(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】エアゾール生成方法及びその方法を行う電子装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240905BHJP
H05B 6/80 20060101ALI20240905BHJP
H05B 6/64 20060101ALI20240905BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240905BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
A24F40/46
H05B6/80 Z
H05B6/64 J
A24F40/20
A24F40/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565742
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 KR2022009166
(87)【国際公開番号】W WO2023043014
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124315
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、イン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム、デ ホ
【テーマコード(参考)】
3K090
4B162
【Fターム(参考)】
3K090AB20
3K090BB16
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD22
4B162AD41
(57)【要約】
一例に係るエアゾールを生成するために、発振器を用いて予め設定された周波数のマイクロ波を生成し、生成されたマイクロ波を導波管に基づいて形成された共振器でマイクロ波カプラーを介して供給し、共振器を介してマイクロ波を共振させることによって電場を生成し、電場が導波管の内部に挿入されたエアゾール生成基質を加熱することでエアゾールを生成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置は、
前記電子装置の動作を制御する制御部と、
予め設定された周波数のマイクロ波を生成する発振器と、
前記生成されたマイクロ波を共振器に供給するマイクロ波カプラーと、
前記マイクロ波を共振させることによって増幅された電磁場を生成する共振器と、
前記共振器に隣接するようにエアゾール生成基質が挿入される挿入部と、
を含み、
前記電磁場の少なくとも一部が前記エアゾール生成基質を加熱することでエアゾールが生成される、電子装置。
【請求項2】
前記共振器は、円筒状の外郭導体と中心導体との間の空洞によって形成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記円筒状の前記外郭導体及び前記中心導体は同軸を有し、
前記中心導体の内部領域に基づいて前記挿入部が形成される、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記共振器は、前記共振器内の前記マイクロ波の波長の1/4の長さを有し、
前記共振器の第1端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結された閉じられた端で形成され、前記第1端と対向する前記共振器の第2端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結されておらず離れているオープン端で形成される、請求項2又は3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記外郭導体及び前記中心導体は導波管を形成し、
前記中心導体は前記導波管の第1端と連結され、
前記第1端と反対側に位置する前記中心導体のオープン端に隣接するように前記エアゾール生成基質が前記挿入部を介して挿入される、請求項2又は3に記載の電子装置。
【請求項6】
前記共振器は、前記導波管の前記第1端及び前記中心導体によって形成される、請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
電子装置によって実行されるエアゾール生成方法は、
発振器を用いて予め設定された周波数のマイクロ波を生成するステップと、
前記生成されたマイクロ波を共振器にマイクロ波カプラーを介して供給するステップと、
前記共振器を介して前記マイクロ波を共振させることで、増幅された電磁場を生成するステップと、
前記電磁場の少なくとも一部が中心導体に隣接するように挿入されたエアゾール生成基質を加熱することでエアゾールを生成するステップと、
を含み、
前記共振器は、円筒状の外郭導体と前記中心導体との間の空洞によって形成される
エアゾール生成方法。
【請求項8】
前記円筒状の前記外郭導体及び前記中心導体は同軸を有する、請求項7に記載のエアゾール生成方法。
【請求項9】
前記共振器を介して前記マイクロ波を共振させることによって増幅された電磁場を生成するステップは、前記外郭導体及び前記中心導体の構造によって前記マイクロ波のパターンをTEM(transvers electromagnetic)モードに形成させることによって前記マイクロ波を共振させるステップを含む、請求項7に記載のエアゾール生成方法。
【請求項10】
前記共振器は、前記共振器内の前記マイクロ波の波長の1/4の長さを有し、
前記共振器の第1端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結された閉じられた端で形成され、前記第1端と対向している前記共振器の第2端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結されておらず離れたオープン端で形成される、請求項7に記載のエアゾール生成方法。
【請求項11】
前記第1端と前記第2端との間の長さは、前記波長の1/4の整数倍である、請求項10に記載のエアゾール生成方法。
【請求項12】
前記外郭導体及び前記中心導体は導波管を形成し、
前記中心導体は、
前記導波管の第1端に連結され、
前記第1端と反対側に位置する前記中心導体のオープン端に隣接するように前記エアゾール生成基質が挿入される、請求項7から11のいずれか一項に記載のエアゾール生成方法。
【請求項13】
前記共振器は、前記導波管の前記第1端及び前記中心導体によって形成される、請求項12に記載のエアゾール生成方法。
【請求項14】
前記中心導体の内部空間に連結される挿入部の直径は前記マイクロ波の波長の1/2未満である、請求項7から11のいずれか一項に記載のエアゾール生成方法。
【請求項15】
前記空洞内に誘電体が含まれる、請求項7から11のいずれか一項に記載のエアゾール生成方法。
【請求項16】
前記エアゾール生成基質の温度を測定するステップと、
前記測定された温度が予め設定された第1閾値温度以上である場合、前記マイクロ波の生成を中断するステップと、
をさらに含む、請求項7から11のいずれか一項に記載のエアゾール生成方法。
【請求項17】
前記発振器を用いて予め設定された周波数のマイクロ波を生成するステップは、
前記マイクロ波の生成が中断された状態で測定された前記エアゾール生成基質の温度が予め設定された第2閾値温度未満である場合、前記マイクロ波を生成するステップを含む、請求項16に記載のエアゾール生成方法。
【請求項18】
コンピュータによって実行された場合に、前記コンピュータに、請求項7から11のいずれか一項に記載のエアゾール生成方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、エアゾールを生成する技術に関し、具体的にマイクロ波を用いてエアゾールを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的な巻タバコの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、巻タバコを燃焼させてエアゾールを生成する方法ではない、巻タバコ内のエアゾール生成基質を加熱することでエアゾールを生成する方法に関する需要が増加している。そのため、加熱式の巻タバコ又は加熱式のエアゾール生成装置に対する研究が盛んに行われている。
【0003】
マイクロ波加熱技術は、誘電加熱(dielectric heating)の原理を用いて水や有機溶媒などのような極性分子を直接加熱できる技術であって、マイクロ波を用いて加熱が必要な物質のみを選択的に加熱することができるため、エネルギーの効率性が高くて加熱速度が極めてはやい。但し、マイクロ波を発生させる過程において、約60~70%レベルの効率で供給された電気エネルギーがマイクロ波エネルギーに転換されるため、マイクロ波で物質を加熱するときに必要な熱容量が、従来における外部加熱方式で必要な熱容量の50%以下でなければ、さらに高いエネルギー効率性を確保することができない。また、マイクロ波加熱方式は、従来における外部加熱方式に対比して加熱に必要な熱容量が少なければ少ないほど、より迅速に加熱することができる。
【0004】
今までマイクロ波加熱方式の適用分野は、ほとんど大容量の加熱能力を求める分野であった。マグネトロン(Magnetron)などのマイクロ波発生装置をはじめとする必須部品のようなマイクロ波技術関連の産業に供給される装置は、キロワット(kW)級以上の大容量に合わせられており、家庭用電子レンジもマイクロ波出力が900Wレベルである。
【0005】
物理的な観点において、小型、少量の加熱物質であるほど、直接加熱方式であるマイクロ波加熱方式が外部加熱方式に比べてその効果が最大化し、加熱速度も画期的に高めることができる。但し、加熱用として使用されるマイクロ波の波長が約12cm又は約30cmレベルのサイズであるため、加熱装置を小型化するためには精密なマイクロ波装置の設計技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近、通信関連技術が発達して通信に使用されるマイクロ波素子の技術も迅速に発展している。特に、通信用にのみ使用された固体基盤マイクロ波発生装置は、既存に代替不可能であった高出力マイクロ波発生装置であるマグネトロンを一部の技術分野において少しずつ代替できるほどに発展している。このような固体マイクロ波素子及び小型化されたマイクロ波送信線などを活用する場合、小型のマイクロ波加熱装置が実現可能になる。
【0007】
一実施形態は、電子装置によって実行されるエアゾール生成方法を提供することができる。
【0008】
一実施形態はエアゾールを生成する電子装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に係る電子装置は、前記電子装置の動作を制御する制御部と、予め設定された周波数のマイクロ波を生成する発振器と、前記生成されたマイクロ波を共振器に供給するマイクロ波カプラーと、前記マイクロ波を共振させることによって増幅された電磁場を生成する共振器と、前記共振器に隣接するようにエアゾール生成基質が挿入される挿入部とを含み、前記電磁場の少なくとも一部が前記エアゾール生成基質を加熱することでエアゾールが生成される。
【0010】
前記共振器は、円筒状の外郭導体と中心導体との間の空洞によって形成されることができる。
【0011】
前記円筒状の前記外郭導体及び前記中心導体は同軸を有し、前記中心導体の内部領域に基づいて前記挿入部が形成されることができる。
【0012】
前記共振器は、前記共振器内の前記マイクロ波の波長の1/4の長さを有し、前記共振器の第1端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結された閉じられた端で形成され、前記第1端と対向する前記共振器の第2端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結されておらず離れているオープン端で形成されることができる。
【0013】
前記外郭導体及び前記中心導体は導波管を形成し、前記中心導体は前記導波管の第1端と連結され、前記第1端と反対側に位置する前記中心導体のオープン端に隣接するように前記エアゾール生成基質が前記挿入部を介して挿入されることができる。
【0014】
前記共振器は、前記導波管の前記第1端及び前記中心導体によって形成されることができる。
【0015】
他の一実施形態に係る電子装置によって実行されるエアゾール生成方法は、発振器を用いて予め設定された周波数のマイクロ波を生成するステップと、前記生成されたマイクロ波を共振器にマイクロ波カプラーを介して供給するステップ(前記共振器は、円筒状の外郭導体と中心導体との間の空洞によって形成される)と、前記共振器を介して前記マイクロ波を共振させることで、増幅された電磁場を生成するステップと、前記電磁場の少なくとも一部が前記中心導体に隣接するように挿入されたエアゾール生成基質を加熱することでエアゾールを生成するステップとを含む。
【0016】
前記円筒状の前記外郭導体及び前記中心導体は同軸を有し得る。
【0017】
前記共振器を介して前記マイクロ波を共振させることによって増幅された電磁場を生成するステップは、前記外郭導体及び前記中心導体の構造によって前記マイクロ波のパターンをTEM(transvers electromagnetic)モードに形成させることによって前記マイクロ波を共振させるステップを含むことができる。
【0018】
前記共振器は、前記共振器内の前記マイクロ波の波長の1/4の長さを有し、前記共振器の第1端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結された閉じられた端(short end)で形成され、前記第1端と対向している前記共振器の第2端は、前記外郭導体及び前記中心導体が連結されておらず離れたオープン端(open end)で形成されることができる。
【0019】
前記第1端と前記第2端との間の長さは、前記波長の1/4の整数倍であり得る。
【0020】
前記外郭導体及び前記中心導体は導波管を形成し、前記中心導体は、前記導波管の第1端に連結され、前記第1端と反対側に位置する前記中心導体のオープン端(open end)に隣接するように前記エアゾール生成基質が挿入されることができる。
【0021】
前記共振器は、前記導波管の前記第1端及び前記中心導体によって形成されることができる。
【0022】
前記中心導体の内部空間に連結される挿入部の直径は前記マイクロ波の波長の1/2未満であってもよい。
【0023】
前記空洞内に誘電体が含まれることができる。
【0024】
前記エアゾール生成方法は、前記エアゾール生成基質の温度を測定するステップと、前記測定された温度が予め設定された第1閾値温度以上である場合、前記マイクロ波の生成を中断するステップをさらに含むことができる。
【0025】
前記発振器を用いて予め設定された周波数のマイクロ波を生成するステップは、前記マイクロ波の生成が中断された状態で測定された前記エアゾール生成基質の温度が予め設定された第2閾値温度未満である場合、前記マイクロ波を生成するステップを含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
電子装置によって実行されるエアゾール生成方法が提供されることができる。
【0027】
エアゾールを生成する電子装置が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図4】一例に係る導波管に基づいて形成された共振器の構成図である。
【
図5】一例に係るマイクロ波によって形成された電場を示す。
【
図9】一実施形態に係るエアゾール生成方法のフローチャートである。
【
図10】一例に係るエアゾール生成基質の温度に基づいてマイクロ波の生成を制御する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物または代替物を含む。
【0030】
第1又は第2などの用語を様々な構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0031】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0032】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0033】
異なるように定義さがれない限り、技術的又は科学的な用語を含んで、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0034】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0035】
【0036】
一実施形態によれば、電子装置100は、電子装置100に挿入される巻タバコ2内のエアゾール生成基質を加熱することでエアゾールを生成することができる。ユーザは、生成されたエアゾールを吸入することによって喫煙可能である。例えば、電子装置100は、エアゾール生成基質に直接的に熱を加える方式ではない、電子レンジのようにマイクロ波を共振させることによって発生する、電磁場を用いてエアゾール生成基質を加熱させる方式を採用し得る。前記方式は、マイクロ波誘導加熱のように命名される。
【0037】
エアゾール生成基質を加熱するためには、高い密度のマイクロ波を形成させる空胴共振器(cavity resonator)が要求される。発振器のようなソースを介して生成されたマイクロ波を送信し媒質に供給する方式では、微弱な加熱のみが可能であり、エネルギー効率も極めて低い。
【0038】
加熱用として許容されたISM(industrial scientific and medical equipment)周波数である2.45GHzのマイクロ波の波長は約120mmであるため、一般に使用される四角ボックス形態又は円筒状の空胴共振器のサイズは必ず約60mm以上でなければならない。前記の形態を有する60mmよりも小さいサイズの共振器にはマイクロ波が入らない場合がある。
【0039】
波長のサイズに応じて発生する、制約条件による共振器の限界サイズよりも小さいサイズで共振器を作ることのできる一例は、共振器を同軸(coaxial)又は平行板形(parallel plate)の形態に実現することで、電磁場のパターンをTEM(transverse electromagnetic)モードに形成させ、電磁場の遮断周波数(cutoff frequency)が存在しない構造に製造することである。異なる例として、極めて高い周波数のマイクロ波を利用したり、極めて高い誘電率値を有する素材を共振器内部に充填したりする方法があげられる。
【0040】
一実施形態によれば、共振器は、通常、一定の長さを有する導波管(waveguide)の形態を有するが、導波管の両終端は短絡(short)(impedance=0)又は開放(open)(impedance=∞)のように形成される。1/4波長共振器は、利用可能な共振器のうち最も長さが短い形態であってもよく、共振器の第1端は金属壁を形成させることで短絡し、第2端は金属の部分がないよう開放させてもよい。1/4波長共振器を用いてエアゾールを生成する方法について、以下で
図2~
図10を参照して詳細に説明される。
【0041】
一実施形態によれば、同軸の共振器が巻タバコ2の少なくとも一部(例えば、エアゾール生成基質)を囲む形態に巻タバコ2が挿入され、共振器によって発生する電磁場によりエアゾール生成基質が加熱されることができる。例えば、巻タバコ2は、エアゾール生成基質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分とに区分されてもよい。又は、巻タバコ2の第2部分にもエアゾール生成基質が含まれてもよい。
【0042】
電子装置100の内部には第1部分の全体が挿入され、第2部分は外部に露出されてもよい。又は、電子装置100の内部に第1部分の一部のみが挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口でくわえた状態でエアゾールを吸入する。このとき、エアゾールは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアゾールは第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0043】
【0044】
一実施形態によれば、電子装置100は、制御部210、発振器220、マイクロ波カプラー230(microwave coupler)、共振器240、及び挿入部250を含む。発振器220は、オシレータのような信号源(signal source)222及び増幅器225を含むことができる。図示していないが、電子装置100は、汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、電子装置100は、視覚情報の出力可能なディスプレイ(又は、インジケータ)及び/又は触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、電子装置100は、少なくとも1つのセンサ(パフ検知センサ、温度検知センサ、巻タバコ挿入検知センサなど)をさらに含んでもよい。また、電子装置100は、巻タバコ2が挿入された状態であっても外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする構造に製造され得る。
【0045】
外部空気は、電子装置100に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入されることができる。例えば、電子装置100に形成された空気通路の開閉及び/又は空気通路のサイズはユーザによって調整され得る。そのため、霧化量、喫煙感などがユーザによって調整され得る。異なる例として、外部空気は、巻タバコ2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介して巻タバコ2の内部に流入されてもよい。
【0046】
一実施形態によれば、図示していないが、電子装置100は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、電子装置100のバッテリの充電に用いられる。
【0047】
制御部210は、電子装置100の動作を制御することができる。以下で
図3を参照して制御部210に対して詳細に説明される。
【0048】
発振器220の信号源222は、制御部210の制御信号に基づいて予め設定された周波数のマイクロ波を生成する。予め設定された周波数は、ISM周波数帯域内の周波数であってもよい。例えば、予め設定された周波数は2.45GHz又は5.8GHzであってもよく、記載された実施形態に限定されることはない。
【0049】
増幅器225は、信号源222によって生成されたマイクロ波の出力を物質の加熱に用いられる程強い出力で増幅することができる。増幅器225は、制御部210の信号に基づいて信号源222の強度を調整することで増幅器225以後の出力を調整し得る。例えば、マイクロ波の振幅を減少させたり増加させたりしてもよい。マイクロ波の振幅が調整されることで、マイクロ波の電力が調整されることができる。
【0050】
マイクロ波カプラー230は、マイクロ波を共振器240に供給することができる。発振器220によって生成されたマイクロ波をマイクロ波送信線(又は、導波管)で共振器に入れることを共振器結合(resonator coupling)といい、その構造をマイクロ波カプラー230のように定義することができる。
【0051】
共振器240は、供給されたマイクロ波を共振させることによって増幅された電磁場を形成することができる。共振されたマイクロ波によって形成された電磁場の少なくとも一部が導波管の内部に挿入されたエアゾール生成基質を加熱することでエアゾールを生成し得る。
【0052】
一実施形態によれば、共振器240は、1/4波長共振器であってもよく、共振器240の第1端は金属壁を介して短絡され、第2端は開放されてもよい。一例に係る共振器240の構造に対して、下記の
図4を参照して詳細に説明される。
【0053】
挿入部250は、導波管に基づいて形成されることができる。例えば、導波管は、中心導体及び外郭導体から構成されてもよく、導波管の内部領域には共振器240が形成され、中心導体内側の領域には挿入部250が形成されてもよい。
【0054】
【0055】
一側面に係る制御部210は、通信部310、プロセッサ320及びメモリ330を含む。
【0056】
通信部310は、プロセッサ320及びメモリ330に連結されてデータを送受信することができる。通信部310は、外部の他の装置と連結されてデータを送受信できる。以下では、「A」を送受信するという表現は、「Aを示す情報(information)又はデータ」を送受信することを示す。
【0057】
通信部310は、制御部210内の回路網に実現されてもよい。例えば、通信部310は、内部バス(internal bus)及び外部バス(external bus)を含んでもよい。異なる例として、通信部310は、制御部210と外部の装置を連結する要素であってもよい。通信部310はインターフェースである。通信部310は、外部の装置からデータを受信し、プロセッサ320及びメモリ330にデータを送信することができる。
【0058】
プロセッサ320は、通信部310が受信したデータ及びメモリ330に格納されたデータを処理する。「プロセッサ」は、目的とする動作(desired operations)を実行させるための物理的な構造を有する回路を有するハードウェアで具現されたデータ処理装置であってもよい。例えば、目的とする動作は、プログラムに含まれたコード(code)又は命令(instructions)を含んでもよい。例えば、ハードウェアで具現されたデータ処理装置は、マイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit)、プロセッサコア(processor core)、マルチコアプロセッサ(multi-core processor)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を含んでもよい。
【0059】
プロセッサ320は、メモリ(例えば、メモリ330)に格納されたコンピュータで読出し可能なコード(例えば、ソフトウェア)及びプロセッサ320によって誘発された命令を実行する。
【0060】
メモリ330は、通信部310が受信したデータ及びプロセッサ320が処理したデータを格納する。例えば、メモリ330は、プログラム(又は、アプリケーション、ソフトウェア)を格納してもよい。格納されるプログラムは、電子装置100を制御できるようにコーディングされてプロセッサ320によって実行可能なシンタックス(syntax)の集合であってもよい。
【0061】
一態様によれば、メモリ330は、1つ以上の揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及びRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ及び光学ディスクドライブを含んでもよい。
【0062】
メモリ330は、制御部210を動作させる命令語セット(例えば、ソフトウェア)を格納する。制御部210を動作させる命令語セットは、プロセッサ320によって実行される。
【0063】
通信部310、プロセッサ320、及びメモリ330に対して、以下で
図9及び
図10を参照して詳細に説明される。
【0064】
図4は、一例に係る導波管に基づいて形成された共振器の構成図である。
【0065】
一実施形態によれば、共振器450は、壁421,422、外郭導体410、及び中心導体430を含む導波管400に基づいて形成されている。共振器450は、
図2を参照して上述した共振器240に対応する。外郭導体410及び中心導体430のそれぞれは円筒状であり、同軸を有し得る。共振器240は、円筒状の外郭導体410及び中心導体430の間の空洞(cavity)によって形成されている。
【0066】
一実施形態によれば、壁421,422、外郭導体410及び中心導体430は金属であってもよい。導波管400は、内部が空いている形態の同軸であってもよい。さらに、導波管400の内部空間と連結されるように挿入部250が形成されてもよい。挿入部250は、中心導体430によって形成される内部の円筒状の空間に延びる方式で壁422と連結されている。挿入部250の物質は、導波管400の物質と互いに異なってもよい。例えば、導波管400の物質は、内部の空洞で生成される電磁場が外部に伝搬されない物質であってもよく、挿入部250の物質は、電磁場の電波に影響を与えない物質であってもよい。
【0067】
中心導体430は、第1壁421による第1端と連結されてもよい。中心導体430は、他の金属と連結されることなくオープン端(open end)431を含む。
【0068】
挿入部250は、導波管400の内部に挿入されたエアゾール生成基質470がオープン端431及び挿入部240の端部に配置されるよう導波管400の内部に形成されてもよい。
【0069】
共振器450は、導波管400の第1壁421による第1端及び部分中心導体430によって形成される。即ち、共振器450は、中心導体430を中心にするドーナツ状であってもよい。
【0070】
一実施形態によれば、共振器450は、共振器450内のマイクロ波の波長の1/4の長さを有するように、共振器450の第1端は、外郭導体(又は、壁)及び中心導体が連結された閉じられた端で形成され、第1端に対向している共振器450の第2端は、外郭導体(又は、壁)及び中心導体が連結されておらず、離れたオープン端(open end)に形成されてもよい。第1端及び第2端の間の長さは、波長の1/4の整数倍であってもよい。共振器450のように制限された空間にマイクロ波が閉じ込められている場合、自由空間に放射されるマイクロ波とは異なる波長を有してもよい。例えば、共振器450の構造的な要因によりマイクロ波の波長が変わり得る。異なる例として、共振器450内の誘電体中に存在するマイクロ波の波長は、誘電体の誘電定数値が大きくなれば短くなる。
【0071】
一実施形態によれば、ユーザは、第1壁421による第1端と反対側に位置する中心導体430のオープン端431に隣接するよう、エアゾール生成基質470を、挿入部250を介して挿入することができる。エアゾール生成基質470は、タバコ媒質であってもよい。例えば、エアゾール生成基質470は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアゾール形成剤を含んでもよい。
【0072】
マイクロ波カプラー230を介してマイクロ波が導波管400の空洞に供給され、共振器450によってマイクロ波が共振される。共振されたマイクロ波により共振器450内に増幅された電磁場が形成され、電磁場の少なくとも一部によりエアゾール生成基質470が加熱される。マイクロ波によって形成される電磁場については、以下で
図5を参照して詳細に説明される。
【0073】
中心導体430及び挿入部250を連結しないことにより形成されたオープン端431を介して、電磁場の少なくとも一部がエアゾール生成基質470側にも作用することができる。特に、オープン端431の周辺に強い電磁場が形成されるため、エアゾール生成基質470が容易に加熱され得る。例えば、共振器450の側面において共振ピークが形成されるオープン端431で最も強い電磁場が発生する。形成された電磁場の一部が共振器450に隣接しているエアゾール生成基質470に漏れ入り、漏れ入った電磁場は、エアゾール生成基質470を加熱することができる。即ち、上述したエアゾール生成基質470を加熱する方式は、共振器内に位置するエアゾール生成基質を直接加熱する方式でない、オープン端431の間の空間に漏れた電磁場がエアゾール生成基質を加熱する方式である。
【0074】
また、前記共振器450の構造によって共振器450領域ではない挿入部250の方向には電磁場が漏れないようにすることができる。即ち、エアゾール生成基質470に漏れ入った電磁場はエアゾール生成基質470のみを加熱するだけであり、外部(例えば、ユーザの口方向)に伝搬されない。電磁場が共振器450の領域ではない空間においては、電波(又は、漏洩)されないことから、電磁場を遮蔽するための別途の電子装置100の機能又は構造が要求されない。
【0075】
一実施形態によれば、挿入部250の直径は、マイクロ波の波長の1/2未満であってもよい。挿入部250の直径がマイクロ波の波長の1/2未満である場合、共振を起こすマイクロ波が遮断される。
【0076】
ユーザは、加熱したエアゾール生成基質470により生成されたエアゾールを、巻タバコ2を介して吸入することができる。巻タバコ2の構造については、以下で
図7及び8を参照して詳細に説明される。
【0077】
一実施形態によれば、共振器450の空洞が低損失の誘電体(テフロン(登録商標)、石英、アルミナなど)で充填されてもよい。誘電損失が小さい誘電体に空洞が充填される場合、共振器450のサイズがさらに減少する。
【0078】
図5は、一例に係るマイクロ波によって形成された電磁場を示す。
【0079】
図4を参照して説明された共振器450及び挿入部250の構造による一例に係るマイクロ波により形成された電磁場が示される。図示された電磁場は、前述の導波管400の断面に関する。領域501、503で最も強い電磁場が形成されることが示され、領域501、503は、
図4を参照して説明した中心導体430のオープン端431に対応する部分である。そのため、領域501、503に隣接しているエアゾール生成基質(例えば、
図4に示すエアゾール生成基質470)は、オープン端431の間の空間に漏れ出た強い電磁場によって加熱される。さらに、エアゾール生成基質が挿入される挿入部(例えば、
図2に示す挿入部250)の方向には、電磁場が漏れないことが観察される。
【0080】
【0081】
一実施形態によれば、
図4を参照して上述した導波管400内には少なくとも1つのセンサ610をさらに含んでもよい。例えば、センサ610は、パフ検知センサ、温度検知センサ、及び巻タバコ挿入検知センサを、1つ以上を含んでもよい。
【0082】
一実施形態に係るセンサ610は、導波管400の中心部に配置されている。例えば、巻タバコ(例えば、
図1に示す巻タバコ2)のエアゾール生成基質470が挿入部250を介して導波管400内に配置される場合、巻タバコの終端部分がセンサ610に隣接する。センサ610は、巻タバコの挿入を検出することができる。又は、センサ610は、エアゾール生成基質470の温度を測定することができる。
【0083】
【0084】
図7を参照すると、巻タバコ2は、タバコロッド71及びフィルタロード72を含む。
図7には、フィルタロード72が単一セグメントのように図示されているが、これに限定されない。言い換えれば、フィルタロード72は、複数のセグメントから構成されてもよい。例えば、フィルタロード72は、エアゾールを冷却するセグメント及びエアゾール内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロード72には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0085】
巻タバコ2は、少なくとも1つのラッパー74によって包装されてもよい。ラッパー74には、外部空気が流入されたり内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔が形成されている。一例として、巻タバコ2は、1つのラッパー74によって包装されてもよい。異なる例として、巻タバコ2は、2以上のラッパー74によって重複的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパー741によりタバコロッド71が包装され、ラッパー742、743、744によってフィルタロード72が包装されてもよい。そして、単一ラッパー745により巻タバコ2の全体が再包装されてもよい。もし、フィルタロード72が複数のセグメントから構成されていれば、それぞれのセグメントがラッパー742、743、744によって包装されることができる。
【0086】
タバコロッド71は、エアゾール生成基質(例えば、エアゾール生成基質470)を含む。例えば、エアゾール生成基質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含んでもよいが、これに限定されない。また、タバコロッド71は、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有してもよい。また、タバコロッド71には、メントール又は保湿剤などの加香液が、タバコロッド71に放出されることによって添加され得る。
【0087】
タバコロッド71は、多様に製造されることができる。例えば、タバコロッド71は、シート(sheet)で製造されてもよく、ストランド(strand)に製造されてもよい。また、タバコロッド71は、タバコシートが細かく切り取ったタバコの葉で製造されてもよい。
【0088】
また、タバコロッド71は、熱伝導物質によって囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミホイルのような金属ホイールであってもよいが、これに限定されない。一例として、タバコロッド71を囲む熱伝導物質は、タバコロッド71に伝達される熱を等しく分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、これによってタバコの味を向上させ得る。また、タバコロッド71を囲む熱伝導物質は、誘導加熱式加熱器によって加熱するサセプタとしての機能を行うことができる。ここで図示していないが、タバコロッド71は、外部を囲む熱伝導物質の他にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0089】
フィルタロード72は、セルロースアセテートフィルタであってもよい。一方、フィルタロード72の形状には制限がない。例えば、フィルタロード72は円柱型ロードであってもよく、内部に中空部を含むチューブ型ロードであってもよい。また、フィルタロード72は、リセス型ロードであってもよい。もし、フィルタロード72が複数のセグメントから構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが他の形状に製造されてもよい。
【0090】
また、フィルタロード72には、少なくとも1つのカプセル73が含まれてもよい。ここで、カプセル73は香味を発生させる機能を行ってもよく、エアゾールを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル73は、香料を含む液体を被膜で取り囲む構造であってもよい。カプセル73は、球状又は円筒状の形状を有してもよいが、これに制限されることはない。
【0091】
図8を参照すると、巻タバコ8は、巻タバコ2に比べて前端プラグ83をさらに含んでもよい。前端プラグ83はタバコロッド81において、フィルタロード82に対向する一側に配置される。前端プラグ83は、タバコロッド81が外部に離脱することを防止し、喫煙中にタバコロッド81から発生したエアゾールが電子装置100の内部に入ることを防止する。
【0092】
フィルタロード82は、第1セグメント821及び第2セグメント822を含む。ここで、第1セグメント821は、
図7に示したフィルタロード72の第1セグメントに対応し、第2セグメント822は、
図7に示すフィルタロード72の第3セグメントに対応する。
【0093】
巻タバコ8の直径及び全長は、巻タバコ2の直径及び全長に対応する。例えば、前端プラグ83の長さは約7mm、タバコロッド81の長さは約15mm、第1セグメント821の長さは約12mm、第2セグメント822の長さは約14mmであってもよいが、これに限定されない。
【0094】
巻タバコ8は、少なくとも1つのラッパー85によって包装されてもよい。ラッパー85には外部空気が流入したり内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔が形成されてもよい。例えば、第1ラッパー851によって前端プラグ83が包装され、第2ラッパー852によってタバコロッド81が包装され、第3ラッパー853によって第1セグメント821が包装され、第4ラッパー854によって第2セグメント822が包装されてもよい。そして、第5ラッパー855によって巻タバコ8全体が再包装されてもよい。
【0095】
また、第5ラッパー855には、少なくとも1つの穿孔86が形成されることができる。例えば、穿孔86は、タバコロッド81を囲む領域に形成され得るが、これに制限されることはない。穿孔86は、電磁場によって表面に発生した熱をタバコロッド81の内部に伝達する役割を果たし。
【0096】
また、第2セグメント822には、少なくとも1つのカプセル84が含まれてもよい。ここで、カプセル84は、香味を発生させる機能を行ってもよく、エアゾールを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル84は、香料を含む液体を被膜で取り囲まれた構造であってもよい。カプセル84は、球状又は円筒状の形状を有してもよいが、これに制限されることはない。
【0097】
図9は、一実施形態に係るエアゾール生成方法のフローチャートである。
【0098】
以下のステップ910~940は、
図1~
図6を参照して上述した電子装置100により実行される。
【0099】
ステップ910において、電子装置100は、発振器220の信号源222を用いて予め設定された周波数のマイクロ波を生成する。予め設定された周波数は、加熱用で許容された915MHz帯域、2.45GHz帯域又は5.8GHz帯域であってもよく、記載された実施形態に限定されない。
【0100】
ステップ915において、電子装置100は、発振器220の増幅器225を用いてマイクロ波の振幅(又は、出力)を調整する。マイクロ波の振幅が調整されることによって加熱温度が調整され得る。
【0101】
ステップ920において、電子装置100は、マイクロ波を導波管に基づいて形成された共振器240にマイクロ波カプラー230を介して供給する。
【0102】
ステップ930において、電子装置100は、共振器240を介してマイクロ波を共振させることで電磁場を生成する。導波管は、内部が空の形態の同軸であってもよい。例えば、共振器240の構造によってマイクロ波のパターンがTEMモードに形成されることで、マイクロ波が共振される。
【0103】
導波管の外郭導体及び中心導体の構造によるマイクロ波のパターンがTEMモードに形成されることで、マイクロ波の波長の1/5よりも小さいサイズの空洞が使用可能になる。
【0104】
一実施形態によれば、共振器240は、内部が空いているドーナツ状の共振器(例えば、
図4に示す共振器450)を含む。共振器は一方が閉じられ、他方が開放された形態である1/4波長共振器であってもよい。
【0105】
ステップ940において、電子装置100は、共振されたマイクロ波によって形成された電磁場が共振器のオープン端431の間の空間で漏れることによって導波管(例えば、導波管400)内部に挿入されているエアゾール生成基質(例えば、
図4に示すエアゾール生成基質470)を加熱することでエアゾールを生成する。生成されたエアゾールは、巻タバコ2、8のフィルタロード72、82を介してユーザが吸入できる。
【0106】
図10は、一例に係るエアゾール生成基質の温度に基づいてマイクロ波の生成を制御する方法のフローチャートである。
【0107】
一実施形態によれば、
図9を参照して上述したステップ940が実行された後、次のステップ1010及び1020をさらに実行することができる。
【0108】
ステップ1010において、電子装置100は、エアゾール生成基質の温度を測定する。例えば、電子装置100は、
図6を参照して上述したセンサ610を用いてエアゾール生成基質の温度を測定することができる。
【0109】
ステップ1020において、電子装置100は、測定された温度が予め設定された第1閾値温度以上である場合、マイクロ波の生成を中断する。マイクロ波の生成が中断されることで必要以上にエアゾール生成基質が加熱されることを防止する。
【0110】
異なる一実施形態によれば、電子装置100は、測定された温度が予め設定された第1閾値温度以上である場合、マイクロ波の振幅(又は、出力)を調整することができる。マイクロ波の振幅を低減することで必要以上にエアゾール生成基質が加熱されることを防止する。
【0111】
図9を参照して上述したステップ910は、下記のステップ1030をさらに含んでもよい。
【0112】
ステップ1030において、電子装置100は、エアゾール生成基質の温度が第2閾値温度未満である場合、マイクロ波を生成する。
【0113】
異なる一実施形態によれば、電子装置100は、測定された温度が予め設定された第2閾値温度未満である場合、マイクロ波の振幅(又は、出力)を調整することができる。マイクロ波の振幅を増加させることでエアゾール生成基質を強いエネルギーに加熱することができる。
【0114】
実施形態に係る方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造など、単独又は組み合わせを含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。上記で説明したハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0115】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はそのうちの一つ以上の組み合わせを含み、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり、独立的又は結合的に処理装置を命令したりすることができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令又はデータを提供したりするために、いずれかの類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波に永久的又は一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で格納されたり実行されたりし得る。ソフトウェア及びデータは一つ以上のコンピュータで読出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0116】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0117】
したがって、他の具現、他の実施形態及び特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。
【国際調査報告】