IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-532982スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器
<>
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図1
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図2
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図3
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図4
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図5
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図6
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図7
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図8
  • 特表-スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】スピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H04R3/00 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578552
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2022122053
(87)【国際公開番号】W WO2024031803
(87)【国際公開日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】202210959996.3
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】王 洪▲興▼
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220AA01
5D220AA02
5D220AA50
5D220AB01
(57)【要約】
【課題】本発明の実施例はスピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器を提供する。
【解決手段】該方法では、環境情報収集装置によって環境状態情報を取得し、環境状態分析モジュールによって環境状態情報を分析して環境状態結果を生成し、ユーザから入力されたモード選択結果を受信し、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果及びモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行う。本発明の実施例において、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果及びモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、且つ消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行うことで、スピーカの消費電力を動的に制御可能であり、消費電力を更に節約する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境情報収集装置によって環境状態情報を取得することと、
環境状態分析モジュールが前記環境状態情報を分析して環境状態結果を生成することと、
ユーザから入力されたモード選択結果を受信することと、
消費電力パラメータ計算モジュールが前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成することと、
消費電力抑制モジュールが前記消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行うこととを含むことを特徴とするスピーカの消費電力制御方法。
【請求項2】
前記消費電力パラメータ計算モジュールが前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成することは、
消費電力パラメータ計算モジュールが、予め設定されたスピーカパラメータ、前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成することを含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカの消費電力制御方法。
【請求項3】
前記消費電力抑制モジュールは、ハイパスフィルタを含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカの消費電力制御方法。
【請求項4】
前記環境情報収集装置は、マイクロフォンを含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカの消費電力制御方法。
【請求項5】
前記環境状態情報は、環境音声情報、環境光輝度情報又は環境温度情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカの消費電力制御方法。
【請求項6】
前記環境状態結果は、環境の低周波ノイズの度合いを含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカの消費電力制御方法。
【請求項7】
前記消費電力制御パラメータは、ハイパスフィルタのカットオフ周波数パラメータを含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカの消費電力制御方法。
【請求項8】
環境情報収集装置によって環境状態情報を取得するように構成される取得モジュールと、
前記環境状態情報を分析して環境状態結果を生成するように構成される環境状態分析モジュールと、
ユーザから入力されたモード選択結果を受信するように構成される受信モジュールと、
前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成するように構成される消費電力パラメータ計算モジュールと、
前記消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行うように構成される消費電力抑制モジュールとを含むことを特徴とするスピーカの消費電力制御装置。
【請求項9】
記憶媒体であって、
前記記憶媒体は、記憶されたプログラムを含み、
前記プログラムは、作動したときに、前記記憶媒体の所在する装置が請求項1~7のいずれか一項に記載のスピーカの消費電力制御方法を実行するように制御することを特徴とする記憶媒体。
【請求項10】
プログラム命令を含む情報を記憶するためのメモリと、前記プログラム命令の実行を制御するためのプロセッサとを含む電子機器であって、
前記プログラム命令が前記プロセッサによってロードされて実行されたときに、請求項1~7のいずれか一項に記載のスピーカの消費電力制御方法のステップは、実施されることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカの技術分野に関し、特にスピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の航続は、消費者がますます注目する次元である。電子機器の航続を向上させるために、大容量電池の使用のみが不十分であり、電子機器における各モジュールの消費電力を制御することも必要である。例えば、表示画面について、画面の電力量の消耗を減少させるために、画面の輝度を低下させたり、画面のリフレッシュレートを低下させたりする等の操作を採用することができる。
【0003】
電子機器を用いるスピーカも、電力量の消費をもたらす。電子機器の設計過程においてスピーカの消費電力を制限することが一般的であるが、関連技術においてスピーカの消費電力を動的に制御することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明の実施例は、スピーカの消費電力を動的に制御して更に消費電力を節約するようなスピーカの消費電力制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、スピーカの消費電力制御方法を提供し、該スピーカの消費電力制御方法は、
環境情報収集装置によって環境状態情報を取得することと、
環境状態分析モジュールが前記環境状態情報を分析して環境状態結果を生成することと、
ユーザから入力されたモード選択結果を受信することと、
消費電力パラメータ計算モジュールが前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成することと、
消費電力抑制モジュールが前記消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行うこととを含む。
【0006】
好ましくは、前記消費電力パラメータ計算モジュールが前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成することは、
消費電力パラメータ計算モジュールが、予め設定されたスピーカパラメータ、前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成することを含む。
【0007】
好ましくは、前記消費電力抑制モジュールは、ハイパスフィルタを含む。
【0008】
好ましくは、前記環境情報収集装置は、マイクロフォンを含む。
【0009】
好ましくは、前記環境状態情報は、環境音声情報、環境光輝度情報又は環境温度情報を含む。
【0010】
好ましくは、前記環境状態結果は、環境の低周波ノイズの度合いを含む。
【0011】
好ましくは、前記消費電力制御パラメータは、ハイパスフィルタのカットオフ周波数パラメータを含む。
【0012】
本発明の実施例は、スピーカの消費電力制御装置を提供し、該スピーカの消費電力制御装置は、
環境情報収集装置によって環境状態情報を取得するように構成される取得モジュールと、
前記環境状態情報を分析して環境状態結果を生成するように構成される環境状態分析モジュールと、
ユーザから入力されたモード選択結果を受信するように構成される受信モジュールと、
前記環境状態結果及び前記モード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成するように構成される消費電力パラメータ計算モジュールと、
前記消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行うように構成される消費電力抑制モジュールとを含む。
【0013】
本発明の実施例は、記憶媒体を提供し、前記記憶媒体は、記憶されたプログラムを含み、前記プログラムは、作動したときに、前記記憶媒体の所在する装置が前記スピーカの消費電力制御方法を実行するように制御する。
【0014】
本発明の実施例は、電子機器を提供し、該電子機器は、プログラム命令を含む情報を記憶するためのメモリと、前記プログラム命令の実行を制御するためのプロセッサとを含み、前記プログラム命令が前記プロセッサによってロードされて実行されたときに、上記スピーカの消費電力制御方法のステップは、実施される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御方法の技術案において、環境情報収集装置によって環境状態情報を取得し、環境状態分析モジュールによって環境状態情報を分析して環境状態結果を生成し、ユーザから入力されたモード選択結果を受信し、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果とモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに消費電力制御を行う。本発明の実施例に係る技術案において、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果及びモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、且つ消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行うことで、スピーカの消費電力を動的に制御することができ、消費電力を更に節約する。
【0016】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御方法の模式図である。
図3】本発明の実施例に係る別のスピーカの消費電力制御方法の模式図である。
図4】マイクロスピーカの典型的な周波数応答曲線の模式図である。
図5】音声のマスキング効果の模式図である。
図6】環境ノイズにおける低周波ノイズスペクトルの模式図である。
図7】本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御方法の応用模式図である。
図8】本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御装置の構造概略図である。
図9】本発明の実施例に係る電子機器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術案をよりよく理解するために、以下は、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0019】
説明される実施形態は、すべての実施形態ではなく、本発明の実施形態の一部にすぎないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0020】
本発明の実施形態で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図しない。本発明の実施形態及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1種」、「前記」及び「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形を含むことも意図される。
【0021】
理解すべきことは、本明細書で使用される用語「及び/又は」は関連対象の関連関係を説明するだけであり、3種類の関係が存在してもよく、例えば、甲及び/又は乙は、以下の関係を表すことができ、甲が単独で存在し、同時に甲と乙が存在し、乙が単独で存在するという3種類の状況が存在する。なお、ここで符号「/」とは、一般に、前後関連オブジェクトが「又は」の関係であることを意味する。
【0022】
本発明の実施例は、スピーカの消費電力制御方法を提供し、図1は、本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御方法のフローチャートであり、図2は、本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御方法の模式図であり、図3は、本発明の実施例に係る別のスピーカの消費電力制御方法の模式図であり、図1図2又は図3に示すように、該方法は下記の内容を含む。
【0023】
ステップ102では、環境情報収集装置によって環境状態情報を取得する。
【0024】
本発明の実施例において、各ステップは、電子機器によって実行される。例えば、電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、コンピュータ又はウェアラブル装置を含む。
【0025】
本発明の実施例において、ステップ102の前にオーディオストリームを取得し、オーディオストリームに対して通常のオーディオ処理を行い、処理後のオーディオストリームを生成することを更に含む。
【0026】
本発明の実施例において、環境情報収集装置は、マイクロフォン、光センサ又は温度センサを含む。
【0027】
本発明の実施例において、環境状態情報は、環境音声情報、環境光輝度情報又は環境温度情報を含む。
【0028】
例えば、マイクロフォンによって環境音声情報を取得し、光センサによって環境光輝度情報を取得し、温度センサによって環境温度情報を取得する。
【0029】
ステップ104では、環境状態分析モジュールが環境状態情報を分析して環境状態結果を生成する。
【0030】
本発明の実施例において、環境状態結果は、環境の低周波ノイズの度合いを含む。例えば、環境状態分析モジュールが環境音声情報を分析することにより、環境の低周波ノイズの度合いを生成する。
【0031】
ステップ106では、ユーザから入力されたモード選択結果を受信する。
【0032】
本ステップにおいて、ユーザは、モード選択結果を入力し、例えば、モード選択結果は、性能モード、バランスモード又は省電力モードを含む。
【0033】
ステップ108では、消費電力パラメータ計算モジュールが環境状態結果及びモード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成する。
【0034】
具体的には、消費電力パラメータ計算モジュールが、予め設定されたスピーカパラメータ、環境状態結果及びモード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成する。
【0035】
選択可能な解決手段として、音声マスキング効果モデルに基づいて、ユーザにより選択されたモード選択結果を結合し、モード選択結果に対応する消費電力制御パラメータを生成する。
【0036】
本発明の実施例において、消費電力制御パラメータは、ハイパスフィルタカットオフ周波数パラメータを含み、該ハイパスフィルタカットオフ周波数パラメータは、調整可能であり、具体的なハイパスフィルタカットオフ周波数パラメータの設定が消費電力制御パラメータ計算モジュールによって行われる。
【0037】
例えば、省電力モードで、ハイパスフィルタのカットオフ周波数が600Hzであるように設定すれば、スピーカは、600Hz以上の信号のみを出力する。マイクロスピーカの低周波帯域での消費電力の割合が大きいため、このような操作は、マイクロスピーカの消費電力を大幅に低減し、典型的な値である50%節約し、それによって省電力の目的を果たす。
【0038】
ステップ110では、消費電力抑制モジュールが消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行う。
【0039】
本発明の実施例において、消費電力抑制モジュールは、ハイパスフィルタを含む。
【0040】
本発明の実施例において、消費電力抑制モジュールが消費電力制御パラメータに基づいて処理後のオーディオストリームに消費電力制御を行うことによって、スピーカは消費電力制御パラメータに基づいて電力増幅を行い、スピーカの消費電力を低減することができる。
【0041】
本発明の実施例において、騒々しい環境における低周波ノイズの強度が大きいことは、既に広く知られている。例えば、騒音低減イヤホンによって低減されるノイズは、主に低周波ノイズである。図4は、マイクロスピーカの典型的な周波数応答曲線の模式図であり、図5は、音声のマスキング効果の模式図である。図4に示すように、電子機器に使用されるマイクロスピーカに対して、マイクロスピーカの低周波応答は、比較的弱いこともよく知られている。すなわち、マイクロスピーカf0(共振周波数)の前に、低周波応答が不足であり、且つ周波数が低いほど、音圧レベルが小さくなることを意味する。マイクロスピーカに関し、マイクロスピーカf0の典型的な値は、800Hz程度であってもよい。図5に示すように、「マスキング効果」の存在があるため、外部音声の低周波ラウドネスが大きい時に、電子機器のマイクロスピーカから発されたラウドネスの低い低周波音声を容易にマスキング可能であることが分かる。
【0042】
本発明の実施例において、図6は、環境ノイズにおける低周波ノイズスペクトルの模式図であり、図6に示すように、大量の低周波ノイズがある騒々しい環境で、ラウドモードを使用して音楽を聴く時に、スピーカが再生する低周波成分を弱めることができる。このように、これらの環境シーンでの使用体験に影響を与えない(本来、該シーンでもスピーカから発された低周波音声を効果的に聞くことができないため)だけでなく、無駄な消費電力を大幅に回避することができる。図6の環境ノイズにおける低周波ノイズスペクトルは、ステップ104で生成された環境状態結果であってもよい。
【0043】
本発明の実施例において、図7は、本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御方法の応用模式図であり、比較によって図6の環境ノイズにおける低周波ノイズスペクトルと図4におけるマイクロスピーカの典型的な周波数応答曲線を一緒に置けば容易に見られるように、マイクロスピーカの低周波出力が環境ノイズにおける低周波成分でマスクされやすいため、マイクロスピーカから発された低周波音声が聞こえない。
【0044】
本発明の実施例に係る技術案において、環境情報収集装置によって環境状態情報を取得し、環境状態分析モジュールによって環境状態情報を分析して環境状態結果を生成し、ユーザから入力されたモード選択結果を受信し、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果及びモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行う。本発明の実施例に係る技術案において、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果及びモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、且つ消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに消費電力制御を行うことで、スピーカの消費電力を動的に制御することができ、消費電力を更に節約する。
【0045】
本発明の実施例は、スピーカの消費電力制御装置を提供する。図8は、本発明の実施例に係るスピーカの消費電力制御装置の構造概略図であり、図8に示すように、該装置は、取得モジュール11、環境状態分析モジュール12、受信モジュール13、消費電力パラメータ計算モジュール14及び消費電力抑制モジュール15を含む。
【0046】
取得モジュール11は、環境情報収集装置によって環境状態情報を取得するように構成される。
【0047】
環境状態分析モジュール12は、環境状態情報を分析し、環境状態結果を生成するように構成される。
【0048】
受信モジュール13は、ユーザから入力されたモード選択結果を受信するように構成される。
【0049】
消費電力パラメータ計算モジュール14は、環境状態結果及びモード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成するように構成される。
【0050】
消費電力抑制モジュール15は、消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに対して消費電力制御を行うように構成される。
【0051】
本発明の実施例において、消費電力パラメータ計算モジュール14は、具体的に、予め設定されたスピーカパラメータ、環境状態結果及びモード選択結果に基づいて、消費電力制御パラメータを生成するように構成される。
【0052】
本発明の実施例において、消費電力抑制モジュールは、ハイパスフィルタを含む。
【0053】
本発明の実施例において、環境情報収集装置は、マイクロフォンを含む。
【0054】
本発明の実施例において、環境状態情報は、環境音声情報、環境光輝度情報又は環境温度情報を含む。
【0055】
本発明の実施例において、環境状態結果は、環境の低周波ノイズの度合いを含む。
【0056】
本発明の実施例において、消費電力制御パラメータは、ハイパスフィルタのカットオフ周波数パラメータを含む。
【0057】
本発明の実施例に係る技術案において、環境情報収集装置によって環境状態情報を取得し、環境状態分析モジュールによって環境状態情報を分析して環境状態結果を生成し、ユーザから入力されたモード選択結果を受信し、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果及びモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに消費電力制御を行う。本発明の実施例に係る技術案において、消費電力パラメータ計算モジュールによって環境状態結果及びモード選択結果に基づいて消費電力制御パラメータを生成し、且つ消費電力抑制モジュールによって消費電力制御パラメータに基づいてスピーカに消費電力制御を行うことで、スピーカの消費電力を動的に制御することができ、消費電力を更に節約する。
【0058】
本実施例に係るスピーカの消費電力制御装置は、上記図1におけるスピーカの消費電力制御方法を実現するために用いられてもよく、具体的には上記スピーカの消費電力制御方法の実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0059】
本発明の実施例は、記憶媒体を提供し、記憶媒体は、記憶されたプログラムを含み、ここで、プログラムは、作動したときに、記憶媒体の所在する装置が上記スピーカの消費電力制御方法の実施例の各ステップを実行するように制御する。詳細は、上記スピーカの消費電力制御方法の実施例を参照可能である。
【0060】
本発明の実施例は、電子機器を提供し、メモリ及びプロセッサを含み、メモリは、プログラム命令を含む情報を記憶し、プロセッサは、プログラム命令の実行を制御し、プログラム命令がプロセッサによってロードされて実行されたときに、上記スピーカの消費電力制御方法の実施例の各ステップは、実施される。詳細は、上記スピーカの消費電力制御方法の実施例を参照可能である。
【0061】
図9は、本発明の実施例に係る電子機器の模式図である。図9に示すように、該実施例の電子機器20は、プロセッサ21、メモリ22及びメモリ22に記憶されて且つプロセッサ21で実行可能なコンピュータプログラム23を含み、該コンピュータプログラム23がプロセッサ21によって実行されたときに、実施例におけるスピーカに応用される消費電力制御方法は、実施される。重複を回避するために、ここで重複して説明しない。又は、該コンピュータプログラムがプロセッサ21によって実行されたときに、実施例におけるスピーカに応用される消費電力制御装置における各モデル/ユニットの機能は、実現される。重複を回避するために、ここで重複して説明しない。
【0062】
電子機器20は、プロセッサ21と、メモリ22とを含むがこれらに限定されない。当業者であれば理解できるように、図9は、電子機器20の例だけであり、電子機器20に対する制限を形成するものではなく、図示よりも多く又はよりも少ない部品を含むことができ、又はいくつかの部品、又は異なる部品を組み合わせ、例えば、電子機器は、入力出力装置、ネットワークアクセス装置、バスなどを更に含んでもよい。
【0063】
言及されたプロセッサ21は、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)であってもよく、更に他の汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアアセンブリ等であってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく又は該プロセッサが任意の一般的なプロセッサ等であってもよい。
【0064】
メモリ22は、電子機器20の内部記憶ユニットであってもよく、例えば、電子機器20のハードディスク又はメモリである。メモリ22は、電子機器20の外部記憶装置であってもよく、例えば、電子機器20に備えられた挿着式ハードディスク、スマートメモリカード(Smart Media Card、SMC)、セキュアデジタル(Secure Digital、SD)カード、フラッシュメモリカード(Flash Card)等であってもよい。更に、メモリ22は、電子機器20の内部記憶ユニットを含むだけでなく外部記憶装置を含む。メモリ22は、コンピュータプログラム及び電子機器に必要な他のプログラムやデータを記憶する。また、メモリ22は、出力または出力すべきデータを一時的に記憶してもよい。
【0065】
当業者であれば明確に分かるように、説明しやすく且つ簡潔にするために、上述したシステム、装置及びユニットの具体的な動作過程が前述の方法実施例における対応するプロセスを参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0066】
本発明に係るいくつかの実施例において、理解すべきことは、開示されたシステム、装置及び方法は、他の方式で実現することができる。例えば、前記説明した装置実施例は、模式的なものだけであり、例えば、前記ユニットの分割は、論理機能の分割のみであり、実際に実現する時に別の分割方式を有してもよく、例えば、複数のユニット又はアセンブリは、別のシステムに結合するか又は集積することができ、又はいくつかの特徴は無視するか、又は実行しない。また、表示されるか又は議論された相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はユニットを介して間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形式であってもよい。
【0067】
前記分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離されていてもよいし、物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理ユニットであってもよいし、物理的な単位でなくてもよく、すなわち1つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてその中の一部又は全部のユニットを選択して本実施例の解決手段の目的を達成することができる。
【0068】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよく、各ユニットが単独で物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。前記集積されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェア機能ユニットとを組み合わせた形式で実現されてもよい。
【0069】
前記ソフトウェア機能ユニットの形式で実現された集積されたユニットは、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。前記ソフトウェア機能ユニットは、1つの記憶媒体に記憶され、複数の命令を含み一台のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置等であってもよい)又はプロセッサ(Processor)が本発明の各実施例に記載の方法の一部のステップを実行するために用いられている。前記の記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等の様々なプログラムコードを記憶することができる媒体を含む。
【0070】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】