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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】角膜内光学インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/14 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
A61F2/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517062
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022075851
(87)【国際公開番号】W WO2023041747
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,384
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/351,480
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】524101939
【氏名又は名称】イン-カー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブシン,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】エリアチャー,エリアフ
(72)【発明者】
【氏名】ユー,アンジェリ クリスティ
(72)【発明者】
【氏名】リラチ,ニール
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァン,ロン マイケル
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA24
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC13
4C097DD01
4C097DD09
4C097DD10
4C097SA10
(57)【要約】
角膜内に埋め込まれる角膜インプラントであって、(i)インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部(222)、(ii)内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアーム(204)を備えた周辺部、及び(iii)インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備えた面状体を画定し、1つ以上の角度的に離間したアームが内側プラットフォームと周辺スカート部との間を接続する角膜インプラントと、眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、内側プラットフォーム部に装着され、画像投影光ビームを、生成した画像に基づいて、後方に眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器とを備えたデバイス(120)。
【選択図】図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合され、前記角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する面状体を画定する角膜内インプラントを備えたデバイスであって、前記角膜内インプラントが、
(i)前端を有し、前記角膜を通って後端まで軸方向に延びる光学ステムを備えた中央光学部と、
(ii)前記中央光学部から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えた周辺触覚部とを備え、
前記角膜内インプラントが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記前端が実質的に前記眼の前面に位置し、前記後端が前記後端の後方に位置する角膜組織の薄層と当接するか又は実質的に接触係合するデバイス。
【請求項2】
前記光学ステムが、画像を後方に、前記角膜組織の薄層を通って、前記眼の網膜上に投影するように構成される、請求項1のデバイス。
【請求項3】
前記前端が受光端であり、前記光学ステムが、眼外光源からの前記前端で受け取った光を、前記光学ステムを通り前記角膜組織の薄層を通って、前記眼の前記網膜上へ透過させるように配向された光透過性経路を画定する、請求項2のデバイス。
【請求項4】
前記光学ステムが、眼外源から画像データ信号を受信し、画像を後方に、前記角膜組織の薄層を通って、前記眼の前記網膜上に投影するように構成された画像生成器を備える、請求項2のデバイス。
【請求項5】
前記光学ステムが少なくとも1つの光学レンズを備える、請求項1から4のいずれか一項のデバイス。
【請求項6】
前記角膜組織の薄層が実質的に透明である、請求項1から5のいずれか一項のデバイス。
【請求項7】
前記角膜組織の薄層が約10μmから約50μmの厚さを有する、請求項1から6のいずれか一項のデバイス。
【請求項8】
前記角膜組織の薄層が、少なくともその中央部分に、前記角膜のデスメ前層及びデスメ膜を含む、請求項1から7のいずれか一項のデバイス。
【請求項9】
前記角膜組織の薄層が更に、少なくとも前記その中央部分に前記角膜のデスメ膜を含む、請求項1から7のいずれか一項のデバイス。
【請求項10】
前記角膜組織の薄層が更に、少なくとも前記その中央部分に前記角膜の内皮層を含む、請求項8又は9のデバイス。
【請求項11】
前記角膜組織の薄層が、前記眼内に全層角膜穿孔により形成された貫通凹部内における前記眼内への外科的埋め込みのために構成された角膜組織スキャフォールドの一部である、請求項1から10のいずれか一項のデバイス。
【請求項12】
前記角膜組織の薄層が、前記角膜組織スキャフォールドの中央の実質的に透明な領域を形成する、請求項11のデバイス。
【請求項13】
前記角膜組織スキャフォールドが、脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、及び滅菌のうちの少なくとも1つを用いて前処理される、請求項11又は12のデバイス。
【請求項14】
前記触覚のそれぞれが、前記デバイスが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記デバイスの前記角膜組織への固定及び適応を促すように構成された少なくとも1つの開口部を備える、請求項1から13のいずれか一項のデバイス。
【請求項15】
前記角膜内インプラントが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記前端の少なくとも一部分が前記眼の前記前面から露出される、請求項1から14のいずれか一項のデバイス。
【請求項16】
前記前端が、少なくとも1つの外部光学素子を装着するように構成される、請求項15のデバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つの外部光学素子が、前記前端に取り外し可能に装着される、請求項16のデバイス。
【請求項18】
眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合され、前記角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する面状体を画定する角膜内インプラントであって、
(i)前端を有し、前記角膜を通って後端まで軸方向に延びる光学ステムを備えた中央光学部と、
(ii)前記中央光学部から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えた周辺触覚部と
を備えた角膜内インプラントを設けること、及び
前記前端が実質的に前記眼の前面に位置し、前記後端が前記後端の後方に位置する角膜組織の薄層と接触係合するように、前記角膜内インプラントを前記角膜内に埋め込むことを含む方法。
【請求項19】
前記光学ステムが、画像を後方に、前記角膜組織の薄層を通って、前記眼の網膜上に投影するように構成される、請求項18の方法。
【請求項20】
前記前端が受光端であり、前記光学ステムが、眼外光源からの前記前端で受け取った光を、前記光学ステムを通り前記角膜組織の薄層を通って、前記眼の前記網膜上へ透過させるように配向された光透過性経路を画定する、請求項19の方法。
【請求項21】
前記光学ステムが、眼外源から画像データ信号を受信し、画像を後方に、前記角膜組織の薄層を通って、前記眼の前記網膜上に投影するように構成された画像生成器を備え、前記方法が更に、前記画像生成器によって、眼外源から画像データ信号を受信すること、及び前記画像を後方に、前記角膜組織の薄層を通って、前記眼の前記網膜上に投影することを含む、請求項19の方法。
【請求項22】
前記光学ステムが少なくとも1つの光学レンズを備える、請求項18から21のいずれか一項の方法。
【請求項23】
前記角膜組織の薄層が実質的に透明である、請求項18から22のいずれか一項の方法。
【請求項24】
前記角膜組織の薄層が約10μmから約50μmの厚さを有する、請求項18から23のいずれか一項の方法。
【請求項25】
前記角膜組織の薄層が、少なくともその中央部分に、前記角膜のデスメ前層及びデスメ膜を含む、請求項18から24のいずれか一項の方法。
【請求項26】
前記角膜組織の薄層が更に、少なくとも前記その中央部分に、前記角膜のデスメ膜を含む、請求項18から24のいずれか一項の方法。
【請求項27】
前記角膜組織の薄層が更に、少なくとも前記その中央部分に、前記角膜の内皮層を含む、請求項25又は26の方法。
【請求項28】
前記角膜組織の薄層が、前記眼内に全層角膜穿孔により形成された貫通凹部内における前記眼内への外科的埋め込みのために構成された角膜組織スキャフォールドの一部である、請求項18から27のいずれか一項の方法。
【請求項29】
前記角膜組織の薄層が、前記角膜組織スキャフォールドの中央の実質的に透明な領域を形成する、請求項28の方法。
【請求項30】
前記角膜組織スキャフォールドが、脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、除染、及び滅菌のうちの少なくとも1つを用いて前処理される、請求項11から29のいずれか一項の方法。
【請求項31】
前記触覚のそれぞれが、前記角膜内インプラントが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記角膜内インプラントの前記角膜組織への固定及び適応を促すように構成された少なくとも1つの開口部を備える、請求項18から30のいずれか一項の方法。
【請求項32】
前記角膜内インプラントが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記前端の少なくとも一部分が前記眼の前記前面から露出される、請求項18から31のいずれか一項の方法。
【請求項33】
前記前端が、少なくとも1つの外部光学素子を装着するように構成される、請求項32の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つの外部光学素子が、前記前端に取り外し可能に装着される、請求項33の方法。
【請求項35】
角膜組織の薄層を含む後端を有する凹部を画定する中央部であって、前記角膜組織の薄層が、少なくともデスメ前層及びデスメ膜、又は少なくとも前記デスメ前層を含む中央部と、
前記凹部を取り囲む角膜組織の周辺部であって、角膜の実質の後層、前記デスメ前層、前記デスメ膜、及び内皮層のうちの1つ以上を含む周辺部と
を備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイスであって、
前記埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドが、
(i)角膜において、前記角膜の深部後部実質と前記デスメ前層又は前記デスメ前層と前記デスメ膜を分離する深層層状切開を実行すること、
(ii)前記角膜において、前記角膜の前記実質の前層の部分的穿孔及び除去を実行すること、
(iii)前記角膜の深部後部実質の中央部を除去して前記凹部を作成すること、及び
(iv)全層穿孔を実行して、前記中央部及び前記周辺部を備えた前記埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス全体を前記角膜から除去すること
によって作製される、埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項36】
前記角膜組織スキャフォールドデバイスが5から11mmの直径を有する、請求項35の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項37】
前記角膜組織の薄層が10μmから50μmの厚さを有し、前記周辺部が100μmから500μmの厚さを有する、請求項35又は36の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項38】
前記角膜組織の薄層が実質的に透明である、請求項35から37のいずれか一項の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項39】
前記角膜がドナー角膜である、請求項35から38のいずれか一項の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項40】
前記凹部が3mmから7mmの直径を有する、請求項35から39のいずれか一項の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項41】
前記深層層状切開が、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開、及び手動切開のうちの1つ以上を用いて行われる、請求項35から40のいずれか一項の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項42】
前記角膜の前記実質の前記除去した前層が100から400μmの厚さを有する、請求項35から41のいずれか一項の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項43】
前記角膜組織スキャフォールドデバイスが、全層穿孔により眼内に形成された貫通凹部内において前記眼内に埋め込むように構成される、請求項35から42のいずれか一項の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項44】
前記角膜組織スキャフォールドデバイスが、脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、除染、及び滅菌のうちの少なくとも1つを用いて前処理される、請求項35から43のいずれか一項の埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス。
【請求項45】
角膜組織の薄層を含む後端を有する凹部を画定する中央部であって、前記角膜組織の薄層が、少なくともデスメ前層及びデスメ膜、又は少なくとも前記デスメ前層を含む中央部と、前記凹部を取り囲む角膜組織の周辺部であって、角膜の実質の後層、前記デスメ前層、前記デスメ膜、及び内皮層のうちの1つ以上を含む周辺部とを備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドを、
(i)角膜において、前記角膜の深部後部実質と前記デスメ前層又は前記デスメ前層と前記デスメ膜を分離する深層層状切開を実行すること、
(ii)前記角膜において、前記角膜の前記実質の前層の部分的穿孔及び除去を実行すること、
(iii)前記角膜の深部後部実質の中央部を除去して前記凹部を作成すること、及び
(iv)全層穿孔を実行して、前記中央部及び前記周辺部を備えた前記埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス全体を前記角膜から除去すること
によって作製することを含む方法。
【請求項46】
前記角膜組織スキャフォールドデバイスが5から11mmの直径を有する、請求項45の方法。
【請求項47】
前記角膜組織の薄層が10から50μmの厚さを有し、前記周辺部が100から500μmの厚さを有する、請求項45又は46の方法。
【請求項48】
前記角膜組織の薄層が実質的に透明である、請求項45から47のいずれか一項の方法。
【請求項49】
前記角膜がドナー角膜である、請求項45から48のいずれか一項の方法。
【請求項50】
前記凹部が3mmから7mmの直径を有する、請求項45から49のいずれか一項の方法。
【請求項51】
前記深層層状切開が、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開、及び手動切開のうちの1つ以上を用いて行われる、請求項45から50のいずれか一項の方法。
【請求項52】
前記角膜の前記実質の前記除去した前層が100から400μmの厚さを有する、請求項45から51のいずれか一項の方法。
【請求項53】
全層穿孔により眼内に形成された貫通凹部内において、前記角膜組織スキャフォールドデバイスを前記眼内に埋め込むことを更に含む、請求項45から52のいずれか一項の方法。
【請求項54】
前記角膜組織スキャフォールドデバイスを、脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、除染、及び滅菌のうちの少なくとも1つを用いて前処理することを更に含む、請求項45から53のいずれか一項の方法。
【請求項55】
角膜組織の薄層を含む後端を有する凹部を画定する中央部であって、前記角膜組織の薄層が、少なくともデスメ前層及びデスメ膜、又は少なくとも前記デスメ前層を含む中央部と、前記凹部を取り囲む角膜組織の周辺部であって、角膜の実質の後層、前記デスメ前層、前記デスメ膜、及び内皮層のうちの1つ以上を含む周辺部とを備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドと、
前記角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する面状体を画定する角膜内インプラントであって、
(i)前端を有し、前記角膜を通って後端まで軸方向に延びる光学ステムを備えた中央光学部と、
(ii)前記中央光学部から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えた周辺触覚部と
を備えた角膜内インプラントとを備え、
前記角膜内インプラントが、前記後端が前記角膜組織の薄層と当接するか又は接触係合するように、前記埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイスに装着されるシステム。
【請求項56】
前記角膜内インプラント上の所定の位置に縫合された前角膜ラメラ層を更に備えた、請求項55のシステム。
【請求項57】
前記システムが、眼内に全層角膜穿孔により形成された貫通凹部内への外科的埋め込みが意図されている、請求項56のシステム。
【請求項58】
眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、
(i)前記インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び
(ii)前記内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部
を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、
眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、
前記受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、
前記内側プラットフォーム部に装着され、前記生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に前記眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器と、を備えたデバイス。
【請求項59】
前記インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を更に備え、前記1つ以上の角度的に離間したアームが前記内側プラットフォームと前記周辺スカート部との間を接続する、請求項58のデバイス。
【請求項60】
前記無線通信回路が受信誘導コイルを備える、請求項58又は59のデバイス。
【請求項61】
前記受信誘導コイルが更に、前記眼外ユニットから誘導的に電力を受け取るように構成される、請求項60のデバイス。
【請求項62】
前記無線通信回路が、前記画像データ信号を符号化する光ビームを受け取るように構成された光電池を備える、請求項58又は59のデバイス。
【請求項63】
前記光電池が更に前記光ビームから電力を受け取るように構成される、請求項62のデバイス。
【請求項64】
前記受信した画像データ信号を保存するためのメモリストレージを更に備えた、請求項58から63のいずれか一項のデバイス。
【請求項65】
前記画像生成器が、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイデバイスを備える、請求項58から64のいずれか一項のデバイス。
【請求項66】
前記画像生成器が、眼外照明源によって照明されるように構成された液晶ディスプレイデバイスを備える、請求項58から64のいずれか一項のデバイス。
【請求項67】
前記周辺スカート部、前記内側プラットフォーム部、及び少なくとも1つのアームが、前記面状体に少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの開口部が、前記デバイスが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記デバイスの前記角膜組織への前記少なくとも1つの開口部を介した固定及び適応を容易にするように構成される、請求項58から66のいずれか一項のデバイス。
【請求項68】
前記画像生成器の後方に装着され、前記画像生成器と光学的に結合され、前記投影した画像の焦点を前記網膜に合わせるように構成された光学アセンブリを更に備えた、請求項58から67のいずれか一項のデバイス。
【請求項69】
前記インプラントの前記円形外周から外側に延びる少なくとも1つの触覚を更に備え、前記少なくとも1つの触覚が、前記円形外周に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備える、請求項58から68のいずれか一項のデバイス。
【請求項70】
眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、
(i)前記インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び
(ii)前記内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部
を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、
眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、
前記受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、
前記内側プラットフォーム部に装着され、前記生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に前記眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器と
を備えたデバイスを設けること、
前記デバイスの前記画像生成器の後方に透明な角膜組織が存在するか又は角膜組織が存在しないように、前記デバイスを眼の前記角膜に埋め込むこと、
前記無線通信回路によって前記画像データ信号を受信すること、
前記画像投影コントローラによって、前記受信した画像データ信号を処理して前記画像を生成すること、及び
前記画像生成器によって、前記画像を後方に前記眼の前記網膜上に投影することを含む方法。
【請求項71】
前記デバイスが更に、前記インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備え、前記1つ以上の角度的に離間したアームが前記内側プラットフォームと前記周辺スカート部との間を接続する、請求項70の方法。
【請求項72】
前記無線通信回路が受信誘導コイルを備える、請求項70又は71の方法。
【請求項73】
前記受信誘導コイルが更に、前記眼外ユニットから誘導的に電力を受け取るように構成される、請求項72の方法。
【請求項74】
前記無線通信回路が、前記画像データ信号を符号化する光ビームを受け取るように構成された光電池を備える、請求項70又は71の方法。
【請求項75】
前記光電池が更に前記光ビームから電力を受け取るように構成される、請求項74の方法。
【請求項76】
前記デバイスが前記画像データ信号を保存するためのメモリストレージを備える、請求項70から75のいずれか一項の方法。
【請求項77】
前記画像生成器が、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイデバイスを備え、前記生成することが、前記液晶ディスプレイデバイスによって前記画像を表す表示を生成することを含み、前記投影することが、前記液晶ディスプレイデバイスを照明して前記表示を前記眼の前記網膜上に投影するように前記照明器素子を動作させることを含む、請求項70から76のいずれか一項の方法。
【請求項78】
前記画像生成器が、眼外照明源によって照明されるように構成された液晶ディスプレイデバイスを備え、前記生成することが、前記液晶ディスプレイデバイスによって前記画像を表す表示を生成することを含み、前記投影することが、前記液晶ディスプレイデバイスを照明して前記表示を前記眼の前記網膜上に投影するように前記眼外照明源を動作させることを含む、請求項70から76のいずれか一項の方法。
【請求項79】
前記周辺スカート部、前記内側プラットフォーム部、及び少なくとも1つのアームが、前記面状体に少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの開口部が、前記デバイスが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記デバイスの前記角膜組織への前記少なくとも1つの開口部を介した固定及び適応を容易にするように構成される、請求項70から78のいずれか一項の方法。
【請求項80】
前記デバイスが、前記画像生成器の後方に装着され、前記画像生成器と光学的に結合され、前記投影した画像の焦点を前記網膜に合わせるように構成された光学アセンブリを備える、請求項70から79のいずれか一項の方法。
【請求項81】
前記デバイスが、前記インプラントの前記円形外周から外側に延びる少なくとも1つの触覚を備えており、前記少なくとも1つの触覚が、前記円形外周に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備える、請求項70から80のいずれか一項の方法。
【請求項82】
眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、
(i)前記インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び
(ii)前記内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部
を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、
眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、
前記受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、
前記内側プラットフォーム部に装着され、前記生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に前記眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器と
を備えたデバイスと、
視覚画像を取り込むための少なくとも1つの撮像デバイスと、
前記取り込んだ視覚画像をデジタル画像データとして処理し保存するための画像処理モジュールと、
前記無線通信回路を介して前記デジタル画像データを前記デバイスに送信するための無線通信モジュールと
を備えた眼外ユニットとを備えたシステム。
【請求項83】
前記デバイスが更に、前記インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備え、前記1つ以上の角度的に離間したアームが前記内側プラットフォームと前記周辺スカート部との間を接続する、請求項82のシステム。
【請求項84】
前記無線通信回路が受信誘導コイルを備え、前記無線通信モジュールが送信誘導コイルを備える、請求項82又は83のシステム。
【請求項85】
前記受信誘導コイルが更に、前記送信誘導コイルから誘導的に電力を受け取るように構成される、請求項84のシステム。
【請求項86】
前記無線通信モジュールが光ビーム源を備える、請求項82又は83のシステム。
【請求項87】
前記無線通信回路が、前記画像データ信号を符号化する光ビームを受け取るように構成された光電池を備え、前記光ビームが前記光ビーム源から発せられる、請求項86のシステム。
【請求項88】
前記光電池が更に、前記光ビームから電力を受け取るように構成される、請求項87のシステム。
【請求項89】
前記デバイスが、前記受信した画像データ信号を保存するためのメモリストレージを備える、請求項82から88のいずれか一項のシステム。
【請求項90】
前記画像生成器が、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイデバイスを備える、請求項82から88のいずれか一項のシステム。
【請求項91】
前記画像生成器が液晶ディスプレイデバイスを備え、前記眼外ユニットが、前記液晶ディスプレイデバイスに照明を提供するように構成された照明源を備える、請求項82から90のいずれか一項のシステム。
【請求項92】
前記照明源が、前記角膜内に埋め込まれるときに、障害層又は不透明層を横断し、前記デバイスに到達するのに十分な照明を発するように構成される、請求項91のシステム。
【請求項93】
前記周辺スカート部、前記内側プラットフォーム部、及び少なくとも1つのアームが、前記面状体に少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの開口部が、前記デバイスが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記デバイスの前記角膜組織への前記少なくとも1つの開口部を介した固定及び適応を容易にするように構成される、請求項82から92のいずれか一項のシステム。
【請求項94】
前記デバイスが、前記画像生成器の後方に装着され、前記画像生成器と光学的に結合され、前記投影した画像の焦点を前記網膜に合わせるように構成された光学アセンブリを備える、請求項82から93のいずれか一項のシステム。
【請求項95】
前記デバイスが、前記インプラントの前記円形外周から外側に延びる少なくとも1つの触覚を備えており、前記少なくとも1つの触覚が、前記円形外周に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備える、請求項82から94のいずれか一項のシステム。
【請求項96】
前記眼外ユニットのコンポーネントが、眼鏡フレーム、帽子、ヘルメット、及びヘッドバンドのうちの1つに装着される、請求項82から95のいずれか一項のシステム。
【請求項97】
眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、
(i)前記インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び
(ii)前記内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部
を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、
眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、
前記受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、
前記内側プラットフォーム部に装着され、前記生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に前記眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器と
を備えたデバイスと、
視覚画像を取り込むための少なくとも1つの撮像デバイスと、
前記取り込んだ視覚画像を処理してデジタル画像データを生成するための画像処理モジュールと、
前記無線通信回路を介して前記デジタル画像データを前記デバイスに送信するための無線通信モジュールと
を備えた眼外ユニットとを備えたシステムを設けること、
前記デバイスの前記画像生成器の後方に透明な角膜組織が存在するか又は角膜組織が存在しないように、前記デバイスを眼の前記角膜に埋め込むこと、
前記眼外ユニットの前記少なくとも1つの撮像デバイスによって、少なくとも1つの視覚画像を取り込むこと、
前記画像処理モジュールによって、前記少なくとも1つの取り込んだ視覚画像を処理して前記デジタル画像データを生成すること、
前記無線通信モジュールによって、前記画像データ信号を送信すること、
前記無線通信回路によって、前記画像データ信号を受信すること、
前記画像投影コントローラによって、前記受信した画像データ信号を処理して前記画像を生成すること、及び
前記画像生成器によって、前記画像を後方に前記眼の前記網膜上に投影することを含む方法。
【請求項98】
前記デバイスが更に、前記インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備えており、前記1つ以上の角度的に離間したアームが前記内側プラットフォームと前記周辺スカート部との間を接続する、請求項97の方法。
【請求項99】
前記無線通信回路が受信誘導コイルを備えており、前記無線通信モジュールが送信誘導コイルを備える、請求項97又は98の方法。
【請求項100】
前記受信誘導コイルが更に、前記送信誘導コイルから誘導的に電力を受け取るように構成される、請求項99の方法。
【請求項101】
前記無線通信モジュールが光ビーム源を備える、請求項97又は98の方法。
【請求項102】
前記無線通信回路が、前記画像データ信号を符号化する光ビームを受け取るように構成された光電池を備えており、前記光ビームが前記光ビーム源から発せられる、請求項101の方法。
【請求項103】
前記光電池が更に、前記光ビームから電力を受け取るように構成される、請求項102の方法。
【請求項104】
前記デバイスが、前記受信した画像データ信号を保存するためのメモリストレージを備える、請求項97から103のいずれか一項の方法。
【請求項105】
前記画像生成器が、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイデバイスを備え、前記生成することが、前記液晶ディスプレイデバイスによって前記画像を表す表示を生成することを含み、前記投影することが、前記液晶ディスプレイデバイスを照明して前記表示を前記眼の前記網膜上に投影するように前記照明器素子を動作させることを含む、請求項97から104のいずれか一項の方法。
【請求項106】
前記画像生成器が液晶ディスプレイデバイスを備えており、前記眼外ユニットが、前記液晶ディスプレイデバイスに照明を提供するように構成された照明源を備えており、前記生成することが、前記液晶ディスプレイデバイスによって前記画像を表す表示を生成することを含み、前記投影することが、前記液晶ディスプレイデバイスを照明して前記表示を前記眼の前記網膜上に投影するように前記照明源を動作させることを含む、請求項97から104のいずれか一項の方法。
【請求項107】
前記照明源が、前記角膜内に埋め込まれるときに、障害層又は不透明層を横断し、前記デバイスに到達するのに十分な照明を発するように構成される、請求項106の方法。
【請求項108】
前記周辺スカート部、前記内側プラットフォーム部、及び少なくとも1つのアームが、前記面状体に少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの開口部が、前記デバイスが前記角膜内に埋め込まれるときに、前記デバイスの前記角膜組織への前記少なくとも1つの開口部を介した固定及び適応を容易にするように構成される、請求項97から107のいずれか一項の方法。
【請求項109】
前記デバイスが、前記画像生成器の後方に装着され、前記画像生成器と光学的に結合され、前記投影した画像の焦点を前記網膜に合わせるように構成された1つ以上の集束光学系を備える、請求項97から108のいずれか一項の方法。
【請求項110】
前記デバイスが、前記外周から外側に延びる少なくとも1つの触覚を備えており、前記少なくとも1つの触覚が、前記外周に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備えており、前記埋め込むことが、前記少なくとも1つの触覚を操作することによって前記デバイスの前記角膜内における配置を調整することを含む、請求項97から109のいずれか一項の方法。
【請求項111】
前記眼外ユニットのコンポーネントが、眼鏡フレーム、帽子、ヘルメット、及びヘッドバンドのうちの1つに装着される、請求項97から110のいずれか一項の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2021年9月17日出願の「INTRACORNEAL IMPLANT FOR PROJECTING IMAGES ONTO THE RETINA」と題する米国仮特許出願第63/245,384号及び2022年6月13日出願の「INTRACORNEAL OPTICAL IMPLANT」と題する米国仮特許出願第63/351,480号の優先権の利益を主張し、いずれの内容もその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、眼に関するデバイス及び方法の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 角膜は、虹彩、瞳孔、及び前房を覆う眼球の透明な前方部分である。健康な角膜は、水晶体を通過する光の侵入を可能にする透明な窓として機能し、網膜上での画像の形成を可能にする。
【0004】
[0004] 角膜の混濁は、その透明性の不可逆的な損失を引き起こす可能性があり、その結果、重度の視覚障害が生じることがある。角膜混濁は、機械的外傷、化学的損傷、感染症、角膜や眼表面のその他のいくつかの疾患など、様々な原因による瘢痕によって発生する可能性がある。
【0005】
[0005] 重要なことは、角膜混濁は、それ以外は健康な眼に失明を引き起こし得ることである。完全な角膜混濁が存在しているにもかかわらず、角膜失明の眼は、機能的な網膜及び視神経を通る無傷の眼内視覚経路を保持する可能性がある。角膜疾患に続発する重度の視覚障害があっても、患者は依然としてかなりの潜在視力を有することがある。
【0006】
[0006] 角膜移植は伝統的に、不可逆的に混濁した角膜を角膜同種移植片に置き換えるために行われる。しかし、かなりの数の症例が、同種移植片拒絶反応及び移植片不全の高リスク特徴の存在により、角膜移植には不適格であるとみなされる。同種移植片拒絶反応のリスクを未然に防ぐために、人工角膜インプラントや人工角膜移植術などの代替外科治療が開発されてきたが、そのような処置は、デバイスの突出、レトロプロテーゼ膜形成、網膜剥離及び眼内炎を含むいくつかの合併症を伴う可能性がある。眼の外傷や火傷、眼の感染症、瘢痕性角結膜炎、角膜移植の複数回の失敗又は免疫疾患や眼表面疾患に続発する重大な角膜損傷を患っている患者において、長期にわたる視力リハビリテーションのための安全で効果的な外科治療はいまだにない。
【0007】
[0007] 関連技術の前述の例及びそれに関連する制限は、例示的なものであり、排他的なものではないことが意図されている。関連技術の他の制限は、明細書を読み、図面を検討することによって当業者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 以下の実施形態及びその態様は、範囲を限定するものではなく、例示及び説明を目的とするシステム、ツール及び方法と関連して説明及び図示される。
【0009】
[0009] ある実施形態では、眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜内インプラントであって、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する面状体を画定する角膜内インプラントを備えたデバイスであって、角膜内インプラントが、(i)前端を有し、角膜を通って後端まで軸方向に延びる光学ステムを備えた中央光学部と、(ii)中央光学部から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えた周辺触覚部とを備え、角膜内インプラントが角膜内に埋め込まれるときに、前端が実質的に眼の前面に位置し、後端が、後端の後方に位置する角膜組織の薄層と当接するか又は実質的に接触係合するデバイスが提供される。
【0010】
[0010] ある実施形態では、眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜内インプラントであって、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する面状体を画定し、(i)前端を有し、角膜を通って後端まで軸方向に延びる光学ステムを備えた中央光学部と、(ii)中央光学部から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えた周辺触覚部とを備えた角膜内インプラントを設けること、及び前端が実質的に眼の前面に位置し、後端が、後端の後方に位置する角膜組織の薄層と実質的に接触係合するように角膜内インプラントを角膜内に埋め込むことを含む方法も提供される。
【0011】
[0011] 一部の実施形態では、光学ステムは、画像を後方に、角膜組織の薄層を通って眼の網膜上に投影するように構成されている。
【0012】
[0012] 一部の実施形態では、前端は受光端であり、光学ステムは、眼外光源からの前端で受け取った光を、光学ステムを通り角膜組織の薄層を通って眼の網膜上へ透過させるように配向された光透過性経路を画定する。
【0013】
[0013] 一部の実施形態では、光学ステムは、眼外源から画像データ信号を受信し、画像を後方に、角膜組織の薄層を通って眼の網膜上に投影するように構成された画像生成器を備える。
【0014】
[0014] 一部の実施形態では、光学ステムは少なくとも1つの光学レンズを備える。
【0015】
[0015] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は実質的に透明である。
【0016】
[0016] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は約10~50μmの厚さを有する。
【0017】
[0017] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は、少なくともその中央部分に、角膜のデスメ前層及びデスメ膜を含む。
【0018】
[0018] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は更に、少なくともその中央部分に角膜のデスメ膜を含む。
【0019】
[0019] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は更に、少なくともその中央部分に角膜の内皮層を含む。
【0020】
[0020] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は、眼内に全層角膜穿孔により形成された貫通凹部内における眼内への外科的埋め込みのために構成された角膜組織スキャフォールドの一部である。
【0021】
[0021] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は、角膜組織スキャフォールドの中央の実質的に透明な領域を形成する。
【0022】
[0022] 一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドは、次の技術、すなわち脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、及び滅菌のうちの少なくとも1つを用いて前処理される。
【0023】
[0023] 一部の実施形態では、触覚のそれぞれは、デバイスが角膜内に埋め込まれるときに、デバイスの角膜組織への固定及び適応を容易にするために用いるように構成された少なくとも1つの開口部を備える。
【0024】
[0024] 一部の実施形態では、角膜内インプラントが角膜内に埋め込まれるときに、前端の少なくとも一部分が眼の前面から露出される。
【0025】
[0025] 一部の実施形態では、前端は、少なくとも1つの外部光学素子を装着するように構成される。
【0026】
[0026] 一部の実施形態では、少なくとも1つの外部光学素子は、前端に取り外し可能に装着される。
【0027】
[0027] ある実施形態では、角膜組織の薄層を含む後端を有する凹部を画定する中央部であって、角膜組織の薄層が、少なくともデスメ前層及びデスメ膜、又は少なくともデスメ前層を備える中央部と、凹部を取り囲む角膜組織の周辺部であって、角膜の実質の後層、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮層のうちの1つ以上を含む周辺部とを備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイスであって、埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドが、(i)角膜において、角膜の深部後部実質とデスメ前層、又はデスメ前層とデスメ膜を分離する深層層状切開を実行すること、(ii)角膜において、角膜の実質の前層の部分的穿孔及び除去を実行すること、(iii)角膜の深部後部実質の中央部を除去して凹部を作成すること、及び(iv)全層穿孔を実行して、中央部及び周辺部を備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス全体を角膜から除去することによって作製される埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイスが更に提供される。
【0028】
[0028] ある実施形態では、角膜組織の薄層を含む後端を有する凹部を画定する中央部であって、角膜組織の薄層が、少なくともデスメ前層及びデスメ膜、又は少なくともデスメ前層を備える中央部と、凹部を取り囲む角膜組織の周辺部であって、角膜の実質の後層、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮層のうちの1つ以上を含む周辺部とを備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドを、(i)角膜において、角膜の深部後部実質とデスメ前層、又はデスメ前層とデスメ膜を分離する深層層状切開を実行すること、(ii)角膜において、角膜の実質の前層の部分的穿孔及び除去を実行すること、(iii)角膜の深部後部実質の中央部を除去して凹部を作成すること、及び(iv)全層穿孔を実行して、中央部及び周辺部を備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイス全体を角膜から除去することによって作製する方法が更に提供される。
【0029】
[0029] 一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドデバイスは5~11mmの直径を有する。
【0030】
[0030] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は10~50μmの厚さを有し、周辺部は100~500μmの厚さを有する。
【0031】
[0031] 一部の実施形態では、角膜組織の薄層は実質的に透明である。
【0032】
[0032] 一部の実施形態では、角膜はドナー角膜である。
【0033】
[0033] 一部の実施形態では、凹部は3~7mmの直径を有する。
【0034】
[0034] 一部の実施形態では、深層層状切開は、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開、及び手動切開のうちの1つ以上を用いて行われる。
【0035】
[0035] 一部の実施形態では、角膜の実質の除去された前層は、100~400μmの厚さを有する。
【0036】
[0036] 一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドデバイスは、全層穿孔により眼内に形成された貫通凹部内において眼内に埋め込まれるように構成される。
【0037】
[0037] 一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドデバイスは、次の技術、すなわち脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、除染、及び滅菌のうちの少なくとも1つを用いて前処理される。
【0038】
[0038] ある実施形態では、角膜組織の薄層を含む後端を有する凹部を画定する中央部であって、角膜組織の薄層が、少なくともデスメ前層及びデスメ膜、又は少なくともデスメ前層を備える中央部と、凹部を取り囲む角膜組織の周辺部であって、角膜の実質の後層、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮層のうちの1つ以上を含む周辺部とを備えた埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドと、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する面状体を画定する角膜内インプラントであって、(i)前端を有し、角膜を通って後端まで軸方向に延びる光学ステムを備えた中央光学部と、(ii)中央光学部から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えた周辺触覚部とを備えた角膜内インプラントとを備え、角膜内インプラントが、後端が角膜組織の薄層と当接するか又は接触係合するように埋め込み可能な角膜組織スキャフォールドデバイスに装着されるシステムが更に提供される。
【0039】
[0039] 一部の実施形態では、システムは更に、角膜内インプラント上の所定の位置に縫合された前角膜ラメラ層を備える。
【0040】
[0040] 一部の実施形態では、システムは、眼内に全層角膜穿孔により形成された貫通凹部内への外科的埋め込みが意図されている。
【0041】
[0041] ある実施形態では、眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、(i)インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び(ii)内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、内側プラットフォーム部に装着され、生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器とを備えたデバイスが更に提供される。
【0042】
[0042] ある実施形態では、眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、(i)インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び(ii)内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、内側プラットフォーム部に装着され、生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器とを備えたデバイスを設けること、デバイスの画像生成器の後方に透明な角膜組織が存在するか又は角膜組織が存在しないように、デバイスを眼の角膜に埋め込むこと、無線通信回路によって画像データ信号を受信すること、画像投影コントローラによって、受信した画像データ信号を処理して画像を生成すること、及び画像生成器によって、画像を後方に眼の網膜上に投影することを含む方法が更に提供される。
【0043】
[0043] 一部の実施形態では、デバイスは更に、インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備え、1つ以上の角度的に離間したアームは内側プラットフォームと周辺スカート部との間を接続する。
【0044】
[0044] 一部の実施形態では、無線通信回路は受信誘導コイルを備える。
【0045】
[0045] 一部の実施形態では、受信誘導コイルは更に、眼外ユニットから誘導的に電力を受け取るように構成される。
【0046】
[0046] 一部の実施形態では、無線通信回路は、画像データ信号を符号化する光ビームを受け取るように構成された光電池を備える。
【0047】
[0047] 一部の実施形態では、光電池は更に光ビームから電力を受け取るように構成される。
【0048】
[0048] 一部の実施形態では、デバイスは更に、受信した画像データ信号を保存するためのメモリストレージを備える。
【0049】
[0049] 一部の実施形態では、画像生成器は、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイデバイスを備える。
【0050】
[0050] 一部の実施形態では、画像生成器は、眼外照明源によって照明されるように構成された液晶ディスプレイデバイスを備える。
【0051】
[0051] 一部の実施形態では、周辺スカート部、内側プラットフォーム部、及び少なくとも1つのアームは、面状体に少なくとも1つの開口部を画定し、少なくとも1つの開口部は、デバイスが角膜内に埋め込まれるときに、デバイスの角膜組織への少なくとも1つの開口部を介した固定及び適応を促すように構成される。
【0052】
[0052] 一部の実施形態では、デバイスは更に、画像生成器の後方に装着され、画像生成器と光学的に結合され、投影した画像の焦点を網膜に合わせるように構成された光学アセンブリを備える。
【0053】
[0053] 一部の実施形態では、デバイスは更に、インプラントの円形外周から外側に延びる少なくとも1つの触覚を備え、少なくとも1つの触覚は、円形外周に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備える。
【0054】
[0054] ある実施形態では、眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、(i)インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び(ii)内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、内側プラットフォーム部に装着され、生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器とを備えたデバイスと、視覚画像を取り込むための少なくとも1つの撮像デバイスと、取り込んだ視覚画像をデジタル画像データとして処理し保存するための画像処理モジュールと、無線通信回路を介してデジタル画像データをデバイスに送信するための無線通信モジュールとを備えた眼外ユニットとを備えたシステムが更に提供される。
【0055】
[0055] ある実施形態では、眼の角膜内への埋め込みのために寸法設定及び適合された角膜インプラントであって、(i)インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び(ii)内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部を備えた面状体を画定する角膜インプラントと、眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成された無線通信回路と、受信した画像データ信号を処理して画像を生成するように構成された画像投影コントローラと、内側プラットフォーム部に装着され、生成した画像に基づいて、画像投影光ビームを後方に眼の網膜上に投射するように構成された画像生成器とを備えたデバイスと、視覚画像を取り込むための少なくとも1つの撮像デバイス、取り込んだ視覚画像をデジタル画像データとして処理し保存するための画像処理モジュール、及び無線通信回路を介してデジタル画像データをデバイスに送信するための無線通信モジュールを備えた眼外ユニットとを備えたシステムを設けること、デバイスの画像生成器の後方に透明な角膜組織が存在するか又は角膜組織が存在しないように、デバイスを眼の角膜に埋め込むこと、眼外ユニットの少なくとも1つの撮像デバイスによって、少なくとも1つの視覚画像を取り込むこと、画像処理モジュールによって、少なくとも1つの取り込んだ視覚画像を処理してデジタル画像データを生成し、無線通信モジュールによって画像データ信号を送信し、無線通信回路によって画像データ信号を受信すること、画像投影コントローラによって、受信した画像データ信号を処理して画像を生成すること、及び画像生成器によって、画像を後方に眼の網膜上に投影することを含む方法が更に提供される。
【0056】
[0056] 一部の実施形態では、デバイスは更に、インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備え、1つ以上の角度的に離間したアームは内側プラットフォームと周辺スカート部との間を接続する。
【0057】
[0057] 一部の実施形態では、無線通信回路は受信誘導コイルを備え、無線通信モジュールは送信誘導コイルを備える。
【0058】
[0058] 一部の実施形態では、受信誘導コイルは更に、送信誘導コイルから誘導的に電力を受け取るように構成される。
【0059】
[0059] 一部の実施形態では、無線通信モジュールは光ビーム源を備える。
【0060】
[0060] 一部の実施形態では、無線通信回路は、画像データ信号を符号化する光ビームを受け取るように構成された光電池を備え、光ビームは光ビーム源から発せられる。
【0061】
[0061] 一部の実施形態では、光電池は更に光ビームから電力を受け取るように構成される。
【0062】
[0062] 一部の実施形態では、デバイスは、受信した画像データ信号を保存するためのメモリストレージを備える。
【0063】
[0063] 一部の実施形態では、画像生成器は、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイデバイスを備える。
【0064】
[0064] 一部の実施形態では、画像生成器は液晶ディスプレイデバイスを備え、眼外ユニットは液晶ディスプレイデバイスに照明を提供するように構成された照明源を備える。
【0065】
[0065] 一部の実施形態では、照明源は、角膜内に埋め込まれるときに、障害層又は不透明層を横断しデバイスに到達するのに十分な照明を発するように構成される。
【0066】
[0066] 一部の実施形態では、周辺スカート部、内側プラットフォーム部、及び少なくとも1つのアームは、面状体に少なくとも1つの開口部を画定し、少なくとも1つの開口部は、デバイスが角膜内に埋め込まれるときに、デバイスの角膜組織への少なくとも1つの開口部を介した固定及び適応を促すように構成される。
【0067】
[0067] 一部の実施形態では、デバイスは、画像生成器の後方に装着され、画像生成器と光学的に結合され、投影した画像の焦点を網膜に合わせるように構成された光学アセンブリを備える。
【0068】
[0068] 一部の実施形態では、デバイスは、インプラントの円形外周から外側に延びる少なくとも1つの触覚を備えており、少なくとも1つの触覚は、円形外周に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備える。
【0069】
[0069] 一部の実施形態では、眼外ユニットのコンポーネントは、眼鏡フレーム、帽子、ヘルメット、及びヘッドバンドのうちの1つに装着される。
【0070】
[0070] 上記の例示的な態様及び実施形態に加えて、更なる態様及び実施形態は、図面を参照し、以下の詳細な説明を検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0071】
[0071] 例示的な実施形態が参照図に示されている。図に示されている構成要素及び特徴の寸法は、一般に表示の便宜及び明瞭さのために選択されており、必ずしも一定の縮尺で示されているわけではない。図は以下の通りである。
【0072】
図1A-1C】[0072] 本開示の一部の実施形態による、それ以外は可視光を完全に又は部分的に通さない角膜の障害層又は不透明層に取って代わるために、外部光を眼を通って網膜上に透過させるための経路を提供する本開示の例示的なデバイスの模式的な斜視図(図1A)、斜視断面図(図1B)、側断面図(図1C)である。
図1D-1E】[0073] 本開示の一部の実施形態による、眼内に埋め込まれる本開示のデバイスを示す。
図2A-2E】[0074] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスの例示的な角膜内インプラントの上面斜視図(図2A)、下面斜視図(図2B)、側面図(図2C)、上面図(図2D)、及び底面図(図2E)である。
図3A-3C】[0075] 本開示の一部の実施形態による、眼の角膜内に埋め込まれ、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼を通って、光路に沿って網膜上に透過させるように構成された本開示のデバイスの例示的な光学ステムの断面図(図3A)、分解斜視図(図3B)、及び分解側面図(図3C)である。
図4A-4B】[0076] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスと併せて使用され得る本開示の例示的な内部光学レンズの斜視図(図4A)及び側面図(図4B)である。
図5A-5D】[0077] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスと併せて使用され得る本開示の例示的な光学ステムの正面斜視図(図5A)、背面斜視図(図5B)、側面図(図5C)、及び上面図(図5D)である。
図6】[0078] 本開示の一部の実施形態による、オプションの外部光学素子を更に含む、本開示の例示的なデバイスの分解斜視図である。
図7A-7D】[0079] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスに更に含まれ得る例示的なオプションの外部光学素子(例えば、外部前端板及び/又は外部光学レンズ)の正面斜視図(図7A)、背面斜視図(図7B)、側面図(図7C)、及び上面図(図7E)である。
図8A-8B】[0080] 本開示の一部の実施形態による、本開示の外部光学レンズを示す。
図9A-9D】[0081] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスの例示的な実施形態の分解斜視図(図9A)、分解側面図(図9B)及び断面図(図9C及び図9D)である。
図10A-10C】[0082] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスの別の例示的な実施形態の分解斜視図(図10A)、分解側面図(図10B)及び断面図(図10C)である。
図11A-11D】[0083] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスの別の例示的な実施形態の分解斜視図(図11A)、分解側面図(図11B)及び断面図(図11C及び図11D)である。
図11E-11G】[0084] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスの前端にオプションの外部端板を磁気的に取り外し可能に取り付けるように構成された磁気結合システムを備えた光学ステムの例示的な変形例を示す。
図12A-12C】[0085] 本開示の一部の実施形態による、本開示のデバイスの別の例示的な実施形態の分解斜視図(図12A)、分解側面図(図12B)及び断面図(図12C)である。
図13A-13F】[0086] 本開示の一部の実施形態による、ドナー角膜に由来する例示的な前処理された角膜組織スキャフォールドの作製のためのプロセスにおける機能的ステップを示す。
図14A-14D】[0087] 本開示の一部の実施形態による、本開示の角膜組織スキャフォールド及びデバイスを備えた予め組み立てられた角膜内システムを製造するための例示的なプロセスを示す。
図15A-15F】[0088] 本開示の一部の実施形態による、本開示の角膜組織スキャフォールド及びデバイスを備えた組立済み角膜内システムの外科的埋め込みのための例示的なプロセスにおける機能的ステップを示す。
図16A-16G】[0089] 本開示の一部の実施形態による、その後に本開示の角膜内インプラントの埋め込みが続く、前処理された角膜組織スキャフォールドの外科的埋め込みのための例示的なプロセスにおける機能的ステップを別個に示す。
図17A-17J】[0090] 本開示の一部の実施形態による、本開示の角膜内インプラントの外科的埋め込みのための例示的なプロセスにおける機能的ステップを示す。
図18A-18C】[0091] 本開示の一部の実施形態による、網膜上に画像を角膜内投影するための例示的なシステムの概略図である。
図18D】[0092] 本開示の一部の実施形態による例示的な眼外ユニットを示す。
図18E】[0093] 本開示の一部の実施形態による例示的な照明源を示す。
図19A-19D】[0094] 本開示の一部の実施形態による、例示的な角膜内インプラントの正面斜視図、後面図、前面図、及び側面図を示す。
図20】[0095] 本開示の一部の実施形態による、複数の触覚を備えた例示的な角膜内インプラントの概略図である。
図21A-21D】[0096] 本開示の一部の実施形態による、角膜内への本開示の角膜内インプラントの外科的埋め込みのためのプロセスにおけるステップを示す。
図21E】[0097] 本開示の一部の実施形態による、オプションの光学アセンブリを示す。
図22】[0098] 本開示の一部の実施形態による、角膜内に埋め込まれた角膜内インプラントを有する眼の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
[0099] 本明細書では、眼内に埋め込むように構成され、眼の網膜上に画像を投影するように構成された投光後部ポートを有する角膜内インプラントを提供するシステム、デバイス及び方法が開示される。
【0074】
[00100] 本明細書で使用するとき、「角膜内インプラント」という用語は、眼の角膜の内側に埋め込まれる又は展開されるように構成された任意のデバイスを指すのに使用されることがある。
【0075】
[00101] 一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、実質的に透明な角膜組織のみがデバイスの投光後部ポートの後方に存在するように眼内に埋め込まれるように構成され、デバイスの投光後部ポートは、投光後部ポートの後方に存在する実質的に透明な角膜組織を横断して眼の網膜に到達する画像投影光ビームを投射するように構成されている。
【0076】
[00102] 他の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、部分的に透明、部分的に半透明、及び/又は部分的に不透明である角膜組織の層がデバイスの投光後部ポートの後方に存在するように、眼内に埋め込まれるように構成され、デバイスの投光後部ポートは、投光後部ポートの後方に存在する角膜組織を横断して眼の網膜に到達する画像投影光ビームを投射するように構成されている。
【0077】
[00103] 本発明の一部の態様によれば、本開示のデバイスは、外部光を眼を通って網膜上に透過させるための光学経路を提供し、経路は、それ以外は可視光を完全に又は部分的に通さない角膜の障害層又は不透明層を横断するか又は完全にこれに取って代わる。
【0078】
[00104] 本開示の一態様では、眼内への外科的埋め込みのために構成された角膜内インプラントを備えたデバイスが提供される。一部の実施形態では、本開示のデバイスは、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがあり、実質的に透明な角膜組織のみがデバイスの後方に存在する。一部の実施形態では、本開示のデバイスは、デバイスの投光後部ポートが、デバイスの投光後部ポートの後方に位置する、実質的に光を通す(例えば、約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように、眼内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。一部の実施形態では、角膜組織の非常に薄い層は、デバイスが前房内に延在しないように障壁として機能し、それによってデバイスの脱臼、眼圧低下、緑内障、レトロプロテーゼ膜形成、又は眼内感染症を含む潜在的な合併症を回避する。
【0079】
[00105] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラントを備え、角膜内インプラントは、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を、眼を通って、光路に沿って画像投影後部ポートを通って、網膜上に透過させるように構成された光学ステムを備える。一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、デバイスの投光後部ポートが、デバイスの投光後部ポートの後方に位置する、実質的に光を通す(例えば、約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。
【0080】
[00106] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラントを備え、角膜内インプラントは、周囲環境及び/又は外部光源からの光を、眼を通って、光路に沿って、画像投影ポートを通って、網膜上に透過させるように構成された光学ステムを備える。一部の実施形態では、光学ステムは、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼を通って光路に沿って透過させるための光透過性経路を画定し、光学ステムにより画定される経路は、光学レンズなどの少なくとも1つの光学素子を備えることがある。
【0081】
[00107] 一部の実施形態では、本開示の光学ステムは、光が光学ステムの前端に入射することに基づいて、その投光後部ポートを越えて画像を投影する(例えば、本開示のデバイスが眼に埋め込まれている場合、画像は網膜上に投影される)光学デバイスを備える。一部の実施形態では、光学ステムは、眼の前面の近くに位置する光学ステムの前端に受光前部ポートを有する。光学ステムは、角膜を通って、角膜の後面に近い光学ステムの投光後部ポートまで延びる。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、眼の表面に近接して位置し、薄い結膜フラップ層によって完全に又は部分的に覆われている。一部の実施形態では、光学ステムの前端の少なくとも一部分は、眼の前面から露出し、以下に更に説明するように、本開示のデバイスの外部光学素子を受け入れるための手段を形成する。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、外部光学レンズ又は他の光学素子として機能する前面を備えることがある。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、1つ以上の外部光学素子を受け入れるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、1つ以上のオプションの外部要素を取り外し可能及び/又は調整可能に装着するように構成された機構を備えることがある。一部の実施形態では、外部要素は、着色されるか又は美容用に及び/又は眼に自然な外観を与えるように構成されたデザインを特徴とすることがある(例えば、外部光学素子は、虹彩の自然な色に似る/虹彩の自然な色を擬似するように着色されることがある)。
【0082】
[00108] 一部の実施形態では、光学ステムは、外部光又は結像成分が光学ステムを通過し、投光後部ポートを突き抜けて網膜上に画像を形成することを可能にする透明な光路である。一部の実施形態では、光学ステムは、網膜に焦点の合った画像を提供するのを助ける、レンズなどの内部光学及び/又は結像コンポーネントを光路に沿って備える。
【0083】
[00109] 他の実施形態では、光学ステムは、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子、LEDプロジェクタ、レーザダイオードプロジェクタ、LEDアレイなどの、任意の適切な画像表示及び/又は投影技術を組み込んだ画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、眼外源(眼外結像デバイスなど)から画像データ信号を受信し、投光後部ポートを介して後方に眼の網膜上に投影される光画像信号を生成するように構成される。
【0084】
[00110] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、(i)眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラントと、(ii)周囲環境及び/又は眼外光源からの光を、眼を通って、光路に沿って、投光後部ポートを通って、網膜上に透過させるように構成された光学ステムとを備える。
【0085】
[00111] 一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントが、概して角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する凸体を画定する。一部の実施形態では、インプラントは、本デバイスの光学ステムを受け入れ保持するように構成された中央光学部と、周辺触覚部とを備える。一部の実施形態では、中央光学部は、円周方向に連続した環状リムを備え、この環状リムは、本デバイスの光学ステムを受け入れ保持するように構成された中央開口部を画定する。一部の実施形態では、インプラントの周辺触覚部は、環状本体部材の周縁から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備える。
【0086】
[00112] 本開示の別の態様では、外部光を眼を通って網膜上に透過させ、それ以外は可視光を完全に又は部分的に通さない角膜の不透明層を横断するか又は完全にこれに取って代わるための経路を提供する方法が開示される。一部の実施形態では、方法は、角膜内インプラントを備えたデバイスを提供すること、及びデバイスの投光後部ポートの後方に実質的に透明な角膜組織のみが存在する位置で、眼の角膜内に角膜内インプラントを外科的に埋め込むことを含む。一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、デバイスの投光後部ポートが、デバイスの投光後部ポートの後方に位置する、実質的に光を通す(例えば、約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。
【0087】
[00113] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラントを備え、角膜内インプラントは、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼を通って光路に沿って網膜上に透過させるように構成された光学ステムを備える。一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、デバイスの投光後部ポートが、デバイスの投光後部ポートの後方に位置する、実質的に光を通す(例えば、約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。一部の実施形態では、角膜組織の非常に薄い層は光路の一部を含むことがある。
【0088】
[00114] 一部の実施形態では、光学ステムは、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼を通って光路に沿って透過させるための光透過性経路を画定し、光学ステムにより画定される経路は、光学レンズなどの1つ以上のオプションの光学素子を備えることがある。一部の実施形態では、本開示の光学ステムは、光が光学ステムの前端に位置する受光前部ポートに入射することに基づいて、その投光後部ポートを越えて画像を投影する(例えば、本開示のデバイスが眼に埋め込まれている場合、画像は網膜に投影される)光学デバイスを備える。一部の実施形態では、光学ステムは、眼の前面の近くの光学ステムの前端に位置する受光前部ポートを有する。一部の実施形態では、光学ステムは、角膜を通って、角膜の後面のより近くに位置する光学ステムの投光後部ポートまで延びる。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、眼の表面に近接し、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下に位置する。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、前端集束光学素子として機能する湾曲した前面を備えることがある。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、1つ以上の外部光学素子を受け入れるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学ステムは、網膜に焦点の合った画像を提供するのを助ける、レンズなどの内部光学及び/又は結像コンポーネントを備える。他の実施形態では、光学ステムは、単に外部光又は結像成分が網膜上に画像を形成することを可能にする透明路である。一部の実施形態では、外部光学素子は取り外し可能、交換可能、調整可能である場合があり、及び/又は着色されるか又は美容用に及び/又は眼に自然な外観を与えるように構成されたデザインを特徴とすることがある(例えば、外部光学素子は、虹彩の自然な色に似る/虹彩の自然な色を擬似するように着色されることがある)。
【0089】
[00115] 他の実施形態では、光学ステムは、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子、LEDプロジェクタ、レーザダイオードプロジェクタ、LEDアレイなどの、任意の適切な画像表示及び/又は投影技術を組み込んだ画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、眼外源(眼外結像デバイスなど)から画像データ信号を受信し、投光後部ポートを介して後方に眼の網膜上に投影される光画像信号を生成するように構成される。
【0090】
[00116] 一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、概して角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有する凸体を画定する。一部の実施形態では、インプラントは、本デバイスの光学ステムを受け入れ保持するように構成された中央光学部と、周辺触覚部とを備える。一部の実施形態では、中央光学部は、本デバイスの光学ステムを受け入れ保持するように構成された円周方向に連続した環状本体部材を備える。一部の実施形態では、インプラントの周辺触覚部は、環状本体部材の周縁から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備える。
【0091】
[00117] 一部の実施形態では、方法は、最初に深部後部実質とデスメ前層の間(代替的に、デスメ前層とデスメ膜の間)を分離するレシピエントの角膜において深層層状切開(例えば、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開及び/又は手動切開)を行うことによって、本開示のデバイスをレシピエントに外科的に埋め込むことを含む。部分層穿孔及び前部角膜切除が、レシピエント角膜の前角膜ラメラを除去するために実行される。深部後部実質(例えばバブルルーフ)を除去して凹部を作成し、それより後の層、すなわちデスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮をそのままの状態に保つ。本開示のデバイスは、作成した凹部内に配置され縫合される。事前に除去したレシピエントの前角膜ラメラ、又はドナーの前角膜ラメラが縫合される。角膜を一時的に覆うために結膜フラップが配置されることがある。次いで、結膜フラップを部分的に除去して、1つ以上の外部光学素子を受け入れるように構成され得る、デバイスの前端に対応する中央開口部を作成する可能性がある。本明細書で使用するとき、「凹部」は、角膜内インプラントを収容し得る任意の形状の角膜内の任意の開口部、切開、分離、隙間、又はその他の開口部を指すことがある。
【0092】
[00118] 本開示の更に別の態様では、ドナー角膜に由来し、実質層、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮の少なくとも一部を含む、前処理された角膜組織スキャフォールドが提供される。
【0093】
[00119] 一部の実施形態では、本開示の角膜組織スキャフォールドが、その異なる領域に様々な組成の角膜層を含むことがある。例えば、角膜組織スキャフォールドは、その中央の実質的に透明な領域に、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮を含むことがある。したがって、一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドの中央領域は、実質的に光を通すように構成される。一部の実施形態では、中央の実質的に透明な領域を取り囲む角膜組織スキャフォールドの領域が、実質層、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮のうちの少なくとも一部を含む、異なる組成の角膜層を有することがある。
【0094】
[00120] 一部の実施形態では、本システムの前処理された角膜組織スキャフォールドは、ドナーヒト角膜に由来する角膜組織を含む。一部の実施形態では、最初に角膜組織はドナーから収集される。次いで、収集された角膜組織は、従来の組織保存方法で保存され、評価、調製、処理及び保管のために適切な処理場所又は施設に輸送されることがある。
【0095】
[00121] 一部の実施形態では、次いで角膜組織は、(i)後部実質とデスメ前層との間、又は、代替的に(ii)デスメ前層とデスメ膜との間を分離する深層層状切開(例えば、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開及び/又は手動切開)を実行することによって調製される。部分層穿孔及び前部角膜切除が、ドナーの前角膜ラメラを除去するために実行される。深部後部実質(例えばバブルルーフ)を除去して凹部を作成し、それより後の層、すなわちデスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮をそのままの状態に保つ。次いで、角膜組織スキャフォールドを得るために全層穿孔が実行される。
【0096】
[00122] 次に、得られた角膜組織スキャフォールドは、本明細書で更に詳述する適切な外科処置において外科医及び他の医療専門家による使用のために除染、脱水、滅菌、及び包装されることがある。
【0097】
[00123] 一部の実施形態では、本システムの角膜組織スキャフォールドは、調製、保管、及び輸送中に角膜組織スキャフォールドを安定化及び保護するために、任意の1つ以上の適切な前処理方法及び技術を用いて更に前処理されることがある。一部の実施形態では、本発明による前処理方法及び技術には、脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、除染、滅菌などが含まれることがあるが、これらに限定されない。
【0098】
[00124] 一部の実施形態では、前処理は、保管及び輸送中の角膜組織スキャフォールドの分解、腐敗、感染、及び/又は破損を防止し、角膜組織スキャフォールドを室温又は室温より低い温度で保管することを可能にする。一部の実施形態では、前処理はまた、角膜組織スキャフォールドが生きている組織もしくは水和組織又は処理済み組織と同様の材料特性を有するように維持するのに役立つ。一部の実施形態では、前処理により、パッケージから取り出した後に更なる処理を行わずに又は最小限の処理で角膜組織スキャフォールドをレシピエント対象に直接埋め込むことが可能になる。
【0099】
[00125] 一部の実施形態では、本開示の前処理されたドナー角膜組織スキャフォールドは、本明細書で更に詳述する本開示のデバイスの更なる埋め込みに備えて、対象の実質層、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮層のうちの少なくとも一部を交換するために、レシピエント対象に埋め込まれるように構成される。そのような実施形態では、本開示の前処理された角膜組織スキャフォールドは、患者の角膜の全層切除が行われ、その後に少なくとも本開示の角膜組織スキャフォールドから構成されるインプラント及び/又はシステムとの交換が続く全層移植手順と同時に埋め込まれるように構成される。
【0100】
[00126] 本開示の更に別の態様では、(i)眼内に外科的に埋め込まれるように構成されたデバイスと、(ii)ドナー角膜に由来し、実質層、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮層のうちの少なくとも一部を含む前処理された角膜組織スキャフォールドとを備えたシステムが提供される。
【0101】
[00127] 一部の実施形態では、本システムのデバイスは、光学ステムを備えた角膜内インプラントを備える。一部の実施形態では、光学ステムは、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を、眼を通って、光路に沿って、投光後部ポートを通って、網膜上に透過させるように構成される。一部の実施形態では、光学ステムは、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼を通って光路に沿って透過させるための光透過性経路を画定し、光学ステムにより画定される経路は、光学レンズなどの1つ以上のオプションの外部光学素子を備えることがある。
【0102】
[00128] 一部の実施形態では、光学ステムは、光が光学ステムの前端に位置する受光前部ポートに入射することに基づいて、その投光後部ポートを越えて画像を形成する(例えば、本システムのデバイスが眼に埋め込まれている場合、画像は網膜上に投影される)光学デバイスを備える。一部の実施形態では、光学ステムは、前面に近い受光前部ポートを有し、角膜を通って軸方向に角膜の後面により近い光学ステムの投光後部ポートまで延びる。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、眼の表面に近接し、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下に位置する。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、前端集束光学素子、及び/又は1つ以上の別々に形成された外部光学素子として機能する湾曲した前面を備えることがある。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、1つ以上の外部光学素子を受け入れるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学ステムの前端は、1つ以上の外部光学素子を取り外し可能に及び/又は調整可能に装着するように構成された機構を備えることがある。一部の実施形態では、外部要素は、着色されるか又は美容用に、又は眼に自然な外観を与えるように構成されたデザインを特徴とすることがある(例えば、外部光学素子は、虹彩の自然な色に似る/虹彩の自然な色を擬似するように着色されることがある)。
【0103】
[00129] 一部の実施形態では、光学ステムは、網膜に焦点の合った画像を提供するのを助ける、レンズなどの内部光学及び/又は結像コンポーネントを備える。他の実施形態では、光学ステムは、単に外部光又は結像成分が網膜上に画像を形成することを可能にする透明路である。
【0104】
[00130] 他の実施形態では、光学ステムは、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子、LEDプロジェクタ、レーザダイオードプロジェクタ、LEDアレイなどの、任意の適切な画像表示及び/又は投影技術を組み込んだ画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、眼外源(眼外結像デバイスなど)から画像データ信号を受信し、投光後部ポートを介して後方に眼の網膜上に投影される光画像信号を生成するように構成される。
【0105】
[00131] 一部の実施形態では、本システムの角膜内インプラントは、概して角膜の凸面を実質的にたどる凸面を有する凸体を画定する。一部の実施形態では、インプラントは、中央光学部と周辺触覚部とを備える。一部の実施形態では、中央光学部は、本デバイスの光学ステムを受け入れ保持するように構成された円周方向に連続した環状本体部材を備える。一部の実施形態では、インプラントの周辺触覚部は、環状本体部材の周縁から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備える。
【0106】
[00132] 一部の実施形態では、本システムの角膜組織スキャフォールドが、その様々な領域に様々な組成の角膜層を含むことがある。例えば、角膜組織スキャフォールドは、その中央の実質的に透明な領域に、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮を含むことがある。したがって、一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドの中央領域は、実質的に光を通すように構成される。一部の実施形態では、中央の実質的に透明な領域を取り囲む角膜組織スキャフォールドの領域が、実質層、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮のうちの少なくとも一部を含む、異なる組成の角膜層を有することがある。
【0107】
[00133] 一部の実施形態では、本システムの前処理された角膜組織スキャフォールドは、ドナーヒト角膜に由来する角膜組織を含む。一部の実施形態では、最初に角膜組織はドナーから収集される。次いで、収集された角膜組織は、従来の組織保存方法で保存され、評価、調製、処理及び保管のために適切な処理場所又は施設に輸送されることがある。
【0108】
[00134] 一部の実施形態では、次いでドナー角膜組織は、(i)後部実質とデスメ前層との間、又は、代替的に(ii)デスメ前層とデスメ膜との間を分離する深層層状切開(例えば、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開及び/又は手動切開)を実行することによって調製される。部分層穿孔及び前部角膜切除が、ドナーの前角膜ラメラを除去するために実行される。深部後部実質(例えばバブルルーフ)を除去して凹部を作成し、それより後の層、すなわちデスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮をそのままの状態に保つ。次いで、角膜組織スキャフォールドを得るために全層穿孔が実行される。
【0109】
[00135] 次に、得られた角膜組織スキャフォールドは、本明細書で更に詳述する適切な外科処置において外科医及び他の医療専門家による使用のために除染、脱水、滅菌、及び包装されることがある。
【0110】
[00136] 一部の実施形態では、本システムの角膜組織スキャフォールドは、調製、保管、及び輸送中に角膜組織スキャフォールドを安定化及び保護するために、任意の1つ以上の適切な前処理方法及び技術を用いて更に前処理されることがある。一部の実施形態では、本発明による前処理方法及び技術には、脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、除染、滅菌などが含まれることがあるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、前処理は、保管及び輸送中の角膜組織スキャフォールドの分解、腐敗、感染、及び/又は破損を防止し、角膜組織スキャフォールドを室温又は室温より低い温度で保管することを可能にする。一部の実施形態では、前処理はまた、角膜組織スキャフォールドが生きている組織もしくは水和組織又は処理済み組織と同様の材料特性を有するように維持するのに役立つ。一部の実施形態では、前処理により、パッケージから取り出した後に更なる処理を行わずに又は最小限の処理で角膜組織スキャフォールドをレシピエント対象に直接埋め込むことが可能になる。
【0111】
[00137] 本システムの一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールド及びデバイスは、デバイスの投光後部ポートがデバイスの投光後部ポートの後方にある、光を実質的に通す(例えば約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように事前に組み立てられる。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層はデスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。
【0112】
[00138] 一部の実施形態では、本システムは、角膜組織スキャフォールドに予め装着されたデバイスを備えた組立済みの構成において、患者の角膜の全層切除が実行され、その後、本システムが所定の位置に配置(例えば縫合)される全層移植手順と同時にレシピエントに外科的に埋め込まれるように構成される。
【0113】
[00139] 一部の実施形態では、デバイス及び角膜組織スキャフォールドは、本システムの別個の部分を形成し、角膜組織スキャフォールドは、本明細書で更に詳述する本システムの角膜内インプラントの更なる埋め込みに備えて、対象の実質層、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮層のうちの少なくとも一部を交換するために、レシピエント対象に外科的に埋め込まれるように構成される。そのような実施形態では、本システムの前処理された角膜組織スキャフォールドは、患者の角膜の全層切除が行われる全層移植手順と同時に埋め込まれるように構成される。
【0114】
[00140] 一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドの埋め込み後、デバイスは、デバイスの投光後部ポートがデバイスの投光後部ポートの後方にある、光を実質的に通す(例えば約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するようにレシピエントの角膜内に埋め込まれる。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層はデスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。
【0115】
[00141] 一部の実施形態では、角膜組織の非常に薄い層は、本開示の角膜内インプラントが前房内に延在しないように障壁として機能し、それによってデバイスの脱臼、眼圧低下、緑内障、レトロプロテーゼ膜形成、又は眼内感染症を含む潜在的な合併症を回避する。
【0116】
[00142] 本発明の一部の態様によれば、本開示のデバイスが、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラントを提供し、角膜内インプラントは、角膜内インプラントに装着された画像生成器であって、眼外源から画像データ信号を受信し、眼の網膜上に投射される画像投影光ビーム(例えば、視覚画像情報で変調された光ビーム)を生成して画像を生成するように構成され動作可能である画像生成器を備える。
【0117】
[00143] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがあり、実質的に透明な角膜組織のみがデバイスの後方に存在する。
【0118】
[00144] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、デバイスの投光後部ポートの後方に存在するように、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがある。
【0119】
[00145] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、デバイスの投光後部ポートが、デバイスの投光後部ポートの後方に位置する、実質的に光を通す(例えば、約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように、眼内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。一部の実施形態では、角膜組織の非常に薄い層は、デバイスが前房内に延在しないように障壁として機能し、それによってデバイスの脱臼、眼圧低下、緑内障、レトロプロテーゼ膜形成、又は眼内感染症を含む潜在的な合併症を回避する。
【0120】
[00146] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、角膜内に収まるように寸法設定された角膜内インプラントを含む。一部の実施形態では、角膜内インプラントは、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面(眼の前面に面する)及び凹後面(眼の網膜に面する)を有する面状体を画定する。
【0121】
[00147] 一部の実施形態では、角膜内インプラントは、インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部を備える。一部の実施形態では、角膜内インプラントは更に、角膜内インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備え、1つ以上の角度的に離間したアームは内側プラットフォームと周辺スカート部との間を接続する。
【0122】
[00148] 一部の実施形態では、本開示のデバイスの角膜内インプラントが更に、インプラントの周縁から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えることがある。触覚は、手術中に角膜に形成されるポケット内の所望の位置に角膜内インプラントを位置決めして中心に置く、例えば眼の光軸と整列するように構造的に機能することがある。
【0123】
[00149] 一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラント内に形成される、例えば1つ以上の接続アーム又は周辺スカートの周囲に位置する1つ以上の開口部が、角膜内インプラントを所望の位置に長期にわたって固定するために、角膜内でのデバイスの適応を可能にするように構成されることがある。
【0124】
[00150] 一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、画像生成器、ハードウェアプロセッサ及びメモリストレージを備えた画像投影コントローラ、光学アセンブリ、無線受信器モジュール、及び無線受電素子のうちの1つ以上を備える。
【0125】
[00151] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、角膜内インプラントに装着された画像生成器であって、眼外源から画像データ信号を受信し、眼の網膜上に投光後部ポートを通って投射される画像投影光ビーム(例えば、視覚画像情報で変調された光ビーム)を生成して画像を生成するように構成され動作可能である画像生成器を備える。本明細書で使用される視覚画像情報という用語は、物体又はシーンの光学的再生、及び/又はテキスト、記号又は色などによる光学的に表現された情報を含む、あらゆる光学的に伝達される情報を包含する可能性がある。
【0126】
[00152] 一部の実施形態では、画像生成器は、眼外源から画像データ信号を受信し、デバイスの前方に存在する任意の半不透明及び/又は実質的に不透明な角膜組織を通り抜けて眼の網膜に到達することができる画像投影光ビームを生成するように構成される。
【0127】
[00153] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは、無線周波数(RF)又は同様のデータ伝送などの非光学データ伝送モダリティを介して、眼の外部にある画像データソースから画像データ信号を受信するように構成されることがあり、非光学データ伝送モダリティは、それ以外は完全に又は部分的に可視光を通さない眼(例えば、角膜、結膜又は他の形態の組織フラップ)の障害層又は不透明層を横断することができる。
【0128】
[00154] したがって、一部の実施形態では、本開示のデバイスは、非光学データ伝送路、例えば短距離RF伝送を介して外部源からデジタル画像データ信号を受信し、画像データ信号に符号化されたデジタル画像データを処理し、デジタル画像データに符号化された画像情報で変調された光ビームを生成し、例えば1つ以上の集束光学系及び/又は眼のレンズを含む光学アセンブリを含み得る光伝送路を介して、生成した光ビームを網膜上に投射するように構成される。
【0129】
[00155] 一部の実施形態では、本開示のデバイスが、非光学無線伝送モダリティ、例えば短距離RF通信プロトコルを介して、画像情報を表す画像データ信号を無線で受信するように構成された無線受信器モジュールを備える。
【0130】
[00156] 一部の実施形態では、本開示のデバイスが、無線受信器モジュールにより受信された入力画像データを受信し、任意選択で画像データをメモリストレージモジュールに記憶し、信号に符号化されたデジタル画像データを処理して、そこから視覚画像を生成及び再構成し、画像生成器を動作させて画像データに基づく光ビームを生成し、生成した光ビームを網膜上に投射する画像投影コントローラを備える。
【0131】
[00157] 一部の実施形態では、本開示のデバイスが、網膜による検出に適したタイプの視覚画像を表す光画像信号を表示及び/又は投影するための画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子、LEDプロジェクタ、レーザダイオードプロジェクタ、LEDアレイなどの、任意の適切な画像表示及び/又は投影技術を組み込む可能性がある。一部の実施形態では、画像生成器は、任意の適切な集束光学系又は他の光学系を備えた光学アセンブリを備える。
【0132】
[00158] 一部の実施形態では、本開示のデバイスは更に、デバイスに電力を供給するように構成された電源を備えることがある。一部の実施形態では、電源は、無線電力伝送を用いて外部電源から電力を受け取るように構成される。これは、外部電源、又は内部バッテリへの有線電力接続の使用を避けるために行われる。外部電源への有線電力接続は眼の表面を通過する必要があるため、感染などのリスクだけでなく、いくつかの実用面での欠点も伴う。同様に、埋め込み型デバイス自体の内部に設置又は装着された交換可能なバッテリを使用してデバイスに電力を供給することは、バッテリがかさばることから実用的ではなく、交換するには外科的介入が必要になる。よって一部の実施形態では、本開示は、誘導的に眼内のデバイスに電力を送信することを提供する。したがって、例えば一次(外部)誘導コイルが眼の近くに、例えば眼鏡のレンズエリアの周りに配置されるか、又は縁内に収めて配置されることがあり、デバイス内の二次(内部)受信コイルが、一次コイルにより送信された電力を受信するのに使用されることがある。よって一部の実施形態では、電源は、無線電力伝送を介して、例えば電磁誘導電力伝送又は任意の他の適切な無線電力伝送技術を介して充電されるか又は電力を受け取るように構成されることがある。
【0133】
[00159] 一部の実施形態では、無線による電力伝送及びデータ伝送は透過光を介して実行され、眼外ユニットは、結合された電力及び画像データ信号を光ビームを介して角膜内インプラントに送信するように構成される。一部の実施形態では、本開示は、透過光を介した眼外ユニットとデバイスとの間の無線及び/又はデータ転送を提供する。一部の実施形態では、電力伝送及びデータ伝送は、光透過電力信号が眼外ユニットと角膜内インプラントとの間で伝送されるように同時に実行されることがあり、電力信号は、その伝送期間の少なくとも一部の間にデータを符号化することがある。したがって、一部の実施形態では、本開示のデバイスが、透過光信号を介して、眼外ユニットにより送信された電力及び画像データ信号を受信するように構成された無線受信器モジュールを備える。一部の実施形態では、無線受信器モジュールは、例えば光電池を備えることがある。
【0134】
[00160] 更に別の態様では、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラントと、角膜内インプラントと無線電力及びデータ通信する眼外画像取込ユニットであって、電力及び画像データを角膜内インプラントに無線で送信するように構成された眼外画像取込ユニットとを備え、画像データが眼外ユニットにより取り込まれた視覚画像を表し、眼内インプラントが、受け取った画像データから画像投影光ビーム(例えば、視覚画像情報で変調された光ビーム)を生成し、生成した光ビームを眼の網膜上に投射して、撮像された視覚画像を生成するように構成されるシステムが提供される。
【0135】
[00161] 一部の実施形態では、本システムの眼外ユニットは、視覚画像を取り込むための撮像デバイスと、デジタル画像データを処理及び記憶するための1つ以上のハードウェアプロセッサ及びメモリストレージを備え、角膜内インプラントに送信するための画像データ信号を生成するための画像処理モジュールと、例えば、任意の適切な短距離RF通信プロトコルを使用して、画像データ信号を角膜内インプラントに送信するための無線送信器と、例えば無線電力伝送を用いて、眼外ユニット及び/又は角膜内ユニットに電力を供給するための電源とを少なくとも備える。
【0136】
[00162] 一部の実施形態では、本開示のシステムの眼外ユニットが、従来の眼鏡フレームに配設されるか、又はヘルメット、ヘッドバンドなどの別の頭部装着要素に結合されるいくつかのコンポーネントによって形成されることがある。
【0137】
[00163] 一部の実施形態では、本システムの角膜内インプラントは、ハードウェアプロセッサ及びメモリストレージを備えた画像投影コントローラ、画像生成器、光学アセンブリ、無線受信器モジュール、及び無線受電素子のうちの1つ以上を備える。
【0138】
[00164] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがあり、実質的に透明な角膜組織のみが眼内インプラントの後方に存在する。
【0139】
[00165] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、部分的に透明、部分的に半透明、及び/又は部分的に不透明な角膜組織の層が、デバイスの投光後部ポートの後方に存在するように、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがある。
【0140】
[00166] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、眼内インプラントの投光後部ポートが、眼内インプラントの投光後部ポートの後方に位置する、実質的に光を通す(例えば、約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように、眼内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。一部の実施形態では、角膜組織の非常に薄い層は、眼内インプラントが前房内に延在しないように障壁として機能し、それによって眼内インプラントの脱臼、眼圧低下、緑内障、レトロプロテーゼ膜形成、又は眼内感染症を含む潜在的な合併症を回避する。
【0141】
[00167] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、角膜内に収まるように寸法設定された角膜内インプラントを含む。一部の実施形態では、角膜内インプラントは、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面(眼の前面に面する)及び凹後面(眼の網膜に面する)を有する面状体を画定する。一部の実施形態では、角膜内インプラントは、である。
【0142】
[00168] 一部の実施形態では、角膜内インプラントは、インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部を備える。一部の実施形態では、角膜内インプラントは更に、角膜内インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備え、1つ以上の角度的に離間したアームは内側プラットフォームと周辺スカート部との間を接続する。
【0143】
[00169] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントが更に、インプラントの周縁から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えることがある。触覚は、手術中に角膜に形成されるポケット内の所望の位置に角膜内インプラントを位置決めして中心に置く、例えば眼の光軸と整列するように構造的に機能することがある。
【0144】
[00170] 一部の実施形態では、本システムの角膜内インプラント内に形成される、例えば1つ以上の接続アーム又は周辺スカートの周囲に位置する1つ以上の開口部が、角膜内インプラントを所望の位置に長期にわたって固定するために、角膜内での眼内インプラントの適応を可能にするように構成されることがある。
【0145】
[00171] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、角膜内インプラントに装着された画像生成器であって、眼の網膜上に投射される画像投影光ビーム(例えば、画像情報で変調された光ビーム)を出力して画像を生成するように構成され動作可能である画像生成器を備える。
【0146】
[00172] 一部の実施形態では、画像生成器は、デバイスの投光後部ポートの後方に存在する任意の透明、半不透明、及び/又は実質的に不透明な角膜組織を通り抜けて眼の網膜に到達することができる画像投影光ビームを出力するように構成される。
【0147】
[00173] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、無線周波数(RF)又は同様のデータ伝送などの非光学データ伝送モダリティを介して、本システムの眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成されることがあり、非光学データ伝送モダリティは、それ以外は完全に又は部分的に可視光を通さない眼(例えば、角膜、結膜又は他の形態の組織フラップ)の障害層又は不透明層を横断することができる。
【0148】
[00174] したがって、一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、非光学データ伝送路、例えば短距離RF伝送を介して眼外ユニットからデジタル画像データ信号を受信し、画像データ信号に符号化されたデジタル画像データを処理し、デジタル画像データに符号化された画像情報で変調/パターン化された光ビームを生成し、1つ以上の集束光学系及び/又は眼のレンズを含み得る光伝送路を介して、生成した光ビームを網膜上に投射するように構成される。
【0149】
[00175] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントが、本システムの眼外ユニットの無線送信器と無線通信する無線受信器モジュールであって、非光学無線伝送モダリティ、例えば短距離RF通信プロトコルを介して、画像情報を表す画像データ信号を無線で受信するように構成された無線受信器モジュールを備える。
【0150】
[00176] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、眼外ユニットから無線受信器モジュールにより受信され、任意選択でメモリストレージモジュールにより記憶される入力画像データを受信し、信号に符号化されたデジタル画像データを処理して、そこから視覚画像を生成及び再構成し、画像生成器を動作させて、画像データに基づいて光ビームを変調し、網膜上に投射する画像投影コントローラを備える。
【0151】
[00177] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、網膜による検出に適したタイプの視覚画像を表す光画像信号を表示及び/又は投影するための画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子、LEDプロジェクタ、レーザダイオードプロジェクタ、LEDアレイなどの、任意の適切な画像表示及び/又は投影技術を組み込む可能性がある。一部の実施形態では、画像生成器は、任意の適切な集束光学系又は他の光学系を備えた光学アセンブリを備える。
【0152】
[00178] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは更に、眼内インプラントに電力を供給するように構成された電源を備えることがある。一部の実施形態では、電源は、無線電力伝送を用いて外部電源から電力を受け取るように構成される。これは、外部電源、又は内部バッテリへの有線電力接続の使用を避けるために行われる。外部電源への有線電力接続は眼の表面を通過する必要があるため、感染などのリスクだけでなく、いくつかの実用面での欠点も伴う。同様に、埋め込み型眼内インプラント自体の内部に設置又は装着された交換可能なバッテリを使用して眼内インプラントに電力を供給することは、バッテリがかさばることから実用的ではなく、交換するには外科的介入が必要になる。よって一部の実施形態では、本システムは、誘導的に眼内の眼内インプラントに電力を送ることを提供する。したがって、例えば一次(外部)誘導コイルが眼の近くに、例えば眼鏡のレンズエリアの周りに配置されるか、又は縁内に収めて配置されることがあり、眼内インプラント内の二次(内部)受信コイルが、一次コイルにより送信された電力を受信するのに使用されることがある。よって一部の実施形態では、電源は、無線電力伝送を介して、例えば電磁誘導電力伝送又は任意の他の適切な無線電力伝送技術を介して充電されるか又は電力を受け取るように構成されることがある。
【0153】
[00179] 一部の実施形態では、無線による電力伝送及びデータ伝送は透過光を介して実行され、眼外ユニットは、結合された電力及び画像データ信号を光ビームを介して角膜内インプラントに送信するように構成される。一部の実施形態では、本システムは、透過光を介した眼外ユニットと角膜内インプラントとの間の無線及び/又はデータ転送を提供する。一部の実施形態では、電力伝送及びデータ伝送は、光透過電力信号が眼外ユニットと角膜内インプラントとの間で伝送されるように同時に実行されることがあり、電力信号は、その伝送期間の少なくとも一部の間にデータを符号化することがある。
【0154】
[00180] したがって、一部の実施形態では、本システムの眼外ユニットは、透過光を介して電力信号及び/又はデータ信号を送信するように構成された送信器を備える。一部の実施形態では、送信器は、任意の所定の時間間隔の間に電力及びデータの一方又は両方を送信するように構成される。例えば、データ送信部分の間に、信号は、電力信号の振幅の変動により、又は他の任意の適切な変調技術により符号化される情報を搬送することがある。同様に、一部の実施形態では、本システムの角膜内インプラントが、透過光信号を介して、眼外ユニットにより送信された電力及び画像データ信号を受信するように構成された無線受信器モジュールを備える。一部の実施形態では、無線受信器モジュールは、例えば光電池を備えることがある。
【0155】
[00181] 更に別の態様では、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラントと、角膜内インプラントと無線電力及びデータ通信する眼外画像取込ユニットとを備えたシステムが提供される。
【0156】
[00182] 一部の実施形態では、本システムの眼外ユニットは、視覚画像を取り込むための撮像デバイスと、デジタル画像データを処理及び記憶するための1つ以上のハードウェアプロセッサ及びメモリストレージを備え、角膜内インプラントに送信するための画像データ信号を生成するための画像処理モジュールと、例えば、任意の適切な短距離RF通信プロトコルを使用して、画像データ信号を角膜内インプラントに送信するための無線送信器と、例えば無線電力伝送を用いて、眼外ユニット及び/又は角膜内ユニットに電力を供給するための電源とを少なくとも備える。
【0157】
[00183] 一部の実施形態では、本開示のシステムの眼外ユニットは、従来の眼鏡フレームに配設されるか、又はヘルメット、ヘッドバンドなどの別の頭部装着要素に結合されるいくつかのコンポーネントによって形成されることがある。
【0158】
[00184] 一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、ハードウェアプロセッサ及びメモリストレージを備えた画像投影コントローラ、画像生成器、光学アセンブリ、無線受信器モジュール、及び無線受電素子のうちの1つ以上を備える。
【0159】
[00185] 一部の実施形態では、眼内インプラントは、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがあり、実質的に透明な角膜組織のみが眼内インプラントの後方に存在する。
【0160】
[00186] 一部の実施形態では、眼内インプラントは、部分的に透明、部分的に半透明、及び/又は部分的に不透明な角膜組織の層が、デバイスの投光後部ポートの後方に存在するように、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがある。
【0161】
[00187] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、眼内インプラントの投光後部ポートが、眼内インプラントの投光後部ポートの後方に位置する、実質的に光を通す(例えば、約10~50μmの厚さを有する)角膜組織の非常に薄い層に当接するか又は実質的に接触係合するように、眼内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。一部の実施形態では、角膜組織の非常に薄い層は、眼内インプラントが前房内に延在しないように障壁として機能し、それによって眼内インプラントの脱臼、眼圧低下、緑内障、レトロプロテーゼ膜形成、又は眼内感染症を含む潜在的な合併症を回避する。
【0162】
[00188] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、角膜内に収まるように寸法設定された角膜内インプラントを含む。一部の実施形態では、角膜内インプラントは、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面(眼の前面に面する)及び凹後面(眼の網膜に面する)を有する面状体を画定する。一部の実施形態では、角膜内インプラントは、である。
【0163】
[00189] 一部の実施形態では、角膜内インプラントは、インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部、及び内側プラットフォームの周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアームを備えた周辺部を備える。一部の実施形態では、角膜内インプラントは更に、角膜内インプラントの円形外周を画定する周辺スカート部を備え、1つ以上の角度的に離間したアームは内側プラットフォームと周辺スカート部との間を接続する。
【0164】
[00190] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントが更に、インプラントの周縁から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚を備えることがある。触覚は、手術中に角膜に形成されるポケット内の所望の位置に角膜内インプラントを位置決めして中心に置く、例えば眼の光軸と整列するように構造的に機能することがある。
【0165】
[00191] 一部の実施形態では、本システムの角膜内インプラント内に形成される、例えば1つ以上の接続アーム又は周辺スカートの周囲に位置する1つ以上の開口部が、角膜内インプラントを所望の位置に長期にわたって固定するために、角膜内での眼内インプラントの適応を可能にするように構成されることがある。
【0166】
[00192] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは、角膜内インプラントに装着された画像生成器であって、液晶ディスプレイ(LCD)パネルなどのパネル上に画像パターンを生成するように構成され動作可能である画像生成器を備え、生成した画像パターンは、眼の網膜上に画像を生成するために投影することができる。
【0167】
[00193] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントが、本システムの眼外ユニットの無線送信器と無線通信する無線受信器モジュールであって、非光学無線伝送モダリティ、例えば短距離RF通信プロトコルを介して、画像情報を表す画像データ信号を無線で受信するように構成された無線受信器モジュールを備える。一部の実施形態では、無線受信器モジュールは、無線周波数(RF)又は同様のデータ伝送などの非光学データ伝送モダリティを介して、本システムの眼外ユニットから画像データ信号を受信するように構成されており、非光学データ伝送モダリティは、それ以外は完全に又は部分的に可視光を通さない眼(例えば、角膜、結膜又は他の形態の組織フラップ)の障害層又は不透明層を横断することができる。
【0168】
[00194] したがって、一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントの無線受信器モジュールは、非光学データ伝送路、例えば短距離RF伝送を介して眼外ユニットからデジタル画像データ信号を受信し、画像データ信号に符号化されたデジタル画像データを処理して、画像パターン又は一連の画像パターンを表示パネル上に生成し、1つ以上の集束光学系及び/又は眼のレンズを含み得る光伝送路を介して、生成した画像パターンを網膜上に投影するように構成される。
【0169】
[00195] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントが、眼外ユニットから無線受信器モジュールにより受信され、任意選択でメモリストレージモジュールにより記憶される入力画像データを受信し、信号に符号化されたデジタル画像データを処理して、そこから視覚画像を生成及び再構成し、表示パネルを動作させてその中に画像パターンを形成して、網膜上に投影する画像投影コントローラを備える。
【0170】
[00196] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントが、網膜による検出に適したタイプの視覚画像を表す光画像を表示するための画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子などの、任意の適切な画像表示を組み込む可能性がある。一部の実施形態では、画像生成器は、任意の適切な集束光学系又は他の光学系を備えた光学アセンブリを備える。
【0171】
[00197] 一部の実施形態では、本システムの眼内インプラントは更に、眼内インプラントに電力を供給するように構成された電源を備えることがある。一部の実施形態では、電源は、無線電力伝送を用いて外部電源から電力を受け取るように構成される。
【0172】
[00198] 一部の実施形態では、本システムは、眼外ユニットに含まれ得る、そして角膜内インプラントの画像生成器(例えばLCDパネル)を、その中に表示された画像を眼の網膜上に投影するために照明するように構成され得る外部照明源を備える。
【0173】
[00199] 一部の実施形態では、本システムは、角膜内眼外ユニットの画像生成器に装着又は結合され得る、そして角膜内インプラントの画像生成器(例えばLCDパネル)を、その中に表示された画像を眼の網膜上に投影するために照明するように構成され得る眼内照明源を備える。したがって、一部の実施形態では、画像生成器は、視覚画像を表示するように構成されたLCDパネルを備えることがある。一部の実施形態では、LCDパネルは、角膜内インプラント内に一体化されたバックライト照明源又は別の同様の照明源を備えることがある。
【0174】
[00200] 一部の実施形態では、無線による電力伝送及びデータ伝送は透過光を介して実行され、眼外ユニットは、結合された電力及び画像データ信号を光ビームを介して角膜内インプラントに送信するように構成される。一部の実施形態では、本開示は、透過光を介した眼外ユニットと角膜内インプラントとの間の無線及び/又はデータ転送を提供する。一部の実施形態では、電力伝送及びデータ伝送は、光透過電力信号が眼外ユニットと角膜内インプラントとの間で伝送されるように同時に実行されることがあり、電力信号はその伝送期間の少なくとも一部の間にデータを符号化することがある。
【0175】
[00201] したがって、一部の実施形態では、本システムの眼外ユニットは、透過光を介して電力信号及び/又はデータ信号を送信するように構成された送信器を備える。一部の実施形態では、送信器は、任意の所定の時間間隔の間に電力及びデータの一方又は両方を送信するように構成される。例えば、データ送信部分の間に、信号は、電力信号の振幅の変動により、又は他の任意の適切な変調技術により符号化される情報を搬送することがある。同様に、一部の実施形態では、本システムの角膜内インプラントが、透過光信号を介して、眼外ユニットにより送信された電力及び画像データ信号を受信するように構成された無線受信器モジュールを備える。一部の実施形態では、無線受信器モジュールは、例えば光電池を備えることがある。
【0176】
[00202] 角膜内インプラント200及び光学ステム300を備えた本開示の例示的なデバイス100を斜視図(図1A)、斜視断面図(図1B)、及び側面断面図(図1C)で模式的に示す図1Aから図1Cを参照する。
【0177】
[00203] 眼101内に埋め込まれる、角膜内インプラント200及び光学ステム300を備えたデバイス100を分解斜視図(図1D)及び側面図(図1E)で模式的に示す図1Dから図1Eも参照する。
【0178】
[00204] 一部の実施形態では、角膜内インプラント200は、眼101の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成される。一部の実施形態では、角膜内インプラント200は、概ねデバイス100の光学ステム300を受け入れ保持するように構成された中央光学部と、2つ以上の触覚を含む周辺触覚部とを備える。
【0179】
[00205] 一部の実施形態では、デバイス100は、周囲環境及び/又は外部光源からの光を、眼101を通って、光路に沿って網膜上に透過させるように構成された光学ステム300を備える。一部の実施形態では、光学ステム300は、図1Dから図1Eに破線で表された、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼に透過させるための光透過性経路を画定する。
【0180】
[00206] 一部の実施形態では、埋め込み後、事前に除去したレシピエント前角膜ラメラ、ドナー角膜組織、又は角膜組織スキャフォールドからなる前角膜ラメラ102を所定の位置に縫合して、角膜及び埋め込んだデバイスを完全に又は部分的に覆うことがある。
【0181】
[00207] 図2Aから図2Eは、本開示の一部の実施形態によるデバイス100(図1Aから図1Cに示す)の例示的な角膜内インプラント200の上面斜視図(図2A)、底面斜視図(図2B)、側面図(図2C)、上面図(図2D)、及び底面図(図2E)である。
【0182】
[00208] 一部の実施形態では、角膜内インプラント200は、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成される。一部の実施形態では、角膜内インプラント200は、概ねアンカー体202を含む中央光学部と、2つ以上の触覚204を含む周辺触覚部とを備える。
【0183】
[00209] 一部の実施形態では、角膜内インプラント200は、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面(図2Aに示す、眼の前面に面する)及び凹後面(図2Bに示す、眼の網膜に面する)を有する面状体を画定する。
【0184】
[00210] 一部の実施形態では、角膜内インプラント200は、角膜内に収まるように寸法設定される。例えば、角膜内インプラント200は、対向縁間の全スパンが、例えば6~12mm(例えば9mm)で、全平面厚さが0.02~1.50mmで、曲率が32~47ジオプトリーの凸面を有することがある。
【0185】
[00211] 任意選択で、中央光学部は、光学ステム300を受け入れ保持するように構成された中央開口202aを画定する円周方向に連続した環状アンカー体202を備える。しかしながら、他の実施形態では、以下で更に詳細に説明するように、アンカー体202は、一体形成された光学ステム300を含むことがある。
【0186】
[00212] アンカー体202は、リング、リム、カニューレ、円筒、又は円形又は円筒形の開口を画定し得る及び/又は光学ステム(以下で詳細に説明する光学ステム300など)を形成し得る他の任意の適切な三次元形状である可能性があり、触覚204が取り付けられる可能性がある。
【0187】
[00213] 一部の実施形態では、アンカー体202及び触覚204を備えた角膜内インプラント200は、任意の適切な生物学的適合性材料、例えば、任意の金属、金属合金(例えば、ニチノール、ステンレス鋼など)で形成されることがある。一部の実施形態では、材料は、ポリマー、例えば、アクリレートポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィンコポリマー、フルオロポリマー(例えばPTFE)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、それらのコポリマー、シリコン、架橋シリコンポリマー、及びそれらの組み合わせである可能性がある。
【0188】
[00214] 一部の実施形態では、インプラント200の全ての構成要素は同じ材料で作られる可能性がある。一部の実施形態では、インプラント200の構成要素のうちの少なくとも2つは異なる材料で作られる。角膜内インプラント200を構成する材料のうちの1つ以上は、透明、実質的に透明、又は光学的に透明である可能性がある。角膜内インプラント200を構成する材料のうちの1つ以上は生体適合性である可能性がある。
【0189】
[00215] 一部の実施形態では、角膜内インプラント200は、単一材料の単体角膜内インプラントとして一体形成されることがあるか、又は各構成要素が異なる材料で作られ得る2つ以上の別個の構成要素から組み立てられることがある。一部の実施形態では、角膜内インプラント200又はその任意の部分は、硬質又は非変形性の材料、形状記憶材料、及び/又は可撓性又は変形可能な材料で作られることがある。一部の実施形態では、角膜内インプラント200又はその任意の部分は、例えばヒドロキシアパタイト又は同種の材料のコーティングを有することがある。例えば、アンカー体202及び触覚204は、異なる材料で作られることがあるか、又は代替的に異なる機械的特性を有する同種の材料で作られることがある。
【0190】
[00216] 一部の実施形態では、インプラント200の周辺触覚部は、アンカー体202から、例えばその外周縁から横方向に延びる2つ以上の角度的に離間した触覚204を備える。一部の実施形態では、触覚204は、アンカー体202の外周縁から外側に延びる。触覚204は、埋め込まれた角膜内インプラント200を中心に置き所定の位置に固定するように構造的に機能することがある。触覚204のそれぞれは、アンカー体202の外周縁に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備える。一部の実施形態では、2~6個の触覚204が使用されることがある。一部の実施形態では、触覚204は、対向する対に分割されることがあり、それぞれがアンカー体202の反対側の端部でアンカー体202から離れる方向に外側に延びる。触覚204は、当技術分野で知られている任意の適切な形状、寸法、及び輪郭を有する可能性がある。任意の所与の角膜内インプラント200に含まれる触覚204は、形状及び寸法が全て同じであるか、又は異なる可能性がある。
【0191】
[00217] 角膜内インプラント200の埋め込み中、触覚204のそれぞれは、角膜内インプラント200の中心を可能な限り眼の光軸に近づけるように、また角膜内インプラント200が確実にXY平面内の回転方向に所望の配置を有し、角膜内の所定の位置に固定するように操作されることがある。
【0192】
[00218] 一部の実施形態では、触覚204の少なくとも1つは、1つ以上の開口部206を備える。一部の実施形態では、触覚204のそれぞれは、その長さの少なくとも一部に沿って、一連の離間した開口部206を備える。開口部206は、任意の規則的な形状及び正多角形(例えば、円、半円、楕円、正方形、三角形、六角形、八角形、及び長方形)並びに不規則な形状及び多角形など、任意の適切な形状又は寸法である可能性がある。各触覚204上の開口部206の数は、0~20の間又はそれ以上である可能性がある。開口部206は、触覚204上のどこにでも配置される可能性がある。
【0193】
[00219] 一部の実施形態では、開口部206は、開口部206を介した角膜内における角膜内インプラント200の適応及び周囲の角膜組織内への角膜内インプラント200の固定を可能にするように構成される。このように、角膜内インプラント200が埋め込まれ、眼が治癒すると、角膜内インプラント200は、周囲組織の成長及び再形成によって所定の位置に実質的に固定される。
【0194】
[00220] 図3Aから図3Cは、眼の角膜内に埋め込まれ、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を、眼を通って、光路(図3Bから図3Cの破線で示される)に沿って網膜上に透過させるように構成された、本開示のデバイス100の例示的な光学ステム300の側断面図(図3A)、分解斜視図(図3B)及び分解側面図(図3C)の概要図である。
【0195】
[00221] 一部の実施形態では、光学ステム300は、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を、眼を通って光路に沿って透過させるための光透過性経路を画定し、光学ステムにより画定される経路は、光学レンズなどの少なくとも1つの光学素子を備えることがある。
【0196】
[00222] 他の実施形態では、光学ステム300は、光学的に結合された照明素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子、LEDプロジェクタ、レーザダイオードプロジェクタ、LEDアレイなどの任意の適切な画像表示及び/又は投影技術を組み込んだ画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、眼外源(眼外撮像デバイスなど)から画像データ信号を受信し、投光後部ポートを介して後方に眼の網膜上に投影される光画像信号を生成するように構成される。
【0197】
[00223] 一部の実施形態では、光学ステム300は、光が角膜内インプラント200の最前端を画定する光学ステムの前端300aにある受光前部ポートに入ることに基づいて、その後端300bにあるその投光後部ポートを越えて画像を投影するように構成される(例えば、デバイス100が眼に埋め込まれる場合、画像は網膜上に投影される)。一部の実施形態では、光学ステムは、眼の前面に最も近い前端300aに受光前部ポートを有する。光学ステムは、角膜の後面により近い、光学ステムの後端300bに位置する投光後部ポートまで角膜を通って軸方向に延びる。一部の実施形態では、光学ステムの前端300aは、デバイス100の最前点を画定し、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、光学ステムの前端300aは、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下で眼の前面に近接して位置する。一部の実施形態では、光学ステム300の前端の少なくとも一部は、眼の前面を通して露出し、以下で更に説明するように、デバイス100の外部光学素子を受け入れるための手段を形成する。
【0198】
[00224] 一部の実施形態では、光学ステムの前端300aは、光学素子、例えば集束レンズとして機能する前面を備えることがある。一部の実施形態では、以下で更に詳細に説明するように、前端300aは、1つ以上の外部光学素子を受け入れるように構成される。
【0199】
[00225] 一部の実施形態では、光学ステム300は、網膜に焦点の合った画像を提供するのを助ける、レンズなどの1つ以上の内部光学及び/又は結像コンポーネントを備え、光学ステム300の光学部品は、光学ステム300により画定される光透過性経路と光学的に位置合わせされる。他の実施形態では、光学ステム300は、単に外部光又は結像成分が投光後部ポートを通過しそこから網膜上に投射されることを可能にする透明な経路である。他の実施形態では、光学ステム300は、光学的に結合された照明器素子を有する液晶ディスプレイ(LCD)素子、LEDプロジェクタ、レーザダイオードプロジェクタ、LEDアレイなどの任意の適切な画像表示及び/又は投影技術を組み込んだ画像生成器を備える。一部の実施形態では、画像生成器は、眼外源(眼外撮像デバイスなど)から画像データ信号を受信し、投光後部ポートを介して後方に眼の網膜上に投影される光画像信号を生成するように構成される。
【0200】
[00226] 一部の実施形態では、光学ステム300は、開口202a内に受け入れられ得るか、又は任意選択で開口202aの代わりに角膜内インプラント200と一体形成され得る少なくとも1つの内部光学レンズ302(図4Aから図4Bを参照して更に詳細に説明される)を備える。一部の実施形態では、内部光学レンズ302は、角膜内インプラント200の開口202a内に直接装着するように構成されることがある。一部の実施形態では、内部光学レンズ302は、角膜内インプラント200と一体形成される、例えば、アンカー体202に対してほぼ中央に位置することがあり、そのような場合、アンカー体202は開口202aを備えていない。
【0201】
[00227] 一部の実施形態では、内部光学レンズ302は、別個のレンズハウジング304内に装着するように構成されることがあり、レンズハウジング304は、角膜内インプラント200の開口202a内に受け入れられるように構成される。レンズハウジング304は、網膜に画像を投影するために光が通過する内部光学レンズ302を収容する円筒又は管状部を備えることがある。本明細書で使用されるレンズハウジング304は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスルホン、トリメチル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリステレン-ポリイソブチレン-ポリステレン(SIBS)などの任意の適切な生物学的適合性材料から作られることがある。レンズハウジング304は、任意のものであり得る。適切な量の光が通過するのを許可するなど、視力を調節するのに十分な任意のサイズである場合がある。
【0202】
[00228] 一部の実施形態では、光学レンズ302はレンズハウジング304と一体形成されることがある。一部の実施形態では、レンズハウジング304は、角膜内インプラント200と一体形成される、例えば、アンカー体202に対してほぼ中央に位置することがあり、そのような場合、アンカー体202は開口202aを備えていない。一部の実施形態では、光学レンズ302及びレンズハウジング304はいずれも、例えば、レンズハウジング304及び光学レンズ302がアンカー体202に対してほぼ中心に位置するように、角膜内インプラント200と一体形成されることがあり、そのような場合、アンカー体202は開口202aを備えていない。
【0203】
[00229] これよりデバイス100と併せて使用され得る、本開示の例示的な内部光学レンズ302を斜視図(図4A)及び側面図(図4B)で示す図4Aから図4Bを参照する。
【0204】
[00230] 一部の実施形態では、内部光学レンズ302は、凸レンズ、凹レンズ、単焦点レンズ、多焦点レンズ、フレネルレンズ、回折レンズ、プリズムレンズ、集束レンズ、又は屈折異常(近視、遠視、又は乱視など)を治療するのに使用され得る他のタイプのレンズである場合がある。一部の実施形態では、内部光学レンズ302は、単独で又は1つ以上の追加の内部レンズ及び/又は外部レンズと組み合わせて、網膜に画像の焦点を合わせるように構成されることがある。
【0205】
[00231] 一部の実施形態では、内部光学レンズ302は、内部光学レンズ302が開口202a内に光学レンズを形成するように、角膜内インプラント200の中央光学部と一体形成される、例えば、アンカー体202と一体形成されることがある。他の実施形態では、内部光学レンズ302は、角膜内インプラント200とは別体に形成され、例えば、精密フィット、圧入、クリックフィットコネクタ、ねじ結合、環状溝及びチャネル係合を用いて、融着によって、開口202aを画定するアンカー体202の内周縁と内部光学レンズ302の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて内部光学レンズ302を開口202a内に装着することによって、開口202a内に受け入れ保持されるように構成されることがある。一部の実施形態では、内部光学レンズ302は、内部光学レンズ302と開口202aとの結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合で開口202a内に装着されるように構成されることがある。
【0206】
[00232] これよりデバイス100及び内部光学レンズ302と併せて使用され得る、本開示の例示的な角膜内レンズハウジング304を正面斜視図(図5A)、背面斜視図(図5B)、側面図(図5C)、及び上面図(図5D)で示す図5Aから図5Dを参照する。
【0207】
[00233] 一部の実施形態では、レンズハウジング304は、アンカー体202内、例えば開口202a内に取り付けられるか又は装着されるように構成され、レンズハウジング304が周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼を通って光路に沿って透過させるための光透過性経路を画定するように眼に対して配向されるように構成された任意の実質的な円筒又は管状体を画定する。一部の実施形態では、レンズハウジング304は、例えば、精密フィット、圧入、クリックフィット、環状溝及びチャネル係合、ねじ係合を用いて、融着によって、開口202aを画定するアンカー体202の内周縁とベース部304aの周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて、アンカー体202の開口202a内に受け入れられ装着されるように構成されたベース部304aを備えることがある。一部の実施形態では、ベース部304aは、ベース部304aと開口202aとの結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密閉結合又は係合で開口202a内に装着されるように構成されることがある。
【0208】
[00234] 一部の実施形態では、レンズハウジング304は、内部光学レンズ302を受け入れ保持するように構成されたより大きな直径のレンズ保持部分304bを備える。一部の実施形態では、レンズハウジング304は、レンズハウジング304と開口202aとの結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密閉結合又は係合で開口202a内に装着されるように構成されることがある。
【0209】
[00235] 一部の実施形態では、レンズハウジング304は、任意の適切な生物学的適合性材料、例えば、任意の金属、金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼など)で形成されることがある。一部の実施形態では、材料は、ポリマー、例えば、アクリレートポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィンコポリマー、フルオロポリマー(例えばPTFE)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、それらのコポリマー、シリコン、架橋シリコンポリマー、及びそれらの組み合わせである可能性がある。
【0210】
[00236] アンカー体202及び触覚204を含む角膜内インプラント200のコンポーネント、及び/又は光学レンズ302及びレンズハウジング304を含む光学ステム300のコンポーネントのうちの任意の2つ以上が、成形、積層印刷などを含むがこれらに限定されない任意の適切な製造プロセスを用いて、単一の材料から単一のユニット又はピースとして構築され得ることに留意されたい。
【0211】
[00237] 図6は、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を、眼を通って、光路(破線で示す)に沿って網膜上に透過させるように構成された、角膜内インプラント200及び光学ステム300を備えた本開示の例示的なデバイス100の分解斜視図である。一部の実施形態では、デバイス100は、例えば、端板310及び/又は外部光学レンズ316を含む、眼球外にあるオプションの外部光学素子を更に備え、外部光学素子は以下で詳述するように光学ステム300の前端300aに装着されることがある。一部の実施形態では、外部光学レンズ316は端板310と一体形成される。
【0212】
[00238] デバイス100内に更に含まれ得る例示的な外部前端板310を正面斜視図(図7A)、背面斜視図(図7B)、側面図(図7C)、及び上面図(図7D)で示す図7Aから図7Dを参照する。
【0213】
[00239] 一部の実施形態では、光学ステム300の前端300aは、デバイス100の1つ以上のオプションの外部光学素子を装着するように構成されることがあり、これにより、光学的な調整及び/又はアップグレードの目的で、例えば、デバイス100の屈折力又は集光力を調整するために、手術後に容易にアクセスでき得る外部光学レンズ316がデバイス100に提供されることがある。
【0214】
[00240] 上記のように、また以下で更に説明するように、一部の実施形態では、デバイス100の埋め込み時に、光学ステム300の前端300aは、実質的に眼の前面に配置されるか、眼の前面と同一平面にあるか、又はわずかに突き出ているように構成されることがある。一部の実施形態では、光学ステム300の前端300aは、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下で眼の前面に近接して位置する。一部の実施形態では、光学ステム300の前端300aの少なくとも一部は、眼の前面を通して周囲環境に露出される。
【0215】
[00241] そのような全ての実施形態において、本開示は、前端300aに取り外し可能及び/又は調整可能に取り付け可能、例えば、前端300aに磁気的に取り外し可能に取り付け可能であり得る端板310を提供する。一部の実施形態では、端板310は、前端300aに取り外し可能に取り付け可能、例えば、前端300aに磁気的に取り外し可能に取り付け可能である場合がある。一部の実施形態では、端板310は、例えば、その中心軸を中心に端板310を回転させて、その中に受け入れられる外部レンズの光学特性を調整することによって、前端300aに調整可能に取り付け可能である場合がある。一部の実施形態では、端板310は、前端300aに対する端板310の特定の所望の角度配置を確実にする方法で、前端300aに取り付けられるように構成されることがある。
【0216】
[00242] 一部の実施形態では、端板310は、角膜の前面の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面310a及び凹後面310bを有する概ね円形の曲面体を画定することがある。一部の実施形態では、端板310は、その後面310b上に中央に位置する隆起した環状フランジ312を有し、この環状フランジ312は貫通開口部314を画定する。一部の実施形態では、端板310は、前端300aに取り付け可能であり、端板310がその開口部314によって、周囲環境及び/又は眼外光源からの光を眼を通って光路に沿って透過させるための光透過性経路を画定するように眼に対して配向されることがある。
【0217】
[00243] 続いて図7Aから図7D及び図8Aから図8Bを参照すると、一部の実施形態では、前端板310は、外部光学レンズ316などの1つ以上の光学素子を受け入れるように構成されることがある。一部の実施形態では、外部光学レンズ316は、図6に破線で示す光学経路により画定される光軸に関してレンズ316の光学特性を調整するように構成される、その光軸に関して回転非対称なレンズである場合がある。外部光学レンズ316は、(例えばその中心軸を中心に回転させることによって)端板310の開口部314内に取り外し可能に受け入れられ調整されることがある。代替的に、外部光学レンズ316は、端板310の開口部314内に固定的に装着されることがあり、端板310は、光学ステム300の前端300aに取り付けられるときに、その中心軸について調整されることがある。一部の実施形態では、外部光学レンズ316は、図6に破線で示す光学経路により画定される光軸に関してレンズ316の光学特性を調整及び微調整するために、前端板310内で配向される可能性がある。一部の実施形態では、端板310は、適切な工具を用いて光学ステム300の前端300aに対して調整される可能性があり、これによって図6に破線で示す光学経路により画定される光軸に関してレンズ316の光学特性をレンズ316に変更又は調整及び微調整させる。
【0218】
[00244] 一部の実施形態では、端板310及び外部光学レンズ316のうちの1つ以上は、埋め込んだデバイスの光学仕様に起因するあらゆる欠陥を調整及び修正するために、特定の患者向けに特注で作られることがある。これらの部品は、特定の患者の必要に応じて外部光学レンズ316の屈折力及び集光力を修正又は微調整するために、埋め込み後に装着され、その場で調整されることがある。
【0219】
[00245] 一部の実施形態では、端板310及び外部レンズ316のうちの1つ以上は、着色されるか又は美容用に及び/又は眼に自然な外観を与えるように構成されたデザインを特徴とすることがある(例えば、端板310の前端は、虹彩の自然な色に似る/虹彩の自然な色を擬似するように着色されることがある)。
【0220】
[00246] 端板310及び外部光学レンズ316が、成形、積層印刷などを含むがこれらに限定されない任意の適切な製造プロセスを用いて、単一の材料から単一のユニット又はピースとして構築され得ることに留意されたい。
【0221】
[00247] 角膜内インプラント210、内部光学レンズ322、端板330及び外部光学レンズ326を備えた、本開示のデバイス110の例示的な実施形態を分解斜視図(図9A)、分解側面図(図9B)及び断面図(図9C及び9D)で示す図9Aから図9Dを参照する。一部の実施形態では、角膜内インプラント210は眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成される。一部の実施形態では、角膜内インプラント210は、概してレンズハウジング本体212を含む中央光学部と、図2Aから図2Eを参照して説明したものと同様の2つ以上の触覚204を含む周辺触覚部とを含む。一部の実施形態では、レンズハウジング本体212は、網膜上に画像を投影するために光が通過する眼に対して視力を促進する関係で配向されたレンズ322を収容する円筒又は管状体を画定し、前方に隆起した環状フランジ212aを備える。一部の実施形態では、フランジ212aの前縁は、角膜内インプラント210の最前端210aを画定する。
【0222】
[00248] 一部の実施形態では、レンズハウジング本体212及び触覚204を備えた角膜内インプラント210は、任意の適切な生物学的適合性材料、例えば、任意の金属、金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼など)で形成されることがある。一部の実施形態では、材料は、ポリマー、例えば、アクリレートポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィンコポリマー、フルオロポリマー(例えばPTFE)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、それらのコポリマー、シリコン、架橋シリコンポリマー、及びそれらの組み合わせである可能性がある。
【0223】
[00249] 一部の実施形態では、内部光学レンズ322は、角膜内インプラント210の中央光学部と一体形成される、例えば、レンズハウジング本体212と一体形成されることがある。他の実施形態では、光学レンズ322は、角膜内インプラント210とは別体に形成され、例えば、精密フィット、圧入、クリックフィットコネクタ、環状溝及びチャネル係合、ねじ結合を用いて、融着によって、レンズハウジング本体212の内周縁と光学レンズ322の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて光学レンズ322をレンズハウジング本体212内に装着することによって、レンズハウジング本体212内に受け入れ保持されるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学レンズ322は、光学レンズ322とレンズハウジング本体212との結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合でレンズハウジング本体212内に装着されるように構成されることがある。
【0224】
[00250] 一部の実施形態では、埋め込み時に、デバイス110の最前点を画定するレンズハウジング本体212の前端210aは、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、レンズハウジング本体212の前端210aは、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下で眼の前面に近接して位置する。一部の実施形態では、レンズハウジング本体212の前端210aの少なくとも一部は、眼の前面を通して露出し、端板330及び/又は1つ以上の外部レンズなどのデバイス110の外部光学素子を受け入れるための手段を形成し、これにより調整及び/又はアップグレードの目的で、例えば、デバイス110の屈折力又は集光力を調整するために、手術後に容易にアクセスできる場合がある。
【0225】
[00251] 図9Dは、デバイス110の例示的な変形例の断面図を示しており、外部レンズ327が端板331と一体形成されている。
【0226】
[00252] 角膜内インプラント220、内部光学レンズ322、端板330及び外部光学レンズ326を備えた、本開示のデバイス120の例示的な実施形態を分解斜視図(図10A)、分解側面図(図10B)及び断面図(図10C)で示す図10Aから図10Cを参照する。一部の実施形態では、角膜内インプラント220は眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成される。一部の実施形態では、角膜内インプラント220は、概してレンズハウジング本体222を含む中央光学部と、図2Aから図2Eを参照して説明したものと同様の2つ以上の触覚204を含む周辺触覚部とを含む。一部の実施形態では、レンズハウジング本体222は、網膜に画像を投影するために光が通過する眼に対して配向されたレンズ322を収容する円筒又は管状体を画定し、前方に隆起した環状フランジ222aを備える。一部の実施形態では、フランジ222aの前端又は前縁が、角膜内インプラント220の最前端220aを画定する。
【0227】
[00253] 一部の実施形態では、レンズハウジング本体222及び触覚204を備えた角膜内インプラント220は、任意の適切な生物学的適合性材料、例えば、任意の金属、金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼など)で形成されることがある。一部の実施形態では、材料は、ポリマー、例えば、アクリレートポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィンコポリマー、フルオロポリマー(例えばPTFE)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、それらのコポリマー、シリコン、架橋シリコンポリマー、及びそれらの組み合わせである可能性がある。
【0228】
[00254] 一部の実施形態では、内部光学レンズ322は、角膜内インプラント220の中央光学部と一体形成される、例えば、レンズハウジング本体222と一体形成されることがある。他の実施形態では、光学レンズ322は、角膜内インプラント220とは別体に形成され、例えば、精密フィット、圧入、クリックフィットコネクタ、環状溝及びチャネル係合、ねじ結合を用いて、融着によって、レンズハウジング本体222の内周縁と光学レンズ322の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて光学レンズ322をレンズハウジング本体222内に装着することによって、レンズハウジング本体222内に受け入れ保持されるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学レンズ322は、光学レンズ322とレンズハウジング本体222との結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合でレンズハウジング本体222内に装着されるように構成されることがある。
【0229】
[00255] 一部の実施形態では、埋め込み時に、デバイス120の最前点を画定するレンズハウジング本体222の前端220aは、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、レンズハウジング本体222の前端220aは、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下で眼の前面に近接して位置する。一部の実施形態では、レンズハウジング本体222の前端の少なくとも一部は、眼の前面を通して露出し、端板330及び/又は1つ以上の外部光学レンズ326などのデバイス120の外部光学素子を受け入れるための手段を形成し、これにより調整及び/又はアップグレードの目的で、例えば、デバイス120の屈折力又は集光力を調整するために、手術後に容易にアクセスできる場合がある。
【0230】
[00256] 一部の実施形態では、デバイス120は、端板330を前端220aに磁気的に取り外し可能に取り付けるように構成された磁気結合システムを更に備える。一部の実施形態では、端板330は、前端220aに取り外し可能かつ回転可能に取り付け可能である、例えば前端220aに磁気的に取り外し可能かつ回転可能に取り付け可能である場合がある。一部の実施形態では、フランジ222aは、フランジ222aの前端に近接して位置する環状磁気リング223を備えることがある。同様に、端板330は、端板330の投光後部ポートに近接して位置する環状磁気リング224を備えることがある。したがって、端板330がデバイス120の前端220aの周りに配置されると、磁気リング223及び224は互いに引き合い、端板330をデバイス120の前端220aに固定するように作用する。
【0231】
[00257] 角膜内インプラント230、内部光学レンズ332、端板330、及び外部光学レンズ326を備えた、本開示のデバイス130の例示的な実施形態を分解斜視図(図11A)、分解側面図(図11B)及び断面図(図11C及び11D)で示す図11Aから図11Dを参照する。一部の実施形態では、角膜内インプラント230は眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成される。一部の実施形態では、角膜内インプラント230は、概して内部光学レンズ332を含む中央光学部と、図2Aから図2Eを参照して説明したものと同様の2つ以上の触覚204を含む周辺触覚部とを含む。一部の実施形態では、内部光学レンズ332は角膜内インプラント230の中央部と一体形成されることがある。他の実施形態では、光学レンズ332は、角膜内インプラント230とは別体に形成され、例えば、精密フィット、圧入、環状溝及びチャネル係合、クリックフィットコネクタ、ねじ結合を用いて、融着によって、角膜内インプラント230の中央光学部の内周縁と光学レンズ332の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて光学レンズ332を装着することによって、角膜内インプラント230の中央光学部内に受け入れ保持されるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学レンズ332は、光学レンズ332と角膜内インプラント230の中央光学部との結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合で角膜内インプラント230の中央光学部内に装着されるように構成されることがある。
【0232】
[00258] 一部の実施形態では、デバイス130は更に、網膜に画像を投影するために光が通過する眼に対して配向された角膜内インプラント230の中央光学部から前方に延びる円筒又は管状体を画定する別個の管状延長部232を備える。一部の実施形態では、管状延長部232の前端又は前縁が角膜内インプラント230の最前端230aを画定する。
【0233】
[00259] 一部の実施形態では、管状延長部232及び触覚204を備えた角膜内インプラント230は、任意の適切な生物学的適合性材料、例えば、任意の金属、金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼など)で形成されることがある。一部の実施形態では、材料は、ポリマー、例えば、アクリレートポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィンコポリマー、フルオロポリマー(例えばPTFE)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、それらのコポリマー、シリコン、架橋シリコンポリマー、及びそれらの組み合わせである可能性がある。
【0234】
[00260] 一部の実施形態では、埋め込み時に、角膜内インプラント230の最前点を画定する管状延長部232の前端230aは、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、管状延長部232の前端230aは、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下で眼の前面に近接して位置する。一部の実施形態では、管状延長部232の前端の少なくとも一部は、眼の前面を通して露出し、端板330及び/又は1つ以上の外部光学レンズ326などのデバイス130の外部光学素子を受け入れるための手段を形成し、これにより調整及び/又はアップグレードの目的で、例えば、デバイス130の屈折力又は集光力を調整するために、手術後に容易にアクセスできる場合がある。
【0235】
[00261] 一部の実施形態では、管状延長部232は、管状延長部232により画定される貫通内孔が、光を透過させるための光透過性経路を作成するために眼に対して配向されるように、角膜内インプラント230の中央光学部に結合されることがある。一部の実施形態では、管状延長部232は、例えば、精密フィット、圧入、クリックフィット、環状溝及びチャネル係合、ねじ係合を用いて、融着によって、管状延長部232の内周縁と角膜内インプラント230の中央光学部の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて、角膜内インプラント230の中央光学部に結合されることがある。一部の実施形態では、図11Dの断面図に示す変形例に見られるように、管状延長部232は、例えば、角膜内インプラント230の中央光学部の周縁上の対応する環状溝と係合するように構成された管状延長部232の内周縁上の環状突起232a(逆の場合もあり得る)を備えたクリックシステムによって角膜内インプラント230の中央光学部に結合されることがある。一部の実施形態では、管状延長部232は、管状延長部232と角膜内インプラント230の中央光学部との結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合で角膜内インプラント230の中心光学部に結合されることがある。
【0236】
[00262] 一部の実施形態では、デバイス130は、端板330を前端230aに磁気的に取り外し可能に取り付けるように構成された磁気結合システムを更に備える。一部の実施形態では、端板330は、前端230aに取り外し可能かつ回転可能に取り付け可能である、例えば前端230aに磁気的に取り外し可能かつ回転可能に取り付け可能である場合がある。一部の実施形態では、管状延長部232は、管状延長部232の前端に近接して位置する環状磁気リングを備えることがある。同様に、端板330は、端板330の投光後部ポートに近接して位置する環状磁気リングを備えることがある。したがって、端板330がデバイス130の前端230aの周りに配置されると、各磁気リングは互いに引き合い、端板330をデバイス130の前端230aに固定するように作用する。
【0237】
[00263] 図11Eから図11Gは、端板330を前端230aに磁気的に取り外し可能に取り付けるように構成された磁気結合システムを備える例示的な管状延長部233、234、235を示している。
【0238】
[00264] 一部の実施形態では、例示的な管状延長部233(図11E)は、1つ以上の、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の、例えば実質的に均等に環状に離間した磁石236、237、238を管状延長部233の前端に備えることがある。同様に、端板330は、端板330の投光後部ポートに近接して位置する対応する一組の環状に離間した磁石を備えることがある。したがって、端板330がデバイス130の前端230aの周りに配置されると、各磁石は互いに引き合い、端板330をデバイス130の前端230aに固定するように作用する。
【0239】
[00265] 一部の実施形態では、例示的な管状延長部234(図11F)は、1つ以上の、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の、例えば環状に離間した磁石236、237、238を管状延長部233の前端に非対称的に備えることがある。同様に、端板330は、端板330の投光後部ポートに近接して位置する対応する一組の磁石を備えることがある。非対称配置は、管状延長部234に対する端板330の特定の所望の角度配置を確実にするように構成される。したがって、端板330がデバイス130の前端230aの周りに配置されると、各磁石は互いに引き合い、端板330をデバイス130の前端230aに特定の所望の角度配置で固定するように作用する。
【0240】
[00266] 一部の実施形態では、例示的な管状延長部235(図11G)は、1つ以上の、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の、例えば環状に離間した磁石236、237、238を管状延長部235の前端に備えることがある。同様に、端板330は、端板330の投光後部ポートに近接して位置する対応する一組の環状に離間した磁石を備えることがある。また、管状延長部235は、管状延長部235の前端から突出する、端板330の投光後部ポートに近接して位置する対応する開口部と係合するように構成された割出しピン239を備えることがある。割出しピン239と対応する開口部との係合は、端板330の管状延長部235に対する特定の所望の角度配置をロックするように構成される。したがって、端板330がデバイス130の前端230aの周りに配置されると、各磁石が互いに引き合い、割出しピン239が特定の望ましい角度配置を確実にしながら、端板330をデバイス130の前端230aに固定するように作用する。
【0241】
[00267] 角膜内インプラント240、内部光学レンズ342、端板330及び外部光学レンズ326を備えた、本開示のデバイス140の例示的な実施形態を分解斜視図(図12A)、分解側面図(図12B)及び断面図(図12C)で示す図12Aから図12Cを参照する。一部の実施形態では、角膜内インプラント240は眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成される。一部の実施形態では、角膜内インプラント240は、概して内部光学レンズ342を受け入れ保持するように構成された中央開口242aを画定する環状アンカー体242を備える中央光学部を備える。一部の実施形態では、アンカー体242は、円周方向に連続する環状リングを画定することがあるか又はその側面に開口部242bを有することがある。一部の実施形態では、周辺触覚部は、図2Aから図2Eを参照して説明したものと同様の2つ以上の触覚204を備える。
【0242】
[00268] アンカー体242は、リング、リム、カニューレ、円筒、又は円形又は円筒形の開口を画定し得る、かつ触覚204を取り付けることができる他の任意の適切な三次元形状である可能性がある。
【0243】
[00269] 一部の実施形態では、内部光学レンズ342は、光学レンズ342が開口242a内に光学レンズを形成するように、角膜内インプラント240の中央光学部と一体形成される、例えば、アンカー体242と一体形成されることがある。他の実施形態では、光学レンズ342は、角膜内インプラント240とは別体に形成され、例えば、精密フィット、圧入、クリックフィット、ねじ結合、環状溝及びチャネル係合を用いて、融着によって、開口242aを画定するアンカー体242の内周縁と内部光学レンズ342の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて光学レンズ342を開口242a内に装着することによって、開口242a内に受け入れ保持されるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学レンズ342は、光学レンズ342と開口242aとの結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合で開口242a内に装着されるように構成されることがある。
【0244】
[00270] 一部の実施形態では、内部光学レンズ342は、角膜内インプラント240の中央光学部と一体形成されることがある。他の実施形態では、光学レンズ342は、角膜内インプラント240とは別体に形成され、例えば、精密フィット、圧入、クリックフィット、ねじ結合を用いて、融着によって、角膜内インプラント240の中央光学部の内周縁と光学レンズ342の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて光学レンズ342を装着することによって、角膜内インプラント240の中央光学部内に受け入れ保持されるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学レンズ342は、光学レンズ342と角膜内インプラント240の中央光学部との結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合で角膜内インプラント240の中央光学部内に装着されるように構成されることがある。
【0245】
[00271] 一部の実施形態では、デバイス140は更に、網膜に画像を投影するために光が通過する眼に対して配向された角膜内インプラント240の中央光学部から前方に延びる円筒又は管状体を画定する別個の管状延長部244を備える。一部の実施形態では、管状延長部244の前端又は前縁が角膜内インプラント240の最前端240aを画定する。
【0246】
[00272] 一部の実施形態では、アンカー体242及び触覚204を備えた角膜内インプラント240は、任意の適切な生物学的適合性材料、例えば、任意の金属、金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼など)で形成されることがある。一部の実施形態では、材料は、ポリマー、例えば、アクリレートポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィンコポリマー、フルオロポリマー(例えばPTFE)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、それらのコポリマー、シリコン、架橋シリコンポリマー、及びそれらの組み合わせである可能性がある。
【0247】
[00273] 一部の実施形態では、埋め込み時に、角膜内インプラント240の最前点を画定する管状延長部244の前端240aは、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面のレベルにあるか、眼の前面と同一平面にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出ている。一部の実施形態では、管状延長部244の前端240aは、完全に又は部分的に薄い結膜フラップ層の下で眼の前面に近接して位置する。一部の実施形態では、管状延長部244の前端の少なくとも一部は、眼の前面を通して露出し、端板330及び/又は1つ以上の外部光学レンズ326などのデバイス140の外部光学素子を受け入れるための手段を形成し、これにより調整及び/又はアップグレードの目的で、例えば、デバイス140の屈折力又は集光力を調整するために、手術後に容易にアクセスできる場合がある。
【0248】
[00274] 一部の実施形態では、管状延長部244は、管状延長部244により画定される貫通内孔が、光を透過させるための光透過性経路を作成するために眼に対して配向されるように、角膜内インプラント240の中央光学部に結合されることがある。一部の実施形態では、管状延長部244は、例えば、精密フィット、圧入、ねじ結合、クリックフィットコネクタを用いて、融着によって、管状延長部244の内周縁と角膜内インプラント240の中央光学部の周縁との接着、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて、角膜内インプラント240の中央光学部に結合されることがある。一部の実施形態では、管状延長部244は、例えば、精密フィット、圧入、ねじ結合を用いて、環状溝及びチャネル係合によって、クリックシステムによって、融着によって、管状延長部244の内周縁と角膜内インプラント240の中央光学部の周縁との接着によって、及び/又は任意の他の適切な装着方法又は技術を用いて、光学レンズ342の前方部分を円周方向に係合することによって、角膜内インプラント240の中央光学部に結合されることがある。一部の実施形態では、管状延長部244は、管状延長部244と角膜内インプラント240の中央光学部との結合によって生物剤又は他の汚染物質の通過又は移動を防止するように構成された密封された結合又は係合で角膜内インプラント240の中心光学部に結合されることがある。
【0249】
[00275] ドナー角膜に由来する例示的な前処理された角膜組織スキャフォールドの作製のためのプロセス1300における機能的ステップを示す図13Aから図13Fを参照する。
【0250】
[00276] プロセス1300に関連して示される特定の一連のステップは、限定することを意図したものではない。他の一連のステップも、本開示の技術から逸脱することなく代替実施形態に従って実行されることがある。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概説したステップを異なる順序で又は並行して実行することがある。更に、個々のステップには、必要に応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップが含まれることがある。更に、特定の用途に応じて追加のステップが追加又は削除されることがある。
【0251】
[00277] 一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドは、本開示のデバイス、例えば、デバイス100(図1Aから図1C図3Dから図3E、及び図6を参照して説明)、デバイス110(図9Aから図9Dを参照して説明)、120(図10Aから図10Cを参照して説明)、130(図11Aから図11Dを参照して説明)、及び/又は140(図12Aから図12Cを参照して説明)のうちの1つ以上とともに使用されるように構成されることがある。
【0252】
[00278] 一部の実施形態では、本開示の角膜組織スキャフォールドが、その異なる領域に角膜層の様々な組成物を含むことがある。例えば、本開示の角膜組織スキャフォールドは、その中央の実質的に透明な領域に、実質的に光を通さない(例えば、約10~50μmの厚さを有する)非常に薄い角膜組織層を備えることがある。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層はデスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。したがって、角膜組織スキャフォールドの概ね円形の中央領域又は中央部は、(i)デスメ前層のみ、又は(ii)デスメ前層とデスメ膜との組み合わせ、又は(iii)デスメ前層とデスメ膜及び内皮との組み合わせを備えることがある。したがって、一部の実施形態では、角膜組織スキャフォールドの中央領域は、実質的に光を通し、かつ周囲環境及び/又は外部光源からの光を、眼を通って、光路に沿って網膜上に透過させるように構成された本開示のデバイスの光路に沿って落ちるように位置するように構成される。一部の実施形態では、中央の実質的に透明な領域を取り囲む角膜組織スキャフォールドの領域は、実質層、デスメ前層、デスメ膜、及び/又は内皮のうちの少なくとも一部を含む、異なる組成の角膜層を有することがある。
【0253】
[00279] 続いて図13Aを参照すると、ステップ1302において、図13Bに示されるように、プロセス1300は、ドナー角膜1320を受け取ることによるステップ1302から始まることがある。
【0254】
[00280] ステップ1304では、図13Cに示すように、深層層状切開(例えば、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開及び/又は手動切開)がドナー角膜1320において実行され、後部実質と約10~50μmの厚さを有し実質的に光を通す角膜組織の非常に薄い層1327とを分離する気泡1326を形成する。一部の実施形態では、薄層1327は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、薄層1327は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、薄層1327は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。
【0255】
[00281] ステップ1306では、図13Dに示すように、ドナー角膜1320の実質層において部分層穿孔及び前部角膜切除が実行され、後角膜層1324を残して前角膜ラメラ1322が除去される。
【0256】
[00282] ステップ1308では、図13Eに示すように、薄い後層1327を無傷に保ちながら、深部後部実質(例えば、気泡1326の上の領域内又はその領域の周辺にある)を除去して凹部1328を作成する。
【0257】
[00283] ステップ1310では、図13Fに示すように、全層穿孔を実行して、後部実質1324及び分離された薄層1327を備えた角膜組織スキャフォールド1329全体をドナー角膜1320から除去する。
【0258】
[00284] 一部の実施形態では、任意選択で、図13Dに示すように除去された前角膜ラメラ1322は、本開示の事前に組み立てられたシステムを構築するのに使用される。
【0259】
[00285] 一部の実施形態では、次いで、角膜組織スキャフォールド1329は、調製、保管、及び輸送中に角膜組織スキャフォールド1329を安定化及び保護するために、任意の1つ以上の適切な前処理方法及び技術を用いて前処理される。
【0260】
[00286] 次に、ステップ1312において、ステップ1310で得られた角膜組織スキャフォールドは、本明細書で更に詳述されるように、外科医及び他の医療専門家による使用のために除染、脱水、滅菌、及び包装されることがある。
【0261】
[00287] 一部の実施形態では、本発明による更なる処理方法及び技術には、脱水、凍結乾燥、可塑化、ゲル化、脱水熱処理、機械的処理、圧縮、滅菌などが含まれることがあるが、これらに限定されない。
【0262】
[00288] 一部の実施形態では、前処理は、保管及び輸送中の角膜組織スキャフォールド1329の分解、腐敗、感染、及び/又は破損を防止し、角膜組織スキャフォールド1329を室温又は室温より低い温度で保管することを可能にする。一部の実施形態では、前処理はまた、角膜組織スキャフォールド1329が生きている組織もしくは水和組織又は処理済み組織と同様の材料特性を有するように維持するのに役立つ。一部の実施形態では、前処理により、パッケージから取り出した後に更なる処理を行わずに又は最小限の処理で角膜組織スキャフォールド1329をレシピエント対象に直接埋め込むことが可能になる。
【0263】
[00289] 図14Aから図14Dは、本開示の予め装着されたデバイスを備えた角膜組織スキャフォールドを含む、本開示の予め組み立てられたシステム1411を構築するための例示的なプロセス1400を示している。角膜組織スキャフォールドは、図13Aから図13Fを参照して説明した例示的な角膜組織スキャフォールド1329である場合があり、デバイスは、例示的なデバイス100(図1Aから図1C図3Dから図3E、及び図6を参照して説明)、デバイス110(図9Aから図9Dを参照して説明)、120(図10Aから図10Cを参照して説明)、130(図11Aから図11Dを参照して説明)、及び/又は140(図12Aから図12Cを参照して説明)のうちのいずれか1つである場合がある。
【0264】
[00290] プロセス1400に関連して示される特定の一連のステップは、限定することを意図したものではない。他の一連のステップも、本開示の技術から逸脱することなく代替実施形態に従って実行されることがある。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概説したステップを異なる順序で又は並行して実行することがある。更に、個々のステップには、必要に応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップが含まれることがある。更に、特定の用途に応じて追加のステップが追加又は削除されることがある。
【0265】
[00291] 続いて図14Aを参照すると、図14Bに示されるように、プロセス1400は、デバイス100~140及び角膜組織スキャフォールド1329を受け取ることによるステップ1402に始まる。
【0266】
[00292] ステップ1404では、図14Cに示すように、デバイス100~140は角膜組織スキャフォールド1329に装着される。
【0267】
[00293] ステップ1406では、図14Dに示すように、ドナー角膜から事前に除去された前角膜ラメラ1420(例えば、図13Dを参照した説明を参照のこと)を所定の位置に縫合する(1426)。
【0268】
[00294] 図15Aから図15Fは、図14Aから図14Dを参照して説明した例示的な組立済みシステム1411など、本開示の組立済みシステムをレシピエントの角膜に外科的に埋め込むための例示的なプロセス1500における機能的ステップを示している。
【0269】
[00295] プロセス1500に関連して示される特定の一連のステップは、限定することを意図したものではない。他の一連のステップも、本開示の技術から逸脱することなく代替実施形態に従って実行されることがある。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概説したステップを異なる順序で又は並行して実行することがある。更に、個々のステップには、必要に応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップが含まれることがある。更に、特定の用途に応じて追加のステップが追加又は削除されることがある。
【0270】
[00296] また、この例示的なプロセスの様々なステップのいくつかの間で実際に必要な又は望ましい場合がある様々な治癒及び/又は組織再生段階は、簡潔にするために省略されている。
【0271】
[00297] 続いて図15Aを参照すると、図15Bに示すように、プロセス1500は、レシピエント角膜1520に全層穿孔を実行して前角膜ラメラ1522を除去し、中空の開口1523を作成することによるステップ1502に始まる。
【0272】
[00298] ステップ1504では、図15Cに示すように、組立済みシステム1411は、角膜1520の開口1523に埋め込まれ、縫合される(1526)ことがある。
【0273】
[00299] ステップ1506では、図15Dに示すように、薄い結膜フラップ層1523を角膜1520の前面上に配置して、埋め込まれた組立済みシステム1411を覆うことがある。
【0274】
[00300] ステップ1508では、図15Eに示すように、光学ステムの前端が、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面と同じレベルにあるか、眼の前面と同一平面上にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出るように、埋め込まれたデバイスの光学ステムの前端に対応して、中央開口部1524が薄い結膜フラップ層1523に形成されることがある。
【0275】
[00301] ステップ1510では、図15Fに示すように、例えば端板1510及び外部光学レンズ1516を含むオプションの外部光学素子が、組立済みシステム1411の一部であるデバイス100~140の前端に装着されることがある。
【0276】
[00302] 図16Aから図16Gは、本技術のデバイスの埋め込みが後に続く、図13Aから図13Fを参照して説明した例示的な角膜組織スキャフォールド1329などの、前処理された角膜組織スキャフォールドの外科的埋め込みのための例示的なプロセス1600における機能的ステップを示している。
【0277】
[00303] プロセス1600に関連して示される特定の一連のステップは、限定することを意図したものではない。他の一連のステップも、本開示の技術から逸脱することなく代替実施形態に従って実行されることがある。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概説したステップを異なる順序で又は並行して実行することがある。更に、個々のステップには、必要に応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップが含まれることがある。更に、特定の用途に応じて追加のステップが追加又は削除されることがある。
【0278】
[00304] また、この例示的なプロセスの様々なステップのいくつかの間で実際に必要な又は望ましい場合がある様々な治癒及び/又は組織再生段階は、簡潔にするために省略されている。
【0279】
[00305] レシピエント角膜の全層穿孔の後に、例示的な角膜組織スキャフォールド1329の埋め込みが実行され、その後に、例示的なデバイス100(図1Aから図1C図3Dから図3E、及び図6を参照して説明)、デバイス110(図9Aから図9Dを参照して説明)、120(図10Aから図10Cを参照して説明)、130(図11Aから図11Dを参照して説明)、及び/又は140(図12Aから図12Cを参照して説明)のいずれか1つであり得る、本開示のデバイス100~140の埋め込みが続く。
【0280】
[00306] 続いて図16Aを参照すると、図16Bに示すように、プロセス1600は、角膜組織スキャフォールド1329が、レシピエント角膜1620の全層穿孔により作成された凹部1621内に埋め込まれ、縫合される(1626)ステップ1602に始まる。
【0281】
[00307] レシピエント角膜1620は、まずは実質層において部分的穿孔及び前角膜切除を実行して、レシピエント角膜のレシピエント前角膜ラメラを除去し、次に全層穿孔を行って凹部1621を作成することによって調製される可能性がある。
【0282】
[00308] ステップ1604では、図16Cに示すように、デバイス100~140が埋め込まれ、所定の位置に固定される。
【0283】
[00309] ステップ1606では、図16Dから図16Eに示すように、中央開口1623が前角膜ラメラ1622(事前に除去されたレシピエント前角膜ラメラ、又はドナー前角膜ラメラであり得る)内に作られる。次いで、前角膜ラメラ1622が縫合されて(1627)、埋め込み型デバイス100~140を覆い、その結果、デバイス100~140の前端が開口1623を通って延びる。
【0284】
[00310] ステップ1608では、図16Fに示すように、薄い結膜フラップ層1624が角膜1622の前面上に配置されることがある。次いで、光学ステムの前端が、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面と同じレベルにあるか、眼の前面と同一平面上にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出るように、デバイス100~140の光学ステムの前端に対応して、中央開口部1628が薄い結膜フラップ層1622に形成される。
【0285】
[00311] ステップ1610では、図16Gに示すように、例えば端板1610及び外部光学レンズ1616を含むオプションの外部要素が、デバイス100~140の前端に装着されることがある。
【0286】
[00312] 図17Aから図17Jは、例示的なデバイス100(図1Aから図1C図3Dから図3E、及び図6を参照して説明)、デバイス110(図9Aから図9Dを参照して説明)、120(図10Aから図10Cを参照して説明)、130(図11Aから図11Dを参照して説明)、及び/又は140(図12Aから図12Cを参照して説明)のいずれか1つであり得る、本開示のデバイス100~140の外科的埋め込みのための例示的なプロセス1700における機能的ステップを示している。
【0287】
[00313] プロセス1700に関連して示される特定の一連のステップは、限定することを意図したものではない。他の一連のステップも、本開示の技術から逸脱することなく代替実施形態に従って実行されることがある。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概説したステップを異なる順序で又は並行して実行することがある。更に、個々のステップには、必要に応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップが含まれることがある。更に、特定の用途に応じて追加のステップが追加又は削除されることがある。
【0288】
[00314] 続いて図17Aを参照すると、図17Bから図17Cに示すように、プロセス1700は、レシピエント角膜1720の調製を含むステップ1702に始まる。
【0289】
[00315] 図17Cに示すように、深層層状切開(例えば、空気圧式切開、水力補助切開、粘弾性補助切開及び/又は手動切開)がドナー角膜1720において実行され、後部実質と約10~50μmの厚さを有し実質的に光を通す角膜組織の非常に薄い層1729とを分離する気泡1728が形成される。一部の実施形態では、薄層1729は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、薄層1729は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、薄層1729は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。
【0290】
[00316] ステップ1704では、図17Dに示すように、次いでドナー角膜1720の実質層において部分層穿孔及び前部角膜切除が実行され、後実質層1726を残して前角膜ラメラ1722が除去される。
【0291】
[00317] ステップ1706では、図17Eに示すように、気泡1728の上の領域内又はその領域の周辺にある深部後部実質の除去が後部実質1726において行われ、凹部1731が作成される一方、約10~50μmの厚さを有し、実質的に光を通す薄い後層1729は残される。一部の実施形態では、非常に薄い層は少なくともデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ膜に加えてデスメ前層を含む。一部の実施形態では、非常に薄い層は、デスメ前層、デスメ膜、及び内皮を含む。
【0292】
[00318] ステップ1708では、図17Fに示すように、デバイス100~140の光学ステムの投光後部ポートが凹部1731を通って配置されるように、デバイス100~140は所定の位置に埋め込まれ固定される(1725)。
【0293】
[00319] ステップ1710では、図17Gから図17Hに示すように、中央開口1733が前角膜ラメラ1722(例えば、事前に除去されたレシピエント前角膜ラメラ又はドナー前角膜ラメラ)内に作られる。次いで、前角膜ラメラ1722が、デバイス100~140の前端が開口1733を通って延びるように縫合されて(1727)、埋め込まれたデバイス100~140を覆う。
【0294】
[00320] ステップ1712では、図17Iに示すように、薄い結膜フラップ層1724が角膜1720の前面上に配置されることがある。次いで、光学ステムの前端が、眼の前面の真下にあるか、実質的に眼の前面と同じレベルにあるか、眼の前面と同一平面上にあるか、又は眼の前面からわずかに突き出るように、デバイス100~140の光学ステムの前端に対応して、中央開口部1734が薄い結膜フラップ層1724に形成される。
【0295】
[00321] ステップ1714では、図17Jに示すように、例えば端板1710及び外部光学レンズ1716を含むオプションの外部要素が、デバイス100~140の前端に装着されることがある。
【0296】
[00322] 図18Aは、本開示の一部の実施形態による、網膜上に画像を角膜内投影するための例示的なシステムの模式図である。
【0297】
[00323] 一部の実施形態では、本開示のシステムが、1つ以上の静的視覚画像又は動的視覚画像(ビデオ)を取り込むように構成された眼外画像取込ユニット1800を備える。
【0298】
[00324] 本明細書で説明する眼外画像取込ユニット1800は、本発明の例示的な実施形態にすぎず、実際には、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの両方の任意の組み合わせで実装されることがある。眼外ユニット1800は、図示されているよりも多いか又は少ないコンポーネント及びモジュールを有することがあるか、コンポーネントの2つ以上を組み合わせることがあるか、又はコンポーネントの異なる構成又は配置を有することがある。眼外ユニット1800は、マザーボード、データバス、電源、ネットワークインターフェイスカード、ディスプレイ、入力デバイス(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチセンサディスプレイ)など(図示せず)の、動作可能なコンピュータシステムとして機能することを可能にする任意の追加コンポーネントを備えることがある。
【0299】
[00325] 一部の実施形態では、眼外ユニット1800は、1つ以上のハードウェアプロセッサ1810aと、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び1つ以上の非一時的コンピュータ可読ストレージデバイスを備えたメモリストレージデバイス1810bとを備えた画像処理モジュール1810を備えることがある。
【0300】
[00326] ストレージデバイス1810bは、画像処理モジュール1810のハードウェアプロセッサ1810aを動作させるように構成されたプログラム命令及び/又はコンポーネントを記憶していることがある。プログラム命令は、1つ以上の画像処理アルゴリズムなどの1つ以上のソフトウェアモジュールを含むことがある。ソフトウェアコンポーネントは、一般的なシステムタスク(例えば、メモリ管理、ストレージデバイス制御、電力管理など)を制御及び管理し、様々なハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの間の通信を容易にするための様々なソフトウェアコンポーネント及び/又はドライバを有するオペレーティングシステムを含むことがある。
【0301】
[00327] 一部の実施形態では、眼外ユニット1800は、シーン、物体、及び/又はテキスト、記号又は色などによる任意の他の光学的に表現された情報の静止画像又はビデオ画像を取り込むように構成された任意の適切なデジタル撮像デバイスであり得る撮像デバイス1804を備える。一部の実施形態では、画像処理モジュール1810は、任意の適切な1つ以上の画像処理アルゴリズムを実装するように構成されており、撮像デバイス1804により取り込まれた視覚画像を表し得るデジタルデータ信号を生成するための画像信号生成器を有する。一部の実施形態では、ストレージデバイス1810bは、電気デジタル画像データ信号を保存するのに適したタイプの電気回路データメモリを備えることがある。
【0302】
[00328] 一部の実施形態では、眼外ユニット1800は、非光学データ伝送モダリティ、例えば、Bluetooth、ZigBeeなどの、デジタル又はアナログの任意の適切な短距離RF伝送プロトコルを使用して画像データ信号を送信するように構成された無線送信器又は送受信器1806を備えることがある。
【0303】
[00329] 一部の実施形態では、眼外ユニット1800は、例えば、ポータブルバッテリ供給を行うために一般に使用されるタイプの1つ以上の電池を含む充電式バッテリパック、及び短距離無線電力伝送のための機構を備え得る電源1808を備えることがある。一部の実施形態では、バッテリパックは一次誘導コイル1808aに電力を供給することがある。一次誘導コイル1808aは、以下で更に説明するように、例えば皮膚、骨、眼組織などを介して角膜内インプラント内の二次受信誘導コイルに電力を無線で(1816)送ることがある。
【0304】
[00330] 一部の実施形態では、無線データ送信及び無線電力送信の機能は両方とも一次誘導コイル1808aによって実行されることがあり、一次誘導コイル1808aは電力及びデータを協調送信するように構成されることがある。
【0305】
[00331] 一部の実施形態では、眼外ユニット1800は、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された例示的な角膜内インプラント1820と無線データ通信(1814)及び無線電力通信(1816)することがある。
【0306】
[00332] 一部の実施形態では、眼内インプラント1820は、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、眼内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがあり、デバイスの後方には実質的に透明な角膜組織のみが存在する。
【0307】
[00333] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1820は、部分的に透明、部分的に半透明、及び/又は部分的に不透明な角膜組織の層が、デバイスの投光後部ポートの後方に存在するように、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがある。
【0308】
[00334] 以下で更に詳述するように、角膜内インプラント1820は角膜内に収まるように寸法設定される。一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面(眼の前面に面する)及び凹後面(眼の網膜に面する)を有する面状体を画定する。
【0309】
[00335] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部1824、及び内側プラットフォーム1824の周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアーム1826を備えた周辺部を備える。一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は更に、角膜内インプラント1820の円形外周を画定する周辺スカート部1828を備え、1つ以上のアーム1826は内側プラットフォーム1824と周辺スカート部1828との間を接続する。
【0310】
[00336] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1820は、任意の不透明な角膜組織層の後方で角膜内に収まり、眼の健康な網膜又は網膜の健康な部分によって検出可能な画像を生成するように寸法設定される。例えば、角膜内インプラント1820は、対向縁間の全スパンが、例えば6~12mm(例えば9mm)で、全平面厚さが0.02~1.50mmで、曲率が32~47ジオプトリーの凸面を有することがある。
【0311】
[00337] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1820は、例えばハードウェアプロセッサ及びメモリストレージデバイスを備えた画像投影コントローラ1830、内側プラットフォーム部1824に装着された画像生成器1834、無線受信器又は送受信器1836、無線受電素子1838、及び光学アセンブリ1840を含む、角膜内インプラント1820に装着された1つ以上のコンポーネントを備える。
【0312】
[00338] 図18Bは、本開示の一部の実施形態による、網膜上に画像を角膜内投影するための第2の例示的なシステムの模式図である。
【0313】
[00339] 一部の実施形態では、本開示の第2の例示的なシステムが、1つ以上の静的視覚画像、又は動的視覚画像(ビデオ)を取り込むように構成された眼外画像取込ユニット1801を備える。
【0314】
[00340] 本明細書で説明する眼外画像取込ユニット1801は、本発明の例示的な実施形態にすぎず、実際には、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの両方の任意の組み合わせで実装されることがある。眼外ユニット1801は、図示されているよりも多いか又は少ないコンポーネント及びモジュールを有することがあるか、コンポーネントの2つ以上を組み合わせることがあるか、又はコンポーネントの異なる構成又は配置を有することがある。眼外ユニット1801は、マザーボード、データバス、電源、ネットワークインターフェイスカード、ディスプレイ、入力デバイス(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチセンサディスプレイ)など(図示せず)の、動作可能なコンピュータシステムとして機能することを可能にする任意の追加コンポーネントを備えることがある。
【0315】
[00341] 一部の実施形態では、眼外ユニット1801は、1つ以上のハードウェアプロセッサ1810aと、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び1つ以上の非一時的コンピュータ可読ストレージデバイスを備えたメモリストレージデバイス1810bとを備えた画像処理モジュール1810を備えることがある。
【0316】
[00342] ストレージデバイス1810bは、画像処理モジュール1810のハードウェアプロセッサ1810aを動作させるように構成されたプログラム命令及び/又はコンポーネントを記憶していることがある。プログラム命令は、1つ以上の画像処理アルゴリズムなどの1つ以上のソフトウェアモジュールを含むことがある。ソフトウェアコンポーネントは、一般的なシステムタスク(例えば、メモリ管理、ストレージデバイス制御、電力管理など)を制御及び管理し、様々なハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの間の通信を容易にするための様々なソフトウェアコンポーネント及び/又はドライバを有するオペレーティングシステムを含むことがある。
【0317】
[00343] 一部の実施形態では、眼外ユニット1801は、シーン、物体、及び/又はテキスト、記号又は色などによる任意の他の光学的に表現された情報の静止画像又はビデオ画像を取り込むように構成された任意の適切なデジタル撮像デバイスであり得る撮像デバイス1804を備える。一部の実施形態では、画像処理モジュール1810は、任意の適切な1つ以上の画像処理アルゴリズムを実装するように構成されており、撮像デバイス1804により取り込まれた視覚画像を表し得るデジタルデータ信号を生成するための画像信号生成器を有する。一部の実施形態では、ストレージデバイス1810bは、電気デジタル画像データ信号を保存するのに適したタイプの電気回路データメモリを備えることがある。
【0318】
[00344] 一部の実施形態では、眼外ユニット1801は、非光学データ伝送モダリティ、例えば、Bluetooth、ZigBeeなどの、デジタル又はアナログの任意の適切な短距離RF伝送プロトコルを使用して画像データ信号を送信するように構成された無線送信器又は送受信器1806を備えることがある。
【0319】
[00345] 一部の実施形態では、眼外ユニット1801は、例えば、ポータブルバッテリ供給を行うために一般に使用されるタイプのバッテリを含む充電式バッテリパック、及び短距離無線電力伝送のための機構を備え得る電源1808を備えることがある。一部の実施形態では、バッテリパックは一次誘導コイル1808aに電力を供給することがある。一次誘導コイル1808aは、以下で更に説明するように、例えば皮膚、骨、眼組織などを介して角膜内インプラント内の二次受信誘導コイルに電力を無線で(1816)送ることがある。
【0320】
[00346] 一部の実施形態では、無線データ送信及び無線電力送信の機能は両方とも一次誘導コイル1808aによって実行されることがあり、一次誘導コイル1808aは電力及びデータを協調送信するように構成されることがある。
【0321】
[00347] 一部の実施形態では、眼外ユニット1801は、角膜内インプラントに装着された液晶ディスプレイ(LCD)を照明するための照明源1813を備えることがある。一部の実施形態では、照明源1813は、任意の適切な照明源、例えば、白色発光LED、カラーLED、又は高輝度パワーLEDなどの1つ以上の発光ダイオード(LED)を含むことがある。一部の実施形態では、照明源1813は、可視光を少なくとも部分的に通さない障害のある又は不透明な角膜層を横断し、眼の角膜内に埋め込まれた角膜内インプラント1821に到達するのに十分な照明を発するように構成されることがある。
【0322】
[00348] 眼外ユニット1801は、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラント1821と、無線データ通信(1814)及び無線電力通信(1816)、並びに照明通信(1818)することがある。
【0323】
[00349] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1821は、角膜の不透明な組織層の後方の位置で、デバイスの画像生成器の後に透明な角膜組織があるか又は角膜組織が存在しない位置で、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがある。
【0324】
[00350] 以下で更に詳細に説明するように、角膜内インプラント1821は、角膜内に収まるように寸法設定される。一部の実施形態では、角膜内インプラント1821は、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面(眼の前面に面する)及び凹後面(眼の網膜に面する)を有する面状体を画定する。
【0325】
[00351] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1821は、インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部1824、及び内側プラットフォーム1824の周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアーム1826を備えた周辺部を備える。一部の実施形態では、角膜内インプラント1821は更に、角膜内インプラント1821の円形外周を画定する周辺スカート部1828を備え、1つ以上のアーム1826は内側プラットフォーム1824と周辺スカート部1828との間を接続する。
【0326】
[00352] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1821は、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、角膜内に収まるように寸法設定され、デバイスの後方には実質的に透明な角膜組織のみが存在する。
【0327】
[00353] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1821は、部分的に透明、部分的に半透明、及び/又は部分的に不透明な角膜組織の層が、デバイスの投光後部ポートの後方に存在するように角膜内に収まるように寸法設定される。
【0328】
[00354] 例えば、角膜内インプラント1821は、対向縁間の全スパンが、例えば6~12mm(例えば9mm)で、全平面厚さが0.020~1.5mmで、曲率が32~47ジオプトリーの凸面を有することがある。
【0329】
[00355] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1821は、例えば画像投影コントローラ1830、メモリストレージデバイス1832、内側プラットフォーム部1824に装着されたLCDパネル1835、無線受信器又は送受信器1836、無線受電素子1838、及び光学アセンブリ1840を含む、角膜内インプラント1821に装着された1つ以上のコンポーネントを備える。
【0330】
[00356] 一部の実施形態では、LCDパネル1835は、角膜内インプラント1821内に一体化されたバックライト又は同様の照明源を含まない。説明として、LCDパネルディスプレイは、任意のパターンやイメージを表現するために、制御可能に暗くされ得るか又は透明にされ得るピクセルのマトリクスを備える。LCDパネルは通常、直接発光せず、むしろ一体化されたバックライトの使用に依存して画像を生成する。LCDパネル自体の所要電力は最小であるが、バックライトの所要電力は大幅に高くなる。したがって、角膜内に埋め込まれたデバイスにLCDパネルが装着されているという状況では、埋め込まれたデバイス内にバックライトを一体化する必要性を排除し、代わりに外部照明源に依存することが有利になる。これは、埋め込み型デバイスの消費電力、物理的設置面積、及び複雑さの大幅な削減につながることがある。したがって、一部の実施形態では、LCDパネル1835は、眼外ユニット1800の外部照明源1813によって照明されるように構成される。
【0331】
[00357] 図18Cは、本開示の一部の実施形態による、網膜上に画像を角膜内投影するための第3の例示的なシステムの模式図である。
【0332】
[00358] 本明細書で説明する眼外画像取込ユニット1802は、本発明の例示的な実施形態にすぎず、実際には、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの両方の任意の組み合わせで実装されることがある。眼外ユニット1802は、図示されているよりも多いか又は少ないコンポーネント及びモジュールを有することがあるか、コンポーネントの2つ以上を組み合わせることがあるか、又はコンポーネントの異なる構成又は配置を有することがある。眼外ユニット1802は、マザーボード、データバス、電源、ネットワークインターフェイスカード、ディスプレイ、入力デバイス(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチセンサディスプレイ)など(図示せず)の、動作可能なコンピュータシステムとして機能することを可能にする任意の追加コンポーネントを備えることがある。
【0333】
[00359] 一部の実施形態では、眼外ユニット1802は、1つ以上のハードウェアプロセッサ1810aと、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び1つ以上の非一時的コンピュータ可読ストレージデバイスを備えたメモリストレージデバイス1810bとを備えた画像処理モジュール1810を備えることがある。
【0334】
[00360] ストレージデバイス1810bは、画像処理モジュール1810のハードウェアプロセッサ1810aを動作させるように構成されたプログラム命令及び/又はコンポーネントを記憶していることがある。プログラム命令は、1つ以上の画像処理アルゴリズムなどの1つ以上のソフトウェアモジュールを含むことがある。ソフトウェアコンポーネントは、一般的なシステムタスク(例えば、メモリ管理、ストレージデバイス制御、電力管理など)を制御及び管理し、様々なハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの間の通信を容易にするための様々なソフトウェアコンポーネント及び/又はドライバを有するオペレーティングシステムを含むことがある。
【0335】
[00361] 一部の実施形態では、眼外ユニット1802は、シーン、物体、及び/又はテキスト、記号又は色などによる任意の他の光学的に表現された情報の静止画像又はビデオ画像を取り込むように構成された任意の適切なデジタル撮像デバイスであり得る撮像デバイス1804を備える。一部の実施形態では、画像処理モジュール1810は、任意の適切な1つ以上の画像処理アルゴリズムを実装するように構成されており、撮像デバイス1804により取り込まれた視覚画像を表し得るデジタルデータ信号を生成するための画像信号生成器を有する。一部の実施形態では、ストレージデバイス1810bは、電気デジタル画像データ信号を保存するのに適したタイプの電気回路データメモリを備えることがある。
【0336】
[00362] 一部の実施形態では、眼外ユニット1802は、例えば、ポータブルバッテリ供給を行うために一般に使用されるタイプのバッテリを含む充電式バッテリパック、及び短距離無線電力伝送のための機構を備え得る電源1808を備えることがある。
【0337】
[00363] 一部の実施形態では、眼外ユニット1802は、角膜内インプラントに装着された液晶ディスプレイ(LCD)を照明するための照明源1813を備えることがある。一部の実施形態では、照明源1813は、任意の適切な照明源、例えば、白色発光LED、カラーLED、又は高輝度パワーLEDなどの1つ以上の発光ダイオード(LED)を含むことがある。一部の実施形態では、照明源1813は、可視光を少なくとも部分的に通さない障害のある又は不透明な角膜層を横断し、眼の角膜内に埋め込まれた角膜内インプラント1822に到達するのに十分な照明を発するように構成されることがある。
【0338】
[00364] 一部の実施形態では、眼外ユニット1802は、電力信号及び/又は情報を符号化するデータ信号を含む光ビームを伝送するように構成された光ビーム源1815を備えることがある。一部の実施形態では、光ビーム源1815は、可視光源又は不可視光源(例えば赤外光源)を含むことがある。一部の実施形態では、光ビーム源1815は、LED、レーザダイオードなどから構成される群から選択されることがある。一部の実施形態では、光ビーム源1815は、無線データ伝送及び無線電力伝送の機能を実行するように構成されることがある。
【0339】
[00365] したがって、眼外ユニット1802は、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように構成された角膜内インプラント1822と、照明通信(1818)、及び無線データ及び無線電力通信(1819)することがある。
【0340】
[00366] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1822は、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがあり、デバイスの後方には実質的に透明な角膜組織のみが存在する。
【0341】
[00367] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1822は、部分的に透明、部分的に半透明、及び/又は部分的に不透明な角膜組織の層が、デバイスの投光後部ポートの後方に存在するように眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがある。
【0342】
[00368] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1822は、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凸前面(眼の前面に面する)及び凹後面(眼の網膜に面する)を有する面状体を画定する。
【0343】
[00369] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1822は、インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部1824、及び内側プラットフォーム1824の周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアーム1826を備えた周辺部を備える。一部の実施形態では、角膜内インプラント1822は更に、角膜内インプラント1822の円形外周を画定する周辺スカート部1828を備え、1つ以上のアーム1826は内側プラットフォーム1824と周辺スカート部1828との間を接続する。
【0344】
[00370] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1822は、任意の不透明な角膜組織層の後方で角膜内に収まり、眼の健康な網膜又は網膜の健康な部分によって検出可能な画像を生成するように寸法設定される。例えば、角膜内インプラント1822は、対向縁間の全スパンが、例えば6~12mm(例えば9mm)で、全平面厚さが0.020~1.5mmで、曲率が32~47ジオプトリーの凸面を有することがある。
【0345】
[00371] 一部の実施形態では、受信器1837は、例えば、電力を受信するための光電池と、無線データ及び無線電力通信1819を介して光ビーム源1815により送信されたデータを受信するためのフォトダイオードとを備える。
【0346】
[00372] 図18Dは、本開示の例示的な眼外ユニット1844を示しており、眼外ユニットの様々なコンポーネントは、ユーザが着用する眼鏡に装着されており、撮像デバイス1804、送信器/送受信器1806、一次誘導コイル1808a、電源1808、画像処理モジュール1810、及び/又は照明源1813を含むがこれらに限定されない。しかしながら、他の例示的な実施形態では、眼外ユニット1800の様々なコンポーネントは、ヘルメット、ヘッドバンド、ヘッドギアなどの任意の1つ以上の頭部装着要素に装着されることがある。一部の実施形態では、撮像デバイス1804は、有利には着用者の片眼又は両眼の視点に近づく位置にある場合がある。
【0347】
[00373] 図18Eは、図18Bから図18Cを参照して説明した、本開示の例示的な照明源1813を示しており、これは照明源1813が眼の角膜内に埋め込まれた角膜内インプラント1820を照明するように構成されるように、(図18Dに示す)眼鏡のレンズエリア内に装着されることがある。したがって、照明源1813は、LCDパネルにより表示される画像を(例えば、眼のレンズ及び/又は本開示の1つ以上の集束光学系を含み得る光伝送路を介して)眼の網膜上に投影するために、照明源1813が眼の光軸X-Xと整列し、角膜内インプラント1820に装着されたLCDパネルを照明することができるように、ユーザが着用する眼鏡のレンズエリアに装着されることがある。一部の実施形態では、一次誘導コイル1808aは、例えば照明源1813の周囲領域に装着されることがある。
【0348】
[00374] 図19Aから図19Dは、本開示の一部の実施形態による、例示的な角膜内インプラント1820の正面斜視図(19A)、背面図(19B)、前面図(19C)、及び側面図(19D)をそれぞれ示す。
【0349】
[00375] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、角膜の凸面に実質的に一致する凸面を有し、対向する凹後面(図19Aに示す、眼の網膜に面する)及び凸前面(図19Bに示す、眼の前面に面する)を有する面状体を画定する。
【0350】
[00376] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、インプラントの円対称軸の周りに位置する内側プラットフォーム部1824、及び内側プラットフォーム1824の周縁から横方向に延びる1つ以上の角度的に離間したアーム1826を備えた周辺部を備える。一部の実施形態では、内側プラットフォーム部1824は、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上のアーム1826を備える。
【0351】
[00377] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は更に、角膜内インプラント1820の円形外周を画定する周辺スカート部1828を備え、1つ以上のアーム1826は内側プラットフォーム1824と周辺スカート部1828との間を接続する。
【0352】
[00378] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、角膜の不透明な組織層を横断するか又は完全にこれに取って代わり、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成されることがあり、デバイスの後方には実質的に透明な角膜組織のみが存在する。
【0353】
[00379] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、部分的に透明、部分的に半透明、及び/又は部分的に不透明な角膜組織の層が、デバイスの投光後部ポートの後方に存在するように、眼の角膜内に外科的に埋め込まれるように寸法設定及び構成される。
【0354】
[00380] 一部の実施形態では、例示的な角膜内インプラント1820は、任意の不透明な角膜組織層の後方で角膜内に収まり、眼の健康な網膜又は網膜の健康な部分によって検出可能な画像を生成するように寸法設定される。例えば、角膜内インプラント1820は、対向縁間の全スパンが、例えば6~12mm(例えば9mm)で、全平面厚さが0.02~1.50mmで、曲率が32~47ジオプトリーの凸面を有することがある。
【0355】
[00381] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、任意の適切な生物学的適合性材料、例えば、任意の金属、金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼など)、及び/又はポリマーで形成されることがある。一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、単一材料の単体角膜内インプラントとして一体形成されることがあるか、又は各構成要素が異なる材料で作られ得る2つ以上の別個の構成要素から組み立てられることがある。一部の実施形態では、角膜内インプラント1820又はその任意の部分は、硬質又は非変形性の材料、形状記憶材料、及び/又は可撓性又は変形可能な材料で作られることがある。一部の実施形態では、角膜内インプラント1820又はその任意の部分は、例えばエポキシ材料などのコーティングを有することがある。
【0356】
[00382] 一部の実施形態では、角膜内インプラント1820は、例えば、周辺スカート部1828、内側プラットフォーム部1824、及び1つ以上のアーム1826の間の空間によって画定される、1つ以上の開口部を画定するように形作られる。一部の実施形態では、1つ以上の開口部は、開口部を介した角膜内における角膜内インプラント1820の適応及び周囲の角膜組織内への角膜内インプラント1820の固定を可能にするように構成される。このように、角膜内インプラント1820が埋め込まれ、眼が治癒すると、角膜内インプラント1820は、周囲組織の成長及び再形成によって所定の位置に実質的に固定される。一部の実施形態では、1つ以上の開口部は、角膜内インプラント1820の総表面積の、例えば30~50%の総開口部表面積を画定する。
【0357】
[00383] 一部の実施形態では、画像生成器1834は、投光後部ポート1834aを介して、眼の表面に対して後方に眼の網膜に向かって及び網膜上に(例えば、眼のレンズ及び/又は本開示の1つ以上の集束光学系を備えることがある光伝送路を介して)画像を表示及び/又は投影するように、内側プラットフォーム部1824に結合されるように寸法設定及び構成されることがある。
【0358】
[00384] 一部の実施形態では、画像投影コントローラ1830は、無線受信器モジュール1836により受信された入力画像データを受信し、任意選択でその画像データをメモリストレージモジュールに記憶する。画像投影コントローラ1830は、信号に符号化されたデジタル画像データを処理して、そこから視覚画像を生成及び再構成し、画像生成器1834を動作させて、画像データに基づいて光ビームを生成し、生成した光ビームを網膜上に投射する。一部の実施形態では、画像投影コントローラ1830は、図19A及び19Bに示すように、角膜内インプラント1820の任意の部分、例えばアーム1826の1つ以上の後面に結合された1つ以上の回路モジュールとして実装されることがある。
【0359】
[00385] 一部の実施形態では、画像生成器1834は、眼外源から画像データ信号を受信し、投光後部ポート1834aを通して眼の網膜上に投射される画像投影光ビーム(例えば、視覚画像情報で変調された光ビーム)を生成して画像を生成するように構成され動作可能である。一部の実施形態では、画像生成器1834は、デバイスの投光後部ポートの後方に存在する透明、半透明、及び/又は実質的に不透明な角膜組織を通過し、眼の網膜に到達できる画像投影光ビームを出力するように構成される。
【0360】
[00386] 一部の実施形態では、画像生成器1834は、画像投影コントローラ1830に接続された表示素子を備える。画像生成器1834は、画像投影光ビームを生成し、眼の網膜上に投射することができる。一部の実施形態では、画像生成器1834は、例えば、カラー又はモノクロの液晶ディスプレイ(LCD)、及びバックライト光源を備えることがある。
【0361】
[00387] 他の実施形態では、画像生成器1834は、電子部品及び光学部品を支持するフレキシブルプリント回路基板(「PCB」)上に装着されたマイクロ光学アレイを備える。マイクロディスプレイは、例えば2ミクロンから100ミクロンの範囲内のサイズをそれぞれ有する小型ピクセルを備えることがある。マイクロディスプレイは、角膜内インプラント1820の内側プラットフォーム部1824に結合され、支持される可能性がある。一部の実施形態では、マイクロディスプレイは単色又は多色である場合がある。一部の実施形態では、マイクロディスプレイは、ピクセルサイズ及びピクセルピッチにより特徴付けられるピクセルのアレイを形成する。本明細書で説明するように、ピクセルサイズは、例えば、2ミクロンから100ミクロンに及ぶことがあり、ピクセルピッチは、10ミクロンから1.0mmに及ぶことがある。
【0362】
[00388] 一部の実施形態では、画像生成器1834は、本開示の眼外ユニット、例えば、図18Bの例示的な眼外ユニット1801及び図18Cの1802から照明を受け取るように構成されることがある。そのような実施形態では、眼外ユニットは、画像生成器1834のLCDパネルに照明源を提供するように構成されることがある。
【0363】
[00389] 光学アセンブリ1840は、画像生成器1834の後方に装着され、画像生成器1834に光学的に結合されて、画像生成器1834により生成及び投影される画像投影光ビームに焦点を合わせるか又は他の適切な又は望ましい光学的操作を適用することがある。光学アセンブリ1840は、例えば、正常な健康な眼の水晶体のように機能し得る、角膜を透過した像の焦点を眼の奥の網膜に合わせる調整可能な結像レンズを備えることがある。
【0364】
[00390] 一部の実施形態では、無線受信器又は送受信器1836は、図19A及び19Bに示すように、角膜内インプラント1820の任意の部分、例えばアーム1826の1つ以上の後面に結合された電気回路として実装されることがある。無線受信器又は送受信器1836は、眼外ユニット1800の無線送信器又は送受信器1806と無線データ通信して、非光学データ伝送モダリティ、例えば、Bluetooth、ZigBeeなどの任意の適切な短距離RF伝送プロトコルを使用して、送信器又は送受信器1806により送信された画像データ信号を受信するように構成されることがある。
【0365】
[00391] 一部の実施形態では、受電素子1838は、角膜内インプラント1820上に装着された、例えば周辺スカート部1828の後面の周りに、及び/又は任意の他の適切な場所に配設された二次受信誘導コイルとして実装されることがある。一部の実施形態では、受電素子1838は、巻線から作られた誘導コイルを備える。代替的に、二次受信誘導コイルは、薄膜ポリマーの層間にワイヤトレースを堆積させた薄膜ポリマーサンドウィッチから作られることがある。
【0366】
[00392] 一部の実施形態では、無線データ受信及び無線電力受信の機能は両方とも無線受電素子1838によって実行されることがあり、二次受信誘導コイル1838は、電力及びデータを協調受信するように構成されることがある。
【0367】
[00393] 図20は、複数の触覚1842を備えた例示的な角膜内インプラント1820の模式図である。一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラント1820は更に、インプラントの周縁から横方向に延びる1つ以上の触覚1842を備えることがある。触覚は、手術中に角膜に形成されたポケット内の中心に角膜内インプラントを置くように構造的に機能することがある。
【0368】
[00394] 触覚1842は、角膜内インプラント1820の周辺スカート部1828から外側に延び、互いに離間している。触覚1842のそれぞれは、周辺スカート部1828の外周縁に接続される近位端と、遠位端で終わる突出セグメントとを備える。
【0369】
[00395] 一部の実施形態では、2~6個の触覚1842が使用されることがある。一部の実施形態では、触覚1842は、対向する対に分割されることがあり、それぞれが周辺スカート部1828の反対側の端部で周辺スカート部1828から離れる方向に外側に延びる。
【0370】
[00396] 角膜内インプラント1820の埋め込み中、触覚1842のそれぞれは、角膜内インプラント1820の中心を可能な限り眼の光軸に近づけるように、また角膜内インプラント1820が確実にXY平面内の回転方向に所望の配置を有し、角膜内の所定の位置に固定するように操作されることがある。
【0371】
[00397] 図21Aから図21Dは、角膜2100内に角膜内インプラント1820を外科的に埋め込むためのプロセスのステップを示している。
【0372】
[00398] 一部の実施形態では、本開示の角膜内インプラントは、任意の適切な外科的方法を用いて、例えば、以下によって角膜内に外科的に埋め込まれるように構成されることがある。
-部分的前角膜実質フラップ又はラメラを作成し、深層層状切開を行って凹部を作成し、フラップ又はラメラの下の凹部にインプラントを配置すること。
-部分的前角膜実質フラップ又はラメラを作成し、角膜内に中空ポケットを形成し、ポケット内にインプラントを配置し角膜フラップ又はラメラでインプラントを固定すること。
-部分的前角膜実質フラップ又はラメラを作成し、角膜内に中空ポケットを形成し、手術前に組立済みか又は手術中に角膜組織スキャフォールド内で組み立てられるインプラントを配置し、インプラントを角膜フラップ又はラメラで固定すること。角膜組織スキャフォールドは、図13Aから図13Fを参照して説明した例示的な角膜組織スキャフォールド1329である場合がある。
-角膜を永久的に覆うための結膜フラップ手術又は粘膜移植も、外科的埋め込みの後に同時に又は順次に実行されることがある。
【0373】
[00399] 図21Aは人間の眼を示している。角膜2100、虹彩2102、水晶体2104、硝子体領域2106、網膜2108、及び視神経2110が示されている。
【0374】
[00400] 図21Bは、本開示の角膜内インプラント1820を受け入れるように構成された、角膜2100内に形成されたポケット2120を示す。一部の実施形態では、ポケット2120は、任意の適切な外科的方法を使用して、例えば、部分的前角膜実質フラップ又はラメラを作成し、深層層状切開を行ってポケット2120を作成し、角膜内インプラント1820をフラップ又はラメラの下のポケット2120に配置することによって形成されることがある。他の実施形態では、ポケット2120は、部分的前角膜実質フラップ又はラメラを作成し、角膜内に中空ポケットを形成し、角膜内インプラント1820をポケット内に配置し、角膜内インプラント1820を角膜フラップ又はラメラで固定することによって形成されることがある。
【0375】
[00401] 図21Cは、角膜2100内のポケット2120内に埋め込まれた角膜内インプラント1820を示している。
【0376】
[00402] 図21Dは、埋め込みプロセスを完了するために、ポケット2120上に配置され縫合された角膜ラメラ2122を示している。一部の実施形態では、角膜を永続的に覆うための結膜フラップ手術又は粘膜移植も、ポケット2120内への角膜内インプラント1820の外科的埋め込み後に同時に又は順次に実行されることがある。
【0377】
[00403] 図21Eは、眼内に埋め込まれるオプションの光学アセンブリ1840を詳細に示している。光学アセンブリ1840は、投影された画像の焦点を網膜に合わせるために、角膜内インプラント1820の後方に装着され、角膜内インプラント1820と光学的に結合されることがある。光学アセンブリ1840は、任意の適切な1つ以上の光学レンズ又は他の光学素子を備えることがある。一部の実施形態では、光学アセンブリ1840は、例えば眼の自然水晶体2104と連動して、又はそれがない場合に、投影された光学像の焦点を網膜に合わせるように構成されることがある。一部の実施形態では、光学アセンブリ1840は、例えば、正常な健康な眼の水晶体のように機能し得る、角膜を透過した像の焦点を眼の奥の網膜に合わせる調整可能な結像レンズを備えることがある。
【0378】
[00404] 図22は、角膜2100内に埋め込まれた角膜内インプラント1820を有する眼の断面図を示している。図からわかるように、画像生成器1834は、(例えば、眼の水晶体及び/又は本開示の1つ以上の光学アセンブリを含み得る光伝送路を介して)網膜2108上に画像を投影するように構成される。
【0379】
[00405] 本発明の様々な実施形態の記載は、例示のために提示されており、網羅的であることも、又は明示的記述に限定することも意図していない。説明される実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。本明細書において使用された術語は、実施形態の原理、実際的な適用もしくは市場で見出される技術についての技術的改善を最適に説明するように、又は他の当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することが可能であるように選択された。
【0380】
[00406] 本明細書及び特許請求の範囲において、数値を表す場合の「実質的に」、「本質的に」及びその形式の各用語は、その数値から20%までの偏差(すなわち、±20%)を意味する。同様に、そのような用語が数値範囲を表す場合、その明示的な範囲を10%上回り、10%下回るという、最大20%広い範囲を意味する。
【0381】
[00407] 本明細書において、任意の数値範囲は、その範囲内で可能な全ての下位範囲及び個々の数値を具体的に開示したものとみなされ、係る下位範囲及び個々の数値は、本発明のある実施形態を構成する。これは、範囲の幅に関係なく適用される。例えば、1から6までの整数の範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6などの下位範囲と、その範囲内の個々の数、例えば、1、4、6が具体的に開示されていると考えるべきであろう。同様に、例えば0.6から1.1までの分数の範囲の記述は、その範囲内の個々の数値、例えば0.7、1、1.1と同様に、0.6から0.9まで、0.7から1.1まで、0.9から1、0.8から0.9、0.6から1.1、1から1.1などの小範囲が特に開示されていると考えるべきであろう。
【0382】
[00408] 本発明の様々な実施形態の記載は、例示のために提示されており、網羅的であることも、又は明示的記述に限定することも意図していない。説明される実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。本明細書において使用された術語は、実施形態の原理、実際的な適用もしくは市場で見出される技術についての技術的改善を最適に説明するように、又は他の当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することが可能であるように選択された。
【0383】
[00409] 本願明細書及び特許請求の範囲において、「備える」、「含む」、「有する」の各用語及びその形は、必ずしもその語が関連付けられ得るリストにおけるメンバーに限定されるものではない。
【0384】
[00410] 本明細書と、参照により組み込まれる、又はその他の方法で依拠する文献との間に矛盾がある場合、本明細書が支配することを意図している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図17I
図17J
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19A
図19B
図19C
図19D
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図22
【国際調査報告】