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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】骨固定装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/72 20060101AFI20240903BHJP
   A61B 17/80 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A61B17/72
A61B17/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510248
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 US2022040609
(87)【国際公開番号】W WO2023023161
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/233,996
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トルクス
(71)【出願人】
【識別番号】524061725
【氏名又は名称】エドワード ペレス
(71)【出願人】
【識別番号】524061736
【氏名又は名称】ジャン スザトコウスキー
(71)【出願人】
【識別番号】524061747
【氏名又は名称】ネフィ ズフェルト
(71)【出願人】
【識別番号】524061758
【氏名又は名称】コリー ジョンソン
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ペレス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン スザトコウスキー
(72)【発明者】
【氏名】ネフィ ズフェルト
(72)【発明者】
【氏名】コリー ジョンソン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL33
4C160LL43
(57)【要約】
髄内くぎは、近位端部と遠位端部との間のシャフトを含む。遠位端部は、髄内くぎの前側から後側に向かって延在する第1の曲り部と、髄内くぎの後側から前側に向かって延在する第2の曲り部とを含む。2つの曲り部は、髄内くぎの遠位端部の挿入力を、髄内くぎのシャフトの長手方向軸に沿って伝達する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の長骨用の髄内くぎアセンブリであって、
髄内くぎであって、
側面、内側、上側、下側、前側、および後側と、
先端を含み得る近位端部、および遠位端部と、
前記近位端部と前記遠位端部との間のシャフトと、
を含む髄内くぎと、
前記遠位端部の近位にあるオフセット部であって、
前記髄内くぎの前記前側から前記後側に向かって延在する第1の曲り部と、
前記髄内くぎの前記後側から前記前側に向かって延在する第2の曲り部と、
を含むオフセット部と、
を有する髄内くぎアセンブリ。
【請求項2】
前記シャフトは長手方向軸を有し、前記第2の曲り部が、前記遠位端部から延在するオフセット軸を画定し、前記第2の曲り部が、前記オフセット軸が長手方向軸と実質的に平行であるように、前記髄内くぎの前記後側から前記前側に向かって延在する、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項3】
前記オフセット部は、前記髄内くぎの前記遠位端部から延在し、前記オフセット部は、膝関節インプラントの予め設けられた大腿骨コンポーネントからの干渉を回避するように構成される、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項4】
前記オフセット部は、前記髄内くぎの前記遠位端に接続するように構成されたアダプタを備える、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項5】
前記オフセット部は、前記髄内くぎの前記遠位端部に連結するように構成された髄内くぎ挿入器の一部を備える、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の曲り部は90度未満で、前記第2の曲り部は90度より大きい、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項7】
前記オフセット部は、前記第1の曲り部と前記第2の曲り部との間に配置された1つまたは複数の開口部を有する、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項8】
前記髄内くぎの前記遠位端部は、第1の連結部を備え、
前記オフセット部は、前記第1の連結部と係合するように構成された第2の連結部と、
挿入器の第4の連結部と係合するように構成された第3の連結部と、を備える、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項9】
前記オフセット部は、前記第1の曲り部に近位の第1の端部と前記第2の曲り部に近位の第2の端部を含み、前記第2の端部は、前記髄内くぎアセンブリが配備されるときに前記長骨の窪み内に延在する、請求項1に記載の髄内くぎアセンブリ。
【請求項10】
患者の大腿骨のための髄内くぎシステムであって、
外側、内側、上側、下側、前側、および後側と、
先端を含む近位端部および遠位端部と、
前記遠位端部から前記近位端部に延在する長手方向軸と、
前記近位端部と前記遠位端部との間のシャフトと、
前記遠位端部に近位であり前記長手方向軸に対して後方に傾斜した第1の曲り部と、
前記遠位端部と前記第1の曲り部との間の第2の曲り部であって、前記長手方向軸に対して前方に傾斜した第2の曲り部と、
前記第1の曲り部と前記第2の曲り部との間の本体と、
を有する、髄内くぎシステム。
【請求項11】
前記第2の曲り部に接続され、挿入器と連結するように構成された遠位連結部をさらに有する、請求項10に記載の髄内くぎシステム。
【請求項12】
前記第1の曲り部は前記シャフトに接続される、請求項10に記載の髄内くぎシステム。
【請求項13】
前記第1の曲り部と前記シャフトとの間に接続された近位連結部をさらに有する、請求項10に記載の髄内くぎシステム。
【請求項14】
前記遠位端部から前記近位端部に延在する通路をさらに有する、請求項10に記載の髄内くぎシステム。
【請求項15】
前記第1の曲り部、前記本体、および前記第2の曲り部は、前記第1の曲り部に近接する前記シャフトに、手術前に連結するように構成される、請求項10に記載の髄内くぎシステム。
【請求項16】
前記第1の曲り部、前記本体、および前記第2の曲り部は、髄内くぎ挿入器の遠位端部と一体化されている、請求項10に記載の髄内くぎシステム。
【請求項17】
前記髄内くぎ挿入器は、前記髄内くぎが前記髄内くぎ挿入器に連結されたときに、前記髄内くぎに平行に延在する髄内くぎガイドを有する、請求項16に記載の髄内くぎシステム。
【請求項18】
前記第1の曲り部、前記本体、および前記第2の曲り部は、前記髄内くぎの外側面および内側面の少なくとも一方から見たときに“S”字形を形成する、請求項10に記載の髄内くぎシステム。
【請求項19】
患者の大腿骨内にオフセット部を含む髄内くぎを配備するための方法であって、
オフセット部を含む髄内くぎを髄内くぎ挿入器に連結することであって、前記髄内くぎ挿入器はオフセット部に連結され、前記髄内くぎは長手方向軸を有し、前記オフセット部は長手方向軸に実質的に平行なオフセット軸を有する、前記連結することと、
患者の大腿骨の髄内管を用意することであって、前記髄内管は大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端に延在する、前記用意することと、
前記髄内くぎの近位端部を髄内管の遠位端に挿入することと、
前記オフセット軸に沿って前記オフセット部を駆動することによって、前記髄内くぎを大腿骨の近位端に向けて髄内管内に駆動することであって、前記オフセット軸が、前記オフセット軸に加えられた並進力を前記髄内くぎに伝達して前記長手方向軸に沿って前記髄内くぎを駆動する、前記駆動することと、
前記オフセット部を、大腿骨の遠位端の近位に配置された膝関節インプラントの遠位大腿骨コンポーネントを通ってスライドさせることであって、前記オフセット部が髄内管の内壁と係合し、大腿骨の遠位部分の曲りを維持するように、前記スライドさせることと、
前記髄内くぎを前記髄内くぎ挿入器から分離することと、
を有する、方法。
【請求項20】
前記髄内くぎは、複数の留め具開口部を含み、
前記髄内くぎ挿入器は、留め具ガイドを含み、
前記方法は、前記留め具ガイドを用いて、前記留め具開口部を通る複数の留め具の挿入を案内すること、をさらに有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
患者の長骨のための骨プレートであって、
第1の端部、第2の端部、長骨から離れる方向を向いた上面、および前記骨プレートが用いられているときに長骨の第1の面に面する、骨向き面、を有した本体であって、長骨は、前記第1の面、第2の面、第3の面、および第4の面を含む、本体と、
前記第1の端部を長骨に固定するように構成された薄型固定アセンブリであって、前記第2の面、前記第3の面、および前記第4の面のうちの少なくとも1つから、前記第1の端部に近づくことによって前記第1の端部を長骨に固定するように構成された薄型固定アセンブリと、
を備える、骨プレート。
【請求項22】
前記薄型固定アセンブリは、
前記骨向き面から前記上面に向かって延在する留め具開口部と、
近位端部および遠位端部を含む留め具であって、前記遠位端部が、前記留め具開口部の対応するねじ山と係合するように構成された一連のねじ山を含む留め具と、
を含む、請求項21に記載の骨プレート。
【請求項23】
前記薄型固定アセンブリは、
前記骨向き面から前記上面を通って延在する固定具開口部と、
前記上面の近位に着座するように構成された固定具と、
取り付けられたときに長骨の前記第2の面の近位に着座するように構成されたヘッドと、
前記固定具と係合するように構成された遠位端部と、前記ヘッドと係合するように構成された近位端部とを有する繋ぎ綱と、
を含む、請求項21に記載の骨プレート。
【請求項24】
前記薄型固定アセンブリは、
前記第1の端部に近位の第1のアームであって、
長骨から離れる方向に向いた上面と、
前記骨プレートが用いられているときに長骨の前記第3の面に面する骨に面する面と、
を有し、
前記第1のアームが、長骨に対して前方方向および後方方向のうちの1つで前記本体から延在する、前記第1のアームと、
前記第1のアームと係合して前記第1の端部を長骨に固定するように構成された留め具と、
を含む、請求項21に記載の骨プレート。
【請求項25】
前記第1のアームに接続された留め具開口部であって、前記留め具開口部は前記第1のアームを通って延在し、前記留め具開口部は内側ねじ山を含む、留め具開口部、をさらに含み、
前記留め具は、長骨の前記第3の面と係合するように構成された外部ねじ山を含む、請求項24に記載の骨プレート。
【請求項26】
前記留め具は、最初に前記留め具開口部を通過し、次に長骨の前記第3の面に入ることによって、前記留め具開口部と係合する、請求項25に記載の骨プレート。
【請求項27】
前記留め具は、最初に長骨の前記第1の面以外の面を通過し、次に長骨の前記第3の面を通過し、次に前記留め具開口部に入ることによって、前記留め具開口部と係合する、請求項25に記載の骨プレート。
【請求項28】
前記薄型固定アセンブリは、
前記第2の端部と前記第1のアームとの間に配置された第2のアームであって、
長骨から離れる方向を向いた上面と、
前記骨プレートが用いられているときに、長骨の前記第1の面以外の面に面する骨に面する面と、を有し、
前記第2のアームは、長骨に対して前方方向および後方方向のいずれかの方向に前記本体から延在する、
第2のアームと、
前記第2のアームと係合して前記本体の一部を長骨に固定するように構成された留め具と、
を含む、請求項24に記載の骨プレート。
【請求項29】
前記薄型固定アセンブリは、
前記骨に面する面から前記本体内に延在し、前記第1の端部の近位に配置された留め具開口部であって、内部ねじ山を有する留め具開口部と、
留め具であって、
近位端部と、
遠位端部と、
前記留め具開口部に近位の長骨の直径よりも大きい長さと、
前記遠位端部の近くの外ねじ山であって、前記留め具開口部の前記内ねじ山と係合するように構成された前記外ねじと、
を有する留め具と、を含み、
前記留め具の前記遠位端部は、前記骨に面する面から前記留め具開口部に入り、前記本体の前記上面に向かって前記内ねじ山と係合するように前進する、請求項21に記載の骨プレート。
【請求項30】
前記第2の端部に近位の遠位固定機構であって、前記遠位固定機構が、長骨の顆と係合するように構成された遠位固定機構をさらに備え、
前記本体は、長骨の内側に沿って延在するように構成される、請求項21に記載の骨プレート。
【請求項31】
前記薄型固定アセンブリは、
前記第1の端部に近位の前部アームであって、
長骨から離れる方向を向いた上面と、
前記骨プレートが用いられているときに長骨の前記第3の面に面する骨に面する面と、
ここで、前記前部アームは、前記本体の周りから長骨の前側に延在し、
前側留め具開口部と、
を有する前部アームと、
前記前側留め具開口部と係合するように構成された前部留め具と、
前記第1の端部に近位の後部アームであって、
長骨から背を刃案れる方向に向く上面と、
前記骨プレートが用いられているときに長骨の後側に面する骨に面する面であって、前記後側が前記前側の反対側である、骨に面する面と、
ここで、前記後部アームは、前記長い骨の前記後側の周りに前記本体から延在し、
後側留め具開口部と、
前記後部アームは、前記本体の周りから長骨の後側に延在し、
後側留め具開口部と、
を有する後部アームと、
前記後側留め具開口部と係合するように構成された後部留め具と、
を含む、請求項21に記載の骨プレート。
【請求項32】
患者の長骨のための内側骨プレートであって、
用いられるとき大腿骨の内側面に沿って延在するように構成された本体と、
用いられるとき大腿骨の前方にわたって広がる第1のアームを含む近位端部であって、前記第1のアームが少なくとも1つの留め具開口部を含む、近位端部と、
1つまたは複数の留め具開口部を含んだ遠位固定機構を含む遠位端部であって、前記遠位固定機構は大腿骨の内側上顆と係合するように構成された、遠位端部と、
を有する内側骨プレート。
【請求項33】
前記第1のアームは、前記内側骨プレートを有する大腿骨に対して前記本体から前方方向に延在し、また、大腿骨の長軸に垂直に延在する、請求項32に記載の内側骨プレート。
【請求項34】
前記第1のアームは、記大腿骨の前側、外側、および後側のうちの1つに延在する、請求項32に記載の内側骨プレート。
【請求項35】
第1のアームは、大腿骨の前側と外側の両方に延在し、第1のアームは、
前記第1のアームを通って前記前側に及んで延在する前側留め具開口部と、
前記第1のアームを通って前記外側に及んで延在する外側留め具開口部と、
を含む、請求項32に記載の内側骨プレート。
【請求項36】
前側留め具開口部および外側留め具開口部は、前側留め具開口部に配備された前側留め具が、外側留め具開口部に配備された外側留め具と干渉しないように、互いに対してオフセットされる、請求項35に記載の内側骨プレート。
【請求項37】
前記遠位端部は、大腿骨の内側上顆に近位であり、前記近位端部は、大腿骨の近位骨幹端に近位であり、前記内側骨プレートは、前記本体から大腿骨の前側に及んで延在する第2のアームをさらに有し、前記第2のアームは、前記遠位固定機構と前記第1のアームとの間にある、請求項32に記載の内側骨プレート。
【請求項38】
患者の大腿骨の遠位端に内側骨プレートを配備する方法であって、
患者の大腿骨の遠位端の内側に内側骨プレートを配置することであって、前記内側骨プレートは、
近位端部、遠位端部、患者の長骨から離れる方向に向く上面、および内側骨プレートが大腿骨の遠位端の内側に配置されたときに大腿骨の内側に面する骨向き面を有する本体と、
骨アプローチ固定機構と、
前記遠位端部に近位であり、1つまたは複数の留め具開口部を含むプレートアプローチ固定機構と、
を含む、前記配置することと、
骨アプローチ留め具を配備することであって、
前記骨アプローチ留め具を、大腿骨の外側、前側、および後側のうちの1つを通って駆動することと、
前記骨アプローチ留め具を、大腿骨の外側、前側、および後側のうちの1つを通って駆動した後、前記骨アプローチ固定機構を前記骨アプローチ留め具に係合することと、によって、
前記骨アプローチ固定機構に係合する骨アプローチ留め具を配置することと、
プレートアプローチ留め具を、前記内側骨プレートを通って大腿骨の内側皮質内に駆動することによって、前記プレートアプローチ固定機構に係合するように前記プレートアプローチ留め具を配備することと、
を有する、方法。
【請求項39】
前記内側骨プレートを大腿骨の遠位端の内側面に配置することは、
大腿骨の遠位端に近位の、患者の皮膚を開くことと、
大腿骨の一部を縮小させながら、内側骨プレートを大腿骨の内側に沿って経皮的にスライドさせることと、
をさらに有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記骨アプローチ固定機構と係合するように骨アプローチ留め具を配置することは、
前記骨アプローチ固定機構と整列する大腿骨の外側、前側、および後側のうちの1つにおいて患者の皮膚を開くことと、
前記骨アプローチ留め具のガイドとして機能するように皮膚開口部を通ってkワイヤを配備することと、をさらに有し、
前記骨アプローチ留め具を駆動することは、前記骨アプローチ留め具をkワイヤを横断して駆動することを有する、、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
大腿骨固定システムであって、
骨折を含んだ大腿骨と係合するように構成された髄内くぎであって、前記髄内くぎが、長骨の髄内管内に固定可能で、骨折を横断して、第1の曲げ剛性および第1のねじり剛性を与える髄内くぎと、
大腿骨と係合するように構成された骨プレートであって、前記骨プレートが大腿骨の外側に固定可能で、骨折を横断して、第2の曲げ剛性および第2のねじり剛性を与える骨プレートと、
前記骨プレートを大腿骨に固定するように構成された1つまたは複数の留め具と、を備え、
前記第2のねじり剛性は、前記髄内くぎが前記骨プレートとは独立して骨折を安定させることを可能にするのに不十分な前記第1のねじり剛性を補償することと、
前記第1の曲げ剛性は、前記骨プレートが髄内くぎとは独立して骨折を安定させることを可能にするのに不十分な前記第2の曲げ剛性を補償すること、
の少なくとも1つが当てはまる、大腿骨固定システム。
【請求項42】
骨プレートは剛性の示量正状態量を含み、前記骨プレートは、前記骨プレートのねじり剛性の示量性状態量が前記骨プレートの曲げ剛性の示量性状態量とは異なるように構成されている、請求項41に記載の大腿骨固定システム。
【請求項43】
前記骨プレートは、前記第2のねじり剛性が前記第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された形状を含む、請求項41に記載の大腿骨固定システム。
【請求項44】
前記骨プレートは、前記第2のねじり剛性が前記第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された断面構成を含む、請求項41に記載の大腿骨固定システム。
【請求項45】
前記骨プレートは、前記第2のねじり剛性が前記第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された2つ以上の材料の複合物を含む、請求項41に記載の大腿骨固定システム。
【請求項46】
前記骨プレートは、
遠位端部と、
近位端部と、
前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する第1の縁部と、
前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する第2の縁部と、を含み、
前記複合物の2つ以上の材料のうちの1つが、前記第1の縁部および前記第2の縁部のうちの少なくとも1つを形成する、請求項45に記載の大腿骨固定システム。
【請求項47】
前記骨プレートは、前記第2のねじり剛性が前記第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、および2つ以上の材料の複合物のうちの1つ以上を含む、請求項41に記載の大腿骨固定システム。
【請求項48】
前記髄内くぎは、前記第1の曲げ剛性が前記第2のねじり剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、および2つ以上の材料の複合物のうちの1つ以上を含む、請求項41に記載の大腿骨固定システム。
【請求項49】
前記骨プレートは、前記骨プレートの長手方向軸に沿って配置された少なくとも1つのねじり剛性機構を含む、請求項41に記載の大腿骨固定システム。
【請求項50】
大腿骨固定装置であって、
使用中に、骨折を含んだ大腿骨の遠位端の近位に配置された遠位端部と、大腿骨の近位端の近位に配置された近位端部と、を備えた髄内くぎであって、骨折が前記近位端と前記遠位端との間にあるように構成された髄内くぎと、
ここで、前記髄内くぎが大腿骨の髄内管内に固定可能であることで骨折を安定化させるための、十分な曲げ剛性と不十分なねじり剛性を与える、
使用中に、大腿骨の遠位端の近位に配置された遠位端部と、骨折を骨プレートの近位端部と前記遠位端部との間に配置するように延在する近位端部と、を備えた骨プレートと、
ここで、前記骨プレートが大腿骨の外側に固定可能であることで骨折を安定させるのに不十分な曲げ剛性と十分なねじり剛性を与える、
前記骨プレートと前記髄内くぎが共に骨折を安定させるのに十分なねじり剛性と曲げ剛性を与えるように、大腿骨内に延在し前記髄内くぎと係合する骨プレートと係合するよう構成された少なくとも1つの留め具と、
を含む、大腿骨固定装置。
【請求項51】
大腿骨固定装置は、少なくとも、前記骨プレートにおけるねじり剛性の示量性状態量および曲げ剛性の示量性状態量、および前記髄内くぎにおけるねじり剛性の示量性状態量および曲げ剛性の示量性状態量を含む、剛性の示量性状態量を有する、請求項50に記載の大腿骨固定装置。
【請求項52】
骨プレートは、前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する波形を含み、前記波形は、前記骨プレートのねじり剛性が前記骨プレートの曲げ剛性よりも大きいように構成される、請求項50に記載の大腿骨固定装置。
【請求項53】
前記骨プレートは、前記骨プレートのねじり剛性が前記骨プレートの曲げ剛性よりも大きいように構成された、シェル断面、I型梁断面、およびレール断面のうちの1つ以上を含む、請求項50に記載の大腿骨固定装置。
【請求項54】
前記骨プレートは、
前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する第1の縁部と、
前記遠位端部と前記近位端部との間に延在する第2の縁部と、
前記第1の縁部の近位に配置された第1のレールと、
前記第2の縁部の近位に配置された第2のレールと、
を含む、請求項50に記載の大腿骨固定装置。
【請求項55】
前記骨プレートは、
上面と、
下面と、を含み、
前記第1のレールおよび前記第2のレールはそれぞれ、前記遠位端部の近くから前記近位端部の近くまで延在し、前記第1のレールおよび前記第2のレールはそれぞれ、前記下面および前記上面のうちの1つから延在する、請求項54に記載の大腿骨固定装置。
【請求項56】
前記骨プレートは、前記骨プレートのねじり剛性が前記骨プレートの曲げ剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、ねじり剛性機構、および2つ以上の材料の複合物のうちの2つ以上を含む、請求項50に記載の大腿骨固定装置。
【請求項57】
前記髄内くぎは、前記髄内くぎの曲げ剛性が前記髄内くぎのねじり剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、ねじり剛性機構、および2つ以上の材料の複合物のうちの1つまたは複数を含む、請求項50に記載の大腿骨固定装置。
【請求項58】
前記骨プレートは、4ミリメートル未満の厚さを有する、請求項50に記載の大腿骨固定装置。
【請求項59】
患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法であって、
髄内くぎのセットから髄内くぎを選択することであって、セットにおける各髄内くぎは、骨プレートとは独立に骨折を安定させるための、異なる曲げ剛性と不十分なねじり剛性を含む、選択することと、
外側骨プレートのセットから外側骨プレートを選択することであって、セットにおける各外側骨プレートは、前記髄内くぎとは独立に骨折を安定させるための、異なる曲げ剛性と不十分な曲げ剛性を含む、選択することと、
ここで、前記選択された外側骨プレートの異なるねじり剛性は、前記選択された髄内くぎの曲げ剛性と共に、大腿骨に固定されたとき、十分なねじり剛性および曲げ剛性を与えて骨折を安定させ骨折の治癒を促進する、
患者の大腿骨の髄内管を用意することであって、前記髄内管が大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端まで延在する、用意することと、
前記選択された髄内くぎを大腿骨の近位端に向かって前記髄内管に配備することと、
前記選択された外側骨プレートが前記選択された髄内くぎと整列するように、前記選択された外側骨プレートを、大腿骨の外側面に沿って経皮的に配備することと、
前記選択された外側骨プレートを大腿骨の外側面に固定する1つ以上の留め具を配備することと、
を有する方法。
【請求項60】
前記選択された髄内くぎを大腿骨に固定する1つまたは複数の留め具を配備することをさらに有する、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
髄内くぎおよび骨プレートを共に挿入することを可能にする組み合わされた挿入器であって、
長手方向軸、遠位端部、および近位端部を有する本体と、
前記本体に連結され、前記髄内くぎに連結するように構成された髄内くぎ連結器と、
前記本体に連結され、前記骨プレートに連結するように構成された骨プレート連結器と、を備える組み合わされた挿入器。
【請求項62】
前記骨プレート連結器は、前記近位端部と前記遠位端部との間の長手方向軸に沿って前記骨プレート連結器を移動させるように構成された長手方向移動機構と、
前記長手方向軸を横断する横方向軸に沿って前記骨プレート連結器を移動させるように構成された横方向機構と、
前記骨プレートの前記長手方向軸の周りに前記骨プレートを回転させるように構成された回転機構と、
を含む、請求項61に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項63】
前記長手方向移動機構は、
前記近位端部と前記遠位端部との間の軌道であって、患者内に配備するために前記髄内くぎと前記骨プレートを相互に整列させるように構成された、1つまたは複数のオフセット位置およびくぎ整列位置とを含む軌道と、
1つまたは複数の前記オフセット位置および前記くぎ整列位置のうちの1つに前記長手方向移動機構を固定するように構成されたラッチと、
を含む、請求項62に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項64】
前記くぎ整列位置は、前記骨プレートの少なくとも1つの留め具開口部内に配備された留め具が、前記髄内くぎの少なくとも1つの対応する留め具開口部と係合するように、前記骨プレートの少なくとも1つの留め具開口部と、前記髄内くぎの少なくとも1つの対応する留め具開口部とが整列することを含む、請求項63に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項65】
1つまたは複数のオフセット位置のうちの1つでは、前記骨プレートが骨の側面に沿って経皮的に前進する前に、前記組み合わされた挿入器の患者の骨に向けた前進によって、前記髄内くぎを骨の髄内管内に入れるように前記骨プレートが配置され、前記組み合わされた挿入器は、前記髄内くぎおよび前記骨プレートを含む、請求項63に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項66】
1つまたは複数のオフセット位置のうちの1つでは、前記髄内くぎが患者の髄管内に入る前に、前記組み合わされた挿入器が患者の骨に向けた前進によって、前記骨プレートが骨の側面に沿って経皮的に前進するように骨プレートが配置され、前記組み合わされた挿入器は、前記髄内くぎおよび前記骨プレートを含む、請求項63に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項67】
前記横方向機構は、
基部と、
前記基部内に嵌合するように構成された伸縮部材と、
前記伸縮部材を前記基部内に固定するように構成された留め具と、を含み、
前記伸縮部材を伸長または引っ込めることによって、横方向軸に沿って前記骨プレートを前進させまたは引っ込める、請求項62に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項68】
前記回転機構は、前記骨プレートを前記横方向機構に接続する、請求項62に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項69】
前記回転機構は、クレビスジョイントを含む、請求項68に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項70】
前記長手方向移動機構、前記横方向機構、および前記回転機構のうちの1つまたは複数は、留め具の配備のために前記骨プレート連結器に連結された骨プレートに対して、前記髄内くぎ連結器に連結れた髄内くぎを配置するように構成された配備構成を含む、請求項62に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項71】
前記本体は、ガイド部を含み、前記ガイド部は、一組のくぎ係合開口部と一組のくぎ回避開口部を含み、前記くぎ係合開口部および前記くぎ回避開口部のそれぞれは、前記骨プレートの留め具開口部と整列する、請求項70に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項72】
前記ガイド部は、前記一組のくぎ係合開口部と前記一組のくぎ回避開口部のうちの1つの、少なくとも1つの指標を含む、請求項71に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項73】
前記髄内くぎ連結器は、前記髄内くぎ連結器を前記本体に解放可能に接続するように構成された連結部を含む、請求項61に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項74】
前記本体は、前記遠位端部に近位の遠位ハンドルおよび前記近位端部の近くの近位ハンドルを含む、請求項61に記載の組み合わされた挿入器。
【請求項75】
大腿骨固定システムであって、
留め具を受け入れるように構成された一組のくぎ留め具開口部を含む髄内くぎであって、患者の大腿骨の髄内管内にスライドするように構成された髄内くぎと、
一組のプレート留め具開口部を含む骨プレートと、
組み合わされた挿入器であって、
長手方向軸、遠位端部、および近位端部を含み得る本体と、
前記本体に連結され、前記髄内くぎに連結するように構成された髄内くぎ連結器と、
前記本体に連結され、前記骨プレートに連結するように構成された骨プレート連結器と、
前記一組のくぎ留め具開口部と整列する一組のくぎ係合開口部であって、前記本体に配置された一組のくぎ留め具開口部と、
を備えた組み合わされた挿入器と、
配備されるときに、前記骨プレートと前記髄内くぎの両方と係合するように構成された一組のくぎ係合留め具と、
配備されるときに、前記骨プレートと患者の大腿骨と係合するように構成された一組のくぎ回避留め具と、
を含む、大腿骨固定システム。
【請求項76】
前記一組のプレート留め具開口部の少なくとも1つの部材はくぎ回避開口部を含む、請求項75に記載の大腿骨固定システム。
【請求項77】
前記骨プレート連結器は、
前記骨プレートを大腿骨に向かって付勢し、大腿骨から離れる力に応答して前記骨プレートを大腿骨から離すように移動させるように構成された横方向機構と、
前記骨プレートが前記骨プレート連結器に対して少なくとも2つの方向に移動することを可能にするピボットジョイントを含む回転機構と、
を含む、請求項76に記載の大腿骨固定システム。
【請求項78】
前記横方向機構および前記回転機構はそれぞれ、前記くぎ係合留め具および前記くぎ回避留め具の配備のために前記骨プレート連結器に連結された前記骨プレートに対して、前記髄内くぎ連結器に連結された前記髄内くぎを配置するように構成された配備構成を含む、請求項77に記載の大腿骨固定システム。
【請求項79】
患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法であって、
髄内くぎを組み合わせた挿入器に連結することと、
骨プレートを前記組み合わせた挿入器に連結することであって、前記組み合わされた挿入器は、
長手方向軸、遠位端部、および近位端部を含み得る本体と、
前記本体に連結され、前記髄内くぎに連結するように構成された髄内くぎ連結器と、
前記本体に連結され、前記骨プレートに連結するよう構成された骨プレート連結器と、
を備え、前記髄内くぎ連結器および前記骨プレート連結器のそれぞれが配備構成を含む、連結することと、
患者の大腿骨の髄内管を用意することであって、前記髄内管が大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端まで延在する、用意することと、
大腿骨の遠位端に近位の患者の皮膚に切開部を形成することであって、前記切開部が前記骨プレートを受け入れるような大きさである、形成することと、
前記組み合わされた挿入器を大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端に向かって逆行して移動させることにより、前記髄内くぎを前記骨プレートと共に挿入することであって、前記髄内くぎが髄内管内を移動し、前記骨プレートが大腿骨の外側面に沿って経皮的に移動する、挿入することと、
前記髄内くぎ連結器および前記骨プレート連結器を前記配備構成内に移動させることと、
前記骨プレートを大腿骨の外側面に固定する1つ以上の留め具を配備することと、
を有する方法。
【請求項80】
前記髄内くぎを前記骨プレートと共に挿入することは、前記骨プレート連結器を、前記骨プレートが前記骨プレート連結器に対して少なくとも2つの方向で移動させされるように、前記骨プレート連結器を調整すること、をさらに有する、請求項79に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手術装置、システム、器具、および方法に関する。より具体的には、本開示は、長骨を固定する装置、システム、器具、およびそれらを設計および/または使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトおよび動物における様々な外科的処置には、固定の措置、手順、装置の使用(固定器とも称される)などが含まれる。固定の機構ないし機能は、2つの骨の間、2つの軟組織の間、軟組織と骨の間、または長骨の髄腔内に存在し得る。残念ながら、多くの公知の長骨固定の技術、措置、手順、装置、または部品は、複雑であり、配備が困難であり、多くの部品を必要とし、関節または人工固定装具、部分的置換または全膝関節置換(TKR)処置のための大腿骨コンポーネント、全股関節置換のための大腿骨コンポーネントなどの人工装具を患者が受け入れているときに配備が容易ではなく、インプラント周囲破損を経験し、その他の制限がある。加えて、公知の長骨固定の技術、措置、手順、装置、または部品は、応力遮蔽および/または骨折の非結合の原因となるような仕方で、固定システムまたは部品の1つまたは複数のタイプの剛性を増加させるものである。また、公知の器具は、多くの装置を含み、患者に余分な切開および/またはより大きな切開を求めるものであり、固定に最適な安定性を与える仕方で1つまたは複数のインプラントを長い骨に固定する上で、未だ外科医の支援となることはない。本開示は、公知の長骨固定の技術、措置、手順、装置、または部品におけるこれらの制限に対処するものである。
【発明の概要】
【0003】
本開示の様々な装置、システムおよび/または方法は、当該技術の現状に応答して、特に、現在用いることが可能な技術によってまだ完全には解決されていない当該技術における問題およびニーズに応答して開発されたものである。本開示の1つの一般的な態様は、側面、内側、上側、下側、前側、および後側を有し得る髄内くぎと、先端を含み得る近位端部、および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間のシャフトと、を含む、患者の長骨用の髄内くぎアセンブリと、を含むことができる。アセンブリは、遠位端部の近位にあるオフセット部分を含み、オフセット部は、髄内くぎの前側から後側に向かって延在する第1の曲り部、および髄内くぎの後側から前側に向かって延在する第2の曲り部を含み得る。
【0004】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。シャフトが長手方向軸を有し、第2の曲り部が、遠位端部から延在するオフセット軸を画定し、第2の曲り部が、オフセット軸が長手方向軸と実質的に平行であるように、髄内くぎの後側から前側に向かって延在する、髄内くぎアセンブリ。オフセット部は、髄内くぎの遠位端部から延在し、オフセット部は、膝関節インプラントの予め設けられた大腿骨コンポーネントからの干渉を回避するように構成される。オフセット部は、髄内くぎの遠位端部に接続するように構成されたアダプタを含み得る。オフセット部は、髄内くぎの遠位端部に連結するように構成された髄内くぎ挿入器の一部を含み得る。第1の曲り部は90度未満で、第2の曲り部は90度より大きくてもよい。オフセット部は、第1の曲り部と第2の曲り部との間に配置された1つまたは複数の開口部を含み得る。髄内くぎの遠位端部は、第1の連結部を含むことができ、オフセット部は、第1の連結部と係合するように構成された第2の連結部と、挿入器の第4の連結部と係合するように構成された第3の連結部と、を含むことができる。オフセット部は、第1の曲り部に近位の第1の端部と第2の曲り部に近位の第2の端部を含むことができ、第2の端部は、髄内くぎアセンブリが配備されるときに長骨の窪み内に延在する。
【0005】
本開示の1つの一般的な態様は、患者の大腿骨(または上腕骨、脛骨、大腿骨などの任意の長骨)のための髄内くぎシステムを含むことができる。髄内くぎシステムは、外側、内側、上側、下側、前側、および後側と、先端を含み得る近位端部および遠位端部と、遠位端部から近位端部に延在する長手方向軸と、近位端部と遠位端部との間のシャフトと、遠位端部に近位であり長手方向軸に対して後方に傾斜した第1の曲り部と、遠位端部と第1の曲り部との間の第2の曲り部であって長手方向軸に対して前方に傾斜した第2の曲り部と、第1の曲り部と第2の曲り部との間の本体と、を含む。
【0006】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。髄内くぎシステムは、第2の曲り部に接続され、挿入器と連結するように構成された遠位連結部を含み得る。第1の曲り部はシャフトに接続されている。髄内くぎシステムは、第1の曲り部とシャフトとの間に接続された近位連結部を含み得る。髄内くぎシステムは、遠位端部から近位端部に延在する通路を含み得る。第1の曲り部、本体、および第2の曲り部は、第1の曲り部に近接するシャフトに、手術前に連結するように構成される。第1の曲り部、本体、および第2の曲り部は、髄内くぎ挿入器の遠位端部と一体化されている。髄内くぎ挿入器は、髄内くぎが髄内くぎ挿入器に連結されたときに髄内くぎに平行に延在する髄内くぎガイドを含み得る。第1の曲り部、本体、および第2の曲り部は、髄内くぎの外側面および内側面の少なくとも一方から見たときにS字形を形成する。
【0007】
本開示の1つの一般的な一態様は、患者の大腿骨内にオフセット部を含む髄内くぎを配備するための方法を含むことができる。方法は、オフセット部を含む髄内くぎを髄内くぎ挿入器に連結することであって、髄内くぎ挿入器はオフセット部に連結され、髄内くぎは長手方向軸を含み、オフセット部は長手方向軸に実質的に平行なオフセット軸を含み得る、前記連結することと、患者の大腿骨の髄内管を用意することであって、髄内管は大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端に延在する、前記用意することと、髄内くぎの近位端部を髄内管の遠位端に挿入することと、オフセット軸に沿ってオフセット部を駆動することによって、髄内くぎを大腿骨の近位端に向けて髄内管内に駆動することであって、オフセット軸が、オフセット軸に加えられた並進力を髄内くぎに伝達して長手方向軸に沿って髄内くぎを駆動する、前記駆動することと、オフセット部をスライドさせることであって、大腿骨の遠位端の近位に配置された膝関節インプラントの遠位大腿骨コンポーネントを通って、オフセット部が髄内管の内壁と係合し、大腿骨の遠位部分の曲りを維持するように、前記スライドさせることと、髄内くぎを髄内くぎ挿入器から分離することと、を含む。
【0008】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記方法において、髄内くぎは、複数の留め具開口部を含み、髄内くぎ挿入器は、留め具ガイドを含み得、上記方法は、留め具ガイドを用いて、留め具開口部を通る複数の留め具の挿入を案内することをさらに含むことができる。
【0009】
本開示の様々な装置、システムおよび/または方法は、当該技術の現状に応答して、特に、現在用いることが可能な技術によってまだ完全には解決されていない当該技術における問題およびニーズに応答して開発されたものである。本開示の1つの一般的な態様は、患者の長骨のための骨プレートを含むことができる。骨プレートは、第1の端部、第2の端部、長骨から離れる方向を向いた上面、および骨プレートが用いられているときに長骨の第1の面に面する、骨向き面を有した本体を含み、長骨は、第1の面、第2の面、第3の面、および第4の面を含み得、また、第1の端部を長骨に固定するように構成された薄型固定アセンブリであって、第2の面、第3の面、および第4の面のうちの少なくとも1つから第1の端部に近づくことによって第1の端部を長骨に固定するように構成された薄型固定アセンブリが含まれる。
【0010】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。薄型固定アセンブリの骨プレートは、骨向き面から上面に向かって延在する留め具開口部と、近位端部および遠位端部を有する留め具であって、遠位端部が、留め具開口部の対応するねじ山と係合するように構成された一連のねじ山を含み得る、留め具と、を含む。薄型固定アセンブリは、骨向き面から上面を通って延在する固定具開口部と、上面の近位に着座するように構成された固定具と、取り付けられたときに長骨の第2の面の近位に着座するように構成されたヘッドと、固定具と係合するように構成された遠位端部と、ヘッドと係合するように構成された近位端部とを有する繋ぎ綱と、を含み得る。第1のアームは、長骨に対して前方方向および後方方向のうちの1つで本体から延在し、留め具は、第1のアームと係合して第1の端部を長骨に固定するように構成される。留め具は、長骨の第3の面と係合するように構成された外部ねじ山を含む。留め具は、最初に留め具開口部を通過し、次に長骨の第3の面に入ることによって留め具開口部と係合する。留め具は、最初に長骨の第1の面以外の面を通過し、次に長骨の第3の面を通過し、次に留め具開口部に入ることによって留め具開口部と係合する。薄型固定アセンブリは、第2の端部と第1のアームとの間に配置された第2のアームであって、第2のアームが、長骨から離れる方向に向く上面と、骨プレートが用いられるときに長骨の第1の面以外の面に面する骨向き面と、を含み、第2のアームが長骨に対して前方方向および後方方向のいずれかで本体から延在する、前記第2のアームと、第2のアームと係合して本体の一部を長骨に固定するように構成された留め具と、をさらに含み得る。留め具の遠位端部は、骨向き面から留め具開口部に入り、内ねじと係合することによって本体の上面に向かって進む。本体は、長骨の内側に沿って延在するように構成されている。前部アームは、本体周りから長骨の前側に延在し、前側留め具開口部と、前側留め具開口部と係合するように構成された前部留め具と、第1の端部に近接する後部アームであって、後部アームは、長骨から離れる方向に向く上面と、骨プレートが用いられるときに長骨の後側に面する骨向き面と、前側の反対側の後側と、後部アームが本体周りから長骨の後側に延在する、後部アームと、後側留め具開口部と、後側留め具開口部と係合するように構成された後部留め具と、を含み得る。
【0011】
本開示の1つの一般的な態様は、患者の長骨のための内側の骨プレートを含むことができる。内側骨プレートは、使用されるとき大腿骨の内側面に沿って延在するように構成された本体を含み、近位端部は、使用されるとき大腿骨の前方にわたって広がる第1のアームを含み得、アームが少なくとも1つの留め具開口部を含み得、遠位端部は、1つまたは複数の留め具開口部を含み得る遠位固定機構を含み得、遠位固定機構は、大腿骨の内側上顆と係合するように構成される。
【0012】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。内側骨プレートにおいて、第1のアームは、内側骨プレートを有する大腿骨に対して本体から前方に延在し、また、大腿骨の長軸に垂直に延在する。第1のアームは、大腿骨の前側、外側、および後側のうちの1つに延在する。第1のアームは、大腿骨の前側と外側の両方に延在し、第1のアームは、第1のアームを通って前側に及んで延在する前側留め具開口部と、第1のアームを通って外側に及んで延在する外側留め具開口部と、を含み得る。前側留め具開口部および外側留め具開口部は、前側留め具開口部に配置された前側留め具が、外側留め具開口部に配置された外側留め具と干渉しないように、互いに対してオフセットされる。遠位端部は、大腿骨の内側上顆に近位であり、近位端部は、大腿骨の近位骨幹端に近位であり、内側骨プレートは、本体から大腿骨の前側に及んで延在する第2のアームを含み得、第2のアームは、遠位固定機構と第1のアームとの間にある。
【0013】
本開示の1つの一般的な態様は、患者の大腿骨の遠位端に内側骨プレートを配置する方法を含むことができ、方法は、患者の大腿骨の遠位端の内側に内側骨プレートを配置し、内側骨プレートは、近位端部、遠位端部、患者の長骨から離れる方向に向く上面、および骨プレートが大腿骨の遠位端の内側に配置されたときに大腿骨の内側に面する骨向き面を有する本体と、骨アプローチ固定機構と、遠位端に近位であり、1つまたは複数の留め具開口部を含み得るプレートアプローチ固定機能と、を含むことができる。上記方法は、骨アプローチ留め具を、大腿骨の外側、前側、および後側のうちの1つを通って駆動することと、骨アプローチ留め具を、大腿骨の外側、前側、および後側のうちの1つを通って駆動した後、骨アプローチ固定機構を骨アプローチ留め具に係合することと、によって、骨アプローチ固定機構に係合する骨アプローチ留め具を配置することを含む。上記方法は、プレートアプローチ留め具を内側骨プレートを通って大腿骨の内側皮質内に駆動することによって、プレートアプローチ固定機構に係合するようにプレートアプローチ留め具を配置することを含む。
【0014】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記方法において、内側骨プレートを大腿骨の遠位端の内側面に配置することは、大腿骨の遠位端に近位の、患者の皮膚を開くことと、大腿骨の一部を整復しながら、内側骨プレートを大腿骨の内側に沿って経皮的にスライドさせることと、をさらに含み得る。骨アプローチ固定機構と係合するように骨アプローチ留め具を配置することは、骨アプローチ固定機構と整列する大腿骨の外側、前側、および後側のうちの1つにおいて患者の皮膚を開くことと、骨アプローチ留め具のガイドとして機能するように皮膚開口部を通ってkワイヤを配置することと、をさらに含み、骨アプローチ留め具を駆動することは、骨アプローチ留め具を、kワイヤを横断して駆動するこを含み得る。内側プレートは、単独で、髄内インプラントと組み合わせて、または外側ベースのプレートと組み合わせて用いることができる。
【0015】
本開示の様々な装置、システムおよび/または方法は、当該技術の現状に応答して、特に、現在用いることが可能な技術によってまだ完全には解決されていない当該技術における問題およびニーズに応答して開発されたものである。本開示の1つの一般的な態様は、大腿骨固定システムを含むことができる。大腿骨固定システムは、骨折を含んだ大腿骨と係合するように構成された髄内くぎであって、髄内くぎが、長骨の髄内管内に固定可能で、第1の曲げ剛性および第1のねじり剛性を与える髄内くぎと;大腿骨と係合するように構成された骨プレートであって、骨プレートが大腿骨の外側に固定可能で、第2の曲げ剛性および第2のねじり剛性を与える骨プレートと;骨プレートを大腿骨に固定するように構成された1つまたは複数の留め具と;を含み、以下のうちの少なくとも1つが当てはまる:第2のねじり剛性は、髄内くぎが骨プレートとは独立して骨折を安定させることを可能にするのに不十分な第1のねじり剛性を補償することと、第1の曲げ剛性は、骨プレートが髄内くぎとは独立して骨折を安定させることを可能にするのに不十分な第2の曲げ剛性を補償すること。
【0016】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。大腿骨固定システムにおいて、骨プレートは剛性の示量正状態量を含み得、骨プレートは、骨プレートのねじり剛性の示量性状態量が骨プレートの曲げ剛性の示量性状態量とは異なるように構成されている。骨プレートは、第2のねじり剛性が第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された形状を含み得る。骨プレートは、第2のねじり剛性が第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された断面構成を含み得る。骨プレートは、第2のねじり剛性が第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された2つ以上の材料の複合物を含み得る。骨プレートは、遠位端部、近位端部、遠位端部と近位端部との間に延在する第1の縁部、遠位端部と近位端部との間に延在する第2の縁部を含み得、複合物の2つ以上の材料のうちの1つが、第1の縁部および第2の縁部のうちの少なくとも1つを形成する。骨プレートは、第2のねじり剛性が第2の曲げ剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、および2つ以上の材料の複合物のうちの1つ以上を含みる。髄内くぎは、第1の曲げ剛性が第2のねじり剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、および2つ以上の材料の複合物のうちの1つ以上を含み得る。骨プレートは、骨プレートの長手方向軸に沿って配置された少なくとも1つのねじり剛性機構を含み得る。
【0017】
本開示の1つの一般的な態様は、大腿骨固定装置を含むことができる。大腿骨固定装置は、使用中に、骨折を含んだ大腿骨の遠位端の近位に配置された遠位端部と、大腿骨の近位端の近位に配置された近位端部と、を備えた髄内くぎであって、骨折が近位端と遠位端との間にあるように構成され、髄内くぎが大腿骨の髄内管内に固定可能であることで、骨折を安定化させるための、十分な曲げ剛性と不十分なねじり剛性を与える、髄内くぎと、使用中に、大腿骨の遠位端の近位に配置された遠位端部と、骨折を骨プレートの近位端部と遠位端部との間に配置するように延在する近位端部と、を備えた骨プレートであって、骨プレートが大腿骨の外側に固定可能であることで骨折を安定させるのに不十分な曲げ剛性と十分なねじり剛性を与える骨プレートと、骨プレートと髄内くぎが共に骨折を安定させるのに十分なねじり剛性と曲げ剛性を与えるように、大腿骨内に延在し髄内くぎと係合する骨プレートと係合するよう構成された少なくとも1つの留め具と、を含む。
【0018】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。大腿骨固定装置は、少なくとも、骨プレートにおけるねじり剛性の示量性状態量および曲げ剛性の示量性状態量、および髄内くぎにおけるねじり剛性の示量性状態量および曲げ剛性の示量性状態量を含み得る。骨プレートは、遠位端部と近位端部との間に延在する波形を含んでもよく、波形は、骨プレートのねじり剛性が骨プレートの曲げ剛性よりも大きいように構成される。骨プレートは、骨プレートのねじり剛性が骨プレートの曲げ剛性よりも大きいように構成された、シェル断面、I型梁断面、およびレール断面のうちの1つ以上を含み得る。骨プレートは、遠位端部と近位端部との間に延在する第1の縁部と、遠位端部と近位端部との間に延在する第2の縁部と、第1の縁部の近位に配置された第1のレールと、第2の縁部の近位に配置された第2のレールと、を含み得る。骨プレートは、上面、下面を含み得、第1のレールおよび第2のレールはそれぞれ、遠位端部の近くから近位端部の近くまで延在し、第1のレールおよび第2のレールはそれぞれ、下面および上面のうちの1つから延在する。骨プレートは、骨プレートのねじり剛性が骨プレートの曲げ剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、ねじり剛性機構、および2つ以上の材料の複合物のうちの2つ以上を含み得る。髄内くぎは、髄内くぎの曲げ剛性が髄内くぎのねじり剛性よりも大きいように構成された、形状、断面構成、ねじり剛性機構、および2つ以上の材料の複合物のうちの1つ以上を含み得る。骨プレートは、4ミリメートル未満の厚さを有し得る。
【0019】
本開示の1つの一般的な態様は、患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法を含むことができる。方法は、髄内くぎのセットから髄内くぎを選択することであって、セットにおける各髄内くぎは、骨プレートとは独立に骨折を安定させるための、異なる曲げ剛性と不十分なねじり剛性を含み得る、選択することと、外側骨プレートのセットから外側骨プレートを選択することであって、セットにおける各外側骨プレートは、髄内くぎとは独立に骨折を安定させるための、異なる曲げ剛性と不十分な曲げ剛性を含み得る、選択することと、ここで、選択された外側骨プレートの異なるねじり剛性は、選択された髄内くぎの曲げ剛性と共に、大腿骨に固定されたとき、十分なねじり剛性および曲げ剛性を与えて骨折を安定させ骨折の治癒を促進する、患者の大腿骨の髄内管を用意することであって、髄内管が大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端まで延在する、用意することと、選択された髄内くぎを大腿骨の近位端に向かって髄内管に配置することと、選択された外側骨プレートが選択された髄内くぎと整列するように、大腿骨の外側面に沿って経皮的に、選択された外側骨プレートを配置することと、選択された外側骨プレートを大腿骨の外側面に固定する1つ以上の留め具を配置することと、を含む。
【0020】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、選択された髄内くぎを大腿骨に固定する1つまたは複数の留め具を配置することを含み得る。
【0021】
本開示の様々な装置、システムおよび/または方法は、当該技術の現状に応答して、特に、現在用いることが可能な技術によってまだ完全には解決されていない当該技術における問題およびニーズに応答して開発されたものである。本開示の1つの一般的な態様は、髄内くぎおよび骨プレートを共に挿入することを可能にする組み合わされた挿入器を含むことができる。組み合わされた挿入器は、長手方向軸、遠位端部、および近位端部を含み得る本体と、本体に連結され、髄内くぎに連結するように構成された髄内くぎ連結器と、本体に連結され、骨プレートに連結するように構成された骨プレート連結器と、を含む。
【0022】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。挿入器において、骨プレート連結器は、近位端部と遠位端部との間の長手方向軸に沿って骨プレート連結器を移動させるように構成された長手方向移動機構と、長手方向軸を横断する横方向軸に沿って骨プレート連結器を移動させるように構成された横方向機構と、骨プレートの長手方向軸の周りに骨プレートを回転させるように構成された回転機構と、を含み得る。長手方向移動機構は、近位端部と遠位端部との間の軌道であって、患者内に配備するために髄内くぎと骨プレートを相互に整列させるように構成された、1つまたは複数のオフセット位置およびくぎ整列位置とを含み得る軌道と、1つまたは複数のオフセット位置およびくぎ整列位置のうちの1つに長手方向移動機構を固定するように構成されたラッチと、を含み得る。くぎ整列位置は、骨プレートの少なくとも1つの留め具開口部内に配備された留め具が髄内くぎの少なくとも1つの対応する留め具開口部と係合するように、骨プレートの少なくとも1つの留め具開口部と髄内くぎの少なくとも1つの対応する留め具開口部とが整列することを含み得る。1つまたは複数のオフセット位置のうちの1つでは、骨プレートが骨の側面に沿って経皮的に前進する前に、組み合わされた挿入器の患者の骨に向けた前進によって髄内くぎを骨の髄内管内に入れるように骨プレートが配置され、組み合わされた挿入器は、髄内くぎおよび骨プレートを含み得る。1つまたは複数のオフセット位置のうちの1つでは、髄内くぎが患者の髄管内に入る前に、組み合わされた挿入器が患者の骨に向けた前進によって、骨プレートが骨の側面に沿って経皮的に前進するように骨プレートが配置され、組み合わされた挿入器は、髄管内くぎおよび骨プレートを含み得る。横方向機構は、基部と、基部内に嵌合するように構成された伸縮部材と、伸縮部材を基部内に固定するように構成された留め具と、を含み得、伸縮部材を伸長または引っ込めることによって、横方向軸に沿って骨プレートを前進させまたは引っ込める。回転機構は、骨プレートを横方向機構に接続する。回転機構は、クレビスジョイントを含み得る。長手方向移動機構、横方向機構、および回転機構のうちの1つまたは複数は、留め具の配備のために骨プレート連結器に連結された骨プレートに対して、髄内くぎ連結器に連結された髄内くぎを配置するように構成された配備構成を含み得る。本体は、ガイド部を含み得、ガイド部は、一組のくぎ係合開口部と一組のくぎ回避開口部を含み得、くぎ係合開口部およびくぎ回避開口部のそれぞれは、骨プレートの留め具開口部と整列している。ガイド部は、一組のくぎ係合開口部と一組のくぎ回避開口部のうちの1つの、少なくとも1つの指標を含む。髄内くぎ連結器は、髄内くぎ連結器を本体に解放可能に接続するように構成された連結部を含み得る。本体は、遠位端部に近位の遠位ハンドルおよび近位端部の近くの近位ハンドルを含み得る。
【0023】
本開示の1つの一般的な態様は、大腿骨固定システムを含むことができる。大腿骨固定システムは、留め具を受け入れるように構成された一組のくぎ留め具開口部を含み得る髄内くぎであって、患者の大腿骨の髄内管内にスライドするように構成された髄内くぎと、一組のプレート留め具開口部を含み得る骨プレートと、長手方向軸、遠位端部、および近位端部を含み得る本体、本体に連結され髄内くぎに連結するように構成された髄内くぎ連結器、本体に連結され骨プレートに連結するように構成された骨プレート連結器、および一組のくぎ留め具開口部と整列する一組のくぎ係合開口部であって、本体に配置された一組のくぎ留め具開口部、を含み得る組み合わされた挿入器と、を含む。上記システムは、配備されるときに骨プレートおよび髄内くぎの両方と係合するように構成された一組のくぎ係合留め具と、配備されるときに骨プレートと患者の大腿骨と係合するように構成された一組のくぎ回避留め具と、を含む。
【0024】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。大腿骨固定システムにおいて、一組のプレート留め具開口部の少なくとも1つの部材はくぎ回避開口部を含み得る。骨プレート連結器は、骨プレートを大腿骨に向かって付勢し、大腿骨から離れる力に応答して骨プレートを大腿骨から離すように移動させるように構成された横方向機構と、骨プレートが骨プレート連結器に対して少なくとも2つの方向に移動することを可能にするピボットジョイントを含み得る回転機構と、を含み得る。横方向機構および回転機構はそれぞれ、くぎ係合留め具およびくぎ回避留め具の配備のために骨プレート連結器に連結された骨プレートに対して、髄内くぎ連結器に連結された髄内くぎを配置するように構成された配備構成を含み得る。
【0025】
本開示の1つの一般的な態様は、患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法を含むことができる。方法は、髄内くぎを組み合わせた挿入器に連結することと、骨プレートを組み合わせた挿入器に連結することであって、組み合わされた挿入器が、長手方向軸、遠位端部、および近位端部を含み得る本体と、本体に連結され、髄内くぎに連結するように構成された髄内くぎ連結器と、本体に連結され、骨プレートに連結するよう構成された骨プレート連結器と、含み得る、連結することと、を含み、髄内くぎ連結器および骨プレート連結器のそれぞれが配備構成を含み得る。上記方法は、患者の大腿骨の髄内管を用意することであって、髄内管が大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端まで延在する、用意することと、大腿骨の遠位端に近位の患者の皮膚に切開部を形成することであって、切開部が骨プレートを受け入れるような大きさである、形成することと、組み合わされた挿入器を大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端に向かって逆行させることにより、髄内くぎを骨プレートと共に挿入することであって、髄内くぎが髄内管内を移動し、骨プレートが大腿骨の外側面に沿って経皮的に移動する、挿入することと、髄内くぎ連結器および骨プレート連結器を配備構成内に移動させることと、骨プレートを大腿骨の側面に固定する1つ以上の留め具を配備することと、を含む。
【0026】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記方法において、髄内くぎを骨プレートと共に挿入することは、さらに、骨プレート連結器を、骨プレートが骨プレート連結器に対して少なくとも2つの方向で移動させされるように、骨プレート連結器を調整すること、を含み得る。
【0027】
本開示の例示的な実施形態の利点、性質、および付加的な特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになる。これらの図面は例示的な実施形態のみを示し、従って、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解して、本開示の例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて追加の特異性および詳細とともに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A図1Aは、一実施形態による、長骨内の髄内くぎの斜視図である。
図1B図1Bは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの側面の斜視図である。
図1C図1Cは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの側面図である。
図1D図1Dは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの角度図である。
図1E図1Eは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの上面図である。
図1F図1Fは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの底面図である。
図1G図1Gは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの遠位端図である。
図1H図1Hは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの近位端図である。
図1I図11は、図1Aの、大腿骨コンポーネントおよび髄内くぎを取り付けた大腿骨の遠位端の斜視図である。
図2A図2Aは、一実施形態による、長骨内のアダプタに接続された髄内くぎの斜視図である。
図2B図2Bは、一実施形態による、図2Aの髄内くぎおよびアダプタの側面斜視図である。
図2C図2Cは、一実施形態による、図2Aのアダプタの斜視図である。
図2D図2Dは、一実施形態による、図2Cのアダプタの遠位端図である。
図2E図2Eは、一実施形態による、図2Cのアダプタの近位端図である。
図2F図2Fは、一実施形態による、図2Cのアダプタの側面図である。
図2G図2Gは、一実施形態による、図2Cのアダプタの長手方向断面図である。
図3A図3Aは、一実施形態による、長骨内に配備された図1Aの髄内くぎあるいは図2Aの髄内くぎおよびアダプタのうちの1つに接続された挿入器の斜視図である。
図3B図3Bは、一実施形態による、挿入器と、図1Aの髄内くぎおよび/または図2Aの髄内くぎシステムのうちの1つの斜視図である。
図3C図3Cは、一実施形態による、挿入器300Bと図2Aの髄内くぎシステムの斜視図である。
図3D図3Dは、オフセット部を含む髄内くぎを配備するための方法の一例を示す。
図4A図4Aは、一実施形態による、長骨に配備された骨プレートの斜視図である。
図4B図4Bは、一実施形態による、図4Aの骨プレートの正面図である。
図4C図4Cは、一実施形態による、図4Aの骨プレートの背面図である。
図4D図4Dは、一実施形態による、図4Aの骨プレートの左側面図である。
図4E図4Eは、一実施形態による、図4Aの骨プレートの右側面図である。
図5A図5Aは、一実施形態による、長骨に配備された内側骨プレートの斜視図である。
図5B図5Bは、一実施形態による、長骨に配備された内側骨プレートの斜視図である。
図5C図5Cは、一実施形態による、図5Bの内側骨プレートと共に用いるための留め具の斜視図である。
図5D図5Dは、一実施形態による、図5Cの留め具の頭部の上面図である。
図5E図5Eは、一実施形態による、図5Bの骨プレートの正面図である。
図5F図5Fは、一実施形態による、図5Bの骨プレートの背面図である。
図5G図5Gは、一実施形態による、骨プレートが配備されるときに前方に向く側面を示す、図5Bの骨プレートの側面図である。
図5H図5Hは、一実施形態による、骨プレートが配備されるときに後方に向く側面を示す、図5Bの骨プレートの側面図である。
図5I図5Iは、一実施形態による、図5Bの線5I-5Iに沿った、長骨に配備された骨プレートの断面図である。
図5J図5Jは、一実施形態による、代替の留め具アセンブリを示す、図5Bの線5I -5Iに沿った、長骨に配備された骨プレートの断面図である。
図5K図5Kは、一実施形態による、長骨に配備された骨プレートのクローズアップした図である。
図5L図5Lは、一実施形態による、長骨に配備された内側骨プレートの後部斜視図である。
図5M図5Mは、一実施形態による内側骨プレートを配備するための方法の一例を示す。
図6A図6Aは、一実施形態による、長骨に配備された外側骨プレートの斜視図である。
図6B図6Bは、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートの正面図である。
図6C図6Cは、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートの背面図である。
図6D図6Dは、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートの遠位端図である。
図6E図6Eは、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートの近位端図である。
図6F図6Fは、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートの左側面図である。
図6G図6Gは、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートの右側面図である。
図7図7は、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートおよび2つの拡張部の分解図である。
図8A図8Aは、一実施形態による、遠位拡張部の正面図である。
図8B図8Bは、一実施形態による、遠位拡張部の背面図である。
図8C図8Cは、一実施形態による、遠位拡張部の上面図である。
図8D図8Dは、一実施形態による、遠位拡張部の上面図である。
図8E図8Eは、一実施形態による、遠位拡張部の右側面図である。
図8F図8Fは、一実施形態による、遠位拡張部の左側面図である。
図9A図9Aは、一実施形態による、近位拡張部の正面図である。
図9B図9Bは、一実施形態による、近位拡張部の背面図である。
図9C図9Cは、一実施形態による、近位拡張部の底面図である。
図9D図9Dは、一実施形態による、近位拡張部の上面図である。
図9E図9Eは、一実施形態による、近位拡張部の右側面図である。
図9F図9Fは、一実施形態による、近位拡張部の左側面図である。
図10A図10Aは、一実施形態による、近位拡張部の正面図である。
図10B図10Bは、一実施形態による、近位拡張部の背面図である。
図10C図10Cは、一実施形態による、近位拡張部の底面図である。
図10D図10Dは、一実施形態による、近位拡張部の上面図である。
図11A図11Aは、一実施形態による、近位拡張部の正面図である。
図11B図11Bは、一実施形態による、近位拡張部の背面図である。
図11C図11Cは、一実施形態による、近位拡張部の底面図である。
図11D図11Dは、一実施形態による、近位拡張部の上面図である。
図11E図11Eは、一実施形態による、近位拡張部の右側面図である。
図11F図11Fは、一実施形態による、近位拡張部の左側面図である。
図12A図12Aは、一実施形態による、共に長骨上および長骨内に配備された外側骨プレートと髄内くぎの斜視図である。
図12B図12Bは、一実施形態による、共に長骨上および長骨内に配備された図12Aの外側骨プレートと髄内くぎの斜視図である。
図12C図12Cは、一実施形態による、長骨上および長骨内に配備されたときのように共に配置された図12Aの外側骨プレートと髄内くぎの、長骨は図示の明瞭化のために示されていない、斜視図である。
図12D図12Dは、一実施形態による、長骨は図示の明瞭化のために示されていない状態で、と共に長骨上および長骨内に配備されたときのように位置決めされた外側骨プレートと髄内くぎの斜視図である。
図13図13は、一実施形態による、共に長骨上および長骨内に配備された外側骨プレートと髄内くぎの斜視図である。
図14A図14Aは、一実施形態による、留め具の斜視図である。
図14B図14Bは、一実施形態による、留め具の上面図である。
図14C図14Cは、一実施形態による、留め具の底面図である。
図15図15は、一実施形態による、留め具の斜視図である。
図16A図16Aは、一実施形態による、曲げ剛性に関連する固形体を示す。
図16B図16Bは、一実施形態による、ねじり剛性に関連する固形体を示す。
図17図17Aは、一実施形態による髄内くぎを示す。図17Bは、一実施形態による骨プレートを示す。図17Cは、一実施形態による、留め具と共に配備された、図17Aの髄内くぎと図17Bの骨プレートを示す。
図18図18は、一実施形態による、曲げ剛性よりも大きなねじり剛性を有する骨プレートを示す。
図19A図19Aは、一実施形態による、骨プレートの断面構成を示す。
図19B図19Bは、一実施形態による、骨プレートの断面構成を示す。
図19C図19Cは、一実施形態による、骨プレートの断面構成を示す。
図20図20は、一実施形態による、曲げ剛性よりも大きなねじり剛性を有する例示的な骨プレートを示す。
図21図21は、一実施形態による例示的な骨プレートを示す。
図22図22は、一実施形態による例示的な骨プレートを示す。
図23図23は、一実施形態による例示的な骨プレートを示す。
図24A図24Aは、一実施形態による、例示的な骨プレートの上面斜視図を示す。
図24B図24Bは、一実施形態による、例示的な骨プレートの底面斜視図を示す。
図25図25は、一実施形態による、患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法の一例を示す。
図26図26は、一実施形態による、組み合わされた挿入器の斜視図である。
図27図27は、一実施形態による、組み合わされた挿入器の斜視図である。
図28図28は、一実施形態による、組み合わされた挿入器のクローズアップした斜視図である。
図29図29は、一実施形態による、組み合わされた挿入器の斜視図である。
図30図30は、一実施形態による、組み合わされた挿入器の斜視図である。
図31図31は、一実施形態による、組み合わされた挿入器の斜視図である。
図32図32は、一実施形態による、組み合わされた挿入器のクローズアップした斜視図である。
図33図33は、一実施形態による、組み合わされた挿入器の斜視図である。
図34図34は、一実施形態による、大腿骨固定システムの斜視図である。
図35図35は、一実施形態による、患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の例示的な実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解され、図面全体を通して、同様の部品は同様の数字で示されている。本願の図に概略的に説明および図示されている構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計できることは容易に理解されよう。従って、装置、システム、および方法の実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本技術の例示的な実施形態を代表するものである。
【0030】
本開示では、指示内容および記述用語について医学の標準的な水準を用いている。これらの用語は一般的に人体を指すために用いられるが、特定の用語は一般に物理的な対象に適用することができる。
【0031】
3つの相互に垂直な基準面の標準系が用いられる。矢状面によって、体が左右の部分に分けられる。冠状面によって、体が前部と後部に分けられる。横断面によって、体が上部と下部に分けられる。正中矢状面、正中冠状面、または正中横断面によって、体は等しい部分に分けられ、左右対称となる場合がある。矢状面と冠状面の交点によって、上下軸ないし頭尾軸が規定される。矢状面と横断面の交点によって、前後軸が規定される。冠状面と横断面の交点によって、内側-外側が規定される。上下軸ないし頭尾軸、前後軸、および内外軸は相互に垂直である。
【0032】
前とは、体の前方に向かう側を意味する。後とは、体の後方に向かう側を意味する。上ないし頭側は頭部に向かう側を意味する。下ないし尾は足ないし尾部に向かう側を意味する。内側とは、体の正中線に向かう側、特に、体の左右対称面に向かう側を意味する。外側とは、体の正中線から離れていく側、または体の左右対称面から離れていく側を意味する。軸側とは、体の中心軸に向かう側を意味する。背軸側とは、体の中心軸から離れていく側を意味する。同側とは、体に関して同じ側を意味する。反対側とは、特定の状態または構造を有する側から身体の反対側にあることを意味する。近位とは、体幹に向かう側を意味する。近位とは、また、使用者、観察者または操作者に向かう側を意味する場合もある。遠位とは、体幹から離れる側を意味する。遠位は、また、使用者、観察者または操作者から離れる側を意味する場合もある。背側とは、足または他の体構造の上部に向かう側を意味する。底側とは、足の裏または体の構造の底部に向かう側を意味する。前行とは、近位の配置/位置から遠位の配置/位置へ前方に移動すること、または前方向に移動することを意味する。逆行とは、遠位の配置/位置から近位の配置/位置へ後方に移動するか、または後方向に移動することを意味する。矢状は、身体を左半分または右半分に分割する、患者の解剖学的構造の正中線を指す。矢状面は体の中心にあり得、身体を2つの半分に分割する。うつ伏せとは、顔を下にして横になっている人の体を意味する。仰向けとは、顔を上にして横になっている人の体を意味する。
【0033】
本開示は、患者の長骨の骨折に関連した固定のための外科用装置、システム、および/または方法を開示する。長骨骨折のための既存の固定器具および/または固定装置、方法、または措置は限られている。
【0034】
長骨の遠位端の関節に人工関節を施した患者について、くぎ、棒などの既存の髄内留め具は、従来の技術および器具を用いて、長骨の遠位/近位端からの逆行および前行による配備を困難なものにするか、または不可能にする。長骨の遠位/近位端からの逆行/前行の配備を容易にする、簡易で容易な髄内留め具または髄内留め具システムまたは髄内留め具アセンブリが必要である。
【0035】
図1Aは、本開示の一実施形態による固定装置の例を示している。一実施形態では、固定装置は、髄内くぎアセンブリを含むことができる。髄内くぎアセンブリ100は、大腿骨102などの長骨内に配備された状態で示されている。髄内くぎアセンブリ100は、髄内くぎ101を含むことができる。図示される髄内くぎアセンブリ100は、本開示に従って用いられ得る髄内くぎアセンブリの一例である。
【0036】
“髄内くぎ”は、患者の髄内の空洞内ないし管内に配備されるよう、設計され、構成され、操作され、および/または適合された留め具のことである。髄内くぎは、剛性または可撓性であり、モジュール式、単一の単一部品、システムの一部、および/またはアセンブリの一部とすることができる。髄内くぎは、チタン、チタン合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム鋼合金、ニッケル-チタン合金、ニチノールなどの形状記憶合金、生体適合性セラミックス、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリラクチドポリマー(例えば、PLA)などの生体適合性ポリマーおよび/または他のものを含むがこれらに限定されない、任意の生体適合性材料から形成することができる。
【0037】
“大腿骨”、“大腿骨(複数形 femurs)”、“大腿骨(複数形 femora)”、または“大腿部の骨”は、患者(例えば、ヒトまたは動物)の体内の長骨を指している。大腿骨は、四足類脊椎動物における後肢の近位骨である。大腿骨頭は骨盤骨の寛骨臼と関節接合して股関節を形成し、一方、大腿骨の遠位部分は脛骨(脛骨)および膝蓋骨(膝蓋骨)と関節接合して膝関節を形成する。ほとんどの測定値によれば、2つの(左と右)大腿骨は体の最も強い骨であり、ヒトでは最も大きく最も厚いものである。大腿骨は、長骨として分類されるものであり、臀部と膝における隣接骨と関節接合する、骨幹(骨幹ないし本体)および2つの骨端(四肢)を備える。大腿骨は、上部(近位部分)、本体、および下部(遠位部分)を含む。上部は、頭部、首、2つの転子、および隣接構造を含む。大腿骨の本体(または骨幹)は大きく、厚く、ほぼ円筒形である。大腿骨の下部または下肢(または肢遠位部)は最も厚い大腿部の肢であり、上肢(上部)は最も短い大腿部の肢である。下部はやや立方体形状をしているが、その横方向の直径はその前後(前から後)よりも大きい。下部には、顆として知られる2つの長方形の隆起がある。(Wikipedia.comで“大腿骨”を検索。2022年5月20日改訂、2022年8月1日閲覧)。
【0038】
本明細書で使用される、“外側顆”は、大腿骨の下肢、遠位端の2つの突起のうちの1つを指している。もう一つは内側顆である。外側顆は隆起しており、その前後および横方向の直径は両方とも広い。(Wikipedia.comで“外側顆”を検索。2020年4月17日改訂、2020年8月1日閲覧)。本明細書で使用される、“内側顆”は、大腿骨の下肢、遠位端の2つの突起のうちの1つを指し、もう一つは外側顆である。内側顆は、膝の内側にある質量中心によってもたらされる重量負荷がより大きいため、外側(外の)顆よりも大きい。(Wikipedia.comで“内側顆”を検索。2020年5月12日改訂、2020年1月6日閲覧)。“浄化”とは、顆の上にある骨の丸みを帯びた隆起を指す。ヒトにおける上顆の例としては、大腿骨の内側上顆、大腿骨の外側上顆、上腕骨の内側上顆、および上腕骨の外側上顆が挙げられるが、これらに限定されない。(Wikipedia.comで“浄化”を検索。2018年11月27日改訂、2022年8月1日閲覧)。
【0039】
髄内くぎアセンブリ100は、遠位端部104、近位端部106、およびシャフト108を含むことができる。遠位端部104は、連結部110を含み、近位端部106は、先端部112を含むことができる。髄内くぎアセンブリ100は、長手方向軸114を含む。
【0040】
本明細書で使用される“端部”は、境界または縁がある領域または長さの部分または構造を指す。端部はまた、何かの範囲を示す点および/または何かが存在しなくなる点を指すことができる。端部は、構造または表面の縦方向における最も端の部分または最後の部分とすることもできる(Merriam-Webster.comで“端部”を検索。Merriam-Webster、2021.Web.2021年8月4日改訂)。“長手方向軸”は、最長寸法の一端から反対端まで延在する構造、機器、物体、装置、またはその一部の軸を指す。典型的には、長手方向軸は、長手方向軸に沿って、構造、機器、物体、装置、またはその一部の中心を通過する。長手方向軸に用いられる中心点は、幾何学的中心点および/または質量中心点とすることができる。
【0041】
図1Bは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの側面の斜視図である。髄内くぎアセンブリ100は、患者の長骨(例えば、大腿骨102)に対する、重量支持荷重、軸方向荷重、曲げ荷重、ねじり荷重、および構造的支持を負う働きをする。髄内くぎアセンブリ100は、髄内くぎに用いられる様々な生体適合性材料から作製することができる。髄内くぎアセンブリ100は、その長さに沿って中空とすることができる。髄内くぎアセンブリ100を通る通路によって、ガイドワイヤに沿った髄内くぎアセンブリ100の配備を可能にすることができる。髄内くぎアセンブリ100は、円形、卵形、多角形などの長手方向断面を有し得る。本明細書で使用される“通路”は、装置、器具、構造、部材、機器、部品、システム、またはアセンブリの本体におけるダクト、容器、開口部、空間、または他の通路を指す。特定の実施形態では、通路は、通路が広いというよりむしろ狭く、長い。(wordhippo.com、WordHippo、2021年、Webで“通路”を検索。2021年11月15日閲覧、改訂)。
【0042】
髄内くぎアセンブリ100の断面直径および長さは、長骨骨折の年齢、性別、特質および位置(例えば、骨幹、骨幹端部、関節周囲など)、患者の大きさなどに応じて変化し得る。特定の実施形態では、約10mmの断面を有する髄内くぎアセンブリ100を用いることができる。シャフト108は、遠位端部104および近位端部106を接続した剛構造である。遠位端部104および近位端部106はまた、それぞれ剛性とすることができる。特定の実施形態では、シャフト108、遠位端部104、および/または近位端部106は、ある程度の弾性を含んでもよい。シャフト108、遠位端部104、および/または近位端部106の弾力の量は、変化してもよくまたは一貫していてもよく、長骨の髄管内への髄内くぎアセンブリ100の配備を容易にするように設計することができる。
【0043】
シャフト108は、遠位端部104と近位端部106とを接続する。シャフト108の長さは、髄内くぎアセンブリ100の長さを決定し得るものである。特定の実施形態では、シャフト108は、髄内くぎアセンブリ100が患者の長骨の髄内管内の自然な曲線に従うような曲線または湾曲を含む。
【0044】
シャフト108、遠位端部104、および近位端部106は、単一の材料から製造され得る。別の実施形態では、シャフト108、遠位端部104、近位端部106のそれぞれまたはそれらの組み合わせは、髄内くぎアセンブリ100を形成するために接続、接合、または連結されることになる単一の材料から作製されてもよい。
【0045】
近位端部106は、先端部112を含み得る。先端部112は、先端部112が、単一の点に達するまで、または先端部112の鈍い端面を画定するまで、直径が小さくなるテーパ壁を含み得る。“先端部”とは、一方の端部の直径が反対側の端部の直径よりも大きい機械的な機器、装置、部材、構成部品、システム、アセンブリ、または構造を指す。特定の実施形態では、先端部は、ベース、シャフト、および/または本体に接続または連結された近位端部と、自由端である遠位端部とを有する。先端部は、丸、円形、正方形、楕円形、長方形などを含む様々な断面形状を有し得る。特定の実施形態では、先端部は、一方の端部のより大きな直径から反対側の端部の小さな鋭利な端部まで漸進的に細くなり得る。あるいは、先端部の自由端は、鋭利な先端の代わりに平坦または角度の付いた端部を有し得る。
【0046】
先端部112は、髄腔/随管内の髄内くぎアセンブリ100の配備を容易にする働きをする。先端部112は、髄腔/随管を通って近位端部106を案内する助けとなることができ、また、髄内くぎアセンブリ100が配備されるときに骨髄を脇に移動させる助けとなることができる。特定の実施形態では、近位端部106はまた、髄内くぎアセンブリ100を所定の位置に固定するため、または髄内くぎアセンブリ100を所定の位置に取り付けるために使用される留め具(例えば、骨ねじ)を受け入れるための1つまたは複数の開口部(図示せず)を含むことができる。1つまたは複数の開口部は、留め具のねじ山と係合する内ねじ山を含むことができ、または留め具が髄内くぎアセンブリ100を通過して、1つまたは複数の開口部の反対側で骨と係合することを可能にすることができる。
【0047】
“ねじ山”または“ねじ山(複数)”は、回転方向の運動または力と直線方向の運動または力との間で相互変換するために用いられる螺旋構造を指す。ねじ山は、円筒または円錐の周りにらせんの形で巻かれた隆起であり、円筒の周りに巻かれた隆起をストレートねじ山と呼び、円錐の周りに巻かれた隆起をテーパねじ山と呼ぶ。ストレートねじ山またはテーパねじ山は、雄ねじとも呼ばれる外側ねじの例である。雄ねじに対応するねじ山は、雌ねじと呼ばれ、ナットまたは基板または他の構造の一致する穴、通路、または開口部の内壁内に形成される。留め具と共に用いられるねじ山は、ねじと称され得、単純な機械の重要な機構であり得、またねじ付き留め具とも称され得る。ねじ付き留め具の機械的な利点は、ねじ付き留め具の1回転で移動する直線距離であるリードに依存するものである。(Wikipedia.comで“ねじ”を検索。2022年7月17日改訂、2022年8月1日閲覧)。
【0048】
遠位端部104は、オフセット部116を含む。オフセット部116は、遠位端部104の遠位端部(例えば、連結部110)を髄内くぎアセンブリ100の残りの部分(例えば、髄内くぎ101のシャフト108)に相互接続する働きをする。オフセット部116は、様々な構成を有することができ、そのいくつかの例は、本明細書に開示される。
【0049】
オフセット部116は、長骨の遠位端内で遠位端部104の向きを後方に変える。例えば、大腿骨において、オフセット部116は、遠位端部104を、外側顆、内側顆、および膝蓋面の間にある従来の入り口点(すなわち、遠位人工関節のない患者に使用され得るもの)から、例えば、顆間窩内など、外側顆と内側顆の間のより後方の別の入り口点(例えば、大腿骨窪みとも呼ばれる後部顆間窩)に方向を変える。
【0050】
本明細書で使用される“窪み”は、大抵隣接する関節骨に安定化をもたらす骨の凹部を指す。窪みの例としては、尺骨の滑車切痕、尺骨の橈骨切痕、胸骨切痕、下顎切痕、および大腿骨の遠位端部の大腿骨切痕が挙げられるが、これらに限定されない。(aCC-BY-NC-SAライセンスで共有されるHartline,Rosanna,“7.6:BoneMarkings”,改訂、ウェブサイトhttps://bio.libretexts.org/、2022年7月26日閲覧)。オフセット部116は、互いに対してオフセットされるように、2つの軸(長手方向軸114とオフセット軸122)を組み合わせたものである。2つの軸は互いに整列していない。
【0051】
有利には、オフセット部116は、外科医が、従来使用され得るよりも後方の入り口点で、長骨の遠位端から逆行して配備することを可能にする。髄内くぎアセンブリ100をより後方の入り口点で配備することは、患者が全膝関節置換(TKR)または部分的な膝関節置換を受けた場合に有利であり得、この置換には、外側顆と内側顆との間のより前方の入り口点(例えば、顆頭間溝の中央)を介して髄管へのアクセスを遮断する大腿骨コンポーネントインプラントが含まれる。有利には、オフセット部116は、患者に配備され得る様々な人工器官に対応するように設計され得る。例えば、オフセット部116は、接合または固定人工器官、患者または完全人工膝関節置換術のための大腿骨コンポーネント、全人工股関節置換術のための大腿骨コンポーネントのような人工器官を構成するよう、および/または患者の骨のインプラント周囲割れ目に対処するよう、構成することができる。特定の実施形態では、人工器官は、髄内くぎアセンブリ100を配備する手順の前に取り付けられている。例えば、オフセット部116は、髄内くぎ101の遠位端部104から延在することができる。オフセット部116は、膝関節インプラントの予め組み込まれた大腿骨コンポーネントとの干渉を回避するように構成され得る。
【0052】
図1Cおよび図1Dを参照すると、一実施形態では、オフセット部116は、第1の曲り部118および第2の曲り部120を含む。第1の曲り部118および第2の曲り部120は、髄内くぎアセンブリ100の長手方向軸114に対して曲り部がどのように角度を付けられているかによって記述することができる。例えば、一実施形態では、髄内くぎアセンブリ100が患者の長骨内に配備されるとき、第1の曲り部118は、長手方向軸114から後方に向けて角度付けられる。第1の曲り部118は、長手方向軸114とオフセット部116の本体128との間の第1の角度126を画定し得る。第1の角度126は、様々な角度であり、約3度から約90度の範囲であり得る。特定の実施形態では、第1の角度126は、約45度とすることができる。
【0053】
加えて、第2の曲り部120は、髄内くぎアセンブリ100が患者の長骨内に配備されるとき、長手方向軸114から前方に向けて、または長手方向軸114に対して角度付けられる。第2の曲り部120は、本体128とオフセット軸122との間の第2の角度130(すなわち、オフセット部116の長手方向軸)を画定することができる。第2の角度130は、様々な角度であり、約25度から約155度の範囲であり得る。特定の実施形態では、第2の角度130は、約135度とすることができる。
【0054】
一実施形態では、第1の角度126と第2の角度130は、第1の曲り部118と第2の曲り部120をそれらの間の本体128と共に接合することにより、連結部110が長手方向軸114に平行な方向に、またはオフセット軸122に沿って、延在するような補助的な角度とすることができる。言い換えれば、第2の曲り部120は、第2の曲り部120に接続された連結部110が長手方向軸114に平行な方向に延在するか、または向き付けられるように、長手方向軸114から前方に向けて、または長手方向軸114に対して角度付けられ得る。連結部110の断面中心124を通って第2の曲り部120に入るオフセット軸122は、長手方向軸114に実質的に平行である。
【0055】
図1Dは、長手方向軸114に対する、一実施形態の例示的な第1の角度126および例示的な第2の角度130を示している。一実施形態では、第1の曲り部118の例示的な第1の角度126は、約90度未満であり、第2の曲り部120の第2の角度130は、約90度より大きい。図示の実施形態では、第1の角度126および第2の角度130は、補足の角度である。もちろん、他の実施形態では、第1の角度126および第2の角度130は、補足的な角度ではなくてもよい。
【0056】
本体128の長さは、長骨のタイプおよび/または治療される骨折のタイプに応じて変化し得る。同様に、第1の曲り部118および/または第2の曲り部120の角度は、長骨のタイプおよび/または治療される骨折のタイプに応じて変化し得る。
【0057】
代替的に、または追加的に、オフセット部116は、第1の曲り部118などの単一の曲り部を含み得る。そのような実施形態では、連結部110と遠位端部104の端部は、長骨の遠位関節から後方に延在する。
【0058】
髄内くぎアセンブリ100の遠位端部104および/またはオフセット部116は、髄内くぎアセンブリ100を所定の位置に固定する、または髄内くぎアセンブリ100を所定の位置に取り付けるために用いられる1つまたは複数の留め具(例えば、骨ねじ)を受け入れるように構成された1つまたは複数の開口部132を含むことができる。1つまたは複数の開口部132は、留め具のねじ山と係合する内ねじ山を含むことができ、または留め具が髄内くぎアセンブリ100を通って1つまたは複数の開口部132の反対側で骨と係合することを可能にする。1つまたは複数の開口部132のうちの1つは、オフセット部116の本体128内にあり、1つまたは複数の開口部132のうちの1つは、遠位端部104に沿った別の位置にあり得る。留め具開口部132は、様々な角度で長骨内に入れられる留め具を受け入れるように構成され得る。特定の実施形態では、1つまたは複数の開口部132は、第1の曲り部118と第2の曲り部120との間に配置され得る。開口部132は、髄内くぎアセンブリ100にねじり剛性を与えるために、髄内くぎ101と協働するように構成された交差固定留め具を受け入れることができる。
【0059】
図1Eおよび図1Fは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの、それぞれ上面図および底面図である。図1Gおよび図1Hは、一実施形態による、図1Aの髄内くぎの、それぞれ遠位端部の図および近位端部の図である。図1Gは、連結部110と、遠位端部104から近位端部106に延在し得る中空通路134とを示している。
【0060】
遠位端部104の連結部110は、髄内くぎアセンブリ100の配備のために、髄内くぎアセンブリ100をドライバ(図3A参照)に接続する働きをする。連結部110は、連結部110とドライバとの間の連結/接続を行うために、様々な機構および/または接合部を用い得る。図示の実施形態では、連結部110は、挿入器の対応するドライバから延在する隆起ないし“舌部”を受け入れる溝234の構成(図2C参照)を含む。溝234は、舌部と係合して、髄内くぎアセンブリ100を配備する際に、ドライバが髄内くぎアセンブリ100を長手方向に駆動しまたは移動させることを可能にする。溝234は、髄内くぎアセンブリ100の配備を容易にするために、いくつかのトルク力を連結部110に加えることを可能にする。特定の実施形態では、溝234は、配備処理中に、必要に応じて髄内くぎアセンブリ100を後退させることができるように、摩擦嵌合で舌部と係合することができる。特定の実施形態では、連結部110は、ドライバの後退が連結部110および連結部110に接続された構造をも後退させるように、ドライバと係合することができる。
【0061】
図1Hは、先端部112が鈍い端面140上の中空通路134内の単一点に達するまで、次第に小さくなる直径を有するテーパ壁136を有する先端部112を示している。
【0062】
図1B図1Hを参照すると、髄内くぎアセンブリ100は、下側142、上側144、前側146、および後側148を含むことができる(図1A参照)。
【0063】
本明細書で使用される場合、“側部”は、特に端部と対比される、物のより長い境界面または境界線、物の境界または面を形成する線または面、薄い物の表面、幾何学的図形または形状の境界線または構造などのうちの1つを含むが、これらに限定されない構造または構造の一部を指す。(Merriam-Webster.2021WebのMerriam-Webster.comで“側部”を検索。2021年8月3日改訂)。側部はまた、多角形(2次元形状)の幾何学的縁部および/または多面体(3次元形状)の面または表面を指すことができる。(2021年7月21日、CC-BY-SA3.0改訂のWikipedia.comで“側部”を検索。2021年8月3日閲覧)。側部はまた、構造上の位置を指すことができる。例えば、側部は、構造の中心軸から最も遠い位置にある、またはそれに近い、構造上の位置であり得る。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語“側部”は、物が第2の物内に、または第2の物に関連して、配備される場所および/または方法に基づいて、物の側部を画定しおよび/または向き付けおよび/または他のものから区別する、1つまたは複数の修飾語句を含むことができる。例えば、患者のためのインプラントの文脈では、インプラントが配備されるとき、インプラントの側部は、側部が患者に対してどこにあるかに基づいて名付けられ得る。一例として、インプラントの“前側”は、インプラントが患者に配備されるとき患者に対してインプラントの反対側の前方にある側部を指す。
【0065】
さらに図1B図1Hを参照すると、髄内くぎアセンブリ100はまた、内側150および外側152を含むことができる(図1E参照)。内側150は、患者の内側に面してもよく、外側152は、髄内くぎアセンブリ100が配備されるとき、患者の外側に面してもよい。
【0066】
一実施形態では、オフセット部116は、髄内くぎアセンブリ100の遠位端部104の近位にある。他の実施形態と同様に、オフセット部116は、第1の曲り部118および第2の曲り部120を含むことができる。ここで、図1C図1D、および図1Eを参照すると、第1の曲り部118は、髄内くぎ101の前側146から髄内くぎ101の後側148に向かって延在することができる。加えて、第2の曲り部120は、髄内くぎ101の後側148から髄内くぎ101の前側146へ延在することができる。このようにして、髄内くぎアセンブリ100は、2つの曲り部118、120を含み得る。
【0067】
別の実施形態では、第1の曲り部118は、髄内くぎ101の後側148から髄内くぎ101の前側146に向かって延在してもよい。加えて、第2の曲り部120は、髄内くぎ101の前側146から髄内くぎ101の後側148へ延在してもよい。このようにして、髄内くぎアセンブリ100は、2つの曲り部118、120を含むことができる。
【0068】
一実施形態では、第1の曲り部118は、遠位端部104に近位であり、長手方向軸114に対して後方に傾斜している。第2の曲り部120は、遠位端部104と第1の曲り部118との間に配置することができる。第2の曲り部120は、長手方向軸114に対して前方に傾斜している。本体128は、第1の曲り部118と第2の曲り部120との間に延在する。
【0069】
一実施形態では、第2の曲り部120は、オフセット軸122を画定する。図示の実施形態では、有利には、第2の曲り部120は、オフセット軸122が髄内くぎ101の遠位端部104から長手方向軸114に実質的に平行に延在するように構成することができる。このようにして、オフセット軸122に沿った横方向の力は、オフセット部116の本体128を介して長手方向軸114に伝達される。
【0070】
当業者は、第1の曲り部118および/または第2の曲り部120が、髄内くぎ101の長手方向軸114に対して内側におよび/または外側に角度付けられ得ることを理解するであろう。
【0071】
図1B図1C、および図1Dを参照すると、オフセット部116は、髄内くぎ101の内側150および/または外側152から見たときに特定の形状を有し得る。図示の実施形態では、オフセット部116の第1の曲り部118、本体128、および/または第2の曲り部120は、髄内くぎ101の内側150および/または外側152から見たときに“S”形を形成し得る。“S形”とは、文字“S”の1つ以上の象徴に類似または模倣するか、またはそれに適合するか、またはそれに一致する形状を有する任意の機械的機器、装置、本体、ベース、突起、部材、構成要素、システム、アセンブリ、または構造を指す。特定の実施形態では、S形状を有する構造の端部は、S形状の中心に向かって後方に反ってもよい。他の実施形態では、S形状を有する構造の端部は、S形状の中心から延在してもよく、1つまたは複数の曲りおよび/または1つまたは複数の曲線を含んでもよいが、端部は、必ずしもS形状の中心に向かって反らなくてもよい。換言すれば、構造はS字形を有してもよく、S字形の曲り部分は(例えば、文字Sで)それ自体に折り返さなくてもよい。
【0072】
図1lは、図1Aの、大腿骨コンポーネント154と髄内くぎ101を取り付けた大腿骨102の遠位端部の斜視図である。大腿骨コンポーネント154は、全膝関節置換または部分膝関節置換のための人工器官の一部であり得る。
【0073】
大腿骨102には骨折160がある。大腿骨コンポーネント154は、内側顆の一部を覆う内側顆部分162と、大腿骨102の外側顆の一部を覆う外側顆部分164とを含む。
【0074】
“骨折”とは、骨の連続性に部分的または完全な破綻がある医学的状態を指す。骨は、1つまたは複数の断片に分解され得る。(Wikipedia.com,CC-BY-SA3.0,2022年4月21日改訂で“骨折”を検索。2022年6月10日閲覧)。2骨折のタイプは1つ以上あり得る。骨折の名称および/またはタイプは、とりわけ、関与する特定の骨、骨折に起因する骨の状態、骨のタイプに基づくことができる。骨折は、閉鎖骨折/単純骨折または開放骨折/複雑骨折であり得る。骨折は、転位のない骨折または転位がある骨折として説明することができる。骨折は、線状骨折、横骨折、斜め骨折、らせん骨折、圧迫骨折/くさび状骨折、嵌入骨折、および剥離骨折などの特定のパターンを有する。骨折には、不完全骨折、完全骨折、粉砕骨折があり得る。足の骨の骨折は、リスフラン骨折(足根からの1つまたは複数の中足骨の転位)、ジョーンズ骨折(第5中足骨の近位端の骨折)、疑似ジョーンズ骨折(第5中足骨の基部の関節面を含む第5中足骨の近位端の骨折)、行軍骨折(中足骨の遠位3分の1の骨折)、くさび状骨骨折(くさび状骨の1つの骨折)、踵骨骨折(踵骨の骨折)と呼ばれ得る。(Wikipedia.com、CC-BY-SA3.0.2022年4月21日改訂で“骨折”を検索。2022年6月10日閲覧)。
【0075】
髄内くぎアセンブリ100は、患者の髄内管内に配備される過程にある。オフセット部116は、第1の曲り部118に近接する第1の端部と、第2の曲り部120に近接する第2の端部(例えば、遠位端部104)とを含む。オフセット部116は、大腿骨の窪み166内に適合する大きさに設定された直径を有する。一実施形態では、オフセット部116は、約11.2mmの直径を有することができる。一実施形態では、大腿骨窪み166は、髄内くぎアセンブリ100(例えば、髄内くぎ101)の入り口点として機能する。髄内くぎアセンブリ100が髄内管内を逆方向に前進すると、シャフト108は大腿骨102の骨幹に沿って移動し、オフセット部116は髄内管の遠位端に近い湾曲した領域に移動する。一実施形態では、髄内くぎアセンブリ100が配備されるとき、遠位端部104は大腿骨窪み166内に延在することができる。
【0076】
有利には、髄内くぎアセンブリ100のオフセット部116は、大腿骨窪み内に遠位端部104を配置し、髄内くぎアセンブリ100と大腿骨コンポーネント154との間の干渉を回避する。
【0077】
骨折160が、大腿骨102の遠位端が伸長しているものであると仮定する。従って、所望の縮小のために、大腿骨102は骨折160で屈曲している必要がある。有利には、本開示は、髄内管内で大腿骨に接触し、大腿骨102の遠位端を伸長ではなく屈曲するよう移動させて縮小を容易にする。オフセット部116は、髄内管の前壁(大腿骨102の前皮質)に接触し、それによって大腿骨の遠位端を前方に押すことができる。この前での接触および/または押圧は、大腿骨102縮小の役に立つ。
【0078】
特定の実施形態では、オフセット部116の前面は、大腿骨窪み166に接触し、それによって圧力を加えて大腿骨102の縮小を容易にすることができる。“干渉”とは、別の物体、人、動物、植物、または構造の動作、移動、機能、および/または配備を妨げる、遮断する、中断する、停止する、および/または防止する、物体、人、動物、植物、または構造による作用を指す。
【0079】
本明細書で使用される場合、“屈曲”は、関節、特に骨関節、または2つの骨部を曲げる行為を指す。伸長の拮抗作用。(wordhippo.comで“屈曲”を検索。WordHippo2021,Web.2021年12月8日閲覧、改訂)。屈曲は、関節の部分を非屈曲または伸長状態から非伸長または屈曲状態に移動させる行為を含み得、屈曲および/または伸長の程度で表され得る。伸長および/または屈曲の状態を表現するために用いることができる程度の範囲は、特定の関節の動きの範囲に依存し得る。本明細書で使用される場合、“伸長”は、関節、特に骨関節、または2つの骨部を伸ばす行為を指す。屈曲の対抗作用。(wordhippo.comで”屈曲”を検索。WordHippo,2021.Web.22021年12月8日閲覧.改訂)。伸長は、関節の部分を屈曲状態から伸長状態に移動させる行為を含み得、伸長および/または屈曲の程度で表され得る。伸長および/または屈曲の状態を表現するために用いることができる程度の範囲は、特定の関節の動きの範囲に依存し得る。
【0080】
図1A図1Iは、オフセット部116を、患者の髄管内に配備することができる単一のインプラント(例えば、髄内くぎアセンブリ100)に組み込む実施形態を示している。特に、オフセット部116は、長骨がその遠位端に関節形成インプラントを含む長骨の遠位端からの逆行配備を可能にする。もちろん、オフセット部116の他の代替的な実施形態は、本開示の範囲内のものである。特定の実施形態では、髄内くぎアセンブリ100は、髄内くぎの一部として形成されたオフセット部116を含むように成形、設計、または構成された単一の髄内くぎを含み得る。あるいは、または加えて、髄内くぎアセンブリ100は、オフセット部116を含むアダプタおよび/または挿入器を含む。図2A図2Gは、1つの代替的な実施形態を示す。オフセット部116は、前方/後方の方向/軸に関してオフセットすることができる。代替的に、または追加的に、オフセット部116は、内側/外側の方向/軸に関してオフセットされ得る。
【0081】
図2Aは、一実施形態による、大腿骨102などの長骨内のアダプタ204に接続された髄内くぎ202を含む髄内くぎシステム200の斜視図である。アダプタ204は、髄内くぎアセンブリ100のオフセット部116として、1つまたは複数の同様の特徴、機能、および/または態様を果たすことができる。一実施形態では、オフセット部116は、アダプタ204を含み、アダプタ204は、髄内くぎ202の遠位端部208に接続するように構成される。
【0082】
図2Bは、一実施形態による、図2Aの髄内くぎ202およびアダプタ204の斜視図である。髄内くぎ202は、近位端部206、遠位端部208、およびそれらの間のシャフト210を含み得る。シャフト210は、長手方向軸212を含み得る。髄内くぎ202は、まっすぐな剛性の髄内くぎであってもよく、および/または患者の長骨の自然な曲線に従う弓形を含んでもよい。髄内くぎ202は、遠位端部208がオフセット部116を含まないことを除いて、上述した髄内くぎアセンブリ100の髄内くぎ101に類似することができる。髄内くぎ202は、髄内くぎアセンブリ100に関連して上述した1つまたは複数の開口部132と同様の配置、機能、および動作で、1つまたは複数の開口部214を含み得る。
【0083】
遠位端部208は、髄内くぎ202をアダプタ204に連結するための第1の連結部216を含み得る。第1の連結部216は、アダプタ204と係合するように構成および/または配置される。第1の連結部216は、アダプタ204に作用する長手方向の力および/またはねじり力が、髄内くぎ202の配備のために遠位端部208に伝わることを可能にする。
【0084】
アダプタ204は、第2の連結部218、第3の連結部220、および本体222を含む。第2の連結部218は、第1の連結部216と係合するように構成される。第3の連結部220は、挿入器の第4の連結器(図3A参照)と係合するように構成される。本体222は、一方の端部に第1の曲り部224を含み、反対側の端部に第2の曲り部226を含み得る。第1の曲り部224は、第2の連結部218と本体222との間に位置し、第2の連結部218および髄内くぎ202の長手方向軸212に対して本体222を後方に向ける。第2の曲り部226は、本体222と第3の連結部220との間に位置し、第3の連結部220および髄内くぎ202の長手方向軸212に対して本体222を後方に向ける。特定の実施形態では、第2の曲り部226は、第3の連結部220が本体222から長手方向軸212に平行に延在するように、第3の連結部220を向き付ける。一実施形態では、第1の曲り部224は、長手方向軸212から後方に角度を付けられ、第2の曲り部226は、第3の連結部220が長手方向軸212に平行に延在するように、長手方向軸212から前方に角度を付けられる。
【0085】
図1Bおよび図2Bを参照すると、特定の実施形態では、髄内くぎアセンブリ100および/または髄内くぎ202は、髄内くぎアセンブリ100および/または髄内くぎ202が配備されるとき、連結部110および/または第3の連結部220に接続するくぎキャップを含み得る。くぎキャップは、髄内くぎアセンブリ100および/または髄内くぎ202を配備するために用いられる入り口点を閉じることを容易にし得るものである。特定の実施形態では、アダプタ204は、髄内くぎ202のためのくぎキャップとして機能し得る。
【0086】
当業者は、髄内くぎアダプタ204およびアダプタ204が、近位端部206および/または遠位端部208で第1の連結部216と係合するように適合され得ることを認識する。あるいは、または加えて、髄内くぎアセンブリ100は、近位端部106および/または遠位端部104のいずれかまたは両方にオフセット部116を備えて製造されることができる。このようにして、オフセット部116の利点は、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎ202のいずれかの端部、またはそれら両方の端部で達成することができる。
【0087】
図2Cは、一実施形態による、図2Aのアダプタの斜視図である。図2Cは、第2の連結部218、第3の連結部220、および本体222をより詳細に示している。特定の実施形態では、第2の連結部218、第3の連結部220、および本体222は、円形の長手方向の断面を有する。他の形状の長手方向の断面も用いることができる。
【0088】
オフセット部116に関して上述したように、アダプタ204は、第2の連結部218から第3の連結部220へ延在する中空通路228を含むことができ、これは、ガイドワイヤを介してアダプタ204を配備するために用いることができる。一般に、中空通路228は、アダプタ204全体にわたって共通の直径を有し、髄内くぎ202内の対応する通路の直径に一致する直径を有し得る。第2の連結部218、第3の連結部220、および本体222の長さは、配備された関節形成インプラントを取り除くために必要なオフセットの量、患者の年齢、性別、サイズ、および解剖学的構造に応じて変化し得る。
【0089】
一実施形態では、髄内くぎシステム200は、第2の曲り部226に接続された遠位連結部(例えば、第3の連結部220)を含み得る。第3の連結部220は、挿入器に係合および/または接続および/または連結するように構成され得る(図3B図3C参照)。一実施形態では、第1の曲り部224は、シャフト210に接続される。図示の実施形態では、第2の連結部218は、第1の曲り部224とシャフト210を接続することができ、第2の連結部218は、近位連結部と称することができる。第1の曲り部224、本体222、および第2の曲り部226は、第1の曲り部224の近くでシャフト210に術前に連結することができる。一実施形態では、第2の連結部218は、摩擦嵌合、ラッチ、クリップ、締まり嵌め、磁気嵌合(両側の端部に磁石および磁性材料)などによって、第1の曲り部224をシャフト210に連結することができる。
【0090】
図2D図2E図2F、および図2Gは、一実施形態による、図2Cのアダプタのそれぞれの遠位端図、近位端図、側面図、および側面断面図である。アダプタ204は、遠位端部230および近位端部232を有する。髄内くぎ202の第1の連結部216およびアダプタ204の第2の連結部218および第3の連結部220は、髄内くぎ202の配備/取り除きのために、髄内くぎ202をドライバ(図3A参照)と接続する働きをする。
【0091】
第1の連結部216は、複数の連結部とドライバとの間の連結/接続を行うために、様々な特徴および/または境界を用いることができる。図示の実施形態では、連結部216、218、220はそれぞれ、挿入器の別の連結部216、218、220またはドライバから延在し得る1つまたは複数の“舌部”ないしタブ236を受け入れる1つまたは複数の溝234の配置を含み得る。1つまたは複数の溝234は、1つまたは複数の“舌部”ないしタブ236と係合して、髄内くぎ202を配備するときに、ドライバが髄内くぎ202を長手方向に押し進めないし移動させることを可能にし得る。1つまたは複数の溝234によって、いくつかのトルク力が連結部216、218、220に加えられて、髄内くぎ202の配備を容易にし得る。特定の実施形態では、1つまたは複数の溝234は、配備の手順の間に必要に応じて髄内くぎ202を後退させることができるように、摩擦嵌合で1つまたは複数の“舌部”ないしタブ236と係合し得る。特定の実施形態では、連結部216、218、220は、ドライバの後退によって連結部216、218、220および連結部216、218、220に接続された構造をも後退させるように、互いにおよびドライバと係合し得る。本明細書で使用される場合、“タブ”は、他のより大きな構造から延在するか、または突出する構造を指す。タブは、短くて広くても、また、長くて薄くてもよい。典型的には、タブは剛性であり、ある程度の柔軟性を含むことができる。タブの例としては、何かを把持または引っ張ることができる小さなフラップまたはループ、一方向に延びる長い薄い突起、カードまたはシートからの突起などが挙げられる。特定の実施形態では、タブは、他の構造の付属物または拡張物であり得る。(Merriam-Webster.comで“タブ”を検索。Merriam-Webster.2021.Web.2021年7月27日.改訂)。
【0092】
当業者は、オフセット部116の特徴、機能、および利点は、髄内くぎアセンブリ100などの髄内くぎに組み合わせることができ、上述の例示的な髄内くぎ202と共に用いられるアダプタ204などのアダプタ204に統合することができ、患者の髄内管内に髄内くぎを挿入するために用いられる挿入器に組み合わせることができ、または髄内くぎおよび/またはアダプタもしくは挿入器の両方に全体的または部分的に実装することができることを理解する。例えば、一実施形態では、アダプタ、または挿入器のドライバは、髄内くぎの長手方向軸から前方に角度を付けられた第2の曲り部を含み得、髄内くぎの遠位端部は、第1の曲り部と第2の曲り部との間の適切な連結を有した、髄内くぎの長手方向軸から後方に角度を付けられた第1の曲り部を含み得る。これらの実施形態およびその他の変形例のそれぞれは、本開示の範囲内と見なされる。
【0093】
当業者はまた、オフセット部116の特徴、機能、および利点は、前方および/または後方の方向の1つまたは複数の曲りに限定されず、内側/外側、前方/後方、上部/下部、頭部/尾部などを含むがこれらに限定されない他の方向に曲る1つまたは複数のオフセット部116をもたらすために、人工器官、アダプタ、および/または器具に用いることができることを理解する。オフセット部116によって、外科医が阻害しないことを望む、存在する組織または構造を避けるための処置で人工器官を用いることが可能となる。
【0094】
特定の実施形態では、オフセット部116および/または本開示の実施形態で使用されるアダプタ204には、様々な名称および/またはラベルが使用され得る。例えば、オフセット部116はまた、オフセット部、迂回部、ルーティングセクション、再ルーティングセクション、“S字形”部などと称され得る。あるいは、または加えて、オフセット部116は、関節形成インプラントが配備されたときに操作者が髄腔にアクセスすることを可能にし、またはオフセット部が関節形成インプラントが配備されたときでも髄内くぎの配備を受け入れることから、アクセス可能部または収容部と称され得る。代替として、または加えて、アダプタ204(または挿入ドライバ)は、オフセットアダプタ、迂回アダプタ、ルーティングアダプタ、再ルーティングアダプタ、“S字型”アダプタなどとも称され得る。あるいは、または加えて、オフセット部116は、関節形成インプラントが配備されたときに操作者が髄腔にアクセスすることを可能にし、またはオフセット部が関節形成インプラントが配備されたときでも髄内くぎの配備を受け入れることから、アクセス可能部または収容部と称され得る。
【0095】
髄内くぎアセンブリ100、オフセット部116、髄内くぎ202、および/またはアダプタ204は、様々な材料から作製され得る。一実施形態では、使用される材料は、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200が逆行または前進のいずれかで髄内管内に配備されることを可能にするのに十分な柔軟性を有する。例えば、一実施形態では、髄内くぎアセンブリ100、オフセット部116、髄内くぎ202、および/またはアダプタ204は、ニチノールなどの形状記憶合金から作製され得る。従って、そのような構成部品は、配備する間曲がり、配備後に元の形状に戻り得る。
【0096】
図3Aは、一実施形態による、大腿骨102のような長骨内に配備された、図1Aの髄内くぎ100あるいは図2Aの髄内くぎ202およびアダプタ204のうちの1つに接続された挿入器300aの斜視図である。挿入器300aは、髄内くぎアセンブリ100、髄内くぎシステム200(例えば、髄内くぎ202およびアダプタ204)、および/または髄内くぎ202の配備および/または撤収を可能にする、および/または容易にするツールないし器具である。本明細書で使用される場合、“挿入器”は、1つまたは複数の構成要素、部品、または機器を挿入または配備するように構造化され、編成され、構成され、操作され、配置され、または設計された装置、器具、構造、機器、構成要素、システム、またはアセンブリを指す。特定の実施形態では、挿入器を用いて、インプラントおよび/または人工器官を患者の組織、臓器、または部分に挿入することができる。特定の実施形態では、挿入器を用いて、インプラントおよび/または人工器官を抽出、撤収、再配置、または除去することもできる。
【0097】
図3Bは、一実施形態による、挿入器300aと、図1Aの髄内くぎおよび/または図2Aの髄内くぎシステムのうちの1つの斜視図である。挿入器300aは、図1Aの髄内くぎおよび/または図2Aの髄内くぎシステムから切り離される。挿入器300aは、ハンドル310、ドライバ320、および髄内くぎガイド330を含むことができる。
【0098】
ハンドル310は、配備または撤収中に髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200を操作するために操作者によって使用される。ドライバ320は、連結部110/第3の連結部220の内ねじ山と係合して、ドライバ320を連結部110/第3の連結部220に固定する外ねじ山を含むことができる。あるいは、ドライバ320は、配備または撤収のために連結部110/第3の連結部220に接続するための摩擦嵌合、タブ、溝などの異なる係合構成を含むことができる。
【0099】
一実施形態では、ドライバ320は、ねじ付き遠位端部322、シャフト324、およびつまみねじ326を含む。ねじ付き遠位端部322、シャフト324、およびつまみねじ326を用いて、ドライバ320を連結部110/第3の連結部220に接続することができる。つまみねじ326は、シャフト324の長手方向軸まわりのつまみねじ326の回転がねじ付き遠位端部322を回転させて、連結部110/第3の連結部220と係合または切り離しするように、シャフト324に接続される。つまみねじ326は、操作者によって回転させることができる。
【0100】
図示の実施形態では、ドライバ320は、直線のシャフト324および直線のドライバ320を含む。しかしながら、上述したように、オフセット部116および/またはアダプタ204の異なる特徴は、挿入器300aのドライバ320に連結、接続、または組み合わせることができる。例えば、遠位端部322は、髄内くぎ202の第1の連結部216と係合する、上述した2つの曲り部224、226を有するアダプタ204を含むことができる。別の例では、遠位端部322は、第2の曲り部226などの曲り部を含み得、アダプタ204または髄内くぎ202は、第1の曲り部224を含み得る。ドライバ320、アダプタ204、および髄内くぎ202/100の間の曲り部118/120/224/226の位置および場所のそのような変化は、本開示の範囲内である。
【0101】
髄内くぎガイド330は、配備または撤収の間に、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200の機構が物理的にどこにあるかについて、外科医または他の使用者に視覚的指標をもたらす。一実施形態では、髄内くぎガイド330は、部分332およびシャフト334を含む。部分332およびシャフト334は、髄内くぎが挿入器300a、bに連結されているときに、髄内くぎアセンブリ100、髄内くぎシステム200、または髄内くぎ202のオフセット部116およびシャフト108/210に平行に、およびそれらと整列して挿入器300aから延在してもよい。同様に、部分332およびシャフト334は、髄くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200の開口部132と整列して配置された開口部336(留め具開口部など)を含み得る。このようにして、外科医は、配備または撤収の間に、患者内の髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200および/またはアダプタ204の進行および位置を視覚的に見ることができる。
【0102】
ここで図3Aを参照すると、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200は、すでに関節形成インプラントを有する患者のための髄内くぎの逆行配備を容易にする。患者が大腿骨102の遠位骨幹端の近くで骨折340を受けたと仮定する。関節形成術でのインプラントを受けた患者は、人工装具周辺の骨折(例えば、骨折340)としてのリスクがより高い場合がある。
【0103】
さらに、外科医が大腿骨102の固定のために髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200を用いることを決定したと仮定する。外科医は、観血的整復または徒手整復のいずれかを用いて、骨折340の周りの大腿骨102の部分を整復し得る。次に、外科医は、大腿骨102の内側顆および外側顆の後方の入口点を、顆間窩内に作成し得る。有利には、入り口点は、患者の関節形成インプラントの後方にある。次に、外科医は、入り口点を軟組織を通って髄内空洞に接続するために開口部をリーマで拡げ得る。一実施形態では、拡げられた開口部は、長手方向軸114に対する第1の曲り部118とほぼ同じ角度で髄内空洞に接続し得る。
【0104】
リーミングに続いて、外科医は、挿入器300aを用いて、くぎを入り口点に通し、開口部リーマで拡大し、髄内空洞内に通すことによって、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200を配備することができる。髄内くぎの近位端部106は、リーマで拡大された開口部を通って髄内空洞に入るときにしっかりと嵌合することができる。しかしながら、くぎが髄内空洞内をさらに遠位にスライドすると、オフセット部116は、リーマで拡大された開口部および髄内空洞に到達し、その時点で配備されるくぎに作用する圧力および応力が緩和され、くぎは、図3Aに示されるように配備されたオフセット部116と共に大腿骨102内にぴったりと嵌まる。
【0105】
特定の例では、骨折340の変位および/または角度は、大腿骨断片が互いに対して大きく移動することができるほど大きくてもよい。そのような例では、断片は、髄内くぎの配備の間に配置され、配備後に適切な位置合わせ、位置、および角度付けに整復されることができるため、配備中の髄内くぎに作用する圧力は最小限である。
【0106】
図3Cは、一実施形態による、挿入器300bと図2Aの髄内くぎシステムの斜視図である。挿入器300bは、図1Aの髄内くぎおよび/または図2Aの髄内くぎシステムから切り離されている。挿入器300bは、挿入器300aに関連して記述されたものと同様のハンドル310、ドライバ320、および髄内くぎガイド330を含み得る。
【0107】
挿入器300bは、図示の実施形態では、挿入器300bの遠位端部322がオフセット部116を含むという点で挿入器300aと異なる。一実施形態では、髄内くぎ202の遠位端部104は、髄内くぎ202および遠位端部104/208と係合するように構成された連結部を含む。図示の実施形態では、髄内くぎ202は直線であり、オフセット部116を含まない。代わりに、図示された実施形態では、第1の曲り部224、本体222、および/または第2の曲り部226は、挿入器300bに組み込まれ得る。具体的には、第1の曲り部224、本体222、および/または第2の曲り部226は、挿入器300bの遠位端部に組み込まれる。
【0108】
髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200は、骨折の位置(すなわち、長骨の中央、遠位部、近位部)にかかわらず、固定のための他の固定機器/技術と共に、初期固定または二次/補助固定として用いられ得る。同様に、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200は、大腿骨、上腕骨、および/または脛骨などの任意のタイプの長骨の任意のタイプの骨折に関連して、およびいずれかの端部(前進または逆行)から、用いることができる。加えて、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200は、前進髄内くぎまたは逆行髄内くぎの配備のために用いられ得る。
【0109】
特定の実施形態では、髄内くぎアセンブリ100および/または髄内くぎシステム200は、人工膝関節、人工股関節、および/または1つまたは複数の人工固定具などの人工器官を含む長骨に対して配備することができる。あるいは、または加えて、髄内くぎアセンブリ100および/または髄内くぎシステム200は、人工器官を有しない長骨(すなわち、天然の長骨、人工関節または固定具が無い長骨)に配備することができる。
【0110】
図3Dは、オフセット部を含む髄内くぎを配備するための方法の一例を示している。特定の実施形態では、方法350は、オフセット部を含む髄内くぎを髄内くぎ挿入器に使用者が連結する連結352から始まる。髄内くぎ挿入器は、オフセット部に連結される。髄内くぎは、長手方向軸を含み、オフセット部は、長手方向軸に実質的に平行なオフセット軸を含む。
【0111】
次に、外科医は、患者の大腿骨の髄内管を用意する用意354を行い得る。髄内管は、大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端まで延在する。次に、外科医は、髄内くぎの近位端部を髄内管の遠位端に挿入する挿入356を行い得る。次に、外科医は、オフセット軸に沿ってオフセット部を駆動することによって、髄内くぎを大腿骨の近位端に向かって髄内管内に駆動する駆動358を行う。オフセット軸は、オフセット軸に加えられた並進力を髄内くぎに伝達し、長手方向軸に沿って髄内くぎを駆動する。挿入器300の近位端部に作用する並進力によって、長手方向軸に沿ったシャフトの並進が可能となる。
【0112】
当業者は、髄内管が遠位端に自然な曲りを有し得ることができることを理解する。髄内管のこの自然な曲りに適応するために、従来の髄内くぎは、単一の曲りを含むか、または曲がりやすくすることができる。しかしながら、本開示の実施形態は、オフセット軸と長手方向軸が実質的に平行であるように、少なくとも2つの曲り部を含む。このようにして、外科医が大腿骨の近位端に向かって挿入器を駆動する駆動358を行うとき、その駆動力は、髄内管の長手方向軸および/または髄内くぎ101/202の長手方向軸を横断せずに、オフセット部を介してシャフトに、また髄内管に沿って、伝達される。挿入方向、駆動方向は、髄内管に沿っており、髄内くぎは、駆動力の方向に髄内管内で容易に移動する。
【0113】
次に、外科医は、オフセット部を、大腿骨の遠位端の近位に配置された膝インプラントの遠位大腿骨コンポーネントを通過してスライドさせるスライド360を行い得る。オフセット部は、髄内管の内壁と係合し、大腿骨の遠位部分、特に骨折160の遠位の屈曲を維持し得る。最後に、外科医は、髄内くぎを挿入器から切り離す切り離し362を行い得、方法350が終了する。
【0114】
特定の実施形態では、方法の1つまたは複数のステップの間または後に、外科医は、髄内くぎ内の開口部132と係合する留め具を配備し得る。開口部132は、留め具開口部132と称され得る。一実施形態では、挿入器300は、例えば、髄内くぎガイド330(本明細書では留め具ガイドとも称される)などの留め具ガイドを含む。髄内くぎガイド330は、髄内くぎ内の開口部132と整列した開口部336を含み得る。特定の実施形態では、使用者は、方法350を修正して外科医が留め具ガイド330を用いるステップを含むようにし、留め具開口部132を通って複数の留め具の挿入を案内するようにしてもよい。
【0115】
本開示は、患者の長骨の骨折に関連した固定のための外科用の装置、システム、および/または方法を開示する。長骨骨折用の既存の固定ための器具および/または装置、方法、または措置は限られている。
【0116】
従来の骨プレートは、長骨に極めて近接した動脈(例えば、大腿骨の内側に近い神経血管束または大腿動脈)を考慮した固定のための機構を欠いている。長骨に極めて近接する動脈および/または神経血管束を考慮した固定を容易にする簡易な骨プレートが必要である。一実施形態では、改善された内側骨プレートが必要とされる。本開示は、骨の任意の側面に用いることができる改良された骨プレートを提供する。骨プレートは、どの部分に配備するか、または配備することを意図しているかに基づいて名称を付けることができる。従って、内側骨プレートは、骨の内側のための骨プレートである。加えて、本開示は、改善された内側骨プレートを含む。
【0117】
図4Aは、一実施形態による、大腿骨102のような長骨に配備された骨プレート400の斜視図である。大腿骨は、長軸103を含む。骨プレート400は、近位端部402、遠位端部404、および本体406を含む。近位端部402は、1つまたは複数のアーム408を含む。特定の実施形態では、アーム408は、タブ、指などと呼ばれ得る。図示の実施形態では、1つのアーム408は、本体406から、大腿骨102に対して前方方向に延在する。別の実施形態では、1つまたは複数のアーム408は、大腿骨102に対して後方方向に本体406から延在してもよい。一実施形態では、アーム408は、骨プレート400の端部の近位(またはその近く)にある。例えば、アーム408は、近位端部402の近位にある。
【0118】
近位端部402は、第1のアーム408を含み得る。骨プレート400が用いられているとき、アーム408は、大腿骨102の前部にわたって延在してもよい。代替的に、または追加的に、アーム408は、大腿骨102の後部にわたって延在してもよい。特定の実施形態では、アーム408は、大腿骨102の長軸103に垂直な方向に本体406から延在する。骨プレート400は、長骨の内側に用いられることを意図していることから、アーム408は、大腿骨102の複数の側面にわたって延在してもよく、および/または大腿骨102の複数の側面に及ぶよう延在してもよい。例えば、一実施形態では、アーム408は、大腿骨102の前側まで及んで延在する。別の例では、アーム408は、大腿骨102の側面まで及んで延在する。別の例では、アーム408は、大腿骨102の後側に及んで延在する。もちろん、アーム408はまた、大腿骨102の複数の側面上にわたって延在してもよく、および/または大腿骨102の複数の側面に及んで延在してもよい。1つの例示的な実施形態では、アーム408は、大腿骨102の前側と外側の両方にわたって延在することができる。そのような実施形態では、アーム408は、前側留め具開口部414aおよび横方向留め具開口部414bを含み得る(図4E参照)。使用中、前側留め具開口部414aは、大腿骨102の前側の上にあり得、側方留め具開口部414bは、大腿骨102の側方の上にあり得る。一実施形態では、前側留め具開口部414aおよび側面留め具開口部414bは、前側留め具開口部414aに配備された前部留め具(例えば、骨ねじまたは他の留め具)が、側面留め具開口部414bに配備された側面留め具(例えば、骨ねじまたは他の留め具)と干渉しないように、互いに相対的にオフセットされる。
【0119】
一実施形態では、アーム408は、骨プレート400の端部から延在する。別の実施形態では、アーム408は、骨プレート400の本体から延在する。本体406は、骨プレート400が用いられているとき、大腿骨102の内側に沿って延在することができる。
【0120】
アーム408は、少なくとも1つの留め具開口部414を含み得る。遠位端部404は、1つまたは複数の留め具開口部414を含む遠位固定機構416を含んでもよい。遠位固定機構416は、大腿骨102の内側上顆と係合するように構成される。
【0121】
骨プレート400は、所望のレベルの硬さ/剛性および/または柔軟性、またはその両方を骨プレート400に与えるために、様々な異なる幅および/または厚さを有するように製造され得る。従って、骨プレート400の構成要素は、所望の長さ、幅、高さ、または厚さをもたらすようにサイズ設定され得、1つまたは複数の構成要素に用いられる材料は、所望のレベルの剛性および/または柔軟性、またはその両方をもたらすように選択され得る。
【0122】
一実施形態では、骨プレート400は、大腿骨102の内側に沿って走る患者の大腿動脈との極めて近接したことを考慮するように構成、設計、および/または操作される。特に、大腿動脈は、大腿骨102の骨幹410の近くに位置し、大腿骨102の遠位端412の近くでは大腿骨102にそれほど近くない。骨プレート400は、大腿部の内側(すなわち、遠位端の内側)の入口点/切開部を通って経皮的に配備されるように構成される。
【0123】
近位端部402またはその付近のアーム408は、骨プレート400を大腿骨102に固定するためのものである。アーム408は、アーム408に沿った様々な位置に配置された1つまたは複数の留め具開口部414を含むことができる。1つまたは複数の留め具開口部414はそれぞれ、様々なタイプおよび構成の留め具を受け入れるように構成される。留め具開口部414に配置された留め具は、長骨の長手方向軸に対して20度から90度の間など、様々な角度で長骨の皮質と係合し得る。同様に、アーム408の留め具開口部414の位置決めは、骨プレート400に関連して、留め具を骨に配備するための様々な異なる角度をもたらすことができる。一実施形態では、留め具は、長骨の長手方向軸に対して約20度から、90度から180度(骨プレート400の本体406に垂直)の間の角度で配備することができる。
【0124】
特定の実施形態では、提示される解決策には、長骨の側面からアーム408の留め具開口部414に留め具を配備するための保護されたドリルスリーブ/ドリルガイドプロテクタの使用が含まれる。一例として、外科医は、前十字靭帯(ACL)ガイドの固定に用いられるものと同様の保護されたドリルスリーブ/ドリルガイドプロテクタを使用し得る。長骨の側面から配備するときに保護されたドリルスリーブ/ドリルガイドプロテクタを用いると、入口点で患者の軟組織を保護し、留め具が配備されるときに内側の貫通を軽減することができる。
【0125】
遠位端部404は、1つまたは複数の留め具開口部414を含む遠位固定機構416を含むことができる。固定機構416が遠位端部404の近くにある実施形態では、固定機構416は、遠位固定機構416と称され得る。固定機構416は、内側顆などの長骨の顆の輪郭に接触し、それに従うように形作られ、形成することができる。特定の実施形態では、これは、固定機構416が、顆および/または骨の輪郭に従うための屈曲、曲線、または他の輪郭を含み得ることを意味する。本体406は、大腿骨102などの長骨の内側面に接触するように構成され得る。従って、本体406は、大腿骨102の内面の輪郭に従うための曲線または弓形を含み得る。
【0126】
一実施形態では、(本体406、アーム408、および/または固定機構416における)留め具開口部414および/または固定機構416は、ねじ、ピン、骨ねじなどの留め具と相互作用するように構成され得る。他の実施形態では、骨プレート400は、留め具開口部414および/または固定機構416の代わりに、他の固定機構およびそれら固定機構に対応する構成要素を含み得る。例えば、留め具開口部414および/または固定機構416は、代わりに、様々な固定技術のうちの1つまたは複数を実装するための固定具、ナット、ねじ開口部、ボタン、固定具などを含み得る。例えば、骨プレート400の長骨への固定は、ケーブル、ワイヤ、縫合糸、縫合ボタン、可撓性留め具などを用いて行われ得る。
【0127】
一実施形態では、留め具開口部414は、長骨の外側面から、長骨の内側面の留め具開口部に、本体406または固定機構416内を駆動される骨ねじと係合するように構成された内側ねじを含み得る。そのような実施形態では、留め具開口部414は、固定のためのナット状器具を備える。また、そのような実施形態では、アーム408は、長骨の後側または前側から、長骨の前側または後側の留め具開口部に、駆動される骨ねじまたは他の留め具と係合するように構成された内側ねじを含む1つまたは複数の留め具開口部414を含み得る。特定の実施形態では、留め具は、長骨の外側から配備され、内側の固定機構416に固定され得る。
【0128】
代替的に、または追加的に、本体406および/または固定機構416は、留め具開口部414などの開口部を含まなくてもよい。代わりに、本体406および/または固定機構416は、長骨の側面から駆動される留め具が本体406および/または固定機構416を貫通し、それによってそれ自体の開口部を骨プレート400に設けることを可能にする材料から作製され得る。
【0129】
本体406は、固定機構416と近位端部402との間の任意の長さとすることができる。特定の実施形態では、骨プレート400は、長骨における骨折の異なるタイプおよび位置、長骨のサイズ、および/または患者の解剖学的特徴に対応するために、本体406および/または他の構成要素のための異なる長さを有する様々なサイズで製造することができる。一実施形態では、用いられる骨プレート400は、アーム408が長骨における骨折よりも上側にあるように選択される。特定の実施形態では、アーム408は、骨折をまたぐようにすることができる。
【0130】
本体406はまた、1つまたは複数の留め具開口部414を含んでもよい。それぞれ1つまたは複数の留め具開口部414を備えたアーム408、本体406、および固定機構416は共に、患者の大腿動脈に極めて近接して骨幹410の横にある内側面の留め具を用いて固定を試みることを必要とせずに、骨プレート400を内側の大腿骨102に固定するためのいくつかの選択肢を外科医にもたらす。骨プレート400の異なる実施形態は、本体406の長さに沿っておよび/または固定機構416内に配置された、1つまたは複数の留め具開口部414の異なる構成および/または配置を含むことができる。特定の実施形態では、本体406および/または固定機構416の特定の部分は、留め具開口部414または任意の他の開口部を含まず、代わりに、所望の強度、耐久性、および/または剛性をもたらすのに役立ち得る固体構造を与え得る。
【0131】
特定の実施形態では、骨プレート400は、髄内くぎ、外側骨プレート、他の内側骨プレート、関節形成インプラントなどの他のインプラントに接続可能である。骨プレート400は、留め具を用いてこれらの他のインプラントに接続することができ、または骨プレート400および他のインプラントの一方または他方、または両方に形成され得るコネクタによって接続することができる。
【0132】
図4B図4C図4D、および図4Eは、一実施形態による、図4Aの骨プレートのそれぞれの正面図、背面図、左側面図、および右側面図である。骨プレート400は、上面418および骨に面する面420を含み得る。上面418は、長骨(例えば、大腿骨102)から背を向ける向きである。骨プレート400は、概して平面とすることができる。一実施形態では、骨に面する面420は、長骨(例えば、大腿骨102)の内側面の外郭に接触し、それに従うように構成される。一実施形態では、骨に面する面420は、用いられているとき、長骨(例えば、大腿骨102)の単一の側面に面してもよい。
【0133】
本明細書で使用される場合、“骨に面する面”は、患者の1つまたは複数の骨に向き付けられているか、または面しているインプラントなどの物体、器具、または装置の表面を指す。一態様では、骨に面する面は、骨の表面に当接してもよく、隣接してもよく、または接触してもよい。別の態様では、骨に面する面または骨に面する面の一部は、骨の表面に近接しているが、当接していなくてもよく、接触していなくてもよく、または接触していなくてもよい。
【0134】
図4A図4B図4C図4D、および図4Eは、骨プレート400の一例の実施形態を示している。この例では、アーム408は、本体406から、長骨に対して前方方向に延在する(図4A参照)。あるいは、または加えて、アーム408はまた、本体406から、長骨に対して後方方向に延在してもよい(図4A参照)。
【0135】
一実施形態では、アーム408は、ひじ422を介して本体406に接続することができる。ひじ422は、骨プレート400の経皮的配備を容易にするように成形され得る。アーム408は、近位端部402の最遠位部分に、または近位端部402と固定機構416との間の任意の位置に、配置されることができる。さらに、骨プレート400は、その長さに沿って配置された1つまたは複数のアーム408を含み得、アーム408はそれぞれ、長骨に対して前方方向に延在し得、また、アーム408はそれぞれ、長骨に対して後方方向に延在し得、および/またはいくつかのアーム408は、その他のアーム408が長骨に対して後方方向に延在しつつ、長骨に対して前方方向に延在し得る。
【0136】
一実施形態では、内側骨プレートは、近位端部402および/または遠位端部404上に1つまたは複数のコネクタを含むモジュール式骨プレートとすることもできる。モジュール式骨プレートを用い、アーム408は、アーム408が長骨に対して前方に、または長骨に対して後方に延在するように、モジュール式骨プレートに接続可能であってもよい。特定の実施形態では、本体406は、外科医が長骨の前面および/または後面の様々な位置にアーム408を固定できるように、アーム408を接続するためのいくつかの接続点を含み得る。加えて、固定機構416は、遠位端部404またはその近傍でモジュール式骨プレートに接続可能とすることもできる。
【0137】
特定の実施形態(不図示)では、遠位端部404は、1つまたは複数の固定機構416を含み、近位端部402は、1つまたは複数のアーム408を含まなくてもよい。そのような実施形態では、本体406は、その長さに沿った屈曲、ねじれ、または曲線を含み得る。屈曲、ねじれ、または曲線は、1つまたは複数の固定機構416が長骨の内面に接触することができ、近位端部402が長骨の前面または後面の上側に配置されるように設計され、構成され、または操作され得る。そのような実施形態では、近位端部402は、1つまたは複数の留め具開口部414および/または1つまたは複数の留め具機構を含み得る。
【0138】
図5Aは、一実施形態による、長骨に配備された内側骨プレート500の斜視図である。内側骨プレート500aは、図4A~4Eに関して説明された骨プレート400の構造、特徴、および機能、動作、および構成と同様の構造、特徴、および機能、動作、および構成を有し得る。従って、内側骨プレート500aは、近位端部502、遠位端部504、本体506、1つまたは複数のアーム508、1つまたは複数の留め具開口部514、遠位固定機構516、上面518、骨に面する面520(不図示)、および1つまたは複数のひじ522を含み得る。図示の実施形態では、内側骨プレート500aは、アーム508が骨折524の上側に配置されるように、より長い本体506を有する。
【0139】
大腿骨102は、近位骨端501、近位骨幹端503、骨幹505、遠位骨幹端507、および遠位骨端509を含む。一実施形態では、近位端部502は、大腿骨102の近位骨端501の近くにある。遠位端部504は、大腿骨102の内側上顆510の近くにある。内側骨プレート500aは、内側骨プレート500aの近位端部502の近くに第1のアーム508aを含む。内側骨プレート500aはまた、遠位固定機構516と第1のアーム508aとの間の第2のアーム508bを含む。第2のアーム508bは、大腿骨102の前側を渡って本体506から延在することができる。代替的に、または追加的に、第2のアーム508bは、大腿骨102の後側を渡って本体506から延在してもよい。
【0140】
“骨端”とは、隣接する骨を有した、長骨の関節における長骨の丸みを帯びた端部を指す。骨端と骨端の間(長骨の長い中央部分)には、骨端板(成長板)を含む骨幹端がある。関節では、骨端は関節軟骨で覆われており、その下には、軟骨下骨として知られる骨端板に似た領域がある。(Wikipedia.comで“骨端”を検索。2022年6月17日改訂、2022年8月1日閲覧)。“骨幹端”とは、骨端と骨端との間の長骨の頚部を指す。骨幹端は、小児期に成長する骨の部分である成長板を含み、骨幹端が成長するにつれて、骨幹端は骨幹および骨端の近くで骨化する。(Wikipedia.comで“骨幹端”を検索。2022年6月17日改訂、2022年8月1日閲覧)。“骨幹”とは、長骨の主または中央の部分(シャフト)を指す。骨幹は皮質骨で構成されており、通常は骨髄と脂肪組織(脂肪)が含まれている。骨幹は、赤色または黄色の骨髄を含む中央の骨髄腔を囲むコンパクトな骨で構成された中央の管状部分である。骨幹では、一次骨化が起こる。(Wikipedia.comで“骨幹”を検索。2022年6月17日改訂、2022年8月1日閲覧)。
【0141】
ここで、図4A図5A、および図5Bを参照すると、本開示は、薄型固定アセンブリ430、540、560を含む骨プレートの異なる実施形態を含む。薄型固定アセンブリ430、540、560は、特に、輪郭を持たないか、または非常に薄い輪郭、または最小の高さの輪郭を持つように設計され、操作され、および/または構成されたタイプの留め具、固定システム、固定アセンブリ、アセンブリ、および/または固定具である。薄型固定アセンブリ430、540、560に関連して、高さは、固定アセンブリ(および/またはその部材)が基準点、基準面、基準線、および/または基準軸の上方および/または下方に延在する距離を指す。図示の実施形態では、基準面は、骨プレート500a、bなどの留め具の表面(例えば、上面418)とすることができる。
【0142】
薄型固定アセンブリ430、540、560は、薄型固定アセンブリ430、540、560は、固定が所望されるが、インプラントが所望の位置、場所、または向きに配備されるときに他の解剖学的構造がインプラントの一方の側面または部分または態様に近接している領域で用いることができるため、有利であり得る。例えば、大腿骨102の内側は、大腿骨102の内側の表面に近接して配置される、神経血管束、大腿動脈などの様々な重要な軟組織を含むことができる。インプラントが大腿骨102の内側皮質とこれらの重要な軟組織との間に配備される処置では、薄型固定アセンブリ430、540、560は、薄型固定アセンブリ430、540、560が重要な軟組織に衝突しない(または最小限に衝突し得る)ため、長骨の内側面からの外科的アプローチを必要とせず、依然として十分な安定性、固定、および大腿骨102へのインプラントの固定をもたらすことから、薄型固定アセンブリ430、540、560を用いることができる。
【0143】
有利には、薄型固定アセンブリ430、540、560は、様々な構成、特徴、構成要素、構造、部材、および/または実装を有することができる。特定の実施形態では、薄型固定アセンブリ430、540、560は、配備および固定のために薄型固定アセンブリ430、540、560を作動または係合させるために、留め具または留め具アセンブリまたは装置が薄型固定アセンブリ430、540、560にどのように近づくかによって特徴付けられ得る。例えば、一実施形態では、インプラントの端部または一部は、インプラントが長骨の一方の側(例えば、大腿骨102)に配置されるように、重要な軟組織(または他の解剖学的構造)と長骨の表面または側部との間で経皮的にスライドさせることができるが、薄型固定アセンブリ430、540、560の固定は、インプラントが配備されている側以外の任意の側からインプラントに近づくことによって達成される。本開示は、例示のためのいくつかの例を含む。薄型固定アセンブリ430、540、560の詳細は、例示的な例で以下に説明される。
【0144】
図4Aでは、薄型固定アセンブリ430の一例は、長骨およびひじ422に向かって延在するアーム408を含み、上面418の上方へ長骨から離れて延在することはない。同様に、図5Aでは、薄型固定アセンブリ540は、長骨に向かって延在する第1のアーム508aおよび第2のアーム508b、ならびに1つまたは複数のひじ522を含み、上面518の上側で任意の距離離れて長骨から延在することはない。また、図5Bでは、薄型固定アセンブリ560は、長骨の外側から内側骨プレート500bと係合する留め具528を含み、従って、上面518の上側で任意の距離長骨から離れて延在することはない。
【0145】
図5Bは、一実施形態による、長骨に配備された内側骨プレート500bの斜視図である。長骨が、透明な描写の大腿骨102としてで示され、大腿骨102の内側570および前側574を示す斜視方向から示されている。外側面572は、内側面570の反対側にあり、長骨の透視図によって図5Bに示される。後側面576は、前側面574の反対側にあり、長骨の透視図によって図5Bおよび図5Lに示される。
【0146】
内側骨プレート500bは、図5Aに関連して説明された内側骨プレート500aの構造、特徴、および機能、動作、および/または構成と同様の多くの構造、特徴、および機能、動作、および/または構成を有し得、同様の部品は、同じ参照番号で識別される。従って、内側骨プレート500aは、近位端部502、遠位端部504、本体506、1つまたは複数の留め具開口部514、および遠位固定機構516を含み得る。
【0147】
内側骨プレート500bは、本体506および薄型固定アセンブリ560を含む。本体506は、近位端部502、遠位端部504、上面518、および骨に面する面520を含む。内側骨プレート500bが用いられているとき、上面518は、長骨から離れる方向(内側面570から離れる方向)に向いている。骨に面する面520は、内側骨プレート500bが用いられているとき、長骨の内側面570に面している。
【0148】
特定の実施形態では、内側骨プレート500bは、大腿骨102の遠位端に近い切開部を介して経皮的に配備することができる。内側骨プレート500bは、大腿骨102の内側面570の面に沿ってスライドさせることができる。有利には、内側骨プレート500bは、内側面570に沿って配置された重要な軟組織と大腿骨102の内側面570の表面との間でスライドさせることができる。
【0149】
内側骨プレート500bが内側面570の表面上またはその近くに配置され、皮膚表面と皮膚表面の下の重要な軟組織との間に配置されると、薄型固定アセンブリ560は、内側面570以外の、大腿骨102の任意の他の側から近位端部502に係合および/または近づくことによって、内側骨プレート500bの近位端部502の固定を可能にする。従って、薄型固定アセンブリ560の実施形態は、側面572、前面574、および/または後面576から近づく態様/機構によって固定を完了することができる。
【0150】
特定の実施形態では、薄型固定アセンブリは、固定をもたらすために協働する単一の部品または複数の構成部品を含むことができる。一例では、薄型固定アセンブリは、留め具開口部を含むインプラント本体(図4A参照)から延在する1つまたは複数のアームまたはタブと、留め具開口部と係合し、また長骨と係合して、インプラントの少なくとも一部を長骨に固定するように構成された一組の留め具と、を含み得る。一例では、薄型固定アセンブリ560は、最初に骨と係合し、次いでインプラント(またはインプラントの留め具開口部)と係合する側面572から配備された留め具を含み得る。
【0151】
最初に骨と係合し、次いでインプラントまたは留め具アセンブリの対応する態様と係合する、骨の非内側から配備された留め具は、本明細書では、骨アプローチ留め具と称される。骨アプローチ留め具によって係合される留め具アセンブリの対応する態様は、本明細書では、骨アプローチ固定機構と称する。骨アプローチ固定機構の一例は、骨アプローチ留め具の外ねじに対応する内ねじ内の開口部である。対照的に、留め具が最初にインプラント(例えば、骨プレート)または留め具センブリの対応する態様と係合し、次に骨と係合するように配備された留め具は、本明細書ではプレートアプローチ留め具と称する。プレートアプローチ留め具によって係合される留め具アセンブリの対応する態様は、本明細書では、プレートアプローチ固定機構と称する。骨アプローチ固定機構の一例は、プレートアプローチ留め具を受け入れる大きさの骨プレート内の開口部である。骨アプローチ固定機構の他の例は、プレートアプローチ留め具が配備されるときに骨と係合するプレートアプローチ留め具の外ネジ山であり得る。
【0152】
別の例では、薄型固定アセンブリ560は、インプラント内の開口部、一対のボタン、およびボタン間に延びる繋ぎ綱を含み得る。さらに別の例では、薄型固定アセンブリ560は、大腿骨102の側面572、前面574、および/または後面576のうちの1つに固定された固定具に接続された繋ぎ綱と係合するインプラントの連結部を含み得る。
【0153】
図示の実施形態では、内側骨プレート500bは、薄型固定アセンブリ560が横方向アプローチ留め具開口部526を含むことから、内側骨プレート500aとは異なっている。
【0154】
一実施形態では、横方向アプローチ留め具開口部526は、横方向アプローチ留め具528を受け入れるように構成された留め具開口部である。横方向アプローチ留め具528は、骨の側面から固定具のインプラントまたは対応する機構と係合するように設計された留め具である。横方向アプローチ留め具開口部526および横方向アプローチ留め具528は、薄型固定アセンブリ560の一部であってもよい。
【0155】
横方向アプローチ留め具開口部526は、様々な方法で実装することができる。図示の実施形態では、横方向アプローチ留め具開口部526は、長骨を通過する横方向アプローチ留め具528の外側ねじ536と係合するように構成された開口部の一組の内ねじ(不図示)である。横方向アプローチ留め具開口部526は、骨に面する面520から上面518に向かって延在してもよい。一実施形態では、横方向アプローチ留め具開口部526は、骨に面す面520から上面518を通り抜けて延在することができる。別の実施形態では、横方向アプローチ留め具開口部526は、骨に面する面520から上面518に向かって部分的に延在し得るが、上面518を通過しない。
【0156】
有利には、横方向アプローチ留め具528は、長骨の内側に近い神経血管束および/または大腿動脈を回避するように、長骨の外側から配備される。当業者は、本明細書に提示される例示的な横方向アプローチ留め具開口部526および横方向アプローチ留め具528などの非内側アプローチ留め具システムのための様々な異なる設計を理解し、これらのそれぞれは、本開示の範囲内であるとみなされるものである。
【0157】
別の実施形態では、薄型固定アセンブリ560は、最初に、本体506に形成された横方向アプローチ留め具開口部526を含まなくてもよい。代わりに、横方向アプローチ留め具528は、本体506を貫通し、それによって横方向アプローチ留め具528が配備される(例えば、セルフタッピング)ときに横方向アプローチ留め具開口部526を形成するように構成された端部を含み得る。
【0158】
特定の実施形態では、横方向アプローチ留め具システムは、非内側アプローチ留め具システムの一例である。一実施形態では、反対側アプローチ留め具システムは、2つの構成要素を含むことができるものであり、1つは、身体部分または組織部分の一方の側にあり、1つは、身体部分または組織の部分の反対側にある。反対側アプローチ留め具システムは、内側-外側軸、前-後軸、上-下軸、頭-尾軸などに関連して用いることができる。
【0159】
図5Cは、一実施形態による、図5Bの内側骨プレートと共に用いるための横方向アプローチ留め具528の斜視図である。横方向アプローチ留め具528は、ヘッド530および軸部532を含むことができる。一実施形態では、ヘッド530は、配備時に骨と係合するように角度を付けられてもよい。軸部532は、2組のねじ山、つまり粗いねじ山534および細いねじ山536を含むことができる。粗いねじ山534は、長骨の骨内のねじ山を動かすのを容易にするために、より大きなピッチを有し得る。細かいねじ山536は、内側骨プレート500bとの係合および固定を強化するために、横方向アプローチ留め具開口部526の内側ねじ山のピッチに一致したより小さいピッチを含み得る。
【0160】
図5Dは、一実施形態による、図5Cの横方向アプローチ留め具528の頭部530の上面図である。ヘッド530は、駆動凹部538を含むことができる。駆動凹部538、または他のトルク受容部は、横方向アプローチ留め具528を取り付けるために用いられる留め具(不図示)の駆動部材を受容するように構成される。駆動凹部538は、すり割り付き、トルクス、トルクスプラス、フィリップス、クアドレックス、ポジドリブ、正方形の凹部、三翼、スパナなどを含む様々な形状のいずれか1つを有するように構成することができる。駆動凹部538は、横方向アプローチ留め具528が開口部に挿入されるときに、横方向アプローチ留め具開口部526の長手方向軸と整列する、横方向アプローチ留め具528の長手方向軸を軸とすることができる。もちろん、当業者は、駆動部材と駆動凹部538の形状および構成を逆にすることができ、従って、本開示の範囲内の実施形態として含むことを理解する。
【0161】
図5Eは、一実施形態による、図5Bの骨プレートの正面図である。骨プレートは、骨プレート500bが使用されているときに長骨から離れる方向を向く上面518を有する内側骨プレート500bとすることができる。上面518は、様々な構成を有し得る。図示の実施形態では、上面518は、細長く、長骨の内側に沿って延在するように構成された本体506に沿って延在する。上面518は、内側骨プレート500bを長骨に固定するために留め具を配備するための留め具開口部514を含む遠位固定機構516まで延在してもよく、および/またはその機構を含んでもよい。
【0162】
図5Fは、一実施形態による、図5Bの骨プレートの背面図である。骨プレートは、骨プレートが使用されているときに長骨の第1の側面に面する、骨に面する面520を有する内側骨プレート500bとすることができる。骨に面する面520は、様々な構成を有し得る。図示の実施形態では、骨に面する面520は、細長いもので、長骨の内側面/内側皮質に沿って延在するように構成されることが可能な本体506に沿って延在する。骨に面する面520および/または上面518は、内側骨プレート500bの外郭が長骨の内側の輪郭と実質的に一致するように、1つまたは複数の曲り部を含み得る。骨に面する面520はまた、長骨の内側上顆の輪郭に実質的に一致するように成形された凹部を含んでもよい。骨に面する面520は、内側骨プレート500bが用いられているとき、長骨の内側面に面している。内側面は、本明細書では、長骨の第1の側面と称され得る。
【0163】
図5Gは、一実施形態による、骨プレート500bが配備されるときに前方に向く骨プレート500bの側面を示す、図5Bの骨プレートの側面図である。図5Gは、薄型固定アセンブリ560の輪郭を示す。図示の実施形態では、薄型固定アセンブリ560は、横方向アプローチ留め具開口部526および横方向アプローチ留め具528(図5Gにおいて不図示、図5B参照)を含み得る。有利には、薄型固定アセンブリ560は、上面518の上側に延在する距離はゼロであり、横方向アプローチ留め具528が配備されたときに、骨に面する面520から、横方向アプローチ留め具528の長さだけ延在する。従って、薄型固定アセンブリ560は、横方向アプローチ留め具開口部526に入るような大きさであるが上面518の上側には延在しない横方向アプローチ留め具528の長さ以下の輪郭を有する。特定の実施形態では、横方向アプローチ留め具開口部526は、骨に面する面520から延在してもよいが、上面518を通り過ぎて延在せず、また上面518接続しなくてもよい。そのような実施形態では、薄型固定アセンブリ560は、さらに小さい輪郭を有し得る。
【0164】
図5Hは、一実施形態による、骨プレートが配備されるときに後方に向く側面を示す、図5Bの骨プレートの側面図である。図5Gは、図5Gに示されるような薄型固定アセンブリ560の同じ輪郭を図示するが、反対側からのものである。図示の実施形態では、薄型固定アセンブリ560は、横方向アプローチ留め具開口部526(図5Hにおいて不図示)および横方向アプローチ留め具528(図5Gにおいて不図示、図5B参照)を含み得る。薄型固定アセンブリ560は、一方向にインプラントを通過して延在する距離がゼロで、反対方向にインプラントを通過して限られた距離だけ延在する薄型固定アセンブリの一例である。
【0165】
図5Iは、一実施形態による、図5Bの線5I-5Iに沿った、長骨に配備された骨プレートの断面図である。図5Iは、骨に面する面520から骨プレート500bの本体506内に延在する留め具開口部(例えば、横方向アプローチ留め具開口部526)を含む薄型固定アセンブリ560の一例を示す。
【0166】
一実施形態では、留め具開口部は、上面518まで延在し、上面518を含む。別の実施形態では、留め具開口部は、本体506内に延在し、上面518の手前で止まる。一実施形態では、留め具開口部は、近位端部502の近くにある。一実施形態では、留め具開口部は、内ねじを含む。
【0167】
薄型固定アセンブリ560はまた、留め具(例えば、横方向アプローチ留め具528)を含む。留め具は、近位端部578、遠位端部580、および遠位端部580近傍の外ねじ582を含む。外側ねじ582は、内側骨プレート500bの留め具開口部(例えば、横方向アプローチ留め具開口部526)の内側ねじと係合するように構成される。留め具は、留め具開口部(例えば、横方向アプローチ留め具開口部526)近傍の長骨の直径よりも長い長さを有し得る。留め具の遠位端部580は、骨に面する面520から留め具開口部に入り、留め具開口部の内ねじ山と係合する外ねじ山582を介して上面518に向かって前進する。言い換えれば、留め具は、骨に面する面520に近づき、留め具開口部内で上面518に向かって移動する。
【0168】
図5Jは、一実施形態による、代替の留め具アセンブリを示す、図5Bの線5I-5Iに沿った、長骨に配備された骨プレートの断面図である。図5Jは、図5Iの構造、特徴、および機能、動作、および構成と同様の構造、特徴、および機能、動作、および構成を示す。違いは、図5Jが薄型固定アセンブリ560の代替構成562を示すことである。
【0169】
薄型固定アセンブリ562は、固定具開口部564、固定具566、ヘッド568、および繋ぎ綱569を含み得る。固定具開口部564は、骨に面する面520から上面518まで、また上面518を通って延在することができる。固定具566は、上面518近傍に位置することができる。ヘッド568は、内側骨プレート500bが取り付けられたときに、長骨の別の側面の近くに位置するように構成される。一実施形態では、ヘッド568は、骨に面する面520が面する側の反対側に、またはその近くに位置してもよい。別の実施形態では、ヘッド568は、骨に面する面520が面する側とは異なる側に、またはその近くに位置してもよい。一実施形態では、ヘッド568は、繋ぎ綱569の端部を受け入れるように構成された穴を含むボタンである。
【0170】
固定具開口部564は、固定具566を受け入れる、および/または固定するように構成される。一実施形態では、固定具566は、繋ぎ綱569の端部を受け入れるように構成された穴を含むボタンである。一実施形態では、固定具566は、固定具開口部564に組合されてもよい。例えば、固定具566は、固定具開口部564内に延在するフックまたは他の拡張部材とすることができる。
【0171】
繋ぎ綱569は、ヘッド568と固定具566とを接続することができる可撓性材料であり得る。一実施形態では、繋ぎ綱569は、ヘッド568に結合または接続された1つまたは複数の端部と、固定具566に結合または接続された1つまたは複数の端部とを有する縫合糸である。繋ぎ綱569は、骨孔567内に存在し得る。
【0172】
“ヘッド”は、機器、装置、部材、構成部品、システム、アセンブリ、モジュール、サブシステム、回路、または構造を指し、特定の特徴、機能、動作、プロセス、方法、および/または手順において顕著な役割を果たすように構造化され、構成され、設計され、配置され、または操作され、機器、装置、部材、構成部品、システム、アセンブリ、モジュール、サブシステム、回路、または構造は、ヘッドに含まれ、結合され、またはヘッドと適合する。特定の実施形態では、ヘッドは、機器、装置、部材、構成部品、システム、アセンブリ、モジュール、サブシステム、回路、または構造と適合するとき、および/またはそれらに結合されるとき、上部または別の突出した位置に位置してもよい。“繋ぎ綱”という用語は、天然または合成の任意の紐または可撓性部材を意味し、2つの構造または構成要素を接合または接続または結合することができることを意味するように本明細書で用いられる。一実施形態では、繋ぎ綱は、患者の組織を結合することができ、および/または骨孔内に固定されるか、または硬組織に固定されることができ、外科的処置に有用なものである。繋ぎ綱は、一方の構造に直接接続することによって、または他方の構造に直接接続することによって、または一方の構造、他方の構造、または両方の構造に間接的に(1つまたは複数の中間構造を介して)接続することによって間接的に、2つの構造を結合し得る。特定の実施形態では、“繋ぎ綱”は、単一の繋ぎ綱、複合繋ぎ綱、または平行に延びるおよび/または一緒に織り込まれてもよい複数の組織繋ぎ綱のいずれかで、天然材料、天然生物学的材料、生体材料、生体模倣材料、人工材料、またはこれらの組み合わせの可撓性糸または可撓性部材を指す。特定の実施形態では、繋ぎ綱は、長くて薄いものとすることができる。特定の実施形態では、繋ぎ綱は、平面であってもよく、および/または弾性または非弾性(剛性)であってもよい。繋ぎ綱の例としては、糸、ひも、ポリマー糸または線、腱移植片、靭帯移植片、ハムストリング移植片、軟組織、腱、靭帯、縫合糸、縫合テープ、織り繋ぎ綱、繊維性材料、コード、および/またはこれらのいずれかを互いに組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、“固定具”とは、固定点、位置、または場所に物体を固定、保持、停止、および/または保持するように構成され、組織化され、設計され、配置され、または操作された装置、器具、構造、部材、部品、機器、構成部品、システム、またはアセンブリを指す。多くの場合、固定具は、繋ぎ綱、チェーン、ロープ、ワイヤ、ねじ、縫合糸、縫合テープ、または他の同様の物体などの可撓性部材に連結および/または接続される。代替的に、または追加的に、固定具はまた、剛性物体または構造に連結され、接続され、および/または接合されてもよい。特定の実施形態では、固定具は、固定機器であり得る。別の言い方をすれば、固定機器は固定具として機能することができる。
【0173】
図5Kは、一実施形態による、長骨に配備された骨プレートの詳細な図である。図5Kは、薄型固定アセンブリ430の一例を示す。薄型固定アセンブリ430は、アーム408、少なくとも1つの留め具432、および少なくとも1つの留め具開口部414を含む。アーム408は、骨プレート400が用いられているときに、長骨から離れる方向に向く上面409と、長骨の側面に面する下面411とを含み得る。
【0174】
一実施形態では、アーム408は、(骨プレート400が用いられているときには骨の前側に向かう)前方方向または(骨プレート400が用いられているときには骨の後側に向かう)後方方向のいずれかにおいて本体406から延在する。留め具432は、近位端部402を長骨に固定するためにアーム408と係合するように構成される。一実施形態では、留め具432は、アーム408内にそのための開口部を作ってもよい(セルフタッピング)。
【0175】
一実施形態では、留め具開口部414は、上面409から下面411までアーム408を通って延在する。留め具開口部414は、内ねじ山413を含み得る。一実施形態では、留め具432は、長骨の側面(本体406の骨に面する面420が面する側面とは異なる側面)と係合する外ねじ山415を含む(留め具開口部414は、内ねじ山を含まなくてもよい)。外ねじ山415はまた、内ねじ山413を含む実施形態では、留め具開口部414の内ねじ山413と係合することができる。
【0176】
一実施形態では、留め具432は、最初に留め具開口部414を通過し、次に長骨の側面に入ることによって留め具開口部414と係合する。換言すれば、留め具432は、上面409が面する長骨の側面から配備されてもよい。
【0177】
別の実施形態では、留め具432は、最初に、本体406の骨に面する面420が面する側面以外の側面を通過し、次に上面409が面する側面を通過し、次に留め具開口部414に入ることによって、留め具開口部414に係合する。例えば、留め具432は、上面409が面する側面と反対側の側面を通過し、次いで、上面409が面する側面に入り、次いで、留め具開口部414に入り得る。一例では、留め具432は、長骨の後側面を通過し、次に長骨の前側面に入り、次に留め具開口部414に入り得る。当業者は、アーム408が本体406から長骨の1つまたは複数の側面にわたって延在し得ることを理解する。
【0178】
図5Lは、一実施形態による、長骨に配備された内側骨プレートの後部斜視図である。内側骨プレート500cは、薄型固定アセンブリ540を含む。図5Lの実施形態は、内側骨プレート500cが2つのアーム(例えば、第1のアーム508a、第2のアーム508b)を含むという点で、図5Aの実施形態と同様であり得る。図5Kと同様に、第2のアーム508bは、第1のアーム508aと同様、長骨から離れる方向を向く上面409と、本体406/506の骨に面する面420/520が面する側面とは異なる側面に面する下面411とを含み得る。第2のアーム508bおよび/または第1のアーム508aはそれぞれ、前方方向および後方方向の一方または両方で、同じ方向に延在し得る。図示の実施形態では、第1のアーム508aは、内側骨プレート500cが用いられているときに、後方方向に(骨の後側面576にわたって、またはその周りに、またはその上方に)延在し、第2のアーム508bは、前方方向に(骨の後側面576にわたって、またはその周りに、またはその上方に)延在する。1つまたは複数の留め具が、内側骨プレート500cを長骨に固定するために、第1のアーム508aおよび/または第2のアーム508bと係合し得る。
【0179】
図示の実施形態では、第1のアーム508aは、長骨の後側まで延在してもよい。従って、第1のアーム508aは、後部アームと称され得、後側留め具開口部を含み得る。後部留め具は、後側留め具開口部514と係合することができる。同様に、第2のアーム508bは、長骨の前側まで延在してもよい。従って、第2のアーム508bは、前方アームと称され得、前側留め具開口部514を含み得る。前部留め具は、前側留め具開口部514と係合することができる。
【0180】
図5Mは、一実施形態による、患者の大腿骨の遠位端に内側骨プレートを配備するための方法590の一例を示す。ここで、図5Bおよび図5Mを参照すると、特定の実施形態では、方法590は、使用者が、患者の大腿骨102の遠位端の内側面570に内側骨プレート500bを位置決めする、位置決め592で開始する。特定の実施形態では、使用者は、内側骨プレート500bを、大腿骨102の遠位端近くの内側切開部から大腿骨102の近位端に向かって、逆行させてかつ経皮的にスライドさせることによって、内側骨プレート500bを位置決めする。このように、特定の実施形態では、方法590は、大腿骨102の遠位端に近位の、患者の皮膚を開き、大腿骨102の一部を縮小した状態で大腿骨102の内側面570に沿って内側骨プレート500bを経皮的にスライドさせることを含み得る。もちろん、外科医は、他の技術および処置を用うて内側骨プレート500bを配置することができる。
【0181】
一実施形態では、内側骨プレート500bは、大腿骨102の内側皮質面に沿ってスライドすることもできる。一度、内側骨プレート500bの遠位端部504が、大腿骨102の内側上顆の上側に、または大腿骨102の内側上顆に対して置かれる。
【0182】
一実施形態では、内側骨プレート500bは、近位端部502、遠位端部504、大腿骨102から離れる方向を向く上面518、および内側骨プレート500bが配置されるとき大腿骨102の内側面570に面する骨に面する面520を含む本体506を含み得る。この実施形態では、内側骨プレート500bは、1つまたは複数の留め具開口部514を含む、遠位端部504近傍の骨アプローチ固定機構およびプレートアプローチ固定機構を含むこともできる。遠位固定機構516は、プレートアプローチ固定機構の一例である。薄型固定アセンブリ560は、骨アプローチ固定機構の一例である。上述のように、骨アプローチ固定機構は、固定システム/アセンブリの1つまたは複数の部品が、部品(複数可)が係合して固定を実行する前に、骨の上、骨の中、骨の周り、または骨を通って配備される固定機構である。同様に、プレートアプローチ固定機構は、固定システム/アセンブリの1つまたは複数の部品が、部品(複数可)が骨に係合して固定を実行する前に、骨プレートの上、骨プレートの中、骨プレートの周り、または骨プレートを通って配備される固定機構である。
【0183】
次に、方法590の例示される実施形態では、外科医が、骨アプローチ固定機構に係合(または固定)するために、骨アプローチ留め具(例えば、薄型固定アセンブリ560)を配備する、配備594を行い得る。一例示的な実施形態では、これは、大腿骨102の側面、前面、および後面のうちの1つを通して骨アプローチ留め具(例えば、側面アプローチ留め具528)を駆動することによって行われ得る。別の言い方をすれば、外科医は、内側面570以外の骨(例えば、大腿骨102)の側面、つまり内側骨プレート500bを備えた側面を通って骨アプローチ留め具を駆動することができる。骨アプローチ留め具が骨の側面を通って駆動された後、骨アプローチ留め具は、骨アプローチ固定機構(例えば、側面アプローチ留め具開口部526)と係合して骨アプローチ留め具の配備を完了し得る。骨アプローチ留め具は、一般に、固定アセンブリの他の態様と係合する前に、骨と係合し、通過し、または相互作用することに留意されたい。
【0184】
次に、外科医は、プレートアプローチ固定機能に係合するために、1つまたは複数のプレートアプローチ留め具を配備する、配備596を行い得る。これは、例えば、プレートアプローチ留め具を、内側骨プレート500bを通して大腿骨102の内側皮質に駆動することによって達成することができる。特定の実施形態では、プレートアプローチ留め具は、遠位固定機構516の留め具開口部514を通って駆動することができる。代替的に、または追加的に、プレートアプローチ留め具は、それ自体の開口部を形成して上顆内に本体506を通って駆動され得る。外科医が、1つまたは複数のプレートアプローチ留め具を配備する、配備596を行った後、方法は終了し得る。
【0185】
特定の実施形態では、骨アプローチ固定機構に係合するための骨アプローチ留め具の配備は、骨アプローチ固定機構と整列する大腿骨の側面上の患者の皮膚を開くことと、骨アプローチ留め具のガイドとして機能するよう皮膚開口部を通ってKワイヤを配備することと、を含み得る。一実施形態では、骨アプローチ留め具を駆動することは、配備されたKワイヤを介して骨アプローチ留め具を駆動することを含む。
【0186】
図6Aは、一実施形態による、大腿骨102のような長骨に配備された外側骨プレート600の斜視図である。外側骨プレート600は、本体602、近位端部604、および遠位端部606を含む。本体602は、大腿骨102などの長骨の骨幹ト608の外側面に接触するように構成される。外側骨プレート600の近位端部604は、第1の連結部610を含み、外側骨プレート600の遠位端部606は、第2の連結部612を含む。
【0187】
本体602および/または第1の連結部610および/または第2の連結部612は、個々におよび/または集合的に様々な要因に基づき得る、様々な長さ、幅、および/または厚さを有するように製造され得る。そのような要因としては、患者の年齢、性別、健康状態、人工物の種類および位置、長骨の種類などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0188】
特定の実施形態では、外側骨プレート600は、第1の連結部610または第2の連結部612のいずれかの単一の連結部を含み得る。第1の連結部610および/または第2の連結部612は、対応する拡張部と係合するか、または対応する拡張部に接続することができる。図示の実施形態では、第1の連結部610は、近位拡張部614に接続することができ、第2の連結部612は、遠位拡張部616に接続することができる。
【0189】
連結部610、612は、外側骨プレート600が、外科医が外側骨プレート600の実施形態などの髄内くぎを用いることを決定した患者の様々な異なる固定ニーズまたは構成に適応できるようにする。連結部610、612によって、外側骨プレート600が、様々なニーズおよび配備状況に対応することができるモジュール式の外側骨プレート600と見なされることができる。
【0190】
図6B図6C図6D図6E図6F、および図6Gは、一実施形態による、図6Aの外側骨プレートのそれぞれの正面図、背面図、遠位端図、近位端図、左側面図、および右側面図である。外側骨プレート600は、複数の留め具開口部618を含むことができる。複数の留め具開口部618は、1つまたは複数の拡張部(例えば、近位拡張部614および/または遠位拡張部616)の上または内部を含む、外側骨プレート600の長さに沿った様々な位置に配置され得る。代替的に、または追加的に、複数の留め具開口部618は、1つまたは複数の連結部(例えば、第1の連結部610および/または第2の連結部612)に含まれ得る。図面は、1つまたは複数の留め具開口部618の複数の例を含み、それらのすべてが図面の読みやすさのために参照番号で識別されるわけではない。加えて、使用者は、外側骨プレート600の長さに沿った1つまたは複数の留め部を含み得、このとき留め具のヘッドは、外側骨プレート600を骨の皮質に当てる(すなわち、挟む)。
【0191】
代替的に、または追加的に、本体602、第1の連結部610、第2の連結部612、近位拡張部614、および/または遠位拡張部616は、留め具開口部618などの1つまたは複数の開口部を含まなくてもよい。代わりに、本体602、第1の連結部610、第2の連結部612、近位拡張部614、および/または遠位拡張部616は、留め具が本体602、第1の連結部610、第2の連結部612、近位拡張部614、および/または遠位拡張部616を貫通し、それによってそれ自身の開口部を開けることを可能にする材料から作製され得る。
【0192】
特定の実施形態では、結合部(例えば、第1の結合部610および/または第2の結合部612)は、外側骨プレート600に接続された1つの部分と、拡張部に接続された他の部分との2つの部分を含むことができる。例えば、図6B図6Eは、外側骨プレート600の近位端部604に接続された近位プレート部分620と、外側骨プレート600の遠位端部606に接続された遠位プレート部分622とを示す。
【0193】
図7は、一実施形態による、図6Aの外側骨プレート600と、近位拡張部614および遠位拡張部616との分解図である。図7は、患者の様々な固定ニーズのために結合部(例えば、第1の結合部610および/または第2の結合部612)を用いて、近位拡張部614および/または遠位拡張部616が外側骨プレート600にどのように接続できるかを示している。特定の実施形態では、第1の結合部610は、外側骨プレート600の近位プレート部分620および近位拡張部614の近位拡張部分624を含み、第2の結合部612は、外側骨プレート600の遠位プレート部分622および遠位拡張部616の遠位拡張部分626を含む。
【0194】
当業者は、様々な異なる結合部構造が1つまたは複数の結合部に用いられ得ることを理解する。これらの構造のそれぞれは、本開示の範囲内である。図示の実施形態では、第1の結合部610および第2の結合部612は、外側骨プレート600の部分が拡張部の対応する部分(例えば、近位拡張部614/遠位拡張部616)と摺動可能に係合するように構成される。特定の実施形態では、結合部は、拡張部が長骨(例えば、大腿骨102)の側面に沿って長手方向の様々な位置に配置され得るように構成される。図7は、各拡張部の溝内に複数の留め具位置628を含む拡張部を示す。
【0195】
拡張部(例えば、近位拡張部614および/または遠位拡張部616)は、それぞれ単独で、または本体602と組み合わせて、一次固定機器として用いられることができる。例えば、近位拡張部614は、本体602または遠位拡張部616無しで用いることができる。同様に、遠位拡張部616は、本体602または近位拡張部614無しで用いることができる。本体602は、遠位拡張部616および近位拡張部614のうちの1つと共に用いることができる。または、遠位拡張部616および近位拡張部614は、本体602無しで用いることができる。代替的に、または追加的に、拡張部は、骨折の位置(すなわち、長骨の中間、遠位、近位部分)または骨の種類(例えば、大腿骨、脛骨、上腕骨など)にかかわらず、固定のための他の固定器具/固定技術と共に二次/補完的固定を提供するために用いられ得る。加えて、1つまたは複数の拡張部は、本体602無しで、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200と共に用いることができる。
【0196】
図8A図8B図8C図8D図8E、および図8Fは、一実施形態による、遠位拡張部のそれぞれの正面図、背面図、底面図、上面図、右側面図、および左側面図である。上述したように、遠位拡張部616は、骨留め具などの様々な異なる留め具を受け入れるように構成された複数の留め具開口部618を含み得る。複数の留め具開口部618の直径は、それぞれ、複数の留め具開口部618において同じであってもよく、または異なるものであってもよい。
【0197】
一実施形態では、遠位拡張部616は、遠位拡張部分626を通過する溝630を含み得る。溝630は、外側骨プレート600および遠位拡張部616が共に配備されるときに、遠位拡張部626を対応する遠位プレート部分622に固定する留め具を受け入れる役割を果たし得る。一実施形態では、遠位拡張部626と遠位プレート部622は、溝630と遠位プレート部622内の留め具開口部のねじ山と係合する止めねじ(図14A参照)とを介して互いに固定され得る。有利には、溝630は、操作者が、溝630に沿ったほぼ無限の数の位置で、外側骨プレート600に対して遠位拡張部616を配置することを可能にする。このようにして、使用者は、外側骨プレート600および遠位拡張部616を患者の特定のニーズおよび/または固定状況に適合させることができる。
【0198】
図8Cは、遠位拡張部626が遠位プレート部622とどのようにして摺動可能に係合することができるかの一例を示している。遠位拡張部626は、2つの部分が接合されるときに、遠位プレート部622と摺動可能に係合する一対の縁632を含むことができる。
【0199】
遠位拡張部616は、1つまたは複数の固定機構634を含み得る。固定機構634は、遠位拡張部616が長骨の外側面(例えば、大腿骨102の外側面の遠位端)に配備されると、遠位拡張部616に隣接する皮質骨の面の一部の外郭に適合するように輪郭形成および/または構成される遠位拡張部616の部分である。従って、固定機構634の構成、サイズ、および形状は、遠位拡張部616が取り付けられている場所に応じて変化し得る。一実施形態では、固定機構634は、大腿骨102などの長骨の外側顆の面と係合する、および/または接触するように輪郭形成される。
【0200】
図9A図9B図9C図9D図9E、および図9Fは、一実施形態による、近位拡張部のそれぞれの正面図、背面図、底面図、上面図、右側面図、および左側面図である。上述したように、近位拡張部614は、骨留め具などの様々な異なる留め具を受け入れるように構成された複数の留め具開口部618を含み得る。複数の留め具開口部618の直径は、それぞれ、複数の留め具開口部618において同じであってもよく、または異なるものであってもよい。
【0201】
一実施形態では、近位拡張部614はまた、近位拡張部624を通過する溝630を含むことができる。溝630は、外側骨プレート600および近位拡張部614が共に配備されるときに、近位拡張部分624を対応する近位プレート部分620に固定する留め具を受け入れる役割を果たし得る。一実施形態では、近位拡張部614と近位プレート部分620は、溝630と、近位プレート部分620内の留め具開口部におけるねじ山と係合し得る止めねじ(図14A参照)と、を介して互いに固定され得る。有利には、溝630は、操作者が、溝630に沿ったほぼ無限の数の位置で、外側骨プレート600に対して近位拡張部614を配置することを可能にする。このようにして、使用者は、外側骨プレート600および近位拡張部614を患者の特定のニーズおよび/または固定状況に適合させることができる。
【0202】
図9Cは、近位拡張部624が近位プレート部620とどのように摺動可能に係合することができるかの一例を示している。近位拡張部624は、2つの部分が接合されるときに近位プレート部620と摺動可能に係合する一対の縁632を含むことができる。
【0203】
近位拡張部614は、1つまたは複数の固定機構634を含み得る。固定機構634は、近位拡張部614が長骨の外側面(例えば、大腿骨102の外側面の近位端)に配備されると、近位拡張部614に隣接する皮質骨の面の一部の外郭に適合するように輪郭形成および/または構成される近位拡張部614の部分である。従って、固定機構634の構成、サイズ、および形状は、近位拡張部614が取り付けられている場所に応じて変化し得る。一実施形態では、固定機構634は、大腿骨102などの長骨の殿筋粗面および/または大転子と並んで、そのような面のような上肢の面と係合する、および/または接触するように輪郭形成される。
【0204】
一実施形態では、近位拡張部614はまた、上部開口部636および1つまたは複数のネック開口部638を含み得る。上部開口部636は、長骨の一部を覆う固定機構634のサイズ、重量、および表面積を減少させるのに役立ち得る。さらに、上部開口部636は、固定機構634に構造的支持および剛性を与えるように構成することができる。上部開口部636のサイズおよび形状は、近位拡張部614の異なる実施形態で変化し得る。
【0205】
ネック開口部638もまた、長骨の一部を覆う近位拡張部614のサイズ、重量、および表面積を減少させるのに役立ち得る。さらに、ネック開口部638は、近位拡張部614のネック部に構造的支持および剛性を与えるように構成することができる。ネック開口部638のサイズおよび形状は、近位拡張部614の異なる実施形態で変化し得る。一実施形態では、ネック開口部638は楕円形である。
【0206】
図10A図10B図10C、および図10Dは、一実施形態による、近位拡張部のそれぞれの正面図、背面図、底面図、および上面図である。上述したように、近位拡張部640は、骨留め具などの様々な異なる留め具を受け入れるように構成された複数の留め具開口部618を含み得る。複数の留め具開口部618の直径は、それぞれ、複数の留め具開口部618において同じであってもよく、または異なるものであってもよい。
【0207】
一実施形態では、近位拡張部640はまた、近位拡張部分644を通過する多位置溝642を含んでもよい。多位置溝642は、外側骨プレート600および近位拡張部640が共に配備されるときに、近位拡張部分644を対応する近位拡張部640に固定する留め具を受け入れる役割を果たし得る。一実施形態では、近位拡張部640と近位拡張部分644は、多位置溝642と、近位プレート部620における留め具開口部または別の開口部のねじ山と係合し得る止めねじ(図14A参照)と、を介して互いに固定され得る。有利には、多位置溝642は、操作者が、多位置溝642に沿った1つまたは複数の所定の位置を用いて、外側骨プレート600に対して近位拡張部640を配置することを可能にする。このようにして、使用者は、外側骨プレート600および近位拡張部640を患者の特定のニーズおよび/または固定状況に適合させることができる。
【0208】
図10Cは、近位拡張部分644が近位プレート部620とどのように摺動可能に係合することができるかの一例を示している。近位拡張部分624は、2つの部分が接合されるときに近位プレート部620と摺動可能に係合する一対の縁632を含むことができる。
【0209】
近位拡張部640は、1つまたは複数の固定機構634を含み得る。固定機構634は、近位拡張部640が長骨の外側面(例えば、大腿骨102の外側面の近位端)に配備されると、近位拡張部640に隣接する、または接触する皮質骨の面の一部の外郭に適合するように輪郭形成および/または構成される近位拡張部640の部分である。従って、固定機構634の構成、サイズ、および形状は、近位拡張部640が取り付けられている場所に応じて変化し得る。一実施形態では、固定機構634は、大腿骨102などの長骨の殿筋粗面および/または大転子と並んで、そのような面のような上肢の面と係合する、および/または接触するように輪郭形成される。
【0210】
一実施形態では、近位拡張部640はまた、上部開口部646および1つまたは複数のネック開口部638を含み得る。上部開口部646は、長骨の一部を覆う固定機構634のサイズ、重量、および表面積を減少させるのに役立ち得る。さらに、上部開口部646は、固定機構634に構造的支持および剛性を与えるように構成することができる。上部開口部646のサイズおよび形状は、近位拡張部640の異なる実施形態で変化し得る。一実施形態では、上部開口部646は、固定機構634の留め具開口部618の間に開口部648を含むことができる。開口部648は、配備する間に固定機構634の部品の位置決めにおけるより大きな柔軟性を促進し得る。
【0211】
ネック開口部638もまた、長骨の一部を覆う近位拡張部614のサイズ、重量、および表面積を減少させるのに役立ち得る。さらに、ネック開口部638は、近位拡張部640のネック部650に構造的支持および剛性を与えるように構成することができる。ネック開口部638のサイズおよび形状は、近位拡張部640の異なる実施形態で変化し得る。一実施形態では、ネック開口部638は楕円形である。
【0212】
図11A図11B図11C図11D図11E、および図11Fは、一実施形態による、近位拡張部のそれぞれの正面図、背面図、底面図、上面図、右側面図、および左側面図である。近位拡張部660は、図9A図9Fに関連して説明された近位拡張部614および/または図10A図10Dに関連して説明された近位拡張部640の構造、特徴、および機能、動作、および構成と同様の構造、特徴、および機能、動作、および構成を有することができる。従って、近位拡張部660は、近位拡張部分624/644、留め具開口部618、多位置溝642、固定機構662、ネック部650、ネック開口部638、縁632などを含み得る。
【0213】
近位拡張部660と、近位拡張部614および/または近位拡張部640と、の間の主な違いは、固定機構の構成であり得る。図11A図11Fでは、近位拡張部660は、近位拡張部614および/または近位拡張部640の例示的な固定機構634よりも小さい固定機構662を含む。
【0214】
本開示は、患者の長骨の骨折に関連した固定のための外科用の機器、システム、および/または方法を開示する。長骨骨折のための既存の固定器具および/または固定装置、方法、または処置は限られている。
【0215】
骨プレートは、できるだけ薄く、短く、軽量で、可撓性であることが望ましい。しかしながら、そのような特性を有する骨プレートは、単独で用いられる場合、長骨の十分な制限されたねじり剛性をもたらし得るが、もたらされる曲げ剛性は不十分なものである。髄内くぎは、十分な曲げ剛性を提供し得るが、ねじり剛性は限定的である。より細いおよび/またはより適切に可撓性のある骨プレートおよび髄内くぎを含む固定システムが必要であり、これらは共に骨折がある長骨について所望のまたは十分な曲げ剛性およびねじり剛性をもたらすものである。長骨の皮質に接続する骨プレートの厚さを最小限に抑えることも望ましい場合がある。
【0216】
“剛性”は、物体、構造、機器、構成部品、部材、システム、またはアセンブリが、作用する力に応答して変形に抵抗する程度を指す。材料の弾性係数は、その材料から作られた構成部品の剛性と同じではないことに留意されたい。弾性係数は、構成材料の特性であり、剛性は、構造または構造の構成要素の特性であり、したがって、剛性は、その構成要素を記述する様々な物理的寸法に依存する。すなわち、弾性係数は、材料の示強性であり、一方、剛性は、材料およびその形状および境界条件に依存する固体、物体、構造、機器、構成要素、部材、システム、またはアセンブリの広範な特性である。(Wikipedia.comで“剛性”を検索。2022年5月11日、CC-BY-SA3.0、2022年7月26日閲覧、改訂)。曲げ剛性は、物体、構造、機器、構成部品、部材、システム、またはアセンブリを曲げることに関連する物体、構造、機器、構成部品、部材、システム、またはアセンブリの剛性の尺度を指す。曲げ剛性は、物体、構造、機器、構成部品、部材、システム、またはアセンブリが、破損、変形、または故障する前にどのくらいまたはどこまで曲がるかの尺度を指す。曲げ剛性は、物体、構造、機器、構成部品、部材、システム、またはアセンブリについて、曲げること、またはトルクを作用することに関連する物体、構造、機器、構成部品、部材、システム、またはアセンブリの剛性の尺度を指す。ねじり剛性は、物体、構造、機器、構成部品、部材、システム、またはアセンブリが、破損、変形、または故障する前にどのくらいまたはどこまでねじれるかの尺度を指す。
【0217】
“堅さ”とは、堅さの質または状態、柔軟性の欠如、形状の変化に抵抗する質、本体が形状の変化に抵抗する抵抗の量を指す。(wordhippo.comで“堅さ”を検索.WordHippo、2022年.2022年7月26日閲覧)。
【0218】
“十分”とは、ニーズ、目的、目標、測定基準、および/またはゴールを満たすのに十分な量、属性、態様、特性、特徴、機能、および/または機能性を指す(wordhippo.comで”十分”を検索.WordHippo、Web.2022年.改訂.2022年8月4日閲覧)。外科的処置、器具、システム、アセンブリ、構造、および/またはインプラントの文脈では、“十分な”とは、装置、システム、および/または方法が、患者の解剖学的構造の適切な治癒を促進しおよび/または可能にするために、所望の特性をもたらすこと、および/または必要な時間を提供することを意味することができる。
【0219】
“不十分”とは、ニーズ、目的、目標、測定基準、および/またはゴールを満たすことができない任意の量、属性、態様、特性、特徴、機能、および/または機能性の量を指す。不十分は、一般的に十分の反対である。(wordhippo.comで”不十分”を検索.WordHippo.Web.2022年。改訂.2022年8月4日閲覧)。外科的処置、器具、システム、アセンブリ、構造、および/またはインプラントの文脈では、“不十分な”とは、装置、システム、および/または方法が、患者の解剖学的構造の適切な治癒を促進しおよび/または可能にするために、所望の特性をもたらすこと、および/または必要な時間を提供することができないことを意味することができる。
【0220】
図12Aは、一実施形態による、大腿骨102のような長骨上および長骨内に配備された外側骨プレートと髄内くぎの斜視図である。図12Bは、線画を用いて長骨上および長骨内に配備された図12Aの固定システム1200を示し、図12Cは、明確にするために長骨無しで示された長骨上および長骨内に配備されたときのように配置された図12Aの固定システム1200を示す。
【0221】
図12A図12B、および図12Cは、髄内くぎ1202および骨プレート1204を含む固定システム1200を示す。固定システム1200で用いられる髄内くぎ1202および/または骨プレート1204は、本明細書に記載される1つまたは複数の実施形態を含んでもよく、または髄内くぎ1202および/または骨プレート1204の様々な他の実施形態であってもよい。例えば、髄内くぎ1202は、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎ202、または髄内くぎの異なる実施形態であり得る。一実施形態では、髄内くぎ1202は、いずれかの端部にオフセット部116を有しない直線髄内くぎである。同様に、骨プレート1204は、内側骨プレート500a、外側骨プレート600、拡張部のための1つまたは複数の結合部を備えるモジュラー式の骨プレート、または所定の長さを有する骨プレートであり得る。さらに、骨プレート1204は、1つまたは複数の固定機構634および/または1つまたは複数の拡張部を含み得る。
【0222】
図12Dは、一実施形態による、長骨が明瞭化のため図示されない状態で、長骨上および長骨内に配備されたときのように位置決めされた外側骨プレートと髄内くぎを示す斜視図である。図12Dは、髄内くぎ1202が、まっすぐであり、オフセット部116を含まない髄内くぎ202などのもの、または図12Cに示されるようなオフセット部116(例えば、機構1216)を含むもの、であり得ることを示している。
【0223】
有利には、固定システム1200は、髄内くぎ1202および骨プレート1204を含み、それぞれが単独で配備されても、長骨の十分な固定をもたらさないが、共に配備されると、長骨の所望のレベルの固定をもたらす。髄内くぎ1202および骨プレート1204は、配備時に十分な固定をもたらす固定システム1200の一部であるため、髄内くぎ1202および骨プレート1204の一方または他方、または両方は、髄内くぎ1202および骨プレート1204の一方または他方を単独で用いて長骨の固定をもたらす場合よりも、より軽量で、より薄く、より安価、より軽く、より小さい堅さの材料から作製することができる。
【0224】
一実施形態では、髄内くぎ1202は、近位端部1210、遠位端部1212、およびシャフト1214を含む。近位端部1210は、髄内くぎ1202が配備されるとき、長骨の近位端に対応する。遠位端部1212は、髄内くぎ1202が配備されるとき、長骨の遠位端に対応する。シャフト1214は、近位端部1210と遠位端部1212とを相互接続する。
【0225】
特定の実施形態では、髄内くぎ1202はまた、髄内くぎ1202を長骨の遠位端から髄内管内に逆行させるための、機構1216ないし手段を含む。一実施形態では、機構1216は、長骨の遠位端からの髄内くぎ1202の配備を可能にするように構成され、ここで、長骨は、内側顆状突起および/または外側顆状突起の全部または一部、および/または髄内管への遠位アクセスを覆うまたはブロックする人工膝を含んでいる。機構1216は、様々な方法で実装することができ、そのいくつかの例は本明細書に含まれている。例えば、オフセット部116は、機構1216として機能し得る。代替的に、または追加的に、アダプタ204は、機構1216として機能し得る。代替として、または加えて、挿入器のドライバは、機構1216として機能するように構成され得る。
【0226】
一例の実施形態では、骨プレート1204は、長骨の外側面に接触するように構成された、外側骨プレートまたは外側モジュラー式骨プレートである。代替として、または加えて、骨プレート1204は、骨プレート400、前方骨プレート、後方骨プレート、上方骨プレート、下方骨プレートなどであってもよい。一実施形態では、骨プレート1204は、別の固定装置(例えば、髄内くぎ1202)を含む固定システム1200の一部として配備されることから、骨プレート1204は、従来の骨プレートよりも薄く、軽く、可撓性があるように構成することができる。特定の実施形態では、骨プレート1204は、極めて薄くおよび/または可撓性であるため、骨プレート1204は、髄内くぎ1202などの、別の固定システムまたは機器が無い状態では不十分な固定をもたらす。有利には、より柔軟な骨プレート1204を用いることによって、1つまたは複数の骨折について、所望の骨の治癒を促進するか、または少なくとも阻害しないようにすることができる。代替として、または加えて、骨プレート1204は、堅くまたは弾性であってもよい。
【0227】
代替として、または加えて、一実施形態では、髄内くぎ1202は、髄内くぎ1202が別の固定機器(例えば、骨プレート1204)を含む固定システム1200の一部として配備されることから、髄内くぎ1202は、従来の髄内くぎよりも薄く、重量が少なく、可撓性が高いように構成することができる。特定の実施形態では、髄内くぎ1202は、極めて薄く、短く、および/または可撓性であるため、髄内くぎ1202は、骨プレート1204などの別の固定システムまたは機器が無い状態では不十分な固定をもたらす。有利には、より可撓性のおよび/または軽量の髄内くぎ1202を用いることによって、1つまたは複数の骨折について、コストを削減し、および/または所望の骨の治癒を、促進しまたは少なくとも阻害しないようにすることができる。
【0228】
外側骨プレートは、1つまたは複数の留め具開口部618を含み得る。外側骨プレートはまた、1つまたは複数の固定機構516/634を含み得る。外側骨プレートは、留め具開口部618を通過して骨と係合し得る1つまたは複数の留め具1218を含むことができる。留め具1218はまた、髄内くぎ1202の開口部132と係合することによって、髄内くぎ1202を骨に固定するために用いることができる。
【0229】
図13は、一実施形態による、外側骨プレートなどの骨プレート1204および、長骨上および長骨内に配備された髄内くぎ1202を含む固定システム1200の斜視図である。特定の実施形態では、可撓性骨プレート1204および髄内くぎ1202は、人工膝関節、人工股関節、および/または1つまたは複数の人工固定器などの人工器官を含む長骨に配備することができる。代替として、または加えて、可撓性骨プレート1204および髄内くぎ1202は、人工器官を有しない長骨(すなわち、天然の長骨、人工の関節または固定具を有しない)に配備することができる。図13は、1つまたは複数の留め具1218を用いて、髄内くぎ1202を骨に、および/または骨プレート1204を骨に、固定することができると同時に、1つまたは複数の留め具1218を用いて骨プレート1204を髄内くぎ1202に固定することができることを示している(留め具1218aを参照)。一実施形態では、留め具は、留め具開口部618を通って駆動されるか、または留め具による貫通を受け入れる材料で作られた髄内くぎ1202にそれ自身の開口部を開けることができる。
【0230】
ここで、図12A図12Cおよび図13を参照すると、固定システム1200の配備のための方法は、任意の順序で行われる、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200のうちの1つの配備、および骨プレート400および/または外側骨プレート600の配備のための技術を含み得る。一実施形態では、外科医は、外側骨プレート600の配備に続いて、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200を配備し得る。外側骨プレート600を配備することの一部として、外科医はまた、髄内くぎアセンブリ100または髄内くぎシステム200と係合しまたはそれを固定する外側骨プレート600を介して、留め具または別の留め具システムを配備してもよい。
【0231】
図14A図14B、および図14Cは、一実施形態による、留め具1400のそれぞれの斜視図、上面図、および底面図である。一実施形態では、留め具1400は、外ねじ山1402および駆動特徴部1404ないし駆動凹部を含む止めねじである。
【0232】
一実施形態では、外ねじ山1402は、近位プレート部分620、遠位プレート部分622または近位拡張部分624または遠位拡張部分626のうちの1つに形成された留め具開口部132、414、514、618および/または結合部開口部652の内ねじ山と係合するように機能する。特定の実施形態では、近位拡張部分624は、近位プレート部620上で嵌合し、遠位拡張部分626は、遠位プレート部622上で嵌合し、近位プレート部620および遠位プレート部622は、それぞれ1つまたは複数の結合部開口部652を含み得る。そのような構成では、留め具1400の外ねじ山1402は、結合部開口部652の内ねじ山と係合し、留め具1400を近位プレート部分620または遠位プレート部分622に向かって引くことができる。留め具1400の側壁1406は、留め具1400が結合部開口部652に入ると、側壁が近位拡張部分624または遠位拡張部分626と係合するように、より狭くからより広くへ、先細にしてもよい。
【0233】
駆動特徴部1404、駆動凹部、または他のトルク受容部は、留め具1400を取り付けるために用いられる、留め具(不図示)の駆動部材を受容するように構成される。駆動特徴部1404は、すり割り付き、トルクス、トルクスプラス、フィリップス、クアドレックス、ポジドリブ、正方形凹部、三翼、スパナなどを含む様々な形状のいずれか1つを有するように構成することができる。駆動特徴部1404は、留め具1400が開口部に挿入されるときに、留め具開口部618の長手方向軸と整列する、留め具1400の長手方向軸を中心とすることができる。もちろん、当業者は、駆動部材と駆動特徴部1404の形状および構成を逆にすることができ、従って、それを本開示の範囲内の実施形態として含むことを理解する。
【0234】
図15は、一実施形態による、留め具1500の斜視図である。留め具1500は、図14に示される留め具1400と同様の部品を含んでもよい。従って、留め具1500は、外ねじ山1502および駆動特徴部1504(不図示)を含んでもよく、これらは、構造化されてもよく、外ねじ山1402および駆動特徴部1404と同様に機能してもよい。留め具1500はまた、骨ねじ山1508を有するシャフト1506を含んでもよい。留め具1500は、留め具開口部132、414、514、618および/または結合部開口部652内で用いることができる。骨ねじ山1508は、構成されて互いに対して間隔を置いてもよく、留め具1500が挿入されるときに骨に対する掴みを容易にするピッチを有してもよい。
【0235】
図16Aは、一実施形態による、曲げ剛性に関する固形物を示す。図16Aは、曲げ力1604(両矢印1604によって表される)を受ける固体物1602による曲げ剛性の概念を示す。固体物1602は、近位端部1606および遠位端部1608を含み得る。固体物1602は、ある程度の弾性を有する。
【0236】
曲げ力1604は、任意の点で固体物1602に作用することができる。固体物1602は、特に一方の端部が固定され、他方の端部が曲げ力1604を受ける場合、その端部(例えば、近位端部1606または遠位端部1608)で曲げ力1604の影響を最も受けやすい。一般に、曲げ剛性は、ニュートン/メートルまたはポンド/インチの単位で測定され得る。
【0237】
図16Aは、その近位端部1606が固定され、その遠位端部1608が自由であり、曲げ力1604を受ける固体物1602を示している。図16Aは、曲げ剛性のレベル、程度、または測定値を示すために用することができる目盛り1610を示す。本明細書で使用される場合、目盛板は、通常、目盛りおよび針などのポインタによっていくつかの測定値が登録される文字面を指す。(“目盛板”.Merriam-Webster.com.Merriam-Webster,2021.Web.2021年1月6日改訂)。目盛板1610は、物体の剛性の測定値または量を示すポインタないし針1612を含み得る。目盛板1610は、1つまたは複数の区分、例えば、1つまたは複数の閾値1620a、bによってそれぞれ分割された3つのセクション1614、1616、1618に分割され得る。区分1614は、特定のユースケースまたは目的には不十分であり、ゼロまたは初期開始点1622および第1の閾値1618aによって境界が示され得る剛性のレベルを表している。区分1616は、特定のユースケースまたは目的に、十分であるおよび/または満たしている剛性のレベルを表し、第1の閾値1618aおよび第2の閾値1618bによって境界が示され得る。区分1618は、特定のユースケースまたは目的に対して、十分以上および/または満している以上である剛性のレベルを表し、第2の閾値1618bおよび最大レベル1624によって境界が示され得る。代替的に、または追加的に、区分1618は、特定のユースケースまたは目的にも、不十分であるおよび/または満足していない剛性のレベルを表し得る。例えば、過度の剛性が存在する場合、これは回避すべき他の問題をもたらす可能性がある。図16Aの例では、固体物1602は、固体物1602の意図された用途に十分であり、針1612によって示される、区分1616に入る曲げ剛性を有している。
【0238】
固体物1602が受けることができる曲げ力1604の量は、固体物1602およびその環境のいくつかの要因および/または特性に依存する。本明細書で使用される場合、“特性”は、物体または物の任意の属性、特質、形質、要素、態様、品質、データ値、設定、または特徴を指す。本明細書で使用されるとき、曲げ剛性は、固体物1602などの物体、システム、アセンブリ、または装置の広範な特性を指す。同様に、ねじり剛性は広範な特性であり、固体1602およびその環境のいくつかの要因及び/または特性に依存する。
【0239】
“示量性状態量”とは、材料、構造、物体、および/またはシステムの物理的特性を指す。材料およびシステムの物理的特性は、システムのサイズ(または範囲)が変化したときに特性がどのように変化するかに応じて、示強的または示量的のいずれかに分類することができる。国際純粋応用化学連合(IUPAC)によれば、示強性量とは、その大きさが系の大きさとは無関係であるものであり、一方、示量性量とは、その大きさがサブシステムに対して加算的であるものである。
【0240】
示強性は、システムのサイズやシステムにおける材料の量に依存しない。示強性は、必ずしも空間に均一に分布するわけではない。示強性は、物体と放射線において場所によって異なる場合がある。示強性の例としては、温度T;屈折率n;密度ρ;および物体の硬度ηが挙げられる。
【0241】
これに対し、システムの質量、体積、およびエントロピーなどの示量性は、サブシステムにとって加算的である。示強性は、その値が測定された物質の量に依存しない物理量である。示量性は、それが記述するシステムのサイズやシステムにおける物質の量に比例する値を持ち、および/または材料とその形状および境界条件に依存する、物理量である。例えば、試料の質量は示量性量であり、物質の量に依存する。関連する示強性量は、量とは独立した密度である。(Wikipedia.comで“示強性および示量性”と“剛性”を検索.2022年7月24日.CC-BY-SA3.0.2022年7月26日検索.改訂)。
【0242】
図16Bは、一実施形態による、ねじり剛性に関する固形物を示す。図16Bは、ねじり剛性に関する固体物1602および目盛板1610を含む。固体物1602は、トルクないしねじり力1626(両矢印1626によって表される)を受け得る。目盛板1610は、区分1614、区分1616、区分1618、および第1の閾値1618aおよび第2の閾値1618bを含む。針1628は、固体物1602が故障する前に受けることができ、固体物1602の意図された使用に十分なねじり力1626の尺度を表している。図16Bの例では、固体物1602は、固体物1602の意図された用途に十分であり、針1612によって示される、区分1616に入るねじり剛性を有している。
【0243】
処置のために髄内くぎと骨プレートを組み合わせた従来の治療は、長骨の治癒に満足のいく結果をもたらさない。特に、そうすることは、応力遮蔽および/または癒着不能の原因となる。当業者は、髄内くぎと髄内管との間の界面、髄内くぎと係合する骨留め具と髄内くぎとの間の界面、および/または骨留め具の頭部と長骨の皮質との間の界面が、不安定なねじり剛性および安定した曲げ剛性を与えることを理解する。同様に、4mm以下の厚さの骨プレートは、骨プレートと、不安定な曲げ剛性および安定したねじり剛性をもたらす、骨プレートおよび骨と係合する留め具と、の間の界面を有することができる。本開示は、骨プレートが4mm未満の厚さである、髄内くぎおよび骨プレートを共に用いて、安定したねじり剛性および安定した曲げ剛性の両方をもたらす固定システム、アセンブリ、装置、および/または構築物を提供する。
【0244】
“癒着不能”とは、損傷から少なくとも9ヶ月経過して治癒または治癒進行の放射線学的徴候が示されていない骨折の状態、すなわち、最後の3ヶ月間(すなわち、6ヶ月間は癒着不能と見なされ、さらに3ヶ月間は癒着不能が確立されていることを確認する)、骨折仮骨に変化がないことを指す。(米国食品医薬品局.“GuidanceDocument for Industry and CDRH Staff for the Preparation of Investigational Device Exemptions and Premarket Approval Applications for Bone Growth Stimulator Devices.” United Stated: Office of the Federal Register, National Archives and Records Administration(1998).改訂)。“応力遮蔽”とは、インプラント(例えば、人工股関節の大腿骨コンポーネント)によって骨から代表的な応力を除去した結果としての骨密度の低下(骨減少)を指す。(Wikipedia.comで”応力遮蔽”を検索.2022年3月6日.CC-BY-SA3.0、2022年7月26日閲覧)。
【0245】
本開示は、長骨骨折を治療するために髄内くぎおよび骨プレートを用いるためのシステム、方法、および装置を提供する。本開示は、十分な曲げ剛性および不十分なねじり剛性を有する髄内くぎと、十分なねじり剛性および不十分な曲げ剛性を有する骨プレートとを組み合わせる。
【0246】
図16Aおよび図16Bの固体物1602は、任意の構築物、システム、装置、アセンブリ、構成要素などを表す。例えば、固体物1602は、長骨の髄管内に固定された髄内くぎを表すことができ、および/または固体物1602は、長骨の外側に固定された骨プレートを表すことができる。髄内くぎおよび骨プレートは、互いに固定されていてもよく、固定されていなくてもよい。
【0247】
図17Aは、一実施形態による髄内くぎを示す。一実施形態では、髄内くぎは、オフセット部116を含む、上述の髄内くぎ101などのくぎである。髄内くぎ101は、骨折を含む大腿骨102と係合するように構成されている。髄内くぎ101は、目盛板1610の針1612によって示される第1の曲げ剛性を有する。目盛板1610はまた、髄内くぎ101の第1のねじり剛性を示す針1628を含む。針1612は、計画された長骨固定処置のために、第1の曲げ剛性が(閾値1618aと閾値1618bとの間で)十分であることを示している。針1628は、第1のねじり剛性が骨プレートとは独立して骨折を安定させるのに(開始点1622と閾値1618aとの間で)不十分であることを示っしている。従って、髄内くぎ101が計画された長骨固定処置のために単独で使用される場合、大腿骨102は、所望の治癒をサポートするのに十分な曲げ剛性を受けるが、十分なねじり剛性を受けない。
【0248】
図17Bは、一実施形態による骨プレートを示す。一実施形態では、骨プレートは、骨プレート1204などの骨プレート(例えば、外側骨プレート、もちろん、内側骨プレート500bなどの内側骨プレートを用いることができる)である。骨プレート1204は、骨折を含む大腿骨102の側面と係合するように構成される。骨プレート1204は、目盛板1610における針1612によって示される第2の曲げ剛性を有する。目盛板1610はまた、骨プレート1204の第2のねじり剛性を示す針1628を含む。針1612は、第2の曲げ剛性が、髄内くぎとは独立して骨折を安定させるのに(開始点1622と閾値1618aとの間で)不十分であることを示している。針1628は、計画された長骨固定処置のために、第2のねじり剛性が(閾値1618aと閾値1618bとの間で)十分であることを示している。従って、骨プレート1204が計画された長骨固定処置のために単独で使用される場合、大腿骨102は、所望の治癒をサポートするのに不十分な曲げ剛性を受けるが、十分なねじり剛性を受ける。
【0249】
本開示は、解決策を説明する。髄内くぎ101または骨プレート1204を単独で用いるのではなく、両方を共に配備する(図17A図17Bとの間のプラス記号によって示され、これは図17Cをもたらす)。図17Cは、一実施形態による、留め具と共に配備された、図17Aの髄内くぎと図17Bの骨プレートを示す。図17Aと、図17Bと、図17Cは、これらが、図17Cに示されるように、大腿骨102などの長骨におけるこれらのインプラントの配備を含む固定構造、装置、またはシステムに存在するので、ねじり剛性および曲げ剛性の態様を含む。骨折は、髄内くぎ101の遠位端部104と近位端部106との間にある。
【0250】
図17Cの目盛板1610は、髄内くぎ101または骨プレート1204を個別にではなく、大腿骨固定システム1700の曲げ剛性1612およびねじり剛性1628を示している。針1612は、大腿骨固定システム1700の曲げ剛性が(閾値1618aと閾値1618bとの間で)骨折を安定させるのに十分であることを示している。針1628は、大腿骨固定システム1700のねじり剛性が(閾値1618aと閾値1618bとの間で)骨折を安定させるのに十分であることを示している。このようにして、髄内くぎ101の剛性の示量性および骨プレート1204の剛性の示量性を組み合わせて、大腿骨固定システム1700に十分な曲げ剛性および十分なねじり剛性をもたらす。
【0251】
外側皮質などの皮質に沿って、大腿骨102の内側の髄内くぎ101および大腿骨102の外側の骨プレート1204を配備することによって、髄内くぎ101および骨プレート1204の剛性機能を用い、最適な大腿骨固定システム1700のために互いに補完およびサポートすることができる。有利には、髄内くぎ101と骨プレート1204とを組み合わせることにより、骨プレート1204の十分なねじり剛性が髄内くぎ101の不十分なねじり剛性を補い、髄内くぎ101の十分な曲げ剛性が骨プレート1204の不十分な曲げ剛性を補うことができる。
【0252】
特定の実施形態では、骨プレート1204の十分なねじり剛性は、髄内くぎ101のねじり剛性を増強し得、髄内くぎ101の十分な曲げ剛性は、骨プレート1204の曲げ剛性を増強し得る。
【0253】
髄内くぎ101および骨プレート1204が図17Bに示されるように配置された状態で、留め具は、骨プレート1204を通して配備されてもよい。特定の実施形態では、1つまたは複数の留め具は、骨プレート1204および髄内くぎ101の両方と係合してもよく、および/または1つまたは複数の留め具は、骨プレート1204および骨と係合してもよいが、髄内くぎ101と係合していなくてもよい。一実施形態では、少なくとも1つの留め具は、骨プレート1204と係合し、大腿骨内に延在し、また、骨プレート1204および髄内くぎ101が共に、骨折を安定させるのに十分なねじり剛性および曲げ剛性をもたらすように、髄内くぎ101と係合する。
【0254】
図17Bおよび図17Cの例示される実施形態では、骨プレート1204は、剛性示量性を有する。剛性示量性は、1つまたは複数のねじれ示量性および曲げ示量性を用いて識別することができる。一実施形態では、ねじり示量性は、ねじりに関する示量性である。一実施形態では、ねじり示量性は、ねじり剛性に関する。一実施形態では、曲げ示量性は、曲げに関する示量性である。一実施形態では、曲げ示量性は、ねじり剛性に関する。
【0255】
図示の実施形態では、骨プレート1204のねじり示量性は、曲げ示量性とは異なる。有利には、骨プレート1204は、大腿骨固定システム1700のための所望の剛性が達成されるように、髄内くぎ101に関して、ねじり示量性および曲げ示量性の所望のレベルを選択するように構成される。一実施形態では、大腿骨固定システム1700は、骨プレート(例えば、骨プレート1204)のねじり示量性および曲げ示量性、ならびに髄内くぎ(例えば、髄内くぎ101)のねじり示量性および曲げ示量性を含む剛性示量性を有する。
【0256】
大腿骨固定システム1700を用いる1つの利点は、骨プレートが大腿骨のための従来の外側または内側の骨プレートよりも薄くなり得ることである。例えば、骨プレートは、4ミリメートル未満の厚さを有することができる。4mm未満の厚さを有する骨プレートは、不十分な曲げ剛性を有するが、この不十分さは、髄内くぎの曲げ剛性によって補われる。同様に、より薄い骨プレートは、髄内くぎのねじり厚さが不十分であることを補うねじり剛性を有する。骨プレート、特に外側骨プレートは皮膚の表面に近く、また皮膚表面と骨プレートとの間には脂肪、詰め物、または他の軟組織がほとんどないため、より薄い骨プレートを用いることで、患者にとってより快適な固定のための解決策をもたらすことができる。
【0257】
当業者は、骨プレートの様々な物理的特質、特性、および態様を、所望のレベルのねじり剛性および/または曲げ剛性を得るように調整、設計、または操作することができることを理解する。例えば、骨プレートの形状および/または構成の変更は、異なるまたは望ましいねじり剛性および/または曲げ剛性を有する骨プレートを提供するように行うことができる。代替として、または加えて、骨プレートの組成を変更および/または操作して、異なるまたは望ましいねじり剛性および/または曲げ剛性を有する骨プレートを提供することができる。代替として、または加えて、骨プレートの断面構成を変更および/または操作して、異なるまたは望ましいねじり剛性および/または曲げ剛性を有する骨プレートを提供することができる。もちろん、形状、組成、および/または断面構成はそれぞれ、曲げ剛性と異なる(より大きいまたはより小さい)ねじり剛性を有する骨プレートを生成するために変更することができる。
【0258】
“組成”は、人工合成の物質または材料を指す。一般に、組成は、2つ以上の材料および/または要素の複合体である人工材料である。典型的には、組成は、いくつかの部品および/または要素を含む単一の構造または物体である。(wordhippo.comで“組成”を検索.WordHippo,2022.Web.改訂.2022年8月4日閲覧)。“複合物”とは、いくつかの部品および/または要素で構成される物体または構造を指す。典型的には、複合物は、いくつかの部品および/または要素を含む単一の構造または物体である。(wordhippo.comで”複合物”を検索.WordHippo、2022.Web.2022年8月4日改訂、閲覧)。
【0259】
図18は、一実施形態による、曲げ剛性よりも大きなねじり剛性を有する骨プレート1800を示す。骨プレート1800は、近位端部1802、遠位端部1804、および複数の留め具開口部1806を含む。骨プレート1800は、骨プレート1800のねじり剛性が骨プレート1800の曲げ剛性よりも大きいように構成された形状を有する細長い構造である。図示の実施形態では、骨プレート1800は、骨プレート1800の本体が近位端部1802と遠位端部1804との間に延在するとき、W字形または波形を有するものである。当業者は、骨プレート1800の“W”形状が、骨プレート1800が矩形形状である場合よりも大きなねじり剛性をもたらすことを理解する。
【0260】
“波形”または“W”形状は、文字“W”および/または例えば、海、湖、海などの波のような液体本体の波の1つまたは複数の属性に類似しまたは模倣し、または適合し、または一致する形状を有する任意の機械的な機器、装置、本体、基部、突起、部材、構成要素、システム、アセンブリ、または構造を指す。波形は、角度、屈曲、および/または曲線を含み得、部分的または全体的であり得る。換言すれば、構造の1つまたは複数の部分が、“W”文字および/または波の1つまたは複数の部分に似ていてもよく、形状が似ていてもよく、または適合していてもよい。“波形”または“W”形状は、物体または構造の任意の断面を含むが、これらに限定されない、物体または構造の任意の側面または視点から観察され得る。
【0261】
図19A図19Cは、一実施形態による、骨プレートの断面構成を示す。物体の断面構成を変更することによって、物体のねじり剛性を変更することができる。“断面構成”とは、機器、装置、構造、または物体の断面の構成を指す。断面構成は、特定の断面構成を実装するように構造化された開口部、通路、空隙、ストラット、ブレース、隆起部、レール、および/または縁部を含み得る。本明細書で使用される場合、“レール”は、構造が広いというよりも長い構造を指す。特定の実施形態では、レールは、セリフ書体における大文字“I”と同じ類似する、類似する、および/または一致する断面を有し得る。レールは、金属、プラスチック、セラミック、木材、ガラス繊維、アクリル、炭素、生体適合性材料、生分解性材料などを含むがこれらに限定されない様々な材料から作製され得る。多くの場合、レールは、比較的低い費用、強度、耐久性の点からプラスチックで作られている。髄内くぎは、チタン、チタン合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム鋼合金、ニッケル-チタン合金、ニチノールなどの形状記憶合金、生体適合性セラミックス、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリラクチドポリマー(例えば、PLA)などの生体適合性ポリマー、および/または他のものを含むがこれらに限定されない、任意の生体適合性材料から形成することができる。レールは、別の構成要素に結合されてもよく、または別の構成要素もしくは構造物と統合されてもよく、および/または別の構成要素もしくは構造物の一部を形成してもよい。特定の実施形態では、レールは、レールに沿って、並進、スライド、またはその他の移動し得る別の構造を支持するように構成または配置され得る。特定の実施形態では、1つのレールは、一対のレールの2つのレールとなるように、対応する反対側のレールを有することもできる。一対のレールは、構造が一対のレールに対して移動するときに、別の構成要素または構造を支持するために協働し得る。本明細書で使用される場合、“縁部”は、物体、表面、または領域が、始まるまたは終了する構造、境界、または線を指す。縁部エッジはまた、2つの構造、物体、または表面の間の境界または限界を指すことができる。縁部は、境界線に隣接する狭い部分を指すこともできる。(Merriam-Webster.comで”縁部”を検索.Merriam-Webster,2021.Web.2021年8月3日改訂)。特定の実施形態では、縁部は、2つの隣接する構造または表面を接合する1次元または2次元構造であり得る。さらに、縁部は、物体の境界に、または物体の境界もしくは境界内にあり得る。
【0262】
図19Aは、骨プレート400の各長い縁部における対向するレール1902、1904を含む骨プレート400の本体406の横断面を示す。図19Aに示される断面構成は、レール断面と称され得る。
【0263】
図19Bは、骨プレート400の本体406の横断面を示し、骨プレート400は、対向する固体部1906、1908の間に通路1910を有する各長い縁部に対向する固体部1906、1908を含む。通路1910は、骨プレート400の近位端部から遠位端部まで延在してもよく、または近位端部と遠位端部との間に部分的に延在してもよい。図19Bに示される断面構成は、シェル形断面と称され得る。
【0264】
図19Cは、I形梁のような形状の、骨プレート400の本体406の横断面を示す。Iの上部1912および下部1914は、骨プレート400の各長い縁部に沿って延在し得る。図19Cに示される断面構成は、I形梁断面と称され得る。
【0265】
特定の実施形態では、図19A図19Cに示される断面構成は、骨プレート400に、骨プレート400の曲げ剛性よりも大きいねじり剛性をもたらし得る。
【0266】
図20は、一実施形態による、曲げ剛性よりも大きなねじり剛性を有する例示的な骨プレートを示す。骨プレート2000は、近位端部2002、遠位端部2004、および複数の留め具開口部2006を含む。骨プレート2000は、骨プレート2000のねじり剛性が骨プレート2000の曲げ剛性よりも大きいように構成された形状を有する細長い構造である。骨プレート2000は、長手方向軸2010に沿って配置された1つまたは複数のねじり剛性特徴部2008を含み得る。ねじり剛性特徴部2008は、ねじり剛性特徴部2008を含む構造のねじり剛性を増加させる構造である。
【0267】
図示の実施形態では、ねじり剛性特徴部2008は、骨プレート2000の上面2012から下面2014まで延在する開口部である。一実施形態では、ねじり剛性特徴部2008は、楕円形、長円形、またはスロット形状を有し得る。ねじり剛性特徴部2008は、骨プレート2000の部分においてレール断面構成を形成することができることに留意されたい。
【0268】
図21は、一実施形態による例示的な骨プレート2100を示す。骨プレート2100は、近位端部2102、遠位端部2104、および複数の留め具開口部2106を含む。骨プレート2100は、細長い構造である。図示の実施形態では、骨プレート2100は、骨プレート2100が曲げ剛性よりも大きなねじり剛性を有するように、骨プレート2100内に選択され、設計され、操作され、および配置された2つ以上の材料の複合物である。
【0269】
一実施形態では、骨プレート2100は、外側縁部2110および内側縁部2112を含む。外側縁部2110は、近位端部2102と遠位端部2104との間に延在してもよい。内側縁部2112は、近位端部2102と遠位端部2104との間に延在してもよい。
【0270】
図示の実施形態では、外側縁部2110および内側縁部2112における骨プレート2100の材料は、第1の材料から作製されてもよく、外側縁部2110と内側縁部2112との間の骨プレート2100は、第2の材料から作製されてもよい。外側縁部2110および内側縁部2112の第1の材料は、外側縁部2110と内側縁部2112との間の第2の材料よりも大きなねじり剛性を有し得る。一実施形態では、第1の材料は、第2の材料よりも弾性が低い。骨プレート2100は、2つの異なる材料の複合物である。もちろん、骨プレート2100はまた、患者に対して生体適合性である2つ以上の材料の複合物であり得る。
【0271】
代替として、または加えて、外側縁部2110は、第1の材料から作製されてもよく、外側縁部2110と内側縁部2112との間の骨プレート2100の本体は、第2の材料から作製されてもよく、内側縁部2112は、第3の材料から作製されてもよい。
【0272】
図22は、一実施形態による例示的な骨プレート2200を示す。骨プレート2200は、近位端部2202、遠位端部2204、および複数の留め具開口部2206を含む。骨プレート2200は、細長い構造である。骨プレート2200は、外側縁部2210および内側縁部2212を含む。外側縁部2210は、近位端部2202と遠位端部2204との間に延在してもよい。内側縁部2212は、近位端部2202と遠位端部2204との間に延在してもよい。
【0273】
当業者は、図18~21の実施形態で使用される態様を組み合わせて、曲げ剛性よりも大きなねじり剛性を有する骨プレート2200を形成することができる。1骨プレート2200は、一例である。骨プレート2200は、外側縁部2210および内側縁部2212に用いられる第1の材料と、外側縁部2210と内側縁部2212との間の骨プレート2200の本体に用いられる第2の材料とを有する2つ以上の材料の複合物であり得る。さらに、骨プレート2200は、ねじれ剛性を増加させる形状(例えば、“W”形状)に形成されてもよい。もちろん、骨プレート2200は、ねじり剛性を増加させる断面構成で作製され得る。
【0274】
図18図22の例における骨プレートに適用されるのと同じ構成、設計、および/または操作の態様を、髄内くぎに適用して、ねじり剛性よりも大きな曲げ剛性を有する髄内くぎをもたらすこともできる。
【0275】
図23は、一実施形態による例示的な骨プレート2300を示す。骨プレート2300は、近位端部2302、遠位端部2304、および複数の留め具開口部2306を含む。骨プレート2300細長い構造である。骨プレート2300は、外側縁部2310および内側縁部2312を含む。外側縁部2310は、近位端部2302と遠位端部2304との間に延在してもよい。内側縁部2312は、近位端部2302と遠位端部2304との間に延在してもよい。
【0276】
図示の実施形態では、骨プレート2300のねじり剛性は、第1のレール2314および第2のレール2316を含むことによって増大され得る。第1のレール2314は、外側縁部2310の近くに、または外側縁部2310に沿って配置されてもよく、骨プレート2300の上面2318から延在してもよい。第2のレール2316は、内側縁部2312の近くまたはそれに沿って配置されてもよく、また、骨プレート2300の上面2318から延在してもよい。
【0277】
図24A図24Bは、一実施形態による、例示的な骨プレート2400の上面斜視図および底面斜視図を示す。骨プレート2400は、近位端部2402、遠位端部2404、および複数の留め具開口部2406を含む。骨プレート2400細長い構造である。骨プレート2400は、外側縁部2410および内側縁部2412を含む。外側縁部2410は、近位端部2402と遠位端部2404との間に延在してもよい。内側縁部2412は、近位端部2402と遠位端部2404との間に延在してもよい。
【0278】
図示の実施形態では、骨プレート2400のねじり剛性は、第1のレール2414および第2のレール2416を含むことによって増大され得る。第1のレール2414は、外側縁部2410の近くに、または外側縁部2410に沿って配置されてもよく、骨プレート2400の上面2418から延在してもよい。第2のレール2416は、内側縁部2412の近くまたはそれに沿って配置されてもよく、骨プレート2400の下面2420から延在してもよい。特定の実施形態では、骨プレート2400は、近位端部2402と遠位端部2404との間に部分的に延びる、第1のレール2414および/または第2のレール2416を含み得る。特定の実施形態では、骨プレート2400は、1つの表面(例えば、上面2418または下面2420)から延在する単一のレール(例えば、第1のレール2414または第2のレール2416)を含み得る。さらに、当業者は、1つまたは複数のレールが、近位端部2402と遠位端部2404との間に少なくとも部分的に延在し得、外側縁部2410および内側縁部2412のどちらか一方以外の位置で骨プレート2400の表面上に配置され得ることを理解する。
【0279】
図25は、一実施形態による、患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法2500の一例を示す。特定の実施形態では、方法2500が開始し、使用者は、一組の髄内くぎから髄内くぎを選択する選択2502を行う。一組の各髄内くぎは、骨プレートとは独立して、骨折を安定させるための異なる曲げ剛性および骨折を安定させるためには不十分なねじり剛性を有するものである。次に、使用者は、一組の外側骨プレートから外側骨プレートを選択する選択2504を行う。一組における各外側骨プレートは、骨髄内くぎとは独立して、骨折を安定させるための異なるねじり剛性および骨折を安定させるためには不十分な曲げ剛性を有するものである。選択された外側骨プレートの異なるねじり剛性と、大腿骨に固定されたときの選択された髄内くぎの曲げ剛性は、骨折を安定させ、骨折の治癒を促進するのに十分なねじり剛性および曲げ剛性を与える。
【0280】
次に、外科医などの使用者は、患者の大腿骨の髄内管を用意する用意2506を行う。一実施形態では、髄内管は、大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端まで延在し得るものである。
【0281】
次に、外科医などの使用者は、選択された髄内くぎを、大腿骨の近位端に向けて髄内管内に配備する配備2508を行得る。使用者はまた、選択された外側骨プレートが選択された髄内くぎと整列するように、選択された外側骨プレートを大腿骨の外側面に沿って経皮的に配備する配備2510を行う。次いで、使用者は、選択された外側骨プレートを大腿骨の外側面に固定する1つまたは複数の留め具を配備する配備2512を行い、方法2500を終了する。
【0282】
特定の実施形態では、ステップ2510および/またはステップ2512の後、使用者は、選択された髄内くぎを大腿骨102に固定する1つまたは複数の留め具を配備してもよい。
【0283】
本開示は、患者の長骨の骨折に関連した固定のための外科用の装置、システム、および/または方法を開示する。長骨骨折のための既存の固定具および/または固定装置、方法、または措置は限られている。
【0284】
長骨の骨折、特に大腿骨102の骨折に対処するための従来の技術は、髄内くぎおよび骨プレート(内側骨プレート、外側骨プレート、またはその両方)を配備することである。しかしながら、処置が最小限の数の切開で行われ、これらの切開が可能な限り小さい場合、処置は、髄管内で髄内くぎを前進させ、大腿骨102などの長骨の内側面または外側面に沿って骨プレートを経皮的に前進させることを含むことができる。残念ながら、一旦髄内くぎおよび骨プレートが挿入されると、外科医は、骨プレートおよび髄内くぎの両方と係合するように意図された留め具を配備することが困難であることを見出すことができる。また、外科医は、骨プレートおよび骨に係合または接触し、髄内くぎには係合または接触しないことを意図した留め具を配備することが困難であることを見出すことができる。本開示は、これらの課題を是正するためのシステム、方法、および装置を提供する。
【0285】
図26は、一実施形態による、組み合わされた挿入器2600の斜視図である。組み合わされた挿入器2600は、外科医が単一の器具を用いて、髄内くぎ101などの髄内くぎと、骨プレート1204などの骨プレートの両方を配備することを可能にする挿入器である。
【0286】
組み合わされた挿入器2600は、本体2610、髄内くぎ連結器2620、および骨プレート連結器2630を含み得る。本体2610は、長手方向軸2612、遠位端部2614、および近位端部2616を含む。本体2610は、髄内くぎ連結器2620および骨プレート連結器2630に連結される。
【0287】
髄内くぎ連結器2620は、組み合わされた挿入器2600を、髄内くぎ101などの髄内くぎに連結することができる連結器である。髄内くぎ連結器2620は、患者の内側に配備するために、髄内くぎ101を配向し、案内し、駆動し、および/または位置決めする働きをする。組み合わされた挿入器2600は、図3A図3Bに関連して説明された挿入器300aの構造、特徴、および機能、動作、および構成と同様の特定の構造、特徴、および機能、動作、および構成を有し得る。例えば、髄内くぎ連結器2620は、挿入器300aに関連して説明されたハンドル310およびドライバ320に、それらの構成要素を備えた設計および構成で対応し得る。図26は、髄内くぎ101が長骨(例えば、大腿骨102)の髄内管内に挿入された状態で、髄内くぎ101に連結された髄内くぎ連結器2620を示している。
【0288】
骨プレート連結器2630は、組み合わされた挿入器2600を骨プレート1204などの骨プレートに連結することができる連結器である。骨プレート連結器2630は、患者の内側に配備するために、骨プレート1204などの骨プレートを配向し、案内し、駆動し、および/または配置する働きをする。骨プレート連結器2630によって、組み合わされた挿入器2600が、挿入器300aおよび挿入器300bと区別される。有利には、骨プレート連結器2630は、配備する際に骨プレート1204の位置決めおよび配向を容易にする1つまたは複数の機構を含む。
【0289】
一実施形態では、骨プレート連結器2630は、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および回転機構2660を含む。図26には、3次元軸2670が示される。3次元軸2670は、頭-尾軸2672、内側-外側軸2674、および前-後軸2676を含む。
【0290】
図27は、一実施形態による、組み合わされた挿入器2700の斜視図である。組み合わされた挿入器2700は、図26に関連して説明された組み合わされた挿入器2600のものと極めて類似した構造、特徴、および機能、動作、および構成を含み、同様の構成要素は同様の番号を有する。従って、組み合わされた挿入器2700は、本体2610、長手方向軸2612、遠位端部2614、近位端部2616、髄内くぎ連結器2620、骨プレート連結器2630などを含み得る。組み合わされた挿入器2700は、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および回転機構2660の実施形態を含む。当業者は、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および回転機構2660を実装するために、様々な機械的接合部、機構、および装置が用いられ得ることを理解する。本開示は1つまたは複数の例を含む。
【0291】
長手方向移動機構2640は、軸(例えば、長手方向軸2612)に沿って骨プレート連結器2630を配置し、再配置することができる機構である。長手方向移動機構2640は、近位端部2616と遠位端部2614との間の長手方向軸2612に沿った骨プレート連結器2630の並進を可能にし、容易にする働きをする(矢印2702参照)。長手方向軸2612は、配備の際に頭-尾軸2672とほぼ平行に走る。横方向機構2650は、骨プレート連結器2630を軸に沿って位置決めおよび再配置することができる機構である。横方向機構2650は、長手方向軸2612を横断する横方向軸(矢印2704を参照)に沿った骨プレート連結器2630の並進を可能にし、促進する働きをする。一実施形態では、横軸は、内側-外側軸2674であり得る。回転機構2660は、骨プレート連結器2630を軸の周りに配置し、再配置することができる機構である。回転機構2660は、長手方向骨プレート軸2710を中心とした骨プレートの回転(矢印2706を参照)を可能にし、促進する働きをする。
【0292】
一実施形態では、組み合わされた挿入器2700は、連結器2720を含む髄内くぎ連結器2620を備える。連結器2720は、使用者が髄内くぎ連結器2620を本体2610に解放可能に接続することを可能にする機構である。一実施形態では、連結器2720は、髄内くぎ連結器2620と本体2610とを接続するアームの開口部のねじ山にねじ込むボルトである。
【0293】
特定の実施形態では、組み合わされた挿入器2700は、髄内くぎ連結器2620および骨プレート連結器2630の両方を含む単一の装置を含み得る。別の実施形態では、使用者は、独立した髄内くぎ連結器2620および独立した骨プレート連結器2630を用いてもよい。これらの独立した髄内くぎ連結器2620および独立した骨プレート連結器2630は、例えば、連結器2720などの機構を用いて接続可能であり得る。
【0294】
一実施形態では、組み合わされた挿入器2700は、別個の髄内くぎ連結器2620と、例えば、連結器2720などの1つまたは複数の連結器を用いて、術前または術中に連結することができる別個の骨プレート連結器2630とを含み得る。代替として、または加えて、組み合わされた挿入器2700は、例えば、髄内くぎ連結器2620のカプラおよび/または骨プレート連結器2630の連結器を用いて、それぞれ術前または術中に髄内くぎ101および/または骨プレート1204に連結される、別個の髄内くぎ連結器2620および別個の骨プレート連結器2630、または組み合わされた髄内くぎ連結器2620および骨プレート連結器2630を含み得る。
【0295】
図示の実施形態では、組み合わされた挿入器2700の本体2610は、遠位端部2614の近くにある遠位ハンドル2730と、近位端部2616の近くにある近位ハンドル2740とを含む。本明細書で使用される場合、“ハンドル”は、機器、装置、構成要素、ツールなどを保持、制御、または操作するために用いられる構造を指す。”ハンドル”は、使用者の1つまたは複数の手で把持および/または保持されるように設計され得る。
【0296】
本開示は、髄内くぎ101用の別個の挿入器、骨プレート1204用の別個の挿入器、および/または組み合わせられた挿入器のための様々な設計を含む。例えば、挿入器は、組み合わされた挿入器(髄内くぎ101および骨プレート1204の両方)として、2つの別個の挿入器として実装され得、これらは髄内くぎ101のための別個の挿入器および骨プレート1204のための別個の挿入器である。代替として、または加えて、挿入器は、1つまたは複数のインプラントが患者の体内に配備されて組み合わされた挿入器になると互いに接続し、および/または1つまたは複数のインプラントが患者の体内に配備されると1つまたは複数のインプラントに接続される、2つの別個の挿入器(例えば、髄内くぎ101のための別個の挿入器および骨プレート1204のための別個の挿入器)として実装され得る。
【0297】
また、挿入器の様々な実施形態(組み合わせられた挿入器および2つの組み合わせ可能な挿入器の両方)と共に様々な外科的技術を用いることができる。一例では、髄内くぎ101は、第1の挿入器で挿入されてもよく、次いで、骨プレート1204は、別個の挿入器で挿入されてもよい。次に、骨プレート1204を骨に固定し、ねじを遠位に通して髄内くぎ101を通過するか、くぎを外すか、または近位に通して髄内くぎ101を外すか、または人工股関節などの別のインプラントの一部を外すことができる。あるいは、ねじは、骨プレート1204を通過し、髄内くぎ101または他の人工器官を含まない骨を通過するように配備され得る。
【0298】
別の実施形態では、外科技術は、髄内くぎ101を髄内くぎ挿入器で挿入し、次いで、骨プレート挿入器を髄内くぎ挿入器または髄内くぎにモジュール方式で接続することを含み得る。次いで、接続された髄内くぎ挿入器および骨プレート挿入器は、互いに記録して、使用者がそのとき組み合わされた挿入器を介して骨プレートを髄内くぎ101に接続することを可能にし得る。有利には、組み合わされた挿入器は、くぎ係合開口部3312および/またはくぎ回避開口部3314を含むことができ、これらは、外科医に、骨プレート1204を、髄内くぎ101に固定するか、または髄内くぎ101および/または患者に配備されるかまたは患者に配備されるインプラントの別の部分の両方を欠いている骨にのみ固定するか、の選択肢を与える。
【0299】
図28は、一実施形態による、組み合わされた挿入器2700の詳細な斜視図である。図28は、長手方向移動機構2640の一例を示している。図示の実施形態では、長手方向移動機構2640は、遠位端部2614と近位端部2616との間の本体2610に配置された軌道2750を含み得る。長手方向移動機構2640はまた、ラッチ2760を含み得る。“軌道”とは、物理的な通路ないし道を指す。(wordhippo.comで“軌道”を検索.WordHippo、2022年.Web.改訂、2022年8月9日閲覧)。2特定の実施形態では、軌道は、軌道上、軌道内、軌道に沿って、または起動内部の、異なる位置に移動することができる別の物体を受け入れるように構成された構造である。“ラッチ”は、それらの規則的な分離を可能にしながら、2つ(またはそれ以上)の物体または表面を接合する一種の機械的留め具を指す。ラッチは、取り付け面上の別の機器と係合し得る。ラッチの種類および設計に応じて、この係合される機器は、固定器または受け座と呼ばれ得る。(Wikipedia.comで“ラッチ”を検索.2022年8月1日、CC-BY-SA3.0改訂、2022年8月9日閲覧)。“位置”とは、場所または配置を指す。(wordhippo.comで“位置”を検索.WordHippo、2022年.Web.改訂、2022年8月9日閲覧)。
【0300】
軌道2750は、1つまたは複数のオフセット位置2752およびくぎ整列位置2754を含み得る。オフセット位置2752は、くぎ整列位置2754とは異なる、またはくぎ整列位置2754からオフセットされた軌道2750内の位置である。オフセット位置2752によって、骨プレート連結器2630に連結された骨プレートが、髄内くぎ連結器2620に連結された髄内くぎに対してオフセットされるように、骨プレート連結器2630が配置される。髄内くぎおよび骨プレートは、髄内くぎおよび骨プレートの互いに対する位置および向きが、それらが患者内に配備されるときに髄内くぎおよび骨プレートの所望の向きおよび配列ではない場合にオフセットされる。
【0301】
くぎ整列位置2754は、軌道2750内、または長手方向移動機構2640の別の構成要素内の位置にあり、ここで、髄内くぎ連結器2620に連結された髄内くぎは、骨プレート連結器2630に連結された骨プレートと整列する。髄内くぎおよび骨プレートは、髄内くぎおよび骨プレートの互いに対する位置および向きが、それらが患者内に配備されるときに髄内くぎおよび骨プレートの所望の向きおよび向きであるときに整列する。
【0302】
有利には、使用者は、骨プレート連結器2630の少なくとも長手方向移動機構2640がくぎ整列位置2754にあるときに、髄内くぎおよび骨プレートが互いに対して整列していることに頼ることができる。換言すれば、くぎ整列位置2754は、患者内で配備するために組み合わされた挿入器2700に連結された髄内くぎと骨プレートとを整列させる位置である。
【0303】
長手方向移動機構2640のくぎ整列位置2754は、骨プレート連結器2630が長手方向移動機構2640を用いて再配置された後、髄内くぎと骨プレートを再整列させるために用いることができる。当業者は、横方向機構2650および/または回転機構2660がまた、くぎ整列位置を有し得ることを理解する。これらのくぎ整列位置は、関連する機構(例えば、横方向機構2650、回転機構2660)に関して、くぎ整列位置2754と同じまたは同様の目的を果たし得る。特定の実施形態では、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および/または回転機構2660のくぎ整列位置は、配備構成の一部であり得る。
【0304】
ラッチ2760は、骨プレート連結器2630をオフセット位置2752またはくぎ整列位置2754のうちの1つに保持または固定し、骨プレート連結器2630を異なるオフセット位置2752および/またはくぎ整列位置2754に移動させることを可能にする働きをする。一実施形態では、ラッチ2760は、ばねピンであり、オフセット位置2752および/またはくぎ整列位置2754は、ばねピンを受け入れる開口部である。
【0305】
図29は、一実施形態による、組み合わされた挿入器2700の斜視図である。組み合わされた挿入器2700は、髄内くぎ101および骨プレート1204に連結される。図29は、長手方向移動機構2640はくぎ配列位置2754にあるときの、髄内くぎ101および骨プレート1204の位置および/または向きを示す。図示の実施形態では、髄内くぎ101は、1つまたは複数の留め具開口部2770を含み、骨プレート1204は、1つまたは複数の留め具開口部2772を含む。
【0306】
当業者は、骨プレート1204が経皮的に配備され、髄内くぎ101が髄内管内に配備される場合、髄内くぎ101および骨プレート1204の配備が困難であり得ることを理解する。2つのインプラントを視覚的な手がかりに基づいて整列および位置決めすることは困難であり得る。特定の画像技術として、蛍光透視法などを用いることができるが、それらの使用は、コストが高くなり、および/または患者を予期している以上の放射線にさらす可能性がある。
【0307】
有利には、長手方向移動機構2640をくぎ整列位置2754に移動させると、骨プレート1204の少なくとも1つの留め具開口部2772と髄内くぎ101の少なくとも1つの留め具開口部2770とが整列され、留め具開口部2772を通る留め具が配備されて髄内くぎ101の少なくとも1つの留め具開口部2770と係合する。配列は矢印2642によって示される。このようにして、使用者は、骨プレート1204を髄内くぎ101に容易に固定することができる。特定の実施形態では、骨プレート1204の特定の開口部は、骨プレート1204および骨102と係合するが、髄内くぎ101または別のインプラントには当たらないかまたは接触しない、留め具を配備するために用いられ得る。特定の実施形態では、本体2610は、髄内くぎ101の留め具開口部2770および骨プレート1204の留め具開口部2772と整列する開口部を含み得る。
【0308】
当業者は、骨における既存のインプラント(例えば、髄内くぎ、膝インプラント幹、股関節インプラント幹など)に接触することなく、骨プレート1204を通って長骨(例えば、大腿骨102)に留め具を配備する場合に、長骨の遠位端より近位端に向かうのがより困難であることを理解する。これは、長骨の近位端に向かう骨材料が、遠位端に向かう骨材料より、インプラント構造によって占有されている骨内の領域がより大きいことに部分的に起因し得る。有利には、留め具を案内して長骨に配備されたインプラントに当たらないようにする骨プレート1204の開口部は、最適な固定をもたらして適切な治癒を促進することができる留め具を配備する上で外科医を支援する。
【0309】
図30は、一実施形態による、組み合わされた挿入器2700の斜視図である。組み合わされた挿入器2700は、髄内くぎ101および骨プレート1204に連結される。図30は、髄内くぎ101および骨プレート1204の位置および/または向きを示し、長手方向の移動機構2640は、近位端部2616により近いオフセット位置2752のうちの1つにある。
【0310】
特定の実施形態では、長手方向移動機構2640によって骨プレート連結器2630を近位端部2616に近づけると、髄内くぎ101が骨プレート1204よりも遠位に延在させ得る。その結果、組み合わされた挿入器2700を患者の骨102に向かって前進させると、骨プレート1204が骨102の側面に沿って経皮的に前進する前に、髄内くぎ101が骨102の髄内管に入る。
【0311】
図31は、一実施形態による、組み合わされた挿入器2700の斜視図である。組み合わされた挿入器2700は、髄内くぎ101および骨プレート1204に連結されている。図31は、髄内くぎ101および骨プレート1204の位置および/または向きを示し、長手方向の移動機構2640は、遠位端部2614により近いオフセット位置2752のうちの1つにある。
【0312】
特定の実施形態では、長手方向移動機構2640によって骨プレート連結器2630を遠位端部2614に近づけると、骨プレート1204が髄内くぎ101よりも遠位に延在する。その結果、組み合わされた挿入器2700を患者の骨102に向かって前進させると、髄内くぎ101が患者の髄内管に入る前に、骨プレート1204が骨102の側面に沿って経皮的に前進する。
【0313】
図32は、一実施形態による、組み合わされた挿入器2700の詳細な斜視図である。図32は、横方向機構2650の一例を示している。図示の実施形態では、横方向機構2650は、基部3202、伸縮部材3204、および留め具3206を含み得る。基部3202は、本体2610から髄内くぎカプラ2620に向かって延在してもよい。伸縮部材3204は、基部3202内に収まるように構成される。留め具3206は、伸縮部材3204を基部3202内に解放可能に固定するように構成される。一実施形態では、留め具3206は、止めねじまたはつまみねじである。
【0314】
本明細書で使用される場合、“基部”は、主要なまたは中央の構造、構成要素、または構造の一部を指す。基部は、多くの場合、他の構造が、その上にまたはそこから、その中へ、そこから、それから離れて、延在し、それに連結される、または接続される、構造、構成要素、または部分である。基部は、様々な幾何学的形状および構成を有し得る。基部は、堅くも柔軟であってもよい。基部は、中実であっても中空であってもよい。基部は、任意の数の側面を有することができる。一実施形態では、基部は、より大きなシステム、構成要素、構造、または機器のためのハウジングまたはフレームまたはフレームワークを含み得る。特定の実施形態では、基部は、構造が所望の構成または位置にあるときに垂直に延在するように設計された構造の底部または下部の部分であり得る。
【0315】
本明細書で使用される場合、“止めねじ”は、通常、ナットを用いることなく、第1の物体を、第2の物体内にまたは第2の物体に対して固定するために一般的に使用されるタイプのねじを指す。止めねじはヘッド無しとすることができ、これは、ねじは完全にねじ切りされており、ねじの主径を超えて突出するヘッドがないことを意味する。止めねじがヘッドを有している場合、ねじ山はヘッドまで延在しうる。止めねじは、六角ソケット(アレン)、スター(トルクス)、四角ソケット(ロバートソン)、スロットなどの内部レンチ駆動で駆動できる。止めねじは、止めねじのヘッド上のノブまたはヘッドの一部によって駆動することができる。ノブは、使用者が指を用いて回転を容易にするようなサイズにすることができ、つまみねじと呼ばれ得る。一実施形態では、止めねじは、第2の物体(外側物体)のねじ穴を通過し、第1の物体(内側物体)に対して締め付けられ、内側物体が外側物体に対して移動するのを防ぐ。止めねじは、ねじ穴を通って突出する止めねじの端部を介して圧縮力および/またはクランプ力を及ぼすことができる。(Wikipedia.comで“止めネジ”を検索.2020年8月17日.改訂.2020年1月6日閲覧)。
【0316】
一実施形態では、横方向機構2650は、骨プレート1204を長骨(例えば、大腿骨102)に向けて付勢し、長骨(例えば、大腿骨102)から離れるように向けられた力に応答して、骨プレート1204を骨から離れるように移動させるように構成される。例えば、横方向機構2650は、骨プレート1204を長骨に向けて付勢するばねなどの付勢部材を含み得る。付勢部材は、使用者が、横方向機構2650が配備構成にあるように、横方向機構2650を操作するのを助けることができる。
【0317】
特定の実施形態では、基部3202および伸縮部材3204は、横軸3208と整列させられる。伸縮部材3204を伸長または格納することによって、骨プレート1204を横軸3208に沿って前進または格納することができる。一実施形態では、横軸3208は、内側-外側軸2674に平行である。
【0318】
図32は、回転機構2660の一例を示している。回転機構2660は、骨プレート1204を横方向機構2650に接続する。回転機構2660は、骨プレート1204が長手方向骨プレート軸2710を中心に回転することを可能にする。一実施形態では、回転機構2660は、骨プレート1204が骨プレート連結器2630に対して少なくとも2つの方向に移動することを可能にするピボットジョイント3210を含む。一実施形態では、ピボットジョイント3210は、骨プレート1204が後方および/または前方に(概して前-後軸2676に沿って)旋回および移動することを可能にする。“ピボット”とは、機構が回転または振動する軸またはピンを指す。(wordhippo.comで“ピボット”を検索。WordHippo、2022.Web.2022年8月9日閲覧)。
【0319】
図示の実施形態では、回転機構2660は、一対のアーム3212と、アーム内の穴を通って延在し、骨プレート1204に接続されたマウント3216と係合する軸3214とを有するクレビスジョイントとして具現化される。別の実施形態では、回転機構2660は、ボールおよびソケット構成を用いて具現化され得る。“ボール”は、中実または中空の球体、またはその一部を指す。(wordhippo.comで“ボール”を検索。WordHippo、2022.Web.改訂、2022年8月9日閲覧)。“ソケット”とは、プラグまたは他の接続部が収まるように設計された開口部、中空、または空間を指す。(wordhippo.comで“ソケット”を検索。WordHippo、2022.Web.改訂.2022年8月9日閲覧)。“軸”とは、輪が回転するピンまたはスピンドル、または輪で回転するピンまたはスピンドルを指す。軸はまた、車両または他の装置における向かい合った輪または部品を接続する横方向バーまたはシャフトを指し得る。(wordhippo.comで“軸”を検索。WordHippo、2022.Web.改訂、2022年8月9日閲覧)。
【0320】
上述したように、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および回転機構2660のそれぞれは、配備構成を含み得る。配備構成は、組み合わされた挿入器2700に連結された髄内くぎ101および/または骨プレート1204の所望の配備位置をもたらす装置、構造、構成要素、または機構の、構成、設定、位置、配置、向き、および/または機構である。特定の実施形態では、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および/または回転機構2660の1つまたは複数の態様は、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および回転機構2660がいつ配備構成にあるかを特定する指標を含み得る。換言すれば、配備構成は、2つのインプラント(例えば、髄内くぎ101および骨プレート1204)を互いに相対的に配置する配置構成であり、それにより、例えば、使用者は、髄内くぎ101を係合させるために、および/または具体的には、髄内くぎ101を外し、係合さないように、骨ねじまたは他の留め具を配備することができる。配備指標の構成要素は、1つまたは複数の指標(視覚的および/または触覚的)を用いて識別することができる。
【0321】
本明細書で用いる場合、“指標”とは、装置、機器、構成要素、システム、アセンブリ、機構、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、回路、モジュール、データのセット、テキスト、番号、コード、シンボル、マーク、または構造化され、整理され、構成され、プログラムされ、設計され、配列され、または情報を伝達したり、状況、状態、モード、コンテキスト、場所、または位置を、別の装置、機器、構成要素、システム、アセンブリ、機構、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、回路、モジュール、および/または装置、機器、構成要素、システム、アセンブリ、メカニズム、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、回路、指標を含むまたは指標に関連付けられモジュール、の使用者、に示すように、設計された、論理を指す。指標は、可聴信号、トークン、信号の存在、信号の不在、触覚信号、視覚信号または表示、視覚マーカー、視覚アイコン、視覚記号、視覚コード、視覚マーク、および/または同様のもののうちの1つまたは複数を含むことができる。特定の実施形態では、“指標”は、指標を説明する形容詞を伴うことができる。例えば、“モード指標”は、モードを特定しまたは示す指標である。“組”とは、物の集まりを指す。組みには、集まりにおける物を0個またはそれ以上含めることができる。一般に、組みは、集まりにおける1つまたは複数の物を含む。
【0322】
もちろん、組み合わされた挿入器2700の実施形態は、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および回転機構2660のうちの1つまたは複数を含み得る。このようにして、組み合わされた挿入器2700は、使用者の必要に応じて、連結された髄内くぎ101に対する連結された骨プレート1204の再配置を容易にすることができる。
【0323】
図33は、一実施形態による、組み合わされた挿入器3300の斜視図である。組み合わされた挿入器3300は、髄内くぎ101および骨プレート1204に連結されている。図33は、くぎ整列位置2754(例えば、配備構成)の長手方向移動機構2640を備えた髄内くぎ101および骨プレート1204の位置および/または向きを示している。代替として、または加えて、横方向機構2650および/または回転機構2660のうちの1つまたは複数は、配備構成にあってもよい。図示の実施形態では、髄内くぎ101は、1つまたは複数の留め具開口部2770を含み、骨プレート1204は、1つまたは複数の留め具開口部2772を含む。
【0324】
組み合わされた挿入器3300は、骨プレート1204を経皮的に配備し、髄管内に髄内くぎ101を配備する課題に具体的に対処した働きをする。一実施形態では、組み合わされた挿入器3300は、ガイド部3310を含む。ガイド部3310は、外科医が留め具を配備するときに外科医のためのガイドを提供する。
【0325】
有利には、特定の実施形態では、ガイド部3310は、患者の体の外側にあり、髄内くぎ101および骨プレート1204のインプラントが配備構成にあるときに、髄内くぎ101および骨プレート1204の両方と整列する。図示の実施形態では、ガイド部3310は、一組のくぎ係合開口部3312および一組のくぎ回避開口部3314を含む。一実施形態では、くぎ係合開口部3312およびくぎ回避開口部3314は、骨プレート1204の少なくとも1つの留め具開口部と整列する。
【0326】
くぎ係合開口部3312は、くぎ係合開口部3312を通って配備された留め具が、位置決めされた髄内くぎ101内の留め具開口部と係合することができるように位置決めされ、配向され、および/または構成された開口部である。くぎ回避開口部3314は、くぎ回避開口部3314を通って配備された留め具が髄内くぎ101の留め具開口部に係合しない、および/または係合できないように位置決めされ、配向され、および/または構成された開口部である。代替として、または加えて、くぎ回避開口部3314は、くぎ回避開口部3314を通って配備された留め具が髄内くぎ101に接触しないように構成され得る。換言すれば、くぎ回避開口部3314は、くぎ回避開口部3314を通過する留め具が骨内の髄内くぎ101を逃すように構成され得る。当業者は、くぎ係合開口部3312および/またはくぎ回避開口部3314がまた、骨プレート1204の対応するくぎ係合開口部および/またはくぎ回避開口部と整列し得ることを理解する。
【0327】
図示の実施形態では、ガイド部3310は、骨プレート1204と同様の輪郭、形状、サイズ、および構成を含む。さらに、ガイド部3310における特定の開口部は、どの開口部がくぎ係合開口部3312であり、どの開口部がくぎ回避開口部3314であるかを示すようにマーク付けされ得る。代替として、または加えて、一実施形態では、ガイド部3310は、骨プレート1204のような形状ではなくてもよいが、外科医が髄内くぎ101および骨プレート1204のうちの1つまたは両方と係合する留め具を標的とするのを支援するガイド部3310および/またはくぎ回避開口部3314を依然として含んでいてもよい。
【0328】
有利には、長手方向移動機構2640、横方向機構2650、および/または回転機構2660のうちの1つまたは複数を配備構成に配置することによって、骨プレート1204の少なくとも1つの留め具開口部2772および髄内くぎ101の少なくとも1つの留め具開口部2770を整列させることができる。骨プレート1204および髄内くぎ101が整列した状態で、外科医は、インプラントと骨との間および/またはインプラント間相互の間に所望の固定をもたらすために用いるくぎ係合開口部3312および/またはくぎ回避開口部3314のうちのどれを決定することができる。
【0329】
図34は、一実施形態による、大腿骨固定システム3400の斜視図である。大腿骨固定システム3400は、本明細書に記載される実施形態と同様または同一の構成要素、装置、機器、機構、および/または機能、動作、および構成を含み得る。従って、大腿骨固定システム3400は、髄内くぎ3401、骨プレート3402、組み合わされた挿入器3404、一組のくぎ係合留め具3406、および一組のくぎ回避留め具3408を含み得る。髄内くぎ3401は、一組のくぎ留め具開口部3470を含み、これは、留め具開口部2770と同様のものとすることができる。くぎ留め具開口部3470は、留め具を受け入れるように構成された髄内くぎの開口部である。一実施形態では、くぎ留め具開口部3470は、髄内くぎ3401と係合する留め具を受け入れるように構成される。骨プレート3402は、一組のプレート留め具開口部3472を含み、これは、留め具開口部2772と同様のものとできる。
【0330】
プレート留め具開口部3472は、留め具を受け入れるように構成された骨プレートにおける開口部である。一実施形態では、プレート留め具開口部3472は、少なくとも1つのくぎ回避開口部3314を含み得る。前述のように、くぎ回避開口部3314は、マークによって特定され得る。代替として、または加えて、くぎ回避開口部3314は、開口部が骨プレート3402に沿ってどのように分布するかに基づいて特定可能とすることができる。例えば、骨プレート3402の縁部により近い開口部は、くぎ回避開口部3314であり得、縁部間の開口部は、くぎ係合開口部3440であり得る。
【0331】
本明細書に記載の他の実施形態と同様に、大腿骨固定システム3400の組み合わされた挿入器3404は、長手方向軸3412、遠位端部3414、および近位端部3416を有する本体3410を含むことができる。組み合わされた挿入器3404はまた、髄内くぎ連結器3420、骨プレート連結器3430、および一組のくぎ係合開口部3440を含み得る。髄内くぎ連結器3420は、本体3410に連結され、髄内くぎ3401に連結するように構成される。骨プレート連結器3430は、本体3410に連結され、骨プレート3402に連結するように構成される。
【0332】
一実施形態では、本体3410は、くぎ留め具開口部3470のうちの少なくとも1つと整列する一組のくぎ係合開口部3440を含む。組み合わされた挿入器3404を用いて髄内くぎ3401および骨プレート3402を共に配備するとき、くぎ係合開口部3440は、患者の皮膚の外側にあってもよい。使用者は、くぎ係合開口部3440およびプレート留め具開口部3472を用いて、骨プレート3402を通って髄内くぎ3401のくぎ留め具開口部3470内に配備するための留め具を標的にし、髄内くぎ3401と係合してもよい。一例では、使用者は、くぎ係合留め具3406を、骨プレート3402を通して、髄内くぎ3401のくぎ留め具開口部3470に配備し得る。あるいは、または加えて、使用者は、髄内くぎ3401を回避しながら、骨プレート3402介して骨内にくぎ回避留め具3408を配備し得る。
【0333】
くぎ係合留め具3406は、髄内くぎ3401と係合するように構成された留め具である。一実施形態では、くぎ係合留め具3406は、骨プレート3402、骨、および髄内くぎ3401と係合する。別の実施形態では、くぎ係合留め具3406は、骨および髄内くぎ3401と係合する。特定の実施形態では、くぎ係合留め具3406は、髄内くぎ3401の係合を容易にするための機構を含む。例えば、くぎ係合留め具3406は、くぎ留め具開口部3470の内部ねじ山と係合するように構成された細かいねじ山536を含み得る。
【0334】
くぎ回避留め具3408は、骨および/または骨プレート3402と接触しおよび/または髄内くぎ3401と係合せず接触しないように構成された留め具である。別の実施形態では、くぎ回避留め具3408は、骨と係合し、骨プレート3402と係合せず、髄内くぎ3401と接触または係合しない。特定の実施形態では、くぎ回避留め具3408は、骨との係合を容易にするための機構を含み得る。例えば、くぎ回避留め具3408の遠位端部は、骨を貫通して係合することを容易にするために先を細くし得る。
【0335】
所望の数のくぎ係合留め具3406および/またはくぎ回避留め具3408が配備された後、使用者は、組み合わされた挿入器3404を取り除き、骨プレート3402および髄内くぎ3401の一方または両方に追加の留め具を配備し得る。
【0336】
図35は、一実施形態による、患者の大腿骨の骨折を安定させるための方法3500の一例を示す。特定の実施形態では、方法3500が開始し、使用者は、髄内くぎを組み合わされた挿入器に連結する連結3502を行う。次に、使用者は、骨プレートを組み合わされた挿入器に連結する連結3504を行う。組み合わされた挿入器は、それぞれが配備構成を含み得る髄内くぎ連結器および骨プレート連結器とすることができる。
【0337】
次に、外科医などの使用者は、患者の大腿骨の髄内管を用意する用意3506を行う。一実施形態では、髄内管は、大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端まで延在してもよい。
【0338】
次に、外科医などの使用者は、大腿骨の遠位端に近位の患者の皮膚に切開部を形成する形成3508を行い、切開部は、組み合わされた挿入器に連結された骨プレートを受け入れるような大きさとすることができる。
【0339】
次に、外科医などの使用者は、組み合わされた挿入器を大腿骨の遠位端から大腿骨の近位端に向けて逆行させることによって、骨プレートと共に髄内くぎを挿入する挿入3510を行う得る。使用者が骨プレートと共に髄内くぎを挿入する挿入3510を行うと、髄内くぎが髄内管内で移動し、骨プレートが大腿骨の外側面に沿って経皮的に移動する。一実施形態では、骨プレートと共に髄内くぎを挿入することはまた、骨プレートが骨プレート連結器に対して少なくとも2つの方向に移動することができるように、骨プレート連結器を調整することを含み得る。この動きによって、骨プレートと共に髄内くぎの配備が容易になり得る。
【0340】
次に、外科医などの使用者は、髄内くぎ連結器および骨プレート連結器のそれぞれをそれぞれの配備構成に移動させる移動3512を行い得る。髄内くぎ連結器および骨プレート連結器をそれぞれの配備開構成に移動させることで、髄内くぎおよび骨プレートを整列させる。
【0341】
次いで、使用者は、骨プレートを大腿骨の外側面に固定する1つまたは複数の留め具を配備する配備3514を行い、方法3500を終了する。
【0342】
本明細書で使用される場合、“固定”とは、2つの構造を接続するように構造化、編成、構成、設計、配置、または設計された、装置、器具、構造、機器、構成要素、部材、システム、アセンブリ、ステップ、プロセス、またはモジュールを指す。構造は、人工組織および/または生物学的組織、骨、歯などの硬組織、靭帯、軟骨、腱などの軟組織の一つまたは他のもの、または両方であってもよい。典型的には、固定は、2つの構造が所望の位置および/または向きで互いに接続されたままになるように、2つの構造を固定する機器または構成要素または措置を記述するための形容詞として用いられる。固定機器はまた、2つの構造が受ける所望のレベルの張力、圧縮力、または再分配負荷および応力を維持する働きをすることができ、1つの部分の他の部分に対する相対的な動きを低減する働きをすることができる。固定機器の例は多く、外部固定用のものと内部固定用のものの両方を含み、ピン、ワイヤ、キルシュナーワイヤ、ネジ、固定具、骨固定具、プレート、骨プレート、髄内くぎまたはロッドまたはピン、インプラント、体間骨組み、融合骨組みなどを含むが、これらに限定されない。
【0343】
本明細書で使用される場合、“アセンブリ”は、1つまたは複数の機能および/または機構を実行するために共に使用、接続、連結、適用、統合、または適合され得る2つ以上の構造、構成要素、部品、システム、および/またはサブシステムの集合、組み、またはキットを指す。アセンブリは、アセンブリを用いて達成することができる1つまたは複数の特定の機能または動作を特定する修飾語句を含み得る。アセンブリに適用されるそのような修正語句の例としては、“測定アセンブリ”、“補正アセンブリ”、“固定アセンブリ”、“分離アセンブリ”、“切断アセンブリ”などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0344】
本明細書で使用される場合、“固定器”とは、2つの骨または骨片、または単一の骨または骨片と別の固定具とを接続して、骨または骨片を所望の位置および/または向きに配置および保持するように構造化、編成、構成、設計、配置、または操作された装置、器具、構造、デバイス、構成要素、部材、システム、アセンブリ、またはモジュールを指す。固定器はまた、骨および/または身体部分は受ける負荷および応力を再分配する働きをすることができ、ある部分の他の部分に対する相対的な動きを低減する働きをすることができる。固定器の例は、外部固定用のものと内部固定用のものの両方を含み、ピン、ワイヤ、キルシュナーワイヤ、ネジ、固定具、骨固定具、プレート、骨プレート、髄内くぎまたはロッドまたはピン、インプラント、体間骨組み、融合骨組みなどを含むが、これらに限定されない。
【0345】
本明細書で使用される場合、“骨プレート”は、概して平面構造を有する構造を指す。多くの場合、骨プレートは平らであるか、またはほとんど平らである。骨プレートの特定の実施形態は、骨プレートに接続された、または骨プレートと統合された1つまたは複数の曲り部を含むことができる。特定の実施形態では、骨プレートは、患者の身体部分の輪郭に対応する曲り部を含むことができる。特定の実施形態では、骨プレートは、荷重(引っ張り、圧縮、せん断、ねじり、および/または曲げの荷重を含む)を支持するように構成することができる。骨プレートは、別の構造に接続された、または別の構造と統合された別個の構造であり得る。あるいは、骨プレートを別の構造の一部に接続することができる。骨プレートは、2次元または3次元とすることができ、長方形、正方形、または他の多角形、ならびに円、楕円、卵形、または他の円形または半円形状を含むがこれらに限定されない、様々な幾何学的形状および/または断面形状を有し得る。骨プレートは、金属、プラスチック、セラミック、木材、ガラス繊維、アクリル、炭素、生体適合性材料、生分解性材料などを含むがこれらに限定されない様々な材料から作製され得る。骨プレートは、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、炭素繊維などの生体適合性金属、炭素繊維と金属合金の組み合わせ、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム鋼合金、ニッケル-チタン合金、ニチノールなどの形状記憶合金、生体適合性セラミックス、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリラクチドポリマー(例えば、PLA)などの生体適合性ポリマー、および/またはこれらの材料の任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の生体適合性材料から形成され得る。1つの骨プレートは、プレートが構造、構成要素、または装置内に配置されている場所に基づいて、別の骨プレートと区別され得る。
【0346】
本明細書で使用される場合、“留め具”、“固定機器”、または“留め具システム”は、2つの構造を接合するように構成、設計、または操作された任意の構造を指す。留め具は、金属、プラスチック、複合材料、金属合金、プラスチック複合材料などを含む様々な材料で作製することができる。留め具の例としては、ネジ、リベット、ボルト、くぎ、スナップ、フック&ループ、止めネジ、骨ネジ、ナット、くい、ピン、つまみネジなどが挙げられるが、これらに限定されない。留め具の他の例としては、ワイヤ、キルシュナーワイヤ(Kワイヤ)、固定具、骨固定具、プレート、骨プレート、髄内くぎまたはロッドまたはピン、インプラント、縫合、軟縫合、軟固定具、つなぎ綱、体間骨組み、融合骨組みなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0347】
特定の実施形態では、留め具という用語は、留め具として機能するように結合するように構成された2つ以上の構造を含む留め具システムを指し得る。留め具システムの例は、外ねじ山を有するロッドまたはシャフトと、ロッドまたはシャフトの外ねじと係合するように構成された、対応する内ねじ山を有する別の構造の開口部または穴と、である。特定の実施形態では、留め具という用語は、留め具が、同じまたは異なるタイプの1つまたは複数の他の構造と共に係合、接続、接合、接触、または結合するように特に構成、設計、または設計され得る物体または構造を特定する形容詞と共に使用され得る。例えば、”骨留め具”は、1つまたは複数の骨、1つまたは複数の骨部分、軟組織と、骨または骨部分、硬組織および骨または骨部分、装置および骨または骨の一部などを接合または接続するための装置を指し得る。
【0348】
特定の実施形態では、留め具は一時的な留め具であってもよい。一時的な留め具は、比較的短い期間、留め具機能に係合し、機能するように構成される。典型的には、一時的留め具は、別の手順または操作が完了するまで、および/または特定の事象が発生するまで用いられるように構成される。特定の実施形態では、使用者は、一時的な留め具を取り除くか、または取り外すことができる。代替的に、または追加的に、別の構造、事象、または機械によって、一時的な留め具が係合解除され得る。
【0349】
本明細書で使用される場合、“ガイド”は、1つまたは複数の他の部品、構成要素、または構造を案内しまたは導くように設計、適合、構成、または設計された部品、構成要素、または構造を指す。ガイドは、別の構造、機器、または器具の一部であってもよく、別の構造、機器、または器具と一体化され、接続され、取り付け可能であり、連結されてもよい。一実施形態では、ガイドは、ガイドの特定の機能、位置、向き、動作、タイプ、および/または特定の構造を特定する修飾語句を含み得る。ガイドに適用されるそのような修飾語句の例としては、1つまたは複数のピンを案内または導く“ピンガイド”、製造または1つまたは複数の切断を案内または導く“切断ガイド”などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0350】
本明細書で使用される場合、“開口部”は、隙間、穴、開口、構造内の空間または凹部、構造内の空隙などを指す。特定の実施形態では、開口部は、何かを受け入れるために、および/または何かのアクセスを可能にするために具体的に構成された構造を指すことができる。特定の実施形態では、開口部は構造を通過するものとすることができる。他の実施形態では、開口部は、構造内に存在するが、構造を通過することはできないものとすることができる。開口部は、2次元または3次元であり得、長方形、正方形、または他の多角形、ならびに円、楕円、卵形、または他の円形または半円形状を含むがこれらに限定されない、様々な幾何学的形状および/または断面形状を有し得る。本明細書で使用される場合、用語“開口部”は、“開口部”の目的、機能、動作、位置、または配置に基づいて特定のタイプの“開口部”を定義する1つまたは複数の修飾語句を含むことができる。一例として、“留め具開口部”は、“留め具”を受け入れる、または収容するように適合、構成、設計、または操作された“開口部”を指す。
【0351】
本明細書で使用される場合、“曲り部”は、構造の配向を変化させる、角度付きまたは湾曲した構造、または構造の一部または部分を指す。曲り部を含む構造は、パイプ、チューブ、ケーブル、ホース、シート、経路、開口部、門、建物、道路などであり得る。典型的には、曲り部は、構造の長手方向軸に沿って、0から180度の間、または180度から360度の間の角度で構造の向きを変える。構造は、単一の曲り部または複数の曲り部を含むことができる。
【0352】
本明細書で使用される場合、“インプラント”は、欠損した生物学的構造を置き換える、損傷した生物学的構造を支持する、または既存の生物学的構造を強化するために製造された医療機器を指す。医療用インプラントは人工機器である。身体に接触するインプラントの表面は、チタン、ステンレス鋼、炭素繊維、別の金属合金、シリコーン、またはアパタイト、または最も機能的なものに応じてこれらの任意の組み合わせなどの、生物医学的材料で作製されてもよく、またはそれらを含んでもよい。場合によっては、インプラントには、人工ペースメーカーや人工内耳などの電子機器が含まれる。いくつかのインプラントは、移植可能な錠剤または薬物溶出ステントの形態の皮下薬物送達デバイスなど生体活性のものである。整形外科用インプラントは、患者の体の骨および/または関節の問題を緩和するために用いられ得る。整形外科用インプラントは、骨折、変形性関節症、脊柱側弯症、脊椎狭窄症、および慢性疼痛の治療に用いられる。整形外科用インプラントの例としては、骨が共に治癒または融合している間に骨折した骨を固定するために用いられる様々なピン、ロッド、ネジ、固定具、およびプレートが挙げられるが、これらに限定されない。(Wikipedia.comで“インプラント(医学)”を検索。2021年5月26日.CC-BY-SA3.0.改訂、2021年6月30日閲覧)。
【0353】
本明細書で使用される場合、“本体”は、構造の主要または中心部分を指す。本体は、1つまたは複数の他の構造部分を接続し、相互接続し、包囲し、囲み、および/または保護する構造部分として機能し得る。本体は、金属、プラスチック、セラミック、木材、ガラス繊維、アクリル、炭素、生体適合性材料、生分解性材料などを含むがこれらに限定されない様々な材料から作製され得る。本体は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム鋼合金、ニッケル-チタン合金、ニチノールなどの形状記憶合金、生体適合性セラミックス、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリラクチドポリマー(例えば、PLA)などの生体適合性ポリマー、および/または他のものを含むがこれらに限定されない、任意の生体適合性材料から形成することができる。
【0354】
一実施形態では、本体は、より大きなシステム、構成要素、構造、または機器のためのハウジングまたはフレームまたはフレームワークを含み得る。本体は、本体に関連する特定の機能、位置、向き、動作、および/または特定の構造を特定する修飾語句を含み得る。本体に適用されるそのような修飾語句の例としては、“下本体”、“上本体”、“外側本体”、“内側本体”などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0355】
本明細書で使用される場合、“拡張器”または“拡張部”は、拡張器に関連付けられた第1の構造の1つまたは複数の機構、機能、属性、特性、および/または利点を拡張しまたは継続的に提供するように構造化、組織化、構成、設計、配置、または設計された装置、器具、構造、デバイス、構成要素、部材、システム、アセンブリ、またはモジュールを指す。拡張器は、拡張器が第1の構造に接続し、第1の構造と伝達し、または第1の構造と相互作用することを可能にする連結器、連結器、または接続機能を含むことができる。拡張器は、金属、プラスチック、セラミック、木材、ガラス繊維、アクリル、炭素、生体適合性材料、生分解性材料などを含むがこれらに限定されない様々な材料から作製され得る。“拡張器”または“拡張部”は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム鋼合金、ニッケル-チタン合金、ニチノールなどの形状記憶合金、生体適合性セラミックス、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリラクチドポリマー(例えば、PLA)等の生体適合性ポリマー、及び/またはこれらの材料の任意の組み合わせ等の生体適合性金属を含むが、これらに限定されない任意の生体適合性材料から形成され得る。
【0356】
本明細書で使用される場合、“シャフト”とは、シャフトの各端部に接続された構造、機器、構成要素、部材、システム、またはアセンブリを支持および/または接続するように構造化、組織化、構成、設計、配置、または設計された細長い構造、機器、構成要素、部材、システム、またはアセンブリを指す。典型的には、シャフトは、引張力、圧縮力、ねじれ力、せん断力などを含む様々な力を考慮して、固定支持および完全性をもたらすように構成される。加えて、シャフトは、軸方向荷重、ねじり荷重、横方向荷重などを含む荷重を考慮して、構造の固定支持および完全性をもたらすように構成することができる。シャフトは、垂直、水平、またはこれらの間の任意の向きを含む様々な向きで配向され、機能し、2次元または3次元で機能し得る。シャフトは、金属、プラスチック、セラミック、木材、ガラス繊維、アクリル、炭素、生体適合性材料、生分解性材料などを含むがこれらに限定されない様々な材料から作製され得る。シャフトは、チタン、チタン合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム鋼合金、ニッケル-チタン合金、ニチノールなどの形状記憶合金、生体適合性セラミックス、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリラクチドポリマー(例えば、PLA)などの生体適合性ポリマー、および/または他のものを含むがこれらに限定されない、任意の生体適合性材料から形成することができる。
【0357】
本明細書で使用される場合、“連結部”、“連結部材”、または“連結器”は、2つ以上の部品、物体、または構造を接続する、またはそれらの接続を容易にするように編成、構成、設計、配置、または設計された機械的な機器、装置、部材、構成要素、システム、アセンブリ、または構造を指す。特定の実施形態では、連結部は、それらの端部で隣接する部品または物体を接続することができる。特定の実施形態では、連結部を用いて、力を伝達する目的で、2つのシャフトをそれらの端部で共に接続することができる。他の実施形態では、連結部を用いて、ある程度の整列不良または端部移動、またはその両方を可能にしながら、2つの回転装置を接合することができる。特定の実施形態では、連結部は、動作中にシャフトなどの2つの部分が分離しないようにすることができる。(Wikipedia.comで“連結”を検索.2021年7月26日.CC-BY-SA3.0改訂、2021年7月27日閲覧)。連結器は、可撓性、半可撓性、柔軟性、弾性、または剛性であり得る。連結器は、一方の構造に直接接続することによって、または他方の構造に直接接続することによって、または一方の構造、他方の構造、または両方の構造に間接的に(1つまたは複数の中間構造を介して)接続することによって直接に、2つの構造を結合し得る。
【0358】
本明細書で使用される場合、“長骨”は、骨の幅よりも大きい長さを有する患者の骨を指す。長骨は、長い骨、短い骨、平らな骨、不規則な骨、種子骨の5つのタイプのうちの1つです。長骨、特に大腿骨と脛骨は、日常活動中にほとんどの負荷にさらされる可能性がある。長骨は、主に骨幹の伸びによって成長し、成長している骨のそれぞれの端の骨端を有する。端の骨端は硝子軟骨(“関節軟骨”)で覆われている。長骨の長手方向の成長は、骨端板における軟骨内骨化の結果である。長骨のカテゴリータイプには、脚の大腿骨、脛骨、および腓骨、腕の上腕骨、橈骨、および尺骨、手足の中手骨および中足骨、指およびつま先の指節骨、ならびにヒトまたは他の患者の鎖骨または鎖骨が含まれる。長骨の外側は、骨膜と呼ばれる結合組織の層で構成されている。さらに、長骨の外側シェルは、緻密質であり、骨髄を含んだ髄腔を含む、より深い層の海綿骨(スポンジ状骨)である。(Wikipedia.comで“長骨”を検索。2021年5月14日.CC-BY-SA3.0改、2021年7月26日閲覧)。
【0359】
本明細書で使用される場合、“周囲人工装具”は、インプラントに密接に関連して配置された構造を指す。周囲人工装具はまた、骨折の種類を記述する形容詞として用いることができる。例えば、周囲人工装具骨折は、人工装具のインプラントの近くまたは周囲の骨折である。(Wikipedia.comで”周囲人工装具”を検索。2020年9月20日、CC-BY-SA3.0改訂、2021年7月26日閲覧)。
【0360】
本明細書で使用される場合、“アーム”は、基部または本体などの別の構造から延在する細長い構造を指す。特定の実施形態では、アームは、荷重(引っ張り、圧縮、せん断、ねじり、および/または曲げの荷重を含む)を支持するように構成することができる。特定の実施形態では、アームは、概して平面構造を含み得る。アームは、別の構造に接続された、または別の構造と統合された別個の構造であり得る。アームが基部または本体などの別の構造にどのように接続されるか、または別の構造からどのように延在するかに基づいて、アームは、アームが別の構造への付属物であり得るという点で、ヒトまたは動物のアームに似ているということができる。アームは、2次元または3次元であり得、長方形、正方形、または他の多角形、ならびに円、楕円、卵形、または他の円形または半円形状を含むがこれらに限定されない、様々な幾何学的形状および/または断面形状を有し得る。アームは、金属、プラスチック、セラミック、木材、ガラス繊維などを含む様々な材料から作製することができる。1つのアームは、アームが構造、構成要素、または装置内に配置されている場所に基づいて、別のアームと区別され得る。
【0361】
本明細書で使用される場合、“アダプタ”は、他の方法では互換性のない機器、構成要素、システム、アセンブリ、または構造と共に用いるために、1つの機器、構成要素、または構造の属性、機構、または機能を変換または伝達するように編成、構成、設計、配置、または設計された機器、構成応訴、システム、アセンブリ、または構造を指す。(Wikipedia.comで“アダプタ”を検索。2021年5月13日、C-BY-SA3.0改訂、021年7月27日閲覧)。2アダプタは、アダプタに関連する1つまたは複数の特定の機能、属性、利点、使用、目的、または動作、および/または特定の構造を特定する1つまたは複数の修飾語句を含み得る。アダプタに適用されるそのような修飾語句の例としては、“オフセットアダプタ”、“アクセス可能アダプタ”、“適応アダプタ”、“迂回アダプタ”、“ルーティングアダプタ”、“再ルーティングアダプタ”などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0362】
本明細書で使用される場合、“配備する”または“配備”は、インプラントまたは人工器官を、部品、身体部分、および/または患者に挿入するための行為、動作、処理、システム、方法、手段、または装置を指す。“配備する”または”配備”はまた、何かを治療目的で使用させるための行為、動作、処理、システム、方法、手段、または装置を指すことができる。機器、システム、コンポーネント、薬物、薬物、化合物、または栄養素は、人間の操作者、機械的機器、自動化システム、コンピュータシステムまたはプログラム、ロボットシステムなどによって配備され得る。
【0363】
本明細書で使用される場合、“機構”は、何かの特徴的な属性または態様を指す。(google.comで機構”を検索.OxfordLanguages、2021.Web.2021年4月20日閲覧)。機構は、機構に関連する1つまたは複数の特定の機能、属性、利点、または動作および/または特定の構造を区別する1つまたは複数の修飾語句を含み得る。機構に適用されるそのような修飾語句の例としては、“取り付け機構”、“固定機構”、“整列機構”、“調整機構”、“ガイド機構”、“突き出し機構”、“係合機構”、“固着機構”、“分離機構離”などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0364】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された方法を実行するための1つまたは複数のステップまたは動作を備える。方法のステップおよび/または動作は、互いに交換することもできる。換言すれば、実施形態の適切な動作のためにステップまたは動作の特定の順序が必要でない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用を変更することができる。
【0365】
“接続される”、“連結される”および“伝達する”という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁気的、流体的、および熱的相互作用を含む、2つ以上の物の間の任意形態の相互作用を指している。2つの構成要素は、相互に直接接触していなくても、機能的に互いに結合され得る。“当接”という用語は、互いに直接物理的に接触している物を指すが、それらの物は必ずしも共に取り付けられるものとは限らない。“流体連通”という語句は、一方の機構内の流体が他方の機構に流れ込むことができるように接続されている2つの機構を指す。
【0366】
用語“例示的な”は、本明細書では“例、実例、または例示として機能を果たす”ことを意味するように用いられる。“例示的な”として本明細書で説明されるいずれの実施形態も、他の実施形態に対して必ずしも好ましいまたは有利なものとして解釈されるわけではない。実施形態の様々な態様が図に提示されているが、特に示されていない限り、図は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。
【0367】
本明細書全体を通して“実施形態(an embodiment)”または“その実施形態(the embodiment)”への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の機能、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体で列挙される引用句またはその変形は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0368】
同様に、実施形態の上記の説明では、開示を合理化する目的で、様々な機構が単一の実施形態、図、またはその説明に一緒にグループ化される場合があることを理解されたい。しかしながら、この開示の方法は、いかなる請求の範囲も、その請求の範囲に明示的に列挙されたものよりも多くの機構を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求の範囲が示すように、発明の態様は、上述した単一の開示された実施形態のすべての機構より少ない機構の組み合わせにある。従って、詳細な説明に続く請求の範囲は、これによって、詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独自のものに基づくものである。本開示には、独立請求項とその従属請求項のすべての順列が含まれる。
【0369】
機構または要素に関する、請求の範囲における用語“第1”という記載は、必ずしも第2または追加のそのような機構または要素の存在を意味するものではない。ミーンズプラスファンクション形式で記載された要素は、米国特許法第112条第6項に従って解釈されることを意図している。本明細書に記載される基本的な原理から逸脱することなく、上述の実施形態の詳細に変更を加えることができることは、当業者には明らかである。
【0370】
本開示の特定の実施形態および用途を例示し説明してきたが、その開示の範囲は、本明細書に開示された詳細な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。当業者に明らかである様々な修正、変更、および変形は、技術の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される本開示の方法およびシステムの配置、動作および詳細においてなされ得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
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図5F
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図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図5M
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図24A
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図24B
【国際調査報告】