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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】接合ツールユニット
(51)【国際特許分類】
   B21D 39/03 20060101AFI20240903BHJP
   B23P 19/027 20060101ALI20240903BHJP
   B21J 15/00 20060101ALI20240903BHJP
   B21J 15/28 20060101ALI20240903BHJP
   B21J 15/38 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B21D39/03 B
B23P19/027
B21J15/00 V
B21J15/28 Z
B21J15/38 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024508760
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2022068681
(87)【国際公開番号】W WO2023016707
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021121087.9
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500091678
【氏名又は名称】トックス・プレッソテヒニック・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バーデント ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】プファイファー ウォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】マツケ マルクス
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BB04
(57)【要約】
本発明は接合ツールユニット(2)に関する。接合ツールユニット(2)は、可動ツール(7)、ツールカウンタ要素(4)、駆動ユニット(8)、導光システム(9)、光源(10)、および監視ユニット(40)を有する。可動ツールとツールカウンタ要素とは、互いに対向して接合ツールユニットに配置され、導光システムは、接合ツールユニットにワークピースが配置されたとき、光源の光をワークピース(25)の接合箇所の方向に案内するように設計され、可動ツールは、駆動装置によってツールカウンタ要素の方向に移動することができ、ワークピースは、接合ツールユニットにワークピースが配置されたとき、ツールカウンタ要素の方向への可動ツールの移動によって接合される。監視ユニットは、駆動ユニットを制御および/または調整するように、また、光源および/または導光システムの構成要素を制御および/または調整するように設計され、接合ツールユニットは、ツールカウンタ要素の方向への可動ツールの移動が開始され、それと同時に、またはそれから時間的に遅れて、光による接合箇所の照射または照光が終了させられるように設計される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動ツール(7)、ツールカウンタ要素(4)、駆動ユニット(8)、導光システム(9)、光源(10)、および制御ユニット(40)を有する接合ツールユニット(2)であって、前記可動ツール(7)と前記ツールカウンタ要素(4)とが、互いに対向して前記接合ツールユニット(2)に配置され、前記導光システム(9)が、前記接合ツールユニット(2)にワークピース(25)が配置されたとき、前記光源(10)の光を前記ワークピース(25)の接合箇所の方向に導くように構成され、前記可動ツール(7)が、前記駆動ユニット(8)によって前記ツールカウンタ要素(4)の方向に移動することができ、前記接合ツールユニット(2)にワークピース(25)が配置された状態で、前記ワークピース(25)が、前記ツールカウンタ要素(4)の方向への前記可動ツール(7)の前記移動によって接合され、前記制御ユニット(40)が、前記駆動ユニット(8)を制御および/または調節するように構成され、前記制御ユニット(40)が、前記光源(10)および/または前記導光システム(9)の構成要素を制御および/または調節するように構成され、前記接合ツールユニット(2)が、前記ツールカウンタ要素(4)の方向への前記可動ツール(7)の移動が開始され、それと同時に、またはそれから時間的に遅れて、前記光源(10)の前記光による前記接合箇所の照射または照光が終了させられるように構成され、または、前記接合ツールユニット(2)が、前記光源(10)の前記光による前記接合箇所の照射または照光が終了させられた後0ms~1000msの時間の範囲内で、前記ツールカウンタ要素(4)の方向への前記可動ツール(7)の移動が開始されるように構成される、接合ツールユニット(2)。
【請求項2】
前記接合ツールユニット(2)が押さえ部材(6)を有し、前記押さえ部材(6)が前記導光システム(9)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項3】
前記押さえ部材(6)と前記ツールカウンタ要素(4)が互いに対して移動可能に設けられていることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項4】
前記接合ツールユニット(2)の前記制御ユニット(40)が、前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始と同時に、または前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始から時間的に遅れて、前記光源(10)の前記光による前記配置されたワークピース(25)の前記接合箇所の照射または照光を終了させるように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項5】
前記接合ツールユニット(2)が、第1のステップで、前記押さえ部材(6)を前記ツールカウンタ要素(4)の方向に移動させ、第2のステップで、ワークピース(25)の前記接合される箇所の照光または照射を開始し、第3のステップで、前記可動ツール(7)の前記移動を開始し、第4のステップで、前記照光または照射を終了させ、第5のステップで、前記押さえ部材(6)を前記ツールカウンタ要素(4)から離すように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項6】
先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)を有し、ツールブラケット(3)を有する、ツールトングのセット(1)。
【請求項7】
接合ツールユニット(2)、特に、請求項1から5のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)によるワークピース(25)の接合作業であって、
- 加工されることが意図されるワークピース(25)を前記接合ツールユニット(2)に配置するステップと、
- 前記ワークピース(25)の接合される箇所を、前記接合ツールユニット(2)の光源(10)により照光または照射するステップと、
- 前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記接合ツールユニット(2)の可動ツール(7)の移動を開始するステップと、
- 前記ワークピース(25)を接合するために、前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記接合ツールユニット(2)の前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始と同時に、または前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記接合ツールユニット(2)の前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始から時間的に遅れて、前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の前記照光または前記照射を終了させるステップと
の連続する方法のステップを有する、接合作業。
【請求項8】
以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 前記接合ツールユニット(2)の押さえ部材(6)を、前記接合ツールユニット(2)のツールカウンタ要素(4)の方向に、前記接合ツールユニット(2)の前記光源(10)による前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の前記照光または前記照射の前記開始前の位置まで移動させるステップと、
- 前記押さえ部材(6)を前記位置に保持するステップと、
- 前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記可動ツール(7)の移動が開始された後に、前記押さえ部材(6)を前記位置から離すステップと
を有する、請求項7に記載の接合作業。
【請求項9】
以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 前記押さえ部材(6)が前記位置から離される前に、前記可動ツール(7)によって前記ワークピース(25)を接合するステップ
を有する、請求項8に記載の接合作業。
【請求項10】
以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 前記押さえ部材(6)が前記位置から離される前に、前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の前記照光または前記照射が終了させられたかどうかを前記接合ツールユニット(2)によって確認するステップ
を有する、請求項8または9に記載の接合作業。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[先行技術]
接合ツールユニット、特にクリンチング用の接合ツールユニットは既に知られている。例えば、レーザビーム熱導入によって、ワークピースの接合されることが意図される箇所が加熱され、加熱された状態のこの加熱された箇所でワークピースを接合する接合ツールユニットが知られている。
【0002】
この知られている接合ツールユニットの欠点は、この知られている接合ツールユニットの接合サイクル時間が比較的長いことである。同様に、レーザを使用する結果として、接合ツールユニットで作業する従業員または接合ツールユニットの領域に存在する可能性のある従業員の放射防護を確実にしなければならないことが欠点であることが知られている。この知られている接合ツールユニットでは、この目的のために、レーザビームの光に対して光を透過しないように構成された、接合ツールユニット全体を取り囲むハウジングを備える。この知られている接合ツールユニットは、これによって、比較的高価で複雑な態様で構成される。
【0003】
[発明の目的および利点]
本発明の目的は、改良された接合ツールユニットを提供することである。特に、本発明の目的は、熱的に支援された接合方法を実施することができる改良された接合ツールユニットを提供することである。
【0004】
この目的は請求項1の特徴によって達成される。
【0005】
従属請求項に、本発明の有利で好都合な実施形態が記載されている。
【0006】
本発明は接合ツールユニットに基づくものであり、接合ツールユニットは、可動ツール、ツールカウンタ要素、駆動ユニット、導光システム、光源、および制御ユニットを有し、可動ツールとツールカウンタ要素とは、互いに対向して接合ツールユニットに配置され、導光システムは、接合ツールユニットにワークピースが配置されたとき、光源の光をワークピースの接合箇所の方向に導くように構成され、可動ツールは、駆動ユニットよってツールカウンタ要素の方向に移動することができ、ワークピースは、接合ツールユニットにワークピースが配置された状態で、ツールカウンタ要素の方向への可動ツールの移動によって接合され、制御ユニットは、駆動ユニットを制御および/または調節するように構成され、制御ユニットは、光源および/または導光システムの構成要素を制御および/または調節するように構成され、接合ツールユニットは、ツールカウンタ要素の方向への可動ツールの移動が開始され、それと同時に、またはそれから時間的に遅れて、光による接合箇所の照射または照光が終了させられるように構成される。これにより、比較的短い接合サイクル時間を達成することができる。
【0007】
また、光による接合箇所の照射または照光の終了後、ある時間範囲内で可動ツールの移動が開始されることも考えられる。例えば、その範囲は、0ミリ秒(ms)から1000ms、例えば0msから500ms、例えば0msから250ms、例えば0msから100ms、例えば0msから50ms、例えば0msから40ms、例えば0msから30msである。
【0008】
これによって、光源による接合箇所の加熱が終了させられた後、比較的すぐに、可動ツールでの接合作業を行うことができるので、接合箇所の最大加熱を減ずることができる。
【0009】
例えば、接合ツールユニットによるワークピースの接合作業に対して、接合ツールユニットは、ツールカウンタ要素の方向への可動ツールの移動が開始され、それと同時に、またはそれから時間的に遅れて、光による接合箇所の照射または照光が終了させられるように構成される。
【0010】
例えば、ワークピースは、接合ツールユニットによって互いに接合可能な2つ以上のワークピース部分を備える。
【0011】
接合ツールユニットは、有利には、機能要素を設置するために、例えばパンチナット、リベットナット、圧入ナット、ボルト、ねじ要素をワークピースに設置するために、および/または、クリンチングもしくはプレス接合のために、および/または、例えばクリンチリベット、ソリッドスタンプリベット、もしくは半中空スタンプリベットなどのリベットを設置するために設計される。機能要素は、例えば、接合ツールユニットを用いてワークピースにリベッティング、プレス、スタンピング、またはクリンチングすることができる。
【0012】
例えば、接合ツールユニットによって、複数のワークピース部品を、例えばリベットなどの接続要素を用いて、または、例えばクリンチング作業によって接続要素を用いずに、互いに接続することができる。接合ツールユニットを用いて、例えば1つだけのワークピース部品からなるワークピースに機能要素を設置することが可能である。
【0013】
例えば、接合接続による接合作業において、接合ツールユニットによって互いに接続される2つ以上のワークピース部分を、可動ツールとツールカウンタ要素との間に配置することができる。ワークピース部分は、異なる材料から作ることができる。例えば、ワークピース部分は、異なる金属組成または異なる材料硬度を有してもよい。好ましくは、接合作業中に可動ツールが当接するワークピース部分は、ワークピースの追加のワークピース部分よりも硬く、および/または脆い。
【0014】
例えば、接合ツールユニットは、可動ツールが係合するワークピース部分を光源の光によって加熱することができるように構成される。接合ツールユニットによって接合されることが意図されるワークピースを加熱できる結果として、硬いおよび/または脆いワークピース部分と、別の材料、例えばより柔らかい材料から作られたワークピース部分との間で接合接続を生成することができる。接合ツールユニットによって接合されることが意図されるワークピースを加熱できる結果として、既に可能な、または現在知られている接続用途に対して改良を施すことができる。
【0015】
例えば、可動ツールは、接合ツールユニットの移動軸線に沿って移動可能に設けられる。例えば、可動ツールは、接合ツールユニットの移動軸線に沿って直線的に移動可能であるようにのみ設けられる。例えば、駆動ユニットは、例えば、空気圧/液圧駆動ユニット、液圧駆動ユニット、空気圧駆動ユニット、および/または電気駆動ユニットなどのリニア駆動装置を備える。
【0016】
例えば、可動ツールは、底部ダイユニットまたはスタンプユニットの形態である。例えば、ツールカウンタ要素は、底部ダイユニットまたはスタンプユニットの形態である。可動ツールがスタンプユニットの形態であり、ツールカウンタ要素が底部ダイユニットの形態であること、またはその逆も考えられる。接合ツールユニットが2つの可動ツールを有し、これらの可動ツールが接合ツールユニットに互いに対向して存在することも考えられる。
【0017】
例えば、可動ツールおよび/またはツールカウンタ要素は接合面を有する。例えば、接合ツールユニットに配置されたワークピースは、接合面によって接合箇所で接合され、すなわち、接合ツールユニットは、接合作業中に接合面を介してワークピースと直接接触する。
【0018】
接合ツールユニットは、接合ツールユニットにワークピースが配置された状態において、可動ツール、例えば可動ツールの接合面が、可動ツールがツールカウンタ要素に対して相対移動を開始する前に、接合されるワークピースの位置に対して2cm~20cm、2cm~15cm、または2cm~10cmの間隔を有するように提供されることが考えられる。例えば、可動ツール、例えば可動ツールの接合面は、可動ツールがツールカウンタ要素に対して相対移動を開始する前に、接合されるツールの位置から2cm、2.5cm、3cm、3.5cm、4cm、4.5cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、15cm、または20cm間隔を空けて配置される。例えば、この間隔は、可動ツールの接合面とワークピースの接触面との間の距離であり、ワークピースの接触面は、接合作業において可動ツールの接合面が係合する箇所である。
【0019】
特に、ツールカウンタ要素に対する可動ツールの最大移動速度は、0.1m/s~2m/s、例えば1m/s~2m/sである。特に、ツールカウンタ要素に対する可動ツールの最大移動速度は、0.1m/s、0.5m/s、0.8m/s、1m/s、1.1m/s、1.2m/s、1.3m/s、1.4m/s、1.5m/s、1.6m/s、1.7m/s、1.8m/s、1.9m/s、または2m/sである。
【0020】
例えば、光源はレーザの形態である。レーザは、パルスレーザおよび/または連続レーザの動作で動作可能であることが考えられる。例えば、光源の波長は、光源からの光によって、エネルギーの点でできる限り効率的にワークピースに熱が導入されるように、加工されるワークピースの材料の吸収極大に適合される。
【0021】
例えば、導光システムは、光の光ビームに沿って光源の光を囲み、その結果、光は、導光システムによって、光を透過しないように、光ビームに対して半径方向外向きに出ないように遮られる。
【0022】
接合ツールユニットが押さえ部材を有し、押さえ部材が、例えば、導光システムまたは導光システムの部品を備えることがさらに提案される。接合ツールユニットは、それによって、比較的単純化された態様で、特に比較的費用対効果の高い態様で提供される。例えば、それによって、従業員のビーム防護のための追加の取り囲むハウジングを必要としない接合ツールユニットを達成することができる。
【0023】
接合ツールユニットが押さえ部材を有し、導光システムがツールカウンタ要素に形成されることも考えられる。例えば、押さえ部材とツールカウンタ要素とは互いに対向して接合ツールユニットに設けられる。
【0024】
例えば、押さえ部材および可動ツールを備えるスタンプユニットが提供される。例えば、押さえ部材はスタンプ押さえ部材の形態であり、可動ツールはスタンプツールの形態である。例えば、ツールカウンタ要素は、底部ダイユニットの形態で提供される。
【0025】
また、押さえ部材および可動ツールを備える底部ダイユニットが提供されることも考えられる。例えば、押さえ部材は底部ダイ押さえ部材の形態であり、可動ツールは底部ダイの形態である。例えば、ツールカウンタ要素は、スタンプユニットの形態で提供される。
【0026】
接合ツールユニットがスタンプユニットおよび/または底部ダイユニットを備えることが考えられる。
【0027】
例えば、押さえ部材は、押さえ機能を行うように構成される。例えば、押さえ部材は、押さえ部材とツールカウンタ要素との間の間隔が可変となるように、ツールカウンタ要素に対して移動可能に設けられる。例えば、押さえ部材とツールカウンタ要素の相対移動は、駆動ユニットによってもたらされる。
【0028】
導光システムは、好ましくは、導光システムが光源の光を光ビームに沿って取り囲むように押さえ部材に構成され、その結果、光は、導光システムによって光ビームに対して半径方向外向きに出ないように遮られる。
【0029】
例えば、導光システムの凹部、特に円筒形の凹部が押さえ部材に設けられ、凹部の円筒軸線、例えば凹部の長手方向の範囲に沿って、光をワークピースの方向に向けることができる。凹部は、例えば、穴の形態で、例えば、貫通穴の形態で押さえ部材に設けられる。また、凹部は、管の態様で、例えば管の形態で押さえ部材に存在することも考えられる。しかしながら、導光システムがガラス繊維を有し、ガラス繊維が押さえ部材に固定されることも考えられる。
【0030】
導光システムは、光源の光の光ビームを、可動ツールの移動軸線に対して5°から40°の角度範囲でのみワークピースの接合箇所に照射するように構成されることが好ましい。例えば、凹部の長手方向軸線は、押さえ部材に、可動ツールの移動軸線に対して5°から40°の角度範囲に設けられる。
【0031】
例えば、追加の凹部、例えば第2の凹部が押さえ部材に設けられる。第2の凹部は、押さえ部材における第1の凹部に対して鏡面対称に設けられることが考えられる。鏡軸は可動ツールの移動軸線と平行に延在することが好ましい。例えば、可動ツールの移動軸線が押さえ部材の中心を通って延在する場合、移動軸線は好ましくは鏡軸に一致する。
【0032】
例えば、第1の凹部および第2の凹部は、押さえ部材がワークピースに当たって配置されている場合に、光源の光が第1の凹部に沿ってワークピース上に導かれ、ワークピースによって反射された光源の光が第2の凹部に沿って導かれるように、押さえ部材に構成される。例えば、押さえ部材は、反射された光が閉じ込められ吸収される放射トラップまたは放射サンプを備える。光ビームが押さえ部材の第1の凹部および第2の凹部に沿って導かれる結果として、防護室を不要にすることができる。
【0033】
例えば、押さえ部材は凹部を備える。例えば、凹部は、接合ツールユニットにワークピースが配置された状態のとき、および、押さえ部材がワークピースに当たって配置されているときに、ワークピースの接合箇所の周りの領域に配置されるようにツールカウンタ要素に対向して配置される。例えば、第1の凹部および第2の凹部はそれぞれ、一方の端部で凹部に合流する。接合動作中、例えば、可動ツールは凹部内で、または凹部を通って係合する。例えば、凹部は、押さえ部材に穴の形態で設けられる。
【0034】
例えば、押さえ部材は凹部を囲むように設けられ、その結果、理想的な場合には、押さえ部材は、ワークピースに当たって配置されている状態で、ワークピースと共に凹部を完全に取り囲む。
【0035】
さらに、導光システムがシャッタを有することも考えられる。例えば、光源の光による接合箇所の照光を、シャッタによって作動させたり、作動を停止したりすることができる。例えば、シャッタは、光学的閉鎖体の形態であり、例えば機械的および/または電子的閉鎖体の形態であり、例えば可動要素である。例えば、シャッタは制御ユニットによって制御することができる。
【0036】
押さえ部材とツールカウンタ要素が互いに対して移動可能であるように設けられていることも有利であると判明した。その結果、接合ツールユニットを比較的柔軟に使用することができる。
【0037】
例えば、押さえ部材は、ツールカウンタ要素に対して移動可能であるように設けられる。例えば、押さえ部材と可動ツールは、互いに独立して駆動ユニットによって移動可能であるように設けられる。押さえ部材は、例えば、駆動ユニットによってツールカウンタ要素の方向に移動可能である。押さえ部材とツールカウンタ要素は、互いに対して駆動ユニットによって移動可能であるように設けられることが考えられる。例えば、駆動ユニットは、押さえ部材および/またはツールカウンタ要素を移動させることができる。
【0038】
例えば、配置されたワークピースを、押さえ部材とツールカウンタ要素との間に挟持することができるように、押さえ部材とツールカウンタ要素とを互いに向かって移動させることができる。例えば、一方では、これによって、接合作業のためにワークピースを固定することができ、他方では、ワークピースの複数のワークピース部分もまた互いに対して挟持することができ、その結果、ワークピースの一方のワークピース部分から別のワークピース部分への熱貫流が改善される。また、押さえ部材とワークピースとの間の領域が、ワークピースに当たって配置されている押さえ部材によって閉じられ、それによって光の遮蔽がもたらされることも考えられる。
【0039】
例えば、押さえ部材、導光システム、および/または光源は、押さえ部材、導光システム、および/または光源がそれらのみが一緒に移動可能であるように設けられるように、互いに対して、または互いに当接して配置される。例えば、押さえ部材、導光システム、および/または光源は、互いに対して適位置に固定された状態で設けられる。
【0040】
さらに、押さえ部材がスクレーパ機能を有することが考えられる。例えば、可動ツールは、ツールカウンタ要素に対するワークピースの接合作業の終了時に、ワークピースから離れるように移動される。この場合、ワークピースは可動ツールに固着されたままであることが考えられ、押さえ部材は、この場合、例えば、ツールカウンタ要素に対しては、ワークピースに当たって配置された位置に留まり、ワークピースは、押さえ部材とツールカウンタ要素との間で挟持された状態にある結果として適位置に固定されたままであり、したがって、可動ツールによって剥ぎ取られる。
【0041】
また、可動ツールおよびツールカウンタ要素の両方が、ワークピースから離れる方向またはワークピースに向かう方向への移動を同時に行うことも考えられる。この場合、例えば、ワークピースは、可動ツールとツールカウンタ要素との間に別個の保持要素によって配置される。
【0042】
加えて、接合ツールユニットの制御ユニットが、可動ツールの移動の開始と同時に、または可動ツールの移動の開始から時間的に遅れて、光源の光による配置されたワークピースの接合箇所の照射または照光を終了させるように構成されることが提案される。例えば、接合作業のプロセスを監視、調節、および/または制御することができる中央制御ユニットが設けられているので、接合ツールユニットの接合作業のサイクルの制御はそれによって比較的単純化される。光源の光による配置されたワークピースの接合箇所の照射または照光は、可動ツールの移動の開始の前に終了させられることが考えられる。
【0043】
例えば、制御ユニットは、可動ツールの移動の開始と同時に、または可動ツールの移動の開始から時間的に遅れて、光源のスイッチを切るかまたはシャッタを作動させ、したがって、光源の光による配置されたワークピースの接合箇所の照射または照光を終了させるように構成される。
【0044】
加えて、接合ツールユニットが、第1のステップで、押さえ部材をツールカウンタ要素の方向に移動させ、第2のステップで、ワークピースの接合される箇所の照光または照射を開始し、第3のステップで、可動ツールの移動を開始し、第4のステップで、照光または照射を終了させ、第5のステップで、押さえ部材をツールカウンタ要素から離すように構成されることが有利であると分かる。例えば、接合ツールユニットの領域の従業員の安全性はそれによって向上する。押さえ部材は、接合ツールユニットの動作中、好ましくは、例えばレーザなどの光源のスイッチが切られるか、または光源の作動が止められることが確実な場合にのみ、ワークピースから持ち上げられる。
【0045】
例えば、ステップ1から5は順に実行される。例えば、接合ツールユニットは、第1のステップで、押さえ部材をツールカウンタ要素の方向に移動させてある位置にし、その位置に保持し、ステップ2、3、および4を実行し、その後、押さえ部材をその位置から戻すように構成される。
【0046】
例えば、押さえ部材は、接合ツールユニットに配置されたワークピースの表面に接触するまたは触れる位置にある。例えば、押さえ部材は、ワークピースに当たって配置される位置にある。押さえ部材は、ワークピースに直接当たって配置される位置にあると考えられる。
【0047】
例えば、接合ツールユニットは、可動ツールの移動によって接合ツールユニットに配置されたワークピースを接合するために、押さえ部材がワークピースに触れるまたは接触すると同時に、またはそれから時間的に遅れて、ツールカウンタ要素方向への可動ツールの移動が開始されるように構成される。
【0048】
接合ツールユニットが2つの可動ツールを有し、これらの可動ツールが接合ツールユニットに互いに対向して存在することも考えられる。例えば、ツールカウンタ要素は可動ツールを備える。
【0049】
例えば、押さえ部材および可動ツールを備えるスタンプユニットが提供される。例えば、押さえ部材はスタンプ押さえ部材の形態であり、可動ツールはスタンプツールの形態である。例えば、ツールカウンタ要素は底部ダイユニットの形態であり、底部ダイユニットは可動底部ダイを備える。
【0050】
本発明の例示的な実施形態は、上記の実施形態のいずれか1つによるツールブラケットおよび接合ツールユニットを有するツールトングのセットである。
【0051】
例えば、ツールブラケットは、可動ツールとツールカウンタ要素との間に非ポジティブロック接続が生じるように、可動ツールをツールカウンタ要素に接続する。
【0052】
例えば、ツールトングのセットは、クリンチングトング、接合トング、および/またはスタンピングトングのセットの形態である。ツールトングのセットは、半中空スタンピングリベットトングのセットおよび/またはソリッドスタンピングリベットトングのセットの形態で提供されることも考えられる。
【0053】
接合ツールユニットによるワークピースの接合作業の形態の方法が同様に提案され、本方法は、
- 加工されることが意図されるワークピースを接合ツールユニットに配置するステップと、
- 接合ツールユニットの光源によりワークピースの接合される箇所を照光または照射するステップと、
- ワークピースの接合される箇所の方向への接合ツールユニットの可動ツールの移動を開始するステップと、
- ワークピースを接合するために、ワークピースの接合される箇所の方向への接合ツールユニットの可動ツールの移動の開始と同時に、またはワークピースの接合される箇所の方向への接合ツールユニットの可動ツールの移動の開始から時間的に遅れて、ワークピースの接合される箇所の照光または照射を終了させるステップ、またはワークピースの接合される箇所の方向への接合ツールユニットの可動ツールの移動の開始の前に、ワークピースの接合される箇所の照光または照射を終了させるステップと
の連続する方法のステップを有する。
【0054】
例えば、加工されることが意図されるワークピースは、第1の方法のステップにおいて、可動ツールとツールカウンタ要素との間で接合ツールユニットに配置され、例えば位置決めされる。加工されることが意図されるワークピースの配置は、この場合、接合ツールユニットの外部に設けられた配置ユニット、例えばロボットアームによって行うことができる。配置ユニットが接合ツールユニットの構成部分であることも考えられる。
【0055】
さらに、接合作業は、以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 接合ツールユニットの押さえ部材を、接合ツールユニットのツールカウンタ要素の方向に、接合ツールユニットの光源によるワークピースの接合される箇所の照光または照射の開始前の位置まで移動させるステップと、
- 押さえ部材をその位置に保持するステップと、
- 照光または照射を終了させるステップ、例えばレーザのスイッチを切るステップと、
- ワークピースの接合される箇所の方向への可動ツールの移動が開始された後に、押さえ部材をその位置から離すステップと
を有することが提案されている。
【0056】
例えば、押さえ部材は、特にワークピースに直接当たって配置される位置にある。さらに、接合ツールユニットがセンサユニットを有し、接合ツールユニットが、押さえ部材がワークピースに当たってその位置に配置されているかどうかをセンサユニットによって検出するように構成されることが考えられる。この目的のために、例えば、センサユニットは、押さえ部材内の動圧を検出する圧力センサを備える。
【0057】
例えば、接合作業は、例えば、ワークピースに押さえ部材が配置された後に行われる以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 接合ツールユニットのセンサユニットによって、押さえ部材の位置を検出するステップと、
- センサユニットの検出に基づいて、接合ツールユニットの制御ユニットによって、押さえ部材がその位置に達したかどうかを確認するステップと
を含む。
【0058】
例えば、センサユニットは、押さえ部材とワークピースが光源の光を外向きに透過しないように遮るように押さえ部材がワークピースと当たる位置に配置されているかどうかを判定するように構成され、その結果、接合ツールユニットの周辺領域において従業員が危険にさらされることを防止することができる。この場合、例えば、センサユニットは、押さえ部材とワークピースとの間の動圧を圧力センサで検出する。
【0059】
例えば、接合ツールユニットは、特に制御ユニットは、光源の光による配置されたワークピースの接合箇所の照射または照光が開始される前、および/または可動ワークピースの移動が開始される前に、センサユニットのセンサ値が予め決められた所望の範囲内にあるかどうかを確認する。センサ値が予め決められた所望の範囲内にない場合、接合ツールユニットは、特に制御ユニットは、光源の光による配置されたワークピースの接合箇所の照射または照光の開始および/または可動ツールの移動の開始を妨げる。
【0060】
好ましい実施形態では、接合ツールユニットの制御ユニットは、可動ツールが、ツールカウンタ要素の方向への移動中に、光源の光の光ビームの中に入れられることが可能になる前に、光源の光による配置されたワークピースの接合箇所の照射または照光を終了させるように構成される。例えば、可動ツールが光源の光の光ビームに入る直前に、制御ユニットは、光源の光による配置されたワークピースの接合箇所の照射または照光のスイッチを切る。これにより、可動ツールの加熱が防止され、したがって、可動ツールの損傷が防止される。
【0061】
また、本方法が、以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 押さえ部材がその位置から離される前に、可動ツールによってワークピースを接合するステップ
を有することも提案されている。
【0062】
その結果、押さえ部材は、押さえ機能および/またはスクレーパ機能を含むことができる。特に、その結果、ワークピースは、可動ツールによる接合作業のための位置に固定される。
【0063】
加えて、本方法が、以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 接合ツールユニットによって、押さえ部材がその位置から離される前にワークピースの接合される箇所の照射または照光が終了させられたかどうかを確認するステップ
を有することが提案されている。
【0064】
また、本方法が、以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 可動ツールによるワークピースの接合作業中に、ワークピースの接合される箇所の照光または照射が終了させられたかどうかを接合ツールユニットによって確認するステップ
を有することも提案されている。
【0065】
一方では、特に、従業員が危険にさらされることを防止するために、安全機能がそれによって実行され、他方では、可動ツールの特に望ましくない加熱をそれによって抑制することができる。
【0066】
追加の詳細および利点を示しながら、添付図面を参照して、1つの例示的な実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】接合ツールユニットを有するツールトングのセットを斜め上方から見た斜視図である。
図2】接合ツールユニットの一部分の斜視図である。
図3図2による接合ツールユニットの部分の別の斜視図である。
図4】接合ツールユニットが押さえ部材およびツールカウンタ要素でワークピースに隣接している、図1による接合ツールユニットの一部分の断面図であり、ここでは、光ビームの経路が示されている。
図5図4による構成の断面図であり、ここでは、流体流の経路が示されている。
図6】高温計を有する接合ツールユニットの一部分の断面図である。
図7図4および図5による構成の断面図であり、ここでは、接合接続が生成されている。
図8】接合接続を生成した後に初期位置にある、図4図5、および図7による構成の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、接合ツールユニット2を有するツールトングのセット1を示す。このツールトングのセット1はツールブラケット3を有し、ツールブラケット3には接合ツールユニット2が配置されている。ツールブラケット3は、好ましくはC形ブラケットの形態であり、例えば、接続要素5を介して、図1には示されていないロボットアームに固定することができる。
【0069】
接合ツールユニット2には、ツールカウンタ要素4、押さえ部材6、可動ツール7(図2参照)、駆動ユニット8、光源10、および制御ユニット40が形成されている。
【0070】
駆動ユニット8は、電気駆動装置、空気圧駆動装置、液圧駆動装置、または液圧/空気圧駆動装置の形態であってもよい。駆動ユニット8は、例えばツールブラケット3に接続される。
【0071】
例えば、可動ツール7、高温計24、および導光システム9は押さえ部材6に配置される。導光システム9は、コリメータ11、第1のミラー12、第2のミラー13、ビームトラップ14またはビームサンプ、および保護ガラス15を備える(図4参照)。例えば、光源10は、レーザ、特にファイバレーザの形態である。コリメータ11は、好ましくは、コリメートされた光ビームが生成されるように、例えばコリメートされたレーザビームが生成されるように構成される。例えば、光源10の光ビームは広げられ、そして互いに少なくとも実質的に平行に向けられる。第1のミラー12は、例えば、加工されるワークピース25上の光源10の光ビームの位置を調節することができるように調節可能である。第2のミラー13は、好ましくは、接合ツールユニット2の適位置に固定されるように配置される。保護ガラス15は、例えば、光学ユニットすなわち導光システム9のミラー12、13およびコリメータ11と、押さえ部材6との間の分離位置を形成する。
【0072】
さらに、光ビームのビーム径は、接合ツールユニット2の外側の調節要素26によって調節することができる。ビームトラップ14またはビームサンプの端部には、ビームトラップ14またはビームサンプを冷却する冷却プレート31が形成されることが好ましい。冷却プレート31は、好ましくは、押さえ部材6の外側に取外し可能に配置され、したがって、冷却プレート31は、例えば、摩耗または汚染の場合に、交換または洗浄することができる。
【0073】
接合ツールユニット2は、好ましくは、光源10を接合ツールユニット2に結合するために挿入位置16、17を有する(図2参照)。例えば、入口23で流体を注入することができるように、または排出ライン20で流体を排出することができるように、排出ライン20のための挿入位置18、19および入口23のための挿入位置21、22もまた接合ツールユニットに設けられる。例えば、流体は気体、例えば空気、特に粒子が取り除かれた空気の形態である。例えば、流体は、粒子を含まない清浄な気体として供給される。流体が、例えば窒素または二酸化炭素などの特別な気体の形態で供給されることも考えられる。
【0074】
標準的なツールトングのセットは、押さえ部材6および導光システム9を、好ましくはツールブラケット3に配置されている駆動装置8に接続することによって、接合ツールユニット2の一部分、特に押さえ部材6および導光システム9を後に備えることができる。この目的のために、接合ツールユニット2は、好ましくは、固定要素27を有し、接合ツールユニット2の一部分、特に挿入位置16、17、18、19、21、22が形成されている接合ツールユニット2の部分は、固定要素27によって駆動装置8に接続することができる。さらに、押さえ部材6は、駆動装置8に接続するための接続要素29を有する。固定要素27は、好ましくは、板状の材料、特に金属から作られる。固定要素27は、固定手段30、例えばねじ、によって駆動装置8に接続することができる。例えば、固定要素27には安全スイッチ28が配置される。
【0075】
図4図5図6図7、および図8は、接合ツールユニット2の一部分の断面を示す。光源10から、光源の光ビームは、領域41で導光システム9に結合される。光ビームの経路は、図4に矢印Lで概略的に示されている。光ビームは、例えば、図4には示されていない光源から領域41を通り、コリメータ11に進み、光ビームは、次に、例えば、第1のミラー12および第2のミラー13で反射され、例えば、保護ガラス15を通って押さえ部材6に到達する。押さえ部材6には第1の凹部32が形成されており、第1の凹部32は、例えば押さえ部材6内の穴である。例えば、光ビームLは、第1の凹部32を通過して、ワークピースの押さえ部材6の端部に形成された凹部33(図4参照)に至る。押さえ部材6がワークピース25上に配置されている場合、光ビームLは、好ましくはワークピース25の金属のワークピース表面42で反射され、押さえ部材6の、例えば穴の形態の第2の凹部34に達する。
【0076】
第2の凹部34の端部には、ワークピース25によって反射された光ビームLが、ビームトラップ14またはビームサンプで捕捉されて吸収されるように、ビームトラップ14またはビームサンプが形成される。
【0077】
例えば、可動ツール7がワークピース25の方向に移動軸線35に沿って直線的に移動することができるように、可動ツール7用のさらなる穴が押さえ部材6に設けられる。移動軸線35は、好ましくは、可動ツール7の長手方向の範囲に沿って延在する。さらに、移動軸線35は、例えば、可動ツール7の中心を通って延びている。第1の凹部32または第2の凹部34の長手方向軸線は、例えば、押さえ部材6における可動ツール7の移動軸線35に対して5°から40°の間の角度範囲αに設けられる(図4参照)。好ましくは、第2の凹部34は、第1の凹部32に対して鏡面対称で構成され、移動軸線35は、例えば、鏡面の構成部分である。
【0078】
例えば、導光システム8の一部分は流路38を形成する。例えば、導光システム8の第1の凹部32および第2の凹部34と凹部33とが流路38の一部分を形成する。例えば、流路38は主に導光システム8に沿って延在し、流路38はコリメータ11の後にのみ始まる。さらに、流路38は、好ましくは穴の形態のさらなる第2の凹部36を有する。例えば、第2の凹部36は、第2の凹部34の一部分に隣接し、可動ツール7の移動軸線35と平行に延在する。流体は、入口23を経て流路38に入り、流路38に沿って流れることができる。例えば、流体は、第1の凹部32へは保護ガラス15の外側しか流れることができないので、流体は、コリメータ11の後で保護ガラス15までの領域内に閉じ込められる。それによって、コリメータ11の後で保護ガラス15までの領域では、流体が入口23を通って流れる限り、過圧が生じる。例えば、流体は、光学ユニットまたはミラー12、13を清浄に保つために、入口23を経て連続的に流入する。流体は、凹部33および第2の出口37を通って流路38から流出することができる。第2の出口37は、好ましくは、凹部36の端部に配置され、第2の出口37は、例えば、流入する流体を凹部36の端部で排出することができるように排出ライン20に接続される。例えば、流路38から流体を排出することができる排出ライン20は流路38に配置される。
【0079】
例えば、流体は、接合作業全体にわたって入口23を通って流路32に入れられ、流体は、押さえ部材6がワークピース25に接触して配置されていない限り、凹部33から流出する。例えば、接合作業のために、最初、接合ツールユニット2が、押さえ部材6およびツールカウンタ要素4がワークピースに当接するまで、加工されるワークピース25の方向に移動される。押さえ部材6がワークピース25上に配置されるとすぐに、駆動装置8は、可動ツール7を、ワークピース25の方向に移動軸線35に沿って図5による開始位置に移動させる。これは、可動ツール7の初期位置となる。これによって、可動ツール7とワークピース25との間の間隔は、可動ツール7がワークピース25まで比較的短い移動経路を有するように最短化される。
【0080】
例えば、駆動装置8による可動工具7の移動の結果、弾力性のある要素が付勢され、それによって押さえ部材6は、弾力性のある要素の力でワークピース25に押し付けられる。押さえ部材6は、これによって、ワークピース25に特に確実に押し付けられ、これにより、押さえ部材6とワークピース25との間から光が出ることが防止されるように意図される。さらに、押さえ部材6に当接しているワークピース25への押さえ部材6の押圧力が高い結果、押さえ部材と接触しているワークピース25の第1のワークピース部分からの熱を、ツールカウンタ要素4に当接しているワークピース25の第2のワークピース部分へ、改善された態様で伝達することができる。
【0081】
例えば、続いて、押さえ部材6がワークピース25に所望のように当接しているかどうかに関して確認が行われる。この目的のために、例えば、可動ツール7の位置は、制御ユニット40によって最初に決定される。例えば、安全スイッチ28の位置がさらに確定され、したがって、押さえ部材および導光装置9の位置が確認される。例えば、両方の確認で所望の結果が得られて適正であると確認された後、流路38内の圧力が決定される。
【0082】
例えば、圧力を決定するために、第2の出口37または排出ライン20のポンプの弁は閉じられている(図4参照)。それにより、凹部33が押さえ部材6においてワークピース25によって覆われ、流路38または導光システム9が損傷していないときには、流体は流路38内に閉じ込められる。例えば、流路38内の圧力は、センサ(図示せず)によって測定される。センサによって測定された圧力は制御ユニット40に伝達され、制御ユニット40は、センサによって測定された圧力を予め決められた閾値または設定値と比較する。閾値は、好ましくは、押さえ部材6とワークピース25との間の隙間が狭い場合であっても、流路38内でセンサによって測定された圧力が閾値を超えることができないように選択される。これにより、光放射が外向きに出ないように、押さえ部材6がワークピース25に、所望のように、例えば垂直に配置されているときのみ光源10を作動できることが確実になる。
【0083】
例えば、流路3内の圧力を確認した後、流路38内の流れが再び生じるように、第2の出口および/または排出ラインのポンプの弁が開かれる(図5、矢印参照)。その結果、流体は、入口23から第2のミラー13へ、保護ガラス15へ、第1の凹部32に沿って第2の凹部34へ、凹部36に沿って第2の出口37へと流れ、そして第2の出口37で排出される。その結果、汚染物が、流路38内の流れによって流路38から除去される。
【0084】
例えば、流路38内に流れが形成されるとすぐに、制御ユニットは光源10を作動させる。例えば、ワークピース25は、光源10の光ビームによって加熱され、光ビームの一部分は、特に表面がまだ加熱されていないときには、ワークピース25で反射される。反射された光放射は、第2の凹部34に沿ってビームトラップ14またはビームサンプに進む(図4、矢印L参照)。それによって、追加のビーム防護室なしにビームからの防護が確実になる。
【0085】
例えば、ワークピースでの温度は高温計24によって測定される(図6参照)。高温計24は押さえ部材6に配置され、押さえ部材6には穴39が形成されている。例えば、穴39は、第1の凹部32に対して移動軸線35を中心として90°回転した状態で押さえ部材6に設けられる。穴39を通るワークピースの熱放射は、それによって高温計24に到達することができ、それによって、ワークピース25の温度を、特にワークピースの接合箇所におけるワークピース25の温度を確定することができる。例えば、高温計24は、測定された温度を制御ユニット40に伝達し、到達すべき温度は制御ユニット40に記憶されており、測定値と比較される。制御ユニットは、例えば、異なる材料に対して、到達されることが意図される温度を記憶している。例えば、特定の時間の前に到達すべき温度に到達した場合、光源10の作動は停止される。特定の時間内に到達すべき温度に到達できない場合、接合作業はまず停止される。
【0086】
例えば、特に、光源10のスイッチを切る直前、または光源10のスイッチを切ると同時に、または光源10のスイッチを切った後に、ツールカウンタ要素4の方向への可動ツール7の移動が開始されて、ワークピース25が接合箇所で接合される(図7参照)。例えば、制御ユニット40は、可動ツール7がツールカウンタ要素4の方向の経路上で光源10の光ビームの放射経路の領域に到達したときに、光源10、したがってワークピース25の照光のスイッチが切られているかどうかを確認するように構成される。
【0087】
これによって、光源10の光ビームの照射によって可動ツール7が望ましくなく加熱されるのを防止することが意図される。同様に、接合ツールユニット2における従業員の安全がそれによって確保されることが意図される。しかしながら、制御ユニットが、最初に、光源10、したがってワークピース25の照光のスイッチが切られているかどうかを確認し、光源10のスイッチが切られていることを確認した後にのみ、可動ツール7を移動させることも考えられる。
【0088】
例えば、接合接続の生成中、特に、接合接続を生成する際に生成される汚染物を運び去ることができるように、流路38に流れが連続的に存在する(図5参照)。
【0089】
例えば、可動ツール7は、接合作業の終了後、図4による初期位置に戻される。例えば、第2の出口37がその後閉じられる。押さえ部材6がワークピース25から持ち上げられる前に、光源10のスイッチは切られることが確実になる。光源10のスイッチが入れられると、押さえ部材6がワークピース25から持ち上げられることを確実に防止する。例えば、接合ツールユニット2は、その後、駆動装置8によってワークピース25から、特に押さえ部材6から離される。例えば、流体は、光学ユニットが停止期間中も含めて汚染されないように、入口23を通って凹部33の方向に連続的に流れる。
【符号の説明】
【0090】
1…ツールトングのセット、2…接合ツールユニット、3…ツールブラケット、4…ツールカウンタ要素、5…接続要素、6…押さえ部材、7…ツール、8…駆動ユニット、9…導光システム、10…光源、11…コリメータ、12…ミラー、13…ミラー、14…ビームサンプ、15…保護ガラス、16…挿入位置、17…挿入位置、18…挿入位置、19…挿入位置、20…排出ライン、21…挿入位置、22…挿入位置、23…入口、24…高温計、25…ワークピース、26…調節要素、27…固定要素、28…安全スイッチ、29…接続要素、30…固定手段、31…冷却プレート、32…凹部、33…凹部、34…凹部、35…移動軸線、36…凹部、37…出口、38…流路、39…穴、40…制御ユニット、41…領域、42…ワークピース表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動ツール(7)、ツールカウンタ要素(4)、駆動ユニット(8)、導光システム(9)、光源(10)、および制御ユニット(40)を有する接合ツールユニット(2)であって、前記可動ツール(7)と前記ツールカウンタ要素(4)とが、互いに対向して前記接合ツールユニット(2)に配置され、前記導光システム(9)が、前記接合ツールユニット(2)にワークピース(25)が配置されたとき、前記光源(10)の光を前記ワークピース(25)の接合箇所の方向に導くように構成され、前記可動ツール(7)が、前記駆動ユニット(8)によって前記ツールカウンタ要素(4)の方向に移動することができ、前記接合ツールユニット(2)にワークピース(25)が配置された状態で、前記ワークピース(25)が、前記ツールカウンタ要素(4)の方向への前記可動ツール(7)の前記移動によって接合され、前記制御ユニット(40)が、前記駆動ユニット(8)を制御および/または調節するように構成され、前記制御ユニット(40)が、前記光源(10)および/または前記導光システム(9)の構成要素を制御および/または調節するように構成され、前記接合ツールユニット(2)が、前記ツールカウンタ要素(4)の方向への前記可動ツール(7)の移動が開始され、それと同時に、またはそれから時間的に遅れて、前記光源(10)の前記光による前記接合箇所の照射または照光が終了させられるように構成され、前記制御ユニット(40)が、前記可動ツール(7)が、前記ツールカウンタ要素(4)の方向への移動中に、前記光源(19)の前記光の光ビームの中に入れられることが可能になる前に、前記光源(10)の前記光による前記配置されたワークピース(25)の前記接合箇所の照射または照光が終了させられるように構成される、接合ツールユニット(2)。
【請求項2】
前記接合ツールユニット(2)が押さえ部材(6)を有し、前記押さえ部材(6)が前記導光システム(9)を備え、前記押さえ部材(6)と前記ツールカウンタ要素とが互いに対向して前記接合ツールユニットに設けられることを特徴とする、請求項1に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項3】
前記導光システム(9)が、前記ワークピース(25)が前記接合ツールユニット(2)に配置されているとき、前記光源(10)の前記光の光ビームを、前記可動ツール(7)の移動軸線に対して5°から40°の角度範囲でのみ前記ワークピース(25)の前記接合箇所に照射するように構成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項4】
前記押さえ部材(6)と前記ツールカウンタ要素(4)が互いに対して移動可能に設けられていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項5】
前記接合ツールユニット(2)の前記制御ユニット(40)が、前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始と同時に、または前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始から時間的に遅れて、前記光源(10)の前記光による前記配置されたワークピース(25)の前記接合箇所の照射または照光を終了させるように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項6】
前記接合ツールユニット(2)が、第1のステップで、前記押さえ部材(6)を前記ツールカウンタ要素(4)の方向に移動させ、第2のステップで、ワークピース(25)の前記接合される箇所の照光または照射を開始し、第3のステップで、前記可動ツール(7)の前記移動を開始し、第4のステップで、前記照光または照射を終了させ、第5のステップで、前記押さえ部材(6)を前記ツールカウンタ要素(4)から離すように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)。
【請求項7】
先行する請求項のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)を有し、ツールブラケット(3)を有する、ツールトングのセット(1)。
【請求項8】
先行する請求項1から5のいずれか一項に記載の接合ツールユニット(2)によるワークピース(25)の接合作業であって、
- 加工されることが意図されるワークピース(25)を前記接合ツールユニット(2)に配置するステップと、
- 前記ワークピース(25)の接合される箇所を、前記接合ツールユニット(2)の光源(10)により照光または照射するステップと、
- 前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記接合ツールユニット(2)の可動ツール(7)の移動を開始するステップと、
- 前記ワークピース(25)を接合するために、前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記接合ツールユニット(2)の前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始と同時に、または前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記接合ツールユニット(2)の前記可動ツール(7)の前記移動の前記開始から時間的に遅れて、前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の前記照光または前記照射を終了させるステップであって、前記可動ツール(7)が、前記ツールカウンタ要素(4)の方向への移動中に、前記光源(19)の前記光の光ビームの中に入れられることが可能になる前に、前記照射または前記照光が終了させられる、ステップ
の連続する方法のステップを有する、接合作業。
【請求項9】
以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 前記接合ツールユニット(2)の押さえ部材(6)を、前記接合ツールユニット(2)のツールカウンタ要素(4)の方向に、前記接合ツールユニット(2)の前記光源(10)による前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の前記照光または前記照射の前記開始前の位置まで移動させるステップと、
- 前記押さえ部材(6)を前記位置に保持するステップと、
- 前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の方向への前記可動ツール(7)の移動が開始された後に、前記押さえ部材(6)を前記位置から離すステップと
を有する、請求項7に記載の接合作業。
【請求項10】
以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 前記押さえ部材(6)が前記位置から離される前に、前記可動ツール(7)によって前記ワークピース(25)を接合するステップ
を有する、請求項8に記載の接合作業。
【請求項11】
以下の追加の方法のステップ、すなわち、
- 前記押さえ部材(6)が前記位置から離される前に、前記ワークピース(25)の前記接合される箇所の前記照光または前記照射が終了させられたかどうかを前記接合ツールユニット(2)によって確認するステップ
を有する、請求項8または9に記載の接合作業。
【国際調査報告】