(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ストーリーベースの問答式評価とストーリーベースの音声抽出による認知症診断方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240903BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20240903BHJP
【FI】
A61B10/00 H
G16H10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508090
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2022011811
(87)【国際公開番号】W WO2023018161
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0104525
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0104529
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521502757
【氏名又は名称】イモコグ インク.
【氏名又は名称原語表記】Emocog Inc.
【住所又は居所原語表記】(Bongcheon-dong,Character Greenville) 411-ho 7 Boramae-ro 5ga-gil Gwanak-gu, Seoul 08708 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ノ、ユフン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
本発明は、専門人材を活用しなくても認知症診断を迅速かつ簡便に遂行できるようにし、認知症の早期診断と軽症患者のスクリーニングが迅速かつ正確に行われるようにし、音声を通じて問答式で評価を行い、文字をよく認識できない高齢の対象者も手軽に検診を遂行できるようにするストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システムに関するものであり、本認知症診断システムは、実際ストーリーを入力することができるデータ入力機と、前記データ入力機を介して入力された文字データが保存されるデータ保存機と、診断用音声データを音声で外部に出力することができる音声出力機と、検査対象者の回答音声を受信する音声受信機と、前記データ入力機を含む諸機器に接続され、これらを制御し、実際ストーリーに基づいて脚色ストーリーと質問および正解を形成し、検査対象者の回答を受信し、正解と回答とを比較して認知症を判別するコントローラを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実際ストーリーに関する文字データを入力することができるデータ入力機と、
前記データ入力機を介して入力された文字データが保存され、検査対象者別の認知症情報を保存することができるデータ保存機と、
検査対象者が聴取できるように診断用音声データを外部に出力させることができる音声出力機と、
検査対象者から発話される回答を受信する音声受信機と、
前記データ入力機、データ保存機、音声出力機、音声受信機に接続され、文字データで入力された実際ストーリーに基づいて、脚色ストーリーデータと質問データおよび正解データを自動的に形成するストーリーデータ形成部を有し、検査対象者の回答を受信して回答データを形成する回答データ形成部を有し、前記正解データと回答データとを比較分析して誤答率を確認し、前記誤答率の程度に応じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する認知症判別部を有し、脚色ストーリーデータと質問データを順次出力し、出力された質問に対する検査対象者の回答を受信して判別された検査対象者別の認知症情報を保存するように、前記データ保存機、音声出力機および音声受信機を制御するコントローラを含み、
前記実際ストーリーは、
検査対象者が既に知っている人物と、この人物に関連した出来事を中心とする物語の形であり、複数の文章からなり、
前記脚色ストーリーデータは、
前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を同一または類似の種類の他の名詞形単語に変更して脚色した脚色ストーリーを形成し、前記脚色ストーリーを音声データに変換したデータであり、
前記質問データは、
前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解にし、前記脚色ストーリーに関連する複数個の質問を形成し、前記質問を音声データに変換したデータであり、
前記正解データは、
前記質問に相応する正解を抽出し、抽出された正解を音声データに変換したデータであり、
前記回答データは、
前記音声受信機を介して前記質問に対する検査対象者の回答を受信して保存した音声データであることを特徴とするストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項2】
前記質問は、
3~12個からなり、前記脚色ストーリーで提示された出来事、行為、状況および内容が事実かどうかに関する質問であり、正解と同一または類似の種類の前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語が誤答に含まれる多肢選択式であり、最後の質問として検査対象者本人の正解率を確認する質問が配置されることを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項3】
前記実際ストーリーは、
検査対象者が既に認知している童話または寓話であることを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項4】
前記脚色ストーリーは、
5~15個の文章からなり、20~50個の異なる名詞形単語を含み、前記実際ストーリーの内容とは異なり、前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される人為的に制作され、前記脚色ストーリーの末尾に配置される追加文章を少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記脚色ストーリーの出力を通知し、脚色ストーリーの出力後に脚色ストーリーに関する質問が提示されると通知するストーリー通知文の入力を受けて音声データに変換し、前記音声出力機を制御して前記脚色ストーリーを出力する前に前記ストーリー通知文を出力することを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項6】
前記脚色ストーリーは、
検査対象者が既に認知している童話または寓話であり、
前記ストーリー通知文は、
前記脚色ストーリーとして提示された童話または寓話のタイトルを含む文章が先頭に配置されることを特徴とする、請求項5に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項7】
前記コントローラは、
所定の個数の質問が提示されることを通知する質問通知文の入力を受けて音声データに変換し、前記音声出力機を制御して前記脚色ストーリーの出力が完了した後に前記質問通知文を出力することを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項8】
前記認知症判別部は、
前記誤答率が少なくとも25%より高ければ認知症と判別し、前記誤答率が25~40%であれば軽症認知症と判別し、前記誤答率が少なくとも40%より高ければ重症認知症と判別することを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項9】
前記実際ストーリーは、
複数個で準備され、それぞれ入力され、複数個の脚色ストーリーに形成され、それぞれの前記脚色ストーリーに関連する質問と正解がそれぞれ形成され、
前記コントローラは、
前記脚色ストーリーが出力される前に検査対象者に複数個の脚色ストーリーのうち既に知っているストーリーが何であるかを確認するストーリー確認文が音声で出力される認知ストーリー確認部と、
前記認知ストーリー確認部を介して確認された脚色ストーリーが出力されるように検査対象者が既に知っていると確認された脚色ストーリーを選択するストーリー選択部を、
さらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項10】
前記実際ストーリーは、
複数個で準備され、それぞれ入力され、複数個の脚色ストーリーに形成され、それぞれの前記脚色ストーリーに関連する質問と正解がそれぞれ形成され、
前記コントローラは、
前記脚色ストーリーが出力される前に検査対象者に音声で出力し、複数個の脚色ストーリーのうち事前に診断検査に使用されたことがあるストーリーが何であるかを確認する使用ストーリー確認部と、
前記使用ストーリー確認部を介して事前に使用されたと確認された脚色ストーリーを出力から排除するストーリー排除部を、
さらに含むことを特徴とする請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項11】
前記認知症診断システムは、
前記コントローラに接続され、文字データを画面に表示することができるディスプレイと、
前記コントローラに接続され、文字を入力して文字データを修正することができる文字入力機を、さらに含み、
前記コントローラは、
前記脚色ストーリーを文字データで前記ディスプレイに表示して制作者または運用者が確認し、前記文字入力機を介して人為的に修正できるようにするストーリー確認修正部を、さらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項12】
前記認知症診断システムは、
前記コントローラに接続され、文字データを画面に表示することができるディスプレイと
前記コントローラに接続され、文字を入力して文字データを修正することができる文字入力機を、さらに含み、
前記コントローラは、
前記質問を文字データで前記ディスプレイに表示して制作者または運用者が確認し、前記文字入力機を介して人為的に修正できるようにする質問確認修正部を、さらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項13】
前記認知症診断システムは、
前記データ保存機に接続され、前記コントローラによって制御され、前記データ保存機に保存された検査対象者別の認知症情報を外部機器に送信するデータ送信機を、
さらに含むことを特徴とする請求項1に記載のストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【請求項14】
検査対象者が既に知っている人物と、この人物に関連した出来事を中心とする物語の形で形成され、複数の文章からなる実際ストーリーを準備する実際ストーリー準備ステップと、
前記準備された実際ストーリーを文字データに変換して診断機器に入力する実際ストーリー入力ステップと、
入力された前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を同一または類似の種類の他の名詞形単語に変更して脚色した文字データ形態の脚色ストーリーを形成する脚色ストーリー形成ステップと、
前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解としながら、前記脚色ストーリーに関連する文字データ形態で複数個の質問を形成する質問形成ステップと、
前記脚色ストーリーの文字データと前記質問の文字データを音声データに変換させる音声データ変換ステップと、
前記脚色ストーリーの音声データを外部に出力して検査対象者に提供する脚色ストーリー出力ステップと、
検査対象者に脚色ストーリーの出力が完了した後に前記質問の音声データを外部に順次出力して検査対象者に質問を与える質問出力ステップと、
検査対象者からそれぞれの前記質問に対する回答を受信する回答受信ステップと、
前記受信した回答と正解とを比較分析して誤答率を確認し、前記誤答率の程度に応じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する認知症判別ステップを、
含むことを特徴とするストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法をコンピュータで実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知症診断システムおよび方法に関するものであり、より具体的には、専門人材を活用しなくても認知症診断を迅速かつ簡便に遂行できるようにし、認知症の早期診断と軽症患者のスクリーニングが迅速かつ正確に行われるようにし、音声を通じて問答式で評価を行うか、ストーリーの音声提示を通じて文字をよく認識できない高齢の対象者も手軽に検診を遂行できるようにするストーリーベースの問答式評価およびストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に認知症とは、脳疾患に起因する一連の症状を意味する。認知症が進行すると、思考力、行動および日常生活の遂行に影響を及ぼすことになるが、このような認知症の特徴は、認知能力の低下によって日常的な活動能力が欠けている状態になることである。
【0003】
通常、医師は、2つ以上の認知機能が著しく損なわれた場合、認知症と診断する。このような認知機能には、記憶力、言語機能、情報理解、空間機能、判断力および注意力が含まれる。認知症患者は、問題を解決し、感情を制御するのに困難があり得、人格の変化を経験する可能性がある。
【0004】
認知症患者が経験する正確な症状は、認知症を引き起こした疾患によって損傷を受けた脳が、どの部位であるかに依存している。認知症は、脳の神経細胞の一部が機能を停止し、他の細胞との接続が消えて死ぬことだが、このような認知症は、通常、絶え間なく進行する。すなわち、認知症は徐々に脳に広がり、患者の症状は時間の経過とともに悪化する。
【0005】
認知症は、年齢に関連する代表的な神経変性脳疾患で、世界中で65歳以上の高齢者で約5~10%の有病率を示し、ほとんどの認知症患者は、進行性認知機能障害、幻覚、妄想、生活能力喪失の症状を示す。
【0006】
認知症のうち、最も代表的なアルツハイマー病の場合、脳皮質の神経細胞内で、神経繊維束と脳細胞の周辺にアミロイドベータというタンパク質が絡まった老廃物の塊が観察され、この老廃物が神経細胞の壊死を引き起こすと推定されている。
【0007】
このようなアルツハイマー病は、全認知症の約70%を占める最も一般的な疾患であり、最近、国内では年間約60万人のアルツハイマー病患者が発生すると推定されている。
【0008】
アルツハイマー病は、代表的な変性認知症疾患で、大脳神経細胞の退化による認知機能および日常生活の低下を引き起こし、死亡に至る恐ろしい病気であり、患者だけでなく患者を世話する家族にも大きな苦痛を招く。
【0009】
このような認知症診断は、症状に対する詳細な病歴の聴取と評価を通じて認知機能の障害による日常生活および社会活動の障害を確認し、脳画像診断を活用して脳血管疾患の有無および脳萎縮などを調べ、認知症を確認することである。
【0010】
認知症の初期段階では、老人性健忘症との区別が難しいため、記憶力だけでなく、言語能力、計算能力、時空間知覚能力、判断力などを総合的に評価する神経心理検査を行い、認知症を診断することになる。このような認知症を診断するためには、患者/保護者との面談とスクリーニング検査で得られたいくつかの情報に基づいて追加の精密検査を経なければならない。追加の精密検査には、神経心理検査(SNSB)、血液検査や様々な種類の脳画像検査(CT、MRI、PET)などがある。
【0011】
追加の精密検査の一例として、MRI(magnetic resonance imaging、磁気共鳴イメージング)撮影は、認知症の種類を区別するのに重要な役割を果たせる。アルツハイマー病認知症に近いか血管性認知症に近いかをこの検査で知ることができ、また他の疾患による認知症なのかを判別するのにもいくつかの助けを与えることができる。
【0012】
ところで、前記のような従来技術には、次のような問題があった。
【0013】
アルツハイマー病などの認知症は不可逆的な病気であり、なおかつ完治できる治療法が開発されていないため、認知症を早期に診断してその進行を遅らせる方法が最善の方案であるにもかかわらず、専門医の詳細な病歴の聴取および評価などによる認知症診断は、専門人材の不足で数多くの患者を迅速に診断できなくする要因となり、同時に国レベルで全国民の中で認知症患者をスクリーニングする費用を増大させる要因となる問題があった。
【0014】
また、従来の認知症診断に使用される脳画像診断は、高価な精密装備であるにもかかわらず、脳疾患や脳萎縮がかなり進行した状態でのみ確認が可能であるため、認知症の早期診断を目的として使用するには困難である問題があった。
【0015】
また、認知症患者は、通常、高齢であり、文盲であるか学歴が低いため、文字をよく認識できない場合が多くて問診票などによる検査自体が難しく、検査に多くの時間と人材が必要になる問題があった。
【0016】
したがって、認知症を簡便かつ迅速に早期に診断できる適切かつ画期的な技術の開発が急がれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明は、前記のような従来の諸問題を解消するために案出されたものであり、
【0018】
本発明の目的は、専門人材を活用しなくても認知症診断を迅速かつ簡便に遂行できるようにし、認知症の早期診断と軽症患者のスクリーニングが迅速かつ正確に行われるようにし、音声を通じて問答式で評価し、文字をよく認識できない高齢の対象者も手軽に検診を遂行できるようにするストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記と同様の目的を達成するために、本発明による「ストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム」は、実際ストーリーのための文字データを入力することができるデータ入力機と、前記データ入力機を介して入力された文字データが保存され、検査対象者別の認知症情報を保存することができるデータ保存機と、検査対象者が聴取できるように診断用音声データを外部に出力させる音声出力機と、検査対象者から発話された回答を受信する音声受信機と、前記データ入力機、データ保存機、音声出力機および音声受信機に接続され、文字データで入力された実際ストーリーに基づいて脚色ストーリーデータと質問データおよび正解データを自動的に形成するストーリーデータ形成部を有し、検査対象者の回答を受信して回答データを形成する回答データ形成部を有し、前記正解データと回答データとを比較分析して誤答率を確認し、前記誤答率の程度に応じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する認知症判別部を有し、脚色ストーリーデータと質問データを順次出力し、出力された質問に対する検査対象者の回答を受信し、判別された検査対象者別の認知症情報を保存するように前記データ保存機と音声出力機および音声受信機を制御するコントローラとを含み、前記実際ストーリーは、検査対象者が既に知っている人物と、この人物に関連した出来事を中心とする物語の形であり、複数の文章からなり、前記脚色ストーリーデータは、前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を同一または類似の種類の他の名詞形単語に変更して脚色した脚色ストーリーを形成し、前記脚色ストーリーを音声データに変換したデータであり、前記質問データは、前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解にし、前記脚色ストーリーに関連する複数個の質問を形成し、前記質問を音声データに変換したデータであり、前記正解データは、前記質問に相応する正解を抽出し、抽出された正解を音声データに変換したデータであり、前記回答データは、前記音声受信機を介して前記質問に対する検査対象者の回答を受信して保存した音声データであることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による「ストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム」は、認知症診断のためのストーリーデータを含む診断用音声データが保存され、正常な人の音声特徴と認知症患者の音声特徴とを比較分析して認知症患者の音声特徴を抽出した患者音声特徴データが保存され、検査対象者別の認知症情報を保存することができるデータ保存機と、検査対象者が聴取できるように前記データ保存機に保存された診断用音声データを外部に出力させる音声出力機と、検査対象者から発話された音声を受信して音声データに変換する音声受信機と、前記データ保存機と音声出力機および音声受信機に接続され、ストーリーデータを出力した後に検査対象者の音声を受信するように前記データ保存機と音声出力機および音声受信機を制御し、前記ストーリーデータの出力が完了した後に検査対象者に出力されたストーリーの内容を回想して音声で発話するよう要求する発話要請部を有し、検査対象者から受信した音声データから音声特徴を分析する音声特徴分析部を有し、前記音声特徴分析部を介して分析された検査対象者の音声特徴と前記患者の音声特徴データとを比較して認知症有無および/または認知症の状態を判別する認知症判別部を有し、前記認知症判別部によって判別された検査対象者別の認知症情報を前記データ保存機に保存するように制御するコントローラとを含み、前記ストーリーデータは、検査対象者が既に知っている人物と、この人物に関連した出来事を中心とする物語の形であり、複数の文章からなる実際ストーリーを形成し、前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を同一または類似の種類の他の名詞形単語に変更して脚色した脚色ストーリーを形成し、前記脚色ストーリーを音声データに変換したデータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上記のような本発明は、専門人材を活用しなくても認知症診断を迅速かつ簡便に遂行することができ、認知症の早期診断と軽症患者のスクリーニングが迅速かつ正確に行われ、音声を通じて問答式で評価をするか、ストーリーの音声提示を通じて、文字をよく認識できない高齢の対象者も手軽に検診を遂行することができ、それに伴い国レベルで全国民の中で数十万人に及ぶ認知症患者のスクリーニングが迅速かつ比較的に低い費用で手軽に行われる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明によるストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システムを示す概略的な構成図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明によるストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システムのコントローラを示す概略的な構成図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明によるストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システムのコントローラを示す概略的な構成図である。
【
図3】
図3は、本発明による認知症診断システムに使用される実際ストーリーの一例を示す例示図である。
【
図4】
図4は、本発明による認知症診断システムに使用される脚色ストーリーの一例を示す例示図である。
【
図5】
図5は、本発明による認知症診断システムに使用されるストーリー通知文の一例を示す例示図である。
【
図6】
図6は、本発明による認知症診断システムに使用される質問通知文の一例を示す例示図である。
【
図7】
図7は、本発明による認知症診断システムに使用される質問の一例を示す例示図である。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態による認知症診断システムを示す概略的な構成図である。
【
図9】
図9は、本発明の他の実施形態による認知症診断システムのコントローラを示す概略的な構成図である。
【
図10】
図10は、本発明によるストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断方法を示す工程図である。
【
図11】
図11は、本発明によるストーリーベースの音声抽出による認知症診断システムを示す概略的な構成図である。
【
図12】
図12は、本発明によるストーリーベースの音声抽出による認知症診断システムのコントローラを示す概略的な構成図である。
【
図13】
図13は、本発明によるストーリーベースの音声抽出による認知症診断方法を示す工程図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、専門人材を活用しなくても認知症診断を迅速かつ簡便に遂行できるようにし、認知症の早期診断と軽症患者のスクリーニングが迅速かつ正確に行われるようにし、音声を通じて問答式で評価を行い、文字をよく認識できない高齢の対象者も手軽に検診を遂行できるようにするストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システムに関するものであり、本認知症診断システムは、実際ストーリーを入力することができるデータ入力機10と、前記データ入力機10を介して入力された文字データが保存されるデータ保存機20と、診断用音声データを音声で外部に出力することができる音声出力機30と、検査対象者の回答音声を受信する音声受信機40と、前記データ入力機10を含む諸機器に接続され、これらを制御し、実際ストーリーに基づいて脚色ストーリーと質問および正解を形成し、検査対象者の回答を受信し、正解と回答とを比較して認知症を判別するコントローラ50を含む。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態が示された添付図面を参照してより詳細に説明すると次の通りである。しかしながら、本発明は複数の異なる形態で実現することができ、記述された実施形態に限定されないことを理解すべきである。
【0025】
図1~
図7は、本発明による認知症診断システムを示す図である。図示のように、本発明によるストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システムは、実際ストーリーを入力することができるデータ入力機10と、前記データ入力機10を介して入力された文字データが保存されるデータ保存機20と、診断用音声データを音声で外部に出力することができる音声出力機30と、検査対象者の回答音声を受信する音声受信機40と、前記データ入力機10を含む諸機器に接続され、これらを制御し、実際ストーリーに基づいて脚色ストーリーと質問および正解を形成し、検査対象者の回答を受信し、正解と回答とを比較して認知症を判別するコントローラ50を含む。
【0026】
前記データ入力機10は、通常のデータを保存機器に入力することができる入力機であって、ユーザが実際ストーリーに対する文字データを、前記コントローラ50を介して前記データ保存機20に入力できるようにするものだ。
【0027】
ここで、前記実際ストーリーは、検査対象者が既に知っている人物と、この人物に関連した出来事を中心とする話の形で複数の文章からなるものであり、制作者や運用者が作成して準備するものである。
【0028】
このような前記実際ストーリーは、検査対象者が既に認知している童話または寓話であるものが好ましい。例えば、前記実際ストーリーは、
図3に示された白雪姫のような童話であるか、イソップ物語のような寓話であって、15文以内に要約されたあらすじが使用されてもよい。
【0029】
ここで、検査対象者が既に知っているということは、古典であるか、伝来、または広く知られている童話や寓話など、検査対象者がそのあらすじを既に古くから認知しており、容易に記憶を思い浮かべることができる状態にあることを意味する。
【0030】
このような前記実際ストーリーは、複数個で用意され、様々な童話や寓話が使用されるようにすることが好ましいが、これは、同一人物の反復的な検査時に他のストーリーを使用して精度を高められるようにしつつ、検査対象者が知っている童話や寓話を適切に選択して診断に使用できるようにするためのものである。
【0031】
前記データ保存機20は、メモリやハードディスクのようにデジタルデータを保存することができる保存装置であって、前記データ入力機10を介して入力された文字データを含む諸データが保存され、検査対象者別の認知症情報を保存できるようにするものだ。
【0032】
前記音声出力機30は、スピーカのようにデジタルデータを音声で出力することができるものであり、検査対象者が聴取できるように診断用音声データを外部に出力させるものである。ここで、前記診断用音声データは、認知症を判別するために出力される脚色ストーリーと質問の音声データをいう。
【0033】
前記音声受信機40は、マイクのように音声を受信するものであり、検査対象者から発話された回答を受信する役割を果たす。
【0034】
前記コントローラ50は、前記データ入力機10、データ保存機20、音声出力機30および音声受信機40に接続されるものであり、文字データで入力された実際ストーリーに基づいて脚色ストーリーデータと、質問データおよび正解データを自動的に形成するストーリーデータ形成部51と、検査対象者の回答を受信して回答データを形成する回答データ形成部52と、前記正解データと回答データとを比較分析して誤答率を確認し、前記誤答率の程度に応じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する認知症判別部53を有する。
【0035】
このような前記コントローラ50は、脚色ストーリーデータと質問データを順次出力し、出力された質問に対する検査対象者の回答を受信し、判別された検査対象者別の認知症情報を保存するように、前記データ保存機20と音声出力機30および音声受信機40を制御する役割を果たす。
【0036】
前記ストーリーデータ形成部51は、入力された実際ストーリーの文字データに基づいて、脚色ストーリーデータと質問データ及び正解データを自動的に形成する役割を果たす。
【0037】
ここで、前記脚色ストーリーデータは、前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を同一または類似の種類の他の名詞形単語に変更して脚色した脚色ストーリーを形成し、前記脚色ストーリーを音声データに変換したデータである。
【0038】
すなわち、前記脚色ストーリーは、実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を類似の種類の他の単語に変更して形成される。
【0039】
一例として、
図3に示すように、実際ストーリーから抽出された名詞形単語を赤い四角で表示し、
図3に赤い四角で示された抽出された名詞形単語は「白雪姫」、「継母」、「七人」、「小人」、「リンゴ」、「馬」、「王子」である。
【0040】
このように実際ストーリーから抽出された名詞形単語は、
図4に示すように「黒雪姫」、「叔母」、「五人」、「鉱夫」、「桃」、「ロバ」、「鉱夫」のように類似の種類の他の単語に変更される。
【0041】
すなわち、実際ストーリーの「白雪姫」は「黒雪姫」に変更され、実際ストーリーの「継母」は「叔母」に変更され、実際ストーリーの「七人」は「五人」に変更され、実際ストーリーの「小人」は「鉱夫」に変更され、実際ストーリーの「リンゴ」は「桃」に変更され、実際ストーリーの「馬」は「ロバ」に変更され、実際ストーリーの「王子」は「鉱夫」に変更される。
【0042】
このように
図3に提示された実際ストーリーの名詞形単語のうち一部を変更して、
図4に示したような脚色ストーリーが完成される。
【0043】
このような前記脚色ストーリーは、5~15個の文章からなり、20~50個の異なる名詞形単語を含むことが好ましいが、これは文章の個数が5個より少ないか、20個より少ない名詞形単語を含むと、全体的な脚色ストーリーの長さが短すぎて簡単に記憶することができるので、検査対象者の短期記憶力を効果的にテストすることができないか、認知症患者が適切にスクリーニングされなくなるからだ。
【0044】
また、脚色ストーリーの文章の個数が15個より多いか、50個より多い名詞形単語を含むと、脚色ストーリー自体が長すぎて覚えにくくなるため、一般人まで認知症患者に分類される誤診が発生する恐れがあるからだ。
【0045】
前記脚色ストーリーは、前記実際ストーリーの内容とは異なり、前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される人為的に制作された追加文章を少なくとも1つ含むことが好ましい。
【0046】
このような追加文章の一例は、
図4のAに示された部分に提示されており、検査対象者に混乱および混同を起こして記憶を妨げる役割を果たす。すなわち、検査対象者は、追加文章による記憶妨害で特に認知症患者である場合、脚色ストーリーの全内容をよく記憶できなくなり、それに応じて認知症患者のスクリーニングがより正確に行われる。
【0047】
ここで、追加文章が実際ストーリーの内容と異なるという意味は、実際ストーリーの内容にない内容ということであり、追加文章が前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される内容であるという意味は、脚色ストーリーの物語の展開と連結される内容であるということだ。このような追加文章は、制作者が直接制作して前記データ入力機10を介して入力するか、主人公が含まれることで刺激を与える内容であり、前記コントローラ50によって自動的に形成されてもよい。
【0048】
さらに、前記追加文章は、
図4に示すように、前記脚色ストーリーの末尾に配置されることが好ましいが、これは、検査対象者の脚色ストーリーに対する記憶妨害を効果的にするためである。
【0049】
前記質問データは、前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解にしつつ、前記脚色ストーリーに関連する複数個の質問を形成し、前記質問を音声データに変換したデータである。
【0050】
ここで、前記質問は、3~12個からなることが好ましいが、これは、質問の個数が3個より少ないと弁別力が低く、検査対象者の記憶力を適切にテストすることができなくなり、質問の個数が12個より多いと検査対象者の短期記憶力を超過することになり、記憶力テストが正確に行われなくなる可能性があるからだ。
【0051】
さらに、前記質問は、前記脚色ストーリーで提示された出来事、行為、状況および内容が事実かどうかに関する質問であることが好ましいが、これは、単純で平易な事実中心の質問を介して短気記憶力を適切にテストできるようにするためのものである。
【0052】
また、前記質問は、
図7に示すように、正解と同一または類似の種類の前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語が誤答に含まれる多肢選択式であることが好ましい。例えば、
図7に提示された質問のように、四肢選択型の質問である場合、前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語、すなわち「白雪姫」、「継母」、「七人」、「小人」、「リンゴ」、「馬」、「王子」が4つの選択肢のうち誤答として含まれ、検査対象者の記憶の混乱を誘発し、それに応じて検査対象者が既に認知している童話の内容を誤答として選択することにより、認知症患者として適切に判別されるようにするのだ。
【0053】
すなわち、検査対象者の一部は、質問の正解が含まれた脚色ストーリーの内容をよく覚えておらず、昔から覚えていた実際ストーリーの内容を記憶し、それによって答案を選択するので誤答が誘発されるが、このような誤答が多く誘発される検査対象者が認知症患者として診断およびスクリーニングされるのだ。
【0054】
また、前記質問は、最後の質問として検査対象者本人の正解率を確認する質問が配置されることが好ましい。このような本人の正解率を確認する質問は、
図7のDに示された部分に提示され、検査対象者自身が知っているものと知らないものが何であるかを自ら認知するメタ認知能力を運用者が評価できるようにするものである。このようなメタ認知能力評価は、本システムによる認知症診断の正確性をもう一度確認する資料として活用できる。
【0055】
前記正解データは、前記質問に相応する正解を抽出し、抽出された正解を音声データに変換したデータである。このような前記正解データは、検査対象者から収集された回答データと比較され、誤答率を確認するための資料として活用される。
【0056】
ここで、前記正解とは、前記実際ストーリーから抽出され、前記脚色ストーリーから変更された名詞形単語を指し、
図4の脚色ストーリーを例えにすると、赤いボックスで表示された「黒雪姫」、「叔母」、「五人」、「鉱夫」、「桃」、「ロバ」、「鉱夫」が正解に該当する。
【0057】
前記回答データ形成部52は、検査対象者の回答を音声で受信して回答データを自動的に形成する役割を果たす。ここで、前記回答データは、前記音声受信機40を介して前記質問に対する検査対象者の回答を受信して保存した音声データである。
【0058】
前記認知症判別部53は、生成された正解データと回答データとを比較し、質問に対する誤答率を通じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する役割を果たす。
【0059】
すなわち、検査対象者は、脚色して提示した脚色ストーリーの「白雪姫」に対する質問について既に知っている「白雪姫」の実際ストーリーと混同を起こして誤答を誘発することになり、このように誘発された誤答が多くて誤答率が高ければ認知症患者と判別されるのだ。
【0060】
前記認知症判別部53は、前記正解データの音声と前記回答データの音声とを比較分析して正解と誤答を確認するが、これは、音声認識と音声比較を通じて誤答の判別がより正確に行われるようにするためのものだ。
【0061】
ここで、質問の正解は、
図7の赤いボックスで表示し、正解以外の選択肢は、当然、誤答として処理され、
図7において「質問8」の正解は「質問1」~「質問7」を評価することにより確認され、誤答率は全体の質問で誤答をした割合である。
【0062】
このような前記認知症判別部53は、前記誤答率が少なくとも25%より高ければ認知症と判別し、前記誤答率が25~40%であれば軽症認知症と判別し、前記誤答率が少なくとも40%より高ければ重症認知症と判別するのが好ましいが、これは、多数の検査対象者による臨床実験を通じて正常群に属する検査対象者と認知症群に属する検査対象者の誤答率との比較分析および確認により決められたものである。
【0063】
すなわち、誤答率が25%より高ければ全て認知症患者として確認されたことであり、25~40%までは認知症患者のうち軽症患者と区別され、40%より高ければ認知症患者のうち重症患者として区別される。
【0064】
前記コントローラ50は、前記脚色ストーリーの出力を通知しつつ、脚色ストーリーの出力後に脚色ストーリーに関する質問が提示されると通知するストーリー通知文の入力を受けて音声データに変換し、前記音声出力機30を制御して前記脚色ストーリーを出力する前に前記ストーリー通知文を最初に出力するように制御する。
【0065】
前記ストーリー通知文は、制作者や運用者によって文字データで制作されて入力され、音声データに変換されて出力される。
【0066】
このような前記ストーリー通知文の一例は、
図5に示されており、前記ストーリー通知文の出力は、脚色ストーリーが音声で出力され、質問が提示され、回答をしなければならないことを検査対象者に予め知らせる役割を果たす。
【0067】
前記ストーリー通知文は、前記脚色ストーリーで提示された童話または寓話のタイトルを含む文章が先頭に配置されることが好ましい。このような寓話や童話のタイトルは、
図5のBに示された部分(「白雪姫」)に提示され、ストーリー通知文に音声で出力する童話が、例えば、「白雪姫」であるとそのタイトルを知らせることにより、検査対象者が関連する童話である「白雪姫」を予め回想できるようにして「白雪姫」の全体のあらすじを簡単に覚えることができるようにするものである。
【0068】
前記コントローラ50は、所定の個数の質問が提示されることを通知する質問通知文の入力を受けて音声データに変換し、前記音声出力機30を制御して前記脚色ストーリーの出力が完了した後に前記質問通知文を出力するように制御する。
【0069】
前記質問通知文は、制作者または運用者によって制作され、文字データで入力され、音声データに変換されて出力される。
【0070】
このような前記質問通知文の出力は、脚色ストーリーが出力された後に質問がすぐに出力され、回答をしなければならないことを知らせる役割を果たしつつ、同時に
図6のCに示された部分(7問題)のように質問の個数を予め知らせて検査対象者が出力される質問に適切に対応できるようにするものである。
【0071】
本認知症診断システムの前記実際ストーリーは、複数個で準備され、それぞれ入力され、複数個の脚色ストーリーに形成され、それぞれ前記脚色ストーリーに関連する質問と正解がそれぞれ形成され得るが、これは、複数個の実際ストーリーを通じて様々な問答式評価が行われ、認知症診断および判別がより正確に行われるようにするためのものである。
【0072】
このように複数個の実際ストーリーが入力された状態で、前記コントローラ50は、前記脚色ストーリーが出力される前に、検査対象者に複数個の脚色ストーリーのうち既に知っているストーリーが何であるかを確認するストーリー確認文が音声で出力される認知ストーリー確認部54と、前記認知ストーリー確認部54を介して確認された脚色ストーリーが出力されるように、検査対象者が既に知っていると確認された脚色ストーリーを選択するストーリー選択部55とをさらに含む。
【0073】
前記認知ストーリー確認部54は、例えば、複数個の脚色ストーリーのタイトル(例えば、「白雪姫」、「シンデレラ」、「人魚姫」、「ピノキオ」、「王子と乞食」)が記載されたストーリー確認文を音声で出力し、検査対象者が診断機器に保存された脚色ストーリーとしてどんな童話や寓話があるかを確認できるようにするものだ。
【0074】
前記ストーリー選択部55は、検査対象者がストーリー確認文を聴取し、本人が既に知っている脚色ストーリーを選択できるようにするものである。例えば、「白雪姫」、「シンデレラ」、「人魚姫」、「ピノキオ」、「王子と乞食」の脚色ストーリーが保存されており、このようなストーリーのタイトルが出力され、この状態で検査対象者が「シンデレラ」を既に知っていれば「シンデレラ」を音声で答えるか、またはボタン操作で指示して選択することになる。
【0075】
このように、「シンデレラ」が選択されると、「シンデレラ」に関連する脚色ストーリーと質問が認知症診断のために当該検査対象者に出力されることにより、検査対象者が既に知っている童話や寓話を基準に認知症診断が行われ、同時に検査対象者が知らない童話や寓話による認知症診断が適切に防止され、それに応じて認知症診断の正確性が向上される。
【0076】
前記コントローラ50は、前記脚色ストーリーが出力される前に検査対象者に音声で出力し、複数個の脚色ストーリーのうち事前に診断検査に使用されたことがあるストーリーが何であるかを確認する使用ストーリー確認部56と、前記使用ストーリー確認部56を介して事前に使用されたと確認された脚色ストーリーを出力から排除するストーリー排除部57をさらに含む。
【0077】
前記使用ストーリー確認部56は、複数個の脚色ストーリーのうち事前に検査対象者本人の診断検査に使用されたことがあるストーリーを確認する役割を果たし、前記ストーリー排除部57は、使用されたと確認された脚色ストーリーを検査対象者に出力しないように排除および除外させる役割を果たす。
【0078】
このように検査対象者が診断検査に使用されたことがある脚色ストーリーを排除することにより、同じ内容と同じ質問の反復的な使用による診断の精度の低下が適切に防止される。
【0079】
前記のように、構成された本認知症診断システムは、前記データ入力機10、データ保存機20、音声出力機30、音声受信機40およびコントローラ50がモジュール化されて一体的に備えられた統合認知症診断機として構成されてもよく、全ての機能をプログラム化するか、人工知能などで自動化させた自動認知症診断機で構成されてもよい。
【0080】
前述のように、本認知症診断システムは、検査対象者が既に知っていて慣れ親しんだ古典の実際ストーリーの主な単語を新しい単語に変更し、脚色ストーリーとして提示して記憶の硬化をもたらすとともに、古典の実際ストーリーの元の単語を誤答として提示して記憶の干渉効果を最大化し、認知症を迅速かつ正確にスクリーニングできるようにする画期的な発明である。
【0081】
図8~
図9は、本発明の他の実施形態による認知症診断システムを示す概略図である。図に示すように、本発明の他の実施形態による認知症診断システムは、前記コントローラ50に接続され、文字データを画面に表示することができるディスプレイ60と、前記コントローラ50に接続され、文字を入力して文字データを修正することができる文字入力機70をさらに含む。
【0082】
前記ディスプレイ60は、モニタのように文字や画像を画面に表示できるようにするものであり、前記脚色データと質問データを文字データに表示する役割を果たす。
【0083】
前記文字入力機70は、キーボードのように文字を入力および修正することができるものであり、前記脚色データと質問データの文字データを修正できるようにするものである。
【0084】
前記コントローラ50は、前記脚色ストーリーを文字データで前記ディスプレイ60に表示して制作者または運用者が確認し、前記文字入力機70を介して人為的に修正できるようにするストーリー確認修正部58と、前記質問を文字データとして前記ディスプレイ60に表示して制作者または運用者が確認し、前記文字入力機70を介して人為的に修正できるようにする質問確認修正部59をさらに含む。
【0085】
前記ストーリー確認修正部58は、前記コントローラ50によって自動的に脚色された脚色ストーリーを制作者や運用者などの人が直接確認して修正する過程を経て、出来事の展開がより自然かつスムーズな高品質の脚色ストーリーが形成されるようにするものだ。
【0086】
前記質問確認修正部59は、前記コントローラ50によって自動的に形成された質問を制作者や運用者などの人が直接確認して修正する過程を経て、自然かつスムーズで難易度が調整された質問が形成されるようにするものだ。
【0087】
本認知症診断システムは、前記データ保存機20に接続され、前記コントローラ50によって制御されるデータ送信機80をさらに含む。前記データ送信機80は、例えば、有線または無線の送受信機であって、前記コントローラ50によって制御され、前記データ保存機20に保存されている検査対象者別の認知症情報を送信線またはネットワークを介して外部機器に送信できるようにするものだ。
【0088】
図10は、本発明による認知症診断方法を示す工程図である。
【0089】
図10を参照すると、本発明によるストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断方法は、実際ストーリーを準備する実際ストーリー準備ステップS1と、前記実際ストーリーを文字データに変換して、それを診断機器に入力する実際ストーリー入力ステップS2と、入力された前記実際ストーリーを脚色して脚色ストーリーを形成する脚色ストーリー形成ステップS3と、前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解とする複数個の質問を形成する質問形成ステップS4と、前記脚色ストーリーと質問を音声データに変換させる音声データ変換ステップS5と、前記脚色ストーリーの音声データを外部に出力する脚色ストーリー出力ステップS6と、前記質問の音声データを外部に順次出力する質問出力ステップS7と、前記質問に対する検査対象者の回答を受信する回答受信ステップS8と、前記質問と回答による誤答率を通じて認知症の有無を判別する認知症判別ステップS9とを含み、このようなステップが順次遂行されて認知症を診断することになる。
【0090】
前記質問形成ステップS4において、前記質問は3~12個からなり、前記脚色ストーリーで提示された出来事、行為、状況および内容が事実かどうかに関する質問であり、正解と同一または類似の種類の前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語が誤答に含まれる多肢選択式であり、最後の質問として検査対象者本人の正解率を確認する質問が配置されてもよい。
【0091】
前記実際ストーリー準備ステップS1において、前記実際ストーリーは、検査対象者が既に認識している童話または寓話であり得る。
【0092】
前記脚色ストーリー形成ステップS3において、前記脚色ストーリーは、5~15個の文章からなり、20~50個の異なる名詞形単語を含み、前記脚色ストーリー形成ステップS3は、前記実際ストーリーの内容と異なりながら前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される人為的に制作られた追加文章を少なくとも1つ追加する文章追加過程をさらに含み、前記追加文章は、前記脚色ストーリーの末尾に配置されるものであってもよい。
【0093】
前記脚色ストーリー出力ステップS6は、前記脚色ストーリーを出力する前に脚色ストーリーの出力を通知しながら脚色ストーリーの出力後に脚色ストーリーに関連する質問が提示されると通知するストーリー通知文が音声で出力されるストーリー通知出力過程をさらに含み、前記脚色ストーリーは、検査対象者が既に認知している童話または寓話であり、前記ストーリー通知出力過程は、前記脚色ストーリーで提示された童話または寓話のタイトルを含む文章をストーリー通知文の先頭に出力する過程をさらに含むことができる。
【0094】
前記脚色ストーリー出力ステップS6は、前記脚色ストーリーの出力が完了した後に所定の個数の質問が提示されることを通知する質問通知文が音声で出力される質問通知出力過程をさらに含むことができる。
【0095】
前記認知症判別ステップS9において、前記誤答率が少なくとも25%より高ければ認知症と判別し、前記誤答率が25~40%であれば軽症認知症と判別し、前記誤答率が少なくとも40%より高ければ重症認知症と判別することができる。
【0096】
前記実際ストーリーは、複数個で用意され、それぞれ入力され、複数個の脚色ストーリーで形成され、それぞれの前記脚色ストーリーに関連する質問がそれぞれ形成され、前記脚色ストーリー出力ステップS6は、前記脚色ストーリーが出力される前に検査対象者に複数個の脚色ストーリーのうち既に知っているストーリーが何であるかを確認するストーリー確認文が音声で出力される認知ストーリー確認過程と、前記認知ストーリー確認過程を通じて確認された脚色ストーリーが出力されるように検査対象者が既に知っていると確認された脚色ストーリーを選択するストーリー選択過程をさらに含むことができる。
【0097】
前記実際ストーリーは、複数個で用意され、それぞれ入力され、複数個の脚色ストーリーで形成され、それぞれの前記脚色ストーリーに関連する質問がそれぞれ形成され、前記脚色ストーリー出力ステップS6は、前記脚色ストーリーが出力される前に検査対象者に複数個の脚色ストーリーのうち事前に診断検査に使用されたことがあるストーリーが何であるかを確認する使用ストーリー確認過程と、前記使用ストーリー確認過程を通じて事前に使用されたと確認された脚色ストーリーを出力から排除するストーリー排除過程を、さらに含むことができる。
【0098】
前記脚色ストーリー形成ステップS3は、文字データで形成された前記脚色ストーリーをディスプレイに表示して制作者または運用者が確認し、人為的に修正することができるストーリー確認修正過程を、さらに含むことができる。
【0099】
前記質問形成ステップS4は、文字データで形成された前記質問をディスプレイに表示して製作者または運用者が確認し、人為的に修正することができる質問確認修正過程を、さらに含むことができる。
【0100】
このような前記データ送信機80によって検査対象者別の認知症情報が送信されることにより、認知症の管理およびスクリーニングのための国および民間機関の管理サーバに診断およびスクリーニングされた認知症患者に関する情報を手軽に提供することができる。
【0101】
図11~
図12は、本発明による認知症診断システムを示す図である。図に示すように、本発明によるストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システムは、データ入力機100と、認知症診断のための診断用音声データと患者音声特徴データを保存するデータ保存機200と、前記データ保存機200に保存された診断用音声データを音声で外部に出力する音声出力機300と、検査対象者の音声を受信する音声受信機400と、前記データ保存機200と音声出力機300および音声受信機400に接続されてそれらを制御し、検査対象者の音声特徴と患者の音声特徴データとを比較して認知症を判別するコントローラ500を含む。
【0102】
前記データ保存機200は、メモリやハードディスクのようにデジタルデータを保存することができるものであり、認知症診断のためのストーリーデータを含む診断用音声データが保存され、正常な人の音声特徴と認知症患者の音声特徴とを比較分析して認知症患者の音声特徴を抽出した患者音声特徴データが保存され、検査対象者別の認知症情報を保存できるようにするものである。
【0103】
ここで、前記患者音声特徴データは、正常な人の音声特徴と区別され、多数の認知症患者の音声から抽出された共通の音声特徴をデータ化したものである。
【0104】
前記正常な人および認知症患者の音声特徴は、音声の基本周波数、発話速度、シマー、ジッター、フォルマントおよび音声スペクトルのうち1つまたは2つ以上を含む。
【0105】
前記音声の基本周波数は、音声が有する平均的かつ習慣的な音度を示す周波数を指し、前記発話速度は、言葉の速度と調音速度を指し、人が話す速度を表す。
【0106】
前記シマー(shimmer0)は、音声振幅変化の規則性を数値で表すものであり、前記ジッター(jitter0)は、声帯振動の変化率を数値で表すものであり、前記フォルマント(formant0)は、母音を特徴付ける周波数成分を指し、前記音声スペクトルは、音声の周波数別の分布を表す。
【0107】
さらに、前記ストーリーデータは、検査対象者が既に知っている人物と、この人物に関連した出来事を中心とする物語の形であり、複数の文章からなる実際ストーリーを形成し、前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を同一または類似の種類の他の名詞形単語に変更して脚色した脚色ストーリーを形成し、前記脚色ストーリーを音声データに変換したデータである。
【0108】
前記ストーリーデータは、脚色ストーリーを音声データに変換したものであり、後で検査対象者に脚色ストーリーを音声で手軽に出力して提供できるようにするものである。
【0109】
前記実際ストーリーは、検査対象者が既に認知している童話または寓話であることが好ましい。例えば、前記実際ストーリーは、
図3に示す「白雪姫」のような童話やイソップ物語のような寓話であって、15文内に要約されたあらすじが使用されてもよい。
【0110】
ここで、検査対象者が既に知っているということは、古典であるか、伝来、または広く知られている童話や寓話のように検査対象者がそのあらすじを既に古くから認識していて、簡単に記憶を思い浮かべることができる状態にあることを意味する。
【0111】
前記脚色ストーリーは、実際ストーリーを脚色したものであり、実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を類似の種類の他の単語に変更したものである。一例として、
図3に示すように、実際ストーリーから抽出された名詞形単語を赤い四角で表示した。赤い四角で表示された抽出された名詞形単語は、「白雪姫」、「継母」、「七人」、「小人」、「リンゴ」、「馬」、「王子」である。
【0112】
このように実際ストーリーから抽出された名詞形単語は、
図4に示すように「黒雪姫」、「叔母」、「五人」、「鉱夫」、「桃」、「ロバ」、「鉱夫」のような類似の種類の他の単語に変更される。
【0113】
すなわち、実際ストーリーの「白雪姫」は「黒雪姫」に変更され、実際ストーリーの「継母」は「叔母」に変更され、実際ストーリーの「七人」は「五人」に変更され、実際ストーリーの「小人」は「鉱夫」に変更され、実際ストーリーの「リンゴ」は「桃」に変更され、実際ストーリーの「馬」は「ロバ」に変更され、実際ストーリーの「王子」は「鉱夫」に変更される。
【0114】
このような類似単語に変更するときは、類似単語の抽出により自動的に変更されるか、制作者または運用者が直接介入して単語を直接変更することができる。ここでは、制作者または運用者が直接単語を変更するか、一部の単語の変更に介入して脚色を自然にすることが好ましい。
【0115】
このような実際ストーリーに提示された一部の名詞形単語の変更により、
図4に示すような脚色ストーリーが完成される。
【0116】
このような前記脚色ストーリーは、5~15個の文章からなり、20~50個の異なる名詞形単語を含むことが好ましいが、これは文章の個数が5個より少ないか、20個より少ない名詞形単語を含むと、全体的な脚色ストーリーの長さが短すぎて簡単に記憶することができるので、検査対象者の短期記憶力を効果的にテストすることができないか、認知症患者が適切にスクリーニングされなくなるからだ。
【0117】
また、脚色ストーリーの文章の個数が15個より多いか、50個より多い名詞形単語を含むと、脚色ストーリー自体が長すぎて覚えにくくなるので、一般人まで認知症患者に分類される誤診が発生する恐れがあるからだ。
【0118】
ここで、前記実際ストーリーの文章個数が15個を超過する場合には、前記脚色ストーリーに変更される過程で、制作者または運用者が介入して文章個数を減らすか、前記実際ストーリー自体が15文以内の個数を有するように準備するのが好ましい。
【0119】
また、前記脚色ストーリーは、前記実際ストーリーの内容とは異なり、前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される人為的に制作された追加文章を少なくとも1つ含むことが好ましい。
【0120】
このような追加文章の一例は、
図4のAに示された部分に提示され、検査対象者に混乱および混同を起こして記憶を妨げる役割を果たす。すなわち、検査対象者は、追加文章による記憶妨害で特に認知症患者である場合、脚色ストーリーの全内容をよく記憶できなくなり、それに応じて認知症患者のスクリーニングがより正確に行われる。
【0121】
ここで、追加文章が実際ストーリーの内容と異なるという意味は、実際ストーリーの内容にない内容ということであり、追加文章が前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される内容であるという意味は、脚色ストーリーの物語の展開と連結される内容であるということだ。このような追加文章は、制作者が直接制作するか、主人公が含まれることで刺激を与える内容であり、自動的に形成および制作され得る。
【0122】
さらに、前記追加文章は、
図4に示すように、前記脚色ストーリーの末尾に配置されることが好ましいが、これは、検査対象者の脚色ストーリーに対する記憶妨害を効果的にするためである。
【0123】
このように完成された前記脚色ストーリーは、音声データに変換されて前記データ保存機200に保存され、前記音声出力機300を介して後で検査対象者に音声で手軽に出力されて提供されるようになる。
【0124】
このような音声データ変換は、人を介して脚色ストーリーを読んで発話し、これを各種デジタル音声収集装置やレコーダーなどでデジタルデータに変換するか、文字音声変換機器を介して直接機械音で文字を音声データに変換することをいう。
【0125】
また、前記データ保存機200は、前記脚色ストーリーに関する質問データと正解データを保存することができる。
【0126】
前記質問データは、前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解にし、前記脚色ストーリーに関連する複数個の質問を形成し、前記質問を音声データに変換したデータであり、検査対象者の記憶力をテストし、発話を誘発するために使用される。
【0127】
前記正解データは、前記質問に対する正解のデータであり、前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語がこれに該当する。
【0128】
前記質問は、3~12個からなることが好ましいが、これは、質問の個数が3個より少ないと検査対象者が発話する内容が少ないため弁別力が低く、検査対象者の記憶力を適切にテストすることができなくなり、質問の個数が12個より多いと検査対象者の短期記憶力を超過することになり、記憶力テストが正確に行われなくなる可能性があるからだ。
【0129】
さらに、前記質問は、前記脚色ストーリーで提示された出来事、行為、状況および内容が事実かどうかに関する質問であることが好ましいが、これは、単純で平易な事実中心の質問を介して短期記憶力を適切にテストできるようにし、検査対象者の発話が手軽に誘導されるようにするものである。
【0130】
前記質問は、文章または単語で回答を要請する質問であってもよいが、これは、検査対象者が短問式または短答式で回答するように誘導して認知症判別のための音声の確保が多く行われるようにして音声特徴の抽出がより正確に行われるようにするものである。
【0131】
さらに、前記質問は、
図7に示すように、正解と同一または類似の種類の前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語が誤答に含まれる多肢選択式であり得る。例えば、
図7に提示された質問のように四肢選択式の質問である場合、前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語、すなわち「白雪姫」、「継母」、「七人」、「小人」、「リンゴ」、「馬」、「王子」が4つの選択肢のうち誤答として含まれ、検査対象者に記憶の混乱を誘発し、それに応じて検査対象者が予め認知している童話の内容を誤答で選択することにより、認知症患者として適切に判別できるようにするのだ。
【0132】
すなわち、検査対象者のうち一部は、質問の正解が含まれた脚色ストーリーの内容をよく覚えておらず、昔から覚えていた実際ストーリーの内容を記憶し、これを通じて答案を選択することにより、認知症患者の音声特徴と誤答が誘発されるが、このような認知症患者の音声特徴と誤答が多く誘発される検査対象者が認知症患者として診断及びスクリーニングされる。
【0133】
また、前記質問は、最後の質問として検査対象者本人の正解率を確認する質問が配置されることが好ましい。このような本人の正解率を確認する質問は、
図7のDに示された部分に提示され、検査対象者自身が知っているものと知らないものが何であるかを自ら認知するメタ認知能力を運用者が評価できるようにするものである。このようなメタ認知能力評価は、本方法による認知症診断の正確性をもう一度確認する資料として活用できる。
【0134】
前記音声出力機300は、スピーカのようにデジタルデータを音声で出力することができるものであり、検査対象者が聴取できるように前記データ保存機200に保存された診断用音声データを外部に出力させる役割を果たす。
【0135】
検査対象者は、前記音声出力機300を介して
図4に提示された「白雪姫」の脚色ストーリーを聴取しながら検査対象者自身が既に認知および記憶している
図3に提示された「白雪姫」の実際ストーリーと混同することになり、すなわち、記憶の干渉が起こる。
【0136】
このように検査対象者が記憶の干渉が起きた状態で、検査対象者に出力された脚色ストーリーの内容を回想して音声で発話するよう要請され、それに応じて検査対象者の記憶力が低下するか、混同が誘発される環境が作られ、このような環境を容易に克服できない検査対象者を認知症患者として迅速かつ正確に診断およびスクリーニングすることになる。
【0137】
また、脚色ストーリーの音声出力を通じて診断検査が行われることにより、文字をよく知らないか、認知しにくい高齢の検査対象者も手軽に認知症の有無の診断を受けることができるようになる。
【0138】
前記音声受信機400は、マイクのように音声を受信してデジタルデータに変換することができる物であり、検査対象者から発話される音声を受信して音声データに変換する役割を果たす。
【0139】
すなわち、前記音声受信機400によって受信された検査対象者の音声は、前記コントローラ500によって音声特徴が分析された後に患者音声特徴データと比較されて認知症判別に使用される。
【0140】
前記コントローラ500は、データ入力機100と、前記データ保存機200、音声出力機300および音声受信機400に接続され、ストーリーデータを出力した後に検査対象者の音声を受信するように前記データ保存機200、音声出力機300および音声受信機400を制御する。
【0141】
また、前記コントローラ500は、前記ストーリーデータの出力が完了した後に検査対象者に出力されたストーリーの内容を回想して音声で発話するように要請する発話要請部410を有し、検査対象者より受信した音声データから音声特徴を分析する音声特徴分析部420を有し、前記音声特徴分析部420を介して分析された検査対象者の音声特徴と前記患者音声特徴データとを比較して認知症の有無および/または認知症の状態を判別する認知症判別部430を有する。
【0142】
このような前記コントローラ500は、検査対象者の音声特徴を分析し、分析された音声特徴で認知症の判別を遂行し、前記認知症判別部430によって判別された検査対象者別の認知症情報を前記データ保存機200に保存するように制御する役割を果たす。
【0143】
前記発話要請部410は、検査対象者に前記脚色ストーリーの内容を回想して音声で発話するよう要請するものであり、検査対象者に発話の時点を知らせて発話を促進および誘発させる役割を果たす。このような前記発話要請部410は、例えば、「話の内容を回想して話してみましょう」のような発話要請内容を音声で出力するものである。
【0144】
前記音声特徴分析部420は、前記音声受信機400を介して収集された検査対象者の音声を分析して検査対象者の音声特徴を抽出する役割を果たす。すなわち、前記音声特徴分析部420は、検査対象者の音声データから音声の基本周波数、発話速度、シマー、ジッター、フォルマントおよび音声スペクトルを分析して抽出する役割を果たす。
【0145】
前記認知症判別部430は、検査対象者の音声特徴と認知症患者の音声特徴である患者音声特徴データとを比較して検査対象者の認知症を判別する役割を果たす。ここで、検査対象者は、脚色して提示した脚色ストーリーの「白雪姫」を回想して発話するとき、既に知っている「白雪姫」の実際ストーリーと混同を起こし、認知症患者が有する音声特徴を誘発することになると、認知症と判別することになるのだ。
【0146】
前記コントローラ500は、検査対象者に脚色のストーリーの出力が完了した後に前記質問の音声データを外部に順次出力し、検査対象者に質問を与えて回答を要請する回答要請部440をさらに含む。前記回答要請部440は、質問を通じて検査対象者の記憶力を確認し、回答を通じて発話を誘導する役割を果たす。
【0147】
前記コントローラ500は、前記質問に対する検査対象者から収集された回答と正解とを比較分析して誤答率を確認し、前記誤答率の程度に応じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する補助認知症判別部450をさらに含む。前記補助認知症判別部450は、質問に対する検査対象者の回答の誤答率で認知症を補助的に判別する役割を果たす。
【0148】
ここで、質問の正解は、
図7に赤いボックスで示しており、正解以外の選択肢は、当然、誤答として処理される。
図7において、「質問8」の正解は、「質問1」~「質問7」を評価することにより確認され、誤答率は全体の質問で誤答をした割合である。
【0149】
このような前記コントローラ500は、前記検査対象者の音声特徴による認知症判別と前記検査対象者の誤答率による認知症判別を複合的に遂行して検査対象者の認知症を判別するのが好ましいが、これは、認知症判別の精度を向上させるためのものである。
【0150】
前記コントローラ500は、前記脚色ストーリーの出力が完了し、検査対象者に音声で発話するように要請する前に一定時間を経過させ、検査対象者の記憶を妨げる記憶妨害部460をさらに含む。前記記憶妨害部460は、時間遅延によって検査対象者の脚色ストーリーに対する記憶を妨げ、脚色ストーリーの全内容をよく記憶できないようにすることで、認知症患者のスクリーニングがより正確に行われるようにするものである。
【0151】
このとき、前記経過させる一定時間は、数秒から数十秒の時間であってもよく、このような時間の間に音楽のような音響が出力され、検査対象者の記憶をより積極的に妨げることもできる。
【0152】
前記のように構成される本認知症診断システムは、前記データ保存機200、音声出力機300、音声受信機400およびコントローラ500がモジュール化されて一体的に備えられた統合認知症診断機として構成されてもよく、全ての機能をプログラム化するか、人工知能などで自動化させた自動認知症診断機で構成されてもよい。
【0153】
本認知症診断システムは、前記データ保存機200に接続され、前記コントローラ500によって制御されるデータ入力機100と、前記データ保存機200に接続され、前記コントローラ500によって制御されるデータ送信機600をさらに含む。
【0154】
前記データ入力機100は、前記コントローラ500によって制御され、診断用音声データを含む諸データを前記データ保存機200に入力して保存できるようにするものである。すなわち、運用者が診断用音声データを含む諸データを本システムに手軽に入力できるようにし、診断用音声データの変更と追加および更新が適切に行われるようにするのだ。
【0155】
前記データ送信機600は、例えば、有線または無線の送受信機であって、前記コントローラ500によって制御され、前記データ保存機200に保存された検査対象者別の認知症情報を送信線またはネットワークを介して外部機器に送信できるようにするものである。
【0156】
このような前記データ送信機600によって検査対象者別の認知症情報が送信されることにより、認知症の管理およびスクリーニングのための国および民間機関の管理サーバに診断およびスクリーニングされた認知症患者に関する情報を手軽に提供することができる。
【0157】
このように構成される本認知症診断システムは、検査対象者が既に知っており慣れ親しんだ古典の実際ストーリーの主要単語を新しい単語に変更し、脚色ストーリーとして提示して記憶の硬化をもたらす状態で脚色ストーリーを回想して発話させることにより、脚色のストーリーと古典の実際ストーリーの間の記憶の干渉効果を最大化させ、認知症を迅速かつ正確にスクリーニングできるようにする画期的な発明である。
【0158】
認知症診断のためのストーリーデータを含む診断用音声データが保存され、正常な人の音声特徴と認知症患者の音声特徴を比較分析して認知症患者の音声特徴を抽出した患者音声特徴データが保存され、検査対象者別の認知症情報を保存できるデータ保存機20と、検査対象者が聴取できるように、前記データ保存機20に保存された診断用音声データを外部に出力させる音声出力機30と、検査対象者から発話された音声を受信して音声データに変換する音声受信機40と、前記データ保存機20、音声出力機30および音声受信機40に接続され、ストーリーデータを出力した後に検査対象者の音声を受信するように前記データ保存機20、音声出力機30、および音声受信機40を制御し、前記ストーリーデータの出力が完了した後に検査対象者に出力されたストーリーの内容を回想して音声で発話するように要請する発話要請部41を有し、検査対象者から受信した音声データで音声特徴を分析する音声特徴分析部42を有し、前記音声特徴分析部42を介して分析された検査対象者の音声特徴と前記患者音声特徴データとを比較して認知症の有無および/または認知症の状態を判別する認知症判別部43を有し、前記認知症判別部43によって判別された検査対象者別の認知症情報を前記データ保存機20に保存するように制御するコントローラ50を含み、前記ストーリーデータは、検査対象者が既に知っている人物と、この人物に関連した出来事を中心とする物語の形であり、複数の文章からなる実際ストーリーを形成し、前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語のうち一部を抽出し、抽出された名詞形単語を同一または類似の種類の他の名詞形単語に変更して脚色した脚色ストーリーを形成し、前記脚色ストーリーを音声データに変換したデータであることを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0159】
前記データ保存機20は、前記脚色ストーリーに関する質問データと正解データが保存され、前記質問データは、前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解にし、前記脚色ストーリーに関連する複数個の質問を形成し、前記質問を音声データに変換したデータであり、前記コントローラ50は、検査対象者に脚色ストーリーの出力が完了した後に前記質問の音声データを外部に順次出力して検査対象者に質問を与えて回答を要請する回答要請部44を、さらに含むことを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0160】
前記質問は、3~12個からなり、前記脚色ストーリーで提示された出来事、行為、状況および内容が事実かどうかに関する回答を要請する質問であることを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0161】
前記質問は、文章または単語で回答を要請する質問であることを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0162】
前記質問は、正解と同一または類似の種類の前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語が誤答に含まれる多肢選択式であり、最後の質問として検査対象者本人の正解率を確認する質問が配置されることを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0163】
前記コントローラ50は、前記質問に対する検査対象者から収集された回答と正解とを比較分析して誤答率を確認し、前記誤答率の程度に応じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する補助認知症判別部45を、さらに含むことを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0164】
前記コントローラ50は、前記検査対象者の音声特徴による認知症判別と前記検査対象者の誤答率による認知症判別とを複合的に遂行して検査対象者の認知症を判別することを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0165】
前記実際ストーリーは、検査対象者が既に認知している童話または寓話であることを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0166】
前記脚色ストーリーは、5~15個の文章からなり、20~50個の異なる名詞形単語を含むことを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0167】
前記脚色ストーリーは、前記実際ストーリーの内容とは異なり、前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される人為的に制作され、前記脚色ストーリーの末尾に配置される追加文章を少なくとも1つ含むことを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0168】
前記コントローラ50は、前記脚色ストーリーの出力が完了し、検査対象者に音声で発話を要請する前に一定時間を経過させ、検査対象者の記憶を妨げる記憶妨害部46を、さらに含むことを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0169】
前記音声特徴は、音声の基本周波数、発話速度、シマー、ジッター、フォルマントおよび音声スペクトルのうち1つまたは2つであることを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断システム。
【0170】
前記認知症診断システムは、前記データ保存機20に接続され、前記コントローラ50によって制御され、診断用音声データを含む諸データを前記データ保存機20に入力して保存することができるデータ入力機10と、前記データ保存機20に接続され、前記コントローラ50によって制御され、前記データ保存機20に保存された検査対象者別の認知症情報を外部機器に送信するデータ送信機80とを、さらに含むことを特徴とするストーリーベースの問答式評価を用いた認知症診断システム。
【0171】
図13は、本発明によるストーリーベースの音声抽出による認知症診断方法を示す工程図。
【0172】
図13を参照すると、本発明によるストーリーベースの音声抽出を用いた認知症診断方法は、認知症患者の音声特徴を抽出し、患者音声特徴データで準備する患者データ準備ステップS10と、実際ストーリーを準備する実際ストーリー準備ステップS20と、前記実際ストーリーを脚色して脚色ストーリーを準備して音声データに変換させる脚色ストーリー形成ステップS30と、前記脚色ストーリーの音声データを外部に出力する脚色ストーリー出力ステップS40と、検査対象者に脚色ストーリーの内容に対する発話を要請する発話要請ステップS50と、検査対象者から発話される音声を受信して収集する音声収集ステップS60と、前記収集された検査対象者の音声と患者の音声特徴データとを比較して認知症の有無を判別する認知症判別ステップS70を含み、このようなステップが順次遂行されて認知症を診断することになる。
【0173】
前記認知症診断方法は、前記脚色ストーリー形成ステップS30の次に、前記脚色ストーリーに含まれる変更された名詞形単語を正解にし、前記脚色ストーリーに関連する複数個の質問を準備し、前記複数個の質問を音声データに変換させる質問形成ステップS30aを、さらに含み、前記発話要請ステップS50は、検査対象者に脚色ストーリーの出力が完了した後に前記質問の音声データを外部に順次出力して検査対象者に質問を与える質問出力過程を、さらに含むことができる。
【0174】
前記質問形成ステップS30aにおいて、前記質問は、3~12個からなり、前記脚色ストーリーで提示された出来事、行為、状況および内容が事実かどうかに関する回答を要請する質問であり得る。
【0175】
前記質問は、文章または単語で回答を要請する質問であり得る。
【0176】
前記質問は、正解と同一または類似の種類の前記実際ストーリーに含まれた名詞形単語が誤答に含まれる多肢選択式であり、最後の質問として検査対象者本人の正解率を確認する質問が配置されてもよい。
【0177】
前記認知症判別ステップS70は、前記質問に対する検査対象者から収集された回答と正解とを比較分析して誤答率を確認し、前記誤答率の程度に応じて認知症の有無および/または認知症の状態を判別する補助認知症判別過程を、さらに含むことができる。
【0178】
前記認知症判別ステップS70は、前記検査対象者の音声特徴による認知症判別と前記検査対象者の誤答率による認知症判別とを複合的に遂行して検査対象者の認知症を判別することができる。
【0179】
前記実際ストーリー準備ステップS20において、前記実際ストーリーは、検査対象者が既に認知している童話または寓話であり得る。
【0180】
前記脚色ストーリー形成ステップS30において、前記脚色ストーリーは、5~15個の文章からなり、20~50個の異なる名詞形単語を含むことができる。
【0181】
前記脚色ストーリー形成ステップS30は、前記実際ストーリーの内容とは異なり、前記脚色ストーリーの内容と関連および連結される人為的に制作された追加文章を少なくとも1つ追加する文章追加過程をさらに含み、前記追加文章は、前記脚色ストーリーの末尾に配置されることを特徴とするストーリーベースの音声抽出を用いることができる。
【0182】
前記発話要請ステップS50は、前記脚色ストーリーの出力が完了し、検査対象者に音声で発話を要請する前に一定時間を経過させ、検査対象者の記憶を妨げる記憶妨害過程を、さらに含むことができる。
【0183】
前記患者データ準備ステップS10において、前記音声特徴は、音声の基本周波数、発話速度、シマー、ジッター、フォルマントおよび音声スペクトルのうち1つまたは2つ以上であり得る。
【0184】
本発明による実施形態は、コンピュータ上で様々な構成要素を介して実行することができるコンピュータプログラムの形態で実現することができ、このようなコンピュータプログラムはコンピュータで読み取り可能な媒体に記録され得る。このとき、媒体は、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープなどの磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光学媒体(magneto-optical medium)、ROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令を保存し、実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。
【0185】
一方、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計され構成されたものであってもよく、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。 コンピュータプログラムの例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータで実行することができる高級言語コードも含まれ得る。
【0186】
一実施形態によれば、本開示の様々な実施形態による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されてもよい。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者および購入者の間で取引されてもよい。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取り可能な保存媒体(例えば、compact disc read only memory(CD-ROM))の形態で配布されるか、またはアプリケーションストア(例えば、プレイストアTM)を介して、または2つのユーザ装置の間で直接、オンラインで配布(例えば、ダウンロードまたはアップロード)されてもよい。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリのような機器で読み取り可能な保存媒体に少なくとも一時的に保存されるか、臨時的に生成され得る。
【0187】
本発明による方法を構成するステップについて、明白な順序の記載またはそれに反する記載がなければ、前記ステップは適切な順序で行われてもよい。本発明は、必ずしも前記ステップの記載順序に限定されるわけではない。本発明における全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲により限定されない限り、前記例または例示的な用語により本発明の範囲が限定されるわけではない。また、当業者は、様々な修正、組み合わせおよび変更が加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件および要因に応じて構成できることを理解するであろう。
【0188】
一方、本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で、様々な変形が可能であることを、当該分野で通常の知識を有する者にとって自明であるといえる。
【国際調査報告】