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特表2024-532900反応ガスを浮遊溶鉱炉に供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法、およびバーナー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】反応ガスを浮遊溶鉱炉に供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法、およびバーナー
(51)【国際特許分類】
   F27B 3/22 20060101AFI20240903BHJP
   F27B 3/18 20060101ALI20240903BHJP
   F27D 7/02 20060101ALI20240903BHJP
   F27D 3/10 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
F27B3/22
F27B3/18
F27D7/02 A
F27D3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513701
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 FI2021050593
(87)【国際公開番号】W WO2023031500
(87)【国際公開日】2023-03-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523394066
【氏名又は名称】メッツォ メタルズ オサケ ユキチュア
【氏名又は名称原語表記】Metso Metals Oy
【住所又は居所原語表記】Rauhalanpuisto 9, 02230 Espoo, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ビヨルクルンド、 ペテル
(72)【発明者】
【氏名】エクルンド、 カイ
【テーマコード(参考)】
4K045
4K055
4K063
【Fターム(参考)】
4K045AA04
4K045BA06
4K045BA10
4K045CA06
4K045RB13
4K045RC01
4K055AA03
4K055FA01
4K063AA04
4K063AA13
4K063BA13
4K063BA15
4K063CA01
(57)【要約】
バーナー(3)によって浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に固体材料および反応ガスを供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法を示す。本方法は、バーナー(3)の供給パイプ(4)による固体材料の反応シャフト(1)への供給、およびバーナー(3)のガス供給装置(5)による反応ガスの反応シャフト(1)への供給を含む。本方法は、バーナー(3)の反応ガス室(6)へのガス偏向部材(12)の設置を含む。さらに、バーナー(1)を示す。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナー(3)によって浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に固体材料および反応ガスを供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法が、
前記バーナー(3)の供給パイプ(4)によって固体材料を前記浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に供給し、
前記バーナー(3)のガス供給装置(5)によって反応ガスを前記浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に供給し、前記ガス供給装置(5)は前記供給パイプ(4)を囲繞する反応ガス室(6)を有し、前記ガス供給装置(5)は環状開口部(7)を介して前記浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に対して開口し、前記反応ガス室(6)は前記環状開口部(7)に向けて先細りしている内壁部(8)によって少なくとも一部が外側方に対して画定され、且つ、頂部構造体(9)によって画定され、
前記ガス供給装置(5)の少なくとも1つの吸気流路(10)の供給開口部(11)を介して反応ガスを前記反応ガス室(6)に供給することを含む方法において、
前記反応ガス室(6)内にガス偏向部材(12)を設け、該ガス偏向部材(12)は前記ガス偏向部材(12)を貫通する少なくとも1つの貫通開口部(13)を画定し、
反応ガスを、前記ガス供給装置(5)の少なくとも1つの吸気流路(10)の供給開口部(11)から、前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)の方向へ、および/または、前記ガス偏向部材(12)の方向へ導くことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記ガス供給装置(5)の少なくとも1つの吸気流路(10)を前記反応ガス室(6)に貫入するように配設することによって、前記少なくとも1つの吸気流路(10)が前記反応ガス室(6)内に流路部(14)を有するように、および、前記少なくとも1つの吸気流路(10)の供給開口部(11)が前記反応ガス室(6)内に配されるようにすることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記ガス供給装置(5)の少なくとも1つの吸気流路(10)を、前記反応ガス室(6)の頂部構造体(9)を貫通するように配設することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の方法において、
前記流路部(14)を屈曲および/または傾斜させて前記バーナー(3)の中心軸Aから離れるように配設し、前記頂部構造体(9)と前記ガス偏向部材(12)の間で反応ガスを前記供給開口部(11)から前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)へ導くことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記ガス供給装置(5)の複数の吸気流路(10)を前記バーナー(3)の中心軸Aに対して対称の配置で頂部構造体(9)を貫通するように設置して、前記複数の吸気流路(10)がそれぞれ前記反応ガス室(6)内に流路部(14)を有するようにし、
各流路部(14)を屈曲および/または傾斜させて前記バーナー(3)の中心軸Aから離れるように配設して、反応ガスを前記頂部構造体(9)と前記ガス偏向部材(12)の間で前記供給開口部(11)から前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)へ導き、
前記吸気流路(10)の供給開口部(11)を前記バーナー(3)の中心軸Aに対して対称の配置にして設置することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、
前記設けられたガス偏向部材(12)は、前記供給パイプ(4)を囲繞するように配設された囲繞構造体(15)を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記設置されたガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)は、管状部材の形状をとる、前記ガス偏向部材(12)の壁を貫通する複数の貫通開口部(13)を含む管状部材を備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法において、
前記ガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)を、前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)に設けることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記設置されたガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)は、内周部(19)および外周部(20)を含む環状盤(21)を備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記環状盤(21)の外周部(20)を、前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)に取り付けることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の方法において、
前記設置されたガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)が備える前記環状盤(21)は、少なくとも1つの円盤途切れ部分(26)を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれかに記載の方法において、
前記設置されたガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)が備える前記環状盤(21)は、前記囲繞構造体(15)の円周方向に相互に距離をあけて配された複数の円弧部(24)で形成されていることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9ないし12のいずれかに記載の方法において、
前記ガス偏向部材(12)は、前記設置されたガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)が備える前記環状盤(21)の内周部(19)によって画定される中心貫通開口部(13)によって形成されている1つの貫通開口部(13)を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれかに記載の方法において、
前記設置されたガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)が備える前記環状盤(21)に、周縁部材(16)を設けることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
少なくとも1つの周縁部途切れ部分(17)を有するように前記周縁部材(16)を設けることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法において、
前記環状盤(21)の円周方向に相互に距離をあけて配された複数の周縁部(18)を含むように、前記周縁部材(16)を設けることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14ないし16のいずれかに記載の方法において、
前記環状盤(21)の内周部(19)に前記周縁部材(16)を設けることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法において、
前記バーナー(3)に2つの吸気流路(10)を設け、該吸気流路(10)はそれぞれ1つの供給開口部(11)を有し、これらの供給開口部(11)は前記供給パイプ(4)に対して径方向に該供給パイプ(4)を挟んで設けられ、
2つの周縁部(18)を含む前記周縁部材(16)を前記環状盤(21)の径方向に設け、一方の周縁部(18)は一方の吸気流路(10)の軸方向下方に配設し、他方の周縁部(18)は他方の吸気流路(10)の軸方向下方に配設することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項9ないし12のいずれかに記載の方法において、
前記環状盤(21)の内周部(19)を前記供給パイプ(4)に取り付け、
前記環状盤(21)に複数の貫通開口部(13)を設けることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれかに記載の方法において、
前記バーナー(3)には、前記ガス偏向部材(12)に加えて、ガス偏向付加部材(25)を前記反応ガス室(6)に設け、
前記ガス偏向部材(12)を、前記ガス偏向付加部材(25)から間隔をあけて設けることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項1ないし20のいずれかに記載の方法において、
前記バーナー(3)に分散装置(22)を設け、該分散装置は前記供給パイプ(4)内に同心円状に配設され、前記分散装置は分散ガスを前記供給パイプ(4)の管口部(23)から供給される前記固体材料へ導くよう前記供給パイプ(4)の管口部(23)から外方に延伸していて、
分散ガスを前記供給パイプ(4)の管口部(23)から供給される前記固体材料へ導くことを特徴とする方法。
【請求項22】
固体材料および反応ガスを浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に供給するバーナー(3)が、
前記浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に固体材料を供給する供給パイプ(4)と、
前記浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に反応ガスを供給するガス供給装置(5)とを備え、該ガス供給装置は前記供給パイプ(4)を囲繞する反応ガス室(6)を有し、前記ガス供給装置は環状開口部(7)を介して前記浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に対して開口し、前記反応ガス室(6)は前記環状開口部(7)に向けて先細りしている内壁部(8)によって少なくとも一部が外側方に対して画定され、且つ、頂部構造体(9)によって画定され、前記ガス供給装置(5)は前記反応ガス室(6)内に開口する少なくとも1つの吸気流路(10)を有し、該少なくとも1つの吸気流路(10)の供給開口部(11)を介して反応ガスを前記反応ガス室(6)に供給するバーナー(3)において、
前記反応ガス室(6)内のガス偏向部材(12)が、該ガス偏向部材(12)を貫通する少なくとも1つの貫通開口部(13)を画定し、および、
前記少なくとも1つの吸気流路(10)の供給開口部(11)は、前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)の方向へ反応ガスを導くように構成され、および/または前記ガス偏向部材(12)の方向へ反応ガスを導くように構成されていることを特徴とするバーナー。
【請求項23】
請求項22に記載のバーナー(3)において、
前記少なくとも1つの吸気流路(10)を前記反応ガス室(6)に貫入することにより、前記少なくとも1つの吸気流路(10)は前記反応ガス室(6)内に流路部(14)を有し、前記少なくとも1つの吸気流路(10)の供給開口部(11)は前記反応ガス室(6)内に配されることを特徴とするバーナー。
【請求項24】
請求項23に記載のバーナー(3)において、
前記少なくとも1つの吸気流路(10)は、前記反応ガス室(6)の頂部構造体(9)を貫通することを特徴とするバーナー。
【請求項25】
請求項23または24に記載のバーナー(3)において、
前記流路部(14)は屈曲および/または傾斜して該バーナー(3)の中心軸Aから離れるように設けられ、前記頂部構造体(9)と前記ガス偏向部材(12)の間で反応ガスを前記供給開口部(11)から前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)へ導くことを特徴とするバーナー。
【請求項26】
請求項22に記載のバーナー(3)において、
複数の吸気流路(10)が該バーナー(3)の中心軸Aに対して対称の配置で前記頂部構造体(9)を貫通することにより、該複数の吸気流路(10)はそれぞれ前記反応ガス室(6)内に流路部(14)を有し、
前記流路部(14)はそれぞれ前記バーナー(3)の屈曲および/または傾斜して中心軸Aから離れるように設けられ、前記頂部構造体(9)と前記ガス偏向部材(12)の間で前記供給開口部(11)から反応ガスを前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)へ導き、
前記吸気流路(10)の供給開口部(11)は、前記バーナー(3)の中心軸Aに対して対称の配置で設置されることを特徴とするバーナー。
【請求項27】
請求項22ないし26のいずれかに記載のバーナー(3)において、
前記ガス偏向部材(12)は、前記供給パイプ(4)を囲繞する囲繞構造体(15)を含むことを特徴とするバーナー。
【請求項28】
請求項27に記載のバーナー(3)において、
前記ガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)は、管状部材の形状をとる、前記ガス偏向部材(12)の壁を貫通する複数の貫通開口部(13)を含む管状部材を有することを特徴とするバーナー。
【請求項29】
請求項27に記載のバーナー(3)において、
前記ガス偏向部材(12)の囲繞構造体(15)は、前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)に設けられることを特徴とするバーナー。
【請求項30】
請求項29に記載のバーナー(3)において、
前記囲繞構造体(15)は、内周部(19)および外周部(20)を含む環状盤(21)を有することを特徴とするバーナー。
【請求項31】
請求項30に記載のバーナー(3)において、
前記環状盤(21)の外周部(20)は、前記環状開口部(7)に向けて先細りしている前記内壁部(8)に取り付けられることを特徴とするバーナー。
【請求項32】
請求項30または31に記載のバーナー(3)において、
前記環状盤(21)は、少なくとも1つの円盤途切れ部分(26)を有することを特徴とするバーナー。
【請求項33】
請求項30ないし32のいずれかに記載のバーナー(3)において、
前記環状盤(21)は前記第1の環状部材の円周方向に相互に間隔をあけて配された複数の円弧部(24)で形成されることを特徴とするバーナー。
【請求項34】
請求項30ないし33のいずれかに記載のバーナー(3)において、
前記ガス偏向部材(12)は、前記囲繞構造体(15)の環状盤(21)に含まれる前記内周部(19)によって画定された中心貫通開口部(13)によって構成されている1つの貫通開口部(13)を含むことを特徴とするバーナー。
【請求項35】
請求項30ないし34のいずれかに記載のバーナー(3)において、
前記環状盤(21)に周縁部材(16)が設けられることを特徴とするバーナー。
【請求項36】
請求項35に記載のバーナー(3)において、
前記周縁部材(16)は、少なくとも1つの周縁部途切れ部分(17)を有することを特徴とするバーナー。
【請求項37】
請求項35または36に記載のバーナー(3)において、
前記周縁部材(16)は、前記環状盤(21)の円周方向に相互に間隔をあけて配された複数の周縁部(18)を含むことを特徴とするバーナー。
【請求項38】
請求項35ないし37のいずれかに記載のバーナー(3)において、
前記周縁部材(16)は、前記環状盤(21)の内周部(19)に設けられることを特徴とするバーナー。
【請求項39】
請求項35に記載のバーナー(3)において、
2つの吸気流路(10)がそれぞれ1つの供給開口部(11)を有し、該供給開口部(11)は、前記供給パイプ(4)に対して径方向に該供給パイプ(4)を挟んで設けられ、
前記周縁部材(16)は2つの周縁部(18)を含んで前記環状盤(21)の径方向に設けられ、一方の周縁部(18)は一方の吸気流路(10)の軸方向下方に配され、他方の周縁部(18)は他方の吸気流路(10)の軸方向下方に配されることを特徴とするバーナー。
【請求項40】
請求項30ないし33のいずれかに記載のバーナー(3)において、
前記環状盤(21)の内周部(19)は前記供給パイプ(4)に取り付けられて固体材料を前記浮遊溶鉱炉(2)の反応シャフト(1)に供給し、
前記環状盤(21)に複数の貫通開口部(13)が設けられることを特徴とするバーナー。
【請求項41】
請求項22ないし40のいずれかに記載のバーナー(3)において、
該バーナー(3)には、前記ガス偏向部材(12)に加えて、ガス偏向付加部材(25)が前記反応ガス室(6)に設けられ、
前記ガス偏向部材(12)は、前記ガス偏向付加部材(25)から間隔をあけて設けられることを特徴とするバーナー。
【請求項42】
請求項22ないし41のいずれかに記載のバーナー(3)において、
前記供給パイプ(4)内に分散装置(22)が同心円状に配設され、該分散装置は、前記供給パイプ(4)の管口部(23)から外方に延伸していて、分散ガスを前記供給パイプ(4)の管口部(23)から供給される前記固体材料に導くことを特徴とするバーナー。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前段で定義する、バーナーを用いて固体材料および反応ガスを浮遊溶鉱炉の反応シャフトに供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法に関する。
また、本発明は、独立請求項22の前段で定義する、浮遊溶鉱炉の反応シャフトに固体材料および反応ガスを供給するバーナーに関する。
【0002】
国際公開公報第2009/030808号は、固体精鉱混合物および反応ガスを自溶炉の反応シャフトに供給する精鉱バーナーを示す。
【目的】
【0003】
本発明は、バーナーを用いて固体材料および反応ガスを浮遊溶鉱炉の反応シャフトに供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法を提供すること、および、バーナーを用いて固体材料および反応ガスを浮遊溶鉱炉の反応シャフトに供給する際における反応ガスの供給を均一化する性能を改良したバーナーを提供することを目的とする。
【概要】
【0004】
本発明に係る方法は、独立請求項1の定義事項を特徴とする。
本発明の好適な実施形態は、従属請求項2ないし21で定義される。
本発明に係るバーナーは、同様に、独立請求項22の定義事項を特徴とする。
本バーナーの好適な実施形態は、従属請求項23ないし42で定義される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下に、本発明について、以下の図面を参照しながら詳細に述べる。
図1】浮遊溶鉱炉を示す。
図2】バーナーの第1の実施形態の部分透視図を示す。
図3】バーナーの第2の実施形態の断面図を示す。
図4】バーナーの第3の実施形態の部分透視図を示す。
図5】バーナーの第4の実施形態の断面図を示す。
図6】バーナーの第5の実施形態の部分透視図を示す。
図7】バーナーの第6の実施形態の部分透視図を示す。
図8】バーナーの第7の実施形態の部分透視図を示す。
図9】バーナーのいくつかの実施形態に使用可能なガス偏向部材の変形例を示す。
図10】バーナーの第8の実施形態の部分透視図を示す。
図11】バーナーの第9の実施形態の部分透視図を示す。
図12】バーナーの第10の実施形態の部分透視図を示す。
図13】バーナーの第11の実施形態の部分透視図を示す。
図14】バーナーの第12の実施形態の部分透視図を示す。
図15】バーナーの第13の実施形態の部分透視図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0006】
最初に、バーナー3によって浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に固体材料および反応ガスを供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法、ならびに本方法のいくつかの実施形態および変形例について詳細に述べる。
【0007】
反応ガスは、例えば、空気、酸素富化空気および/または酸素を含有するものでよい。
【0008】
固体材料は、例えば、硫化精鉱、フラックス、スラグ生成物、および/または電子機器スクラップを含むものでよい。
【0009】
浮遊溶鉱炉2は、自溶炉または自溶転炉でよい。
【0010】
バーナー3は、精鉱バーナーまたはマットバーナーでよい。
【0011】
本方法は、バーナー3の供給パイプ4による浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1への固体材料の供給を含む。浮遊溶鉱炉2はさらに、反応シャフト1から材料を受け取るように構成されたセトラ(参照符号なし)、およびセトラからプロセスガスを導く通気管(参照符号なし)を備える。
【0012】
本方法は、バーナー3のガス供給装置5による浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1への反応ガスの供給を含み、ガス供給装置5は、供給パイプ4を囲繞する、好適には同心円状に囲繞する反応ガス室6を備える。ガス供給装置5は環状開口部7を介して浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に開口している。反応ガス室6は、環状開口部7に向けて先細りしている、好適には円錐状に先細りしている内壁部8によって少なくとも一部分が外側方に対して画定され、且つ、頂部構造体9によって少なくとも一部分が画定される。
【0013】
本方法は、ガス供給装置5の少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11を介する反応ガス室6への反応ガスの供給を含む。
【0014】
本方法は、反応ガス室6内におけるガス偏向部材12の設置を含み、ガス偏向部材12は、ガス偏向部材12を貫通する少なくとも1つの貫通開口部13を画定する。
【0015】
必ずしも必要ではないが好適には、ガス偏向部材12は反応ガス室6に対して例えば回動できないように固定設置する。
【0016】
本方法は、ガス供給装置5の上記した少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11から環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8の方向への、および/またはガス偏向部材12の方向への、反応ガス室6内への反応ガスの誘導を含む。本方法は、必ずしも必要ではないが好適には、図2図8および図11に示す実施形態のように、頂部構造体9とガス偏向部材12との間での、ガス供給装置5の上記した少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11から環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8への、および/またはガス偏向部材12の方向への、反応ガス室6内への反応ガスの誘導を含む。本願において、ガス偏向部材12の方向へ、とは単にガス偏向部材12を貫通する1つの貫通開口部13へ反応ガスを導くだけではなく、ガス偏向部材12を形成する材料へ反応ガスの少なくとも一部を導いて、反応ガスが環状開口部7から反応ガス室6の外に直接流出することを少なくとも部分的に防止することを意味する。ガス偏向部材12の用途は、反応ガスの方向を変えて反応ガス室6内での反応ガスの流れを均一にすることにより、環状開口部7から浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1内への反応ガスの流れをより均一に分布させることであり、これにより、浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1内で反応ガスと固体物資の反応が促進し、バーナー3により浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給される固体物資からの金属回収がより向上する。さらに、ガス偏向部材12は、反応ガスが環状開口部7の様々な場所から流れてくることで生じ得る反応ガスの流速の差を均一にできる。
【0017】
図2図7および図11に示す実施形態など本方法のいくつかの実施形態および変形例では、本方法は、上記の少なくとも1つの吸気流路10が反応ガス室6内に流路部14を有するように、および上記の少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11を反応ガス室6内に配するように、ガス供給装置5の少なくとも1つの吸気流路10を反応ガス室6内に貫入するように配設してもよい。このような本方法の実施形態および変形例は、必ずしも必要ではないが好適には、図2図7および図11に示すように、ガス供給装置5の上記の少なくとも1つの吸気流路10を反応ガス室6の頂部構造体9を貫通するように配設することを含む。本方法のこのような実施形態および変形例は、必ずしも必要ではないが好適には、流路部14を屈曲および/または傾斜させてバーナー3の中心軸Aから離れるように配設し、図2図7および図11に示すように、頂部構造体9とガス偏向部材12の間で、反応ガスを供給開口部11から環状開口部7に向けて先細りになっている内壁部8へと導くことにより、反応ガスが反応ガス室6内で均一に分布するようにし、反応ガス室6を出て環状開口部7を通り抜ける反応ガスが浮遊溶鉱炉の反応シャフト1に入る前に、生じ得る反応ガスの流速差を均一化することを含む。
【0018】
本方法のいくつかの実施形態および変形例において、本方法は、図2図7および図11に示すように、ガス供給装置5の複数の吸気流路10をバーナー3の中心軸Aに対して対称の配置で頂部構造体9を貫通するように設置し、複数の吸気流路10はそれぞれ流路部14を反応ガス室6内に有するようにし、各流路部14を屈曲および/または傾斜させてバーナー3の中心軸Aから離れるように配設して、頂部構造体9とガス偏向部材12との間で、反応ガスを供給開口部11から環状開口部7に向けて先細りになっている内壁部8へ導き、吸気流路10の供給開口部11をバーナー3の中心軸Aに対して対称の配置で設置して、反応ガスが反応ガス室6内で均一に分布するようにし、反応ガスが反応ガス室6を出て環状開口部7を通り抜け浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に入る前に、生じ得る反応ガスの流速の差を均一化することを含む。
【0019】
また、上記の少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11は、図8および図10に示すように、頂部構造体9に配設することも可能である。
【0020】
また、上記の少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11は、図12図15に示すように、反応ガス室6を部分的に画定する内壁部8に配設することも可能である。
【0021】
本方法のいくつかの実施形態および変形例において、設置されたガス偏向部材12は、図2図15に示すように、供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備える。
【0022】
本方法が囲繞構造体15を備えたガス偏向部材12の設置を含む場合、ガス偏向部材12の囲繞構造体15は、図12に示すように、管状部材の形態で、ガス偏向部材12の壁を貫通する複数の貫通開口部13が設けられた管状部材を備えていてもよい。好適には、ただしこれに限定するものではないが、管状部材は、環状開口部7を頂部構造体9から視認できる寸法および形状とし、これにより例えば、頂部構造体9に設置できるカメラを用いて浮遊溶鉱炉の反応シャフト1における製錬工程を環状開口部7越しにモニタリングできるように、カメラを頂部構造体9に設置することができる。
【0023】
本方法が囲繞構造体15を備えたガス偏向部材12を設置するものである場合、必ずしも必要ではないが好適には、図2図8図10図11、および図13図15に示す実施形態のように、本方法は、囲繞構造体15ガス偏向部材12を環状開口部7に向けて先細りになっている内壁部8に設置することを含める。
【0024】
設置されたガス偏向部材12が供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備える場合、ガス偏向部材12の囲繞構造体15は、本方法のいくつかの実施形態および変形例において、図2図8図10図11、および図13図15に示すように、内周部19および外周部20を含む環状盤21を備えていてもよい。本方法のこのような実施形態および変形例は、必ずしも必要ではないが好適には、図2図8図10図11、および図13図15に示すように、環状盤の外周部20を環状開口部7に向けて先細りになっている内壁部8に取り付けることを含む。設置されたガス偏向部材12の囲繞構造体15の環状盤21は、少なくとも1つの円盤途切れ部分26を有していてもよく、円盤途切れ部分26はガス偏向部材12を貫通する貫通開口部13を形成する。設置されたガス偏向部材12の囲繞構造体15の環状盤21は、囲繞構造体15の円周方向に間隔をあけて配された複数の円弧部24で形成してもよく、これにより、ガス偏向部材12を貫通する貫通開口部13は、図11に示す第9の実施形態のように、囲繞構造体15の円周方向に互いに間隔をあけて設けられた2つの円弧部24間に形成される。必ずしも必要ではないが好適には、このような円弧部24を対称に設けて、環状開口部7からの反応ガスの流れを少なくとも部分的に対称にする。環状盤21は、必ずしも必要ではないが好適には、実質的に平坦で平面的な形状である。
【0025】
設置されたガス偏向部材12が環状盤21を備えた囲繞構造体15を有する場合、必ずしも必要ではないが好適には、図2図6図11、および図13図15に示す実施形態のように、ガス偏向部材12は、設置されたガス偏向部材12の囲繞構造体15の環状盤21の内周部19によって画定される中心貫通開口部の形状に形成された1つの貫通開口部13を有する。中心貫通開口部は、必ずしも必要ではないが好適には、環状開口部7を頂部構造体9から視認できる寸法および形状であり、これにより例えば、頂部構造体9に設置できるカメラを用いて浮遊溶鉱炉の反応シャフト1における製錬工程を環状開口部7越しにモニタリングできるように、カメラを頂部構造体9に設置することができる。
【0026】
設置されたガス偏向部材12が環状盤21を備えた囲繞構造体15を有する場合、必ずしも必要ではないが好適には、図4図7に示すように、本方法は、ガス偏向部材12の囲繞構造体15に周縁部材16付きの環状盤21を設ける。周縁部材16の用途は、反応ガス室6内の反応ガスの流れを偏向して、反応ガス室6内の反応ガスの分布を均一にして、反応ガスが反応ガス室6を出て環状開口部7を通り抜け浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に入る前に、生じ得る反応ガスの流速の差を均一にする。本方法は、図4に示すように、少なくとも1つの周縁部途切れ部分17を有するように周縁部材16を設けてもよい。本方法は、図4に示すように、環状盤21の円周方向に相互に間隔をあけて配された複数の周縁部18を備えるように周縁部材16を設けてもよい。必ずしも必要ではないが好適には、このような周縁部18を図4に示すように対称に設けることで、環状開口部7からの反応ガスの流れが少なくとも部分的に対称になるようにし、反応ガスが反応ガス室6を出て環状開口部7を通り抜ける前に生じ得る反応ガスの流速の差を均一にし、浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1中の反応ガスと固体材料の間の反応を促進させることにより、バーナー3によって浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給される固体材料から、より多くの金属を回収できる。
【0027】
本方法は、図4図7に示すように、周縁部材16を環状盤21の内周部19に設けることを含んでもよい。
【0028】
設置されたガス偏向部材12が環状盤21を備えた囲繞構造体15を有する場合、必ずしも必要ではないが好適には、図4に示すように、本方法は2つの吸気流路10を有するバーナー3を設け、各吸気流路は1つの供給開口部11を有し、供給開口部11は供給パイプ4に対して径方向に供給パイプ4を挟んで設けられ、環状盤21上の径方向に2つの周縁部18を備えた周縁部材16を設け、一方の周縁部18は一方の吸気流路10の軸方向下方に配され、他方の周縁部18は他方の吸気流路10の軸方向下方に配されることを含み、これにより、吸気流路10の一方の供給開口部11から供給される反応ガスが反応ガス室6において一方の周縁部18によって方向転換されることで、反応ガス室6内の反応ガスの分布が促進され、反応ガスが反応ガス室6を出て環状開口部7を通り抜けて浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に入る前に、生じ得る反応ガスの流速の差を均一にする。
【0029】
設置されたガス偏向部材12が環状盤21を備える囲繞構造体15を有する場合、本方法は、図8に示すように、環状盤21の内周部19を供給パイプ4に取り付けて固体材料を浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給し、ガス偏向部材12の環状盤21に環状盤21を貫通する複数の貫通開口部13を設けてもよい。
【0030】
設置されたガス偏向部材12が環状盤21を備える囲繞構造体15を有する場合、本方法は、図10に示すように、ガス偏向部材12の環状盤21に、環状盤21を貫通する複数の貫通開口部13を設けることを含んでいてもよい。
【0031】
本方法は、図13図15に示すように、バーナー3に、ガス偏向部材12に加えて、反応ガス室6にガス偏向付加部材25を設け、および、ガス偏向部材12をガス偏向付加部材25から間隔をあけて設けてもよい。ガス偏向付加部材25の用途は、反応ガスが反応ガス室6を出て環状開口部7を通り抜け浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に入る前に、反応ガス室6における反応ガスの分布をさらに均一にすることである。図13において、管状部材を貫通する複数の貫通開口部13を備えた管状部材の形状をした、供給パイプ4を囲繞するガス偏向付加部材25が設けられている。図14では、管状部材の形状をした、供給パイプ4を囲繞するガス偏向付加部材25が設けられている。図15では、環状盤の形状をした、供給パイプ4を囲繞するガス偏向付加部材25が設けられていて、この部材25は供給パイプ4に固定されている。
【0032】
本方法は、必ずしも必要ではないが好適には、バーナー3に分散装置22を設ける。分散装置22は、供給パイプ4内に同心円状に配設され、供給パイプ4の管口部23から外に延伸して分散ガスを供給パイプ4の管口部23から供給される固体材料へ導くものであり、分散ガスを供給パイプ4の管口部23から供給される固体材料へ導くことにより、上記の固体材料を環状開口部7から供給される反応ガスの方向に偏向させる。
【0033】
次に、固体材料および反応ガスを浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給するバーナー3、ならびにバーナー3のいくつかの実施形態および変形例について詳細に示す。
【0034】
反応ガスは、例えば、空気、酸素富化空気、および/または酸素を含有するものでよい。
【0035】
固体材料は、例えば、硫化精鉱、フラックス、スラグ生成物、および/または電子機器スクラップを含むものでよい。
【0036】
浮遊溶鉱炉2は、自溶炉または自溶転炉でよい。浮遊溶鉱炉2はさらに、反応シャフト1から材料を受け取るように構成されたセトラ(参照符号なし)、およびセトラからプロセスガスを導く通気管(参照符号なし)を備える。
【0037】
バーナー3は、精鉱バーナーまたはマットバーナーでよい。
【0038】
バーナー3は、固体材料を浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給する供給パイプ4を備える。
【0039】
バーナー3は、反応ガスを浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給するガス供給装置5を備える。
【0040】
ガス供給装置5は、供給パイプ4を囲繞する、好適には同心円状に囲繞する反応ガス室6を備える。
【0041】
ガス供給装置5は、環状開口部7を通じて浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に開口している。
【0042】
反応ガス室6は、環状開口部7に向けて先細りしている、好適には円錐状に先細りしている内壁部8によって少なくとも一部が外側方に対して画定され、且つ、頂部構造体9によって少なくとも一部が画定される。
【0043】
ガス供給装置5は、反応ガス室6内に開口する少なくとも1つの吸気流路10を備え、上記した少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11を通じて、反応ガスを反応ガス室6に供給する。
【0044】
バーナー3は、反応ガス室6にガス偏向部材12を備える。ガス偏向部材12は、ガス偏向部材12を貫通する少なくとも1つの貫通開口部13を画定する。
【0045】
ガス偏向部材12は、必ずしも必要ではないが好適には、反応ガス室6に対して例えば回動できないように固定設置される。
【0046】
上記した少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11は、反応ガスを環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8の方向へ導くように構成され、および/または反応ガスをガス偏向部材12の方向へ導くように構成されている。必ずしも必要ではないが好適には、図2図8および図11に示す実施形態のように、上記した少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11は、頂部構造体9とガス偏向部材12との間で、反応ガスを環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8へ導くように構成され、および/または反応ガスをガス偏向部材12へ導くように構成されている。本願において、ガス偏向部材12の方向へ、とは単にガス偏向部材12を貫通する1つの貫通開口部13へ反応ガスを導くのではなく、ガス偏向部材12を形成する材料へ反応ガスの少なくとも一部を導いて、反応ガスが環状開口部7から反応ガス室6の外に直接流出することを少なくとも部分的に防止することを意味する。ガス偏向部材12の用途は、反応ガスの方向を変えて反応ガス室6内の反応ガスの流れを均一にすることにより、環状開口部7から浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1への反応ガスの流れをさらに均一化することであり、これにより、浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1における反応ガスと固体物資の反応が促進し、浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給される固体物資からより多くの金属を回収できる。また、ガス偏向部材12は、反応ガスが環状開口部7の様々な位置から流れてくることで生じ得る反応ガスの流速の差を均一にできる。
【0047】
図2図7および図11などに示すバーナー3のいくつかの実施形態および変形例では、上記した少なくとも1つの吸気流路10を反応ガス室6に貫入するように配設することで、少なくとも1つの吸気流路10は反応ガス室6内に流路部14を有し、少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11が反応ガス室6内に配される。図2図7および図11に示すように、必ずしも必要ではないが好適には、上記した少なくとも1つの吸気流路10は、反応ガス室6の頂部構造体9を貫通する。上記の流路部14は、必ずしも必要ではないが好適には、屈曲および/または傾斜させてバーナー3の中心軸Aから離れるように配設され、図2図7および図11に示すように、反応ガスを頂部構造体9とガス偏向部材12との間の供給開口部11から環状開口部7に対し先端に向かって細くなる内壁部8へ導く。
【0048】
バーナー3のいくつかの変形例および実施形態では、図2図7および図11に示すように、頂部構造体9を貫通する、バーナー3の中心軸Aに対して対称の配置にした複数の吸気流路10を備えていてもよく、複数の吸気流路10がそれぞれ流路部14を反応ガス室6内に有するようにし、各流路部14を屈曲および/または傾斜させてバーナー3の中心軸Aから離れるように配し、反応ガスを供給開口部11から頂部構造体9とガス偏向部材12との間の、環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8へ導き、吸気流路10の供給開口部11は、バーナー3の中心軸Aに対して対称の配置で設置する。
【0049】
上記の少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11は、図8図10に示すように、頂部構造体9に配設することも可能である。
【0050】
また、上記の少なくとも1つの吸気流路10の供給開口部11は、図12図15に示すように、反応ガス室6を部分的に画定する内壁部8に配設することも可能である。
【0051】
ガス偏向部材12は、必ずしも必要ではないが好適には、図2図15に示すように、供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備える。
【0052】
ガス偏向部材12が囲繞構造体15を備える場合、ガス偏向部材12の囲繞構造体15は、図12に示すように、管状部材の形状の、ガス偏向部材12の壁を貫通する複数の貫通開口部13を含んだ管状部材を備える。管状部材は、必ずしも必要ではないが好適には、環状開口部7を頂部構造体9から視認できる寸法および形状とし、これにより例えば、頂部構造体9に設置できるカメラを用いて浮遊溶鉱炉の反応シャフト1における製錬工程を環状開口部7越しにモニタリングできるように、カメラを頂部構造体9に設置することができる。
【0053】
ガス偏向部材12が囲繞構造体15を備える場合、ガス偏向部材12の囲繞構造体15は、図2図8図10図11および図13図15に示すように、環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8に設けてもよい。
【0054】
囲繞構造体15は、図2図8図10図11および図13図15に示すように、内周部19および外周部20を含む環状盤21を備えていてもよい。環状盤21の外周部20は、図2図8図10図11および図13図15に示すように、環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8に取り付けてもよい。環状盤21は、少なくとも1つの円盤途切れ部分26を有していてもよい。環状盤21は、第1の環状部材の円周方向に相互に間隔をあけて配された複数の円弧部24で構成してもよい。必ずしも必要ではないが好適には、このような複数の円弧部24を対称に設けることで、環状開口部7からの反応ガスの流れを少なくとも部分的に対称にする。環状盤21は、必ずしも必要ではないが好適には、実質的に平坦で平面的な形状である。
【0055】
ガス偏向部材12が供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備え、囲繞構造体15が内周部19および外周部20を含む環状盤21を備える場合、ガス偏向部材12は、図2図6図11および図13図15に示すように、囲繞構造体の環状盤21の内周部19によって画定される中心貫通開口部により形成される1つの貫通開口部13を備えていてもよい。中心貫通開口部は、必ずしも必要ではないが好適には、環状開口部7を頂部構造体9から視認できる寸法および形状であり、これにより例えば、頂部構造体9に設置できるカメラを用いて浮遊溶鉱炉の反応シャフト1における製錬工程を環状開口部7越しにモニタリングできるように、カメラを頂部構造体9に設置することができる。
【0056】
ガス偏向部材12が供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備え、囲繞構造体15が内周部19および外周部20を含む環状盤21を有する場合、周縁部材16を、図4図7に示すように、環状盤21に設けてもよい。周縁部材16の用途は、反応ガス室6内の反応ガスの流れを偏向して、反応ガス室6内の反応ガスの分布を均一にし、反応ガスが反応ガス室6から出て環状開口部7を通り抜けて浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に入る前に、生じ得る反応ガスの流速の差を均一にする。周縁部材16は、図4に示すように、少なくとも1つの周縁部途切れ部分17を有する。周縁部材16は、図4に示すように、環状盤21の円周方向に相互に間隔をあけて配された複数の周縁部18を備えていてもよい。必ずしも必要ではないが好適には、このような周縁部18を対称に設けることで、環状開口部7からの反応ガスの流れを少なくとも部分的に対称にする。
【0057】
周縁部材16は、必ずしも必要ではないが好適には、図4図7に示すように、環状盤21の内周部19に設けられる。
【0058】
ガス偏向部材12が供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備え、囲繞構造体15が内周部19および外周部20を含む環状盤21を備える場合、バーナー3は図4に示すように2つの吸気流路10を備えていてもよく、各吸気流路は1つの供給開口部11を有し、供給開口部11は供給パイプ4に対して径方向に供給パイプ4を挟んで設けられ、周縁部材16は、環状盤21上の径方向に設けられた2つの周縁部18を備えていてもよく、一方の周縁部18は一方の吸気流路10の軸方向下方に配され、他方の周縁部18は他方の吸気流路10の軸方向下方に配される。
【0059】
ガス偏向部材12が供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備え、囲繞構造体15が内周部19および外周部20を含む環状盤21を備える場合、図8に示すように、環状盤21の外周部20は環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8に取り付けてもよく、環状盤21の内周部19は供給パイプ4に取り付けて固体材料を浮遊溶鉱炉2の反応シャフト1に供給してもよく、環状盤に複数の貫通開口部13を設けてもよい。
【0060】
ガス偏向部材12が供給パイプ4を囲繞する囲繞構造体15を備え、囲繞構造体15が内周部19および外周部20を含む環状盤21を備える場合、図10に示すように、環状盤21の外周部20は環状開口部7に向けて先細りしている内壁部8に取り付けてもよく、環状盤21には複数の貫通開口部13を設けてもよい。
【0061】
バーナー3は、ガス偏向部材12に加えて、反応ガス室6にガス偏向付加部材25を備えていてもよく、図13図15に示すように、ガス偏向部材12はガス偏向付加部材25から間隔をあけて設けられる。ガス偏向付加部材25の用途は、反応ガスが反応ガス室6を出て環状開口部7を通り抜ける前に、反応ガス室6における反応ガスの分布をさらに均一化することである。図13において、ガス偏向付加部材25は管状部材を貫通する複数の貫通開口部13を備えた管状部材の形状であり、供給パイプ4を囲繞している。図14では、ガス偏向付加部材25は管状部材の形状であり、供給パイプ4を囲繞している。図15では、ガス偏向付加部材25は環状盤の形状であり、供給パイプ4を囲繞し、供給パイプ4に固定されている。
【0062】
バーナー3は分散装置を備えていてもよく、本分散装置は、供給パイプ4内に同心円状に配設され、供給パイプ4の管口部23から外に延伸して分散ガスを供給パイプ4の管口部23から供給される固体材料へ導く。
【0063】
技術の進歩に伴って、本発明の基本的な着想を様々な方式で実施できることは当業者には明白であろう。したがって、本発明およびその実施形態は、上述した例に限定されるものではなく、特許請求項の範囲において変更してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナーによって浮遊溶鉱炉の反応シャフトに固体材料および反応ガスを供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法が、
前記バーナーの供給パイプによって固体材料を前記浮遊溶鉱炉の反応シャフトに供給し、
前記バーナーのガス供給装置によって反応ガスを前記浮遊溶鉱炉の反応シャフトに供給し、前記ガス供給装置は前記供給パイプを囲繞する反応ガス室を有し、前記ガス供給装置は環状開口部を介して前記浮遊溶鉱炉の反応シャフトに対して開口し、前記反応ガス室は前記環状開口部に向けて先細りしている内壁部によって少なくとも一部が外側方に対して画定され、且つ、頂部構造体によって画定され、
前記ガス供給装置の少なくとも1つの吸気流路の供給開口部を介して反応ガスを前記反応ガス室に供給することを含む方法において、
前記反応ガス室内にガス偏向部材を設け、該ガス偏向部材は前記ガス偏向部材を貫通する少なくとも1つの貫通開口部を画定し、
反応ガスを、前記ガス供給装置の少なくとも1つの吸気流路の供給開口部から、前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部の方向へ、および/または、前記ガス偏向部材の方向へ導くことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記ガス供給装置の少なくとも1つの吸気流路を前記反応ガス室に貫入するように配設することによって、前記少なくとも1つの吸気流路が前記反応ガス室内に流路部を有するように、および、前記少なくとも1つの吸気流路の供給開口部が前記反応ガス室内に配されるようにすることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記ガス供給装置の少なくとも1つの吸気流路を、前記反応ガス室の頂部構造体を貫通するように配設することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の方法において、
前記流路部を屈曲および/または傾斜させて前記バーナーの中心軸から離れるように配設し、前記頂部構造体と前記ガス偏向部材の間で反応ガスを前記供給開口部から前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部へ導くことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記ガス供給装置の複数の吸気流路を前記バーナーの中心軸に対して対称の配置で頂部構造体を貫通するように設置して、前記複数の吸気流路がそれぞれ前記反応ガス室内に流路部を有するようにし、
各流路部を屈曲および/または傾斜させて前記バーナーの中心軸から離れるように配設して、反応ガスを前記頂部構造体と前記ガス偏向部材の間で前記供給開口部から前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部へ導き、
前記吸気流路の供給開口部を前記バーナーの中心軸に対して対称の配置にして設置することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、
前記設けられたガス偏向部材は、前記供給パイプを囲繞するように配設された囲繞構造体を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記ガス偏向部材の囲繞構造体を、前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部に設けることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法において、
前記設置されたガス偏向部材の囲繞構造体は、内周部および外周部を含む環状盤を備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
固体材料および反応ガスを浮遊溶鉱炉の反応シャフトに供給するバーナーが
前記浮遊溶鉱炉の反応シャフトに固体材料を供給する供給パイプと
前記浮遊溶鉱炉の反応シャフトに反応ガスを供給するガス供給装置とを備え、該ガス供給装置は前記供給パイプを囲繞する反応ガス室を有し、前記ガス供給装置は環状開口部を介して前記浮遊溶鉱炉の反応シャフトに対して開口し、前記反応ガス室は前記環状開口部に向けて先細りしている内壁部によって少なくとも一部が外側方に対して画定され、且つ、頂部構造体によって画定され、前記ガス供給装置は前記反応ガス室内に開口する少なくとも1つの吸気流路を有し、該少なくとも1つの吸気流路の供給開口部を介して反応ガスを前記反応ガス室に供給するバーナーにおいて、
前記反応ガス室内のガス偏向部材が、該ガス偏向部材を貫通する少なくとも1つの貫通開口部を画定し、および、
前記少なくとも1つの吸気流路の供給開口部は、前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部の方向へ反応ガスを導くように構成され、および/または前記ガス偏向部材の方向へ反応ガスを導くように構成されていることを特徴とするバーナー。
【請求項10】
請求項に記載のバーナーにおいて、
前記少なくとも1つの吸気流路を前記反応ガス室に貫入することにより、前記少なくとも1つの吸気流路は前記反応ガス室内に流路部を有し、前記少なくとも1つの吸気流路の供給開口部は前記反応ガス室内に配されることを特徴とするバーナー。
【請求項11】
請求項10に記載のバーナーにおいて、
前記少なくとも1つの吸気流路は、前記反応ガス室の頂部構造体を貫通することを特徴とするバーナー。
【請求項12】
請求項10または11に記載のバーナーにおいて、
前記流路部は屈曲および/または傾斜して該バーナーの中心軸から離れるように設けられ、前記頂部構造体と前記ガス偏向部材の間で反応ガスを前記供給開口部から前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部へ導くことを特徴とするバーナー。
【請求項13】
請求項に記載のバーナーにおいて、
複数の吸気流路が該バーナーの中心軸に対して対称の配置で前記頂部構造体を貫通することにより、該複数の吸気流路はそれぞれ前記反応ガス室内に流路部を有し、
前記流路部はそれぞれ前記バーナーの屈曲および/または傾斜して中心軸から離れるように設けられ、前記頂部構造体と前記ガス偏向部材の間で前記供給開口部から反応ガスを前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部へ導き、
前記吸気流路の供給開口部は、前記バーナーの中心軸に対して対称の配置で設置されることを特徴とするバーナー。
【請求項14】
請求項ないし13のいずれかに記載のバーナーにおいて、
前記ガス偏向部材は、前記供給パイプを囲繞する囲繞構造体を含むことを特徴とするバーナー。
【請求項15】
請求項14に記載のバーナーにおいて、
前記ガス偏向部材の囲繞構造体は、前記環状開口部に向けて先細りしている前記内壁部に設けられることを特徴とするバーナー。
【請求項16】
請求項15に記載のバーナーにおいて、
前記囲繞構造体は、内周部および外周部を含む環状盤を有することを特徴とするバーナー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前段で定義する、バーナーを用いて固体材料および反応ガスを浮遊溶鉱炉の反応シャフトに供給する際における反応ガスの供給を均一化する方法に関する。
また、本発明は、独立請求項の前段で定義する、浮遊溶鉱炉の反応シャフトに固体材料および反応ガスを供給するバーナーに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
本発明に係る方法は、独立請求項1の定義事項を特徴とする。
本発明の好適な実施形態は、従属請求項2ないしで定義される。
本発明に係るバーナーは、同様に、独立請求項の定義事項を特徴とする。
本バーナーの好適な実施形態は、従属請求項10ないし16で定義される。

【国際調査報告】