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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電極アセンブリの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508780
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 KR2022016491
(87)【国際公開番号】W WO2023075420
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0143905
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ、タイ ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ラエ セオ
【テーマコード(参考)】
5H028
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB11
5H028BB19
5H028CC01
5H028CC08
(57)【要約】
本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法は、正極、第1分離膜、および負極が順次積層されたユニットセルを、第2分離膜を挟んで二つ以上積層して電極アセンブリを製造する方法であり、前記ユニットセルを積層する前に、当該ユニットセルの下部に配置された下部ユニットセルに含まれる前記正極および前記負極の整列状態を検査する段階、および前記検査の結果、整列状態に不良がある場合、積層しようとする前記ユニットセルの積層位置を補正する段階を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、第1分離膜、および負極が順次積層されたユニットセルを、第2分離膜を挟んで二つ以上積層して電極アセンブリを製造する方法であって、
前記ユニットセルを積層する前に、当該ユニットセルの下部に配置された下部ユニットセルに含まれた前記正極および前記負極の整列状態を検査する段階、および
前記検査の結果、整列状態に不良がある場合、積層しようとする前記ユニットセルの積層位置を補正する段階を含む、電極アセンブリの製造方法。
【請求項2】
前記ユニットセルの積層位置を補正する段階は、
前記下部ユニットセルに含まれた前記負極の一側端部と、前記下部ユニットセルの前記正極の一側端部との間の第1間隔、および前記下部ユニットセルに含まれる前記負極の他側端部と、前記下部ユニットセルの前記正極の他側端部との間の第2間隔を検出する段階、および
前記第1間隔と前記第2間隔のうち、大きさが小さい側に前記積層しようとする前記ユニットセルの積層位置を移動させる段階を含む、請求項1に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項3】
前記ユニットセルの積層位置を移動させる段階終了後、前記ユニットセルの前記負極の前記一側端部および前記他側端部は、それぞれ前記下部ユニットセルの前記第1分離膜の一側端部および他側端部と一致するか、その内側に配置される、請求項2に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項4】
前記整列状態の不良は、前記下部ユニットセルに含まれた前記正極の端部と前記負極の端部との間の間隔が、前記下部ユニットセルの一側および他側で互いに異なる場合である、請求項2に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項5】
前記ユニットセルの積層位置を補正する段階以前の積層位置は、前記下部ユニットセルの中心と前記ユニットセルの中心が一致する位置であり、
前記ユニットセルの積層位置を補正する段階の後に新たに配置される前記ユニットセルは、前記補正する段階の前の積層位置に配置される、請求項2に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項6】
前記下部ユニットセルの中心は、前記下部ユニットセルおよび前記ユニットセルの上部に配置されたレーザ照射部から照射されたレーザによって表示される、請求項5に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項7】
前記下部ユニットセルに含まれた前記正極および前記負極の整列状態を検査する段階は、
前記下部ユニットセルの下部に配置された光源から光を照射する段階、および
前記光によって発生する前記正極および前記負極の陰影を前記下部ユニットセルの上部に配置された検出部で検出し、前記正極の端部と前記負極の端部との間の間隔を導出する段階を含む、請求項1に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項8】
前記下部ユニットセルに含まれた前記正極および前記負極の整列状態を検査する段階は、
前記下部ユニットセルの上部に配置された検出部から前記正極の位置を検出する段階;
前記下部ユニットセルの下部に配置された光源から光を照射して、前記負極の位置を検出する段階;および
前記正極の位置と前記負極の位置を組み合わせて、前記正極の端部と前記負極の端部との間の間隔を導出する段階を含む、請求項1に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項9】
前記第2分離膜は、前記ユニットセルの下部または前記下部ユニットセルの上部に、前記ユニットセルまたは前記下部ユニットセルと一体で形成される、請求項1に記載の電極アセンブリの製造方法。
【請求項10】
前記下部ユニットセルと前記ユニットセルは、一つのセットをなし、前記一つのセットにおいて前記下部ユニットセルと前記ユニットセルとの間に配置される前記第2分離膜は、前記ユニットセルの端部で折り曲げられて、隣り合う他のセットにおいて前記下部ユニットセルと前記ユニットセルとの間に配置される前記第2分離膜と連続して形成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の電極アセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2021年10月26日付韓国特許出願第10-2021-0143905号に基く優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電極アセンブリの製造方法、具体的には電極の整列誤差が発生しても、その影響を最小化することができる電極アセンブリの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料使用の急激な増加により、代替エネルギー、グリーンエネルギーの使用に対する要求が増加し、その一環として最も活発に研究されている分野が電気化学を利用した発電、蓄電分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを利用する電気化学素子の代表的な例として二次電池を挙げることができ、ますますその使用領域が拡大している。
【0005】
近年、携帯用コンピュータ、携帯用電話機、カメラなどの携帯用機器に対する技術開発と需要が増加することに伴い、エネルギー源としての二次電池の需要が急増しており、そのうち高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池について多くの研究が行われており、また商用化されて幅広く使用されている。
【0006】
また、環境問題に対する関心が高まるにつれ、大気汚染の主な原因の一つであるガソリン車両、ディーゼル車両などの化石燃料を使用する車両から代替できる電気自動車、ハイブリッド電気自動車などに対する研究が盛んに行われている。このような電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力源としては、主にニッケル水素金属二次電池が使用されているが、高いエネルギー密度と放電電圧のリチウム二次電池を使用する研究が活発に行われており、一部商品化段階にある。
【0007】
このようなリチウム二次電池は、正極または負極活物質と、バインダー、導電材をスラリー状で集電体にコーティングおよび乾燥して電極合剤層を形成させて正極と負極を製造し、前記正極と前記負極の間に分離膜を介在させ、これをラミネーションした電極アセンブリを電解液と共に電池ケースに内蔵させることによって製造される。
【0008】
また、前記電極アセンブリは、それぞれの構成を積層またはフォールディングする形に製造することもできるが、電極および分離膜を含む電極アセンブリとしてユニットセルを製造し、これを積層またはフォールディングする形で製造することもできる。
【0009】
即ち、一般的には、正極/分離膜/負極の積層構造で構成される積層体(ユニットセル)を製造し、これらのユニットセルを、分離膜を挟んで複数積層して電極アセンブリを製造することができる。このような電極アセンブリの製造方法においては、ユニットセルを配置し、その上に分離膜シートを配置した後、追加のユニットセルを積層したり、またはユニットセルの最上層または最下層を分離膜で構成し、これらを順に積む工程を繰り返して電極アセンブリを形成する。
【0010】
この過程でユニットセル間の整列のために、ユニットセルの中心部の位置を基準にユニットセルを積層する。この時、ユニットセル内に含まれる電極(負極または正極)の位置に誤差が存在する不良ユニットセルが存在する場合、中心部を基準に正しい整列にユニットセルが配置されたとしても、不良ユニットセル内部に存在する電極の整列誤差により、正極と負極間の整列誤差が存在することになり、電極アセンブリの不良率が高くなるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、ユニットセルを積層して電極アセンブリを製造する工程において、ユニットセル内部で電極整列誤差が存在しても、電極アセンブリ全体での整列誤差を最小化することができる電極アセンブリの製造方法を提供することである。
【0012】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれる技術的な思想の範囲で様々に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法は、正極、第1分離膜、および負極が順次積層されたユニットセルを、第2分離膜を挟んで二つ以上積層して電極アセンブリを製造する方法であり、前記ユニットセルを積層する前に、当該ユニットセルの下部に配置された下部ユニットセルに含まれる前記正極および前記負極の整列状態を検査する段階、および前記検査の結果整列状態に不良がある場合、積層しようとする前記ユニットセルの積層位置を補正する段階を含む。
【0014】
前記ユニットセルの積層位置を補正する段階は、前記下部ユニットセルに含まれる前記負極の一側端部と、前記下部ユニットセルの前記正極の一側端部との間の第1間隔および前記下部ユニットセルに含まれる前記負極の他側端部と、前記下部ユニットセルの前記正極の他側端部との間の第2間隔を検出する段階、および前記第1間隔と前記第2間隔のうち、大きさが小さい側に前記積層しようとする前記ユニットセルの積層位置を移動させる段階を含むことができる。
【0015】
前記ユニットセルの積層位置を移動させる段階の終了後、前記ユニットセルの前記負極の前記一側端部および前記他側端部は、各々前記下部ユニットセルの前記第1分離膜の一側端部および他側端部と一致するか、その内側に配置することができる。
【0016】
前記整列状態の不良は、前記下部ユニットセルに含まれる前記正極の端部と前記負極の端部との間の間隔が、前記下部ユニットセルの一側および他側で互いに相異なる場合であってもよい。
【0017】
前記ユニットセルの積層位置を補正する段階以前の積層位置は、前記下部ユニットセルの中心と前記ユニットセルの中心が一致する位置であり、前記ユニットセルの積層位置を補正する段階の後に新たに配置される前記ユニットセルは、前記補正する段階以前の積層位置に配置することができる。
【0018】
前記下部ユニットセルの中心は、前記下部ユニットセルおよび前記ユニットセルの上部に配置されたレーザ照射部から照射されたレーザによって表示することができる。
【0019】
前記下部ユニットセルに含まれる前記正極および前記負極の整列状態を検査する段階は、前記下部ユニットセルの下部に配置された光源から光を照射する段階、および前記光によって発生する前記正極および前記負極の陰影を前記下部ユニットセルの上部に配置された検出部で検出し、前記正極の端部と前記負極の端部との間の間隔を導出する段階を含むことができる。
【0020】
前記下部ユニットセルに含まれる前記正極および前記負極の整列状態を検査する段階は、前記下部ユニットセルの上部に配置された検出部から前記正極の位置を検出する段階、前記下部ユニットセルの下部に配置された光源から光を照射して前記負極の位置を検出する段階、および前記正極の位置と前記負極の位置を組み合わせて、前記正極の端部と前記負極の端部との間の間隔を導出する段階を含むことができる。
【0021】
前記第2分離膜は、前記ユニットセルの下部または前記下部ユニットセルの上部に、前記ユニットセルまたは前記下部ユニットセルと一体に形成することができる。
【0022】
前記下部ユニットセルと前記ユニットセルは、一つのセットを形成し、前記一つのセットにおいて前記下部ユニットセルと前記ユニットセルとの間に配置される前記第2分離膜は、前記ユニットセルの端部で折曲され、隣り合う他のセットにおいて前記下部ユニットセルと前記ユニットセルとの間に配置される前記第2分離膜と連続して形成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例により、ユニットセルを積層して電極アセンブリを製造する工程において、ユニットセル内部で電極整列誤差が存在しても、全体電極アセンブリでの整列誤差を最少化し、不良発生を防止することができる。
【0024】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限定されるものではなく、言及されなかった他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法を示した図面である。
図2】本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法を示した図面である。
図3】本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法を示した図面である。
図4】本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法を示した図面である。
図5】本発明の一実施例で下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法の第1変形例を説明するための図面である。
図6a】本発明の一実施例で下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法の第2変形例を説明するための図面である。
図6b】本発明の一実施例で下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法の第2変形例を説明するための図面である。
図7】本発明の他の実施例による電極アセンブリの製造方法によって得られた電極アセンブリを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の多様な実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、様々な形態に実施することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0027】
本発明を明確に説明するため、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素については同一参照符号を付けるようにする。
【0028】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも示されたものに限定されない。図面から様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して現わした。そして図面において、説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0029】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間に別の部分がないことを意味する。また、基準となる部分「の上に」または「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向けて「の上に」または「上に」位置するのを意味するものではない。
【0030】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象の部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象の部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0032】
以下、本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法に対して図1~6bを参照して説明する。
【0033】
図1図4は、本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法を示した図面であり、図5は、本発明の一実施例における下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法の第1変形例を説明するための図面であり、図6aおよび図6bは、本発明の一実施例における下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法の第2変形例を説明するための図面である。
【0034】
図1図4を参照すると、本発明の一実施例による電極アセンブリの製造方法は、正極と負極が交互に積層され、正極と負極との間に分離膜が位置する電極アセンブリを製造するためのものであり、特に、正極/分離膜/負極の積層構造からなる積層体(ユニットセル)を製造し、これらのユニットセルを、分離膜を挟んで複数積層して得られる電極アセンブリを製造するための方法である。
【0035】
まず、図1に示したように、スタックテーブル100上に分離膜とユニットセルを積層する。本実施例では、特に2回目に積層されたユニットセルを下部ユニットセルとして例示し、当該下部ユニットセルを検査した後、ユニットセルを追加積層することを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、説明する各段階は、毎ユニットセルの積層段階ごとに適用することができる。
【0036】
下部ユニットセル10は、第2分離膜上に順に負極/第1分離膜/正極が積層された形態を有し、ここでは説明の便宜上、後述するユニットセル20に含まれる構成と区分するために、下部ユニットセル10に含まれる構成を下部負極11、下部第1分離膜12、下部正極13と称して説明する。また、しかし、これに限定されたり、各ユニットセルに含まれる構成が互いに相異することはない。また、第2分離膜30は、ユニットセルに含まれない構成で説明したが、これは単に説明の便宜のためのものであり、分離膜/負極/分離膜/正極構造をユニットセルとして定義することができ、特に限定されるものではない。
【0037】
下部ユニットセル10は、下部ユニットセル10の中心が所定の位置に配置されるようにその位置が設定されて積層することができ、例えば、下部ユニットセル10の前に配置されたユニットセルの中心と下部ユニットセル10の中心(C)が一致するように配置することができる。この時、下部ユニットセル10が整列できるように配置される位置は、電極積層体を製造するためのスタックテーブル100上に配置されたレーザ照射部400から照射されたレーザなどによって表示することができる。
【0038】
下部ユニットセル10が積層された後、その上部にユニットセル20を追加積層する前に、下部ユニットセル10に含まれる下部正極13と下部負極11の整列状態を検査する。即ち、図1に示したように、下部正極13と下部負極11の一側端部間の第1間隔(G1)および他側端部間の第2間隔(G2)を測定し、当該値を比較することによって整列状態を確認することができる。この時、下部正極13と下部負極11との間の間隔は、下部正極13と下部負極11の下部から光を照射する光源200と上部に配置された検出部300によって検出することができ、具体的な方法については、図5および図6a、6bを参照して後述する。
【0039】
検出された第1間隔(G1)および第2間隔(G2)が同じ場合、引き続き同じ位置、即ち、レーザによって表示された中心(C)が引き続き積層されるユニットセルの中心と一致するように、同じ位置に引き続き積層を続けることができる。しかし、図1に示したように、下部ユニットセル10において、下部正極13と下部負極11の第1間隔(G1)と第2間隔(G2)が互いに異なり、特に下部正極13がいずれか一方に偏っている場合、これを補正する工程を経る。即ち、一般的に電極アセンブリにおいて、負極は正極に比べて大きい面積を有するため、ユニットセルの製造過程でその配列がずれる場合、図1の下部ユニットセル10のように、下部正極13がいずれか一方に偏り(オーバーハング)が発生し、下部正極13と下部負極11の第1間隔(G1)と第2間隔(G2)がそれぞれ異なることになる。この場合、引き続き積層されるユニットセルの位置補正を行わずにそのまま積層を続けると、下部正極13の偏りによって不良が発生する可能性がある。従って、本具現例では、下部ユニットセル10の積層後、下部ユニットセル10の整列を検出し、整列に偏りがある場合、これに対する補正段階を行う。
【0040】
続いて、図2に示したように、下部ユニットセル10上に積層されるユニットセル20の積層位置を補正する。
【0041】
ユニットセル20は、下部ユニットセル10上に積層されるユニットセルを指すもので、第2分離膜30を挟んで下部ユニットセル10上に積層される。同時にユニットセル20は、下部から順次、負極21、第1分離膜22、正極23を含む。
【0042】
ユニットセル20の積層位置は、先に行われた下部ユニットセル10の整列状態に不良が発生した分だけ調整される。即ち、下部ユニットセル10で下部正極13と下部負極11の第1間隔(G1)と第2間隔(G2)のうち、より小さい値を有する側に整列基準を移動させる。例えば、図2に示したように、図2では左側の第1間隔(G1)の大きさが小さいため、左側に中心(C)を移動させてユニットセル20の中心が第2中心(C')と一致するように積層する。この時、中心(C)を第2中心(C')に移動させる量は、先に検出した第1間隔(G1)および第2間隔(G2)間の差を考慮して、制御部(図示せず)で計算することができる。特に、移動量が過度な場合、かえってオーバーハングの程度がより大きくなる可能性があるため、好ましくは、ユニットセル20に含まれる負極21の両側端部211、212がそれぞれ下部ユニットセル10に含まれる第1分離膜12の対応する端部と一致したり、それよりも内側に配置される範囲内で移動量を制御する。
【0043】
続いて、図3に示したように、ユニットセル20の積層を完了する。
【0044】
積層された状態で、ユニットセル20に含まれる負極21と、下部ユニットセルに含まれる下部正極13の一側端部間における補正第1間隔(G1')および他側端部間における補正第2間隔(G2')の間の差分値は、第1間隔(G1)と第2間隔(G2)の間の差分値より小さくなる。即ち、負極と正極間のずれ値が補正を行う前に比べて小さくない、オーバーハングの程度を緩和することができるようになる。
【0045】
続いて、図4に示したように追加のユニットセル20'を積層する。
【0046】
この時、追加のユニットセル20'の場合、元の最初のユニットセルの積層位置と同じように整列するように積層する。この過程で、基準となる中心(C)の位置は、レーザ照射部400によって同一位置に表示されているため、正確な位置に続いて整列することが可能となる。
【0047】
このような積層方法により、ユニットセル内部で正極と負極の整列状態が不良なセルが含まれていても、当該不良の程度を隣り合うセルに分散させて不良の程度を緩和することができるため、不良セルによる不良リスクを減少させることができる。
【0048】
次に、図5および図6a、6bを参照して、本発明の一実施例における下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法について説明する。
【0049】
図5は、本発明の一実施例における下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法の実施例を説明するための図面であり、図6aおよび図6bは、本発明の一実施例における下部ユニットセルの電極間の間隔を測定する方法の変形例を説明するための図面である。
【0050】
図5は、図1~4において、光源200から光を当てた状態で上部に配置された検出部300から見た下部ユニットセル10を示している。下部ユニットセル10の上部から検出部300、例えばカメラなどによって下部ユニットセル10を検出する場合、最も広い面積を有する第1分離膜12の下部に配置された下部負極11の位置は正確に検出することが困難である。しかし、第1分離膜12は、光に対して半透過性を有するため、下部から光を照射した場合、下部負極11の影が上部から観察され、図5に示したように下部負極11の位置を検出することが可能になる。即ち、図5で点線で表示した部分は、下部負極11の影を示す。従って、下部から光源200から光を当てた状態では、下部負極11の影および下部正極13の境界が全て現れるので、上部に配置された検出部300によって、一度に下部負極11と下部正極13の端部、およびこれらの間の間隔(G1、G2)を検出することが可能である。
【0051】
図6a、6bは、各々図1図4において、光源200から光を当てない状態(図6a)および光源200から強い光を当てた状態(図6b)のそれぞれの状態で、上部に配置された検出部300から見た下部ユニットセル10を示している。図6aのように光を当てない状態では、第1分離膜12によって下部負極11が遮られて下部負極11の位置は検出されないが、下部正極13の位置はより正確に検出することが可能である。また、図6bに示したように、光源200から強い光を当てた場合には、下部負極11の影がより鮮明になり、下部正極13は強い光によってその端部が明確に検出されないため、下部負極11の位置をより正確に検出することが可能である。従って、光源200をオフした状態で下部正極13の位置を検出し、光源200がより強い光を当てた状態で下部負極11の位置をそれぞれ検出し、そこから下部負極11と下部正極13間の間隔(G1、G2)を計算することができる。
【0052】
このように、工程状況および環境に応じて、図5で説明した実施例または図6aおよび図6bで説明した変形例の工程を適切に選択して、下部負極11と下部正極13間の間隔を正確に検出することができる。
【0053】
次に、図7を参照して他の実施例における電極アセンブリの製造方法について説明する。
【0054】
図7は本発明の他の実施例による電極アセンブリの製造方法によって得られた電極アセンブリを示した図面である。
【0055】
他の実施例における製造方法は、単に第2分離膜30の形態だけが異なり、残りの構成は先の実施例と同じであるため、同じ構成に対する説明は省略する。
【0056】
図7に図示したように、ユニットセル(下部ユニットセル10、ユニットセル20)の間に配置された第2分離膜30が分離されて各ユニットセルの一構成として含まれる構成ではなく、全体として一体に形成され、第2分離膜30を折り畳むことによって各ユニットセル間に第2分離膜30が配置されるように形成される。即ち、第2分離膜30をスタックテーブル100上に配置し、その上にユニットセルを配置した後、当該ユニットセルを覆うように第2分離膜30を折り畳み、折り畳まれた状態で下部ユニットセル10を配置する。その後、第2分離膜30を再び反対側に折り畳む前に、下部ユニットセル10内の下部正極13と下部負極11の位置を検出してユニットセル20の積層位置を決定した後、下部ユニットセル10を覆うように第2分離膜30を折り畳む。続いて、決定された積層位置にユニットセル20を配置した後、第2分離膜30がユニットセル20を覆うように折り畳む工程を繰り返して電極アセンブリを完成する。
【0057】
このように第2分離膜30が一体に形成されてスタックとフォールディングを繰りかえす工程においても、ユニットセルに含まれる正極と負極間の整列を検出して不良が存在する場合、隣り合うユニットセルが当該不良、即ち、オーバーハング値を緩和するように積層位置を補正することにより、オーバーハング不良によるリスクを最少化し、不良が抑制された電極積層体を得ることができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、下記の特許請求の範囲に定義されている本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0059】
10 下部ユニットセル
20 ユニットセル
100 スタックテーブル
200 光源
300 検出部
400 レーザ照射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
【国際調査報告】