(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】手袋
(51)【国際特許分類】
A41D 19/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A41D19/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512974
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2021138986
(87)【国際公開番号】W WO2023056708
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202111171529.6
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524067587
【氏名又は名称】唐曉輝
【氏名又は名称原語表記】TANG, Xiaohui
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】唐曉輝
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA09
(57)【要約】
手袋指先の第1の手のひらシート(P1)及び手袋指先の後側シート(P2)を備え、第1の手のひらシート(P1)と後側シート(P2)が一体成形設置であり、第1の手のひらシート(P1)と後側シート(P2)がそれぞれの指部分の末端で縫い合わされて3次元構造を形成し、第1の手のひらシート(P1)と後側シート(P2)の縫い目が爪上に位置するか又は指の背面に位置する手袋であって、第1の手のひらシート(P1)及び後側シート(P2)が一体成形されてなる、指先上で全面的に包合される一体シートを含んでいるとともに、第1の手のひらシート(P1)と後側シート(P2)の縫着部分を指先から指の背面へ移動させ、指先を全面的に包合する部分を有する手袋構造を形成している手袋。作業用手袋及びスポーツ用手袋において、指先上の太い縫い目縁部を完全になくしており、指先全体におけるシートの「操作面」を平滑にしてフィットさせ、指の触感を高めており、このような触感の向上が、手袋を、従来技術における手袋よりも快適かつ実用的にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手袋において、手袋指先の第1の手のひらシートと、手袋指先の後側シートとを備え、前記第1の手のひらシートと前記後側シートが一体成形設置であり、
前記第1の手のひらシートと前記後側シートがそれぞれの指部分の末端で縫い合わされて3次元構造を形成し、
前記第1の手のひらシートと前記後側シートの縫い目が爪上に位置するか又は指の背面に位置することを特徴とする手袋。
【請求項2】
前記第1の手のひらシートの設置幅が、少なくとも手袋の指背部の幅と2つの指側面の幅の和であることを特徴とする請求項1に記載の手袋。
【請求項3】
さらに前記第1の手のひらシート、前記後側シートにそれぞれ縫い合わされる、手袋指先の第1の背面縫合シートをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の手袋。
【請求項4】
前記第1の手のひらシートの設置長さが前記第1の背面縫合シートの設置長さよりも長く、前記第1の手のひらシートの設置幅が前記第1の背部縫合シートの設置幅よりも広いことを特徴とする請求項3に記載の手袋。
【請求項5】
前記第1の背面縫合シートと前記第1の手のひらシートの縫合線及び前記第1の背面縫合シートと前記後側シートの縫合線がいずれも指の背面に位置することを特徴とする請求項3に記載の手袋。
【請求項6】
前記第1の背面縫合シートは、引き伸ばし可能な材料を用いて作製されることを特徴とする請求項3又は4又は5に記載の手袋。
【請求項7】
前記第1の手のひらシートに接合される、手のひら部分まで延在する第2の手のひらシートをさらに備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の手袋。
【請求項8】
前記第2の手のひらシートと前記第1の手のひらシートが一体成形設置であることを特徴とする請求項7に記載の手袋。
【請求項9】
前記第1の背面縫合シートに接合される、手の甲部分まで延在する第2の背面縫合シートをさらに備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の手袋。
【請求項10】
前記第1の背面縫合シートと前記第2の背面縫合シートが一体成形設置であることを特徴とする請求項8に記載の手袋。
【請求項11】
手袋の指の指股部に近接して設けられる縁部ストリップをさらに備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の手袋。
【請求項12】
前記第1の手のひらシートと前記後側シートが縫い合わされて、指先上に囲繞して設けられる囲繞部材となり、前記囲繞部材の展開部材は瓶状の形状を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の手袋。
【請求項13】
前記第1の手のひらシート上の、指先から離れた位置に第1の幅を有し、指先位置が対応する部分に第2の幅を有し、前記第2の幅が前記第1の幅よりも狭く、前記後側シート上の、指先から離れた位置に第3の幅を有し、前記第3の幅が前記第1の幅よりも狭いことを特徴とする請求項12に記載の手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は手袋の技術分野に属し、具体的には手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
手袋の構造は歴史上、ほぼ変化していない。市場における大多数の手袋は依然として数千年前と同じであり、指の縁部ストリップ/放射ストリップを使用することによって手のひら部分を背部に接合する。手袋の指は、指先、個々の指の側面、及び個々の指の間のまち部を介して手のひら及び手の甲に接合される。
【0003】
従来の手袋の材料は指先で1つに結合されており、指先はまさに、人間の両手が高性能な任務を実行する際に最も敏感な部位であるため、従来の手袋設計の問題は、感覚が低下することであり、着用者の爪が縫い目に引っ掛かりやすく、手袋の実用性と機敏性を低下させている。中心領域の縫い目が摩耗すれば手袋材料の摩耗につながり、複数種の材料及び縫い目の存在が着用の快適性を低下させており、複数種の縫い目及び材料が、手袋が釘やねじ等の外部物品に引っ掛けられる可能性を高めており、従来の手袋で使用されている手のひら材料は薄くて軽いため、爪が損傷を受けやすい。
【0004】
図1及び
図2を参照すると、典型的な従来技術の手袋構造10の図である。手のひらシート10は、親指部分12と指部分14a、14b、14c、14d及び相応の背部シート22を有しており、通常は、人差し指14a、人差し指14b、薬指14c及び小指又は小指14dの両側に縁部ストリップ/添えストリップ16を設けており、
図2に示すように、手のひら材料20及び背部シートのスパンデックス型材料22が縫合線24を介して縫い合わされ、指先の頂部に1本の水平な縫い目を形成し、手袋着用者に不快感をもたらすことがある。ここで、P1は手袋指先の手のひら部分を指し、P2が指すのは手袋指先の手袋後側シートであり、P3及びP4はそれぞれ手袋指先の2つの側方シートを指す。ここで
図5及び
図6を参照すると、頂部及び一側面から古典的な手袋構造の指先を見た図である。
図5及び
図6を見ると、古典的な手袋の指先は、指先頂部の4枚の材料が縫い合わされてなっている。
【0005】
図3及び
図4は、
図1の手袋構造の裏返しを説明しており、手のひら材料20、背部のスパンデックス系材料22及び指カバー16が縫合線24を介して縫い合わされていることを示している。
【0006】
米国特許US54090290Aでは、Danny Gold氏が、古典的な手袋の構造を、
図7及び
図8における3枚の指先にグレードアップし、さらに滑らかにしている。
図7及び
図8では、Danny Gold氏がP3とP4を結合して1枚にし、半分の縫着構造を首尾よく減少させている。米国特許US7287285B2では、Eric M,Jagger氏と氏の同僚も類似した改良を行っており、
図9及び10の3枚の指先構造のように、P1をP2まで延ばしている。手のひら材料は最も耐久性があり、しかも、実際においても最も主要な機能を有しているため、彼らの発明は手袋の耐久性を高めており、Danny Gold氏の発明と似ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許US54090290A
【特許文献2】米国特許US7287285B2
【発明の概要】
【0008】
上記従来技術の欠点又は欠陥に対し、本願が解決しようとする技術的課題は、着用者の快適度を高めており、ユーザが様々なタイプの物体をつかめるようにすると同時に、手袋の保護を高める手袋を提供することである。
上記の技術的課題を解決するため、本願は以下の技術的解決手段によって実現される。
【0009】
本願は、手袋指先の第1の手のひらシート及び手袋指先の後側シートを備え、前記第1の手のひらシートと前記後側シートが一体成形設置であり、
前記第1の手のひらシートと前記後側シートがそれぞれの指部分の末端で縫い合わされて3次元構造を形成し、
前記第1の手のひらシートと前記後側シートの縫い目が爪上に位置するか又は指の背面に位置する手袋を提案している。
【0010】
任意には、上記の手袋において、前記第1の手のひらシートの設置幅が、少なくとも手袋の指背部の幅と2つの指側面の幅の和である。
【0011】
任意には、上記の手袋において、さらに前記第1の手のひらシート、前記後側シートにそれぞれ縫い合わされる、手袋指先の第1の背面縫合シートをさらに備える。
【0012】
任意には、上記の手袋において、前記第1の手のひらシートの設置長さが前記第1の背面縫合シートの設置長さよりも長く、前記第1の手のひらシートの設置幅が前記第1の背部縫合シートの設置幅よりも広い。
【0013】
任意には、上記の手袋において、前記第1の背面縫合シートと前記第1の手のひらシートの縫合線及び前記第1の背面縫合シートと前記後側シートの縫合線がいずれも指の背面に位置する。
【0014】
任意には、上記の手袋において、前記第1の背面縫合シートは、引き伸ばし可能な材料を用いて作製される。
【0015】
任意には、上記の手袋において、前記第1の手のひらシートに接合される、手のひら部分まで延在する第2の手のひらシートをさらに備える。
【0016】
任意には、上記の手袋において、前記第2の手のひらシートと前記第1の手のひらシートが一体成形設置である。
【0017】
任意には、上記の手袋において、前記第1の背面縫合シートに接合される、手の甲部分まで延在する第2の背面縫合シートをさらに備える。
【0018】
任意には、上記の手袋において、前記第1の背面縫合シートと前記第2の背面縫合シートが一体成形設置である。
【0019】
任意には、上記の手袋において、手袋の指の指股部に近接して設けられる縁部ストリップをさらに備える。
【0020】
任意には、上記の手袋において、前記第1の手のひらシートと前記後側シートが縫い合わされて、指先上に囲繞して設けられる囲繞部材となり、前記囲繞部材の展開部材は瓶状の形状を有する。
【0021】
任意には、上記の手袋において、前記第1の手のひらシート上の、指先から離れた位置に第1の幅を有し、前記指先位置が対応する部分に第2の幅を有し、前記第2の幅が前記第1の幅よりも狭く、前記後側シート上の、指先から離れた位置に第3の幅を有し、前記第3の幅が前記第1の幅よりも狭い。
【0022】
従来技術と比べ、本願は以下の技術的効果を有する。
本願は、第1の手のひらシート及び後側シートが一体成形されてなる、指先上で全面的に包合される一体シートを含んでいるとともに、第1の手のひらシートと前記後側シートの縫着部分を指先から指の背面へ移動させた手袋構造を提供している。
【0023】
本願の、指先を全面的に包合する部分を有する手袋構造は、作業用手袋及びスポーツ用手袋において、指先上の太い縫い目縁部を完全になくしており、指先全体におけるシートの「操作面」を平滑にしてフィットさせ、最終的に指の触感を高めている。このような触感の向上が、手袋を、従来技術における手袋よりも快適かつ実用的にしている。使用者は、硬貨、釘、ねじ、ボタンなど、より小さい物をつかみ上げることができ、接触環境の滑らかさや粗さに対しても、より高い触感を有することになる。ここで、上記「操作面」は、指先上の最もよく用いられる3つの面を指し、指先上の、爪や毛がある面と対応する。
【0024】
1枚の一体のシートが指の遠位端(すなわち指先)を囲繞しているため、指先の「操作面」全体ではまったくつながっておらず、手袋材料は指の背部においてのみつながっている。高性能手袋のユーザにとっては、指の敏感な皮膚と操作目標又は工具との間に1層の保護材料だけがあることになる。このような全面包合式の設計が、完全に自然な、ユーザの両手に適合する形状を提供している。
【0025】
同時に、すべてのシート接合点が指の背面に移動されているので、すなわち、シートの縫い目縁部が、強化された保護を爪のために提供し、快適な着用体験を体験することを可能にすることで、衝突、穿刺、切断事故等を防止する。
【0026】
以下の図面を参照して行われた、非制限的実施例について行われた詳細な記述を閲読することによって、本願の他の特徴、目的及び利点が、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】古典的構造の手袋配置の手のひら部分の図である。
【
図7】特許US5490290Aが開示する手袋指先の平面図である。
【
図9】特許US7287285B2が開示する手袋指先の平面図である。
【
図11】本願の一実施例における手袋指先の平面図である。
【
図13】本願の一実施例における手袋の指の手のひらシートの構造図である。
【
図14】
図13の材料で作製された手袋指先の縫合後の平面図である。
【
図15】縫合後に材料上から
図13の手袋指先を見た手のひら図である。
【
図18】本願の一実施例における手袋右手の手の甲図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例中の図面を参照しながら、本願の実施例中の技術的解決手段について明確かつ十全に記述する。もちろん、記述される実施例は本願の一部の実施例であるに過ぎず、すべての実施例ではない。本願中の実施例に基づき、当業者が、創造的な労働を行わない前提の下で得た他のあらゆる実施例は、いずれも本願が保護する範囲に属する。
【0029】
図11~
図19に示すように、本願中の一実施例では、手袋は、手袋指先の第1の手のひらシートP1及び手袋指先の後側シートP2を備え、前記第1の手のひらシートP1と前記後側シートP2が一体成形設置であり、
前記第1の手のひらシートP1と前記後側シートP2がそれぞれの指部分の末端で縫い合わされて3次元構造を形成し、
前記第1の手のひらシートP1と前記後側シートP2の縫い目が爪上に位置するか又は指の背面に位置する。
【0030】
本実施例は、第1の手のひらシートP1及び後側シートP2が一体成形されてなる、指先上で全面的に包合される一体シートを含んでいるとともに、第1の手のひらシートP1と前記後側シートP2の縫着部分を指先から指の背面へ移動させている。ここで、上記の、指先を全面的に包合する部分を有する手袋構造は、作業用手袋及びスポーツ用手袋において、指先上の太い縫い目縁部を完全になくしており、指先全体におけるシートの「操作面」を平滑にしてフィットさせ、最終的に指の触感を高めている。このような触感の向上が、手袋を、従来技術における手袋よりも快適かつ実用的にしている。使用者は、硬貨、釘、ねじ、ボタンなど、より小さい物をつかみ上げることができ、接触環境の滑らかさや粗さに対しても、より高い触感を有することになる。ここで、上記「操作面」は、指先上の最もよく用いられる3つの面を指し、指先上の、爪や毛がある面と対応する。
【0031】
本実施例では、追加的な単独材料ストリップを前記手袋背面に接合する必要がなく、本実施例の手袋は、着用者の手を受け入れるための開口を有しており、ここで、前記第1の手のひらシートP1及び前記後側シートP2は、着用者の手が前記開口に挿入されるときに前記第1の手のひらシートP1及び前記後側シートP2の内面と接触する内面を各々有する。
【0032】
前記第1の手のひらシートP1の設置幅が、少なくとも手袋の指背部の幅と2つの指側面の幅の和である。従って、本実施例では、手袋背面材料との縫い目が手袋の指の背面にのみ位置することになり、手袋の指の両側にはいずれも縫い目がない。
【0033】
図13に示すように、本実施例では、前記第1の手のひらシートP1と前記後側シートP2が縫い合わされて、指先上に囲繞して設けられる囲繞部材となり、前記囲繞部材の展開部材は瓶状の形状を有する。前記囲繞部材は、前記第1の手のひらシートP1上の、指先から離れた位置に第1の幅を有し、前記指先位置が対応する部分に第2の幅を有し、前記第2の幅が前記第1の幅よりも狭く、在前記後側シートP2の、指先から離れた位置に第3の幅を有し、前記第3の幅が前記第1の幅よりも概ね狭いことを含む。ここで、上記関係する第1の幅、第2の幅及び第3の幅は、好ましくは、前記囲繞部材の対応部分の平均幅を指す。
【0034】
さらに、
図16及び
図17に示すように、本実施例は、さらに前記第1の手のひらシートP1、前記後側シートP2にそれぞれ縫い合わされる、手袋指先の第1の背面縫合シートMをさらに備える。
【0035】
ここで、本実施例では、前記第1の手のひらシートP1の設置長さが第1の背面縫合シートMの設置長さよりも長く、前記第1の手のひらシートP1の設置幅が前記第1の背面縫合シートMの設置幅よりも広い。上記設置によって、前記第1の手のひらシートP1と前記第1の背面縫合シートMの縫い目が爪上に位置するか又は指の背面に位置することをさらに保証することができる。
【0036】
任意には、前記第1の背面縫合シートMと前記第1の手のひらシートP1の縫合線及び前記第1の背面縫合シートMと前記後側シートP2の縫合線がいずれも指の背面に位置する。1枚の一体のシートが指の遠位端(すなわち指先)を囲繞しているため、指先の「操作面」全体ではまったくつながっておらず、手袋材料は指の背部においてのみつながっている。高性能手袋のユーザにとっては、指の敏感な皮膚と操作目標又は工具との間に1層の保護材料だけがあることになる。このような全面包合式の設計が、完全に自然な、ユーザの両手に適合する形状を提供している。同時に、関係するシート接合点がすべて指の背面に移動されているので、上記シートの縫い目縁部が、強化された保護を爪のために提供し、快適な着用体験を体験することを可能にすることで、衝突、穿刺、切断事故等を防止する。
【0037】
さらに好ましくは、本実施例では、前記第1の背面縫合シートMは、引き伸ばし可能な材料を用いて作製され、上記設置によって、手袋を指にさらにフィットさせることにより着用の快適度等を高めることができる。
【0038】
図18及び19に示すように、本実施例は、前記第1の手のひらシートP1に接合される、手のひら部分まで延在する第2の手のひらシートをさらに備える。
【0039】
ここで、任意には、前記第2の手のひらシートと前記第1の手のひらシートP1が一体成形設置であり、すなわち、本実施例では、前記第2の手のひらシートと前記第1の手のひらシートP1については、好ましくは、縫い目を減らし使用の快適度等を高めることができる同一のシートを採用し、もちろん、具体的に応用する際には、前記第2の手のひらシートと前記第1の手のひらシートP1を、2枚のシートを採用して縫合してなしてもよく、ここで、関係する縫合位置については、指の指先部分を避けることができるのが好ましい。
【0040】
任意には、本実施例は、前記第1の背面縫合シートMに接合される、手の甲部分まで延在する第2の背面縫合シートをさらに備える。
【0041】
さらに好ましくは、前記第1の背面縫合シートMと前記第2の背面縫合シートが一体成形設置であり、すなわち、本実施例では、前記第2の背面縫合シートと前記第1の背面縫合シートMについては、好ましくは、縫い目を減らし使用の快適度等を高めることができる同一のシートを採用し、もちろん、具体的に応用する際には、前記第2の背面縫合シートと前記第1の背面縫合シートMを、2枚のシートを採用して縫合してなしてもよく、ここで、関係する縫合位置についは、実際の状況に応じ、適合的な選択を行うことができる。
【0042】
さらに、
図18に示すように、本実施例では、着用の好適度及び通気性を高めるため、手袋の指の指股部に近接して設けられる縁部ストリップNをさらに備える。
【0043】
さらに説明を要するのは、冬用手袋又は高耐久性防護手袋に対しては、上記の縁部ストリップNを設けなくてもよい、という点である。
【0044】
注意すべきなのは、本実施例は、
図13、
図14、
図15、
図16及び
図17に示す、1つの独立した指の縫合のみを開示しているが、他の指についても同じ縫合モデルを採用している、という点である。そして、指先の手のひら材料が独立したものであってよく、手袋の手のひら材料の他の部分とつながっていてもよい。
【0045】
さらに説明を要するのは、従来の手袋の組み立てにおいては、縫合は手袋の内側においてであり、従って、組み立ては内側から外側に向かって開始される、という点である。
【0046】
ステップ1、まず、1巻の材料から手袋の手のひらを切り出す。もちろん、必要に応じて追加的な材料シートを追加してよい。
ステップ2、材料から手袋背面を切り出し/組み立てる。
ステップ3、指の側面を手袋背面に縫合する。このとき、個々の指の側面がいずれも指の一側に沿って手袋背面に縫合され、他側は自由である。
ステップ4、続いて、手袋の手のひらを、その自由側に沿って縁部に縫合し、半分の手袋2つを合わせて1つにする。1本の連続した縫合線を用いて手のひらのすべての指とすべての歯溝を接合することができる。この縫合線が個々の指の末端を回り込んで通るとき、手袋の手のひら材料と背部材料を1つに接合するとともに、指先に1本の縫い目があり、そして、これらの縫合線は1つの平面において行われるものであり、縫合線のうちいずれか1本が折れ曲がっても180°の緊転が生じることはない。
ステップ5、手袋の手のひら及び背部の残余の部分(指以外の領域)が縫い合わされる。
ステップ6、手袋を右側から裏返す。このようにすれば、指先の縫い目が内側を向く。
【0047】
ただし、本実施例では、全面包合式の指先は次のように組み立てられるが、すべての縫合が手袋の内側にあるため、組み立てる際には手袋の内側を外向きにしなければならない。
【0048】
ステップ1、1巻の材料から、第1の手のひらシートP1と後側シートP2を含む手袋の囲繞部材を切り取り、追加的な材料シートを追加してよい。ここで、指部分の長さは手袋背面材料の指部分よりも明らかに長く、幅広い。
ステップ2、第1の背面縫合シートMは材料から切断され/組み立てられてなる。
ステップ3、上記囲繞部材と第1の背部縫合シートがそれぞれの指部分の末端で縫い合わされる。これらの材料は重なった縫い目で接合され、手袋が裏返されたとき、これらの縫い目は内側を向かない。手袋の手のひらの指長さが手袋の背部の指長さよりも長いため、最終的な指先位置は、第1の手のひらシートP1のみを含む。重なった縫い目は爪上又は後側に位置し、皮膚上に敷かれる。第1の手のひらシートP1の幅は、手袋の指背部の幅に2つの指側面の幅を加えたものであるため、手袋背面材料との縫い目は、手袋の指の背面のみに位置する。手袋の指の両側にはいずれも縫い目がない。
ステップ4、必要に応じて縁部ストリップNを設ける。指の指股部の前には、指縁部ストリップNはまったく存在していない。指の指股部に近接する縁部ストリップNは、体へのフィットと通気のためである。冬用手袋又は高耐久性防護手袋に対しては、指縁部ストリップNがまったくなくてよい。
ステップ5、手袋の手のひら及び背部の残余の部分(指以外の他の領域)はいずれも縫合される。
ステップ6、手袋内側が外側になるように完全に裏返される。
このような作製技術を採用しているため、指先には、つながるか又は交差する縫い目がなく、上記従来の手袋作製の欠点を回避している。
【0049】
上記に基づき、従来の手袋作製プロセスと比べると、従来の手袋作製では、すべての指縁部ストリップがいずれも、個々の指縁部に沿って手袋背面の指部分まで一歩ずつ縫合され、すべての指縁部ストリップがいずれも、手袋の手のひらまで一歩ずつ縫合され、通常は1本の縫合線を用い、手袋の手のひら及び背面の材料が指先でつながり、指先で1本の内向きの縫い目縁部を形成し、しかも、すべての縫合が同一平面に保持される。一方、本実施例の完全包合式設計においては、指先に側縁部ストリップがまったくなく、囲繞部材と第1の背面縫合シートMは指の背面においてのみつながり、指先ではつながっておらず、爪のところにある縫い目は重なった縫い目であり、その中で材料が平らに置かれ、縫い目は内側に積み重ならない。
【0050】
従って、本実施例では、手袋の指先が、着用者の指先形状に適合した形状を有するように設計されており、かつ、指先における従来の縫い目縁部又は指側縁部ストリップがなくなっている。
【0051】
本願の記述においては、明確な規定や限定が別途ない限り、「つながる」、「接合する」、「固定する」という用語については広義に理解すべきであり、例えば、固定接合であってよく、取り外し可能な接合であるか又は一体となっていてもよく、機械的連結であってよく、電気的接続であってもよく、直接つながっていてよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよく、2つの部品内部の連通であるか又は2つの部品の相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、具体的状況に基づいて、本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0052】
本願においては、明確な規定や限定が別途ない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触していることを含んでいてよく、第1の特徴と第2の特徴が直接接触するのではなく、それらの間の別の特徴を介して接触していることを含んでいてもよい。しかも、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」及び「上側」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直上及び斜め上方にあることを含むか、又は、第1の特徴の水平高度が第2の特徴よりも高いことのみを表している。第1の特徴が第2の特徴「の下」、「下方」及び「下側」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下及び斜め下方にあることを含むか、又は、第1の特徴の水平高度が第2の特徴よりも低いことのみを表している。
【0053】
本実施例の記述において、「上」、「下」、「左」、「右」等の用語の向き又は位置関係は、図面の示すところに基づく向き又は位置関係であり、記述を容易にし操作を簡略化するためであるに過ぎず、それらが示す装置又は部品が特定の向きを有しており特定の向きで構成及び操作されなければならないことを指示又は暗示するものではなく、従って、本願に対する制限であると理解してはならない。また、「第1の」、「第2の」という用語は、記述において区別を行うために用いられるに過ぎず、特別な意味はない。
【0054】
以上の実施例は本願の技術的解決手段を説明するためにのみ用いられ、限定ではなく、好ましい実施例を参照して本願について詳細に説明した。本願の技術的解決手段に対して修正又は均等物置換を行うことができるが、本願の技術的解決手段の趣旨及び範囲を逸脱せず本願の請求項の範囲内にいずれも含まれていなければならないことを、当業者は理解しなければならない。
【国際調査報告】