(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】EMM-63アルミノケイ酸塩ゼオライト、合成、および用途
(51)【国際特許分類】
C01B 39/48 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
C01B39/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024511982
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2022075486
(87)【国際公開番号】W WO2023049598
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025539
【氏名又は名称】エクソンモービル テクノロジー アンド エンジニアリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ExxonMobil Technology and Engineering Company
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】バートン,アレン ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ブローマン,ヒルダ ビー
【テーマコード(参考)】
4G073
【Fターム(参考)】
4G073BA02
4G073BA05
4G073BA57
4G073BA63
4G073BA75
4G073BB44
4G073CZ50
4G073GA03
4G073GA12
4G073GB02
4G073UA01
4G073UA06
(57)【要約】
独特の粉末XRDパターンまたは独特の結合性で特徴づけられるEMM-63と呼ばれるアルミノケイ酸塩ゼオライト、その製造方法、およびその用途。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成したままの形態で、表1:
【表1】
から選択される少なくとも10個のピークを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項2】
焼成したままの形態で、表1から選択される少なくとも12個、好ましくは少なくとも14個、より好ましくは少なくとも16個、最も好ましくは全てのピークを含むX線回折パターンを有する、請求項1に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項3】
式I:
【化1】
[前記式I中、0.05≦m≦0.17]
の分子式を有する、請求項1または2に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項4】
合成されたままの形態で、表2:
【表2】
から選択される少なくとも10個のピークを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項5】
合成されたままの形態で、表2から選択される少なくとも12個、好ましくは少なくとも14個、より好ましくはすべてのピークを含むX線回折パターンを有する、請求項4に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項6】
式II:
【化2】
[前記式(II)中、0≦q≦0.2、0.05≦m≦0.17、およびQは式III:
【化3】
(前記式III中、nは3であり、好ましくは、Qは、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される)
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される]
の分子式を有する、請求項4または5に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項7】
単位格子内の四面体(T)原子について表3:
【表3】
の以下の接続性によって定義される骨格を有し、四面体(T)原子が架橋原子によって接続されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項8】
(a)単位格子寸法a=22.1±0.20Å、b=7.4±0.20Å、およびc=11.8±0.20Åを有する斜方晶系空間群Pmma、ならびに(b)10×8×8チャネル系を有する構造を有し、(b)にて、c軸に沿った10環細孔の寸法は5.2±0.20Å×4.9±0.20Åであり、c軸に沿った8環細孔の寸法は4.7±0.20Å×3.1±0.20Åであり、x-z平面内の別の8環細孔の寸法は4.7±0.20Å×3.1±0.20Åである、請求項1~7のいずれか一項に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項9】
3~10、好ましくは5~9のSi/Alモル比を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトを製造する方法であって、
(a)水、シリカ源、アルミナ源、カリウム源、水酸化物イオン(OH)源、および式III:
【化4】
[前記式(III)中、nは3である]
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される構造規定剤(Q)を含む合成混合物を調製することと、
(b)100~200℃の温度を含む結晶化条件下で、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの結晶を形成するのに十分な時間、前記合成混合物を加熱することと、
(c)ステップ(b)から前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの少なくとも一部を回収することと、
(d)任意に、ステップ(c)で回収された前記アルミノケイ酸塩ゼオライトを処理して、前記構造規定剤(Q)の少なくとも一部を除去することと
を含んで成る、アルミノケイ酸塩ゼオライトの製造方法。
【請求項11】
前記構造規定剤(Q)が、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択され、特に、前記構造規定剤(Q)がその水酸化物の形態である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記合成混合物がモル比で以下の組成:
【表4】
を有する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
有機化合物を変換生成物に変換する方法であって、有機化合物を請求項1~9のいずれか一項に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトと接触させることを含んで成る、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月22日に出願された米国仮出願第63/261474号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、アルミノケイ酸塩ゼオライト、その製造方法、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
本開示の背景
天然および合成の両方のモレキュラーシーブ材料は、吸着剤として使用され得、炭化水素変換反応に対する触媒特性を有する。例えば、ゼオライト、AlPO、およびメソ多孔質材料のような特定のモレキュラーシーブは、X線回折(XRD)によって決定される明確な結晶構造を有する規則的な多孔質結晶材料である。特定のモレキュラーシーブは秩序化されており、特定の識別可能なXRDパターンを生成する。特定のモレキュラーシーブ材料内には多数の空洞が存在し得、それらは多数のチャネルまたは細孔によって相互接続され得る。これらの空洞および細孔は、特定のモレキュラーシーブ材料内ではサイズが均一である。これらの細孔の寸法は、特定の寸法の分子を吸着させる一方で、それより大きい寸法の分子は拒否するような寸法であるため、これらの材料は「モレキュラーシーブ」として知られるようになり、さまざまな工業プロセス、例えば、分解、水素化分解、不均化、アルキル化、オリゴマー化、異性化で利用されている。
【0004】
触媒および吸着に応用されるモレキュラーシーブには、天然に存在するまたは合成の結晶性モレキュラーシーブのいずれかが含まれる。これらのモレキュラーシーブの例としては、大細孔ゼオライト、中間細孔サイズのゼオライト、および小細孔ゼオライトが挙げられる。これらのゼオライトおよびそれらのアイソタイプは、IUPACゼオライト命名委員会の規則に従って、国際ゼオライト協会の構造委員会によって分類される。この分類に従って、構造が確立されている骨格型ゼオライトおよびその他の結晶性微多孔性モレキュラーシーブには3文字のコードが割り当てられ、Ch. Baerlocher, L.Bら「Atlas of Zeolite Framework Types」Elsevier,第6版,2007年に記載され、これは参照により本明細書に組み込まれる。これらのゼオライトおよびそれらのアイソタイプはまた、「the Database of Zeolite Structures of IZA Structure Commission のゼオライト構造データベース」にも記載されている。大細孔ゼオライトは一般に少なくとも約7Åの細孔サイズを有し、LTL、VFI(「特大」18R)、MAZ、FAU、OFF、*BEA、およびMOR骨格型のゼオライトが挙げれる。大(または特大)細孔ゼオライトの例としては、マザイト、オフレタイト、ゼオライトL、VPI-5、ゼオライトY、ゼオライトX、オメガ、およびベータが挙げられる。中間細孔径ゼオライトは、一般に、約5Åから約7Å未満までの細孔径を有し、例えば、MFI、MEL、EUO、MTT、MFS、AEL、AFO、HEU、FER、MWW、およびTON骨格タイプのゼオライトが挙げられる。中間細孔径ゼオライトの例としては、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-22、MCM-22、シリカライト1、およびシリカライト2が挙げられる。小孔径ゼオライトは、約3Åから約5.0Å未満の細孔径を有し、例えば、CHA、RTH、ERI、KFI、LEV、SOD、およびLTA骨格型ゼオライトが挙げられる。小細孔ゼオライトの例としては、ZK-4、ZSM-2、SAP0-34、SAP0-35、ZK-14、SAP0-42、ZK-21、ZK-22、ZK-5、ZK-20、ゼオライトA、チャバザイト、ゼオライトT、およびALPO-17が挙げられる。
【0005】
ゼオライトの理想的な無機骨格構造は、すべての四面体原子が酸素原子によって次に近い4つの四面体原子と結合しているシリケートの骨格である。本明細書で使用される「シリケート」という用語は、交互に結合した少なくともケイ素原子と酸素原子(すなわち、-O-Si-O-Si-)を含み、任意で、例えば、ホウ素、アルミニウム、または他の金属(例えば、チタン、バナジウム、または亜鉛のような遷移金属)のような他の原子を無機骨格構造内に含む物質をいう。骨格シリケート中のケイ素および酸素以外の原子は、「全シリカ」骨格シリケート中のケイ素原子が占有する格子サイトの一部を占める。したがって、本明細書で使用される「骨格シリケート」という用語は、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、ガロケイ酸塩、フェリケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタノケイ酸塩、亜鉛ケイ酸塩、バナドケイ酸塩などのいずれかを含む原子格子をいう。
【0006】
所定のゼオライト内の骨格ケイ酸塩の構造は、その中に存在する細孔またはチャネル(またはチャンネル)のサイズを決定する。細孔またはチャネルのサイズによって、特定のゼオライトが適用できるプロセスの種類が決まる。現在、200を超える独自のゼオライト骨格シリケート構造が知られており、国際ゼオライト協会の構造委員会によって認識されており、それによってさまざまな細孔の形状および配向が定義されている。
【0007】
ゼオライトの骨格シリケートは、一般に、その環サイズの観点から特徴づけられ、ここで、環サイズとは、ループ内の酸素原子と四面体配位しているケイ素原子(または上に列挙したものなどの代替原子)の数をいい、ゼオライトの内部に細孔またはチャネルを定義(または画定)する。例えば、「8環」ゼオライトは、ループ内の交互に並ぶ8つの四面体原子と8つの酸素原子によって画定される細孔またはチャネルを有するゼオライトをいう。所与のゼオライト内に画定される細孔またはチャネルは、特定の骨格シリケートに存在する様々な構造的制約に応じて、対称または非対称となり得る。
【0008】
モレキュラーシーブ材料の合成は、典型的には、シリカ源だけでなくアルミナ源などのゼオライト中に存在するすべての元素の源を含む合成混合物からの水熱結晶化を伴う。多くの場合、構造指向剤(SDA)も存在する。構造指向剤は、モレキュラーシーブの形成を促進すると考えられ、周囲に特定のモレキュラーシーブ構造が形成され、それによって所望のモレキュラーシーブの形成を促進するテンプレートとして作用すると考えられる化合物である。様々な種類の第四級アンモニウムカチオンを含む様々な化合物が構造規定剤として使用されている。典型的には、ゼオライト結晶は構造規定剤の周囲に形成され、結晶化が完了すると構造規定剤がゼオライト内の細孔を占める。したがって、「合成されたままの」ゼオライトは、その細孔内に構造規定剤を含むため、結晶化に続いて、「合成されたままの」ゼオライトは通常、例えば、焼成ステップのような処理ステップに供され、構造規定剤を除去する。
【0009】
多くの異なるゼオライトが発見されているが、ガスの分離および乾燥、有機変換反応、および他の用途にとって望ましい特性を備えた新規ゼオライトが引き続き必要とされている。新しいゼオライトは新しい内部細孔構造を含むことができ、これらのプロセスでの選択性が向上する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本開示は、アルミノケイ酸塩ゼオライト、その製造方法、およびその使用に関する。
【0011】
第1の実施形態では、本開示は、焼成したままの形態(例えば、SDAの少なくとも一部が除去された形態)で、少なくとも10、または12、または14、または16、または好ましくは表1:
【表1】
から選択される度2θのピークのすべてを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライトに関する。
【0012】
第2の実施形態では、本開示は、合成されたままの形態(例えば、SDAが除去されていない形態)で、少なくとも10、または12、または14、または好ましくは表2:
【表2】
から選択される度2θにおけるすべてのピークを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライトに関する。
【0013】
第3の実施形態では、本開示は、(合成されたままの、処理されたままの(例えば、酸または酸および蒸気による)および/または焼成されたままの形態のいずれであっても)(a)単位セル寸法a=22.1±0.20Å、b=7.4±0.20Å、およびc=11.8±0.20Åの斜方晶系空間群Pmmaを有する構造、ならびに(b)c軸に沿った10環細孔が5.2±0.20Å×4.9±0.20Åの寸法を有し、c軸に沿った8環細孔が4.7×0.20Å×3.1×0.20Åの寸法を有し、およびx-z平面内における別の8環細孔が4.7×0.20Å×3.1×0.20Åの寸法を有する、10×8×8チャネルシステムを有する構造を有するアルミノケイ酸塩ゼオライトに関する。
【0014】
第4の実施形態では、本開示は、(合成されたままの状態、処理されたままの(例えば、酸または酸および蒸気による)および/または焼成されたままの形態のいずれであっても)表3:
【表3】
の単位格子内の架橋原子により接続する四面体(T)原子の接続性によって定義される骨格を有するアルミノケイ酸塩ゼオライトに関する。
【0015】
第5の実施形態では、本開示は、以下のステップを含んで成る、アルミノケイ酸塩ゼオライトの製造方法に関する:(a)水、シリカ源、アルミナ源、カリウム源、水酸化物イオン(OH)源、および式III:
【化1】
[前記式(III)中、nは3である]
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される構造指向剤(Q)を含む合成混合物を調製すること、(b)100℃~200℃の温度を含む結晶化条件下で、十分な時間、前記合成混合物を加熱して、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの結晶を形成すること、(c)ステップ(b)から前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの少なくとも一部を回収すること、ならびに(d)任意で、ステップ(c)で回収された前記アルミノケイ酸塩ゼオライトを処理して、前記構造規定剤(Q)の少なくとも一部を除去すること。
【0016】
第6の実施形態では、本開示は、有機化合物を変換生成物に変換する方法に関し、この方法は、有機化合物を、第1、第2、第3もしくは第4の実施形態に係る、または第5実施形態の方法に沿って調製されるアルミノケイ酸塩ゼオライトに接触させることを含んで成る。
【0017】
本開示のこれらおよび他の特徴および属性、およびそれらの有利な用途ならびに/または使用は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。当然のことながら、本発明の一態様に関連して説明した特徴は、本発明の他の態様に組み込むことができることが理解されるであろう。特に、この概要セクションを含む本明細書に記載される任意の2つ以上の特徴を組み合わせて、本明細書に特に記載されていない特徴の組み合わせを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面の簡単な説明
【
図1】
図1は、実施例1の焼成したままの生成物の粉末XRDパターンを示す。
【0019】
【
図2】
図2は、実施例1の合成されたままの生成物のSEM画像を示す。
【0020】
【
図3】
図3は、実施例3の合成されたままの生成物のSEM画像を示す。
【0021】
【
図4】
図4は、実施例4の合成されたままの生成物のSEM画像を示す。
【0022】
【
図5】
図5は、実施例5の合成されたままの生成物のSEM画像を示す。
【0023】
【
図6】
図6は、実施例2、4および5の焼成したままの生成物の粉末XRDを示す。
【0024】
【
図7】
図7は、電子回折から決定されたEMM-63の結晶構造を示す。
【0025】
【
図8】
図8は、実施例7の合成したままの、焼成したままの、およびアンモニウム交換バージョンの生成物の粉末XRDパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本開示は、アルミノケイ酸塩ゼオライト、その製造方法、およびその使用に関する。前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、EMM-63ゼオライトまたはEMM-63材料と呼ばれることがある。
【0027】
本開示の「合成されたままの」(または「製造されたままの)」アルミノケイ酸塩ゼオライト(すなわち、細孔からSDAを除去するための熱処理または他の処理の前)は、典型的には、細孔内の合成混合物の成分の1つである、SDAを含む。構造指向剤(SDA)の一部または全部が(例えば、細孔からSDAを除去するための熱処理または他の処理によって)除去された本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、少なくとも部分的に焼成されているか、または「焼成されたまま」の材料である。
【0028】
第1の実施形態では、本開示は、焼成したままの形態(例えば、SDAの少なくとも一部が除去された形態)で、表1:
【表4】
から選択される度2θのピークの少なくとも10、または12、または14、または16、または好ましくはすべてを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライトに関する。
【0029】
さらなる実施形態では、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、焼成されたままの形態で、表1A:
【表5】
から選択される度2θおよびd間隔値を有する少なくとも10、または12、または14、または16、または好ましくはすべてのピークを含むX線回折パターンを有し得、d間隔値には、ブラッグの法則を使用してd間隔の対応する値に変換する場合、対応する偏差±0.20度2シータに基づいて決定される偏差を有する。
【0030】
本明細書に記載されるXRDピークを有するXRDパターンは、Cu(Kα)放射線を使用する。
【0031】
1または複数のさらなる実施形態では、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、焼成されたままの形態で、0.10~0.30cc/g、または0.12~0.20cc/g、例えば0.16cc/gの微細孔容積を有し得る。
【0032】
1または複数のさらなる実施形態では、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、焼成されたままの形態で、250~700m2/g、または300~600m2/g、例えば350~500m2/g、例えば、444m2/gのBET表面積を有し得る。
【0033】
1または複数のさらなる実施形態では、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、焼成されたままの形態で、任意で、式I:
【化2】
[前記式I中、0.05≦m≦0.17]
の分子式で表され得る。式Iの酸素原子は、炭素原子(例えば、CH
2の形態)で置き換えられてもよく、それは、製造されたままのアルミノケイ酸塩ゼオライトを調製するために使用される成分の供給源に由来し得る。式Iの酸素原子は、例えばSDAが除去された後に、窒素原子で置き換えることもできる。式Iは、焼成されたままの形態で、本開示で定義される典型的なアルミノケイ酸塩ゼオライトの骨格を表すことができ、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの唯一の表現であることを意味するものではない。前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、焼成したままの形態では、SDAおよび不純物を除去するための適切な処理後にSDAおよび/または不純物を含有する可能性があるが、これらは式Iでは考慮されていない。さらに、Iには、前記焼成されたままのアルミノケイ酸塩ゼオライト中に存在する可能性があるプロトンおよび電荷補償イオンは含まれない。
【0034】
変数mは、式IにおけるAl2O3対SiO2のモル比関係を表す。例えば、mが0.05の場合、SiO2対Al2O3のモル比は20であり、Si対Alのモル比は10である。mは、0.05から0.17まで、例えば少なくとも0.06から最大0.1まで、例えば最大0.08まで、例えば、0.06または0.07に変化し得る。Si対Alのモル比は、3~10、例えば少なくとも5、または少なくとも6、および9まで、または8まで、または7もしくは8であってよい。
【0035】
1または複数のさらなる実施形態では、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、焼成されたままの形態で、K対Alのモル比0.5~1.0、例えば0.7~0.9でカリウムイオンを含有し得る。
【0036】
第2の実施形態では、本開示は、アルミノケイ酸塩ゼオライト、特に合成されたままの形態(例えば、SDAが除去されていない)で表2:
【表6】
から選択される度2θの少なくとも10、または12、または14、または好ましくはすべてのピークを含むX線回折パターンを有する、第1の実施形態で定義されるアルミノケイ酸塩ゼオライトに関する。
【0037】
さらなる実施形態では、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、合成されたままの形態で、表2A:
【表7】
から選択される度2θおよびd間隔値を有する少なくとも10、または12、または14、または好ましくはすべてのピークを含むX線回折パターンを有し得、d間隔値は、ブラッグの法則を使用してd間隔の対応する値に変換する場合、対応する偏差±0.20度2θに基づいて決定される偏差を有する。
【0038】
本明細書に記載されるXRDピークを有するXRDパターンは、Cu(Kα)放射線を使用する。
【0039】
1または複数のさらなる実施形態では、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、合成されたままの形態で、任意で、式II:
【化3】
[前記式II中、0≦q≦0.2、0.05≦m≦0.17であり、Qは、式III:
【化4】
(前記式III中、nは3である)の、例えば、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択されるテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される]
の分子式によって表され得る。式IIは、本開示で定義される典型的なアルミノケイ酸塩ゼオライトの骨格を、その合成されたままの形態で表すことができ、よって構造規定剤(Q)を含有しており、そのような材料の唯一の表現であることを意図するものではない。前記アルミノケイ酸塩ゼオライトは、合成されたままの形態で、式IIでは考慮されていない不純物を含有する可能性がある。さらに、式IIには、前記合成されたままのアルミノケイ酸塩ゼオライト中に存在し得るプロトンおよび電荷補償イオンは含まれていない。
【0040】
変数mは、式IIにおけるAl2O3とSiO2のモル比の関係を表す。式IIにおける変数mの値は、式Iに関して本明細書に記載されるものと同じである。
【0041】
変数qは、式IIにおけるQとSiO2のモル関係を表す。例えば、qが0.1の場合、Q対SiO2のモル比は0.1となる。Q対SiO2のモル比は、0~0.2、例えば0.02~0.1、例えば0.03~0.06の範囲で変化し得る。
【0042】
第3の実施形態において、本開示は、アルミノケイ酸塩ゼオライト、特に、(a)単位セル寸法a=22.1±0.20Å、b=7.4±0.20Å、およびc=11.8±0.20Åの斜方晶系空間群Pmma、ならびに(b)c軸に沿った10環細孔の寸法は5.2±0.20Å×4.9±0.20Å、c軸に沿った8環細孔の寸法は4.7±0.20Å×3.1±0.20Åの寸法を有し、x-z平面内の別の8環細孔は4.7±0.20Å×3.1±0.20Åの寸法を有する、(b)10×8×8チャネルシステムを有する構造を有する第1および/または第2の実施形態で定義したアルミノケイ酸塩ゼオライト(合成されたままの、処理されたままの(例えば、酸または酸および蒸気による)および/または焼成されたままの形態のいずれであっても)に関する。
【0043】
第4の実施形態において、本開示は、アルミノケイ酸塩ゼオライト、特に、単位格子内の架橋原子によって接続されている四面体(T)原子の表3:
【表8】
の接続性によって定義される骨格を有する、(合成されたまま、処理されたまま(例えば、酸または酸および蒸気による)および/または焼成したままの形態のいずれであっても)、第1、第2および/または第3の実施形態で定義したアルミノケイ酸塩ゼオライトに関する。
【0044】
接続性は、M.M.J.Treacyら「the Database of Zeolite Structures of IZA Structure Commission」(例えば、M.M.J.Treacyら、(2004) Microporous and Mesoporous Materials,v.74,pp121~132を参照)によるパブリックドメインソフトウェアTOTOPOLを使用することによって決定することができる。四面体原子としては、B、Al、Fe、Ga、Si、Ge、Sn、Ti、Zrまたはそれらの混合物から選択される1または複数の元素が挙げられ得る。例えば、四面体原子は、B、Al、もしくはSi、またはそれらの混合物から選択され得る。例えば、四面体原子は、SiまたはAlを含み得る。架橋原子は、O、N、およびC、またはそれらの混合物から選択され得る。架橋原子は、酸素原子を含むか、酸素原子であり得る(例えば、架橋原子の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%が酸素であり得る)。架橋原子Cは、ゼオライトを製造するために使用される様々な成分、例えばシリカ源から組み込まれてもよい。架橋原子Nは、SDAが除去された後にゼオライトに組み込まれてもよい。
【0045】
第1、第2、第3および/または第4の実施形態で定義されたアルミノケイ酸塩ゼオライトは、3~10、好ましくは5~9のSi/Alモル比を有し得る。
【0046】
第5実施形態では、本開示は、アルミノケイ酸塩ゼオライトの製造方法、特に、以下のステップ:
(a)水、シリカ源、アルミナ源、カリウム源(K)、水酸化物イオン(OH)源、および式III:
【化5】
[前記式III中、nは3である]
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される構造規定剤(Q)を含む合成混合物を調製すること、
(b)100℃~200℃の温度を含む結晶化条件下で、十分な時間、前記合成混合物を加熱して前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの結晶を形成すること、
(c)ステップ(b)からアルミノケイ酸塩ゼオライトの少なくとも一部を回収すること、ならびに
(d)任意で、ステップ(c)で回収されたアルミノケイ酸塩ゼオライトを処理して、構造規定剤(Q)の少なくとも一部を除去することと
を含んで成る、第1、第2、第3および/または第4の実施形態で定義したアルミノケイ酸塩ゼオライトの製造方法に関する。
【0047】
構造規定剤(Q)は、上記式で定義される任意のテトラメチルピリジニウムカチオン、例えば、N,2,3,4-またはN,2,3,5-またはN,2,3,6-などのテトラメチルピリジニウムの少なくとも1つであり得、例えば、構造規定剤(Q)は、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群より選択され得る。構造規定剤(Q)は、任意の適切な形態、例えば、塩化物または臭化物のようなハロゲン化物として、水酸化物として、または硝酸塩として、例えばその水酸化物の形態で存在し得る。構造規定剤(Q)は、0.05~1.0、例えば少なくとも0.1、または少なくとも0.15、または少なくとも0.2、最大0.8、または最大0.7、または最大0.6、例えば0.15~0.5、例えば0.3のQ/Siモル比で合成混合物中に存在し得る。
【0048】
合成混合物は、少なくとも1つのシリカ源を含む。適切なシリカ源(例えば、酸化ケイ素源)には、ケイ酸塩、例えば、テトラメチルオルトケイ酸塩(TMOS)およびテトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)のようなテトラアルキルオルトケイ酸塩、例えば、Aerosil(登録商標)(Evonikから入手可能)、Cabosperse(登録商標)(Cabotから入手可能)およびCabosil(登録商標)(DMSから入手可能)のようなヒュームドシリカ、例えば、Ultrasil(登録商標)およびSipernat(登録商標)340(Evonikから入手可能)のような沈降シリカ、例えば、ケイ酸カリウムおよびケイ酸ナトリウムのようなアルカリ金属ケイ酸塩、ならびに例えばE.I. du Pont de Nemours では Ludox(登録商標)という商品名で販売されており、Evonik では Aerodisp(登録商標)という商品名で販売されているシリカの水性コロイド懸濁液が挙げられ、好ましくは、ケイ酸塩、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、アルカリ金属ケイ酸塩、コロイドシリカ、特にシリカの水性コロイド懸濁液が含まれる。
【0049】
合成混合物は、少なくとも1つのアルミナ源を含む。適切なアルミナ源(例えば酸化アルミニウム源)としては、アルミニウム塩、特に、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、および水酸化アルミニウムのような水溶性塩、例えば、アルミン酸ナトリウムおよびアルミン酸カリウムなどのアルカリ金属アルミン酸塩、および例えば、アルミニウムイソプロポキシドのようなアルミニウムアルコキシド、例えば、ベーマイト、ギブサイト、および擬ベーマイトのような水和酸化アルミニウム、ならびにそれらの混合物が挙げられる。他のアルミニウム源としては、これらの限定されないが、他の水溶性アルミニウム塩、アルミン酸ナトリウム、例えば、アルミニウムイソプロポキシドのようなアルミニウムアルコキシド、または例えば、チップの形態のアルミニウムのようなアルミニウム金属が挙げられる。特に適切なアルミナ源は、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、および水酸化アルミニウムのような水溶性塩、ならびに例えば、アルミン酸ナトリウムおよびアルミン酸カリウムのようなアルカリ金属アルミン酸塩である。
【0050】
前述のSiおよびAl源の代わりにまたはそれに加えて、SiおよびAl元素の両方を含む供給源も使用することができる。SiおよびAl元素の両方を含有する適切な供給源の例としては、非晶質シリカアルミナゲルまたは乾燥シリカアルミナ粉末、シリカアルミナ、カオリン、メタカオリンのようなクレイ、およびゼオライト、特に、例えば、合成フォージャサイトおよび超安定フォージャサイトのようなアルミノケイ酸塩、例えば、超安定性Y(USY)、ベータ、またはその他の大細孔から中細孔のゼオライトが挙げられる。
【0051】
合成混合物は、1~50、例えば5~25、例えば5~15、例えば10のSi/Alモル比を有し得る。
【0052】
合成混合物は、少なくとも1つのカリウム(K)源を含む。適切なカリウム源としては、水酸化カリウム、アルミン酸カリウム、ケイ酸カリウム、例えば、KClもしくはKBrのようなカリウム塩、または硝酸カリウム、例えば水酸化カリウムが挙げられる。カリウムはまた、例えば、アルミン酸カリウムのような1または複数のアルミナ源中ならびに/または、例えば、ケイ酸カリウムのような1または複数のシリカ源中に存在し得る。合成混合物は、0.05~1.0、例えば0.1~1.0、例えば0.15~0.5、例えば0.3のK/Siモル比でカリウム源を含み得る。
【0053】
合成混合物は、少なくとも1つの水酸化物イオン(OH)源を含む。例えば、水酸化物イオンは、構造規定剤(Q)および/またはカリウムおよび/またはカリウムとは異なる任意のアルカリもしくはアルカリ土類金属のカチオン(M)の対イオンとして存在することができ、ならびに/またはAl源としての水酸化アルミニウムの使用によって存在することができる。適切な水酸化物イオン源はまた、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、およびそれらの混合物からなる群より選択すること、特に水酸化カリウムから選択することができる。合成混合物は、0.1~1.5、例えば0.15~1.2または0.25~0.8、例えば0.6のOH/Siモル比で水酸化物イオン源を含み得る。
【0054】
合成混合物は、任意で、カリウムとは異なる少なくとも1つのアルカリまたはアルカリ土類の金属カチオン(M)を含み得る。存在する場合、Mは、好ましくはナトリウム、リチウム、ルビジウム、カルシウム、マグネシウムおよびそれらの混合物からなる群より選択され、好ましくはナトリウムである。ナトリウム源が存在する場合、ナトリウム源は、水酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、または、例えば、NaCl、NaBrもしくは硝酸ナトリウムのようなナトリウム塩であり得る。リチウム源が存在する場合、リチウム源は、水酸化リチウム、または、例えば、LiCl、LiBr、LiI、硝酸リチウム、もしくは硫酸リチウムのようなリチウム塩であり得る。ルビジウム源が存在する場合、ルビジウム源は、水酸化ルビジウム、または例えば、RbCl、RbBr、RBI、もしくは硝酸ルビジウムのようなルビジウム塩であり得る。カルシウム源が存在する場合、例えば、水酸化カルシウムであり得る。マグネシウム源が存在する場合、例えば水酸化マグネシウムであり得る。アルカリまたはアルカリ土類の金属カチオン(M)は、例えば、アルミン酸ナトリウムのような1または複数のアルミナ源中に存在し得、および/または、例えば、ケイ酸ナトリウムのような1または複数のシリカ源中に存在し得る。合成混合物は、アルカリおよび/またはアルカリ土類の金属カチオン(M)源を0~1.5、例えば、0もしくは0.05から1.0もしくは0.8まで、例えば、0のM/Siモル比で含み得る。あるいは、合成混合物は、カリウムと異なるアルカリまたはアルカリ土類の金属カチオン(M)を含んでなくてもよい。
【0055】
合成混合物はまた、任意で、フッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物からなる群より選択され得る少なくとも1つのハロゲン化物イオン源(W)を含み得る。ハロゲン化物イオン源(W)は、モレキュラーシーブ合成混合物中でハロゲン化物イオンを放出できる任意の化合物であり得る。ハロゲン化物イオン源の非限定的な例としては、例えば、フッ化水素、フッ化アンモニウム(NH4F)、重フッ化アンモニウム(NH4HF2)、塩化水素、塩化アンモニウム、臭化水素、臭化アンモニウム、ヨウ化水素、およびヨウ化アンモニウム、ハロゲン化アンモニウム;例えば金属ハロゲン化物のような1または数個のハロゲン化物イオンを含む塩、好ましくは当該金属がナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムまたはバリウムである;または例えば、ハロゲン化テトラメチルアンモニウムもしくはハロゲン化テトラエチルアンモニウムのようなハロゲン化テトラアルキルアンモニウムが挙げられる。ハロゲン化物イオン(W)は、0~0.2、例えば0~0.1、例えば0.1未満、さらには0のW/Siモル比で存在し得る。フッ化物イオンが合成混合物中に存在する場合、前記フッ化物イオン(F)は、0~0.1未満、例えば0~0.05、例えば0のF/Siモル比で存在し得る。あるいは合成混合物は、ハロゲン化物イオン(W)源を含まず、特に少なくともフッ化物イオン源を含まなくてもよい。
【0056】
合成は、核生成シードを添加せずに実施し得る。核形成シードが合成混合物に添加される場合、シードは、以前の合成からの本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトまたはEMM-63材料と同じ構造であっても、異なる構造であってもよく、適切には、合成混合物の重量に基づいて、約0.01重量ppm~約10,000重量ppm、例えば、合成混合物の約100重量ppm~約5,000重量ppmの量で存在し得る。
【0057】
合成混合物は、典型的には、1~100、例えば15~80、例えば20~50、例えば30のH2O/Siモル比で水を含む。ベース混合物中の成分の性質に応じて、合成混合物において所望の溶媒対Siのモル比が達成されるように、ベース混合物の溶媒(例えば、水酸化物溶液からの水、および任意でシリカ源の加水分解からのメタノールおよびエタノール)の量を除去し得る。溶媒含量を低減するための適切な方法には、周囲空気、乾燥窒素、乾燥空気のような静的もしくは流動雰囲気下での蒸発、または噴霧乾燥または凍結乾燥による蒸発が含まれ得る。溶媒除去プロセス中に除去される水が多すぎる場合、所望のH2O/Siモル比を達成するために、得られた混合物に水を添加し得る。いくつかの例では、調製物が十分なH2O/Siモル比を有する場合、水を除去する必要はない。
【0058】
CH2の形態の炭素は、本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトを調製するために使用される様々な成分源、例えばシリカ源またはアルミナ源中に存在し、架橋原子としてアルミノケイ酸塩ゼオライト骨格に組み込まれ得る。SDAが除去された後、窒素原子が架橋原子としてアルミノケイ酸塩ゼオライトの骨格に組み込まれ得る。
【0059】
1または複数の態様では、溶媒調整後の合成混合物(例えば、所望の水対シリカ比が達成される場合)は、ベース混合物の適切な均質化を確実にするために、例えば、攪拌または高剪断混合のような機械的プロセスによって混合され得、例えば、1000rpm~3000rpm(例えば2000rpm)の混合速度で二重非対称遠心混合(例えば、FlackTekスピードミキサー)を使用する。
【0060】
次に、合成混合物は、アルミノケイ酸塩ゼオライトの形成に適した結晶化条件に供される。アルミノケイ酸塩ゼオライトの結晶化は、例えば、適切な温度に維持された対流式オーブン内に配置された、裏打ちされたテフロン(登録商標)またはステンレス鋼オートクレーブなどの適切な反応容器内で、静的または攪拌条件下で行い得る。
【0061】
この方法のステップ(b)における結晶化は、典型的には、100℃~200℃、例えば110℃~170℃、例えば120℃~150℃の温度で、使用した温度で結晶化が起こるのに十分な時間行われる。例えば、より高い温度では、結晶化時間が短縮され得る。例えば、本方法のステップ(b)における結晶化条件は、1日から100日、例えば1日から50日、例えば1日から30日、例えば少なくとも1日、または少なくとも5日から最大15日または10日の期間にわたる加熱を含み得る。結晶化時間は、例えば、様々な時点で合成混合物をサンプリングすること、ならびに沈殿した固体の収率およびX線結晶化度を測定することのような、当技術分野で知られている方法によって確立することができる。本明細書で別段の指示がない限り、測定される温度は、加熱される材料の周囲環境の温度、例えば材料が加熱される雰囲気の温度である。
【0062】
典型的には、アルミノケイ酸塩ゼオライトは溶液中で形成され、遠心分離または濾過のような標準的な手段によって回収することができる。分離されたアルミノケイ酸塩ゼオライトまたは、洗浄し、遠心分離または濾過によって回収し、乾燥することができる。
【0063】
本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、有機化合物の変換プロセスにおいて吸着剤または触媒として使用される場合、少なくとも部分的に脱水(例えば、乾燥)され得る。これは、空気、窒素などの雰囲気中、大気圧、大気圧以下、または大気圧を超える圧力で、80℃~500℃、例えば90℃~370℃の範囲の温度で、30分から48時間の間、加熱することによって行うことができる。モレキュラーシーブを真空中に置くだけで室温で脱水することもできるが、十分な脱水量を得るには長時間を必要とする。
【0064】
結晶化プロセスの結果として、回収された生成物は、その細孔内に、合成に使用された構造規定剤の少なくとも一部を含む。したがって、ステップ(c)から回収された合成されたままのアルミノケイ酸塩ゼオライトは、熱処理または他の処理に供され、合成中に細孔に組み込まれたSDAの一部または全部を除去し得る。合成されたままのアルミノケイ酸塩ゼオライトの熱処理(例えば、焼成)は、典型的には、炉内の空気、窒素、オゾン、またはそれらの混合物から選択される雰囲気中で、SDAの一部または全部を除去するのに十分な高温に材料をさらす。熱処理には大気圧以下の圧力を使用することもできるが、便宜上大気圧が望ましい。熱処理は、925℃までの温度、例えば、300℃~700℃または400℃~600℃で実行し得る。測定温度はサンプルの周囲環境の温度である。熱処理(例えば、焼成)は、空気から水を除去する乾燥剤を含む乾燥管にさらされた乾燥空気中の箱型炉内で実施し得る。加熱は、通常、少なくとも1分間、一般に1日以内、または長くても数日かけて焼成される。加熱は、最初は窒素雰囲気下で行ってもよく、その後、雰囲気を空気および/またはオゾンに切り替えて得る。
【0065】
アルミノケイ酸塩ゼオライトはまた、残留するアルカリ金属カチオンおよび/またはアルカリ土類土類を除去し、それらをプロトンと置き換え、これによりモレキュラーシーブの酸型が生成するために、例えば、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、および酢酸アンモニウムのようなアンモニウム塩水溶液を用いたイオン交換処理に供され得る。所望の程度まで、例えば、アルカリ金属カチオンのような合成されたままの材料の元のカチオンを、他のカチオンとのイオン交換によって置き換えることができる。好ましい置換カチオンとしては、例えば、水素イオン、水素前駆体、例えばアンモニウムイオンおよびそれらの混合物が挙げられる。イオン交換ステップは、製造されたままのモレキュラーシーブが乾燥された後に行われ得る。イオン交換ステップは、焼成ステップの前または後のいずれかで行い得る。
【0066】
アルミノケイ酸塩ゼオライトはまた、例えば、蒸気処理および/または溶媒による洗浄のような他の処理に供され得る。このような処理は当業者には周知であり、モレキュラーシーブの特性を所望に応じて改変するために行われる。
【0067】
SDAの一部または全部が除去された本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、多種多様な炭化水素変換、例えば、有機化合物の変換において、吸着剤としてまたは触媒もしくは触媒の担体として変換された生成物に使用し得る。したがって、第6の実施形態では、本開示は、炭化水素変換における吸着剤としてまたは触媒もしくは触媒の担体としての、本明細書に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトの使用に関する。本開示はまた、有機化合物を本明細書に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトと接触させることを含んで成る、有機化合物を変換生成物に変換する方法にも関する。
【0068】
本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライト(SDAの一部または全部が除去される)は、吸着剤として、例えば、素材に関する異なる収着特性を有する気相または液相中の成分の混合物から少なくとも1つの成分を分離するための吸着剤として使用され得る。したがって、少なくとも1つの成分は、混合物を前記アルミノケイ酸塩ゼオライトと接触させて1つの成分を選択的に収着することによって、アルミノケイ酸塩ゼオライトに関して異なる収着特性を有する成分の混合物から部分的または実質的に完全に分離することができる。例えば、原料の1または複数の所望の成分を原料の残りの成分から選択的に分離するためのプロセスにおいて、原料は、有効な収着条件で本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトを含む収着剤と接触され、それによって収着生成物および流出生成物を形成することができる。1または複数の所望の成分が、収着生成物または流出生成物のいずれかから回収される。
【0069】
本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライト(SDAの一部または全部が除去される)はまた、多種多様な有機化合物の変換プロセスを触媒する触媒として使用し得る。単独で、または他の結晶性触媒を含む1つ以上の他の触媒活性物質と組み合わせて、本明細書に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトによって効果的に触媒される化学変換プロセスの例には、酸活性を有する触媒を必要とするものが含まれる。本明細書に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトによって触媒され得る有機変換プロセスの例としては、分解、水素化分解、異性化、重合、改質、水素化、脱水素化、脱ロウ、水素化脱ロウ、吸着、アルキル化、トランスアルキル化、脱アルキル化、ヒドロデシル化、不均化、オリゴマー化、脱水素環化、メタノールからオレフィンへの変換、脱NOx用途、およびそれらの組み合わせが挙げられる。炭化水素原料の変換は、所望のプロセスの種類に応じて、例えば流動床、移動床、または固定床反応器のような任意の便利な方式で行うことができる。
【0070】
本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、最終生成物(または最終製品)に追加の硬度を与える、例えば、バインダーおよび/またはマトリックス材料のような他の材料と組み合わせて生成組成物に配合し得る。これらの他の材料は、不活性材料または触媒活性材料であり得る。
【0071】
例えば、本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトを、使用中に使用される温度および他の条件に耐性のある別の材料と組み込むことが望ましい場合がある。このような材料には、例えば、合成ゼオライトまたは天然ゼオライト、ならびにクレイ、シリカおよび/または例えば、アルミナのような金属酸化物ならびにそれらの混合物のような無機材料が挙げられる。金属酸化物は、天然に存在するものであってもよいし、シリカと金属酸化物との混合物を含むゼラチン状沈殿物またはゲルの形態であり得る。本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトと組み合わせた耐性材料の使用、すなわち、結晶が活性である、それと組み合わせた、または製造されたままの状態のアルミノケイ酸塩ゼオライトの合成中に存在する耐性材料の使用は、特定の有機変換プロセスにおいて、触媒の変換率および/または選択性を変化させる傾向がある。不活性耐性材料は、反応速度を制御するための他の手段を使用することなく経済的かつ秩序ある方法で生成物を得ることができるように、所定のプロセスにおける変換量を制御するための希釈剤として適切に機能する。これらの材料は、例えば、ベントナイトおよびカオリンのような天然クレイに組み込まれて、商業的な操作条件下で製品の圧壊強度を向上させ得る。前記不活性耐性物質、すなわちクレイ、酸化物等は、触媒のバインダーとして機能する。商業的使用においては、触媒が粉末状物質に分解するのを防ぐことが望ましいため、良好な粉砕強度を有する触媒は有益であり得る。
【0072】
使用することができる天然に存在するクレイには、モンモリロナイトおよびカオリンファミリーが含まれ、このファミリーにはサブベントナイト、およびディキシークレイ、マクナミークレイ、ジョージアクレイおよびフロリダクレイとして一般に知られるカオリン、または主要な鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、またはアノーキサイトである他のものが挙げられる。このようなクレイは、採掘されたそのままの状態で、または焼成、酸処理または化学修飾を施した後に使用することができる。本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトとの複合化に有用なバインダーには、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ベリリア、アルミナ、イットリア、酸化ガリウム、酸化亜鉛およびそれらの混合物から選択される無機酸化物も挙げられる。
【0073】
前述の材料に加えて、本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニアのような多孔質マトリックス材料、ならびにシリカ-アルミナ-トリア、シリカ-アルミナ-ジルコニア、シリカ-アルミナ-マグネシア、シリカ-マグネシア-ジルコニアのような三成分組成物と複合され得る。
【0074】
これらのバインダー材料は、温度および他の条件、例えば、様々な炭化水素分離プロセスで生じる機械的磨耗に対して耐性がある。したがって、本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、バインダーを含む押出物の形態で使用し得る。これらは通常、錠剤、球体、または押出物を形成することによって結合される。押出物は通常、任意にバインダーの存在下で、モレキュラーシーブを押出し、得られた押出物を乾燥および焼成することによって形成される。必要に応じて、スチーム処理および/またはイオン交換のようなさらなる処理を行い得る。モレキュラーシーブは、任意で、少なくとも100m2/g、例えば少なくとも200m2/g、場合により少なくとも300m2/gの表面積を有するバインダーで結合され得る。
【0075】
アルミノケイ酸塩ゼオライトと無機酸化物マトリックスの相対比率は、広範囲に変動し得、アルミノケイ酸塩ゼオライト含有量は約1重量%から約100重量%の範囲であり、より一般的には、特に複合材料が押出物の形態で調製される場合、複合材料の約2重量パーセントから約95重量パーセントの範囲、任意に約20重量パーセントから約90重量パーセントの範囲である。
【0076】
本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、水素化-脱水素化機能が実行される、例えば、タングステン、バナジウム、モリブデン、レニウム、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン、または、例えば、白金もしくはパラジウムのような貴金属のような水素化成分と密接に組み合わせて使用し得る。このような水素化成分は、以下のプロセスのうちの1または複数によって組成物中に組み込み得る:共結晶;IIIA族元素、例えばアルミニウムが構造中に存在する範囲で組成物に交換される;それと物理的に密接に混合される。このような成分は、例えば、モレキュラーシーブを水素化金属含有イオンで処理することによって、アルミノケイ酸ゼオライト中またはアルミノケイ酸塩ゼオライト上に含浸させることもできる。例えば、白金の場合、この目的に適した白金化合物としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金、および白金アミン錯体を含む様々な化合物が挙げられる。金属の組み合わせおよびそれらの導入方法もまた使用できる。
【0077】
本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、例えば、非晶質材料、異なるトポロジーを有する単位格子(例えば、異なる骨格型の石英またはモレキュラーシーブ、これらは得られる触媒の性能に影響を与えない可能性がある)のような不純物、および/または他の不純物(例えば、重金属および/または有機炭化水素)を含み得ることを当業者には理解されよう。本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトと共存する異なる骨格型のモレキュラーシーブまたはゼオライトの典型的な例としては、ZSM-12、モルデナイト、クリストバライト、石英、ゼオライトL、メルリノアイト、エディントナイト、および/またはフェリエライトが挙げられる。本開示のアルミノケイ酸塩ゼオライトは、好ましくは実質的に不純物を含まない。本明細書で使用される用語「不純物を実質的に含まない」(または代替的に「実質的に純粋な」)は、アルミノケイ酸塩ゼオライトが少量(50重量%未満)、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、さらにより好ましくは5重量%未満、最も好ましくは1重量%未満(例えば、0.5重量%未満または0.1重量%)、そのような不純物を含むことを意味し、その重量パーセント(重量%)の値は、不純物および純粋なアルミノケイ酸塩ゼオライトの合計重量に基づいている。不純物の量は、粉末XRD、回転電子回折、および/またはSEM/TEM(例えば、異なる結晶形態)によって適切に決定することができる。
【0078】
本明細書に記載されるアルミノケイ酸塩ゼオライトは、実質的に結晶質である。本明細書で使用される場合、「結晶性」という用語は、単一成分または複数成分の結晶形態(例えば、溶媒和物、水和物、および共結晶を含む)を含むがこれらに限定されない、物質の結晶固体の形をいう。結晶性とは、分子が規則的に反復および/または秩序だった配置を持ち、識別可能な結晶格子を有することを意味し得る。例えば、アルミノケイ酸塩ゼオライトは、異なる水分または溶媒含有量を有することができる。異なる結晶格子は、例えば、XRD(例えば、粉末XRD)のような固体特性評価法によって同定することができる。関連分野の当業者に知られている他の特徴付け方法は、結晶形態を同定するのにさらに役立ち、また安定性および溶媒/水含有量を決定するのに役立ち得る。本明細書で使用する場合、「実質的に結晶性」という用語は、記載される材料のサンプルの重量の大部分(50重量%を超える)が結晶性であり、サンプルの残りが非結晶形態であることを意味する。1または複数の態様において、実質的に結晶性のサンプルは、少なくとも95%の結晶化度(例えば、非結晶形態5%)、少なくとも96%の結晶化度(例えば、非結晶形態4%)、少なくとも97%の結晶化度(例えば、非晶質形態の3%)、少なくとも98%結晶化度(例えば、非晶質形態約2%)、少なくとも99%結晶化度(例えば、非晶質形態1%))、ならびに結晶化度100%(たとえば、非結晶形0%)を有する。
【0079】
本開示の態様を、特定の例を用いてより詳細に説明する。以下の例は、説明を目的として提供されており、いかなる形でも本開示を限定することを意図するものではない。関連技術の当業者であれば、本質的に同じ結果を得るために、様々なパラメータを変更または修正できることが容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0080】
実施例
本発明を以下にさらに説明するが、本発明はその範囲を限定するものではない。
【0081】
これらの実施例では、合成したままの材料および焼成したままの材料のX線回折(XRD)パターンを、CuKα線、Vantec500検出器を備えたブラッグ・ブレンターノ幾何学構造を使用して4度~36度の2θ範囲で連続モードで粉末X線回折計(Bruker DaVinci D8 Discovery装置)で記録した。面間隔、d間隔はオングストローム単位で計算され、ラインの相対強度I/Ioはバックグラウンドを超える最も強いラインの強度に対するピーク強度の比である。強度はローレンツ効果と偏光効果に対して補正されていない。2シータでの回折ピークの位置、およびラインの相対ピーク面積強度I/I(o)(Ioはバックグラウンド上の最も強いラインの強度)は、MDI Jadeピーク検索アルゴリズムを使用して決定された。単一線としてリストされた回折データは、結晶学的変化の違いなどの特定の条件下では、分解されたまたは部分的に分解された線として現れる可能性がある複数の重なり合う線で構成されている可能性があることを理解する必要がある。典型的に、結晶学的変化には、フレームワークの接続性を変えることなく、単位格子パラメータの小さな変化および/または結晶対称性の変化が含まれる場合がある。相対強度の変化を含むこれらの小さな影響はまた、カチオン含有量、骨格組成、細孔充填の性質および程度、結晶のサイズおよび形状、優先配向、および熱履歴ならびに/または水熱履歴の違いの結果として現れる可能性がある。
【0082】
合成されたままの材料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像は、Hitachi4800走査型電子顕微鏡で得られた。SEM画像は、製品の純度の評価を支援するために使用された。SEM画像に明らかに異なる結晶形態の存在は、他の結晶材料の形態の不純物が存在することを示している可能性がある。このような近似分析は、製品のXRDパターンでは識別できない可能性のある比較的少量の結晶性不純物の形成の存在を識別するのに特に役立ち得る。
【0083】
以下の測定は、イオン交換され焼成されたサンプルに対して行われた。イオン交換および焼成を行った各サンプルについて、使用した手順は次のとおりである。調製したままのサンプルを1M硝酸アンモニウム溶液で2回洗浄し、その後500℃で16時間焼成した。
【0084】
材料の全BET表面積(SBET)は、参照により本明細書に組み込まれる、S.Brunauerら、J.Am.Chem.Soc.,1938年,60巻,309は、液体窒素温度での窒素吸着-脱着を使用する。
【0085】
材料の微細孔容積(Vmicro)は、関連技術分野で知られている方法を使用して決定することができる。例えば、材料の微細孔容積は窒素物理吸着で測定でき、データはLippens,BCら「触媒における細孔システムに関する研究:V.t法」、J.Catal.,4巻,p319(1965)に記載されているtプロット法で分析でき、これは、微小細孔容積法を記載しており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
アルファ値は、触媒のクラッキング活性の尺度であり、米国特許第5,611,110号および米国特許第3,354,078号およびJournal of Catalysis,4巻,p527(1965),6巻,p278(1966),61巻,p395(1980)に記載されており、それぞれその説明に関して参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される試験の実験条件には、Journal of Catalysis,61巻,p395に詳細に記載されているように538℃の一定温度および様々なフロー速度が含まれる。
【0087】
実施例1~9の合成に使用したモル比および条件、ならびに得られた生成物を以下に詳細に示し、表4にまとめる。
【0088】
実施例1:シードを使用しない、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウムを使用した合成
EMM-63は、モル比で次の組成を有する合成混合物から、120℃で28日間回転させた1.5mLのステンレス鋼反応器中で行われた合成から最初に観察された:Si/Al=10、H2O/Si=30、Q/Si=0.30、OH/Si=0.60、K/Si=0.30、構造規定剤(Q)としてN,2,3,5-テトラメチルピリジニウムを使用(水酸化物形態、17.5wt%溶液)。Ludox LS-30(30wt%コロイダルシリカ懸濁液)をSi源として使用し、水酸化アルミニウム(82.6wt%固体Al(OH)3、残りは水)をAl源として使用し、KOH(17.5wt%溶液))をK源として使用した。
【0089】
生成物を遠心分離し、脱イオン水に再懸濁し、その後再度遠心分離することによって単離した。このプロセスを3回繰り返した後、生成物を室温で乾燥させた。次に、合成したままの材料を、以下の手順に従ってボックス炉内で600℃まで焼成した。サンプルを室温で2時間窒素流にさらし、その後窒素流下に保ちながら2時間かけて室温から400℃まで昇温した。次いで、温度を400℃で15分間維持し、その後、雰囲気を窒素流から乾燥空気流に切り替えた。次いで、温度を1時間かけて400℃から600℃まで上昇させた。温度を600℃で2時間維持し、その後箱型炉を放冷した。
【0090】
合成されたままの材料および焼成されたままの材料のXRD分析により、この材料が既知のゼオライトとは一致し得ない独特の粉末XRDパターンを有することが示され、純粋な合成されたままおよび焼成されたままのEMM-63生成物として指定された。
図1に、焼成したままの材料の粉末XRDを示す。
図2に、合成したままの製品のSEM画像を示す。
【0091】
実施例2:N,2,3,5-テトラメチルピリジニウムを用いたシードを使用しない中規模合成
この実施例は、実施例1の中規模の再現であり、23mLの鋼製パール反応器内で1.20gのSiO2を用いて合成した。120℃で13日間加熱した後、XRDパターンにより同定されるように、純粋なEMM-63生成物が収量0.72gで得られた。
【0092】
実施例3:N,2,3,5-テトラメチルピリジニウムおよびシードを使用した大規模合成
この実施例は、実施例1および2の大規模な再現であり、125mLの鋼製パール反応器内で11.6gのSiO2を用いてシードの存在下で合成した。
【0093】
40.9gの水と、構造規定剤(Q)(水酸化物形態、17.5重量%溶液)としてのN,2,3,5-テトラメチルピリジニウム101.5gとを混合した。 76.5gのLudox LS-30(30重量%のコロイダルシリカ懸濁液)、37.1gのKOH(17.5重量%)、3.65gの水酸化アルミニウム(82.6重量%の固体Al(OH)3、残りは水)、および0.23gのシード(実施例2に従って調製したEMM-63)を続けて加え、得られた混合物を攪拌して反応混合物を形成した。反応混合物を2つに分割し、その半分をテフロンライナーに充填した。
【0094】
120℃で9日間加熱した後、生成物を遠心分離により単離し、脱イオン水に再懸濁し、さらに遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した後、生成物を90℃で乾燥させた。次に、合成したままの材料を実施例1の手順に従って焼成した。
【0095】
得られた生成物は、そのXRDパターンにより同定されるように、純粋なEMM-63であることが確認され、収量は5.3gであった。
図3は、合成されたままの生成物のSEM画像を示している。焼成したままの生成物の誘導結合プラズマ(ICP)法による元素分析は、材料が7.8のSi/Al原子比および0.89のK/Al原子比を有することを示した。
【0096】
実施例4~5:N,2,3,5-テトラメチルピリジニウムおよびシードを使用した様々な温度での合成
これらの実施例は、実施例2と同じ条件で行われたが、120℃ではなくそれぞれ135℃および150℃で、0.23gのシード(実施例3に従って調製したEMM-63)の存在下で、合成混合物に添加されて行われた。
を合成混合物に添加した。それぞれ135℃および150℃で7日間加熱した後、それらのXRDパターンにより同定されるように、純粋なEMM-63生成物がそれぞれ0.72gおよび0.79gの収量で得られた。
図4および5は、それぞれの合成されたままの生成物のSEM画像を示している。
【0097】
図6は、それぞれ135℃および150℃で実施例4および5で得られた合成されたままの材料の粉末XRDを、120℃で実施例2で得られた合成されたままの材料の粉末XRDと比較して示す。これは、それぞれ120℃、135℃および150℃で得られた生成物の粉末パターンの幅に対する合成温度の影響を示しており、温度とともに結晶の厚さが増加するにつれて、パターンはよりシャープになる。
【0098】
以下の表5および表6は、実施例5の合成されたままのEMM-63生成物および焼成されたままのEMM-63生成物のそれぞれについてのピークおよび強度のリストを示す。焼成したままのEMM-63製品の粉末回折データは、単位格子寸法a=22.1±0.20Å、b=7.4±0.20Å、およびc=11.8±0.20Åを有する斜方晶系空間群Pmmaにインデックス付けされ(または割り出され;indexed in)得る。フレームワーク構造は10×8×8チャンネルシステムを有する。c軸に沿った10環細孔は、寸法5.2Å×4.9Åを有する。c軸に沿った8環細孔は、寸法4.7Å×3.1Åを有する。x-z平面内の別の8環細孔はまた、寸法4.7Å×3.1Åを有する。
図7は、電子回折から決定されたEMM-63の結晶構造を示している。
【0099】
熱重量分析(TGA)を、実施例5の合成したままのEMM-63生成物に対して、空気中で室温から800℃まで加熱することによって実施した。総重量損失は11.1重量%であった。200℃までは、水に起因すると考えられる3.8wt%の損失があった。250℃を超えると、有機SDAの損失に起因すると考えられる7.3wt%の損失が発生した。
【0100】
実施例6~7:N,2,4,6-テトラメチルピリジニウムおよびシードを使用した様々な温度での合成
これらの実施例は、N,2,4,5-テトラメチルピリジニウムではなく、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウムを構造規定剤(Q)(水酸化物形態、17.5wt%溶液)として使用した以外は、それぞれ135℃および150℃で実行し、実施例4~5と同様にした。それぞれ135℃および150℃で7日間加熱した後、純粋なEMM-63生成物が得られ、それらのXRDパターンによって同定された。
【0101】
実施例7の合成したままのEMM-63材料を実施例1で定義した手順に従って焼成し、バッチシステムで1M硝酸アンモニウム溶液を用いてアンモニウムイオン交換し、次いで500℃で16時間再度焼成し、当該材料を酸性形態に変換した。
図8は、EMM-63生成物の、合成されたままのバージョンと、焼成されたままのアンモニウム交換されたバージョンの粉末XRDパターンを比較している。
【0102】
実施例8:N,2,4,6-テトラメチルピリジニウムおよびアルミン酸カリウムを用いた合成
この実施例は、水酸化アルミニウムではなくアルミン酸カリウム(11.2重量%溶液)をAl源として使用したことを除いて、実施例6と同じ条件および同じモル比で実施例された。135℃で7日間加熱した後、XRDパターンで同定されたように、純粋なEMM-63生成物が得られた。
【0103】
実施例9:N,2,4,6-テトラメチルピリジニウムおよびアルミン酸カリウムを用いた大規模合成
この実施例は、125mLの鋼製パール反応器で合成された実施例8のより大規模な再現であった。135℃で7日間加熱した後、XRDパターンで同定されたように、純粋なEMM-63生成物が得られた。
【0104】
合成したままのEMM-63材料を実施例1で定義した手順に従って焼成し、バッチシステムで1M硝酸アンモニウム溶液を用いてアンモニウムイオン交換し、次いで500℃で16時間再度焼成して、物質を酸性の形態に変化させる。
【0105】
EMM-63材料の焼成したままのアンモニウム交換バージョンのBET表面積(S
BET)は444m
2/gであり、その微細孔容積(V
micro)は0.16cc/gであり、そのアルファ値は48であった。n-ヘキサン、2,3-ジメチルブタン(2,3-DMB)、およびメシチレンの取り込みは、イオン交換および焼成された材料で測定された。その物質を窒素流下に置き、次いで炭化水素をスパージャーを通して導入して窒素流を飽和させ、炭化水素の取り込みを測定した。各炭化水素は異なる温度で吸着された:n-ヘキサンは90℃で、2,3-DMBは120℃で、メシチレンは100℃で吸着された。n-ヘキサンの取り込みは46.0mg/g、2,3-DMBの取り込みは47.3mg/g、およびメシチレンの取り込みは16.8mg/gであった。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【0106】
本発明を特定の実施形態を参照して説明し図示してきたが、本発明が、本明細書に特に図示されていない多くの異なる変更、修正、および変形に適していることが当業者には理解されるであろう。また、数値の下限および数値の上限が本明細書に列挙される場合、任意の下限から任意の上限までの範囲が考慮されることも当業者には明らかであろう。また、本明細書の詳細な説明内のすべての数値は、示された値「約」によって修正され、当業者によって予期される実験誤差および変動を考慮に入れている。
【0107】
前述の説明において、既知の、自明の、または予見可能な等価物を有する整数または要素が言及されている場合、そのような等価物は、あたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するには特許請求の範囲を参照すべきであり、そのような均等物をすべて包含するように解釈されるべきである。また、好ましい、有利、便利などとして説明される本発明の整数または特徴は任意であり、独立請求項の範囲を限定しないことも読者には理解されるであろう。さらに、そのような任意の整数または特徴は、本発明のいくつかの実施形態では利益をもたらす可能性があるが、他の実施形態では望ましくない場合があり、したがって存在しない場合があることを理解されたい。
【0108】
それに加えて、または代わりに、本発明は以下に関する:
【0109】
実施形態1:焼成したままの形態で、表1または表1Aから選択される少なくとも10個のピークを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0110】
実施形態2:焼成したままの形態で、表1または表1Aから選択される少なくとも12個、好ましくは少なくとも14個、より好ましくは少なくとも16個、最も好ましくはすべてのピークを含むX線回折パターンを有する実施形態のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0111】
実施形態3:式I:
【化6】
[前記式I中、0.05≦m≦0.17である]
の分子式を有する実施形態1または2のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0112】
実施形態4:合成されたままの形態で、表2または表2Aから選択される少なくとも10個のピークを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0113】
実施形態5:合成されたままの形態で、表2または表2Aから選択される少なくとも12個、好ましくは少なくとも14個、より好ましくはすべてのピークを含むX線回折パターンを有する、実施形態4のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0114】
実施形態6:式II:
【化7】
[前記式II中、0≦q≦0.2、0.05≦m≦0.17であり、Qは式III:
【化8】
(式III中、nは3である)
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択され、好ましくは、Qは、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される]
の分子式を有する実施形態4または5のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0115】
実施形態7:単位格子中の四面体(T)原子について表3に定義される接続性によって定義される骨格を有し、四面体(T)原子が架橋原子によって結合している、実施形態1~6のいずれか1つのアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0116】
実施形態8:(a)単位格子寸法a=22.1±0.20Å、b=7.4±0.20Å、およびc=11.8±0.20Åを有する斜方晶系空間群Pmma、ならびに(b)10×8×8チャネルシステムを有する構造を有すし、(b)にて、c軸に沿った10環細孔は5.2±0.20Å×4.9±0.20Åの寸法を有し、c軸に沿った8環細孔は4.7±0.20Å×3.1±0.20Åの寸法を有し、x-z平面内の別の8環細孔4.7×0.20Å×3.1×0.20Åの寸法を有する、実施形態1~7のいずれか1つのアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0117】
実施形態9:3~10、好ましくは5~9のSi/Alモル比を有する、実施形態1~8のいずれか1つのアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0118】
実施形態10:0.10~0.30cc/g、好ましくは0.12~0.20cc/gの細孔容積、および/または250~700m2/g、もしくは300~600m2/g、例えば350~500m2/gのBET表面積を有する、実施形態1~3および7~9のいずれか1つのアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【0119】
実施形態11:実施形態1~9のいずれか1つのアルミノケイ酸塩ゼオライトを製造する方法であって、
(a)水、シリカ源、アルミナ源、カリウム源、水酸化物イオン(OH)源、および式III:
【化9】
[前記式III中、nは3である]
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される構造規定剤(Q)を含む合成混合物を調製することと、
(b)100℃~200℃の温度を含む結晶化条件下で、十分な時間、前記合成混合物を加熱して、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの結晶を形成することと、
(c)ステップ(b)からアルミノケイ酸塩ゼオライトの少なくとも一部を回収することと、
(d)任意で、ステップ(c)で回収されたアルミノケイ酸塩ゼオライトを処理して、構造規定剤(Q)の少なくとも一部を除去することと
を含んで成る、方法。
【0120】
実施形態12:前記構造規定剤(Q)が、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群より選択され、特に、構造規定剤(Q)はその水酸化物の形態である、実施形態11に記載の方法。
【0121】
実施形態13:前記合成混合物がモル比に関して以下:
【表14】
の組成を有する、実施形態11または12に記載の方法。
【0122】
実施形態14:有機化合物を変換生成物に変換する方法は、前記有機化合物を実施形態1~10のいずれか1つのアルミノケイ酸塩ゼオライトと接触させることを含んで成る。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成したままの形態で、表1:
【表1】
から選択される少なくとも10個のピークを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項2】
焼成したままの形態で、表1から選択される少なくとも12個、好ましくは少なくとも14個、より好ましくは少なくとも16個、最も好ましくは全てのピークを含むX線回折パターンを有する、請求項1に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項3】
式I:
【化1】
[前記式I中、0.05≦m≦0.17]
の分子式を有する、請求項
1に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項4】
合成されたままの形態で、表2:
【表2】
から選択される少なくとも10個のピークを含むX線回折パターンを有するアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項5】
合成されたままの形態で、表2から選択される少なくとも12個、好ましくは少なくとも14個、より好ましくはすべてのピークを含むX線回折パターンを有する、請求項4に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項6】
式II:
【化2】
[前記式(II)中、0≦q≦0.2、0.05≦m≦0.17、およびQは式III:
【化3】
(前記式III中、nは3で
ある)
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される]
の分子式を有する、請求項
4に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項7】
前記式III中、Qは、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項8】
単位格子内の四面体(T)原子について表3:
【表3】
の以下の接続性によって定義される骨格を有し、四面体(T)原子が架橋原子によって接続されている、請求項1
または2に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項9】
(a)単位格子寸法a=22.1±0.20Å、b=7.4±0.20Å、およびc=11.8±0.20Åを有する斜方晶系空間群Pmma、ならびに(b)10×8×8チャネル系を有する構造を有し、(b)にて、c軸に沿った10環細孔の寸法は5.2±0.20Å×4.9±0.20Åであり、c軸に沿った8環細孔の寸法は4.7±0.20Å×3.1±0.20Åであり、x-z平面内の別の8環細孔の寸法は4.7±0.20Å×3.1±0.20Åである、請求項1
または2に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項10】
3~10、好ましくは5~9のSi/Alモル比を有する、請求項1
または2に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライト。
【請求項11】
請求項1
または2に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトを製造する方法であって、
(a)水、シリカ源、アルミナ源、カリウム源、水酸化物イオン(OH)源、および式III:
【化4】
[前記式(III)中、nは3である]
のテトラメチルピリジニウムカチオンから選択される構造規定剤(Q)を含む合成混合物を調製することと、
(b)100~200℃の温度を含む結晶化条件下で、前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの結晶を形成するのに十分な時間、前記合成混合物を加熱することと、
(c)ステップ(b)から前記アルミノケイ酸塩ゼオライトの少なくとも一部を回収することと、
(d)任意に、ステップ(c)で回収された前記アルミノケイ酸塩ゼオライトを処理して、前記構造規定剤(Q)の少なくとも一部を除去することと
を含んで成る、アルミノケイ酸塩ゼオライトの製造方法。
【請求項12】
前記構造規定剤(Q)が、N,2,3,5-テトラメチルピリジニウム、N,2,4,6-テトラメチルピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択さ
れる、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記構造規定剤(Q)がその水酸化物の形態である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記合成混合物がモル比で以下の組成:
【表4】
を有する、請求項
11に記載の方法。
【請求項15】
有機化合物を変換生成物に変換する方法であって、有機化合物を請求項1
または2に記載のアルミノケイ酸塩ゼオライトと接触させることを含んで成る、方法。
【国際調査報告】