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特表2024-533050コンテナ内に配置されたスイッチキャビネットの列と、冷気通路および暖気通路の間の隔壁と、を有する情報処理センター
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  • 特表-コンテナ内に配置されたスイッチキャビネットの列と、冷気通路および暖気通路の間の隔壁と、を有する情報処理センター 図1
  • 特表-コンテナ内に配置されたスイッチキャビネットの列と、冷気通路および暖気通路の間の隔壁と、を有する情報処理センター 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】コンテナ内に配置されたスイッチキャビネットの列と、冷気通路および暖気通路の間の隔壁と、を有する情報処理センター
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240905BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20240905BHJP
   F24F 1/022 20190101ALI20240905BHJP
   F25D 9/00 20060101ALI20240905BHJP
   F25D 16/00 20060101ALI20240905BHJP
   F25D 15/00 20060101ALI20240905BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G06F1/20 C
F24F5/00 Z
F24F5/00 K
F24F1/022
F25D9/00 A
F25D16/00
F25D15/00
G06F1/20 B
H05K7/20 U
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024509485
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 DE2022100755
(87)【国際公開番号】W WO2023061536
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021126550.9
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512086138
【氏名又は名称】リッタル ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Rittal GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Auf dem Stuetzelberg,35745 Herborn,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メシュカト,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シュトルム,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】シャハト,ヤン-エリック
【テーマコード(参考)】
3L044
3L045
3L049
3L054
5E322
【Fターム(参考)】
3L044BA06
3L044CA11
3L044DA01
3L044DD07
3L044EA03
3L044KA04
3L045AA01
3L045BA07
3L045CA02
3L045DA02
3L045FA01
3L045PA04
3L049BA00
3L054BA10
3L054BE04
3L054BE10
3L054BF02
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA05
5E322EA05
(57)【要約】
本発明は、スイッチキャビネットの列(3)を有し、当該スイッチキャビネットの列(3)は、コンテナ(2)内に配置され、隔壁(4)により暖気通路(6)から冷気通路(5)を仕切っている情報処理センター(1)に関しており、コンテナ(2)の外壁(9)を貫通する少なくとも1つの開口部(8)内に、少なくとも1つの冷却装置(7)が設置され、冷却装置(7)は、情報処理センター(1)の内部空気回路(10)により前記コンテナ(2)の内部に接続され、かつ、情報処理センター(1)の外部空気回路(11)によりコンテナ(2)の周囲に接続され、外部空気回路(11)は、内部空気回路(10)から流体的に遮断され、隔壁(4)が、内部空気回路(10)の暖気の吸気口(13)から内部空気回路(10)の冷気の吹出口(12)を流体的に切り離していることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチキャビネットの列(3)を有し、当該スイッチキャビネットの列(3)は、コンテナ(2)内に配置され、隔壁(4)により暖気通路(6)から冷気通路(5)を仕切っている、
情報処理センター(1)において、
前記コンテナ(2)の外壁(9)を貫通する少なくとも1つの開口部(8)内に、少なくとも1つの冷却装置(7)が設置され、
前記冷却装置(7)は、前記情報処理センター(1)の内部空気回路(10)により前記コンテナ(2)の内部に接続され、かつ、前記情報処理センター(1)の外部空気回路(11)により前記コンテナ(2)の周囲に接続され、
前記外部空気回路(11)は、前記内部空気回路(10)から流体的に遮断され、
前記隔壁(4)が、前記内部空気回路(10)の暖気の吸気口(13)から前記内部空気回路(10)の冷気の吹出口(12)を流体的に切り離している
ことを特徴とする情報処理センター(1)。
【請求項2】
前記冷却装置(7)が、前記コンテナ(2)の垂直な外壁(9)を貫通している開口部(8)内に設置されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項3】
前記冷気の吹出口(12)は、前記暖気の吸気口(13)の下方、好ましくは前記暖気の吸気口(13)の鉛直下方に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理センター(1)。
【請求項4】
前記コンテナ(2)の前記内部は前記コンテナ(2)の前記周囲から流体的に切り離され、前記コンテナ(2)の前記内部に入れられた空気と前記コンテナ(2)の前記周囲の空気とが混合することを回避できるようにしていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項5】
前記隔壁(4)は、少なくとも部分的に水平に導かれ、および/または水平に対して鋭角をなして導かれることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項6】
前記隔壁(4)は、少なくとも部分的に水平に導かれた部分、および/または水平に対して鋭角をなして導かれた部分において、光学的に透明であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項7】
前記光学的に透明な部分の上方に、鉛直下方に発光する光源が配置されることを特徴とする請求項6に記載の情報処理センター(1)。
【請求項8】
前記暖気通路(6)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の上方を、前記スイッチキャビネットの列(3)に亘って、かつ前記コンテナ(2)の前記内部の全幅に亘って延びていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項9】
前記暖気通路(6)が、前記コンテナ(2)の対向する垂直な前記外壁(9)同士の間に延び、前記外壁(9)同士の中の1つが前記少なくとも1つの開口部(8)を有する前記外壁(9)であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項10】
前記冷気の吹出口(12)は、水平に延びている前記隔壁(4)の部分の下方、または水平に対して鋭角をなして延びている前記隔壁(4)の部分の下方に配置されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項11】
前記冷気の吹出口(12)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の冷気の吸入口(15)に対向して配置され、
前記スイッチキャビネットの列(3)の前記暖気の吹出口(16)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の前記冷気の吸入口(15)に対向して配置された前記スイッチキャビネットの列(3)の側面に配置されることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項12】
前記暖気通路(6)において、少なくとも1つの導風路(19)を有する水平なエアガイド(18)が前記スイッチキャビネットの列(3)の上方、好ましくは前記スイッチキャビネットの列(3)と前記コンテナ(2)の天井(17)との間に配置され、
前記少なくとも1つの導風路(19)が、前記冷却装置(7)の前記内部空気回路(10)の前記暖気の吸気口(13)の方へ通じていることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項13】
前記冷却装置(7)がフリークーリングを有し、好ましくは前記フリークーリングがヒートパイプを有することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項14】
前記冷却装置(7)が、前記フリークーリングに加えて冷凍機を有し、
前記フリークーリングおよび前記冷凍機は、お互いに切り離された冷媒回路を有していることを特徴とする請求項13に記載の情報処理センター(1)。
【請求項15】
2つの前記冷媒回路は、前記フリークーリングを優先すること、かつ、前記スイッチキャビネットの列(3)の電力喪失および前記コンテナ(2)の前記周囲の温度に応じることにより、必要な冷却能力を提供するように制御されることを特徴とする請求項14に記載の情報処理センター(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ内に配置されたスイッチキャビネットの列を有する情報処理センターに基づいており、当該コンテナは、隔壁が冷気通路と暖気通路とを仕切っている。このような情報処理センターが、欧州特許第3 157 316号明細書に記載されている。また同様の情報処理センターが、国際公開第2014/174606号公報、米国特許出願公開第2013/0008197号明細書および米国特許出願公開第2015/0245541号明細書に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】欧州特許第3 157 316号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/174606号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0008197号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/0245541号明細書
【特許文献5】欧州特許第2 891 396号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コンテナに基づいているこれらの周知の情報処理センターには、提供される冷却能力の拡張性に限りがある、という欠点がある。特に、対応する冷却装置は、通常、このコンテナ内に恒久的に設置されるため、例えばコンテナにおけるITインフラの拡張の範囲内で冷却能力を増大させるために、例えばスイッチキャビネットの列の一列に並んだ冷却装置が、相応に適合した冷却能力を有する別の冷却装置と交換される必要がある。これらの冷却装置は、関連する冷却技術に関してさらに制限されており、あるいは、外部のフリークーリングの装置やチラーと、スイッチキャビネットの列や当該冷却装置の二重底に設置される蒸発器と、を流体的に接続するために相当の長さの配管を必要とする。
【0004】
したがって本発明の目的は、当該情報処理センターが関連する冷却技術に関して高い拡張性を有し、特に、この目的のために、例えば冷却能力を適合させるために冷却技術を交換することが、簡単な技術的手段で実施されるようにするように、冒頭で説明したタイプの情報処理センターをさらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、主請求項の特徴を備えている情報処理センターにより解決される。従属請求項はそれぞれ、本発明の有利な実施形態に関する。
【0006】
したがって、少なくとも1つの冷却装置がコンテナの外壁を貫通している少なくとも1つの開口部に設置され、当該冷却装置は、前記内部空気回路と接続して前記コンテナの内部に接続され、かつ、前記内部空気回路から流体的に切り離された外部空気回路と接続して前記コンテナの周囲に接続されている情報処理センターが示されている。さらに隔壁が、前記内部空気回路の暖気の吸気口から前記内部空気回路の冷気の吹出口を流体的に切り離している。
【0007】
その結果、本発明は、設計上の理由により、コンテナは殆どあらゆる方法で、後にでさえも、開口部が設けられ、当該開口部において任意の冷却能力の冷却装置を容易に交換可能に設置できる状況を利用している。この冷却装置は、従来技術で周知であるスイッチキャビネットの冷却装置と同様とすることができ、当該冷却装置は、スイッチキャビネットの筐体の平坦な部分の開口部内に対応して取付可能、または開口部に対応して取付可能であり、これらにより当該内部空気回路をスイッチキャビネットの内部に関連付けることができ、かつ、当該外部空気回路をスイッチキャビネットの筐体の周囲に関連付けることができるようにしている。設計に応じて、例えばフリークーリングや冷凍機、あるいはその両方の組み合わせなど、様々な冷却技術をこの冷却装置に組み入れることができる。本願発明に特に適した冷却装置が、例えば欧州特許第2 891 396号明細書に記載されている。
【0008】
冷却装置は、コンテナの垂直な外壁を貫通する開口部に設置可能であることが特に好ましい。冷気の吹出口が暖気の吸気口の下方に配置可能であり、この冷気の吹出口が暖気の吸気口の鉛直下方に配置されることが好ましい。冷気の吹出口および暖気の吸気口のこの配置は、スイッチキャビネットの冷却装置の通常の配置に対応しており、当該通常の配置では、スイッチキャビネットの筐体の下部領域において冷却された空気を吹き込み、スイッチキャビネットの筐体の上部領域における加熱および当該加熱に対応する対流の後で、当該空気を冷却装置内に戻すように吸い込むように設けられている。本発明の一実施形態において、暖気通路の吸気口および吹出口のこの配置が使用されており、下部領域での冷気通路におけるスイッチキャビネットの列に対応して冷却された空気を当て、この下部領域から仕切られた上部領域における暖気通路から加熱された空気を吸い出している。
【0009】
コンテナの内部はこのコンテナの周囲から流体的に切り離されることが可能であり、コンテナの内部に入れられた空気とコンテナの周囲の空気とが混合することを回避できるようにしている。したがって従来技術から周知であるコンテナの解決策とは対照的に、不純物が含まれる虞がある周囲の空気がコンテナ内に運ばれないため、スイッチキャビネットの内部に入ってくる空気のフィルタリングを行なう必要もない。
【0010】
隔壁は、少なくとも部分的に水平に導かれることができ、および/または水平に対して鋭角をなして導かれることができる。この隔壁は、少なくとも部分的に水平に導かれた部分、および/または水平に対して鋭角をなして導かれた部分において、光学的に透明であることができる。このことは、下方に発光する光源が光透過性の部分の上方に配置されるときに、特に好都合である。この光源は、コンテナ型の情報処理センターで従来技術から周知のように、特にコンテナの天井の下方に配置することができる。この点において、情報処理センターの本発明による隔壁は、コンテナ型の情報処理センターの通常の照明インフラに一切の影響を与えない
【0011】
暖気通路は、スイッチキャビネットの列の上方を、スイッチキャビネットの列に亘ってかつコンテナ内部の全幅に亘って延びることができる。特に隔壁は、いかなる点においてもコンテナの天井に隣接しないように設けられることが可能である。むしろ隔壁が、スイッチキャビネットの列の上側と、コンテナの外壁、好ましくはコンテナの垂直な側壁との間に導かれることができ、当該コンテナにおいて、少なくとも1つの開口部が形成され、当該開口部において少なくとも1つの冷却装置が設置され、外壁への移行部における隔壁は、本発明による方法において、冷気通路に面している冷気の吹出口から暖気通路に面している暖気の吸気口を流体的に切り離している。
【0012】
それに応じて暖気通路が、コンテナの対向する垂直な外壁同士の間に延びることができ、当該外壁の中の1つが少なくとも1つの開口部を有する外壁である。特に暖気通路は、コンテナの対向する垂直な外壁同士の間に少なくとも部分的に連続して延びることができる。
【0013】
冷気の吹出口は、水平に延びている隔壁の部分の下方、または水平に対して鋭角をなして延びている隔壁の部分の下方に配置可能である。
【0014】
冷気の吹出口は、スイッチキャビネットの列の冷気の吸入口に対向して配置可能である。この場合、スイッチキャビネットの列の暖気の吹出口は、スイッチキャビネットの列の冷気の吸入口に対向して配置されたスイッチキャビネットの列の側面に配置されるのが好ましい。
【0015】
暖気通路において、少なくとも1つの導風路を有する水平なエアガイドがスイッチキャビネットの列の上方、好ましくはスイッチキャビネットの列とコンテナの天井との間に配置可能であり、当該少なくとも1つの導風路が、冷却装置の内部空気回路の暖気の吸気口の方へ通じていることが好ましい。
【0016】
冷却装置が屋外での冷却システムを有することができ、当該屋外での冷却システムはヒートパイプを有すること、またはヒートパイプであることが好ましい。さらに冷却装置が冷凍機を有することができ、これらの屋外での冷却システムや冷凍機は、お互いに切り離された冷媒回路を有している。特に、お互いに切り離されたこれら2つの冷媒回路は、例えばスイッチキャビネット内部の実際の温度とコンテナの周囲の温度との間の温度差に応じてお互いに独立して作動させることができ、および/または提供されるべき冷却能力に応じてお互いに独立して作動させることができる。
【0017】
これら2つの冷媒回路は、屋外での冷却システムの優先順位が付けられた状態で、スイッチキャビネットの列の電力喪失およびコンテナの周囲の温度に応じて制御可能であり、必要な冷却能力を提供している。
【0018】
上述したタイプの情報処理センターを用いて、屋外で使用するための一体型のコンテナの解決策を提供することができ、当該一体型のコンテナにおいて、所望のスイッチキャビネットの冷却装置が非常に良好に利用できるため、情報処理センターの運用に非常に高いエネルギー効率および費用効率を提供できる。拡張性が高いため、IT負荷(IT-Last)が10~70kWの地域を最適にカバーすることができる。特に従来から周知の情報処理センターと比較すると、複雑な配管を有して冷却要求の変化に限定的にしか対応できない分割された装置にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明のさらなる詳細は、以下の図を使用して説明される:
図1】本発明による情報処理センターの外観を示す斜視図である。
図2図1による情報処理センターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および図2は、本発明による情報処理センター1の例示的な実施形態を示しており、当該情報処理センター1はコンテナ2に基づいている。この場合、2つの冷却装置7が垂直な外壁9に設置されており、当該設置のために、外壁9は2つの開口部8を有しており、当該開口部8のそれぞれを通って、冷却装置7が延びており、冷却装置7は、これらの内部空気回路10を用いてコンテナ2の内部に流体的に接続される一方で、これらの外部空気回路11はコンテナ2の周囲に開かれている。
【0021】
冷却装置7は、例えば欧州特許第2 891 396号明細書に記載されているように、内部空気回路10から流体的に切り離された外部空気回路11を有し、冷凍機およびヒートパイプからなるハイブリッド冷却技術に基づいている冷却装置とすることができ、当該冷却装置は、お互いに切り離されてお互いに独立して制御可能な冷媒回路を有しており、例えば、スイッチキャビネットの列3に収容されるITインフラの現在の電力損失を補償するために、状況に応じて、また例えば、エネルギー効率の結果により、必要な冷却能力を補っている。
【0022】
さらに図1では、冷却装置7の数は、必要に応じて外壁9に導入される追加の開口部8により、基本的には要望通りに拡張することができる、ということを示している。冷却装置7は市販のスイッチキャビネットの冷却装置であることができるため、これらの冷却装置7は必要に応じて個別に交換可能であり、冷却装置7の冷却技術、冷却能力および冷却効率の高度に柔軟な適合性を達成できるようにしている。
【0023】
図2では、スイッチキャビネットの列3が、それ自体は周知の方法でコンテナ2の内部に収容され、当該スイッチキャビネットの列3は、暖気通路6から冷気通路5を切り離しており、従来技術から周知である解決策とは対照的に、隔壁4が、スイッチキャビネットの列3の上側とコンテナ2の天井17との間ではなく、スイッチキャビネットの列3の上側から始まって、2つの冷却装置7が設置されたコンテナ2の外壁9へと正確に導かれている、ということを示している。
【0024】
隔壁4は、この場合、内部空気回路10の冷気の吹出口12が内部空気回路10の暖気の吸気口13から流体的に切り離されるように、正確に外壁9に接している。この目的のために、本発明による隔壁4もまた、原理上は従来技術から周知の方法で、スイッチキャビネットの列3の(図2の描画平面に対して垂直な)全長に亘って延びるように、特に設けることができる。冷却装置7の冷気の吹出口12により内部空気回路10から噴出する冷気は、スイッチキャビネットの列3の冷気の吸気口15の前面に直接吹き付けられる。冷気通路5で発生する過度の圧力のため、この冷気は、スイッチキャビネットの列3を通って押し出され、その過程で加熱されて、熱風として暖気通路6内に吹き出される。従来技術から周知の情報処理センターとは対照的に、この温かい空気は、コンテナ2の全幅を横切って、換言すると冷気通路5も横切って、冷却装置7を有している外壁9に直ちに到達することができ、そこから内部空気回路10の暖気の吸気口13を通って冷却装置7に吸い込まれている。この温かい空気が冷却装置7で冷却された後、上述された方法で、冷却された空気として冷気通路5に再度噴出可能であり、スイッチキャビネットの列3に再度圧力を加えることができる。
【0025】
隔壁4は、少なくとも部分的に水平に導かれ、あるいは天井17に対して、または水平に対して、鋭角をなして導かれている。隔壁4は、少なくとも部分的に水平な部分において、および/または、天井17に対して、または水平に対して、鋭角をなして導かれた部分において、光学的に透明に形成可能であり、透光性とすることができるようにしている。これにより、隔壁4自体が光源を有する必要はなく、情報処理センター用コンテナにおいて天井17に設けられている標準的な光源14を使用可能にすることができるようになり、この点で、本発明による隔壁4を使用するために、照明技術を適合させることを必要としない。
【0026】
スイッチキャビネットの列3の上方のエアガイドを最適化するために、導風路19を有する水平なエアガイド18が、スイッチキャビネットの列3とコンテナ2の天井17との間に設けられている。この導風路19が冷却装置7の内部空気回路10の暖気の吸気口13の方へ通じているように設けられることができ、スイッチキャビネットの列3の暖気の吹出口16を有しているスイッチキャビネットの列3の側面から、スイッチキャビネットの列3の上を通って、冷気通路5を区切っているコンテナ2の外壁9における冷却装置7の暖気の吸気口13に空気を導くエアガイド18を最適化している。
【0027】
上記の説明、図面、および特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個別に、および任意の組み合わせにおいて、の両方で、本発明を実施するために不可欠であることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 情報処理センター
2 コンテナ
3 スイッチキャビネットの列
4 隔壁
5 冷気通路
6 暖気通路
7 冷却装置
8 開口部
9 外壁
10 内部空気回路
11 外部空気回路
12 冷気の吹出口
13 暖気の吸気口
14 光源
15 冷気の吸気口
16 暖気の吹出口
17 天井
18 エアガイド
19 導風路
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチキャビネットの列(3)を有し、当該スイッチキャビネットの列(3)は、コンテナ(2)内に配置され、隔壁(4)により暖気通路(6)から冷気通路(5)を仕切っている、
情報処理センター(1)において、
前記コンテナ(2)の垂直な外壁(9)を貫通する少なくとも1つの開口部(8)内に、少なくとも1つの冷却装置(7)が設置され、
前記冷却装置(7)は、前記情報処理センター(1)の内部空気回路(10)により前記コンテナ(2)の内部に接続され、かつ、前記情報処理センター(1)の外部空気回路(11)により前記コンテナ(2)の周囲に接続され、
前記外部空気回路(11)は、前記内部空気回路(10)から流体的に遮断され、
前記隔壁(4)が、前記内部空気回路(10)の暖気の吸気口(13)から前記内部空気回路(10)の冷気の吹出口(12)を流体的に切り離している、
ことを特徴とする情報処理センター(1)。
【請求項2】
前記冷気の吹出口(12)は、前記暖気の吸気口(13)の下方、好ましくは前記暖気の吸気口(13)の鉛直下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項3】
前記コンテナ(2)の前記内部は前記コンテナ(2)の前記周囲から流体的に切り離され、前記コンテナ(2)の前記内部に入れられた空気と前記コンテナ(2)の前記周囲の空気とが混合することを回避できるようにしていることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理センター(1)。
【請求項4】
前記隔壁(4)は、少なくとも部分的に水平に導かれ、および/または水平に対して鋭角をなして導かれることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項5】
前記隔壁(4)は、少なくとも部分的に水平に導かれた部分、および/または水平に対して鋭角をなして導かれた部分において、光学的に透明であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項6】
前記光学的に透明な部分の上方に、鉛直下方に発光する光源が配置されることを特徴とする請求項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項7】
前記暖気通路(6)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の上方を、前記スイッチキャビネットの列(3)に亘って、かつ前記コンテナ(2)の前記内部の全幅に亘って延びていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項8】
前記暖気通路(6)が、前記コンテナ(2)の対向する垂直な前記外壁(9)同士の間に延び、前記外壁(9)同士の中の1つが前記少なくとも1つの開口部(8)を有する前記外壁(9)であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項9】
前記冷気の吹出口(12)は、水平に延びている前記隔壁(4)の部分の下方、または水平に対して鋭角をなして延びている前記隔壁(4)の部分の下方に配置されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項10】
前記冷気の吹出口(12)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の冷気の吸入口(15)に対向して配置され、
前記スイッチキャビネットの列(3)の前記暖気の吹出口(16)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の前記冷気の吸入口(15)に対向して配置された前記スイッチキャビネットの列(3)の側面に配置されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項11】
前記暖気通路(6)において、少なくとも1つの導風路(19)を有する水平なエアガイド(18)が前記スイッチキャビネットの列(3)の上方、好ましくは前記スイッチキャビネットの列(3)と前記コンテナ(2)の天井(17)との間に配置され、
前記少なくとも1つの導風路(19)が、前記冷却装置(7)の前記内部空気回路(10)の前記暖気の吸気口(13)の方へ通じていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項12】
前記冷却装置(7)がフリークーリングを有し、好ましくは前記フリークーリングがヒートパイプを有することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項13】
前記冷却装置(7)が、前記フリークーリングに加えて冷凍機を有し、
前記フリークーリングおよび前記冷凍機は、お互いに切り離された冷媒回路を有していることを特徴とする請求項12に記載の情報処理センター(1)。
【請求項14】
2つの前記冷媒回路は、前記フリークーリングを優先すること、かつ、前記スイッチキャビネットの列(3)の電力喪失および前記コンテナ(2)の前記周囲の温度に応じることにより、必要な冷却能力を提供するように制御されることを特徴とする請求項13に記載の情報処理センター(1)。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチキャビネットの列(3)を有し、当該スイッチキャビネットの列(3)は、コンテナ(2)内に配置され、隔壁(4)により暖気通路(6)から冷気通路(5)を仕切っている、
情報処理センター(1)において、
前記コンテナ(2)の垂直な外壁(9)を貫通する少なくとも1つの開口部(8)内に、少なくとも1つの冷却装置(7)が設置され、
前記冷却装置(7)は、前記情報処理センター(1)の内部空気回路(10)により前記コンテナ(2)の内部に接続され、かつ、前記情報処理センター(1)の外部空気回路(11)により前記コンテナ(2)の周囲に接続され、
前記外部空気回路(11)は、前記内部空気回路(10)から流体的に遮断され、
前記隔壁(4)が、前記内部空気回路(10)の暖気の吸気口(13)から前記内部空気回路(10)の冷気の吹出口(12)を流体的に切り離している、
ことを特徴とする情報処理センター(1)。
【請求項2】
前記冷気の吹出口(12)は、前記暖気の吸気口(13)の下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項3】
前記コンテナ(2)の前記内部は前記コンテナ(2)の前記周囲から流体的に切り離され、前記コンテナ(2)の前記内部に入れられた空気と前記コンテナ(2)の前記周囲の空気とが混合することを回避できるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項4】
前記隔壁(4)は、少なくとも部分的に水平に導かれ、および/または水平に対して鋭角をなして導かれることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項5】
前記隔壁(4)は、前記少なくとも部分的に水平に導かれた部分、および/または前記水平に対して鋭角をなして導かれた部分において、光学的に透明であることを特徴とする請求項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項6】
前記光学的に透明な部分の上方に、鉛直下方に発光する光源が配置されることを特徴とする請求項5に記載の情報処理センター(1)。
【請求項7】
前記暖気通路(6)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の上方を、前記スイッチキャビネットの列(3)に亘って、かつ前記コンテナ(2)の前記内部の全幅に亘って延びていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項8】
前記暖気通路(6)が、前記コンテナ(2)の対向する垂直な前記外壁(9)同士の間に延び、前記外壁(9)同士の中の1つが前記少なくとも1つの開口部(8)を有する前記外壁(9)であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項9】
前記冷気の吹出口(12)は、前記水平に延びている前記隔壁(4)の部分の下方、または前記水平に対して鋭角をなして延びている前記隔壁(4)の部分の下方に配置されていることを特徴とする請求項に記載の情報処理センター(1)。
【請求項10】
前記冷気の吹出口(12)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の冷気の吸入口(15)に対向して配置され、
前記スイッチキャビネットの列(3)の暖気の吹出口(16)は、前記スイッチキャビネットの列(3)の前記冷気の吸入口(15)に対向して配置された前記スイッチキャビネットの列(3)の側面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項11】
前記暖気通路(6)において、少なくとも1つの導風路(19)を有する水平なエアガイド(18)が前記スイッチキャビネットの列(3)の上方に配置され、
前記少なくとも1つの導風路(19)が、前記冷却装置(7)の前記内部空気回路(10)の前記暖気の吸気口(13)の方へ通じていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項12】
前記冷却装置(7)がフリークーリングを有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理センター(1)。
【請求項13】
前記冷却装置(7)が、前記フリークーリングに加えて冷凍機を有し、
前記フリークーリングおよび前記冷凍機は、お互いに切り離された冷媒回路を有していることを特徴とする請求項12に記載の情報処理センター(1)。
【請求項14】
2つの前記冷媒回路は、前記フリークーリングを優先すること、かつ、前記スイッチキャビネットの列(3)の電力喪失および前記コンテナ(2)の前記周囲の温度に応じることにより、必要な冷却能力を提供するように制御されることを特徴とする請求項13に記載の情報処理センター(1)。
【国際調査報告】