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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】フェイスマスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240903BHJP
   G10K 11/24 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 E
G10K11/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508910
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 AU2022050889
(87)【国際公開番号】W WO2023015360
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】2021902533
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504348389
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティー オブ メルボルン
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF MELBOURNE
(71)【出願人】
【識別番号】522394960
【氏名又は名称】ウェスタン ヘルス
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100169199
【弁理士】
【氏名又は名称】石本 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ デイビッド ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マクゲイン フォーブス
(72)【発明者】
【氏名】ゲスト マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コレスニク キリル
(72)【発明者】
【氏名】チャプマン デール マクスウェル フレッチャー
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211CA02
3B211CC00
3B211CE03
(57)【要約】
本発明の一態様によれば、フェイスマスクが提供され、前記フェイスマスクは、フレームであって、ユーザーの顔の部分につながる前記フレームの近位端と、環境との気体交換を可能にするように構成された前記フレームの遠位端との間に、前記ユーザーの鼻と口の部分を入れる呼吸室を画定するフレームと、前記フレームの断面部分によって画定されるボーカルガイドであって、弓形の鼻筋部分と、前記鼻筋部分から延びる複数の側壁部分と、前記複数の側壁部分を接続する基底とを備えるガイドとを備え、前記ガイドは、前記フレームを通り抜ける音波の出力周波数応答を変えて前記マスクの使用中の音声明瞭度を向上させるように、各側壁部分の1つ以上の領域に位置する内向きに突出した輪郭で構成される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸室を画定するフレームであって、ユーザーの顔の部分につながる前記フレームの近位端と、環境との気体交換を可能にするように構成された前記フレームの遠位端との間に、前記ユーザーの鼻と口の部分を入れるフレームと、
前記フレームの断面部分によって画定されるボーカルガイドであって、弓形の鼻筋部分と、前記鼻筋部分から延びる複数の側壁部分と、前記複数の側壁部分を接続する基底とを備えるガイドと
を備えるフェイスマスクであって、
前記ガイドが、前記フレームを通り抜ける音波の複数の選択周波数における音響エネルギーを実質的に保持して前記マスクの使用中の音声明瞭度を向上させるように、各側壁部分の1つ以上の領域に位置する輪郭部分で構成される、フェイスマスク。
【請求項2】
前記輪郭部分が、内向きに突出した輪郭である、請求項1に記載のフェイスマスク。
【請求項3】
前記輪郭部分が、外向きに突出した輪郭である、請求項1に記載のフェイスマスク。
【請求項4】
前記輪郭部分が、前記鼻筋部分の領域に位置する、請求項2又は3に記載のフェイスマスク。
【請求項5】
前記輪郭部分が、前記鼻筋部分の領域から前記フレームの前記遠位端に向かって位置する、請求項4に記載のフェイスマスク。
【請求項6】
前記輪郭部分が、フレーム面から約1mmから約2mmの範囲で逸脱している、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項7】
前記輪郭部分が、各側壁部分の相当な表面積を覆う、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項8】
前記輪郭部分が、フレーム面から約1mmから約5mmの範囲、より好ましくは約3.5mm逸脱する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項9】
前記輪郭部分の輪郭のフレーム面からの逸脱の大きさが、前記輪郭の中央領域に向かって徐々に増加する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項10】
前記ガイドが、以下の周波数値、すなわち約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hzのいずれか1つ以上で音波の音圧レベル出力を増加させるように構成される、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項11】
前記ガイドが、前記マスクの音圧レベル出力を、各側壁部分の1つ以上の領域に位置する輪郭部分のないマスクより約1dBから約6dB高い水準に増加させるように構成される、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項12】
前記フレームが、前記フレームの前記近位端に固定された顔面接触シールをさらに備える、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項13】
前記フレームが、前記フレームの前記遠位端に固定されたろ過ユニットをさらに備え、
前記ろ過ユニットが、交換式エアフィルターと、フィルター枠とを備える、請求項1ないし12のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項14】
前記フィルター枠が、2つの堅い貝殻形容器を備え、
前記エアフィルターが、前記2つの堅い貝殻形容器の間に位置する、請求項13に記載のフェイスマスク。
【請求項15】
前記フレームが、1本以上のマスクストラップを受ける複数のクリップをさらに備える、請求項1ないし14のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項16】
前記フレームが、複数部品の組立品で構成される、請求項12ないし15のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項17】
前記フレームが、一体型構造物で構成される、請求項12ないし15のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項18】
前記マスクが、再利用可能な呼吸用マスクである、請求項1ないし17のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項19】
前記ボーカルガイドが、以下の周波数、すなわち約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hzのいずれか1つ以上にわたって約0.2より低い吸音係数を有する材料から作られる、請求項1ないし18のいずれか1項に記載のフェイスマスク。
【請求項20】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のフレーム及びボーカルガイドを備え、前記フレームの近位端に固定可能な顔面接触シールと、前記フレームの遠位端に固定可能なろ過ユニットとをさらに備えるフェイスマスクキット。
【請求項21】
フェイスマスクで用いられるボーカルガイドであって、呼吸室を画定するフレームであって、ユーザーの顔の部分につながる前記フレームの近位端と、環境との気体交換を可能にするように構成された前記フレームの遠位端との間に、前記ユーザーの鼻と口の部分を入れるフレーム、を備え、
前記ボーカルガイドが、前記フレームの断面部分によって画定され、前記ガイドが、弓形の鼻筋部分と、前記鼻筋部分から延びる複数の側壁部分と、前記複数の側壁部分を接続する基底とを備え、
前記ガイドが、前記フレームを通り抜ける音波の複数の選択周波数における音響エネルギーを実質的に保持して前記マスクの使用中の音声明瞭度を向上させるように、各側壁部分の1つ以上の領域に位置する輪郭部分で構成される、ボーカルガイド。
【請求項22】
前記輪郭部分が、内向きに突出した輪郭である、請求項21に記載のボーカルガイド。
【請求項23】
前記輪郭部分が、外向きに突出した輪郭である、請求項21に記載のフェイスマスク。
【請求項24】
前記輪郭部分が、前記鼻筋部分の領域に位置した、請求項21ないし23のいずれか1項に記載のボーカルガイド。
【請求項25】
前記ボーカルガイドが、以下の周波数、すなわち約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hzのいずれか1つ以上にわたって約0.2より低い吸音係数を有する材料から作られる、請求項21ないし24のいずれか1項に記載のボーカルガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護用フェイスマスク、特に、音声明瞭度特性を強化された再利用可能な呼吸用のフェイスマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
フェイスマスクの利用は、感染症のまん延に対する防護などの理由から、社会の各所でますます一般的になってきている。防護マスクは、概して、単純な一体型の布マスクから、交換式エアフィルター付きのより高度な呼吸用マスクまで多岐にわたる。機能性、快適性、及び審美性に応じてさまざまな防護マスクを入手することができるが、マスクデザインにつきものの根本的な問題の1つは、音響伝搬に関する従来のマスクの固有の限界にまつわるものである。
【0003】
従来のマスクに用いられる材料の層はマスクを通る音響エネルギー、ひいては音声の伝達を直接的に妨げるものであり、これは特にマスクとユーザーの顔の間を密閉するマスクデザインにおいて著しい。この結果、しばしば音響出力の鮮明度と音量が低減し、そのようなマスクを使う人の音声明瞭度に悪影響を及ぼしかねない。この音響障害の作用は、例えば典型的な背景騒音レベルが75dB超に達することのある病院のような、背景騒音の多い環境によって悪化する可能性がある。さらに、快適さのためにマスク用に選ばれるシリコン材料やエラストマー材料は吸音特性を有する場合があり、これによって音声明瞭度がさらに低下する恐れがある。
【0004】
マスク内にアクティブ・マイク・スピーカー・システムを内蔵したり、マスクに薄いダイアフラム又はメンブレンを組み込んだりすることによって、貧弱な音響伝送に関連する問題の低減又は緩和を目指すマスクデザインもある。しかしながら、これらのアプローチは、製造コストがかさむので理想的ではない。さらに、そのような埋め込みシステムや可動部品は、破損や、異物混入、気流の漏れ、部品不良の影響を受けやすい。また、前述のシステムを用いた高価で複雑なマスクは、これらのマスクの信頼性や、適用性、採用を制限し、デバイスが故障/破損することによる多大な経済的浪費をもたらす。
【0005】
そのため、ユーザーに十分な防護を提供しつつ従来のマスクより音声明瞭度を改善する解決策が必要である。解決策は、理想的には、手入れや洗浄のしやすい再利用可能なマスクに適用できるべきであり、製造費用が高くないことが望ましい。
【0006】
本出願人は、フェイスマスクであって、その好適な実施形態において、上記で明確にされた問題を少なくとも部分的に軽減したり有用な選択肢を公衆に与えたりしようとするフェイスマスク、を提供することが有益であろうと判断した。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様によれば、フェイスマスクが提供され、前記フェイスマスクは、フレームであって、ユーザーの顔の部分につながる前記フレームの近位端と、環境との気体交換を可能にするように構成された前記フレームの遠位端との間に、前記ユーザーの鼻と口の部分を入れる呼吸室を画定するフレームと、前記フレームの断面部分によって画定されるボーカルガイドであって、弓形の鼻筋部分と、前記鼻筋部分から延びる複数の側壁部分と、前記複数の側壁部分を接続する基底とを備えるガイドとを備え、前記ガイドは、前記フレームを通り抜ける音波の出力周波数応答を変えて前記マスクの使用中の音声明瞭度を向上させるように、各側壁部分の1つ以上の領域に位置する内向きに突出した輪郭で構成される。
【0008】
好ましくは、前記ガイドが、前記鼻筋部分の領域に位置する外向きに突出した輪郭で構成される。
【0009】
好ましくは、前記外向きに突出した輪郭が、前記鼻筋部分の領域から前記フレームの前記遠位端に向かって位置する。
【0010】
好ましくは、前記外向きに突出した輪郭が、フレーム面から約1mmから約2mmの範囲で逸脱している。
【0011】
好ましくは、前記内向きに突出した輪郭の領域が、各側壁部分の相当な表面積を覆う。
【0012】
好ましくは、前記内向きに突出した輪郭が、フレーム面から約1mmから約5mmの範囲、より好ましくは約3.5mm逸脱している。
【0013】
好ましくは、前記輪郭の、フレーム面からの逸脱の大きさが、前記輪郭の中央領域に向かって徐々に増加する。
【0014】
好ましくは、前記ガイドが、以下の周波数値、すなわち1kHz、2kHz、4kHz、5kHz、及び8kHzのいずれか1つ以上で音波の音圧レベル出力を増加させるように構成される。
【0015】
好ましくは、前記ガイドが、前記マスクの音圧レベル出力を、各側壁部分の1つ以上の領域に位置する内向きに突出した輪郭のないマスクより約1dBから約6dB高い水準に増加させるように構成される。
【0016】
好ましくは、前記フレームが、前記フレームの前記近位端に固定された顔面接触シールをさらに備える。
【0017】
好ましくは、前記フレームが、前記フレームの前記遠位端に固定されたろ過ユニットをさらに備え、前記ろ過ユニットが、交換式エアフィルターと、フィルター枠とを備える。
【0018】
好ましくは、前記フィルター枠が、2つの堅い貝殻形容器を備え、前記エアフィルターが、前記2つの堅い貝殻形容器の間に位置する。
【0019】
好ましくは、前記フレームが、1本以上のマスクストラップを受ける複数のクリップをさらに備える。
【0020】
好ましくは、前記フレームが、複数部品の組立品で構成される。
【0021】
あるいは、前記フレームが、一体型構造物で構成される。
【0022】
好ましくは、前記マスクが、再利用可能な呼吸用マスクである。
【0023】
好ましくは、前記ボーカルガイドが、以下の周波数、すなわち約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hzのいずれか1つ以上にわたって約0.2より低い吸音係数を有する材料から作られる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、上記のフレーム及びボーカルガイドを備え、前記フレームの近位端に固定可能な顔面接触シールと、前記フレームの遠位端に固定可能なろ過ユニットとをさらに備えるフェイスマスクキットが提供される。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、フェイスマスクで用いられるボーカルガイドが提供され、呼吸室を画定するフレームであって、ユーザーの顔の部分につながる前記フレームの近位端と、環境との気体交換を可能にするように構成された前記フレームの遠位端との間に、前記ユーザーの鼻と口の部分を入れるフレームを備え、前記ボーカルガイドは、前記フレームの断面部分によって画定され、前記ガイドは、弓形の鼻筋部分と、前記鼻筋部分から延びる複数の側壁部分と、前記複数の側壁部分を接続する基底とを備え、前記ガイドは、前記フレームを通り抜ける音波の出力周波数応答を変えて前記マスクの使用中の音声明瞭度を向上させるように、各側壁部分の1つ以上の領域に位置する内向きに突出した輪郭で構成される。
【0026】
本発明のさらなる態様及び前各段落に記載された態様のさらなる実施形態については、以下の説明から明らかになるであろう。
【0027】
本発明の各好適な実施形態において、フェイスマスクの各部品は互いに組み合わせて用いられるものとして後述されるが、当業者には当然のことながら、本発明のいくつかの態様は、本発明の1つ以上の実施形態の間で交換可能に用いられるのに同様に適しており、及び/又は本明細書に記載されていない他のフェイスマスク及び組立品に個別に組み込まれ得る独立した発明として用いられるのに適している。
【0028】
「約」又は「およそ」という言葉は、品質、レベル、値、数、周波数、百分率、寸法、位置、大きさ、量、重さ、又は長さについての明記された基準点に関して用いられる場合、その基準点が変化し得ること、及び基準点の両側の近接した特性をその用語が包含してよいことを示すものと理解されてよい。いくつかの実施形態において、「約」という言葉は、基準点が30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1パーセント変化し得ることを示す場合がある。
【0029】
本明細書において用いられる「実質的に」という言葉は、その修飾対象の用語があまりに厳密に読まれるべきではなく、その言葉が本特許権者の目的にとって「十分に」「ほとんど」又は「十分近い」という意味を持ち得る、という意図を示すためだけに用いられる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下、添付の図面を参照し、単なる非限定的な例として、本発明を説明する。
図1図1は、本発明の例示的な実施形態によるフェイスマスクの正面斜視図である。
図2図2は、図1のフェイスマスクの背面斜視図である。
図3図3は、図1のフェイスマスクのフレームのサブコンポーネント同士の関係を示す分解図である。
図4図4A~4Fは、図1のフェイスマスクのボーカルガイド部分の一組の断面図を示す図である。
図5図5A~5Dは、フェイスマスクのボーカルガイド部分を、ガイド部分の領域の輪郭の変化をヒートマップ形式で表示した図である。
図6図6A及び6Bは、2つのボーカルガイド部分の比較を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態によるフェイスマスクの相対的な音量性能を示すチャートを示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態によるフェイスマスクの主要な周波数値における実験性能及びシミュレーション性能を示すチャートである。
図9図9は、本発明の別の実施形態によるフェイスマスクの正面斜視図である。
図10図10は、図9のフェイスマスクの背面斜視図である。
図11図11は、図9のフェイスマスクのフレームのサブコンポーネント同士の関係を示す分解側面図である。
図12図12は、図9のフェイスマスクの分解背面斜視図である。
図13図13は、図9のフェイスマスクのボーカルガイド部分の正面斜視図である。
図14図14は、図9のフェイスマスクのボーカルガイド部分の背面斜視図である。
図15図15は、ユーザーの顔の典型的な使用位置に取り付けられた状態の本発明の実施形態によるフェイスマスク組立品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1~3は本発明の例示的な実施形態を示す図であり、再利用可能な呼吸用のフェイスマスク100が、使用中にユーザーの顔102につながるフレーム200を備え、フレーム200が、ユーザーの口とユーザーの鼻の少なくとも一部分とを入れるように構成された呼吸室120を画定している。ここでは本発明の好適な実施形態に用いられるものとして再利用可能な呼吸用フェイスマスクデザインを示しているが、当然のことながら、本発明は、それら実施形態について示され、又は説明されるマスクデザインの型に限定されないし、本明細書で説明されない他のマスクデザインで用いられるのに適している場合もある。
【0032】
本好適な実施形態において、呼吸室120を画定するフレーム200は、ユーザーの顔につながる顔面接触シール220、ボーカルガイド210部分、交換式フィルター230、フィルター枠240などの、いくつかのサブコンポーネントから組み立てられる。これらの部品は、好ましくは締まりばめ又は摩擦嵌合によって、順に互いに固定できるように設計されて、一体型/組立型のフレーム本体200が得られるようになっている。フレーム本体200は、フェイスマスク100をユーザーの顔に取り付けるための1本以上のマスクストラップ(不図示)を受けたり取り付けたりする、クリップ300のような締結手段が1つ又は複数のサブコンポーネントに備わる。いくつかの代替構成では、フレーム本体200の全体は、一体型構造物であってよい。他の構成では、マスクフレーム200は、呼吸室120及び顔面接触シール220のみを備える。
【0033】
フレーム200は、使用中にユーザーに近い端部である近位端202と、呼吸室120と周囲環境との間の空気の流れを可能にするように設計された遠位端204とを有する。フレーム200がサブコンポーネントで組み立てられる実施形態では、顔面接触シール220が、摩擦接続部219を介してフレーム200の近位端202に固定され、交換式フィルター230とフィルター枠240とを備えるろ過ユニットが、接続ポイント211を介してフレーム200の遠位端204に固定される。顔面接触シール220は、典型的には、ユーザーの顔102に接触し、確実にシールして呼吸室120からの気体流の漏れを最小限にするための、シリコン材料又はエラストマー材料から作られた快適な/柔らかい接触部分222又はクッションの役割を果たす。
【0034】
ろ過ユニットは、呼吸室120と周囲環境との間の気流をろ過する機能を提供し、交換式フィルター230は、本発明の好適な実施形態において、フェイスマスク100に再利用可能性を与えてマスク100の寿命を延ばすために用いられる。一実施形態において、交換式フィルター230は、フレーム200の遠位端204において、例えば、フレーム200の突起302に対する接続ポイント242、244によって固定され、フィルター枠240が、交換式フィルター230を覆うように取り付けられてそれを所定位置に固定して、使用時に呼吸室120を出入りする気流だけが交換式フィルター230を通されるようになっている。フィルター枠240には、気流の通路を保ち交換式フィルター230を所定位置に保持するためのグリル246又はリブを備えることができる。当業者に知られているさまざまな種類のろ過ユニット及び交換式フィルター230が、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、説明されたようにフェイスマスク100で好適に用いられてよい。一実施形態において、交換式フィルター230を収容するフィルター枠240は、2つの堅い貝殻形容器の形状であり、貝殻形容器の間に交換式フィルター230を受け、又は位置させるようになっている。本明細書で用いられる気流及び気体交換という用語は、呼吸可能な空気又はフェイスマスクをつけている時にユーザーが呼吸するのに適した気体濃度を指す。
【0035】
本好適な実施形態において、フェイスマスク100は、フレーム200の一部として画定されるボーカルガイド210部分を備える。具体的には、ボーカルガイド210部分は、フレームの断面部分として、より詳細には、呼吸室120内部の音波の運動に対して実質的な影響を有するフレーム200の部分として画定される。当然のことながら、ボーカルガイド210部分は、フレーム200の部分的な断面であってよい。図5A~5Dを参照すると、本好適な実施形態において、ボーカルガイド210部分は、弓形の鼻筋部分212と、鼻筋部分212から下向きに延びる複数の側壁部分214と、前記複数の側壁部分214を接続する基底216とを備える。
【0036】
本発明者らは、ボーカルガイド210部分の幾何学的形状を変更することによって、呼吸室120からフェイスマスク100のろ過ユニットを通り抜ける音波の周波数応答性能を向上させられることを発見した。下記のように、ボーカルガイド210部分の特定の形状を変えることにより、音声明瞭度にとって重要な選択周波数(発声音を伝えることが知られている周波数で、例えば約1000Hzから約3000Hzの周波数範囲)を実質的に保持又は強化することができるので、ボーカルガイド210を組み込んだフェイスマスクは、ボーカルガイド210部分を変えていない(すなわち、ボーカルガイド210の内面の輪郭が素のフレーム面からの局所的な幾何学的に逸脱していない)マスクよりも高い音声明瞭度スコアを達成することが観察されている。音声明瞭度を測定する1つの方法は、音声明瞭度指数(Speech Intelligibility Index、SII)であり、別の既知の測定法は、アーティキュレーション指数(Articulation Index、AI)である。具体的には、図4~6を参照すると、ボーカルガイド210の壁の内面の輪郭の局所的な幾何学的逸脱である1つ以上の輪郭部分212A、214Aを加えることにより、フレーム200を通り抜ける音波の出力周波数応答を変えて、(例えばSII値で測定される)フェイスマスクの音声明瞭度を向上させられることが観察されている。輪郭部分212A、214Aの非限定的な例としては、(1)ボーカルガイド210部分の鼻筋部分の領域に局所的な外向きに突出した輪郭を加えること、及び/又は(2)ボーカルガイド210部分の各側壁部分の1つ以上の領域に局所的な内向きに突出した輪郭を加えることなどがあり得る。当然のことながら、輪郭部分212A、214Aは、大部分がボーカルガイド210から外向きに突出、もしくはボーカルガイド210へと内向きに突出してもよく、又は両方の組み合わせでもよい。あるいは、輪郭部分212A、214Aは、ボーカルガイド210の内側形状だけを変えるように構成して、目に見える輪郭又は変化がボーカルガイド210の外側面に現れないようにしてもよい。
【0037】
ボーカルガイド210を通した時に実質的に保持及び/又は強化する周波数の選択範囲は、以下の非限定的な周波数又は周波数範囲、すなわち約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hzを含む。好適な実施形態において、選択周波数/周波数範囲を保持するとは、ボーカルガイド210及びマスクフレーム200を通り抜けるそれらの選択周波数の音響エネルギーがより大きくなるようにすること ―例えば、音響エネルギーが損失なしにマスクフレーム200を通り抜けられるようにすること― を意味する。選択周波数/周波数範囲を強化するとは、ボーカルガイド210及びマスクフレーム200を通り抜けるそれらの選択周波数の音響エネルギーを増幅することを意味する。
【0038】
図5A~5Dは、本発明の好適な実施形態による幾何学的変化の位置及び程度を示す図であり、具体的には、変えられた領域の局所的な表面形状が、変えられた素のフレーム面と比較して高くなったり低くなったりするように外向き及び内向きの突出の程度が変化するボーカルガイド210部分の輪郭断面を示す図である。図4A~4Fは、ボーカルガイド210部分の表面の輪郭の変化を示すためにフレーム200のボーカルガイド210部分の長手方向の断面を示す図である。当然のことながら、局所的な内向き又は外向きに突出した輪郭は、ボーカルガイド210の内壁に形成又は配置されてよく、そのような輪郭は、実施形態によっては、ボーカルガイド210の外壁には目視又は観察できない場合がある。なお、本明細書で用いられる局所的な内向き又は外向きに突出した輪郭とは、(鼻を収めるための、マスク形状の標準的な隆起のような)ユーザーの一般的な顔の特徴に対応するマスクの基準形状に加えてマスクに組み込まれた、マスクのボーカルガイド210部分の表面形状に加えられた変化(表面の凹凸)を指す。
【0039】
図6Aは、表面の輪郭にフレーム200の素の形状からの局所的な逸脱がない、変えられていない形状を持つボーカルガイド210部分を示す図であり、図6Bは、周波数応答向上のために形状を変えられたボーカルガイド210部分を示す図である。具体的には、図6Bに示された実施形態は、弓形の鼻筋部分212の最も上の領域に位置する外向きに突出した輪郭部分212Aを有しており、変えられた領域の輪郭がその領域から外向きに高くなっている。さらに具体的には、外向きに突出した輪郭は、素の/平均的なフレーム面から約1mmから約2mmの範囲で逸脱して(高くなって)いる。また、本好適な実施形態によれば、外向きに突出した輪郭部分212Aは、フレーム200の遠位端に向かう弓形の鼻筋212の最も上の領域の端に位置する。さらに、図5C、5D、及び6Bに示された本実施形態は、変えられた領域の輪郭が呼吸室120に向かって内向きに実質的にへこむようにボーカルガイド210部分の側壁部分214に配置された、内向きに突出した輪郭部分214Aを示す。具体的には、内向きに突出した輪郭部分214Aは、素の/平均的なフレーム面から1mmから3.5mmの範囲で逸脱している(表面の輪郭を押し下げている)。実施形態によっては、この逸脱は約5mmに達する場合もある。本好適な実施形態では、内向きに突出した輪郭の領域は、例えば図5Cに見られるように、それぞれの側壁部分214の相当な表面積を覆う。
【0040】
フレーム200のボーカルガイド210部分の変えられた表面輪郭領域212A、214Aは、素の/平均的なフレーム面からの逸脱の程度が変化してもよく、本好適な実施形態では、逸脱の程度/大きさは、変えられた輪郭領域の中央領域に向かって徐々に増加する。当然のことながら、上記の寸法は、本発明のいくつかの実施形態の非限定的な例として与えられており、ボーカルガイド210部分の変えられた表面輪郭領域212A、214Aの逸脱の程度は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実験を経てマスクフレーム200の構成により変化してよい。
【0041】
フレーム200のボーカルガイド210部分の幾何学的な表面輪郭領域212A、214Aを変えると、フレーム200内の音響エネルギーを効果的に集中かつ方向付けることによって、さまざまな発声音の周波数の音波出力の周波数応答の向上につながることが観察されている ―これらはすべて、高価なアクティブスピーカー又はマスクフレーム200に問題のあるメンブレン挿入を必要とせずに行われる。フレーム200のボーカルガイド210部分の形状を上述したように変化させることは、図7及び8に見られるように、(音声に関連する)主要な音の周波数にわたって出力の音圧レベルを増加させて音の知覚鮮明度を向上させるのに効果的である。いくつかの構成では、上記のように変えられたボーカルガイド210部分を有するマスク100は、変えられていないマスクフレーム200又は従来の使い捨てn95フェイスマスクと比較して、以下の非限定的な周波数値/範囲、すなわち約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hzの1つ以上で音圧レベル出力を増加させることが可能である。いくつかの実施形態では、マスク100の音圧レベル出力を約1dBから約6dB高い水準に増加させる場合がある。さらに、上述のような変えられたボーカルガイド210部分を持つマスクフレーム200は、(ボーカルガイドの変更がない対照マスクと比較して)所定のユーザー環境での使用中にSII値0.5以上を出力するように構成され得ることも観察されており、これは、変えられていないボーカルガイド210部分を持つマスク100のSII値0.45と比較して、音声明瞭度の有意な向上を示すものである。SII値0.45~0.5は、単純なメッセージしか伝えられないレベルと複雑な指示を理解できるレベルの間の閾値として一般に推奨される値である。
【0042】
図9~14は、本発明によるフェイスマスク100のさらなる実施形態を示す図である。図15は、このさらなる実施形態の組み立て済みフェイスマスク100がユーザーの顔102の典型的な使用位置に取り付けられた状態を示す図である。このフェイスマスク100は、2つのボーカルガイド部210A、210Bを持つ呼吸室120を画定するマスクフレーム200を備える。フレーム200のボーカルガイド部は、同様に接続ポイント211、219に配置され、近位端202において顔面接触シール220と結合し、遠位端204において交換式フィルター230及びフィルター枠240と結合する。この実施形態は、使用中のマスクフレーム200とユーザーの顔とのシール接続を向上させるために顎接触部224が導入された顔面接触シール220の違いなど、いくつかの点で上記の実施形態と異なっている。顔面接触シール220には、フェイスマスク100をユーザーに取り付けるためのマスクストラップ(不図示)を受ける回転クリップ310が備えられている。
【0043】
また、フレーム部分210Aは、本実施形態では堅い中間的なフレーム部品でもあり、フレーム部210Aの両側にある押すと解放される付勢接続部を介して堅いフィルター枠240につながるという第2の役割を果たす。フレーム部210A及びフィルター枠240にはいずれもグリル246又はリブが備えられ、呼吸室120と周囲環境との間の気流を確保するとともに交換式フィルター230を所定位置に保つ。フレーム部210Aとフィルター枠240は、外してフィルター230の交換作業ができる。このさらなる実施形態において、顔面接触シール220は、摩擦嵌合固定手段242を用いて堅いフィルター枠240に直接固定可能であり、これにより、組み立てられたマスクフレーム200が所定位置に保持される。上述したこの配置により、組み立てやすく、サブコンポーネントを確実に保持し、フィルター230の交換作業に好都合な小型のフレーム組立品200が得られて有利である。
【0044】
図9~14に示される実施形態のボーカルガイド部210A、210Bは、弓形の鼻筋部分212と、鼻筋部分212の下に延びる2つの側壁部分214と、側壁部分214を接合する基底216とを備える。ボーカルガイド部210A、210Bは、マスクのSII値を向上させるために、上記原理で説明したようにガイド部の幾何学的輪郭部分を変えることによって、同様に変更することができる。
【0045】
当然のことながら、実施形態によっては、ボーカルガイド210部分の外向き及び内向きに突出した輪郭の位置と、対応する逸脱値の大きさとの決定とを、実験によって、又は計算アルゴリズムとシミュレーションを用いることによって、導出したり決定したりしてよい。ボーカルガイド210の形状の値を決定する方法の1つは、SIIに基づき、マスクフレーム100の空間的な位置関係(topology)を考慮しつついくつかの音の周波数について最適化して、音響エネルギーの伝達を最大化することである。例えば、重み付け多周波数帯域最適化を行う数値ルーチンを幾何学的境界条件のさまざまな制約について用いて、マスクフレーム200からの音響エネルギーを受動的に集束させて誘導することができる。フレーム200のボーカルガイド210部分の形状の値は、例えば、個々の周波数帯域における音対雑音比の重み付け寄与を用いたSIIによって求めることができる。SIIは、1/3オクターブ中心周波数(約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hz)に関する帯域可聴性関数(Band audibility function)の和として計算できる。
【0046】
フェイスマスク100はいくつかのサブコンポーネントによって形成されるフレーム200を有すると説明したが、本発明の範囲は、上記のサブコンポーネント全てがユーザー組み立て用に提供されるフェイスマスクキットも含む。これは、以下の部品、すなわち上述のフレーム200及びボーカルガイド210、並びにフレーム200の近位端202に固定可能な顔面接触シール220及びフレーム200の遠位端204に固定可能なろ過ユニット、を有するフェイスマスクを含む。好適な実施形態において、フレーム200のボーカルガイド210部分は、好適に低い音響減衰特性を有する(プラスチックのような)堅い材料で作られる。そのような実施形態では、フレーム200のボーカルガイド210部分の内面の相当な部分が、比較的低い吸音係数を有する。ボーカルガイド210の内面に用いられる材料の1/3オクターブ中心周波数(約160Hz、約200Hz、約250Hz、約315Hz、約400Hz、約500Hz、約630Hz、約1,000Hz、約1,250Hz、約1,600Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,150Hz、約4,000Hz、約5,000Hz、約6,300Hz、及び約8,000Hz)のいずれか1つ以上にわたる好適な吸音係数の非限定的な範囲としては、約0.6未満、約0.5未満、約0.4未満、約0.3未満、約0.2未満、約0.1未満、及び約0.05未満が含まれる。つまり、上記のようなボーカルガイド210を組み込んだフェイスマスクの好適な実施形態では、上記の選択周波数の1つ以上、特に音声情報を主に伝える周波数において、ボーカルガイド210を通り抜ける音響エネルギーを保持及び/又は強化する能力が向上している。
【0047】
本発明の態様によるフェイスマスク100は、本明細書に具体的に述べられていない材料を含むマスクの構造に適したあらゆる材料で作ることができる。適した材料は、3Dプリントによる部品製造用の材料などであってもよい。
【0048】
この実施形態の説明及び図面では、対応する特徴を指して参照するために、第1の実施形態について用いられたのと同じ参照番号が用いられている。
【0049】
以上、本発明のさまざまな実施形態について説明したが、当然のことながら、それらは例としてのみ示されたのであって、限定のために示されたのではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの形状及び詳細をさまざまに変化させ得ることは、当業者にとって明らかであろう。従って、本発明は、上記の代表的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0050】
本明細書及び後に続く請求の範囲の全体を通して、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、「備える」という言葉、ならびに「備え」及び「構成され」のような変化形は、示された整数もしくはステップ又は整数群もしくはステップ群を包含することを含意し、その他の整数もしくはステップ又は整数群もしくはステップ群を除外することを含意しない、と理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】