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特表2024-533066生物学的汚染物質除去のための三価ドープ酸化セリウム組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】生物学的汚染物質除去のための三価ドープ酸化セリウム組成物
(51)【国際特許分類】
   C01F 17/241 20200101AFI20240905BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20240905BHJP
   A01N 59/00 20060101ALI20240905BHJP
   A01N 25/08 20060101ALI20240905BHJP
   A61L 2/23 20060101ALI20240905BHJP
   C01F 17/00 20200101ALI20240905BHJP
   D06M 11/45 20060101ALI20240905BHJP
   B01J 20/06 20060101ALI20240905BHJP
   B01J 20/08 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C01F17/241
A01P1/00
A01N59/00 B
A01N25/08
A61L2/23
C01F17/00
D06M11/45
B01J20/06 B
B01J20/08 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512076
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2022041587
(87)【国際公開番号】W WO2023028267
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,949
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523373809
【氏名又は名称】ネオ ケミカルズ アンド オキサイデス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プサラス、ディミトリオス
(72)【発明者】
【氏名】ハネリン、メイソン、リームス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムス、スティーブン ポール
【テーマコード(参考)】
4C058
4G066
4G076
4H011
4L031
【Fターム(参考)】
4C058AA20
4C058AA23
4C058BB07
4C058DD03
4C058JJ03
4C058JJ04
4G066AA12B
4G066AA20B
4G066AA23B
4G066AA71B
4G066AC02B
4G066AC13B
4G066AC15B
4G066AC23B
4G066AC24B
4G066AC26B
4G066AC33B
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA36
4G066CA20
4G066CA35
4G066CA54
4G066DA01
4G066DA07
4G066FA37
4G076AA02
4G076AB07
4G076BA13
4G076CA02
4G076DA28
4G076DA30
4H011AA04
4H011BB18
4H011DA10
4L031AA02
4L031AB01
4L031AB31
4L031BA09
4L031BA33
4L031DA12
(57)【要約】
酸化セリウムと、三価ドーパントと、酸化セリウム及び三価ドーパント以外の任意の追加の金属酸化物とを含む粒子状酸化物組成物は、細菌、ウイルス、真菌、原虫(例えば、アメーバ)、酵母及び藻類などの生物学的汚染物質の除去を助けるのに有益である。この粒子状酸化物組成物は、三価ドーパントよりも多い酸化セリウムを含み、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい、固有の深さプロファイルを有する。これらの三価ドープ酸化セリウム組成物は、空気及び水を含む流体から、並びに固体表面からこれらの生物学的汚染物質を除去するために使用され得る。生物学的汚染物質を除去するためにこれらの三価ドープ酸化セリウム組成物を含有する組成物を使用する方法もまた記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状酸化物組成物であって、
酸化セリウム;
イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに、
任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、
前記酸化セリウムが、前記三価ドーパントより多い量で存在し、前記粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、前記粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の粒子状酸化物組成物であって、
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約20重量%の量の酸化セリウム;
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパント;及び
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約70重量%~約0重量%の量の追加の金属酸化物
を含む、粒子状酸化物組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の粒子状酸化物組成物であって、
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約50重量%の量の酸化セリウム;及び
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパント
を含む、粒子状酸化物組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の粒子状酸化物組成物であって、
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量の酸化セリウム;
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%までの量の三価ドーパント;及び
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約45重量%~約78重量%の量の追加の金属酸化物
を含む、粒子状酸化物組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の粒子状酸化物組成物であって、
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約45重量%~約78重量%の量の酸化セリウム;
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%までの量の三価ドーパント;及び
前記粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量の追加の金属酸化物
を含む、粒子状酸化物組成物。
【請求項6】
前記粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、前記粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも約10%~約250%大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載の粒子状酸化物組成物。
【請求項7】
前記粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、前記粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも約15%~約250%大きい、請求項1~6のいずれか一項に記載の粒子状酸化物組成物。
【請求項8】
約2重量%~約30重量%の三価ドーパントを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の粒子状酸化物組成物。
【請求項9】
前記組成物が、COの化学吸着及び物理吸着を示す、請求項1~8のいずれか一項に記載の粒子状酸化物組成物。
【請求項10】
生物学的汚染物質を除去するための支持組成物であって、
有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料;及び請求項1に記載の粒子状酸化物組成物を含み、
請求項1に記載の粒子状酸化物組成物が、前記支持材料の上又は中に堆積される、
支持組成物。
【請求項11】
前記支持材料が、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカルボナート、それらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される有機ポリマーである、請求項10に記載の支持組成物。
【請求項12】
前記支持材料が、綿である、請求項10に記載の支持組成物。
【請求項13】
前記指示組成物が、前記支持組成物の総重量に基づいて約0.5~約80重量%の粒子状酸化物組成物を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の支持組成物。
【請求項14】
前記支持組成物が、フィルタ材料又はプラスチックである、請求項10~13のいずれか一項に記載の支持組成物。
【請求項15】
生物学的汚染物質を除去するための方法であって、
酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、前記酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、前記粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、前記粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物を提供すること;
前記組成物を、細菌、ウイルス、原虫、真菌、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質と接触させること;並びに
前記組成物との接触によって、前記生物学的汚染物質の少なくとも約90%を除去すること
を含む、方法。
【請求項16】
前記粒子状酸化物組成物が、フィルタ材料又はプラスチック内に含まれる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記粒子状酸化物組成物が、有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料上又は内部に堆積される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、前記生物学的汚染物質のおよそ99%以上を除去する、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記生物学的汚染物質が、水性ストリーム中にある、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記生物学的汚染物質が、ガス状ストリーム中にある、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記接触が、前記粒子状酸化物組成物を含む物品への固体のタッチによるものである、15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
生物学的汚染物質の目標濃度を設定するステップと、接触させた後に前記生物学的汚染物質を監視するステップとをさらに含む、請求項15~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
流体を処理するための方法であって、
(i)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、前記酸化セリウムが前記三価ドーパントより多い量で存在し、前記粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、前記粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物を提供すること;
(ii)細菌、ウイルス、真菌、原虫、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質を含有するガス状又は水性ストリームを前記組成物と接触させること;並びに
(iii)前記組成物との接触によって、前記ガス状又は水性ストリームから生物学的汚染物質を除去すること
を含む、方法。
【請求項24】
前記粒子状酸化物組成物が、有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料上又は内部に堆積される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
プラスチック物品であって、
(a)ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカルボナート、それらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される有機ポリマーと;請求項1に記載の粒子状酸化物組成物とを含む生物学的汚染物質を除去するための支持組成物を含み、前記支持組成物において、前記粒子状組成物が前記有機ポリマーの上又は内部に堆積され、
前記プラスチック物品の総重量に基づいて約50~約100重量パーセントの、生物学的汚染物質を除去するための前記支持組成物を含む、プラスチック物品。
【請求項26】
剛性又は弾性の形態である、請求項10に記載の支持組成物又は請求項25に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年8月25日に出願された米国仮出願第63/236,949号の優先権及び利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、新規な三価ドープ酸化セリウム(CeO)粒子状組成物、及び三価ドープ酸化セリウム(CeO)組成物の生物学的汚染物質除去のための使用に関する。これらの組成物は、抗微生物剤/抗菌剤/抗ウイルス剤として使用することができる。したがって、これらの組成物は、細菌、ウイルス、原虫(例えば、アメーバ)、真菌(例えばカビ)、藻類、酵母等を除去するための用途を有する。特に、これらの組成物は、液体又は空気を含む流体、及び固体表面を接触により処理する方法に使用され得る。
【0002】
序論
本開示は、一般に、三価ドープCeOを含む粒子状酸化物組成物、並びに細菌、ウイルス、及び他の微生物汚染物質を接触によって除去するための三価ドープ酸化セリウム(CeO)組成物の使用に関する。したがって、これらの三価ドープCeO種を含有する組成物は、空気及び水性液体ストリームから生物学的汚染物質を除去することができ、特に、微生物が高濃度であっても非常に低濃度であっても、空気及び水から細菌及びウイルスを除去することができる。これらの新規な三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、これらの重要な目的に有用にする独特の物理的/構造的及び電気化学的特性を有する。
【背景技術】
【0003】
空気及び水性系から生物学的汚染物質を除去するために、様々な技術が使用されてきた。そのような技術の例には、アルミナ等の高表面積材料への吸着、生物学的汚染物質よりも小さい細孔径を有するフィルタ、並びに塩素及び臭素等の高酸化性材料の使用が含まれる。特定の金属は、金属の殺生物性効果である微量作用効果を示すので、使用も見出されている。微量作用効果を示すことが知られている金属は、Al、Sb、As、Ba、Si、B、Cu、Au、Pb、Hg、Ni、Ag、Th、Sn、及びZnである。これらを空気又は水性系処理のための技術に組み込むことは、ヒト及び動物の生命及びコストに対する毒性が大きな懸念であるため、依然として課題である。
【0004】
空気、水、及び他の水性系を含む流体から細菌、ウイルス及び他の微生物汚染物質を除去するための効果的かつ安価な抗菌材料の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般に新規な三価ドープ酸化セリウム組成物、及び生物学的汚染物質を除去するためのそれらの組成物の使用に関する。
【0006】
三価ドープ酸化セリウム組成物は、本明細書では粒子状酸化物組成物として記載される。粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい。
【0007】
特定の実施形態では、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも約10%~約250%大きい。他の実施形態では、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも約15%~約250%大きい。
【0008】
これらの粒子状酸化物組成物の特定の実施形態において、粒子状酸化物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約20重量%の量の酸化セリウム;粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパント;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約70重量%~約0重量%の量の追加の金属酸化物を含む。
【0009】
これらの粒子状酸化物組成物の他の実施形態において、粒子状酸化物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約50重量%の量の酸化セリウム;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパントを含む。
【0010】
粒子状酸化物組成物は、生物学的汚染物質除去特性を有し、したがって、空気及び水を含む流体、並びに/又は表面から細菌又はウイルスを除去するための用途を有する。除去すべき生物学的汚染物質には、細菌、ウイルス、原虫(例えばアメーバ)、真菌(例えばカビ又は真菌)等が含まれる。
【0011】
また、本明細書には、支持材料及び粒子状酸化物組成物を含む支持組成物も開示される。支持組成物は、生物学的汚染物質除去特性を有し、したがって、空気及び水を含む流体、並びに/又は表面から細菌又はウイルスを除去するための用途を有する。除去すべき生物学的汚染物質には、細菌、ウイルス、原虫(例えばアメーバ)、真菌(例えばカビ又は真菌)等が含まれる。
【0012】
本明細書で公開される生物学的汚染物質を除去するための支持組成物は、有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料、並びに酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物を含み、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい。これらの支持組成物において、粒子状酸化物組成物は、支持材料の上又は中に堆積される。
【0013】
特定の実施形態において、これらの支持組成物は、支持組成物の総重量に基づいて約0.5~約80重量%の粒子状酸化物組成物を含む。
【0014】
支持材料及び粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物は、剛性又は弾性の形態であり、この支持組成物は、生物学的汚染物質を除去するための物品、例えば、フィルタ、固定床フィルタシステム、プラスチック又はガラスボトル又は容器、プラスチック又はガラスタッチ表面等にすることができる。
【0015】
一実施形態において、プラスチック物品が開示される。このプラスチック物品は、(i)ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカルボナート、それらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される有機ポリマー;並びに(ii)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;及び任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物を含む、生物学的汚染物質を除去するための支持組成物を含み、酸化セリウムは、三価ドーパントよりも多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きく、粒子状酸化物組成物は、有機ポリマーの上又は中に堆積され、プラスチック物品は、生物学的汚染物質を除去するための支持組成物を、プラスチック物品の総重量に基づいて約50~約100重量パーセント含む。プラスチック物品は、フィルタ、固定床フィルタシステム、プラスチックボトル又は容器、プラスチックタッチ表面、プラスチックドアノブ又はハンドルカバー、プラスチックエレベータボタンカバー等であってもよい。
【0016】
粒子状酸化物組成物自体、支持組成物、及び物品は、生物学的汚染物質を除去するための方法に使用することができる。これらの生物学的汚染物質には、細菌、ウイルス、原虫(例えばアメーバ)、真菌(例えばカビ又は真菌)等が含まれる。
【0017】
一実施形態では、生物学的汚染物質を除去するための方法は、(i)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物を提供すること;(ii)粒子状組成物を、細菌、ウイルス、真菌、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質と接触させること、並びに(iii)組成物との接触によって、生物学的汚染物質の少なくとも約90%を除去することを含む。いくつかの実施形態では、粒子状酸化物組成物は、フィルタ材料又はプラスチック内に含まれる。
【0018】
ある特定の実施形態において、方法は水性ストリームを処理し、生物学的汚染物質は水性ストリーム中にある。他の実施形態において、方法はガス状ストリームを処理し、生物学的汚染物質はガス状ストリーム中にある。さらに他の実施形態において、接触は、組成物への固体のタッチによるものであり、したがってタッチによって固体表面を処理する。これらの実施形態のいくつかでは、接触は、粒子状酸化物組成物を含む物品への固体のタッチによるものである。
【0019】
ガス状ストリーム又は水性ストリームを処理する特定の実施形態において、方法は、生物学的汚染物質の目標濃度を設定するステップをさらに含んでもよい。これらの実施形態において、生物学的汚染物質が特定され得、その生物学的汚染物質の目標濃度が設定され得る。方法は、生物学的汚染物質について処理されたストリームを監視するステップをさらに含んでもよい。
【0020】
特定の実施形態において、これらの方法は、流体から生物学的汚染物質を除去するためのものであるか、又は流体を処理するための方法である。これらの実施形態において、流体は、ガス状ストリーム又は水性ストリームであってもよい。これらの実施形態では、方法は、(i)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物を提供すること;(ii)細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質を含有する流体を、粒子状酸化物組成物と接触させること、並びに(iii)粒子状酸化物組成物との接触によって、流体から生物学的汚染物質を除去することを含む。生物学的汚染物質は、90%以上の量で除去され得る。流体が液体である場合、粒子状酸化物組成物をそれ自体で使用してもよく、方法は、流体/液体を濾過することをさらに含んでもよい。
【0021】
特定の実施形態では、これらの方法は、流体から生物学的汚染物質を除去するためのものであるか、又は流体を処理するための方法である。これらの実施形態において、流体は、ガス状ストリーム又は水性ストリームであってもよい。これらの実施形態では、方法は、(i)(a)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料と、(b)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物とを含む支持組成物を提供すること;(ii)細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質を含有する流体を、支持組成物と接触させること、並びに(iii)支持組成物との接触によって、流体から生物学的汚染物質を除去することを含む。生物学的汚染物質は、90%以上の量で除去され得る。
【0022】
流体(例えば、ガス状又は水性ストリーム)から生物学的汚染物質を除去するための他の実施形態では、方法は、(i)(a)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料と、(b)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物とを含む支持組成物を提供すること;(ii)細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質を含有するガス状又は水性ストリームを、支持組成物と接触させること、並びに(iii)支持組成物との接触によって、ガス状又は水性ストリームから生物学的汚染物質を除去することを含む。生物学的汚染物質は、90%以上の量で除去され得る。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。
【0023】
流体又はガス状若しくは水性ストリームを処理するこれらの方法は、生物学的汚染物質の目標濃度を設定するステップをさらに含んでもよい。これらの方法において、目的の生物学的汚染物質が特定され、次いでその生物学的汚染物質の目標濃度が設定される。方法は、処理されたストリーム中の生物学的汚染物質を監視するステップをさらに含んでもよい。監視するステップは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。
【0024】
水性ストリームを処理する方法では、粒子状酸化物組成物は、水性ストリームでスラリー化することによってそれ自体で使用され得る。スラリー化を含むこれらの方法は、濾過するステップをさらに含んでもよい。
【0025】
特定の実施形態では、方法は、(i)(a)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料と、(b)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物とを含む支持組成物を提供するステップ;(ii)生物学的汚染物質の目標濃度を設定するステップ;(iii)生物学的汚染物質を含有するガス状又は水性ストリームを支持組成物と接触させるステップ、及び支持組成物との接触によって生物学的汚染物質を除去して、処理ストリームを提供するステップ、並びに(iv)細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質について、処理ストリームを監視するステップを含む。目標濃度は、一定量の汚染物質(例えば、ウイルス、細菌、原虫/アメーバ、若しくは真菌)に設定することができ、又は検出限界に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】200nmのスケールバーを有する例1の組成物のSEM画像である。
【0027】
図2】2μmのスケールバーを有する例1の組成物のSEM画像である。
【0028】
図3】10nmのスケールバーを有する例1の組成物のTEM画像である。ライトフィールド画像は左側にあり、ダークフィールド画像は右側にある。
【0029】
図4】20nmのスケールバーを有する例1の組成物のTEM画像である。ライトフィールド画像は左側にあり、ダークフィールド画像は右側にある。
【0030】
図5A】例1の組成物のCOの昇温脱離である。
【0031】
図5B】例2の組成物のCOの昇温脱離である。
【0032】
図5C】例3の組成物のCOの昇温脱離である。
【0033】
図6】例1、例2、及び例3の組成物のHの昇温脱離である。
【0034】
図7】例1、例2、及び例3の組成物のゼータ電位対pHのグラフである。
【0035】
図8】例1の組成物及び例2の組成物について、深さに対するLaO/CeOの比を示すグラフである。
【0036】
図9】例4及び例5の組成物について、深さに対するPrO/CeOの比を示すグラフである。
【0037】
図10】200nmのスケールバーを有する例2の組成物のSEM画像である。
【0038】
図11】20nmのスケールバーを有する例2の組成物のSEM画像である。
【0039】
図12A】200nmのスケールバーを有する例2の組成物のライトフィールドTEM画像である。囲みは、図11Bのズームエリアを示す。
【0040】
図12B】20nmのスケールバーを有する例2の組成物のライトフィールドTEM画像である。囲みは、図11Cのズームエリアを示す。
【0041】
図12C】5nmのスケールバーを有する例2の組成物のライトフィールドTEM画像である。
【0042】
図12D】5nmのスケールバーを有する例2の組成物のダークフィールドTEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
組成物、物品、及び方法が開示及び記載される前に、本開示は、本明細書に開示される特定の構造、プロセス工程、又は材料に限定されず、当業者によって認識されるようにその等価物に拡張されることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、限定することを意図するものではないことも理解されたい。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「三価ドーパント」への言及は、定量的又は供給源を限定するものと解釈されるべきではなく、「ステップ」への言及は、複数のステップを含み得、反応又は処理の「製造」又は「製品」への言及は、反応/処理の生成物の全てであると解釈されるべきではなく、「処理」への言及は、そのような処理工程の1つ又は複数への言及を含み得る。したがって、処理するステップは、特定された処理生成物を生成するために、同様の材料/流れの複数回又は反復処理を含むことができる。
【0044】
生物学的汚染物質の単数形は、複数の指示対象も含む。例えば、「アメーバ(amoeba)」及び「ウイルス(virus)」は、それぞれ「アメーバ(amoebae)」及び「ウイルス(viruses)」への言及を含む。
【0045】
「約」又は「およそ」を有する数値は、典型的な実験分散を含む。本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、互換的に使用され、記載された重量パーセンテージ、表面積、濃度範囲、時間枠、距離、分子量、温度、又はpH等の値の統計的に有意な範囲内を意味する。そのような範囲は、示された値又は範囲の1桁以内、典型的には10%以内、さらにより典型的には5%以内であり得る。時には、そのような範囲は、所与の値又は範囲の測定及び/又は決定に使用される標準的な方法に典型的な実験誤差内にあり得る。「約」という用語に包含される許容可能な変動は、研究中の特定のシステムに依存し、当業者によって容易に理解され得る。本出願内に範囲が列挙されているときはいつでも、少なくともその範囲内の全ての整数が本発明の実施形態として企図される。
【0046】
本開示は、生物学的汚染物質を除去する活性を有する三価ドープCeO粒子状組成物、及び生物学的汚染物質除去のためのそれらの使用に関する。三価ドープCeO粒子状組成物は、主にCeと三価ドーパントとの混合酸化物である。特定の実施形態では、三価ドープCeO粒子状組成物は、ある量の追加の金属酸化物を含有する。本明細書に開示される三価ドープCeO粒子状組成物は、スラリーとして、又は生物学的汚染物質を除去することを意図した支持組成物及び/若しくは物品、並びに生物学的汚染物質を除去する方法において使用され得る。これらの生物学的汚染物質には、細菌、ウイルス、真菌、原虫(例えばアメーバ)、酵母、及びそれらの混合物が含まれる。
【0047】
これらの三価ドープCeO組成物は、本明細書では粒子状酸化物組成物として記載される。したがって、開示される粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム及び1つ以上の三価ドーパントを含む。粒子状酸化物組成物は、任意で、酸化セリウム及び三価ドーパント以外の追加の金属酸化物、及び/又は微量の不純物を含んでもよい。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、約0個の追加の金属酸化物を含有する。本明細書に開示される粒子状酸化物組成物は、生物学的汚染物質を除去/低減する活性を示す。
【0048】
粒子状酸化物組成物中の酸化セリウムのセリウムは、Ce(IV)である。三価希土類ドーパントは、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、セリウム(Ce)、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。ある特定の実施形態において、三価ドーパントは、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、及びそれらの混合物であり、特定の実施形態において、三価ドーパントは、Nd、La、又はそれらの混合物である。他の実施形態では、三価ドーパントはLaである。さらなる実施形態では、三価ドーパントはPrである。記載されるように、三価ドーパントは、粒子状酸化物組成物が少なくともセリウムと三価ドーパントとの混合酸化物を含むように、酸化物として粒子状組成物内に存在する。三価ドーパントは、酸化セリウムと比較してわずかな量で存在し、したがって、粒子状酸化物組成物は、三価ドーパントよりも多くの酸化セリウムを含有する。
【0049】
粒子状酸化物組成物は、任意で、酸化セリウム及び三価ドーパント以外の追加の金属酸化物を含有してもよい。これらの追加の金属酸化物は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0050】
したがって、開示される粒子状酸化物組成物は、混合酸化物組成物(すなわち、少なくともセリウム及び三価ドーパントの酸化物の混合物)である。組成物はまた、本明細書では三価ドープ酸化セリウムとして特定され、そのように特定される場合、それは混合セリウムランタン酸化物であるが、この説明は、組成物がセリウム及び三価ドーパント以外の約0個の追加の金属酸化物を含有すると特定されない限り、追加の金属酸化物を排除しない。
【0051】
粒子状酸化物組成物の特定の実施形態では、三価ドーパントはLaであり、粒子状酸化物組成物は約0個の追加の金属酸化物を含有する。これらの実施形態では、粒子状酸化物組成物は、混合セリウムランタン酸化物(又はLaドープ酸化セリウム)である。
【0052】
本明細書に開示される粒子状酸化物組成物は、三価ドーパントを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量で含む。上述のように、三価ドーパントは、酸化セリウムと比較してわずかな量で存在する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約40重量%の量、又は約1重量%~約40重量%の量の三価ドーパントを含有する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約2重量%~約35重量%の量、又は約2重量%~約30重量%の量の三価ドーパントを含有する。さらなる実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%の量、又は約5重量%~約20重量%の量の三価ドーパントを含有する。これらの実施形態のうちの特定の実施形態において、粒子状酸化物組成物は、三価ドーパントを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約15重量%の量で含有する。上記の実施形態のいずれかの特定のものでは、三価ドーパントはランタンであり、粒子状酸化物組成物はランタンでドープされた酸化セリウム(すなわち、セリウムとランタンとの混合酸化物)である。
【0053】
粒子状酸化物組成物が酸化セリウム、1つ又は複数の三価ドーパント、及び約0個の追加の金属酸化物を含有する実施形態では、酸化セリウムの量は、三価ドーパント及び酸化セリウムの総量が粒子状組成物の約100%になるように、三価ドーパントの量に対応し、それに伴って変動する。約0個の追加の金属酸化物を含むこれらの実施形態の特定のものでは、三価ドーパントはランタンであり、粒子状酸化物組成物はランタンでドープされた酸化セリウムである。
【0054】
粒子状酸化物組成物において、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在する。本明細書に開示される粒子状酸化物組成物は、一般に、酸化セリウムを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約20重量%までの量で含む。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、酸化セリウムを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.5重量%~約25重量%の量、又は約99重量%~約30重量%の量で含有する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、酸化セリウムを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約98重量%~約65重量%の量、又は約98重量%~約70重量%の量で含有する。さらなる実施形態では、粒子状酸化物組成物は、酸化セリウムを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約98重量%~約75重量%の量、又は約95重量%~約80重量%の量で含有する。これらの実施形態の特定のものでは、粒子状酸化物組成物は、酸化セリウムを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約85重量%の量で含有する。酸化セリウムの量は、総量が粒子状組成物の約100%になるように、三価ドーパント及び任意の量の追加の金属酸化物の量と共に変化し、それに対応する。
【0055】
特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、約0重量%の追加の金属酸化物を含み、これらの実施形態では、粒子状酸化物組成物は、三価ドーパントの重量%に基づいて粒子状組成物の約100%を提供する量の酸化セリウムを含む。例えば、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%の量で三価ドーパントを含有する実施形態では、組成物は、約99.9重量%~約50重量%の量で酸化セリウムを含有する。粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約1重量%~約40重量%の量で三価ドーパントを含有する実施形態では、組成物は、約99重量%~約60重量%の量で酸化セリウムを含有する。粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約2重量%~約30重量%の量で三価ドーパントを含有する実施形態では、組成物は、約98重量%~約70重量%の量などで酸化セリウムを含有する。
【0056】
粒子状酸化物組成物は、任意で、酸化セリウム及び三価ドーパント以外の追加の金属酸化物を含有してもよい。これらの追加の金属酸化物は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。本明細書に開示される粒子状酸化物組成物は、一般に、追加の金属酸化物を、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約70重量%~約0重量%までの量で含む。
【0057】
特定の実施形態において、粒子状酸化物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約20重量%の量の酸化セリウム;粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパント;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約70重量%~約0重量%の量の追加の金属酸化物を含む。粒子状酸化物組成物において、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在する。
【0058】
粒子状酸化物組成物は、存在する場合、一般に追加の金属酸化物を、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約70重量%~約0.1重量%までの量で含む。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、追加の金属酸化物を、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約50重量%~約0.1重量%の量、又は約30重量%~約0.1重量%の量で含有する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、これらの追加の金属酸化物を、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約10重量%~約0.1重量%までの量で含有する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、約0重量%の追加の金属酸化物を含有する。追加の金属酸化物の量は、総量が粒子状組成物の約100%になるように、三価ドーパント及び酸化セリウムの量と共に変化し、それに対応する。
【0059】
一実施形態において、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%の量の三価ドーパント;約20重量%~約30重量%の量の酸化セリウム;及び約45重量%~約75重量%の量の追加の金属酸化物を含む。粒子状酸化物組成物では、酸化セリウムは三価ドーパントよりも多い量で存在し、成分の量は、総量が粒子状組成物の約100%になるように変化し、対応する。
【0060】
代替的な実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%の量の三価ドーパント;約45重量%~約75重量%の量の酸化セリウム;及び約20重量%~約30重量%の量の追加の金属酸化物を含む。粒子状酸化物組成物では、酸化セリウムは三価ドーパントよりも多い量で存在し、成分の量は、総量が粒子状組成物の約100%になるように変化し、対応する。
【0061】
粒子状酸化物組成物は、任意で、微量の不純物をさらに含んでいてもよい。これらの不純物は、典型的には、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約1重量%以下(約0まで、又は検出不能な量まで)の量で存在する。これらの不純物には、残留溶媒、塩、他の金属などが含まれる。これらの他の金属には、水中に一般的に見られるもの、例えばマグネシウム、鉄、カルシウム、ケイ素、ナトリウム等が含まれる。これらの不純物量(約1重量%~約0、又は検出不能な量)は、粒子状酸化物組成物の上記及び下記の実施形態のいずれかに存在し得る。存在し、検出可能である場合、任意の不純物は、一般に、約100ppm以下の量で存在する。
【0062】
以下に記載される方法によって製造された新規な三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、独自の構造的(すなわち、物理的)及び電気化学的特性を有し、それによって生物学的汚染物質を除去する重要な目的のために特に有用となる。
【0063】
本明細書に開示される新規な粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム及び三価ドーパントの分布について固有の深さプロファイルを有する。この特有の深さプロファイルは、Ceに対する三価ドーパントの比が、粒子状酸化物組成物の表面に近づくほど、粒子状酸化物組成物内のより深い部分と比較して高くなることを意味する。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、粒子状酸化物組成物の固有の深さプロファイルは、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供し得る。
【0064】
当業者は、これらの粒子状酸化物組成物が表面を有することを認識しており、この表面は約0nmと呼ばれる。当業者は、この表面(すなわち、0nmで)から粒子状酸化物組成物内の深部(nmで測定)までCe及び三価ドーパントを測定する方法を理解しており、この測定から、異なる深さでの三価ドーパント対Ce比及び三価ドーパント対Ceの平均比を計算することができる。
【0065】
粒子状酸化物組成物の固有の深さプロファイルは、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm(すなわち、表面)~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きくなるように特徴づけられる。Ce及び三価ドーパントの測定は、0nm(すなわち、表面)から約3.5nmまでの特定の間隔で行われ、次いで平均化される。Ce及び三価ドーパントの測定はまた、粒子状組成物の表面から約15nmで行われる。図8は、深さに対するLaO/CeOの比のグラフであり、この固有の深さプロファイルを一例の粒子状酸化物組成物について示す。
【0066】
酸化セリウム及び三価ドーパントの分布の深さプロファイルは、Noel,C.et al.ToF-SIMS Depth Profiling of Organic Delta Layers with Low-Energy Cesium Ions:Depth Resolution Assessment,Journal of The American Society for Mass Spectrometry,Vol.30(2019)pp 1537-1544(その内容全体が参照により組み込まれる)に記載されているように、飛行時間型(ToF)二次イオン質量分析(SIMS)深さプロフィロメトリによって測定される。当業者が理解するように、試料材料の粒子の正方形断面が選択され、0nmの深さ(すなわち、表面)で分析するToF-SIMSによって分析される。ToF-SIMSは、標的材料にイオンビームで衝撃を与え、それが材料のスパッタリングを引き起こすことによって作用する。スパッタリングは、固体材料の表面から微小な粒子が噴出される現象である。次いで、噴出された粒子は、質量分析計で質量分析される。本開示におけるToF-SIMS分析のためのイオン源は、130nAの目標電流で2keVで実行されるセシウムイオン源であり、スパッタリングサイズは500μmであり、分析面積は200μm、2フレーム分析、続いて6フレームスパッタリング、及び60秒スパッタリング時間であった。次いで、選択された正方形断面をイオンビームでエッチングして表面原子を除去する。本開示では、一次イオンビームは、約0.6pAのパルス目標電流で30keVで実行されるビスマス液体金属イオン銃であり、スパッタリングサイズは250μmであり、分析面積は100μm、2フレーム分析、続いて50フレームスパッタリング、及び2万秒スパッタリング時間であった。エッチングの時間はエッチングの深さと相関するため、深さを制御することができる。本開示では、スパッタリング深さを1nm/sに較正した。次いで、露出面をToF-SIMSによって再分析して、新しい深さでの分析を得る。粒子状組成物は、任意のnm増分、例えば約0.2nmの増分、約0.5nmの増分、約1nmの増分などで分析することができる。このプロセスは、所望の深さが得られるまで繰り返される。次いで、観察された質量分析データを、それが収集された深さと相関させる。本開示では、Ceに対する三価ドーパントの比を決定することが重要であり、したがって、これは報告されたデータである。
【0067】
本明細書で開示される新規な粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい。この粒子状酸化物組成物の一実施形態において、組成物は、約0.1重量%~約50重量%までの三価ドーパントを含む。特定の実施形態では、組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約50重量%の酸化セリウムをさらに含む。
【0068】
本明細書で開示される別の実施形態は、酸化セリウム、並びにイットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント、並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であり、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きく、組成物は、約2重量%~約30重量%の三価ドーパントを含む。この粒子状酸化物組成物の一実施形態では、組成物は、酸化セリウムを、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約98重量%~約70重量%の量で含む。
【0069】
記載された深さプロファイルを有する、本明細書に開示された三価ドープCeOを含有する粒子状酸化物組成物は、三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれかを有することができることが理解され得る。
【0070】
特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム及び三価ドーパントを含有し、追加の金属酸化物は微量~非含有(すなわち、約0)であり、不純物はわずか1%~非含有(すなわち、0又は検出不能)である。存在し、検出可能である場合、任意の不純物は、一般に、約100ppm以下の量で存在する。
【0071】
特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも約10%~約250%大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有する。他の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状酸化物組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも約15%~約250%大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有する。上述のように、粒子状酸化物組成物の表面から0nmが粒子状酸化物組成物の表面であることが理解される。
【0072】
上記の深さプロファイルを有する、本明細書に開示された三価ドープCeOを含有する粒子状酸化物組成物はまた、三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述の量、並びに下記の追加の特性のいずれかを有することができることが理解され得る。
【0073】
三価ドープCeOを含む新規な粒子状酸化物組成物はまた、例えばCOの物理吸着と化学吸着の両方を示すことを含む、固有の物理的特性を示すことができる(図5A図5B、及び図5Cを参照されたい)。物理吸着は、物理的吸着としても知られており、例えばファンデルワールスを介した弱い会合である。化学吸着は化学的吸着としても知られている。化学吸着では、吸着が起こり、吸着された物質は化学結合によって結合される。これは物理吸着よりもはるかに強い吸着である。物理吸着及び化学吸着を示すことは、上記の深さプロファイルを有する三価ドープCeOを含む新規な粒子状組成物の固有の特徴である。吸着剤はCO(酸)であるため、化学吸着を示すことは、材料がより塩基性であり、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供し得ることを示す。物理吸着及び化学吸着を示すこの特性は、上記の深さプロファイルのいずれか、並びに三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上記の量のいずれか、並びに以下に説明する追加の特性と組み合わせることができる。
【0074】
固有の深さプロファイルを有する新規な粒子状酸化物組成物はまた、従来技術の方法によって製造された組成物よりも容易に還元され得、したがって、これらの新規な組成物はより酸化性である。図6は、例1、2、及び3からの材料の昇温水素還元のグラフである。例1は、低温で大きな鋭いピークを有する。このピークは、この新規な粒子状酸化物組成物が、例2又は3の組成物と比較して、より容易に還元されることを示している。したがって、新規な粒子状酸化物組成物は、より酸化性であり、したがって生物学的汚染物質を除去/低減するのにより効果的であり得る。例2のグラフは、例1と本質的に同じ形状を有するが、より高い温度にシフトしており、これは、材料が水素と反応するためにより多くのエネルギーが必要であり、したがって、例1よりも酸化性が低いことを示している。ドープされていない酸化セリウムである例3のグラフは、広域、かつあまり高くない水素還元の2つのピークを示す。これは、この材料で起こり得る2つのタイプの還元があり、高い方の温度のものは、はるかに達成しづらいことを示す。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、粒子状物質の表面上及び表面付近においてより高い三価ドーパント対Ceの比が存在するような、新規な粒子状酸化物組成物の固有の深さプロファイルが、この水素還元温度の変化及び酸化特性の増加をもたらし得る。さらに、固有の深さプロファイルを有する新規な粒子状酸化物組成物の増加した酸化特性は、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供することができる。この特性はまた、上記の深さプロファイルのいずれか、物理的特性、並びに三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上記の量のいずれか、並びに以下に説明する追加の特性と組み合わせることができる。
【0075】
三価ドープCeOを含有し、本明細書に開示される固有の深さプロファイルを有する新規な粒子状酸化物組成物は、その等電点及びゼータ電位によって示されるように、より高い塩基性をさらに示すことができる(図7参照)。特定の実施形態では、本明細書に記載の粒子状酸化物組成物は、約8~約9のpHで等電点を有する。さらなる実施形態では、本明細書に記載の粒子状酸化物組成物は、約7のpHで約20~約40mVのゼータ電位を有する。より高い等電点を有することは、材料がより塩基性であり、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供し得ることを示す。この特性はまた、上記の深さプロファイルのいずれか、物理的特性、並びに三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上記の量のいずれか、並びに以下に説明する追加の特性と組み合わせることができる。
【0076】
本明細書に開示される三価ドープCeOを含む粒子状酸化物組成物はまた、生物学的汚染物質除去特性の提供を支援する表面積を有することができる。
【0077】
本明細書に記載されるように、表面積は、Micromeritics ASAP 2000システム及び約77ケルビンの窒素を使用することによって決定される組成物の見かけの表面積である。ASTM International試験方法D 3663-03(再承認2008)に概説されている手順を使用したが、1つの有意な例外があった。微小孔構造を含有する材料では「BET表面積」判定が不可能であることは周知である。表面積が近似値であることを認識すると、報告される値は、「BET表面積」値ではなく「見かけの表面積」値とラベル付けされる。一般に受け入れられている手順に従って、見かけの表面積の決定、BET式の適用は、式の項na(l-P/Po)が、P/Poと共に連続的に増加する圧力範囲に限定された。試料のガス抜きは、窒素下、摂氏約300度で約2時間行った。
【0078】
本明細書に開示される三価ドープCeOを含有する粒子状酸化物組成物は、約70m/g~約300m/gの表面積を有することができる。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、表面積は、ガス状ストリーム若しくは水性ストリームからの、又は固体表面との接触による生物学的汚染物質の除去に影響を与え、改善することができると考えられる。
【0079】
この表面積を有する粒子状酸化物組成物は、深さプロファイル及び他の上述の特性のいずれか1つ以上、並びに三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述のいずれかの量と組み合わせて、以下に記載の平均細孔容積を有することができることが理解され得る。
【0080】
粒子状酸化物組成物は、典型的には、約0.01cm/g~約1.5cm/gの平均(平均、中央値、及び最頻値)細孔容積(N吸着によって決定される)を有する。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、平均細孔容積は、水性又はガス状ストリームからの生物学的汚染物質の除去に影響を与え、改善することができると考えられる。
【0081】
粒子状酸化物組成物は、上述の表面積、深さプロファイル及び他の上述の特性のいずれか1つ以上、並びに三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれかと組み合わせて、上述の平均細孔容積を有することができることが理解され得る。
【0082】
本明細書に開示される酸化セリウム及び1つ以上の三価ドーパントを含有する粒子状酸化物組成物は、生物学的汚染物質を効果的に除去する。三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、生物学的汚染物質のおよそ90%以上を除去することができる。特定の実施形態では、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、生物学的汚染物質のおよそ99%以上を除去することができる。
【0083】
粒子状酸化物組成物は、生物学的汚染物質含有水性ストリームでスラリー化され得、生物学的汚染物質を効果的に除去することができる。いくつかの実施形態では、粒子状酸化物組成物を生物学的汚染物質含有水性ストリームでスラリー化することにより、生物学的汚染物質の少なくとも約90%を除去する。他の実施形態において、スラリー化により、生物学的汚染物質の少なくとも95%、又はより好ましくは99%又は99%+が除去される。
【0084】
本明細書に記載の粒子状酸化物組成物は、以下に記載される、生物学的汚染物質を除去するための支持組成物及び/又は物品に組み込むこともできる。
【0085】
支持組成物及び物品
また、本明細書には、支持材料及び本明細書に記載の三価ドープCeO粒子状組成物を含む支持組成物も開示される。これらの支持組成物は、本明細書に記載されるように、生物学的汚染物質を除去するためのものであり、支持材料、並びにイットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパントでドープされた酸化セリウムと、任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物とを含む三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を含む。
【0086】
したがって、支持組成物は、支持材料、並びに酸化セリウム、1つ以上の三価ドーパント、及び任意で、酸化セリウム及び三価ドーパント以外の追加の金属酸化物、及び/又は微量の不純物を含む粒子状酸化物組成物を含む。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、約0個の追加の金属酸化物を含有する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は固有の深さプロファイルを有し、酸化セリウムは、三価ドーパントよりも多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい。支持組成物中の粒子状酸化物組成物は、上記の粒子状酸化物組成物の実施形態の全てを含む。
【0087】
生物学的汚染物質を除去するための支持組成物は、支持材料も含む。この支持材料は、有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む。
【0088】
有機ポリマーは、有機モノマーのホモポリマー又はコポリマーであってもよい。有機ポリマーは、シリコーン又はポリシロキサン(すなわち、シロキサン(-RSi-O-SiR-、Rは有機基)から構成されるポリマー)であってもよい。有機ポリマーはまた、熱可塑性エラストマー等の熱硬化性ポリマーであってもよい。特定の実施形態では、有機ポリマーは、ポリエチレン、ポリカルボナート、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、それらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態では、有機ポリマーはシリコーンである。
【0089】
本明細書に開示される支持組成物において、粒子状酸化物組成物は、支持材料の上又は中に堆積される。
【0090】
支持組成物の一実施形態において、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約20重量%の量の酸化セリウム;粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパント;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約70重量%~約0重量%の量の追加の金属酸化物を含む。
【0091】
この支持組成物の別の実施形態において、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの三価ドーパント、及び約99.9重量%から約50重量%までの酸化セリウムを含む。
【0092】
この支持組成物のさらに別の実施形態において、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量の酸化セリウム;粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%までの量の三価ドーパント;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約45重量%~約78重量%の量の追加の金属酸化物を含む。
【0093】
この支持組成物のさらなる実施形態において、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約45重量%~約78重量%の量の酸化セリウム;粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%までの量の三価ドーパント;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量の追加の金属酸化物を含む。
【0094】
これらの支持組成物では、支持組成物内の粒子状酸化物組成物は、三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれかを有することができることが理解され得る。
【0095】
これらの支持組成物は、有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物を含む支持材料と、固有の深さプロファイルを有する、上記の新規な粒子状酸化物組成物とを含むことができる。記載されるように、この粒子状酸化物組成物は、混合酸化物組成物(すなわち、セリウムの酸化物、三価ドーパント、及び任意で追加の金属酸化物の混合物)であり、独特の構造的(すなわち、物理的)特性及び電気化学的特性を有する。これらの支持組成物では、粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい。これらの支持組成物において、粒子状酸化物組成物(すなわち、新規な三価ドープ酸化セリウム)は、支持材料の上又は中に堆積される。この新規な粒子状酸化物組成物は、全ての特性、並びに三価ドーパント、酸化セリウム及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれかを含む、上述の実施形態の全てを含む。
【0096】
全ての実施形態において、支持組成物は、支持組成物の総重量に基づいて、約0.5~約80重量%の粒子状酸化物組成物(すなわち、三価ドープ酸化セリウム)を含有する。特定の実施形態において、組成物は、支持組成物の総重量に基づいて、約0.5~約50重量%の粒子状酸化物組成物を含有する。他の実施形態において、組成物は、支持組成物の総重量に基づいて、約0.5~約25重量%の粒子状酸化物組成物を含有する。さらに他の実施形態において、組成物は、支持組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の粒子状酸化物組成物を含有する。さらなる実施形態において、組成物は、支持組成物の総重量に基づいて、約0.5~約5重量%の粒子状酸化物組成物を含有する。
【0097】
支持材料及び粒子状酸化物組成物(すなわち、三価ドープ酸化セリウム)を含有する支持組成物は、剛性又は弾性の形態であり得る。支持組成物は、フィルタ又はプラスチック容器等の生物学的汚染物質を除去するための物品を形成し得る。物品は、剛性又は弾性の形態であり得る。
【0098】
支持組成物が物品を形成する場合、物品は、物品の総重量に基づいて約50~約100重量%の、支持材料及び粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物を含有する。特定の実施形態では、物品は、物品の総重量に基づいて約75~約95重量%の、支持材料及び粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物を含有する。
【0099】
粒子状酸化物組成物及び支持体が弾性又は剛性の物品に形成される場合、物品はまた、バインダー、砂、砂利、グラスウール、金属又はプラスチック容器等を含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、支持材料は、有機ポリマーであってもよい。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。支持材料として有機ポリマーを使用するこの組成物が物品を形成する場合、物品はプラスチック物品であり得る。これらの実施形態において、有機ポリマーは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカルボナート、それらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。特定の実施形態において、有機ポリマーは、ポリエチレン、ポリカルボナート、又はそれらの混合物である。プラスチックの場合、物品は、フィルタ、ボトル、容器、又は高頻度タッチサービス用のプラスチックカバーの形態であり得る。フィルタは、固定床であってもよい。ボトル又は容器は、液体用であってもよい。高頻度タッチ表面には、エスカレータ又は階段手すりカバー、エレベータボタンカバー、ドア、ドアハンドル又はノブ又はそのためのカバー、公共交通機関のカバー、電子取引用のタッチパッド等が含まれる。
【0101】
いくつかの実施形態において、支持材料は、綿であってもよい。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。支持材料として綿を使用するこの支持組成物が物品を形成する場合、物品はフィルタ又は布地であり得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、支持材料はガラス繊維であってもよい。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。支持材料としてガラス繊維を使用するこの支持組成物が物品を形成する場合、物品は、フィルタ、ボトル、容器、又は高頻度タッチ表面であり得る。フィルタは、固定床であってもよい。高頻度タッチ表面には、エレベータボタンカバー、ドア、公共交通機関のカバー、電子取引用タッチパッド等が含まれる。
【0103】
ある特定の実施形態において、支持材料は、綿及び有機ポリマーであってもよい。これらの実施形態のある特定のものでは、有機ポリマーは、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。支持材料としてのこの混合物が物品を形成する場合、物品はフィルタ又は布地であり得る。
【0104】
ある特定の実施形態において、支持材料は、ガラス繊維及び有機ポリマーであってもよい。有機ポリマーは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカルボナート、それらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。これらの実施形態のある特定のものでは、有機ポリマーは、ポリエチレン、ポリカルボナート、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。支持材料としてのこの混合物が物品を形成する場合、物品は、フィルタ、ボトル、容器、又は高頻度タッチ表面であり得る。フィルタは、固定床であってもよい。高頻度タッチ表面には、エスカレータ又は階段手すりカバー、エレベータボタンカバー、ドア、ドアハンドル又はノブカバー、公共交通機関のカバー、電子取引用のタッチパッド等が含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態において、支持材料は、ポリエチレン又はポリカルボナートであってもよい。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。支持組成物が物品を形成する場合、物品はプラスチック物品であってもよく、フィルタ、ボトル、容器、又は高頻度タッチ表面用のプラスチックカバーの形態であり得る。フィルタは、固定床であってもよい。
【0106】
特定の実施形態では、支持材料はシリコーンであり得る。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。
【0107】
特定の実施形態において、物品は、プラスチック物品である。プラスチック物品は、フィルタ、ボトル、容器、又は高頻度タッチ表面用のプラスチックカバーの形態であり得る。プラスチック物品は、(i)ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカルボナート、それらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される有機ポリマーを含む、生物学的汚染物質を除去するための支持組成物を含む。プラスチック物品は、(ii)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント、並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物をさらに含む。これらの実施形態のある特定のものでは、三価ドーパントは、Pr、La、又はそれらの混合物である。さらに、プラスチック物品のこれらの実施形態のある特定のものでは、有機ポリマーは、ポリエチレン、ポリカルボナート、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0108】
プラスチック物品の特定の実施形態では、それは(ii)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物を含み、酸化セリウムは三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい。プラスチック物品のこれらの実施形態のある特定のものでは、有機ポリマーは、ポリエチレン、ポリカルボナート、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0109】
プラスチック物品の全ての実施形態において、粒子状酸化物組成物は、有機ポリマーの上又は中に堆積される。特定の実施形態では、プラスチック物品は、プラスチック物品の総重量に基づいて、約50~約100重量パーセントの生物学的汚染物質を除去するための支持組成物を含む。
【0110】
プラスチック物品の特定の実施形態では、それは、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの三価ドーパント、及び約99.9重量%から約50重量%の酸化セリウムを含む粒子状酸化物組成物を含む。この特定の粒子状酸化物組成物は、上記の粒子状酸化物組成物の実施形態の全てを含む。
【0111】
固有の深さプロファイルを有する新規な三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物、支持組成物、及び本明細書に開示される物品は、生物学的汚染物質の約90%以上を除去することができる。特定の実施形態では、本明細書に開示される固有の深さプロファイルを有する新規な三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物、支持組成物及び物品は、生物学的汚染物質の約99%以上を除去することができる。
【0112】
本明細書に開示される物品、支持組成物、粒子状酸化物組成物、及び方法によって除去される生物学的汚染物質には、ウイルス、細菌、真菌(例えばカビ又は真菌)、原虫(例えばアメーバ)、藻類、酵母等、及びそれらの混合物が含まれる。ある特定の実施形態において、本明細書に開示される物品、組成物、及び方法によって除去される生物学的汚染物質は、細菌、ウイルス、真菌(例えばカビ)、原虫(例えばアメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態において、本明細書に開示される物品、組成物、及び方法によって除去される生物学的汚染物質は、細菌、ウイルス、アメーバ、及びそれらの混合物である。他の実施形態において、生物学的汚染物質は、細菌、ウイルス、及びそれらの混合物である。
【0113】
特定の実施形態において、除去される生物学的汚染物質には、廃水等の水性ストリーム中の懸念物質、及び空気によって運ばれる懸念物質が含まれる。
【0114】
細菌には、グラム陽性及びグラム陰性細菌が含まれる。細菌には、糞便性大腸菌を含む、水中に一般的に見られるものが含まれる。細菌には、例えば、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ブドウ球菌(Staphylococcus)、大腸菌(Escherichia coli)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA))、レジオネラニューモフィラ(Legionella Pneumophila)、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter Jejuni)、サルモネラ(Salmonella)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheriae)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、百日咳菌(Bordetella pertussis)等が含まれる。ウイルスには、例えば、ライノウイルス、コロナウイルス、ワクシニア、ポリオウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、パラミクソウイルス、インフルエンザウイルス、モルビリウイルス、A型肝炎ウイルス(HAV)、アデノウイルス(HAdV)、ロタウイルス(RoV)、サポウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、パラミクソウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、痘瘡ウイルス(天然痘及びサル痘を含む)並びに他の腸内ウイルス、例えばノロウイルス(NoV)、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、レオウイルス及びアストロウイルス等が含まれる。他の微生物汚染物質には、原虫(例えばクリプトスポリジウム(Cryptosporidium))、特にアメーバ(例えばネグレリアフォーレリ(Naegleria fowleri))が含まれる。真菌であるさらなる微生物汚染物質には、トリコフィトンメンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)及びアスペルギルス(Aspergillus)が含まれる。
【0115】
三価希土類でドープされた酸化セリウムを含む、本明細書に開示される物品、組成物及び方法は、これらの生物学的汚染物質の濃度又は量を低減する。
【0116】
新規な三価ドープ酸化セリウム粒子状酸化物組成物の作製方法
三価ドープ酸化セリウム組成物を製造するための公知の方法がある(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第17/870,068号を参照されたい)。しかしながら、本明細書に開示される方法は新規であり、上述の固有の深さプロファイル及び他の固有の特性を有する、三価希土類でドープされた酸化セリウムを含む新規な粒子状酸化物組成物を提供する。方法は、上述の実施形態の全てを含む粒子状酸化物組成物を製造する。これらの新規な粒子状酸化物組成物は、生物学的汚染物質の濃度を低減することができ、本明細書に開示されるプロセスによって作製される。
【0117】
三価希土類でドープされた酸化セリウムを含む粒子状酸化物組成物は、三価希土類炭酸塩、酸化物又はそれらの混合物、及び酸化セリウム(IV)を三価希土類の可溶性塩の水溶液と密接に混合することによって作製される。粒子状酸化物組成物中に追加の金属酸化物が所望される場合、それらは、酸化セリウム(IV)内に、例えばセリウムアルミニウム酸化物又はセリウムジルコニウム酸化物などを使用することによって含められる。三価希土類の可溶性塩は、例えば硝酸塩及び塩化物を含む、水溶液に可溶性の任意の塩であり得る。利用される塩水溶液の濃度は、約0.02~約3mol/Lであり得る。
【0118】
特定の実施形態では、三価希土類酸化物及び酸化セリウムは、三価希土類硝酸塩の水溶液と密接に混合される。
【0119】
これらの方法において、三価希土類は粒子状組成物内の三価ドーパントであり、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。三価希土類及び三価希土類炭酸塩の可溶性塩、酸化物、又はそれらの混合物並びに酸化セリウム(IV)の量は、粒子状酸化物組成物中の三価ドーパント及び酸化セリウムの所望の重量パーセンテージを達成するように選択される。
【0120】
得られた固体を熱処理して、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を得る。熱処理は、約200℃~約1000℃の温度で約10分~約5時間行われ得る。この最終熱処理は、得られた固体を乾燥させる。特定の実施形態では、温度は約550℃~約800℃である。
【0121】
次いで、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を使用して、支持材料及び三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を含む、生物学的汚染物質を除去するための本明細書に開示される支持組成物を調製することができ、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、支持材料の上又はその中に堆積されている。三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を使用して、支持組成物を含む本明細書に開示の物品を調製することもできる。三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物はさらに、生物学的汚染物質を除去するための本明細書に記載の方法において使用することができる。
【0122】
支持組成物及び物品の調製
本明細書に開示される支持組成物は、本明細書に記載される粒子状酸化物組成物及び支持材料を含有する。特定の実施形態では、支持組成物は、酸化セリウム及び三価ドーパントを含み、上記のような固有の深さプロファイルを有する新規な粒子状酸化物組成物を含む。粒子状酸化物組成物は、任意で、酸化セリウム及び三価ドーパント以外の追加の金属酸化物を含んでもよい。この粒子状酸化物組成物は、上記のように調製される。粒子状酸化物組成物、支持組成物及び物品は、本明細書に記載の実施形態の全てを含む。支持組成物において、支持材料は、有機ポリマー、綿、ガラス繊維、又はそれらの混合物から選択される。
【0123】
酸化セリウム、三価ドーパント及び任意の追加の金属酸化物の粒子状酸化物組成物、並びに支持材料の支持組成物は、ガス状又は水性混合物を処理するために独立して使用することができる。又は、酸化セリウム、三価ドーパント、任意の追加の金属酸化物の粒子状酸化物組成物、及び支持材料の支持組成物は、特にガス状又は水性混合物を処理するために設計された物品、例えばフィルタ又はプラスチック容器に組み込まれてもよい。フィルタは、固定床であってもよい。フィルタは、ガス状又は水性混合物又はストリームのために、したがってガス状又は水性混合物又はストリームを濾過するために使用され得る。
【0124】
支持組成物及び支持組成物を含有する物品において、三価ドープ酸化セリウムを含有する粒子状酸化物組成物は、支持材料の上又は中に堆積されて、生物学的汚染物質を除去するための支持組成物を提供する。
【0125】
酸化セリウム、三価ドーパント、及び任意の追加の金属酸化物の粒子状組成物は、支持材料の1つ以上の外面及び/又は内面に堆積させることができる。当業者は、一般に、支持材料の内面を細孔と称することが理解され得る。本明細書に記載の三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、バインダーの有無にかかわらず支持材料上に支持され得る。いくつかの実施形態において、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、スラリー堆積等の任意の従来技術を使用して支持材料に適用され得る。
【0126】
本明細書に開示される支持組成物を調製するプロセスは、いかなる特定のステップ又は方法によっても限定されず、一般に、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物の支持材料への組み込み又は支持材料上への堆積をもたらす任意のものであり得る。三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を支持材料に組み込むプロセスは、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を支持材料の製造に混合することを含む。一例として、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、成形プロセスにおいて溶融ポリプロピレンに添加され得る。別の例として、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、及び安定剤の混合物に添加され、ホットミキサー、続いて押出機に通されてもよい。
【0127】
三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を支持材料上に堆積させるプロセスは、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を液体又は水溶液のいずれかで有機バインダーと混合することを含む。次いで、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物と有機バインダーとの混合物は、支持材料の浸漬によって、又は塗り広げ若しくはエアブラッシングによって混合物で支持材料をコーティングすることによって、支持材料に結合される。有機バインダーはまた、スラリー堆積技術に使用され得る。
【0128】
ある特定の実施形態において、有機バインダーは、クエン酸、ポリウレタンジオール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、亜麻仁油、及びそれらの混合物からなる群から選択される。三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物が支持材料に結合したら、任意選択でコーティングされた支持体を乾燥前に水ですすぎ、支持体に結合していない残留物を除去することができる。コーティングされた支持体を、次いで任意選択で、約20℃超及び約300℃未満の温度で約1~12時間、又は十分に乾燥するまで乾燥させることができる。ある特定の実施形態において、コーティングされた支持体を、次いで任意選択で、約20℃超及び約120℃未満の温度で乾燥させることができる。
【0129】
ガラス又はプラスチック等の溶融され得る支持材料の場合、支持体は、表面がちょうど軟化し始める点まで加熱され得、次いで、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物が、半溶融材料と混合し始めるように表面上に配置され得る。冷却して再凝固させると、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物が支持材料の表面に取り込まれる。利用される温度は、利用される支持材料に依存する。当業者は、利用される支持材料のための適切な温度を容易に決定することができるであろう。例えば、石英ガラスのこの温度は1000℃を超え、ホウケイ酸ガラスは約500~600℃であり、PVCは約200~300℃である。
【0130】
これらの固体支持体は、フィルタ及びプラスチック物品を含む物品を形成するために利用され得る。
【0131】
三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物はまた、高頻度タッチ表面用の物品に組み込まれてもよく、この高頻度タッチ表面は、直接タッチ接触によって生物学的汚染物質と接触し得る。したがって、高頻度タッチ表面用の物品はまた、必ずしも流体の処理だけでなく、接触によって堆積した細菌及び/又はウイルスの低減に利用され得る。これらの物品は、液体用の容器、エレベータボタン、エスカレータ又は階段用のハンドレールカバー、ドア、ドアハンドル、ドアノブ、公共交通機関のカバー、電子取引用のタッチパッド、布地等であってもよい。
【0132】
三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を含有する支持組成物及び支持材料は、フィルタ、固定床濾過システム、ボトル又は容器、高頻度タッチ表面等の弾性又は剛性物品に形成され得る。特定の実施形態において、物品は、プラスチック物品である。他の実施形態において、物品はフィルタである。これらの物品は、当業者によって十分に認識されているように、そのような物品が通常含有する任意の追加の必要な成分を含有してもよい。これらの物品を形成するための技術は、当業者に周知である。
【0133】
三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物の使用方法
本出願は、三価ドープ酸化セリウムを含有する開示された組成物のいずれかを使用して、生物学的汚染物質を除去するための方法に関する。方法は、酸化セリウム、三価ドーパント、及び任意の追加の金属酸化物の粒子状酸化物組成物がそれ自体で利用されてもよく、又は方法は、粒子状酸化物組成物が支持組成物又は物品の一部として利用されてもよい。方法は、空気ストリーム及び水性ストリーム及びガス状ストリームを含む、流体を処理することができる。
【0134】
いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、粒子状組成物の表面上及び表面付近においてより高い三価ドーパント対セリウムの比が存在するような、新規な粒子状酸化物組成物の固有の深さプロファイルが、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供し得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、酸化セリウム、三価ドーパント、及び任意の追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物、並びに支持材料を含む支持組成物は、生物学的汚染物質を除去するための方法において独立して使用されてもよく、又は粒子状酸化物組成物及び支持材料の支持組成物は、ガス状若しくは水性混合物を処理するために特別に設計された物品、例えばフィルタ若しくはプラスチック容器に組み込まれてもよい。
【0136】
本明細書に記載のとおり、粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント、並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムは、三価ドーパントよりも多い量で存在する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい。これらの方法において、粒子状酸化物組成物は、三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれか、及び上述の特性のいずれかを有することができることが理解され得る。
【0137】
方法のある特定の実施形態において、本出願は、三価ドープ酸化セリウムを含有する開示された組成物を使用して、生物学的汚染物質を除去及び目標濃度以下の生物学的汚染物質を確保するための方法に関する。これらの生物学的汚染物質には、細菌、ウイルス、原虫(例えばアメーバ)、真菌、藻類、酵母等が含まれる。これらの組成物は、粒子状酸化物組成物それ自体、粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物、及び粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物を含有する物品を含む。特定の実施形態では、これらの粒子状酸化物組成物は、固有の深さプロファイルを有するものである。粒子状酸化物組成物は、三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれか、及び上述の特性のいずれかを有することができることが理解され得る。これらの方法は、タッチ/直接接触によって流体(例えば水性ストリーム若しくはガス状ストリーム)又は固体物体の表面を処理することができる。したがって、本明細書に開示される方法は、流体(例えば、水性ストリーム及び/又はガス状ストリーム)を処理する方法を含む。
【0138】
本方法のある特定の実施形態において、水性ストリーム又はガス状ストリームを、三価ドープ酸化セリウムを含有する粒子状酸化物組成物と接触させる。粒子状酸化物組成物は、三価ドーパント、酸化セリウム及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれか、並びに上述の特性のいずれかを含む、上述の実施形態の全てを含む。
【0139】
方法の他の実施形態では、水性ストリーム又はガス状ストリームを、本明細書に記載の粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物と接触させる。方法のさらに他の実施形態では、潜在的に汚染された表面を、本明細書に記載の粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物又は物品と接触させる。これらの潜在的に汚染された表面には、例えば、皮膚(例えば、手、指、手のひら等)が含まれ、接触は、本明細書に記載の粒子状酸化物組成物を含有する支持組成物又は物品へのタッチによるものである。開示される方法では、除去される生物学的汚染物質は、水性ストリーム又はガス状ストリーム中に含まれてもよく、又は物理的対象の表面上にあってもよい。
【0140】
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、本明細書に記載の粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質との接触は、三価ドープ酸化セリウムとの吸着及び/若しくは反応、又は三価ドープ酸化セリウムと接触したときの不活性化のうちの1つ又は複数を生物学的汚染物質にもたらすと考えられる。生物学的汚染物質を三価ドープ酸化セリウムで吸着、反応及び/又は不活性化することにより、生物学的汚染物質含有流体(空気若しくは水性ストリーム)又は固体表面から生物学的汚染物質が除去される。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、表面上及び表面付近においてより高い三価ドーパント対セリウムの比が存在するような、新規な粒子状酸化物組成物の固有の深さプロファイルが、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供し得る。
【0141】
生物学的汚染物質は、目標レベルまで、又は目標レベル未満まで除去することができる。いくつかの実施形態では、生物学的汚染物質は、検出不能なレベルまで除去され得る。目標レベルは、指定された量又は検出限界であってもよい。本明細書に記載の方法の一部として、除去される生物学的汚染物質が特定され得、汚染物質の目標量又はレベルが設定され得る。本明細書で企図される生物学的汚染物質のある特定のものについて、目標量又はレベルは、任意の検出可能な量であり得る。方法は、任意選択で、汚染物質について処理されたストリームを監視することをさらに含んでもよい。
【0142】
本明細書に開示される方法は、空気若しくは水を処理するために使用されてもよく、又はタッチによる接触によって汚染物質を処理するために使用されてもよい。タッチによる接触によって汚染物質を処理するために使用される場合、開示される組成物は、高頻度タッチ表面に組み込まれる。
【0143】
生物学的に汚染された空気及び/又は水を処理するために、酸化セリウム、三価ドーパント及び任意の追加の金属酸化物を含有する開示された粒子状酸化物組成物を使用することは、空気及び/又は水処理方法の効率的な操作を可能にし、生物学的汚染物質の濃度が低減された処理されたストリームを提供する。本明細書に開示されるように、粒子状酸化物組成物は、支持組成物に組み込まれてもよく、それらの支持組成物は、ガス状又は水性混合物を処理するために特別に設計された物品、例えばフィルタ、固定床濾過システム、又は容器用のプラスチックに組み込まれ得る。水性ストリームを処理する方法では、粒子状酸化物組成物自体を使用し、スラリー化によって接触させることもできる。スラリー化を伴うこれらの方法では、方法は、流体/液体を濾過することをさらに含み得る。
【0144】
これらの方法のいずれかでは、粒子状酸化物組成物は、三価ドーパント、酸化セリウム、及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれか、並びに、固有の深さプロファイルを含む、上述の特性のいずれかを有することができる。
【0145】
本開示の方法は、空気及び/又は飲料水及び地下水から生物学的(例えば、細菌、ウイルス、アメーバ等)汚染物質を除去するために想定されるが、このプロセスは、望ましくない量の生物学的汚染物質を含有する任意のガス状又は水性液体供給物を処理するために使用することができることが理解されよう。この方法はまた、汚染表面と本明細書に記載の粒子状酸化物組成物を含有する物品との直接接触によって生物学的汚染物質を除去するために想定される。
【0146】
特定の実施形態では、これらの方法は、(i)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状酸化物組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状酸化物組成物を提供すること;(ii)組成物を、細菌、ウイルス、真菌、原虫、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質と接触させること、並びに(iii)組成物との接触によって、生物学的汚染物質を除去することを含む。生物学的汚染物質は、水性ストリーム若しくは液体ストリーム中に、又は三価ドープ酸化セリウムを含有する組成物と物理的に接触する物体の表面上に含有され得る。これらの方法は、組成物との接触によって生物学的汚染物質の少なくとも約90%を除去する。
【0147】
特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、支持組成物内に含まれてもよく、これらの実施形態のうちの特定のものでは、支持組成物は物品に組み込まれてもよい。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。
【0148】
これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。固有の深さプロファイルを有する新規な粒子状酸化物組成物は、特に生物学的汚染物質の濃度を低減することができる。
【0149】
特定の実施形態では、これらの方法は、(i)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、及びそれらの混合物を含む支持材料、並びに酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;及び任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムが、三価ドーパントよりも多い量で存在する粒子状酸化物組成物を含む支持組成物を提供すること;(ii)支持組成物を、細菌、ウイルス、真菌、原虫、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質と接触させること、並びに(iii)組成物との接触によって、生物学的汚染物質を除去することを含む。これらの実施形態のいくつかでは、粒子状酸化物組成物は、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有する。これらの実施形態にいくつかにおいて、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約20重量%の量の酸化セリウム;粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパント;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約70重量%~約0重量%の量の追加の金属酸化物を含む。生物学的汚染物質は、水性ストリーム若しくは液体ストリーム中に、又は三価ドープ酸化セリウムを含有する組成物と物理的に接触する物体の表面上に含有され得る。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。固有の深さプロファイルを有する新規な粒子状酸化物組成物は、特に生物学的汚染物質の濃度を低減することができる。
【0150】
特定の実施形態において、これらの方法は、(i)有機ポリマー、綿、ガラス繊維又はそれらの混合物を含む支持材料と、酸化セリウム、並びにイットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパントから本質的になる粒子状酸化物組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントよりも多い量で存在する、粒子状酸化物組成物とを含む支持組成物を提供することと、(ii)組成物を、細菌、ウイルス、真菌(例えばカビ)、原虫(例えばアメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質と接触させることと、(iii)組成物との接触によって生物学的汚染物質を除去することとを含む。この実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有することができ、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約50重量%の量の酸化セリウム;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%から約50重量%までの量の三価ドーパントを含む。生物学的汚染物質は、水性ストリーム若しくは液体ストリーム中に、又は三価ドープ酸化セリウムを含有する組成物と物理的に接触する物体の表面上に含有され得る。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。
【0151】
本明細書に記載の方法の粒子状酸化物組成物は、酸化セリウムと、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパントとを含み(又は特定の実施形態では本質的にそれらからなり)、酸化セリウムは三価ドーパントよりも多量に存在する。実施形態では、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい。これらの方法で使用される粒子状酸化物組成物は、三価ドーパント、酸化セリウム及び任意の追加の金属酸化物の上述の量のいずれか、並びに上述の特性のいずれかを含む、上述の実施形態の全てを含む。固有の深さプロファイルを有する新規な粒子状組成物は、特に生物学的汚染物質の濃度を低減することができる。
【0152】
粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質との接触は、測定可能な量の生物学的汚染物質の除去をもたらす。いくつかの実施形態において、接触により、生物学的汚染物質の少なくとも約90%が除去される。他の実施形態において、接触により、生物学的汚染物質の少なくとも95%、又はより好ましくは99%又は99%+が除去される。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、表面上及び表面付近においてより高い三価ドーパント対セリウムの比が存在するような、新規な粒子状酸化物組成物の固有の深さプロファイルが、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供し得る。
【0153】
粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質との接触は、生物学的汚染物質の量を効果的に低減し、ある特定の実施形態において、ガス状ストリーム又は水性ストリーム中の生物学的汚染物質の量を効果的に低減する。除去は、生物学的汚染物質の濃度のパーセント低減として表すこともできる。いくつかの実施形態において、粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質との接触は、その濃度を約75%超低減することができる。より典型的には、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物と生物学的汚染物質との接触は、その濃度を約80%超、より典型的には約85%超、より典型的には約90%超、より典型的には約95%超、より典型的には約97.5%超、より典型的には約99%超、さらにより典型的には約99.5%超低減することができる。
【0154】
特定の実施形態において、これらの方法は、流体から生物学的汚染物質を除去するため、又は流体を処理するためのものであり得る。これらの実施形態において、流体は、ガス状ストリーム又は水性ストリームであってもよい。これらの実施形態では、方法は、(i)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、及びそれらの混合物を含む支持材料、並びに酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;及び任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムが、三価ドーパントよりも多い量で存在する粒子状酸化物組成物を含む支持組成物を提供すること;(ii)細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される生物学的汚染物質を含有するガス状又は水性ストリームを、組成物と接触させること、並びに(iii)組成物との接触によって、生物学的汚染物質をガス状又は水性ストリームから除去することを含む。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比は、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい。生物学的汚染物質は、90%以上の量で除去され得る。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。
【0155】
流体から生物学的汚染物質を除去するための、又は流体を処理するためのこれらの実施形態の詳細では、粒子状酸化物組成物は、粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約99.9重量%~約50重量%の量の酸化セリウム;及び粒子状酸化物組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%までの量の三価ドーパントを含む。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。これらの新規な粒子状酸化物組成物は、生物学的汚染物質の濃度を低減することができる。
【0156】
ガス状ストリーム又は水性ストリームを処理するこれらの方法では、方法は、生物学的汚染物質の目標濃度を設定するステップをさらに含んでもよい。これらの方法において、目的の生物学的汚染物質が特定され、次いでその生物学的汚染物質の目標濃度が設定される。方法は、処理されたストリーム中の生物学的汚染物質を監視するステップをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。
【0157】
特定の実施形態では、方法は、(i)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、及びそれらの混合物を含む支持材料、並びに酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;及び任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムが、三価ドーパントよりも多い量で存在する粒子状酸化物組成物を含む組成物を提供するステップ;(ii)生物学的汚染物質の目標濃度を設定するステップ;(iii)ガス状又は水性ストリームを組成物と接触させ、組成物との接触によって生物学的汚染物質を除去して、処理されたストリームを提供するステップ;並びに(iv)処理されたストリームを生物学的汚染物質について監視するステップを含み、生物学的汚染物質は、細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有する。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。固有の深さプロファイルを有するこれらの新規な粒子状酸化物組成物は、特に生物学的汚染物質の濃度を低減することができる。目標濃度は、一定量の汚染物質(例えば、ウイルス、細菌、原虫/アメーバ、若しくは真菌)に設定することができ、又は検出限界に設定することができる。生物学的汚染物質の監視は、当業者に周知の技術によって行うことができる。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。当業者は、ウイルス、細菌、原虫/アメーバ、真菌等を含む微生物汚染物質のリアルタイム及び連続監視技術を理解している。これらの技術には、光学技術及びセルカウンタが含まれる。
【0158】
水性ストリームを処理する特定の実施形態では、方法は、(i)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含む粒子状組成物であって、酸化セリウムが三価ドーパントより多い量で存在し、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおける三価ドーパント対Ceの平均比が、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比より大きい、粒子状組成物を提供すること;(ii)水性ストリームを組成物と接触させ、組成物との接触によって生物学的汚染物質を除去して、処理された水性ストリームを提供することを含み、生物学的汚染物質は、細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。特定の実施形態において、方法は、生物学的汚染物質の目標濃度を設定することと、処理された水性ストリームを生物学的汚染物質について監視することとをさらに含んでもよい。目標濃度は、指定された量又は検出限界であってもよい。これらの方法では、粒子状酸化物組成物は、支持組成物内又は物品内の支持組成物内に含まれてもよく、又は粒子状酸化物組成物自体をスラリー化することによって水性ストリームと接触させてもよい。スラリー化を伴う方法では、方法は、流体/液体を濾過することをさらに含み得る。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。
【0159】
水性ストリームを処理する特定の実施形態では、方法は、(i)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、及びそれらの混合物を含む支持材料、並びに酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;及び任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムが、三価ドーパントよりも多い量で存在する粒子状組成物を含む支持組成物を提供すること;(ii)水性ストリームを組成物と接触させ、組成物との接触によって生物学的汚染物質を除去して、処理された水性ストリームを提供することを含み、生物学的汚染物質は、細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。粒子状組成物は、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有し得る。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。特定の実施形態において、方法は、生物学的汚染物質の目標濃度を設定することと、処理された水性ストリームを生物学的汚染物質について監視することとをさらに含んでもよい。目標濃度は、指定された量又は検出限界であってもよい。
【0160】
ガス状ストリームを処理する特定の実施形態では、方法は、(i)有機ポリマー、綿、ガラス繊維、及びそれらの混合物を含む支持材料、並びに酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;及び任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムが、三価ドーパントよりも多い量で存在する粒子状組成物を含む支持組成物を提供すること;(ii)ガス状ストリームを組成物と接触させ、組成物との接触によって生物学的汚染物質を除去して、処理されたガス状ストリームを提供することを含み、生物学的汚染物質は、細菌、ウイルス、真菌(例えば、カビ)、原虫(例えば、アメーバ)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。粒子状組成物は、粒子状酸化物組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有し得る。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。これらの方法は、接触後に生物学的汚染物質を監視することをさらに含んでもよい。監視することは、サンプリングによって行われてもよく、又は連続的であってもよい。特定の実施形態において、方法は、生物学的汚染物質の目標濃度を設定することと、処理されたガス状ストリームを生物学的汚染物質について監視することとをさらに含んでもよい。目標濃度は、指定された量又は検出限界であってもよい。
【0161】
生物学的汚染物質が細菌又は真菌/カビである場合、除去は、コロニー形成単位(CFU)を使用することによって決定される低減%として表すことができる。これらの実施形態において、粒子状酸化物組成物又は粒子状酸化物組成物を含む支持組成物若しくは物品との接触後の細菌汚染物質の濃度は、約45コロニー形成単位CFU/ml~5×10CFU/mlであり得る。
【0162】
生物学的汚染物質が細菌及び/又はウイルスである場合、除去は、最確数(MPN)技術を使用することによって決定される低減%として表すことができる。最確数(MPN)は、10倍希釈で液体ブロス増殖を再現することによって試料中の生存微生物の濃度を推定するために使用される。
【0163】
生物学的汚染物質の目標濃度はまた、本方法の前及び本方法における接触後からの汚染物質のパーセント低減として設定することができる。ある特定の実施形態において、このパーセント低減は、約75%~約100%少なくすることができる。他の実施形態において、このパーセント低減は、約80%~約99.9%であり得る。
【0164】
生物学的汚染物質の目標濃度は、その汚染物質の検出限界に設定することができる。上述のように、生物学的汚染物質の目標濃度を設定することを含む実施形態において、本方法は、以下の追加のステップ:目的の生物学的汚染物質を特定するステップ、目標濃度を設定するステップ、及び接触させるステップの後に生物学的汚染物質を監視して、生物学的汚染物質が目標濃度を下回っていることを判定又は検証するステップのうちの1つ又は複数をさらに含み得る。生物学的汚染物質に応じて、目標濃度はその汚染物質の任意の検出可能な量であってもよく、本明細書に開示される方法は、その汚染物質の量が処理されたストリームで検出されない限り、水性ストリーム又はガス状ストリームを処理するのに有効である。
【0165】
これらの実施形態のうちの特定のものでは、処理されるストリームは水性ストリームであってもよく、標的汚染物質は、細菌、ウイルス、又は原虫(例えばアメーバ)であってもよい。例えば、処理されるストリームは水性又はガス状ストリームであり、標的汚染物質は、大腸菌(E.coli)、ポリオウイルス、コロナウイルス、ネグレリアフォーレリ(Naegleria fowleri)、パラミクソウイルス、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、コロナウイルス又はそれらの混合物であってもよい。ある特定の実施形態において、処理されるストリームは水性ストリームであり、標的汚染物質は、大腸菌(E.coli)、ポリオウイルス、ネグレリアフォーレリ(Naegleria fowleri)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、コロナウイルス、又はそれらの混合物である。ある特定の実施形態において、処理されるストリームはガス状ストリームであり、標的汚染物質は、パラミクソウイルス、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、コロナウイルス、又はそれらの混合物である。特定の実施形態では、標的となるウイルスは、主に接触によって伝染し、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、痘瘡ウイルス(天然痘及びサル痘を含む)を含む。
【0166】
これらの特定の方法は、(i)酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント;並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムが三価ドーパントよりも多い量で存在する、粒子状酸化物組成物を提供するステップと、(ii)生物学的汚染物質の目標濃度を設定するステップであって、汚染物質は、大腸菌(E.coli)、ポリオウイルス、コロナウイルス、ネグレリアフォーレリ(Naegleria fowleri)、パラミクソウイルス、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、コロナウイルス又はそれらの混合物からなる群から選択される、ステップと、(ii)ガス状ストリーム又は水性ストリームを組成物と接触させ、組成物との接触によって生物学的汚染物質を除去して処理されたストリームを得るステップと、(iii)処理されたストリームを生物学的汚染物質について監視するステップとを含む。目標濃度は、一定量の汚染物質に設定することができ、又は検出限界に設定することができる。この方法はまた、目標濃度を設定する前に目的の汚染物質を特定するステップを含んでもよい。
【0167】
ステップ(i)の粒子状酸化物組成物は、約0.1重量%~約50重量%までの三価ドーパントを含むことができ、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有し得る。この方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。ステップ(i)の粒子状酸化物組成物はまた、支持組成物の一部として、したがって、有機ポリマー、綿、ガラス繊維、若しくはそれらの混合物を含む支持材料をさらに含んで提供されても、又は支持組成物を含む物品の一部として提供されてもよい。
【0168】
本明細書で開示される方法に従って処理され得るガス供給物の例には、とりわけ、建物の換気システム、航空機又は車両の換気システム、及び周囲室内空気が含まれる。本明細書に開示される方法に従って処理され得る液体供給物の例には、とりわけ、水道水、井戸水、湖沼及び湿原からの水等の地表水、レクリエーション活動のための水、農業用水、工業プロセスからの廃水、並びに地熱流体が含まれる。フィルタではない生物学的汚染物質との物理的接触を伴う他の用途の例には、容器用のプラスチック又は高頻度タッチ表面に組み込まれるプラスチック、例えばエレベータボタン、エスカレータのレールカバー、階段のレールカバー、電子取引用のタッチパッド、ドア、ドアノブ等への組み込みが含まれる。これらの高頻度タッチ表面はまた、ガラス又はガラスとプラスチックとの混合物を含み得る。
【0169】
粒子状酸化物組成物は、細菌、ウイルス、原虫(例えばアメーバ)、真菌(例えば、カビ)及び他の微生物汚染物質を除去することができ、いくつかの実施形態において、細菌、ウイルス、原虫(例えばアメーバ)、真菌(例えば、カビ)及びそれらの混合物をガス又は液体供給物から除去することができる。
【0170】
一実施形態において、このプロセスは、粒子状酸化物組成物を使用してガス状ストリーム又は水性ストリームから生物学的汚染物質を除去するために想定される。ガス状ストリームは、望ましくない量の生物学的及び/又は他の汚染物質を含む、又は含み得る、換気システムのための周囲空気供給源又は複数の供給空気のうちの1つ又は複数であり得る。水性ストリームは、望ましくない量の生物学的及び/又は他の汚染物質を含む、又は含み得る飲料水及び地下水供給源の1つ又は複数であり得る。さらに、水性ストリームは、井戸水、地表水(湖、池及び湿原からの水等、天然及び人工及びレクリエーション目的のための水を含む)、農業用水、工業プロセスからの廃水、並びに地熱水を含み得るが、これらに限定されない。
【0171】
いくつかの実施形態において、生物学的汚染物質含有ガス状ストリーム中のガスがガス状態のままであるように、生物学的汚染物質含有ガス状ストリームは、温度及び圧力、通常は周囲温度及び圧力で器内の入口を通過する。この容器内で、生物学的汚染物質含有ガス状ストリームを粒子状酸化物組成物と接触させる。粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質含有ガス状ストリームとの接触により、生物学的汚染物質が除去される。粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質含有ガス状ストリームとの接触により、測定可能な量の生物学的汚染物質が除去され、いくつかの実施形態において、生物学的汚染物質の少なくとも90%、より好ましくは95%、さらにより好ましくは99%又は99%+が除去される。粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント、並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムは、三価ドーパントよりも多い量で存在する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、約0.1重量%~約50重量%までの三価ドーパントを含み得、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有し得る。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、生物学的汚染物質含有水性ストリーム中の水が液体状態のままであるように、生物学的汚染物質含有水性ストリームは、温度及び圧力、通常は周囲温度及び圧力で器内の入口を通過する。この容器内で、生物学的汚染物質含有水性ストリームを粒子状酸化物組成物と接触させる。粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質含有水性ストリームとの接触により、測定可能な量の生物学的汚染物質が除去され、いくつかの実施形態において、生物学的汚染物質の少なくとも90%、より好ましくは95%、さらにより好ましくは99%又は99%+が除去される。粒子状酸化物組成物は、酸化セリウム;イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)及びそれらの混合物からなる群から選択される三価ドーパント、並びに任意で、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の金属酸化物を含み、酸化セリウムは、三価ドーパントよりも多い量で存在する。特定の実施形態では、粒子状酸化物組成物は、約0.1重量%~約50重量%までの三価ドーパントを含み得、粒子状組成物の表面から約0nm~約3.5nmにおいて、粒子状組成物の表面から約15nmにおける三価ドーパント対Ce比よりも大きい三価ドーパント対Ceの平均比を有し得る。これらの方法に使用される粒子状酸化物組成物は、上述の実施形態の全てを含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、固定床の形態である。さらに、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を含有する固定床は、通常、三価ドープ酸化セリウムを含有する粒子を含む。三価ドープ酸化セリウム粒子は、最小の背圧及び固定床を通るガス状又は水性流体の流量で、最大三価ドープ酸化セリウム粒子表面積をガス状又は水性流体に曝露する形状及び/又は形態を有してもよい。しかしながら、所望であれば、三価ドープ酸化セリウム粒子は、ビーズ、押出物、多孔質ポリマー構造又はモノリス等の成形体の形態であってもよい。粒子は、上記の三価ドープ酸化セリウムの実施形態の全てを含む。三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、そのようなビーズ、押出物、多孔質ポリマー構造又はモノリス支持体上の層及び/又はコーティングとして支持され得る。
【0174】
三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物と生物学的汚染物質含有流体との接触は、通常、約1℃~約100℃、より一般的には約5℃~約40℃の温度で行われる。さらに、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物と生物学的汚染物質含有水性ストリームとの接触は、一般に約pH1~約pH11、より一般的には約pH3~約pH9のpHで行われる。三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物と生物学的汚染物質含有流体との接触は、一般に、約30秒超及び約24時間以下の期間にわたって行われる。
【0175】
一般に、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、任意の生物学的汚染物質、特に細菌、ウイルス、原虫(例えばアメーバ)、真菌、酵母、及びそれらの混合物を処理するために使用され得る。本開示の新規な三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物は、生物学的汚染物質除去に特に有利ないくつかの特性(これらの特性は上記に記載されている)を有する。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、表面上及び表面付近においてより高い三価ドーパント対セリウムの比が存在するような、新規な粒子状酸化物組成物の固有の深さプロファイルが、生物学的汚染物質を除去するための改善された活性を提供し得る。
【0176】
粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質を含有するガス状ストリーム又は水性ストリームとの接触は、ガス状ストリーム又は水性ストリーム中の生物学的汚染物質レベルを効果的に低減することができる。典型的には、粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質との接触は、その濃度を約75%超低減することができる。より典型的には、粒子状酸化物組成物と生物学的汚染物質との接触は、その濃度を約80%超、より典型的には約85%超、より典型的には約90%超、より典型的には約95%超、より典型的には約97.5%超、より典型的には約99%超、さらにより典型的には約99.5%超低減することができる。生物学的汚染物質が細菌又はカビである場合、低減%は、コロニー形成単位(CFU)を使用して数によって決定することができる。生物学的汚染物質が細菌又はウイルスである場合、低減%は、最確数(MPN)によって決定することができる。
【0177】
生物学的汚染物質を除去するために空気又は水を処理する方法は、第1の濃度の1つ又は複数の望ましくない生物学的汚染物質を含有する空気又は水ストリームを、粒子状酸化物組成物を含む材料、物品又は支持組成物に通すステップと、第1の濃度未満の1つ又は複数の望ましくない生物学的汚染物質の濃度を有する処理された空気又は水ストリームを得るステップとを含む。
【0178】
ある特定の実施形態において、除去される生物学的汚染物質は、ウイルスである。粒子状酸化物組成物を含む物品又は支持組成物との接触後、ウイルスの濃度は、ウイルスの目標濃度以下であり得る。空気又はガス状ストリームを処理する場合、接触した(又は処理された)ストリームは、ウイルスの目標濃度以下のウイルス濃度を有する。これらの実施形態うち特に、ウイルスはコロナウイルスである。
【0179】
ある特定の実施形態において、除去される生物学的汚染物質は、細菌である。粒子状酸化物組成物を含む物品又は支持組成物との接触後、細菌の濃度は、細菌の目標濃度以下であり得る。空気又はガス状ストリームを処理する場合、接触した(又は処理された)ストリームは、細菌の目標濃度以下の細菌濃度を有する。これらの実施形態の詳細では、細菌は糞便性大腸菌である。
【0180】
ある特定の実施形態において、除去される生物学的汚染物質は、原虫(例えばアメーバ)である。粒子状酸化物組成物を含む物品又は支持組成物との接触後、原虫(例えばアメーバ)の濃度は、原虫(例えばアメーバ)の目標濃度以下であり得る。空気又はガス状ストリームを処理する場合、接触した(又は処理された)ストリームは、原虫(例えばアメーバ)の目標濃度以下の原虫(例えばアメーバ)濃度を有する。これらの実施形態のうち特に、除去される原虫(例えばアメーバ)は、ネグレリアフォーレリ(Naegleria fowleri)及び/又はクリプトスポリジウム(Cryptosporidium)である。
【0181】
ある特定の実施形態において、除去される生物学的汚染物質は、真菌(例えばカビ)である。粒子状酸化物組成物を含む物品又は支持組成物との接触後、真菌の濃度は、真菌の目標濃度以下であり得る。空気又はガス状ストリームを処理する場合、接触した(又は処理された)ストリームは、真菌の目標濃度以下の真菌濃度を有する。これらの実施形態のうち特に、除去される真菌は、トリコフィトンメンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)及び/又はアスペルギルス(Aspergillus)である。
【0182】
粒子状酸化物組成物を含む支持組成物又は材料又は物品との接触後の汚染物質の濃度は、約45コロニー形成単位CFU/ml~5×10CFU/mlであり得る。目標濃度は、1ml当たり一定量の汚染物質(例えば、ウイルス、細菌、アメーバ、真菌)CFUに設定することができ、又は検出限界に設定することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、粒子状酸化物組成物自体が生物学的汚染物質含有水性ストリームとスラリー化される。粒子状酸化物組成物及び生物学的汚染物質含有水性ストリームは、スラリー化されると、接触することが理解され得る。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、三価ドープ酸化セリウム粒子状組成物を生物学的汚染物質含有水性ストリームとスラリー化すること及び/又は接触させることによって、生物学的汚染物質含有水性ストリームに含まれる生物学的汚染物質の大部分又は全部ではないにしても一部が、生物学的汚染物質含有水性ストリームから除去される、と考えられる。粒子状酸化物組成物を生物学的汚染物質含有水性ストリームとスラリー化及び/又は接触させた後、スラリーを任意の公知の個体液体分離方法によって濾過する。スラリー化を含む方法で利用される粒子状酸化物組成物は、本明細書に記載の粒子状酸化物組成物の実施形態の全て、特に固有の深さプロファイルを含む。
【実施例
【0184】
以下の例は、三価ドープ酸化セリウム組成物及び方法をより詳細に説明するために提供されるが、本発明の範囲は決してそれによって限定されない。
【0185】
FEG Zeiss ultra 55(分解能1nm)を使用して、走査型電子顕微鏡(SEM)画像を収集した。FEI Titan Themis 200(分解能0.09nm)を使用して、透過型電子顕微鏡(TEM)画像を収集した。BET/BJH法(ASTM D3663-20)により、表面積、細孔半径及び細孔容積を測定した。Micromeritics Autopore IV 9500システムを使用して、Hg多孔度及び総Hg細孔容積を測定した。ASTM International test method D 4284-07に概説されている手順に従った。粒径は、Microtrac S3500を用いて測定した。X線回折は、Bruker D2 Phaser X線回折計を使用して行った。ピーク半値幅を使用して、結晶子サイズを決定した。Malvern Panalytical(Zetaziser Nano ZS)ZEN3600を使用して、ASTM E2865-12(2018)と同様の手順を用いてpHに対するゼータ電位を測定した。理解されるように、結晶子サイズは、XRD又はTEMによって測定され、個々の結晶のサイズである。Dxxサイズは、個々の結晶子から形成され、レーザー回折によって測定される粒子のサイズである。COの昇温脱離は、Hakim,A.ら、Temperature Programmed Desorption of Carbon Dioxide for Activated Carbon Supported Nickel Oxide:The Adsorption and Desorption Studies,Advanced Materials Research,Vol.1087(2015)pp45-49に記載されているように行った。水素昇温還元は、Hurst,N.W.ら、Temperature Programmed Reduction.Catalysis Reviews Science and Engineering,24:2,233-309に記載されているように行った。深さプロフィロメトリは、Noel,C.ら、ToF-SIMS Depth Profiling of Organic Delta Layers with Low-Energy Cesium Ions:Depth Resolution Assessment,Journal of The American Society for Mass Spectrometry,Vol.30(2019)pp 1537-1544に記載されているように行った。
【0186】
例1
以下の方法により、三価ドープ酸化セリウム組成物を調製した。炭酸ランタン68g(0.297mol)と酸化セリウム464g(2.7mol)とを1.0mol/Lの硝酸ランタン溶液200mlと混合した。成分を2時間混合した。次いで、混合物を炉内にて550℃まで2時間加熱し、酸化ランタンが重量で約15%である混合セリウムランタン酸化物を542g得た。これは、Laドープ酸化セリウムとも呼ばれ得る。
【0187】
例1の組成物の試料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を収集し、図1及び図2に表示する。画像は、形状がやや球形の多孔質材料を示す。例1の組成物の試料の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を収集し、図3及び図4はその画像である。画像は、球体のクラスタを明らかにする。例1の組成物の試料の表面積、細孔半径及び細孔容積を分析し、98.332m/g(BET)及び135.268m/g(BJH)であり、細孔半径が3.235nmであり、細孔容積が0.248cc/gであることが分かった。測定されたHg多孔度は0.21cc/gであると測定され、細孔径<1μmは0.46cc/gであり、総細孔容積は0.96cc/gであった。上記のようにして粒度分布を測定した結果、D10は3.552μm、D50は12.1μm、D90は43.12μmであった。XRDによって測定した結晶子サイズは9.77nmであると決定された。昇温脱離プロファイルは、図5Aである。COの脱離は、172℃、350℃及び735℃の3つのピーク温度を有し、COの物理吸着及び化学吸着の両方を示している。H TPRは図6に示されており、より広域なピークを有する例2及び3とは対照的に、500℃付近に強いピークを示す。pHの関数としてのゼータ電位を図7に示す。等電点(IEP)は8.1であった。深さの関数としてのLaO140CeOの比を図8にプロットする。LaO対CeOの比は、深さが浅いほど高く、深さが増すにつれて一定のレベルに近づくことに留意されたい。これは、例1の材料の場合、Laの濃度が表面上及び表面付近でより高いことを示している。例1の材料は、固有の深さプロファイルを有する三価ドープ酸化セリウムの実施形態である。
【0188】
例2
米国特許出願第17/870,068号にも記載されている以下の方法によって、三価ドープ酸化セリウム組成物を調製した。1mol/LのCe(NO溶液129mlを1mol/LのLa(NO溶液24mlと混合した。得られた溶液を、少なくとも2時間加熱還流した。次いで、5.5mol/LのNHOHをpH10に添加した。得られた固体を濾過し、洗浄水が<15mS/cmになるまでDI水で洗浄した。得られた粉末を550℃の空気の炉内で少なくとも2時間加熱し、酸化ランタンが重量で約15%である混合セリウムランタン酸化物を得た。これは、Laドープ酸化セリウムとも呼ばれ得る。
【0189】
図10及び図11は、SEM画像である。画像は、形状がやや球形の多孔質材料を示す。図12A図12Dは、TEM画像を含む。画像では球のクラスタが明らかであり、回折面が確認され得る。表面積は120.464m/g(BET)及び143.087m/g(BJH)であり、細孔半径は3.245nm、細孔容積は0.285cc/gであることが分かった。測定された細孔径<0.1μmの細孔容積は0.23cc/gと測定され、細孔径<1μmの細孔容積は0.45cc/gであり、総細孔容積は0.99cc/gであった。上記のようにして粒度分布を測定した結果、D10は1.301μm、D50は5.545μm、D90は13.109μmであった。XRDによって測定した結晶子サイズは9.03nmであると決定された。昇温脱離プロファイルは、図5Bである。COの脱着は175℃で1ピーク温度を有し、COの物理吸着のみを示している。より高温での任意のピークはバックグラウンドと区別されず、したがってCOの化学吸着は検出されない。H TPRは図6に示されており、566℃付近に広いピークを示す。pHの関数としてのゼータ電位を図7に示す。等電点(IEP)は7.34であった。
【0190】
深さの関数としてのLaO140CeOの比を図8にプロットする。この材料は、表面から最大測定深さまでほぼ一定のLaO対CeO比を有することに留意されたい。これは、Laの濃度が、深部と表面でほぼ同じであることを示している。
【0191】
例3
以下の方法により、酸化セリウム(IV)組成物を調製した。密閉撹拌容器内で、硝酸に溶解した硝酸セリウム(IV)アンモニウム結晶から0.12M硝酸セリウム(IV)アンモニウム溶液1リットルを調製し、およそ90℃で約24時間保持した。別個の容器に、200mlの3M水酸化アンモニウム溶液を調製し、室温に保持した。その後、2つの溶液を合わせ、およそ1時間撹拌した。得られた沈殿物を、濾紙を備えたブフナー漏斗を用いて濾過した。次いで、脱イオン水を使用して固体をブフナー内で十分に洗浄した。洗浄/濾過ステップに続いて、湿潤水和物をマッフル炉内で約450℃で3時間焼成し、酸化セリウム(IV)組成物を形成した。
【0192】
表面積は126m/g(BET)及び167m/g(BJH)であり、細孔半径は3.62nm、細孔容積は0.309cc/gであることが分かった。測定された細孔径<0.1μmの細孔容積は0.24cc/gと測定され、細孔径<1μmの細孔容積は0.35cc/gであり、総細孔容積は0.85cc/gであった。上記のようにして粒度分布を測定した結果、D10は2μm、D50は9μm、D90は25μmであった。XRDによって測定した結晶子サイズは8.43nmであると決定された。昇温脱離プロファイルは、図5Cである。COの脱着は175℃で1ピーク温度を有し、COの物理吸着のみを示している。より高温での任意のピークはバックグラウンドと区別されず、したがってCOの化学吸着は検出されない。H TPRは図6に示されており、500及び900℃付近に広いピークを示す。pHの関数としてのゼータ電位を図7に示す。等電点(IEP)は7.22であった。
【0193】
Ceがこの試料中の唯一の成分であるため、深さプロフィロメトリは行わなかった。この試料は、三価ドーパントを含んでいなかった。
【0194】
例4
以下の方法により、三価ドープ酸化セリウム組成物を調製した。密閉撹拌容器内で、硝酸に溶解した硝酸セリウム(IV)アンモニウム結晶から0.12M硝酸セリウム(IV)アンモニウム溶液1リットルを調製した。これに、199.5g(0.5mol)の市販のAl(NOを添加し、約90℃で約24時間保持した。別個の容器に、200mlの3M水酸化アンモニウム溶液を調製し、室温に保持した。その後、2つの溶液を合わせ、およそ1時間撹拌した。得られた沈殿物を、濾紙を備えたブフナー漏斗を用いて濾過した。次いで、脱イオン水を使用して固体をブフナー内で十分に洗浄した。洗浄/濾過ステップに続いて、湿潤水和物をマッフル炉内で約450℃で3時間焼成し、アルミニウムセリウム(IV)酸化物組成物を形成した。この酸化物を、炭酸プラセオジムを含む硝酸プラセオジム溶液に懸濁した。アルミニウムセリウム(IV)酸化物に対するPrの比率を変化させて、最終生成物に4%、8%、12%又は20%の酸化Prのローディングを達成した。成分を2時間混合した。次いで、混合物を炉内にて550℃まで2時間加熱し、混合セリウムアルミニウムプラセオジム酸化物を得た。これは、Prドープ酸化セリウムとも呼ばれ得る。
【0195】
次いで、これらの材料のそれぞれの深さプロファイルを測定し、深さに対するPrO140CeOの比を図9に示す。例1と同様に、三価、この場合はPrO140CeOに対する比は、表面及び深さが浅いほど高く、深さが増すにつれて一定のレベルに近づく。例9の材料は、固有の深さプロファイルを有する三価ドープ酸化セリウムの実施形態である。
【0196】
例5
以下の方法により、プラセオジムドープ酸化セリウム組成物を調製した。この方法は、例2の方法と同様である。129mlの1mol/LのCe(NO溶液を、82mlの1mol/LのPr(NO溶液及び63.9g(0.3mol)の市販のAl(NOと混合した。得られた溶液を、少なくとも2時間加熱還流した。次いで、5.5mol/LのNHOHをpH10に添加した。得られた固体を濾過し、洗浄水が<15mS/cmになるまでDI水で洗浄した。得られた粉末を550℃の空気の炉内で少なくとも2時間加熱し、重量で約16%の酸化Prを含有する混合セリウムアルミニウムプラセオジム酸化物を得た。これは、Prドープ酸化セリウムとも呼ばれ得る。
【0197】
深さプロファイルを測定し、データを図9に示す。例2のように、140CeOに対する3価、この場合はPrOの比は、表面から測定された最大深さまでほぼ一定である。これは、Prの濃度が、深部と表面でほぼ同じであることを示している。
【0198】
次いで、例1、2、4及び5からの深さプロファイルデータを、0~3.5nmの深さでの三価対Ce比(LaO/CeO又はPrO/CeO)を平均することによって比較した。次いで、この平均を15nmの深さでの同じ比率と比較した。次いで増加%を、((0~3.5nmの平均)-(15nmでの比))/(15nmでの比)×100、で計算した。
【表1】
【0199】
例6
例1及び例3の組成物のウイルス除去特性。医療分野における殺ウイルス活性を評価するための定量的懸濁試験を行った。コロナウイルス代替物であるエンベロープDNAウイルス-ワクシニアが、スクリーニングのために選択され、以下の細胞培養培地を含んでいた:イーグル最小必須培地(EMEM)+10% FBS+2% Pen/Strep(培養培地)、EMEM+2% FBS+2% FCS+1% Pen/Strep(ウイルス培地)。試験材料濃度は、0.1±0.01g/mL-1であり、希釈剤として蒸留水を使用した。懸濁した粉末を均一になるまで液体ボルテックスした。30±5分の2つの浸漬時間にわたる接触分析を行った。試験温度は、37±2℃及び5% COのインキュベーション条件で20±2℃に維持した。妨害物質はなく、試験生成物は正常で安定しているように見えた。活性抑制法は、氷冷培地で希釈して受動沈降を除去する方法であった。濾過は、使用しなかった。
【表2】
【0200】
例7
例1の組成物及び市販の銀亜鉛ゼオライト抗菌剤(CAS番号130328-20-0)材料のウイルス除去特性を、適合EN 14476法を用いて試験した。4mlの量のこれらの材料の懸濁液(脱イオン水中0.2g/ml)を、0.5mlのワクシニアウイルス(ATCC(登録商標)VR-1508(商標))懸濁液及び0.5mlの硬水の混合物に室温(20±1℃)で添加した。指示された時間(1時間及び4時間)で、0.5mlの試験混合物を4.5mlの氷冷EMEMに入れ、混合物を氷浴中に30分±10秒間放置した。試料を、MicroSpin(商標)S-400 HRカラムに100μLずつ2回に分けて入れた。フロースルーをPMAxx(商標)色素で処理し、PMA-Lite(商標)LED光分解デバイスで活性化した。キットの説明書に従って、PMAxx(商標)処理ウイルスから核酸を抽出した。SYBRグリーン検出システムを使用して、抽出した核酸で定量PCRを行った。
【表3】
【0201】
例8
例1の組成物及び市販の銀亜鉛ゼオライト抗菌剤材料(CAS番号130328-20-0)の細菌除去特性を、適合EN 13727法を用いて試験した。4mlの量のこれらの材料の懸濁液(脱イオン水中0.2g/ml)を、0.5mlのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)ATCC(登録商標)43300(商標)懸濁液及び0.5mlの硬水の混合物に室温(20±1℃)で添加した。その後、0.5mLの混合物を4mLの中和剤(Dey Engleyブロス)を含むチューブに移し、20℃±1℃で5分±10秒間インキュベートした。次いで、検証懸濁液(0.5mL)を各中和チューブに添加し、混合し、20℃±1℃で30分±1分間インキュベートした。懸濁液をTSAに播種し、有効性及び毒性について評価した。
【表4】
【0202】
例9
以下の手順により、相対的な細菌除去特性を測定した。試験当日に、細菌培養物の純度及び濃度を調べた。参照した細菌(大腸菌)を30秒間均質化し、15分間静置した。微生物チャレンジを純度についてチェックし、次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈した。次いで、試験を以下のように二重に実施した:100マイクロリットルの単一希釈細菌種懸濁液を、25mLのSterile DI水に懸濁した0.25gの選択された試験材料を含む50mLコニカルチューブ(Corning)に添加し、NIST追跡可能実験室タイマーを直ちに開始した。混合物を、5分の総接触時間にわたって周期的にボルテックスすることによって中速で均質化した。直後に、1mLの試料を、9mLのD/E中和ブロス(基準)を含有する新しい50mLチューブに移し、均質化した。試験当日に、試料を直接、及び少なくとも2回の反復で様々な希釈で分析した。陽性対照及び陰性対照を試験対象と共に実施して、実験室標準の認定されたISO17025:2017方法論による品質管理及び基準データを提供した。細菌を分析し、SM 9215Cに従って、それぞれの培地上のコロニー形成単位(CFU)として数えた。材料性能を比較する目的で、陽性対照及び試験試料の回収率に基づいてそれぞれの減少率を決定し、例2に対して対数スケールで正規化した。
【表5】
【0203】
例10
以下の手順により、相対的な細菌除去特性を測定した。OC43ウイルスのアリコートを滅菌DI水に添加し、均質化した。25mLの調製された試験水を、0.25gの試験材料を含む50mLコニカルチューブ(Corning)に添加し、NIST追跡可能実験室タイマーを直ちに開始した。混合物をオービタルシェーカー上で中速で30分間の総接触時間で均質化した。直後に、1mLの試料を、9mLのD/E中和ブロス(基準)を含有する新しい50mLチューブに移し、均質化した。回収対照は、試験物質と同じ方法で均質化及び処理した25mLの試験水を含有する滅菌チューブからなった。試験当日に、試料を直接、及び少なくとも5回の反復で様々な希釈で分析した。陽性対照及び陰性対照を試験対象と共に実施して、実験室標準の認定されたISO17025:2017方法論による品質管理及び基準データを提供した。ヒトコロナウイルスOC43(ATCC VR-1558)ウイルスを、宿主としてヒト回盲部結腸直腸腺癌HCT-8細胞株(ATCC CCL-244)を使用して増殖させ、最確数(MPN)として数えた。細胞を6ウェルプレート細胞培養フラスコで増殖させた。列挙のために、ウイルスを、標準的な方法9510(APHA、2012)に記載されるアッセイ方法論に従って感染単位として列挙した。方法論はEPA/600/R-95/178及び更新EPA/600/4-84/013と等価である。簡潔には、ウイルスを含有する試料のアリコートを、新たに調製したHCT8細胞の単層に播種した(およそ90%のコンフルエンス)。各試料容積を、5回の反復で播種した。次いで、細胞をダルベッコ改変イーグル培地(dMEM、Mediatech Inc.,米国)培地2%ウシ胎児血清(FBS、Mediatech、米国)中、35℃及び5% COで8~10日間インキュベートした。細胞を変性の徴候について顕微鏡で日常的に監視した。感染性の徴候(細胞傷害性効果;CPE)を示すフラスコ中の細胞を陽性(+)として記録し、CPEを示さなかった細胞を陰性(-)として記録した。次いで、試料中の感染性ウイルスの最も可能性の高い数を、MPNCALCソフトウェア(バージョン0.0.0.23)を使用して計算した。陽性対照及び試験試料の回収率に基づいて、それぞれのパーセント低減を決定した。材料性能を比較する目的で、陽性対照及び試験試料の回収率に基づいてそれぞれの減少率を決定し、例2に対して対数スケールで正規化した。
【表6】
【0204】
例11
例1の材料を脱イオン水に懸濁し、クエン酸等のバインダーを水に添加する。次いで、綿布等の基材を懸濁液に少なくとも1回浸漬する。基材を除去した後、乾燥させる。得られた布は、例1の組成物のコーティングをその表面に有する。次いで、このコーティングされた布を漏斗内に置き、水が通過したときに布が漏斗内に残るようにする。次いで、大腸菌(E.coli)で汚染された水を漏斗に注ぎ、コーティングされた布と接触させる。漏斗から収集された水を分析し、大腸菌(E.coli)の濃度が低減されていることが分かる。
【0205】
例12
例1の材料を脱イオン水に懸濁し、クエン酸等のバインダーを水に添加する。次いで、綿布等の基材を懸濁液に少なくとも1回浸漬する。基材を除去した後、乾燥させる。得られた布は、例1の組成物のコーティングをその表面に有する。次いで、このコーティングされた布をエアフィルタ上に置き、布がエアフィルタの表面を覆い、空気が布を通過できるようにする。次いで、フィルタをHVAC又は室内空気濾過ユニットに配置する。装置の電源を入れると、コロナウイルスで汚染された空気がフィルタを通過する。ユニットから排出された空気を分析し、コロナウイルス濃度が低減されていることが分かる。
【0206】
例13
ポリエチレン顆粒又は粉末を、例1の材料がおよそ1重量%になるように、例1の材料と機械的に混合する。次いで、混合物を加熱チャンバに供給して、ボトル等の最終使用製品を形成する。ボトルが例1のポリエチレン含有材料から形成された後、表面を大腸菌(E.coli)に曝露することによって、ポリエチレンに対する表面を抗菌特性又は静菌特性について試験する。次いで、表面を大腸菌(E.coli)について分析し、対照よりもコロニー形成単位が少ないことが分かる。形成されたボトルに低温殺菌されたミルクを入れ、ミルクが腐敗するのに必要な時間を観察することによって、別の試験を行う。例1の材料を含まないポリエチレンボトルと比較して、ミルクは腐敗するまでにより長い時間を要する。
【0207】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量等の特性、反応条件等を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【0208】
技術の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。
【0209】
本明細書に記載の組成物及び方法は、言及した目的及び利点、並びにそれらに固有の目的及び利点を達成するようによく適合されていることは明らかであろう。当業者であれば、本明細書内の方法及びシステムは多くの方法で実施することができ、したがって、前述の例示された実施形態及び例によって限定されるものではないことを認識するであろう。これに関して、本明細書に記載の異なる実施形態の任意の数の特徴を1つの単一の実施形態に組み合わせることができ、本明細書に記載の特徴の全てよりも少ない又は多い代替の実施形態が可能である。
【0210】
本開示の目的のために様々な実施形態を説明したが、本開示によって十分に企図される範囲内である様々な変更及び修正を行うことができる。当業者に容易に想起されるであろう、本開示の精神に包含される多数の他の変更がなされてもよい。

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
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図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
【国際調査報告】