(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】抗内方成長カテーテルロックシステム及びカテーテルの結合方法
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20240903BHJP
A61M 39/02 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A61M39/10 100
A61M39/02 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515515
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2021049888
(87)【国際公開番号】W WO2023038632
(87)【国際公開日】2023-03-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】デンスリー、ブライオン レイ
(72)【発明者】
【氏名】フィウメフレッド、ダイアナ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE11
4C066FF01
4C066JJ01
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、コンプライアントなガスケットを含む抗内方成長カテーテルロックを対象とする。カテーテルロックは、カテーテルの外面に係合し、カテーテルをポートのステムまたは同様の血管アクセスデバイスに固定することができる。ガスケットは、カテーテルロックと、カテーテル、ステム、またはポート本体のうちの1つとの間で圧縮されて、それらの間に連続的な外輪郭を形成し、組織の内方成長を緩和する。カテーテル、カテーテルロックおよびポートの製造中の公差に起因して、組み立てられたときにこれらの部分の間に隙間が生じる可能性があり、それにより組織の内方成長が可能となり、ポート/カテーテル/カテーテルロックアセンブリの外植が複雑となる。コンプライアントなガスケットは、ポートまたはカテーテルのうちの1つの上に配置可能であり、これらの間隙を充填可能であり、組織の内方成長を軽減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロックシステムであって、
ポートであって、該ポートから延びるステムを含むポートと、
管腔を画定し、前記ステムに係合するように構成されたカテーテルと、
前記ステムおよび前記カテーテルの一方または両方の一部を取り囲むように構成されたカテーテルロックと、
コンプライアント材料で形成され、非変形状態と変形状態との間で弾性的に移行するように構成されたガスケットと
を備え、変形状態にある前記ガスケットは、前記カテーテルロックの外面と前記カテーテル及び前記ポートの一方又は両方との間に連続的な外輪郭を形成する、カテーテルロックシステム。
【請求項2】
前記ガスケットは、前記ポートの本体と結合され、前記ステムの周りに環状に延びている、請求項1に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項3】
前記ガスケットは、前記ステムの長手方向軸線に直交する平面に沿って延びるディスク形状を画定しており、前記非変形状態にある前記ガスケットの外径は、前記カテーテルロックの外径以下である、請求項1又は2に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項4】
前記変形状態にある前記ガスケットの前記外径は、前記カテーテルロックの前記外径以上である、請求項3に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項5】
前記変形状態にある前記ガスケットの外径は、前記非変形状態にある前記ガスケットの外径よりも大きい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項6】
前記ガスケットは、前記カテーテルロックの内面に結合され、前記カテーテルロックの遠位端と近位端との間に延びている、請求項1に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項7】
前記ガスケットは、前記ガスケットの近位端から半径方向外向きに延びているフランジをさらに含む、請求項1又は6に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項8】
前記フランジは、前記非変形状態で第1の直径を画定し、前記変形状態で第2の直径を画定し、前記第2の直径は、前記第1の直径よりも大きい、請求項7に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項9】
前記フランジの前記第1の直径は、前記カテーテルロックの外径より小さく、前記フランジの前記第2の直径は、前記カテーテルロックの前記外径以上である、請求項8に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項10】
前記カテーテルロックは第1の材料で形成され、前記ガスケットは前記第1の材料とは異なる第2の材料で形成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項11】
前記第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、前記第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、前記第2のデュロメータ硬さは、前記第1のデュロメータ硬さより小さい、請求項10に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項12】
前記第1の材料は実質的に剛性材料であり、前記第2の材料は弾性変形可能な材料である、請求項10又は11に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項13】
前記第1の材料は、プラスチック、ポリマー、金属、合金、又は複合材料のうちの1つを含み、第2の材料は、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、熱可塑性エラストマー、又はシリコーンゴムのうちの1つを含む、請求項10乃至12のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項14】
前記ガスケットは、生体適合性材料で形成され、前記カテーテルロックと、前記カテーテル及び前記ポートの一方又は両方との間の組織の内方成長を緩和するように構成される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステムは、前記カテーテルの外面と前記カテーテルロックの内面との間に配置されるとともに、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含むカテーテルロックシステム。
【請求項16】
カテーテルを皮下血管アクセスデバイスに結合するためのシステムであって、
内部に凹部が配置された前記皮下血管アクセスデバイスの本体と、
前記凹部から長手方向に延びているステムと、
管腔を画定し、前記ステムに係合するように構成されたカテーテルと、
前記ステム及び前記カテーテルの一方又は両方の一部分を取り囲むように構成されたカテーテルロックであって、該カテーテルロックの近位端が前記凹部内に嵌合するように構成される、カテーテルロックと、
コンプライアント材料で形成され、変形状態と非変形状態との間で弾性的に移行するように構成されたガスケットと
を備え、前記変形状態にある前記ガスケットは、前記カテーテルロックの外面と前記カテーテルとの間に連続的な外輪郭を形成する、システム。
【請求項17】
前記カテーテルロックは、該カテーテルロックの近位端に配置されたフレア部分を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記カテーテルロックの前記近位端が前記凹部内に配置される場合、前記フレア部分は、前記本体の外面と協働して連続的な外輪郭を画定する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ガスケットは、前記カテーテルロックの内面に結合され、前記カテーテルロックの遠位端と前記近位端との間に延びている、請求項16乃至18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記ガスケットは、前記カテーテルロックと一体的に形成される、請求項16乃至19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記ガスケットは、別個の構造として形成され、インターロック嵌合係合、締まり嵌め係合、圧入係合、もしくはスナップ嵌め係合、接着剤、接着、又は溶接によって前記カテーテルロックと結合される、請求項16乃至19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記カテーテルロックは第1の材料で形成され、前記ガスケットは前記第1の材料とは異なる第2の材料で形成される、請求項16乃至21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、前記第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、前記第2のデュロメータ硬さは、前記第1のデュロメータ硬さより小さい、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
請求項16乃至23のいずれか一項に記載のシステムは、前記カテーテルの外面と前記カテーテルロックの内面との間に配置され、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含む、システム。
【請求項25】
カテーテルをポートのステムに結合する方法であって、
前記カテーテルの近位部分を前記ポートのステムを覆うように付勢することと、
前記カテーテルの前記近位部分を覆うようにカテーテルロックを摺動可能に係合させることと、
前記カテーテルロックの外面と前記カテーテル及び前記ポートの一方又は両方との間に連続的な外輪郭を提供するために、ガスケットを変形状態に弾性変形させることと
を含む方法。
【請求項26】
前記ガスケットは、前記ポートの本体と結合され、前記変形状態で第1の外径を画定し、非変形状態で第2の外径を画定し、前記第1の外径は、前記第2の外径よりも大きく、かつ前記カテーテルロックの外径以上である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ガスケットは、前記カテーテルロックの内面に結合され、前記カテーテルロックの遠位端と近位端との間に延びている、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法は、前記カテーテルロックと前記ポートとの間でフランジを圧縮することをさらに含み、前記フランジは、前記ガスケットの近位端から半径方向外向きに延びている、方法。
【請求項29】
前記変形状態にある前記フランジの外径は、前記カテーテルロックの外径以上である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記カテーテルロックは第1の材料で形成され、前記ガスケットは前記第1の材料とは異なる第2の材料で形成される、請求項25乃至29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、前記第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、前記第2のデュロメータ硬さは、前記第1のデュロメータ硬さより小さい、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の材料は実質的に剛性材料であり、前記第2の材料は弾性変形可能な材料である、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
請求項25乃至32のいずれか一項に記載の方法は、前記カテーテルの外面と前記カテーテルロックの内面との間に配置されるとともに、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
簡潔に要約すると、本明細書に開示される実施形態は、抗内方成長カテーテルロックデバイス(anti-ingrowth cathlock device)及びその関連方法を対象とする。抗内方成長カテーテルロックデバイスは、弾性カテーテルロックと、カテーテル、ステム、ポート本体、又はそれらの一部分のうちの1つ以上と、の間で圧縮されると弾性変形するように構成された、コンプライアントな軟質ポリマーを含むことができる。変形状態にあるコンプライアントなポリマー部分は、拡張して、カテーテルロックと、カテーテル、ステム、ポート本体、又はそれらの一部分のうちの1つ以上と、の間の任意の潜在的間隙を充填し、それらの間に連続的な外輪郭を提供し、組織の内方成長を緩和する。好都合には、抗内方成長カテーテルロックデバイスは、カテーテル及びポートアセンブリの外植(explantation)を容易にすることができる。
【0002】
本明細書では、カテーテルロックシステムが開示され、このカテーテルロックシステムは、ポートから延びているステムを含むポートと、管腔を画定し、ステムに係合するように構成されたカテーテルと、ステム及びカテーテルの一方又は両方の一部を取り囲むように構成されたカテーテルロックと、コンプライアント材料で形成され、非変形状態と変形状態との間で弾性的に移行するように構成されたガスケットと、を含み、変形状態にあるガスケットが、カテーテルロックの外面とカテーテル及びポートの一方又は両方との間に連続的な外輪郭を形成する。
【0003】
いくつかの実施形態では、ガスケットは、ポート本体と結合され、ステムの周りに環状に延びている。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ステムの長手方向軸線に直交する平面に沿って延びるディスク形状を画定しており、非変形状態にあるガスケットの外径は、カテーテルロックの外径以下である。いくつかの実施形態では、変形状態にあるガスケットの外径は、カテーテルロックの外径以上である。いくつかの実施形態では、変形状態にあるガスケットの外径は、非変形状態にあるガスケットの外径よりも大きい。
【0004】
いくつかの実施形態では、ガスケットは、カテーテルロックの内面に結合され、カテーテルロックの遠位端と近位端との間に延びている。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ガスケットの近位端から半径方向外向きに延びているフランジをさらに含む。いくつかの実施形態では、フランジは、非変形状態で第1の直径を画定し、変形状態で第2の直径を画定し、第2の直径は、第1の直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、フランジの第1の直径は、カテーテルロックの外径より小さく、フランジの第2の直径は、カテーテルロックの外径以上である。
【0005】
いくつかの実施形態では、カテーテルロックは第1の材料で形成され、ガスケットは第1の材料とは異なる第2の材料で形成される。いくつかの実施形態では、第1の材料は、第1のデュロメータ硬さ(durometer)を規定し、第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、第2のデュロメータ硬さは、第1のデュロメータ硬さより小さい。いくつかの実施形態では、第1の材料は実質的に剛性材料であり、第2の材料は弾性変形可能な材料である。いくつかの実施形態では、第1の材料は、プラスチック、ポリマー、金属、合金、又は複合材料のうちの1つを含み、第2の材料は、プラスチック、ポリマー、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE:thermoplastic elastomer)、ゴム、又はシリコーンゴムのうちの1つを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、ガスケットは、生体適合性材料又は不活性材料で形成され、カテーテルロックと、カテーテル及びポートの一方又は両方との間の組織の内方成長を緩和するように構成される。いくつかの実施形態では、カテーテルロックシステムは、カテーテルの外面とカテーテルロックの内面との間に配置されるとともに、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含む。
【0007】
また、カテーテルを皮下血管アクセスデバイスに結合するためのシステムも開示され、このシステムは、内部に凹部が配置された皮下血管アクセスデバイスの本体と、凹部から長手方向に延びているステムと、管腔を画定し、ステムに係合するように構成されたカテーテルと、ステム及びカテーテルの一方又は両方の一部分を取り囲むように構成されたカテーテルロックと、凹部内に嵌合するように構成されたカテーテルロックの近位端と、コンプライアント材料で形成され、変形状態と非変形状態との間で弾性的に移行するように構成されたガスケットとを含み、変形状態にあるガスケットが、カテーテルロックの外面とカテーテルとの間に連続的な外輪郭を形成する。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテルロックは、カテーテルロックの近位端に配置されたフレア部分を含む。いくつかの実施形態では、カテーテルロックの近位端が凹部内に配置されると、フレア部分は、本体の外面と協働して、連続的な外輪郭を画定する。いくつかの実施形態では、ガスケットは、カテーテルロックの内面に結合され、カテーテルロックの遠位端と近位端との間に延びている。いくつかの実施形態では、ガスケットは、カテーテルロックと一体的に形成される。いくつかの実施形態では、ガスケットは、別個の構造として形成され、インターロック嵌合係合、締まり嵌め係合、圧入係合、もしくはスナップ嵌め係合、接着剤、接着、又は溶接によってカテーテルロックと結合される。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルロックは第1の材料で形成され、ガスケットは第1の材料とは異なる第2の材料で形成される。いくつかの実施形態では、第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、第2のデュロメータ硬さは、第1のデュロメータ硬さより小さい。いくつかの実施形態では、カテーテルロックシステムは、カテーテルの外面とカテーテルロックの内面との間に配置され、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含む。
【0010】
また、カテーテルの近位部分をポートのステムを覆うように付勢することと、カテーテルの近位部分を覆うようにカテーテルロックを摺動可能に係合させることと、カテーテルロックの外面とカテーテル及びポートの一方又は両方との間に連続的な外輪郭を提供するために、ガスケットを変形状態に弾性変形させることとを含む、カテーテルをポートのステムに結合する方法も開示される。
【0011】
いくつかの実施形態では、ガスケットは、ポート本体と結合され、変形状態で第1の外径を画定し、非変形状態で第2の外径を画定し、第1の外径は、第2の外径よりも大きく、かつカテーテルロックの外径以上である。いくつかの実施形態では、ガスケットは、カテーテルロックの内面に結合され、カテーテルロックの遠位端と近位端との間に延びている。いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルロックとポートとの間でフランジを圧縮することをさらに含み、フランジは、ガスケットの近位端から半径方向外向きに延びている。
【0012】
いくつかの実施形態では、変形状態にあるフランジの外径は、カテーテルロックの外径以上である。いくつかの実施形態では、カテーテルロックは第1の材料で形成され、ガスケットは第1の材料とは異なる第2の材料で形成される。いくつかの実施形態では、第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、第2のデュロメータ硬さは、第1のデュロメータ硬さより小さい。いくつかの実施形態では、第1の材料は実質的に剛性材料であり、第2の材料は弾性変形可能な材料である。いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルの外面とカテーテルロックの内面との間に配置されるとともに、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含む。
【0013】
本開示のより詳細な説明が、添付の図面に示されている本開示の特定の実施形態を参照することによって与えられる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、それゆえ、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない点が理解されよう。本発明の例示的実施形態が、添付の図面の使用を通じて、更なる特異性及び詳細と共に記述され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本明細書に開示される実施形態による、血管アクセスシステムのポート、カテーテル、及びカテーテルロックアセンブリの平面図を示す。
【
図1B】本明細書に開示される実施形態による、血管アクセスシステムのポート、カテーテル、及びカテーテルロックアセンブリの断面図を示す。
【
図2A】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックを含むポート及びカテーテルアセンブリの平面図を示す。
【
図2B】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックを含むポート及びカテーテルアセンブリの断面図を示す。
【
図2C】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックを含むポート及びカテーテルアセンブリの分解斜視図を示す。
【
図2D】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックのガスケットの拡大詳細図を示す。
【
図2E】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックのガスケットの拡大詳細図を示す。
【
図2F】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックのガスケットの拡大詳細図を示す。
【
図3A】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックの斜視図を示す。
【
図3B】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックの斜視図を示す。
【
図4A】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックについての例示的な使用方法を示す。
【
図4B】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックについての例示的な使用方法を示す。
【
図4C】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックについての例示的な使用方法を示す。
【
図5A】本明細書に開示される実施形態による、ポート、カテーテル、及び抗内方成長カテーテルロックの斜視図を示す。
【
図5B】本明細書に開示される実施形態による、ポート、カテーテル、及び抗内方成長カテーテルロックの平面図を示す。
【
図5C】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックの斜視図を示す。
【
図5D】本明細書に開示される実施形態による、ポート、カテーテル、及び抗内方成長カテーテルロックの断面図を示す。
【
図6A】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックについての例示的な使用方法を示す。
【
図6B】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックについての例示的な使用方法を示す。
【
図6C】本明細書に開示される実施形態による、抗内方成長カテーテルロックについての例示的な使用方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他の多数の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、または置換することができる特徴を有することができることも理解されたい。
【0016】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、複数の特徴または複数の工程のグループ内の異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、連続的な限定または数値限定を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」、などのラベルは、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表記は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、および「前記」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0017】
「近位」に関しては、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0018】
「遠位」に関しては、例えば、本明細書に開示されているカテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0019】
実施形態の記載において、
図1A、
図1B、
図2Cに示すように、長手方向軸線は、カテーテルの軸方向長さと実質的に平行に延びる。横方向軸線は長手方向軸線に対して直交して延び、横断方向軸線は、長手方向軸線および横方向軸線の両方に対して直交して延びている。本明細書で使用される場合、水平面は、横軸および縦軸に沿って延びている。垂直面は、水平面に直交して延びている。
【0020】
他に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
図1A~
図1Bは、ポート70、カテーテル90、及びカテーテルロックデバイス(カテーテルロック)100を概して含む例示的な血管アクセスシステム50を示す。カテーテルロック100は、カテーテル90をポート70のステム80又は同様の医療デバイスに固定するように構成されることができる。より具体的には、カテーテルロック100は、カテーテル90の外面に摺動可能に係合することができ、ポート70のステム80上にカテーテル90の一部分を圧縮して、それらの間に流体密係合を提供することができる。
【0021】
一実施形態では、カテーテル90は、カテーテル本体92を含むことができ、このカテーテル本体92は、カテーテル管腔94を画定し、遠位先端と近位端98との間で延びている。一実施形態では、カテーテル90の近位端98は、ステム80を覆うようにカテーテル90を軸方向に付勢することによってステム80に結合されることができる。一実施形態では、カテーテル90の近位端98は、カテーテル90をステム80と結合する前にトリミング可能であり得る。一実施形態では、カテーテル90は、半径方向外向きに弾性変形し、締まり嵌めでステム80に係合するように構成される、可撓性又はコンプライアント材料で形成されることができる。一実施形態では、カテーテル90は、プラスチック、ポリマー、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、シリコーンゴムなどで形成され得る。
【0022】
一実施形態では、ポート70は、一般に、リザーバ74を画定している本体72を含むことができ、このリザーバ74は、ステム80の管腔84と流体連通している。ポート70は、リザーバ74へのアクセスを提供するように構成された針貫通可能中隔76をさらに含むことができる。一実施形態では、アクセス針は、経皮的に、針貫通可能中隔76を貫通してリザーバ74内まで延び、リザーバ74との流体連通を提供することができる。理解されるように、ポート70は、ステム80と流体連通する例示的な医療デバイスであり、本明細書に記載される実施形態は、コンプライアントなカテーテル90に結合された剛性ステム80を含む様々な医療デバイスと共に使用されることができる。
【0023】
一実施形態では、カテーテルロック100は、カテーテルロック管腔104を画定することができ、このカテーテルロック管腔104は、長手方向に延びており、カテーテル90の一部分及びステム80の一部分の一方又は両方をその内部に受け入れるように構成される。カテーテルロック100は、カテーテル90の外面に摺動可能に係合し、カテーテル90の一部分をステム80上に圧縮することができる。カテーテルロック100は、締まり嵌め係合、圧入係合、又はスナップ嵌め係合でカテーテル90/ステム80アセンブリに係合することができる。一実施形態では、カテーテルロック100は、第1のデュロメータ硬さを規定する弾性材料又は実質的に剛性の材料で形成され得、プラスチック、ポリマー、金属、合金、複合材料、これらの組み合わせなどを含むことができる。
【0024】
一実施形態では、カテーテルロック100は、カテーテルロック管腔104の内面から半径方向内向きに延びているリム110又は類似の構造を含むことができる。リム110は、ステム80上に配置されたバーブ86又は類似の構造に係合するように構成されることができる。カテーテル90がステム80のバーブ86を覆うように配置された状態で、リム110は、締まり嵌め係合、圧入係合、又はスナップ嵌め係合でバーブ86に係合することができ、カテーテル90の一部分がそれらの間に配置される。
【0025】
図1A~
図1Bに示されるように、カテーテルロック100、カテーテル90、又はポート70のうちの1つ以上の製造における公差に起因して、間隙(a)が、カテーテルロック100、カテーテル90、又はポート70のうちの1つ以上、あるいはそれらの組み合わせの間に生じ得る。皮下に配置されると、組織が、これらの間隙(a)内に成長し、カテーテルロック100、カテーテル90、ポート70アセンブリを拘束する及び被包する可能性がある。したがって、カテーテルロック100、カテーテル90、ポート70アセンブリの外植には、時間がかかり、追加の切断が必要となり、瘢痕組織が形成され、回復時間が長くなる可能性がある。
【0026】
一実施形態では、
図2A~
図2Cに示されるように、抗内方成長カテーテルロック100は、1つ以上のガスケット、例えば、第1の、ポートガスケット120及び第2の、カテーテルロックガスケット130を含むことができる。ガスケット120、130は、第2のデュロメータ硬さを規定するコンプライアント材料で形成され得、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)、それらの組合せなどを含むことができる。第2のデュロメータ硬さは、第1のデュロメータ硬さよりも小さいか、又はより軟質であり得る。一実施形態では、ガスケット120、130は、生体適合性材料で形成され得る。一実施形態では、ガスケット120、130は、不活性材料で形成され得る。
【0027】
一実施形態では、ガスケット120、130は、中心長手方向軸線60の周囲に延びることができ、カテーテル90、ポート70、及びカテーテルロック100のうちの1つ以上の間に連続的な外面を提供するように構成されることができる。本明細書で使用される場合、「連続的な外輪郭」は、カテーテル90、ポート70、及びカテーテルロック100のうちの1つ以上の間に延びている、実質的に平らな表面又は凸面を含むことができる。一実施形態では、ガスケット120、130は、別個の構造として形成され、締まり嵌め係合、圧入係合、又はスナップ嵌め係合などで、カテーテルロック100、ステム80、又はポート本体72のうちの1つと結合されることができる。一実施形態では、カテーテルロック100、ステム80、又はポート本体72のうちの1つは、凹部を含むことができ、この凹部は、ガスケット120、130の一部分をその内部に受け入れ、インターロック嵌合係合、締まり嵌め係合、圧入係合、又はスナップ嵌め係合などでガスケット120、130を保持するように構成される。一実施形態では、ガスケット120、130は、カテーテルロック100、ステム80、又はポート本体72のうちの1つと、接着剤、接着、溶接などで結合することができる。一実施形態では、ガスケット120、130は、例えば2ショット射出成形プロセスなどで、カテーテルロック100と一体的に形成されることができる。
【0028】
一実施形態では、
図2Cに示されるように、第1の、即ちポートガスケット120は、中心長手方向軸線60に直交して延びている平面に沿って延びているディスク形状を実質的に画定することができる。第1のガスケット120は管腔124を含むことができ、この管腔124は、ステム80の一部を受け入れるように構成される。一実施形態では、第1のガスケット120の外径(d1)は、カテーテルロック100の外径(d2)以下とすることができる。
【0029】
例示的な使用方法では、
図2B~
図2Fに示すように、第1のガスケット120は、ポートステム80(
図2C)を覆うように配置されることができる。カテーテル90をポート70のステム80を覆うように軸方向に押し付けて、締まり嵌めでステム80に係合することができる。カテーテルロック100は、カテーテル90を覆うように摺動可能に係合して、カテーテル90の近位部分をステム80上に圧縮することができる。カテーテルロック100は、カテーテルロック100の近位端108が第1のガスケット120をポート本体72に対して圧縮し、第1のガスケット120を非変形状態(
図2D)から変形状態(
図2E~
図2F)に移行させるまで、軸方向に押し付けられることができる。一実施形態では、カテーテルロック100は、第1の軸線(例えば、長手方向軸線)に沿って第1のガスケット120を圧縮して、第1の軸線に対してある角度で延びる第2の軸線(例えば、横方向軸線、横断方向軸線、又はそれらの間に延びる軸線)に沿って第1のガスケット120を弾性変形させ、第1のガスケット120を非変形状態から変形状態に移行させることができる。一実施形態において、カテーテルロック100は、変形状態において第1のガスケット120の外径(d1)が、カテーテルロック100の外径(d2)と等しくなる(
図2E)か、又はそれよりも大きくなる(
図2F)まで、第1のガスケット120を変形状態から弾性変形させることができる。
【0030】
一実施形態では、変形状態にある第1のガスケット120は、カテーテルロック100とポート本体72との間に連続的な外輪郭を形成することができる。例えば、第1の軸線に沿って第1のガスケット120を圧縮し、第1のガスケット120を非変形状態から変形状態に移行させることによって、第1のガスケット120の外径は、第2の軸線に沿って拡張して、間隙(a)を充填することができる。ガスケット120の外面は、カテーテルロック100の外面と位置合わせするように拡張し、それらの間に同じ高さの面を提供することができる(
図2E)。一実施形態では、ガスケット120の外面は、カテーテルロック100の外面の半径方向外向きに延びるように拡張し、それらの間に凸面を提供することができる(
図2E)。一実施形態では、ガスケット120の外面は、カテーテルロック100の外面まで、又はそれよりもわずかに小さく拡張することができる。このように、変形状態にある第1のガスケット120は、それらの間にわずかに凹状の表面を形成するが、間隙(a)の深さ(すなわち、長手方向軸線に直交)が、間隙(a)の幅の実質的に2倍未満に減少しているので、表面は依然として実質的に連続的であると考えられる。
【0031】
一実施形態では、
図2B、
図2D~
図2F、及び
図3A~
図3Bに示すように、第2のガスケット130又はカテーテルロックガスケット130は、カテーテルロック100の一部に、例えばカテーテルロック管腔104の内面上に配置されることができる。一実施形態では、第2のガスケット130は、カテーテルロック100の遠位端106から近位端108まで延びていてもよい。一実施形態では、第2のガスケット130は、管腔134を画定することができ、この管腔134は、軸方向に延びており、カテーテル90、ステム80、又はそれらの一部分のうちの1つ以上をそこを通って受け入れるように構成される。
【0032】
一実施形態では、ガスケット管腔134の直径は、カテーテル90の外径以下とすることができる。一実施形態では、第2のガスケット130の管腔134は、非変形状態から変形状態に半径方向外向きに弾性変形し、そこを通ってカテーテル90を受け入れて、カテーテル90上に緊密に嵌合することができる。このように、第2のガスケット130は、カテーテル90とカテーテルロック100との間に連続的な外輪郭を形成することができる。例えば、第2のガスケット130は、カテーテル90の表面からカテーテルロック100の近位端106まで直交して延びている表面を形成し、カテーテルロック100の内面とカテーテル90の外面との間に延びている任意の間隙(a)を取り除くことができる。一実施形態では、第2のガスケット130は、弁140を含むことができ、この弁140は、第2のガスケット130の遠位端136に配置され、第2のガスケット130とカテーテル90の外面との間にシールを提供して、それらの間に連続的な外輪郭を提供するように構成される。
【0033】
一実施形態では、第2のガスケット130の近位端138は、近位端138から半径方向に延びているフランジ132を含むことができる。一実施形態では、フランジ132は、外径(d3)を画定することができる。フランジ132の外径(d3)は、カテーテルロック100の外径(d2)と比べて、小さくてもよく、等しくてもよく、又は大きくてもよい。一実施形態では、フランジ132は、本明細書に記載されるように、カテーテルロック100と、ポート本体72及び第1のガスケット120の一方又は両方との間で圧縮されて、フランジを非変形状態から変形状態に移行させ、それらの間に連続的な外輪郭を提供することができる。
【0034】
例示的な使用方法では、
図4A~
図4Cに示すように、カテーテル90を軸方向に押し付けて、締まり嵌めでステム80に係合することができる。次いで、カテーテルロック100は、ステム80を覆うように配置されたカテーテル90の近位部分を覆うように軸方向に押し付けられることができる。一実施形態では、ガスケット130の遠位端136は、カテーテル90とカテーテルロック100との間で、半径方向外向きに伸張し、緊密なシールを形成し、連続的な外輪郭を提供することによって、変形状態に移行することができる。一実施形態では、ガスケット130の遠位端136に配置された弁140は、カテーテル90とカテーテルロック100との間に連続的な外輪郭を形成することができる。
【0035】
カテーテルロック100を軸方向に付勢することにより、第2のガスケット130の近位端138及びフランジ132の一方又は両方を、ポート本体72に対して圧縮することができる。本明細書に記載されるように、カテーテルロック100は、第2のガスケット130の近位端138及びフランジ132の一方又は両方を非変形状態から変形状態に弾性変形させて、カテーテルロック100とポート本体72との間に連続的な外輪郭を形成することができる。一実施形態では、第2のガスケット130は、ポート70に結合された第1のガスケット120に係合することができる。第2のガスケット130及び第1のガスケット120は協働して、カテーテルロック100とポート本体72との間に連続的な外側を形成することができる。
【0036】
一実施形態では、
図5A~
図6Cに示すように、カテーテルロック100の近位端108は、フレア部分112を含むことができる。フレア部分112は、ポート本体72に配置された凹部78に係合するように構成されることができる。フレア部分112は、中央長手方向軸線60を中心として、カテーテルロック100の一部分の周りに環状に延びることができる。凹部78は、中央長手方向軸線60を中心として、ステム80の一部分の周りに環状に延びることができる。フレア部分112の外面は、ポート本体72の外面と調整して、連続的な外輪郭を画定することができる(
図5A)。
【0037】
例示的な使用方法では、
図6A~
図6Cに示すように、カテーテル90を軸方向に押し付けて、締まり嵌めでステム80に係合することができる。次いで、カテーテルロック100は、ステム80を覆うように配置されたカテーテル90の近位部分を覆うように軸方向に押し付けられることができる。一実施形態では、ガスケット130の遠位端136は、カテーテル90とカテーテルロック100との間に連続的な外輪郭を形成することができる。一実施形態では、ガスケット130の遠位端136に配置された弁140は、カテーテル90とカテーテルロック100との間に連続的な外輪郭を形成することができる。
【0038】
カテーテルロック100を軸方向に付勢することにより、カテーテルロック100の近位端108をポート70の凹部78内に係合させることができる。一実施形態では、ポート70は、本明細書に記載されるように、ステム80の周りに配置され、かつ、カテーテルロック100とポート本体72との間に配置される、第1のガスケット120をさらに含むことができる。
図6Cに示されるように、フレア部分112の外輪郭は、ポート本体72の外輪郭と調整して、それらの間に連続的な外面を画定することができ、ポート本体72とカテーテルロック100との間の組織の内方成長を緩和することができる。
【0039】
いくつかの特定の実施形態が本明細書で開示されており、それら特定の実施形態が、ある程度詳細に開示されているが、それら特定の実施形態が、本明細書で提供される概念の範囲を限定することは意図されていない。更なる適合及び/又は修正が、当業者には明らかとなる可能性があり、より広範な態様においては、これらの適合及び/又は修正も同様に包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態からの展開を実施することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロックシステムであって、
ポートであって、該ポートから延びるステムを含むポートと、
管腔を画定し、前記ステムに係合するように構成されたカテーテルと、
前記ステムおよび前記カテーテルの一方または両方の一部を取り囲むように構成されたカテーテルロック
であって、該カテーテルロックと一体であるか前記カテーテルロックに結合されたカテーテルロックガスケットを含む遠位端を有するカテーテルロックと、
ディスク形状のポートガスケットと
を備え、前記ポートガスケット及び前記カテーテルロックガスケットの各々は、コンプライアント材料で形成され、非変形状態と変形状態との間で弾性的に移行するように構成さ
れ、前記カテーテルロックの外面と前記カテーテル及び前記ポートの一方又は両方との間に連続的な外輪郭を
有する、カテーテルロックシステム。
【請求項2】
前記
ポートガスケットは、前記ポートの本体と結合され、前記ステムの周りに環状に延びている、請求項1に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項3】
前記
ポートガスケットは、前記ステムの長手方向軸線に直交する平面に沿って延
び、前記非変形状態にある前記ガスケットの外径は、前記カテーテルロックの外径以下である、請求項1又は2に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項4】
前記変形状態にある前記
ポートガスケットの前記外径は、前記カテーテルロックの前記外径以上である、請求項3に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項5】
前記変形状態にある前記
ポートガスケットの外径は、前記非変形状態にある前記
ポートガスケットの外径よりも大きい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項6】
前記
カテーテルロックガスケットは、前記
カテーテルロックガスケットの近位端から半径方向外向きに延びているフランジをさらに含む、請求項1又は6に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項7】
前記フランジは、前記非変形状態で第1の直径を画定し、前記変形状態で第2の直径を画定し、前記第2の直径は、前記第1の直径よりも大きい、請求項
6に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項8】
前記フランジの前記第1の直径は、前記カテーテルロックの外径より小さく、前記フランジの前記第2の直径は、前記カテーテルロックの前記外径以上である、請求項
7に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項9】
前記カテーテルロックは第1の材料で形成され、前記
カテーテルガスケット
及び前記ポートガスケットの各々は前記第1の材料とは異なる第2の材料
として前記コンプライアント材料で形成される、請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項10】
前記第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、前記第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、前記第2のデュロメータ硬さは、前記第1のデュロメータ硬さより小さい、請求項
9に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項11】
前記第1の材料は実質的に剛性材料であり、前記第2の材料は弾性変形可能な材料である、請求項
9又は
10に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項12】
前記第1の材料は、プラスチック、ポリマー、金属、合金、又は複合材料のうちの1つを含み、第2の材料は、プラスチック、ポリマー、エラストマー、ゴム、熱可塑性エラストマー、又はシリコーンゴムのうちの1つを含む、請求項
9乃至
11のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項13】
前記
カテーテルロックガスケット
及び前記ポートガスケットの各々は、生体適合性材料で形成され、
前記カテーテルロックは、前記カテーテルロックと、前記カテーテル及び前記ポートの一方又は両方との間の組織の内方成長を緩和するように構成される、請求項1乃至
12のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【請求項14】
請求項1乃至
13のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム
において、前記ポートガスケットは、前記カテーテルの外面と前記カテーテルロックの内面との間に配置されるとともに、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含むカテーテルロックシステム。
【請求項15】
カテーテルを皮下血管アクセスデバイスに結合するためのシステムであって、
内部に凹部が配置された前記皮下血管アクセスデバイスの本体と、
前記凹部から長手方向に延びているステムと、
管腔を画定し、前記ステムに係合するように構成されたカテーテルと、
前記ステム及び前記カテーテルの一方又は両方の一部分を取り囲むように構成されたカテーテルロックであって、該カテーテルロックの近位端が前記凹部内に嵌合するように構成される、
前記カテーテルロックの遠位端は、該カテーテルロックと一体であるか又は前記カテーテルロックに結合されたカテーテルロックガスケットを含む、カテーテルロックと、
ディスク形状のポートガスケットと
を備え、前記ポートガスケット及び前記カテーテルロックガスケットの各々は、コンプライアント材料で形成され、変形状態と非変形状態との間で弾性的に移行するように構成さ
れ、前記カテーテルロックの外面と前記カテーテルとの間に連続的な外輪郭を
有する、システム。
【請求項16】
前記カテーテルロックは、該カテーテルロックの近位端に配置されたフレア部分を含む、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
前記カテーテルロックの前記近位端が前記凹部内に配置される場合、前記フレア部分は、前記本体の外面と協働して連続的な外輪郭を画定する、請求項
16に記載のシステム。
【請求項18】
前記
カテーテルロックガスケットは、前記カテーテルロックと一体
である、請求項
15乃至
17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記
カテーテルロックガスケットは、別個の構造として形成され、インターロック嵌合係合、締まり嵌め係合、圧入係合、もしくはスナップ嵌め係合、接着剤、接着、又は溶接によって前記カテーテルロックと結合される、請求項
15乃至
17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記カテーテルロックは第1の材料で形成され、前記
カテーテルロックガスケット
及び前記ポートガスケットの各々は前記第1の材料とは異なる第2の材料
として前記コンプライアント材料で形成される、請求項
15乃至
19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、前記第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、前記第2のデュロメータ硬さは、前記第1のデュロメータ硬さより小さい、請求項
20に記載のシステム。
【請求項22】
請求項
15乃至
21のいずれか一項に記載のシステム
において、前記ポートガスケットは、前記カテーテルの外面と前記カテーテルロックの内面との間に配置され、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含む、システム。
【請求項23】
カテーテルをポートのステムに結合する方法であって、
前記カテーテルの近位部分を前記ポートのステムを覆うように付勢することと、
前記カテーテルの前記近位部分を覆うようにカテーテルロックを摺動可能に係合させることと、
前記カテーテルロックの外面と前記カテーテル及び前記ポートの一方又は両方との間に連続的な外輪郭を提供するために、
該カテーテルロックと一体であるか又は前記カテーテルロックに結合されたカテーテルロックガスケット及びディスク形状のポートガスケットの各々を変形状態に弾性変形させることと
を含む方法。
【請求項24】
前記
ポートガスケットは、前記ポートの本体と結合され、前記変形状態で第1の外径を画定し、非変形状態で第2の外径を画定し、前記第1の外径は、前記第2の外径よりも大きく、かつ前記カテーテルロックの外径以上である、請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
請求項27に記載の方法は、前記カテーテルロックと前記ポートとの間でフランジを圧縮することをさらに含み、前記フランジは、前記
カテーテルロックガスケットの近位端から半径方向外向きに延びている、方法。
【請求項26】
前記変形状態にある前記フランジの外径は、前記カテーテルロックの外径以上である、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
前記カテーテルロックは第1の材料で形成され、前記
カテーテルロックガスケット
及び前記ポートガスケットの各々は前記第1の材料とは異なる第2の材料で形成される、請求項
23乃至
26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の材料は、第1のデュロメータ硬さを規定し、前記第2の材料は、第2のデュロメータ硬さを規定し、前記第2のデュロメータ硬さは、前記第1のデュロメータ硬さより小さい、請求項
27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の材料は実質的に剛性材料であり、前記第2の材料は弾性変形可能な材料である、請求項
27又は
28に記載の方法。
【請求項30】
請求項
23乃至
29のいずれか一項に記載の方法
において、前記ポートガスケットは、前記カテーテルの外面と前記カテーテルロックの内面との間に配置されるとともに、それらの間に流体密封シールを提供するように構成された弁をさらに含む、方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記ポートガスケットは、前記ステムの長手方向軸線に直交する平面に沿って延び、前記非変形状態にある前記
ポートガスケットの外径は、前記カテーテルロックの外径以下である、請求項1又は2に記載のカテーテルロックシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記カテーテルロックは第1の材料で形成され、前記カテーテル
ロックガスケット及び前記ポートガスケットの各々は前記第1の材料とは異なる第2の材料として前記コンプライアント材料で形成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカテーテルロックシステム。
【国際調査報告】