(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】生殖器官のためのデバイス、方法および組成物
(51)【国際特許分類】
A61M 25/092 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61M25/092 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513239
(86)(22)【出願日】2022-09-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022043170
(87)【国際公開番号】W WO2023039229
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517071885
【氏名又は名称】フェマシス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】リー-セプシック、 キャシー
(72)【発明者】
【氏名】サイポス、 ジェレミー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA32
4C267BB02
4C267BB07
4C267BB09
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC25
4C267GG34
4C267HH08
(57)【要約】
組成物を標的部位に送達するための例示的な医療デバイスが開示される。開示されている医療デバイスは、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートおよび、場合により、エンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、ならびに、それらのための流体接続、1つまたは複数のカテーテルを動かすためのまたは1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントを含み得る。開示されている送達デバイスを使用する治療および診断の方法、そのような方法のための組成物、ならびにキットおよびシステムもまた開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル、組成物送達容器シリンジおよびプランジャーを含む組成物送達容器、挿入チューブ、エンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、デュアルルーメンカテーテルを挿入チューブから外向きにおよび挿入チューブに向かって内向きに動かすためのコンポーネント、およびそれらのための流体接続を含む、送達デバイス。
【請求項2】
エンド構造を拡張させるための拡張カテーテル、およびそのための流体接続をさらに含む、請求項1に記載の送達デバイス。
【請求項3】
拡張シリンジおよびシリンジプランジャーをさらに含む、請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項4】
前記拡張シリンジが、前記シリンジプランジャーを安定化させるためのストップロックを含む、請求項3に記載の送達デバイス。
【請求項5】
送達デバイスが、肥大セクションを含む拡張カテーテルをさらに含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記拡張カテーテルの前記肥大セクションを圧迫することができるレバーをさらに含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記拡張カテーテルの前記肥大セクションを圧迫することができるセーフティーロックコンポーネントをさらに含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
対象において標的部位を処置する方法であって、
a)請求項1に記載の送達デバイスを使用して、標的部位を、有効量の治療剤を含む組成物と接触させることを含み、ここで、前記送達デバイスは、前記組成物を含み、前記組成物容器プランジャーを遠位方向に動かすことによって、前記組成物を、出口ポートから押し出す、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、a)の前に、
1)i)前記デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを、容器中の液体組成物などの組成物の中に挿入すること;ii)組成物送達容器プランジャーを近位方向に動かし、それにより、前記組成物を、前記出口ポートを通して前記出口ポートの中に、および前記デュアルルーメンカテーテルの組成物カテーテルのルーメンの中に引き込む吸引力を生じさせることを含む、前記送達デバイスに前記組成物を充填するステップ;
2)i)哺乳動物対象の子宮頸部を通して、前記送達デバイスの挿入チューブを、前記挿入チューブの先端部が前記対象の子宮底に接触するまで挿入すること、および、場合により、挿入上に配置されているデプスストップを、挿入チューブが挿入された深さをマークするための適切な位置に動かすこと、によって、前記送達デバイスの前記挿入チューブを前記哺乳動物対象の中に挿入するステップ:
3)i)指スライドを遠位方向に動かすことにより、カテーテルキャリアを遠位方向に動かし、それが、前記デュアルルーメンカテーテルを遠位方向に動かし、その結果、前記出口ポートおよびエンド構造を含む前記デュアルルーメンカテーテルの遠位端を、接線方向に前記挿入チューブから離れるように、前記標的部位に向かってかつ標的部位中へと動かせることを含む、前記デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを前記挿入チューブから前記標的部位に向かって伸ばすステップ;
4)ステップ1~3のいずれか1つの前または後に、拡張シリンジを請求項1記載のデバイスに接続して、前記エンド構造と流体接続している拡張カテーテルとの流体接続を形成させるステップであって、ここで、前記拡張シリンジは、シリンジボディー、プランジャーおよび拡張媒体を含む、ステップ;
5)前記拡張シリンジプランジャーを遠位方向に動かし、拡張媒体を前記拡張シリンジボディーから押し出すことを含む、前記デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を膨張させるステップ
を含む、方法。
【請求項10】
ステップaの後に、前記エンド構造が、所定の時間、前記標的部位に維持される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記デュアルルーメンカテーテルエンド構造および出口ポートを、前記挿入チューブに向かって引っ込めることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記送達デバイスを180度回転させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項8~11に記載のステップを繰り返すことにより、第2の標的部位を処置する方法。
【請求項14】
前記挿入チューブを対象から取り除くことをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記挿入チューブを対象から取り除くことをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
場合により、i)の前に、指スライドを遠位方向に動かし、それが、前記カテーテルキャリアを遠位方向に動かし、それが、デュアルルーメンカテーテルを遠位方向に動かし、前記デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを前記挿入チューブのカテーテル出口ポートから離れるように動かすことによって、前記出口ポートを、前記挿入チューブから外向きに動かし、および1)の後に、指スライドを近位方向に動かし、それが、次に、前記カテーテルスライドを近位方向に動かし、それが、前記デュアルルーメンカテーテルを近位方向に動かし、それが、前記デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを前記挿入チューブのより近くに動かすことによって、前記出口ポートを前記挿入チューブに向かって引っ込める、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記標的部位が、子宮角および卵管の近位口である、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記標的部位が、子宮角および卵管の近位口である、請求項8~12に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の標的部位および第2の標的部位が、それぞれ子宮角および卵管の近位口である、請求項8~13に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、細胞、精子、卵子、接合子、胚またはそれらの組合せを含む、および/または他の化合物、分子または組織と共に含む、請求項8~12に記載のステップを含む、子宮内授精の方法。
【請求項21】
前記組成物が、有効量の治療活性薬剤、細胞、化合物もしくは分子、またはそれらの組合せ、精子、受精能のためのホルモン、受精能促進化合物、配偶子、卵子、精子と卵子の組合せ、1つまたは複数の接合子、または1つまたは複数の胚、配偶子および胚の付着物、卵巣刺激化合物またはゴナドトロピン(すなわち、Follistim、Gonal-F、Repronex、Menopur、Bravelle、レトロゾール)、排卵誘発化合物(すなわち、クエン酸クロミフェン、例えばClomidまたはSerophene)、卵管糖タンパク質、着床不全(受精卵)または流産の可能性を減らす化合物(すなわち、顆粒球コロニー刺激因子、TH1免疫応答を抑制し、TH2免疫応答を促進するサイトカインからなる群からの添加剤、抗炎症剤、炎症性サイトカインの阻害剤)、ホルモン、受精能促進化合物、受精能阻害化合物、運動性促進化合物、運動性阻害化合物、繊毛形成/繊毛消失サイクルに影響する化合物、繊毛成長促進または阻害化合物、卵胞処置化合物、またはそれらの組合せを含む、請求項8~12に記載のステップを含む、対象の卵管に施される治療処置の方法。
【請求項22】
前記組成物が、放射線画像化材料、放射線不透過性色素、生理食塩水と空気のコントラスト、生理食塩水、またはそれらの組合せの有効量の化合物または分子を含む、請求項8~12記載のステップを含む、対象の卵管または子宮を診断する方法。
【請求項23】
ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートおよび場合によりエンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、ならびに、それらのための流体接続、1つまたは複数のカテーテルを動かすためのまたは1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントを含む送達デバイスを含む、組成物を対象の構造に送達するためのシステム。
【請求項24】
組成物をさらに含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
請求項1記載の送達デバイス、および前記送達デバイスの使用のための説明書を含む、組成物を対象の構造に送達するためのキット。
【請求項26】
組成物をさらに含む、請求項25に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本開示は、2021年9月10日に出願された米国仮特許出願第63/242,830号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に対する優先権および利益を主張する国際特許出願である。本出願と共に提出された出願データシート中に外国または国内優先権主張が確認される全ての出願は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、生物学的または治療用組成物などの組成物を、哺乳動物の構造に、例えば、子宮角(uterine cornua)および1つまたは複数の卵管の近位口に供給するためのデバイス、方法、組成物、システムおよびキットを含む。
【背景技術】
【0003】
不妊(しばしば、1年間の性生活で妊娠できないことと定義される)は、個人およびカップルにとって困難な状況であり得る。15%のカップルが不妊であると推定されている。全世界では、4億8千5百万のカップルがいつかの時点で不妊を経験することになり、米国では、15~44歳の男性の約9%および女性の約10%が不妊の問題を抱えていると報告されている。さらに、男性の精子の数が急速に減少しているようであり、これは男性の受精能クライシスと呼ばれている。この精子数減少の最も早い徴候は、1970年代に最初に出現した。この期間以降、およそ40年間にわたって、精子数は一貫して約1.4%ずつ減少し、全体では52.4%減少している。最も減少が大きい集団は、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパおよび北アメリカに見られる。世界の他の地域においては、まだ観察されていない。男性における精子数または精液の質の低下、および女性における少なくとも1つの卵管の閉塞に加えて、このような男性と女性の両方における不妊の増加は、不妊を処置する方法、ならびに受精能の増大を促進し得るデバイス、システムおよび組成物に対するより高い要望を生じさせている。
【0004】
医学的および研究的適用において、物質を、身体の管または導管の中に、デバイスを使用することによって送達または輸送することが望まれるか、または必要とされる多くの臨床的状況が存在する。これは、しばしば、治療または診断目的のために望ましい。残念なことに、多くの送達技術は、難易度が高いか、または望ましい治療処置または診断評価を実現するために最適ではない。
【0005】
必要とされるのは、治療薬剤または活性薬剤を送達するか、または婦人科もしくは不妊の治療および診断に使用し得るデバイス、システム、方法、組成物、システムおよびキットである。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、処置および材料を、哺乳動物の卵管などの導管に供給するデバイス、システム、方法、組成物およびキットを提供する。このような処置および材料は、哺乳動物における不妊を診断または処置するために、および/または雌性哺乳動物などの女性において受胎状態を確立するために;および/または治療薬剤または活性薬剤を供給するために使用され得る。本開示のある態様は、雌性の哺乳動物が1または複数の子孫を妊娠するように、デバイス、システム、方法および組成物を雌性の哺乳動物に提供するためのものである。
【0007】
本開示は、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートと、場合によりエンド構造とを含む、デュアルルーメンカテーテル、ならびに、それらのための流体接続を含む、送達デバイスを提供する。ハンドルは、デバイスのコンポーネントを収容するためのホロー(hollow)内部を画定するケーシングから形成されていてもよい。ケーシングは、端部(edges)で連結されホローハンドルを形成する第1のサイドと第2のサイドを含んでいてもよく、ここで、第1のサイドと第2のサイドは、互いに類似しており、鏡像である。デュアルルーメンカテーテルは、2つのルーメンを有する。一方のルーメンは、拡張(distension)ルーメンまたは拡張カテーテルであり、空気、気体または液体などの媒体を、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造に、例えば、バルーンに供給する。デバイスは、拡張媒体をエンド構造に供給するための拡張シリンジまたはプランジャーをさらに含んでいてもよい。他方のルーメンは、出口ポートを有する送達ルーメンまたは送達カテーテルであり、この出口ポートを通して、1つまたは複数の組成物がデバイス内部に引き込まれ得、また、この出口ポートを通して、1つまたは複数の組成物がデバイスから標的部位に、例えば、子宮角または卵管の近位口などの哺乳動物の構造に送達され得る。送達デバイスは、コンポーネント、例えば、チャンバーを含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。送達デバイスは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、および/または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントをさらに含んでいてもよい。
【0008】
本開示は、開示されている組成物を標的部位に供給するための方法を提供する。例えば、開示されている組成物を供給するための方法は、組成物を、標的部位に、本明細書において開示されている送達デバイスを使用して供給することを含んでいてもよい。要約すると、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを組成物の中に位置させ、送達容器プランジャーの近位端を近位方向に動かし(例えば、プランジャーを、デバイスから外向きに、使用者に向かって動かし)、組成物の少なくとも一部をデュアルルーメンカテーテルの送達カテーテル/ルーメンの中に移動させる吸引力を生じさせることによって、組成物が、開示されているデバイスの中にロードされる。挿入チューブの先端部を対象の子宮底に位置させ、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造およびデュアルルーメンカテーテル出口ポートが、標的部位に位置するように、または標的部位に隣接するように、デュアルルーメンカテーテルの遠位端を、カテーテル出口ポートを通して伸ばすことによって、組成物を含有する送達デバイスは、哺乳動物の雌などの対象に対して供給され得る。拡張カテーテル/ルーメンは、その必要がある場合、エンド構造を膨張させるために使用される。次に、送達容器プランジャーは、組成物の少なくとも一部がデュアルルーメンカテーテル出口ポートから出て、標的部位に移動するように、送達容器を通して遠位方向に動かされる(使用者から離れる)。デバイスは、所定の期間、その位置に留まらせてもよく、留まらせなくてもよい。デバイスは、対象から取り除いてもよく、場合により、取り除く前に、必要に応じて、エンド構造を収縮させ、対象から挿入チューブを引き抜く前に、デュアルルーメンカテーテルの遠位端を、挿入チューブへ、または挿入チューブの中へ引っ込める。デバイスは、取り除く代わりに、必要に応じてエンド構造を収縮させ、デュアルルーメンカテーテルの遠位端を挿入チューブへまたは挿入チューブの中へ引っ込め、デバイスを回転させ、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造およびデュアルルーメンカテーテル出口ポートが第2の標的部位に位置するように、または第2の標的部位に隣接するように、デュアルルーメンカテーテルの遠位端を伸ばし、必要に応じてエンド構造を膨張させ、組成物の少なくとも一部を第2の標的部位に供給することによって、送達カテーテル/ルーメン内の残りの組成物の少なくとも一部を別の卵管に供給するために使用され得る。この方法において、両方の卵管を処置し得る。この方法は、1回または複数回繰り返してもよく、例えば、同じ処置期間(例えば、1つまたは2つの処置を含む上記の方法と同じ時間枠)において、または分単位、時間単位、日単位、週単位、月単位、または年単位で離れていてもよい複数の処置期間にわたって、順次的に繰り返してもよい。
【0009】
本開示は、本開示の送達デバイスによって送達され得る組成物を提供する。組成物は、哺乳動物の配偶子、哺乳動物の精子、1つまたは複数の哺乳動物の卵子;および/または1つまたは複数の哺乳動物受精卵、接合子または胚、および/またはそれらの組合せを含んでいてもよく、医薬組成物をさらに含んでいてもよい。組成物は、処置用薬、活性薬剤、生物学的薬剤、診断剤、および、例えば、婦人科および産科的状態のための、他の知られている処置用の薬剤および薬物、ならびに/またはそれらの組合せを含んでいてもよく、医薬組成物をさらに含んでいてもよい。
【0010】
本開示は、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートと場合によりエンド構造とを含むデュアルルーメンカテーテル、ならびに、それらのための流体接続を含む、本明細書において開示されている送達デバイスを含むシステムを提供する。開示されているデバイスは、拡張が必要な場合、エンド構造を膨張させるための拡張シリンジを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。よって、システムは、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を膨張させるための拡張媒体を供給するために、開示されているデバイスと流体接合を形成し得るシリンジをさらに含んでいてもよい。システムは、例えばカテーテルチャンバーのようなコンポーネントを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。システムは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、および/または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよい。システムは、送達デバイスによって送達される1つまたは複数の組成物をさらに含んでいてもよい。ある態様において、システムは、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートと場合によりエンド構造とを含むデュアルルーメンカテーテル、組成物、ならびに、それらのための流体接続を含んでいてもよい。システムは、コンポーネント、例えば、チャンバーを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。システムは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、および/または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよい。
【0011】
本開示は、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートと場合によりエンド構造とを含むデュアルルーメンカテーテル、ならびに、それらのための流体接続を含む、開示されている送達デバイスを含むキットを提供する。送達デバイスは、コンポーネント、例えば、チャンバーを含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。送達デバイスは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、および/または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントをさらに含んでいてもよい。キットは、開示されているデバイスの使用および/または組み立てのための説明書をさらに含んでいてもよい。キットは、拡張が望まれる場合、エンド構造を膨張させるための拡張シリンジをさらに含んでいてもよい。よって、キットは、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を膨張させるための要素を供給するために、開示されているデバイスと流体接合を形成し得るシリンジをさらに含んでいてもよい。キットは、哺乳動物の産科または婦人科的状態を診断または処置するための、1つまたは複数の組成物を含んでいてもよい。キットは、送達デバイスの動作のために有用な1つまたは複数の組成物、例えば、滅菌生理食塩水を含んでいてもよい。キットは、開示されている送達デバイスおよび/または上記のキットコンポーネントを、一体型の滅菌パッケージングで、または分離型の滅菌パッケージングで個別に提供してもよい。
【0012】
以下のより詳細な説明を参照することによって、本発明の上述および追加の特徴、ならびにそれらの取得方法が明らかになるであろうし、また、本発明が最大限に理解されるであろう。本明細書において開示されている全ての参考文献は、あたかもそれぞれが個別に本明細書に援用されているかのように、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0013】
この概要は、以下に詳細な説明において詳細にさらに説明される、ある特定の概念を、単純化した形で紹介するために提供されている。明示的に別段の記載がない限り、この概要は、特許請求された主題の鍵となる、または重要な特徴を同定することを意図するものではなく、また、特許請求された主題の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0014】
1つまたは複数の実施形態または態様の詳細が、以下の説明に記載されている。1つの例示的な実施形態または態様に関連して記載または説明されている特徴は、他の実施形態または態様の特徴と組み合わせてもよい。よって、本明細書に記載されている種々の実施形態または態様のいずれかを組み合わせて、本開示のさらなる実施形態が提供され得る。実施形態または態様の特徴を、必要に応じて、本明細書において特定されている種々の特許、特許出願および特許公開の概念を利用するために改変し、より一層の実施形態が提供され得る。他の特徴、目的および利点は、以下の説明、図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0015】
(図面の簡単な説明)
本開示の例示的な特徴、その性質および種々の利点は、添付の図面および以下の種々の実施形態の詳細な説明から明らかであろう。非限定的、かつ非網羅的な実施形態が、添付の図面を参照して説明されており、ここで、類似の標識または参照番号は、別段の指定がない限り、種々の図全体を通して、類似の部分を指す。図面における要素の大きさおよび相対的な位置は、必ずしも実際の通りに描かれているわけではない。例えば、種々の要素の形状は、図面の読みやすさを向上させるために選択され、拡大され、および位置決めされている。描かれている要素の特定の形状は、図面において認識が容易なように選択されている。1つまたは複数の実施形態が、添付の図面を参照して以下に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、デバイスの第1のサイドから見た、本開示の例示的な送達デバイスを示し、これは、デバイスの反対側の第2のサイドの形(図示されていない)と同じである。
【0017】
【
図2】
図2は、デバイスの中のコンポーネントおよびカテーテルの配置を示すために第1のサイドケーシングを取り外して見た場合の、本開示の例示的な送達デバイスの内部を示す。
【0018】
【
図3】
図3Aは、本開示の例示的なデバイスにおいて有用な組成物送達カテーテルの部分を示し、
図3Bは、本開示の例示的な送達デバイスのケーシングの内部における組成物送達カテーテルの前記部分の配置を示す。
【0019】
【
図4】
図4Aは、本開示の例示的なデバイスにおいて有用な拡張カテーテルの部分を示し、
図4Bは、本開示の例示的な送達デバイスのケーシングの内部における拡張カテーテルの前記部分の配置を示す。
【0020】
【
図5】
図5は、カテーテルチャンバーの図であり、デュアルルーメン送達カテーテルを形成する拡張カテーテルと組成物送達カテーテルとの隣接した結合が示されている。
【0021】
【
図6】
図6Aは、近位端から離されて、近位端に対して遠位に配置されている肥大セクションを有する代替的な拡張カテーテルの部分の部分図を示し、
図6Bは、代替的な拡張カテーテルの前記部分の、例示的な送達デバイスのケーシングの中における配置を示す。
図6Cは、例示的な送達デバイスのケーシングの内部のより緊密な図を示し、ここではカテーテルキャリアのロッドは前記代替的な拡張カテーテルと係合していない。
図6Dは、例示的な送達デバイスのケーシングの内部の拡大図を示し、ここではカテーテルキャリアのロッドは前記代替的な拡張カテーテルを圧迫するように係合している。
【0022】
【
図7】
図7Aは、近位端の近くに、ほぼ隣接して配置されている肥大セクションを有する第2の代替的な拡張カテーテルの部分の部分図を示す。
図7Bは、例示的な送達デバイスのケーシングの内部を示し、かつ拡張カテーテルの制御のための、第2の代替的な拡張カテーテルの肥大セクションと係合している圧迫レバーを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、処置および/または材料を哺乳動物の卵管などの導管に供給するためのデバイス、システム、方法、キットおよび組成物を提供する。ある態様において、送達デバイスは、ハンドル、組成物送達容器、挿入チューブ、デュアルルーメンカテーテル、およびそれらのための流体接続を含む。開示されているデバイスは、拡張シリンジをさらに含んでいてもよい。ハンドルは、デバイスのコンポーネントを収容するためのホロー内部を画定するケーシングから形成されていてもよい。ケーシングは、端部で連結されホローハンドルを形成する第1のサイドと第2のサイドを含んでいてもよく、ここで、第1のサイドと第2のサイドは、互いに類似した外観である。ハンドルを形成するケーシングの一方の側の例示的な図については、
図1を参照のこと。
【0024】
送達デバイスは、コンポーネント、例えば、カテーテルチャンバーをさらに含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。送達デバイスは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、および/または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントをさらに含んでいてもよい。
【0025】
ある態様において、本開示は、ハンドル、例えば組成物送達容器シリンジおよびそのプランジャーを含む組成物送達容器、挿入チューブ、エンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、デュアルルーメンカテーテルを挿入チューブから外向きにおよび挿入チューブに向かって内向きに動かすためのコンポーネント、場合により、エンド構造を拡張させるためのコンポーネント、およびそれらのための流体接続を含む送達デバイスを提供する。ハンドルは、デバイスのコンポーネントを収容するためのホロー内部を画定するケーシングから形成されていてもよい。ケーシングは端部で連結されホローハンドルを形成する第1のサイドと第2のサイドを含んでいてもよく、ここで、第1のサイドと第2のサイドは、互いに類似した外形である。ケーシングの一方の側の外部側に見られる特徴および/またはコンポーネントは、ケーシングの他方の側の外部側にも複製(replicated)されている、または見られる。全てではないとしても、ケーシングの内部に見られるコンポーネントの大部分は、ケーシングの中に1つであって、2つではない、または複製(replicated)されていない。本明細書の図面は、これらのコンポーネントを示すために使用され得る。デュアルルーメンカテーテルは、2つのルーメンを有する。一方のルーメンは、拡張ルーメンまたは拡張カテーテルであり、空気、気体または液体などの媒体を、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造に、例えば、バルーンに供給する。他方のルーメンは、出口ポート(これは、本明細書においてデュアルルーメンカテーテルの出口ポートと呼ばれる)を有する組成物送達ルーメンまたは組成物送達カテーテルであり、この出口ポートを通して、1つまたは複数の組成物が送達デバイス内部に引き込まれ得、また、この出口ポートを通して、1つまたは複数の組成物が送達デバイスから標的部位に、例えば、子宮角または卵管の近位口などの哺乳動物の構造に送達され得る。送達デバイスは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントをさらに含んでいてもよい。
【0026】
ある態様において、送達デバイスは、送達デバイスが組成物の全てまたは一部をデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを通して(例えば、吸引力によって、送達容器から、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートの中に)取り込み、次に、出口ポートが標的部位に配置されたら、送達デバイスの中に取り込まれた組成物の全てまたは一部を、デュアルルーメンカテーテルの同じ出口ポートを通して、送達デバイスから外に送り返すことができるように、コンポーネントをさらに含んでいてもよい。送達デバイスは、また、出口ポートを配置するためのコンポーネント、カテーテルを動かすためのコンポーネント、カテーテルの動きを制御するためのコンポーネント、ならびに、必要に応じて、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造の拡張のためのコンポーネントおよびエンド構造の拡張を制御するためのコンポーネントも含んでいてもよい。
【0027】
ある態様において、送達デバイスは、ホローハンドルを形成するためのケーシングによって形成されたハンドルを含む。例えば、ハンドルは、2つのケーシングサイドを接合することによって形成されていてもよく、これらのサイドは、各サイドに複製(replicated)されている特徴または構造を有する。ハンドルは、組成物送達容器を収容し、組成物送達容器は、容器と、組成物送達容器と流体接続している組成物送達カテーテルを有するデュアルルーメンカテーテルの出口ポートの中にかつそれを通して組成物を移動させ、また、組成物送達容器と流体接続している組成物送達カテーテルを有するデュアルルーメンカテーテルの出口ポートから外に出るように組成物を移動させるための、容器の中に摺動可能に配置された例えばプランジャーなどのコンポーネントと、を含む。組成物の送達デバイスの中に入る移動および外に出る移動は、両方とも、組成物送達容器と流体接続している組成物送達カテーテルを有するデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを通した移動である。ハンドルは、また、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造と流体接続している、プランジャーを含む拡張シリンジを取り付けるための拡張インレットポートも提供する。
【0028】
組成物送達カテーテルは、送達デバイスのデュアルルーメンカテーテルの一方のルーメンを形成する。デュアルルーメンカテーテルは、一方のルーメンを使用することによって拡張媒体をバルーンなどのデュアルルーメンカテーテルエンド構造に供給するため、および、他方のルーメンを使用することによって組成物を標的部位に供給するため、の両方のために使用される。本明細書において、デュアルルーメンカテーテルの2つのルーメンは、「カテーテル」と呼ばれることがあり、ここで、デュアルルーメンカテーテルの一方のルーメンは、拡張媒体の輸送のために使用され、本明細書において「拡張カテーテル」と呼ばれ、また、デュアルルーメンカテーテルのカテーテルの他方のルーメンは、「組成物送達カテーテル」と呼ばれ、例えば処置用または診断用組成物などの組成物の輸送を目的とするものである。拡張カテーテルと送達カテーテルは、送達デバイスのカテーテルチャンバーの中で互いに隣接して結合され、デュアルルーメンカテーテルを形成する。デュアルルーメンカテーテルの出口ポートは、送達カテーテルの遠位端であり、本明細書において、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートと呼ばれることを理解すべきである。
【0029】
拡張インレットポート、拡張シリンジおよび/またはプランジャーは、「エアーインレットポート」または「エアーシリンジおよび/またはプランジャー」と呼ばれることがあるが、これらの拡張構造は、生理食塩水などの液体組成物を、拡張媒体として供給するために機能し得ることも意図されている。よって、拡張インレットポートは、流体接続している空気、気体、生理食塩水または水などの液体組成物のためのポートであり、これにより、液体シリンジの中に供給される空気、気体、生理食塩水または水などの液体組成物は、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を膨張させるために使用される。当業者は、「空気」が使用されるところで、生理食塩水または水などの液体組成物もまた意図され得ることを理解している。
【0030】
組成物送達容器は、シリンジボディーを、その中に摺動可能に配置されたシリンジプランジャー(すなわち、組成物を、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートの中に入り、および外に出るように移動させるためのコンポーネント)と共に含む容器であり得る。シリンジプランジャーの近位方向への動きによって、組成物は、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートの中に、および組成物送達カテーテルのルーメンの中に移動し、その結果、全てではないとしても、組成物の大部分は、組成物送達容器の中ではなく、組成物送達カテーテルの中に残る。組成物が組成物送達カテーテルの中に入ったら、シリンジプランジャーの遠位方向への動きによって、組成物は、組成物送達カテーテルから、組成物送達カテーテルのルーメンの部分を通して、およびデュアルルーメンカテーテル出口ポートを出て、例えば、標的部位に、例えば、卵管の近位口の哺乳動物の子宮角の中に移動する。プランジャーの動きは、指グリップから遠位方向に近接し、ハンドルのケーシングの正中軸に位置するウィンドウ(組成物送達容器、および容器内の組成物送達プランジャーの位置を見るための、各サイドケーシングにある開口)から見ることができる。場合により、取り込まれたまたは吐出された組成物の量を示すために、調節可能なスライディングマーカーが、ウィンドウ上に配置されてもよく、またはウィンドウの中に見えてもよい。スライディングマーカーは、吐出された組成物の量の視覚的な標識を提供し、ウィンドウの端部に位置する標識(通常、数的なマーキング)と組み合わせて使用してもよい。拡張シリンジ(空気、気体または液体シリンジ)はオプションであり、デバイス100から取り外しが可能であり、拡張シリンジは、シリンジボディーを、例えば、バルーンなどのエンド構造を膨張および収縮させるために、空気、気体または液体を、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造と流体接続している拡張カテーテルの中に入り、および外に出るように移動させる、拡張シリンジの中に摺動可能に配置されたシリンジプランジャーと共に含む。
【0031】
指スライドは、ハンドルのケーシングの第1のサイドおよび第2のサイドのそれぞれの中心軸(中心線)に、かつウィンドウの遠位に位置し、サイドケーシングのそれぞれに存在するスロット(開口)の中に摺動可能に配置されている。ケーシングの第1のサイドおよび第2のサイドは、それぞれ、スロットを、その中に摺動可能に配置された指スライドと共に含む。指スライドは、外部表面および内部表面を有し、ここで、内部表面は、ハンドルケーシングの外側の表面と向き合っている。指スライドの内部表面は、プロングを介して、ハンドルの内部に配置されているカテーテルキャリアと接続されている。指スライドが近位方向または遠位方向に動かされた場合、カテーテルキャリアが動かされ、またデュアルルーメンカテーテルが動かされる。指スライドが遠位方向に動かされた場合、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートは、挿入チューブのカテーテル出口ポートから離れるように、または出るように動かされ、挿入チューブから伸ばされる。指スライドが近位方向に動かされた場合、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートは、挿入チューブに向かって、挿入チューブのカテーテル出口ポートの近くまたは中に動かされる。
【0032】
1つまたは複数の組成物を、導管に、例えば、子宮角および哺乳動物の卵管の近位口に供給するための方法が、本明細書において開示されている。ある態様において、方法は、1つまたは複数の組成物、例えば、雄の精子組成物を、女性の卵管の少なくとも一部に隣接していてもよい標的部位に、および場合によっては少なくとも部分的に女性の卵管の少なくとも一部の中に、例えば、子宮角および卵管の近位口などの標的部位に供給することによって、対象の受精能を増強するための方法を含んでいてもよく、これにより、精子組成物は、より容易に雌の卵子と接触し得る。ある態様において、対象を処置するための方法は、有効量の1つまたは複数の治療剤または活性薬剤を含む1つまたは複数の組成物を、子宮角および卵管の近位口に供給すること、例えば、治療または活性薬剤組成物を子宮角および卵管の近位口に送達することによって供給すること、を含んでいてもよく、ここで、組成物の少なくとも一部は、卵管の少なくとも一部に接触し得、よって卵管の少なくとも一部が処置される。ある態様において、対象の状態を診断するための方法は、有効量の1つまたは複数の放射線画像化薬剤または音波画像化薬剤を含む1つまたは複数の組成物を、子宮角および卵管の近位口に供給すること、例えば、1つまたは複数の放射線画像化組成物または音波画像化組成物を子宮角および卵管の近位口に送達することによって供給することを含んでいてもよく、ここで、組成物の少なくとも一部は、卵管の少なくとも一部に入り得、よって卵管の少なくとも一部の診断的可視化が実現される。このような組成物は、医薬組成物を含んでいてもよい。
【0033】
本明細書において開示されているシステムは、例えば、本明細書において開示されている方法を実現するための、開示されている送達デバイスおよびコンポーネントを含んでいてもよい。本開示は、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートおよび場合によりエンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、ならびに、それらのための流体接続を含む、本明細書において開示されている送達デバイスを含むシステムを提供する。開示されているデバイスは、拡張が必要な場合、エンド構造を膨張させるための拡張シリンジを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。よって、システムは、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を膨張させるための拡張媒体を供給するために、開示されているデバイスと流体接合を形成し得るシリンジをさらに含んでいてもよい。システムは、コンポーネント、例えば、カテーテルチャンバーを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。システムは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよい。システムは、送達デバイスによって送達される1つまたは複数の組成物をさらに含んでいてもよい。ある態様において、システムは、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートおよび場合によりエンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、組成物、ならびに、それらのための流体接続を含んでいてもよい。システムは、コンポーネント、例えば、チャンバーを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。システムは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントを含む送達デバイスをさらに含んでいてもよい。
【0034】
本明細書において開示されている送達デバイスによって、および本明細書において開示されている方法において送達され得る組成物が、本明細書において開示されている。ある態様において、組成物は、少なくとも雄の精子を含んでいてもよい。ある態様において、組成物は、少なくとも1つの治療剤を含んでいてもよい。ある態様において、組成物は、少なくとも1つの活性薬剤を含んでいてもよい。組成物は、医薬組成物および製剤をさらに含んでいてもよい。
【0035】
本開示は、1つまたは複数の開示されている送達デバイスを含むキットを提供する。本開示は、ハンドル、組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、出口ポートおよび場合によりエンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、ならびに、それらのための流体接続を含む、開示されている送達デバイスを含むキットを提供する。送達デバイスは、コンポーネント、例えば、チャンバーを含んでいてもよく、ここで、組成物送達カテーテルと拡張カテーテルが隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテルを形成する。送達デバイスは、1つまたは複数のカテーテルを動かすための、および/または1つまたは複数のカテーテルを圧迫するためのコンポーネントをさらに含んでいてもよい。キットは、開示されているデバイスの使用および/または組み立てのための説明書をさらに含んでいてもよい。キットは、拡張が望まれる場合、エンド構造を膨張させるための拡張シリンジをさらに含んでいてもよい。よって、キットは、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を膨張させるための要素を供給するために、開示されているデバイスと流体接合を形成し得るシリンジをさらに含んでいてもよい。キットは、哺乳動物の産科または婦人科的状態を診断または処置するための、1つまたは複数の組成物を含んでいてもよい。キットは、送達デバイスの動作のために有用な1つまたは複数の組成物、例えば、滅菌生理食塩水を含んでいてもよい。キットは、開示されている送達デバイスおよび/または上記のキットコンポーネントを、一体型の滅菌パッケージングで、または分離型の滅菌パッケージングで個別に提供してもよい。
【0036】
例示的なデバイス、方法、システム、組成物およびキットは、図面に示されている要素およびコンポーネントによって理解することができる。本出願の図面で使用される場合、類似する数字は、類似する要素に使用される。本明細書で使用される場合、近位は、デバイスの使用者により近い、例示的なデバイスの組成物送達容器プランジャーの端部103(
図1を参照のこと)へと向かう方であり、遠位は、使用者から離れる、例示的なデバイスの挿入チューブの末端の先端部122(
図1を参照のこと)に向かう、またはそれを越える方向である。
【0037】
図1は、本開示の例示的なデバイス100を示す。ハンドル101、組成物送達容器プランジャー102および挿入チューブ105が示されている。ハンドル101は、容器(これはシリンジボディーであり得る)を含む組成物送達容器127を収容し、ここで、組成物送達容器プランジャー102は、摺動可能に配置され、組成物送達容器127の組成物容器シリンジボディーの近位開口を可動的に封鎖する。ハンドル101の近位には、組成物送達容器プランジャーの近位端103、および組成物送達容器プランジャーステム104の一部が見られる。組成物送達容器プランジャーの残部は、組成物送達容器127(これはハンドル101の中にある)の中に摺動可能に配置されており、ウィンドウ114を通して部分的に見えている。場合により、組成物送達容器127は、組成物送達容器プランジャーステム104がウィンドウ114を通して見ることができるように、少なくとも十分に透明である。場合により、数字などの標識115が、ウィンドウ114の垂直なサイドの一方または両方に、正中線と並行に配置される。場合により、デバイスの組成物送達カテーテルの中に組成物が収容された際の組成物量の表示を補助するために、またはプランジャー102の末端が動いた距離を表示するために、ウィンドウ114においてスライディングマーカー180を見ることができる。
【0038】
オプションの拡張シリンジ106が、拡張シリンジボディー108から近位に伸びている拡張シリンジプランジャー107と共に示されており、ここで、拡張シリンジボディー108は、その遠位端で、シリンジアタッチメント110に接続されており、例えばルアーロック結合ペアによって、拡張インレットポート109の近位端に接続されている。拡張シリンジプランジャー107は、拡張シリンジボディー108の開口近位端108aを、可動的に封鎖する。拡張シリンジボディー108の遠位コネクター端(図示されていない)は、拡張インレットポート109の内部で、拡張カテーテル228(
図2に示されている)に流体接続している。拡張インレットポート109は、サイドケーシング101aの突出(およびサイドケーシング101b(図示されていない)の対応する突出)によって形成される。示されているように、シリンジアタッチメント110は、拡張シリンジボディー108と拡張インレットポート109を結合し、シリンジボディー108と拡張カテーテル228の間の流体接続を形成するコネクターとして、ルアーロックを含む。拡張シリンジ106は、空気もしくは気体、または生理食塩水もしくは水などの液体であらかじめ満たされていてもよい。例えば、拡張シリンジボディー108と拡張カテーテル228の流体接続を形成するために、拡張インレットポート109は、メスルアーロックを含んでいてもよく、拡張シリンジボディー108は、オスルアーロックを含んでいてもよい。
【0039】
場合により、拡張シリンジ106は、シリンジロック144を含んでいてもよく、シリンジロック144は、拡張シリンジボディー108の中で、拡張シリンジプランジャー107を、その最遠位方向にロックし、よって、エンド構造125、例えば、空気で膨張させたバルーンを、完全に伸びた状態に維持する。シリンジロック144は、拡張シリンジボディー108の開口近位端108aの外側に取り付けられそれを取り囲むエンドピース149を含んでいてもよい。エンドピース149の外側端部上で180度の間隔で離れている2つの指ピンチクランプ146aおよび146b(図示されていない)が、エンドピース149に可動的に取り付けられている。1つの指ピンチクランプだけが、
図1に示されている。各指ピンチクランプ(146aまたは146b(図示されていない))は、形状が概して長方形であり、2つの短辺と2つの長辺を有し、エンドピース149から見て外を向いた外側表面とエンドピース149を向いた内側表面を有している。指ピンチクランプ(例えば、146a)は、指ピンチクランプの内側表面上の中央部で、エンドピース149に可動的に結合している。ピンチクランプ146aの片側の短い端部は、指押し下げゾーン150aを含み、反対側の短い端部は、可動性ピンサー145aを含む。ピンチクランプ146bは、同様に、指押し下げゾーン150bおよび可動性ピンサー145bを含む(図示されていない)。両方の指ピンチクランプ(146aおよび146b)の指押し下げゾーン150aおよび150bに同時に圧力を加えることによって、各可動性ピンサー145aおよび145bが外向きに動かされる。可動性ピンサー145aおよび145bが外向きに動かされると、拡張プランジャー107が完全に拡張シリンジボディー108の中に摺動可能に配置され、拡張プランジャーヘッド147がピンサーアーム145aと145bの間になるように、拡張プランジャーヘッド147が遠位方向に動かされ得る。指押し下げゾーン150aおよび150bに対する圧力を取り除くことによって、可動性ピンサー145aおよび145bは、内向きに動かされ、その第1の位置に戻り、拡張プランジャーヘッド147が2つのピンサーの中に固定され、よって、拡張プランジャー107のさらなる動きが防止される。例示的なシリンジロック144は、米国意匠特許出願(Design Patent Application)第29/709130(これは、その全体が本明細書に援用される)に示されている。
【0040】
シリンジロック144は改変されてもよい。例として、図示していないが、代替的な150a押し下げゾーンおよび150b押し下げゾーンは、それぞれ、長方形の形状の平坦なレバーアームへと伸長し、代替的な150aレバーアームおよび150bレバーアームのそれぞれが、ピンサーアーム145aおよび145bと整列し、かつそれらから離れて伸びるように配置され得る。シリンジボディー108に向かって押し込まれるか、または動かされた場合、代替的な150aレバーアームおよび150bレバーアームは、ピンサーアーム145aおよび145bを外向きにかつプランジャー107から離れるように動かすための、より大きい表面およびレバーアクションを生じさせる。この位置において、プランジャーの端部107は、開いたピンサーアーム145aと145bの間で、その最遠位位置に動かされ得る。代替的な150aレバーアームおよび150bレバーアームが解放された場合、プランジャーの端部107は、ピンサーアーム145aおよび145bによって「トラップされ」、かつ静止状態に保持され、よって、送達デバイスまたはシステムの中に拡張媒体が移動できないように、シリンジ108のための「ロック」が実現される。
【0041】
このようなシリンジロック144を拡張シリンジ108およびプランジャー107と共に使用することによって、止めコックを使用することなく、カテーテルエンド構造の膨張を制御することが可能になる。例えば、拡張媒体が拡張カテーテル中で移動することを防止するための拡張チューブ内のシリンジロックもしくは止めコックまたは他の妨害物なしで使用している間、拡張シリンジに接続されたカテーテルルーメンに付いている膨張したエンド構造(バルーンなどの)は、拡張シリンジに向かって逆向きの圧力を生じさせ、それが拡張シリンジプランジャーを近位方向に押し、よってエンド構造の膨張したサイズを減少させ得る。エンド構造内の空気または流体の喪失による、このエンド構造のサイズの減少によって、送達されている組成物が送達標的部位から流れてゆくことが可能になり得る。例えば、開示されているデバイスのデュアルルーメンカテーテルのエンド構造は、子宮角の壁と、卵管の近位口とエンド構造とによって隔離された領域が形成されるように、子宮角に一時的なバリケードを形成するように設計される。送達された組成物は、この空間中に、子宮角に、および卵管の近位口に堆積し、そして、可能性として、堆積した組成物の少なくとも一部は、卵管内に流れ込み、および/またはその子宮角に残る。エンド構造が所定の位置にあるかぎり、送達された組成物の少なくとも大部分は、その閉鎖された空間から流れ出さない、例えば、子宮の内部のより広い空間に流れ込まない。もしもエンド構造からの空気または流体の(近位方向への)逆流によって、エンド構造のサイズが減少するか、または形状が変化した場合、その特別なおよび/または貴重な送達組成物が子宮角および卵管から流出し得、意図した処置が失敗する可能性がある。開示されているシリンジロックを使用することによって、拡張シリンジプランジャーが拡張シリンジボディーから近位に押されることが防止され得、エンド構造のサイズまたは形状の減少が防止され得る。シリンジロックの使用は、送達される組成物(単数または複数)を含む処置または診断が、その意図される組成物の正確かつ実質的に完全な送達によって適切に投与されることを確実にするために役立ち得る。あるいは、操作者が、エンド構造125の形状を維持するために拡張シリンジプランジャー107に対する圧力を維持することができる。あるいは、止めコックが、拡張インレットポート109とシリンジアタッチメント110の間に配置され得る。
【0042】
何らかの特定の考え方に拘束されることを望むものではないが、送達カテーテルのエンド構造が存在することによって、部分的に閉鎖された空間がもたらされ、従ってひとたびエンド構造が子宮角の所定の位置に配置され、子宮の残りの部分への通過を防止する構造が形成されると、その部分的に閉鎖された空間が卵管の近位口で、卵管の近位口中へと開いており、かつエンド構造による部分的に閉鎖された空間の形成によって子宮腔の残りの部分への送達組成物の流入が防止されると考えられる。加えて、1つの出口(卵管の近位口)だけがある部分的に閉鎖された領域に送達組成物を供給することによって、卵管の近位口を通して卵管の少なくとも一部に送達組成物を運ぶことを助ける流体圧力が生じると考えられる。
【0043】
ハンドル101は、ケーシングを含み、また、ケーシングの2つの連結されたサイドから構築されてハンドル101を形成しそこに開口を画定し得る。
図1に示されているように、例示的なデバイスにおいて、ハンドル101は、第1のサイドケーシング101aおよび第2のサイドケーシング101b(
図1には図示されていない)を含む。第1のサイドケーシング101a、および第2のサイドケーシング101bは、形状が概して凹型であり、それぞれのサイドの端部で互いにはまり合って、中空の容器であるハンドル101を形成する。第1のサイドケーシング101aの外面上またはその中に位置する、
図1に示すハンドル101の要素は、第2のサイドケーシング101bの外面上またはその中に複製(replicated)されて同様に配置されているか、または第2のサイドケーシング101bと相互作用しており、理解を容易にするために、第2のサイドケーシング101b上の要素は、例示的なデバイスに存在してはいるが
図1に図示されておらず、これらのコンポーネントは、以下の説明全体にわたって、aとbのペアにおいては言及しない。第1のサイドおよび第2のサイド(101aおよび101b)の両方において反復(repeat)されている要素としては、ウィンドウ114、標識115、スライディングマーカー180、指スライド116、およびスロット117があげられ、ハンドル101の内部においては、各指スライドをカテーテルスライドに接続するスライダープロング244である。これらの要素が反復(repeat)されており、かつ一方のサイドだけが示されているため、一般に、2つの同一の要素が存在する場合、示されているサイドが「a」であり、示されていないサイドが「b」である。他のケースにおいて、要素の一部が「a」と呼ばれることがあり、例えば組成物送達カテーテルが224aと呼ばれ、デュアルルーメンカテーテル(これは、組成物送達カテーテル224aであるルーメンを含んでいる)が224と呼ばれることがある。
【0044】
ハンドル101は、ある特定の要素を形成するように成形されている。指グリップ111は、ハンドル101の近位端112に配置されており、第1のケーシング101aと第2のケーシング101bの接合によって形成されていてもよい。近位ハンドル開口部113は、第1のケーシング101aと第2のケーシング101bの結合によって形成され得る開口であり、この結合は、2つの半円形の切り欠き(1つは第1のケーシング101aにあり、1つは第2のケーシング101bにある)を接続し、結合した場合に、円形の開口である近位ハンドル開口部113を形成する。ケーシングサイドの切り欠きおよび接合の類似の構造は、ハンドル101の遠位端に見られ、遠位ハンドル開口部118を形成し、それを通して挿入チューブ105が移動する。挿入チューブ105は、開口近位端(
図2の205a)が遠位ハンドル開口部118を通して挿入されているホローチューブであり、ハンドル105の内部で結合されており、先端部122を形成する閉じた遠位端を有する。先端部122から近位方向に隣接して離された、挿入チューブ105は、カテーテル出口ポート123を画定し、これは、挿入チューブ105とハンドル101を通して中央に引かれる軸線の中心を外して配置される。場合により、カテーテルスリーブ(図示されていない)(これはホローチューブである)が、挿入チューブ105の内部の全体または一部の中を通して配置されていてもよい。カテーテルスリーブが存在する場合にはカテーテルスリーブの中にデュアルルーメン組成物送達カテーテル124が存在してもよく、またはカテーテルスリーブが存在しない場合には挿入チューブ105の中にデュアルルーメン組成物送達カテーテル124が存在してもよい。
【0045】
近位ハンドル開口部113は、組成物送達容器プランジャー102が組成物送達容器ボディー127(ハンドル101の内部に配置されている)に近位方向および遠位方向に出入りして摺動可能に動くことを可能にして、組成物がデュアルルーメンカテーテル124の出口ポート126の中に取り込まれたりそこから出されたりするようにする。(
図2に示す)組成物送達容器127(
図2にシリンジボディーとして示す)は、ウィンドウ114a(これは、指グリップ111とスロット117aの間に、ハンドル101の中心線に沿って配置されている)を通して部分的に見え得る。1つまたは複数の標識115aは、ウィンドウ114aの側面上に配置されていてもよい。場合により、ウィンドウ114aは、スライディングマーカー180aを含んでいてもよく、スライディングマーカー180aは、ウィンドウ114aの外側に沿って近位方向または遠位方向に動くことができ、かつ、組成物を出口ポート126を通して組成物送達カテーテル224a デュアルルーメンカテーテル124のルーメンの中に運ぶ際に組成物送達容器プランジャー102の遠位端が動く位置に動かされる。このスライディングインジケーターコンポーネントは、組成物送達カテーテル224aに含まれている組成物の量または組成物容器プランジャー102の遠位端の位置を示すために使用され得る。指スライド116aは、ハンドル101の中心軸上にウィンドウ114aの遠位に配置され、かつスロット117aの中を、近位から遠位方向、およびその逆の遠位から近位方向に動くことができる。
【0046】
遠位ハンドル開口部118は、ケーシング101aと101bの結合によって形成され、挿入チューブ105が、ハンドル101の中心軸に沿ってハンドル101の内部から外向きに遠位に移動することを可能にする。挿入チューブ105は、デプスストップ119および1つまたは複数の挿入チューブの標識121(これは、
図1に示される標識よりも多くの標識または少ない標識を含んでいてもよい)を含んでいてもよい。先端部122(これは、非侵襲的(atraumatic)な先端部であってもよい)は、挿入チューブ105の遠位端に配置されている。カテーテル出口ポート123は、先端部122に近接して配置されており、先端部122から近位方向に離されており、挿入チューブ105の中心軸から外れている。デュアルルーメンカテーテル124は、2つのルーメンを含み、第1のルーメンは、組成物の吸入または排出のための組成物送達カテーテル224aのルーメンであり、第2のルーメンは、エンド構造125を満たすための拡張(空気、気体または他の流体)カテーテル228としてのルーメンであり、カテーテル出口ポート123から出るように示されている。デュアルルーメンカテーテル124は、エンド構造125および出口ポート126(これは、組成物送達カテーテル224aの遠位端である)を含む。
【0047】
図2は、本開示の例示的なデバイス200の内部コンポーネントを示す。ハンドル201は、ケーシングの第1のサイドを取り除いて示されており、内部コンポーネントは、ケーシングサイド201b(これは、第1のケーシング101a(
図1に示されている)と一緒になって完全なハンドル201を形成する)の内部に存在している。挿入チューブ205の近位端205aが
図2に示されており、遠位ハンドル開口部218を通してハンドル201から遠位に伸びている。拡張インレット209は、ハンドル201bの突出(およびハンドル201a(図示されていない)の対応する突出)によって形成され、拡張カテーテル228(これは、
図4Aおよび4Bにより詳細に示す)の近位端、およびシリンジアタッチメント210を含む。
【0048】
ハンドル201の内部のコンポーネントは、組成物送達容器227(これは、シリンジボディーとして示されている)を含み、その中に、組成物送達容器プランジャー202が、シリンジ近位端248を通して摺動可能に配置されている。組成物送達容器プランジャー202は、組成物を組成物送達カテーテル224a デュアルルーメンカテーテル224の出口ポート126のルーメン(
図1に示されている)の中に引き込むように、近位方向に動くことができ、また、組成物を組成物送達カテーテル224a デュアルルーメンカテーテル224の出口ポート126のルーメンの外に押し出すように、遠位方向に動くこともできる。組成物送達カテーテル224aは、組成物送達容器遠位端229に接触して結合しており、かつ組成物送達容器227の内部と流体接続しており、
図3Aおよび3Bにより詳細に示されており、以下に論じる。
【0049】
カテーテルチャンバー230において、組成物送達カテーテル224aおよび拡張カテーテル228は、互いに隣接し、デュアルルーメン組成物送達カテーテル224を形成している。デュアルルーメン組成物送達カテーテル224の近位部分は、カテーテルチャンバー230を出て、挿入チューブ205の内部の近位端205aに入るように示されている(または、挿入チューブ205の内部に配置されているカテーテルスリーブ(図示されていない)の中に入る)。
【0050】
再び
図1および2を参照して、デュアルルーメン組成物送達カテーテル224の近位方向または遠位方向の動き(それによって、出口ポート126は、カテーテル出口ポート123から離れるように、またはカテーテル出口ポート123に向かって動く)は、スロット117aに沿って摺動自在に動くスライダー116a(これは、デバイス200の第1のサイドおよび第2のサイド(図示されていない)のそれぞれの中心軸に沿って配置されている)によって引き起こされる。第2のサイドにもあるが、第1のサイドだけについて述べると、指スライド116aは、外部側および内部側を含み、ここで、内部側は、スロット117aに隣接している。スライダー116aの内部側は、スライダープロング281a(これは、カテーテルスライド243から概して上向きに垂直に伸びている)に結合している。ケーシングサイド201bの外側に配置されているスライダー116b(図示されていない)に結合し、かつスロット117b(これは、ケーシングサイド201bによって画定された開口である)の中を動くことができる複製の(replicate)スライダープロング281bが、図示されていないが、存在する。スライダープロング281bは、カテーテルスライド243の、
図2に示されているサイドとは反対側のサイドから、概して下向きに垂直に伸びている。カテーテルスライド243は、カテーテルスライド243の第1のサイドに結合し、上向きに垂直に伸びているスライダープロング281aを有しており(
図2に記載されている)、カテーテルスライド243は、また、カテーテルスライド243の第2のサイドに結合し、(
図2の位置に対して)下向きに垂直に伸びている第2のスライダープロング281bも有している(
図2に図示されていない)。スライダー116aまたは116bのいずれかを、中心軸に沿って、近位位置から遠位位置に動かすことによって、カテーテルスライド243が、中心軸に沿って、ハンドル201の内部を近位位置から遠位位置に動かされる。カテーテルスライド243を近位方向または遠位方向に動かすことによって、カテーテルチャンバー203が動かされ、それによって、組成物送達カテーテル224a、拡張カテーテル228、およびデュアルルーメン組成物送達カテーテル224のいずれもまた動かされる。スライダー116aまたは116bを遠位方向に動かしてカテーテルチャンバー230を遠位方向に動かすことによって、デュアルルーメンカテーテル224の出口ポート126が、カテーテル出口ポート123から離れるように、かつ挿入チューブ205から離れるように、接線(tangential)方向に外向きに動かされる。スライダー116aまたは116bを近位方向に動かしてカテーテルチャンバー230を近位方向に動かすことによって、デュアルルーメン組成物送達カテーテル224の出口ポート126が、カテーテル出口ポート123に向かって、かつ挿入チューブ205に向かって、接線方向に内向きに動かされる。
【0051】
ケーシング201bの内部に示されケーシング201bの内部から形成されている構造は、本明細書において論じられているコンポーネントに安定性および支持を提供し得る。ラチェット歯止め(Rachet and pawl)コンポーネント273は、組成物送達容器プランジャーステム204上に設けられた歯と相互作用する1つまたは複数の可動性の歯止めを含み、従って組成物送達容器プランジャーステム204が慎重に近位または遠位に動かされた際に操作者がその動きを聞き取る、および/または感じ取ることができる。
【0052】
図3Aは、組成物送達カテーテル324aの一部の部分図を示し、
図3Bは、デバイス300のハンドル301の内部における組成物送達カテーテル324aの配置を示す。
図3Aに示すように、組成物カテーテル324aは、組成物カテーテル324aの一部の遠位端329(これは、
図1の出口ポート126と流体接続している)から始まり組成物カテーテル324aの全長の約1/4~1/3だけ近位に向かう、より小さい径の領域374を有しており、その近位により大きい径の領域331が続いている。ある態様において、組成物送達カテーテル324aは、遠位から近位方向に、より小さい径のルーメンからより大きい径のルーメンになる、多径ルーメンカテーテルである。組成物送達カテーテル324aは、送達される組成物を含有していてもよい。送達される組成物の量は一般に少量(これは、約0.33mL~約1.5mL、または約0.33mL~約1mL、または約0.5mL~約1mL、または約0.5mL~約1.5mLの範囲、および/またはそれらの間の全ての範囲であり得る)であり、かつ貴重または唯一であり得るので、組成物全体が組成物送達容器227(
図2を参照のこと)に入らないことが望ましく、最適には、組成物は、組成物送達容器227にほとんど、または全く入らないことが望ましい。より小さい径の領域374は、内径が、約0.025インチ~約0.060インチ未満;または約0.030インチ~約0.060インチ未満;または約0.035インチ~約0.060インチ未満;または約0.040~約0.050インチ;または約0.030インチ~約0.060インチ未満;または約0.040~約0.060インチ、および/またはそれらの間の全ての範囲であり得る。より大きい径の領域331は、内径が、約0.060インチ超~約0.080インチ;または約0.062インチ~約0.080インチ、または約0.064インチ~約0.075インチ;または約0.066インチ~約0.080インチ、または約0.068インチ~約0.080インチ、または約0.070インチ~約0.080インチ、または約0.060インチ~約0.070インチ、および/またはそれらの間の全ての範囲であり得る。
図3Aは、組成物カテーテル324aの折り畳みの例示的な図であり、本開示の組成物送達カテーテルの長さ、折り畳み、または曲率について限定することを意図するものではない。
図3Bは、ケーシングサイド(例示的な送達デバイス300の301bとして示されている)の内部における組成物カテーテル324aの配置を示す。カテーテルチャンバー330も示されており、そこで、組成物送達カテーテル324a(黒く塗られている)と拡張カテーテル328が出会ってデュアルルーメン組成物送達カテーテル324を形成しており、その一方のルーメンは、出口ポート126を形成する組成物送達カテーテル324aであり、エンド構造125を膨張させるための拡張カテーテル328のルーメンである。
図5も参照のこと。
【0053】
図4Aは、近位端442から部位441(ここは、カテーテル428がカテーテルチャンバー430に入る場所である(4B参照))までの拡張カテーテル428の一部の部分図を示し、
図4Bは、デバイス400のハンドルケーシング401bの内部における拡張カテーテル428のこの部分の配置を示す。拡張カテーテル428は、(デュアルルーメンカテーテル424の一部としての)エンド構造125とカテーテルチャンバー430を通して流体接続している連続したカテーテルチューブであり、拡張カテーテル428のエリア441を含み、かつ442に続き、かつシリンジコネクション410および拡張シリンジボディーと流体接続している。近位端442は、シリンジアタッチメント410と流体接続しており、これにより、拡張シリンジ106(
図1に示されている)がシリンジアタッチメント410の近位側に接続された場合、空気または液体が、拡張カテーテル428の中に入り、および外に出るように移動することができる。例えば(
図1を参照のこと)、エンド構造125がバルーンである場合、拡張シリンジボディー108の中に収容されている空気、気体または液体は、拡張プランジャー107によって、拡張シリンジボディー108から、拡張カテーテル428の中に動かされ、ついでエンド構造125の中に動かされる。拡張プランジャー107を逆に動かす(拡張プランジャー107を近位方向に動かす)ことによって、空気、気体または流体を、拡張カテーテル428を通して、エンド構造125から回収することができ、その結果、エンド構造125(例えば、バルーン)は、しぼむ、または縮む。
図4Aは、拡張カテーテル428の一部の折り畳みの例示的な図であり、本開示の拡張カテーテルの長さ、折り畳み、または曲率について限定することを意図するものではない。
図4Bは、ハンドルケーシングサイド(401bとして示されている)の内部における拡張カテーテル428の配置を示す。カテーテルチャンバー430も示されており、そこで、組成物送達カテーテル424aと拡張カテーテル428(黒で示されている)が、隣接して(すなわち、外部側と外部側で)出会い、デュアルルーメン組成物送達カテーテル424を形成する。
【0054】
図5は、カテーテルチャンバー530の内部、ならびに送達カテーテル524aおよび拡張カテーテル528を示す。デュアルルーメン送達カテーテル524は、組成物送達カテーテル524aのルーメン、および拡張カテーテル528のルーメンを含む。拡張媒体、例えば、空気、気体または生理食塩水は、拡張シリンジ106から、拡張カテーテル528を通して、エンド構造125(
図1に示されている)の中に供給され得る。
図5に示されているように、デュアルルーメン組成物送達カテーテル524は、組成物送達カテーテル524aである第1のルーメン、および拡張カテーテル528である第2のルーメンを含む。
【0055】
本発明の送達デバイスは、送達デバイスの使用による最適な結果に役立つ制御コンポーネントを含んでいてもよい。ある態様において、本明細書において開示されている送達デバイスは、1つまたは複数のセーフティーコンポーネントを含み、これは、バルーンなどのエンド構造を膨張させる前に、挿入チューブのカテーテル出口ポートからデュアルルーメンカテーテルを前進させるために役立ち得る。例示的なセーフティーコンポーネントは、
図6A~6Dに示されている。
図6Aにおいて、代替的な拡張カテーテル628の一部が示されており、肥大セクション660、近位端642および遠位位置641が含まれる。肥大セクション660は、近位端642から遠位であり、そこから離れている。
図6Bは、ケーシングサイド(例示的な送達デバイス600の601bとして示されている)の内部を示し、指スライド616は所定の位置にあり(および、トップケーシングは存在しておらず)、指スライド616aは、その最遠位位置にある。セーフティーロック661(これは、カテーテルスライド643からのロッド様の延長部である)は、カテーテルスライド643に結合している。また、リブ662も示されており、この上に、拡張カテーテル628の肥大セクション660が配置されている。参考のために、カテーテルチャンバー630、拡張シリンジ606、および組成物送達容器627も示されている。
【0056】
図6Cは、デバイス600の内部の透視図を示し、コンポーネントは、1つのケーシング601bの中に示されており、指スライド616aは所定の位置にあり(および、トップケーシングは存在しておらず)、および指スライド616aは、その最遠位位置にある。セーフティーロック661(これは、カテーテルスライド643からのロッド様の延長部である)は、カテーテルスライド643に結合している。また、リブ662も示されており、この上に、拡張カテーテル628の肥大セクション660が配置されている。参考のために、カテーテルチャンバー630、拡張シリンジ606、および組成物送達容器627も示されている。
[0001]
図6Dは、送達デバイス600の内部の一部の拡大図を示し、コンポーネントは、1つのケーシング601bの中に示されており、指スライド616aは所定の位置にあり(および、トップケーシングは存在しておらず)、および指スライド616は、その最近位位置にある。セーフティーロック661(これは、カテーテルスライド643からのロッド様の延長部である)は、カテーテルスライド643に結合しており、これが、指スライド161のその最近位位置への動きによってセーフティーロック661を動かし、拡張カテーテル628の肥大セクション660と接触するようにしている。拡張カテーテル628の肥大セクション660は、リブ662の上に配置されている。肥大セクション660に接触した状態で、セーフティーロック661は、肥大セクション660をリブ662に対して押し付けることによってカテーテル628のルーメンを圧迫して、拡張流体、空気、気体または液体がルーメンをほとんどまたは全く移動できないようにする。このセーフティーコンポーネントによって、デュアルルーメンカテーテルが挿入チューブから伸ばされているときにのみエンド構造125(
図1)が膨張することが確実になり、そのときとは、指スライド616a(または616b(図示されていない))がその最遠位位置にあり、カテーテルスライド643をより遠位位置に押し、デュアルルーメン出口ポート126が挿入チューブから離れるように動かされたときである。参考のために、カテーテルチャンバー630、拡張シリンジ606、および組成物送達容器627も示されている。
[0002]
エンド構造125の拡張を制御するための代替的なコンポーネントを
図7Aおよび7Bに示す。
図7Aに、代替的な拡張カテーテル728の一部が示されている。代替的な拡張カテーテル728は、代替的な拡張カテーテル728の近位端742の近位に配置されている肥大セクション760を含む。代替的な拡張カテーテルは、遠位方向に、エリア741を通して、カテーテルチャンバー730の中に続き、そこで、組成物送達カテーテルと隣接して接合し、デュアルルーメンカテーテル724を形成する。
図7Bにおいて、拡張カテーテル728を圧迫し、拡張カテーテル728を通した拡張シリンジからの拡張媒体の移動を妨げる、レバー771からの下向きの圧力によって、拡張シリンジから拡張カテーテル728の中への拡張媒体の移動が妨げられる。
図7Bに示されている場合には、レバー771は動かされておらず、拡張カテーテル728を圧迫していない。レバー771は、拡張カテーテル728の肥大部760を覆うフレキシブルな遠位端771aを含む。カテーテルスライド730の移動を制御する指スライド116aまたは116bは、図示されていない。
図7Bにおいて、カテーテルスライド730は、その最遠位位置に示されており、カテーテルスライド730の近位端からのブレード形の延長部であるレバーコントロール770を含む。
図7Bにおいて、レバーコントロール770は、レバー771に接触していない。カテーテルスライド730が近位方向に動かされた場合、レバーコントロール770は、レバー771の遠位端771aの上を覆うようにスライドし、その結果、遠位端771aが拡張カテーテル728の肥大部760を圧迫し、それによって、拡張カテーテル728を通した拡張媒体の通過が妨げられる。カテーテルスライド730が遠位位置に動かされた場合、出口ポート126は、挿入チューブ105(
図1を参照のこと)から離れるように接線方向に動く。この遠位位置にカテーテルスライド730が移動した場合、レバーコントロール770は、レバー771から離れるように遠位に動き、レバー771の遠位端771aとはもはや接触せず、また、拡張カテーテル728は圧迫されない。それから拡張媒体がエンド構造125に供給され得る。
【0057】
本明細書において開示されているデバイスは、送達されるべき組成物の実質的に全てがデバイスから意図する標的部位に送達され、かつデバイス自体の内部に顕著な量の組成物が残ることによる組成物の損失が最小限であるかまたは全くないように、機能する。ある態様において、最大で100%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約99%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約98%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約97%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約96%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約95%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約94%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約93%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約92%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約91%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、約90%の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、85%超の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、87%超の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、80%超の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。ある態様において、75%超の組成物が、開示されているデバイスおよび/または方法によって送達される。
【0058】
ある態様において、組成物を標的部位に供給する方法は、標的部位を、本明細書において開示されている送達デバイスによって標的部位に送達される組成物と接触させることを含む。方法は、標的部位を組成物と接触させる前に行われるステップ、例えば、組成物を、デュアルルーメンカテーテル124の出口ポート126と接触させること、および、組成物の少なくとも一部を、出口ポート125を通して組成物送達カテーテル224a デュアルルーメンカテーテル124のルーメンの中に引き込むために、組成物容器シリンジ102を近位方向に動かすことを含んでいてもよい。
【0059】
ある態様において、本明細書において開示されている方法は、本明細書において開示されている送達デバイスのデュアルルーメンカテーテル124の出口ポート126を、送達される組成物に接触させることを含む。デュアルルーメンカテーテル124の出口ポート126は、組成物送達カテーテル224aの遠位端であり、デュアルルーメンカテーテル124の他方のルーメンは、出口ポート126ではなくエンド構造125と流体接続しているだけである。よって、デュアルルーメン組成物送達カテーテルの出口ポートを組成物と接触させること、および組成物送達容器プランジャー102を近位方向に動かすことによって、所望の量の組成物が、組成物送達カテーテル224aである、例えば、遠位部分の径がより小さく近位部分の径がより大きい本明細書において開示されているカテーテルである、デュアルルーメンカテーテル124のルーメンの中に引き込まれる。デュアルルーメンカテーテル124によって出口ポート126を介して送達デバイスを満たすこと(組成物を送達デバイスの中に運ぶこと)、および、その組成物を組成物送達容器127の中に残留させないことによって、開示されている送達デバイスは、所望の量の組成物の実質的に全てを標的部位に供給し得る。例えば、組成物は、精子を含む。デュアルルーメンカテーテル124の出口ポート126は、精子組成物と接触し、次に、組成物送達容器プランジャー102が近位に動く(これは、組成物送達カテーテルからデュアルカテーテル124の出口ポート126までのルーメン全体に吸引力を生じさせる)ことによって、組成物全体が、組成物送達カテーテル224a デュアルルーメンカテーテル124のルーメンの中に引き込まれる。組成物送達容器プランジャー102が、その後に遠位方向に動かされた場合、精子組成物の中の実質的に全ての精子が、デュアルルーメンカテーテル124の出口ポート126から放出される。
【0060】
本明細書において、ハンドル 組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、エンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、デュアルルーメンカテーテルを挿入チューブから外向きにおよび挿入チューブに向かって内向きに動かすためのコンポーネント、場合により、エンド構造を拡張させるためのコンポーネント、ならびに、それらのための流体接続を含む組成物送達デバイスを準備することを含む、組成物を標的部位に送達する方法が開示されている。
【0061】
組成物を標的部位に送達するための方法は、以下のステップを含む。
【0062】
標的部位を、ハンドル 組成物送達容器およびそのプランジャー、挿入チューブ、エンド構造を含むデュアルルーメンカテーテル、デュアルルーメンカテーテルを挿入チューブから外向きにおよび挿入チューブに向かって内向きに動かすためのコンポーネント、場合により、エンド構造を拡張させるためのコンポーネント、ならびに、それらのための流体接続を含む送達デバイスから送達された組成物と接触させること。この方法は、配偶子、精子、卵子、胚、接合子、治療剤、生物学的薬剤、放射線画像化剤、音波画像化剤、活性薬剤、および/またはそれらの組合せの1つまたは複数を含む医薬組成物を含む組成物をさらに含む。この方法は、標的部位が、哺乳動物の子宮角、および卵管の近位口であること、をさらに含む。送達デバイスが、哺乳動物対象の所定の位置に、決められた期間にわたって置かれた後、送達デバイスは、対象から取り除かれてもよい。あるいは、対象から取り除かれる前に、送達デバイスは、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートが、第2の標的部位の所定の位置になるように動かされてもよい。例えば、第2の標的部位は、他方の子宮角または卵管近位口であってもよい。送達デバイスに残っている組成物の少なくとも一部を、第2の標的部位に接触させる。さらなるステップは、送達デバイスを哺乳動物対象から取り除くことを含んでいてもよい。
【0063】
接触ステップの前のステップは、以下のステップを含んでいてもよい。1)a)デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを、容器中の液体組成物などの組成物の中に挿入すること;b)組成物送達容器プランジャーを、近位方向に動かすこと(これは、組成物を、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートの中に、およびそれを通して組成物カテーテルのルーメンの中に引き込む吸引力を生じさせる);c)場合により、a)の前に、指スライドを遠位方向に動かす(これは、カテーテルキャリアを遠位方向に動かし、それが、デュアルルーメンカテーテルを遠位方向に動かし、かつデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを挿入チューブのカテーテル出口ポートから離れるように動かす)ことによって、出口ポートを、挿入チューブから外向きに動かしてもよく、および、組成物の取り込みを容易にするためにこのデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを動かすステップが実行された場合、指スライドを近位方向に動かし、それが、次に、カテーテルスライドを近位方向に動かし、それが、デュアルルーメンカテーテルを近位方向に動かし、それが、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを挿入チューブのより近くに動かすことによって、出口ポートを挿入により近い位置に戻す補償ステップを実行してもよい、を含む、送達デバイスに、組成物を充填するまたは満たすステップ。2)送達デバイスの挿入チューブが、a)哺乳動物対象の子宮頸部を通して、本明細書の送達デバイスの挿入チューブを、挿入チューブの先端部が対象の子宮底に接触するまで挿入することによって実現されることを含む、送達デバイスを哺乳動物対象の中に挿入するステップ。挿入チューブの先端部が子宮底の所定の位置に配置されたら、デュアルルーメンカテーテル遠位端(これは、出口ポートおよびエンド構造を含む)が伸ばされ得る。3)a)カテーテルキャリアを遠位方向に動かし、それが、デュアルルーメンカテーテルを遠位方向に動かし、その結果、デュアルルーメンカテーテルの遠位端(出口ポートおよびエンド構造を含む)が、挿入チューブから離れるように、接線方向に、標的部位に向かって、かつその中に動くように、指スライドを遠位方向に動かすこと、を含む、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートおよびエンド構造が標的部位に位置するように、挿入チューブからデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを伸ばすステップ。4)デュアルルーメンカテーテル上に存在するエンド構造を拡大または膨張させるステップは、拡張シリンジプランジャーを遠位方向に動かし、拡張媒体を拡張シリンジボディーから押し出すことを含み、ここで、拡張シリンジボディーは、拡張媒体であらかじめ満たされていた。先行するステップは、取り付けコンポーネント、例えばオス/メスルアーロックが結合し、拡張媒体を含む拡張シリンジボディーと、送達デバイスの拡張カテーテルとの間の流体接続を形成するように、拡張媒体および拡張シリンジプランジャーを含む拡張シリンジを、本明細書において開示されている送達のハンドルの拡張インレットポートに接続することを含んでいてもよい。拡張シリンジを満たすステップは、拡張シリンジのデバイスへの取り付けに先行していてもよく、このステップは、拡張シリンジの遠位端を拡張組成物の中に配置すること、および拡張媒体をシリンジボディーの中に吸い込むために拡張シリンジプランジャーを近位方向に動かすことを含む。シリンジをカテーテルに取り付けるためのコンポーネントは、当業者に知られており、そのような知られている取り付けコンポーネントは、本発明において意図されており、例示されているルアーロック取り付けコンポーネントを置き換え得る。拡張シリンジプランジャーが、その最遠位位置への移動を完了したら、シリンジロックが係合し、拡張プランジャーヘッドをその遠位位置に安定的に保持してもよい。本明細書において開示されている拡張シリンジは、拡張プランジャーヘッドを遠位位置に安定的に保持するためのシリンジロックを含んでいてもよい。
【0064】
本明細書において開示されている送達デバイスは、拡張媒体が、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を満たすこと/膨張させることを防ぐ制御コンポーネント、およびデュアルルーメンカテーテルのエンド構造の膨張を制御するための方法を含んでいてもよい。制御コンポーネントは、肥大セクションを含む拡張カテーテルを含む。拡張カテーテルは、肥大セクションを含んでいてもよく、肥大セクションは、限定された大きさのセクションにおいて壁が厚くなっているカテーテルを含んでいてもよく、またはカテーテルの外部表面上にスリーブを含み、カテーテル上に限定された大きさの肥大セクションを形成していてもよい。1つの肥大セクションは、拡張カテーテルが送達デバイスの中に配置された場合に、その肥大セクションが送達デバイスのハンドルの1つのサイドケーシングの内部に形成されたリブを覆うように、拡張カテーテルの近位端から遠位に離れた位置に配置されていてもよい。リブは、セーフティーロック(これは、カテーテルキャリアから伸びるロッドである)から近位方向に離れている。カテーテルキャリアがその最近位の位置にある場合、セーフティーロックは、セーフティーロックとリブの間の拡張カテーテルの肥大セクションに重なり圧迫する。圧迫状態において、肥大セクションは、拡張媒体が、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造に到達することを防ぎ、よって、エンド構造の膨張は起こらない。
【0065】
デュアルルーメンカテーテルエンド構造の膨張を制御する方法は、a)セーフティーロックを含むカテーテルスライドを、その最近位の位置に動かす、または配置することを含んでいてもよく、そこで、セーフティーロックは、拡張カテーテルの肥大セクションを圧迫する。カテーテルスライドにプロングを介して結合している指スライドを動かすことによってカテーテルスライドを遠位方向に動かすことによって、肥大セクションと接触していたセーフティーロックが離れ、それによって、デュアルルーメンカテーテルエンド構造を膨張させるように、拡張シリンジプランジャーを遠位に動かし、拡張カテーテルの中に、およびそれを通して拡張媒体を押し込むことが可能になる。
【0066】
あるいは、制御コンポーネントは、レバー、および上記の肥大セクションの位置よりも近位の位置に肥大セクションを有する拡張カテーテルを有していてもよい。肥大セクションは、限定された大きさのセクションにおいて壁が厚くなっているカテーテルを含んでいてもよく、またはカテーテルの外部表面上にスリーブを含み、カテーテル上に限定された大きさの肥大セクションを形成していてもよい。レバーは、カテーテル取り付けコンポーネントの遠位の拡張カテーテルの近位端に隣接する送達デバイスのハンドルの内部に結合されている。肥大セクションは、レバーのフレキシブルな端部の下に置かれるように配置され、レバーの端部(カテーテルの上側にある)と、送達デバイスのハンドルの1つのサイドケーシングの内部に形成されたリブ(カテーテルの下側にある)との間に配置されてもよい。カテーテルスライドは、ブレード形の突出部を含み、このブレード形の突出部は、カテーテルスライドがその最近位位置にある場合に、ブレード形の突出部がレバーのフレキシブルな端部に重なり、レバーの端部が拡張カテーテルのこの肥大セクションを圧迫するようにレバーの端部を下向きに動かすように配置されている。デュアルルーメンカテーテルエンド構造の膨張を制御する方法は、a)ブレード形の突出部を含むカテーテルスライドを、その最近位の位置に動かすことを含んでいてもよく、そこで、ブレード形の突出部は、レバーの端部に重なり、レバーの端部が拡張カテーテルの肥大セクションを圧迫するように、レバーの端部を下向きに動かす。カテーテルスライドにプロングを介して結合している指スライドを動かすことによってカテーテルスライドを遠位方向に動かすことによって、レバーの端部と接触していたブレード形の突出部が離れ、それによって、レバーの端部が拡張カテーテルの肥大セクションと接触しない位置に戻ることが可能になり、それによって、デュアルルーメンカテーテルエンド構造を膨張させるように、拡張シリンジプランジャーを遠位に動かし、拡張カテーテルの中に、およびそれを通して拡張媒体を押し込むことが可能になる。
【0067】
組成物を標的部位に送達するための方法は、以下のステップを含む。
【0068】
1)ハンドルおよび挿入チューブの閉じた先端部の近位にカテーテル出口ポートを含む挿入チューブ、組成物送達容器およびそのプランジャー、その2つのルーメンの第1のルーメンとして組成物送達カテーテルを含みその第2のルーメンとして拡張カテーテルのルーメンを含むデュアルルーメンカテーテル;およびそれらのための流体接続、を含む組成物送達デバイスを準備すること:ここで、ハンドルは、
a.ハンドルの中に収容されており、組成物送達カテーテルと流体接続しており、かつ、組成物送達容器の中に摺動可能に配置された組成物送達プランジャーを有する、組成物送達容器(および、挿入チューブは、挿入チューブの中に配置されたデュアルルーメン組成物送達カテーテルを収容し、かつ、挿入チューブは、カテーテル出口ポートを含む);
b.ハンドルを形成するケーシングのそれぞれのサイドを通して形成されているスロットの中にそれぞれ摺動可能に配置されている、1ペアの指スライド(ここで、各指スライドの内側表面は、プロングを介して、ハンドルの内側に存在するカテーテルスライドに結合されている);
c.拡張カテーテルと流体接続している、拡張インレットポート(ここで、拡張カテーテルは、デュアルルーメンカテーテルのエンドデバイスと流体接続している);
を含む;
【0069】
2)指スライドを遠位方向に動かし、それが、挿入チューブのカテーテル出口ポートから離れるように、デュアルルーメンカテーテルを外向きに動かし、かつデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを外向きに動かすように、カテーテルスライドを遠位方向に動かすことによって、挿入チューブのカテーテル出口ポートを通して、またはそこから離れるように、挿入チューブの内部から外向きにデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを動かすこと;
【0070】
3)デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを開示されている組成物と接触させること、および、組成物の少なくとも一部を組成物送達カテーテルのルーメンの中に吸い込むために、組成物送達プランジャーを近位方向に動かすこと;
【0071】
4)指スライドを近位方向に動かし、それが、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートをカテーテル出口ポートに向かって内向きに動かすようにデュアルルーメンカテーテルを動かすように、カテーテルスライドを近位方向に動かすことによって、挿入チューブのカテーテル出口ポートに向かって内向きにデュアルルーメンカテーテルの出口ポートを動かすこと;
【0072】
5)デュアルルーメンカテーテルのエンド構造が、標的部位に、例えば、子宮角に、卵管の近位口に接近または隣接して配置されるように、挿入チューブの先端部(これは、非侵襲的な先端部であってもよい)が子宮底に位置し、かつ、ステップ2のようにデュアルルーメン組成物送達カテーテルの出口ポートを伸ばすように、哺乳動物の雌の子宮の中に挿入チューブを挿入すること;
【0073】
6)上記のステップの前または後に、拡張シリンジボディーが拡張カテーテルを通してデュアルルーメンカテーテルエンド構造と流体接続するように、シリンジボディーおよびその中に摺動可能に配置されたシリンジプランジャーを含み、かつ拡張媒体を含み、かつ、場合により、シリンジロックを含む拡張シリンジを、ハンドルの拡張インレットポートに接続すること;および、エンド構造が膨張し、かつ空気、気体または流体を含むように、拡張シリンジボディーから、拡張カテーテルの中に、およびそれを通して拡張媒体(空気、気体または液体)を移動させるために、拡張シリンジプランジャーを遠位方向に動かすこと;場合により、拡張シリンジプランジャーを安定化させ、移動を防ぐために、拡張シリンジプランジャーをシリンジロックと係合させること;
【0074】
7)組成物が、組成物送達カテーテルを通して、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートから出るように動き、かつ標的部位に送達されるように、組成物送達容器プランジャーを遠位方向に動かすこと;場合により、プランジャーのラチェット歯止め機構を係合させること(その結果、プランジャーの動きが、デバイスの操作者によって聞き取られる、および/または感じ取られる);
【0075】
8)場合により、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を、所定の時間、その位置に維持し、組成物を標的部位に留まらせること;
【0076】
9)シリンジロックの係合を解除し、拡張シリンジプランジャーを近位方向に動かし、デュアルルーメンカテーテルのエンド構造を収縮させること;
【0077】
10)指スライドを近位方向に動かし、それによってカテーテルスライドが近位方向に動かされることによって、デュアルルーメンカテーテルの出口ポートを、挿入チューブのカテーテル出口ポートの中、またはそれに隣接する位置に引っ込めること;
【0078】
11)哺乳動物の雌から挿入チューブを引き抜くこと。
【0079】
ステップ11の前に、デュアルルーメン組成物送達カテーテルの出口ポートが第2の標的部位に配置されるように、デバイスを180度回転させ、デュアルルーメン組成物送達カテーテルを伸ばし、必要に応じて、エンド構造を膨張させ、および組成物の少なくとも一部を第2の卵管に送達することによって、組成物の一部の送達が、第2の卵管に対して実現され得る。デュアルルーメン組成物送達カテーテルを伸ばし、エンド構造を膨張させ、組成物を送達し、エンド構造を収縮させ、デュアルルーメン組成物送達カテーテルを引き抜くための、適用可能な上記方法のステップを、雌から挿入チューブを引き抜く前に、第2の卵管のために繰り返し、次に、雌から挿入チューブを引き抜く。送達組成物を標的部位に保持するための所定の時間は、0~5分、例えば、0、1、2、3、4、または5分、またはそれらの間の任意の時間であり得る。
【0080】
卵管の病態または疾患の処置に有用な有効量の活性薬剤を含む組成物が、開示されているデバイスおよび方法と共に使用され得る。不妊の処置または改善に有用な有効量の活性薬剤を含む組成物が、開示されているデバイスおよび方法と共に使用され得る。有効量の精子を含む組成物が、開示されているデバイスおよび方法と共に使用され得る。子宮内授精(IUI)のために使用されることが知られている組成物が、開示されているデバイスおよび方法と共に使用され得る。組成物は、細胞、精子、卵子、接合子、胚またはそれらの組合せを含んでいてもよく、および/または他の化合物、分子または組織と共に含んでいてもよい。本明細書において開示されている組成物は、医薬組成物を含んでいてもよい。
【0081】
治療的または診断的処置のための方法は、有効量の治療剤を含む治療用組成物、または造影剤組成物などの診断用組成物を、本明細書に記載されている送達デバイスを使用して対象の身体構造に送達することによって、ヒトまたは動物に提供され得る。例えば、診断用組成物は、卵管閉塞、卵管疎通性、卵管留水症、または卵管留膿症などの卵管の状態を評価するために、一方の卵管または両方の卵管に供給され得る。有効量の化合物または分子、例えば、放射線画像化材料、放射線不透過性色素、生理食塩水と空気のコントラスト、生理食塩水、またはそれらの組合せを含む診断用組成物は、放射線イメージング、蛍光イメージングまたは超音波イメージングなどの画像化法によって対象の身体構造を評価するための方法に使用され得る。
【0082】
例えば、有効量の治療活性薬剤、細胞、化合物もしくは分子、またはそれらの組合せを含む治療用組成物が、受精能を高めるために、一方の卵管または両方の卵管に供給され得る。治療用組成物は、精子(これは、知られている方法および/または組成物によって処理または洗浄され得る)、受精能のためのホルモン、受精能促進化合物、配偶子、卵子、精子と卵子の組合せ、1つまたは複数の接合子、または1つまたは複数の胚、配偶子および胚の付着、卵巣刺激化合物またはゴナドトロピン(すなわち、Follistim、Gonal-F、Repronex、Menopur、Bravelle、レトロゾール)、排卵誘発化合物(すなわち、クエン酸クロミフェン、例えばClomidまたはSerophene)、卵管糖タンパク質、着床不全(受精卵)または流産の可能性を減らす化合物(すなわち、顆粒球コロニー刺激因子、TH1免疫応答を抑制し、TH2免疫応答を促進するサイトカインからなる群からの添加剤、抗炎症剤、炎症性サイトカインの阻害剤)、ホルモン、受精能促進化合物、受精能阻害化合物、運動性促進化合物、運動性阻害化合物、繊毛形成/繊毛消失サイクルに影響する化合物、繊毛成長促進または阻害化合物、卵胞処置化合物、またはそれらの組合せを含み得る。
【0083】
例えば、有効量の治療用組成物が、卵管の角、近位口、または繊毛出口の近くの、卵管の角、近位口、または繊毛出口の中の、卵管の角、近位口、または繊毛出口の周囲の、卵管の角、近位口、または繊毛出口の障害、感染または癌を処置するために、例えば、子宮外妊娠、卵管炎(すなわち、骨盤内炎症性疾患)、卵管攣縮、卵管閉塞(すなわち、衝撃波、溶媒を含む化学的手段、酵素を含む生物学的手段、または硬直または鋭利なカテーテル端を含む機械的手段を提供すること)、卵管閉塞、卵管遮断(すなわち、硝酸銀)、卵管疾患を処置するために、処置前、処置中または処置後の卵管の状態、卵管卵巣膿瘍、傍卵管嚢胞、卵巣嚢胞、良性卵管腫瘍、良性卵巣腫瘍、卵管癌、卵巣癌を管理するために、卵管または卵巣の予防的処置のために、一方の卵管または両方の卵管に供給され得る。治療用組成物は、子宮外妊娠を処置するための化合物(すなわち、メトトレキサート、PGF2a、または高張グルコース溶液)、卵管閉塞を処置するための化合物(すなわち、浄化および卵管の開通性を維持するための乳酸リンゲル液、ソル・コーテフ、ヘパリン)、疼痛管理のための化合物(すなわち、リドカイン、リグノカイン、ブピバカイン、メピバカイン)、抗生物質(すなわち、ドキシサイクリン)、麻酔薬、薬剤、ヒドロコルチゾン、抗炎症化合物、抗細菌化合物、抗微生物化合物、抗真菌化合物、抗ウイルス化合物、抗マイコプラズマ化合物、または抗寄生虫(antiparisital)化合物、炎症または瘢痕組織の形成を減少させる化合物、1つまたは複数の抗生物質、抗マイコプラズマ剤、または抗ウイルス化合物を含む組成物;受精能を増強または阻害するためのムコタンパク質、電解質または酵素を含む組成物、プロゲステロン、エストロゲン、アドレナリン活性化合物、ノルアドレナリン活性化合物、非ステロイド性抗炎症薬、プロスタグランジン、癌のための化合物または抗癌薬(すなわち、放射性化合物、パクリタキセル、シスプラチン、白金-タキサン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ドセタキセル)、卵管、子宮、卵巣、腹膜、または卵管の角もしくは開口から流れる組成物が到達する他の器官もしくは被覆に関連する状態を治療または予防し得る他の化合物、またはそれらの組合せを含む。
【0084】
本発明のデバイスと共に本明細書に記載されているように使用される組成物は、1つまたは複数の組成物の即時放出、制御放出、長期放出または持続放出のために、キャリア、デポー、注射剤、カプセル、粒子、ベッセル、ゲル、ファイバー、または同等の手段に組み込まれ得る。組成物は、より狭い治療域を示す可能性があり、その場合、効果的に治療するために、化合物の放出を制御することが必要である。例えば、化合物の放出の延長は、生理化学的特性を操作することによって、マイクロスフェアまたはナノスフェアなどの製剤化技術を使用することによって、および、化合物のin vivo特性(半減期など)のバランスを取ることによって実現され得る。本明細書において開示されている組成物は、医薬製剤薬剤、化合物または分子を含む医薬的に許容される組成物を含み得る。医薬的に許容される組成物は、希釈剤、賦形剤、溶解または拡散促進組成物、界面活性剤、緩衝剤、ポロゲン(porogens)、pH調節剤、抗酸化剤、脂質、塩、ビタミン、エネルギー分子(例えば、ATP、グルコース)などの化合物または分子、または対象を治療もしくは診断するための、他の知られている製剤化化合物または分子を含み得る。
【0085】
術後方法および組成物は、子宮内膜の月経時の剥離を防止するための方法におけるホルモン剤組成物の使用をさらに含んでいてもよく、また、例えば、組成物の吸収のための連続した期間を確保するために、ある期間にわたって排出のリスクを最小化することも意図される。例えば、有効量の酢酸メドロキシプロゲステロンデポー注射剤などの長期作用型ホルモン剤を含む組成物の投与を含む方法は、患者のコンプライアンスに頼ることを必要とせずに、術前ホルモン療法と術後ホルモン療法の両方の役割を果たし得る。術後方法および組成物は、有効量の抗菌またはステロイド組成物を提供することをさらに含み得る。
【0086】
例えば本明細書において開示されている送達デバイスを使用して、このような組成物を標的部位(単数または複数)に直接供給することによってこのような治療用または診断用組成物の送達を実現する方法において、組成物(compositions)は、最初に診断用組成物を、次いで診断用化合物を送達することを含む多数の送達ステップをさらに含んでいてもよく、この診断用または治療用組成物の送達は、超音波などの技術によってモニター、可視化、または補助され得る。治療剤または診断用化合物を含む組成物は、本発明の送達デバイスを使用して、1つの組成物として提供してもよく、または個別の組成物として連続的に提供してもよく、また、1つまたは複数の組成物を送達する1つのステップまたは多数のステップにおいて、構造の状態の治療と診断の両方を提供してもよい。あるいは、治療剤組成物または組み合わされた治療/診断剤組成物は、標的構造内に薬剤を限定または配置するために、連続的または同時的な診断を行うか、または行うことなく治療が施されることを可能にする画像化による補助あり、または画像化による補助なしで送達され得る。
【0087】
本開示のシステムは、本明細書において開示されているデバイス、または本明細書において開示されている組成物と共に本明細書において開示されているデバイスを準備することを含む。本明細書において開示されているシステムは、本明細書において開示されているデバイス、拡張シリンジ、および、場合により、本明細書において開示されている組成物を含む。本明細書において開示されているシステムは、セーフティーロックを有する本明細書において開示されているデバイス、拡張シリンジ、および、場合により、本明細書において開示されている組成物を含む。本明細書において開示されているシステムは、セーフティーロックを含む本明細書において開示されているデバイス、シリンジロックを含む拡張シリンジ、および、場合により、本明細書において開示されている組成物を含む。本明細書において開示されているシステムおよび/またはデバイスは、滅菌容器に入れられていてもよい。
【0088】
本発明のキットは、キット容器に入れられている本明細書において開示されているデバイスを、場合によりデバイスの使用のための説明書と共に、含む。本発明のキットは、本明細書において開示されているデバイスを、本明細書において開示されている組成物と共に、および、場合によりデバイスによって組成物を送達するための説明書と共に、含む。本明細書において開示されているキットは、本明細書において開示されているデバイスを含む容器、拡張シリンジ、および、場合により、本明細書において開示されている組成物を、デバイスによって組成物を送達するための説明書と共に、含む。本明細書において開示されているキットは、セーフティーロックを有する本明細書において開示されているデバイスを含む容器、拡張シリンジ、および、場合により、本明細書において開示されている組成物を、デバイスによって組成物を送達するための説明書と共に、含む。本明細書において開示されているキットは、セーフティーロックを含む本明細書において開示されているデバイスを含む容器、シリンジロックを含む拡張シリンジを、場合によりデバイスによって組成物を送達するための説明書と共に、含む。本明細書において開示されているキットおよび/またはデバイスは、滅菌容器に入れられていてもよい。上記のキットは、本明細書において開示されている組成物をさらに含んでいてもよい。
【実施例】
【0089】
実施例1 方法および送達デバイスの流体送達の評価
【0090】
キャリブレーションされたピペッターを使用して、蒸留水(組成物)を容器の中に入れる。本明細書において開示されている送達デバイスの重量を測定し、その重量を記録する。デュアルルーメン組成物送達カテーテルの出口ポートを、容器内の組成物の中に向ける。
【0091】
デュアルルーメン組成物送達カテーテルの出口ポートを組成物の中に沈めた状態に保ちながら、プランジャーを手前に引くことによって、流体を送達デバイスの中に吸い込む。充填されたデバイスの重量を測定し、その重量を記録する。
【0092】
デュアルルーメン組成物送達カテーテルの出口ポートを、重量を測定してある空のバイアルの内部に配置し、吐出させた流体を集める。
【0093】
送達デバイスを片手で保持しながら、もう一方の手で組成物容器プランジャーを前進させ、流体を吐出させる。吐出した後の送達デバイスの重量を測定し、その重量を記録する。流体送達率(%)を、下記の式を使用して決定する。
*送達率(%)=((B-C)/(B-A))×100%
a.
A=充填する前のデバイスの質量(g)
B=充填した(吸引した)デバイスの質量(g)
C=吐出した後のデバイスの質量(g)
【0094】
【0095】
実施例2 ヒト精子生存アッセイ(Human Sperm Survival Assay(HSSA))のサマリー試験
【0096】
試験の説明
【0097】
精子を調製し、本明細書において開示されている送達デバイスの中に引き込み、32℃のインキュベーターの中に30分間置いた。30分後に送達デバイスから媒体を吐出させ、72時間インキュベートした。アッセイの開始時と、24時間、48時間、および72時間に、前進運動性を読み取り、記録した。
結果
【表2】
【0098】
このデータは、より小径のルーメンに続けてより大径のルーメンを有する組成物送達カテーテルのルーメン内への曝露後24時間において、運動性が≧80%であったことを示している。これは、24時間において運動性が70%に等しいことを示す、2017年までの直近51万件の報告に基づくHSSA基準値とは対照的である。
【0099】
定義
【0100】
本明細書で使用される場合、化合物(有機化合物を含む)の名称は、一般名、命名のためのIUPAC勧告、IUBMB勧告、またはCAS勧告を使用して付与され得る。1つまたは複数の立体化学的特徴が存在する場合、立体化学的優先順位、E-Z表記などを指定するために、立体化学に関するCahn-Ingold-Prelog則を採用してもよい。当業者は、化合物の名称が与えられれば、命名規則を用いて化合物構造を体系的に還元することによって、またはCHEMDRAW(登録商標)(Cambridgesoft Corporation, U.S.A.)などの市販のソフトウェアによって、化合物の構造を容易に確認することができる。
【0101】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈に明らかに反しない限り、複数形の指示対象も含む。よって、例えば、「a functional group(官能基)」、「an alkyl(アルキル)」または「a residue(残基)」への言及は、2つ以上のそのような官能基、アルキル、または残基の混合物を含む。
【0102】
明細書、および最後の特許請求の範囲における、組成物中の特定の要素またはコンポーネントの重量部への言及は、重量部が示されている組成物または物品中の、その要素またはコンポーネントと、任意の他の要素またはコンポーネントとの間の重量的な関係を示す。よって、2重量部のコンポーネントXと5重量部のコンポーネントYを含む混合物において、XとYは、重量比2:5で存在し、また、その混合物に追加のコンポーネントが含まれているか否かにかかわらず、そのような比で存在する。
【0103】
コンポーネントの重量パーセント(重量%)は、別段の明確な指定がない限り、そのコンポーネントが含まれている製剤または組成物の総重量に基づくものである。
【0104】
本明細書で使用される場合、化合物が単数形のモノマー(a monomer)または単数形の化合物(a compound)として言及されている場合、1つの分子または1つの化合物として解釈されないことが理解される。例えば、2つのモノマーは、通常、2つの異なるモノマーを指し、2つの分子を指すものではない。
【0105】
本明細書で使用される場合、用語「オプションの(optional)」または「場合により(optionally)」は、その後に記載されているイベントまたは状況が、起きてもよく、起きなくてもよいことを意味し、また、この表現は、そのイベントまたは状況が起きる場合の例、または起きない場合の例を含む。
【0106】
本明細書で使用される場合、用語「約(about)」、「およそ(approximate)」、および「at or about」は、議論されている量または値が、示されている正確な値であるか、または、請求項に示されているか、もしくは本明細書で教示されているものと同等の結果もしくは効果をもたらす値であり得ることを意味する。すなわち、分量、サイズ、処方、パラメーター、ならびに他の量および特徴は、所望により、許容性、換算係数、四捨五入、測定誤差など、ならびに当業者によって同等の結果または効果が得られるものと知られている他の因子を反映して、正確ではなく、および正確である必要はなく、近似する値、および/または、より大きいか、またはより大きい値であり得ることが理解される。一般に、分量、サイズ、処方、パラメーターまたは量もしくは特徴は、明示的にそのように表現されているか否かにかかわらず、「約(about)」、「およそ(approximate)」または「at or about」である。定量的な値の前に「約(about)」、「およそ(approximate)」または「at or about」が使用されている場合、そのパラメーターは、別段の明確な指定がない限り、また、その特定の定量的な値そのものも含むことが理解される。
【0107】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、脊椎動物、例えば、哺乳動物、魚類、鳥類、爬虫類、または両生類であり得る。よって、本明細書において開示されている方法の対象は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたはげっ歯類であり得る。この用語は、特定の年齢または性別を示すものではない。よって、成体の対象および新生の対象、ならびに胎仔の対象が、雄であろうと雌であろうと、包含されることが意図されている。 ある態様において、哺乳動物対象は、ヒトである。患者は、疾患もしくは障害を有する対象、または避妊を必要とする対象を指す。用語「患者」は、ヒト対象および動物対象を含む。
【0108】
本明細書で使用される場合、用語「投与すること(administering)」および「投与(administration)」は、開示されている組成物を対象に提供する任意の方法を指す。
【0109】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」、「によって特徴付けられる(characterized by)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはそれらの任意の他のバリエーションは、非限定的な含有物を包含することが意図されている。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されるものではなく、明示的には列挙されていないか、または、そのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含み得る。
【0110】
移行句「からなる(consisting of)」は、請求項に示されていないあらゆる要素、ステップ、または成分を排除し、記載されている材料以外の材料の含有物から、通常それらに関連する不純物を除き、請求項を閉ざす。語句「からなる」が、プリアンブルの直後ではなく、請求項の本体のある節の中に出現した場合、その節に記載された要素だけが限定され、他の要素がその請求項から全体として排除されるものではない。
【0111】
移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、請求項の範囲を、特定された材料またはステップ、および特許請求された発明の基本的かつ新規な特性(単数または複数)に対して実質的に影響を及ぼさない材料またはステップに限定する。「から本質的になる」という請求項は、「からなる(consisting of)」形式で書かれるクローズドな請求項と、「含む(comprises)」形式で書かれる完全にオープンな請求項の中間の位置を占める。本明細書において定義されるオプションの添加剤(そのような添加剤に関して適切なレベルで)および微量な不純物は、用語「から本質的になる」によって組成物から排除されない。
【0112】
組成物、プロセス、構造、または組成物、プロセス、もしくは構造の部分は、別段の指示がない限り、本明細書において、「含む(comprises)」などのオープンエンドな用語を用いて記述されているものであり、この記述は、また、その組成物、プロセス、構造、またはその組成物、プロセス、もしくは構造の部分「から本質的になる」または「からなる」実施形態も含む。
【0113】
冠詞「a」および「an」は、本明細書に記載されている組成物、プロセスまたは構造の種々の要素および構成要素に関連して使用され得る。これは単に便宜的なもの、かつ、その組成物、プロセスまたは構造に一般的な意味を与えるためのもの過ぎない。そのような記述は、「1つまたは少なくとも1つ(one or at least one)」の要素または構成要素を包含する。さらに、本明細書で使用される場合、単数形の冠詞は、また、複数形を排除する特定の文脈から明らかでない限り、複数の要素または構成要素の記述も包含する。
【0114】
用語「約(about)」は、分量、サイズ、処方、パラメーター、ならびに他の量および特徴が、所望により、許容性、換算係数、四捨五入、測定誤差など、ならびに当業者によって知られている他の因子を反映して、正確ではなく、および正確である必要はなく、近似する値、および/または、より大きいか、またはより小さい値であることを意味する。一般に、分量、サイズ、処方、パラメーターまたは量もしくは特徴は、明示的にそのように表現されているか否かにかかわらず、「約(about)」または「およそ(approximate)」である。
【0115】
用語「または(or)」は、本明細書で使用される場合、包括的である;すなわち、語句「AまたはB」は、「A、B、またはAとBの両方」を意味する。より具体的には、状態「AまたはB」は、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは正しい(または、存在する)かつBは誤り(または、存在しない);Aは誤り(または存在しない)かつBは正しい(または、存在する);またはAとBは両方とも正しい(または、存在する)。排他的な「または(or)」は、本明細書において、例えば、
「AまたはBのいずれか(either A or B)」および「AまたはBの1つ(one of A or B)」などの用語によって示される。
【0116】
加えて、本明細書に記載されている範囲(ranges)は、別段の明示的な記載がない限り、その範囲の端点を含む。さらに、量、濃度、または値もしくはパラメーターが範囲、1または複数の好ましい範囲、または上側の好ましい値と下側の好ましい値のリストとして示されている場合、そのようなペアが個別に開示されているか否かにかかわらず、いずれかの範囲の上限または上側の好ましい値と、いずれかの範囲の下限または下側の好ましい値のいずれかのペアから形成される全ての範囲を具体的に開示しているものと理解されるべきである。本発明の範囲(scope)は、範囲を限定した場合に列挙される特定の値に限定されない。
【0117】
用語「有効量」は、例えば、研究者、医師または対象によって求められているか、または望まれている、組織、系、動物またはヒトにおける生物学的応答または医学的応答を引き起こす、薬剤または医薬活性成分の量を指す。加えて、用語「有効量」は、この量を摂取していない対応する対象と比較して、以下の結果、すなわち、処置の改善、治癒、または疾患、状態、症候群、疾患状態、愁訴、障害の予防もしくは除去、または、副作用の予防、または、さらに、疾患、愁訴もしくは疾患の進行の低減をもたらす量を指す。用語「有効量」は、また、生理学的機能を向上させる量も包含する。
【0118】
材料、方法、または機械が、本明細書において、用語「当業者によって知られている」、「一般的な(conventional)」または同義の用語または語句を用いて記述されている場合、その用語は、本出願の出願時において一般的である材料、方法、および機械が、この記述によって包含されることを意味する。また、現時点では一般的ではないが、当該技術分野において類似の目的のために適切であると認識されるようになるであろう材料、方法、および機械も包含される。
【0119】
別段の記載がない限り、全てのパーセンテージ、部、比、および同様の量は、重量基準である。
【0120】
本明細書に含まれている全ての特許、特許公開および参考文献は、参照によりその全体が具体的に援用される。
【0121】
当然ながら、以上のことは本開示の実施形態だけに関するものであり、本開示に記載されている本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、数多くの改変または変更が行われ得ることを理解すべきである。
【0122】
本開示は、そこに含まれている実施例によってさらに説明されているが、その実施例は、いかなる意味においても、本開示の範囲に対して限定を加えるものと解釈すべきではない。それとは逆に、本開示の説明を読んだ後、本開示の趣旨および/または添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、当業者が思い浮かべ得る種々の他の実施形態、改変、およびそれらの同等物を用い得ることを明確に理解すべきである。
【0123】
本発明の例示的な実施形態は、ヒトの卵管を診断または処置するための方法、送達システム、および組成物を詳細に記述しているが、本発明は、それらの実施形態に限定されるものではない。ヒトと非ヒト哺乳動物の両方における種々の導管を診断または処置するための本発明の方法、送達システム、および組成物の使用について、当業者が思い浮かべ得る数多くの改変または変更が存在する。
【0124】
本発明は、本明細書に含まれている実施例によってさらに説明されており、その実施例は、明確な理解のために記載されている。例示的な実施形態は、いかなる意味においても、本開示の範囲に対して限定を加えるものと解釈すべきではない。それとは逆に、本開示の説明を読んだ後、本発明の趣旨および/または添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、当業者が思い浮かべ得る種々の他の実施形態、改変、およびそれらの同等物を用い得ることを明確に理解すべきである。
【国際調査報告】