(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】車両の車両利用を計画するための方法
(51)【国際特許分類】
B60L 58/40 20190101AFI20240903BHJP
B60L 50/75 20190101ALI20240903BHJP
B60L 58/34 20190101ALI20240903BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240903BHJP
【FI】
B60L58/40
B60L50/75
B60L58/34
B60L58/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510613
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2022072024
(87)【国際公開番号】W WO2023025566
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】102021004308.1
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523285085
【氏名又は名称】ダイムラー トラック アーゲー
【氏名又は名称原語表記】DAIMLER TRUCK AG
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ゲーリング, オットマー
(72)【発明者】
【氏名】ブンツ, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ランゲンバッヒャー, ルイザ
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BC13
5H125BD04
5H125CA18
5H125EE27
5H125EE37
5H125EE55
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの車両構成要素が車両使用の間にプレコンディショニングされる、車両(1)の車両使用を計画するための方法に関する。本発明は、車両利用の間に実行される予定の車両ダウンタイムの時点、継続時間及び/又は回数が、車両ダウンタイムの開始時に車両(1)の少なくとも1つのトラクションバッテリ(2)が規定の充電状態の範囲(3)内の充電状態を有し、その結果、車両ダウンタイムの間にボイルオフ管理システムによって提供される電気エネルギーの量が、トラクションバッテリ(2)内に完全に蓄えられるか、又は、一部分はトラクションバッテリ(2)に蓄えられ、及び車両ダウンタイムの間にサードパーティ負荷(4)によって完全に消費され、車両ダウンタイムの開始時にトラクションバッテリ(2)内の利用可能な電気エネルギーの量が、車両ダウンタイムの終了時に動作温度まで車両(1)の燃料電池システム(5)を十分に加熱するのに十分である、ように選択されることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の車両利用を計画するための方法であって、前記車両利用の間に少なくとも1つの車両構成要素がプレコンディショニングされ、
車両利用の間に実行される予定の車両ダウンタイムの時点、継続時間及び/又は回数が、車両ダウンタイムの開始時に前記車両(1)の少なくとも1つのトラクションバッテリ(2)が規定の充電状態領域(3)内の充電状態を有し、その結果、前記車両ダウンタイムの間にボイルオフ管理システムによって提供される電気エネルギーの量が、前記トラクションバッテリ(2)内に完全に蓄えられるか、又は、一部分は前記トラクションバッテリ(2)内に蓄えられ、及び前記車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマ(4)によって完全に消費され、前記車両ダウンタイムの開始時に前記トラクションバッテリ(2)内の利用可能な電気エネルギーの量が、前記車両ダウンタイムの終了時に動作温度まで前記車両(1)の燃料電池システム(5)を加熱するのに十分である、ように選択される
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記車両利用を計画するために、以下のパラメータ、すなわち、
- 前記車両(1)の現在及び/又は将来の位置に対して有効な天気予報、
- 現在及び/又は将来の車両負荷、
- 前記車両(1)によって走行される予定の経路の少なくとも1つの区間に対して有効な交通予測、
- 前記車両(1)の極低温タンク(6)の現在及び/又は将来のタンク内圧、
- 現在及び/又は将来の極低温タンク温度、
- 前記極低温タンク(6)に充填される燃料ガスの現在及び/又は将来の充填量、及び/又は
- 車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマ(4)によって必要とされる電気エネルギーの量、
のうちの少なくとも1つが考慮される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのトラクションバッテリ(2)の前記充電状態が、車両ダウンタイムの開始時に前記充電状態領域(3)の上限(3.U)又は下限(3.L)と一致するように前記車両利用が計画される、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記車両利用の前記計画が、前記車両内又は前記車両外で行われる、ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両利用の前記車両外計画が、サービスプロバイダによって実行される、ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
車両ダウンタイムの開始前に、前記極低温タンク(6)の前記タンク内圧を調整可能な最低圧力に設定するために、燃料ガス消費が通常動作モードに比べて増加され、及び/又は前記極低温タンク(6)のサーマルコンディショニングのための加熱パワーが前記通常動作モードに比べて減少される、又は前記極低温タンク(6)のサーマルコンディショニングのための冷却パワーが通常動作モードに比べて増加される、ことを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記充電状態領域(3)の上限(3.U)及び/又は下限(3.L)及び/又は車両ダウンタイムの前記時点、前記継続時間及び/又は前記回数が、車両利用の間に少なくとも1回再判定される、ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのトラクションバッテリ(2)と、燃料電池システム(5)と、極低温タンク(6)と、電気駆動機械(7)と、コンピューティングユニット(8)とを有する車両(1)であって、
前記トラクションバッテリ(2)と、前記燃料電池システム(5)と、前記極低温タンク(6)と、前記電気駆動機械(7)と、前記コンピューティングユニット(8)とが、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行するように設定される、ことを特徴とする、車両。
【請求項9】
ユーティリティビークルとしてのデザインを特徴とする、請求項8に記載の車両(1)。
【請求項10】
少なくとも一部分が自動化された制御システムを特徴とする、請求項8又は9に記載の車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の一般的な用語でより詳細に定義されたタイプの車両の車両利用を計画するための方法、及び請求項8の一般的な用語でより詳細に定義されたタイプの車両に関する。
【背景技術】
【0002】
環境意識の高まり及び関連するより厳しい環境指令に伴い、車両用の代替駆動システムの重要性が高まっている。ハイブリッド車両及び純粋なバッテリ式電気自動車に加えて、燃料電池システムを有する車両も知られており、燃料電池の助けを借りて燃料ガス、通常は水素、を酸化剤、通常は酸素、と反応させることによって電気駆動エネルギーが得られる。燃料ガスを蓄えることは、ガソリンなどの液体燃料を蓄えることよりもタンクに対する要求が高い。燃料ガスは、典型的には、車両で十分な燃料リザーブを運ぶことができるように、比較的高圧及び/又は低温下でタンク内に蓄えられる。したがって、対応する燃料タンクは、厚い壁で設計され、及び/又は断熱される。断熱は、燃料タンクが急速に加熱されすぎて液体燃料ガスを蒸発させ、タンク内圧を急速に上昇させすぎる、ということを防止する。
【0003】
典型的には、水素は、液体状態で約-250°でこうしたタンク内に蓄えられる。こうしたタンクを有する車両が長時間駐車された場合、タンクがゆっくりと温まり、液体水素を蒸発させタンク内において圧力の上昇をもたらす。タンク内の内圧が臨界値まで上昇した場合、タンク内の圧力を再び低下させるために、タンクから水素が排出されなければならない。抽出された水素は、触媒コンバータを介して環境に放出され得るか、又は車両の燃料電池システム内で反応させられて水になり、それによって電気エネルギーを生成し得る。こうしたプロセスは、熱誘導の圧力上昇をもたらし、ボイルオフとしても知られている。
【0004】
低い周囲温度では、燃料電池システム内の水分が凍結するということも起こり得、これは、燃料電池システムが適切に機能できないことを意味する。この場合、凍結した水を再び解凍するために、燃料電池システムに熱が供給されなければならない。これは、熱を発生させるためのエネルギーを必要とする。
【0005】
極低温貯蔵燃料用の極低温タンクシステムは、例えば独国特許出願公開第10304165号明細書から知られている。ボイルオフの場合、極低温タンクシステムから排出される予定の燃料ガスは、ボイルオフ管理システムとしても知られる2つのリサイクル機器の助けを借りて反応し、電気エネルギーに変換される。こうしたリサイクル機器は、例えば、バーナ、触媒バーナ、燃料電池又は内燃モータであり得る。安全上の理由から、極低温タンクシステムは、少なくとも2つのこうしたリサイクル機器を有し、それらは共通の供給ラインを介して極低温タンクシステムに接続される。供給ラインには切替弁が設けられており、それは、極低温タンクシステムから排出された燃料ガスをリサイクル機器間で分配するために補助エネルギーなしで切り替わる。リサイクル機器のうちの1つが故障した場合、リサイクルされる予定の燃料ガスが残りのリサイクル機器に供給されることができるように、安全で信頼性のある切替えが確保される。
【0006】
さらに、米国特許出願公開第2018/0334170号明細書は、ハイブリッド電気自動車をプレコンディショニングするための方法を開示している。燃焼モータに加えて、こうしたハイブリッド電気自動車はまた、少なくとも1つのトラクションバッテリも含む。広報に開示された方法によれば、対応する構成要素を動作温度に加熱するために、トラクションバッテリ、内燃モータ、排気ガス後処理システム及び/又は車両の車室に熱が供給される。動作温度まで加熱されたトラクションバッテリは、特にエネルギー効率が良い。動作温度まで温められた燃焼モータ及び/又は排気ガス後処理システムは、特に低エミッション動作モードで動作させられ得る。暖められた運転室は、冷たい周囲条件で車両を運転する人にとって高いレベルの熱的快適性を確保する。熱は、車両が始動して走り出す少し前に、関連する構成要素に供給される。車両が行程を開始する瞬間は、ユーザの挙動を分析すること、及び/又はセンサデータを評価することによって判定される。熱を産生するのに必要なエネルギーは、車両のトラクションバッテリ及び/又はケーブルによって車両に接続された充電ステーションから、電気エネルギーの形態で得られる。充電ステーションが車両に接続されておらず、トラクションバッテリに比較的低い充電レベルしかない場合、システムは、車両構成要素のうちのどれが加熱されるべきか、及びどれが加熱されるべきでないか優先順位をつける。したがって、特定の状況では個々の車両構成要素が十分に暖められることができないというリスクがある。公報によれば、車両はまた、燃料電池システムも含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第10304165号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/0334170号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、車両の車両利用を計画するための方法であって、燃料電池システムによって電気駆動エネルギーが供給された車両を駐車するときのエネルギー損失を最小限に抑えるのに役立ち、氷点付近の周囲温度で車両が確実に始動することを可能にする、方法を提供するのに役立つ。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有する、車両の車両利用を計画するための方法、及び請求項8の特徴を有する車両によって解決される。有利な実施形態及びさらなる実施形態は、それに従属する特許請求の範囲からもたらされる。
【0010】
冒頭で述べたタイプの車両の車両利用を計画するための方法では、少なくとも1つの車両構成要素が車両利用中にプレコンディショニングされる。本発明によれば、車両利用の間に実行される予定の車両ダウンタイムの時点、継続時間及び/又は回数が、車両ダウンタイムの開始時に車両の少なくとも1つのトラクションバッテリが規定の充電状態領域内の充電状態を有し、その結果、車両ダウンタイムの間にボイルオフ管理システムによって提供される電気エネルギーの量が、トラクションバッテリ内に完全に蓄えられるか、又は、一部分はトラクションバッテリ内に蓄えられ、及び車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマによって完全に消費され、車両ダウンタイムの開始時にトラクションバッテリ内の利用可能な電気エネルギーの量が、車両ダウンタイムの終了時に動作温度まで車両の燃料電池システムを加熱するのに十分である、ように選択される。
【0011】
本発明に係る方法は、特にエネルギー効率が良く信頼性のある、車両の動作を可能にする。ボイルオフが発生した場合、車両内の水素タンクから取り出されたすべての水素は、燃料電池システム内で電気エネルギーに変換され、トラクションバッテリ内に蓄えられるか、又はサードパーティコンシューマによって使用され得る。これにより、水素が未使用で環境中に放出されなければならないことを防止する。これはまた、凍結した燃料電池システムを解凍し、及び/又はそれを動作温度まで加熱するために、車両ダウンタイムの終わりに車両のトラクションバッテリ内に十分な電気エネルギーが蓄えられることも確実にする。トラクションバッテリの規定の充電状態領域のおかげで、このエネルギー効率が良く信頼性のある動作が可能である。このようにして、トラクションバッテリの充電状態は、電気エネルギーを吸収するため、又は燃料電池システムを加熱するために、十分な充電リザーブが提供され得るように、充電状態領域に従って、車両利用の間に実行される予定の車両ダウンタイムと調整される。
【0012】
トラクションバッテリの容量が増加するにつれて、充電状態領域のサイズも増加する。このようにして、より多くの車両ダウンタイムが実行され得、車両ダウンタイムもより長く続き得、車両ダウンタイムもより短い連続で又はより長い間隔で実行され得るので、車両利用の計画におけるより高い柔軟性が容易になる。
【0013】
方法の有利なさらなる展開は、車両利用を計画するときに以下のパラメータ、すなわち、
・車両の現在及び/又は将来の位置に対して有効な天気予報、
・現在及び/又は将来の車両負荷、
・車両によって走行される予定の経路の少なくとも1つの区間に対して有効な交通予測、
・車両の極低温タンクの現在及び/又は将来のタンク内圧、
・現在及び/又は将来の極低温タンク温度、
・極低温タンクに充填される燃料ガスの現在及び/又は将来の充填量、及び/又は
・車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマによって必要とされる電気エネルギーの量、
のうちの少なくとも1つが考慮されることを提供する。
【0014】
列挙されたパラメータを考慮に入れることによって、充電状態領域及び車両ダウンタイムの間のトラクションバッテリの充電状態がさらにいっそう正確に予測され得る。車両の周辺の周囲温度は、車両の位置に対して有効な天気予報を考慮して判定され得る。周囲温度が比較的高い場合、極低温タンクもより急速に加熱され、これは、タンク内圧のより速い上昇をもたらす。これは、極低温タンクから取り出された燃料ガス、具体的には水素を、燃料電池システムで電気エネルギーに変換してそれを車両のトラクションバッテリ内に蓄えるために、ボイルオフ管理システムも早期に起動されなければならないことを意味する。一方、周囲温度が比較的低い場合、ボイルオフも遅れる。
【0015】
比較的大きく、したがって重い負荷を、車両が運んでいる場合、車両の消費も増加することになる。その結果、車両のトラクションバッテリの充電レベルは、一定の距離を走行するとき、より急速に低下し、これは、充電状態領域の下端にもより急速に到達することを意味する。
【0016】
同様に、交通渋滞又は遅々として進まない車の流れなどの、交通障害が発生した場合、車両の燃料消費が増加する。
【0017】
極低温タンクの現在及び/又は将来のタンク内圧を監視することによって、ボイルオフ事象が発生し、極低温タンクから燃料ガスが排出される必要があることになる時点をより確実に予測することが可能である。例えば、極低温タンクのタンク内圧が車両ダウンタイムの開始時にその負荷上限により近い場合、燃料ガスは、より早く極低温タンクから排出されなければならない。一方、タンク内圧が比較的低い場合、ボイルオフ時間も遅くなる。
【0018】
列挙されたパラメータを考慮して、ボイルオフが発生しない車両ダウンタイムも計画され得る。
【0019】
タンク内圧は燃料ガス充填量及び極低温タンク温度にも依存するため、極低温タンク温度及び極低温タンクの充填量を監視することによって、ボイルオフが発生する時点がよりいっそう確実に判定され得る。
【0020】
例えばクレーン車、ごみ圧縮機、冷却システム、コンクリートミキサなど、車両ダウンタイムの間に、ある量の電気エネルギーがサードパーティコンシューマに供給されなければならないことが予想されることになる場合、ボイルオフ管理システムによって供給される電気エネルギーは、トラクションバッテリ内に蓄えられ得るだけでなく、サードパーティコンシューマによっても消費され得る。これは、トラクションバッテリが規定の充電レベルから完全に充電されるのにかかる時間が、サードパーティコンシューマなしでトラクションバッテリを充電するのと比較して増加することを意味する。言い換えれば、サードパーティコンシューマの同時動作は、充電状態領域の上限が、完全に充電されたトラクションバッテリの方向に上方にシフトさせられることを可能にする。
【0021】
方法のさらに有利な実施形態によれば、少なくとも1つのトラクションバッテリの充電状態が、車両ダウンタイムの開始時に充電状態領域の上限又は下限と一致するように車両利用が計画される。車両ダウンタイムの開始時にトラクションバッテリの充電状態が充電状態領域内にあることを確実にするために、車両ダウンタイムになる前のちょうど良いときに車両の動作モードが調整される必要があり得る。車両ダウンタイムの開始時に充電状態が充電状態領域の上限又は下限にあるように充電状態が設定された場合、車両の動作モードが調整される必要がある時点が遅らせられ得る。これは、他の最適化パラメータを考慮して、行程の間、車両が可能な限り長く動作させられ得ることを意味する。
【0022】
このようにして、車両は、行程の間、特に燃料効率が良いか、コストが最適化されるか、耐用年数が最適化されるか、性能が最適化されるか、又は他の最適なやり方で動作させられ得る。これは、走行中に、車両のため、したがって車両の燃料電池システムのためにも、動作戦略を選択するときにより多くの自由度が使用され得ることを意味する。
【0023】
車両ダウンタイムの開始時にトラクションバッテリの充電状態が充電状態領域内にあるように、車両の動作モードを適応させるために、以下のことが行われる。
- トラクションバッテリの充電状態が低すぎる場合、燃料電池システムから出力される電力が増加され、及び/又は走行中に起こる回復フェーズの間に回復される、より多くの電気エネルギーがトラクションバッテリ内に蓄えられる。燃料電池システム出力の増加のプラスの副作用は、極低温タンクのタンク内圧の低下である。
- 充電状態が高すぎる場合、燃料電池システム出力が低減され、車両及び/又はサードパーティコンシューマに電力を供給するのに必要なエネルギーがトラクションバッテリから取り出される。また、極低温タンクが急速に加熱されすぎるのを防止するために、極低温タンクの冷却パワーが増加され得るか、又は極低温タンクに供給される熱出力が減少され得る。極低温タンクが能動的に冷却される場合、過剰な電気エネルギーはまた、適切な冷却ユニットによっても消費され得る。
- タンク内圧が高すぎる場合、極低温タンクへの熱供給が減少され、極低温タンクの冷却パワーが増加され、及び/又は燃料電池システムの出力が増加される。
- 車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマの比較的高い予想電気エネルギー必要量がある場合には、トラクションバッテリの比較的高い充電状態及び/又は比較的高いタンク内圧が設定される。
【0024】
方法のさらに有利な実施形態はまた、車両利用の計画が車両の内部又は外部で実行されることを提供する。車両利用を計画するために、権限を有する人、例えば車両の担当者又は車両隊のコーディネータは、評価のために、車両で実行される予定の対応する行程をコンピューティングユニットに入力し得る。行程を評価するため、又は車両利用を計画するために適した任意のプログラムが、コンピューティングユニット上で実行され得る。コンピューティングユニットは、例えば、内部又は外部コンピューティングユニットであり得る。車載コンピューティングユニットは、例えば、中央車載コンピュータ、テレマティクスユニット、車両サブシステムの制御ユニットなどであり得る。車載コンピューティングユニットはまた、ラップトップ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどの、車両と共に輸送されるモバイル端末装置であってもよい。例えば、クラウドサーバ又はバックエンドが外部コンピューティングユニットとして使用され得る。計画された経路に加えて、取られる予定の休憩及びアイドル時間も考慮される。
【0025】
これにより、行程の間に車両がどれだけの燃料を消費することになるのか、したがって車両ダウンタイムの開始時に極低温タンクがどれだけ満たされていることになるのかを予測することが可能になる。結果として生じるタンク内圧及び極低温タンクの温度を同時に考慮することによって、ボイルオフが起こる時点が特定の精度で予測され得る。また、車両の動作戦略が変更される時点は、対応する車両ダウンタイムの開始時のトラクションバッテリの充電レベルが特に確実に充電状態領域内になるように計画され得る。
【0026】
本発明に係る方法のさらに有利な実施形態によれば、車両利用の車両外での計画は、サービスプロバイダによって実行される。サービスプロバイダは、例えば、車両製造業者、運送会社、建設会社、公的機関などであり得る。具体的には、サービスプロバイダは、車両隊を一元的に調整する。対応する車両隊は、無線通信接続を介して、例えば移動無線、WiFi、Bluetooth、NFCなどを介して車両制御センタと通信を行う。通信はまた、少なくとも区間単位で、インターネットを介しても行われ得る。車両で実行される予定の行程の個々の区間は、車両自体で計画及び分析もされ得、他の区間は、サービスプロバイダによって車両外で計画及び分析され得る。
【0027】
具体的には、サービスプロバイダは、車両隊で取得されたデータを評価し得、したがって、燃料消費、車両ダウンタイムの開始時のタンク内圧、トラクションバッテリの充電状態などの、推定値の予測の精度を向上させ得る。
【0028】
方法のさらに有利な実施形態はまた、車両ダウンタイムの開始前に、極低温タンクのタンク内圧を調整可能な最低圧力に設定するために、燃料ガス消費が通常動作モードに比べて増加され、及び/又は極低温タンクのサーマルコンディショニングのための加熱パワーが通常動作モードに比べて減少される、又は極低温タンクのサーマルコンディショニングのための冷却パワーが通常動作モードに比べて増加される、ということも提供する。車両ダウンタイムの開始時のタンク内圧を最小限に抑えることにより、ボイルオフが生じるまでの時間が長くなる。このようにして、極低温タンクから特に大量の燃料ガスを排出すること、及び/又は極低温タンクを冷却することによって、タンク内圧が低下させられ得る。極低温タンクは、極低温タンクを能動的に冷却することによって、又は極低温タンクを加熱するための加熱パワーを低下させることによって冷却することができる。燃料電池システムの電力が車両ダウンタイムになる前に増加され、これから得られる電気エネルギーが極低温タンクを能動的に冷却するために使用されることが好ましい。これにより、極低温タンクのタンク内圧が特に急速に低下させられることを可能にする。
【0029】
充電状態領域の上限及び/又は下限及び/又は車両ダウンタイムの時点、継続時間及び/又は回数が、車両利用の間に少なくとも1回再判定されることが好ましい。車両利用の間には、車両ダウンタイムになったときにトラクションバッテリの充電状態を規定の充電状態領域内に維持することがもはや不可能であるかもしれないように、車両戦略の計画に有害な影響を及ぼす予期しない事象が発生し得る。前述の変数のうちの少なくとも1つを再計算することによって、少なくとも車両利用のある区間について車両利用が再スケジュールされ得、これにより、トラクションバッテリの充電状態を指定された充電状態領域内に再び維持することが可能になる。例えば、車両ダウンタイムが時間的に前後にシフトされ得、その回数が増減され得、車両ダウンタイムの継続時間が短縮又は延長され得、及び/又は充電状態領域自体が調整され得、これは例えば、以前に計画されたよりも多いか又は少ない量のエネルギーが車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマによって消費されたか又は消費されているためである。
【0030】
少なくとも1つのトラクションバッテリと、燃料電池システムと、極低温タンクと、電気駆動機械と、コンピューティングユニットとを有する車両において、トラクションバッテリと、燃料電池システムと、極低温タンクと、電気駆動機械と、コンピューティングユニットとが、上述の方法を実行するために本発明に従って設定される。車両は、自動車、トラック、バン、バスなどの任意の車両、又はクレーン、掘削機、コンクリートミキサなどの建設機械でさえあり得る。燃料電池システムは、具体的には、PEM燃料電池システムである。
【0031】
車両は、ユーティリティビークルとして設計されることが好ましい。ユーティリティビークルは、比較的大きな寸法及び高い運搬可能なペイロードを特徴とする。さらに、ユーティリティビークルは長距離をカバーする必要がしばしばあり、それは純粋にバッテリ駆動の車両では達成することが困難であり、なぜならこれは、比較的多くの充電ストップが作られなければならないことを意味するからである。したがって、ユーティリティビークルは、電気駆動エネルギーを供給するために燃料電池システムを提供するのに特に適している。したがって、本発明に係る方法は、ユーティリティビークルに使用するのに特に有利である。
【0032】
さらに、こうした車両は、少なくとも一部分が自動化された制御システムを有することが好ましい。車両が完全に自動的に制御され得ることが特に有利であり、それにより、自律制御された車両隊において本発明に係る方法を使用することを可能にする。これにより、例えば、拠点間動作モードで動作させられる自律走行トラックの使用を、よりいっそう環境に優しく信頼性のあるやり方で計画することが可能になる。
【0033】
本発明に係る方法及び車両のさらなる有利な実施形態はまた、図面を参照して以下により詳細に説明される例示的な実施形態からも生じる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明に係る車両の簡略化された概略図である。
【
図2】車両のトラクションバッテリの2つの充電状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明に係る車両1の簡略化された概略図を示す。車両1は、例えば、自動車、トラック、バス、建設機械などであり得る。車両1は、ドライブトレイン24を駆動するための少なくとも1つの電気駆動機械7を有し、
図1の実施形態では、車両1は2つの電気駆動機械7を有する。電気駆動機械7にエネルギーを供給するために、車両1は、少なくとも1つのトラクションバッテリ2と、燃料電池システム5、具体的にはPEM燃料電池システムとを有する。トラクションバッテリ2、燃料電池システム5及び電気駆動機械7は、車両1の共通の高電圧ネットワーク9に接続されている。車両1が静止しているとき、トラクションバッテリ2は、充電インタフェース10を介して充電ステーション11から電力を引き出し得る。車両1はまた、リターダ12及び/又はブレーキチョッパ13などのさらなる構成要素も有し得る。
【0036】
車両1はまた、少なくとも1つのコンピューティングユニット8、例えば中央車載コンピュータも含む。個々の車両構成要素を制御及び/又は調整するために、車両構成要素は、個々の制御ユニット14を経由してデータバス15を介してコンピューティングユニット8に接続されている。
【0037】
さらに、車両1は、無線通信インタフェース16を含み、これを介して車両1は、車両の外部のコンピューティングユニット17、例えばクラウドサーバとデータを交換し得る。例えば、車両1は、車両制御センタから制御コマンドを受信し、及び/又は車両1に対する計画された動作を通信し得る。
【0038】
燃料電池システム5に燃料を供給するために、燃料電池システム5が極低温タンク6に接続されている。燃料ガス、例えば水素は、比較的低温で圧力をかけて極低温タンク6内に液体状態で蓄えられている。極低温タンク6は、環境から断熱されている。ただし、こうした断熱は極低温タンク6を環境から断熱的に完全に密閉することはできないため、極低温タンク6は車両1が駐車されているときにゆっくりと熱くなる。これにより、液体燃料ガスを経時的に蒸発させ、それによって、極低温タンク6内のタンク内圧もゆっくりと上昇させる。タンク内圧が臨界値を超えた場合、極低温タンク6が破裂するリスクがある。これを防止するために、極低温タンク6から燃料ガスが排出され環境中に放出されるか、又は燃料電池システム5によって反応させられてエネルギーを発生させる。
【0039】
このようにして得られたエネルギーが車両1のダウンタイムの間にトラクションバッテリ2内に完全に蓄えられ得ることを確実にするために、ダウンタイム開始時のトラクションバッテリ2の充電状態は、車両1が静止しているときに燃料電池システム5によって放出される電気エネルギーを吸収するために、十分なバッファがトラクションバッテリ2内に蓄えられ得るほど低く設定されなければならない。この目的のために、車両1の意図される車両利用が行程の開始前に計画される。計画は、車両内のコンピューティングユニット8によって又は車両外のコンピューティングユニット17によっても実行され得る。この目的のために、権限を有する人が、対応する情報をそれぞれのコンピューティングユニット8、17に入力し得る。この目的のために、車両1はまた、タッチスクリーンなどの図示されていない入力手段、又はラップトップ、タブレットコンピュータ若しくはスマートフォンなどのモバイル端末装置とデータ通信するためのインタフェースも含み得る。こうしたモバイル端末装置は、例えばWiFi、Bluetooth又はNFCを介して、有線又は無線で車両1と通信し得る。さらに、車両利用を計画するとき、トラクションバッテリ2の充電状態は、車両ダウンタイムの終わりに、凍結した燃料電池システム5を解凍し、及び/又はそれを動作温度まで加熱するのに十分な時間にわたって燃料電池システム5の加熱システム(図示せず)を動作させるためにトラクションバッテリ2内にまだ十分な電気エネルギーが存在するように設定される。
【0040】
さらに、車両1は、少なくとも1つのサードパーティコンシューマ4、例えばコンクリートミキサ、クレーン、冷却ユニットなどを有し得る。いわゆるボイルオフケースで燃料電池システム5によって生成された過剰な電気エネルギーがトラクションバッテリ2内に蓄えられるだけでなく、少なくとも1つのサードパーティコンシューマ4を動作させるためにも使用されるように、車両利用が計画され得る。電気駆動機械7のうちの少なくとも1つも、軸動力を生成するために動作させられ得る。燃料電池システム5によって生成された電気エネルギーのすべてが、サードパーティコンシューマ4を動作させるために使用されることもできる。
【0041】
図2は、トラクションバッテリ2の2つの充電状態
図18を定性的表現で示している。充電状態
図18の上端は、100%の充電状態によって示される、完全に充電されたトラクションバッテリ2に対応する。充電状態
図18の下端は、0%の充電状態によって示される、消耗したトラクションバッテリ2に対応する。
【0042】
図2a)は、車両1による行程の間の充電状態
図18を示す。充電状態
図18は、構成要素保護のための充電リザーブを表す2つの濃い網掛け領域19を有する。明るい領域20は、行程の間にトラクションバッテリ2の充電状態が移動し得る許容範囲を象徴するために使用される。領域20は比較的大きく、さまざまな最適化目的を考慮して、車両1の動作戦略を異なる動作状況に適合させるための比較的多くの自由度を提供する。例えば、車両1は、走行中に、特に燃料効率が良く、コストが最適化され、耐用年数を節約する、又は同様のやり方で動作させられ得る。
【0043】
図2b)は、車両ダウンタイムの間に許容可能な充電状態領域3を象徴するためのさらなる充電状態
図18を示す。
図2b)に示される充電状態領域
図18に基づく車両1の動作戦略は、車両ダウンタイムの開始時にトラクションバッテリ2の充電状態が、車両ダウンタイムになる直前に充電状態領域3内に維持されることを確実にするために使用される。許容可能な充電状態領域3は、加熱プロセスのためのリザーブ21から下限3.Lによって、及び過剰な電気エネルギーを蓄えるためのリザーブ22から上限3.Uによって区切られている。
【0044】
理想的には、車両1は、
図2b)に示される充電状態
図18に基づく動作戦略に従って、車両ダウンタイムになる前ぎりぎりまで動作させられる。これにより、車両ダウンタイムの開始時に、トラクションバッテリ2の充電状態が上限又は下限3.U、3.Lと一致するという結果になる。これにより、車両1が、
図2a)に示される充電状態
図18に基づく動作戦略に従って可能な限り長く動作させられることを可能にする。
【0045】
図3は、本発明に係る方法のフローチャートを示す。方法ステップ301において、関連する予想される車両ダウンタイムを含む車両1で実行される予定の行程が決定される。計画データ310は、この目的のための入力変数として使用される。計画データ310は、例えば、車両1によって走行される予定の経路、出発時刻、到着時刻、計画される車両ダウンタイムの回数及びそれらの継続時間などを含む。
【0046】
引き続く方法ステップ302では、許容可能な充電状態領域3を規定するために、充電状態領域3の上限及び下限3.U、3.Lが決定される。同様に、トラクションバッテリ2の充電状態を充電状態領域3に移行させるために、それぞれの車両ダウンタイムになる前に車両1の動作モードが調整されなければならない時点及び/又は位置が決定される。ここでは、予測データ320が入力変数として使用される。予測データ320は、例えば、極低温タンク6の現在のタンク内容、トラクションバッテリ2の充電状態、車両1の負荷、天気予報、交通予測データなどを含む。
【0047】
方法ステップ303では、次の車両ダウンタイムになったときに、トラクションバッテリ2の充電状態が充電状態領域3に対応するように、車両1が動作モードを調整する時点又は位置になったかどうかがチェックされる。そうである場合には、方法ステップ304において、車両1が静止するまで前述の目標値が調整される。しかし、そうでない場合には、方法ステップ302を繰り返すことによって個々の目標値が再計算され得る。方法ステップ305では、燃料電池システム5を起動させる、サードパーティコンシューマ4をオンにする、燃料電池システム5を予熱する、極低温タンク6をテンパリングするなど、ボイルオフの場合に適切な手段が取られる。図示されている矢印23によれば、方法ステップ304及び305について規定される戦略又は目標値は、方法ステップ302を再び実行することによって適合させられ得る。
【0048】
本発明に係る方法の助けを借りて、極低温タンク6のタンク内圧を許容可能限度内に保つために、車両ダウンタイムの間に燃料ガスが浪費されるのを防止することが可能である。また、車両1の動作即応性の信頼性が向上する。これは、凍結した燃料電池システム5を解凍し、及び/又はそれを動作温度まで加熱するために、車両ダウンタイムの終わりに駐車されている車両1において十分なバッテリ容量が利用可能であることを確保する。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の車両利用を計画するための方法であって、前記車両利用の間に少なくとも1つの車両構成要素がプレコンディショニングされ、
車両利用の間に実行される予定の車両ダウンタイムの時点、継続時間及び/又は回数が、車両ダウンタイムの開始時に前記車両(1)の少なくとも1つのトラクションバッテリ(2)が規定の充電状態領域(3)内の充電状態を有し、その結果、前記車両ダウンタイムの間にボイルオフ管理システムによって提供される電気エネルギーの量が、前記トラクションバッテリ(2)内に完全に蓄えられるか、又は、一部分は前記トラクションバッテリ(2)内に蓄えられ、及び前記車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマ(4)によって完全に消費され、前記車両ダウンタイムの開始時に前記トラクションバッテリ(2)内の利用可能な電気エネルギーの量が、前記車両ダウンタイムの終了時に動作温度まで前記車両(1)の燃料電池システム(5)を加熱するのに十分である、ように選択される
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記車両利用を計画するために、以下のパラメータ、すなわち、
- 前記車両(1)の現在及び/又は将来の位置に対して有効な天気予報、
- 現在及び/又は将来の車両負荷、
- 前記車両(1)によって走行される予定の経路の少なくとも1つの区間に対して有効な交通予測、
- 前記車両(1)の極低温タンク(6)の現在及び/又は将来のタンク内圧、
- 現在及び/又は将来の極低温タンク温度、
- 前記極低温タンク(6)に充填される燃料ガスの現在及び/又は将来の充填量、及び/又は
- 車両ダウンタイムの間にサードパーティコンシューマ(4)によって必要とされる電気エネルギーの量、
のうちの少なくとも1つが考慮される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのトラクションバッテリ(2)の前記充電状態が、車両ダウンタイムの開始時に前記充電状態領域(3)の上限(3.U)又は下限(3.L)と一致するように前記車両利用が計画される、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記車両利用の前記計画が、前記車両内又は前記車両外で行われる、ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両利用の前記車両外計画が、サービスプロバイダによって実行される、ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
車両ダウンタイムの開始前に、前記極低温タンク(6)の前記タンク内圧を調整可能な最低圧力に設定するために、燃料ガス消費が通常動作モードに比べて増加され、及び/又は前記極低温タンク(6)のサーマルコンディショニングのための加熱パワーが前記通常動作モードに比べて減少される、又は前記極低温タンク(6)のサーマルコンディショニングのための冷却パワーが通常動作モードに比べて増加される、ことを特徴とする、請求項2
又は3に記載の方法。
【請求項7】
前記充電状態領域(3)の上限(3.U)及び/又は下限(3.L)及び/又は車両ダウンタイムの前記時点、前記継続時間及び/又は前記回数が、車両利用の間に少なくとも1回再判定される、ことを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのトラクションバッテリ(2)と、燃料電池システム(5)と、極低温タンク(6)と、電気駆動機械(7)と、コンピューティングユニット(8)とを有する車両(1)であって、
前記トラクションバッテリ(2)と、前記燃料電池システム(5)と、前記極低温タンク(6)と、前記電気駆動機械(7)と、前記コンピューティングユニット(8)とが、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法を実行するように設定される、ことを特徴とする、車両。
【請求項9】
ユーティリティビークルとしてのデザインを特徴とする、請求項8に記載の車両(1)。
【請求項10】
少なくとも一部分が自動化された制御システムを特徴とする、請求項8に記載の車両(1)。
【国際調査報告】