(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】セパレータインサート、セパレータ及びセパレータインサートの交換方法
(51)【国際特許分類】
B04B 7/08 20060101AFI20240905BHJP
B04B 1/04 20060101ALI20240905BHJP
B04B 7/14 20060101ALI20240905BHJP
B04B 11/02 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B04B7/08
B04B1/04
B04B7/14
B04B11/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512025
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2022074767
(87)【国際公開番号】W WO2023036786
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021123178.7
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202022104551.8
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516362920
【氏名又は名称】ジーイーエー ウエストファリア セパレーター グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビーヴァルト, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヘーゲマン, アクセル
(72)【発明者】
【氏名】グラフ, ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー, ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】マッケル, ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムリッヒ, カイ
(72)【発明者】
【氏名】クイター, カトリン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー, マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ゴーマン, リュディガー
(72)【発明者】
【氏名】ラークマン, シュテッフェン
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AA00
4D057AA01
4D057AA03
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC06
4D057AD01
4D057AE02
4D057AF05
4D057BA04
4D057BA14
4D057BA43
4D057BC06
4D057BC12
4D057CA01
4D057CA02
4D057CA03
4D057CB01
(57)【要約】
本発明は、生成物を処理する際に二次汚染を低減するセパレータを動作させる方法に関し、セパレータには、セパレータのフレーム(I)またはハウジング(68)上のステータ・ユニット(4a、4b)に挿入するために、予め組み立てられた交換可能ユニットとしてセパレータインサート(II、III)が配備され、セパレータインサート(II、III)は、少なくともi. ドラム(3,66)及びドラム壁を備えた回転軸(D)を中心に回転可能なロータ(2,65)と、ii..好ましくは、ドラム(3)に配置された分離手段と、iii.少なくとも1つの生成物供給ラインと2つの生成物排出ラインとを備え、iv.セパレータインサートの生成物との接触領域は、部分的または完全にプラスチックで作られている。セパレータの動作方法は、a)第1のセパレータインサート(II、III)がフレーム(I)またはハウジング内に取り付けられたセパレータを配備する工程と、b)セパレータに分離されるべき開始生成物を導入する工程と、c)セパレータの分離動作中に、生成物混合物から分離された第1及び第2の生成物流れ(LP、HP)を2つの別々の生成物排出ラインを通ってセパレータから外へ排出する工程と、d)分離動作を停止し、ドラム内に残った残留液を排水する工程と、e)空の汚染されたセパレータインサート(II、III)を、セパレータのフレームまたはハウジングから、未使用のセパレータインサートと交換する工程を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生成物の処理における二次汚染を低減するためのセパレータを動作させる方法であって、
セパレータには、セパレータのフレーム(I)またはハウジング(68)上のステータ・ユニット(4a、4b)に挿入するために、予め組み立てられた交換可能ユニットとしてセパレータインサート(II、III)が配備され、セパレータインサート(II、III)は、少なくとも、
i. ドラム(3,66)及びドラム壁を備えた回転軸(D)を中心に回転可能なロータ(2、65)と、
ii. 好ましくは、ドラム(3)内に配置された分離手段と、
iii. 少なくとも1つの生成物供給ラインと2つの生成物排出ラインとを備え、
iv. セパレータインサートの生成物との接触領域は、部分的又は完全にプラスチックで作られている、セパレータの動作方法において、
a) 第1のセパレータインサート(II、III)がフレーム(I)またはハウジング内に取り付けられたセパレータを配備する工程と、
b) セパレータに、分離されるべき開始生成物を導入する工程と、
c) セパレータの分離動作中に、生成物混合物から分離された第1及び第2の生成物流れ(LP、HP)を2つの別々の生成物排出ラインを通ってセパレータから外へ排出する工程と、
d) 分離動作を停止し、ドラム内に残った残留液を排水する工程と、
e) 空になった汚染されたセパレータインサート(II、III)を、セパレータのフレーム又はハウジングから、未使用のセパレータインサートと交換する工程を備える、方法。
【請求項2】
前記ドラム壁が、ドラム(3,66)の中央領域にて、閉じた壁の構成である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セパレータインサート(II)は、工程dにおいてドラム(3)に残留する残留液を排水するために、更なる排水排出ライン(120)を備えている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
セパレータインサート(II、III)の外側にある残留液を回収コンテナ(109)、好ましくは排水バッグ内に回収することにより、工程dにてドラム(3、66)内に残留する残留液を排水する、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
工程dにて、ドラム(3)に残留する残留液を、生成物供給ライン(61)を介して排水することにより空にする、請求項1、2又は4に記載の方法。
【請求項6】
生成物供給ライン(61)又は生成物供給ラインに接続された下流ライン要素、好ましくははホースまたはパイプが、残留液回収コンテナと生成物出力コンテナとを切り替える切替バルブを有し、ここで、切替バルブは、工程dにおいて、排水中に作動する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
交換可能で回転可能に取り付けられたロータ(65)が、セパレータのハウジング(68)内に形成され、工程bにおける開始生成物(S)の導入及び工程dにおける残留液の排出が、生成物供給ライン(61)を介して行われ、工程dにおける残留液の排出の前に、生成物供給ライン(61)に接続された供給要素と回収コンテナを備えた排出要素の交換が行われる、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
ドラム壁の中心領域が、ドラム(3、66)の軸方向の延伸長さの20%―80%に亘って延在している、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの生成物排出ライン(10, 62, 63)、特に重い生成物流れの生成物排出ラインがポンプ(110)に接続され、ここでポンプ(110)が生成物排出ラインの圧力を調整するために使用される、請求項1乃至8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
ポンプ(110)は、工程dで排出中に切り替えられるか、または工程cに比べて減圧状態で動作するか、または、生成物排出ライン(10, 62, 63)またはそれに接続されたライン要素が、圧力及び/又は流量を減少させるための調整要素を有し、調整要素はバルブが好ましく、特に好ましくは遮断バルブである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
セパレータインサート(II)は、遠心分離場における開始生成物としての流動性の懸濁液(S)を、異なる密度の少なくとも2つの流動性の相(LP、HP)に分離するように構成され、セパレータのフレーム上のステータユニットに挿入するための予め組み立てられた交換可能ユニットを形成し、少なくとも、
i. 分離動作中に停止し、1つ以上の開口部を除いて閉鎖されるコンテナのように構成されたハウジング(1)と、
ii. ハウジング(1)の内部に配置され、1つ以上の開口部を有するドラム(3)を備えて回転軸(D)の周りを回転可能であるロータ(2)と、
iii. 好ましくは、ドラム(3)に配置された分離手段と、
iv. ドラム(3)を備えたロータ(2)の軸方向に離間した2つの位置にある磁気ベアリング装置(4b、5b)用の少なくとも2つのロータユニット(4、5)であって、ドラム(3)を備えたロータ(2)は懸垂状態に保持されて、回転可能に取り付けられ、分離動作中はハウジング内に回転可能に設定されたロータユニット(4、5)とを備え、
さらに、磁気ベアリング装置(4、5)のステータユニット(4a、5a)と互いに離間した受け部(I-4、I-5)がフレーム(I)上に形成され、この受け部の間には、セパレータインサートのハウジング(1)が回転可能に固定されて保持され、ロータ(2)が、工程cで分離動作中にドラムと共に回転し、
ハウジング(1)は排水排出ラインを有し、工程dにおいて、該排水排出ラインを介して残留液がドラムから排水される、請求項1乃至10の何れかに記載の方法。
【請求項12】
工程dにおいて、残留液はドラム(3)から、且つハウジング(1)から排水される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
受け部(I-4、I-5)と磁気ベアリング装置(4、5)のステータユニット(4a、5a)との相対的位置を変更することにより、汚染された第1のセパレータインサート(II)が、工程eで除去されて、新たな第2のセパレータインサートと交換される、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記セパレータから2つの別々の生成物排出ラインを通って懸濁液(S)から分離された第1及び第2の生成物流れ(LP, HP)の排出は、生成物供給システム(PZS)とセパレータインサート(II, III)の外側の生成物排出システム(PAS)との間に接続がないような方法で、セパレータの分離動作中に行われる、請求項11乃至13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
前記セパレータから2つの別々の生成物排出ラインを通って懸濁液(S)から分離された第1及び第2の生成物流れ(LP、HP)の排出は、生成物排出システム(PAS)とセパレータインサート(II, III)の外側の排水排出システム(DS)との間に接続がないような方法で、前記セパレータの分離動作中に行われる、請求項11乃至14の何れかに記載の方法。
【請求項16】
セパレータの分離動作が停止しているときに、生成物供給システム(PZS)とセパレータインサート(II、III)の外側の排水排出システム(DS)との間に接続がないような方法で、セパレータからの残留液の排水が行われる、請求項1乃至3及び7乃至14の何れかに記載の方法。
【請求項17】
排水排出ライン(120)は、ハウジング(1,68)上に媒体が漏れないように形成され、生成物と接触する表面を有し、ハウジング(1,68)の隣接する外壁に対して突出するノズルと、該ノズルに接続された、好ましくは気密に接続されて、残留液を回収コンテナ(74, 109)内に排出するライン要素、特にパイプ又はホースラインを備える、請求項11乃至16の何れかに記載の方法。
【請求項18】
前記ハウジング(68)は、供給ライン(61)と第1及び第2の生成物排出部(62, 63)とを備えた生成物供給部を有し、排水排出ライン(120)は、生成物供給部と生成物排出部(62, 63)とは反対側の別のラインとして配置される、請求項11乃至17の何れかに記載の方法。
【請求項19】
供給ライン(61)が、ハウジング(68)の内部に突出する供給ノズル(73)を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
交換可能なシステムとしての生成物供給システム(PZS)、生成物排出システム(PAS)、及び排水システム(DS)が、特に生成物供給ライン、生成物排出ライン、及び/又は排水排出ラインに接続されたホースまたはパイプラインを備える、請求項11乃至19の何れかに記載の方法。
【請求項21】
ホースまたはパイプラインは、端部に無菌の連結部(112)を有している、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
生成物供給システム(PZS)は、ポンプ(101)、好ましくは遠心ポンプを備え、工程dで停止後に交換されることが好ましい、請求項16又は20に記載の方法。
【請求項23】
供給される生成物の流量又は流量と同等の物理的な測定値が、ポンプ出力を規制するために、特に媒体との接触のない測定によって決定される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項24】
ポンプ(101)及び流量計(102)が、生成物供給システム(PZS)のライザに配置されている、請求項11乃至23の何れかに記載の方法。
【請求項25】
生成物排出システム(PAS)の重い相(HP)の排出ラインが、ポンプ(110)、好ましくは蠕動ポンプを備え、ポンプは、工程dの停止後、セパレータの一部として残る一方、ポンプ(110)に接続されたライン要素が交換される、請求項15又は20に記載の方法。
【請求項26】
前記重い相(HP)の排出ラインは、前記ポンプ(110)の回転速度に基づいて前記重い相(HP)の排出における圧力を調整するための流量計(111)及び/又は圧力センサを有し、少なくとも前記流量計(111)は、ライザに沿って配置されている、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
軽い相(LP)を一時的に格納するコンテナ(105)が、軽い相の排出ラインに配置されている、請求項11乃至26の何れかに記載の方法。
【請求項28】
品質管理用の光学センサ(106)が配置され、該光学センサは軽い相(LP)の排出ラインにて、流体力学的にコンテナ(105)の下流側に配置されることが好ましい、請求項11乃至27の何れかに記載の方法。
【請求項29】
ポンプ(107)が、軽い相の排出ラインに配置され、該ポンプは流体力学的にコンテナ(105)の下流側に配置されることが好ましい、請求項11乃至28の何れかに記載の方法。
【請求項30】
ポンプ出力は、コンテナ(105)の重量を測定することによって、好ましくは充填レベル測定装置(104)によって制御される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
工程dにて排水された残留液の量を測定する、請求項11乃至30の何れかに記載の方法。
【請求項32】
工程b及び工程cの前又は工程中において、好ましくは窒素又は不活性ガスが、セパレータインサートに導入され、特に生成物の供給部及び排水部(8、35、40)及び排水部(120)とは別にセパレータインサート(III)のハウジング(68)に配置された1つ又は複数の接続片(76)を介して、セパレータインサートに導入される、請求項11乃至31の何れかに記載の方法。
【請求項33】
工程bの前に、接続片(76)を介してセパレータインサート(III)から空気が吸引される、請求項11乃至32の何れかに記載の方法。
【請求項34】
工程cに従ってセパレータインサート(III)を空にする間に、接続片(76)を介してセパレータインサート(III)にガスが導入される、請求項11乃至33の何れかに記載の方法。
【請求項35】
生成物供給システム(PZS)及び/又は生成物排出システム(PAS)内、又は該生成物供給システム(PZS)及び/又は生成物排出システム上の規制要素により、分離工程がセパレータによって制御され及び/又は規制され、好ましくは生成物供給システム(PZS)及び/又は生成物排出システム(PZS)のホースラインの外側から作用するピンチバルブによって、制御され及び/又は規制される、請求項11乃至34の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に記載のセパレータ用のセパレータインサート、このようなセパレータインサートを伴うセパレータ及び該セパレータインサートを交換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で定義されているセパレータは、開始生成物としての自由流動性の懸濁液を遠心分離場で異なる密度の相に分離するために使用される。使用するセパレータの蒸気滅菌は、多種多様な用途について必要である。出願人により市場に導入されたディスクパックを有する比較的「小」蒸気滅菌可能セパレータは、6000m2相当の清浄表面を有するセパレータ「CSC 6」である。しかし、実験室のような状況では、この機械はまだ比較的大きなものである。
【0003】
市販されているディスクパックを備えた公知のセパレータは、スピンドルによって駆動され、スピンドルは、直接または変速機を介してモータによって駆動される。さらに、公知の機械は、ステンレス鋼製である。これらの理由から、現在、遠心分離機の代わりに、フィルタが研究室で非常に頻繁に使用されている。蒸気滅菌(SIP-Sterilization In Place)は、ディスクパックと使い捨てプラスチック部品を備えたセパレータ(使い捨ての技術-事前に認定されたプラスチック部品の1回使用)には必要ない。該セパレータはバイオテクノロジー分野での利用に特に適している可能性がある。
【0004】
流動可能な生成物を異なる相に分離するセパレータは、国際公開公報2014/000829号から公知であり、このセパレータは、下側ドラム部品と上側ドラム部品とを備えた回転可能なドラムを有し、固体の遠心分離場における懸濁液を処理するため、または遠心分離場における軽い相から重い固体相を分離するためのドラムに配置された手段を有しており、ここで1つは、以下の要素のいくつかまたは全てが、プラスチックまたはプラスチック複合材料から成る、下側ドラム部品、上側ドラム部品、洗浄化手段である。
【0005】
このようにして、ドラムの一部、または好ましくはドラム全体を、好ましくは供給及び排出システムまたは領域とともに、使い捨て用に構成することが可能であり、これは発酵ブロスなどの医薬品の処理に関して特に関心があり、利点がある、何故なら、対応する生成物バッチを処理するために稼動した後は、好ましくは生成物バッチの処理中の連続動作時に、生成物に接触するドラムの部分の洗浄を行なう必要が無く、ドラム全体が交換され得るからである。
【0006】
従って、このセパレータは特に衛生的な観点から非常に有利である。この使い捨て可能なドラムと駆動装置との間の物理的分離を達成するために、駆動装置とドラムとの間の接触のない結合が有利である。
【0007】
更なる展開例が一般的なドイツ特許公開公報10 2017 128 027号に示されており、ここで、ベアリング装置は磁気ベアリング装置として構成されており、磁気ベアリング装置の1つは、作動中に懸架状態で保持されているドラムを回転させる駆動装置としても使用されるのが好ましい。
これにより、ドラムを回転させて支持するための機械部品が不要となり、このセパレータインサートの交換が非常に簡単であるため、使い捨てのセパレータインサートを備えたセパレータとしての構成が有利となる。本発明はまた、これらの利点を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような背景に対して、本発明の目的は、セパレータインサートの交換を最適化し、その後の廃棄を可能な限り簡単にすることである。特に、分離処理を容易に制御しやすくなるように、セパレータインサートを使い捨て要素として使用又は構成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1の特徴を有する方法によって、この問題を解決する。
セパレータを動作させる本発明の方法は、生成物の処理中の二次汚染の低減を達成することを意図している。
【0010】
この目的のために、セパレータインサートは、セパレータ内の予め組立てられた、交換可能なユニットとして使用される。同時に、交換可能なセパレータインサートは、本方法の一部として、簡単かつ複雑でない方法で廃棄される。特に、本方法は、セパレータインサートとその中に含まれる任意の残留液を分離して廃棄することができることを意図している。
【0011】
第1の変形例では、セパレータインサートは、セパレータのフレーム上のステータユニットに挿入するために配備される。この変形例では、セパレータインサートは、回転可能に取り付けられたドラムと、事前に組み立てられた交換可能ユニットとして分離動作中に静止しているハウジングとの両方を備えることができる。
【0012】
第2の変形例では、セパレータインサートは、回転可能に取り付けられたドラムを備えたロータとして構成することができ、好ましくは、セパレータのハウジング内に挿入される一体型の分離手段、特に分離ディスクパックを備えている。供給及び排出システム、すなわち、全ての供給ライン及び排出ラインの全体は、セパレータインサートの少なくとも部分的または完全な部品とすることが好ましく且つ有利であり、その結果、セパレータのハウジングに対して気密に封止された供給ライン及び排出ラインが確保される。
以前の変形例とは対照的に、この変形例のハウジングは、セパレータインサートの交換時にセパレータの一部が残る。第1の変形例と比較した場合の欠点は、回転部品と非回転部品との間の封止がより複雑になることである。このような封止及び対応する軸方向に配置された供給及び排出システムの例は、例えば、ヨーロッパ特許2 864 053号に知られている。下からの供給ラインの場合、セパレータインサートの交換を可能にする、いわゆるメカニカルシールを使用することができる。このようなシールは、例えば、国際公開公報2020/120358号から知られている。
【0013】
上記の両変形例において、セパレータインサートには少なくとも次の特徴がある。
i. ドラム及びドラム壁を備え、回転軸を中心に回転可能なロータ。好ましい実施形態では、これはドラムの中央領域に閉鎖した壁を有することができる。
【0014】
本発明の文脈では、中間範囲は、ドラムの軸方向の延伸長さの20%‐80%の範囲として規定されることが好ましい。
ii. 好ましくは、ドラム(3)内に配置された分離手段。
【0015】
分離ディスクからなるディスクパックを分離手段として用いることができる。
iii. セパレータインサートからの少なくとも1つの生成物供給ライン及び2つの生成物排出ライン。
【0016】
有利には、二次汚染をさらに低減するために、別個の排水排出ラインを設けることができる。本発明の文脈では、これは排出システムに割り当てられていないことが望ましい。
iv. ここで、セパレータインサートの生成物との接触領域は、部分的又は完全にプラスチックで作られている。
【0017】
使い捨て用についてのその機能において、セパレータインサートへのプラスチックの使用は、セパレータインサートまたは少なくとも生成物と接触する領域のその後の廃棄のために理想的である。
これは、薬局、放射性トレーサ分析、バイオテクノロジなどの様々な生成物の処理に有利であり、例えば植物毒性物質の抽出では、セパレータインサートを交換する場合でも汚染を最小限に抑える必要がある。
【0018】
本発明に係る方法は、少なくとも以下の工程を含む。
a) フレーム(I)またはハウジングに取り付けられた第1のセパレータインサート(II)を備えたセパレータを配備する工程と、
【0019】
この第1のセパレータインサートは、使用後、汚染されていない、その他の点では同一が好ましい第2のセパレータインサートと交換される。しかし、セパレータインサート、及び好ましくはセパレータインサートの分離手段を、分離作業に応じて変えることも可能である。
b) セパレータ内に分離される開始生成物を導入する工程と、
c) セパレータの分離動作中に、生成物の混合物から分離された第1及び第2の生成物の流れを、2つの別々の生成物排出ラインを通してセパレータから排出する工程と、
【0020】
以下、分離動作を略して「動作」ともいう。生成物は、分離機の遠心分離場で密度に応じて分離される。
d) 分離動作を停止し、ドラム内に残る残留液を排水する工程と、
【0021】
分離動作が停止または中止されると、ドラム内に残る残留液は、重力によって排水されるのが好ましい。
分離動作が停止してもドラムは僅かに動くことができるが、重力が優先し、空になる方向が決定される。
【0022】
別個の排水排出ラインが使用される場合、セパレータインサートが可能な限り完全に空になるように、セパレータインサートの底面に沿って配置されることが好ましい。
【0023】
工程dが、ハウジングとロータが予め組み立てられたユニットに結合されたセパレータインサートで実施される場合、排水排出ラインは、ドラムとハウジングの両方が排水排出ラインを介して残留液を排水するように配置することができる。この目的のために、1以上の排水排出ラインも設けることができる。
e) 空の汚染されたセパレータインサートを、セパレータのフレーム又はハウジングから、未使用のセパレータインサートに交換する工程と、
【0024】
次いで、空の汚染されたセパレータインサートは、残留液を流さずに廃棄することができる。特に問題のある生成物、例えば異なる危険有害性クラスの有害物質を処理する場合、セパレータインサートを汚染防止包装の中に直ちに梱包することが望ましい。
セパレータインサートを解体した時に残留液を排出することは非現実的であり、安全基準を高める必要がある。
【0025】
本発明の特に好適な実施形態では、開始生成物、例えば懸濁液の処理は、フレームと該フレーム上で交換可能に配置されたセパレータインサートを有するセパレータによって行われ、セパレータインサートは、遠心分離場の流動可能な懸濁液を、異なる密度の少なくとも2つの流動相に分離し、セパレータのフレーム上のステータユニットに挿入される予め組み立てられた交換可能なユニットを形成するように構成され、少なくとも、動作中は静止し、複数の開口部を除いて閉鎖されたコンテナのように構成されたハウジングと、該ハウジング内に配置され、1つ以上の開口部を有するドラムとともに、回転軸の周りで回転可能なロータと、好ましくは、ドラム内に配置された分離手段と、ドラムを備えたロータの軸方向に離れた2つの位置における磁気ベアリング装置用の少なくとも2つのロータユニットとを備え、ドラムを備えたロータは動作時にハウジング内で懸架状態に保持されて、回転可能に取り付け可能で、動作時にハウジング内で回転可能であり、更に磁気ベアリング装置のステータユニットを備える離れた受け部がフレーム上に形成され、受け部の間ではセパレータインサートのハウジングが非回転的に保持され、ロータが回転可能に維持され、ベアリング装置のステータユニットを備える離れた受け部の相対的位置は、セパレータインサートが交換できるように変更することができ、ハウジングと受け部は、対応する確実なロック手段を備えて、ハウジングを受け部上で回転不可能に保持する。
【0026】
「動作中」とは、ロータが回転している場合の遠心処理中を意味する。
【0027】
請求項1によれば、使い捨て部品「ドラム」及び「ハウジング」を備えた使い捨てモジュールを有するセパレータを作ることが可能であり、一方、少なくともベアリング及び駆動装置のフレーム及び部品を再使用することが可能である。位置を変更することにより、対応する確実なロック手段は係合され及び係合を解除されて、セパレータインサートを交換することができる。
【0028】
本発明は、使い捨てのセパレータインサートを使用することができるセパレータを製造することを可能にし、このセパレータは、望ましくは、全ての生成物接触構成要素が、1回使用の後に廃棄することができるプラスチックまたは他の非磁性材料で作られるように構成される。これにより、使用後の洗浄が不要になる。このように、機械及びその動作は、大幅に安価になり得る。磁石は必要に応じてリサイクルできる。
【0029】
フレーム上のベアリング装置用に間隔をおいて配置された受け部を有することは簡単で安全であり、これらの受け部の間にセパレータインサートを回転可能に固定するように挿入することができる。
【0030】
また、セパレータインサートが、回転しないように、確実及び非確実な方法でフレームに取り付けることができることも提供される。
【0031】
特に単純な変形例によれば、受け部及びハウジングは、ハウジングが回転しないように受け部上に保持するために、対応する確実なロック手段として対応するピンと凹部を有することができる。受け部とピンが夫々軸方向に延びていれば特に簡単である。
【0032】
また、セパレータインサートを交換できるように、特にブラケット上の受け部の位置を調整できるようにすることもできる。この目的のために、受け部間の相対距離は調整可能であるが、一方または両方の受け部を、セパレータインサートを受け部間に配置できるように、ヒンジ式、旋回式、回転式、または変位式とすることもできる。好ましくは、1つの変形例によれば、受け部の垂直方向の相対間隔を、セパレータインサートを交換できるような方法で、ベアリング装置のステータユニットと共に調整することにより、相対的な垂直位置を変更することができ、これにより、対応する確実なロック手段を、調整により、係合状態にしたり、係合状態から外したりすることができる。
【0033】
これにより、バッチ処理後にセパレータインサートを素早く簡単に交換することができる。
【0034】
特に簡単な第1の変形例によれば、2つの受け部の一方のみをフレーム上、特にブラケット上に、特に高さ調節可能な方法で、調整可能な方法で配置することができ、他方の受け部をフレーム上、特にブラケット上の固定位置に配置することができる。あるいは、両方の受け部をフレーム上、特にブラケット上に、特に高さ調節可能な方法で、調節可能な方法で配置することが可能である。
【0035】
本方法のさらに有利な実施形態は、従属請求項の主題事項である。
【0036】
前述のように、セパレータインサートには、工程dでドラム内に残っている残留液を排水するための追加の排水排出ラインを設けることができる。特に、これはセパレータインサートの供給及び排出システムに加えて提供される。これにより、底側の供給部経由で空にするのとは対照的に、バイパスや制御要素を追加する必要はない。
【0037】
工程dでドラム内に残留する残留液を排水することは、回収コンテナ、好ましくは排水バッグ内のセパレータインサートの外部に残留液を回収することを含む。このようにして、残留液は、交換の直前に、セパレータインサートの気密な環境から、同様に異物が混入していない回収コンテナの気密な環境に移すことができるのが好ましい。
回収コンテナの内容物は、空のコンテナと充填されたコンテナの重量を測定することにより決定することができ、その結果、残留液の重量を極めて精密に求めることができる。有害物質、例えば、フィトトトキシンや放射性核種の場合、各国の様々な規制により、残存量の厳密な決定が必要となる可能性がある。
【0038】
ドラム内に残留する残留液は、工程dにおいて、排水排出ラインに代わるものとして、生成物供給ラインを介しても、排水することができる。生成物供給ラインが交換可能なセパレータインサートの一部である場合は、自動的に交換することもできる。生成物供給ラインの一部または生成物接触面を有する供給システムの一部がハウジングの一部である場合、この部分は、セパレータインサートと一緒に廃棄できるように交換可能に構成することが好ましい。ただし、これには追加の分解工程が必要になり得る。
【0039】
生成物供給ラインまたはそれに接続された下流ライン要素、望ましくはホースまたはパイプは、残留液回収コンテナと生成物出力コンテナとの間の切替バルブを有してよく、ここで、切替バルブは工程dにおいて排水中に作動される。制御ユニットは、記載された方法の動作手順及び切替バルブの作動の両方、ならびにセパレータ、例えば蠕動ポンプを作動させるための任意の他の構成要素を実施することができる。
【0040】
本発明の1つの変形例において、セパレータインサートは、セパレータのハウジング内に一体化された供給システム及び排出システムを備えた交換可能で回転可能に取り付けられたロータとして構成することができ、工程bにおける開始生成物の導入及び工程dにおける残留液の排出は、供給システムの生成物供給ラインを介して行われ、工程dにおける残留液の排出に先立って、生成物供給ラインに接続された入口要素は、回収コンテナを備えた排出要素と交換される。
【0041】
ドラムの中央の閉鎖された壁領域は、ドラムの軸方向の延伸長さの20%―80%に亘って延在しているのが有利である。
【0042】
特に、セパレータインサートがハウジング及びロータを有する第1の変形例においては、少なくとも1つの生成物排出ライン、特に重い生成物流れの生成物排出ラインが、蠕動ポンプ、特に蠕動圧搾ポンプなどのポンプに接続されている場合に有利であり、ポンプは、生成物排出ライン内の圧力を調節するために使用される。その結果、例えば、流量を減らすことによってポンプはグリッパとして構成されるセパレータインサート内で重い相の生成物排出に対応する圧力を発生させることができる。
【0043】
工程dでの排水中にポンプのスイッチを切るか、工程cと比較して減圧で運転することができるため、残留液を重力で排水することができる。これに代えて、生成物排出ラインはまた、減圧のための制御要素、好ましくはバルブ、特に好ましくはストップバルブを有することができ、これにより、排水排出ラインを介した排水が確実に行われる。或いは又は更に、残留液は、この排水排出ラインを経由して、負の圧力で排水することもできる。
【0044】
さらに、残留液は、工程dにおいて、ドラム及びハウジングの両方から有利に排水され得る。これは、ハウジング及びドラムがセパレータインサートの一部である第1の変形例に特に当てはまる。
【0045】
新しい第2のセパレータインサートと交換するための工程eにおける汚染された第1のセパレータインサートの取り外しは、ベアリング装置のステータユニットとの受け部の相対位置を変えることによって有利に行うことができる。
【0046】
工程eにおいてセパレータの第1のセパレータインサートを第2のセパレータインサートに交換するための有利かつ簡便な方法は、特に以下の工程を用いて実施することが好ましい。
a) セパレータに、第1のセパレータインサートがフレームに取り付けられたセパレータを配備する工程と、
b) 受け部の相対位置、特に受け部の相対距離を調整し、及びフレームとセパレータインサート間の確実なロックを解除し、及び受け部からの第1のセパレータインサートを取り外す工程と、
c) 第2のセパレータインサート(工程a及び工程bの前、工程中、または工程後)を配備する工程と、
d) 他の第2のセパレータインサートを受け部の一方に挿入し、ハウジングの一端部及び受け部の一方の対応する確実なロック手段を互いに係合させる工程と、
e) セパレータインサートのハウジング両端部及び2つの受け部における対応する確実なロック手段が回転可能に固定された状態で互いに係合するまで、受け部の相対位置、特に相対距離を調節する工程。
【0047】
セパレータの分離動作中に、セパレータからの2つの別々の生成物排出ラインを介して生成物混合物から分離された第1及び第2の生成物流れの排出は、生成物供給システムとセパレータインサートの外側の生成物排出システムとの間に接続がないような方法で有利に行われ得る。これにより、生成物供給システムと排出システムの流れを、気密で汚染のない状態で確実に排出することができる。
【0048】
さらに、生成物排出システムとセパレータインサートの外側の排水排出システムとの間に接続がないような方法で、セパレータの分離動作中に、生成物混合物から分離された第1及び第2の生成物流れを、2つの別々の生成物排出ラインを介してセパレータから排出することができる。排水排出システムは、前記排水排出ラインと、オプションとして、セパレータインサート及び前記回収コンテナの外側の排水排出ラインに接続された追加のパイプまたはホースラインとを備えるのが好ましい。
【0049】
さらに、工程dでセパレータが分離動作を停止する場合、残留液は、生成物供給システムとセパレータインサートの外側の排水システムとの間に接続がないようにセパレータから排水されることが好ましい。
【0050】
これは、生成物供給システム及び/又は生成物排出システムが排水システムから気密に封止されていることを意味し、二次汚染を防止する。
【0051】
あるいは、顧客はシステム内の特定の補助材料を保持するために、個々の排水流れ(軽い相または重い相)を、10%―90%の範囲で、部分的に開始タンク(発酵槽)(図示せず)に戻すことができる。
【0052】
排水排出ラインは、生成物と接触する表面とする媒体が漏れないようにハウジング上に形成されたノズルと、残留液を回収コンテナ内に排水するために、好ましくはノズルに気密に接続されたパイプまたはホースラインを備える。ノズルはハウジングから外側に突き出ている。前記ノズルが、前記ハウジングの隣接する外壁から突出することが好ましい。
【0053】
ハウジングは、第1及び第2の生成物排出部と同様に、供給ラインを有する生成物供給部を有し、排水排出ラインは、生成物供給部及び生成物排出部とは逆の別のラインとして配置されるのが好ましい。
【0054】
供給ラインは、ハウジングの内部に突出する供給ノズルを有することができる。これは、供給開口部と排水排出部の開口部との間に高低差を生じさせるので、生成物供給部を閉じて残留液を排出する必要がない。
【0055】
ホースまたはパイプラインは、端部に滅菌された連結部を有することができる。
【0056】
生成物供給システムは、ポンプ、好ましくは遠心ポンプを備えることが有利であり、その生成物接触要素は、工程dの停止後に交換されることが好ましい。
【0057】
生成物供給システム、生成物排出システム及び排水システムは、交換可能なシステム、特に、生成物供給ライン、生成物排出ライン及び/又は排水排出ラインに、又はその上に取り付けられたホース又はパイプを備えることが好ましい。
【0058】
有利には、生成物供給物の流量または流量と同等の物理的測定値を、特に媒体との接触のない測定によって、ポンプ出力を制御するように決定することができる。
【0059】
ポンプと流量計は、最適な測定値取得のために、生成物供給システムのライザに配置することができる。
【0060】
生成物排水システムの重い相の排水は、ポンプ、好ましくは蠕動ポンプを有することができ、このポンプは、工程dにおける停止後、セパレータの一部として残るが、一方、ポンプに接続されたライン要素は交換される。
【0061】
重い相の排液は、ポンプの速度に基づいて重い相の排出における圧力を調整するための流量計及び/又は圧力センサを有することができ、少なくとも流量計は、ライザに沿って配置される。
【0062】
軽い相を一時的に格納するコンテナは、軽い相の排水部に配置することが有利である。
【0063】
品質管理のための光学センサは、好適には軽い相の排水部に、好ましくはコンテナの背後に流体力学的方法で配置することができる。
【0064】
ポンプは、軽い相の排水部に、好ましくはタンクの下流に配置することもできる。
【0065】
ポンプ出力は、コンテナの充填レベルを、好ましくは充填レベル測定装置を用いて測定することによって制御することができる。
【0066】
また、工程dで排水された残留液の量は、とりわけバランス調整の理由により測定することもできる。
【0067】
有利には、工程b及び工程cにおいて、保護ガス、望ましくは窒素又は不活性ガスを、セパレータインサートのハウジング上の生成物供給部及び排出部とは別に配置された1つ又は複数の接続ノズルを通して、セパレータインサートに導入することができる。
【0068】
さらに、有利なことに、工程bの前に、セパレータインサートから、接続片を通して空気を抜くことができ、例えば、不活性ガスでセパレータインサートを満たすことができる。
【0069】
最後に、空にする工程を加速し、確実に完了させるために、工程cに従ってセパレータインサートを空にする際に、接続片を介してガスをセパレータインサート内に導入することができる。
【0070】
以下は、本発明によるセパレータインサートの第1の変形例に特に関連する、さらに有利な実施形態である。
【0071】
また、一方又は両方の受け部が、特にブラケット上で、フレーム上にスライド可能に配置されている場合には、構成上、特に有利かつ簡単である。
【0072】
また、セパレータインサートを受け部の一方または両方に挿入する際に、1つ以上の軸方向に延在するホースが、セパレータインサート上で夫々の受け部の夫々の貫通開口を介して案内される場合も有利である。
【0073】
ロータユニットがドラムの2つの軸方向端部に配置され、2つの対応するステータユニットがセパレータのフレーム上に形成されていることが、簡単で実用的であるとして好ましい。このようにして、磁気ベアリング装置がドラムの軸方向の両端部に形成される。
【0074】
ここでは、ステータユニット及びロータユニットの互いに対する機能的に必要な位置が、本発明に従って機械的に確保されることが特に有利である。これは、特に、一方が他方の内側に同軸的に位置するステータユニット及びロータユニットの正確な軸方向及び半径方向のセンタリングに適用される。
【0075】
また、本発明は、遠心分離場中の流動性の懸濁液を、異なる密度の少なくとも2つの流動性の相に分離するためのセパレータインサートを提供し、このセパレータインサートは、セパレータのフレーム上のステータユニットに挿入される事前に組み立てられ、交換可能なユニットを形成し、少なくとも次のものを備える。動作中は静止し、1つ以上の開口部を除き、閉鎖されたコンテナのように構成されたハウジングと、ハウジングの内部に配置され、回転軸の周りで回転可能であり、1つ以上の開口部を有するドラムを有するロータと、ドラム内に配置された分離手段、ドラムの2つの軸方向に離間した位置における、磁気ベアリング装置用の少なくとも2つのロータユニットを備え、ロータユニットを用いてドラムを備えたロータは懸垂状態に保持されて、回転可能に取り付けられ、動作時にハウジング内で回転状態に設定され、ハウジングは支台にハウジングを回転しないように保持するための確実なロック手段を備える。このセパレータインサートは、交換可能なモジュールとして、フレーム、特にその受け部が支台を形成するセパレータに適している。
【0076】
有利な変形例によれば、2つの磁気ベアリング装置のうちの少なくとも1つは、ドラムの回転駆動装置も表わすことが好ましく、この駆動装置は、自由に調節可能な速度または自由に選択可能な回転方向でドラムを駆動するのにも適している。一方または両方の磁気ベアリング装置が、半径方向及び軸方向のベアリングとして作用し、動作中にロータをコンテナ内にコンテナから離れた位置に吊り下げたままにしておくことが好ましい。
【0077】
ロータユニットとステータユニットは共に磁気ベアリングユニットを形成する。これらは、軸方向及び半径方向にドラムを支持し、それを吊り下げたままにするために使用され得る。
【0078】
変形例を実施することがさらに有利かつ構造的に特に容易であることによれば、さらに、ドラムの更なる開口部は、ドラムからハウジングに流入する流動可能な相の第2の相のための自由な半径方向出口として構成されており、該出口から排出することができる。また、ハウジングからの排出部を有する、自由な出口と関連付けられたハウジングの捕捉リング室を設けることも有利且つ簡単であり得る。
【0079】
しかしながら、構成の点から特に実施しやすい別の有利な変形例によれば、さらに、ドラムからさらに流動可能な相を排出するためのドラムの更なる開口部が、ペアリングディスクとして形成されることも可能である。次に、有利には、ペアリングディスクが、排水パイプを有し、該排水パイプは供給パイプに対して同軸に形成され、ドラムからハウジングの第1の軸方向の境界壁の開口を通って供給パイプに同軸に案内される。
【0080】
分離工程を上手に制御するため、すなわち、分離工程を制御又は調整することができるように、第1のペアリングディスク及び/又は第2のペアリングディスクの下流側には、流れ側、すなわち夫々の場合において排出側に、制御装置によって制御可能な制御バルブが接続されていることも、提供され得る。
【0081】
制御バルブは、好ましくは、ピンチ弁として構成することができ、この弁は、外部からホースラインに作用するが、ホースライン内にも設置することができ、従って、工程dの後に、使い捨てバージョンとして、汚染セパレータインサートと交換することができる。
【0082】
また、ディスクパックが分離手段としてドラム内に配置され、ペアリングディスクが、スペースを節約した簡単な構成、すなわち、駆動スピンドルを締結するためにしばしば必要とされる領域内にて、分配器の下方及びディスクパックの下方に配置されることが好ましい。このペアリングディスクは、ドラムから第1の流動可能な相を排出するために使用される。
【0083】
磁気ベアリング装置用のロータユニットがドラムの2つの軸方向端部に配置され、第1のペアリングディスクの供給パイプ及び排水パイプが夫々これらの2つのロータユニットのうちの1つを軸方向に通過することが、構成が簡単であり且つ安全であるとして好ましい。
【0084】
セパレータインサートを予め組み立てられたユニットとして構成することは、特に有利であり、かつ実用的である。特に、このセパレータインサートの生成物との接触要素は全て、プラスチックまたは他の非磁性材料で作られており、全体として交換することができ、使用後に完全に廃棄することができる。したがって、セパレータインサートの洗浄及び必要に応じて蒸気滅菌はもはや不要である。
【0085】
夫々のベアリング装置は、半径方向ベアリングに加えて、ドラム及び/又は回転駆動装置の軸方向ベアリングにも作用し、永久的に及び/又は電磁気的に作用することができる。
【0086】
外周上で、供給ラインまたは供給ラインを取り囲むペアリングディスクシャフトは、封止された方法でハウジング内に挿入されるか、またはハウジングと一体に形成されるのが好ましい。
【0087】
ドラムは単一円錐形でも二重円錐形でもよい。さらに、あるいは、それに代えて、1つ以上の円筒部を有することもできる。また、それは、幾つかの部分、特に上側部分と下側部分から構成され得て、ここで、これらの部分は、内部の構成要素及びそれらの組立品の設置後に(例えば、接着又は溶接によって)結合されることが好ましい。同様に、ハウジングは、幾つかの部品、特に上側部分と下側部分で構成することができ、これらの部品は、内部の構成要素-特にロータ-及びそれらの組立(例えば、接着または溶接)の設置後に、互いに接合されることが好ましい。
【0088】
排水部はハウジングの外側にノズルを有することができ、これらはハウジングの外周に封止されてホース等が容易に接続できるようになっている。また、ホースをノズル上に予め組み立て、完全に封止し、必要に応じて無菌にすることもできる。ノズルは、例えば、半径方向に、接線方向に、または半径方向に対して或る角度で延びることができる。
【0089】
製造後には、セパレータインサート全体を、不純物が入らないように封印されたユニットとして提供することもできる。この目的から、ハウジングの開口部にあるノズルを封止し、着脱自在に閉じることができる。例えば、ホース部をノズル上に配置することができ、これは、開閉可能なコネクタを有し、該コネクタを用いてセパレータインサートをバッグ又はタンク又はホース又はパイプラインのような供給及び排出システムの他の要素に接続することができる。
【0090】
これらのセパレータは、比較的高速であっても可変速での運転に適している。また、単発処理-例えば、懸濁液としての流動性の発酵ブロスの生成物バッチ-例えば100Lから数千、例えば4000Lを異なる相に遠心分離し、その後廃棄するにも使用できる。
ここでの特別な利点は、セパレータの全ての生成物との接触構成要素が組み込まれ、動作され、そして予め作られた且つ無菌ユニットとして廃棄することができることである。この予め作られたユニットは、少なくともドラムを備えたロータ、分離ディスク、入口側分配器、及びロータ磁石またはロータユニット、ならびに供給部及び排出部を備えたハウジングから構成される。さらに、ユニットには供給及び排出ライン(ホースなど)のほか、測定機器または生成物に接触するその他の構成要素トも含めることができる。これらは1回での使用を目的としており、使用後にセパレータユニットと一緒に廃棄される。
【0091】
最後に、ハウジングが供給パイプ及び排出用の開口部のみを有し、そうでなければ気密に封止されることも有利である。この目的のために、供給パイプ及び排出部がノズルのようにハウジングから外側に突出しており、これらのノズルが封止された方法でハウジングに接続されているか、又はハウジングと一体に形成されていることが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
以下では、例示的な実施形態を用いて図面を参照して本発明をより詳細に説明するが、さらに有利な変形例及び実施形態についても説明する。以下に説明する例示的な実施形態は、本発明を網羅的に説明することを意図したものではないが、示されていない変形例及び均等物も実現可能であり、特許請求の範囲に含まれることが強調される。
【
図1】セパレータの交換可能な第1のセパレータインサートの概略図、及びセパレータの供給及び排出システム及び制御ユニットの概略図である。
【
図2】セパレータの交換可能な第2のセパレータインサートの概略図、及びセパレータの供給及び排出システム及び制御ユニットの概略図である。
【
図3】
図1のように、再利用可能なフレームと交換可能なセパレータインサートを備えたセパレータの概略図を示し、交換可能なセパレータインサートはここでは
図1と同様であり、その上にホース部が配置されている。
【
図4】
図1及び
図3からの交換可能なセパレータインサートの斜視図を示し、その上にホース部が配置されている。
【
図5】
図4の交換可能なセパレータインサートを
図3のフレームに挿入するときの3つの連続した工程を示す図である。
【
図6】
図4の交換可能なセパレータインサートを
図3のフレームに挿入するときの3つの連続した工程を示す図である。
【
図7】
図4の交換可能なセパレータインサートを
図3のフレームに挿入するときの3つの連続した工程を示す図である。
【
図8】更なる例示的な実施形態としての
図1乃至
図7のセパレータ及びセパレータインサートの変形例を示す斜視図である。
【
図9】本発明に係る方法を実施するための設備の概略図である。
【
図10】一体型の排水パイプを備えた
図1乃至
図3の変形例におけるセパレータインサートの斜視図を示す。
【
図11】別の実施形態の変形例を示し、セパレータインサートとしてのロータと、セパレータの固定された交換不可能な要素としてのハウジングとを有する。
【
図12】セパレータインサートの別の実施形態の変形例を示し、ガスの供給または排出のために、そのハウジング上に少なくとも1つの接続片を有するセパレータインサートの変形を実施する。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図1-
図12は、複数の再使用可能なフレームIを有し、かつ遠心分離のための交換可能なセパレータインサートIIを有する複数のセパレータを示す。本発明による方法は、排水排出ライン120が設けられた
図9乃至
図12の実施形態の変形例によって特に実現することができる。
【0094】
原則として、セパレータインサートも、
図1又は
図2と同様に構成することができ、任意に、表示されていない排水排出ラインを補完することができる。
【0095】
セパレータインサートIIは、予め組み立てられたユニットとして構成されるのが好ましい。特に、セパレータインサートIIは、全体として交換または置換が可能な使い捨てセパレータインサートとして構成され、予め組み立てられたユニットとして構成され、該ユニットIIは、全体的に、または主としてプラスチックまたはプラスチック複合材料で作られる。
【0096】
セパレータインサート(要素4a、5aを含まない)は、
図1及び
図2に例として別個に示されている。セパレータインサートは生成物バッチを処理した後で廃棄され、新しいセパレータインサートIIに交換される。
【0097】
図1及び
図2によれば、セパレータのセパレータインサートIIは、ハウジング1と、ハウジング1内に挿入され、動作中にハウジング1に対して回転できるロータ2とを有する。ロータ2には回転軸Dがある。該回転軸DはフレームIの構造に対応して垂直方向に配列させることができる。しかし、フレームも対応して構成されている場合は、回転軸は空間内で異なる配置にすることもできる。
【0098】
セパレータインサートIIのロータ2は、回転可能なドラム3を有する。ロータ2は、回転軸方向に離間した2箇所にて磁気ベアリング装置4、5により回転可能に取り付けられている。好ましくは、ロータ2またはドラム3は、軸方向の両端部に回転可能に取り付けられている。セパレータインサートIIは、磁気ベアリング装置4、5のロータユニット4b、5bを有する。一方、フレームI-1上には各磁気ベアリング装置4、5のステータユニット4a、5aが配置されている。
【0099】
磁気ベアリング装置4、5は、半径方向及び軸方向に作用し、回転可能に取り付けられたロータ2をハウジング1内に懸架し、ハウジング1から距離を置いて保持するのが好ましい。
【0100】
容易に交換可能なセパレータインサートを備えたこのようなセパレータは、生成物の処理時に、遠心分離処理中に不純物が生成物(流動性の懸濁液またはその相)に混入することを非常に高い確実性で排除できる点で有用であり、有利であり、又はセパレータの洗浄と消毒が、非常に時間がかかるか、全く不可能である場合に有用であり、有利である。
【0101】
フレームIはブラケットI-1を有する。これは、ローラI-3を備えたキャリッジI-2に取り付けられるが、必ずしも必要ではない。受け部I-4及びI-5は、ブラケットI-1上に形成することができ、これは、動作中であっても、セパレータインサートIIを受け入れ、保持する役割を果たす。
好ましくは、セパレータインサートIIの軸方向の第1の端部は、下方から上方の受け部I-4に向かって突出し、セパレータインサートIIの下端部は、上方から他の受け部I-5内又は受け部I-5に向かって突出し、セパレータインサートIIは、ブラケットI-1上、ひいてはフレームI上に回転不可能に保持される。
【0102】
受け部I-4及び/又はI-5の一方又は両方を、フレームI、特にブラケットI-1上に横方向に配置することができる。1つの変形例によれば、例えば、下側の受け部I-5がブラケットI-1上に固定されるように構成されていることが提供される。次に、更なる上側の受け部I-4がブラケットI-1上で高さ調整可能に構成されていることが有利である。
【0103】
この場合、セパレータインサートが高さ調節可能な受け部I-4、I-5の両方によって、高さ調節可能な受け部I-4の第1の位置で固定され、他の上部位置で交換できるような垂直方向の延在方向/長さをブラケットI-1が有すれば有利である。
【0104】
有利なことには、フレームI上のステータユニット4a、5aを有する受け部I-4及びI-5が、セパレータインサートIIを変更するために、すなわち、古いセパレータインサートIIをフレームIから取り出し、新しいセパレータインサートと交換することができるように、軸方向に互いに離れ且つ向かって動かすことができる。これは、例えば、ブラケット上のレールと、移動できスライド位置でロック可能な高さ調節可能な受け部上のスライドで実現できる。
【0105】
従って、セパレータインサートIIを交換することができるように、受け部I-4及びI-5と磁気ベアリング装置4、5のステータユニット4a、4bとの間の相対距離を調整することができる。
【0106】
2つの駆動装置及び磁気ベアリング装置4、5の夫々のステータユニット4a、5aは、夫々の受け部I-4及びI-5内に配置することができる。このための制御及び電力エレクトロニクスは、フレームI、例えばブラケットI-1の内側、または上側に配置することができる。
【0107】
対応する確実なロック手段を受け部I-4及びI-5上、並びに動作中に回転しないセパレータインサートIIのハウジング1上に形成して、セパレータインサートIIを回転的に固定された状態でステータユニット4a、5a内に挿入することができる。上側及び下側のステータユニット4a、5aは夫々、整列した軸を有することができる。
【0108】
特に単純な変形例によれば、ハウジング1及びステータユニット4a、5aを備えた受け部I-4又はI-5は、対応する確実なロック手段として突起部(例えば、ピン又はウエブ)及び凹部(例えば、穴)を備えて、ステータユニット上、ひいてはフレームII上にハウジング1を回転不可能に保持する。対応する確実なロック手段もまた、フレームII上に直接形成することができる。
【0109】
これらの対応する確実なロック手段の位置は、また、ステータユニット4a、5a及びロータユニット4b、5bの互いに機能的に必要な位置を規定する。これは特に、ステータユニット及びロータユニット4a、5a、4b、5bの精密な中心化に用いられ、一方が他方の内部に同軸上に位置する。付随的に、受け部によって軸方向に(上方及び下方から)保持力をハウジングに作用させて、ハウジングを力でロックするように保持することもできる。
【0110】
図3乃至
図7によれば、上記の対策は例として、以下のように実施される。
【0111】
フレームIのステータユニット4a、5aを備えた受け部I-4及びI-5は、夫々軸方向に突出する幾つかのピン41aを有し、夫々のセパレータインサートIIは、凹部42又は41bとして、例えば軸方向に延在する対応する止まり穴をハウジング1に有することができる。
【0112】
この場合、ステータユニット4aを有する受け部I-4は、軸方向またはここでは垂直下方に突出するピン41(ここでは見えない)を有し、セパレータインサートIIは、垂直上方に対応する止まり穴状の凹部42(ここでは見えない)を有し、下側のステータユニット5aを有する下側の受け部I-5は、対応する軸方向またはここでは垂直上方に突出するピン41a(ここでは見えない)を有し、セパレータインサートIIは、軸方向下方に対応する止まり穴状の凹部(ここでは見えない)を有する。
例としてのみ、4つのピン41a及び凹部41bが、仮想上の多角形、特に正方形の角部上に分布して配置され、受け部I-4、I-5及びセパレータインサートIIのハウジング1の上部及び下部に形成される。
【0113】
図1-
図7において、対応する確実なロック手段41a、41b及び42は、セパレータインサートIIの周りに円周方向に分布して配置されている。しかしながら、幾つかの確実なロック手段の代わりに、1つの確実なロック手段のみが提供されることも可能である。
【0114】
しかしながら、対応する確実なロック手段は、セパレータインサートが単一の方向でしか使用できないように、非対称的に配置することもできる。
【0115】
ステータユニット4a、5aは、開口部、特に貫通開口部43を各々有して、上部及び/又は下部でセパレータインサートIIに接続されたホース44、45のようなラインを収容することができる。
【0116】
一方又は両方の受け部I-4とI-5が垂直方向に調整できるように構成されている。したがって、2つの受け部I-4またはI-5のうちの1つは、フレームIに固定することもできる。したがって、2つの受け部I-4又はI-5のうちの1つ、例えば下側が、フレームIの壁上に形成され、調節不可能であることも考えられる。次に、他の各受け部I-4又はI-5が調整可能であり、特にフレームI上で垂直方向に高さ調整可能に配置及び/又は構成されるように、フレームIを構成すれば十分である。
【0117】
これは、
図3乃至
図7の相互作用からも明らかである。
図5は、セパレータインサートIIを挿入する前のフレームIを示している。
【0118】
2つのステータユニット4a、5aは、夫々のセパレータインサートがステータユニット4a、5a(
図5、
図6)と共に2つの受け部の間で軸方向に持ち上げることができるように互いに離れて移動されており、セパレータインサートIIは、次に、対応する確実なロック手段-ここでは41、42-が互いに係合するように、下側の受け部I-5(
図6及び
図7)内/上に配置される。
【0119】
さらに、ハウジング1の下端部のホース45は、下側の貫通開口部43を通って下方に案内され、従って、軸方向に関連するステータユニット5a(
図6)を通る。上側の受け部I-4の確実なロック手段とセパレータIのハウジング1-41,42-が互いにしっかりとかみ合うまで、上側の受け部I-4が下降する(
図7)。ハウジング1の上側ホース44は、上側の受け部I-4の貫通開口部43を通って案内される。
【0120】
セパレータインサートIIは、フレームI上で回転不可能に固定されている。したがって、遠心分離場で生成品バッチを処理するための遠心分離処理を開始することができる。意図されたバッチが処理された後、上側のセパレータユニットは、セパレータユニットがフレームIから持ち上げられ、新しいものと交換されるまで、再び上方に持ち上げられる。
【0121】
図1及び
図2を参照して、例示的な好ましいセパレータインサートIIの更なる構造を、セパレータの駆動構造及びベアリングシステムの構造、セパレータの制御システム、及びセパレータの供給及び排出システムとともに、以下により詳細に説明する。本発明はこれに限定されるものではない。特に、供給ラインと排出ラインはセパレータインサートII上で異なる形で実現することもできる。
【0122】
まず、ロータユニット4b、5bは、本質的に磁石、特に永久磁石の内輪のように構成することができ、再使用可能なステータユニット4a、5aは、本質的に外輪のように構成することができ、このステータユニット4a、5aは、ロータ2の軸方向及び半径方向の取付け(例えば、上部に)、または代替的に回転駆動(例えば、下部に)にも使用される。
【0123】
従って、セパレータ駆動装置の一部として、ロータユニット4b及び/又は5bも、回転システムまたはロータの一部を形成する。換言すれば、駆動装置のロータは遠心分離機のドラムの一部である。
【0124】
従って、磁気ベアリング装置4、5の一方又は両方は、好ましくは、ハウジング1内でドラム3と共にロータ2を回転させるための駆動装置としても使用される。この場合、夫々の磁気ベアリング装置は、磁気ベアリングと駆動装置を組み合わせたものを形成する。磁気ベアリング装置4、5は、軸方向及び/又は半径方向ベアリングとして構成することができ、磁気ベアリング装置4、5は、動作中に全体的に相互作用する軸方向及び半径方向にドラム3の端部を支え、動作中はドラム3を浮動及び回転させ続ける。
【0125】
磁気ベアリング装置4、5は、同じ又はほぼ同じ基本構成を有することができる。特に、2つの磁気ベアリング装置4、5のうち一方のみを駆動装置として用いることもできる。このように、磁気ベアリング装置4、5の対応する構成要素は、セパレータインサートII上、つまりそのロータ2上に、及びフレームI上の他の対応する部品上に形成される。一方または両方のステータユニット4a、5aは、磁気ベアリング装置の電磁気的構成要素を制御するために制御及び電力電子機器に電気的に接続される。
【0126】
夫々の磁気ベアリング装置4、5は、例えば、電磁気及び永久磁気を組み合わせた動作原理に従って動作することができる。
【0127】
好ましくは、少なくとも軸方向の下方に作用する磁気ベアリング装置5は、ロータ2を浮揚によってハウジング1内で軸方向に浮遊状態に保つように機能する。例えばロータの下側に1つ以上の第1の永久磁石を備え、さらにフレーム上の受け部に電磁石を備え、永久磁石を同軸に取り囲むことができる。ロータは電磁気的に駆動することができる。しかし、回転する永久磁石を介した駆動も実現できる。
【0128】
このようなベアリング及び駆動装置は、例えば、Levitronix社が遠心ポンプ(ヨーロッパ特許2 273 124号)を駆動するために使用している。これらは、本明細書の文脈で使用することもできる。例えば、Levitronix社の第1のモータ「ボトム」を駆動装置として使用することができ、これはまた、ドラムを半径方向及び軸方向に磁気的に支持する。さらに、例えば運転時の制御システムを除いて構造が同一のLevitronix社の第2のモータを設けることができ、これは、磁気ベアリング装置4として、ロータ2を頭部で半径方向及び軸方向に支持することができる。
【0129】
ロータ速度は、制御装置37(
図1又は
図2を参照)または磁気ベアリング装置4、5用の別個の制御装置の助けを借りて、可変的に調整することができる。ロータ2の回転方向もこのように指定され変更することができる。
【0130】
動作中、ロータ2は回転し、軸方向に吊り下げられ、半径方向に中心が置かれた状態を維持する。好ましくは、ドラム3を備えたロータ2は、毎分1,000回転と場合によっては毎分20,000回転まで間の速度で動作し、望ましくは5000回転から10,000回転の間の速度で動作する。
回転に起因する遠心力は、上述したように、処理される懸濁液を異なる密度の異なる流動性の相LP、HPに分離し、以下でより詳細に説明するようにそれらの排出をもたらす。生成品バッチは連続動作で処理されるため、懸濁液から分離された相は、運転中にドラムから完全に排出される。
【0131】
これにより、全体的に使い捨て用に構成されるセパレータインサート及びセパレータ用ハウジングを作成することが非常に可能となり、これは発酵ブロスなどの医薬品の処理に特に関心があり、利点となる、何故なら、セパレータインサート全体を交換することができるため、生成品バッチの処理中に対応する生成物バッチを、好ましくは連続動作で処理するドラムを、動作後に洗浄を行う必要がないからである。付随的に、磁石のような個々の要素は適切にリサイクルされる(ドイツ特許公開公報10 2017 128 027号も参照)。
【0132】
ハウジング1は、プラスチックまたはプラスチック複合材料から作られるのが好ましい。ハウジング1は、円筒状であってもよく、円筒状の外側ケーシングを有し、その端部には、2つの半径方向に延在する境界壁6、7(カバー及びベース)が形成される。
【0133】
このドラム3は、流動性の懸濁液Sを遠心分離場にて異なる密度の少なくとも2つの相LP、HP、例えば、より軽い液相及び重い固相または重い液相に遠心分離するために使用される。
【0134】
好ましい構成では、ロータ2及びそのドラム3は、垂直な回転軸Dを有するが、ハウジング1及びロータ2は、空間的に異なるように配列することもできる。以下の説明は、
図3に示す垂直方向の配列に言及する。空間での方向が異なる場合、新しい方向に応じて配列が変わる。さらに、一方又は両方の出口(まだ記載されていない)は、異なる配置にすることもできる。
【0135】
ドラム3を有するセパレータのロータ2は、プラスチックまたはプラスチック複合材料のみからなることが好ましい。
【0136】
ドラム3は、少なくとも一部においては、円柱状及び/又は円錐形であることが好ましい。ロータ2及びハウジング1の他の要素についても同様である(ただし、磁気ベアリング装置4、5の要素は除く)。
【0137】
ハウジング1はコンテナのように構成されており、少数の開口部/開口領域を除いて、有利なことに気密に封止されている(以下に説明される)。
図1及び
図2によれば、この例ではコンテナ1の上部及び下部に位置する2つの軸方向の各境界壁6、7に開口部の1つが形成されている。
【0138】
開口部の1つ-第1の、ここでは軸方向上側の境界壁6-は、
図1及び
図2に従って、遠心分離場で分離される懸濁液を、ハウジング1を通ってドラム3内へと、異なる密度LP及びHPの少なくとも2つの相に供給するための供給8することをして、可能にするか、又は役割を果たす。
ここで、第1の相は軽い相LPであり、第2の相は、第1の相に比べて高密度であり、重い相HPである。
【0139】
第2の開口部は、第2の、ここでは軸方向下側の境界壁7は、ドラム3からハウジング1を介して直接的に第2の重い相HPの排水を可能にするか、またはその役割を果たす。
ドラム3はまた、ハウジングの開口部に割り当てられる開口部を有する。
【0140】
処理される懸濁液用の供給パイプ12は、ドラム3の軸方向一端の上側の開口部12a内に延びている。供給パイプ12は、ハウジング1、特にその1つ、ここでは軸方向上側の境界壁6を通る。外周上では、供給パイプ12は、
図1に従ってハウジング1に向かって封止され、ハウジング1に、例えば溶接または接着によって挿入され、或いは付随的にプラスチック射出成形部品としてハウジングと一体に構成される。ハウジング1はまた、プラスチック製でもよい。供給パイプ12の一端部は、ハウジング1の上部から外側に突出し、ドラム3に触れることなく、上側の境界壁6を通ってドラム3内に延在する。
【0141】
図1(しかし
図2もまた)によれば、供給パイプ12はハウジング1及び一方の磁気ベアリング装置4をロータ2の回転軸に同心に貫通し、次にハウジング1の内側でさらに回転可能なドラム3内に延在し、ドラム3の他端部-出口の自由端部-で終端している。
【0142】
図1及び
図2によれば、供給パイプ12は、各場合において、ドラム3とともに回転可能な分配器13内のドラム3に開口している。分配器13は、管状の分配器シャフト14及び分配器脚部15を有する。分配器脚部15内に1つ以上の分配器チャネル16が形成される。分離ディスクスタック、この場合、円錐形の分離ディスク17が、分配器13上に配置され得る。分配器13及び分離ディスク17は、プラスチック製であることが好ましい。
【0143】
さらに、
図1及び
図2の双方によれば、ドラム3から2つの相HP及びLPの重い相HPを排出する為に、第1のペアリングディスク33が用いられる。
ペアリングディスクシャフト又は中央排水パイプ34は、第2の軸方向の境界壁7(
図1及び
図2参照)を通過する。
【0144】
1つの可能な-しかし必須ではない-構成によれば、ドラム3は異なる直径の少なくとも2つの円筒部18、19を有する。
円筒部18、19に隣接して、ドラム3上に1つ以上の円錐形の移行領域を形成することができる。また、ドラム3は、その中心軸の領域(ここでは図示せず)の内側に単一又は二重の円錐形の構成を有することができる。
【0145】
図示のように、ドラム3は、直径の小さい下側の円筒部20を有することができ、その上に下側の磁気ベアリング装置のロータユニット5bが形成され、円錐部20aに合流し、次に例えば、ここで直径の大きい円筒部19に合流し、次に再び円錐部18aに合流し、次に直径の小さい上側の円筒部18に合流し、その上に上側の磁気ベアリング装置4のロータユニット4bが形成される。
図1と
図2のセパレータインサートは、より軽い相の排出に関しては異なる。
【0146】
開口部(この開口部は、円周方向に分布するようにドラム3上に設けることができ、各場合において、ドラム3上に幾つかの開口部を設けることができる)は、
図1に従って、ドラム3からの軽い相LPの半径方向または接線方向の出口21として機能する。次いで、ハウジングの外側ケーシングの開口部は、
図1の例示的実施形態に従って、遠心分離中に形成され、ドラム3から排出される、より軽い生成物の相LPの排水10を可能にするか、またはその役割を果たす。
【0147】
ドラム3の半径ro上の第1の出口21は、特にドラム3の外側ケーシングの「ノズル状」開口部として構成される。出口21はまた、ドラム3からの、いわゆる「自由な」排水として構成される。第1の出口21は、より軽い相LPを排出するために使用される。出口は、軽い相が半径方向に出るように、又は代替的に、軽い相がドラムの回転方向に対して接線方向に出るように構成することができ、かくして、ロータの駆動及び駆動エネルギーの低減に寄与する。
【0148】
ドラム3から出てくるこの相は、ハウジング1の上側の捕捉室23にあるハウジング1内に集められる。この捕捉室23は、その中に捕捉された相が捕捉室23の排水部10に向けられるように構成されている。これは、排水部10を捕捉室23の最下点に配置することによって達成することができる。捕捉室23は、回転するドラム3に向かって半径方向内方に開口しており、夫々の出口21から噴霧される液体が、遠心分離の間、基本的に同じ軸方向レベルにある関連する捕捉室23にのみ噴霧されるような間隔で配置されている。
【0149】
相を排出するために使用されない室25は、任意に捕捉室23の下方に形成することができる。この室25は、任意に漏れ排水部(ここには示されていない)を有することができる。漏れは自由に流出することができる。しかし、室25が、負圧を発生する装置を接続するための負圧接続部を有する場合には、漏れは負圧によって抽出することもできる。
【0150】
第1の捕捉室23及び室25は、ここでは円錐状であり、ハウジング1の外側ケーシングから始まる第1の壁26によって互いに隔てることができ、該第1の壁26は円錐状に内向きかつ上方に延び、ハウジング1から内部距離を置いてドラム3の前方で半径方向で終端する。
【0151】
好ましくは、捕捉室の最下点において、生成物の相LPは、排水部10を通ってハウジング1から排出される。配管、ホース等を容易に接続できるようにするために排水部10の領域でハウジング1の外側にノズルを設けることができる。
【0152】
ノズルは、ハウジング1上に直接形成されるか、または接着剤でハウジングに取り付けられる。このノズルはまた、プラスチック製であることが望ましい。ハウジング1は、例えば接着または溶接によって一緒に封止される幾つかのプラスチック部品から構成することができる。
【0153】
ドラムから(ハウジング1を通って)より重い相HPのための(ここでは第2の)出口として、第1のペアリングディスク33が、
図1及び
図2に従って設けられ、第1のペアリングディスク33は、本質的に半径方向に延びて、ペアリングディスクシャフトとして軸方向に延びる排水パイプ34に合流し、排水パイプ34はハウジング1の軸方向下側の境界壁7を通過する。ペアリングディスク33は、外径ruを有する。ここでは、ru>roが適用される。
従って、ペアリングディスク33の入口開口部33aは、半径ro上の軽い相LP用の出口21よりも大きな直径または半径ru上にある。これにより、ペアリングディスク33を用いて、ドラム3から軽い相LPに対して重い相HPを排出することが可能となる。ペアリングディスク33は、セパレータの動作中は静止しており、ドラム3内で回転する重い相HP内に外縁が浸漬する。
【0154】
相HPは、ペアリングディスク33内のチャネルを通って、内向きに排出される。このように、ペアリングディスク33は、求心ポンプのように、相HPを排出する役割を果たす。
【0155】
ペアリングディスク33は、分配器14の下方及びディスクパック17の下方にあるドラム3において、簡単かつコンパクトな方法で配置することができる。半径ruは、ペアリングディスク33の浸漬深さに対応する。
【0156】
排水パイプ34の一端部は、ドラム3には触れないが、ドラムから下方に向かってハウジング1から引き出され、下側の境界壁7を通っている。排水パイプ34は、ハウジング1と一体に形成することもできるし、密閉状態で挿入することもできる。排水パイプには排水部35としてホース等を接続することができる。
【0157】
排水パイプは、ハウジング1及び下側の磁気ベアリング装置5をロータ2の回転軸Dに同心に貫通し、その後ハウジング1のさらに内側で軸方向にペアリングディスク33内に延びる。
【0158】
制御可能な、特に電気的に制御可能な制御バルブ36が重い相HP用の出口、特に重い相HP用の排水部35に挿入されることが提供されることが可能である。制御バルブ36は、排水部35内の重い相HPの体積流量を絞り、関連するペアリングディスクの浸漬深さを増加させるために使用することが可能である。制御バルブ36には制御装置37が設けられていることが好ましい。制御バルブ36は、無線または有線によって制御装置37に接続されるのが好ましい。
【0159】
また、制御装置37は、磁気ベアリング装置4、5及び駆動装置を制御するために構成し、設けることができる。
また、
図2によれば、軽い相LPは、ペアリングディスクを介して排出される。
【0160】
このために、ドラム3の上側領域にはペアリングディスク22が設けられ、その入口開口部22aは重い相用の第1の-下側の-ペアリングディスク33の入口の半径ruよりも小さい半径ruに位置することができる。
【0161】
このペアリングディスク22のシャフトは、外側の排水パイプ24のように供給パイプ8を取り囲むことができ、供給パイプ8の代わりにハウジング1にしっかりと接続されるか、またはハウジングと一体に形成されることができる。2つのペアリングディスク22、33の排水パイプ24、34は、したがって、
図2にしたがって、ハウジングの両端部でドラム3から引き出される。それらはまた、ハウジングの反対側の端部においてハウジング1から誘導される。
排水パイプ24、34は、封止された方法でハウジング1内に挿入することができる。しかし、プラスチックから1枚で作ることもできる。供給パイプ12は、ペアリングディスクシャフト24の上端部に接続することができる。半径方向又は接線方向の接続片24aは、ペアリングディスクシャフト24から引き出すことができる。軽い相を放出するための排水部40を接続片24aに接続することができ、排水部40は、例えば、バッグまたは同様なもののタンクに導くことができる。従って、パイプ12及び34の端部は、ホース等を接続するためのノズルとしても構成することができる(
図2、しかし
図1も)。
【0162】
制御可能な、特に電気的に制御可能な制御バルブ39が、また、軽い相LPのために排水部40に設置されることが提供されてもよい。
制御バルブ39は、軽い相LPの体積流量を変化させるために、特に、それを多かれ少なかれ絞るために、従って第2のペアリングディスク22の浸漬深さを変化させるために使用することができる。また、制御バルブ39は、制御装置37に無線で又は有線で接続されているので、制御装置37によって制御することができる。
【0163】
夫々のペアリングディスク22、33は、夫々の場合に、円筒形で本質的に半径方向に整列したディスクであり、幾つかの、例えば、1つ乃至6つのチャネルが設けられており、これは、動作中は静止しており、一種の求心ポンプが形成されるようにチャネルを有する。夫々のペアリングディスク22又は33の外縁は、セパレータ内で回転する相LP又はHPに浸される。夫々の相LP、HPは、ペアリングディスク内のチャネルを通して内向きに向けられ、夫々の相LP、HPの回転速度は圧力に変換される。このように、夫々のペアリングディスク22、33は、夫々の相LP、HPに対する排水ポンプに代わるものであり、このように、ペアリングディスクは、夫々求心ポンプとして機能する。ペアリングディスクはプラスチックでできている。
【0164】
理論的には、第3のペアリングディスクを提供することもでき、これは、さらなる相を排出するために使用することができる。
図1及び
図2によるセパレータの動作を以下に簡単に説明する。
【0165】
まず、夫々のセパレータに、その二重使用または再利用可能な部品が備わっている。これには、磁気ベアリング装置の駆動ユニット4a、ステータユニット5aだけでなく、フレームIも含まれる。これには制御装置37も含まれる。その後、セパレータインサートIIが配備され、フレームIに実装される。この目的から、ステータユニット4aと5aのみを別々に動かす必要がある。次いで、セパレータインサートを確実な嵌合で挿入し、ステータユニットを互いに向かって移動させる。これにより、ハウジングが回転に対して安全に保持されることが保証される。付随的に、ホースがタンクまたはバッグに繋がるノズルに接続される。従って、
図1及び
図2の各セパレータインサートは、他のライン(ここでは図示せず)及びバッグ、タンク、ポンプなどのコンテナに接続することができる少なくともホース及びノズルも有することができるのが好ましい。
【0166】
そして、パイプやホース等を接続した後、懸濁液を回転するドラム(入口8)に送り込み、そこで軽い相LPと重い相HPに遠心分離する。
より大きな密度の重い相HPは、分離室内のドラム3内を径方向外側に流れる。そこでは、相HPは、静止したペアリングディスク33のチャネルを通って半径ru上で、ドラムから離れる。
【0167】
より軽い相LPは、分離室内のドラム3内で半径方向内向きに流れ、分配器のシャフト上のチャネル38を通って上方に上昇する。そこでは、相LPは、
図1及び
図2に従い、半径roでドラムから離れる。
制御バルブ36、39は、分離処理に容易に影響を与えるように使用することができる。この結果、分離処理の最適化が実現される。
【0168】
セパレータを動作させる本発明による方法の主な用途は、製薬産業における細胞分離である。性能範囲は、100Lから4000Lのオーダーの発酵槽からのブロスの加工及び実験室用途のために意図されている。
【0169】
セパレータが使用される他の産業分野、すなわち、化学、医薬品、酪農技術、再生可能原料、石油・ガス、飲料技術、鉱物油なども考えられる。
【0170】
示されたセパレータは、生成品に接触する全ての要素を、プラスチックまたはその他の非磁性材料で作ることが好ましいセパレータインサートの製造を可能にするもので、好ましくは、1回の使用後に廃棄するか、リサイクルプロセスに投入できる。これにより、使用後の洗浄が不要になる。したがって、セパレータとその動作は費用効果的に実施できる。
【0171】
図8は、第2の実施形態の変形例において、
図1乃至
図7のセパレータインサートIIの修正を示し、ここで、同様の特徴には類似の符号が付与される。この第2の実施形態の変形例の特別な特徴は、確実なロック手段41a及びフレームI上に設けられた対応する確実なロック手段41bが、フレームIとセパレータインサートIIとの間の一方の側にのみ設けられ、それによって、セパレータインサートIIのフレームIに対する軸方向及びねじれ方向のロックを可能にすることである。とりわけ、これにより、構造の複雑さが減少する。
【0172】
図1乃至
図8に示す交換可能なセパレータインサートを備えたモジュラー遠心分離機の使用により、内部の滅菌、即ち遠心分離機内の滅菌流路が確保される。
好適には、他の交換可能な構成要素は、生成物供給部、排出システム及び排水システムを備え、セパレータインサート、供給システム、排出システムからなる生成物の飼料及び排出システム及び排水システムを備えたセパレータで使用することができ、供給される懸濁液及び分離された軽い相と重い相のための無菌の流路を提供する。
【0173】
純粋に例として言及したが、供給される懸濁液用のポンプ、供給部用のホースライン、軽い相用及び重い相用のホースライン、重い相用の受入れコンテナは、単一の生成物バッチ又は限られた数の生成物バッチを分離するのに適した交換可能な無菌の要素であってもよい。液体排水用のホースと液体排水用のコンテナも交換可能な無菌の要素である。
【0174】
これらの要素はすべて、無菌コネクタで互いに接続されており、簡単且つ同時に、要素の無菌交換を可能にしている。セパレータの生成物供給システム、生成物排出システム及び排水排出システムは、
図9を参照して以下により詳細に説明される:
【0175】
例えば、1回使用の遠心ポンプ101を供給部に使用することができる。これは、比較可能な同じ流量の同等の蠕動ポンプよりも小さいという利点を有する。ポンプは、その速度と既存の背圧に応じて、一定の量を搬送する。
【0176】
ポンプ101とセパレータインサートIIとの間の供給ラインにも配置される流量計102は、非接触測定原理、例えば、超音波通過時間差法によって作用するのが好ましい。これは、流量計が生成物に触れることなく、単に供給ライン上に押し込むことができることを意味する。
【0177】
そのため、常に再利用が可能であるのに対し、供給ホースは1回限りの使用となる。流量計からの測定信号は、供給ポンプの速度を調整するために使用される。このようにして、コントローラは、供給量に対して予め選択された設定点が、測定された実際の値に一致するように、供給ポンプの速度を設定することができる。ポンプ及び流量計は上昇する供給ライン内に配置され、その結果、ラインは常に液体で満たされ、その結果、流量計102の測定値がより安定する結果となる。
【0178】
重い相用の排出ラインにはポンプ110及び流量計111が配置されている。ポンプ及び流量計は上昇排出ラインに配置され、ラインが常に液体で満たされるようになり、その結果、流量計111の測定値がより安定する結果となる。
【0179】
排水ポンプ110は、蠕動ポンプとして構成されることが望ましい。蠕動ポンプの利点の1つは、排水ホースの外側のみに接触するが、生成品には直接接触しないことである。
あるいは、流量制御にはバルブも使用でき、ホースの外側で作用するか、ホース内で1回使用タイプとして作用する。
【0180】
したがって、蠕動ポンプは常に再利用することができる。一方、排水ホースは1回使用の製品である。蠕動ポンプの別の利点は、速度に応じて規定の容積を送出することである。遠心ポンプとは異なり、蠕動ポンプはスロットルとして使用することができる、すなわち、重い相の排水に圧力を発生させることができ、この圧力のレベルは、制御システムによって調節することができる。これに必要な圧力センサは、個々の又は好ましくは全てのホースライン(図面には示されていない)に設けることができる。
【0181】
軽い相の排出ラインには、バッファコンテナとして機能するコンテナ105が設けられている。バッファコンテナ内の現在の軽い相の充填レベルは、充填レベル測定装置104によって決定され、制御システムに渡される。あるいは、ロードセルを用いて充填レベルを定量化することもできる。また、代わりに、充填レベルはリミットスイッチによっても監視することができ、この場合、ポンプ制御オプションは減少する。
【0182】
軽い相は、セパレータインサートIIから、コンテナ105の上側(形成されている液面の上方)のコンテナ105またはコンテナの下側(形成されている液面の下方)のコンテナ105に導入することができる。発泡しやすい生成物では、上部の入口が最適な選択であることが証明されている。コンテナ105の出口は、下降する排水ホースに接続され、この排水ホースは、光学センサ106及び蠕動ポンプ107を介して案内される。
【0183】
充填レベル測定装置104からの測定信号の助けを用いてポンプの速度が最適に調節され、コンテナ105は完全に満杯になることがなく、また完全に空になることがない。このようにして、排水ホースは常に充填され、その結果、光学センサ106からの安定した信号が得られる。これは、最小レベル及び最大レベルを監視するために2つのリミットスイッチを配置することによっても達成できる。
【0184】
光学センサ106からの信号は、軽い相の質を評価するために使用される。ここでは、例えば、残りのトリューブ(trub)と浮遊した固体の量を評価することができる。ポンプ107は、遠心ポンプとして、又は蠕動ポンプとして構成することができる。コンテナ105の容積は、コンテナ内の軽い相の滞留時間が、気泡が液体から分離するのに十分長いように選択されなければならない。充填レベル測定装置104からの測定値の助けを用いて、ポンプ107の搬送レートは、コンテナ105のほぼ真ん中で一定の充填レベルが維持されるように設定することができる。
【0185】
セパレータインサートIIの排水排出に接続された排水ホースラインは、充填レベル測定装置108を備えたコンテナ109に繋がる。これにより、排出される排水の量が決定される。バッチ処理の終了時にドラムが停止し、この排水部を介して空になると、排水が基本的に生成される。また、例えばロードセルを使用して、質量を決定することも可能である。また、ここではリミットスイッチを使用することもできる。上記の変形例はすべて非侵襲的な構成であることが好ましい。これにより、コンテナ109内の重い相の充填レベルを、軽い相と同様に決定し、規制することができる。
【0186】
セパレータシステム内外への供給及び排出ラインのための
図9の全てのホースラインは、次いで、無菌の連結部112へと繋がる。
図9には、セパレータインサートと駆動部を保持するフレームが図示されていない。
【0187】
図9に示す生成物供給システムPZS、重い相及び軽い相の生成物排出部からなる生成物排出システムPAS、及び排水システムPSは、セパレータインサートの外側で互いに分離されており、従って気密封止される。
【0188】
充填レベル測定装置108または104を、例えば、コンテナ105/109の底部領域に超音波センサ要素として配置することができる。超音波センサ要素は液体境界で反射する信号を発する。時間測定により、充填レベルを決定することができる。
【0189】
図10は、
図9の排水システムへの接続のための、
図1乃至
図8のセパレータインサートIIの第1の変形例の修正例を示す。セパレータインサートIIは排水排出ライン120を有する。これは、セパレータインサートのベース領域121内に配置され、ドラムから及びハウジングの両方からの液体排水部122及び123を有している。残りの部分は、以前の実施形態の変形例と同じ構成であり得る。
【0190】
図11は、本発明の方法の一部として操作可能なセパレータインサートIIIの第2の変形例を示す。このセパレータインサートIIIは、供給ライン61及び分配器70を介してディスクスタック67内への底側の供給部を有する。生成物供給ライン61は、ハウジング68の基部からロータ65の内部に延び、ディスクスタック67の保持装置77の分配室78内に開口する供給ノズル73を備える。保持装置77は、ロータ65の回転軸に平行な長手方向軸を有することができる。1つ以上の分配チャネル70は、分配室78から延びており、ロータ65の分離領域内に供給された開始生成物を半径方向に送ることを可能にする。
【0191】
軽い相の生成物排出62は、
図1乃至
図10と同様に行われる。重い相の生成物排出63は、ここでは、ディスクパックの端部の閉鎖壁の分離ディスクとして、分離ディスク69内のチャネルを介して排出され、最後にグリッパ64によって、生成物排出63の生成物ラインを通って排出される。分離ディスクでは、重い相と軽い相の間で分離が起こり、重い相はディスクの外側の周りに導かれ、軽い相はディスクの内側に導かれ排出される。しかし、これは重い相に対する生成物排出の多くの可能な変形例の1つにすぎない。
【0192】
セパレータインサートIIIは、ロータ65、特にドラム66及びディスクスタック67がハウジング68から取り外せるように構成することができる。この変形例では、ロータ、特にドラムは、ロータが本方法の一部として取り外される前に残留液を空にすることが推奨される。この場合、供給ライン61を介してこれを実行することができる。
【0193】
次に、後続のバッチが二次汚染にさらされないように、セパレータインサートIIIが交換されるときに、供給ライン61も交換することが推奨される。従って、供給ラインは、提示されないシール、例えば封止スリーブを用いて、交換可能で媒体が漏れない方法でハウジングに取り付けることができる。
【0194】
図11は、多くの方法で修正することができるが、特に、本発明による方法は、その生成物供給ライン及び排出ラインを備えたロータのみが交換可能なセパレータユニットIIIとして構成されるセパレータにも適用できることを示す。
ハウジング68は、図示しないが、例えば、ハウジングの一部をカバーとして形成することによって開放されることができる。このためには、少なくとも上側受け部をカバーから取り外すことが好ましい。
【0195】
図11において、残留液は、排水排出ライン120を経て、排水排出ラインに接続されたライン要素71、特に取り付けられ又は詰め込まれたホースの形態の排出要素を経て回収コンテナ74内に排出される。
供給ライン61、特に供給ノズル73は、開始生成物の懸濁液でコンテナ75に接続される供給要素72に接続されている。このライン要素には、例えば懸濁液を改善する解乳化剤を供給するために、2つのコンテナ75間で切り替える、図示しない切替バルブを配置することができる。あるいは、バルブを閉じて、ライン要素をコンテナと交換することもできる。
【0196】
さらに、供給要素はポンプ、例えばホーススクイーズポンプを持つことができ、このポンプでは供給要素のみが開始生成物と接触する。
【0197】
図12は、セパレータインサートIIのさらなる変形例を示しており、これは、本発明による方法の一部として動作することができる。このセパレータインサートIIは、そのハウジング1上に少なくとも1つの接続片76を有する。セパレータインサートは、分離されるべき生成物がセパレータインサートに入る前に、この接続片を通して不活性ガスで充填することができる。このように分離されるべき生成物は、空気や酸素との接触を防ぐことができる。第2の接続片76をハウジング1に設けることができ、これはセパレータインサートからガスを排出するために設けられ、セパレータインサートを不活性ガスで洗い流すことができる。
【0198】
ガスはまた、セパレータインサート内に負圧が生じるように、接続片76を介して密封されたセパレータインサートから抽出することもでき、これにより、残留した酸素との接触が減少するだけでなく、回転ドラム66の摩擦力も減少し、この回転ドラムは、ここではより低い密度の雰囲気で回転する。
【0199】
あるいは、不活性ガスに加えて、圧縮ガス、例えば、圧縮空気も、ガス接続片76のうちの1つ以上を介して導入することができ、これはさらに、排水ラインを介してハウジングを空にすることを容易にする。
【符号の説明】
【0200】
参照符号のリスト
フレーム I
ブラケット I-1
キャリッジ I-2
ローラ I-3
受け部 I-4,I-5
セパレータインサート II
ハウジング 1
ロータ 2
ドラム 3
磁気ベアリング装置 4,5
ステータユニット 4a,5a
ロータユニット 4b,5b
半径方向の境界壁 6,7
供給部 8
排水部 10
供給パイプ 12
開口部 12a
分配器 13
分配器シャフト 14
分配器脚部 15
分配器チャネル 16
分離ディスク 17
円筒部 18,19,20
円錐部 18a,20a
出口 21
ペアリングディスク 22
入口開口部 22a
捕捉リング室 23
排水パイプ 24
連結片 24a
室 25
円錐壁 26
ペアリングディスク 33
入口開口部 33a
排水パイプ 34
排水部 35
制御バルブ 36
制御装置 37
チャネル 38
制御バルブ 39
排水部 40
ピン 41a
凹部 41b
凹部 42
貫通開口 43
ホース 44,45
ポンプ 101
流量計 102
充填レベル測定装置 104
コンテナ 105
光学センサ 106
蠕動ポンプ 107
充填レベル測定装置 108
コンテナ 109
ポンプ 110
流量計 111
無菌の連結部 112
排水排出パイプ 120
ベース領域 121
排水部 122
排水部 123
セパレータインサート III
供給ライン 61
生成物排出部(軽い相) 62
生成物排出部(重い相) 63
グリッパ 64
ロータ 65
ドラム 66
ディスクスタック 67
ハウジング 68
分離ディスク 69
分配器 70
ライン要素 71
供給要素 72
供給ノズル 73
回収コンテナ 74
コンテナ 75
連結片 76
保持装置 77
分配室 78
回転軸 D
懸濁液 S
相 LP、HP
半径 ro、ru
PAS 生成物排出システム
PZS 生成物供給システム
DS 排水システム
【国際調査報告】