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特表2024-5329723層の底部誘電体分離を有するナノシート・デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】3層の底部誘電体分離を有するナノシート・デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240905BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20240905BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01L29/78 301P
H01L29/78 301H
H01L29/78 301G
H01L21/318 C
H01L21/316 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563858
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2022113044
(87)【国際公開番号】W WO2023045633
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】17/449,060
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ、シン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジンギュン
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】リー、チューユン
【テーマコード(参考)】
5F058
5F140
【Fターム(参考)】
5F058BB02
5F058BC11
5F058BD05
5F058BF04
5F140AB01
5F140AB03
5F140BA01
5F140BA03
5F140BA05
5F140BA06
5F140BA07
5F140BA08
5F140BA09
5F140BB05
5F140BC11
5F140BC12
5F140BD04
5F140BD11
5F140BD13
5F140BF05
5F140BF07
5F140BF10
5F140BF42
5F140BG02
5F140BG03
5F140BG04
5F140BG08
5F140BG11
5F140BG12
5F140BG27
5F140BH06
5F140BJ05
5F140BJ06
5F140BJ07
5F140BJ10
5F140BK28
5F140BK29
5F140BK30
5F140CB04
5F140CC02
5F140CE07
(57)【要約】
ナノシート・デバイスは、半導体基板の上の高k誘電体層の第1の部分と、高k誘電体層の第1の部分の上のスペーサ材料と、スペーサ材料の上の高k誘電体層の第2の部分とにより形成される底部誘電体分離を含む。一連の半導体チャネル層が、底部誘電体分離の上で半導体基板に対して垂直方向にスタックされ、金属ゲート・スタックによって分離され、金属ゲート・スタックと垂直に整列される。ソース/ドレイン領域は、半導体チャネル層の両端から横方向に延在し、ソース/ドレイン領域の底面は、半導体基板からソース/ドレイン領域を電気的に分離するために、底部誘電体分離と直接接触している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造体であって、
半導体基板の上に配置された底部誘電体分離であって、前記半導体基板の上の高k誘電体層の第1の部分と、前記高k誘電体層の前記第1の部分の上のスペーサ材料と、前記スペーサ材料の上の前記高k誘電体層の第2の部分とを備える、前記底部誘電体分離と、
前記底部誘電体分離の上で前記半導体基板に対して垂直方向にスタックされた一連の半導体チャネル層であって、金属ゲート・スタックによって分離され、前記金属ゲート・スタックと垂直方向に整列される、前記一連の半導体チャネル層と、
前記半導体チャネル層の両端から横方向に延在するソース/ドレイン領域であって、前記ソース/ドレイン領域の底面は、前記半導体基板から前記ソース/ドレイン領域を電気的に分離するための前記底部誘電体分離と直接接触している、前記ソース/ドレイン領域と
を備える、半導体構造体。
【請求項2】
前記金属ゲート・スタックは、
前記金属ゲート・スタックを包囲するゲート誘電体と、
前記ゲート誘電体の両側に位置する内側スペーサと
をさらに備える、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項3】
前記金属ゲート・スタックの最下部は、前記底部誘電体分離の上にある、
請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項4】
前記半導体構造体は、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックの最上部と、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記部分の下の前記高k誘電体層の第3の部分と
をさらに備え、
前記スペーサ材料の前記部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックおよび前記高k誘電体層の前記第3の部分は、前記一連の半導体チャネル層の一番上の半導体チャネル層の上にある、
請求項2に記載の半導体構造体。
【請求項5】
前記半導体構造体は、前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記部分の間の、前記金属ゲート・スタックの前記最上部の上に配置されたゲート・キャップをさらに備える、請求項4に記載の半導体構造体。
【請求項6】
前記半導体構造体は、前記ソース/ドレイン領域の上に配置され、かつ、前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記部分の側壁に沿って配置された層間誘電体層をさらに備える、請求項4に記載の半導体構造体。
【請求項7】
前記半導体構造体は、前記層間誘電体層を通り前記ソース/ドレイン領域の頂面まで延在するソース/ドレイン接点をさらに備える、請求項6に記載の半導体構造体。
【請求項8】
前記高k誘電体層は、酸化ハフニウム、ハフニウム・シリコン酸化物、ハフニウム・シリコン酸窒化物、酸化ランタン、ランタン・アルミニウム酸化物、酸化ジルコニウム、ジルコニウム・シリコン酸化物、ジルコニウム・シリコン酸窒化物、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム・バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、タンタル酸スカンジウム鉛およびニオブ酸鉛亜鉛からなる群から選択される耐エッチング高k誘電体材料を備える、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項9】
前記スペーサ材料は、シリコン・オキシカーバイド(SiOC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)からなる群から選択される、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項10】
半導体構造体を形成する方法であって、
半導体基板の上に底部誘電体分離を形成することであって、前記底部誘電体分離は、前記半導体基板の上の高k誘電体層の第1の部分と、前記高k誘電体層の前記第1の部分の上のスペーサ材料と、前記スペーサ材料の上の前記高k誘電体層の第2の部分とを備える、前記底部誘電体分離を形成することと、
前記底部誘電体分離の上で前記半導体基板に対して垂直に方向にスタックされる、一連の半導体チャネル層を形成することであって、前記一連の半導体チャネル層は、金属ゲート・スタックによって分離され、前記金属ゲート・スタックと垂直方向に整列される、前記一連の半導体チャネル層を形成することと、
前記一連の半導体チャネル層の両端から横方向に延在するソース/ドレイン領域を形成することであって、前記ソース/ドレイン領域の底面は、前記半導体基板から前記ソース/ドレイン領域を電気的に分離するための前記底部誘電体分離と直接接触する、前記ソース/ドレイン領域を形成することと
を含む方法。
【請求項11】
前記底部誘電体分離を形成することは、
前記半導体基板上にナノシート・スタックを形成することであって、前記ナノシート・スタックは、前記半導体基板の上のナノシート・スタック犠牲層と、犠牲半導体層および前記半導体チャネル層の交互配列とを備える、前記ナノシート・スタックを形成することと、
前記ナノシート・スタックをパターニングしてフィンを形成することと、
ダミー・ゲートを前記フィン上に形成することと、
前記ナノシート・スタックから前記ナノシート・スタック犠牲層を選択的に除去することであって、前記ナノシート・スタック犠牲層を除去することは、前記フィンと前記半導体基板との間に開口を形成する、前記除去することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記開口内および一番上の半導体チャネル層の頂面の上および前記ダミー・ゲートの両側壁に前記高k誘電体層をコンフォーマル堆積することと、
前記高k誘電体層の上および前記開口の空いた最も内側部分内に前記スペーサ材料を堆積させることと、
前記一番上の半導体チャネル層の上に横方向に延在する前記スペーサ材料の部分および前記高k誘電体材料の部分を部分的に除去することと、
前記ダミー・ゲートの側壁に沿った前記スペーサ材料および高k誘電体層の残りの部分をマスクとして用いて、前記フィンの残りの部分が前記スペーサ材料および前記高k誘電体層の前記残りの部分と垂直に整列されるように、前記フィンを横方向にエッチングすることと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記犠牲半導体層の両側に内側スペーサを形成することと、
前記半導体チャネル層から前記ソース/ドレイン領域をエピタキシャル成長させることと、
前記ソース/ドレイン領域の上に配置され、かつ、前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記部分の側壁に沿って配置された層間誘電体層を形成することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記スペーサ材料の内側側壁に沿って延在する、前記半導体基板に対して垂直な前記高k誘電体の部分を除去することと、
前記ダミー・ゲートおよび前記犠牲半導体層の各々を前記金属ゲート・スタックにより置換することと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属ゲート・スタックは、
前記金属ゲート・スタックを包囲するゲート誘電体と、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の部分の間に位置する前記金属ゲート・スタックの頂面の上に配置されたゲート・キャップと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記金属ゲート・スタックの最下部は、前記底部誘電体分離の上にある、
請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックの最上部と、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の各部分の下の前記高k誘電体層の第3の部分とをさらに含み、
前記スペーサ材料の前記部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックおよび前記高k誘電体層の前記第3の部分は、前記半導体チャネル層の前記配列の一番上の半導体チャネル層の上にある、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記層間誘電体層を通り前記ソース/ドレイン領域の頂面まで延在するソース/ドレイン接点を形成することをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記高k誘電体層は、酸化ハフニウム、ハフニウム・シリコン酸化物、ハフニウム・シリコン酸窒化物、酸化ランタン、ランタン・アルミニウム酸化物、酸化ジルコニウム、ジルコニウム・シリコン酸化物、ジルコニウム・シリコン酸窒化物、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム・バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、タンタル酸スカンジウム鉛およびニオブ酸鉛亜鉛からなる群から選択される耐エッチング高誘電率材料を備える、
請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記スペーサ材料は、シリコン・オキシカーバイド(SiOC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)からなる群から選択される、
請求項10に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータ・プログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で動作するとき、請求項10ないし20のいずれかに記載の方法ステップを実行するのに適しているプログラム・コードを備える、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスの分野に関するものであり、特に、ナノシート電界効果トランジスタ・デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代の半導体デバイス製造プロセスでは、電界効果トランジスタ(FET)のように、多数の半導体デバイスが、単一のウェーハ上に製造される。ナノシートFETを含むいくつかの非平面のデバイス・アーキテクチャは、平面デバイスより増加したデバイス密度および向上した性能を提供する。従来のFETとは対照的に、ナノシートFETにおいて、ゲート・スタックは、各ナノシートの全外周を取り囲み、チャネル領域でのより完全な空乏化を可能にし、短チャネル効果を低減する。ナノシート・デバイスにおいて用いられるラップアラウンド型ゲート構造はまた、駆動電流が増加するときでも、活性領域におけるリーク電流のより適切な管理を可能にする。
【0003】
ナノシートFETは、しばしば、スタックに配置される異なる半導体材料の薄い交互層(ナノシート)を含む。典型的には、ナノシートは、ナノシート・フィンにパターニングされる。一旦ナノシート・フィンがパターニングされると、ゲート・スタックが、ナノシート・フィンのチャネル領域の上に形成され、ソース/ドレイン領域が、ゲート・スタックに隣接して形成される。いくつかのデバイスにおいて、一旦ゲート・スタックまたはソース/ドレイン領域が形成されると、エッチング・プロセスが、異種材料のうちのある種類の材料のナノシート層をフィンから選択的に除去するために実行される。エッチング・プロセスは、結果としてナノシート・フィンの層のアンダーカットおよび懸架を生じさせ、ナノシートまたはナノワイヤを形成する。ナノシートまたはナノワイヤを用いて、ゲート・オール・アラウンド・デバイスを形成することができる。底部誘電体分離(BDI:bottom dielectric isolation)層は、典型的には、ソース/ドレイン領域と半導体基板との間に形成され、これらの領域を電気的に分離する。しかしながら、底部誘電体分離層の形成後に実行されるプロセス・ステップは、BDIを侵食し、底部分離層の効果を減少させうる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、半導体構造体は、半導体基板の上に配置された底部誘電体分離であって、半導体基板の上の高k誘電体層の第1の部分と、高k誘電体層の第1の部分の上のスペーサ材料と、スペーサ材料の上の高k誘電体層の第2の部分とを含む底部誘電体分離と、底部誘電体分離の上で半導体基板に対して垂直方向にスタックされた一連の半導体チャネル層であって、当該一連の半導体チャネル層は、金属ゲート・スタックによって分離され、金属ゲート・スタックと垂直方向に整列されており、この一連の半導体チャネル層の両端から横方向に延在するソース/ドレイン領域とを含み、ソース/ドレイン領域の底面は、半導体基板からソース/ドレイン領域を電気的に分離するために、底部誘電体分離と直接接触している。
【0005】
本開示の他の実施態様によれば、半導体構造体を形成する方法は、半導体基板の上に底部誘電体分離を形成することであって、底部誘電体分離は、半導体基板の上の高k誘電体層の第1の部分と、高k誘電体層の第1の部分の上のスペーサ材料と、スペーサ材料の上の高k誘電体層の第2の部分とを含む、底部誘電体分離を形成することと、底部誘電体分離の上で半導体基板に対して垂直方向にスタックされた一連の半導体チャネル層であって、当該一連の半導体チャネル層は、金属ゲート・スタックによって分離され、金属ゲート・スタックと垂直方向に整列される一連の半導体チャネル層を形成することと、一連の半導体チャネル層の両端から横方向に延在するソース/ドレイン領域を形成することであって、ソース/ドレイン領域の底面は、半導体基板からソース/ドレイン領域を電気的に分離するために、底部誘電体分離と直接接触する、ソース/ドレイン領域を形成することと、を含む。
【0006】
以下の詳細な説明は、例として与えられ、本発明をそれに限定することを意図するものではなく、添付の図面を参照することにより最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態による、半導体基板上に形成されたナノシート・スタックを描写する半導体構造体の断面図である。
図2】本開示の一実施形態による、ナノシート・スタックからナノシート・フィンをパターニングした後の半導体構造体の3次元(3D)ビューである。
図3】本開示の一実施形態による、ダミー・ゲートの形成を描写する半導体構造体の3Dビューである。
図4】本開示の一実施形態による、ナノシート・スタック犠牲層の除去を描写する半導体構造体の3Dビューである。
図5】本開示の一実施形態による、図4の半導体構造体の線A-A’に沿った断面図である。
図6】本開示の一実施形態による、スペーサ材料のレイヤの形成が続く高k誘電体層の形成を描写する半導体構造体の断面図である。
図7】本開示の一実施形態による、高k誘電体層およびスペーサ材料のエッチングを描写する半導体構造体の断面図である。
図8】本開示の一実施形態による、ソース/ドレイン凹部の形成を描写する半導体構造体の断面図である。
図9】本開示の一実施形態による、内側スペーサ、ソース/ドレイン領域および層間誘電体層の形成を描写する半導体構造体の断面図である。
図10】本開示の一実施形態による、平坦化プロセスならびにハード・マスクおよびダミー・ゲートの除去を描写する半導体構造体の断面図である。
図11】本開示の一実施形態による、高k誘電体層の露出部の除去を描写する半導体構造体の断面図である。
図12】本開示の一実施形態による、ゲート誘電体スタックおよび金属ゲート・スタックの堆積を描写する半導体構造体の断面図である。
図13】本開示の一実施形態による、ソース/ドレイン接点の形成を描写する半導体構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は、必ずしも縮尺通りではない。添付図面は、単なる概略図であり、発明の特定のパラメータを詳細に描写することを意図するものではない。図面は、単に発明の典型的な実施形態を描写することを意図する。図面において、類似の番号は、類似の要素を表現する。
【0009】
請求された構造体および方法の詳細な実施形態は、本明細書において開示されるが、開示された実施形態が、さまざまな形で実施されうる請求された構造体および方法を単に示すだけであると理解されたい。しかしながら、本発明は、多くの異なる形で実施されてもよく、本明細書において記載される例示的な実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。説明において、周知の特徴および技術の詳細は、示された実施形態を不必要に曖昧にするのを回避するために省略されうる。
【0010】
以下の説明の目的のため、「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂(部)」、「底(部)」のような用語およびこれらの用語の派生語は、図面の向きに置かれたときの開示の構造体および方法に関する。「上」、「上に横たわる」、「頂部の」、「頂部にある」、「上に位置決めされた」または「頂部に位置決めされた」のような用語は、第1の構造体のような第1の要素が、第2の構造体のような第2の要素上に存在することを意味し、第1の要素と第2の要素との間には、境界面構造のような介在要素が存在してもよい。用語「直接接触」は、第1の構造体のような第1の要素と第2の構造体のような第2の要素とが、これらの2つの要素の境界面に任意の中間導電層、絶縁層または半導体層なしで接続されていることを意味する。
【0011】
本発明の実施形態の表現を不明瞭にしないために、以下の詳細な説明では、従来技術において周知であるいくつかの処理ステップまたは動作は、表現のためおよび説明のためにともに組み合わされてもよく、いくつかの例では、詳述されていない場合もある。他の例では、従来技術において周知であるいくつかの処理ステップまたは動作は、全く記載されていない場合もある。以下の説明は、本発明のさまざまな実施形態の際立った特徴または要素にむしろフォーカスしていることを理解されたい。
【0012】
開示された実施形態がシリコンおよびシリコン・ゲルマニウム・ナノシートを有する例示的なナノシートFETアーキテクチャの詳細な説明を含むが、本明細書において詳述される教示の実施態様が本明細書において記載されている特定のFETアーキテクチャに限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、本発明の実施形態は、現在周知であるかまたは後で開発される他の任意のタイプのFETデバイスに関連して実施可能である。
【0013】
トランジスタ・ゲート長が縮小されるにつれて、基板を通る寄生性のソースからドレインへの「パンチ・スルー」リークは増加する。ナノシート・スタックの下の寄生チャネルのため、ソース/ドレイン・リーク電流は、ナノシート・トランジスタにおいて、抑制するのが非常に困難である。ソースおよびドレイン領域のエピタキシーを基板に接触させることから分離する底部誘電体分離(BDI)層は、ソース/ドレインおよびチャネル領域の下側に絶縁体層を追加することによって、サブ・ナノシート領域のリークを防ぐための解決法を提供する。
【0014】
しかしながら、現在の記録過程(POR)では、BDIは、典型的には、スペーサおよび内側スペーサ形成、ソース/ドレイン接点パターニングおよびエピタキシャル・プレクリーンのようなプロセスの間、容易に損傷を受けうる誘電材料の単一層によって形成される。この損傷は、BDI厚さを侵食し、増加したソース/ドレイン・リークおよびデバイス性能の低下につながりうる。
【0015】
それゆえ、本開示の実施形態は、3層の底部誘電体分離(BDI)と、高誘電率材料の層の間に挟まれている分離材料からなる3層の底部誘電体分離(BDI)を作る方法と、を提供する。提案された3層のBDIは、BDI層をオーバー・エッチングするのを防止し、半導体基板からソース/ドレイン・エピ領域を電気的に分離することができる耐エッチング材料を含む。これは、ひいては、半導体基板を介した漏電を減少し、デバイス性能を改善しうる。
【0016】
3層の底部誘電体分離が半導体基板からソース/ドレイン・エピ領域を電気的に分離するために形成可能な実施形態は、図1から図13の添付の図面を参照して、以下で詳述される。
【0017】
ここで図1を参照すると、半導体基板102上に形成されたナノシート・スタック10を含む半導体構造体100の断面図が、本開示の一実施形態に従って示される。
【0018】
本実施形態において、図面に示されるように、半導体基板102に対して垂直な方向に互いに縦にスタックされた犠牲半導体材料の層および半導体チャネル材料の層の交互配列は、ナノシート・スタック10を形成する。具体的には、交互配列は、半導体基板102の上のナノシート・スタック犠牲層104、ナノシート・スタック犠牲層104の上の犠牲半導体層106および半導体チャネル層108を含む。図面に描写される例において、交互の犠牲半導体層106および半導体チャネル層108は、半導体基板102上のナノシート・スタック犠牲層104の上のスタックに形成される。本明細書で用いられる犠牲という用語は、層または他の構造体を意味し、その層または他の構造体(またはその部分)は最終デバイスの完成の前に除去される。例えば、記載されている例では、犠牲半導体層106の部分は、デバイスのチャネル領域のスタックから除去され、半導体チャネル層108をナノシート・スタック10から解放することができる。本例では、犠牲半導体層106および半導体チャネル層108がそれぞれシリコン・ゲルマニウム(SiGe)およびシリコン(Si)でできているが、犠牲およびチャネル材料の任意の組み合わせが本技術に従って使用されてもよいことは明らかである。例えば、その代わりに、SiをSiGeチャネル層間の犠牲材料として用いることができる選択的エッチング技術を使用してもよい。
【0019】
半導体基板102は、例えば、いくつかの周知の半導体材料、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム合金および化合物(例えば、III-VおよびII-VI)半導体材料のいずれかから作られてもよいバルク基板でもよい。化合物半導体材料の非限定的な例は、ガリウムヒ素、ヒ化インジウムおよびリン化インジウムまたはインジウムガリウムリンを含む。典型的には、半導体基板102は、これに限定されるものではないが、約数百ミクロンの厚さでもよい。他の実施形態では、半導体基板102は、シリコン・オン・インシュレータまたはSiGeオン・インシュレータのような層状の半導体でもよく、埋め込み絶縁体層は、ベース基板を、頂部の半導体層から分離する。
【0020】
図1を引き続き参照すると、スタック内の第1の層(犠牲層)、すなわち、ナノシート・スタック犠牲層104は、半導体基板102上に形成される。例示的な実施形態によれば、ナノシート・スタック10内のナノシート・スタック犠牲層104は、エピタキシャル成長プロセスを用いて形成される。例えば、上述の実施形態では、ナノシート・スタック犠牲層104は、約50原子百分率から約70原子百分率の間で変化するゲルマニウム濃度を有するSiGeの層をエピタキシャル成長させることによって形成される。以下に詳述するように、ゲルマニウム原子のより高い濃度によって、ナノシート・スタック犠牲層104は、その後、ナノシート・スタック10の残りの交互層に対して選択的に除去可能となる。単なる例として、ナノシート・スタック犠牲層104は、約20nmから約35nmまで変化する厚さを有するように形成されてもよいが、20nm超および35nm未満の厚さを用いてもよい。
【0021】
一般的に、ナノシート・スタック10内の層(例えば、SiGe/Si層)は、半導体基板102をシード層として用いてエピタキシャル成長させることによって形成可能である。「エピタキシャル成長またはエピタキシャル堆積あるいはその両方」および「エピタキシャルに形成されるまたはエピタキシャルに成長されるあるいはその両方」のような用語は、半導体材料の堆積面上の半導体材料の成長を意味し、成長している半導体材料は、堆積面の半導体材料と同一または実質的に同様の結晶特性を有する。エピタキシャル堆積プロセスにおいて、原料ガスにより提供される化学反応物は制御され、システム・パラメータは、堆積する原子が表面上で移動し、堆積面の原子の結晶配列に配向するのに十分なエネルギーで半導体基板の堆積面に到達するように設定される。それゆえ、エピタキシャル半導体材料は、それが形成される堆積面と同一または実質的に同様の結晶特性を有する。例えば、{100}結晶面上に堆積するエピタキシャル半導体材料は、{100}配向をとる。いくつかの実施形態において、エピタキシャル成長または堆積プロセスあるいはその両方は、半導体表面上での形成に選択的であり、誘電体表面、例えば二酸化ケイ素または窒化ケイ素表面上には、材料を堆積させない。
【0022】
さまざまなエピタキシャル成長プロセスの非限定的な例は、急速熱化学蒸着(RTCVD)、低エネルギー・プラズマ堆積(LEPD)、超高真空化学蒸着(UHVCVD)、大気圧化学蒸着(APCVD)、有機金属化学蒸着(MOCVD)、低圧化学蒸着(LPCVD)、制限反応処理CVD(LRPCVD)および分子線エピタキシー(MBE)を含む。エピタキシャル堆積プロセスのための温度は、500℃から900℃の範囲にわたることができる。より高い温度は、典型的には結果としてより速い堆積につながるが、より速い堆積は、結果として結晶欠陥およびフィルム・クラッキングにつながりうる。
【0023】
多くの異なる前駆体が、ナノシート・スタック10内のSiGe/Si層の交互配列のエピタキシャル成長のために用いられ得る。いくつかの実施形態において、エピタキシャル半導体材料の堆積のためのガス源は、シリコン含有ガス源、ゲルマニウム含有ガス源またはその組み合わせを含む。例えば、エピタキシャル・シリコン層は、必ずしもこれらに限定されるものではないが、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシランおよびその組み合わせを含むシリコン・ガス源から堆積されることができる。エピタキシャル・ゲルマニウム層は、必ずしもこれらに限定されるものではないが、ゲルマン、ジゲルマン、ハロゲルマン、ジクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、テトラクロロゲルマンおよびその組み合わせを含むゲルマニウム・ガス源から堆積可能である。エピタキシャル・シリコン・ゲルマニウム合金層は、この種のガス源の組み合わせを利用して形成可能であるが、水素、ヘリウムおよびアルゴンのような搬送ガスを用いることもできる。
【0024】
図1を引き続き参照すると、ナノシート・スタック犠牲層104と同様に、犠牲半導体層106は、SiGeの層をエピタキシャル成長させることによって形成される。しかしながら、犠牲半導体層106のゲルマニウム濃度は、約20原子百分率から約40原子百分率まで変化する。例示的な実施形態において、犠牲半導体層106は、約25原子百分率のゲルマニウム濃度を有するSiGeでできている。
【0025】
ナノシート・スタック10の作製を継続するために、半導体チャネル層108は、Si層をエピタキシャル成長させることによって形成される。図面に描写されるように、ナノシート・スタック10内の犠牲半導体層106および半導体チャネル層108は、下にあるナノシート・スタック犠牲層104より薄く、実質的に同様または同一の厚さを有する。図1に示すように、ナノシート・スタック10は、ナノシート・スタック犠牲層104上へ(SiGe)犠牲半導体層106および(Si)半導体チャネル層108を交互になるように形成することによって成長する。したがって、ナノシート・スタック10内の犠牲半導体層106および半導体チャネル層108の各々は、上述したのと同じ方法で、例えば、エピタキシャル成長プロセスを用いて、約6nmから約12nmまで変化する厚さに形成可能であるが、他の厚さも、本発明の考察された範囲内にある。
【0026】
したがって、ナノシート・スタック10内の各層は、ナノスケールの寸法を有し、したがって、ナノシートとも称することができる。さらに、上で強調されるように、ナノシート・スタック10内の(Si)半導体チャネル層108は、デバイスのチャネル層を形成するために用いられる。したがって、半導体チャネル層108の寸法は、半導体構造体100のチャネル領域の寸法を決定する。
【0027】
上で強調されるように、目的は、ウェーハ上に交互の(犠牲およびチャネル)SiGeおよびSi層のスタックを生成することである。スタック内の層の数は、特定の用途に応じて調整可能である。したがって、本明細書において描写および記載されている構成は、本技術を示すことを意味する単なる例である。例えば、本ナノシート・スタック10は、図面に示されるより多いかまたはより少ない層を含むことができる。
【0028】
ナノシート・スタック10を用いて、正チャネル電界効果トランジスタ(以下「p-FET」)または負チャネル電界効果トランジスタ(以下「n-FET」)デバイスのための垂直方向にスタックされた半導体チャネル材料ナノシートを含むゲート・オール・アラウンド・デバイスを生成することができる。図1の断面図は、ナノシート・スタック10の長さに沿っており、ナノシート・スタック10は、左から右に動作する。
【0029】
図2を次に参照すると、本開示の一実施形態による、ナノシート・スタック10(図1)からナノシート・フィン(以下「フィン」)202をパターニングした後の半導体構造体100の3Dビューが示される。フィン202は、例えば、ナノシート・スタック10(図1)の部分および半導体基板102の部分を除去するフォトリソグラフィ・パターニングおよびエッチング・プロセスによって形成可能である。例えば、反応性イオン・エッチング(RIE)のような任意の適切なエッチング・プロセスを用いることができる。
【0030】
エッチングは、一般的に、基板(または基板上に形成された構造体)からの材料の除去を意味し、材料が基板の特定のエリアから選択的に除去されうるとともに、基板の他のエリアでは材料が影響されないままにするように、適所のマスクによってしばしば実行される。一般的に、2つのカテゴリのエッチング、すなわち、(i)ウェット・エッチングおよび(ii)ドライ・エッチングが存在する。ウェット・エッチングは、(酸のような)溶媒によって実行され、溶媒は、(酸化物のような)所定の材料を選択的に溶かすとともに、(ポリシリコンのような)他の材料が比較的損傷を受けないままにするその能力のために選択されうる。所定の材料を選択的にエッチングするこの能力は、多くの半導体製造プロセスの基本となる。ウェット・エッチングは、一般的に、均一な材料(例えば、酸化物)を等方的にエッチングするが、ウェット・エッチングは、単結晶材料(例えば、シリコンウェーハ)を異方的にエッチングしてもよい。ドライ・エッチングは、プラズマを用いて実行されてもよい。プラズマ系は、プラズマのパラメータを調整することによって、いくつかのモードで動作することができる。通常のプラズマ・エッチングは、電荷的に中性で、ウェーハの表面で反応するエネルギー・フリー・ラジカルを生成する。中性粒子がすべての角度からウェーハを攻撃するので、このプロセスは等方性である。イオン・ミリングまたはスパッタ・エッチングは、ほぼ一方向からウェーハに近づく希ガスのエネルギー・イオンでウェーハを攻撃し、それゆえ、このプロセスは非常に異方性である。RIEは、スパッタとプラズマ・エッチングとの間の中間条件で動作し、深く狭い特徴、例えば、シャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)トレンチを生成するために用いられてもよい。
【0031】
フォトリソグラフィ・パターニング・プロセスの間除去される半導体基板102の部分は、その後、絶縁材料で充填され、STI領域210を形成することに留意されたい。STI領域210を形成するプロセスは、標準的かつ周知技術であり、それは、典型的には、絶縁材料を堆積させ、フィン202を電気的に分離するために、隣接するフィン202(図示せず)の間の半導体構造体100のエリアに実質的に充填することを含む。STI領域210は、例えば、誘電材料の化学蒸着(CVD)によって形成されてもよい。STI領域210を形成する誘電材料の非限定的な例は、シリコン酸化物、窒化ケイ素、水素化シリコン炭素酸化物、シリコン系低誘電率体、流動性酸化物、多孔質誘電体または多孔質有機誘電体を含む有機誘電体を含む。
【0032】
図3を次に参照すると、ダミー・ゲート304の形成を描写する半導体構造体100の3Dビューは、本開示の一実施形態に従って示される。ダミー・ゲート304は、フィン202の頂面の上かつフィン202の側壁に沿って形成され、パターニングされる。ダミー・ゲート304は、従来の周知技術を用いて形成可能である。例えば、ダミー・ゲート304は、アモルファス・シリコン(a-Si)から形成されてもよい。ハード・マスク308は、典型的には、ダミー・ゲート304の上に形成され、エッチング停止層として作用する。ハード・マスク308は、一般的に、窒化ケイ素、シリコン酸化物、酸化物/窒化物スタックまたは類似の材料および構成から形成される。
【0033】
図4を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、ナノシート・スタック犠牲層104を除去した後の半導体構造体100の3Dビューが示される。図面に描写されるように、ナノシート・スタック犠牲層104の除去は、半導体構造体100内に、ナノシート・スタック犠牲層104が除去されたエリアにおける開口またはエア・ギャップ402(図5)を作製する。図5は、半導体構造体100の線A-A’に沿った断面図を示す。
【0034】
一実施形態において、ナノシート・スタック犠牲層104は、半導体基板102、犠牲半導体層106、半導体チャネル層108、ダミー・ゲート304およびハード・マスク308に対して選択的に除去される。例えば、非常に選択的なドライ・エッチング・プロセスを用いて、ナノシート・スタック犠牲層104を選択的に除去することができる。
【0035】
図6を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、スペーサ材料624の層が続く高k誘電体層620を形成した後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。図面に描写されるように、高k誘電体層620は、開口402(図5)の上面に沿って、開口402(図5)の下面に沿って、かつ、半導体構造体100の露出面上に形成される。具体的には、高k誘電体層620はまた、一番上の半導体チャネル層108の露出した水平面(すなわち、ダミー・ゲート304によってカバーされていない水平面)上、ダミー・ゲート304の垂直な側面(または両側壁)上、ならびに、ハード・マスク308の垂直な側面(または両側壁)上および上面上に形成される。
【0036】
高k誘電体層620は、開口402(図5)を完全には充填せず、開口402(図5)の最も内側の部分をスペーサ材料624の堆積のために空けたままにしてもよい。換言すると、図面に描写されるように、スペーサ材料624の堆積は、スペーサ材料624の上およびスペーサ材料624の下の高k誘電体層620の層を有する開口402(図5)の残りの部分内で生じる。より詳しくは、一番下の犠牲半導体層106の下の高k誘電体層620の(上部の)部分は、スペーサ材料624の上に位置し、半導体基板102の上の高k誘電体層620の(下部の)部分は、スペーサ材料624の下に配置される。
【0037】
したがって、高k誘電体層620の層の間にスペーサ材料624を堆積させることによって、3層の底部誘電体分離(BDI)640は、開口402(図5)内に形成され、これは、半導体基板102を介したソース/ドレイン・リークを防止するための強化された底部誘電体分離領域を提供することができる。
【0038】
一実施形態によれば、高k誘電体層620は、エッチングに対して高い耐性のある材料を含む。高k誘電体層620を形成するための耐エッチング材料の非限定的な例は、金属酸化物、例えば、酸化ハフニウム、ハフニウム・シリコン酸化物、ハフニウム・シリコン酸窒化物、酸化ランタン、ランタン・アルミニウム酸化物、酸化ジルコニウム、ジルコニウム・シリコン酸化物、ジルコニウム・シリコン酸窒化物、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム・バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、タンタル酸スカンジウム鉛およびニオブ酸鉛亜鉛を含んでもよい。
【0039】
高k誘電体層620は、例えば、原子層堆積(ALD)を含む典型的な堆積技術を用いて堆積されてもよい。高k誘電体層620の厚さは、約2nmから約3nmまで、およびその間の範囲にわたって変化し得る。
【0040】
図6を引き続き参照すると、開口402(図5)の残りの空間を充填することに加えて、スペーサ材料624はまた、図面に示すように、半導体構造体100の上部の露出面をカバーしてもよい。特に、スペーサ材料624は、一番上の半導体チャネル層108の水平面の上に位置するかまたは配置される高k誘電体層620の上に、ダミー・ゲート304の垂直な側面の上に位置する高k誘電体層620の上に、ならびに、ハード・マスク308の垂直な側面および上面に位置する高k誘電体層620の上に堆積されてもよい。
【0041】
スペーサ材料624を形成するためのさまざまな材料の非限定的な例は、シリコン・オキシカーバイド(SiOC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)などを含んでもよい。
【0042】
スペーサ材料624は、典型的な堆積技術、例えば、原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)および化学蒸着(CVD)を用いて堆積されてもよい。高k誘電体層620の層の間に位置するスペーサ材料624の厚さは、残りの空間のサイズに依存する。一実施形態において、スペーサ材料624は、少なくとも3nmの厚さである。他の実施形態では、スペーサ材料624は、約5nmから約20nmの厚さであり得る。
【0043】
半導体製造プロセスのこの点で、半導体構造体100は、図面に描写されるように、半導体基板102の上の高k誘電体層620の第1の部分と、高k誘電体層620の第1の部分の上のスペーサ材料624と、スペーサ材料624の上の高k誘電体層620の第2の部分と、を含み、すべては、交互の犠牲半導体層106および半導体チャネル層108を含むフィン202の下側にある。
【0044】
図7を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、高k誘電体層620およびスペーサ材料624をエッチングした後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。
【0045】
本実施形態において、方向性エッチングは、半導体構造体100上で実行され、フィン202の一番上の半導体チャネル層108の上に位置するスペーサ材料624の底部および高k誘電体層620の底部を部分的に除去する。換言すると、スペーサ材料624の底部および高k誘電体層620の底部は、方向性エッチング・プロセスを介して一番上の半導体チャネル層108に平行して除去される。図面に示されるように、ハード・マスク308の両側壁および上面に位置するスペーサ材料624の上部および高k誘電体層620の上部はまた、ハード・マスク308の上部を露出させる方向性エッチング・プロセスの間、金属ゲートの置換プロセスに備えて除去されてもよい。
【0046】
例示的な実施形態において、反応性イオン・エッチング(RIE)プロセスは、半導体構造体100上で実行され、スペーサ材料624および高k誘電体層620の底部および上部を除去することができる。
【0047】
図8を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、ソース/ドレイン凹部802を形成した後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。
【0048】
図面に示すように、フィン202の露出部は、半導体構造体100から除去され、ソース/ドレイン凹部802を形成する。理解されるように、半導体構造体100のソース/ドレイン領域は、以下に詳述するように、ソース/ドレイン凹部802上に形成される。具体的には、高k誘電体層620およびダミー・ゲート304から外に延在するフィン202の部分(すなわち、高k誘電体層620およびダミー・ゲート304によってカバーされないフィン202の部分)は、半導体構造体100から除去される。高k誘電体層620の下およびダミー・ゲート304の下のフィン202の残りの部分は、垂直方向に整列される。
【0049】
本実施形態において、図面に示されるように、ダミー・ゲート304に沿ったスペーサ材料624の上部およびハード・マスク308の上部は、スペーサ材料624および高k誘電体層620の上部の下ではなく、かつ、ダミー・ゲート304の下ではないフィン202の部分に凹部を作るためのマスクとして用いることができる。例示的な実施形態において、RIEプロセスを用いて、フィン202のこのような部分に凹部を作ることができる。ダミー・ゲート置換ステップ(以下に詳細に記載される)の前にフィン・エッチングが実行されているので、本明細書において記載されている半導体デバイス製造プロセスは、フィンの第1のプロセスと称することができる。
【0050】
高k誘電体層620を形成する高誘電率材料が、現在用いられている材料より固いため、高k誘電体層620は、半導体基板102に対する凹部エッチングのパンチ・スルーを防止しうる改善されたエッチング停止層を提供することに留意されたい。
【0051】
図9を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、内側スペーサ902、ソース/ドレイン領域910および層間誘電体層920を形成した後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。
【0052】
本実施形態において、犠牲半導体層106の各々の外側部分は、周知技術の方法を用いて除去されてもよい。内側スペーサ902は、犠牲半導体層106のへこんだ空洞(図示せず)内に形成されてもよい。図面に描写されるように、内側スペーサ902の外側の垂直な側面は、半導体チャネル層108と垂直方向に整列され得、したがって、ダミー・ゲート304の両側壁上に位置する高k誘電体層620の上部およびスペーサ材料624と垂直方向に整列され得る。
【0053】
内側スペーサ902は、例えば、犠牲半導体層106に凹部を作った後に形成されたへこんだ空洞(図示せず)をピンチ・オフする内側スペーサ材料のコンフォーマル堆積によって形成可能である。内側スペーサ902は、任意の適切な誘電材料、例えば、二酸化ケイ素または窒化ケイ素を含んでもよく、誘電材料の単層または多層を含んでもよい。
【0054】
高k誘電体層620を形成する材料が現在の技術で用いられる材料より実質的に高い耐エッチング性を有するので、高k誘電体層620はまた、処理ステップの間、例えば、SiGeへこみエッチング、内側スペーサ・エッチングおよびエピタキシャル・プロセス・プレクリーニング・ステップの間、底部誘電体分離(BDI)640のオーバー・エッチングを防止しうることに留意されたい。
【0055】
内側スペーサ902を形成した後、ソース/ドレイン領域910は、図8に示されるソース/ドレイン凹部802上に形成可能である。ソース/ドレイン領域910は、半導体チャネル層108の露出端上のエピタキシャル層成長プロセスを用いて形成可能である。
【0056】
図面に描写されるように、ソース/ドレイン領域910は、フィン202の両側に、半導体チャネル層108の端部および犠牲半導体層106を包囲する内側スペーサ902の端部に直接接触して形成される。ソース/ドレイン領域910は、3層の底部誘電体分離640の上に位置する。具体的には、ソース/ドレイン領域910は、3層の底部誘電体分離640内の高k誘電体層620の上部の上に配置される。したがって、3層の底部誘電体分離640は、半導体基板102からソース/ドレイン領域910を分離し、半導体基板102からのエピタキシャル成長を防止しうる。この重要な特徴は、エピタキシャル・パターニングおよびプレクリーニング・ステップに耐え、浸食および薄膜化を防止する。これは、半導体基板102を通る電流リークを減少しうる。
【0057】
ソース/ドレイン領域910を形成した後、層間誘電体(ILD)層920は、半導体構造体100の空隙を充填するために形成される。層間誘電体層920は、例えば、誘電材料のCVDによって形成可能である。層間誘電体層920を形成する誘電材料の非限定的な例は、シリコン酸化物、窒化ケイ素、水素化シリコン炭素酸化物、シリコン系低k誘電体、流動性酸化物、多孔質誘電体または多孔質有機誘電体を含む有機誘電体を含んでもよい。
【0058】
図10を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、平坦化プロセスならびにハード・マスク308およびダミー・ゲート304の除去後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。
【0059】
層間誘電体層920の堆積の後、平坦化プロセス、例えば、化学機械研磨(CMP)は、半導体構造体100上で実行可能である。このプロセスは、ダミー・ゲート304(図9)の除去に備えて、ダミー・ゲート304(図9)の頂面を露出させてもよい。
【0060】
例示的な実施形態において、ダミー・ゲート304(図9)は、例えば、RIEまたは化学的酸化物除去(COR)を含む周知のエッチング・プロセスによって除去可能である。ゲート・ラスト製造プロセスにおいて、除去されたダミー・ゲート304(図9)は、その後、周知のように金属ゲート(図示せず)によって置換される。ダミー・ゲート304(図9)の除去後、凹部1010は、半導体構造体100上に残る。図面に示されるように、凹部1010は、高k誘電体層620の内側垂直面および一番上の半導体チャネル層108の頂部の水平面を露出させる。
【0061】
図11を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、凹部1010によって露出された高k誘電体層620の部分を除去した後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。
【0062】
本実施形態において、図10に描写されるように、等方性エッチングは、半導体構造体100上で実行され、凹部1010によって露出され、スペーサ材料624の両側壁上に位置する高k誘電体層620の垂直面を除去することができる。一番上の半導体チャネル層108の上およびスペーサ材料624の下に位置する高k誘電体層620の水平部分は、図11に描写されるように、半導体構造体100に残る。例示的な実施形態において、ウェット・エッチングまたはプラズマ・エッチングは、半導体構造体100上で実行され、スペーサ材料624の側壁から、高k誘電体層620の垂直部分を除去することができる。
【0063】
次に、犠牲半導体層106は、半導体構造体100から除去可能である。例示的な実施形態において、犠牲半導体層106は、例えば、RIE、ウェット・エッチングまたは乾性ガス(HCl)を含む周知のエッチング・プロセスによって除去可能である。犠牲半導体層106の除去は、内側スペーサ902の間に空洞(図示せず)を作製し、内側スペーサ902は、以下に詳述するように、その後、対応する仕事関数金属で充填される。
【0064】
図12を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、ゲート誘電体スタック1210および金属ゲート・スタック1212の堆積の後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。
【0065】
ゲート誘電体スタック1210は、凹部1010(図11)内に、および、犠牲半導体層106の除去後に内側スペーサ902内に形成された空洞内に形成される。いくつかの実施形態において、ゲート誘電体スタック1210は、シリコン酸化物の層および高誘電率材料、例えば、ハフニウム・ベース材料の層を含む。金属ゲート・スタック1212は、ゲート誘電体スタック1210の上に堆積して、ゲート形成を完了する。金属ゲート・スタック1212は、1つまたは複数の仕事関数金属を含んでもよく、仕事関数金属は、これらに限定されるものではないが、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、炭化チタン(TiC)、チタン・アルミニウム・カーバイド(TiAlC)、および、例えば、アルミニウム(Al)、タングステン(W)またはコバルト(Co)を含む導電性金属である。図12において認識できるように、金属ゲート・スタック1212は、(スタックされた)半導体チャネル層108を包囲する。いくつかの実施形態において、ゲート・キャップ1216は、金属ゲート・スタック1212の上に形成されてもよい。
【0066】
ゲート誘電体スタック1210、金属ゲート・スタック1212およびゲート・キャップ1216を形成した後、化学機械研磨(CMP)を実行し、余剰材料を除去し、半導体構造体100の上面を研磨してもよい。
【0067】
図13を次に参照すると、本開示の一実施形態に従って、ソース/ドレイン接点1320を形成した後の半導体構造体100の線A-A’(図4)に沿った断面図が示される。
【0068】
図面に示されるように、ソース/ドレイン接点1320は、ソース/ドレイン領域910を通り延在する。ソース/ドレイン接点を形成するプロセスは、標準的であり、周知技術である。典型的には、プロセスは、層間誘電体層920内にトレンチ(図示せず)を形成することと、その後トレンチを導電性材料または導電性材料の組み合わせで充填し、ソース/ドレイン接点1320を形成することと、を含む。ソース/ドレイン接点1320を充填している導電性材料は、導電性金属、例えば、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)または任意のその組み合わせを含む。導電性材料は、適切な堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、PVD、被覆、熱または電子ビーム蒸着またはスパッタリングによって堆積されてもよい。平坦化プロセス、例えば、CMPは、半導体構造体100の上面から任意の導電性材料を除去するために実行される。
【0069】
図面に示されていないが、金属ゲート・スタック1212に対するゲート接点はまた、ソース/ドレイン接点1320について類似の導電性材料および類似の処理技術を用いて、半導体構造体100上に形成されてもよい。
【0070】
従って、本開示の実施形態は、交互の犠牲半導体層106および半導体チャネル層108のナノシート・スタック10と、半導体基板102と、の間に位置する3層の底部誘電体分離(BDI)領域を提供し、分離材料(すなわち、スペーサ材料624)は、耐エッチング材料からなるBDIを提供するために高k誘電体材料(すなわち、高k誘電体層620)の層の間に挟まれ、エッチング・アウト問題を防止し、半導体基板102からソース/ドレイン・エピ領域を電気的に分離することができる。これは、ひいては、半導体基板102を介したリークを減少し、デバイス性能を改善しうる。
【0071】
上述した方法は、集積回路チップの製造に用いられる。製造者は、その結果得られた集積回路チップを、未加工のウェーハの形態で(すなわちパッケージ化されていない多数のチップを有する単一のウェーハとして)、ベア・ダイとして、またはパッケージ化された形態で配布することができる。後者の場合、このチップは、(マザーボードまたは他のより高次の担体に取り付けられたリード線を有するプラスチック担体のような)シングル・チップ・パッケージ内、または(片面もしくは両面相互接続または埋め込み相互接続を有するセラミック担体のような)マルチチップ・パッケージに取り付けられる。いずれの場合も、チップは、次に、(a)マザーボードのような中間製品の部分として、または、(b)最終製品の部分として、他のチップ、別個の回路要素または他の信号処理デバイスあるいはこれらの組み合わせに統合される。最終製品は、玩具および他の低価格帯用途から、ディスプレイ、キーボードまたは他の入力デバイスおよび中央処理装置を有する高等なコンピュータ製品までにわたる、集積回路チップを含む任意の製品とすることができる。
【0072】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を記載するのみのためであり、開示を限定することを意図するものではない。本明細書において、文脈が別途明らかに示さない限り、単数形は複数形も含むことを意図する。用語「備える」または「備えている」あるいはその両方は、この明細書で用いられるとき、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素または構成要素あるいはその組み合わせの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素またはそのグループあるいはその組み合わせの存在または追加を排除しないことをさらに理解されたい。「オプションの」または「オプションで」とは、その後に記載されているイベントまたは状況が発生してもよいし発生しなくてもよいことを意味し、説明は、イベントが起こる場合の例およびイベントが起こらない場合の例を含むことを意味する。
【0073】
空間的相対語、例えば、「内側」、「外側」、「下方」、「下」、「下側」、「上」、「上側」、「頂(部)」、「底(部)」などは、本明細書において、図面に示されるように、1つの要素または特徴と他の要素または特徴との関係を記述するための説明を容易にするために用いられる。空間的相対語は、図面に描写された向きに加えて、使用時または動作時のデバイスの異なる向きを包含することを意図してもよい。例えば、図中のデバイスを裏返した場合、他の要素または特徴の「下」または「下方」にあると記載された要素は、その他の要素または特徴の「上」に位置することになる。したがって、例に挙げた用語「下」は、上および下の両方の向きを包含しうる。デバイスがそれ以外の向き(90度回転させた向きまたは他の向き)に置かれてもよく、本明細書で用いられる空間的相対記述語もそれに応じて解釈される。
【0074】
明細書および請求項の全体にわたって本明細書で用いられる近似する言語は、結果としてそれが関連する基本的な機能の変化につながらずに、許容範囲で変化しうる任意の定量的表現を修正するために適用されてもよい。したがって、「ほぼ」、「約」および「実質的に」のような用語によって修飾される値は、特定される正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例において、近似する言語は、値を測定するための器具の精度に対応しうる。ここで、明細書および請求項の全体にわたって、範囲の制限は、組み合わせてもよいし、交換してもよいし、その両方を行ってもよく、文脈または言語が他の意味を示さない限り、この種の範囲は、識別され、その中に含まれるすべての部分的範囲を含む。「約」は、範囲の特定の値に適用されるとき、両方の値に適用され、その値を測定する器具の精度に依存しない限り、述べられている値の±10%を示しうる。
【0075】
本発明のさまざまな実施形態の説明は例示のために示したものであり、説明が網羅的であること、または、説明が開示された実施形態のみに限定されることを意図しない。当業者には、記載された実施形態の範囲を逸脱することなく、多くの変更および変形が明らかとなる。本明細書で用いられている用語は、実施形態の原理、実用的用途または市場で見いだされる技術に勝る技術的改善点を最もよく説明するように、または、本明細書に開示された実施形態を当業者が理解できるように選択されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造体であって、
半導体基板の上に配置された底部誘電体分離であって、前記半導体基板の上の高k誘電体層の第1の部分と、前記高k誘電体層の前記第1の部分の上のスペーサ材料の第1の部分と、前記スペーサ材料の前記第1の部分の上の前記高k誘電体層の第2の部分とを備える、前記底部誘電体分離と、
前記底部誘電体分離の上で前記半導体基板に対して垂直方向にスタックされた一連の半導体チャネル層であって、金属ゲート・スタックによって分離され、前記金属ゲート・スタックと垂直方向に整列される、前記一連の半導体チャネル層と、
前記半導体チャネル層の両端から横方向に延在するソース/ドレイン領域であって、前記ソース/ドレイン領域の底面は、前記半導体基板から前記ソース/ドレイン領域を電気的に分離するための前記底部誘電体分離と直接接触している、前記ソース/ドレイン領域と
を備える、半導体構造体。
【請求項2】
前記金属ゲート・スタックは、
前記金属ゲート・スタックを包囲するゲート誘電体と、
前記ゲート誘電体の両側に位置する内側スペーサと
をさらに備える、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項3】
前記金属ゲート・スタックの最下部は、前記底部誘電体分離の上にある、
請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項4】
前記半導体構造体は、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の第2の部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックの最上部と、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記第2の部分の下の前記高k誘電体層の第3の部分と
をさらに備え、
前記スペーサ材料の前記第2の部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックの前記最上部および前記高k誘電体層の前記第3の部分は、前記一連の半導体チャネル層の一番上の半導体チャネル層の上にある、
請求項2に記載の半導体構造体。
【請求項5】
前記半導体構造体は、前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記第2の部分の間の、前記金属ゲート・スタックの前記最上部の上に配置されたゲート・キャップをさらに備える、請求項4に記載の半導体構造体。
【請求項6】
前記半導体構造体は、前記ソース/ドレイン領域の上に配置され、かつ、前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記第2の部分の側壁に沿って配置された層間誘電体層をさらに備える、請求項4に記載の半導体構造体。
【請求項7】
前記半導体構造体は、前記層間誘電体層を通り前記ソース/ドレイン領域の頂面まで延在するソース/ドレイン接点をさらに備える、請求項6に記載の半導体構造体。
【請求項8】
前記高k誘電体層は、酸化ハフニウム、ハフニウム・シリコン酸化物、ハフニウム・シリコン酸窒化物、酸化ランタン、ランタン・アルミニウム酸化物、酸化ジルコニウム、ジルコニウム・シリコン酸化物、ジルコニウム・シリコン酸窒化物、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム・バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、タンタル酸スカンジウム鉛およびニオブ酸鉛亜鉛からなる群から選択される耐エッチング高k誘電体材料を備える、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項9】
前記スペーサ材料は、シリコン・オキシカーバイド(SiOC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)からなる群から選択される、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項10】
半導体構造体を形成する方法であって、
半導体基板の上に底部誘電体分離を形成することであって、前記底部誘電体分離は、前記半導体基板の上の高k誘電体層の第1の部分と、前記高k誘電体層の前記第1の部分の上のスペーサ材料と、前記スペーサ材料の上の前記高k誘電体層の第2の部分とを備える、前記底部誘電体分離を形成することと、
前記底部誘電体分離の上で前記半導体基板に対して垂直に方向にスタックされる、一連の半導体チャネル層を形成することであって、前記一連の半導体チャネル層は、金属ゲート・スタックによって分離され、前記金属ゲート・スタックと垂直方向に整列される、前記一連の半導体チャネル層を形成することと、
前記一連の半導体チャネル層の両端から横方向に延在するソース/ドレイン領域を形成することであって、前記ソース/ドレイン領域の底面は、前記半導体基板から前記ソース/ドレイン領域を電気的に分離するための前記底部誘電体分離と直接接触する、前記ソース/ドレイン領域を形成することと
を含む方法。
【請求項11】
前記底部誘電体分離を形成することは、
前記半導体基板上にナノシート・スタックを形成することであって、前記ナノシート・スタックは、前記半導体基板の上のナノシート・スタック犠牲層と、犠牲半導体層および前記一連の半導体チャネル層の交互配列とを備える、前記ナノシート・スタックを形成することと、
前記ナノシート・スタックをパターニングしてフィンを形成することと、
ダミー・ゲートを前記フィン上に形成することと、
前記ナノシート・スタックから前記ナノシート・スタック犠牲層を選択的に除去することであって、前記ナノシート・スタック犠牲層を除去することは、前記フィンと前記半導体基板との間に開口を形成する、前記除去することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記開口内および一番上の半導体チャネル層の頂面の上および前記ダミー・ゲートの両側壁に前記高k誘電体層をコンフォーマル堆積することと、
前記高k誘電体層の上および前記開口の空いた最も内側部分内に前記スペーサ材料を堆積させることと、
前記一番上の半導体チャネル層の上に横方向に延在する前記スペーサ材料の部分および前記高k誘電体の部分を部分的に除去して、前記スペーサ材料の第2の部分を形成することと、
前記ダミー・ゲートの側壁に沿った前記スペーサ材料の前記第2の部分および高k誘電体層の残りの部分をマスクとして用いて、前記フィンの残りの部分が前記スペーサ材料の前記第2の部分および前記高k誘電体層の前記残りの部分と垂直に整列されるように、前記フィンを横方向にエッチングすることと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記犠牲半導体層の両側に内側スペーサを形成することと、
前記一連の半導体チャネル層から前記ソース/ドレイン領域をエピタキシャル成長させることと、
前記ソース/ドレイン領域の上に配置され、かつ、前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記第2の部分の側壁に沿って配置された層間誘電体層を形成することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記スペーサ材料の内側側壁に沿って延在する前記高k誘電体の、前記半導体基板に対して垂直な部分を除去することと、
前記ダミー・ゲートおよび前記犠牲半導体層の各々を前記金属ゲート・スタックにより置換することと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属ゲート・スタックは、
前記金属ゲート・スタックを包囲するゲート誘電体と、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記第2の部分の間に位置する前記金属ゲート・スタックの頂面の上に配置されたゲート・キャップと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記金属ゲート・スタックの最下部は、前記底部誘電体分離の上にある、
請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の前記第2の部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックの最上部と、
前記半導体基板に対して垂直な前記スペーサ材料の各部分の下の前記高k誘電体層の第3の部分とをさらに含み、
前記スペーサ材料の前記第2の部分の間に配置された前記金属ゲート・スタックの最上部および前記高k誘電体層の前記第3の部分は、前記半導体チャネル層の前記配列の一番上の半導体チャネル層の上にある、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記層間誘電体層を通り前記ソース/ドレイン領域の頂面まで延在するソース/ドレイン接点を形成することをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記高k誘電体層は、酸化ハフニウム、ハフニウム・シリコン酸化物、ハフニウム・シリコン酸窒化物、酸化ランタン、ランタン・アルミニウム酸化物、酸化ジルコニウム、ジルコニウム・シリコン酸化物、ジルコニウム・シリコン酸窒化物、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム・バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、タンタル酸スカンジウム鉛およびニオブ酸鉛亜鉛からなる群から選択される耐エッチング高誘電率材料を備える、
請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記スペーサ材料は、シリコン・オキシカーバイド(SiOC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)からなる群から選択される、
請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】