(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】待機電力遮断装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G06F1/26 303
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506887
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 KR2022009645
(87)【国際公開番号】W WO2023018012
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0104254
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131324
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510106197
【氏名又は名称】キム,ビョンホ
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョンホ
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011DA02
5B011DB11
5B011EA10
5B011JB01
5B011LL01
5B011MB16
(57)【要約】
本開示は、商用交流(AC)電源から電気機器の内部に接続される電力線に設けられる待機電力遮断装置に関し、この装置は、商用交流電源から電力を供給または遮断する手動スイッチと、手動スイッチの操作に応じて入力側に電流が流れると、商用交流電源を出力側に供給する無接点リレーと、無接点リレーから供給される商用交流電力の電圧を変換して供給する低電力供給部と、低電力供給部から供給される電力を受け、待機電力遮断装置の動作を制御するマイクロプロセッサと、手動スイッチの操作に応じて電流が流れると、マイクロプロセッサに制御信号を送る制御信号発生器と、手動スイッチの操作に応じて充電され、放電されるコンデンサと、コンデンサの充電電圧を制御信号発生器の動作電圧よりも大きくする抵抗器と、を備え、手動スイッチが作動するとき、すなわち電気機器をオンまたはオフにするとき、マイクロプロセッサの多重動作制御による誤作動を防止するように、コンデンサの放電により制御信号発生器に電流が途切れなく流れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用交流(AC)電源から電気機器の内部に接続される電力線に設けられる待機電力遮断装置であって、
前記商用交流電源から電力を供給または遮断する手動スイッチと、
前記手動スイッチの操作に応じて入力側に電流が流れると、前記商用交流電力を出力側に供給する無接点リレーと、
前記無接点リレーから供給される前記商用交流電力の電圧を変換して供給する低電力供給部と、
前記低電力供給部から供給される電力を受け、前記待機電力遮断装置の動作を制御するマイクロプロセッサと、
前記手動スイッチの操作に応じて電流が流れると、前記マイクロプロセッサに制御信号を送る制御信号発生器と、
前記手動スイッチの操作に応じて充電され、放電されるコンデンサと、
前記コンデンサの充電電圧を前記制御信号発生器の動作電圧より大きくする抵抗器と、を備え、
前記手動スイッチの操作時に順方向でなくても、前記コンデンサの放電により前記制御信号発生器に電流が途切れなく流れ、前記マイクロプロセッサの多重動作制御による誤作動を防止する、待機電力遮断装置。
【請求項2】
前記手動スイッチと直列に接続され、前記商用交流電源の電流を制限する電流制限抵抗器およびダイオードをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マイクロプロセッサによって制御され、前記手動スイッチが作動を開始した後に作動を停止しても、前記マイクロプロセッサが継続的に電力を受け取ることを可能にする無接点リレーをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサが発生する所定の高周波が、前記無接点リレーの入力側を通過してグランドに流れ、前記手動スイッチが作動を開始した後に作動を停止しても、前記マイクロプロセッサが継続して電力を受け取ることができるようにする低容量コンデンサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサが前記電気機器に商用交流電力を供給または遮断することを可能にする主電源スイッチをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記マイクロプロセッサが前記電気機器をオン/オフすることを可能にするオン/オフ制御スイッチをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記待機電力遮断装置の外部から送信された無線信号を受信し、受信した前記無線信号を前記マイクロプロセッサに送信する無線受信装置をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記無線受信装置および前記マイクロプロセッサに電力を供給するために、前記低電力供給装置から電力を受けて充電される蓄電装置をさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記蓄電装置の充電電圧値を検出する電圧検出器をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記蓄電装置を充電するエネルギーハーベスティング電源部をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気機器の内部または外部に設けられ、電気機器に入力される商用交流(AC)電源が遮断された状態で、手動スイッチにより電気機器の電源をオン/オフする待機電力遮断装置であって、オフすると商用交流電源が遮断されるとともに、蓄電装置に蓄えられた電力がモノのインターネット(IoT)機器に必要なネットワーク待機電力となる待機電力遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器の待機状態では待機電力が大きな問題となり、IoT機器のネットワーク待機電力はさらに大きな問題となる。また、電気機器の待機状態における待機電力の力率は非常に低いため、ネットワーク待機モードにおけるエネルギー浪費の問題を解決することが世界的に求められている。
【0003】
一方、特許文献1には、電源スイッチが押されると、順方向の場合、フォトトライアックとフォトカプラとがオンし、給電部に交流電源が供給され、給電部から制御部(マイクロプロセッサ)に電源が供給され、制御部がリレーを動作させて給電部と制御部とに電力を連続的に供給する構造が開示されている。制御部が電力を受け続けると、電源スイッチを押さなくても電子製品が正常に動作する構造になっている。しかし、電源スイッチを押している間、フォトカプラは電流の流れのオン/オフを繰り返し、使用者が60Hzの周波数で1秒間スイッチを押すと、電流のオン/オフが60回繰り返されるため、制御部(マイクロプロセッサ)が複数の制御信号を検出して複数の動作を制御する、つまり少なくとも2回動作を制御する誤作動を起こす危険性がある。
【0004】
一方、本明細書では、待機電力遮断装置が適用可能な装置、例えば、モノのインターネットなどの電子機器または遠隔制御される電子機器などの無線制御される電子機器、無線制御される電子機器以外の電子機器、各種電気機器を総称して電気機器と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1494822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の一態様は、電気機器の内部または外部に設けられ、商用交流電源を遮断した状態で手動スイッチにより多重操作の危険なく安全にオン/オフする待機電力遮断装置であって、オフ時には商用交流電源を遮断するとともに、モノのインターネット機器におけるネットワーク電源用のスーパーキャパシタなどの蓄電デバイスの定期的な充電により、主電源スイッチを用いることなく無接点リレーにより蓄電デバイスを不要なエネルギーの浪費なく充電し、最小限の電力で通信を可能とする待機電力遮断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の問題を解決するために、商用交流(AC)電源から電気機器の内部に接続される電力線に設けられる待機電力遮断装置が提供され、この装置は、商用交流電源から電力を供給または遮断する手動スイッチと、手動スイッチの操作に応じて入力側に電流が流れると、商用交流電源を出力側に供給する無接点リレーと、無接点リレーから供給される商用交流電力の電圧を変換して供給する低電力供給部と、低電力供給部から供給される電力を受け、待機電力遮断装置の動作を制御するマイクロプロセッサと、手動スイッチの操作に応じて電流が流れると、マイクロプロセッサに制御信号を送る制御信号発生器と、手動スイッチの操作に応じて充電され、放電されるコンデンサと、コンデンサの充電電圧を制御信号発生器の動作電圧より大きくする抵抗器と、を備え、手動スイッチの動作時に順方向でなくても、コンデンサの放電により制御信号発生器に電流が途切れなく流れ、マイクロプロセッサの多重動作制御による誤作動を防止する。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、電気機器の内部または外部に設けられるため、商用交流電源を遮断した状態で手動スイッチによる多重操作を行うおそれがなく、大きな熱または火花を発生させることなく安全に電気機器の電源をオンにし、電気機器の電源をオフにする際に商用交流電源を遮断することができ、待機電力による電気エネルギーの浪費を防止することができる。
【0009】
また、本開示によれば、IoT機器のネットワークに必要な電力は、スーパーキャパシタなどの蓄電装置を用いて最小限の電気エネルギー量で充電し、それ以外の時間帯は商用交流電力を遮断することで、待機状態において有効電力だけでなく無効電力によっても発生する電気エネルギーの浪費を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態による待機電力遮断装置を示す回路図である。
【
図2】
図2は、第2の実施形態による待機電力遮断装置の電流の流れを示す回路図である。
【
図3】
図3は、IoT機器などの電気機器のオン/オフ制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
商用交流(AC)電源から電気機器内部に接続される電力線に設けられる待機電力遮断装置であって、この装置は、商用交流電源から電力を供給または遮断する手動スイッチと、手動スイッチの操作に応じて入力側に電流が流れると、商用交流電源を出力側に供給する無接点リレーと、無接点リレーから供給される商用交流電力の電圧を変換して供給する低電力供給部と、低電力供給部から供給される電力を受け、待機電力遮断装置の動作を制御するマイクロプロセッサと、手動スイッチの操作に応じて電流が流れると、マイクロプロセッサに制御信号を送る制御信号発生器と、手動スイッチの操作に応じて充電され、放電されるコンデンサと、コンデンサの充電電圧を制御信号発生器の動作電圧より大きくする抵抗器と、を備え、手動スイッチが作動するときに順方向でなくても、コンデンサの放電により制御信号発生器に電流が途切れなく流れ、マイクロプロセッサの多重動作制御による誤作動を防止することが、本開示を実施するための最良の形態である。
【0012】
以下の本開示の説明において、本明細書に組み込まれる関連する公知の構成または機能の詳細な説明は、その詳細な説明が本開示の主題を不必要に不明瞭にする可能性があると判断される場合には省略する。以下に記載する用語は、本開示における機能を考慮して定義された用語であり、使用者または操作者の意図または習慣によって異なる場合がある。従って、本明細書の内容全体を通じて用語の定義を行う。
【0013】
図1では、本開示の第1の実施形態に係る電気機器の待機電力遮断装置30が電気機器1の外部に構成されている場合を示したが、この装置は電気機器1の内部に接続される電力線の途中に設けられていればよいので、電気機器1の内部に構成されていてもよい。より好ましくは、電気機器1内部の電源装置につながる電源ケーブル及び電源スイッチ部に設けることができる。さらに、待機電力遮断装置30自体は、コンセント、マルチタップ、ハブ、中継器、プラグ、またはアダプタなどの電気機器であってもよい。
【0014】
図1の第1実施形態では、2本の電力線10,11のうち一方の電力線11が主電源スイッチ20によって切り離され、他方の電力線10が切り離されずに電気機器1に接続されている状態が示されているが、2本の電力線10,11を主電源スイッチ20によってそれぞれ切り離すことができることは当業者には明らかであろう。また、本明細書では単相電源の場合について説明するが、三相電源も使用できることは当業者には明らかであろう。
【0015】
本明細書では、待機電力遮断装置30を遮断装置30と略記する場合がある。
【0016】
本開示の手動スイッチ3は、商用交流電源から電力を供給または遮断するスイッチであり、動作時のみ接点が接続される非ロックタイプのスイッチである。好ましくは、手動スイッチ3はタクトスイッチである。手動スイッチ3の動作は、押圧する、引く、押すなどの動作によってスイッチの接点が接続され、オンすることを示す。
【0017】
本開示のマイクロプロセッサ2は、遮断装置30の全体的な動作および機能を制御するために、計算、分析、比較、時間制御、検出、判定、高周波発生などを実行することができる。さらに、マイクロプロセッサ2は、汎用マイクロプロセッサ(MPU)、マイクロコントローラ(MCU)、RISCプロセッサ、DSPなどのCPU機能を含む単一の半導体素子であってもよい。
【0018】
遮断装置には、手動スイッチ3の動作に応じて電流が流れるとマイクロプロセッサ2に制御信号を送る制御信号発生器14が含まれる。制御信号発生器14は、フォトカプラ、フォト(MOS)FET、リードスイッチ、リレー等とすることができる。ここで、フォトカプラとは、発光素子と受光素子とを互いに光学的に結合させ、電気的に絶縁された2つの素子間で電気信号を伝送する代表的な光複合素子を総称したものであり、フォトトランジスタ、フォトトライアックなどが含まれる。
【0019】
本開示の低消費電力供給部8は、無接点リレー7から供給される商用交流電力を必要な直流電力に変換し、変換した直流電力をマイクロプロセッサ2など必要な場所に供給する。低電力供給部8は、トランス型、スイッチング型等を有する。例えば、互いに直列に接続された複数のコンデンサのいずれか1つの両端に整流ダイオードを接続した回路であってもよいし、コンデンサ、抵抗素子、ダイオードからなる電圧調整器を直列に接続し、その電圧調整器の両端に整流ダイオードを接続した回路を含む回路であってもよいし、スイッチング電源(SMPS)またはAC-DCコンバータであってもよい。
【0020】
本開示の無接点リレー7は、ソリッドステートリレー(SSR)を用いたオンオフ制御装置であり、1つ以上の半導体を用いて入力側と出力側とを分離した交流出力スイッチである。無接点リレー7は、入力と出力との分離方法を参考に、入力回路の機能により、ハイブリッドSSR、トランス結合SSR、光結合SSR等に分けることができる。リードリレーに無接点リレーを結合したハイブリッドSSRは、リードリレーのコイルに制御信号を印加して双方向サイリスタ(トライアック)を動作させるトリガ回路を作動させることでスイッチとして使用される。トランス結合型無接点リレーであるトランス結合SSRは、小電力小型トランスに制御信号を印加し、一次励磁で発生する二次電圧を利用して双方向サイリスタを動作させる。光結合型無接点リレーは、例えば発光ダイオードまたはLEDに制御信号を印加し、光源から放射される放射線によって感光性半導体である双方向サイリスタをオンにして交流電流を流す。例えば、フォトトライアックカプラ、双方向フォト(MOS)FETなどがある。ここで、フォトトライアックは、発光素子と受光素子とを互いに光学的に結合させ、電気的に絶縁された2つの素子間で電気信号を伝送する典型的な光複合素子であるが、フォトトランジスタ、フォトダーリントン、フォトIC、フォトカプラ、フォトSCR、フォトFET等に置き換えることもできる。さらに、発光ダイオードに電圧を印加して、これに光学的に結合されたフォトトランジスタをオンさせるとともに、ゼロクロス回路を動作させて、交流電源電圧のゼロ電圧近傍でトライアックをオンさせ、交流電流を流すこともできる。
【0021】
一方、
図1および
図2を参照すると、遮断装置30は、手動スイッチ3と直列に接続され、商用交流電源の電流を制限する電流制限抵抗13およびダイオード22をさらに含む。電流制限抵抗13とダイオード22とは、商用交流電源の電流を制限及び分圧し、手動スイッチ3、制御信号発生器14、無接点リレー7の負担を防止する機能を果たす。
【0022】
図1を参照すると、手動スイッチ3が動作されると、電流制限抵抗13によって電流が制限され、制御信号発生器14のダイオードと無接点リレー7のダイオードとによって順方向に電流が流れる。逆方向の場合は電流は流れない。手動スイッチ3を60Hzの周波数で0.5~1.5秒間使用者が操作すると、制御信号発生器14の電流の通電と停止とが30~90回繰り返される。従って、制御信号発生器14における通電と停止とは連続的に繰り返されるので、マイクロプロセッサ2は、制御信号が複数回(2回以上)送信されたことを検出して、多重動作制御を行う可能性がある。これを防ぐために、制御信号発生器14は、手動スイッチ3の各動作に対して1つの制御信号をマイクロプロセッサ2に送ることができるように、電流を逆方向に流さなければならない。そこで、制御信号発生器14に逆方向にも電流を流すことができるように、手動スイッチ3の動作に応じて充放電されるコンデンサ18と、コンデンサ18の充電電圧を制御信号発生器14の動作電圧よりも大きくする抵抗19とを設ける。手動スイッチ3が動作されると、順方向でなくても、コンデンサ18の放電により制御信号発生器14に電流が途切れなく流れ、手動スイッチ3の動作ごとに1つの制御信号を発生する。
【0023】
一方、
図1の無接点リレー7がゼロクロス回路のフォトトライアックである場合、その入力側には順方向にしか電流が流れないため使用できず、逆方向にも電流が流れる場合にのみ使用できる。
【0024】
そこで、待機電力遮断装置30は、手動スイッチ3の動作に応じて無接点リレー7が順方向でないときでも電流が流れるように、制御信号発生器14と同様にコンデンサと抵抗とを設けてもよく、また、必要に応じて
図2のダイオード22を設けてもよい。もちろん、手動スイッチ3の動作によっては、電流が順方向でなくても、コンデンサ18と抵抗19とを用いて、無接点リレー7と制御信号発生器14とに電流が流れるようにしてもよい。
【0025】
このため、待機電力遮断装置30は、手動スイッチ3が動作されたときに、順方向でなくてもコンデンサ18の放電により無接点リレー7に電流が途切れなく流れるようにし、商用交流電力を低電力供給部8に途切れなく供給できるようにすることができる。
【0026】
図1および
図2を参照すると、本開示の無接点リレー7は、手動スイッチ3の動作に応じて商用交流電源から低電力供給部8に電力を供給または遮断するスイッチであるとともに、マイクロプロセッサ2が高周波を発信することに応じて商用交流電源から低電力供給部8に電力を供給または遮断するスイッチでもある。
【0027】
一方、
図1および
図2を参照して、手動スイッチ3の動作により無接点リレー7を作動させてマイクロプロセッサ2に受電させる方法と、マイクロプロセッサ2の制御により手動スイッチ3の動作が停止しているときもマイクロプロセッサ2に継続して受電させる方法のうち、2つの方法について説明する。
【0028】
まず、
図1の第1の実施形態と同様に、遮断装置30は、マイクロプロセッサ2によって制御される無接点リレー21をさらに含み、手動スイッチ3が作動を開始した後に作動を停止しても、マイクロプロセッサ2が継続的に受電できるようになっている。手動スイッチ3を操作して無接点リレー7の入力側に電流を流すようにした場合、その出力側の低電力供給部8に商用交流電力を供給して連続的に受電し、低電力供給部8からマイクロプロセッサ2に電力を供給できるようにし、マイクロプロセッサ2が無接点リレー21の入力側に電流を流して出力側の低電力供給部8に商用交流電力を供給できるようにするのに必要な時間は、同時に行われたといえるほど短く、手動スイッチ3が動作を停止してもマイクロプロセッサ2は継続して受電する。もちろん、このとき、制御信号発生器14からの制御信号が発生し、マイクロプロセッサ2は、例えば、電気機器1をオンする動作制御を行う。手動スイッチ3が再び操作されると、制御信号発生器14からの制御信号により、マイクロプロセッサ2は無接点リレー21に電流を送信しないので、低電力供給部8に供給される商用交流電力が遮断され、待機電力が完全に遮断される。
【0029】
図2の第2実施形態では、第1実施形態の無接点リレー21を追加してマイクロプロセッサ2が継続的に受電できるようにする代わりに、低容量コンデンサ16と放電補助装置17とを追加してマイクロプロセッサ2が無接点リレー7を直接制御できるようにする方法が開示されている。
【0030】
遮断装置30は、マイクロプロセッサによって発生する所定の高周波が無接点リレーの入力側を通過してグランドに流れる低容量のコンデンサをさらに含み、手動スイッチが動作を開始した後に動作を停止しても、マイクロプロセッサが継続して電力を受けることができるようにする。さらに、遮断装置30は、低容量コンデンサに放電を行わせるために放電経路を開放する放電補助装置をさらに含む。
【0031】
図2を参照すると、マイクロプロセッサ2は所定の高周波を発生する。ここで、波形は好ましくは方形波である。
【0032】
一方、本開示の低容量コンデンサ16は、高周波は通過するが商用交流電力は通過しない低容量コンデンサを指す。
【0033】
また、本開示の放電補助装置17は、高周波が低容量コンデンサ16を充放電する際に、無接点リレー7のダイオードによって電流経路が遮断されるため、電流経路を開放して放電を促進する機能を果たす。ダイオードである放電補助装置17は、ダイオードの代わりに抵抗器であってもよい。ここで、ダイオードにはショットキーダイオードが好ましく用いられる。
【0034】
図2の第2実施形態では、待機電力遮断装置30は、マイクロプロセッサ2が発生する所定の高周波を無接点リレー7の入力側を通過させ、放電補助装置17により低容量コンデンサ16を介してグランドに流すことで、無接点リレー7の出力側で低電力供給部8に商用交流電力を供給し、マイクロプロセッサ2が継続的に受電できるようにしている。
【0035】
マイクロプロセッサ2が所定の高周波を発生し、商用交流電源の通らない低容量コンデンサ16を介してグランドに送信するのは、マイクロプロセッサ2が無接点リレー7を制御する際に、マイクロプロセッサ2の動作電圧と商用交流電源の電圧との電気的衝突を避けるためである。
【0036】
図2を参照して、電流の流れによる動作を以下に詳しく説明する。
【0037】
手動スイッチ3が動作しているとき、商用交流電力線11がプラスになると、抵抗13、ダイオード22、制御信号発生器14のダイオード、無接点リレー7のダイオード、商用交流電力線10に電流が流れ、制御信号発生器14が動作し、無接点リレー7により低電力供給部8が動作する。
【0038】
また、マイクロプロセッサ2による低電力供給部8の動作に応じて、マイクロプロセッサ2で生成された高周波の方形波(例えば数十kHz)が抵抗、無接点リレー7のダイオード、低容量コンデンサ16を介してグランドに流れる。このとき、放電補助装置17が方形波をアシストして低容量コンデンサ16の充放電とグランドへの通電とを行い、無接点リレー7によって低電力供給部8を動作させる。従って、手動スイッチ3が一旦動作した後、動作を停止しても、マイクロプロセッサ2の制御により、マイクロプロセッサ2は低電力供給部8から電力を継続的に受け取ることができる。さらに、無接点リレー7の後端にトライアック23を設けると、主電源スイッチ20を使わなくても大電流が流れることがある。さらに、手動スイッチ3が操作されるたびに、制御信号発生器14からの制御信号が1回発生する。
【0039】
一方、
図1を参照すると、遮断装置30は、マイクロプロセッサ2が商用交流電源から電気機器1に電力を供給または遮断するための主電源スイッチ20をさらに含む。主電源スイッチ20は、マイクロプロセッサ2によって制御される無接点リレー7であり、リレーであってもよい。あるいは、主電源スイッチ20は、大電流が流れるように、無接点リレー7に対して、無接点リレー7の後端でトライアック、FET、IGBT、リレーのいずれかに結合してもよい。ここで、FETは電界効果トランジスタ、IGBTは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、リレーはラッチングリレーの他、汎用リレーも含む。
【0040】
さらに、遮断装置30は、マイクロプロセッサ2が電気機器1をオン/オフするためのオン/オフ制御スイッチ9をさらに含む。電気機器1のスイッチ部に接続されるオン/オフ制御スイッチ9は、商用交流電源が電気機器1に接続された後に、オン/オフ動作、すなわち、オン/オフを行うための制御スイッチであり、リレー、リードスイッチ、またはトランジスタのいずれであってもよい。
【0041】
一方、遮断装置30は、待機電力遮断装置30の外部から送信される無線信号を受信して無線信号をマイクロプロセッサ2に送信する無線受信装置4をさらに含む。無線受信装置4は、各種センサであってもよく、必要に応じて無線送信機能を有するものであってもよい。
【0042】
一方、無線信号としては、無線インターネット網を介して送信される無線LAN信号、リモコンから送信される赤外線信号、Bluetooth(登録商標)、NFC、Zigbee(登録商標)などの近距離無線通信技術、LoRa、3G、LTE、4G、5Gなどの広域無線通信技術など、目的に応じて各種の通信方式を用いることができるが、これらに限定されるものではない。本開示において、無線信号とは、電波、光、音波などを通じて遠隔地に情報を送信するあらゆる無線信号を指す。
【0043】
さらに、遮断装置30は、低電力供給部8から電力供給を受けて充電され、無線受信装置4およびマイクロプロセッサ2に電力を供給する蓄電装置5をさらに含む。蓄電装置5は、商用交流電源が遮断されている間にマイクロプロセッサ2に電力を供給したり、無線信号を検出して遮断装置30を動作させるための電力を供給するもので、電池またはスーパーキャパシタ、もしくはハイブリッド電池ウルトラキャパシタ(グラフェン入り)、大容量キャパシタなどであってもよい。
【0044】
遮断装置30は、蓄電装置5の後端において、無線受信装置4に安全な電圧を供給するための電圧調整器12をさらに含むことができる。
【0045】
蓄電装置5から供給される電力を節約するために、遮断装置30は、無線受信装置4が常時起動されるのではなく、所定の時間周期で起動されるように制御される。この場合、無線受信装置4が所定周期で(間欠的に)感知しても、送信装置(例えばスマートフォン)が制御のために一旦連続信号を送信すれば誤作動は生じない。
【0046】
一方、蓄電装置5から供給される電力を節約するために、マイクロプロセッサ2は、好ましくは、動作後に待機モードからスリープモードに入ることができる。
【0047】
さらに、遮断装置30は、蓄電装置5の充電電圧値を検出する電圧検出器6をさらに含む。蓄電装置5は、電圧検出器6を介して検出された蓄電装置5の充電電圧値に応じて充電制御される。さらに、蓄電装置5は決められた期間充電されることもある。
【0048】
さらに、蓄電装置5がスーパーキャパシタである場合、定格電圧は低電力供給部8の供給電圧よりも高くなければならない。スーパーキャパシタの定格電圧が低電力供給部8の供給電圧より小さいと、商用交流電源を遮断できる時間が短くなるため、遮断装置30が不利になる。一方、時定数とは、スーパーキャパシタを電源電圧の62.8%まで充電するために必要な時間を指す。一般的に、時定数の5倍が経過すると、スーパーキャパシタは通常の状態の約99%まで充電される。一方、スーパーキャパシタが決定された基準上限電荷値から決定された基準下限電荷値に到達するまでにかかる時間を実験等により測定した場合には、電圧検出器6を用いなくとも、基準上限電荷値から基準下限電荷値までの時間に応じて決定された時間だけスーパーキャパシタを充電することができる。従って、遮断装置30の蓄電装置5は、設定時間の経過に伴って所定時間充電されるように制御することができる。
【0049】
一方、遮断装置30は、蓄電装置5を充電するエネルギーハーベスティング電源部15をさらに含む。エネルギーハーベスティング電源部15は、例えば太陽電池とツェナーダイオードとを含み、環境発電された電力で蓄電装置5を充電する。
【0050】
エネルギーハーベスティング電源部15は、太陽光、太陽熱、電灯、風力(風車)、水力(水車)などによる電源のほか、体動または体温を利用した小電力、湧水発電などでもよい。
【0051】
図3の(a)を参照して、
図1の回路図における蓄電部5がスーパーキャパシタである例を示す。スーパーキャパシタ5は、スーパーキャプと略称される。
図3の(a)によれば、最初に時定数の5倍(例えば60秒)の時間スーパーキャパシタ5を十分に充電し、所定の10秒間再度スーパーキャパシタ5を充電する有効な割り込みを設定し、マイクロプロセッサ2は、待機モードにあるときはスリープモードに入り、2.3秒後にスリープモードから復帰して電圧検出器6を作動させ、スーパーキャパシタが設定された最低電圧にあるかどうかを検出するプロセスを繰り返し、最低電圧でないときは電圧検出器6をオフにして再びスリープモードに入り、2.3秒後に再び電圧検出器6を作動させてスーパーキャパシタ5の充電電圧値が設定された最低電圧であるかどうかを検出し、電圧検出器6によってスーパーキャパシタ5の充電電圧が最低電圧以下であることが検出されたときに電圧検出器6をオフにして、設定された時間10秒間充電し、マイクロプロセッサ2は再びスリープモードに戻る。
【0052】
図3の(b)における通信割り込みと外部割り込みとについて、
図1の回路図を参照して説明する。無線受信装置4からの信号または手動スイッチ3を介した制御信号発生器14からの制御信号に応じて、マイクロプロセッサ2は、主電源スイッチ20が操作されているか否かに応じて電気機器1のオン/オフ状態を決定する。主電源スイッチ20がオフされ、電気機器1がオフ状態であると判断されると、オン操作が行われる。まず、無接点リレー21を作動させてスーパーキャパシタ5を充電する。次に、主電源スイッチ20をオン操作して電気機器1に商用交流電源を供給し、電源投入時に発生する突入電流が通常電流になるまでの時間を遅らせて、電気機器1の電源部に接続されたオン/オフ制御スイッチであるリレー9により電気機器1をオンし、リレー9をオフして処理を戻す。さらに、無線受信装置4からの信号または手動スイッチ3を介した制御信号発生器14からの制御信号に応答して、マイクロプロセッサ2は、主電源スイッチ20のオン/オフ状態によって電気機器1のオン/オフ状態を認識する。主電源スイッチ20がオンされ、電気機器1がオン状態であると判断されると、オフ操作が行われる。まず、無接点リレー21を作動させてスーパーキャパシタ5を充電する。次に、電気機器1の電源部に接続されたリレー9により電気機器1をオフにし、しばらくして主電源スイッチ20をオフにし、無接点リレー21の動作を順次オフにし、処理は戻る。
【0053】
以上、本開示の具体的な実施形態について説明したが、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な修正または変更を加えることができる。したがって、本開示の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によって定義されるべきである。
【0054】
手動スイッチにより電気機器の電源をオン/オフする場合、制御信号発生器に電流が途切れなく流れ、マイクロプロセッサの多重動作制御による誤作動を防止し、電気機器の電源オフ時に不要な待機電力を完全に遮断することができるため、本開示は、あらゆる電気機器、特にIoT機器に広く適用することができる。
【国際調査報告】