(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】二次電池製造のための多目的治具およびこれを用いた製造装置のセッティング方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240903BHJP
H01M 50/54 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20240903BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/54
H01M50/536
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514729
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 KR2022018555
(87)【国際公開番号】W WO2023096320
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0165250
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バン、ジェオンジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、スンミン
【テーマコード(参考)】
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H028BB05
5H028BB19
5H028CC05
5H028CC07
5H043AA19
5H043CA13
5H043HA04E
5H043HA11E
5H043HA36E
5H043JA01E
(57)【要約】
発明の実施例に係る二次電池製造装置のセッティングのための多目的治具は、二次電池の製造のための装置をセッティングするための第1基準面を含む本体部と、前記本体部の一側から突出され、前記装置をセッティングするための第2基準面を含む突出部とを含む。前記本体部と前記突出部とは単一体であり、前記本体部の厚さは、前記突出部の厚さより厚く、前記第1基準面と前記第2基準面とが繋がる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の製造のための装置をセッティングするための第1基準面を含む本体部と、
前記本体部の一側から突出され、前記装置をセッティングするための第2基準面を含む突出部と、
を含み、
前記本体部と前記突出部とは単一体であり、
前記本体部の厚さは、前記突出部の厚さより厚く、
前記第1基準面と前記第2基準面とが繋がる、
二次電池製造装置のセッティングのための多目的治具。
【請求項2】
前記本体部と前記突出部とがそれぞれ直方体形状を有し、前記第1基準面は、前記本体部の対向する狭い面のうちの一つであり、前記第2基準面は、前記突出部の対向する広い面のうちの一つである、請求項1に記載の多目的治具。
【請求項3】
前記第1基準面に対する前記第2基準面の位置が、前記二次電池が含む複数の正極に連結された正極タップまたは複数の負極に連結された負極タップの位置に対応する、請求項2に記載の多目的治具。
【請求項4】
前記突出部が、前記本体部の狭い面の縁部の一部にのみ配置される、請求項2に記載の多目的治具。
【請求項5】
前記突出部に対向した前記本体部の縁部に作業用取っ手が提供された、請求項2に記載の多目的治具。
【請求項6】
前記多目的治具は、樹脂を含む、請求項1に記載の多目的治具。
【請求項7】
前記多目的治具は、3Dプリンタによって構成された、請求項1に記載の多目的治具。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の多目的治具を用いて二次電池製造装置をセッティングする方法であって、
前記多目的治具を、前記二次電池製造装置からセッティングのためのセッティング部位に移動させ、前記第2基準面に前記セッティング部位が密着するようにして、前記セッティング部位の位置を設定するステップを含む、二次電池の製造装置のためのセッティング方法。
【請求項9】
前記セッティング部位は、二次電池が含む複数の正極にそれぞれ連結された正極タップまたは複数の負極にそれぞれ連結された負極タップを溶接して連結するための溶接台である、請求項8に記載のセッティング方法。
【請求項10】
前記多目的治具の移動時、前記突出部に前記溶接台と隣り合うタップガイド用ガイド治具が密着するようにして、溶接用ガイド治具の高さを設定するステップをさらに含む、
請求項9に記載のセッティング方法。
【請求項11】
前記セッティング部位は、二次電池が含む複数の正極にそれぞれ連結された正極タップまたは複数の負極にそれぞれ連結された負極タップを切断するためのカッターである、
請求項8に記載のセッティング方法。
【請求項12】
前記セッティング部位は、二次電池が含む複数の正極にそれぞれ連結された正極タップまたは複数の負極にそれぞれ連結された負極タップにリードを溶接するためのレーザ支持台である、請求項8に記載のセッティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(等)との相互引用]
本出願は、2021年11月26日付の韓国特許出願第10-2021-0165250号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、多目的治具に関するものであって、より具体的には、二次電池製造装置のセッティングのために用いられる治具に関するものである。また、本発明は、この治具を用いた二次電池の製造装置のセッティング方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
一般に、二次電池は正極、負極および正極と負極との間に介在されたセパレータを含む電極組立体がカンやパウチのケースに収容された構成を有する。
【0004】
たとえば、二次電池がパウチ型で製造されるときに、二次電池は複数の正極と複数の負極とが有する各々の電極タップを互いに連結するプリ溶接(pre-welding)工程、プリ溶接された電極タップを一定の長さに切断する切断工程、溶接された電極タップにリードを溶接するメイン溶接(main-welding)などを経て製造することができる。
【0005】
これを行うための装置は、製造される二次電池の構成、例えば、積層電極アセンブリーにおいて溶接される複数のタップの位置を考慮して、溶接部の位置を正確にセッティングすることで良好な二次電池を生産することができる。
【0006】
通常、このようなセッティングは実際の二次電池を用いて行っている。
【0007】
しかし、実際の製品を用いる場合には、周囲の環境により二次電池の状態が容易に変形することがあるため、セッティング作業が容易でない。
【0008】
これにより、セッティングのための二次電池のサンプルを随時に交替しなければならないが、この場合、製造時間が長くなるだけでなく製造単価も上昇する恐れが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、二次電池製造装置のセッティングを便利かつ正確にすると共に持続可能にできる二次電池製造用多目的治具と、これを用いた製造装置のセッティング方法を提供することにある。
【0010】
しかし、本発明の実施例等が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的な思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例に係る二次電池製造装置のセッティングのための多目的治具は、二次電池の製造のための装置をセッティングするための第1基準面を含む本体部と、前記本体部の一側から突出され、前記装置をセッティングするための第2基準面を含む突出部とを含む。前記本体部と前記突出部とは単一体であり、前記本体部の厚さは、前記突出部の厚さより厚く、前記第1基準面と前記第2基準面とが繋がる。
【0012】
前記本体部と前記突出部とはそれぞれ直方体形状を有し、前記第1基準面は、前記本体部の対向する狭い面のうちの一つであり、前記第2基準面は、前記突出部の対向する広い面のうちの一つであってもよい。
【0013】
前記第1基準面に対する前記第2基準面の位置は、前記二次電池が含む複数の正極に連結された正極タップまたは複数の負極に連結された負極タップの位置に対応してもよい。
【0014】
前記突出部は、前記本体部の狭い面の縁部の一部にのみ配置されてもよい。
【0015】
前記突出部に対向した前記本体部の縁部に作業用取っ手が提供されてもよい。
【0016】
前記多目的治具は、樹脂を含んでもよい。
【0017】
前記多目的治具は、3Dプリンタによって構成されてもよい。
【0018】
本発明の他の実施例に係る二次電池の製造装置のためのセッティング方法は、前記多目的治具を、前記製造装置からセッティングのためのセッティング部位に移動させ、前記第2基準面に前記セッティング部位が密着するようにして、前記セッティング部位の位置を設定するステップを含む。
【0019】
前記セッティング部位は、二次電池が含む複数の正極にそれぞれ連結された正極タップまたは複数の負極にそれぞれ連結された負極タップを溶接して連結するための溶接台であってもよい。
【0020】
前記セッティング方法は、前記セッティング部位に対する前記多目的治具の移動時、前記溶接台に隣り合って配置された電極タップのガイド用ガイド治具が前記突出部に密着するようにして、前記溶接用ガイド治具の高さを設定するステップをさらに含んでもよい。
【0021】
前記セッティング部位は、二次電池が含む複数の正極にそれぞれ連結された正極タップまたは複数の負極にそれぞれ連結された負極タップを切断するためのカッターであってもよい。
【0022】
前記セッティング部位は、二次電池が含む複数の正極にそれぞれ連結された正極タップまたは複数の負極にそれぞれ連結された負極タップにリードを溶接するためのレーザ支持台であってもよい。
【発明の効果】
【0023】
実施例に係る二次電池製造装置のセッティング用多目的治具は、作業者が一つの治具として製造装置の様々な部位に対するセッティングを可能にする。これにより、二次電池製造装置をセッティングする時間を短縮させて作業生産性を向上させることができる。
【0024】
これと共に、実施例によって製造される二次電池は常時一定にセッティングされる装置によって製造不良なしに良質の製品に製造することができる。
【0025】
本発明の効果等は、以上で言及した効果等で制限されず、言及されないまた他の効果等は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施例に係る二次電池製造装置のセッティングのための多目的治具を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、発明の第2実施例に係る二次電池製造装置のセッティングのための多目的治具を示した斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の多目的治具が、二次電池製造装置のセッティング部位に使用される第一の使用例を説明するために示した図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係る二次電池の電極タップがガイド治具を通じて溶接装置によって溶接される過程を説明するために示した概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の第一の使用例により多目的治具を用いて二次電池製造装置のセッティング部位をセッティングする方法を説明するために示した概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の第一の使用例により多目的治具を用いて二次電池製造装置のセッティング部位をセッティングする方法を説明するために示した概略図である。
【
図7】
図7は、
図1の多目的治具が、二次電池製造装置のセッティング部位に使用される第二の使用例を説明するために示した図である。
【
図8】
図8は、
図1の多目的治具が、二次電池製造装置のセッティング部位に使用される第三の使用例を説明するために示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参考にして、本発明の様々な実施例について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、の様々な異なる形態に具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0028】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略しており、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付するようにする。
【0029】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ず示されたものに限定されない。図面で様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0030】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「の上に」または「上に」あるとするとき、これは他の部分の「直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとするときには、中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「の上に」または「上に」あるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ず重力の反対方向に向けて「の上に」または「上に」位置することを意味するものではない。
【0031】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0032】
また、明細書全体において、「平面上」とするとき、これは対象の部分を上からみたときを意味し、「断面上」とするとき、これは対象の部分を垂直に切断した断面を側からみたときを意味する。
【0033】
図1は、本発明の実施例に係る二次電池製造装置のセッティングのための多目的治具を示した斜視図である。
【0034】
実施例に係る多目的治具は、一つの治具として二次電池製造装置の様々な部位をセッティングできるように構成される。実施例に係る二次電池製造装置は、パウチ型二次電池を製造するための装置であってもよい。例えば、二次電池製造装置は、パウチ型二次電池において電極アセンブリーを構成する複数の正極または負極にそれぞれ提供される複数の正極タップまたは負極タップを、溶接を通じて固定するいわゆるプリ溶接工程、または溶接された正極タップまたは負極タップの一部を切断する切断工程、または溶接された正極タップまたは負極タップにリードをいわゆるメイン溶接のための装置であってもよい。
【0035】
図1は、第1実施例に係る多目的治具1を示した斜視図である。
図1に示されているように、多目的治具1は、本体部10と突出部12とを含む。
【0036】
本体部10と突出部12とはそれぞれ直方体形状を有し、多目的治具1は、本体部10と突出部12とが互いに一体に構成された単一体に構成されてもよい。
【0037】
本体部10の厚さは、突出部12の厚さより厚い。つまり、本体部10は突出部12より大きい体積を有する。突出部12は、本体部10の一側縁部から本体部10の長さ方向(y)に沿って延びて突出した構造を有してもよい。
【0038】
本体部10が直方体の外形を有することにより、本体部10において対向する狭い面のうち一側、つまり突出部12が延びる側の狭い面(または、側面)100aは、前記製造装置のセッティング部位をセッティングするための第1基準面として作用する。
【0039】
突出部12も直方体の外形を有することにより、突出部12において対向する広い面のうち一側、つまり
図1で下部に向ける側の広い面(または、下部面)120aは、前記製造装置のセッティング部位をセッティングするための第2基準面として作用する。
【0040】
図1の多目的治具1において、本体部10の狭い面100aは突出部12の広い面120aに繋がり、その交角は直角をなす。
【0041】
本体部10の狭い面(第1基準面)100aに対する突出部12の広い面(第2基準面)120aの位置設定は、製造される二次電池が含む複数の正極に連結された正極タップまたは複数の負極に連結された負極タップの位置に対応して設定されることが良い。
【0042】
また、実施例に係る多目的治具1において、突出部12は、本体部10の狭い面100aの縁部に沿って縁部全体から突出されず、縁部の一部にのみ突出される構造を有する。これにより、突出部12が提供されない本体部10の狭い面100aの残りの縁部の部位は作業者にセッティング作業のための視野確保の部位として作用できるが、これについては後でより詳しく説明することにする。
【0043】
このように構成される多目的治具1は、本体部10がパウチ型二次電池において、複数の正極、負極およびセパレータが積層され構成された電極アセンブリー(または、電極アセンブリーが収容されたパウチ)に対応し、突出部12が電極アセンブリーに提供された電極タップに対応してもよい。つまり、多目的治具1の外形は、パウチ型二次電池の外形と類似してもよい。
【0044】
図1の実施例において、突出部12は広い面120aに対向する他の広い面120bが、本体部10の対向する広い面のうち一側の広い面100cと同一平面上に置かれるように本体部10から突出される構成や本発明が必ずこのような構成で限定されるものではない。
【0045】
例えば、
図2に示された第2実施例の多目的治具3は、
図1の多目的治具1と基本的に構成を同一にするが、突出部32の広い面320bと本体部30の広い面300cとの間に段差ができるように突出部32が本体部30から突出するように構成される。
【0046】
図1に示された多目的治具1は、パウチ型二次電池において、パウチが一個備えられて構成されるいわゆる1カップセル型二次電池の製造時に適用することができ、
図2に示された多目的治具3は、パウチ型二次電池において、パウチが二個に分離されて構成されるいわゆる2カップセル型二次電池に適用することができる。
【0047】
追加的に、
図1、2の実施例に係る多目的治具1、3は、それぞれ突出部12、32に対向した本体部10、30の縁部に沿って配置された作業用取っ手14、34を含んでもよい。
【0048】
このように構成される実施例の多目的治具1、3は、3Dプリンタによって製造することができ、材質には樹脂を含む。これにより、多目的治具1、3は軽量で製造することができる。
【0049】
実施例に係る多目的治具は、二次電池製造装置のセッティングのために次の通り使用されてもよい。
【0050】
図3は、
図1の多目的治具1が、二次電池製造装置のセッティング部位に使用される第一の使用例を説明するために示した図である。
【0051】
図3に示された二次電池製造装置は、パウチ型二次電池の電極アセンブリーが含む複数の正極または複数の負極にそれぞれ連結された複数の正極タップまたは複数の負極タップを連結するためのプリ溶接装置であり、このプリ溶接装置において、多目的治具1によってセッティングされる部位は溶接台(または、アンビル、anvil)40であってもよい。
【0052】
溶接台40上には、
図4に示されているように、パウチ型二次電池5の正極タップ50(または、負極タップ、以下、便宜上正極タップで統一して説明する)が載せられ、溶接機(または、ホーン、horn)42が下降して正極タップ50を溶接するようになるが、正極タップ50が正位置に溶接されるためには溶接台40が正位置にセッティングされることが重要である。
【0053】
このために作業者は、多目的治具1が作業台60に載せられた状態で、多目的治具1の取っ手14を用いて多目的治具1を溶接台40側に移動させ、溶接台40の上部表面が多目的治具1の突出部12の広い面120a、つまり第2基準面に当接するように溶接台40の位置(例:高さ)を調整して溶接台40をセッティングする(
図5参照)。必要な場合、多目的治具1の本体部10の狭い面100a、つまり第1基準面も溶接台40が接触する溶接装置の支持部位に当接してもよい。ここで、作業台60の位置(例:高さ)は、プリ溶接工程の以前工程である正極または負極形成のためのラミネーションおよびスタッキング(L&S)の作業台と同一の位置に維持されることが良い。
【0054】
前記多目的治具1の突出部12は、正極タップ50の溶接時に、複数の正極タップ50を集めるガイド治具44のセッティングのための役割を果たすこともできる。
【0055】
図4を参考にすると、ガイド治具44は、溶接台40と溶接機42とに隣り合って正極タップ50が一ヶ所に集まるようにガイドする役割を果たすが、このガイド治具44も正位置にセッティングされるのが正極タップ50の良好な溶接のために必要である。この点を考慮して、突出部12はガイド治具44の間隙に合わせて厚さを設定することができ、前記溶接台40のセッティング時に、ガイド治具44も突出部12の厚さに合わせて間隙をあけてセッティングすることができる。
【0056】
一方、前述のように、多目的治具1において、突出部12が本体部10の縁部の一部にのみ配置されるので、
図6に示されているように、多目的治具1が溶接台40のセッティングのために溶接台40側に移動した状態で、突出部12により隠れない溶接台40の部位は露出されることもある。この露出部位を通じて作業者は溶接台40のセッティング時に、視野を確保することができる。これにより、作業者は多目的治具1を用いた溶接台40のセッティング作業を容易に行うことができる。
【0057】
図7は、
図1の多目的治具1が二次電池製造装置のセッティング部位に使用される第二の使用例を説明するために示した図である。
【0058】
図7に示された二次電池製造装置は、
図6に示されたプリ溶接装置を通じて溶接された複数の正極タップまたは複数の負極タップを一定の長さだけ切断するための切断装置である。この切断装置において、多目的治具1によってセッティングされる部位はカッターのうち下部カッター70であってもよい。
【0059】
図8は、
図1の多目的治具1が、二次電池製造装置のセッティング部位に使用される第三の使用例を説明するために示した図である。
【0060】
図8に示された二次電池製造装置は、
図7に示された切断装置を通じて切断された正極タップまたは負極タップにリードを溶接するメイン溶接装置である。このメイン溶接装置において、多目的治具1によってセッティングされる部位は溶接用レーザのうち下部レーザが設けられる支持台80であってもよい。
【0061】
下部カッター70および支持台80へのセッティングも、多目的治具1を支持台80に移動させ、前述した溶接台40のセッティングと同様に行うことができる。
【0062】
このように本発明の実施例に係る多目的治具は、一つの治具として二次電池製造装置においてセッティングが必要な様々な部位のセッティングを容易かつ迅速に行うことができる。
【0063】
以上で本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も、本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0064】
1、3:多目的治具
10:本体部
12:突出部
14:取っ手
【国際調査報告】