(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】浮体式風力タービンの動作を停止させる方法
(51)【国際特許分類】
F03D 7/04 20060101AFI20240903BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20240903BHJP
【FI】
F03D7/04
F03D13/25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508088
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 EP2022071943
(87)【国際公開番号】W WO2023016911
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519081710
【氏名又は名称】シーメンス ガメサ リニューアブル エナジー エー/エス
【氏名又は名称原語表記】Siemens Gamesa Renewable Energy A/S
【住所又は居所原語表記】Borupvej 16, 7330 Brande, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カルロス アルベルト カヴィチオリ ゴンザガ
(72)【発明者】
【氏名】トマス エスペンスン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク ステフェンセン
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB04
3H178BB06
3H178CC01
3H178DD61X
3H178DD70X
3H178EE05
3H178EE10
3H178EE12
(57)【要約】
浮体式風力タービン(1)の動作を停止させる方法が記載されており、前記風力タービン(1)は、浮体(4)と、浮体(4)に取り付けられたタワー(2)と、タワー(2)に取り付けられたナセル(3)と、ナセル(3)に回転可能に取り付けられた回転ハブであって、複数のブレード(6)を有する回転ハブと、ハブに接続されて電力を生成する発電機とを備える。方法は、浮体式風力タービン(1)の動作を停止させるための停止要求を受信するステップと、停止要求がクリティカルなものでなく、浮体式風力タービン(1)の動作停止の遅延または減衰が許容されるか否かを判別するステップと、浮体式風力タービン(1)の動作停止の遅延が許容される場合、風力タービンピッチ運動が減衰するように浮体式風力タービンの動作停止を遅延させるまたは減衰させるステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式風力タービン(1)の動作を停止させる方法であって、
前記風力タービン(1)が、浮体(4)と、前記浮体(4)に取り付けられたタワー(2)と、前記タワー(2)に取り付けられたナセル(3)と、前記ナセル(3)に回転可能に取り付けられており、ハブおよび少なくとも1つのブレード(6)、特に複数のブレード(6)を有するロータと、前記ロータに接続されて電力を生成する発電機とを備えており、
前記方法が、
前記浮体式風力タービン(1)の動作を停止させるための停止要求を受信するステップと、
前記停止要求がクリティカルなものでなく、前記浮体式風力タービン(1)の動作停止の遅延が許容されるか否かを判別するステップと、
前記浮体式風力タービン(1)の動作停止の遅延が許容される場合、または前記要求がクリティカルなものでない場合、
ブレードピッチ角基準値に基づいて前記ブレード(6)のピッチ角を制御し、
風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出し、
前記停止要求を受信するステップの後、前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかの判別に基づいて、前記ブレードピッチ角基準値のためのローパスフィルタのカットオフ周波数を選択し、
前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、前記ブレードピッチ角基準値を、第1のカットオフ周波数(14)を有する前記ローパスフィルタ(16)によってフィルタリングし、
前記風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、前記ブレードピッチ角基準値を、第2のカットオフ周波数(15)を有する前記ローパスフィルタ(16)によってフィルタリングする
ことによって、前記風力タービンピッチ運動が減衰するように前記浮体式風力タービンの動作停止を遅延させるステップと
を含み、
前記第1のカットオフ周波数(14)は前記第2のカットオフ周波数(15)よりも低い、
方法。
【請求項2】
前記ローパスフィルタ(16)の帯域幅が、タワー頂部の運動および/またはブレードの負荷モーメントおよび/または浮体の運動に応じて決定される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記風力タービン(1)がさらに、前記ブレード(6)の表面に配置された付加的なブレードアクチュエータを備え、前記付加的なブレードアクチュエータは、付加的なブレードアクチュエータ基準値に基づいて制御されており、
前記方法が、
風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、
前記停止要求を受信するステップの後、前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかの判別に基づいて、前記付加的なブレードアクチュエータ基準値のための別のローパスフィルタのカットオフ周波数を選択するステップと、
前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、前記付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第3のカットオフ周波数を有する前記別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップと、
前記風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、前記付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第4のカットオフ周波数を有する別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップと
を含み、
前記第3のカットオフ周波数は、前記第4のカットオフ周波数よりも低い、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、
前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、前記浮体式風力タービン(1)の動作停止を遅延させるステップと、
タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置にある時点を検出するステップと、
前記タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置に到達した後に、前記浮体式風力タービンの動作停止を開始するステップと
を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記発電機からの電力出力は、電力出力基準値に基づいて制御されており、
前記方法が、
前記浮体式風力タービン(1)の動作停止を遅延させるステップであって、前記電力出力を増大させてロータ速度を低下させる一方、特に前記ロータブレードのうちの少なくとも1つロータブレードのブレードピッチ角を増減させない、ステップと、
前記ロータ速度を低下させた後、前記風力タービン(1)の動作停止を開始するステップと
を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記風力タービン(1)の動作停止は、ブレードピッチ基準値を増大させて前記ブレード(6)のブレードピッチ角を増大させることによって実現される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
浮体式風力タービン(1)であって、浮体(4)と、前記浮体(4)に取り付けられたタワー(2)と、前記タワー(2)に取り付けられたナセル(3)と、前記ナセル(3)に回転可能に取り付けられており、ハブおよび少なくとも1つのブレード(6)、特に複数のブレード(6)を有するロータと、前記ロータに接続されて電力を生成する発電機と、コントローラとを備えており、前記コントローラが請求項1から6までのいずれか1項記載の方法を実行するように構成されている、浮体式風力タービン(1)。
【請求項8】
請求項7記載の浮体式風力タービン(1)のコントローラに請求項1から6記載の方法を実行させるための命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項9】
請求項8記載のコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
浮体式洋上風力タービン(1)を動作させる方法であって、請求項7記載の浮体式洋上風力タービン(1)を動作させること、および/または請求項1から6記載の方法に従って前記浮体式洋上風力タービン(1)を停止させることを含む、方法。
【請求項11】
前記洋上風力タービン(1)によって電力および/または電気エネルギを生成することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記電力および/または電気エネルギの少なくとも一部を、公海内に配置されていない受電装置、特に陸上、沿岸に配置された受電装置に送電させ、前記電力および/または電気エネルギの少なくとも一部をユーティリティシステム、特に沿岸のユーティリティシステムに供給する、請求項11記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、浮体式風力タービンの動作を停止させる方法に関する。
【0002】
浮体式風力タービンは、複数の変数と複数の自由度とを有する複雑なシステムである。風、波および潮流の負荷はすべて本質的に不規則であり、空気力学的、構造的および流体力学的な結合および制御作動のすべてが、きわめて複雑な動的挙動に寄与している。
【0003】
浮体式風力タービンの動作中、停止要求は、幾つかの警報に関連付けられる。それにもかかわらず、これらのプロファイルは、底部に固定された基礎を備えたタービンのために最適化されており、停止ストラテジを浮体式風力タービンに適用すると、浮体の運動が増幅される結果に繋がる可能性がある。したがって、浮体式風力タービンのための適切なシャットダウンストラテジを決定するための特定の制御ストラテジが必要である。
【0004】
発明の概要
ここでの目的は、上記の必要性を考慮して、浮体式風力タービンの動作を停止させる方法を提供することである。この目的は、独立請求項に記載の主題によって達成される。本発明はさらに、従属請求項に記載のように発展される。
【0005】
本発明の一態様によれば、浮体式風力タービンの動作を停止させる方法が提供される。風力タービンは、浮体と、浮体に取り付けられたタワーと、タワーに取り付けられたナセルと、ナセルに回転可能に取り付けられた回転ハブであって、複数のブレードを有する回転ハブと、ハブに接続されて電力を生成する発電機とを備える。方法は、浮体式風力タービンの動作を停止させるための停止要求を受信するステップと、停止要求がクリティカルなものでなく、浮体式風力タービンの動作停止の遅延または減衰が許容されるか否かを判別するステップと、浮体式風力タービンの動作停止の遅延が許容される場合、風力タービンピッチ運動が減衰するように浮体式風力タービンの動作停止を遅延させるまたは減衰させるステップとを含む。
【0006】
「浮体式風力タービンの動作を停止させる」なる用語は、必ずしも風力タービンのロータを完全に停止させる必要はないが、風力タービンが電気エネルギを電気エネルギグリッドへ供給することを終了すること、少なくとも1つのロータブレードが実質的にフェザー位置にある間はロータが依然として回転しうることを含んでよいものとして理解されるべきである。特に、当該用語は、必ずしも風力タービンが停止プロセス全体を実行することを要するわけではなく、このような停止プロセスの少なくとも一部を含んでもよい。
【0007】
一実施形態では、少なくとも1つのロータブレードのブレードピッチ角が、ブレードピッチ角基準値に基づいて制御される。ブレードピッチ角基準値を使用することにより、精度および/または反応挙動のニーズを制御するための顕著な利点が得られる。特に、少なくとも1つのロータブレードのブレードピッチ角は、ブレードピッチ角の変化率に適用される閾値の影響を受けない。これにより、ブレードピッチ角の制御がより正確となる。方法は、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップを含む。検出するステップは、風力タービンピッチ運動の位置、特に風力タービンが現在どのような傾斜点にあるかを決定することを含んでよい。付加的にもしくは代替的に、検出するステップは、風力タービンピッチ運動の振動周波数、それぞれの振動速度、および/または振動加速度を決定することを含んでよい。停止要求を受信した後、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるか、特にタワー頂部の運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかの判別に基づいて、ブレードピッチ角基準値のためのローパスフィルタのカットオフ周波数を選択し、風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、または風力タービンが最大アップウィンド振動位置にある場合、または風力タービンがアップウィンド位置からダウンウィンド位置へ運動するプロセスにある場合、ブレードピッチ角基準値を、第1のカットオフ周波数を有するローパスフィルタによってフィルタリングし、風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、または風力タービンが最大ダウンウィンド振動位置にある場合、または風力タービンがダウンウィンド位置からアップウィンド位置へ運動するプロセスにある場合、ブレードピッチ角基準値を、第2のカットオフ周波数を有するローパスフィルタによってフィルタリングする。さらに、第1のカットオフ周波数は、第2のカットオフ周波数よりも低い。こうした制御ストラテジは、非線形要素であるレート制限ではなく、シャットダウン基準値ピッチ角プロファイルの線形フィルタリングに基づいている。
【0008】
一実施形態によれば、当該制御ストラテジは、タワー頂部の運動および/またはブレードの負荷モーメントおよび/または浮体の運動などの様々な量に応じた帯域幅で、クリティカルでないシャットダウンにおけるブレードピッチ基準値を適応的にフィルタリングする。
【0009】
一実施形態では、風力タービンは、ブレードの表面に配置された付加的なブレードアクチュエータをさらに備え、付加的なブレードアクチュエータは、付加的なブレードアクチュエータ基準値に基づいて制御され、方法は、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、停止要求を受信するステップの後、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかの判別に基づいて、付加的なブレードアクチュエータ基準値のための別のローパスフィルタのカットオフ周波数を選択するステップと、風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第3のカットオフ周波数を有する別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップと、風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第4のカットオフ周波数を有する別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップとを含み、第3のカットオフ周波数は、第4のカットオフ周波数よりも低い。
【0010】
一実施形態では、方法は、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、浮体式風力タービンの動作停止を遅延させるステップと、タワー頂部の位置が実質的な最大アップウィンド位置にある時点を検出するステップと、タワー頂部の位置が実質的な最大アップウィンド位置に到達した後に、浮体式風力タービンの動作停止を開始するステップとを含む。この制御ストラテジは、遅延が許容されるシャットダウン手順を開始するためのタイムスケジュールを提供する。
【0011】
一実施形態では、発電機からの電力出力は、電力出力基準値に基づいて制御されており、方法は、浮体式風力タービンの動作停止を遅延させるステップであって、電力出力を増大させてロータ速度(すなわちハブ回転速度)を低下させる、ステップと、ロータ速度を低下させた後、風力タービンの動作停止を開始するステップとを含む。当該制御ストラテジにより、電力基準値を使用して浮体の運動が適切に挙動する。一実施形態では、風力タービンの動作停止は、ブレードピッチ基準値を増大させて、ブレードのブレードピッチ角を増大させることによって実現することができる。
【0012】
有利には、本発明により、浮体式風力タービンの耐用期間中に何度も起こる可能性のあるシャットダウンの際に、高い浮体速度、風および波の条件の不利な組み合わせによって潜在的に生じる極端な負荷が回避される。本発明はさらに、ブレードピッチ角である主要な作動手段とその開始時点および電力出力基準値とを組み合わせて使用することにより、浮体式風力タービンの動作のためのクリティカルでないシャットダウンに関する利点を提供する。
【0013】
一態様によれば、浮体式風力タービンが開示される。風力タービンは、浮体と、浮体に取り付けられたタワーと、タワーに取り付けられたナセルと、ナセルに回転可能に取り付けられており、ハブおよび少なくとも1つのブレード、特に複数のブレードを有するロータと、ロータに接続されて電力を生成する発電機と、コントローラとを備えており、コントローラは、方法の前述の実施形態のうちの1つによる方法を実行するように構成されている。
【0014】
したがって、本発明の風力タービンは、本発明の方法に関して詳細に説明したものと同一の利点をもたらす。風力タービンは、センサ、アクチュエータ、コントローラおよび/または上述した方法のうちのいずれか1つを実行するように構成されているコンピュータなどのさらなる適切な手段から構成することができ、またはこれらを備えることができる。
【0015】
本発明の付加的な態様は、上述したシステムに本発明の方法を実行させるための命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。さらに、コンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読の、好ましくは不揮発性の記憶媒体が提供される。したがって、本発明のコンピュータプログラム製品および本発明のコンピュータ可読記憶媒体は、上述した利点ももたらす。
【0016】
コンピュータプログラム製品は、JAVA、C++、C#および/またはPythonなどの任意の適切なプログラミング言語および/または機械語のコンピュータ可読命令コードとして実装可能である。コンピュータプログラム製品は、データディスク、リムーバブルドライブ、揮発性メモリまたは不揮発性メモリ、または内蔵メモリ/プロセッサなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶可能である。命令コードは、コンピュータ、またはコントローラおよび/またはコンピュータなどの他のプログラム可能なデバイスをプログラミングし、所望の機能を実行するためのものでありうる。さらに、コンピュータプログラム製品は、ユーザが必要に応じてコンピュータプログラム製品をそこからダウンロードすることができるインターネットなどのネットワーク上に提供されるものおよび/または存在するものであってよい。コンピュータプログラム製品は、ソフトウェアによってならびに1つ以上の特別な電子回路によって、すなわちハードウェアまたは任意のハイブリッド形式によって、すなわちソフトウェアコンポーネントおよびハードウェアコンポーネントによって実装可能である。
【0017】
本発明のさらなる付加的なもしくは代替的な態様によれば、浮体式洋上風力タービンを動作する方法が開示される。方法は、前述の実施形態のうちのいずれか1つに従って浮体式洋上風力タービンを制御することを含む。
【0018】
付加的にもしくは代替的に、洋上風力タービンを動作する方法は、洋上風力タービンによって電力および/または電気エネルギを生成することと、電力および/または電気エネルギの少なくとも一部を、公海に配置されていない受電装置、特に陸上、沿岸に配置された受電装置に送電することと、電力および/または電気エネルギの少なくとも一部をユーティリティシステム、特に沿岸のユーティリティシステムに供給することとを含むことができる。
【0019】
本発明の実施形態は種々の主題を参照して説明されていることに留意されたい。特に、幾つかの実施形態は装置発明の請求項を参照して説明されているが、他の実施形態は方法発明の請求項を参照して説明されている。しかし、当業者であれば、上記のおよび以下の説明から、特に断りのない限り、1つの種類の主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関連する特徴同士の任意の組み合わせ、特に装置発明の請求項の特徴と方法発明の請求項の特徴との任意の組み合わせも本出願で開示されているものと理解できるであろう。
【0020】
本発明の上記に定義した態様およびさらなる態様は、以下に説明する実施形態の例から明らかであり、実施形態の例を参照して説明する。以下では実施形態の例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】浮体式風力タービンおよびその様々な要素を示す図である。
【
図2】浮体式風力タービンの動作を停止させる方法の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図3】浮体式風力タービンの動作を停止させる方法の一実施形態を示すブロック線図である。
【
図4】浮体式風力タービンの動作を停止させる方法の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図5】浮体式風力タービンの動作を停止させる方法の一実施形態を示すブロック線図である。
【0022】
詳細な説明
図中の図示は概略的なものである。異なる図においても類似の要素または同一の要素には同一の参照符号が与えられていることに留意されたい。
【0023】
図1には、浮体式風力タービン1が示されている。風力タービン1は、ナセル3と、タワー2とを備える。ナセル3は、タワー2の頂部に取り付けられている。ナセル3は、ナセルヨーを形成するために、ヨー軸受によってタワー2に対して回転可能に取り付けられている。
【0024】
風力タービン1はまた、少なくとも1つのロータブレード6を有しており、特にハブおよびこのハブによって支持されている少なくとも1つのロータブレードを有する、ロータを備えている。本実施形態によれば、ロータは、それぞれハブに接続された3つのロータブレード6を備えている。各ブレード6は、通常、ブレード6の長手方向軸線を中心として回転して、ブレード6の所望のロータブレードピッチ角(またはピッチ角)を設定することができる。
【0025】
ロータは、軸受によってナセル3に対して回転可能に取り付けられている。ロータは、回転軸線8を中心として回転可能に取り付けられている。ブレード6は、風Wを受けると、ロータと共に回転軸線8を中心として回転する。
【0026】
風力タービン1はさらに発電機を備えている。発電機は、ナセル3内に収容されている。発電機は、ロータからの回転エネルギを交流の形態の電気エネルギに変換するために配置され、準備されている。
【0027】
浮体式風力タービン1は、タワー2が取り付けられる浮力殻4を備えた洋上風力タービン1である。殻4は、海の海面に浮いている。殻4は、係留索110を介して海底に接続されている。設置された洋上風力タービン1は、水中に浮き、通常は係留索110によって所定の位置に保持されており、係留索110は、システムを安定させ、またはシステムが漂流することを防止している。
【0028】
浮体式風力タービン1は、風力タービン1が移動することができる6つの個別の自由度を有する。すなわち、サージ軸x、スウェイ軸yおよびヒーブ軸zに沿った3つの並進と、軸xを中心とした浮体ロール回転、軸yを中心とした浮体ピッチ回転および軸zを中心とした浮体ヨー回転とである。
【0029】
したがって、浮体ピッチ軸yを中心とした浮体ピッチは、ブレードピッチとは異なる。なぜなら、浮体ピッチ軸yを中心としたピッチが浮体構造物(例えばタワー2または風力タービン1全体)の回転点を中心とした回転である一方、ブレードピッチは、ブレード6の長手方向軸線を中心とした制御されたピッチ角を定義するからである。さらに、浮体ヨー軸zを中心とした浮体ヨーは、ナセルヨーとは異なる。なぜなら、浮体ヨー軸zを中心とした浮体ヨーが浮体構造物(例えば、タワー2または風力タービン1全体)の鉛直軸線を中心とした回転である一方、ナセルヨーは、タワー2に対して相対的に測定可能であって風力タービン1によって能動的に制御可能なナセル3のヨーであるからである。
【0030】
明確にするために、
図1の浮体ピッチ速度は、回転がタワー頂部をダウンウィンドへ導くときは常に正であり、回転がタワー頂部をアップウィンドへ導くときは負である。
【0031】
図2には、一実施形態による浮体式風力タービン1の動作を停止させる方法のフローチャートが示されている。ステップS1では、浮体式風力タービン1の動作を停止させる停止要求が受信される。ステップS2では、停止要求がクリティカルなものでなく、浮体式風力タービン1の動作停止の遅延または減衰が許容されるか否かが判別される。停止要求がクリティカルなものでなく、浮体式風力タービン1の動作停止の遅延または減衰が許容される場合、方法はステップS3に進み、浮体式風力タービン1の動作停止が遅延されるかまたは減衰され、風力タービンピッチ運動が減衰される。停止要求がクリティカルなものであって、浮体式風力タービン1の動作停止の遅延または減衰が許容されない場合、方法はステップS4に進み、そこで浮体式風力タービン1の動作を直ちに停止させることができる。
【0032】
図3には、浮体式風力タービン1の動作を停止させる方法の一実施形態、特に
図2のステップS3の実施形態のブロック線図が示されている。一般に、各ブレード6のブレードピッチ角は、ブレードピッチ角基準値に基づいて制御される。このようなブレードピッチ基準値は、ブレードピッチ角基準値ブロック11によってローパスフィルタ16に入力される。
【0033】
浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量が、浮体運動検出ブロック12で検出され、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかが判別される。すなわち、ブレードの負荷モーメントは、実効風速の変化による浮体基礎のピッチ運動に応じて変化すると予想される。浮体の運動量は、選択ブロック13に入力される。加えて、風力タービン1のアップウィンド運動のための第1のカットオフ周波数14が選択ブロック13に入力され、風力タービン1のダウンウィンド運動のための第2のカットオフ周波数15が選択ブロック13に入力される。
【0034】
選択ブロック13では、浮体の運動量に基づいて、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるか、特にタワー頂部の運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかが判別される。風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、第1のカットオフ周波数14が選択され、ローパスフィルタ16に入力される。一方、風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、第2のカットオフ周波数15が選択され、ローパスフィルタ16に入力される。
【0035】
ローパスフィルタ16では、風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、ブレードピッチ角基準値は、第1のカットオフ周波数14によってフィルタリングされる。一方、風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、ブレードピッチ角基準値は、第2のカットオフ周波数15によってフィルタリングされる。
【0036】
フィルタリングされたブレードピッチ基準値はローパスフィルタ16から比較器17へ出力され、比較器17が、測定されたブレードピッチとフィルタリングされたブレードピッチ基準値との間の差を形成する。当該差は、比較器17からピッチシステムコントローラ18へ入力され、ピッチシステムコントローラ18は、ブレードピッチをフィードバック制御するためのブレードピッチ信号を形成する。ブレードピッチ信号はピッチシステムコントローラ18からピッチアクチュエータ19へ出力され、ピッチアクチュエータ19が対応するブレード6をピッチングする。
【0037】
比較器17とピッチシステムコントローラ18とピッチアクチュエータ19とが全体としてブレードピッチ制御システムを形成する。
【0038】
ここでの制御ストラテジの要素は、ブレードピッチ角基準値ブロック11とブレードピッチ制御システムとの間に付加されるシャットダウンローパスフィルタ16である。当該ストラテジは次のステップに要約することができる。すなわち、
a)シャットダウンが要求される;
b)シャットダウンのためのブレードピッチ角命令が、ブレードピッチ角基準値ブロック11を通してブレードピッチ制御システムに送信される;
c)シャットダウン基準値ローパスフィルタ16が起動される;
d)浮体および/またはタワー頂部の運動量が測定/監視され、カットオフ周波数を、次のように定義するために使用される;
i.タービン頂部がアップウィンドへ運動している場合、高速ピッチ命令をフィルタリングするのに十分な程度に低い(アップウィンドの)第1のカットオフ周波数14が選択される;
ii.タービン頂部がダウンウィンドへ運動している場合、アップウィンドへ運動している場合よりも速いピッチ命令を可能にするのに十分な程度に高い(ダウンウィンドの)第2のカットオフ周波数15が選択される;
e)フィルタリングされたブレードピッチ基準値がブレードピッチ制御システムに送信される。
【0039】
ブレードピッチ制御部に加えて、ブレード6の表面に配置されるブレード付加装置またはアクティブフラップなどの付加的なブレードアクチュエータが含まれうることにも留意されたい。付加的なブレードアクチュエータは、ブレード6の空気力学的な挙動を変更する。付加的なブレードアクチュエータは、付加的なブレードアクチュエータ基準値に基づいて制御されており、当該実施形態の方法は、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、停止要求を受信するステップの後、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかの判別に基づいて、付加的なブレードアクチュエータ基準値のカットオフ周波数を選択するステップと、風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第3のカットオフ周波数を有する別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップと、風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第4のカットオフ周波数を有する別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップとを含み、第3のカットオフ周波数は第4のカットオフ周波数よりも低い。
【0040】
図4には、浮体式風力タービン1の動作を停止させる方法の一実施形態、特に
図2のステップS3の実施形態のフローチャートが示されている。ステップS12において、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量が検出され、風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかが判別される。この結果に基づいて、タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置、すなわち反転点にあることが検出される。タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置ではないことが検出された場合、方法はステップS11に戻り、浮体式風力タービン1の動作停止を遅延させる。一方、タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置にあることが検出された場合、方法はステップS13に進み、浮体式風力タービン1の動作が、例えばブレードピッチングなどの従来の停止手順によって最終的に停止される。
【0041】
こうした制御ストラテジは、遅延が許容されるシャットダウン手順の時点を計算することにより、浮体ピッチ運動の挙動を改善する。これは、次のステップで要約することができる。すなわち
a)シャットダウンが要求される;
b)浮体ピッチ速度が負から正へ移行する場合(タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置にある場合)、停止が開始される;
c)出力を下げたりブレードピッチ角を増大させたりするなどの通常の停止手順が実行され、速度と出力とが低減される;その結果、タワーが前方へ運動するので、最適なタイミングで到来するブレードピッチ角によって、推進力がさらに低減される。
【0042】
図5には、浮体式風力タービン1の動作を停止させる方法の一実施形態、特に
図2のステップS3の実施形態のブロック線図が示されている。一般に、発電機からの電力出力は、電力出力基準値に基づいて制御される。
【0043】
速度基準値が(ロータ)速度基準値ブロック21から比較器22へ入力され、比較器22が、測定されたロータ速度と速度基準値との間の差を形成する。差は、比較器22から速度-電力コントローラ23へ入力され、速度-電力コントローラ23がロータ速度を制御する。浮体式風力タービン1の動作を停止させる停止要求を受信した場合、浮体式風力タービン1の動作停止は遅延され、電力基準値補正量が速度-電力コントローラ23へ入力されて電力基準値が増大され、これによりロータ速度が低減される。ロータ速度を低下させた後、風力タービン1の動作停止が開始される。参照符号24は、ロータ速度測定値を出力する風力タービン1のプラントを示す。
【0044】
浮体式風力タービン1の動作を停止させる方法は、浮体式風力タービン1の動作停止を遅延させるステップであって、電力出力を低減してロータ速度を低下させるステップを含む。風力タービン1の動作停止は、電力出力を低減した後に開始される。例えば、風力タービン1の動作停止は、ブレードピッチ基準値(
図3参照)を増大させて、ブレード6のブレードピッチ角を増大させることにより実現することができる。
【0045】
電力出力基準値を有利に使用して、ロータ速度の減速のための逆トルクが形成される。電力出力基準値は、ロータ速度の低下に応じて減少し、その結果、物理的な最大発電機トルク制約が検証される。推力は、ロータ速度が低下するため減少し、浮体の運動振幅が減少する。
【0046】
当該手順は、停止位置までブレードピッチ角を増大させる命令を制御する
図3の実施形態と組み合わせることができる。
【0047】
「含む(comprising)」なる用語は他の要素またはステップを排除するものでなく、また「1つの(aまたはan)」は複数を排除するものでないことに留意されたい。また、それぞれ異なる実施形態に関連して説明した要素を組み合わせることもできる。また、特許請求の範囲における参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式風力タービン(1)の動作を停止させる方法であって、
前記風力タービン(1)が、浮体(4)と、前記浮体(4)に取り付けられたタワー(2)と、前記タワー(2)に取り付けられたナセル(3)と、前記ナセル(3)に回転可能に取り付けられており、ハブおよび少なくとも1つのブレード(6)、特に複数のブレード(6)を有するロータと、前記ロータに接続されて電力を生成する発電機とを備えており、
前記方法が、
前記浮体式風力タービン(1)の動作を停止させるための停止要求を受信するステップと、
前記停止要求がクリティカルなものでなく、前記浮体式風力タービン(1)の動作停止の遅延が許容されるか否かを判別するステップと、
前記浮体式風力タービン(1)の動作停止の遅延が許容される場合、または前記要求がクリティカルなものでない場合、
風力タービンピッチ運動が減衰するように前記浮体式風力タービンの動作停止を遅延させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ブレード(6)のそれぞれのブレードピッチ角を、ブレードピッチ角基準値に基づいて制御し、
前記方法が、
風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、
前記停止要求を受信するステップの後、前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかの判別に基づいて、前記ブレードピッチ角基準値のためのローパスフィルタのカットオフ周波数を選択するステップと、
前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、前記ブレードピッチ角基準値を、第1のカットオフ周波数(14)を有する前記ローパスフィルタ(16)によってフィルタリングするステップと、
前記風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、前記ブレードピッチ角基準値を、第2のカットオフ周波数(15)を有する前記ローパスフィルタ(16)によってフィルタリングするステップと、
を含み、
前記第1のカットオフ周波数(14)は前記第2のカットオフ周波数(15)よりも低い、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ローパスフィルタ(16)の帯域幅が、タワー頂部の運動および/またはブレードの負荷モーメントおよび/または浮体の運動に応じて決定される、請求項
2記載の方法。
【請求項4】
前記風力タービン(1)がさらに、前記ブレード(6)の表面に配置された付加的なブレードアクチュエータを備え、前記付加的なブレードアクチュエータは、付加的なブレードアクチュエータ基準値に基づいて制御されており、
前記方法が、
風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、
前記停止要求を受信するステップの後、前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかの判別に基づいて、前記付加的なブレードアクチュエータ基準値のための別のローパスフィルタのカットオフ周波数を選択するステップと、
前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、前記付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第3のカットオフ周波数を有する前記別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップと、
前記風力タービンピッチ運動がダウンウィンドである場合、前記付加的なブレードアクチュエータ基準値を、第4のカットオフ周波数を有する別のローパスフィルタによってフィルタリングするステップと
を含み、
前記第3のカットオフ周波数は、前記第4のカットオフ周波数よりも低い、
請求項
1記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
風力タービンピッチ運動がアップウィンドであるかまたはダウンウィンドであるかを判別するために、浮体の運動量、ブレードの負荷モーメント量および/またはタワー頂部の運動量を検出するステップと、
前記風力タービンピッチ運動がアップウィンドである場合、前記浮体式風力タービン(1)の動作停止を遅延させるステップと、
タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置にある時点を検出するステップと、
前記タワー頂部の位置が実質的に最大アップウィンド位置に到達した後に、前記浮体式風力タービンの動作停止を開始するステップと
を含む、請求項
1記載の方法。
【請求項6】
前記発電機からの電力出力は、電力出力基準値に基づいて制御されており、
前記方法が、
前記浮体式風力タービン(1)の動作停止を遅延させるステップであって、前記電力出力を増大させてロータ速度を低下させる一方、特に前記ロータブレードのうちの少なくとも1つロータブレードのブレードピッチ角を増減させない、ステップと、
前記ロータ速度を低下させた後、前記風力タービン(1)の動作停止を開始するステップと
を含む、請求項
1記載の方法。
【請求項7】
前記風力タービン(1)の動作停止は、ブレードピッチ基準値を増大させて前記ブレード(6)のブレードピッチ角を増大させることによって実現される、請求項
6記載の方法。
【請求項8】
浮体式風力タービン(1)であって、浮体(4)と、前記浮体(4)に取り付けられたタワー(2)と、前記タワー(2)に取り付けられたナセル(3)と、前記ナセル(3)に回転可能に取り付けられており、ハブおよび少なくとも1つのブレード(6)、特に複数のブレード(6)を有するロータと、前記ロータに接続されて電力を生成する発電機と、コントローラとを備えており、前記コントローラが請求項
1記載の方法を実行するように構成されている、浮体式風力タービン(1)。
【請求項9】
請求項
8記載の浮体式風力タービン(1)のコントローラに請求項1から
7までのいずれか1項記載の方法を実行させるための命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項10】
請求項
9記載のコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
浮体式洋上風力タービン(1)を動作させる方法であって、請求項
8記載の浮体式洋上風力タービン(1)を動作させること、および/または請求項1から
7までのいずれか1項記載の方法に従って前記浮体式洋上風力タービン(1)を停止させることを含む、方法。
【請求項12】
前記洋上風力タービン(1)によって電力および/または電気エネルギを生成することを含む、請求項
11記載の方法。
【請求項13】
前記電力および/または電気エネルギの少なくとも一部を、公海内に配置されていない受電装置、特に陸上、沿岸に配置された受電装置に送電させ、前記電力および/または電気エネルギの少なくとも一部をユーティリティシステム、特に沿岸のユーティリティシステムに供給する、請求項
12記載の方法。
【国際調査報告】