(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電池セル、電池及び電気装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/50 20210101AFI20240903BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240903BHJP
【FI】
H01M50/50 201Z
H01M50/548 101
H01M50/209
H01M50/531
H01M50/55 101
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/505
H01M50/503
H01M50/533
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509035
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2022143175
(87)【国際公開番号】W WO2023160229
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202220401018.2
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】林▲ドン▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼新祥
(72)【発明者】
【氏名】黄守君
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼于▲煉▼
(72)【発明者】
【氏名】王▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】金▲海▼族
【テーマコード(参考)】
5H011
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA05
5H011CC02
5H011CC06
5H040AA01
5H040AS04
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT01
5H040AT03
5H040AY03
5H040AY05
5H040DD03
5H043AA05
5H043BA02
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA02
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA07
5H043CA08
5H043CA12
5H043FA04
(57)【要約】
本願は、電池セル、電池及び電気装置を提供し、電池セルは、ケース、第1のセルコア及び第2のセルコアを含み、第1のセルコアは、ケースの内部に設けられ、第1のセルコアは、第1の本体部、第1の本体部の第1の側面から延出する第1の電極引き出し部品及び第1の本体部の第2の側面から延出する第2の電極引き出し部品を含み、第1の側面と第2の側面は、対向配置され、第2のセルコアは、ケースの内部に設けられ、第2のセルコアは、第2の本体部、第2の本体部の第3の側面から延出する第3の電極引き出し部品及び第2の本体部の第4の側面から延出する第4の電極引き出し部品を含み、第3の側面と第4の側面は、対向配置され、そのうち、第1のセルコアと第2のセルコアは、第1の方向に沿って配置され、かつ第1の側面と第3の側面は、隣接し、かつ対向配置され、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品は、電気的に接続されている。本願は、ケース内部構造の配置を最適化することにより、電池セルの体積を低減することに有利である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース(1)、
前記ケース(1)の内部に設けられる第1のセルコア(2)であって、前記第1のセルコア(2)は、第1の本体部(21)、前記第1の本体部(21)の第1の側面(S1)から延出する第1の電極引き出し部品(2a)及び前記第1の本体部(21)の第2の側面(S2)から延出する第2の電極引き出し部品(2b)を含み、前記第1の側面(S1)と前記第2の側面(S2)が対向配置されている第1のセルコア(2)、及び、
前記ケース(1)の内部に設けられる第2のセルコア(3)であって、前記第2のセルコア(3)は、第2の本体部(31)、前記第2の本体部(31)の第3の側面(S3)から延出する第3の電極引き出し部品(3a)及び前記第2の本体部(31)の第4の側面(S4)から延出する第4の電極引き出し部品(3b)を含み、前記第3の側面(S3)と前記第4の側面(S4)が対向配置されている第2のセルコア(3)、
を含む電池セルであって、
そのうち、前記第1のセルコア(2)と前記第2のセルコア(3)は、第1の方向(x)に沿って配置され、かつ前記第1の側面(S1)と前記第3の側面(S3)は隣接し、かつ対向配置され、前記第1の電極引き出し部品(2a)と前記第3の電極引き出し部品(3a)は、電気的に接続される、電池セル。
【請求項2】
前記第1の電極引き出し部品(2a)は、第1の正極タブ(22)と第1の負極タブ(23)を含み、前記第3の電極引き出し部品(3a)は、第2の正極タブ(32)と第2の負極タブ(33)を含み、前記第1の正極タブ(22)と前記第2の正極タブ(32)は、電気的に接続され、前記第1の負極タブ(23)と前記第2の負極タブ(33)は、電気的に接続される請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記第2の電極引き出し部品(2b)は、第3のタブ(24)を含み、前記第4の電極引き出し部品(3b)は、第4のタブ(34)を含み、前記第3のタブ(24)は、前記第4のタブ(34)と反対の極性を有する、請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
第1の極柱(61)と第2の極柱(71)をさらに含み、前記第1の極柱(61)は、前記第3のタブ(24)に電気的に接続され、前記第2の極柱(71)は、前記第4のタブ(34)に電気的に接続される、請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
第1の蓋板(4)と第2の蓋板(5)をさらに含み、前記ケース(1)には前記第1の方向(x)に沿って対向配置される第1の開口(11)と第2の開口(12)が設けられており、前記第1の蓋板(4)と前記第2の蓋板(5)は、それぞれ前記第1の開口(11)と前記第2の開口(12)に封止され、前記第1の極柱(61)は、前記第1の蓋板(4)に設けられ、前記第2の極柱(71)は、前記第2の蓋板(5)に設けられる、請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第1の本体部(21)は、第1の正極シート、第1の負極シート及び第1のセパレーターを含み、前記第1の正極シートと前記第1の負極シートは、捲回または積層されて前記第1の本体部(21)を形成し、前記第1のセパレーターは前記第1の正極シートと前記第1の負極シートの間に設けられ、前記第1の正極シートの第1の端は、前記第1の本体部(21)の第2の側面(S2)から延出して前記第3のタブ(24)を形成し、前記第1の負極シートの第1の端は、前記第1の本体部(21)の第3の側面(S3)に面一となっており、或いは、前記第1の負極シートの第1の端は、前記第1の本体部(21)の第3の側面(S3)から延出して前記第3のタブ(24)を形成し、前記第1の正極シートの第1の端は、前記第1の本体部(21)の第3の側面(S3)に面一となっており、及び/又は、
前記第2の本体部(31)は、第2の正極シート、第2の負極シート及び第2のセパレーターを含み、前記第2の正極シートと前記第2の負極シートは、捲回または積層されて前記第2の本体部(31)を形成し、前記第2のセパレーターは、前記第2の正極シートと前記第2の負極シートの間に設けられ、前記第2の正極シートの第1の端は、前記第2の本体部(31)の第4の側面(S4)から延出して前記第4のタブ(34)を形成し、前記第2の負極シートの第1の端は、前記第2の本体部(31)の第4の側面(S4)に面一となっており、或いは、前記第2の負極シートの第1の端は、前記第2の本体部(31)の第4の側面(S4)から延出して前記第4のタブ(34)を形成し、前記第2の正極シートの第1の端は、前記第2の本体部(31)の第4の側面(S4)に面一となっている、請求項3~5のいずれの1項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記第2の電極引き出し部品(2b)は、第3の正極タブ(25)と第3の負極タブ(26)を含み、前記第4の電極引き出し部品(3b)は、第4の正極タブ(35)と第4の負極タブ(36)を含む、請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項8】
第1の極柱(61)、第2の極柱(71)、第3の極柱(62)及び第4の極柱(72)をさらに含み、前記第1の極柱(61)は、前記第3の正極タブ(25)に電気的に接続され、前記第3の極柱(62)は、前記第3の負極タブ(26)に電気的に接続され、前記第2の極柱(71)は、前記第4の正極タブ(35)に電気的に接続され、前記第4の極柱(72)は、前記第4の負極タブ(36)に電気的に接続される、請求項7に記載の電池セル。
【請求項9】
第1の蓋板(4)と第2の蓋板(5)をさらに含み、前記ケース(1)には前記第1の方向(x)に沿って対向配置される第1の開口(11)と第2の開口(12)が設けられており、前記第1の蓋板(4)と前記第2の蓋板(5)は、それぞれ前記第1の開口(11)と前記第2の開口(12)に封止され、前記第1の極柱(61)と前記第3の極柱(62)は、いずれも前記第1の蓋板(4)に設けられ、前記第2の極柱(71)と前記第4の極柱(72)は、いずれも前記第2の蓋板(5)に設けられる、請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記第1のセルコア(2)の長手方向は、前記第1の方向(x)に平行し、前記第2のセルコア(3)の長手方向は、前記第1の方向(x)に平行する、請求項1~9のいずれの1項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記第1の電極引き出し部品(2a)は、前記第1の方向(x)に対して傾斜した第1の接続面(221)を含み、前記第3の電極引き出し部品(3a)は、前記第1の方向(x)に対して傾斜した第2の接続面(321)を含み、前記第1の電極引き出し部品(2a)と前記第3の電極引き出し部品(3a)は、前記第1の接続面(221)と前記第2の接続面(321)を介して電気的に接続される、請求項1~10のいずれの1項に記載の電池セル。
【請求項12】
前記第1の接続面(221)は、平面で、かつ、前記第1の方向(x)に直交し、及び/又は、前記第2の接続面(321)は、平面で、かつ前記第1の方向(x)に直交する、請求項11に記載の電池セル。
【請求項13】
アダプターシート(10)をさらに含み、前記アダプターシート(10)は、前記第1の接続面(221)と前記第2の接続面(321)の間に接続される、請求項11又は12に記載の電池セル。
【請求項14】
前記アダプターシート(10)は、圧縮可能な部分を含む請求項13に記載の電池セル。
【請求項15】
前記アダプターシート(10)は、互いに接続されている第1の支持部(101)と第2の支持部(102)を含み、前記第1の支持部(101)は、前記第1の接続面(221)に支持され、前記第2の支持部(102)は、前記第2の接続面(321)に支持され、前記第1の支持部(101)と前記第2の支持部(102)の間には溝(105)が設けられている、請求項13又は14に記載の電池セル。
【請求項16】
前記第1の支持部(101)は、前記第1の接続面(221)に貼り合わされる第1の支持面(101A)を含み、前記第2の支持部(102)は、前記第2の接続面(321)に貼り合わされる第2の支持面(102A)を含む、請求項15に記載の電池セル。
【請求項17】
前記第1の電極引き出し部品(2a)は、前記第1の方向(x)に沿って延出する第1の接続部(222)をさらに含み、前記第3の電極引き出し部品(3a)は、前記第1の方向(x)に沿って延出する第2の接続部(322)をさらに含み、前記アダプターシート(10)は、前記第1の支持部(101)に接続される第3の支持部(103)と、前記第2の支持部(102)に接続される第4の支持部(104)を含み、前記第3の支持部(103)は、前記第1の接続部(222)を支持するために用いられ、前記第4の支持部(104)は、前記第2の接続部(322)を支持するために用いられる、請求項15又は16に記載の電池セル。
【請求項18】
請求項1~17のいずれの1項に記載の電池セルを含む電池。
【請求項19】
電気装置であって、前記電池装置に電気エネルギーを供給するための請求項1~17のいずれの1項に記載の電池セル及び/又は請求項18に記載の電池を含む、電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、出願番号が202220401018.2であり、出願日が2022年2月25日である中国特許出願を基礎とし、かつこの優先権を主張し、当該中国特許出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は電池技術分野に関し、特に電池セル、電池及び電気装置に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネルギーと排出ガス削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵であり、電気自動車は省エネルギーと環境保護という利点により、自動車産業の持続可能な発展の重要な部分となっている。電気自動車にとって、電池技術は、その発展に関連する重要な要素の1つである。
【0004】
電池の容量は、電池の体積に関連し、電池の内部構造の配置は、電池の体積の大きさを決める。
【発明の概要】
【0005】
本願は、電池セルの体積を効果的に低減できる電池セル、電池及び電気装置を提供する。
【0006】
第1の面では、本願は、ケース、第1のセルコア及び第2のセルコアを含む電池セルであって、第1のセルコアがケースの内部に配置され、第1のセルコアが第1の本体部、第1の本体部的第1の側面から延出する第1の電極引き出し部品及び第1の本体部の第2の側面から延出する第2の電極引き出し部品を含み、第1の側面と第2の側面が対向配置され、第2のセルコアがケースの内部に配置され、第2のセルコアが第2の本体部、第2の本体部の第3の側面から延出する第3の電極引き出し部品及び第2の本体部の第4の側面から延出する第4の電極引き出し部品を含み、第3の側面と第4の側面が対向配置され、そのうち、第1のセルコアと第2のセルコアが第1の方向に沿って配置され、かつ、第1の側面と第3の側面が隣接しかつ対向配置され、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品が電気的に接続されている電池セルを提供する。
【0007】
本願に提供される電池セルの実施例において、第1のセルコアと第2のセルコアは、第1の方向に配置され、第1のセルコアの中心線と第2のセルコアの中心線は、同一線上にあり、かつ第1の方向に平行する。第1のセルコアの第1の側面と第2のセルコアの第3の側面は、隣接しかつ対向配置されて、これにより第1の側面に位置する第1の電極引き出し部品と第3の側面に位置する第3の電極引き出し部品は、互いに近接し、かつ第1の電極引き出し部品と第3電極引き出し部品の電気接続を介して第1のセルと第2のセルの電気接続が実現される。同時に、第1のセルコアの第2の側面と第2のセルコアの第4の側面は、互いに離れており、第2の電極引き出し部品は第2の側面から延出し、第4の電極引き出し部品は、第4の側面から延出し、第2の電極引き出し部品と第4の電極引き出し部品は、それぞれ電池セルの2つの電極としてもよく、これにより第1のセルコアと第2のセルコアの接続及び電池セルの2つの電極接続部品が全て第1の方向に設けられており、電池セルの内部構造配置の最適化に有利で、電池セルの体積の低減に有利である。
【0008】
いくつかの実施例において、第1の電極引き出し部品は、第1の正極タブと第1の負極タブを含み、第3の電極引き出し部品は、第2の正極タブと第2の負極タブを含み、第1の正極タブと第2の正極タブは、電気的に接続され、第1の負極タブと第2の負極タブは、電気的に接続される。これにより、第1のセルコアと第2のセルコアの並列接続を実現する。直列接続に比べて、第1のセルコアと第2のセルコアの間に並列接続を採用する場合、局所回路での短絡のリスクを軽減することができ、電解液が高圧環境に置かれることを避けることもできる。
【0009】
いくつかの実施例において、第2の電極引き出し部品は、第3のタブを含み、第4の電極引き出し部品は、第4のタブを含み、第3のタブは、第4のタブと反対の極性を有する。第1のセルコアと第2のセルコアは、それぞれ3つのタブを含む。
【0010】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の極柱と第2の極柱をさらに含み、第1の極柱は、第3のタブに電気的に接続され、第2の極柱は、第4のタブに電気的に接続される。当該実施例において、電池セルは、2つの極柱を含み、2つの極柱は、それぞれ第1の本体部の第2の側面から延出する第3のタブと第2の本体部の第4の側面から延出する第4のタブに電気的に接続される。
【0011】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の蓋板と第2の蓋板をさらに含み、ケースには第1の方向に沿って対向配置される第1の開口と第2の開口が設けられており、第1の蓋板と第2の蓋板は、それぞれ第1の開口と第2の開口に封止され、第1の極柱は第1の蓋板に設けられ、第2の極柱は、第2の蓋板に設けられる。
【0012】
本願実施例において、第1の開口と第2の開口は、第1の方向に沿って対向配置されるため、第1の開口に封止される第1の蓋板は、第3のタブに近接し、かつ、第1の極柱は第1の蓋板に設けられるため、第3のタブと第1の極柱の間の距離を効果的に短縮でき、第3のタブと第1の極柱の接続が容易になり、第3のタブの長さを短縮し、第3のタブが占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。同様に、第2の開口に封止される第2の蓋板は第4のタブに近接し、かつ第2の極柱は第2の蓋板に設けられるため、第4のタブと第2の極柱の間の距離を効果的に短縮でき、第4のタブと第2の極柱の接続が容易になり、第4のタブの長さを短縮し、第4のタブが占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。
【0013】
いくつかの実施例において、
第1の本体部は、第1の正極シート、第1の負極シート及び第1のセパレーターを含み、第1の正極シートと第1の負極シートは、捲回または積層されて第1の本体部を形成し、第1のセパレーターは、第1の正極シートと第1の負極シートの間に形成され、第1の正極シートの第1の端は、第1の本体部の第2の側面から延出して第3のタブを形成し、第1の負極シートの第1の端は、第1の本体部の第3の側面に面一となり、或いは、第1の負極シートの第1の端は、第1の本体部の第3の側面から延出して第3のタブを形成し、第1の正極シートの第1の端は、第1の本体部の第3の側面に面一となっており、及び/又は、
第2の本体部は、第2の正極シート、第2の負極シート及び第2のセパレーターを含み、第2の正極シートと第2の負極シートは、捲回または積層されて第2の本体部を形成し、第2のセパレーターは、第2の正極シートと第2の負極シートの間に設けられ、第2の正極シートの第1の端は、第2の本体部の第4の側面から延出して第4のタブを形成し、第2の負極シートの第1の端は、第2の本体部の第4の側面に面一となり、或いは、第2の負極シートの第1の端は、第2の本体部の第4の側面から延出して第4のタブを形成し、第2の正極シートの第1の端は、第2の本体部の第4の側面に面一となっている。
【0014】
第3のタブと反対の極性を有するシートを、第3の側面に面一となるように設けることにより、当該シートは、突出せず、当該シートの長さを短縮し、これにより、当該シートの材料を節約することだけでなく、当該シートを絶縁するための関連作業が軽減され、当該シートを他の通電部品から絶縁するために使用される絶縁部品を省略することができる。
【0015】
第4のタブと反対の極性を有するシートを第4の側面に面一となるように設けることにより、当該シートが突出せず、当該シートの長さを短縮し、これにより、当該シートの材料を節約するだけでなく、当該シートを絶縁するための関連作業が軽減され、当該シートを他の通電部品から絶縁するために使用される絶縁部品を省略することができる。
【0016】
いくつかの実施例において、第2の電極引き出し部品は、第3の正極タブと第3の負極タブを含み、第4の電極引き出し部品は、第4の正極タブと第4の負極タブを含む。第1のセルコアと第2のセルコアは、それぞれ4つのタブを含む。
【0017】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の極柱、第2の極柱、第3の極柱及び第4の極柱をさらに含み、第1の極柱は、第3の正極タブに電気的に接続され、第3の極柱は、第3の負極タブに電気的に接続され、第2の極柱は、第4の正極タブに電気的に接続され、第4の極柱は、第4の負極タブに電気的に接続される。当該実施例において、電池セルは、4つの極柱を含み、4つの極柱は、それぞれ第1の本体部の第2の側面から延出する2つのタブ及び第2の本体部の第4の側面から延出する2つのタブに電気的に接続される。4つの極柱を設けることにより、セルコアの電流通過容量を効果的に向上させる。
【0018】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の蓋板と第2の蓋板をさらに含み、ケースには第1の方向に沿って対向配置される第1の開口と第2の開口が設けられており、第1の蓋板と第2の蓋板は、それぞれ第1の開口と第2の開口に封止され、第1の極柱と第3の極柱は、いずれも第1の蓋板に設けられ、第2の極柱と第4の極柱は、いずれも第2の蓋板に設けられる。
【0019】
本願実施例において、第1の開口と第2の開口は、第1の方向に沿って対向配置されるため、第1の開口に封止される第1の蓋板は、第3の正極タブと第3の負極タブに近接し、かつ第1の極柱と第3の極柱は、いずれも第1の蓋板に設けられるため、第1の極柱と第3の正極タブの間の距離及び第3の極柱と第3の負極タブの間の距離を効果的に短縮でき、第1の極柱と第3の正極タブの接続及び第3の極柱と第3の負極タブの接続が容易になり、第3の正極タブと第3の負極タブの長さを短縮し、第3の正極タブと第3の負極タブが占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。同様に、第2の開口に封止される第2の蓋板は、第4の正極タブと第4の負極タブに近接し、かつ第2の極柱と第4の極柱は、第2の蓋板に設けられるため、第2の極柱と第4の正極タブの間及び第4の極柱と第4の負極タブの間の距離を効果的に短縮でき、第2の極柱と第4の正極タブの接続及び第4の極柱と第4の負極タブの接続が容易になり、第4の正極タブと第4の負極タブの長さを短縮し、第4の正極タブと第4の負極タブが占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。
【0020】
いくつかの実施例において、第1のセルコアの長手方向は、第1の方向に平行し、第2のセルコアの長手方向は、第1の方向に平行する。このように配置することにより、第1のセルコアと第2のセルコアは、その長手方向に配置され、かつそれぞれ第1のセルコアと第2のセルコアの両端から延出する電極引き出し部品は、セルコアのより短い辺に位置することができ、電池セルの体積を効果的に低減することができる。
【0021】
いくつかの実施例において、第1の電極引き出し部品は、第1の方向に対して傾斜した第1の接続面を含み、第3の電極引き出し部品は、第1の方向に対して傾斜した第2の接続面を含み、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品は、第1の接続面と第2の接続面を介して電気的に接続される。
【0022】
第1の方向に対して傾斜した第1の接続面と第1の方向に対して傾斜した第2の接続面を設け、かつ第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品を、第1の接続面と第2の接続面を介して電気的に接続することにより、第1のセルコアと第2のセルコアを互いに近づける押圧力の一部は、第1の方向に直交する方向に分解され、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品への押出衝撃を緩和し、第1のセルコアと第2のセルコアの使用寿命を延長することができる。
【0023】
また、第1の接続面と第2の接続面を、第1の方向に対して傾斜するように設けることにより、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品の第1の方向に沿った長さを短縮して、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品が占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減する目的を実現する。
【0024】
いくつかの実施例において、第1の接続面は、平面であり、かつ第1の方向に直交し、及び/又は、第2の接続面は、平面であり、かつ第1の方向に直交する。第1の接続面と第2の接続面を、第1の方向に直交する平面に設けることにより、第1の接続面と第2の接続面が押圧力に耐えることにより、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品への衝撃を大幅に緩和し、第1のセルコアと第2のセルコアの使用寿命を延長し、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品が占める空間を大幅に節約し、電池セルの体積を低減し、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0025】
いくつかの実施例において、電池セルは、アダプターシートをさらに含み、アダプターシートは、第1の接続面と第2の接続面の間に接続される。第1の接続面と第2の接続面の間にアダプターシートを設けることにより、第1のセルコアと第2のセルコアの押圧抵抗能力を向上させ、第1のセルコアと第2のセルコアの使用寿命をさらに延長することができる。アダプターシートを設けることにより、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品に押圧を受ける時互いに挿入されるリスクを低減することができる。
【0026】
いくつかの実施例において、アダプターシートは、圧縮可能な部分を含む。圧縮可能な部分は、変形能力を有し、圧縮可能な部分の変形により押圧力を緩和する。圧縮可能な部分は、弾性部又は溝付き部品を含み得る。弾性部は、バネまたはゴムパッド等を採用してもよい。
【0027】
いくつかの実施例において、アダプターシートは、互いに接続されている第1の支持部と第2の支持部を含み、第1の支持部は、第1の接続面に支持され、第2の支持部は、第2の接続面に支持され、第1の支持部と第2の支持部の間には溝が設けられている。溝を設けることにより、アダプターシートは、圧縮可能な能力を備え、第1の支持部や第2の支持部に押圧力を受ける時、溝の存在により、第1の支持部や第2の支持部は、互いに近い方向に傾斜して押圧力の一部を吸収し、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品への衝撃を軽減し、第1のセルコアと第2のセルコアを効果的に保護する。
【0028】
いくつかの実施例において、第1の支持部は、第1の接続面に貼り合う第1の支持面を含み、第2の支持部は、第2の接続面に貼り合う第2の支持面を含む。第1の接続面に貼り合う第1の支持面と第2の接続面に貼り合う第2の支持面を設けることにより、第1の支持部と第2の支持部のそれぞれ第1の接続面と第2の接続面に対する支持安定性を高めることができる。
【0029】
いくつかの実施例において、第1の電極引き出し部品は、第1の方向に沿って延出する第1の接続部をさらに含み、第3の電極引き出し部品は、第1の方向に沿って延出する第2の接続部をさらに含み、アダプターシートは、第1の支持部に接続される第3の支持部と第2の支持部に接続される第4の支持部を含み、第3の支持部は、第1の接続部を支持することに用いられ、第4の支持部は、第2の接続部を支持することに用いられる。第3の支持部と第4の支持部を設けることにより、アダプターシートの第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品に対する支持能力を高め、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品の間の接続を強化し、第1の電極引き出し部品と第3の電極引き出し部品の押圧抵抗能力を向上させることができる。
【0030】
第2の面では、本願は、前記実施例における電池セルを含む電池を提供する。
【0031】
第3の面では、本願は、電気装置であって、電気装置に電気エネルギーを供給するための前記実施例における電池セル及び/又は電池を含む電気装置を提供する。
【0032】
前述した説明は、本願技術案の概要に過ぎず、本願の技術手段をより明確に理解するために、明細書に記載される内容に従って実施され得、かつ、本願の前述した目的及び他の目的、特徴及び利点をより理解しやすくなるために、以下、本願の特定な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本願実施例の技術案をより明確に説明するため、以下、本願実施例に使用される図面を簡単に紹介し、以下に説明する図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者によって、創造的な努力を払わずに図面に従って他の図面を取得することもできることは、自明である。
【0034】
【
図1】本願に開示される電気装置のいくつかの実施例の構造模式図である。
【
図2】本願に開示される電池のいくつかの実施例の構造模式図である。
【
図3】本願に開示される電池セルのいくつかの実施例の爆発図である。
【
図4】本願に開示される電池セルのいくつかの実施例の構造模式図である。
【
図5】本願に開示される電池セルのいくつかの実施例の正面図である。
【
図6】本願に開示される電池セルのいくつかの実施例の上面図である。
【
図7】
図6における符号Aが示す部分の拡大図である。
【
図8】本願に開示される電池セルの他のいくつかの実施例の上面図である。
【
図9】
図8における符号Bが示す部分の拡大図である。
【
図10】本願に開示される電池セルのいくつかの実施例における第1のセルコアの構造模式図である。
【
図11】本願に開示される電池セルのいくつかの実施例における第2のセルコアの構造模式図である。
【
図12】本願に開示される電池セルの他のいくつかの実施例の爆発図である。
【
図13】本願に開示される電池セルの他のいくつかの実施例の構造模式図である。
【
図14】本願に開示される電池セルの他のいくつかの実施例の正面図である。
【0035】
図面において、図面は、実際の縮尺で描かれていない。
【符号の説明】
【0036】
1000-車両、100-電池、200-コントローラ、300-モータ、
【0037】
10a-筐体、101a-第1の蓋体、102a-第2の蓋体、20a-電池セル、
【0038】
1-ケース、11-第1の開口、12-第2の開口、
【0039】
2-第1のセルコア、21-第1の本体部、2a-第1の電極引き出し部品、2b-第2の電極引き出し部品、22-第1の正極タブ、221-第1の接続面、222-第1の接続部、23-第1の負極タブ、24-第3のタブ、25-第3の正極タブ、26-第3の負極タブ、
【0040】
3-第2のセルコア、31-第2の本体部、3a-第3の電極引き出し部品、3b-第4の電極引き出し部品、32-第2の正極タブ、321-第2の接続面、322-第2の接続部、33-第2の負極タブ、34-第4のタブ、35-第4の正極タブ、36-第4の負極タブ、
【0041】
4-第1の蓋板、5-第2の蓋板、61-第1の極柱、62-第3の極柱、71-第2の極柱、72-第4の極柱、8-ブラケット、9-防爆弁、9a-パッチ、
【0042】
10-アダプターシート、101-第1の支持部、101A-第1の支持面、102-第2の支持部、102A-第2の支持面、103-第3の支持部、104-第4の支持部、105-溝、
【0043】
x-第1の方向、S1-第1の側面、S2-第2の側面、S3-第3の側面、S4-第4の側面。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を適当に参照しながら本願の技術案の実施例を詳細に説明する。以下の実施例は、本願の技術案をより詳しく説明することだけに用いられるものであるため、例に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。
【0045】
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本願に係る当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためだけであり、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲および図面の簡単な説明における「含む」や「有する」という用語、並びにそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。
【0046】
本願実施例の記載において、「第1」、「第2」などの技術用語は、異なる対象を区別するためにのみ使用されており、相対的な重要性を示したり暗示したり、または示された技術特徴の数量、特定の順序や主従関係を暗黙的に示すものとして理解されるべきではない。また、「直交」という用語は、厳密な意味での直交ではなく、誤差の許容範囲内での直交を意味する。「平行」とは厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内での平行を意味する。
【0047】
本明細書で言う「実施例」は、実施例に記載の特定の特徴、構造または特性を組み合わせたものが本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各箇所に現れるこの用語は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と互いに排他的で独立または代替の実施例を意味するものでもない。当業者であれば、本明細書に記載の実施例を他の実施例と組み合わせることができることを明示的にも暗黙的にも理解するであろう。
【0048】
本願実施例の記載において、「および/または」という用語は、関連する対象の関連関係を説明するものに過ぎず、3つの関係があり得ることを意味する。「Aおよび/またはB」を例にすると、単にA、AとBの両方、単にBという3つの場合があり得る。また、本文における「/」は、一般的に前後の関連対象が「または」という関係を有すると示す。
【0049】
本願実施例の記載において、「複数」という用語は、特に明確に限定されない限り、2つ以上を指す。同様に、特に明確に限定しない限り、「複数の群」は2つ以上の群を指し、「複数枚」は2枚以上を指す。
【0050】
本願実施例の記載において、技術用語の「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「上」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが示す向きや位置関係は、図面における向きや位置関係に基づくものであり、単に本願の実施形態の説明を容易にし、簡略化するためであり、示される装置や素子が特定の向きを有する必要があり、特定の向きで構成されて動作しなければならないことを示すかまたは暗示するものではないため、本願の実施例を限定するものとして解釈してはならない。
【0051】
本願実施例の記載において、特に明確に規定・限定しない限り、技術用語の「装着」、「つながる」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、着脱可能な接続、または一体成形されてもよく、機械的接続でも電気接続でもよく、直接つながっても中間媒体を介した間接つながってもよく、両素子の内部的な連通や両素子の相互作用関係であってもよい。当業者からすれば、具体的な状況に応じて本願の実施例に記載のこれらの用語の具体的な意味を理解できる。
【0052】
現在、市場状況の発展から見れば、動力電池の応用はますます広まっている。動力電池は、水力発電所、火力発電所、風力発電所、太陽光発電所などのエネルギー貯蔵発電システムだけでなく、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電気移動工具、軍事設備、航空宇宙などの多くの分野にも使用されている。動力電池の応用分野の持続的な拡大につれて、その市場需要も拡大している。
【0053】
動力電池の継続的な普及に伴い、ユーザーは動力電池の容量に対してより高い要求を提出している。本願の発明者らは、徐々に増加する容量需要を満たすために、多くの設計者がセルコアの長さを大きくすることを選択していることに気づきました。
【0054】
しかし、本願の発明者らは、研究した結果、長尺のセルコアの巻回製造プロセスにおいてシートにしわが生じる問題を起こしやすく、生産率に影響を与えることを発見した。
【0055】
シートのしわの問題を解決するために、発明者らは、1つの電池セル内に複数の慣用の長さのセルコアを設けることが考えられ、これにより、長尺のセルコアの巻回製造プロセス中に発生しやすいシートのしわの問題を回避できるだけでなく、電池の数を増やすことで電池容量を増やす目的も実現できる。かつ、慣用の長さの各セルコアの外部にケースと電気接続部品を設ける案と比較して、同じケース内に複数のセルコアを設けることで、組み立てプロセスの一部を効果的に節約でき、電気接続部品の一部も節約できる。したがって、コストを大幅に節約できる。
【0056】
さらに、本願の発明者らは、同じケース内に複数のセルコアを設けると、ケースの体積は必ず増やし、電池が占める空間もさらに増やすと考えた。できるだけ小さくするために、本願の発明者らは、2つのセルコアを第1の方向に沿って配置し、2つのセルコアの対向している側面からそれぞれ電極引き出し部品を延出し、2つの電極引き出し部品の電気接続を介して2つのセルコアの電気接続を実現し、同時に、2つのセルコアの互いに離れている側面からも電極引き出し部品を延出して当該電池セルの2つの電極を接続することを提出し、これにより、2つのセルコアの接続と電池セルの電極接続部品は、いずれも第1の方向に設けられ、電池セルの内部構造配置を最適化して電池セルの体積を低減することができる。
【0057】
以上の考え方に基づいて、本願の発明者らは、電池セルの構造を改良して電池セルの体積を低減する目的を実現した。
【0058】
本願実施例は、電池セルを含む電池を提供する。電池は、車両、船舶または航空機などの電気装置に使用され得るが、これらに限定されない。本願に開示される電池セル、電池等を用いて当該電気装置の電源システムを構成してもよい。
【0059】
本願実施例は、電源として電池を使用する電気装置であって、電池が電気装置に電気エネルギーを供給するように配置されている電気装置を提供する。電気装置は、携帯電話、ポータブルデバイス、ノートパソコン、バッテリーカー、電気自動車、船舶、宇宙機、電動玩具及び電動工具等であってもよいが、これらに限られず、例えば、宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含んでもよく、電動玩具は、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具及び電動飛行機玩具などの据置型または移動型電動玩具を含んでもよく、電動工具は、ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマー、インパクトドリル、コンクリートバイブレーター、電気カンナなどの金属切削電動工具、研削電動工具、組立電動工具および鉄道用電動工具を含む。
【0060】
以下の実施例では、説明の便宜上、本願のいくつかの実施例の電気装置が車両1000である例を説明する。
【0061】
図1を参照すると、
図1は、本願のいくつかの実施例に提供される車両1000の構造模式図である。車両1000は、ガソリン自動車、天然ガス自動車または新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンダー電気自動車などであってもよい。車両1000の内部には、電池100が設けられており、電池100は、車両1000の底部または頭部または後部に設けられてもよい。電池100は車両1000の給電に使用でき、例えば、電池100を車両1000の動作電源としてもよい。車両1000は、コントローラ200とモータ300とをさらに含んでもよく、電池100は、モータ300及び車両の他の部品の動作に電気エネルギーを供給することに用いられ、コントローラ200は、例えば、車両1000の始動時、ナビゲーション時、走行時の動作電力需要のためにモータ300の動作を制御することに用いられる。
【0062】
本願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の動作電源だけではなく、車両1000の駆動電源として、ガソリンや天然ガスの代替又は部分的な代替として車両1000に駆動力を提供することが可能である。
【0063】
図2を参照すると、
図2は、本願のいくつかの実施例に提供する電池100の爆発図である。電池100は、筐体10aと電池セル20aを含み、電池セル20aは、筐体10a内に収容されている。そのうち、筐体10aは、電池セル20aに収容空間を提供するために用いられ、筐体10aは、様々な構造を採用してもよい。いくつかの実施例において、筐体10aは、第1の蓋体101aと第2の蓋体102aを含み、第1の蓋体101aと第2の蓋体102aは、互いに蓋合しており、第1の蓋体101aと第2の蓋体102aは共同で電池セル20aを収容するための収容空間を画定してもよい。第2の蓋体102aは、片側が開口した中空構造であり、第1の蓋体101aは、板状構造であり、第1の蓋体101aが第2の蓋体102a開口側に蓋合して第1の蓋体101aと第2の蓋体102aは共同で収容空間を画定してもよく、第1の蓋体101aと第2の蓋体102aが共に片側が開口した中空構造であり、第1の蓋体101aの開口側が第2の蓋体102a的開口側に蓋合してもよい。無論、第1の蓋体101aと第2の蓋体102aからなる筐体10aは、例えば、円柱、直方体等の様々な形状であってもよい。
【0064】
電池100において、電池セル20aは、複数であっておもよく、複数の電池セル20a同士は、直列接続または並列接続または直並列接続が可能であり、直並列接続とは、複数の電池セル20aのうち直列接続されるものがあり、並列接続されるものもあることを指す。複数の電池セル20a同士を直列接続または並列接続または直並列接続してから、複数の電池セル20aからなる全体を筐体10a内に収容してもよい。無論、電池100は、複数の電池セル20aを先に直列接続または並列接続または直並列接続して電池モジュールを形成し、さらに複数の電池モジュールを直列接続または並列接続または直並列接続して全体として形成し、筐体10a内に収容してもよい。電池100は、他の構造を含んでもよく、例えば、当該電池100は、複数の電池セル20a同士の電気接続を実現するためのバス部品をさらに含んでもよい。
【0065】
そのうち、電池セル20aは、電池を構成する最小ユニットである。電池セル20aは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含み、本開示の実施例ではこれらに限定されない。電池セルは、円筒状、扁平状、直方体状または他の形状などであってもよく、本開示の実施例ではこれらに限定されない。電池セルは、通常、パッケージングの方式に応じて筒形電池セル、角形電池セル及びフトパック電池セルの3種類に分類されるが、本開示の実施例ではこれらに限定されない。
【0066】
図3~6を参照し、それぞれ本願のいくつかの実施例に提供される電池セル20aの爆発図、立体構造模式図、正面図及び上面図である。本願に提供されるいくつかの実施例において、電池セル20aは、ケース1、第1のセルコア2及び第2のセルコア3を含み、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、共にケース1の内部に設けられている。
【0067】
ケース1は、第1のセルコア2、第2のセルコア3、電解液および他の部品をその中に収容する収容空間を提供するための部品である。ケース1は、直方体形状、円筒形状、六角形状など、様々な形状および様々な大きさのものであってもよい。具体的に、ケース1の形状は、第1のセルコア2と第2のセルコア3の具体的な形状および大きさに応じて決定され得る。ケース1の材質は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料又はプラスチックなどの非金属材料を選択してもよい。
【0068】
図5に示すように、第1のセルコア2は、ケース1の内部に設けられており、第1のセルコア2は、第1の本体部21、第1の電極引き出し部品2a及び第2の電極引き出し部品2bを含み、第1の電極引き出し部品2aは、第1の本体部21の第1の側面S1から延出しており、第2の電極引き出し部品2bは、第1の本体部21の第2の側面S2から延出しており、第1の側面S1と第2の側面S2は、第1の本体部21の対向配置されている2つの側面である。
【0069】
第2のセルコア3は、ケース1の内部に設けられ、第2のセルコア3は、第2の本体部31、第3の電極引き出し部品3a及び第4の電極引き出し部品3bを含み、第3の電極引き出し部品3aは、第2の本体部31の第3の側面S3から延出し、第4の電極引き出し部品3bは、第2の本体部31の第4の側面S4から延出し、第3の側面S3と第4の側面S4は、第2の本体部31の対向配置されている2つの側面である。
【0070】
そのうち、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、第1の方向xに沿って配置され、かつ、第1の側面S1と第3の側面S3は、隣接し、かつ対向配置され、第1の電極引き出し部品2aは、第3の電極引き出し部品3aに電気的に接続されている。
【0071】
図5に示すように、二重矢印付き指示線が示す方向は、第1の方向xである。本願に提供される電池セル実施例において、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、第1の方向xに沿って配置され、第1のセルコア2の中心線と第2のセルコア3の中心線は、同一線上にあり、かつ第1の方向xに平行する。第1のセルコア2の第1の側面S1と第2のセルコア3の第3の側面S3は、隣接し、かつ対向配置されており、これにより第1の側面S1に位置する第1の電極引き出し部品2aと第3の側面S3に位置する第3の電極引き出し部品3aは、互いに近接し、かつ第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aの電気接続を介して第1のセルコア2と第2のセルコア3の電気接続を実現する。同時に、第1のセルコア2の第2の側面S2と第2のセルコア3の第4の側面S4は、互いに離れており、第2の側面S2から第2の電極引き出し部品2bは延出しており、第4の側面S4から第4の電極引き出し部品3bは、延出しており、第2の電極引き出し部品2b、第4の電極引き出し部品3bをそれぞれ電池セルの2つの電極としてもよく、これにより、第1のセルコア2と第2のセルコア3の接続及び電池セルの2つの電極接続部品は、全て第1の方向xに設けられており、電池セルの内部構造配置の最適化に有利で、電池セルの体積の低減に有利である。
【0072】
いくつかの実施例において、ケース1内には3つ又はこれより多いセルコアが設けられてもよく、3つ又はこれより多いセルコアは、第1の方向xに沿って配置されている。
【0073】
いくつかの実施例において、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、直列、並列、または直並列で接続されてもよい。
【0074】
いくつかの実施例において、第1の電極引き出し部品2aは、第1の正極タブ22と第1の負極タブ23を含み、第3の電極引き出し部品3aは、第2の正極タブ32と第2の負極タブ33を含み、第1の正極タブ22は、第2の正極タブ32に電気的に接続されており、第1の負極タブ23は、第2の負極タブ33に電気的に接続されている。このように、第1のセルコア2と第2のセルコア3の並列接続を実現する。直列接続に比べて、第1のセルコア2と第2のセルコア3の間に並列接続を採用することにより、局所回路での短絡のリスクを軽減することができ、電解液が高圧環境に置かれることを避けることもできる。
【0075】
いくつかの実施例において、第2の電極引き出し部品2bは、第3のタブ24を含み、第4の電極引き出し部品3bは、第4のタブ34を含み、第3のタブ24は、第4のタブ34と反対の極性を有する。第3のタブ24は正極タブで、第4のタブ34は負極タブであり、又は、第3のタブ24は負極タブで、第4のタブ34は、正極タブである。
【0076】
図3~9に示す実施例において、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、それぞれ3つのタブを含む。そのうち、第1の本体部21の第1の側面S1から2つのタブは、延出しており、それぞれ第1の正極タブ22と第1の負極タブ23であり、第1の本体部21の第2の側面S2から1つのタブ、即ち、第3のタブ24は、延出している。第2の本体部31の第3の側面S3から2つタブは、延出しており、それぞれ第2の正極タブ32と第2の負極タブ33であり、第2の本体部31の第4の側面S4から1つのタブ、即ち、第4のタブ34は、延出している。第1の本体部21の第1の側面S1と第2の本体部31の第3の側面S3は、隣接し、かつ対向配置され、かつ第1の側面S1と第3の側面S3は、いずれも第1の本体部21の第2の側面S2と第2の本体部31の第4の側面S4の間に位置する。
【0077】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の極柱61と第2の極柱71をさらに含み、第1の極柱61は、第3のタブ24に電気的に接続されており、第2の極柱71は、第4のタブ34に電気的に接続されている。当該実施例において、電池セルは、2つの極柱を含み、2つの極柱は、それぞれ第1の本体部21の第2の側面S2から延出する第3のタブ24及び第2の本体部31の第4の側面S4から延出する第4のタブ34に電気的に接続されている。
【0078】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の蓋板4と第2の蓋板5をさらに含み、ケース1には第1の方向xに対向配置される第1の開口11と第2の開口12が設けられており、第1の蓋板4と第2の蓋板5は、それぞれ第1の開口11と第2の開口12に封止され、第1の極柱61は、第1の蓋板4に設けられ、第2の極柱71は、第2の蓋板5に設けられている。
【0079】
本願実施例において、第1の開口11と第2の開口12は、第1の方向xに沿って対向配置されているため、第1の開口11に封止される第1の蓋板4は、第3のタブ24に近接し、かつ第1の極柱61は、第1の蓋板4に設けられているため、第3のタブ24と第1の極柱61の間の距離を効果的に短縮でき、第3のタブ24と第1の極柱61の接続が容易になり、第3のタブの長さを短縮し、第3のタブが占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。同様に、第2の開口12に封止される第2の蓋板5は、第4のタブ34に近接し、かつ第2の極柱71は、第2の蓋板5に設けられているため、第4のタブ34と第2の極柱71の間の距離を効果的に短縮でき、第4のタブ34と第2の極柱71の接続が容易になり、第4のタブ34の長さを短縮し、第4のタブ34が占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。
【0080】
いくつかの実施例において、第1の本体部21は、第1の正極シート、第1の負極シート及び第1のセパレーターを含み、第1の正極シートと第1の負極シートは、捲回または積層されて第1の本体部21を形成し、第1のセパレーターは、第1の正極シートと第1の負極シートの間に設けられ、第3のタブ24が正極タブである場合、第1の正極シートの第1の端は、第1の本体部21の第2の側面S2から延出して第3のタブ24を形成し、第1の負極シートの第1の端は、第1の本体部21の第3の側面S3に面一となっており、第3のタブ24が負極タブである場合、第1の負極シートの第1の端は、第1の本体部21の第3の側面S3から延出して第3のタブ24を形成し、第1の正極シートの第1の端は、第1の本体部21の第3の側面S3に面一となっている。
【0081】
第3のタブ24と反対の極性を有するシートを、第3の側面S3に面一となるように設けることにより、当該シートは延出せず、当該シートの長さを短縮し、これにより、当該シートの材料を節約するだけではなく、当該シートを絶縁するための関連作業が軽減され、当該シートを他の通電部品から絶縁するために使用される絶縁部品を省略することができる。
【0082】
図10に示すように、第3のタブ24は負極タブであり、第1の正極シートの長さはd1であり、第1の負極シートの長さはd2であり、d2>d1である。
【0083】
いくつかの実施例において、第2の本体部31は、第2の正極シート、第2の負極シート及び第2のセパレーターを含み、第2の正極シートと第2の負極シートは、捲回または積層されて第2の本体部31を形成し、第2のセパレーターは、第2の正極シートと第2の負極シートの間に設けられており、第4のタブ34が正極タブである場合、第2の正極シートの第1の端は、第2の本体部31の第4の側面S4から延出して第4のタブ34を形成し、第2の負極シートの第1の端は、第2の本体部31の第4の側面S4に面一となっており、第4のタブ34が負極タブである場合、第2の負極シートの第1の端は、第2の本体部31の第4の側面S4から延出して第4のタブ34を形成し、第2の正極シートの第1の端は、第2の本体部31の第4の側面S4に面一となっている。
【0084】
第4のタブ34と反対の極性を有するシートを第4の側面S4に面一となるように設けることにより、当該シートは、突出せず、当該シートの長さを短縮し、これにより、当該シートの材料を節約するだけではなく、当該シートを絶縁するための関連作業が軽減され、当該シートを他の通電部品から絶縁するために使用される絶縁部品を省略することができる。
【0085】
図11に示すように、第4のタブ34は正極タブであり、第2の正極シートの長さはd3であり、第2の負極シートの長さはd4であり、d3>d4である。
【0086】
いくつかの実施例において、第2の電極引き出し部品2bは、第3の正極タブ25と第3の負極タブ26を含み、第4の電極引き出し部品3bは、第4の正極タブ35と第4の負極タブ36を含む。
【0087】
図12~14に示す実施例において、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、それぞれ4つのタブを含む。そのうち、第1の本体部21の第1の側面S1から2つのタブは延出しており、それぞれ第1の正極タブ22と第1の負極タブ23であり、第1の本体部21の第2の側面S2から2つのタブは、延出しており、それぞれ第3の正極タブ25と第3の負極タブ26である。第2の本体部31の第3の側面S3から2つのタブは、延出しており、それぞれ第2の正極タブ32と第2の負極タブ33であり、第2の本体部31の第4の側面S4からも2つのタブは、延出しており、それぞれ第4の正極タブ35と第4の負極タブ36である。第1の本体部21の第1の側面S1と第2の本体部31の第3の側面S3は、隣接し、かつ対向配置され、かつ第1の側面S1と第3の側面S3は、いずれも第1の本体部21の第2の側面S2と第2の本体部31の第4の側面S4の間に位置する。
【0088】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の極柱61、第2の極柱71、第3の極柱62及び第4の極柱72をさらに含み、第1の極柱61は、第3の正極タブ25に電気的に接続されており、第3の極柱62は、第3の負極タブ26に電気的に接続されており、第2の極柱71は、第4の正極タブ35に電気的に接続されており、第4の極柱72は、第4の負極タブ36に電気的に接続されている。当該実施例において、電池セルは、4つの極柱を含み、4つの極柱は、それぞれ第1の本体部21の第2の側面S2から延出する2つのタブ及び第2の本体部31の第4の側面S4から延出する2つのタブに電気的に接続されている。4つの極柱を設けることにより、セルコアの電流通過容量を効果的に向上させることができる。
【0089】
いくつかの実施例において、電池セルは、第1の蓋板4と第2の蓋板5をさらに含み、ケース1には第1の方向xに沿って対向配置される第1の開口11と第2の開口12が設けられており、第1の蓋板4と第2の蓋板5は、それぞれ第1の開口11と第2の開口12に封止され、第1の極柱61と第3の極柱62は、いずれも第1の蓋板4に設けられており、第2の極柱71と第4の極柱72は、いずれも第2の蓋板5に設けられている。
【0090】
本願実施例において、第1の開口11と第2の開口12は、第1の方向xに沿って対向配置されているため、第1の開口11に封止される第1の蓋板4は、第3の正極タブ25と第3の負極タブ26に近接し、かつ第1の極柱61と第3の極柱62は、いずれも第1の蓋板4に設けられているため、第1の極柱61と第3の正極タブ25の間の距離及び第3の極柱62と第3の負極タブ26の間の距離を効果的に短縮でき、第1の極柱61と第3の正極タブ25の接続及び第3の極柱62と第3の負極タブ26の接続が容易になり、第3の正極タブ25と第3の負極タブ26の長さを短縮し、第3の正極タブ25と第3の負極タブ26が占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。同様に、第2の開口12封止される第2の蓋板5は、第4の正極タブ35と第4の負極タブ36に近接し、かつ第2の極柱71と第4の極柱72は、第2の蓋板5に設けられているため、第2の極柱71と第4の正極タブ35の間の距離及び第4の極柱72と第4の負極タブ36の間の距離を効果的に短縮でき、第2の極柱71と第4の正極タブ35の接続及び第4の極柱72と第4の負極タブ36の接続が容易になり、第4の正極タブ35と第4の負極タブ36の長さを短縮し、第4の正極タブ35と第4の負極タブ36が占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減することにも有利である。
【0091】
いくつかの実施例において、ケース1、第1の蓋板4及び第2の蓋板5は、別々の部品であってもよく、ケース1、第1の蓋板4及び第2の蓋板5を一体化してもよく、具体的に、第1の蓋板4、第2の蓋板5は、他の部品をケース内に入れる前に、ケースとそれぞれ1つの共通の接続面を形成しておき、ケース1を封止する必要がある場合、第1の蓋板4と第2の蓋板5をケース1に蓋合し、かつケース1を第1の蓋板4と第2の蓋板5と一体に封止する。
【0092】
ケース1は、第1の蓋板4、第2の蓋板5と組み合わせて電池セル20aの内部環境を形成するためのアセンブリであり,第1の蓋板4と第2の蓋板5は、ケース1の開口部を蓋合して電池セル20aの内部環境を外部環境から遮断する部品を指す。第1の蓋板4と第2の蓋板5の形状は、ケース1に適合させるためにケース1の形状に合わせることができるが、これに限定されない。任意に、第1の蓋板4と第2の蓋板5は、ある程度の硬度や強度を有する材質から作製されてもよい。このように、第1の蓋板4及び第2の蓋板5が押圧を受けて膨張する時も変形しにくく、電池セル20aはより高い構造強度を有し、安全性も向上させることができる。
【0093】
いくつかの実施例において、第1の蓋板4と第2の蓋板5には、電池セル20aの内部圧力や温度が閾値に達したときに内部圧力を開放するための圧力開放機構も設けられてもよい。
【0094】
いくつかの実施例において、第1のセルコア2の長手方向は、第1の方向xに平行し、第2のセルコア3の長手方向は、第1の方向xに平行する。このように配置することにより、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、その長手方向に配置され、かつそれぞれ第1のセルコア2と第2のセルコア3の両端から延出する電極引き出し部品は、セルコアのより短い辺に位置することができ、電池セルの体積を効果的に低減することができる。
【0095】
図7に示すように、いくつかの実施例において、第1の電極引き出し部品2aは、第1の方向xに対して傾斜した第1の接続面221を含み、第3の電極引き出し部品3aは、第1の方向xに対して傾斜した第2の接続面321を含み、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aは、第1の接続面221と第2の接続面321を介して電気的に接続されている。ここで、「傾斜」は、第1の方向xに対してある角度をなすように設けることを意味する。
【0096】
第1の方向xに対して傾斜した第1の接続面221と第1の方向xに対して傾斜した第2の接続面321を設け、かつ第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aを、第1の接続面221と第2の接続面321を介して電気的に接続することにより、第1のセルコア2と第2のセルコア3を互いに近づける押圧力の一部は、第1の方向xに直交する方向に分解され、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aへの押出衝撃を緩和し、第1のセルコア2と第2のセルコア3の使用寿命を延長することができる。
【0097】
また、第1の接続面221と第2の接続面321を、第1の方向xに対して傾斜するように設けることにより、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aの第1の方向xに沿った長さを短縮して、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aが占める空間をさらに低減し、電池セルの体積を低減する目的を実現する。
【0098】
いくつかの実施例において、第1の接続面221は平面で、かつ第1の方向xに直交し、及び/又は、第2の接続面321は平面で、かつ第1の方向xに直交する。第1の接続面221と第2の接続面321を、第1の方向xに直交する平面に設けることにより、押圧力は、第1の接続面221と第2の接続面321によって耐えられ、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aへの衝撃を大幅に緩和し、第1のセルコア2と第2のセルコア3の使用寿命を延長し、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aが占める空間を大幅に節約し、電池セルの体積を低減し、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0099】
図9に示すように、いくつかの実施例において、電池セルは、アダプターシート10をさらに含み、アダプターシート10は、第1の接続面221と第2の接続面321の間に接続されている。第1の接続面221と第2の接続面321の間にアダプターシート10を設けることにより、第1のセルコア2と第2のセルコア3の押圧抵抗能力を向上させ、第1のセルコア2と第2のセルコア3の使用寿命をさらに延長することができる。アダプターシート10を設けることにより、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aに押圧を受ける時互いに挿入されるリスクを低減することができる。
【0100】
いくつかの実施例において、アダプターシート10は、圧縮可能な部分を含む。圧縮可能な部分は、変形能力を有し、圧縮可能な部分の変形により押圧力を緩和する。圧縮可能な部分は、弾性部又は溝付き部品を含み得る。弾性部は、バネまたはゴムパッド等を採用してもよい。
【0101】
いくつかの実施例において、アダプターシート10は、互いに接続されている第1の支持部101と第2の支持部102を含み、第1の支持部101は、第1の接続面221に支持され、第2の支持部102は、第2の接続面321に支持され、第1の支持部101と第2の支持部102の間には溝105が設けられている。溝105を設けることにより、アダプターシート10は、圧縮可能な能力を有し、第1の支持部101や第2の支持部102に押圧力を受ける時、溝105が存在するため、第1の支持部101又は第2の支持部102は、互いに近い方向に傾斜して押圧力の一部を吸収し、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aへの衝撃を軽減し、第1のセルコア2と第2のセルコア3を効果的に保護する。
【0102】
いくつかの実施例において、第1の支持部101は、第1の接続面221に貼り合う第1の支持面101Aを含み、第2の支持部102は、第2の接続面321に貼り合う第2の支持面102Aを含む。第1の接続面221に貼り合う第1の支持面101Aと第2の接続面321に貼り合う第2の支持面102Aを設けることにより、第1の支持部101と第2の支持部102のそれぞれ第1の接続面221と第2の接続面321に対する支持安定性を向上させることができる。
【0103】
いくつかの実施例において、第1の電極引き出し部品2aは、第1の方向xにそって延出する第1の接続部222をさらに含み、第3の電極引き出し部品3aは、第1の方向xにそって延出する第2の接続部322をさらに含み、アダプターシート10は、第1の支持部101に接続されている第3の支持部103と第2の支持部102に接続されている第4の支持部104を含み、第3の支持部103は、第1の接続部222を支持することに用いられ、第4の支持部104は、第2の接続部322を支持することに用いられる。
【0104】
第3の支持部103と第4の支持部104を設けることにより、アダプターシート10の第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aに対する支持能力をさらに高め、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aの間の接続を強化し、第1の電極引き出し部品2aと第3の電極引き出し部品3aの押圧抵抗能力を向上させることができる。
【0105】
いくつかの実施例において、第1の接続面221は第1の正極タブ22に設けられており、第2の接続面321は第2の正極タブ32に設けられており、第1の負極タブ23は第1の方向xに対して傾斜した第3の接続面を含んでもよく、第2の負極タブ33は第1の方向xに対して傾斜した第4の接続面を含んでもよく、第3の接続面は第4の接続面に電気的に接続されている。
【0106】
いくつかの実施例において、第3の接続面と第4の接続面の間にはもう1つのアダプターシートが設けられてもよく、当該アダプターシートの構造は、アダプターシート10の構造と同じでもよいし、異なってもよい。
【0107】
いくつかの実施例において、電池セルは、ブラケット8をさらに含み、ブラケット8は、第1のセルコア2と第2のセルコア3の間に設けられている。ブラケット8は、第1のセルコア2と第2のセルコア3を支持することに用いられる。
【0108】
以下、
図3~14を参照し、本願に提供される電池セルのいくつかの実施例の構造を説明する。
【0109】
本願に提供される電池セルの実施例において、電池セルは、ケース1、及び、ケース1の内部に設けられる第1のセルコア2と第2のセルコア3を含む。
【0110】
ケース1は、直方体形の形状であってもよい。第1のセルコア2と第2のセルコア3も直方体形の形状であってもよい。
【0111】
ケース1の長さは、第1のセルコア2の長さと第2のセルコア3の長さの合計よりも長い。第1のセルコア2と第2のセルコア3は、長手方向に沿ってケース1の内部に配置されている。第1のセルコア2の長手方向、第2のセルコア3の長手方向は、ケース1の長手方向に平行する。
【0112】
ケース1の両端にはそれぞれ第1の開口11と第2の開口12が設けられており、第1の開口11が位置する平面と第2の開口12が位置する平面は、ケース1の長手方向に直交する。第1の蓋板4は、第1の開口11に封止されており、第2の蓋板5は、第2の開口12に封止されている。
【0113】
ケース1内には第1のセルコア2と第2のセルコア3の間に位置するブラケット8がさらに設けられている。ケース1の側面には防爆弁9と防爆弁9の外側に貼り合わされるパッチ9aが設けられている。
【0114】
図3~9に示す実施例において、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、それぞれ3つのタブを含む。第1のセルコア2は、第1の本体部21を含み、第1の本体部21の第1の側面S1から2つのタブは延出しており、それぞれ第1の正極タブ22と第1の負極タブ23であり、第1の本体部21の第2の側面S2から1つタブ、即ち、第3のタブ24は、延出しておる。第2のセルコア3は、第2の本体部31を含み、第2の本体部31の第3の側面S3から2つのタブは、延出しており、それぞれ第2の正極タブ32と第2の負極タブ33であり、第2の本体部31の第4の側面S4から1つのタブ、即ち、第4のタブ34は延出している。第1の本体部21の第1の側面S1と第2の本体部31の第3の側面S3は、隣接し、かつ、対向配置されており、かつ第1の側面S1と第3の側面S3は、いずれも第1の本体部21の第2の側面S2と第2の本体部31の第4の側面S4の間に位置する。
【0115】
図3~5に示すように、電池セルは、2つの極柱を含み、極柱61は、第1の蓋板4に設けられており、かつ第3のタブ24に電気的に接続されており、第2の極柱71は、第2の蓋板5に設けられており、かつ第4のタブ34に電気的に接続されている。
【0116】
第1の正極タブ22と第2の正極タブ32は、電気的に接続されており、第1の負極タブ23と第2の負極タブ33は、電気的に接続されている。
【0117】
第1の正極タブ22と第2の正極タブ32は、直接互いに貼り合い、かつ電気的に接続されてもよいし、アダプターシート10を介して接続されてもよい。第1の負極タブ23と第2の負極タブ33の電気接続は、直接互いに貼り合い、かつ電気的に接続されてもよいし、もう1つのアダプターシート10を介して接続されてもよい。
【0118】
図6と
図7に示す実施例において、第1の正極タブ22は、L型接続部を含み、当該接続部は、第1の方向xに直交する第1の接続面221を含む。第2の正極タブ32は、L型接続部を含み、当該接続部は、第1の方向xに直交する第2の接続面321を含む。第1の正極タブ22と第2の正極タブ32は、第1の接続面221と第2の接続面321の溶接により接続されている。第1の接続面221と第2の接続面321は、互いに貼り合っている。
【0119】
図8と
図9に示す実施例において、アダプターシート10は、第1の接続面221と第2の接続面321の間に接続されている。
【0120】
アダプターシート10は、全体として「几」字状を呈する。アダプターシート10は、第1の支持部101、第2の支持部102、第3の支持部103及び第4の支持部104を含み、第1の支持部101と第2の支持部102は、U型構造を呈すように接続されており、第1の支持部101と第2の支持部102の間には溝105が形成されている。第3の支持部103と第1の支持部101は接続されており、第4の支持部104と第2の支持部102は接続されている。第1の支持部101と第2の支持部102は、それぞれケース1の長手方向に直交する部分とケース1の長手方向に平行する部分を含む。第3の支持部103と第4の支持部104は、いずれもケース1の長手方向に平行する。
【0121】
第1の正極タブ22は、L型接続部を含み、当該接続部は、ケース1の長手方向に平行する第1の接続部222とケース1の長手方向に直交する第3の接続部を含み、第1の接続面221は、第3の接続部に位置する。第2の正極タブ32は、L型接続部を含み、当該接続部は、ケース1の長手方向に平行する第2の接続部322とケース1の長手方向に直交する第4の接続部を含み,第2の接続面321は、第4の接続部に位置する。
【0122】
第1の支持部101は、第3の接続部を支持することに用いられ、かつ第1の支持部101の第1の支持面101Aは、第1の接続面221と互いに貼り合い、かつ溶接により接続されている。第2の支持部102は、第4の接続部を支持することに用いられ、かつ第2の支持部102の第2の支持面102Aは、第2の接続面321と互いに貼り合い、かつ溶接により接続されている。第3の支持部103は、第1の接続部222を支持することに用いられ、第4の支持部104は、第2の接続部322を支持することに用いられる。
【0123】
3つのタブを含む第1のセルコア2について、
図10に示すように、第1の本体部21は、第1の正極シート、第1の負極シート及び第1のセパレーターを含み、第1の正極シートと第1の負極シートは、捲回または積層されて第1の本体部21を形成し、第1のセパレーターは、第1の正極シートと第1の負極シートの間に設けられており、第3のタブ24は負極タブであり、第1の負極シートの第1の端は第1の本体部21の第3の側面S3から延出して第3のタブ24を形成し、第1の正極シートの第1の端は第1の本体部21の第3の側面S3に面一となっている。第1の正極シートの長さはd1であり、第1の負極シートの長さはd2であり、d2>d1である。
【0124】
3つのタブを含む第2のセルコア3について、
図11に示すように、第2の本体部31は、第2の正極シート、第2の負極シート及び第2のセパレーターを含み、第2の正極シートと第2の負極シートは、捲回または積層されて第2の本体部31を形成し、第2のセパレーターは、第2の正極シートと第2の負極シートの間に設けられており、第4のタブ34は正極タブであり、第2の正極シートの第1の端は第2の本体部31の第4の側面S4から延出して第4のタブ34を形成し、第2の負極シートの第1の端は第2の本体部31の第4の側面S4に面一となっている。第2の正極シートの長さはd3であり、第2の負極シートの長さはd4であり、d3>d4である。
【0125】
図12~14に示す実施例において、第1のセルコア2と第2のセルコア3は、それぞれ4つのタブを含む。そのうち、第1の本体部21の第1の側面S1から2つのタブは延出しており、それぞれ第1の正極タブ22と第1の負極タブ23であり、第1の本体部21の第2の側面S2からも2つのタブは延出しており、それぞれ第3の正極タブ25と第3の負極タブ26である。第2の本体部31の第3の側面S3から2つのタブは延出しており、それぞれ第2の正極タブ32と第2の負極タブ33であり、第2の本体部31の第4の側面S4からも2つのタブは、延出しており、それぞれ第4の正極タブ35と第4の負極タブ36である。
【0126】
当該実施例において、電池セルは4つの極柱を含み、第1の極柱61と第3の正極タブ25は、電気的に接続されており、第3の極柱62と第3の負極タブ26は、電気的に接続されており、第2の極柱71と第4の正極タブ35は、電気的に接続されており、第4の極柱72と第4の負極タブ36は、電気的に接続されている。第1の極柱61と第3の極柱62はいずれも第1の蓋板4に設けられており、第2の極柱71と第4の極柱72はいずれも第2の蓋板5に設けられている。当該実施例における電池セルの両側にはそれぞれ2つの極柱が設けられており、電流通過容量は、より優れている。
【0127】
好ましい実施例を参照して本願を説明してきたが、本願の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができ、その部品を等同物で置き換えることができる。特に、構造的な矛盾がない限り、各実施例で言及された各技術特徴を任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれるすべての技術案を含む。
【国際調査報告】