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特表2024-532756液浸冷却に有用な流体分裂検出システムおよびプロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】液浸冷却に有用な流体分裂検出システムおよびプロセス
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240903BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G06F1/20 D
G06F1/20 A
H05K7/20 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508298
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022040080
(87)【国際公開番号】W WO2023018883
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】17/399,297
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】521113210
【氏名又は名称】ティーエムジーコア,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】エンライト,ジョン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】マーテル,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】モニング,タイラー
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA09
5E322AA10
5E322DA01
5E322DA02
5E322DA03
5E322DA04
5E322DB12
(57)【要約】
熱発生コンピュータコンポーネントが、液相の誘電性流体を蒸発させる2相液浸冷却システムが説明される。有利には、pHインジケーターが、誘電性流体をモニターするために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
容器のバスエリア内の熱伝導性誘電性流体内にコンピュータコンポーネントを少なくとも部分的に浸すことを含み、
前記コンピュータコンポーネントは、ラックから電力を受信するためのバックプレーンを備えるシャシ内に搭載され、
前記コンピュータコンポーネントは、前記コンピュータコンポーネントが運転するときに前記誘電性流体内に熱を消散させるように構成され、
前記誘電性流体が望ましくないpHに達すると、色を変化させるpHインジケーターを使用して前記誘電性流体の酸性度を試験すること、および、
前記pHインジケーターの前記色変化を検出することを含む、方法。
【請求項2】
前記pHインジケーターの前記色変化を検出するための色検出センサまたはカメラを使用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
色変化を検出すると、前記色検出センサまたは前記カメラから管理システムに信号を送信することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記管理システムは、前記信号を受信すると是正処置をトリガーする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記誘電性流体を濾過器によって濾過することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記濾過器は活性炭を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記濾過器は活性アルミニウムを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記濾過器は前記pHインジケーターを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記カメラはパン-チルト-ズームカメラである、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記濾過器上の圧力差を決定することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記圧力差が閾値圧力を超えるときをユーザに通知することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
システムであって、
熱伝導性誘電性流体を保持するように構成されたタンクと、
前記誘電性流体内に少なくとも部分的に浸されたコンピュータコンポーネントと、
前記誘電性流体の気相を凝縮させるための凝縮器と、
前記コンピュータコンポーネントを持ち上げるように構成されたロボットと、
pHが望ましくないレベルに達すると色を変化させる、pHインジケーターと、
前記pHインジケーターの色変化を検出するための色検出センサまたはカメラとを備える、システム。
【請求項13】
前記システムは、前記pHインジケーターの色変化を検出するための色検出センサを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、前記pHインジケーターの色変化を検出するためのカメラを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記カメラはパン-チルト-ズームカメラである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
濾過器をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記濾過器は活性炭を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記濾過器は活性アルミニウムを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記濾過器は前記pHインジケーターを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記pHインジケーターを含む濾過器をさらに備え、前記pHインジケーターの前記色変化を検出するための前記カメラは、前記濾過器を観察するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
ガラスシールドを備えるコンテナをさらに備え、前記コンテナは、前記ガラスシールドを通して見ることができる前記pHインジケーターを含み、前記pHインジケーターの前記色変化を検出するための前記カメラは、前記pHインジケーターの写真を撮るように構成される、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月11日に出願された米国特許出願第17/399,297号明細書に対する優先権を主張する国際出願であり、その出願は、米国特許第11,357,131号明細書として発行される。
【0002】
本開示は、例えば、コンピュータコンポーネントを冷却するための液浸冷却システムにおいて、流体分裂を検出するためのプロセスおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
伝統的なコンピューティングおよび/またはサーバシステムは、種々のコンポーネントを冷却するために空気を利用する。伝統的な液体または水冷却式コンピュータは、コンピュータコンポーネントから熱を引き出すために流動性液体を利用するが、コンピュータコンポーネントと液体自体との間の直接接触を回避する。非導電性および/または誘電性流体の開発は、浸漬冷却の使用を可能にし、浸漬冷却において、コンピュータコンポーネントおよび他の電子機器は、コンポーネントから液体内に熱を直接引き出すために誘電性または非導電性液体内に浸され得る。浸漬冷却は、コンピュータコンポーネントを冷却するために必要とされる全エネルギーを低減するために使用され得、また、適切な冷却に必要な空間および機器の量を低減することもできる。
【0004】
NOVEC(商標)などのパーフルオロカーボン液体誘電性流体などのハロカーボンは、サーバなどのコンピュータコンポーネントの浸漬冷却において頻繁に採用される。残念ながら、採用される条件において、ハロカーボンは、酸、塩基などの他の物質に分解する場合がある。液浸冷却システムのコンピュータコンポーネントおよび/または他の態様にとって有害になり得るこれらの変化および分解は、流体のpHをモニターすることによって検出され得る。したがって、液浸冷却システム内の流体のpHが変化したか否かを判定することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
有利には、本出願は、液浸冷却容器における新しい検出方法およびシステムに関する。本出願の1つの例示的な実施形態は、1つまたは複数のインジケーターが流体のpHの変化を反映するために実装される液浸冷却システム内で流体を濾過するために濾材を採用することを含むプロセスに関する。一例において、インジケーターは、流体のpHが変化すると色を変化させるフェノールフタレインを含むことができる。
【0006】
本開示の例示的な実施形態のこれらのおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の請求項と併せて考えると、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態による圧力制御式容器の概略図である。
図2】例示的な実施形態による圧力制御式容器の概略図である。
図3】圧力制御式容器110の例示的な実施形態の外部を示す図である。
図4】複数の圧力制御式容器を含む上部構造の例示的な実施形態を示す図である。
図5】中央電源に接続された複数の圧力制御式容器を示す例示的なデータセンターの実施形態を示す図である。
図6】互いに直列に接続された複数の圧力制御式容器を示す例示的なデータセンターの実施形態を示す図である。
図7A】内部ロボットアーム、エアロック、外部ロボットアームを有する冷却式コンピューティングシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図7B】内部ロボットアーム、エアロック、外部ロボットアームを有する冷却式コンピューティングシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図7C】内部ロボットアーム、エアロック、外部ロボットアームを有する冷却式コンピューティングシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図7D】内部ロボットアーム、エアロック、外部ロボットアームを有する冷却式コンピューティングシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図8A】ラックシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図8B】ラックシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図8C】ラックシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図9A】種々のコンポーネントを搭載するためのシャシの例示的な実施形態を示す図である。
図9B】種々のコンポーネントを搭載するためのシャシの例示的な実施形態を示す図である。
図9C】種々のコンポーネントを搭載するためのシャシの例示的な実施形態を示す図である。
図9D】種々のコンポーネントを搭載するためのシャシの例示的な実施形態を示す図である。
図9E】種々のコンポーネントを搭載するためのシャシの例示的な実施形態を示す図である。
図9F】種々のコンポーネントを搭載するためのシャシの例示的な実施形態を示す図である。
図9G】種々のコンポーネントを搭載するためのシャシの例示的な実施形態を示す図である。
図10A】圧力制御式容器の例示的な実施形態を示す図である。
図10B】圧力制御式容器の例示的な実施形態を示す図である。
図10C】圧力制御式容器の例示的な実施形態を示す図である。
図10D】圧力制御式容器の例示的な実施形態を示す図である。
図10E】圧力制御式容器の例示的な実施形態を示す図である。
図10F】圧力制御式容器の例示的な実施形態を示す図である。
図11】圧力制御式容器のための例示的な冷却および蒸気管理システムを示す図である。
図12A】容器の別の実施形態を示す図である。
図12B】容器の別の実施形態を示す図である。
図12C】容器の別の実施形態を示す図である。
図12D】容器の別の実施形態を示す図である。
図12E】容器の別の実施形態を示す図である。
図13】自己完結型容器の例を示す図である。
図14】自己完結型容器のための外ハウンジングの例を示す図である。
図15A】容器の外に延在することが可能なプラットフォーム上に位置する例示的なマガジンを示す図である。
図15B】容器の外に延在することが可能なプラットフォーム上に位置する例示的なマガジンを示す図である。
図15C】容器の外に延在することが可能なプラットフォーム上に位置する例示的なマガジンを示す図である。
図15D】容器の外に延在することが可能なプラットフォーム上に位置する例示的なマガジンを示す図である。
図16】例示的な実施形態による蒸気回収システムを示す図である。
図17】ラック電力分配システムの例示的な実施形態を示す図である。
図18】例示的な実施形態による浸漬冷却システムのための加熱要素の例を示す図である。
図19A】例示的な実施形態による3つのコアを含む濾過器を示す図である。
図19B】例示的な実施形態による3つのコアを含む濾過器を示す図である。
図20A】例示的なロボットシステムを示す図である。
図20B】例示的なロボットシステムを示す図である。
図21A】シャシとラックとの間の例示的なガイドピン機構を示す図である。
図21B】シャシとラックとの間の例示的なガイドピン機構を示す図である。
図22】自己位置合わせフィーチャを有する例示的なコネクタを示す図である。
図23】例示的な吸収ユニットを示す図である。
図24】例示的な吸収ユニットの下面を示す図である。
図25】例示的な吸収ユニットのさらなるフィーチャを示す図である。
図26】例示的な吸収ユニットの上面を示す図である。
図27】例示的な吸収ユニットの断面を示す図である。
図28】例示的な吸収ユニットに関する代表的な接続を示す図である。
図29】本発明の例示的な実施形態による濾過器を示す図である。
図30】本発明の例示的な実施形態による濾過器を含む液浸冷却システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、本明細書で開示される本実施形態の完全な理解を提供するために、特定の量、サイズ、配置、構成、コンポーネントなどのような特定の詳細が述べられる。しかしながら、本開示が、そのような特定の詳細なしで実施され得ることが当業者には明らかであろう。多くの場合、そのような考慮事項などに関する詳細は、そのような詳細が、本開示の完全な理解を得るために必要でなく、当業者の技量内にあるため省略されている。
【0009】
以下のいくつかの開示される実施形態の機器、コンポーネント、システム、およびサブシステムは、商標名によって説明される。本開示が、多くの同様のコンポーネントによって、そのようなコンポーネントが開発されるおよび/または特定の商標名の下で販売されるか否かによらず、実施され得ること、ならびに、特定の商標名のコンポーネントに関連するフィーチャおよび/または制限が、開示される発明を実施するために必要でないことが当業者には明らかであろう。
【0010】
本明細書で説明するように、流体モニタリングプロセスおよびシステムは、多くの異なるシステムにおいて使用され得るが、コンピューティングコンポーネント用の単相または2相浸漬冷却システムに特に適用可能であるものとして本明細書で説明される。2相浸漬システムは、ある体積の熱伝導性で、沸騰可能で、凝縮性の誘電性流体を液相および蒸気相で含むように構成された容器を備えることができる。単相液浸システムは、ある体積の熱伝導性の誘電性流体、例えば、鉱油を液相で含むように構成された容器を備えることができる。単相または2相システムにおいて、ラックは、1つまたは複数のコンピュータコンポーネントが、誘電性流体の液体内に少なくとも部分的に浸され得るように、1つまたは複数のコンピュータコンポーネントを保持するように構成され得る。2相システムにおいて、蒸気相誘電性流体を液相誘電性流体に積極的に凝縮させるための凝縮器が、一般に採用され、一方単相システムにおいては熱交換器が採用され得る。説明する流体モニタリングシステムおよびプロセスは、単相または2相冷却において採用され得る。
【0011】
誘電性流体
浸漬冷却の一態様は、熱伝導性であるが、実質的に非導電性または実質的に誘電性流体の使用である。そのような流体の例は、単相において鉱油を含み、2相において、Novec7100を含む3M(商標)によるエンジニアード流体のNovec(商標)シリーズの一部を含むが、説明する発明は、任意の特定の誘電性流体に限定されない。一部の浸漬流体は、冷却式コンピュータコンポーネントを運転することが望ましい沸点を、通常有する。全てのコンピュータコンポーネントならびに開示するシステムの他の態様は、好ましくは、可溶性でなく、誘電性流体と接触状態にあるときに圧力制御式容器内で普通なら分裂しない材料で作られる。いくつかの実施形態において、標準的な大気圧における誘電性流体の沸点は、約100℃より低いまたは約80℃より低いまたは約60℃より低いまたは約50℃より低いまたはそれよりさらに低くすることができる。いくつかの実施形態において、標準的な大気圧における誘電性流体の沸点は、約60℃より高いまたは約40℃より高いまたは約30℃より高いまたは約20℃より高い。浸漬冷却流体の特定の実施形態は、一般に、低い蒸気圧を有する。浸漬冷却流体のいくつかの実施形態は、フルオロカーボンおよび/またはフッ素化ケトンである。誘電性流体の特定の実施形態は、(CF3)2CFCF2OCH3、C4F9OCH3、またはCF3CF2CF2CF2OCH3の化学式を有するか、またはそれと同様にすることができる。特定の誘電性流体は、ハイドロフルオロエーテル、メトキシノナフルオロブタンを含む。
【0012】
浸漬冷却流体の他の望ましい特性は、低毒性、不燃性、および/または低表面張力を含む。いくつかの実施形態において、浸漬冷却流体は、液浸冷却のために利用される圧力および温度において、コンピュータコンポーネント、ならびに/または、コンピュータコンポーネントに関連する接続、ワイヤ、ケーブル、シール、および/または接着剤を実質的に損傷しない。一部の誘電性流体は、約1.8~約8に及ぶ誘電率および約15メガボルト/メートル(MV/m)の絶縁耐力を有する。いくつかの実施形態において、誘電性流体は、約5MV/mまたは少なくとも約8MV/mまたは少なくとも約10MV/mまたは少なくとも約12MV/mの絶縁耐力を有する。いくつかの実施形態において、誘電性流体は、せいぜい約3MV/mまたはせいぜい約5MV/mまたはせいぜい約8MV/mの絶縁耐力を有する。開示する実施形態において、コンピュータコンポーネント170と接触状態にある任意の液体は、特定の用途の間隔および条件においてコンピュータコンポーネントを損傷することを回避するために十分に高い絶縁耐力を有する。
【0013】
一部の誘電性流体は、少なくとも約10W/cmまたは少なくとも約15W/cmまたは少なくとも約18W/cmまたは少なくとも約20W/cmの臨界熱流束を有する。一部の誘電性流体は、せいぜい約15W/cmまたはせいぜい約10W/cmまたはせいぜい約8W/cmまたはせいぜい約5W/cmの臨界熱流束を有する。
【0014】
図1は、例示的な実施形態による冷却式コンピューティングシステム110の概略図を示す。開示する冷却式コンピューティングシステム110(または、それらの全てが交換可能に使用され得る、コンピューティングシステム、システム、容器、または圧力制御式容器)の実施形態は、流体のバス内にコンポーネントを浸漬させることによってコンピュータコンポーネント170を冷却するために液体誘電性流体140を利用することができる。電気が、コンポーネント170を通って流されると、コンポーネント170は熱を生成する。コンポーネント170が加熱すると、コンポーネントの性能が低下する場合がある、または、コンポーネントが損傷して障害点になる場合がある。種々のコンピューティングコンポーネントを安定させかつ比較的低い温度に維持することが有利である。いくつかの実施形態において、コンピュータコンポーネント170は、約80℃より低い温度にまたは約70℃より低い温度にまたは約65℃より低い温度にまたは約60℃より低い温度にまたは約55℃より低い温度に維持され得る。いくつかの実施形態において、コンピュータコンポーネント170は、約60℃より高い温度にまたは約50℃より高い温度にまたは約40℃より高い温度にまたは約35℃より高い温度にまたは約30℃より高い温度に維持され得る。コンピュータコンポーネント170が加熱すると、熱は、コンポーネント170を囲む液体誘電性流体140に伝達される。液体誘電性流体は、その沸点に達すると、液相から気相にシフトし、液体バス142から上昇することになる。誘電性流体のバス142内のコンポーネント170は、使用される特定の誘電性流体140のほぼ沸点に、一般に維持され得る。
【0015】
液体誘電性流体が、所与の用途のために採用される圧力において気化点まで加熱され、ガスになると、誘電性蒸気の気泡が、液体バス142から上昇し、システム110の上部まで上昇する。蒸気は、その後、凝縮器130を使用して凝縮点まで冷却される。システム110の構成に応じて、液相から蒸気相へのおよびその逆への誘電性流体の加熱および冷却は、図2に示すように対流を生じさせることができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、コンピュータコンポーネント170は、システムが運転しているときに、液体誘電性流体140内に完全に浸されることになる。換言すれば、コンピュータコンポーネント170の上部分は、誘電性液体140のレベルより下にある。コンピュータコンポーネントからの熱が、誘電性流体を液相から気相に変化させるため、誘電性流体蒸気の小気泡が、コンピュータコンポーネントと接触することになることが認識されるであろう。そのようなコンポーネントは、誘電性流体の液相内に完全に浸されていると、依然として見なされる。いくつかの実施形態において、コンピュータコンポーネント170は、誘電性流体140の液相内に浸され得る。1つの例示的な実施形態において、マザーボード、チップ、サーバ、カード、ブレード、GPUもしくはCPUの任意の部分、および/または任意のペリフェラルコンポーネントを含むがそれらに限定されないコンピュータコンポーネントの任意の部分が、誘電性流体140の液相と直接接触している場合、コンピュータコンポーネントは、浸されていると見なされる。特定の実施形態において、コンピュータコンポーネント170は、誘電性流体140の液相内に少なくとも部分的に浸され得る。コンピュータコンポーネント170は、浸されていないが、誘電性蒸気によって十分に冷却される場合、少なくとも部分的に浸されていると見なされる。
【0017】
いくつかの既存の浸漬冷却システムにおいて、誘電性流体は、流体が絶えず沸騰してなくなるため、誘電性流体のバスに常に付加されなければならない。バス142に対して誘電性流体を付加することができないと、バス142内の誘電性流体のレベルが低下し、コンポーネントがガス雰囲気に露出され、適切に冷却されなくなる場合がある。これは、コンポーネント170に対する性能の低下または損傷をもたらす可能性がある。
【0018】
いくつかの実施形態において、液体状態の誘電性流体に関連して、流体管理システムによって考慮され得る複数の運転モードが存在し得る。これらのモードは、(1)誘電性流体が貯蔵システムから容器内に移送されるプロセスである初期充填、(2)容器へおよび容器から、さらなる流体が付加され、過剰の流体が取り除かれるプロセスである連続平準化、(3)流体が、容器から排出され、貯蔵システム内に配置されるプロセスである非充填、および(4)任意の微粒子の除去を確実にするために、流体が、濾過システムを通して連続して循環されるプロセスである運転濾過を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1の3つの液体管理目標、すなわち、初期充填、連続平準化、および非充填は、パイピング、ポンプ、および弁の同じ全体セットを通して達成され得る。液体冷媒を貯蔵するための専用タンクは、蒸気管理プロセス中に取り除かれ、再凝縮される新しいおよび過剰の流体の貯蔵のために使用され得る。パイプおよびポンプのセットは、充填および平準化中に貯蔵システムから容器に、および、非充填運転中に逆に容器から貯蔵システム内に冷媒(または誘電性流体)をもたらすために使用され得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、液体管理目標の第4の目標、運転濾過は、一連のスキマーおよび/または濾過器を通して達成され得る。第1段は、容器の下部内に位置する大粒子濾過器とすることができる。この濾過器の目的は、大き過ぎて後段によって処理することができない粒子が、システムの残りの部分に入ることを防止することである。第2段は、第1段と第3段との間でパイピングシステム内に一直線で着座する中間微粒子濾過器とすることができる。この第2段中間微粒子濾過器は、小さ過ぎて第1段濾過器によって除去することができなかったが、やはり、大き過ぎて第3段濾過器によって処理ことができなかった微粒子を除去するために小バレル形式の濾過器を使用することができる。第3段濾過器は、種々の種類の濾過器構成のためのサポートを有する1つまたは複数の並列濾過器からなることができる。いくつかの実施形態において、特定のタイプの濾過器は、流体が露出された後に流体の分析を行い、容器環境内に位置するハードウェアコンポーネントのセットと共に運転することによって決められることになる。異なるハードウェアおよび/またはコンポーネントは、誘電性流体の長期寿命および効率を保証するために濾過される必要があり得る異なるタイプの微粒子および化学物質を生成する可能性が高い。
【0021】
圧力管理
一般に、浸漬冷却流体は、埃、水、および/または他の汚染物質がない状態で維持されなければならない。コンピュータコンポーネント170が浸漬冷却流体140と直接接触しているため、小さい汚染物質が、コンピュータコンポーネントに対して短絡回路または損傷をもたらす可能性がある。さらに、誘電性流体を汚染する場合がある水または水蒸気は、流体が汚染されるため、流体の絶縁耐力を含むが、それに限定されない誘電体特性を低下させる可能性がある。誘電性流体の絶縁耐力が低下する場合、コンピュータコンポーネントは、運転中に回路を短絡させるか、またはその他の方法で損傷される場合がある。汚染を低減する1つの方法は、大気圧よりわずかに高いまたは高い値に維持されるエンクロージャ内で浸漬冷却システムを運転することである。
【0022】
コンピュータコンポーネント170が運転すると、コンピュータコンポーネントの初期使用から生成される熱は、一部の誘電性液体140を気化させる。浸漬冷却システムが、実質的に閉囲されたハウジング内に閉じ込められる場合、この気化は、通常、ハウジング内の大気の圧力を増加させる。圧力逃がし弁、拡張エンクロージャ、および/または他の技法は、圧力の増加を制限するおよび/またはハウジング内の圧力を大気圧にまたはそれよりほんのわずかに高く維持するために使用され得る。エンクロージャ内でわずかな正圧を維持することは、埃、水蒸気、または他の汚染物質の浸漬冷却コンピューティングシステム内への浸入を低減するのに役立つ場合がある。
【0023】
本実施形態は、圧力制御式容器内に、コンピューティングコンポーネント170および浸漬冷却機器、ならびに、関連する電源、ネットワーク化コネクト、配線接続部などを含むために、閉囲式圧力制御式容器110(または冷却式コンピューティングシステム110)エンクロージャを利用する。既存のモデルと対照的に、圧力制御式容器110は、少なくともわずかに真空に維持されることにより、誘電性流体の140の沸点を、標準的な大気圧におけるその沸点より低い温度に減少させ得る。
【0024】
コンピューティングシステムおよび浸漬冷却システムを真空下で運転することによって、コンポーネント170は、誘電性流体の140の低下した低圧沸点に維持され得る。これは、より多くの電気が種々のコンポーネント170を通して流れることを可能にする増加した冷却の利益を有し、コンポーネントのより高い性能をもたらす。圧力制御式容器110内の圧力を制御することによって、誘電性流体140の沸点も制御され、それにより、同じ流体140がより広い範囲の条件で使用されることを可能にする。多くの実施形態は、より冷たい温度から利益を得るが、特定のコンピュータコンポーネント170は、理想的な範囲を有し、その範囲より低い温度において性能が低下する。圧力制御式容器110内の圧力を制御することによって、浸漬冷却流体140の沸点も制御され得る。特定の実施形態において、開示する圧力管理システムは、コンピューティングシステムが、始動、シャットダウンされるとき、または、他の変化する条件に応答して、圧力、それにより、誘電性流体140の沸点を動的に制御するために使用され得る。
【0025】
周囲圧力より低い圧力で圧力制御式容器110を運転することによって誘電性流体140の沸点を低下させることに加えて、コンピュータコンポーネント170自体は、熱をそれ自体から遠ざけて誘電性流体140内により効率的に伝達するために修正され得る。液体誘電性流体140にさらされるコンポーネント170、例えば、チップの表面積を増加させることによって、コンポーネント170と誘電性流体140のバス142との間の熱伝達は増加され得る。表面積を増加させるための例示的なデバイスは、他のコンピュータコンポーネント170のチップに固着され得る銅ボイラーまたは銅ディスクとすることができる。特定の実施形態において、使用される接着剤は、誘電性冷却流体において熱を伝達するその能力およびその可溶性に基づいて選択されることになる。好ましい接着剤は、選択された誘電性流体において高い熱伝導率および低い可溶性を示す。
【0026】
図1は、開示するコンピューティングシステムの例示的な実施形態の概略図を示す。開示するシステムの実施形態は、圧力制御式容器110(または冷却式コンピューティングシステム110)、圧力コントローラ150、少なくともある体積の誘電性流体140および凝縮構造130を備える浸漬冷却システム、ならびに所望のコンピュータコンポーネント170を含む。圧力システムは、所望の程度の減圧を維持するように構成され得る。圧力制御式容器110は、電力、データ、ネットワーク化、冷却水、および/または通信システムを含むが、それらに限定されない種々の接続のために圧力制御式容器110内への複数の貫入を依然として可能にしながら、負圧を維持するように構成され得る。いくつかの実施形態は、気密のおよび/またはマリングレードの接続を利用する。周囲圧力より低い圧力で圧力制御式容器110内でコンピュータシステムを運転することは、システム全体に対する一連の修正を必要とする。これらの修正は以下で論じられ、一部の修正は当業者に容易に明らかである。
【0027】
図3は、圧力制御式容器110の例示的な実施形態の外部を示す。いくつかの実施形態において、開示する圧力制御式容器110は、少なくとも約2フィートの高さまたは少なくとも約3フィートの高さまたは少なくとも約4フィートの高さまたは少なくとも約5フィートの高さである。いくつかの実施形態において、圧力制御式容器は、せいぜい約3フィートの高さまたはせいぜい約4フィートの高さまたはせいぜい約5フィートの高さである。
【0028】
特定の実施形態において、圧力制御式容器は、少なくとも約100立方フィートまたは少なくとも約150立方フィートまたは少なくとも約200立方フィートまたは少なくとも約250立方フィートまたは少なくとも約300立方フィートまたは少なくとも約350立方フィートまたは少なくとも約400立方フィートの内側体積を有する。
【0029】
いくつかの実施形態において、圧力制御式容器は、運転中に液体誘電性流体の約12垂直インチおよび誘電性流体蒸気の約36垂直インチを含むように構成されることになる。特定の実施形態において、液体体積とガス体積との比は、対流を生成し、ガス状誘電性蒸気を、蒸気を液体に戻るように転換する凝縮構造に方向付けるのに役立つ。いくつかの実施形態において、圧力制御式容器は、運転中に約1:6の液体誘電性流体の体積とガス状誘電性流体の体積との比を含むように構成される。他の実施形態において、圧力制御式容器は、運転中に約1:3または約1:5または約1:8または約1:10または約1:15の液体誘電性流体の体積とガス状誘電性流体の体積との比を含むように構成される。
【0030】
1つの例示的な実施形態において、圧力管理システムは、圧力コントローラ150を含むことができる。圧力コントローラ150は、真空の供給源とすることができ、例えば、圧力コントローラ150は、圧力制御式容器110に接続され得る真空ポンプとすることができる。いくつかの実施形態において、真空ポンプ150は、リモートにあってもよく、真空は、パイピングおよび/またはチュービングを使用して圧力制御式容器110に送られてもよい。好ましい実施形態において、圧力センサ180は、圧力制御式容器110内に含まれ、圧力制御式容器110内で所望の負圧を調節および/または維持するために使用される。いくつかの実施形態において、圧力センサ180および/または圧力調節器190は、プロセッサに接続され得、プロセッサは、圧力センサ180を使用して圧力制御式容器110内の圧力をモニターし、圧力調節器190を使用して圧力を調節する。
【0031】
いくつかの実施形態は、オペレータ保護機構を備える。1つの例示的な実施形態において、オペレータ保護機構は、圧力制御式容器に対する蓋またはサービスパネルのいずれかが所定の場所にない場合、システムが運転することを排除するロッキング機構とすることができる。1つの例示的な実施形態において、オペレータ保護機構は、圧力制御式容器のドアまたはパネルのうちの一方に無許可違反行為がある場合に、即座にシステムの電源を切るコントローラを含むことができる。生命安全フィーチャを提供することに加えて、オペレータ保護機構は、機密データが容器内に収容される配備のために向上した運転セキュリティフィーチャを提供することもできる。機器が、通常運転中に、システムに対して電力をシャットダウンすることなくアクセスされることができないことを確実にすることによって、高レベルの保証が、ディスク保護機構の効率において達成され得る。さらに、いくつかの実施形態において、ディスク保護機構は、圧力制御式容器上の保存データを保護するために、ランタイムで記憶された暗号化鍵を使用することができる。
【0032】
特定の実施形態において、圧力制御式容器に対する安全でないアクセスを拒否することに加えて、センサは、システムが設計された通り運転することを確実にするために配置され得る。主要なセンサパッケージは、蒸気空間内の温度センサ、液体空間内の温度センサ、蒸気空間内の湿度センサ、および/または蒸気空間内の圧力センサを含むことができる。これらのセンサの読取値は、システムが安全かつ正しい方式で運転することを確実にするために、ソフトウェアによっておよび/または人間オペレータによってモニターされ得る。いくつかの実施形態において、センサデータは、記録されるか、または後で分析されることになる。
【0033】
いくつかの実施形態において、追加のセンサが、容器または上部構造(以下で規定する)内に組み込まれ得る。そのようなセンサは、例えば、FLIRベース熱イメージングカメラ、VESDAもしくは他の形態の吸引式煙検出器、および/または周囲環境内への誘電性流体の漏洩を検出するために設計された冷媒漏洩検出器を含む可能性がある。
【0034】
いくつかの実施形態において、容器および/または上部構造は、システムの運転状態に関連するインジケーター光を装備することができる。
【0035】
冷却式コンピューティングシステム110は、圧力制御式システム110と呼ばれることもあるが、冷却式コンピューティングシステム110の利益の全てと言わなくてもその多くが、「圧力制御式システム(pressure controlled system)」を使用することなく実現され得ることを当業者は認識する。
【0036】
蒸気管理システム
液浸冷却システムは、異なる方法で運転され得る。一部のものは、浸漬流体を直接連続して冷却することによって運転することができる。他のものは、液体が、その最大液相温度に達し、その後、沸騰して蒸気相になることを可能にすることによって運転することができる。液体が蒸発することを可能にすることによって運転する浸漬冷却システムは、2相浸漬冷却システムと呼ばれる。2相浸漬冷却システムは、しばしば、誘電性流体が、沸騰および/または蒸発することを可能にし、大気に失われる流体を置換するためにさらなる流体を定期的に付加する。
【0037】
開示する実施形態は、圧力制御式容器110内に含まれる液浸冷却システムを利用する。これは、誘電性流体140がガス状形態に変換された後でさえも誘電性流体を失わないという利点を有する。閉鎖したまたは実質的に閉鎖した圧力制御式容器110内で、ガス状誘電性流体は、凝縮され、コンピューティングコンポーネント170を冷却するために積極的に使用される液体誘電性流体140のバス142に戻るように付加され得る。凝縮ステップは、任意の好都合な方法で、例えば、熱伝導性チューブを通してプロセス水を流すことによって実施され得る。凝縮構造130は、ラジエターフィンおよび/または同様の機器を含むことができ、ラジエターフィンおよび/または同様の機器は、凝縮器の表面積を増加させ、それにより、ガス状誘電性流体のより大量のおよび/またはより迅速な凝縮を可能にし、それを液体形態に戻す。いくつかの実施形態において、プロセス水は、周囲温度にあり、積極的に冷却されない。他の実施形態において、プロセス水は、蒸発冷却タワー、乾燥冷却タワー、および/または当技術分野で知られているプロセス水を冷やす他の方法を使用して冷やされ得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、圧力制御式容器と外部システムとの間に2つのインターフェースが存在する場合がある。第1は、プロセス水供給インターフェースである。これは、冷プロセス水を提供する施設から圧力制御式容器上の分配マニホールドにプロセス水を送出するパイプとすることができる。第2は、プロセス水リターンインターフェースである。これは、冷プロセス水を提供する施設にプロセス水を戻すパイプとすることができる。プロセス水は、圧力制御式容器および関連する冷却コンポーネントを通って流れた後に施設に戻され得る。冷却コンポーネントは、例えば、容器内の凝縮器、凝縮コイル、および/またはラジエター、ならびに、例えば、モーター、ポンプ、および/またはユーティリティキャビネットを含む任意の電力供給式コンポーネントの排気から熱を排除するコイルを含むことができる。いくつかの実施形態において、上部構造と外部システムとの間に2つのインターフェースが存在する場合がある。インターフェースは、圧力制御式容器と外部システムとの間の2つのインターフェースと同様または実質的に同様とすることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、圧力制御式容器110内の凝縮構造130の場所は、蒸気相誘電性流体の流れを最適化し、凝縮のレートおよび/または効率を増加させるために構成され得る。いくつかの実施形態において、圧力制御式容器110自体の幾何形状は、凝縮のレートおよび/または効率を増加させるために制御され得る。
【0040】
1つの例示的な実施形態において、凝縮構造130の場所は、容器内のコンピュータコンポーネント170の(例えば、ロボットによる)配置(または容器からのコンピュータコンポーネント170の取り外し)を容易にし、最適化することができる。例えば、凝縮構造130は、凝縮構造130が、容器の蓋とコンピュータコンポーネント170との間に位置しないように、容器の側面(または側壁)に配置され得る。したがって、蓋が開放されると、ロボットは、凝縮構造130と干渉することなくコンピュータコンポーネント170を直接取り外すことができる。凝縮構造のこの配置は、コンピュータコンポーネント170の配置および取り外しを能率的にすることができ、それにより、容器の自律的運転において有意の利益を提供することができる。1つの例示的な実施形態において、凝縮構造130は、容器内の棚の上方に位置付けられ得る。
【0041】
図1~3に示すように、1つの例示的な実施形態において、圧力制御式容器は、約10フィート長、約4フィート幅、および約4フィート高さである。バス142は、約130ガロンのNovec(商標)誘電性流体140を使用して圧力制御式容器110内で作成され得る。これは、圧力制御式容器の下部の浸漬冷却タンク内に約12インチ深さで液体誘電性流体の層を残し、一方、圧力制御式容器体積の大部分はガス状である。圧力制御式容器の天井は、縦方向に延びる構造の中央において低い。天井および/または蓋120は、圧力制御式容器110の側壁に近づくにつれて上方に角度が付き、持ち上がる。凝縮構造130は、圧力制御式容器110の2つの側面で縦方向に延びる。この例示的な実施形態における凝縮構造130は、約12インチ幅および約24インチ高さであり、圧力制御式容器110の実質的に全長に延びる。凝縮構造130は、流れるプロセス水を使用して冷却される高表面積のフィンを有するラジエター様材料を含む。いくつかの実施形態は、付加的にまたは代替的に、熱交換器を備えることができる。
【0042】
図2に示すように、圧力制御式容器110内の構造的配置は、沸騰した後に誘電性流体蒸気が液体バス142から上昇するときに誘電性流体蒸気の対流を方向付ける。構造的配置は、対流を圧力制御式容器の天井に向け、流れは、凝縮構造130の高表面積に向けられ、凝縮されて液体形態に戻る。誘電性流体140は、その後、液体バス142に戻るように流れる。こうして、誘電性流体140の全量が、この閉鎖式ハウジング内で保存され得る。誘電性流体蒸気を循環させる対流の使用は、開示する実施形態が、誘電性液体を循環させるための機械式ポンプの非存在下で運転することを可能にし、それにより、開示するシステムの全エネルギー使用を低減する。
【0043】
特定の実施形態は、圧力制御式容器が開放されなければならない場合に、および/または、液体誘電性流体のレベルの冗長かつ頑健な制御を可能にするために、システムのスタートアップおよび/またはシャットダウン中に使用され得る誘電性流体のさらなるタンクおよび/または貯蔵コンテナを利用することができる。
【0044】
図11は、圧力制御式容器110用の例示的な冷却および蒸気管理システム600を示す。この例示的な実施形態において、冷却および蒸気管理システム600は、誘電性流体140の凝縮を引き起こす冷却コイル132を通して延びる冷プロセス水貯蔵部611を含むことができる。冷却コイル132を通過した後、プロセス水は、プロセス水リターン貯蔵部612に進むことができる。冷却および蒸気管理システム600は、蒸気貯蔵用のタンク614および誘電性流体貯蔵用のタンク615を含むこともできる。タンク614および615は、必要とされるときに、例えば、システムのスタートアップおよび/またはシャットダウン中に、誘電性流体または蒸気を提供することができる。1つの例示的な実施形態において、タンク614および615は、凝縮構造616を介して結合され得る。タンク614内に蒸気の過剰の供給が存在する場合、凝縮構造616は、蒸気を取り除き、それを、誘流体貯蔵タンク615への誘電性流体として付加することができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、運転中、圧力制御式容器は、周囲大気圧より約3psi低い圧力に維持され、それは、誘電性流体の沸点を減少させ、それにより、コンピュータチップおよび他のコンポーネントの運転温度を減少させるために役立つ。いくつかの実施形態において、圧力制御式容器110は、周囲圧力より少なくとも約2psi低い圧力に、または周囲圧力より少なくとも約4psiに、もしくは少なくとも約6psiに、もしくは少なくとも約8psiに、もしくは少なくとも約10psi低い圧力に維持される。
【0046】
いくつかの実施形態において、圧力変動についてある程度の許容誤差を有するコンポーネントを選択することが必要になる。システムの運転温度を調整することによって、冷媒沸点、したがって、システム全体の一般的な運転温度の操作を可能にするために、広範囲の圧力に耐えることができるコンポーネントを使用することが好ましい。2相システムの運転上の性質を考慮して、一部の実施形態の標準的な運転条件は、±4PSIgの間の分散を確認することになる。システムの迅速なスタートアップまたはシャットダウン中などの特定の条件において、3つのさらなるPSIgの差が経験され得る。いくつかの実施形態において、システムレベル調整は、これらの変数をより良く制御し、これらの変数をより制御されかつ規定された範囲内に維持するために行われ得る。
【0047】
特定の実施形態において、コンピュータコンポーネント170は、周囲圧力より少なくとも約3%低い圧力で、または、周囲圧力より少なくとも約5%低い、もしくは少なくとも約10%低い、もしくは少なくとも約15%低い、もしくは少なくとも約20%低い、もしくは少なくとも約25%低い、もしくは少なくとも約30%低い圧力で運転する。
【0048】
いくつかの実施形態において、圧力制御式容器は、運転中に、約750トルより低いまたは約710トルより低いまたは約650トルより低いまたは約600トルより低いまたは約550トルより低いまたは約500トルより低いまたは約450トルより低いまたは約400トルより低いまたはそれより低い圧力に維持される。いくつかの実施形態において、圧力制御式容器は、運転中に、約650トルより高いまたは約600トルより高いまたは約550トルより高いまたは約500トルより高いまたは約450トルより高いまたは約400トルより高いまたは約300トルより高い圧力に維持される。
【0049】
いくつかの実施形態は、圧力制御式容器内でガス雰囲気を制御するために、蒸気スクラビングプロセスおよび/または初期パージングプロセスを利用する。このプロセスは、圧力制御式容器からガス状雰囲気の一部分を取り除き、空気および水蒸気などの雰囲気の望ましくない部分を取り除く。雰囲気のこれらのおよび他の望ましくない部分は、蒸気が凝縮して液体になる温度に基づいて分離され得る。誘電性流体の特殊な性質および沸点によって、多くの自然に発生する汚染物質は、この方法を使用して取り除かれ得る。難凝縮性流体を取り除くことは、誘電性流体の純度を維持するために役立つ。流体は、流体の凝縮点が、標準的な大気圧における誘電性流体の凝縮点より約20℃低い温度より高い場合、または、流体の凝縮点が、標準的な大気圧における10℃より低い場合、難凝縮性であると見なされる。
【0050】
メンテナンス、スタートアップおよび/またはシャットダウン運転中、窒素ガスなどの不活性ガスのブランケットが、圧力制御式容器に導入されて、圧力制御式容器が開放されるおよび/または大気条件にさらされるときに失われる誘電性流体の量を低減することができる。図11に示すように、冷却および蒸気管理システム600は、誘電性流体損失を低減するために不活性ガスを供給することができる不活性ガスタンク613を含むことができる。
【0051】
いくつかの開示する実施形態は、実質的に自己完結型のサーバおよび/またはコンピューティグシステムを含むことができる。いくつかの実施形態において、特殊なシールおよび/または接続が、圧力制御式容器110内への貫入の総回数を低減するために利用され得る。いくつかの実施形態は、システムが真空下にある間の漏洩の可能性を低減するため、圧力制御式容器内への貫入を最小にするために、電力、水、真空、およびネットワーク化接続を線束になるように組み合わせる。
【0052】
図4は、複数の圧力制御式容器を含む上部構造の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態において、2つの圧力制御式容器110が、モジュール式上部構造210内に、事前配管され、事前配線され、収容される。これは、実施形態が、実質的に完全な自己完結型システムとして事前作製され、送出されることを可能にする。モジュール式システムは、開示するコンピューティグシステムの他のモジュール式実施形態に接続されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、モジュール式上部構造210は、単一電力接続のみを必要とすることになり、必要とされる電圧をコンピュータコンポーネントおよび/または他の電子コンポーネントに供給するために適切な電子機器と事前配線されることになる。
【0053】
図5は、中央電源に接続された複数の圧力制御式容器を示す例示的なデータセンターの実施形態を示す。図6は、互いに直列に接続された複数の圧力制御式容器を示す例示的なデータセンターの実施形態を示す。これらの例示的な実施形態において、圧力制御式容器110は、上部構造内に配置されてもよく、または配置されなくてもよい。
【0054】
図7A~7Dは、内部ロボットアーム、エアロック、外部ロボットアームを有する冷却式コンピューティングシステムの例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態において、圧力制御式容器110内に含まれる内部ロボットアーム230は、コンポーネント170を取り外し、取り外したコンポーネントをエアロック220に送出するために使用され得る。エアロック220を使用して、コンポーネント170は、圧力制御式容器110内の圧力、雰囲気、誘電性流体、および/または他の条件を実質的に妨害するまたは乱すことなく取り外され得る。コンポーネント170が圧力制御式容器110から取り外されると、置換コンポーネントが、エアロック220を使用して圧力制御式容器110に導入され得る。置換コンポーネントは、その後、内部ロボットアーム230によって設置され得る。ブレードサーバおよびシャシなどの「スロットイン(slot-in)」方法で設置され得るコンポーネントの使用は、このプロセスを著しく容易にすることができる。
【0055】
圧力制御式容器内の条件に対する妨害は、圧力制御式容器内に配置されたセンサ、例えば、圧力センサによって検出され得る。妨害は、運転条件の標準的な範囲外のその条件の少なくとも10%偏差によって示され得る。圧力制御式容器内の条件に対する有意の妨害は、運転条件の標準的な範囲外のその条件の少なくとも30%偏差によって示され得る。
【0056】
特定の実施形態において、圧力制御式容器110内のコンポーネントの性能を分析する自己完結型診断プログラムが実行され得る。コンポーネント170が所望通りに働いていない場合、ロボットアーム230は、コンポーネントを自動的に取り外すおよび/または置換するために使用され得る。こうして、自己回復型で自己完結型のサーバおよび/またはコンピューティングシステムが作成され得る。特定の実施形態において、そのような自己回復型システムは、制限されたセットアップおよび/またはメンテナンスを必要とする著しく高効率のコンピューティング電力を提供するため、従来の方法を使用してリモート場所に出荷または配送され得るモジュール式ユニットを作成するために、事前作製され、事前配線され得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、蒸気を冷却し、ガス状態から液体状態に戻るように蒸気を凝縮させるという第1の蒸気管理目標は、凝縮コイルの使用を通して、容器の閉鎖式システム内で完全に達成される。プロセス水は、容器内の凝縮コイルを通して送られることになる。容器自体の形状および幾何形状は、バスエリア(bath area)からコイルエリアへの蒸気の流れを促進することになり、重力は、再凝縮した液体をバスエリアに引き戻すのに役立つ。
【0058】
いくつかの実施形態において、容器の内圧をモニターし、維持するという第2の蒸気管理目標は、容器内での集積化圧力センサの使用およびパージシステムの使用を通して達成される。いくつかの実施形態において、パージシステムは、容器から過剰な蒸気を取り除き、液体貯蔵タンク内に貯蔵するために蒸気を凝縮して液体に戻すために使用されることになる。
【0059】
いくつかの実施形態において、システムスタートアップ中に存在する蒸気の非凝縮性成分を制御し、取り除くという第3の蒸気管理目標は、第2の目標と同じ機構によって達成される。パージシステムは、システムを、その初期スタートアップ中に圧力下にもたらし、システムから非凝縮性ガスを取り除くために使用され得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、不活性ガスのオーバーレイを制御するという第4の蒸気管理目標は、専用窒素オーバーレイ給送システムを使用して達成され得る。このオーバーレイは、冷媒を容器の上部の下に維持し、容器内のコンポーネントにサービス提供するために容器が開放されている期間中に冷媒の損失を最小化することを可能にする。容器内の専用オーバーレイパイプのセットを通した窒素貯蔵タンクのセットからの専用パイピングは、オペレータがシステムを開放したいと所望するとき、不活性ガスオーバーレイの付加を可能にすることになる。このガスは、任意の他の非凝縮性物質と共に、システムスタートアップ時に行われ得る非凝縮性物質取除きプロセス中に取り除かれ得る。蒸気管理プロセス全体は、ユーザーコマンドに基づく制御システムソフトウェアおよびシステム状態のモニタリングを通して管理され、モニターされ得る。
【0061】
バラストブロック
図1に示すシステムなどの開示するシステムのいくつかの実施形態において、圧力制御式容器110は、誘電性流体140の大部分を含むためのより深いバス部分142およびバスに隣接するより広い棚エリア112を含むことができる。ボード、カード、チップ、ブレード、および/または任意の他のコンピュータコンポーネント170は、圧力制御式容器110のより深いバスセクション142内に実質的に含まれる。より広い棚エリア112は、液体誘電性流体140含み、および/または、蒸気相から液相に再凝縮される誘電性流体140を収集することもできる。特定の実施形態において、圧力制御式容器110内の誘電性液体の深さは、バラストブロック160を利用して増加され得る。バラストブロック160は、棚上の望ましくない体積を占めるために使用され、それにより、棚112上にあることになる任意の誘電性流体140を変位させ、さらなる誘電性液体140の付加を必要とすることなく液体のレベルを上げることができる。いくつかの実施形態において、バラストブロック160は、流れがバラストブロック160によって妨げられることなく、凝縮された液体が圧力制御式容器のより深いバス部分に流入し続けることができるように、流体がバラストブロック160の下を流れることを可能にするライザーフィート161を含む。
【0062】
バラストブロック160は、開示する浸漬冷却システムの運転に干渉しない任意の材料で作られ得る。バラストブロックは、金属、ゴム、シリコン、および/またはポリマーを含むが、それらに限定されない材料で作られ得る。好ましい材料は、誘電性流体内に実質的に可溶性でない。ブロックは、誘電性流体より密でなければならないが、固体である必要はない。好ましい実施形態において、ブロックは、ブロックがより容易に扱われ、操作されることを可能にするハンドルまたはカットアウトを有することになる。バラストブロック160のいくつかの実施形態は、ブロックが安全に互いの上部に積み重ねられ得るように、連結式上部および下部セクションを利用する。連結式上部および下部は、ブロックが摺動するまたはそうでなければその意図する位置から変位する場合に、近くの任意のコンポーネントをブロックが損傷するリスクを低減する。いくつかの実施形態において、連結式上部は、下部部分上のフィートおよび/またはライザーに位置合わせする窪んだ部分を含み、それにより、最も下のブロックは、流体流を妨害せず、ブロックは、有意の体積を占めるために最も下のブロックの上部に確実に積み重ねられ得、それにより、誘電性液体のレベルが、有意の量のさらなる誘電性液体が付加されることを必要とすることなく上昇することを可能にする。
【0063】
いくつかの実施形態において、バラストブロック160は、圧力制御式容器110および/または棚112の全長に延びるように構成される。他の実施形態において、バラストブロック160は、ブロックが扱われることを可能にする実質的に任意のサイズとすることができる。そのような実施形態において、複数のモジュール式バラストブロックは、所望に応じて、多くのまたは少ない体積を変位させるように構成され得る。いくつかの実施形態において、単一バラストブロックは、約2フィート長または約3フィート長または約4フィート長またはそれより長い長さ、および、約6インチ幅または約8インチ幅または約12インチ幅またはそれより広い幅、および、約1インチ高さまたは約3インチ高さまたは約6インチ高さまたは約8インチ高さまたはそれより高い高さの外形寸法を有する。
【0064】
上部構造
開示するコンピューティングシステムは、種々のコンポーネントからなり、それらの全ては、図4に示すように、物理的上部構造210に、直接的にまたは間接的に取り付けられ得る。上部構造210は、必要とされる任意の、電気システム、センサシステム、制御システム、電力システム、流体制御システム、圧力制御システム、および/または通信システムの事前配線および事前配管を可能にする。これは、現場におけるより速いかつ簡略化された配備および顧客への配送前に工場における試験を可能にする。
【0065】
上部構造210は、通常、金属コンポーネントから作製され、スキッド搭載式とすることができるか、または、フォークリフト、ホイスト、もしくはクレーンによって扱われるように構成され得る。いくつかの実施形態において、上部構造210は、出荷を容易にするために、標準的なコンテナの内部にピッタリ収まるように構成される。上部構造210および関連するコンポーネントは、全部で約58,000lbs未満の重さになるように構成され得、特別な機器を必要とすることなく出荷を容易にするためにより小さいサブコンポーネントに分割され得る。いくつかの実施形態において、上部構造210および関連するコンポーネントは、約50,000lbsより少ないまたは約40,000lbsより少ないまたは約30,000lbsより少ないまたは約20,000lbsよい少ない重さになる。いくつかの実施形態において、上部構造210および関連するコンポーネントは、約5,000lbsより多いまたは約10,000lbsより多いまたは約20,000lbsより多いまたは約30,000lbsより多い重さになる。上部構造210の実施形態は、任意のサイズおよび/または形状とすることができる。多くの実施形態は、複数の圧力制御式容器110、サーバラック310、および関連する液浸冷却機器、ならびに、電力送出および分配およびネットワーク接続性を管理するための必要な機器を含むのに十分に大きい。
【0066】
上部構造210の全体設計は、既存の施設のニーズを満たすため、電力およびプロセス水相互接続のタイプおよび量に対するカスタマイズを含む、各配備の一意の態様に対応するために調整され得る。
【0067】
開示する圧力制御式容器内のコンポーネントの全てについての制御および管理システムは、開示するコンピューティングシステムの一部として含まれ得る。開示するシステムの好ましい実施形態は、必要とされるポンプ、弁、調節器、蒸気管理システム、圧力管理システム、および他の関連するコンポーネントを含む、2相液浸冷却環境を維持し、運転するために必要とされる機械式システムの全てを含む。
【0068】
上部構造210は、オープンフレーム設計とすることができるか、または、側面パネルおよびアクセスドアを含むことができる。これは、既存の構造内でのまたは外の現場での配備を可能にする。上部構造210は、耐候化フィーチャを含むために修正され、厳しい環境内での配備を可能にし得る。いくつかの実施形態において、上部構造は、スキッド/モジュールフレームワークとすることができる。
【0069】
種々のシステム、フィーチャ、および/または能力は、圧力制御式容器の他のコンポーネントおよび圧力制御式容器内に含まれるまたは圧力制御式容器に関連する任意の環境をサポートし、モニターし、管理するために、上部構造210に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、そのようなシステムは、とりわけ、火災検出および/または抑制能力、専用空調および/または環境管理能力、アクセス制御などのセキュリティフィーチャ、および/または監視フィーチャを含むことができる。
【0070】
電力システム
上部構造210のいくつかの実施形態は、種々の電気入力手段を受け入れ、それらを、上部構造内に構築された既存の電力分配システムに接続するように設計される。多くの例示的な実施形態の1つは、メインブレーカーに対する415V入力を含み、415V入力は、その後、415V AC入力を12V DC出力に変換する一連の電力シェルフに分配される。好ましい実施形態において、この変換は、実質的に1つの変換ステップで行われ、それにより、そのような変換に通常関連する損失効率を低減する。伝統的なコンピュータサーバ場所は、到来する産業用電気を415Vなどの高AC電圧から120Vなどの低下したAC電圧に、通常、変換する。この変換は、熱へのエネルギー損失をもたらす。一般的な状況下で、これは、約6%のエネルギー損失をもたらす場合がある。その後、120V電気は、種々のコンピュータコンポーネントによる使用のためにDC電流にさらに変換されなければならない。この第2の変換は熱への第2の約6%のエネルギー損失をもたらす。約415Vの産業用電気を約12V DCに直接変換することによって、熱への総エネルギー損失は、低減され得る。
【0071】
別の例示的な実装態様は、電力シェルフに対する480V AC入力の接続を含むことができ、電力シェルフは、480V AC入力を48V DC出力に変換し、48V DC出力は、その後、一連の中間電源に分配され、中間電源は、48V DC入力を、例えば、12V、5V、3.5V、3.3Vなどを含む種々のDC出力に変換する。
【0072】
いくつかの実装態様に関して、電源の単一セットが存在する場合があり、または、異なる入力および出力電圧で運転する複数の電源が存在する場合がある。正確な構成は、用途条件に応じて、設置される特定の機器のニーズを満たすために調整される。電力システムの特定の設計は、開示するコンピューティングシステムが配備される特定の環境のニーズを満たすために調整され得る。カスタマイズは、システムに対する電力のタイプ、容量、および入力と出力の両方のインターフェースを含むことができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、ラック電力分配システムは、モジュール式電源システムおよび/またはモジュール式電源システムのセットを備えることができる。1つまたは複数のモジュール式電源システムの特定の構成は、所望の量およびタイプの電力をラックに送出することができる限り、特に重要でない。したがって、モジュール式電源システムは、1つまたは2つまたはさらに複数の電力分配通路を提供するために、並列にまたは直列にまたはその組み合わせで構成され得る。ラックへの特定の通路は、直接的または間接的とすることができ、しばしば、関係するコンポーネント、電力量およびタイプ、ならびに/または所望の構成に依存する場合がある。所望される場合、ラックへの通路は、ラック内に位置するシャシに電力を分配することを伴う場合がある。分配される電力は、構成およびコンポーネントに応じて変動する場合がある1つまたは複数の望ましい電圧で送出され得る。いくつかの場合、望ましい電圧は、例えば、12V、5V、および/または3.5Vを含むことができる。いくつかの実施形態において、シャシは、採用される場合、1つまたは複数のサブシステムを採用することができる。そのようなサブシステムは、ラックに送出される所望の量およびタイプの電力に干渉しない任意の所望のサブシステムを含むことができる。一例として、パワーオンパッケージ(power-on-package)サブシステムが採用され得る。そのようなパッケージは、AC電流を受け入れ、所望されるものに応じて、DC電流に変換するおよび/または逆もまた同様であることができる。例えば、特に有用なパワーオンパッケージサブシステムは、208、240、380、400、415、480、および/または600ボルトACの入力電力を受け入れ、その電力をDC電力、例えば、48V DCに直接変換するように設計され得る。
【0074】
1つまたは複数のモジュール式電源システムは、任意の従来の方法で直接的にまたは間接的に電力供給され得る。例えば、モジュール式電源システムは、シャシ内の一次電気分配システムによって直接的に電力供給され得る。電力のタイプおよび量ならびに他のコンポーネントに応じて、シャシは、電力分配通路とシャシ自体との間の電気的連続性を確立するために、ばね式ピンのセットまたは他の適切なコネクタインターフェースなどのインターフェースを使用する可能性がある。連続性は、その後、そのインターフェースコネクタと、シャシ上に位置する所望のサーバまたは他のコンピューティングコンポーネント上の任意の所望の電源入力インターフェースとの間で確立される可能性がある。いくつかの実施形態において、パワーオンパッケージモジュールは、各シャシ内で利用されて、シャシ自体において電圧を適切なレベルに直接変換することができる。これは、種々のタイプの電力分配のために使用される可能性があるが、例えば、48V分配に特に有用である場合がある。図17は、ラック電力分配システム950の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態において、ラック310は、ラック310のACインターフェース311においてAC入力960を受信することができる。電力分配システム950は、DC出力320を生成し、DC出力320を1つまたは複数のシャシ400に分配することができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、ラック内のコンピュータコンポーネントへの信頼性のある電力の供給を確実にすることは、主要な関心事である。そのため、いくつかの実施形態は、特定の入力電圧を供給することができるブレードレベル電源またはコンピュータコンポーネントレベル電源を使用し、ブレードおよび/またはコンピュータコンポーネントレベル電源に必要とされる出力電圧を提供する。いくつかの実施形態は、冗長性を提供するために、複数の電源を各ブレードに組み込む。
【0076】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のスイッチは電力を必要とする場合がある。例示的なスイッチは、バックプレーンに接続し、ラックレベル通信を各ブレードに提供するために、適切なインターフェースを有する標準的なデータセンターグレードスイッチとすることができる。いくつかの実施形態は、単一電圧のみを分配し、これは、電力レールとブレードのそれぞれとの間のインターフェースとして役立つコネクタを有する電力レールおよびインターフェースシステムによって達成され、電源入力レールに直接にまたは電源電力リードとラックレベル電圧分配システムとの間に着座する中間コネクタを介して電圧を送出し得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、ラックの下部に沿って一次電圧を分配する1つまたは複数の電力レールが存在し得る。このレールは、1つまたは複数の一次電力整流器から給電され、おそらくは圧力制御式容器の外側に位置付けられ、ケーブルまたはバスバーシステムを介して各ラックに送出され得る。このレベルでのより高い電圧、例えば、48ボルトの使用は、分配システムに必要とされる電流容量を低減することができ、分配レールと負荷インターフェースとの間を効果的にインターフェースすることができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、上部構造プラットフォーム内に位置する2つの一次電力分配システムが存在する。第1は一次機器電力システム(PEPS:Primary Equipment Power System)であり、第2は二次機器電力システム(SEPS:Secondary Equipment Power System)である。PEPSの目的は、容器内のコンポーネントに電気サービスを提供することである。このシステムは、高電圧大電流分配システムとすることができ、高電圧大電流分配システムは、銅導体またはバスバーシステムを介して入力を受け入れ、シャシ、コンピュータコンポーネント、および/または他の臨界負荷機器に運転電流を提供することを担当する一次電源にそれを送出する。電力は、規定された地点で上部構造に入り、マスターサービスディスコネクトブレーカーに対して終端されることになる。この地点の上流には、システムで使用される電気サービスおよび全ての電力冗長コンポーネントが存在することになる。この入力は、例えば、415または480ボルトACなどの高電圧になる。一次機器負荷は、マスターサービスディスコネクトブレーカーの下流のブレーカーパネルから給電される電源または整流器によって駆動される。
【0079】
SEPSの目的は、上部構造内に位置するインフラストラクチャサポートシステムおよびコンポーネントの全てに電気サービスを提供することである。二次機器インフラストラクチャの一部として必要とされるコンポーネントはより低い入力電圧を期待する場合があるため、SEPSは、二次サービスディスコネクトを介してPEPSマスターサービスディスコネクトブレーカーの上流で接続されるステップダウン変圧器によって電力供給され得る。
【0080】
この配置は、SEPSから電力供給されるこれらのコンポーネントの全てを含む上部構造サポートおよびインフラストラクチャシステムが、システムコンポーネントの残りの部分に送出される一次電力がなくても、オンにされ、運転することを可能にする。管理および制御システムならびに蒸気制御システムの全ての態様は、PEPSの運転と独立して運転することを可能にし得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、無停電電源(UPS)は、電力分配システムの一部としてまたはそれに加えて含まれる。UPSの組み込みは、外部電源に対する一時的な中断がある場合に、開示するコンピューティングシステムの継続運転を可能にする。
【0082】
開示する電力分配システムのコンポーネントは、例えば、無停電電源、DC電力システム、AC電力システム、ならびに/または電力制御およびモニタリングシステムなどの市販のコンポーネントを含むことができるが、それらに限定されない。いくつかのそのようなコンポーネントは、例えば、Liebertおよび/またはChloride UPS製品、デュアルコンバージョンオンラインUPS、ラインインタラクティブUPS、スタンドバイUPS、リチウムイオン電池UPS、ならびにその組合せなどのVertiv製品を含むことができるが、それに限定されない。UPS製品は、単相または3相とすることができる。他の例示的な電力分配システムコンポーネントは、例えば、Emerson Network Power製品、NetSure DC電力システム、Vertiv、Liebert、Chloride、および/またはNetSure電力分配ユニット、ならびに、例えば、インバーター、整流器、トランスファースイッチ、およびその組合せなどの関連コンポーネントを含むことができる。そのようなコンポーネントに関連する市販のモニタリングユニット、コントローラユニット、および/またはソフトウェアも、特定の開示する実施形態に組み込まれ得る。
【0083】
圧力制御式容器および圧力管理システム
開示するシステムの実施形態は、2相液浸冷却システムを収容するように設計される圧力制御式容器を含む。圧力制御式容器110は、誘電性冷却流体140のバス142、気相誘電性流体を凝縮して液体にするための冷却コイル132を有する凝縮器130、および、コンピュータコンポーネント170を保持し、電力システムから圧力制御式容器110内に位置する機器およびコンポーネントに電力を分配するために必要な物理的機構および/または機器を含む。
【0084】
運転中、圧力制御式容器110は、わずかな真空に維持され得る。負圧に維持される圧力制御式容器110内でコンピューティングシステムを運転するために、種々の特殊な接続および考慮が行われなければならないことが認識されるであろう。
【0085】
開示するシステムのいくつかの実施形態は、ファイバーをラック310に分配するためにパネルおよびケーブルトレイを分割することに加えて、圧力制御式容器110内へのファイバーの接続性を可能にする一連の光ファイバーメディアトランスファープロトコル(MTP:Media Transfer Protocol)インターフェースを使用する。この配置は、圧力制御式容器110内への貫入の総数を低減し、容器内での漏洩の可能性を低減する。
【0086】
圧力制御式容器110のいくつかの実施形態は、安全運転を確実にするためにセンサを含む。これらのセンサは、システムの運転を確実にするおよび/または自動化するために、温度センサ、流体レベルセンサ、圧力センサ180、ガス分圧センサ、位置センサ、電気センサ、マイクロフォン、および/またはカメラを含むことができるが、それらに限定されない。
【0087】
1つの例示的な実施形態において、温度センサは、圧力制御式容器110内の気相の温度を測定するためのセンサ、圧力制御式容器内の液相の温度を測定するためのセンサ、水および/もしくは他のプロセス流体の温度を測定するためのセンサ、ならびに/または、コンピュータコンポーネント170を含む他のコンポーネントの温度を測定するためのセンサを含むことができるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態において、熱電対、サーミスタ、および/またはシリコンセンサは、コンピュータコンポーネントの温度を測定するために利用され得る。いくつかの実施形態において、システムは、機器温度を決定するため、コンポーネント自体によって提供され、HTTPTまたはSNMP経由JSONなどの、デバイスが提供するAPIまたは他のプログラマティックインターフェースなどの一般に受け入れられる通信プロトコルの使用を通して取り出されるか、またはモニターされる情報に依存することができる。
【0088】
いくつかの実施形態は、ユーザの安全を確実にするために種々の生命安全フィーチャを含むことができる。これらのフィーチャは、自動電磁ロッキング機構、フェールセーフシステム、火災および/もしくは煙検出および/もしくは抑制システム、換気システム、ならびに/または、バックアップ照明を含むことができるが、それらに限定されない。特定の実施形態において、これらのフィーチャは、包括的プラットフォームの一部として組み込まれ得る。
【0089】
特定の実施形態は、圧力制御式容器内の流体のいずれの損失も迅速に検出されることを確実にするために、自動蒸気検出ベース漏洩検出システムを含む。これらのシステムは、実質的な漏洩が存在しないことを確実にするために圧力をモニターする圧力制御式容器110内の圧力センサ180、および/または、圧力制御式容器から漏出した可能性がある任意の誘電性蒸気の存在を検出する、圧力制御式容器の外部に位置決めされたガスセンサを含むことができる。
【0090】
開示するシステムの一実施形態の特定の設計、配置、および/またはレイアウトは、それが配備される条件に基づいて調整され得る。いくつかの実施形態において、サイズ、材料、内部システム、コンポーネント搭載および構成オプション、圧力制御式容器110とコンピュータコンポーネント170と電力システムとの間のインターフェースは、システムが利用される条件に基づいて全て調整され得る。
【0091】
ラックシステム
図8A~8Cは、ラックシステム310(またはラック310)の例示的な実施形態を示す。ラック310は、圧力制御式容器110内に設置される電気および通信システムとラック310内に設置されるコンピューティング機器170との間の中間物として役立つことができる。コンピュータコンポーネント170は、圧力制御式容器110内でコンピュータコンポーネント170の間隔、配向、位置、および/または構成を制御するために、ラック310上に搭載され得る。1つの例示的な実施形態において、各コンピュータコンポーネント170は、圧力制御式容器110上に搭載される前に、シャシ400内に設置され得る。
【0092】
ラック310は、任意のフレーム、ブラケット、支持体、または他の構造を含むが、それらに限定されないコンピュータコンポーネント170を搭載するために使用され得る任意の物理的構造とすることができる。コンピュータコンポーネント170は、ラック310に直接的にまたは間接的に取り付けられ、実質的に静止位置に保持されるとき、ラック310に搭載されたと見なされる。いくつかの実施形態は、搭載機構としての専用機械式ガイドプレート、バルクヘッド取付け具に取り付けられた配線用ハーネス、ならびに/または、ラック内で電力および信号を分配するための中間電源およびバックプレーン受信機331の使用を含むことができる。
【0093】
ラックシステム310の特定の設計は、システムが配備される条件に基づいて調整され得る。ラック310のいくつかの実施形態は、専用スイッチを含むことができる。いくつかの実施形態において、アップリンクインターフェースは、ファイバーインフラストラクチャを介して接続され得る、および/または、ダウンリンクアクセスインターフェースは、バックプレーン受信機331インターフェースもしくはコンピューティング機器を接続する任意の他の適切な方法によって、ラック内のンピューティング機器170に接続され得る。
【0094】
特定の実施形態において、ラックシステム310は、適切な電圧を、電力インターフェースからラック310内に設置された他の機器に分配することができる1つまたは複数の中間電源のためのハウジングを含むことができる。分配システムから中間電源に電力を相互接続するためのインターフェースは、ラック310の設計に組み込まれて、種々のラックシステム、電力システム、および通信システムの間のインターフェースを切り離すことによって、ラック310が、取り外されるおよび/または代替のラック構成と置換されることを可能にする。
【0095】
図8Aは、ラック310の上面図を示す。この例示的な実施形態において、ラック310は、ACインターフェース311およびデータインターフェース312を含む。ラック310は、一対の電源、電源313および冗長電源314(またはバックアップ電源)も含む。ラック310は、整流器およびコントローラを含むこともできる。冗長電源314ならびに/または整流器およびコントローラは、一次電源が機能を停止する場合、ラック310が素早く修理される、またはさらに、機能し続けることを可能にする。ラック310は、任意選択で、コンバーター315を含むことができる。ラック310は、複数のシャシ400を受け取り、実質的に静止位置にシャシ400を保持するように構成される。
【0096】
いくつかの実施形態において、ラック310全体は、誘電性流体内に浸され得る。これは、運転中に誘電性液体内に整流器、電力接続部、および/またはデータ接続部を浸すことを含み得る。誘電性流体のプラスチック汚染を低減するおよび/またはなくすために、いくつかの実施形態において、プラスチック絶縁および/またはケーブルシールディングがなくされ得る。そのような実施形態において、誘電性流体は、普通なら露出されるケーブルおよび/または接続部を絶縁するのに役立つことができる。
【0097】
図8Bは、複数のシャシ400を含むラック310の斜視図を示す。開示するラックの構成は、シャシ400のホットスワップ可能性を容易にする。この例示的な実施形態において、ラック310は、ACインターフェース311を電源313および/または冗長電源314に接続する複数のACケーブル318を含むことができる。電源313および/または冗長電源314は、DCケーブル321を介してバックプレーン受信機331に送出され得るDC出力320を生成することができる。ラック310は、データインターフェース312をバックプレーン受信機331に接続する複数のデータケーブル319を含むこともできる。バックプレーン受信機331は、シャシ400の下部のデータ接続部からラックの上部のデータ接続部までデータを供給するために使用され得る。
【0098】
図8Cは、ラック310の側面図を示す。いくつかの実施形態において、ラック310は、シャシ400およびそのコンポーネントのために機械式安定および/またはハウジングを提供する。さらに、ラック310は、電力およびデータケーブルが、容器内で一般にアクセス可能であるラック310の上部から、電力およびデータケーブルがシャシ400に接続するラック310の下部まで、電力およびデータケーブルのルーティングを容易にする。
【0099】
シャシおよびインターフェースシステム
1つの例示的な実施形態において、開示するシャシシステム400の目的は、伝統的なおよび/または専用のコンピューティングコンポーネント170と開示するラックシステム310との間の標準化された物理的中間コンポーネントとして役立つことである。1つの例示的な実施形態において、バックプレーン受信機331の目的は、種々のコンピューティングコンポーネント170がシャシ400内に設置された状態で、電力システム内の電源と通信システム内のネットワークスイッチとの間での電力および信号の分配を可能にする、シャシ400とラック310との間のスロットインインターフェースを提供することである。
【0100】
いくつかの実施形態において、本開示の圧力制御式容器は、1つまたは複数のサーバ、例えば、ブレードサーバを含むことができる少なくとも1つのラック310を含むことができる。各サーバは、シャシ400(サーバケースまたはケースとも呼ばれる)に取り付けられ得る。図9A~9Gは、種々のコンポーネント170を搭載するためのシャシ400の例示的な実施形態を示す。シャシは、圧力制御式容器のラック上へのサーバの設置またはシステムからのそれらの取り外しを容易にすることができる。いくつかの実施形態において、圧力制御式容器の他の電子コンポーネントはシャシ内に搭載され得る。例えば、マザーボード、チップ、カード、GPUまたはCPUの任意の部分などのコンピュータコンポーネントまたはハードウェアは、シャシ内に設置され得る。別の例として、電源、電力インターフェース、またはネットワーク通信インターフェースなどのコンポーネントは、シャシ内に搭載され得る。
【0101】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、コンポーネント(例えば、サーバ)と圧力制御式容器との間の共通インターフェースとして役立つことができる。シャシは、コンポーネントの性質または設計に基づいてカスタマイズされ得る種々の搭載、電力、および接続性フィーチャを提供することができる。換言すれば、シャシの種々の態様は、コンポーネントの設計仕様に基づいて修正され得る。したがって、シャシは、ほぼ全てのモデルまたはタイプのハードウェアを収容することができる。例えば、シャシは、特別に設計されたハードウェアまたは在庫品のハードウェアの使用を容易にすることができる。
【0102】
シャシ400の実施形態は、既存の商用コンポーネントの適応、カスタム設計されたコンポーネントの使用、および/または、特定の用途用の特殊なシャシの使用を可能にするように設計されたコンポーネントを含むことができる。実施形態は、標準的なマザーボード用の適応キットおよび特殊コンポーネントを含むことができる。特定の実施形態において、そのようなコンポーネントは、NVidia GPUを有するGigabyteマザーボードおよび/またはIntel CPUを有するSupermicroマザーボードを含む。
【0103】
図9Aは、例示的な実施形態による、ラック上にサーバを搭載するためのシャシ400を示す。この例示的な実施形態において、シャシ400は、後壁410および2つの側壁420を含む長方形ボックスとすることができる。後壁410は、シャシ400内での流体の循環を容易にするために複数の穴411を含むことができる。シャシ400は、各側壁420上にガイドレール421を含むことができる。
【0104】
図9Bは、例示的な実施形態による、シャシ400の内側の複数のコンポーネントを示す。この例示的な実施形態において、後壁410は取り外されている。したがって、図9Bは、電源モジュール431、GPUモジュール432、CPUモジュール433、およびインターフェースカード434を含むサーバ430を示す。1つの例示的な実施形態において、シャシ400の内側のコンポーネントは、ブレードサーバ、例えば、CPUモジュール433およびGPUモジュール432内で使用されるコンポーネントを構成することができる。さらに、シャシ400の内側のコンポーネントは、サーバ、例えば、電源モジュール431またはインターフェースカード434内に伝統的に含まれない他のコンポーネントを含むことができる。シャシ400は、伝統的な空気冷却機器を必要としないため、シャシ400は、シャシ内にファンまたはヒートシンクを全く含まない。したがって、シャシは、シャシのコンピューティング電力に対して非常に薄いプロファイルを有する。
【0105】
図9Cは、シャシ内のコンポーネントの概略図を示す。この例示的な実施形態において、サーバマザーボード445、複数の電源モジュール431、およびインターフェースカード434はシャシ400上に搭載される。記憶デバイスおよび/または他のペリフェラルコンポーネントも、バックプレーンインターフェース330ならびに/または電力モジュールおよび通信システムモジュールと共にシャシ400に搭載され得る。
【0106】
一例において、搭載インターフェースは、ハードウェアのピースがシャシに固定されるように、シャシに付加され得るか、またはシャシから取り外され得る。シャシ400の内部表面上で、コンポーネント(例えば、マザーボード、GPU、CPU、インターフェースカード、および他の関連するコンポーネント)がシャシに搭載されることを可能にする対策が講じられ得る。これらの対策は搭載インターフェースである。シャシシステム400の特定の配置は、シャシ400および/またはラックに取り付けられることになる機器および/またはコンポーネントに依存し得る。シャシ400のいくつかの実施形態は、機器取付けのために使用され得る相互交換可能な搭載プレートを特徴とすることができる。標準的な取付けプレートのセットは、共通のまたは頻繁に使用されるコンポーネントのために使用され得る。
【0107】
シャシシステム400内の電力およびネットワークインターフェースモジュールのスタイルおよびフォームファクターは、特定のコンポーネントおよび/またはユーザが指定した機器の需要および要件に基づいて調整され得る。一例において、シャシの電力サブシステムは、特定のコンポーネントのニーズに対処するために修正され得る。別の例において、シャシのサイズは、任意のサイズのハードウェアのピースを収容するように設計され得る。さらに別の例において、シャシは、シャシ内に設置されるネットワーク接続カードに応じて、異なるネットワーキングオプションを提供することができる。シャシのこれらのフィーチャおよび他のフィーチャによって、シャシは、種々のコンポーネントを収容することができる。結果として、圧力制御式容器のこれらのコンポーネントの組み立てまたは取り外しは、簡略化され、したがって、自動化され得る。例えば、シャシは、ブレードサーバを含むことができ、ロボットは、容易に、圧力制御式容器のラックにシャシを設置するまたはラックからシャシを取り外すことができる。したがって、ロボットは、人間との相互作用なしで、ブレードサーバを取り外し置換することができ、それにより、誘電性流体に対する人間の露出を最小にする。
【0108】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、圧力制御式容器の管理システムと通信することができるマイクロコントローラを含むことができる。マイクロコントローラは、シャシ内にまたはシャシの外側に配置された種々のセンサからセンサデータを受信することができる。例えば、シャシは、シャシがラック内に適切に配置されているか否かを検出するためのセンサを含むことができる。サーバは、ラックとの接続を行うことができる場合、ラック内に適切に配置される。センサは、シャシがラック内に適切に配置されているか否かを判定することができる。したがって、センサは、データをマイクロコントローラに送信することができ、データを使用して、マイクロコントローラは、シャシがラック内に適切に配置されているか否かを示す信号を管理システムに提供することができる。
【0109】
一実施形態において、マイクロコントローラは、シャシ内に搭載されたコンポーネントの電源をオンまたはオフにすることができるスイッチに結合され得る。マイクロコントローラは、管理システムから電源オンまたはオフ信号を受信することができ、信号を受信することに応答して、マイクロコントローラは、コンポーネント、例えば、サーバの電源をオンまたはオフにするための信号をスイッチに送信することができる。1つの例示的な実施形態において、マイクロコントローラは、サーバから運転データを受信することができ、マイクロコントローラは、このデータを管理システムに中継することができる。運転データは、サーバのキーパフォーマンスインジケーターであり、そのパフォーマンスを示すことができる。運転データは、計算の速度、計算の低下、電力消費、回路の温度、およびシステムの帯域幅を含むことができる。
【0110】
1つの例示的な実施形態において、マイクロコントローラは、ブレードサーバの電気および通信機能をモニターし、管理し、制御することができる。例えば、電流(すなわち、アンペア数)および電圧などのインジケーターは、システムがそれ自体を保護することができる、例えば、過電流または過少電流をもたらさないことを確認するためにモニターされる。
【0111】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、ロボットがシャシを把持し、取り外すことを可能にすることができる構造を含むことができる。例えば、シャシは、前壁、後壁、および側壁を有する長方形ボックスの形状とすることができる。シャシは、上部壁および下部壁を含むこともできる。シャシの上部壁は、ロボットアームと結合することができるプレートを含むことができる。プレートを使用して、ロボットアームは、アンローディングおよび他のハンドリング動作のためにプレートを把持することができる。
【0112】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、ラック内でのシャシの適切な位置合わせおよび挿入を確実にするために機械式ガイドレールおよび位置決めピンを含むことができる。機械式ガイドレールは、シャシの側壁上に配置され得る。
【0113】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、流体の流れを促進するために種々のフィーチャを含むことができる。例えば、シャシは、前壁、後壁、および側壁を有する長方形ボックスの形状とすることができる。シャシは、上部壁および下部壁を含むこともできる。この例において、シャシの壁の少なくとも1つの壁は、壁を貫通する流体流穴を含むことができる。例えば、後壁は、シャシが液体バス内に浸漬されると、シャシ内へのまたはシャシから外への流体流を容易にすることができる複数の穴を含むことができる。
【0114】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、シャシが液体バスから取り外されると、シャシ内の全ての流体が排出されることを確実にするためにアパーチャを含むことができる。例えば、ラックは、ラックによって保持されるコンピュータコンポーネントを冷却するために液体バス内に位置することができる。サーバを取り外すために、ロボットは、シャシのプレートを把持し、シャシを持ち上げてラックから外に出す(それにより、シャシを液体バスから取り外す)ことができる。シャシが液体バスから取り外されると、特定の量の流体がシャシ内に残る可能性がある。シャシは、圧力制御式容器が完全に水平でない場合でも、流体が漏出することを確実にするために、シャシの下部壁にノッチまたはドレインを含むことができる。ノッチまたはドレインは、下部壁の角部にあり得る。
【0115】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、電力インターフェースおよび/または通信インターフェースを含むことができる。インターフェースは、シャシ内に搭載されたコンポーネントをラックおよび/または圧力制御式容器に電気結合することができる。電力インターフェースおよび/または通信インターフェースは、バックプレーンに配置され得る。例えば、シャシ内に搭載されたサーバは、種々のワイヤおよびケーブルを介して、シャシのインターフェースに接続され得る。シャシがラック内に配置されると、インターフェースは、ラックに接続された別のインターフェース(例えば、バックプレーン受信機)および/または圧力制御式容器に電気結合され得る。2つのインターフェース(例えば、バックプレーンおよびバックプレーン受信機)の間の電気結合は、サーバに電力を提供し、サーバを、圧力制御式容器内のまたは圧力制御式容器の外側の通信ネットワークに接続することができる。2つのインターフェース間の結合は、ラック内へのシャシの機械的挿入中に自動的に行われ得る。同様に、ラックからのシャシの取り外しは、サーバを、ラックおよび/または圧力制御式容器から切り離すことができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、バックプレーンインターフェース330および通信システムインターフェースを通した標準化された相互接続性を提供することは、データインターフェースの誤接続の可能性を最小にし、接続性トラブルシューティングの必要性を低減することができる。
【0117】
特定の実施形態において、シャシ400は、標準的な電力およびネットワークインターフェースのセットを含む。ネットワークインターフェースは、機器のマザーボード上で1Gまたは10Gイーサネットインターフェースへの接続のためのCat6AまたはCat7準拠RJ45インターフェースの形態とすることができる。そのような実施形態において、電力インターフェースは、標準的なマザーボードおよび/またはペリフェラルコンポーネントの接続のために標準的なMolexスタイルコネクタのセットを含むことができる。
【0118】
1つの例示的な実施形態において、圧力制御式容器は、システム内に設置されたコンポーネントに関する情報を記憶するための内部データベースを含むことができる。内部データベースは、圧力制御式容器上に設置されたコンポーネントのリポジトリとすることができる。例えば、内部データベースは、システム内に設置された全てのサーバおよび電源の型式およびモデルを記憶することができる。システムのコンポーネントが、例えばロボットによって交換または置換されるため、管理システムは、その変更を追跡し、内部データベース上に記憶された情報を更新することができる。圧力制御式容器は、ネットワークを介して外部データベースにも接続され得る。
【0119】
1つの例示的な実施形態において、各シャシは、例えば、シャシ上のバーコードとして表示された一意のシリアル番号に関連付けられ得る。コンポーネントがシャシ内に配置されると、コンポーネントの仕様(またはコンポーネントの型式およびモデル)は、一意のシリアル番号に関連して外部データベース内に記憶され得る。その後、シャシが、圧力制御式容器内に設置されると、圧力制御式容器は、一意のシリアル番号について外部データベースを検索することによってコンポーネントを調べることができる。例えば、ロボットアームは、シャシ上のバーコードを走査することができ、管理システムは、バーコードを使用して外部データベースを検索することができる。管理システムは、外部データベースから取得される情報を使用して内部データベースを更新することができる。同様に、シャシが圧力制御式容器から取り外されると、ロボットアームは、シャシに関連するバーコードを走査することができ、管理システムは、シャシ内に搭載されたコンポーネントがシステム内にもはや設置されていないことを示すために内部データベースを更新することができる。
【0120】
1つの例示的な実施形態において、シャシはRFIDタグを含むことができる。圧力制御式容器のロボットアームは、RFIDタグを検出するために無線周波数を放出することができるスキャナを含むことができる。ロボットアームは、シャシをハンドリングしているとき、内部データベースを更新するために、RFIDタグを走査し、一意のシリアル番号を管理システムに提供することができる。
【0121】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、ユーザが指定した資産識別番号を含むことができる識別プレートを含むことができる。この資産識別番号は、シャシ内に搭載されたコンポーネントに関連付けられ、それに関連して記憶され得る。いくつかの実施形態において、識別プレートは、資産識別番号を記憶するように構成されたチップとすることができる。
【0122】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、シャシ内で流体の流れを増大させるためにポンプを含むことができる。シャシ内のコンポーネントと液体バスとの間の熱交換を最大にするために、シャシは、シャシ内でかつコンポーネントの周りで流体を循環させることができるポンプを含むことができる。ポンプは、シャシの周りに分散された種々の導管から流体を引き出し、流体をシャシの外側に押し出すことができる、または、その逆も同様である。
【0123】
1つの例示的な実施形態において、シャシは、シャシおよびシャシ内に搭載されたコンポーネントを乾燥させるためにシャシの周りに種々の導管を含むことができる。シャシが液体バスから引き抜かれると、ある量の液体が、シャシまたはシャシ内のコンポーネント内に残る場合がある。シャシは、シャシおよびコンポーネントの乾燥を容易にするためにシャシ内でまたはコンポーネントの周りでガスの流れを誘導することができる種々の導管を含むことができる。1つの例示的な実施形態において、圧力制御式容器は、シャシをユーザに配送する前に、シャシをガスの流れにさらすことができる。例えば、シャシは、ガスの流れを受け取るための入力パイプを含むことができ、圧力制御式容器は、入力パイプを通してガスの流れを提供する。
【0124】
図9Dは、例示的な実施形態によるシャシ400の下部壁415を示す。この例示的な実施形態において、下部壁415は、電力インターフェース416および通信インターフェース417を含むことができる。図9Dは、シャシ400の側壁420上のガイドレール421も示す。
【0125】
図9Eは、例示的な実施形態によるシャシ400の上部壁425を示す。この例示的な実施形態において、上部壁425は、プレート426および一対のハンドル427を含むことができる。ロボットアームは、プレート426を使用してシャシ400を持ち上げることができる。
【0126】
図9Fは、例示的な実施形態によるシャシ400の側壁420を示す。この例示的な実施形態において、側壁420は、ガイドレール421を含むことができる。図9Fは、後壁410、ハンドル427、および電力インターフェース416も示す。
【0127】
図9Gは、例示的な実施形態によるシャシ400の下部ドレイン穴450の分解図を示す。この例示的な実施形態において、下部ドレイン穴450は、下部壁415、側壁420、および後壁410の角部上に配置され得る。
【0128】
図10A~10Fは、圧力制御式容器500の例示的な実施形態を示す。特に図10Aは、容器500、例えば、600KWスキッドの例示的な実施形態を示す。例示的な実施形態はモジュール式スキッドを含む。容器500は、所望の場所への容器500の移動および移送を容易にする複数のフォークリフトチューブ514を含むことができる。容器500は、電力および通信入力511を受信し、容器自体を通した貫入が最小の状態で、プロセス水パイプ512からの水を処理することができる。これらの接続部は、データセンター内でのモジュール式容器の密なパッキングを容易にするために容器の上部に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、接続部は、データセンター内での複数のモジュール式容器の垂直積み重ねに対応するために容器の前部および/または側部に配置され得る。いくつかの実施形態において、容器は、容器が互いの上部に垂直に積み重ねられることを容易にするために垂直スペーサを備えることができる。垂直空間は、接続部、空気流、および/または容器間の絶縁のためにさらなる空間を生成することができる。容器を垂直に積み重ねることによって、途方もない電力密度が、平方フィートベースで達成され得る。いくつかの実施形態において、容器500は、入力511を受信し、容器500全体を通して電力およびネットワーク接続性を分配するように構成された電力および通信ボックスを含むことができる。容器500は、容器500へのコンポーネントの付加および/または容器500からのコンポーネントの取り外しを容易にすることができるシール用蓋515を含むことができる。
【0129】
図10Bは、容器500の別の図を示す。いくつかの実施形態において、置換コンポーネントの在庫は、容器を開放することなく容器内のロボットシステムを使用してコンポーネントが置換され得るように、容器500内に格納され得る。ロボットシステムは、ガントリモーター516を使用して運転され得る。そのような実施形態において、コンポーネントが、破損するまたは修理を必要とするとき、置換コンポーネントは、システム内に設置され、破損したまたはそうでなければ取り外されたコンポーネントは、カセットが一杯になるまでカセット内に格納され得る。その時点で、取り外されたコンポーネントを含むカセットは、容器から取り外され得、新しい置換コンポーネントを有する未使用カセットが、将来の使用のために容器に挿入され得る。いくつかの実施形態において、開示する容器は、約15フィート長、約7フィート幅、約10フィート高さである。いくつかの実施形態において、開示するシステムは、600KWのコンピューティング電力が約150平方フィートにおいて達成されることを提供し得る。
【0130】
いくつかの実施形態において、容器500は、1つまたは複数のベローズタンク517を含むこともできる。ベローズタンク517は、容器内の圧力を調節するために使用され得る。開示するコンピューティングおよび/または冷却システムが最初に作動されると、膨張する誘電性流体は、環境へと失なわれないように、および/または、容器内での圧力上昇を回避するために、ベローズタンクに方向付けられ得る。いくつかの実施形態において、ベローズタンク517は、容器内の液体誘電性流体の約2倍を保持するのに十分に大きくてもよい。
【0131】
図10Cは、容器500の断面図を示す。容器500の下部分は、ラック310および/またはコンピューティングコンポーネントを含むシャシ400を含むことができる。ラックの上方に、任意の誘電性蒸気を冷却し凝縮させる凝縮器コイル132がある。電力は、電力バスバー518を使用して容器内で分配され得る。これは、電力が、ホットスワップ可能な方法で個々のコンピューティングコンポーネントに分配されることを可能にする。電力バスバー518は、容器を通る1回のみのまたは少ない数の貫入を使用して、容器が外部電力を受信することを可能にする。この設計は、容器システムの設置および運転を簡略化する。いくつかの実施形態において、各電力バスバーは、5つのラックに対して電源用の600個の増幅器にサービス提供することができる。そのような実施形態において、バスバーの2つのセット、容器の各側に1つのセットが存在する場合がある。いくつかの実施形態において、バスバーは、ピラスチック絶縁体を含まない。プラスチックは、一部の誘電性流体の汚染物質と見なされ得、いくつかの実施形態において一般に回避され得る。
【0132】
いくつかの実施形態において、容器500は、デシカント519を含むことができる。いくつかの実施形態において、誘電性蒸気は、容器500のヘッドスペースから取り除かれ、いずれの非凝縮性成分も、誘電性流体から取り除かれることを可能にする方法で凝縮され得る。水は、多くの誘電性流体と同じ条件下で凝縮しない。したがって、このシステムは、誘電性流体から水汚染物質を取り除くために使用され得る。
【0133】
いくつかの実施形態において、容器500は、流体濾過器520、流体パイプ521、および流体ポンプ522を含むことができる。いくつかの実施形態において、誘電性流体は、液体誘電性流体が、ラック310からあふれ出てサンプエリア(sump area)523に入るように容器に付加され得る。流体は、その後、流体濾過器520を使用して濾過され、流体ポンプ522および流体パイプ521を使用して、容器の遠い側に圧送され得る。このシステムは、容器を通して新鮮な濾過済み誘電性流体を循環させ、したがって、誘電性流体は、コンピューティングコンポーネントを冷却するために再使用され得る。
【0134】
図10Dは、容器500の断面図を示す。この実施形態において、液体誘電性流体のレベルは、ラック310および/またはラック310内のコンピューティングコンポーネントの高さの上方の流体レベル524に維持され得る。結果として、ラック310および/またはコンピューティングコンポーネントは、誘電性流体内に浸漬され得る。流体レベル524の上方に、例えば、途中レベル525まで、飽和誘電性蒸気が存在し得る。いくつかの実施形態において、飽和誘電性蒸気は、途中レベル525まで維持され、それは、凝縮器コイル132の高さの約半分であり得る。飽和蒸気の上方には、いくつかの実施形態において、あまり密でない誘電性蒸気を含み得るヘッドスペースがある。
【0135】
図10Dの例示的な実施形態において、冷却コイル132は、棚エリアの上に位置する。したがって、ロボット526がシャシ400を配置するまたは取り外すと、冷却コイル132は邪魔にならない。冷却コイル132のこの配置は、シャシ400の配置および取り外しを能率的にすることができ、それにより、容器の自律的運転において有意の利益を提供することができる。
【0136】
通信システム
開示する通信システムの実施形態は、開示する上部構造210、圧力制御式容器110、および/またはコンピューティングシステム内のまたはそれらに関連する機器について標準化された層1~3の接続性および管理インターフェースを提供するように設計される。
【0137】
いくつかの実施形態において、一連のMTPインターフェースは、複数の高密度マルチモードファイバー接続を圧力制御式容器110内にもたらす能力を提供する。圧力制御式容器110内に含まれると、ファイバー接続は、専用ブレイクアウトケーブル、ブレイクアウトインターフェース、ラック310に対するパッチパネルおよび/または分配パッチパネルのセットを使用して個々のスイッチレベル接続に分割され得る。
【0138】
開示するシステムのいくつかの実施形態は、短いパッチパネルを介してラック310内に設置されたスイッチシステムへの接続を可能にするために、各ラック310において専用ファイバーパッチパネルインターフェースポートを含むことができる。他の実施形態において、各スイッチシステムからMTP分配インターフェースまで延びる専用パッチパネルまたはパッチパネルのセットが存在する場合がある。
【0139】
いくつかの実施形態において、スイッチシステムとシャシ400との間のインターフェースは、バックプレーンインターフェース330を介する、および/または、バックプレーンコネクタの使用を含む場合があるまたは含まない場合がある何らかの他の機構を介することができる。いくつかの実施形態において、中間ラックレベルスイッチシステムは存在しない場合がある。そのような実施形態は、圧力制御式容器110内に位置する種々のコンピューティング機器に接続するために、圧力制御式容器110内の集中化スイッチのセットを使用することができる。
【0140】
スイッチシステムとシャシ400との間の典型的なインターフェースは、パッチケーブルが、パッチパネル上のポートをスイッチシステム上の適切なポートに接続した状態で、ラック310に取り付けられ、バックプレーンシステム330に配線されたパッチパネルを使用して、達成され得る。
【0141】
いくつかの実施形態において、通信システムキャビネットを各圧力制御式容器110上のMTPインターフェースに相互接続するパッチパネル、ならびに、スイッチシステムを互いにおよび/または外の世界と相互接続するのに役立つ集中化通信システム分配スイッチを含む小型(6U)ラックレールエリアが存在する。そのような実施形態において、エンドユーザまたは顧客は、開示するコンピューティングシステムと外の世界との間の接続部として役立つために、それら自体のルーティングギアをこの空間内に設置し、この空間に外部接続性を提供するか、または、圧力制御式容器110もしくは上部構造210と既存のネットワーク環境との間のファイバー接続性を実行することを選択することができる。
【0142】
通信システム環境の実施形態内で利用される、アクセス、通信、および/またはネットワーク化コンポーネントは、標準機器とすることができる、または、ユーザ指定型とすることができる。ラック310およびバックプレーンインターフェース330システムは、既存のスイッチを取り外し、それを任意の標準スイッチ(1Uスイッチなど)と置換し、バックプレーンネットワークインターフェースパネルに対して所望のインターフェースを書き換えることによって、各ラック310内に位置するスイッチシステムを置換する能力を含むことができる。
【0143】
特定の実施形態において、バックプレーンシステム330と直接インターフェースするように設計される製品が利用され得る。そのような製品は、シャシ400パッチパネルシステム、および/または、特別目的で構築されたインターネットワーキングインターフェースによって、商業的に使用されるプロトコルによって、もしくは、ネットワークレベル相互接続性インターフェースの設計のための仕様によって、スイッチポートを相互接続するために特に設計された直接電気インターフェースを利用することができる。
【0144】
いくつかの実施形態において、各ブレードまたはシャシとスイッチとの間の接続性は、複数のインターフェースを含むことができる。1つのインターフェースは、市販のスイッチに関して入手可能である標準ポートであり得る標準スイッチポートとすることができる。一般的なインターフェースは、スイッチとホストデバイスとの間のCat6またはCat7ツイストペア銅接続を利用する1GBASE-Tまたは10GBASE-Tとすることができる。別のインターフェースは、標準スイッチポートからパッチパネルの前側まで延びる標準パッチケーブルを有するパッチパネルまたはそのパッチパネルの裏側から信号バックプレーンの信号インターフェースまでのハードワイヤード接続のセットからなり得るスイッチツーバックプレーン中間デバイスとすることができる。代替的に、これは、標準スイッチポートとバックプレーンとの間で接続性を確立するためにスイッチポートからボードに延びる特殊なケーブルおよび/または標準RJ45インターフェースからなる可能性がある。さらに別のインターフェースは、プリント回路基板(PCB)に沿って標準スイッチポートから信号通路を分配するインターフェースシステム信号バックプレーンとすることができる。信号通路のうちの1つまたは複数は、信号バックプレーンインターフェースが接続することになるPCB上のコネクタで終端され得る。さらに別のインターフェースは、シャシ信号バックプレーンインターフェースとすることができる。これは、インターフェースシステム信号バックプレーン上のコネクタと噛み合うシャシ自体上に位置するコネクタとすることができる。コネクタは、インターフェースシステム信号バックプレーンとシャシ自体との間のインターフェースとして役立つ。さらに別のインターフェースは、シャシネットワークインターフェースとすることができる。これは、シャシネットワークインターフェースから、シャシに取り付けられるサーバ上のRJ45インターフェースまでのパッチケーブルの接続を可能にする標準パッチインターフェースとすることができる。
【0145】
ロボットシステム
開示するシステムのいくつかの実施形態において、圧力制御式容器110内のコンポーネントのホットスワップ可能性についてのニーズに対処する考えられる方法。故障したコンポーネント170をリモートで取り外し、置換する能力についてのニーズは、ロボットを通して対処され得る。
【0146】
開示するシステムの組合せの特定の実施形態は、内部ロボットアーム230および/または外部ロボットアーム240を含むことができる。暗号通貨用途および/または特定のハイパフォーマンスコンピューティング環境のための実施形態などのいくつかの実施形態は、コンポーネントのホットスワップ可能性を必要としない場合がある。他のハイパースケールGPUおよびCPU環境において、これは、基本要件とすることができる。開示するロボットシステムの実施形態は、任意の他のコンポーネントの中断なしで、シャシおよび/または他のコンピュータコンポーネントの置換を可能にする。いくつかの実施形態において、故障したカードおよび/またはコンポーネントは、自動的におよび/またはプログラムに従って置換および/または格納され得る。これは、開示するシステムの実施形態の短期のおよび中期の、完全にリモートのおよび自律的な運転を可能にする。
【0147】
内部ロボットアーム230機構は、圧力制御式容器110環境内に位置する。図7A~7Dに示すように、例示的な実施形態において、カードまたはコンポーネントが適切に運転していないとき、取り外しシーケンスが始動され得る。取り外しシーケンスが始動されると、内部アーム230は、ラック310から適切なコンピュータコンポーネント170および/または関連するシャシ400を取り外し、それを圧力制御式容器110内に位置するエアロック220まで移動させ、取り外しシーケンスの完了を信号で合図する。このシーケンスが完了すると、内エアロックドア222は、閉鎖し、エアロック圧力は、外側の雰囲気の圧力と等しくなり、外部エアロックドア224は、開放される。外部エアロックドア224が開放されると、外部ロボットアーム240は、エアロック220からシャシ400を取り外し、それを空の格納スロット内に配置する。
【0148】
いくつかの実施形態において、エアロック220は、エアロック220が外部環境に対して開放される前に、窒素および/または別の不活性および/または非凝縮性ガスでパージされる。こうした実施形態において、これは、エアロックが開放され、閉鎖されるときに、誘電性蒸気の損失を低減するまたはなくすという効果を有する。特定の実施形態において、エアロックは、内部部分、外部部分、または両方に、一方向弁を装備することになる。エアロックの内部および外部部分の両方に一方向弁を有する実施形態において、エアロックをパージすることは、圧力制御式容器110の内部雰囲気に入る外部環境の交叉汚染を防止し、誘電性蒸気の損失も防止することになる。
【0149】
カードまたはコンポーネント置換シーケンスが始動されると、外部ロボットアーム240は、格納スロットから置換コンポーネントおよび/またはシャシ400を取り外し、コンポーネントをエアロック220内に配置する。完了すると、外エアロックドア224は閉鎖され、エアロック圧力は、圧力制御式容器110の内側の圧力と等しくされ、内エアロックドア222は、開放される。内エアロックドア222が開放されると、内部ロボットアーム230は、エアロック220からシャシ400を取り外し、それを適切なラック310に挿入する。
【0150】
リモートからアクセス可能な管理システムに結合されると、内部および外部ロボットアーム230および240は、データセンター環境のリモート運転および管理を可能にする。これは、利用可能なままにされ、コストおよび/またはダウンタイムを低減するための人間オペレータの必要性を低減することができる。いくつかの実施形態において、外部ロボットアーム240は、可動ベースに搭載され、それにより、単一外部ロボットアームシステムが、開示するコンピューティングシステムの複数の実施形態にサービス提供することを可能にする。
【0151】
カスタム開発されたワークフロー管理システムおよび仮想化技術と統合されると、開示するロボットシステムは、最大レベルのシステム信頼性を提供することができる完全に自律的で自己回復型のデータセンター解決策の開発を可能にする。
【0152】
いくつかの実施形態において、一意の人間および/または機械可読シリアル番号および/または生産バッチコードを有する資産タグは、各コンピュータコンポーネントおよび/またはシャシ上に含まれ得る。これらの実施形態において、資産タグは一意のシリアル番号とすることができる。タグは、印刷されたバーコードまたはQRコードを含み、開示するロボットシステムの実施形態による自動部品識別を可能にすることができる。タグコードは、在庫管理および自動化システムに関する詳細コンポーネント情報を提供するために、管理ソフトウェアシステムに関連して同様に使用され得る。タグおよび任意の関連する接着剤または他のコンポーネントは、好ましくは、誘電性流体に適合する材料で作られる。タグは、好ましくは、シャシがラックに挿入されるときに可読であるスポットでシャシ上に位置する。いくつかの実施形態において、二次のまたはさらなるタグは、コンポーネントの識別および/または在庫管理を支援するためにシャシの他のエリア上に位置することができる。
【0153】
開示するロボットシステムの実施形態は、任意の個々のシャシが、一時的に取り外され、置換されること、「再着座(re-seating)」と呼ばれるプロセスを可能にする。これは、トラブルシューティング中に、コンポーネントのハード電力サイクルが所望されると判定されるときに有用である。再着座は、全ての電力を停止し、一瞬待ち、電力を再接続することによってこれを達成する。
【0154】
いくつかの実施形態は、個々のカードおよび/またはシャシが、エアロックを通して圧力制御式容器から取り外されることを可能にする。いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、ラック内のそのスロットからシャシを取り外し、それをエアロックに移動させ、エアロックが開放され、カードおよび/またはシャシが取り外されることを可能にするためにこのタスクの完了を信号で合図する。いくつかの実施形態は、置換コンポーネントおよび/シャシが、取り外しのために使用される同じエアロックを通して特定のラックスロット内に配置されることを可能にする。いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、エアロックからシャシを取り外し、それを適切なラックスロット内に配置し、このタスクの完了を信号で合図する。
【0155】
内側システム上のロボット
開示するシステムの実施形態は、「ロボット内側(robot inside)」ロボットシステムを含むことができる。そのような実施形態において、圧力制御式容器は、容器内のロボットアーム動作に対応するために拡張され得る。容器は、運転するコンピュータコンポーネントを含むラックの上方へのコンピュータコンポーネントおよび/またはシャシの移動または移送に対応するために同様に配置され得る。圧力制御式容器が、タンク、ポッド、および/または真空チャンバとも呼ばれ得ることが認識されるであろう。代替的に、圧力制御式容器の特定のコンポーネントが、タンクまたはポッドと呼ばれ得ることが認識されるであろう。
【0156】
図10Eは、ラックのコンピューティングコンポーネント、例えば、ラック310のシャシ400を取り外す、置換する、および/または設置するように構成されたガントリーロボット526を有する開示するシステムの実施形態を示す。いくつかの実施形態において、ガントリーロボット526は、電力分配システムのDC整流器および/または他のコンポーネントを取り外す、置換する、および/または設置するように同様に構成され得る。開示するコンピューティングコンポーネントおよび電力分配コンポーネントのいくつかの実施形態が、ホットスワップ可能であるように設計され得、ハンドルまたはガントリーロボット526によるハンドリングを容易にする他のフィーチャを含むことができることが認識されるであろう。いくつかの実施形態において、ガントリーロボット526は、xおよびy方向の両方に移動するように配置され、置換コンポーネントを取り外すおよび/または設置するためにz方向に降下することができる。いくつかの実施形態において、ガントリーロボット526は、シャシ400および/または電源を把持するために把持ツールを備え、例えば、把持ツールはプレート426を把持することができる。
【0157】
図10Eは、開示するタンクの例示的な実施形態の上断面図を示す。いくつかの実施形態において、ラック310のアレイには、シャシ400および/またはコンピューティングボードが埋められ得る。いくつかの実施形態において、各シャシ400は、約6KWの電力を利用することができ、各ラック310は、10個のシャシを含むことができる。したがって、10個のそのようなラック310を含む実施形態において、容器は、コンピューティングのために約600KWの電力を利用することができる。いくつかの実施形態において、さらなるラック310および/またはシャシ400のマガジン527およびDC電力整流器は、置換コンポーネントとして使用されるために、および/または、容器500から取り外されたコンポーネントを格納する空間を提供するために容器500内に格納され得る。
外側システム上のロボット
【0158】
図12A~12Eは、容器の別の実施形態を示す。特に、図12Aは、ガントリーロボット526が、シャシ400および/またはコンピューティングコンポーネントを収容するタンク710の外部にある容器700の実施形態を示す。この実施形態において、タンク710は、より小さくてもよいが、外部ガントリーロボット526がタンク710の内側のシャシ400および/または電源にアクセスするためにより頻繁に開放される必要がある。また、置換機器は、タンク710の外側にある格納部716などのモジュール式エンクロージャ内に格納および/または収容され得る。いくつかの実施形態において、タンク710は、複数のドア711を有することができ、それにより、コンポーネントまたはシャシ400を取り外す、設置する、および/または置換するために単一のドア711が開放されるときにタンク710の内部の露出を制限する。こうした実施形態において、置換コンポーネントは、タンクを不必要に開放することを回避するために、タンク710の外側に格納され得る。
【0159】
さらに、容器700は、1つまたは複数の変圧器712、電気分配パネル713、プロセス水パイプ512、および電気チェース714を含むことができる。容器700は、容器700内の種々の機器の状態をモニターし、制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)キャビネット715を含むこともできる。変圧器712、電気分配パネル713、プロセス水パイプ512、電気チェース714、およびPLCキャビネット715は、タンク710の外側に位置することができる。
【0160】
図12Bは、外部ガントリーロボット526がアクセス可能であるタンク710を有する容器700の断面図を示す。この例示的な実施形態において、凝縮器コイル132、ラック310、およびベローズ717は、タンク710内に位置する。図12Cは、外部ガントリーロボットおよび複数のドア711を有するタンク710を有する容器700の側面図を示す。この例示的な実施形態において、タンク710は、サンプエリアから流体を取り除き、流体を、流体パイプ521を通して流体濾過器520に送るための流体ポンプを含む。容器700は、置換機器の格納のためのマガジン718も含む。この例示的な実施形態において、マガジン718は、タンク710の外側に位置する。いくつかの実施形態において、スペーサおよび/またはバラストブロック160は、タンク710内の液体誘電性流体の総体積を低減するために使用され得る。
【0161】
図12Dは、例示的な実施形態によるラック310を示す。いくつかの実施形態においいて、冗長電源314は、主電源313に隣接するのと対照的にラック310の反対側に位置決めされ得る。さらに、電力および/またはデータケーブル318および319は、特定の配備の特定の要件に対応するために代替の構成でルーティングされ得る。この例示的な実施形態において、バックプレーン受信機331は、ラック330の下に位置する。
【0162】
図12Eは、開示するタンク710のいくつかの代替の実施形態において使用され得る例示的なヒンジで動くドア711を示す。いくつかの実施形態において、摺動ドアは、ヒンジ式ドアと対照的に、誘電性蒸気内で電流を誘起することを低減または回避するために利用され得る。ドアをゆっくり摺動して開放することは、ヒンジ式ドアを揺動して開放し、混合電流を引き起こすことに比べて、おそらく誘電性流体を乱さない。
【0163】
管理システム
管理システムは、開示するコンピューティングシステムのユーザとコンピューティングシステム自体との間のウェブベースインターフェースである。管理システムの実施形態は、コンピューティングシステムの運用上の視点を提供し、圧力制御式容器110、ロボットシステム、通信システム、電力システム、ならびに/または全ての他のシステムおよびコンポーネントをモニターすることおよび管理することを含む、種々のコンポーネントのモニタリングおよび管理を可能にする。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、図12AのPLCキャビネット715内に実装され得る。別の例示的な実施形態において、管理システムは、図10Aの電力および通信ボックス513内に実装され得る。各実施形態において、電力管理システムは、制御デバイスまたは他の適切なデバイス、例えば、コンピュータ上のソフトウェアプログラムとして実装され得る。
【0164】
特定の実施形態において、単純なネットワーク管理プロトコルアクセス可能データポイントのセットは、第3者モニタリングシステムによるキー運転パラメータのモニタリングを可能にするために、管理システムのユーザに対して利用可能にされ得る。全運転ログが維持され得、チャートが、運転条件データのユーザレビューのために提供され得る。
【0165】
システムコンポーネントの定期的メンテナンスは、管理システムによってスケジュールされ、維持され得る。ユーザは、ルーチンメンテナンスの定期的リマインダーを提供され、インターフェース内で実施されるものとしてリマインダーを承認する可能性があり得る。このデータは、履歴運転レビューのために運転ログ情報の一部として全て維持され得る。
【0166】
いくつかの実施形態において、運転機能は、コンピューティングシステムおよび関連するコンポーネントのリモートプログラマティックモニタリングおよび管理を可能にするためにAPIインターフェースを介して同様にエクスポーズされ得る。運転上のモニタリングおよび警報機能の全セットは、任意の問題が発生した場合に、オペレータへの通知を可能にするために含まれ得る。
【0167】
管理システムの集中化サーババージョンまたはホスト型クラウドベース管理バージョンは、複数の圧力制御式容器コンピューティングシステムと共に顧客によって利用され得る。これは、圧力制御式容器コンピューティングシステムのフリートの管理のために、プログラマティックでかつユーザアクセス可能な単一インターフェースをオペレータに提供する。
【0168】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアベースインターフェースモジュールは、コンピューティングプラットフォームおよび第3者管理ユーティリティ、例えば、Microsoft System CenterおよびVMWare VCenterとの相互運用を可能にする。ユーザおよび管理システムによって提供されるAPIインターフェースは、開示するロボットシステムとの完全な相互運用を可能にすることができ、開示するコンピューティングプラットフォームの完全リモートかつプログラマティックな自律的運転および管理を可能にする。
【0169】
いくつかの実施形態において、制御システムは、温度、圧力、流量、および/または電力管理を含む、運転の調整および制御を可能にする。いくつかの実施形態において、ユーザ認証システムは、複数の一意のユーザがシステムに対して認証されることを可能にする。いくつかの実施形態は、役割ベースおよび/または要素ベース許可システムを含む。そのような実施形態において、管理者は、ユーザが関連することができる複数の役割を構成する、および/または、個々のユーザに、彼らの役割割当て以外で特定の許可を適用することを可能にする。
【0170】
いくつかの実施形態は、容器および/または上部構造内に位置することができるカメラからのビデオフィードを記録し、取り出す能力をユーザに提供するためにビデオ管理を組み込む。いくつかの実施形態において、カメラは、プロセッサによって分析され得る視覚データを取得することができる。そのような実施形態において、プロセッサは、取得される視覚データに応答して、容器、ロボット、および/または上部構造システムの運転を制御するためにコンピュータビジョン技法を利用することができる。
【0171】
いくつかの実施形態において、制御システムおよびソフトウェアは、開示するコンピューティングプラットフォームの全体システムおよび/または個々のサブシステムおよび/またはコンポーネントの運転および状態に関するレポートを生成するように構成され得る。
【0172】
例示的な組合せ式システムの実施形態
開示するシステムが、個々にまたは組み合わせて利用され得ることが理解されるであろう。種々の使用事例に対して調節され得る組合せ式コンピューティングシステムの複数の実施形態が存在する。
【0173】
1つの例示的な実施形態は、クリプトシリーズ(Crypto Series)である。これは、専用のコンピューティングハードウェア、そのハードウェアのために設計されたガイドプレートおよび配線用ハーネスを有するラック310、通信システム360アーキテクチャの修正実装態様、ならびに、1MW圧力制御式容器110および電力分配システムを利用する開示する技術の超高密度実装態様である。この実施形態の典型的なユーザは、カスタマイズされたコンピューティングコンポーネントを使用して暗号通貨マイニングもしくは他の超高電力密度プロセスを実施したいと思うユーザ、または、全範囲2相液浸冷却システムを開発したいと思うコンピューティグコンポーネントの製造業者であって、そのシステムに製造業者が自分のハードウェアを組み込むことになる、製造業者である。
【0174】
別の例示的な実施形態は、GPUシリーズである。これは、開示する技術の高密度GPUスーパーコンピューティング実装態様である。この実装態様は、カスタムメイドシャシ400、ラック310、および、超高速GPUツーGPU通信を容易にするためにGigabyteからのマザーボードおよびNVidia NVLink技術を使用するNVidiaからのGPUを組み込むように設計されたバックプレーンインターフェース330技術を利用する。この技術の典型的なユーザは、グラフィクスレンダリング、粒子シミュレーション、および一般的な研究活動を含む、GPUベースコンピューティングおよびメモリ能力を利用することができる汎用並列処理アプリケーションを含む。
【0175】
さらに別の例示的な実施形態は、CPUシリーズである。これは、開示する技術の高密度CPUコンピューティング実装態様である。この実装態様は、ハイエンドスーパーマイクロベースマザーボード、Intel Xeon CPU、高速ネットワークインターフェース、高速メモリ、およびローカルストレージ用のソリッドステート記憶デバイスを利用する。この技術の典型的なユーザは、データセンター、エンタープライズ、ならびに、クラウド/VPSホスティングプロバイダー、およびサービスプロバイダーであって、自分自身の内部アプリケーションのためにまたは自分が第3者顧客および他の組織に提供するアプリケーションのためにハイパフォーマンスコンピューティングを利用する、サービスプロバイダーを含む。
【0176】
さらに別の例示的な実施形態は、エッジシリーズを含む。これは、リモートの/現場の配備のために、または伝統的なビジネスおよびデータセンター環境内でもしくはそれと並行して特に設計される開示するコンピューティングシステムのスケールダウンされた実装態様である。その実施形態は、フルリモートモニタリングおよび管理能力を有するセキュアで耐候性環境に焦点を合わせる。この技術のターゲットユーザは、現場配備され分配される技術のオペレータ、例えば、分配された現場インフラストラクチャを有するネットワークオペレータおよび他の組織、ならびに、既存の施設または構造に対して最小の修正によって自分のコンピューティング能力を増大させたいと思う既存の施設のオペレータである。このシステムは、システムに対する、電気、水、およびネットワーク接続性を含むユーティリティサービスの接続を簡略化するために、外部構造に対して種々の強化を組み込むことができる。
【0177】
自己完結型実施形態
いくつかの開示する実施形態は、水の外部供給源に依存しない。そのような実施形態は、上記で説明したように、凝縮器を通して循環され得る水または別の流体を冷却するための閉ループチラーを備えることができる。冷却水の外部供給源ではなく、閉ループチラーの使用は、実質的に自己完結型である実施形態を可能にする。
【0178】
図13は、例示的な自己完結型容器750を示す。図13の例示的な実施形態は、ポッドまたは浸漬タンク710内の凝縮器において使用される水または別の液体を冷却するためのスキッド搭載式閉ループチラー719を利用する。閉ループチラーを利用することによって、冷却水の外部供給源の必要性がなくなり得、完全に運転可能であるために電力の外部供給源およびネットワーク接続のみを必要とし得る自己完結型データセンター解決策をもたらす。容器750は、ベローズ717、ドア711、ガントリーロボット526、電気分配パネル713、PLCキャビネット715、およびマガジン718を含むこともできる。
【0179】
いくつかの実施形態において、閉ループチラー719は、モジュール式圧力制御式容器の外ハウジング内に閉囲されるスキッド搭載式閉ループチラーとすることができる。そのような実施形態において、熱は、コンピュータコンポーネントからタンク710内の誘電性液体に伝達される。このプロセスは、本明細書で論じたように誘電性液体を誘電性蒸気に変換する。誘電性蒸気は、タンク710内で上昇し、凝縮器によって冷却され、それにより、誘電性蒸気を誘電性液体に戻すように変換する。誘電性蒸気から凝縮器に伝達される熱は、その後、凝縮器から、凝縮器内の冷媒または凝縮流体に、その後、閉ループチラー719に伝達される。いくつかの実施形態において、チラー719は、蒸気圧縮、圧縮器、蒸発器、熱交換器、または、冷媒もしくは凝縮流体を冷却する他の閉ループ法を使用して、冷媒または凝縮流体から熱を取り除く。冷媒または凝縮流体からの熱は、空気冷却によって最終的に消散される。いくつかの実施形態において、これは、自己完結型でモジュール式で空気冷却式の2相液浸コンピューティングシステムをもたらす。一部の自己完結型実施形態の空気冷却は、浸漬冷却の分野が、空気冷却、特に、自己完結型デバイスの空気冷却を一般に否定的に教示したため、驚くべきことである。
【0180】
いくつかの開示する実施形態は、空間節約フットプリントを有するフォームファクターで提供され得る。例示的な実施形態は、上記で説明したように、誘電性液体内に浸漬された10個のブレードまたはサーバを含む単一ラックを備える。いくつかの実施形態において、各サーバは、約6kWの電力を引き出すことができる。したがって、いくつかの例示的な実施形態は、小さいフットプリントで約60kWのコンピュータ電力を提供する。
【0181】
図13に示す例示的な実施形態は、約4フィート2インチ深さ、約8フィート8.5インチ幅、および約8フィート8インチ高さであるフットプリント内に含まれる。この例示的な実施形態は、約60kWのコンピュータ電力ならびに他の運転可能コンポーネントおよびシステムを構成し、約36.3平方フィートの面積内に含まれる。容器の運転可能コンポーネントが、誘電性流体を含むタンクまたはポッド、凝縮器、電源、およびコンピュータコンポーネント用のデータ接続部を含むことができるが、それらに限定されないことが認識されるであろう。容器は、センサ、制御機器、電力キャビネット、ベローズ717、真空システム、流体濾過器、パージシステム、および/または他のコンポーネントを備えることもできる。いくつかの自己完結型実施形態は、外ハウジングを備えることができる。いくつかの実施形態において、外ハウジングは、容器を閉囲し、構造的支持を提供し、スキッド搭載可能であり、換気され、耐候性および/もしくは耐水性であり、ならびに/または装飾的であり得る。いくつかの実施形態において、自己完結型容器の外ハウジングは、閉ループチラーの使用を容易にするために、ラジエターコイル、ファングレート、熱伝達コンポーネント、および/または空気冷却式コンポーネントを備えることができる。
【0182】
いくつかの実施形態において、自己完結型コンピューティングシステムは、1平方フィートの面積当たり少なくとも約1.5kWのコンピューティング電力、1平方フィート当たり少なくとも約1.6kW、1平方フィート当たり少なくとも約1.65kW、1平方フィート当たり少なくとも約1.8kW、1平方フィート当たり少なくとも約2.0kW、または1平方フィート当たり少なくとも約3.0kWを提供する。いくつかの実施形態において、自己完結型コンピューティングシステムは、1平方フィートの面積当たりせいぜい約1.5kWのコンピューティング電力、1平方フィート当たりせいぜい約1.6kW、1平方フィート当たりせいぜい約1.65kW、1平方フィート当たりせいぜい約1.8kW、1平方フィート当たりせいぜい約2.0kW、または1平方フィート当たりせいぜい約3.0kWを提供する。自己完結型システムの高さが調整され、それにより、より多いまたはより少ないコンピューティング電力が所与のフットプリント内で提供されることを可能にし得ることが認識されるであろう、
【0183】
開示する例示的な実施形態の寸法、コンポーネント、配置、および構成が、種々のフォームファクターで種々の考えられる実施形態を生成するために、修正され、付加され、および/または減算され得ることが認識されるであろう。
【0184】
いくつかの実施形態において、自己完結型コンピューティングシステムは、ブレードサーバ、電源、または他のコンポーネント、例えば、シャシ400を取り外す、置換する、および/または設置するように構成された、例えば、ガントリーロボット526などのロボットシステムを備えることができる。自己完結型システムは、「内側のロボット(robot on the inside)」または「外側のロボット(robot on the outside)」システムを備えることができる。より小さいフットプリントを有する実施形態において、置換コンポーネントのより小さいマガジン718が使用され得る。いくつかの実施形態において、置換コンポーネントのマガジン718は、図13に示すように、タンク710の外部に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、タンク710、ラック、コンピュータコンポーネント、電源、置換マガジン718、およびガントリーロボット526は、ガントリーロボット526が、実質的にただ1つの方向に移動しながら、コンポーネントを取り外す、置換する、および/または設置することができるように配置され得る。種々のコンポーネントが、実質的に直線状に配置される場合、ガントリーロボット526は、第2の方向に移動することなく、所望のコンポーネントを取り外す、置換する、および/または設置するために、単一軸に沿って移動することができる。ガントリーロボット526が、単一の直線方向に移動することに加えて、コンポーネントを上げ下げすることができることが認識されるであろう。
【0185】
図13に示す実施形態などのコンパクトなフォームファクターを利用することは、自己完結型2PLICシステムが容易に輸送されることを可能にする。閉ループチラー719の組み込みは、2相液浸冷却システムが、冷えた水の実際の供給源にアクセスできない場合があるリモート条件で利用されることを可能にする。さらに、外部冷却水の必要性の排除は、2つの外部接続、電源、およびデータ接続のみを、いくつかの実施形態において、必要とする自己完結型コンピューティングシステムを生成する。
【0186】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、図14に示す外ハウジング内に含まれ得る。いくつかの実施形態において、図13において概略的に識別されるおよび/または本明細書で開示されるコンポーネントは、外ハウジング内に含まれ得る。いくつかの実施形態において、外ハウジングの体積は、予想される冷却要件、閉ループチラーの構成、および/または、自己完結型コンピューティングシステムが配備されることが期待される環境に基づいて適合され得る。
【0187】
開示する自己完結型で自己回復型のコンパクトフォームファクターの実施形態は、ほぼ全ての場所または環境に対して有意のコンピューティング能力を提供するためにスタンドアローン解決策として使用され得る。いくつかの用途において、複数のコンパクトなコンピューティングシステムは、クラスターを作成するために互いの近くに位置決めされ得るおよび/または共にリンクされ得る。いくつかの実施形態において、外ハウジングは、外ハウジングの一方の側のみまたは両方の側にアクセスしながら、メンテナンスおよび/またはサービス運転を行うことを可能にするために配置される。この配置は、個々の自己完結型コンピューティングシステムが、各自己完結型システム間に、低減したまたは最小の距離を有する状態で位置決めされることを可能にする。
【0188】
1つの例示的な実施形態において、4つの例示的な自己完結型コンピューティングシステムのクラスターは、約140平方フィートフットプリントで約240kWの自己完結型コンピュータ電力を可能にするために戦略的に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、これらのユニットは、互いに電力および/またはデータ通信状態にあり、それにより、単一外部電力接続および単一データ接続のみによるマルチユニットクラスターの運転を可能にし得る。いくつかの実施形態において、データセンターは、複数のコンパクトコンピューティングシステムまたはそのようなコンピューティングシステムの複数のクラスターを使用して確立され得る。
【0189】
いくつかの開示する実施形態および/または本明細書で開示するコンピューティングシステムは、現代のデータセンターおよび/または気候制御式環境において利用され得るが、開示する自己完結型コンピューティングシステムのいくつかの実施形態は、リモート場所および厳しい環境条件において配備され得る。いくつかの実施形態において、外ハウジングは、耐候性であり、耐水性であり、および/または長期間厳しい環境への曝露に耐えるためにその他の方法で配置され得る。いくつかの開示する実施形態は、リモートのまたは困難な場所への大量のコンピューティングリソースの迅速な配備を可能にする。いくつかの自己完結型実施形態は、電源およびデータセンターへのアクセスによって、実質的に任意の場所で運転可能であるように配置され得る。いくつかの実施形態において、無停電電源および/または発電機は、電力に対するより信頼性があるまたは一貫性のあるアクセスを提供するために、コンピューティングシステムに動作可能に接続され得る。
【0190】
いくつかの開示する自己完結型実施形態は、積み重ね可能であるように設計される。いくつかの積み重ね可能な実施形態は、減少した高さで設計され得る。特定の実施形態は、約5フィート5インチ高さ、5フィート6インチ深さ、および9フィート幅である。これは、42平方フィートフットプリントにおいて約60kWのコンピュータ電力をもたらすことができる。そのようなユニットは、同じ42平方フィートフットプリントにおいて120kWのコンピュータ電力を提供するために垂直に積み重ねられ得る。
【0191】
開示するコンピューティングシステムの実施形態は、積み重ねられ得、複数のスタックは、互いに隣接して位置決めされ得る。これは、個々のコンピューティングシステム間のアイル空間の必要性を低減し、それにより、データセンター内で全体的により高い電力密度を可能にする。
【0192】
いくつかの実施形態は、自己完結型コンピューティングシステムの一方の側のみへのアクセスによって完全に運転可能かつメンテナンス可能であるように設計され得る。そのような実施形態は、自己完結型システムを互いに非常に近接して位置決めすることを容易にするため、有利であり得る。さらに、いくつかの自己完結型実施形態において、浸漬タンク全体は、デバイスの一方の側のみにアクセスしながら、取り外され得るおよび/または置換され得る。特定の実施形態において、タンクは、個々にモジュール式および/またはスキッド搭載式とすることができる。
【0193】
いくつかの実施形態において、自己完結型コンピューティングシステムは、さらにより小さいフットプリントを利用するために垂直に配置され得る。開示するシステムの垂直設計された実施形態は、約22.9平方フィートフットプリントにおいて約60kWのコンピュータ電力を提供することができる。いくつかの他の開示する実施形態の場合と同様に、いくつかの垂直配向した自己完結型コンピューティングシステムは、互いに近接して位置決めされ得る。また、いくつかの他の実施形態に関して論じたように、いくつかの垂直配向した自己完結型コンピューティングシステムは、デバイスの一方の側のみへのアクセスによって運転され、メンテナンスされ得る。いくつかの実施形態において、タンク全体は、外ハウジングから取り外され、置換され得る。この配置は、複数のブレードサーバおよび/または他のコンピューティングコンポーネントの迅速置換を可能にする。
【0194】
モバイル実施形態
冷却水の外部供給源を必要としない自己完結型コンピューティングシステムは、新規のコンピューティングアプリケーションを可能にする。いくつかの実施形態において、電力は、発電機を使用してシステムに提供され、それにより、システムを外部および/または固定電力の供給源に接続する必要性を取り除くことができる。いくつかの実施形態において、システムは、無線データ通信に頼ることができる。
【0195】
固定電力供給源または有線データ通信に頼らない特定の自己完結型実施形態において、完全にモバイルのコンピューティングシステムが実装され得る。開示する実施形態は、ほぼ全ての環境において大量のコンピュータ電力を提供するために使用され得る車両搭載式自己完結型コンピューティングシステムを含む。いくつかの実施形態において、トラック搭載式無線コンピューティングシステムは、既存のまたは一時的なネットワークの無線通信範囲内で駆動され、セットアップまたは設置時間が実質的にない状態でかなりの量のコンピュータ電力を提供することができる。
【0196】
天然水実施形態
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、ボート、船、オイルリグ、浮遊プラットフォーム、または、水域に近接して位置する他の容器もしくは構造上で利用されるように配置され得る。そのような実施形態において、本明細書で論じるように、誘電性蒸気を誘電性液体に戻すように変換するために使用される凝縮器は、水域からの水を使用して冷却され得る。1つの例示的な実施形態において、モジュール式コンピューティングシステムは、水取込み部、水出力部、およびポンプまたはインペラーを備えることができる。ポンプおよび/またはインペラーは、水を、水域から、凝縮器を通り、その後、水域に戻るように流れさせることができる。いくつかの実施形態は、凝縮器、パイピング、および他のコンピューティングシステムコンポーネントを、水域内の汚染物質の考えられる供給源から保護するように設計された濾過器および/またはプロセスコンポーネントを備えることができる。いくつかの実施形態において、凝縮器および他のコンポーネントは、例えば、海洋水などの塩気のあるまたは塩辛い水との長期接触に耐えるように配置される。
【0197】
水平マガジンスワップ
いくつかの実施形態において、置換コンポーネントのマガジンは、タンクの外側におよびコンピューティングシステムの外ハウジング内に格納され得る。例えば、シャシ、サーバ、ブレード、および/または電力コンポーネントなどの置換コンポーネントは、マガジンから取り外され、タンク内のコンポーネントを置換するために使用され得る。マガジンは、マガジンからのコンポーネントが置換されることを可能にするために、コンピューティングシステムの外ハウジングから出て延在するように構成されたプラットフォーム上にあり得る。
【0198】
1つの非制限的な例において、タンク内のブレードサーバが誤動作すると、ロボットアームは、タンクから非稼働コンポーネントを抜き出し、非稼働コンポーネントをマガジンの格納スロットまで移動させるために使用され得る。ロボットアームは、その後、機能するブレードサーバをマガジンから取り外し、それを、非稼働サーバが以前に設置されていた場所に設置し、それにより、非稼働サーバを新しい稼働サーバと置換することができる。
【0199】
経時的に、マガジンは、ロボットシステムが長期運転を継続するために、新しい稼働コンポーネントと置換され得る非稼働コンポーネントを蓄積する。いくつかの実施形態において、マガジンは、外ハウジングの外側に延在することができ、それにより、オペレータがマガジンにアクセスすることを可能にするプラットフォーム上にある。いくつかの実施形態において、プラットフォームは、コンポーネントがマガジンに入るまたは出るように摺動することを可能にするために、マガジンを実質的に垂直な位置から実質的に水平な位置に回転させるように構成される。
【0200】
いくつかの実施形態において、調整可能高さカートが、コンポーネントを移動させ、ロードし、および/または受け取るために使用され得るため、マガジンからコンポーネントを取り外しながらまたは置換しながら、コンポーネントの重量を持ち上げるまたは支持するために人間オペレータは必要とされない。実質的に水平な位置に回転するように構成されたマガジンが、機能するコンポーネントをマガジン内にロードするだけでなく、機能しないコンポーネントを取り外すことも容易にし得ることが認識されるであろう。
【0201】
図15Aから15Dは、容器の外に延在することが可能なプラットフォーム820上に位置する例示的なマガジン810を示す。図15Aにおいて、マガジン810は、回転部材821、支持部材822、およびレール823を含むプラットフォームに接続され得る。いくつかの実施形態において、支持部材822は、支持部材822が、マガジン810およびマガジン内に格納された任意のサーバまたは他のコンポーネントの重量を支持しながら、移動することを可能にするレール823に接続され得る。図15Aの例示的な実施形態において、プラットフォーム820は伸長位置にある。
【0202】
図15Bに示すように、通常運転中に、支持部材822は、コンピューティングシステムの外ハウジングに対して後退され得る。マガジン810は、通常運転中に、レール823の上方に格納され得る。いくつかの実施形態において、マガジン823の重量は、レール823上の支持部材822の位置によらず、支持部材822およびレール823によって支持される。
【0203】
いくつかの実施形態において、例えば、開示する実施形態によって利用されるサーバなどのコンピュータコンポーネントは、伝統的なコンピュータコンポーネントより密におよび/または重くなり得る。いくつかの実施形態において、開示する実施形態の冷却能力の増加により、ブレードサーバは、少なくとも約50lbsと同程度のまたは少なくとも約60lbsと同程度のまたは少なくとも約70lbsと同程度のまたは少なくとも約80lbsと同程度のまたは少なくとも約90lbsと同程度のまたは少なくとも約100lbsと同程度の重量であり得る。いくつかの実施形態において、ブレードサーバは、せいぜい約50lbsと同程度のまたはせいぜい約60lbsと同程度のまたはせいぜい約70lbsと同程度のまたはせいぜい約80lbsと同程度のまたはせいぜい約90lbsと同程度のまたはせいぜい約100lbsと同程度の重量であり得る。図15Bに示すように、マガジン810は、複数のシャシ400またはブレードサーバを保持することができ、個々のブレードサーバは、約73lbsの重量であり得る。マガジンに3つのそのようなサーバがロードされると、マガジン810およびサーバの組み合わせた重量は、約395lbsになり得る。
【0204】
いくつかの実施形態において、使用されるサーバは、シャシ上に搭載されるブレードサーバである。サーバおよび/またはシャシは、コンピューティングシステムにおけるサーバの設置および取り外しを容易にするためにバックプレーンシステムを含むことができる。いくつかの実施形態において、サーバは、ファンまたは他の空気冷却デバイスを含まない浸漬サーバとすることができる。いくつかの実施形態において、個々のサーバボードは、16個のGPUを備え、約6KWの電力を引き出すように構成され得る。いくつかの実施形態において、サーバは1.5Uサーバである。いくつかの開示するサーバは、1オットー浸漬ユニット(OIU:Otto Immersion Unit)サーバである。そのようなサーバは、1.5U高さであり、液浸冷却のために構成される。いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム内の単一タンクは、10個の1OIUサーバを、全部で10個のサーバが実質的にフル電力で運転すると約60KWの電力で運転するように構成され得る。いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、そのようなタンクの1つまたは2つを備えることができる。いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムは、例えば、10個のそのようなタンクなどの複数のタンクを備えることができる。
【0205】
いくつかの実施形態において、マガジンがコンピューティングシステムから抜き出されると、図15Aに示すように、支持部材は、格納位置からレールに沿って移動し、コンピューティングシステムの外ハウジングの外側で片持ちにされる。
【0206】
図15C~15Dにも示すように、マガジンは、レールに沿って引き出されるか、またはそうでなければ摺動され、コンピューティングシステムの外側で片持ちにされ得る。いくつかの実施形態において、図15C~15Dに示すように、マガジン取外しツールは、マガジン全体およびマガジン内に含まれるコンポーネントを取り外すために使用され得る。そのような実施形態において、マガジン取外しツールは、マガジンを輸送するために、支持部材および摺動レールからマガジンを持ち上げるために使用され得る。
【0207】
いくつかの実施形態において、マガジンがコンピューティングシステムの外部に移動されると、プラットフォームは、マガジンを実質的に水平な位置に回転させることができる。マガジン内に含まれるサーバは、その後、マガジンから外に摺動することができる。
【0208】
図15A~15Dは、例示的な実施形態による、マガジンからサーバを取り外すための例示的な一連のステップを示す。例示的な実施形態において、マガジンは、アクセスドアの背後のリニアガイドレールシステムに取り付けられ得る。図15C~15Dに示すように、マガジンは、引き出され、コンピューティングシステムの外側で片持ちにされ得る。マガジンは、手動で引き出され得るか、または電動もしくは自動化システムを使用してコンピューティングシステムから外に移動され得る。図15Dに示すように、マガジンは、マガジン内に含まれるサーバおよび/または他のコンポーネントを実質的に水平な位置に配向させるために約90度回転され得る。実質的に水平な位置になると、サーバおよび/または他のコンポーネントは、マガジンから外に、そして、サーバおよび/または他のコンポーネントを受け取るように構成されたカートまたは他のツール上に摺動することができる。図15Cに示すように、シザーリフトカートは、サーバおよび/または他のコンポーネントを受け取るために好都合な高さに調整され得る。転動表面を有する調整可能な高さカートは、サーバの重量を支持するために人間オペレータを必要とすることなく、サーバが、マガジンからカート上に移送されることを可能にするために使用され得る。図15Dに示すように、サーバが、滑走表面または転動表面によってカート上で摺動されると、サーバまたは他のコンポーネントは、置換またはサービス提供されるために、他の場所に輸送され得る。新しいコンポーネントが、実質的に同じステップを使用して逆順でマガジン内にロードされ得ることが認識されるであろう。
【0209】
いくつかの代替の実施形態において、マガジンは、レールなしの回転および伸長可能なアーム上に支持され得る。そのような実施形態において、マガジンは、通常運転中にコンピューティングシステムの外ハウジング内で実質的に垂直な位置で格納され得る。マガジン内のコンポーネントが置換されるべきであると判定されると、マガジンは、伸長可能アームを使用して外ハウジングの外側に延出され得る。マガジンが外ハウジングを超えて延出されると、マガジンは、実質的に垂直な位置から実質的に水平な位置に回転されて、マガジン内に格納されたコンポーネントがマガジンから水平に取り外されることを可能にすることができる。
【0210】
ベローズ
いくつかの実施形態において、ベローズおよび/または蒸気収集システムが利用され得る。いくつかの開示する実施形態が最初に作動される前に、誘電性流体、サーバなどのコンピュータコンポーネント、および他のシステムコンポーネントは熱平衡にあり得る。コンピューティングシステムが作動されると、サーバなどのコンピュータコンポーネントは、誘電性流体内に消散され得る熱を生成し始め得る。このプロセスは、誘電性流体の一部を液体状態から蒸気状態にシフトさせる。流体の温度が増加するにつれて、誘電性流体のより多くの部分が蒸気状態にシフトされ得る。閉システムにおいて、誘電性蒸気の体積の増加は、システム内の圧力の増加をもたらし得る。いくつかの実施形態において、誘電性流体を含むタンクは、回収システムと流体および/または蒸気連通し得る。
【0211】
図16は、例示的な実施形態による蒸気回収システム900を示す。回収システム900は、誘電性蒸気を含むタンク710に接続される。誘電性蒸気は、タンク710からパイピングを通って1つまたは複数のベローズ905まで流れ得る。いくつかの実施形態において、蒸気回収システム900は、誘電性蒸気を受け取り、それにより、タンク710におけるいずれの圧力上昇をも低減するまたはなくすように構成された拡張および圧潰するベローズ905を備える。システムが冷却されるか、または誘電性蒸気の一部分が誘電性液体に凝縮されると、ベローズは、タンク710内での圧力平衡を実質的に維持するために、圧潰または収縮し得る。
【0212】
いくつかの実施形態において、蒸気回収システム900は、周囲空気が蒸気回収システムに入ることを可能にするように構成された弁912を備える。そのような実施形態において、誘電性蒸気は、周囲空気と混合され得る。誘電性蒸気を周囲空気と混合させることで、誘電性蒸気の温度を減少させることができる。いくつかの実施形態において、混合された空気/蒸気は、カーボンベッド911を通して方向付けられ得る。カーボンベッド911内のカーボンメディアは、周囲空気が、カーボンメディアを通過し、例えば、出口弁913を通してシステム900から排気されることを可能にしながら、誘電性蒸気を引き寄せるように構成され得る。こうして、加熱された誘電性蒸気は、冷却され、カーボンメディアによって捕捉され得る。
【0213】
十分な期間運転すると、コンピューティングシステムの実施形態は、利用されるコンピューティングコンポーネントの電力容量に基づいて定常熱状態に達する。より多くのまたはより少ないコンピューティング電力が利用される場合、より多くのまたはより少ない誘電性流体が誘電性蒸気にシフトされ得る。これは、誘電性流体内に消散される熱に応答して、ベローズ905を膨張および/または収縮させることができる。
【0214】
いくつかの実施形態において、ベローズ905は、1つまたは複数のパウチを備えることができる。各パウチは、金属フォイルおよびポリマーラミネート構造を備えることができる。ベローズパウチは、蒸気回収システムパイピングにおよび互いに直列にまたは並列に接続され得る。いくつかの実施形態において、拡張したベローズパウチの総体積は、タンクの液体流体体積の少なくとも約15%になり得る。いくつかの実施形態において、拡張したベローズパウチの総体積は、タンクの液体流体体積の少なくとも約20%または少なくとも約23%または少なくとも約25%またはそれより多くなり得る。いくつかの実施形態において、拡張したベローズパウチの総体積は、タンクの液体流体体積のせいぜい約40%またはせいぜい約30%またはせいぜい約25%またはそれより少なくなり得る。
【0215】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムが熱安定に実質的に達すると、蒸気回収システム900は、冷却用周囲空気に対して閉鎖され得、空気がシステムから出て排気されることを可能にする弁は閉鎖され得る。いくつかの実施形態において、カーボンベッドは、弁を使用してタンクおよびベローズのみに対して開放されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、熱をカーボンメディアに伝えるように構成された脱離加熱器は、カーボンメディアの温度を上げるために作動され得る。カーボンメディアの温度が上がるにつれて、カーボンメディアによって前もって捕捉された任意の誘電性流体は、カーボンから出てタンク内に戻るように駆動され得、上記で説明したように、誘電性流体に戻るように凝縮され得る。
【0216】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステムが、以前の定常状態より低い定常状態で電力供給されると、蒸気状態にある誘電性流体の部分は減少する場合があり、いくつかの実施形態において、ベローズは、誘電性蒸気の減少に対応するために収縮し得る。いくつかの実施形態において、ベローズに入る周囲空気を可能にする弁は、空気がベローズに入ることを可能にし、任意の圧力差をさらに低減するために開放され得る。いくつかの実施形態において、周囲空気ではなく窒素は、圧力差を低減し、周囲空気からの考えられる任意の汚染を導入することも回避するために使用され得る。
【0217】
いくつかの実施形態において、ベローズおよび/または蒸気回収システムは、完全にまたは実質的に受動的であり得る。いくつかの実施形態において、ベローズおよび/または蒸気回収システムは、コンピューティングシステム全体を通して位置決めされた温度、圧力、および/または電力センサからのセンサデータに基づいて電力供給および/または自動化され得る。
【0218】
いくつかの実施形態において、蒸気回収システムを有するコンピューティングシステムは、システムが閉システムでなくても排ガスがない。いくつかの実施形態において、周囲空気または窒素は、システムに導入され、任意のまたは実質的に任意の誘電性流体を周囲雰囲気内に解放することなくシステムから外に排気され得る。
【0219】
例示的な実施形態
開示する実施形態は、コンピュータコンポーネントおよび/またはコンピューティング電力の密度の増加を可能にする。圧力制御式容器110内に2相液浸冷却式コンピュータコンポーネント170を備えるいくつかの実施形態において、コンポーネントは、互いにから、約1インチより短い距離または約0.7インチより短い距離または約0.5インチより短い距離だけ分離され得る。いくつかの実施形態において、個々のコンポーネントは、約0.3インチより長い距離または約0.5インチより長い距離または約0.7インチより長い距離または約1インチより長い距離または約1.5インチより長い距離だけ分離され得る。
【0220】
いくつかの開示する実施形態は、伝統的なデータセンターと比較して、改善された電力利用効率(PUE)を可能にする。開示する実施形態を使用することは、コンピュータコンポーネント170を冷却するために低減したエネルギー使用を可能にし、それにより、データセンターの総エネルギー使用を低減し、PUEを1.0近くにもたらす。いくつかの実施形態は、圧力制御式容器110内に2相液浸冷却式コンピュータコンポーネントを備えるデータセンターに関し、データセンターは、約1.15より小さいまたは約1.10より小さいまたは約1.08より小さいまたは約1.05より小さいPUEを有する。いくつかの実施形態は、圧力制御式容器110内に2相液浸冷却式コンピュータコンポーネントを備えるデータセンターに関し、データセンターは、約1.05より大きいまたは約1.06より大きいまたは約1.08より大きいまたは約1.10より大きいPUEを有する。
【0221】
いくつかの実施形態において、熱伝導性で凝縮性の誘電性流体は、2相液浸冷却システムで使用されるために提供される。コンピュータコンポーネントは、誘電性流体が蒸発する温度を減少させる周囲大気圧より低い圧力下で運転され、それにより、誘電性流体の液相を標準的な大気圧と比較して低い温度に維持する。コンピュータコンポーネントは、運転するにつれて熱を発生する。発生した熱は、コンピュータコンポーネントと接触している誘電性液体に伝達され、誘電性液体をガスになるように蒸発させる。ガス状誘電性流体は、凝縮器を使用して凝縮され得る。周囲温度または冷えたプロセス水は、凝縮器を通過する。ガス状誘電性流体は、凝縮器によって冷却されると、液相に戻るように凝縮され、液体誘電性流体のバスに戻る。
【0222】
いくつかの開示する実施形態は、高密度データセンターに関する。伝統的なデータセンターは、約10,000平方フィートにわたって分散される約1メガワット(MW)のコンピューティング電力を含む。ハイエンドデータセンターは、約6,000平方フィートにわたって分散される約1MWのコンピューティング電力を含むことができる。開示する実施形態は、圧力制御式容器110内に2相液浸冷却式コンピュータコンポーネント170を備えるデータセンターに関し、データセンターは、約3,000平方フィートまたは約1,500平方フィートまたは約1,000平方フィートまたは約800平方フィートまたは約600平方フィートにわたって分散される約1MWのコンピューティング電力を利用する。いくつかの実施形態において、開示するコンピューティングシステムを含む複数の圧力制御式容器は、列で配置され、中央電源によって電力供給され得る。いくつかの実施形態において、開示するコンピューティングシステムの複数の実施形態は、互いに直列に接続され得る。
【0223】
開示する実施形態は、圧力制御式容器110内に液浸冷却式コンピュータコンポーネント170を備える、したがって、コンポーネントは、圧力制御式容器によっておよび誘電性液体140内に浸されることによって、大気汚染から絶縁される。いくつかの開示する実施形態は、最小空気濾過および/または洗浄要件によって運転するデータセンターに関する。いくつかの実施形態において、データセンターは、HEPA濾過器もしくは同等物がない状態でまたはMERV11濾過器もしくは同等物がない状態でまたはMERV8濾過器もしくは同等物がない状態で運転する。
【0224】
開示する実施形態は、圧力制御式容器110内に液浸冷却式コンピュータコンポーネント170を備える、したがって、コンポーネントは、空気ガスによって冷却されない。開示する実施形態は、冷却ファンおよび/または空気を循環させるための任意の他の同様のデバイスがない状態で運転するデータセンターを含む。
【0225】
開示する実施形態は、環境に優しいデータセンターに関する。いくつかの実施形態において、データセンターは、圧力制御式容器110内に液浸冷却式コンピュータコンポーネント170を備え、冷却プロセスのための水をほとんどまたは全く消費しない。いくつかの実施形態は、凝縮構造130を冷却し、誘電性流体蒸気を誘電性流体液体に凝縮させるために、開示する凝縮構造130を通して循環される水の温度を下げるために閉回路乾燥冷却タワーを利用する。そのような実施形態は、水の大量の入力または出力なしで運転する。これは、閉ループ乾燥冷却タワーが、冷却運転のために蒸発冷却または水のストリームに頼らないからである。いくつかのデータセンター実施形態は、1日当たり約10,000ガロンより少ない水または1日当たり約1,000ガロンより少ない水または1日当たり約100ガロンより少ない水または1日当たり約10ガロンより少ない水または1日当たり約0ガロンの水を利用および/または放出する。いくつかのデータセンター実施形態は、1日当たり約100ガロンより多い水または1日当たり約1,000ガロンより多い水または1日当たり約10,000ガロンより多い水を利用および/または放出する。
【0226】
開示する実施形態は、圧力コントローラおよび/または真空供給源に動作可能に接続された圧力制御式容器を備えるコンピューティングシステムに関し、圧力制御式容器は、内部および外部を有し、内部内の雰囲気、ある体積の熱伝導性で凝縮性の誘電性流体、コンピュータコンポーネントを搭載するためのラックであって、コンピュータコンポーネントが、ラック上に搭載されると、熱伝導性の誘電性流体の体積内に少なくとも部分的に浸されるように配置される、ラック、および、凝縮構造を含むように構成され、熱伝導性の誘電性流体の体積、ラック、コンピュータコンポーネント、および凝縮構造は、圧力制御式容器内に含まれる。いくつかの実施形態は、内部を備える圧力制御式容器であって、内部圧力を大気より低く低減するために圧力コントローラに動作可能に接続され、ある体積の熱伝導性で凝縮性の誘電性流体を液相および気相で含むように構成された、圧力制御式容器と、1つまたは複数のコンピュータコンポーネントであって、ある体積の熱伝導性で凝縮性の誘電性流体の液相内に少なくとも部分的に浸され得るように配置された、1つまたは複数のコンピュータコンポーネントと、気相誘電性流体を液相誘電性流体に凝縮するための凝縮器とを備える冷却システムに関する。
【0227】
いくつかの実施形態において、圧力制御式容器は上部構造内に搭載され、ブレードサーバはコンピューティングシステムを乱すことなくスワップ可能であるように構成され、圧力制御式容器は、電源、水の供給源、およびネットワーキング接続に動作可能に接続され、圧力制御式容器は、上部に開口および開口をシール可能に閉鎖するように構成される蓋を備え、蓋は上昇する蒸気を圧力制御式容器の中央から圧力制御式容器の側面に方向付けるように構成され、圧力制御式容器は約100立方フィート~約300立方フィートの内部体積を有し、ならびに/または、圧力制御式容器は、約1:3~約1:8の液体誘電性流体とガス状誘電性流体との比を含む。いくつかの実施形態は、バラストブロック、ブレードサーバおよびブレードサーバシャシ、ロボットアーム、および、エアロックであって、圧力制御式容器内の雰囲気を著しく乱すことなく、圧力制御式容器の内部へのアクセスを可能にするように構成される、エアロック、ならびに/または、パージシステムであって、熱伝導性の誘電性流体の体積から汚染物質を取り除くように構成された、パージシステムをさらに備える。いくつかの実施形態において、パージシステムは、圧力制御式容器から雰囲気の一部分を取り除き、雰囲気から任意の誘電性流体を凝縮し、残りの任意の蒸気を廃棄するように構成される。いくつかの実施形態において、パージシステムは、ガス状誘電性流体の少なくとも一部分を凝縮し、ガス状汚染物質を廃棄するように構成される。
【0228】
いくつかの実施形態は、コンピュータコンポーネントを冷却するための方法に関し、方法は、ハウジングを提供することであって、ハウジングは、熱伝導性で凝縮性の誘電性流体および熱発生コンピュータコンポーネントを含み、少なくともわずかな真空に耐えるように構成される、提供すること、コンピュータコンポーネントを運転することであって、コンピュータコンポーネントを運転することは熱を発生し、コンピュータコンポーネントは、誘電性流体と接触している、運転すること、およびハウジング内に真空を生成することであって、ハウジング内の圧力は少なくとも約1気圧より低い、生成することを含む。いくつかの実施形態は、ハウジング内で真空を維持することであって、ハウジング内の圧力は、コンピュータコンポーネントが運転している間、約1気圧より低い、維持すること、コンピュータコンポーネントによって発生される熱を使用して、液体状態からガス状態になるように誘電性流体を蒸発させること、および、凝縮器を使用して、ガス状態から液体状態になるように誘電性流体を凝縮させること、誘電性流体から、容易に凝縮性でない流体を取り除くこと、ならびに/または、システムが運転している間にコンピュータコンポーネントの一部分を置換することをさらに含む。特定の実施形態において、非凝縮性流体を取り除くことは、ハウジング内からガス雰囲気の一部分を分離すること、ガス雰囲気から任意の誘電性流体を凝縮させること、凝縮された誘電性流体をハウジングに戻すこと、およびガス雰囲気の残りの任意の部分を廃棄することを含み、ならびに/または、ハウジングは、対流を生成するように構成される。
【0229】
いくつかの実施形態は、コンピュータコンポーネントを冷却する方法に関し、方法は、周囲圧力より低い圧力でコンピュータコンポーネントを運転することを含み、コンピュータコンポーネントは、熱伝導性誘電性流体と接触している。いくつかの実施形態は、誘電性流体を蒸発させること、および、周囲圧力より低い圧力で誘電性流体を凝縮させることをさらに含む。
【0230】
いくつかの実施形態は、コンピュータコンポーネントを冷却するための方法に関し、方法は、熱伝導性で凝縮性の誘電性流体を液相およびガス相で提供すること、および、熱伝導性で凝縮性の誘電性流体の存在下で、周囲大気圧より低い圧力でコンピュータコンポーネントを運転することを含み、コンピュータコンポーネントは、液相の熱伝導性で凝縮性の誘電性流体と少なくとも部分的に接触している。いくつかの実施形態は、運転するコンピュータコンポーネントによって発生した任意の熱の少なくとも一部分を使用して液相からガス相になるように誘電性流体を蒸発させること、ガス相から液相になるように誘電性流体の少なくとも一部分を凝縮させること、誘電性流体から、容易に凝縮性でない流体の少なくとも一部分を取り除くこと、および/または、コンピュータコンポーネントが運転している間に少なくとも1つまたは複数のコンピュータコンポーネントを置換することをさらに含む。
【0231】
いくつかの実施形態は、コンピュータコンポーネントを冷却する方法に関し、方法は、少なくとも周囲圧力より1psi低い圧力でコンピュータコンポーネントを運転することを含み、コンピュータコンポーネントは、熱伝導性誘電性流体と少なくとも部分的に接触しており、誘電性流体の沸点は約80℃より低い。いくつかの実施形態は、コンピュータコンポーネントが約80℃を超えないような条件で誘電性流体を凝縮させることをさらに含む。
【0232】
開示する種々の実施形態は、本明細書で別様に説明するコンポーネントの一部または全てを組み込むことができることが理解されるであろう。特定のコンポーネントおよびその特性は、特定の各実施形態の特性に基づいて調整され得る。修正は、より高いまたはより低い密度の電力、冷却、およびネットワーク接続性システム、圧力管理システム、蒸気管理システムの使用、ならびに特殊化された機器およびコンポーネントの選択を含むことができる。
【0233】
上記説明から、当業者は、本開示の本質的な特徴を容易に確認することができ、また、その趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の使用および条件に本開示を適応させるために、種々の変更および修正を行うことができる。上記で説明した実施形態は、単に例証であることを意味し、本開示の範囲の制限であると考えられるべきでない。
【0234】
ショックイベントに応答するタンクの加熱および冷却
1つの例示的な実施形態において、浸漬冷却システムまたは容器は、タンク、コンピューティングデバイス、ロボット、吸収ユニット、ベローズ、および管理システムを含むことができる。タンクは、大気圧に(またはその範囲内に)維持される圧力制御式タンクとすることができる。タンクは、バスエリアおよびサンプエリアを含むことができ、コンピューティングデバイスは、タンクのバスエリア内の誘電性流体内に浸漬され得る。コンピューティングデバイスは、誘電性流体内に浸漬されている間、ネットワークに接続され、種々の処理タスクを実施することができる。タンクは、バスエリア、コンピューティングデバイス、およびサンプエリアにアクセスするための蓋を含むことができる。タンクは、ベローズおよび吸収ユニットに流体結合され得、複数の弁が、タンクを、ベローズおよび吸収ユニットにおよびそれらから、選択的に接続または切り離すことができるため、誘電性蒸気は、ベローズおよび/または吸収ユニットに移行することができ、または、その逆も同様である。ロボットは、タンクの蓋が開放しているときに容器のタンクからコンピューティングデバイスを持ち上げることができるガントリーロボットとすることができる。ロボットは、持ち上げたコンピューティングデバイスを、コンピューティングデバイスの格納のために設けられたマガジン内に配置することができる。ロボットは、マガジンからコンピューティングデバイスを持ち上げ、それを、タンクからの持ち上げたコンピューティングデバイスの場所に配置することもできる。
【0235】
1つの例示的な実施形態において、タンクは、加熱要素、例えば、複数の加熱ロッドを含むことができ、その一部は、誘電性流体内に少なくとも部分的に浸漬される。タンクは、複数のセンサ、例えば、温度センサ、圧力センサ、またはコンピューティングデバイスに関連する運転データ(例えば、電流、電圧、作業負荷など)を提供するセンサを含むことができる。温度センサは、バスの内側にまたはバスの上方のエリア内に位置することができる。センサから受信されるデータを使用して、容器の管理システムは、タンク内の誘電性流体の温度または温度変動(ならびに/または誘電性蒸気の圧力または圧力変動)を調節または制御するために加熱要素を働かせることができる。図18は、例示的な実施形態による、浸漬冷却システム用の加熱要素1000の例を示す。加熱要素1000は、複数の加熱ロッド1010を含むことができる。各加熱ロッドは、タンクの電源に接続され得る複数のワイヤ1011を含むことができる。タンクのコントローラは、例えば、タンクの種々の運転中に、タンクのバスエリアを加熱するために加熱要素1000を調節することができる。この例示的な実施形態において、加熱要素1000は、タンクのバス内に搭載され、誘電性流体内に完全に浸漬され得る。
【0236】
1つの例示的な実施形態において、加熱要素はコンピューティングデバイスから分離され、加熱要素はデータを処理しない。加熱要素は、熱を発生することだけに専用であり、他の機能に専用でない場合がある。加熱要素は、特に、タンクの運転(例えば、スタートアップ運転)、コンポーネントの変更、または制御が必要である他の時間中に、容易に制御され得る。加熱要素によって発生した熱は、ベローズのサイズおよびシステムの他の態様、例えば、圧力または温度を示すデータを評価することによって調整可能であり得る。
【0237】
特に、コンピューティングデバイスの電力消費または作業負荷の急速な変化(例えば、エンドユーザ活動またはその欠如によって引き起こされる)は、容器内のコンピューティングデバイスによって発生する熱の量に対する急速な変化をもたらす可能性がある。これは、次に、タンクまたはバス内の急速な温度変化を引き起こす可能性があり、タンク内の圧力の突然の変化をもたらす可能性がある(閉絶縁システムにおいて、圧力および温度は、直接関連する、すなわち、PV=nRTであるからである)。これらの圧力変動は、容器を損傷し、汚染ガス(例えば、空気)または微粒子(例えば、埃)をタンクに導入する可能性がある。これらの圧力変動は、タンクからの誘電性流体の漏洩を引き起こす可能性もある。これらの圧力変動の作用に対抗するために、タンクから過剰な蒸気を取り除き、または、圧力が下がるときにタンク内に蒸気を導入するために、ベローズまたは吸収ユニットを使用することが可能である。しかしながら、加熱要素を使用することによって、ベローズおよび吸収ユニットの容量は、減少する可能性があり、それにより、より空間効率的な容器が設計され得る。加熱要素が使用されない場合、圧力の過剰な増加がある場合、ベローズは破裂する可能性がある。
【0238】
加熱要素は、タンクまたはバス内での温度の変化の変調を可能にすることができ、それにより、コンピューティングデバイスによってその運転中に経験され得る種々の運転負荷条件の間の制御された移行を容易にする。例えば、コンピューティングデバイスの運転作業負荷の急速な減少がある場合、コンピューティングデバイスによって発生した熱は急速に低下する可能性がある。これは、タンクの内圧の突然の減少を引き起こす可能性がある。加熱要素は、例えば、シャットダウンプロセス中に、誘電性流体の温度の制御された減少を可能にするために、タンクに熱を付加することができる。換言すれば、加熱要素は、コンピューティングデバイスの作業負荷の突然の変化、すなわち、ショックイベントがある場合、タンクの圧力および温度のバランスをとることができる。したがって、容器は、タンクの大気圧を維持するために、はるかに小さいベローズおよび吸収ユニットを必要とする。
【0239】
1つの例示的な実施形態において、容器の管理システムは、ショックイベント、例えば、タンクの内部圧力または温度の増加または減少に応答して、タンクにどれだけの熱を付加するかを決めることができる。1つの例示的な実施形態において、温度または圧力の低下(または増加)のレートにより、タンクにどれだけの熱を付加するかを決定することができる。例えば、タンクの誘電性流体温度レベルが、特定の分数にわたって特定の度数より多く減少する場合、管理システムは、(例えば、システムの温度および圧力を維持するために)タンクに特定の熱量を付加するために、加熱要素を作動させることができる。この付加される熱は、温度の降下を停止させ、または、温度が降下しているレートを減少させることができる。管理システムは、タンクが定常状態になると、例えば、圧力または温度の降下レートが閾値より低くなると、加熱要素がシステムに熱を付加することを停止させることができる。別の例示的な実施形態において、コンピューティングデバイスの作業負荷の増加または減少が始動したときのタンク内の誘電性流体の実際の温度から、タンクにどれだけの熱を付加するかを決定することができる。
【0240】
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、ショックイベントが検出されると、例えば、スタートアップ運転、ブースト運転、スローダウン運転、またはシャットダウン運転の前に、その最中に、またはその後に、加熱要素を作動させることができる。管理システムは、センサデータ(例えば、タンク内の温度または圧力センサからの)またはコンピューティングデバイスからのデータ(例えば、電流、電圧、温度、作業負荷、データ転送など)を受信することによって、容器の運転モードを検出することができる。加熱要素は、大気圧からの圧力の偏差を最小にするために、タンク内の温度または圧力の変化を加減するまたは調節することができる。そうでなければ、本明細書で開示する技法による加熱要素の運転がない状態で、容器は、コンピューティングデバイスの急速な加熱の結果として発生した過剰のガスを吸収もしくは貯蔵しなければならないことになり、または、容器は、コンピューティングデバイスの熱発生の急速な低下の結果としての圧力の低下を打ち消すためにガスを脱離させるもしくは供給しなければならないことになる。
【0241】
スタートアップ運転中、タンクの温度、例えば、バス内の誘電性流体の温度は、コンピューティングデバイスが運転し始めるとき、閾値より低い。スタートアップ運転は、例えば、容器がオンにされたばかりで、タンクが冷たいときに、起こる可能性がある。コンピューティングデバイスは、急速に加熱することができるため、誘電性流体が冷たい場合、大量の蒸気を発生し得る。したがって、スタートアップ運転の前に、その最中に、またはその後に、管理システムは、誘電性流体を加熱するために加熱要素を作動させることができ、それにより、誘電性流体の温度を制御された方法で増加させ、コンピューティングデバイスによる蒸気発生を最小にする。例えば、加熱要素は、コンピューティングデバイスがオンにされる前に、誘電性流体の温度を閾値温度までゆっくり上げることができる。そうでなければ、容器は、タンクを大気圧に維持するために、過剰の量の蒸気を収容しなければならないことになり、タンクは、ベローズおよび吸収ユニットにおいて大きい容量を必要とする可能性がある。
【0242】
ブースト運転中、タンクの温度、例えば、バス内の誘電性流体の温度は、(例えば、タンクの温度が閾値より低いとき)閾値レートより速く増加する可能性がある。ブースト運転は、例えば、コンピューティングデバイスが運転可能であり、コンピューティングデバイスの作業負荷が、例えば、顧客の需要の増加によって著しく増加するときに起こる可能性がある。コンピューティングデバイスの作業負荷の突然の増加は、コンピューティングデバイスによって発生する熱量を増加させる可能性があり、それにより、コンピューティングデバイスによって発生する蒸気量を増加させる。したがって、ブースト運転の前に、その最中に、またはその後に、管理システムは、誘電性流体を加熱するために加熱要素を作動させることができ、それにより、誘電性流体の温度を制御された方法で増加させ、コンピューティングデバイスによる蒸気発生を最小にする。そうでなければ、容器は、タンクを大気圧に維持するために、過剰の量の蒸気を収容しなければならないことになり、タンクは、ベローズおよび吸収ユニットにおいて貯蔵または吸収のために大きい容量を必要とする可能性がある。
【0243】
スローダウン運転中、タンクの温度、例えば、バス内の誘電性流体の温度は、(例えば、タンクの温度が閾値より高いとき)閾値レートより速く減少する可能性がある。スローダウン運転は、例えば、コンピューティングデバイスが運転可能であり、コンピューティングデバイスの作業負荷が、例えば、顧客の需要の低下によって著しく減少するときに起こる可能性がある。コンピューティングデバイスの作業負荷の突然の減少は、コンピューティングデバイスによって発生する熱量を減少させる可能性があり、それにより、タンク内の圧力を突然減少させる。したがって、スローダウン運転の前に、その最中に、またはその後に、管理システムは、誘電性流体を加熱するために加熱要素を作動させることができ、それにより、誘電性流体の温度を制御された方法で減少させ、タンク内の圧力低下を最小にする。そうでなければ、容器は、タンクを大気圧に維持するために、大量の蒸気を発生させなければならないことになり、タンクは、ベローズおよび吸収ユニットにおいて大きい貯蔵または脱離容量を必要とする可能性がある。
【0244】
シャットダウン運転(または、制御されたシャットダウンプロセス)中、容器は、タンクの温度、例えば、バス内の誘電性流体の温度が閾値より高い間、オフにするように命令される。コンピューティングデバイスが熱を発生することを突然停止することができるため、タンク内の圧力は急速に低下する可能性がある。したがって、シャットダウン運転の前に、その最中に、またはその後に、管理システムは、誘電性流体を加熱するために加熱要素を作動させることができ、それにより、誘電性流体の温度を制御された方法で減少させ、圧力低下を最小にする。例えば、加熱要素は、誘電性流体をゆっくり加熱することができるため、誘電性流体の温度は、コンピューティングデバイスがオフにされると、ゆっくり低下する。そうでなければ、容器は、タンクを大気圧に維持するために、大量の蒸気を発生させなければならないことになり、タンクは、ベローズおよび吸収ユニットにおいて大きい貯蔵または脱離容量を必要とする可能性がある。
【0245】
1つの例示的な実施形態において、容器がショックイベントに応答すると、管理システム(または別のシステム)は、タンクの圧力を大気圧に近い圧力に維持するために、蒸気もしくは流体をタンクに付加するか、または蒸気もしくは流体をタンクから取り除くことができる。例えば、タンクの温度が増加すると、蒸気または流体が、タンクから取り除かれ得、タンクの温度が減少すると、蒸気または流体が、タンクに付加され得る。
【0246】
容器は、蒸気もしくは流体をタンクに付加するまたは蒸気もしくは流体をタンクから取り除くための種々の機構を使用することができる。1つの例示的な実施形態において、容器は、蒸気をタンクに付加するまたは蒸気をタンクから取り除くための機構としてベローズを使用することができる。別の例示的な実施形態において、容器は、蒸気をタンクに付加するまたは蒸気をタンクから取り除くための吸収/脱離ユニット(以降で、「吸収ユニット(absorption unit)」)を使用することができる。さらに別の例示的な実施形態において、容器は、蒸気をタンクに付加するまたは蒸気をタンクから取り除くための加圧式コンテナを使用することができる。さらに別の例示的な実施形態において、容器は、蒸気もしくは流体をタンクに付加するまたは蒸気もしくは流体をタンクから取り除くための上記の機構の組合せを使用することができる。さらに別の例示的な実施形態において、容器は、タンクの圧力を維持するために、加熱要素および上記の機構の1つまたは複数の組合せを使用することができる。
【0247】
例えば、スタートアップ運転中、管理システムは、タンクの圧力を維持するために、加熱要素およびベローズの組合せを使用することができる。一例において、コンピューティングデバイスがオンにされる前に、管理システムは、誘電性流体を加熱するために加熱要素を作動させることができる。ある時点で(例えば、加熱の前に、その最中に、またはその後に)、管理システムは、ベローズをタンクに接続する弁を開放することができ、それにより、誘電性蒸気のベローズへの移送を容易にする。誘電性蒸気のベローズへのこの移送は、タンクの圧力の、制御されない増加を防止することができ、それにより、タンクの圧力が(例えば、許容誤差範囲内に)維持され得る間、誘電性流体の温度が増加することを可能にする。
【0248】
同様に、スタートアップ運転中に、管理システムは、タンクの圧力を維持するために、加熱要素および吸収ユニットの組合せを使用することができる。ある時点で(例えば、加熱の前に、その最中に、またはその後に)、管理システムは、吸収ユニットをタンクに接続する弁を開放することができ、それにより、誘電性蒸気の吸収ユニットへの移送を容易にし、その移送は、吸収ユニット、例えば、カーボンベッドにおいて誘電性蒸気を吸収するまたは維持することができる。同様に、スタートアップ運転中に、管理システムは、タンクの圧力を維持するために、加熱要素および加圧式コンテナの組合せを使用することができる。ある時点で(例えば、加熱の前に、その最中に、またはその後に)、管理システムは、ポンプおよび加圧式コンテナをタンクに接続する弁を開放することができ、それにより、ポンプを使用した加圧式コンテナへの誘電性蒸気の移送を容易にする。加圧式コンテナは、誘電性蒸気を貯蔵することができる。
【0249】
別の例として、シャットダウン運転中に、管理システムは、タンクの圧力を維持するために、加熱要素およびベローズの組合せを使用することができる。一例において、コンピューティングデバイスがオフにされた後に、管理システムは、誘電性流体を加熱するために加熱要素を作動させることができる。ある時点で(例えば、加熱の前に、その最中に、またはその後に)、管理システムは、ベローズをタンクに接続する弁を開放することができ、それにより、誘電性蒸気のタンクへの移送を容易にする。誘電性蒸気のタンクへのこの移送は、タンクの圧力の、制御されない減少を防止することができ、それにより、タンクの圧力が(例えば、許容誤差範囲内に)維持され得る間、誘電性流体の温度が減少することを可能にする。
【0250】
同様に、シャットダウン運転中、管理システムは、タンクの圧力を維持するために、加熱要素および吸収ユニットの組合せを使用することができる。ある時点で(例えば、加熱の前に、その最中に、またはその後に)、管理システムは、吸収ユニットをタンクに接続する弁を開放することができ、それにより、誘電性蒸気のタンクへの移送を容易にする。吸収ユニットとしてカーボンベッドがある場合、管理システムは、トラップまたは吸収された誘電性分子を解放するためにカーボンベッドを作動させることができる。管理システムは、例えば、カーボンベッド内の加熱デバイスをオンにするために信号をスイッチに送信することによって、カーボンベッドを作動させることができる。一例において、タンクの圧力が低下すると、カーボンベッドは、誘電性蒸気を解放し、圧力の低下を最小にするために加熱され得る。
【0251】
同様に、シャットダウン運転中、管理システムは、タンクの圧力を維持するために、加熱要素および加圧式コンテナの組合せを使用することができる。ある時点で(例えば、加熱の前に、その最中に、またはその後に)、管理システムは、加圧式コンテナをタンクに接続する弁を開放することができ、それにより、誘電性蒸気のタンクへの移送を容易にする。
【0252】
1つの例示的な実施形態において、ベローズを使用することと吸収ユニットを使用することとの間にトレードオフが存在する可能性がある。ベローズは受動デバイスであるが、吸収ユニットは能動デバイスである。ベローズベースシステムは、ベローズが能動的加熱を必要としないため、吸収ユニットベースシステムに比べて電力効率的であり得る。しかしながら、ベローズは、吸収ユニットより多くの空間を占め、吸収ユニットベースシステムは、高い程度の制御および機能を提供する。この点に関する設計制約のいくつかは、効率、制御、および空間とすることができる。
【0253】
1つの例示的な実施形態において、容器は、非制御シャットダウンを経験する可能性がある。例えば、容器は、電力喪失による非制御シャットダウンを経験する可能性がある。この例示的な実施形態において、緊急シャットダウンプロセスは、タンク内の考えられる圧力変動に対処するために実装され得る。例えば、容器は、容器およびその管理システム(または別のシステム)に電力を供給することができるバックアップまたは無停電電源(「UPS」)を有することができる。管理システムが、システムの電力喪失および冷却の結果として、タンクの内側の圧力が許容可能な閾値より低下することを示す、信号をセンサから受信する場合、管理システムは、バイパス弁に開放するように指示することができる。バイパス弁は、タンクをタンクの外側の環境に接続することができる。バイパス弁は、空気をタンクに導入し、したがって、(タンクまたはベローズが圧潰しないように)タンクの内側の圧力を正規化することができる。その後、スタートアップ運転中、容器は、タンクの内側に導入された空気をパージすることができる。
【0254】
1つの例示的な実施形態において、管理システム(または、別のシステム)は、ショックイベントにどのように応答するかを決定するためのテーブル、行列、またはマップ(「マップ(map)」)を使用することができる。1つの例示的な実施形態において、マップは、入力として温度の変化を表示し、温度の変化に応答してタンクにどれだけの熱を付加するかについての出力を表示することができる。1つの例示的な実施形態において、マップは、入力として、蒸気温度、タンク圧力、タンクまたはサンプエリア内の流体レベル、ポンプまたは濾過器内の流体圧力、差圧、湿度レベル、およびアルミナ条件に関連するデータを含むことができる。これらの入力に応答して、マップは、凝縮器、加熱要素、ポンプ、ベローズ弁、カーボン吸入弁、カーボン排気弁、およびコンピューティングデバイス運転パラメータなどの出力を提供することができる。マップは、容器の運転について種々の状態を規定することができる。管理システムは、容器全体を通して設けられるセンサから種々のデータを受信することができる。マップを使用して、管理システムは、データを、容器上のデバイス、例えば、ベローズ、吸収ユニット、弁、加熱要素、ポンプ、凝縮器、およびコンピューティングデバイスについての運転パラメータに変換することができる。
【0255】
1つの例示的な実施形態において、容器は、誘電性流体の沸点に近い温度で、および、大気圧に近い圧力で運転され得る。しかしながら、コンピューティングデバイスを運転するための最適運転温度に基づいて、容器が他の温度および圧力範囲で運転され得ることを当業者は認識する。1つの例示的な実施形態において、システムの最適運転温度は、約華氏137°±8°である。1つの例示的な実施形態において、システムの最適運転圧力は、約大気圧(例えば、101,325Pa)±5,000Paである。この例示的な実施形態において、ショックイベント中、管理システムは、容器の温度および圧力をこれらの範囲内に維持しようと試みる。
【0256】
本開示のいくつかの例示的な実施形態において、管理システムは、ショックイベントにおいて種々のタスクを実行するようにプログラムされたシステムとして指定されるが、本開示で開示される他のシステムがこれらのタスクを実施するようにプログラムされ得ることを当業者は認識する。
【0257】
1つの例示的な実施形態において、容器は、3つの運転モードで運転することができる。第1の運転モードにおいて、タンクは、大気圧で運転することができる。第2の運転モードにおいて、タンクは、大気圧から著しく偏移する圧力範囲で運転することができる。第3の運転モードにおいて、容器は、時として、大気圧で運転し、時として、大気圧から著しく偏移する圧力範囲で運転することができる。第3の運転モードは、第1のモードと第2のモードのハイブリッドとすることができる。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、容器の運転モードを決定することができる。例えば、管理システムは、管理システムのために規定されたルールに基づいて容器を運転することができ、例えば、容器を毎朝5時に加圧し、夜に大気圧に戻し、センサデータによって決定される作業負荷のピーク中に容器を加圧する。別の例として、管理システムは、容器について運転モードを予測するために機械学習アルゴリズムを使用することができる。例えば、機械学習アルゴリズムは、状況下でどの運転モードがより効率的かを予測するために、センサデータだけでなく、外因性データ、例えば、天候条件、カレンダーデータ、使用データなどを使用することができる。システムのユーザは、ラベル付きデータを管理システムに提供することができ、管理システムは、運転モードを予測するためのモデルを作成するためにそのデータを外挿することができる。
【0258】
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、タンクの蓋が開放され得る前に、特定のルーチンを実施することができる。例えば、容器が、タンクの蓋を開放する指示を提供される場合、凝縮システムは、蓋が開放することを管理システムが可能にする前に、ある期間、システムを冷却することができる。凝縮システムは、タンク内の蒸気を最小にすることができるため、蓋が開放されると、最小の誘電性蒸気が環境に失われる。
【0259】
1つの例示的な実施形態において、浸漬冷却システムは、モジュール式システムとすることができる。例えば、システムのコンポーネントの各群は、別個のスキッド、例えば、凝縮スキッド、加熱スキッド、ベローズスキッド(bellows skid)、吸収ユニットスキッドなどの上に搭載され得る。これらスキッドは、可動であり、種々のアプリケーションのために配備され得る。
【0260】
誘電性流体循環および濾過
1つの例示的な実施形態において、容器は、タンクを通して誘電性流体を循環させるためのポンプを含むことができる。例えば、タンクは、サンプエリアおよびバスエリアを含むことができる。バスエリアは、誘電性流体内に浸漬されたコンピューティングデバイスを保持することができる。サンプエリアは、バスエリアに隣接することができ、または、サンプエリアは、バスエリアと流体連通することができる。例えば、サンプエリアは、バスエリアからの誘電性流体のオーバーフローを受け取ることができる、例えば、誘電性流体は、サンプエリアに隣接するバスエリアの壁を越えて流れることができる。ポンプは、サンプエリアから誘電性流体を引き出し、濾過器を通して流体を流すことができる。濾過器の後に、誘電性流体は、バスエリアに戻ることができる。容器は、サンプエリア、ポンプ、濾過器、およびバスエリアを結合する種々のパイプを含むことができる。
【0261】
1つの例示的な実施形態において、容器は、バスエリアが誘電性流体で満杯になり、サンプエリアにおいて誘電性流体のオーバーフローが存在するように、ある量の誘電性流体を提供される。満杯のバスエリアは、コンピューティングデバイスが誘電性流体内に完全に浸漬されることを確実にする。ポンプは、サンプエリアから誘電性流体を引き出し、例えば、濾過器を通してバスエリアに流体を流すことができる。流体を保持するバスエリアの容量より多い誘電性流体がタンク内に存在するため、ポンプが作動すると、バスエリアは常に満杯である(特に、ポンプが運転すると)。しかしながら、タンクの温度に応じて、サンプエリア内の誘電性流体のレベルは変化する可能性がある。これは、誘電性流体がバスエリアから蒸発することができ、サンプエリアからの誘電性流体がタンク内の蒸発した流体を置換することができるからである。
【0262】
1つの例示的な実施形態において、タンクは、長方形ボックスの形状とすることができる。誘電性流体は、より短い側面の1つの側面の上部を超えて、より短い側面に隣接するサンプエリア内に流れることができる。ポンプは、誘電性流体を引き出し、それをタンク内の場所に戻すまたは再導入することができ、それは、バス内の流体に対して最小の乱れまたは擾乱を引き起こす可能性がある。これは、乱れまたは擾乱が、流体に対してキャビテーションを引き起こす可能性があるからである。特に、オーバーフローエリアと再導入地点との間の距離が長いほど、タンク内への流体の再導入に関連する擾乱は少なくなる。例えば、誘電性流体が、バスの第1の側面の上部からオーバーフローする場合、ポンプは、誘電性流体を、第1の側面に対向する側面の下部に戻すことができる。ポンプは、下部側面の角部に誘電性流体を戻すことができ、それは、バス内の流体に対する乱れまたは擾乱を最小にする。
【0263】
1つの例示的な実施形態において、容器は、2つのポンプを含むことができる。各ポンプは、サンプエリアから独立して誘電性流体を引き出し、それをバスエリアに流すことができる。2つの別個でかつ独立したポンプを有する容器を提供することで、容器の使用寿命を伸ばすことができる。さらに、ポンプのうちの1つが何らかの理由で故障する場合、容器は、故障したポンプが交換されるまで、中断なくその運転を継続することができる。
【0264】
濾過器および流体検出モニター
1つの例示的な実施形態において、容器は、濾過器を含むことができる。濾過器は、1つまたは複数のコアを含むことができる。各コアは、異なるタイプの汚染物質、粒子、物質、希釈剤、または溶質について誘電性流体を濾過することができる。1つの例示的な実施形態において、コアは、誘電性流体の特性および誘電性流体に導入される可能性が高い汚染物質に基づいて選択され得る。例えば、汚染物質は、コンピューティングデバイスにおいて使用される電子ボードの製造プロセス中に使用される、はんだおよび樹脂を含むことができる。誘電性流体は、システムにおいて、樹脂、はんだ、埃、汚れ、またはその他のもの用の洗浄剤として働くことができる。はんだおよび樹脂(または他の物質)は、これらの電子ボードが誘電性流体内に浸漬された後にこれらの電子ボードから洗い流すことができる。濾過器は、誘電性流体からはんだおよび樹脂(または他の物質)を取り除くことができる。これらの物質が誘電性流体から取り除かれない場合、誘電性流体が蒸発すると、これらの物質は、コンピューティングデバイス、例えばプロセッサの熱発生コンポーネント上に層として堆積することになる。結果として、層は、誘電性流体から熱発生コンポーネントを熱的に分離または絶縁し、それにより、これらのコンポーネントから誘電性流体への熱伝達の効率を減少させる。そのため、コンポーネントは、より頻繁に加熱し、破損する可能性がある。
【0265】
1つの例示的な実施形態において、濾過器は、2つのコアを含むことができ、1つのコアは活性炭(チャコール)を含み、1つのコアは活性アルミニウムを含む。例えば、活性炭と活性アルミニウムとの比は3対1とすることができる。別の例として、濾過器は、4つのコアを含むことができ、3つのコアは活性炭を含み、1つのコアは活性アルミニウムを含む。
【0266】
1つの例示的な実施形態において、濾過器は、誘電性流体の酸性度を試験するためのストライプを含むことができる。ストライプは、PHインジケーター、リトマス紙、または他のインジケーターとすることができる。いくつかの事例において、誘電性流体は、タンク内の特定のコンポーネントと相互作用した後に酸性になる可能性がある。ストライプは、誘電性流体と接触しており、誘電性流体が酸性になる場合、色を変えることができる。濾過器は、色検出センサを含むことができ、色検出センサは、ストライプにおける色の変化を検出し、ストライプの色の変化が検出された場合、管理システム(または別のシステム)に信号を送信することができる。1つの例示的な実施形態において、ストライプは、ガラスシールドを含むコンテナまたはチャンバ内に配設され得る。したがって、ストライプの色の変化は、コンテナの外側から見ることができる。カメラは、コンテナの近傍内に配設され得る。カメラは、(ガラスシールドの背後の)ストライプの写真を撮り、写真を管理システムに送信することができる。管理システム(または、システムのユーザ)が、(カメラまたは色センサによって提供されたデータを使用して)ストライプの色の変化を検出する場合、管理システムは、是正措置をトリガーし、例えば、メンテナンスシステムに通知するまたはシステムをシャットダウンすることができる。
【0267】
1つの例示的な実施形態において、カメラは、パン-チルト-ズームカメラとすることができる。濾過器蓋は、サンプエリアの上部に搭載され得る。濾過器蓋は、バスエリアへのアクセスを提供する他の蓋に隣接して設置され得る。濾過器蓋は、濾過器を含むことができ、カメラは、濾過器蓋上に設置され得る。一実施形態において、カメラは、濾過器蓋の真下に設置され得る。したがって、カメラが回転すると、カメラは、ストライプ、サンプエリア(カメラの下のエリア)、およびバスエリアの上のエリアの画像を撮影することができる。
【0268】
図19A~19Bは、例示的な実施形態による3つのコアを含む濾過器を示す。図19Aに示すように、濾過器は、例えば、タンク内に設置されたコンピューティングデバイスへのアクセスを提供する他の蓋に隣接する、タンク上に搭載され得る蓋1050を含むことができる。濾過器の各コアは、蓋1050に接続され得る。蓋1050は、3つのキャップ1060を含むことができ、各キャップは、コアのうちの1つのコアへのアクセスを提供する。図19Bは、蓋1050に搭載された構造1070を示す。構造1070は、種々の濾過器コアおよび他のコンポーネント、例えば、濾過器コアまたはデシカントアセンブリ1071、カメラ1072、および電気機械式弁1073を支持することができる。構造1070の他の側面上に、2つの他の濾過器コア(図19Bに示さず)が存在し得る。
【0269】
この例示的な濾過器において、蓋に取り付けられたカメラおよび2つの色センサが存在する。カメラおよび色センサは、誘電性流体の酸性度に関連するデータ(ストライプの色に基づく)を取得し、データを管理システムに伝達することができる。
【0270】
1つの例示的な実施形態において、濾過器は、ロボットによって取り外し可能なシャシ上に搭載され得る。シャシは、タンク内に設けられる種々のパイプにシャシ(およびシャシ内に設けられた濾過器)を着脱可能に接続するための接続インターフェースを含むことができる。したがって、濾過器を置換する必要があると、管理システムが判定すると、ロボットは、タンクから外にシャシを持ち上げ、濾過器をマガジン内に配置することができる。
【0271】
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、濾過器がいつサービス提供または置換される必要があるかをユーザに通知することができる。例えば、管理システムは、濾過器が容器に設置されると作動されるタイマーまたはカウンターを含むことができる。濾過器が、閾値時間より長い時間、運転したと、管理システムが判定する場合、管理システムは、ユーザ(または他のエンティティ)に通知を送信することができる。別の例として、管理システムは、容器が運転中である、ポンプがアクティブである、または、(濾過器内の流体センサによって判定されるように)誘電性流体が濾過器を通って流れるときにのみ、タイマーまたはカウンターを作動させることができる。濾過器が、閾値時間より長い時間、運転したと、管理システムが判定する場合、管理システムは、ユーザに通知を送信することができる。さらに別の例として、管理システムは、濾過器について圧力差を決定することができ、管理システムは、圧力差が閾値圧力を超える場合、濾過器にサービス提供するまたは濾過器を置換するようユーザに通知することができる。特に、濾過器は、入力パイプおよび出力パイプを含むことができ、入力パイプ上に圧力センサおよび出力パイプ上に圧力センサが存在することができる。各圧力センサは、圧力読取値を管理システムに送信することができる。圧力センサの読取値の間の圧力差が閾値圧力を超える場合、管理システムは、濾過器が詰まっていると判定することができる。したがって、管理システムは、濾過器にサービス提供するまたは濾過器を交換するようユーザに通知することができる。さらに別の例として、濾過器は、濾過器の流量を示すセンサを含むことができる。管理システムは、濾過器がサービスを必要としているかどうかを判定するために流量を使用することができる。さらに別の例として、管理システムは、濾過器をいつ置換するかを判定するために機械学習モデルを使用することができる。モデルは、サーバに接続された複数の容器の濾過器についての運転データを示す、中央サーバからの訓練用データを受信することができる。
【0272】
1つの例示的な実施形態において、濾過器は、1つまたは複数のコアを含むことができる。各コアは、異なるタイプの汚染物質、粒子、物質、希釈剤、または溶質について誘電性流体を濾過することができる。一例において、1つのコアは活性炭(チャコール)を含むことができる。別の例において、1つのコアは活性アルミニウムを含むことができる。
【0273】
1つの例示的な実施形態において、濾過器は、PHインジケーターを含むことができる。いくつかの事例において、誘電性流体は、容器の特定のコンポーネントとの相互作用後に酸性になる可能性がある。インジケーターは、誘電性流体と接触しており、誘電性流体が酸性になる場合、色を変えることができる。1つの例示的な実施形態において、インジケーターは、フェノールフタレインを含むことができる。
【0274】
フェノールフタレインは、式C2014を有する化合物である。フェノールフタレインは、酸塩基滴定におけるインジケーターとして使用され得る。フェノールフタレインは、PH変化の結果として水溶液において少なくとも4つの異なる状態を採用することができる。強酸性条件下で、フェノールフタレインは、プロトン化形態(HIn)で存在することができ、橙色着色を提供する。強酸性条件とわずかに塩基の条件との間で、フェノールフタレインは、無色であるラクトン形態(HIn)で存在することができる。2重脱プロトン化(In2-)フェノラート形態(フェノールのアニオン形態)は、ピンク色を与える。強塩基溶液において、フェノールフタレインは、そのIn(OH)3-形態に変換され、そのピンク色は、かなり遅いフェーディング反応を受け、13.0pHを超えると完全に無色になる。
【0275】
1つの例示的な実施形態において、濾過器は、色検出センサを含むことができ、色検出センサは、インジケーターの色の変化を検出し、インジケーターの色の変化が検出される場合、信号を管理システム(または別のシステム)に送信することができる。1つの例示的な実施形態において、インジケーターは、ガラスシールドを含むコンテナまたはチャンバ内に配設され得る。したがって、インジケーターの色の変化は、コンテナの外側から見ることができる。カメラは、コンテナの近傍内に配設され得る。カメラは、(ガラスシールドの背後の)インジケーターの写真を撮り、写真を管理システムに送信することができる。管理システム(または、システムのユーザ)が、(カメラまたは色センサによって提供されるデータを使用して)インジケーターの色の変化を検出する場合、管理システムは、是正措置をトリガーし、例えば、メンテナンスシステムに通知するまたはシステムをシャットダウンすることができる。
【0276】
図29は、本開示の例示的な実施形態による濾過器1000を示す。この例示的な実施形態において、濾過器1000は、フェノールフタレインを含むことができるインジケーター1100を含むことができる。インジケーター1100は、液浸冷却システム内で循環する流体のpHに基づいて色を変化させることができる。一例において、インジケーター1100に隣接してカメラまたはセンサ1200が存在し得る。カメラまたはセンサ1200は、インジケーター1100の色の変化を検出し、トリガー信号を管理システムに送信することができる。トリガー信号に基づいて、管理システムは、例えば、システムがメンテナンスを必要とすることを監督者または中央サーバに通知することができる。
【0277】
図30は、本開示の例示的な実施形態による濾過器1000を含む液浸冷却システム2000を示す。この例示的な実施形態において、液浸冷却システム2000は、容器2100および車両2200を含むことができる。容器2100は、バスエリア2110、サンプエリア2120、流体2130、コンピュータコンポーネント2140、ポンプ2150、濾過器1000、ドア2160、および管理システム2170を含むことができる。コンピュータコンポーネント2140は、流体2130内に浸され得る。車両2200はロボット2210を含むことができる。ロボット2210は、ドア2160が開放しているときにコンピュータコンポーネント2140を持ち上げ、コンピュータコンポーネント2140を車両2200上に配置することができる。
【0278】
1つの例示的な実施形態において、液体冷却システムは、複数のインジケーターを含むことができる。各インジケーターはPH検出器とすることができる。例えば、1つのPHインジケーターは、PH変化を検出するためにフェノールフタレインを利用することができ、別のインジケーターは、PH変化を決定するためにPHメーターまたはPHセンサを使用することができる。一例において、インジケーターの1つまたは複数は、管理システムと通信しており、PHの変化に関する信号を送信することができる。例えば、インジケーターは、PHの変化を検出することができるセンサを含むことができる。センサは、信号を管理システムに送信し、信号は、PHのこの変化を反映することができる。
【0279】
この例示的な実施形態において、1つの検出器は、液浸冷却システムの濾過器内に配置され得る。別の検出器は、インジケーターが誘電性流体と流体連通することができるように容器内の別の場所に配置され得る。例えば、インジケーターは、バスエリア、サンプエリア、または容器内の別の場所に配置され得る。1つの例示的な実施形態において、インジケーターは、濾過器内に配置されない。
【0280】
他の実施形態において、少なくとも1つのPHインジケーターは、液体冷却システム以外のシステム内の濾過器においてまたはその近くで採用される。そのような構成が有用であることが見出され得る代表的なシステムは、例えば、化学または石油化学反応器または処理施設、廃水システムまたは施設、プールなどの流体を保持するように構成された自然または人工水中または他の構造などを含む。有利には、PHインジケーターを濾過器にまたはその近くに位置付けることは、例えば、異なる場所でpHを測定することに比べて、精密な、正確な、再現性がある、および/または匹敵する測定をもたらす場合がある。
【0281】
1つの例示的な実施形態において、インジケーターを有する濾過器が設けられる。濾過器は、液体の流入を受け取り、液体から微粒子を取り除くことができる。濾過器は、PHの変化を検出するためのインジケーターを含むことができる。インジケーターは、例えば、フェノールフタレインを含むことができる。一例において、濾過器内にインジケーターを配置する利益は、インジケーターが、液体のより一貫性のある流れを受け取り、液体のPHの変化のより正確な検出を行うことができることであり得る。
【0282】
他の実施形態において、化学汚染物質のpHインジケーターまたは他のインジケーターは、種々の調整が行われ得るように、浸漬冷却中に種々の化合物のレベルを測定するために使用され得る。
【0283】
流体レベルセンサ
1つの例示的な実施形態において、サンプエリアおよび/またはバスエリアは、1つまたは複数の流体レベルセンサを含むことができる。スタートアップまたは作業負荷の急速な増加中に、誘電性流体がバスエリア内で蒸発するため、流体レベルは、サンプエリア内で低下する。しかしながら、ポンプが誘電性流体を循環させるため、バスエリア内の流体レベルは、同じままであり、すなわち、コンピューティングデバイスは浸漬されたままである。逆に、シャットダウンまたは作業負荷の急速な減少中に、流体レベルは、サンプエリア内で減少し得る。
【0284】
流体レベルセンサは、サンプエリアおよびバスエリア内の流体レベルに関するデータを管理システムに提供することができる。容器のスタートアップ後に(または、容器が定常状態で運転している間に)、サンプエリア内の流体レベルが減少する場合、タンク内に漏洩が存在する可能性がある。同様に、ある時点で、バスエリア内の流体レベルが低下する場合、流体循環システムに関する問題、例えば、ポンプが故障した、が存在する可能性がある。したがって、管理システムは、流体レベルセンサによって提供される流体レベルデータを連続してモニターし、サンプエリアまたはバスエリア内の流体レベルの予期せぬ低下が存在する場合、ユーザに通知することができる。
【0285】
1つの例示的な実施形態において、ポンプは、サンプエリア(またはバスエリア)から流体を引き出し、流体を、タンク本体に接続された排水弁に提供することができる。弁が開放しているとき、ポンプは、サンプエリア(またはバスエリア)を排水し、または容器のユーザにサンプルを提供することができる。サンプルは、試験のために実験所に提供され得る。1つの例示的な実施形態において、ユーザは、管理システムを使用して、タンクを排水するよう容器に指示することができる。応答して、管理システムは、排水弁を開放することができ、ポンプは、流体をサンプエリア(または、例えば、接続がバスエリアに提供されるときに、さらにバスエリア)から排水弁に方向付けることができる。例えば、バスエリアとサンプエリアとの間に弁接続部が存在することができ、排水指示が受信される場合、弁接続部は、バスエリアをサンプエリアに接続することができるため、バスエリアは、誘電性流体をサンプエリア内に排水し、ポンプは、サンプエリアを排水する。1つの例示的な実施形態において、ポンプは、誘電性流体をタンクエリアから直接引き出すことができる。
【0286】
ロボットシステム
1つの例示的な実施形態において、容器は、ロッボットシステム、例えば、タンクのバスエリアまたはタンクの近くに配置されたマガジンからコンピューティングデバイスを持ち上げるように構成されたガントリーロボットを含むことができる。ガントリーロボットは、コンピューティングデバイスをバスエリアまたはマガジン内に配置することもできる。
【0287】
ガントリーロボット(またはロボット)は、一連のリニアアクチュエータを含むことができる。例えば、ロボットは、複数の方向、例えば、水平および垂直のそれぞれへの移動のためのアクチュエータを含むことができる。管理システム(または別のシステム)は、これらのアクチュエータのそれぞれのアクチュエータがどれだけの距離またはどれだけ速く移動するかを制御することができる。1つの例示的な実施形態において、アクチュエータは、1つまたは複数のトラック上を移動するように構成され得る。アクチュエータベースまたはトラックベースシステムは、(例えば、ドリフトまたは摩滅により)経時的にその精度を失う可能性がある。したがって、この例示的な実施形態において、ロボットの正確な相対位置を検出するために、タンク(またはその種々のコンポーネント)は、1つまたは複数の較正ゾーンまたはフラグを含むことができる。例えば、ロボットが相互作用する容器のキーコンポーネントまたは場所、例えば、マガジン、第1のサーバラック、第2のサーバラック、またはホーム位置のうちの1つまたは複数は、ロボットがキーコンポーネントまたは場所の位置に達すると、ロボットによって検出され得るフラグを含むことができる。フラグは、キーコンポーネントまたは場所に対するロボットの正確な場所についてロボットに通知することができる。
【0288】
1つの例示的な実施形態において、フラグは、物理的オブジェクト、RFIDタグ、色、英数字コード、QRコードなどとすることができる。1つの例示的な実施形態において、フラグを検出するセンサは、モーションセンサ、RFID検出器、カメラなどとすることができる。1つの例示的な実施形態において、カメラは、ロボットと種々のオブジェクトとの間の距離を決定し、距離に関するフィードバックをロボットに提供することができる。1つの例示的な実施形態において、カメラは、ビデオデータを管理システムに提供し、ビデオデータに基づいて、管理システムは、容器内のロボットの正確な場所を決定することができる。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、例えば、QRコードを走査すること、タンク内のコンポーネントを計数することなどによってロボットの場所を決定することができる。1つの例示的な実施形態において、カメラからの画像は、オブジェクトに対するロボットの近接性またはロボットがシャシを適切に把持または配置したか否かを判定するために使用され得る。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、ロボットの場所を決定するためにオブジェクト認識技法を使用することができる。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、ロボットの場所を決定するために人工知能技法を使用することができる。管理システムは、ロボットを較正するためにオブジェクト認識技法または人工知能を使用することができる。
【0289】
1つの例示的な実施形態において、容器は、ホーム位置、マガジン、および2つのラックを含むことができる。管理システム(または、別のシステム)は、例えば、第2のラックからコンピューティングデバイスを持ち上げるようにロボットに指示することができる。ロボットは、ホーム位置からマガジンまで、その後、第1および第2のラックまで移動することができる。ロボットが、これらの場所またはコンポーネントのそれぞれに近づくにつれて、ロボットのセンサは、場所またはコンポーネントについての関連するフラグを検出することができる。フラグシステムの利益は、他のコンポーネントまたは場所が容器から取り外されても、キーコンポーネントまたは場所に対するロボットの位置を依然として検出することができることである。これは、フラグが関連付けられる各キーコンポーネントまたは場所に対して同じ場所にフラグが常に位置するからである。例えば、第1のラックが容器から取り外されても、ロボットは、第2のラックについてフラグを見出し、第2のラックに対してロボットの位置を較正し、第2のラックからコンピューティグデバイスを取り外すことができる。同様に、第2のラックが、容器内でその位置からわずかに移動されても、ロボットは、第2のラックについてフラグを見出し、第2のラックに対してロボットの位置を較正し、第2のラックからコンピューティグデバイスを取り外すことができる。
【0290】
1つの例示的な実施形態において、ガントリーロボットは、容器の種々のコンポーネント、例えば、コンピューティングデバイス、濾過器などを取り外すまたは置換する指示を受信することができる。1つの例示的な実施形態において、指示は、管理システム(または、別のシステム)によって提供され得る。管理システムは、管理システム(または、別のシステム)、容器のユーザ、または容器の外部のシステムによる決定に応答して指示を提供することができる。例えば、管理システムは、コンピューティングデバイスの運転に関連する種々のデータポイント、例えば、電圧レベル、温度、および他の運転特性を受信しモニターすることができる。コンピューティングデバイスが、コンピューティングデバイスについて決定または予め決定された閾値を超える場合、管理システムは、コンピューティングデバイスを置換するようロボットに指示するようにプログラムされる。
【0291】
別の例として、容器のユーザは、コンピューティングデバイスを取り外す指示をロボットに提供するよう管理システムに指示することができる。さらに別の例として、管理システムは、容器の外部のシステムから指示を受信するためのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を含むことができる。例えば、容器は、タンクからコンピューティングデバイスを取り外すよう(APIを通して)管理システムに指示することができるトップレベルオーケストレーションおよび管理プラットフォームと通信することができる。
【0292】
1つの例示的な実施形態において、ロボットは、タンクまたはマガジンからコンピューティングデバイスを持ち上げることができる。この例示的な実施形態において、コンピューティングデバイスは、接続プレートを含むシャシ内に位置することができる。ロボットは、接続プレートにインターフェースすることができるガイドピンおよび連結機構を含むことができる。ロボットは、ロボットに加えられる正もしくは負の力または圧力を測定する1つまたは複数のロードセルを含むこともできる。
【0293】
ロボットは、そのホーム位置で開始し、タンク(またはコンピューティングデバイスを含むラック)に向かって移動することができる。タンクにおいて、ロボットは、タンクに関連するフラグを検出することができ、タンクは、ロボットがタンクにいることをロボットに知らせることができる。その後、ロボットは、正確に(または実質的に)コンピューティングデバイスの上に位置付けられるようにフラグから所定の距離だけ移動することができる。ロボットがコンピューティングデバイスの上部に来ると、ロボットは、その一番上の位置からコンピューティングデバイスから数インチ離れた位置(または、ガイドピンの長さ以上の、例えば、ガイドピンより50%長い位置)まで急速に降下することができる。その時点(コンピューティングデバイスから数インチ離れた時点)で、ロボットは、ロボットのガイドピンが接続プレートと初めて接触するようにコンピューティングデバイスにゆっくり近づくことができる。ロボットが初めて接触すると、ロボットは、同じゆっくりした速度で下に移動し続け、ロボットは、閾値圧力より大きい圧力によって(シャシの)接続プレートを押す。その時点で、ロボットの連結機構は、ロボットをコンピューティングデバイスに相互接続するために作動することができる(フィンガーを開放することができる)。連結機構は、複数のフィンガーを含む電機子ベース連結機構とすることができる。連結機構が閉鎖すると、ロボットは、フィードバック、すなわち、連結システムが閉鎖されたことを、管理システムに提供することができる。管理システムは、コンピューティングデバイスを持ち上げるロボットに指示することができる。ロボットは、シャシを良好に把持していることを確認するために、数インチだけシャシをゆっくり引っ張り上げることができる。その後、ロボットは、その一番上の位置まで急速に上昇することができる。その時点で、ロボットは、管理システムによって指示される任意の位置、例えば、マガジンまたは別のラックに移動することができる。
【0294】
1つの例示的な実施形態において、ロボットは、コンピューティングデバイスをタンクまたはマガジン内に配置することができる。例えば、シャシを保持しながら、ロボットは、シャシをタンク(またはマガジン)の内側に降下させるまたは配置するために、タンクのスロット(または、そのラックのうちの1つのラック)の上に移動することができる。ロボットがタンクの上に来ると、ロボットは、急速に降下し始め、シャシとタンク(またはラック)との間の第1の位置合わせ地点(または嵌合地点)の上方数インチに達する。シャシおよびタンクの設計は、ロボットが減速するべきであるタンクの上方からの距離を決定することができる。特に、ロボットは、位置合わせ地点(シャシのガイドレールがラックの溝に接触する場所)の上方1または2インチで減速することができる。ロボットは、ラックの溝がシャシのガイドレール上を移動することができるように、タンクに向かってよりゆっくり移動することができる。管理システムは、シャシが位置ずれしないことを確実にするために、ロードセルおよび他のセンサからのデータを受信し、モニターすることができる。例えば、ロードセルにかかる過剰な量の力フィードバックは、溝とガイドレールとの間の位置ずれを示す可能性がある。管理システムは、位置ずれが検出される場合、降下運転を中断することができる。
【0295】
1つの例示的な実施形態において、溝およびガイドレールに加えて、シャシおよびラックは、さらなる位置合わせ機構を含むことができる。例えば、溝およびガイドレールを使用したシャシとラックとの間の初期嵌合後に、ガイドピン機構が、ラックおよびシャシ上に設けられ得、ラックおよびシャシをさらに位置合わせすることができる。ガイドピン機構は、ラック上のピンおよびシャシ上の嵌合穴を含むことができる。初期嵌合後に、ロボットは、再び、急速に降下することができ、第2の位置合わせ機構(または、その数インチの所、例えば、ガイドピンのサイズより2インチ大きい所)に達する。ここで、第2の位置合わせ機構は、ガイドピン機構とすることができる。ロボットは、ラック上のピンがシャシ上の嵌合穴に接続することができるようにゆっくり降下する。ロボットは、ゆっくり降下し続け、ロードセルは、シャシが挿入されたことを示すフィードバックを提供し、例えば、ロードセルは、正圧を検出する。この時点で、連結機構は、停止することができ、ロボットは、(適切な配置を確実にするために数インチの間、ゆっくりと、その後、急速に)上昇し、そのホーム位置に戻ることができる。
【0296】
1つの例示的な実施形態において、シャシまたはラックは、圧力検出ピンを含むことができる。圧力検出ピンが、対応する受信機に嵌合すると、管理システムは、受信機から信号を受信することができる。信号は、シャシが、その位置に適切に配置されていることを示すことができる。この例示的な実施形態において、ロボットは、受信機が管理システムに信号を提供した後にのみ連結機構を停止することができる。
【0297】
持ち上げまたは降下運転中、管理システムは、ロードセルだけでなく、他のセンサ(例えば、モーションセンサ、タイルセンサ、回転センサ、加速度計など)から受信されるデータを受信し、モニターすることができる。このデータは、シャシがスタックまたは位置ずれしていないこと、または、ロボットがシャシを良好に把持していることを確実にすることができる。シャシがいくぶんスタックもしくは位置ずれしている、または、ロボットが傾斜又は回転している(例えば、シャシに対するロボットの不十分な接続のせいで)と、管理システムが判定する場合、管理システムは、持ち上げまたは降下運転を中断することができる。
【0298】
図20A~20Bは、例示的なロボットシステム1100を示す。図20Aは、プレート1110を含むガントリーロボットであり得るロボットシステム1100を示す。ガントリーロボットは、タンク内で移動し、プレート1110を使用してコンピューティングデバイスを持ち上げることができる。図20Bは、連結機構1111およびガイドピン1112を含むことができるプレート1110を示す。連結機構1111は、1つまたは複数の電機子に機械的に結合される複数のフィンガー1113を含むことができる。連結機構がシャシの接続プレート内に配置されると、電機子が作動し、接続プレートを保持するためにフィンガーを移動させることができる。
【0299】
図21A~21Bは、シャシ1150とラック1160との間の例示的なガイドピン機構を示す。この例示的な実施形態において、ラック1160は、(各シャシ1150について)2つのガイドピン1161を含むことができ、シャシ1150は、ガイドピン1161を受け取るように構成された2つの嵌合穴1151を含むことができる。ロボットがラック1160の上でシャシ1150を降下させると、ガイドピン機構は、シャシ1150とラック1160との間の適切な電気接続を確実にする。
【0300】
1つの例示的な実施形態において、ロボットはロボットアームである。ロボットアームは、タンクの側面に設けられたレール上を移動することができる。1つの例示的な実施形態において、各シャシは、ピストンを使用して引っ張り上げられ、ピストンの上部に位置するチャネルに接続することができる。チャネルは、例えば、レールシステムを使用して、シャシをマガジンに送出することができる。
【0301】
1つの例示的な実施形態において、ロボットは、複数のセンサを含むことができる較正システムを含むことができる。較正システムは、ロボットが、その通常運転範囲を超えているかどうかを判定することができる。例えば、傾斜センサは、ロボットが、バランスがとれていないまたは傾斜している場合、ロボットに知らせることができる。別の例として、ロードセンサは、ロボットが自由に移動しない、例えば、オブジェクトに衝突する場合、ロボットに信号を提供することができる。
【0302】
1つの例示的な実施形態において、ロボットは、ホットスワッピングまたはフェールセイフ機構を提供するために人工知能または機械学習技法を使用することができる。
【0303】
1つの例示的な実施形態において、容器は、複数のカメラを含むことができる。この例において、1つのカメラはロボットに搭載され得、別のカメラは容器壁に搭載され得る。カメラは、容器の移動するコンポーネントに対してユーザが可視性を常に有するように搭載され得る。容器は、ディスプレイデバイス、例えば、モニター上に表示されるユーザインターフェースを含むこともできる。ロボットが、シャシを持ち上げるか、または降下させるとき、ユーザインターフェースは、カメラからのビデオフィードを表示することができる。こうして、ユーザは、ロボットの運転に関して何かがうまくいかない場合、処置を講ずることができる。
【0304】
1つの例示的な実施形態において、ロボットシステムは、能動制御に関係しているビジョンベースシステムとすることができる。能動制御は、近接スイッチとの近接性を判定することになる論理を通して、参照点が返送されることを可能にする。1つの例示的な実施形態において、ロボットシステムは、AIロボットシステムとすることができる。1つの例示的な実施形態において、ロボットシステムは、自動補正システムとすることができる。一実施形態において、ロボットシステムは、事前プログラムされ、その静止状態からそのアクティブ状態までの距離に基づいて較正することができる、論理制御式アクティブループベースシステムとすることができる。
【0305】
吸収/脱離ユニット
1つの例示的な実施形態において、吸収ユニットは、カーボンベッドベースシステムとすることができる。吸収ユニットは、丸い円形ドラムとすることができる。吸収ユニットの内側に、アルミニウムフレームワークが存在することができ、アルミニウムフレームワークは、フレームワーク全体を通して分散される銅リボン加熱要素の包含を可能にする。吸収ユニットの高さおよび半径は、容器のサイズおよびタンク内の流体の体積に基づいて設計され得る。
【0306】
吸収ユニットは、シールされ、フレームワーク内に活性炭を含むことができる。吸収ユニットは、入口および出口を含むことができる。一実施形態において、吸収ユニットは、冷却システムを含むことができ、例えば、冷たい空気が、カーボンと接触することなく、吸収ユニットの中心を通って流れることができる。このシステムは、対流を通してカーボンを冷却することを可能にする。
【0307】
1つの例示的な実施形態において、活性炭は、誘電性蒸気の吸収または固着を可能にする。タンクのバランスをとるために(例えば、圧力または真空を作成するために)必要であるとき、管理システムは、弁を開放することによって吸収ユニットをタンクに接続することができる。管理システムは、カーボンを加熱することができる銅リボン加熱要素に対して電力を作動させるか、または始動することができる。カーボンは、その後、誘電性流体分子を蒸気として解放し、蒸気はタンクに戻ることができる。
【0308】
1つの例示的な実施形態において、圧力または温度が条件を超えることを防止するために、カーボンベッド内に圧力および温度センサが存在し得る。
【0309】
1つの例示的な実施形態において、吸収ユニットは、緊急時の圧力解放(または加圧)のための制御ループバイパスを含むことができる。これは、容器の安全機能である。吸収ユニットは、吸収ユニットをタンクから切り離す弁を有する。弁が故障した場合、過圧条件が存在する可能性がある。例えば、管理システムは、吸収ユニットの出口が詰まっている場合、バイパス弁を開放することができる。バイパス弁が開放されると、誘電性蒸気は、大気に向かうことができ、それにより、吸収ユニットの破裂を防止する。タンク内に真空条件が存在した場合、弁は、タンクが圧潰することを防止するため、空気がタンク内に入ることを可能にするために開放することができる。
【0310】
1つの例示的な実施形態において、容器は、複数の安全バイパス弁を含むことができる。例えば、スタートアップ運転中、コンピューティングデバイスは、過剰な量の蒸気を発生する可能性がある。蒸気がタンクを出て吸収ユニットに至ることを可能にする弁が故障する場合がある。したがって、ベローズが処理することができないタンク内の過圧条件が存在する可能性がある。緊急バイパス弁は、蒸気の一部を大気に解放するために開放され得る。
【0311】
別の例として、スタートアップ運転中、過剰の量の蒸気は吸収ユニットに入ることができる。これは、吸収ユニットにおいて過圧条件を生成する可能性がある。したがって、吸収ユニットのバイパス弁は、蒸気を大気に解放するために開放され得る。
【0312】
1つの例示的な実施形態において、圧力および温度に加えて、管理システムは、吸収ユニットの電力に関連するデータを、吸収ユニットから受信し、モニターすることができる。管理システムは、電流が吸収ユニットを通って流れることを確実にする。管理システムは、過電流問題が存在する場合、または、過圧条件が存在する場合または過圧条件が存在する場合、吸収ユニットをシャットダウンすることができる。
【0313】
シャシの自己位置合わせ
1つの例示的な実施形態において、シャシは、自己位置合わせフィーチャを含むことができる。自己位置合わせフィーチャは、シャシに対して可動であり得る(すなわち、浮遊する)プレートを含むことができる。プレート上に1つまたは複数の入力または出力ポート(またはコネクタ)が存在し得る。シャシ(およびプレート)は、ポートを受け取るためのプレートを位置合わせするためにガイドピンを受け取ることができる嵌合穴を含むことができる。1つの例示的な実施形態において、ポートは、ExaMAX(登録商標)コネクタとすることができる。
【0314】
1つの例示的な実施形態において、自己位置合わせフィーチャは、いくつかの位置合わせ機構を含むことができる。例えば、第1の自己位置合わせ機構として、ラックおよびシャシは、溝およびガイドレールを有することができる。第2の自己位置合わせ機構として、ラックは、端部においてテーパ状であり、丸みを帯びるピンを含むことができる。ピンは、シャシ内のキャッチ穴に入ることができる。ピンは、嵌合穴(またはキャッチ穴)に挿入されるため、シャシ上のコネクタとラック(すなわち、バックプレーン)上のインターフェースとの間で最終精密位置合わせを行う。コネクタが、その片方と対になる準備ができるときまでに、位置合わせピンは、浮遊対を、浮遊対が挿入されることになるコネクタの相対的配向に完全に合わせる。
【0315】
1つの例示的な実施形態において、シャシおよびラックのコネクタは、それら自体の位置合わせ機構を含むことができ、例えば、ピンは、コネクタの一部とすることができる。
【0316】
1つの例示的な実施形態において、コネクタは、巨視的外方位置合わせキャッチ、その後、微視的内方位置合わせキャッチを含む、自己位置合わせのための多段機構を含むことができる。
【0317】
1つの例示的な実施形態において、プレートは、ラックのバックプレーン上にあり得る。
【0318】
図22は、自己位置合わせフィーチャを有する例示的なコネクタを示す。これらのコネクタは、対同士の間の適切な接続を確実にするためにガイドピンおよび他のガイドフィーチャを含むことができる。
【0319】
吸収/脱離ユニットの例示的な実施形態
【0320】
1つの例示的な実施形態において、浸漬冷却システムまたは容器は、タンク、コンピューティングデバイス、ロボット、吸収ユニット、および管理システムを含むことができる。タンクは、大気圧に(または、ある範囲の大気圧内に)維持された圧力制御式タンクとすることができる。タンクは、バスエリアおよびサンプエリアを含むことができ、コンピューティングデバイスは、タンクのバスエリア内の誘電性流体内に浸漬され得る。コンピューティングデバイスは、誘電性流体内に浸漬されている間、ネットワークに接続され、種々の処理タスクを実施することができる。タンクは、バスエリア、コンピューティングデバイス、およびサンプエリアにアクセスするための蓋を含むことができる。タンクは、吸収ユニットに流体結合され得、複数の弁が、タンクを、吸収ユニットにおよびそれから、選択的に接続または切り離すことができるため、誘電性蒸気は、吸収ユニットに移行することができ、または、その逆も同様である。ロボットは、タンクの蓋が開放しているときに容器のタンクからコンピューティングデバイスを持ち上げることができるガントリーロボットとすることができる。
【0321】
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、タンクの圧力の変化を引き起こすために吸収ユニットを作動させることができる。一例において、管理システムは、タンク内の圧力の変化を制御する、加減する、または調節する、例えば、大気圧(または、別の所定の圧力)からの圧力の偏差を最小にするために、吸収ユニットを作動させることができる。例えば、管理システムは、ショックイベントが検出されると、例えば、スタートアップ運転、ブースト運転、スローダウン運転、またはシャットダウン運転の前に、その最中に、またはその後に、吸収ユニットを作動させることができる。管理システムは、センサデータ(例えば、タンク内の温度または圧力センサからの)またはコンピューティングデバイスからのデータ(例えば、電流、電圧、温度、作業負荷、データ転送など)を受信することによって、容器の運転モード(例えば、スタートアップまたはシャットダウン)を検出することができる。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、タンクの圧力を大気圧に近い圧力(または別の所定の圧力)に維持するために、タンクに蒸気または流体を付加するように、またはタンクから蒸気または流体を取り除くように吸収ユニットに指示することによって、ショックイベントに応答することができる。例えば、タンクの温度が上がるにつれて、蒸気または流体はタンクから取り除かれ得、タンクの温度が下がるにつれて、蒸気または流体はタンクに付加され得る。
【0322】
管理システムは、タンクに蒸気もしくは流体を付加する、またはタンクから蒸気もしくは流体を取り除くための種々の機構を使用することができる。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、タンクに蒸気を付加する、またはタンクから蒸気を取り除くための吸収/脱離ユニット(以降で、「吸収ユニット」)を使用することができる。別の例示的な実施形態において、管理システムは、別の機構を使用することができる。さらに別の例示的な実施形態において、管理システムは、吸収ユニットと共に別の機構を使用することができる。
【0323】
吸収ユニットは、異なる設計を有し、有利には、吸収ユニットのより小さいフットプリントおよび他の利点を作り出す、いくつかの実施形態におけるベローズを必要としない。図23~25は、浸漬冷却システム用の吸収ユニットのための例示的な設計を示す。この例示的な実施形態において、吸収ユニット100は、例えば、丸い円形ドラムの形状(または任意の他の形状)とすることができるハウジング131を有することができる。ハウジング131は、吸収ユニットを周囲環境に対してシールする上部カバー132を有することができる。吸収ユニット100は、空気取込み部111、空気出力部113、蒸気取込み部112、および蒸気出口部114を含むことができる。1つの例示的な実施形態において、吸収ユニット100は、排気パイプ115、ポンプ121(または回転ファン121)、空気濾過器122、および弁123(弁アクチュエータ124を含む)を含むこともできる。
【0324】
1つの例示的な実施形態において、弁123は、空気濾過器122、ポンプ121、空気出口部113、および排気パイプ115を接続する4方向弁とすることができる。図28は、例示的な実施形態による例示的な4方向弁を示す。弁123は、2つ以上の運転モードを含むことができる。弁123の第1の運転モードにおいて、空気濾過器122はポンプ121に流体結合され得る。さらに、出口部113は、排気パイプ115に流体結合され得る。第2の運転モードにおいて、ポンプ121は、空気出口部113に流体結合され得る。さらに、空気濾過器122および排気パイプ115は、切り離され得る。
【0325】
一例において、弁123が第1の運転モードにあるとき、ポンプ121は、濾過器122から空気を引き出すことができる。ポンプ121は、パイプを通して空気取込み部111に空気を押し込むことができる。空気取込み部111を通して空気をハウジング131に押し込むことによって、ハウジング131の内圧は増加することができ、したがって、空気は、空気出口部113から出て、弁123に戻るように流れることができる。空気出口部113が排気パイプ115に流体結合されるため、空気は、排気パイプ115から出て、周囲環境に入ることになる。別の例において、弁123が第2の運転モードにあるとき、ポンプ121は、空気出口部113から空気を引き出すことができる。ポンプ121は、パイプを通して空気取込み部111に空気を押し込むことができる。空気取込み部111を通してハウジング131に空気を押し込むことによって、ハウジング131の内圧は、増加することができ、したがって、空気は、空気出口部113から出て、弁123に戻るように流れることができる。空気出口部113がポンプ121に流体結合されるため、空気は、ハウジング131内で再循環することになる。再循環モードは、例えば、再循環した空気の温度が、空気濾過器122から入って来る空気の温度よりも、吸収ユニットの運転と整合性があるときに、有利であり得る。
【0326】
1つの例示的な実施形態において、吸収ユニット100は加熱器125を含むことができる。加熱器125は、ポンプ121を空気取込み部111に接続するパイプ上に位置することができる。加熱器125は、ハウジング131に入る空気を加熱することができる。入って来る空気を加熱することによって、空気取込み部111から入って来る空気は、吸収ユニット100を加熱することができる。加熱器125は、空気取込み部111に接続されたパイプ上に位置するものとして説明されるが、1つの加熱器(または複数の加熱器)125が、他のコンポーネント、例えば、空気出口部113を弁123に接続するパイプ、弁123、空気濾過器122に接続されたパイプ上に、または、ハウジング131内に位置することができることを当業者は認識する。1つの例示的な実施形態において、冷却ユニットは、吸収ユニット100に取り付けられ得る。冷却ユニットは、ハウジング131に入って来る空気またはハウジング131から出て行く空気を冷やすことができる。
【0327】
図26~27は、浸漬冷却システム用の吸収ユニットの内側の要素の例示的な設計を示す。1つの例示的な実施形態において、ハウジング131は、複数の管状要素410を含むことができる。要素410が、管状または任意の他の形状に設計され得ることを当業者は認識する。管状要素410は、流体の移送のために2つの分離したチャネルを形成することができる。第1のチャネルは管状要素410の内側に延びることができ、第2のチャネルは管状要素410の外側に(しかし、ハウジング131内に)延びることができる。1つの例示的な実施形態において、第1のチャネルは、蒸気取込み部112および蒸気出口部114に接続され得る。したがって、蒸気流530は、蒸気取込み部112から管状要素410に入り、蒸気出口部114からハウジング131を出ることができる。第2のチャネルは、空気取込み部111および空気出口部113に接続され得る。したがって、空気流520は、空気取込み部111からハウジング131に入り、管状要素410の外側に流れるが、最終的に、空気出口部113から出ることができる。この例示的な実施形態において、蒸気流530が管状要素410の内側を流れ、空気流520が管状要素410の外側を流れるが、流体の流れについての他の配置が存在し得、例えば、蒸気取込み部112および蒸気出口部114が第2のチャネルに、空気取込み部111および空気出口部113が第1のチャネルに接続され得ることを当業者は認識する。
【0328】
1つの例示的な実施形態において、1つまたは複数の管状要素410は、カーボン層またはカーボン堆積物を含むことができる。カーボン堆積物は、誘電性分子を捕捉または吸収することができ、それにより、タンク内の圧力を減少させる。1つの例示的な実施形態において、カーボン堆積物は、1つまたは複数の管状要素410の内側にあり得る。別の例示的な実施形態において、カーボン堆積物は、1つまたは複数の管状要素410の外側にあり得る。
【0329】
1つの例示的な実施形態において、吸収ユニット100は、複数の運転モードを含むことができる。1つの運転モードにおいて、浸漬冷却システムの管理システムは、タンクの圧力の望ましくない増加、例えば、コンピューティングデバイスのコンピューティング需要のスパイクを検出する。管理システムは、圧力を減少させなければならないと判定する。したがって、管理システムは、タンクの圧力を減少させるために、タンクから吸収ユニットに蒸気を方向付ける(例えば、吸収ユニット100をタンクに接続する弁を開放する)ことができる。吸収ユニット100のこの運転モードにおいて、ポンプ121は、管状要素410に冷気(または周囲空気)を方向付けることができるため、これらの管状要素410上のカーボン堆積物は、過剰な蒸気を捕捉する。
【0330】
一例において、カーボン堆積物515は、管状要素410の内側にある。吸収ユニット100が、過剰な蒸気を捕捉する(それにより、タンクの圧力を減少させる)ことを意図する運転モードにおいて、弁123は、空気濾過器122をポンプ121に接続することができる。弁123は、空気出口部113を排気パイプ115に接続することもできる。管理システムは、過剰な蒸気をタンクから蒸気取込み部112に方向付けることができ、したがって、蒸気は、蒸気流530として管状要素410の1つまたは複数の管状要素内を移動することができる。蒸気流530が管状要素410内を移動するときに(または、蒸気流530が管状要素410に入る前またはその後でさえも)、ポンプ121は、管状要素410を冷却するために空気流520を循環させ、したがって、カーボン堆積物515による蒸気分子の吸収を容易にすることができる。例えば、ポンプ121は、空気濾過器122から空気を引き出すことができる。ポンプ121は、空気を、空気取込み部111に流入させ、空気流520として管状要素410の外側を(すなわち、管状要素410同士の間を)移動させることができる。空気流520が管状要素410同士の間を移動するとき、空気流520は、管状要素410の温度を減少させ、したがって、カーボン堆積物515による蒸気分子の吸収を加速することができる。このシステムは、対流および/または伝導を通してカーボンを冷却することを可能にする。空気流520は、空気出口部113を介してハウジング131を出ると、空気出口部113を排気パイプ115に接続する弁123に向かうことができる。そのため、空気流520は、システムを出て、周囲空気に入ることができる。
【0331】
一例において、空気濾過器122から引き出される周囲空気が温かい場合、クーラーは、空気がハウジング131に入る前に空気を冷やすことができる。管理システムは、入って来る空気の温度を受信し、任意の冷却が必要とされるか否かを判定することができる。例えば、入って来る空気の温度を検出し、その温度を管理システムに提供することができる、例えば、空気濾過器122に、ポンプ121の前もしくは後に、または空気取込み部111の前もしくは後に位置する1つまたは複数の温度センサが存在し得る。管理システムは、入って来る空気の温度を減少させることによりカーボン堆積物515による蒸気吸収を改善することができる場合、クーラーを作動させることができる。例えば、管理システムは、受信された温度が所定の閾値を超える場合、クーラーを作動させることができる。
【0332】
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、入って来る空気の温度および空気出口部113から出て来る空気の温度に基づいて再循環をもたらすよう弁123に指示することができる。例えば、空気出口部113から流出する空気の温度が周囲温度より低い場合、吸収ユニットが排気パイプ115に空気を送ることは無駄になる。これは、入って来る空気が出口部113から出て来る空気より暖かいからである。管理システムは、吸収ユニット100上に、例えば、空気濾過器、ポンプ、空気取込み部111、空気出口部113などに位置する温度センサから、入って来る空気の温度および空気出口部113から出て来る空気の温度を受信することができる。
【0333】
別の運転モードにおいて、浸漬冷却システムの管理システムは、タンクの圧力の望ましくない減少、例えば、コンピューティングデバイスのコンピューティング需要の低下を検出する。管理システムは、圧力を増加させなければならないと判定する。したがって、管理システムは、タンクの圧力を増加させるために、吸収ユニットからタンクに蒸気を方向付ける(例えば、吸収ユニット100をタンクに接続する弁を開放する)ことができる。吸収ユニット100のこの運転モードにおいて、ポンプ121は、管状要素410に温かい空気を方向付けることができるため、これらの管状要素410上のカーボン堆積物によって捕捉された誘電性分子は蒸発する。
【0334】
一例において、カーボン堆積物515は、管状要素410の内側にある。吸収ユニット100が、捕捉された誘電性流体分子を蒸発させる(そして、それにより、タンクの圧力を増加させる)ことを意図する運転モードにおいて、弁123は、空気出口部113をポンプ121に接続することができる。弁123は、空気濾過器122と排気パイプ115を切り離すことができる。管理システムは、空気流を温めるよう加熱器125に指示することができる。管理システムは、管状要素410を温め、したがって、カーボン堆積物515による蒸気分子の脱離を容易にするため、空気流520を循環させるようポンプ121に指示することもできる。例えば、ポンプ121は、空気を、空気取込み部111に流入させ、空気流520として管状要素410の外側を(すなわち、管状要素410同士の間を)移動させることができる。空気流520は、管状要素410同士の間を移動するとき、管状要素410の温度を増加させ、したがって、カーボン堆積物515によって捕捉された蒸気分子の脱離を加速することができる。空気流520は、空気出口部113を介してハウジング131を出ると、空気出口部113をポンプ121に再び接続する弁123に向かうことができる。そのため、空気流520は、吸収ユニット内で再循環し、誘電性流体を蒸発させることができる。管理システムは、蒸発した流体(すなわち、蒸気流530)をタンクに方向付けることができ、したがって、蒸気は、タンクの圧力を増加させることができる。
【0335】
一例において、周囲空気が十分に温かい場合、管理システムは、空気濾過器122を使用して吸収ユニット100を囲む周囲環境から空気を引き出すように弁123(およびアクチュエータ124)に指示することができる。
【0336】
1つの例示的な実施形態において、吸収ユニット100の空気循環システムは、大気圧で運転することができる。例えば、吸収ユニット100は、例えば、空気濾過器122に、ポンプ121の前または後に、空気取込み部111の前または後に、空気出口部113の前または後に、あるいは弁123に1つまたは複数の圧力センサを含むことができる。圧力センサは、システム内で循環される空気の経路内の圧力を測定することができる。空気圧力が大気圧(±閾値許容誤差)を超えて増加する場合、管理システムは、システム内の空気を解放するように弁123に指示することができる。特に、管理システムは、圧力センサの1つまたは複数から圧力読取値を受信することができる。読取値が許容可能な閾値範囲を超える場合、管理システムは、排気パイプ115を開放するように弁123に指示することができるため、システムは、再びバランスをとるこができる。
【0337】
1つの例示的な実施形態において、浸漬冷却システムは、複数の吸収ユニット100を含むことができる。一例において、各吸収ユニットは、同じ機能を働かせることができる(例えば、同時に蒸気を吸収または脱離する)。別の例において、吸収ユニットは、補完的であり得、例えば、一方は、(時にはまたは常に)吸収ユニットとすることができ、他方は、(時にはまたは常に)脱離ユニットとすることができる。
【0338】
1つの例示的な実施形態において、浸漬冷却システムは、タンク内の圧力を維持または制御するために空気加熱式吸収ユニットを使用することができる。空気加熱式吸収ユニットは、吸収ユニットのハウジング内の熱を分配するためにより整合性があり得る。さらに、空気加熱式吸収ユニットは、寿命が長く、故障した場合、加熱要素を置換することがより容易である。これは、加熱要素が吸収ユニットのハウジング内に位置しないからである。
【0339】
1つの例示的な実施形態において、吸収ユニットは、緊急時の圧力解放のためにバイパス弁を含むことができる。これは、吸収ユニットの安全機能である。吸収ユニットは、吸収ユニットをタンクから切り離す弁を有することができる。付加的にまたは代替的に、吸収ユニットは、吸収ユニットの蒸気チャネルを周囲環境に接続することができるバイパス弁を有することができる。バイパス弁は、例えば、蒸気取込み部112の前にまたは蒸気出口部114の後に位置することができる。吸収ユニット内に過圧条件が存在する場合、弁は、蒸気を周囲環境に解放することができる。同様に、吸収ユニット内に減圧条件が存在する場合、弁は、吸収ユニット内の条件を正規化するために、外側から空気を受け取ることができる。管理システムは、吸収ユニット内の種々の場所に配置されたセンサ(例えば、蒸気取込み部112または蒸気出口部114の前にまたは後に配置された圧力または温度センサ)からセンサデータを受信することができる。データは、タンク内に圧力条件が存在するか否かを示すことができる。センサデータに基づいて、管理システムは、開放するようにおよび/または圧力を正規化するようにバイパス弁に命令することができる。
【0340】
1つの例示的な実施形態において、圧力および温度に加えて、管理システムは、吸収ユニットの電力に関連する、吸収ユニットからデータを受信し、モニターすることができる。管理システムは、電流が吸収ユニットを通って流れることを確実にする。管理システムは、過電流問題が存在する場合または過圧条件が存在する場合、吸収ユニットをシャットダウンすることができる。
【0341】
一例において、吸収ユニットの高さおよび半径は、容器のサイズおよびタンク内の流体の体積に基づいて設計され得る。
【0342】
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、空気濾過器122が置換される必要があるか否かを判定することができる。例えば、吸収ユニット100は、空気濾過器122の前にまたは後ろに圧力センサを含むことができる。圧力センサの圧力読取値が通常読取値から所定の許容誤差範囲より大きい値だけ偏移する場合、管理システムは、空気濾過器122を置換する必要があると判定することができる。管理システムは、液浸冷却システムに、空気濾過器を置換するようにシステムのオペレータに通知させることができる。空気濾過器122は、埃および微粒子を濾過することができる。
【0343】
予測モデル
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、機械学習モデルまたは予測モデルによる分類に基づいて吸収ユニットを作動させることができる。例えば、液浸冷却システムは、中央サーバから機械学習または予測モデルを受信することができ、または、液浸冷却システムは、液浸冷却システムが経時的に収集するデータに基づいてモデルを訓練することができる。予測モデルは、機械学習アルゴリズムによって開発され得る。一実施形態において、採用される機械学習アルゴリズムは、勾配ブースティング機械、ロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、およびその組合せの群から選択される少なくとも1つを含むことができるが、他の機械学習アルゴリズムが利用され得ることが理解される。一実施形態において、予測モデルは、浸漬冷却システムおよび/または中央サーバによって生成された基礎的試験データを使用して開発され得る。基礎的試験データは、1つまたは複数のデータベースに記憶され得る。
【0344】
予測モデルは、連続学習能力を含むことができる。いくつかの例において、データベースは、新しいデータが収集されるにつれて、連続して更新され得、例えば、予測モデルが予測を行うたびに、システムのオペレータは、浸漬冷却システムのユーザインターフェースにおいてモデルの予測を確認または拒否することができる。中央サーバは、データを集計し、中央サーバと通信する全ての浸漬冷却システムにデータを提供することができる。新しいデータが、予測モデルの訓練に組み込まれ得るため、予測モデルは、種々の時点からのデータに基づくおよび種々のオペレータによる訓練を反映する。
【0345】
最初に、予測モデルを開発するために利用可能な十分な基礎的試験データが存在しない場合がある。したがって、初期モデル開発は、所定の分類をプロキシターゲットとして、また、他の供給源から入手可能なデータ(例えば、他のオペレータから収集されたデータ)をフィーチャとして使用して実施され得る。そうすることによって、予測モデルは、吸収ユニットによる介入を必要とする条件のその理解を形成し始めることができる。この初期モデル化の結果は、予測モデルの初期状態をサポートすることができ、モデルは、オペレータからのデータが入手可能になるため、連続して改善され得る。訓練されると、予測モデルは、吸収ユニットが、タンクの圧力条件を管理するときを予測するために利用され得る。
【0346】
いくつかの例において、予測モデルは、浸漬冷却システム上に記憶され得る。モデルをローカルに記憶することにより、応答時間の低減という利益を実現することができ、予測およびトリガー信号をより素早く発することができる。他の例において、予測モデルは、クラウドまたは中央サーバ上に記憶され得、予測モデルの集中化メンテナンスおよび訓練のためのモデルのより大きいアクセス可能性を可能にすることができる。予測モデルがローカルに記憶される例において、予測モデルは、クラウド上で訓練され、ローカルコンピューティングデバイスにわたって同期化され得る。代替的に、予測モデルは、ローカルに記憶されると、連続して訓練され、コンピューティングデバイスにわたって同期化され得る。
【0347】
1つの例示的な実施形態において、予測モデルのための訓練用データは、温度および圧力データを含むことができる。これらのデータポイントは、浸漬冷却システム内におよび/またはその外側に配置された種々のセンサによって収集され得る。例えば、センサは、吸収ユニット内に(例えば、ユニット内の圧力および/または温度を測定するために)、タンク内に(例えば、タンク内の圧力および/または温度を測定するために)、容器内に、および容器の外側に位置することができる。1つの例示的な実施形態において、訓練用データは、浸漬冷却システムに関連するイベント、例えば、スタートアップ、シャットダウン、ホットスワップ、処理需要のスパイクまたは低下の識別を含むことができる。1つの例示的な実施形態において、訓練用データは、計算のタイプ、例えば、GPU処理、CPU処理、またはデータの記憶を含むことができる。1つの例示的な実施形態において、管理システムは、他のエンティティからデータを受信し、これらのエンティティから受信したデータに基づいて予測を行うことができる。例えば、管理システムは、現在の天候、天気予報、ニュースフィード(例えば、株価、暗号通貨価格、市場状況、および暗号通貨用のメトリックなど)に関連するデータを受信することができる。
【0348】
1つの例示的な実施形態において、管理システムは、予測される圧力条件に対処するため吸収ユニットが作動される必要があるか否かを判定するために、種々のタイプのデータを予測モデルに給送することができる。例えば、管理システムは、圧力および温度センサの現在の読取値、要請されたイベント、現在の計算のタイプ、天気予報、および暗号通貨市場におけるボラティリティレベルなどのデータをモデルに提供することができる。これらのタイプのデータに基づいて、予測モデルは、吸収ユニットが、予測された将来の圧力条件への対処を開始する必要があるか否かを予測することができる。例えば、暗号通貨市場にボラティリティが存在するとき、ユーザは、より多く注文し、したがって、計算を処理するための需要が増加する。そのような状況で、蒸気圧力は、タンク内で増加する可能性があり、したがって、吸収ユニットは、過剰の蒸気の一部を取り除かなければならない。予測モデルによる予測は、その状況が実際に起こる前に吸収ユニットが圧力条件に対処することをもたらす可能性があり、したがって、吸収ユニットの応答時間を低減する可能性がある。
浸漬冷却のプロセス
1. 方法であって、
熱伝導性で凝縮性の誘電性流体内にコンピュータコンポーネントを少なくとも部分的に浸すことを含み、
上記コンピュータコンポーネントは、ラックから電力を受け取るためのバックプレーンを備えるシャシ内に搭載され、
上記コンピュータコンポーネントは、上記コンピュータコンポーネントが運転するときに上記誘電性流体内に熱を消散させるように構成され、
凝縮器を使用して、上記誘電性流体の気相を上記誘電性流体の液相に凝縮させることを含み、
上記ラックは、前記タンクの内圧を減少または増加させるために、圧力コントローラを備えるタンク内にある、方法。
2. 上記タンクは、各平方フィートの空間にわたって分散される少なくとも300Wのコンピューティング電力のコンピューティング電力密度を有する、実施形態1に記載の方法。
3. ロボットを使用して上記ラックから上記シャシを取り外すことをさらに含み、上記ロボットは上記タンク内に位置する、実施形態1に記載の方法。
4. 上記ロボットを使用して、上記シャシをエアロックに送出することをさらに含み、上記エアロックは、上記タンク内の圧力を大幅に乱すことなく、上記タンクの内部へのアクセスを可能にするように構成される、実施形態3に記載の方法。
5. 上記エアロックの内ドアを開放すること、
上記エアロック内に上記シャシを配置すること、
上記エアロックの内ドアを閉鎖すること、
上記エアロックの圧力を大気圧と等しくすること、および、
上記エアロックの外ドアを開放することをさらに含む、実施形態4に記載の方法。
6. 上記ロボットを使用して、マガジン内に上記シャシを格納することをさらに含む、実施形態3に記載の方法。
7. 上記マガジンは、支持部材、回転部材、およびレールを含むプラットフォーム上に位置する、実施形態6に記載の方法。
8. 上記ロボットは、上記シャシを取り外す、置換する、または設置するように構成されたガントリーロボットである、実施形態3に記載の方法。
9. 上記ガントリーロボットは、水平平面上を移動し、垂直に降下するように構成される、実施形態8に記載の方法。
10. 上記ロボットは、電力分配システムのコンポーネントを取り外す、置換する、または設置するように構成される、実施形態9に記載の方法。
11. 上記ロボットは、上記シャシを把持するための把持ツールを含む、実施形態10に記載の方法。
12. 上記タンクは、複数のタンクを含む上部構造内に搭載される、実施形態1に記載の方法。
13. 上記誘電性流体から汚染物質を取り除くことをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
14. ガス状汚染物質を取り除くことをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
15. 電力、ネットワーク接続、およびプロセス流体を上記タンクに提供することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
16. 上記タンクは、上部の開口および取り外し可能な蓋を備える、実施形態1に記載の方法。
17. 上記タンクは、約100立方フィート~約300立方フィートの内部体積を備える、実施形態1に記載の方法。
18. 上記シャシは、ヒートシンクおよびファンを含まない、実施形態1に記載の方法。
19. 上記シャシは、ブレードサーバ、プロセッサ、電源、またはインターフェースカードを含む、実施形態1に記載の方法。
20. 上記バックプレーンは、1Gまたは10Gイーサネットインターフェースへの接続のためのCat6AまたはCat7準拠RJ45インターフェースであるインターフェースカードに電気接続される、実施形態19に記載の方法。
浸漬冷却のための容器設計および構成
1. デバイスであって、
熱伝導性で凝縮性の誘電性流体を保持するように構成されたタンクと、
上記タンクの内圧を減少または増加させる圧力コントローラと、
上記誘電性流体内に少なくとも部分的に浸されるラックと、
上記誘電性流体の気相を凝縮させるための凝縮器と、
上記ラック内でシャシを移動させるように構成されたロボットとを備える、デバイス。
2. 上記デバイスは、複数のフォークリフトチューブを備えるモジュール式スキッドを備える、実施形態1に記載のデバイス。
3. 上記タンクは、各平方フィートの空間にわたって分散される少なくとも300Wのコンピューティング電力のコンピューティング電力密度を有する、実施形態1に記載のデバイス。
4. 上記デバイスの外部は、電力入力および通信入力を含む、実施形態1に記載のデバイス。
5. 上記電力入力および上記通信入力は、ボックスに電気接続され、
上記ボックスは、複数のワイヤを使用して、上記電力入力および上記通信入力を上記ラックに分配する、実施形態4に記載のデバイス。
6. 上記ラックは、電力および通信信号を上記シャシに分配するように構成されたバックプレーン受信機を含む、実施形態5に記載のデバイス。
7. 上記シャシは、
上記ラックの上記バックプレーン受信機から上記電力および上記通信信号を受信し、
上記電力および上記通信信号を上記シャシ内のコンピュータコンポーネントに分配する
ように構成されたバックプレーンを含む、実施形態6に記載のデバイス。
8. 上記複数のワイヤは、プラスチック絶縁体を含まない、実施形態5に記載のデバイス。
9. 上記ラックは変圧器を含む、実施形態5に記載のデバイス。
10. 上記デバイスは積み重ね可能である、実施形態1に記載のデバイス。
11. 上記デバイスは置換コンポーネントの格納のためのマガジンを備える、実施形態1に記載のデバイス。
12. 上記ロボットは、上記ラックから上記シャシを取り外し、上記マガジン内に上記シャシを配置するように構成される、実施形態11に記載のデバイス。
13. 上記マガジンは、回転部材、支持部材、およびレールを含むプラットフォームに位置する、実施形態12に記載のデバイス。
14. 上記プラットフォームは、デバイスの外側に上記マガジンを誘導するように構成される、実施形態13に記載のデバイス。
15. 上記デバイスから水蒸気汚染物質を取り除くように構成されたデシカントを含む、実施形態1に記載のデバイス。
16. サンプエリアと
ポンプと、
濾過器とをさらに備え、
上記ポンプは、上記サンプエリアから上記誘電性流体を取り除き、上記誘電性流体を上記タンクのバス部分に送出する前に、上記濾過器を通して上記誘電性流体を流すように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
17. 上記誘電性流体は、20℃~100℃の範囲内の沸点を有する、実施形態1に記載のデバイス。
18. 上記誘電性流体は、(CF3)2CFCF20CH3、C4F90CH3、CF3CF2CF2CF20CH3の化学式を有する化学物質、ハイドロフルオロエーテル、またはメトキシノナフルオロブタンを含む、実施形態1に記載のデバイス。
19. 上記デバイスの蓋またはドアのいずれかが固定されない場合、デバイスが運転することを排除するロックをさらに備える、実施形態1に記載のデバイス。
20. 上記蓋または上記ドアに対して無許可アクセスがある場合、デバイスの電源を切るように構成されたコントローラをさらに備える、実施形態1に記載のデバイス。
浸漬冷却のためのロボティクスおよび自動化
1. デバイスであって、
熱伝導性で凝縮性の誘電性流体を保持するように構成されたタンクと、
上記タンクの内圧を減少または増加させる圧力コントローラと、
上記誘電性流体内に少なくとも部分的に浸されたコンピュータコンポーネントと、
上記誘電性流体の気相を凝縮させるための凝縮器と、
上記コンピュータコンポーネントを持ち上げるように構成されたロボットとを備える、デバイス。
2. エアロックをさらに備える、実施形態1に記載のデバイス。
3. 上記エアロックは、内ドアおよび外ドアを含む、実施形態2に記載のデバイス。
4. 上記エアロックは、上記外ドアが開放される前に、上記誘電性流体の上記気相をパージするために不活性ガスを受け取るように構成される、実施形態3に記載のデバイス。
5. 上記ロボットは、上記タンクの外側に位置する、実施形態3に記載のデバイス。
6. 上記ロボットは、上記タンク内に位置する、実施形態3に記載のデバイス。
7. 上記ロボットは、上記コンピュータコンポーネントをラックから取り外し、上記コンピュータコンポーネントを上記エアロックに送出するように構成される、実施形態6に記載のデバイス。
8. 上記ロボットは、
上記エアロックの上記内ドアを開放し、
上記コンピュータコンポーネントを上記エアロック内に配置し、
上記エアロックの上記内ドアを閉鎖し、
上記エアロックの圧力を大気圧と等しくし、
上記エアロックの上記外ドアを開放する
ようにさらに構成される、実施形態7に記載のデバイス。
9. 上記タンクの外側に位置する第2のロボットをさらに備える、実施形態8に記載のデバイス。
10. 上記第2のロボットは、上記外ドアが開放しているときに上記コンピュータコンポーネントを上記エアロックから取り外すように構成される、実施形態9に記載のデバイス。
11. 上記第2のロボットは、上記コンピュータコンポーネントを格納スロット内に配置するように構成される、実施形態9に記載のデバイス。
12. 上記エアロックは、上記外ドアが閉鎖した後に、上記エアロックの上記圧力を等しくするように構成される、実施形態9に記載のデバイス。
13. 上記デバイスの外側に位置するサーバから指示を受信するように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
14. 上記コンピュータコンポーネントは、資産タグを示すシャシ内に位置する、実施形態1に記載のデバイス。
15. 上記ロボットは、上記資産タグを走査し、上記資産タグを管理システムに中継するように構成される、実施形態14に記載のデバイス。
16. 上記ロボットは、上記コンピュータコンポーネントを取り外す、置換する、または設置するように構成されたガントリーロボットである、実施形態1に記載のデバイス。
17. 上記ガントリーロボットは、水平におよび垂直に移動するように構成される、実施形態16に記載のデバイス。
18. 上記ロボットは、電力分配システムのコンポーネントを取り外す、置換する、または設置するように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
19. 上記電力分配システムの上記コンポーネントは、変圧器または電源である、実施形態18に記載のデバイス。
20. 上記ロボットは、上記コンピュータコンポーネントを把持するための把持ツールを含む、実施形態1に記載のデバイス。
浸漬冷却のためのバラストブロック
1. デバイスであって、
タンクであって、
熱伝導性で凝縮性の誘電性流体およびコンピュータコンポーネントを保持するためのバス部分、および、
少なくとも1つのバラストブロックを保持するように構成された棚部分を備える、タンクと、
上記タンクの内圧を減少または増加させる圧力コントローラと、
上記誘電性流体の気相を凝縮させるための凝縮器と、
上記コンピュータコンポーネントを持ち上げるように構成されたロボットとを備える、デバイス。
2. 上記バス部分の下部地点は、上記棚部分の高さより低い高さを有する、実施形態1に記載のデバイス。
3. 上記バス部分は、上記コンピュータコンポーネントが上記誘電性流体内に少なくとも部分的に浸されるように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
4. 上記コンピュータコンポーネントは、ブレードサーバ、プロセッサ、電源、または、変圧器である、実施形態3に記載のデバイス。
5. 上記誘電性流体のレベルは、上記棚部分の少なくとも一部をカバーするのに十分に高い、実施形態1に記載のデバイス。
6. 上記棚部分は、上記凝縮器に隣接する、実施形態1に記載のデバイス。
7. 上記棚部分は、上記凝縮器から凝縮された誘電性流体を受け取るように構成される、実施形態6に記載のデバイス。
8. 上記バラストブロックは、上記誘電性流体を上記棚部分から上記バス部分の上のエリアまで変位させるために、上記棚部分の上方の上記タンクの体積を占めるように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
9. 上記バラストブロックは、上記誘電性流体が上記バラストブロックの下を流れることを可能にするための複数のライザーフィートを含む、実施形態1に記載のデバイス。
10. 上記バラストブロックは、上記誘電性流体内で可用性でない、実施形態1に記載のデバイス。
11. 上記バラストブロックは、金属、ゴム、シリコン、またはポリマーから作られる、実施形態1に記載のデバイス。
12. 上記バラストブロックは、上記誘電性流体より密である、実施形態1に記載のデバイス。
13. 上記バラストブロックは、上記バラストブロックの取り外しまたは置換のためのハンドル、カットアウト、またはプレートを有する、実施形態1に記載のデバイス。
14. 上記ロボットは、上記ハンドル、上記カットアウト、または上記プレートを使用して上記バラストブロックを持ち上げるように構成される、実施形態13に記載のデバイス。
15. 上記バラストブロックは、上記バラストブロックの上部側または下部側から別のバラストブロックに連結するように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
16. 上記連結は、上記他のバラストブロックが摺動するのを防止する、実施形態15に記載のデバイス。
17. 上記他のバラストブロックは、上記バラストブロックの上記上部側または上記下部側にあるように構成される、実施形態15に記載のデバイス。
18. 上記バラストブロックは、上記バラストブロックの上記上部側に窪んだ部分を備え、それにより、上記他のバラストブロックのライザーフィートは、上記バラストブロックの上記窪んだ部分のうちの1つの窪んだ部分内にロックするように構成される、実施形態15に記載のデバイス。
19. 上記バラストブロックは、上記棚部分の全長の少なくとも40%に及ぶように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
20. 上記バラストブロックは、約2フィート長、約8インチ幅、および約1インチ高さの外形寸法を有する、実施形態1に記載のデバイス。
浸漬冷却のためのサーバケース
1. デバイスであって、
熱伝導性で凝縮性の誘電性流体を保持するように構成されたタンクと、
上記タンクの内圧を減少または増加させる圧力コントローラと、
上記誘電性流体内に少なくとも部分的に浸されるシャシと、
上記誘電性流体の気相を凝縮させるための凝縮器と、
上記シャシを持ち上げるように構成されたロボットとを備える、デバイス。
2. 上記シャシは、ヒートシンクおよびファンを必要としない、実施形態1に記載のデバイス。
3. 上記シャシは、ブレードサーバを含む、実施形態1に記載のデバイス。
4. 上記シャシは、プロセッサ、電源、またはインターフェースカードを含む、実施形態1に記載のデバイス。
5. 上記インターフェースカードは、1Gまたは10Gイーサネットインターフェースへの接続のためのCat6AまたはCat7準拠RJ45インターフェースである、実施形態4に記載のデバイス。
6. 上記シャシは、ラックに取り外し可能に取り付けられる、実施形態1に記載のデバイス。
7. 上記シャシは、上記シャシと上記ラックとの間のスロットインインターフェースを提供するためにバックプレーンを含む、実施形態6に記載のデバイス。
8. 上記バックプレーンは、上記ラックから受信された電力および信号を上記シャシ内で分配するように構成される、実施形態7に記載のデバイス。
9. 上記バックプレーンは、ケーブルを介して電力およびデータをブレードサーバに送信するように構成される、実施形態8に記載のデバイス。
10. 上記シャシは、後壁および2つの側壁を備える実質的に長方形のボックスであり、上記後壁は、上記シャシ内での上記誘電性流体の循環を容易にするために複数の穴を有する、実施形態1に記載のデバイス。
11. 上記シャシは、上記2つの側壁のそれぞれの側壁上にガイドレールを備える、実施形態10に記載のデバイス。
12. 上記シャシは、コンピュータコンポーネントを保持するための搭載インターフェースを備える、実施形態1に記載のデバイス。
13. 上記シャシはプレートを備え、上記ロボットは、上記プレートを使用して上記シャシを持ち上げるように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
14. 上記シャシは、マイクロコントローラを含む、実施形態1に記載のデバイス。
15. 上記マイクロコントローラは、
上記シャシに搭載されるセンサから、上記シャシがラック内に適切に配置されているか否かを示すセンサデータを受信し、
上記センサデータを管理システムに送信する
ように構成される、実施形態14に記載のデバイス。
16. 上記マイクロコントローラは、
管理システムから電力信号を受信し、
上記電力信号を、上記シャシ内で上記電力をカットオフするように構成されたスイッチに送信する
ように構成される、実施形態14に記載のデバイス。
17. 上記マイクロコントローラは、
上記シャシ内に搭載されたコンピュータコンポーネントから運転データを受信し、
上記運転データを上記管理システムに送信する
ように構成される、実施形態14に記載のデバイス。
18. 上記マイクロコントローラは、ブレードサーバの電気および通信機能を制御するように構成される、実施形態14に記載のデバイス。
19. 上記シャシはRFIDタグを備える、実施形態1に記載のデバイス。
20. 上記ロボットは、上記RFIDタグを走査し、信号を管理システムに送信するように構成される、実施形態19に記載のデバイス。
ベローズを使用する液浸冷却のための蒸気管理
1. デバイスであって、
熱伝導性で凝縮性の誘電性流体およびコンピュータコンポーネントを保持するように構成されたタンクと、
上記タンクの内圧を減少または増加させる圧力コントローラと、
上記誘電性流体の気相を凝縮させるための蒸気管理システムと、
上記コンピュータコンポーネントを持ち上げるように構成されたロボットとを備える、デバイス。
2. 上記蒸気管理システムは、上記タンク内に凝縮構造を含む、実施形態1に記載のデバイス。
3. 上記凝縮構造は、熱伝導性チューブ、コイル、またはラジエターフィンを含む、実施形態2に記載のデバイス。
4. 上記凝縮構造は、冷却液の供給源に結合されるように構成されるため、上記冷却液は、上記凝縮構造を通過する、実施形態2に記載のデバイス。
5. 上記デバイスは、蒸発冷却または乾燥冷却タワーを使用して上記冷却液を冷やすように構成される、実施形態2に記載のデバイス。
6. 上記蒸気管理システムは、流入パイプおよび流出パイプを含む、実施形態2に記載のデバイス。
7. 上記流入パイプは、冷えた冷却液供給源から冷却液を受け取り、上記凝縮構造を通して上記冷却液を誘導するように構成される、実施形態6に記載のデバイス。
8. 上記流出パイプは、上記凝縮構造から冷却液を受け取り、上記冷えた冷却液供給源に上記冷却液を戻すように構成される、実施形態6に記載のデバイス。
9. 上記蒸気管理システムは、上記誘電性流体の貯蔵のための貯蔵ユニットを含む、実施形態1に記載のデバイス。
10. 上記蒸気管理システムは、上記貯蔵ユニットから上記タンク内に上記誘電性流体を方向付けるように構成される、実施形態9に記載のデバイス。
11. 上記蒸気管理システムは、上記誘電性流体の蒸気の貯蔵のための蒸気貯蔵ユニットを含む、実施形態1に記載のデバイス。
12. 上記蒸気貯蔵ユニットはベローズである、実施形態11に記載のデバイス。
13. 上記ベローズは、上記タンクの上記内圧を維持するために、膨張または収縮するように構成される、実施形態12に記載のデバイス。
14. 上記ベローズは、1つまたは複数のパウチを備える、実施形態12に記載のデバイス。
15. 上記蒸気貯蔵ユニットは、上記蒸気管理システムに入る空気が、上記誘電性流体の上記蒸気の温度を下げることを可能にするための弁を備える、実施形態11に記載のデバイス。
16. 上記蒸気貯蔵ユニットは、上記誘電性流体の上記蒸気を空気から分離するためにカーボンベッドに動作可能に接続される、実施形態15に記載のデバイス。
17. 上記カーボンベッドは、上記カーボンベッドの温度を上げるために、上記カーボンベッドを加熱するように構成された脱着加熱器を備える、実施形態16に記載のデバイス。
18. 上記蒸気管理システムは濾過器を備える、実施形態1に記載のデバイス。
19. 上記濾過器は、空気および水蒸気を取り除くように構成される、実施形態17に記載のデバイス。
20. 上記蒸気管理システムは、
不活性ガス貯蔵ユニットを備え、
スタートアップ運転またはシャットダウン運転中に、上記不活性ガス貯蔵ユニットから上記タンク内に不活性ガスを導入するように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
流体モニタリングの実施形態
1. 方法であって、
容器のバスエリア内の熱伝導性誘電性流体内にコンピュータコンポーネントを少なくとも部分的に浸すことを含み、
上記コンピュータコンポーネントは、ラックから電力を受信するためのバックプレーンを備えるシャシ内に搭載され、
上記コンピュータコンポーネントは、上記コンピュータコンポーネントが運転するときに上記誘電性流体内に熱を消散させるように構成され、
上記誘電性流体が望ましくないpHに達すると、色を変化させるpHインジケーターを使用して上記誘電性流体の酸性度を試験すること、および、
上記pHインジケーターの上記色変化を検出することを含む、方法。
2. 上記pHインジケーターの上記色変化を検出するための色検出センサまたはカメラをさらに備える、実施形態1に記載の方法。
3. 色変化を検出すると、上記色検出センサまたは上記カメラから管理システムに信号を送信することをさらに含む、実施形態2に記載の方法。
4. 上記管理システムは、上記信号を受信すると是正処置をトリガーする、実施形態3に記載の方法。
5. 上記誘電性流体を濾過器によって濾過することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
6. 上記濾過器は活性炭を含む、実施形態5に記載の方法。
7. 上記濾過器は活性アルミニウムを含む、実施形態5に記載の方法。
8. 上記濾過器は上記pHインジケーターを含む、実施形態5に記載の方法。
9. 上記カメラはパン-チルト-ズームカメラである、実施形態2に記載の方法。
10. 上記濾過器上の圧力差を決定することをさらに含む、実施形態5に記載の方法。
11. 圧力差が閾値圧力を超えるときをユーザに通知することをさらに含む、実施形態10に記載の方法。
12. システムであって、
熱伝導性誘電性流体を保持するように構成されたタンクと、
上記誘電性流体内に少なくとも部分的に浸されたコンピュータコンポーネントと、
上記誘電性流体の気相を凝縮させるための凝縮器と、
上記コンピュータコンポーネントを持ち上げるように構成されたロボットと、
pHが望ましくないレベルに達すると色を変化させる、pHインジケーターと、
上記pHインジケーターの色変化を検出するための色検出センサまたはカメラとを備える、システム。
13. 上記システムは、上記pHインジケーターの色変化を検出するための色検出センサを備える、実施形態12に記載のシステム。
14. 上記システムは、上記pHインジケーターの色変化を検出するためのカメラを備える、実施形態12に記載のシステム。
15. 上記カメラはパン-チルト-ズームカメラである、実施形態14に記載のシステム。
16. 濾過器をさらに備える、実施形態12に記載のシステム。
17. 上記濾過器は活性炭を含む、実施形態16に記載のシステム。
18. 上記濾過器は活性アルミニウムを含む、実施形態16に記載のシステム。
19. 上記濾過器は上記pHインジケーターを含む、実施形態16に記載のシステム。
20. 上記pHインジケーターを含む濾過器をさらに備え、上記pHインジケーターの上記色変化を検出するための上記カメラは、上記濾過器を観察するように構成される、実施形態12に記載のシステム。
21. ガラスシールドを備えるコンテナをさらに備え、上記コンテナは、上記ガラスシールドを通して見ることができる上記pHインジケーターを含み、上記pHインジケーターの上記色変化を検出するための前記カメラは、上記pHインジケーターの写真を撮るように構成される、実施形態12に記載のシステム。
【0349】
100 吸収ユニット
110 圧力制御式容器
111 空気取込み部
113 空気出口部
114 蒸気出口部
115 排気パイプ
112 蒸気取込み部
120 天井および/または蓋
121 ポンプ
122 空気濾過器
123 弁
124 弁アクチュエータ
125 加熱器
130 凝縮器
131 ハウジング
132 冷却コイル(図11)、上部カバー(図23図25
140 液体誘電性流体
142 液体バス
150 圧力コントローラ
160 バラストブロック
161 ライザーフィート
170 コンピュータコンポーネント
180 圧力センサ
190 圧力調節器
210 モジュール式上部構造
220 エアロック
222、224 エアロックドア
230 内部ロボットアーム
240 内部ロボットアーム
310 ラック
311 ACインターフェース
312 データインターフェース
313 電源
314 冗長電源
315 コンバーター
318 ACケーブル
319 データケーブル
320 DC出力
321 DCケーブル
330 バックプレーンインターフェース
331 バックプレーン受信機
400 シャシ
410 管状要素
411 穴
415 下部壁
416 電力インターフェース
417 通信インターフェース
420 側壁
421 ガイドレール
425 上部壁
426 プレート
427 ハンドル
430 サーバ
431 電源モジュール
432 GPUモジュール
433 CPUモジュール
434 インターフェースカード
450 下部ドレイン穴
500 圧力制御式容器
511 電力および通信入力
512 プロセス水パイプ
513 電力および通信ボックス
514 フォークリフトチューブ
515 シール用蓋(図10)、カーボン堆積物(図27
516 ガントリモーター
517 ベローズタンク
518 電力バスバー
519 デシカント
520 空気流
521 流体パイプ
522 流体ポンプ
524 流体レベル
525 途中レベル
526 ロボット
530 蒸気流
611 冷やされたプロセス水
612 プロセス水戻り
613 不活性ガスタンク
614 蒸気貯蔵タンク
615 流体貯蔵タンク
616 凝縮構造
700 容器
710 タンク
711 ドア
712 変圧器
713 電気分配パネル
714 電気チェース
715 プログラマブルロジックコントローラ(PLC)キャビネット
716 格納部
717 ベローズ
718 マガジン
719 閉ループチラー
750 自己完結型容器
810 マガジン
820 プラットフォーム
821 回転部材
822 支持部材
823 レール
900 蒸気回収システム
911 カーボンベッド
912 弁
913 出口弁
950 電力分配システム
960 AC入力
1000 濾過器
1010 加熱ロッド
1011 ワイヤ
1050 蓋
1060 キャップ
1070 構造
1071 デシカントアセンブリ
1072 カメラ
1073 電気機械式弁
1100 インジケーター
1110 プレート
1111 連結機構
1112 ガイドピン
1113 フィンガー
1151 嵌合穴
1160 ラック
1161 ガイドピン
1200 カメラまたはセンサ
2000 液浸冷却システム
2100 容器
2110 バスエリア
2120 サンプエリア
2130 流体
2140 コンピュータコンポーネント
2150 ポンプ
2160 ドア
2170 管理システム
2200 車両
2210 ロボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】