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特表2024-533011勾配単結晶正極材料、調製方法及び応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】勾配単結晶正極材料、調製方法及び応用
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/525 20100101AFI20240905BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20240905BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M4/525
H01M4/36 C
H01M4/505
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581090
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2022131473
(87)【国際公開番号】W WO2023083319
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111338747.4
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523288455
【氏名又は名称】河南科▲隆▼新能源股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】李 金▲鎖▼
(72)【発明者】
【氏名】程 迪
(72)【発明者】
【氏名】徐 云▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】左 高峰
(72)【発明者】
【氏名】黄 静
(72)【発明者】
【氏名】栗 ▲暁▼静
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 丹▲鳳▼
(72)【発明者】
【氏名】文 万超
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲艷▼平
(72)【発明者】
【氏名】尹 正中
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA02
5H050AA07
5H050AA12
5H050AA19
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB12
5H050FA18
5H050FA19
5H050GA02
5H050GA05
5H050GA10
5H050GA27
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA04
5H050HA05
5H050HA14
5H050HA19
5H050HA20
(57)【要約】
本発明は、勾配単結晶正極材料を開示し、単結晶正極材料の化学式がLiNiCo1-x-y@mLiであり、ここで、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1、0<m<0.05、0.3<a≦10、1≦b<4、1≦c<15であり、Aは、Mn、Zr、Sr、Ba、W、Ti、Al、Mg、Y、Nbのうちの少なくとも1つであり、Zは、B、Al、Co、W、Ti、Zr、Siのうちの少なくとも1つであり、単結晶正極材料の粒子表面のCo含有量が表面のNi+Co+Aで占める原子割合は0.4より大きく且つ0.8未満であり、単結晶正極材料の粒子表面からの半径深さの10%の位置にあるCoの原子割合が0.3以上であり、単結晶正極材料の粒子は、丸み度が>0.4であり、鋭い縁角がない。そして、上記の勾配単結晶材料の調製方法及び応用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
勾配単結晶正極材料であって、
化学式がLiNiCo1-x-y@mLiであり、ここで、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1、0<m<0.05、0.3<a≦10、1≦b<4、1≦c<15であり、Aは、Mn、Zr、Sr、Ba、W、Ti、Al、Mg、Y、Nbのうちの少なくとも1つであり、Zは、B、Al、Co、W、Ti、Zr、Siのうちの少なくとも1つであり、前記勾配単結晶正極材料の粒子表面のCo含有量が表面のNi+Co+Aで占める原子割合は0.4より大きく且つ0.8未満であり、前記勾配単結晶正極材料の粒子表面からの半径深さの10%の位置にあるCoの原子割合は0.3以上であることを特徴とする勾配単結晶正極材料。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の勾配単結晶正極材料の調製方法であって、
(1)リチウム源とNi、Co、A含有物質とを、0.9~1.25:1であるLiとNi、Co、Aのモル数の和との比にしたがって混合し、均一に混合した後、酸素富化雰囲気下で、1回目焼結を行い、焼結温度は800℃~1000℃で、焼結時間は8h~15hであり、その後、材料の温度が下がった後、材料をD50が2.5ミクロン~5ミクロンになるまで粉砕して、単結晶正極材料を得るステップと、
(2)ステップ(1)で調製された単結晶正極材料をCo含有微粉と混合し、ここで、Co含有量が質量比で単結晶正極材料を占める割合は0.1%~10%であり、均一に混合した後、酸素富化雰囲気下で、2回目焼結を行い、焼結温度は700℃~900℃で、焼結時間は3h~8hであり、冷却後、粉砕と篩過を行い、得られた正極材料のD50は2.5ミクロン~5ミクロンであるステップと、
(3)ステップ(2)で調製された正極材料と、Li源と、Z含有化合物とを混合した後、酸素富化雰囲気下で、3回目焼結を行い、焼結温度は300℃~750℃で、焼結時間は3h~10hであり、材料を冷却した後、篩過するステップと、を含むことを特徴とする勾配単結晶正極材料の調製方法。
【請求項12】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の勾配単結晶正極材料を含有することを特徴とするリチウムイオン電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池技術の分野に属し、特に、勾配単結晶正極材料、調製方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、三元リチウム電池は、高い容量、良好なサイクル安定性及び適切なコストなどの利点により、徐々に市場で最も主流の電池となっている。三元正極材料は、形態構造から、単結晶及び多結晶の2つの種類に分類でき、単結晶三元材料と多結晶三元材料の性能を比較すると、単結晶三元材料系は、全体的にエネルギー密度が高く、安全性の性能とサイクル性能の点でより優れている。特に、勾配化された単結晶材料は、サイクル中に、インピーダンスが小さく、サイクル性能が安定し、容量維持率が高く、且つ熱安定性が高い。しかし、従来の共沈法で勾配化単結晶三元材料の前駆体を調製する際に、1次焼結温度は一般的に非常に高いため、高温焼結の場合に元素の再配列が発生し、つまり、以前の元素が勾配分布から均一の分布になる傾向があり、それにより勾配材料の利点が大きく損なわれる。従来の製造方法では、勾配化単結晶材料を1次焼結した後に気流粉砕を行い、この過程で一体に凝集した粒子を強制的に開くことにより、鋭い縁角が発生する。このような鋭い縁角により、電池電極の調製中に、機器の摩耗が深刻になり、機器の部品の使用寿命が短縮し、電池の製造コストが大幅に増加し、また、このような鋭い縁角により、電池の充放電中に、材料の脱リチウム化又はリチウム化の程度の不均一になり、それにより、非常に強い分極作用が引き起こされ、さらには、サイクル中に、粒子が破砕し、電池の寿命が急速に減衰する。且つ、従来の単結晶三元材料は、通常、倍率性能が良くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、サイクル中に、インピーダンスが小さく、サイクル性能が安定し、容量維持率が高く、熱安定性が高い勾配化及び丸み度の良い単結晶正極材料を提供することである。また、本発明にて提供される正極材料を使用して正極シートを調製する過程に、塗布機器の摩耗を低減することができ、加工がより容易になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、勾配単結晶正極材料を提供し、勾配単結晶正極材料の化学式はLiNiCo1-x-y@mLiであり、ここで、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1、0<m<0.05、0.3<a≦10、1≦b<4、1≦c<15であり、Aは、Mn、Zr、Sr、Ba、W、Ti、Al、Mg、Y、Nbのうちの少なくとも1つであり、Zは、B、Al、Co、W、Ti、Zr、Siのうちの少なくとも1つであり、勾配単結晶正極材料の粒子表面のCo含有量が表面のNi+Co+Aで占める原子割合は0.4より大きく且つ0.8未満であり、勾配単結晶正極材料の粒子表面からの半径深さの10%の位置にあるCoの原子割合は0.3以上である。ここで、@は、mLiがLiNiCo1-x-yの表面にコーティングされていることを表す。
【0005】
好ましくは、勾配単結晶正極材料粒子は、丸み度が>0.4であり、鋭い縁角がない。
【0006】
好ましくは、勾配単結晶正極材料粒子の初回クーロン効率は89.7~91.0%であり、倍率は87.33~91.0%である。
【0007】
本発明は、上記の勾配単結晶正極材料を含有するリチウムイオン電池を提供する。
【0008】
本発明は、さらに、勾配単結晶正極材料の調製方法を提供し、当該方法は、下記のステップ(1)~ステップ(3)を含む。
(1)リチウム源とNi、Co、A含有物質とを、0.9~1.25:1であるLiとNi、Co、Aのモル数の和との比にしたがって混合し、均一に混合した後、酸素富化雰囲気下で、1回目焼結を行い、焼結温度は800~1000℃で、焼結時間は8~15hであり、その後、材料の温度が下がった後、材料をD50が2.5~5ミクロン(μm)になるまで粉砕して、単結晶正極材料を得る。
(2)ステップ(1)で調製された単結晶正極材料をCo含有微粉と混合し、ここで、Co含有量が質量比で単結晶正極材料を占める割合は0.1%~10%であり、均一に混合した後、酸素富化雰囲気下で、2回目焼結を行い、焼結温度は700~900℃で、焼結時間は3~8hであり、冷却後、粉砕と篩過を行い、得られた正極材料のD50は2.5~5ミクロンである。
(3)ステップ(2)で調製された正極材料と、Li源と、Z含有化合物とを混合した後、酸素富化雰囲気下で、3回目焼結を行い、焼結温度は300~750℃で、焼結時間は3~10hであり、材料を冷却した後、篩過する。
【0009】
好ましくは、ステップ(1)におけるNi、Co、A含有物質は、共沈法により調製されたNiCo1-x-y(OH)、NiCo1-x-yCO、NiCo1-x-y前駆体のうちの少なくとも1つである。
【0010】
好ましくは、ステップ(1)におけるNi、Co、A含有物質は、ミクロンオーダー以下のNi金属単体と、ミクロンオーダー以下のCo金属単体と、ミクロンオーダー以下のA金属単体との原子比x:y:(1-x-y)にしたがう混合物である。(上記と同じである。)
【0011】
好ましくは、ステップ(2)のCo含有微粉におけるCoは、Co(OH)、CoSO、Co(NO、CoCO、CoCl、CoO、Co、Coの金属単体のうちの少なくとも1つである。
【0012】
好ましくは、ステップ(2)のCo含有微粉には、Co以外に、さらに、Mn、Al、W、Zr、Tiのうちの少なくとも1つが質量比でCo質量の0~50%割合で存在する。
【0013】
好ましくは、ステップ(3)のZ含有化合物の粒度はナノオーダーであり、一次粒子は500ナノ未満である。
【0014】
好ましくは、ステップ(3)のLi源及びZ含有化合物におけるLiとZとのモル比は0.3~8:1であり、好ましくは0.3~1.5:1である。ここで、Liは、LiBO、LiBO、LiAlO、LiC、LiWO、LiWO、Li、LiWO、Li、LiTiO、LiTi12、LiZrO、LiZr、LiZrO及びLiSiO等の化合物の1つ以上であってもよく、且つ、Z含有化合物は、一部がLiと化合することができる。
【0015】
好ましくは、2回目焼結の温度は1回目焼結の温度より10~400℃低く、3回目焼結の温度は2回目焼結の温度より50~600℃低い。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、下記のとおりである。
1、調製された勾配単結晶材料は、2回の焼結の温度及び焼結時間を制御して、Coと(Ni+Co+A)との原子比が0.4より大きく且つ0.8未満であるように粒子表面のCo含有量を制御することにより、優れた倍率性能を取得でき、且つ材料の抵抗の低下が著しい。また、単結晶正極材料の表面からの半径深さの10%の位置にあるCo原子の含有量は0.3以上になり、材料の深放電時の構造的安定性を効果的に保持することができ、高電圧性能を向上させる。本発明で調製された勾配単結晶正極材料は、Coの使用量が非常に低い場合でもCoの高い材料の性能ひいてはコバルト酸リチウムに類似する性能を達成でき、即ち、低コスト、高性能の材料を得ることができる。
【0017】
2、700~900℃の焼結温度で2回目焼結を行う場合、Co含有微粉は、高温で単結晶正極材料に溶け込み、且つ、温度の上昇及び高温維持時間の増加に伴ってCoの単結晶正極材料に入る量及び深さも増加し、温度が700℃より低い場合、Co含有微粉は依然として固体形態構造であり、単結晶正極材料の内部に溶け込まず、勾配単結晶正極材料も形成しない。温度が900℃を超える場合、温度が高すぎてCoが全部単結晶正極材料に入って、元素が均一に分布した単結晶正極材料を形成して、勾配単結晶正極材料を得ず、勾配材料の優れた性能を有することができない。
【0018】
3、1次焼結の後に気流粉砕を行い、この過程に一体に凝集した粒子を強制的に開くことにより、鋭い縁角が発生する。このような鋭い縁角により、電池の電極の調製中に機器に深刻な摩耗が発生し、機器部品の使用寿命を短縮し、電池の製造コストを大幅に増加させる。本発明において、700~900℃の焼結温度で2回目焼結を行う場合、粉砕による粒子の破砕により生成された鋭い夾角も融解し、温度が低下した後に、粒子の丸み度も非常に良く改善され、本発明にて提供される正極材料を使用して正極シートを調製する過程において、塗布機器の摩耗を低減することができ、加工がより容易になる。
【0019】
4、ステップ(1)において、D50が2.5~5ミクロンになるまで材料を粉砕することにより、単結晶材料の抵抗を低下させ、電子導電性及びイオン導電性を向上させることができる。D50が2.5ミクロン未満である場合に粒子が破砕されやすく、つまり過度に粉砕されるため、多くの細末材料が発生してしまい、これらの細末材料の比表面積が大きく、電解液との接触面積が大きく、より多くの副反応を誘発しやすい。D50が5ミクロンより大きい場合、粒子が一体に凝集したままである状況が発生しやすく、粉砕の効果を発揮しないとともに、粉砕が不完全であり、材料と導電剤との接触も不完全であることにより、電池の内部抵抗が高く、且つ、充放電サイクル過程に粒子の連結部が分離され、材料の接触が悪くなり、抵抗の増大が著しく、サイクルが悪くなる。
【0020】
5、勾配単結晶材料上にリチウムを含有するZ化合物をコーティングすることにより、材料の粒子導電性を明らかに向上させ、材料の抵抗をさらに低下させ、且つ材料の倍率性能を向上させることができ、材料と電解液と直接接触を隔離して、副反応の発生を減少し、サイクル寿命を延ばすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1における従来の単結晶613正極材料の形態構造である。
図2】実施例1における勾配単結晶613正極材料の形態構造である。
図3図1の断面の形態構造である。
図4図2の断面の形態構造である。
図5】実施例1で得られた最終生成物の粒子の径方向深さの10%の位置の模式図である。
図6】実施例1及び比較例1、3、4のサイクルDCRである。
図7】実施例9及び比較例7のサイクルDCRである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例を参照しながら本発明について詳細に説明する。
【0023】
用語の解釈
丸み度(Roundness)は、粒子の外接円の半径に対する粒子の全ての隆起領域の曲率半径の平均値であり、動的画像粒子分析計により測定することができる。
【0024】
粉体抵抗率は、単位長さ且つ単位横断面積の導体の抵抗であり、数値的には抵抗率に等しい。一定の質量の粉体サンプル(1~2g)を測定治具に入れ、治具を予備タッピング計器に入れ、予備タッピング計器を起動して15s振動でタッピングした後、治具を粉体抵抗率計に入れ戻してソフトウェアを起動してテストを開始し、計器は、圧力の強さ、抵抗、抵抗率、導電率、サンプル厚さ、タップ密度などのパラメータを自動的に収集する。
【0025】
放電比容量は、正極活物質の単位質量当たりに放出できる電気量であり、単位はmAh/gである。
【0026】
初回クーロン効率は、電池の初回放電容量/初回充電容量である。
【0027】
倍率は、充放電倍率=充放電電流/定格容量である。電池放電倍率は、放電の速さを表す尺度である。使用される容量が1時間で放電が完了するものである場合、1C放電と呼ばれ、3時間で放電が完了するものである場合、1/3=0.33C放電と呼ばれ、同じ原理で、3C放電は、0.33時間で放電が完了することである。
【0028】
10%SOC抵抗:電池の残量がフール電気量の10%であるときの抵抗である。
【実施例1】
【0029】
(1)NiSO、CoSO及びMnSOを、Ni:Co:Mn=6:1:3のモル比で混合塩溶液に調合し、混合溶液Aの濃度は2mol/Lであり、度が5mol/LであるNaOH溶液を沈殿剤として調製し、濃度が6mol/Lであるアンモニア水溶液を錯化剤として調製し、混合塩溶液、NaOH溶液及びアンモニア水溶液を計量ポンプで撹拌付きの反応容器に連続的に添加し、反応温度を40℃に維持し、pHを11に維持し、撹拌速度は500r/minであり、反応の全過程を不活性ガスで保護し、反応が終了した後、得られた沈殿物をろ過し、洗浄し、110℃で4~12h乾燥して、D50が3.5ミクロンであるNi0.6Co0.1Mn0.3(OH)前駆体(NCM613前駆体)を得た。
【0030】
炭酸リチウムと調製されたNi0.6Co0.1Mn0.3(OH)とのモル比Li/(Ni+Co+Mn)が1.06になるように、炭酸リチウムを1.07kg及びNCM613前駆体を2.5kg秤量し、強力ミキサーを用いて3000rpmで8min混合し、材料に白点がないことを確認すると、材料の混合を完了した。混合済みの材料を330*300*100mmのアルミナセラミック匣鉢に入れ、材料を平にするとともに、ダイサーを使用して材料を36個のブロックに均等に切断した後、箱型雰囲気炉内に入れ、60L/minの純酸素を流し、昇温速度を3℃/minにし、1回目の焼結温度が970℃になるまで昇温させて12h保温し、その後、自然冷却した。冷却した材料をツインローラーマシンで2mm未満の破砕材に破砕し、その後、破砕材を気流粉砕機で粉砕・分級して、D50が3.8ミクロンである従来の単結晶613正極材料を獲得し、形態構造は図1を参照し、断面の形態構造は図3を参照する。
【0031】
(2)1.5kgの得られた従来の単結晶613正極材料と118gのナノCo(OH)とを高速ミキサー内で均一に混合し、その後、850℃の2回目の焼結温度で5h保温し、2回目の焼結温度は、1回目の焼結温度よりも少なくとも20℃以上低く、自然冷却後、篩過して、勾配単結晶613正極材料を獲得し、D50は3.85ミクロンであり、形態構造は図2を参照し、断面の形態構造は図4を参照する。
【0032】
(3)1.5kgの得られた勾配単結晶材料613正極材料と、3.8gのWOと、1.4gのLiOH・HOとを、高速ミキサー内で均一に混合し、材料を匣鉢に装入して、400℃の3回目の焼結温度で5h保温し、3回目の焼結温度は2回目の焼結温度よりも少なくとも50℃以上低い。篩過して、本発明にて調製された、表面にリチウム含有化合物及びタングステン含有化合物がコーティングされている勾配単結晶613正極材料を得る。
【0033】
1.表面のCo含有量及び内部のCo含有量のテスト
電子スペクトルを使用して上記の実施例1で最終的に得られた正極材料表面をテストして、Ni、Co、Mn元素の原子比を獲得し、その合計量を1とし、その中でCoが占める割合を計算する。アルゴンイオン研磨器を使用して材料に対して断面処理を行って、滑らかな材料の切断面を獲得し、その後、電子スペクトルを使用して材料の表面から半径の10分の1の位置で元素分析を行い、材料の粒径方向を20部に均等に分割し、その後に、表面から1部の距離の位置で電子スペクトルを使用して元素分析を行って、Ni、Co、Mn元素の原子比を獲得し、その合計量を1とし、その中でCoが占める割合を計算し、複数の粒子における複数点の位置を選択して分析した後に平均値をとってもよく、粒子の径方向深さの10%の位置の模式図は図5に示すとおりであり、1つの粒子上で6つの点をテストし、当該粒子上の6つの点でのCoの平均占有率をテストし、その後、10個の粒子をテストし、当該サンプルのCoの平均占有率を算出した。
【0034】
2.丸み度テスト
上記の実施例1で最終的に得られた正極材料を一定量の純水に分散させ、十分に撹拌した後、超音波洗浄機に入れ、超音波で2~5min分散し、その後、分散されたサンプル懸濁液を動的画像粒子分析計のサンプル測定器に加えて、「テスト」をクリックし、テストが完了した後、計器のソフトウェアが丸み度のテスト結果を自動的に計算して出力した。
【0035】
3.ボタン電池の調製
正極材料:Super-P:KS-6:PVDFの質量比が92%:3%:2%:3%になるように、9.2gの正極材料、0.3gのSuper-P、0.2gのKS-6及び3gの10%PVDFをそれぞれ秤量した。続いて、4gのNMPを加えて混合した後、3500rpmで3min撹拌してから、残りのNMP(2.5g)を加えて3500rpmで3min撹拌して、正極スラリーを調製した。
【0036】
手動で引っ張って塗布する方式で200ミクロンの塗布機を使用して、混合済みのスラリーを35cm*7.5cmのアルミニウム箔上に均一に塗布し、且つ厚さの均一性を保証し、塗布した後の極シートを水平状態に維持して100℃送風オーブンに置いて30min乾燥し、極シートの面密度を90~110g/mに制御した。
【0037】
乾燥後の極シートに対して、工業用アルコールを使用して光沢面の残留スラリーを注意深く拭き取り、正極カッターで長さ*幅が25cm*7.5cmのサイズに裁断し、その後、ツインローラーマシンで圧延し、タップ密度を3.2±0.1g/cmに制御した。圧延済みの極シートに対して、Φ=14mmの打ち抜きダイ使用して正極シートを抜き出し、各ロットから少なくとも6~8本の極シートを抜き出す。絶縁ピンセットを用いて裁断済みの正極シートを軽く掴み、10万分の1の天秤にて一々秤量し、その後、正極シートを100±3℃、-0.1MPaの真空オーブンで8h焼き、焼きが終了した後、10s以内に極シートを真空オーブンからグローブボックスに移した。
【0038】
負極鋼殻内にガスケットを1つ入れ、ガスケット上にリチウムシートを1つ置いて平坦に押圧し、電解液を2滴注入し、続いて電池セパレータを一層置いて電解液を1滴注入し、続いて正極シートを1つ装入し、正極シートを中心位置に位置させ、その後、絶縁する竹のピンセットでクランプし、正極鋼殻で蓋をした。組み立て済みの電池を、負極面を上向きにし、正極面を下向きにする要求に応じて密封機の係止溝内に入れ、密封機の圧力は280kgであり、圧力維持時間は1sであり、密封が終了し、ボタン電池を取り出して、無塵紙できれいに拭くと、ボタン電池の調製が終了した。
【0039】
4.電気的性能のテスト
電池を化成する。調製が終了したボタン電池を24時間程度置いた後、23℃の恒温条件で、0.1C倍率の電流で3.0~4.4Vにおいて定電流充電を行い、その後4.4Vの定電圧で充電し、電流が0.02Cになると止め、その後、0.1Cの定電流で3.0Vになるまで放電し、放電比容量及び初回効率(放電比容量/充電比容量)を記録した。
【0040】
倍率をテストする。化成後の電池に対して、3.0~4.4Vの間で0.33C、0.5C、1C及び3Cの充放電工程をそれぞれ行い、それに対応する放電容量をそれぞれ記録し、3Cの放電容量と0.33Cの放電容量との比を計算し、この比で倍率性能を表し、比が高いほど倍率性能がよい。
【0041】
抵抗をテストする。1C電流で化成後のボタン電池に対して定電流定電圧充電を行い、電圧範囲は3.0~4.4Vであり、電流が0.02Cになると止め、その後、1C電流Iで30min放電し、1h静置し、この時の電圧Vを記録し、その後、2C電流2*Iで18s放電し、この時の電圧Vを記録し、その後、1C電流Iで24min放電し、1h静置し、この時の電圧Vを記録し、その後、2C電流2*Iで18s放電し、この時の電圧Vを記録し、即ち、50%SOCの抵抗はR=(V-V)/Iであり、10%SOCの抵抗はR=(V-V)/(2*I)である。
【0042】
サイクル及びサイクル抵抗をテストする。0.5C定電流を使用して定電流定電圧充電を行い、電圧範囲は3.0~4.4Vであり、電流が0.02Cになると止め、その後、1Cで18s放電した後、電圧を記録し、その後、引き続き1Cで3.0Vになるまで放電し、以上の工程を繰り返して、容量維持率が90%以下になると、サイクルを停止した。サイクル抵抗は、4.4Vから毎回18秒間放電した後の電圧を引いてから1C電流で除したものである。上記のボタン電池調製方法及び電気的性能テスト方法にしたがって、調製されたサンプルの電気的性能を評価し、本実施例の抵抗を基準100とし、他の抵抗は、いずれもこれに対する相対値である。
【実施例2】
【0043】
0.96kgのナノオーダー金属Ni、0.16kgのナノ金属Co及び0.45kgのナノ金属Mnを、高速ミキサー内で、3000rpmで3min混合し、その後、1.07kgの炭酸リチウムを加えて、引き続き3000rpmで8min混合し、材料に白点がないことを確認すると、材料の混合を完了した。混合済みの材料を330*300*100mmのアルミナセラミック匣鉢に入れ、材料を平にするとともに、ダイサーを使用して材料を36個のブロックに均等に切断した後、箱型雰囲気炉内に入れて、60L/minの純酸素を流し、昇温速度を3℃/minにし、1回目の焼結温度が970℃になるまで昇温させて12h保温し、その後、自然冷却した。冷却した材料をツインローラーマシンで2mm未満の破砕材に破砕し、その後、破砕材を気流粉砕機で粉砕・分級して、D50が3.8ミクロンである従来の単結晶613正極材料を得た。後続の調製方法は、実施例1と同じである。
【実施例3】
【0044】
実施例1のステップ(2)における「1.5kgの得られた従来の単結晶613正極材料と118gのナノCo(OH)と」を、「1.5kgの得られた従来の単結晶613正極材料と、118gのナノCo(OH)と、2.8gのナノAlと」に変更し、他は、実施例1と同じである。
【実施例4】
【0045】
実施例1のステップ(2)における「1.5kgの得られた従来の単結晶613正極材料と118gのナノCo(OH)と」を、「1.5kgの得られた従来の単結晶613正極材料と、118gのナノCo(OH)と、6.8gのナノZrOと」に変更し、他は、実施例1と同じである。
【実施例5】
【0046】
実施例1のステップ(3)における「1.5kgの得られた勾配単結晶材料613正極材料と、3.8gのWOと、1.4gのLiOH・HOと」を、「1.5kgの得られた勾配単結晶材料613正極材料と、3.8gのWOと、4.2gのLiOH・HOと、2.8gナノAlと」に変更し、他は、実施例1と同じである。
【実施例6】
【0047】
実施例1のステップ(3)における3.8gのWO及び1.4gのLiOH・HOを8.5gのHBOと、2.8gのAlと、8.1gのLiOH・HOとに変更した。
【実施例7】
【0048】
実施例1の(2)における2回目の焼結温度を700℃で8h保温するのに変更し、他は、実施例1と同じである。
【実施例8】
【0049】
実施例1の(2)における2回目の焼結温度を900℃で3h保温するのに変更し、他は、実施例1と同じである。
【実施例9】
【0050】
実施例1のステップ(1)におけるNiSO、CoSO及びMnSOをNi:Co:Mn=6:1:3のモル比にしたがってということを、NiSO、CoSO及びMnSOをNi:Co:Mn=55:5:40のモル比にしたがって混合塩溶液を調整するということに変更し、他は、実施例1と同じである。
【実施例10】
【0051】
実施例10と実施例1との違いは次のことのみである。ステップ(1)において、炭酸リチウムと調製されたNi0.6Co0.1Mn0.3(OH)とのモル比Li/(Ni+Co+Mn)が0.9になるように、炭酸リチウム及びNCM613前駆体を秤量し、1回目焼結では、15h保温し、粉砕・分級してD50が2.5ミクロンである従来の単結晶613正極材料を得た。
【実施例11】
【0052】
実施例11と実施例1との違いは次のことのみである。ステップ(1)において、炭酸リチウムと調製されたNi0.6Co0.1Mn0.3(OH)とのモル比Li/(Ni+Co+Mn)が1.25になるように、炭酸リチウム及びNCM613前駆体を秤量し、1回目の焼結温度を1000℃に変更して8h保温し、粉砕・分級してD50が5ミクロンである従来の単結晶613正極材料を得た。
【実施例12】
【0053】
実施例12と実施例1との違いは次のことのみである。ステップ(2)において、得られた従来の単結晶613正極材料、ナノCo(OH)及びナノTiOを高速ミキサー内で均一に混合し、ここで、Co含有量が質量比で単結晶正極材料を占める割合は0.1%であり、Tiが占める割合は、質量比でCo質量の50%であり、篩過して、勾配単結晶613正極材料を獲得し、D50は3.8ミクロンである。
【実施例13】
【0054】
実施例13と実施例1との違いは次のことのみである。ステップ(1)において、焼結温度を1000℃に変更し、粉砕・分級してD50が5ミクロンである従来の単結晶613正極材料を獲得し、ステップ(2)において、得られた従来の単結晶613正極材料及びナノCo(OH)を高速ミキサー内で均一に混合し、ここで、Co含有量が質量比で単結晶正極材料を占める割合は10%であり、その後、930℃の2回目の焼結温度で5h保温し、篩過して、勾配単結晶613正極材料を獲得し、D50は5ミクロンである。
【0055】
(比較例1)
実施例1のステップ(2)を除き、他は、実施例1と同じである。
【0056】
(比較例2)
実施例1のステップ(2)における118gのナノCo(OH)を20gに変更し、他は、実施例1と同じである。
【0057】
(比較例3)
実施例1のステップ(3)を除き、他は、実施例1と同じである。
【0058】
(比較例4)
実施例1のステップ(3)からLiOH・HOを除き、他は、実施例1と同じである。
【0059】
(比較例5)
実施例1のステップ(2)の焼結温度を650℃に変更し、他は、実施例1と同じである。
【0060】
(比較例6)
実施例1のステップ(2)の焼結温度を950℃に変更し、他は、実施例1と同じである。
【0061】
(比較例7)
実施例9のステップ(2)を除き、他は、実施例9と同じである。
【0062】
上記の実施例及び比較例で最終的に得られた正極材料の容量、初回効率、倍率、抵抗及び90%維持率のサイクル回数の比較は表1を参照し、実施例1及び比較例1、3、4のサイクルDCRは図6を参照でき、実施例9及び比較例7のサイクルDCRは図7を参照する。
【表1】
【0063】
実施例9及び比較例7で最終的に得られた正極材料の容量、初回効率、倍率、抵抗及び90%維持率のサイクル回数の比較は表2を参照できる。
【表2】
【0064】
実施例1と比較例1との比較から分かるように、単結晶材料の勾配化により、放電容量、放電効率及びサイクル回数を明らかに向上させるとともに、抵抗をある程度低下させることができる。また、実施例9及び比較例7から、低コバルト製品上に勾配化単結晶が形成されることにより、電池性能の向上幅がより顕著になることを分かった。
【0065】
実施例1、7、8及び比較例2並びに比較例1から、表面のCo含有量が低下すると、電池性能が明らかに低下することを分かった。
【0066】
実施例1及び比較例3並びに比較例4から、表面にリチウム化合物でのコーティングを用いることは、材料抵抗を低下させる有効な手段であることを分かった。
【0067】
実施例1及び比較例5並びに比較例6から、2回目の焼結温度は、元素の勾配化分布に対する影響が非常に大きく、材料の電気的性能に対する元素の勾配化分布の影響も十分に顕著であることを分かった。温度が低い場合、表面のCo含有量が高く、温度が高い場合、材料の内部に溶け込んだCoが多く、実施例7及び8から、Coの勾配分布は本特許請求の範囲内にあり、材料はいずれも性能が非常に良いことを分かった。
【0068】
実施例10、11及び比較例1から、LiとNi、Co、Aのモル数の和との比が0.9~1.25:1である範囲内で調製された勾配単結晶材料は、いずれも従来の単結晶材料より、性能が優れていることを分かった。
【0069】
実施例12、13及び比較例1から、要求される含有量の範囲内で元素を添加して調製した勾配単結晶材料は、いずれも従来の単結晶材料より、性能が優れていることを分かった。
【0070】
実施例1と実施例2との比較は、実施例2の性能が悪いことを示し、これは、共沈法で調製した前駆体元素の分布に比べ、ナノ金属の混合効果が均一ではないということと関係がある。
【0071】
図1図2とを比較して分かるように、単結晶の勾配化中に、単結晶粒子の鋭い縁角が著しく少なくなり、丸み度が著しく向上し、粒子がより丸くて滑らかになる。材料の断面電子顕微鏡図(図3及び図4)からもこの結論を得ることができ、また、勾配化中に粒子の接触部位にさらなる融合が起こり、材料がより緻密になる。
【0072】
図6及び図7両方から、勾配化単結晶材料は、サイクル中のDCRの増加を著しく抑制することができ、かつ、低コバルト材料でその抑制作用がより著しいという結論を得ることができる。また、図6は、さらに、表面にリチウム含有化合物をコーティングすることは、サイクル中のDCRの変化にも大きく影響を与え、特に、サイクル初期のDCRが低い。
【0073】
なお、これらの実施形態に対する説明は、本発明の理解を助けるためのもので、本発明を限定するものではない。さらに、以上に説明された本発明の各実施形態に関わる技術的特徴は、互に矛盾しない限り、互に組み合わせることができる。また、以上は、本発明の実施例の一部にすぎず、すべての実施例ではなく、当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
勾配単結晶正極材料であって、
化学式がLiNiCo1-x-y@mLiであり、ここで、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1、0<m<0.05、0.3<a≦10、1≦b<4、1≦c<15であり、Aは、Mn、Zr、Sr、Ba、W、Ti、Al、Mg、Y、Nbのうちの少なくとも1つであり、Zは、B、Al、Co、W、Ti、Zr、Siのうちの少なくとも1つであり、前記勾配単結晶正極材料の粒子表面のCo含有量が表面のNi+Co+Aで占める原子割合は0.4より大きく且つ0.8未満であり、前記勾配単結晶正極材料の粒子表面からの半径深さの10%の位置にあるCoの原子割合は0.3以上であることを特徴とする勾配単結晶正極材料。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の勾配単結晶正極材料の調製方法であって、
(1)リチウム源とNi、Co、A含有物質とを、0.9~1.25:1であるLiとNi、Co、Aのモル数の和との比にしたがって混合し、均一に混合した後、酸素富化雰囲気下で、1回目焼結を行い、焼結温度は800℃~1000℃で、焼結時間は8h~15hであり、その後、材料の温度が下がった後、材料をD50が2.5ミクロン~5ミクロンになるまで粉砕して、単結晶正極材料を得るステップと、
(2)ステップ(1)で調製された単結晶正極材料をCo含有微粉と混合し、ここで、Co含有量が質量比で単結晶正極材料を占める割合は0.1%~10%であり、均一に混合した後、酸素富化雰囲気下で、2回目焼結を行い、焼結温度は700℃~900℃で、焼結時間は3h~8hであり、冷却後、粉砕と篩過を行い、得られた正極材料のD50は2.5ミクロン~5ミクロンであるステップと、
(3)ステップ(2)で調製された正極材料と、Li源と、Z含有化合物とを混合した後、酸素富化雰囲気下で、3回目焼結を行い、焼結温度は300℃~750℃で、焼結時間は3h~10hであり、材料を冷却した後、篩過するステップと、を含むことを特徴とする勾配単結晶正極材料の調製方法。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の勾配単結晶正極材料を含有することを特徴とするリチウムイオン電池。
【国際調査報告】