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特表2024-532967第1及び第2の光受信器を有する光検出システム、及びその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-11
(54)【発明の名称】第1及び第2の光受信器を有する光検出システム、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1434 20240101AFI20240904BHJP
   G01N 15/14 20240101ALI20240904BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
G01N15/1434
G01N15/14 C
G01J3/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506851
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022037830
(87)【国際公開番号】W WO2023014510
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/229,163
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】クラッセン,アンドルー ソール
(72)【発明者】
【氏名】エルセプケ,ジェーソン ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】マンザラガ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ドリギー,マーク
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020BA14
2G020CA01
2G020CA03
2G020CA14
2G020CB02
2G020CB07
2G020CB23
2G020CC02
2G020CC13
2G020CC27
2G020CC47
2G020CD06
2G020CD13
2G020CD14
2G020CD23
2G020CD24
(57)【要約】
光検出システムが提供される。光検出システムの態様は、互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器と、所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとを含む。光受信器を装着するためのステージと、複数の光検出モジュールをステージに対して堅固な整列で固定するための複数の凹部と、各凹部内に位置付けられた熱放散開口部とを有する、ベースプレートも、また、提供される。加えて、本発明を実践するための粒子分析システム、方法、及びキットが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、前記複数の波長セパレータのうちの波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の光受信器が、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々備える、請求項1に記載の光検出システム。
【請求項3】
光を、それぞれ、前記第1及び第2の光受信器に伝播させるために前記カプラに動作可能に取り付けられた第1及び第2の光学収集構成要素を更に備える、請求項2に記載の光検出システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の光受信器が、ビーム調節器を各々備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項5】
前記波長セパレータが、互いの間で光を伝達するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項6】
前記第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセットによって伝達され、前記第2の光ビームが、波長セパレータの第2のサブセットによって伝達される、請求項1~5のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項7】
前記光検出モジュールが、多角形構成に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項8】
各光検出モジュールが、検出のために所定のサブスペクトル範囲を有する光を伝達するように構成された複数の光学構成要素を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項9】
前記光検出システムを装着するためのベースプレートを更に備え、
前記ベースプレートが、
前記第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、
前記複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
前記中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項10】
光源と、
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システムと
を備える、システム。
【請求項11】
光検出システムを装着するためのベースプレートであって、
光ビームを受信するように構成された光受信器を装着するためのステージと、
複数の光検出モジュールを前記ステージに対して堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、前記凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
前記中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、ベースプレート。
【請求項12】
試料を分析する方法であって、
(a)試料をシステムに導入することであって、前記システムが、
光源と、
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
各光検出モジュールが、波長セパレータと光学通信し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システムと
を備える、導入することと、
(b)前記試料をフローサイトメトリで分析することと
を含む、方法。
【請求項13】
光検出システムを組み立てる方法であって、
ベースプレートに、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を取り付けることを含む、方法。
【請求項14】
第1及び第2の光ビームをそれぞれ受信するように構成された第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータとの光学的に連通のために構成され、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
生体流体中の分析物の特性評価は、患者の健康全般及びウエルネスの生体研究、医学的診断、及び評価の重要な部分になっている。ヒト血液又は血液由来生成物などの生体流体中の分析物を検出することは、様々な疾患状態を有する患者の治療プロトコルを決定する上で、役割を果たし得る結果を提供することができる。
【0002】
粒子分析(例えば、フローサイトメトリ)は、血液試料の細胞、又は別のタイプの生体試料若しくは化学試料内の関心対象の粒子など、生体材料の特性評価を行い、しばしばソートするために使用される技法である。フローサイトメータは、血液試料などの流体試料を受容するための試料リザーバ、及びシース流体を含有するシースリザーバを典型的には含む。フローサイトメータは、シース流体をフローセルに方向付けながら、流体試料中の粒子(細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに移送する。フローストリームの成分の特性評価を行うために、光がフローストリームに照射される。形態又は蛍光標識の存在などのフローストリーム中の材料の変動は、観察される光の変動を引き起こし得、これらの変動により、特性評価及び分離が可能になる。フローストリーム中の成分の特性評価を行うために、光は、フローストリームに衝突し、収集されなくてはならない。フローサイトメータ内の光源は様々であり得、1つ以上の広域スペクトルランプ、発光ダイオード、並びに単一波長レーザが含まれ得る。光源は、フローストリームと整列し、照射された粒子からの光学応答が、収集され、定量化される。
【0003】
粒子分析器を使用して測定されるパラメータには、典型的には、前方散乱(FSC)と呼ばれる、ほぼ前方方向に沿った狭い角度で粒子によって散乱される励起波長の光、側方散乱(SSC)と呼ばれる、励起レーザに対して直交方向に粒子によって散乱される励起光、及び蛍光分子又は蛍光色素によって発せられる光が含まれる。様々な細胞タンパク質又は他の成分を蛍光色素標識抗体又は他の蛍光プローブで標識することから生じる光散乱特性及び蛍光放射によって、異なる細胞のタイプを識別することができる。前方散乱光、側方散乱光、及び蛍光は、粒子分析器内に位置付けられた光検出器によって検出される。
【0004】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国出願第17/159,453号に記載されているようなクラスター化された波長分割(CWD)光検出システムの開発は、最近、フローサイトメータにおける光収集の質の改善をもたらした。CWDシステムは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させる波長セパレータ、並びに各波長セパレータと光学的に連通する光検出モジュールを含む。各光検出モジュールは、複数の光検出器と、所定のサブスペクトル範囲を有する光を光検出器に伝達するように構成された1つ以上の光学構成要素とを含む。したがって、CWDシステムは、収集された光をスペクトル範囲に分離し、光検出器によって検出される複数のサブスペクトル範囲を生成するために、光のより少ない反射を必要とする。異なるスペクトル範囲の光を生成する反射は、ある特定の例では、不良な検出器信号品質(例えば、低いシグナル対ノイズ比)を引き起こす光損失をもたらすため、CWDシステムにおける反射の低減は、光損失の量を低減させ、信号品質を改善する。
【0005】
図1A図1Cは、既存のCWD光検出システムの一例を描示する。図1Aに示されるように、光検出システム100は、波長セパレータが内部に位置付けられているコア103を含む。光検出モジュール101a~101fは、コア103の周りに位置し、複数の光学構成要素及び光検出器(図示せず)を各々含む。収集された光は、単一の光受信器102を介して光検出システム100に入り、コア103内へ通過される。波長セパレータを通過した光は、検出のためにアーム104を介して光検出モジュール101a~101fに入る。アーム104は、ねじ接続部105を介してコア103及び光検出モジュール101a~101fに固定される。図1Bは、単一の光検出モジュール101a、ヒートシンク107、及びアーム104の断面を描示する。図1Cに示されるように、各光検出モジュールは、ヒートシンク107、ファン108、及び長さ106を有するアーム104を含む。
【発明の概要】
【0006】
CWD光検出システムは、フローサイトメータ内で収集された光の分析の改善を構成するが、本発明者らは、そのようなシステムが更に改善され得ることを認識している。例えば、既存のCWD光検出システムは、一度に収集された光の1つのビームのみを分析することができる。本発明者らは、単一の光検出システム内の集められた光の複数のビームの同時分析が(例えば、空間を節約するために)望ましいことを発見した。加えて、本発明者らは、(例えば、図1A図1Cに示されるように)比較的狭いアームの端部に片持ち式の光検出モジュールが、動作中の低いシステム剛性及び共振でのより大きな振動の振幅をもたらし、それによって収集された信号にノイズを導入することを理解している。更に、既存のシステム内の各光検出モジュールは、各々が動作中にシステムに望ましくない振動をもたらす個々のモータによって駆動される個々の冷却デバイス(例えば、ファン)を採用する。以上を考慮すると、本発明者らは、CWD光検出システムの改善が望ましいことを認識している。本明細書に提供されるシステム、ベースプレート、方法、及びキットは、この要望を満たす。
【0007】
本発明の態様は、互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器を有する光検出システムと、所定のスペクトル範囲を有する第1の光受信器及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとを含む。本明細書で論じられる第1及び第2の光受信器は、それぞれ、第1及び第2の光ビームを受信するように構成される。関心対象の光検出モジュールは、複数の波長セパレータのうちの1つの波長セパレータと光学的に連通しており、複数の光検出器を含む。いくつかの場合では、第1及び第2の光受信器は、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々含む。光検出システムは、任意選択的に、光を第1及び第2の光受信器にそれぞれ伝播させるために、カプラに動作可能に取り付けられた第1及び第2の光学収集構成要素を含み得る。ある特定の事例では、第1及び第2の光学収集構成要素は、光ファイバ(例えば、光ファイバリレー束)を含む。実施形態では、第1及び第2の光受信器は、ビーム調節器(例えば、レンズ)を各々含む。いくつかの場合では、波長セパレータ(例えば、ダイクロイックミラー)は、互いの間で光を伝達するように構成されている。複数の波長セパレータ内の波長セパレータの数は、例えば、2~6つ(例えば、5つ)の範囲であり得る。波長セパレータは、隣り合う波長セパレータを分離する距離が一定であるように配置され得る。第1の光ビームは、実施形態では、500nmを超える波長を有する光を含み得、第2の光ビームは、600nmを超える波長を有する光を含み得る。いくつかの変形例では、第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセット(例えば、2~4つの波長セパレータの範囲)によって伝達され、第2の光ビームは、波長セパレータの第2のサブセット(例えば、2~4つの波長セパレータの範囲)によって伝達される。実施形態では、各波長セパレータは、波長セパレータの位置を微調整するように構成された調節機構を含む。例えば、いくつかの場合では、調節機構は、ダウエルピンの周りを回転することによって波長セパレータの位置を微調整するように構成されている。追加の場合では、調節機構が、垂直方向において波長セパレータの位置を微調整するための屈曲部と、屈曲部の構造を変更するための一組のねじとを含む。実施形態では、光検出モジュールは、多角形構成(例えば、七角形構成)に配置されている。関心対象の光検出モジュールは、検出のための所定のサブスペクトル範囲を有する光を伝達するように構成された1つ以上の光学構成要素を追加的に含む。光検出モジュールが複数の光学構成要素を含む場合、光学構成要素は、例えば、単一の平面又は2つ以上の平行な平面に沿って配置され得る。実施形態では、光検出モジュールは、複数の光検出器と、所定のサブスペクトル範囲を有する光を光検出器に伝達するように構成された光学構成要素とを含む。光検出モジュールを組み立てる方法も提供される。
【0008】
本開示の要素は、粒子を分析するためのシステム(例えば、フローサイトメトリシステム)を追加的に含む。関心対象のシステムは、光源及び光検出システムを含む。上述したように、本光検出システムは、互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器と、所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとを含む。実施形態では、粒子分析システムは、複数の光検出システムを含む。例えば、いくつかの場合では、複数の光検出システム内の光検出システムの数は、2~6つ(例えば、3つ)の範囲である。ある特定の事例では、システムは、光検出システムが同一場所に配置された基板を更に含む。いくつかの実施形態では、基板は、(例えば、1つ以上のチューブを介して)各光検出システムに気体的に接続されたプレナムを含む。ある特定の場合では、システムは、プレナム内に負圧を生成し、それによって各光検出システムを通って空気を循環させるためのファンを含む。
【0009】
本発明の態様は、光検出システムを装着するためのベースプレートを追加的に含む。関心対象のベースプレートは、光ビームを受信するように構成された光受信器を装着するためのステージと、複数の光検出モジュールをステージに対して堅固な整列で固定するための複数の凹部と、中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部とを含む。関心対象の凹部は、中心点の周りに配置されている。複数の凹部内の凹部の数は、例えば、2~7つ(例えば、6つ、5つ)の範囲であり得る。凹部は、中心点の周りに任意の好都合な構成(例えば、七角形構成、五角形構成、六角形構成、八角形構成)に配置され得る。ベースプレートの実施形態が、各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠きを更に含み、切り欠きが、各検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成されている。ベースプレートは、例えば、150mm~250mm(例えば、200mm)の範囲の直径を有し得る。加えて、ベースプレートは、例えば、15mm~25mm(例えば、20mm)の範囲の厚さを有し得る。いくつかの場合では、ベースプレートは、1:10の厚さ対直径の比を有し得る。いくつかの事例では、ベースプレートは、金属(例えば、アルミニウム合金)からなり、凹部内に光検出モジュールを固定するように構成された複数のダウエルピンを含む。
【0010】
本発明の態様は、追加的に、本発明を実践するための方法、並びに光検出システム、粒子分析システム、及びベースプレートの構成要素を有するキットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて読む場合、以下の詳細な説明から最も理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【0012】
図1A】既存のCWD光検出システムを描示する。
図1B】既存のCWD光検出システムを描示する。
図1C】既存のCWD光検出システムを描示する。
図2A】ある特定の実施形態による光検出システムを描示する。
図2B】ある特定の実施形態による光検出システムを描示する。
図2C】ある特定の実施形態による光検出システムを描示する。
図2D】ある特定の実施形態による光検出システムを描示する。
図3A】ある特定の実施形態による、波長セパレータ及び光検出モジュールの第1及び第2のサブセットを描示する。
図3B】ある特定の実施形態による、波長セパレータ及び光検出モジュールの第1及び第2のサブセットを描示する。
図4A】ある特定の実施形態による調節機構を描示する。
図4B】ある特定の実施形態による調節機構を描示する。
図4C】ある特定の実施形態による調節機構を描示する。
図5】ある特定の実施形態による光検出システムを描示する。
図6】複数の光検出システムが同一場所に配置された基板を描示する。
図7】ある特定の実施形態によるフローサイトメトリックシステムの機能ブロック図を描示する。
図8】ある特定の実施形態によるソーティング制御システムを描示する。
図9A】ある特定の実施形態による粒子ソータシステムの概略図を描示する。
図9B】ある特定の実施形態による粒子ソータシステムの概略図を描示する。
図10A】ある特定の実施形態によるベースプレートを描示する。
図10B】ある特定の実施形態によるベースプレートを描示する。
図11A】ベースプレートの寸法を例解する。
図11B】ベースプレートの寸法を例解する。
図12A】ベースプレートの厚さが剛性及び共振周波数にどのように関連するかを例解するグラフを含む。
図12B】ベースプレートの厚さが剛性及び共振周波数にどのように関連するかを例解するグラフを含む。
図13A】6つの光検出モジュールが取り付けられているベースプレートを描示する。
図13B】6つの光検出モジュールが取り付けられているベースプレートを描示する。
図13C】6つの光検出モジュールが取り付けられているベースプレートを描示する。
図14】4つの光検出モジュールが取り付けられているベースプレートを描示する。
図15】ある特定の実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図を描示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
光検出システムが提供される。光検出システムの態様は、互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器と、所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとを含む。光受信器を装着するためのステージと、複数の光検出モジュールをステージに対して堅固な整列で固定するための複数の凹部と、及び各凹部内に位置付けられた熱放散開口部とを有する、ベースプレートも、また、提供される。加えて、本発明を実践するための粒子分析システム、方法及びキットが開示される。
【0014】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、当然ながら、変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0015】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びこの記載の範囲内の任意の他の記載される値又は中間値が本発明に包含されることが理解されるべきである。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本発明内に包含される。記述の範囲が、制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方又は両方を除外する範囲も、また、本発明に含まれる。
【0016】
本明細書では、数値の前に「約」という用語が付けられて、特定の範囲が提示される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、並びにその用語が先行する数に近いか又はほぼそれである数に文字通りの支持を提供するために使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0017】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書で説明されるものと同様の又は同等な任意の方法及び材料が、本発明の実施又は試験に使用され得るが、代表的な例解的な方法及び材料が以下に記載される。
【0018】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、あたかも各個々の刊行物又は特許が参照によって組み込まれるように具体的かつ個々に示されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれ、参照によって本明細書に組み込まれることによって、それらの刊行物が引用される関連した方法及び/又は材料を開示及び記載する。任意の刊行物の引用は、出願日以前のその開示についてのものであり、本発明が、先行発明の特色によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なり得、これらは独立して確認する必要があり得る。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」との単数形は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように設計され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「単独で」、「のみ」などのそのような排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0020】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に説明及び例解される別個の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の様々な実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はこれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0021】
システム及び方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性のために記載されている、又は記載されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明示的に策定されない限り、「手段」又は「ステップ」制限の構築によって必ずしも制限されるものと解釈されるべきではなく、同等物の法制定基礎原則の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び同等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条下で明示的に策定される場合、米国特許法第112条下で完全な法定同等物が付与されるべきであることを明示的に理解されたい。
【0022】
光検出システム
本発明の態様は、互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器を有する光検出システムと、所定のスペクトル範囲を有する第1の光受信器及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとを含む。関心対象の光検出モジュールは、複数の波長セパレータのうちの波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を含む。第1及び第2の光受信器は、第1及び第2の光ビームをそれぞれ受信するように構成されている。本明細書で説明されるように、「光受信器」は、収集された光を受信し、その光が所望の方向に移動するように、及び/又は特定の特性を有するように、光を伝播させるように構成されているデバイスを指す。いくつかの場合では、光受信器は、自由空間を通って移動する光を受信するように構成されている。別の言い方をすれば、光は収集され、自由空間光リレーシステムによって光検出システムに伝達される。「自由空間光リレー」という語句は、本明細書では、その従来の意味で、1つ以上の光学素子の構成を用いて、自由空間を通って光を方向付ける光伝播を指すために使用される。「自由空間」とは、気体(例えば、空気)又は真空を意味する。自由空間リレーシステムは、レンズ、ミラー、スリット、ピンホール、波長セパレータ、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上など、異なる光学素子の任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、関心対象の自由空間光リレーシステムは、1つ以上の集束レンズを含む。他の実施形態では、本自由空間光リレーシステムは、1つ以上のミラーを含む。更に他の実施形態では、自由空間光リレーシステムは、1つ以上のコリメーティングレンズを含む。
【0023】
他の場合では、光受信器は、光学収集構成要素を通って移動する光を受信するように構成されている。光学収集構成要素は、例えば、光ファイバを含む。ある特定の場合において、光学収集構成要素は、光ファイバリレー束(例えば、一緒に束ねられた複数の光ファイバ構成要素)を含む。そのような事例では、光学収集構成要素は、100個以上の光ファイバを含め、3つ以上の光ファイバなど、4つ以上の光ファイバなど、5つ以上の光ファイバなど、6つ以上の光ファイバなど、7つ以上の光ファイバなど、8つ以上の光ファイバなど、9つ以上の光ファイバなど、10個以上の光ファイバなど、25個以上の光ファイバなど、50個以上の光ファイバなど、2つ以上の光ファイバを含む。
【0024】
第1及び第2の光受信器が光学収集構成要素を含むいくつかの実施形態では、光受信器の一方又は両方は、それぞれの光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを含み得る。本明細書に記載されるように、「カプラ」は、光学収集構成要素を通って移動する光が光受信器に伝達されるように、光学収集構成要素を光受信器に接合するように構成された要素を指す。関心対象のカプラは、例えば、嵌合関係で、光ファイバコネクタと係合するように構成されている。いくつかの場合では、カプラは、ある特定の変形例では、カプラに対して光学収集構成要素を固定するためのフェルールを含む、光学収集構成要素を受容するための凹部を含む。他の実施形態では、カプラは、磁石、ラッチ、ノッチ、皿穴、カウンタボア、溝、ピン、テザー、ヒンジ、又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の留め具を介して光学収集構成要素を接合するように構成されている。
【0025】
第1及び第2の光受信器は、同じタイプ又は異なるタイプの光受信器のいずれかであり得る。いくつかの場合では、第1及び第2の光受信器の両方は、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々含む。他の場合では、第1及び第2の光受信器の両方は、自由空間光リレーシステムから光を受信するように構成されている。そのような場合、光受信器は、収集された光が光検出システムに入るように方向転換するように配置された1つ以上の反射光学素子(例えば、ミラー)を含み得る。更に他の実施形態では、第1の光受信器は、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを含み、第2の光受信器は、自由空間光リレーシステムから光を受信するように構成されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の光受信器の一方又は両方は、ビーム調節器を追加的に含む。本明細書に記載されるように、「ビーム調節器」は、光受信器によって受信された光の1つ以上の特性を変更するように構成された光学素子である。関心対象の特性は、これらに限定されないが、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点を含み得る。好適なビーム調節器は、例えば、レンズ、ミラー、ピンホール、スリット、格子、光屈折器、及びそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの事例では、受信された光は、光のプロファイルを低減するためなど、1つ以上の集束レンズを通過する。他の事例では、ビーム調節器は、光検出システムに伝達されたビームの発散を低減するための1つ以上のコリメーティングレンズを含む。いくつかの場合では、ビーム調節器は、無色のダブルレットレンズである。
【0027】
第1及び第2の光受信器によって受信された第1及び第2の光ビームの特性は、同じ又は異なり得る。例えば、いくつかの場合では、第1及び第2の光ビームの両方が、同じ波長又は波長の範囲を示す光を含む。他の実施形態では、第1及び第2のビームは、異なる波長又は波長の範囲を示す光を含む。いくつかの実施形態では、第1の光ビームは、フローセル内の粒子を第1の光源で照射することによって生成された粒子変調光であり、第2の光ビームは、フローセル内の粒子を第2の光源で照射することによって生成された粒子変調光である。例えば、いくつかの実施形態では、第1のビームは、500nmを超える波長を有する光を含む。いくつかの変形例では、第1のビームは、黄緑色スペクトル(例えば、500~600nm)内の光エネルギーの濃度を含む。そのような変形例では、紫外線(UV)、紫色、及び青色スペクトル内の光は、第1の光受信器によって受信される前に、第1のビームからフィルタリングされている場合がある。追加の実施形態では、第2のビームは、600nmを超える波長を有する光を含む。いくつかの変形例では、第2のビームは、赤色スペクトル(例えば、600~750nm)内の光の濃度を含む。そのような変形例では、UV、紫色、青色、及び黄緑色スペクトル内の光は、第2の光受信器によって受信される前に、第2のビームからフィルタリングされている場合がある。
【0028】
実施形態では、試料から受信された光は、光を1つ以上の波長セパレータに通すことによって、3つ以上のスペクトル範囲に分割される。波長セパレータによって生成された光の各スペクトル範囲は、光学構成要素を介して、光検出器によって検出されるより小さいサブスペクトル範囲に更に分割される。いくつかの実施形態では、試料から検出された光は、蛍光などの放射光である。他の実施形態では、試料から検出された光は、散乱光である。「散乱光」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、光ビームの反射、屈折、又は偏向などによって、入射ビーム経路から偏向される試料中の粒子からの光エネルギーの伝播(例えば、フローストリーム内で流れる)を指すために使用される。
【0029】
実施形態では、本明細書で説明される光検出システムは、試料から収集された光からの光損失をほとんど又はまったく示さないように構成されている。いくつかの実施形態では、本光検出システムを通る光の伝達による光損失は、例えば、0.001%以下を含め、20%以下など、15%以下など、10%以下など、5%以下など、1%以下など、0.5%以下など、0.1%以下など、0.01%以下など、25%以下である。ある特定の事例では、本光検出システムを通して試料からの光を伝播させることからの光損失はない(すなわち、測定可能な光損失を示さない)。例えば、試料からの光の量は、本光検出システムを介して伝達されると、0.00001mW/cm以下を含め、0.5mW/cm以下など、0.1mW/cm以下など、0.05mW/cm以下など、0.01mW/cm以下など、0.005mW/cm以下など、0.001mW/cm以下など、0.0005mW/cm以下など、0.0001mW/cm以下など、0.00005mW/cm以下など、1mW/cm以下だけ減少する。
【0030】
いくつかの実施形態では、波長セパレータは、100個以上の所定のスペクトル範囲の光を含め、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上など、10個以上など、15個以上など、25個以上など、50個以上など、75個以上など、光源から3つ以上の所定のスペクトル範囲の光(例えば、以下に詳細に説明されるように、光で照射された試料からの光)を生成するように構成されている。ある特定の事例では、光検出システムは、光源から第1、第2、及び第3の所定のスペクトル範囲の光を生成するように構成された波長セパレータを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、100個以上の波長セパレータを含め、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上など、10個以上など、15個以上など、25個以上など、50個以上など、75個以上など、3つ以上の波長セパレータを含む。「波長セパレータ」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成された光学構成要素を指すために使用される。いくつかの実施形態では、波長セパレータは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を反射することによって、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成されている。他の実施形態では、波長セパレータは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を吸収することによって、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成されている。更に他の実施形態では、波長セパレータは、試料から収集された光を所定のスペクトル範囲に空間的に回折するように構成されている。各波長セパレータは、1つ以上のダイクロイックミラー、バンドパスフィルタ、回折格子、ビームスプリッタ、又はプリズムなど、任意の好都合な光分離プロトコルであり得る。いくつかの実施形態では、波長セパレータは、プリズムである。他の実施形態では、波長セパレータは、回折格子である。ある特定の実施形態では、本光検出システムにおける波長セパレータは、ダイクロイックミラーである。
【0032】
実施形態では、波長セパレータは、第1の波長X(ナノメートル、nm)から第2の波長X(ナノメートル、nm)までの範囲の波長を有する光を通過させるように構成されている。いくつかの実施形態では、波長セパレータは、600nm~1000nmの範囲の波長を有する光を通過させることを含め、100nm~1500nmなど、150nm~1450nmなど、200nm~1400nmなど、250nm~1350nmなど、300nm~1300nmなど、350nm~1250nmなど、400nm~1200nmなど、450nm~1150nmなど、500nm~1100nmなど、550nm~1050nmなど、X~Xの範囲の波長を有する光を通過させるように構成されている。ある特定の実施形態では、関心対象の光検出システムにおける波長セパレータは、360nm~960nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成されている。
【0033】
実施形態では、関心対象の波長セパレータは、所定のスペクトル範囲の光X(ナノメートル、nm)を生成するように各々構成されている。所定のスペクトル範囲は様々であり得、ある特定の実施形態では、関心対象の波長セパレータは、150nm~200nmを含め、75nm~275nmなど、100nm~250nmなど、125nm~225nmなど、50nm~300nmに及ぶ光のスペクトル範囲(X)を生成するように構成されている。ある特定の実施形態では、各波長セパレータは、100nm(すなわち、X=100nm)に及ぶ光のスペクトル範囲を生成するように構成されている。
【0034】
一例では、光検出システムは、360nm~480nmの光の第1の所定のスペクトル範囲、480nm~600nmの光の第2の所定のスペクトル範囲、600nm~720nmの光の第3の所定のスペクトル範囲、720nm~840nmの光の第4の所定のスペクトル範囲、及び840nm~960nmの光の第5の所定のスペクトル範囲を生成するように構成されている波長セパレータを含む。
【0035】
別の例では、光検出システムは、360nm~480nmの範囲(すなわち、X=120nm)の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、480nm~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、600nm~720nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと、720nm~840nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第4の波長セパレータと、840nm~960nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第5の波長セパレータとを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、関心対象の光検出システムは、互いの間で光を伝達するように位置付けられるように、互いに光学的に連通している3つ以上の波長セパレータを含む。波長セパレータは、(X-Z平面で参照されるように)光検出システム内で、45°~90°を含め、15°~170°など、20°~160°など、25°~150°など、30°~120°など、10°~180°の範囲の角度で互いに配向され得る。いくつかの事例では、波長セパレータは、単一の平面に沿って位置付けられる。他の事例では、波長セパレータは、2つ以上の平面に沿って位置付けられる。例えば、波長セパレータは、5つ以上の平行な平面を含め、3つ以上など、4つ以上など、2つ以上の平行な平面に沿って位置付けられ得る。ある特定の事例では、波長セパレータは、幾何学的構成に配置され、関心対象の配置としては、以下に限定されないが、正方形構成、長方形構成、台形構成、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、九角形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円形構成、並びに不規則形状構成が挙げられる。ある特定の実施形態では、波長セパレータは、五角形構成で配置される。他の実施形態では、波長セパレータは、七角形構成で配置される。波長セパレータは、任意の好都合な距離によって互いに分離され得る。いくつかの事例では、隣り合う波長セパレータは、50mm以上を含む、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、2mm以上など、3mm以上など、4mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、15mm以上など、25mm以上など、0.001mm以上だけ分離されている。ある特定の場合において、隣り合う波長セパレータを分離する距離は、一定である。言い換えれば、分離距離は、任意の隣り合う波長セパレータ対について同じである。複数の波長セパレータ内の隣り合う波長セパレータを分離する距離が一定であるいくつかの事例では、そのような一貫性は、光検出器から受信された信号がデジタル化された後により容易に比較される分析結果を提供する。
【0037】
いくつかの実施形態では、波長セパレータは、互いの間で光を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、各波長セパレータは、あるスペクトル範囲の光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を別の波長セパレータに(例えば、反射によって)伝達するように構成されている。一例では、光検出システムは、3つの波長セパレータを含む。第1の波長セパレータは、試料からの光を受信し、第1のスペクトル範囲の光を通過させ、第2のスペクトル範囲の光を第2の波長セパレータに伝達するように構成されている。第2の波長セパレータは、第3のスペクトル範囲の光を通過させ、第4のスペクトル範囲の光を第3の波長セパレータに伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第3のスペクトル範囲の光は、第2のスペクトル範囲の光の一部分であり、第2のスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶスペクトル範囲である。第3の波長セパレータは、第5のスペクトル範囲の光を通過させるように構成されている。いくつかの事例では、第5のスペクトル範囲の光は、第4のスペクトル範囲の光の一部分であり、第4のスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶスペクトル範囲である。
【0038】
別の例では、光検出システムは、5つの波長セパレータを含む。第1の波長セパレータは、試料からの光を受信し、第1のスペクトル範囲の光を通過させ、第2のスペクトル範囲の光を第2の波長セパレータに伝達するように構成されている。第2の波長セパレータは、第3のスペクトル範囲の光を通過させ、第4のスペクトル範囲の光を第3の波長セパレータに伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第3のスペクトル範囲の光は、第2のスペクトル範囲の光の一部分であり、第2のスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶスペクトル範囲である。第3の波長セパレータは、第5のスペクトル範囲の光を通過させ、第6のスペクトル範囲の光を第4の波長セパレータに伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第5のスペクトル範囲の光は、第4のスペクトル範囲の光の一部分であり、第4のスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶスペクトル範囲である。第4の波長セパレータは、第7のスペクトル範囲の光を通過させ、第8のスペクトル範囲の光を第5の波長セパレータに伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第7のスペクトル範囲の光は、第6のスペクトル範囲の光の一部分であり、第6のスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶスペクトル範囲である。第5の波長セパレータは、第9のスペクトル範囲の光を通過させるように構成されている。いくつかの事例では、第9のスペクトル範囲の光は、第8のスペクトル範囲の光の一部分であり、第8のスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶスペクトル範囲である。
【0039】
ある特定の実施形態では、光検出システムは、360nm~960nmの範囲の波長を有する光を分離するように構成された5つの波長セパレータを含み、第1の波長セパレータは、360nm~480nmの範囲の波長を有する光を通過させ、480nm~960nmの範囲の波長を有する光を第2の波長セパレータに伝達するように構成され、第2の波長セパレータは、480nm~600nmの範囲の波長を有する光を通過させ、600nm~960nmの範囲の波長を有する光を第3の波長セパレータに伝達するように構成され、第3の波長セパレータは、600nm~720nmの範囲の波長を有する光を通過させ、720nm~960nmの範囲の波長を有する光を第4の波長セパレータに伝達するように構成され、第4の波長セパレータは、720nm~840nmの範囲の波長を有する光を通過させ、840nm~960nmの範囲の波長を有する光を第5の波長セパレータに伝達するように構成されている。この実施形態では、第5の波長セパレータは、840nm~960nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成される。
【0040】
上述のように、第1及び第2の光受信器は、第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセットによって伝達され、第2の光ビームが、波長セパレータの第2のサブセットによって伝達される。例えば、いくつかの場合では、波長セパレータの第1のサブセットは、500~600nm(すなわち、黄緑色)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、600~675nm(すなわち、赤色)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、675~750nm(すなわち、赤色)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータとを含む。他の実施形態では、波長セパレータの第1のサブセットは、450~500nm(すなわち、青色)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、500~600nm(すなわち、黄緑色)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、600~675nm(すなわち、赤色)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと、675~750nm(すなわち、赤色)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第4の波長セパレータとを含む。ある特定の事例では、波長セパレータの第2のサブセットは、600~675nm(すなわち、赤色)の範囲の光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、675~750nm(すなわち、赤色)の範囲の光を通過させるように構成された第2の波長セパレータとを含む。
【0041】
本光検出システムのある特定の実施形態は、第3の光ビームを受信するように構成された第3の光受信器を追加的に含む。そのような実施形態では、同じ光検出システムは、収集された3つの光ビームを分析するように構成され、第3の光ビームを伝達するように構成された波長セパレータの第3のサブセットを更に含み得る。
【0042】
上述のように、光検出システムは、各波長セパレータと光学的に連通する光検出モジュールを含む。例えば、第1及び第2のサブセットの各波長セパレータは、各波長セパレータが専用の光検出モジュールに関連付けられるように、光検出モジュールと光学的に連通している。いくつかの実施形態では、光検出モジュールは、光検出モジュールへの開口部が波長セパレータに物理的に結合されているなど、波長セパレータと物理的に接触するように位置付けられる。他の実施形態では、各光検出モジュールは、50mm以上を含め、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、2mm以上など、3mm以上など、4mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、15mm以上など、25mm以上など、0.001mm以上だけ、波長セパレータから位置付けられている。例えば、各光検出モジュールは、2mm~50mmを含め、0.0005mm~95mmなど、0.001mm~90mmなど、0.005mm~85mmなど、0.01mm~80mmなど、0.05mm~75mmなど、0.1mm~70mmなど、0.5mm~65mmなど、1mm~60mmなど、1.5mm~55mmなど、0.0001mm~100mmの距離だけ波長セパレータから位置付けられ得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、複数の波長セパレータのうちの1つ以上の波長セパレータは、波長セパレータの位置を微調整するように構成された調節機構を含む。例えば、いくつかの場合では、この調節機構が、波長セパレータが光を反射する及び/又は通過させるように構成された方向を最適化するために使用され得る。いくつかの変形例では、調節機構が、ダウエルピンの周りを回転することによって波長セパレータの位置を微調整するように構成されている。そのような実施形態では、光検出システムは、波長セパレータが配置される場所にダウエルピンを含み、調節機構は、ダウエルピンを受容するように構成された凹部を含む。ダウエルピンが凹部内に配置されると、調節機構は、ピンの周りを回転し、それによって波長セパレータの位置を変更するように構成されている。
【0044】
更なる実施形態では、調節機構が、垂直方向において波長セパレータの位置を微調整するための屈曲部を含む。本明細書に記載される「屈曲部」は、その従来の意味で、弾性体変形を介して動作するように構成された可撓性要素を説明するために参照される。「弾性体変形」とは、変形の原因が取り除かれた後、変形した体がその元の形状に戻る能力を意味する。ある特定の実施形態では、屈曲部の移動は、ある特定の自由度によって特徴付けられ得る。「自由度」は、それらの従来の意味で、剛体の位置を定義するために必要な独立変数の数を指すために説明される。ある特定の場合では、本屈曲部は、単一の自由度内で動作する。いくつかの場合では、調節機構が、屈曲部の構造を変更するための一組のねじを追加的に含む。言い換えれば、ユーザが波長セパレータの位置を垂直方向に変更することを望んでいる場合、ユーザは、1つ以上のねじを締め付ける、及び又は緩めることができ、それによって、屈曲部の形状を調節することができる。ある特定の場合において、ねじのセットは、プッシュプル機構を構成する。そのような場合、調節機構は、第1の方向に屈曲部に力を及ぼすように構成された押しねじと、第2の方向に屈曲部に力を及ぼすように構成された引きねじとを含み得る。ある特定の場合において、調節機構は、取り付け機構を基板(例えば、ベースプレート)に固定するためのねじを更に含む。いくつかの実施形態では、調節機構を介した波長セパレータの調節は、光検出モジュール内のビーム照準の正確さを可能にする。いくつかの変形例では、そのような正確な照準は、第1の光ビームと第2の光ビームとの間の望ましくない反射、後方散乱、クロストーク、又は他の形態の干渉を防止する。言い換えれば、同じ光検出システム内の第1のビーム及び第2のビームの同一の場所における配置は、干渉をもたらさない。
【0045】
光検出モジュールは、波長セパレータに解放可能に接続され得る。「解放可能に」という用語は、本明細書では、各光検出モジュール又は波長セパレータが自由に取り外され、再取り付けされ得るように、その従来の意味で使用される。光検出モジュール又は波長セパレータは、任意の好都合なプロトコルによって接続され得る。ある特定の実施形態では、光検出モジュール及び波長セパレータは、磁石、ラッチ、ノッチ、皿穴、カウンタボア、溝、ピン、テザー、ヒンジ、非永久的接着剤、又はそれらの組み合わせなどの留め具と一緒に接続される。ある特定の事例では、光検出モジュールは、波長セパレータを光検出モジュールの溝にスロット嵌合させることによって、波長セパレータに接続される。更に他の事例では、波長セパレータは、1つ以上のねじによって光検出モジュールに接続される。
【0046】
いくつかの実施形態では、各波長セパレータからの光は、光学収集システムによって各光検出モジュールに伝達される。各光学収集システムは、波長セパレータによって通過されたスペクトル範囲の光を収集し、光を光検出モジュールに誘導する任意の好適な光収集プロトコルであり得る。いくつかの実施形態では、光学収集システムは、光ファイバ光リレー束などの光ファイバを含む。他の実施形態では、光学収集システムは、自由空間光リレーシステムである。
【0047】
実施形態では、各光学収集システムは、接着剤などによって光検出モジュールに物理的に結合され得るか、各光検出モジュールに共成形され得るか、又は各光検出モジュールに統合され得る。ある特定の実施形態では、各光検出モジュール及び光学収集システムは、単一のユニットに統合される。いくつかの事例では、各光検出モジュールは、フック及びループファスナ、磁石、ラッチ、ノッチ、皿穴、カウンタボア、溝、ピン、テザー、ヒンジ、非永久的接着剤、又はそれらの組み合わせなど、光学収集システムを各光検出モジュールに締め付けるコネクタで、光学収集システムに結合される。
【0048】
他の実施形態では、各光検出モジュール及び光学収集システムは、光学的に連通しているが、物理的に接触していない。実施形態では、光学収集システムは、光検出モジュールから100mm以上を含め、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、10mm以上など、25mm以上など、50mm以上など、光検出モジュールから0.001mm以上に位置付けられ得る。
【0049】
ある特定の実施形態では、光学収集システムは、光ファイバを含む。例えば、光学収集システムは、光ファイバ光リレー束であり得、波長セパレータを通過したスペクトル範囲の光は、光ファイバ光リレー束を通じて光検出モジュールに伝達される。任意の光ファイバ光リレーシステムは、光を伝達するために採用され得、ある特定の実施形態では、好適な光ファイバ光リレーシステムは、限定されるものではないが、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,809,804号に記載されるものなどの光ファイバ光リレーシステムを含む。
【0050】
他の実施形態では、各光学収集システムは、自由空間光リレーシステムである。ある特定の実施形態では、自由空間光リレーシステムは、近位端及び遠位端を有するハウジングを含み、近位端は、光検出モジュールに結合される。自由空間リレーシステムは、レンズ、ミラー、スリット、ピンホール、波長セパレータ、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上など、異なる光学構成要素の任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、関心対象の自由空間光リレーシステムは、1つ以上の集束レンズを含む。他の実施形態では、本自由空間光リレーシステムは、1つ以上のミラーを含む。更に他の実施形態では、自由空間光リレーシステムは、コリメーティングレンズを含む。ある特定の実施形態では、波長セパレータからのスペクトル範囲の光を伝播させるための好適な自由空間光リレーシステムは、限定されるものではないが、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,643,142号、同第7,728,974号、及び同第8,223,445号に記載されたもののような光リレーシステムを含む。
【0051】
光検出モジュールは、必要に応じて、本光検出システム内で任意の幾何学的構成で配置され得る(例えば、ともに装着され得る)。この光検出モジュールは、1つ以上の平面に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、光検出モジュールは、(X-Z平面で参照されるように)45°~90°を含め、10°~170°など、20°~160°など、25°~150°など、30°~120°など、0°~180°の範囲の角度で互いに配向され得る。実施形態では、光検出モジュールは、光検出システム内の光検出モジュールの数に応じて同じ又は異なる角度で互いに対して配置され得る。例えば、ある特定の事例では、第1の光検出モジュールと第2の光検出モジュールとの間の角度は、第2の光検出モジュールと第3の光検出モジュールとの間の角度と同じである。いくつかの実施形態では、第1の光検出モジュールと第2の光検出モジュールとの間の角度は、第2の光検出モジュールと第3の光検出モジュールとの間の角度とは異なる。いくつかの実施形態では、光検出モジュールは、星形構成、三角形構成、正方形構成、長方形構成、台形構成、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、九角形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円構成、並びに不規則形状構成などの幾何学的構成で位置付けられる。
【0052】
いくつかの実施形態では、光検出モジュールは、モジュールが中心点の周りに配置されるときに互いに同一場所に配置され得るような相補的な形状を有する。いくつかの実施形態では、光検出モジュールは、実質的に楔形である。言い換えれば、光検出システムがパイとして概念化された場合、各構成光検出モジュールは、パイのスライスとして考えられ得る。「実質的に楔形」とは、光検出モジュールが完全な楔である場合又はない場合があり、いくつかの実施形態では、モジュールの側面が直線から逸脱する1つ以上の領域を含むことを意味する。光検出モジュールは、光検出モジュールが互いに物理的に接触している場所を含め、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下など、隣り合った光検出モジュールが5mm以下で分離されるなど、互いに近接して位置し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、側方散乱光検出器(側方散乱検出器とも称される)を追加的に含む。上述したように、側方散乱光は、励起レーザに対して直交方向に粒子によって散乱される光である。光検出システムが側方散乱光検出器を含む場合、システムの変形例は、側方散乱波長光を光受信器によって受信される光から分離するように構成された側方散乱光セパレータを追加的に含み得る。側方散乱光セパレータは、ある特定の事例では、光受信器と光検出モジュールとの間に位置付けられ得る。いくつかの場合では、側方散乱光セパレータは、40°~50°を含め、30°~60°など、光受信器によって受信される光の光軸に対して1°~90°の範囲の角度で側方散乱光を方向転換する(例えば、後方散乱)ように構成され得る。方向転換された光は、その後、側方散乱光検出器によって検出される。本明細書で説明する側方散乱光検出器として、任意の好都合な検出器が採用され得る。いくつかの実施形態では、側方散乱光検出器は、光電子増倍管(PMT)である。他の実施形態では、側方散乱光検出器は、フォトダイオード(例えば、アバランシェフォトダイオード)である。いくつかの実施形態では、側方散乱光検出器は、検出器の感光エリアに光を集中させる集束非球面レンズを装備している。他の実施形態では、1つ以上の光学フィルタが、集束非球面レンズの代わりに、又は集束非球面レンズに加えて採用され得る。
【0054】
図2A図2Dは、本発明のある特定の実施形態による光検出システムを描示する。図2Aに示されるように、光検出システム200は、第1の光受信器202b、第1のビーム調節器203b、第2の光受信器202a、第2のビーム調節器203a、光検出モジュール201a~201e、及び波長セパレータ205a~205eを含む。図2Bに示されるように、第1の光ビーム204bは、光受信器202bを介して光検出システム200に入り、第1のビーム調節器203bによって調節される。第1のビーム204bは、光検出モジュール201bに関連付けられた波長セパレータ205bに遭遇する。波長セパレータ205bは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、残りの光を光検出モジュール201eに関連付けられた波長セパレータ205eに方向付ける。波長セパレータ205eは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、残りの光を光検出モジュール201cに関連付けられた波長セパレータ205cに方向付ける。第2の光ビーム204aは、光受信器202aを介して光検出システム200に入り、第1のビーム調節器203aによって調節される。第2のビーム204aは、光検出モジュール201dに関連付けられた波長セパレータ205dに遭遇する。波長セパレータ205dは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、残りの光を光検出モジュール201aに関連付けられた波長セパレータ201aに方向付ける。
【0055】
図2C及び図2Dは、側方散乱光検出器を有する光検出システムを描示する。図2A及び図2Bに関して上述した構成要素に加えて、図2C及び図2Dのシステムは、側方散乱光検出器207及び側方散乱光セパレータ206を含む。
【0056】
図3A及び図3Bは、図2A及び図2Bに示される波長セパレータ及び光検出モジュールの第1及び第2のサブセットの分離図を提示する。本発明は、第1及び第2のサブセットを単一の光検出システム内で同一場所に配置させるが、図3A及び図3Bは、第1及び第2のビームが各サブセットに関してたどる経路を示す。図3Aに示すように、第2のビーム304aは、光受信器302aを介して光検出システム300aに入り、ビーム調節器303aによって調節される。第2のビーム304aは、光検出モジュール301dに関連付けられた波長セパレータ305dに遭遇する。波長セパレータ305dは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、残りの光を光検出モジュール301aに関連付けられた波長セパレータ305aに方向付ける。図3Bに示されるように、第1の光ビーム304bは、光受信器302bを介して光検出システム300bに入り、第1のビーム調節器303bによって調節される。第1のビーム304bは、光検出モジュール301bに関連付けられた波長セパレータ305bに遭遇する。波長セパレータ305bは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、残りの光を光検出モジュール301eに関連付けられた波長セパレータ305eに方向付ける。波長セパレータ305eは、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、残りの光を光検出モジュール301cに関連付けられた波長セパレータ305cに方向付ける。
【0057】
図4A図4Cは、波長セパレータの位置を微調整するように構成された調節機構400を描示する。図4Aに示すように、波長セパレータ407は、装着ブロック410に対してクランプ402によって不動にされ、この装着ブロックは、ねじ405によってベースプレート415に取り付けられる。調節機構400は、波長セパレータ407の位置を垂直方向に微調整するための屈曲部401を含む。押しねじ403及び引きねじ404は、必要に応じて、屈曲部401の構造を変更するためのプッシュプル機構を構成する。図4Bは、装着ブロック410の内部が見える取り付け機構400の図を示す。取り付け機構400は、必要に応じて、波長セパレータ407が回転し得るように、ダウエルピン406上で枢動するように構成されている。レンズ409は、波長セパレータ407を通過した光を光検出モジュールに中継するように構成されている。図4Cは、取り付け機構400のプロファイル図を示す。レンズ409を所定の位置に維持するために、柔らかい先端又は真鍮の止めねじ408が存在する。
【0058】
いくつかの実施形態では、各光検出モジュールは、所定のサブスペクトル範囲を有する光を1つ以上の光検出器に伝達するように構成された光学調節構成要素(いくつかの場合、「光学構成要素」とも称される)を含む。「光学調節」とは、光検出モジュール内の各光検出器に伝達されたときに光が変更又は調節されることを意味する。いくつかの実施形態では、光学調節には、所定のサブスペクトル範囲を有する光を光検出器に伝搬することが含まれる。いくつかの実施形態では、各光検出モジュールは、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を反射することによって、波長セパレータから伝達された光を所定のサブスペクトル範囲に分離するように構成された1つ以上の光学調節構成要素を含む。他の実施形態では、光学調節構成要素は、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を吸収することによって、波長セパレータから伝達された光を所定のサブスペクトル範囲に分離するように構成されている。更に他の実施形態では、光学調節構成要素は、波長セパレータから伝達された光を所定のサブスペクトル範囲に空間的に回折するように構成されている。光学調節構成要素は、1つ以上のダイクロイックミラー、バンドパスフィルタ、回折格子、ビームスプリッタ、又はプリズムなど、任意の好都合な光分離プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、波長セパレータから伝達された光を所定のサブスペクトル範囲に分離するように構成された光検出モジュール内の光学調節構成要素は、ダイクロイックミラーである。
【0059】
(上述のように)波長セパレータから光検出モジュールに通される光の波長に応じて、光検出モジュール内の1つ以上の光学構成要素は、第1の波長Y(ナノメートル、nm)~第2の波長Y(ナノメートル、nm)の範囲の波長を有する光を光検出器に伝達するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学構成要素は、600nm~1000nmの範囲の波長を有する光を光検出器に伝搬することを含め、150nm~1450nmなど、200nm~1400nmなど、250nm~1350nmなど、300nm~1300nmなど、350nm~1250nmなど、400nm~1200nmなど、450nm~1150nmなど、500nm~1100nmなど、550nm~1050nmなど、100nm~1500nmの範囲の波長を有する光を光検出器に伝達するように構成されている。
【0060】
実施形態では、各光検出モジュール内の光学構成要素は、所定のサブスペクトル範囲の光Y(ナノメートル、nm)を各光検出器に伝達するように構成されている。各光学構成要素によって伝達される所定のサブスペクトル範囲は様々であり得、ある特定の関心対象の光学構成要素は、10nm~45nmを含め、6nm~49nmなど、7nm~48nmなど、8nm~47nmなど、9nm~46nmなど、5nm~50nmに及ぶサブスペクトル範囲の光を伝達するように構成されている。ある実施形態では、光学構成要素は、20nmに及ぶスペクトル範囲の光を通過させるように構成されている。
【0061】
例えば、一例では、1つ以上の光学構成要素は、20nm(すなわち、Y=20nm)に及ぶサブスペクトル範囲で360nm(すなわち、Y=360nm)から480nm(すなわち、Y=480nm)の範囲の波長を有する光を通過させるように構成されている。この実施形態では、光検出モジュールは、360nm~380nmの範囲の光を光検出器に伝達するように構成された第1の光学構成要素と、380nm~400nmの範囲の波長を有する光を光検出器に伝達するように構成された第2の光学構成要素と、400nm~420nmの範囲の波長を有する光を光検出器に伝達するように構成された第3の光学構成要素と、420nm~440nmの範囲の波長を有する光を光検出器に伝達するように構成された第4の光学構成要素と、440nm~460nmの範囲の波長を有する光を光検出器に伝達するように構成された第5の光学構成要素と、460nm~480nmの範囲の波長を有する光を光検出器に伝達するように構成された第6の光学構成要素とを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、各光検出モジュール内の光学構成要素は、互いの間で光を伝達し合うように位置付けられるなど、互いに光学的に連通している。光学構成要素は、(X-Z平面で参照されて)光検出モジュール内で、45°~90°を含め、15°~170°など、20°~160°など、25°~150°など、30°~120°など、10°~180°の範囲の角度で互いに配向され得る。いくつかの事例では、光学構成要素は、単一の平面に沿って位置付けられる。他の事例では、光学構成要素は、2つ以上の平面に沿って位置付けられる。例えば、光学構成要素は、5つ以上の平行な平面を含め、3つ以上など、4つ以上など、2つ以上の平行な平面に沿って位置付けられ得る。ある特定の事例では、光学構成要素は、幾何学的構成に配置され、関心対象の配置としては、以下に限定されないが、正方形構成、長方形構成、台形構成、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、九角形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円形構成、並びに不規則形状構成が挙げられる。ある特定の実施形態では、光学構成要素は、六角形構成で配置される。他の実施形態では、光学構成要素は、七角形構成で配置される。
【0063】
いくつかの実施形態では、光学構成要素は、互いの間で光を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、各光学構成要素は、あるスペクトル範囲の光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を別の光学構成要素に(例えば、反射によって)伝達するように構成されている。一例では、光検出モジュールは、3つの光学構成要素を含む。第1の光学構成要素は、波長セパレータからの光を受信し、第1のサブスペクトル範囲の光を通過させ、第2のサブスペクトル範囲の光を第2の光学構成要素に伝達するように構成されている。第2の光学構成要素は、第3のサブスペクトル範囲の光を通過させ、第4のサブスペクトル範囲の光を第3の光学構成要素に伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第3のサブスペクトル範囲の光は、第2のサブスペクトル範囲の光の一部分であり、第2のサブスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶサブスペクトル範囲である。第3の光学構成要素は、第5のサブスペクトル範囲の光を通過させるように構成されている。いくつかの事例では、第5のサブスペクトル範囲の光は、第4のサブスペクトル範囲の光の一部分であり、第4のサブスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶサブスペクトル範囲である。
【0064】
別の例では、光検出モジュールは、5つの光学構成要素を含む。第1の光学構成要素は、波長セパレータからの光を受信し、第1のサブスペクトル範囲の光を通過させ、第2のサブスペクトル範囲の光を第2の光学構成要素に伝達するように構成されている。第2の光学構成要素は、第3のサブスペクトル範囲の光を通過させ、第4のサブスペクトル範囲の光を第3の光学構成要素に伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第3のサブスペクトル範囲の光は、第2のサブスペクトル範囲の光の一部分であり、第2のサブスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶサブスペクトル範囲である。第3の光学構成要素は、第5のサブスペクトル範囲の光を通過させ、第6のサブスペクトル範囲の光を第4の光学構成要素に伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第5のサブスペクトル範囲の光は、第4のサブスペクトル範囲の光の一部分であり、第4のサブスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶサブスペクトル範囲である。第4の光学構成要素は、第7のサブスペクトル範囲の光を通過させ、第8のサブスペクトル範囲の光を第5の光学構成要素に伝達するように構成されている。いくつかの事例では、第7のスペクトル範囲の光は、第6のスペクトル範囲の光の一部分であり、第6のスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶスペクトル範囲である。第5の光学構成要素は、第9のサブスペクトル範囲の光を通過させるように構成されている。いくつかの事例では、第9のサブスペクトル範囲の光は、第8のサブスペクトル範囲の光の一部分であり、第8のサブスペクトル範囲の光の90%以下、85%以下など、80%以下など、75%以下など、70%以下など、65%以下など、60%以下など、55%以下など、50%などに及ぶサブスペクトル範囲である。
【0065】
上述のように、光検出システムは、試料から収集された光から複数のサブスペクトル範囲の光を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、光検出システムは、3つ以上など、4つ以上など、光検出システム内の光学構成要素(例えば、二色性ミラー)によって、各反射に対して2つ以上の異なるスペクトル範囲の光を生成するように構成され、対象光検出システム内の光学構成要素によって、各反射に対して5つ以上の異なるスペクトル範囲の光を生成するように構成される。ある特定の実施形態では、光検出システムは、光学構成要素による9回以下の反射から30個の異なるスペクトル範囲の光を生成するなど、光学構成要素による10回以下の反射を使用して30個の異なるスペクトル範囲を生成するように構成されている。ある特定の事例では、本光検出システムにおける光学構成要素による反射の数に対する生成された異なるスペクトル範囲の比は、3:1~5:1を含め、3:1~7:1など、2:1~10:1の範囲であり得る。
【0066】
いくつかの事例では、光学構成要素は、光をコリメートするように構成される。「コリメート」という用語は、光伝播のコリニアリティを光学的に調節すること、又は、光による共通の伝播軸のからの発散を低減することを指すために、従来の意味で使用される。いくつかの事例では、コリメートは、光ビームの空間断面を狭めることを含む。他の事例では、光学は、光ビームの伝搬の方向を90°以上変更することを含め、5°以上など、10°以上など、15°以上など、20°以上など、25°以上など、30°以上など、45°以上など、60°以上など、75°以上など、1°以上光ビームの伝搬の方向を変更するなど、光ビームの方向を変更することを含む。更に他の事例では、光学は、75%以上寸法を減少させることを含め、10%以上など、25%以上など、50%以上など、5%以上寸法を減少させることなど、光(例えば、ビームスポット)の寸法を減少させるための縮小プロトコルである。
【0067】
各サブスペクトル範囲の光は、光学構成要素によって光検出器に伝達される。いくつかの実施形態では、光学構成要素は、光検出器と物理的に接触している。他の実施形態では、光学構成要素は、光検出器の活性面と光学的に連通しており、光検出器から100mm以上を含め、0.005mm以上など、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、10mm以上など、25mm以上など、50mm以上など、光検出器から0.001mm以上に位置付けられ得る。
【0068】
実施形態では、各光検出モジュールは、100個以上の光検出器を含め、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、6つ以上など、7つ以上など、8つ以上など、9つ以上など、10個以上など、15個以上など、25個以上など、50個以上など、2つ以上の波長セパレータを含む。いくつかの実施形態では、光検出モジュールは、1つ以上の光検出器アレイを含む。「光検出器アレイ」という用語は、その従来の意味で、2つ以上の光検出器の配置又は一連を指すために使用される。実施形態では、光検出器アレイは、15個以上の光検出器を含め、3つ以上の光検出器など、4つ以上の光検出器など、5つ以上の光検出器など、6つ以上の光検出器など、7つ以上の光検出器など、8つ以上の光検出器など、9つ以上の光検出器など、10個以上の光検出器など、12個以上の光検出器など、2つ以上の光検出器を含み得る。各アレイにおける光検出器は、必要に応じて任意の幾何学的構成に配置され得、関心対象の配置としては、以下に限定されないが、正方形構成、長方形構成、台形構成、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、九角形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円形構成、並びに不規則形状構成が挙げられる。各光検出器アレイにおける光検出器は、他方に対して(X-Z平面で参照されるように)、45°~90°を含め、15°~170°など、20°~160°など、25°~150°など、30°~120°など、10°~180°の範囲の角度で配向され得る。
【0069】
光検出器は、他のタイプの光検出器の中でもとりわけ、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、増感型電荷結合素子(ICCD)、相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ若しくはN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサ、発光ダイオード、光子カウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、光起電セル、フォトダイオード、光電子増倍管、光トランジスタ、量子ドット光伝導体若しくはフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの任意の好都合な光学センサであり得る。ある特定の実施形態では、光検出器は、金属パッケージ光電子増倍管などの光電子増倍管を含む。
【0070】
関心対象の光検出器は、400個以上の異なる波長にあるフローストリーム中の試料によって放出された光を測定することを含め、2つ以上の波長など、5つ以上の異なる波長など、10個以上の異なる波長など、25個以上の異なる波長など、50個以上の異なる波長など、100個以上の異なる波長など、200個以上の異なる波長など、300個以上の異なる波長など、1つ以上の波長にある収集光を測定するように構成される。
【0071】
実施形態では、光検出器は、連続的に、又は離散間隔において光を測定するように構成される。いくつかの事例では、関心対象の光検出器は、収集光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、光検出器は、1000ミリ秒毎を含め、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成される。
【0072】
ある特定の実施形態では、本明細書で説明される光検出器のうちの1つ以上は、検出ブロック内に位置付けられている。関心対象の検出ブロックは、その中に1つ以上の光検出器を受容するように構成されている。本明細書で説明される検出ブロックは、任意の好都合な材料から構築され得る。いくつかの実施形態では、検出ブロックは、熱伝導性材料を含む。ある特定の実施形態では、熱伝導性材料は、銅又はアルミニウムなどの金属を含む。ある特定の場合では、検出ブロックは、銅から製造される。いくつかの事例では、検出ブロックは、熱化合物(例えば、熱ペースト)でコーティングされる。関心対象の熱化合物は、限定されるものではないが、エポキシ、シリコーン、ウレタン、及びアクリレートを含む。1つ以上の光検出器は、例えば、その開示が参照によりその全体が組み込まれる、米国仮特許出願第63/210,390号で説明されるクランプによって、光検出モジュール内の検出ブロックに固定され得る。
【0073】
いくつかの事例では、光検出システムは、光検出器によって生成された熱を放散するように構成された温度調整システムを追加的に含む。例えば、実施形態では、光検出モジュールは、1つ以上の検出ブロックの底面と接触している熱電冷却器を含む。「熱電冷却器」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、電流の印加に応答して、2つの異なる表面(例えば、「冷却」表面と「高温」表面)の接合部との間で熱を伝達するヒートポンプを指すために使用される。ある特定の実施形態では、2つの異なる表面間の熱流束は、ペルチェ効果によって生成され、関心対象の熱電冷却器は、ペルチェヒートポンプである。いくつかの実施形態では、熱電冷却器の2つの異なる表面(例えば、プレート)は、狭帯域ギャップ半導体及び低熱伝導率を有する重元素材料などの異なる材料(n型半導体、p型半導体)から形成される。例えば、関心対象の熱電冷却器の表面は、テルル化ビスマス、テルル化鉛、シリコンゲルマニウム、ビスマス-アンチモン合金、及びそれらの組み合わせなどの半導体から形成され得る。いくつかの事例では、熱電冷却器は、熱化合物(例えば、熱ペースト)でコーティングされる。関心対象の熱化合物は、限定されるものではないが、エポキシ、シリコーン、ウレタン、及びアクリレートを含む。ある特定の実施形態では、関心対象の熱電冷却器は、米国特許公開第2004/0155251号、米国特許第6,499,306号、同第4,581,898号、同第4,922,822号、同第5,409,547号、及び同第2,984,077号に記載されているものを含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
追加の実施形態では、光検出モジュールは、熱電冷却器と熱接触しているヒートシンクを含む。このヒートシンクは、例えば、熱放散フィンを含み得る。実施形態による熱放散フィンは、熱伝達ブロックからの熱を放散するように構成された任意の好都合な形状であり得、円筒形、立方体、円錐形、円筒形、半球形、星形、三角形プリズム、長方形プリズム(立方体)、六角形プリズム、又は他の好適な多面体であり得る。例えば、熱放散フィンは、円形、楕円形、半円形、三日月形、星形、正方形、三角形、菱形、五角形、六角形、七角形、八角形、長方形、又は他の多角形の形状の断面を有し得る。ヒートシンクは、ある特定の実施形態では、100個以上の熱放散フィンを含め、5つ以上など、10個以上など、15個以上、25個以上、50個以上など、2つ以上の光放散フィンなど、複数の熱放散フィンを含み得る。
【0075】
実施形態では、温度調整システムは、各光検出モジュールの底部に吸気口を追加的に含む。吸気口から受け取った冷気は、各光検出モジュールのヒートシンクを通過する。ヒートシンクの熱放散フィンから空気に熱が伝達される。得られた加熱された空気は、各光検出モジュールからプールされ、排出される。
【0076】
図5は、ある特定の実施形態による、温度調整システムを有する光検出システム500を描示する。図5に示されるように、光検出モジュール509は、検出ブロック504内に位置付けられた光検出器502を有する。光検出モジュール509は、光検出器502に固定力を加えるように構成されたクランプ511を含む。検出ブロック504は、熱化合物504を含み、熱化合物506でコーティングされた熱電冷却器505と接触している。冷気508は、(矢印で示される経路に沿って)光検出システム500に入り、ヒートシンク507を通過し、熱を受け取る。次いで、複数の光検出モジュールからの加熱された空気は、光検出システム500の中央コア510内にプールされ、排出される。
【0077】
粒子分析システム
本発明の態様は、また、粒子分析システムを含む。関心対象のシステムは、光源、フローセル、及び光検出システムを含む。上述したように、本光検出システムは、互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器と、所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとを含む。粒子分析システムは、任意の好都合な数の光検出システムを含む。ある特定の事例では、粒子分析システムは、単一の光検出システムを含む。他の事例では、粒子分析システムは、複数の光検出システムを含む。例えば、複数の光検出システムにおける光検出システムの数は、2~3つを含め、2~4つなど、2~6つの範囲であり得る。ある特定の場合では、本明細書で説明する粒子分析システムは、2つの光検出システム、3つの光検出システム、又は4つの光検出システムを含み得る。
【0078】
ある特定の事例では、関心対象の粒子分析システムは、光検出システムを装着するための基板を含む。粒子分析システムが複数の光検出システムを含む場合、複数の光検出システムは、基板上で同一場所に配置され得る。この基板は、任意の好都合な材料で構成され得る。ある特定の事例では、この基板は、例えば、アルミニウム、チタン、真鍮、鉄、鉛、ニッケル、鋼(例えば、ステンレス鋼)、銅、錫、並びにそれらの組み合わせ及び合金を含む1つ以上の金属成分を含む。追加の実施形態では、基板は、他の高分子プラスチック材料の中でも、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミドなどの1つ以上の剛性プラスチック材料を含む。
【0079】
いくつかの事例では、基板は、各光検出システムに気体的に接続されたプレナムを含む。本明細書で説明するように、「プレナム」は、その従来の意味で、システムを通る空気循環を容易にするための空間を説明するために参照される。プレナムは、光検出システムが装着されている基板によって形成される密封された容積である。ある特定の変形例では、プレナムは、チューブを介して各光検出システムに気体的に接続される。そのような変形例では、チューブは、中央コアにおいて各光検出システムに接続し、それによって、(例えば、上述のように)各光検出モジュールからその場所にプールされた熱を収集する。
【0080】
実施形態では、システムは、プレナム内に負圧を生成し、それによって各光検出システムを通って空気を循環させるためのファンを含む。プレナム内の負圧により、周囲の空気が、各光検出システム上の各光検出モジュールのヒートシンクにわたって同時に引っ張られる。各光検出システム内の各光検出モジュールからプールされた空気は、チューブを通してプレナム内に引き込まれ、そこで熱がシステムから排出される。ある特定の場合において、粒子分析システムは、ファンからの振動が光検出モジュールの光学系に伝達され、それによって収集された信号内にノイズを生成することを防止するように構成された1つ以上のエラストマーダンパー(エラストマーアイソレータとも称される)を追加的に含む。
【0081】
図6は、本発明のある特定の実施形態による粒子分析システムを描示する。図6に示されるように、粒子分析システム600は、基板601上で同一場所に配置された光検出システム603a、603b、及び603cを含む。光検出システム603a~603cの各々は、ベースプレート(それぞれ、602a、602b、及び602c)を含む。チューブ604a~604cは、光検出システム603a~603cをそれぞれ、基板601内に位置付けられたプレナム608に気体的に接続する。光検出システム603cに関して示されるように、シール605は、温度調整システムからの空気の漏れを防止する。ファン607は、プレナム内に負圧を生成し、それによって、矢印で示される経路に沿って光検出システム603cを通過する空気606によって例示されるように、光検出システム603a~603cの各々内の各光検出モジュールを通して空気を引っ張る。システム600は、ファン607によって生成される衝撃及び振動を吸収するように構成されたエラストマーダンパーを追加的に含む。図6に示される実施形態は、例えば、単一のファンが、6つ以上の光検出モジュールを含め、2つ以上など、例えば3つ以上、4つ以上、5つ以上、複数の光検出モジュールを冷却する際に用いられる、ファンよりも多くの光検出モジュールが存在するシステムを例解する。
【0082】
上述したように、粒子分析システムは、フローセルを追加的に含む。本明細書で説明するように、「フローセル」は、その従来の意味で、シース流体中の粒子を移送するための液体フローストリームを有するフローチャネルを含むキュベットなどの構成要素を指すように説明される。関心対象のキュベットは、内部に通路が延在している容器を含む。フローストリームは、試料チューブから注入された液体試料を含み得る。関心対象のフローセルは、光アクセス可能なフローチャネルを含む。いくつかの事例では、フローセルは、光の通過を可能にする透明材料(例えば、石英)を含む。いくつかの実施形態では、フローセルは、粒子の光検査がフローセルの外側(すなわち、自由空間内)で生じるストリームインエアフローセルである。
【0083】
いくつかの場合では、フローストリームは、検査ポイントでの光源からの光で照射されるように構成される。フローチャネルが構成されるフローストリームは、試料チューブから注入された液体試料を含み得る。ある特定の実施形態では、フローストリームは、その中で移送される直線的に分離された粒子が単一ファイル方式で互いに分離されるように配置される、狭い、急速に流れる液体のストリームを含み得る。本明細書で説明する「検査ポイント」は、例えば、分析のために、粒子が光源から光によって照射されるフローセル内の領域を指す。検査ポイントのサイズは、所望に応じて様々であり得る。例えば、0μmが光源によって放出される光の軸を表す場合、検査ポイントは、-15μm~30μmを含め、-50μm~50μmなど、-25μm~40μmなど、-100μm~100μmの範囲であり得る。
【0084】
フローセルにおいて粒子が照射された後、粒子調節された光が観察され得る。「粒子調節された光」とは、光源からの光で粒子を照射した後に、フローストリーム中の粒子から受信される光を意味する。いくつかの場合では、粒子調節された光は、側方散乱光である。本明細書で説明するように、側方散乱光は、粒子の表面及び内部構造から回折及び反射される光を指す。追加の実施形態では、粒子調節された光は、前方散乱光(すなわち、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する光)を含む。更に他の場合では、粒子調節された光は、蛍光(すなわち、励起波長光で照射された後に蛍光色素から放出された光)を含む。
【0085】
上記で説明したように、本発明の態様は、また、検査ポイントでフローセルを通過する粒子を照射するように構成された光源を含む。任意の好都合な光源を、本明細書で説明される光源として採用することができる。いくつかの実施形態では、光源は、レーザである。実施形態では、レーザは、連続波レーザなどの任意の好都合なレーザであり得る。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであり得る。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの事例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の事例では、本フローサイトメータは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の例では、関心対象のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の事例では、本フローサイトメータは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0086】
ある特定の実施形態によるレーザ光源は、また、1つ以上の光学調節構成要素を含み得る。ある特定の実施形態では、光学調節構成要素は、光源とフローセルとの間に位置し、照射の空間幅、又は、例えば、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点などの、光源からの照射のいくつかの他の特性を変更することができる任意のデバイスを含み得る。光学調節プロトコルは、以下に限定されないが、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長セパレータ、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせを含む、光源の1つ以上の特性を調節する任意の好都合なデバイスを含み得る。ある特定の実施形態では、関心対象のフローサイトメータは、1つ以上の集束レンズを含む。集束レンズは、一実施例では、非拡大レンズであり得る。更に他の実施形態では、関心対象のフローサイトメータは、光ファイバを含む。
【0087】
光学調節構成要素が移動するように構成される場合、光学調節構成要素は、連続的に、又は、25mm以上の増分を含め、0.05μm以上など、0.1μm以上など、0.5μm以上など1μm以上など、10μm以上など、100μm以上など、500μm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、例えば、0.01μm以上の増分など、離散間隔で移動されるように構成され得る。
【0088】
移動可能な支持ステージに結合されるか、又はモータ作動並進ステージ、リードスクリュー並進アセンブリ、他のタイプのモータの中でも、ステッピングモータ、サーボモータ、ブラシレス電気モータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高分解能ステッピングモータを採用するものなどのギア付き並進デバイスと直接結合されるなど、光学調節構成要素構造を移動させるために、任意の変位プロトコルを採用することができる。
【0089】
光源とフローセルとが、100mm以上の距離においてを含め、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、25mm以上など、0.005mm以上で分離されている場合など、光源は、フローセルから任意の好適な距離位置付けられ得る。加えて、光源は、30度~60度を含め、15度~85度など、20度~80度など、25度~75度など、10度~90度の範囲の角度においてなど、例えば、90度の角度において、フローセルに対して任意の好適な角度で位置付けられ得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、関心対象の光源は、フローストリームの離散照射のためのレーザ光を提供するように構成された15個以上のレーザを含め、2つ以上のレーザなど、3つ以上のレーザなど、4つ以上のレーザなど、5つ以上のレーザなど、10個以上のレーザなど、フローストリームの離散照射のためのレーザ光を提供するように構成された複数のレーザを含む。フローストリームを照射するための光の所望の波長に応じて、各レーザは、400nm~800nmを含め、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなど、200nm~1500nmで変化する特定の波長を有し得る。ある特定の実施形態では、関心対象のレーザは、405nmレーザ、488nmレーザ、561nmレーザ、及び635nmレーザのうちの1つ以上を含み得る。
【0091】
上記で説明したように、本フローサイトメータの態様は、フローストリーム中の粒子を伝搬するように構成されたフローセルを含む。流体試料を試料検査領域に伝搬させる任意の好都合なフローセルが採用され得、いくつかの実施形態では、フローセルは、円筒形フローセル、円錐台形フローセル、又は長手方向軸を画定する近位円筒形部分、及び長手方向軸に対して横方向であるオリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐形部分を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、試料フローストリームは、フローセルの遠位端でオリフィスから発せられる。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。ある特定の実施形態では、関心対象のフローセルは、円形オリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、様々であり得、いくつかの実施形態では、150μm~500μmを含め、25μm~7500μmなど、50μm~5000μmなど、75μm~1000μmなど、100μm~750μmなど、1μm~10000μmの範囲で様々であり得る。ある特定の実施形態では、ノズルオリフィスは、100μmである。
【0093】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成されている試料注入ポートを含む。試料注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスであり得るか、又は、内部チャンバの近位端に位置付けられた導管であり得る。試料注入ポートが内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。ある特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状によって異なり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mmを含め、0.2~3.0mmなど、0.5mm~2.5mmなど、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなど、0.1mm~5.0mmの範囲の、例えば、1.5mmの開口部を有する。
【0094】
ある特定の事例では、試料注入ポートは、フローセル内部チャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルオリフィスに沿った試料注入ポートのオリフィスを有するように配置された導管であり得る。試料注入ポートが、フローセルオリフィスに沿って配置された導管である場合、試料注入チューブの断面形状は、任意の好適な形状であり得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。導管のオリフィスは、形状によって異なり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mmを含め、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなど、0.1mm~5.0mmの範囲の、例えば、1.5mmの開口部を有する。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入チューブの断面形状と同じ又は異なり得る。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、5度のベベル角を含め、2度~9度など、3度~8度など、4度~7度など、1度~10度の範囲のベベル角を有するベベル先端部を含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、フローセルは、また、フローセルにシース流体を提供するように構成されているシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、フローセル内部チャンバにシース流体のフローを提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生成するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに伝達されるシース流体の速度は、75μL/秒以上~750μL/秒を含め、50μL/秒~1000μL/秒など、25μL/秒~2500μL/秒であり得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状によって異なり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mmを含め、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなど、0.1mm~5.0mmの範囲の、例えば、1.5mmの開口部を有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、システムは、フローセルを通じてフローストリームを伝搬させるためにフローセルと流体連通するポンプを更に含む。フローセルを通るフローストリームのフローを制御するために、任意の好都合な流体ポンププロトコルが、採用され得る。ある特定の事例では、システムは、パルスダンパを有する蠕動ポンプなどの、蠕動ポンプを含む。本システム内のポンプは、フローストリーム中の試料から光をマルチフォトンカウントするために好適な速度でフローセルを通して流体を伝達するように構成される。例えば、システムは、10nL/分~50nL/分を含め、1nL/分~250nL/分など、1nL/分~100nL/分など、2nL/分~90nL/分など、3nL/分~80nL/分など、4nL/分~70nL/分など、5nL/分~60nL/分など、1nL/分~500nL/分の範囲の速度でフローセルを通じて試料を流すように構成されるポンプを含み得る。ある特定の実施形態では、フローストリームの流速は、5nL/分~6nL/分である。
【0098】
好適なフローサイトメトリシステムは、これらに限定されないが、Ormerod(ed.)、フローサイトメトリ:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997)、Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997)、Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995)、Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28、Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344;及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものを含み得、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、関心対象のフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ並びにBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータ及びBD Biosciences Via(商標)セルソータ、BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusionセルソータ、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6セルソータなどを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、本システムは、米国特許第10,663,476号、同第10,620,111号、同第10,613,017号、同第10,605,713号、同第10,585,031号、同第10,578,542号、同第10,578,469号、同第10,481,074号、同第10,302,545号、同第10,145,793号、同第10,113,967号、同第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号、同第4,987,086号、同第4,498,766号に記載されているものなどのフローサイトメトリックシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0100】
ある特定の事例では、本発明のフローサイトメトリシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されているもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、同第9,983,132号、同第10,006,852号、同第10,078,045号、同第10,036,699号、同第10,222,316号、同第10,288,546号、同第10,324,019号、同第10,408,758号、同第10,451,538号、同第10,620,111号、並びに米国特許公開第2017/0133857号、同第2017/0328826号、同第2017/0350803号、同第2018/0275042号、同第2019/0376895号、及び同第2019/0376894号に記載されているものなど、高周波タグ付き放出(FIRE)を使用した蛍光撮像によってフローストリーム中の粒子を撮像するように構成されている。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
図7は、本発明の例解的な実施形態による、フローサイトメトリのためのシステム700を示す。このシステム700は、フローサイトメータ710、コントローラ/プロセッサ790、及びメモリ795を含む。このフローサイトメータ710は、1つ以上の励起レーザ715a~715c、集束レンズ720、フローセル725、前方散乱光検出器730、側方散乱光検出器735、収集レンズ726、及び光検出システム740を含む。
【0102】
励起レーザ715a~715cは、レーザビームの形態の光を放出する。励起レーザ715a~715cから放出されるレーザビームの波長は、図7の例示的なシステムにおいて、それぞれ、488nm、633nm、及び325nmである。レーザビームは、最初、ビームスプリッタ745a及び745bのうちの1つ以上を通って誘導される。ビームスプリッタ745aは、488nmで光を透過し、633nmで光を反射する。ビームスプリッタ745bは、UV光(10~400nmの範囲の波長を有する光)を透過し、488nm及び633nmで光を反射する。
【0103】
次いで、レーザビームは、集束レンズ720へと誘導され、集束レンズ720は、フローセル725内で、試料の粒子が位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローセル725は、調査のために、通常一度に1つ、ストリーム中の粒子を集束レーザビームに誘導する流体工学システムの一部である。フローセルは、ベンチトップフローサイトメータ内にフローセルを、又はストリームインエアサイトメータ内にノズル先端部を備えることができる。
【0104】
レーザビームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子と相互作用する。光検出システム740は、光検出モジュール741a~741eを含む。蛍光発光、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、前方散乱光検出器730、側方散乱光検出器735、及び光検出モジュール741a~741eのうちの1つ以上に経路設定され得る。光学収集構成要素(すなわち、光ファイバケーブル)743a及び743bは、(例えば、上述のように)それぞれ、フローセル725から受信された粒子変調光を光受信器742a及び742bに伝達する。
【0105】
前方散乱光検出器730は、フローセルを通る直接ビームから軸外にわずかに離れて位置付けられ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成されている。前方散乱光検出器によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱光検出器は、フォトダイオードを含み得る。側方散乱光検出器735は、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成されている。側方散乱光検出器735は、光電子増倍管を含み得る。前方散乱光検出器730、側方散乱光検出器735、及び光検出モジュール741a~741e内の光検出器で検出された信号は、光検出器によって電子信号(電圧)に変換され得る。このデータは、試料に関する情報を提供することができる。
【0106】
当業者は、本発明の一実施形態によるフローサイトメータが、図7に描示されるフローサイトメータに限定されず、当該技術分野で既知の任意のフローサイトメータを含み得ることを認識する。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、及び光検出器を有し得る。
【0107】
使用中において、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ790によって制御され、光検出器からの測定データは、メモリ795に記憶されて、コントローラ/プロセッサ790によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ790は、光検出器に結合されて、その光検出器から出力信号を受信し、また、フローサイトメータ710の電気構成要素及び電気機械構成要素に結合されて、レーザ、流体流パラメータなどを制御することができる。入力/出力(I/O)機能部797は、システム内にも提供され得る。メモリ795、コントローラ/プロセッサ790、及びI/O797は、全体的に、フローサイトメータ710の不可欠な部分として提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイは、また、サイトメータ710のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部797の一部も形成し得る。代替的に、メモリ795及びコントローラ/プロセッサ790及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であり得る。いくつかの実施形態では、メモリ795及びコントローラ/プロセッサ790の一部又は全ては、サイトメータ710と無線又は有線で通信することができる。メモリ795及びI/O797と併せて、コントローラ/プロセッサ790は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0108】
フローサイトメータ実験に使用される異なる蛍光分子は、それら独自の特性波長帯域の光を放出する。実験に使用される特定の蛍光標識、及びそれらの関連する蛍光放出帯域は、光検出器のフィルタウィンドウと概ね一致するように、選択され得る。I/O797は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカを有する複数の細胞母集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞母集団は、複数のマーカのサブセットを有する。I/O797は、また、1つ以上のマーカを1つ以上の細胞母集団に割り当てる生体データ、マーカ濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データも受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データも、また、メモリ795内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ790は、マーカに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成され得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、本システムは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されているものなどの、密閉された粒子ソーティングモジュールを用いて粒子をソートするように構成された粒子ソーティングシステムであり、その開示は、参照により、本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、2019年12月23日に出願された米国特許公開第2020/0256781号に記載されているものなどの、複数のソート判定ユニットを有するソート判定モジュールを使用してソートされ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、試料の成分をソートするためのシステムは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されているものなどの、偏向板を有する粒子ソーティングモジュールを含み、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
図8は、生体事象を分析及び表示するための、プロセッサ800などの、ソーティング制御システムの一実施例の機能ブロック図を示す。プロセッサ800は、生体事象のグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実装するように構成され得る。
【0111】
フローサイトメータ又はソーティングシステム802は、生体事象データを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリック事象データ(例えば、粒子調節された光データ)を生成することができる。フローサイトメータ802は、生体事象データをプロセッサ800に提供するように構成され得る。データ通信チャネルが、フローサイトメータ802とプロセッサ800との間に含まれ得る。生体事象データは、データ通信チャネルを介して、プロセッサ800に提供され得る。
【0112】
プロセッサ800は、フローサイトメータ802から生体事象データを受信するように構成され得る。フローサイトメータ802から受信した生体事象データは、フローサイトメトリック事象データを含み得る。プロセッサ800は、生体事象データの第1のプロットを含むグラフィカル表示を表示デバイス806に提供するように構成され得る。プロセッサ800は、関心対象の領域を、表示デバイス806によって示される生体事象データの母集団の周辺のゲートとして、例えば、第1のプロット上に重ねられて、レンダリングするように更に構成され得る。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描画される、関心対象の1つ以上のグラフィカル領域の論理組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、そのディスプレイを使用して、粒子パラメータ又は飽和した光検出器データを表示することができる。
【0113】
プロセッサ800は、ゲート内の表示デバイス806上に生体事象データを、ゲートの外側の生体事象データ内の他の事象とは異なって表示するように更に構成され得る。例えば、プロセッサ800は、ゲート内に含まれる生体事象データの色を、ゲートの外側の生体事象データの色とは区別するようレンダリングするように構成され得る。表示デバイス806は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成されている他の電子デバイスとして、実装され得る。
【0114】
プロセッサ800は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスは、マウス810として実装され得る。このマウス810は、表示デバイス806を介して表示又は操作されるゲートを識別するプロセッサ800に対して、(例えば、カーソルをそこに位置付けするときに、所望のゲートをクリックすることによって)ゲート選択信号を始動させることができる。いくつかの実装形態では、第1のデバイスは、キーボード808、又はタッチスクリーン、入力用ペン、光学光検出器、若しくは音声認識システムなどの、入力信号をプロセッサ800に提供するための他の手段として実装され得る。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含み得る。そのような実装形態では、入力機能は、各々、入力デバイスとみなされ得る。例えば、図8に示すように、マウス810は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含み得、それらの各々は、起動事象を生成し得る。
【0115】
この起動事象は、プロセッサ800に、データが表示される方法、データのどの部分が実際に表示デバイス806上に表示されるかを変更させ、かつ/又は粒子選別の関心対象の母集団の選択などの更なる処理への入力を提供させ得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、プロセッサ800は、ゲート選択がマウス810によっていつ始動されたかを検出するように構成され得る。プロセッサ800は、プロットの視覚化を自動的に修正して、ゲート制御プロセスを容易にするように更に構成され得る。この修正は、プロセッサ800によって受信された生体事象データの特定の分布に基づき得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ800は、(例えば、上記で説明したように)第2のゲートが生成されるように、第1のゲートを拡張する。
【0117】
プロセッサ800は、記憶デバイス804に接続され得る。この記憶デバイス804は、プロセッサ800から生体事象データを受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス804は、また、プロセッサ800からフローサイトメトリック事象データも受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス804は、プロセッサ800によって、フローサイトメトリック事象データなどの生体事象データの検索を可能にするように更に構成され得る。
【0118】
表示デバイス806は、プロセッサ800から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、生体事象データのプロット、及びそのプロットの区画の輪郭を描くゲートを含み得る。表示デバイス806は、フローサイトメータ802、記憶デバイス804、キーボード808、及び/又はマウス810からの入力と併せて、プロセッサ800から受信した入力に従って提示された情報を変更するように更に構成され得る。
【0119】
いくつかの実装形態では、プロセッサ800は、ユーザインターフェースを生成して、選別のための例示的な事象を受信することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するための機構を含むことができる。例示的な事象若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についての事象データの収集前に、又は試料の一部分についての事象の初期セットに基づいて提供され得る。
【0120】
図9Aは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステム900(例えば、フローサイトメータ902)の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子ソータシステム900は、セルソータシステムである。図9Aに示すように、液滴形成トランスデューサ902(例えば、圧電発振器)は、流体導管901に結合され、流体導管901は、ノズル903に結合され得るか、ノズル903を含み得るか、ノズル903であり得る。流体導管901内で、シース流体904が、粒子909を含む試料流体906を移動流体カラム908(例えば、ストリーム)に流体力学的に集束させる。移動流体カラム908内で、粒子909(例えば、細胞)は、1列縦隊に並べられて、モニタリングされるエリア911(例えば、レーザストリームが交差する場所)を横切り、照射源912(例えば、レーザ)によって照射される。液滴形成トランスデューサ902の振動によって、移動流体カラム908は複数の液滴910に分裂し、そのうちのいくつかが、粒子909を含有する。
【0121】
動作中、検出ステーション914(例えば、事象検出器)は、関心対象の粒子(又は関心対象の細胞)がモニタリングされたエリア911を横切るときを識別する。検出ステーション914は、タイミング回路928に入力供給し、次いで、タイミング回路928は、フラッシュ電荷回路930に入力供給する。液滴分裂ポイントでは、時限液滴遅延(Δt)によって通知されて、フラッシュ電荷が移動流体カラム908に印加され得、したがって、関心対象の液滴が電荷を担う。関心対象の液滴は、ソートされるべき1つ以上の粒子又は細胞を含み得る。次いで、帯電した液滴は、偏向板(図示せず)を作動させることによってソートして、液滴を、収集管、又はウェル若しくはマイクロウェルが特定の関心対象の液滴に関連付けられ得るマルチウェル又はマイクロウェル試料プレートなどの容器内に偏向させることができる。図9Aに示すように、液滴は、ドレイン容器938内に収集され得る。
【0122】
検出システム916(例えば、液滴境界検出器)は、関心対象の粒子がモニタリングされるエリア911を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に決定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム916により、機器が、液滴中の検出された各粒子の位置を正確に計算することが可能になる。検出システム916は、振幅信号920及び/又は位相信号918に入力供給し得、それらは、次いで、振幅制御回路926及び/又は周波数制御回路924に(増幅器922を介して)入力供給する。振幅制御回路926及び/又は周波数制御回路924は、次いで、液滴形成トランスデューサ902を制御する。振幅制御回路926及び/又は周波数制御回路924は、制御システム内に含まれ得る。
【0123】
いくつかの実装形態では、ソートエレクトロニクス(例えば、検出システム916、検出ステーション914、及びプロセッサ940)は、検出された事象とそれに基づくソート意思決定とを記憶するように構成されたメモリと結合され得る。ソート意思決定は、粒子の事象データに含まれ得る。いくつかの実装形態では、検出システム916及び検出ステーション914は、単一の検出ユニットとして実装され得るか、又は事象測定値が、検出システム916若しくは検出ステーション914のうちの一方によって収集され、非収集要素に提供され得るように、通信可能に結合され得る。
【0124】
図9Bは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステムの概略図である。図9Bに示す粒子ソータシステム900は、偏向板952及び954を含む。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷が印加され得る。これにより、分析のために粒子909を含有する液滴910のストリームが作成される。粒子は、光散乱及び蛍光情報を生成するために、1つ以上の光源(例えば、レーザ)で照射され得る。粒子についての情報は、ソーティングエレクトロニクス又は他の検出システム(図9Bには図示せず)によるなどして分析される。偏向板952及び954は、独立して制御されて、帯電した液滴を引き付けるか又は反発させて、液滴を目的の収集容器(例えば、972、974、976、又は978のうちの1つ)に向かって誘導し得る。図9Bに示すように、偏向板952及び954は制御されて、粒子を第1の経路962に沿って容器974に向かって、又は第2の経路968に沿って容器978に向かって誘導し得る。粒子が関心対象でない(例えば、指定されたソート範囲内の散乱又は照明情報を呈さない)場合、偏向板は、粒子がフロー経路964に沿って進み続けることを可能にし得る。そのような非荷電の液滴は、吸引器970を介してなど、廃棄物容器内に移行し得る。
【0125】
ソーティングエレクトロニクスは、測定値の収集を始動し、粒子に関する蛍光信号を受信し、粒子のソーティングを引き起こすために偏向板をどのように調節するかを決定するために含まれ得る。図9Bに示す実施形態の例示的な実装形態としては、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)によって市販されているBD FACSAria(登録商標)系のフローサイトメータが挙げられる。
【0126】
ベースプレート
本開示の態様は、光検出システムを装着するためのベースプレート(例えば、上記のもの、又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる出願番号第17/159,453号に記載されているものなど)を追加的に含む。関心対象のベースプレートは、光ビームを受信するように構成された光受信器を装着するためのステージと、複数の光検出モジュールをステージに対して堅固な整列で固定するための複数の凹部と、各凹部内に位置付けらされた熱放散開口部とを含む。実施形態では、凹部は、中心点の周りに配置され、各熱放散開口部は、中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられる。
【0127】
上述のように、本ベースプレートは、光受信器を装着するためのステージを含む。実施形態では、ステージは、光受信器を固定することができるベースプレートの平坦な表面である。追加の実施形態では、ステージは、ビーム調節器を追加的に装着するように構成されている。光受信器は、任意の好都合な機構を介してステージに固定され得る。例えば、いくつかの場合では、ステージは、光受信器及び/又はビーム調節器を固定するための1つ以上のダウエルピンを含む。追加の場合では、ステージは、光受信器及び/又はビーム調節器からの突出部を受容するように構成された1つ以上の穴(例えば、ねじ穴)を含む。本明細書で説明されるベースプレートは、任意の好適な数のステージを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ベースプレートは、単一のステージを含む。他の実施形態では、ベースプレートは、それぞれ、第1及び第2の光受信器を装着するように構成された第1及び第2のステージを含む。更に更なる実施形態では、ベースプレートは、第1、第2、及び第3の光受信器をそれぞれ装着するように構成された第1、第2、及び第3のステージを含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のステージは、その上に位置付けられた側方散乱光検出器及び側方散乱光セパレータを有するように構成されている。そのような実施形態では、第1及び/又は第2のステージは、側方散乱光検出器及び側方散乱光セパレータをそれに固定するための1つ以上のダウエルピン及び/又はねじ穴を含み得る。
【0128】
関心対象のベースプレートは、ステージに対して複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部を更に含む。本明細書に記載される凹部は、光検出モジュールの形状に相補的な形状を有するベースプレート内の窪みである。「堅固な整列」とは、凹部が、それと関連付けられた光検出モジュールが所定の位置に固定されるように形状及びサイズ設定されていることを意味する。例えば、凹部は、光検出モジュールが凹部内にぴったりと適合するように、光検出モジュールの少なくとも一部分の寸法に近似する寸法を有する。言い換えれば、凹部内に配置された光検出モジュールが、シフトし、それによって光検出モジュール内の光検出器によって生成された信号にノイズを導入することが防止される。ある特定の実施形態では、凹部は、凹部に隣り合って位置する1つ以上のダウエルピンを含む。関心対象のダウエルピンは、ベースプレートに対して光検出モジュールを不動にするように構成されている。追加の場合では、ベースプレートは、光検出モジュールからの突出部を受容するように構成された凹部に隣り合う1つ以上の穴(例えば、ねじ穴)を含む。いくつかの実施形態では、凹部は、光検出モジュールの位置が、25μm以上を含め、5μm以上など、10μm以上など、15μm以上など、20μm以上など、1μm以上で変化することを防止するために十分である。ベースプレートは、例えば、凹部の数が、2~5つを含め、2~7つなど、2~8つの範囲である場合、任意の好適な数の凹部を含み得る。ある特定の場合では、本ベースプレートは、5つの凹部を含む。
【0129】
本明細書に開示されるベースプレートの凹部は、互い及び1つ以上のステージに関して任意の好都合な配置を有し得る。いくつかの変形例では、凹部は、中心点の周りに幾何学的(例えば、多角形)構成で配置される。例えば、凹部は、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、九角形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円形構成、並びに不規則形状構成で配置され得る。ある特定の場合では、凹部は、七角形構成で配置される。凹部が幾何学的構成で配置されている場合、その幾何学的構成は、凹部及びステージを含む。言い換えれば、ベースプレートがパイとして概念化された場合、各凹部及びステージは、パイのスライスとして考えられ得る。一例では、ベースプレートは、七角形構成に配置された2つのステージ及び5つの凹部を含む。別の例では、ベースプレートは、七角形構成に配置された6つの凹部及び1つのステージを含む。
【0130】
本ベースプレートは、各凹部内に位置付けられた熱放散開口部を追加的に含む。本明細書で説明されるように、熱放散開口部は、ベースプレートの中心点に近接する場所で凹部内に位置付けられた穴である。熱放散開口部は、光検出モジュールが凹部内に位置するとき、冷気が光検出モジュールと凹部の底部(すなわち、ヒートシンク)との間に位置する空間を通って流れ得るように構成されている。光検出モジュールからの熱は空気に伝達される。続いて、暖められた空気は、熱放散開口部を通って出る。いくつかの変形例では、熱放散開口部は、各光検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成された切り欠きに気体的に接続される。実施形態では、この切り欠きは、ベースプレートの中央部分に位置する穴である。ある特定の事例では、ベースプレートは、軽減機構を追加的に含む。そのような事例では、この軽減機構は、ベースプレートの一部分に窪みを含み得る。例えば、軽量機能は、例えば、1つ以上のステージの下方において、ベースプレートの背面に位置し得る。いくつかの実施形態では、窪みは、ベースプレートからの不要な材料の除去を構成する。
【0131】
図10A及び図10Bは、本発明のある特定の実施形態によるベースプレートの上面図及び底面図をそれぞれ描示する。図10Aに示されるように、ベースプレート1000の上部は、複数の(すなわち、5つの)凹部1001を含む。複数の凹部1001内の各凹部は、熱放散開口部1002を含む。ベースプレート1000は、光受信器を装着するためのステージ1005を追加的に有する。ダウエルピン1003は、ベースプレート1000の上側に押し込まれて、光検出モジュール及び光受信器が設置されたときに正確に整列される。ねじ穴1004は、また、光検出モジュール及び光受信器の取り付けを可能にする。図10Bに示されるように、ベースプレート1000の背面は、各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠き1006、及びプリント回路基板をベースプレート1000に取り付けるためのねじ穴1004を含む。軽減機構1007は、ベースプレート1000の剛性に寄与しない余分な材料を除去するために存在する。
【0132】
ベースプレートは、任意の好都合な材料を含み得る。ある特定の事例では、ベースプレートは、例えば、アルミニウム、チタン、真鍮、鉄、鉛、ニッケル、鋼(例えば、ステンレス鋼)、銅、錫、並びにそれらの組み合わせ及び合金を含む1つ以上の金属成分を含む。いくつかの実施形態では、ベースプレートは、アルミニウム合金(例えば、6061-T6アルミニウム合金)を含む。追加の実施形態では、基板は、他の高分子プラスチック材料の中でも、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミドなどの1つ以上の剛性プラスチック材料を含む。
【0133】
ベースプレートは、任意の好適な寸法を含み得る。例えば、いくつかの場合では、ベースプレートは、150mm~250mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ベースプレートは、200mmの直径を有する。ベースプレートは、いくつかの変形例では、15mm~25mmの範囲の厚さを含み得る(すなわち、ベースプレートの上面からベースプレートの底面まで測定されたとき)。ある特定の場合において、ベースプレートは、20mmの厚さを有する。したがって、いくつかの実施形態では、ベースプレートは、1:5~1:10の範囲の厚さ対直径比を有する。いくつかの場合には、厚さ対直径比は、1:10である。いくつかの事例では、開示された厚さ対直径比は、光検出モジュール内の光検出モジュールの光学的アライメントを維持するために十分な剛性をベースプレートに付与する。剛性は、光学素子間の角度及び距離が正確である光学系の装着において関心対象である。いくつかの場合では、共振が信号測定に影響を及ぼすことを防止するために、光機械的設計を合理的に可能な限り剛性に保つことが望ましい。ベースプレートの剛性は、断面二次モーメントが厚さの立方根に比例するため、主に厚さの関数である。
【0134】
【数1】
【0135】
式中、Dはベースプレート直径(m)、hはベースプレート厚さ(m)、Iは断面二次モーメント(m)である。ベースプレートがカンチレバービームであるという仮定を使用して、ビームの偏向は、断面二次モーメント(I)に比例する。
【0136】
【数2】
【0137】
式中、Fは力(N)であり、Lは長さ(m)であり、Eはヤング率(GPa)であり、Iは慣性(m)であり、dmax(m)は最大偏向である。ビームの剛性は、その後、以下のように判定され得る。
【0138】
【数3】
【0139】
式中、kは剛性(N/m)である。
【0140】
低い剛性は、より低い固有周波数及び共鳴中のより大きな変位に関連する。光機械的デザイナーの間の従来の知恵は、ミクロン又はナノメートルサイズの物体の分析のための効果的な設計を達成するために200Hzの閾値が最低限必要であるということである。光エネルギーが、より高い周波数と比較して、センサ目標に焦点を合わせない時間をより多く費やすため、低周波数は望ましくないと考えられる。利用可能な試料が多いため、同等の期間にわたってより高い信号周波数をより正確に平均化することができる。したがって、所与の駆動力について、より高い場合と比較して剛性が低いほど、共振においてより大きい振幅が結果として生じる。この振幅は、光学系を正確なアライメントから変位させ、それによってビームが意図された目標を外すことを引き起こす。
【0141】
図11A及び図11Bは、一実施形態による、所与のベースプレートの直径及び厚さの測定を描示する。
【0142】
図12A及び図12Bは、理想的な厚さ対直径比の決定のグラフィカルな表現を提示する。図12Aは、共振周波数(Hz)に対する剛性k(N/m)をプロットする。固有周波数(共振)の最小限の所望の第1のモードを達成するために、図12Aは、約2.8E+05N/mの剛性を維持しなければならないことを示す。図12Bは、20mmの厚さが、5E+06N/mのおおよその剛性を提供することを示す。しかしながら、剛性と厚さとの関係は対数であり、線形ではないため、厚さが10mmに低減されるとき、剛性は、約7E+05N/mの不十分なレベルに低減される。
【0143】
図13A図13Cは、本発明のある特定の実施形態によるベースプレートの代替図を描示する。ベースプレート1303は、単一の光受信器1302に対して光検出モジュール1301a~1301fを堅固に整列させる6つの凹部を含む。光検出モジュール1301a~1301fの各々は、波長セパレータ1304のうちの1つと光学的に連通している。図13Aに示されるように、プリント回路基板1304は、光検出モジュール1301a~1301fに取り付けられている。図13Cは、ベースプレート1303によって堅固に整列された光検出モジュールを通るビーム1305の経路を描示する。
【0144】
図14は、4つの光検出モジュール1401a~1401dと、それに取り付けられた光受信器1402とを有する、ベースプレート1403を描示する。2つの凹部は、未使用のままであり、ブランクオフプレート1404a及び1404bによって覆われている。
【0145】
試料を分析する方法
本発明の態様は、試料を分析する方法を更に含む。関心対象の方法は、光源及び光検出システムを有するシステムに試料を導入することと、試料をフローサイトメトリで分析することとを含む。本方法における関心対象の光検出システムは、互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器と、所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとを含む。実施形態では、本第1及び第2の光受信器は、第1及び第2の光ビームをそれぞれ受信するように構成されている。加えて、各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を含む。
【0146】
いくつかの事例では、本方法で分析される試料は、生体試料である。「生体試料」という用語は、全生物、植物、菌類、又は、ある特定の事例では、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液、及び精液中に見られ得る動物の組織、細胞、又は構成要素のサブセットを指すために、その従来の意味で使用される。したがって、「生体試料」は、天然生物又はその組織のサブセットの両方、並びに、以下に限定されないが、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸管、胃腸管、心血管、及び泌尿器管、涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含む、生物又はその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物、又は抽出物を指す。生体試料は、健康組織及び疾患組織(例えば、がん性、悪性、壊死性など)の両方を含む、任意のタイプの生体組織であり得る。ある特定の実施形態では、生体試料は、血液又はその誘導体、例えば、血漿、涙液、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの事例では、試料は、静脈穿刺又はフィンガースティックから取得された血液など、全血を含む血液試料である(血液は、アッセイの前に、防腐剤、抗凝固剤などの任意の試薬と組み合わされる場合又は組み合わされない場合がある)。
【0147】
ある特定の実施形態では、試料源は、「哺乳類」又は「哺乳類の動物」であり、これらの用語は、肉食類(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、及び霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、哺乳類内の生物を記載するために広く使用される。いくつかの事例では、被験体はヒトである。方法は、両方の性別のヒト被験体から、発達の任意のステージ(すなわち、新生児、乳幼児、年少者、青年、成人)で取得された試料に適用され得、ある特定の実施形態では、ヒト被験体は、年少者、青年、又は成人である。本発明は、ヒト被験体からの試料に適用され得るが、以下に限定されないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、及びウマなどの他の動物被験体からの(すなわち、「非ヒト被験体」の)試料に対しても実施され得ることを理解されたい。
【0148】
関心対象の細胞は、特定の蛍光標識を関心対象の細胞に付着させることを介して識別される表現型特性など、様々なパラメータに従って特性評価されるための標的にされ得る。いくつかの実施形態では、システムは、標的細胞を含むと判定される分析された液滴を偏向させるように構成される。様々な細胞が、本方法を使用して特性評価され得る。関心対象の標的細胞としては、以下に限定されないが、幹細胞、T細胞、樹状細胞、B細胞、顆粒球、白血病細胞、リンパ腫細胞、ウイルス細胞(例えば、HIV細胞)NK細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、及び赤血球細胞が挙げられる。関心対象の標的細胞としては、好都合な親和性剤又はその複合体によって捕捉又は標識され得る好都合な細胞表面マーカ又は細胞表面抗原を有する細胞が挙げられる。例えば、標的細胞は、CD11b、CD123、CD14、CD15、CD16、CD19、CD193、CD2、CD25、CD27、CD3、CD335、CD36、CD4、CD43、CD45RO、CD56、CD61、CD7、CD8、CD34、CD1c、CD23、CD304、CD235a、T細胞受容体アルファ/ベータ、T細胞受容体ガンマ/デルタ、CD253、CD95、CD20、CD105、CD117、CD120b、Notch4、Lgr5(N末端)、SSEA-3,TRA-1-60抗原、ジシアロガングリオシドGD2、及びCD71などの細胞表面抗原を含み得る。いくつかの実施形態では、標的細胞は、全血、骨髄又は臍帯血からのHIV含有細胞、Treg細胞、抗原特異的T細胞集団、腫瘍細胞、又は造血前駆細胞(CD34+)から選択される。
【0149】
本方法を実践する際に、(例えば、フローサイトメータのフローストリーム中の)試料は、光源からの光で照射される。いくつかの実施形態では、光源は、500nm以上を含め、100nm以上など、150nm以上など、200nm以上など、250nm以上など、300nm以上など、350nm以上など、400nm以上など、例えば、50nm以上に及ぶ広い範囲の波長を有する光を放出する広帯域光源である。例えば、ある好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。好適な広帯域光源の別の実施例は、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。方法が広帯域光源で照射することを含む場合、関心対象の広帯域光源プロトコルとしては、以下に限定されないが、他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。
【0150】
他の実施形態では、方法は、例えば、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含め、40nm以下など、30nm以下など、25nm以下など、20nm以下など、15nm以下など、10nm以下など、5nm以下など、2nm以下など、50nm以下の範囲のような狭い範囲の波長における光を放出する光源など、特定の波長又は狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源で照射することを含む。方法が狭帯域光源で照射することを含む場合、関心対象の狭帯域光源としては、以下に限定されないが、レーザ、狭波長LED、レーザダイオード、又は1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、又はそれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源が挙げられ得る。
【0151】
ある特定の実施形態では、方法は、1つ以上のレーザで試料を照射することを含む。上記で説明したように、レーザのタイプ及び数は、試料並びに収集される所望の光によって異なり得、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、キセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、又はそれらの組み合わせなどのガスレーザであり得る。他の事例では、方法は、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザでフローストリームを照射することを含む。更に他の事例では、方法は、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属-蒸気レーザでフローストリームを照射することを含む。更に他の事例では、方法は、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザでフローストリームを照射することを含む。
【0152】
試料は、10個以上の光源を含め、2つ以上の光源など、3つ以上の光源など、4つ以上の光源など、5つ以上の光源など、上述の光源のうちの1つ以上で照射され得る。光源は、任意のタイプの光源の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、及び1つ以上の固体レーザを有するアレイなど、レーザのアレイでフローストリーム中の試料を照射することを含む。
【0153】
試料は、ダイオードレーザは、400nm~800nmを含め、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなど、200nm~1500nmの範囲の波長で照射され得る。例えば、光源が広帯域光源である場合、試料は、200nm~900nmの波長で照射され得る。他の事例では、光源が複数の狭帯域光源を含む場合、試料は、200nm~900nmの範囲の特定の波長で照射され得る。例えば、光源は、200nm~900nmの波長の範囲を有する光を各々独立して放出する複数の狭帯域LED(1nm~25nm)であり得る。他の実施形態では、狭帯域光源は、1つ以上のレーザ(レーザアレイなど)を含み、試料は、上述のように、ガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、及び固体レーザを有するレーザアレイなどで、200nm~700nmの範囲の特定の波長で照射される。
【0154】
2つ以上の光源が採用される場合、試料は、光源で同時に若しくは順次、又はそれらの組み合わせで照射され得る。例えば、試料は、光源の各々で同時に照射され得る。他の実施形態では、フローストリームは、光源の各々で順次照射される。試料を順次照射するために2つ以上の光源が採用される場合、各光源が照射する時間は、独立して、60マイクロ秒以上を含め、0.01マイクロ秒以上など、0.1マイクロ秒以上など、1マイクロ秒以上など、5マイクロ秒以上など、10マイクロ秒以上など、30マイクロ秒以上など、0.001マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法は、5マイクロ秒~10マイクロ秒を含め、0.01マイクロ秒~75マイクロ秒など、0.1マイクロ秒~50マイクロ秒など、1マイクロ秒~25マイクロ秒などの0.001マイクロ秒~100マイクロ秒の範囲の持続時間の間、光源(例えば、レーザ)で試料を照射することを含み得る。2つ以上の光源で試料が順次照射される実施形態では、試料が各光源によって照射される持続時間は、同じ又は異なり得る。
【0155】
また、各光源による照射間の期間も、60マイクロ秒以上を含め、0.01マイクロ秒以上など、0.1マイクロ秒以上など、1マイクロ秒以上など、5マイクロ秒以上など、10マイクロ秒以上までなど、15マイクロ秒以上までなど、30マイクロ秒以上までなど、0.001マイクロ秒以上の遅延によって独立して分離して、必要に応じて異なり得る。例えば、各光源による照射間の期間は、5マイクロ秒~10マイクロ秒を含め、0.01マイクロ秒~50マイクロ秒など、0.1マイクロ秒~35マイクロ秒など、1マイクロ秒~25マイクロ秒などの0.001マイクロ秒~60マイクロ秒の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、各光源による照射間の期間は、10マイクロ秒である。試料が2つより多い(すなわち、3つ以上の)光源によって順次照射される実施形態では、各光源による照射間の遅延は、同じ又は異なり得る。
【0156】
試料は、連続的に、又は離散間隔で照射され得る。いくつかの事例では、方法は、連続的に光源で試料内の試料を照射することを含む。他の事例では、試料は、1000ミリ秒毎を含め、0.001ミリ秒毎に、0.01ミリ秒毎に、0.1ミリ秒毎に、1ミリ秒毎に、10ミリ秒毎に、100ミリ秒毎に、又はいくつかの他の間隔で、照射するなど、離散間隔において光源で照射される。
【0157】
光源に応じて、試料は、50mm以上を含め、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、2.5mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、15mm以上など、25mm以上などで異なる距離から照射され得る。また、角度又は照射も、30°~60°を含め、15°~85°など、20°~80°など、25°~75°などの10°~90°の範囲で異なり得、例えば90°の角度である。
【0158】
上記で説明したように、実施形態では、照射された試料からの光は、本明細書で説明される光検出システムに伝達され、1つ以上の光検出器によって測定される。主題の方法を実践する際に、試料からの光は、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させるように各々が構成された3つ以上の波長セパレータに伝達される。波長セパレータの各々からの光のスペクトル範囲は、所定のサブスペクトル範囲を有する光を光検出器に伝達するように構成された光学構成要素を有する1つ以上の光検出モジュールに伝達される。
【0159】
光は、光検出システムで連続的に、又は離散間隔で測定され得る。いくつかの事例では、方法は、連続的に光の測定を行うことを含む。他の事例では、光は、1000ミリ秒毎を含め、0.001ミリ秒毎に、0.01ミリ秒毎に、0.1ミリ秒毎に、1ミリ秒毎に、10ミリ秒毎に、100ミリ秒毎に、又はいくつかの他の間隔毎で光を測定するなど、離散間隔で測定される。
【0160】
収集された光の測定は、10回以上を含めて、2回以上など、3回以上など、5回以上など、主題の方法中に、1回以上行われ得る。ある特定の実施形態では、光伝搬は、2回以上測定され、特定の事例では、データは平均化される。
【0161】
いくつかの実施形態では、方法は、主題の光検出システムで光を検出する前に光を調節することを含む。例えば、試料源からの光は、1つ以上のレンズ、鏡、ピンホール、スリット、格子、光屈折器、及びそれらの任意の組み合わせを通過し得る。いくつかの事例では、収集された光は、上述のように、光検出システム又は光学収集システムに向けられた光のプロファイルを低減するように、1つ以上の集束レンズを通過する。他の事例では、試料から発せられた光は、光検出システムに伝達されている光ビーム発散を低減するために1つ以上のコリメータを通過する。
【0162】
関心対象の方法は、研究、実験室試験、又は療法に粒子を採用することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、主題の方法は、標的の流体又は組織生体試料から調製された個々の細胞を取得することを含む。例えば、主題の方法は、がんなどの疾患の研究又は診断用標本として使用される、流体又は組織試料から細胞を取得することを含む。同様に、主題の方法は、療法に使用される流体又は組織試料から細胞を取得することを含む。細胞療法プロトコルは、例えば、細胞及び組織を含む生存細胞材料を調製し、治療処置として被検体に導入し得るプロトコルである。フローサイトメトリでソートされた試料の投与によって治療され得る状態としては、以下に限定されないが、血液障害、免疫系障害、臓器損傷などが挙げられる。
【0163】
典型的な細胞療法プロトコルは、試料収集、細胞単離、遺伝子組換え、培養、及びインビトロでの増殖、細胞収穫、試料容量の低減及び洗浄、生物保存、保管、並びに被検体への細胞の導入のステップを含み得る。プロトコルは、被検体のソース組織から生存細胞及び組織を収集して、細胞及び/又は組織の試料を生成することから開始し得る。試料は、例えば、細胞動員剤を被検体に投与すること、被検体から血液を採取すること、被検体から骨髄を除去することなどを含む任意の好適な手順を介して収集され得る。試料を収集した後、細胞濃縮は、例えば、遠心分離ベースの方法、フィルタベースの方法、溶出、磁気分離方法、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)などを含むいくつかの方法を介して生じ得る。いくつかの場合では、濃縮された細胞は、任意の好都合な方法、例えば、ヌクレアーゼ媒介遺伝子編集によって遺伝子組換えされ得る。遺伝子組換えされた細胞は、インビトロで培養、活性化、及び増殖することができる。いくつかの場合では、細胞は、保持され、例えば、凍結保存され、将来の使用のために保存される。将来の使用では、細胞は、解凍され、次いで、患者に投与される。例えば、細胞は、患者内に注入され得る。
【0164】
光検出システムの組み立て方法
本発明の態様は、光検出システムを組み立てる方法を追加的に含む。関心対象の方法は、以下の要素、すなわち互いに対して固定位置にある第1の光受信器及び第2の光受信器と、所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、複数の光検出モジュールとをベースプレートに取り付けることを含む。本方法のための関心対象のベースプレートは、第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部と、中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部とを含む。関心対象の凹部は、例えば、上述のように多角形構成で、中心点の周りに配置されている。したがって、本開示の方法は、第1及び第2の光受信器をベースプレートの第1及び第2のステージにそれぞれ取り付けることを含む。加えて、方法は、複数の光検出モジュール内の各光検出モジュールをベースプレート内の対応する凹部に固定することを含む。
【0165】
実施形態では、方法は、波長セパレータが互いの間で光を伝達するように配置することを更に含む。いくつか場合では、方法は、調節機構を介して各波長セパレータの位置を微調整することを伴い得る。実施形態では、調節機構が、ダウエルピンの周りを回転することによって波長セパレータの位置を微調整するように構成されている。追加の実施形態では、調節機構が、垂直方向において波長セパレータの位置を微調整するための屈曲部を含む。そのような実施形態では、調節機構が、屈曲部の構造を変更するための一組のねじを追加的に含み得る。
【0166】
いくつかの変形例では、光検出システムを組み立てる方法は、第1及び第2の光学収集構成要素を第1及び第2の光受信器にそれぞれ動作可能に取り付けることを更に含む。関心対象の光学収集構成要素は、例えば、光ファイバ(例えば、光ファイバリレー束)を含む。方法は、光学収集構成要素を第1及び第2の光受信器のカプラに接続することを含み得る。
【0167】
コンピュータ制御システム
本開示の態様は、コンピュータ制御システムを更に含み、システムは、完全な自動化又は部分的な自動化のための1つ以上のコンピュータを含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、上述した1つ以上の光検出システムからのデータを分析するための命令を含む。
【0168】
実施形態では、システムは、入力モジュール、処理モジュール、及び出力モジュールを含む。主題のシステムは、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の両方を含み得、ハードウェア構成要素は、例えば、サーバの形態で1つ以上のプラットフォームの形態を採り得、その結果、システムの機能要素、すなわち、特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理など)を実行するシステムのそれらの要素は、システムに表される1つ以上のコンピュータプラットフォーム上で及びそれにわたってソフトウェアアプリケーションの実行によって実行され得る。
【0169】
システムは、ディスプレイと、オペレータ入力デバイスとを含み得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであり得る。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は利用可能であるか、若しくは利用可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当該技術分野で周知であるように、Java、Perl、C++、Python、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、典型的には、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムは、また、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0170】
システムメモリは、様々な既知又は将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク若しくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、又はディスクドライブを含む、様々な既知又は将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、コンパクトディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、及び/又はプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、及び/又はメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0171】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、その中に記憶された制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)を有するコンピュータ使用可能媒体を備えて記載される。制御ロジックは、プロセッサによって実行されるとコンピュータ、プロセッサに、本明細書に記載された機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装形態は、関連技術分野の当業者には明らかである。
【0172】
メモリは、磁気、光学、又はソリッドステート記憶デバイス(磁気若しくは光学ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定型若しくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、又はメモリ又は何らかの他の携帯型若しくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存され得る。例えば、磁気又は光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本発明のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実施する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本発明によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取り及びアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、磁気ディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAM及びROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、並びに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0173】
プロセッサは、また、リモート位置でユーザと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザがシステムと直接接触せず、広域ネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、又は携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の好適な通信チャネルに接続されたコンピュータなど、外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0174】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信器及び/又は送信器を含む。通信インターフェースは、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数特定(RFID)、ジグビー通信プロトコル、Wi-Fi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、及び符号分割多元接続(CDMA)又はモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含むが、これらに限定されない、有線又は無線通信のために構成され得る。
【0175】
一実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成される(例えば、診療所又は病院環境における)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、例えば、USBポート、USB-Cポート、RS-232ポート、又は任意の他の好適な電気接続ポートなどの物理ポート又はインターフェースなど、1つ以上の通信ポートを含むように構成される。
【0176】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成され、主題のシステムが、コンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、又はユーザが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなど、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0177】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWi-FiホットスポットでのインターネットへのWi-Fi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成される。
【0178】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11若しくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの共通の標準規格を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成される。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又はデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、並びにボタン、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0179】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上述の通信プロトコル及び/又は機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワーク又はサーバデバイスと、主題のシステム内、例えば、任意選択的なデータ記憶ユニット内に記憶されたデータを自動的に又は半自動で通信するように構成される。
【0180】
出力コントローラは、人間であろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、ピクセルのアレイとして論理的及び/又は物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間にグラフィカル入力及び出力インターフェースを提供するための、及びユーザ入力を処理するための、様々な既知又は将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用する代替的な実施形態で達成され得る。出力マネージャは、また、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、又は衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実施され得る。いくつかの例として、データは、SQL、HTML、若しくはXMLドキュメント、電子メール若しくは他のファイル、又は他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザが追加のSQL、HTML、XML、又は他のドキュメント若しくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォーム又は将来開発されるタイプであり得るが、それらは、一般的にサーバと称されるコンピュータのクラスのものである。しかしながら、それらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、又は他のコンピュータタイプであり得る。それらは、任意の既知若しくは将来のタイプのケーブル配線、又はネットワーク化されているか、若しくはされていないかのいずれかの無線システムを含む、他の通信システムを介して接続され得る。それらは、同一場所に配置され得るか、又は物理的に分離され得る。場合により、選択されたコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで採用され得る。適切なオペレーティングシステムは、Windows(登録商標)NT(登録商標)、Windows(登録商標)XP、Windows(登録商標)7、Windows(登録商標)8、Windows(登録商標)10、iOS(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)、Ubuntu(登録商標)、Fedora(登録商標)、OS/400(登録商標)、i5/OS(登録商標)、IBM i(登録商標)、Android(商標)、SGI IRIX(登録商標)、Oracle Solaris(登録商標)などを含む。
【0181】
図15は、ある特定の実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス1500の一般的なアーキテクチャを描示する。図15に描示されるコンピューティングデバイス1500の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェア及びソフトウェア構成要素の配置を含む。しかしながら、有効な開示を提供するためには、これらの一般的に伝統的な要素の全てが、必ずしも示される必要はない。例解されるように、コンピューティングデバイス1500は、処理ユニット1510、ネットワークインターフェース1520、コンピュータ可読媒体ドライブ1530、入力/出力デバイスインターフェース1540、ディスプレイ1550、及び入力デバイス1560を含み、それらの全ては、通信バスを経由して互いに通信することができる。ネットワークインターフェース1520は、1つ以上のネットワーク又はコンピューティングシステムへの接続を提供することができる。したがって、処理ユニット1510は、ネットワークを介して、他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信することができる。処理ユニット1510は、また、メモリ1570との間でも通信することができ、入力/出力デバイスインターフェース1540を介して、任意選択的なディスプレイ1550のための出力情報を更に提供することができる。例えば、分析システムの非一時的メモリ内に実行可能命令として記憶された分析ソフトウェア(例えば、FlowJo(登録商標)などのデータ分析ソフトウェア又はプログラム)は、フローサイトメトリ事象データをユーザに表示することができる。入力/出力デバイスインターフェース1540は、また、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャー認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスなどの、任意選択的な入力デバイス1560から入力を受信することもできる。
【0182】
メモリ1570は、処理ユニット1510が順番に実行して1つ以上の実施形態を実装するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態では、モジュール又は構成要素としてグループ化される)を含むことができる。メモリ1570は、一般的に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的、又は非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。メモリ1570は、コンピューティングデバイス1500の一般的な管理及び動作において、処理ユニット1510によって使用されるためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム1572を記憶することができる。データは、データ記憶デバイス1590に記憶され得る。メモリ1570は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含むことができる。
【0183】
有用性
主題の光検出システムは、光学特性による試料の特性評価が所望される場合、特に、低レベルの光が収集される場合に使用を見出す。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるシステム及び方法は、蛍光タグで標識された生体試料のフローサイトメトリ特性評価における使用を見出す。他の実施形態では、システム及び方法は、透過された又は散乱された光の分光法における使用を見出す。加えて、主題のシステム及び方法は、(例えば、フローストリーム中の)試料から収集された光からの取得可能な信号を増加させることにおける使用を見出す。ある特定の事例では、本開示は、フローサイトメータ内でフローストリーム中の照射された試料から収集される光の測定を強化させることにおける使用を見出す。本開示の実施形態は、研究及び高スループット実験室試験におけるなど、フローサイトメトリにおける放出測定の有効性の強化が所望される場合に使用を見出す。本開示は、また、改善された細胞ソーティング精度、強化された粒子収集、低減されたエネルギー消費、粒子充電効率、より正確な粒子帯電、及び細胞ソーティング中の強化された粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい場合に使用を見出す。
【0184】
本開示は、また、生物学的試料から調製された細胞が研究、実験室試験、又は治療で使用するために望まれ得る用途での使用も見出す。いくつかの実施形態では、本方法及びデバイスは、目的の流体又は組織生体試料から調製された個々の細胞の取得を促進し得る。例えば、本方法及びシステムは、がんなどの疾患の研究又は診断用標本として使用される、流体又は組織試料から細胞を取得することを容易にする。同様に、主題の方法及びシステムは、治療で使用される流体又は組織試料から細胞を取得することを容易にする。本開示の方法及びデバイスは、従来のフローサイトメトリシステムと比較して、向上した効率及び低コストの生体試料(例えば、臓器、組織、組織断片、体液)から細胞を分離し、収集することを可能にする。
【0185】
キット
本発明の態様はキットを更に含み、キットは、3つ以上の波長セパレータ、複数の光検出器、及び1つ以上の光学構成要素(例えば、ダイクロイックミラー、ビームスプリッタ、コリメーティングレンズなど)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、波長セパレータを光学構成要素及び光検出器と同一場所に配置するための基材を含む。ある特定の実施形態では、キットは、主題の光検出システムの構成要素を一緒に組み立てるための1つ以上の留め具を含む。キットは、また、光ファイバ(例えば、光ファイバリレー束)又は自由空間リレーシステムのための構成要素などの光学収集構成要素を含み得る。いくつかの事例では、キットは、光電子増倍管(例えば、金属パッケージ光電子増倍管)などの1つ以上の光検出器を更に含む。キットの実施形態は、また、第1及び第2の光受信器、並びに1つ以上のベースプレート(例えば、上述のものなど)を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、キットは、5つ以上を含め、3つ以上など、本明細書に開示される光検出システムの構成要素のうちの2つ以上を含む。いくつかの事例では、キットは、1つ以上のアッセイ構成要素(例えば、上述のような標識試薬、緩衝液など)を含み得る。いくつかの事例では、キットは、試料収集デバイス、例えば、皮膚を突き刺して、必要に応じて全血試料、ピペットなどを取得するように構成されたランス又は針を更に含み得る。
【0187】
キットの様々なアッセイ構成要素は、別個の容器内に存在し得るか、又はそれらの一部若しくは全ては、事前に組み合わされ得る。例えば、いくつかの事例では、キットの1つ以上の構成要素は、例えば、滅菌ホイルパウチ又はエンベロープなどの密封されたパウチ内に存在する。
【0188】
上記の構成要素に加えて、主題のキットは、主題の方法を実践するための命令を(ある特定の実施形態では)更に含み得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、情報が印刷される1枚又は複数枚の紙などの好適な媒体又は基板上、キットのパッケージ中、添付文書などの中の印刷情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0189】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、また、以下の付記によっても定義される。
【0190】
1.光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、複数の波長セパレータのうちの波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システム。
2.第1及び第2の光受信器は、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々備える、付記1に記載の光検出システム。
3.光を、それぞれ、第1及び第2の光受信器に伝播させるためにカプラに動作可能に取り付けられた第1及び第2の光学収集構成要素を更に備える、付記2に記載の光検出システム。
4.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバを含む、付記2又は3に記載の光検出システム。
5.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバリレー束を含む、付記4に記載の光検出システム。
【0191】
6.第1及び第2の光受信器は、ビーム調節器を各々含む、付記1~5のいずれか一つに記載の光検出システム。
7.ビーム調節器が、レンズである、付記6に記載の光検出システム。
8.レンズが、コリメーティングレンズである、付記7に記載の光検出システム。
9.レンズが、集束レンズである、付記7に記載の光検出システム。
10.波長セパレータが、互いの間で光を伝達するように構成されている、付記1~9のいずれか一つに記載の光検出システム。
【0192】
11.波長セパレータが、ダイクロイックミラーからなる、付記1~10のいずれか一つに記載の光検出システム。
12.複数の波長セパレータにおける波長セパレータの数が、2~6つの範囲である、付記1~11のいずれか一つに記載の光検出システム。
13.光検出システムが、5つの波長セパレータを備える、付記12に記載の光検出システム。
14.第1のビームが、500nmよりも大きい波長を有する光を含む、付記1~13のいずれか一つに記載の光検出システム。
15.第2のビームが、600nmよりも大きい波長を有する光を含む、付記1~14のいずれか一つに記載の光検出システム。
【0193】
16.第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセットによって伝達され、第2の光ビームが、波長セパレータの第2のサブセットによって伝達される、付記1~15のいずれか一つに記載の光検出システム。
17.波長セパレータの第1のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記16に記載の光検出システム。
18.波長セパレータの第1のサブセットが、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと
を含む、付記16又は17に記載の光検出システム。
19.波長セパレータの第1のサブセットが、
450~500nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第4の波長セパレータと
を含む、付記16又は17に記載の光検出システム。
20.波長セパレータの第2のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記16~19のいずれか一つに記載の光検出システム。
【0194】
21.波長セパレータの第2のサブセットが、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと
を含む、付記16~20のいずれか一つに記載の光検出システム。
22.各波長セパレータが、波長セパレータの位置を微調整するように構成された調節機構を備える、付記1~21のいずれか一つに記載の光検出システム。
23.調節機構が、ダウエルピンの周りを回転することによって波長セパレータの位置を微調整するように構成されている、付記22に記載の光検出システム。
24.調節機構が、垂直方向において波長セパレータの位置を微調整するための屈曲部を備える、付記22又は23に記載の光検出システム。
25.調節機構が、屈曲部の構造を変更するための一組のねじを更に備える、付記24に記載の光検出システム。
【0195】
26.複数の波長セパレータにおける隣接する波長セパレータを分離する距離が、一定である、付記1~25のいずれか一つに記載の光検出システム。
27.光検出モジュールが、多角形構成に配置されている、付記1~26のいずれか一つに記載の光検出システム。
28.多角形構成が、七角形構成である、付記27に記載の光検出システム。
29.複数の光検出器が、アバランシェフォトダイオードを含む、付記1~28のいずれか一つに記載の光検出システム。
30.複数の光検出器が、光電子増倍管を含む、付記1~29のいずれか一つに記載の光検出システム。
【0196】
31.各光検出モジュールが、検出のために所定のサブスペクトル範囲を有する光を伝達するように構成された複数の光学構成要素を更に備える、付記1~30のいずれか一つに記載の光検出システム。
32.光学構成要素が、ダイクロイックミラーを含む、付記31に記載の光検出システム。
33.光学構成要素が、単一の平面に沿って光検出モジュール内に位置付けられている、付記31又は32に記載の光検出システム。
34.光学構成要素が、2つ以上の平行な平面に沿って光検出モジュール内に位置付けられている、付記31又は32に記載の光検出システム。
35.光検出システムを装着するためのベースプレートを更に備え、ベースプレートが、
第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、
複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、付記1~34のいずれか一つに記載の光検出システム。
【0197】
36.ベースプレートが、各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠きを更に備え、切り欠きが、各光検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成されている、付記35に記載の光検出システム。
37.第3の光ビームを受信するように構成された第3の光受信器を更に備える、付記1~36のいずれか一つに記載の光検出システム。
【0198】
38.システムであって、
光源と、
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システムと
を備える、システム。
39.第1及び第2の光受信器は、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々備える、付記38に記載のシステム。
40.光を、それぞれ、第1及び第2の光受信器に伝播させるためにカプラに動作可能に取り付けられた第1及び第2の光学収集構成要素を更に備える、付記39に記載のシステム。
41.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバを含む、付記39又は40に記載のシステム。
42.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバリレー束を含む、付記41に記載のシステム。
【0199】
43.第1及び第2の光受信器は、ビーム調節器を各々備える、付記38~42のいずれか一つに記載のシステム。
44.ビーム調節器が、レンズである、付記43に記載のシステム。
45.レンズが、コリメーティングレンズである、付記44に記載のシステム。
46.レンズが、集束レンズである、付記44に記載のシステム。
47.波長セパレータが、互いの間で光を伝達するように構成されている、付記38~46のいずれか一つに記載のシステム。
【0200】
48.波長セパレータが、ダイクロイックミラーからなる、付記38~47のいずれか一つに記載のシステム。
49.複数の波長セパレータにおける波長セパレータの数が、2~6つの範囲である、付記38~48のいずれか一つに記載のシステム。
50.第1のビームが、500nmよりも大きい波長を有する光を含む、付記38~49のいずれか一つに記載のシステム。付記38~48のいずれか一つ
51.第2のビームが、600nmよりも大きい波長を有する光を含む、付記38~50のいずれか一つに記載のシステム。
52.第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセットによって伝達され、第2の光ビームが、波長セパレータの第2のサブセットによって伝達される、付記38~51のいずれか一つに記載のシステム。
【0201】
53.波長セパレータの第1のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記52に記載のシステム。
54.波長セパレータの第1のサブセットが、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと
を含む、付記52又は53に記載のシステム。
55.波長セパレータの第1のサブセットが、
450~500nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第4の波長セパレータと
を含む、付記52又は53に記載のシステム。
56.波長セパレータの第2のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記52~55のいずれか一つに記載のシステム。
57.波長セパレータの第2のサブセットが、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと
を含む、付記52~56のいずれか一つに記載のシステム。
【0202】
58.各波長セパレータが、波長セパレータの位置を微調整するように構成された調節機構を備える、付記38~57のいずれか一つに記載のシステム。
59.調節機構が、ダウエルピンの周りを回転することによって波長セパレータの位置を微調整するように構成されている、付記58に記載のシステム。
60.調節機構が、垂直方向において波長セパレータの位置を微調整するための屈曲部を備える、付記58又は59に記載のシステム。
61.調節機構が、屈曲部の構造を変更するための一組のねじを更に備える、付記58~60のいずれか一つに記載のシステム。
62.複数の波長セパレータにおける隣接する波長セパレータを分離する距離が、一定である、付記38~61のいずれか一つに記載のシステム。
【0203】
63.ベースプレートを更に備え、ベースプレートが、
第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、
複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、付記38~62のいずれか一つに記載のシステム。
64.ベースプレートが、各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠きを更に備え、切り欠きが、各光検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成されている、付記63に記載のシステム。
65.第3の光ビームを受信するように構成された第3の光受信器を更に備える、付記38~64のいずれか一つに記載のシステム。
66.システムが、複数の光検出システムを備える、付記38~65のいずれか一つに記載のシステム。
67.複数の光検出システムにおける光検出システムの数は、2~6つの範囲である、付記66に記載のシステム。
【0204】
68.システムが、3つの光検出システムを備える、付記67に記載のシステム。
69.光検出システムが同一場所に配置された基板を更に備える、付記66~68のいずれか一つに記載のシステム。
70.基板が、各光検出システムに気体的に接続されているプレナムを備える、付記69に記載のシステム。
71.各光検出システムをプレナムに気体的に接続するための複数のチューブを更に備える、付記70に記載のシステム。
72.システムが、プレナム内に負圧を生成し、それによって各光検出システムを通って空気を循環させるためのファンを備える、付記70又は71に記載のシステム。
【0205】
73.システムが、粒子分析器である、付記38~72のいずれか一つに記載のシステム。
74.システムは、フローサイトメータである、付記73に記載のシステム。
【0206】
75.光検出システムを装着するためのベースプレートであって、
光ビームを受信するように構成された光受信器を装着するためのステージと、
複数の光検出モジュールをステージに対して堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、ベースプレート。
76.複数の凹部における凹部の数は、2~7つの範囲である、付記75に記載のベースプレート。
77.ベースプレートは、6つの凹部を備える、付記76に記載のベースプレート。
78.ベースプレートは、5つの凹部を備える、付記76に記載のベースプレート。
79.凹部は、五角形構成に配置されている、付記76に記載のベースプレート。
【0207】
80.凹部は、六角形構成に配置されている、付記76に記載のベースプレート。
81.凹部は、七角形構成に配置されている、付記76に記載のベースプレート。
82.凹部は、八角形構成に配置されている、付記76に記載のベースプレート。
83.各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠きを更に備え、切り欠きが、各光検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成されている、付記75~82のいずれか一つに記載のベースプレート。
84.第2の光ビームを受信するように構成された第2の光受信器を装着するための第2のステージを更に備える、付記75~83のいずれか一つに記載のベースプレート。
【0208】
85.ベースプレートは、150mm~250mmの範囲の直径を有する、付記75~83のいずれか一つに記載のベースプレート。
86.ベースプレートは、200mmの直径を有する、付記85に記載のベースプレート。
87.ベースプレートは、15mm~25mmの範囲の厚さを有する、付記75~86のいずれか一つに記載のベースプレート。
88.ベースプレートは、20mmの厚さを有する、付記87に記載のベースプレート。
89.ベースプレートは、1:10の厚さ対直径比を有する、付記75~88のいずれか一つに記載のベースプレート。
【0209】
90.ベースプレートは、金属からなる、付記75~89のいずれか一つに記載のベースプレート。
91.金属は、アルミニウム合金である、付記90に記載のベースプレート。
92.光検出モジュールを凹部内に固定するように構成された複数のダウエルピンを更に備える、付記75~91のいずれか一つに記載のベースプレート。
【0210】
93.試料を分析する方法であって、
(a)試料をシステムに導入することであって、システムは、
光源と、
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に通信し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システムと
を備える、導入することと、
(b)試料をフローサイトメトリで分析することと
を含む、方法。
94.第1及び第2の光受信器は、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々備える、付記93に記載の方法。
95.システムは、光を、それぞれ、第1及び第2の光受信器に伝播させるためにカプラに動作可能に取り付けられた第1及び第2の光学収集構成要素を更に備える、付記94に記載の方法。
96.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバを含む、付記94又は95に記載の方法。
97.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバリレー束を含む、付記96に記載の方法。
【0211】
98.第1及び第2の光受信器は、ビーム調節器を各々備える、付記93~97のいずれか一つに記載の方法。
99.波長セパレータは、互いの間で光を伝達するように構成されている、付記93~98のいずれか一つに記載の方法。
100.波長セパレータは、ダイクロイックミラーからなる、付記93~99のいずれか一つに記載の方法。
101.複数の波長セパレータにおける波長セパレータの数が、2~6つの範囲である、付記93~100のいずれか一つに記載の方法。
102.第1のビームが、500nmよりも大きい波長を有する光を含む、付記93~101のいずれか一つに記載の方法。
【0212】
103.第2のビームが、600nmよりも大きい波長を有する光を含む、付記93~102のいずれか一つに記載の方法。
104.第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセットによって伝達され、第2の光ビームが、波長セパレータの第2のサブセットによって伝達される、付記93~103のいずれか一つに記載の方法。
105.波長セパレータの第1のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記104に記載の方法。
106.波長セパレータの第1のサブセットが、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと
を含む、付記104又は105に記載の方法。
107.波長セパレータの第1のサブセットが、
450~500nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第4の波長セパレータと
を含む、付記104又は105に記載の方法。
【0213】
108.波長セパレータの第2のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記104~107のいずれか一つに記載の方法。
109.波長セパレータの第2のサブセットが、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと
を含む、付記104~108のいずれか一つに記載の方法。
110.複数の波長セパレータにおける隣接する波長セパレータを分離する距離が、一定である、付記93~109のいずれか一つに記載の方法。
111.光検出システムは、ベースプレートを更に備え、ベースプレートは、
第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、
複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
中心点に近接する場所で各凹部内に位置決めされた熱放散開口部と
を備える、付記93~110のいずれか一つに記載の方法。
112.ベースプレートが、各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠きを更に備え、切り欠きが、各光検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成されている、付記111に記載の方法。
【0214】
113.光検出システムは、第3の光ビームを受信するように構成された第3の光受信器を更に備える、付記93~112のいずれか一つに記載の方法。
114.システムが、複数の光検出システムを備える、付記93~113のいずれか一つに記載の方法。
115.複数の光検出システムにおける光検出システムの数は、2~6つの範囲である、付記114に記載の方法。
116.システムが、3つの光検出システムを備える、付記115に記載の方法。
117.システムは、光検出システムが同一場所に配置された基板を更に備える、付記114~116のいずれか一つに記載の方法。
【0215】
118.基板が、各光検出システムに気体的に接続されているプレナムを備える、付記117に記載の方法。
119.基板が、各光検出システムをプレナムに気体的に接続するための複数のチューブを更に備える、付記118に記載の方法。
120.システムが、プレナム内に負圧を生成し、それによって各光検出システムを通って空気を循環させるためのファンを備える、付記118又は119に記載の方法。
【0216】
121.光検出システムを組み立てる方法であって、
ベースプレートに、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に通信し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を取り付けることを含む、方法。
122.第1及び第2の光受信器が、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々備える、付記121に記載の方法。
123.第1及び第2の光学収集構成要素を第1及び第2の光受信器にそれぞれ動作可能に取り付けることを更に含む、付記122に記載の方法。
124.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバを含む、付記122又は123に記載の方法。
125.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバリレー束を含む、付記124に記載の方法。
【0217】
126.波長セパレータが互いの間で光を伝達するように、波長セパレータを配置することを更に含む、付記121~125のいずれか一つに記載の方法。
127.波長セパレータは、ダイクロイックミラーからなる、付記121~125のいずれか一つに記載の方法。
128.複数の波長セパレータにおける波長セパレータの数が、2~6つの範囲である、付記121~127のいずれか一つに記載の方法。
129.第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセットによって伝達され、第2の光ビームが、波長セパレータの第2のサブセットによって伝達される、付記121~128のいずれか一つに記載の方法。
130.波長セパレータの第1のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記129に記載の方法。
【0218】
131.波長セパレータの第1のサブセットが、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと
を含む、付記129又は130に記載の方法。
132.波長セパレータの第1のサブセットが、
450~500nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
500~600nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第3の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第4の波長セパレータと
を含む、付記129又は130に記載の方法。
133.波長セパレータの第2のサブセットにおける波長セパレータの数が、2~4つの範囲である、付記129~132のいずれか一つに記載の方法。
134.波長セパレータの第2のサブセットが、
600~675nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第1の波長セパレータと、
675~750nmの範囲の波長を有する光を通過させるように構成された第2の波長セパレータと
を含む、付記129~133のいずれか一つに記載の方法。
135.調節機構を介して各波長セパレータの位置を微調整することを更に含む、付記121~134のいずれか一つに記載の方法。
【0219】
136.調節機構が、ダウエルピンの周りを回転することによって波長セパレータの位置を微調整するように構成されている、付記135に記載の方法。
137.調節機構が、垂直方向において波長セパレータの位置を微調整するための屈曲部を備える、付記135又は136に記載の方法。
138.調節機構が、屈曲部の構造を変更するための一組のねじを更に備える、付記137に記載の方法。
139.複数の波長セパレータにおける隣接する波長セパレータを分離する距離が、一定である、付記121~138のいずれか一つに記載の方法。
140.波長セパレータを多角形構成に配置することを更に含む、付記121~139のいずれか一つに記載の方法。
【0220】
141.多角形構成が、七角形構成である、付記140に記載の方法。
142.複数の光検出器は、アバランシェフォトダイオードを含む、付記121~141のいずれか一つに記載の方法。
143.複数の光検出器が、光電子増倍管を含む、付記121~142のいずれか一つに記載の方法。
144.ベースプレートは、
第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、
複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、付記121~143のいずれか一つに記載の方法。
145.ベースプレートが、各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠きを更に備え、切り欠きが、各光検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成されている、付記144に記載の方法。
146.第3の光ビームを受信するように構成された第3の光受信器を更に備える、付記121~145のいずれか一つに記載の方法。
【0221】
147.キットであって、
第1及び第2の光ビームをそれぞれ受信するように構成された第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータとの光学的に連通のために構成され、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、キット。
148.波長セパレータは、ダイクロイックミラーからなる、付記147に記載のキット。
149.複数の波長セパレータにおける波長セパレータの数が、2~6つの範囲である、付記147又は148に記載のキット。
150.各波長セパレータの位置を微調整するように構成された調節機構を更に備える、付記147~149のいずれか一つに記載のキット。
151.調節機構が、ダウエルピンの周りを回転することによって波長セパレータの位置を微調整するように構成されている、付記150に記載のキット。
【0222】
152.調節機構が、垂直方向において波長セパレータの位置を微調整するための屈曲部を備える、付記150又は151に記載のキット。
153.調節機構が、屈曲部の構造を変更するための一組のねじを更に備える、付記152に記載のキット。
154.複数の光検出器は、アバランシェフォトダイオードを含む、付記147~153のいずれか一つに記載のキット。
155.複数の光検出器が、光電子増倍管を含む、付記147~154のいずれか一つに記載のキット。
156.光を、それぞれ、第1及び第2の光受信器に伝播させるための第1及び第2の光学収集構成要素を更に備える、付記147~155のいずれか一つに記載のキット。
【0223】
157.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバを含む、付記156に記載のキット。
158.第1及び第2の光学収集構成要素が、光ファイバリレー束を含む、付記157に記載のキット。
159.各光検出モジュールが、検出のために所定のサブスペクトル範囲を有する光を伝達するように構成された複数の光学構成要素を更に備える、付記147~158のいずれか一つに記載のキット。
160.光学構成要素は、ダイクロイックミラーを含む、付記159に記載のキット。
161.光検出システムを装着するためのベースプレートを更に備え、ベースプレートが、
第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、
複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、付記147~160のいずれか一つに記載のキット。
【0224】
162.ベースプレートが、各熱放散開口部に気体的に接続された切り欠きを更に備え、切り欠きが、各光検出モジュールからプールされた熱を光検出システムから離れるように誘導するように構成されている、付記161に記載のキット。
163.第3の光ビームを受信するように構成された第3の光受信器を更に備える、付記147~162のいずれか一つに記載のキット。
164.光検出システムを一緒に配置するための基板を更に備える、付記147~163のいずれか一つに記載のキット。
165.基板が、各光検出システムに気体的に接続されているプレナムを備える、付記164に記載のキット。
166.各光検出システムをプレナムに気体的に接続するための複数のチューブを更に備える、付記165に記載のキット。
167.プレナム内に負圧を生成し、それによって各光検出システムを通って空気を循環させるためのファンを更に備える、付記165又は166に記載のキット。
【0225】
上記の発明は、明確な理解のために例解及び例によって多少詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、それらの発明に対して何らかの変更及び修正を行い得ることは、容易に明らかである。
【0226】
したがって、上記は単に本発明の原理を例解するに過ぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解される。更に、本明細書に記載される全ての例及び条件付き言語は、主に、読者が、本発明の原理及び発明者が当該技術分野を促進するために寄与する概念を理解することを助ける点を意図し、かかる具体的に記載される例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。更に、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにその特定の例を記載する本明細書における全ての記述は、その構造的及び機能的等価物の両方を包含することを意図する。加えて、かかる等価物は、構造にかかわらず、現在既知である等価物及び将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行するように開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。更に、本明細書に開示されるものは、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されるか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図するものではない。
【0227】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲への限定の始まりの正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」が列挙されている場合にのみ、そのような特許請求の範囲に限定するために公使されると明示的に定義され、そのような正確な語句が、特許請求の範囲への限定において使用されない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は行使されない。
【0228】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2021年8月4日に出願された米国仮特許出願第63/229,163号の出願日の優先権を主張し、その出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、前記複数の波長セパレータのうちの波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の光受信器が、光学収集構成要素を動作可能に取り付けるためのカプラを各々備える、請求項1に記載の光検出システム。
【請求項3】
光を、それぞれ、前記第1及び第2の光受信器に伝播させるために前記カプラに動作可能に取り付けられた第1及び第2の光学収集構成要素を更に備える、請求項2に記載の光検出システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の光受信器が、ビーム調節器を各々備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項5】
前記波長セパレータが、互いの間で光を伝達するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項6】
前記第1の光ビームが、波長セパレータの第1のサブセットによって伝達され、前記第2の光ビームが、波長セパレータの第2のサブセットによって伝達される、請求項1~のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項7】
前記光検出モジュールが、多角形構成に配置されている、請求項1~のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項8】
各光検出モジュールが、検出のために所定のサブスペクトル範囲を有する光を伝達するように構成された複数の光学構成要素を更に備える、請求項1~のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項9】
前記光検出システムを装着するためのベースプレートを更に備え、
前記ベースプレートが、
前記第1及び第2の光受信器をそれぞれ装着するための第1及び第2のステージと、
前記複数の光検出モジュールを堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
前記中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項10】
光源と、
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システムと
を備える、システム。
【請求項11】
光検出システムを装着するためのベースプレートであって、
光ビームを受信するように構成された光受信器を装着するためのステージと、
複数の光検出モジュールを前記ステージに対して堅固な整列で固定するための複数の凹部であって、前記凹部が、中心点の周りに配置される、複数の凹部と、
前記中心点に近接する場所で各凹部内に位置付けられた熱放散開口部と
を備える、ベースプレート。
【請求項12】
試料を分析する方法であって、
(a)試料をシステムに導入することであって、前記システムが、
光源と、
光検出システムであって、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
各光検出モジュールが、波長セパレータと光学通信し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、光検出システムと
を備える、導入することと、
(b)前記試料をフローサイトメトリで分析することと
を含む、方法。
【請求項13】
光検出システムを組み立てる方法であって、
ベースプレートに、
互いに対して固定位置にある第1及び第2の光受信器であって、前記第1及び第2の光受信器が、それぞれ第1及び第2の光ビームを受信するように構成されている、第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータと光学的に連通し、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を取り付けることを含む、方法。
【請求項14】
第1及び第2の光ビームをそれぞれ受信するように構成された第1及び第2の光受信器と、
所定のスペクトル範囲を有する前記第1及び第2の光受信器からの光を通過させるように構成された複数の波長セパレータと、
複数の光検出モジュールであって、各光検出モジュールが、波長セパレータとの光学的に連通のために構成され、複数の光検出器を備える、複数の光検出モジュールと
を備える、キット。
【国際調査報告】