(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】乾燥皮膚を処置するための軟膏
(51)【国際特許分類】
A61K 31/688 20060101AFI20240903BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240903BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20240903BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240903BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240903BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240903BHJP
A61K 47/16 20060101ALI20240903BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240903BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240903BHJP
A61K 8/58 20060101ALI20240903BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240903BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A61K31/688
A61P17/00
A61K9/06
A61K47/44
A61K47/14
A61K47/10
A61K47/16
A61K47/34
A61K8/02
A61K8/58
A61Q19/00
A61K8/92
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516698
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022043589
(87)【国際公開番号】W WO2023043876
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516011671
【氏名又は名称】オキュソフト インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OCuSOFT,Inc.
【住所又は居所原語表記】30444 SW Freeway Rosenberg TEXAS 77471 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】アドキンス、ナット
(72)【発明者】
【氏名】スミス、トロイ
(72)【発明者】
【氏名】サルカール、パラミタ
(72)【発明者】
【氏名】サンズ、ブランドン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA09
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD38
4C076DD45
4C076DD46
4C076DD52
4C076EE23
4C076EE53
4C076FF70
4C083AA121
4C083AC011
4C083AC121
4C083AC641
4C083AC901
4C083AD041
4C083AD571
4C083CC03
4C083DD22
4C083DD41
4C083EE12
4C083EE13
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA42
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA28
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA89
(57)【要約】
乾燥皮膚を処置するための組成物は、油性基剤中に治療的に活性な濃度の1つ以上の皮膚保護脂質を含む。皮膚保護脂質は、スフィンゴ脂質および少なくとも1つの油を含むことができる。組成物は、目の周囲の皮膚に適用することを意図している。組成物は、皮膚に潤いを与え、皮膚を刺す、灼熱感を与える、または剥離することなく炎症およびかゆみを軽減することができる保護的な閉塞層を形成するように構成される。例示的な実施形態によれば、組成物は、高粘度の軟膏またはゲルとして製剤化される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥皮膚を処置するための組成物であって
油性基剤と、
スフィンゴ脂質および少なくとも1つの油を含む脂質混合物と、
親水性溶媒と、
乳化剤と、を含み、
軟膏またはゲルの形態である、組成物。
【請求項2】
前記油性基剤が白色ワセリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記白色ワセリンは、組成物中に約65重量%~75重量%の範囲で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記スフィンゴ脂質は、フィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンHCl、ジヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、スフィンゴミエリン、スフィンゴ糖脂質、ならびにそれらの誘導体および混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記スフィンゴ脂質が、組成物中に約0.25重量%~1重量%の範囲で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの油は、ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、アルガン油、ならびにそれらの誘導体および混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの油は、組成物中に約15重量%~30重量%の範囲で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記親水性溶媒が、グリセリン、プロピレングリコール、およびDL-パンテノール、ならびにそれらの誘導体および混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記親水性溶媒が、組成物中に約1重量%~5重量%の範囲で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記乳化剤が、PEG-150ジステアレート、PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレート、ジステアレート-75 IPDI、ならびにこれらの誘導体および混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記乳化剤が、組成物中に約1重量%~10重量%の範囲で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
乾燥皮膚を処置するための組成物であって
白色ワセリン基剤と、
フィトスフィンゴシンHClおよびヒマシ油を含む脂質混合物と、
プロピレングリコールと、
PEG-150ジステアレートと
を含む、組成物。
【請求項13】
前記白色ワセリンは、組成物中に約65重量%~75重量%の範囲で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記フィトスフィンゴシンHClが、組成物中に約0.25重量%~1重量%の範囲で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記ヒマシ油は、組成物中に約15重量%~30重量%の範囲で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
前記プロピレングリコールが、組成物中に約1重量%~5重量%の範囲で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
前記PEG-150ジアステレートが、組成物中に約1重量%~10重量%の範囲で存在する、請求項12に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、乾燥皮膚を処置するための組成物に関し、具体的には、眼瞼および眼瞼縁を含む目の周囲の乾燥皮膚を処置するための軟膏、ならびにそのような軟膏を調製および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目の健康とは、目、ならびに目に関連する構造、例えば眼瞼を指す。眼瞼は、接近する物体などの危険から、または花粉、粉塵粒子、もしくは他の異物などの空気中の汚染物質から目を保護するので、全体的な目の健康において重要である。眼瞼は、健康な目にとって重要である涙液膜の層を生成する必須の腺である涙腺およびマイボーム腺を含有する。個人がまばたきをするとき、新しい涙液膜が生成され、涙液が角膜全体に分布して目の表面を潤滑する。このまばたき動作はまた、目から異物を「洗い流す」。
【0003】
眼瞼上および目領域の皮膚は非常に薄く、身体の他の部分の皮膚よりもはるかに敏感である。眼瞼上および目領域の皮膚は容易に水分を保持することができず、かつ乾燥および刺激に対して非常に感受性である。眼瞼および目領域の乾燥は、アトピー性皮膚炎または酒さなどの生理学的状態、アレルゲン、接触皮膚炎、および環境条件を含む様々な要因によって引き起こされ得る。老化は、皮膚に水分を失わせ、より薄く、より乾燥させる。また、目を取り囲む皮膚の下の脂肪が失われ、その領域が非常に脆弱になり、剥がれ落ちて炎症を起こす可能性が高くなる。
【0004】
目領域の中および周囲に乾燥した皮膚を有する人々の何人かは、軽度から全く不快感を経験しない場合もあるが、多くの他の人々は、まばたきの間に悪化し得る、より激しい刺激を経験する。眼瞼の乾燥は、処置されないままである場合、極度の不快感、刺激、炎症、およびかゆみをもたらし得る。
【0005】
多くの場合、人々は、乾燥した、炎症を起こした、かゆみのある皮膚を擦って不快感を緩和させる。しかしながら、目をこすること、または引っ掻くことは、眼瞼皮膚を損傷し、目を、接近する物体または空中汚染物質等の外来の危険の影響を受けやすくし得るだけではなく、水晶体および/または角膜も損傷し得るため、避けるべきである。保湿剤は、極度の乾燥を発症する機会を減少させることができ、皮膚の不快感および刺激に効果がある場合がある。
【0006】
さらに、眼瞼の乾燥が悪化することがあり、眼瞼炎に発展することがある。眼瞼炎は、眼瞼縁が持続的に炎症を起こしている一般的な状態である。眼瞼炎では、眼瞼の不快感、炎症、乾燥、およびかゆみを経験することがある。この状態は、細菌感染によって引き起こされ得るか、またはアレルギー性起源であり得るか、または顔および頭皮の脂漏症に関連し得る。
【0007】
眼瞼皮膚炎は、眼瞼上または眼瞼周囲の皮膚を乾燥させ、かゆくし、炎症を起こさせる一般的な状態である。多くの場合、この状態は、眼窩周囲領域の他の部分、特に目の下にまで及ぶ。この状態の原因は、乾癬、脂漏症、酒さ、接触蕁麻疹、アトピー皮膚炎、および接触性皮膚炎を含めて様々であるが、眼瞼皮膚炎の治療は、眼瞼および他の眼窩周囲の皮膚が自然に薄く湿っているので、問題となり得る。さらに、眼瞼皮膚は、眼瞼が開いているときに後退するので、閉塞される。
【0008】
乾燥した、炎症を起こした皮膚も保湿剤で治療することができる。保湿剤は、極度の乾燥を発症する機会を減少させることができ、皮膚の不快感および刺激に効果がある場合がある。多くの場合、保湿剤は、目領域への適用に適さない成分および化学物質を含有する。例えば、ヒドロコルチゾンクリームは、顔面を含む皮膚の刺激を治療するために使用することができる。しかし、ヒドロコルチゾンクリームは、全般的に、眼瞼上または目領域で使用するには刺激が強すぎる。したがって、感受性により、乾燥皮膚、不快感、および刺激を緩和する一方で、目領域への適用のために十分に穏やかでもある、即効性があり鎮静化させる主要成分の送達を見出すことが困難となり得る。したがって、眼瞼皮膚の不快感に効果のある保湿性エモリエント(emollient)を送達しながら、保護的な閉塞層を形成することができる組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
一実施形態によれば、本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、ビヒクルに溶解した複数の成分とを含む局所用ゲル剤または軟膏である。皮膚科学的に許容されるビヒクルは、油性基剤または水性基剤であり得る。1つの例示的な実施形態において、軟膏は、白色ワセリン基剤中にスフィンゴ脂質および少なくとも1つの油を含む脂質混合物を含む。スフィンゴ脂質は、フィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンHCl、ジヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、スフィンゴミエリン、スフィンゴ糖脂質、ならびにそれらの誘導体および混合物からなる群から選択され得る。油は、ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、アルガン油、ならびにこれらの誘導体および混合物からなる群から選択され得る。軟膏は、少なくとも1つの親水性溶媒および乳化剤をさらに含み得る。親水性溶媒は、グリセリン、プロピレングリコール、およびDL-パンテノール、ならびにこれらの誘導体および混合物からなる群から選択され得る。乳化剤は、PEG-150ジステアレート、PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレート、ジステアレート-75 IPDI、ならびにこれらの誘導体および混合物からなる群から選択され得る。
【0010】
1つ以上の実施形態では、軟膏は、組成物の約65重量%~75重量%の範囲の白色ワセリン;約0.25重量%~1重量%の範囲のスフィンゴ脂質;約15重量%~30重量%の範囲の油;約1重量%~5重量%の範囲の親水性溶媒、および約1重量%~10重量%の範囲の乳化剤を含み得る。
【0011】
例示的な実施形態によれば、乾燥皮膚を処置するための組成物は、白色ワセリン基剤と、フィトスフィンゴシンHCLおよびヒマシ油の脂質混合物と、プロピレングリコールと、PEG-150ジステアレートとを含む。組成物は、好ましくは軟膏またはゲルの形態である。
【0012】
一実施形態では、軟膏は、界面活性剤、増粘剤、保存剤、抗酸化剤、キレート剤、緩衝剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の成分をさらに含むことができる。軟膏は、1つ以上の医薬品、抗アレルギー剤、および抗炎症剤をさらに含むことができる。
【0013】
軟膏は、高粘度の軟膏またはゲルとして製剤化される。軟膏は、10.0~50,000cpsの範囲の粘度、および3.0~9.0のpHを有することができる。
別の実施形態では、乾燥皮膚を処置する方法は、有効量の局所軟膏を投与することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で使用される「発明」、「本発明(present invention)」、「本発明(instant invention)」という用語および語句、ならびに同様の用語および語句は、非限定的であり、本主題を任意の単一の実施形態に限定することを意図するものではなく、むしろ、説明されるような全ての可能な実施形態を包含する。
【0015】
本明細書において使用される場合、全ての重量百分率(重量%)は、特に指定されない限り、スキンケア組成物の総重量%に基づく。さらに、全ての組成物の百分率は、特に特定されない限り、100重量%に等しい合計に基づく。
【0016】
それらの使用のための組成物および方法は、本明細書を通して開示される成分またはステップのいずれかを「含む」、「から本質的になる」、または「からなる」ことができる。本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「含む(comprising)」(および「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの任意の形態の含む)、「有する(having)」(および「有する(have)」および「有する(has)」などの任意の形態の有する)、「含む(including)」(および「含む(includes)」および「含む(include)」などの任意の形態の含む)、または「含有する(containing)」(および「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などの任意の形態の含有する)という用語は、包括的またはオープンエンドであり、本発明の成分を含むことができ、本明細書に説明される他の成分または要素を排除しない。「1つの(aまたはan)」という単語の使用は、特許請求の範囲および/または明細書において「含む(comprising)」という用語と併せて使用される場合、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つより多く」の意味とも一致する。本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、本発明が、特許請求の範囲に記載される成分に加えて成分を含み得ることを意味するが、追加の成分が、特許請求される発明の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない場合のみである。全般的に、このような添加剤は、全く存在しないか、または微量でのみ存在し得る。しかし、組成物の有用性(有用性の程度とは対照的に)が維持される限り、本発明の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させ得る材料を約10重量%まで含むことが可能であり得る。
【0017】
本明細書に記載される全ての範囲は、2つの値「間」の範囲を記載するものを含む、端点を含む。「約(about)」、「概ね(generally)」、「実質的に(substantially)」などの用語は、絶対的ではないように用語または値を修飾するものとして解釈されたい。そのような用語は、それらの用語が当業者によって理解されるように、それらが修飾する状況および用語によって定義される。非限定的な一実施形態では、この用語は、5%以内であると定義される。「実質的に」という用語およびその変形は、当業者によって理解されるように、必ずしも完全にではないが、大部分が特定されるものとして規定され、1つの非限定的実施形態では、実質的には、0.01%~5%以内の範囲を指す。
【0018】
本明細書は、本発明を特に示し、明確に特許請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
乾燥皮膚を処置するための組成物(「組成物」)の実施形態は、適切な油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中に、治療的に活性濃度の皮膚保護脂質の混合物を含む。組成物は、好ましくは、軟膏の形態である(「軟膏」および「組成物」という用語は、本明細書中で交換可能に使用される)。しかしながら、1つ以上の実施形態において、組成物は、ゲルの形態であってもよい。
【0019】
組成物/軟膏は、眼瞼、眼瞼縁、および目の領域の周囲(本明細書では「目領域」とも呼ばれる)を含む、目の周囲の皮膚への適用が意図される。軟膏は、皮膚に潤いを与え、皮膚を刺す、灼熱感を与える、または剥離させることなく炎症およびかゆみを軽減することができる保護的な閉塞性の層を形成することによって、目領域の周囲の皮膚を乾燥、刺激、および不快感から保護し、その緩和を提供することができる。
【0020】
皮膚保護脂質は、スフィンゴ脂質を1つ以上の他の脂質または油と組み合わせて含む脂質混合物を含み得る。スフィンゴ脂質は、皮膚の軟化、および炎症からの保護による治癒の増強という二重の作用を提供する。スフィンゴ脂質は、スフィンゴシンまたは関連する塩基、極性頭部基およびそのアミノ基で骨格に結合した長い飽和または一価不飽和脂肪酸を含む複合脂質である。スフィンゴ脂質は、皮膚バリアを強化し、経皮水分損失を調節することができる。一実施形態では、組成物中のスフィンゴ脂質の総濃度は、0.25%~1%w/wの範囲である。
【0021】
好ましくは、スフィンゴ脂質は、フィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンHCl、ジヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、スフィンゴミエリン、スフィンゴ糖脂質、ならびにそれらの誘導体および混合物からなる群から選択される。
【0022】
PSGは、皮膚の最外層である角質層に天然に存在する活性成分である。PSG HClは、皮膚と同一のPSGの塩であり、サリチロイル-PSGは、サリチル酸と共有結合した皮膚と同一のPSGの誘導体である。PSGおよびその誘導体は、皮膚上の微生物の増殖を阻害し、皮膚を鎮静化することによって発赤および炎症を起こした皮膚を減少させることができ、非常に低い濃度で活性である。PSGはまた、皮膚の保湿を増加させるために、外側表皮の天然脂質層を模倣する水結合剤である。PSGおよびその誘導体の使用は、皮膚をアレルゲンおよび刺激物から保護し、水分を閉じ込めるのを助ける皮膚のバリア機能を高める。有益なことに、PSGおよびその誘導体は、抗菌特性および創傷治癒特性の両方を有し、そしてそれらは、0.1%程度の低い濃度で活性な抗炎症剤として作用する。
【0023】
典型的には、スキンケア組成物中のPSG濃度は、溶解度によって制限される。より高濃度のPSGは、組成物の全体的な有効性を高めることができるが、溶解していないPSG混合物は、不健康な皮膚に対して、さらなる刺痛、灼熱感、または刺激を引き起こす。したがって、目の周囲で使用するための新規なPSG製剤の主な課題は、高濃度での成分の完全な溶解である。特定の実施形態では、組成物は、高濃度の約0.25%~約1.0%w/wのPSGまたはPSG HClを含む。本発明者らは、これらの高レベルのPSG/PSG HClの完全な溶解が、親水性共溶媒の相乗作用によって油性基剤中で促進されたことを見出した。適切な親水性溶媒には、グリセリン、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコール(例えば、PEG400または600)、エタノール、イソプロパノール、ならびにそれらの誘導体および混合物が含まれる。親水性溶媒は、約1重量%~5重量%の範囲で組成物中に存在し得る。
【0024】
1つ以上の他の脂質または油は、皮膚の水和を増加させ、皮膚の保護バリア機能を強化し、それによって乾燥および刺激を減少させる。他の脂質または油は、トリグリセリド、セラミド、糖脂質、リン脂質、鉱油、スクアラン、ヒマワリ油、綿実油、アマニ油、ならびにそれらの誘導体および混合物からなる群より選択され得るが、これらに限定されない。1つ以上の他の脂質の各々の総濃度は、15%~30%w/wの範囲内である。
【0025】
トリグリセリドは、グリセロールおよび3つの脂肪酸から誘導されるエステルである。これらは、ヒトの体脂肪の主要な構成要素の1つであり、ヒトの皮膚油の主要な成分である。飽和および不飽和タイプを含む多くのタイプのトリグリセリドが存在する。他の脂質と同様に、トリグリセリドは、皮膚バリアを強化し、水分を閉じ込め、環境からの皮膚細胞損傷に抵抗するのを助けることができる。1つ以上の実施形態では、軟膏は、ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、オレイン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、アルガン油、およびこれらの混合物からなる群から選択されるトリグリセリドを含む。例示的な実施形態において、軟膏は、ヒマシ油およびPSG HClを含む。
【0026】
セラミドは、皮膚の表皮層の角質層の主成分であるワックス状脂質分子である。それらは、皮膚の外観および皮膚が環境にどのように応答するかにおいて極めて重要な役割を果たす。セラミドは、保護層を形成することによって皮膚を一緒に保持するのを助け、それによって水分損失を制限し、汚染または他の環境ストレッサーから保護する。スフィンゴ脂質、特にフィトスフィンゴシンは、皮膚がより多くのセラミドを産生するのを助けることができる。
【0027】
糖脂質は、炭水化物結合を有する脂質であり、様々な植物および動物源に由来する。セラミドのような糖脂質は、細胞膜の安定性を維持するのに役立つ。セラミドは典型的には抽出または合成するのに費用がかかるので、糖脂質はセラミドの良好な代替物であり得る。糖脂質は、植物源から比較的容易に抽出され、したがって、より安価な溶液でありながら、セラミドと同様の有効性を依然として維持する。
【0028】
リン脂質は、皮膚にバリアを提供し、皮膚を処置することを目的とする任意の活性成分を封じ込める。リン脂質は、親水性頭部および疎水性尾部を有するものとして説明される脂質分子の一種である。この二重の性質は、リン脂質が水を引きつけ、それを吸収することを意味し、これは、皮膚を水和された状態に保つのに重要な成分である。リン脂質は、皮膚にバリアを提供し、皮膚の天然脂質を模倣することによって第2の皮膚のように作用して、皮膚に添加された任意の製品を密封する。このようにして、リン脂質は、水和成分が皮膚に浸透するのを助けることができ、活性成分が皮膚の深部に送達されることを確実にすることができる。さらに、リン脂質は、水分を保持するのに役立ち、それによって皮膚の乾燥を低減することができる。リン脂質は、2つの脂肪酸、リン酸基、およびグリセロール分子から構成される。リン脂質は、単純脂質および他の脂溶性細胞成分とは区別される複合脂質である。
【0029】
組成物はまた、組成物が皮膚に適用されたときに成分の分布を促進するように、組成物成分の希釈剤、分散剤、または担体として作用する皮膚科学的に許容されるビヒクルを含むことができる。ビヒクルは、油性ビヒクル(例えば、ワセリン、白色ワセリン、黄色軟膏、および白色軟膏)または水性ビヒクル(例えば、蒸溜水および脱イオン(DI)水)のいずれかであり得る。油性ビヒクルは、皮膚の表面上に物理的バリアを作り出して、皮膚を外部の攻撃物から保護し、水分損失を防ぐのに役立つという追加の利点を有する。特定の実施形態では、組成物中のビヒクルは、白色ワセリンまたはDI水であり得る。例示的な実施形態では、ビヒクルは白色ワセリンである。白色ワセリンは、組成物中に約65重量%~75重量%の範囲で存在する。
【0030】
軟膏は、PEG-150ジステアレート、PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレート、ジステアレート-75 IPDI、グリセリルステアレート;PEG-100ステアレート、セテアレス-20、ならびにそれらの誘導体および混合物からなる群から選択される乳化剤をさらに含むことができる。乳化剤は、組成物中に約1重量%~10重量%の範囲で存在する。
【0031】
軟膏は、ミリスチン酸イソプロピル、グリセリン、プロピレングリコール、鉱油、ココナッツ油、DL-パンテノール、またはそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の保湿剤をさらに含むことができる。保湿剤は、3つの主なカテゴリーに分類することができる:ヒューメクタント(humectant)(グリセリン、プロピレングリコール、スクアラン、およびヒマシ油など)、エモリエント(emollient)(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、オレイン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、およびココナッツ油など)、およびオクルーシブ(occlusive)(鉱油、シリコーン油、およびアルガン油など)。保湿剤の3つのカテゴリーの各々は、異なる機能を有する:ヒューメクタントは、吸湿性のために水の保持を促進し、エモリエントは、皮膚を滑らかにし、柔らかくするのを助け、オクルーシブは、皮膚上に保護バリアを作り出して水分の損失を防ぐ。組成物中の1つ以上のエモリエントの総濃度は、各0.01%~10%w/wの範囲である。
【0032】
選択されたビヒクルに不溶性である成分の溶解を助けるために、有機溶媒を組成物に添加してもよい。適切な有機溶媒は、イソプロパノールおよびエタノールなどの低分子量のアルコールである。低分子量アルコールは、組成物が皮膚上でより軽く感じられるのを助け、迅速に硬化し、冷却効果を与えることができる。
【0033】
組成物は、界面活性剤、増粘剤、保存剤、抗酸化剤、キレート剤、緩衝剤、およびそれらの混合物からなる群から選択されるが、これらに限定されない1つ以上の他の成分をさらに含むことができる。
【0034】
組成物の安定化および乳化を助けるために、1つ以上の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の乳化特性は、組成物の分離を防止することによって組成物を安定化させる。適切な界面活性剤は、好ましくは、ポリソルベート20、Brij52、PEG-75ラノリン、およびTEGO Care 165(ステアリン酸グリセリル(および)ステアリン酸PEG-100)などの非イオン性界面活性剤である。他の例示的な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルコキシスルホネート、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セタルコニウム、および他の界面活性剤を挙げることができる。
【0035】
好ましい粘度を達成するために、増粘剤を組成物に添加してもよい。増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、およびSensogel(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。組成物の粘度は、10.0~50,000cpsの範囲であることができる。
【0036】
組成物は、微生物によって引き起こされる組成物への損傷を防止するために、抗菌特性を有する保存剤を含み得る。適切な保存剤としては、フェノキシエタノール、パラベン(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、およびブチルパラベン)、安息香酸/安息香酸ナトリウム、ソルビン酸/ソルビン酸カリウム、レブリン酸、およびアニス酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
酸素への曝露によって引き起こされる損傷および分解に対して組成物を保護するために、そしてフリーラジカルの損傷効果から皮膚を保護するために、抗酸化剤が組成物に添加され得る。抗酸化剤としては、緑茶抽出物、紅茶抽出物などのポリフェノール類、レスベラトロール(resveratrol)、コエンザイムQ10、クルクミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。抗酸化剤としては、酢酸トコフェリル、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートすなわちTPGS、ブチル化ヒドロキシトルエンすなわちBHT、ブチル化ヒドロキシアニソールすなわちBHA、没食子酸プロピル、スーパーオキシドジスムターゼ、第三級ブチルヒドロキノンすなわちTBHQも挙げることができる。
【0038】
金属汚染の影響に対して組成物を安定化させるのを助けるために、キレート剤をすることができる。キレート剤は、金属イオンと結合して、金属イオンが組成物中の任意の他の成分と化学的に反応することを防止する。適切なキレート剤としては、限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、EDTA三ナトリウム、アルブミン、トランスフェリン、デスフェリオキサミン、デスフェラール、メシル酸デスフェリオキサミン、EDTA四ナトリウム、およびEDTA二カリウム、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0039】
pHを所望のレベルに調整するために、緩衝剤を組成物に添加することができる。緩衝剤は、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、トリス緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤、アンモニウム塩緩衝剤を含むことができる。例えば、緩衝剤としては、重炭酸ナトリウム、酢酸、アジピン酸、ホウ酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、尿酸、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸カルシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、ジメチルMeA、エタノールアミン、トリエタノールアミン、およびトロメタミンが挙げられ得るが、これらに限定されない。組成物は、3.0~9.0の範囲のpHを有する。好ましくは、pH範囲は約4~約8である。高いpHレベルは、皮膚を乾燥させ、かゆくする可能性があるため、組成物のpHを最適な範囲に維持することが重要である。製品がアルカリ性または中性である場合、角質層(皮膚の最上層)が破壊され、連続的に皮膚のバリア(保護)機能を損なう。これは、乾燥をもたらし、抗菌防御を低下させ、皮膚感受性および炎症を増加させ得る。皮膚は、わずかに酸性のバランスに傾き、したがって、弱酸性の製品を適用することにより、皮膚を鎮静させることができ、これにより、より良好な水分保持および皮膚バリアの強化が可能になる。
【0040】
組成物は、軟膏、ゲル、スプレー、クリーム、ローション、フォーム、または予め湿らせたワイプであるように製剤化することができる。好ましい実施形態において、組成物は、粘性の軟膏またはゲルとして製剤化される。
【0041】
一実施形態では、軟膏は、約65%~75%の白色ワセリンに溶解した、約15%~30%のヒマシ油、約1%~10%のPEG-150ジステアレート、約1%~5%のプロピレングリコール、約0.25%~1%のフィトスフィンゴシンHClを含むことができる。軟膏は、増粘剤、保存剤、抗酸化剤、キレート剤、緩衝剤、界面活性剤、およびそれらの混合物をさらに含むことができる。
【0042】
別の実施形態において、軟膏は、0.5~0.75%w/wの濃度のスフィンゴ脂質(例えば、PSGまたはPSG HCl);0.1~10%w/wの濃度の油(例えば、中鎖トリグリセリド);各々0.1~7%w/wの濃度の1種以上の保湿剤(例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、およびミリスチン酸イソプロピル);1~3.25%w/wの濃度の溶媒(例えば、エタノールまたはイソプロパノール);各々0.1~5%w/wの濃度の1種以上の界面活性剤(例えば、TEGO Care 165およびポリソルベート20);1.5~5%w/wの濃度の増粘剤(例えば、Sensogel(商標)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース);各々0.001~2%w/wの濃度の1種以上の保存剤(例えば、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、メチルパラベン、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリリジン、フェニルエチルアルコール、セトリミド、ポリクオタニウム保存剤);および組成物の100%に達するのに必要な濃度のビヒクル(例えば、白色ワセリンまたはDI水)を含む。
【0043】
1つの特定の実施形態において、組成物は、約:0.25~1重量%のフィトスフィンゴシンまたはフィトスフィンゴシンHCl、0.01~10重量%の中鎖トリグリセリド、0.10重量%のプロピレングリコール、0.10重量%のグリセリン、6重量%のミリスチン酸イソプロピル、2.5~3.25重量%のエタノール、4重量%のTEGO Care 165、0.10~0.50重量%のポリソルベート20、1.5~5重量%のSensogel(商標)、0.01~0.015重量%のプロピルパラベン、0.10重量%のメチルパラベン、および100重量%まで添加される白色ワセリンを含む。
【0044】
別の特定の実施形態において、組成物は、約:0.25~1重量%のフィトスフィンゴシンまたはフィトスフィンゴシンHCl、0.01重量%の中鎖トリグリセリド、1~7重量%のプロピレングリコール、5重量%のプロピレングリコール、3重量%のミリスチン酸イソプロピル、2.5重量%のエタノール、1重量%のイソプロパノール、5重量%のポリソルベート20、3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、2重量%のフェノキシエタノール、および100重量%まで添加されるDI水を含む。
【0045】
成分濃度は、不均一な懸濁液とは対照的に、製剤内で各々を完全に可溶化するように最適化されている。有利なことに、有機かつ親水性の共溶媒を水性または油性ビヒクルと組み合わせることの相乗作用は、そうでなければ高濃度で可溶化することが困難な成分の溶解を可能にする。例えば、先に説明したように、高濃度では、PSGは、純粋に水性または油性のビヒクル中に溶解または分散させることが困難であり、その後、組成物をざらつかせ、目に対して刺激性にする。有機かつ親水性の共溶媒、ならびにそれらのそれぞれの濃度を最適化することによって、本発明は、製剤成分を完全に可溶化し、使用者が好む質感を促進するバランスを達成する。
【0046】
粘度は10.0~50,000cpsの範囲である。軟膏は、3.0~9.0、好ましくは4.0~7.0のpHを有する。1つ以上の実施形態において、軟膏は、メイクアップ除去剤として使用することができる。
【実施例】
【0047】
軟膏の重量に対して、約15%~30%のヒマシ油、約1%~10%のPEG-150ジステアレート、約1%~5%のプロピレングリコール、約0.25%~1%のフィトスフィンゴシンHCl、および約65%~75%の白色ワセリンを有する軟膏の小バッチを、以下に説明されるように調製した。
【0048】
フィトスフィンゴシンHClおよびプロピレングリコールをビーカー中で一緒に混合した。混合物を、完全に溶解するまで、撹拌プレート上の撹拌棒を使用して500RPMで撹拌した。溶解を助けるために、混合物をさらに50℃に温めた。
【0049】
PEG-150-ジステアレートおよびヒマシ油をより大きな容器、好ましくは最終混合容器に添加した。容器を70℃±5℃に加熱し、オーバーヘッドミキサーを使用して、約500RPMで適度に撹拌しながら内容物を混合した。混合および加熱を継続しながら、フィトスフィンゴシンHClおよびプロピレングリコール混合物を容器に添加した。均一な溶液が形成されるまで混合を継続した。
次いで、加熱を停止したが、溶液を連続的に混合した。次いで、溶融した白色ワセリンを溶液にゆっくりと添加した。これに続いて、約1000rpmで高速撹拌しながらさらに混合した。次いで、得られた軟膏を室温にした。次いで、冷却した軟膏を清浄な風袋計量済みの軟膏容器に移した。
【0050】
一実施形態によれば、眼瞼、眼瞼縁、および目の周囲の領域上の乾燥、刺激、および不快感から保護し、その緩和を提供するための方法は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態による組成物を提供することを含む。治療的に有効な量の組成物は、影響を受けた目の領域上の無傷の皮膚に局所的に適用されて、乾燥した皮膚に対して即時かつ長期の鎮静作用を提供し得る。組成物は、医師によって処方される設定された期間および頻度で適用され得る。この組成物はまた、病院、医院、およびホームヘルスケア提供者において患者に投与され得る。
【0051】
白色ワセリン基剤中にヒマシ油、PEG-150ジステアレート、プロピレングリコール、およびフィトスフィンゴシンHClを有する軟膏を、有効性について試験した。既知の皮膚感受性または現在の皮膚状態を有さない成人対象が試験に参加した。対象に、彼らの手を洗浄し、清潔な指先に軟膏の小さな2mmのビーズを置くように伝えた。目を閉じた状態で、眼窩周囲領域に軟膏を塗布するように指示した。対象には、軟膏を目に直接適用しないように厳格な指示を与えた。対象に、1日8時間、5日間、必要に応じた頻度で軟膏を塗布するように指示し、アンケートを使用して、1日に何回軟膏を使用したかを追跡するように求めた。アンケートは、眼瞼および目の領域の乾燥および刺激の一時的な緩和を提供する軟膏の有効性を評価するのに役立つように設計された。アンケートは、2つの態様:製品の使用と、鎮静、保湿、柔軟化、および非刺激性であることに関する製品の経験とを含んだ。5日間の試験期間の終わりに、専門の評価者がアンケートを評価した。結果は以下のように要約することができる。16人の対象が試験を完了した。回答者の大部分は、製品の肯定的なレビューを有し、100%が、製品が鎮静性、保湿性および柔軟性であることに合意した。対象の90%以上が、製品が非刺激性であることを示した。試験設計、アンケート、患者スクリーニング、および結果の編集は、テキサスの調剤薬局によって行われた。
【0052】
本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書に開示される発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示的なものにすぎないと考えられることが意図されている。
【国際調査報告】