(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】車両シートコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20240905BHJP
B60N 2/90 20180101ALN20240905BHJP
【FI】
B60R16/02 621C
B60N2/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510694
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 US2022075323
(87)【国際公開番号】W WO2023028475
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516220468
【氏名又は名称】シーティーエス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CTS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】4925 Indiana Ave. Lisle, Illinois 60532 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】モーア,ダグラス,シー.
(72)【発明者】
【氏名】ブニン,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ファン,シャオフェン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE09
(57)【要約】
車両のシートに結合され、第一誘導コイルを含む第一コネクタを備える車両シートコネクタアセンブリ。第二コネクタは車両に結合され、第二誘導コイルを含む。第一及び第二コネクタは、第一及び第二コネクタが互いに結合され、第一及び第二誘導コイルが互いに対向して配置されて閉じた誘導コイル回路を画定する第一関係と、第一及び第二コネクタと、第一及び第二誘導コイルが互いから分離されて開いた誘導コイル回路を画定する第二関係とに、互いに対して位置づけられる。第三誘導コイルが車両シートベルトバックル上に配置され、コイルケーブルが第一コネクタの第一誘導コイルと第三誘導コイルとの間に延在する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシートに結合され、第一誘導コイルを含む第一コネクタと、
前記車両に結合され、第二誘導コイルを含む第二コネクタと、を備える車両シートコネクタアセンブリであって、
前記第一及び第二コネクタは、前記第一及び第二コネクタが互いに結合され、且つ前記第一及び第二誘導コイルが互いに対向して配置されて閉じた誘導コイル回路を画定する第一関係と、前記第一及び第二コネクタと前記第一及び第二誘導コイルが互いから分離されて開いた誘導コイル回路を画定する第二関係とにおいて互いに対し位置づけられる、車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項2】
車両シートベルトバックル上の第三誘導コイルと、
前記第一コネクタの前記第一誘導コイルと前記第三誘導コイルとの間に延在するケーブルとをさらに備える、請求項1に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記車両シートベルトバックル上のシールドをさらに備え、前記第三誘導コイル及び前記シールドは、前記シールドが前記第三誘導コイルを覆うか、又は前記第三誘導コイルから後退する関係へと互いに対して移動可能である、請求項2に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項4】
車両シート/ベルトバックルモニタモジュールと、前記車両シート/ベルトバックルモニタモジュールと前記第二コネクタの前記第二誘導コイルとの間に延在する別のケーブルとをさらに備える、請求項2に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記第一及び第二コネクタの各々は、足部と、コイルばねと、プッシャと、前記第一及び第二誘導コイルそれぞれのための内部を画定するハウジングを含む、請求項1に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記それぞれの第一及び第二誘導コイルは前記それぞれのプッシャに対して着座され、前記コイルばねは前記第一誘導コイルに対して圧縮力を及ぼし、前記足部は前記ハウジングに固定され、前記足部を通ってケーブルが延在する、請求項5に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記足部は、前記足部を前記ハウジングに固定するための複数のクリップを含む、請求項5に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記第一及び第二誘導コイルの各々は、それぞれの第一及び第二コイル基部に巻かれたそれぞれの端部を含む、請求項1に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記第一及び第二誘導コイルは、プリント回路コイルである、請求項1に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記第三誘導コイルは、プリント回路基板上に配置されたプリント回路コイルである、請求項2に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記第三誘導コイルは前記車両シートベルトバックル内で静止しており、前記シールドは、前記車両シートベルトバックルが係合されたときに前記第三誘導コイルを取り囲む、請求項3に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記第一コネクタが結合される前記車両の前記シートは、前記車両の取り外し可能なシートであり、前記車両シートベルトバックルはバッテリがない、請求項2に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項13】
車両のシートに結合され、第一誘導コイルを含む第一コネクタと、
車両に結合され、第二誘導コイルを含む第二コネクタであって、前記第一及び第二コネクタは、前記第一及び第二コネクタが互いに結合され、且つ前記第一及び第二誘導コイルが互いに対向して配置されて閉じた誘導コイル回路を画定する第一関係において、互いに対し位置づけられる、該第二コネクタと、
車両シートベルトバックル上に配置された第三誘導コイルと、
前記第一コネクタの前記第一誘導コイルと前記第三誘導コイルとの間に延在するケーブルと、を備える車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記車両シートベルトバックル上に配置されたシールドをさらに備え、前記第三誘導コイル及び前記シールドは、前記シールドが前記第三誘導コイルを覆うか、又は前記第三誘導コイルから後退する関係へと互いに対して移動可能である、請求項13に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項15】
車両シート/ベルトバックルモニタモジュールと、前記車両シート/ベルトバックルモニタモジュールと前記第二コネクタの前記第二誘導コイルとの間に延在する別のケーブルとをさらに備える、請求項14に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記第一及び第二コネクタの各々は、足部と、コイルばねと、プッシャと、前記第一及び第二誘導コイルそれぞれのための内部を画定するハウジングを含む、請求項15に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記それぞれの第一及び第二誘導コイルは前記それぞれのプッシャに対して着座され、前記コイルばねは前記第一誘導コイルに対して圧縮力を及ぼし、前記足部は前記ハウジングに固定され、前記ケーブルは前記足部を通って延在する、請求項16に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項18】
前記第一及び第二誘導コイルは、プリント回路コイルである、請求項13に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項19】
前記第三誘導コイルはプリント回路コイルであり、取り外し可能な車両シートが取り外されたとき前記第一及び第二誘導コイルが互いから分離されて開いた誘導コイル回路を画定するときに、前記第一及び第二コネクタの第二関係が生じる、請求項18に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【請求項20】
前記第三誘導コイルは前記車両シートベルトバックル内で静止しており、前記シールドは前記車両シートベルトバックルが係合されたときに前記第三誘導コイルを受容する中央開放スリーブを含み、前記第一コネクタが結合される前記車両の前記シートは、前記車両の取り外し可能なシートである、請求項13に記載の車両シートコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は2021年8月24日に出願された米国仮出願第63/236,506号の優先権を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は車両シートコネクタアセンブリ(又は、組立体/assembly)に関し、より詳細には、車両シート及び車両シートベルトバックルのための誘導/受動コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
現在利用可能な車両シート及び関連するシートベルトバックルは車両シートの取り外し、及びシートベルトバックルのラッチ及びラッチ解除を監視及び検出するための有線センサーアセンブリを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は無線誘導/受動センサーを使用して、車両シートの取り外し、及びシートベルトバックルのラッチ及びラッチ解除を監視及び検出し得る、車両シート及び車両シートベルトバックルコネクタアセンブリを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は概して、車両のシートに結合され、第一誘導コイルを含む第一コネクタと、車両に結合され、第二誘導コイルを含む第二コネクタとを備える車両シートコネクタアセンブリであって、第一及び第二コネクタは、第一及び第二コネクタが互いに結合され、且つ第一及び第二誘導コイルが互いに対向して配置されて閉じた誘導コイル回路を画定する第一関係と、第一及び第二コネクタと第一及び第二誘導コイルが互いから分離されて開いた誘導コイル回路を画定する第二関係とにおいて互いに対して位置づけられる、車両シートコネクタアセンブリを対象とする。
【0006】
一実施形態では、車両シートコネクタアセンブリが、車両シートベルトバックル上の第三誘導コイルと、第一コネクタの第一誘導コイルと第三誘導コイルとの間に延在するケーブルとをさらに備える。
【0007】
一実施形態では、車両シートコネクタアセンブリが、車両シートベルトバックル上のシールドをさらに備え、第三誘導コイル及びシールドはシールドが第三誘導コイルを覆うか、又は第三誘導コイルから後退する関係へと互いに対して移動可能である。
【0008】
一実施形態では、車両シートコネクタアセンブリが、車両シート/ベルトバックルモニタモジュールと、車両シート/ベルトバックルモニタモジュールと第二コネクタの第二誘導コイルとの間に延在する別のケーブルとをさらに備える。
【0009】
一実施形態では、第一及び第二コネクタの各々は、足部、コイルばね、プッシャ、及び第一及び第二誘導コイルそれぞれのための内部を画定するハウジングを含む。
【0010】
一実施形態では、それぞれの第一及び第二誘導コイルがプッシャに対して着座され、コイルばねは第一誘導コイルに対して圧縮力を加え(又は、及ぼし/exert)、足部はハウジングに固定され、足部を通ってケーブルが延在する。
【0011】
一実施形態では、足部は、足部をハウジングに固定するための複数のクリップを含む。
【0012】
一実施形態では、第一及び第二誘導コイルの各々がそれぞれの第一及び第二コイル基部に巻かれたそれぞれの端部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、以下のように、添付の図の説明によって最もよく理解し得る:
【
図1】
図1は、本発明による車両シートコネクタアセンブリの斜視図である;
【
図2】
図2は、
図1に示される車両シートコネクタアセンブリのコネクタの垂直断面図である;
【
図3】
図3は、コネクタの半体又は部分の1つの分解斜視図である;
【
図4】
図4は、コネクタの半体又は部分の1つの垂直断面図である;
【
図5】
図5は、コネクタの半体又は部分の各々の誘導コイルアセンブリの破断斜視図である;
【
図6】
図6は、コネクタの半体又は部分の各々の足部の斜視図である;
【
図7】
図7は、コネクタの半体又は部分の各々の外部ハウジングの斜視図である;
【
図8】
図8は、コネクタの半体又は部分の各々のプッシャの斜視図である;
【
図9】
図9は、コネクタアセンブリのPCB誘導コイル及びスクリーン/シールドの簡略化された斜視図であり、スクリーン/シールドがPCB誘導コイルから引っ込められた状態であり、
【
図10】
図10は、コネクタアセンブリのPCB誘導コイル及びスクリーン/シールドの簡略化された斜視図であり、スクリーン/シールドがPCB誘導コイルを覆っている状態である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、車両シートベルトバックル30に取り付けられたプリント回路基板(PCB)コイル及びスクリーン/シールドアセンブリ40と、誘導/受動コネクタ又は変圧器50と、車両シートベルトバックルモニタモジュール100とを備える車両シートベルトバックルコネクタアセンブリ20を含む誘導/受動車両シート及び車両シートコネクタアセンブリの斜視図である。
【0015】
第一コイルケーブル110は、車両シートベルトバックルモニタモジュール100の一端と車両電子制御ユニット(ECU)(図示せず)の一端との間に延在する。第二コイルケーブル112は、車両シートベルトバックルモニタモジュール100の対向する端部と誘導/受動コネクタ50の第一端部との間に延在する。第三コイルケーブル114は、誘導/受動コネクタ50の対向する端部と、車両シートベルトバックル30上のPCB/プリント回路コイル及びスクリーン/シールドアセンブリ40との間に延在する。
【0016】
誘導/受動コネクタ又は変圧器50は、第一コネクタ又は変圧器半体又は部分52と、第二コネクタ又は変圧器半体又は部分54とを含む。一実施形態では図示も詳細に説明もされていないが、第一コネクタ52は車両シートに固定又は取り付けられ、第二コネクタ54は車両のフロアに固定、設置、又は取り付けられることが理解される。
【0017】
図示も詳細に説明もされていないが、車両シートベルトバックル30は第一コネクタ52が固定又は取り付けられた状態で車両シートに固定又は取り付けられるようになっていることも理解されたい。車両シートは、1つの構成ではポータブル又は取り外し可能なシートである。
【0018】
図2は、結合されて閉じられた誘導コネクタ回路関係における、それぞれのコネクタ部分52及び54の要素間の相互関係を示す。
図3-8は、コネクタ部分54の要素を示す。しかしながら、
図2に示されるように、コネクタ部分52はコネクタ部分54の要素と構造及び機能が同一である要素を含み、したがって、コネクタ部分54の要素に関する以下の説明は、コネクタ部分52の要素に等しく適用されることが理解される。
【0019】
コネクタ部分54は、足部60と、細長いコイルばね62と、誘導コイル64と、誘導コイル64を着座させ、受容及び支持する磁極片/誘導コイル基部/座65と、プッシャ66とを含み、すべて概ね円筒形状で中空のハウジング68の内部に配置される。図示の実施形態では足部60、プッシャ66、及びハウジング68はナイロン製であり、コイルばね62は金属製である。
【0020】
足部60は中央の細長い支柱70と、遠位クリップ72aを含み、中央支柱70を取り囲み、中央支柱70と間隔を空けて平行に延びる複数の細長い可撓性クリップアーム72とを含む。
【0021】
磁極片又はコイル基部/座65は、ボウル77と、ボウル77の内部と開いて連通する中央中空カラー78とを含む。
図5に示されるように、それぞれのコイルワイヤ74及び76の遠位端はカラー78を通って延在し、巻かれて、円形及び当接する関係でボウル77の内面に着座し、コイル基部/座65に着座する巻かれた誘導コイル64を画定する。図示の実施形態では、磁極片又はコイル基部/座65は、磁性粉末が充填されたプラスチック材料で作られている。別の構成では、誘導コイル64が
図9に示すプリント回路コイル44などの誘導コイルの構成と同様の円形形状のプリント回路コイルである。
【0022】
プッシャ66は、半径方向の端壁66aによって一方の遠位端が閉鎖された細長い中空の管の形態である。1つの構成では、端壁は閉じられている。プッシャ66はその外側の長さに沿ってリブ66bを含み、プッシャの回転を防止する。
【0023】
ハウジング68は、中空ハウジング内部を画定する円周壁68aと、中空ハウジング内部と連通する対向する開口端とを含む。円周壁68aは、円周壁68aの円周の周りに間隔を空けて同一直線(co-linear)関係で延在する複数の貫通窓68bを含み、画定する。ハウジング68はさらに、周方向に延在し、離間した細長い脚部68cを複数含む。
【0024】
図3及び
図4に示される実施形態によれば、第一コネクタ部分52の要素は、以下のように組み立てられる。
【0025】
最初に、プッシャ66は、ハウジング68の下側開口端部を通って挿入され、ハウジング68の内部を通って、プッシャ66がハウジング68の内周面上に画定された円周レッジ68d上に着座する関係へと延在する。
【0026】
ケーブル112は、コイル64が磁極片/誘導コイル基部/座65のボウル77内に着座して巻かれた状態で(又は、磁極片/誘導コイル基部/座65のボウル77内に着座して巻かれたコイル64を備えて)、ハウジング68の下側開放端部を通って挿入され、それを通って、コイル64の巻線がプッシャ66の半径方向端壁66aの内面に当接する関係へと延在する。
【0027】
次いで、コイルばね62はハウジング68の下側開口端部を通って挿入され、ハウジング68の内部を通って、コイルばね62の下側遠位端部が磁極片/誘導コイル基部65のカラー78を取り囲み、磁極片/誘導コイル基部65のボウル77の外面に当接する関係へと延在する。
【0028】
その後、足部60は、ハウジング68の下側開口端部を通って挿入され、ハウジング68の内部を通って、支柱70がコイルばね62の開口端部を通って延在し、及び、足部60のそれぞれのクリップアーム72のそれぞれの遠位クリップ72aが、足部60をハウジング68に固定するためにハウジング68の周壁68aに画定されたそれぞれの窓68b内に延在する関係へと延在する。
【0029】
ハウジング68内への足部60の挿入及び固定はまた、コイルばね62の圧縮をもたらし、これは次に、コイルばね62の遠位端による、磁極片/誘導コイル基部/座65の基部又はボウル77に対し圧縮力を及ぼし、これは次に、ハウジング68の内部におけるコイル64の移動を防止するために、プッシャ66の閉鎖された半径方向端壁66aに対する磁極片/誘導コイル基部/座65の基部の圧縮をもたらす。
【0030】
本明細書には何ら詳細には示されていないか又は説明されていないが、第二コネクタ部分52の同一の要素は第一コネクタ部分54と同じ方法で組み立てられることが理解される。
【0031】
さらに、ここでは何ら詳細には図示又は説明していないが、第一コネクタ部分52は車両シートに設置され、第二コネクタ部分54は
図1及び
図2に示すような関係に車両フロアに設置され、第一コネクタ部分52は第二コネクタ部分54にそれぞれのプッシャ66のそれぞれの半径方向端壁66aが互いに当接した状態で結合され、より具体的にはそれぞれのコネクタ部分52及び54内のそれぞれのコイル64のそれぞれの巻線が直接対向して配置され、互いに離間されて、対応する回路インピーダンス値、位相値、及び振幅値、及び信号を有する閉じた誘導コネクタ回路を生成し、それはシート及びバックルモニタモジュール100によって感知され、車両内の車両シートの存在を示す視覚信号、可聴信号、又は同様の信号の生成を可能にすることが理解される。
【0032】
別の言い方をすれば、バックルモニタモジュール100は、ケーブル112を通って、より具体的には、それに延在するコイルワイヤ74及び76を通って流れる交流(AC)を生成し、その結果、コネクタ部分54のコイル基部65に巻かれ、着座するコイル64の領域に磁界が生成されることが理解される。この磁界は磁極片/コイル基部65によって集中又は増幅され、対向するコネクタ部分52を通って延びるコネクタ部分52の磁極片/コイル基部65に着座する対向するコイル64の領域に伝達され、それによって、2つのコネクタ部分52及び54との関係において、それぞれの対向するコネクタ部分54及び52におけるそれぞれのケーブル112及び114間のAC電流のワイヤレス伝送(又は、無線伝送/wireless transmission)をもたらし、より具体的には、それぞれのコネクタ部分52及び54のそれぞれのコイル64間の誘導結合をもたらす、閉じた誘導回路を生成する。
【0033】
さらに、
図1及び
図2に示す実施形態では、第一及び第二コネクタ部分52及び54がそれぞれの第一及び第二コネクタ部分52及び54のそれぞれのハウジング68のそれぞれの細長い脚部68cが互いに嵌合する関係で互いに結合される。
【0034】
図1、
図9、及び
図10を参照すると、シートベルトバックル30は、本構成によるプリント回路コイル44及びスクリーン/シールドアセンブリ40を組み込むように修正されていることを除いて、当技術分野で現在知られている任意の構造であり得る。図示の実施形態では、プリント回路コイル44及びスクリーン/シールドアセンブリ40が、プリント等によってその外面の1つに形成された誘導プリント回路コイル44を有するプリント回路基板42と、プリント回路基板42を受け入れるように構成された中央開口スリーブ48を画定する金属等の略U字形の材料片の形態のスクリーン/シールド46とから構成される。
【0035】
プリント回路基板42及びスクリーン/シールド46は、シートベルトバックル30のバックリング(buckling)又はバックリング解除(unbuckling)に応答してプリント回路基板42及びスクリーン/シールド46が互いに対して移動可能又は摺動可能である関係において、より具体的には、シートベルトバックル30のバックルされた(buckled)/バックル解除された(unbuckled)状態もしくは条件において、スクリーン/シールド46がプリント回路基板42及びその上に形成された誘導プリント回路コイル44を覆うか、又はそれらから後退される関係に、互いに対して移動可能又は摺動可能である関係において、車両シートベルトバックル30に配置され、取り付けられる。
【0036】
本実施形態では
図9が車両シートベルトバックル30の解除状態におけるシールド46に対するプリント回路基板42の後退位置を示し、
図1及び
図10は車両シートベルトバックル30の係合状態におけるシールド46に対するプリント回路基板42及びプリント回路コイル44の被覆位置(又は、カバー位置)を示す。
【0037】
本構成によれば、シートベルトバックル30のバックリング又はバックリング解除に応答して、スクリーン/シールド46が後退又はプリント回路基板42を覆うそれぞれの位置におけるプリント回路基板42及びスクリーン/シールド46の互いに対する位置の変化は、誘導回路の開状態又は閉状態の変化、より具体的には、シート及びバックルモニタモジュール100によって感知される誘導コネクタ回路信号のインピーダンス、位相、及び振幅の変化をもたらし、車両シートベルトバックル30のバックルされた又はバックル解除された状態を示す視覚信号、可聴信号、又は同様の信号を生成する。
【0038】
別の言い方をすれば、スクリーン/シールド46がプリント回路基板42を覆う位置へのプリント回路基板42及びスクリーン/シールド46の互いに対する移動は、プリント回路基板42上に形成される誘導プリント回路コイル44によって生成される磁界の振幅の増加又は変化又は集中をもたらし、その結果、ケーブル114、コネクタ部分n52及び54、ケーブル112を通ってバックルモニタモジュール100内に連続的に送信される誘導コネクタ回路信号のインピーダンス、位相、及び振幅の変化をもたらし、車両シートベルトバックル30のバックルされた又はバックル解除された状態を示す視覚信号、可聴信号、又は類似の信号の生成を可能にする。
【0039】
さらに、本構成によれば、本明細書には示されていないか、又はいずれの詳細にも記載されていないが、ポータブル又は取り外し可能な車両シートが車両から取り外されると、コネクタ50の第一及び第二コネクタ部分52及び54が互いから分離され、それぞれのコネクタ部分52及び54内のそれぞれのコイル64が分離され、その結果、開いた誘導回路と、シート及びバックルモニタモジュール100によって感知される誘導コネクタ回路信号のインピーダンス、位相、及び振幅の対応する変化とが生じ、車両シートが車両から取り外されたことを示す視覚信号、可聴信号、又は同様の信号が生成されることが理解される。
【0040】
言い換えれば、コネクタ部分52及び54が例えば、車両シートが車両から取り外されたときなど、互いから分離されているときには、コネクタ部分52及び54間の距離は、それぞれのコネクタ部分52及び54間の磁界の伝達がなく、したがって、それぞれのコネクタ部分52及び54内のそれぞれのコイル64間の誘導結合がなく、それぞれのコネクタ部分52及び54間の交流(AC)の伝達がない開いた誘導回路をもたらすような距離であることが理解される。車両シートが車両内に配置されるとき、コネクタ部分52及び54は整列しており(in alignment)、したがって、電気的接続は、車両シート設置者によるワイヤの取り付け又は取り外しを伴わない。
【0041】
したがって、本構成のコネクタアセンブリ20は、車両からの車両シートの存在又は除去の検出、及び車両シートベルトバックル30のバックルされた又はバックル解除された状態の検出に対する受動的、誘導的、及び無線のアプローチを提供する。
【0042】
動作中、車両シートベルトバックルモニタモジュール100は、第一コイルケーブル110を介して電子制御ユニットと通信する。さらに、車両シートベルトバックルモニタモジュール100は、第二コイルケーブル112の2つのワイヤに電気を供給する。典型的には、交流電流が第二コイルケーブル112を介して第二コネクタ54に供給され、その内部を通って第二コネクタ54の誘導コイル64の端部に接続される。
図2に示すように、車両シートが車両に搭載される場合、第一コネクタ52の第一誘導コイル64は第二コネクタ54の第二誘導コイル64に隣接し、ほぼ接触している。したがって、第二コネクタ54の第二誘導コイル64からの電力は、第一誘導コイル64に無線で送信される。第三コイルケーブル114は、プリント回路基板42上に配置された誘導プリント回路コイル44に電流を供給する。一実施形態では、プリント回路基板42は静止している。動作中、車両シートベルトバックル30が固定されると、
図10に示されるスクリーン/シールド46は、誘導プリント回路コイル44を有するプリント回路基板42を取り囲む。そのような状態はプリント回路基板42上に形成される誘導プリント回路コイル44によって生成される磁界の振幅の増加又は変化又は集中をもたらし、その結果、コイルケーブル114、コネクタ部分52及び54、コイルケーブル112を通って、車両シートベルトバックルモニタモジュール100内に連続的に送信される誘導コネクタ回路信号のインピーダンス、位相、及び振幅の変化をもたらし、視覚信号、可聴信号、又は他の信号の生成を可能にする。さらに、信号は、第一コイルケーブル110を介して電子制御ユニットに提供し得る。
【0043】
1つの構成では、開栓(unplugging)及びコネクタワイヤを抜くことなくバンからベンチシートが取り外し可能である。さらに、車両シートベルトバックル30は、センサー又は誘導プリント回路コイル44に電力を供給するためのバッテリがない。
【0044】
本構成による車両シートコネクタアセンブリ20の実施形態の多数の変形及び修正は、本構成の新規な特徴の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に示される実施形態に関する限定は意図されないか、又は推測されるべきではないことを理解されたい。もちろん、添付の特許請求の範囲によって、特許請求の範囲内に入るような全てのそのような修正を包含することが意図される。
【国際調査報告】