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特表2024-533048ヘッド寸法安定性のためのケーブルボンディング保護
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ヘッド寸法安定性のためのケーブルボンディング保護
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/008 20060101AFI20240905BHJP
   G11B 5/29 20060101ALI20240905BHJP
   G11B 5/127 20060101ALI20240905BHJP
   G11B 33/12 20060101ALI20240905BHJP
   G11B 5/48 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G11B5/008 Z
G11B5/29 A
G11B5/127 X
G11B33/12 304
G11B5/48 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509474
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 CN2022118685
(87)【国際公開番号】W WO2023040882
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】17/476,720
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】リャン、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ハミディ、フーディン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、ダニエル
(57)【要約】
ビームと、ビームに結合されたチップと、ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によってビームに結合されたケーブルと、ケーブルのパッドからチップのパッドに延びるワイヤボンドとを含む装置。ビームと、ビームに結合されたチップとを含む装置。チップは、磁気記録テープ上のデータを変換するための磁気変換器のアレイを含む。ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によってビームに結合されたケーブルと、ケーブルのパッドからチップのパッドまで延びるワイヤボンドと、ケーブルに隣接して位置するワイヤボンドの端部を封止する第2の材料とを含む装置。第2の材料はチップに接触しない。
【選択図】図10B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームと、
前記ビームに結合されたチップと、
ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によって前記ビームに結合されたケーブルと、
前記ケーブルのパッドから前記チップのパッドに延びるワイヤボンドと、
を含む、装置。
【請求項2】
前記チップは、磁気記録テープ上のデータを変換するための磁気変換器のアレイを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ケーブルに隣接して位置する前記ワイヤボンドの端部を封止する第2の材料を含み、前記第2の材料は前記チップに接触しない、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および第2の材料が同じ組成を有する、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の材料は、前記ケーブルに垂直な方向において、前記ケーブルの上方に、前記ワイヤボンドが前記ケーブルの上方に同じ方向に延びる距離よりも大きい距離だけ延びる、
請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記ケーブルを前記ビームに結合するために、前記ケーブルの前記対向する端部間に、前記ビームおよび前記ケーブルに沿って延びる第3の材料を備える、
請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記第3の材料が、前記ケーブルの前記対向する端部間で測定される前記ケーブルの幅の少なくとも1/2に沿って延びる、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第3の材料が、前記ケーブルの前記幅の少なくとも80%に沿って延びる、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第3の材料が、前記ケーブルの前記対向する端部間で測定される前記ケーブルの幅の1/4以下に沿って延びる、
請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記第3の材料が、少なくとも2つの別個のセクションに存在する、
請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の材料がUV硬化エポキシである、
請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の材料がUV硬化エポキシである、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
磁気媒体を前記チップ上に通過させるための駆動機構と、
前記ケーブルに電気的に結合されたコントローラと、
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
ビームと、
前記ビームに結合されたチップであって、前記チップは磁気記録テープ上のデータを変換するための磁気変換器のアレイを含む、チップと、
ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によって前記ビームに結合されたケーブルと、
前記ケーブルのパッドから前記チップのパッドに延びるワイヤボンドと、
前記ケーブルに隣接して位置する前記ワイヤボンドの端部を封止する第2の材料と、
を含み、
前記第2の材料はチップに接触しない、
装置。
【請求項15】
前記第1および第2の材料が同じ組成を有する、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第2の材料は、前記ケーブルに垂直な方向において、前記ケーブルの上方に、前記ワイヤボンドが前記ケーブルの上方に同じ方向に延びる距離よりも大きい距離だけ延びる、
請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記ケーブルを前記ビームに結合するために、前記ケーブルの前記対向する端部間に、前記ビームおよび前記ケーブルに沿って延びる第3の材料を備える、
請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記第3の材料が、前記ケーブルの前記対向する端部間で測定される前記ケーブルの幅の少なくとも1/2に沿って延びる、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第3の材料が、前記ケーブルの前記対向する端部間で測定される前記ケーブルの幅の1/4以下に沿って延びる、
請求項17に記載の装置。
【請求項20】
磁気媒体を前記チップ上に通過させるための駆動機構と、
前記ケーブルに電気的に結合されたコントローラと、
をさらに含む、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データストレージシステムに関し、より詳細には、本発明は、ヘッド寸法安定性のためのケーブルボンディング保護に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記憶システムでは、磁気変換器が磁気記録媒体からデータを読み取り、磁気記録媒体にデータを書き込む。データは、磁気記録変換器をデータが保存される媒体上の位置に移動させることによって、磁気記録媒体に書き込まれる。磁気記録変換器は磁界を発生させ、データを磁気媒体にエンコードする。データは、磁気読み取り変換器を同様に位置決めし、磁気媒体の磁界を感知することによって媒体から読み取られる。読み取りと書き込みの動作は、データが、媒体上で望ましい位置から読み取りおよびそこへ書き込みできることを保証するために、媒体の動きと独立して同期させることができる。
【0003】
データストレージ産業における重要かつ継続的な目標は、媒体に保存されるデータの密度を高めることである。テープストレージシステムの場合、この目標は、記録テープのトラック密度とリニアビット密度を高め、磁気テープ媒体の厚さを薄くすることにつながった。しかし、小型で高性能なテープドライブシステムの開発により、このようなシステムで使用するテープヘッドアセンブリの設計からテープ寸法の不安定性への対処まで、さまざまな課題が生じている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態による装置は、ビームと、ビームに結合されたチップと、ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によってビームに結合されたケーブルと、ケーブルのパッドからチップのパッドに延びるワイヤボンドとを含む。
【0005】
一実施形態による装置は、ビームと、ビームに結合されたチップとを含む。チップは、磁気記録テープ上のデータを変換するための磁気変換器のアレイを含む。装置は、ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によってビームに結合されたケーブルと、ケーブルのパッドからチップのパッドまで延びるワイヤボンドと、ケーブルに隣接して位置するワイヤボンドの端部を封止する第2の材料とを含む。第2の材料はチップに接触しない。
【0006】
これらの実施形態のいずれもが、磁気ヘッドと、磁気ヘッド上に磁気媒体(例えば、記録テープ)を通過させるための駆動機構と、磁気ヘッドに電気的に結合されたコントローラと、を含み得るテープ駆動システムなどの磁気データ記憶システムにおいて実施され得る。
【0007】
本発明の他の態様および実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになり、図面と併せて考えると、例として本発明の原理が説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】一実施形態による、簡略化されたテープ駆動システムの概略図である。
図1B】一実施形態によるテープカートリッジの概略図である。
図2A】一実施形態によるフラットラップ双方向2モジュール磁気テープヘッドの側面図である。
図2B図2Aの線2Bから見たテープ軸受け面図である。
図2C図2Bの円2Cから見た詳細図である。
図2D】一対のモジュールの部分的なテープ軸受け面の詳細図である。
図3】一実施形態による、書き込み-読み取り-書き込み構成を有する磁気ヘッドの部分的なテープ軸受け面図である。
図4】一実施形態による、読み取り-書き込み-読み取り構成を有する磁気ヘッドの部分的なテープ軸受け面図である。
図5】一実施形態による、モジュールがすべて、概ねほぼ平行な平面に沿って配置されている、一実施形態による3つのモジュールを備えた磁気テープヘッドの側面図である。
図6】一実施形態による、接線(角度を付けた)配置の3つのモジュールを備えた磁気テープヘッドの側面図である。
図7】オーバーラップ構成の3つのモジュールを備えた磁気テープヘッドの側面図である。
図8A】テープテンティングの原理を示す概略図である。
図8B】テープテンティングの原理を示す概略図である。
図8C】テープテンティングの原理を示す概略図である。
図9】一実施形態による、磁気テープに格納されたファイルとインデックスの表現図である。
図10A】一実施形態による装置の側面図である。
図10B】線10B-10Bに沿った図10Aの装置の断面図である。
図11A】一実施形態による装置の側面図である。
図11B】一実施形態による装置の詳細図である。
図11C】一実施形態による装置の断面図である。
図12A】一実施形態による装置の側面図である。
図12B図12Aの装置の別の実施形態を示す。
図12C図12Aの装置の別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、本発明の一般的な原理を説明する目的でなされたものであり、本明細書で特許請求される発明概念を限定するものではない。さらに、本明細書に記載された特定の特徴は、様々な考えられる組み合わせおよび置換の各々において、他の記載された特徴と組み合わせて使用することができる。
【0010】
本明細書において特に定義されない限り、すべての用語は、本明細書から暗示される意味、および当業者によって理解される意味、もしくは辞書や専門書などで定義される意味、またはその組み合わせを含め、可能な限り広義に解釈されるものとする。
【0011】
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、特に指定がない限り、複数の参照語を含むことに留意されたい。
【0012】
以下の説明では、磁気記憶システムのいくつかの好ましい実施形態、ならびにその動作もしくは構成部分またはその両方を開示する。
【0013】
一般的な一実施形態では、装置は、ビームと、ビームに結合されたチップと、ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によってビームに結合されたケーブルと、ケーブルのパッドからチップのパッドに延びるワイヤボンドとを含む。
【0014】
別の一般的な実施形態では、装置はビームと、ビームに結合されたチップとを含む。チップは、磁気記録テープ上のデータを変換するための磁気変換器のアレイを含む。装置は、ケーブルの対向する端部に位置する第1の材料によってビームに結合されたケーブルと、ケーブルのパッドからチップのパッドまで延びるワイヤボンドと、ケーブルに隣接して位置するワイヤボンドの端部を封止する第2の材料とを含む。第2の材料はチップに接触しない。
【0015】
図1Aは、本発明の文脈において採用され得る、テープベースのデータ記憶システムの簡略化されたテープドライブ100を示す。図1Aには、テープドライブの1つの特定の実施形態が示されているが、本明細書で説明する実施形態は、任意の種類のテープドライブシステムの文脈で実施され得ることに留意されたい。
【0016】
図示のように、テープ122を支持するために、テープ供給カートリッジ120と巻取りリール121が設けられている。リールの1つ以上は、取外し可能なカートリッジの一部を形成してもよく、必ずしもテープドライブ100の一部ではない。図1Aに示されるようなテープドライブは、テープ供給カートリッジ120および巻取りリール121を駆動してテープ122を任意の種類のテープヘッド126上に移動させるための駆動モータ(複数可)をさらに含むことができる。このようなヘッドは、読み取り変換器(リーダーとも呼ばれる)、書き込み変換器(当技術分野ではライターとも呼ばれる)、またはその両方のアレイを含むことができる。
【0017】
ガイド125は、テープ122をテープヘッド126に案内する。このようなテープヘッド126は、ケーブル130を介してコントローラ128に結合されている。コントローラ128は、ドライブ100の任意のサブシステムを制御するためのプロセッサもしくは任意のロジックまたはその両方であってもよく、またはそれを含んでもよい。例えば、コントローラ128は、通常、サーボ追従、データ書き込み、データ読み取りなどのヘッド機能を制御する。コントローラ128は、少なくとも1つのサーボチャネルおよび少なくとも1つのデータチャネルを含むことができ、これらの各チャネルは、テープ122に書き込まれる、もしくはテープ122から読み出される、またはその両方である情報を処理もしくは記憶またはその両方を行うように構成されたデータフロー処理ロジックを含む。コントローラ128は、本明細書で開示される任意のロジックと同様に、当技術分野で公知のロジックの下で動作してもよく、したがって、様々な実施形態において、本明細書に含まれるテープドライブの説明のいずれかのプロセッサと見なすことができる。コントローラ128は、任意の公知の種類のメモリ136に結合されてよく、このメモリ136は、コントローラ128によって実行可能な命令を記憶してよい。さらに、コントローラ128は、本明細書で提示する方法論の一部または全部を実行または制御するように構成もしくはプログラム可能またはその両方であってもよい。したがって、コントローラ128は、1つまたは複数のチップ、モジュール、もしくはブロック、またはその組み合わせにプログラムされたロジック;1つまたは複数のプロセッサが利用可能なソフトウェア、ファームウェア、もしくは他の命令、またはその組み合わせ;など、およびそれらの組み合わせによって、様々な動作を実行するように構成されると考えられる。
【0018】
ケーブル130は、テープ122に記録されるデータをテープヘッド126に送信し、テープ122からテープヘッド126によって読み取られたデータを受信するための読み取り/書き込み回路を含むことができる。作動装置132は、テープ122に対するテープヘッド126の位置を制御する。
【0019】
また、データを送受信するため、およびテープドライブ100の動作を制御し、テープドライブ100の状態をホストに伝達するための、テープドライブ100とホスト(内部または外部)との間の通信のために、当業者には理解されるように、インターフェース134を設けることもできる。
【0020】
図1Bは、一実施形態による例示的なテープカートリッジ150を示す。このようなテープカートリッジ150は、図1Aに示すようなシステムとともに使用することができる。図示のように、テープカートリッジ150は、ハウジング152と、ハウジング152内のテープ122と、ハウジング152に結合された不揮発性メモリ156とを含む。いくつかの手法では、図1Bに示すように、不揮発性メモリ156をハウジング152の内部に埋め込むことができる。より多くの手法では、不揮発性メモリ156は、ハウジング152を変更することなく、ハウジング152の内部または外部に取り付けられてもよい。例えば、不揮発性メモリを自己粘着性ラベル154に埋め込んでもよい。好ましい一実施形態では、不揮発性メモリ156は、テープカートリッジ150の内部または外部に埋め込まれるか、またはこれに結合されたフラッシュメモリデバイス、読み取り専用メモリ(ROM)デバイスなどであってもよい。不揮発性メモリは、テープドライブおよびテープオペレーティングソフトウェア(ドライバソフトウェア)、もしくは別の装置、またはその両方によってアクセス可能である。
【0021】
一例として、図2Aは、本発明の文脈において実施され得る、平らなラップの双方向2モジュール磁気テープヘッド200の側面図を示す。図示のように、ヘッドは、各々がモジュール204を備え、互いに対して小さな角度αで固定された一対のベース202を含む。ベースは、互いに接着結合された「Uビーム」であってもよい。各モジュール204は、基板204Aと、一般に「ギャップ」と呼ばれる薄膜部分を有するクロージャ204Bとを含み、その中に読み取り変換器もしくは書き込み変換器またはその両方206が形成されている。使用時、テープ208は、読み取り変換器および書き込み変換器を使用してテープ208上のデータを読み取りおよび書き込みするために、図示の方法で媒体(テープ)軸受け面209に沿ってモジュール204上を移動する。平坦な媒体支持面209に出入りする端部におけるテープ208のラップ角度θは、通常、約0.1度から約3度の間である。
【0022】
基板204Aは通常、セラミックなどの耐摩耗性材料で構成されている。クロージャ204Bは、基板204Aと同一または類似のセラミックで作られてもよい。
【0023】
ケーブル211は、コントローラと各モジュール204の変換器206との間の通信を可能にするために設けられている。ケーブル211のパッドは、通常、関連モジュール204のパッドにワイヤボンディングされる。
【0024】
読み取り変換器と書き込み変換器は、ピギーバック構成またはマージ構成で配置することができる。例示的なピギーバック構成は、(磁気シールドされた)読み取り変換器(例えば、磁気抵抗読み取り機など)の上(または下)に(磁気誘導性の)書き込み変換器を配置したものであり、書き込み変換器の極と読み取り変換器のシールドは概ね分離されている。例示的なマージ構成は、1つのライター磁極と同じ物理層にある1つのリーダーシールドからなる(それゆえ、「マージされた」)。読み取り変換器と書き込み変換器は、インターリーブ構成で配置することもできる。あるいは、チャネルの各アレイは、読み取り変換器または書き込み変換器のみであってもよい。これらのアレイのいずれかは、媒体上のサーボデータを読み取るための1つ以上のサーボリーダーを含むことができる。
【0025】
図2Bは、図2Aの線2Bから見たモジュール204の1つのテープ軸受け面209を示す。代表的なテープ208が破線で示されている。モジュール204は、ヘッドがデータバンド間を移動する際にテープを支持できるのに十分な長さであることが好ましい。
【0026】
この例では、テープ208は4~32のデータ帯域を含み、例えば、2分の1インチ幅のテープ208では、図2Bに示すように、16のデータ帯域と17のサーボトラック210を有する。データバンドはサーボトラック210の間に定義される。各データバンドは、例えば1024個のデータトラック(図示せず)のような数のデータトラックを含むことができる。読み取り/書き込み動作中、読み取り変換器もしくは書き込み変換器またはその両方206は、データ帯域の1つ内の特定のトラック位置に位置決めされる。サーボリーダーと呼ばれることもある外側リーダーは、サーボトラック210を読み取る。サーボ信号は、読み取り/書き込み動作中、読み取り変換器もしくは書き込み変換器またはその両方206を特定のトラックセットに整列させるために、従来の方法で使用される。
【0027】
図2Cは、図2Bの円2Cのモジュール204上のギャップ218に形成された複数の読み取り変換器もしくは書き込み変換器またはその両方206を示す。図2Cに示すように、読み取り変換器および書き込み変換器206のアレイは、例えば、16個の書き込み変換器214、16個の読み取り変換器216、および2個のサーボリーダー212を含むが、素子の数は変化してもよい。例示的な実施形態は、アレイあたり8、16、32、40、および64のアクティブな読み取り変換器もしくは書き込み変換器またはその両方206を含み、代替的に、17、25、33などの奇数の読み取り変換器または書き込み変換器を有するインターリーブ設計を含む。例示的な実施形態は、アレイあたり32個の読み取り変換器もしくはアレイあたり32個の書き込み変換器またはその両方を含み、実際の変換器素子の数は、例えば、33個、34個など、より多くなり得る。同時に作動する複数の変換器により、高いデータ転送速度を維持しながら、テープを適度な速度で移動させることができる。速度に起因するトラッキングによる機械的な困難を軽減するためには、より低い速度が望ましい。
【0028】
図2Cに示されるように、読み取り変換器および書き込み変換器はピギーバック構成で配置されてもよいが、読み取り変換器216および書き込み変換器214はまた、インターリーブ構成で配置されてもよい。あるいは、読み取り変換器もしくは書き込み変換器またはその両方206の各アレイは、読み取り変換器または書き込み変換器のみであってもよく、アレイは、1つまたは複数のサーボリーダー212を含んでもよい。図2Aおよび図2B図2Cを一緒に考慮することによって指摘されるように、各モジュール204は、双方向読み取りおよび書き込み、書き込み中読み取り能力、後方互換性などのために、読み取り変換器もしくは書き込み変換器またはその両方206の相補的なセットを含んでもよい。
【0029】
図2Dは、一実施形態による磁気テープヘッド200の相補的モジュールの部分的なテープ軸受け面図を示す。この実施形態では、各モジュールは、共通の基板204Aおよび任意の電気絶縁性絶縁層236上に形成されたピギーバック構成の複数の読み取り/書き込み(R/W)対を有する。書き込み変換器214と読み取り変換器216は、R/W対222で例示されるR/W対を形成するために、そこを横切るテープ媒体の意図された移動方向と平行に整列される。本明細書では、意図されたテープ移動方向をテープ移動方向と呼ぶことがあり、このような用語は互換的に使用され得ることに留意されたい。このようなテープ移動方向は、例えば、ガイドを調べること;基準点に対する実際のテープ移動方向を観察すること;などによって、システムの設計から推測することができる。さらに、双方向読み取りもしくは書き込みまたはその両方のために動作可能なシステムでは、両方向のテープ移動方向は、典型的には平行であり、したがって、両方向は、互いに等価であると考えることができる。
【0030】
R/W対222は、8対、16対、32対など、複数存在してもよい。図示のようなR/W対222は、そこを横切るテープの移動方向に対して概ね垂直な方向に直線的に整列されている。しかしながら、対はまた、斜め等に整列されてもよい。サーボリーダー212は、R/W対のアレイの外側に配置されており、その機能は周知である。
【0031】
一般に、磁気テープ媒体は、矢印220で示すように、順方向または逆方向のいずれかに移動する。磁気テープ媒体とヘッドアセンブリ200は、当技術分野で周知の方法で変換関係で動作する。ヘッドアセンブリ200は、概ね同一構造の2つの薄膜モジュール224および226を含む。
【0032】
モジュール224、226は、そのクロージャ204Bの間に存在する空間(部分的に図示)で一緒に接合され、単一の物理的ユニットを形成し、先行モジュールの書き込み変換器と、先行モジュールの書き込み変換器に対してテープの移動方向と平行に整列させられた後続モジュールの読み取り変換器を作動させることにより、書き込み中読み取り能力を提供する。磁気テープヘッド200のモジュール224、226が構成されるとき、例えばAlTiCの導電性基板204A(部分的に図示)の上方に形成されたギャップ218に、R/W対222に対して一般に次の順序で層が形成される:絶縁層236、典型的にはNiFeのような鉄合金の第1のシールド232(例えば、パーマロイとしても知られる80/20at%のNiFe)、コバルト・ジルコニウム・タンタル(CZT)またはAl-Fe-Si(Sendust)などの鉄合金製の第1のシールド232、磁気媒体上のデータトラックを感知するためのセンサ234、典型的にはニッケル-鉄合金(例えば、パーマロイ)製の第2のシールド238、第1および第2のライター磁極228、230、およびコイル(図示せず)。センサは、磁気抵抗(MR)、GMR、AMR、トンネル磁気抵抗(TMR)などに基づくものを含む、任意の既知の種類であってよい。
【0033】
第1および第2のライター磁極228、230は、CoFeのような高磁気モーメント材料から作製することができる。これらの材料は例示であり、他の材料が使用されてもよい。シールドもしくはポール先端またはその両方間の絶縁およびセンサを囲む絶縁層などの追加層が存在してもよい。絶縁のための例示的な材料には、アルミナや他の酸化物、絶縁性ポリマーなどが含まれる。
【0034】
一実施形態によるテープヘッド126の構成は、複数のモジュール、好ましくは3つ以上のモジュールを含む。書き込み-読み取り-書き込み(W-R-W)ヘッドでは、書き込み用の外側モジュールが、読み取り用の1つまたは複数の内側モジュールを挟む。W-R-W構成を示す図3を参照すると、外側モジュール252、256はそれぞれ、1つまたは複数の書き込み変換器260のアレイを含む。図3の内側モジュール254は、同様の構成で、読み取り変換器258の1つ以上のアレイを含む。マルチモジュールヘッドの変形例としては、R-W-Rヘッド(図4)、R-R-Wヘッド、W-W-Rヘッドなどがある。さらに他の変形例では、モジュールのうちの1つまたは複数が、変換器の読み取り/書き込み対を有していてもよい。さらに、3つ以上のモジュールが存在してもよい。さらなる手法では、2つの外側モジュールが、例えば、W-R-R-W、R-W-W-R構成などで、2つ以上の内側モジュールを挟んでいてもよい。簡略化のため、本明細書では、本発明の実施形態を例示するために、主にW-R-Wヘッドが使用される。本明細書の教示に精通した当業者であれば、本発明の順列がW-R-W構成以外の構成にどのように適用されるかを理解するであろう。
【0035】
図5は、それぞれテープ軸受け面308、310、312を有する第1、第2および第3のモジュール302、304、306を含む、本発明の一実施形態による磁気ヘッド126を示す図であり、テープ軸受け面308、310、312は、平坦であっても、輪郭が付けられていてもよい。「テープ軸受け面」という用語は、テープ315に面する面がテープ軸受け面と物理的に接触していることを意味するように見えるが、必ずしもそうではないことに留意されたい。むしろ、テープの一部分だけが、常時または断続的にテープ軸受け面と接触している場合があり、テープの他の部分は、「空気軸受け」と呼ばれることもある空気の層に乗って(または「飛んで」)テープ軸受け面の上にある。第1のモジュール302は、指示された方向に移動するテープのための3つのモジュール設計において、テープが遭遇する第1のモジュールであるため、「先行」モジュールと呼ばれる。第3のモジュール306は、「後続」モジュールと呼ばれる。後続モジュールは、中間モジュールに続き、3つのモジュール設計においてテープから見える最後のモジュールである。先行および後続モジュール302、306は、まとめて外側モジュールと呼ばれる。また、外側モジュール302、306は、テープ315の移動方向に応じて、先行モジュールとして交互に使用されることに留意されたい。
【0036】
一実施形態では、第1、第2および第3のモジュール302、304、306のテープ軸受け面308、310、312は、ほぼ平行な平面(これは、平行な平面およびほぼ平行な平面を含むことを意味し、例えば、図6のように平行と接線の間である)上にあり、第2のモジュール304のテープ軸受け面310は、第1および第3のモジュール302、306のテープ軸受け面308、312の上にある。後述するように、これは、第2のモジュール304のテープ軸受け面310に対するテープの所望のラップ角度αを形成する効果がある。
【0037】
テープ軸受け面308、310、312が、平行またはほぼ平行でありながらオフセットした平面に沿って配置されている場合、直感的には、テープは、先行モジュール302のテープ軸受け面308から剥離するはずである。しかし、先行モジュール302のスカイビングエッジ318が作り出す真空は、先行モジュール302のテープ軸受け面308にテープを付着させ続けるのに十分であることが、実験により判明している。先行モジュール302の後端320(テープが先行モジュール302から離れる端)は、第2のモジュール304のテープ軸受け面310上のラップ角度αを定義するおおよその基準点である。テープは、先行モジュール302の後端320の近くまで、テープ軸受け面に近接している。したがって、変換器322は、外側モジュール302、306の後端の近くに配置することができる。これらの実施形態は、書き込み-読み取り-書き込みアプリケーションに特に適合している。
【0038】
本明細書で説明する本実施形態および他の実施形態の利点は、外側モジュール302、306が第2のモジュール304から決められたオフセットで固定されているため、モジュール302、304、306が互いに結合されるか、または他の方法でヘッドに固定されたときに、内側ラップ角度αが固定されることである。内側ラップ角度αは、約tan-1(δ/W)であり、δはテープ軸受け面308、310の平面間の高さの差であり、Wはテープ軸受け面308、310の対向する端部間の幅である。例示的な内側ラップ角度αは約0.3°~約1.1°の範囲であるが、設計上必要な角度であればどのような角度でもよい。
【0039】
有益なことに、テープ315は後続モジュール306の上に乗るので、モジュール304のテープを受け取る側(前端)の内側ラップ角度αは、後端の内側ラップ角度αよりも大きくなる。この差は一般に有益であり、αが小さいと、これまでは急勾配の出口有効ラップ角度に対抗する傾向がある。
【0040】
外側モジュール302、306のテープ軸受け面308、312は、先行モジュール302の後端320で負のラップ角度を達成するように配置されていることに留意されたい。これは一般に、後端320との接触による摩擦を減らすのに有益であるが、ヘッドから剥離するテープに形成されるバール領域の位置に適切な配慮がなされていることが条件となる。この負のラップ角度はまた、先行モジュール302上の素子に対するフラッターおよびスクラブによる損傷を低減する。さらに、後続モジュール306では、テープ315がテープ軸受け面312上を飛ぶので、テープがこの方向に移動するときに素子に摩耗が実質的に生じない。特に、テープ315は空気を巻き込むので、第3のモジュール306のテープ軸受け面312に大きく乗ることはない(多少の接触は起こり得る)。これは、先行モジュール302が書き込みを行っている一方で、後続モジュール306がアイドルになっているため、許容される。
【0041】
書き込みと読み取りの機能は、任意の時点で異なるモジュールによって実行される。一実施形態では、第2のモジュール304は、複数のデータおよび任意のサーボリーダー331を含み、書き込み変換器は含まない。第1および第3のモジュール302、306は、複数の書き込み変換器322を含み、データ読み取り変換器を含まないが、外側モジュール302、306が任意のサーボリーダーを含んでもよいという例外がある。サーボリーダーは、読み取りもしくは書き込みまたはその両方の動作中にヘッドを位置決めするために使用することができる。各モジュール上のサーボリーダーは、通常、読み取り変換器または書き込み変換器アレイの端部に向かって配置される。
【0042】
基板とクロージャの間のギャップに、読み取り変換器だけ、または並んでいる書き込み変換器とサーボリーダーを配置することにより、ギャップ長を大幅に短縮することができる。一般的なヘッドでは、読み取り変換器と書き込み変換器がピギーバックされており、書き込み変換器は各読み取り変換器の上に形成されている。典型的なギャップは20~35ミクロンである。しかし、テープ上の不規則な凹凸がギャップに垂れ下がり、ギャップ侵食が生じる傾向がある。したがって、ギャップは小さければ小さいほどよい。本明細書では、ギャップを小さくすることで、摩耗に関連する問題を少なくしている。
【0043】
いくつかの実施形態では、第2のモジュール304はクロージャを有し、第1および第3のモジュール302、306はクロージャを有しない。クロージャがない場合、好ましくは硬質コーティングがモジュールに加えられる。好ましいコーティングの一つは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)である。
【0044】
図5に示す実施形態では、第1、第2、および第3のモジュール302、304、306はそれぞれ、関連モジュールのテープ軸受け面を拡張するクロージャ332、334、336を有し、それにより、読み取り/書き込み素子をテープ軸受け面の端部から離して効果的に位置決めする。第2のモジュール304のクロージャ332は、テープヘッドに通常見られる種類のセラミッククロージャとすることができる。しかしながら、第1および第3のモジュール302、306のクロージャ334、336は、それぞれのモジュール上のテープ移動方向に平行に測定して、第2のモジュール304のクロージャ332よりも短くすることができる。これにより、モジュールをより近くに配置することができる。より短いクロージャ334、336を製造する一つの方法は、第2のモジュール304の標準セラミッククロージャを追加量ラップすることである。もう一つの方法は、薄膜加工中に素子の上に薄膜クロージャをめっきまたは蒸着することである。例えば、センダストやニッケル-鉄合金(例えば、45/55)のような硬い材料の薄膜クロージャをモジュール上に形成することができる。
【0045】
外側モジュール302、306のセラミックまたは薄膜クロージャ334、336の厚さを薄くするか、またはクロージャを設けずに、書き込みから読み取りまでのギャップ間隔を約1mm未満、例えば約0.75mm、または一般に使用されているリニアテープオープン(LTO)テープヘッドの間隔よりも50%小さくすることができる。モジュール302、304、306間のオープンスペースは、それでも約0.5~0.6mmに設定することができ、これは、いくつかの実施形態では、第2のモジュール304上のテープの動きを安定させるのに理想的である。
【0046】
テープの張力と剛性によっては、外側モジュールのテープ軸受け面を第2のモジュールのテープ軸受け面に対して傾斜させることが望ましい場合がある。図6は、モジュール302、304、306が当接またはほぼ当接(角度付き)構成である実施形態を示す。特に、外側モジュール302、306のテープ軸受け面は、第2のモジュール304の所望のラップ角度αにおいてテープとほぼ平行である。言い換えれば、外側モジュール302、306のテープ軸受け面308、312の平面は、第2のモジュール304に対するテープ315の所望のラップ角度α程度で方向付けられる。また、この実施形態では、テープが後続モジュール306から飛び出すため、後続モジュール306の素子の摩耗が低減される。これらの実施形態は、書き込み-読み取り-書き込み用途に特に有用である。これらの実施形態の付加的な態様は、上に与えられたものと同様である。
【0047】
通常、テープラップ角度は、図5図6に示した実施形態のほぼ中間に設定することができる。
【0048】
図7は、モジュール302、304、306がオーバーラップ構成である実施形態を示す。特に、外側モジュール302、306のテープ軸受け面308、312は、第2のモジュール304に対して所望のラップ角度αに設定されたとき、テープ315よりもわずかに角度が付けられている。この実施形態では、テープが後続モジュールから飛び出さないため、書き込みまたは読み取りに使用できる。したがって、先行モジュールと中間モジュールは共に、読み取りもしくは書き込みまたはその両方の機能を実行することができ、一方、後続モジュールは、書き込まれたばかりのデータを読み取ることができる。したがって、これらの実施形態は、書き込み-読み取り-書き込み、読み取り-書き込み-読み取り、および書き込み-書き込み-読み取りアプリケーションに好ましい。後者の実施形態では、クロージャは、読み取り能力を確保するためにテープキャノピーよりも広くする必要がある。より広いクロージャは、より広いギャップ間分離を必要とする場合がある。したがって、好ましい実施形態は、書き込み-読み取り-書き込み構成を有し、これは、より近いギャップ間分離を可能にする短縮されたクロージャを使用することができる。
【0049】
図6および図7に示した実施形態の追加的態様は、上記に示したものと同様である。
【0050】
マルチモジュールテープヘッド126の32チャンネルバージョンは、現在の16チャンネルピギーバックLTOモジュールと同じかそれより小さいピッチのリードを持つケーブル350を使用することができ、または、モジュール上の接続をオルガンキーボードにしてケーブルスパンを50%削減することもできる。オーバーアンダー、ライティングペア非シールドケーブルは、サーボリーダーを内蔵し得る書き込み変換器に使用することができる。
【0051】
外側のラップ角度αは、調整可能なローラ、スライドなどの当技術分野で公知のあらゆる種類のガイドによって、あるいはヘッドに一体化されたアウトリガーによって、代替的に、駆動部において設定することができる。例えば、ラップ角度を設定するために、オフセット軸を有するローラを使用することができる。オフセット軸は回転円弧を形成し、ラップ角度αの正確な位置合わせを可能にする。
【0052】
上述した実施形態のいずれかを組み立てるには、従来のUビーム組立を使用することができる。したがって、結果として得られるヘッドの質量は、前世代のヘッドと比較して維持されるか、あるいは低減されることさえある。他の手法では、モジュールを単一の本体として構成することもできる。本教示を理解した当業者であれば、このようなヘッドを製造する他の既知の方法を、このようなヘッドを構成する際に使用するために適合させることができることを理解するであろう。さらに、別段の指定がない限り、本開示を読めば当業者には明らかとなるように、本明細書の教示に準拠した様々な実施形態で使用するために、当技術分野で公知の種類の過程および材料を適合させることができる。
【0053】
テープがモジュール上を走行するとき、読み取りもしくは書き込みまたはその両方が効率的に、例えば低いエラー率で実行されるように、テープがモジュール上の磁気変換器の十分近くを通過することが好ましい。いくつかの手法によれば、磁気変換器を有するモジュール部分の十分近くをテープが通過することを保証するために、テープテンティングが使用されることがある。この過程をよりよく理解するために、図8A~8Cにテープテンティングの原理を示す。図8Aは、対向する端部804、806の間に延びる上部テープ軸受け面802を有するモジュール800を示す。固定テープ808が端部804、806の周囲に巻きついているのが示されている。図示されるように、テープ808の曲げ剛性は、テープをテープ支持面802から持ち上げる。テープの張力は、図8Aに示すように、テープの輪郭を平坦にする傾向がある。テープの張力が最小の場合、テープの曲率は図示よりも放物線状になる。
【0054】
図8Bは、動いているテープ808を示している。前端、すなわち、テープが移動するときに遭遇する第1の端部は、テープから空気を掻き出す働きをし、それによってテープ808とテープ軸受け面802との間に周囲気圧以下の圧力を作り出す。図8Bでは、テープが左から右に動いているとき、前端は左端であり、右端は後端である。その結果、テープの上方の大気圧がテープをテープ軸受け面802に向かって押し付け、それによって各端部の近傍にテープテンティングが生じる。テープの曲げ剛性は大気圧の影響に抵抗し、その結果、前端と後端の両方の近くでテープテンティングが発生する。モデリングによると、2つのテントの形状は非常に似ていると予測される。
【0055】
図8Cは、後続ガイド810がテープ軸受け面の平面の上方に配置されている場合でも、常圧以下の圧力がテープ808をテープ軸受け面802に向かってどのように付勢するかを示している。
【0056】
このことから、テープがモジュール上を通過する際に、テープの経路を指示するためにテープテンティングが使用されてもよいことがわかる。前述したように、テープテンティングは、好ましくは、読み取りもしくは書き込みまたはその両方が効率的に、例えば、低いエラー率で実行されるように、テープが、磁気変換器を有するモジュール部分の十分近くを通過することを保証するように使用することができる。
【0057】
磁気テープはテープカートリッジに格納され、テープカートリッジはデータ格納ライブラリ内の格納スロットなどに格納される。テープカートリッジは、物理的な取り出しが可能なようにライブラリに格納され得る。磁気テープおよびテープカートリッジに加えて、データ格納ライブラリは、磁気テープにデータを格納し、もしくは磁気テープからデータを取り出す、またはその両方であるデータ格納ドライブを含むことができる。さらに、テープライブラリおよびその中に含まれる構成要素は、テープおよびテープ上に格納されたデータへのアクセスを可能にするファイルシステムを実装することができる。
【0058】
ファイルシステムは、データがメモリに格納され、メモリから取得される方法を制御するために使用されることがある。したがって、ファイルシステムには、オペレーティングシステムがメモリ内のファイルを追跡するために使用する過程およびデータ構造、例えば、ファイルがメモリ内で編成される方法が含まれる。リニアテープファイルシステム(LTFS)は、準拠テープへのアクセスを可能にするために所定のライブラリに実装され得るファイルシステムの例示的な様式である。本明細書における様々な実施形態は、例えば、IBM(登録商標)Spectrum(登録商標) Archive Library Edition(LTFS LE)(IBM、およびすべてのIBMベースの商標およびロゴは、International Business Machines Corporationもしくはその関連会社またはその両方の商標または登録商標である)を含む、広範なファイルシステム様式で実装できることを理解されたい。ただし、文脈を提供し、読者を支援するためにのみ、以下の実施形態の一部は、ファイルシステム様式の一種であるLTFSを参照して説明される場合がある。これは、例示としてのみ行われたものであり、特許請求の範囲に定義された発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0059】
テープカートリッジは、カートリッジをテープドライブに挿入することによって「ロード」される場合があり、テープカートリッジは、テープカートリッジをテープドライブから取り外すことによって「アンロード」される場合がある。テープドライブに一旦ロードされると、テープカートリッジからテープ(磁気記録部分)を物理的に引き出し、テープドライブの磁気ヘッドの上を通過させることによって、カートリッジ内のテープがドライブに「通される」ことがある。さらに、テープを磁気ヘッド上に移動させるために、テープを巻取りリール(例えば、前述の図1Aの121参照)に取り付けることもできる。
【0060】
一旦テープドライブに通されると、テープ上のメタデータを読み取り、LTFSがファイルシステムの構成要素としてテープを使用できる状態にすることにより、カートリッジ内のテープを「マウント」することができる。さらに、テープを「アンマウント」するには、まずメタデータをテープに(例えばインデックスとして)書き込み、その後、LTFSがファイルシステムの構成要素としてテープを使用できる状態からテープを取り外し得ることが好ましい。最後に、テープを「外す」ために、テープは巻取りリールから外され、再びテープカートリッジの内部に物理的に戻される。カートリッジは、テープが外された後もテープドライブにロードされたままであり、例えば、別の読み取りもしくは書き込みまたはその両方の要求を待つことができる。しかし、他の例では、例えば上述したように、テープカートリッジは、テープが外された時点でテープドライブからアンロードされてもよい。
【0061】
磁気テープはシーケンシャルアクセスである媒体である。したがって、新しいデータは、以前に書き込まれたデータの末尾にデータを付加してテープに書き込まれる。そのため、パーティションが1つしかないテープにデータを記録する場合、メタデータ(割り当て情報など)は頻繁に更新されるため、以前に書き込まれたデータの末尾に追記され続け、それに応じてテープに書き換えられる。その結果、テープに対応するメタデータの最新コピーにアクセスするために、テープが最初にマウントされるときに最後尾の情報が読み取られる。しかし、これでは特定のテープをマウントする過程にかなりの遅延が生じる。
【0062】
単一パーティションのテープ媒体に起因するこの遅延を克服するために、LTFS様式には、インデックスパーティションとデータパーティションを含む2つのパーティションに分割されたテープが含まれる。インデックスパーティションは、メタデータ(メタ情報)、例えばファイル割り当て情報(インデックス)などを記録するように構成され、データパーティションは、データ本体、例えばデータそのものを記録するように構成され得る。
【0063】
図9を参照すると、一実施形態に従って、インデックスパーティション902とデータパーティション904とを有する磁気テープ900が図示されている。図示のように、データファイルとインデックスがテープに格納される。LTFS様式では、本明細書を読めば当業者には理解されるように、インデックス情報をテープ906の先頭のインデックスパーティション902に記録することができる。
【0064】
インデックス情報が更新されると、好ましくは、以前のバージョンのインデックス情報を上書きし、それにより、現在更新されているインデックス情報に、インデックスパーティション内のテープの先頭でアクセスできるようにする。図9に示す具体例によれば、メタデータインデックス3の最新バージョンは、テープ906の先頭のインデックスパーティション902に記録される。逆に、メタデータのインデックス1、インデックス2、インデックス3の3つのバージョン全て、およびデータのファイルA、ファイルB、ファイルC、ファイルDは、テープのデータパーティション904に記録される。インデックス1およびインデックス2は古い(例えば、時代遅れの)インデックスであるが、情報は、上述のように、以前に書き込まれたデータの末尾に付加することによってテープに書き込まれるため、これらの古いインデックスであるインデックス1、インデックス2は、上書きされることなく、テープ900のデータパーティション904に格納されたままである。
【0065】
メタデータは、所望の実施形態に応じて、インデックスパーティション902もしくはデータパーティション904またはその両方において同じようにまたは異なって更新されてもよい。いくつかの実施形態によれば、インデックスもしくはデータパーティションまたはその両方902、904のメタデータは、テープがアンマウントされることに応答して更新されてもよく、例えば、そのテープが再びマウントされるときにインデックスがインデックスパーティションから迅速に読み取られるようにしてもよい。メタデータは、好ましくは、データパーティション904にも書き込まれるので、例えばバックアップオプションとして、データパーティション904に記録されたメタデータを使用してテープをマウントすることができる。
【0066】
本発明を限定することを意図するものではないが、一実施例によれば、LTFS LEは、使用者が明示的にシステムに指示したとき、または、使用者が設定可能な事前に定められた期間によって指定された時間に、データパーティションにインデックスを書き込む機能を提供するために使用される場合があり、例えば、突然の電源停止時のデータ損失を軽減することができる。
【0067】
テープの寸法安定性(TDS)を補正するために、ヘッドは通常、一定の寸法仕様内になければならない。例えば、現在の製品設計では、変換器のスパンの公差を+/-200nmに許容しているものがある。ヘッドが膨張しすぎたり収縮しすぎたりした場合、例えば公差を超えた場合、ドライブは特定のテープから読み取ったり、特定のテープに書き込んだりできなくなる可能性がある。実験データによると、ヘッドごとのヘッド寸法の変動の重要な要因は、ケーブルのボンディング過程にあることが示されている。特に、ワイヤボンドに適用されるストレインリリーフ保護が、ヘッド寸法の変動に大きく寄与している。ストレインリリーフは硬化するにつれて収縮し、通常、ストレインリリーフがヘッドに接触することでヘッド寸法が収縮する。ストレインリリーフの代替処方では、収縮を低減または除去することで、こうした収縮の問題に対処することはできなかった。さらに、ストレインリリーフの量を減らすと、ワイヤボンドの保護量が減少するため、これは選択肢にはならなかった。例えば、ストレインリリーフの量を減らすことによる降伏損失は、従来のストレインリリーフを使用した場合の約1%未満から、ストレインリリーフを減少させた場合の約20%の降伏損失に増加する。したがって、当業者であれば、ストレインリリーフに関連する材料を減らせば、降伏損失が増加すると予想する。ヘッドの寸法安定性への影響を最小限に抑えながら、ケーブル結合を十分に保護する解決策が必要である。
【0068】
本開示の少なくともいくつかの態様は、ヘッド寸法の収縮を低減または排除する。本開示を通して使用されるストレインリリーフおよびストレインリリーフ材料は、ワイヤボンドを保護するために従来から使用されている任意の材料を指す場合がある。例えば、ストレインリリーフ材料は、様々な既知の種類の紫外線(UV)硬化エポキシ、2液型エポキシド、アクリレートなどを含むことができる。好ましい手法において、ストレインリリーフ材料は、高粘度を有し、例えば、その塗布後に著しく変形せず;好ましくは、硬化時に低収縮を示し、例えば、20%、より好ましくは10%、理想的には5%を超えて体積変化せず;また、好ましくは、低熱膨張係数を有し、例えば、本開示を読めば当業者であれば判断できるように、使用中に予想される最も高い温度条件下で20%、より好ましくは10%、理想的には5%を超えて体積変化しない。
【0069】
ワイヤボンドを保護し、ヘッドスパンの変動を最小化するケーブルボンディングの保護機構が、本開示の少なくともいくつかの態様において説明される。少なくとも1つの例示的な態様では、ワイヤボンド領域全体をストレインリリーフで封止する従来の方法とは対照的に、ケーブルの端部に少なくとも2つの部分のストレインリリーフ(例えば、ストレインリリーフからなる「ドット」形成)を適用して、ケーブルのねじれもしくは屈曲またはその両方によるワイヤボンドへの応力からの保護を提供すると共に、ケーブルを下層構造に結合する。別の例示的な態様では、ケーブル端部のみにストレインリリーフを施し、ワイヤボンドの下端部に封止を行う。ストレインリリーフは、ワイヤボンドのループの上方に突出するレッジが形成されるように適用することができ、それにより、(ピンセットなどによる)取り扱いもしくは装置の操作またはその両方による機械的損傷に対する保護を提供する。さらなる例示的な態様では、モジュールの背面にストレインリリーフを追加することからなるオプションのケーブル安定化過程により、ケーブルの動きとワイヤボンドへの曲げ応力がさらに低減される。
【0070】
ヘッドスパンの変動は、本明細書に記載された手法の少なくともいくつかを用いて著しく低減された。これは、特にテープ上のトラック密度をさらに低減したいという要望を考慮すると、重要な利点である。さらに、本明細書に記載の少なくともいくつかの態様は、装置に適用されるストレインリリーフ材料の全体的な減少にもかかわらず、驚くべきことに、約20%の降伏損失を約0%まで減少させるという結果をもたらした。上述のように、これは予想外であった。従って、本明細書に記載された様々な態様は、従来の常識に反して進行した。
【0071】
図10A図10Bは、一実施形態による装置1000を示す。選択肢として、本装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された他の実施形態からの特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかしながら、当然のことながら、本明細書に提示されたそのような装置1000などは、本明細書に列挙された例示的な実施形態において具体的に説明されてもされなくてもよい様々な用途もしくは順列またはその両方において使用されてもよい。さらに、本明細書に提示される装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0072】
図示のように、装置1000は、ビーム1002と、ビーム1002に結合されたチップ1004とを含む。装置1000は、図10Aに示すように、ケーブル1006の対向する端部に位置する第1の材料1008によってビーム1002に結合されたケーブル1006を含む。装置1000は、ケーブル1006のパッドからチップ1004のパッドまで延びるワイヤボンド1010を含んでいる。
【0073】
好ましい態様では、第1の材料1008は、ケーブル1006の対向する端部に、少なくとも2つの「ドット」形成(例えば、ケーブル1006の各端部に1つのドットを有する)で配置される。例えば、第1の材料1008は、2つの側方部分(例えば、2つのドット)として適用され得る。いくつかの手法では、ワイヤボンドに保護を提供するために、第1の材料1008は、ワイヤボンド1010の高さよりも高い上方向1012に延びる。好ましくは、第1の材料はワイヤボンド1010に接触しない。
【0074】
少なくともいくつかの手法では、第1の材料1008はストレインリリーフ材料を含む。好ましい態様では、第1の材料1008はUV硬化エポキシである。ビーム1002、チップ1004、およびケーブル1006は、当技術分野で知られている、もしくは上記で詳細に説明した、またはその両方である材料の任意の組み合わせから構成することができる。さらに、ビーム1002、チップ1004、およびケーブル1006は、従来の設計であってもよい。
【0075】
様々な好ましい態様において、チップ1004は、本明細書に記載され当技術分野で知られている態様の少なくともいくつかに従って、磁気記録テープ上のデータを変換するための磁気変換器のアレイを含む。
【0076】
様々な態様において、装置1000は、本開示を読めば当業者に明らかになるであろう方法で、チップ1004上に磁気媒体(例えば、テープ)を通過させるための駆動機構(図示せず)と、ケーブル1006に電子的に結合されたコントローラ(図示せず)とをさらに含むことができる。
【0077】
図11A図11Cを参照すると、別の実施形態に従った装置1100が描かれている。オプションとして、本装置1100は、図10A図10Bなどの他の図を参照して説明したものなど、本明細書に列挙した他の実施形態の特徴と組み合わせて実施することができる。具体的には、図11A図11Cは、装置1100のいくつかの例示的な構成を描いた図10A図10Bの実施形態の変形例を示している。したがって、図11A図11Cの様々な構成要素は、図10A図10Bの構成要素と共通の符号を有する。
【0078】
本明細書に提示されたこのような装置1100等は、本明細書に列挙された例示的な実施形態に具体的に記載される場合もあれば記載されない場合もある、様々な用途もしくは順列またはその両方で使用され得ることに留意されたい。さらに、本明細書に提示された装置1100は、任意の所望の環境で使用することができる。したがって、図11A図11C(および他の図)は、任意の可能な順列を含むと見なされてもよい。
【0079】
装置1100は、第2の材料1102を含む。第2の材料1102は、好ましくは、ケーブル1006に隣接するワイヤボンド1010の端部を封止する。第2の材料1102はチップ1004に接触しない。
【0080】
様々な態様において、第1の材料1008と第2の材料1102は同じ組成を有する。他の態様では、第1の材料1008と第2の材料1102は同じ材料からなる。例えば、様々な態様において、第2の材料1102は第1の材料1008と同じ種類のUV硬化エポキシである。他の手法では、第1の材料1008と第2の材料1102は異なる組成を有する。例えば、第1の材料1008はUV硬化エポキシを含んでよく、第2の材料1102はアクリレートを含むか、またはその逆であってもよい。
【0081】
少なくともいくつかの態様において、第2の材料1102は、ケーブル1006に垂直な方向1012において、ワイヤボンド1010が同じ方向においてケーブル1006の上方に延びる距離よりも大きい距離だけ、ケーブル1006の上方に延びる。第2の材料1102は、好ましくは、本開示を読めば当業者に明らかになるように、ワイヤボンド1010を機械的損傷から保護するために、ワイヤボンド1010(例えば、ワイヤボンドループ)の上方に突出する。例えば、第2の材料1102の位置は、好ましくは、様々な構成要素がワイヤボンド1010に触れることを防止し、第2の材料1102は、本明細書に記載されているように、装置1100の動作中の機械的な動きに対する障壁として機能する。
【0082】
様々な態様において、装置1100は、チップ1004上に磁気媒体を通過させるための駆動機構(図示せず)と、ケーブル1006に電子的に結合されたコントローラ(図示せず)とをさらに含むことができる。
【0083】
図12A図12Cを参照すると、別の実施形態に従った装置1200が描かれている。オプションとして、本装置1200は、図10A図10Bおよび図11A図11Cなどの他の図を参照して説明したものなど、本明細書に列挙した他の実施形態からの特徴と組み合わせて実施することができる。具体的には、図12A図12Cは、装置1200内のいくつかの例示的な構成を描いた図10A図10Bの実施形態の変形例を示す。したがって、図12A図12Cの様々な構成要素は、図10A図10Bおよび図11A図11Cの構成要素と共通の符号を有する。
【0084】
本明細書に提示されたこのような装置1200等は、本明細書に列挙された例示的な実施形態に具体的に記載されていてもいなくてもよい様々な用途もしくは順列またはその両方で使用され得ることに留意されたい。さらに、本明細書に提示する装置1200は、任意の所望の環境で使用することができる。したがって、図12A図12C(および他の図)は、任意の可能な置換を含むと見なされてもよい。
【0085】
装置1200は、第3の材料1202からなる。第3の材料1202は、ケーブル1006をビーム1002に結合するために、装置1200の裏面に適用することができる。第3の材料1202は、装置1200にケーブル支持と剛性を提供するのに有益である。様々な手法において、第3の材料1202は、装置1200の裏面の一部分に適用されてもよい(図12B図12Cに示されるように、いくつかの態様において)。他の手法では、第3の材料1202は、少なくとも2つの別個のセクションに適用されてもよい(例えば、第3の材料1202が存在する)。例えば、第3の材料1202の少なくとも2つの別個のセクションは、ドット、ストリップ、長方形、三角形、正方形、楕円形など、またはそれらの任意の組み合わせとして、ケーブル1006の背後に適用されてもよい。
【0086】
様々な態様において、第3の材料1202は、本明細書の他の箇所に記載されているようなストレインリリーフ材料を含む。好ましい態様において、第3の材料1202はUV硬化エポキシである。したがって、いくつかの手法において、第1の材料1008、第2の材料1102(図12A図12Cには図示せず)、および第3の材料1202はすべてUV硬化型エポキシからなることができる。第1の材料1008、第2の材料1102(図12A図12Cには図示せず)、および第3の材料1202は、同じ種類のUV硬化型エポキシ、または当技術分野で公知のタイプのUV硬化型エポキシの任意の組み合わせから構成されてもよい。様々な他の手法において、第1の材料1008、第2の材料1102(図12A図12Cには図示せず)、および第3の材料1202は、それぞれ個々に、本明細書に記載されるストレインリリーフ材料の任意の組み合わせであってよい。
【0087】
少なくとも1つの例示的な態様において、第3の材料1202は、装置1200の裏面を描いた図12Bに示されるように、ケーブル1006をビーム1002に結合するために、ケーブルの対向する端部の間でビーム1002およびケーブル1006に沿って延びる。具体的には、第3の材料1202は、好ましくは、装置1200の裏側を描いた図12Cに示されるように、ケーブル1006をビーム1002にも結合するために、ケーブル1006の対向する端部間の距離の少なくとも一部にわたって、ビーム1002およびケーブル1006に沿って延びる。
【0088】
ある例示的な態様では、第3の材料1202は、その対向する端部間で測定したケーブル1006の幅Wの少なくとも半分(例えば、1/2、50%)に沿って延びる。別の例示的な態様では、第3の材料は、ケーブル1006の幅の少なくとも80%に沿って延びる。少なくとも1つの他の例示的な態様において、第3の材料1202は、その対向する端部間で測定されるケーブル1006の幅の1/4(例えば、1/4、25%)以下に沿って延びる。例えば、第3の材料1202は、例えば、図12Cに示すように、装置1200の裏面の中央に適用することができる。
【0089】
様々な態様において、装置1200は、チップ1004上に磁気媒体を通過させるための駆動機構(図示せず)と、ケーブル1006に電子的に結合されたコントローラ(図示せず)とをさらに含むことができる。
【0090】
少なくとも1つの態様において、第1の材料1008は、図10Bに示されるように、少なくとも2つのセクションに適用されてよく、第3の材料1202は、例えば、図12A図12Cを参照して本明細書に記載される任意の方法で装置の裏面に適用されてよいが、この例示的な態様において、第2の材料1102は適用されない。この例示的な態様では、ワイヤボンド1010は露出していてもよい。本発明者らは、第2の材料が存在しないにもかかわらず、ワイヤボンドが、装置の操作に関与する機械的過程によって引っ張られることがなく、有益であることを発見して驚いた。第1の材料1008と第3の材料1202は、従来の常識に反して、ストレインリリーフ材料の総量を減らしながらも、機械的損傷を防止するのに十分な支持力と剛性を驚くほど提供する。
【0091】
本明細書に記載される材料のいずれか(例えば、第1の材料1008、第2の材料1102、第3の材料1202など)は、本開示を読めば当業者に明らかになるであろう任意の方法で適用することができる。様々な例示的な手法において、1つ以上の材料は、注射器を用いて手動で、自動化された方法などで、当技術分野で公知の方法で、またはそれらの任意の組み合わせで適用され得る。好ましい態様において、材料は、本開示を読めば当業者であれば判断できるように、材料の寸法もしくは体積またはその両方を制御して、材料が装置の切り欠き、チップ上、もしくは他の不要な領域またはその組み合わせに溢れないようにする方法で塗布される。さらに、好ましい態様において、各材料は、各形成の「ピーク」が少なくとも装置のワイヤボンドよりも高くなるように適用され得る。
【0092】
前述のシステムもしくは方法論またはその両方の様々な特徴をどのように組み合わせてもよく、上に示した説明から複数の組み合わせを作り出すことができることは明らかであろう。
【0093】
本発明の実施形態は、オンデマンドでサービスを提供するために顧客に代わって展開されるサービスの形態で提供され得ることがさらに理解されよう。
【0094】
本発明の様々な実施形態の説明は、説明の目的で提示されたが、開示された実施形態を網羅的または限定することを意図するものではない。説明した実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実用化または技術的改良を最もよく説明するため、または当業者が本明細書で開示される実施形態を理解できるようにするために選択された。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
【国際調査報告】