IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイベックス エスジー テクノロジー インクの特許一覧 ▶ シンノテック インクの特許一覧 ▶ チェン、ユーファの特許一覧

特表2024-532991ウェーハケースのエアーカーテン装置
<>
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図1
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図2
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図3
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図4
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図5
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図6
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図7
  • 特表-ウェーハケースのエアーカーテン装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ウェーハケースのエアーカーテン装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555242
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022075133
(87)【国際公開番号】W WO2024039403
(87)【国際公開日】2024-02-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523342702
【氏名又は名称】エイベックス エスジー テクノロジー インク
【氏名又は名称原語表記】AVEX-SG TECHNOLOGY INC.
【住所又は居所原語表記】No. 38, Jingke 5th Rd., Nantun Dist., Taichung City 408, Taiwan
(71)【出願人】
【識別番号】523342713
【氏名又は名称】シンノテック インク
【氏名又は名称原語表記】THINNOTECH INC.
【住所又は居所原語表記】1F., No. 28, Aikou 3rd St., Zhubei City, Hsinchu County 302,Taiwan
(71)【出願人】
【識別番号】523342724
【氏名又は名称】チェン、ユーファ
【氏名又は名称原語表記】YU-HUA CHEN
【住所又は居所原語表記】208 Schindler Drive, Florham Park, NJ 07932, USA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジンボー
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ツァンファ
(72)【発明者】
【氏名】スー、シュンイ
(72)【発明者】
【氏名】スー、ツフン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA12
5F131DA05
5F131DA22
5F131GA14
5F131GA88
5F131JA04
5F131JA16
5F131JA20
5F131JA24
5F131JA27
5F131JA29
(57)【要約】
ウェーハケースのエアーカーテン装置は、ケーシングを有し、ケーシングは、内部空間を有し、内部空間は横向きガススペース、湾曲ガススペース及び縦向きガススペースに画成され、少なくとも1つの第1のガス案内板は、横向きガススペース及び/又は湾曲ガススペース中に設けられ、第1のガス案内板は、複数の第1のガス案内孔を有し、第2のガス案内板は、縦向きガススペースに設けられ、第2のガス案内板は、複数の第2のガス案内孔を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、少なくとも1つの第1のガス案内板と、第2のガス案内板とを備えた、ウェーハケースのエアーカーテン装置であって、
前記ケーシングは、内部空間を有し、前記ケーシングの断面により内部空間を横向きガススペースと、前記横向きガススペースと連通した湾曲ガススペースと、前記湾曲ガススペースと連通した縦向きガススペースとに画成され、前記ケーシングは、前記横向きガススペースと連通した少なくとも1つの吸気口と、前記縦向きガススペースと連通した排気口とを有し、
少なくとも1つの前記第1のガス案内板は、前記横向きガススペース及び/又は前記湾曲ガススペース中に設けられ、前記第1のガス案内板は、複数の第1のガス案内孔を有し、
前記第2のガス案内板は、前記縦向きガススペースの前記排気口に隣接した一端に設けられ、前記第2のガス案内板は、複数の第2のガス案内孔を有し、
前記第2のガス案内孔の数は、前記第1のガス案内孔の数より大きく、前記第2のガス案内板上の各前記第2のガス案内孔の総面積は、前記第1のガス案内板上の各前記第1のガス案内孔の総面積より大きいことを特徴とする、ウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項2】
前記縦向きガススペースの終端の断面の口径は、前記横向きガススペースの断面の口径及び前記湾曲ガススペースの断面の口径より大きいことを特徴とする請求項1に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項3】
前記湾曲ガススペースの断面の口径は、前記横向きガススペースの断面の口径より大きく、前記縦向きガススペースの終端の断面の口径は、前記湾曲ガススペースの断面の口径より大きいことを特徴とする請求項2に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項4】
前記第1のガス案内板の数は3つであり、そのうち1つの前記第1のガス案内板は、前記横向きガススペースに設置され、残り2つの前記第1のガス案内板は、前記湾曲ガススペースに設置されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項5】
前記湾曲ガススペースは、下向きの円弧状に形成され、残り2つの前記第1のガス案内板のうちの1つは、前記湾曲ガススペースの水平方向の一端に設置され、他方は、前記湾曲ガススペースの垂直方向の一端に設置されることを特徴とする請求項4に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項6】
前記第1のガス案内板及び前記第2のガス案内板のそれぞれは差し換え可能な構造であり、前記第1のガス案内孔及び前記第2のガス案内孔の数及び総面積を変えることにより、前記第1のガス案内板及び前記第2のガス案内板を通過する気流の流速及び均一度を調整することを特徴とする請求項4に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項7】
各前記第1のガス案内孔は、前記第1のガス案内板に均一又は不均一に分布され、気流が通過する効果を調整することを特徴とする請求項6に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項8】
前記ケーシングは、左板部材、右板部材及び複数の分離プレートにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項9】
前記ケーシングは、左ケーシングと右ケーシングとが互いに接合されて形成されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【請求項10】
前記ケーシングは、一体成形されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハケースのエアーカーテン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハケースに関し、特に、ウェーハケースのエアーカーテン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェーハケース(Front Opening Unified Pod:FOUP)は、半導体製造工程で使用され、ウェーハを保護、搬送及び保存するのに用いる容器であり、最も重要な機能は、内部のウェーハが異なる生産装置間で運ばれる最中に外部環境のパーティクルによる汚染及び水分の影響を受けることを防ぐことである。ウェーハケースが、装置のEFEM(Equipment Front End Module)に接続されたウェーハケース・ロードポート(Load Port)まで搬送された後に製造工程を行う準備をし、ウェーハケース前側のドアを開くと、EFEM内のウェーハケース・ロードポート(Load Port)のドア上側に設置されたエアーカーテン装置が清潔で乾燥した気流を下向きに噴出させて無形ウォールを形成してケースの開口を遮り、製造工程スペースまでウェーハが運ばれる最中にEFEM内のパーティクル及び水分がケース中に侵入することを防いでいた。
【0003】
ウェーハは、環境中の低レベルのパーティクル汚染及び水分に対する要求が非常に高く、前述したエアーカーテン装置は、直線方向の層流(laminar flow)を噴出せず、流動方向が乱れた乱流(turbulence)を噴出する場合、ケース外のパーティクル及び高めの水分を含むガスがケース中に巻き込まれて汚染を発生させ、パーティクル及び水分がウェーハケース(FOUP)に侵入することを防ぐ元々の目的が失われた。
【0004】
従来のエアーカーテン装置は、頂部にエアーカーテン装置内部に連通した空気孔が設けられ、その内部に横向きで細長い形状の空間を有し、空気孔を介して気体がエアーカーテン装置の空間まで搬送されて気流が形成されるとともに、当該空間には、間隔をおいて垂直に配列された通気孔が複数設けられ、気流がこれらの通気孔を介して噴出されると、エアーカーテンが形成されるが、気流が空間に進入した後、速やかにこれらの通気孔から噴出され、どのような構造配置であっても噴出される気流の導流が直線流動の層流に形成され、気流がこれらの通気孔を介して放射状に噴射されると、気流が互いに干渉してその流動方向が乱れ、気流が噴出された後に形成される流動方向が乱れた乱流に形成され、EFEM内のパーティクル及び水分を多めに含むガスがウェーハケース内に巻き込まれてしまう欠点があった。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主な目的は、清潔で乾燥したガスを層流に近づける方式で吹き出し、乱流形成の減少を最大化し、EFEM内を流動する気体中の水分、パーティクルなどがウェーハケース中に巻き込まれることを防ぐウェーハケースのエアーカーテン装置を提供することにある。
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明が提供するウェーハケースのエアーカーテン装置は、ケーシングと、少なくとも1つの第1のガス案内板と、第2のガス案内板とを備える。
前記ケーシングは、内部空間を有し、前記ケーシングの断面により内部空間を横向きガススペースと、前記横向きガススペースと連通した湾曲ガススペースと、前記湾曲ガススペースと連通した縦向きガススペースとに画成され、前記ケーシングは、前記横向きガススペースと連通した少なくとも1つの吸気口と、前記縦向きガススペースと連通した排気口とを有する。
少なくとも1つの前記第1のガス案内板は、前記横向きガススペース及び/又は前記湾曲ガススペース中に設けられ、前記第1のガス案内板は、複数の第1のガス案内孔を有する。
前記第2のガス案内板は、前記縦向きガススペースの前記排気口に隣接した一端に設けられ、前記第2のガス案内板は、複数の第2のガス案内孔を有する。
前記第2のガス案内孔の数は、前記第1のガス案内孔の数より大きく、前記第2のガス案内板上の各前記第2のガス案内孔の総面積は、前記第1のガス案内板上の各前記第1のガス案内孔の総面積より大きい。
【0007】
好ましくは、前記縦向きガススペースの終端の断面の口径は、前記横向きガススペースの断面の口径及び前記湾曲ガススペースの断面の口径より大きい。
【0008】
好ましくは、前記湾曲ガススペースの断面の口径は、前記横向きガススペースの断面の口径より大きく、前記縦向きガススペースの終端の断面の口径は、前記湾曲ガススペースの断面の口径より大きい。
【0009】
好ましくは、前記第1のガス案内板の数は3つであり、そのうち1つの前記第1のガス案内板は、前記横向きガススペースに設置され、残り2つの前記第1のガス案内板は、前記湾曲ガススペースに設置される。
【0010】
好ましくは、前記湾曲ガススペースは、下向きの円弧状に形成され、残り2つの前記第1のガス案内板のうちの1つは、前記湾曲ガススペースの水平方向の一端に設置され、他方は、前記湾曲ガススペースの垂直方向の一端に設置される。
【0011】
好ましくは、前記第1のガス案内板及び前記第2のガス案内板のそれぞれは差し換え可能な構造であり、前記第1のガス案内孔及び前記第2のガス案内孔の数及び総面積を変えることにより、前記第1のガス案内板及び前記第2のガス案内板を通過する気流の流速及び均一度を調整する。
【0012】
好ましくは、各前記第1のガス案内孔は、前記第1のガス案内板に均一又は不均一に分布され、気流が通過する効果を調整する。
【0013】
好ましくは、前記ケーシングは、左板部材、右板部材及び複数の分離プレートにより構成される。
【0014】
他の実施例において、前記ケーシングは、左ケーシングと右ケーシングとが互いに接合されて形成される。
【0015】
さらに他の実施例において、前記ケーシングは、一体成形される。
(実施方式)
【0016】
図1図6に示すように、本発明が提供するウェーハケースのエアーカーテン装置の第1実施例であり、それはケーシング1と、少なくとも1つの第1のガス案内板2と、第2のガス案内板3とから構成されてなる。
【0017】
ケーシング1は、左板部材11、右板部材12及び複数の分離プレート13に、前板部材14、後板部材15が組み合わされて構成される。ケーシング1は、内部空間16を囲む。エアーカーテンは、EFEM(Equipment Front End Modules:EFEM)内のウェーハケース・ロードポート7(Load Port)のドア上側に設置される。
【0018】
図3に示すように、ケーシング1の断面により内部空間16を横向きガススペース161と、横向きガススペース161と連通した湾曲ガススペース162と、湾曲ガススペース162と連通した縦向きガススペース163とに画成する。縦向きガススペース163の終端の断面の口径は、横向きガススペース161の断面の口径及び湾曲ガススペース162の断面の口径より大きい。本実施例において、湾曲ガススペース162の断面の口径D2は、横向きガススペース161の断面の口径D1より大きい。縦向きガススペース163の終端の断面の口径D3は、湾曲ガススペース162の断面の口径D2より大きい。ケーシング1の左板部材11の頂面は、横向きガススペース161と連通した2つの吸気口17を有する。ケーシング1の底端は、縦向きガススペース163と連通した排気口18を有する。
【0019】
第1のガス案内板2は、横向きガススペース161及び/又は湾曲ガススペース162中に設けられる。第1のガス案内板2は、複数の第1のガス案内孔21を有する。本実施例において、第1のガス案内板2の数は3つであり、そのうち1つの第1のガス案内板2は、分離プレート13のうちの1つに設けられて横向きガススペース161中に位置する。残り2つの第1のガス案内板2は、湾曲ガススペース162中に位置する。湾曲ガススペース162は、下向きの円弧状に形成される。残り2つの第1のガス案内板2のうちの1つは、湾曲ガススペース162の水平方向の一端に位置し、他方は、湾曲ガススペース162の垂直方向の一端に位置する。本第1実施例において、残り2つの第1のガス案内板2は差し換え可能な構造である。
【0020】
第2のガス案内板3は、縦向きガススペース163の排気口18に隣接した一端に設けられる。第2のガス案内板3は、縦向きに形成された複数の第2のガス案内孔31を有する。各第2のガス案内孔31は、円形状を呈して差し換え可能な構造である。
【0021】
また、図4に示すように、第1のガス案内板2の数は3つであり、内部空間16中が第1のガススペース51、第2のガススペース52、第3のガススペース53及び第4のガススペース54に少なくとも区画される。第1のガススペース51は、吸気口17と連通する。第4のガススペース54は、排気口18と連通する。各分離プレート13のそれぞれの形状に応じて、第1のガススペース51、第2のガススペース52及び第3のガススペース53が同じ高さに位置して水平に隣接し、第4のガススペース54は、第3のガススペース53の下方に隣接する。
【0022】
さらに、2つの第1のガス案内板2は、互いに対向して配置され、両者に水平方向に貫通された第1のガス案内孔21を介し、第1のガススペース51と第2のガススペース52とが水平方向で連通し、同様に第2のガススペース52と第3のガススペース53とが水平方向で連通する。もう一つの第1のガス案内板2は、第2のガス案内板3に対向して配置され、湾曲ガススペース162の形状に基づき、第3のガススペース53が同様に下向き円弧状を呈するとともに、もう一つの第1のガス案内板2に縦向きに貫通された第1のガス案内孔21を介し、第3のガススペース53と第4のガススペース54とが垂直方向で連通する。
【0023】
本実施例において、第1のガススペース51と第2のガススペース52とを区画する第1のガス案内孔21は円孔状を呈する。その他第1のガス案内板2の第1のガス案内孔21は、格子状である。上述した格子状のガス案内孔とは、間隔をおいて配置された複数のガス案内孔を指し、各ガス案内孔は、上下に延びた長形状に形成される。従って、気流が格子状の第1のガス案内孔21を通過するときに整流作用が発生し、気流が直線方向で流動し、3つの第1のガス案内孔21は、円形状又は格子状でもよいが、これだけに本発明が限定されるわけではない。
【0024】
また図5に示すように、本発明が提供する第2のガス案内孔31の数は、第1のガス案内孔21の数より大きく、第2のガス案内板3上の各第2のガス案内孔31の総面積は、第1のガス案内板2上の各第1のガス案内孔21の総面積より大きい。上述した各第1のガス案内孔21及び各第2のガス案内孔31の数及び総面積は、単一の第1のガス案内板2及び第2のガス案内板3と比べた場合、ガス案内孔の数が少なくてガス案内板上に形成される総面積が小さいほど、気流の流速が速くて均一度が低くなる。これとは反対に、ガス案内孔の数が多くてガス案内板上に形成される総面積が大きいほど、気流の流速が遅くなって均一度が高くなる。そのため、第1のガス案内板2を流れる気流の流速が速く、第2のガス案内板3を流れる気流の均一度が高く、第1のガス案内板2及び第2のガス案内板3のそれぞれが差し換え可能な構造であり、第1のガス案内孔21及び第2のガス案内孔31の数及び総面積を変えることにより、第1のガス案内板2及び第2のガス案内板3を通過する気流の流速及び均一度を調整することができる。
【0025】
また、各第2のガス案内孔31は、第2のガス案内板3に均一に分布される。各第1のガス案内孔21は、第1のガス案内板2に均一又は不均一に分布され、同様に第1のガス案内板2の差し換え可能な構造により、各第1のガス案内孔21を第1のガス案内板2に均一に分布させるか、或いは不均一に分布させて第1のガス案内板2の特定の位置に集中させ、内部空間16中の気流が通過する効果を調整することができる。
【0026】
また、ケーシング1の2つの吸気口17には、吸気管6がそれぞれ接続される。各吸気管6は、上端に清潔で乾燥したガスを導入するために穿孔され、下端に出口61をそれぞれ有する。各吸気管6のそれぞれは、その出口61から吸気口17に伸ばし入れられ、各出口61が第1のガススペース51と連通する。
【0027】
ここで特に説明することとして、湾曲ガススペース162の断面の口径D2が横向きガススペース161の断面の口径D1より大きく、縦向きガススペース163の断面の口径D3が湾曲ガススペース162の断面の口径D2より大きく、断面の口径が次第に大きくなるガススペースにガスが順次流れることにより、ガスが内部空間16に送られるときに気流の流速を下げることができる。湾曲ガススペース162は、直線を呈するガススペースと比べ、気流が内部空間16に留まる時間が長くなり、各断面の口径が湾曲ガススペース162と組み合わされ、気流が内部空間16中で各第1のガス案内板2及び第2のガス案内板3を流れるときに、異なる流速及び均一度がそれぞれ整えられる。例えば、本実施例において、気流が第1のガス案内孔21を流れるときの流速が速いが、湾曲ガススペース162で流速が遅くなり、気流が第2のガス案内孔31を通過すると、適切な速度で均一度が高い気流が導き出される。
【0028】
上述した本発明の構造は、吸気管6を介してガスがケーシング1に導入されると、図6に示すように、まず、ガスが各出口61から第1のガススペース51にそれぞれ注入されて気流が形成される。第1のガススペース51内の気流は、円形状を呈する第1のガス案内孔21を介して第2のガススペース52に注入され、円形状の第1のガス案内孔21を通過する際、その数が少なめでガス案内板上の総面積が小さめであるため、気流の流速が速くなる。
【0029】
続いて、格子状の第1のガス案内孔21のうちの1つを介して第3のガススペース53に気流が注入されると、第1のガス案内孔21が格子状であるため、気流が水平方向で流動する状態に整流されてから、第3のガススペース53の形状に沿って下向きにカーブして加速された気流の速度が遅くなり、一定時間整えて均一度を高めてから、もう一つの格子状の第1のガス案内孔21から第4のガススペース54に注入されると、気流が整流されて下向きの直線方向で流動する状態となる。
【0030】
その後、排気口18に隣接した第2のガス案内孔31を気流が通過すると、第2のガス案内板3上に分布された各第2のガス案内孔31の数及び総面積が大きめであるため、気流が第2のガス案内孔31を通過する際、気流の均一度を高めて整流が均一に下向きの直線方向で流動する状態となり、気流が排気口18から外界に吹き出されたときに均一に直線方向で流動し、最終的に排気口18を通過して直線方向で流動する均一な気流が排出される。
【0031】
本発明の特徴は、流路構造の設計により、4つのガス案内板に気流を通過させて整流作用を発生させるとともに、各断面の口径を湾曲ガススペース162と組み合わせて気流を内部空間16中で各第1のガス案内板2及び第2のガス案内板3に通過させると、異なる流速及び均一度の気流にそれぞれ整理され、最終的に第2のガス案内孔31を流れると、気流の均一度が高まって整流が均一に直線方向で流動し、これにより排気口18を通過して排出される気流が、適切な速度で均一に分布されて直線方向で流動し、水分及びパーティクルを確実に防ぎ、水分及びパーティクルがウェーハケースに巻き込まれることを防ぐことができる。
【0032】
図7に示すように、本発明が提供するウェーハケースのエアーカーテン装置の第2実施例は、第1実施例と異なり、ケーシング1aが左ケーシング11aと右ケーシング12aとが互いに接合されて形成され、3つの第1のガス案内板2a及び第2のガス案内板3が差し換え可能な構造に形成され、気流の流速及び均一度を変え、気流が4つのガス案内板を通過して整流作用を発生させ、同様に気流の均一度を高め、整流が均一に直線方向で流動し、同様にパーティクル及び水分を確実に遮り、これにより排気口18を通過して排出される気流が適切な速度を有し、分布を均一にして直線方向で流動し、同様に水分及びパーティクルを確実に遮り、水分及びパーティクルがウェーハケースに巻き込まれることを防ぐことができる。
【0033】
図8に示すように、本発明が提供するウェーハケースのエアーカーテン装置の第3実施例は、第1実施例と異なり、ケーシング1bが一体成形され、3つの第1のガス案内板2b及び第2のガス案内板3が差し換え可能な構造に形成され、気流の流速及び均一度を変え、同様に気流が4つのガス案内板を通過して整流作用を発生させ、第1実施例のような機能を発揮し、水分及びパーティクルを確実に遮り、水分及びパーティクルがウェーハケースに巻き込まれることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の第1実施例をウェーハケース・ロードポート上に取り付けた状態の斜視図である。
図2図2は、本発明の第1実施例の分解斜視図である。
図3図3は、本発明の第1実施例に係るガス案内板のケーシング内部空間を抽出する状態の側面図である。
図4図4は、本発明の第1実施例の断面図である。
図5図5は、本発明の第1実施例の第1のガス案内板及び第2のガス案内板の平面図である。
図6図6は、本発明の第1実施例の使用状態を示す図である。
図7図7は、本発明の第2実施例のケーシングの内部空間の側面図である。
図8図8は、本発明の第3実施例のケーシングの内部空間の側面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ケーシング
1a ケーシング
1b ケーシング
11 左板部材
12 右板部材
13 分離プレート
14 前板部材
15 後板部材
16 内部空間
161 横向きガススペース
162 湾曲ガススペース
163 縦向きガススペース
17 吸気口
18 排気口
2 第1のガス案内板
2a 第1のガス案内板
2b 第1のガス案内板
21 第1のガス案内孔
3 第2のガス案内板
31 第2のガス案内孔
51 第1のガススペース
52 第2のガススペース
53 第3のガススペース
54 第4のガススペース
6 吸気管
61 出口
7 ウェーハケース・ロードポート
11a 左ケーシング
12a 右ケーシング
D1 断面口径
D2 断面口径
D3 断面口径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】