IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】通信方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20240903BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20240903BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240903BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W28/06 110
H04W84/12
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024509363
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 CN2022112957
(87)【国際公開番号】W WO2023020525
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110957217.1
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ガン,ミーン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ユイチェン
(72)【発明者】
【氏名】ホワーン,グオガーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,シュイン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本出願は、通信方法および装置を提供する。第1のAP(または第2のAP)の特定の要素の値は、第1のAP(または第2のAP)が属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。本出願は、IEEE802.11ax次世代Wi-Fiプロトコル、例えば、802.11beまたはEHTのような802.11シリーズプロトコルをサポートするワイヤレスローカルエリアネットワークシステムに適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
第1のアクセスポイント(AP)によって、管理フレームを生成するステップであって、前記管理フレームは、前記第1のAPの特定の要素を含み、前記第1のAPは、マルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、前記マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、前記第1のAPの前記特定の要素の値と同じである、ステップと、
前記第1のAPによって、前記管理フレームを送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
通信方法であって、
局(STA)によって、管理フレームを受信するステップであって、前記管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、前記第1のAPは、マルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、前記マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、前記第1のAPの前記特定の要素の値と同じである、ステップと、
前記STAによって、前記管理フレームに基づいて、前記マルチBSSIDセット内の前記非伝送BSSIDに対応する前記APの前記特定の要素の前記値、または前記第1のAPの前記特定の要素の前記値を決定するステップと
を含む方法。
【請求項3】
前記管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、前記マルチBSSID要素は、前記非伝送BSSIDに対応する前記APの前記特定の要素を含まない、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記管理フレームは、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記特定の要素は、
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
通信方法であって、
第1のアクセスポイント(AP)によって、管理フレームを生成するステップであって、前記管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、前記第1のAPは、第1のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、前記第2のAPの前記特定の要素の値は、前記第2のマルチBSSIDセット内の前記第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである、ステップと、
前記第1のAPによって、前記管理フレームを送信するステップと
を含む方法。
【請求項7】
通信方法であって、
局(STA)によって、第1のアクセスポイント(AP)から管理フレームを受信するステップであって、前記管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、前記第1のAPは、第1のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、前記第2のAPの前記特定の要素の値は、前記第2のマルチBSSIDセット内の前記第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである、ステップと、
前記STAによって、前記管理フレームに基づいて、前記第2のAPの前記特定の要素の前記値または前記第2のマルチBSSIDセット内の前記第2のAP以外の前記別のAPの前記特定の要素の前記値を決定するステップと
を含む方法。
【請求項8】
前記第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)に属する、
請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のAPは、前記第1のAP MLD内の前記第1のAP以外の別のAPである、
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、前記第2のAPは、前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、前記第2のAP MLDは、前記第1のマルチBSSIDセット内の前記非伝送BSSIDが位置するAP MLDである、
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のAPは、前記第1のAP MLD内の前記第1のAP以外の別のAPを含むか、または
前記第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、前記第2のAPは、前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、前記第2のAP MLDは、前記第1のマルチBSSIDセット内の前記非伝送BSSIDに対応する前記APが位置するAP MLDである、
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記特定の要素は、前記管理フレームのマルチBSSID要素に位置する、
請求項6から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含み、前記特定の要素は、前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置する、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルは前記特定の要素を含まない、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の非伝送BSSIDプロファイルは、前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルの第1の部分である、
請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記特定の要素は、前記管理フレームのマルチリンク要素に位置する、
請求項6から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記特定の要素は、前記マルチリンク要素内の前記第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のAPに対応する前記STA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、前記リンク識別子フィールドは、前記第2のAPのリンク識別子である、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記特定の要素は、前記マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドに位置し、前記1つのSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、前記リンク識別子フィールドの値は、特別な値である、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、前記局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記STA毎プロファイルフィールドは、前記局情報フィールドをさらに含み、前記局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、前記局MACアドレスフィールドの値は、前記第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである、
請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記管理フレームは、前記第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素をさらに含み、前記第1のマルチBSSIDセットに対応する前記マルチBSSID要素は、前記第2のマルチBSSIDセット内のAPの特定の要素を含まない、請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、前記第1のフィールドは、前記第2のAP MLDにアソシエーションされた非アクセスポイントマルチリンクデバイス(非AP MLD)内の局(STA)が前記第1のAP MLDのマルチリンク要素を受信する必要があることを示す、請求項6から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、前記第1のフィールドは、前記第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが前記第1のマルチBSSIDセットに対応する前記マルチBSSID要素を受信する必要があることを示す、請求項6から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、前記第1のフィールドは、前記第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内の局(STA)が、前記第1のマルチBSSIDセットに対応する前記マルチBSSID要素内の非伝送BSSIDプロファイルの前記第1の部分を受信する必要があることを示す、請求項6から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のフィールドは、能力情報フィールドに位置するか、
前記第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドに位置するか、
前記第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドの非伝送BSSID能力要素に位置するか、
前記第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素に位置するか、
前記第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素のマルチリンク制御フィールドに位置するか、または
前記第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素の共通情報フィールドに位置する、
請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記管理フレームは、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、請求項6から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記特定の要素は、
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項6から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
通信装置であって、前記装置は、トランシーバユニットと処理ユニットとを備え、前記装置は、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、通信装置。
【請求項30】
メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを備える通信装置であって、
前記メモリは、プログラムまたは命令を記憶するように構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記装置が請求項1から28のいずれか一項に記載の方法を実施するように、前記プログラムまたは前記命令を実行するように構成される、
通信装置。
【請求項31】
プログラム命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記プログラム命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータプログラム製品。
【請求項32】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラム命令を記憶し、前記プログラム命令が実行されると、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月19日に中国国家知識産権局に出願された「COMMUNICATION METHOD AND APPARATUS」と題する中国特許出願第202110957217.1号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)技術の分野に関し、特に、通信方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
WLAN通信プロセスでは、アクセスポイント(access point、AP)の通信パラメータが変化するとき、APは、関連する通信パラメータを示すために、いくつかの特定の要素を関連局(station、STA)に送信する必要があり得る。一般に、これらの特定の要素は、管理フレームで搬送され得る。
【0004】
現在、APによって送信される管理フレームは、複数のAPの関連する通信パラメータを示すために複数の特定の要素を搬送する必要があり得る。一般に、管理フレームで搬送される複数の特定の要素において、異なる特定の要素は、対応する異なるAPの特定の要素を示す。
【0005】
しかしながら、前述の実装プロセスでは、管理フレームは、各APについて対応する特定の要素を搬送する必要がある。その結果、APによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、通信方法および装置を提供する。第1のAP(または第2のAP)の特定の要素の値は、第1のAP(または第2のAP)が属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0007】
本出願の第1の態様は、WLAN通信に適用される通信方法を提供する。この方法は第1のAPによって実行されるか、または方法は第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第1の態様および第1の態様の可能な実装形態では、第1のAPによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法において、第1のAPは、管理フレームを生成し、管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じであり、第1のAPは、管理フレームを送信する。
【0008】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPによって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0009】
本出願の第2の態様は、通信方法を提供する。この方法はSTAによって実行されるか、または方法はSTA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第2の態様および第2の態様の可能な実装形態では、STAによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法では、STAは、管理フレームを受信し、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じであり、STAは、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定する。
【0010】
任意選択で、STAが、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定することは、STAが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定することと表現されてもよい。
【0011】
前述の技術的解決策に基づいて、STAによって受信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、STAが第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、STAがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0012】
本出願の第3の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置は第1のAPであるか、または装置は、第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内の処理ユニットは、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。装置内のトランシーバユニットは、管理フレームを送信するように構成される。
【0013】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0014】
本出願の第4の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置はSTAであるか、または装置は、STA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内のトランシーバユニットは、管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。装置内の処理ユニットは、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0015】
任意選択で、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成されることは、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定するように構成されることと表現されてもよい。
【0016】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって受信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0017】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つにおいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであることは、マルチBSSIDセット内の第1のAP以外の別のAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ(every two)同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素が同じであると表現されてもよく、管理フレームに含まれるマルチBSSIDセットは、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素を含まないことに留意されたい。
【0018】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。
【0019】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレーム内のマルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。言い換えると、第1のAPの特定の要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素も示す。したがって、第1のAPの特定の要素は、(第1のAPおよび非伝送BSSIDに対応するAPを含む)複数のAPの特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0020】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0021】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームで搬送される特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0023】
本出願の第5の態様は、WLAN通信に適用される通信方法を提供する。この方法は第1のAPによって実行されるか、または方法は第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第5の態様および第5の態様の可能な実装形態では、第1のAPによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法では、第1のAPは、管理フレームを生成し、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであり、第1のAPは管理フレームを送信する。
【0024】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0025】
本出願の第6の態様は、通信方法を提供する。この方法はSTAによって実行されるか、または方法はSTA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第6の態様および第6の態様の可能な実装形態では、STAによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法では、STAは、第1のアクセスポイント(AP)から管理フレームを受信し、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであり、STAは、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定する。
【0026】
任意選択で、STAが、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定することは、STAが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定することと表現されてもよい。
【0027】
前述の技術的解決策に基づいて、STAによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、STAが第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、STAが第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0028】
本出願の第7の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置は第1のAPであるか、または装置は第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内の処理ユニットは、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(access point station、AP MLD)内のAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。装置内のトランシーバユニットは、管理フレームを送信するように構成される。
【0029】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0030】
本出願の第8の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置はSTAであるか、または装置はSTA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内のトランシーバユニットは、第1のアクセスポイント(AP)から管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(access point station、AP MLD)内のAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。装置内の処理ユニットは、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0031】
任意選択で、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成されることは、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定するように構成されることと表現されてもよい。
【0032】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0033】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つにおいて、管理フレームを受信するSTAは、非AP MLD内のSTAであってもよいことに留意されたい。非AP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。例えば、非AP MLDが、管理フレームを受信するSTAのみを含むとき、非AP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあってもよく、または非AP MLDは、管理フレームを受信するSTA以外の別のSTAをさらに含んでもよい。
【0034】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つにおいて、第2のAPの特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであることは、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ同じであると表現されてもよいことに留意されたい。
【0035】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)に属する。
【0036】
任意選択で、第1のAP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。例えば、第1のAP MLDが第1のAPのみを含む場合、第1のAP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあってもよく、または第1のAP MLDは、第1のAP以外の別のAPをさらに含んでもよい。
【0037】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0038】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0039】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよい。
【0040】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、
第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。
【0041】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよい。
【0042】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0043】
任意選択で、第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置し、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0044】
任意選択で、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含む(または、第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである)。特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置し、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0045】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPが管理フレームを送信するとき、第1のAPは、管理フレームのマルチBSSID要素を使用することによって、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDに関する関連情報を搬送し得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。第1のAPが属する第1のAP MLDは、第2のAPが属する第2のAP MLDとは異なる。第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、第1のAPとは異なるAP MLDに位置するAPを示すための特定の要素を含む。特定の要素は、異なるAP MLD内のAPが位置するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示す。
【0046】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチBSSID要素に位置するとき、マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送基本サービスセット識別子プロファイル(Nontransmitted BSSID profile、簡単に非伝送BSSIDプロファイルと呼ばれる)を含み、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置する。
【0047】
任意選択で、第1の非伝送BSSIDプロファイルは、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルの第1の部分である。
【0048】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含む。言い換えると、第1のマルチBSSIDセットは、少なくとも1つの非伝送BSSIDを含む。管理フレームの受信端が第2のAPの特定の要素を受信するのを助けるために、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置し得る。
【0049】
任意選択で、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の任意の非伝送BSSIDプロファイル(例えば、第2の可能な非伝送BSSIDプロファイル、第3の可能な非伝送BSSIDプロファイル、・・・、または最後の可能な非伝送BSSIDプロファイル)に位置する。
【0050】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。
【0051】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームのマルチBSSID要素内の少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルにおいて、特定の要素を含む第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、別の非伝送BSSIDプロファイルに対応するBSSIDのAPの特定の要素の値も示す。したがって、第1のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、別の非伝送BSSIDプロファイルに対応するBSSIDのAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0052】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはML要素と呼ばれる)に位置する。
【0053】
任意選択で、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであり、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。
【0054】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPがAP MLDに位置するとき、管理フレームは、第1のAPが管理フレームを送信するときにマルチリンク要素を搬送し得る。第1のAPおよび第2のAPが同じAP MLDに関連している(affiliated with)とき、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素で搬送され得る。
【0055】
第2のAPが第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであることは、第1のAPおよび第2のAPが同じAP MLDに関連していることと表現されてもよい。
【0056】
加えて、第1のAPは、第1のAP MLD内のAPであり得、第2のAPは、第1のAP MLD内の別のAPである。第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、第1のAPと同じAP MLDに位置する別のAPを示すための特定の要素を含む。特定の要素は、同じAP MLD内の別のAPが位置するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示す。
【0057】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、特定の要素は、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置する。
【0058】
前述の技術的解決策に基づいて、マルチリンク要素は、第2のAPの特定の要素がマルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに具体的に位置し得ることを示すための複数のSTA毎プロファイルフィールドを含み得る。
【0059】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子である。
【0060】
前述の技術的解決策に基づいて、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドをさらに含み得、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子であり、リンク識別子は、管理フレームの受信端に、STA毎プロファイルフィールドが第2のAPが位置するリンクであることを示す。
【0061】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含まないことを示す。
【0062】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。
【0063】
任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のAPのMACアドレスであってもよい。
【0064】
任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであってもよい。
【0065】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。
【0066】
任意選択で、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含み、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。
【0067】
任意選択で、特別な値は、現在の標準において指定されたリンク識別子フィールドの値の予約値である。例えば、特別な値は15である。
【0068】
前述の技術的解決策に基づいて、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、マルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに含まれるリンク識別子フィールドの値は特別な値であり、特別な値を使用することによって、既存のAPのリンク識別子との競合が回避される。
【0069】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。
【0070】
前述の技術的解決策に基づいて、特定の要素が管理フレームの第2のマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示し、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むと決定し、局MACアドレスフィールド内の局MACアドレスを受信する。
【0071】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0072】
前述の技術的解決策に基づいて、特定の要素が管理フレームの第2のマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の局MACアドレスフィールドをさらに含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。したがって、局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示し、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値は同じである。
【0073】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。
【0074】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに関する情報を示すためのマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値も示すので、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0075】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、第1のフィールドは、以下のうちの少なくとも1つを満たす:
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAPにアソシエーションされたSTAが第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;または
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素内の第1の非伝送BSSIDプロファイル(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す。
【0076】
任意選択で、上述のSTAは、第1のAPと同じリンク上で動作するAPにアソシエーションされたSTA、または第1のAPにアソシエーションされたSTAである。
【0077】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、
第1のフィールドは、能力情報(Capabilities Info)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドの非伝送BSSID能力(nontransmitted BSSID Capabilities)要素に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはML要素と呼ばれる)に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素のマルチリンク制御フィールドに位置する;または
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素の共通情報フィールドに位置する。
【0078】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0079】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0080】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームで搬送される特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0081】
本出願の実施形態の第9の態様は、少なくとも1つのプロセッサを含む通信装置を提供する。少なくとも1つのプロセッサは、メモリに結合される。メモリは、プログラムまたは命令を記憶するように構成される。少なくとも1つのプロセッサは、プログラムまたは命令を実行するように構成され、それにより、装置は、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装するか、または装置は、第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装するか、または装置は、第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装するか、または装置は、第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装する。
【0082】
本出願の実施形態の第10の態様は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0083】
本出願の実施形態の第11の態様は、1つまたは複数のコンピュータを記憶するコンピュータプログラム製品(またはコンピュータプログラムと呼ばれる)を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0084】
本出願の実施形態の第12の態様は、チップシステムを提供する。チップシステムは、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、または第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、または第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、または第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0085】
可能な設計では、チップシステムはメモリをさらに含む。メモリは、通信装置に必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含んでもよいし、チップと別のディスクリート構成要素とを含んでもよい。任意選択で、チップシステムは、インターフェース回路をさらに含み、インターフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサにプログラム命令および/またはデータを提供する。
【0086】
本出願の実施形態の第13の態様は、通信システムを提供する。通信システムは、第3の態様における通信装置と第4の態様における通信装置とを含み、および/または、通信システムは、第7の態様における通信装置と第8の態様における通信装置とを含み、および/または、通信システムは、第9の態様における通信装置を含む。
【0087】
第9の態様から第13の態様における任意の設計によってもたらされる技術的効果については、第1の態様から第8の態様における異なる実装形態によってもたらされる技術的効果を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0088】
前述の技術的解決策から分かるように、いくつかの実施形態では、第1のAP(または第2のAP)の特定の要素の値は、第1のAP(または第2のAP)が属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、第1のAPによって管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本出願による通信システムの概略図である。
図2a】本出願による通信システムの別の概略図である。
図2b】本出願による通信システムの別の概略図である。
図2c】本出願による通信システムの別の概略図である。
図3】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの概略図である。
図4】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図5】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図6】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図7】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図8】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図9】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの概略図である。
図10】本出願による通信方法の概略図である。
図11a】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図11b】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図12】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図13】本出願による通信システムの別の概略図である。
図14】本出願による通信方法の別の概略図である。
図15a】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15b】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15c】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15d】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15e】本出願による通信方法の別の概略図である。
図16】本出願による通信装置の概略図である。
図17】本出願による通信装置の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本出願では、別段の指定がない限り、実施形態の同じまたは同様の部分については、互いを参照する。本出願の実施形態および実施形態における実装形態/実装方法では、別段の指定がない限り、または論理的矛盾が生じない限り、用語および/または説明は一貫しており、異なる実施形態の間で、および実施形態における実装形態/実装方法の間で相互参照され得る。異なる実施形態における技術的特徴および実施形態における実装形態/実装方法は、それらの内部の論理関係にしたがって、新しい実施形態、実装形態、または実装方法を形成するために組み合わされてもよい。以下の説明は、本出願の実装形態であるが、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0091】
いくつかのシナリオでは、本出願の実施形態におけるいくつかの任意選択の特徴は、対応する技術的問題を解決し、対応する効果を達成するために、別の特徴、例えば、任意選択の特徴が現在基づいている解決策に依存することなく独立して実装され得ることが理解され得る。代替的に、いくつかのシナリオでは、任意選択の特徴は、要件に基づいて他の特徴と組み合わされる。それに対応して、本出願の実施形態において提供される装置はまた、これらの特徴または機能をそれに対応して実装し得る。詳細はここでは説明されない。
【0092】
本出願の説明において、「複数の(a plurality of)」という用語は、別段の指定がない限り、2つ以上を意味する。「以下の項目(部分)のうちの少なくとも1つ」またはこれに類する表現は、これらの項目の任意の組合せを意味し、単数の項目(部分)または複数の項目(部分)の任意の組合せを含む。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つの項目(部分)は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを示し得、ここで、a、b、およびcは、単数であっても複数であってもよい。
【0093】
加えて、本出願の実施形態における技術的解決策を明確に説明するために、「第1の」および「第2の」などの用語は、基本的に同じ機能または目的を提供する同じ項目または同様の項目を区別するために、本出願の実施形態において使用される。当業者は、「第1の」および「第2の」などの用語が数量または実行順序を限定するものではなく、「第1の」および「第2の」などの用語が明確な違いを示さないことを理解することができる。加えて、本出願の実施形態では、「例」または「例えば」などの表現は、例、例示、または説明を与えることを表すために使用される。本出願の実施形態において「例」または「例えば」として説明される任意の実施形態または設計方式は、別の実施形態または設計方式よりも好ましい、またはより多くの利点を有するものとして説明されるべきではない。正確には、「例」および「例えば」などの表現の使用は、理解を容易にするめの特定の方法で相対的な概念を提示することを意図している。
【0094】
本出願の実施形態において提供される方法の理解を容易にするために、以下では、本出願の実施形態において提供される方法のシステムアーキテクチャについて説明する。本出願の実施形態において説明されるシステムアーキテクチャは、本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明することを意図するものであり、本出願の実施形態において提供される技術的解決策に対するいかなる限定も構成しないことが理解され得る。
【0095】
本出願で提供される技術的解決策は、WLANシナリオに適用可能であり、例えば、IEEE802.11システムの標準、例えば、802.11a/b/g、802.11n、802.11ac、802.11ax、または802.11axの次世代、例えば、802.11be、またはさらなる次世代標準に適用可能である。
【0096】
本出願の実施形態は、展開されたWLANネットワーク、特にIEEE802.11システムの標準を適用するネットワークの例を使用することで主に説明されるが、当業者は、本出願の態様が、様々な標準またはプロトコルを使用する他のネットワーク、例えば、Bluetooth(Bluetooth(登録商標))、高性能ワイヤレスLAN(high performance radio LAN、HIPERLAN)(これは、IEEE802.11標準と同様のワイヤレス標準であり、主に欧州で使用される)、広域通信網(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、または既知であるかもしくは将来開発される他のネットワークに拡張され得ることを容易に理解する。したがって、本出願において提供される様々な態様は、カバレッジおよびワイヤレスアクセスプロトコルにかかわらず、任意の適切なワイヤレスネットワークに適用可能である。
【0097】
代替的に、本出願の実施形態は、ワイヤレスローカルエリアネットワークシステム、例えば、モノのインターネット(internet of things、IoT)またはVehicle-to-X(Vehicle to Everything、V2X)ネットワークに適用されてもよい。当然ながら、本出願の実施形態は、他の可能な通信システム、例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、LTE周波数分割複信(frequency division duplex、FDD)システム、LTE時分割複信(time division duplex、TDD)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(universal mobile telecommunications system、UMTS)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(worldwide interoperability for microwave access、WiMAX)通信システム、第5世代(5th generation、5G)通信システム、および将来の第6世代(6th generation、6G)通信システムに適用可能である。
【0098】
本出願で使用される前述の通信システムは、説明のための例にすぎず、それに限定されるものではない。本明細書では統一された説明が提供され、詳細は以下で再び説明されない。
【0099】
前述の内容は、本出願の実施形態におけるシステムアーキテクチャを簡潔に説明している。本出願の実施形態における技術的解決策をより良く理解するために、以下では、本出願の実施形態に関連する内容を説明する。
【0100】
1.マルチリンクデバイス
【0101】
本出願の実施形態に適用可能なワイヤレス通信システムは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless local area network、WLAN)またはセルラーネットワークであり得る。マルチキャストサービス送信方法は、ワイヤレス通信システム内の通信デバイス、または通信デバイス内のチップもしくはプロセッサによって実施され得る。通信デバイスは、複数のリンク上で実行される同時送信をサポートするワイヤレス通信デバイスであり得る。例えば、通信デバイスは、マルチリンクデバイス(Multi-link device)またはマルチバンドデバイス(multi-band device)と呼ばれる。シングルリンク送信のみをサポートするデバイスと比較して、マルチリンクデバイスは、より高い送信効率およびより高いスループットを有する。
【0102】
マルチリンクデバイスは、1つまたは複数の関連局(STA)(affiliated STA)を含む。関連STAは、論理局であり、1つのリンク上で動作し得る。関連局は、アクセスポイント(access point、AP)または非アクセスポイント局(non-Access Point Station、非AP STA)であり得る。説明を容易にするために、本出願では、その関連局がAPであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクAP、マルチリンクAPデバイス、またはAPマルチリンクデバイス(AP multi-link device、AP MLD)と呼ばれることがある。関連局が非AP STAであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクSTA、マルチリンクSTAデバイス、またはSTAマルチリンクデバイス(STA multi-link device、STA MLD)と呼ばれることがある。説明を容易にするために、本出願の実施形態では、「マルチリンクデバイスが関連STAを含む」を「マルチリンクデバイスがSTAを含む」とも簡単に説明する。
【0103】
マルチリンクデバイスは複数の論理局を含み、論理局の各々は単一のリンク上で動作するが、複数の論理局が同じリンク上で動作することが可能であることに留意されたい。
【0104】
マルチリンクデバイスは、802.11標準ファミリーにしたがってワイヤレス通信を実装し得る。例えば、超高スループット(extremely high throughput、EHT)をサポートする局、または802.11beをサポートする局、または802.11beと同様の標準をサポートする局は、別のデバイスとの通信を実施する。当然ながら、別のデバイスは、マルチリンクデバイスであってもなくてもよい。
【0105】
例えば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであってもよいし、マルチアンテナデバイスであってもよい。例えば、マルチリンクデバイスは、2つより多くのアンテナを有するデバイスであり得る。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は、本出願のこの実施形態では限定されない。本出願のこの実施形態では、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で送信されることを可能にし得、または、同じデータパケットが異なるリンク上で送信されることさえ可能にし得る。代替的に、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で送信されることを可能にせず、異なるアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で送信されることを可能にし得る。
【0106】
例えば、マルチリンクデバイスは、ワイヤレス通信機能を有する装置である。装置は、システム全体のデバイスであってもよく、またはシステム全体のデバイスにインストールされたチップ、処理システムなどであってもよい。チップまたは処理システムがインストールされるデバイスは、この出願の実施形態における方法および機能を実装するために、チップまたは処理システムによって制御され得る。例えば、本出願の実施形態におけるSTA MLDは、ワイヤレストランシーバ機能を有し、802.11シリーズプロトコルをサポートし得、AP MLD、別のSTA MLD、またはシングルリンクデバイスと通信し得る。例えば、STA MLDは、ユーザがAPと通信し、さらにWLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。例えば、STA MLDは、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、または携帯電話など、ネットワークに接続することができるユーザ機器であってもよいし、モノのインターネットにおけるモノのインターネットノードであってもよいし、車両のインターネットにおける車載通信装置であってもよい。STA MLDは、代替的に、前述の端末内のチップおよび処理システムであってもよい。
【0107】
本出願の実施形態におけるAP MLDは、STA MLDをサービスする装置であり、802.11シリーズプロトコルをサポートし得る。例えば、AP MLDは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはブリッジなどの通信エンティティであってもよいし、AP MLDは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局などを含んでもよい。当然ながら、AP MLDは、代替的に、様々な形態のデバイス内のチップおよび処理システムであってもよい。このようにして、本出願の実施形態における方法および機能が実装される。加えて、マルチリンクデバイスは、高レートおよび低レイテンシ送信をサポートし得る。ワイヤレスローカルエリアネットワークの適用シナリオの継続的な発展に伴い、マルチリンクデバイスは、より多くのシナリオ、例えば、スマートシティ内のセンサノード(例えば、スマート水道メータ、スマート電気メータ、およびスマート空気検出ノード)、スマートホーム内のスマートデバイス(例えば、スマートカメラ、プロジェクタ、ディスプレイ、テレビ、ステレオ、冷蔵庫、および洗濯機)、モノのインターネット内のノード、エンターテイメント端末(例えば、ARおよびVRなどのウェアラブルデバイス)、スマートオフィス内のスマートデバイス(例えば、プリンタまたはプロジェクタ)、車両のインターネット内の車両のインターネットデバイス、および日常生活のシナリオ内のいくつかのインフラストラクチャ(例えば、自動販売機、スーパーマーケット内のセルフサービスナビゲーションコンソール、セルフサービスキャッシュレジスタ、およびセルフサービス注文マシン)にさらに適用され得る。STA MLDおよびAP MLDの具体的な形態は、本出願の実施形態では特に限定されず、本明細書で説明するための例にすぎない。802.11プロトコルは、802.11beをサポートするか、または802.11beと互換性があるプロトコルであり得る。
【0108】
マルチリンクデバイスが動作する周波数帯域は、限定はしないが、サブ1GHz、2.4GHz、5GHz、6GHz、および高周波数60GHzを含み得る。
【0109】
例えば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであってもよいし、マルチアンテナデバイスであってもよい。例えば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、少なくとも2つのアンテナを有するデバイスであり得る。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は、本出願のこの実施形態では限定されない。図1は、AP MLDが複数のアンテナを有し、STA MLDが単一のアンテナを有する構造の概略図である。802.11標準は、AP MLDおよびSTA MLDにおいて物理層(Physical layer、PHY)および媒体アクセス制御(media access control、MAC)層部分に焦点を当てている。
【0110】
2.マルチリンク協調技術
【0111】
WLANシステムのサービス伝送速度を大幅に向上させるために、電気電子技術者協会(institute of electrical and electronics engineers、IEEE)802.11ax標準は、既存の直交波周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)技術に基づく直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access、OFDMA)技術をさらに使用する。OFDMA技術は、複数のノードが同時にデータを送受信して、多局ダイバーシティ利得を達成することをサポートする。加えて、連邦通信委員会(federal communications commission、FCC)は、5925~7125MHzの新しい空き周波数帯域をリリースした。以下、この周波数帯域を簡単に6GHzと呼ぶ。したがって、802.11axデバイスの動作範囲は、2.4GHzおよび5GHzから2.4GHz、5GHz、6GHzなどに拡張される。
【0112】
IEEE802.11ax次世代Wi-Fiプロトコル-超高スループット(extremely high throughput、EHT)デバイスが前方互換である。したがって、デバイスは、802.11axデバイスの動作スペクトル、すなわち、2.4GHz、5GHz、および6GHz帯域もサポートする。IEEE802.11ax次世代Wi-Fiプロトコル-EHTデバイスは、新しくリリースされたフリーの6GHz帯域に基づいてチャネル分割を実行する。サポートされる帯域幅、例えば、320MHzは、5GHzでサポートされる最大帯域幅160MHzを超える。
【0113】
IEEE802.11ax次世代Wi-Fi-EHTデバイスのピークスループットは、超大帯域幅を使用することによって、より多数のストリームを使用すること、例えば、ストリームの数を16に増やすことによって、複数の帯域(2.4GHz、5GHz、および6GHz)の協働を通じて、または別の方式で増加させることができる。同じ周波数帯域において、複数のチャネルの協調を通して、または別の方式で、ピークスループットをさらに増加させることができる。これにより、サービス送信遅延が低減される。本明細書では、複数の周波数帯域または複数のチャネルを総称して複数のリンクと呼ぶ。
【0114】
IEEE802.11ax次世代Wi-Fi-EHTデバイスは、マルチリンク協調技術を使用して、複数の不連続なリンクを集約して超大帯域幅を形成する。より高い帯域幅を集約することに加えて、マルチリンク協調技術はさらに、同じサービスのデータパケットを同じ局に同時に送信するために使用され得る。
【0115】
WLANは、サブ(sub)1ギガヘルツ(GHz)、2.4GHz、5GHz、6GHzなどを含む低周波数帯域上で動作し得る。802.11ax(Wi-Fi 6)および以前のマルチバンドWi-Fiでは複数のリンクが構成されているが、一般に、異なる基本サービスセット(basic service set、BSS)が複数のリンクの各々に対して確立され、ある瞬間には、1つのリンクしか、そのリンクが属するBSS内の局と通信するために使用することができず、各リンク上の動作は十分な協調を欠いている。
【0116】
IEEE802.11次世代Wi-Fi超高スループット(extremely high throughput、EHT)プロトコルでは、新しい6GHz帯域上の超大帯域幅を使用して情報パケットを送信することができ、マルチリンク協調技術を使用することによって、複数の不連続リンクを集約して超大帯域幅を形成することもできる。マルチリンク協調技術は、より大きな帯域幅を集約することができる。加えて、MACレイヤはまた、メッセージパケットを柔軟に送信するために、または、同じサービスのメッセージパケットを同じ局に同時に送信するために、複数のリンク上で共有され得る。マルチリンク協調技術を実装することができるデバイスを、以下ではマルチリンクデバイスと呼ぶ。APマルチリンクデバイスおよび局マルチリンクデバイスは、複数のリンクが迅速にアソシエーションされることができるように、1つのリンク上でアソシエーションされ得る。
【0117】
非AP MLDは、AP MLDの複数のリンクに同時にアソシエーションされる1つのリンク(link)に対してマルチリンクセットアップ動作を実行し得る。マルチリンクアソシエーション要求/応答(Multi-link Association Request/Response)フレーム交換を実行するリンクは、伝送リンク(Transmitted Link)と呼ばれる。これに対応して、別のリンクは、非伝送リンク(Nontransmitted Link)と呼ばれる。マルチリンクアソシエーション要求/応答フレームは、複数のリンクの同時アソシエーションを実施するために、複数のリンク(例えば、マルチリンク要素)に関する情報を搬送する。
【0118】
3.リンク識別子
【0119】
リンク識別子は、1つのリンク上で動作する1つの局を表す。言い換えると、1つのリンク上に2つ以上の局が存在する場合、2つ以上のリンク識別子が2つ以上の局を表す。以下で言及されるリンクは、リンク上で動作する局を表すこともある。
【0120】
データ伝送中、AP MLDおよびSTA MLDは、リンク識別子を使用して、リンクまたはリンク上の局を識別し得る。通信の前に、AP MLDおよびSTA MLDは、まず、リンク識別子とリンクまたはリンク上の局との間の対応について互いにネゴシエートまたは通信し得る。したがって、データ伝送中、リンクまたはリンク上の局を示すために大量のシグナリング情報を送信することなく、リンク識別子が搬送される。これにより、シグナリングオーバーヘッドが低減され、送信効率が向上する。
【0121】
一例では、基本サービスセット(basic service set、BSS)を確立するときにAP MLDによって送信される管理フレーム、例えば、ビーコン(beacon)フレームは、1つの要素を搬送し、要素は、複数のリンク識別子情報フィールドを含む。リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子と、このリンク識別子に対応するリンク上で動作する局との間の対応を示し得る。リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子を含み、MACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号という情報のうちの1つまたは複数を含む。MACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数が1つのリンクを示し得る。APの場合、APのMACアドレスは、APのBSSID(基本サービスセット識別子、basic service set identifier)である。
【0122】
別の例では、マルチリンクデバイスアソシエーションプロセスにおいて、AP MLDおよびSTAマルチリンクデバイスは、複数のリンク識別子情報フィールドをネゴシエートする。マルチリンクデバイスアソシエーションとは、AP MLDの1つのAPとSTA MLDの1つのSTAとの間の1つのアソシエーションを意味する。アソシエーションは、STA MLDの複数のSTAとAP MLDの複数のAPとの間のそれぞれのアソシエーションを容易にし得、1つのSTAが1つのAPにアソシエーションされる。
【0123】
後続の通信において、リンク識別子は、STAマルチリンクデバイスの局を表すためにAP MLDまたはSTA MLDによって使用され、リンク識別子は、局のMACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数の属性をさらに表し得る。MACアドレスは、アソシエーション後のAP MLDのアソシエーション識別子に置き換えられてもよい。
【0124】
任意選択で、複数の局が1つのリンク上で動作する場合、リンク識別子(数値IDである)は、リンクの動作クラスおよびチャネル番号を表し、リンク上で動作する局の識別子、例えば、局のMACアドレスまたは局のアソシエーション識別子(association identifier、AID)も表す。
【0125】
本出願の実施形態は、IEEE802.11ネットワークが展開される例を主に説明するが、本出願の様々な態様は、様々な標準またはプロトコルを使用する他のネットワーク、例えば、BLUETOOTH(Bluetooth)、高性能無線LAN(high performance radio LAN、HIPERLAN)(IEEE802.11標準に類似し、主に欧州で使用されるワイヤレス標準)、広域通信網(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(パーソナルエリアネットワーク、PAN)、または別の既知であるかもしくは後に開発されるネットワークに拡張することができることを、当業者は容易に理解する。したがって、本出願において提供される様々な態様は、カバレッジおよびワイヤレスアクセスプロトコルにかかわらず、任意の適切なワイヤレスネットワークに適用可能である。
【0126】
図2aにおいて、ワイヤレスローカルエリアネットワークが、本出願の実施形態が適用される通信システム100を説明するための例として使用される。通信システム100は、局101および局102を含む。局101は、スループットを向上させるために、複数のリンクを介して局102と通信し得る。局101はマルチリンクデバイスであり得、局102は、シングルリンクデバイス、マルチリンクデバイスなどであり得る。あるシナリオでは、局101はAP MLDであり、局102はSTA MLDまたは局(例えば、シングルリンク局)である。別のシナリオでは、局101はSTA MLDであり、局102はAP(例えば、シングルリンクAP)またはAP MLDである。さらに別のシナリオでは、局101はAP MLDであり、局102はAP MLDまたはAPである。さらに別のシナリオでは、局101はSTA MLDであり、局102はSTA MLDまたはSTA(例えば、シングルリンク局)である。当然ながら、ワイヤレスローカルエリアネットワークは、別のデバイスをさらに含んでいてもよい。図2aに示されるデバイスの数量およびタイプは、単なる例である。
【0127】
図2bおよび図2cは、それぞれ、通信システム200および通信システム300の構造の概略図を示す。通信システム200および通信システム300では、例えば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク内のマルチリンクデバイスは、複数のリンクを介して別のデバイスと通信する。
【0128】
図2bは、AP MLDがSTA MLDと通信するシナリオである。AP MLDは、関連AP1および関連AP2を含む。STA MLDは、関連STA1および関連STA2を含む。AP MLDおよびSTA MLDは、リンク1およびリンク2上で並列に通信する。
【0129】
図2cは、AP MLD601がSTA MLD602、STA MLD603、およびSTA604と通信するシナリオである。AP MLD601は、関連AP601-1~関連AP601-3を含む。STA MLD602は、STA602-1、STA602-2、およびSTA602-3という3つの関連STAを含む。STA MLD603は、STA603-1およびSTA603-2という2つの関連STAを含む。STA604-1およびSTA604は、シングルリンクデバイスである。AP MLD601は、STA MLD602と通信するためにリンク1、リンク2、およびリンク3を別々に使用し、STA MLD603と通信するためにリンク2およびリンク3を使用し、STA604と通信するためにリンク1を使用し得る。一例では、STA604は2.4GHz帯域上で動作する。STA MLD603において、STA603-1は5GHz帯で動作し、STA603-2は6GHz帯で動作する。STA MLD602において、STA602-1は2.4GHz帯で動作し、STA602-2は5GHz帯で動作し、STA602-3は6GHz帯で動作する。AP MLD601内の2.4GHz帯で動作するAP601-1は、リンク1上で、STA604およびSTA MLD602のSTA602-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。AP MLD601内の5GHz帯域上で動作するAP601-2は、リンク2上で、STA MLD602内の5GHz帯域上で動作するSTA603-1とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得、リンク2上で、STA MLD603内の5GHz帯域上で動作するSTA602-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送をさらに実行し得る。AP MLD601内の6GHz帯域上で動作するAP601-3は、リンク3上で、STA MLD602内の6GHz帯域上で動作するSTA602-3とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得、リンク3上で、STA MLD内のSTA603-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送をさらに実行し得る。
【0130】
図2bは、AP MLDが2つの周波数帯域をサポートすることのみを示しており、図2cは、AP MLD601が3つの周波数帯域(2.4GHz、5GHz、および6GHz)をサポートすることのみを示していることに留意されたい。各周波数帯域は1つのリンクに対応する。例えば、AP MLD601は、リンク1、リンク2、またはリンク3のうちの1つまたは複数のリンク上で動作し得る。AP側またはSTA側では、本明細書のリンクは、リンク上で動作する局としても理解され得る。実際の適用では、AP MLDおよびSTA MLDは、より多いまたはより少ない周波数帯域をさらにサポートしてもよい。言い換えると、AP MLDおよびSTA MLDは、より多くのリンクまたはより少ないリンク上で動作してもよい。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0131】
4.マルチリンク要素
【0132】
図3は、マルチリンク要素のフォーマット300の概略図である。図3に示すように、マルチリンク要素は、要素ID(Element Identifier)フィールド301と、長さ(Length)フィールド302と、要素ID拡張(Element ID Extension)フィールド303と、マルチリンク制御(Multi-Link Control)フィールド304と、共通情報フィールドとを含む。共通情報フィールドは、長さフィールド305、MLD MACアドレス(MLD MAC address)フィールド、・・・、能力フィールドなどのフィールドk(Field k)306、STA毎プロファイルx(Per-STA Profile x)フィールド307、およびSTA毎プロファイルy(Per-STA Profile y)フィールド(存在する場合)308を含む。
【0133】
MLD共通情報部分310は、MLDの関連情報を搬送するように構成される。後続するSTA毎プロファイルxフィールド307およびSTA毎プロファイルyフィールド(存在する場合)308は、STA毎プロファイル(per-STA profile)を表すオプションのサブ要素320である。
【0134】
さらに、マルチリンク制御フィールド304は、タイプ(Type)314、フィールドk存在324、および予約(Reserved)334を含む。例えば、タイプ314は、基本タイプであってもよいし、プローブ要求タイプであってもよい。
【0135】
任意選択で、マルチリンク要素は、リンク情報部分をさらに含み、リンク情報部分は、1つまたは複数の「STA毎プロファイル」を含む。STA毎プロファイルxフィールド307は、サブ要素ID(Subelement ID)317と、長さ(Length)327と、コンテンツ337とを含み、コンテンツ337は、STA毎制御フィールド(Per-STA control field)3371と、STA情報(STA information)フィールド3372と、STAプロファイルフィールド3373とを含む。STA毎制御フィールド3371は、リンクID(Link ID)33711およびSTA MACアドレス存在(STA MAC Address present)33712を含む。STA情報フィールド3372は、長さ33721、STA MACアドレス(STA MAC Address)33722などを含む。STAプロファイルフィールド3373は、フィールドx33731、・・・、要素Y(Element Y)33732、・・・、および非継承要素(Non-Inheritance element)(存在する場合)33733を含む。
【0136】
図3のMLD MACアドレスフィールド305とフィールドk306との間に別のフィールドがさらに含まれてもよく、本明細書では示されないことが理解され得る。STA情報フィールド3372は、別のフィールドをさらに含み、STAプロファイルフィールド33733は、フィールド1、フィールド2、・・・、要素1、要素2、・・・などの別のフィールドまたは要素をさらに含み、非継承要素33733は最後の要素である。
【0137】
5.マルチBSSIDセット
【0138】
マルチ基本サービスセット識別子セット(Multiple BSSID set、これは、マルチBSSIDセットと呼ばれることがある)は、いくつかの協調APのセットとして理解され得る。すべての協調APは、同じ動作クラス、同じチャネル番号、および同じアンテナインターフェースを使用する。マルチBSSIDセットには、伝送(Transmitted)BSSID APは1つだけであり、他のAPは非伝送(Nontransmitted)BSSID APである。マルチBSSIDセットに関する情報(すなわち、マルチBSSID要素)は、伝送BSSID APによって送信されるビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、またはネイバー報告で搬送される。非伝送BSSID APのBSSIDに関する情報は、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、またはネイバー報告中のマルチBSSID要素に基づいて、局によって導出される。非伝送BSSID APのBSSIDは、伝送BSSID APのBSSIDと、伝送BSSID APの非伝送BSSIDプロファイル内のマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドとを使用することによって計算される。具体的な方法については、Draft 802.11REVmd_D3.0プロトコルを参照されたい。
【0139】
マルチBSSIDセットは、複数のAPを含むものと理解され得る。各APは、1つのBSSを管理し、異なるAPは、異なるSSIDおよび許可、例えば、セキュリティ機構または送信機会を有し得る。
【0140】
マルチBSSIDセットでは、BSSIDが伝送BSSIDであるAPのみがビーコン(beacon)フレームおよびプローブ応答(Probe Response)フレームを送信することができ、非伝送BSSID APはビーコンフレームを送信しない。したがって、STAによって送信されたプローブ要求(Probe Request)フレームが、BSSIDがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDであるAPに送信された場合、BSSIDがマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであるAPが、プローブ応答フレームを送信する応答を行うのを助ける。
【0141】
マルチBSSIDセット内の複数のAP内の1つのAPのBSSIDは、伝送(Transmitted)BSSIDとして構成され、伝送BSSID APは、伝送(transmitted)APと呼ばれることがある。別のAPのBSSIDは、非伝送(Nontransmitted)BSSIDとして構成され、非伝送BSSID APは、非伝送(Nontransmitted)APと呼ばれることがある。
【0142】
伝送BSSIDに対応するAPによって送信されるビーコンフレームは、マルチBSSID要素を含み得る。マルチBSSID要素のフレームフォーマットを図4に示す。マルチBSSID要素は、要素IDフィールドと、長さフィールドと、最大BSSIDインジケータフィールドと、オプションのサブ要素フィールドとを含む。最大BSSIDインジケータフィールドは、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示す。オプションのサブ要素フィールドは、1つまたは複数の非伝送BSSIDに対応する非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドを含む。
【0143】
マルチBSSIDセット内で許可されるAPの最大数量は2^(n)であり、nは、図4に示されるマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。したがって、NonTxBSS ID(識別子)が1~2n-1である非伝送BSSID APがグループキャストサービスを有するかどうかをそれぞれ示すために、サービス指示仮想ビットマップフィールドのビット1~2^(n)-1がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID APにそれぞれ割り振られ得る。NonTxBSS IDの値は、マルチBSSID要素内の非伝送BSSIDプロファイル内のマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドの値に等しい。非伝送BSSIDプロファイルは、オプションのサブ要素フィールド内にある。
【0144】
例えば、複数の独立したAPと比較して、複数のBSSIDをサポートする1つのAPは、複数のタイプのトラフィックユーザが小さいエリア中でサポートされるというシナリオがあり得るという利点を有する。異なるAPが小さいエリア内で使用される場合、各APはクリーンなチャネルを見つけようと試み、AP間のチャネル干渉を回避することができない。したがって、異なるトラフィックタイプまたは異なる顧客タイプのSTAにサービスを提供するために、1つのAPが複数のAPに仮想化される解決策が使用される。
【0145】
6.チャネル切替え関連要素
【0146】
一般に、チャネル切替え関連要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0147】
チャネル切替え告知要素のフレームフォーマットの概略図を図5の(a)に示す。チャネル切替え告知要素は、要素ID(element ID、これは要素識別子と呼ばれることもある)フィールドと、長さ(Length)フィールドと、チャネル切替えモードフィールドと、新しいチャネル番号(new channel number)フィールドと、チャネル切替えカウント(channel switch count)フィールドとを含み得る。
【0148】
拡張チャネル切替え告知要素のフレームフォーマットの概略図を図5の(b)に示す。拡張チャネル切替え告知要素は、要素識別子フィールドと、長さフィールドと、チャネル切替えモードフィールドと、新しい動作クラス(new operating class)フィールドと、新しいチャネル番号(new channel number)フィールドと、チャネル切替えカウント(channel switch count)フィールドとを含み得る。
【0149】
チャネル切替えカウントフィールドは、チャネル切替え告知要素または拡張チャネル切替え告知要素を送信するための局が新しいチャネルまたは新しい動作クラスおよび新しいチャネルに切り替わるときに残っているターゲットビーコンフレーム送信時間(target beacon transmission time、TBTT)の数量を示す。例えば、チャネル切替えカウントフィールドは1に設定され、次のTBTTの直前に切替えが発生することを示す。チャネル切替えカウントフィールドは0に設定され、フレームが送信された後の任意の時間に切替えが発生することを示す。新しいチャネル番号フィールドは、チャネル切替え後のチャネル番号を示す。新しい動作クラスフィールドは、チャネル切替え後の動作クラスを示す。
【0150】
各チャネル切替え関連要素の時間フィールドは、チャネル切替えが実行されているAPのビーコンフレーム送信時間およびビーコンフレーム間隔を指すことがあることに留意されたい。
【0151】
最大チャネル切替え時間要素のフレームフォーマットの概略図を図6に示す。最大チャネル切替え時間要素は、要素識別子フィールドと、長さフィールドと、要素識別子拡張(Element ID Extension)フィールドと、切替え時間(Switch Time)フィールドとを含み得る。
【0152】
7.クワイエットチャネル関連要素
【0153】
一般に、クワイエットチャネル関連要素は、クワイエット要素(Quiet element)およびクワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0154】
クワイエット要素(Quiet element)のフレームフォーマットの概略図を図7に示す。具体的に、図7に示される例では、クワイエット要素は、要素識別子(element ID、これは要素識別子と呼ばれることもある)フィールドと、長さ(Length)フィールドと、クワイエットカウント(Quiet Count)フィールドと、クワイエット期間(Quiet Period)フィールドと、クワイエット持続時間(Quiet Duration)フィールドと、クワイエットオフセット(Quiet Offset)フィールドとを含む。
【0155】
クワイエットカウントフィールドは、次のクワイエット間隔が開始するビーコン間隔まで、TBTTの数量に設定される(The Quiet Count field is set to the number of TBTTs until the beacon interval during which the next quiet interval starts)。クワイエット期間フィールドは、クワイエット要素によって定義される定期的にスケジュールされたクワイエット間隔の開始の間のビーコンフレーム間隔の数量に設定される。0に設定されたクワイエット期間フィールドは、周期的なクワイエット間隔が定義されていないことを示す(The Quiet Period field is set to the number of beacon intervals between the start of regularly scheduled quiet intervals defined by this Quiet element. A Quiet Period field set to 0 indicates that no periodic quiet interval is defined)。クワイエット持続時間フィールドは、クワイエット間隔の持続時間に設定され、TU単位で表される(The Quiet Duration field is set to the duration of the quiet interval, expressed in TUs)。クワイエットオフセットフィールドは、クワイエットカウントフィールドによって指定されるTBTTからのクワイエット間隔の開始のオフセットに設定され、TU単位で表される。クワイエットオフセットフィールドの値は、1ビーコンフレーム間隔未満である(The Quiet Offset field is set to the offset of the start of the quiet interval from the TBTT specified by the Quiet Count field, expressed in TUs. The value of the Quiet Offset field is less than one beacon interval)。
【0156】
クワイエット要素が有効になった後、APはもはやSTAと通信せず、STAはクワイエット状態を維持するので、STAは別の動作を実行し得ることが理解され得る。
【0157】
クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)のフレームフォーマットの概略図を図8に示す。具体的に、図8に示される例では、クワイエットチャネル要素は、要素識別子(element ID、要素識別子と呼ばれることもある)フィールドと、長さ(Length)フィールドと、APクワイエットモード(AP Quiet Mode)と、クワイエットカウント(Quiet Count)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)と、クワイエット期間(Quiet Period)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)と、クワイエット持続時間(Quiet Duration)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)と、クワイエットオフセット(Quiet Offset)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)とを含む。
【0158】
図7に示されるクワイエット要素の実装例と比較して、図8に示されるクワイエットチャネル要素は、APクワイエットモード(AP Quiet Mode)フィールドをさらに含む。
【0159】
任意選択で、図5図8の要素の具体的な説明については、802.11-2020標準プロトコルを参照されたい。
【0160】
8.イントラBSS PPDUおよびインターBSS PPDU
【0161】
局について、局によって監視されるPPDUが属するBSSと局にアソシエーションされたBSSとが同じBSSである場合、または局によって監視されるPPDUの受信端/送信端と局とが同じBSSに属する場合、または局によって監視されるPPDUが属するBSSが局にアソシエーションされたAPの同じマルチBSSIDセット(の任意のAP)からのPPDUである場合、PPDUはイントラBSS PPDUである(またはイントラPPDUと呼ばれる)。例えば、局によって監視されるPPDUにおけるBSSカラー/BSSIDが、局にアソシエーションされたBSSのBSSカラー/BSSIDと同じである場合、PPDUはイントラBSS PPDUである。
【0162】
局について、局によって監視されるPPDUが属するBSSと局にアソシエーションされたBSSとが同じBSSでない場合、または局によって監視されるPPDUの受信端/送信端と局とが同じBSSに属さない場合、または局によって監視されるPPDUが属するBSSが局にアソシエーションされたAPの同じマルチBSSIDセット(の任意のAP)からのPPDUでない場合、PPDUは、インターBSS PPDUである(またはインターPPDUと呼ばれる)。例えば、局によって監視されるPPDUのBSSカラー/BSS IDが、局にアソシエーションされたBSSのBSSカラー/BSS IDと異なる場合、PPDUは、インターBSS PPDUである。
【0163】
PPDUがイントラBSS PPDUであるかインターBSS PPDUであるかを局によって決定するための前述の方法は、単なる例である。詳細については、802.11ax-2021プロトコルを参照されたい。
【0164】
局について、局がインターPPDUを受信した場合、局は、インターPPDUに基づいて同じチャネル上で別の送信を開始し得る。別の送信は、802.11ax-2021プロトコルに記録された空間再使用方法に基づく。
【0165】
局について、局がインターPPDUを受信した場合、局は、電力を節約するために、インターPPDUをこれ以上(受信または)パースしないことがある(802.11ax-2021プロトコルを参照)。
【0166】
WLAN通信プロセスでは、アクセスポイント(access point、AP)の通信パラメータが変化するとき、APは、関連する通信パラメータを示すために、いくつかの特定の要素を関連局(station、STA)に送信する必要があり得る。一般に、これらの特定の要素は、管理フレームで搬送され得る。現在、APによって送信される管理フレームは、複数のAPの関連する通信パラメータを示すために複数の特定の要素を搬送する必要があり得る。一般に、管理フレームで搬送される複数の特定の要素において、異なる特定の要素は、異なるAPの特定の要素をそれぞれ示す。
【0167】
しかしながら、前述の実装プロセスでは、管理フレームは、各APについて対応する特定の要素を搬送する必要がある。その結果、APによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0168】
前述の問題を解決するために、本出願は、通信方法および通信装置を提供する。第1のAP(または第2のAP)の特定の要素の値は、第1のAP(または第2のAP)が属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0169】
本出願は、WLAN通信のための管理フレームに関する。理解を容易にするために、以下では、まず、管理フレームの実装プロセスについて説明する。
【0170】
WLAN通信プロセスでは、APのチャネル切替えに関連する通信パラメータ(例えば、動作クラスまたはチャネル番号)が変化したとき、APは、関連する通信パラメータを示すために、チャネル切替え関連要素をアソシエーションされたSTAに送信する必要があり得る。加えて、APがDFSチャネルを検出するか、またはチャネル測定などを実行した場合、APは、関連する通信パラメータを示すために、クワイエットチャネル関連要素をアソシエーションされたSTAに送信する必要があり得る。一般に、これらの要素は、管理フレームで搬送され得る。
【0171】
WLAN技術の発展に伴い、マルチBSSIDセットの特徴がWLAN通信ネットワークに導入され、管理フレームの前述の受信および送信プロセスは、マルチBSSIDセットを有する通信ネットワークにさらに適用され得る。同じマルチBSSIDセットにおいて、複数のAPの通信パラメータが変化したとき、同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPは、各APにアソシエーションされたSTAに、APのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を送信する必要があり得る。
【0172】
以下では、説明のために複数の実装例を使用する。以下の実装例では、通信パラメータが変化するAPがAP MLD内のAPである例(第2のAPが例として使用される)が説明のために使用される。
【0173】
1.管理フレームを送信する可能な実装プロセスにおいて
【0174】
管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)を送信するとき、AP MLD内の第2のAPは、第2のAPの以下のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素のいずれか1つを搬送する:
チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素、最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)。
【0175】
この場合、第2のAPと同じAP MLDに位置する他のAP(の各AP)が管理フレームを送信するとき(ここでは、例えば、管理フレームを送信するAPが第1のAPである)、APは、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0176】
任意選択で、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素(第2のAPのMLDに対応するマルチリンク要素であり、言い換えると、マルチリンク要素は、第2のAPのMLDのMLD MAC要素を搬送する)内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per STA profile)フィールドで搬送され、例えば、STA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイル(STA profile、または局プロファイルと呼ばれる)フィールドで搬送される。例えば、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「STAプロファイルフィールド3373」で搬送され得る。
【0177】
任意選択で、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素内の時間フィールド(例えば、チャネル切替えカウントフィールド、切替え時間フィールド、またはクワイエット持続時間フィールド)は、第2のAPのビーコンフレーム送信時間およびビーコンフレーム間隔を指す。
【0178】
一般に、管理フレームを送信するとき、第1のAPは、マルチリンク(multi-link、ML)要素の前半のみを搬送し得る。言い換えると、マルチリンク要素は、要素IDフィールド、長さフィールド、要素ID拡張フィールド、マルチリンク制御フィールド、共通情報フィールドなどを含む。例えば、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図3の前半の「MLD共通情報部分310」のみが搬送され得、図3の後半の「オプションのサブ要素320」は搬送されない。
【0179】
特別な場合には、AP MLDの(第1のAP以外の)別のAPによって送信されているビーコンフレームが、前述のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素のいずれか1つを搬送する場合、AP MLDの第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームのマルチリンク要素は、STA毎プロファイルフィールドをさらに搬送する必要がある。STA毎プロファイルフィールドは、前述の別のAP(すなわち、第2のAP)のものと同じチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含み、STAプロファイルフィールドで搬送される。例えば、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図3の前半の「MLD共通情報部分310」が搬送され得、図3の後半の「オプションのサブ要素320」がさらに搬送され得る。第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、「オプションのサブ要素320」内の「STAプロファイルフィールド3373」で搬送される。
【0180】
言い換えると、管理フレームを送信するとき、AP MLD内の第1のAPは、同じAP MLD内の別のAP(例えば、第2のAP)のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0181】
2.管理フレームを送信する別の可能な実装プロセスにおいて
【0182】
第2のAPがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPである場合、第2のAPと同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)は、前のAPの以下のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素のいずれか1つを搬送する:
チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素、最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)。
【0183】
この場合、第2のAPと同じAP MLDに位置する別のAPが非伝送BSSIDに対応するAPであるとき、非伝送BSSIDに対応するAPと同じマルチBSSIDセットに位置する伝送BSSIDに対応するAPが管理フレームを送信するときに(ここでは、例えば、管理フレームを送信するAPは第1のAPである)、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方が搬送される必要がある。
【0184】
ここでは、管理フレームを送信するAPが第1のAPである例が依然として使用される。第1のAPは、第1のAP MLD内のAPである。管理フレームを送信するとき、第1のAPは、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0185】
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPである。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAPは、第1のAPのマルチBSSIDセット内のAPではない。
【0186】
例えば、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、図4に示されるマルチBSSID要素を搬送する。加えて、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、図4に示されるマルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」に位置する。マルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」は、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの関連要素を示す。
【0187】
任意選択で、第1のAPによって送信される管理フレーム内のマルチBSSID要素が、図4に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、「オプションのサブ要素」は、図3に示される「マルチリンク要素」をさらに含み得、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」が、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD内の別のAPの関連要素を示すようにする。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」に位置し得る。
【0188】
言い換えると、管理フレームを送信するとき、第1のAP MLD内の第1のAPは、第2のAP MLD内の第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。第2のAPは、第2のAP MLD内のAPである。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAPは、第1のAPのマルチBSSIDセット内のAPではない。
【0189】
任意選択で、第2のAPがターゲット時点に向かって新しい動作クラスおよび新しいチャネル番号に切り替わるとき、以下の条件が満たされる。
【0190】
(1)チャネルターゲット時点の前に、第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)がビーコンフレームおよびプローブ応答フレームを送信するとき、搬送される必要がある低減されたネイバー報告(reduced neighbor report element、略してRNR)要素内の第2のAPの動作クラスおよびチャネル番号フィールドは、その時点の前(すなわち、切替えの前)に動作する動作クラスおよびチャネル番号で構成される。第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)が、非伝送BSSIDに対応するAPである場合、同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPがビーコンフレームとプローブ応答フレームとを送信するときに搬送される必要があるRNR要素は、同じ方法で構成される。
【0191】
(2)チャネルターゲット時点の後、第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)がビーコンフレームおよびプローブ応答フレームを送信するとき、搬送される必要があるRNR要素内の第2のAPの動作クラスおよびチャネル番号フィールドは、その時点の後(すなわち、切替えの後)に動作する動作クラスおよびチャネル番号で搬送される。第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)が、非伝送BSSIDに対応するAPである場合、同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPがビーコンフレームとプローブ応答フレームとを送信するときに搬送される必要があるRNR要素は、同じ方法で構成される。
【0192】
3.管理フレームを受信する可能な実装プロセスにおいて
【0193】
STAは、管理フレームを受信する。ここで、STAが非AP MLD内のSTAである例が、説明のために使用される(管理フレームを受信するSTAは、シングルリンクデバイスであってもよく、これは単なる例である)。
【0194】
非AP MLD内のSTAが、第1のAPによって送信された管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)を受信し、管理フレームが、管理フレーム送信端APと同じAP MLD内の(管理フレーム送信端APとは異なる)第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む場合、非AP MLD内の第2のAPにアソシエーションされたSTAは、第2のAPのパラメータを受信するようなものである。
【0195】
例えば、非AP MLD内のSTA1は、AP MLD内のAP1によって送信された管理フレームを受信し、管理フレームは、AP MLD内のAP2によって送信されているチャネル切替え告知要素を搬送する。この場合、非AP MLD内のSTA2は、AP2によって送信されたチャネル切替え告知要素を知り、AP2の切替えられた動作クラスおよびチャネル番号などの情報を取得し得る。
【0196】
この場合、非AP MLD内のSTA2は、前述の要素を実際に受信しなくてもよいが、同じMLD内の別のSTA(例えば、STA1)を使用することによって前述の要素を受信することに留意されたい。
【0197】
管理フレームの前述の実装プロセスから分かるように、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり得、複数の要素が、同じマルチBSSIDセット内の複数のAPに対応する要素をそれぞれ示し得る。同じマルチBSSIDセット内の異なるAPが同じ特定の要素に対応するので、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有する可能性がある。
【0198】
以下では、繰り返される冗長データの可能な実装形態を説明するために実装例を使用する。
【0199】
以下の実装例の適用シナリオは、管理フレームを送信するAP(すなわち、伝送BSSIDに対応するAP)と、通信パラメータが変化するAP(すなわち、非伝送BSSIDに対応するAP)とが同じマルチBSSIDセットに位置することであり得る。
【0200】
例えば、図9は、管理フレームのフレームフォーマットの概略図である。図9において、管理フレームは、伝送BSSIDの関連要素を含み、伝送BSSIDのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送するために使用される。管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含む。マルチBSSID要素は、1つまたは複数の非伝送BSSIDプロファイルを含み、各非伝送BSSIDプロファイルは、非伝送BSSIDプロファイルに対応する非伝送BSSID APの情報要素またはフィールドを搬送する。
【0201】
具体的には、マルチBSSIDセットの場合、各BSSIDに対応するAPが同じチャネル上で動作する必要があるので、マルチBSSIDセット内のすべてのAPは、チャネル切替えのための動作が同じである必要がある。マルチBSSIDセットでは、伝送BSSIDに対応するAPのみが管理フレームを送信することができる。マルチBSSIDセット内のすべてのAPがチャネルを切替えるとき、伝送BSSID APによって送信されるビーコンフレームは、伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素を含み、さらにマルチBSSID要素を含み、マルチBSSID要素内の各非伝送BSSIDに対応する非伝送プロファイルは、対応する非伝送BSSIDのチャネル切替え関連要素を搬送する。そのため、ビーコンフレームは、一定の冗長性を有し、エアインターフェース効率が低減される。チャネル切替え関連要素は、チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、および最大チャネル切替え時間要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0202】
加えて、クワイエットチャネル関連要素について、クワイエットチャネル関連要素は、STAがクワイエットチャネルに対して動的周波数選択(dynamic frequency selection、DFS)を実行することを回避するために使用されるか、またはSTAがクワイエットチャネルに対してチャネル測定を実行することを回避するために使用されるので、同じマルチBSSIDセット内のすべてのAPは、クワイエットチャネルに対して同じ動作を有さなくてはならない。前述のチャネル切替えと同様に、伝送BSSIDのAPは、APの伝送BSSIDのクワイエットチャネル関連要素を管理フレームに含める必要があり、また、ビーコンフレーム内のマルチBSSID要素内の各非伝送BSSIDに対応する非伝送プロファイルに、非伝送BSSIDに対応するクワイエットチャネル関連要素を含める必要がある。これもまた、ビーコンフレームの冗長問題を引き起こす。
【0203】
任意選択で、非伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送するために使用されるマルチBSSID要素は、図4に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装され得る。図4の「オプションのサブ要素」は、図3に示される「マルチリンク要素」をさらに含み得、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」が、伝送BSSIDに対応するAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD内の別のAPの関連要素を示すようにする。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」に位置し得る。
【0204】
言い換えると、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームが、図9に示されたフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、「伝送BSSID関連要素」は、伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり、「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素と、非伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素とが同じであるので、管理フレームは、冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0205】
管理フレームを送信するAP(すなわち、伝送BSSIDに対応するAP)と、通信パラメータが変化するAP(すなわち、非伝送BSSIDに対応するAP)とが同じマルチBSSIDセットに位置するとき、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある可能性があるという問題を解決するために。以下では、図10に示される実装形態において問題を解決する。
【0206】
図10は、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含む。
【0207】
S101:第1のAPが管理フレームを生成する。
【0208】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS101において管理フレームを生成し、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。
【0209】
S102:第1のAPが管理フレームを送信する。
【0210】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS102において管理フレームを送信する。これに対応して、STAは、ステップS102において管理フレームを受信する。
【0211】
任意選択で、第1のAPは、管理フレームに対して送信前処理を実行し、ステップS102において、送信前処理を通じて得られた処理結果を送信してもよい。例えば、送信前処理は、暗号化およびスクランブリングを含み得る。それに対応して、STAは、(第1のAPが管理フレームに対して送信前処理を実行することで得られた)処理結果を受信し、ステップS102において処理結果に対して受信前処理を実行して管理フレームを取得し得る。例えば、受信前処理は、解読およびスクランブル解除を含み得る。
【0212】
S103:STAが、管理フレームに基づいて、第1のAPの特定の要素の値またはマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値を決定する。
【0213】
この実施形態では、STAが第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、STAは、ステップS103において、管理フレームに基づいて、第1のAPの特定の要素の値を決定し、またはSTAがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、STAは、ステップS103において、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応し、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定する。言い換えると、STAは、ステップS103において、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素を決定する。
【0214】
具体的には、ステップS101において、第1のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第1のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS101において管理フレームで搬送される必要がある。
【0215】
任意選択で、ステップS101において第1のAPによって生成された管理フレームにおいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであることは、マルチBSSIDセット内の第1のAP以外の別のAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素が同じであると表現されてもよく、管理フレームに含まれるマルチBSSIDセットは、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素を含まない。
【0216】
第1の可能な実装形態では、ステップS101において第1のAPによって生成された管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。
【0217】
具体的には、管理フレーム内のマルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。言い換えると、第1のAPの特定の要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素も示す。したがって、第1のAPの特定の要素は、(第1のAPと非伝送BSSIDに対応するAPとを含む)複数のAPの特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0218】
可能な実装形態では、ステップS101において第1のAPによって送信される管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0219】
可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0220】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームで搬送される特定の要素は、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。言い換えると、特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、チャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。
【0221】
前述の技術的解決策に基づいて、ステップS102において第1のAPによって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、ステップS103において、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、ステップS103において、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0222】
加えて、前述の技術的解決策によれば、第1のAPによって送信される管理フレームが図9に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図9に示される管理フレームのフレームフォーマットは、図11aおよび図11bに示される実装例として表されてもよい。図11aおよび図11bに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0223】
一実装例では、図11aは、図10に示される通信方法が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、伝送BSSIDの関連要素を含み、伝送BSSIDの関連要素は、伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第1のAP)の特定の要素を搬送する。管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第2のAP)の特定の要素を搬送する。
【0224】
一実装例では、図11bは、図10に示される通信方法が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、伝送BSSIDの関連要素を含み、伝送BSSIDの関連要素は、伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第1のAP)の特定の要素を搬送する。管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第2のAP)の特定の要素を搬送しない。
【0225】
第1のAPおよび第2のAPは同じマルチBSSIDセットに属するので、第1のAPの特定の要素の値は、第2のAPの特定の要素の値と同じである。このように、複数のSTA(第1のAPにアソシエーションされたSTAおよび第2のAPにアソシエーションされたSTAを含む)は、管理フレームで「伝送BSSIDの関連要素」を受信し、S103において、「伝送BSSIDの関連要素」に含まれる第1のAPの特定の要素の値を取得し得る。複数のSTAは、第1のAPの特定の要素の値に基づいて、各STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定し得る。管理フレーム内の「マルチBSSID要素」は、第2のAPの特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0226】
管理フレームの前述の実装プロセスから分かるように、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり得、複数の要素は、同じマルチBSSIDセット内の複数のAPに対応する要素をそれぞれ示し得る。同じマルチBSSIDセット内の異なるAPが同じ特定の要素に対応するので、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有し得る。
【0227】
以下では、繰り返される冗長データの可能な実装形態を説明するために別の実装例を使用する。
【0228】
以下の実装例の適用シナリオは、管理フレームを送信するAP(例えば、第1のAP)と、通信パラメータが変化するAP(例えば、第2のAP)とが、異なるマルチBSSIDセットに位置することであり得る。第1のAPは、第1のAP MLD内のAPである。第2のAPは、第2のAP MLD内のAPである。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAPは、第1のAPのマルチBSSIDセット内のAPではない。
【0229】
例えば、図12は、管理フレームのフレームフォーマットの概略図である。
【0230】
図12では、管理フレームはマルチBSSID要素を含み、マルチBSSID要素は1つまたは複数の非伝送BSSIDプロファイルを含み、各非伝送BSSIDプロファイルは、非伝送BSSIDプロファイルに対応する非伝送BSSID APの情報要素またはフィールドを搬送する。
【0231】
任意選択で、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、図4に示されるマルチBSSID要素を搬送する。加えて、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、図4に示されるマルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」に位置する。マルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」は、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの関連要素を示す。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」に位置し得る。
【0232】
加えて、第1のAPによって送信される管理フレーム内のマルチBSSID要素が、図4に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、「オプションのサブ要素」は、図3に示される「マルチリンク要素」をさらに含み得、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」が、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD内の別のAPの関連要素を示すようにする。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」に位置し得る。
【0233】
図12において、管理フレームは、マルチリンク要素をさらに含む。マルチリンク要素は、1つまたは複数のSTA毎プロファイルを含み、対応するSTA(APおよび非AP STAを含む)の要素およびフィールドを搬送するために使用される。
【0234】
任意選択で、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図3の前半の「MLD共通情報部分310」が搬送され得、図3の後半の「オプションのサブ要素320」がさらに搬送され得る。第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、「オプションのサブ要素320」内の「STAプロファイルフィールド3373」で搬送される。
【0235】
ここで、第1のAPがAP MLD内のAPである例が説明のために使用される。第1のAPはまた、シングルリンクデバイスであり得る。ここでは、第1のAPがAP MLD内のAPである例のみが使用される。第1のAP MLDは、第1のAPが位置するAP MLDとして示され、第1のAP MLDの最大数量は1である。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAP MLDの数量は、0、1、またはそれ以上であり得る。AP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。
【0236】
例えば、図13に示されるシナリオでは、4つのAP MLDが含まれる。AP MLD1は、(リンクL1に対応する)BSSID-1xと番号付けされたAPと、(リンクL2に対応する)BSSID-2yと番号付けされたAPと、(リンクL3に対応する)BSSID-3と番号付けされたAPとを含む。AP MLD2は、(リンクL1に対応する)BSSID-1zと番号付けされたAPと、(リンクL2に対応する)BSSID-2xと番号付けされたAPと、(リンクL4に対応する)BSSID-4yと番号付けされたAPとを含む。AP MLD3は、(リンクL1に対応する)BSSID-1yと番号付けされたAPと、(リンクL2に対応する)BSSID-2zと番号付けされたAPと、(リンクL4に対応する)BSSID-4xと番号付けされたAPとを含む。AP MLD4は、(リンクL4に対応する)BSSID-4zと番号付けされたAPを含む。図中のリンク番号とリンク識別子は同じ概念ではないことに留意されたい。リンク識別子は、特定のAPを識別するための、APの動作クラス、チャネル番号、およびMACアドレス(またはBSSID)のグループを表す。
【0237】
例えば、数字「x」で終わるAPは、伝送BSSIDに対応するAPであり、別の数字(例えば、「y」または「z」)で終わるAPは、非伝送BSSIDに対応するAPである。具体的には、リンク1上のマルチBSSIDセット1は、伝送BSSID BSSID-1xと、非伝送BSSID BSSID-1zおよびBSSID-1yとを含み、リンク2上のマルチBSSIDセット2は、伝送BSSID BSSID-2xと、非伝送BSSID BSSID-2zおよびBSSID-2yとを含み、リンク3は、BSSID-3(これは、マルチBSSIDセットに属さないと考えられ得るので、伝送BSSIDと非伝送BSSIDとの間で区別される必要がない)を含み、リンク4上のマルチBSSIDセット4は、伝送BSSID BSSID-4xと、非伝送BSSID BSSID-4zおよびBSSID-4yとを含む。
【0238】
説明を容易にするために、「BSSID-nに対応するAP」は、以下では簡単に「AP-n」と呼ばれる。図13に示されるシナリオでは、nは、1x、1y、1z、2x、2y、2z、3、4x、4y、4zなどであり得る。
【0239】
図13に示されるシナリオでは、リンク1上のマルチBSSIDセット1内のAP(例えば、AP-1y)が、チャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素の前述のプロセスを実行するとき、AP-1yと同じMLDに位置する別のAP、例えばAP-2zおよびAP-4y、によって送信される管理フレームも、対応する要素を搬送する必要がある。AP-2zは、非伝送BSSIDに対応するAPであるので、対応する要素は、AP-2zの伝送BSSID(すなわち、AP-2x)によって送信される必要があり、管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2zに対応する非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素に位置する。
【0240】
同様に、マルチBSSIDセット内のすべてのAPがチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素の前述の同じ動作を実行するので、AP-1zおよびAP-1xも同じ動作を実行する。この場合、AP MLD2およびAP MLD1に対応する別のAPも、管理フレームを送信するときに対応する要素を搬送する必要がある。例えば、AP MLD2内のAP-2xは、AP-1zの対応する要素を搬送する必要があり、AP MLD1内のAP-2yは、AP-1xの対応する要素を搬送する必要があり、管理フレームのマルチリンク要素内のAP-1zに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。加えて、AP-2yは、非伝送BSSIDに対応するAPであるので、対応する要素は、AP-2yが位置するマルチBSSIDセット内の伝送BSSID(すなわち、AP-2x)によって送信され、AP-2xによって送信される管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2yに対応する非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素に位置する。
【0241】
したがって、AP-1yが位置するマルチBSSIDセット内のAPによって実行されているチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素の処理のために、AP-2xは、管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)を送信するときに3つのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり、1つは、管理フレームのマルチリンク要素で搬送されるAP-1zの(BSSID-1zに対応する特定の要素を示すための)対応する要素で搬送され、他の2つは、管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2zに対応する非伝送BSSIDプロファイル内の(BSSID-1yに対応する特定の要素を示すための)マルチリンク要素および管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2yに対応する非伝送BSSIDプロファイル内の(BSSID-1xに対応する特定の要素を示すための)マルチリンク要素でそれぞれ搬送される。
【0242】
結論として、APによって送信される管理フレームが複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送するとき、複数の要素は、同じBSSIDセットに対応する要素を示し得る(ここで、「同じBSSIDセット」は、APが位置するBSSIDセットではないことがある)。同じマルチBSSIDセット内の異なるAPが同じ要素に対応するので、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームは、いくつかの冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0243】
言い換えると、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、以下の条件が満たされる。
【0244】
AP-2xによって送信される管理フレームが図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAP(AP-2yおよびAP-2zを含む)の関連要素を搬送する必要がある。AP-2yの関連要素は、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)に位置するチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。AP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)に位置するチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。
【0245】
加えて、AP-2xによって送信される管理フレームが、図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチリンク要素」は、AP-2xと同じAP MLD(少なくともAP-1zを含む)に位置するチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0246】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は同じであるので、管理フレームは、冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0247】
管理フレームを送信するAP(すなわち、伝送BSSIDに対応するAP)と、通信パラメータが変化するAP(すなわち、非伝送BSSIDに対応するAP)とが異なるマルチBSSIDセットに位置するとき、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり得るという問題を解決するために。以下では、図14に示される実装形態において問題を解決する。
【0248】
図14は、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含む。
【0249】
S201:第1のAPが管理フレームを生成する。
【0250】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS201において、管理フレームを生成し、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含む。
【0251】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき(すなわち、第2のAPによって送信されるビーコンフレームが特定の要素のいずれか1つを搬送するとき)、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。
【0252】
第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0253】
可能な実装形態では、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)に属する。
【0254】
任意選択で、第1のAP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。例えば、第1のAP MLDが第1のAPのみを含む場合、第1のAP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあり、または、第1のAP MLDは、第1のAP以外の別のAPをさらに含んでもよい。
【0255】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0256】
可能な実装形態では、第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0257】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよい。
【0258】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。
【0259】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよい。
【0260】
S202:第1のAPが管理フレームを送信する。
【0261】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS202において管理フレームを生成する。これに対応して、STAは、ステップS102において管理フレームを受信する。
【0262】
任意選択で、第1のAPは、管理フレームに対して送信前処理を実行し、ステップS202において、送信前処理を通じて得られた処理結果を送信してもよい。例えば、送信前処理は、暗号化およびスクランブリングを含み得る。それに対応して、STAは、(第1のAPが管理フレームに対して送信前処理を実行することで得られた)処理結果を受信し、ステップS202において処理結果に対して受信前処理を実行して管理フレームを取得し得る。例えば、受信前処理は、解読およびスクランブル解除を含み得る。
【0263】
S203:STAは、管理フレームに基づいて、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値または第2のAPの特定の要素の値を決定する。
【0264】
この実施形態では、STAが関連している非AP MLDが、第2のAPが位置するMLDにアソシエーションされた非AP MLDであるとき、STAが関連している非AP MLD(内の任意のSTAまたはすべてのSTA)は、ステップS203において、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値を決定する。
【0265】
任意選択で、管理フレームを受信するSTAは、非AP MLD内のSTAであってもよい。非AP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。例えば、非AP MLDが、管理フレームを受信するSTAのみを含むとき、非AP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあってもよく、または非AP MLDは、管理フレームを受信するSTA以外の別のSTAをさらに含んでもよい。
【0266】
第2のAPの特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであることは、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ同じであると表現されてもよいことに留意されたい。
【0267】
任意選択で、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む(または第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPである)ことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む(または第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPである)ことと表現されてもよい。
【0268】
加えて、ステップS201における第1のAPは、第1のAP MLDのAPであってもよく、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであるか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。第1のAP MLDおよび第2のAP MLDは、異なるAP MLDである。
【0269】
この実施形態および後続の実施形態において言及されるAP MLD(例えば、第1のAP MLDまたは第2のAP MLD)は、1つまたは複数のAPを含むことに留意されたい。この実施形態および後続の実施形態で言及されるAP MLDが1つのAPを含むとき、AP MLDは、シングルリンクデバイスと呼ばれることもある。
【0270】
可能な実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、第1のフィールドは、以下のうちの少なくとも1つを満たす:
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAPにアソシエーションされたSTAが第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;または
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素内の第1の非伝送BSSIDプロファイル(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す。
【0271】
任意選択で、上述のSTAは、第1のAPと同じリンク上で動作するAPにアソシエーションされたSTA、または第1のAPにアソシエーションされたSTAである。
【0272】
さらに、第1のフィールドは、能力情報フィールドに位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドに位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドの非伝送BSSID能力要素に位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素に位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素のマルチリンク制御フィールドに位置するか、または第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素の共通情報フィールドに位置する。
【0273】
可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0274】
可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。具体的には、管理フレームで搬送される特定の要素は、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。言い換えると、特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、チャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。
【0275】
可能な実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームの異なる位置に位置し得る。例えば、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。別の例では、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。以下は、複数の実装形態における説明を提供する。
【0276】
ステップS201の一実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。説明を容易にするために、この実装形態を実装形態1と表す。
【0277】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。具体的には、第2のAPの特定の要素は、マルチBSSID要素に位置し、第2のAPの非伝送BSSIDプロファイルを示す。
【0278】
任意選択で、実装形態1において、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPであり、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDであり、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0279】
任意選択で、実装形態1において、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含み、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDであり、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0280】
具体的には、実装形態1では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に存在する。マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含み得る。第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。
【0281】
具体的には、管理フレームのマルチBSSID要素内の少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルにおいて、特定の要素を含む第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、別の非伝送BSSIDプロファイルに対応するBSSID APの特定の要素の値も示すので、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0282】
任意選択で、第1のAPによって送信される管理フレームの第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含む。言い換えると、第1のマルチBSSIDセットは、少なくとも1つの非伝送BSSIDを含む。管理フレームの受信端が第2のAPの特定の要素を受信するのを助けるために、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置し得る。
【0283】
任意選択で、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の任意の非伝送BSSIDプロファイル(例えば、第2の可能な非伝送BSSIDプロファイル、第3の可能な非伝送BSSIDプロファイル、・・・、または最後の可能な非伝送BSSIDプロファイル)に位置する。
【0284】
以下では、図13に示されるシナリオを参照して一例を使用することによって、実装形態1を説明する。
【0285】
具体的には、実装形態1では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在し(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチBSSID要素内の別の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在しない。
【0286】
任意選択で、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素のSTA毎プロファイルに存在しない。
【0287】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP-2xである。第1のAPがマルチBSSIDセット2に属する場合、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。
【0288】
任意選択で、第1のAPおよび第2のAPは、異なるAP MLDに位置してもよく、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、存在しないAP-1z)を示す必要はないが、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要はある。
【0289】
任意選択で、第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLDに位置してもよいし、異なるAP MLDに位置してもよい。第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、AP-1z)を示す必要があるとともに、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要がある。
【0290】
この場合、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、複数のAPの特定の要素を示すために、第2のAPの特定の要素のみが、1つの非伝送APに対応する非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素で搬送される必要がある。別のAPの特定の要素を繰り返す必要はない。
【0291】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のリンク識別子は、第2のAPのマルチBSSIDセット内の任意のAPのリンクIDに設定される。
【0292】
任意選択で、フィールド(第1のフィールドとして示される)が管理フレームに追加され、例えば、マルチBSSID用ML(ML for multiple BSSID)と呼ばれ、第1の値に設定される。第1のフィールドの実装形態については、前述の説明を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0293】
任意選択で、第2のAPに対応する非伝送BSSIDプロファイルは、管理フレームのマルチBSSID要素内の第1の位置に位置する。
【0294】
前述の説明から分かるように、実装形態1の実装プロセスにおいて、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、例えば、第2のAPはAP-1xである。
【0295】
AP-2xによって送信される管理フレームが図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図12に示される管理フレームのフレームフォーマットはまた、図15aおよび図15bに示される実装例として表されてもよい。図15aおよび図15bに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0296】
一実装例では、図15aは、図14に示される通信方法における実装形態1が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。マルチBSSID要素は、複数の特定の要素を搬送する。複数の特定の要素は、第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)に位置する。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含む。マルチリンク情報は、第1のAPが位置するMLD内の第2のAPの特定の要素を搬送する。第2のAPの特定の要素は、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0297】
一実装例では、図15bは、図14に示される通信方法における実装形態1が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。第1のAPが位置するマルチBSSIDセットでは、非伝送BSSIDに対応する非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)が第2のAPの特定の要素を搬送し、非伝送BSSIDに対応する別の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)は、第2のAPの特定の要素を搬送しない。管理フレームはマルチリンク情報をさらに含み、マルチリンク情報は特定の要素を搬送しない。
【0298】
言い換えると、図13に示されるAP-2xが管理フレームを送信するとき(図15bに示すように)、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2yの関連要素のみが、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)内の特定の要素を含み、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。任意選択で、AP-2xによって送信される管理フレームが、図15bに示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、AP-1zが存在する場合であっても、管理フレームの「マルチリンク要素」は、もはや、AP-2xと同じAP MLD(少なくともAP-1zを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。
【0299】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yの特定の要素は同じであるので、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送し、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、別の非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送する必要はない(任意選択で、管理フレームのマルチリンク要素も特定の要素を搬送する必要はない)。言い換えると、管理フレームの「マルチBSSID要素」内の非伝送BSSIDプロファイルで搬送される特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0300】
ステップS201の別の実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはマルチリンク要素と呼ばれる)に位置する。第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであり、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。以下の説明を容易にするために、この実装形態を実装形態2と表す。
【0301】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置してもよく、管理フレームのマルチリンク要素は、複数のフィールドを含み、第2のAPの特定の要素は、複数のフィールドのうちの1つに位置してもよい。
【0302】
任意選択で、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にあり、第2のAPを示すSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置し得る。
【0303】
実装形態2では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素の各非伝送BSSIDプロファイルは、第2のマルチBSSIDセット内の(非伝送BSSIDに対応するAPが位置するMLD(すなわち、第2のAP MLD)内の)APの特定の要素を含まない。具体的には、第2のAPの特定の要素の値はまた、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP MLD内のAPの特定の要素の値を示すので、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0304】
実装形態2において、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にあり、第2のAPを示すSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置し得る。第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0305】
任意選択で、実装形態2では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに存在する。
【0306】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にあり、第2のAPを示すSTA毎プロファイルフィールドに位置し得る。
【0307】
具体的には、第1のAPはAP MLD内のAPであり得、第2のAPはAP MLD内の別のAPである。言い換えると、第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLD(例えば、第1のAP MLD)に関連している。ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、管理フレームは、第1のAPと同じAP MLDに位置する第2のAPを示すための特定の要素を含む。特定の要素は、同じAP MLD内の別のAPが位置するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示す。
【0308】
特定の要素は、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームのマルチリンク要素に位置し得る。第1のAPがAP MLDに位置するときに、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、複数のAPの特定の要素を示すためにマルチリンク要素を搬送し得る。第1のAPおよび第2のAPが同じAP MLDに関連しているとき、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素で搬送され得る。
【0309】
加えて、特定の要素は、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置する。マルチリンク要素は、第2のAPの特定の要素がマルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに具体的に位置し得ることを示すための複数のSTA毎プロファイルフィールドを含み得る。
【0310】
さらに、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子である。第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドをさらに含み得、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子であり、リンク識別子は、管理フレームの受信端に、STA毎プロファイルフィールドが第2のAPに対応するリンクであることを示す。
【0311】
一実装形態では:
【0312】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含まないことを示す。
【0313】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含まないことを示す。
【0314】
別の実装形態では:
【0315】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のAPのMACアドレスであってもよい。
【0316】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0317】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、第2のAPに対応するBSSIDインデックスフィールドと、最大BSSIDインジケータフィールドとを含む。
【0318】
例えば、第2のAPが非伝送BSSIDである場合、BSSIDインデックスフィールドは、図4のマルチBSSID要素内のオプションのサブ要素内の非伝送BSSIDプロファイルフィールドにおけるマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドと同じ指示意味を有し、非伝送BSSIDのシーケンス番号を示す。
【0319】
別の例では、第2のAPが伝送BSSIDである場合、第2のAPのBSSIDインデックスフィールドは0に設定される。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0320】
別の実装形態では:
【0321】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。
【0322】
任意選択で、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであってもよい。
【0323】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0324】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0325】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0326】
以下では、図13に示されるシナリオを参照して一例を使用することによって、実装形態2を説明する。
【0327】
具体的には、実装形態2では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに存在する。
【0328】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP-2xである。第1のAPがマルチBSSIDセット2に属する場合、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。
【0329】
任意選択で、第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLDに位置してもよい。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、AP-1z)を示す必要があるとともに、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要がある。
【0330】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP MLD2内のAP-2xであり、第2のAPは、AP MLD2内のAP-1zである。第1のAPは、マルチBSSIDセット2に属し、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。第2のAPは、マルチBSSIDセット1内のAPであり、第2のAPは、AP MLD2内のAP(例えば、AP-1z)である。この場合、第1のAPは、管理フレームに基づいて、AP MLD2内のAP-1zの特定の要素を示すとともに、管理フレームに基づいて、AP MLD1内のAP-1xの特定の要素およびAP MLD3内のAP-1yの特定の要素を示す必要がある。この場合、第1のAPがステップS201において管理フレームを生成するとき、第1のAPのマルチリンク要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、第1のAP MLDのAP-1zの特定の要素を搬送する必要がある。第2のAPが位置するマルチBSSIDセット1内の別のAPの特定の要素を繰り返す必要はない。
【0331】
任意選択で、第2のAPの特定の要素は、第1のAPが属するMLDに対応するマルチリンク要素内のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送され、例えば、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイルフィールドで搬送される。
【0332】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のリンク識別子は、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPのリンクIDに設定される。
【0333】
任意選択で、フィールド(すなわち、第1のフィールド)が管理フレームに追加され、例えば、マルチBSSID用マルチリンク(ML for Multiple BSSID)フィールドと呼ばれ、第1の値(例えば、0、1、または別の値)に設定される。
【0334】
任意選択で、STA情報フィールド内のSTA MACアドレス存在フィールドは、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPのMACアドレスに設定されてもよいし、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPのMACアドレスに直接設定されてもよい。
【0335】
前述の説明から分かるように、実装形態2の実装プロセスにおいて、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、例えば、第2のAPはAP-1xである。図12に示される管理フレームのフレームフォーマットは、図15aおよび図15cに示される実装例として表されてもよい。図15aおよび図15cに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0336】
一実装例では、図15aは、図14に示される通信方法における実装形態2が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。マルチBSSID要素は、複数の特定の要素を搬送する。複数の特定の要素は、第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)に位置する。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含む。マルチリンク情報は、第1のAPが位置するMLD内の第2のAPの特定の要素を搬送する。第2のAPの特定の要素は、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0337】
一実装例では、図15cは、図14に示される通信方法における実装形態2が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する(1つまたは)複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)は、第2のAPの特定の要素を搬送しない。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含み、マルチリンク情報は、第2のAPの特定の要素を搬送し、特定の要素は、マルチリンク情報内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0338】
言い換えると、図13に示されるAP-2xが(図15cに示されるような)管理フレームを送信するとき、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAP(AP-2yおよびAP-2zを含む)の関連要素を搬送する必要がある。管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2yの関連要素は、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)内の特定の要素を搬送する必要はなく、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。
【0339】
AP-2xによって送信される管理フレームが、図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチリンク要素」は、STA毎プロファイルフィールドにおいて第2のAPの特定の要素を搬送する必要がある。
【0340】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、AP-1zに対応するSTA毎プロファイルフィールドである。
【0341】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yの特定の要素は同じであるので、管理フレームの「マルチリンク要素」内のSTA毎プロファイルフィールドが第2のAPの特定の要素を搬送し、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送する必要はない。言い換えると、管理フレームの「マルチリンク要素」で搬送される第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0342】
ステップS201の別の実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはマルチリンク要素と呼ばれる)に位置する。第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含み、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。以下の説明を容易にするために、この実装形態を実装形態3と表す。
【0343】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。
【0344】
実装形態3では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。具体的には、第2のAPの特定の要素の値はまた、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を示し、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0345】
任意選択で、実装形態3では、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にある(かつ第2のAPを示さない)別のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置し得る。第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。以下の説明を容易にするために、この実装形態を実装形態3と表す。
【0346】
具体的には、実装形態3では、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内の別のSTA毎プロファイルフィールドに位置し得る。
【0347】
任意選択で、実装形態3では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに存在する。
【0348】
具体的には、特定の要素は、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームのマルチリンク要素に位置する。第1のAPがAP MLDに位置するときに、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すためにマルチリンク要素を搬送し得る。第1のAPは、マルチリンク要素を使用することによって特定の要素を搬送し得る。
【0349】
マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。言い換えると、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、マルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに含まれるリンク識別子フィールドの値は特別な値であり、特別な値を使用することによって、既存のAPのリンク識別子との競合が回避される。
【0350】
任意選択で、特別な値は、現在の標準において指定されたリンク識別子フィールドの値の予約値である。例えば、特別な値は15である。
【0351】
加えて、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。具体的には、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示し、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むと決定し、局MACアドレスフィールド内の局MACアドレスを受信する。
【0352】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の局MACアドレスフィールドをさらに含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。したがって、局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示し、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値は同じである。
【0353】
別の実装形態では、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールド(再使用ML要素内にない局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールド)をさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。
【0354】
具体的には、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示し、それにより、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むと決定する。BSSIDフィールドは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPのMACアドレスを示す。
【0355】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、伝送BSSIDフィールド(再使用ML要素中にない局MACアドレスフィールド)を含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0356】
任意選択で、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の伝送BSSIDフィールドをさらに含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。したがって、伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示すか、または伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または、伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示し、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値は同じである。
【0357】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0358】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0359】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0360】
以下では、図13に示されるシナリオを参照して一例を使用することによって、実装形態3を説明する。
【0361】
具体的には、実装形態3では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素に存在する。
【0362】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP-2xである。第1のAPがマルチBSSIDセット2に属する場合、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。
【0363】
例えば、第1のAPが図13のAP-2xであり、第2のAPが図13のAP-1yを含み、AP-1yが特定の要素に関する実装プロセスを実行していると仮定する。この場合、AP-1yに対応する伝送BSSID(すなわち、AP-1x)は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって、複数のAPの特定の要素を示す必要がある。具体的には、第2のAPの特定の要素は、第1のAPが属するMLDに対応するマルチリンク要素内のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送され、例えば、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイルフィールドで搬送される。加えて、第2のAPは、マルチBSSIDセット2とは異なるマルチBSSIDセットに属する(本明細書では、第2のAPが図13のマルチBSSIDセット1に位置する例が説明のために使用される)。以下の2つのケースがある。
【0364】
ケース1:第1のAPおよび第2のAPは、異なるAP MLDに位置してもよく、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、存在しないAP-1z)を示す必要はないが、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要はある。
【0365】
ケース2:第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLDに位置してもよいし、異なるAP MLDに位置してもよい。第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、AP-1z)を示す必要があるとともに、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要がある。
【0366】
この場合、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、管理フレーム内の第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示す必要がある。具体的には、第2のAPの特定の要素は、マルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素内のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送される必要はないが、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイルフィールドで搬送される。
【0367】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のリンク識別子は、特別なリンクID、例えば、15の値に設定される。
【0368】
任意選択で、第1のAPと同じMLDに位置する第2のAPが存在する場合、リンク識別子は、代替的に、第1のAPと同じMLDに位置する第2のAPに対応するリンク識別子に設定されてもよい。
【0369】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA情報フィールド内のSTA MACアドレスフィールドは、第2のAPのマルチBSSIDセット内の伝送BSSID(すなわち、AP-1xのMACアドレス)に設定される。
【0370】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のSTA MACアドレス存在フィールドは、「存在」、例えば、1の値に設定される。
【0371】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA情報フィールド内のSTA MACアドレスフィールドは、第2のAPが位置するマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに設定される。
【0372】
任意選択で、複数のAPの特定の要素を示すために、特定の要素がSTA毎プロファイルフィールドで搬送される。言い換えると、STA毎プロファイルフィールドで搬送される特定の要素は、非AP MLDまたはマルチリンク要素を送信するAP(すなわち、第1のAP)が位置するAP MLDにアソシエーションされたSTAに有用であるとともに、非AP MLDまたはマルチリンク要素を送信するAPと同じマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD(1つまたは複数の第2のAP MLD)にアソシエーションされた局にも有用である。
【0373】
任意選択で、一般に、マルチリンク要素を送信するAPが位置するAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD(またはSTA)のみが、マルチリンク要素に関する情報を解析し、別のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLDは、その情報を無視する。したがって、実装形態3では、フィールド(すなわち、第1のフィールド)が管理フレームに追加されることが提案される。例えば、第1のフィールドは、マルチBSSID用MLと呼ばれ、管理フレームを送信するAPと同じマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDにアソシエーションされたAP MLDもマルチリンク要素を受信する必要があることを示す。第1のフィールドの実施プロセスについては、前述の実施プロセスを参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0374】
したがって、AP-1yがマルチBSSIDセットに属するので、マルチBSSIDセットに属するAP-1xおよびAP1zの特定の要素も、同じ第1のAP(AP-2x)によって送信されるビーコンフレームおよびプローブ応答フレームで搬送される必要がある。しかしながら、実装形態3では、特定の要素が繰り返して実行される必要はない。その後、AP MLD1、AP MLD2、およびAP MLD3の非AP MLD内のSTAは、特定の要素を取得するために、第1のAPが位置するAP MLD2に対応するMLD要素を直接読み取り得る。
【0375】
前述の説明から分かるように、実装形態3の実装プロセスでは、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、例えば、第2のAPはAP-1xである。
【0376】
図12に示される管理フレームのフレームフォーマットは、図15aおよび図15dに示される実装例として表されてもよい。図15aおよび図15dに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0377】
一実装例では、図15aは、図14に示される通信方法における実装形態3が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。マルチBSSID要素は、複数の特定の要素を搬送する。複数の特定の要素は、第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)に位置する。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含む。マルチリンク情報は、第1のAPが位置するMLD内の第2のAPの特定の要素を搬送する。第2のAPの特定の要素は、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0378】
一実装例では、図15dは、図14に示される通信方法における実装形態3が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する(1つまたは)複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)は、第2のAPの特定の要素を搬送しない。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含み、マルチリンク情報は、第2のAPの特定の要素を搬送し、特定の要素は、マルチリンク情報内の特別なSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0379】
言い換えると、図13に示されるAP-2xが(図15dに示されるような)管理フレームを送信するとき、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAP(AP-2yおよびAP-2zを含む)の関連要素を搬送する必要がある。管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2yの関連要素は、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)内の特定の要素を搬送する必要はなく、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。
【0380】
AP-2xによって送信される管理フレームが、図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチリンク要素」内の特別なSTA毎プロファイルフィールドは、第2のAPの特定の要素を搬送し、第2のAPの特定の要素を再使用する必要がある。
【0381】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は同じであるので、管理フレームの「マルチリンク要素」内の特別なSTA毎プロファイルフィールドが第2のAPの特定の要素を搬送し、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送する必要はない。言い換えると、管理フレームの「マルチリンク要素」で搬送される第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0382】
前述の技術的解決策に基づいて、ステップS201において第1のAPによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0383】
前述の複数の実装形態(複数の実施形態、複数の実装形態、または複数の実装方法)では、言及されたフィールド(または要素)の名前は名前のうちの1つにすぎず、フィールド(または要素)の名前は代替的に別の名前であってもよい。これは、本出願において限定されない。
【0384】
一実装形態では、第1のAPが管理フレーム、例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームを送信するとき、第1のAPがマルチBSSIDセットに属する場合、第1のAPは、図4のマルチBSSID要素を搬送する必要がある。局側では、マルチBSSID要素を受信した後、局は、マルチBSSIDセットが各APのBSSIDを含むことを知ることができる。局がマルチBSSIDセット内の1つのAPにアソシエーションされた後、局は、BSSIDセット内の各APの以前知ったBSSIDに基づいて、受信したPPDU(PHYプロトコルデータユニット)がインターPPDUであるかイントラPPDUであるかを決定し得、それにより、802.11ax-2021プロトコルにしたがって、電力節約、空間再使用送信などを実行することができる。
【0385】
しかしながら、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、第3のAPに関する情報を搬送する必要もあり、第3のAPおよび第1のAPは、同じAP MLDからのものである。第3のAPに関する情報は、第1のAPによって送信されるML要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送される。第3のAPが第3のマルチBSSIDセットに位置するとき、管理フレームが受信されたことを知った後、非AP MLDに関連している局は、第3のAPに関する情報は知ることができるが、第3のマルチBSSIDセットに関する情報は知ることができない。その結果として、非AP MLDでは、第3のAPと同じリンク上に位置する局は、第3のAPが位置する第3のマルチBSSIDセット内の各APのBSSIDに基づいて、受信したPPDU(PHYプロトコルデータユニット)がインターPPDUであるかイントラPPDUであるかを決定することができない。結果的に、802.11ax-2021プロトコルにしたがって、電力節約、空間再使用送信などを実行することができない。
【0386】
図15eは、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含む。
【0387】
S301:第1のAPが管理フレームを生成する。
【0388】
この実施形態では、管理フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、またはアソシエーション応答フレームであり得る。管理フレームは、マルチリンク要素を含む。
【0389】
方法1:第3のAPおよび第1のAPが同じAP MLD(第1のAP MLD)に関連しているとき、第3のAPは第3のマルチBSSIDセットに位置する。
【0390】
管理フレームは、マルチリンク要素を含み、マルチリンク要素は、第1のAP MLDに関する情報を記述するために使用され、第3のAPに関する情報を含む。
【0391】
第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは第3のAPのリンク識別子である。第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドをさらに含み得、リンク識別子フィールドは、第3のAPのリンク識別子であり、リンク識別子は、管理フレームの受信端に、STA毎プロファイルフィールドが第3のAPに対応するリンクであることを示す。
【0392】
方法1の一実装形態において:
【0393】
任意選択で、第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第3のAPのMACアドレスであり得る。
【0394】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0395】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、第3のAPに対応するBSSIDインデックスフィールドと、最大BSSIDインジケータフィールドとを含む。第3のAPが非伝送BSSIDである場合、BSSIDインデックスフィールドは、図4のマルチBSSID要素内のオプションのサブ要素内の非伝送BSSIDプロファイルフィールドにおけるマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドと同じ指示意味を有し、非伝送BSSIDのシーケンス番号を示す。第3のAPが伝送BSSIDである場合、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0396】
方法1の別の実装形態において:
【0397】
任意選択で、第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。
【0398】
任意選択で、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり得る。
【0399】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0400】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0401】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0402】
方法2:第3のAPおよび第1のAPが同じAP MLDに関連しているとき、第3のAPは第3のマルチBSSIDセットに位置する。
【0403】
代替的に、第3のAPは第3のAP MLDに位置し、第3のAPは第3のマルチBSSIDセットに位置し、第1のAPは第1のマルチBSSIDセットに位置し、第3のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の別のAPが位置するAP MLDである。
【0404】
マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。言い換えると、マルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに含まれるリンク識別子フィールドの値は特別な値であり、特別な値を使用することによって、既存のAPのリンク識別子との競合が回避される。
【0405】
任意選択で、特別な値は、現在の標準において指定されたリンク識別子フィールドの値の予約値である。例えば、特別な値は15である。
【0406】
加えて、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。具体的には、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示し、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むと決定し、局MACアドレスフィールド内の局MACアドレスを受信する。
【0407】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の局MACアドレスフィールドをさらに含み、局MACアドレスフィールドの値が、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであるとき。
【0408】
別の方式では、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールド(再使用ML要素内にない局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールド)をさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。具体的には、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示し、それにより、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むと決定する。BSSIDフィールドは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPのMACアドレスを示す。
【0409】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、伝送BSSIDフィールド(再使用ML要素中にない局MACアドレスフィールド)を含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の伝送BSSIDフィールドをさらに含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0410】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0411】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0412】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0413】
S302:第1のAPが管理フレームを送信する。
【0414】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS102において管理フレームを送信する。これに対応して、STAは、ステップS102において管理フレームを受信する。
【0415】
任意選択で、第1のAPは、管理フレームに対して送信前処理を実行し、ステップS102において、送信前処理を通じて得られた処理結果を送信してもよい。例えば、送信前処理は、暗号化およびスクランブリングを含み得る。それに対応して、STAは、(第1のAPが管理フレームに対して送信前処理を実行することで得られた)処理結果を受信し、ステップS102において処理結果に対して受信前処理を実行して管理フレームを取得し得る。例えば、受信前処理は、解読およびスクランブル解除を含み得る。
【0416】
S303:受信した管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内のBSSIDを知る。
【0417】
ステップS303において、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、別のリンク上のマルチBSSIDセットに関する情報を知り、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値を知る。
【0418】
この実施形態では、非AP MLDにおいて、第3のAPと同じリンク上に位置する局は、第3のAPが位置する第3のBSSIDセット内の各APのBSSIDに基づいて、受信したPPDU(PHYプロトコルデータユニット)がインターPPDUであるかイントラPPDUであるかを決定する。次いで、802.11ax-2021プロトコルまたは新しい設計プロトコルにしたがって、電力節約、空間再使用送信などを実行することができる。
【0419】
任意選択で、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、以下のうちの少なくとも1つを取得する:
第3のAPのMACアドレス、第3のAPに対応するBSSIDインデックスフィールド、および第3のマルチBSSIDセット内の最大BSSIDインジケータフィールド。
【0420】
任意選択で、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、以下のうちの少なくとも1つを取得する:
第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSID、第3のマルチBSSIDセット内の最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールド、および第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するBSSIDインデックスフィールド。
【0421】
前述の技術的解決策に基づいて、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、第3のマルチBSSIDセット内のすべてのBSSIDを知る(または決定する)ことができる。
【0422】
局に関して、局がPPDUを受信した場合、PPDUがインターPPDUであるかイントラPPDUであるかは、第3のマルチBSSIDセット内のすべてのBSSIDに基づいて決定される。
【0423】
任意選択で、PPDUがインターPPDUである場合、局は、インターPPDUに基づいて同じチャネル上で別の送信を開始し得る。別の送信は、802.11ax-2021プロトコルに記録された空間再使用方法に基づく。
【0424】
任意選択で、PPDUがインターPPDUである場合、局は、(802.11ax-2021プロトコルにしたがって)電力節約を実行するために、インターPPDUをこれ以上(受信または)解析しなくてもよい。
【0425】
上記では、方法の観点から本出願について説明したものであり、以下では、装置の観点から本出願についてさらに説明する。
【0426】
図16は、本出願の実施形態による通信装置1600の概略図である。通信装置1600は、処理ユニット1601とトランシーバユニット1602とを含む。
【0427】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、第1のAPであってもよく、図10に示される実施形態における通信方法を実装するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0428】
処理ユニット1601は、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。
【0429】
トランシーバユニット1602は、管理フレームを送信するように構成される。
【0430】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0431】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、STA(すなわち、第1のAPによって送信される管理フレームの受信側)であってもよく、図10に示された実施形態における通信方法を実施するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0432】
トランシーバユニット1602は、管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。
【0433】
処理ユニット1601は、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0434】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって受信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0435】
可能な実装形態では、管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。
【0436】
可能な実装形態では、
管理フレームはビーコンフレームであるか、または管理フレームはプローブ応答フレームである。
【0437】
可能な実装形態では、
特定の要素は、以下のうちの少なくとも1つを含む:
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素。
【0438】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、第1のAP MLD内の第1のAPであってもよく、図14に示される実施形態における通信方法を実施するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0439】
処理ユニット1601は、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0440】
トランシーバユニット1602は、管理フレームを送信するように構成される。
【0441】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0442】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、STA(すなわち、第1のAP MLD内の第1のAPによって送信される管理フレームの受信側)であってもよく、図14に示される実施形態における通信方法を実施するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0443】
トランシーバユニット1602は、第1のアクセスポイント(AP)から管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0444】
処理ユニット1601は、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0445】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0446】
可能な実装形態では、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)に属する。
【0447】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0448】
可能な実装形態では、
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0449】
可能な実装形態では、
第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。
【0450】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPであり、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0451】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチBSSID要素に位置するとき、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。
【0452】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチBSSID要素に位置するとき、マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送基本サービスセット識別子プロファイル(Nontransmitted BSSID profile、簡単に非伝送BSSIDプロファイルと呼ばれる)を含み、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置する。
【0453】
任意選択で、第1の非伝送BSSIDプロファイルは、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルの第1の部分である。
【0454】
可能な実装形態では、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。
【0455】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであり、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。
【0456】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0457】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、特定の要素は、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置する。
【0458】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子である。
【0459】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む。マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。
【0460】
可能な実装形態では、管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。
【0461】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。
【0462】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0463】
可能な実装形態では、管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、第1のフィールドは、以下のうちの少なくとも1つを満たす:
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAPにアソシエーションされたSTAが第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;または
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素内の第1の非伝送BSSIDプロファイル(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す。
【0464】
任意選択で、上述のSTAは、第1のAPと同じリンク上で動作するAPにアソシエーションされたSTA、または第1のAPにアソシエーションされたSTAである。
【0465】
可能な実装形態では、
第1のフィールドは、能力情報(Capabilities Info)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドの非伝送BSSID能力(nontransmitted BSSID Capabilities)要素に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはML要素と呼ばれる)に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素のマルチリンク制御フィールドに位置する;または
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素の共通情報フィールドに位置する。
【0466】
可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0467】
可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0468】
通信装置1600は、任意の前述の方法の実施形態に対応する実装プロセスを実行し、対応する有益な効果を達成するようにさらに構成され得ることに留意されたい。詳細については、前述の実施形態における説明を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0469】
上記では、本出願の実施形態におけるAP(すなわち、第1のAPまたは第1のAP MLD内の第1のAP)およびSTAについて説明した。以下では、APおよびSTAの可能な製品形態について説明する。以下の説明は一例にすぎず、本出願の実施形態におけるAPおよびSTAの製品形態はそれに限定されないことを理解されたい。
【0470】
可能な製品形態では、本出願の実施形態におけるAPおよびSTAは、一般的なバスアーキテクチャを使用することによって実装され得る。
【0471】
説明を容易にするために、図17は、本出願の一実施形態による通信装置1700の構造の概略図である。通信装置1700は、APもしくはSTA、またはAPもしくはSTA内のチップであり得る。図17では、通信装置1700の主要な構成要素のみを示している。通信装置1700は、少なくとも入力/出力ポート1702およびプロセッサ1701を含む。
【0472】
任意選択で、入力/出力ポート1702は、代替的に、通信ポート、通信インターフェースなどと呼ばれてもよい。
【0473】
任意選択で、通信装置1700は、メモリ1703をさらに含み得る。
【0474】
任意選択で、バス1704が装置1700にさらに追加されてもよく、バス1704は、入力/出力ポート1702および/またはメモリ1703とプロセッサ1701との間の接続を確立するように構成される。
【0475】
プロセッサ1701は、主に、通信プロトコルおよび通信データを処理し、通信装置を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。メモリ1703は、主に、ソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように構成される。入力/出力ポート1702は、制御回路およびアンテナを含み得る。制御回路は、主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を実行し、無線周波数信号を処理するように構成される。アンテナは、主に、無線周波数信号を電波の形態で送受信するように構成される。例えば、入力/出力装置1702は、タッチスクリーン、ディスプレイ、またはキーボードであってもよく、主に、ユーザによって入力されたデータの受信およびユーザへのデータの出力を行うように構成される。
【0476】
通信装置1700に電源が投入された後、プロセッサ1701は、メモリ1703内のソフトウェアプログラムを読み取り、ソフトウェアプログラムの命令を解釈および実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理し得る。データをワイヤレスで送信する必要があるとき、プロセッサ1701は、送信されるべきデータに対してベースバンド処理を実行し、次いで、ベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。無線周波数回路は、ベースバンド信号に対して無線周波数処理を実行し、次いで、アンテナを介して無線周波数信号を電波の形態で送信する。通信装置にデータを送信する場合、無線周波数回路は、アンテナを介して無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ1701に出力する。プロセッサ1701は、ベースバンド信号をデータに変換し、そのデータを処理する。
【0477】
任意選択で、メモリ1703は、プロセッサ1701に位置し得る。
【0478】
前述の設計のいずれか1つにおいて、プロセッサ1701は、受信機能および送信機能を実装するための通信インターフェースを含み得る。例えば、通信インターフェースは、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路であり得る。受信機能および送信機能を実装するように構成されたトランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、分離されてもよいし、統合されてもよい。トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、コード/データを読み取ったり書き込んだりするように構成され得る。代替的に、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、信号を送信または転送するように構成されてもよい。
【0479】
前述の設計のいずれか1つにおいて、プロセッサ1701は命令を記憶し得る。命令は、コンピュータプログラムであり得る。コンピュータプログラムは、通信装置1700が前述の方法の実施形態において説明された方法を実行することができるように、プロセッサ1701上で実行される。コンピュータプログラムは、プロセッサ1701内に固定されてもよい。この場合、プロセッサ1701は、ハードウェアによって実装され得る。
【0480】
一実装形態では、通信装置1700は回路を含み得、回路は、前述の実施形態のいずれか1つにおける送信機能、受信機能、または通信機能を実装し得る。本出願で説明されたプロセッサおよび通信インターフェースは、集積回路(integrated circuit、IC)、アナログIC、無線周波数集積回路(radio frequency integrated circuit、RFIC)、混合信号IC、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、プリント基板(printed circuit board、PCB)、電子デバイスなどで実装され得る。プロセッサおよび通信インターフェースは、様々なIC技術、例えば、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)、N型金属酸化膜半導体(N-type Metal-oxide-semiconductor、NMOS)、Pチャネル金属酸化膜半導体(positive channel metal oxide semiconductor、PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(Bipolar Junction Transistor、BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、およびガリウムヒ素(GaAs)を使用して製造され得る。
【0481】
本出願で説明される通信装置の範囲はこれに限定されるものではなく、通信装置の構造は図17によって限定されるものではない。通信装置は、独立したデバイスであってもよいし、大型デバイスの一部であってもよい。例えば、通信装置は、以下であり得る:
(1)独立した集積回路(IC)、チップ、またはチップシステムもしくはサブシステム;
(2)1つまたは複数のICを含むセット、ここで、任意選択で、ICのセットは、データおよびコンピュータプログラムを記憶するように構成された記憶構成要素をさらに含み得る;
(3)モデム(Modem)などのASIC;
(4)他のデバイスに埋め込むことができるモジュール;
(5)受信機、端末、インテリジェント端末、携帯電話、ワイヤレスデバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルユニット、車載デバイス、ネットワークデバイス、クラウドデバイス、人口知能デバイスなど;または
(6)その他。
【0482】
可能な製品形態では、本出願の実施形態におけるAPおよびSTAは、汎用プロセッサによって実装され得る。
【0483】
前述の様々な製品形態における通信装置は、前述の実施形態のいずれか1つにおけるAPまたはSTAの任意の機能を有することを理解されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0484】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムコードを実行すると、電子デバイスは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0485】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行することが可能になる。
【0486】
本出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。装置は、チップの製品形態で存在してもよい。装置の構造は、プロセッサとインターフェース回路とを含む。プロセッサは、装置が前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行することを可能にするために、インターフェース回路を介して別の装置と通信するように構成される。
【0487】
本出願の一実施形態は、APおよびSTAを含むワイヤレス通信システムをさらに提供する。APおよびSTAは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行し得る。
【0488】
本出願で開示された内容と組み合わせて説明された方法またはアルゴリズムステップは、ハードウェアによって実装されてもよいし、ソフトウェア命令を実行することによってプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含み得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、または当技術分野でよく知られている任意の他の形態の記憶媒体に記憶され得る。例えば、記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。当然ながら、記憶媒体はプロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに配置され得る。
【0489】
当業者であれば、前述の1つまたは複数の例において、本出願で説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せによって実装され得ることを認識すべきである。機能がソフトウェアによって実装されるとき、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されてもよいし、コンピュータ可読媒体内の1つもしくは複数の命令もしくはコードとして送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体および通信媒体を含む。通信媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの送信を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。
【0490】
前述の特定の実装形態では、本出願の目的、技術的解決策、および有益な効果がさらに詳細に説明されている。前述の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいて行われる任意の修正、均等な置換、改良などは、本出願の保護範囲内に入るものとする。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図15d
図15e
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
第1のアクセスポイント(AP)によって、管理フレームを生成するステップであって、前記管理フレームは、前記第1のAPの特定の要素とマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)要素とを含み、前記特定の要素は、チャネル切替え関連要素またはクワイエットチャネル関連要素であり、前記第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、前記マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応する前記AP前記特定の要素を含まない、ステップと、
前記第1のAPによって、前記管理フレームを送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、前記第1のAPの前記特定の要素の値と同じである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理フレームは、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記特定の要素は、
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記管理フレームは、第2のAPの特定の要素をさらに含み、
前記第1のAPおよび前記第2のAPが、同じAPマルチリンクデバイス(MLD)に属しているか、または
前記第2のAPおよび第3のAPが、同じAP MLDに属しており、前記第3のAPは、前記第1のAPが属する前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のAPであり、前記第2のAPの特定の要素の値は、前記第2のAP以外の前記第2のマルチBSSIDセット内の別のAPの特定の要素の値と同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のAPおよび前記第3のAPが同じAP MLDに属しており、前記第3のAPが、前記第1のAPが属する前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであるとき、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記管理フレームの前記マルチBSSID要素に位置する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含み、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の1つの非伝送BSSIDプロファイルに位置する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の1つの非伝送BSSIDプロファイルは、前記第3のAPに対応する非伝送BSSIDプロファイルであり、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記第3のAPに対応する前記非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素のSTA毎プロファイルフィールドに位置する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のAPおよび前記第2のAPが同じAP MLDに属しているとき、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記管理フレームのマルチリンク要素に位置する、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のAPの前記特定の要素は、前記マルチリンク要素内の前記第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のAPに対応する前記STA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、前記リンク識別子フィールドは、前記第2のAPのリンク識別子である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
通信方法であって、
局(STA)によって、管理フレームを受信するステップであって、前記管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素とマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)要素とを含み、前記特定の要素は、チャネル切替え関連要素またはクワイエットチャネル関連要素であり、前記第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、前記マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応する前記APの前記特定の要素を含まない、ステップと、
前記STAによって、前記管理フレームに基づいて、前記第1のマルチBSSIDセット内の前記非伝送BSSIDに対応する前記APの前記特定の要素の値、または前記第1のAPの前記特定の要素の前記値を決定するステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、前記第1のAPの前記特定の要素の値と同じである、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記特定の要素は、
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記管理フレームは、第2のAPの特定の要素をさらに含み、
前記第1のAPおよび前記第2のAPが、同じAPマルチリンクデバイス(MLD)に属しているか、または
前記第2のAPおよび第3のAPが、同じAP MLDに属しており、前記第3のAPは、前記第1のAPが属する前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPである、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のAPであり、前記第2のAPの特定の要素の値は、前記第2のAP以外の前記第2のマルチBSSIDセット内の別のAPの特定の要素の値と同じである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のAPおよび前記第3のAPが同じAP MLDに属しており、前記第3のAPが、前記第1のAPが属する前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであるとき、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記管理フレームの前記マルチBSSID要素に位置する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含み、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の1つの非伝送BSSIDプロファイルに位置する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の1つの非伝送BSSIDプロファイルは、前記第3のAPに対応する非伝送BSSIDプロファイルであり、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記第3のAPに対応する前記非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素のSTA毎プロファイルフィールドに位置する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のAPおよび前記第2のAPが同じAP MLDに属しているとき、前記第2のAPの前記特定の要素は、前記管理フレームのマルチリンク要素に位置する、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のAPの前記特定の要素は、前記マルチリンク要素内の前記第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のAPに対応する前記STA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、前記リンク識別子フィールドは、前記第2のAPのリンク識別子である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
通信方法であって、
第1のアクセスポイント(AP)によって、第1の管理フレームを生成するステップであって、前記第1の管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、前記特定の要素は、チャネル切替え関連要素またはクワイエットチャネル関連要素であり、
前記第1のAPおよび前記第2のAPが、同じAPマルチリンクデバイス(MLD)に属しているか、または
前記第1のAPは、第1のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第のAPは、前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPおよび前記第3のAPが同じAP MLDに属している、ステップと、
前記第1のAPによって、前記第1の管理フレームを送信するステップと
を含む方法。
【請求項25】
前記第1のAPが、前記第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するとき、前記第3のAPは、前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPおよび前記第3のAPは同じAP MLDに属しており、前記特定の要素は、前記第1の管理フレームのマルチBSSID要素に位置する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含み、前記特定の要素は、前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の前記第3のAPに対応する1つの非伝送BSSIDプロファイルに位置する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のAPおよび前記第2のAPが同じAP MLDに属しているとき、前記特定の要素は、前記第1の管理フレームのマルチリンク要素内の前記第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のAPに対応する前記STA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、前記リンク識別子フィールドは、前記第2のAPのリンク識別子である、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のAPは、特定の要素に対応するチャネル切替え動作またはチャネルクワイエット化動作を実行しているAPである、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のAPは、伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第1の管理フレームに含まれる前記第2のAPの前記特定の要素は、前記第1のAPが前記第1の管理フレームを送信する前に前記第2のAPによって送信される第2の管理フレームに含まれる前記第2のAPの特定の要素に対応する、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPの特定の要素は、前記第2のAPと同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPによって送信される第3の管理フレームによって示され、前記第2のAPの前記特定の要素の値は、前記第2のAPと同じ前記マルチBSSIDセット内の前記伝送BSSIDに対応する前記APの前記特定の要素の値と同じであり、前記第1の管理フレームに含まれる前記第2のAPの前記特定の要素は、前記第3の管理フレームにおいて示される前記第2のAPの前記特定の要素に対応する、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のAPは、ターゲット時間に、第1の動作クラスおよび第1のチャネルから第2の動作クラスおよび第2のチャネルに切り替え、前記第1の管理フレームは、低減されたネイバー報告(RNR)要素を含み、前記方法は、
前記第1の管理フレームが前記ターゲット時間の前に送信されるとき、前記RNR要素は、前記第1の動作クラスおよび前記第1のチャネルを含むこと、または
前記第1の管理フレームが前記ターゲット時間の後に送信されるとき、前記RNR要素は、前記第2の動作クラスおよび前記第2のチャネルを含むこと
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のAPの前記特定の要素の時間フィールドは、ビーコン送信時間および前記第2のAPのビーコン間隔を参照する、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記特定の要素は、
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
通信方法であって、
局(STA)によって、第1のアクセスポイント(AP)から第1の管理フレームを受信するステップであって、前記第1の管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、前記特定の要素は、チャネル切替え関連要素またはクワイエットチャネル関連要素であり、
前記第1のAPおよび前記第2のAPが、同じAPマルチリンクデバイス(MLD)に属しているか、または
前記第1のAPは、第1のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第3のAPは、前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPおよび前記第3のAPが同じAP MLDに属している、ステップと、
前記STAによって、前記第1の管理フレームに基づいて、前記第2のAPの前記特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の前記第2のAP以外の別のAPの前記特定の要素の前記値を決定するステップと
を含む方法。
【請求項36】
前記第1のAPが、前記第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するとき、前記第3のAPは、前記第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPおよび前記第3のAPは、同じAP MLDに属しており、前記特定の要素は、前記第1の管理フレームのマルチBSSID要素に位置する
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含み、前記特定の要素は、前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の前記第3のAPに対応する1つの非伝送BSSIDプロファイルに位置する、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記1つの非伝送BSSIDプロファイル以外の前記少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルは前記特定の要素を含まない、
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のAPおよび前記第2のAPが同じAP MLDに属しているとき、前記特定の要素は、前記第1の管理フレームのマルチリンク要素内の前記第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記第2のAPに対応する前記STA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、前記リンク識別子フィールドは、前記第2のAPのリンク識別子である、
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第2のAPは、特定の要素に対応するチャネル切替え動作またはチャネルクワイエット化動作を実行しているAPである、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記第2のAPは、伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第1の管理フレームに含まれる前記第2のAPの前記特定の要素は、前記第1のAPが前記第1の管理フレームを送信する前に前記第2のAPによって送信される第2の管理フレームに含まれる前記第2のAPの特定の要素に対応する、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPであり、前記第2のAPの特定の要素は、前記第2のAPと同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPによって送信される第3の管理フレームによって示され、前記第2のAPの前記特定の要素の値は、前記第2のAPと同じ前記マルチBSSIDセット内の前記伝送BSSIDに対応する前記APの前記特定の要素の値と同じであり、前記第1の管理フレームに含まれる前記第2のAPの前記特定の要素は、前記第3の管理フレームにおいて示される前記第2のAPの前記特定の要素に対応する、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記第2のAPは、ターゲット時間に、第1の動作クラスおよび第1のチャネルから第2の動作クラスおよび第2のチャネルに切り替え、前記第1の管理フレームは、低減されたネイバー報告(RNR)要素を含み、前記方法は、
前記第1の管理フレームが前記ターゲット時間の前に送信されるとき、前記RNR要素は、前記第1の動作クラスおよび前記第1のチャネルを含むこと、または
前記第1の管理フレームが前記ターゲット時間の後に送信されるとき、前記RNR要素は、前記第2の動作クラスおよび前記第2のチャネルを含むこと
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記第2のAPの前記特定の要素の時間フィールドは、ビーコン送信時間および前記第2のAPのビーコン間隔を参照する、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の管理フレームは、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記特定の要素は、
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
通信装置であって、前記装置は、トランシーバユニットと処理ユニットとを備え、前記装置は、請求項1から47のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、通信装置。
【請求項49】
メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを備える通信装置であって、
前記メモリは、プログラムまたは命令を記憶するように構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記装置が請求項1から47のいずれか一項に記載の方法を実施するように、前記プログラムまたは前記命令を実行するように構成される、
通信装置。
【請求項50】
令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から47のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータプログラム。
【請求項51】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラム命令を記憶し、前記プログラム命令が実行されると、請求項1から47のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月19日に中国国家知識産権局に出願された「COMMUNICATION METHOD AND APPARATUS」と題する中国特許出願第202110957217.1号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)技術の分野に関し、特に、通信方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
WLAN通信プロセスでは、アクセスポイント(access point、AP)の通信パラメータが変化するとき、APは、関連する通信パラメータを示すために、いくつかの特定の要素を関連局(station、STA)に送信する必要があり得る。一般に、これらの特定の要素は、管理フレームで搬送され得る。
【0004】
現在、APによって送信される管理フレームは、複数のAPの関連する通信パラメータを示すために複数の特定の要素を搬送する必要があり得る。一般に、管理フレームで搬送される複数の特定の要素において、異なる特定の要素は、対応する異なるAPの特定の要素を示す。
【0005】
しかしながら、前述の実装プロセスでは、管理フレームは、各APについて対応する特定の要素を搬送する必要がある。その結果、APによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、通信方法および装置を提供する。第1のAP(または第2のAP)の特定の要素の値は、第1のAP(または第2のAP)が属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0007】
本出願の第1の態様は、WLAN通信に適用される通信方法を提供する。この方法は第1のAPによって実行されるか、または方法は第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第1の態様および第1の態様の可能な実装形態では、第1のAPによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法において、第1のAPは、管理フレームを生成し、管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じであり、第1のAPは、管理フレームを送信する。
【0008】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPによって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0009】
本出願の第2の態様は、通信方法を提供する。この方法はSTAによって実行されるか、または方法はSTA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第2の態様および第2の態様の可能な実装形態では、STAによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法では、STAは、管理フレームを受信し、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じであり、STAは、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定する。
【0010】
任意選択で、STAが、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定することは、STAが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定することと表現されてもよい。
【0011】
前述の技術的解決策に基づいて、STAによって受信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、STAが第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、STAがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0012】
本出願の第3の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置は第1のAPであるか、または装置は、第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内の処理ユニットは、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。装置内のトランシーバユニットは、管理フレームを送信するように構成される。
【0013】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0014】
本出願の第4の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置はSTAであるか、または装置は、STA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内のトランシーバユニットは、管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。装置内の処理ユニットは、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0015】
任意選択で、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成されることは、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定するように構成されることと表現されてもよい。
【0016】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって受信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0017】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つにおいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであることは、マルチBSSIDセット内の第1のAP以外の別のAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ(every two)同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素が同じであると表現されてもよく、管理フレームに含まれるマルチBSSIDセットは、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素を含まないことに留意されたい。
【0018】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。
【0019】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレーム内のマルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。言い換えると、第1のAPの特定の要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素も示す。したがって、第1のAPの特定の要素は、(第1のAPおよび非伝送BSSIDに対応するAPを含む)複数のAPの特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0020】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0021】
第1の態様から第4の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームで搬送される特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0023】
本出願の第5の態様は、WLAN通信に適用される通信方法を提供する。この方法は第1のAPによって実行されるか、または方法は第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第5の態様および第5の態様の可能な実装形態では、第1のAPによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法では、第1のAPは、管理フレームを生成し、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであり、第1のAPは管理フレームを送信する。
【0024】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0025】
本出願の第6の態様は、通信方法を提供する。この方法はSTAによって実行されるか、または方法はSTA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)によって実行される。第6の態様および第6の態様の可能な実装形態では、STAによって方法が実行される例が説明のために使用される。この方法では、STAは、第1のアクセスポイント(AP)から管理フレームを受信し、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであり、STAは、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定する。
【0026】
任意選択で、STAが、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定することは、STAが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定することと表現されてもよい。
【0027】
前述の技術的解決策に基づいて、STAによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、STAが第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、STAが第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0028】
本出願の第7の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置は第1のAPであるか、または装置は第1のAP内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内の処理ユニットは、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(access point multi-link device、AP MLD)内のAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。装置内のトランシーバユニットは、管理フレームを送信するように構成される。
【0029】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0030】
本出願の第8の態様は、WLAN通信に適用される通信装置を提供する。この装置はSTAであるか、または装置はSTA内のいくつかの構成要素(例えば、プロセッサ、チップ、またはチップシステム)である。装置内のトランシーバユニットは、第1のアクセスポイント(AP)から管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(access point multi-link device、AP MLD)内のAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。装置内の処理ユニットは、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0031】
任意選択で、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成されることは、処理ユニットが、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定するように構成されることと表現されてもよい。
【0032】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニットによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0033】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つにおいて、管理フレームを受信するSTAは、非AP MLD内のSTAであってもよいことに留意されたい。非AP MLDは、1つまたは複数のSTAを含む。例えば、非AP MLDが、管理フレームを受信するSTAのみを含むとき、非AP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあってもよく、または非AP MLDは、管理フレームを受信するSTA以外の別のSTAをさらに含んでもよい。
【0034】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つにおいて、第2のAPの特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであることは、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ同じであると表現されてもよいことに留意されたい。
【0035】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)に属する。
【0036】
任意選択で、第1のAP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。例えば、第1のAP MLDが第1のAPのみを含む場合、第1のAP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあってもよく、または第1のAP MLDは、第1のAP以外の別のAPをさらに含んでもよい。
【0037】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0038】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0039】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよい。
【0040】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、
第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。
【0041】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよい。
【0042】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0043】
任意選択で、第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置し、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0044】
任意選択で、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含む(または、第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである)。特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置し、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0045】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPが管理フレームを送信するとき、第1のAPは、管理フレームのマルチBSSID要素を使用することによって、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDに関する関連情報を搬送し得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。第1のAPが属する第1のAP MLDは、第2のAPが属する第2のAP MLDとは異なる。第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、第1のAPとは異なるAP MLDに位置するAPを示すための特定の要素を含む。特定の要素は、異なるAP MLD内のAPが位置するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示す。
【0046】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチBSSID要素に位置するとき、マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送基本サービスセット識別子プロファイル(Nontransmitted BSSID profile、簡単に非伝送BSSIDプロファイルと呼ばれる)を含み、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置する。
【0047】
任意選択で、第1の非伝送BSSIDプロファイルは、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルの第1の部分である。
【0048】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含む。言い換えると、第1のマルチBSSIDセットは、少なくとも1つの非伝送BSSIDを含む。管理フレームの受信端が第2のAPの特定の要素を受信するのを助けるために、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置し得る。
【0049】
任意選択で、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の任意の非伝送BSSIDプロファイル(例えば、第2の可能な非伝送BSSIDプロファイル、第3の可能な非伝送BSSIDプロファイル、・・・、または最後の可能な非伝送BSSIDプロファイル)に位置する。
【0050】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。
【0051】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームのマルチBSSID要素内の少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルにおいて、特定の要素を含む第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、別の非伝送BSSIDプロファイルに対応するBSSIDのAPの特定の要素の値も示す。したがって、第1のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、別の非伝送BSSIDプロファイルに対応するBSSIDのAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0052】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはML要素と呼ばれる)に位置する。
【0053】
任意選択で、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであり、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。
【0054】
前述の技術的解決策に基づいて、第1のAPがAP MLDに位置するとき、管理フレームは、第1のAPが管理フレームを送信するときにマルチリンク要素を搬送し得る。第1のAPおよび第2のAPが同じAP MLDに関連している(affiliated with)とき、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素で搬送され得る。
【0055】
第2のAPが第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであることは、第1のAPおよび第2のAPが同じAP MLDに関連していることと表現されてもよい。
【0056】
加えて、第1のAPは、第1のAP MLD内のAPであり得、第2のAPは、第1のAP MLD内の別のAPである。第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、第1のAPと同じAP MLDに位置する別のAPを示すための特定の要素を含む。特定の要素は、同じAP MLD内の別のAPが位置するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示す。
【0057】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、特定の要素は、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置する。
【0058】
前述の技術的解決策に基づいて、マルチリンク要素は、第2のAPの特定の要素がマルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに具体的に位置し得ることを示すための複数のSTA毎プロファイルフィールドを含み得る。
【0059】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子である。
【0060】
前述の技術的解決策に基づいて、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドをさらに含み得、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子であり、リンク識別子は、管理フレームの受信端に、STA毎プロファイルフィールドが第2のAPが位置するリンクであることを示す。
【0061】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含まないことを示す。
【0062】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。
【0063】
任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のAPのMACアドレスであってもよい。
【0064】
任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであってもよい。
【0065】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。
【0066】
任意選択で、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含み、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。
【0067】
任意選択で、特別な値は、現在の標準において指定されたリンク識別子フィールドの値の予約値である。例えば、特別な値は15である。
【0068】
前述の技術的解決策に基づいて、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、マルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに含まれるリンク識別子フィールドの値は特別な値であり、特別な値を使用することによって、既存のAPのリンク識別子との競合が回避される。
【0069】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。
【0070】
前述の技術的解決策に基づいて、特定の要素が管理フレームの第2のマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示し、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むと決定し、局MACアドレスフィールド内の局MACアドレスを受信する。
【0071】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0072】
前述の技術的解決策に基づいて、特定の要素が管理フレームの第2のマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の局MACアドレスフィールドをさらに含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。したがって、局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示し、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値は同じである。
【0073】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。
【0074】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに関する情報を示すためのマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値も示すので、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0075】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、第1のフィールドは、以下のうちの少なくとも1つを満たす:
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAPにアソシエーションされたSTAが第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;または
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素内の第1の非伝送BSSIDプロファイル(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す。
【0076】
任意選択で、上述のSTAは、第1のAPと同じリンク上で動作するAPにアソシエーションされたSTA、または第1のAPにアソシエーションされたSTAである。
【0077】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、
第1のフィールドは、能力情報(Capabilities Info)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドの非伝送BSSID能力(nontransmitted BSSID Capabilities)要素に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはML要素と呼ばれる)に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素のマルチリンク制御フィールドに位置する;または
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素の共通情報フィールドに位置する。
【0078】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0079】
第5の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0080】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームで搬送される特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0081】
本出願の実施形態の第9の態様は、少なくとも1つのプロセッサを含む通信装置を提供する。少なくとも1つのプロセッサは、メモリに結合される。メモリは、プログラムまたは命令を記憶するように構成される。少なくとも1つのプロセッサは、プログラムまたは命令を実行するように構成され、それにより、装置は、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装するか、または装置は、第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装するか、または装置は、第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装するか、または装置は、第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実装する。
【0082】
本出願の実施形態の第10の態様は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0083】
本出願の実施形態の第11の態様は、1つまたは複数のコンピュータを記憶するコンピュータプログラム製品(またはコンピュータプログラムと呼ばれる)を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行するか、またはプロセッサは、第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0084】
本出願の実施形態の第12の態様は、チップシステムを提供する。チップシステムは、第1の態様もしくは第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、または第2の態様もしくは第2の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、または第5の態様もしくは第5の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、または第6の態様もしくは第6の態様の可能な実装形態のいずれか1つにおける機能を実装する際に通信装置をサポートするように構成された、少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0085】
可能な設計では、チップシステムはメモリをさらに含む。メモリは、通信装置に必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含んでもよいし、チップと別のディスクリート構成要素とを含んでもよい。任意選択で、チップシステムは、インターフェース回路をさらに含み、インターフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサにプログラム命令および/またはデータを提供する。
【0086】
本出願の実施形態の第13の態様は、通信システムを提供する。通信システムは、第3の態様における通信装置と第4の態様における通信装置とを含み、および/または、通信システムは、第7の態様における通信装置と第8の態様における通信装置とを含み、および/または、通信システムは、第9の態様における通信装置を含む。
【0087】
第9の態様から第13の態様における任意の設計によってもたらされる技術的効果については、第1の態様から第8の態様における異なる実装形態によってもたらされる技術的効果を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0088】
前述の技術的解決策から分かるように、いくつかの実施形態では、第1のAP(または第2のAP)の特定の要素の値は、第1のAP(または第2のAP)が属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、第1のAPによって管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本出願による通信システムの概略図である。
図2a】本出願による通信システムの別の概略図である。
図2b】本出願による通信システムの別の概略図である。
図2c】本出願による通信システムの別の概略図である。
図3】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの概略図である。
図4】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図5】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図6】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図7】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図8】本出願による無線フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図9】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの概略図である。
図10】本出願による通信方法の概略図である。
図11a】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図11b】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図12】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図13】本出願による通信システムの別の概略図である。
図14】本出願による通信方法の別の概略図である。
図15a】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15b】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15c】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15d】本出願による管理フレームのフレームフォーマットの別の概略図である。
図15e】本出願による通信方法の別の概略図である。
図16】本出願による通信装置の概略図である。
図17】本出願による通信装置の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本出願では、別段の指定がない限り、実施形態の同じまたは同様の部分については、互いを参照する。本出願の実施形態および実施形態における実装形態/実装方法では、別段の指定がない限り、または論理的矛盾が生じない限り、用語および/または説明は一貫しており、異なる実施形態の間で、および実施形態における実装形態/実装方法の間で相互参照され得る。異なる実施形態における技術的特徴および実施形態における実装形態/実装方法は、それらの内部の論理関係にしたがって、新しい実施形態、実装形態、または実装方法を形成するために組み合わされてもよい。以下の説明は、本出願の実装形態であるが、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0091】
いくつかのシナリオでは、本出願の実施形態におけるいくつかの任意選択の特徴は、対応する技術的問題を解決し、対応する効果を達成するために、別の特徴、例えば、任意選択の特徴が現在基づいている解決策に依存することなく独立して実装され得ることが理解され得る。代替的に、いくつかのシナリオでは、任意選択の特徴は、要件に基づいて他の特徴と組み合わされる。それに対応して、本出願の実施形態において提供される装置はまた、これらの特徴または機能をそれに対応して実装し得る。詳細はここでは説明されない。
【0092】
本出願の説明において、「複数の(a plurality of)」という用語は、別段の指定がない限り、2つ以上を意味する。「以下の項目(部分)のうちの少なくとも1つ」またはこれに類する表現は、これらの項目の任意の組合せを意味し、単数の項目(部分)または複数の項目(部分)の任意の組合せを含む。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つの項目(部分)は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを示し得、ここで、a、b、およびcは、単数であっても複数であってもよい。
【0093】
加えて、本出願の実施形態における技術的解決策を明確に説明するために、「第1の」および「第2の」などの用語は、基本的に同じ機能または目的を提供する同じ項目または同様の項目を区別するために、本出願の実施形態において使用される。当業者は、「第1の」および「第2の」などの用語が数量または実行順序を限定するものではなく、「第1の」および「第2の」などの用語が明確な違いを示さないことを理解することができる。加えて、本出願の実施形態では、「例」または「例えば」などの表現は、例、例示、または説明を与えることを表すために使用される。本出願の実施形態において「例」または「例えば」として説明される任意の実施形態または設計方式は、別の実施形態または設計方式よりも好ましい、またはより多くの利点を有するものとして説明されるべきではない。正確には、「例」および「例えば」などの表現の使用は、理解を容易にするめの特定の方法で相対的な概念を提示することを意図している。
【0094】
本出願の実施形態において提供される方法の理解を容易にするために、以下では、本出願の実施形態において提供される方法のシステムアーキテクチャについて説明する。本出願の実施形態において説明されるシステムアーキテクチャは、本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明することを意図するものであり、本出願の実施形態において提供される技術的解決策に対するいかなる限定も構成しないことが理解され得る。
【0095】
本出願で提供される技術的解決策は、WLANシナリオに適用可能であり、例えば、IEEE802.11システムの標準、例えば、802.11a/b/g、802.11n、802.11ac、802.11ax、または802.11axの次世代、例えば、802.11be、またはさらなる次世代標準に適用可能である。
【0096】
本出願の実施形態は、展開されたWLANネットワーク、特にIEEE802.11システムの標準を適用するネットワークの例を使用することで主に説明されるが、当業者は、本出願の態様が、様々な標準またはプロトコルを使用する他のネットワーク、例えば、Bluetooth(Bluetooth(登録商標))、高性能ワイヤレスLAN(high performance radio LAN、HIPERLAN)(これは、IEEE802.11標準と同様のワイヤレス標準であり、主に欧州で使用される)、広域通信網(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、または既知であるかもしくは将来開発される他のネットワークに拡張され得ることを容易に理解する。したがって、本出願において提供される様々な態様は、カバレッジおよびワイヤレスアクセスプロトコルにかかわらず、任意の適切なワイヤレスネットワークに適用可能である。
【0097】
代替的に、本出願の実施形態は、ワイヤレスローカルエリアネットワークシステム、例えば、モノのインターネット(internet of things、IoT)またはVehicle-to-X(Vehicle to Everything、V2X)ネットワークに適用されてもよい。当然ながら、本出願の実施形態は、他の可能な通信システム、例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、LTE周波数分割複信(frequency division duplex、FDD)システム、LTE時分割複信(time division duplex、TDD)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(universal mobile telecommunications system、UMTS)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(worldwide interoperability for microwave access、WiMAX)通信システム、第5世代(5th generation、5G)通信システム、および将来の第6世代(6th generation、6G)通信システムに適用可能である。
【0098】
本出願で使用される前述の通信システムは、説明のための例にすぎず、それに限定されるものではない。本明細書では統一された説明が提供され、詳細は以下で再び説明されない。
【0099】
前述の内容は、本出願の実施形態におけるシステムアーキテクチャを簡潔に説明している。本出願の実施形態における技術的解決策をより良く理解するために、以下では、本出願の実施形態に関連する内容を説明する。
【0100】
1.マルチリンクデバイス
【0101】
本出願の実施形態に適用可能なワイヤレス通信システムは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless local area network、WLAN)またはセルラーネットワークであり得る。マルチキャストサービス送信方法は、ワイヤレス通信システム内の通信デバイス、または通信デバイス内のチップもしくはプロセッサによって実施され得る。通信デバイスは、複数のリンク上で実行される同時送信をサポートするワイヤレス通信デバイスであり得る。例えば、通信デバイスは、マルチリンクデバイス(Multi-link device)またはマルチバンドデバイス(multi-band device)と呼ばれる。シングルリンク送信のみをサポートするデバイスと比較して、マルチリンクデバイスは、より高い送信効率およびより高いスループットを有する。
【0102】
マルチリンクデバイスは、1つまたは複数の関連局(STA)(affiliated STA)を含む。関連STAは、論理局であり、1つのリンク上で動作し得る。関連局は、アクセスポイント(access point、AP)または非アクセスポイント局(non-Access Point Station、非AP STA)であり得る。説明を容易にするために、本出願では、その関連局がAPであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクAP、マルチリンクAPデバイス、またはAPマルチリンクデバイス(AP multi-link device、AP MLD)と呼ばれることがある。関連局が非AP STAであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクSTA、マルチリンクSTAデバイス、またはSTAマルチリンクデバイス(STA multi-link device、STA MLD)と呼ばれることがある。説明を容易にするために、本出願の実施形態では、「マルチリンクデバイスが関連STAを含む」を「マルチリンクデバイスがSTAを含む」とも簡単に説明する。
【0103】
マルチリンクデバイスは複数の論理局を含み、論理局の各々は単一のリンク上で動作するが、複数の論理局が同じリンク上で動作することが可能であることに留意されたい。
【0104】
マルチリンクデバイスは、802.11標準ファミリーにしたがってワイヤレス通信を実装し得る。例えば、超高スループット(extremely high throughput、EHT)をサポートする局、または802.11beをサポートする局、または802.11beと同様の標準をサポートする局は、別のデバイスとの通信を実施する。当然ながら、別のデバイスは、マルチリンクデバイスであってもなくてもよい。
【0105】
例えば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであってもよいし、マルチアンテナデバイスであってもよい。例えば、マルチリンクデバイスは、2つより多くのアンテナを有するデバイスであり得る。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は、本出願のこの実施形態では限定されない。本出願のこの実施形態では、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で送信されることを可能にし得、または、同じデータパケットが異なるリンク上で送信されることさえ可能にし得る。代替的に、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で送信されることを可能にせず、異なるアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で送信されることを可能にし得る。
【0106】
例えば、マルチリンクデバイスは、ワイヤレス通信機能を有する装置である。装置は、システム全体のデバイスであってもよく、またはシステム全体のデバイスにインストールされたチップ、処理システムなどであってもよい。チップまたは処理システムがインストールされるデバイスは、この出願の実施形態における方法および機能を実装するために、チップまたは処理システムによって制御され得る。例えば、本出願の実施形態におけるSTA MLDは、ワイヤレストランシーバ機能を有し、802.11シリーズプロトコルをサポートし得、AP MLD、別のSTA MLD、またはシングルリンクデバイスと通信し得る。例えば、STA MLDは、ユーザがAPと通信し、さらにWLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。例えば、STA MLDは、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、または携帯電話など、ネットワークに接続することができるユーザ機器であってもよいし、モノのインターネットにおけるモノのインターネットノードであってもよいし、車両のインターネットにおける車載通信装置であってもよい。STA MLDは、代替的に、前述の端末内のチップおよび処理システムであってもよい。
【0107】
本出願の実施形態におけるAP MLDは、STA MLDをサービスする装置であり、802.11シリーズプロトコルをサポートし得る。例えば、AP MLDは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはブリッジなどの通信エンティティであってもよいし、AP MLDは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局などを含んでもよい。当然ながら、AP MLDは、代替的に、様々な形態のデバイス内のチップおよび処理システムであってもよい。このようにして、本出願の実施形態における方法および機能が実装される。加えて、マルチリンクデバイスは、高レートおよび低レイテンシ送信をサポートし得る。ワイヤレスローカルエリアネットワークの適用シナリオの継続的な発展に伴い、マルチリンクデバイスは、より多くのシナリオ、例えば、スマートシティ内のセンサノード(例えば、スマート水道メータ、スマート電気メータ、およびスマート空気検出ノード)、スマートホーム内のスマートデバイス(例えば、スマートカメラ、プロジェクタ、ディスプレイ、テレビ、ステレオ、冷蔵庫、および洗濯機)、モノのインターネット内のノード、エンターテイメント端末(例えば、ARおよびVRなどのウェアラブルデバイス)、スマートオフィス内のスマートデバイス(例えば、プリンタまたはプロジェクタ)、車両のインターネット内の車両のインターネットデバイス、および日常生活のシナリオ内のいくつかのインフラストラクチャ(例えば、自動販売機、スーパーマーケット内のセルフサービスナビゲーションコンソール、セルフサービスキャッシュレジスタ、およびセルフサービス注文マシン)にさらに適用され得る。STA MLDおよびAP MLDの具体的な形態は、本出願の実施形態では特に限定されず、本明細書で説明するための例にすぎない。802.11プロトコルは、802.11beをサポートするか、または802.11beと互換性があるプロトコルであり得る。
【0108】
マルチリンクデバイスが動作する周波数帯域は、限定はしないが、サブ1GHz、2.4GHz、5GHz、6GHz、および高周波数60GHzを含み得る。
【0109】
例えば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであってもよいし、マルチアンテナデバイスであってもよい。例えば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、少なくとも2つのアンテナを有するデバイスであり得る。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は、本出願のこの実施形態では限定されない。図1は、AP MLDが複数のアンテナを有し、STA MLDが単一のアンテナを有する構造の概略図である。802.11標準は、AP MLDおよびSTA MLDにおいて物理層(Physical layer、PHY)および媒体アクセス制御(media access control、MAC)層部分に焦点を当てている。
【0110】
2.マルチリンク協調技術
【0111】
WLANシステムのサービス伝送速度を大幅に向上させるために、電気電子技術者協会(institute of electrical and electronics engineers、IEEE)802.11ax標準は、既存の直交波周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)技術に基づく直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access、OFDMA)技術をさらに使用する。OFDMA技術は、複数のノードが同時にデータを送受信して、多局ダイバーシティ利得を達成することをサポートする。加えて、連邦通信委員会(federal communications commission、FCC)は、5925~7125MHzの新しい空き周波数帯域をリリースした。以下、この周波数帯域を簡単に6GHzと呼ぶ。したがって、802.11axデバイスの動作範囲は、2.4GHzおよび5GHzから2.4GHz、5GHz、6GHzなどに拡張される。
【0112】
IEEE802.11ax次世代Wi-Fiプロトコル-超高スループット(extremely high throughput、EHT)デバイスが前方互換である。したがって、デバイスは、802.11axデバイスの動作スペクトル、すなわち、2.4GHz、5GHz、および6GHz帯域もサポートする。IEEE802.11ax次世代Wi-Fiプロトコル-EHTデバイスは、新しくリリースされたフリーの6GHz帯域に基づいてチャネル分割を実行する。サポートされる帯域幅、例えば、320MHzは、5GHzでサポートされる最大帯域幅160MHzを超える。
【0113】
IEEE802.11ax次世代Wi-Fi-EHTデバイスのピークスループットは、超大帯域幅を使用することによって、より多数のストリームを使用すること、例えば、ストリームの数を16に増やすことによって、複数の帯域(2.4GHz、5GHz、および6GHz)の協働を通じて、または別の方式で増加させることができる。同じ周波数帯域において、複数のチャネルの協調を通して、または別の方式で、ピークスループットをさらに増加させることができる。これにより、サービス送信遅延が低減される。本明細書では、複数の周波数帯域または複数のチャネルを総称して複数のリンクと呼ぶ。
【0114】
IEEE802.11ax次世代Wi-Fi-EHTデバイスは、マルチリンク協調技術を使用して、複数の不連続なリンクを集約して超大帯域幅を形成する。より高い帯域幅を集約することに加えて、マルチリンク協調技術はさらに、同じサービスのデータパケットを同じ局に同時に送信するために使用され得る。
【0115】
WLANは、サブ(sub)1ギガヘルツ(GHz)、2.4GHz、5GHz、6GHzなどを含む低周波数帯域上で動作し得る。802.11ax(Wi-Fi 6)および以前のマルチバンドWi-Fiでは複数のリンクが構成されているが、一般に、異なる基本サービスセット(basic service set、BSS)が複数のリンクの各々に対して確立され、ある瞬間には、1つのリンクしか、そのリンクが属するBSS内の局と通信するために使用することができず、各リンク上の動作は十分な協調を欠いている。
【0116】
IEEE802.11次世代Wi-Fi超高スループット(extremely high throughput、EHT)プロトコルでは、新しい6GHz帯域上の超大帯域幅を使用して情報パケットを送信することができ、マルチリンク協調技術を使用することによって、複数の不連続リンクを集約して超大帯域幅を形成することもできる。マルチリンク協調技術は、より大きな帯域幅を集約することができる。加えて、MACレイヤはまた、メッセージパケットを柔軟に送信するために、または、同じサービスのメッセージパケットを同じ局に同時に送信するために、複数のリンク上で共有され得る。マルチリンク協調技術を実装することができるデバイスを、以下ではマルチリンクデバイスと呼ぶ。APマルチリンクデバイスおよび局マルチリンクデバイスは、複数のリンクが迅速にアソシエーションされることができるように、1つのリンク上でアソシエーションされ得る。
【0117】
非AP MLDは、AP MLDの複数のリンクに同時にアソシエーションされる1つのリンク(link)に対してマルチリンクセットアップ動作を実行し得る。マルチリンクアソシエーション要求/応答(Multi-link Association Request/Response)フレーム交換を実行するリンクは、伝送リンク(Transmitted Link)と呼ばれる。これに対応して、別のリンクは、非伝送リンク(Nontransmitted Link)と呼ばれる。マルチリンクアソシエーション要求/応答フレームは、複数のリンクの同時アソシエーションを実施するために、複数のリンク(例えば、マルチリンク要素)に関する情報を搬送する。
【0118】
3.リンク識別子
【0119】
リンク識別子は、1つのリンク上で動作する1つの局を表す。言い換えると、1つのリンク上に2つ以上の局が存在する場合、2つ以上のリンク識別子が2つ以上の局を表す。以下で言及されるリンクは、リンク上で動作する局を表すこともある。
【0120】
データ伝送中、AP MLDおよびSTA MLDは、リンク識別子を使用して、リンクまたはリンク上の局を識別し得る。通信の前に、AP MLDおよびSTA MLDは、まず、リンク識別子とリンクまたはリンク上の局との間の対応について互いにネゴシエートまたは通信し得る。したがって、データ伝送中、リンクまたはリンク上の局を示すために大量のシグナリング情報を送信することなく、リンク識別子が搬送される。これにより、シグナリングオーバーヘッドが低減され、送信効率が向上する。
【0121】
一例では、基本サービスセット(basic service set、BSS)を確立するときにAP MLDによって送信される管理フレーム、例えば、ビーコン(beacon)フレームは、1つの要素を搬送し、要素は、複数のリンク識別子情報フィールドを含む。リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子と、このリンク識別子に対応するリンク上で動作する局との間の対応を示し得る。リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子を含み、MACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号という情報のうちの1つまたは複数を含む。MACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数が1つのリンクを示し得る。APの場合、APのMACアドレスは、APのBSSID(基本サービスセット識別子、basic service set identifier)である。
【0122】
別の例では、マルチリンクデバイスアソシエーションプロセスにおいて、AP MLDおよびSTAマルチリンクデバイスは、複数のリンク識別子情報フィールドをネゴシエートする。マルチリンクデバイスアソシエーションとは、AP MLDの1つのAPとSTA MLDの1つのSTAとの間の1つのアソシエーションを意味する。アソシエーションは、STA MLDの複数のSTAとAP MLDの複数のAPとの間のそれぞれのアソシエーションを容易にし得、1つのSTAが1つのAPにアソシエーションされる。
【0123】
後続の通信において、リンク識別子は、STAマルチリンクデバイスの局を表すためにAP MLDまたはSTA MLDによって使用され、リンク識別子は、局のMACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数の属性をさらに表し得る。MACアドレスは、アソシエーション後のAP MLDのアソシエーション識別子に置き換えられてもよい。
【0124】
任意選択で、複数の局が1つのリンク上で動作する場合、リンク識別子(数値IDである)は、リンクの動作クラスおよびチャネル番号を表し、リンク上で動作する局の識別子、例えば、局のMACアドレスまたは局のアソシエーション識別子(association identifier、AID)も表す。
【0125】
本出願の実施形態は、IEEE802.11ネットワークが展開される例を主に説明するが、本出願の様々な態様は、様々な標準またはプロトコルを使用する他のネットワーク、例えば、BLUETOOTH(Bluetooth)、高性能無線LAN(high performance radio LAN、HIPERLAN)(IEEE802.11標準に類似し、主に欧州で使用されるワイヤレス標準)、広域通信網(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(パーソナルエリアネットワーク、PAN)、または別の既知であるかもしくは後に開発されるネットワークに拡張することができることを、当業者は容易に理解する。したがって、本出願において提供される様々な態様は、カバレッジおよびワイヤレスアクセスプロトコルにかかわらず、任意の適切なワイヤレスネットワークに適用可能である。
【0126】
図2aにおいて、ワイヤレスローカルエリアネットワークが、本出願の実施形態が適用される通信システム100を説明するための例として使用される。通信システム100は、局101および局102を含む。局101は、スループットを向上させるために、複数のリンクを介して局102と通信し得る。局101はマルチリンクデバイスであり得、局102は、シングルリンクデバイス、マルチリンクデバイスなどであり得る。あるシナリオでは、局101はAP MLDであり、局102はSTA MLDまたは局(例えば、シングルリンク局)である。別のシナリオでは、局101はSTA MLDであり、局102はAP(例えば、シングルリンクAP)またはAP MLDである。さらに別のシナリオでは、局101はAP MLDであり、局102はAP MLDまたはAPである。さらに別のシナリオでは、局101はSTA MLDであり、局102はSTA MLDまたはSTA(例えば、シングルリンク局)である。当然ながら、ワイヤレスローカルエリアネットワークは、別のデバイスをさらに含んでいてもよい。図2aに示されるデバイスの数量およびタイプは、単なる例である。
【0127】
図2bおよび図2cは、それぞれ、通信システム200および通信システム300の構造の概略図を示す。通信システム200および通信システム300では、例えば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク内のマルチリンクデバイスは、複数のリンクを介して別のデバイスと通信する。
【0128】
図2bは、AP MLDがSTA MLDと通信するシナリオである。AP MLDは、関連AP1および関連AP2を含む。STA MLDは、関連STA1および関連STA2を含む。AP MLDおよびSTA MLDは、リンク1およびリンク2上で並列に通信する。
【0129】
図2cは、AP MLD601がSTA MLD602、STA MLD603、およびSTA604と通信するシナリオである。AP MLD601は、関連AP601-1~関連AP601-3を含む。STA MLD602は、STA602-1、STA602-2、およびSTA602-3という3つの関連STAを含む。STA MLD603は、STA603-1およびSTA603-2という2つの関連STAを含む。STA604-1およびSTA604は、シングルリンクデバイスである。AP MLD601は、STA MLD602と通信するためにリンク1、リンク2、およびリンク3を別々に使用し、STA MLD603と通信するためにリンク2およびリンク3を使用し、STA604と通信するためにリンク1を使用し得る。一例では、STA604は2.4GHz帯域上で動作する。STA MLD603において、STA603-1は5GHz帯で動作し、STA603-2は6GHz帯で動作する。STA MLD602において、STA602-1は2.4GHz帯で動作し、STA602-2は5GHz帯で動作し、STA602-3は6GHz帯で動作する。AP MLD601内の2.4GHz帯で動作するAP601-1は、リンク1上で、STA604およびSTA MLD602のSTA602-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。AP MLD601内の5GHz帯域上で動作するAP601-2は、リンク2上で、STA MLD602内の5GHz帯域上で動作するSTA603-1とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得、リンク2上で、STA MLD603内の5GHz帯域上で動作するSTA602-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送をさらに実行し得る。AP MLD601内の6GHz帯域上で動作するAP601-3は、リンク3上で、STA MLD602内の6GHz帯域上で動作するSTA602-3とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得、リンク3上で、STA MLD内のSTA603-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送をさらに実行し得る。
【0130】
図2bは、AP MLDが2つの周波数帯域をサポートすることのみを示しており、図2cは、AP MLD601が3つの周波数帯域(2.4GHz、5GHz、および6GHz)をサポートすることのみを示していることに留意されたい。各周波数帯域は1つのリンクに対応する。例えば、AP MLD601は、リンク1、リンク2、またはリンク3のうちの1つまたは複数のリンク上で動作し得る。AP側またはSTA側では、本明細書のリンクは、リンク上で動作する局としても理解され得る。実際の適用では、AP MLDおよびSTA MLDは、より多いまたはより少ない周波数帯域をさらにサポートしてもよい。言い換えると、AP MLDおよびSTA MLDは、より多くのリンクまたはより少ないリンク上で動作してもよい。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0131】
4.マルチリンク要素
【0132】
図3は、マルチリンク要素のフォーマット300の概略図である。図3に示すように、マルチリンク要素は、要素ID(Element Identifier)フィールド301と、長さ(Length)フィールド302と、要素ID拡張(Element ID Extension)フィールド303と、マルチリンク制御(Multi-Link Control)フィールド304と、共通情報フィールドとを含む。共通情報フィールドは、長さフィールド305、MLD MACアドレス(MLD MAC address)フィールド、・・・、能力フィールドなどのフィールドk(Field k)306、STA毎プロファイルx(Per-STA Profile x)フィールド307、およびSTA毎プロファイルy(Per-STA Profile y)フィールド(存在する場合)308を含む。
【0133】
MLD共通情報部分310は、MLDの関連情報を搬送するように構成される。後続するSTA毎プロファイルxフィールド307およびSTA毎プロファイルyフィールド(存在する場合)308は、STA毎プロファイル(per-STA profile)を表すオプションのサブ要素320である。
【0134】
さらに、マルチリンク制御フィールド304は、タイプ(Type)314、フィールドk存在324、および予約(Reserved)334を含む。例えば、タイプ314は、基本タイプであってもよいし、プローブ要求タイプであってもよい。
【0135】
任意選択で、マルチリンク要素は、リンク情報部分をさらに含み、リンク情報部分は、1つまたは複数の「STA毎プロファイル」を含む。STA毎プロファイルxフィールド307は、サブ要素ID(Subelement ID)317と、長さ(Length)327と、コンテンツ337とを含み、コンテンツ337は、STA毎制御フィールド(Per-STA control field)3371と、STA情報(STA information)フィールド3372と、STAプロファイルフィールド3373とを含む。STA毎制御フィールド3371は、リンクID(Link ID)33711およびSTA MACアドレス存在(STA MAC Address present)33712を含む。STA情報フィールド3372は、長さ33721、STA MACアドレス(STA MAC Address)33722などを含む。STAプロファイルフィールド3373は、フィールドx33731、・・・、要素Y(Element Y)33732、・・・、および非継承要素(Non-Inheritance element)(存在する場合)33733を含む。
【0136】
図3のMLD MACアドレスフィールドとフィールドk306との間に別のフィールドがさらに含まれてもよく、本明細書では示されないことが理解され得る。STA情報フィールド3372は、別のフィールドをさらに含み、STAプロファイルフィールド3373は、フィールド1、フィールド2、・・・、要素1、要素2、・・・などの別のフィールドまたは要素をさらに含み、非継承要素33733は最後の要素である。
【0137】
5.マルチBSSIDセット
【0138】
マルチ基本サービスセット識別子セット(Multiple BSSID set、これは、マルチBSSIDセットと呼ばれることがある)は、いくつかの協調APのセットとして理解され得る。すべての協調APは、同じ動作クラス、同じチャネル番号、および同じアンテナインターフェースを使用する。マルチBSSIDセットには、伝送(Transmitted)BSSID APは1つだけであり、他のAPは非伝送(Nontransmitted)BSSID APである。マルチBSSIDセットに関する情報(すなわち、マルチBSSID要素)は、伝送BSSID APによって送信されるビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、またはネイバー報告で搬送される。非伝送BSSID APのBSSIDに関する情報は、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、またはネイバー報告中のマルチBSSID要素に基づいて、局によって導出される。非伝送BSSID APのBSSIDは、伝送BSSID APのBSSIDと、伝送BSSID APの非伝送BSSIDプロファイル内のマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドとを使用することによって計算される。具体的な方法については、Draft 802.11REVmd_D3.0プロトコルを参照されたい。
【0139】
マルチBSSIDセットは、複数のAPを含むものと理解され得る。各APは、1つのBSSを管理し、異なるAPは、異なるSSIDおよび許可、例えば、セキュリティ機構または送信機会を有し得る。
【0140】
マルチBSSIDセットでは、BSSIDが伝送BSSIDであるAPのみがビーコン(beacon)フレームおよびプローブ応答(Probe Response)フレームを送信することができ、非伝送BSSID APはビーコンフレームを送信しない。したがって、STAによって送信されたプローブ要求(Probe Request)フレームが、BSSIDがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDであるAPに送信された場合、BSSIDがマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであるAPが、プローブ応答フレームを送信する応答を行うのを助ける。
【0141】
マルチBSSIDセット内の複数のAP内の1つのAPのBSSIDは、伝送(Transmitted)BSSIDとして構成され、伝送BSSID APは、伝送(transmitted)APと呼ばれることがある。別のAPのBSSIDは、非伝送(Nontransmitted)BSSIDとして構成され、非伝送BSSID APは、非伝送(Nontransmitted)APと呼ばれることがある。
【0142】
伝送BSSIDに対応するAPによって送信されるビーコンフレームは、マルチBSSID要素を含み得る。マルチBSSID要素のフレームフォーマットを図4に示す。マルチBSSID要素は、要素IDフィールドと、長さフィールドと、最大BSSIDインジケータフィールドと、オプションのサブ要素フィールドとを含む。最大BSSIDインジケータフィールドは、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示す。オプションのサブ要素フィールドは、1つまたは複数の非伝送BSSIDに対応する非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドを含む。
【0143】
マルチBSSIDセット内で許可されるAPの最大数量は2^(n)であり、nは、図4に示されるマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。したがって、NonTxBSS ID(識別子)が1~2n-1である非伝送BSSID APがグループキャストサービスを有するかどうかをそれぞれ示すために、サービス指示仮想ビットマップフィールドのビット1~2^(n)-1がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID APにそれぞれ割り振られ得る。NonTxBSS IDの値は、マルチBSSID要素内の非伝送BSSIDプロファイル内のマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドの値に等しい。非伝送BSSIDプロファイルは、オプションのサブ要素フィールド内にある。
【0144】
例えば、複数の独立したAPと比較して、複数のBSSIDをサポートする1つのAPは、複数のタイプのトラフィックユーザが小さいエリア中でサポートされるというシナリオがあり得るという利点を有する。異なるAPが小さいエリア内で使用される場合、各APはクリーンなチャネルを見つけようと試み、AP間のチャネル干渉を回避することができない。したがって、異なるトラフィックタイプまたは異なる顧客タイプのSTAにサービスを提供するために、1つのAPが複数のAPに仮想化される解決策が使用される。
【0145】
6.チャネル切替え関連要素
【0146】
一般に、チャネル切替え関連要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0147】
チャネル切替え告知要素のフレームフォーマットの概略図を図5の(a)に示す。チャネル切替え告知要素は、要素ID(element ID、これは要素識別子と呼ばれることもある)フィールドと、長さ(Length)フィールドと、チャネル切替えモードフィールドと、新しいチャネル番号(new channel number)フィールドと、チャネル切替えカウント(channel switch count)フィールドとを含み得る。
【0148】
拡張チャネル切替え告知要素のフレームフォーマットの概略図を図5の(b)に示す。拡張チャネル切替え告知要素は、要素識別子フィールドと、長さフィールドと、チャネル切替えモードフィールドと、新しい動作クラス(new operating class)フィールドと、新しいチャネル番号(new channel number)フィールドと、チャネル切替えカウント(channel switch count)フィールドとを含み得る。
【0149】
チャネル切替えカウントフィールドは、チャネル切替え告知要素または拡張チャネル切替え告知要素を送信するための局が新しいチャネルまたは新しい動作クラスおよび新しいチャネルに切り替わるときに残っているターゲットビーコンフレーム送信時間(target beacon transmission time、TBTT)の数量を示す。例えば、チャネル切替えカウントフィールドは1に設定され、次のTBTTの直前に切替えが発生することを示す。チャネル切替えカウントフィールドは0に設定され、フレームが送信された後の任意の時間に切替えが発生することを示す。新しいチャネル番号フィールドは、チャネル切替え後のチャネル番号を示す。新しい動作クラスフィールドは、チャネル切替え後の動作クラスを示す。
【0150】
各チャネル切替え関連要素の時間フィールドは、チャネル切替えが実行されているAPのビーコンフレーム送信時間およびビーコンフレーム間隔を指すことがあることに留意されたい。
【0151】
最大チャネル切替え時間要素のフレームフォーマットの概略図を図6に示す。最大チャネル切替え時間要素は、要素識別子フィールドと、長さフィールドと、要素識別子拡張(Element ID Extension)フィールドと、切替え時間(Switch Time)フィールドとを含み得る。
【0152】
7.クワイエットチャネル関連要素
【0153】
一般に、クワイエットチャネル関連要素は、クワイエット要素(Quiet element)およびクワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0154】
クワイエット要素(Quiet element)のフレームフォーマットの概略図を図7に示す。具体的に、図7に示される例では、クワイエット要素は、要素識別子(element ID、これは要素識別子と呼ばれることもある)フィールドと、長さ(Length)フィールドと、クワイエットカウント(Quiet Count)フィールドと、クワイエット期間(Quiet Period)フィールドと、クワイエット持続時間(Quiet Duration)フィールドと、クワイエットオフセット(Quiet Offset)フィールドとを含む。
【0155】
クワイエットカウントフィールドは、次のクワイエット間隔が開始するビーコン間隔まで、TBTTの数量に設定される(The Quiet Count field is set to the number of TBTTs until the beacon interval during which the next quiet interval starts)。クワイエット期間フィールドは、クワイエット要素によって定義される定期的にスケジュールされたクワイエット間隔の開始の間のビーコンフレーム間隔の数量に設定される。0に設定されたクワイエット期間フィールドは、周期的なクワイエット間隔が定義されていないことを示す(The Quiet Period field is set to the number of beacon intervals between the start of regularly scheduled quiet intervals defined by this Quiet element. A Quiet Period field set to 0 indicates that no periodic quiet interval is defined)。クワイエット持続時間フィールドは、クワイエット間隔の持続時間に設定され、TU単位で表される(The Quiet Duration field is set to the duration of the quiet interval, expressed in TUs)。クワイエットオフセットフィールドは、クワイエットカウントフィールドによって指定されるTBTTからのクワイエット間隔の開始のオフセットに設定され、TU単位で表される。クワイエットオフセットフィールドの値は、1ビーコンフレーム間隔未満である(The Quiet Offset field is set to the offset of the start of the quiet interval from the TBTT specified by the Quiet Count field, expressed in TUs. The value of the Quiet Offset field is less than one beacon interval)。
【0156】
クワイエット要素が有効になった後、APはもはやSTAと通信せず、STAはクワイエット状態を維持するので、STAは別の動作を実行し得ることが理解され得る。
【0157】
クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)のフレームフォーマットの概略図を図8に示す。具体的に、図8に示される例では、クワイエットチャネル要素は、要素識別子(element ID、要素識別子と呼ばれることもある)フィールドと、長さ(Length)フィールドと、APクワイエットモード(AP Quiet Mode)と、クワイエットカウント(Quiet Count)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)と、クワイエット期間(Quiet Period)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)と、クワイエット持続時間(Quiet Duration)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)と、クワイエットオフセット(Quiet Offset)フィールド(このフィールドはオプション(option)のフィールドである)とを含む。
【0158】
図7に示されるクワイエット要素の実装例と比較して、図8に示されるクワイエットチャネル要素は、APクワイエットモード(AP Quiet Mode)フィールドをさらに含む。
【0159】
任意選択で、図5図8の要素の具体的な説明については、802.11-2020標準プロトコルを参照されたい。
【0160】
8.イントラBSS PPDUおよびインターBSS PPDU
【0161】
局について、局によって監視されるPPDUが属するBSSと局にアソシエーションされたBSSとが同じBSSである場合、または局によって監視されるPPDUの受信端/送信端と局とが同じBSSに属する場合、または局によって監視されるPPDUが属するBSSが局にアソシエーションされたAPの同じマルチBSSIDセット(の任意のAP)からのPPDUである場合、PPDUはイントラBSS PPDUである(またはイントラPPDUと呼ばれる)。例えば、局によって監視されるPPDUにおけるBSSカラー/BSSIDが、局にアソシエーションされたBSSのBSSカラー/BSSIDと同じである場合、PPDUはイントラBSS PPDUである。
【0162】
局について、局によって監視されるPPDUが属するBSSと局にアソシエーションされたBSSとが同じBSSでない場合、または局によって監視されるPPDUの受信端/送信端と局とが同じBSSに属さない場合、または局によって監視されるPPDUが属するBSSが局にアソシエーションされたAPの同じマルチBSSIDセット(の任意のAP)からのPPDUでない場合、PPDUは、インターBSS PPDUである(またはインターPPDUと呼ばれる)。例えば、局によって監視されるPPDUのBSSカラー/BSS IDが、局にアソシエーションされたBSSのBSSカラー/BSS IDと異なる場合、PPDUは、インターBSS PPDUである。
【0163】
PPDUがイントラBSS PPDUであるかインターBSS PPDUであるかを局によって決定するための前述の方法は、単なる例である。詳細については、802.11ax-2021プロトコルを参照されたい。
【0164】
局について、局がインターPPDUを受信した場合、局は、インターPPDUに基づいて同じチャネル上で別の送信を開始し得る。別の送信は、802.11ax-2021プロトコルに記録された空間再使用方法に基づく。
【0165】
局について、局がインターPPDUを受信した場合、局は、電力を節約するために、インターPPDUをこれ以上(受信または)パースしないことがある(802.11ax-2021プロトコルを参照)。
【0166】
WLAN通信プロセスでは、アクセスポイント(access point、AP)の通信パラメータが変化するとき、APは、関連する通信パラメータを示すために、いくつかの特定の要素を関連局(station、STA)に送信する必要があり得る。一般に、これらの特定の要素は、管理フレームで搬送され得る。現在、APによって送信される管理フレームは、複数のAPの関連する通信パラメータを示すために複数の特定の要素を搬送する必要があり得る。一般に、管理フレームで搬送される複数の特定の要素において、異なる特定の要素は、異なるAPの特定の要素をそれぞれ示す。
【0167】
しかしながら、前述の実装プロセスでは、管理フレームは、各APについて対応する特定の要素を搬送する必要がある。その結果、APによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0168】
前述の問題を解決するために、本出願は、通信方法および通信装置を提供する。第1のAP(または第2のAP)の特定の要素の値は、第1のAP(または第2のAP)が属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0169】
本出願は、WLAN通信のための管理フレームに関する。理解を容易にするために、以下では、まず、管理フレームの実装プロセスについて説明する。
【0170】
WLAN通信プロセスでは、APのチャネル切替えに関連する通信パラメータ(例えば、動作クラスまたはチャネル番号)が変化したとき、APは、関連する通信パラメータを示すために、チャネル切替え関連要素をアソシエーションされたSTAに送信する必要があり得る。加えて、APがDFSチャネルを検出するか、またはチャネル測定などを実行した場合、APは、関連する通信パラメータを示すために、クワイエットチャネル関連要素をアソシエーションされたSTAに送信する必要があり得る。一般に、これらの要素は、管理フレームで搬送され得る。
【0171】
WLAN技術の発展に伴い、マルチBSSIDセットの特徴がWLAN通信ネットワークに導入され、管理フレームの前述の受信および送信プロセスは、マルチBSSIDセットを有する通信ネットワークにさらに適用され得る。同じマルチBSSIDセットにおいて、複数のAPの通信パラメータが変化したとき、同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPは、各APにアソシエーションされたSTAに、APのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を送信する必要があり得る。
【0172】
以下では、説明のために複数の実装例を使用する。以下の実装例では、通信パラメータが変化するAPがAP MLD内のAPである例(第2のAPが例として使用される)が説明のために使用される。
【0173】
1.管理フレームを送信する可能な実装プロセスにおいて
【0174】
管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)を送信するとき、AP MLD内の第2のAPは、第2のAPの以下のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素のいずれか1つを搬送する:
チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素、最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)。
【0175】
この場合、第2のAPと同じAP MLDに位置する他のAP(の各AP)が管理フレームを送信するとき(ここでは、例えば、管理フレームを送信するAPが第1のAPである)、APは、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0176】
任意選択で、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素(第2のAPのMLDに対応するマルチリンク要素であり、言い換えると、マルチリンク要素は、第2のAPのMLDのMLD MAC要素を搬送する)内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per STA profile)フィールドで搬送され、例えば、STA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイル(STA profile、または局プロファイルと呼ばれる)フィールドで搬送される。例えば、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「STAプロファイルフィールド3373」で搬送され得る。
【0177】
任意選択で、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素内の時間フィールド(例えば、チャネル切替えカウントフィールド、切替え時間フィールド、またはクワイエット持続時間フィールド)は、第2のAPのビーコンフレーム送信時間およびビーコンフレーム間隔を指す。
【0178】
一般に、管理フレームを送信するとき、第1のAPは、マルチリンク(multi-link、ML)要素の前半のみを搬送し得る。言い換えると、マルチリンク要素は、要素IDフィールド、長さフィールド、要素ID拡張フィールド、マルチリンク制御フィールド、共通情報フィールドなどを含む。例えば、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図3の前半の「MLD共通情報部分310」のみが搬送され得、図3の後半の「オプションのサブ要素320」は搬送されない。
【0179】
特別な場合には、AP MLDの(第1のAP以外の)別のAPによって送信されているビーコンフレームが、前述のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素のいずれか1つを搬送する場合、AP MLDの第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームのマルチリンク要素は、STA毎プロファイルフィールドをさらに搬送する必要がある。STA毎プロファイルフィールドは、前述の別のAP(すなわち、第2のAP)のものと同じチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含み、STAプロファイルフィールドで搬送される。例えば、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図3の前半の「MLD共通情報部分310」が搬送され得、図3の後半の「オプションのサブ要素320」がさらに搬送され得る。第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、「オプションのサブ要素320」内の「STAプロファイルフィールド3373」で搬送される。
【0180】
言い換えると、管理フレームを送信するとき、AP MLD内の第1のAPは、同じAP MLD内の別のAP(例えば、第2のAP)のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0181】
2.管理フレームを送信する別の可能な実装プロセスにおいて
【0182】
第2のAPがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPである場合、第2のAPと同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)は、前のAPの以下のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素のいずれか1つを搬送する:
チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素、最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)。
【0183】
この場合、第2のAPと同じAP MLDに位置する別のAPが非伝送BSSIDに対応するAPであるとき、非伝送BSSIDに対応するAPと同じマルチBSSIDセットに位置する伝送BSSIDに対応するAPが管理フレームを送信するときに(ここでは、例えば、管理フレームを送信するAPは第1のAPである)、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方が搬送される必要がある。
【0184】
ここでは、管理フレームを送信するAPが第1のAPである例が依然として使用される。第1のAPは、第1のAP MLD内のAPである。管理フレームを送信するとき、第1のAPは、第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0185】
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPである。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAPは、第1のAPのマルチBSSIDセット内のAPではない。
【0186】
例えば、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、図4に示されるマルチBSSID要素を搬送する。加えて、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、図4に示されるマルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」に位置する。マルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」は、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの関連要素を示す。
【0187】
任意選択で、第1のAPによって送信される管理フレーム内のマルチBSSID要素が、図4に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、「オプションのサブ要素」は、図3に示される「マルチリンク要素」をさらに含み得、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」が、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD内の別のAPの関連要素を示すようにする。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」に位置し得る。
【0188】
言い換えると、管理フレームを送信するとき、第1のAP MLD内の第1のAPは、第2のAP MLD内の第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。第2のAPは、第2のAP MLD内のAPである。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAPは、第1のAPのマルチBSSIDセット内のAPではない。
【0189】
任意選択で、第2のAPがターゲット時点に向かって新しい動作クラスおよび新しいチャネル番号に切り替わるとき、以下の条件が満たされる。
【0190】
(1)チャネルターゲット時点の前に、第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)がビーコンフレームおよびプローブ応答フレームを送信するとき、搬送される必要がある低減されたネイバー報告(reduced neighbor report element、略してRNR)要素内の第2のAPの動作クラスおよびチャネル番号フィールドは、その時点の前(すなわち、切替えの前)に動作する動作クラスおよびチャネル番号で構成される。第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)が、非伝送BSSIDに対応するAPである場合、同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPがビーコンフレームとプローブ応答フレームとを送信するときに搬送される必要があるRNR要素は、同じ方法で構成される。
【0191】
(2)チャネルターゲット時点の後、第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)がビーコンフレームおよびプローブ応答フレームを送信するとき、搬送される必要があるRNR要素内の第2のAPの動作クラスおよびチャネル番号フィールドは、その時点の後(すなわち、切替えの後)に動作する動作クラスおよびチャネル番号で搬送される。第2のAPと同じAP MLD内の他のAP(の各々)が、非伝送BSSIDに対応するAPである場合、同じマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPがビーコンフレームとプローブ応答フレームとを送信するときに搬送される必要があるRNR要素は、同じ方法で構成される。
【0192】
3.管理フレームを受信する可能な実装プロセスにおいて
【0193】
STAは、管理フレームを受信する。ここで、STAが非AP MLD内のSTAである例が、説明のために使用される(管理フレームを受信するSTAは、シングルリンクデバイスであってもよく、これは単なる例である)。
【0194】
非AP MLD内のSTAが、第1のAPによって送信された管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)を受信し、管理フレームが、管理フレーム送信端APと同じAP MLD内の(管理フレーム送信端APとは異なる)第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む場合、非AP MLD内の第2のAPにアソシエーションされたSTAは、第2のAPのパラメータを受信するようなものである。
【0195】
例えば、非AP MLD内のSTA1は、AP MLD内のAP1によって送信された管理フレームを受信し、管理フレームは、AP MLD内のAP2によって送信されているチャネル切替え告知要素を搬送する。この場合、非AP MLD内のSTA2は、AP2によって送信されたチャネル切替え告知要素を知り、AP2の切替えられた動作クラスおよびチャネル番号などの情報を取得し得る。
【0196】
この場合、非AP MLD内のSTA2は、前述の要素を実際に受信しなくてもよいが、同じMLD内の別のSTA(例えば、STA1)を使用することによって前述の要素を受信することに留意されたい。
【0197】
管理フレームの前述の実装プロセスから分かるように、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり得、複数の要素が、同じマルチBSSIDセット内の複数のAPに対応する要素をそれぞれ示し得る。同じマルチBSSIDセット内の異なるAPが同じ特定の要素に対応するので、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有する可能性がある。
【0198】
以下では、繰り返される冗長データの可能な実装形態を説明するために実装例を使用する。
【0199】
以下の実装例の適用シナリオは、管理フレームを送信するAP(すなわち、伝送BSSIDに対応するAP)と、通信パラメータが変化するAP(すなわち、非伝送BSSIDに対応するAP)とが同じマルチBSSIDセットに位置することであり得る。
【0200】
例えば、図9は、管理フレームのフレームフォーマットの概略図である。図9において、管理フレームは、伝送BSSIDの関連要素を含み、伝送BSSIDのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送するために使用される。管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含む。マルチBSSID要素は、1つまたは複数の非伝送BSSIDプロファイルを含み、各非伝送BSSIDプロファイルは、非伝送BSSIDプロファイルに対応する非伝送BSSID APの情報要素またはフィールドを搬送する。
【0201】
具体的には、マルチBSSIDセットの場合、各BSSIDに対応するAPが同じチャネル上で動作する必要があるので、マルチBSSIDセット内のすべてのAPは、チャネル切替えのための動作が同じである必要がある。マルチBSSIDセットでは、伝送BSSIDに対応するAPのみが管理フレームを送信することができる。マルチBSSIDセット内のすべてのAPがチャネルを切替えるとき、伝送BSSID APによって送信されるビーコンフレームは、伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素を含み、さらにマルチBSSID要素を含み、マルチBSSID要素内の各非伝送BSSIDに対応する非伝送プロファイルは、対応する非伝送BSSIDのチャネル切替え関連要素を搬送する。そのため、ビーコンフレームは、一定の冗長性を有し、エアインターフェース効率が低減される。チャネル切替え関連要素は、チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、および最大チャネル切替え時間要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0202】
加えて、クワイエットチャネル関連要素について、クワイエットチャネル関連要素は、STAがクワイエットチャネルに対して動的周波数選択(dynamic frequency selection、DFS)を実行することを回避するために使用されるか、またはSTAがクワイエットチャネルに対してチャネル測定を実行することを回避するために使用されるので、同じマルチBSSIDセット内のすべてのAPは、クワイエットチャネルに対して同じ動作を有さなくてはならない。前述のチャネル切替えと同様に、伝送BSSIDのAPは、APの伝送BSSIDのクワイエットチャネル関連要素を管理フレームに含める必要があり、また、ビーコンフレーム内のマルチBSSID要素内の各非伝送BSSIDに対応する非伝送プロファイルに、非伝送BSSIDに対応するクワイエットチャネル関連要素を含める必要がある。これもまた、ビーコンフレームの冗長問題を引き起こす。
【0203】
任意選択で、非伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送するために使用されるマルチBSSID要素は、図4に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装され得る。図4の「オプションのサブ要素」は、図3に示される「マルチリンク要素」をさらに含み得、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」が、伝送BSSIDに対応するAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD内の別のAPの関連要素を示すようにする。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」に位置し得る。
【0204】
言い換えると、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームが、図9に示されたフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、「伝送BSSID関連要素」は、伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり、「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素と、非伝送BSSIDに対応するAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素とが同じであるので、管理フレームは、冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0205】
管理フレームを送信するAP(すなわち、伝送BSSIDに対応するAP)と、通信パラメータが変化するAP(すなわち、非伝送BSSIDに対応するAP)とが同じマルチBSSIDセットに位置するとき、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある可能性があるという問題を解決するために。以下では、図10に示される実装形態において問題を解決する。
【0206】
図10は、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含む。
【0207】
S101:第1のAPが管理フレームを生成する。
【0208】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS101において管理フレームを生成し、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。
【0209】
S102:第1のAPが管理フレームを送信する。
【0210】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS102において管理フレームを送信する。これに対応して、STAは、ステップS102において管理フレームを受信する。
【0211】
任意選択で、第1のAPは、管理フレームに対して送信前処理を実行し、ステップS102において、送信前処理を通じて得られた処理結果を送信してもよい。例えば、送信前処理は、暗号化およびスクランブリングを含み得る。それに対応して、STAは、(第1のAPが管理フレームに対して送信前処理を実行することで得られた)処理結果を受信し、ステップS102において処理結果に対して受信前処理を実行して管理フレームを取得し得る。例えば、受信前処理は、解読およびスクランブル解除を含み得る。
【0212】
S103:STAが、管理フレームに基づいて、第1のAPの特定の要素の値またはマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値を決定する。
【0213】
この実施形態では、STAが第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、STAは、ステップS103において、管理フレームに基づいて、第1のAPの特定の要素の値を決定し、またはSTAがマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、STAは、ステップS103において、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応し、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定する。言い換えると、STAは、ステップS103において、管理フレームに基づいて、STAにアソシエーションされたAPの特定の要素を決定する。
【0214】
具体的には、ステップS101において、第1のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第1のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS101において管理フレームで搬送される必要がある。
【0215】
任意選択で、ステップS101において第1のAPによって生成された管理フレームにおいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであることは、マルチBSSIDセット内の第1のAP以外の別のAPの特定の要素の値が第1のAPの特定の要素の値と同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ同じであると表現されてもよいし、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素が同じであると表現されてもよく、管理フレームに含まれるマルチBSSIDセットは、マルチBSSIDセット内のすべてのAPの共通の特定の要素を含まない。
【0216】
第1の可能な実装形態では、ステップS101において第1のAPによって生成された管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。
【0217】
具体的には、管理フレーム内のマルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。言い換えると、第1のAPの特定の要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素も示す。したがって、第1のAPの特定の要素は、(第1のAPと非伝送BSSIDに対応するAPとを含む)複数のAPの特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0218】
可能な実装形態では、ステップS101において第1のAPによって送信される管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0219】
可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0220】
前述の技術的解決策に基づいて、管理フレームで搬送される特定の要素は、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。言い換えると、特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、チャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。
【0221】
前述の技術的解決策に基づいて、ステップS102において第1のAPによって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、ステップS103において、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、ステップS103において、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0222】
加えて、前述の技術的解決策によれば、第1のAPによって送信される管理フレームが図9に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図9に示される管理フレームのフレームフォーマットは、図11aおよび図11bに示される実装例として表されてもよい。図11aおよび図11bに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0223】
一実装例では、図11aは、図10に示される通信方法が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、伝送BSSIDの関連要素を含み、伝送BSSIDの関連要素は、伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第1のAP)の特定の要素を搬送する。管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第2のAP)の特定の要素を搬送する。
【0224】
一実装例では、図11bは、図10に示される通信方法が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、伝送BSSIDの関連要素を含み、伝送BSSIDの関連要素は、伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第1のAP)の特定の要素を搬送する。管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、第2のAP)の特定の要素を搬送しない。
【0225】
第1のAPおよび第2のAPは同じマルチBSSIDセットに属するので、第1のAPの特定の要素の値は、第2のAPの特定の要素の値と同じである。このように、複数のSTA(第1のAPにアソシエーションされたSTAおよび第2のAPにアソシエーションされたSTAを含む)は、管理フレームで「伝送BSSIDの関連要素」を受信し、S103において、「伝送BSSIDの関連要素」に含まれる第1のAPの特定の要素の値を取得し得る。複数のSTAは、第1のAPの特定の要素の値に基づいて、各STAにアソシエーションされたAPの特定の要素の値を決定し得る。管理フレーム内の「マルチBSSID要素」は、第2のAPの特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0226】
管理フレームの前述の実装プロセスから分かるように、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり得、複数の要素は、同じマルチBSSIDセット内の複数のAPに対応する要素をそれぞれ示し得る。同じマルチBSSIDセット内の異なるAPが同じ特定の要素に対応するので、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームは、いくつかの繰り返される冗長データを有し得る。
【0227】
以下では、繰り返される冗長データの可能な実装形態を説明するために別の実装例を使用する。
【0228】
以下の実装例の適用シナリオは、管理フレームを送信するAP(例えば、第1のAP)と、通信パラメータが変化するAP(例えば、第2のAP)とが、異なるマルチBSSIDセットに位置することであり得る。第1のAPは、第1のAP MLD内のAPである。第2のAPは、第2のAP MLD内のAPである。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAPは、第1のAPのマルチBSSIDセット内のAPではない。
【0229】
例えば、図12は、管理フレームのフレームフォーマットの概略図である。
【0230】
図12では、管理フレームはマルチBSSID要素を含み、マルチBSSID要素は1つまたは複数の非伝送BSSIDプロファイルを含み、各非伝送BSSIDプロファイルは、非伝送BSSIDプロファイルに対応する非伝送BSSID APの情報要素またはフィールドを搬送する。
【0231】
任意選択で、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、図4に示されるマルチBSSID要素を搬送する。加えて、第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、図4に示されるマルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」に位置する。マルチBSSID要素内の「オプションのサブ要素」は、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの関連要素を示す。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」に位置し得る。
【0232】
加えて、第1のAPによって送信される管理フレーム内のマルチBSSID要素が、図4に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、「オプションのサブ要素」は、図3に示される「マルチリンク要素」をさらに含み得、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」が、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD内の別のAPの関連要素を示すようにする。第2のAPのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は、「オプションのサブ要素」内の「マルチリンク要素」に位置し得る。
【0233】
図12において、管理フレームは、マルチリンク要素をさらに含む。マルチリンク要素は、1つまたは複数のSTA毎プロファイルを含み、対応するSTA(APおよび非AP STAを含む)の要素およびフィールドを搬送するために使用される。
【0234】
任意選択で、第1のAPによって送信される管理フレームのマルチリンク要素が、図3に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図3の前半の「MLD共通情報部分310」が搬送され得、図3の後半の「オプションのサブ要素320」がさらに搬送され得る。第2のAPのチャネル切替え関連要素もしくはクワイエットチャネル関連要素または両方は、「オプションのサブ要素320」内の「STAプロファイルフィールド3373」で搬送される。
【0235】
ここで、第1のAPがAP MLD内のAPである例が説明のために使用される。第1のAPはまた、シングルリンクデバイスであり得る。ここでは、第1のAPがAP MLD内のAPである例のみが使用される。第1のAP MLDは、第1のAPが位置するAP MLDとして示され、第1のAP MLDの最大数量は1である。第2のAP MLDは、第1のAPのマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。第2のAP MLDの数量は、0、1、またはそれ以上であり得る。AP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。
【0236】
例えば、図13に示されるシナリオでは、4つのAP MLDが含まれる。AP MLD1は、(リンクL1に対応する)BSSID-1xと番号付けされたAPと、(リンクL2に対応する)BSSID-2yと番号付けされたAPと、(リンクL3に対応する)BSSID-3と番号付けされたAPとを含む。AP MLD2は、(リンクL1に対応する)BSSID-1zと番号付けされたAPと、(リンクL2に対応する)BSSID-2xと番号付けされたAPと、(リンクL4に対応する)BSSID-4yと番号付けされたAPとを含む。AP MLD3は、(リンクL1に対応する)BSSID-1yと番号付けされたAPと、(リンクL2に対応する)BSSID-2zと番号付けされたAPと、(リンクL4に対応する)BSSID-4xと番号付けされたAPとを含む。AP MLD4は、(リンクL4に対応する)BSSID-4zと番号付けされたAPを含む。図中のリンク番号とリンク識別子は同じ概念ではないことに留意されたい。リンク識別子は、特定のAPを識別するための、APの動作クラス、チャネル番号、およびMACアドレス(またはBSSID)のグループを表す。
【0237】
例えば、数字「x」で終わるAPは、伝送BSSIDに対応するAPであり、別の数字(例えば、「y」または「z」)で終わるAPは、非伝送BSSIDに対応するAPである。具体的には、リンク1上のマルチBSSIDセット1は、伝送BSSID BSSID-1xと、非伝送BSSID BSSID-1zおよびBSSID-1yとを含み、リンク2上のマルチBSSIDセット2は、伝送BSSID BSSID-2xと、非伝送BSSID BSSID-2zおよびBSSID-2yとを含み、リンク3は、BSSID-3(これは、マルチBSSIDセットに属さないと考えられ得るので、伝送BSSIDと非伝送BSSIDとの間で区別される必要がない)を含み、リンク4上のマルチBSSIDセット4は、伝送BSSID BSSID-4xと、非伝送BSSID BSSID-4zおよびBSSID-4yとを含む。
【0238】
説明を容易にするために、「BSSID-nに対応するAP」は、以下では簡単に「AP-n」と呼ばれる。図13に示されるシナリオでは、nは、1x、1y、1z、2x、2y、2z、3、4x、4y、4zなどであり得る。
【0239】
図13に示されるシナリオでは、リンク1上のマルチBSSIDセット1内のAP(例えば、AP-1y)が、チャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素の前述のプロセスを実行するとき、AP-1yと同じMLDに位置する別のAP、例えばAP-2zおよびAP-4y、によって送信される管理フレームも、対応する要素を搬送する必要がある。AP-2zは、非伝送BSSIDに対応するAPであるので、対応する要素は、AP-2zの伝送BSSID(すなわち、AP-2x)によって送信される必要があり、管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2zに対応する非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素に位置する。
【0240】
同様に、マルチBSSIDセット内のすべてのAPがチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素の前述の同じ動作を実行するので、AP-1zおよびAP-1xも同じ動作を実行する。この場合、AP MLD2およびAP MLD1に対応する別のAPも、管理フレームを送信するときに対応する要素を搬送する必要がある。例えば、AP MLD2内のAP-2xは、AP-1zの対応する要素を搬送する必要があり、AP MLD1内のAP-2yは、AP-1xの対応する要素を搬送する必要があり、管理フレームのマルチリンク要素内のAP-1zに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。加えて、AP-2yは、非伝送BSSIDに対応するAPであるので、対応する要素は、AP-2yが位置するマルチBSSIDセット内の伝送BSSID(すなわち、AP-2x)によって送信され、AP-2xによって送信される管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2yに対応する非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素に位置する。
【0241】
したがって、AP-1yが位置するマルチBSSIDセット内のAPによって実行されているチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素の処理のために、AP-2xは、管理フレーム(例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム)を送信するときに3つのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり、1つは、管理フレームのマルチリンク要素で搬送されるAP-1zの(BSSID-1zに対応する特定の要素を示すための)対応する要素で搬送され、他の2つは、管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2zに対応する非伝送BSSIDプロファイル内の(BSSID-1yに対応する特定の要素を示すための)マルチリンク要素および管理フレームのマルチBSSID要素内のAP-2yに対応する非伝送BSSIDプロファイル内の(BSSID-1xに対応する特定の要素を示すための)マルチリンク要素でそれぞれ搬送される。
【0242】
結論として、APによって送信される管理フレームが複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送するとき、複数の要素は、同じBSSIDセットに対応する要素を示し得る(ここで、「同じBSSIDセット」は、APが位置するBSSIDセットではないことがある)。同じマルチBSSIDセット内の異なるAPが同じ要素に対応するので、伝送BSSIDに対応するAPによって送信される管理フレームは、いくつかの冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0243】
言い換えると、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、以下の条件が満たされる。
【0244】
AP-2xによって送信される管理フレームが図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAP(AP-2yおよびAP-2zを含む)の関連要素を搬送する必要がある。AP-2yの関連要素は、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)に位置するチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。AP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)に位置するチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。
【0245】
加えて、AP-2xによって送信される管理フレームが、図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチリンク要素」は、AP-2xと同じAP MLD(少なくともAP-1zを含む)に位置するチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要がある。
【0246】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は同じであるので、管理フレームは、冗長データを有し、不必要なオーバーヘッドを引き起こし、通信効率に影響を与える可能性がある。
【0247】
管理フレームを送信するAP(すなわち、伝送BSSIDに対応するAP)と、通信パラメータが変化するAP(すなわち、非伝送BSSIDに対応するAP)とが異なるマルチBSSIDセットに位置するとき、APによって送信される管理フレームは、複数のチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を搬送する必要があり得るという問題を解決するために。以下では、図14に示される実装形態において問題を解決する。
【0248】
図14は、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含む。
【0249】
S201:第1のAPが管理フレームを生成する。
【0250】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS201において、管理フレームを生成し、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含む。
【0251】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき(すなわち、第2のAPによって送信されるビーコンフレームが特定の要素のいずれか1つを搬送するとき)、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。
【0252】
第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0253】
可能な実装形態では、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)に属する。
【0254】
任意選択で、第1のAP MLDは、1つまたは複数のAPを含む。例えば、第1のAP MLDが第1のAPのみを含む場合、第1のAP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあり、または、第1のAP MLDは、第1のAP以外の別のAPをさらに含んでもよい。
【0255】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0256】
可能な実装形態では、第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0257】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであると表現されてもよい。
【0258】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。
【0259】
任意選択で、第2のAPが第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではないことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよいし、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含むことと表現されてもよい。
【0260】
S202:第1のAPが管理フレームを送信する。
【0261】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS202において管理フレームを送信する。これに対応して、STAは、ステップS102において管理フレームを受信する。
【0262】
任意選択で、第1のAPは、管理フレームに対して送信前処理を実行し、ステップS202において、送信前処理を通じて得られた処理結果を送信してもよい。例えば、送信前処理は、暗号化およびスクランブリングを含み得る。それに対応して、STAは、(第1のAPが管理フレームに対して送信前処理を実行することで得られた)処理結果を受信し、ステップS202において処理結果に対して受信前処理を実行して管理フレームを取得し得る。例えば、受信前処理は、解読およびスクランブル解除を含み得る。
【0263】
S203:STAは、管理フレームに基づいて、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値または第2のAPの特定の要素の値を決定する。
【0264】
この実施形態では、STAが関連している非AP MLDが、第2のAPが位置するMLDにアソシエーションされた非AP MLDであるとき、STAが関連している非AP MLD(内の任意のSTAまたはすべてのSTA)は、ステップS203において、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値を決定する。
【0265】
任意選択で、管理フレームを受信するSTAは、非AP MLD内のSTAであってもよい。非AP MLDは、1つまたは複数のSTAを含む。例えば、非AP MLDが、管理フレームを受信するSTAのみを含むとき、非AP MLDは、シングルリンクデバイスとも呼ばれることがあってもよく、または非AP MLDは、管理フレームを受信するSTA以外の別のSTAをさらに含んでもよい。
【0266】
第2のAPの特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じであることは、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が同じであると表現されてもよいし、第2のマルチBSSIDセット内のすべてのAPの特定の要素の値が2つずつ同じであると表現されてもよいことに留意されたい。
【0267】
任意選択で、第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む(または第2のAPが第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPである)ことは、第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む(または第2のAPが第1のマルチBSSIDセットに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPである)ことと表現されてもよい。
【0268】
加えて、ステップS201における第1のAPは、第1のAP MLDのAPであってもよく、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであるか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。第1のAP MLDおよび第2のAP MLDは、異なるAP MLDである。
【0269】
この実施形態および後続の実施形態において言及されるAP MLD(例えば、第1のAP MLDまたは第2のAP MLD)は、1つまたは複数のAPを含むことに留意されたい。この実施形態および後続の実施形態で言及されるAP MLDが1つのAPを含むとき、AP MLDは、シングルリンクデバイスと呼ばれることもある。
【0270】
可能な実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、第1のフィールドは、以下のうちの少なくとも1つを満たす:
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAPにアソシエーションされたSTAが第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;または
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素内の第1の非伝送BSSIDプロファイル(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す。
【0271】
任意選択で、上述のSTAは、第1のAPと同じリンク上で動作するAPにアソシエーションされたSTA、または第1のAPにアソシエーションされたSTAである。
【0272】
さらに、第1のフィールドは、能力情報フィールドに位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドに位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドの非伝送BSSID能力要素に位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素に位置するか、第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素のマルチリンク制御フィールドに位置するか、または第1のフィールドは、非伝送プロファイルフィールドのマルチリンク要素の共通情報フィールドに位置する。
【0273】
可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0274】
可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。具体的には、管理フレームで搬送される特定の要素は、前述の項目のうちの少なくとも1つを含み得る。言い換えると、特定の要素は、チャネル切替え関連情報および/またはクワイエット関連情報を示すために、チャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素を含む。
【0275】
可能な実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームの異なる位置に位置し得る。例えば、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。別の例では、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。以下は、複数の実装形態における説明を提供する。
【0276】
ステップS201の一実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。説明を容易にするために、この実装形態を実装形態1と表す。
【0277】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。具体的には、第2のAPの特定の要素は、マルチBSSID要素に位置し、第2のAPの非伝送BSSIDプロファイルを示す。
【0278】
任意選択で、実装形態1において、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPであり、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDであり、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0279】
任意選択で、実装形態1において、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含み、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDであり、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0280】
具体的には、実装形態1では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に存在する。マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含み得る。第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。
【0281】
具体的には、管理フレームのマルチBSSID要素内の少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルにおいて、特定の要素を含む第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、別の非伝送BSSIDプロファイルに対応するBSSID APの特定の要素の値も示すので、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0282】
任意選択で、第1のAPによって送信される管理フレームの第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイルを含む。言い換えると、第1のマルチBSSIDセットは、少なくとも1つの非伝送BSSIDを含む。管理フレームの受信端が第2のAPの特定の要素を受信するのを助けるために、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置し得る。
【0283】
任意選択で、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の任意の非伝送BSSIDプロファイル(例えば、第2の可能な非伝送BSSIDプロファイル、第3の可能な非伝送BSSIDプロファイル、・・・、または最後の可能な非伝送BSSIDプロファイル)に位置する。
【0284】
以下では、図13に示されるシナリオを参照して一例を使用することによって、実装形態1を説明する。
【0285】
具体的には、実装形態1では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在し(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチBSSID要素内の別の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在しない。
【0286】
任意選択で、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素のSTA毎プロファイルに存在しない。
【0287】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP-2xである。第1のAPがマルチBSSIDセット2に属する場合、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。
【0288】
任意選択で、第1のAPおよび第2のAPは、異なるAP MLDに位置してもよく、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、存在しないAP-1z)を示す必要はないが、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要はある。
【0289】
任意選択で、第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLDに位置してもよいし、異なるAP MLDに位置してもよい。第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、AP-1z)を示す必要があるとともに、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要がある。
【0290】
この場合、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、複数のAPの特定の要素を示すために、第2のAPの特定の要素のみが、1つの非伝送APに対応する非伝送BSSIDプロファイル内のマルチリンク要素で搬送される必要がある。別のAPの特定の要素を繰り返す必要はない。
【0291】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のリンク識別子は、第2のAPのマルチBSSIDセット内の任意のAPのリンクIDに設定される。
【0292】
任意選択で、フィールド(第1のフィールドとして示される)が管理フレームに追加され、例えば、マルチBSSID用ML(ML for multiple BSSID)と呼ばれ、第1の値に設定される。第1のフィールドの実装形態については、前述の説明を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0293】
任意選択で、第2のAPに対応する非伝送BSSIDプロファイルは、管理フレームのマルチBSSID要素内の第1の位置に位置する。
【0294】
前述の説明から分かるように、実装形態1の実装プロセスにおいて、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、例えば、第2のAPはAP-1xである。
【0295】
AP-2xによって送信される管理フレームが図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、図12に示される管理フレームのフレームフォーマットはまた、図15aおよび図15bに示される実装例として表されてもよい。図15aおよび図15bに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0296】
一実装例では、図15aは、図14に示される通信方法における実装形態1が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。マルチBSSID要素は、複数の特定の要素を搬送する。複数の特定の要素は、第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)に位置する。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含む。マルチリンク情報は、第1のAPが位置するMLD内の第2のAPの特定の要素を搬送する。第2のAPの特定の要素は、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0297】
一実装例では、図15bは、図14に示される通信方法における実装形態1が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。第1のAPが位置するマルチBSSIDセットでは、非伝送BSSIDに対応する非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)が第2のAPの特定の要素を搬送し、非伝送BSSIDに対応する別の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)は、第2のAPの特定の要素を搬送しない。管理フレームはマルチリンク情報をさらに含み、マルチリンク情報は特定の要素を搬送しない。
【0298】
言い換えると、図13に示されるAP-2xが管理フレームを送信するとき(図15bに示すように)、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2yの関連要素のみが、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)内の特定の要素を含み、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。任意選択で、AP-2xによって送信される管理フレームが、図15bに示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、AP-1zが存在する場合であっても、管理フレームの「マルチリンク要素」は、もはや、AP-2xと同じAP MLD(少なくともAP-1zを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。
【0299】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yの特定の要素は同じであるので、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送し、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、別の非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送する必要はない(任意選択で、管理フレームのマルチリンク要素も特定の要素を搬送する必要はない)。言い換えると、管理フレームの「マルチBSSID要素」内の非伝送BSSIDプロファイルで搬送される特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0300】
ステップS201の別の実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはマルチリンク要素と呼ばれる)に位置する。第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPであり、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。以下の説明を容易にするために、この実装形態を実装形態2と表す。
【0301】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置してもよく、管理フレームのマルチリンク要素は、複数のフィールドを含み、第2のAPの特定の要素は、複数のフィールドのうちの1つに位置してもよい。
【0302】
任意選択で、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にあり、第2のAPを示すSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置し得る。
【0303】
実装形態2では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素の各非伝送BSSIDプロファイルは、第2のマルチBSSIDセット内の(非伝送BSSIDに対応するAPが位置するMLD(すなわち、第2のAP MLD)内の)APの特定の要素を含まない。具体的には、第2のAPの特定の要素の値はまた、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP MLD内のAPの特定の要素の値を示すので、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0304】
実装形態2において、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にあり、第2のAPを示すSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置し得る。第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0305】
任意選択で、実装形態2では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに存在する。
【0306】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にあり、第2のAPを示すSTA毎プロファイルフィールドに位置し得る。
【0307】
具体的には、第1のAPはAP MLD内のAPであり得、第2のAPはAP MLD内の別のAPである。言い換えると、第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLD(例えば、第1のAP MLD)に関連している。ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、管理フレームは、第1のAPと同じAP MLDに位置する第2のAPを示すための特定の要素を含む。特定の要素は、同じAP MLD内の別のAPが位置するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示す。
【0308】
特定の要素は、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームのマルチリンク要素に位置し得る。第1のAPがAP MLDに位置するときに、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、複数のAPの特定の要素を示すためにマルチリンク要素を搬送し得る。第1のAPおよび第2のAPが同じAP MLDに関連しているとき、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素で搬送され得る。
【0309】
加えて、特定の要素は、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置する。マルチリンク要素は、第2のAPの特定の要素がマルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに具体的に位置し得ることを示すための複数のSTA毎プロファイルフィールドを含み得る。
【0310】
さらに、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子である。第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドをさらに含み得、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子であり、リンク識別子は、管理フレームの受信端に、STA毎プロファイルフィールドが第2のAPに対応するリンクであることを示す。
【0311】
一実装形態では:
【0312】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含まないことを示す。
【0313】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含まないことを示す。
【0314】
別の実装形態では:
【0315】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のAPのMACアドレスであってもよい。
【0316】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0317】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、第2のAPに対応するBSSIDインデックスフィールドと、最大BSSIDインジケータフィールドとを含む。
【0318】
例えば、第2のAPが非伝送BSSIDである場合、BSSIDインデックスフィールドは、図4のマルチBSSID要素内のオプションのサブ要素内の非伝送BSSIDプロファイルフィールドにおけるマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドと同じ指示意味を有し、非伝送BSSIDのシーケンス番号を示す。
【0319】
別の例では、第2のAPが伝送BSSIDである場合、第2のAPのBSSIDインデックスフィールドは0に設定される。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0320】
別の実装形態では:
【0321】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。
【0322】
任意選択で、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであってもよい。
【0323】
任意選択で、第2のAPの特定の要素が、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0324】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0325】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0326】
以下では、図13に示されるシナリオを参照して一例を使用することによって、実装形態2を説明する。
【0327】
具体的には、実装形態2では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに存在する。
【0328】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP-2xである。第1のAPがマルチBSSIDセット2に属する場合、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。
【0329】
任意選択で、第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLDに位置してもよい。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、AP-1z)を示す必要があるとともに、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要がある。
【0330】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP MLD2内のAP-2xであり、第2のAPは、AP MLD2内のAP-1zである。第1のAPは、マルチBSSIDセット2に属し、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。第2のAPは、マルチBSSIDセット1内のAPであり、第2のAPは、AP MLD2内のAP(例えば、AP-1z)である。この場合、第1のAPは、管理フレームに基づいて、AP MLD2内のAP-1zの特定の要素を示すとともに、管理フレームに基づいて、AP MLD1内のAP-1xの特定の要素およびAP MLD3内のAP-1yの特定の要素を示す必要がある。この場合、第1のAPがステップS201において管理フレームを生成するとき、第1のAPのマルチリンク要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、第1のAP MLDのAP-1zの特定の要素を搬送する必要がある。第2のAPが位置するマルチBSSIDセット1内の別のAPの特定の要素を繰り返す必要はない。
【0331】
任意選択で、第2のAPの特定の要素は、第1のAPが属するMLDに対応するマルチリンク要素内のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送され、例えば、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイルフィールドで搬送される。
【0332】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のリンク識別子は、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPのリンクIDに設定される。
【0333】
任意選択で、フィールド(すなわち、第1のフィールド)が管理フレームに追加され、例えば、マルチBSSID用マルチリンク(ML for Multiple BSSID)フィールドと呼ばれ、第1の値(例えば、0、1、または別の値)に設定される。
【0334】
任意選択で、STA情報フィールド内のSTA MACアドレス存在フィールドは、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPのMACアドレスに設定されてもよいし、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPのMACアドレスに直接設定されてもよい。
【0335】
前述の説明から分かるように、実装形態2の実装プロセスにおいて、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、例えば、第2のAPはAP-1xである。図12に示される管理フレームのフレームフォーマットは、図15aおよび図15cに示される実装例として表されてもよい。図15aおよび図15cに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0336】
一実装例では、図15aは、図14に示される通信方法における実装形態2が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。マルチBSSID要素は、複数の特定の要素を搬送する。複数の特定の要素は、第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)に位置する。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含む。マルチリンク情報は、第1のAPが位置するMLD内の第2のAPの特定の要素を搬送する。第2のAPの特定の要素は、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0337】
一実装例では、図15cは、図14に示される通信方法における実装形態2が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する(1つまたは)複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)は、第2のAPの特定の要素を搬送しない。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含み、マルチリンク情報は、第2のAPの特定の要素を搬送し、特定の要素は、マルチリンク情報内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0338】
言い換えると、図13に示されるAP-2xが(図15cに示されるような)管理フレームを送信するとき、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAP(AP-2yおよびAP-2zを含む)の関連要素を搬送する必要がある。管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2yの関連要素は、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)内の特定の要素を搬送する必要はなく、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。
【0339】
AP-2xによって送信される管理フレームが、図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチリンク要素」は、STA毎プロファイルフィールドにおいて第2のAPの特定の要素を搬送する必要がある。
【0340】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、AP-1zに対応するSTA毎プロファイルフィールドである。
【0341】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yの特定の要素は同じであるので、管理フレームの「マルチリンク要素」内のSTA毎プロファイルフィールドが第2のAPの特定の要素を搬送し、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送する必要はない。言い換えると、管理フレームの「マルチリンク要素」で搬送される第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0342】
ステップS201の別の実装形態では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはマルチリンク要素と呼ばれる)に位置する。第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含み、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。以下の説明を容易にするために、この実装形態を実装形態3と表す。
【0343】
具体的には、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。
【0344】
実装形態3では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームは、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素をさらに含み、第1のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。具体的には、第2のAPの特定の要素の値はまた、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を示し、第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームで搬送される冗長なデータが回避され、オーバーヘッドが低減され、通信効率が向上する。
【0345】
任意選択で、実装形態3では、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内にある(かつ第2のAPを示さない)別のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置し得る。第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。以下の説明を容易にするために、この実装形態を実装形態3と表す。
【0346】
具体的には、実装形態3では、ステップS201において、第2のAPが特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示すために、ステップS201において管理フレームで搬送される必要がある。第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内の別のSTA毎プロファイルフィールドに位置し得る。
【0347】
任意選択で、実装形態3では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに存在する。
【0348】
具体的には、特定の要素は、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームのマルチリンク要素に位置する。第1のAPがAP MLDに位置するときに、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すためにマルチリンク要素を搬送し得る。第1のAPは、マルチリンク要素を使用することによって特定の要素を搬送し得る。
【0349】
マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。言い換えると、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、マルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに含まれるリンク識別子フィールドの値は特別な値であり、特別な値を使用することによって、既存のAPのリンク識別子との競合が回避される。
【0350】
任意選択で、特別な値は、現在の標準において指定されたリンク識別子フィールドの値の予約値である。例えば、特別な値は15である。
【0351】
加えて、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。具体的には、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示し、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むと決定し、局MACアドレスフィールド内の局MACアドレスを受信する。
【0352】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の局MACアドレスフィールドをさらに含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。したがって、局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または局MACアドレスフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示し、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値は同じである。
【0353】
別の実装形態では、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールド(再使用ML要素内にない局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールド)をさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。
【0354】
具体的には、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示し、それにより、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むと決定する。BSSIDフィールドは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPのMACアドレスを示す。
【0355】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、伝送BSSIDフィールド(再使用ML要素中にない局MACアドレスフィールド)を含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0356】
任意選択で、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の伝送BSSIDフィールドをさらに含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。したがって、伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示すか、または伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値であることを示すか、または、伝送BSSIDフィールドの値は、特定の要素の値が第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応する任意のAPの特定の要素の値であることを示し、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するすべてのAPの特定の要素の値は同じである。
【0357】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0358】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0359】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0360】
以下では、図13に示されるシナリオを参照して一例を使用することによって、実装形態3を説明する。
【0361】
具体的には、実装形態3では、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素に存在せず(各非伝送BSSIDは非伝送プロファイルに対応する)、管理フレームのマルチリンク要素に存在する。
【0362】
図13において、例えば、第1のAP(すなわち、管理フレームを生成するAP)は、AP-2xである。第1のAPがマルチBSSIDセット2に属する場合、第1のAPは、マルチBSSIDセット2内の伝送BSSIDである。
【0363】
例えば、第1のAPが図13のAP-2xであり、第2のAPが図13のAP-1yを含み、AP-1yが特定の要素に関する実装プロセスを実行していると仮定する。この場合、AP-1yに対応する伝送BSSID(すなわち、AP-1x)は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって、複数のAPの特定の要素を示す必要がある。具体的には、第2のAPの特定の要素は、第1のAPが属するMLDに対応するマルチリンク要素内のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送され、例えば、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイルフィールドで搬送される。加えて、第2のAPは、マルチBSSIDセット2とは異なるマルチBSSIDセットに属する(本明細書では、第2のAPが図13のマルチBSSIDセット1に位置する例が説明のために使用される)。以下の2つのケースがある。
【0364】
ケース1:第1のAPおよび第2のAPは、異なるAP MLDに位置してもよく、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、存在しないAP-1z)を示す必要はないが、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要はある。
【0365】
ケース2:第1のAPおよび第2のAPは、同じAP MLDに位置してもよいし、異なるAP MLDに位置してもよい。第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む。言い換えると、第1のAPは、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属する第2のAPの特定の要素(例えば、AP-1z)を示す必要があるとともに、管理フレームに基づいて、第1のAPと同じMLDに属さない別のAP(例えば、AP-1xおよびAP-1y)の特定の要素を示す必要がある。
【0366】
この場合、ステップS201において第1のAPによって生成される管理フレームにおいて、管理フレーム内の第2のAPの特定の要素は、複数のAPの特定の要素を示す必要がある。具体的には、第2のAPの特定の要素は、マルチBSSID要素内の非伝送プロファイルにおけるマルチリンク要素内のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送される必要はないが、第2のAPの特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドのSTAプロファイルフィールドで搬送される。
【0367】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のリンク識別子は、特別なリンクID、例えば、15の値に設定される。
【0368】
任意選択で、第1のAPと同じMLDに位置する第2のAPが存在する場合、リンク識別子は、代替的に、第1のAPと同じMLDに位置する第2のAPに対応するリンク識別子に設定されてもよい。
【0369】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA情報フィールド内のSTA MACアドレスフィールドは、第2のAPのマルチBSSIDセット内の伝送BSSID(すなわち、AP-1xのMACアドレス)に設定される。
【0370】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA制御フィールド内のSTA MACアドレス存在フィールドは、「存在」、例えば、1の値に設定される。
【0371】
任意選択で、マルチリンク要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールド内のSTA情報フィールド内のSTA MACアドレスフィールドは、第2のAPが位置するマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに設定される。
【0372】
任意選択で、複数のAPの特定の要素を示すために、特定の要素がSTA毎プロファイルフィールドで搬送される。言い換えると、STA毎プロファイルフィールドで搬送される特定の要素は、非AP MLDまたはマルチリンク要素を送信するAP(すなわち、第1のAP)が位置するAP MLDにアソシエーションされたSTAに有用であるとともに、非AP MLDまたはマルチリンク要素を送信するAPと同じマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLD(1つまたは複数の第2のAP MLD)にアソシエーションされた局にも有用である。
【0373】
任意選択で、一般に、マルチリンク要素を送信するAPが位置するAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD(またはSTA)のみが、マルチリンク要素に関する情報を解析し、別のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLDは、その情報を無視する。したがって、実装形態3では、フィールド(すなわち、第1のフィールド)が管理フレームに追加されることが提案される。例えば、第1のフィールドは、マルチBSSID用MLと呼ばれ、管理フレームを送信するAPと同じマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDにアソシエーションされたAP MLDもマルチリンク要素を受信する必要があることを示す。第1のフィールドの実施プロセスについては、前述の実施プロセスを参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0374】
したがって、AP-1yがマルチBSSIDセットに属するので、マルチBSSIDセットに属するAP-1xおよびAP1zの特定の要素も、同じ第1のAP(AP-2x)によって送信されるビーコンフレームおよびプローブ応答フレームで搬送される必要がある。しかしながら、実装形態3では、特定の要素が繰り返して実行される必要はない。その後、AP MLD1、AP MLD2、およびAP MLD3の非AP MLD内のSTAは、特定の要素を取得するために、第1のAPが位置するAP MLD2に対応するMLD要素を直接読み取り得る。
【0375】
前述の説明から分かるように、実装形態3の実装プロセスでは、図13のシナリオにおけるリンク1上のAP(AP-1x、AP-1z、およびAP-1yを含む)が特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行し始める(または事前設定された持続時間の後に実行する、または実行している)とき、例えば、第2のAPはAP-1xである。
【0376】
図12に示される管理フレームのフレームフォーマットは、図15aおよび図15dに示される実装例として表されてもよい。図15aおよび図15dに示される実装例では、管理フレームを生成する(または送信する)APが第1のAPであり、特定の要素の関連動作(例えば、チャネル切替えまたはチャネルクワイエット化)を実行するAPが第2のAPである例が説明のために使用される。
【0377】
一実装例では、図15aは、図14に示される通信方法における実装形態3が適用される前の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。マルチBSSID要素は、複数の特定の要素を搬送する。複数の特定の要素は、第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)に位置する。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含む。マルチリンク情報は、第1のAPが位置するMLD内の第2のAPの特定の要素を搬送する。第2のAPの特定の要素は、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0378】
一実装例では、図15dは、図14に示される通信方法における実装形態3が適用された後の管理フレームの実装例を示す。管理フレームは、マルチBSSID要素を含む。第1のAPが位置するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応する(1つまたは)複数の非伝送BSSIDプロファイル(のマルチリンク要素)は、第2のAPの特定の要素を搬送しない。管理フレームは、マルチリンク情報をさらに含み、マルチリンク情報は、第2のAPの特定の要素を搬送し、特定の要素は、マルチリンク情報内の特別なSTA毎プロファイルフィールドに位置する。
【0379】
言い換えると、図13に示されるAP-2xが(図15dに示されるような)管理フレームを送信するとき、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDに対応するAP(AP-2yおよびAP-2zを含む)の関連要素を搬送する必要がある。管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2yの関連要素は、AP-2yと同じAP MLD(少なくともAP-1xを含む)内の特定の要素を搬送する必要はなく、管理フレームの「マルチBSSID要素」内のAP-2zの関連要素は、AP-2zと同じAP MLD(少なくともAP-1yを含む)内の特定の要素を搬送する必要はない。
【0380】
AP-2xによって送信される管理フレームが、図12に示されるフレームフォーマットを使用することによって実装されるとき、管理フレームの「マルチリンク要素」内の特別なSTA毎プロファイルフィールドは、第2のAPの特定の要素を搬送し、第2のAPの特定の要素を再使用する必要がある。
【0381】
AP-1x、AP-1z、およびAP-1yのチャネル切替え関連要素および/またはクワイエットチャネル関連要素は同じであるので、管理フレームの「マルチリンク要素」内の特別なSTA毎プロファイルフィールドが第2のAPの特定の要素を搬送し、管理フレームの「マルチBSSID要素」は、非伝送BSSIDプロファイル内の特定の要素を搬送する必要はない。言い換えると、管理フレームの「マルチリンク要素」で搬送される第2のAPの特定の要素は、複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために再使用される。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0382】
前述の技術的解決策に基づいて、ステップS201において第1のAPによって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAP(第2のAPと、第2のマルチBSSIDセット内の(第2のAP以外の)別のAPとを含むか、または第2のAPと、第2のAP MLD内の(第2のマルチBSSIDセットに位置する)別のAPとを含む)の特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0383】
前述の複数の実装形態(複数の実施形態、複数の実装形態、または複数の実装方法)では、言及されたフィールド(または要素)の名前は名前のうちの1つにすぎず、フィールド(または要素)の名前は代替的に別の名前であってもよい。これは、本出願において限定されない。
【0384】
一実装形態では、第1のAPが管理フレーム、例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームを送信するとき、第1のAPがマルチBSSIDセットに属する場合、第1のAPは、図4のマルチBSSID要素を搬送する必要がある。局側では、マルチBSSID要素を受信した後、局は、マルチBSSIDセットが各APのBSSIDを含むことを知ることができる。局がマルチBSSIDセット内の1つのAPにアソシエーションされた後、局は、BSSIDセット内の各APの以前知ったBSSIDに基づいて、受信したPPDU(PHYプロトコルデータユニット)がインターPPDUであるかイントラPPDUであるかを決定し得、それにより、802.11ax-2021プロトコルにしたがって、電力節約、空間再使用送信などを実行することができる。
【0385】
しかしながら、第1のAPが管理フレームを送信するとき、管理フレームは、第3のAPに関する情報を搬送する必要もあり、第3のAPおよび第1のAPは、同じAP MLDからのものである。第3のAPに関する情報は、第1のAPによって送信されるML要素のSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドで搬送される。第3のAPが第3のマルチBSSIDセットに位置するとき、管理フレームが受信されたことを知った後、非AP MLDに関連している局は、第3のAPに関する情報は知ることができるが、第3のマルチBSSIDセットに関する情報は知ることができない。その結果として、非AP MLDでは、第3のAPと同じリンク上に位置する局は、第3のAPが位置する第3のマルチBSSIDセット内の各APのBSSIDに基づいて、受信したPPDU(PHYプロトコルデータユニット)がインターPPDUであるかイントラPPDUであるかを決定することができない。結果的に、802.11ax-2021プロトコルにしたがって、電力節約、空間再使用送信などを実行することができない。
【0386】
図15eは、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。この方法は、以下のステップを含む。
【0387】
S301:第1のAPが管理フレームを生成する。
【0388】
この実施形態では、管理フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、またはアソシエーション応答フレームであり得る。管理フレームは、マルチリンク要素を含む。
【0389】
方法1:第3のAPおよび第1のAPが同じAP MLD(第1のAP MLD)に関連しているとき、第3のAPは第3のマルチBSSIDセットに位置する。
【0390】
管理フレームは、マルチリンク要素を含み、マルチリンク要素は、第1のAP MLDに関する情報を記述するために使用され、第3のAPに関する情報を含む。
【0391】
第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは第3のAPのリンク識別子である。第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドをさらに含み得、リンク識別子フィールドは、第3のAPのリンク識別子であり、リンク識別子は、管理フレームの受信端に、STA毎プロファイルフィールドが第3のAPに対応するリンクであることを示す。
【0392】
方法1の一実装形態において:
【0393】
任意選択で、第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。任意選択で、局情報フィールドが局MACアドレスフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第3のAPのMACアドレスであり得る。
【0394】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0395】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、第3のAPに対応するBSSIDインデックスフィールドと、最大BSSIDインジケータフィールドとを含む。第3のAPが非伝送BSSIDである場合、BSSIDインデックスフィールドは、図4のマルチBSSID要素内のオプションのサブ要素内の非伝送BSSIDプロファイルフィールドにおけるマルチBSSIDインデックス要素内のBSSIDインデックスフィールドと同じ指示意味を有し、非伝送BSSIDのシーケンス番号を示す。第3のAPが伝送BSSIDである場合、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0396】
方法1の別の実装形態において:
【0397】
任意選択で、第3のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。
【0398】
任意選択で、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むとき、局情報フィールド内の局MACアドレスの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり得る。
【0399】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0400】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0401】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0402】
方法2:第3のAPおよび第1のAPが同じAP MLDに関連しているとき、第3のAPは第3のマルチBSSIDセットに位置する。
【0403】
代替的に、第3のAPは第3のAP MLDに位置し、第3のAPは第3のマルチBSSIDセットに位置し、第1のAPは第1のマルチBSSIDセットに位置し、第3のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の別のAPが位置するAP MLDである。
【0404】
マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。言い換えると、マルチリンク要素内のSTA毎プロファイルフィールドに含まれるリンク識別子フィールドの値は特別な値であり、特別な値を使用することによって、既存のAPのリンク識別子との競合が回避される。
【0405】
任意選択で、特別な値は、現在の標準において指定されたリンク識別子フィールドの値の予約値である。例えば、特別な値は15である。
【0406】
加えて、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。具体的には、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局MACアドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示し、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むと決定し、局MACアドレスフィールド内の局MACアドレスを受信する。
【0407】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の局MACアドレスフィールドをさらに含み、局MACアドレスフィールドの値が、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0408】
別の方式では、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールド(再使用ML要素内にない局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールド)をさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示す。具体的には、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する伝送BSSID存在フィールドをさらに含み、伝送BSSID存在フィールドの値は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むことを示し、それにより、管理フレームの受信側は、局情報フィールドが伝送BSSIDフィールドを含むと決定する。BSSIDフィールドは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPのMACアドレスを示す。
【0409】
さらに、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、伝送BSSIDフィールド(再使用ML要素中にない局MACアドレスフィールド)を含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールド内の伝送BSSIDフィールドをさらに含み、伝送BSSIDフィールドの値は、第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0410】
任意選択で、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置するマルチBSSIDセット情報存在フィールドをさらに含み、マルチBSSIDセット情報存在フィールドの値は、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報存在フィールドを含むことを示す。
【0411】
任意選択で、局情報フィールドがマルチBSSIDセット情報フィールドを含むとき、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値が提供される。マルチBSSIDセット情報フィールドは、最大BSSIDインジケータフィールドを含む。最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールドは、図4のマルチBSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドと同じ指示意味を有し、マルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数量2^(n)を示し、nは最大BSSIDインジケータフィールドによって示される値である。
【0412】
任意選択で、マルチBSSIDセット情報フィールドはBSSIDインデックスフィールドを含み、BSSIDインデックスフィールドは0に設定される。
【0413】
S302:第1のAPが管理フレームを送信する。
【0414】
この実施形態では、第1のAPは、ステップS102において管理フレームを送信する。これに対応して、STAは、ステップS102において管理フレームを受信する。
【0415】
任意選択で、第1のAPは、管理フレームに対して送信前処理を実行し、ステップS102において、送信前処理を通じて得られた処理結果を送信してもよい。例えば、送信前処理は、暗号化およびスクランブリングを含み得る。それに対応して、STAは、(第1のAPが管理フレームに対して送信前処理を実行することで得られた)処理結果を受信し、ステップS102において処理結果に対して受信前処理を実行して管理フレームを取得し得る。例えば、受信前処理は、解読およびスクランブル解除を含み得る。
【0416】
S303:受信した管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内のBSSIDを知る。
【0417】
ステップS303において、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、別のリンク上のマルチBSSIDセットに関する情報を知り、マルチBSSIDセット内の各APのBSSID値を知る。
【0418】
この実施形態では、非AP MLDにおいて、第3のAPと同じリンク上に位置する局は、第3のAPが位置する第3のBSSIDセット内の各APのBSSIDに基づいて、受信したPPDU(PHYプロトコルデータユニット)がインターPPDUであるかイントラPPDUであるかを決定する。次いで、802.11ax-2021プロトコルまたは新しい設計プロトコルにしたがって、電力節約、空間再使用送信などを実行することができる。
【0419】
任意選択で、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、以下のうちの少なくとも1つを取得する:
第3のAPのMACアドレス、第3のAPに対応するBSSIDインデックスフィールド、および第3のマルチBSSIDセット内の最大BSSIDインジケータフィールド。
【0420】
任意選択で、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、以下のうちの少なくとも1つを取得する:
第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSID、第3のマルチBSSIDセット内の最大BSSIDインジケータ(MaxBSSID Indicator)フィールド、および第3のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するBSSIDインデックスフィールド。
【0421】
前述の技術的解決策に基づいて、非AP MLDに関連している局は、受信した管理フレームに基づいて、第3のマルチBSSIDセット内のすべてのBSSIDを知る(または決定する)ことができる。
【0422】
局に関して、局がPPDUを受信した場合、PPDUがインターPPDUであるかイントラPPDUであるかは、第3のマルチBSSIDセット内のすべてのBSSIDに基づいて決定される。
【0423】
任意選択で、PPDUがインターPPDUである場合、局は、インターPPDUに基づいて同じチャネル上で別の送信を開始し得る。別の送信は、802.11ax-2021プロトコルに記録された空間再使用方法に基づく。
【0424】
任意選択で、PPDUがインターPPDUである場合、局は、(802.11ax-2021プロトコルにしたがって)電力節約を実行するために、インターPPDUをこれ以上(受信または)解析しなくてもよい。
【0425】
上記では、方法の観点から本出願について説明したものであり、以下では、装置の観点から本出願についてさらに説明する。
【0426】
図16は、本出願の実施形態による通信装置1600の概略図である。通信装置1600は、処理ユニット1601とトランシーバユニット1602とを含む。
【0427】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、第1のAPであってもよく、図10に示される実施形態における通信方法を実装するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0428】
処理ユニット1601は、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。
【0429】
トランシーバユニット1602は、管理フレームを送信するように構成される。
【0430】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって送信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0431】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、STA(すなわち、第1のAPによって送信される管理フレームの受信側)であってもよく、図10に示された実施形態における通信方法を実施するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0432】
トランシーバユニット1602は、管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第1のアクセスポイント(AP)の特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。
【0433】
処理ユニット1601は、管理フレームに基づいて、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値、または第1のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0434】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって受信される管理フレームは、第1のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、マルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、マルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素の値は、第1のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第1のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側がマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第1のAPの特定の要素の値は、第1のAPが属するマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0435】
可能な実装形態では、管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、非伝送BSSIDに対応するAPの特定の要素を含まない。
【0436】
可能な実装形態では、
管理フレームはビーコンフレームであるか、または管理フレームはプローブ応答フレームである。
【0437】
可能な実装形態では、
特定の要素は、以下のうちの少なくとも1つを含む:
チャネル切替え告知要素、拡張チャネル切替え告知要素、クワイエット要素、クワイエットチャネル要素、および最大チャネル切替え時間要素。
【0438】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、第1のAP MLD内の第1のAPであってもよく、図14に示される実施形態における通信方法を実施するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0439】
処理ユニット1601は、管理フレームを生成するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0440】
トランシーバユニット1602は、管理フレームを送信するように構成される。
【0441】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0442】
一実装形態では、通信装置1600は、具体的には、STA(すなわち、第1のAP MLD内の第1のAPによって送信される管理フレームの受信側)であってもよく、図14に示される実施形態における通信方法を実施するように構成される。それに対応して、処理ユニット1601およびトランシーバユニット1602は、以下のプロセスを実行するように構成され得る。
【0443】
トランシーバユニット1602は、第1のアクセスポイント(AP)から管理フレームを受信するように構成され、管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDに対応するAPであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセットに属し、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。
【0444】
処理ユニット1601は、管理フレームに基づいて、第2のAPの特定の要素の値または第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値を決定するように構成される。
【0445】
前述の技術的解決策に基づいて、トランシーバユニット1602によって送信される管理フレームは、第2のAPの特定の要素を含み、第1のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDであり、第2のAPは、第2のマルチBSSIDセット内のBSSIDであり、第2のAPの特定の要素の値は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素の値と同じである。このように、管理フレームの受信側が第2のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、管理フレームで搬送される第2のAPの特定の要素を使用することによって決定され得、管理フレームの受信側が第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPにアソシエーションされたSTAであるとき、対応する値は、同じく、管理フレームで搬送される第1のAPの特定の要素を使用することによって決定され得る。言い換えると、第2のAPの特定の要素の値は、第2のAPが属するマルチBSSIDセット内の複数のAPの特定の要素を示すために、管理フレームにおいて再使用される。管理フレームは、マルチBSSIDセット内の複数の同じ特定の要素を搬送する必要はない。これにより、管理フレームの冗長データが低減され、不必要なオーバーヘッドが回避され、通信効率が向上する。
【0446】
可能な実装形態では、第1のAPは、第1のアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)に属する。
【0447】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0448】
可能な実装形態では、
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPであり、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDが位置するAP MLDである。
【0449】
可能な実装形態では、
第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または
第2のAPは、第2のAP MLD内のAPを含み、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPではなく、第2のAP MLDは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAPが位置するAP MLDである。
【0450】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPであり、特定の要素は、管理フレームのマルチBSSID要素に位置する。
【0451】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチBSSID要素に位置するとき、第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSID以外の第2のAP MLD内の別のAPである。
【0452】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチBSSID要素に位置するとき、マルチBSSID要素は、少なくとも1つの非伝送基本サービスセット識別子プロファイル(Nontransmitted BSSID profile、簡単に非伝送BSSIDプロファイルと呼ばれる)を含み、特定の要素は、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイルに位置する。
【0453】
任意選択で、第1の非伝送BSSIDプロファイルは、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の非伝送BSSIDプロファイルの第1の部分である。
【0454】
可能な実装形態では、少なくとも1つの非伝送BSSIDプロファイル内の第1の非伝送BSSIDプロファイル以外の別の非伝送BSSIDプロファイルは特定の要素を含まない。
【0455】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPであり、特定の要素は、管理フレームのマルチリンク要素に位置する。
【0456】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPである。
【0457】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、特定の要素は、マルチリンク要素内の第2のAPに対応するSTA毎プロファイル(per-STA profile)フィールドに位置する。
【0458】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、第2のAPに対応するSTA毎プロファイルフィールドは、リンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドは、第2のAPのリンク識別子である。
【0459】
可能な実装形態では、第2のAPは、第1のAP MLD内の第1のAP以外の別のAPを含むか、または第2のAPは、第1のマルチBSSIDセット内の非伝送BSSIDに対応するAP以外の第2のAP MLD内の別のAPを含む。マルチリンク要素内の1つのSTA毎プロファイルフィールドはリンク識別子フィールドを含み、リンク識別子フィールドの値は、特別な値である。
【0460】
可能な実装形態では、管理フレームは、マルチBSSID要素をさらに含み、マルチBSSID要素は、第2のマルチBSSIDセット内の第2のAP以外の別のAPの特定の要素を含まない。
【0461】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局制御フィールドに位置する局媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレス存在フィールドをさらに含み、局MACアドレス存在フィールドの値は、局情報フィールドが局MACアドレスを含むことを示す。
【0462】
可能な実装形態では、特定の要素が管理フレームのマルチリンク要素に位置するとき、STA毎プロファイルフィールドは、局情報フィールドをさらに含み、局情報フィールドは、局MACアドレスフィールドを含み、局MACアドレスフィールドの値は、第2のマルチBSSIDセット内の伝送BSSIDである。
【0463】
可能な実装形態では、管理フレームは、第1のフィールドをさらに含み、第1のフィールドは、以下のうちの少なくとも1つを満たす:
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第1のAPにアソシエーションされたSTAが第1のAP MLDのマルチリンク要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す;または
第1のフィールドは、少なくとも、第2のAP MLDにアソシエーションされた非AP MLD内のSTAが、第2のマルチBSSIDセットに対応するマルチBSSID要素内の第1の非伝送BSSIDプロファイル(内の第2のAPの特定の要素)を受信する必要があることを示す。
【0464】
任意選択で、上述のSTAは、第1のAPと同じリンク上で動作するAPにアソシエーションされたSTA、または第1のAPにアソシエーションされたSTAである。
【0465】
可能な実装形態では、
第1のフィールドは、能力情報(Capabilities Info)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドに位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドの非伝送BSSID能力(nontransmitted BSSID Capabilities)要素に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素(Multi-Link Element、またはML要素と呼ばれる)に位置する;
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素のマルチリンク制御フィールドに位置する;または
第1のフィールドは、非伝送プロファイル(nontransmitted profile)フィールドのマルチリンク要素の共通情報フィールドに位置する。
【0466】
可能な実装形態では、管理フレームはビーコンフレーム(beacon frame)であるか、または管理フレームはプローブ応答フレーム(probe response frame)である。
【0467】
可能な実装形態では、特定の要素は、チャネル切替え告知要素(Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切替え告知要素(Extended Channel Switch Announcement element)、クワイエット要素(Quiet element)、クワイエットチャネル要素(Quiet Channel element)、および最大チャネル切替え時間要素(Max Channel Switch Time element)のうちの少なくとも1つを含む。
【0468】
通信装置1600は、任意の前述の方法の実施形態に対応する実装プロセスを実行し、対応する有益な効果を達成するようにさらに構成され得ることに留意されたい。詳細については、前述の実施形態における説明を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0469】
上記では、本出願の実施形態におけるAP(すなわち、第1のAPまたは第1のAP MLD内の第1のAP)およびSTAについて説明した。以下では、APおよびSTAの可能な製品形態について説明する。以下の説明は一例にすぎず、本出願の実施形態におけるAPおよびSTAの製品形態はそれに限定されないことを理解されたい。
【0470】
可能な製品形態では、本出願の実施形態におけるAPおよびSTAは、一般的なバスアーキテクチャを使用することによって実装され得る。
【0471】
説明を容易にするために、図17は、本出願の一実施形態による通信装置1700の構造の概略図である。通信装置1700は、APもしくはSTA、またはAPもしくはSTA内のチップであり得る。図17では、通信装置1700の主要な構成要素のみを示している。通信装置1700は、少なくとも入力/出力ポート1702およびプロセッサ1701を含む。
【0472】
任意選択で、入力/出力ポート1702は、代替的に、通信ポート、通信インターフェースなどと呼ばれてもよい。
【0473】
任意選択で、通信装置1700は、メモリ1703をさらに含み得る。
【0474】
任意選択で、バス1704が装置1700にさらに追加されてもよく、バス1704は、入力/出力ポート1702および/またはメモリ1703とプロセッサ1701との間の接続を確立するように構成される。
【0475】
プロセッサ1701は、主に、通信プロトコルおよび通信データを処理し、通信装置を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。メモリ1703は、主に、ソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように構成される。入力/出力ポート1702は、制御回路およびアンテナを含み得る。制御回路は、主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を実行し、無線周波数信号を処理するように構成される。アンテナは、主に、無線周波数信号を電波の形態で送受信するように構成される。例えば、入力/出力ポート1702は、タッチスクリーン、ディスプレイ、またはキーボードであってもよく、主に、ユーザによって入力されたデータの受信およびユーザへのデータの出力を行うように構成される。
【0476】
通信装置1700に電源が投入された後、プロセッサ1701は、メモリ1703内のソフトウェアプログラムを読み取り、ソフトウェアプログラムの命令を解釈および実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理し得る。データをワイヤレスで送信する必要があるとき、プロセッサ1701は、送信されるべきデータに対してベースバンド処理を実行し、次いで、ベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。無線周波数回路は、ベースバンド信号に対して無線周波数処理を実行し、次いで、アンテナを介して無線周波数信号を電波の形態で送信する。通信装置にデータを送信する場合、無線周波数回路は、アンテナを介して無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ1701に出力する。プロセッサ1701は、ベースバンド信号をデータに変換し、そのデータを処理する。
【0477】
任意選択で、メモリ1703は、プロセッサ1701に位置し得る。
【0478】
前述の設計のいずれか1つにおいて、プロセッサ1701は、受信機能および送信機能を実装するための通信インターフェースを含み得る。例えば、通信インターフェースは、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路であり得る。受信機能および送信機能を実装するように構成されたトランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、分離されてもよいし、統合されてもよい。トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、コード/データを読み取ったり書き込んだりするように構成され得る。代替的に、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、信号を送信または転送するように構成されてもよい。
【0479】
前述の設計のいずれか1つにおいて、プロセッサ1701は命令を記憶し得る。命令は、コンピュータプログラムであり得る。コンピュータプログラムは、通信装置1700が前述の方法の実施形態において説明された方法を実行することができるように、プロセッサ1701上で実行される。コンピュータプログラムは、プロセッサ1701内に固定されてもよい。この場合、プロセッサ1701は、ハードウェアによって実装され得る。
【0480】
一実装形態では、通信装置1700は回路を含み得、回路は、前述の実施形態のいずれか1つにおける送信機能、受信機能、または通信機能を実装し得る。本出願で説明されたプロセッサおよび通信インターフェースは、集積回路(integrated circuit、IC)、アナログIC、無線周波数集積回路(radio frequency integrated circuit、RFIC)、混合信号IC、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、プリント基板(printed circuit board、PCB)、電子デバイスなどで実装され得る。プロセッサおよび通信インターフェースは、様々なIC技術、例えば、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)、N型金属酸化膜半導体(N-type Metal-oxide-semiconductor、NMOS)、Pチャネル金属酸化膜半導体(positive channel metal oxide semiconductor、PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(Bipolar Junction Transistor、BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、およびガリウムヒ素(GaAs)を使用して製造され得る。
【0481】
本出願で説明される通信装置の範囲はこれに限定されるものではなく、通信装置の構造は図17によって限定されるものではない。通信装置は、独立したデバイスであってもよいし、大型デバイスの一部であってもよい。例えば、通信装置は、以下であり得る:
(1)独立した集積回路(IC)、チップ、またはチップシステムもしくはサブシステム;
(2)1つまたは複数のICを含むセット、ここで、任意選択で、ICのセットは、データおよびコンピュータプログラムを記憶するように構成された記憶構成要素をさらに含み得る;
(3)モデム(Modem)などのASIC;
(4)他のデバイスに埋め込むことができるモジュール;
(5)受信機、端末、インテリジェント端末、携帯電話、ワイヤレスデバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルユニット、車載デバイス、ネットワークデバイス、クラウドデバイス、人口知能デバイスなど;または
(6)その他。
【0482】
可能な製品形態では、本出願の実施形態におけるAPおよびSTAは、汎用プロセッサによって実装され得る。
【0483】
前述の様々な製品形態における通信装置は、前述の実施形態のいずれか1つにおけるAPまたはSTAの任意の機能を有することを理解されたい。詳細はここでは再び説明されない。
【0484】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムコードを実行すると、電子デバイスは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0485】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行することが可能になる。
【0486】
本出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。装置は、チップの製品形態で存在してもよい。装置の構造は、プロセッサとインターフェース回路とを含む。プロセッサは、装置が前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行することを可能にするために、インターフェース回路を介して別の装置と通信するように構成される。
【0487】
本出願の一実施形態は、APおよびSTAを含むワイヤレス通信システムをさらに提供する。APおよびSTAは、前述の実施形態のいずれか1つにおける方法を実行し得る。
【0488】
本出願で開示された内容と組み合わせて説明された方法またはアルゴリズムステップは、ハードウェアによって実装されてもよいし、ソフトウェア命令を実行することによってプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含み得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、または当技術分野でよく知られている任意の他の形態の記憶媒体に記憶され得る。例えば、記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。当然ながら、記憶媒体はプロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに配置され得る。
【0489】
当業者であれば、前述の1つまたは複数の例において、本出願で説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せによって実装され得ることを認識すべきである。機能がソフトウェアによって実装されるとき、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されてもよいし、コンピュータ可読媒体内の1つもしくは複数の命令もしくはコードとして送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体および通信媒体を含む。通信媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの送信を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。
【0490】
前述の特定の実装形態では、本出願の目的、技術的解決策、および有益な効果がさらに詳細に説明されている。前述の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいて行われる任意の修正、均等な置換、改良などは、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13
【国際調査報告】