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特表2024-532693材料流量制御を有する傾斜回転ディスペンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】材料流量制御を有する傾斜回転ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240903BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240903BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20240903BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240903BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
H05K13/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506519
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022030908
(87)【国際公開番号】W WO2023014424
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/393,003
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
2.JAVA
3.JAVASCRIPT
4.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ジェイ.フォーゲット
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ジェイ.カーリンスキ
(72)【発明者】
【氏名】スコット エー.リード
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
5E353
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC09
4D075AC84
4D075AC88
4D075AC92
4D075AC93
4D075AC94
4D075DA06
4D075DC21
4D075EB33
4F041AA02
4F041AA05
4F041AB01
4F041BA23
4F041BA34
4F042AA02
4F042AA06
4F042AA07
4F042AB00
4F042BA04
4F042BA08
4F042BA10
4F042BA12
4F042CB07
4F042CB11
5E353MM02
5E353MM08
5E353QQ12
(57)【要約】
供給システムは、フレームと、フレームに結合された支持体と、粘性材料を供給するように構成された供給ユニットと、フレームに結合されたガントリアセンブリとを備える。ガントリアセンブリは、供給ユニットを支持し、供給ユニットをx軸方向、y軸方向及びz軸方向に移動させるように構成される、ガントリと、供給ユニットを傾斜及び回転させるように構成された傾斜回転サブアセンブリとを含む。供給システムは、電子基板に対する供給動作を実行するように供給ユニット及びガントリアセンブリを制御するように構成されたコントローラを更に備える。コントローラは、3次元経路に沿って電子基板上に所望の量又は密度の材料を堆積するように構成された流量で、供給ユニットのノズルから材料を供給するように供給ユニットを制御するように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板上に粘性材料を供給するための供給システムであって、
フレームと、
前記フレームに結合された支持体であって、供給動作中に電子基板を受け取って該電子基板を支持するように構成された、支持体と、
粘性材料を供給するように構成された供給ユニットであって、ノズルを有する、供給ユニットと、
前記フレームに結合されたガントリアセンブリであって、前記供給ユニットを支持するとともに該供給ユニットをx軸方向、y軸方向及びz軸方向に移動させるように構成されたガントリと、前記供給ユニットを傾斜及び回転させるように構成された傾斜回転サブアセンブリとを含む、ガントリアセンブリと、
供給ユニット及び前記ガントリアセンブリを制御して前記電子基板に対する供給動作を実行するように構成されたコントローラであって、前記供給ユニットを制御して前記供給ユニットの前記ノズルから材料を、3次元経路に沿って前記電子基板上に所望の量又は密度の材料を堆積させるように構成された流量でもって、供給するように構成された、コントローラと、
を備える、供給システム。
【請求項2】
前記流量は最大2000mg/秒である、請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
前記流量は、0.05mg/秒から10mg/秒である、請求項1に記載の供給システム。
【請求項4】
前記流量は、前記供給ユニット内の材料の圧力を制御することによって制御される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項5】
前記コントローラは更に、材料を供給しながら、前記ガントリシステム及び前記傾斜回転サブアセンブリの動きを調整して前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板から所定の距離及び向きに位置決めしかつ指向させるように構成されている、請求項1に記載の供給システム。
【請求項6】
前記所定の距離は最大5.0mmである、請求項5に記載の供給システム。
【請求項7】
前記コントローラは更に、前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板の水平面に対して所定の角度で維持するように構成されている、請求項1に記載の供給システム。
【請求項8】
前記所定の角度は0度から90度である、請求項8に記載の供給システム。
【請求項9】
前記コントローラは更に、前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板に対して一定の速度で移動させるように構成されている、請求項1に記載の供給システム。
【請求項10】
前記一定の速度は最大1000mm/秒である、請求項9に記載の供給システム。
【請求項11】
前記一定の速度は、20mm/秒から200mm/秒である、請求項9に記載の供給システム。
【請求項12】
前記コントローラは更に、前記支持体上に設けられた前記電子基板上に供給を行うことにより、前記視覚システムに対する前記供給ユニットのノズルの供給位置を較正するように構成されている、請求項1に記載の供給システム。
【請求項13】
前記コントローラは、視覚システム対ノズル向きテーブルを有するデータベースを含み又は該データベースにアクセスすることができる、請求項12に記載の供給システム。
【請求項14】
前記コントローラは、既知の位置及び向きの補間に部分的に基づいて、前記ノズルの向きを較正するように構成されている、請求項13に記載の供給システム。
【請求項15】
電子基板上に粘性材料を供給する方法であって、
電子基板を供給位置に送達することと、
前記電子基板の少なくとも1つの画像を捕捉することと、
前記電子基板の前記少なくとも1つの画像を分析して前記電子基板の位置を決定することと、
ガントリに結合された供給ユニットを傾斜及び回転させることによって供給動作を実行することと、
を含み、
前記供給動作を実行することは、3次元経路に沿って前記電子基板上に所望の量又は密度の材料を堆積させるように構成された流量でもって、前記供給ユニットのノズルから材料を供給することを含む、
方法。
【請求項16】
前記流量は最大2000mg/秒である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
流量で前記供給ユニットの前記ノズルから材料を供給することは、前記供給ユニット内の材料の圧力を制御することによって制御される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
材料を供給しながら、前記ガントリアセンブリ及び前記傾斜回転サブアセンブリの動きを調整して前記供給ユニットのノズルを前記電子基板から所定の距離及び向きに位置決めしかつ指向させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記供給動作を実行することは、前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板の水平面に対して所定の角度で維持することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記供給動作を実行することは、前記供給ユニットの前記ノズルを前記パッケージに対して一定の速度で移動させることを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の背景
1.開示の分野
本開示は、包括的には、プリント回路基板等の基板上に粘性材料を供給する装置及び方法に関し、より詳細には、供給ユニットを傾斜及び回転させるように構成される機構を用いて、基板上に材料を供給する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の検討
種々の用途のために精密な量の液体又はペーストを供給するのに用いられるいくつかのタイプの供給システムがある。1つのそのような用途は、回路基板の基板上への集積回路チップ及び他の電子部品の組み付けである。この用途では、プリント回路基板上に液体エポキシ若しくははんだペースト、又は他の何らかの関連材料のドットを供給するのに自動化供給システムが用いられる。自動化供給システムは、アンダーフィル材料及び封入材料のラインを供給するのにも用いられ、このラインは、部品をプリント回路基板に機械的に固定するのに用いることができる。上記で説明された例示的な供給システムには、マサチューセッツ州ホプキントンに事業所を有するIllinois Tool Works Electronic Assembly Equipment(ITWEAE)社によって製造及び市販されている供給システムが含まれる。
【0003】
典型的な供給システムでは、コンピュータシステム又はコントローラによって制御されるサーボモータを用いて3つの相互に直交した軸(x軸、y軸、及びz軸)に沿って供給ユニットを移動させるために、当該供給ユニットが移動アセンブリ又はガントリに取り付けられる。液体のドットをプリント回路基板又は他の基板上の所望の位置に供給するために、供給ユニットは、供給ユニットが所望の位置の上方に配置されるまで共平面の水平なx軸方向及びy軸方向に沿って移動される。その後、供給ユニットは、供給ユニット及び供給システムのノズル/ニードルが基板の上方で適切な供給高さになるまで垂直に方向付けされた鉛直z軸方向に沿って下降される。供給ユニットは、液体のドットを供給し、その後z軸に沿って上昇され、新たな位置にx軸及びy軸に沿って移動され、z軸に沿って下降されて、次の液体ドットを供給する。上記で説明されたようなアンダーフィルの封入又は供給等の用途の場合、供給ユニットは、典型的には、供給ユニットが材料のラインの所望の経路に沿ってx軸及びy軸において移動されるにつれてこのラインを供給するように制御される。噴射ポンプ等のいくつかのタイプの供給ユニットの場合、供給動作の前後のz軸移動は、必要とされないことがある。
【0004】
供給材料を、部品縁部が基板と接するコーナ(角部、隅部)、又はそのような動きを必要とする他の空間/向きにより近付けて正確に配置する、供給ユニットのよりよい制御が望まれる。
【発明の概要】
【0005】
開示の概要
本開示の1つの態様は、電子基板上に粘性材料を供給する供給システムに関する。1つの実施の形態において、該供給システムは、フレームと、前記フレームに結合された支持体であって、供給動作中に電子基板を受け取り、該電子基板を支持するように構成される、支持体と、粘性材料を供給するように構成された供給ユニットであって、ノズルを有する、供給ユニットとを備える。前記供給システムは、前記フレームに結合されたガントリアセンブリであって、前記供給ユニットを支持し、該供給ユニットをx軸方向、y軸方向及びz軸方向に移動させるように構成される、ガントリと、前記供給ユニットを傾斜及び回転させるように構成された傾斜回転サブアセンブリとを含む、ガントリアセンブリを更に備える。前記供給システムは、前記電子基板に対する供給動作を実行するように供給ユニット及び前記ガントリアセンブリを制御するように構成されたコントローラを更に備える。前記コントローラは、3次元経路に沿って前記電子基板上に所望の量又は密度の材料を堆積するように構成された流量で、前記供給ユニットの前記ノズルから材料を供給するように前記供給ユニットを制御するように構成される。
【0006】
前記供給システムの実施の形態は、最大2000mg/秒の流量を更に含むことができる。前記流量は、0.05mg/秒から10mg/秒であり得る。前記流量は、前記供給ユニット内の材料の圧力を制御することによって制御することができる。前記コントローラは、材料を供給しながら、前記ガントリアセンブリ及び前記傾斜回転サブアセンブリの動きを調整して、前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板から所定の距離及び方向に位置決め及び方向付けするように構成することができる。前記所定の距離は最大5.0mmであり得る。前記コントローラは、前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板の水平面に対して所定の角度で維持するように更に構成することができる。前記所定の角度は0度から90度であり得る。前記コントローラは、前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板に対して一定の速度で移動させるように更に構成することができる。前記一定の速度は最大1000mm/秒であり得る。前記一定の速度は、20mm/秒から200mm/秒であり得る。前記コントローラは、前記支持体上に設けられた前記電子基板上に供給を行うことにより、前記視覚システムに対する前記供給ユニットのノズルの供給位置を較正するように更に構成することができる。前記コントローラは、視覚システムに対するノズルの向きのテーブルを有するデータベースを含むか、又は該データベースにアクセスすることができる。前記コントローラは、一部には既知の位置及び向きの補間に基づいて、前記ノズルの向きを較正するように構成することができる。
【0007】
本開示の別の態様は、電子基板上に粘性材料を供給する方法に関する。1つの実施の形態において、該方法は、電子基板を供給位置に送達することと、前記電子基板の少なくとも1つの画像を捕捉することと、前記電子基板の前記少なくとも1つの画像を分析して、前記電子基板の位置を求めることと、ガントリに結合された供給ユニットを傾斜及び回転させることによって供給動作を実行することとを含む。前記供給動作を実行することは、3次元経路に沿って前記電子基板上に所望の量又は密度の材料を堆積するように構成された流量で、前記供給ユニットの前記ノズルから材料を供給することを含む。
【0008】
前記方法の実施の形態は、最大2000mg/秒の流量を更に含むことができる。流量で前記供給ユニットの前記ノズルから材料を供給することは、前記供給ユニット内の材料の圧力を制御することによって制御することができる。前記方法は、材料を供給しながら、前記ガントリアセンブリ及び前記傾斜回転サブアセンブリの動きを調整して、前記供給ユニットのノズルを前記電子基板から所定の距離及び方向に位置決め及び方向付けすることを更に含むことができる。前記供給動作を実行することは、前記供給ユニットの前記ノズルを前記電子基板の水平面に対して所定の角度で維持することを含むことができる。前記供給動作を実行することは、前記供給ユニットの前記ノズルを前記パッケージに対して一定の速度で移動させることを含むことができる。
【0009】
図面の簡単な説明
少なくとも1つの実施形態の様々な態様が、添付した図を参照して以下に論述される。これらの図は、一律の縮尺で描くことを意図したものではない。図は、様々な態様及び実施形態の図解及び更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成するが、どの特定の実施形態の限定の定義としても意図されていない。図面は、本明細書の残りの部分とともに、説明及び特許請求される態様及び実施形態の原理及び動作を説明するように機能する。図において、様々な図に示された各同一の構成要素又はほぼ同一の構成要素は、同様の参照符号によって表される。明瞭にするために、あらゆる構成要素があらゆる図においてラベル付けされているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】供給システムの概略図である。
図2】単一の供給ユニットを操作するように構成される供給システムを開示するために、パッケージが取り除かれた供給システムの斜視図である。
図3】供給ユニットが取り除かれた、図2に示されている供給システムの斜視図である。
図4】供給システムの拡大斜視図である。
図5】供給ユニットが供給システムの残りの構成要素から離隔している、図4に示されている供給システムの拡大斜視図である。
図6】供給システムの断面図である。
図7A】電子基板に実装された例示的なパッケージの図である。
図7B】電子基板に実装された例示的なパッケージの図である。
図8】本開示の様々な態様を実践することができる一例示のコンピュータシステムを示す図である。
図9】本開示の様々な態様を実施することができる一例示の記憶システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示の詳細な説明
本開示の種々の実施形態は、粘性材料供給システム、供給システムを含むデバイスに関する。本開示に開示される実施形態は、電子基板上に材料を供給するために傾斜及び回転するように構成される供給ユニットを備える供給システムによって、電子基板上に材料を供給する技法に関する。
【0012】
例示のためだけであり、普遍性を制限するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に記述される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本開示において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、制限するものと見なされるべきではない。本開示において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本開示における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本開示において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本開示において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に記載される物品と、その相当品及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて記載される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、1つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを含むことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本書類と、引用により本書類の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本書類の一部をなす文献における用語の使用法は、本書類の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本書類における用語の使用法が有効である。
【0013】
図1は、本開示の1つの実施形態による、全体として10で示される供給システムを概略的に示している。供給システム10は、プリント回路基板又は半導体ウェーハー等の電子基板12上に、粘性材料(例えば、接着剤、封入材料、エポキシ、はんだペースト、アンダーフィル材料等)又は半粘性材料(例えば、はんだフラックス等)を供給するのに用いられる。供給システム10は、代替的に、自動車用ガスケット材料を塗布するため、又は、或る特定の医療分野において、又は、導電性インクを塗布するため等の、他の応用において用いることができる。本開示において用いられる場合、粘性材料又は半粘性材料に対する参照は例示であり、非限定的なものであることが意図されることを理解されたい。1つの実施形態において、供給システム10は、それぞれ全体として14及び16で示される第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットと、供給システムの動作を制御するコントローラ18とを備える。供給ユニットは、本開示において、供給ポンプ及び/又は供給ヘッドと称されることもあることを理解されたい。2つの供給ユニットを示すが、供給ユニットのアレイは、単一又は複数の供給ユニットを使用することができることを理解されたい。
【0014】
また、供給システム10は、電子基板12を支持する土台又は支持体22を有するフレーム20と、供給ユニット14、16を支持し、移動させるためにフレーム20に移動可能に結合された供給ユニットガントリ24と、例えば、較正手順の一部として、粘性材料の供給された量を計量し、重量データをコントローラ18に与える重量測定デバイス又は計量器26とを備えることができる。供給システムに対する電子基板の装着及び取外しを制御するために、供給システム10において、コンベヤシステム(図示せず)又は移動ビーム等の他の移送機構を使用してもよい。ガントリ24は、コントローラ18の制御下においてモータを用いて移動し、供給ユニット14、16を電子基板の上方の所定の位置に位置決めすることができる。供給システム10は、作業者に種々の情報を表示するためにコントローラ18に接続されたディスプレイユニット28を備えることができる。供給ユニットを制御する任意選択の第2のコントローラを設けてもよい。また、各供給ユニット14、16は、z軸センサを用いて、電子基板12の上方又は電子基板上に実装される機構の上方に供給ユニットが配置される高さを検出するように構成することができる。z軸センサは、コントローラ18に結合され、センサによって取得された情報をコントローラに中継する。
【0015】
上記のような、供給動作を実行する前に、基板、例えば、プリント回路基板は、供給システムの供給ユニットに対して整列、又は、別の方法で位置合わせしなければならない。供給システムは、視覚システム30を更に備え、1つの実施形態において、視覚システム30は、視覚システムガントリ32に結合され、視覚システムガントリ32は、視覚システムを支持するとともに移動させるために移動可能にフレーム20に結合される。別の実施形態において、視覚システム30は、供給ユニットガントリ24上に設けられていてもよい。上記のように、視覚システム30は、電子基板上の、基準として知られるランドマーク又は構成要素の位置を照合するために利用される。位置特定されると、コントローラは、電子基板上に材料を供給するように供給ユニット14、16のうちの1つ以上の動きを操作するようにプログラムすることができる。
【0016】
本開示のシステム及び方法は、電子基板、例えば、プリント回路基板上に材料を供給することに関する。本開示において提供されるシステム及び方法の説明は、供給システム10の支持体22上に支持される例示的な電子基板12(例えば、プリント回路基板)を参照する。1つの実施形態においては、供給動作は、コントローラ18によって制御され、コントローラ18は、材料供給ユニットを制御するように構成されたコンピュータシステムを含んでいてもよい。別の実施形態においては、コントローラ18は作業者が操作するようにしてもよい。コントローラ18は、電子基板12の1つ以上の画像を取得するように視覚システムを移動させるために視覚システムガントリ32の動きを操作するように構成される。コントローラ18は、供給動作を実行するために、供給ユニット14、16を移動させるように供給ユニットガントリ24の動きを操作するように更に構成される。
【0017】
本開示の実施形態は、供給システムの供給ユニットを傾斜及び回転させるように構成される波動歯車駆動アセンブリに関し、1つ以上の電子基板、又は単一の電子基板に関連する2つ以上のパターンに同時に正確に供給を行う、代替的及び匹敵する手段を提供する。本開示において開示される方法は、以下に限定されるものではないが、オーガ、ピストン及び噴射ポンプを含む種々のタイプの供給ユニットの使用を更にサポートする。
【0018】
図2及び図3を参照すると、供給システムが、全体として40で示されている。図示のように、供給システム40は、供給システムの主要なサブアセンブリを支持するように構成されるフレーム42を備える。供給システム40は、x軸方向及びy軸方向に移動するように構成される、全体として44で示されているガントリシステムを更に備える。供給システム40は、ガントリシステム44によって支持される、全体として46で示されている供給ユニットアセンブリを更に備える。図2は、供給ユニットアセンブリ46を備える供給システム40を示しており、図3は、供給ユニットアセンブリが取り除かれた供給システム40を示している。供給システム40内でコンベヤシステム(図示せず)を使用して、基板、例えば、電子基板12の、供給システムの支持体50に対する出し入れを制御することができる。ガントリシステム44は、供給システム10のコントローラ18と同様に、コントローラの制御下でモータを使用して、供給ユニットアセンブリ46を電子基板上の所定の位置に位置決めするように、x軸方向及びy軸方向に移動することができる。
【0019】
1つの実施形態において、図2及び図3に示されているように、ガントリシステム44は、左側サイドレール52と、右側サイドレール54と、2つのサイドレール間に延在するビーム56とを備えるように構成することができる。ビーム56は、サイドレール52、54に沿ってy軸方向に移動し、供給ユニットアセンブリ46のy軸移動を達成するように構成される。ガントリシステム44は、ビーム56に結合され、供給ユニットアセンブリ46のx軸移動をもたらすようにビームの長さに沿って移動するように構成されるキャリッジ58を更に備える。具体的には、キャリッジ58は、供給ユニットアセンブリ46を支持し、ビームの長さに沿ってx軸方向に移動して、供給システム40の支持体50上に位置決めされる電子基板12の所望の位置の上方に供給ユニット48を移動させるように構成される。或る特定の実施形態において、x-y平面におけるガントリシステム44の移動(すなわち、ビーム56及びキャリッジ58の移動)は、当該技術分野においてよく知られているように、それぞれのモータによって駆動されるボールねじ機構を採用することによって達成することができる。
【0020】
1つの実施形態において、本明細書に記載される例示的な供給システムは、マサチューセッツ州ホプキントン所在のITWEAE社によって販売されているCamalot(商標)供給システムを具現することができる。
【0021】
供給ユニットアセンブリ46は、図2に示されているz軸駆動機構60によって、供給ユニット48をz軸方向に移動させるように構成される。z軸移動量は、供給ユニット48の、ニードル(図示せず)と称する場合もあるノズルの先端と電子基板12との間の距離を測定することによって決定することができる。移動時、供給ユニット48は、電子基板12の上方に公称クリアランス高さを置いて位置決めすることができる。クリアランス高さは、1つの供給位置から別の供給位置への移動時、電子基板12の上方の比較的一貫した高さに維持することができる。所定の供給位置に到達すると、z軸駆動機構60は、供給ユニット48を電子基板12へと下降させ、それにより、電子基板上への材料の供給を達成することができる。
【0022】
図2及び図3をなおも参照すると、供給ユニット48は、供給ユニットによって供給動作を実行するように、電子基板12の上方で移動する。しかしながら、供給する前に、正確な供給を行うことができるように、供給ユニット48に対する電子基板12の位置が求められる。具体的には、1つの実施形態において、キャリッジ58は、電子基板12の画像を取得するように設計される光学素子又はカメラを備えるように構成することができる。カメラは、キャリッジ58に取り付けられるように示されているが、ビーム56又は独立したガントリに別個に取り付けることができることを理解すべきである。本開示において、カメラは、「視覚システム」又は「撮像システム」と称することができる。電子基板12を供給ユニット48及びガントリシステム44と位置合わせするために、電子基板12上に設けられる少なくとも2つの基準部の画像がカメラによって取得される。電子基板12の位置が外れている場合、電子基板の実際の位置を考慮するようにガントリシステム44を操作することができる。1つの実施形態において、カメラは、供給ユニット48についてカメラ対ニードルオフセット距離を求めるように較正することができる。別の実施形態において、レーザ又は別の較正距離測定装置を用いて、視覚位置合わせ及びクリアランス高さ検知を達成することができる。
【0023】
供給システムは、通常、鉛直に、したがって、水平に固定される基板に対して垂直に向けられる供給ユニットを有する。いくつかの用途において、供給ユニットを鉛直から傾け、鉛直の向きからそのままではアクセスできない位置に、供給される材料を堆積することが有利である。傾斜する供給ユニットが様々な所望の向きに関節運動する場合、供給ユニットの鉛直からの角度だけでなく、供給ユニットが傾斜する方向も変更し、場合によっては、2つ以上の側部に沿って部品の底縁部に材料を堆積することが有利である場合もある。
【0024】
移動構造に精通する当業者には理解されるように、供給ユニット48を傾斜及び回転させるのに使用される機構は、質量を増加するとともに、機構が追加されると追加のコンプライアンスが導入されるため、構造的剛性を低下させる。支持される質量が増大し、構造の剛性が低下すると、アセンブリの固有振動数が減少する。したがって、質量の増加が最小限で、可能な限り剛性の高い構造を伴って必要な自由度を提供することが、設計者に委ねられる。
【0025】
本開示の供給システム40の実施形態は、マサチューセッツ州ビバリー所在のHarmonic Drive社から入手可能であるような、モータと、波動ハーモニック減速ギヤボックス(strain-wave harmonic reduction gear box)と、高剛性の回転クロスローラ軸受とを備える、非常に小型で高集積の回転アクチュエータを組み込むことで、この目標を達成する。波動ギヤボックスアクチュエータにおける高度な集積は、質量及びコンプライアンスの増加を最小限に抑えるのに役立つ。波動ギヤボックスは、バックラッシュが非常に小さいという利益を更に有する。また、集積されたモータ、軸受、及びギヤボックスのアセンブリは、購入、組付け、及び試験をしなければならない部品の数を最小限に抑えるのに役立つ。
【0026】
図4及び図5を参照すると、供給ユニットアセンブリ46は、供給ユニット48を支持するように構成される駆動アセンブリを備える。供給ユニット48は、図4では、動作位置において示されており、図5では、供給ユニットを支持するように構成される供給ユニットアセンブリの構成要素から供給ユニットが離隔している動作前位置において示されている。図示のように、供給ユニットアセンブリ46は、L字形構造を有する支持ブラケット62を備える。支持ブラケットの第1の部分64は、キャリッジ58のz軸駆動機構60に固定され、第2の部分66は、第1の部分から垂直に延在する。供給ユニットアセンブリ46は、支持ブラケットの第2の部分66において第1の波動歯車システム70によって支持ブラケット62に回転可能に結合される可動ブラケット68を更に備える。図示の実施形態において、可動ブラケット68は、略鉛直軸Aの周りに支持ブラケット62に対して回転するように構成される。
【0027】
可動ブラケット68は、供給ユニット48を支持するように構成される第2の波動歯車システム72を備える。図示のように、第2の波動歯車システム72は、供給ユニットが動作位置にあるときに、供給ユニット48を受けて支持するように構成される取付けプレート74を備える。第2の波動歯車システム72は、軸Aに対して略垂直な軸Bの周りに、供給動作中、供給ユニット48を所望の位置に回転及び傾斜させるように構成される。1つの実施形態において、第1の波動歯車システム70は、第2の波動歯車システム72と同一ではなくとも同様に構成される。
【0028】
可動ブラケット68の軸Aの周りの支持ブラケット62に対する向き、及び供給ユニット48の可動ブラケットに対する向きは、特定の用途に適応するように変更することができることを理解すべきである。例えば、可動ブラケット68は、略水平軸の周りに支持ブラケット62に対して回転可能に結合することができ、供給ユニットは、略鉛直軸の周りに可動ブラケットに対して回転可能に結合することができる。
【0029】
図6は、第1の波動歯車システム70及び第2の波動歯車システム72を示す供給ユニットアセンブリ46の断面図を示している。可動ブラケット68は、支持ブラケット62に対して、最大全周360度、すなわち、0度から360度回転するように構成される。同様に、供給ユニット48は、可動ブラケット68に対して、最大全周360度、すなわち、0度から360度回転するように構成される。したがって、供給ヘッド48の回転及び傾斜量は無制限となる。
【0030】
1つの実施形態では、コントローラ18等のコントローラ又は制御システムは、供給システム40の動作を制御する特定用途向けソフトウェアを伴う、好適な動作システムを有するように構成することができる。或る特定の実施形態において、供給システム40の操作者は、制御システムが設けられるキーボード及びマウスを操作することによって手動で、又はキーボード及びマウスにより制御システムを予めプログラムすることによって自動で、制御システムを通して供給システムを動作させることができる。コントローラは、電子基板12の少なくとも1つの画像を分析してx軸方向、y軸方向及びθ方向における電子基板の位置を求め、電子基板の回転角を計算し、供給ユニット48を回転させて、供給動作を実行する際の電子基板の角度に一致させるように更に構成される。
【0031】
動作中、電子基板等の基板上に材料を堆積するとき、供給ユニットアセンブリ46の供給ユニット48は、ガントリシステムを操作することによって電子基板に近接して位置決めされる。コントローラは、ガントリシステム44を操作することによって供給ユニット48の自動化された動きを制御し、供給ユニットをA軸及びB軸の周りに回転させることによって電子基板12上に材料を供給する。コントローラは、ガントリシステム44及び駆動アセンブリの動作を制御することによって、供給ユニットアセンブリ46の供給ユニットの動き(直線及び回転)を制御する。
【0032】
したがって、可動ブラケット68は、支持ブラケット62に対して全周360度回転するように構成され、供給ユニット48は、可動ブラケットに対して全周360度回転するように構成されることが見て取れるはずである。これにより、供給ユニット48が、電子基板12上の到達が困難な箇所に材料を堆積することが可能になる。本開示に開示する供給システム40は、供給用途の速さ及び精度を向上させる利益を有しながら、供給ユニット48の方向を制御する駆動アセンブリの独自の組合せを採用する。
【0033】
動き制御(モーションコントロール)
上述したように、本開示の実施形態のディスペンサは、限定はしないが、オーガ、ピストン及び噴射供給ユニットを含む供給ユニットを備えることができる。供給システムのコントローラ、例えば、供給システム10のコントローラ18は、電子基板に対する供給動作を実行するように構成される。具体的には、コントローラは、視覚システム及び視覚システムガントリ、例えば、視覚システム30及び視覚システムガントリ32の動きを制御して、電子基板、例えば、電子基板12、及び基板上に実装された任意の構成要素又はパッケージの画像を取得するように構成される。図7A及び図7Bを参照すると、例示的な電子基板80には、パッケージ82が実装されている。パッケージ82は、集積回路等の任意のタイプの電子部品を備えることができる。また、パッケージ82と電子基板80との交差部又は接続端点に対して位置決めされた、供給ユニット、例えば供給ユニット48のノズル90も示されている。
【0034】
上述したように、パッケージ82の周縁部の周りの電子基板80上に材料を堆積することが望ましく、従来の鉛直供給は、この機能を実行するには不十分である。しかしながら、供給システム40を含む、本開示に開示する実施形態の供給システムでは、供給ユニットを傾斜及び回転させることができることにより、パッケージ82の周囲への供給動作を最適化するように供給ユニットのノズル90を位置決めすることができる。さらに、供給システムは、様々な形状及びサイズのパッケージ又は他の部品の周囲に材料を供給するように構成される。
【0035】
画像が取得されると、コントローラは、電子基板80に実装されたパッケージ82の周囲に材料を供給するために、ガントリ、第1の波動歯車システム及び第2の波動歯車システムの動き、並びに供給ユニットの起動を制御するように構成される。供給ユニットのノズル90の移動の速度は、電子基板上に供給される材料の所望の量又は密度を部分的に達成するように、コントローラによって決定される。
【0036】
1つの実施形態では、ノズル90の先端を制御して、パッケージの周囲に材料を供給する間、パッケージ82と電子基板80との交差部から所定の距離100を達成又は他の方法で維持することができる。具体的には、コントローラは、ノズル90の先端が、パッケージ82と電子基板80との交差部においてパッケージ82の縁部から所定の距離100を維持するように、ノズル90の先端を位置決めするように、供給ユニットガントリ、例えば、ガントリシステム44と、傾斜回転サブアセンブリ、例えば、第1の波動歯車システム70及び第2の波動歯車システム72とを制御するように構成される。図示するように、供給ユニットのノズル90は、第2の波動歯車システムによって所定の角度で配置される。供給ユニットのノズル90の先端は、コントローラによって第1の波動歯車システムを制御することにより供給ユニットを回転させることによって、位置決めすることができる。このような配置により、ガントリとともに供給ユニットを移動させながら供給ユニットを回転させることで、供給ユニットのノズルの先端が、パッケージ82の直線状の側部からパッケージのコーナを周り、パッケージの垂直な直線状の側部に移行する間に、交差部から所定の距離100を維持することができる。或る特定の実施形態において、例えば、所定の距離100は、最大5.0mmである。別の例において、所定の距離100は、0.025mmから1.0mmである。
【0037】
1つの実施形態において、ノズル90は、供給ユニットのノズルを電子基板80の水平面に対して所定の角度102にするか、又はそうした角度102で維持するように制御することができる。上述したように、ノズル90の先端をパッケージ82と電子基板80との交差部の可能な限り近くに位置決めするように、供給ユニットのノズル90の角度102を最適化することができる。パッケージと電子基板との間に垂直な角度(90度)が示されているが、パッケージは電子基板から任意の角度で延在するような形状としてもよい。第2の波動歯車システムは、所定の角度102に達するようにコントローラによって制御することができる。例えば、所定の角度102は、0度から90度とすることができる。別の例において、所定の角度102は、約45度とすることができる。
【0038】
1つの実施形態において、ノズル90は、コントローラによって、供給ユニットのノズルをパッケージ82に対して一定の速度になるようにするか又は一定の速度で移動させるように、制御することができる。上述したように、コントローラは、ガントリ、第1の波動歯車システム及び第2の波動歯車システムを操作して、供給ユニットのノズル90の先端をパッケージ82と電子基板80との交差部から所定の距離100に位置決めするように構成される。さらに、コントローラは、第2の波動歯車システムを操作して、供給ユニットのノズル90を所定の角度102に位置決めして、ノズルの先端の位置を最適化するように構成される。コントローラは、供給ユニットのノズル90を一定の速度で移動させるように供給ユニットを移動させ、それにより、パッケージ82に隣接する電子基板80上に所望の量又は密度の材料が堆積されるのを確実にするのに役立つように構成される。供給ユニットの速度は変化させることができるが、特にパッケージの直線部分の間は、一定の速度が望まれる。例えば、一定の速度は最大1000mm/秒である。別の例において、一定の速度は、20mm/秒から200mm/秒である。
【0039】
パッケージ82と電子基板100との交差部からノズル90の先端の所定距離100の空間と、供給ユニットのノズルの所定の角度102と、供給ユニットの速度とは、ともに、供給ユニットに動き制御を提供する。ディスペンサのノズル90の先端の動きの制御は、x軸、y軸及び回転軸に沿って行われ、コントローラを用いて、ガントリ、第1の波動歯車システム及び第2の波動歯車システムによって達成される。上述したように、視覚システムを使用して、パッケージ82の位置の画像を取得することができ、コントローラは、供給ユニットのノズル90がパッケージの周囲に材料を供給する経路を決定するように構成される。コントローラは、ガントリ、第1の波動歯車システム及び第2の波動歯車システムに指示を与えて、供給動作中の供給ユニットの動きを制御する。
【0040】
上述したように、パッケージ82のサイズ及び形状は、種々の形状及びサイズを具現することができる。コントローラは、電子基板80上に設けられたパッケージ及び部品に対する供給動作を実行するために、供給システムのガントリ、第1波動歯車システム及び第2波動歯車システムを制御することによって、供給ユニットの動きを制御するように構成される。
【0041】
1つの実施形態において、コントローラは、3次元経路に沿って材料を供給しながら、ガントリを含むガントリアセンブリと、第1の波動歯車システム及び第2の波動歯車システムを含む傾斜回転サブアセンブリとの動きを同時に調整して、供給ユニットのノズルを電子基板80から所定の距離100及び向き102に位置決め及び方向付けするように構成される。
【0042】
流量制御
供給システムの供給ユニットによって堆積される材料の量は、供給ユニットのノズル90の動き制御のみでなく、供給ユニットによって供給される材料の流量によっても決まることを理解すべきである。具体的には、流量に関して、供給ユニット内の材料の圧力と、供給ユニットのノズル90の開口部のサイズとによって、供給ユニットからの材料の流量が決まる。上述したように、ガントリ、第1波動歯車システム及び第2波動歯車システムは、コントローラによって制御されて、供給ユニットのノズル90の先端がパッケージに対して正確に位置決めされるように供給ユニットを移動させる。ノズル90の先端の位置と供給ユニットの速度とに基づいて、材料の流量は、コントローラによって正確に制御されて、電子基板80上のパッケージ82の周囲に所望の量又は密度の材料が供給される。
【0043】
上述したように、流量は、供給されている材料の粘度と、ノズル90内の材料の圧力と、材料が供給されるノズルの直径とによって部分的に決まる。供給ユニットは、ノズル90内の材料の圧力を制御するように構成することができる。材料の圧力は、供給ユニットのチャンバ内で、チャンバ内に加圧空気を適用することによって制御することができる。いくつかの実施形態において、供給ユニットのノズル90の開口部のサイズは、所望の流量を達成するように選択することができる。材料がノズル90を通って流れ、ノズルの直径が低減又は増大すると、材料の流量がそれぞれ増加又は減少することが理解されたい。
【0044】
1つの実施形態において、コントローラは、電子基板上に所望の量又は密度の材料を堆積するように構成された流量で、供給ユニットのノズル90から材料を供給するように構成される。流量は、供給されている材料の粘度と、ノズル90内の材料の圧力と、材料が供給されるノズルの直径とによって決まる。例えば、流量は、最大100mg/秒とすることができる。別の例において、流量は、0.05mg/秒から10mg/秒とすることができる。
【0045】
複数の供給ユニット
上述したように、供給システムの実施形態は、同期モード又は非同期モードで、1つ以上の電子基板、又は単一の電子基板に関連する2つ以上のパターンに、同時に正確に供給を行うように構成することができる2つ以上の供給ユニットを備えることができる。具体的には、電子基板がコントローラによって決定されるように適切に位置合わせされない場合、供給システムは、2つの電子基板又はパターンに供給が行われる同期モードから、1つの電子基板又はパターンのみに供給が行われる非同期モードに切り換わることができる。本開示に開示される方法は、限定はしないが、オーガ、ピストン、及び噴射ポンプを含む様々なタイプの供給ポンプの使用を更にサポートする。
【0046】
2つの基板又は2つの基板パターンに対する例示的な供給動作は、第1の電子基板パターンを供給位置に送達するステップと、第2の電子基板パターンを供給位置に送達するステップと、第1の電子基板パターンと第1の供給ユニットとを位置合わせするステップと、第1の供給ユニットから所定の距離に第2の供給ユニットを位置決めするステップと、第1の供給ユニットから第1の電子基板パターン上の所望の位置に材料を供給するステップと、第2の供給ユニットから第2の電子基板パターン上の所望の位置に材料を供給するステップとからなることができる。或る特定の実施形態において、第1の供給ユニットから材料を供給するステップは、第1の供給ユニットを第1の電子基板パターンに向かって下降させることを含むことができる。同様に、第2の供給ユニットから材料を供給するステップは、第2の供給ユニットを第2の電子基板パターンに向かって下降させることを含むことができる。
【0047】
別の例示的な供給動作は、第1の電子基板パターン及び第2の電子基板パターンをそれぞれの供給位置に送達するステップと、第1の電子基板パターンの上方に第1の供給ユニットを位置決めするステップと、第1の供給ユニットから所定の距離に第2の供給ユニットを位置決めするステップと、第1の供給ユニットから第1の電子基板パターン上の所望の位置に材料を供給するステップと、第2の供給ユニットから第2の電子基板パターン上の所望の位置に材料を供給するステップとからなることができる。第1の供給ユニットから材料を供給することは、第1の供給ユニットを第1の電子基板パターンに向かって下降させることを含む。同様に、第2の供給ユニットから材料を供給することは、第2の電子基板パターンに向かって第2の供給ユニットを下降させることを含む。或る特定の実施形態において、所定の距離は、第1の電子基板パターンに関連付けられる第1の基準点及び第2の電子基板パターンに関連付けられる第2の基準点を特定することによって決定される。
【0048】
2つの基板に対する更に別の例示的な供給動作は、(1)供給ユニットのそれぞれとカメラとの間の実際の距離を較正するステップと、(2)単数又は複数の基板上の基準位置の実際の位置を特定するステップと、(3)第1の供給ユニットを第1の基板上の第1の供給位置に移動させるステップと、(4)第1の基板上の第1の供給位置に供給を行うステップと、(5)第2の供給ユニットを第2の基板上の第1の供給位置に移動させるステップであって、この移動は僅かであり、したがって迅速に実行される移動である、ステップと、(6)第2の基板上の第1の供給位置に供給を行うステップと、(7)基板上の残りの供給位置のそれぞれに対してステップ(3)からステップ(6)を繰り返すステップとからなることができる。上述の動作は、基板上に複数のパターンを有する単一の基板上に供給を行う場合に実行することができる。
【0049】
3つ以上の供給ユニットを使用する場合、1つおきの基板に対してこの同時の供給手法を採用することができることが更に企図される。例えば、3つの供給ユニットを使用する場合、第1の供給ユニット、第2の供給ユニット及び第3の供給ユニットによって、第1の基板、第3の基板及び第5の基板に対してそれぞれ同時に供給することができる。これらの基板に供給した後、供給が、第1の供給ユニット、第2の供給ユニット及び第3の供給ユニットによってそれぞれ、第2の基板、第4の基板及び第6の基板に対して行われるように、供給ユニットを移動させることができる。
【0050】
例示的な実施形態において、材料を供給する方法は、少なくとも2つの同一パターンを有する電子基板を供給位置に送達することと、少なくとも2つのパターンに関するデータを取得することと、取得したデータに基づいて、その少なくとも2つのパターンに対して同時の供給動作を実施するために、その少なくとも2つのパターンが同時の供給に十分に適しているか否かを判断することと、その2つのパターンが同時の供給に十分に適している場合、その少なくとも2つのパターンに対して同時の供給動作を実施することとを含むことができる。
【0051】
材料を供給することは、第1のパターンの第1の位置の上方に第1の供給ユニットを位置決めすることと、第2のパターンの第1の位置の上方に第2の供給ユニットを位置決めすることとを含むことができる。上述したように、第2の供給ユニットは、第1の供給ユニットから所定距離だけ間隔を空けて配置することができる。具体的には、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットから、第1のパターン及び第2のパターンのそれぞれの第1の位置に材料を供給することができる。供給が行われると、第1の供給ユニットは、電子基板の第1のパターンの第2の位置の上方を移動し、第2の供給ユニットは、電子基板の第2のパターンの第2の位置の上方を同時に移動する。移動すると、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットから、第1のパターン及び第2のパターンのそれぞれの第2の位置に材料を供給することができる。
【0052】
別の例示的な実施形態において、材料を供給する方法は、(1)電子基板上の2つ以上の位置の位置を特定することと、(2)特定された位置に基づいて、第1のパターンの供給位置及び第2のパターンの供給位置が、第1のパターン及び第2のパターン上に同時の供給動作を実施するために同時の供給に十分に適しているか否かを判断することと、(3)第1の供給ユニットを第1のパターン上の供給位置に移動させるとともに、第2の供給ユニットを第2のパターン上の供給位置に移動させることであって、第1のパターンの供給位置は、第2のパターン上の供給位置に対応することと、(4)第1の供給ユニットによって第1のパターン上の第1の供給位置に供給するとともに、第2の供給ユニットによって第2のパターン上の第1の供給位置に供給することと、(5)電子基板の第1のパターン及び第2のパターン上の各残りの供給位置に対してステップ(3)及びステップ(4)を繰り返すこととを含むことができる。上述したように、本方法を実施する前に、第1の供給ユニットとカメラとの間の距離及び第2の供給ユニットとカメラとの間の距離を較正することができる。
【0053】
1つの実施形態において、ディスペンサに提供される基板ごとに一回で静的な調整を行うには、視覚システム及びコントローラが、基板の一部分から同じ基板の別の部分までの距離と、ガントリシステムに対する基板の任意の回転とを特定及び計算し、同時供給の前に第2の供給ユニットを一回で調整する。別の実施形態において、自動調整機構を使用して、供給を行いながら、動的な調整を行うことができる。したがって、2つのパターンが同時の供給に十分に適していない場合、すなわち2つの基板が同時の供給に十分に適していない例では、本方法は、第1の供給ユニットによる第1のパターン(又は基板)に対する第1の供給動作と、第2の供給ユニットによる第2のパターン(又は基板)に対する第2の供給動作とを同時に実行することを含む。このことは、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットによる供給を続けながら、自動調整機構によって第2の供給ユニットを動的に位置決めすることにより達成することができる。
【0054】
本開示の実施形態のディスペンサは、異なるパターンを同時に供給することが可能である。このような方法において、供給ユニットを運ぶガントリと、第2の供給ユニット(及び/又は第1の供給ユニット)に関連する自動調整機構とは、異なるパターンを同時に供給するように操作することができる。この方法により、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットによって供給される線は同期して引くことができる。
【0055】
したがって、複数の供給ユニットを備えるディスペンサの場合、複数の供給ユニットのそれぞれの距離及び相対位置は、複数の基板又は部品のそれぞれの間の距離及び相対間隔と一致するように構成することができる。自動視覚位置合わせシステムからの位置合わせ情報を収集及び分析した後、複数の供給ユニットのうちの第1の供給ユニットは、第1の基板又は部品上の第1の供給位置の上方に位置決めされる。供給動作を実行した後、ガントリは、必要とされるx軸及びy軸平面の位置調整を行うように操作することができる。この位置調整は、複数の供給ユニットのうちの第2の供給ユニットを、複数の基板又は部品のうちの第2の基板又は部品の対応する第1の供給位置の上方に位置合わせするのに必要な場合がある。複数の供給ユニットのそれぞれの間の距離及び相対位置は、複数の基板又は部品のそれぞれの間の距離及び相対位置と必ずしも同一ではないものの略同様であるため、ガントリのこのような調整はいずれも非常に僅かであり、したがって迅速に実行される。残りの複数の供給ユニットのそれぞれは、残りの基板又は部品のそれぞれの対応する第1の供給位置に材料を供給するように同様に使用することができ、その後、x軸及びy軸の方向にガントリの大きい移動が必要となる。しかし、基板又は部品の数が供給ユニットの数よりも多い場合、基板の全てに対する供給動作を完了するためにガントリを再位置決めする必要がある場合がある。本方法は、第2の供給位置及び後続の供給位置のそれぞれに供給を行うように繰り返される。ステップは、スループット又はプロセスの向上によって要求され得るように入れ替えることができることが理解されるべきである。
【0056】
上述したように、1つの実施形態において、供給ユニットは別個のz軸駆動機構に取り付けることができる。この構成により、適切な場合、限定はしないが供給、(例えば自動ニードル/ノズルクリーナーによるような)清掃、浄化、及び較正(x軸若しくはy軸位置又はz軸位置)を含む独立の動作の実行が可能になる。しかし、ディスペンサは、ニードル/ノズルから材料を流出又は噴出する等の非接触供給に特に適することができることに留意するべきである。非接触供給向けに構成される場合、供給動作は、単一のz軸駆動機構に取り付けられる2つ(又は3つ以上)の供給ユニットによって実行することができる。
【0057】
本開示の1つの実施形態は、同期モードと非同期モードとの間で供給する方法に関する。上述したように、視覚システムを使用して、単数若しくは複数の基板が同時の供給に十分に適しているか否か、又は、単数若しくは複数のパターンが同時の供給に十分に適しているか否かを判断する場合において、同時の供給に十分に適している場合、同期動作モードを採用することにより、供給ユニットによって、基板又はパターンに同時に供給することができる。しかしながら、同時の供給に十分に適していない場合、非同期動作モードを採用することにより、基板又はパターンに自動的に独立して非同期に供給することができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、傾斜回転サブアセンブリは、供給ユニットを最大360度傾斜させ、供給ユニットを最大360度回転させるように構成される。
【0059】
いくつかの実施形態において、ガントリは、供給ユニットのz軸の動きを提供するz軸駆動機構を更に備える。
【0060】
コンピュータシステム
上述したようなコントローラ(例えば、コントローラ18)は、図8及び図9に関連して以下に説明するコンピュータシステムに含めることができる。特に、図8は、本開示に記載する供給システム(例えば、供給システム40)の様々な態様を実施するために使用される一例示のコンピュータシステム104を示す。図9は、使用することができる一例示の記憶システムを示す。
【0061】
システム104は、単に、本発明の様々な態様を実施するのに好適なコンピュータシステムの一例証的な実施形態である。このような一例証的な実施形態は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、その理由は、例えば、システムの他の多数の実施態様のうちの任意のものが可能であり、それらは本発明の範囲内にあることを意図しているためである。例えば、仮想コンピューティングプラットフォームを使用することができる。以下に記載する請求項のうちのいずれも、そのような請求項が特定の実施態様を明示的に記載する限定を含まない限り、システムのいかなる特定の実施態様にも限定されることを意図していない。
【0062】
本発明による様々な実施形態は、1つ以上のコンピュータシステム上で実施することができる。これらのコンピュータシステムは、例えば、Intel PENTIUM(登録商標)型プロセッサ、Motorola PowerPC、Sun UltraSPARC、Hewlett-Packard PA-RISCプロセッサ、又は他の任意のタイプのプロセッサに基づくもの等の汎用コンピュータであり得る。本発明の様々な実施形態による、記載したデバイス及びシステムの他のシステム及びサービスとの統合を部分的に又は完全に自動化するために、任意のタイプのコンピュータシステムの1つ以上を使用することができることを理解すべきである。さらに、ソフトウェアは、単一のコンピュータ上に配置してもよく、又は通信ネットワークによって接続された複数のコンピュータ間で分散してもよい。このような通信ネットワークは、或る特定の実施形態において、本開示に記載した供給システムを遠隔制御するため、又は本開示に記載した供給システムとの間で情報を遠隔転送するために利用される。
【0063】
本発明の様々な態様は、図8に示すような汎用コンピュータシステム104で実行する専用ソフトウェアとして実装することができる。コンピュータシステム104は、ディスクドライブ、メモリ、又はデータを記憶する他のデバイス等の1つ以上のメモリデバイス116に接続されたプロセッサ106を含むことができる。メモリ116は、通常、コンピュータシステム104の動作中にプログラム及びデータを記憶するために使用される。コンピュータシステム104の構成要素は、相互接続機構114によって結合することができ、この相互接続機構114は、1つ以上のバス(例えば、同じ機械内に統合された構成要素間)及び/又はネットワーク(例えば、別々の別個の機械上に存在する構成要素間)を含むことができる。相互接続機構114は、システム104のシステム構成要素間で通信(例えば、データ、命令)を交換することを可能にする。コンピュータシステム104はまた、1つ以上の入力デバイス108、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、マイクロフォン、カメラ、タッチスクリーンと、1つ以上の出力デバイス110、例えば、供給ユニット、モータ、カメラ、印刷装置、ディスプレイユニット、タッチスクリーン及び/又はスピーカとを含む。加えて、コンピュータシステム104は、(相互接続機構114に加えて、又はその代わりとして)コンピュータシステム104を通信ネットワークに接続する1つ以上のインターフェース(図示せず)を含むことができる。
【0064】
図9により詳細に示す記憶システム112は、通常、プロセッサ106が実行すべきプログラム、又はプログラムが処理すべき媒体118上若しくは媒体118内に記憶された情報を定義する信号が記憶される、コンピュータ可読及び書き込み可能な不揮発性記録媒体118を含む。媒体118は、例えば、ディスク又はフラッシュメモリであり得る。通常、動作中、プロセッサ106は、データが、不揮発性記録媒体118から、媒体118よりもプロセッサによる情報へのより高速なアクセスを可能にする別のメモリ120に読み出されるようにする。このメモリ120は、通常、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)又はスタティックメモリ(SRAM)等の揮発性ランダムアクセスメモリである。
【0065】
データは、図示するように記憶システム112に、又はメモリシステム104内に位置することができる。プロセッサ106は、概して、集積回路メモリ116、120内のデータを操作し、次いで、処理が完了した後、そうしたデータを媒体118にコピーする。媒体118と集積回路メモリ素子116、120との間のデータ移動を管理する様々な機構が知られており、本発明はこれに限定されない。本発明は、特定のメモリシステム116又は記憶システム112に限定されるものではない。
【0066】
コンピュータシステム104は、本発明の様々な態様を実施することができる1つのタイプのコンピュータシステムとして、例として示しているが、本発明の態様は、図8に示すようなコンピュータシステム上で実施されることに限定されないことを理解すべきである。本発明の様々な態様は、図8に示すものとは異なるアーキテクチャ又は構成要素を有する1つ以上のコンピュータ上で実践することができる。
【0067】
コンピュータシステム104は、高水準コンピュータプログラミング言語を使用してプログラム可能な汎用コンピュータシステムであり得る。コンピュータシステム104はまた、特別にプログラムされた専用ハードウェアを使用して実装してもよい。コンピュータシステム104において、プロセッサ106は、典型的には、Intel Corporationから入手可能なPentium、Core、Core Vpro、Xeon又はItaniumクラスのプロセッサ等の市販のプロセッサである。他の多くのプロセッサも入手可能である。このようなプロセッサは、通常、オペレーティングシステムを実行し、このオペレーティングシステムは、例えば、PCだけでなくモバイルデバイス用のバージョンも含む、Microsoft Corporation又はApple Corporationによって提供されるオペレーティングシステム、iOS、Android OSオペレーティングシステム、又は様々なソースから入手可能なUNIX(登録商標)であり得る。他の多くのオペレーティングシステムを使用してもよい。
【0068】
本発明の様々な実施形態は、SmallTalk、Python、Java、C++、Ada又はC#(C-Sharp)等のオブジェクト指向プログラミング言語を使用してプログラムすることができる。他のオブジェクト指向プログラミング言語を使用してもよい。あるいは、関数型、スクリプト型及び/又は論理型プログラミング言語を使用してもよい。本発明の様々な態様は、プログラムされていない環境で実装してもよい(例えば、HTML、XML、又はブラウザプログラムのウィンドウで表示されたときにグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)の態様をレンダリングするか、又は他の機能を実行する他のフォーマットで作成された文書)。本発明の様々な態様は、例えば、コモンゲートウェイインターフェース(CGI)スクリプト、PHPハイパーテキストプリプロセッサ(PHP)、アクティブサーバーページ(ASP)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張マークアップ言語(XML)、Java、JavaScript、及びJavascriptを拡張するためのオープンソースライブラリ、非同期JavaScript及びXML(AJAX)、Flash、並びに他のプログラミング方法等の様々なインターネット技術を使用して実装することができる。さらに、本発明の様々な態様は、とりわけ、Amazon.com(ワシントン州シアトル)から市販されているEC2プラットフォーム等のクラウドベースのコンピューティングプラットフォームに実装することができる。本発明の様々な態様は、プログラムされた要素若しくはプログラムされていない要素、又はそれらの任意の組み合わせとして実装することができる。
【0069】
上述したような視覚システム又は撮像システムの或る特定の例は、本開示に記載するような供給システム(例えば、供給システム40)を動作させるコンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム104)にデジタル画像及び/又はデジタルビデオを提供するように構成された画像センサを有するカメラ(例えば、入力デバイス108)を含む。画像センサの1つの例は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)である。画像センサは、上述した基準等の画像特徴を含むデジタル画像又はデジタルビデオフレームを生成する。センサによって生成された画像は、カメラの較正、及び供給ユニット(例えば、出力デバイス110)のカメラ対ニードルオフセット距離の決定を含む、供給システムの機能を実行するために(例えば、コントローラ18又はプロセッサ106によって)処理される。
【0070】
本開示に記載するような供給システムを動作させるために、プロセッサ106は、メモリ116及び/又は記憶装置112に記憶された1つ以上のソフトウェアプログラムを実行する。一例として、コンピュータシステム104に電子的に接続された供給機構、モータ及び他のデバイスを制御するとともに動作させるために、制御ループを提供することができる。このような制御ループは、記憶されたソフトウェアを実行して、視覚システムによって生成された画像及び/又は供給ユニットの状態等の入力データを受け取り、その入力データを処理して供給ユニットを基板上の特定の位置まで移動させる等の動作を決定し、その後の時点で新たな入力データを取得し、次いで、その新たなデータを処理して、供給ヘッドを移動させる新たな位置を決定する、プロセッサ106によって実装することができる。
【0071】
記憶されたソフトウェアはまた、情報を受け取り、及び/又は供給システムのディスプレイユニット(例えば、ディスプレイユニット28)にその情報を提供することもできる。ディスプレイユニットは、供給システムで実行されるべき動作を変更又は選択するためのユーザ入力を受け取るために、ユーザとインタラクトするGUIを表示する。いくつかの例において、ディスプレイユニット28は、タッチスクリーンである。他の例において、ユーザは、キーボード及びマウスを介してGUIとインタラクトする。いくつかの例におけるディスプレイユニットは、供給動作が進行するに従って、ユーザに状態標示を提供する。例えば、視覚システムは、材料が基板上に供給される際の供給ユニットの進行状況を追跡し、その進行状況の標示をディスプレイユニット上に提供することができる。他の例において、例えば、供給の進行の所定の箇所に到達し、そこでユーザ入力が必要となる場合があり、その後、GUIは、後続のモータ及び供給動作で続行するための確認をユーザに促す。
【0072】
上述したソフトウェア機能は単なる例であり、コンピュータシステム104は、本開示に記載する供給システムの様々な追加の態様を制御するように構成されることを理解されたい。
【0073】
いくつかの実施形態において、コントローラは、同一のパッケージ及び/又は同一の電子基板の周囲に材料を供給するアルゴリズムを展開するように機械学習技術を用いて構成することができる。本技術分野において既知であるように、機械学習技術は、分析モデルの構築を自動化するデータ分析の技法に向けられている。機械学習技術は、人間の介入なしに又は最小限の介入で、システムがデータから学習し、パターンを特定し、決定を行うことができるという考えに基づく、人工知能のサブセットである。
【0074】
較正
いくつかの実施形態において、多数、例えば最大20又は20を超える向きを有するテーブルを提供することができる。各位置は、エンコーダの分解能、例えば、1度当たり最大1111カウントの範囲内で、ほぼ無限に定義可能である。各向きは、予め定義されたカメラ対ニードルの較正を含むように特定することができ、各較正は、操作者によって設定された変数、例えば、傾き、回転及び供給高さを含み、その理由は、これらは、供給された材料が電子基板上に所定の向きで落下する場所を定義するためである。これらの向きは、プログラムから取得し、視覚データ及びz軸検知データに基づいて所与の位置に供給するために使用することができる。所望の結果を得るために、プログラムを通して多数の向きを使用することができる。
【0075】
各向きは、それ自体のカメラ対ニードルの較正を有するが、これらの較正を決定するために各向きで実際に供給を行う必要はない。より少数の向きが供給によって較正され、視覚で位置特定されると、他の向きは較正を完了するために補間することができる。
【0076】
例えば、同じ傾き及び供給高さを持つ向きは、同じ傾き及び供給高さを有する他の全ての回転位置を補間するために、2つ又は3つの回転位置のみを必要とする。
【0077】
1つの実施形態において、コントローラは、支持体上に設けられた電子基板上に供給を行うことにより、視覚システムに対する供給ユニットのノズルの供給位置を較正するように更に構成される。コントローラは、視覚システム対ノズル向きテーブル(視覚システムに対するノズルの向きのテーブル)を有するデータベースを含むか、又は他の方法でそうしたデータベースと通信することができる。具体的には、コントローラは、一部には既知の位置及び向きの補間に基づいて、ノズルの向きを較正するように構成することができる。
【0078】
本開示で用いる「同時の供給に十分に適している」とは、コントローラによって、視覚システム又はカメラによって取得された1つ以上の画像に関連するデータを検査した後に決定されるように、2つ以上の基板又はパターンが既知の位置に位置しており、こうした既知の位置が所定許容範囲内にあり、他の取得されたデータのいずれもが、基板又はパターンのうちの1つ以上に供給しない理由を示さないことを意味する。
【0079】
本開示で用いる「取得されたデータ」は、視覚データ等、供給システムの内部で生成されたデータ、又は先行する処理に基づいて外部供給源から転送されたデータを意味する。
【0080】
このように、本開示の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、当業者には種々の改変、変更及び改善が容易に想到することを理解されたい。そのような改変、変更及び改善は、本開示の一部であることを意図しており、本発明の趣旨及び範囲内にあることを意図している。したがって、これまでの説明及び図面は一例にすぎない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】