(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-11
(54)【発明の名称】流体試料採取装置から液体試料分析器へ流体試料を移送するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20240904BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20240904BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
G01N1/00 101K
G01N1/10 B
G01N1/10 J
G01N1/10 V
G01N33/48 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508380
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2022074580
(87)【国際公開番号】W WO2023019087
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ジャニーヌ・コックス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・チェン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ヴォーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・デシルバ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ジョーセフ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・デイヴィス
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
【Fターム(参考)】
2G045AA01
2G045BA03
2G045BB04
2G045CA25
2G045CA26
2G045CA28
2G045HA06
2G052AA30
2G052AB01
2G052AB11
2G052AB16
2G052AD07
2G052AD27
2G052AD46
2G052CA03
2G052CA20
2G052CA28
2G052EA02
2G052EA03
2G052GA09
2G052GA28
2G052GA29
2G052JA06
2G052JA07
2G052JA08
2G052JA11
(57)【要約】
流体試料採取装置から液体試料分析器へ流体試料を移送するための装置および方法。装置は、第1の端部、第2の端部、第1の端部と第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを備えている。第1の端部は入口開口部を有し、第2の端部は出口開口部を有する。バレルの第1の端部は、流体試料採取装置の一部と係合可能なバレル連結部を有し、バレルの第2の端部は、液体試料分析器と係合するように構成された管状部を有するため、流体試料採取装置とバレルとの組み合わせは、さらなる支持なしで液体試料分析器に取り付け可能である。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体部分および気体部分を有する流体試料を流体試料採取装置から液体試料分析器に移送するための装置であって:
入口開口部を有する第1の端部、該第1の端部の反対側の、出口開口部を有する第2の端部、該第1の端部と該第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを含み、
該バレルの第1の端部は、流体試料採取装置の一部と係合可能なバレル連結部を有し、
該バレルの第2の端部は、液体試料分析器と係合するように構成された管状部を有するため、流体試料採取装置とバレルとの組み合わせは、さらなる支持なしで液体試料分析器に取り付け可能である、前記装置。
【請求項2】
バレル連結部は、流体試料採取装置の一部と連動係合可能であるようにバレルの側壁から半径方向外側に延びる少なくとも1つのねじラグを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
バレル連結部は、流体試料採取装置と連動係合可能であるようにバレルの側壁から半径方向外側に延びるねじラグの対を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
バレル連結部は、雌型ルアーコネクタである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
バレルの管状部は、液体試料分析器と係合するように構成された雄型ルアーコネクタである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
さらに、バレルの第2の端部に隣接してバレルに固定された気体透過性液体不透過性膜を含み、気体透過性液体不透過性膜は、試料プローブが気体透過性液体不透過性膜を通って内部チャンバに入るように構成されるように穿孔可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
気体透過性液体不透過性膜は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む材料から形成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
さらに、内部チャンバの入口側および出口側を画成し、バレルの第1の端部と第2の端部との間に配置可能であるように内部チャンバ内に配置されるフィルタ部材であって、流体試料の液体部分から気体部分の少なくとも一部を分離するために、流体試料の気体部分の少なくとも一部は内部チャンバの入口側から出口側へとフィルタ部材を通過できるようにし、流体試料が入口開口部から内部チャンバ内に入るときには、流体試料の液体部分が入口側から出口側に通過するのを防止するためのフィルタ部材を横切る流体密シールを設けるように少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜を有するフィルタ部材を含み、
プローブはフィルタ部材を通って出口側から入口側まで通され、流体試料の液体部分を内部チャンバの入口側から引き出すように、フィルタ部材は穿孔可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
フィルタ部材はバレルの内部チャンバ内に摺動可能に配置される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
試料プローブを有する液体試料分析器および流体試料採取装置と組み合わせて液体部分および気体部分を有する流体試料を移送するための装置であって:
入口開口部を有する第1の端部、該第1の端部の反対側の、液体試料分析器と係合されており出口開口部を有する第2の端部、該第1の端部と該第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを含み、
該バレルの第1の端部は、流体試料採取装置の一部と係合されるバレル連結部を有し、該バレルの第2の端部は、液体試料分析器と係合される管状部を有するため、流体試料採取装置とバレルとの組み合わせは、さらなる支持なしで液体試料分析器に取り付けられる、前記装置。
【請求項11】
バレル連結部は、流体試料採取装置と連動係合するようにバレルの側壁から半径方向外側に延びる少なくとも1つのねじラグを含む、請求項10に記載の組み合わせ。
【請求項12】
バレル連結部は、バレルの側壁から半径方向外側に延びるねじラグの対を含む、請求項10に記載の組み合わせ。
【請求項13】
バレル連結部は、雌型ルアーコネクタである、請求項10に記載の組み合わせ。
【請求項14】
バレルの管状部は、液体試料分析器と係合する雄型ルアーコネクタである、請求項10に記載の組み合わせ。
【請求項15】
流体試料採取装置およびバレルの各々は、試料プローブと軸方向に位置合わせされた関係にある、請求項10に記載の組み合わせ。
【請求項16】
さらに、バレルの第2の端部に隣接してバレルに固定された気体透過性液体不透過性膜を含み、気体透過性液体不透過性膜は、試料プローブが気体透過性液体不透過性膜を通って内部チャンバに入るように穿孔可能である、請求項10に記載の組み合わせ。
【請求項17】
気体透過性液体不透過性膜は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む材料から形成される、請求項16に記載の組み合わせ。
【請求項18】
さらに、内部チャンバの入口側および出口側を画成し、バレルの第1の端部と第2の端部との間に配置可能であるように内部チャンバ内に配置されるフィルタ部材であって、流体試料の液体部分から気体部分の少なくとも一部を分離するために、流体試料の気体部分の少なくとも一部は内部チャンバの入口側から出口側へとフィルタ部材を通過できるようにし、流体試料が入口開口部から内部チャンバ内に入るときには、流体試料の液体部分が入口側から出口側に通過するのを防止するためのフィルタ部材を横切る流体密シールを設けるように少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜を有するフィルタ部材を含み、
試料プローブはバレルの出口開口部を通り、フィルタ部材を通って出口側から入口側まで通され、流体試料の液体部分を内部チャンバの入口側から液体試料分析器内に引き出すように、フィルタ部材は試料プローブによって穿孔可能である、請求項10に記載の組み合わせ。
【請求項19】
フィルタ部材はバレルの内部チャンバ内に摺動可能に配置される、請求項18に記載の組み合わせ。
【請求項20】
液体部分および気体部分を有する流体試料を流体試料採取装置から、試料プローブを有する液体試料分析器に移送する方法であって:
入口開口部を有する第1の端部、出口開口部を有する第2の端部、該第1の端部と該第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを有する装置を得る工程と;
バレルの第1の端部を、流体試料採取装置の一部と係合する工程と;
流体試料を流体試料採取装置からバレルに移送する工程と;
流体試料採取装置とバレルとの組み合わせは、さらなる支持なしで液体試料分析器に取り付けられるように、バレルの第2の端部を、液体試料分析器と係合する工程と;
流体試料を、試料プローブを用いてバレルから液体試料分析器に移送する工程と
を含む、前記方法。
【請求項21】
第1の端部を係合する工程は、バレルを流体試料採取装置に連動係合するように、バレルの第1の端部を流体試料採取装置の一部に螺合することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
バレルの第1の端部は、雄型ルアーコネクタであるバレル連結部を有し、流体試料採取装置の一部は雌型ルアーコネクタを有し、第1の端部を係合する工程は、バレルの雄型ルアーコネクタを流体試料採取装置の雌型ルアーコネクタと係合することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
バレルの第2の端部は、雄型ルアーコネクタである管状部を有し、第2の端部を係合する工程は、液体試料分析器の試料投入ポート内にバレルの雄型ルアーコネクタを係合することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
第1の端部を係合し、第2の端部を係合する工程は、流体試料採取装置およびバレルを試料プローブと軸方向に位置合わせすることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
装置は、さらに、バレルの第2の端部に隣接してバレルに固定された気体透過性液体不透過性膜を含み、バレルから流体試料を移送する工程は、試料プローブを気体透過性液体不透過性膜からバレルの内部チャンバに通すことをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
内部チャンバ内に配置され、内部チャンバの入口側および出口側を画成し、気体透過性液体不透過性膜を有するフィルタ部材に、流体試料を接触させる工程と;
流体試料の気体部分の少なくとも一部がフィルタ部材を横切って内部チャンバの入口側から出口側へと通過し、流体試料の液体部分が入口側から出口側に通過するのは防止するように、流体試料を気体透過性液体不透過性膜に接触させることによって、流体試料の気体部分の少なくとも一部を流体試料の液体部分から分離する工程と;
流体試料の液体部分の少なくとも一部を内部チャンバの入口側から採取する工程と
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
バレルから流体試料を移送する工程は、試料プローブを気体透過性液体不透過性膜からバレルの内部チャンバの入口側に通すことをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2022年6月29日出願の米国仮出願第63/367,239号;2021年9月16日出願の米国仮出願第63/244,987号;および2021年8月12日出願の米国仮出願第63/232,365号の利益を主張するものである。上記で参照した特許出願の全内容は、参照によって明示的に本明細書に組み入れる。
【背景技術】
【0002】
採血は、患者の生理学的および生化学的状態を判断するために、病院および研究所環境で典型的に使用される一般的な健康管理処置である。採血は、多種多様な疾患が疑われる患者の診断および治療に必須である。血液試料は、血液成分、例えば血漿、赤血球、白血球および血小板の臨床的に重要な変動、または血液ガス状態などの他の特性を検出するために、血液分析器などの流体検査デバイスによって分析される。血液ガス状態に関する血液試料の分析は、血液中の酸素および二酸化炭素の量に関する情報を提供し、血液試料のpHを測定するために使用することもできる。血液試料の酸素、二酸化炭素、またはpHレベルの不均衡は、特定の病的状態または疾患の進行段階を示す場合がある。
【0003】
血液試料は典型的には、皮下注射針を有する採血シリンジ、またはニードルアセンブリに連結された真空チューブを用いて採取される。しかしながら、採血シリンジは、シリンジ内に空気または他のガスの気泡を有する傾向がある。シリンジのバレルおよび先端の気泡は、血液試料の分析を妨げることがある。血液ガス分析に関しては、シリンジ内に閉じ込められた気泡が血液分析器に誤った結果をもたらすことがある。正確な結果を得るには、血液試料を十分に混合する必要があるが、空気はすべて混合前に排出しなければならない。気泡は典型的には、シリンジの側面を軽くたたいて空気またはガスをシリンジの上部に押し出すことによって排出される。気泡がシリンジの上部に達したら、ガーゼまたはティッシュを一枚上からかぶせ、気体(およびいくらかの血液)をシリンジから押し出す。この方法では、血液試料がシリンジ上部から自由に流出するため、バイオハザードの危険性があるだけでなく、シリンジの先端が周囲空気に露出したままであるため、暴露の危険性もある。このように採取された血液試料を分析する血液分析器は、誤った結果を出す危険性がある。
【0004】
さらに、血液分析器は、シリンジまたは真空チューブを介した直接の試料投入を許容していないことが多い。この場合、シリンジおよび/または真空チューブは単なる血液試料の中間容器であり、血液試料の少なくとも一部分を取り出して、血液分析器によって収容可能な二次試料容器に移送しなければならない。血液試料の二次試料容器への移送は、それ自体に暴露の危険性があり、誤った結果を得る可能性が高くなる。
【0005】
二次試料容器はしばしばオープンエンド型(すなわち、雄型継ぎ手がない)であるため、分析器と「ハンズフリー」での使用には適合していない。すなわち、先行技術のシステムでは、分析器で使用する間、使用者はシリンジを保持しなければならない(すなわち、ハンズフリーではない)か、またはシリンジは適合せず、アダプタをハンズフリーで分析器に取り付けて使用することもできない。多くのシリンジアタッチメント(例えば、アダプタ)が存在し、血液ガス分析器と適合性がある。しかし、これらのシリンジアタッチメントは、「ハンズフリー」で血液分析器に連結も取り付けもできず、操作者は分析器の前に留まり、試料の採取中はシリンジを保持しなければならない。先行技術のシステムにおいて、操作者がハンズフリーで血液ガス分析器を使用したい場合、分析器の使用中にシリンジを分析器に(アダプタなしで)直接取り付ける前に、アダプタをシリンジから取り外さなければならない。この対処は、気泡除去アダプタでは十分であるが、血栓キャッチャ(clot catcher)アダプタを使用する場合、アダプタを取り外すとデバイスの利点が失われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
流体試料からの気泡除去を有効にする装置および方法が必要とされている。別の態様では、血液採取デバイスの血液ガス分析器へのハンズフリー連結を有効にする装置および方法が必要とされている。本明細書で開示され特許請求される発明概念は、このような装置および方法に係るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で開示され特許請求される発明概念は、一般に、液体部分および気体部分を有する流体試料から気泡を除去するための装置に関する。この装置は、バレルとフィルタ部材とを備えている。バレルは、第1の端部、第2の端部、側壁、および内面を備えている。側壁は、バレルの第1の端部と第2の端部との間に延び、バレルの内面は内部チャンバを画成する。バレルの第1の端部は入口開口部を有し、第2の端部は出口開口部を有する。フィルタ部材が内部チャンバの入口側および出口側を画成するように、フィルタ部材は内部チャンバ内に配置される。フィルタ部材は、フィルタ部材の第1の端部と第2の端部との間に位置する。フィルタ部材は、流体試料の気体部分の少なくとも一部が、フィルタ部材を横切って内部チャンバの入口側から出口側まで通過することを可能にするように、少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜を有する。流体試料の液体部分から気体部分の少なくとも一部を分離するために、少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜は、流体試料が入口開口部から内部チャンバに入るときに、流体試料の液体部分が入口側から出口側に通過するのを防止するためのフィルタ部材を横切る流体密シールを設ける。プローブはフィルタ部材を通って出口側から入口側まで通され、流体試料の液体部分を内部チャンバの入口側から引き出すように、フィルタ部材は穿孔可能である。
【0008】
別の態様では、本明細書で開示され特許請求される発明概念は、一般に、流体試料を流体試料採取装置から液体試料分析器に移送するための装置に関する。装置は、第1の端部、第2の端部、第1の端部と第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを備えている。第1の端部は入口開口部を有し、第2の端部は出口開口部を有する。バレルの第1の端部は、流体試料採取装置の一部と係合可能なバレル連結部を有する。
【0009】
別の態様では、本明細書で開示され特許請求される発明概念は、一般に、液体部分および気体部分を有する流体試料を流体試料採取装置から試料プローブを有する液体試料分析器に移送する方法に関する。この方法は、入口開口部を有する第1の端部、出口開口部を有する第2の端部、第1の端部と第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを有する装置を得ることを含む。バレルの第1の端部は、流体試料採取装置の一部と係合される。流体試料は、流体試料採取装置からバレルに移送される。バレルの第2の端部は、液体試料分析器と係合される。流体試料は、試料プローブを用いてバレルから液体試料分析器に移送される。
【0010】
本明細書に開示された発明概念の製造および使用において関連技術分野における通常の当業者を支援するために、添付の図面および図解を参照する。これらの図面は、縮尺通りに描かれることを意図しておらず、一貫性のために、同じ参照数字は同一または類似の要素を指し示すことを意図している。明瞭さのために、すべての図面にすべての構成要素が標識付けされているわけではない。図の特定の構成および特定の視点は、明瞭さおよび簡潔さの点から、誇張して、縮尺通りではなく、または模式的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】試料受容アセンブリに連結して示された、本明細書に開示された発明概念による気泡除去用の装置の例示的実施形態の側面斜視図である。
【
図2A】流体試料から気泡を除去する前のフィルタ部材およびプランジャアセンブリの位置を示す、採取シリンジに連結された
図1の装置の長手方向断面図である。
【
図2B】流体試料から気泡を除去した後のフィルタ部材およびプランジャアセンブリの位置を示す、採取シリンジに連結された
図1の装置の長手方向断面図である。
【
図2C】採取シリンジに連結された
図1の装置の長手方向断面図であり、流体試料から気泡を除去した後の装置内へのプローブの挿入を示す。
【
図3A】流体試料から気泡を除去する前のフィルタ部材の位置を示す、
図1の装置の長手方向断面図である。
【
図3B】流体試料から気泡を除去した後のフィルタ部材の位置を示す、
図1の装置の長手方向断面図である。
【
図3C】
図1の装置の長手方向断面図であり、流体試料から気泡を除去した後の装置内へのプローブの挿入を示す。
【
図4B】
図4Aの線4B-4Bに沿ってとられた断面図である。
【
図6A】本明細書に開示される発明概念によるフィルタ部材の例示的実施形態の斜視図である。
【
図6B】
図6Aの線6B-6Bに沿ってとられた断面図である。
【
図7】本明細書に開示される発明概念によるフィルタ部材の別の実施形態の斜視図である。
【
図8A】本明細書に開示される発明概念によるフィルタ部材の別の実施形態の斜視図である。
【
図8B】
図8Aの線8B-8Bに沿ってとられた断面図である。
【
図9】本明細書に開示される発明概念による装置の別の例示的実施形態の斜視図である。
【
図10A】
図9の線10A-10Aに沿ってとられた断面図である。
【
図10B】
図9の線10B-10Bに沿ってとられた断面図である。
【
図11】採取シリンジに連結して示されている
図9の装置の一部の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な図面、実験、結果、および実験手順によって本発明概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明概念は、以下の説明に記載されるか、または図面、実験、および/もしくは結果に示される構成の詳細および構成要素の配置にその適用が限定されないことを理解されたい。本発明概念は、他の実施形態、または様々な方法で実践もしくは実施することが可能である。本明細書で使用される文言には、可能な限り広い範囲および意味が与えられることが意図され;実施形態は例示的で、網羅的なものではないことが意図される。また、本明細書で使用される言い回しおよび用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0013】
別途定義しない限り、現在開示され特許請求されている発明概念に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。前述の技術および手順は、一般に、本明細書を通じて引用され、議論される様々な一般的な文献およびより具体的な文献に記載されるように、当技術分野で周知の従来の方法に従って実行される。本明細書に記載される分析化学、有機合成化学、および医薬化学に関連して利用される命名法、ならびにそれらの検査室の手順および技術は、当技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。標準的な技術が化学合成および化学分析に使用される。
【0014】
本明細書において開示され、特許請求されるすべての物品、組成物および/または方法は、本開示を考慮すれば、過度の実験を行うことなく作成および実行することができる。本発明概念の物品、組成物および方法は、好ましい実施形態の観点から記載されているが、当業者には、本発明概念の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、それらの物品、組成物および/または方法、ならびに本明細書に記載される方法の工程または工程のシーケンスに変形を加えることができることが明らかであろう。当業者に明らかなそのような類似の代替物および改変はすべて、添付の特許請求の範囲により画成される本発明概念の趣旨、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。
【0015】
本開示の下で利用される場合、以下の用語は、別途明記されない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする:
【0016】
特許請求の範囲および/または明細書において用語「~を含む」と併せて使用される場合、単語「a」または「an」の使用は、「1つ」を意味することができるが、「1つまたはそれ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは複数」の意味とも一致する。
【0017】
特許請求の範囲における用語「または」の使用は、代替物のみを指すように明示的に示されない限り、または代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するように使用されるが、本開示は、代替物のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。
【0018】
本出願を通じて、用語「約」を用いて、値が、デバイス、値を決定するために採用される方法、または試験対象間に存在する誤差の固有の変動を含むことを示す。
【0019】
用語「少なくとも1つ」の使用は、1つだけでなく、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むがこれらに限定されない、複数の任意の量を含むと理解されるであろう。用語「少なくとも1つ」は、それが付加される用語に応じて、100もしくは1000まで、またはそれ以上まで拡張することができ;さらに、100/1000の量は、より高い限界値も満足のいく結果をもたらし得るため、限定的とみなされるものではない。加えて、「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という用語の使用は、Xのみ、Yのみ、およびZのみ、ならびにX、YおよびZの任意の組み合わせを含むと理解されるであろう。
【0020】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「含む(comprising)」(ならびに「comprise」および「comprises」などの含む(comprising)の任意の形態)、「有する(having)」(ならびに「have」および「has」などの有する(having)の任意の形態)、「含む、備える(including)」(ならびに「includes」および「include」などの含む、備える(including)の任意の形態)、または「含有する、含む(containing)」(ならびに「contains」および「contain」などの含有する、含む(containing)の任意の形態)という語は、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法工程を除外するものではない。
【0021】
本明細書で使用される場合、「またはそれらの組み合わせ」という用語は、その用語の前に列挙された項目のすべての順列および組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、またはそれらの組み合わせ」は:A、B、C、AB、AC、BC、またはABC、また特定の文脈において順序が重要である場合はBA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABのうちの少なくとも1つを含むことが意図されている。この例を続けると、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなど、1つまたはそれ以上の項目または用語の繰り返しを含む組み合わせが明示的に含まれる。当業者であれば、特に文脈から明らかな場合を除き、典型的には、どのような組み合わせにおいても項目または用語の数に制限はないことを理解するであろう。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「試料」およびその変形は、例えば、生物学的組織、生物学的流体、化学流体、化学物質、懸濁液、溶液、スラリー、混合物、凝集物、チンキ、スライド、粉末、または生物学的組織もしくは流体の他の調製物、生物学的組織もしくは流体の合成類似物、細菌細胞(原核細胞または真核細胞)、ウイルス、単細胞生物、溶解した生体細胞、固定した生物学的細胞、固定した生物学的組織、細胞培養物、組織培養物、遺伝子組み換えされた細胞および組織、遺伝子組み換えされた生物、ならびにそれらの組み合わせを含むことが意図される。
【0023】
以下の本発明概念の実施形態の詳細な説明では、本発明概念をより完全に理解するために、いくつかの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示内の発明概念は、これらの具体的な詳細がなくても実践されることは、当業者には明らかであろう。他の場合には、周知の機能は、本開示を不必要に複雑にすることを避けるために詳細には記載されていない。
【0024】
最後に、本明細書で使用する場合、「一実施形態」または「ある実施形態」への任意の言及は、実施形態に関連して記述される特定の要素、構成、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の種々の箇所における「一実施形態では」という表現の登場は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0025】
本明細書に記載され、添付の図面に示されるのは、液体試料分析器による分析のために流体試料から空気または他の気体の泡を除去するために、採取シリンジおよび液体試料分析器と関連して使用される、ここで特許請求され、開示された発明概念の装置のいくつかの非限定的実施形態である。流体試料は一般に生物学的供給源由来のものである。「流体」とは、一定の形状を持たず、外圧に対して容易に降伏するあらゆる物質を指す。
【0026】
ここで図面、より詳細には
図1~
図5を参照すると、本明細書で開示され特許請求される発明概念に従って構成された、液体試料採取装置から液体試料分析器へ流体試料を移送し、流体試料から気泡を除去するための装置10の例示的実施形態が示されている。装置10は、バレル12と、ノズルキャップ14と、フィルタ部材16とを備えている。
【0027】
バレル12は、第1の端部18、第2の端部20、側壁22、および内面24を備えている。バレル12は、任意の好適なサイズおよび形状であり、任意の好適な材料、例えば、限定されないが、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、およびポリウレタンなどのプラスチック、または医療グレードのポリマーで形成される。バレル12の側壁22は、バレル12の第1の端部18と第2の端部20との間に延びている。バレル12の内面24は、内部チャンバ26を画成する。第1の端部18は入口開口部28を有し、第2の端部20は出口開口部30を有する。
【0028】
内部チャンバ26は、流体試料32を収容する任意の好適なサイズおよび形状であってよい。流体試料32は、例えば、血液、血清、血漿、または他の体液であってもよい。流体試料32は、気体部分と液体部分とを含むことができる。流体試料32の気体部分は、例えば、空気または他の気体であってよい。気体部分の一部は、流体試料中に気泡を形成することがある。
【0029】
入口開口部28および出口開口部30は、円形、楕円形、方形、または矩形を含むがこれらに限定されない、任意の好適な幾何形状の断面を有することができる。入口開口部28および出口開口部30は、バレル12に成形または切削加工されるか、さもなければ前もって作製される。入口開口部28は、流体試料32が入口開口部28を介して内部チャンバ26へと通されるときに血栓を捕捉することによって凝固を防止するように形成される。
【0030】
出口開口部30にはノズルキャップ14を備えることができる。ノズルキャップ14は、環状壁36と、それを貫通して延びるボア40を有する管状部38とを備えている。管状部38は、流体分析器68(
図1)の一部と摩擦係合するための雄型ルアーの形態であってもよい。液体試料分析器68は、管状部38および試料プローブ72(
図2Cおよび
図3C)を摩擦によって受け入れるための試料投入ポート70を備えている。試料プローブ72は、試料投入ポート70に対して軸方向に摺動可能であってもよい。ボア40は、円形、楕円形、方形、または矩形を含むがこれらに限定されない、任意の好適な幾何形状の断面を有することができる。ボア40は、試料プローブを軸方向に摺動可能に受けるように適用された直径を有するようにサイズ決めされる。管状部38の基部は外側に広がり、リム42で環状壁36と合流し、環状壁36は下方にテーパして逆円錐台形断面を形成する。ノズルキャップ14は、ボア40が出口開口部30と位置合わせされて内部チャンバ26との流体連通を可能にするように、出口開口部30に解放可能に連結される。
【0031】
フィルタ部材16は、フィルタ部材16が内部チャンバ26の入口側44および出口側46を画成するように内部チャンバ26内に配置される。フィルタ部材16は、バレル12の第1の端部18と第2の端部20との間に位置し得る。フィルタ部材16は、少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜48を備えている。フィルタ部材16は、バレル12の内面24に封止可能に係合する任意の好適な形状およびサイズであってよい。フィルタ部材16は、限定されないが、ゴム、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、またはポリエステル系樹脂などの任意の好適な材料で形成される。エラストマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、またはそれらの混合物を挙げることができる。
【0032】
次に
図6Aおよび
図6Bを参照すると、フィルタ部材16の例示的実施形態の斜視図および断面図がそれぞれ示されている。フィルタ部材16は、第1の端部52と、第2の端部54と、第1の端部52から第2の端部54まで延びる側壁56とを有する本体50を含む。本体50の側壁56は、本体50の第1の端部52から第2の端部54まで通って延びる通路58を画成する。本体50の側壁56は、バレル12の内面24と摺動可能に封止接触して半径方向外側に延びる少なくとも2つの環状突出部60を有することができる。
図6Aおよび
図6Bに示すように、本体50は、互いから離間された2つの環状突出部60を有することができる。環状突出部60は、凸状または凹状の構成を備えることができる。
【0033】
フィルタ部材16は、通路58全体にわたって延びる気体透過性液体不透過性膜48をさらに備える。一実施形態では、気体透過性液体不透過性膜48は、
図6Bに示すように、本体50の第2の端部54に隣接して本体50に固定されている。
【0034】
次に
図7を参照すると、本明細書に開示され特許請求される発明概念に従って構成されたフィルタ部材16aの別の実施形態の斜視図が示されている。前述の実施形態と同様に、フィルタ部材16aは、第1の端部52aと、第2の端部54aと、第1の端部52aから第2の端部54aまで延びる側壁56aとを有する本体50aを含む。本体50aの側壁56aは、本体50aの第1の端部52aから第2の端部54aまで通って延びる通路58a(図示せず)を画成する。前述の実施形態の
図6Aおよび
図6Bのように、本体50aは、バレル12の内面24と摺動可能に封止接触して半径方向外側に延びる少なくとも2つの環状突出部60bを有することができる。
図7に示すように、本体50aは、互いから離間された3つの環状突出部60aを有することができる。フィルタ部材16aは、通路58a全体にわたって延びる気体透過性液体不透過性膜48をさらに備える。この実施形態では、気体透過性液体不透過性膜48は、本体の第2の端部54aに隣接して本体50aに固定されている。
【0035】
次に
図8Aおよび
図8Bを参照すると、フィルタ部材16bの別の実施形態の斜視図および断面図がそれぞれ示されている。フィルタ部材16bは、第1の端部52bと、第2の端部54bと、第1の端部52bから第2の端部54bまで延びる側壁56bとを有する本体50bを含む。前述の実施形態と同様に、本体50bは、バレル12の内面24と摺動可能に封止接触して半径方向外側に延びる少なくとも2つの環状突出部60bを有することができる。本体50bの側壁56bは、本体50bの第1の端部52bから第2の端部54bまで通って延びる複数の通路58bを画成する。その実施形態では、複数の通路58bは、
図8Bに示されるように、互いに平行な関係にあってもよい。さらに、フィルタ部材16bは、複数の気体透過性液体不透過性膜48bを備えることができ、気体透過性液体不透過性膜48bのうちの少なくとも1つは、本体50bの複数の通路58bの各々を横切って延びている。フィルタ部材16bは、
図8Bに示すように、固体微粒子が複数の気体透過性液体不透過性膜48bに接触するのを防止するために、本体50bの第1の端部52bと複数の気体透過性液体不透過性膜48bの各々との間に位置する複数の多孔性フィルタ材料62をさらに備えることができる。
【0036】
少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜48は、限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、およびこれらのいずれかを含む組み合わせなどの任意の好適な材料から形成される。一実施形態では、気体透過性液体不透過性膜48は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む材料から形成される。少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜48は、機械的な力が印加されたときに穿刺を可能にするのに適した厚さを有することができる。少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜48は、気泡を形成する流体試料32の気体部分の少なくとも一部が、フィルタ部材16を通って内部チャンバ26の入口側44から出口側46まで通過することを可能にすることができる。少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜48はさらに、流体試料32の液体部分から気体部分の少なくとも一部を分離するために、流体試料32が入口開口部28を通って内部チャンバ26に入るときに、流体試料32の液体部分が入口側44から出口側46に通過するのを防止するために、フィルタ部材16を横切る流体密シールを設ける。試料プローブ72はフィルタ部材16を出口側46から入口側44まで通され、流体試料32の液体部分を内部チャンバ26の入口側44から引き出すように、フィルタ部材16は穿孔可能である。
【0037】
図1に示すように、装置10は、採取シリンジ66から液体試料分析器68に流体試料を移送し、液体部分および気体部分を有する流体試料32から気泡を除去するために、採取シリンジ66および液体試料分析器68のような流体試料採取装置と併せて使用することができる。
図1は、採取シリンジ66および液体試料分析器68を伴う装置10が示されているが、当業者であれば、装置10が、例えば真空チューブなどの採取シリンジ66以外の採取デバイス、および液体試料分析器68以外の医療デバイスに独立して関連することを理解し、認識するであろう。液体試料分析器68は、限定しないが、マイクロ流体デバイス、血液ガス分析器、血液分析器、尿化学分析器などの任意の好適な流体検査デバイスであってよい。
【0038】
液体試料分析器68は、試料投入ポート70および試料プローブ72(
図2Cおよび
図3C)を備えている。試料投入ポート70は、
図1に示すように、ノズルキャップ14の少なくとも一部を摩擦受容して取り外し可能に固定し、使用者が装置10を保持することなく、装置10内の流体試料が試料プローブ72を介して液体試料分析器68に引き出されるように、液体試料分析器68の「ハンズフリー」操作を可能にするようにサイズ決めされる(例えば、雌型ルアー)。
【0039】
試料プローブ72は、
図2Cおよび
図3Cに示すように、内部チャンバ26の出口側46から入口側44までフィルタ部材16を通過するように延びて、内部チャンバ26の入口側44から液体試料分析器68内に流体試料32の少なくとも一部を引き出すことができる。試料プローブ72は、内部チャンバ26の入口側44からの試料採取に適合する長さであってもよい。
【0040】
採取シリンジ66は、前端部76、後端部78およびプランジャ80を有するシリンジ本体74を備えている。シリンジ本体74は、流体試料32が中に含まれ、シリンジ本体74の前端部76に位置する投薬開口部84を介して後に排出されるリザーバ82を画成する。シリンジ本体74の後端部78は、流体試料32の採取および排出を容易にするために、開口しており、本体フランジ85を備えることができる。シリンジ本体74は、例えば円筒形など、流体試料の採取に適した任意のサイズまたは形状であることができる。シリンジ本体74は、投薬開口部84を取り囲むように円筒形内に投薬開口部84と同心円状に形成されたカラー77も備えることができる。カラー77は、ねじ係合部79が装置10に係合するために形成された内周面を備えることができる。シリンジ本体74は、ガラスまたはプラスチックなどの任意の好適な材料で構成することができる。シリンジ本体74は、装置10の第1の端部18内を同軸で摺動するように適用された外径を有することができる。
【0041】
プランジャ80は、流体試料32の採取および排出を容易にするために、一端がプランジャフランジ88で終端しているシャフト86を備えることができる。シャフト86は、例えば、円筒形または円柱形を有することができ、方形、五角形、六角形、または十字形などの多角形の断面を有することができる。プランジャ80は、プランジャフランジ88の反対側でシャフト86に固定されたプランジャシール90をさらに備えることができる。プランジャ80は、シリンジ本体74内に取り外し可能に配置され、リザーバ82内で選択的に可動であってもよい。プランジャシール90は、液体試料32がプランジャシール90を越えて移動しないように、リザーバ82内に位置しているときにプランジャシール90が流体密シールを作成できる直径を有する。さらに、プランジャシール90は、周囲空気がシリンジ本体74の後端部78からプランジャシール90を通過する方向に移動するのを防止する。プランジャ80は、シリンジ本体74に対して軸方向に変位することができる。シリンジ本体74の後端部78から前端部76へのプランジャ80の動きにより、流体試料32の少なくとも一部がリザーバ82から排出され、投薬開口部84を介して装置10の入口開口部28に導かれる。プランジャ80は、当技術分野で公知の任意の好適な高分子材料で構成することができる。
【0042】
液体部分から流体試料32の気体部分(すなわち、気泡)を除去するために、
図2Aに示すように、リザーバ82内の流体試料32の体積を収容する採取シリンジ66が、バレル12の第1の端部18に解放可能に取り付けられている。
図2A~
図2Cに示すように、シリンジ本体74の前端部76は、ねじ係合部79を介して装置10に連動係合される。
【0043】
図4Aおよび
図4Bに示すように、バレル12は、バレル連結部94を備えることができる。一実施形態では、シリンジ本体74のねじ係合部79は雄型ルアー連結であり、バレル連結部94は、例示的な一実施形態では、バレル12の外側から半径方向に延び、シリンジ本体74のねじ係合部79に対応するねじピッチ、サイズおよび幾何形状を有するねじラグの対95を備えた雌型ルアーコネクタである。
図2A~
図2Cに示すように、ねじ係合部79は、採取シリンジ66と装置10との間の有意な相対的な動きが防止されるようにバレル連結部94に連動係合して、使用者が採取シリンジ66または装置10を保持することなく、採取シリンジ66内からの流体試料が装置10を介して液体試料分析器に引き出されるように液体試料分析器の「ハンズフリー」操作を可能にすることができる。装置10と採取シリンジ66との間には、ルアースリップ連結のような他の適切なコネクタを利用してもよいことが理解されよう。バレル12の第1の端部18は、雌型ルアー96を備えることができる(
図3Aおよび
図5)。
【0044】
使用時、採取シリンジ66および装置10は、装置10が採取シリンジ66の上方にある直立姿勢で配置され、流体試料中の気泡は流体試料の上部に上昇する。採取シリンジ66のプランジャ80は、
図2Aに示すように、シリンジ本体74の後端部78から前端部76に向かってリザーバ82に沿ってある距離だけ軸方向に変位する。リザーバ82内でのプランジャ80の動きにより、流体試料32の気体部分(すなわち、気泡)の少なくとも一部がリザーバ82から排出され、フィルタ部材16を通過して、入口開口部28を介して装置10の内部チャンバ26内に入る。流体試料32の気体部分は、フィルタ部材16を通過し、その後、最終的に装置10の内部チャンバ26から排出される。ひとたび流体試料32の気体部分の少なくとも一部がリザーバ82から変位すると、プランジャ80は初期抵抗力を受ける。
【0045】
初期抵抗力に打ち勝つのに十分な力が印加されたとき、プランジャ80は、
図2Bに示すようにシリンジ本体74の前端部76に向かってリザーバ82内をさらに前進し、それによってリザーバ82の内圧が上昇する。リザーバ82の内圧が上昇すると、流体試料32の液体部分の少なくとも一部がリザーバ82から排出され、入口開口部28を介してバレル12の内部チャンバ26に入るのに十分な力が生じる。内部チャンバ26に入る流体試料32は、
図2Bおよび
図3Bに示すように、フィルタ部材16を内部チャンバ26に沿ってバレル12の第2の端部20に向かって軸方向に変位させることができる。フィルタ部材16は、出口開口部30に隣接して配置されるように変位することができる。この配置により、周囲空気が内部チャンバ26に入るのを防止し、流体試料32が出口開口部30を通って内部チャンバ26から出るのを防止する。いくつかの実施形態では、流体試料32の全部よりも少ない量がリザーバ82から内部チャンバ26内に移送されるように、プランジャ80は部分的にリザーバ82内に延びる。
【0046】
流体試料32の液体部分がリザーバ82から排出され、装置10の内部チャンバ26内に収容されると、液体試料分析器68の試料プローブ72は、
図2Cおよび
図3Cに示すように、試料投入ポート70から延び、フィルタ部材16を通り、内部チャンバ26の入口側44から流体試料32の液体部分を引き出すことができる。一実施形態では、試料プローブ72は、フィルタ部材16の気体透過性液体不透過性膜48を穿孔して、内部チャンバ26の入口側44への流体アクセスを得る。
【0047】
使用者が装置10を試料投入ポート70に最初に挿入した後、流体試料が液体試料分析器68に引き込まれるとき、さらなる支援は必要とされない。連結された要素を適切なアライメントで一緒に保持するための追加の支持構造なしで、ハンズフリー操作を行うことができるように、採取シリンジ66、装置10および液体試料分析器68間の連結は、重力によって下に傾いたり、または連結された要素の組み合わせに過度の応力が加わったりしないように十分な剛性を有する。非限定的な一実施形態では、
図1および
図2Cに示すように、採取シリンジ66、装置10および液体試料分析器68間の連結は、採取シリンジ66および装置10を液体試料分析器68の試料プローブ72と軸方向に位置合わせした関係で支持するのに十分な剛性を有する。そのため、使用者は液体試料分析器68の前に留まる必要がなく、また装置10内の流体試料が試料プローブ72により液体試料分析器68に引き込まれる間、装置10および/または採取シリンジ66を保持する必要がない。
【0048】
ここで
図9~
図11を参照すると、本明細書で開示され特許請求される発明概念に従って構成された装置100の別の例示的実施形態が示されている。装置100は、後述すること以外は、上述した装置10と同様である。装置100は、バレル112と、ノズルキャップ114とを備えている。装置100は、フィルタ部材16なしで示されているが、これは任意である。
【0049】
バレル112は、第1の端部118と、第2の端部120と、側壁122と、内面124とを備えている。バレル112は、任意の好適なサイズおよび形状であり、任意の好適な材料、例えば、限定されないが、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、およびポリウレタンなどのプラスチック、または医療グレードのポリマーで形成される。バレル112の側壁122は、バレル112の第1の端部118と第2の端部120との間に延びている。バレル112の内面124は、内部チャンバ126を画成する。第1の端部118は入口開口部128を有し、第2の端部120は出口開口部130を有する。
【0050】
内部チャンバ126は、流体試料32(例えば、
図2A~
図2Cに示す流体試料)を収容する任意の好適なサイズおよび形状であってよい。流体試料は、例えば、血液、血清、血漿、または他の体液であってもよい。流体試料は、気体部分と液体部分とを含むことができる。流体試料の気体部分は、例えば、空気または他の気体であってよい。気体部分の一部は、流体試料中に気泡を形成することがある。
【0051】
入口開口部128および出口開口部130は、円形、楕円形、方形、または矩形を含むがこれらに限定されない、任意の好適な幾何形状の断面を有することができる。入口開口部128および出口開口部130は、バレル112に成形または切削加工されるか、さもなければ前もって作製される。入口開口部128は、流体試料32が入口開口部128を介して内部チャンバ126へと通されるときに血栓を捕捉することによって凝固を防止するように形成される。
【0052】
出口開口部130はノズルキャップ114を備えることができる。ノズルキャップ114は、キャップ部分136と、それを貫通して延びるボア140を有する管状部138とを備えている。管状部138は、使用者が装置100を保持することなく、装置100内の流体試料が液体試料分析器68に引き込まれるように、液体試料分析器68の「ハンズフリー」操作を可能にするように、液体試料分析器68の試料投入ポート70(
図1)と摩擦係合する雄型ルアーの形態であることができる。
【0053】
ボア140は、円形、楕円形、方形、または矩形を含むがこれらに限定されない、任意の好適な幾何形状の断面を有することができる。ボア140は、試料プローブ72を軸方向に摺動可能に受けるように適用された直径を有するようにサイズ決めされる。管状部138の基部は外側に広がり、キャップ部分136と合流する。ノズルキャップ114は、ボア140が出口開口部130と位置合わせされて内部チャンバ126との流体連通を可能にするように、適切にバレル112の第2の端部に連結される。
【0054】
気体透過性液体不透過性膜149(
図10A)は、バレル112の第2の端部120に隣接してバレル112に固定され、出口開口部130を横切る流体密シールを設け、流体試料の液体部分が内部チャンバ126から出口開口部130に通過するのを防止する。試料プローブ72は気体透過性液体不透過性膜149を通り、内部チャンバ126から流体試料の液体部分を引き出すことができるように、気体透過性液体不透過性膜149は穿孔可能である。
【0055】
気体透過性液体不透過性膜149は、限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、およびこれらのいずれかを含む組み合わせなどの任意の好適な材料から形成される。一実施形態では、気体透過性液体不透過性膜149は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む材料から形成される。気体透過性液体不透過性膜149は、機械的な力が印加されたときに穿刺を可能にするのに適した厚さを有することができる。
【0056】
装置10と同様に、装置100は、採取シリンジ66および液体試料分析器68と併せて使用することができる。
【0057】
採取シリンジ66と装置100との間の流体連通を確立するために、リザーバ82内の流体試料の体積を含む採取シリンジ66は、バレル112の第1の端部118と連動係合することができる。
図11に示すように、シリンジ本体74の前端部76は、ねじ係合部79を介して装置100と連動係合される。
図9および
図10Bに示すように、バレル112は、バレル連結部194を備えることができる。一実施形態では、シリンジ本体74のねじ係合部79は雄型ルアーコネクタであり、バレル連結部194は、例示的な一実施形態では、バレル112の外側から半径方向に延び、シリンジ本体74のねじ係合部79に対応するねじピッチ、サイズおよび幾何形状を有するねじラグの対195を備えた雌型ルアーコネクタである。
図11に示すように、ねじ係合部79は、採取シリンジ66と装置100との間の有意な相対的な動きが防止されるようにバレル連結部194に連動係合して、使用者が採取シリンジ66または装置100を保持することなく、採取シリンジ66内からの流体試料が装置100を介して液体試料分析器68に引き込まれるように液体試料分析器68の「ハンズフリー」操作を可能にすることができる。装置100と採取シリンジ66との間には、ルアースリップ連結のような他の適切なコネクタを利用してもよいことが理解されるであろう。バレル112の第1の端部118は、雌型ルアー196を備えることができる(
図10A)。
【0058】
使用時、採取シリンジ66は、装置100と連動係合し、両者は、装置100が採取シリンジ66の上方にある直立配向で配置される。装置100がフィルタ部材16を備えていない場合、使用者は、上述した従来の方法で流体試料から気泡を除去してもよい。採取シリンジ66のプランジャ80は、シリンジ本体74の後端部78から前端部76に向かってリザーバ82に沿ってある距離だけ軸方向に変位する。リザーバ82内でのプランジャ80の動きにより、流体試料の少なくとも一部がリザーバ82から排出され、入口開口部128を介して装置100の内部チャンバ126内に入る。流体試料の気体部分はすべて気体透過性液体不透過性膜149を通過する。
【0059】
流体試料の液体部分がリザーバ82から排出され、装置100の内部チャンバ126内に収容されると、装置100は、採取シリンジ66が装置100と係合した状態で、液体試料分析器68と係合される。次に、液体試料分析器68の試料プローブ72(
図3C)を試料投入ポート70から延ばし、気体透過性液体不透過性膜149を通過させて、使用者が採取シリンジ66または装置100を保持することなく、「ハンズフリー」で内部チャンバ126から流体試料の液体部分を引き出すことができる。
【0060】
使用者が装置100を試料投入ポート70に最初に挿入した後、流体試料が液体試料分析器68に引き込まれるとき、さらなる支援は必要とされない。連結された要素を適切なアライメントで一緒に保持するための追加の支持構造なしで、ハンズフリー操作を行うことができるように、採取シリンジ66、装置100および液体試料分析器68間の連結は、重力によって下に傾いたり、または連結された要素の組み合わせに過度の応力が加わったりしないように十分な剛性を有する。装置10に関連する
図2Cに示すものと同様に、採取シリンジ66、装置100および液体試料分析器68間の連結は、採取シリンジ66および装置100を液体試料分析器68の試料プローブ72と軸方向に位置合わせした関係で支持するのに十分な剛性を有する。そのため、使用者は液体試料分析器68の前に留まる必要がなく、装置100内の液体試料が試料プローブ72により液体試料分析器68に引き込まれる間、装置100および/または採取シリンジ66を保持する必要がない。
【0061】
上記の説明から、本明細書に開示される発明概念は、本明細書に開示される発明概念に固有のものと同様に、本明細書に記載される目的を実施し、その利点を達成するために十分に適合されることが明らかである。本明細書に開示された発明概念の例示的実施形態が、本開示の目的のために記載されたが、当業者に容易に示唆され、本明細書に開示され、添付の特許請求の範囲によって定義される発明概念の範囲から逸脱することなく達成される多数の変更がなされることが理解されるであろう。
【0062】
以下は、本明細書に開示された発明概念の非限定的な例示的実施形態のリストである。
【0063】
例示的実施形態1。液体部分および気体部分を有する流体試料を流体試料採取装置から液体試料分析器に移送するための例示的装置であって:
入口開口部を有する第1の端部、出口開口部を有する第2の端部、第1の端部と第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを含み、
バレルの第1の端部は、流体試料採取装置の一部と係合可能なバレル連結部を有し、
バレルの第2の端部は、液体試料分析器と係合するように構成された管状部を有するため、流体試料採取装置とバレルとの組み合わせは、さらなる支持なしで液体試料分析器に取り付け可能である、例示的装置。
【0064】
例示的実施形態2。バレル連結部は、流体試料採取装置と連動係合可能であるようにバレルの側壁から半径方向外側に延びる少なくとも1つのねじラグを含む、例示的実施形態1に記載の例示的装置。
【0065】
例示的実施形態3。バレル連結部は、バレルの側壁から半径方向外側に延びるねじラグの対を含む、例示的実施形態1または2に記載の例示的装置。
【0066】
例示的実施形態4。バレル連結部は、雌型ルアーコネクタである、例示的実施形態1~3のいずれか1つに記載の例示的装置。
【0067】
例示的実施形態5。バレルの管状部は、液体試料分析器と係合するように構成された雄型ルアーコネクタである、例示的実施形態1~4のいずれか1つに記載の例示的装置。
【0068】
例示的実施形態6。バレルの第2の端部に隣接してバレルに固定された気体透過性液体不透過性膜をさらに含み、気体透過性液体不透過性膜は、試料プローブが気体透過性液体不透過性膜を通って内部チャンバに入るように構成されるように穿孔可能である、例示的実施形態1~5のいずれか1つに記載の例示的装置。
【0069】
例示的実施形態7。気体透過性液体不透過性膜は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む材料から形成される、例示的実施形態1~6のいずれか1つに記載の例示的装置。
【0070】
例示的実施形態8。内部チャンバの入口側および出口側を画成し、バレルの第1の端部と第2の端部との間に配置可能であるように内部チャンバ内に配置されるフィルタ部材であって、流体試料の液体部分から気体部分の少なくとも一部を分離するために、流体試料の気体部分の少なくとも一部は内部チャンバの入口側から出口側へとフィルタ部材を通過できるようにし、流体試料が入口開口部から内部チャンバ内に入るときには、流体試料の液体部分が入口側から出口側に通過するのを防止するためのフィルタ部材を横切る流体密シールを設けるように少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜を有するフィルタ部材をさらに含み、
プローブはフィルタ部材を通って出口側から入口側まで通され、流体試料の液体部分を内部チャンバの入口側から引き出すように、フィルタ部材は穿孔可能である、例示的実施形態1~7のいずれか1つに記載の例示的装置。
【0071】
例示的実施形態9。フィルタ部材はバレルの内部チャンバ内に摺動可能に配置される、例示的実施形態1~8のいずれか1つに記載の例示的装置。
【0072】
例示的実施形態10。試料プローブを有する液体試料分析器および流体試料採取装置と組み合わせて流体試料を移送するための例示的装置であって:
入口開口部を有する第1の端部、液体試料分析器と係合されており出口開口部を有する第2の端部、第1の端部と第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを含み、
バレルは、流体試料採取装置の一部と係合されるバレル連結部を有するため、流体試料採取装置とバレルとの組み合わせは、さらなる支持なしで液体試料分析器に取り付けられる、例示的装置。
【0073】
例示的実施形態11。バレル連結部は、流体試料採取装置と連動係合するようにバレルの側壁から半径方向外側に延びる少なくとも1つのねじラグを含む、例示的実施形態1~10のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0074】
例示的実施形態12。バレル連結部は、バレルの側壁から半径方向外側に延びるねじラグの対を含む、例示的実施形態1~11のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0075】
例示的実施形態13。バレル連結部は、雌型ルアーコネクタである、例示的実施形態1~12のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0076】
例示的実施形態14。バレルの管状部は、液体試料分析器と係合するように構成された雄型ルアーコネクタである、例示的実施形態1~13のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0077】
例示的実施形態15。流体試料採取装置およびバレルの各々は、試料プローブと軸方向に位置合わせされた関係にある、例示的実施形態1~14のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0078】
例示的実施形態16。バレルの第2の端部に隣接してバレルに固定された気体透過性液体不透過性膜をさらに含み、気体透過性液体不透過性膜は、試料プローブが気体透過性液体不透過性膜を通って内部チャンバに入るように穿孔可能である、例示的実施形態1~15のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0079】
例示的実施形態17。気体透過性液体不透過性膜は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む材料から形成される、例示的実施形態1~16のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0080】
例示的実施形態18。内部チャンバの入口側および出口側を画成し、バレルの第1の端部と第2の端部との間に配置可能であるように内部チャンバ内に配置されるフィルタ部材であって、流体試料の液体部分から気体部分の少なくとも一部を分離するために、流体試料の気体部分の少なくとも一部は内部チャンバの入口側から出口側へとフィルタ部材を通過できるようにし、流体試料が入口開口部から内部チャンバ内に入るときには、流体試料の液体部分が入口側から出口側に通過するのを防止するためのフィルタ部材を横切る流体密シールを設けるように少なくとも1つの気体透過性液体不透過性膜を有するフィルタ部材をさらに含み、
試料プローブはバレルの出口開口部を通り、フィルタ部材を通って出口側から入口側まで通され、流体試料の液体部分を内部チャンバの入口側から液体試料分析器内に引き出すように、フィルタ部材は試料プローブによって穿孔可能である、例示的実施形態1~17のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0081】
例示的実施形態19。フィルタ部材はバレルの内部チャンバ内に摺動可能に配置される、例示的実施形態1~18のいずれか1つに記載の例示的組み合わせ。
【0082】
例示的実施形態20。液体部分および気体部分を有する流体試料を流体試料採取装置から、試料プローブを有する液体試料分析器に移送する例示的方法であって:
入口開口部を有する第1の端部、出口開口部を有する第2の端部、第1の端部と第2の端部との間に延びている側壁、および内部チャンバを画成する内面を有するバレルを有する装置を得る工程と;
バレルの第1の端部を、流体試料採取装置の一部と係合する工程と;
流体試料を流体試料採取装置からバレルに移送する工程と;
流体試料採取装置とバレルとの組み合わせは、さらなる支持なしで液体試料分析器に取り付けられるように、バレルの第2の端部を、液体試料分析器に連結する工程と;
流体試料を、試料プローブを用いてバレルから液体試料分析器に移送する工程と
を含む、例示的方法。
【0083】
例示的実施形態21。係合する工程は、流体試料採取装置に連動係合するように、バレルの第1の端部を流体試料採取装置の一部に螺合することをさらに含む、例示的実施形態1~20のいずれか1つに記載の例示的方法。
【0084】
例示的実施形態22。バレルの第1の端部は、雄型ルアーコネクタであるバレル連結部を有し、流体試料採取装置の一部は雌型ルアーコネクタを有し、第1の端部を係合する工程は、バレルの雄型ルアーコネクタを流体試料採取装置の雌型ルアーコネクタと係合することをさらに含む、例示的実施形態1~21のいずれか1つに記載の例示的方法。
【0085】
例示的実施形態23。バレルの第2の端部は、雄型ルアーコネクタである管状部を有し、第2の端部を係合する工程は、液体試料分析器の試料投入ポート内にバレルの雄型ルアーコネクタを係合することを含む、例示的実施形態1~22のいずれか1つに記載の例示的方法。
【0086】
例示的実施形態24。流体試料採取装置およびバレルの各々は、試料プローブと軸方向に位置合わせされた関係にある、例示的実施形態1~23のいずれか1つに記載の例示的方法。
【0087】
例示的実施形態25。装置は、バレルの第2の端部に隣接してバレルに固定された気体透過性液体不透過性膜をさらに含み、バレルから流体試料を移送する工程は、試料プローブを気体透過性液体不透過性膜からバレルの内部チャンバに通すことをさらに含む、例示的実施形態1~24のいずれか1つに記載の例示的方法。
【0088】
例示的実施形態26。内部チャンバ内に配置され、内部チャンバの入口側および出口側を画成し、気体透過性液体不透過性膜を有するフィルタ部材に、流体試料を接触させる工程と;
流体試料の気体部分の少なくとも一部がフィルタ部材を横切って内部チャンバの入口側から出口側へと通過し、流体試料の液体部分が入口側から出口側に通過するのは防止するように、流体試料を気体透過性液体不透過性膜に接触させることによって、流体試料の気体部分の少なくとも一部を流体試料の液体部分から分離する工程と;
流体試料の液体部分の少なくとも一部を内部チャンバの入口側から採取する工程と
を含む、例示的実施形態1~25のいずれか1つに記載の例示的方法。
【0089】
例示的実施形態27。バレルから流体試料を移送する工程は、試料プローブを気体透過性液体不透過性膜からバレルの内部チャンバの入口側に通すことをさらに含む、例示的実施形態1~26のいずれか1つに記載の例示的方法。
【国際調査報告】