(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】バッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/35 20210101AFI20240903BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20240903BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/367
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510498
(86)(22)【出願日】2023-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 KR2023007552
(87)【国際公開番号】W WO2023234734
(87)【国際公開日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0068280
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ヒョン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ボ・ラ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】デ・ギル・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・スク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ・ファン・シン
【テーマコード(参考)】
5H012
【Fターム(参考)】
5H012BB08
5H012CC10
(57)【要約】
本発明は、1つ以上のバッテリーセルが含まれたセル積層体を収容するバッテリーパックに関するものであって、セル積層体が置かれる空間を提供するパックケースを含み、上記パックケースは、セル積層体の下部を支持するベースプレート、上記ベースプレートを横切るように延長形成され、上記ベースプレートの中心部に結合されるメイン隔壁、中空形状で内部にガス排出路を含み、上記ベースプレートの周縁に沿って結合される側壁、および前端が上記メイン隔壁と結合され、後端が上記側壁と結合される複数の補助隔壁を含み、上記補助隔壁は、上記補助隔壁の長手方向に沿って延長形成された一対のリブを一側に含む第1区画部材、および上記第1区画部材と結合される第2区画部材で構成され、上記第1区画部材および第2区画部材のうち少なくともいずれか1つには、上記第1区画部材に含まれたリブ間を貫通する第1ホールを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のバッテリーセルが含まれたセル積層体を収容するバッテリーパックであって、
前記セル積層体が置かれる空間を提供するパックケースを含み、
前記パックケースは、
前記セル積層体の下部を支持するベースプレート、
前記ベースプレートを横切るように延長形成され、前記ベースプレートの中心部に結合されるメイン隔壁、
中空形状で内部にガス排出路を含み、前記ベースプレートの周縁に沿って結合される側壁、および
前端が前記メイン隔壁と結合され、後端が前記側壁と結合される複数の補助隔壁を含み、
前記補助隔壁は、前記補助隔壁の長手方向に沿って延長形成された一対のリブを一側に含む第1区画部材、および前記第1区画部材と結合される第2区画部材で構成され、
前記第1区画部材および第2区画部材のうち少なくともいずれか1つには、前記第1区画部材に含まれたリブ間を貫通する第1ホールを含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記補助隔壁は、前記メイン隔壁の両側において、前記メイン隔壁の長手方向に沿って一定間隔を離隔するように配置される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記一対のリブは、上下に所定の間隔を離隔して形成される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記第2区画部材は、前記第1区画部材のリブに対向する方向において前記第1区画部材と結合される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記補助隔壁は、前記第1ホールを一側に複数個含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記第1区画部材は、前記一対のリブ間の空間が前記第1区画部材の後端方向に開放されるように後端が貫通される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記補助隔壁は、開放部が前記ガス排出路と連通するように後端が前記側壁の内部に挿入される、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記補助隔壁は、
前記一対のリブによって上下面が閉鎖され、第1区画部材および第2区画部材によって両側面が閉鎖されて形成されたガス流路を含み、
前記ガス流路は、前記第1ホールおよび開放部を介してそれぞれ外部に開放される、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記第2区画部材は、長手方向に沿って延長形成された一対のリブを一側に含み、
前記補助隔壁は、前記第1ホールが形成された一側に対向する他側において、前記第2区画部材に含まれたリブ間を貫通する第2ホールを含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記第2区画部材のリブは、前記第1区画部材に形成されたリブと重ならないように形成される、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記第2区画部材のリブは、前記第1区画部材に形成された一対のリブの上部に位置するように形成され、
前記第1ホールおよび第2ホールは、前記補助隔壁の両側において、それぞれ下部および上部に形成される、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記第1区画部材および第2区画部材は、一対のリブ間の空間が各区画部材の後端方向に開放されるように後端が貫通される、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記補助隔壁は、上部開放部および下部開放部が前記ガス排出路と連通するように、後端部が前記側壁の内部に挿入される、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記補助隔壁は、両側に前記第1ホールおよび第2ホールをそれぞれ複数個含む、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記補助隔壁は、
前記第2区画部材に形成された一対のリブによって上下面が閉鎖され、第1区画部材および第2区画部材によって両側面が閉鎖されて形成され、上部に位置する上部ガス流路、および
前記第1区画部材に形成された一対のリブによって上下面が閉鎖され、第1区画部材および第2区画部材によって両側面が閉鎖されて形成され、下部に位置する下部ガス流路を含み、
前記上部ガス流路および下部ガス流路は、前記補助隔壁内で互いに連通しない、請求項9に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパックに関するものである。より具体的には、本発明のバッテリーパックは、1つ以上のバッテリーセルが含まれた複数のセル積層体を収容し、各セル積層体を分離し、内部にガス流路を含む補助隔壁を用いて内部で発生する高温のガスを外部に放出可能な特徴を有する。
【0002】
本出願は、2022年6月3日付の韓国特許出願第10-2022-0068280号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.2Vである。したがって、これより高い出力電圧が要求される場合は、複数個のバッテリーセルを直列に連結してバッテリーパックを構成することもある。また、バッテリーパックに要求される充放電容量に応じて多数のバッテリーセルを並列連結してバッテリーパックを構成することもある。したがって、上記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は、要求される出力電圧または充放電容量に応じて多様に設定され得る。
【0004】
例えば、複数個のバッテリーセルを直列/並列に連結してバッテリーパックを構成する場合には、複数個のバッテリーセルからなるセル積層体を最初に構成し、このような複数個のセル積層体を用いて他の構成要素を追加してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0005】
セル積層体とは、多数の二次電池が直列または並列に連結された構成要素を意味し、バッテリーパックとは、容量および出力などを高めるために、多数のセル積層体が直列または並列に連結された構成要素を意味すると言える。
【0006】
図1の(a)は、バッテリーパックに装着される一般的なセル積層体の分解斜視図を示したものである。上記
図1の(a)を参照すると、複数のバッテリーセルが積層されて構成されたセル積層体の前後面にそれぞれバスバーフレームおよびエンドプレートが結合される。上記セル積層体は、
図1の(b)に図示されたように、U字型のモジュールフレームなどで囲まれて保護されることもできる。
【0007】
一方、バッテリーパックは、各セル積層体で発生する高温のガスを容易に放出することが重要である。充放電過程で発生した高温のガスが効果的に除去されないと、熱蓄積が進んでセル積層体の劣化が促進され、場合によっては発火または爆発が起こり得る。また、正常的に作動する他のセル積層体に上記ガスの熱が伝達され、バッテリーパック内部に収容された全体バッテリーセルが劣化するかまたは爆発するという問題が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2022-0014027号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、複数のセル積層体のうちいずれか1つのセル積層体で劣化が発生して高温のガスが放出されるときに、上記ガスを迅速に外部に排出し得るバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は複数のセル積層体のうちいずれか1つのセル積層体で劣化が発生して高温のガスが放出されるときに、隣接する他のセル積層体に上記ガスの熱が伝達されることを防止し得るバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的および長所は、下記の説明によって理解されることができ、本発明の実施形態によってより明確に分かるであろう。また、本発明の目的および長所は、特許請求の範囲に示した手段およびその組み合わせによって実現され得ることが容易に分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、1つ以上のバッテリーセルが含まれたセル積層体を収容するバッテリーパックであって、上記セル積層体が置かれる空間を提供するパックケースを含み、上記パックケースは、セル積層体の下部を支持するベースプレート、上記ベースプレートを横切るように延長形成され、上記ベースプレートの中心部に結合されるメイン隔壁、中空形状で内部にガス排出路を含み、上記ベースプレートの周縁に沿って結合される側壁、および前端が上記メイン隔壁と結合され、後端が上記側壁と結合される複数の補助隔壁を含み、上記補助隔壁は、上記補助隔壁の長手方向に沿って延長形成された一対のリブを一側に含む第1区画部材、および上記第1区画部材と結合される第2区画部材で構成され、上記第1区画部材および第2区画部材のうち少なくともいずれか1つには、上記第1区画部材に含まれたリブ間を貫通する第1ホールを含むことを特徴とするバッテリーパックを提供する。
【0013】
上記補助隔壁は、上記メイン隔壁の両側において、上記メイン隔壁の長手方向に沿って一定間隔を離隔するように配置され得る。
【0014】
上記一対のリブは、上下に所定の間隔を離隔して形成され得る。
【0015】
上記第2区画部材は、上記第1区画部材のリブに対向する方向において上記第1区画部材と結合され得る。
【0016】
上記補助隔壁は、上記第1ホールを一側に複数個含み得る。
【0017】
上記第1区画部材は、上記一対のリブ間の空間が上記第1区画部材の後端方向に開放されるように後面が貫通され得る。
【0018】
上記補助隔壁は、上記開放部が上記ガス排出路と連通するように後端が上記側壁の内部に挿入され得る。
【0019】
上記補助隔壁は、上記一対のリブによって上下面が閉鎖され、第1区画部材および第2区画部材によって両側面が閉鎖されて形成されたガス流路を含み、上記ガス流路は、上記第1ホールおよび上記開放部を介してそれぞれ外部に開放され得る。
【0020】
上記第2区画部材は、長手方向に沿って延長形成された一対のリブを一側に含み、上記補助隔壁は、上記第1ホールが形成された一側に対向する他側に上記第2区画部材に含まれたリブ間を貫通する第2ホールを含み得る。
【0021】
上記第2区画部材のリブは、上記第1区画部材に形成されたリブと重ならないように形成され得る。
【0022】
上記第2区画部材のリブは、上記第1区画部材に形成された一対のリブの上部に位置するように形成され、上記第1ホールおよび第2ホールは、上記補助隔壁の両側においてそれぞれ下部および上部に形成され得る。
【0023】
上記第1区画部材および第2区画部材は、一対のリブ間の空間が各区画部材の後端方向に開放されるように後面が貫通され得る。
【0024】
上記補助隔壁は、上記上部開放部および下部開放部が上記ガス排出路と連通するように後端部が上記側壁の内部に挿入され得る。
【0025】
上記補助隔壁は、両側に上記第1ホールおよび第2ホールをそれぞれ複数個含み得る。
【0026】
上記補助隔壁は、上記第2区画部材に形成された一対のリブによって上下面が閉鎖され、第1区画部材および第2区画部材によって両側面が閉鎖されて形成され、上部に位置する上部ガス流路、および上記第1区画部材に形成された一対のリブによって上下面が閉鎖され、第1区画部材および第2区画部材によって両側面が閉鎖されて形成され、下部に位置する下部ガス流路を含み、上記上部ガス流路および下部ガス流路は、上記補助隔壁内で互いに連通しないことがあり得る。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、バッテリーパックに収容されたセル積層体で劣化が発生し、高温のガスが発生しても、バッテリーパックが発火するかまたは爆発することを防止し得る。
【0028】
また、本発明によると、セル積層体で発生した高温のガスが隣接する他のセル積層体に伝達されて熱が転移する現象を防止し得る。
【0029】
また、本発明によると、バッテリーパック内に設置されて各セル積層体を分離する隔壁に複数のリブ形状を適用して剛性を向上させると同時にガスが移動する通路を形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図3】ベースプレートと結合された補助隔壁を示したものである。
【
図4】第1実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁の正面斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係るバッテリーパックのパックケース平面図である。
【
図8】第2実施形態に係るバッテリーパックに含まれる補助隔壁の第1区画部材を示したものである。
【
図9】
図8の第1区画部材を含む補助隔壁の斜視図である。
【
図10】第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁の正面斜視図である。
【
図13】
図12の補助隔壁に含まれた第2区画部材の側面図である。
【
図15】
図12の補助隔壁に含まれた第1区画部材の側面図である。
【
図17】第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれたパックケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。その前に、本明細書および特許請求の範囲で使用された用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者が彼自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義し得るという原則に基づいて、本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。
【0032】
したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に図示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【0033】
また、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0034】
本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであるため、図面における構成要素の形状およびサイズなどは、より明確な説明のために誇張、省略、または概略的に図示され得る。したがって、各構成要素のサイズや割合は、実際的なサイズや割合を完全に反映するものではない。
【0035】
本発明は、収容される複数のセル積層体が収容される空間を分離し、同時にいずれか1つのセル積層体で高温のガスが発生しても、上記ガスを外部に迅速に放出し得る構造を有するバッテリーパックに関するものである。このとき、上記セル積層体は、
図1の(a)に図示されたように、1つ以上のバッテリーセルが積層された形態であり得るか、または
図1の(b)に図示されたように、周りがモジュールフレームによって包まれたバッテリーモジュールの形態であり得る。
【0036】
本発明のバッテリーパックは、セル積層体が置かれる空間を提供するパックケース1000を含む。
【0037】
図2は、本発明のパックケース1000の斜視図を示したものである。
【0038】
上記パックケース1000は、上記
図2に図示されたように、ベースプレート100、メイン隔壁200、側壁300、および補助隔壁400を含む。また、本発明のバッテリーパックは、上記のパックケース1000の他にも上部カバー(図示せず)をさらに含むこともできる。上記上部カバーは、上記パックケース1000と結合され、複数のセル積層体を収容する1つのハウジングを形成し得る。
【0039】
上記ベースプレート100は、バッテリーパックの下部に位置してセル積層体が安着される構成であり、セル積層体の下部を支持する。
【0040】
上記メイン隔壁200は、ベースプレート100を横切るように延長形成され、上記ベースプレート100の中心部に結合される。
【0041】
上記メイン隔壁200は、パックケース1000内部の空間を大きく2箇所に区画し、両側においてセル積層体が上記メイン隔壁200を基準として互いに対称にベースプレート100上に安着されるようにする。すなわち、上記メイン隔壁200の一側に位置するセル積層体と、上記メイン隔壁200の他側に位置するセル積層体は、上記メイン隔壁200によって分離される。
【0042】
上記メイン隔壁200内には、上記ベースプレート100上に安着されるセル積層体と電気的に連結される電線またはバスバーなどが位置し得る。このとき、各セル積層体は、含まれるエンドプレートが上記メイン隔壁200を向くように配置されてベースプレート100上に安着される。
【0043】
上記側壁300は、中空形状で上記ベースプレート100の周縁に沿って結合される。
【0044】
上記側壁300は、上記ベースプレート100に安着されるセル積層体の側部を支持し、外部から保護する役割を果たす。
【0045】
上記中空構造を有する側壁300は、内部にガスが移動し得るガス排出路331を含む。
【0046】
上記側壁300は、
図2に図示されたように、前方フレーム310、後方フレーム320、および一対のサイドフレーム330で構成される。
【0047】
上記前方フレーム310および後方フレーム320は、最外角に位置するセル積層体の一側を支持し、上記サイドフレーム330は、安着されたセル積層体の後方を支持する。
【0048】
上記ガス排出路331は、好ましくは上記サイドフレーム330に含まれる。また、上記前方フレーム310または後方フレーム320の一部にも上記サイドフレーム330のガス排出路331と連通するようにガス排出路331が形成され得る。
【0049】
上記側壁300には、上記側壁300に形成されたガス排出路331が外部に開放されるように貫通されたガス排出口321をさらに含み得る。
【0050】
上記補助隔壁400は、上記メイン隔壁200によって区画された収容空間Pが再び区画されるように上記ベースプレート100と結合される。
【0051】
図3は、ベースプレート100と結合された補助隔壁400を示したものである。
【0052】
上記第1区画部材411および第2区画部材412の結合により形成された補助隔壁400は、上記
図3に図示されたように、両端がそれぞれ上記メイン隔壁200および上記側壁300に結合される。
【0053】
上記補助隔壁400は、
図2に図示されたように、上記メイン隔壁200の両側において、上記メイン隔壁200の長手方向に沿って一定間隔を離隔するように配置される。このとき、上記メイン隔壁200および隣接して配置された一対の補助隔壁400によって区画された収容空間Pにセル積層体がそれぞれ収容される。
【0054】
本発明の補助隔壁400は、一対の区画部材が結合された形態であり、上記区画部材の結合面に形成されたリブL構造により形成されたガス流路420および上記ガス流路420と収容空間Pが連通するように貫通されたホールを含むことが特徴である。
【0055】
本発明のバッテリーパックは、上記補助隔壁400は、上記リブL構造およびホール構造によりいくつかの実施形態に区分され得る。
【0056】
図4~
図7は、第1実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400に関するものであり、
図8~
図9は、第2実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400に関するものであり、
図10~
図17は、第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400に関するものである。
【0057】
以下、上記図面を参照して、各実施形態別に説明する。
【0058】
(第1実施形態)
図4は、第1実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400の正面斜視図であり、
図5は、上記
図4の補助隔壁400の後面斜視図である。
【0059】
上記補助隔壁400は、前端に前方に突出したメイン締結部J1を含み、上記メイン締結部J1が上記メイン隔壁200に挿入される方式で上記メイン隔壁200と結合される。このとき、上記補助隔壁400は、挿入されたメイン締結部J1およびメイン隔壁200がねじ結合される方式によって上記メイン隔壁200に固定され得る。
【0060】
上記補助隔壁400は、内部が中空構造を有する。具体的には、上記補助隔壁400は、内部にガスが移動し得るように長手方向に沿って延長形成されたガス流路420を含み、後端に上記ガス流路420が外部に開放されるように形成された開放部430を含む。また、一側面にも上記ガス流路420が外部に開放されるように貫通形成された第1ホール411hを含む。
【0061】
上記補助隔壁400は、上記メイン締結部J1が形成された前端がメイン隔壁200に挿入されて結合され、上記開放部430が上記側壁300のガス排出路331と連通するように後端が側壁300に挿入されて結合される。このとき、上記第1ホール411hは、上記補助隔壁400によって区画されて形成されたいずれか1つの収容空間Pを上記ガス流路420と連結させる。したがって、上記収容空間Pは、上記ガス流路420を介して上記側壁300のガス排出路331と連通する。
【0062】
上記ガス流路420の両端のうち前端は、
図4に図示されたように、メイン締結部J1などの構成により塞がれており、後端は開放部430によって開放される。
【0063】
上記補助隔壁400の上部には、パックケース1000に収容されたセル積層体を覆うように、上記パックケース1000と結合される上部カバーと結合可能な上部締結部J2が形成され得る。
【0064】
図6は、上記
図4の補助隔壁400の分解斜視図である。
【0065】
上記補助隔壁400は、
図6に図示されたように、第1区画部材411、および上記第1区画部材411と結合される第2区画部材412で構成される。
【0066】
上記第1区画部材411は、
図6に図示されたように、上記第2区画部材412と結合される内側面にねじ結合可能に垂直方向に貫通された隔壁締結部J3を含み得る。より具体的には、上記第1区画部材411に含まれた隔壁締結部J3は、
図6に図示されたように、上記各リブL上に形成されることが好ましい。
【0067】
上記第2区画部材412も、上記第1区画部材411と結合される内側面にねじ結合可能に垂直方向に穿孔された隔壁締結部J3を含み得る。このとき、上記第1区画部材411および第2区画部材412に含まれた隔壁締結部J3は、上下に互いに対応する位置に形成されることが好ましい。したがって、上記第1区画部材411および第2区画部材412が相接して結合されたときに、上記それぞれの区画部材に形成された隔壁締結部J3が垂直方向に互いに一致する位置に重なり、上記各区画部材に形成された隔壁締結部J3を貫通するボルトなどによって、上記第1区画部材411および第2区画部材412が結合される。このとき、上記各隔壁締結部J3を貫通するボルトは、パックケース1000のベースプレート100を貫通し、上記補助隔壁400とベースプレート100を結合および固定させることもできる。このとき、上記ボルトは、第1区画部材411のリブLを垂直方向に貫通し、上記補助隔壁400と結合される。
【0068】
上記第1区画部材411は、上記補助隔壁400の長手方向に沿って延長形成された一対のリブLを含む。
【0069】
上記一対のリブLは、上下に所定の間隔を離隔して形成され、上記リブLを含む第1区画部材411が上記第2区画部材412と結合され、上記リブL間の空間がガス流路420を形成することになる。すなわち、上記リブL間の空間を上記第2区画部材412が覆うことにより、通路形状のガス流路420が形成される。
【0070】
すなわち、本発明の補助隔壁400は、上記一対のリブLによって上下面が閉鎖され、第1区画部材411および第2区画部材412によって両側が閉鎖されて形成されるガス流路420を含む。
【0071】
上記ガス流路420は、上記一対のリブLによって上下面が閉鎖され、第1区画部材411および第2区画部材412によって両側面が閉鎖されて形成される。
【0072】
上記第1区画部材411は、上記一対のリブL間の空間が上記第1区画部材411の後端方向に開放されるように上記リブL間の空間に延長されて後面が貫通されており、上記第2区画部材412は、
図5に図示されたように、上記第1区画部材411と結合されるときに上記貫通された区域が塞がれないように、上記第1区画部材411の貫通された区域に対応する後面が開放された構造を有することが好ましい。
【0073】
上記貫通された区域は、上記第1区画部材411および第2区画部材412の結合によって補助隔壁400の開放部430を形成する。
【0074】
また、上記第1区画部材411または上記第1区画部材411と結合される第2区画部材412のうち少なくともいずれか1つには、上記第1区画部材411に含まれたリブLの間を貫通する第1ホール411hを含む。
【0075】
したがって、上記第1区画部材411および第2区画部材412の結合によって形成されたガス流路420は、上記開放部430および第1ホール411hを介して外部に開放され得る。
【0076】
図7は、第1実施形態に係るバッテリーパックのパックケース1000の平面図である。
【0077】
上記
図7の部分拡大図およびガス移動経路を参照すると、補助隔壁400に形成されたガス流路420、および上記補助隔壁400と結合された側壁300、すなわち、サイドフレーム330のガス排出路331を介して移動するガスGpが、上記サイドフレーム330と結合された後方フレーム320のガス排出口321を介して外部に排出される。
【0078】
本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックは、上記
図7に図示されたように、セル積層体が収容されるいずれか1つの収容空間Pで高温のガスが発生しても、上記補助隔壁400を介して効果的に外部に排出し得る。
【0079】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係るバッテリーパックに含まれる補助隔壁400の第1区画部材411を示したものであり、
図9は、上記
図8の第1区画部材411を含む補助隔壁400の斜視図を示したものである。
【0080】
本発明の第2実施形態に係るバッテリーパックは、上記補助隔壁400の一側に複数個の第1ホール411hが形成されることが特徴である。
【0081】
上記
図8および
図9に図示されたように、本発明の第2実施形態に係るバッテリーパックに含まれる補助隔壁400は、上記ガス流路420が収容空間Pと連通するように、上記第1区画部材411および第2区画部材412のうち少なくともいずれか1つを貫通して形成される第1ホール411hが少なくとも2つ以上含まれる。上記複数個で形成された第1ホール411hは、図示されたように、補助隔壁400の両端に隣接して形成されることが好ましい。
【0082】
上記のように第1ホール411hが補助隔壁400の両端にそれぞれ隣接するように形成されると、セル積層体で発生したガスがメイン隔壁200および側壁300に塞がれた状態で上記メイン隔壁200と側壁300の外側面に乗って移動し、上記補助隔壁400の両端に形成された第1ホール411hへ効果的に流入し得る。
【0083】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400の正面斜視図であり、
図11は、第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400の後面斜視図である。
【0084】
上記補助隔壁400は、
図10に図示されたように、前端に前方に突出したメイン締結部J1を含み、上記メイン締結部J1が上記メイン隔壁200に挿入される方式で上記メイン隔壁200と結合される。このとき、上記補助隔壁400は、挿入されたメイン締結部J1およびメイン隔壁200がねじ結合される方式によって上記メイン隔壁200に固定され得る。
【0085】
また、上記補助隔壁400の上部には、パックケース1000に収容されたセル積層体を覆うように、上記パックケース1000と結合される上部カバーと結合可能な上部締結部J2が形成され得る。
【0086】
本発明の第3実施形態に係るバッテリーパックは、第1区画部材411および第2区画部材412がいずれもリブL構成を有することが特徴である。
【0087】
より具体的には、本発明の第3実施形態に係るバッテリーパックは、長手方向に沿って延長形成された一対のリブLを一側に含む第1区画部材411、および上記第1区画部材411と結合され、長手方向に沿って延長形成された一対のリブLを一側に含む第2区画部材412で構成される補助隔壁400を含む。
【0088】
すなわち、第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400の上記第1区画部材411および第2区画部材412は、互いに対向する内側面に一対のリブLをそれぞれ含む。
【0089】
図12は、第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400の分解斜視図であり、
図13は、上記
図12の補助隔壁400に含まれた第2区画部材412の側面図であり、
図14は、上記
図13の第2区画部材412の斜視図であり、
図15は、上記
図12の補助隔壁400に含まれた第1区画部材411の側面図であり、
図16は、上記
図15の第1区画部材411の斜視図である。
【0090】
上記
図12に図示されたように、すなわち、第1区画部材411および第2区画部材412のそれぞれに一対のリブLを含む。
【0091】
上記
図12に図示されたように、上記第2区画部材412のリブLは、上記第1区画部材411のリブLと重ならないように上部に位置し、上記第1区画部材411のリブLは、上記第2区画部材412のリブLと重ならないように下部に位置する。
【0092】
上記第2区画部材412で上部に形成された一対のリブL間の空間は、上記第1区画部材411と第2区画部材412の結合により上部ガス流路421を形成する。また、上記第1区画部材411で下部に形成された一対のリブL間の空間は、上記第2区画部材412と第1区画部材411の結合により下部ガス流路422を形成する。このとき、上記上部ガス流路421および下部ガス流路422は、互いに対して分離および断絶されており、連通しないように設計される。したがって、上記第2区画部材412に形成された一対のリブLのうち下に位置するリブLと、上記第1区画部材411に形成された一対のリブLのうち上に位置するリブLとの間は所定の間隔を離隔していることが好ましい。
【0093】
したがって、上記第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400の上部ガス流路421は、上記第2区画部材412に形成された一対のリブLによって上下面が閉鎖され、第1区画部材411および第2区画部材412によって両側面が閉鎖されて形成される。また、下部ガス流路422は、上記第1区画部材411に形成された一対のリブLによって上下面が閉鎖され、第1区画部材411および第2区画部材412によって両側面が閉鎖されて形成される。
【0094】
上記第1区画部材411および第2区画部材412は、一対のリブL間の空間が各区画部材の後端方向に開放されるように、
図12に図示されたように、上記リブL間の空間に延長されて後面が貫通されている。したがって、第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400は、上記第1区画部材411および第2区画部材412が結合によって
図11に図示されたように、上部に位置する上部開放部431および下部に位置する下部開放部432を含む。
【0095】
上記上部開放部431は上部ガス流路421と連通し、上記下部開放部432は下部ガス流路422と連通する。
【0096】
本発明の第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400は、上記上部開放部431および下部開放部432が側壁300のガス排出路331と連通するように、後端部が上記側壁300の内部に挿入される。
【0097】
上記第2区画部材412は、
図12~
図14に図示されたように、第1区画部材411と結合される内側面にねじ結合可能に垂直方向に貫通された隔壁締結部J3を含み得る。より具体的には、上記第2区画部材412に含まれた隔壁締結部J3は、各リブL上に形成されることが好ましい。
【0098】
また、上記第1区画部材411は、
図12、
図15~
図16に図示されたように、第2区画部材412と結合される内側面にねじ結合可能に垂直方向に穿孔された隔壁締結部J3を含み得る。より具体的には、上記第1区画部材411に含まれた隔壁締結部J3は、上記第2区画部材412の隔壁締結部J3の位置に対応して各リブL上に形成されることが好ましい。すなわち、上記第1区画部材411および第2区画部材412に含まれた隔壁締結部J3は、上下に互いに対応する位置に形成されることが好ましい。
【0099】
したがって、上記第1区画部材411および第2区画部材412が相接して結合されたときに、上記それぞれの区画部材に形成された隔壁締結部J3が垂直方向に互いに一致するように位置し、上記各区画部材に形成された隔壁締結部J3を貫通するボルトなどにより、上記第1区画部材411および第2区画部材412が結合される。このとき、上記各隔壁締結部J3を貫通するボルトは、パックケース1000のベースプレート100を貫通し、上記補助隔壁400とベースプレート100を結合および固定させることもできる。このとき、上記ボルトは、第1区画部材411のリブLを垂直に貫通し、上記補助隔壁400と結合される。
【0100】
本発明の第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400は、両側にそれぞれホールが形成されている。具体的には、一側に下部ガス流路422と連通するように貫通された第1ホール411hを含み、他側に上部ガス流路421と連通するように貫通された第2ホール412hを含む。
【0101】
上記第1ホール411hは、上記下部ガス流路422と連通するように、上記第1区画部材411の下部に貫通して形成され、上記第2ホール412hは、上記上部ガス流路421と連通するように、上記第2区画部材412の下部に貫通して形成される。
【0102】
上記補助隔壁400は、上記第2実施形態に係るバッテリーパックに含まれた補助隔壁400と同様に、両側に上記第1ホール411hおよび第2ホール412hをそれぞれ複数個で含むこともできる。
【0103】
図17は、本発明の第3実施形態に係るバッテリーパックに含まれたパックケース1000の斜視図である。
【0104】
上記
図17によると、上記第1ホール411hおよび第2ホール412hは、上記補助隔壁400の両側に形成され、それぞれの収容空間Pと連通している。すなわち、いずれか1つの収容空間Pは、メイン隔壁200、側壁300、および少なくとも1つ以上の補助隔壁400によって形成され得る。
【0105】
両側に補助隔壁400によって区画された収容空間Pは、いずれか1つの補助隔壁400の第1ホール411hおよび残り1つの補助隔壁400の第2ホール412hと同時に連通し得、一側の補助隔壁400、他側の側壁300によって区画された収容空間Pは、補助隔壁400の第1ホール411hまたは第2ホール412hと連通し得る。
【0106】
以上、図面と実施形態などにより本発明をより詳細に説明した。しかしながら、本明細書に記載された図面または実施形態などに記載された構成は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0107】
10:(従来技術)セル積層体
1:(従来技術)バッテリーセル
2:(従来技術)バスバーフレーム
3:(従来技術)エンドプレート
4:(従来技術)モジュールフレーム
1000:パックケース
100:ベースプレート
200:メイン隔壁
300:側壁
310:前方フレーム
320:後方フレーム
321:ガス排出口
330:サイドフレーム
331:ガス排出路
400:補助隔壁
411:第1区画部材
411h:第1ホール
412:第2区画部材
412h:第2ホール
420:ガス流路
421:上部ガス流路
422:下部ガス流路
430:開放部
431:上部開放部
432:下部開放部
L:リブ
P:収容空間
J1:メイン締結部
J2:上部締結部
J3:隔壁締結部
Gp:ガス移動(経路)
【国際調査報告】