510のRSTDと、異なるPRS送信機700の既知のロケーションとを使用する。測位エンティティ530は、ターゲットデバイス510及び/又は任意の他の適切なデバイス、例えば、(例えば、サーバ400内の)ロケーションサービス(LCS)クライアントに位置情報を提供し得る。
【0125】
図16を参照し、図1図16を更に参照すると、測位基準信号情報を提供する方法1600が、図示された段階を含む。しかし、方法1600は、例であり、限定的ではない。方法1600は、例えば、段階を追加すること、削除すること、並べ替えること、組み合わせること、同時に実行すること、及び/又は単一の段階を複数の段階に分割することによって、改変されてよい。
【0126】
段階1610において、方法1600は、キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を装置からワイヤレスに送信することを含む。例えば、PRS送信機700は、PRS 812、814、816を送信する。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ730、又は場合によってはメモリ730と組み合わされ、送信機720(例えば、ワイヤレス送信機及びアンテナ)と組み合わされたプロセッサ710は、PRSをワイヤレスに送信するための手段を備え得る。
【0127】
段階1620において、方法1600は、測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を装置から送信することを含む。例えば、PRS送信機700は、ICPVメッセージ841~844のうちの1つ又は複数を送信する。ICPVメッセージ841~844のうちの1つ又は複数は、ワイヤレスに及び/又は有線接続を介して送信されてもよく、送信先に直接、又は1つ若しくは複数の中間物を介して間接的に送信されてもよい。初期キャリア位相の指示を提供することで、地上波ベースのシグナリング使用して、例えば、バーストPRSを使用して、ターゲットデバイスの高精度なキャリア位相ベースの測位を可能にすることができる。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ730、又は場合によってはメモリ730と組み合わされ、送信機720(例えば、ワイヤレス送信機及びアンテナ)と組み合わされたプロセッサ710は、PRSの基準キャリア位相の指示を送信するための手段を備え得る。
【0128】
方法1600の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示は、絶対位相を示す。例えば、ICPVメッセージが、例えば、例示的なICPVメッセージ1200のエントリ1260~1267に示されるような、又は例示的なICPVメッセージ1300のエントリ1360、1364、1366に示されるような、1つ若しくは複数のPRSリソースの絶対位相を示してもよい。別の例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示は、第1の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースの、第1の測位基準信号オケージョンから時間的に分離された第2の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースに対する相対位相を示す。例えば、例示的なICPVメッセージ1300に示されるように、ICPVメッセージが、1つのオケージョン(例えば、エントリ1361のOcc2)の1つのPRSリソース(例えば、Res ID111)の、別のオケージョン(例えば、エントリ1360のOcc1)の同じPRSリソース(Res ID111)に対する相対位相としてキャリア位相を示し得る。別の例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示は、測位基準信号リソースセット内の第1の測位基準信号リソースの、測位基準信号リソースセット内の第2の測位基準信号リソースに対する相対位相を示す。例えば、エントリ1362のPRSリソースRes ID112の初期キャリア位相は、エントリ1360のPRSリソースRes ID111の初期キャリア位相に対する相対位相として提供され、PRSリソースRes ID111及びRes ID112は、同じPRSリソースセット(セットID 11)内にある。
【0129】
同じく又は代替的に、方法1600の実装形態は、次の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。例示的な実装形態では、方法1600は、測位基準信号の基準キャリア位相の指示の分解能を示す分解能指示を装置から送信することを含む。例えば、PRS送信機700は、ICPVの分解能をデバイス(例えば、ターゲットデバイス510、基準デバイス520など)とネゴシエートし、例えば、分解能のネゴシエーションの終わりに、例えば、ICPVメッセージ内で及び/又は別個のメッセージ内で、分解能の指示をデバイスに提供し得る。別の例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、測位基準信号リソースセット及び測位基準信号リソースの階層に従って基準キャリア位相の複数の指示を送信することを含む。例えば、PRS送信機700は、例示的なICPVメッセージ1200、1300に示されるような階層データ構造でICPVを送信することができる。別の例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示は、測位基準信号の別個の測位基準信号オケージョンの基準キャリア位相の複数の指示を示す。例えば、例示的なICPVメッセージ1200、1300に示されるように、PRS送信機700は、異なるPRSオケージョン(例えば、Occ1及びOcc2)に対応する複数のICPVを送信し得る。別の例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、複数の第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信することであって、複数の第1の基準キャリア位相メッセージの少なくとも1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含む、送信すること、又は、複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半永続的に送信すること、又は、測位基準信号の基準キャリア位相を含む第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信すること、を含む。例えば、PRS送信機700は、ICPVメッセージを周期的に、又は半永続的に、又は非周期的に送信することが可能であり得る。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ730、又は場合によってはメモリ730と組み合わされ、送信機720(例えば、ワイヤレス送信機及びアンテナ346)と組み合わされたプロセッサ710は、第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信するための手段、及び/又は複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半周期的に送信するための手段、及び/又は第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信するための手段を備え得る。
【0130】
同じく又は代替的に、方法1600の実装形態は、次の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の受信に応答して、測位基準信号の基準キャリア位相を送信することを含む。例えば、PRS送信機700は、ICPVに対する要求831~834のうちの1つ又は複数のそれぞれの受信に応答して、ICPVメッセージ841~844のうちの1つ又は複数を送信し得る。更なる例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の要求元デバイスからの受信に応答して、かつ装置によって要求元デバイスに提供されるサービス品質に基づいて、ベストエフォート又は要求に従って、測位基準信号の基準キャリア位相を要求元デバイスに送信することを含む。例えば、PRS送信機700は、(例えば、ターゲットデバイス510などのデバイスのユーザによって支払われた)QoSに基づいてICPVメッセージを提供するためにベストエフォートを使用し得る。PRS送信機700は、ICPVメッセージを用いて、要求に応答するか、又は要求に応答するためにベストエフォートを適用するかを決定し得る。例えば、PRS送信機700は、ユーザがローエンド(例えば、安価な)サブスクリプションを有する場合、ベストエフォートを適用し、ユーザがハイエンド(例えば、高価な)サブスクリプションを有する場合、応答を保証し得る。
【0131】
同じく又は代替的に、方法1600の実装形態は、次の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。例示的な実装形態では、測位基準信号の送信の基準時間は、測位基準信号の最初のシンボルの送信の時間である。送信の基準時間は、送信の初期時間であり得、基準キャリア位相の指示は、PRSの初期キャリア位相の指示である。別の例示的な実装形態では、測位基準信号の送信の基準時間は、測位基準信号のスロット、又は測位基準信号のサブフレーム、又は測位基準信号のフレームのうちの1つの送信の時間である。送信の基準時間は、スロット、サブフレーム、又はフレームの送信の時間、例えば、PRSのスロット、サブフレーム、又はフレーム内の最初のシンボルの送信の時間であり得る。
【0132】
同じく又は代替的に、方法1600の実装形態は、次の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示は、送信されるときの測位基準信号の実際の基準キャリア位相を示す。例えば、PRS送信機700は、PRS送信を監視し、観測された初期キャリア位相を初期キャリア位相の指示として提供し得る。別の例示的な実装形態では、測位基準信号の基準キャリア位相の指示は、測位基準信号の基準キャリア位相の推定値を示す。例えば、PRS送信機700は、例えば、現在のキャリア位相と送信の予想された(例えば、スケジュールされた)時間とに基づいて、予想される初期キャリア位相を計算し得る。別の例示的な実装形態では、方法1600は、測位基準信号の基準キャリア位相を所望の値になるように制御することを含む。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ730、又はメモリ及び送信機720と組み合わされたプロセッサ710は、PRSの基準キャリア位相を制御するための手段を備え得る。
【0133】
図17を参照し、図1図16を更に参照すると、キャリア位相情報を提供する方法1700が、図示された段階を含む。しかし、方法1700は、例であり、限定的ではない。方法1700は、例えば、段階を追加すること、削除すること、並べ替えること、組み合わせること、同時に実行すること、及び/又は単一の段階を複数の段階に分割することによって、改変されてよい。
【0134】
段階1710において、方法1700は、測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を第1のデバイスにおいて取得することを含む。例えば、ターゲットデバイス510、基準デバイス520、又は中間ノード805などの装置が、1つ若しくは複数のキャリア位相測定値を1つ若しくは複数の他のデバイスから受信し得、かつ/又は1つ若しくは複数のキャリア位相測定値を決定するためにPRSを測定し得る。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ630、又は場合によってはメモリ630と組み合わされ、トランシーバ620(例えば、ワイヤレス受信機及びアンテナ)と組み合わされたプロセッサ610は、第1のキャリア位相指示を取得するための手段を備え得る。
【0135】
段階1720において、方法1700は、第1のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信することを含む。例えば、中間ノード805は、CPMメッセージ855を測位エンティティ530に送信する。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ630、又は場合によってはメモリ630と組み合わされ、トランシーバ620(例えば、ワイヤレス送信機及びアンテナ)と組み合わされたプロセッサ610は、第1のキャリア位相指示を送信するための手段を備え得る。
【0136】
段階1730において、方法1700は、測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、第1のキャリア位相指示が測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信すること、又は、測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含み、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、第3のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信することを含む。例えば、中間ノード805は、キャリア位相の1つ若しくは複数の指示と、キャリア位相が生のキャリア位相であるか分数キャリア位相であるかの対応する指示とを含む、並びに/又は生のキャリア位相及び分数キャリア位相のうちの1つ若しくは複数の指示を含む、CPMメッセージ855を送信し得る。例えば、中間ノード805は、例示的なCPMメッセージ1500のエントリ1550と同様の1つ若しくは複数のエントリ、及び/又は例示的なCPMメッセージ1400のエントリ1450と同様の1つ若しくは複数のエントリを含むCPMメッセージ855を送信し得る。初期キャリア位相に対応する位相値は、例えば、実際の初期キャリア位相、推定された初期キャリア位相、又は制御された(設定された)初期キャリア位相であり得る。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ630、又は場合によってはメモリ630と組み合わされ、トランシーバ620(例えば、ワイヤレス送信機及びアンテナ)と組み合わされたプロセッサ610は、第2のキャリア位相指示を送信するための手段及び/又は第3のキャリア位相指示を送信するための手段を備え得る。
【0137】
方法1700の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。例示的な実装形態では、第1のキャリア位相指示を取得することが、測位基準信号を受信することと、測位基準信号のキャリア位相を測定して、第1の測定されたキャリア位相を決定することとを含む。例えば、中間ノード805は、第1のキャリア位相指示を取得するためにPRSを受信して測定し、生のキャリア位相を測定し得る。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ630、又は場合によってはメモリ630と組み合わされ、トランシーバ620(例えば、ワイヤレス受信機及びアンテナ)と組み合わされたプロセッサ610は、PRSを受信するための手段を備え得る。場合によってはメモリ630と組み合わされ、トランシーバ620(例えば、ワイヤレス受信機及びアンテナ)と組み合わされたプロセッサ610は、PRSのキャリア位相を測定するための手段を備え得る。別の例示的な実装形態では、第1のキャリア位相指示を取得することが、第1のキャリア位相指示を受信することを含み、方法は、測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を受信することと、測位基準信号の基準キャリア位相を含む測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相に基づいて、測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を第1のキャリア位相指示から減ずることとを更に含む。例えば、中間ノード805は、PRS送信機700からICPVメッセージ844を受信し、分数キャリア位相を決定するために、ICPVに対応するPRSの生のキャリア位相測定値からICPVを減ずる。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ630、又は場合によってはメモリ630と組み合わされ、トランシーバ620(例えば、ワイヤレス受信機及びアンテナ、又は場合によってはワイヤード受信器)と組み合わされたプロセッサ610は、PRSの基準キャリア位相に対応する位相値を受信するための手段を備え得る。(プロセッサ可読命令を含む)メモリ630、又は場合によってはメモリ630と組み合わされたプロセッサ610は、第1のキャリア位相指示から位相値を減ずるための手段を備え得る。
【0138】
実装例
以下の番号付きの条項において、実装例が与えられる。
【0139】
条項1.
送信機と、
メモリと、
送信機及びメモリに通信可能に結合されたプロセッサであって、
キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を送信機を介してワイヤレスに送信し、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信機を介して送信する、ように構成されたプロセッサと、を備える、装置。
【0140】
条項2.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、絶対位相を示す、条項1に記載の装置。
【0141】
条項3.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、第1の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースの、第1の測位基準信号オケージョンから時間的に分離された第2の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項1に記載の装置。
【0142】
条項4.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号リソースセット内の第1の測位基準信号リソースの、測位基準信号リソースセット内の第2の測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項1に記載の装置。
【0143】
条項5.プロセッサが、測位基準信号の基準キャリア位相の指示の分解能を示す分解能指示を送信機を介して送信するように更に構成されている、条項1に記載の装置。
【0144】
条項6.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、基準キャリア位相の複数の指示を示し、プロセッサが、測位基準信号リソースセット及び測位基準信号リソースの階層に従って、基準キャリア位相の複数の指示を送信するように更に構成されている、条項1に記載の装置。
【0145】
条項7.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の別個の測位基準信号オケージョンの基準キャリア位相の複数の指示を示す、条項1に記載の装置。
【0146】
条項8.
プロセッサが、複数の第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信するように更に構成されており、複数の第1の基準キャリア位相メッセージの少なくとも1つが、測位基準信号の基準キャリア位相を含む、又は、
プロセッサが、複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半永続的に送信するように更に構成されている、又は、
プロセッサが、測位基準信号の基準キャリア位相を含む第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信するように更に構成されている、又は、
任意のそれらの組み合わせを含む、条項1に記載の装置。
【0147】
条項9.プロセッサが、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の受信に応答して、測位基準信号の基準キャリア位相を送信するように更に構成されている、条項1に記載の装置。
【0148】
条項10.プロセッサが、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の要求元デバイスからの受信に応答して、かつ装置によって要求元デバイスに提供されるサービス品質に基づいて、ベストエフォート又は要求に従って、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を要求元デバイスに送信するように更に構成されている、条項9に記載の装置。
【0149】
条項11.プロセッサが、測位基準信号が送信機によって送信されるときに、測位基準信号のキャリア位相を監視することにより、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を決定するように更に構成されている、条項1に記載の装置。
【0150】
条項12.プロセッサが、測位基準信号の基準キャリア位相の推定値を決定するように更に構成されており、測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の基準キャリア位相の推定値を示す、条項1に記載の装置。
【0151】
条項13.プロセッサが、制御された基準キャリア位相を有する測位基準信号を送信するように更に構成されている、条項1に記載の装置。
【0152】
条項14.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号の最初のシンボルの送信の時間である、条項1に記載の装置。
【0153】
条項15.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号のスロット、又は測位基準信号のサブフレーム、又は測位基準信号のフレームのうちの1つの送信の時間である、条項1に記載の装置。
【0154】
条項16.測位基準信号情報を提供する方法であって、
キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号を装置からワイヤレスに送信することと、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を装置から送信することと、
を含む、方法。
【0155】
条項17.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、絶対位相を示す、条項16に記載の方法。
【0156】
条項18.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、第1の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースの、第1の測位基準信号オケージョンから時間的に分離された第2の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項16に記載の方法。
【0157】
条項19.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号リソースセット内の第1の測位基準信号リソースの、測位基準信号リソースセット内の第2の測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項16に記載の方法。
【0158】
条項20.測位基準信号の基準キャリア位相の指示の分解能を示す分解能指示を装置から送信することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0159】
条項21.測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、測位基準信号リソースセット及び測位基準信号リソースの階層に従って、基準キャリア位相の複数の指示を送信することを含む、条項16に記載の方法。
【0160】
条項22.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の別個の測位基準信号オケージョンの基準キャリア位相の複数の指示を示す、条項16に記載の方法。
【0161】
条項23.測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、
複数の第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信することであって、複数の第1の基準キャリア位相メッセージの少なくとも1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含む、送信すること、又は、
複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半永続的に送信すること、又は、
測位基準信号の基準キャリア位相を含む第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信すること、を含む、条項16に記載の方法。
【0162】
条項24.測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の受信に応答して、測位基準信号の基準キャリア位相を送信することを含む、条項16に記載の方法。
【0163】
条項25.測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信することが、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の要求元デバイスからの受信に応答して、かつ装置によって要求元デバイスに提供されるサービス品質に基づいて、ベストエフォート又は要求に従って、測位基準信号の基準キャリア位相を要求元デバイスに送信することを含む、条項24に記載の方法。
【0164】
条項26.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、送信されるときの測位基準信号の実際の基準キャリア位相を示す、条項16に記載の方法。
【0165】
条項27.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の基準キャリア位相の推定値を示す、条項16に記載の方法。
【0166】
条項28.測位基準信号の基準キャリア位相を所望の値になるように制御することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0167】
条項29.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号の最初のシンボルの送信の時間である、条項16に記載の方法。
【0168】
条項30.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号のスロット、又は測位基準信号のサブフレーム、又は測位基準信号のフレームのうちの1つの送信の時間である、条項16に記載の方法。
【0169】
条項31.
キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号をワイヤレスに送信するための手段と、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信するための手段と、を備える、装置。
【0170】
条項32.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、絶対位相を示す、条項31に記載の装置。
【0171】
条項33.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、第1の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースの、第1の測位基準信号オケージョンから時間的に分離された第2の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項31に記載の装置。
【0172】
条項34.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号リソースセット内の第1の測位基準信号リソースの、測位基準信号リソースセット内の第2の測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項31に記載の装置。
【0173】
条項35.測位基準信号の基準キャリア位相の指示の分解能を示す分解能指示を送信するための手段を更に備える、条項31に記載の装置。
【0174】
条項36.測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信するための手段が、測位基準信号リソースセット及び測位基準信号リソースの階層に従って、基準キャリア位相の複数の指示を送信するための手段を含む、条項31に記載の装置。
【0175】
条項37.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の別個の測位基準信号オケージョンの基準キャリア位相の複数の指示を示す、条項31に記載の装置。
【0176】
条項 測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信するための手段が、
複数の第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信するための手段であって、複数の第1の基準キャリア位相メッセージの少なくとも1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含む、送信するための手段、又は、
複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半永続的に送信するための手段、又は、
測位基準信号の基準キャリア位相を含む第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信するための手段、又は、
任意のそれらの組み合わせを含む、条項31に記載の装置。
【0177】
条項39.測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信するための手段が、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の受信に応答して、測位基準信号の基準キャリア位相を送信するための手段を含む、条項31に記載の装置。
【0178】
条項40.測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信するための手段が、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の要求元デバイスからの受信に応答して、かつ装置によって要求元デバイスに提供されるサービス品質に基づいて、ベストエフォート又は要求に従って、測位基準信号の基準キャリア位相を要求元デバイスに送信するための手段を含む、条項39に記載の装置。
【0179】
条項41.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、送信されるときの測位基準信号の実際の基準キャリア位相を示す、条項31に記載の装置。
【0180】
条項42.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の基準キャリア位相の推定値を示す、条項31に記載の装置。
【0181】
条項43.測位基準信号の基準キャリア位相を所望の値になるように制御するための手段を更に備える、条項31に記載の装置。
【0182】
条項44.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号の最初のシンボルの送信の時間である、条項31に記載の装置。
【0183】
条項45.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号のスロット、又は測位基準信号のサブフレーム、又は測位基準信号のフレームのうちの1つの送信の時間である、条項31に記載の装置。
【0184】
条項46.プロセッサ可読命令を含む非一時的プロセッサ可読記憶媒体であって、プロセッサ可読命令が、装置のプロセッサに、
キャリア位相を有するキャリア信号を含む測位基準信号をワイヤレスに送信させ、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含む、測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信させる、記憶媒体。
【0185】
条項47.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、絶対位相を示す、条項46に記載の記憶媒体。
【0186】
条項48.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、第1の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースの、第1の測位基準信号オケージョンから時間的に分離された第2の測位基準信号オケージョンにおける測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項46に記載の記憶媒体。
【0187】
条項49.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号リソースセット内の第1の測位基準信号リソースの、測位基準信号リソースセット内の第2の測位基準信号リソースに対する相対位相を示す、条項46に記載の記憶媒体。
【0188】
条項50.プロセッサに測位基準信号の基準キャリア位相の指示の分解能を示す分解能指示を送信させるためのプロセッサ可読命令を更に含む、条項46に記載の記憶媒体。
【0189】
条項51.プロセッサに測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信させるためのプロセッサ可読命令が、プロセッサに、測位基準信号リソースセット及び測位基準信号リソースの階層に従って、基準キャリア位相の複数の指示を送信させるためのプロセッサ可読命令を含む、条項46に記載の記憶媒体。
【0190】
条項52.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の別個の測位基準信号オケージョンの基準キャリア位相の複数の指示を示す、条項46に記載の記憶媒体。
【0191】
条項53.プロセッサに測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信させるためのプロセッサ可読命令が、
プロセッサに複数の第1の基準キャリア位相メッセージを周期的に送信させるためのプロセッサ可読命令であって、複数の第1の基準キャリア位相メッセージの少なくとも1つが、測位基準信号の基準キャリア位相を含む、プロセッサ可読命令、又は、
プロセッサに複数の第1の基準キャリア位相メッセージを半永続的に送信させるためのプロセッサ可読命令、又は、
プロセッサに測位基準信号の基準キャリア位相を含む第2の基準キャリア位相メッセージを非周期的に送信させるためのプロセッサ可読命令、又は、
任意のそれらの組み合わせを含む、条項46に記載の記憶媒体。
【0192】
条項54.プロセッサに測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信させるためのプロセッサ可読命令が、プロセッサに、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の受信に応答して、測位基準信号の基準キャリア位相を送信させるためのプロセッサ可読命令を含む、条項46に記載の記憶媒体。
【0193】
条項55.プロセッサに測位基準信号の基準キャリア位相の指示を送信させるためのプロセッサ可読命令が、プロセッサに、測位基準信号の基準キャリア位相に対する要求の要求元デバイスからの受信に応答して、かつ装置によって要求元デバイスに提供されるサービス品質に基づいて、ベストエフォート又は要求に従って、測位基準信号の基準キャリア位相を要求元デバイスに送信させるためのプロセッサ可読命令を含む、条項54に記載の記憶媒体。
【0194】
条項56.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、送信されるときの測位基準信号の実際の基準キャリア位相を示す、条項46に記載の記憶媒体。
【0195】
条項57.測位基準信号の基準キャリア位相の指示が、測位基準信号の基準キャリア位相の推定値を示す、条項46に記載の記憶媒体。
【0196】
条項58.測位基準信号の基準キャリア位相を所望の値になるように制御するための手段を更に備える、条項46に記載の記憶媒体。
【0197】
条項59.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号の最初のシンボルの送信の時間である、条項46に記載の記憶媒体。
【0198】
条項60.測位基準信号の送信の基準時間が、測位基準信号のスロット、又は測位基準信号のサブフレーム、又は測位基準信号のフレームのうちの1つの送信の時間である、条項46に記載の記憶媒体。
【0199】
条項61.
トランシーバと、
メモリと、
トランシーバ及びメモリに通信可能に結合されたプロセッサであって、
測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を取得し、
第1のキャリア位相指示をトランシーバを介して送信し、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、第1のキャリア位相指示が測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示をトランシーバを介して送信すること、又は、
測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含み、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、第3のキャリア位相指示をトランシーバを介して送信すること、
のうちの少なくとも1つを行う、ように構成されたプロセッサと、を備える、デバイス。
【0200】
条項62.第1のキャリア位相指示を取得するために、プロセッサが、
測位基準信号をトランシーバを介して受信し、
測位基準信号のキャリア位相を測定して、第1の測定されたキャリア位相を決定する、ように更に構成されている、条項61に記載のデバイス。
【0201】
条項63.第1のキャリア位相指示を取得するために、プロセッサが、第1のキャリア位相指示をトランシーバを介して受信するように更に構成されており、プロセッサが、
測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値をトランシーバを介して受信し、
測位基準信号の基準キャリア位相を含む測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相に基づいて、測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を第1のキャリア位相指示から減ずる、ように更に構成されている、条項61に記載のデバイス。
【0202】
条項64.キャリア位相情報を提供する方法であって、
測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を第1のデバイスにおいて取得することと、
第1のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信することと、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、第1のキャリア位相指示が測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信すること、又は、
測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含み、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、第3のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信すること、のうちの少なくとも1つと、を含む、方法。
【0203】
条項65.第1のキャリア位相指示を取得することが、
測位基準信号を受信することと、
測位基準信号のキャリア位相を測定して、第1の測定されたキャリア位相を決定することと、
を含む、条項64に記載の方法。
【0204】
条項66.第1のキャリア位相指示を取得することが、第1のキャリア位相指示を受信することを含み、方法が、
測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を受信することと、
測位基準信号の基準キャリア位相を含む測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相に基づいて、測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を第1のキャリア位相指示から減ずることと、を更に含む、条項64に記載の方法。
【0205】
条項67.第1のデバイスであって、
測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を取得するための手段と、
第1のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信するための手段と、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、第1のキャリア位相指示が測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信するための手段、又は、
測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含み、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、第3のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信するための手段のうちの少なくとも1つと、を備える、第1のデバイス。
【0206】
条項68.第1のキャリア位相指示を取得するための手段が、
測位基準信号を受信するための手段と、
測位基準信号のキャリア位相を測定して、第1の測定されたキャリア位相を決定するための手段と、
を含む、条項67に記載の第1のデバイス。
【0207】
条項69.第1のキャリア位相指示を取得するための手段が、第1のキャリア位相指示を受信するための手段を含み、第1のデバイスが、
測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を受信するための手段と、
測位基準信号の基準キャリア位相を含む測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相に基づいて、測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を第1のキャリア位相指示から減ずるための手段と、
を更に備える、条項67に記載の第1のデバイス。
【0208】
条項70.プロセッサ可読命令を含む非一時的プロセッサ可読記憶媒体であって、プロセッサ可読命令が、第1のデバイスのプロセッサに、
測位基準信号の受信機に対応し、測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相を示す第1のキャリア位相指示を取得させ、
第1のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信させ、
測位基準信号の送信の基準時間における測位基準信号のキャリア信号の位相を含み、第1のキャリア位相指示が測位基準信号の基準キャリア位相を含むかどうかを示す第2のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信させること、又は、
測位基準信号の第2の測定されたキャリア位相を示す第3のキャリア位相指示であって、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの1つが測位基準信号の基準キャリア位相を含み、第1の測定されたキャリア位相及び第2の測定されたキャリア位相のうちの別の1つが測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を除外するような、第3のキャリア位相指示を第2のデバイスに送信させること、
のうちの少なくとも1つをさせる、記憶媒体。
【0209】
条項71.プロセッサに第1のキャリア位相指示を取得させるためのプロセッサ可読命令が、プロセッサに、
測位基準信号を受信させ、
測位基準信号のキャリア位相を測定させて、第1の測定されたキャリア位相を決定させるためのプロセッサ可読命令を含む、条項70に記載の記憶媒体。
【0210】
条項72.プロセッサに第1のキャリア位相指示を取得させるためのプロセッサ可読命令が、プロセッサに第1のキャリア位相指示を受信させるためのプロセッサ可読命令を含み、記憶媒体が、プロセッサに
測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を受信させ、
測位基準信号の基準キャリア位相を含む測位基準信号の第1の測定されたキャリア位相に基づいて、測位基準信号の基準キャリア位相に対応する位相値を第1のキャリア位相指示から減じさせるためのプロセッサ可読命令を更に含む、
条項70に記載の記憶媒体。
【0211】
他の検討事項
他の例及び実装形態が、本開示及び添付の特許請求の範囲内にある。例えば、ソフトウェア及びコンピュータの性質に起因して、上記で説明した機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、機能の部分が異なる物理的位置において実装されるように分散されることを含めて、様々な場所に物理的に配置されてもよい。
【0212】
本明細書で使用する単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段に明確に示さない限り、複数形も含む。本明細書で使用される「備える」、「備えること」、「含む」、及び/又は「含むこと」という用語は、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しない。
【0213】
本明細書で使用するとき、別段に明記されていない限り、機能又は動作が項目又は条件「に基づく」という記述は、機能又は動作が述べられた項目又は条件に基づいており、述べられた項目又は条件に加えて1つ又は複数の項目及び/又は条件に基づいてもよいことを意味する。
【0214】
また、本明細書で使用される、(「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ又は複数」が後に続く可能性のある)項目の列挙において使用される「又は」は、例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という列挙又は「A、B、又はCのうちの1つ若しくは複数」という列挙、又は「A又はB又はC」という列挙が、A、又はB、又はC、又はAB(A及びB)、又はAC(A及びC)、又はBC(B及びC)、又はABC(すなわち、A及びB及びC)、又は2つ以上の特徴との組み合わせ(例えば、AA、AAB、ABBCなど)を意味するような選言的列挙を示す。したがって、項目、例えばプロセッサがA若しくはBの少なくとも1つに関する機能を実行するように構成されるという記載、又は、項目が機能A若しくは機能Bを実行するように構成されるという記載は、項目がAに関する機能を実行するように構成され得ること、又はBに関する機能を実行するように構成され得ること、又はA及びBに関する機能を実行するように構成され得ることを意味する。例えば、「A又はBのうちの少なくとも1つを測定するように構成されるプロセッサ」又は「Aを測定する又はBを測定するように構成されるプロセッサ」という語句は、プロセッサがAを測定するように構成され得る(及びBを測定するように構成されてもされなくてもよい)こと、又はBを測定するように構成され得る(及びAを測定するように構成されてもされなくてもよい)こと、又はAを測定してBを測定するように構成され得る(及びAとBのどちらを測定するかを選択する、又はAとBの両方を測定することを選択するように構成されてもよい)ことを意味する。同様に、A又はBのうちの少なくとも1つを測定するための手段という記載は、Aを測定するための手段(Bを測定することができてもできなくてもよい)、又はBを測定するための手段(Aを測定するように構成されてもされなくてもよい)、又はA及びBを測定するための手段(AとBのどちらを測定するかを選択する、又はAとBの両方を測定することを選択することが可能であってもよい)を含む。別の例として、項目、例えばプロセッサが機能Xを実行すること又は機能Yを実行することのうちの少なくとも1つを行うように構成されるという記載は、項目が機能Xを実行するように構成され得ること、又は機能Yを実行するように構成され得ること、又は機能Xを実行して機能Yを実行するように構成され得ることを意味する。例えば、「Xを測定すること又はYを測定することのうちの少なくとも1つを行うように構成されるプロセッサ」という語句は、プロセッサがXを測定するように構成され得る(及びYを測定するように構成されてもされなくてもよい)こと、又はYを測定するように構成され得る(及びXを測定するように構成されてもされなくてもよい)こと、又はXを測定してYを測定するように構成され得る(及びXとYのどちらを測定するかを選択する、又はXとYの両方を測定することを選択するように構成されてもよい)ことを意味する。
【0215】
特定の要件に従って大幅な変形が加えられる場合がある。例えば、カスタマイズされたハードウェアも使用されてもよく、かつ/又は特定の要素が、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア(アプレットなどのポータブルソフトウェアを含む)、又はその両方で実装されてもよい。更に、ネットワーク入力/出力デバイスなどの他のコンピューティングデバイスへの接続が採用されてよい。互いに接続されるか又は通信するものとして、図の中に示され、かつ/又は本明細書で論じられた、機能的な又はそれ以外の構成要素は、別段に記載されていない限り、通信可能に結合される。すなわち、構成要素は、それらの間での通信を可能にするように、直接又は間接的に接続され得る。
【0216】
上記で説明したシステム及びデバイスは例である。様々な構成が、適宜に様々な手順又は構成要素を省略、置換、又は追加してもよい。例えば、いくつかの構成に関して説明された特徴が、様々な他の構成において組み合わせられてもよい。構成の異なる態様及び要素が、同様に組み合わせられてもよい。また、技術は進化することから、要素の多くは例であり、本開示又は特許請求の範囲を限定しない。
【0217】
ワイヤレス通信システムは、ワイヤレス通信(communication)デバイス(ワイヤレス通信(communications)デバイスとも呼ばれる)間で通信がワイヤレスに、すなわち、ワイヤ又は他の物理接続を通じてではなく大気空間を通じて伝搬する電磁波及び/又は音波によって伝えられる通信システムである。ワイヤレス通信システム(ワイヤレス通信システム、ワイヤレス通信(communication)ネットワーク、又はワイヤレス通信(communications)ネットワークとも呼ばれる)は、すべての通信をワイヤレスに送信させなくてもよいが、少なくとも一部の通信をワイヤレスに送信させるように構成される。更に、「ワイヤレス通信デバイス」という用語又は類似の用語は、デバイスの機能が排他的に、若しくは一次的にも、通信用であること、又はワイヤレス通信デバイスを使う通信が排他的に、若しくは一次的にも、ワイヤレス、又はデバイスがモバイルデバイスであることを必要としないが、デバイスが、ワイヤレス通信能力(単方向又は双方向)を含むこと、例えば、ワイヤレス通信用の少なくとも1つの無線(各無線が送信機、受信機、又はトランシーバの一部である)を含むことを示す。
【0218】
(実装形態を含む)例示的な構成の完全な理解をもたらすために、説明において具体的な詳細が与えられている。しかしながら、構成は、これらの具体的な詳細なしに実践されてもよい。例えば、構成を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造及び技法は、不要な詳細なしに示されている。この説明は、例示的な構成を提供し、特許請求の範囲、適用可能性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の前述の説明は、説明された技法を実施するための説明を提供する。様々な変更が、要素の機能及び配置において行われてよい。
【0219】
本明細書で使用される、「プロセッサ可読媒体」、「機械可読媒体」、及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の方式で動作させるデータを提供することに関与する任意の媒体を指す。コンピューティングプラットフォームを使用すると、様々なプロセッサ可読媒体が、実行のためにプロセッサに命令/コードを提供することに関与することがあり、かつ/又はそのような命令/コード(例えば、信号)を記憶及び/又は搬送するために使用されることがある。多くの実装形態では、プロセッサ可読媒体は、物理的な及び/又は有形の記憶媒体である。そのような媒体は、限定はされないが、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、光ディスク及び/又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、限定はされないが、ダイナミックメモリを含む。
【0220】
いくつかの例示的な構成について説明してきたが、様々な修正、代替構成、及び等価物が使用されてよい。例えば、上記の要素は、より大きいシステムの構成要素であってもよく、ここにおいて、他の規則が本開示の適用例に優先してもよく、又は本開示の適用例を別様に修正してもよい。また、上記の要素が考慮される前、考慮される間、又は考慮された後に、いくつかの動作が行われてもよい。したがって、上記の説明は特許請求の範囲を制限しない。
【0221】
別段に規定されていない限り、量、持続時間などの測定可能な値に言及するときに本明細書で使用する「約」及び/又は「およそ」は、指定された値から±20%又は±10%、±5%、又は±0.1%のばらつきが本明細書で説明するシステム、デバイス、回路、方法、及びその他の実装形態の文脈で適切である場合には、そのようなばらつきを包含する。別段に規定されていない限り、量、持続時間、(周波数などの)物理的属性などの測定可能な値に言及するときに本明細書で使用される「実質的に」も、指定された値からの±20%若しくは±10%、±5%、又は+0.1%のばらつきが本明細書で説明されるシステム、デバイス、回路、方法、及び他の実装形態の文脈において適切である場合には、そのようなばらつきを包含する。
【0222】
値が第1のしきい値を超える(すなわち、それよりも大きいか若しくはそれを上回る)という記述は、値が第1のしきい値よりもわずかに大きい第2のしきい値を満たすか又はそれを超えるという記述と等価であり、例えば、第2のしきい値は、コンピューティングシステムの分解能において第1のしきい値よりも高い1つの値である。値が第1のしきい値未満である(すなわち、それ以内であるか若しくはそれを下回る)という記述は、値が第1のしきい値よりもわずかに低い第2のしきい値以下であるという記述と等価であり、例えば、第2のしきい値は、コンピューティングシステムの分解能において第1のしきい値よりも低い1つの値である。
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【国際調査報告】