(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントのためのセキュリティエレメント
(51)【国際特許分類】
G02B 5/00 20060101AFI20240905BHJP
G02B 5/32 20060101ALI20240905BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240905BHJP
B42D 25/36 20140101ALI20240905BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20240905BHJP
B32B 3/30 20060101ALI20240905BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20240905BHJP
【FI】
G02B5/00 Z
G02B5/32
G02B5/18
B42D25/36
B32B7/023
B32B3/30
B32B7/025
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513374
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 AT2022060294
(87)【国際公開番号】W WO2023028627
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511214727
【氏名又は名称】ヒュック・フォーリエン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】アニタ フヒスバウアー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン エギンガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン トラッスル
【テーマコード(参考)】
2C005
2H042
2H249
4F100
【Fターム(参考)】
2C005HA21
2C005KA70
2H042AA05
2H042AA21
2H249AA12
2H249AA60
2H249CA05
2H249CA15
2H249CA22
4F100AB01A
4F100AB10A
4F100AK25A
4F100AK42A
4F100AT00E
4F100DD01A
4F100EC042
4F100EC04A
4F100EH462
4F100EH46A
4F100EJ39A
4F100HB31A
4F100JB14A
4F100JD08A
4F100JD14A
4F100JG06A
4F100JL16
4F100JL16A
4F100JM02A
4F100JN06A
4F100JN13A
(57)【要約】
本発明はセキュリティエレメント(1)、ポリマー基体(8)、並びに有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントに関する。有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントのためのセキュリティエレメント(1)は、少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)を含み、セキュリティエレメント(1)は少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料から成る少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)を備えた有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントのためのセキュリティエレメント(1)において、前記セキュリティエレメント(1)が少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むことを特徴とする、セキュリティエレメント(1)。
【請求項2】
前記セキュリティエレメント(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記セキュリティエレメント(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項4】
前記セキュリティエレメント(1)が、前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含む少なくとも1つのプラスチックフィルム(5)を有する状態で形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/若しくは機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/若しくは前記材料の混合物、及び/若しくはコポリマー、及び/若しくは複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には、銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/若しくは、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO
2)、炭素(C)、酸化インジウム(In
2O
3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、セリア(CeO
2)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ユーロピウム(Eu
2O
3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe
3O
4)、及び酸化鉄(III)(Fe
2O
3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ランタン(La
2O
3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2O
3)、酸化プラセオジム(Pr
6O
11)、酸化サマリウム(Sm
2O
3)、酸化アンチモン(Sb
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se
2O
3)、酸化スズ(SnO
2)、酸化タングステン(WO
3)、高屈折性有機モノマー及び/若しくは高屈折性有機ポリマー、又は、非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/若しくは、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的には、アルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、並びに/又は光学的に可変の及び/若しくは光学的に作用する特徴部によって、具体的には、ホログラム及び/若しくは色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、並びに/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、並びに/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材、又は電磁波吸収特徴部及び/若しくは再放射特徴部によって形成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)が、光学的に可変のセキュリティ特徴部(2)を含み、そして前記少なくとも1つのプラスチックフィルム(5)がPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも50%のPCR材料を有する状態で製造されていることを特徴とする、請求項4に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項9】
前記セキュリティエレメント(1)が、再生可能な原料由来の少なくとも20%のアクリレートモノマーを含むエンボス加工されたワニス(7)内に光学的に可変のエンボスを有する状態で製造されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項10】
ポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントを製造するための、又はセキュリティエレメント(1)を製造するためのポリマー基体(8)において、前記ポリマー基体(8)が少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むことを特徴とする、ポリマー基体(8)。
【請求項11】
前記ポリマー基体(8)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記ポリマー基体(8)が、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項10に記載のポリマー基体(8)。
【請求項12】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、請求項10又は11に記載のポリマー基体(8)。
【請求項13】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/若しくは機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/若しくは前記材料の混合物、及び/若しくはコポリマー、及び/若しくは複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載のポリマー基体(8)。
【請求項14】
前記ポリマー基体(8)が、請求項1から9のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)を含むことを特徴とする、請求項10から13のいずれか1項に記載のポリマー基体(8)。
【請求項15】
有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントにおいて、前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
【請求項16】
前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項15に記載の有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
【請求項17】
前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、請求項1から9のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)を含み、及び/又は前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、請求項10から14のいずれか1項に記載のポリマー基体(8)を含むポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントであることを特徴とする、請求項15又は16に記載の有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティエレメント、ポリマー基体、並びに有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントに関する。
【背景技術】
【0002】
毎年世界中で数十億枚の紙幣が新たに印刷され、そして古い紙幣が流通から回収される。紙幣はポリマー基体からなり、及び/又はセキュリティスレッド、転写スレッド、ストリップ、及び/又はパッチの形態を成すセキュリティエレメントを含んでおり、セキュリティエレメントは実質的にポリマーキャリアフィルムとセキュリティ特徴部(Sicherheitsmerkmalen)(磁気コーディング、エンボスワニス層、金属化層、色シフト材料又は色シフト層など)とから成る。紙の紙幣は通常、サーマルリサイクリングのために供給されるか、堆肥にされるか、又はリサイクリング、又はダウンサイクルのプロセスにおいて、例えば断熱材に加工される。ポリマー紙幣はサーマルリサイクリングに供給されるか、又はリサイクリング、又はダウンサイクルのプロセスにおいて、プラスチック製品に加工される。
【0003】
持続可能な製品へのグローバルな傾向に相応して、例えば特許文献1及び特許文献2から、生分解性のセルロース繊維を基材とするセキュリティエレメント、並びに生分解性のセルロース繊維を基材とするポリマー紙幣が当業者には知られるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/152505号
【特許文献2】国際公開第2020/156655号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来技術のなおも存在する欠点を克服し、セキュリティエレメント、ポリマー基体、並びに有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントの持続可能性をさらに改善し、高度な偽造防止力も保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題は、特許請求の範囲に記載のセキュリティエレメント、ポリマー基体、並びに有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントによって解決される。
【発明の効果】
【0007】
このような関連において、有価ドキュメント及びセキュリティドキュメントは、具体的には、紙幣、パスポート、身分証明書、IDカード及びIDドキュメント、公共交通機関のチケット、イベントのチケット、株券などを意味する。紙という概念は、口語的に理解されるべきであり、使用される材料よりも、結果として生じる文書の形態を定義する。このように、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントという概念は、本明細書中で明示されない限りは、常に、セルロース繊維を基材とする有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント、例えば紙の紙幣と、ポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメント、例えばポリマー紙幣との両方を意味する。ポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントは一般にはポリマー基体を含む。ポリマー基体は例えばセキュリティエレメント、多様な機能層のための、そして印刷層のための支持体材料として役立つ。しかし、ポリマー基体はセキュリティエレメントの構成においても好都合であり、ここでは支持体材料として役割を果たすことができる。
【0008】
少なくとも1つのセキュリティ特徴部を備えたセキュリティエレメントは、当業者に一般的に知られている。例えば、セキュリティエレメントは、スレッド、ストリップ、パッチ、転写フィルムであってよく、あるいは例えばパスポート及びIDカードのためのオーバーレイフィルムであってもよい。セキュリティエレメントは、1つ又は2つ以上の層から、又は1つ又は2つ以上のフィルムから構成されていてよい。層という概念は、単独の層も、複数の層で構成された複合体又は積層体も表すことができる。これは例えば複数の同じ種類の層だけでなく複数の異なる層又は重層であってよい。ここで念のために述べておくが、本明細書中に記載された層の間には、1つ又は2つ以上の中間層が配置されていてよい。したがって、記載された層が互いに接触していることは必須ではない。さらに改めて述べておくならば、層という概念は本明細書中では、層が複数の部分層から構成されていてもよいと理解されるべきである。同じことが、フィルムという概念にも当てはまる。
【0009】
念のために述べておくが、本明細書における「具体的には」という概念は、対象の考えられ得るより具体的な実施形態又はより詳細な仕様であり得るが、その必須の好ましい実施態様又は必須の手順を表すものではないと理解されるべきである。
【0010】
本明細書で使用される場合、「含む(umfassend)」、「有する(weist auf)」、「有する(aufweisend)」、「含む(schliesst ein)」、「含めて(einschliesslich)」、「含有する(enthaelt)」、「含有する(enthaltend)」、及びこれらのいかなる変化形も、非排他的な包含を意図するものとする。
【0011】
本発明は、少なくとも1つのセキュリティ特徴部を備えた有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント用のセキュリティエレメントに関する。ここでは、前記セキュリティエレメントが少なくとも1種の再生材料、並びに/又は再生可能な原材料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むようになっている。
【0012】
セキュリティ特徴部は偽造防止力を高め、そしてセキュリティエレメント、あるいは有価ドキュメント及びセキュリティドキュメントの真正性証明に役立つ。
【0013】
少なくとも1種の再生材料は、いかなる種類のリサイクル可能な材料又は材料組成物であってもよい。例えば、これにより、あらゆる種類のプラスチック、並びに金属、金属合金、又は金属化合物も含まれる。様々な化学組成物もリサイクル可能であり、ひいては再生材料としてセキュリティエレメント中に含まれていてよい。セキュリティエレメントは大抵、複数の層、フィルム、又はコンポーネントから構成されているので、これらの個別の構成部分に様々な種類の再生材料が使用されると好都合であり得る。
【0014】
これにより、セキュリティエレメントの持続可能性、又はその製品ライフサイクル全体が改善される。それというのは、前記少なくとも1種の再生材料を使用することによって、偽造防止のセキュリティエレメントの持続可能な製造が可能になるからである。セキュリティエレメントの製造時に少なくとも1種の再生材料を使用することによって、高まりつつある環境要件に対応するのと同時に、必要となる偽造防止力を保証する手段が生み出される。
【0015】
再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を代わりに又は付加的に使用することによって、セキュリティエレメントの持続可能なライフサイクルをさらに改善することができる。さらに、これにより環境保護に対して有益に貢献することができる。再生可能な原料で作られた材料、又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料は、再生材料とは異なる材料であってよい。しかしながら、再生可能な原料で作られた材料、又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、再生材料と同一の材料であると、特に持続可能性が高い。
【0016】
再生可能な原料は、対応する化学原料を合成するために使用することができる。プラスチックは例えばいわゆるドロップインと、新規のバイオベース・プラスチックとに区別することができる。ドロップインとは、再生可能な原料を基材とするバイオプラスチックであって、加工、活用、及びリサイクルの際に既存のプロセス及び価値連鎖が実質的に不変のままであるもの(例えばPA,PU,PE,PP,PETなど)を意味する。新規のバイオベース・プラスチックは、化石ベースのプラスチックにとって代わるものである(例えば、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチックなど)。化石ベースのプラスチックの代替物としての活用は、すべてのバイオベース・プラスチックに対してはまだ完全に確立されてはいない。
【0017】
生分解性のプラスチックは、規定の条件下で微生物によって分解され得るポリマーから成る。「海洋分解性」という概念は、海洋環境条件下での自然分解の可能性に関する。生分解性であり、さらにバイオベースであるプラスチックには、例えばポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、及び熱可塑性デンプン(TPS)が属する。生分解性プラスチックには、例えばポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、及びポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)が属する。
【0018】
さらに、前記セキュリティエレメントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含む場合、又は前記セキュリティエレメントが、少なくとも10%、特に少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には好ましくは少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含む場合、好都合であり得る。
【0019】
さらに、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、セルロース繊維非含有の材料であってよい。
【0020】
さらに、前記セキュリティエレメントが、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含む少なくとも1つのプラスチックフィルムで形成されていてよい。プラスチックフィルムは、例えばポリマーキャリアフィルム又はポリマー基体であってよく、この上に前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部、及び必要に応じてさらなる層、例えば保護ワニス、ヒートシールワニス、接着剤などが被着されていてよい。プラスチックフィルムがポリマー基体である場合には、ポリマー基体は有利には請求項のうちの1項に基づいて形成されていてよい。
【0021】
前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、化学的にリサイクルされたプラスチック、並びに/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含む実施形態は有利であり、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/又は前記材料の混合物、及び/又はコポリマー、及び/又は複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造される。
【0022】
化学的リサイクルとは、プラスチックを熱作用又はエネルギー作用によって、又は化学的な処理によって、より短い分子に分解し、後続の製造工程、例えば重合等のプロセスにおいて再利用を可能にする方法を意味する。いわゆるPCRプラスチック(ポスト・コンシューマー・リサイクリング(post consumer recycling))、PIRプラスチック(ポスト・インダストリアル・リサイクリング)、及びCCUプラスチック(炭素の捕捉及び利用(carbon capture and utilization))は、例えば、化学的なリサイクルが可能である。
【0023】
PCRプラスチックを製造するために、プラスチック廃棄物が、新規の原料を製造するために再び原料又はモノマーに戻され、ここから例えばポリマーフィルム又はワニス成分の製造に使用される。例えばPETフィルム、PEフィルム、及びPPフィルムを、所定の比率のPCR原料を用いて得ることができる。PIRプラスチックの製造は、大抵の場合には実質的にPCRプラスチックの製造と同様に行われる。とはいえ、一般には汚染が少なく、又はより均質の産業廃棄物が使用される。CCUプラスチックを製造するために、二酸化炭素が排ガス流又は空気から分離され、次いでこの二酸化炭素は、メタン又はメタノールのようなエネルギー源を製造するための、又はポリカーボネート又はPVCのような化学原料を製造するための原料、又は構成成分として使用する。これを目的として、藻類又は微生物を用いた化学的、生物学的方法も知られている。
【0024】
機械的にリサイクルされたプラスチックは、材料リサイクルの過程で再生利用することができる。中でも、PCRプラスチック及びPIRプラスチックは、機械的にリサイクルすることができる。プラスチック廃棄物は、プラスチック種類に応じて分別し、再生材料に加工され、この再生材料は、新規の製品のための出発材料として使用することができ、ひいては新規材料から作られたプラスチックの代わりとなることができる。このような種類のリサイクルの場合、ポリマーの元の化学構造は維持されたままである。
【0025】
さらなる実施形態によれば、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には、銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択され、並びに/又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、セリア(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe3O4)、及び酸化鉄(III)(Fe2O3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化プラセオジム(Pr6O11)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、高屈折性有機モノマー及び/又は高屈折性有機ポリマー、又は、非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層から成る群から選択され、及び/又は、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的には、アルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることが可能である。
【0026】
種々のコーティング材料(例えば塗料成分、リサイクルされたアルミニウムからのアルミニウムのような金属など)のために持続可能な原料を使用することにより、持続可能なセキュリティエレメントを製造することが可能になった。
【0027】
セキュリティ特徴部は偽造防止力を高め、セキュリティエレメント、あるいは有価ドキュメント及びセキュリティドキュメントの真正性証明に役立つ。前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、及び/又は光学的に可変の特徴部(Merkmale)及び/又は光学的に作用する特徴部によって、具体的には、ホログラム及び/又は色シフトコーティング、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有するコーティングによって、及び/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部(例えば磁気コード化)によって、及び/又は電磁波吸収材及び/又は再放射材若しくは電磁波吸収特徴部及び/又は再放射特徴部によって形成されていると、好都合であり得る。この少なくとも1つのセキュリティ特徴部は、発光性又は燐光性のコーティングによって形成されていてもよい。当業者には、セキュリティ特徴部を3つのレベルで分類することがよく知られている。レベル1は、観察者が見ることができるセキュリティ特徴部、例えばホログラム、透かし、セキュリティスレッドなどを含み、レベル2は、遮蔽されたセキュリティ特徴部、つまり観察者が補助手段なしでは見ることができないセキュリティ特徴部、例えば蛍光特徴部、赤外可視特徴部、マイクロプリント、機械可読な特徴部などを含む。レベル3は、例えばナノ光学構造又は生化学的な特性等、その検出のために特別な方法又はツールが必要となる、科学捜査的に検出可能な特徴部、又は特性を含む。
【0028】
光学的に可変の、及び/又は光学的に効果的なセキュリティ特徴部又はレベル1のセキュリティ特徴部には、例えば光学的に作用するレリーフ構造、具体的には、ミラー、回折格子、ホログラム、キノフォーム(Kinoforme)、非対称回折構造、艶消し構造、具体的には、異方性艶消し構造、ブレーズド回折格子、ゼロ次回折格子、フレネル様自由曲面、プラズモン構造、反射構造、具体的には、マイクロミラー装置、屈折又は集光構造、具体的には、マイクロレンズ装置、体積ホログラム、及び色シフト効果(薄膜素子、液晶、色シフト顔料などに基づく)も含まれる。
【0029】
さらに、前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部が、光学的に可変のセキュリティ特徴部を含み、そして前記少なくとも1つのプラスチックフィルムがPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも50%のPCR材料で製造されていてよい。ここでは例えば、セキュリティエレメントはセキュリティスレッドとして形成されていてもよい。セキュリティ特徴部は、例えば色シフト薄層構造であってよい。
【0030】
さらに、前記セキュリティエレメントが、再生可能な原料由来のアクリレートモノマーを少なくとも20%含むエンボス加工されたワニス内に光学的に可変のエンボスが施された状態で製造されてもよい。例えば、ここでは、PLAを基材とする、バイオベースであり且つ生分解性であるエンボス加工されたワニスを使用することができる。ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリレート、PVC、ポリウレタン(PU)、又は類似の材料等の熱可塑性ポリマーや、ポリエステル結合剤、PU結合剤、又はアクリレート結合剤を基材とするラジカル硬化性又はカチオン硬化型UVコーティングも、エンボス加工されたワニス層用の材料として適している。例えば、セキュリティエレメントは転写フィルムであってよい。
【0031】
本発明は、ポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントを製造するための、又はセキュリティエレメントを製造するためのポリマー基体に関する。ここでは、前記ポリマー基体が少なくとも1種の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むようになっている。
【0032】
少なくとも1種の再生材料は、いかなる種類のリサイクル可能な材料又は材料組成物であってもよい。例えば、これにより、あらゆる種類のプラスチック、並びに金属、金属合金、又は金属化合物も含まれる。多様な化学組成物もリサイクル可能であり、ひいては再生材料としてセキュリティエレメント中に含まれていてよい。ポリマー基体が複数の層、フィルム、又はコンポーネントから構成されている場合、これらの個別の構成部分に様々な種類の再生材料が使用されると好都合であり得る。
【0033】
これにより、ポリマー基体の持続可能性又はその製品ライフサイクル全体が改善される。それというのは、前記少なくとも1種の再生材料を使用することによって、偽造防止のポリマー基体又は偽造防止の有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントの持続可能な製造が可能になるからである。ポリマー基体の製造時に少なくとも1種の再生材料を使用することによって、高まりつつあるエコロジー要件を満たすと同時に、必要となる偽造防止を保証する手段が生み出される。
【0034】
再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を代替的に又は追加的に使用することによって、ポリマー基体の持続可能なライフサイクルをさらに改善することができる。さらに、これにより環境保護に対して有益に貢献することができる。再生可能な原料で作られた材料、又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料は、再生材料とは異なる材料であってよい。しかしながら、再生可能な原料で作られた材料、又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、再生材料と同じ材料であれば、具体的には持続可能性が高い。
【0035】
有利な更なる展開によれば、前記ポリマー基体が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含んでいてよく、又は前記ポリマー基体が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含んでいてよい。
【0036】
具体的には、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、セルロース繊維を含まない材料であると、有利である。
【0037】
さらに、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/又は前記材料の混合物、及び/又はコポリマー、及び/又は複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていてよい。
【0038】
さらに、ポリマー基体は、特許請求の範囲の請求項のうちの1項に記載のセキュリティエレメントを含んでよい。
【0039】
本発明はさらに、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントにおいて、前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが少なくとも1種の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含み、前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、セルロース繊維を含まない材料である、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントに関する。
【0040】
前記少なくとも1種の再生材料、前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、例えば、層、フィルム、基体などのような単独又は複数の構成要素に含有されていてよい。
【0041】
少なくとも1種の再生材料は、いかなる種類のリサイクル可能な材料又は材料組成物であってもよい。例えば、これには、あらゆる種類のプラスチック、並びに金属、金属合金、又は金属化合物も含まれる。多様な化学組成物もリサイクル可能であり、ひいては再生材料としてセキュリティエレメント中に含まれていてよい。有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントは大抵、複数の層、フィルム、又はコンポーネントから構成されているので、これらの個別の構成部分に様々な種類の再生材料が使用されると好都合である。
【0042】
これにより、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントの持続可能性又はその製品ライフサイクル全体が改善される。それというのは、前記少なくとも1種の再生材料を使用することによって、偽造防止のセキュリティエレメントの持続可能な製造が可能になるからである。少なくとも1種の再生材料を使用することによって、高まりつつある環境要件を満たすと同時に、必要な偽造防止を保証する製品が生み出される。
【0043】
再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を代わりに又は付加的に使用することによって、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントの持続可能なライフサイクルをさらに改善することができる。さらに、これにより環境保護に対して有益に貢献することができる。再生可能な原料で作られた材料、又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料は、再生材料とは別の材料であってよい。しかしながら、再生可能な原料で作られた材料、又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料が、再生材料と同一の材料であると、特に持続可能性が高い。
【0044】
さらなる実施形態によれば、前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むこと、又は前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことが可能である。
【0045】
さらに、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントは、請求項のうちの1項に基づくセキュリティエレメントを含むと好都合であり得る。
【0046】
さらに、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントは、請求項のうちの1項に基づくセキュリティエレメントを含む、ポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントであってもよい。
【0047】
有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料を含む場合、及び/又は有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが生物分解可能及び/若しくは海洋分解可能である場合、例えばポリマー紙幣の製造のために、再生可能な原料から作られた二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)の使用が好ましいことが証明された。
【0048】
本発明のよりよい理解のために、下記図面に基づき本発明を詳述する。
【0049】
図面はそれぞれ著しく簡略化された概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、セキュリティエレメントを備えた、セルロース繊維を基材とする紙幣を示す上面図である。
【
図2】
図2は、
図1のセルロース繊維を基材とする紙幣を示す断面図である。
【
図3】
図3は、ポリマー基体を有し且つ2つのセキュリティエレメントを有するポリマー紙幣を示す断面図である。
【
図4】
図4は、色シフト薄層構造を有するセキュリティエレメントの一実施形態を示す。
【
図5】
図5は、光学的に可変のエンボスを有するセキュリティエレメントのさらなる実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
最初に書き留めておくが、種々異なるものとして記載される実施形態において、同一部分には同一参照符号又は同一構成部分符号を付す。説明全体に含まれる開示内容は、同一参照符号又は同一構成部分符号を有する同一部分に相応して転用することができる。また、説明において選択された位置に関する記述、例えば上、下、側方などは、直接に説明され図示された図面に関するものであり、そして位置が変化したときには、これらの位置に関する記述は相応して新しい位置に転用することができる。
【0052】
不要な繰り返しを避けるために、
図1~3について主として概要を以下に説明する。
【0053】
図1及び2は、紙の紙幣9の具体的な実施形態におけるセキュリティドキュメントの実施形態を上面図及び側方断面図で示す。
【0054】
紙の紙幣9は少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4を含み、少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4は、セルロース繊維を含まない材料である。
【0055】
紙の紙幣9は実質的に、セルロース繊維を基材とする基体17と、セキュリティスレッドとして、具体的には、窓スレッドとして形成されたセキュリティエレメント1とを含む。ここでは、セキュリティエレメント1は少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4を含むようになっている。セルロース繊維を基材とする基体17は、少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4を含んでいてもよい。
【0056】
セキュリティエレメント1は、セルロース繊維を基材とする基体17上に配置されている。セキュリティエレメント1はしかしこのような基体17内に埋め込まれていてもよい。さらに、セキュリティエレメント1は、
図2から判るように、層18によって少なくとも部分的に被覆されていてよい。層18によって被覆されていないセキュリティエレメント1又はセキュリティエレメント2の領域若しくは切り欠きは、観察者が窓スレッドのいわゆる窓19として知覚することができる。層18は、いくつかの例を挙げるならば、保護ワニス、耐スクラッチ性フィルム、機能層、又は同様のものであってよい。層18もセキュリティエレメント1であってよく、層18も再生材料3、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4を含んでよい。層18はセルロース繊維を基材とする基体17の部分であってもよく、又はこのようなものを含んでもよい。層18はセルロース繊維を基材とする材料であってもよく、又はこのようなものを含んでもよい。
【0057】
図3には、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、ポリマー紙幣9の具体的な特徴において側方断面図で示されている。ポリマー紙幣9は実質的に、ポリマー基体8と2つのセキュリティエレメント1とを含む。ここでは、ポリマー紙幣9は少なくとも1種の再生材料3を含むようになっている。ポリマー基体8上及び両セキュリティエレメント1上には、保護層10が配置されている。保護層は透明、又は少なくとも半透明であってよい。再生材料3、例えばリサイクルされたワニス又はリサイクルされたワニス構成部分は、例えば保護層10内に含まれていてよい。
【0058】
言うまでもなく、図示のものは大まかにのみ解釈されるべきである。例えば、セキュリティエレメント1は、
図3には方形断面を有するものとして示されており、当業者には数多くの考えられ得る特定の構成がもちろん知られているが、これらの構成についてはここでは詳細には触れない。
図1の実施形態によれば、両セキュリティエレメント1のいずれも、それぞれ1つのセキュリティ特徴部2を有しており、これらも概略的に示されているにすぎない。もちろん、1つのセキュリティエレメント1が複数の同じ種類のセキュリティ特徴部2を有していても、種々異なるセキュリティ特徴部2を有していてもよい。
【0059】
図3には、セキュリティエレメント1がポリマー基体8内に埋め込まれていてよいことが示されている。さらに、セキュリティエレメント1はポリマー基体8上に、直接に、又は1つ又は2つ以上の中間層によって間隔を置いて被着されていてもよい。ポリマー基体8及びセキュリティエレメント1は、1つ又は2つ以上のさらなる層によって、部分的に又は図示のように完全に被覆されていてよい。もちろん、さらなる層、例えば保護ワニス、ヒートシール・ワニス、接着剤などが被着されていてもよい。
【0060】
ここでは、
図1及び2に示されているように紙の紙幣9として、又は
図3に示されているようにポリマー紙幣9として形成された有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4を含むと好都合であることが証明されている。しかし、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の異なる再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含んでいてもよい。
【0061】
図3に示されたセキュリティエレメント1は、少なくとも1種の再生材料3を含む。再生材料3は、セキュリティ特徴部2内にも、セキュリティエレメント1の基礎構造内にも含まれていてよい。さらに、ポリマー基体8も少なくとも1種の再生材料3を含む。もちろん、これは同一の材料である必要はない。例えば、セキュリティエレメント1は、リサイクルされたアルミニウム分を有してよいのに対して、ポリマー基体8は少なくとも部分的に、リサイクルされたプラスチックで作られている。セキュリティエレメント1、並びにポリマー基体8は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の少なくとも1種の再生材料3を含むことができる。
【0062】
セキュリティエレメント1は、再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料を含むことができる。この代わりに又はこれに加えて、セキュリティエレメント1は、再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4を含むこともできる。このような特性はポリマー基体8においても有利である。再生可能な原料で作られた材料、又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4は、基本的に、再生材料3と同一の材料であってもよい。少なくとも1種の材料の、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%は、再生可能な原料、並びに/又は生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4が含まれていてよい。
【0063】
セキュリティエレメント1内又はポリマー基体8内に含まれる少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4は、セルロース繊維を含まない材料であると好都合であり得る。
【0064】
セキュリティエレメント1内又はポリマー基体8内に含まれる少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4は、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/又は機械的にリサイクルされたプラスチックを含むことができる。具体的には、材料は、光透過性のリサイクルプラスチックを含むことができ、少なくとも1種の再生材料3は好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/又は前記材料の混合物、及び/又はコポリマー、及び/又は複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていてよい。
【0065】
少なくとも1種の再生材料3、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料4が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には、銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、セリア(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe3O4)、及び酸化鉄(III)(Fe2O3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化プラセオジム(Pr6O11)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、高屈折性有機モノマー及び/又は高屈折性有機ポリマー、又は、非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/又は、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的には、アルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていてよい。
【0066】
図示の両セキュリティ特徴部2は、例えば、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、並びに/又は光学的に可変の及び/又は光学的に作用する特徴部によって、具体的には、ホログラム及び/又は色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、並びに/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、並びに/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材、又は電磁波吸収特徴部及び/若しくは再放射特徴部によって形成されていてよい。
【0067】
図4には、セキュリティ特徴部2を備えたセキュリティエレメント1の実施形態が、色シフト薄層構造6の具体的な特徴において示されている。不要な繰り返しを避けるために、前の
図3に使用されたものと同じ部分には、同じ符号が使用される。さらに、前の
図3の詳細な説明を引用若しくは参照し、又は以下にはこの実施形態の相違点若しくは特質のみを述べる。
【0068】
図4に示されたセキュリティエレメント1は、セキュリティスレッドとして形成されており、光学的に可変のセキュリティ特徴部2、具体的には、色シフト薄層構造6を備えたセキュリティ特徴部2が形成されている。色シフト薄層構造6は簡略化して示されており、実質的には、
図4に示されているものによれば上から下へ向かって、又は目視側11又は観察側から観察して、吸収材層12と、スペーサ層13と、反射層14とを含む。反射層14は、
図4の実施形態によれば、キャリアフィルムとして機能するプラスチックフィルム5上に直接に被着されている。あるいは、反射層14ではなく、吸収材層12がプラスチックフィルム5上に被着されていることも考えられる。このことは、特に、プラスチックフィルム5が取り除き可能なキャリアフィルムであり、そして例えば紙幣9上へのセキュリティエレメント1の被着後に除去され、又は引き剥がされる場合に考えられる。反射層14の構成部分として、再生材料3として、リサイクルされたアルミニウムを使用することができる。プラスチックフィルム5は少なくとも1種の再生材料3を含む。図示のものは、著しく簡略化された構造を示しているにすぎず、既に冒頭で述べたように、さらなる付加的な層及び中間層が設けられていてよい。プラスチックフィルム5は、好ましくはPETフィルムとして形成されていてよく、PETフィルムは少なくとも50%のPCR材料を有する状態で製造されている。
【0069】
図5には、光学的に可変のエンボス又はエンボス加工されたワニス7を有する具体的な形態においてセキュリティ特徴部2を有する、セキュリティエレメント1の実施形態が、示されている。不要な繰り返しを避けるために、前の
図3に使用されたものと同じ部分には、同じ符号が使用される。さらに、前の
図3の詳細な説明を引用若しくは参照し、又は以下にはこの実施形態の相違点若しくは特質のみを述べる。
【0070】
図5に示されたセキュリティエレメント1は、転写フィルム15として、又は転写スレッドとして形成されており、光学的に可変のセキュリティ特徴部2は、エンボス加工されたワニス7を有する状態で形成されている。セキュリティエレメント1は簡略化して示されており、実質的には、
図5に示されているものによれば上から下へ向かって、又は目視側11若しくは観察側から観察して、剥離可能な、若しくは被着後に取り外し可能なキャリアフィルム16、保護層10、並びに光学的に可変の構造がエンボス加工されたワニス7を含む。保護層10は好ましくは透明、又は少なくとも半透明であってよい。再生材料3、例えばリサイクルされたワニス又はリサイクルされたワニス構成部分は、例えば保護層10内に含まれていてよい。剥離可能なキャリアフィルム16は、再生材料3を含むプラスチックフィルム5であってよい。例えば剥離可能なキャリアフィルム16は例えば、PCR材料分又はPIR材料分を有するPETフィルムとして形成されていてよい。このような図示のものは、著しく簡略化された構造を示しているにすぎず、既に冒頭で述べたように、さらなる付加的な層及び中間層が設けられていてよい。エンボス加工されたワニス7は、再生可能な原料由来の少なくとも20%のアクリレートモノマーを用いて製造されていてよい。例えばここでは、PLAを基材とする、バイオベースであり且つ生分解性であるエンボス加工されたワニス7を使用することができる。
【0071】
これらの実施形態は、考えられ得る実施変更形を示す。ここで念のため述べておくと、本発明は具体的に示された実施変更形に限定されることはなく、むしろ個々の実施変更形の交互の種々の組み合わせも可能であり、そしてこのような変更は、この技術分野の当業者の能力範囲内で、当該発明による技術的行為のための教示内容に基づいて可能である。
【0072】
保護範囲は請求項によって規定される。しかしながら、明細書及び図面は請求項を解釈するために利用することができる。図示され説明された種々異なる実施形態の個々の特徴又は特徴の組み合わせは、それ自体独立した、本発明の解決手段であり得る。本発明の独立した解決手段の根底を成す課題は、明細書から明らかである。
【0073】
当該記述における値範囲に関する全ての数値は、これらの任意の、及び全ての部分範囲を含むことを意味する。例えば、数値1~10は、下限値1及び上限値10から出発する全ての部分範囲が一緒に含まれる、すなわち、全ての部分範囲が下限値1以上で始まり、そして上限値10以下で終わる、例えば1~1.7、又は3.2~8.1、又は5.5~10であることを意味する。
【0074】
なお最後に形式的なことであるが、構造をより良く理解するために、エレメントは部分的に一定の尺度でなく、及び/又は拡大し、及び/又は縮小して示したことを指摘しておく。
【符号の説明】
【0075】
1 セキュリティエレメント
2 セキュリティ特徴部
3 再生材料
4 生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料
5 プラスチックフィルム
6 色シフト薄層構造
7 エンボス加工されたワニス
8 ポリマー基体
9 紙幣
10 保護層
11 目視側
12 吸収材層
13 スペーサ層
14 反射層
15 転写フィルム
16 解離可能なキャリアフィルム
17 セルロース繊維を基材とする基体
18 層
19 窓
【手続補正書】
【提出日】2024-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
なお最後に形式的なことであるが、構造をより良く理解するために、エレメントは部分的に一定の尺度でなく、及び/又は拡大し、及び/又は縮小して示したことを指摘しておく。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)を備えた有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントのためのセキュリティエレメント(1)において、前記セキュリティエレメント(1)が少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むことを特徴とする、セキュリティエレメント(1)。
[態様2]
前記セキュリティエレメント(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記セキュリティエレメント(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、態様1に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様3]
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、態様1又は2に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様4]
前記セキュリティエレメント(1)が、前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含む少なくとも1つのプラスチックフィルム(5)を有する状態で形成されていることを特徴とする、態様1から3のいずれかに記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様5]
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/若しくは機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/若しくは前記材料の混合物、及び/若しくはコポリマー、及び/若しくは複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、態様1から4のいずれかに記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様6]
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には、銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/若しくは、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO
2
)、炭素(C)、酸化インジウム(In
2
O
3
)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta
2
O
5
)、セリア(CeO
2
)、酸化イットリウム(Y
2
O
3
)、酸化ユーロピウム(Eu
2
O
3
)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe
3
O
4
)、及び酸化鉄(III)(Fe
2
O
3
)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO
2
)、酸化ランタン(La
2
O
3
)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2
O
3
)、酸化プラセオジム(Pr
6
O
11
)、酸化サマリウム(Sm
2
O
3
)、酸化アンチモン(Sb
2
O
3
)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3
N
4
)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se
2
O
3
)、酸化スズ(SnO
2
)、酸化タングステン(WO
3
)、高屈折性有機モノマー及び/若しくは高屈折性有機ポリマー、又は、非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/若しくは、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的には、アルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることを特徴とする、態様1から5のいずれかに記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様7]
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、並びに/又は光学的に可変の及び/若しくは光学的に作用する特徴部によって、具体的には、ホログラム及び/若しくは色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、並びに/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、並びに/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材、又は電磁波吸収特徴部及び/若しくは再放射特徴部によって形成されていることを特徴とする、態様1から6のいずれかに記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様8]
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)が、光学的に可変のセキュリティ特徴部(2)を含み、そして前記少なくとも1つのプラスチックフィルム(5)がPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも50%のPCR材料を有する状態で製造されていることを特徴とする、態様4に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様9]
前記セキュリティエレメント(1)が、再生可能な原料由来の少なくとも20%のアクリレートモノマーを含むエンボス加工されたワニス(7)内に光学的に可変のエンボスを有する状態で製造されていることを特徴とする、態様1から8のいずれかに記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様10]
ポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントを製造するための、又はセキュリティエレメント(1)を製造するためのポリマー基体(8)において、前記ポリマー基体(8)が少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むことを特徴とする、ポリマー基体(8)。
[態様11]
前記ポリマー基体(8)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記ポリマー基体(8)が、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、態様10に記載のポリマー基体(8)。
[態様12]
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、態様10又は11に記載のポリマー基体(8)。
[態様13]
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/若しくは機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/若しくは前記材料の混合物、及び/若しくはコポリマー、及び/若しくは複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、態様10から12のいずれかに記載のポリマー基体(8)。
[態様14]
前記ポリマー基体(8)が、態様1から9のいずれかに記載のセキュリティエレメント(1)を含むことを特徴とする、態様10から13のいずれかに記載のポリマー基体(8)。
[態様15]
有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントにおいて、前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
[態様16]
前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、態様15に記載の有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
[態様17]
前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、態様1から9のいずれかに記載のセキュリティエレメント(1)を含み、及び/又は前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、態様10から14のいずれかに記載のポリマー基体(8)を含むポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントであることを特徴とする、態様15又は16に記載の有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)を備えた有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントのためのセキュリティエレメント(1)において、前記セキュリティエレメント(1)が少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むことを特徴とする、セキュリティエレメント(1)。
【請求項2】
前記セキュリティエレメント(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記セキュリティエレメント(1)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、請求項
1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項4】
前記セキュリティエレメント(1)が、前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含む少なくとも1つのプラスチックフィルム(5)を有する状態で形成されていることを特徴とする、請求項
1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/又は前記材料の混合物、及び/又はコポリマー、及び/又は複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、請求項
1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、少なくとも1種のリサイクル金属材料であり、具体的には、銀、銅、アルミニウム、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択され、及び/又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折性誘電材料、具体的には、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO
2)、炭素(C)、酸化インジウム(In
2O
3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、セリア(CeO
2)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ユーロピウム(Eu
2O
3)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe
3O
4)、及び酸化鉄(III)(Fe
2O
3)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ランタン(La
2O
3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2O
3)、酸化プラセオジム(Pr
6O
11)、酸化サマリウム(Sm
2O
3)、酸化アンチモン(Sb
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se
2O
3)、酸化スズ(SnO
2)、酸化タングステン(WO
3)、高屈折性有機モノマー及び/又は高屈折性有機ポリマー、又は、非化学量論的酸化アルミニウム、酸化銅、又は酸化クロムのような金属酸化物の層からなる群から選択され、及び/又は、金属顔料を有する印刷インク又はワニスからリサイクルされた少なくとも1種の金属材料、具体的には、アルミニウム、銀、銅、金、白金、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、具体的には、コバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種のリサイクル金属材料から製造されていることを特徴とする、請求項
1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)が、エンボス層、部分金属化層、蛍光層、印刷層、磁気コーディング、及び/又は光学的に可変の及び/又は光学的に作用する特徴部によって、具体的には、ホログラム及び/又は色シフト積層体、例えば少なくとも1つの色シフト薄層エレメントを有する積層体によって、及び/又は透過時又は反射時に光学的に認識可能な特徴部、機械可読な特徴部によって、及び/又は電磁波吸収材及び/若しくは再放射材、又は電磁波吸収特徴部及び/若しくは再放射特徴部によって形成されていることを特徴とする、請求項
1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセキュリティ特徴部(2)が、光学的に可変のセキュリティ特徴部(2)を含み、そして前記少なくとも1つのプラスチックフィルム(5)がPETフィルムを含み、前記PETフィルムが、少なくとも50%のPCR材料を有する状態で製造されていることを特徴とする、請求項4に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項9】
前記セキュリティエレメント(1)が、再生可能な原料由来の少なくとも20%のアクリレートモノマーを含むエンボス加工されたワニス(7)内に光学的に可変のエンボスを有する状態で製造されていることを特徴とする、請求項
1に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項10】
ポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントを製造するための、又はセキュリティエレメント(1)を製造するためのポリマー基体(8)において、前記ポリマー基体(8)が少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むことを特徴とする、ポリマー基体(8)。
【請求項11】
前記ポリマー基体(8)が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記ポリマー基体(8)が、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項10に記載のポリマー基体(8)。
【請求項12】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、請求項
10に記載のポリマー基体(8)。
【請求項13】
前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、化学的にリサイクルされたプラスチック及び/又は機械的にリサイクルされたプラスチック、具体的には、光透過性のリサイクルプラスチックを含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、セルロース又はリグニンを基材とするプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、及びポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、及び/又は前記材料の混合物、及び/又はコポリマー、及び/又は複合材料の群から成る材料のうちの少なくとも1種の材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種の材料から製造されていることを特徴とする、請求項
10に記載のポリマー基体(8)。
【請求項14】
前記ポリマー基体(8)が、請求項1から9のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)を含むことを特徴とする、請求項
10に記載のポリマー基体(8)。
【請求項15】
有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントにおいて、前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含み、前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)が、セルロース繊維非含有の材料であることを特徴とする、有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
【請求項16】
前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の前記少なくとも1種の再生材料(3)、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた少なくとも1種の材料、並びに/又は前記少なくとも1種の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料(4)を含むこと、又は前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%、具体的には、少なくとも50%の2種以上の再生材料、並びに/又は前記再生可能な原料で作られた2種以上の材料、並びに/又は2種以上の生分解性及び/若しくは海洋分解性の材料を含むことを特徴とする、請求項15に記載の有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
【請求項17】
前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、請求項1から9のいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)を含み、及び/又は前記有価ドキュメント又はセキュリティドキュメントが、請求項10から
13のいずれか1項に記載のポリマー基体(8)を含むポリマー有価ドキュメント又はポリマーセキュリティドキュメントであることを特徴とする、請求項15又は16に記載の有価ドキュメント又はセキュリティドキュメント。
【国際調査報告】