特表 2024-533043 心電図判読サービス提供方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-09-12

(54)【発明の名称】心電図判読サービス提供方法

(51)【国際特許分類】

   G16H 50/00 20180101AFI20240905BHJP

   A61B 5/33 20210101ALI20240905BHJP

【ＦＩ】

G16H50/00

A61B5/33 300

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024508663

(86)(22)【出願日】2022-08-18

(85)【翻訳文提出日】2024-02-13

(86)【国際出願番号】 KR2022012368

(87)【国際公開番号】W WO2024038932

(87)【国際公開日】2024-02-22

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】523010225

【氏名又は名称】メディカル・エーアイ・カンパニー・リミテッド

【氏名又は名称原語表記】Ｍｅｄｉｃａｌ ＡＩ Ｃｏ．， Ｌｔｄ．

【住所又は居所原語表記】１６３， Ｙａｎｇｊａｅｃｈｅｏｎ－ｒｏ Ｇａｎｇｎａｍ－ｇｕ Ｓｅｏｕｌ ０６３０２ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｋｏｒｅａ

(74)【代理人】

【識別番号】110002789

【氏名又は名称】弁理士法人ＩＰＸ

(72)【発明者】

【氏名】クォン・ジュン・ミョン

【テーマコード（参考）】

4C127

5L099

【Ｆターム（参考）】

4C127AA02

4C127HH18

4C127JJ03

5L099AA03

5L099AA04

5L099AA22

(57)【要約】

本発明は心電図判読サービス提供方法に関する。本発明によれば、心電図判読サービス提供システムを用いた心電図判読サービス提供方法は、依頼人端末から心電図判読要請信号及び心電図データを受信する段階と、前記受信した心電図判読要請信号に応じて、受信した心電図データを心電図判読モデルに入力して１次心電図判読データを出力する段階と、前記依頼人から心電図追加要請信号を受信すると、前記１次心電図判読データを指定専門医を含めた医療人端末に伝送して２次心電図判読データを獲得する段階と、心電図判読サービス提供範囲によって受任料を算定する段階と、前記１次心電図判読データ又は２次心電図判読データ及び算定された受任料を依頼人端末に伝達する段階と、を含む。
【選択図】 図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

心電図判読サービス提供システムを用いた心電図判読サービス提供方法であって、
依頼人端末から心電図判読要請信号及び心電図データを受信する段階と、
前記受信した心電図判読要請信号に応じて、受信した心電図データを心電図判読モデルに入力して１次心電図判読データを出力する段階と、
前記依頼人から心電図追加要請信号を受信すると、前記１次心電図判読データを指定専門医を含めた医療人端末に伝送して２次心電図判読データを獲得する段階と、
心電図判読サービス提供範囲によって受任料を算定する段階と、
前記１次心電図判読データ又は２次心電図判読データ及び算定された受任料を依頼人端末に伝達する段階と、を含む、心電図判読サービス提供方法。

【請求項2】

判読が完了した心電図データを収集し、前記収集された心電図データを以前に構築された心電図判読モデルに入力して学習させる段階をさらに含む、請求項１に記載の心電図判読サービス提供方法。

【請求項3】

前記心電図データを受信する段階は、
心電図イメージファイル、携帯用機器で撮影された写真ファイルなどを含む非定形心電図データ又は心電図メタデータファイルを受信する、請求項１に記載の心電図判読サービス提供方法。

【請求項4】

前記２次心電図判読データを獲得する段階は、
協力している指定病院の心臓専門医を含めた医療人、看護師、臨床病理師及び応急救助員の端末に１次心電図判読データを伝達して仮判読を実行するようにした後、仮判読された心電図データを現在時点で判読可能な心臓専門医を含めた医療人端末に伝達して最終心電図判読データを獲得する、請求項１に記載の心電図判読サービス提供方法。

【請求項5】

前記受信した心電図判読要請信号に応じてサービス提供範囲についての情報を提供し、前記サービス提供範囲に対応して依頼人からサービス要請情報を受信する段階をさらに含む、請求項１に記載の心電図判読サービス提供方法。

【請求項6】

前記サービス提供範囲についての情報は、
心電図判読程度、判読待機時間、判読正確度、判読する医療陣リスト、及び判読センターと依頼者との間の距離のうちの少なくとも一つの情報を含む、請求項５に記載の判読サービス提供方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は心電図判読サービス提供方法に関し、より詳細に説明すると、依頼人から受信した心電図データから人工知能アルゴリズムを介して１次判読結果を獲得し、心電図データ及び１次判読結果を医療陣に伝達して最終判読結果を提供する心電図判読サービス提供方法に関する。

【0002】

【背景技術】

【0003】

心電図とは心拍動に関連した電位を身体の表面で図形として記録したものであり、標準１２誘導心電図の他に、運動負荷心電図、活動中心電図などがある。心電図は循環器疾患の検診及び診断に使用され、簡単で比較的安いし、非侵襲的であり、容易に繰り返し記録することができる利点がある。

【0004】

病院で使用される標準１２誘導心電図は、胸の前面に６個の電極を付着し、四肢にもそれぞれ３個の電極（接地電極を含めば４個の電極）を付着した後、１２誘導情報を全部収集し、これを総合して疾患を診断する。１２誘導心電図とは、心臓を中心に１２個の電気的方向に心臓の電位を記録することで、これにより１部位に限られた心臓の疾病を正確に判断することができる。

【0005】

心電図は、心筋梗塞、不整脈などの危篤な疾病を診断することができる重要な検査であり、基本的な心臓の疾患状態を確認することができる安く非侵襲的であり、１０秒間撮影する早く手軽い検査という点で、一般診療、入院及び手術の際、基本検査、健康検診などに広範囲に活用されている。

【0006】

しかし、心電図を正確に判読する医師の数は限定されている。心電図判読能力は単に本を介して習得されるものではなく、心臓疾患者を診療しながら心電図を測定し、これを実際の心臓超音波検査、心血管造影術、血液検査などの多様な確証検査を施行して経験的に学習されるものである。したがって、実際に心臓疾患者を持続的に見る心臓内科、胸部外科、応急医学科の医療陣ではなければ心電図を正確に判読しにくい。

【0007】

最近では、自動判読アルゴリズムを用いて心電図を判読したが、規則に基づく判読の特性上、ノイズなどの外部要因によって正確度が落ちることがあり、アルゴリズムの限界上、当時の患者の健康状態を反映することができず、心電図の微妙な変化を捕捉することができないという問題点があった。

【0008】

本発明の背景となる技術は韓国公開特許第１０－２０２２－０００８４４７号（２０２２．１．２１．公開）公報に開示されている。

【0009】

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0010】

このように、本発明によれば、依頼人から受信した心電図データから人工知能アルゴリズムを介して１次判読結果を獲得し、心電図データ及び１次判読結果を医療陣に伝達して最終判読結果を提供する心電図判読サービス提供方法を提供することである。

【0011】

【課題を解決するための手段】

【0012】

このような技術的課題を達成するための本発明の実施例によれば、心電図判読サービス提供システムを用いた心電図判読サービス提供方法は、依頼人端末から心電図判読要請信号及び心電図データを受信する段階と、前記受信した心電図判読要請信号に応じて、受信した心電図データを心電図判読モデルに入力して１次心電図判読データを出力する段階と、前記依頼人から心電図追加要請信号を受信すると、前記１次心電図判読データを指定専門医を含めた医療人端末に伝送して２次心電図判読データを獲得する段階と、心電図判読サービス提供範囲によって受任料を算定する段階と、前記１次心電図判読データ又は２次心電図判読データ及び算定された受任料を依頼人端末に伝達する段階と、を含む。

【0013】

判読が完了した心電図データを収集し、前記収集された心電図データを以前に構築された心電図判読モデルに入力して学習させる段階をさらに含むことができる。

【0014】

前記心電図データを受信する段階は、心電図イメージファイル、携帯用機器で撮影された写真ファイルなどを含む非定形心電図データ又は心電図メタデータファイルを受信することもできる。

【0015】

前記２次心電図判読データを獲得する段階は、協力している指定病院の心臓専門医を含めた医療人、看護師、臨床病理師及び応急救助員の端末に１次心電図判読データを伝達して仮判読を実行するようにした後、仮判読された心電図データを現在時点で判読可能な心臓専門医を含めた医療人端末に伝達して最終心電図判読データを獲得することができる。

【0016】

前記受信した心電図判読要請信号に応じてサービス提供範囲についての情報を提供し、前記サービス提供範囲に対応して依頼人からサービス要請情報を受信する段階をさらに含むことができる。

【0017】

前記サービス提供範囲についての情報は、心電図判読程度、判読待機時間、判読正確度、判読する医療陣リスト、及び判読センターと依頼者との間の距離のうちの少なくとも一つの情報を含むことができる。

【0018】

【発明の効果】

【0019】

このように、本発明によれば、心電図誤判読によって無駄に病院に訪問することによって発生する費用及び時間を節減することができ、誤判読によって疾患を見逃し、治療が遅延されて死亡する状況を予防することができる。

【0020】

【図面の簡単な説明】

【0021】

【図1】本発明の実施例による心電図判読サービス提供システムを説明するための図である。

【0022】

【図2】図１に示す判読サーバーを説明するための構成図である。

【0023】

【図3】本発明の実施例による心電図判読サービス提供システムを用いた心電図判読サービス提供方法を説明するためのフローチャートである。

【0024】

【発明を実施するための形態】

【0025】

以下、添付図面に基づいて本発明による好適な実施例を詳細に説明する。以下の説明で、図面に示す線の厚さや構成要素の大きさなどは説明の明瞭性及び便宜性のために誇張して示されていることがあり得る。

【0026】

また、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義した用語であり、これは使用者、運用者の意図又は慣例によって変わることができる。したがって、このような用語に対する定義はこの明細書全般にわたる内容に基づいて決定されなければならないであろう。

【0027】

以下では、図１に基づいて本発明の実施例による心電図判読サービス提供システムについてより詳細に説明する。

【0028】

図１は本発明の実施例による心電図判読サービス提供システムを説明するための図である。

【0029】

図１に示すように、本発明の実施例による心電図判読サービス提供システムは、依頼人端末１００と、医療人端末２００と、判読サーバー３００とを含む。

【0030】

依頼人端末１００は、判読サーバー３００から提供するアプリ又はウェブページを実行させた状態で心電図判読要請を送信し、判読されたい心電図データをアップロードする。

【0031】

ここで、依頼人端末１００は判読サーバー３００から心電図判読のためのサービス提供範囲についての情報を受けることができ、依頼人はサービス提供範囲によって心電図判読に対する要請事項をさらに入力することができる。

【0032】

そして、依頼人端末１００は、判読完了による心電図判読の結果を受ける。

【0033】

医療人端末２００は心臓専門医を含めた医療人が使用する端末であり、心臓専門医を含めた医療人が入力した判読結果を後述する判読サーバー３００に伝達する。そして、判読が完了すると、心臓専門医を含めた医療人端末２００は受任料を要請し、仮想口座を介して要請の受任料の支払を受ける。

【0034】

最後に、判読サーバー３００は、依頼人端末１００から心電図判読要請信号を受信すると、判読サービス提供範囲についての情報を提供し、それに対応するサービス要請情報及び心電図データを受ける。

【0035】

そして、判読サーバー３００は、入力されたサービス要請情報によって、入力された心電図データに対して１次心電図判読データ又は２次心電図判読データを当該依頼人端末１００に伝達する。また、判読サーバー３００は心電図判読サービスに対する受任料を算定し、算定された受任料を依頼人端末１００に伝達する。

【0036】

図２は図１に示す判読サーバー３００を説明するための構成図である。

【0037】

図２に示すように、本発明の実施例による判読サーバー３００は、通信部３１０と、データ収集部３２０と、学習部３３０と、心電図判読部３４０と、受任料算出部３５０と、出力部３６０とを含む。

【0038】

まず、通信部３１０は、依頼人端末１００及び心臓専門医を含めた医療人端末２００と通信を実行し、依頼人端末１００から心電図判読要請信号及び心電図データを受信する。また、通信部３１０は、受信した心電図データを心臓専門医を含めた医療人端末２００に伝達し、心臓専門医を含めた医療人端末２００から心電図判読データを受信する。

【0039】

データ収集部３２０は、心臓専門医を含めた医療人によって判読が完了した心電図判読データを収集する。収集される心電図判読データには、患者の性別、年齢、及び診断された心臓疾患情報のうちの少なくとも一つの情報を含む。

【0040】

収集された心電図判読データは学習部３３０に伝達され、学習部３３０は、以前に構築された心電図判読モデルに、伝達された心電図判読データのうちで無作為に抽出された心電図判読データを入力して学習させる。

【0041】

心電図判読部３４０は、受信した心電図データを学習の完了した心電図判読モデルに入力して１次心電図判読データを獲得する。

【0042】

ここで、依頼人から２次心電図判読要請を受信すると、心電図判読部３４０は１次心電図判読データを心臓専門医を含めた医療人端末２００に伝達した後、心臓専門医を含めた医療人端末２００から２次心電図判読データを受信する。

【0043】

受任料算出部３５０は、依頼人から１次心電図判読データのみ要請されたか、それとも２次心電図判読データも要請されたかを判断する。そして、受任料算出部３５０は、判断結果によってそれぞれ相異なる受任料を算出する。

【0044】

最後に、出力部３６０は、判読された１次心電図判読データ又は２次心電図判読データ及び算出された受任料情報を依頼人端末１００に伝達する。

【0045】

以下では、図３に基づいて、心電図判読サービス提供システムを用いた心電図判読サービス提供方法についてより詳細に説明する。

【0046】

図３は本発明の実施例による心電図判読サービス提供システムを用いた心電図判読サービス提供方法を説明するためのフローチャートである。

【0047】

図３に示すように、依頼人は依頼人端末１００を介して判読サーバー３００から提供するアプリ又はウェブページに接続する。そして、依頼人は依頼人端末１００を介して判読しようとする心電図データをアップロードし、心電図判読要請信号を送信する（Ｓ２１０）。

【0048】

ここで、心電図データは、心電図イメージファイル、携帯用機器で撮影された写真ファイルなどを含む非定形心電図データであり、あるいは心電図メタデータファイルであり得る。

【0049】

その後、判読サーバー３００は、受信した心電図データを学習の完了した心電図判読モデルに入力して１次心電図判読データを獲得する（Ｓ３２０）。

【0050】

まず、判読サーバー３００は、判読の完了した心電図判読データを収集する。そして、判読サーバー３００の学習部３３０は、収集された心電図判読データを以前に構築された心電図判読モデルに入力して学習させる。

【0051】

心電図判読モデルに対する学習が完了すると、心電図判読部３４０は、受信した心電図データを心電図判読モデルに入力して１次心電図判読データを獲得する。

【0052】

その後、判読サーバー３００は、サービス提供範囲についての情報を依頼人端末１００にさらに提供し、サービス提供範囲に対応して依頼人端末１００からサービス要請情報を受信する（Ｓ３３０）。

【0053】

サービス提供範囲についての情報は、心電図判読程度、判読待機時間、判読正確度、判読医療陣リスト、及び判読センターと依頼者との間の距離のうちの少なくとも一つの情報を含む。

【0054】

ここで、心電図判読情報は、１次心電図判読データまでのみ判読するか又は２次判読データまで判読するかを示す。

【0055】

依頼人端末１００から１次心電図判読データのみが要請された場合、出力部３６０は、１次心電図判読データを依頼人端末１００に伝達する。

【0056】

一方、依頼人端末１００から２次心電図判読データが要請された場合、心電図判読部３４０は、１次心電図判読データを心臓専門医を含めた医療人端末２００に伝達して２次心電図判読データを獲得する（Ｓ３４０）。

【0057】

心電図判読部３４０は、現在時点で判読可能な心臓専門医を含めた医療人の端末２００を抽出し、抽出された心臓専門医を含めた医療人端末２００に心電図判読要請を送信する。そして、心電図判読部３４０は、心電図判読受諾信号を送信した心臓専門医を含めた医療人端末２００に１次心電図判読データを伝達する。

【0058】

本発明は、心臓専門医を含めた医療人が受けた１次心電図判読データを用いて２次心電図判読データを生成するに先立ち、協力している指定病院の心臓専門医を含めた医療人、看護師、臨床病理師及び応急救助員の端末に１次心電図判読データを伝達して仮判読を実行する。

【0059】

そして仮判読が完了すると、心電図判読部３４０は、１次心電図判読データ及び仮判読された心電図判読データを心臓専門医端末２００に伝達して、心臓専門医を含めた医療人が最終心電図判読データを生成するようにする。

【0060】

最後に、受任料算出部３５０は、サービス提供範囲に応じて受任料を算出する（Ｓ３５０）。

【0061】

１次心電図判読データに対する受任料は無料又は２次判読データよりもずっと安い価格に策定される。受任料算出部３５０は、既に策定された価格による受任料を算出する。

【0062】

そして、出力部３６０は、１次心電図判読データ又は２次心電図判読データ及び算定された受任料を依頼人端末１００に伝達する。

【0063】

このように、本発明による心電図判読サービス提供システムを用いた心電図判読サービス提供方法は、心電図誤判読によって無駄に病院に訪問することによって発生する費用及び時間を節減することができ、誤判読によって疾患を見逃し、治療が遅延されて死亡する状況を予防することができる。

【0064】

【0065】

本発明は図面に示した実施例を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎなく、当該技術が属する分野で通常の知識を有する者であればこれから多様な変形及び均等の他の実施例が可能であることが理解可能であろう。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は以下の特許請求の範囲の技術的思想によって決定されなければならないであろう。

【図1】

【図2】

【図3】

【国際調査報告】