(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】光子及び/又は光電子駆動フルカラー反射受動型スクリーン
(51)【国際特許分類】
G03B 21/60 20140101AFI20240905BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240905BHJP
H10K 59/95 20230101ALI20240905BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240905BHJP
G02F 1/17 20190101ALN20240905BHJP
【FI】
G03B21/60
G03B21/00 D
H10K59/95
H10K50/10
G02F1/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503676
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2022075322
(87)【国際公開番号】W WO2023041496
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524024018
【氏名又は名称】フレシェイプ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ユハン
(72)【発明者】
【氏名】コング、イェン - チェン
(72)【発明者】
【氏名】リュー、イージゥー
【テーマコード(参考)】
2H021
2K101
2K203
3K107
【Fターム(参考)】
2H021BA01
2H021BA12
2K101AA36
2K101EB01
2K101EE21
2K101EG52
2K203FA02
2K203FA65
3K107AA01
3K107BB02
3K107CC41
3K107CC42
3K107EE57
3K107EE65
(57)【要約】
本発明は、光子及び/又は光電子駆動フルカラー反射受動型スクリーンに関する。本スクリーンは、好ましくは、少なくとも3つのフォトクロミック及び/又はフォトエレクトロクロミック材料を含み、異なるフォトクロミック材料は、異なる波長の光子を吸収し、異なる色に変化することができ、異なる色の混合物を配置することによって、フルカラー・スクリーンを形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の基板(1,2)と、前記基板間の空間(5)と、支持材料(24)と、クロミック材料(21、22)とを備えるスクリーン(10)であって、
前記支持材料が前記空間(5)に設けられ、
前記クロミック材料が、フォトエレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、及びそれらの組み合わせから選択され、前記クロミック材料が、好ましくは、電磁放射線によって、又は電磁放射線によって生成された光電子によって活性化されると色が変化する特性を有し、
前記クロミック材料が、前記支持材料上に設けられている、スクリーン。
【請求項2】
前記支持材料が、ナノ粒子、3D足場、及び表面増大構造から選択された1つ又は複数を含み、前記クロミック材料が、前記ナノ粒子、3D足場、及び/又は表面増大構造の上に、又/及び、これらと接触してそれぞれ設けられる、請求項1に記載のスクリーン。
【請求項3】
前記クロミック材料が、前記ナノ粒子、3D足場、及び/又は表面増大構造にそれぞれ吸着される、請求項1又は2に記載のスクリーン。
【請求項4】
前記支持材料が、光増感剤材料、好ましくは半導電性光増感剤材料を含む、及び/又は本質的にそれからなる、請求項1から3までのいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項5】
前記支持材料が伝導帯の最低部を示し、前記クロミック材料が還元電位を示し、前記伝導帯の最低部が前記還元電位よりも負電位が小さい、請求項1から4までのいずれか一項に記載のスクリーン・システム。
【請求項6】
前記クロミック材料が、活性化されると第1及び第2の色を有する少なくとも第1及び第2のクロミック材料(21,22)を含み、前記第1の色と前記第2の色が異なり、前記少なくとも第1及び第2のクロミック材料が前記支持材料上に設けられている、請求項1から5までのいずれか一項に記載のスクリーン・システム。
【請求項7】
前記支持材料が、第1の支持材料及び第2の支持材料を含み、前記第1の支持材料と前記第2の支持材料とが異なる、請求項1から6までのいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項8】
前記支持材料が、好ましくは第1のナノ粒子(31)、第1の3D足場、及び/又は第3の表面増大構造から選択された1つ又は複数の形態で提供された第1の支持材料と、好ましくは第2のナノ粒子(32)、第2の3D足場、及び/又は第2の表面増大構造から選択された1つ又は複数の形態で提供された第2の支持材料とを含み、前記第1のクロミック材料が前記第1の支持材料上に設けられ、前記第2のクロミック材料が前記第2の支持材料上に設けられた、請求項6または7に記載のスクリーン。
【請求項9】
前記クロミック材料が少なくとも第3のクロミック材料(23)を含み、前記第3のクロミック材料が活性化されると第3の色を有し、前記第3の色が前記第1及び第2の色と異なる、請求項6から8までのいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項10】
前記支持材料が、前記第1及び第2の支持材料とは異なる第3の支持材料を含み、前記第3の支持材料が、好ましくは、第3のナノ粒子(33)、第3の3D足場、及び/又は第3の表面増大構造の形態でそれぞれ提供され、前記第3のクロミック材料(23)が、前記第3の支持材料上に設けられた、請求項9に記載のスクリーン。
【請求項11】
前記第1の支持材料が、前記第1の波長及び/又は波長範囲を有する光の吸収時に光電子を生成し、前記第2の支持材料が、前記第2の波長及び/又は波長範囲を有する光の吸収時に光電子を生成し、該当する場合は、前記第3の支持材料が、前記第3の波長及び/又は波長範囲を有する光の吸収時に光電子を生成する、請求項7から10までのいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項12】
前記第1の基板(1)上に設けられた電極(11)をさらに備え、前記電極が前記支持材料と電気接触している、請求項1から11までのいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項13】
前記基板間に設けられた電解質(13)をさらに備える、請求項1から12までのいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載のスクリーンと、発光デバイス(6、7)と、ドライバ・ユニット(3)とを備え、前記発光デバイスが、前記ドライバ・ユニットによって、前記クロミック材料及び/又は前記支持材料を活性化するように、前記スクリーンの方向に光(15、16、17)を発するように構成されている、スクリーン・システム(60、65)。
【請求項15】
前記発光デバイスが、少なくとも第1及び第2の異なる予め定められた波長又は波長範囲を有する光を発するようにさらに構成され、
前記第1の波長又は波長範囲を有する光が、前記第1のクロミック材料を活性化させるか、又は前記第1のクロミック材料を活性化させることができる光電子を生成するのに適しており、
前記第2の波長又は波長範囲を有する光が、前記第2のクロミック材料を活性化させるか、又は前記第2のクロミック材料を活性化させることができる光電子を生成するのに適している、請求項14に記載のスクリーン・システム。
【請求項16】
前記発光デバイスが、第3の波長又は波長範囲を有する光を発するようにさらに構成され、前記第3の波長が、前記第1及び第2の波長又は波長範囲とは異なり、前記第3の波長又は波長範囲を有する光が、前記第3のクロミック材料を活性化するのに適している、請求項15に記載のスクリーン・システム。
【請求項17】
前記ドライバ・ユニットが、前記発光デバイスの発光強度及び/又は発光持続時間を調節するのに適している、請求項14から16までのいずれか一項に記載のスクリーン・システム。
【請求項18】
前記発光デバイスが、プロジェクタ(6)、好ましくはレーザ・プロジェクタを備える、請求項14から17までのいずれか一項に記載のスクリーン・システム。
【請求項19】
前記発光デバイスが発光パネル(7)を備え、前記発光パネルが、好ましくは、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、及びプラズマ・ディスプレイから選択される、請求項14から17までのいずれか一項に記載のスクリーン・システム。
【請求項20】
前記発光デバイスを、前記スクリーンの1つ又は複数のスポット(19)上に、前記第1及び第2の波長及び/又は波長範囲(15、16)、並びに、該当する場合は、前記第3の波長及び/又は波長範囲の光を発するようにさせ、それにより前記スポットにおいて第1及び第2のクロミック材料、並びに、該当する場合は、第3のクロミック材料を活性化するステップを含む、請求項14から19までのいずれか一項に記載のスクリーン・システムを動作させるための方法。
【請求項21】
前記発光デバイスを、前記第1、第2、及び、該当する場合は、第3の波長及び/又は波長範囲を有する光を前記スクリーンの表面に投影するようにさせ、それにより、前記第1、第2、及び、該当する場合は、第3のクロミック材料を活性化し、前記スクリーン上に画像、好ましくはフルカラー画像を生成するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、スクリーン及びスクリーン・システムの分野に関し、好ましくは、受動型及び/又は反射型スクリーンに関する。より詳細には、本発明は、フォトクロミック及び/又はフォトエレクトロクロミック・スクリーン、特にマルチカラー又はフルカラー・スクリーンなどの光子又は光電子駆動スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
クロミズムは、物質の色変化を意味するプロセスであり、多くの場合、可逆的である。ほとんどの場合、クロミズムは物質の電子状態の変化に基づく。現在までに、特定のクロミズムを有する多くの化合物が合成されている。フォトクロミック材料は、電磁放射線の吸収によって可逆的に色が変化する材料である。最も有名な可逆的フォトクロミックの用途の1つは、色が変わるサングラス用のレンズである。
【0003】
最近、フォトクロミック材料の特性を利用するスクリーンの可能性が研究されている。フォトクロミック材料の色変化は、入射光の波長、強度、露光時間に影響される。別の種類の光誘導性の色の変わる材料であるフォトエレクトロクロミック材料では、色変化は、フォトエレクトロクロミック材料中の自由電荷である光電子の生成を伴い、自由電荷が色を変化させる。
【0004】
米国特許第7,410,750(B2)号は、2つのフォトクロミック材料(スピロピラン材料と単一のジチエニルエテン)の混合物を含むマーキング粒子のコーティングを有する基板を備えたマルチカラー・スクリーンを開示している。この文献は、スクリーンについて言及しているが、画像について言及しており、フルカラーの可能性については言及していない。さらに、この文献はディスプレイの駆動に関しては言及していない。
【0005】
特開2004258474(A)号は、電極を備える基板間に設けられた電気化学発光に基づいて発光する層から発せられる光を使用するフォトクロミック・スクリーンを開示しており、この光はアクティブ・マトリックスによって駆動され、フォトクロミック層に適切な色変化を生じさせるように供給される。したがって、スクリーン内の発光する層は光を発し、この光はまた、透明基板を通ってスクリーンを励起し、見る人の目に入ることができ、その結果、このタイプのスクリーンは完全な受動型スクリーンとは考えられていない。アクティブ・マトリックス及び電気化学発光層を含む構造の複雑さにより、このデバイスの製造工程は複雑である。この文献はまた、フォトクロミック色素によって生成される画像のブリーチングに関して言及していない。
【0006】
別の技術は、eペーパー又はeインク・デバイスに関するもので、これは、光の反射に基づき、光を発しないという点で受動型ディスプレイとみなすことができる。しかしながら、これらのデバイスもまた、一般に、画像単位をアドレス指定するためのアクティブ・マトリクスを必要とする。一般に、eペーパー・スクリーンは単色デバイスである。フルカラーのeペーパーは考案されているが、その性能は一般に低い。アクティブ・マトリクスに基づくすべてのスクリーンに当てはまる欠点は、ディスプレイ面が一般にアクティブ・マトリクスのサイズに制限されることである。アクティブ・マトリクスは、特にデバイスのサイズがより大きなサイズ、特に100インチのサイズを超えると、最終製品のコストを著しく増大させる。したがって、本発明の目的は、大型の屋外用ディスプレイを含め、あらゆる所望のサイズで容易にコスト効率よく実現できるディスプレイを提供することである。
【0007】
本発明は、好ましくはそれ自体で光を発しない受動型スクリーンを提供するという目的にさらに対応する。受動型スクリーンは、液晶スクリーン(LCD:liquid crystal screen)又は有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)スクリーンなどの他のスクリーンとは区別される特定の特性を有する。受動型スクリーンは自ら光を発するのではなく、スクリーンに使用されている材料の色特性に応じて、周囲の光を反射又は透過する。受動型スクリーンを連続して使用しても、上記のLCD及びOLEDスクリーンなどの発光照光するスクリーンよりも、人の目を疲れさせることが少ないと考えられている。受動型スクリーンを見ることは、発光するスクリーンを使用するよりも印刷媒体(環境からの反射光)を見ることにより近い。受動型スクリーンは、視野角が広く、エネルギー消費が少なく、且つ光利用効率が良いなど、いくつかのさらなる利点を示す。したがって、受動型スクリーンは、屋外スクリーン(環境光)及びスクリーンでの読書(高コントラスト、人の目を疲れさせることが少ない)に特に有利であると考えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,410,750(B2)号
【特許文献2】特開2004258474(A)号
【特許文献3】国際公開第2013084029(A1)号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Qi Shaoら、Determining Locations of Conduction Bands and Valence Bands of Semiconductor Nanoparticles Based on Their Band Gaps、ACS Omega、2020年5月18日、10297~10300頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のことから、受動反射型フルカラー・スクリーンを提供することが本発明の目的である。内部光源及びアクティブ・マトリックスがなく、例えば100インチより大きな大型サイズを含め、すべての所望のサイズに容易に提供することができるスクリーンを提供することが目的である。アクティブ・マトリックスを使用しないで受動型フルカラー・スクリーンを駆動するための解決策を提供することがさらなる目的である。
【0011】
また、フォト(エレクトロ)クロミック・スクリーンの新しい構造を提供することも目的である。
【0012】
本発明は、上記に示した問題及び目的に対応する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、スクリーン・システム及びスクリーンを提供し、スクリーンは、フォトクロミック及び/又はフォトエレクトロクロミック材料に基づいていることに注目すべきである。スクリーンは、電磁放射線源による適切な照光時に画像を表示するのに適している。スクリーンは、マルチカラー、好ましくはフルカラーとして実現することができる。スクリーンは、好ましくは受動反射型スクリーンである。
【0014】
一態様では、本発明は、第1及び第2の基板と、前記基板間の空間と、クロミック材料とを備えるスクリーンを提供し、前記クロミック材料は前記空間に設けられ、前記クロミック材料は、フォトエレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、及びそれらの組み合わせから選択され、前記クロミック材料は、好ましくは、電磁放射線によって、又は電磁放射線によって生成された光電子によって活性化されると色が変化する特性を有する。
【0015】
一実施例では、前記クロミック材料は、活性化されると第1及び第2の色を有する少なくとも第1及び第2のクロミック材料を含み、前記第1の色と前記第2の色は異なる。
【0016】
一態様では、本発明は、第1及び第2の基板と、前記基板間の空間と、支持材料と、クロミック材料とを備えるスクリーンを提供し、前記支持材料は前記空間に設けられ、前記クロミック材料は、フォトエレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、及びそれらの組み合わせから選択され、前記クロミック材料は、好ましくは、電磁放射線によって、又は電磁放射線によって生成された光電子によって活性化されると色が変化する特性を有し、前記クロミック材料は、活性化されると第1及び第2の色を有する少なくとも第1及び第2のクロミック材料を含み、前記第1の色と前記第2の色は異なり、前記少なくとも第1及び第2のクロミック材料は前記支持材料上に設けられている。
【0017】
一態様では、本発明は、本発明のスクリーンと、発光デバイスと、ドライバ・ユニットとを備えるスクリーンを提供する。
【0018】
好ましい実施例では、前記発光デバイスは、前記クロミック材料を活性化するように、前記スクリーンの方向に光を発するように構成され、前記発光デバイスは、少なくとも第1及び第2の異なる予め定められた波長又は波長範囲を有する光を発するようにさらに構成されている。前記第1の波長又は波長範囲を有する光は、前記第1のクロミック材料を活性化させるか、又は前記第1のクロミック材料を活性化させることができる光電子を生成するのに適しており、前記第2の波長又は波長範囲を有する光は、前記第2のクロミック材料を活性化させるか、又は前記第2のクロミック材料を活性化させることができる光電子を生成するのに適していることが好ましい。前記第1の波長又は波長範囲と前記第2の波長又は波長範囲は異なることが好ましい。
【0019】
一態様では、本発明は、本発明のスクリーン・システムを動作させるための方法を提供し、本方法は、前記発光デバイスを、前記スクリーンの1つ又は複数のスポット上に、前記第1及び第2の波長及び/又は波長範囲、並びに、該当する場合は、前記第2の波長及び/又は波長範囲の光を発するようにさせ、それにより前記スポットにおいて第1及び第2のクロミック材料、並びに、該当する場合は、第3のクロミック材料を活性化するステップを含む。
【0020】
一実施例では、前記発光デバイスは、第1の波長又は波長範囲を有する光を発するように構成されている。前記第3の波長又は波長範囲は、前記第1及び第2の波長又は波長範囲とは異なることが好ましい。波長範囲の場合、波長範囲間に重なりがあってもよい。好ましい実施例では、異なる波長範囲との重なりはない。
【0021】
本発明のさらなる態様及び好ましい実施例は、本明細書の以下に、及び添付の特許請求の範囲に定められる。本発明の追加の実施例、特徴、及び利点は、以下に示す好ましい実施例の説明から当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本発明によるスクリーン・システムの実施例を概略図である。
【
図1B】本発明によるスクリーン・システムの
図1Aとは異なる実施例の概略図である。
【
図2A】本発明の好ましい実施例によるスクリーン・デバイスの構造の概略図である。
【
図2B】本発明の好ましい実施例によるスクリーン・デバイスの構造の概略図である。
【
図2C】本発明の好ましい実施例によるスクリーン・デバイスの構造の概略図である。
【
図2D】本発明の好ましい実施例によるスクリーン・デバイスの構造の概略図である。
【
図2E】本発明の好ましい実施例によるスクリーン・デバイスの構造の概略図である。
【
図3】本発明の一実施例による、クロミック材料が吸着されたナノ粒子の概略図である。
【
図4】本発明の一実施例による、異なるクロミック材料が吸着された異なるナノ粒子の概略図である。
【
図5】本発明の実施例によるフォトエレクトロクロミック材料の化学構造の図である。
【
図6】本発明の実施例によるコーティングされたナノ粒子の調製の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を説明するために、本発明の範囲を限定することを意図することなく、本発明のデバイスの好ましい実施例を説明する。
【0024】
いくつかの実施例では、本発明は、フォトクロミック及び/又はフォトエレクトロクロミック材料に基づいて機能するスクリーンを備えるスクリーン・システムに関する。グラフィック情報及び/又はテキスト情報或いは画像を表示するために、本スクリーン・システムは、好ましくは、電磁放射線でスクリーンを照光するように構成される。
【0025】
本明細書では、例えば、「クロミック材料」という表現における「クロミック」という用語は、「フォトクロミック及び/又はフォトエレクトロクロミック」を意味する。
【0026】
「フォトクロミック材料」とは、電磁放射線、好ましくは電磁放射線のうちの赤外から紫外の波長の範囲の電磁放射線の影響で色変化を受けることができる材料である。
【0027】
「フォトエレクトロクロミック材料」とは、電子によって励起されると色変化を受ける材料のことで、この電子は、好ましくは、前記材料に光が当たる、又は前記光エレクトロクロミック材料が電気接触している光増感剤材料に光が当たることによって生成される。
【0028】
本明細書では、「黒」及び「白」も色として考えられている。例えば、透明又は白から黒への変化、及びその逆は、「色変化」であると考えられている。
【0029】
図1Aは、スクリーン10と、ここではプロジェクタ6、好ましくはレーザ・プロジェクタである発光デバイスとを備えるスクリーン・システム60を示す。本システムは、プロジェクタ、及び、特にプロジェクタによって発せられる光15、16、及び17を制御するドライバ・ユニット3をさらに備える。
【0030】
スクリーン10は、表側41及び裏側42を備え、表側はプロジェクタ6によって照光されるように構成されている。スクリーンは、プロジェクタによって発せられる光、又は光によって生成される光電子によって活性化されるクロミック材料を含む。クロミック材料を含むスクリーンの例示的な構造については、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する。
【0031】
スクリーン上にマルチカラー、好ましくはフルカラーの画像を生成するために、プロジェクタは、好ましくは、異なる波長及び/又は波長範囲の光を発するように構成され、それによって、スクリーン内に存在する異なるクロミック材料に対応する。
図1Aに示すように、光線15、16、及び17は、異なる波長によって特徴付けられている。光線は、好ましくは、スクリーンの表側とプロジェクタとを隔てる空間を横切ることが好ましい。光線は、スクリーンのある領域又はスポット19に向けられて、その領域のクロミック材料の色変化を引き起こす。プロジェクタはスクリーン全体を、好ましくは同時に照光するのに適しているので、スクリーン上に画像が生成される。
【0032】
ドライバ・ユニットは、前記発光デバイスによる発光を制御するように構成されている。ドライバ・ユニット3は、プロジェクタによって発せられる特定の波長の特定の光の方向を調節するように構成されることが好ましく、また、任意の特定のスポーツにおける照光の持続時間及び強度も調節するように構成されることが好ましく、それによって、スクリーンに示される情報の生成に寄与する。ドライバ・ユニットはまた、発せられる光の波長を制御することが好ましい。光を発する方向を調節するために、プロジェクタは、好ましくは、ドライバ3の制御を受けて光を向けるように光学系に作用するのに適したモータを備える。
【0033】
ドライバ・ユニット3は、好ましくは、CPU及びメモリを含むデータ処理エンティティ、例えばマイクロコントローラ又はコンピュータ、及び、好ましくは、光源を駆動するためのソフトウェア及び/又はファームウェアを備える。
【0034】
一実施例では、本発光デバイスは、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの異なる波長又は波長範囲の光を生成するのに適している。これにより、本システムは、前記異なる波長に反応する異なるクロミック材料において色変化を引き起こすことができる。
【0035】
図1Bは、本発明の別の実施例によるシステム65を示し、この実施例では、発光デバイスは、プロジェクタの代わりに発光パネル7である。発光パネルは、スクリーン10の裏側42に設けられ、好ましくはスクリーン10の裏側42に強固に接続される。発光パネルは、好ましくは複数の別々の光源を備える。この場合、ドライバ3は、好ましくは、パネルのどの光源を点灯させるか、どれくらいの光強度を光源によって発生させるか、及び発光の持続時間から選択される1つ又は複数のことを制御する。
【0036】
一実施例では、発光パネル7は、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイLCD(liquid crystal display)、及びプラズマ・ディスプレイ(PDP:plasma display)から選択される。プロジェクタと同様に、パネル7は、好ましくは、異なる波長、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、例えば4つまでの異なる波長又は波長範囲の光を発するように構成され、それにより、ディスプレイ内に含まれる応答性のクロミック材料に対応する。この実施例では、光線は、好ましくは、光源とスクリーンのクロミック材料との間に設けられた空間を横切らない。
【0037】
図2A~
図2Eは、本発明の異なる実施例によるスクリーンのデバイス構造を示す。これらの図は、スクリーンの対向する外面41、42に対して垂直に延在する断面を表す。
図2Aに示すデバイス10は、第1及び第2の実質的に平坦な基板1、2を備え、基板1、2は、基板間に空間5を画定するように、一方が他方に対して間隔をあけて配置されている。基板1、2の少なくとも一方は透明である。透明な基板は、ガラス及びプラスチックを含む材料及び/又は本質的にそれらからなる材料から作ることができる。
【0038】
「基板」という用語は、両方の層1及び2が、それらの間に設けられた層を担持することを意味しない。したがって、層1と層2との間に挟まれた層が、2つの基板1又は基板2のうちの一方の層の上に堆積されていると仮定した場合、少なくとも他方は保護層としても考えることができる。基板は導電性材料を含むことができ、及び/又は本質的にそれからなることができ、その結果、基板はまた電極とすることができることも留意されたい。
【0039】
透明の基板により、確実に、光が内部空間に入ることができ、反射光がスクリーンの外に出ることができ、その結果、画像を表示することができる。好ましい実施例では、前記第1及び第2の基板の両方が透明である。一実施例では、一方又は両方の基板は、好ましくは紫外線並びに赤外線及び/又は近赤外線に加えて、すべての可視光に対して透明であることが好ましい。いくつかの実施例では、基板の一方は透明でない、又は透明である必要はない。
【0040】
明らかになるように、
図1Bに示す実施例では、スクリーンの両方の基板1、2は好ましくは透明であり、その結果、光が一方の基板(例えば2)を通って入り、スクリーンによって生成された画像が2つの基板のうちの他方の基板(例えば1)を通して見ることができる。
図1Aに示すシステムのスクリーンに関しては、ここでは、光15~17がデバイスに入る表側の基板は透明であることが好ましいが、裏側の基板は透明であってもよいし、透明でなくてもよい。
図1Bに示す実施例では、表示された情報はスクリーンの表側又は第1の側41で見ることができ、一方、発光デバイス7はスクリーンの第2の側又は裏側42と接触している、又は隣り合っている。
【0041】
支持材料又は支持層24は、前記第1の基板と前記第2の基板との間の空間5に設けられる。クロミック材料は前記支持材料に設けられることが好ましい。
【0042】
支持材料はナノ粒子を含む、又は本質的にナノ粒子からなることが好ましい。これらのナノ粒子の実施例については、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する。
【0043】
一実施例では、1つ又はいくつかの異なるフォトクロミック材料及び/又はフォトエレクトロクロミック材料は、好ましくは、前記ナノ粒子にコーティング及び/又は吸着される。クロミック材料は、好ましくは、前記支持材料及び/又は前記ナノ粒子と電気接触している。
【0044】
本明細書では、「電気的に接続されている」又は「電気接触している」という表現は、一定の電位差のもとで、電気的に接続されている物品の間に定常的な電流(電子、正孔)の流れが生じていることを意味する。言い換えれば、電荷の輸送は、イオン輸送ではなく、電子運動によって起こる。
【0045】
上述したように、
図1A~
図1Eに示すような層24は、例えばRGB混色の場合、好ましくは他の層の上に1つ層を設けられる、いくつかの、例えば2つ、3つ、又は4つの層を備えることができる。
【0046】
一実施例では、クロミック材料は、前記支持材料の表面に単層、好ましくは単分子層を提供する。
【0047】
図2Bは、
図2Aと同様のデバイスを開示しているが、第1の基板1及び第2の基板2の各内面のそれぞれに導電層11、12が設けられている。導電層11、12の少なくとも一方、場合によっては両方は透明な導電層である。導電層11、12は、例えば、導電性金属酸化物又は導電性ポリマーを含むことができ、及び/又は本質的にそれらからなることができる。透明な導電性金属酸化物(TCO:transparent conductive oxide)は、例えば、インジウムドープ酸化スズ(ITO:indium doped tin oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO:fluorine doped tin oxide)、Zno-Ga
2O
3、ZnO-Al
2O
3、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO:antimony doped tin oxide)、SrGeO
3、及び酸化亜鉛、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
図2Bに示す実施例では、内部空間5は、導電層11、12によって提供された2つの表面間の空間によって画定され、これらの表面は向かい合い、支持層24に面している。導電層は、存在する場合、基板の一部であると理解することができ、その結果、対応する基板は導電性基板、好ましくは透明な導電性基板であると言うことができる。1つ又は複数の導電層はまた、電極層と呼ばれることもある。
【0048】
一実施例では、少なくとも1つの導電層は、すべての可視光に対して透明であり、紫外光に加えて、赤外光及び/又は近赤外光に対しても透明である。したがって、1つの導電層は透明でなくてもよい。
【0049】
一実施例では、第1の電極11は作用電極であり、第2の電極12は対向電極である。
【0050】
図2Cに示すデバイスは、基本的に、基板1、2によって画定された空間5に電解質13が存在するという点で、
図1Bのデバイスとは異なる。電解質は、好ましくは、クロミック材料、特にフォトエレクトロクロミック材料の急速なスイッチングを可能にするため、及び/又は、望ましくないブリーチングを防止するために設けられる。クロミック材料のブリーチング及び/又は元の状態又は色は、好ましくは、照光又は光子誘起励起がない状態で材料が呈する状態又は色である。
【0051】
図2Dは、散乱層45をさらに備えるデバイスを示す。散乱層は、好ましくは100nm~5μm、好ましくは150~2000nm、より好ましくは200~1000nmの直径を有するナノ粒子又はマイクロ粒子によって形成されることが好ましい。図示の実施例では、散乱層は、クロミック材料が設けられたナノ粒子支持層24上に直接堆積される。別の実施例では、散乱層45は、第2の基板2又は第2の基板の導電層12に堆積される(この実施例は図示せず)。
【0052】
散乱層に対する材料は、好ましくは、例えば白色ナノ粒子の形態のTiO2、Al2O3、又はその他及び/又は関連する金属酸化物材料から選択することができる。
【0053】
図2Eは、
図2Bに示すように第2の基板上に第2の導電層12が存在するという点で
図2Dに示す実施例とは異なり、散乱層が存在するという点で
図2Cの実施例とは異なる。電解質13は、好ましくは
図2C~
図2Eに示す実施例において存在し、任意選択で、
図2A及び
図2Bに示す実施例においても存在することができる(これらの図には示されていないが)。
【0054】
図2A~
図2Eに示すように、電解質は、本発明のデバイス、特に、基板1と基板2とによって画定された空間5、又は、該当する場合は、電極層11、12を含む、又は含まない基板によって画定された空間5に存在してもよいが、存在する必要はない。
【0055】
電解質は、好ましくは、荷電種及び分散マトリックスを含む。いくつかの実施例では、分散マトリックスは、水、及び極性又は非極性有機溶媒から選択される。いくつかの実施例では、電解質は溶融塩及び共晶溶融物などを含む。
【0056】
荷電種は、塩、ハロゲン化合物、アルカリ金属イオン、メタロイド・イオン、金属イオン、及び/又は荷電分子、例えば有機カチオン及び有機アニオンから選択することができる。いくつかの実施例では、電解質は酸化還元材料を含む。
【0057】
他の実施例では、電解質は酸化還元材料がないが、上記のように1つ又は複数の荷電種を含む。
【0058】
電解質中の荷電種の機能は、クロミック材料に電子を注入した後に、クロミック材料及び/又は光増感性支持材料を安定化させることである。荷電種は、支持材料上に、及び/又はクロミック材料の周りに電気二重層を形成し、それにより、電荷再結合を防止又は減速することができる。例えば、電子が支持材料からクロミック材料に注入されると、正の荷電種が支持材料の表面近傍に入り、電荷分離を安定化させる前記層を形成することができる。
【0059】
いくつかの実施例では、電解質は酸化還元活性種を含むことができる。酸化還元活性種は、存在する場合、好ましくは、支持材料に電子を戻す(又は支持材料から正孔を取る)ことができ、それは、支持材料が励起されて、クロミック材料に電子を移動させた後である。クロミック材料中の電子は支持材料に戻ることができないので、これもまた電荷再結合も防止する。
【0060】
電荷分離の安定化は、好ましくは、クロミック材料の活性化された、好ましくは色の付いた形態を安定化させ、それにより、クロミック材料の望ましくないブリーチングを減少させる。
【0061】
例示的な電解質には、例えば、KCl水溶液、水又はアセトニトリル及びγ-ブチロラクトンなどの極性若しくは非極性有機溶媒に溶解したリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの液、プロピレンカーボネート若しくはトルエンなどの極性有機溶媒に溶解したテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェートの液が含まれる。
【0062】
図2A~2Eは、ナノ粒子支持材料を含むスクリーンを示す。この実施例によれば、支持材料は、特にメゾスコピックスケールで構造化された、非平滑の表面増大面の群から選択された1つ又は複数を備える、又はそれらを形成する。この実施例によれば、支持材料は、足場、特に3D足場を提供又は形成し、その上に、前記クロミック材料が設けられ、好ましくは吸着されている。3D足場は、好ましくは、メソポーラス構造、ナノポーラス構造、ナノピラー構造、及びナノチューブ構造から選択された1つ又は複数、又は前述の2つ以上を含む組み合わせを含む。
【0063】
支持材料のナノ粒子の平均寸法及び/又はサイズは、好ましくは、2~1500nm、好ましくは3~1000nm、さらにより好ましくは4~500nm、最も好ましくは5~200nmの範囲である。ナノ粒子に関する「寸法」又は「サイズ」とは、ここでは、空間の任意の方向での長さを意味し、好ましくはナノ粒子の平均最大長さを意味する。実質的に球状又は楕円体の粒子の場合、平均直径を指すことが好ましい。ナノシートの場合、示された寸法は長さ及び厚さを指す。ナノ粒子のサイズは、例えば顕微鏡技術によって測定されることが好ましい。
【0064】
別の実施例では、別途図示しないが、前記支持材料は、平坦、平滑、及び/又は均一な表面から選択された1つ又は複数を含み、又は形成し、その上に、前記クロミック材料が設けられ、好ましくは吸着されている。平坦、平滑、及び/又は均一な表面は、好ましくは、メゾスコピックスケールで表面に適用される。
【0065】
図3は、特にマルチカラー・スクリーン、好ましくはフルカラー・スクリーンにおけるナノ粒子層24のナノ粒子の実施例を示す。図示の実施例では、3つの異なるクロミック材料、第1、第2、及び第3のクロミック材料21、22、及び23がナノ粒子31上に堆積されている。クロミック材料21、22、及び23は、異なる構造を有して異なる色特性になる分子であることが好ましい。好ましい実施例では、クロミック材料は、分子の一部であるアンカー基によってナノ粒子に付着される。例示的なクロミック材料に関するより詳細は、本明細書の他の箇所に開示される。
【0066】
前記第1のクロミック材料21は活性化されると第1の色を示し、前記第2のクロミック材料22は活性化されると第2の色を示し、前記第3のクロミック材料21は活性化されると第3の色を示すことが好ましく、この場合、前記第1、第2、及び第3の色は異なる。一実施例では、前記第1、第2、及び第3の色は、赤、緑、及び青である(RGB混色)。別の実施例では、前記第1、第2、及び第3の色は、シアン、マゼンタ、及びイエローである(CMY混色)。本発明はまた、例えば、黒、ダーク・ブルー、又はダーク・ブラウンから選択された第4のクロミック材料によるCMYK(又はCMYB)混色も含む。
【0067】
本発明の様々な実施例によるクロミック材料の色変化を達成する、クロミック材料、光増感剤、半伝導性材料、及び/又は金属酸化物材料の照光は、好ましくは「活性化」として示されている。したがって、クロミック材料は、「活性化」されると色変化を受ける。
【0068】
クロミック材料の活性化は、様々な態様で生じることができる。好ましい実施例では、活性化は、光が前記クロミック材料又は支持材料に当たったときに生成される光電子によって起こり、前記支持材料は光増感剤を含むことが好ましい。別の実施例では、活性化は、例えば、光電子の生成なしにフォトクロミック材料に直接光が当たることによって起こる。
【0069】
異なるクロミック材料を含む単一のスクリーンでは、前記異なるクロミック材料は、単独で、フォトクロミック材料及び/又はフォトエレクトロクロミック材料であってもよく、単独で、光電子によって活性化されてもよく、又は光によって直接活性化されてもよい。
【0070】
好ましい実施例では、クロミック材料は、光が前記クロミック材料又は支持材料に当たったときに生成される光電子によって、スクリーンのすべての異なるクロミック材料において活性化される。
【0071】
また、クロミック材料の色変化は、好ましくは可逆的であることに留意されたい。色変化が戻ることは「ブリーチング」としても知られ、これによって、クロミック材料は元の基本的な、好ましくは色が付いていない状態に戻り、これは、様々なプロセスの1つ又はいくつかによって独立して引き起こされる場合がある。そのようなプロセスを、例えば、以下にさらに説明する。
【0072】
好ましい実施例では、支持材料、特にナノ粒子、3D足場、及び/又は表面積増大構造は、半伝導性材料、好ましくは光増感剤材料を含む、又は本質的にそれらからなる。
【0073】
前記光増感剤材料は、特定の波長の光を吸着し、その光によって励起されると光電子を生成する材料であることが好ましい。支持材料及びクロミック材料は、光電子が次いで、クロミック材料、好ましくはフォトエレクトロクロミック材料に渡され、色変化を引き起こすように設けられる。この点で、発光デバイスによって発せられる光は、支持材料を活性化するのに適しており、したがって、この光は、支持材料を介して間接的にクロミック材料を活性化すると考えることができる。
【0074】
一実施例によれば、前記第1及び第2の波長及び/又は波長範囲の光、並びに、該当する場合は、前記第3の波長及び/又は波長範囲の光は、前記第1及び第2のクロミック材料、並びに、該当する場合は、第3のクロミック材料を(直接又は対応する支持材料を介して)活性化するのに適している。
【0075】
前記第1の波長又は波長範囲の光は、前記第2及び/又は第3のクロミック材料を(直接又は対応する支持材料を介して)活性化しない、又は実質的に活性化しないことが好ましい。
【0076】
前記第2の波長又は波長範囲の光は、前記第1及び/又は第3のクロミック材料を(直接又は対応する支持材料を介して)活性化しない、又は実質的に活性化しないことが好ましい。
【0077】
前記第3の波長又は波長範囲の光は、前記第1及び/又は第2のクロミック材料を(直接又は対応する支持材料を介して)活性化しない、又は実質的に活性化しないことが好ましい。
【0078】
上記の特徴はまた、前記第1の波長及び/又は波長範囲は主に前記第1のクロミック材料を活性化し、前記第2の波長及び/又は波長範囲は主に前記第2のクロミック材料を活性化すること等を意味するものと理解することができる。
【0079】
本明細書では、「光増感」材料は光電材料及び/又は光起電材料を含む。
【0080】
一実施例では、光増感材料は紫外光を吸収する。このような光増感材料の実例としてはTiO2がある。紫外光で活性化及び/又は照射されると、光電子が生成され、クロミック材料に所望のクロミック挙動、特に色変化を引き起こす。
【0081】
一実施例では、前記クロミック材料は伝導帯の最低部を示し、前記クロミック材料は還元電位を示し、前記伝導帯の最低部は前記還元電位よりも負電位が小さい。エレクトロクロミック材料の還元電位は、好ましくは、標準水素電極又はカロメル電極などの参照電極に対して決定することができる。半導体材料のバンド・ギャップは、吸収スペクトルの始まりから決定することができる。伝導帯及び/又は価電子帯は、例えばバンド・ギャップから計算によって決定することができ、例えばQi Shaoら、Determining Locations of Conduction Bands and Valence Bands of Semiconductor Nanoparticles Based on Their Band Gaps、ACS Omega、2020年5月18日、10297~10300頁を参照されたい。
【0082】
支持材料が第1、第2、及び、該当する場合は、第3のクロミック材料を含む場合、前記材料はそれぞれ、第1、第2、及び、該当する場合は、第3の伝導帯の最低部を示すことができる。この場合、前記第1、第2、及び、該当する場合は、第3のクロミック材料は、それぞれ、第1、第2、及び、該当する場合は、第3の還元電位を示すことが好ましい。前記第1の伝導帯の最低部は、前記第1の還元電位よりも負電位が小さいことが好ましい。前記第2の伝導帯の最低部は、前記第2の還元電位よりも負電位が小さいことが好ましい。該当する場合は、前記第3の伝導帯の最低部は、前記第3の還元電位よりも負電位が小さいことが好ましい。
【0083】
一実施例によれば、支持材料は、Si、SO2、TiO2、Al2O3、ZrO2、HfO2、SnO2、Fe2O3、ZnO、WO3、Nb2O5、In2O3、Bi2O3、Y2O3、Pr2O3、CeO2、及び他の希土類金属酸化物、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、MgTiO3、SrTiO3、BaTiO3、Al2TiO5、Bi4Ti3O12、及び他のチタン酸塩、CaSnO3、SrSnO3、BaSnO3、Bi2Sn3O9、Zn2SnO4、ZnSnO3、及び他のスズ酸塩、CaZrO3、SrZrO3、BaZrO3、Bi4Zr3O12、及び他のジルコン酸塩、前述の酸化物、及びアルカリ金属、アルカリ土類金属元素、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Sc、Y、La、又は任意の他のランタニド、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Ni、若しくはCuのうちの少なくとも2つを含む他の多元素酸化物の2つ以上の組み合わせからなる群から選択された1つ又は複数を含む、本質的にそれらからなる、又はそれらのみからなる材料から選択される。
【0084】
一実施例では、1つ又はいくつかの光増感剤は着色されており、これはそのような光増感剤が可視光スペクトルの光を反射することを意味する。
【0085】
好ましい実施例では、光増感剤材料は、例えば、TiO2、SnO2、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、Si、Fe2O3、PbS、Bi2S3、及び有機無機、及び、Pb又はSnハロゲン化ペロブスカイトなどの純粋な無機ペロブスカイトから選択される。
【0086】
好ましい実施例では、支持材料は、有機光起電材料、量子ドット光起電材料(CdS、CdTe、CdSeなど)、ペロブスカイト光起電材料、TiO2、SnO2、及び前述のものの組み合わせから選択される。
【0087】
前述の例示的で好ましい支持材料は、ドープされてもドープされなくてもよい。
【0088】
クロミック材料は、有機化合物から、金属酸化物、特に遷移金属酸化物から、及び有機金属化合物から選択することができる。クロミック材料は有機化合物であることが好ましい。有機化合物は、好ましくは、低分子及びポリマー、並びにそのような有機化合物の塩から選択される。低分子、又はポリマーのモノマー部分は、5~150個の炭素及び0~60個のヘテロ原子を有することができ、ここでヘテロ原子は、例えばB、Si、As、O、S、Se、Te、N、P、及びハロゲンから選択することができる。前記低分子又はモノマー部分は、6~100個の炭素及び1~50個のヘテロ原子を有することが好ましく、7から50個の炭素及び1~30個のヘテロ原子を有することが最も好ましい。
【0089】
一実施例では、クロミック材料はアンカー基を含み、アンカー基を介して支持材料に吸着される。適切なアンカー基は、任意の他のアンカー基から、-COOH、-PO3H2、-PO4H2、-P(R1)O2H(ホスフィン酸)、-SO3H2、-SO4H2、-CONHOH、1、2-ヒドロキシベンゼン、1-ヒドロキシ-2-カルボキシベンゼン、アセチルアセトナート、前述のものの脱プロトン化形態、前記脱プロトン化形態の有機及び/又は無機塩、及びπ-導電性を有するキレート基から単独で選択することができる。R1は、1~50個の炭素及び0~25個のヘテロ原子を含む有機置換基であってもよく、前記炭化水素は、炭素原子によって前記ホスフィン酸基のP原子に共有結合している。
【0090】
図4は、異なるクロミック材料21、22、23が異なる支持材料31、32、33上に設けられた本発明の実施例を示し、これらの支持材料は、好ましくは、異なる光増感(又は光増感剤)及び/又は半伝導性支持材料を含む。したがって、第1のクロミック材料21は第1の光増感剤材料31と接触して(好ましくは、第1の光増感剤材料31に吸着して)設けられ、第2のクロミック材料22は第2の光増感剤材料32と接触して設けられ、任意選択で、第3のクロミック材料23は第3の光増感剤材料33と接触して設けられる。さらにより好ましい実施例によれば、第4のクロミック材料は第4の光増感剤材料と接触して設けられる(
図4には示されていない)。
【0091】
一実施例によれば、前記第1、第2、及び第3のクロミック材料は、活性化されると、赤、緑、及び青の色を有するのに適しており、それにより、RGB加法混色に基づいてスクリーン上のフルカラー表示が可能になる。この場合、活性化されると黒色になる第4のクロミック材料はない。
【0092】
別の実施例によれば、前記第1、第2、及び第3のクロミック材料は、活性化されると、青、赤、及びイエローの色を有するのに適しており、したがって、それにより、シアン、マゼンタ、及びイエロー(CMY)の混色が可能になる。第4のクロミック材料が、活性化されると黒色になり、したがって、それにより、CMYB混色が可能になることが好ましい。
【0093】
図4に示すような実施例では、
図2A~
図2Eに示した構造のいずれか1つに適用されると、これらのデバイスは、2つ以上、好ましくは3つ以上、例えば4つ以上の異なるクロミック材料を含み、好ましくは、異なる適切な光増感剤材料上にクロミック材料を含む。
【0094】
図5は、例示的なフォトエレクトロクロミック材料1~3を示す。化合物1は、1-エチル-1’-(2-ホスホノエチル)-[4,4’-ビピリジン]-1,1’-ジウムカチオンである。化合物1のクロミック部分は、1,1’-ジエチル-[4,4’-ビピリジン]-1,1’-ジウムを含む。化合物1は、青色光、特に約350~約450nmの波長を有する光によって励起されると青色になる。
【0095】
化合物2は、1-フェニル-1’-(4-(2-ホスホノエチル)フェニル)-[4,4’-ビピリジン]-1,1’-ジイウムカチオンである。化合物2のクロミック部分は、クロミックコアとして1,1’-ジフェニル-[4,4’-ビピリジン]-1,1’-ジウムを含む。化合物2は、緑色光、特に約500nm~約550nmの波長を有する光によって励起されると緑色になる。
【0096】
化合物3は、1-エチル-4-(4-(1-(2-ホスホノエチル)ピリジン-1-イウム-4-イル)フェニル)ピリジン-1-イウムカチオンであり、クロミックコアとして4,4’-(1,4-フェニレン)ビス(1-エチルピリジン-1-イウム)を含む。
【0097】
化合物1~3は、必須ではない臭化物アニオンで示されているが、化合物を製造するための合成経路により存在する。化合物1~3は、例えば、
図3又は
図4に示す実施例にしたがって、ナノ粒子へのコーティングのために使用することができる。
【0098】
いくつかの実施例をここに開示しているが、これらは、
図4に示すように、異なるナノ粒子増感支持材料とともに使用されるとき、
図5に示す化合物に基づく。
【0099】
特定の実施例では、第1のクロミック材料は、クロミック部分として1,1’-ジエチル-[4,4’-ビピリジン]-1,1’-ジウムを含む。例えば、
図5の化合物1は第1のクロミック材料である。クロミック材料は、第1の支持材料を提供するCdS(硫化カドミウム)支持体、好ましくはCdSナノ粒子上に、又はこれと電気接触して設けられてもよい。このアセンブリは、約350~約450nmの波長を有する青色光によって励起することができ、クロミック材料は励起時に青色になる。
【0100】
一実施例では、第2のクロミック材料は、クロミック部分として1,1’-ジフェニル-[4,4’-ビピリジン]-1,1’-ジウムを含む。例えば、
図5の化合物2は第2のクロミック材料である。クロミック材料は、第2の支持材料を提供するCsPbBr3ペロブスカイト支持体、好ましくはCsPbBr3ペロブスカイト量子ドット又はナノ粒子上に、又はこれと電気接触して設けることができる。このアセンブリは、例えば波長約550nmの緑色光によって励起することができ、クロミック材料は励起時に緑色になる。
【0101】
一実施例では、第3のクロミック材料は、クロミック部分として4,4’-(1,4-フェニレン)ビス(1-エチルピリジン-1-イウム)を含む。例えば、
図5の化合物3は第3のクロミック材料である。クロミック材料は、第3の支持材料を提供するTiO
2支持体、好ましくはTiO
2ナノ粒子上に、又はこれと電気接触して設けることができる。このアセンブリは、例えば波長約350nm~約400nmの紫外光によって励起することができ、クロミック材料は励起時に赤色になる。
【0102】
もちろん、クロミック材料と光増感材料との異なる組み合わせが提供されてもよく、本発明は決して上記に開示された例示的な実施例に限定されるものではない。例えば、化合物1は、TiO2光増感剤上に設けられてもよく、単なる実例を挙げると、波長約350~450nmの紫外線で活性化されてもよい。
【0103】
図3を参照して示すように、本発明はまた、異なるクロミック材料(上記で列挙したものなど)が、単一の光増感剤材料と接触して、例えば、その上に固定又は吸着されて設けられることを含む。この実施例によれば、単一のタイプの支持材料及び2つ以上の異なるクロミック材料が存在してもよい。さらに別の実施例では、スクリーンは、2つの異なる支持材料及び3つ以上の異なるクロミック材料を含んでもよい。本発明は、好ましくは様々な可能なものを含む。
【0104】
図6は、クロミック材料と組み合わせた光増感剤支持材料の調製の実施例を示す。ここではナノ粒子の形態で示されている増感剤支持体とクロミック材料とは、一般に溶媒、及び、場合によっては添加剤とともに容器内で混合され、これらは互いに接触することができる。容器内の状態は、クロミック材料が増感剤支持体の表面をコーティングし、そこに吸着され、及び/又は固定されることを可能にするように選択される。この接触のステップは、光増感剤とクロミック材料とのすべての組み合わせに対して別々に実施することができる。例えば、第1の容器では、第1の増感剤材料が第1のクロミック材料と組み合わされ、第2の容器では、第2の増感剤が第2のクロミック材料と組み合わされるなど、増感剤材料とクロミック材料との組み合わせを最大4つ又はそれ以上調製することができる。最後に、例えば、基板1上又は基板の導電層11上にコーティングされる前に、様々な容器の組み合わせを混合することができる(
図2A~
図2E)。次いで、例えば、
図2A~
図2Eに示す構造にしたがって、本発明のスクリーンを得るようにデバイスの組み立てを完了することができる。
【0105】
クロミック材料が、発光デバイスによる照光によって、直接又は光電子を介して、いかに活性化することができるかを前述した。前述のように、クロミック材料の色変化は、好ましくは可逆的である。色変化が戻ることは「ブリーチング」としても知られ、クロミック材料が元の基本的な、好ましくは色が付いていない状態に戻るプロセスである。ブリーチングは、1つ又はいくつかの様々なプロセスによって単独で引き起こすことができる。例えば、色の状態を戻すことは、いずれか一方又は両方の電極(
図2B~
図2Eにおける電極11、12を参照のこと)に電圧を印加することによって、照光によって、又は電解質(
図2C~
図2Eの電解質13)を介して達成することができる。
【0106】
一実施例では、ブリーチングは時間とともに自然に(自動的に)起こる。例えば、照光が止むと、光電子は自然に支持材料と、特に光電子の生成に伴って支持材料に生成された正電荷又は正孔と再結合する。再結合は一般にクーロン力によって引き起こされる。
【0107】
一実施例では、デバイスは、クロミック材料のブリーチングされた非活性化状態へ戻ることを遅くする、又は防止する拡散電圧バリアを備える。一実施例では、支持材料は、電荷の再結合を防止するための追加の層を備える。このような層は、ブロッキング層、絶縁層、及び/又はパッシベーション層と呼ばれることがある。
【0108】
好ましい実施例では、ブロッキング層は支持材料上に設けられ、好ましくは支持材料とクロミック材料との間に設けられる。
【0109】
ブロッキング層は、存在する場合、好ましくは0nm以上で0.5nmまでの厚さ、好ましくは0.1nm以上で0.2nmまでの厚さを有する。一実施例では、ブロッキング層の厚さは、例えばトンネル効果による、光励起された光増感支持材料からクロミック材料への電子の移動は依然として可能であるが、クロミック材料から増感支持体材料への電子の移動は困難又は不可能になるような厚さである。
【0110】
一実施例では、ブロッキング層は、適切な伝導帯位置(EC)を有する適切な金属又はSi酸化物材料を含む、及び/又はそれらからなる。適切なブロッキング層材料、EC値及びLUMO値の決定に関するさらなる詳細は、国際公開第2013084029(A1)号に見出される。
【0111】
以上、本発明の好ましい実施例の特定のものを説明し、詳細に例示したが、本発明が、このような実施例に限定されることは意図されていない。以下の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な変更を加えることができる。本明細書では、以下に、本発明の実例を開示する。これらの実例は、単に説明のためのものであり、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【実施例】
【0112】
図2Cに示すデバイス構造と
図4に示すフォトエレクトロクロミック材料によるフルカラー受動型スクリーンは、以下のようにして調製される。
【0113】
材料
フォトエレクトロクロミック色素(
図5の化合物1~3)は、社内で設計及び製作される。光起電量子ドット、TiO
2ナノ粒子、及びペロブスカイト量子ドットは、文献で報告されている手順で合成される。FTO及び他の化学薬品は市販品を購入する。電解質は、1Mt-BuPF
6をプロピレンカーボネートに溶解して調製される。
【0114】
作用電極の調製
TiO
2ペースト(溶媒及びバインダを含む)を化合物3と混合することによって、TiO
2色素混合物が調製される(
図3)。ペーストと色素は、色素混合物が均質になるまで混合される。次いで、この混合物はFTOガラス上にスクリーン印刷され、ゆっくりと加熱されて溶媒を除去し、次いで、色素1をコーティングしたTiO
2は、スクリーン印刷によって透明電極上に転写される。
【0115】
次いで、化合物1(
図3)をコーティングしたCdSナノ粒子と、化合物2(
図3)をコーティングしたCsPbBr
3ナノ粒子を含む、他の2種類の色素をコーティングしたナノ粒子が、電極上に層ごとにスクリーン印刷される。
【0116】
対向電極の調製
対向電極は、市販のFTO透明電極の表面にPEDOTの薄層を電着することで調製される。
【0117】
PECDデバイスの製作
PECDデバイスは、ここでは、実験室での穴埋め法によって製作されるが、同様に、広く使用されている工業プロセス(例えば滴下注入(ODF:one-drop-filling)法)によって同様に調製することができる。
【0118】
作用電極と対向電極はスペーサ10~100μmとともに積層され、活性領域の周りに接着され、ガラス又は封止接着剤の一部のどちらかに2つの穴を残しておく。電解質(「材料」参照)が、スペーサと接着剤によって生成された空洞に充填される。充填後、2つの穴は接着剤によって封止され、PECD(フォトエレクトロクロミック・ディスプレイ)デバイスを得る。
【0119】
動作
得られたデバイスはスクリーンとして機能し、波長450~500nmで青色光、波長350~400nmで紫外光、及び波長500~550nmで緑色光を発する3つのレーザを備える改造されたレーザ・プロジェクタによって照光すると、スクリーン上のクロミック材料を活性化させ、投影画像を生成するように映像を表示するために使用することができる。
【0120】
ブリーチング
スクリーンに表示された画像は、PECD電位を逆バイアスすることによって10秒以内にブリーチングすることができる。画像はまた、30分後には自然にブリーチングする。
【国際調査報告】