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特表2024-532779タイヤ部品を切断するための切断デバイス及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】タイヤ部品を切断するための切断デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/46 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
B29D30/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508491
(86)(22)【出願日】2023-04-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 NL2023050188
(87)【国際公開番号】W WO2023224466
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】2031907
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519009895
【氏名又は名称】ブイエムアイ・ホラント・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】VMI Holland B.V.
【住所又は居所原語表記】Gelriaweg 16,8161 RK EPE,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ステーニス、ヨヘム・ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】カーフマン、マテウス・ヤコブス
【テーマコード(参考)】
4F501
【Fターム(参考)】
4F501TA11
4F501TC07
4F501TC14
4F501TE02
4F501TL16
4F501TL29
4F501TL34
4F501TL35
4F501TT01
4F501TT03
4F501TU07
4F501TU12
4F501TV07
(57)【要約】
本発明は、タイヤ部品を切断するための切断デバイス及び方法に関し、本切断デバイスは、コンベヤ平面を画定するコンベヤを備え、本切断デバイスは、タイヤ部品をコンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げるための持ち上げビームを備え、本切断デバイスには、斜めの切断角度をなして切断中心で持ち上げビームと交差する切断線に沿ってタイヤ部品を切断するためのナイフが設けられており、本切断デバイスには、持ち上げ方向とは反対の押さえ方向にタイヤ部品をコンベヤに向かって押さえるための第1の押さえユニットが設けられており、第1の押さえユニットは、切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある第1の押さえ位置でタイヤ部品を押さえ方向にコンベヤに向かって押さえるための接触部材を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ部品を切断するための切断デバイスであって、前記切断デバイスは、コンベヤ平面を画定し前記コンベヤ平面に平行な搬送方向に前記タイヤ部品を搬送するためのコンベヤを備え、前記切断デバイスは、前記タイヤ部品を前記コンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げるための持ち上げビームを更に備え、前記切断デバイスには、斜めの切断角度をなして切断中心で前記持ち上げビームと交差する切断線に沿って前記タイヤ部品を切断するためのナイフが設けられており、前記切断デバイスには、前記持ち上げ方向とは反対の押さえ方向に前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえるための第1の押さえユニットが設けられており、前記第1の押さえユニットは、前記切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、前記持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための接触部材を備える、切断デバイス。
【請求項2】
前記押さえ半径は、前記切断中心から80ミリメートル未満であり、好ましくは前記切断中心から60ミリメートル未満である、請求項1に記載の切断デバイス。
【請求項3】
前記第1の押さえ位置は、前記切断線に垂直な方向に80ミリメートル未満の押さえ距離にわたって前記切断線から離隔している、請求項1又は2に記載の切断デバイス。
【請求項4】
前記切断デバイスは、前記ナイフを前記切断線に沿って移動させるためのナイフホルダを備え、前記接触部材は、前記斜めの切断角度の少なくとも1つの値について、及び前記切断線に沿った前記ナイフの少なくとも1つの位置において、前記ナイフホルダと前記コンベヤとの間に少なくとも部分的に延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項5】
前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項6】
前記支持部材は、少なくとも50ミリメートル、好ましくは少なくとも100ミリメートル、最も好ましくは少なくとも150ミリメートルの離隔距離にわたって前記接触部材を前記ベースから離隔させる、請求項5に記載の切断デバイス。
【請求項7】
前記接触部材は、第1の転動軸を中心として回転可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項8】
前記第1の転動軸は、前記コンベヤ平面に対して斜めの転動角度をなして延在する、請求項7に記載の切断デバイス。
【請求項9】
前記斜めの転動角度は、1~45度の範囲内である、請求項8に記載の切断デバイス。
【請求項10】
前記第1の押さえユニットは、前記第1の転動軸と同軸の回転軸受を備える、請求項7~9のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項11】
前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備え、前記回転軸受は、前記ベースと前記支持部材との間に位置する、請求項10に記載の切断デバイス。
【請求項12】
前記支持部材は、前記第1の転動軸と同軸に延在する、請求項11に記載の切断デバイス。
【請求項13】
前記支持部材は、前記接触部材に対して回転固定されている、請求項10又は11に記載の切断デバイス。
【請求項14】
前記接触部材と前記支持部材とは、一体的に形成されている、請求項10~13のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項15】
前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備え、前記回転軸受は、前記支持部材と前記接触部材との間に位置する、請求項10に記載の切断デバイス。
【請求項16】
前記接触部材は、少なくとも部分的に球形である、請求項1~15のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項17】
前記接触部材は、傾斜のついた、面取りされた、又は丸みを帯びた縁部を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項18】
前記接触部材は、前記押さえ方向において、30ミリメートル未満、好ましくは25ミリメートル未満、最も好ましくは20ミリメートル未満の外側寸法を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項19】
前記第1の押さえユニットは、前記切断線の第1の側で前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえるように配置される、請求項1~18のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項20】
前記第1の押さえユニットの前記接触部材は、前記切断線の前記第1の側における前記切断線と前記持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第1の押さえ領域内に完全に位置する、請求項19に記載の切断デバイス。
【請求項21】
前記切断デバイスは、前記第1の側とは反対の前記切断線の第2の側で前記持ち上げビームに隣接する第2の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための接触部材を有する第2の押さえユニットを備える、請求項19又は20に記載の切断デバイス。
【請求項22】
前記第2の押さえユニットの前記接触部材は、前記切断線の前記第2の側における前記切断線と前記持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第2の押さえ領域内に完全に位置する、請求項21に記載の切断デバイス。
【請求項23】
前記第2の押さえ位置は、前記切断中心から前記押さえ半径内にある、請求項21又は22に記載の切断デバイス。
【請求項24】
前記切断デバイスには、前記切断線の第1の側で前記タイヤ部品を前記持ち上げビーム上にクランプするための第1のクランプユニットが設けられている、請求項1~23のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項25】
前記第1のクランプユニットは、前記第1の押さえユニットと共に移動するように配置される、請求項24に記載の切断デバイス。
【請求項26】
前記切断デバイスには、前記第1の押さえユニット及び前記第1のクランプユニットを同時に支持するための第1のホルダが設けられている、請求項24又は25に記載の切断デバイス。
【請求項27】
前記第1のクランプユニットはフィンガを備える、請求項24~26のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項28】
前記フィンガは弾性を有する、請求項27に記載の切断デバイス。
【請求項29】
前記切断デバイスには、前記第1の側とは反対の前記切断線の第2の側で前記タイヤ部品を前記持ち上げビーム上にクランプするための第2のクランプユニットが設けられている、請求項24~28のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項30】
前記切断デバイスは、前記切断線の前記第2の側で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための第2の押さえユニットを備え、前記第2のクランプユニットは、前記第2の押さえユニットと共に移動するように配置される、請求項29に記載の切断デバイス。
【請求項31】
タイヤ部品を切断するための方法であって、
- コンベヤ平面を画定するコンベヤを提供することと、
- 前記コンベヤ平面内の前記コンベヤ上に前記タイヤ部品を提供することと、
- 持ち上げビームを使用して、前記タイヤ部品を前記コンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げることと、
- 斜めの切断角度をなして切断中心で前記持ち上げビームと交差する切断線に沿って前記タイヤ部品を切断することと、
- 前記切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、前記持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえることと、
を行うステップを備える、方法。
【請求項32】
前記タイヤ部品は、搬送方向に垂直な横方向において、100ミリメートル未満、好ましくは80ミリメートル未満、最も好ましくは70ミリメートル未満の部品幅を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記タイヤ部品はブレーカープライ又はチェーファーである、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記切断角度は、15~70度の範囲内で調整可能である、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未加硫タイヤ又は生タイヤを製造するためにタイヤ部品、特にブレーカープライを切断するための切断デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2008/105655A2は、グリーンベルト用のゴム部品を切断するための切断デバイスを開示している。切断デバイスは、ゴム部品を搬送方向に搬送するためのローラコンベヤを備える。ローラコンベヤは、互いに実質的に平行であり、かつ互いに離隔した複数のコンベヤローラを備える。切断デバイスは、ゴム部品を搬送方向と斜角をなして切断するためのナイフを備え、切断デバイスには、2つのコンベヤローラ間に搬送方向を横断して延在する持ち上げビームが設けられている。持ち上げビームは、ゴム部品を持ち上げるために縦方向に移動可能である。
【0003】
ゴム部品をローラコンベヤ上で正しく搬送し、それを適所に保持することができるようにするために、搬送方向で見てナイフの前とナイフの裏の他方の側とにおいてローラコンベヤの数ミリメートル上方に圧力ローラが配置されており、圧力ローラ間にある該ゴム部品の一部が持ち上げビームによって持ち上げられたときに該圧力ローラの場所でゴム部品をローラコンベヤに向かって押さえる。
【発明の概要】
【0004】
WO2008/105655A2に開示されている既知の切断デバイスの圧力ローラは、別の方法であれば持ち上げビームによって持ち上げられてしまうゴム部品の部分を切断線の両側でローラコンベヤ上に押し下げることによって、該部分を効果的に押さえることができ、これによって、該持ち上げビームに対して斜角をなして進むナイフがより正確に切り込むことができる傾斜を該持ち上げビームにおけるゴム部品に作り出す。
【0005】
圧力ローラは、比較的幅広のゴム部品で特に良好に作用する。該幅広のゴム部品の幅に起因して、持ち上げビームは比較的大きい領域を持ち上げ、切断線から比較的大きい距離をあけて位置付けられた圧力ローラは、別の方法であれば持ち上げビームと共に持ち上げられてしまう該幅広のゴム部品のセクションを効果的に押し下げることができる。
【0006】
しかしながら、例えば、100ミリメートル未満の幅狭のブレーカープライ又はチェーファーなどの幅狭のタイヤ部品を切断するときは、幅狭のタイヤ部品の持ち上げ領域が遥かに小さく、WO2008/105655A2に開示されているような切断線から距離があいた圧力ローラだと、幅狭のタイヤ部品の位置付けに効果をなさない。既知の圧力ローラは、圧力ローラ又は該圧力ローラを支持する支持構造がナイフ又は該ナイフを保持するナイフホルダと衝突することになるので、切断線のより近くに移動させることができない。
【0007】
本発明の目的は、比較的幅狭のタイヤ部品を切断することができる、タイヤ部品を切断するための切断デバイス及び方法を提供することである。
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、タイヤ部品を切断するための切断デバイスを提供し、本切断デバイスは、コンベヤ平面を画定し該コンベヤ平面に平行な搬送方向にタイヤ部品を搬送するためのコンベヤを備え、本切断デバイスは、タイヤ部品をコンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げるための持ち上げビームを更に備え、本切断デバイスには、斜めの切断角度をなして切断中心で持ち上げビームと交差する切断線に沿ってタイヤ部品を切断するためのナイフが設けられており、本切断デバイスには、持ち上げ方向とは反対の押さえ方向にタイヤ部品をコンベヤに向かって押さえるための第1の押さえユニットが設けられており、第1の押さえユニットは、切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置でタイヤ部品を押さえ方向にコンベヤに向かって押さえるための接触部材を備える。
【0009】
切断中心に十分に近い第1の押さえ位置に第1の押さえユニットの接触部材を提供することによって、該第1の押さえ位置で延在する比較的幅狭のタイヤ部品の一部をコンベヤに向かって効果的に押さえて、切断プロセスを容易にすることができる。
【0010】
好ましくは、押さえ半径は、切断中心から80ミリメートル未満であり、好ましくは切断中心から60ミリメートル未満である。このように押さえ半径の範囲を小さくすることにより、更により幅狭のタイヤ部品を効果的に押さえることができる。
【0011】
1つの実施形態では、第1の押さえ位置は、切断線に垂直な方向に80ミリメートル未満の押さえ距離にわたって該切断線から離隔している。したがって、第1の押さえ位置は、比較的幅狭のタイヤ部品の一部を切断線付近で効果的に押さえるために、該切断線の十分近くにすることができる。
【0012】
押さえ半径とは無関係に適用されてもよい更なる実施形態では、切断デバイスは、ナイフを切断線に沿って移動させるためのナイフホルダを備え、接触部材は、斜めの切断角度の少なくとも1つの値について、及び切断線に沿ったナイフの少なくとも1つの位置において、ナイフホルダとコンベヤとの間に少なくとも部分的に延在する。換言すれば、接触部材は、ナイフホルダとコンベヤとの間の空間に少なくとも部分的に収まることができる。したがって、接触部材は、ナイフホルダと干渉又は衝突することなく切断線の近くでも位置付けられ得る。
【0013】
押さえ半径とは無関係に適用されてもよい別の実施形態では、第1の押さえユニットは、接触部材を第1の押さえ位置に保持するためのベースと、接触部材をベースと相互接続するための支持部材とを備える。接触部材とベースとの間に支持部材を提供することによって、接触部材をベースから離隔させることができる。換言すれば、ベースは、接触部材から離隔され得る。したがって、ベースの寸法決めが、接触部材を切断線の近くに位置付けできることに悪影響を及ぼさない。特に、ベースは、ナイフ及び/又はナイフホルダと干渉又は衝突することなく、比較的嵩高にすることができる。
【0014】
好ましくは、支持部材は、少なくとも50ミリメートル、好ましくは少なくとも100ミリメートル、最も好ましくは少なくとも150ミリメートルの離隔距離にわたって接触部材をベースから離隔させる。このような離隔距離は、ナイフが切断線に沿って移動されるときに、ベースがナイフ及び/又はナイフホルダから十分離れたままとなるのに十分なものであり得る。
【0015】
押さえ半径とは無関係に適用されてもよい別の実施形態では、接触部材は、第1の転動軸を中心として回転可能である。接触部材の回転により、接触部材がタイヤ部品に接触するときの接触部材と該タイヤ部品との間の摩擦が低減し得る。したがって、接触部材でタイヤ部品を押さえることでタイヤ部品に張力が加わる又はタイヤ部品が変形することを防止することができる。特に、接触部材は、接触部材とタイヤ部品との間の相対移動があるときに、タイヤ部品を引っ張るのではなくむしろ、タイヤ部品の上を転動し得る。このような相対移動は、接触部材がタイヤ部品を押さえ方向に押し下げるとき、又はコンベヤがタイヤ部品を搬送方向に前進させるときにタイヤ部品が接触部材から直ちに解放されないほど粘着性があるときに生じ得る。
【0016】
好ましくは、第1の転動軸は、コンベヤ平面に対して斜めの転動角度をなして延びる。より好ましくは、斜めの転動角度は、1~45度の範囲内である。接触部材がコンベヤ平面のより近くに、付近に、又はコンベヤ平面に位置し得る間、該斜めの転動角度をなして、ベースは、コンベヤ平面のかなり上方に位置付けられ得る。その結果、ベースは、コンベヤ上のタイヤ部品と干渉することなく、比較的嵩高にすることができる。
【0017】
更なる実施形態では、第1の押さえユニットは、第1の転動軸と同軸の回転軸受を備える。したがって、接触部材及び回転軸受は、インライン又は同軸に配置され、それによって、非同軸の配置と比較して、該接触部材を回転させるための機構を大幅に簡素化することができる。
【0018】
1つの実施形態では、第1の押さえユニットは、接触部材を第1の押さえ位置に保持するためのベースと、接触部材をベースと相互接続するための支持部材とを備え、回転軸受は、ベースと支持部材との間に位置する。回転軸受をベースに設けることによって、接触部材をより小型にすることができ、したがって、ナイフ及び/又はナイフホルダと干渉又は衝突することなく、接触部材を切断中心のより近くに移動させることが可能になる。特に、該接触部材の寸法決めは、回転軸受の最小寸法によって制限を全く受けない。
【0019】
より好ましくは、支持部材は、第1の転動軸と同軸に延在する。したがって、支持部材は、第1の転動軸に沿って同軸に延在しながら、該第1の転動軸を中心として接触部材と共に回転され得る。支持部材は、第1の転動軸を中心として最小の又は一様断面を有するように設計され得る。支持部材は、例えば、該第1の転動軸に対して同心円状に延在する円筒形ロッドとして成形され得る。
【0020】
更なる実施形態では、支持部材は、接触部材に対して回転固定(rotationally fixed)されている。したがって、支持部材が回転可能に作られているとき、これにより接触部材の回転も可能になる。したがって、軸受などの該回転を容易にするための任意の手段が、接触部材から離隔されて、支持部材に沿って、支持部材に、又は支持部材内に位置付けられ得る。これにより、接触部材自体をより小型に設計することができる。
【0021】
更なる実施形態では、接触部材と支持部材とが一体的に形成されている。接触部材と支持部材とを単一ピースとして製造することによって、支持部材と接触部材との間に接続部を作る必要がなく、更により小型設計の接触部材が可能になる。特に、接続を確立するために、締結具を必要とせず、及び/又は材料を追加する必要がない。
【0022】
代替として、第1の押さえユニットは、接触部材を第1の押さえ位置に保持するためのベースと、接触部材をベースと相互接続するための支持部材とを備え、回転軸受は、支持部材と接触部材との間に位置する。この状況では、接触部材は、前の実施形態と比較して小型ではない場合があるが、支持部材は、回転するように設計される必要はなく、したがって、非同軸に又は非直線的に延在してもよい。
【0023】
別の実施形態では、接触部材は少なくとも部分的に球形である。先行技術の円筒形の圧力ローラとは対照的に、少なくとも部分的に球形の接触部材は、接触部材の球面に対するタイヤ部品の向きに関係なく、一様な方法でタイヤ部品に接触することができる。更に、第1の転動軸が、上述の実施形態のうちの1つにしたがって斜めの転動角度をなして配置される場合、接触部材の球面は、該第1の転動軸とは異なる向きで延在するタイヤ部品の一部に依然として一様に接触し、及び/又はその上を転動し得る。
【0024】
代替として、接触部材は、傾斜のついた、面取りされた、又は丸みを帯びた縁部を備える。当業者には、接触部材が完全に球形である必要はないことが理解されよう。その代わりに、接触部材には、斜めの転動角度及び/又は接触部材と該接触部材によって押さえられているタイヤ部品の部分との向きのずれを補償するために、傾斜のついた、面取りされた、又は丸みを帯びた戦略的に位置付けられた縁部が設けられ得る。
【0025】
別の実施形態では、接触部材は、押さえ方向において、30ミリメートル未満、好ましくは25ミリメートル未満、最も好ましくは20ミリメートル未満の外側寸法を有する。外側寸法を上で指定された範囲の1つに制限することによって、接触部材は、切断線の極めて近くに接近することができ、又は押さえ方向にナイフホルダとコンベヤとの間に延在することさえもできる。特に、接触部材が球形又は少なくとも部分的に球形であるとき、球形セクションには、上で指定された外側寸法に対応する外径が提供され得る。
【0026】
別の実施形態では、第1の押さえユニットは、切断線の第1の側でタイヤ部品をコンベヤに向かって押さえるように配置される。換言すれば、接触部材は、第1の切断線を越えては延在しない。
【0027】
好ましくは、第1の押さえユニットの接触部材は、切断線の第1の側における該切断線と持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第1の押さえ領域内に完全に位置する。換言すれば、接触部材は、該第1の押さえ領域を越えては延在しない。したがって、該第1の押さえ領域において延在するタイヤ部品の部分が能動的に押さえられ得るのに対して、タイヤ部品の他の部分は、能動的に押さえられず、ナイフが切断線に沿ってタイヤ部品を切断するときにナイフによって捕らえられることができる。
【0028】
別の実施形態では、切断デバイスは、第1の側とは反対の切断線の第2の側で持ち上げビームに隣接する第2の押さえ位置でタイヤ部品を押さえ方向にコンベヤに向かって押さえるための接触部材を有する第2の押さえユニットを備える。したがって、タイヤ部品は、切断線の両側でコンベヤに向かって押さえられ得る。特に、第1の押さえ位置及び第2の押さえ位置の一方は、搬送方向において持ち上げビームの上流に位置し、第1の押さえ位置及び第2の押さえ位置の他方は、持ち上げビームの下流に位置する。
【0029】
好ましくは、第2の押さえユニットの接触部材は、切断線の第2の側における該切断線と持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第2の押さえ領域内に完全に位置する。したがって、該第2の押さえ領域において延在するタイヤ部品の部分が能動的に押さえられ得るのに対して、タイヤ部品の他の部分は、能動的に押さえられず、ナイフが切断線に沿ってタイヤ部品を切断するときにナイフによって捕らえられることができる。
【0030】
更なる実施形態では、第2の押さえ位置は、切断中心から押さえ半径内にある。これは、押さえ半径内にある第1の押さえ位置に関して先に説明したのと同じ技術的利点を有する。
【0031】
別の実施形態では、切断デバイスには、切断線の第1の側でタイヤ部品を持ち上げビーム上にクランプするための第1のクランプユニットが設けられている。クランプすることにより、切断線においてタイヤ部品がずれることを防止することができ、これによって切断の精度が向上する。
【0032】
好ましくは、第1のクランプユニットは、第1の押さえユニットと共に移動するように配置される。第1のクランプユニット及び第1の押さえユニットは、例えば、押さえ方向又は持ち上げ方向に共に移動され得る。第1の押さえユニット及び第1のクランプユニットの両方を持ち上げ方向に持ち上げるとき、それらは、コンベヤから十分離れて移動され、第1の押さえユニット及び第1のクランプユニットが該搬送と干渉することなくタイヤ部品を搬送方向に前進させるのに十分な空間を与えることができる。
【0033】
特に、切断デバイスには、第1の押さえユニット及び第1のクランプユニットを同時に支持するための第1のホルダが設けられている。したがって、第1の押さえユニット及び第1のクランプユニットは、共通の第1のホルダを移動させることによって両方移動されてよく、したがって、2つの個々の駆動部ではなく、単一の駆動部のみが必要である。
【0034】
別の実施形態では、第1のクランプユニットはフィンガを備える。好ましくは、フィンガは弾性を有する。フィンガは、切断プロセス中にタイヤ部品を持ち上げビーム上に適切に固定することを確実にするために、クランプ力でタイヤ部品を持ち上げビームに押し付けることができる。
【0035】
別の実施形態では、切断デバイスには、第1の側とは反対の切断線の第2の側でタイヤ部品を持ち上げビーム上にクランプするための第2のクランプユニットが設けられている。第2のクランプユニットは更に、切断線の第2の側でもタイヤ部品を持ち上げビーム上にクランプすることによって、切断精度を向上させることができる。
【0036】
好ましくは、切断デバイスは、切断線の第2の側でタイヤ部品を押さえ方向にコンベヤに向かって押さえるための第2の押さえユニットを備え、第2のクランプユニットは、第2の押さえユニットと共に移動するように配置される。第2の押さえユニット及び第2のクランプユニットの両方を持ち上げ方向に持ち上げるとき、それらは、コンベヤから十分離れて移動され、第2の押さえユニット及び第2のクランプユニットが該搬送と干渉することなくタイヤ部品を搬送方向に前進させるのに十分な空間を与えることができる。特に、すべての押さえユニット及びクランプユニットが持ち上げ方向に持ち上げられると、それらはすべて、コンベヤから十分離れ、かつ下にあるタイヤ部品の前進を可能にするのに十分な距離をコンベヤからあけた状態に保たれ得る。
【0037】
第2の態様によれば、本発明は、タイヤ部品を切断するための方法を提供し、本方法は、
- コンベヤ平面を画定するコンベヤを提供することと、
- 該コンベヤ平面内のコンベヤ上にタイヤ部品を提供することと、
- 持ち上げビームを使用して、タイヤ部品をコンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げることと、
- 斜めの切断角度をなして切断中心で持ち上げビームと交差する切断線に沿ってタイヤ部品を切断することと、
- 切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置でタイヤ部品をコンベヤに向かって押さえることと、を行うステップを備える。
【0038】
切断中心に十分に近い第1の押さえ位置でタイヤ部品を押さえることを提供することによって、該第1の押さえ位置で延在する比較的幅狭のタイヤ部品の一部をコンベヤに向かって効果的に押さえて、切断プロセスを容易にすることができる。
【0039】
好ましくは、タイヤ部品は、搬送方向に垂直な横方向において、100ミリメートル未満、好ましくは80ミリメートル未満、最も好ましくは70ミリメートル未満の部品幅を有する。上述のように、第1の押さえ位置を切断中心の近くに位置付けることにより、幅狭のタイヤ部品、特に上で指定したくらいに幅狭のタイヤ部品を切断することが可能になる。そのような幅狭のタイヤ部品の例には、幅狭のブレーカープライ(通常は100ミリメートルよりも幅広)又はチェーファーがある。
【0040】
更なる実施形態では、切断角度は、15~70度の範囲内で調整可能である。したがって、第1の押さえユニットは、第1の押さえユニットが指定範囲内の任意の切断角度をなしてナイフ及び/又はナイフホルダと衝突するべきではない間、接触部材を第1の押さえ位置に位置付けるように設計され得る。
【0041】
請求項に記載されていない第3の態様によれば、本発明は、タイヤ部品を切断するための切断デバイスを提供し、本切断デバイスは、コンベヤ平面を画定し該コンベヤ平面に平行な搬送方向にタイヤ部品を搬送するためのコンベヤを備え、本切断デバイスは、タイヤ部品をコンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げるための持ち上げビームを更に備え、本切断デバイスは、コンベヤ平面に平行な切断方向に持ち上げビームを斜めに横切って延在する切断線に沿ってタイヤ部品を切断するための切断部材を更に備え、本切断デバイスには、切断線の第1の側で持ち上げビームに隣接してタイヤ部品をコンベヤに向かって押さえるための第1の押さえユニットと、第1の側とは反対の切断線の第2の側で持ち上げビームに隣接してコンベヤに向かってタイヤ部品を押さえるための第2の押さえユニットとが設けられており、本切断デバイスには、切断線の第1の側及び第2の側それぞれでタイヤ部品を持ち上げビーム上にクランプするための第1のクランプユニット及び第2のクランプユニットが更に設けられており、本切断デバイスは、第1の押さえユニット、第2の押さえユニット、第1のクランプユニット、及び第2のクランプユニットを、コンベヤ平面を横断する押さえ方向に移動させるための1つ又は複数の駆動部を備える。
【0042】
切断後、持ち上げビームは、コンベヤローラより下の位置に下降され、新たな長さのタイヤ部品が、持ち上げビームを横切って搬送方向に前進される。押さえユニット及びクランプユニットは、切断中にタイヤ部品に接触して押さえることのみを意図しているが、それらは、例えば、タイヤ部品がまだ完全にコンベヤ上に下降されて戻っていないとき、タイヤ部品が不完全な継ぎ目若しくは折り目などの不規則性を有するとき、又はタイヤ部品が高速で搬送されていることに起因して予測不能に挙動しているときに、前進しているときのタイヤ部品に接触するときがあり得る。タイヤ部品は、例えば、揺れたり、緩んだり、コンベヤ平面から跳ね上がったりする場合がある。押さえユニット及び/又はクランプユニットとの接触により、タイヤ部品が変形及び/又は損傷する場合があり、これは、後続の切断プロセス中の切断品質に悪影響がある可能性があり得る。すべての押さえユニット及びすべてのクランプユニットを持ち上げると、それらが、下で前進又は搬送されているタイヤ部品と接触又は衝突することを防止することができる。
【0043】
別の実施形態では、第1の押さえユニット及び第2の押さえユニットは、搬送平面から第1の距離をあけた非活動位置と、搬送平面から第1の距離よりも小さい第2の距離をあけた活動位置との間で、押さえ方向に移動可能である。活動位置では、押さえユニットは、タイヤ部品をコンベヤ上に又はコンベヤに向かって能動的に押さえ得る。非活動位置では、押さえユニットは、タイヤ部品に接触しないようにコンベヤから離隔され得る。
【0044】
好ましくは、第2の距離は、5ミリメートル未満であり、好ましくは3ミリメートル未満である。該第2の距離をあけて、タイヤ部品を、コンベヤに向かって又はコンベヤ上に効果的に押さえることができる。タイヤ部品は更に薄くてもよく、したがって、押さえユニットは必ずしも常にタイヤ部品に接触するわけではない。それらは単にタイヤ部品がコンベヤから第2の距離を超えて上に移動することを防止することができる。
【0045】
別の実施形態では、第1の距離は、少なくとも10ミリメートル、好ましくは少なくとも20ミリメートル、最も好ましくは少なくとも30ミリメートルである。指定された第1の距離は、タイヤ部品と非活動位置にある押さえユニットとの意図しない接触を防止するのに十分なものであるべきである。第1の距離が大きいほど、接触のリスクは少なくなる。
【0046】
別の実施形態では、第1のクランプユニットは、第1の押さえユニットと共に押さえ方向に移動するように配置される。第1のクランプユニット及び第1の押さえユニットは、切断線の同じ第1の側にある。第1のクランプユニット及び第1の押さえユニットを共に移動させることによって、切断線の該第1の側にあるタイヤ部品を解放することができる。
【0047】
好ましくは、切断デバイスには、第1の押さえユニット及び第1のクランプユニットを同時に支持するための第1のホルダが設けられている。したがって、第1の押さえユニット及び第1のクランプユニットは、共通の第1のホルダを移動させることによって両方移動され得る。
【0048】
より好ましくは、1つ又は複数の駆動部は、第1のホルダを押さえ方向に移動させるための第1の駆動部を備える。第1の駆動部は、第1の押さえユニット及び第1のクランプユニットを同時に移動させるための共通の駆動部であり得る。
【0049】
別の実施形態では、第2のクランプユニットは、第2の押さえユニットと共に押さえ方向に移動するように配置される。第2のクランプユニット及び第2の押さえユニットを共に移動させることによって、切断線の該第2の側にあるタイヤ部品を解放することができる。第2のクランプユニット及び第2の押さえユニットは、例えば、切断線の第2の側で延在するタイヤ部品の一方の部分を切断線の第1の側で延在するタイヤ部品の他方の部分よりも早く解放するために、第1のクランプユニット及び第1の押さえユニットとは異なる瞬間に共に移動され得る。特に、切断線の第2の側が切断線の下流にあるとき、該下流側で切り離されたタイヤ部品の部分が、切断線の第1の側のタイヤ部品の部分よりも早く解放されて、切断線を横切って新たな長さのタイヤ部品を送り込む前に該切り離された部分を前進させることを可能にすることができる。
【0050】
好ましくは、切断デバイスには、第2の押さえユニット及び第2のクランプユニットを同時に支持するための第2のホルダが設けられている。したがって、第2の押さえユニット及び第2のクランプユニットは、共通の第2のホルダを移動させることによって両方移動され得る。
【0051】
より好ましくは、1つ又は複数の駆動部は、第2のホルダを押さえ方向に移動させるための第2の駆動部を備える。第2の駆動部は、第2の押さえユニット及び第2のクランプユニットを同時に移動させるための共通の駆動部であり得る。
【0052】
代替として、1つ又は複数の駆動部は、第1の押さえユニット、第2の押さえユニット、第1のクランプユニット、及び第2のクランプユニットの各々を個々に移動させるための複数の駆動部を備える。したがって、各押さえユニット及び各クランプユニットは、個々に移動するように制御され得る。
【0053】
別の実施形態では、第1の押さえユニット及び第2の押さえユニットの各々は、回転可能な接触部材を備える。接触部材の回転により、接触部材がタイヤ部品に接触するときの接触部材と該タイヤ部品との間の摩擦が低減し得る。したがって、接触部材でタイヤ部品を押さえることでタイヤ部品に張力が加わるか又はタイヤ部品が変形することを防止することができる。特に、接触部材は、接触部材とタイヤ部品との間の相対移動があるときに、タイヤ部品を引っ張るのではなくむしろ、タイヤ部品上を転動し得る。このような相対移動は、接触部材がタイヤ部品を押さえ方向に押し下げるとき、又はコンベヤがタイヤ部品を搬送方向に前進させるときにタイヤ部品が接触部材から直ちに解放されないほど粘着性があるときに生じ得る。
【0054】
別の実施形態では、第1のクランプユニット及び第2のクランプユニットの各々は、弾性フィンガを備える。フィンガは、切断プロセス中にタイヤ部品を持ち上げビーム上に適切に固定することを確実にするために、クランプ力でタイヤ部品を持ち上げビームに押し付けることができる。
【0055】
本明細書において説明及び図示される様々な態様及び特徴は、可能な場合は常に、個々に適用することができる。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に記載の態様及び特徴は、分割特許出願の主題となる可能性がある。
【0056】
本発明について、添付の概略図で示される例示的な実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明の第1の例示的な実施形態に係る切断デバイスの上面図を示す。
図2】タイヤ部品を切断するための方法の切断ステップ中の図1に係る切断デバイスの側面図を示す。
図3】切断ステップの前又は後の図1に係る切断デバイスの側面図を示す。
図4図1図2、及び図3に係る切断デバイスの背面図を示す。
図5図1図2、及び図3に係る切断デバイスの背面図を示す。
図6図1図2、及び図3に係る切断デバイスの背面図を示す。
図7図1の線VII-VIIによる切断デバイスの断面図を示す。
図8図1に係る切断デバイスの第1の押さえユニットの断面図を示す。
図9】本発明の第2の例示的な実施形態に係る代替の押さえユニットの断面図を示す。
図10】本発明の第3の例示的な実施形態に係る代替の押さえユニットの断面図を示す。
図11】本発明の第4の例示的な実施形態に係る代替の押さえユニットの断面図を示す。
図12】本発明の第5の例示的な実施形態に係る代替の切断デバイスの上面図を示す。
図13】本発明の第6の例示的な実施形態に係る更なる代替の切断デバイスの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1図8は、タイヤ部品T、特にブレーカープライ又はチェーファーを切断するための第1の例示的な実施形態に係る切断デバイス1を示す。
【0059】
タイヤ部品Tは、例えば100ミリメートル未満の、比較的幅狭の幅Wを有する。この例では、タイヤ部品Tの幅Wは約60ミリメートルである。タイヤ部品Tは、典型的には、エラストマー又はゴム本体を備え、補強コードが設けられていてよい。補強コードは、タイヤ部品Tの長手方向に対して斜角をなして延在する。タイヤ部品Tは、わずか数ミリメートル、例えば3ミリメートル未満の厚さを有する。この例では、タイヤ部品Tの厚さは、約1ミリメートルである。
【0060】
タイヤ部品Tは、連続した長さ又はストリップとして切断デバイス1に向かって送り込まれる。切断デバイス1は、該切断デバイス1の下流のタイヤ製造プロセスで使用されることになる所定の長さのタイヤ部品Tを切り離すように構成される。
【0061】
図1に示すように、切断デバイス1は、タイヤ部品Tを搬送するためのコンベヤ2を備える。コンベヤ2は、タイヤ部品Tが搬送されるコンベヤ平面Pを画定している。コンベヤ2は、タイヤ部品Tを該コンベヤ平面Pに平行な送り込み方向に又は搬送方向Fに搬送するように構成される。タイヤ部品Tは、タイヤ部品Tの長手方向が搬送方向Fに平行な状態でコンベヤ2上に送り込まれる。したがって、図1は、コンベヤ2の長手方向Xとタイヤ部品Tの長手方向Xの両方を表す長手方向Xを示す。図1は更に、長手方向Xに対して横断して又は垂直に、かつコンベヤ平面Pに平行に延びる横方向Yを示す。
【0062】
この例では、コンベヤ2は、搬送方向Fに一列に配置された2つのコンベヤセクション21、22を有するベルトコンベヤである。特に、各コンベヤセクション21、22は、いくつかのプーリの周りにエンドレスループで配置されたコンベヤベルト23、24を備える。各コンベヤベルト23、24の上側走行部が、コンベヤ平面Pを画定している。代替として、コンベヤ2は、WO2008/105655A2のローラコンベヤと同様のローラコンベヤ(図示せず)であってもよい。そのようなローラコンベヤは、上述のコンベヤセクション21、22に対応する2つのグループに分割された複数のローラを備える。
【0063】
図2及び図3で最もよく見られるように、切断デバイス1は更に、タイヤ部品Tをコンベヤ平面Pから持ち上げ方向Lに持ち上げるための持ち上げ部材又は持ち上げビーム3を備える。この例では、持ち上げ方向Lは、コンベヤ平面Pに垂直である。持ち上げビーム3は、コンベヤセクション21、22間で搬送方向Fに対して横断する又は垂直の方向に延在するビーム本体30を備える。特に、持ち上げビーム3は、搬送方向Fに対して横断する又は垂直の該方向に延びる中心線Nを有する。換言すれば、ビーム本体30は、横方向Yに平行に延在する。持ち上げビーム3には、ビーム本体30における切断間隙又は切断凹部31が設けられている。
【0064】
図1に示すように、切断デバイス1には更に、タイヤ部品Tを切断するためのカッター4が設けられている。カッター4は、切断部材又はナイフ40と、該ナイフ40を保持するためのナイフホルダ41とを備える。この例では、ナイフ40には、ナイフ40がタイヤ部品Tに切り込んだとき及び/又はタイヤ部品Tを貫通したときにタイヤ部品Tを担持するための、WO2008/105655A2に開示されているものと同様のカラーが設けられている。カッター4は更に切断ビーム42を備える。切断ビーム42は、コンベヤ平面Pに平行又は実質的に平行に延在する。ナイフホルダ41は、切断ビーム42に沿って移動可能であり、ナイフ40を該切断ビーム42に平行な切断線Kに沿って移動させる。切断線Kは、搬送方向Fに対して斜めの切断角度Vをなして配置される。斜めの切断角度Vは、コンベヤ平面Pにおいて又はコンベヤ平面Pに平行に測定される。特に、切断線Kは、切断中心Cで持ち上げビーム3と交差する。持ち上げビーム3の切断凹部31は、ナイフ40が該斜めの切断角度Vをなして切断中心Cでビーム本体30を通過することを可能にするように寸法決め及び/又は成形されている。
【0065】
この例では、切断ビーム42は、コンベヤ平面Pに対して垂直に切断中心Cを通って延びる、図2及び図3に示す切断軸Bを中心として回転可能である。切断ビーム42を回転させることによって、斜めの切断角度Vを調整することができる。特に、斜めの切断角度Vは、斜めのコード角度をなしてタイヤ部品Tに埋設された任意の補強コードに平行又は実質的に平行になるように選択され、これにより、ナイフ40が補強コードを飛び越えることなく補強コード間で切断することができる。好ましくは、斜めの切断角度Vは、15~70度の範囲内で調整可能である。
【0066】
図2に示すように、切断デバイス1には、持ち上げ方向Lとは反対の押圧方向又は押さえ方向Hにタイヤ部品Tをコンベヤ2に向かって又はコンベヤ2上に押し下げる又は押さえるための第1の押さえユニット5及び第2の押さえユニット6が設けられている。図2図3の比較によって示すように、第1の押さえユニット5及び第2の押さえユニット6は、コンベヤ2及び/又はコンベヤ平面Pに向かって押さえ方向Hに、そしてコンベヤ2及び/又はコンベヤ平面Pから離れるように持ち上げ方向Lに移動可能である。特に、第1の押さえユニット5及び第2の押さえユニット6は、コンベヤ平面Pから第1の距離H1をあけた、図3に示す非活動位置から、第1の距離H1よりも小さい第2の距離H2をコンベヤ平面Pからあけた、図2に示す活動位置まで移動され得る。第1の距離H1は、コンベヤ2によって前進又は搬送されているときのタイヤ部品Tと非活動位置にある押さえユニット5、6との意図しない接触を防止するのに十分なものであるべきである。第1の距離が大きいほど、接触のリスクは少なくなる。第1の距離H1は、少なくとも10ミリメートルである。この例では、第1の距離H1は約50ミリメートルである。第2の距離H2は5ミリメートル未満である。この例では、第2の距離H2は約2ミリメートルである。該第2の距離H2をあけて、タイヤ部品Tは、コンベヤ2に向かって又はコンベヤ2上に効果的に押さえられ得る。
【0067】
図1で最もよく見られるように、第1の押さえユニット5は、切断線Kの第1の側S1で持ち上げビーム3に隣接する第1の押圧位置又は押さえ位置P1でタイヤ部品Tを押さえるように構成され、第2の押さえユニット6は、第1の側S1とは反対の切断線Kの第2の側S2で持ち上げビーム3に隣接する第2の押圧位置又は押さえ位置P2でタイヤ部品Tを押さえるように構成される。この例では、第1の押さえ位置P1及び第2の押さえ位置P2は、切断中心Cから150ミリメートル未満の押さえ半径R内にある。この例では、押さえ半径Rは、100ミリメートル未満であり、好ましくは約60ミリメートルである。
【0068】
図8で最もよく見られるように、第1の押さえユニット5は、第1の押さえ位置P1でタイヤ部品Tを押さえ方向Hにコンベヤ2に向かって又はコンベヤ2上に押し下げる又は押さえるための接触部材50を備える。この例では、接触部材50は、球形であるか、又は球面を有する。この例では、押さえ方向Hで見て、接触部材50は、30ミリメートル未満の外側寸法又は外径Dを有する。この例では、外径Dは約18ミリメートルである。図7に示すように、比較的小さい外側寸法Dに起因して、接触部材50は、ナイフホルダ41とコンベヤ2との間に少なくとも部分的に延在し得るか、又は挿入され得る。
【0069】
図8に示すように、接触部材50は、第1の転動軸G1を中心として回転可能である。この例では、第1の転動軸G1は、コンベヤ平面Pに対して斜めの転動角度Eをなして延びる。該転動角度Eは、1~45度の範囲内である。この例では、転動角度Eは約10度である。
【0070】
第1の押さえユニット5は更に、接触部材50を第1の押さえ位置P1に保持するためのベース51と、接触部材50をベース51と相互接続するための支持部材52とを備える。支持部材52は、少なくとも50ミリメートルの離隔距離Mにわたって接触部材50をベース51から離隔させる。この例では、離隔距離Mは、約160ミリメートルである。図7に示すように、この離隔は、極端な斜めの切断角度Vをなしても、ベース51をナイフ40及び/又はナイフホルダ41から離れた状態に保つのに十分なものである。
【0071】
図8に更に示すように、支持部材52は、第1の転動軸G1を中心として同軸に延在する。好ましくは、支持部材52は、接触部材50よりも幅狭である。特に、支持部材52は、第1の転動軸G1と一致する細い又は幅狭のロッドとして成形され得る。好ましくは、支持部材52は円筒形である。この場合、支持部材52は、接触部材50の外径Dに等しいか又はそれよりも小さい直径を有する。換言すれば、接触部材50が第1の押さえユニット5の「ヘッド」と呼ばれる場合、支持部材52は、「ヘッド」をベース51に接続する「ネック」部分と考えられる。
【0072】
図8に示す例では、第1の押さえユニット5は、第1の転動軸G1と同軸又はインラインに配置された回転軸受53を備える。回転軸受53は、ベース51と支持部材52との間に位置する。これにより、支持部材52は、ベース51に対して第1の転動軸G1を中心として回転され得る。特に、支持部材52は、接触部材50に対して回転固定されており、それにより、両方が第1の転動軸G1を中心として共に又は揃って回転することができる。この特定の例では、接触部材50と支持部材52とは一体的に形成されている。
【0073】
図1で最もよく見られるように、第2の押さえユニット6は、第1の押さえユニット5に関して前述したものと同じ特徴、機能、及び/又は相互作用を有する接触部材60、ベース61、支持部材62、及び回転軸受63を備える。実際には、第1の押さえユニット5と第2の押さえユニット6は、同一及び/又は交換可能であり得る。したがって、第2の押さえユニット6について更に詳細には説明しない。
【0074】
図1に示すように、第1の押さえ位置P1は、横方向Yにおけるコンベヤ2の幅の第1の半分に位置するのに対して、第2の押さえ位置は、該横方向Yにおける、第1の半分とは反対のコンベヤ2の幅の第2の半分に位置する。特に、第1の押さえユニット5及び第2の押さえユニット6は、コンベヤ2を横切る半分の幅の距離を超えては延在しない。代替として述べると、第1の押さえユニット5の接触部材50は、切断線Kの第1の側S1における該切断線Kと持ち上げビーム3との間の鈍角に含まれる第1の押さえ領域A1内に完全に位置する。これに対して、第2の押さえユニット6の接触部材60は、切断線Kの第2の側S2における該切断線Kと持ち上げビーム3との間の鈍角に含まれる第2の押さえ領域A2内に完全に位置する。第1の押さえユニット5及び第2の押さえユニット6は、該切断線Kの両側S1、S2において切断中心Cを中心として点対称に配置され得る。
【0075】
この例では、接触部材60は、タイヤ部品Tの長手方向軸若しくは中心軸Zに又はその付近に位置する。
【0076】
図1に更に示すように、切断デバイス1には、切断線Kの第1の側S1及び第2の側S2のそれぞれにおいて、タイヤ部品Tを持ち上げビーム3上にクランプするための第1のクランプユニット7及び第2のクランプユニット8が設けられている。特に、第1のクランプユニット7及び第2のクランプユニット8は、可能な限り持ち上げビーム3の切断凹部31の近くでタイヤ部品Tを該持ち上げビーム3のビーム本体30上にクランプするように設計される。この例では、図4及び図5に示すように、各クランプユニット7、8は、フィンガ70、80、特に弾性を有する又は弾性的に可撓性を有するフィンガ70、80を備える。
【0077】
図2に示すように、第1の押さえユニット5及び第1のクランプユニット7は、押さえ方向H及び持ち上げ方向Lに共に又は揃って移動するように第1のホルダ11上に取り付けられているか又は第1のホルダ11によって支持されている。特に、切断デバイス1には、第1の押さえユニット5及び第1のクランプユニット7を共に又は揃って移動させるために、第1の押さえユニット5及び第1のクランプユニット7に共通の第1の駆動部91が設けられている。
【0078】
同様に、図1で最もよく見られるように、第2の押さえユニット6及び第2のクランプユニット8は、押さえ方向H及び持ち上げ方向Lに共に移動するように第2のホルダ12上に取り付けられているか又は第2のホルダ12によって支持されている。切断デバイス1には、第2の押さえユニット6及び第2のクランプユニット8に共通の第2の駆動部92が設けられている。
【0079】
第1の駆動部91及び第2の駆動部92は、図3に示すように、すべての押さえユニット5、6及びすべてのクランプユニット7、8が同時に非活動位置にくるように制御され得る。駆動部91、92は、それらのそれぞれの押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8を同時に移動させるように、又は、例えば、切断線Kの下流で切り離し長さのタイヤ部品Tを最初に解放するためにセットを交互に移動させるように制御され得る。すべての押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8が非活動位置にある状態で、押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8と下にあるタイヤ部品Tの搬送との干渉を効果的に防止することができる。
【0080】
図9は、本発明の第2の例示的な実施形態に係る代替の押さえユニット105を示しており、これは、回転軸受153が支持部材152と接触部材150との間に位置するという点で、図8の押さえユニット5とは異なる。したがって、支持部材152は、ベース151に対して回転固定され、及び/又はベース151と一体的に形成され得る。接触部材150は、該支持部材152に対して回転可能である。
【0081】
図10は、本発明の第3の例示的な実施形態に係る更なる代替の押さえユニット205を示しており、これは、接触部材250が第1の転動軸G1を中心として回転可能でないという点で、図8の押さえユニット5とは異なる。その代わりに、接触部材250は、支持部材252及び/又はベース251に対して回転固定され、並びに/又はそれらと一体的に形成され得る。好ましくは、接触部材250には、タイヤ部品Tと接触部材250との間の摩擦を低減するために低摩擦コーティングが設けられる。
【0082】
図11は、本発明の第4の例示的な実施形態に係る更なる代替の押さえユニット305を示しており、これは、接触部材350に、傾斜がついた、面取りされた、又は丸みを帯びた縁部355が設けられているという点で、図8の押さえユニット5とは異なる。特に、縁部355は、第1の転動軸G1を中心として円周方向に延在する。接触部材350が支持部材352及び/又はベース351と一体的に形成されているかのように示されているが、該接触部材350の第1の転動軸G1を中心とした回転を可能にするために、図8又は図9に示す位置のいずれかに回転軸受が設けられ得ることが理解されよう。
【0083】
図12は、本発明の第5の例示的な実施形態に係る代替の切断デバイス401を示しており、これは、第1の押さえユニット405、第2の押さえユニット406、第1のクランプユニット407、及び第2のクランプユニット408すべてに、それらの押さえ方向H及び/又は持ち上げ方向Lへの移動を個々に及び/又は独立して制御するためのそれら自体の専用の又は個々の駆動部491~494が設けられているという点で、図1に示す切断デバイス1とは異なる。
【0084】
図13は、本発明の第6の例示的な実施形態に係る更なる代替の切断デバイス501を示しており、これは、カッター504が第1の押さえユニット5、第2の押さえユニット6、第1のクランプユニット7、及び第2のクランプユニット8のうちの少なくとも1つを保持、支持、又は担持するように構成されているという点で、図1に示す切断デバイス1とは異なる。特に、押さえユニット5、6又はクランプユニット7、8のうちの該少なくとも1つは、切断ビーム542上に支持されているか、又は切断ビーム542によって担持されている。この例では、第1の押さえユニット5及び第1のクランプユニット7は、第1のホルダ543を介して切断ビーム542に直接接続され、第2の押さえユニット6及び第2のクランプユニット8は、第2のホルダ544を介して切断ビーム542に直接接続されている。したがって、押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8は、切断ビーム542と共に切断中心Cを中心として位置が調整され得る。
【0085】
次にタイヤ部品Tを切断するための方法について、図1図7を参照して簡単に説明する。
【0086】
図1は、タイヤ部品Tがコンベヤ平面P内のコンベヤ2上に提供される状況を示す。図4に示すように、第1の押さえユニット5及び第2の押さえユニット6は、持ち上げビーム3が依然として下がっている又は後退している、すなわちコンベヤ平面Pより下又はコンベヤ平面Pと同一平面にある間に、コンベヤ平面Pから第2の距離H2をあけた活動位置へと下に移動され得る。クランプユニット7、8は、該押さえユニット5、6と共に移動されており、持ち上げビーム3の場所でタイヤ部品Tをすでに緩くクランプしていてもよいし、又はタイヤ部品Tの真上に浮いており、持ち上げビーム3が持ち上げられるのを待っていてもよい。
【0087】
代替として、押さえユニット5、6及び/又はクランプユニット7、8が下に移動する前に、持ち上げビーム3が、図2及び図5に示す上昇位置又は持ち上げ位置に既にあってもよい。
【0088】
図2及び図5は、持ち上げビーム3がコンベヤ平面Pより上の高さに上昇又は持ち上げられた状況を示す。押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8は下に移動されており、それぞれ、タイヤ部品Tをコンベヤ2に向かって又はコンベヤ2上に押さえ、タイヤ部品Tを持ち上げビーム3上にクランプしている。フィンガ70、80は、持ち上げビーム3上のタイヤ部品Tに接触したときに、少なくとも部分的に上方に屈曲され得る。
【0089】
図5に概略的に示すように、第1の押さえユニット5の接触部材50は、主に第1の押さえ位置P1においてタイヤ部品Tの一部のみをコンベヤ2に向かって撓ませ、タイヤ部品Tの残りの部分は、依然として持ち上げビーム3によって上昇されている状態である。同様に、第2の押さえユニット6の接触部材60は、主に第2の押さえ位置P2においてタイヤ部品Tの別の一部をコンベヤ2に向かって撓ませ、タイヤ部品Tの残りの部分は、依然として持ち上げビーム3によって上昇されている状態である。
【0090】
このようにして、タイヤ部品Tの持ち上げられた部分が、最初の切断が行われ得る切断中心Cに頂点を有するダイヤモンド状の三次元形状に保持され得る。ナイフ40が該切断中心Cにおいてタイヤ部品Tを貫通すると、ナイフ40は、タイヤ部品Tの長手方向の一方側に移動され、続いて、切断線Kに沿って反対方向に移動されてタイヤ部品Tの長手方向の他方側に向かって切断を完了する。ナイフ40には、切断プロセス中タイヤ部品Tを担持するために上述のカラーが設けられ得る。
【0091】
切断が完了すると、押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8は、図3及び図6に示すように、第1の距離H1に持ち上げられ得る。その間に持ち上げビーム3は下降されている。ここでタイヤ部品Tを、押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8による干渉なしに搬送又は前進させることができる。前述のように、押さえユニット5、6及びクランプユニット7、8は、必ずしも同時に移動する必要はなく、プロセス要件に依存して、個々に、独立して、又はグループで制御され得る。
【0092】
上の説明は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれており、本発明の範囲を限定することを意味するものではないことを理解されたい。上の説明から、本発明の範囲によって包含される多くの変形形態が当業者には明らかとなる。
【0093】
要約すると、本発明は、タイヤ部品Tを切断するための切断デバイス1、401、501及び方法を提供し、本切断デバイス1、401、501は、コンベヤ平面Pを画定するコンベヤ2を備え、本切断デバイス1、401、501は、タイヤ部品Tをコンベヤ平面Pから持ち上げ方向Lに持ち上げるための持ち上げビーム3を備え、本切断デバイス1、401、501には、斜めの切断角度Vをなして切断中心Cで持ち上げビーム3と交差する切断線Kに沿ってタイヤ部品Tを切断するためのナイフ40が設けられており、本切断デバイス1、401、501には、持ち上げ方向とは反対の押さえ方向Hにタイヤ部品Tをコンベヤ2に向かって押さえるための第1の押さえユニット5、105、205、305、405が設けられており、第1の押さえユニット5、105、205、305、405は、切断中心Cから150ミリメートル未満の押さえ半径R内にある第1の押さえ位置P1でタイヤ部品Tを押さえ方向Hにコンベヤ2に向かって押さえるための接触部材50、150、250、350を備える。
【符号の説明】
【0094】
1…切断デバイス
11…第1のホルダ
12…第2のホルダ
2…コンベヤ
21…第1のコンベヤセクション
22…第2のコンベヤセクション
23…第1のコンベヤベルト
24…第2のコンベヤベルト
3…持ち上げビーム
30…ビーム本体
31…切断凹部
4…カッター
40…ナイフ
41…ナイフホルダ
42…切断ビーム
5…第1の押さえユニット
50…接触部材
51…ベース
52…支持部材
53…回転軸受
6…第2の押さえユニット
60…接触部材
61…ベース
62…支持部材
63…回転軸受
7…第1のクランプユニット
70…フィンガ
8…第2のクランプユニット
80…フィンガ
91…第1の駆動部
92…第2の駆動部
105…代替の第1の押さえユニット
150…接触部材
151…ベース
152…支持部材
153…回転軸受
205…更なる代替の第1の押さえユニット
250…接触部材
251…ベース
252…支持部材
305…更なる代替の第1の押さえユニット
350…接触部材
351…ベース
352…支持部材
355…丸みを帯びた縁部
401…代替の切断デバイス
405…第1の押さえユニット
406…第2の押さえユニット
407…第1のクランプユニット
408…第2のクランプユニット
491…第1の駆動部
492…第2の駆動部
493…第3の駆動部
494…第4の駆動部
501…更なる代替の切断デバイス
504…カッター
542…切断ビーム
543…第1のホルダ
544…第2のホルダ
A1…第1の押さえ領域
A2…第2の押さえ領域
B…カッター軸
C…切断中心
D…外径
E…転動角度
F…搬送方向
G1…第1の転動軸
G2…第2の転動軸
H…押さえ方向
H1…第1の距離
H2…第2の距離
J…押さえ距離
K…切断線
L…持ち上げ方向
M…離隔距離
N…中心線
P…コンベヤ平面
P1…第1の押さえ位置
P2…第2の押さえ位置
R…押さえ半径
S1…第1の側
S2…第2の側
T…タイヤ部品
V…切断角度
W…部品幅
X…長手方向
Y…横方向
Z…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ部品を切断するための切断デバイスであって、前記切断デバイスは、コンベヤ平面を画定し前記コンベヤ平面に平行な搬送方向に前記タイヤ部品を搬送するためのコンベヤを備え、前記切断デバイスは、前記タイヤ部品を前記コンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げるための持ち上げビームを更に備え、前記切断デバイスには、斜めの切断角度をなして切断中心で前記持ち上げビームと交差する切断線に沿って前記タイヤ部品を切断するためのナイフが設けられており、前記切断デバイスには、前記持ち上げ方向とは反対の押さえ方向に前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえるための第1の押さえユニットが設けられており、前記第1の押さえユニットは、前記切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、前記持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための接触部材を備える、切断デバイス。
【請求項2】
前記押さえ半径は、前記切断中心から80ミリメートル未満である、請求項1に記載の切断デバイス。
【請求項3】
前記第1の押さえ位置は、前記切断線に垂直な方向に80ミリメートル未満の押さえ距離にわたって前記切断線から離隔している、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項4】
前記切断デバイスは、前記ナイフを前記切断線に沿って移動させるためのナイフホルダを備え、前記接触部材は、前記斜めの切断角度の少なくとも1つの値について、及び前記切断線に沿った前記ナイフの少なくとも1つの位置において、前記ナイフホルダと前記コンベヤとの間に少なくとも部分的に延在する、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項5】
前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備える、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項6】
前記支持部材は、少なくとも50ミリメートルの離隔距離にわたって前記接触部材を前記ベースから離隔させる、請求項5に記載の切断デバイス。
【請求項7】
前記接触部材は、第1の転動軸を中心として回転可能である、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項8】
前記第1の転動軸は、前記コンベヤ平面に対して斜めの転動角度をなして延在する、請求項7に記載の切断デバイス。
【請求項9】
前記斜めの転動角度は、1~45度の範囲内である、請求項8に記載の切断デバイス。
【請求項10】
前記第1の押さえユニットは、前記第1の転動軸と同軸の回転軸受を備える、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項11】
前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備え、前記回転軸受は、前記ベースと前記支持部材との間に位置する、請求項10に記載の切断デバイス。
【請求項12】
前記支持部材は、前記第1の転動軸と同軸に延在する、請求項11に記載の切断デバイス。
【請求項13】
前記支持部材は、前記接触部材に対して回転固定されている、請求項11に記載の切断デバイス。
【請求項14】
前記接触部材と前記支持部材とは、一体的に形成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項15】
前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備え、前記回転軸受は、前記支持部材と前記接触部材との間に位置する、請求項10に記載の切断デバイス。
【請求項16】
前記接触部材は、少なくとも部分的に球形である、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項17】
前記接触部材は、傾斜のついた、面取りされた、又は丸みを帯びた縁部を備える、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項18】
前記接触部材は、前記押さえ方向において、30ミリメートル未満の外側寸法を有する、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項19】
前記第1の押さえユニットは、前記切断線の第1の側で前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえるように配置される、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項20】
前記第1の押さえユニットの前記接触部材は、前記切断線の前記第1の側における前記切断線と前記持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第1の押さえ領域内に完全に位置する、請求項19に記載の切断デバイス。
【請求項21】
前記切断デバイスは、前記第1の側とは反対の前記切断線の第2の側で前記持ち上げビームに隣接する第2の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための接触部材を有する第2の押さえユニットを備える、請求項19に記載の切断デバイス。
【請求項22】
前記第2の押さえユニットの前記接触部材は、前記切断線の前記第2の側における前記切断線と前記持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第2の押さえ領域内に完全に位置する、請求項21に記載の切断デバイス。
【請求項23】
前記第2の押さえ位置は、前記切断中心から前記押さえ半径内にある、請求項21に記載の切断デバイス。
【請求項24】
前記切断デバイスには、前記切断線の第1の側で前記タイヤ部品を前記持ち上げビーム上にクランプするための第1のクランプユニットが設けられている、請求項に記載の切断デバイス。
【請求項25】
前記第1のクランプユニットは、前記第1の押さえユニットと共に移動するように配置される、請求項24に記載の切断デバイス。
【請求項26】
前記切断デバイスには、前記第1の押さえユニット及び前記第1のクランプユニットを同時に支持するための第1のホルダが設けられている、請求項24に記載の切断デバイス。
【請求項27】
前記第1のクランプユニットはフィンガを備える、請求項24に記載の切断デバイス。
【請求項28】
前記フィンガは弾性を有する、請求項27に記載の切断デバイス。
【請求項29】
前記切断デバイスには、前記第1の側とは反対の前記切断線の第2の側で前記タイヤ部品を前記持ち上げビーム上にクランプするための第2のクランプユニットが設けられている、請求項24~28のいずれか一項に記載の切断デバイス。
【請求項30】
前記切断デバイスは、前記切断線の前記第2の側で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための第2の押さえユニットを備え、前記第2のクランプユニットは、前記第2の押さえユニットと共に移動するように配置される、請求項29に記載の切断デバイス。
【請求項31】
タイヤ部品を切断するための方法であって、
- コンベヤ平面を画定するコンベヤを提供することと、
- 前記コンベヤ平面内の前記コンベヤ上に前記タイヤ部品を提供することと、
- 持ち上げビームを使用して、前記タイヤ部品を前記コンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げることと、
- 斜めの切断角度をなして切断中心で前記持ち上げビームと交差する切断線に沿って前記タイヤ部品を切断することと、
- 前記切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、前記持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえることと、
を行うステップを備える、方法。
【請求項32】
前記タイヤ部品は、搬送方向に垂直な横方向において、100ミリメートル未満の部品幅を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記タイヤ部品はブレーカープライ又はチェーファーである、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記切断角度は、15~70度の範囲内で調整可能である、請求項31に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
要約すると、本発明は、タイヤ部品Tを切断するための切断デバイス1、401、501及び方法を提供し、本切断デバイス1、401、501は、コンベヤ平面Pを画定するコンベヤ2を備え、本切断デバイス1、401、501は、タイヤ部品Tをコンベヤ平面Pから持ち上げ方向Lに持ち上げるための持ち上げビーム3を備え、本切断デバイス1、401、501には、斜めの切断角度Vをなして切断中心Cで持ち上げビーム3と交差する切断線Kに沿ってタイヤ部品Tを切断するためのナイフ40が設けられており、本切断デバイス1、401、501には、持ち上げ方向とは反対の押さえ方向Hにタイヤ部品Tをコンベヤ2に向かって押さえるための第1の押さえユニット5、105、205、305、405が設けられており、第1の押さえユニット5、105、205、305、405は、切断中心Cから150ミリメートル未満の押さえ半径R内にある第1の押さえ位置P1でタイヤ部品Tを押さえ方向Hにコンベヤ2に向かって押さえるための接触部材50、150、250、350を備える。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] タイヤ部品を切断するための切断デバイスであって、前記切断デバイスは、コンベヤ平面を画定し前記コンベヤ平面に平行な搬送方向に前記タイヤ部品を搬送するためのコンベヤを備え、前記切断デバイスは、前記タイヤ部品を前記コンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げるための持ち上げビームを更に備え、前記切断デバイスには、斜めの切断角度をなして切断中心で前記持ち上げビームと交差する切断線に沿って前記タイヤ部品を切断するためのナイフが設けられており、前記切断デバイスには、前記持ち上げ方向とは反対の押さえ方向に前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえるための第1の押さえユニットが設けられており、前記第1の押さえユニットは、前記切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、前記持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための接触部材を備える、切断デバイス。
[2] 前記押さえ半径は、前記切断中心から80ミリメートル未満であり、好ましくは前記切断中心から60ミリメートル未満である、[1]に記載の切断デバイス。
[3] 前記第1の押さえ位置は、前記切断線に垂直な方向に80ミリメートル未満の押さえ距離にわたって前記切断線から離隔している、[1]又は[2]に記載の切断デバイス。
[4] 前記切断デバイスは、前記ナイフを前記切断線に沿って移動させるためのナイフホルダを備え、前記接触部材は、前記斜めの切断角度の少なくとも1つの値について、及び前記切断線に沿った前記ナイフの少なくとも1つの位置において、前記ナイフホルダと前記コンベヤとの間に少なくとも部分的に延在する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[5] 前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備える、[1]~[4]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[6] 前記支持部材は、少なくとも50ミリメートル、好ましくは少なくとも100ミリメートル、最も好ましくは少なくとも150ミリメートルの離隔距離にわたって前記接触部材を前記ベースから離隔させる、[5]に記載の切断デバイス。
[7] 前記接触部材は、第1の転動軸を中心として回転可能である、[1]~[6]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[8] 前記第1の転動軸は、前記コンベヤ平面に対して斜めの転動角度をなして延在する、[7]に記載の切断デバイス。
[9] 前記斜めの転動角度は、1~45度の範囲内である、[8]に記載の切断デバイス。
[10] 前記第1の押さえユニットは、前記第1の転動軸と同軸の回転軸受を備える、[7]~[9]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[11] 前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備え、前記回転軸受は、前記ベースと前記支持部材との間に位置する、[10]に記載の切断デバイス。
[12] 前記支持部材は、前記第1の転動軸と同軸に延在する、[11]に記載の切断デバイス。
[13] 前記支持部材は、前記接触部材に対して回転固定されている、[10]又は[11]に記載の切断デバイス。
[14] 前記接触部材と前記支持部材とは、一体的に形成されている、[10]~[13]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[15] 前記第1の押さえユニットは、前記接触部材を前記第1の押さえ位置に保持するためのベースと、前記接触部材を前記ベースと相互接続するための支持部材とを備え、前記回転軸受は、前記支持部材と前記接触部材との間に位置する、[10]に記載の切断デバイス。
[16] 前記接触部材は、少なくとも部分的に球形である、[1]~[15]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[17] 前記接触部材は、傾斜のついた、面取りされた、又は丸みを帯びた縁部を備える、[1]~[15]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[18] 前記接触部材は、前記押さえ方向において、30ミリメートル未満、好ましくは25ミリメートル未満、最も好ましくは20ミリメートル未満の外側寸法を有する、[1]~[17]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[19] 前記第1の押さえユニットは、前記切断線の第1の側で前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえるように配置される、[1]~[18]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[20] 前記第1の押さえユニットの前記接触部材は、前記切断線の前記第1の側における前記切断線と前記持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第1の押さえ領域内に完全に位置する、[19]に記載の切断デバイス。
[21] 前記切断デバイスは、前記第1の側とは反対の前記切断線の第2の側で前記持ち上げビームに隣接する第2の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための接触部材を有する第2の押さえユニットを備える、[19]又は[20]に記載の切断デバイス。
[22] 前記第2の押さえユニットの前記接触部材は、前記切断線の前記第2の側における前記切断線と前記持ち上げビームとの間の鈍角に含まれる第2の押さえ領域内に完全に位置する、[21]に記載の切断デバイス。
[23] 前記第2の押さえ位置は、前記切断中心から前記押さえ半径内にある、[21]又は[22]に記載の切断デバイス。
[24] 前記切断デバイスには、前記切断線の第1の側で前記タイヤ部品を前記持ち上げビーム上にクランプするための第1のクランプユニットが設けられている、[1]~[23]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[25] 前記第1のクランプユニットは、前記第1の押さえユニットと共に移動するように配置される、[24]に記載の切断デバイス。
[26] 前記切断デバイスには、前記第1の押さえユニット及び前記第1のクランプユニットを同時に支持するための第1のホルダが設けられている、[24]又は[25]に記載の切断デバイス。
[27] 前記第1のクランプユニットはフィンガを備える、[24]~[26]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[28] 前記フィンガは弾性を有する、[27]に記載の切断デバイス。
[29] 前記切断デバイスには、前記第1の側とは反対の前記切断線の第2の側で前記タイヤ部品を前記持ち上げビーム上にクランプするための第2のクランプユニットが設けられている、[24]~[28]のいずれか一項に記載の切断デバイス。
[30] 前記切断デバイスは、前記切断線の前記第2の側で前記タイヤ部品を前記押さえ方向に前記コンベヤに向かって押さえるための第2の押さえユニットを備え、前記第2のクランプユニットは、前記第2の押さえユニットと共に移動するように配置される、[29]に記載の切断デバイス。
[31] タイヤ部品を切断するための方法であって、
- コンベヤ平面を画定するコンベヤを提供することと、
- 前記コンベヤ平面内の前記コンベヤ上に前記タイヤ部品を提供することと、
- 持ち上げビームを使用して、前記タイヤ部品を前記コンベヤ平面から持ち上げ方向に持ち上げることと、
- 斜めの切断角度をなして切断中心で前記持ち上げビームと交差する切断線に沿って前記タイヤ部品を切断することと、
- 前記切断中心から150ミリメートル未満の押さえ半径内にある、前記持ち上げビームに隣接する第1の押さえ位置で前記タイヤ部品を前記コンベヤに向かって押さえることと、
を行うステップを備える、方法。
[32] 前記タイヤ部品は、搬送方向に垂直な横方向において、100ミリメートル未満、好ましくは80ミリメートル未満、最も好ましくは70ミリメートル未満の部品幅を有する、[31]に記載の方法。
[33] 前記タイヤ部品はブレーカープライ又はチェーファーである、[31]又は[32]に記載の方法。
[34] 前記切断角度は、15~70度の範囲内で調整可能である、[31]~[33]のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】